平成二十三年度公営企業会計決算特別委員会速記録第三号

平成二十四年十一月十二日(月曜日)
第四委員会室
   午後一時開議
 出席委員 二十三名
委員長高橋かずみ君
副委員長上野 和彦君
副委員長吉原  修君
副委員長大西さとる君
理事中村ひろし君
理事興津 秀憲君
理事橘  正剛君
理事相川  博君
理事きたしろ勝彦君
加藤 雅之君
田中  健君
栗林のり子君
鈴木 章浩君
山内れい子君
矢島 千秋君
柳ヶ瀬裕文君
かち佳代子君
伊藤 ゆう君
伊藤まさき君
高木 けい君
石毛しげる君
門脇ふみよし君
和田 宗春君

 欠席委員 なし

 出席説明員
病院経営本部長塚田 祐次君
中央卸売市場長塚本 直之君
都市整備局長飯尾  豊君
港湾局長多羅尾光睦君
交通局長中村  靖君
水道局長増子  敦君
下水道局長小川 健一君

本日の会議に付した事件
 平成二十三年度東京都公営企業各会計決算の認定について(質疑)
・平成二十三年度東京都病院会計決算
・平成二十三年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成二十三年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成二十三年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成二十三年度東京都港湾事業会計決算
・平成二十三年度東京都交通事業会計決算
・平成二十三年度東京都高速電車事業会計決算
・平成二十三年度東京都電気事業会計決算
・平成二十三年度東京都水道事業会計決算
・平成二十三年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成二十三年度東京都下水道事業会計決算

○高橋委員長 ただいまから平成二十三年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 これより決算の審査を行います。
 平成二十三年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 なお、去る十月十五日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
 朗読は省略いたします。

   〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕

○高橋委員長 これより質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定いただいております委員会実施要領等に従い、運営してまいります。
 また、質疑を行う際は、平成二十三年度決算の審査から逸脱しないよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるようお願いいたします。
 なお、発言の際には必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 中村理事の発言を許します。

○中村委員 初めに、中央卸売市場会計について質問します。
 都議会民主党は、平成二十三年度の市場会計予算について修正案を提案し、原案に反対しました。修正案の内容は、豊洲新市場関連予算二十一億三千八百五十八万円のうち、基盤整備費等十億八千七百三万円を除く土壌汚染対策費十億四千百九十八万円と、豊洲新市場建設工事費の九百五十七万円を削除するものでした。
 そこで分科会では、土壌汚染対策費及び豊洲新市場建設工事費の二十三年度決算における執行状況について質問をしましたが、市場当局からは、いずれについても執行はない旨の答弁でした。
 しかし、決算上は予算執行に当たりませんが、土壌汚染対策費で五十四億一千七百三十万円、建設工事費で三億六千万円の前払い金があったとも答弁しています。
 そこで改めて、土壌汚染対策費と建設工事費との執行状況を伺います。

○塚本中央卸売市場長 豊洲新市場用地における土壌汚染対策工事については、当初、都が一括して行うことを予定していた資材調達を含め、平成二十三年八月に、三街区合計で五百四十一億七千四百七十五万円の契約を締結いたしました。
 また、建設工事に係る実施設計につきましては、平成二十三年十月に、十二億二千八百五十万円の契約を締結いたしました。
 いずれの契約も平成二十四年度にわたるものであり、今年度、出来高確定後に支出することとしているため、平成二十三年度の予算執行はございません。
 なお、契約締結後、土壌汚染対策工事については、十月から十一月にかけて三街区合計で五十四億一千七百三十万円を、実施設計については、十二月に三億六千万円を、それぞれ前払い金として支払っておりますが、いずれも出来高確定前のものであるため、予算執行には当たりません。

○中村委員 決算書の三三ページでは、貸借対照表の中で前払い金として六十一億三千六百五十万円が計上されていますが、この中に土壌汚染対策費と建設工事費との計五十七億七千七百三十万円が含まれているかを確認します。
 また、前払い金の支払いが予算執行には当たらないとのことですが、その根拠について伺います。

○塚本中央卸売市場長 決算書の貸借対照表上に計上されている前払い金六十一億三千六百五十万円については、ご指摘のとおり、土壌汚染対策工事及び実施設計についての契約締結後、それぞれ支払った前払い金の合計五十七億七千七百三十万円が含まれております。
 地方公営企業においては、地方公営企業法第二十条により、発生主義の原則が採用されており、現金の支払いいかんにかかわらず、出来高の確定という事実の発生に基づき支出予算の執行を計上するものでございます。
 したがって、出来高が確定していながら現金の支払いが翌年度に繰り越されるものについては、未払い金を計上し、支出予算の執行となる一方、ご質問にある前払い金は、契約における出来高が確定する前に仮払いしたものであることから、現金の支払いはあったものの、その時点では支出予算の執行とはならず、翌年度に出来高が確定した時点で予算執行となるものでございます。

○中村委員 貸借対照表の前払い金の中に豊洲関連経費が含まれているということですが、これが予算執行に当たらないという説明では、少しわかりづらいです。いずれの項目も決算ではゼロであっても、事実上、契約行為やら前払い金の支払いやら執行している事実があるのであれば、決算報告などの中で記述する工夫があってしかるべきだと考えます。
 また、土壌汚染対策工事に必要な資材の調達にかかわる経費として二十三年度に計上した予算十億四千百九十八万円については、資材の調達を工事請負契約に含めたため、執行がなかったとの説明がありましたが、少なくとも平成二十三年八月三十日に締結された当該工事契約の段階で、既に二十三年度当初予算が執行できないことが明らかになっていたはずです。
 二十三年度予算が結果的に未執行になることを、いつの段階で議会に報告したのか伺います。

○塚本中央卸売市場長 土壌汚染対策工事の契約につきましては、平成二十三年第三回都議会定例会の常任委員会において、契約の相手方、契約金額、工期、工事概要等について報告を行いました。
 当該契約は、平成二十三年度予算において、都が一括して行うことを予定していた資材調達を含めることとしていましたが、先ほど答弁したとおり、この契約における支払いが平成二十四年度となるため、その予算については、平成二十三年度は執行せず、平成二十四年度に繰り越すこととし、平成二十四年第二回都議会定例会で繰り越しの報告を行いました。

○中村委員 二十三年度予算の土壌汚染対策費が、八月の工事契約段階、もっといえば入札公告時以前に、契約の中に資材調達費を入れるという意思決定をした段階で執行されないことがわかっていながら、ことし六月議会まで報告されなかったというのは、丁寧さを欠くのではないでしょうか。
 特に公営企業会計における契約案件は、制度上、議会の議決を要しないという仕組みになっている以上、議会審議などにおいて論点となった課題については適時適切に説明責任を果たしていくという姿勢が重要であると考えます。
 そこで、市場においては、今後、執行状況について、さらにわかりやすく時宜を得た説明をすべきと考えますが見解を伺います。

○塚本中央卸売市場長 当局は、これまでも、事業の執行状況等について、予算、決算や契約案件の説明のほか、進捗に応じて適時適切な説明を常任委員会等で行ってまいりました。
 しかし、本件のような、議会審議の過程で大きな論点となったことについては、今後、さらに、あらゆる機会をとらえ、さまざまな方法で、よりわかりやすい説明を丁寧に行っていきたいと考えております。

○中村委員 私たち都議会民主党は、汚染された土壌が無害化され、安全な状態になっていなければ豊洲新市場の開場には反対であると主張してきましたが、その姿勢は今でも変わりません。
 今回は決算審査でもあり、私たちが修正案を提案した項目については、執行額が事実上ゼロであるということを踏まえて、二十三年度決算については判断していきますが、よりわかりやすい決算及び執行状況の説明を改めて求めて、次の質問に移ります。
 次に、都立病院について質問します。
 都立病院では、現在、第二次都立病院改革実行プログラムに取り組んでいます。その中で、医療機能の集約とネットワークの充実強化を実現して、都民に対する医療サービスの向上を図るため、都立病院の再編整備を行いました。
 旧都立府中病院は、大規模な再編整備が行われ、多摩総合医療センター、小児総合医療センターになり、平成二十三年度に年度を通じて初めてフル稼働をしています。多摩地域は、都心部と比較して大きな病院が少なく、公立病院の役割は大きいといえます。特に小児医療については、都立の小児三病院を統合移転しました。
 そこで、都立の三小児病院を統合移転したことにより、どのような特色ある医療を提供できるようになったのか、また、多摩地域全体の医療水準の向上を掲げる多摩総合医療センターの多摩地域における役割について、あわせて伺います。

○塚田病院経営本部長 都立病院の再編整備に当たりましては、限りある医療資源を最大限効率的、効果的に活用する視点に立ち、各都立病院が有する専門的な医療機能を生かして、広域基幹病院、センター的機能病院として医療の集約化を行いました。
 小児総合医療センターでは、都における小児精神医療や、PICU、小児集中治療室を備えた高度で専門的な小児医療の拠点として整備を図りました。
 特に、小児救急医療では,平成二十二年八月にこども救命センターの指定を受け、重症度の高い患者を平成二十三年度は百二十九件受け入れており、小児医療のセンター的機能を果たしています。
 また、多摩総合医療センターでは、多摩地区における基幹病院として、広域的な救急医療への対応や外来化学療法センターの拡充を図りました。がん診療においては、平成二十三年四月に、地域がん診療連携拠点病院に指定されました。
 さらに、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターでは、両院が一体となって総合周産期母子医療センターの指定を受け、その後、緊急に母体救命処置が必要な妊産婦を必ず受け入れる、いわゆるスーパー総合周産期センターの指定も受けました。
 引き続き、多摩地域における広域基幹病院、小児医療のセンター的機能を果たすため、さらなる充実強化を図り、医療の質と医療サービスの向上に努めてまいります。

○中村委員 次に、精神医療センターとして整備された松沢病院について伺います。
 昨年、厚生労働省が四大疾病の一つに精神疾患を加えました。松沢病院は、第二次都立病院改革実行プログラムにおける再編整備において、今後の精神科医療のニーズにこたえていくため、急性期精神科医療を中心に、民間の医療機関では対応困難な精神科救急医療や精神科身体合併症医療、薬物依存等の専門性の高い医療を提供するとともに、他の医療機関や保健福祉施設などと連携し、東京都における精神科医療の拠点としてセンター的役割を担うものとして整備することとされています。私も、ことし四月の本館診療棟の開棟式に出席し、その期待の大きさを感じたところです。
 また、精神医療は、退院を促進して患者を地域に移行していくことも重要です。
 そこで、精神医療センターとしての整備に向けて、松沢病院は、退院促進における患者の地域移行に、どのような取り組みを行ってきたのか伺います。

○塚田病院経営本部長 松沢病院では、長期入院患者の退院促進を図るため、ソーシャルワーカーを初め、職種横断的に組織された社会復帰支援室を中心に、通院時から、入院、退院、そして地域生活に至るすべての段階において、患者の社会復帰を支援しております。
 また、退院患者が安定した地域生活を送ることができるよう、地域のさまざまな医療、保健福祉サービスを提供している施設との連携を図っております。
 平成二十三年度における松沢病院の訪問看護は七千六百二十六件、相談は四千二百八十九件であり、二十三年度末における一年以上の長期入院患者は、二十二年度に比べ三十一人減少しております。

○中村委員 次に、がん医療について伺います。
 都議会民主党は、がん対策プロジェクトチームを設置しており、がん対策の推進を目指して取り組んでいます。再整備が行われた駒込病院を私も訪問しましたが、がん患者は高齢者が多いこともあり、六割程度が他の病気との合併症を持っているとも聞きます。
 がん医療には、さまざまな治療方法がありますが、一層の発展のためには、院内がん登録が重要であり、がん治療の実態を把握することが、今後のがん治療の発展につながるとされています。
 そこで、都立病院におけるがん医療の取り組みと、平成二十三年度における院内がん登録はどのような整備がなされているか伺います。

○塚田病院経営本部長 都立病院におけるがん医療は、難治性がんや合併症のある患者に重点的に対応している駒込病院を中心に、積極的に取り組んでおります。
 院内がん登録は、治療方針等の診断情報や予後の情報を登録することによって、病院内のがん診療の実態を把握するものであり、広尾、大塚、駒込、墨東、多摩総合で実施しております。
 院内がん登録業務には九名の病院事務専門員が従事しており、平成二十三年については現在集計中でありますが、平成二十二年一月から十二月の登録件数は七千三百二十二件となっております。
 特に駒込病院では、都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており、東京都がん診療連携協議会の設置運営、各拠点病院等の院内がん登録データの収集、分析、評価、地域連携の推進など、都におけるがん医療ネットワークの中心としての役割を担っております。

○中村委員 院内がん登録の取り組みもあり、ことし七月、福祉保健局は駒込病院で地域がん登録を始めました。連携して、今後のがん医療の一層の発展に取り組むことをお願いして、次の質問に移ります。
 次に、水道事業について伺います。
 多摩地区の水道は、かつては、それぞれの市町村が経営していましたが、都市化が進む中で、武蔵野市、昭島市、羽村市、檜原村を除く二十六市町が都営水道に統合されています。このうち奥多摩町を除く二十五市町は、都から市に事務委託をしていましたが、ことし三月末に、三鷹市など六市の業務が都に移行されたことにより、二十三年度末をもって、多摩地区二十五市町への事務委託がすべて解消されました。
 三鷹市においても、すべての水道業務が都へ移行しました。この事務委託解消によってもたらされた市民にとってのメリットと、局事業運営に対する効果について伺います。

○増子水道局長 市や町への事務委託を解消することにより、水道の使用開始の届け出等を多摩お客さまセンターで一元的に受け付けるワンストップサービスの実現や、料金支払いが可能な金融機関数の増加等により、お客様サービスが大幅に向上いたしました。
 また、事業の運営面では、多摩地区を四つの区域に区分し、市や町の区域にとらわれない広域的な施設管理が可能となるとともに、市や町ごとに行われていた重複業務を集約することにより、効率化を図っております。

○中村委員 事務委託の解消の効果について伺いましたが、懸念がないわけではありません。決算年度の直前でしたが、震災に伴う福島第一原子力発電所の事故があり、金町浄水場で放射性物質が検出されましたが、その際、情報がスムーズに三鷹市に伝わらなかったという話も聞きましたが、しっかりとした連絡体制が必要です。
 また、これまで震災時は、市役所から職員がすぐに駆けつけられたのですが、距離が遠くなると、すぐに来てくれるのかという心配もあります。
 また、事務委託解消前は、三鷹市と地元事業者が協定を結び、防災対策や緊急対策を担っていました。
 そこで、事務委託解消後も震災時などにおいて、市町並びに水道工事を担う地元事業者との連携が重要と考えますが、どのような取り組みを行っているのか伺います。

○増子水道局長 震災時におきましては、東京都地域防災計画に定める役割分担に基づき、都と市や町とが連携して応急給水を実施する必要があるため、当局では、市や町の職員も参加する応急給水訓練を、毎年度、多数実施しております。
 さらに、市及び町の防災会議へ当局職員を参加させるとともに、昨年度設立した多摩水道連絡会において、防災対策などに関する情報提供や意見交換を行うなど、市や町との連携強化を図っております。
 また、災害時の水道施設の復旧等に迅速に対応するため、地元事業者と災害時における協力に関する協定を締結するなど、連携を図っております。

○中村委員 先日は、三鷹市の防災訓練にも水道局の職員の方も参加をいただいていましたが、今後とも地元市や町と連携して、市民にも姿を見せていただいて、安心してもらえるような取り組みをしていただきたいと思います。
 さて、事務委託が完全に解消した現在、取り組むべきさまざまな課題があると聞いていますが、今後の多摩地区水道の取り組みについて伺います。

○増子水道局長 昭和四十年代、市や町ごとに経営されていた多摩地区の水道は、水源不足や料金格差等の是正に向けた市や町からの要望を受け、順次、都に一元化してまいりました。
 一元化に当たりましては、市や町への事務委託方式がとられたため、お客様サービスや施設管理面において、広域水道としてのメリットの発揮に限界がありました。
 このため、平成十六年から、順次、事務委託を解消し、本年三月末をもって、事務委託が完全に解消されました。
 しかし、それまで市や町ごとに施設の管理が行われていたことから、行政区域をまたぐ管路などの広域的な施設整備が進んでおらず、小規模水道の集合体的な状況となっており、区部と比べ、施設整備水準に差があります。
 また、多摩地区水道の給水安定性の向上を図るためには、広域的なバックアップ機能の確保や老朽化した施設の更新等、長期的な取り組みが必要であります。
 さらに、長きにわたり多摩地区の水道に携わってきた小規模な地元事業者の育成など、さまざまな課題を抱えております。
 こうした課題に適切に対応するため、当局では、平成二十二年八月、多摩水道改革計画を策定したところでありまして、この計画に基づき、課題の克服に向け、着実に取り組んでまいります。

○中村委員 都は、立川に多摩水道改革推進本部を設置をして、私も訪問させていただきましたが、二十六市町の事務を統括しているだけに大きな組織で、局長級の本部長が統括をしています。今後とも、先ほどお答えいただいたさまざまな課題を解決し、統合の効果が発揮できるよう取り組んでいただくことをお願いをして、次の質問に移ります。
 次に、下水道事業について伺います。
 流域下水道事業が制度化される前の昭和三十年代から、市単独の下水道事業を進めてきた三鷹市では、下水道管や処理場の維持管理をしているところですが、下水処理場施設の老朽化が進み、施設の更新や耐震化などが新たな課題として出てきました。
 さらに、既存施設の維持管理費に加え、施設更新費等に係る財政支出も関係市の大きな負担となっており、東京都市長会からも、八王子市、立川市、三鷹市三市の単独処理区の流域下水道への編入を以前から強く要望されているところです。こうした要望を受けて、下水道局では、三鷹市の東部処理区については、野川処理区に編入する方向で検討していると聞いています。
 そこで、三鷹市の東部処理場の流域下水道への編入に関する現在の状況について伺います。

○小川下水道局長 三鷹市の単独公共下水道で整備した区域につきましては、平成二十一年に改定された多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画において、野川処理区に編入することが位置づけられております。
 編入が必要となる水再生センターにつきましては、まず、東京都と三鷹、府中、調布の地元三市で構成する調布基地跡地関連事業推進協議会において、土地利用計画に関する協議の中で取り扱われることとなっております。
 一方、編入に当たっては、都市計画法、下水道法などの関連する法律に基づく手続も必要になります。そのため、水再生センターや下水道幹線などの施設計画の検討を実施してまいります。
 また、流域下水道への編入に関する情報交換を庁内関係部署や関係市と定期的に行っており、引き続き関係機関との調整を進めてまいります。

○中村委員 今後とも、単独処理区の流域下水道への編入の実現に向けて、市町村との連携をさらに強化し、編入に伴う施設整備を進めていただくことを期待します。
 次に、震災対策として市町村のし尿の受け入れについて伺います。
 東日本大震災の後、避難所などでは、仮設トイレのし尿の処理が十分にできず、劣悪な生活環境が問題化しました。
 下水道局では、市町村と連携し、災害時に仮設トイレから出るし尿の処理など、衛生環境を確保するための取り組みを進めています。単独処理区を抱える三鷹市についても、災害時における水再生センターへのし尿の搬入及び受け入れに関する覚書を締結しました。震災は、いつ起こるかわからないものであり、こうした事態に備えるために、このような取り組みは実効性のあるものとすべきです。
 そこで、し尿の受け入れに関する具体的な内容と今後の取り組みについて伺います。

○小川下水道局長 避難所の仮設トイレなどから出るし尿につきましては、各市町村が収集運搬し、流域下水道の各水再生センターで受け入れ、処理することとなっております。
 東日本大震災では、避難所などから出るし尿の処理が問題化したことを踏まえ、下水道局では、目標を四年前倒しして、平成二十三年度までに、単独処理区を抱える三鷹市を含む多摩三十市町村との間で、し尿の運搬、搬出、各水再生センターの受け入れなどについて定めた覚書の締結を完了させました。
 また、覚書の実効性を高めるため、各市町村と連携し、本年五月には多摩川上流水再生センターで、先月には清瀬水再生センターにおいて、実際にバキューム車を使用した実践的な訓練を実施いたしました。
 今後も、緊急時の連絡先や災害時に想定される避難所の状況などに関して、情報交換を継続的に行っていくとともに、実践的かつ効果的な訓練を実施するなどし、市町村との連携を深めてまいります。

○中村委員 東日本大震災を踏まえ、早期に全市町村と覚書を締結できたことは、多摩地域の安全・安心の確保の点から大いに評価できます。
 私も、ことし四月に、三十市町村の間で覚書が締結された際に、浅川水再生センターで行われた記念式典に参列させていただきましたが、単独処理区である三鷹市とも相互支援体制がとられており、非常に心強く思います。
 次に、東日本大震災以降のエネルギー利用のあり方について確認させていただきます。
 福島第一原発の事故以降、原発の再稼働をめぐり、さまざま議論がなされるなど、我が国がエネルギー政策の転換期に立つ中で、水力や太陽光などの再生可能エネルギー等の活用に注目が集まっています。
 私自身、大田区にある森ヶ崎水再生センターなどを視察し、豊富な下水処理水を利用した発電などに取り組んでいる状況を確認させていただきました。
 水再生センターやポンプ所など、多くの施設を抱える下水道局は、都内の電力の一%を消費する事業者であることなどから、既に再生可能エネルギー等の活用を進めていることは大いに評価します。
 そこで、下水道事業における再生可能エネルギー等の導入状況について伺います。

○小川下水道局長 下水処理水や下水汚泥が持つエネルギーの利用や、太陽光などの自然エネルギーの活用を進めております。
 下水処理水の活用につきましては、処理水を放流するときの二から三メートル程度のわずかな落差と豊富な水量を利用して発電する小水力発電を、森ヶ崎水再生センターと葛西水再生センターに導入しております。
 下水汚泥の活用につきましては、汚泥の処理工程で発生するメタンガスを利用した発電を森ヶ崎水再生センターで導入しているほか、汚泥焼却炉の廃熱を回収した発電について、東部スラッジプラントで実施しております。
 太陽光発電につきましては、太陽の動きに合わせてパネルを回転させ発電効率を高める大規模な設備を葛西水再生センターに導入しております。
 これらの再生可能エネルギー等による平成二十三年度の年間発電量は約三千五百万キロワットアワーであり、これは一般家庭約九千七百世帯分の電力使用量に相当します。
 さらに、下水の温度が夏は外気温より低く冬は高いという特徴を利用し、下水道局の施設の冷暖房や、文京区後楽一丁目地区など、地域の冷暖房に活用しております。

○中村委員 再生可能エネルギー等の活用は、温室効果ガスの排出量削減にも寄与し、地球温暖化防止にも大きな効果が見込めるため、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 また、原発事故の影響により電力供給に不安が持たれる中、都民の節電への協力などにより、昨年の夏は乗り切れましたが、いつ何どき、エネルギーの安定供給を確保できなくなるか不安が残ります。このため、節電、電力確保に向けた取り組みも重要ですが、下水道事業における節電、電力確保の取り組みについて伺い、私の質問を終わります。

○小川下水道局長 大幅な電力不足が予想された昨年の夏は、夜間に蓄電した電力を昼間のピーク時に活用するナトリウム硫黄蓄電池の活用や、下水をできるだけ幹線内に貯留し、電力使用量の少ない夜間に処理する対応策などで、都の削減目標である四万二千キロワットのうち、当局で二万九千キロワットを削減し、受電電力の抑制に大きく貢献いたしました。
 さらに、当局の使用電力の約四分の一を占める水処理工程での送風機の運転について、水量の変動に合わせてきめ細かく調整するなどの工夫を、年間を通じて実施し、節電に努めております。
 今後も予想される厳しい電力需給状況に対応するとともに、大規模地震などの災害時にも下水道機能を確実に維持するため、ナトリウム硫黄蓄電池や非常用発電設備の増強を図ってまいります。

