平成二十四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第三号

平成二十五年十一月一日(金曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十一名
委員長山加 朱美君
副委員長中山 信行君
副委員長近藤  充君
副委員長大島よしえ君
河野ゆうき君
塩村あやか君
中山ひろゆき君
栗山 欽行君
桜井 浩之君
新井ともはる君
神林  茂君

欠席委員 なし

出席説明員
港湾局局長多羅尾光睦君
技監前田  宏君
総務部長岡崎 義隆君
企画担当部長古谷ひろみ君
港湾経営部長笹川 文夫君
港湾経営改革担当部長藏居  淳君
臨海開発部長石原 清志君
開発調整担当部長小野 恭一君
営業担当部長山口 祐一君
港湾整備部長石山 明久君
計画調整担当部長宮地  豊君
離島港湾部長大和田 元君
島しょ・小笠原空港整備担当部長小幡 和輝君

本日の会議に付した事件
平成二十四年度東京都公営企業各会計決算の認定について
港湾局関係
・平成二十四年度東京都臨海地域開発事業会計決算(質疑)
・平成二十四年度東京都港湾事業会計決算(質疑)

○山加委員長 ただいまから平成二十四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十四年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成二十四年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岡崎総務部長 十月二十一日開催の当分科会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。
 お手元の平成二十四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらん願います。
 要求のございました資料は、表紙をおめくりください。目次に記載のとおりの五項目でございます。
 一ページをお開き願います。臨海地域開発事業会計における公共用途での土地処分実績でございます。
 平成二十年度から平成二十四年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積、金額を平方メートル及び百万円単位で掲載してございます。
 二ページ目をお開き願います。臨海地域開発事業会計における資金運用益の推移でございます。
 資金運用益を、債券による運用益と預金による運用益に区分し、それぞれの平成二十年度から平成二十四年度までの五年間における運用益及び期末残高を百万円単位で掲載してございます。
 なお、債券による運用につきましては、二十一年度途中で満期を迎え、その後、新たな債券の購入は行っていないため、二十一年度以降の期末残高は該当なしとさせていただいております。
 三ページをお開き願います。臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
 平成二十年度から平成二十四年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を、それぞれ平方メートル、百万円単位で掲載してございます。
 四ページをお開き願います。臨海副都心地域を除く埋立地の土地処分実績でございます。
 こちらも、前ページの資料と同様に、平成二十年度から平成二十四年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を、それぞれ平方メートル、百万円単位で掲載してございます。
 五ページをお開き願います。株式会社東京臨海ホールディングスの当期純利益等の推移でございます。
 平成二十年度から平成二十四年度までの五年間における、縦の欄にございます四項目、当期純利益、現金及び預金の期末残高、投資有価証券の期末残高、長期借入金の期末残高を百万円単位で掲載してございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山加委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神林委員 これより、臨海副都心の会計、開発の状況と今後の方向、取り組みについて伺います。
 臨海副都心は、平成元年の開発着手から約二十五年となり、四半世紀の歴史を築いてまいりました。ゼロから始まったまちづくりですが、今、この地域を訪れると、多くの人々でにぎわい、活気がございます。今後、この臨海副都心をいかに発展させるかは、我が国の持続的な成長にもかかわる重要な要素であり、これからも気を緩めることなく、なお一層の努力でまちづくりを進めることが必要不可欠でございます。
 このような視点から、決算特別委員会として、開発を支える財政基盤となる臨海地域開発事業会計の概略や、これまでの開発状況などをただしながら、今後の開発の方向や取り組みについて、これより順次質疑を進めていきたいと思います。
 まず初めに、臨海副都心開発全体の総事業費と現在の進捗率、そして、総事業費全体における一般財源からの投入額とその比率についてお伺いいたします。

○石原臨海開発部長 臨海副都心開発全体の総事業費は、広域幹線道路やレインボーブリッジなどを整備する広域交通基盤事業と、上下水道などのライフラインや公園、緑地、地域内道路などを整備する地域内都市基盤事業の二つを合わせまして、二兆一千八百億円でございます。
 平成二十四年度末で約九三%が執行済みでございまして、今後の執行予定額は約一千六百億円を見込んでおります。
 この事業費のうち、一般財源からの投入額は約三千億円でございます。晴海通りや環状二号線の延伸など、本来的に一般財源が担うべき広域幹線道路等の整備に充てられています。総事業費全体に占める比率としては約一四%でございます。

○神林委員 次に、臨海地域開発事業会計の起債総額と償還状況及び今後の償還見通しについて伺います。

○石原臨海開発部長 臨海地域開発事業会計の起債総額は五千百八十五億円であり、平成二十四年度末までに二千八百三十二億円、約五四%を償還済みでございます。
 臨海副都心のポテンシャルは高く、中長期的には、保有しております土地の処分によりまして、確実な起債償還が見込めると考えてございます。

○神林委員 皆さんもご存じのとおり、臨海副都心の開発は、企業債を起こして、そのお金で地域内の都市基盤を整備し、付加価値の高まった土地を民間事業者に処分して起債を償還する、こういう特別会計の特徴を生かした事業でございます。
 都市づくりは息の長い事業であり、社会経済状況の変化の影響を受けやすい不動産市況の強い影響下にございます。開発に着手した平成元年以降も、バブル崩壊やその後の不良債権処理、失われた十年、二十年ともいわれる厳しい経済状況が続く中で開発を進めてきたわけでございます。
 今後とも、経費の節減に努めるなど適切な会計運営に力を注いで、さらなる成果を上げていただくことを要望しておきます。
 こうした社会経済の変化に対応して改定したまちづくり理念の変遷や平成二十四年度までの開発状況、にぎわいの状況について具体的に伺います。

○山口営業担当部長 臨海副都心の当初の開発コンセプトは、東京テレポート構想に描かれた、高度情報発信基地を備えた国際都市東京のインテリジェントビジネスセンターでございました。その後、IT化など情報通信技術の想像を超えるような激変によりましてグローバル化が進んだことから、臨海副都心開発においても、世界の人々が交流し、お互いが発展できる拠点となるように、MICE、国際観光機能の充実、強化を大きな目標の一つとして目指すようになりました。
 こうした変遷の中で、土地処分は約七割が完了いたしまして、昨年四月には、青海地区北側にガンダムの立像で人気の新たな商業施設が開業するとともに、有明南地区では、約二千五百人の学生が通う武蔵野大学有明キャンパスも開学いたしました。
 現在、民間事業者は、テナントを含めて一千五百者が進出しておりまして、就業人口も約五万二千人を数えるビジネス拠点となっております。平成二十四年には、来訪者が五千百八十万人となりまして、初めて五千万人を超え、平日、土休日ともに、にぎわうまちへと成長しております。

○神林委員 臨海副都心は、先ごろ開催が決まった二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの招致プランでは、東京ベイゾーンと呼ばれる区域に含まれており、多くの競技場やメディアセンターの配置が予定されております。
 今の答弁から、非常ににぎわっているということがわかったわけでございますが、今後、より多くの来訪者たちが臨海副都心を訪れることになるだろうと考えております。今後のまちづくりについては、二〇二〇年やその後を見据えた新たな取り組みを積極的に展開していくことが重要でございます。
 こうした状況下で、土地処分も七割が完了し、残すところ、あと三割とのことですが、今後どのように開発を進めていく予定があるのか伺います。

○山口営業担当部長 今後開発予定の三割の土地でございますが、主に、有明コロシアムの北側にあります有明北地区と、お台場合衆国などさまざまなイベントが一年を通じて開催されております青海地区北側にございます。
 このうち有明北地区には、バレーボールや体操など、四つの五輪競技施設が建設される計画がございまして、五輪終了後には、仮設の三つの施設の跡地に、海辺の眺望のよい都市型住宅を整備していくこととしてございます。
 また、青海地区北側には、世界中から人、物、技術、情報が集まり、大きな波及効果が期待されるMICE、国際観光の複合的な機能を持つ施設の誘致を進めてまいります。
 現在、一体開発を視野に入れまして開発の手法等を検討しており、処分に至るまでは、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを見据えて、スポーツイベントの開催会場として活用するなど工夫してまいります。

○神林委員 今、ご答弁をお聞きしましても、どうしてもオリンピック・パラリンピックを見据えた計画が多くなると思いますけれども、終わったら急に、まちがその後冷え込んでということでは困るわけですよね。オリンピック後も見据えた、このまちの将来を視野に入れていただいて、新たなる取り組みを積極的に進めていただきますことも、ここでお願いしておきます。
 先ほど来から答弁に出てくるMICEという用語は、企業ミーティングや報奨旅行、国際会議、展示会、イベントなどを意味する造語ですが、この分野は、集客力のある成長産業として、アジア各国が力を入れていると聞いております。
 現在の都の長期計画である「二〇二〇年の東京」でも、MICEの充実は、都の取り組みとして位置づけられておりますが、改めて、臨海副都心でMICE機能を強化することの意義を伺います。

○石原臨海開発部長 臨海副都心は、日本最大の展示面積を有する東京ビッグサイトが立地するほか、ホテルや業務ビル内の会議スペースなどのMICE施設が、既にある程度整備され、ホテルや商業施設などの観光機能も集積しているところでございます。
 一方、アジア諸都市では、さらに大規模なMICE、国際観光施設が建設されております。現在、アジアにおける国際会議の開催件数ランキングでは、東京は、シンガポール、ソウルに次いで第三位にとどまっており、激しい都市間競争が展開されているところでございます。
 そこで、観光と交流を開発コンセプトとする青海地区北側の約十四ヘクタールのまとまった区画を活用しまして、より一層の機能充実を図ることで、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化を進め、都市の競争力向上を図ってまいります。これにより、東京のみならず、日本経済を牽引するエンジンとしての役割を果たしてまいります。

