委員長 | かち佳代子君 |
副委員長 | 吉倉 正美君 |
副委員長 | あさの克彦君 |
副委員長 | 鈴木 隆道君 |
小林 健二君 | |
清水 孝治君 | |
山内れい子君 | |
尾崎あや子君 | |
木村 基成君 | |
川松真一朗君 | |
林田 武君 |
欠席委員 なし
出席説明員水道局 | 局長 | 吉田 永君 |
次長 | 福田 良行君 | |
総務部長 | 松宮 庸介君 | |
職員部長 | 松丸 俊之君 | |
経理部長 | 石井 正明君 | |
サービス推進部長 | 冨田 英昭君 | |
浄水部長 | 佐々木史朗君 | |
給水部長 | 田村 聡志君 | |
建設部長 | 今井 滋君 | |
企画担当部長 | 斉田 典彦君 | |
サービス企画担当部長 | 宇井 利見君 | |
設備担当部長 | 佐久間 勝君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 大村 雅一君 |
調整部長 | 浅沼 寿一君 | |
施設部長 | 山田 廣君 | |
技術調整担当部長 | 青木 秀幸君 |
本日の会議に付した事件
平成二十四年度東京都公営企業各会計決算の認定について
水道局関係
・平成二十四年度東京都水道事業会計決算(質疑)
・平成二十四年度東京都工業用水道事業会計決算(質疑)
○かち委員長 ただいまから平成二十四年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の決算に対する質疑を行います。
これより水道局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十四年度東京都水道事業会計決算及び平成二十四年度東京都工業用水道事業会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松宮総務部長 さきの分科会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
一ページをお開きいただきたいと存じます。水需要予測と実績の推移でございます。
将来の水道需要の見通しと平成五年度以降の一日最大配水量及び一日平均配水量の推移をお示ししてございます。
二ページをお開き願います。八ッ場ダム建設事業費に係る東京都の負担でございます。
平成二十年度から二十四年度までの八ッ場ダム建設に係る総事業費、都の負担額、そのうち、水道局の負担額及びその他の負担額をお示ししてございます。
三ページをお開き願います。多摩川水系の年間取水量の推移でございます。
平成十五年度から二十四年度までの羽村及び小作の取水堰と砧浄水場及び砧下浄水所における取水量の合計をお示ししてございます。
四ページをお開き願います。各浄水場における自然エネルギー等による発電状況でございます。
各浄水場などにおける太陽光発電設備、水力発電設備それぞれの設置年度、発電規模及び平成二十四年度の発電実績をお示ししてございます。
五ページをお開き願います。水道管路における耐震継ぎ手化の計画と実績でございます。
平成三十四年度と二十七年度の耐震継ぎ手率の計画及び平成二十一年度から二十四年度までの耐震継ぎ手率の実績値をそれぞれお示ししてございます。
六ページをお開き願います。漏水率の推移でございます。
平成五年度以降の漏水率の推移をお示ししてございます。
七ページをお開き願います。未納カード発行枚数及び給水停止件数の推移でございます。
平成十五年度から二十四年度までの未納カードの発行枚数と給水停止件数をお示ししてございます。
八ページをお開き願います。監理団体への委託料及び主な委託内容でございます。
水道局が所管しております二つの監理団体について、東京水道サービス株式会社については、平成十五年度から二十四年度までの委託料と主な委託内容、また、株式会社PUCについては、監理団体に指定された平成十八年度から二十四年度の委託料と主な委託内容につきまして、それぞれお示ししてございます。
九ページをお開き願います。国際貢献の新たな取り組みに関する海外出張に要した経費の一覧でございます。
平成二十四年度における海外出張に要した経費を出張先の国、地域別にお示ししてございます。
一〇ページをお開き願います。収益的収支、資本的収支及び損益勘定留保資金の推移でございます。
平成十五年度から二十四年度までの収益的収支、資本的収支、損益勘定留保資金のそれぞれにつきましてお示ししてございます。
以上をもちまして、大変簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
○かち委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○川松委員 私からは、水道局の取り組みについて幾つか伺ってまいります。
まず最初に、安全でおいしい水の取り組みについて伺います。
ここに「東京の水道」という冊子がございますが、これを見ますと、高度浄水処理とはオゾンと生物活性炭を使うものであり、その仕組みはまさに自然の浄化作用と同じバイオの力だと私は思っております。
高度浄水処理により、においのもとなどを取り除き、より安全でおいしい水がつくられるわけでありますが、先日も新聞報道にございました、水道局は、これまで高度浄水の導入を順次推進してきました。四月の金町浄水場に続き、十月に三郷浄水場の高度浄水施設が完成し、利根川水系の浄水場で高度浄水一〇〇%を達成いたしました。
高度浄水の導入は、すぐれた施策だと思います。これ以外にも安全でおいしい水の供給のためにさまざまな取り組みを進めてきたと思いますが、二十四年度の取り組みについて伺います。
○斉田企画担当部長 水道局では安全でおいしい水プロジェクトといたしまして、平成二十四年度においても高度浄水の導入のほか、厳しい水質管理や貯水槽水道対策など、水源から蛇口に至るまでの総合的な施策を推進しております。
また、高度浄水が安全でおいしい水の供給だけでなく、コスト面や環境面でもすぐれていることや、さまざまな施策展開によりまして東京の水道がおいしくなっていることについて、お客様の理解を得られますよう積極的なPRをあわせて行っております。
○川松委員 今ありました取り組みの成果だとは思いますけれども、水道局の発表資料によりますと、水道水とミネラルウオーターの飲み比べでは、半数の人が水道水がおいしいと回答しております。これは、ミネラルウオーターと何ら遜色がないという結果でもあります。
また、お客様満足度調査においては、満足度は安全でおいしい水プロジェクト開始前の平成十五年度の二八%から、平成二十四年度は四七%に向上しております。ただ一方で、満足度は上がっておりますが、それでも不満を持つ方も二割程度存在しているわけです。
私の地元、墨田区の支持者であったり、私はスポーツに携わっておりますからそのスポーツの競技者から、水道水がおいしくなったという声はよく聞いております。その水道水の不満の多くは、水道水という昔の先入観に引きずられている方がたくさんいるのかなと思いますけれども、具体的な理由はつかんでいるんでしょうか。
○斉田企画担当部長 お客様満足度調査におきまして、飲み水としての水道水に不満と回答したお客様に対しまして、その原因を把握するため、平成二十四年度にアンケートやグループインタビューを行いました。
その結果によりますと、水道局が安全でおいしい水を供給していることは理解している、しかし、塩素のにおいが気になるとの意見や、貯水槽が汚れているのではないか、あるいは自宅が古く、家の水道管が汚れているのではないかなどの不安を持つ方がいらっしゃいました。
○川松委員 水道水の安全性を確保する上で、感染症の発生を防ぐための消毒として塩素が必要であることは十分理解しております。しかし、その一方で、塩素濃度が高くなりますと、塩素によって発生するカルキ臭を感じる人が多くなるのも現実であり、アンケートやインタビューにおいて出された塩素のにおいが気になるという意見に対して、適切な対策を講じていくことが必要であると思います。
そこで、安全性を確保しつつ、塩素のにおいが気にならないようにするため、どのような取り組みを行っているのか伺います。
○佐々木浄水部長 都では、独自のおいしさに関する水質目標を設定しておりまして、その中で塩素に関しましては、においが気にならないレベルの目標値を定めております。そして、水道水中の残留塩素の低減化に努めております。
安全な水道水を供給するために、通常は浄水場で塩素を注入し、蛇口まで必要な残留塩素を確保しております。しかしながら、浄水場から遠く離れた地域で適正な残留塩素を保持するためには、塩素を多く注入しなければならないため、残留塩素の高い地域が生じてしまいます。
そこで、浄水場とお客様の蛇口との間にあります給水所などで、塩素を追加注入する設備を整備し、活用しております。これによりまして、浄水場での塩素の注入量を減らすことができ、残留塩素の高い地域を解消することが可能となります。
この追加塩素注入設備につきましては、平成二十四年度までに区部で十二カ所、多摩地域で七カ所に整備しました。これらの設備を活用し、さらなる残留塩素の低減化を推進しているところでございます。
○川松委員 浄水場や給水所における残留塩素の低減化対策は有効ですが、貯水槽水道の場合は、管理が十分でなければ安全でおいしい水を供給しても都民には届かないわけであります。貯水槽水道を使用している都民についても、安全でおいしい水を飲んでいただくため、貯水槽水道対策は大変重要であると考えます。