○高橋委員長 中村理事の発言は終わりました。
 次に、鈴木委員の発言を許します。

○鈴木委員 それでは、通告に従いまして、初めに、平成二十三年度の病院会計決算についてお伺いいたします。
 厚生労働省が、この八月に発表した平成二十三年度の概算、医療費の動向によりますと、医療費総額は、前年度に比べて三・一%の増の三十七兆八千億円で、過去最高となったわけであります。
 この伸び率を要因別に見ていきますと、医療の高度化等が二・一%、高齢化の影響が一・三%となっており、単なる高齢化の進展だけでなく、医療技術の飛躍的な進歩など、質、量ともに医療需要が増加していることがうかがえるわけであります。
 一方、こうした医療費を支える病院の数は年々減少をし続けており、ここ数回の診療報酬改定がプラスであったものの、病院経営をめぐる環境は相変わらず厳しい状況にあるわけであります。
 とりわけ都立病院を初めとする公立病院は、いわずもがな、救急、精神科、周産期、感染症など地域に必要とされながらも、不採算の医療を手がけていることから、経営健全化へのハードルは高いといわれております。
 こうした中、国は公立病院改革ガイドラインを策定し、全国の公立病院に経営の効率化を促しております。このガイドラインでは、各地方公共団体に、公立病院改革プランを策定し、主な経営指標である経常収支比率、職員給与費比率、病床利用率について、数値目標を定めることを求めております。
 東京都は、平成二十年に策定した第二次都立病院改革実行プログラムを、この改革のプランに位置づけ、計画期間中における目標値を定めたと聞いておりますが、そこでまず、都立病院の平成二十三年度時点における経営三指標の目標値に対する達成状況についてお伺いいたします。

○塚田病院経営本部長 第二次都立病院改革実行プログラムにおける目標値と平成二十三年度における達成状況につきましては、経常収支比率は目標値一〇〇%に対して一〇一・〇%、職員給与費比率は六七%に対して五九・一%、病床利用率は八七%に対して八五・二%と、病床利用率を除き、目標を達成しております。
 病床利用率につきましては、この間、病院の再編整備を進めたことに伴い、入院規模を一時的に縮小したことや、平均在院日数の短縮に取り組んだことなどから、目標達成には至っていないものの、公立病院改革ガイドラインで示された民間病院の平均値八〇・五%や、黒字の公立病院の平均値八二・七%を上回っております。
 引き続き、第二次都立病院改革実行プログラムを着実に推進し、経営の効率化に努めてまいります。

○鈴木委員 病床利用率を除く指標については目標を達成し、病床利用率についても、ほかの病院の平均値を上回っているとの答弁であります。しかし、経常収益には、一般会計からの繰入金が含まれていることから、目標を達成したといっても、手放しで喜べるものではないと思っております。
 もちろん都立病院は、不採算な行政的医療を都民に提供するという役割を担っていることから、一般会計に相応の負担を求めることは必要であり、また、都民の理解を得られるものであると思います。ただし、これはあくまでも効率的な経営に努めた結果、どうしても採算に合わない場合に限るものでなくてはなりません。
 そこで、平成二十三年度の一般会計繰入金について、前年度と比較してどうであったのかをお伺いいたします。

○塚田病院経営本部長 平成二十三年度における一般会計からの繰入金は四百十六億六千九百四十三万円で、前年度と比較して三十五億九千百五十七万円、率にして七・九%の減となっております。
 経常収支から一般会計繰入金を除いた自己収支比率は七二・六%であり、前年度と比較して三・三ポイントの改善となっております。この主な要因は、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターが年間を通じて本格稼働したことや、駒込病院が平成二十三年九月に全面供用開始になったことによる患者数の増に加え、入院診療単価が四万七千七百六十五円と前年度と比較して二千百三十九円、率にして四・七%の増になったことなどによるものであります。

○鈴木委員 ただいまの答弁の中で、自己収支比率が大幅に改善し、繰入金も約三十六億円節減したとのことでありました。このうち患者数が増加して収益増につながったということは、数年間にわたる再編整備が一段落したため、ある程度、当然なことであるわけであります。
 一方の診療単価についてでありますが、二千百三十九円、四・七%増加したとの説明でありました。これは、平成二十三年度は診療報酬改定がなかったことから、それぞれの病院現場で創意工夫をしながら経営改善に取り組んだ結果であると考えられます。
 そこで、都立病院では、どのような経営改善に具体的に取り組んだのかをお伺いいたします。

○塚田病院経営本部長 都民に安全で良質な医療を提供するためには、強固な経営基盤を確立することが重要であります。そのため、都立病院一丸となって、新しい患者の受け入れ促進や診療単価の向上などに努めました。
 具体的には、まず、救急車により搬送される患者への対応を積極的に行ったほか、地域の医療機関等との連携を強化し、紹介患者の受け入れに努めました。その結果、平成二十三年度の新入院患者数は前年度比約五千三百人、新来患者数は前年度比約二千八百人に、それぞれ増加いたしました。
 また、平成二十二年度診療報酬改定により、料額の引き上げがあった手術について、準備時間の短縮化などの効率的な手術室運営に取り組んだことなどから、手術件数は前年度に比べ五・二%増加し、診療単価の向上に寄与いたしました。
 さらに、より多くの診療報酬が得られる新たな施設基準の取得や、診療行為が包括的に算定されるDPCデータを活用した効果的な医療の提供などにより、入院外来収益は前年度に比べ約九十一億五千万円の増となりました。
 今後は、こうした取り組みを一層推進し、さらなる経営改善に努めますとともに、各病院の持てる医療機能を存分に発揮し、質の高い医療サービスの提供に努めてまいります。

○鈴木委員 各病院の持てる医療機能を存分に発揮したとのことでありますが、再編整備が完了し、新たなスタートを切った病院については、その設備投資に負けないくらい、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 先ほどの答弁にもありましたが、都立病院は、地域の中核をなす医療機関としての役割を持つ中で、医療連携の強化が患者増につながったことは喜ばしいことであると思っております。特に今年度の五月に新棟がオープンした松沢病院は、認知症やうつ病など、今後さらなる取り組みが求められている精神科医療のセンター的施設として、遺憾なく医療機能を発揮されることを期待いたしております。
 いうまでもなく、都立病院本来の使命は、民間病院ではなかなか対応の困難な医療分野において力を発揮していくことであります。今後とも健全経営に努め、都民に良質な医療を提供し続けていくことを要望いたして、次の質問に移ります。
 次に、水道事業についてお伺いいたします。
 先月末、巨大なハリケーンがアメリカ東部を直撃し、甚大な被害を及ぼしました。大停電によりマンハッタンの高層マンションでは、ペットボトルの水を背負って延々と階段を上る住民のことが報道されておりました。また、オーストラリアなどで大干ばつが起きるなど、世界各地で発生している異常気象が報じられております。
 こうした中、人々が生活する上で不可欠な水道を将来にわたって安定供給していくことの必要性を強く感じております。
 私は、先日の分科会質疑で、水道事業の国際展開と渇水を含めたリスク対応についての質問をいたしました。これにより、おいしいと高い評価を得ている東京の水道水が世界的にも認められていることや、厳しい渇水にも耐え得るようバックアップ機能の強化が図られていることなど、局がさまざまな施策を推進していることを確認でき、とても安心いたしました。
 本日は、給水所の整備と、水道管路の耐震化を初めとする水道の震災対策について質疑いたします。
 まず、給水所の整備についてお伺いいたします。
 十月一日に、東京駅丸の内駅舎が全面開業し、新聞やテレビでも取り上げられておりました。この赤れんが駅舎は、戦災により施設の一部が焼失しましたが、今回、五年に及ぶ復興工事を終え、ドーム屋根など、外観が大正時代創建当時の姿によみがえったことが大きな話題となっております。
 水道局においても、大正時代につくられ地元のシンボルとなり、地域住民に愛され、親しまれている施設の一つに、駒沢給水所の双子の配水塔があります。この配水塔は、多摩川の水を渋谷のまちに送るための施設で、標高差を利用した自然流下で配水されるもので、建物も、その上部に王冠を連想させる装飾用の電灯があるなど、その姿はレトロで西欧の城を思わせるものであります。こうした独創的で地元のシンボルとして地域住民から愛着の深い施設であることが評価され、今年度の土木学会選奨土木遺産に認定されたと聞いております。
 しかし、完成から約九十年がたっていることから、耐震性がどうなっているのか、心配するところであります。
 そこで、まず、駒沢給水所の配水塔などの耐震性について伺うとともに、現在どのように使われているのかお伺いいたします。

○増子水道局長 駒沢給水所の二基の配水塔は、多摩川の伏流水を水源とする砧下浄水所から送水された水を貯留し、渋谷地区方面に給水するために、大正十三年に建設された施設であります。
 それ以降、長年にわたり周辺地域への給水を担ってまいりましたが、施設の老朽化に伴い、給水所としての機能を休止し、現在は、震災対策用の応急給水槽として活用しております。
 今般、水道施設の一連の耐震診断を実施してきている中で、駒沢給水所の診断を行ったところ、場内配管などは耐震性がないものの、配水塔などの主要な構造物は耐震性を有していることが確認されました。

○鈴木委員 貴重な土木遺産である配水塔が、現在でも当時の姿を残して使い続けられていることは大いに評価できます。
 また、配水塔など主要な施設の耐震性も確認でき、本当に安心いたしました。関東大震災や第二次世界大戦などを経ても立派に使われており、改めて当時のすぐれた技術力には感心をいたしております。
 このように貴重な土木遺産であるとともに、地元のシンボルであり、愛着の深い施設について、地元からも我が党に対し、水道施設として使い続け、後世に残してほしいとの要望書が出されております。
 そこで、今後、駒沢給水所をどのようにしていくのかを改めてお伺いいたします。

○増子水道局長 水道局では、大正ロマンを感じさせる美しいデザインが特徴のこの配水塔を貴重な歴史的建造物として位置づけ、水道週間などに配水塔頂部の電灯に明かりをともすともに、都民の日には施設を開放してまいりました。
 また、土木学会選奨土木遺産に認定されたことは、二基の配水塔が地域住民に親しまれてきたことだけでなく、これまでの東京水道が築いてきた歴史が評価されたことでもあり、大変名誉なことであります。
 今回の耐震診断で配水塔などの主要な構造物については、耐震性が確認されたことから、補強、補修などを行って、そのまま利用し、それ以外のポンプ所や配管などは更新いたします。
 これにより、先人が築いた施設を将来にわたって活用することで、水道局の歴史と文化を次世代に引き継ぐとともに、地域の重要な給水拠点として整備することで、より一層の安定給水を確保してまいります。

○鈴木委員 地元に親しまれ、ともに歩んできた駒沢給水所が、現在の姿を残しつつ、地域の重要な給水拠点として整備されると聞いて喜ばしく思っております。今後も、この貴重な建造物を水道施設として使い続け、後世に残し、新たな歴史を刻んでいってほしいと思っております。
 次に、水道管路の耐震化を初めとする水道の震災対策についてお伺いいたします。
 戦後最大の惨禍となった昨年の東日本大震災から、はや一年と八カ月がたちました。この震災は、東京にまで影響が及ぶなど、被害が驚くほど広範囲にわたり、被災地では今でも深いつめ跡を残しております。我が国が世界でも有数の地震多発国である以上、こうした厳しい現実を受けとめ、その教訓を今後の社会基盤整備に反映することは、極めて重要であると考えております。
 とりわけ水道は、日常生活ではいうまでもなく、震災時にも、人々の暮らしに欠かすことのできない大切なライフラインであり、私は、その中でも、都民に直結する水道管路の耐震化の重要性をこれまでも幾度となく主張してまいりました。
 しかし、都内の水道管路は、地球半周を超える延長があり、すべての耐震化が完了するのは一朝一夕にはいかないことは明らかで、めり張りをつけて、効果的に耐震化を進めていくことが重要となります。
 私が何よりも優先と考えるのは、災害時に復旧復興の指揮命令を担う首都中枢機関、そして、けが人など治療を求める人々のよりどころとなる医療機関であると思っております。さらには、家を失った人々や、帰宅困難者などが多く集まる避難所や主要な駅も大切なところであります。こうした施設は、いずれも災害時においてかなめとなるものであります。
 そこで、震災時に重要な役割を担う施設への供給ルートの耐震化の取り組みと、その状況についてお伺いいたします。

○増子水道局長 首都中枢機関や救急医療機関など、三百四十八カ所の重要施設への供給ルートにつきましては、平成十九年度から優先的に取りかえを進め、耐震化を図ってきております。
 これにより重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手率は、平成二十三年度末現在、約六割にまで向上しており、引き続き平成二十八年度の完了を目指して積極的に取り組んでまいります。
 さらに、東日本大震災の教訓を踏まえ、大勢の人が集まる避難所や主要な駅約二千七百カ所への供給ルートについても、優先的に耐震化を推進してまいります。

○鈴木委員 さきの震災では、東北三県を中心に水道施設に甚大な被害が生じ、二百万件以上が断水したと報道されておりました。特に宮城県では、仙台市の一部など、三市六町の地域に送水する大口径管路の継ぎ手が外れ、断水などの影響が数十万人に及んだことは記憶に新しいところであります。水道施設の震災対策は、施設の耐震化とともに、断水が広範囲にならないよう、バックアップ機能の強化も重要性を増しております。
 そこで、東日本大震災の教訓を踏まえた管路整備の取り組み状況について改めてお伺いいたします。

○増子水道局長 東日本大震災では、幹線となる管路の被害により広範囲に断水が発生し、これにより市民生活が大きな影響を受けたことから、幹線管路におけるバックアップ機能確保の重要性を改めて認識いたしました。
 これまでも水道局では、震災時や事故時等においても、より安定的な給水を確保するため、区部においては東南幹線、多摩地区では多摩丘陵幹線などを整備し、広域的な送水管ネットワークを構築してまいりました。
 また、平成二十二年度からは、異なる水系間におけるバックアップ機能の強化を図るため、利根川、荒川水系と多摩川水系との間で原水を相互融通する原水連絡管を二重化する工事に着手しており、平成三十年度の完成を目指して、鋭意工事を行っております。
 さらに、東日本大震災の教訓を踏まえ、事故時の影響が広範囲かつ長期間に及ぶ幹線管路について、二重化などの整備に積極的に取り組んでおります。この取り組みの一環として、朝霞浄水場と上井草給水所を結び、都内最大の送水量を担う朝霞上井草線の二重化や、東村山浄水場から拝島給水所に至る多摩南北幹線の整備を行うこととし、現在、これらの設計を実施しているところであります。

○鈴木委員 水道局がこれまで、高度防災都市東京の構築に向けて使命感と責任を持って、水道管路の耐震化や主要管路のバックアップ機能の強化など、震災対策を積極的に推進してきたことは評価したいと思っております。
 しかし、本年四月に見直された被害想定は、新たな二つの地震と、さらなる地震動の増大などにより、震度六強以上の地域が広範囲となる結果となっております。いつ起きてもおかしくない大地震から都民を守るために、今後の震災対策は、さきの大震災の教訓や、この被害想定の結果を踏まえ、着実に推進することが不可欠であります。
 そこで、最後に、水道施設の震災対策における今後の取り組みについてお伺いいたします。

○増子水道局長 東日本大震災の経験や被害想定の見直しを受け、さらなる震災対策の強化が必要と考えております。
 そのため、水道管路の耐震化については、地震動や液状化危険度、耐震継ぎ手率などを勘案した新たな耐震継ぎ手化十カ年事業の策定を検討しております。
 また、主要幹線の二重化やネットワーク化によるバックアップ機能の強化を初め、浄水施設の更新などにも着実に取り組んでまいります。
 さらに、震災時においても水の供給を継続するには電力の確保は欠かせないことから、自家用発電設備を増強し、浄水場等における電力の自立化を図ってまいります。
 こうした取り組みを積極的に進め、地震に強い水道システムを構築することにより、平常時はもとより、震災時においても、都民生活と都市活動を支えてまいります。

○鈴木委員 ありがとうございました。大きな災害時に、私たちが生活する上でなくてはならない水が確保されていることは、何よりも安心感を与えるものであります。昨年の大震災の教訓をしっかりと踏まえ、都民の命を守る、安心を与える重要なものとしての責任を持って、今後とも、ぜひとも取り組んでいただきたいということを強く要望いたしまして、次に入らせていただきます。
 次に、同じ私たちの生活の上で欠くことのできないインフラである下水道管の再構築についてお伺いいたします。
 都は、二〇二〇年のオリンピック開催に向け、全力を挙げて招致活動を進めておりますが、東京が世界の範たる都市の一つとしてあり続けるには、都市の基盤である道路や上下水道などのインフラ施設が、十分にその機能を発揮し、持続することが不可欠であります。
 中でも、汚水の処理による公衆衛生の確保、雨水の排除による浸水の防除、川や海などの公共用水域の水質保全等、さまざまな役割を担う下水道がその機能を失った場合、都民生活や社会経済活動に与える影響は、はかり知れないものであります。
 区部の下水道管の総延長は約一万六千キロメートルに達しており、このうち約一割に当たる約千五百キロメートルが既に耐用年数の五十年を超えていると聞いておりますが、まず、下水道管の老朽化対策の基本的な考えについて、改めてお伺いいたします。

○小川下水道局長 下水道管の老朽化対策は、耐震性の向上や雨水排除能力の増強など、機能の向上をあわせて行う再構築事業として実施しております。下水道管には、家庭などからの排水を受ける口径の小さい下水道枝線と、その枝線で集めた下水を流す規模の大きな下水道幹線がございます。
 人が中に入ることのできない枝線では、管の内部をテレビカメラなどで調査し、中に入ることのできる幹線では、目視などで調査し、健全度を把握、評価した上で、健全なものはそのまま活用し、比較的軽微な損傷のあるものは、下水を流しながら管の内側から補強して、新しく敷設した管と同程度まで機能を回復することができる更生工法などを活用しております。
 この工法は道路を掘らずに施工できるため、地下埋設物がふくそうしていることに加え、交通量が多いなど、管の取りかえが難しい都心部の施工環境に適しております。これらの工法を活用することにより、工事現場周辺への影響を少なくするとともに、工期短縮やコスト縮減などを図りつつ、再構築を行っております。

○鈴木委員 下水道管の老朽化対策は、機能の向上をあわせて行う再構築事業として実施しており、更生工法の活用などにより進められているということであります。
 また、下水道管には、口径の小さい枝線と規模の大きな幹線があるということでありますが、このうち、下水道枝線の再構築の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○小川下水道局長 下水道枝線につきましては、整備年代の古い都心部の約一万六千三百ヘクタールを対象に、区部の下水道の普及概成直後の平成七年度から順次再構築を進めております。
 経営計画二〇一〇において整備ペースをこれまでより二割アップするなど、平成二十三年度末までに、対象地域の約二五%に相当する約四千百ヘクタールの再構築を完了させ、下水道管の損傷に起因する道路陥没件数も減少するなど、対策の効果が発揮されております。
 今後、耐用年数を超える下水道管が急増することに対応するため、予防保全型の維持管理による延命化と、適切な時期での再構築を行うアセットマネジメント手法により、中長期的な事業の平準化を図るとともに、浸水の危険性が少ない流域などで老朽化対策を先行して実施する手法の拡大により、対策をスピードアップしてまいります。
 こうした取り組みにより、平成四十一年度までに、都心部の再構築の完了を目指します。

○鈴木委員 ただいまの答弁で、今後、再構築のスピードアップを図るとのことでありますが、ぜひとも前倒しをしてでも、鋭意努力していただけるよう要望いたしておきます。
 一方で、大量の下水を集める下水道幹線が、老朽化により、その機能を失った場合の影響は大きく、着実に再構築を進めることが重要であります。中でも、多くの人が集まり、車の交通量も多い都心部では、工事を行うにもさまざまな課題があるため、対策が思うように進んでいないのではと心配しております。
 そこで、下水道幹線の再構築の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○小川下水道局長 区部の下水道幹線、約千百キロメートルのうち、昭和三十年代以前に整備され、老朽化が進んでいる四十七幹線、約百二十キロメートルについて再構築を進め、平成二十三年度末までに約三十八キロメートルを完了させております。
 下水の水位が高く流れが速いため、更生工法による施工が困難な幹線につきましては、ポンプ運転の工夫などで、工事時間帯の下水の水位を低下させ工事を実施しております。
 一方で、こうした対応ができない幹線も多く残されております。これらにつきましては、下水を切りかえるための新たな幹線を整備した上で、既存の幹線を再構築し、あわせて雨水排除能力の増強など、機能の向上を図ってまいります。
 さらに、今後は老朽化が進んだ四十七幹線に加え、耐用年数前であっても損傷が多いなど対策が必要な幹線を新たに対象に加え、再構築を着実に推進してまいります。

○鈴木委員 将来にわたって安定的に下水を流す機能を確保していただくためにも、引き続き下水道管の再構築に着実に取り組んでいただきますよう要望いたしておきます。
 次に、下水汚泥の処理、処分の状況についてお伺いいたします。
 福島第一原子力発電所の事故により拡散した放射性物質が、雨などで下水道管に流れ込み、下水を処理する過程で汚泥に取り込まれ、脱水、焼却する過程で水分が減少するため、その濃度が高くなるといわれております。この原発事故をきっかけに、下水道局は、下水汚泥を建設資材などの原料としてリサイクルすることを見合わせ、全量を東京湾にある中央防波堤外側埋立処分場に埋め立てざるを得ない事態となったわけであります。
 私自身、昨年六月の公営企業委員会において、受け入れ先の一つが、大田区城南島南部スラッジプラントということで、地元区への説明不足を指摘し、何よりも地元の理解、協力が欠かせないものであるとたださせていただきました。
 また、放射性物質を含んだ下水汚泥の取り組みについて確認させてもらいましたが、その後も、適切な対応がなされているのかと思うことがあります。改めて、ここで、放射性物質を含む下水汚泥の焼却灰の取り扱いについて、埋立処分の状況や周辺環境への影響についてお伺いいたします。

○小川下水道局長 下水汚泥の焼却灰は、南部スラッジプラントにおいて、焼却灰に水とセメントをまぜ、飛散防止措置を施した上で、中央防波堤外側埋立処分場に運搬、埋め立てした後、土で覆うなど安全に処分しております。
 汚泥を埋め立てることのできる処分場がない多摩地域では、一時的に全量を施設内に保管する事態となりましたが、庁内の関係局との調整を精力的に進め、地元区や市町村など多くの方々にご理解をいただき、昨年十月二十七日から埋立処分を開始いたしました。
 周辺環境への影響につきましては、下水汚泥を取り扱う施設の敷地境界の空間放射線量の測定に加え、汚泥焼却炉の排ガスや混練り灰などの放射能濃度について、外部の専門機関により測定しており、影響がないことを確認しております。
 また、測定結果につきましては、都民であるお客様や地元区などに対して正確な情報提供を行うため、定期的にホームページで公表しております。
 今後とも引き続き、適切な処分並びに情報提供に努めてまいります。

