委員長 | 大西さとる君 |
副委員長 | 中村ひろし君 |
副委員長 | 橘 正剛君 |
副委員長 | きたしろ勝彦君 |
田中 健君 | |
栗林のり子君 | |
矢島 千秋君 | |
柳ヶ瀬裕文君 | |
伊藤 ゆう君 | |
高木 けい君 | |
石毛しげる君 |
欠席委員 なし
出席説明員港湾局 | 局長 | 多羅尾光睦君 |
技監 | 前田 宏君 | |
総務部長 | 黒田 祥之君 | |
企画担当部長 | 古谷ひろみ君 | |
港湾経営部長 | 笹川 文夫君 | |
港湾経営改革担当部長 | 野瀬 達昭君 | |
臨海開発部長 | 石原 清志君 | |
開発調整担当部長 | 大和田 元君 | |
営業担当部長 | 山口 祐一君 | |
港湾整備部長 | 石山 明久君 | |
計画調整担当部長 | 大釜 達夫君 | |
離島港湾部長 | 渡辺 滋君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 小幡 和輝君 |
本日の会議に付した事件
平成二十三年度東京都公営企業各会計決算の認定について
港湾局関係
・平成二十三年度東京都臨海地域開発事業会計決算(質疑)
・平成二十三年度東京都港湾事業会計決算(質疑)
○大西委員長 ただいまから平成二十三年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
初めに申し上げます。
本日から三日間にわたり、本分科会所管三局の決算に対する質疑を行ってまいりますが、質疑につきましては、平成二十三年度決算の審査から逸脱しないよう行っていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
これより港湾局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十三年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成二十三年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○黒田総務部長 十月十五日開催の当分科会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。
お手元にございます平成二十三年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらん願います。
ご要求のございました資料は、目次にございますとおり、一項目でございます。
それでは、一ページをお開き願います。1、シンボルプロムナード公園の過去五年間の活用実績でございます。
平成十九年度から平成二十三年度までのシンボルプロムナード公園におけるイベント開催実績としまして、イベント開催件数、イベント開催延べ日数、主催事業者数、占用料収入をお示ししてございます。
以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○大西委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○中村委員 それでは最初に、東京都港湾事業会計決算について、監査委員による決算審査意見書での指摘事項について質問します。
決算では、平成二十三年度から東京港埠頭株式会社への港湾施設用地使用料を無償化したことにより、港湾施設使用料が九億一千万円余の減収となりました。監査からの指摘では、効果の検証が確認できないとあり、適切に行うよう指摘をされています。
そこでまず、そもそもこの無償化はどのような目的で行われたものかを伺います。また、公営企業会計において、東京港埠頭に無償化する法的な位置づけは何か、あわせてお答え願います。
○野瀬港湾経営改革担当部長 平成二十二年八月に、東京港は、川崎港、横浜港とともに国際コンテナ戦略港湾に選定されたところでございますが、その選定時に国に提出した計画書では、国際競争力の強化に向けた一つの手段として、ターミナル貸付料を四割低減することとしております。
使用料無償化の内容は、コンテナターミナルの敷地に係るものではありますが、この目的は、東京港の利用者である船会社が東京港埠頭株式会社に支払うターミナル貸付料を低減するための原資とすることでございます。
使用料の無償化については、東京都臨海地域開発事業及び港湾事業に係る行政財産使用料及び財産の無償貸付け等に関する規則で規定されており、東京港埠頭株式会社がその事務事業の用に供する場合は、土地等の財産を無償で貸し付けることが可能となっております。
○中村委員 無償化についての目的と位置づけについては理解をしました。
その上で、監査委員の指摘によると、効果検証が不十分と指摘されていますので、それに対してはどう対応するのか伺います。