本来、貯水槽の清掃や点検などの管理は設置者が行うものであり、設置者に適正な管理を促すことで貯水槽水道の対策を進め、安全でおいしい水を実感してもらいたいわけでありますが、そこで、貯水槽水道対策としては、どのような取り組みを行っているのか伺います。
○田村給水部長 当局では、平成二十二年度から二十四年度にかけて、貯水槽内での水の滞留時間が長く残留塩素を消費しやすい施設など約八万六千件に対し、点検調査を実施いたしました。
この調査の結果、設置者や管理者等の協力が得られた約二万五千件の施設につきましては、管理状況や設置環境、水質などの点検を行い、実態を把握するとともに、不適切な事例につきましては改善に向けた指導助言を行いました。
また、平成十九年度より直結切りかえ見積もりサービスを開始して、工事費の見積もりや工事内容についての相談を無料で行うことによって、貯水槽水道方式から直結給水方式への切りかえ促進にも取り組んでおります。
○川松委員 貯水槽水道対策をきめ細やかに行っているということで安心いたしました。直結給水方式への切りかえ促進にも、都民の立場に立った進め方をしているようで、よい取り組みであり、必要とされている方はまだまだたくさんいらっしゃいますから、ぜひとも今後もしっかり頑張っていただきたいと思います。
そして、水道局は、安全でおいしい水の取り組みをさまざまな媒体を活用してPRしております。PRは重要なことであり、一層取り組んでもらいたいわけですが、都民に安全性やおいしさを体験してもらうことも不安を解消することにつながり、効果的だと考えます。第三回定例会で我が党はこうした指摘をいたしまして、水の見える化を提案し、その際水道局は、水道水質モニター制度を創設すると答弁いたしました。
体験型の施策を推進するとともに、施策を通して都民の声を把握し、さらに安全でおいしい水対策に生かしてもらいたいと思うわけですが、見解を伺います。
○斉田企画担当部長 水道局では、参加型、体験型の施策といたしまして水道水質モニター制度を本年十月に創設し、お客様みずからが自宅の水道の水質を確かめることで、自宅の水道管が汚れているのではないかなどといった不安を解消できるようにしてまいります。
このほかにも、高度浄水一〇〇%達成に伴う記念イベントとしまして、高度浄水施設の見学会や飲み比べを実施しており、今後も参加型、体験型の施策を推進してまいります。
また、ただいま川松委員のご提案を踏まえまして、体験した感想など、お客様の声を把握し、今後の安全でおいしい水の取り組みに生かしてまいります。
○川松委員 さまざまな施策を推進し、引き続き、安全でおいしい水の供給に努めていただきたいと思います。
次に、水道管路の耐震化について何点か伺ってまいります。
我が党は、これまでも機会があるごとに、都市インフラとして重要な水道施設の耐震化を強力に推進することを主張してまいりました。これを受け水道局では、水道管路の耐震化を加速させてきたわけであります。
しかしながら、切迫性が指摘される首都直下地震への対策強化が急がれており、いまだ道半ばにある管路の耐震化は、まさに急ぎの問題であると認識しております。
まず、これまでの水道管路の耐震化への取り組み状況について伺います。
○斉田企画担当部長 水道局では、水道管路の取りかえを計画的に実施してきており、材質的に耐震性にすぐれたダクタイル鋳鉄管への取りかえをほぼ完了しております。
また、阪神・淡路大震災における管路被害を踏まえまして、平成十年度からは、抜け出し防止機能を有する耐震継ぎ手管を全面的に採用し、さらなる耐震性の強化に努めております。
さらに、平成二十二年度からは、取りかえ計画を大幅に前倒しする水道管路の耐震継手化緊急十カ年事業を推進してきております。
こうした取り組みの結果、管路の総延長約二万七千キロメートルに対する耐震継ぎ手化の割合は、平成二十四年度末現在で三二%となっております。
○川松委員 さきの東日本大震災では、およそ二百五十万戸に及ぶ断水被害がありましたが、管路の被害については、厚生労働省が派遣した現地調査団の報告におきまして、耐震継ぎ手管は抜け出すことがなかったことが明らかにされております。
平成七年に発生しました阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、いち早く耐震継ぎ手管を全面的に採用してまいりました水道局の先見の明を高く評価したいと思います。
しかしながら、去年公表されました新たな被害想定を見てみますと、私の住む墨田区では、ガスの供給支障率は一〇〇%、停電率は六二%、そして水道の断水率は八〇%という報告がございます。
ライフラインの被害は都民生活に直結し、深刻な影響を及ぼすことになりますが、水道について見ますと、区部平均でも高い断水率となっているのが現状でございます。
そこで、水道の断水被害が高く想定される要因について伺います。
○斉田企画担当部長 平成二十四年四月に東京都防災会議が発表した新たな被害想定における断水率は、東京都全体では三五%、二十三区では四五%となっております。
このように、断水率が高く想定されている最大の要因は地震動の大きさであり、最大震度は七に達するとともに、震度六強の地域が広範囲に及ぶと報告されております。
また、区部東部などの軟弱地盤におきましては、地震動が増幅されやすく、液状化も発生しやすいため、通常のダクタイル鋳鉄管では継ぎ手部の抜け出し被害が多発することも大きな要因になっております。
○川松委員 この被害要因を聞きますと、震災時に確実に断水被害を軽減する早道は、やはり耐震継ぎ手管への取りかえを行っていくことにほかなりません。しかし、管路の取りかえ工事を行うに当たりましては、工事に伴う騒音や道路の通行どめなどに対して周辺住民から十分に理解を得られることが重要ではないでしょうか。
また、水道工事のイメージが向上するよう、工事受注者の活力を引き出す方策も必要だと考えます。さらに、昼夜を問わず断水の影響を受ける大都会ならではの活動形態も、工事を困難にする要因となっているのではないでしょうか。
そこで、水道工事を着実に進めていくための取り組みについて伺います。
○田村給水部長 水道工事を着実に進めていくためには、周辺住民の水道工事に対する理解を得ることが不可欠でございます。
このため、工事の目的や内容をわかりやすく説明したDVDやリーフレットを現場説明会などで活用するほか、工事受注者が工事現場の環境改善や周辺地域への社会的貢献を積極的に行えるよう、イメージアップ経費を計上する工事を、今まで以上に拡大いたしました。
さらに、工事に伴う断水を極力避けてほしいという声に応えて、断水時間の大幅な短縮を可能とする仮配管方式を採用し、周辺住民への負担軽減を図っております。
こうした取り組みを継続して行っていくことで、水道工事を着実に進めてまいります。
○川松委員 都民の皆様方からの協力を得ながら工事を推進すべきであり、こうした取り組みにも一層力を入れていただきたいと思います。
こういった工事は、自分たちの生活を守るために大きな意味があるということを、広く私もPRしてまいります。
一方で、先ほど答弁にございました、およそ二万七千キロに及ぶ膨大な水道管路を一気に行うことは不可能であり、優先順位をもって耐震化を進めていくことが重要であります。
私自身、マスコミ関係者として、二〇〇四年の新潟県中越地震など、さまざまな災害報道に携わってまいりました。また、さきの東日本大震災後も一部地域の復興に携わった経験から話しますと、例えば被災者の方が、やっと避難所にたどり着いたとしても、そこで、お風呂だったり、トイレだったり、使えない。水が使えないということで、不便な思いをされている皆さんの光景を目の当たりにし、心苦しい思いをした経験もございます。
そして、さきの震災では、東京でも、駅に殺到する帰宅困難者への給水確保ということが、新たな課題として浮かび上がってきたわけであります。
今後の震災対策は、震災の教訓や被害想定の結果を踏まえ、人が多く集まる場所など、効果的に耐震化を進めていくことが不可欠であると考えます。
そこで、こうした点を含めての水道管路の耐震化における今後の取り組みについて伺います。
○斉田企画担当部長 水道局ではこれまでも、首都中枢機関や救急医療機関などへの供給ルートの耐震化を優先的に進めてきております。さらに、ご指摘のとおり、明らかになりました課題に的確に対応する必要があり、新たに避難所や主要な駅、液状化などにより被害が大きいと想定される地域につきましても、優先的な耐震継ぎ手化を強力に進めてまいります。
これらの取り組みによりまして、十年後の平成三十四年度末には耐震継ぎ手率を五四%に向上させるとともに、首都直下型地震が発生した場合の平常給水までの復旧日数について、従来の三十日から十八日に短縮してまいります。
震災時において断水による影響を可能な限り軽減するため、水道管路の耐震継ぎ手化を着実かつ効果的に実施してまいります。
○川松委員 およそ二万七千キロに及ぶ水道管路は地球半周を超える規模でありまして、それらの耐震化が一朝一夕には進まないことは理解しますが、水道局の英知を結集し、水道管路の耐震化を一層推進していただきたいと思います。
次に、国際貢献について伺います。
国連の報告によりますと、世界には安全な水を手に入れることができず、困難な生活を強いられている人々が八億人にも上るといいます。水に困っている国々の実情を見てみますと、まず、ノウハウを持った人材がいない、また資金もないという状況であり、厳しい状態に置かれております。