○鈴木委員 放射性物質を含んだ汚泥焼却灰が、適切な管理のもと埋立処分され、また周辺環境への影響もないということでありました。
 南部スラッジプラントは、私の地元の大田区であるので、引き続き適切に管理し、すべての都民が安全に、安心して生活を送ることができるよう、今後とも尽力していただきたいと強く要望いたしておきます。
 さらに、下水道局がこれまで進めてきた下水汚泥の資源化は、循環型社会の形成に大きく貢献するだけでなく、汚泥焼却灰の処分先である東京湾への埋立量を減少させ、処分場の延命化を図るといった非常に重要な役割を担っております。
 その後、一部、資源化が再開しているとのことでありますが、現在の下水汚泥の資源化の状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○小川下水道局長 下水汚泥の資源化は、原子力発電所事故の影響により見合わせておりましたが、このうち、焼却灰を材料として活用した鉄筋コンクリート管などの製品について、昨年十月から資源化を再開いたしました。
 これらの製品は、これまでも市場に流通させることなく、みずから下水道局の工事で使用しており、国の通知に基づき、事前に下水道管として埋設した場合の周辺環境への影響や工事における作業者への影響などに対する安全性を評価しております。
 また、資源化に当たっては、製品段階の放射能濃度について、国の定めるクリアランスレベルを下回ることを確認するなど、安全性に十分配慮しております。
 さらに、焼却灰に含まれる放射能濃度が逓減傾向であることを踏まえ、その他の資源化についても試験的に行うなど、再開に向けた調整を行っております。
 今後とも、資源化の本格的な再開に向け、関係者との調整を精力的に行ってまいります。

○鈴木委員 下水汚泥の資源化に当たっては、受け入れ先も含めたさまざまな調整や多くの課題があると思いますが、埋立処分は、くれぐれも緊急時対応ということでありますので、その自覚と責任を持って、下水道局が中心となり一刻も早い本格的な再開に向け、引き続きしっかりと取り組んでもらいたいと要望し、質疑を終わります。

○高橋委員長 鈴木委員の発言は終わりました。
 次に、興津理事の発言を許します。

○興津委員 それでは、私の方からは、質問通告に従いますが、港湾局の方から質問させていただきたいと存じます。
 京浜三港は、国際戦略上、非常に重要な港湾であります。港湾の発展こそ、日本の、東京の発展のためになくてはならないものであります。しかし、主要コンテナターミナルである大井ふ頭や青海ふ頭の周辺では、コンテナの積み込みのために待機をしている車両の渋滞が発生し、周辺交通に大変大きな影響を及ぼしております。
 都は、こうしたコンテナターミナル周辺の交通渋滞を解決する一つの取り組みとして、大井ふ頭その一、その二間の水域埋立事業を実施していると伺っております。
 そこで、現在進めている大井ふ頭その一、その二の水域埋め立ての必要性と、その目的について確認をさせていただきたいと思います。

○多羅尾港湾局長 一般的にコンテナターミナルにおいては、その背後の土地に荷物を出した後の空のコンテナなどを一時的に保管する施設が数多く必要となります。しかしながら、大井ふ頭周辺においては、まとまった用地を確保することが難しく、東京港の取扱貨物量が増加するにつれて、こうした保管施設の処理能力がますます不足する状況にございます。
 このため、既存の保管施設にコンテナ車両が集中すると待機車両が発生することとなり、このことが大井ふ頭周辺の交通混雑の要因の一つとなっております。
 本事業によって、大井ふ頭南側の水域約二十一ヘクタールを埋め立てて新たな土地を造成し、保管施設を整備することにより、集中するコンテナ車両を分散させ、周辺の交通混雑の緩和を図ることとしております。

○興津委員 私も以前、経済・港湾委員会に所属をしていましたので、空コンテナなどの保管施設の充実並びに近隣の交通環境の整備は、一体として不可欠であるというふうに認識をしております。
 そこで、現在の事業進捗状況の到達点並びに竣工予定、保管施設の今後の整備スケジュール等についてお聞かせください。

○多羅尾港湾局長 埋立事業については、平成十九年度から事業着手しており、平成二十三年度には、埋め立ての設計及び地質調査を実施いたしました。今年度、周囲の護岸整備を行い、来年度から埋立造成工事を開始し、平成二十七年度末の工事完了を予定しております。
 埋立地の上に整備する保管施設については、今後のコンテナ貨物取扱量の推移や交通混雑の状況等もさらに見据えながら、施設の具体的な配置や動線などの検討を進め、速やかな供用開始に向けて、整備に取り組んでいく所存でございます。

○興津委員 ありがとうございます。今後も、コンテナターミナル周辺の渋滞が続くようでありますと、周辺交通への影響とともに、ほかの港に利用者を奪われてしまうということも考えられます。東京の発展の阻害要因となることも十分にあり得るのではないかと懸念しております。
 今回の埋め立てによって生み出される二十一ヘクタールという土地に、新たに整備される保管設備は、大井ふ頭の交通渋滞の解消に大きな効果をもたらすものとして期待をしております。
 身の入っているコンテナですとか空コンテナ、この搬入路といいますか、通路の整備等々も、今、行われているというふうに伺っていますが、物流の促進、交通環境の改善等、東京港の発展のために、また、国際港湾としての発展も見据えながら、一日も早い整備に向け精力的に取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
 次に、予算執行という観点からお伺いをさせていただきたいと思います。
 東京都臨海地域開発事業会計決算説明資料によりますと、資本的支出の執行率は七四・一%、翌年度繰越額の割合は五・五%、不用額の割合は二〇・三%と計上されています。臨海地域開発事業会計の執行率は、平成二十一年度五七・四%から平成二十三年度六一・八%に上昇しております。また、不用額は、平成二十一年度約百一億二千七百万円から平成二十三年度約六十六億三千八百万円と不用額も低減化しているところでもあります。
 契約差金、設計等、入札価格も下がり、少ない費用で事業を着実に推進してきているという側面もあるとはいえ、経年における予算現額に対する執行率は決して高くないのではないかと感じています。具体的に数値を追いますと、不用額が一億円を超えている勘定のみに限定しても、埋立地造成費、執行率四一・九%、埋立改良費、執行率六二・五%、臨海副都心建設費、執行率六五・八%、臨海副都心改良費に至りましては執行率九・六%となっています。
 事業進捗において諸般の事情もあり、予算執行に至らなかった部分もあることとも思います。しかしながら、この執行率であれば、予算現額の見積もりの精度、正確性はいかにあったのかというふうにも考えてしまいます。
 予算現額の立て方と決算について、どのようにお考えなのかお伺いいたします。

○多羅尾港湾局長 臨海地域開発事業会計における各年度の予算については、関係諸事業が最大限円滑に推進されることを想定し、事業費の不足により必要な整備が遅延することのないよう、毎年度、関係事業者等と調整した上で、事業に必要な所要額を計上しております。
 埋立地の造成や臨海副都心の開発に必要な都市基盤整備等を手がけている臨海地域開発事業会計の特徴といたしまして、他事業者と調整を要する工事や、他事業者が行うインフラ整備工事の進捗に応じて支出する開発者負担金を予算として計上していることがございます。
 開発者負担金は、他事業の実際の進捗によって金額が確定する仕組みとなっていることから、必ずしも港湾局だけでは予算執行できないという事情がございます。
 例えば、埋立事業費のうち、予算現額のうち約七四%を占める臨海副都心建設費について見ますと、その不用額四十一億三千五百万円のうち、開発者負担金の不用額は二十八億四千万円に上っておりまして、仮に、この分が予定どおり事業執行されたといたしますと、執行率は八三・三%となるということになっております。また臨海副都心改良費は、委員ご指摘のとおり、執行率は九・六%でございましたが、一件の工事が予算の大宗を占めており、この工事が隣接する地権者との調整等に時間を要したことによるものでございます。
 なお、平成元年度から開始した道路、公園、共同溝等の臨海副都心における基盤整備は、既に計画の九割の整備を終えており、まちづくりは順調に進んでいることから、予算及びその執行については適切に行われているというように考えております。

○興津委員 基盤整備は、既に九割を超えているということであり、また、順調に進んでいるということであると思います。この件におきましては、都民生活、福祉向上に大きく役立っていることであろうと思います。
 ただ、ご答弁では、事業に必要な所要額を計上している、まちづくりは順調に進んでいるということで、予算及びその執行については適切に行われているんだということでありましたけれども、そうであるならば、ここ三年の執行率を見れば、平成二十一年五七・四%、平成二十二年五七・一%、平成二十三年六一・八%です。この執行率で、結果として基盤整備は順調に進んでいるということに相なります。
 事業に必要な所要額の、計上金額の査定及び他事業の実際の進捗により金額が確定しているということでしたけれども、予算現額の見積もりの精度、正確性はどうなっているのか、過去、決算の徹底した分析、検証が行われてきていたのかというふうに、新たな疑問が浮かびます。
 事業進捗においては、諸般の事情もあり、予算執行に至らなかった部分もあることとも思いますが、低執行率は、ある意味、事業の進捗が進んでいないとも受け取れることでもありますし、また、予算現額との差額も発生いたします。その不用額は、経年で約六十六億円から百億円も発生しています。この不用額は、契約差金などが主な理由であろうとは思いますが、これはある意味、予算見積もりの結果であると思います。予算現額との差額が当年度に執行残ということになるのであれば、年度当初より資金運用に回すことなども可能ではなかったのかというふうに思ったりもします。
 今後においては、厳格な見積もりによる予算の構築並びに予算執行、そして、揺るぎない事業進捗を要望いたします。
 それでは、交通局関係につきましてお伺いいたします。
 都営交通における関連事業は、地下鉄事業など、経営基盤の強化に寄与するものであり、積極的な事業展開が期待され、また、必要であることと存じます。
 こうした状況の中で、利用者に身近な広告事業について、まず、地下鉄事業における広告料収入の推移と内訳についてお伺いいたします。

○中村交通局長 高速電車事業における広告収入は、リーマンショックを発端とする長引く景気の低迷に加え、東日本大震災の影響もあり、平成二十年度から平成二十三年度の前半にかけて落ち込みが続きました。
 しかし、その後、増加に転じ、平成二十三年度の広告料収入は二十六億九千五百万円であり、前年度に比べ六・一%の増加となりました。
 その内訳でございますが、中づりを初めとする車内広告が十三億六千百万円と、前年度と比べ一六・一%の増加に転じた一方で、電飾看板などの駅内広告は十三億三千四百万円、二・五%の減少となりました。

○興津委員 平成二十三年度の地下鉄事業における広告料収入は、前年度に比べて増加ということでしたけれども、電飾看板などの駅構内広告については減少しているということでありました。広告料収入のさらなる増加を図るためには、駅構内に関する対策が必要であると思います。
 そこで、駅構内における広告の増収対策の取り組みについてお伺いいたします。

○中村交通局長 平成二十三年度の駅構内における広告料収入の減少は、東日本大震災後の電力事情を踏まえ、電飾看板を消灯していたことによる暫定的な料金の割引措置などが影響したものでございます。
 駅構内においては、さまざまな広告媒体を設置しておりますが、その中で、近年、三田線のホームドアを活用したステッカー広告などのように、広告主から注目され、広告料収入が増加している媒体もございます。
 こうした広告の販売傾向について分析し、販売促進策に取り組むことで収入の確保に努めてまいります。

○興津委員 ありがとうございます。私の地元の国分寺から、東京都庁に伺う際には、新宿駅などで柱にデジタルサイネージを活用した広告もあります。
 デジタルサイネージを活用していくことは、広告料収入の増加を図る上で有効な取り組みではないかと感じていますけれども、そこで、このデジタルサイネージを活用した取り組みについてお伺いをいたします。

○中村交通局長 交通局では、平成二十二年六月から平成二十三年度末にかけて、大江戸線六本木駅構内において、デジタルサイネージの試行を実施したところでございます。
 その結果、当局におけるデジタルサイネージの導入に当たりましては、限られた駅空間において、広告効果を最大限に発揮できる場所の選定や、継続的な広告の確保などの課題がございますことから、これらの課題について引き続き検討を進めてまいります。

○興津委員 デジタルサイネージは、過日行われました防災訓練等におきましても大きな効果があったというふうに伺っているところであります。
 都営地下鉄随所において、平常時は広告のための運用として事業展開をするとともに、いざというときには、発災時には、被害状況や避難先の案内、地下鉄運行情報など、各種情報を提供することにより、都民の安全施策を推進するためにも活用していくべきと提案しておきたいと思います。
 また、関連しますけれども、今後、都営バスの停留所等にも、利用拡大を視野に入れて検討していただければと思います。海外でも、実は先行事例もあったりしますので、ご検討いただければというふうに思っております。
 関連事業収入の増加を図っていくためには、都営地下鉄においても、JRの駅ナカ等に見られるように、駅での積極的な事業展開を進めていく必要があると思います。
 また、昨年度、三田線の一部区間でWiMAXの通信サービスが開始されるなどにより、約三億円の収入を得ているということであります。
 今後、利用者の利便性をさらに高めつつ、関連事業を推進していくべきと考えますけれども、関連事業の推進について今後の取り組みをお伺いをいたします。

○中村交通局長 少子高齢化や先行きが不透明な経済状況のもと、乗客数の大幅な伸びが期待できない中、関連事業の重要性は年々増してきていると認識しております。
 これまで交通局では、例えば、駅構内における店舗の計画的設置や土地建物の有効活用など、関連事業収入の増加に取り組んできたところでございます。
 今後とも、経営基盤の強化に資するよう、経営資源を最大限に生かし、さまざまな関連事業を積極的に推進してまいります。

○興津委員 今年度の会計決算の中にもあったとおりに、WiMAXが一部区間の運用でもって、これだけの収益が上がっているということであれば、これが全線に広がっていくと、非常に大きな効果といいますか、影響といいますか、収益という部分を創造されるわけでありますので、この経営資源を最大限に生かして、さまざまな関連事業を積極的に推進をされ、そして、ご答弁もいただきましたけど、特に通信サービスの拡大により、さらなる大きな収益も見込めると思いますので、ぜひ、都営地下鉄の経営資源を最大限に活用して、利用者の利便性を高めつつ、収益の拡大に資する関連事業を推進していただきたいと要望させていただきます。
 次に、都営バスの安全対策についてお伺いをいたします。
 都営バスは、一日約六十万人の都民の方々に利用されています。そして安全を最優先として取り組まれていることとは存じますが、先日も、残念ながら新聞等で報道されましたけれども、歩行者を巻き込む事故が発生いたしました。
 そこで、平成二十三年度の事故発生状況と保険料など、事故対応経費についてお伺いをいたします。

○中村交通局長 都営バスでは、お客様の安全を最優先に、これまでも事故防止に取り組んできておりまして、平成二十三年度の事故発生件数は、三百六十四件と、前年度と比較して十六件減少いたしました。この内訳は、物件事故が百八十二件、人身事故も同じく百八十二件となっております。また、路上での車両故障は六十六件で、前年度と比較して三十一件減少いたしました。
 自動車保険の保険料など事故対応にかかわる経費につきましては、平成二十三年度の支出額は約三億二千万円でございます。

○興津委員 この約三億二千万円というのは、ほぼ保険料であるというふうにも承っていますけれども、昨年は、二十二年度と比較いたしまして減少いたしておりますけれども、物件、人身事故、年間で三百六十四件ということであります。逆にいえば、ほぼ一日に一件ということでありますけれども、事故はゼロが一番いいわけでありますので、ぜひとも安全対策に対して、事故の防止対策に関しまして、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。
 また、路上故障は、乗客の皆様に非常にご迷惑をおかけしてしまう結果となります。パンク等、運行に際して、予測不可能な場合を除きまして、車両管理の徹底、特にブレーキ等の安全にかかわる車両管理は、徹底して行っていただきたいと重ねてお願いさせていただきます。
 また、残念ながら事故に遭われた方々に対しての対応は、誠実に行われているというふうに伺っていますけれども、しっかりとした対応を今後ともお願いをしたいと思います。
 さて、事故件数について伺いましたけれども、事故を防止するための取り組みについて日々努力されていることと思います。そこで、事故防止対策に関する取り組みについてお伺いさせていただきます。

○中村交通局長 事故防止には、乗務員一人一人が高い安全意識を持ち、常に基本動作を徹底することが不可欠であります。
 このため、都営バスでは、日々運行管理者による厳正な点呼を通じまして、乗務員に安全運行の確保に必要な確認や指示を行うとともに、平成二十三年度までに全車に導入いたしましたドライブレコーダーの映像などを活用いたしまして、年四回、安全研修を実施しております。これらの中で、路線ごとの危険箇所を周知する等の情報共有を図るほか、最近ふえてございます自転車との接触事故などに重点を置きながら事故防止に努めております。
 また、過去の事故等も踏まえまして、乗務員の運転特性を把握できる運転訓練車の導入や事故の教訓を伝えていく、事故から学ぶ展示室の設置なども行っております。

○興津委員 平成二十三年度までに、ドライブレコーダーを全車に導入し、事故防止対策を行っているということでありましたけれども、ドライブレコーダーの活用方法と期待される効果について伺います。

○中村交通局長 都営バスでは、バスの車内及び車外に合わせて五台のカメラを設置し、運転の状況や事故発生の様子などを記録しており、その映像を事故防止に役立てております。
 具体的な活用方法は、発生した事故の事実関係を正確に把握し、原因を分析して、事故の再発防止を図ること。次に、事故映像を通じて乗務員にみずからの運転特性を把握させること。また、事故には至らなかった、いわゆるヒヤリ・ハットと申しますけど、その映像を編集し、安全研修等の教材とすることなどでございます。
 こうした取り組みによりまして、乗務員の安全意識や技術の向上を図り、事故防止に努めてまいります。

○興津委員 ドライブレコーダー等、その他安全対策につきましては十分な取り組みをお願いさせていただきます。
 また、ドライブレコーダーの映像は、一週間程度保管ということで伺っていますが、必要な映像の取り扱いに関しては、個人情報の関係もありますので、厳重に適正に行っていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
 続きまして、ちょっと時間も迫ってまいりましたので、質問を続けさせていただきますが、事故を防止していく取り組みとともに、実際にハンドルを握っている職員の方についてお伺いいたします。
 バス乗務員の方々は、早朝から深夜まで、また、曜日、天候を選ばず、それこそ年末年始などその勤務には大変なご苦労があると承知をしております。十分な車両機器管理があったとしても、乗務員さんも人間でありますので、今ありましたヒューマンエラーやヒヤリ・ハットもあることと存じます。バス乗務員の方の勤務形態、勤務時間管理、勤務環境などの労務管理は、都営バスであり、公共交通機関でありますので当然十分な対応がとられていることと存じますが、安全対策として必要十分条件ということではなく、必要な上にも十分な対応を、今後ともお願いしたいというふうに思います。
 また、乗務員さんの健康管理も非常に重要であると思っています。乗務前の健康チェックとともに日々の健康チェックは欠かせないことと存じます。乗務員の健康管理に関する取り組みについてお伺いをいたします。

○中村交通局長 バス乗務員につきましては、毎日の乗務開始前に、運行管理者による点呼の中で、アルコール検査や健康状態に異常がないかの確認を行っております。
 また、労働安全衛生法に基づき、毎年二回、健康診断を実施し、自覚症状の有無の確認や視力、聴力、血圧などを定期的に測定することで健康状況を把握しております。
 さらに、交通局独自の取り組みといたしまして、日中に眠気を催し事故につながる危険性がある、睡眠時無呼吸症候群の検診も実施しております。
 今後とも、乗務員の健康管理につきまして、適切に対応し、都営バスの安全確保に万全を期してまいります。

○興津委員 乗務員さんの健康管理は本当に重要ですので、心からお願いさせていただきます。
 それでは、先ほども答弁をいただきましたけれども、最近ふえている自転車との接触事故に重点を置いた事故防止に努めているということでありますけれども、自転車との事故防止に向けた取り組みについて、また、もう一点、自転車を利用する側、交通ルールやマナーに関する啓発を、あわせて実施することも必要ではないかと考えています。自転車利用者への普及啓発に関する取り組みにつきまして質問させていただきます。

○中村交通局長 まず、自転車との事故防止の取り組みでございますけれども、安全研修におきまして、ドライブレコーダーに記録された自転車の飛び出しや、車両側面のすり抜けなどの映像を研修教材として使用し、乗務員の危険予知の訓練を行っております。また実際に、バスと自転車を用いて自転車との安全な距離感を養う研修を行っております。さらに、職員がターミナルでの乗務員指導に加え、交差点などにおいて注意喚起などを行っております。
 次に、自転車を利用する方への普及啓発に関する取り組みについてでございますが、都営バスの営業所で、地元の警察署と連携いたしまして、交通安全教室を開催し、自転車を運転する際の交通ルールの遵守や、正しい交通マナーの啓発に努めております。また、バス側面のすり抜けの禁止を訴えるステッカーを作成し、車体の後ろ面に添付するほか、自転車の正しい利用を呼びかける車内放送を行うなど注意喚起を図っております。今後とも、関係機関と連携して、自転車を利用する方に対する普及啓発に引き続き取り組んでまいります。

○興津委員 自転車の安全対策を、交通局の方からも、例えば教育庁だとか警察署も巻き込んでという単語はおかしいかもしれませんけれども、一体となって安全対策を進めていただきたいということを要望させていただきまして、質問を終わります。

○高橋委員長 興津理事の発言は終わりました。
 次に、上野副委員長の発言を許します。

○上野委員 初めに、水道管路の耐震化について質問いたします。
 東京都には、さまざまなインフラ設備がありますが、水道はその中でも、命をつなぎ、支える重要な都市基盤施設であります。特に災害時など、一たび被害が起きれば、都民生活への影響は、はかり知れないものとなります。そうした事態を可能な限り回避するためにも、水道管路の耐震化は極めて重要であります。切迫している首都直下地震に備えて、早急に耐震化整備を推進していくことが、まさに喫緊の課題となっております。
 そうした中で、水道局では、これまでの取り組みにより、現在、耐震性にすぐれたダクタイル鋳鉄管への取りかえがほぼ完了したと聞いておりまして、評価するものであります。
 また、平成七年の阪神・淡路大震災では、揺れが大きく、特に臨海部など地盤条件が悪い地域において管路の継ぎ手が次々と抜け出すという被害が多数発生しましたが、水道局はそうした経験を受けまして、いち早くその対策に取り組みまして、平成十年度より抜け出し防止機能を有する耐震継ぎ手管、いわゆるNS管などを採用したことは、将来を見据えた英断であり、私は高く評価するものであります。
 そこで、こうした水道管路の耐震化の取り組み状況や、平成二十三年度末の耐震継ぎ手率を、もっと都民の方に公表していくべきであると考えますが、都の見解を求めます。

○増子水道局長 平成十年度から、水道管路の耐震継ぎ手管への取りかえを進めてきておりまして、平成二十二年度からは、取りかえ計画を倍増し実施しております。
 これにより、平成二十三年度末の水道管路の耐震継ぎ手率は二九%となっており、この数値は、水道局ホームページに掲載する予定であります。なお、平成三十一年度末までに、耐震継ぎ手率四八%を目指してまいります。

○上野委員 ただいま水道管路の耐震継ぎ手率が約三割となっていることを明らかにしていただきました。現在、水道管路の総延長は約二万七千キロメートルと聞いております。これは地球半周にも及ぶ膨大な量であり、すべての管路を耐震継ぎ手化することは、かなりの時間と費用がかかる難事業であると思います。
 しかも、管路の整備は、掘削などにより交通規制を伴うとともに、周辺住民への影響の配慮や、道路舗装が新しくなると数年は掘削できないなど、道路管理者との調整が必要となり、さまざまな制約がある中での事業でございます。そのような状況の中で、総延長の三割に当たる約八千キロメートルもの耐震継ぎ手管を整備してきたことは、最大限の努力をしてきたものといえると思います。
 ところで、東日本大震災では、新たな課題が浮き彫りとなりました。それは発災後において、被災者の生活のよりどころとなる避難所で、生活用水の不足が顕在化し、不自由な生活を強いられた方々が多くいたということであります。こうした教訓を受け、今後は、病院などの重要施設に加え、小中学校などの避難所施設も優先的に耐震化に取り組むべきであります。
 そこで、東日本大震災の経験を踏まえた耐震化の取り組みについて、具体的に示していただきたいと思います。