○野瀬港湾経営改革担当部長 監査委員からの指摘は、この無償化がターミナル貸付料の低減につながっているかを十分に確認できない状況であるとのことでありました。
これについては、東京港埠頭株式会社から都への報告様式や手続を明確化することで、効果検証が十分に行えるよう対応いたしました。
○中村委員 既に対応は終わっているということの、形式の方は確認をさせていただきましたので、次は内容についての確認をさせていただきます。
東京港埠頭に対して用地使用料が無償化された利益は、実際にはどのようにターミナル貸付料に還元されたのか伺います。また、そのことによって国際競争力の強化につながるという効果はどのようになったのか、あわせてお伺いします。
○野瀬港湾経営改革担当部長 東京港埠頭株式会社の平成二十三年度決算と二十二年度決算における外貿コンテナターミナル貸付料を比較いたしますと、十六億円を超える削減となっており、港湾施設使用料の無償化に相当する九億一千万円を上回っております。
このことから明らかなように、東京港埠頭株式会社は、ターミナル貸付料の低減に当たり、都が行った無償化の効果をすべて利用者に還元するとともに、みずからの経営努力も行っているところでございます。
このように、都が行った港湾施設使用料の無償化と、東京港埠頭株式会社における経営努力は、国際コンテナ戦略港湾の目標であります、ターミナルコストの四割低減による国際競争力の強化に大きく寄与しております。
○中村委員 国際競争力の強化に対する取り組みということでした。
ところで、この都の無償化によって九億一千万円ということなわけですから、実際には十六億円を超えるターミナル貸付料が削減されたということなので、東京港埠頭は七億円近い経営努力を行っていただいたことにはなります。株式会社とはいえ、都が関連する会社ですから、どの程度の内部留保があれば十分かは精査が必要かとは思います。
もちろん、ただ下げればいいということだけではないと思いますが、一方では公的な役割の一端を担っている会社ですから、今後も、都の取り組みと歩調を合わせて国際競争力の向上に努めていただきたいと思います。
さて、今回の無償化により、港湾施設使用料収入が大きく減少することになります。この会計で九億円というのは大変大きいと思いますが、港湾事業会計として、今後きちんと継続をしていけるのかどうか、この点について伺います。
○野瀬港湾経営改革担当部長 今回の港湾施設使用料の無償化は、港湾事業会計における将来の収支を予測し、十分に継続可能であると判断した上で実施いたしました。
なお、平成二十三年度の港湾事業会計の決算では、約十四億二千万円の純利益を確保しております。
○中村委員 国際コンテナ戦略港湾として国際競争力を強化していくために、このような港湾施設使用料の無償化を行ったということですが、これは、アジア諸国に比べると、その対応の時期が遅かったのではないかという見方もあるかとは思うのですが、見解をお伺いします。
○野瀬港湾経営改革担当部長 国際コンテナ戦略港湾として国際競争力を強化していくためには、このターミナル貸付料の低減に加え、貨物集荷力の強化、利用者サービスの向上など、さまざまな取り組みを重層的に実施していく必要がございます。
東京港としては、国際コンテナ戦略港湾に選定される以前から、入港料や係留施設使用料の減免など、コスト低減に取り組むとともに、ポートセールスの積極的な展開など、貨物集荷に向けた取り組みを実施しております。これらの取り組みに加え、平成二十三年度からコンテナターミナルの敷地に係る使用料の無償化を開始したことにより、東京港の国際競争力はさらに強化されたと考えております。
○中村委員 国際競争力の強化に向けて、さまざまな取り組みを実施していただいていることはわかりました。しかし、上海や釜山などアジア諸港の躍進は目覚ましいものがあります。この会計だけということではないんだと思うのですが、今後もスピード感を持って対応していただきたいということを要望しておきます。
次に、東京都臨海地域開発事業会計決算の質問をさせていただきます。
平成二十三年度決算では、営業収益のうち埋立地処分収益は、予算比で一九%、昨年度比では二・一%と大幅に減っています。前年二十二年度は十件でしたが、二十三年度は二件になっています。
予算と決算の乖離がありますが、その理由は何か伺います。
○石原臨海開発部長 埋立地処分の収入予算につきましては、事業者等からの購入意向に基づき、開発計画等の調整を行いながら入札の実施時期等を検討し、計上しております。
埋立地処分収益及び件数が減少していますが、平成二十三年度は、四件の処分につきまして予算計上し、そのうちの二件の売却となったことによるものでございます。
残りの二件のうち一件は、当初、二十二年度から二十七年度までの分納により代金が納付される予定であったものが、二十二年度に全額納付されたため、二十三年度収入とならなかったものでございます。