私は、自分のブログにも書いてまいりましたが、ことし五月の安倍総理のミャンマー訪問前後で、改めてミャンマーについて勉強したわけでありますが、井戸が主体である地方はもとより、都市部におきましても安全で安心な水道の普及は必要であると認識しております。
こうした途上国を初めとするアジア各国では、東京水道の技術に対して高い関心が持たれていると聞いてまいりました。
まず、アジアではどのような技術やノウハウが求められているのかを伺います。
○斉田企画担当部長 アジア諸国では、浄水処理が十分でなく、施設も老朽化している状況にあることなどから、東京水道が持つ技術やノウハウに対して高いニーズがあります。
具体的には、さまざまな原水水質に対応できる浄水処理や無収水率三%を達成した漏水防止対策、地震国ならではの震災対策などであります。また近年では、独立採算制を基本とした財政運営のノウハウなども求められております。
こうしたアジアを中心とした途上国のニーズを踏まえまして、人材育成に努めております。
○川松委員 さまざまなニーズがアジア諸国にあり、東京水道の技術やノウハウの提供について幅広く求められていることがわかります。今の答弁の中に人材育成に努めているとありましたが、これはとても重要なことだと思います。
私自身は、ずっとラグビーをやっておりまして、現在も大学でラグビーの指導に当たっているわけでございますが、ラグビーに限らず、スポーツであれ、学術であれ、何であれ、みずから課題を解決し、マニュアル以外の局面をどう乗り越えていくか、そういった人材を育てていくことが全てであると思います。
特に、これから大きく変貌を遂げようとしているアジア各都市においては、予想困難な課題も見えてくる可能性が高いわけですから、とにかく、見せかけではなくて、基本をしっかりと教えられるのは東京水道しかないと思っておりますので、どうか東京水道には、長年水道の現場を経験した人材がいて、技術を持っている、これを強みとして海外の水道のために貢献することができるんだろうと考えております。
そこで、海外水道事業体の人材育成について具体的な取り組みを伺います。
○斉田企画担当部長 水道局では、世界各国からの要望を受けまして、水質管理や漏水防止などの分野で海外水道事業体からの研修生を受け入れており、その数は五年間で約二千人に上っております。
平成二十四年度の受け入れ実績は四百六十人で、うちアジア地域は三百四十三人と約四分の三を占めております。
また、相手国の要請に応じまして、人材育成を中心とした技術協力の覚書を締結しております。
具体的には、平成二十四年十一月のタイ首都圏水道公社との覚書締結を初めといたしまして、台湾水道公社、台北市水道局、ミャンマーのヤンゴン市開発委員会とそれぞれ覚書を締結しております。
さらに、人材育成を目的の一つといたしまして、タイのバンコクにおいて無収水対策パイロット事業を実施しております。
○川松委員 今の答弁を聞きまして、アジア各国の水道人材の育成に努めていることがよくわかりました。水道の改善に当たり、まず人材育成を進めていくことは、先ほども述べましたが、その国の自立というものを後押しする意味でも重要な取り組みであると考えます。
また、この東京水道で学んだ海外研修生が、将来、その国に帰って幹部となることもあるという可能性も高いわけでありますから、こうした人的パイプというのは将来の東京の財産となることは間違いないわけであります。
東京水道が各都市を築いていくということであり、人づくりと技術協力を通じた国際貢献の取り組みをこれまで以上に積極的に進めていただきたいと思います。
そして本日は、これまでの質疑を通じまして、平成二十四年度決算を振り返りながら、我が党とともに東京水道が進めてきた施策について伺ってまいりました。こうした取り組みをもっと都民に知ってもらうため、積極的に情報発信すべきであると考えます。
先月、東京は二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの招致に続き、二〇一八年国際水協会世界会議の開催都市に決定いたしました。また、二〇一九年にはラグビーワールドカップ日本大会も開催されます。
この開催に向けて、海外へも東京の強みや魅力を積極的にアピールすべきだと思いますが、そこに向けて、局長の決意、考えを伺います。
○吉田水道局長 東京水道は、近代水道創設から百十数年にわたる事業運営の中で、都市化の進展に伴う施設の新増設、高度浄水施設の建設、貯水槽水道対策など、安全でおいしい水の供給や、また震災対策などに取り組み、都民生活と首都東京の首都機能を支えてまいりました。
こうした中で培ってきた事業運営ノウハウや技術を駆使し、今後とも一千三百万人都民への安定給水に努めてまいります。
ご指摘のとおり、こうした取り組み、さらにはノウハウや技術を情報発信していくことは、極めて重要だと認識しております。このため、今お話のございました二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックや二〇一八年の国際水協会、IWAの世界会議、また二〇一九年のラグビーワールドカップ開催に向けて、安全でおいしい水を安定して届けることができる、世界に誇れる東京水道を国内外へ一層アピールしてまいります。
○川松委員 本当に東京水道というのは、蛇口から直接、安全でおいしい水が飲める世界最高水準の技術を持っております。今、局長から、安全でおいしい水の安定供給を国内外へ一層アピールしていくという力強い答弁がございました。
今は、国内だけではなく海外からも安心して首都東京を訪れていただけるよう、ぜひ水道局一丸となって東京のプレゼンスを一層高めていただきたいと考えます。
東京の浄水場には、海外の政府関係者なども視察に訪れます。我々がふだん何げなく飲んでいる水というのは、そういったすぐれた技術によってつくられているわけです。これは誇るべきことでございまして、水道局の職員の皆さん、もっと胸を張って、局長を先頭に、これからも頑張っていただきたいと強く要望し、私の質問を終わります。
○吉倉委員 それでは、私からも、水道局の震災時における取り組みについて何点か質問いたします。
東日本大震災の教訓や首都直下地震の被害想定などから、現在、水道局は、局を挙げて精力的に水道管路の耐震化に取り組んでいると聞いております。一千三百万都民の命に直結する、この配水管の総延長は二万六千四百九十キロメートルであり、この耐震工事は大変規模の大きな事業であります。
こうした工事は、都内の工事件数の増加などにより、主任技術者の不足から入札の中止、不調がふえていると聞いております。
そこで、平成二十四年度の入札の状況と今後の取り組みについてご説明いただきたいと思います。
○石井経理部長 平成二十四年度に入札に付し、契約した工事件数は七百三十九件でございました。また、入札参加希望者があらわれず、入札に至らなかった中止件数は百二十二件、入札が行われたものの条件等が一致せず、契約に至らなかった不調件数は七十七件となっております。
これらの工事に対しましては、施工条件等を見直し、再度入札を行うことで契約を締結しております。
また、このような入札中止、不調を回避するために全庁的な取り組みとして、平成二十五年四月より、設計労務単価の引き上げ改定や、既に契約済みの契約案件の労務単価等を引き上げる全体スライド条項の適用等の対策を実施しております。
○吉倉委員 水道局における水道工事の契約状況と中止、不調の発生に対する取り組みを答弁いただきました。
この中で、二十四年度の入札で契約した工事件数が七百三十九件に対して、中止件数が百二十二件、また不調件数は七十七件という数字は、決して小さくない数字であります。
入札の中止、不調を引き起こす原因の一つは、民間技術者の不足、資格を有する監理技術者の不足であると聞いております。一現場に一人の監理技術者をつけなければならないために、同時に複数の契約を受けにくい、あるいは落札しても人材不足で工事を遂行できないといったことも聞いております。
こうしたケースを避けるために、国が今回、建設工事の専任技術者については兼務を認めるとの通達を出しております。都は、大規模な水道管路の耐震工事を円滑に進めるために、この国の通達を参考にすべきであります。入札の中止、不調を回避するために、この国の基準に沿って、ぜひ検討を始めていただきたいことを強く要望しておきたいと思います。
次に、震災時における水道局と関係事業者との連携、連絡体制について伺います。
東日本大震災では、携帯電話の通信規制などから電話がふくそうし、水道局と関係事業者間の連絡が十分にとれませんでした。その上、主要な幹線道路が渋滞を引き起こし、応急復旧活動に支障が生じたと聞いております。
こうしたことを繰り返してはならない、ライフラインである水道の復旧作業を一刻も早く進めなくてはならない、その意味から、我が党は、昨年の公営企業委員会で、震災時において関係事業者がどう行動すべきかを記載した震災時行動マニュアル、これを作成すべきだと提案いたしました。
都は、これを受けて早速行動マニュアルを作成し、関係事業者に配布したと聞いております。
そこで、このマニュアルでは、関係事業者がなすべき行動について、どこまで記載されているのか伺います。
○田村給水部長 震災時行動マニュアルにつきましては、昨年五月に策定し、局のホームページにおいて公表いたしました。このマニュアルには、震災時に関係事業者がとるべき具体的な行動を震度別に明記しております。