○増子水道局長 水道局では、震災時においても都民生活や都市活動を支えるため、首都中枢機関や医療機関等を重要な施設と位置づけ、その供給ルートとなる水道管路の耐震化を優先的に実施してまいりました。
 さきの大震災を踏まえると、こうした重要施設に加え、発災後に多くの人が集まる避難所などにおける給水確保が重要であり、これら施設への供給ルートについても積極的に耐震化に取り組んでまいります。

○上野委員 さて、現在、震度七の首都直下地震がいつ発生してもおかしくないと指摘されております。首都直下地震で最大の被害を発生するといわれているのが、荒川河口付近を震源地とする東京湾北部地震であります。その震源地に近く、揺れが極めて大きくなるといわれる区部東部地域といえば、軟弱地盤であり、液状化が発生しやすい地域であります。これは先ほど話をしました阪神大震災のとき、管路の継ぎ手が抜け出す被害が多数発生した地盤と同様の地盤条件を持った地域でございます。
 したがって、このような液状化する地域では、管路の破損や抜け出しなどの被害が高くなることが懸念されるわけであります。
 そのため、今後は、地盤の弱い地域への優先的な耐震継ぎ手管への取りかえを推進することで、被害の最小化を図る、いわゆる減災への取り組みが極めて重要であると考えております。
 そこで、重要施設とともに、軟弱地盤などの被害が大きいと想定される地域に優先的に耐震化を進めるべきであると考えますが、見解を求めます。

○増子水道局長 水道局では、耐震強度にすぐれ、抜け出し防止機能を有する耐震継ぎ手管への取りかえを着実に進めてきております。こうした中、東日本大震災が発生し、これらを踏まえて示された新たな被害想定では、震度六以上の地域や液状化発生面積の拡大等の見直しが行われました。
 このため、現在、想定地震動や液状化危険度、耐震継ぎ手化の進捗等を考慮し、被害が大きいと想定される地域を優先して耐震化する取り組みを検討しております。
 この取り組みにより、水道管路の耐震化を効果的に実施し、被害の最小化を図ってまいります。

○上野委員 被害が大きいと想定される地域を優先して耐震化する取り組みを検討しているとの心強い答弁がありました。ぜひとも、被害の縮小化を図る減災対策に積極的に取り組み、都民の暮らしを支える安定給水の確保を目指していただきたいと思います。
 次に、都立病院におけるBCPの取り組みについて質問いたします。
 東日本大震災の教訓を踏まえてまとめた東京緊急対策二〇一一に基づいて、病院経営本部では、平成二十三年度に四つの都立病院でBCPを作成し、今年度中には、すべての都立病院での策定が完了するとのことでありますが、その取り組みについて何点か質問していきたいと思います。
 皆様もご存じのとおり、二〇〇一年、アメリカでの九・一一同時多発テロを契機に、危機管理、すなわちBCPの重要性が金融機関を中心に再認識されまして、我が国においても二〇〇五年に経済産業省や内閣府が事業継続計画に関するガイドラインを相次いで公表し、普及啓発を行ってまいりました。
 都においても、平成十九年の第一回定例会におきまして、公明党が議会で最初に、都庁や企業のBCP策定に本腰を入れて取り組むべきであると主張した結果、平成二十年十一月に、都政のBCP地震編、これが策定され、平成二十二年三月には新型インフルエンザ編が策定されたところでございます。
 BCPの普及率は、内閣府の本年三月公表によりますと、大企業で四六%、中堅企業で二一%が策定済みであります。大企業、中堅企業とも、東日本大震災後は、サプライチェーン問題など、危機が現実となった状況を目の当たりにし、BCP策定の取り組みが広がっているところでございます。
 ところで、平成二十三年七月時点で、厚生労働省のまとめによりますと、東日本大震災の被災地の病院三百八十カ所のうち、十病院が全壊、二百九十病院が一部損壊の被害を受けたということであります。災害時に多くの負傷者の治療に当たる病院が、病院機能を継続することで、多くの人命を救うことに直結することから、病院においてBCPを策定し、災害の備えを万全にすることは非常に重要な意味を持つことはいうまでもないところでございます。
 しかし、平成二十一年七月の内閣府が行った特定分野における事業継続に関する実態調査によりますと、医療施設でBCPを作成していると回答したのはわずか四・八%にしかすぎなかったように、医療機関での取り組みはおくれをとっている状況でありました。
 そうした中で、今回、病院経営本部が所管する各都立病院では、震災後いち早くBCPの策定に取り組んだということであり、私は高く評価しています。
 病院業務の特殊性から、策定に当たっては企業活動や一般的な自治体業務とは異なった視点が求められると考えられます。
 そこで、どのような考え方に基づき都立病院のBCPを作成したのか、病院事業ならではのBCPの特色についてお尋ねいたします。

○塚田病院経営本部長 BCPの策定に当たりましては、病院の安全を守る、医療の継続を図る、医療の復旧を遂げる、この三点を基本理念に掲げ取り組みました。
 災害時の病院では、発災直後から多くの傷病者を受け入れるため、平常時よりも業務量が増大するという特徴があります。また、時間の経過とともに外傷等、重傷者の救命治療から慢性疾患や感染症など、内因性疾患の対応へと医療需要が変化をするという特徴もございます。そこで、この二つの特徴を踏まえた上で計画の検討を行いました。
 具体的には、傷病者の受け入れなど都立病院共通の応急対策業務のほか、周産期医療や精神科救急医療等、それぞれの病院が持つ診療機能の特性を踏まえまして、非常時優先業務を選定いたしました。
 また、医療需要の推移に応じて、発災直後から復旧目標の三十日までを三つのフェーズに区分し、参集可能人員予測をもとに、各部門の業務計画を作成し、災害時にも可能な限り医療の継続を図るものといたしました。

○上野委員 病院の医療機能を継続するために、建物の耐震化やライフラインの補強など、ハード面での整備が重要なことはいうまでもありませんが、その上で、医療機能を継続するためには、医師や看護師などの医療従事者がどれだけ災害時に対応できるか、人員体制の確保が事業継続のかぎを握ることになります。
 そこで、発災時に、都立病院のBCPにおける人員確保に向けた対策についてお尋ねいたします。

○塚田病院経営本部長 発災時に医療機能を継続するために最も重要なことはマンパワーの確保であります。
 そこで平成二十三年度に、災害時都立病院職員参集ルールを見直し、都立病院間の協力体制を強化いたしました。具体的には、都内で震度六弱以上の地震が発生した場合、全職員が徒歩等で自主的に所属病院へ参集を開始することとしていましたが、今後は、自宅から所属病院までの距離が二十キロメートルを超え、到着まで二十四時間以上かかると想定される職員は、原則として自宅から最寄りの都立病院へ直ちに参集し、発災直後の診療体制の早期確保に努めることといたしました。
 また、日ごろから、みずからと家族の身の安全を守る備えを行っておくことが、発災時に災害医療業務に従事することを可能にいたします。そこで、家族との安否確認の方法をあらかじめ定めておくなど、家庭での地震への備えにつきましてもBCPに明記し、職員に対し意識啓発を行っております。

○上野委員 BCPを作成した後に大切なことは、BCPを組織に根づかせ、実践できる人を育てることであります。災害時という非常事態において、職員一人一人が冷静に、計画あるいはマニュアルに基づいた適切な行動をとるためには、平常時から災害医療に関する研修を通じて、知識を深めるとともに、防災訓練でシミュレーションを繰り返すなどの地道な取り組みの積み重ねが大事であります。
 そこで、災害時に適切な対応を可能とする災害医療に関する研修や訓練について、取り組み状況をお尋ねいたします。

○塚田病院経営本部長 各病院では、全職員を対象に災害医療の基礎的な研修を、また病院経営本部では、各病院での研修や訓練の指導者となる人材を養成するための研修を実施しており、平成二十三年度は合わせて十二回、合計三百七十二名が受講いたしました。
 さらに、平成二十三年度には新たに管理監督者マネジメント研修として、発災時の危機管理及び災害対策本部運営のために必要な知識を深めるため、管理職向けの研修を実施し、二十名が受講いたしました。
 また、各病院では、災害時の医療救護活動や患者の避難誘導など防災訓練を実施しており、平成二十三年度は、都立病院全体で二十回実施し、延べ千九百三十九名が参加いたしました。
 今後も引き続き職員の災害対応力を強化するため、研修及び訓練内容の充実を図ってまいります。

○上野委員 BCPは、策定して終わりというものではありません。平常時の教育訓練の実施、その後の計画内容の点検や検証、そして計画の見直し、すなわちプラン・ドゥー・チェック・アクションというPDCAサイクルを通じて、より機能的なBCPに改善していくことが大事であります。いわゆる事業継続マネジメントの取り組みがあってこそ、その真価を発揮するものであります。
 そこで、都立病院でBCPを策定するに当たりまして、BCMをどのように推進していこうと考えたのか、平成二十三年度の取り組み内容と今後の取り組み方針についてお尋ねいたします。

○塚田病院経営本部長 お話のように、災害時にBCPを有効に機能させるためには、常に現状に照らして、継続的な見直しを行っていくBCMへの取り組みが非常に重要であります。
 そこで、BCPの策定に当たりましては、関係する諸計画や病院の施設設備など、前提要件に変更が生じた場合に計画の修正が着実に実行できるよう、修正対象箇所を一覧にし、見直しを容易にする工夫を図りました。現在も、十一月に予定されている地域防災計画の修正にあわせ、所要の見直しを検討しているところであります。
 災害時においても都民の生命を守るため、今後とも策定したBCPに基づき着実にBCMを推進し、都立病院の災害対策の一層の強化に努めてまいります。

○上野委員 災害時の医療救護活動は、病院を初めとした医療救護所、都や区市町村、消防庁、さらには他県からの応援の医療救護班を含めた各機関の連携によって成り立つものであります。発災時に連携を図っていく上で、情報連絡体制の確立は欠かせません。各機関でBCPを策定する際には、おのおののBCPが点から面へと有機的な結びつきを持つよう、連携の視点を踏まえたBCPの策定が重要だと考えております。そのためには、都立病院のBCPにおいても、今後BCMを推進していく中で、関係機関との連携の視点を持って、さらに検討を深めていくことを要望いたします。
 次に、良好な水環境を創出するための下水道事業における取り組みについて何点か質問いたします。
 東京は、明治時代に先駆的に近代下水道がつくられまして、人々は早くからその利便性を享受してきたところであります。その中で、区部の下水道の大半は、早期に整備された欧米の大都市と同様に、汚水と雨水を一つの管で流す合流式で整備されてきました。
 このため、早期に下水道を普及することができた反面、大雨が降ったときに、下水道の吐け口から汚水まじりの雨水が、河川や海などの公共用水域に放流されている現状があります。下水道局ではこうした課題に対応するため、合流式下水道の改善対策を進めているところであると思いますが、その努力は評価いたします。
 しかしながら、雨天時の下水を貯留する大規模な施設などの整備には時間がかかります。そのため、重点的に整備を進め、より一層のスピード感を持って取り組む必要があります。
 また、良好な水環境の創出を推進するためには、目標を明確にして取り組むことが重要であると考えます。
 そこで、区部における合流式下水道の改善対策について、できるだけ早期に効果が発現できるような工夫を行い、対策のスピードアップを図るべきであると考えますが、これまでの取り組み状況とあわせて見解を求めます。

○小川下水道局長 合流式下水道の改善対策のうち、これまでに雨天時の下水をより多く水再生センターに送水する下水道幹線の整備や、吐き口から河川などへ流出するごみなどを取り除く水面制御装置の設置などをおおむね完了しております。
 また、降雨初期の特に汚れた雨水を貯留する施設については、経営計画二〇一〇に示した平成二十四年度の累計目標である貯留量百二万立方メートルのうち、平成二十三年度末までに約百一万立方メートルを完成させております。
 下水道法施行令に定められた雨天時の放流水質基準が、平成三十六年度から強化されるため、今後、この新たに適用される基準に対応するために必要な貯留量百七十万立方メートルの整備を目標に、水再生センターやポンプ所、雨水吐き口の周辺において貯留施設の整備を進めてまいります。
 整備効果を早期に発現させるため、水の流れの少ない河川区間や閉鎖性水域など十四水域で重点化を図るとともに、対策が必要な雨水吐き口の多くが新たな用地の確保は難しい河川沿いにあるため、地元区などとの連携を一層強化し、スピード感を持って取り組んでまいります。

○上野委員 今後、地元区と連携し、対策がより一層推進されることで、雨天時の水質改善が図られることを期待いたします。
 ところで、私の地元である江戸川区の平井・小松川地区を流れる旧中川は、かつては中川の一部であり、江戸時代には広重の名所江戸百景逆井の渡しなどで、情緒豊かな川であったことが知られております。川沿いには史跡も残されております。
 しかし、大正十三年に、中川が荒川放水路に注水を開始したことによりまして分断されました。残された旧中川は、閉鎖的な水域となり、現在では、降雨の後、一時的に水の汚れが目立つ状況にあります。
 ことしの六月には、旧中川のゆりのき橋と中平井橋の間で死んだ魚が約千匹も水面に浮かぶといった事態が発生いたしました。これは台風などの影響により、川底に堆積していた泥が巻き上げられ、その結果、水中の溶存酸素が不足したためと聞いております。下水の放流が直接の原因とはいえないものの、旧中川の水質改善に向けて、下水道事業の取り組みが極めて重要な役割を担っていることには間違いないわけであります。
 そこで、旧中川における合流式下水道の改善の対策内容と効果についてお尋ねいたします。

○小川下水道局長 旧中川も、重点的に水質改善に取り組む十四水域の一つとして、四カ所あるポンプ所で対策を進めております。このうち吾嬬第二ポンプ所と小松川ポンプ所については、合わせて二万八千立方メートルの雨水貯留池を整備し、供用を開始しております。
 また、吾嬬ポンプ所については、雨水貯留池を併設したポンプ所として再構築工事を進めているところでございます。
 さらに、大島ポンプ所については、放流先を旧中川から荒川へ切りかえることとしており、雨水貯留池を併設した新たなポンプ所を小松川地区に建設中で、平成三十一年度の完了を目指しております。
 工事完了後は、旧中川への放流量を七割程度削減でき、水の汚れをあらわす指標であるBOD負荷量につきましても、九割程度削減できると試算しております。

○上野委員 新たなポンプ所の整備などによりまして、旧中川への放流量を約七割、BOD負荷量は、約九割も削減できるとのことですので、引き続き着実に取り組んでいただくよう要望いたします。
 次に、合流式下水道の改善と同様、良好な水環境を創出するために不可欠な高度処理の取り組みについて質問いたします。
 高度経済成長期に急激に都市化が進展した影響によりまして、河川や海の汚濁が進み、隅田川では、かつて行われていた花火大会や早慶レガッタが中止になるほどでありました。その後、下水道の整備が進むにつれまして、水質が大幅に改善され、今では隅田川の護岸にテラスの整備が進むなど、都民の憩いの場として親しまれるまでになったわけであります。
 一方で、このように河川の水質が改善されたにもかかわらず、東京湾の赤潮の発生日数は減っていないというのが現状であります。その発生原因である窒素や燐を削減するために、下水道局では、水再生センターにおいて、高度処理の導入を進めているとのことであります。
 そこで、区部における高度処理の取り組みの経緯と、現在の導入状況についてお尋ねいたします。

○小川下水道局長 窒素と燐を大幅に削減する高度処理につきましては、平成八年度に新規で稼働した有明水再生センターに導入したのを初めとして、平成二十三年度末までに五カ所の水再生センターで導入しております。
 一方で、高度処理施設は、規模が大きく、新たに整備するには費用や時間がかかるため、事業効果の発現までに多くの時間が必要となっております。経営計画二〇一〇では、平成二十四年度累計で一日当たりの処理能力約四十七万立方メートルを目標としておりますが、平成二十三年度末までに約四十一万立方メートルの施設を完成させました。これは、区部における一日当たりの平均処理水量の約八%に相当いたします。

○上野委員 東京湾の赤潮対策など水質改善のためには、高度処理を推進していく必要がある一方で、高度処理は水質が向上するが、より多くの電力が必要になると聞いております。そのため、水質を向上させるだけでなく、地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出量の削減との両立も図らなければなりません。
 下水道局では、平成二十二年度より、既存施設の改造などで対応が可能な準高度処理の導入を進めております。効果を上げているとのことでありますが、これまでの導入効果を伺うとともに、今後、準高度処理の導入を拡大していくべきであると考えますが、見解を求めます。

○小川下水道局長 準高度処理は、高度処理と比べ、窒素と燐の除去率は落ちるものの、これまでの処理法と比べて窒素の除去率を一割程度、燐については、二割程度高めることができる処理法で、お話のとおり、平成二十二年度から導入しております。
 平成二十三年度末までの二カ年で、砂町水再生センターを含む五カ所の水再生センターで導入し、一日当たり処理能力約六十四万立方メートルの施設を完成させました。高度処理と合わせた処理能力は、平均処理水量の約二一%に相当し、平成二十一年度末から三倍に増加するなど、事業のスピードアップを図っております。
 準高度処理は、既存施設の改造により早期に導入できることに加え、高度処理と比べ、電力使用量を三割程度削減でき、温室効果ガスの排出量を増加させることがないため、水質改善との両立が図れる新たな手法として積極的に導入してまいります。また、高度処理につきましては、新たな省エネルギー技術の活用等を図りながら、再構築などにあわせて計画的に導入してまいります。
 今後とも、さまざまな工夫や新たな技術の活用により、良好な水環境の創出に努めてまいります。

○上野委員 温室効果ガスの排出量を増加させることなく、早期に水質を改善できる準高度処理の導入を進めているということは大いに評価いたしたいと思います。
 美しい水辺空間を守り、将来世代に引き継いでいくためには、下水道事業が果たすべき役割は非常に大きなものがあります。河川や海などの水質改善に向け、合流式下水道の改善や高度処理の推進に引き続き全力で取り組んでいただきたいと思います。
 次に、高速電車事業について質問いたします。
 都営交通は、東京の都市生活、都市活動に欠かせない公共交通機関であります。一日平均二百二十八万人に利用されているといわれる都営地下鉄のバリアフリー対策に関して、施設整備や人的対応について幾つかお尋ねしていきます。
 少子高齢化が急速に進展する中、高齢者や障害者、子育て中の方などが、快適に公共交通機関を利用できることは重要なことであります。都では、高齢者、障害者を初めとしたさまざまな人々が社会参加できるよう、これまでも、バリアフリーの社会づくりを実施しているところであり、交通局におきましても、さらなる取り組みを期待するところであります。
 地下鉄駅のバリアフリーとしては、エレベーターやエスカレーターの設置等が代表例でありますが、一方で、駅の出入り口の小さな段差や、階段や手すりが一部途切れているなどの小さなバリアがあります。こういった小さなバリアについては、昨年度の決算特別委員会で、我が党の橘議員が取り上げたところであります。
 そこでその後、小さな段差等のバリアの解消についてどの程度進んだのかお尋ねいたします。

○中村交通局長 交通局では、高齢者、障害者、子育て中のお客様を初め、だれもが、より一層快適に駅をご利用いただけるよう、エレベーターなどの整備に加えまして、小さな段差等のバリア、いわゆるプチバリアの解消を積極的に進めてまいりました。
 これまでに、例えば、階段の踊り場で不連続になっている手すり、駅の出入り口などの小さな段差、ぬれると滑りやすい床等の解消に計画的に取り組むこととし、平成二十三年度末までに百五十三カ所のプチバリアを解消してまいりました。
 今後とも、だれもが自由に円滑に移動できる公共交通機関を目指して取り組んでまいります。

○上野委員 確かに、エレベーターやエスカレーターなどの大規模施設の設置だけではなく、プチバリアの解消といった、きめ細かなバリアフリー対策は重要であります。
 ただいまの答弁の中で、ぬれると滑りやすい床の解消について言及がありましたが、実は、このたび厚生労働省が発表した人口動態統計では、転倒による死者が年々ふえており、平成二十三年度には、床や路面などの同一平面上での転倒による死者が約五千人に及んでおります。これは、警察庁発表の同年の交通事故死者数と同程度であります。また、転倒による死者の九三%が六十五歳以上の高齢者で、高齢社会を見据えるならば、床の滑り対策は早急に解決すべき課題であるといえます。
 国土交通省は、こうした背景を受け、ことし七月に改定した高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準において、新たに床の滑り項目を追加したところであります。
 そこで、都営地下鉄において、駅の床の滑り対策を行っていくことが重要であると考えますが、今後の取り組みについてお尋ねいたします。

○中村交通局長 床の滑り対策につきましては、当局としても重要であると考えており、駅施設の床は、東京都福祉のまちづくり条例に基づく整備マニュアルに従って、床の表面を平たんで、ぬれても滑りにくい仕上げとして整備を行ってまいりました。
 また、汚れや摩耗等によって滑りやすくなった場合には、床に滑りどめ材を塗布したり、滑りにくい材料に張りかえる等の対策を講じております。
 今後とも、国の動向を注視しながら、高齢者や障害者などを含めまして、すべての方々が安全に利用できる施設の整備を目指してまいります。

○上野委員 交通局においても、床の滑り対策は重要と考えているとのことですが、今後、東京都福祉のまちづくり条例に基づく施設整備マニュアルが改正されていくことになると思いますが、速やかに対応していくなど、今後とも力を入れて取り組んでいただくよう要望いたします。
 さて、駅のバリアフリーを考える上で重要な位置を占めるのはトイレであります。駅のトイレは、高齢者、障害者、子ども連れなどを含めたさまざまな方々が利用する重要な施設でありますが、まだまだトイレの入り口に階段などのバリアがあることで、障害者、高齢者が利用しにくくなっております。今後とも駅のトイレのバリアフリー化をさらに進めていくよう要望しておきます。
 ところで、交通局では、高齢者、障害者、子育て中のお客様にとりましても使いやすいトイレとなるよう、機能の充実した、だれでもトイレの整備を既に終えたと聞いております。このことについては、私は高く評価しているところであります。
 ところが、車いすを利用している方々からは、だれでもトイレは非常にありがたいけれども、健常者が使っていることも多く、使用したいときに使用できないとの声も聞かれております。
 そこで、一般用トイレのバリアフリー化を進め、だれもが利用しやすい環境を整えるべきであると考えますが、都の見解を求めます。

○中村交通局長 お話の一般用トイレにつきましても、お客様が快適に利用できるよう、ユニバーサルデザインを取り入れ、清潔感と機能性を備えたトイレへ計画的に改良していくことが重要でございます。
 このため経営計画におきまして、トイレのグレードアップ事業として、ベビーチェアを備えたブースや、オストメイト対応のブースの設置、段差等の解消に取り組むこととし、これまでの二カ年で十九カ所の整備を実施してまいりました。
 今後とも、お客様だれもが利用しやすいトイレとなるよう鋭意取り組んでまいります。