残りの一件につきましては、事業者から購入の意向が示され、予算を計上したところ、東日本大震災の影響により、国内の不動産市況全体が低迷したことなどを受けまして、事業者がこれを撤回したため、結果的には公募自体を見送ったものでございます。
また、二十二年度の予算計上は、二十三年度と同じ四件でございましたが、年度途中で端切れ地を隣接事業者が購入したなどの理由によりまして、十件の処分となったものでございます。
確かに、二十二年度の収入に比べ、二十三年度の収入は二・一%にすぎませんが、さきに述べましたように、前年度に一括納入があったこと、中央卸売市場に市場移転用地を所管がえした高額の収入があったため、二十二年度決算が一時的に高額となったことによるものでございまして、特段問題はないと考えてございます。
○中村委員 さまざまな社会経済状況の変化などもあり、単純にその年度だけでは比較できないとは思いますが、とはいえ、迅速な対応も必要です。現在でも、常時公募をしている土地で、まだ買い手がついていないところもあります。
そこで、そうした土地が何カ所あり、面積ではどのくらいあるのか伺います。そして、それはどのくらいの期間、公募されているのでしょうか、伺います。
○山口営業担当部長 現在、臨海副都心において常時公募しております区画は、青海地区二区画、有明南地区一区画の計三区画でございます。その合計面積は約二・一ヘクタールとなっております。
この三区画は、平成十二年に、処分可能な八区画について一斉に公募を開始したうちの一部でございまして、公募開始から十二年が経過をしております。そのうち二区画につきましては、平成十九年と平成二十年に、それぞれ進出事業者を決定したものの、リーマンショックなどの影響により事業者が辞退したものでございます。
なお、売却済みの五区画につきましては、昨年、ビッグサイト前に開業した有明セントラルタワーを初め、すべての区画が既に活用されております。
○中村委員 なかなか、駅からの距離とか場所の問題もあるとは思うんですが、平成十二年からということになると、かなり長い期間にもなりますので、リーマンショックなどの影響があるということですが、とはいえ、事業を進めるよう取り組む必要があるかとは思っています。
そこで、なぜこういったところは買い手がつかないのでしょうか、処分にどのように取り組んでいるのか、見通しはあるのかお伺いします。
○山口営業担当部長 常時公募しております三つの区画につきましては、現在もさまざまなお問い合わせがありますものの、現在の不動産市況は、東日本大震災の影響や世界経済危機の懸念等から大変厳しい状況にございます。現時点で公募申し込みには至っておりません。
なお、土地の販売に向けては、これまでも、事業者が臨海副都心により進出しやすい条件を整備するため、転売禁止期間の撤廃、分割支払い時の利息の引き下げ、不動産仲介成功報酬上限額の増額など、さまざまな努力をしておるところでございます。
○中村委員 さまざまな努力はされているということでした。ただ、一度ここで、改めて会計全体の財政状況の方を確認してみたいと思います。
当該年度は、企業債利息を三十二億円返済して、元本の支払いはありませんでした。残った負債は幾らでしょうか。完済の見通しと計画ではどうなっているのでしょうか。計画どおり進んでいるのかどうかも含めて伺います。
○石原臨海開発部長 平成二十三年度末における企業債残高は二千三百五十三億円、今後発生する利子は百四十四億円でございまして、三十二年度までに償還する計画でございます。
臨海副都心のポテンシャルは高く、中長期的に見れば、保有している土地の処分により、確実な償還が見込めると考えております。
○中村委員 この場所ですから、ポテンシャルが高いというのはわかるわけですが、実際に利益を上げなければ確実な償還にはつながりませんので、引き続きの取り組みをお願いします。
次に、臨海副都心のまちづくりについて伺います。
平成二十三年十二月現在で、就業人口約四万八千人、居住人口一万二千六百人と聞いていますが、これは計画どおりなのでしょうか。また、マンション等になる場合には、小学校などの公共施設が必要にもなりますが、これは地元自治体との調整はどのようになっているのか、伺いたいと思います。
○石原臨海開発部長 臨海副都心全体の計画人口は、就業人口が九万人、居住人口が四万七千人でございます。今後、青海地区北側に業務・商業施設を、有明北地区に集合住宅を中心に開発していく予定でございます。
まちづくりは計画どおりに進んでおりまして、就業人口、居住人口ともに着実に増加しているところでございます。
また、地元自治体との調整でございますが、小学校などの公共施設につきましては、開発の進捗に合わせて、地元区と十分協議を重ねながら、必要な施設の位置や規模、整備すべき時期等につきまして調整しているところでございます。
○中村委員 就業人口、居住人口ともに順調にということ、着実に増加をしているということでした。