○神林委員 今お話がありましたけれども、大切なことは、これから進められる羽田空港の跡地など、周辺の開発と機能が重複しない、重層しないように、しっかり情報交換を行っていただいて、むしろ、お互いに連携して相乗効果が出るよう計画を進めることだと考えておりますので、この点についても要望しておきます。
 次に、東京オリンピック・パラリンピックには、世界最大級のスポーツの祭典として、世界中からアスリートや観客、メディア関係者など、たくさんの人々が集まり、にぎわいます。先ほども触れたように、多くの競技会場とメディアセンターが配置され、五つのホテルが集積する臨海副都心は、宿泊拠点、情報発信拠点としての役割を担っております。
 開催時の競技観戦はもちろんのことですが、開催地として既に世界中の注目を集めている状況を十分に活用して、今このときから、二〇二〇年に向けて、さらにその先を見据えて、東京と日本の滞在そのものを楽しみ、その魅力を世界に伝えてもらうための取り組みが必要だと考えます。こうした取り組みを積み重ねることが、何回も我が国を訪れてくれるリピーターをふやすことにつながり、経済成長戦略としての観光立国に大きく貢献することになると思います。
 そこで、臨海副都心のウオーターフロントという魅力的な立地特性を生かして、新たな観光資源を開発していくことも必要と考えますが、見解を伺います。

○石原臨海開発部長 東京では、江戸時代から水辺が人々の身近にあって、舟運が人や物の移動に重要な交通手段として不可欠な存在でございました。現代でも、江戸情緒あふれる観光資源として人気の屋形船や、水上バスにその伝統が生きております。
 委員ご指摘のとおりに、こうした水辺、すなわちウオーターフロントをより一層、最大限に活用した魅力的な新たな観光資源の開発に取り組み、来訪者に滞在を楽しんでもらうことが必要でございます。
 そこで、例えば、観光客に人気の高い水陸両用車の誘致に向けて、臨海副都心と豊洲でスロープ整備の調査設計を行っており、来年度には工事に着手する予定でございます。
 また、東京をアジアナンバーワンの国際観光都市として成長させるため、多数の観光客が来訪し経済効果の大きい大型クルーズ客船に対応可能な客船ふ頭を臨海副都心に新たに整備し、既存の水上バスネットワークなどとあわせまして、魅力的なウオーターフロントの一層の充実を図ってまいります。

○神林委員 後で質問しますので、ここでは余りくどく申し上げませんが、羽田や成田から外国のお客様をお迎えする、日本全国から、この魅力あるまちにお越しいただくためには、やはり陸、海、空、さまざまな交通アクセスを整えて、短時間で手軽に訪れていただくということが必要不可欠だと思います。これについては、また後で質問させていただきます。
 そして、二〇二〇年には、世界の人々に喜んでいただけるおもてなしをさらに充実することを期待しております。
 ところで、このおもてなしの--こうやって、おもてなしといわなくちゃいけないんでしょうけれども、このおもてなしの中には、安全・安心を提供することも重要な要素として含まれていると思います。低地であり、埋立地でもある臨海副都心における高潮や液状化などの防災対策はどのように行われているのか伺います。

○小野開発調整担当部長 臨海副都心では、従来より、安全で災害に強いまちを目指しまして、まちづくりを進めてきたところでございます。
 具体的には、橋梁や「ゆりかもめ」などの都市基盤施設は、十分な耐震、液状化対策をとっておりますとともに、上下水道や中水道、電気、ガス、情報通信などのライフラインにつきましても、耐震性が高く、液状化対策を施してございます共同溝内に収容されており、安全性が十分確保されてございます。また、民間の建築物につきましても、臨海副都心まちづくりガイドラインに基づきまして液状化対策を行っているところでございます。
 このようにして、臨海副都心は、さまざまな防災対策を施すことによりまして、全体として地震に強い安全なまちとなっております。
 また、津波、高潮対策につきましても、伊勢湾台風級の台風によります高潮にも耐えられるよう、地盤高を東京湾平均海面から--いわゆるTPでございますが--五・四メートルの高さで整備しておりまして、その高さは、東京都防災会議の想定最大津波高でございますTP二・六メートルよりも高く、十分な安全が確保されているところでございます。
 なお、臨海副都心は、安全なまちといたしまして、災害時の地区内残留地区にも指定されており、避難の必要のない区域となっております。

○神林委員 ただいま答弁で、ハード面の対策をいろいろと取り出されたわけでございますけれども、発災時には、臨海副都心を訪れている多くの方々が地域内に滞在することが想定されます。地元区や地域の進出事業者とも連携して、水、食料品の備蓄などソフト面の対策も、慢心することなく進めていただきたいと思います。
 さて、我が国の経済成長に目を転じると、今後、世界で最も少子高齢化が進んだ日本で、持続的に発展し、国民福祉の向上を実現していくためには、オリンピック・パラリンピックを契機として首都東京が世界に開かれた都市となって、躍進著しいアジアの成長を取り込んでいくことが必要でございます。そのためには、外国企業が東京を拠点として活動することで、東京の中小企業にも新たなビジネスチャンスを生み出す経済循環をつくり出さなければなりません。
 そこで、東京都では、昨年、臨海副都心を含む都心の複数の地域をアジアヘッドクオーター特区として、外国企業のアジア拠点の誘致を進めていますが、臨海副都心ではどのような取り組みを進めているのか伺います。

○山口営業担当部長 外国企業の新規進出を促す重要なインセンティブとなりますものは、特区内に適用される法人関連税の優遇や、資産を取得した場合における不動産取得税、固定資産税、都市計画税の免除でございます。
 これらの取り組みも踏まえて、港湾局では、外国企業にコネクションのある不動産仲介事業者等を通して臨海副都心への進出を働きかける取り組みも進めるなど、外国企業の誘致に努めております。
 また、外国のビジネスパーソンが活動しやすい環境を整えることも重要との認識から、昨年度は、都独自に創設いたしました補助制度を活用して、臨海副都心の主要な交通機能を担う「ゆりかもめ」の各駅にタブレット端末を導入いたしまして、外国の方々への案内機能を充実いたしました。
 さらに、臨海副都心の病院では、外国語対応のカルテシステムや通訳機能つきタブレット端末の導入などで、外国の方々が安心して医療を受けられる環境を整備するなど、外国企業が進出しやすい環境の整備に努めております。
 今年度は、海外の事業者が視察に訪れた際の受け入れ環境整備の観点から、青海地区南側に進出しております、再生医療に欠かせないiPS細胞に代表される肝細胞の培養に関して独自の技術を持つ研究施設に対しまして、都の補助制度を活用することといたしました。具体的には、国内外の研究開発機関との共同研究の促進に効果的なショールームなどの施設、設備の整備に係る補助でございます。
 こうした取り組みにより、海外の研究機関等の進出のきっかけをつくり、再生医療技術の研究開発拠点としての発展を促してまいります。

○神林委員 経済のグローバル化が進む中で、世界が一つの競争市場となっており、東京がアジアのヘッドクオーターとなるためには、世界の企業や投資家に選ばれる環境を備えた都市へと成長を続けることが必要不可欠でございます。このような地道な取り組みを積み重ねて、臨海副都心の都市力向上に邁進することを切に要望しておきます。
 ここまで、会計と開発の状況から、日本経済をも視野に入れたMICE、国際観光拠点化という開発の方向性とその実現に向けた具体的な取り組み内容について質疑を行い、今後の開発の目標像が見えてまいりました。
 今までの部分のまとめとしまして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催に向けた取り組みはもちろんのこと、先ほどから私が再三申し上げてきたように、中長期的な視点をしっかりと持った都市づくりが必要と考えますが、港湾局長の見解を伺います。

○多羅尾港湾局長 臨海副都心開発は、多くの方々のご理解とご支援により、約四半世紀が経過し、今、国内外の人々でにぎわう、新しい東京を象徴するエリアとして発展しております。
 さて、現代は、世界の人口の半分以上が都市に住む都市の時代でございます。今後も都市の重要性は一層高まり、都市の発展、成長には永続性が求められます。したがいまして、国家百年の計といわれる都市づくりは、委員からもお話のありましたように、その時代の要請に柔軟に即応する取り組みとともに、中長期的な視点をしっかり持った取り組みが必要でございます。臨海副都心開発に当たっても、まず、このことを念頭に置くべきであると認識しております。
 具体的には、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を目指し、世界の人々をお迎えする準備を整えることが、まちづくりの新たな中期的な目標となったと考えております。外国人対応サービスの向上など、おもてなしをする環境の充実、スポーツイベントの活発化など、スポーツ振興などの観点から取り組みを進めるとともに、水陸両用車の導入など、観光地としての魅力向上も実現していきたいと考えております。
 さらに、長期的な視点からは、オリンピック後も十分に考慮し、オリンピックレガシーの活用も図りつつ、今後の開発予定地区を中心に、IRも視野に入れた複合型MICE拠点化や、海辺の潤い豊かな都市型住宅地の開発を進め、より職、住、学、遊のバランスのとれた都市へと成長させてまいりたいと考えております。
 そのため、港湾局職員が一丸となって、民間の方々の創意工夫も生かさせていただきながら、東京、ひいては日本の持続的な成長に寄与する、周辺地域ともよく連携した臨海副都心の着実な開発を進めていく決意でございます。