また、水道管路等の復旧用工事車両が、緊急交通路を通行する際に必要となる緊急通行車両標章を当局事業所から受け取れるよう、窓口を二十事業所に拡大し、発行手続とともに記載いたしました。
さらに、発災時の通信規制等に備え、局と関係事業者との間で電子メールを活用した連絡が行えるよう明記し、体制の充実を図っております。
○吉倉委員 答弁いただきましたこの行動マニュアルを全国の水道事業体に先駆けて都が策定したことは、迅速な応急復旧を進める上で重要な取り組みだと考えております。幸いマニュアル策定後に大規模な地震は発生しておりませんが、実際にこのマニュアルを活用することで、関係事業者との間で体制の強化がどのように図られるのかを伺います。
○田村給水部長 震災時行動マニュアルに震度別の行動を明確に示したことにより、当局からの連絡を待たずに関係事業者の判断で行動できるようになりました。また、緊急通行車両標章の発行窓口の拡大と取得方法の明記により、迅速な通行手段が確保されました。
さらに、電子メールを活用した緊急連絡体制の充実によりまして、当局と関係事業者との連携がより一層強化されました。
これらにより、震災時に迅速な対応が図られ、応急復旧活動を円滑に行える効果があります。
○吉倉委員 ありがとうございます。さまざまな体制の強化が図られるということで、評価しております。マニュアルを有効に活用して、関係事業者との連携を一層緊密に図っていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
そこで、関係事業者に対して、このマニュアルをどう具体的に周知をしていくのか、また局との今後の連携の進め方について伺っていきたいと思います。
○田村給水部長 震災時行動マニュアルを関係事業者へ周知徹底するため、契約図書に大規模災害時には震災時行動マニュアルに基づき対応する旨を明記いたしました。また、契約締結後に行っている関係事業者への業務説明会におきましても、内容を十分に説明した上でマニュアルを配布しております。
今後は、当局が実施する総合防災訓練にあわせて、関係事業者との情報連絡訓練を実施するなど、関係事業者との連携をより一層強化してまいります。
○吉倉委員 このような行動マニュアルが整備されることで、応急復旧活動が円滑に行われることは、大変心強いことだというふうに考えております。
加えて、マニュアルでは細部まで記載することが難しいこともあり、現場での適切な判断が求められることもあるというふうに考えております。しかし、特に、発災時に参集した関係事業者が混乱のないよう、現場での指揮系統を明確にしておくことが必要であります。
また同時に、関係事業者が局からの指示で復旧活動に当たる際に、震災時の混乱の中でも関係事業者の緊急出動であることがわかるよう配慮すべきであります。
例えば、関係事業者とわかるような腕章などの方策を検討すべきと考えますが、この点はいかがでしょうか。
○田村給水部長 発災時には、関係事業者は被害に遭った水道管が埋設されています公道や宅地内等での復旧作業に従事していただくことになります。震災による混乱の中でも、災害復旧に従事する関係事業者であることが、都民の皆様にわかるような腕章の作成などの方策とその必要性について、今後、関係事業者等の意見も聞きながら検討してまいります。
○吉倉委員 ぜひ今後も応急復旧活動が円滑に進むように、さまざまな場面で、局と関係事業者との連携をさらに深めていただきたいと考えております。
さて、震災時行動マニュアルに沿った対応により、管路の応急復旧が迅速に行われるとはいえ、震災時に断水は避けられないため、管路が実際に復旧するまでは応急給水に頼ることになります。
水道局では現在、給水所等の一画に、区画した応急給水エリアを設定する取り組みとあわせて、被害を受けていない配水管の消火栓などを活用した応急給水の取り組みを実施しております。
これらの取り組みを最大限活用するためには、水道局の職員の到着を待たずに応急給水活動ができるような体制が必要であります。そのためにも、これまで我が党が要請をしてきているとおり、日ごろからの区市町や住民との連携が最も重要であります。
そこで、水道局の職員を待たずに応急給水を実施するための体制づくりについて伺います。
○冨田サービス推進部長 応急給水拠点となっている給水所等の水道施設用地の一画に、新たにフェンスで区画した応急給水エリアを設定し、施設の鍵の取り扱いや応急給水の実施等を定めた覚書を区市町と締結することで、住民みずからが応急給水活動を実施できる体制を確保することといたしました。
平成二十四年度までに三十八カ所の施設整備が完了し、一区九市と覚書を締結いたしました。
○吉倉委員 いざというときの迅速な給水活動には、地域住民や区市町との連携が最も重要であり、そのための訓練が欠かせません。私も昨年、地元の新宿区が百人町ふれあい公園で、水道局と合同で実施した応急給水訓練に参加をいたしました。改めて、応急給水槽や消火栓を活用した応急給水活動の重要性を実感した次第であります。
そこで、地域住民と区市町と連携した応急給水訓練の実施状況について伺います。
○冨田サービス推進部長 これまで区市町が主催する防災訓練等において、実際に応急給水用資器材を使用するなど、住民と連携した応急給水訓練を実施してまいりました。また、給水所等の一画に応急給水エリアの設定をすることにより、住民による応急給水が円滑に実施できることから、今後、区市町へ訓練の実施を働きかけてまいります。
さらに、消火栓等を活用した応急給水については、局が区市町職員に対して訓練を実施し、区市町職員が住民に対して継続的に実施する訓練を支援してまいります。
○吉倉委員 答弁をいただきましたとおり、震災対策には予防対策が重要であることは当然ですけれども、こうした応急体制の確立といった対策についても万全を期すべきであります。
最後に、震災発生時の応急対策への取り組み姿勢について局長のご見解を伺います。
○吉田水道局長 水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支えます基幹的なライフラインであります。仮に震災により都市機能が停止するようなことがあれば、国の根幹も揺るがしかねません。
そのため、水道管路の耐震化など予防対策を迅速かつ着実に進める一方、発災時の応急給水や応急復旧などの対策についても関係事業者、地域住民、区市町などと連携し、創意工夫しながら推進することが重要であります。
今後とも、都民の安心・安全のため、震災時においても可能な限り給水を確保できるよう、水道事業者としての責務を果たしてまいります。
○尾崎委員 最初に、平成二十四年度水道事業会計決算説明資料について伺います。
この中で、その他の特別利益に損害賠償金として五億二千九百万余円を収入として処理していますが、その内容について伺います。
○松宮総務部長 東京電力福島第一原子力発電所の事故による損害に係る賠償金でございます。
○尾崎委員 東電からの賠償金だということです。先日の下水道局の質疑でも原発事故による放射能の被害が大きかったこと、今後も解決の見通しが見えないことが明らかになりました。
水道局事業での賠償金の対象経費は何になりますか、伺います。
○松宮総務部長 対象経費は、水道水及び発生土等の放射性物質測定費用、有効利用できなくなった発生土等の運搬及び処分費用、また、放射性物質を基準以下に抑えるため平常時よりも多く使用した活性炭の費用などでございます。
○尾崎委員 対象となる経費は、おおむね三つであるとの説明でしたが、この中には人件費等は含まれていません。人件費もかなりの負担増になると思われます。人件費などは今後どうするのでしょうか。そして、平成二十五年度以降の損害賠償についてはどのように考えているのでしょうか。
○松宮総務部長 事故発生により支出した経費については、今後も適切に損害賠償請求を行ってまいります。人件費につきましても、今後適切に賠償請求を行っていく所存でございます。
○尾崎委員 水道局のホームページで、各浄水場での発生土の放射能測定結果について掲載しています。発生土の放射能の濃度は逓減傾向にあるようですが、ふえたり減ったりの波もあります。発生土は、本来なら園芸用やグラウンドの改良のために有効利用としていますが、現在は埋立処分をしているということです。引き続き、国と東電に賠償を求めることを要望しておきます。
次に、私の住んでいる東大和市にある市のシンボルともなっている多摩湖について伺います。
東日本大震災の後、住民の関心が高まり、何かあったときに多摩湖は決壊しないのか、災害時に多摩湖の水が使えるのかなどの声もたくさん寄せられました。地元の女性団体は、多摩湖を自分たちの目で見て確認しようとウオッチングも行われ、私も一緒に参加をしました。
そこで伺いたいと思います。村山貯水池、通称多摩湖の役割、機能について伺います。
○佐々木浄水部長 村山貯水池は、山口貯水池と合わせまして、小作取水堰及び羽村取水堰から取水しました多摩川水系の水を貯留するとともに、濁質等を沈降させ水質を安定化させる施設でございます。
また、通常時は、貯留した水を東村山浄水場及び境浄水場へ導水しておりまして、一方で、利根川、荒川水系の渇水時には、原水の効率的な運用を図るため、朝霞浄水場へも導水しております。
○尾崎委員 大変重要な役割があるということがわかりました。東大和市から災害時における多摩湖の水の積極的活用が要望されていますが、緊急時における役割について伺います。
○佐々木浄水部長 水道局では、貯水池堤体の耐震強化を行っておりまして、震災時においても東村山浄水場及び境浄水場の原水を確保するとともに、安定給水に努めているところでございます。