ただ、臨海副都心の開発も始まって、大分、長い間がたちますので、改めて、この臨海副都心のまちづくり全体の中でのこれまでの達成状況についてどうなっているのか伺いたいと思います。
また、世界の都市間競争が激化するなど、時代も変化してきていますが、これからの臨海副都心開発の潜在的な意義というのを伺いたいと思います。
○石原臨海開発部長 臨海副都心の有償処分面積の約七割の土地につきましては、既に開発されるか、開発事業者が決まっており、また、多くの人々や物、情報が集まる活力ある都市に成長してきておりまして、開発は着実に進んでおります。
今日、世界の厳しい都市間競争を勝ち抜くためには、MICE機能の充実が必須と考えてございます。そこで、都は、昨年度に、「二〇二〇年の東京」やアジアヘッドクオーター特区構想におきまして、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化構想を打ち出しております。
今後開発予定の青海地区北側は、MICE機能の誘致に適しておりまして、東京の国際競争力の強化のために重要な役割を担うことが期待されております。このため、都では、青海地区北側に、東京ビッグサイトの展示機能と連携する国際会議機能や、商業施設などの国際観光資源の誘致に取り組みまして、臨海副都心を世界に伍するMICE、国際観光拠点へと発展させてまいります。
○中村委員 いろいろとご答弁ありがとうございました。
決算という視点から多岐にわたって質問しましたが、東京の国際力強化という点では大切な地域ですから、引き続きの取り組みを申し述べまして、質問を終わります。
○きたしろ委員 私は、臨海副都心のMICE、国際観光拠点化とにぎわい創出についてお伺いをさせていただきます。
臨海副都心は、平成元年の開発着手から二十年余りが経過したところであります。今では、お台場を初め、国内外から多くの来訪者に親しまれる観光名所となりました。さらには、企業の本社ビルや東京ビッグサイトが立地し、ビジネス拠点として機能していますし、集合住宅やホテルも立地してきています。臨海副都心開発の職・住・学・遊のバランスのとれたまちづくりという開発コンセプトどおり、働く場所、住む場所、学ぶ場所、遊ぶ場所として発展してきたといえると思います。
そこでまず、平成二十三年度の開発実績と、最近の新たな開発状況についてお伺いをいたします。
○山口営業担当部長 昨年度は、都立の産業技術研究センターやオフィスビルの有明セントラルタワーなど四施設が開設されました。さらに、臨海副都心の骨格となり、魅力的な都市空間を形成するシンボルプロムナード公園のうち、にぎわいの拠点となるセントラル広場も二十三年七月に完成したところでございます。
今年度に入ってからは、四月に、武蔵野大学有明キャンパスが開校したほか、新たな大規模商業施設でございますダイバーシティ東京が開業し、連日多くの観光客が訪れ、既存の商業施設と相まって活況を呈しているところでございます。
現在、臨海副都心における有償処分面積の約七割の土地について、既に開発されるか、開発事業者が決まっておりまして、臨海副都心の開発から二十年以上が経過した今日、多くの人々や物、情報が集まる魅力ある都市に成長してきております。
○きたしろ委員 リーマンショック以降の経済の長期低迷が続く中、不動産市況も厳しい環境ではありますけれども、こうした状況でも着実に開発が進んでいることは、臨海副都心のポテンシャルの高さを象徴しているものと思います。
こうした新たな事業者の進出や人々が憩う公園の整備によって、まちの活性化がどのように図られているのか、お伺いをいたします。
○山口営業担当部長 今年度開校した武蔵野大学では、シンボルプロムナード公園に面した場所に、一般に開放されたカフェが整備されているほか、図書館も区民に開放されており、地域に憩いと潤いを提供しております。
一方、ダイバーシティ東京には、日本初上陸のブランドなど四店舗が初出店するとともに、ガンダムの実物大ロボットが設置され、東京を代表する人気スポットとして、臨海副都心のにぎわいに大いに貢献しているところでございます。
また、セントラル広場では、約三万人を集める自転車のスポーツイベントや飲食イベントなどが開催されまして、多くの人々が交流し、活況を呈しております。
このような臨海副都心の開発に伴い、民間事業者によるさまざまな活動が活発化し、にぎわいのあるまちが形成されている状況でございます。
○きたしろ委員 約七割の土地処分が進む中で、多種多様な機能が集積し、民間事業者や大学など、さまざまな主体が工夫を凝らして地域の活性化に貢献していることは、まちの発展にとって非常に大事な、重要なことであります。
中でも、今答弁のあったダイバーシティ東京やセントラル広場は、今後開発予定の青海地区北側に立地しています。この青海地区北側は、都が昨年打ち出したMICE、国際観光拠点化構想の中で中心的な役割を担う地区であります。