○神林委員 局長、ありがとうございました。
 臨海副都心には、大きな可能性がございます。例えば、この地域は、地理的には羽田と成田の両空港の間にあり、都心からも至近な距離にございます。今後、羽田空港の国際化が一層進展し、臨海副都心に環状二号線、東京港トンネルなどの道路網が拡充され、さらに大型クルーズ客船ふ頭の整備が予定されるなど、この地域は、世界中から東京へアクセスするゲートウエーとしての役割が今まで以上に高まっていくと考えられます。
 臨海副都心と周辺地域を結ぶ陸、海、空の交通手段をさらに多様化して充実させることができれば、短期間で気軽に行き来できるビジネスと観光の拠点として一層の発展を遂げることができると思います。今後、こうした観点も視野に入れて、二〇二〇年とその後を見据えた長期的なまちづくりを展開していくことを要望いたします。
 次に、東京港の渋滞対策について伺います。
 近年、アジア貨物の急増により、東京港におけるコンテナ貨物取扱量が大きく伸びております。平成二十四年には、外貿コンテナ貨物が四百二十四万TEUを記録し、十五年連続日本一となっております。
 船からおろされたコンテナ貨物は、コンテナターミナルを経てコンテナ車に乗せられ、そこから工場や店頭に運ばれます。コンテナ貨物の流れは、季節や時間帯によって、そのボリュームに変動がありますが、ピーク時になると、東京港ではコンテナふ頭周辺に渋滞が発生し、これが大きな問題となっております。
 東京都は、この状況を改善するために、東京港の抜本的な機能強化に取り組んでおり、具体的には、中央防波堤外側Y1からY3コンテナターミナルの整備や大井、青海コンテナふ頭の再編などコンテナふ頭自体の機能強化、また、国道三五七号線の東京港トンネル部分の整備など道路網の充実、そして、大井ふ頭その一、その二間の埋め立てなどを進めております。このうち、大井ふ頭その一、その二間の埋め立てについては、東京都臨海地域開発事業会計決算において八億一千七百二十八万円が報告されております。
 最初に、大井ふ頭その一、その二間の埋立事業の進捗状況について伺います。

○笹川港湾経営部長 大井ふ頭その一、その二間水域埋立事業につきましては、平成二十四年度において、仮設道路の設置、埋立護岸の整備を行いまして、埋立工事に着手いたしました。平成二十五年度には、本格的な埋立工事を実施しておりまして、平成二十六年度には、全体で二十一ヘクタールのうち、約半分が竣工する予定でございます。

○神林委員 ただいまの説明で、埋立事業の進捗状況についてはわかりましたけれども、大切なのは、今後の使い方でございます。これだけのスペースが新たに確保できるのであるから、これを確実に東京港の渋滞解消につなげることができるよう活用していかなければなりません。
 そこで、大井ふ頭その一、その二間埋立地のうち、平成二十六年度に竣工する部分の具体的な活用方法について伺います。

○笹川港湾経営部長 埋立地のうち、平成二十六年度に竣工する部分の活用方法といたしましては、東京港のコンテナ貨物量の増加に対応するため、コンテナ関連用地とすることが基本的な考え方でございます。具体的には、空コンテナの保管場所でございますバンプール、また、コンテナを運搬する台車であるシャシーの保管場所であるシャシープールとしての利用を予定しております。

○神林委員 今、ご答弁にありましたとおり、新たなバンプール、シャシープールの確保は、コンテナ取扱量を急激に伸ばしている東京港にとって、とても重要なことであると認識しております。
 ただ、一方で、中央防波堤外側Y1からY3コンテナターミナルの全てが利用可能となり、大井、青海コンテナふ頭の再編が完了するまでは、まだまだ時間がかかると思います。その間、東京港の渋滞問題は根本的に解決しないままであり、貨物量が多い時期は、コンテナターミナルへの入場を待っている車両が道路上に滞留しているという状況は変わりございません。
 そこで、一つの考え方をここで提案させていただきたいと思います。
 埋立地のうち、平成二十六年度に竣工する部分については、既存のバンプール、シャシープールを移転または集約することとし、それによって確保できたスペースを種地にして、道路上にあふれているコンテナ待機車両を引き込むための場所を整備することが、より実効性のある渋滞対策につながるのではないかと考えております。
 さらに、これ以外にも、創意工夫を凝らし、渋滞解消に向けた短期的な取り組みを可能な限り実施していただきたいと思います。例えば、バン、シャシープールにしても、平面的なスペースはいずれ限界が参ります。平面が限られているなら、立体的なスペースを確保する手だてがないかなど、これまでにない発想も今後は必要になってくると思います。これらを踏まえ、ぜひ有効な対策をご検討いただきたいと思います。
 最後に、東京港における渋滞解消に向けた施策全般の方向性について所見を伺います。

○笹川港湾経営部長 委員ご指摘のとおり、東京港の抜本的な機能強化に加えまして、喫緊の課題でございます渋滞対策に即座に対応する短期的な取り組みも重要であると認識しております。
 このため、中央防波堤外側Y1からY3コンテナターミナルの整備、大井、青海コンテナふ頭の再編など、東京港の抜本的な機能強化に向けた取り組みを確実に進めていくとともに、短期的にも実効性のある取り組みを積極的に実施してまいります。
 具体的には、平成二十三年度から実施しております早朝ゲートオープンの取り組みや、ITを活用した渋滞情報の提供などを引き続き実施するとともに、委員のご提案を踏まえた車両待機場の充実など、創意工夫を凝らした実効性のある取り組みを検討してまいります。

○神林委員 今後、アジア諸港との競争はますます激しくなってまいります。東京港の魅力を維持、向上していくためには、コンテナ貨物がさらに集まる使い勝手のよい港であり続けなければなりません。そのために、この渋滞対策は東京港の最重要課題であると再認識していただきたいと思います。
 東京港の渋滞は、それだけたくさんの方に東京港を利用していただいているという繁栄のあかしでありますが、そうであるからこそ、東京港が真剣に取り組んでいく必要がございます。
 コンテナターミナルごとに状況は異なりますが、渋滞が発生する季節や時間帯には一定の傾向があるため、正確な状況分析と的確な対策の実施により、必ず解消の方向に向かうと信じております。ぜひともしっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、このことを要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。

○中山(信)委員 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、多くの競技会場が予定されている臨海副都心は、これからスポーツの拠点として、また観光の拠点として大いににぎわっていくものと思います。しかし、オリンピック後もスポーツや憩いの拠点としてにぎわっていくためには、私は相当な努力を傾注していかなければならないと考えます。そのような観点から質疑を進めてまいりたいと思います。
 平成二十四年度予算の執行により、シンボルプロムナード公園の中心をなすセンタープロムナードの整備にあわせてランニングコースの造成工事がとり行われ、ことし三月までに完了、そして、ことし五月にオープンいたしました。ランニングコースは、幅員八十メートル、東西約二・一キロメートルのセンタープロムナードを中心に造成されており、飲料の自動販売機や水飲み場や、さまざまな施設が整備されております。オープニングの記念イベントで大勢のランナーが楽しそうに走っている様子などがテレビで放映され、話題となりました。
 シンボルプロムナード公園は、臨海副都心ならではの緑を豊かに保ち、広々とした眺望もよく、気持ちよく走ることのできる環境を創出しております。都内では、広く本格的にランニングを楽しむ方々がふえる傾向にあり、シンボルプロムナード公園ランニングコースの現在の環境を末永く有効的に活用できるようにするための工夫の必要性が高まっていると考えます。
 そこで、初めに、今回新たに整備されたランニングコースの特徴と、整備に要した費用、その財源についてお伺いをいたします。

○石原臨海開発部長 一昨年、お台場海浜公園を中心に開設したお台場ランニングコースに続きまして、本年五月、二つ目のコースとして、シンボルプロムナード公園ランニングコースを整備いたしました。
 整備に当たりましては、民間のランニング団体の意見を取り入れて、ランナーに人気の皇居周りと同じ五キロメートルを基本コースとして、タイム計測がしやすいように、一キロメートルごとに距離標を配置いたしました。距離標の柱には、走るランナーを模したフィギュアを取りつけ、コースの存在をアピールするとともに、子供から年配の方、女性、男性を問わず親しみを覚えていただけるよう工夫をしたところでございます。
 また、広い公園内でコースの位置がわかりやすいように、スタート地点を初め、折り返し地点など数カ所に案内板を整備するなど、ランナー視点からのコース整備に取り組んでおります。
 これらの距離標や案内板の整備に当たりましては、臨海地域開発事業会計を財源といたしまして約九百万円の費用を要しました。

○中山(信)委員 ランナー視点からのコースの造成ということは、大変すばらしいことではないかと思います。このコースが開設された際には、冒頭に申し上げましたように、テレビでも取り上げられておりましたし、新聞はもちろん、スポーツ雑誌やファッション雑誌、ラジオなどでも幅広く報じられたと聞いております。東京マラソンを契機とするランニング人気の確実な広がりを感じる関心の高さであります。
 広く整備された公園を活用して、新たなランニングコースを提供する取り組みは、二〇二〇年の東京大会に向け、スポーツの振興、臨海副都心の利用価値のPRにもつながるものであり、費用対効果の高い取り組みであると考えます。
 答弁にもありましたとおり、皇居周りでは、ランナーの増加に伴い、着がえたり、汗を流したりするためのロッカーやシャワーを提供する民間の施設もふえています。幅広いランナーのニーズに応えるためには、ハード面の整備だけでなく、ランナー向けのサービスの向上など、ソフト面の取り組みも充実させていくことが重要と考えますが、見解をお伺いいたします。