また、ことし七月に東京消防庁と締結いたしました緊急時における貯水池の水利使用等に関する基本協定に基づき、震災や林野火災などの緊急時には水質保全を図りつつ消火用水として活用できることとなっております。
○尾崎委員 ただいまのご回答の中で、緊急時における貯水池の水利用について、東京消防庁と基本協定が結ばれたことは、市民の不安を解消するものにつながると思います。
東大和市からは、多摩湖の水を災害時の緊急対策用として、林野火災のみならず市街地の火災時の消火用水、生活用水として多摩湖に隣接する市や町が活用できるようにするための技術的研究を進め、実現に向けて体制を整えておくことは、甚大な災害が発生した場合の対策として重要であると継続して要望しています。東京都への期待が寄せられているんです。今後、技術開発にもご努力をいただくことを強く要望いたします。
次に、東村山浄水場について伺います。
東村山浄水場では、太陽光発電設備、水力発電の導入など、ほかの浄水場に先駆けて再生可能エネルギーの利用を進めてきました。
そこで、太陽光発電や水力発電で発電した電力は、どのように利用しているんでしょうか。また、発電実績についても伺います。
○佐久間設備担当部長 東村山浄水場の太陽光発電設備や水力発電設備で発電した電力は、浄水場内の設備で全量を消費し、有効活用しています。
また発電実績についてのお尋ねですが、平成二十四年度の発電実績は、太陽光発電設備が約九十七万キロワット時、水力発電設備が約四百十七万キロワット時でございます。
○尾崎委員 今のご回答で、特に水力発電設備が大きな役割を果たしているというふうに感じました。これらの設備費用と費用回収について伺います。
○佐久間設備担当部長 太陽光発電設備や水力発電設備の整備に当たっては、国などの補助金制度を活用しておりまして、当局が支出した整備費用は、太陽光発電設備が約二億二千万円、水力発電設備は約八億六千万円です。
また、費用回収に要する期間は、太陽光発電設備、水力発電設備とも二十年程度を見込んでおります。
○尾崎委員 東村山浄水場でのこのような取り組みが、ほかの浄水場で再生可能エネルギーの導入に大きな役割を果たしてきたことは明らかです。費用回収がそれぞれ二十年ということでした。そうなると、太陽光発電設備や水力発電設備などの耐用年数は、明確ではないにしてもおおむね二十年程度というお話も聞いていますので、積極的に今後もふやしていただくことを要望します。
また、東村山浄水場では、常用発電設備、コージェネレーションシステムも導入されています。東日本大震災や今回の大島町の台風被害などを見ても、一番困るのは水です。このような常用発電設備が全ての浄水場に設置していただければ、都民の安心につながると思っています。
浄水場設備は、都内でも有数のエネルギー消費事業所となっています。原発に頼らない社会、地球温暖化対策のため、災害時においても施設機能を維持できるように、太陽光発電や水力発電など再生可能なエネルギーの活用、コージェネレーションシステムを進めるよう求めて、私の質問を終わります。
○あさの委員 私からは、水道局の行っている事業、まず最初に海外に対する貢献ということに対しての質問をさせていただきたいと思います。
先ほどの他会派さんの質問にもございましたけれども、昨年の委員会でも我が党の委員から、この海外への技術供与、あるいは人材育成といったものは国際社会への貢献として非常にすばらしいということで、ぜひ進めてほしいということがありました。
先ほどの答弁等でもありましたとおり、まさに日本の、世界の中での地位を高める、またそれを抜きにしても、世界中の人を、より安全で快適に暮らさせてあげるためにさまざまなできることを協力していくというのは、本当に大切なことだと思います。
今回の会計年度、二十四年度中にもタイと覚書も交わしまして、本年二月には契約も締結しております。
そこでまず、この二十四年度でのこれら海外に対する貢献にかかわったこの事業の実績、人材育成などで、どのようなことを行ったのか確認しておきたいと思います。
○斉田企画担当部長 水道局では、世界各国からの要望を受け、水質管理や漏水防止などの分野で海外水道事業体からの研修生を受け入れており、平成二十四年度の受け入れ実績は四百六十人となっております。
また、平成二十四年度はタイの水道事業体の要請に応じまして、人材育成を中心とした技術協力の覚書を締結するとともに、無収水対策パイロット事業を実施しております。このパイロット事業は、バンコク市内の一部を対象地域として契約金額三千万円で平成二十五年二月に契約を締結しております。
○あさの委員 公営企業ですから、先ほど、最初に申し上げたとおり、世界中に対して貢献をしていくという発想は、もうこれは本当に大切なことですし、ぜひ進めていただきたい。
ただ一方で、公営企業、企業として考えると、ウィン・ウィンの構造とよくいいますが、相手方だけに利益をただ供与するのではなく、例えばそれが、都民に違う形で返ってくるということも期待していいのではないかと思います。
それはもちろん、日本人として非常に高い地位を示すことができるということもありますが、具体的な利益というのも、今契約金額のお話がございましたけれども、これが行く行くの水道局の経営にとってプラスになっていくということを期待して、今後ともぜひご尽力いただきたいと思います。
さて、先ほどから公営企業の話をしておりますが、この二十四年度の決算資料というのは、私は経営をする上では常に先を見据えて判断するための資料とすべきだと思います。
あるテレビCM等では、過去の資料を見て何か楽しくなるのかみたいなことをうそぶくCMがありますが、実際の企業経営というのは、過去の積み重ね、その数値のデータ、経過のトレンド、そういったものを総合的に判断して、先を戦略的に見据えて、判断を的確にかつ迅速に行っていくというのが非常に正しいものであると思いますし、この二十五年度の事務事業の書類等を見ましても、水道局も公営企業であると。
公営企業は、非常に公の福祉の増進ということを大切にしながらも効率的な事業運営をしなさい、そのために人事権ほかさまざまな権限が独立で与えられ、また、独立採算で進めなさいということが与えられているわけですから、そういった戦略で進めるべきだと思うんですね。
その観点で、この決算資料をさまざま読み込ませていただきますと、例えば、まさに、この事業の柱でございます主要な収入ですね、もうほとんど大部分を占める収入であるこの営業収益の中からの給水の収益。この給水収益というのを数字で見ると、これは予算額と決算額に大きな隔たりがございます。前年度決算との数字を比べれば一億円弱増収ということで見ることができますが、予算額から見ると、およそ百五十二億円少なくなっていると。
それをもとに二十五年度の予算がどうなっているかというと、二十五年度の予算では、この二十四年度の予算と比べると四十億円減らした予算を組むことになっておりますが、このところ、この予算の見積もり--このとき二十四年度の予算の見積もりと、この決算での乖離について、まず水道局でどのような見解を持っているのか伺いたいと思います。
○松宮総務部長 予算における給水収益は、給水件数や調定水量の過去の実績に基づくとともに、政府の経済見通し等を参考にして見積もっております。一方、給水収益の実績は、天候や景気動向等のさまざまな外的要因に左右されるものでございます。
平成二十四年度については、東日本大震災後の一般家庭など小口径使用者の需要が回復していないこと等もあり、予算額に対し減となったものと考えております。
○あさの委員 今、給水件数という話がありました。確かに、この十年間のトレンドを見ていきますと、平成十五年から平成二十四年度まで、一貫して給水件数というのは伸びているんですね。当然、この給水区域内人口というのが増加しているわけでありますし、給水人口もそれに合わせて増加しているわけであります。
しかし、一方で、年間総配水量というのを見ると、緩やかではありますが、その件数や人口がふえているにもかかわらず、緩やかな減少となっているんですね。ということは、もちろん水道料金が一定という前提で話をしますと、総配水量が減っていけば当然収益は減るわけです。使っている量が少ないんですから減っていくと。
人口推計の方で見ますと、多摩地域では約二〇一五年、区部で二〇二五年といわれておりますが、東京都全体では二〇二〇年が人口のピークであろうといわれております。世帯数は、昨今の核家族化やあと単身世帯の増加ということも考えられますので、そういったことで、その後も若干の伸びを予測はできますけれども、これはいわゆる給水件数の部分でございますから、実際に使う人の人口は、もうあと数年、二〇二〇年と仮定すれば七年後、それが少し延びて二〇二五年だとしても十二年後には人口減少に入っていくということが予測できます。
人口がふえているこの過去十年間を見ても総配水量、つまり、それと伴う収益は減少傾向にあるというにもかかわらず、この先、人口はさらに減っていくだろうという予測が示されている中で、当然ここから先はその減少傾向の速度、傾きがきつくなっていくことが、私は予想できると思うんですね。
こういった決算の数字、あるいはその他の数字をちゃんと正確に検証して、その上で、今後のさまざまな計画を立てていかなければならないと思います。
そこで水道局として、今後の給水収益というのを上昇トレンドとして見ているのか、それとも下降トレンドとして見ているのか、どちらで見込んでいるのか、また、どのように推移していくと考えているのか伺いたいと思います。