現在、我が国の経済は、国政のかじ取りがおぼつかないことから、長期の停滞を余儀なくされており、今後の臨海副都心開発に当たっては、日本経済の復活のための起爆剤の一つとしていく視点も必要であると思います。
そこで、この青海地区北側の開発をどのように進めようとしているのか、お伺いをいたします。
○石原臨海開発部長 青海地区北側につきましては、平成十八年の土地利用計画の見直しによりまして、観光と交流のまちづくりを開発コンセプトとしているところでございます。お話のMICE、国際観光拠点化の取り組みは、この開発コンセプトの実現に向けた具体策として位置づけられるものでございます。
コンベンション機能を有する施設を青海地区北側に誘致し、東京ビッグサイトのエキシビション機能と連携することで、人、物、情報、技術の交流が深まる国際会議や展示会等の開催を活発化させてまいります。
さらに、来訪者が滞在期間中に利用する商業施設やエンターテインメント機能などの観光資源を充実させることで、MICE開催地としての魅力を高め、国際的な観光と交流の拠点として発展させてまいります。
○きたしろ委員 今、アジアの諸都市は、MICE機能の充実に力を入れているところであります。二〇一〇年の都市別国際会議の開催件数で、シンガポールが世界一位、ソウルは五位となるなど、その躍進ぶりは目覚ましく、国内経済への貢献度も高くなっています。
一方、かつてMICE先進都市だった東京は、これらの都市に追い越されて七位となっています。しかし、政治、経済、文化の中心となる日本の首都たる役割を考えれば、世界への情報発信拠点として、また、日本経済を牽引するエンジンとして、今まで以上に機能していくことが求められているところであります。
そのためには、ただいまの答弁にあったように、成長分野であるMICEと観光資源の拡充に力を入れることが必要であり、青海地区北側の開発の方向性は極めて重要な意義があると思います。
今月には、東京において、IMF、世界銀行の年次総会が開催され、会場となった丸の内周辺では、この総会開催を地域全体で歓迎する催しが行われました。各国の参加者がさまざまな催しを楽しみ、日本と東京の魅力を知ってもらう格好の機会となったと思います。このように、地域全体で盛り上げる取り組みは、今後、東京が魅力的なMICE開催地として世界に認知されるために極めて重要であります。
臨海副都心にも、日本最大の展示面積を有する東京ビッグサイトが立地し、最新の技術、製品、商品などの展示会が活発に行われております。国内外からのビジネスパーソンでもにぎわっております。
そこで、こうした展示会の開催を地域で歓迎する取り組みが、IMF、世界銀行総会と同様に必要と考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○山口営業担当部長 昨年十二月に、東京で二十四年ぶりとなるモーターショーが東京ビッグサイトで開催されました。開催に当たりましては、地元進出企業で構成される臨海副都心まちづくり協議会が中心となり、お台場で花火を打ち上げたほか、周辺商業施設で使用できる割引クーポン券の配布や、「ゆりかもめ」の一日乗車券と入場券のセット販売など、開催を歓迎するさまざまな取り組みで約八十四万人にも上る来訪者にお楽しみいただきました。
また、本年度に入りましては、今月、アジア最大級の映画の祭典でございます東京国際映画祭関連の商談会が、これまで開催されておりました六本木から台場のホテルに場所を移しまして開催されることになってございます。これに合わせまして、ゲートブリッジとビッグサイトにおいて、東京国際映画祭のテーマカラーであるグリーンのライトアップを実施するとともに、周辺商業施設における割引サービスの実施など、開催を歓迎する取り組みを行っているところでございます。
今後とも、地域と連携し、こうした地域一帯での盛り上げを継続的に行うことで、MICE誘致の取り組みを推進し、臨海副都心に国内外から多くの方々に来訪していただく機会を創出してまいります。
○きたしろ委員 臨海副都心地域が一体となって創意工夫を凝らしながら、MICE開催地としての魅力向上に取り組んでいることは意義のあることであります。特に、東京の夜景を背景にレインボーブリッジのすぐ横で打ち上げられる花火は感動的であり、臨海副都心のにぎわいに大いに貢献するもので、今後も継続して実施していただきたいと思います。
また、臨海副都心に隣接する地区には、豪華客船が寄港する晴海客船ターミナルがあるほか、平成二十六年度中には、千客万来施設を含む豊洲新市場が開設する予定となっております。こうした施設との相乗効果や舟運の一層の活用を図ることにより、臨海副都心の魅力を高めていくことを期待しております。
今まで質疑を行ってきたことからも明らかなように、厳しい社会経済状況の中でも、行政や民間事業者が連携して知恵を出していくことで、まちのにぎわいをつくり出し、MICE、国際観光機能を充実させる取り組みは可能であります。既存施設を十二分に活用し、新たな取り組みを進めることは、MICE、国際観光拠点化の下支えとして必要不可欠であると思います。