○石原臨海開発部長 副委員長ご指摘のとおり、ソフト面の充実は大変重要であると認識してございます。今回のランニングコースの開設に当たりましては、地域のエリアマネジメントを担う東京臨海ホールディングスグループと連携して、スタート、フィニッシュ地点に隣接する有明フロンティアビルの一階部分に、東京マラソン財団による初めてのランナー向けロッカー、シャワー等の提供施設であるジョグポートアリアケを誘致いたしました。
 また、地域の進出事業者にも積極的に働きかけまして、新たな取り組みが始まっております。具体的な例で申し上げますと、近隣のホテルでは、客室のシャワー等を使用できるデイユースプランを設定していただきました。さらに、コースに隣接する大学内の喫茶店では、トマト丸々一個とレモンをベースとしたランナーの疲労軽減に効果があるドリンクメニュー、フローズンガスパチョといっておりますが、そのメニューを新たに開設していただいて、ランナーに人気であると聞いてございます。
 今後とも、進出事業者などの協力を得まして、良好なランニング環境を整備してまいります。

○中山(信)委員 フローズンガスパチョのおいしさを味わうことがおしゃれになるような雰囲気が醸し出されていくんじゃないかと思います。民間事業者とも連携して、ハード、ソフトの両面からランニング環境の整備が進められてきていることがわかりました。二〇二〇年に向けて、官民が連携してにぎわいを創出していくことが重要であり、その先駆けともなる取り組みといえると思います。
 さて、このように、ランニングコースが整備されたシンボルプロムナード公園を初め臨海副都心の海上公園は、まちのにぎわいを創出する各種イベントの開催地であり、毎週のように多くの方々が来訪するイベント等が開催されております。東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、海上公園を活用したさらなる盛り上がりが期待されているところであります。
 平成二十四年度の臨海副都心の海上公園におけるイベントの開催状況と、その後の取り組みについてお伺いをいたします。

○山口営業担当部長 臨海副都心における海上公園は、スポーツを初めとするさまざまなイベントの会場となっており、多くの方々が来訪していらっしゃいます。
 お台場海浜公園では、昨年もビーチバレーの公式戦や市民参加の大会などが開催されたほか、ビーチテニス大会、お台場レガッタなども開催されております。本年五月十二日には、シンボルプロムナード公園ランニングコースの開催記念イベントとして、東京マラソンへの賛同者を中心としたファンランを開催し、オリンピアンをゲストに迎え、多くの方にランニングを楽しんでいただきました。
 現在は、先ほどご答弁いたしましたジョグポートアリアケにおきまして、水曜日、木曜日には、ランニングの前後にストレッチもセットで行い、夜景を楽しみながらランニングを楽しく走るイベントが開催されております。土日には、講習会やヨガを組み合わせたマラソン教室なども開催されておりまして、平日も週末もランニングを楽しめるイベントが用意されております。
 今月九日には、本格的なランナーの増加に合わせて、東京マラソン財団の主催によりまして、オリンピアンが講師として指導するマラソン完走に向けたランニングクリニックが開催される予定であり、ランナー向けのサービスの充実が進んでおります。

○中山(信)委員 今、ご答弁ありましたとおり、二十四年度も、また本年度のこれからの予定も含めて、オリンピアンとの交流を中心にさまざまなスポーツイベントが企画されている点を評価したいと思います。
 特にランニングクリニックは、オリンピアンのような専門家との交流ならではの魅力ある企画であり、今後も継続していけば、臨海副都心でスポーツを楽しむ上でのシンボリックな魅力として、にぎわいの拡大、定着化に大いに役立つのではないかと期待したいと思います。ランニングとヨガの組み合わせというのは、ちょっと自分もわからないんですけれども、でも、夜景を楽しみながらとか、ヨガを組み込んだりとかして、体についてよく理解を深めたりとか、そういうことができる、単なる走る空間だけじゃないというようなことはすごくいいんじゃないかと思います。
 ランニングはスポーツの原点であり、多くの方にとって気軽にスポーツに触れるきっかけともなるものであり、港湾局のご努力によって、ランナー向けのサービス充実とともに、臨海副都心でランニングを楽しむ方々がますますふえていくことを願っております。
 また、海上公園に限らず、臨海副都心の未利用地を活用した各種イベントの開催は、ある意味、臨海副都心ならではの観光機能の顔ともなっていくものと考えます。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックでは、東京は、海外からより多くのお客様を迎えることになります。臨海副都心で開催されている国際色豊かなイベントの開催は、海外の人々や文化との接触の機会がふえていくことを通じて、国際的な交流の一大イベントである東京大会への期待感を高め、機運の一層の高揚に役立つことになると考えます。
 その意味で、臨海副都心では、今後七年間の間に、さらに意欲的に国際的なイベントを開催し、東京オリンピック・パラリンピックに向けた機運の盛り上がりに結びつけていくべきと考えますが、今後の展開をお伺いしたいと思います。

○山口営業担当部長 ことしの九月には、今回初めてお台場海浜公園にて、ビーチサッカー日本代表とスイス代表との国際親善試合が二日間にわたって開催されました。この国際試合は、九月にタヒチで開催されたFIFAのビーチサッカーワールドカップの壮行試合も兼ねておりました。関東圏での初の代表戦であったことから、非常に人気が高く、約五百席の観覧席は予約で完売するなど、多くの方々が来訪いたしました。
 ちなみに、この日本代表チームは、グループリーグを見事突破いたしまして、ベストエイトまで進出いたしました。お台場で壮行試合を行った成果かなというふうに思っております。
 来年は、日本とジャマイカの国交樹立五十周年を祝して、ジャパン・ジャマイカフェスティバルが開催される予定です。その中には、世界一楽しいマラソンといわれる、レゲエミュージックを聞きながら楽しくランニングをするレゲエマラソンがセンタープロムナードで開催されます。国際交流とあわせて、ランニングの新しい楽しみ方をご紹介できると考えております。
 また、毎年五月の連休や秋には、ドイツで行われている世界一のビール祭りでありますオクトーバーフェストが臨海副都心でも開催されておりまして、外国人も含め、ビールを楽しむ方々で大変なにぎわいを見せております。
 今後とも、この地域のさらなる国際交流の促進に向けて、さまざまな取り組みを行ってまいります。

○中山(信)委員 レゲエマラソン、楽しそうですよね。また、ビールのお祭りということもあったりとか、さまざまな方々のニーズに応えた企画を検討していただいているんだなということがよくわかりました。
 ただいまの答弁にありましたように、国際色豊かな観光の視点からにぎわいを創出していくことは、臨海副都心をMICE、国際観光拠点として発展させていくためにも重要だと思います。また、このような国際交流を深められるイベントを実施していくことにより、おもてなしの心がますます涵養され、東京オリンピック・パラリンピックを成功に導くことにつながると信じております。
 さまざまな工夫により、臨海副都心を舞台に、スポーツを人生のだいご味の一つとして楽しむ東京ならではの魅力あるライフスタイルが確立されていくことは、オリンピック・パラリンピックの高揚感を、開催後もよい意味で持続させていくことにつながる貴重なレガシーになると考えます。
 また、二〇二〇年の東京大会をきっかけに、海外と交流する魅力にあふれた国際色豊かな臨海副都心を創出することもまた、大会の新たなレガシーとして、東京、日本の景気高揚を引き続き牽引するエネルギー源になるものと期待しております。
 今、MICE、国際観光拠点としての発展、おしゃれで支援施設が充実したスポーツ拠点としての魅力、そして国際色豊かなイベントタウンとしての創出、この三点を臨海副都心の柱として私は強調させていただきました。
 しかし、私は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック後を考えれば、もう一つさらに、東京の臨海副都心にはこうした魅力があるということを世界的にPRできる新たな打ち出しが必要であると考えております。それがないと、特にMICEの推進は難しいのではないかと思います。
 具体的には別の議論の機会を待ちたいと思いますが、アフターあるいはプレの会議時間の有効活用、外国人と日本人が家族ぐるみで安心して交流、楽しみ合える施設の創出が大切ではないかと思います。
 臨海副都心の発展が、経済特区、アジアヘッドクオーター特区の規制緩和も活用するなどして、東京、日本の活力を二〇二〇年の東京大会後も牽引できる舞台となっていきますよう、今後ともさらなる取り組みを重ねていただくことを要望して、質問を終わらせていただきます。

○大島委員 私も、臨海地域開発事業会計の二〇一二年度決算について質問をいたします。
 都はこれまで、多額の企業債を発行し、東京港湾区域と臨海副都心地域などで埋立地を造成、整備、開発し、企業を誘致するという計画で、大規模な都市基盤整備などを進めてきました。
 臨海副都心開発の都市基盤整備など、二〇一二年度決算における企業債の償還額及び利息は幾らか。また、企業債の償還のピークが来る二〇一四年度に償還すべき金額及び利息は幾らになるのかお伺いします。

○石原臨海開発部長 平成二十四年度における企業債の償還額及び利息は約五十九億円でございます。また、平成二十六年度における企業債の償還額及び利息は約千五百六十億円の予定でございます。

○大島委員 決算書を見てみますと、二〇一二年度末の企業債残高は二千四百六十九億八千万円となっておりますが、臨海副都心開発の基盤整備にかかわる企業債以外の企業債残高は幾らあるのか。また、どのような目的で借り入れたのか。それは、利息も含めて、いつ、幾ら返済するのかお伺いします。