○松宮総務部長 まず、一日平均使用水量については、今後二十五年間程度は現在と同程度で推移していくものと考えております。
給水収益の見通しにつきましては、三年ごとに策定している経営プランにおきまして、過去実績や政府経済見通し等を踏まえて推計しているところでございます。
平成二十五年度から二十七年度を計画期間とする現行プランにおいては、東日本大震災の影響など特殊要素を除いて推計した結果、料金収入は微増で推移するものと考えております。
○あさの委員 大変申しわけありませんが、一言でいうと、甘いとしかいいようがありません。それはなぜかといいますと、先ほどから、まず東日本大震災の話が出ておりますが、東日本大震災の発災は平成二十三年、この都が出している資料を見ても平成十五年から二十四年の十年間の数字というのが出ているわけですね。
今後二十五年間、一日平均配水量もほぼ変わらず横ばいでいくだろうという形の話が出ておりますが、その発災の影響を抜いた平成十五年から平成二十二年までで見ても、平成十五年当時で一日平均配水量は四百四十万トン、それに対して平成二十二年で四百二十九万トン、約四百三十万トンですね。八年間で十万トン下がっており、その後、二十三年東日本大震災の発災の年で四百二十万トン、平成二十四年で四百十七万トンです。今のが一日平均配水量。当然年間の総配水量等もおおむね下降ぎみです。これは、年間の総配水量は実は、うるう年の影響もあったりとか、そんなさまざまな影響があるでしょうから、若干の波はありますけれども、長い十年というスパンで見ると、やはり下降傾向にあるわけですね。
私は正直いって、こういった数字を見れば、当然、年間一日平均配水量は二十五年間横ばいでいくとか、この後の三年間、三年という短いスパンで見れば横ばいぐらいでもいいとは思いますが、微増という言葉には非常に疑問を感じます。
正直いって、例えばこの予算のときの資料を見ましても、あくまで前年度の予算に対する比較という形での文章が載っておりますが、予算は本来、決算と見るべきだと私は思っております。
決算は結果ですから、あくまで動かすべき数字ではありません。その決算の数字から判断すると、私は正直、ここは下降トレンドで見込んでおく必要があるだろうと。収益が今後、劇的に改善することはもうほぼないと考えていい。むしろ減っていくだろうという前提でさまざまなことを考えていくべきだと考えます。
もちろん、先ほど来さまざまな話で出ておりましたが、設備の更新や耐震化など、喫緊で、しかも非常に必要不可欠な事業というのはもちろんございます。これは、やらなければならない仕事です。やらなければならない仕事に対して、見込める収益を微増という見込み方をするならば、確実にどこかで、破綻とはいいませんが、経営状況の悪化を招くことは容易に想像してとれるんですね。やらなければいけないことがあるけれども、収益は減少していくからどうしていくのかを考えるのが、まさに経営判断であり、経営戦略であると私は思います。
給水収益というのが本当に水道事業としての収益のほとんどを占めている水道局に、この見きわめというのは非常に重要なポイントであるということをわかっていただきたい。この減少トレンドが進行していくときに、設備の更新や耐震化、そして、収入、配水量が減っていくということは、じゃ、単価を上げなきゃいけないという話が必ず出てくるんです。
ですから、今の料金の維持、これは三年間維持することを約束しているようですけれども、そういったものの話の中で優先的に考えるべきはどちらだと認識されているのか伺いたいと思います。
○松宮総務部長 まず、もう一度申し上げますが、給水収益の見通しにつきましては、三年ごとに策定している経営プランにおきまして、過去実績や政府経済見通し等を踏まえて推計しているところでございます。
次に、今後の施設更新や耐震化などによる財政需要に対応するため、企業債の発行抑制や借りかえ抑制による有利子負債圧縮等、負担軽減を図るとともに、大規模浄水場更新に向けた代替施設整備のための基金の積み立てなど、資金確保にも努めているところでございます。
現行プラン終了後の料金水準については、水道事業を取り巻くさまざまな状況変化を踏まえる必要があることから、給水収益の動向や財政需要等を踏まえて、その時々で適切に判断すべきものと考えております。
○あさの委員 もし、ここの場が経営会議で今のが経営者の発言だったら、確実に、非常に厳しい目を送られると思った方がいいと思います。
経営者が政府の経済見通しをもとに判断する、それは一つの資料でしかありません。過去の実績等も踏まえてやると答弁されておりますから、もちろんやっていただけるんだろうと思いますが、例えば、今政府自身も、全体としての景気は上に上っていくだろうといっておりますが、各世帯の収入はどの程度で伸ばすというかというと、十年後ぐらいをめどにしているはずなんですね。こんな三年間でいきなり上がるというふうには見込んでいないはずなんです。
水道事業の主な収入源は各家庭が使う水でございます。各家庭が使う水ということは、各家庭の収入がふえる、つまり、社会全体の景気というよりも世帯の収入がいつ増加するのかを意識しなければいけませんし、そういった観点での、本当は数字を見るべきだと私は思います。
ただ、もちろん水道局自身が経営判断をすることですから、私は私の見解としての意見を述べるしかできませんので、別に強制するつもりはありませんが、もう少し、微増だとか、私自身の感覚からするとちょっと甘いと思えるところは、少しそんなことをいっていたやつもいたなという程度に心にとめておいていただいて、五年後ぐらいの実際の数字を見てみれば、願わくは、私は三年、四年後、平成二十七年度の決算委員会でもう一度同じ話をさせていただきたいと思っております。
続きまして、反社会勢力とのつながりのある企業、団体への対応について伺いたいと思います。
東京都暴力団排除条例は平成二十三年十月施行となっておりまして、この二十四年度の会計期間において、都は、その公共事務、水道局が関係するものはもちろんですけれども、公共事務事業に反社会勢力を関与させないとしなければいけない義務が課せられております。
水道局としても、この反社会勢力との関与があると認められた業者、団体などは、水道局や監理団体などから発注される事業には参加させるべきでないと思いますが、まず確認をさせていただきます。
仮に指名業者などにそのような関与が認められた場合、局としてはどのような対応をとるのでしょうか。
○石井経理部長 水道工事業者が反社会的勢力と関係がある場合、すなわち、暴力団等が経営を支配している場合、また、暴力団等を雇用している場合、さらに、暴力団等であることを知りながら資金を提供している場合など、東京都契約関係暴力団等対策措置要綱に掲げる八項目に該当する場合は、関係各局で構成する東京都契約関係暴力団等対策連絡協議会の排除措置決定を経て、新たな契約から排除してまいります。
また、経営者が暴力団等であった場合は、既存の契約を解除することになります。
○あさの委員 では、契約から排除されるというお話がありましたけれども、当然想像に出てきたと思いますが、今現在、ある銀行の問題がございます。
具体的に申し上げるとみずほ銀行の問題でございますが、水道局の出入金というか、お金の管理は、みずほ銀行が指定という形で銀行の窓口になっているかと思います。これまでの、このみずほ銀行が抱えていらっしゃる反社会勢力との関係の問題に対して、都として、みずほ銀行に信頼回復に努めなさいというような申し入れを行っているようでありますけれども、水道局として、たしか、私の記憶が間違っていたら申しわけありませんが、申し入れの中に、財務局か会計管理局か、そっちから出ていたと思うんですけれども、水道局としてはどのような対応をしているのか伺いたいと思います。
○石井経理部長 当局におきましても、みずほ銀行の社会的信頼が大きく損なわれていることに対しまして、あらゆる手を尽くして信頼回復に努めるよう文書で申し入れを行っております。
○あさの委員 今あえて二つの事例を出しました。指名業者など業者さんの場合は、契約の解除、契約からの排除、あるいは直接経営者だった場合はその場で契約解除ということだということでございました。
一方、みずほに対しては、あらゆる手段を使って信頼を回復してくださいという申し入れをしていますということでございました。後ほど、もしさまざまな業者の方々でそういった関与の話が出てきたときに、みずほ銀行はこうだったのにということがいわれないように、本当はすべきだろうと私は思います。
別に、みずほ銀行じゃなければいけない理由はないはずですから、銀行窓口はどこでもいいんじゃないかと私は思いますけれども、これについては、もう少し推移を見守ってから、再度詳しく聞きたいということにいたしまして、先ほどから申し上げているとおり、公営企業は、重要なライフラインを担っている水道局さん、中には、何でもかんでも民営化がいいという人たちもいますが、私はなぜこれを公営企業でやっているのか。ライフラインとして重要だからこそ、公営は絶対に堅持しなければいけない。でも一方で、それが余りにも非効率的なやり方になってはいけないので、企業体として独立採算で、しかも人事権も付与した上で経営をしてくださいといわれているんです。