臨海副都心は、国際化した羽田空港からも好位置にあるなど、今後開発が進む潜在的な可能性を秘めています。日本経済の牽引役として、またアジアのヘッドクオーターとして、これからの臨海副都心地域に対する期待は大きいものがあります。
最後に、さらに魅力的なまちへと発展していくように不断の努力を継続してほしいということを要望し、そして、この大きな発展可能性を秘めた臨海副都心の開発に向けた意気込みを局長にお伺いし、質問を終わりたいと思います。
○多羅尾港湾局長 臨海副都心のMICE、国際観光機能のさらなる充実に取り組むことは、東京の国際競争力を強化し、日本全体の経済の活性化にもつながるものと考えております。
特に、ただいまお話のございました、今後開発予定の青海地区北側は、大規模開発が可能な、都心に残された極めて貴重な土地であり、これを最大限に有効活用することは、港湾局に課せられた極めて重要な使命であると認識しております。
また、現在の厳しい経済環境の中で臨海副都心のまちづくりを進めるには、開発手法にもさまざまなアイデアを出していくことが必要でございます。一例でございますが、MICE、国際観光機能の充実に資する民間事業者の先駆的な事業を支援するための補助金制度を今年度から創設するなど、新しい取り組みを展開しております。
これらによりまして、世界の厳しい都市間競争を打ち勝ち、臨海副都心をますます魅力的な国際都市として成長させていきたいと考えております。
今後とも、ハード、ソフトの両面から、職員一丸となって日夜知恵を出し、創意工夫を凝らしながら、まちづくりを進めてまいります。
○橘委員 私からは、臨海副都心の耐震力を中心に、二十三年度事業実績を踏まえて質問いたします。
昨年三月十一日に発生した東日本大震災では、都市インフラが大きな被害を受けまして、都市活動に大きな影響が出ました。近隣する千葉県浦安市においても、都市インフラの甚大な被害によって市民生活に大きな支障が出たことは記憶に新しいところでございます。
さて、臨海副都心においては、こうした災害への対策となる都市基盤施設として共同溝が整備されておりまして、以前、我が党も、その状況を把握するために視察いたしました。臨海副都心を縦横に走るライフラインを収容する巨大な空間が地下に存在しておりまして、一般的に、私自身が印象に残っている道路の下のマンホール型の共同溝、これとは規模も違うし、もう概念自体が違う共同溝だなという、そんな印象を持った記憶がございます。
臨海副都心のこの共同溝の規模は、国内で最大であるだけではなくて、世界でも最大級のものということでございまして、臨海副都心における防災上の基幹的なインフラとして大変重要な施設となっているわけでございます。
そこでまず、臨海副都心における共同溝の概要と、臨海副都心にこのような先進的な施設を整備した目的について確認しておきたいと思います。
○大和田開発調整担当部長 臨海副都心の共同溝は、地域内の道路、公園の地下にトンネルを整備いたしまして、ここに上下水道、中水道、それから電気、ガス、電話、情報通信、さらには地域冷暖房への熱供給、ごみ収集等の配管、配線を共同で収容している施設でございます。
共同溝の役割といたしましては、地下空間を有効活用することによりまして、多くのインフラを収容できるとともに、効率的な維持管理が可能となっていること、また、共同溝があることによりまして、管路等の維持補修の際に、道路、公園の掘り返しが不要となりまして、都市活動や生活の利便性の向上が図れること、さらには、電柱をなくし、電力ケーブル、ごみ収集等を地中化することで、都市景観の向上にも貢献していることなどが挙げられます。
○橘委員 今、答弁の中で、景観であるとか、さまざまな都市機能の強化、そういった観点からの答弁がありましたけれども、この共同溝というのは、特に防災上の有用性というのが大きいと思います。地震への備えとして、こうした施設整備による信頼性は、今後ますます開発が進む臨海副都心では着実に整備しておく必要があると思います。
そこで、現在の整備状況と平成二十三年度の整備実績について伺っておきます。
○大和田開発調整担当部長 臨海副都心の共同溝は、平成元年度から工事に着手しておりまして、平成七年度に供用を開始してございます。計画延長は、「ゆりかもめ」の総延長を超えます十六・六キロでございまして、臨海副都心の大部分をカバーしております。
平成二十三年度の整備実績でございますが、決算額で約二十四億六千万円でございまして、その内容は、青海地区の共同溝整備及び監視システムの更新でございます。
これまでの整備延長でございますが、約十六・五キロメートルでございまして、全体計画の九九%が完成しており、平成二十七年度末の整備終了を目途としております。