○石原臨海開発部長 臨海副都心開発以外の企業債の元金の残高は百十七億円でございまして、臨海地域の埋立造成などを目的として借り入れたものでございます。
 これらの企業債の償還及び利息の支払いに係る時期及び金額でございますが、平成二十五年度に約四十億円、平成二十六年度に約八十億円の予定でございます。

○大島委員 今の二つのご答弁で、かかった費用について計算をしますと、企業債残高のうち、臨海副都心開発の基盤整備に係る借金は二千三百五十三億円、利息も含めますと二千四百六十五億円も残っております。企業債残高の九五%を占めているんです。
 二〇一二年度には、利息だけで三十二億四千万円支払っておりますが、これは、毎日に換算しますと、毎日八百八十八万円の利息を支払ったことになります。償還のピークの二〇一四年度には、この臨海副都心開発の基盤整備にかかった借金だけで一千四百八十億円も支払わなければなりません。その借金を返す見通しがあるのか、大問題です。一体、財源はあるのでしょうか。
 まず、二〇一二年度決算の貸借対照表を見ると、資産の部で投資金が一千百五十七億円あり、大丈夫のように見えますが、この投資の実態について確認したいと思います。
 決算書を見ますと、投資項目のうち九二%は、東京臨海高速鉄道株式会社、また株式会社東京臨海ホールディングス、東京港埠頭株式会社の持ち株です。それぞれの配当はどうなっているのか、お伺いします。

○古谷企画担当部長 いずれの株式についても配当金はございません。

○大島委員 それじゃ、それぞれの株主になっている目的は何なのか。また、これらの持ち株を手放すというと、それはどういう問題になるのかお聞きします。

○古谷企画担当部長 これらの株式につきましては、東京都の施策目的でございます東京港の国際競争力の強化と臨海地域の発展に資するエリアマネジメント等を推進するため、監理団体等に出資したものであることから、現時点において、これらの株式を手放すことは考えておりません。

○大島委員 民間企業とはいえ、形を変えた三セク企業です。臨海ホールディングス傘下の東京テレポートセンターには、東京都が臨時駐車場の土地使用料を安く貸していることで住民訴訟が起こされ、都も、その裁判の中で、これを見直しせざるを得ない事態に追い込まれました。こんな経営支援ともいえる関係も行われているわけです。
 また、手放すということは考えていないといいますが、どれも臨海開発に深くかかわる企業であり、手放せないわけです。
 投資金のうち、長期貸付金五十億円があります。この貸付金は、どこへ、どういう目的で、また、利息はどの程度で貸し付けているものなのか。また、その返済予定はどうなっているのかお伺いします。

○古谷企画担当部長 株式会社東京臨海ホールディングスでは、グループ全体の資金効率を高めることを目的といたしまして、グループ各社が保有する資金を集約して、グループ内融資や一括運用を行いますグループファイナンスを実施しております。
 お尋ねの長期貸付金は、グループファイナンスを安定的に稼働させることで、グループ各社の資金需要に機動的に対応するとともに、臨海地域のエリアマネジメントを推進するため、株式会社東京臨海ホールディングスに対して無利子で貸し付けたものでございます。なお、その貸付期間は、平成十九年十一月から十年間でございます。

○大島委員 持ち株を手放すどころか、株式会社東京臨海ホールディングスに無利子で十年間貸し付けるという支援までしているという関係にあります。
 臨海ホールディングスは、当期純利益が七十七億円ありますけれども、長期借入金が一千三百億円もあり、経営的には大変な事態であるといえます。
 そういう中で、結局、会計上は、日常の営業活動の中では手をつけない固定資産となっている投資金一千百五十七億円など、多額のお金が投資に回されているように見えますが、基本的には手をつけられないお金ということになります。
 一方、二〇一二年度の流動資産として、すぐにでも現金化できる資産ということで、現金預金も含めて約二千十六億円あります。これから流動負債約百三十二億円を差し引いた内部留保金が千八百八十四億円ありますが、これをどのように使うとしているのか、お伺いいたします。

○石原臨海開発部長 内部留保金につきましては、今後見込まれる土地処分収入などとあわせて支出の財源として活用し、都市基盤の整備に係る経費、道路、橋梁、公園や未処分地などの維持管理に係る経費、企業債の償還などに充ててまいります。

○大島委員 この内部留保金で企業債の償還に充てるということですが、都市基盤の整備や未処分地等の維持管理等にも相当のお金がかかると思われます。
 今後の都市基盤の整備というのは、臨海副都心におけるMICE、国際観光拠点の形成を考えているのでしょうか。また、都市基盤の整備に係る経費をどの程度見込んでいるのか、お聞きします。

○石原臨海開発部長 臨海副都心まちづくり推進計画に基づきまして、これまで整備してきた都市基盤のうち、今後予定しているものは、主に、環状二号線などの広域交通基盤を中心に整備する事業でございます。
 臨海副都心の全ての都市基盤は、MICE、国際観光拠点化を含む、職、住、学、遊のバランスのとれたまちづくりに必要なインフラとして整備を進めているものでございます。
 都市基盤整備に係る総事業費は二兆一千八百億円で、このうち約九三%が執行済みでございます。今後は約千六百億円を執行する見込みでございます。

○大島委員 臨海副都心まちづくり推進計画に基づき、残っている都市基盤を整備するということですが、この計画は二〇一五年度で完了するものです。今後、環状二号線の整備等に一千六百億円も投入するということですが、臨海副都心開発の基盤整備にかかわる企業債は、二〇二〇年度に返済を完了するものです。ということは、現時点で手持ち金が、先ほどいった内部留保金、およそ千九百億円、今後、二千六百億円の企業債の返還が求められている中、一千六百億円の都市基盤整備をすれば、二千三百億円のお金が不足するということになります。
 また、東京都は、企業誘致の不振をカバーするために、アジアヘッドクオーター特区構想に基づき、臨海副都心に外国企業や国際会議施設などを呼び込み、国際観光の一大拠点として開発を誘導するための投資には、さらなる税金投入がされることになります。都市基盤整備を拡大すれば、結局、将来にツケが回り、さらなる借金地獄に追い込まれることになります。これ以上の不要不急、浪費型の公共事業は中止するように求めておきます。
 そもそも、この土地の売却も、二〇一二年度の決算書を見れば深刻な事態です。土地売却益二百億円ですが、売却面積の三分の一は公共利用です。いただいた資料で、これまでの五年間分を見てみましても、多いときには七割が公共割合です。また、二百億円の売却益のうち、臨海副都心地域の土地売却益は四分の一にすぎません。売却はうまくいっていません。
 そういう中で、有償処分地が売却や長期貸し付けで処分できないため、一部は、暫定、臨時、一時使用、利用として貸し付けています。既に、暫定利用契約をされてきた事業者の中には、契約期間の満期を迎えた方々も出てきております。そこでお伺いをいたします。
 暫定利用の場合の当初の契約及び暫定利用契約期間終了後の更新などは、どのような規定になっているのか。また、規定の根拠及び契約期間、契約金、借地料などについてお聞きをします。また、暫定利用の場合は借地料の軽減はあるのか、お伺いをいたします。

○山口営業担当部長 暫定利用につきましては、東京都臨海地域開発規則に基づきまして、事業用借地権を活用して貸し付けております。また、価格につきましては、同規則に基づき、適正な時価により評定した額を算出しております。当初の契約期間終了後の取り扱いにつきましては、事業者との協議によりまして、契約書に基づき契約期間の延長をしているものでございます。
 契約期間、貸付料などの個別の内容につきましては、契約相手方の企業経営に影響を与えるおそれがあることから、申し上げることはできません。
 暫定利用の貸付料の算出に当たりましては、建物の構造、高さなどに大幅な規制がかかっていることから、全庁的な基準に基づきまして適正な額を算出しております。

○大島委員 今、当初の契約期間終了後の取り扱いについては、事業者との協議により契約期間を延長すると答弁されました。それは、暫定利用方式による貸付制度の導入当初から契約内容とされてきたものなのでしょうか、お聞きします。

○山口営業担当部長 当初の契約書の内容でございますが、契約書の本文には、契約の更新が延長がないと明記されております。これにつきましては、一方で、その契約書の内容には、条文の解釈に疑義がある場合等については、双方の協議により定めるということになってございます。

○大島委員 私も、この延長というのと更新というのは違うのか、その意味ですね、法律的な問題として違うのかというようなことで、いろいろ調べてみたんです。それで、一九九七年二月に、臨海副都心暫定利用対象地進出事業者募集要項というのが出てまいりました。これを見ますと、この中に、借地借家法、平成三年法律第九十号と書いてありますが、その二十四条の規定に基づき、公正証書により事業用借地権の設定を行いますと。そして参考として、借地借家法等の主な条件というのが書かれておりまして、この契約は更新されないものとし、契約期間満了時に土地上の建物等が存在し、借り受け者が使用を継続していても、借り受け者は賃貸借契約を更新することはできませんと書いてあるんですね。つまり、この借地借家法というものに基づいて契約をしてきた、そして、それによって更新はできないというふうに書いてあるんですよ。
 今回、もう既に、暫定利用ということで十年間という期間が決められていた事業者の中で、契約更新もされているところもあると聞いておりますが、こうした期間がもう切れてしまった、そういうところが、その土地を公募もせずに貸付期間の延長という契約更新をした、その法的正当性の根拠について説明をしていただきたいと思います。