ぜひ、企業経営という感覚をしっかりと取り入れていただいて、もちろんこれまでもやってきただろうとは思いますが、今後ますます、外から見て、確かにあそこは公営だけれども、本当に普通の企業と比べても遜色ないんだといわれるぐらいの、むしろほかの企業も手本にしたいといわれるぐらいの経営を見せていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山内委員 質問させていただきます。
都民の水がめである多摩川水源地の森林を、水道局はこれまでも水道水源林として管理し、大切な水源地の環境を守ってまいりました。その一方で、手入れが行き届かず、荒廃している民有林もふえています。
そこで、所有者が手放す意向のある民有林を購入し、水道局が適正に管理していくことで、たくさんの水を蓄えられる健康で緑豊かな森林に育成することを目的として、二〇一〇年、平成二十二年度から民有林のモデル購入事業を開始いたしました。ことし二〇一三年、平成二十五年三月、ようやく初めて森林を購入することになりました。
これまでの問い合わせ件数はどのぐらいになるのでしょうか。
○佐々木浄水部長 平成二十四年度末までの問い合わせ件数でございますが、平成二十二年度四十八件、平成二十三年度二十四件、平成二十四年度五十五件であり、合計百二十七件となっております。
○山内委員 これまでの受け付け件数と面積はどのぐらいになるのでしょうか。
○佐々木浄水部長 受け付け件数及びその面積でございますが、平成二十二年度三件、約五百ヘクタール、平成二十三年度一件、約一ヘクタール、平成二十四年度六件、約七百ヘクタールでありまして、合計で十件、約千二百ヘクタールとなっております。
○山内委員 平成二十四年度から対象地域を拡大したようですけれども、その理由と、それによって受け付け件数は増加したのでしょうか。
○佐々木浄水部長 平成二十三年度までは小河内貯水池上流域を対象地域といたしまして公募を行ってまいりました。
平成二十四年度より多摩川と日原川との合流点より上流域に拡大いたしました。これは、降雨時などに日原川流域の荒廃した山林からの土砂流出によります日原川及び多摩川の濁度上昇を防ぐためでございます。
また、平成二十四年度の受け付け件数でございますが、先ほど説明申しましたように、平成二十二年度及び二十三年度と比較しまして増加しておりまして、そのうち二件が拡大した地域からのものでございます。
○山内委員 購入事業において、購入規模を想定しているのかお伺いいたします。
○佐々木浄水部長 この民有林購入事業でございますが、これは、手入れができず、所有者が手放す意向のある民有林を購入していくということから、あらかじめ購入規模を決めるということはなかなか困難でございます。
そのため、受け付け状況や交渉の進捗状況に応じまして、柔軟に予算を計上させていただいているところでございます。
○山内委員 これまでの購入件数と面積、そして現在交渉中の件数と面積についてお伺いいたします。
○佐々木浄水部長 平成二十四年度に二件、約三十六ヘクタールを購入いたしました。また、現在交渉中の件数でございますが、六件、面積は約千百ヘクタールになっております。
○山内委員 受け付け件数十件のうち二件の実績とは少ないと感じるんですけれども、なかなか購入に至らない理由は何でしょうか。
○佐々木浄水部長 この民有林の購入に当たりましては、境界確認や用地測量などを行わなければなりません。これらの実施に当たりましては、市街地などと異なりまして、山林では土地所有者が相続登記されていないことが多く、全ての所有者の特定や境界確定に多くの作業が必要となっております。
また、面積が広大であることや地形が急峻ということもありまして、用地測量にも手間がかかるなど、購入までに多くの時間を要している状況にございます。
○山内委員 これまでも水道水源林を水道局としては管理しておりますけれども、この今回購入した、これ以降も購入していく森林を、将来どのような森にしていくように整備を進めていくのでしょうか、お伺いいたします。
○佐々木浄水部長 水道水源林は、主に水源涵養機能、土砂流出防止機能、水質浄化機能を有しておりまして、これらを最大限発揮できるよう、計画的な管理を行ってきております。
購入いたしました森林につきましては、荒廃状況などの詳細な調査を実施いたしまして、その調査結果に基づきまして、間伐や枝打ちなどの手入れを計画的に行うことによりまして、針葉樹や広葉樹がバランスよくまじり合った良好な水道水源林に育成してまいります。
○山内委員 水道水源林の維持管理にはどのぐらいの費用がかかるのでしょうか。
○佐々木浄水部長 水道局では、二万二千ヘクタールの水道水源林について間伐や枝打ちなどのさまざまな手入れを行い、森林の育成を図っているところでございます。この育成に係る平成二十四年度の費用でございますが、約一億八千七百万円となっております。
○山内委員 購入した森林は誰が管理をしていくのかお伺いいたします。
○佐々木浄水部長 購入いたしました森林につきましては、地元の林業に携わる方々と協力しながら、水道局が百年以上にわたって培ってきました森林保全の技術と経験を生かし、責任を持って水道水源林として管理してまいります。
○山内委員 森林に降った雨は、保水力の高い豊かな土壌を通って地下深くに浸透し、地下水となってゆっくりと河川に流れていきます。この水源涵養機能により、水道水源林全体では約四千万立方メートル、東京ドーム約三十二杯分というふうにいわれておりますけれども、それぐらいの水を蓄えることができるそうです。まさに緑のダムです。緑のダムを守っていくために、荒廃した民有林を購入していくこの事業に大いに期待を寄せております。
交渉段階でさまざまな問題が起き、時間がかかるのは理解できますけれども、交渉状況によって、その都度予算計上していくのでというのではなかなか進みません。ご答弁にありましたように、用地測量など大変な部分もあるかと思いますので、そういった意味もありますし、また森林保全については、地元の林業に携わる方々と協力して実施しているということですけれども、森林を取り巻く環境は、所有者の高齢化や過疎化など厳しい状況であり、都が民有林の購入を進めることは、将来的には地域の雇用にもつながると、そういった意味でも期待をしております。そのためにも、目標をしっかりと定め、予算化をし、積極的に事業が進むよう要望いたします。
次に、多摩の地下水についてお伺いしたいと思います。
災害時の飲料水の確保は大変重要な課題です。各自治体では、災害時に使える民間の井戸を指定したり、病院や工場の井戸が使えるように協定を結ぶなどの取り組みを進めています。
多摩地域においては、ふだんから水道水源として地下水を使っており、いざというとき、やはり頼りになるのは水源井戸です。地下水を使い続けるためには、井戸のメンテナンスが必要であり、水道局では、老朽化したポンプの更新や井戸の掘りかえを実施しています。
平成二十四年度、二〇一二年度の水道水源井戸の掘りかえの状況についてお伺いいたします。
○青木技術調整担当部長 平成二十四年度における井戸の掘りかえにつきましては、十カ所で実施してございます。
○山内委員 多摩地域では、地下水を日常的に水道水源として使っていますが、昨年度は一日平均どれだけくみ上げているのかお伺いいたします。
○青木技術調整担当部長 多摩地区統合二十六市町における平成二十四年度の地下水揚水量でございますが、一日平均約二十二万立方メートルでございます。
○山内委員 災害時には未統合市の水源井戸も重要な役割を果たします。未統合市が配水している地区水はどれだけあるのかお伺いいたします。
○青木技術調整担当部長 ただいまご質問のございました未統合の地区水につきましては、当局の給水区域外でございますので、責任を持ってお答えすることができないということでご理解をいただきたいと思います。
○山内委員 多摩地域の地下水源の全体について明らかにしたいということで、今回はご質問させていただきました。
二〇〇八年には、他会派の質問に対して未統合市も含めた取水量についてご答弁されていらっしゃいましたが、今の回答では答える立場にないということで、何か方針の変更があったのかわかりませんが、非常に残念に思っております。
東京都水道局は、もちろん実際に事業を実施している役割がありますが、広域自治体である東京都として水源の把握が必要だと思っております。
災害時には、多摩地域やさらに広域で水を融通する必要が出てきます。未統合市は自己水源を持ち、自主的な事業運営をしています。現在、三つの市が未統合ですが、配水している地区水は地下水です。自主性を尊重するのは当然なんですが、広域的な観点で取り組む課題については協力して進めていただきたいと要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○小林委員 私の方からは、水道事業における広報について何点かお伺いをさせていただきます。先ほどの川松委員の質問の趣旨と若干かぶる点もあるかもしれませんが、よろしくお願いをいたします。
初めに、安全でおいしい水の広報についてお伺いをいたします。
水道局では、通常の浄水処理を上回る高度浄水処理に長年にわたって取り組んでこられました。平成元年に金町浄水場に高度浄水施設の整備に着手して、本年、三郷浄水場の高度浄水施設の完成に伴い、先月二十二日より利根川水系から取水する水の一〇〇%の高度浄水処理が達成をいたしました。
都議会公明党も先日、この三郷浄水場の高度浄水処理施設を視察しましたが、この四半世紀、たゆみなく、おいしい水、安全な水の供給に取り組んでこられたご努力に、心から敬意を表したいというふうに思います。