○橘委員 あの臨海副都心の限られた地域、広いけれども限られた地域でありますが、あの地域の中に十六・五キロも整備されたという、これは本当に壮大な事業でもありますし、その中で九九%が完成しているという、そういった世界に類を見ないような整備率、また、そういう規模になっているかと思います。また、今後の更新のことについても大いに真剣に考えていっていただきたいと思っております。
地震の災害に対して、ライフラインの機能を確保していくことが最優先されなきゃならないということは、今回の東日本大震災の影響を見ましても明らかであると思います。まず、都市機能に影響を与えないようにするためには、共同溝そのものの安全性が保たれていなければならないと思います。
そこで、地震発生時の共同溝の安全性を確保するために、どのような対策が講じられているのか伺います。
○大和田開発調整担当部長 臨海副都心の共同溝は、最新の技術を採用いたしまして、地震に強い構造となっており、防災力の強化を図っております。
具体的に申し上げますと、基礎地盤を地盤改良するとともに、山どめ壁の設置、埋め戻し土の締め固め等による液状化対策を行っておりまして、さきの東日本大震災におきましても、共同溝への被害は一切見られなかったところでございます。
また、本年四月に東京都防災会議が発表いたしました首都直下地震等による東京の被害想定を踏まえまして、改めて、その耐震性について専門家による検証を行いました結果、十分な安全性が確保されていることが確認されております。
○橘委員 今般の東日本大震災において共同溝への被害は一切なかったという点、それから、専門家による検証を行った結果、十分な安全性の確保がされているということが確認されたということは、本当に頼もしい限りであります。
この臨海副都心の地下の共同溝というのは、構造的には、地上部と、それから地下というふうに分けることができるんですけれども、構造的に見ますと、全体が一つの、地上部も、それから地下部も、全体として一つの都市という、そんな印象があります。そういう構造になっているかと思います。
そこで、ちょっと共同溝から視点を変えますけれども、耐震対策の観点から見ましたときに、臨海副都心にはさまざまな公共施設、それから建物があるわけですけれども、これらに対する安全性の確保も、まち全体から考えれば重要であると思います。
そこで、共同溝のほかに、臨海副都心ではどのような防災上の対策がとられているのか伺います。
○大和田開発調整担当部長 臨海副都心では、従来から、災害に強いまちを目標に都市づくりを進めてきたところでございます。具体的には、橋梁や「ゆりかもめ」等の公共施設は、十分な耐震、液状化対策がとられております。また民間の建物に対しても、臨海副都心まちづくりガイドラインに基づきまして液状化対策を行うことになっておりまして、臨海副都心は、全体として地震に対して安全なまちとなっております。
また、津波、高潮対策につきましては、伊勢湾台風級の高潮にも耐えられるよう、地盤高TP五・四メートルで整備してございまして、その高さは、このたびの東京都防災会議の想定最大津波高でございますTP二・六メートルよりも高く、十分な安全性が確保されております。
なお、臨海副都心は、安全なまちとして、災害時の地区内残留地区に指定されておりまして、避難の必要のない区域となっております。
○橘委員 臨海副都心は、開発から二十年余りが経過しておりまして、多くの企業と人々が集積する活気のあるまちに発展してきております。
そこで、平成二十三年の臨海副都心の就業人口、居住人口につきましては、先ほどの質疑の中で数字が出てまいりましたし、就業人口は四万八千人、居住人口は約一万二千人という数字がありましたけれども、進出企業の数はどうなっているのか、また、東日本大震災以降の国内外の企業の進出動向、これについて説明をお願いしたいと思います。
○大和田開発調整担当部長 平成二十三年末の進出企業数は、千四百三十六社となっております。
東日本大震災が発生いたしました平成二十三年には、これまで増加傾向にあった企業数が、前年に比べまして十三社減となっております。
○橘委員 この十三社減というのは、私は非常に微妙な数字だなというふうに思いました。事前に説明をいただきましたけれども、それまでずっと右肩上がりに進出企業数がふえてきている、その中で、二十三年度ではなくて、二十三年になりますけれども、これは十三社減と。ここで初めて踏みとどまったというんですか、その数字になっているわけです。若干下降している。
千四百社余りのうちの十三社ということは、一%弱という、比率でいえばそうなりますけれども、少し減ったという、この意味というのは、通常の増減の範囲ととらえていいのか、それとも東日本大震災の影響によるものと考えられるのか、その辺はどう分析されていますでしょうか。
○大和田開発調整担当部長 平成二十三年の進出企業数の若干の減少でございますが、これにつきましては、原因がはっきりとは特定されておりません。震災の影響もあるのではないかと考えられます。