○山口営業担当部長 ご承知のように、借地借家法上の事業用定期借地権につきましては、近年創設された法律でございまして、この内容につきましては、さまざまな解釈がございます。定期借地権事業の更新につきましても、法律で定める期限内、現在の法律でいきますと、事業用定期借地権は十年から五十年という規定になってございますが、その五十年の上限を超えるまでは延長が可能という解釈も出版されてございます。

○大島委員 定期借地権というのが導入された後の解釈ということで、それ以前の借地借家法で契約をしていたときのものを大きく変更するような解釈をしたと、こういう答弁だったと思います。
 この暫定利用方式を導入するに当たって、一九九六年十二月、経済・港湾委員会で当時の開発部長さんが、事業用借地権のメリットについて、こう答えているんですね。
 事業用借地権のメリットについてのお尋ねでございますが、これは法律上いろんな特徴がございますけれども、特に、契約の更新ができない、それから契約期間の満了時に建物の買い取りを請求できない、こういったことが法定されております、したがって、一定期間が経過すると、必ず土地を返還するものでございまして、そういう意味で、臨海副都心での暫定利用の趣旨に合った制度であると考えているわけでございますと。
 当時、この契約をするときの、暫定利用を導入するときの、皆さん方からの議会への答弁なんですね。
 こういうことで、一定期間が経過すると、必ず土地を返還するものだと、こういう説明をしていたんですけれども、こうした制度について、議会に報告もなく、なし崩し的にこの考え方を変えたということになります。
 先ほどの答弁で、契約期間、貸付料など個別の内容について、契約相手方の企業経営に影響を与えるおそれがあることから申し上げられないと答弁しましたが、これもおかしな話です。
 二〇〇四年三月の経済・港湾委員会の資料を探しました。この中に暫定利用の状況というのがあるんです。これがそうです。これには、青海ST区画とか有明南H区画とか、こう書いてあるんですけれども、それぞれの区画ごとに、敷地面積、事業者名、施設内容、貸付期間、年額賃料見込み、それぞれが報告されているんです。今回は、なぜ明らかにできないのでしょうか。

○山口営業担当部長 それぞれの事業者につきまして、公表されている金額、競争のある場合には、それに加算したり、さまざまな状況がございます。特に期間につきましては、事業形態によっては、かなりの経営上の影響を与えるものもございますので、公表を差し控えさせていただいてございます。

○大島委員 このお金の問題、契約期間の問題は重要な問題なんですよね、暫定利用させているんですから。
 そして、これ、同じ一九九六年十二月の経済・港湾委員会の中で、土地の単価を標準価格から仮定をして、土地の貸付料の試算を行って、そして年間貸付料を明らかにしているんですよ。都民の財産である土地をどのように使うのかというのは、当然、都民に明らかにすべきです。
 暫定利用のうち期間延長等をした事業者について、こういった内容の報告を議会にしたのでしょうか。

○山口営業担当部長 暫定利用につきましては、制度を創設して最初に暫定利用を適用した案件についてはご報告しておりますが、それ以降につきましては、経常の案件であることから、個別の延長期間については報告をしてございません。

○大島委員 最初はしたけど、それ以降は、経常的なものなので報告していない。でも、この更新という考え方に立てば、更新はないといっているんですよね。十年たったら返す、これが一番最初の、当初の議会への説明でした。そして、今度はそれを延長したんですよね。これ、変更ですよね。延長してはだめといっているんじゃないんですよ。延長したことについて、なぜ都民の代表である議会にそのことを報告しないのかと、ここを聞いているんですよ。
 経常的なものだったら、途中に変更があっても報告しなくていいと、こういうふうに考えていらっしゃるんですか。

○山口営業担当部長 臨海副都心におきます暫定利用でございますが、当初の目的が臨海副都心地域のにぎわいの創出ということでございまして、そうした目的に合致する事業であるということ、また、土地の有効活用につながるというものにつきましては、経常的なものとして処理させていただいてございます。

○大島委員 合致しているものだから貸してきたんでしょう、ずっと。合致していなかったら、最初から貸していないじゃないですか。
 暫定利用を決めたときには、契約内容を公表し、更新不可と説明してきたんですよね、議会に。それなのに、議会に報告せずに、なし崩し的に期間延長を決めるというのは、議会軽視としかいわざるを得ません。
 個別の事業者のことについて、あれこれ、ここで問う気持ちはありませんけれども、期間が延長されたときには新たな契約を結び直しているのでしょうか。もし結び直しているとすれば、その前の、当初の地代、賃貸借料よりも高くなっているのか、安くなっているのか、そのあたりは答えられるんじゃないですか。

○山口営業担当部長 暫定利用の延長につきましては、当初の契約を延長したものでございます。賃料につきましては、適正な価格を算出しております。

○大島委員 当初の結んだ契約をそのまま延長しているということで、価格は適正な--この適正な価格というのは、三年間ごとぐらいに見直して価格が変わっているというふうに思うんですけど、延長ということについても、当初に貸し付けたときと全く同じ内容で契約をしている、こう考えていいのでしょうか。

○山口営業担当部長 貸付金額につきましては、当初の契約が十年でございますので、十年間で、建物のある程度の償却は終了する計画であったと考えられることから、それ以降につきましては、割り増しの料金をいただいてございます。

○大島委員 そういう割り増しでいただいているというお話なんですけど、実は、そういうことも議会には報告されていないんですよね。それは経常的なものだから報告しなくていいというふうにお考えになったということですけれども、そういう点についても、本来ならば、常任委員会等でちゃんと報告すべきではないかなと思うんです。やっぱり都民の代表ですからね、議会は。
 そして、こうした問題については、さまざまな、さらに大きな疑惑にもつながるとか、そういうことにもなっていっちゃうんですよ。事業者を、今借りている暫定利用者を優遇しているんじゃないかとか、その方たちとの間で、協議という中に、何かいろんな話し合いがあったんじゃないかとか、それは外から見ているだけではわかりませんけれども、そういう内容だって、きちんと報告されなければ、考えてしまうことだってあると思うんですね。
 今回の問題については、臨海三セク都民オンブズマンの世話人の前川弁護士さん、これは、例の臨時駐車場の問題で住民訴訟があったときの弁護士さんなんですけれども、この方は、十年という使用期間が満了したのだから、契約どおり貸し付けを終了し、白紙の状態に戻すべきだ、土地の利用方法が決まらないというのであれば、暫定利用区画として再公募にかけて、都民にとって最もよい条件を提示した応募者に暫定利用させる方法も考えられるといっています。
 都有地は都民の財産ですから、東京都は、都民や議会に正確な最新の資料や情報を提供し、都民にオープンにすべきである、このことを強く求めまして、質問を終わります。

○多羅尾港湾局長 大島副委員長の今までのご質問について、部長から、るるご答弁を申し上げましたけど、一言つけ加えさせていただきます。
 暫定利用制度の貸し手側、東京都側のメリットとしては、十年経過後に、相手方に補償を要せずに、相手方が直ちに退去していただく。すなわち、貸し手方の処分、利用の自由度が十年後には全く損なわれないというところが貸し手側の法的なメリットでございます。その法的メリットが損なわれたのか、損なわれていないのかが重要だと考えております。
 この暫定利用の十年経過後の時点では、リーマンショック等がございまして、極めて土地の市況が悪くて、東京都が企業会計として有利に土地を処分する見込みがなかなか立たない、あるいは、それまでの暫定利用にかわる、よりにぎわいとか臨海副都心開発に資する利用方法を持った事業者があらわれていない、そのような状況でございました。
 したがいまして、先生のお言葉をおかりしますと、都民の財産の利益を損なうことがあったか、なかったかということであれば、暫定利用を延長したことについて、いささかも都民の財産の利益が損なわれていることはないと、そのように考えております。

○大島委員 都民の財産が損なわれているか、損なわれていないかという問題、これは非常に重要だと思います。ましてや、まだ売れないような状況で、ただで広場にしておくというよりも、何か貸し付けて使用料を取った方が利益になると私は考えています。
 でも、そうしたところで、十年間更新がないというふうに定めてあったものを延長したことについて、議会に報告もしないというのは問題ではないかと。この点については、もう最後なんですけれども、ごめんなさい、一言いっておきたいというふうに思います。

○新井委員 臨海副都心開発と情報化社会への対応について質問させていただきます。
 臨海副都心開発は、そもそも、一九八五年四月の世界テレポート会議で、当時の鈴木俊一知事が東京テレポート構想を発表したことに端を発していると聞いています。このテレポートというのは、港湾のシーポート、航空のエアポートに次ぐ第三の港として情報通信の港を意味し、世界中と情報をやりとりするために、人工衛星から情報を受け取るパラボラアンテナを配備した通信基地のことです。
 世界テレポート会議でテレポート構想を発表した当時、鈴木知事は、十三号地の四十ヘクタールを用地とする旨発言し、それは、現在のテレコムセンタービルのある青海地区にあったと聞いています。
 現在は、平成九年三月に策定された臨海副都心まちづくり推進計画に基づき開発を進めており、青海地区の南側には、研究開発や情報通信、国際交流の拠点として、バイオ・IT融合研究棟などの研究施設やテレビスタジオなどの施設誘致が進んでいると聞いています。
 そこで、青海地区南側のまちづくりのコンセプトと、施設誘致の状況及び誘致した施設を活用しての機能連携についてお伺いします。