○上野委員 トイレは、利用者からの要望も多いことから、都営交通の評価を左右する非常に重要な施設であります。これからも利用者の満足度を向上させるために、さらなる清潔感のアップやバリアフリー化を初め、すべての人に優しく使いやすいトイレを目指して、計画的に整備を進めていただくことを期待しております。
 続いて、だれもがスムーズに利用できる駅という視点から質問いたします。
 障害があっても、一人で外出し、気兼ねなく歩き回れるような環境を整備していくことが必要であり、実際に外で活発に活動される方も多くなってきております。
 しかし、視覚障害者の方が電車の駅のホームから転落するなどの痛ましい事故も発生しております。交通局では、ホームの安全対策のために、ホームドアの整備を着々と進めているところでありますが、安全対策は障害を持たない人のためにも必要であり、着実な整備を求めたいと思います。
 一方、視覚障害者の方が駅を円滑に利用できるようにするためには、安全対策とあわせて施設や設備について、音や声による案内を充実させることが大切であります。
 実際に都営地下鉄の駅を利用してみますと、エレベーター、エスカレーター、トイレについて音声による案内を行っているところがあります。ホーム上の階段のところでは、鳥のさえずりによって、視覚障害者の方の誘導を図っておりました。
 また、駅構内の設備を音声や点字で示している案内図も多数見かけるようになり、利便性も向上してきております。
 そこで、都営地下鉄において、今後も視覚障害者の声を聞いて、これらの音声案内装置等の整備をさらに進めていくべきであると考えますが、見解を求めます。

○中村交通局長 目の不自由なお客様にとりまして、音声での案内は駅を安心してご利用いただくために極めて重要であると考えております。このため都営地下鉄では、駅構内に音声案内装置、誘導チャイム及び駅構内の設備を音声や点字で案内する、いわゆる音声案内つき触知図の整備を計画的に進めております。
 平成二十三年度末には、音声案内装置を、駅構内のエレベーター、エスカレーター及びトイレに合計三百十五カ所設置しております。また、誘導チャイムを改札口及びホーム上の階段に合計三百七カ所設置しており、これまでにすべての改札口への設置が完了しております。さらに、音声案内つき触知図につきましては、五十六カ所に設置が終了しているところでございます。
 今年度も、誘導チャイムを六十カ所設置するなど、音声案内装置等のさらなる整備を進める予定でございます。
 今後とも、目の不自由なお客様の声も伺いながら、どなたにも利用しやすい都営地下鉄の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。

○上野委員 今後も、視覚障害者の方のニーズを踏まえた整備を進めていただきたいと思います。
 ところで、このようなハード面の取り組みも重要ですが、バリアフリーはソフト面も大切であります。
 我が党では、これまでサービス介助士の資格取得の推進と積極的なPRを提案してきました。サービス介助士とは、お年寄りや障害者などが駅を利用する際などに、必要な介助技術とおもてなしの心を習得した人を指し、利用者が安心できるとても重要な取り組みであります。
 最近、私の利用する都営新宿線の駅では、ブルーのサービス介助士のバッジをつけた駅員を見かけることがあります。バッジをつけた方を見つけますと、とても安心します。これは私だけではないと思います。
 一方で、サービス介助士の存在や役割が利用者に十分知られているかというと、まだ、これからという気がいたします。
 そこで、サービス介助士の資格取得の状況と認知度の向上に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

○中村交通局長 交通局では、高齢者や障害を持つお客様などが、いつでも快適に安心して地下鉄をご利用いただけるよう、駅員のサービス介助士の資格取得を計画的に進めております。平成十九年度から、資格取得者を順次駅に配置しており、平成二十三年度末には、すべての駅に複数名のサービス介助士を常時配置しております。
 認知度の向上に向けた取り組みといたしましては、平成二十二年からサービス介助士に交通局で作成いたしましたバッジを着用させ、資格取得者を判別できるようにしております。
 また、サービス介助士の活動場面をイラストで紹介したポスターを駅構内に掲示して、お気軽にお声かけくださいと、その周知を図っております。
 今後も、すべての人に優しい公共交通機関を目指して、ハード、ソフト両面から都営交通のバリアフリー化を積極的に進めてまいります。

○上野委員 すばらしい取り組みだと思います。より多くの利用者に周知し、お年寄りや障害者の方が気軽に利用できる都営地下鉄を目指していただきたいと思います。
 公営企業である交通局には、社会的要請ともいえるバリアフリーの推進について、今後とも、他の事業者を一歩リードする取り組みを大いに期待いたしまして、私の質問を終わります。

○高橋委員長 上野和彦副委員長の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時二十分開議

○高橋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行します。
 高木委員の発言を許します。

○高木委員 平成二十三年度の決算審査に当たり、都営地下鉄について伺います。
 去る十月十五日の本委員会において、局長から、平成二十三年度の事業及び決算の概要説明がありました。この中で、交通局は、経営計画ステップアップ二〇一〇に基づき、安全・安心の確保を最優先に、質の高いサービスの提供などに取り組むとともに、東日本大震災の影響など、計画策定後のさまざまな状況変化に対応してきたという旨の説明がございました。
 先日、交通局が、今年度発行した安全報告書を拝見いたしました。その中には、交通局の安全にかかわる基本的な姿勢を示した安全方針が記載されており、お客様の安全・安心を何よりも大切にし、災害に強く、事故のない都営交通を目指しますとありました。また、この報告書の冒頭のあいさつの中で、局長は、安全性向上のために積極的な投資を行うとも述べています。
 交通局が安全・安心を第一として事業を行っていることが改めて伝わってきましたし、私も安全・安心の確保は、交通事業者にとって第一の使命であると考えます。
 都営地下鉄四路線の営業キロ数は、合計で百九キロメートル、一日約二百三十万人の方が乗車しています。いいかえれば一日に二百三十万人の方の命を預かっているわけでありまして、災害や事故から乗客の安全・安心をしっかり守っていかなければなりません。
 そこでまず、平成二十三年度において、安全対策について、ハード面ではどのくらいの経費をかけて、どのような対策に取り組んだのか伺います。

○中村交通局長 交通事業者にとりまして、安全・安心の確保は、最重要課題でございます。交通局では、これまで、ハード、ソフト両面からさまざまな安全対策を講じてまいりましたが、ハード面では、平成二十三年度に、地下鉄全体の改良修繕費二百五十六億円の約半分に当たる百三十六億円を投入いたしました。
 その主な内容でございますが、ホーム上の安全対策を推進するため、平成二十五年六月の全駅整備完了を目指して順次設置を進めてございます大江戸線ホームドアの整備を初め、総合指令の構築、駅や車両等の火災対策及び変電所設備の更新等でございます。
 今後とも、安全性向上のため、積極的な投資を行うとともに、施設、設備、車両等の適切な維持管理に努めまして、安全輸送を支える基盤の整備に万全を期してまいります。

○高木委員 次に、耐震対策について伺います。
 我が党は、昨年の第二回都議会定例会の代表質問で、都営地下鉄の耐震対策について伺い、交通局長から、都営地下鉄においても、独自に高架部などの施設の耐震性を改めて検証した上で、安全性をより高めるための耐震対策を実施していく旨の答弁がございました。
 その後、本年四月、東京都は、首都直下地震等による東京の被害想定を発表しました。この被害想定によると、マグニチュード七・三の東京湾北部地震が発生した場合、最大震度七の地域が出るとともに、震度六強以上の範囲は、区部の約七割に及ぶとされています。
 一方、この新たな被害想定によると、こうした地震が発生した場合でも地下鉄の施設については大きな被害はないものとされています。都営地下鉄の耐震対策がどのようになっているのか伺います。

○中村交通局長 交通局では、お客様の安全を確保するため、地下鉄施設の耐震対策にも積極的に取り組んでまいりました。これまでに、平成七年の阪神・淡路大震災を受けて国が定めた基準に基づき、高架部の橋脚や、地下駅の中柱の補強などの耐震対策を完了しております。
 しかし、昨年の東日本大震災では、高架部に被害を受けた仙台市営地下鉄などが全線での運行再開までに二カ月近くの時間を要しました。都営地下鉄としては、新たな被害想定による大地震が発生しても、運行の早期再開が可能となるよう施設が大きな損傷を受けることなく機能を保持できることが重要であると考えております。
 このため、今後はお客様の安全確保に加えまして、運行の早期再開の観点から、施設の安全性をさらに高めるための対策に取り組むことといたしました。既に、浅草線、三田線では、車両基地と本線を結ぶ高架部などで補強工事に着手しており、東日本大震災で得られた知見などに基づく検証を加えつつ、必要な対策を着実に進めてまいります。

○高木委員 東日本大震災に際して、交通局は発災直後から、直ちに被害状況の把握、安全点検を実施し、都営地下鉄、都営バス、都電はいち早く運行を再開いたしました。このうち、都営地下鉄と都営バスは、翌朝まで終夜運行を行い、多くの乗客の輸送に当たり、感謝の声が多数交通局へ寄せられたと聞いています。
 大震災当日、都営地下鉄において、早期の運行再開ができたのも、地下鉄の構造物に被害が発生しなかったからであり、今後も、耐震対策に万全を期していただきたいと思います。
 さて、地震とともに忘れてはならないのが水害であります。先月末に、アメリカ東海岸を襲ったハリケーン・サンディは八百万人が住む同国最大の都市であるニューヨーク市にも大きな被害をもたらしました。市内を走る地下鉄は、浸水により全面停止となり、復旧までに相当の日数を要しました。新聞報道によると、専門家が高潮防波堤や地下鉄出入り口への防水壁の設置を求めていたものの、財政難もあり先送りされていたとのことであります。
 東京は、近年、下水道などに大量の雨水が一気に流れ込んで河川がはんらんするいわゆる都市型水害といわれている浸水被害にたびたび見舞われてきましたし、また、集中豪雨も頻繁に発生しております。
 交通局では、こうした水害による都営地下鉄への浸水を防ぐために、これまでどのような対策を行ってきたのか伺います。

○中村交通局長 都営地下鉄への浸水が考えられる開口部としては、駅の出入り口と地下鉄内の自然換気を行う歩道上の通風口がございます。このうち駅の出入り口では、周辺の過去の浸水被害や地形を考慮し、浸水のおそれのある九十四駅に止水板や防水扉を設置しております。
 一方、通風口には、地盤の高さが低いなど浸水のおそれのある九十カ所に浸水防止機を設置しております。
 さらに、沿線各区が、平成十二年九月に起きた東海豪雨を想定したハザードマップを、平成二十年度までに公表したことを受けまして、出入り口や通風口の再点検を実施いたしました。その結果、一部の箇所につきまして止水板のかさ上げや浸水防止機の追加等が必要であることが明らかになったことから、平成二十三年度から二十五年度までの三カ年で対策を行うこととし、現在、鋭意進めているところでございます。

○高木委員 四月に発表されました新たな被害想定では、地震による被害のほかに、初めて津波による被害が想定されています。この想定は、過去の記録等で都内に最も大きな津波をもたらしたとされる一七〇三年の元禄関東地震をモデルとして検証したとのことであります。これによると、東京湾沿岸部の津波高は、満潮時で最大TP二・六一メートルとされており、死者が出るなどの大きな被害は生じないものの、河川敷等で一部浸水のおそれがあるとされています。
 津波による被害想定が出されてから、交通局においても、当然、都営地下鉄への影響等について検証していることと思います。この津波により都営地下鉄の駅などが浸水するおそれがあるのかないのか伺います。

○中村交通局長 平成二十四年四月に、東京都防災会議から、首都直下地震等による東京の被害想定報告書が公表されました。
 本報告書における新たな被害想定では、過去都内に最も大きな津波をもたらしたとされる元禄関東地震をモデルとした津波によるシミュレーション結果の浸水図が示されております。その資料に基づきまして、都営地下鉄の全駅を検証いたしましたところ、出入り口の止水板、防水扉の高さは、この津波による浸水の深さをすべて上回る結果となっておりまして、新たな被害想定の津波によって都営地下鉄の駅を含めた地下鉄施設が浸水するおそれはないものと考えております。

○高木委員 集中豪雨や津波等による駅出入り口等からの浸水に対し、止水板のハード面の備えはできているようですが、ソフト面の対策はどうなっているんでしょうか。万一、駅などに浸水するおそれが生じた場合には、どのように対応するのか伺います。

○中村交通局長 都営地下鉄では、すべての地下駅において、水防法に基づく避難確保計画を定めております。
 万が一、駅構内に浸水するおそれが生じた場合には、避難確保計画に定めましたお客様の避難を最優先に行うという原則に基づきまして、お客様を円滑かつ迅速に安全な場所に避難誘導いたします。
 その後、駅出入り口等の状況監視を継続して行い、浸水の規模が拡大した場合には、その程度に応じまして、駅の閉鎖や列車の折り返し運転、運行中止等を行ってまいります。

○高木委員 都営地下鉄への浸水を防ぐための対策は、ハード面、ソフト面とも引き続きしっかりやってほしいと思います。
 これまで、耐震対策や浸水対策などを中心に、都営地下鉄における災害への備えについて伺ってきました。
 災害は、いつ襲ってくるのかわかりません。緊急事態が発生した場合に、冷静沈着に対応し、利用者の安全を守っていくためには、日ごろから緊急時に備えた訓練が重要であります。
 都営地下鉄では、水害や大地震などの災害に対応するため、日ごろ、どのような訓練を行っているのか、また、東日本大震災の教訓を踏まえ、今後どのような訓練を行うのか伺います。

○中村交通局長 都営地下鉄では、災害等の異常事態に対する即応力の維持向上を図るため、日ごろから職場単位で個別に訓練を行うとともに、駅、運転、保守の各部門が、毎年合同で、自然災害防止訓練及び異常時総合訓練等を実施しております。
 自然災害防止訓練では、集中豪雨等による駅出入り口からの大規模な浸水を想定いたしまして、止水板や土のうの設置、部門間の情報伝達等を内容とした訓練を行っております。
 また、異常時総合訓練では、大規模地震の発生による列車の脱線など、さまざまな事態を想定いたしまして、連絡通報、お客様の避難誘導、負傷された方の救出、施設復旧等を内容とした訓練を、消防署等の関係機関のご協力を得て行っております。
 こうした定期訓練に加えまして、本年十二月には、東日本大震災の教訓をも踏まえまして、大規模地震により停電が発生したとの想定で、終車後深夜に、実際に駅間で停止した列車からお客様を避難誘導する訓練を実施することとしており、この中でさまざまな検証を行う予定でございます。
 今後も改善を重ねながら、職員の対応能力の向上に資する実践的な訓練を着実に実施してまいります。

○高木委員 訓練は、繰り返し行っていくことが重要であります。今後も実践的な訓練を積み重ねて、緊急時の対応能力を向上させていってほしいと思います。
 本日は、時間の関係もありまして詳しく質問できませんでしたけれども、冒頭答弁のあったホーム上の安全対策などを含めまして、都営地下鉄の安全・安心の確保について万全を期していただきたいと思います。また、都営バスや都電荒川線、日暮里・舎人ライナーについても同様に安全・安心の確保に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 以上を要望いたしまして、私の質問を終わります。

○高橋委員長 高木けい委員の発言は終わりました。
 次に、田中委員の発言を許します。

○田中委員 それでは、水道局、港湾局、二局について質問させていただきたいと思います。
 水道局は、安全でおいしい水プロジェクトというものをこれまで進めてまいりました。行動計画が二〇一〇年から一二年ということで策定をされておりまして、本年の二〇一二年がその最終の年であります。
 まず、この安全でおいしい水プロジェクトについて、これまでの進捗と今後の展開について伺います。

○増子水道局長 水道局では、平成十六年から安全でおいしい水プロジェクトを立ち上げ、さまざまな施策の実施やそのPRに取り組んでおります。具体的には、高度浄水処理の導入や、直結給水化の普及促進など、安全でおいしい水をつくり、お届けするための取り組みを実施するとともに、ペットボトル「東京水」の配布などを通じたPRを展開しております。
 その結果、局で定期的に実施しているお客様満足度調査では、家庭での飲み水としての水道水に対する満足度は、平成十五年度の二八%と比べて、平成二十三年度には五三%と向上してきております。
 しかしながら、満足と回答したお客様の割合は、いまだ約半数にとどまっていることから、今後も、お客様満足度の向上に向けて、本プロジェクトを積極的に推進してまいります。

○田中委員 今、そのプロジェクトの中で出ました「東京水」、皆様ご存じのペットボトルでありますが、このペットボトルの「東京水」、大きなPRの役割を果たしたというんですが、これまで役割を担ってきた、それについての実績を詳しくお伺いします。

○増子水道局長 ペットボトル「東京水」は、安全でおいしい水プロジェクトのPR用として、お客様に高度浄水処理水の安全性やおいしさを実感していただき、水道水に対する理解をより深めていただくことを目的に製造をしております。
 「東京水」は、平成十六年から製造を開始しており、水道水に対するお客様の満足度向上に向けた効果的な広報ツールとして、大きな役割を果たしております。インターネットにより、水道モニターに対して「東京水」のPR効果について尋ねたところ、PR効果があると、ややあるを合わせた回答が、平成二十三年度には約九三%に達しており、今後も広報ツールとして積極的に活用してまいります。

○田中委員 広報ツールということでのお話でありましたが、広報というと、この広報費、宣伝費について、水道局では質疑が何度かこれまでもされてきました。平成二十一年度の公決の委員会の中では、我が党の西沢委員が、水の科学館のリニューアルで九億円が計上されていたことを指摘して、さらに全体のPR費としては十億円が使われていることも議論の中で質疑がありました。
 宣伝費のあり方を考えるべきだといった指摘があり、私もこの宣伝費を圧縮すべきではないかと考えておりますが、平成二十三年度における全体の宣伝費についての詳細を伺います。

○増子水道局長 平成二十三年度における広報にかかわる経費は、約千二百校を訪問して実施した水道キャラバンが約二億五千万円、約三十八万人の来館者があった三つのPR館の運営管理費が約二億三千万円、水道ニュース、これは年四回合計で千六百万部を新聞折り込みにより全戸配布しておりますが、これが約九千万円、年間約五十万本配布しているペットボトル「東京水」が約四千万円、これらを含め、総額で約七億二千万円であります。
 当局では、従前から、お客様満足度調査やインターネット水道モニターアンケートなどにより、お客様のご意見やご要望などを分析し、広報施策の効果の把握と検証を実施しております。
 今後とも、広報の費用とその効果を検証の上、より効果的な広報活動を展開してまいります。

○田中委員 額だけ聞くと七億二千万で、詳細を調べますと、九億円のときから減っているのはトレインチャンネル、JRの山手線で、電車の中で見られるのがあるかと思うんですが、あの宣伝費が減ったからその分が減っただけで、特にそのときとの差はありません。
 今までの議論の中で何度も出てきたのは、お客様の満足度ということでありますが、満足度が上がったとはいえ、まだ五〇%だから、積極的に推進しなきゃならない、約半数であるということもありましたが、この満足度調査も、水がおいしいか、おいしくないかという主観的な調査でありまして、これが一〇〇%になかなかなるとは思いません。
 さらに、高度浄水処理が、今回のこのプロジェクトの計画の中では、二十五年度にいよいよ一〇〇%となります。そうしますと、基本的には、水のおいしさというのは、この高度浄水で一つのめどがつくということでありますから、そうしますと、これを一〇〇%に上げていくには、そもそも水道水から水を飲むというのが嫌いな人というか、水道水から水を飲むのが嫌な人の意識をどう変えるかということであり、これまでの広報の考え方やこれまでのPRの仕方を大きく変えていかなければならないんじゃないかという問題提起をここでさせていただきたいと思います。
 そもそも、都民の水道料金からこの広報費も出ていることでありまして、何か利益を上げて、その分を広報費に回してあるのであればいいんですが、あくまで私たちが払っています水道料金からでありますから、ぜひ広報の経費というのは、常に見直しをしていただきたいと思っております。
 その中で、このおいしい水プロジェクト、高度浄水処理導入ともう一つの柱は、直結給水化の取り組みであります。この取り組みについては、先日も都のホームページに、この方式への切りかえのお客様といったものが掲示をされておりました。この取り組み等、具体的な内容についてを伺います。

○増子水道局長 まず、広報費についてでありますけれども、私どもの満足度調査では、我々の施策を理解している人ほど満足度が高いという結果が出ておりまして、広報の効果は十分に上がっていると思います。
 続いて、貯水槽方式から直結給水方式への切りかえは、より安全でおいしい水を供給することや、省エネルギー化などの効果があるため、さまざまな切りかえ促進策を行ってまいりました。切りかえ件数は徐々に増加してきましたが、平成二十三年度における切りかえ件数は約三千件にとどまっております。
 一方、都内には、いまだ約十六万件の貯水槽が存在しており、直結給水方式への切りかえをさらに促進していく必要があります。そこで、道路部分の配水管分岐部からメーターまでの給水管を太くしなければならない場合、その工事を水道局が実施することとし、これを去る十一月一日に公表いたしました。本事業は、十二月一日申請受け付けのものから順次施工してまいります。

○田中委員 十一月一日の公表が、ホームページにこのようにして出ていたんですが、今説明の中で、確かに、道路からメーターまでの給水管を太くしなければならない場合は、都が負担、工事も水道局が行ってくれるというのですが、実際は、道路からメーター以降、受水槽を除去するもの、さらには貯水槽を除去するには、もちろんそれぞれのご自宅で、またマンションでの負担が、大きな負担となります。それが、この資料ではなかなかわからない、というかその数字が出ていないんで、お聞きをしましたら、二十万円から大きなところでは二百万円、三百万円かかるというところもあるというのですが、ぜひ、そういったことを明確に示していただきたいと思います。
 判断するに当たって、おいしい水を飲みたいという都民の願いはあって、高度浄水処理が一〇〇%になったならば、あとは直結給水化を進めていくしかない中で、この広報では、なかなかわかりづらいかなと。
 さらに、この切りかえることによって削減効果が見込まれるということが電気料金で書いてあるんですが、四人家族三十世帯だと平均十三万円の削減効果が見込まれますと、これだけ見ると、一般家庭で年間十三万円減るというのは大変なことだなと思っていたんですが、よくよく読むと、三十世帯ですから十三万円を全部で割ると年間四千円ぐらいになりまして、イニシアルコストが二百万、三百万かかると、これはなかなかすぐにはできる工事じゃないなといったことを判断する材料が、これだけだとわかりづらいということで、先ほどPRの話がありましたが、ぜひこういうことに、PRにお金を使ってもらって、これを推進する、もちろんこれもPRしているといわれると思いますが--お金を使っていただければと思っております。
 それでは、話を進めます。水源林の確保について伺います。
 東京都は、多摩川水系の水源林として、旧東京市が一九一三年から水量と水質の確保を目的に、奥多摩地区や山梨県内などの上流域で民有林の買い取りをこれまで進めてきました。三三年に奥多摩内の約四千七百八十ヘクタールを取得したのが最後で、それから都は、民有林を購入していないことが続いておりました。
 しかしながら、都として、多摩川水系の上流域での山林の大規模買い上げに乗り出すということが報道されております。まず、この詳細について伺います。

○増子水道局長 申しわけありません。先ほどの、切りかえると電気代が十三万円年間で削減される、これはその建物において削減されるので、そこにかかわる改造費が二百五十万円であれば、十数年で元が取れるということで、効果があると思います。
 また、直結化にかかわる、規模別にどのくらい経費がかかるかということにつきましても、今回のPR、プレスでは出しておりませんが、ホームページでは載せております。
 続きまして、多摩川上流域の民有林についてでありますが、長期にわたる林業不振の影響などにより荒廃の進んだ森林がふえております。そのため水源地域を良好な状態で保全することを目的として、管理が十分にできず、所有者が手放す意向のある民有林を購入することとし、平成二十二年度から、民有林購入モデル事業を開始いたしました。
 申し込みについては、公募により募集を行い、その要件としては、五ヘクタール以上の人工林を有することや、私どもの水道水源林に隣接する場合には、一ヘクタール以上の人工林を有することなどとしております。