私も地元地域の方々に、都の取り組んでいる高度浄水処理による水道水の提供についてお話をすると、大変に関心を持っていただけます。ミネラルウオーターが普及して久しいですけれども、水道の水はおいしくないという、この固定観念を転換するには、地道に、かつ積極的な広報活動のもと、おいしい水を体感してもらうことが何より大切であるというふうに思います。
飲み水としての水道水に対するお客様の満足度調査を見ますと、平成十五年度において満足が二八・一%、不満が五〇・四%であったのに対し、平成二十四年度には満足が四六・七%、不満が二一・七%と、着実に不満が満足へと変化をしております。
先日、私、電車に乗った際に、車両内ビジョンのトレインチャンネルでおいしい水の広報がなされておりましたけれども、何気なくこの映像を見ているようであっても、意外と頭の片隅に残るものであります。こうした広報活動が満足度調査の結果にも少しずつ影響しているのではないかと思います。
そこで、平成二十四年度における映像広報の取り組みと、それに対する都民の反応についてお伺いをいたします。
○宇井サービス企画担当部長 車両内ビジョンを活用して実施しております映像広報につきましては、平成二十四年度には新たに高度浄水処理の仕組み、五十項目以上にわたる水質検査の実施、水道水とミネラルウオーターとの飲み比べ結果を広報用映像として作成いたしました。
これを平成二十四年十二月から二十五年二月までの間、JR東日本及び東京メトロの車両内において放映したほか、局のホームページやイベント会場などにおいても放映しております。
この映像の作成に当たりましては、幅広い世代にわかりやすく、伝わりやすいPRとなるよう、アニメやCG、実写を用い、さまざまなシチュエーションを設定いたしましたが、中でもアニメ映像につきましては、ツイッターなどでお客様から大きな反響があり、おおむね好評を得たと認識しているところでございます。
○小林委員 多くの人の目に触れ、少しでも関心を呼び起こすこのPR活動、今後も着実な取り組みが必要であると思います。
都民の反応も好評とのことですけれども、この好評な広報活動が、実際に水道水を都民の皆様が好んで飲むという行動に結びついていかなければならないと思います。行動に結びつけていくためにも、さらに広報活動に工夫を凝らし、充実させていく必要があると考えますが、今後の取り組みについて見解をお伺いします。
○宇井サービス企画担当部長 映像広報につきましては、昨年度好評だったアニメ編についてストーリー性を持った続編を作成するなど、お客様の反応を踏まえつつ、工夫を重ね、引き続き水道事業に対する興味、関心を持っていただけるような広報を効果的に実施してまいります。
○小林委員 水道水を飲んでいる人を多くの人が目にするようになれば、何となく水道水を飲んでいない人にも格好のPRになるのではないか、このような視点から、昨年の予算特別委員会において、我が党の質問の中で、フランスのストラスブール市の町なかに設置されている水飲み栓を例に、外でおいしく水道水を飲める工夫をと提案をさせていただきました。
水道局としても、この町なか水飲み栓の検討に取り組んでいただいていることと思いますが、さまざまな課題をクリアしていかなければならないことも承知をいたしております。
この町なか水飲み栓について、これまでの検討状況についてお伺いいたします。
○田村給水部長 町なか水飲み栓は、安全でおいしい水を広報することを目的として、デザイン化された水飲み栓を多くの人が行き交う町なかに設置するものでございます。
現在は、お客様に親しみやすさや飲みやすさを感じていただけるように、水飲み栓の外観デザインや蛇口の形状、水量等について検討しているところでございます。デザイン等の詳細が決まった後は、人が多く集まり、PR効果が高いと思われる場所への試験設置を考えております。
○小林委員 七年後のオリンピック・パラリンピックの開催も決定をし、この七年間は、東京をさらに大きく世界にアピールする絶好の機会でありますので、日本の水道文化を発信するためにも、この町なか水飲み栓設置への積極的な取り組みをぜひともお願いしたいというふうに思います。
次に、水道工事現場におけるPRの促進についてお伺いします。
おいしい水への広報活動を積極的に展開していくこととともに、町なかで行われている水道工事への理解を深め、水道事業に関心を持ってもらうことも大切であるというふうに思います。
ともすれば、工事というと煙たがられる傾向にある中で、私たちの日常生活に不可欠な水道がどのように整備され、維持されているのかをPRしていくことは、さらに東京の水道のイメージを高めていくことにつながっていくものというふうに思います。
水道工事におけるPR促進のためのこれまでの取り組みについてお伺いいたします。
○今井建設部長 水道工事現場の近隣にお住まいの皆様に、耐震化事業の目的や効果など、工事の必要性をご理解いただくため、わかりやすく説明したリーフレットの配布や、ホームページへの掲載などの取り組みを行っております。
また、受注者の工事現場におけるPRの取り組みを促すため、すぐれた取り組みを表彰する水道工事のイメージアップコンクールを実施しております。
○小林委員 それでは、今ご答弁にありました水道工事イメージアップコンクールの具体的な内容についてお伺いいたします。
○今井建設部長 水道工事イメージアップコンクールは、平成十七年度から毎年実施しております。地域や環境に配慮したお客様対応や局事業に関するPRなど、受注者の創意工夫にあふれる取り組みについて審査し、水道工事や水道事業のイメージアップにつながる顕著な功績があった受注者を表彰させていただいております。
具体的な事例といたしましては、小学生向けに漏水修理の実演を行った現場見学会、あるいは工事現場の外壁を活用して、安全でおいしい水プロジェクトを紹介したPR看板の掲示などの取り組みがございました。
昨年度は過去最高の六十八件の応募をいただき、最優秀賞、あるいは優秀賞など十六件を表彰しております。
また、昨年度より、より多くの受注者の皆様が応募しやすくなるよう、アイデア賞を新たに設けております。以上でございます。
○小林委員 この水道工事イメージアップコンクール、大変おもしろい取り組みではないかなと思いますが、意外とそういうコンクールをやっているということは、都民の皆様にはまだまだ知られていないのかなというふうに思います。今後もこのイメージアップコンクールを継続していくためには、工事受注者の参加と協力というのが大変に重要になってくると思います。
このイメージアップコンクールへの積極的な応募など、主体的に水道工事のPR促進に取り組んでもらうためには、工事受注者のモチベーションを上げる仕組みが必要であると思いますが、見解をお伺いいたします。
○今井建設部長 水道局では平成二十五年二月より、水道工事イメージアップに積極的に取り組んだ受注者の皆様に対して、その取り組み内容を工事成績評定に的確に反映できるよう運用しております。評定結果は、通知書に評定項目ごとに評定点を記載して受注者の皆様に知らせております。
このような取り組みにより、受注者の皆様が主体的に水道工事のPRを行えるよう努めております。
○小林委員 ありがとうございます。
かつて私の地元、練馬区で大変にお世話になっております水道工事会社の方が施工されている工事現場に伺ったことがあります。
水道工事のPRに大変に熱心な会社でして、その工事現場の横に水道の仕組みについてわかりやすいパネルを掲示したり、さらに、水道水を活用したビオトープをその工事現場の横に設置をしまして、そこで蛍を育てて、近隣の方々を集めて夜に蛍の観賞会を企画するという取り組みをされた会社がございます。非常に好評だったわけなんですけれども、水道工事のPRはもちろんのこと、環境という視点も取り入れた、工事現場とは思えないようなすばらしい取り組みであったことに大変に感銘を受けました。
先ほどのご答弁で、イメージアップの内容により工事成績評定に反映するとございましたけれども、工事受注業者がこぞってイメージアップを図る工夫を凝らしていきたくなるような都の取り組みを、さらに推進していっていただきたいというふうに思います。
いずれにしましても、冒頭で述べましたとおり、高度浄水処理一〇〇%を達成した今、都民にとって誇れる水道水が着実に築かれていっているというふうに思います。誇れる東京の水を都民の皆様に広く知っていただき、真に誇らしく思っていただくためにも、今後もたゆみない情報の発信が大切であるというふうに思います。
最後に、広報活動やイメージアップなどの取り組みについて局長のご見解をお伺いして、私の質問を終わります。
○吉田水道局長 水道事業を円滑に進めていくためには、お客様へ事業の取り組みをわかりやすく伝えていくことは極めて重要でございます。
これまでも、今回ご指摘いただきましたトレインチャンネルなどの映像広報や、また工事現場におきます水道事業のPRを初め、水の科学館や水道歴史館を活用したPR、浄水場の施設見学会などに取り組んでまいりました。
今後とも多様な広報活動を積極的に実施し、お客様に喜ばれる水道の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
○かち委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○かち委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後二時四十九分散会
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