○山口営業担当部長 青海地区南側は、産業創生、研究開発をコンセプトとして事業者の誘致を進めてまいりました。これまでに、国の産業技術総合研究所や都の産業技術研究センター、日本科学未来館や東京国際交流館、フジテレビの湾岸スタジオなどが進出し、最先端技術の研究開発、情報発信拠点として発展しております。
 この地区では、毎年、これらの施設を会場にして、大人から子供まで幅広い年代を対象に最先端の科学の研究をわかりやすく展示、発表するサイエンスアゴラというイベントが開催されており、昨年度は、二日間で六千人を超える来場者がありました。今年度も、日本全国からさまざまな研究者や大学、研究機関等が五百団体以上も参加して、今月九日と十日に開催される予定です。科学の普及、振興拠点としての役割も担う地域となっております。
 また、産業技術研究センターなどの研究機関は、東京ビッグサイトと連携して、中小企業のすぐれた技術や製品を展示する国内最大級のビジネストレードショー、産業交流展にも出展いたしまして、さまざまな研究成果や活動内容をPRし、中小企業の技術支援を充実させております。

○新井委員 青海地区南側が、産業創生、研究開発を開発コンセプトとして、IT関連などの情報通信のみならず、幅広い分野の研究開発や科学技術振興を推進する拠点となっている様子がわかりました。
 さて、この地区には、株式会社東京テレポートセンターが所有するテレコムセンタービルがあります。私は、このテレコムセンタービルについて、二〇一〇年十月二十五日の当決算委員会でも質問していますが、このビルは、建物内に光ケーブルが敷設されるとともに、耐震性や無停電ビルといった特徴があるとのことでした。
 当時、こうしたビルの特性を踏まえて、IT関連企業を含めたさまざまな業種の企業の入居促進に努めていくなどの答弁があり、私は、営業努力を強化することで、企業活動支援といった機能を発揮すべきだと指摘しました。
 そこで、テレコムセンタービルでは、さまざまな業種の入居促進に努めた成果はどうであったのか伺います。また、今後の方向性についてどのように考えているのかお伺いします。

○古谷企画担当部長 株式会社東京テレポートセンターは、情報通信基盤が整備されているといったテレコムセンタービルの特徴に加え、産業創生、研究開発といった青海地区のまちづくりコンセプトに沿った企業誘致に努めてございます。
 その結果、委員ご指摘のとおり、情報システム会社などIT関連企業も新たに入居してございます。また、本年三月には、3Dプリンターやレーザー加工機など、ものづくりのための設備を整え、都立産業技術研究センターなどと連携して、ものづくり企業の創業支援を行う施設もオープンいたしました。これらに加えまして、九月には、地元進出企業により構成され、イベントの企画、実施などを行います臨海副都心まちづくり協議会が移転するなど、テレコムセンタービルは、臨海副都心のまちづくりの一つの拠点となることが期待されております。
 今後も、周辺に研究機関が集積しているという立地も生かし、さまざまな企業誘致に努めることで、臨海副都心地域の魅力を高め、さらなる発展に貢献してまいりたいと思っております。

○新井委員 テレコムセンタービルには、IT社会を支える情報通信関連企業が多く入居するとともに、産業創生、研究開発というまちづくりのコンセプトに合わせた入居も進んでいることがわかりました。
 今やIT技術は、我々の生活の隅々まで入り込み、世界中の人々がスマートフォンを携帯して、普通の生活はもとより、旅行先でも重宝される重要なツールとして、なくてはならないものになっています。
 九月には二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、臨海副都心にも、世界中からたくさんの人々が訪れることになります。国際的な観光都市へと発展するために、今後、より一層便利な情報環境を整備していく必要があります。
 昨年度創設された都独自の補助制度は、民間事業者の創意工夫を引き出し、会議場や展示場などのMICE施設や、国際的な観光資源の充実につながる民間事業に対して補助するものと聞いています。昨年度には、デジタルサイネージを使用して多言語で観光情報を提供するなど、外国人サービス向上に役立つ民間事業が対象として選定されているとのことです。
 そこで、こうした外国人サービス向上に役立つ補助事業について、具体的内容、成果をお伺いします。

○山口営業担当部長 昨年度の補助対象事業のうち、外国の方々へのサービスの向上に向けた取り組みといたしましては、「ゆりかもめ」新橋駅の入り口に百六十五インチ相当の大型デジタルサイネージを一台、コンコースに四十七インチ相当でタッチパネル式の中型デジタルサイネージを三台設置いたしました。現在、臨海副都心の見どころの紹介やイベント、商業施設のセール情報などの観光情報を、日本語、英語、中国語、韓国語の四カ国語で提供しております。ことし四月から情報提供を開始して以来、国内外の来訪者に利用され、好評を得ているところでございます。
 また、「ゆりかもめ」の各駅にはタブレット端末を配備いたしまして、外国人の利用者の問い合わせなどに円滑に対応できる体制を整えました。これまでは英語のみによる対応でございましたが、中国語や韓国語にも対応可能となりまして、地図情報も活用できることから、説明の難しい乗りかえ案内や、駅から目的地への道案内などの説明が容易となり、円滑なコミュニケーションツールとして機能してございます。

○新井委員 日本では以前から、外国人対応で不足している点として、言葉のコミュニケーションが指摘されており、こうした取り組みは必要なことです。
 情報通信の面では、世界のIT環境の整備は日本以上に進んでおり、さらに民間の創意工夫を引き出して、東京のIT環境を向上させる余地はあると思います。
 そこで、今年度の補助制度を活用した民間事業のうち、情報化対応に関する補助対象事業についてお伺いします。

○山口営業担当部長 臨海副都心では、本年度、補助制度を活用して、全てのスマートフォンやタブレット端末から、誰もが無料で利用できるWi-Fi環境を整備してまいります。
 整備に当たりましては、まず、多くの人が集まる駅前などを中心に進めているところでございます。特に、今月二十三日から東京ビッグサイトにおいて一般公開が予定されております東京モーターショーには、国内外から数十万人のお客様が来訪することが予想されておりまして、開催までには、会場周辺に無料Wi-Fi環境を順次整備してまいります。
 これにより情報アクセスの質を高め、来訪した多くのお客様にとって、ビジネスはもちろん、魅力的な商業施設やエンターテインメント施設などの情報を取得しやすい環境を整え、来訪者へのサービス向上につなげてまいります。

○新井委員 少しずつ臨海副都心の情報環境が改善されている状況がわかりました。まだ民間にはいろいろなアイデアがあると思うので、さらなる充実を求めたいと思います。
 ところで、東日本大震災でも明らかなように、情報通信網は、救助を要請したり、安否確認をしたりするための重要なライフラインでもあります。臨海副都心は、災害に強いまちづくりとして、ライフラインを収容する共同溝が地中に張りめぐらされていると聞きます。
 そこで、この共同溝の概要と整備状況、昨年度の整備実績をお伺いします。

○小野開発調整担当部長 共同溝は、ただいま委員のお話にもございましたように、地域内の道路や公園の地下にも整備をいたしまして、上下水道や中水道、電気、ガス、情報通信など重要なライフラインを共同で収容しております都市基盤施設でございます。
 臨海副都心の共同溝は、耐震対策や液状化対策も実施しておりまして、安全で安定したライフラインを確保しておりますとともに、電柱をなくすなど都市景観の向上ですとか、効率的な維持管理を実施しているものでございます。
 平成元年から整備に着手いたしまして、平成七年度から順次供用を開始しており、現在は、共同溝の計画延長でございます十六・六キロメートルのうち、全体の約九九%に当たります十六・五キロメートルの整備が既に完了しているところでございます。
 昨年度は、青海地区の共同溝内にライフラインを設置したとともに、残る有明南地区の共同溝整備にも着手をいたしました。これらの執行額は約十八億円でございます。

○新井委員 二〇二〇年に向けて良好な情報通信環境を整備し、臨海副都心が、今後も引き続きIT社会の要請に応える地域として発展していくことは重要です。
 先日、十月十四日から十月十八日の日程で、ITS世界会議東京二〇一三が開催されました。この中で、東京都の取り組みとして、臨海副都心を自動車で走り、走行中に、スマートフォンを活用した震災時におけるより効果的な情報提供の仕組みとして、通行どめや火災、最寄りの駐車場の情報などを一元的に表示するデモンストレーションや、AR、日本語でいいますと、拡張現実というものを体験してみました。東京都とITS Japanと日本道路交通情報センターが共同して開発中で、今後、運用開始を目指していると聞きました。
 ARは、スマートフォンのカメラを通して目の前の状況の映像を表示し、GPSなどによって得られた位置情報とマップとして保存した駐車場や災害情報をその映像に付加表示したものです。スマートフォンを通して外界を眺めると、それだけで、どこに災害等があるかを知ることができるものでした。
 ITSという交通システムでの活用だけでなく、今や情報通信技術は、ビッグデータの活用を含め、テレポート構想が提唱されたとき以上に大きく発展しています。例えば臨海副都心地域は、お台場を初め、住港が混在しており、スマートエネルギーの導入なども積極的に取り組んでいけるのではないかと考えますし、観光客の発信するつぶやき情報や移動情報など、ビッグデータを分析すれば、より魅力的なまちづくりを進めることができるのではないかと考えています。
 当時のコンセプトをさらに進化させ、臨海副都心地域で先駆的に導入するなどして、この地域がその役割を十分担える地域へとさらに発展させる努力を続け、魅力を持って、ますます発展することを望み、質問を終わりにします。