○田中委員 この事業、平成二十二年度から行っているということでありますが、二十二年度からこれまで実績があったかどうか伺います。

○増子水道局長 平成二十三年度までは、小河内貯水池上流域を対象地域といたしまして公募を行い、四件の受け付けを行いました。これまでの作業としては、隣接所有者の特定作業や測量、境界確認、土地や立木、その評価などを実施しております。平成二十四年度からは、日原川流域の山林の荒廃による土砂流出を防止するため、対象地域を拡大いたしました。
 また、申込予定者からの相続などの問い合わせに、より具体的なアドバイスを行うとともに、権利者の特定作業について水道局が支援することといたしました。さらに、隣接所有者の特定作業についても、水道局が実施することで、申込者の負担を軽減し、申し込みやすくするなど改善を行ってまいりました。

○田中委員 まだ四件の受け付けで、実際の買い上げには至っていないということでありますが、一方で、森林については、外国資本による山林の取得が全国で話題となっております。世界的な水不足の中で、水ビジネスへの参入をするのか否か、それはわかりませんが、しかしながら、全国で起きていることは事実であり、林野庁もこの実態調査というのに乗り出したということであります。
 日本じゅうの、全国の調査をしたということでありますが、外国法人や外国人による森林の買収の事例は、私たち東京にはあるんでしょうか、伺います。

○増子水道局長 国が平成二十四年五月に公表した外国資本による森林買収に関する調査の結果についてによりますと、外国法人または外国人と思われる者による森林買収の事例は、東京都においてはございません。

○田中委員 東京はないということで、ひとまず安心はしたんでありますが、この調査の中で、例えば、群馬県の嬬恋村では、昨年の九月にシンガポールの投資家が四十四ヘクタールの森林を購入して--これは、地元の倒産した建設業者が所有したものを手放したということでありました。この中の売買契約書の中に、森林の一部からわき出している水の四分の一の使用権も含まれていたため、大騒ぎとなり、ことしの二月には、条例を改正して対応策をとったということであります。
 そんな中で、ことしは、北海道や群馬、埼玉、茨城の四県でも、売買契約の事前届け出制を義務づける条例をつくり、これから長野、岐阜、福井も、それに続くようであります。
 私自身は、水道の水源林というのは国有化もしくは都が持ち、公有化をして、その他の水源林は、売買や利用を制限する必要があるかと思っております。その観点で質問させてもらいました。
 水源林の確保について、最終的に都はどのような姿勢で、また、考えを持って取り組んでいくのか伺います。

○増子水道局長 水道水源林は、雨水を地中に蓄える水源涵養機能、土砂流出防止機能、水質浄化機能を持っておりまして、安全でおいしい水を安定的に供給するために極めて大きな役割を有しております。
 そのため、管理が十分にできず、所有者が手放す意向のある民有林につきましては、水道局みずからが所有し、水道水源林の機能を最大限発揮できるよう管理していくことが重要と考えております。

○田中委員 ありがとうございます。今おっしゃってもらいましたが、ぜひ都が、所有者が手放す意向のある民有林については、局みずからが所有をして、この確保を急いでいただきたいし、また、東京都だけでは、対策、完璧にはなりませんので、国にもしっかりとこの思いを、また、制度化を、法制化を訴えていきたいと思っております。
 それでは、後半の臨海副都心開発について伺いたいと思います。
 さきの分科会で、臨海副都心の開発状況は明らかになり、前回までの中で、この処分面積は七割が処分をされ、開発されていること、または、常時公募している区画は、今三区画あるということ等がこの議論の中でわかりました。
 その中で、開発におけるポイントは、MICEとともに国際観光拠点ということが挙げられると思います。ハード面は、多くの質疑の中で進捗がわかりましたが、実際にそれを使って、どういったイベントや、また、催し物が行われているかという観点で質問させてもらいたいと思います。
 来年の十一月二十二日から第四十三回のモーターショーがビッグサイトで行われることが決まりました。昨年、東京モーターショーは東京へ戻ってきて、私自身も訪問させてもらい、大変に多くの、各国なり、また海外の自動車メーカーのブースや、周辺の商業施設もにぎわっておりまして、一日いても見切れないほどでありました。さらに、始まる前は寒かったのでありますが、多くの列ができて、私も並んだことを覚えております。
 このように、臨海副都心のにぎわいというのは、イベントの開催がかぎとなってくることと思っております。その中で、昨年度、臨海副都心では、どのようなイベントが開催されて、どのような人でにぎわったのかの実績を伺います。

○多羅尾港湾局長 有明南地区の東京ビッグサイトでは、年間を通じて多種多様な展示会を初め、さまざまなイベントが行われており、一例を挙げますと、昨年は、お話にございました二十四年ぶりの東京開催となるモーターショーが開かれ、約八十四万人の来場者がございました。
 また、台場・青海地区では、臨海副都心を代表する夏のイベントであるお台場合衆国に約四百二十万人の方が訪れ、さらに、全国から百チームが集い、踊りの祭典でございますドリーム夜さ来い祭りやメキシコの音楽と舞踏等が楽しめる特色あるイベントには、それぞれ十万人を超える方々が訪れ、楽しんでいただきました。
 臨海副都心では、これらを初め、花火やスポーツイベントなど多様なイベントが数多く開催されており、昨年は、約四千五百万人の来訪者の方々でにぎわったところでございます。

○田中委員 四千五百万人という大変多い数でありまして、さらにダイバーシティは、まだ、今年度ということで入っていないということで、ダイバーシティに訪れる人も入れると、かなりの人でにぎわう地域となってきたのかなという実感もあります。
 今お話しいただいた夜さ来い祭りは、今回十一回目で、プレイベントを羽田空港の国際線のターミナルで行ったこともあり、私も、先日、一緒に参加をさせてもらいました。踊ったわけではないんですが、見学をさせてもらいました。
 大変に多くの人でにぎわっていて、勢いというものを感じたわけでありますが、この夜さ来い、今まで台場地区の方でやっていたんですが、少し下の方に移りまして、セントラル広場地域、シンボルプロムナードの方に移ったということで、その現状を聞いてきたんですが、人の流れが大分変わったっていうんです。今まで駅をおりるとお台場の地域に行っていたんですが、公園が整備をされて、またダイバーシティができて、かなり人の流れが変わってきたんじゃないかなということで、そういう中で、今度は私も歩いて、全部お台場を回ってまいりました。そうしますと、やはりお台場は広いので、移動手段をこれから考えていかなきゃならないなと思っておりました。
 観光客がまちを歩いたり、周遊して楽しむためには、この移動手段というのが--なかなか徒歩、元気な方はいいんですが、お年寄りや、また、移動に不自由な人もいらっしゃると思うので、移動手段が必要となる中、工夫が必要と考えておりますが、都の見解を伺います。

○多羅尾港湾局長 臨海副都心内を移動する公共交通機関としては「ゆりかもめ」、りんかい線、都営バスが運行され、来訪者の足として利用されております。
 これらの公共交通機関は、イベント開催により多数の人出が予想される場合には、臨時ダイヤを組み、便を増発して混雑緩和を図っているところでございます。また、域内の周遊に便利な一日乗車券など、多様なお客様のニーズにこたえる選択肢もそろえております。
 このほかにも、東京テレポート駅を中心に商業施設やホテル等々を結ぶ無料巡回バスも、地域の事業者が共同で運行しており、多くの方々に利用されております。
 今後とも、来訪者の増加に応じて地域の事業者とも連携しながら、臨海副都心内の移動の利便性を向上させる多様な方策を検討してまいります。

○田中委員 りんかい線は、もう既存の設置駅でありますから、その駅を動かすことはできないんですが、駅を拠点に、都営バスや巡回バスなどをうまくつないで、ぜひその行き来を、いい意味で相乗効果が生まれるようにしていただきたいと思います。
 豊洲地区も開発が進み、青海地区も開発が進み、さらに中心となるビッグサイトの有明南地区も開発が進んでいるんですが、さらにジョイントゾーン、今、整備もしておるんですが、やはりあそこを歩くというのは大変であり、既存の都営バスも走っておるんですが、また、停留所や、舟運ルートも変わってくるかと思いますので、それを適宜見直していただきたいと思っております。
 こういった、観光拠点がそろってきますと、MICEの意味があるわけでありますが、そのMICEにしても、名前ばかりが先行していまして、具体的にどのような機能が、また、集積が図られていくんだろうと皆さんが疑問に思っているところであろうと思っています。具体的に、今どのような機能集積を図ろうとしているのかを伺います。

○多羅尾港湾局長 現在、シンガポールやソウルなどのアジア諸都市は、国際会議場や展示場、見本市などのMICE機能と、商業施設やエンターテインメント施設などの国際観光機能を一体的に整備することで、来訪者が増加するとともに、大きな経済波及効果も上げております。
 臨海副都心では、既に、日本最大の展示面積を有する東京ビッグサイトが立地しており、このエキシビション機能を補完し連携するコンベンション機能を有するホテル等のMICE施設を、今後、開発予定の青海地区北側に誘致してまいります。
 さらに、臨海副都心ならではの多彩な商業施設やエンターテインメント施設などの国際観光資源もあわせて誘致し、MICE開催地としての魅力向上に取り組んでまいります。

○田中委員 今、青海地区の話がありまして、この補助金が、ことしの五月から募集が始まり、今、第一審査、第二審査と進んでいるということもお聞きしております。この開発が大きな次への発展につながり、また、最後の総仕上げの開発になるかと思っておりますので、提案をしっかり選定していただきたいと思っております。
 同時に、今、域内の話をしましたが、お台場を臨海を考えますと、東京湾全体で考えていただきたいというのもありまして、大田区、品川区、さらには中央区、そして浦安まで含めて、東京湾全体で、その位置づけをどうするかというのを、ぜひその視点の中に入れていただきたいと思っております。
 先日、国の事業ではありますが、官民連携事業で、大田区と浦安のディズニーランドを結ぶシーレーン事業の実験試乗会が行われました。港湾局の皆さんにも乗っていただきましたが、このような事業も進んでいる中、東京湾全体で、浦安のディズニーランドを、また大田区の羽田、品川区の海岸部門などを全体としてどのように置き込むかと、ばらばらにそれぞれつくっても、連携と、名前だけになってしまいますので、そこを考えて開発を進めていただきたいということを希望しまして、質問を終わります。

○高橋委員長 田中健委員の発言は終わりました。
 次に、かち委員の発言を許します。

○かち委員 それでは、平成二十三年度中央卸売市場会計決算について伺います。
 昨年度から、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事が始まりました。五十七億七千万余円を費やしておりまして、現在もその工事は続いております。また、土壌汚染対策工事に当たっては、昨年の第四回定例会で、都が責任を持って工事監督を行うとしておりました。そこで、実態がどうなっているかをただしていきたいと思います。
 この土壌汚染対策工事では、敷地内に雨水、地下水、ダンプカーなどの車両の洗浄水などが発生します。土壌汚染地であるために、それがどのように管理、処理されているのかは大変重要なことです。
 そこで伺いますが、この土壌汚染対策工事中に発生する水の処理について、どのように管理し、処分しているのでしょうか。

○塚本中央卸売市場長 土壌汚染対策工事中に発生いたします水につきましては、まず、汚染された地下水や、あるいは汚染された土壌に接触したような水につきましては、汚染地下水などを処理する地下水処理プラントを置きまして、そこで処理をした上で、公共下水道に放流しております。
 また、汚染された土壌などに接触していない、あるいは単に降りました雨につきましては、沈砂槽に一たんためまして、濁りを取った上で、雨水管への放流を行っているところでございます。

○かち委員 そのうちの雨水についてですが、地下水処理プラントで処理する汚染土壌に接した雨水と、沈砂槽を経由して下水道の雨水管へ放流する雨水を分離する、分ける方法について、具体的に説明していただきたいと思います。また、それはだれが設計したものでしょうか。

○塚本中央卸売市場長 汚染土壌を掘削している箇所に降る雨水につきましては、ポンプで地下水処理プラントに送水して、下水排除基準以下に処理した上で、既存汚水管に放流しております。汚染土壌が地表部にない箇所に降ります雨水につきましては、当該箇所内で集水し、沈砂槽にポンプで送水し、土砂などを除去して、既設雨水管に放流していると先ほどお話ししたとおりでございます。
 これらの施設につきましては、事業者である都が基本的な設計を行い、各街区の工事を請け負った施工者が現場条件等を勘案した上で適切に設置しているところでございます。

○かち委員 設計したのは東京都だというご答弁ですが、地下水処理プラントへ行く雨水と雨水管へ放流する雨水をどのように分類しているのかというご答弁はありませんでした。
 我が党が、情報公開請求で入手した土壌汚染処理工事設計書によれば、地表水は雨水として沈砂池を通し、下水管に放流、汚染土壌掘削中に流入する雨水は地下水処理プラントを通して、下水道に放流するとなっているだけです。どうやって汚染していないとされる地域に降った雨水と土壌汚染に接した地域の雨水を分流するのか、詳しく具体的に書かれた記述はありませんでした。沈砂槽を通すことにもなっていません。
 私が問題にしたいのは、現在、現地はどうなっているかといいますと、一番上に盛り土があって、その下に、AP、基準水面から二メートルから四メートルの層があって、その下にAP二メートルの層があるわけです。AP二から四メートルについては、遮水壁等で区分はされていないんです。この部分についても、有害物質がある可能性があるということは、これまでの経過の中でも明白です。
 例えば過去に、環境基準の四万三千倍のベンゼン、検出限界値の八百六十倍のシアンが出たところは、高さAP三・五メートルの地点です。盛り土にも有害物質があり、都は盛り土の再調査をしました。しかしそれは、十メートルメッシュにすぎません。盛り土の汚染の原因についても、地下水によるものか、もともと汚染されたものか、特定できていませんでした。
 豊洲新市場予定地に有害物質による局所汚染が散在している可能性は、極めて高いところなんです。皆さんが作成した土壌汚染処理工事設計書では、雨水について、沈砂槽に入れてから下水管に放流するといわれましたが、最大どれくらいの雨量を予測し、どれくらいの量の沈砂槽で受けることになっているんでしょうか。

○塚本中央卸売市場長 雨水処理に当たりましては、仮に施工期間中、時間雨量一〇〇ミリ級の豪雨があった場合においても、公共用水域に汚れた雨水を排出しないようにしております。
 豪雨などの場合、敷地内にたまった雨水は、降雨後ポンプ等で沈砂槽に送水し、土砂などを除去して、既設雨水管に放流しております。沈砂槽の設置につきましては、各街区の施工者が現場状況などを勘案し、必要な数量を設置しております。

○かち委員 一〇〇ミリ級の雨が降っても、公共用水に汚れた雨水が排出しないようになっていると、そして雨量に応じて臨機応変に沈砂槽は用意するんだというお話でした。一〇〇ミリ級の豪雨にも対応しているといいますけれど、予定地は四十ヘクタールです。時間総雨量は四万立米にもなります。緊急の豪雨ですから、汚染土に接した雨水と健全土経由の雨水など分類することは、およそ不可能ではないでしょうか。
 地表へ流出する雨量は、地下への浸透を考えて八千立米としても、現在の工事で使用している沈砂槽は平均七十立米ですから数時間降ったとすると、百個以上の沈砂槽を用意する体制をとっていなければならないことになります。
 しかし、雨は日中人がいるときだけに降るわけではありません。きのうも夜中に降りました。夜中、人のいないとき、あるいは休日、人手のないときに、こういう雨が降ったら一体だれが、どのように対応するんでしょうか。やっぱり不可能じゃないですか。

○塚本中央卸売市場長 委員のお話でございますが、現地は土で覆われたところでございまして、先ほどお話があったように、雨が降ったら基本的には土にしみ込む、しみ込まなかった部分が流れるということでございますし、現在の土壌汚染工事中では、もう既に周辺の遮水板より下の部分を掘っておりまして、したがって、激しい雨が降ればそこに水がたまるということにはなりますけれども、あふれ出るということはございません。
 水がたまったものについて、時間をかけて処理をして、きれいな水を流していく、そういう形で私どもは処理をしております。

○かち委員 現在は、そういう遮水板をやっているというけれども、現在までの過程の中で、二メートルから四メートルの間については、遮水板はなかったわけです。そして、今降っている雨は、地面にしみ込むんだといいましたけれど、そのしみ込む量も計算書で出ているわけです。それが八千立米ということで書いてあるから私は今いったんです。そういうことですから、休日体制なんかどうするのかなという体制についてお答えがなかったんですけど、やっぱり甚だそれは疑問です。
 結局、汚染土と非汚染土に降った雨がまざり合うこと、非汚染土とされた地域でも汚染土がある可能性があるという二重の意味で、有害物質が雨水に混入し、雨水管を通して海に流れ込んでいる可能性が強いといわざるを得ません。
 実際の現場ではどのような状態になっているのかですが、これを見てください。これは工事現場です。十月二十日の五街区のお昼ごろに撮影したものです。十八日の夜から十九日の未明にかけて雨が降っています。雨が降れば雨水は地表面にどんどんたまっていきます。雨水の地表面への浸透も地層によってしみ込みやすいところもあれば、なかなかしみ込まないところもあり、一律ではありません。そして、汚染土壌に面していようがいまいが、流れやすいところへどんどん流れて雨水は最後に一体化します。このような場所で、どうやって雨水を分類するというのでしょうか。
 この現場では、たまった雨水は遮水壁等で区分はされておりません。混然一体となっているんです。豊洲市場予定地の土壌は、有害物質が各所に散在しているということがわかっているわけですから、雨水の処理の安全性を最優先に考えるなら、汚染土壌の箇所に降る雨水でも、汚染土壌がない区画に降る雨水でも、本来一緒になると考えて対応すべきです。それをやっていないこと自体、欠陥工事といわざるを得ません。
 では、その管理できていない雨水が下水道の雨水管に放流されている状況についてです。東京都環境局からこういうチラシが、工事事業者の皆さんへということで、汚水の排水を規制している呼びかけをしております、ご存じだと思いますが。
 ここでは、見た目で異常な着色や発泡が見られないこと、いろいろあって、浮遊物も一二〇ミリグラム・パー・リットル以下でなければ流してはいけないということが書いてあるわけです。
 こういう規制をしているんですけれど、豊洲市場予定地の土壌汚染対策工事の監理は、市場当局が行っているわけですから、条例上の手続については当然承知し、遵守されていると思いますが、いかがですか。

○塚本中央卸売市場長 私ども、工事区域内で降った雨水の処理につきましては、環境局の指導も受けながら、濁りを取った水を放流するような形で指導に合わせて工事を行っているところでございます。

○かち委員 条例に基づいてやっているんだというご答弁でしたけれど、土壌汚染対策工事で、皆さんが作成している決算文書、下水道局などへの手続文書には、有害物質を除去する除害施設設置届、水質責任者選任届、公共下水道使用開始届など、法律、条例上必要となる文書はありませんでした。あるのは、除害施設の新設工事について、実施制限期間の短縮申請と工事車両タイヤの洗浄に下水道処理水を使用する申請のみで、その手続された文書も、日付は空欄で必要な添付書類もないなど、極めてずさんな文書になっています。これが条例に基づき手続しているという市場当局の実態です。
 環境アセスでも、工事中の雨水問題については一言も触れられませんでした。また、環境確保条例では、基準を超える汚水が発生する場合は、沈砂槽を設置し、基準に適合するように処理することが定められています。基準に適合しない汚水を公共用水域に排出し、生活環境に影響を及ぼした場合は、罰則規定が適用されることがあるとも書かれています。
 条例を守っているとのことでしたが、五街区の工事現場では、下水道の雨水管から濁った水がそのまま海に流されています。見ていただきたいのですが、このパネルの一は、十月十五日の十一時過ぎの状態です。汚濁と同時に大量の泡が発生しています。それから、二枚目は、十月二十日十時四十分ごろの状態です。そして、これが十一月七日九時四十分ごろの状態です。それぞれ、かなり濁った水あるいは大量の泡が、雨水管から海へ放出されています。
 東京都の環境確保条例は、工事の汚水について、外観で異常な着色または発泡が認められないことになっていますが、においのもととなる浮遊粒子状物質も一リットル当たり百二十グラムとなっています。
 市場長は、豊洲市場用地の土壌汚染対策工事現場から河川や海にこのような汚水が放流されていることについて、条例上問題であるとの認識はございますか。

○塚本中央卸売市場長 まず一つは、条例上の、さまざまな届け出をきちんとされていないというお話でございますが、それはきちんとやっております。まずそこを申し上げた上で、汚染された水が出ているという、汚染というよりも濁った水が出ているというお話でございますが、公共用の雨水道につきましては、私どもの土地から出る水のほかに、道路ですとかその他の部分から出る雨水につきましても、そこを使って入っているところでございます。
 したがいまして、私どもの方は、土地から出すときに、先ほども何度もお話ししているように、沈砂槽に入れまして、濁りを取った上で放流しているところでございまして、その他の要因で、それらの濁りが生じているんじゃないかとも思っております。
 それから、もう一つ申し上げれば、雨水管には、雨水ますが設置されておりまして、そこにある程度期間がたてば泥がたまっていくということで、そういう中に水を吐けば、泥が舞い上がって、濁りが出てくる場合もあるんじゃないかと考えております。

○かち委員 書類はちゃんとそろっているといいながら、情報開示して出てこなかったんです。だから、それが問題だということなんです。
 それから、いろいろな工事の場所から水が出るといいましたけれど、今私が問題にしているのは、第四と第五街区の排水口のことをいっているんです。この写真もそうです。しかし、四街区というのは、工事も何もしていないんです。晴れた日にこういう汚水が出るということは、工事の関係しか考えられないじゃないですか。しかも泥だけではないですよ。気泡が出たり、泡が出たり、油っぽい汚れがあったり、これがやっぱり問題じゃないかということなんです。
 市場長、私たちの調査では、条例上問題であることは明らかです。現場の状態を一緒に直ちに照査することを求めますけれども、いかがですか。

○塚本中央卸売市場長 先ほども何度もお話ししていますように、私どもは、それぞれ各局の指導に従いまして、汚水の処理を適正に行っているところでございます。
 また私も、現地を十分見てまいりまして、先ほどご説明しましたように、排水の処理を適正に行っているというのを確認してきておりますので、特に調査をする必要はないと考えております。

○高橋委員長 かち委員の発言は終わりました。
 次に、山内委員の発言を許します。

○山内委員 私からは、交通事業についてお伺いしてまいります。
 非常時の避難対策についてですが、二〇一一年は、東日本大震災を受けて、特に災害対策の見直しが行われました。先日、乗車している電車が、まさに人身事故で三十分ぐらい停止し、改めて災害時、非常時の対策が気になりました。このような事態が、仮に地下深く走行する地下鉄で発生し、車内に閉じ込められた場合は、地上とは比べ物にならない事態になるのではないでしょうか。
 車内にいた場合は、電源がとまって空調がきかなくなると、十分もすると息苦しくなり、無事に脱出できるのかなど不安が高まります。また、首都直下地震等が発生した場合には、電車は直ちに運行を中止いたしますが、駅と駅の中間の地点に停止した場合は、安全を確認して、その後、次の駅まで運行し、乗客を降車させることになっているとのことです。
 駅まで運行できないような災害の場合、例えば、火災やサリン事件などのようなテロが車内で起きた場合、非常手段として車内から乗客を脱出させなければなりません。通常のドアはスリードア、フォードアありますが、車両と線路との段差もあり、さらには、車両とトンネルのすき間も非常に狭く、避難は難しいという話も聞きます。
 そこで、利用者の安全・安心の観点からお伺いしてまいります。トンネル内で緊急停止し、電源がとまった場合に、車内の換気はどうなるのか、窓は開閉できるのか、また、非常脱出口はどのように設けられているのか、お伺いいたします。