○塩村委員 私の方からは、まず、平成二十三年度から始まりました東京港埠頭株式会社への港湾施設用地使用料の無償化についてお伺いをいたします。
 この事業は、都が施設用地を無償で貸し付けることなどにより、東京港埠頭株式会社は、ターミナル貸付料の基準額から四割削減を目標に国際競争力の強化を目指すものです。そこでお伺いをいたします。
 平成二十四年度は、ターミナル貸付料が基準額に対してどの程度削減でき、四割削減を達成する目途はあるのでしょうか。また、その効果についてお伺いをしたく思います。

○藏居港湾経営改革担当部長 近年、釜山港などアジア諸港が著しく躍進する中で、我が国港湾の相対的な地位が低下しております。こうした状況が続けば、東京港といえども、欧米とアジアを結ぶ国際基幹航路から外れ、物流コストや輸送日数の増大により、住民生活や産業活動に悪影響を及ぼすおそれがあります。
 東京港が引き続き東日本の重要な国際物流拠点としての役割を果たしていくためには、港の国際競争力を高め、国際基幹航路を維持することが不可欠であります。
 こうした状況の中で、国際基幹航路を運航する船会社は、輸送効率の向上を図るため、船舶の大型化を進め、寄港地を絞り込む傾向を強めております。船会社が寄港地を選択するに当たっては、取扱貨物量や港湾利用コストなど、さまざまな事項を勘案して決定しておりますが、とりわけターミナル貸付料については重要なファクターになっております。そのため、東京港では、コンテナターミナル施設用地の貸付料の減免を行い、東京港埠頭株式会社が東京港を利用する船会社から徴収するターミナル貸付料を低減させるよう取り組みを行っております。平成二十四年度においては、国の算定式により算定した基準額に対して、おおむね三割程度の減額を実現したところであります。
 こうしたコンテナターミナル施設用地の貸付料の減免など、東京港の国際競争力強化に向けた取り組みにより、東京港の国際基幹航路の航路数が、平成二十二年度以降、十五航路で推移するなど減少傾向に歯どめがかかってきたところでございます。
 今後も、東京港の国際競争力強化を図るため、都が行う港湾施設用地の貸付料の減免や、東京港埠頭株式会社による経営努力などを積み重ね、ターミナルコスト四割低減の実現に向けまして取り組んでまいります。

○塩村委員 都が施設用地を無償にしたことで、東京港の国際基幹航路数の減少に歯どめがかかってきており、効果が出ていることが確認できました。東京港が国際競争力を維持するためにも必要な施策だったと理解しました。今後を見守りたいと思います。
 次に、東京都臨海地域開発事業会計決算説明書から質問いたします。この決算説明資料によりますと、支出項目に一般管理費とあり、その内訳として開発処分経費とあります。
 この開発処分経費とは、一体どのような性質の経費なのか、またその内訳をお示しください。

○石原臨海開発部長 開発処分経費は土地処分の促進のための経費でございまして、民間でいえば販売促進経費に当たるものでございます。
 決算額約三億七千万円のうち、主な内訳は、臨海副都心MICE拠点化推進事業に要する経費約二億四千万円でございまして、そのほかは、土地の鑑定評価あるいは測量など、土地処分に要する経費でございます。

○塩村委員 臨海副都心MICE拠点化推進事業に、およそ二億四千万円を支出とのことですが、先ほどの新井委員の質問とも、ちょっとかぶってしまうのですが、この事業の目的、また、その補助の対象をお示しください。

○山口営業担当部長 臨海副都心をMICE、国際観光の一大拠点へと発展させるためには、MICE機能の充実に資する事業、アフターコンベンション機能の形成に効果の高い事業、外国企業の進出促進に資する事業、この三つの分野からの事業展開が必要と考えてございます。
 この三つの分野を補助対象といたしまして民間から事業提案を公募して、審査の上で、建築工事や改修工事、また備品の購入費などの初期投資経費について、一件当たり一億円を上限として、最大二分の一を補助する制度であり、財源は臨海地域開発事業会計でございます。

○塩村委員 民間の進出意欲、創意工夫を引き出す仕組みに補助金を交付するとのことで、民間の活力を取り入れることで、よりMICE拠点化につながり、臨海副都心の価値を高める事業ですので評価をしたいと思いますが、この事業に応募をした事業者、企業はどのぐらいの数で、倍率等はいかがだったのでしょうか。また、昨年度補助対象になった事業、その内容、選定方法を詳しくお願いいたします。

○山口営業担当部長 昨年度は、申請件数十件のうち五件を選定いたしました。
 MICE機能の充実に資する事業といたしましては、業務ビルにおけるセキュリティー面にすぐれた一千平方メートルを超えるホールの新設や、ホテルの最上階の、レインボーブリッジ越しに都心を見ることのできるすばらしい眺望を十分に生かした会議場を整備するものを選定いたしました。
 また、アフターコンベンション機能の充実につながる事業としては、「ゆりかもめ」新橋駅にデジタルサイネージを設置いたしまして観光情報を提供するとともに、「ゆりかもめ」全駅に、英語、中国語、韓国語に対応したタブレット端末を導入し、駅係員による外国人の方々への案内の充実を図るものに補助することといたしました。
 さらに、外国企業の進出促進に資する事業といたしましては、がん研有明病院における電子カルテシステムの外国語対応、通訳機能つきタブレット端末の導入、海外医療機関との学術的、医療的な国際交流連携が可能となるカンファレンスルームを整備するものを対象といたしました。
 補助対象事業の決定に当たりましては、経営の視点から観光を分析する学識経験者やインバウンドの実務経験者といった外部委員を含む選定委員会において、事業者へのヒアリングを行った後、厳正に審査、評価し、各事業を点数化した上で補助率を定め、対象事業を選定してございます。

○塩村委員 MICE機能の充実に資する事業、アフターコンベンション機能の形成に効果が高い事業、外国企業の進出促進に資する事業、この三分野全てに全五事業を偏ることなく選定されております。どれもMICE、国際観光の一大拠点を支える事業の一つだと感じております。
 しかしながら、事業者選定等を誤りますと、臨海副都心の価値を高めるどころか、予算が無駄になってしまいます。現在は期待感のある事業が選定されていますが、補助後には、簡単でもいいので、成果等の報告や調査を適正にすべきと考えますが、その予定はあるのでしょうか。

○山口営業担当部長 補助対象事業につきましては、補助金交付後五年間、毎年、事業者に対し、事業の実施状況及び事業効果について報告することを義務づけるとともに、都職員による現地調査を実施することとしております。
 六年目以降は、必要に応じて報告を求めまして、また、随時、現地調査などにより状況把握に努め、補助金申請時に事業者より示された事業効果を検証してまいります。検証の過程で、事業者に対して、より効果的な提案や助言に努め、事業のブラッシュアップを図るとともに、補助制度の改善にも努めてまいります。

○塩村委員 都として、しっかりと選定をした事業の効果を検証し、この補助事業のブラッシュアップを図るとともに、補助制度の改善にも努めていくとのこと、ぜひお願いをいたします。
 最後に、臨海副都心のまちづくりと国際競争力についてお伺いをいたします。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催も決定し、臨海副都心への注目も高まっております。昨年のこの決算委員会におきましても、コンベンション機能を有する施設を誘致するとの答弁がありましたが、MICE、国際観光拠点の開発の進捗はどのようになっておりますでしょうか。

○石原臨海開発部長 世界中から人、物、技術、情報が集まり、大きな経済波及効果が期待されるMICE、国際観光の複合的な機能を持つ施設を、今後開発予定の青海地区北側に誘致していく予定でございます。
 現在、一体開発を視野に入れ、開発の手法等を検討しておりますが、処分に至るまでは、オリンピック・パラリンピックも見据えまして、スポーツイベントの開催会場として有効活用するなど工夫をしてまいります。
 その間、都独自に創設しました補助制度を活用して民間の創意工夫を引き出して、既にある程度集積しているホテルや商業施設などのMICE、国際観光施設のバージョンアップを図りまして、より一層の機能充実を目指してまいります。

○塩村委員 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催時に有効活用できるよう、早目に方向性を示していただくことも、また臨海副都心の価値を高めることにつながりますので、よろしくお願いいたします。
 オリンピック・パラリンピック開催時に、MICE拠点化予定地が、何かの建設中で活用できないというような事態にだけはならないようお願いを申し上げます。
 また、MICE、国際観光拠点は、アジアヘッドクオーター特区でもあり、臨海副都心の開発は注目をされております。青海に大型客船が接岸できるふ頭も新設されます。客船ターミナルは海の玄関口であり、背後地のアジアヘッドクオーター特区との相乗効果も強く期待されます。
 大型客船の桟橋建設は大いに結構なことですが、首都東京の玄関口として、ヨーロッパ各国、王室が所有をするロイヤルクルーザーや、世界の富豪が所有をする百から二百フィート級のメガヨットなどが来航したときに対応する中小船舶の外国船係留施設が東京にはありません。
 また、各国の臨海都市では、さまざまな小型船舶による水上交通網を見ることができます。お台場は、日本初の不定期航路特区と指定され、小型船舶による水上交通のハブとなることが期待をされています。
 さまざまなそのような効果が一時的なもので終わるのではなく、収益構造を持続的に発展させていくようなものであるということを大前提に、お台場地区への新たな小型船舶桟橋の建設計画も、さきに述べました外国船係留施設とあわせて、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを機に新設することも検討してみてはどうでしょうか。より魅力的で価値のある臨海副都心の開発と整備をお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会といたします。
   午後二時五十一分散会

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