○中村交通局長 都営地下鉄のすべての車両は、窓があけられる構造となっており、トンネル内で列車が緊急停止し電源がとまった場合でも、窓をあけることにより、車内の換気が可能でございます。
 また、列車の両先端車両には非常用の扉があり、緊急時には、この扉をあけ、車内に備えつけのはしごを設置することで、お客様の避難口が確保できます。なお、列車の側面に避難できるスペースが確保できる場合は、その場所の車両のドアを開放し、はしご等による側面からの避難も可能でございます。

○山内委員 次に、具体的な避難方法について、地下鉄の線路は勾配も多く、地下水の浸透で滑りやすくなっていると聞いております。また、大江戸線はかなり地下深いところを走っていますが、最も深い六本木駅は、地下四十二メートルにあり、建物で例えると、地下十階ほどに相当するといいます。とにかく地上に出ることが第一でありますが、決して容易ではないと思います。
 そこで、トンネル内での避難誘導はどのように行われるのか、また、地下駅から地上までの避難誘導はどのように行われるのか、お伺いいたします。

○中村交通局長 都営地下鉄では、非常時に備えた職員の対応手順を定めております。具体的には、列車が駅間に緊急停止した場合は、安全を確認した上で、乗務員と駅係員が協力して、お客様に列車の非常脱出口、または車両のドアからおりていただき、徒歩で駅へ避難誘導し、その後、状況に応じて駅構内から地上へ誘導いたします。その際、乗客の中に、警察、消防、都職員、鉄道関係者等がいれば協力を要請し、消防署の救急隊と連携して、負傷者、高齢者等を優先に避難誘導を行うこととしております。
 都営地下鉄では、日ごろから職場単位で、駅構内のお客様を地上へ誘導する避難訓練等を実施しているほか、お客様の避難誘導、救出救護、施設復旧等を内容とする異常時総合訓練等を毎年実施し、さまざまな事態に対する即応力の維持向上を図っているところでございます。

○山内委員 先ほどご答弁の中で、地下鉄軌道内の現場での訓練も実施する予定であるというようなお話もございました。訓練を行っているのはわかりました。しかし、非常時には、通常、乗りおりしている車両ドアが使えない状況の場合、先頭車両と最後の車両の非常脱出口に人が殺到し、混乱いたします。また乗客は、妊婦さんや障害者、高齢者などさまざまです。非常脱出口の形状や、はしごの段差など、さらなる安全対策も必要かと思われます。当事者を入れる訓練が難しいというお話はわかりましたけれども、訓練の工夫をして、現実に近い訓練等が行われるよう要望したいと思います。
 次に、地下鉄の地下水の処理についてお伺いいたします。
 地下鉄のトンネル等では、大量の地下水が発生いたしますが、環境保全の観点から非常に気になるところです。都営地下鉄のトンネル等で発生する地下水をどのように処理しているのか、下水管に流しているのであれば、なるべく地下水を河川の方へ流せるような工夫等はあるのか、お伺いいたします。

○中村交通局長 都内の地下鉄のトンネルは、地下水の豊富な地盤を通っていることから地下水が流れ込んでおり、平成二十三年度における都営地下鉄での発生量は、約四百四十八万立方メートルでございました。これは東京ドーム三・六杯分に相当いたします。この水は、水質が良好なことから、沿線の河川や池の水質改善等に活用するため、例えば、目黒川や池上梅園の池などに放流しており、その量は、地下水全体の約八三%を占めております。その他の地下水は、線路施設の工事や清掃等で使用した汚れた水とまざることなどから、下水に排出しております。
 交通局といたしましては、環境保全の観点から、より多くの水量を河川等に放流できるように、送水管路内の清掃や管路の増設など、さまざまな取り組みを行っております。

○山内委員 次に、中央卸売市場についてお伺いしてまいります。
 まず、市場の流通形態の変化についてです。インターネット販売の普及拡大や、市場を経由しない直接取引が増加するなど、流通のあり方が大きく変化してきています。
 市場を通した流通においても、地域の専門小売店向けの取引に対して、大規模な量販店向けの取引の増大や、コンビニエンスストアで生鮮品が取り扱われている中、消費者が生鮮食料品を手に入れるまでの過程も大きく変化しております。
 このような状況があり、市場経由率が低下するなど、流通の変化が見られる中で、卸売市場の役割についてお伺いいたします。

○塚本中央卸売市場長 卸売市場を取り巻く流通環境は、大型量販店の増加など、小売形態の変化に伴う流通チャンネルの多元化や、加工食品や輸入食品の増加などの要因によって大きく変化してきております。こうした変化を反映し、全国における市場経由率は、長期的な低下傾向にありますが、青果物においては、平成二十一年は約六五%となり、前年比で約二ポイント上昇するなど回復の兆しも見えております。
 都は、生鮮食料品の安定供給という重要な責務について、卸売市場が担う役割は依然として極めて大きいと認識しており、豊洲新市場を初めとする各市場の整備等を通じ、卸売市場の機能強化に努め、食の安全・安心など、都民ニーズに今後も適切にこたえてまいります。

○山内委員 食品の安全対策についてお伺いいたします。
 まず、トレーサビリティーについてです。
 昨年七月に、と畜された牛から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、BSE問題で創設されたトレーサビリティー制度を活用して、安全確認書を発行することで、消費者の牛肉に対する安心対策をとっています。また、米のトレーサビリティー法において、米穀等を取引したときの入荷、出荷記録を作成、保存することが二〇一〇年十月一日から施行され、また、事業者間及び一般消費者への米穀の産地、米加工食品の原料米の産地伝達については、二〇一一年七月一日に施行されました。
 米は、市場では取り扱いがありませんが、トレーサビリティーの役割は大きく、消費者に安全を保障するとともに、安心して買う判断にもなるものです。
 現在、このようなトレーサビリティー制度のない農作物や水産物についての市場としての具体的な対応について、二〇一一年度の状況をお伺いいたします。

○塚本中央卸売市場長 卸売市場で流通する青果物や水産物の安全対策につきましては、安全品質管理者、通常SQMというふうに呼んでおりますが、この者を約百六十名、各市場に配置いたしまして、食中毒や残留農薬事例等を市場関係者に迅速に通知することで、流通過程から不良食品を排除するなど、市場の入荷物の安全性を確保する体制を整えております。
 市場は、平成二十三年度に、こうした体制のもとで、原発事故に係る放射性物質の検査情報を中心にSQMに通知いたしまして、出荷自粛や出荷制限を受けた食品等、人の健康を損なうおそれのある食品が市場に入荷、流通しないように対応してまいりました。この結果、これらの通知は、例年の十倍である合計二百三十三件に達しております。

○山内委員 次に、放射能対策について伺います。
 昨年三月の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故以来、放射性物質への対応として、放射性物質の検査と結果の公表、除染作業、検査対策の充実など、農作物、水産物、畜産物などの食品についても、さまざまな対策が講じられてきました。しかし、被災県産の食品が産地名だけで買うことから除外され、なかなか売れない、また、売れても卸売価格の下落により厳しい状況が続いています。
 特に、被災後の二〇一一年の四月の野菜の取扱数量が、前年同月に比べて約二万トンと変わりがないものの、売上金額は約六十一億円から三十億円へと五一%も減りました。
 そこで卸売市場として、入荷する農水産物等の安全性を確保するために、これまでどのような仕組みにより放射性物質への対策をしてきたか、また、風評被害を解消するための取り組みの状況についてお伺いいたします。

○塚本中央卸売市場長 卸売市場に入荷する農畜水産物は、産地側の検査で基準値を超える放射性物質が検出された場合に、出荷制限の指示等がなされる一方で、市場側では、先ほどお話ししましたSQMを通じて、産地の検査情報を直ちに市場業者に周知することで、入荷や流通を防ぐ体制が整えられております。特に牛肉は、と畜前に放射性物質の検査が行われないため、昨年から、都と食肉業界が協力して、芝浦と場での検査体制を整え、生体で入荷した牛肉の全頭検査をあわせて実施しております。
 また、市場は、検査を受けた農畜水産物への風評被害を解消するため、各市場で行う被災地支援フェアや市場まつりにて、入荷物の安全性をPRしております。
 さらに、先月からは、小売商等を対象に、被災産地の検査体制の視察研修を行うとともに、安全性をPRするポスターやステッカー等を配布して、産地側や市場の安全・安心の体制を消費者に伝えてもらう取り組みを行っております。

○山内委員 市場の廃棄物処理対策について伺います。
 卸売市場において排出される廃棄物の約六割は、野菜くずや魚の内臓や骨、魚腸骨というそうなんですが、それを含む事業系一般廃棄物で、残りの約三割は発泡スチロールや木製のパレットなどを含む産業廃棄物です。これらの大量に出される廃棄物について、市場関係者に対しては、適正処理や清潔保持を義務づけるとともに、処理経費の一定割合の補助を行っています。
 廃棄物に対しては、リサイクルを進めているものの、そもそも発生抑制こそ進めるべきであり、廃棄物の量自体を減らしていく取り組みが必要です。廃棄物の処理量はどのように推移しているのか、また、発生抑制の取り組みやリサイクルの現状と課題についてどのように考えているのか、お伺いいたします。

○塚本中央卸売市場長 平成二十三年度に中央卸売市場から発生した廃棄物の処理量は、平成二十年度の約四万トンから約七・五%削減され、約三万七千トンとなりました。
 都は、業界と連携して、市場から発生する廃棄物を削減するため、ごみ処理における事業者処理責任の原則のもと、有料ごみ袋を導入するとともに、持ち込みごみや不法投棄を取り締まることで、廃棄物の発生抑制に取り組んでおります。
 また、廃棄物の減量とともに、省資源や省エネルギーの要請や、食品リサイクル法等に従って、平成二十三年度では、廃棄物のうち約四割をリサイクルしております。具体的には、青果部では、野菜くずをバイオマス発電施設に搬入するほか、木製の廃棄パレットから合板等の建築資材にリサイクルをしております。また、水産物部では、魚腸骨を家畜用飼料やペットフードに転用するほか、発泡スチロールを場内で溶融固化してプラスチック製品にリサイクルしております。
 課題といたしましては、都心に野菜くずを受け入れるリサイクル施設が少ないことから、受け入れ容量に限界があることや、処理費用が高額になっていることがございます。
 今後とも、ごみの分別指導を徹底するなど、さらなるリサイクル率の向上を目指してまいります。

○山内委員 豊洲新市場用地の土壌汚染対策工事について伺います。
 豊洲新市場用地の土壌汚染対策工事の進捗状況や地下水管理について情報を共有し、意見交換を行う協議会が七月に行われました。汚染物質の処理結果、地下水モニタリングの結果についても、情報共有、意見交換を行うとのことです。
 そこで、豊洲新市場の整備には、何より土壌汚染対策工事について、都民や市場関係者等の理解と納得を得ながら進めることが不可欠です。改めて都の取り組みを伺い、質問を終わります。

○塚本中央卸売市場長 土壌汚染対策工事においては、これまでも適切に情報提供を行うなど、さまざまな取り組みにより、都民や市場関係者などの理解を得ながら進めてまいりました。
 具体的には、七月に土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会を開催し、仮設土壌処理プラントでの処理後の結果を示すなど、情報共有を行ったところでございます。
 七月から八月にかけましては、一般都民や市場関係者等を対象とした現場見学会を実施し、直接現地の状況を見ていただきました。その際、工事内容をわかりやすくまとめたパンフレットを作成し、その内容を丁寧に説明したところでございます。
 また、工事に際して行った各種調査結果については、図面等でわかりやすく整理し、元となるデータとあわせて公表をしております。

○高橋委員長 山内れい子委員の発言は終わりました。
 次に、柳ヶ瀬委員の発言を許します。

○柳ヶ瀬委員 私からは、質問通告のとおり、行政経営改革についてということで、きょうは水道局に質問をしていきたいというふうに思います。
 水道局は、監理団体である東京水道サービス及びPUCへの業務の委託を推進してきました。平成十八年十月、一体的事業運営体制を構築し、水道事業の基幹業務をコア業務と準コア業務に分け、このうちの準コア業務を監理団体へ業務移転をしてきた。また、多摩地区の事務委託解消に当たり、市町からの業務について監理団体を活用してまいりました。
 その結果として、多摩地区の事務委託解消を開始した平成十六年度と平成二十四年度の局及び市町職員と監理団体社員数、これを比較すると、平成十六年度では六千四百七十二人であったが、平成二十四年度は五千六百四十四人であり、これ合わせた数ですね、八百二十八人の削減効果があったと、このように聞いております。
 人員削減ということでいうと、かなり大きな数字だなというふうに思うわけですけれども、こういった監理団体の活用によって、人員削減の効果ということはよくわかるんですけれども、それでは、これに付随して、コストはどれほど削減されているのかということについてお伺いをしたいと思います。

○増子水道局長 まず、多摩地区の事務委託解消に当たりましては、当局が対応すべき業務を除き、できる限り監理団体を活用してまいりました。こうした取り組みによりまして、平成二十四年度におきましては、年間約四十億円の経費縮減を達成する見込みであります。
 一方、区部におきましては、監理団体への業務移転に当たりまして、当局職員の派遣を行うなど、経過的な状況であることから、監理団体への業務移転による経費縮減額は、現時点での試算では、平成二十三年度末で、年間約八億円となっております。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。これ試算で出していただいたわけですけれども、多摩地区で四十億円、区部で八億円ということなんですが、私はこの業務移転の内容というものを見てみると、もう少し削減効果が出ているんじゃないかというふうに思います。この試算は、委員会の質疑に向けて作成をいただいたものなんですけれども、そもそも、私お尋ねしたときには、局には、コスト削減効果を検証した資料というのはなかったんです。そこでこれを作成していただいたということなんです。
 公営企業会計は、一部一般会計からの拠出もありますけれども、基本的には独立採算であるという、その中で、経営改革を進めていくために、今、局はどういうことを目標にしているかというと、一つには人員削減という、人をどれだけ減らしたかということが大きな目標となっておるというふうに思います。
 ただ、人員を減らしていくということの本質的な目的は、それによってコストを削減するということでございますから、この人員削減によってどの程度のコストが削減されているのか、これをぜひ詳細に分析をしていただきたい、そこに大きな意識を持っていただきたいということ、これを要望したいと思います。
 また、さらなるコスト削減に向けては、業務移転の推進が必要だというふうに考えます。そのためには、現状、コア業務と準コア業務ということで、分けているわけですけれども、私は、もうちょっとコア業務というものを仕分けすることができるんではないかというふうに思います。
 コア業務をやっているマンパワーと準コア業務をやっているマンパワーでは、圧倒的にコア業務の方が多いということです。私は、本来、都の職員がやるべき仕事は、マネジメントであると思います。ですからコア業務の中に入っている一部、現場でやるさまざまな仕事というものが、このコア業務に入っておりますけれども、これをしっかりと仕分けをしていただいて、この監理団体を活用し、一体的な業務運営の中で--もちろんこれはサービスの水準を落とさないという大前提なんですけれども、その中で、コスト削減をさらに進めていただきたいというふうに思うわけでございます。
 経営改革という視点では、こういった監理団体への業務移転が成果を上げているということ、これはわかりましたけれども、同時に、さまざまな事業での絶え間ないコスト削減への取り組みが必要だというふうに考えます。
 そこで一点気になったのが、水道局は、大規模な事業、建設工事を実施する際に記録映像を撮影しているということを聞きました。これは技術の継承のため、研修などで使用しているということでございますが、そこでまずお伺いしたいのは、こういった工事の記録映画の作成は、どのような基準に基づいて行っているのか。また、これまでの制作本数及び制作経費、これについてお伺いをしたいと思います。

○増子水道局長 申しわけありません。先ほど、コストの金額について、削減額はなかったというようなお話でしたけれども、多摩地区における削減額の年間四十億円というのは、以前から申しておりまして、都議会においても年間四十億削減できるということで、以前にも答弁しているものでありますが、区部におきます試算は、まだ委託が始まったばかりでありまして、なかなか試算ができていなかったために、八億円というのを今回出したということであります。
 続きまして、今のご質問でございますけれども、工事の記録映画についてでありますが、将来に向けた技術の継承などを目的に、当局が実施している貯水池の堤体強化工事や、給水所の建設などの大規模で技術的に特殊な工事などについて、その事業の内容を映像として記録し、編集したものでございます。
 平成十四年度以降、二十三年度までに、合計十二本を制作いたしました。毎年度の制作経費は、工事の進捗状況等によって変動いたしますけれども、平均約一千八百万円でありまして、これら十カ年の経費を合計いたしますと約一億八千万円となります。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。先ほどのコストについては、私もこういうオーダーをしたときに、もっとアピールをされた方がいいんではないかという視点なんです。区部については、八億円ということで、今回、初めて試算をされたということなんですけれども、人員をこれだけ減らしているわけですから、それと同時に、これだけのコストが下がっているんだよということを、もっともっとアピールをされるべきことなんではないかということでございます。
 それで、記録映画に関しては、大規模な工事について撮影をしているんだということ。また、これまで三つの工事について、作成されているんです。経費は合計で一億八千万円ということです。この中で、私も一部見てみたんですけれども、例えば、この三つの工事のうちの一つに多摩丘陵幹線第二次整備区間工事等記録映画というものがあるんですけれども、工事もまだ進行中であって、映画もまだ途中段階ということなんですけれども、これまでに、映画の撮影費用が約一億三千万、これだけかけて、どういった完成品があるのかというと、現状三部作になっていて、三十分程度のDVDが三作品で、合計九十分弱のプロモーションビデオとなっているということなんです。内容を見ましたけれども、シールド工事が進んでいく様子であるとか、空から、空撮ですよね、撮影されている映像などが映っておりました。
 そこで、こうした記録映画を局はどのように活用しているのか、その点についてお伺いしたいと思います。

○増子水道局長 この工事の記録映画は、将来に向けた職員の育成や技術の継承を目的としておりまして研修などで使用しております。また、水道技術の維持、継承を目的とした当局のデータバンクといいますかナレッジバンクに掲載し、情報の共有化を図っております。さらに、当局の事業を理解していただくための工事見学会などで住民へのPRにも活用しております。

○柳ヶ瀬委員 技術継承は、非常に大きな、水道局における課題だというふうに思っていますので、こういった大工事に関して記録を残しておくということ、これは大事だというふうに考えています。ただ、どこまでコストをかけるかということが問題だと思います。
 この映像を見る限りでは、撮影時間が長かったり、空撮を繰り返しているということで、完成品に対して、この費用、一億三千万という費用が高いのかどうかというのは、一概にはいえないわけですけれども、一つの工事の記録映画に一億三千万円の費用をかけるということが果たして適切なのかどうかということなんです。
 これは費用対効果ということで検証するべきだというふうに考えますが、先ほど答弁いただいた活用方法ということでは、これは、ちょっと一億三千万という金額に見合った活用の方法ではないんではないかというふうにいわざるを得ないと思います。つまり、クオリティーをもうちょっと考えたらいいということなんです。もう少し撮影回数などを減らして、コストを圧縮するべきというふうに考えます。
 私も以前、広告会社に勤務をしておった経験がございまして、映像をつくる仕事を多くしてきた経験がありますけれども、映像というのは、お金をかけたら切りがないんです。幾らでも高いものはつくれます。また、逆に金額をかけなくても、それなりの映像はでき上がるものであります。
 テレビで放映される、例えば十五秒のCMなんかも、私も何本もつくりましたけれども、そのときには、制作費も、例えば五十万ぐらいでつくれるものから数億円くらいまでかかるもので、さまざまであります。
 そういった観点から見ると、都は、さまざまな局でこういった映像制作、これを実施しています。これまでも、例えば十分で五億円かけたオリンピックの招致に向けた映像や、都の事業を紹介するPR施設での映像が高額であったなどと議会でもたびたび指摘をされているものであります。
 これは都が、こういったクオリティーによってコストが大きく変動するというような事業、これ映像制作ということになるんですけれども、このような事業でのコストの物差しがあいまいなんではないか、有効な物差しをつくることができていないのではないかということ、ここに課題があるんだろうというふうに思います。
 そういった意味で、今後も、水道局の事業では、数々の大規模な工事がこれからも予定をされているわけですけれども、現在の制作費の妥当性、これをどのように考えるのか、また、今後のコスト削減に向けた見直しについてはどのように考えるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○増子水道局長 整備事業の内容を記録映画という形で保存し、後世に伝えるとともに、研修や事業PRなどで活用することは、事業の改善やお客様の局事業への理解につながる取り組みでありまして、非常に重要と考えております。
 また、撮影対象となる工事が、数百億円を要する大規模工事でありまして、先ほどの多摩丘陵幹線も五百億円という大変大きな工事でありまして、かつ工種も多岐にわたることから、記録映画の制作には、工事の施工内容を十分理解した上での入念な取材や、工事の進捗状況に応じた長期間かつ空撮も含めた年間数十回にわたる撮影を重ねる必要があります。
 このため、事業全体の記録に関する企画書を作成した上で、この企画書並びに当該年度の企画に基づき、毎年度作成にかかる経費の見積もりを徴し、これを参考に委託費を算定しておりまして、制作経費は妥当と考えております。
 今後とも、引き続き、コスト削減を踏まえつつ、適正な経費設定を行ってまいります。

○柳ヶ瀬委員 制作費の妥当性というのは、どれくらい使われているのかと、どの程度そのつくった映像が効果を発揮しているのかということによるんだろうというふうに思います。ぜひ、こういった物差しづくり、これを検討していただきたいというふうに思います。
 今回、水道局の話をしたんですけれども、多分下水道局も同じような大規模工事をやっておって、その工事記録を撮ったり、また交通局なんかでも、こういった映像を撮っているのかなというふうに考えています。ぜひ、こういった視点を持って、この事業に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 水道局は、これまでさまざまな経営改革に取り組んできました。企業債も、この十年で六千億円から三千億円、半分に圧縮されているということで、経営状況という意味では、非常に優良な経営状況ということがいえるというふうに思います。
 ただ、これから水道管路の耐震継ぎ手化事業や、大規模浄水場の更新事業など、大きな財源を必要とする事業がさまざまに控えているわけであります。そこで、先ほど来から申し上げているように、監理団体へのさらなる委託の推進、それから、さまざまな事業でのコスト削減にさらに取り組んでいただきたいということ、そのことによって、サービスの維持向上、これにも努めていくんだということ、このことをお願いを申し上げまして、私からの質問を終わりたいと思います。

○高橋委員長 柳ヶ瀬委員の発言は終わりました。
 以上で本日予定いたしました質疑はすべて終了いたしました。
 お諮りいたします。
 平成二十三年度東京都公営企業各会計決算の認定についてに対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
 なお、十一月二十一日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十四分散会


平成23年度公営企業会計決算特別委員会 第1分科会審査報告書

 第1分科会で行われた平成23年度東京都公営企業会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成24年10月31日
                     平成23年度公営企業会計決算特別委員会
                     第1分科会委員長 大西さとる

 平成23年度公営企業会計決算特別委員長
              高橋かずみ 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 (1) 本分科会は、平成24年9月26日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成23年度東京都公営企業会計決算中、中央卸売市場、港湾局及び交通局所管分
 (2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
    10月15日(説明聴取・資料要求) 交通局、中央卸売市場、港湾局
    10月22日(質疑)        港湾局
    10月24日(質疑)        交通局
    10月26日(質疑)        中央卸売市場

2 本分科会における質疑の概要
 (1) 平成23年度東京都臨海地域開発事業会計決算(港湾局所管分)
  〔1〕 決算について
   ア 平成23年度の埋立地処分収益における予算と決算のかい離の理由について
   イ 常時公募を実施していて買手がつかない土地の箇所数、面積及び公募期間について
   ウ 買手がつかない理由と処分への取組及び今後の見通しについて
   エ 負債の残額と完済の見通し及び計画の進捗状況について
   オ 臨海地域における就業人口と居住人口の現状及び公共施設の設置に伴う地元自治体との調整について
   カ 臨海副都心におけるまちづくりの達成状況及び開発の意義について
   キ 再開発移転等用地の面積について
   ク 事業者の都合で応札を撤回した事例及びその場合の測量と不動産鑑定評価に要した費用について
   ケ 予算に計上しながら公募を実施しなかった土地処分の測量と不動産鑑定評価に要すると予測される費用について
   コ 再開発移転等用地の処分に係る入札件数と不調となった件数及び考え方について
  〔2〕 臨海副都心のMICE・国際観光拠点化と賑わい創出について
   ア 平成23年度における開発の実績と状況及びまちの活性化について
   イ 青海北地区側の開発の進め方について
   ウ 展示会の開催を地域で歓迎する取組について
  〔3〕 臨海副都心における共同溝の整備及び防災まちづくりについて
   ア 臨海副都心における共同溝の概要と目的及び整備の状況について
   イ 地震発生時における共同溝の安全性を確保するための対策について
   ウ 臨海副都心における共同溝以外の防災対策について
   エ 平成23年の臨海副都心への進出企業の数及び東日本大震災以降の国内外の企業進出の動向について
   オ 継続的な安全性のPRについて
  〔4〕 シンボルプロムナード公園の活用について
   ア 東京ビッグサイトの使用に係る主催者への周知及び臨海ホールディングスグループによる分かりやすい広報の必要性について
   イ 公園内における出店に伴う飲食の場の提供について
   ウ 公園の占用料の値上げによる収入増について
 (2) 平成23年度東京都港湾事業会計決算(港湾局所管分)
  〔1〕 東京港埠頭株式会社に対する港湾施設使用料の無償化について
   ア 無償化の目的と法的な位置付けについて
   イ 効果検証が不十分との監査委員の指摘に対する対応について
   ウ 無償化された利益の還元と効果について
   エ 港湾施設使用料収入の減少による港湾事業会計への影響について
   オ アジア諸港と比較した無償化の対応の遅れについて
 (3) 平成23年度東京都交通事業会計決算(交通局所管分)
  〔1〕 バス事業の経営について
   ア 収支状況の推移と経営改善及び利用促進に向けた取組について
   イ バス路線の見直し及び周知の方法について
   ウ コミュニティバスとの役割分担について
  〔2〕 ToKoPoについて
   ア 導入の意義とサービス内容の概要について
   イ 現在の会員数と利用実績及び新規入会者を獲得するための取組について
   ウ ToKoPoを活用した環境施策の具体的な取組について
   エ 導入に要したイニシャルコストと委託先について
   オ 現状に対する評価及び検証の必要性について
   カ バス利用特典サービスとToKoPoとの違い及びPR活動について
  〔3〕 節電・省エネルギーについて
   ア 東日本大震災以降の節電への取組とその効果について
   イ 省エネルギー設備の導入実績と今後の取組方針について
  〔4〕 資産の有効活用について
   ア 平成23年度の関連事業収入及び事業別の収入のピーク時との比較について
   イ 構内営業のこれまでの取組及び今後の課題について
   ウ 障害者が働く店舗の状況及び今後の展開について
  〔5〕 都営交通における目の不自由な方に対する取組について
  〔6〕 バスの停留所施設の整備及び情報提供サービス等について
   ア バスの停留所における情報提供サービスの充実について
   イ 携帯電話やパソコン等で利用できる新たなサービス及び利用者向け情報提供サービスのPR方法について
   ウ 平成23年度末における停留所総数に対する上屋・ベンチの整備状況について
   エ 上屋・ベンチの設置の考え方及び今後の見込について
  〔7〕 東京交通サービス株式会社及び財団法人東京都交通局協力会に対する委託について
   ア 過去3年間の委託費の推移について
   イ 財団法人東京都交通局協力会に委託することに対する考え方について
   ウ 財団法人東京都交通局協力会の目黒駅前駐車場事業における賃料の見直しについて
   エ 時間貸駐車場を財団法人東京都交通局協力会を通さずに直接貸し付けることについて
   オ 東京交通サービス株式会社に保守業務を委託する目的について
   カ 平成23年度における東京交通サービス株式会社の事業規模と都の特命随意契約の支出額について
   キ 東京交通サービス株式会社による他の企業への再委託の状況及び業務の一部再委託に関する見解について
   ク 東京交通サービス株式会社による他の企業への再委託が監査の指摘を受けたことに対する今後の見直しについて
  〔8〕 バス事業の管理の委託について
   ア 管理委託を行っている理由と現在の状況について
   イ コスト削減の効果額と算出方法及び削減された費用の内容について
   ウ 国土交通省の許可要件としての委託の範囲及び現在の委託の規模について
   エ はとバスに特命随意契約で委託している理由について
   オ 直営と委託との安全やサービス面の水準の差について
   カ 管理委託の拡大の予定について
  〔9〕 都電荒川線について
   ア 経営状況について
   イ 平成23年度における利便性向上に向けた取組について
   ウ 効果的なPR方法について
 (4) 平成23年度東京都高速電車事業会計決算(交通局所管分)
  〔1〕 地下鉄事業について
   ア 東京の地下鉄サービスの一体化に向けたこれまでの取組について
   イ 深夜時間帯の利用者ニーズ等を踏まえた利便性の向上について
   ウ PASMOの利用範囲の拡大に向けた考え方について
   エ 駅構内の売店における販売実績の推移について
   オ 都営交通の広報の充実について
   カ 乗車人員の推移と増客のための取組について
   キ 広告事業におけるこれまでの取組について
   ク 平成23年度における転落事故の状況について
   ケ 新宿線、浅草線のホームドアの設置に向けた検討の状況について
   コ 遅延時の情報伝達や乗客案内等の取組について
  〔2〕 ToKoPoについて
   ア 導入の意義とサービス内容の概要について
   イ 現在の会員数と利用実績及び新規入会者を獲得するための取組について
   ウ ToKoPoを活用した環境施策の具体的な取組について
   エ 導入に要したイニシャルコストと委託先について
   オ 現状に対する評価及び検証の必要性について
   カ バス利用特典サービスとToKoPoとの違い及びPR活動について
  〔3〕 節電・省エネルギーについて
   ア 東日本大震災以降の節電への取組とその効果について
   イ 省エネルギー設備の導入実績と今後の取組方針について
  〔4〕 資産の有効活用について
   ア 平成23年度の関連事業収入及び事業別の収入のピーク時との比較について
   イ 構内営業のこれまでの取組及び今後の課題について
   ウ 障害者が働く店舗の状況及び今後の展開について
  〔5〕 都営交通における目の不自由な方に対する取組について
  〔6〕 東京交通サービス株式会社及び財団法人東京都交通局協力会に対する委託について
   ア 過去3年間の委託費の推移について
   イ 財団法人東京都交通局協力会に委託することに対する考え方について
   ウ 時間貸駐車場を財団法人東京都交通局協力会を通さずに直接貸し付けることについて
   エ 東京交通サービス株式会社に保守業務を委託する目的について
   オ 平成23年度における東京交通サービス株式会社の事業規模と都の特命随意契約の支出額について
   カ 東京交通サービス株式会社による他の企業への再委託の状況及び業務の一部再委託に関する見解について
   キ 東京交通サービス株式会社による他の企業への再委託が監査の指摘を受けたことに対する今後の見直しについて
 (5) 平成23年度東京都電気事業会計決算(交通局所管分)
  〔1〕 東日本大震災以降の電力供給不足への対応について
 (6) 平成23年度東京都中央卸売市場会計決算(中央卸売市場所管分)
  〔1〕 豊洲新市場用地における土壌汚染対策について
   ア 平成23年度に執行された土壌汚染対策費について
   イ 土壌汚染対策費を繰り越した理由及び全体のスケジュールへの影響について
   ウ 東京ガスの負担金78億円の積算根拠及び支払い状況について
   エ 底面管理調査結果に伴う処理土量及び事業費の増加の見込みについて
  〔2〕 豊洲新市場における建設工事について
   ア 平成23年度に執行した新市場建設工事費について
   イ 計画の通知に必要な事務経費を平成23年度の予算に計上した理由及び市場施設の建設スケジュールへの影響について
   ウ 基本設計及び実施設計の協議がまとまった時期について
   エ 豊洲新市場の建設工事に着手する時期について
  〔3〕 市場の広報活動について
   ア 市場まつりの狙いと開催状況及び特徴的な取組について
   イ 食育への取組について
   ウ 北足立市場の花育について
   エ 市場のPRについて
  〔4〕 大田市場について
   ア 平成24年度の大田市場まつりの来場者数及び内容について
   イ 積込場問題について
   ウ 水産物部の取扱数量の減少に対する見解と対策について
   エ 水産物部の活性化策の進捗状況について
  〔5〕 足立市場水産物部における活性化への取組について
  〔6〕 多摩地域における中央卸売市場と地方卸売市場が担う役割及び都の取組について
  〔7〕 地方卸売市場に対する支援の目的及び内容について


平成23年度公営企業会計決算特別委員会 第2分科会審査報告書

 第2分科会で行われた平成23年度東京都公営企業会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成24年10月31日
                     平成23年度公営企業会計決算特別委員会
                     第2分科会委員長  上野和彦

 平成23年度公営企業会計決算特別委員長
              高橋かずみ 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 (1) 本分科会は、平成24年9月26日に設置され、次の案件を審査した。
   ・平成23年度東京都公営企業会計決算中、病院経営本部、都市整備局、水道局及び下水道局所管分
 (2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
    10月15日(説明聴取・資料要求) 水道局、下水道局、病院経営本部、都市整備局
    10月22日(質疑)        下水道局
    10月24日(質疑)        水道局
    10月26日(質疑)        都市整備局、病院経営本部

2 本分科会における質疑の概要
 (1) 平成23年度東京都下水道事業会計決算(下水道局所管分)
  〔1〕 平成23年度における主要事業の取組状況について
  〔2〕 下水道管の再構築について
   ア 下水道管の老朽化状況の把握及び再構築の基本的な考え方について
   イ 再構築の進捗状況と墨田区の状況について
   ウ SPR工法について
  〔3〕 主要設備の再構築事業を推進するための基本的な考え方について
  〔4〕 長期的な財政収支を安定させるための取組について
  〔5〕 東京都下水道サービス株式会社について
   ア 「下水道設備設計マニュアル改定作業委託」の内容について
   イ マニュアルの改定を特定契約で毎年同じ法人に委託していることについて
   ウ マニュアル改定業務の法人への委託によるノウハウの低減の可能性について
  〔6〕 震災対策について
   ア 下水を流す機能を確保するための技術と効果について
   イ 応急復旧作業の内容と30日間の復旧目標を達成するための取組について
   ウ 下水道施設の対策への取組及び大量更新期を迎えての課題の認識について
   エ 下水道管に起因する道路陥没対策について
   オ 平成23年度の避難所等へのアクセス道路におけるマンホールの浮上抑制対策の実績と進捗率について
   カ 平成23年度における非常用電源を確保した水再生センターとポンプ所の施設数の目標に対する実績と進捗率及び整備の促進について
   キ 平成23年度における無注水形ポンプの導入数の目標に対する実績と進捗率及び整備の促進について
   ク 水再生センターとポンプ所における耐震化の取組状況について
   ケ 「地震・津波に伴う水害対策のあり方に関する提言」への対応について
  〔7〕 多摩地域における流域下水道の高度処理について
   ア 下水道の普及と多摩川の水質改善との関係について
   イ 流域下水道における高度処理の導入状況と今後の取組について
  〔8〕 水再生センター間のバックアップ機能の確保について
   ア 水再生センターにおけるバックアップ機能の確保につい
   イ 流域下水道の連絡管の整備状況と区部の取組状況について
  〔9〕 放射能汚染対策について
   ア 放射能汚染が下水汚泥処理対策に及ぼす影響について
   イ 放射能汚染に伴う資源化見合せによる埋立処分量と影響額及び今後の対応について
   ウ 東京電力への賠償請求について
   エ 下水汚泥の資源化の再開基準及び放射能濃度が高い焼却灰の資源化について
  〔10〕 再生可能エネルギーの導入及び省エネルギー対策について
   ア 森ヶ崎水再生センターにおける太陽光発電導入の検討状況について
   イ 中小企業の優れた技術の活用について
   ウ 森ヶ崎水再生センターの消化ガス発電事業の内容及び事業の拡大について
   エ 平成23年度におけるCO2削減対策の実績と今後の取組について
   オ 小水力発電と下水汚泥を活用した発電事業の取組例について
  〔11〕 ディスポーザ排水処理システムの設置について
   ア 過去5年間の届出件数の推移及び自主管理と検査の状況の把握について
   イ 単体ディスポーザの販売と使用自粛の周知について
  〔12〕 合流式下水道の改善について
   ア 改善対策の取組状況について
   イ JR王子駅における南口トイレ排水管の誤接続の経緯について
   ウ 王子西1号幹線及び堀船1号幹線の整備状況と完成後の改善効果について
   エ 王子第二ポンプ所完成による東十条、王子、豊島地区等の改善効果について
 (2)平成23年度東京都水道事業会計決算(水道局所管分)
  〔1〕 水道事業の国際貢献及び国際展開について
   ア タイにおける事業展開と覚書締結までの経過について
   イ 漏水対策を柱とした取組の今後の展開について
   ウ 国際貢献における人材育成の具体的な取組及び成果と実績について
   エ 平成23年度までの研修生受入れ実績及び各国からの研修ニーズについて
   オ 東京水道サービス株式会社における海外を対象とした人材育成事業について
   カ 平成23年度における国際貢献ビジネスの取組及びアジアの発展途上国へのビジネス展開の課題について
   キ 東京の水道に対する世界からの評価について
  〔2〕 渇水等に対するリスク対応のための施設整備について
   ア 平成24年の渇水への対応及び将来起こり得る渇水への取組について
   イ 異なる水系間の水の相互融通機能の強化に向けた取組について
  〔3〕 おいしい水への取組について
   ア 平成23年度までの高度浄水処理の導入状況と今後の見通しについて
   イ 飲み水としての水道水の満足度について
   ウ 高度浄水処理の導入の認知度とPRについて
  〔4〕 給水拠点の施設の改造について
   ア 震災時の応急給水における住民の自助・共助をいかす体制について
   イ これまでの施設の改造状況及び改造後の応急給水施設について
   ウ 施設の改造後の住民支援策について
   エ 消火栓等を活用した応急給水訓練の周知について
   オ 常に安心して水道を利用できるようにするための取組の見解について
  〔5〕 震災対策について
   ア 水道施設における対策への取組と大量更新期を迎えての課題について
   イ 東日本大震災による水道施設の被害状況とその影響について
   ウ 私道内の給水管のステンレス化について
   エ 災害時の停電対策と浄水場の自家発電機能の整備率及び達成目標について
   オ コージェネレーションシステムの全ての浄水場への導入について
   カ 耐震継手管の取替えの対象総延長及び実績について
   キ 浄水場及び配水池の耐震化について
   ク ペットボトル「東京水」の目的及び大容量ペットボトルの製造について
   ケ 水道管路の耐震化の取組について
   コ 新たな想定地震を踏まえた対策及び地域防災計画の見直しに伴う多摩地区の水道の耐震化について
  〔6〕 監理団体への委託業務について
   ア 東京水道サービス株式会社への委託料の増加理由について
   イ 水道局の人員削減数と監理団体への業務委託の内容について
   ウ 板橋営業所の業務移転について
   エ 水道事業における人材育成と技術の継承について
   オ 文京・台東営業所の統合の経緯と地元区民等の理解及び仮庁舎の家賃と期間について
  〔7〕 水需要計画について
   ア 八ッ場ダムの工事の進捗状況について
   イ 渇水の影響と多摩川水系の貯水率の変化について
  〔8〕 東日本大震災の発生後及び福島第一原子力発電所の事故後の対応について
   ア 放射性ヨウ素の低減対策に活性炭を用いた経緯等について
   イ 水道水の放射性セシウムへの対応について
   ウ 同様の原発事故が発生した場合の対応及び情報提供について
  〔9〕 多摩地域の水道事業の一元化に伴う応急給水について
   ア 東日本大震災の教訓を踏まえた災害対策に関する市町との連携について
   イ 給水拠点と応急給水への取組の改善及びスタンドパイプの活用について
  〔10〕 地下水の比率の現状について
   ア 平成23年度の多摩地域における地下水揚水量とその割合について
   イ 平成23年度の井戸の掘り替え状況と水質の悪化している井戸対策について
  〔11〕 契約について
   ア 「総合評価方式」の拡大の目的について
   イ 平成23年度における設計変更の状況と落札率について
  〔12〕 汚職について
   ア 水道局の体制及び水道局汚職防止対策本部会議の議事録の公表と開示請求された場合の対応について
   イ 対策本部の構成員と選抜理由について
   ウ 事件の検証と客観性の担保及び再発防止について
  〔13〕 水道キャラバンについて
   ア 導入経緯と目的及び平成23年度の実績と経費について
   イ 授業を受けている子供たちの反応や感想について
   ウ 平成23年度の見直し及び平成24年度以降の取組について
 (3)平成23年度東京都工業用水道事業会計決算(水道局所管分)
   質疑なし
 (4)平成23年度東京都都市再開発事業会計決算(都市整備局所管分)
  〔1〕 環状第二号線新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業について
   ア 事業化の経緯及び権利者や地元区との調整について
   イ 立体道路制度の概要及び活用によるメリットについて
   ウ 特定建築者制度の概要について
   エ 平成23年度における事業の執行額及び進捗率について
   オ 地域の沿道まちづくりへの波及効果について
   カ 事業に対する役割と今後の再開発事業への教訓について
   キ 新橋・虎ノ門地区が東京の都市再生に果たす役割について
   ク Ⅰ街区、Ⅱ街区及びⅢ街区の再開発事業における位置付けについて
   ケ 都市再生を担うためにⅢ街区に付与した機能について
   コ 環状第2号線の地上部道路の整備について
  〔2〕 北新宿地区市街地再開発事業について
   ア 北新宿地区において都施行の再開発事業を実施した目的について
   イ 再開発事業による防災性の高まりについて
   ウ 1街区の再開発ビルにおける防災面の配慮について
   エ 木密不燃化10年プロジェクトへのノウハウの活用について
  〔3〕 都施行による市街地再開発事業について
   ア 特定建築者を参入させたことのメリットとリスクについて
   イ 三地区で活用した開発手法による容積率の増分及び保留床の数について
   ウ 大橋地区1-1棟の不採算に対する取組状況について
   エ 保留床の売却、国の補助及び特定建築者との調整の実績と見通しについて
   オ 再開発後に入居した三地区の従前の地権者と借家人の人数について
 (5)平成23年度東京都病院会計決算(病院経営本部所管分)
  〔1〕 PFI事業について
   ア 4病院で事業を導入した経緯及び改築・改修が連続した理由について
   イ SPCに管理が移行した病床数及び都立病院全体に占める割合について
   ウ 事業の導入による地域医療への影響と患者サービスの向上について
   エ 事業導入後の医薬品購入の取扱い方法の変化について
   オ 事業を導入していない病院と導入している病院の平成20年度と平成23年度の薬品費の医業収益に占める割合及び医業収益増加率の対比と薬品費割合の比率差について
   カ SPCの業務運営により医療従事者の負担が軽減した事例について
   キ SPCによる病院に対する経営支援について
   ク SPCの業務の水準を維持・向上させる仕組みと工夫について
  〔2〕 がん対策について
   ア 平成23年度と平成22年度との駒込病院の患者数と利用率の比較について
   イ 駒込病院の集学的治療の内容と取組及び院内がん登録の状況について
   ウ 駒込病院の緩和ケア病棟の稼動状況と取扱内容について
   エ 駒込病院の緩和ケア医療に携わる認定看護師の取組内容と配置状況について
   オ 墨東病院が東京都認定がん診療病院に認定された経緯について
   カ 外来化学療法に取り組んでいる病院について
   キ 緩和ケアチームの各病院における取組について
   ク 緩和ケアのレベルアップを図るための研修の必要性について
   ケ 薬剤師業務の変遷と位置付け及び薬剤師の定数増への取組について
   コ 現場の実態に即した定数改善の必要性について
  〔3〕 災害対策について
   ア 病院の建物・備品・避難対策等への取組状況及び今後の対策について
   イ コージェネレーションシステムの整備の現状と今後の取組及び再生可能エネルギーの活用による自立型のエネルギー確保への取組の必要性について
   ウ 電力確保のために計上された緊急災害対策の補正予算の内容と実績について
   エ 透析患者や手術等に対応するための十分な水の確保への取組について
   オ BCPの策定の進捗状況について
  〔4〕 医療費の未回収・不納欠損について
   ア 平成23年度末における過年度個人未収金の額及び平成23年度に新規に発生した過年度未収金の額について
   イ 平成23年度における不納欠損の件数、金額、未収金残高に対する割合及び発生理由について
   ウ 未収金の経年における回収金額と回収率及び回収に対する取組について
  〔5〕 インシデント・アクシデントの発生を少なくするための取組について
  〔6〕 平成23年度における胃ろうの造設等の件数について
  〔7〕 都立病院における医師の臨床研修について
   ア 新臨床研修制度の発足後の医学部卒業者に対する臨床研修の変化について
   イ 平成22年度の制度改正の内容と医学部卒業者の研修先選択の動向について
   ウ 臨床研修病院の受入率の向上の理由について
   エ 新臨床研修制度の発足後の大都市と地方の研修医採用数の変化と理由及び制度の発足に際しての取組について
   オ 医師の人格形成に関与するための研修プログラムについて
   カ 臨床研修の達成度及び臨床研修と東京医師アカデミーとの関連について
  〔8〕 自殺対策及び精神医療について
   ア 自殺対策に対する取組及び精神科の患者数の推移について
   イ 自殺企図の入院患者における精神科の受診歴のある患者数について
   ウ 精神科病棟における死亡者数と自殺者数の過去5年間の推移について
   エ 松沢病院におけるうつ病等の患者数の推移について
   オ 精神科における診断の際の患者に対する配慮について
   カ 精神科を受診する患者の立場を守るための取組について
   キ 患者が多剤多量の不適切処方で苦しんでいる場合の相談先について
   ク 薬剤の処方の方法について
   ケ 向精神薬等の大量処方への対策及び服薬指導について
   コ 毒薬物検査依頼件数及び検出薬物件数の増加傾向について
  〔9〕 発達障害について
   ア 東京医師アカデミーからの小児精神科医師の輩出数について
   イ 発達障害医療への対応について
   ウ 梅ケ丘病院の跡地の現況及び小児総合医療センターのブランチとしての小児精神科外来の開設について
  〔10〕 多摩総合医療センター・小児総合医療センターの医療連携等について
   ア 小児病院移転後の両地域の小児医療の体制及び地域の医療機関との連携実績について
   イ 多摩総合医療センターにおける患者や家族に対する退院支援について
  〔11〕 精神科救急の受入れの仕組みと平成23年度の実績について
  〔12〕 平成23年度の多摩療育ネットワークの構築状況について
  〔13〕 小児総合医療センターにおける精神障害と発達障害に対応する医師の状況及び発達障害の患者の受入れと医療提供の体制について

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