○橘委員 これは大変大事なことでありまして、これから質問する内容と関連するんですけれども、昨年三月に発生した東日本大震災以降、臨海部における津波や液状化に対する懸念というものが国内外を問わず広まりまして、一時期ではありますけれども、臨海部のマンションの売れ行きが著しく落ち込んだとか、それから、海外の事業者からも不安の声が多く出たというふうに聞いております。これもやっぱり影響しているのかなというふうに思います。
したがって、災害に対して盤石な臨海副都心ではありますけれども、これまで、るる答弁があったように、せっかくこれだけの頑丈な施設を整備されているわけでありますし、それから安全性も確保されているわけですから、地震に非常に強いということ、それから盤石な都市インフラが整備されていること、こういったことを具体的に国内外に広くPRすることによって、この臨海副都心の魅力というのは、かえって、逆にすごく輝いていくのかなと、私はそんなふうに思っているんですけれども、このPRをもう少し--地震国日本というふうに海外にも知られているわけですけれども、その中でも、この臨海副都心は盤石な対策がとられているということを、もっともっとPRに力を入れるべきであると思います。
それが東京の安全度というのに、認識としてつながっていくと思いますし、これが大事かと思うのですが、この辺について所見を伺います。
○山口営業担当部長 東日本大震災後、直ちに臨海副都心の安全性に関する情報、具体的には、今お話しの共同溝ですとか地盤高、液状化対策などのほか、有明防災拠点などの情報を盛り込みまして、それらを取りまとめたパンフレットを作成し、事業者などに配布しております。
また、ホームページにおきましても同様の情報を提供しているほか、大手ディベロッパーを初め、多くの企業を対象に説明会を開催し、津波や液状化に対する安全性をPRしてまいりました。
今年度はさらに、海外向けに英語版のパンフレットも作成するとともに、昨年度に引き続き、企業向けの説明会を初めとしたPRに努めているところでございます。
今後とも、安全性を継続的に国内外にPRしていくことで臨海副都心への信頼性を確保し、さらなる発展につなげていきたいと考えております。
○橘委員 この臨海副都心の耐震性のすぐれている点、この辺については、臨海副都心をPRするというだけではないんですね。これをPRするということは、東京全体の安全度が高いという、そういうイメージにもつながっていくと思いますので、これは海外を意識した上でも、PRというのはこれからさらに努力していく必要があると私は思います。
この臨海副都心、世界の主要都市をリードするまちづくりを目指してきたわけでありますけれども、特に、まち全体の耐震力については、このPRの一環としても、絶えず新たな技術、耐震化の技術というのはどんどん進んでおりまして、既存のビルであっても、それを耐震構造から免震構造にもできるという、そういう技術も確立されているわけですから、そういった新たな技術がどんどん注入されている都市であるということ、こういうふうなことも訴えながら万全な体制にしていくべきと考えます。
この臨海副都心の未来に向けたまちづくりに向けて、港湾局長の決意を伺いまして、私の質問を終わります。
○多羅尾港湾局長 共同溝の整備を初めといたしまして、臨海副都心が災害に強いまちであるということは、世界の中での都市間競争を勝ち抜いていく上で大きな強みとなると考えております。
現在、都が取り組んでいる臨海副都心のMICE、国際観光拠点化に当たっては、この安全・安心という強みをセールスポイントの一つとして積極的にアピールし、国内外から多くの人々が訪れ、企業が進出することにつなげてまいりたいと思っております。
ただいま、二十三年の企業進出数が十三社減というお話がございました。確かに、東日本大震災によりまして、臨海という地域がマイナスのイメージをこうむったことは否めないかと思っております。ただ、お話のように、臨海副都心は、実際には被害はほとんどございませんでした。逆に、東日本大震災で目立った被害がなかったという事実を積極的にPRして、企業誘致等につなげていきたいと考えております。
また、あわせて、東京ビッグサイトやホテルなどで開催される展示会などを地域一帯で歓迎する取り組みを進めるなど、ソフト面の充実にも努め、MICE開催を活発化させていく考えでございます。人、物、情報、技術が活発に交流し、大きな経済効果をもたらす日本の代表的なMICE、国際観光拠点として臨海副都心が一層発展するよう、全力で取り組んでまいります。
○柳ヶ瀬委員 私からは、平成二十三年度東京都臨海地域開発事業会計決算について、幾つか質問をしていきたいというふうに思います。
この会計決算報告書の、七ページですけれども、開発事業収益の中で埋立地処分収益について、予算が七十三億円余りなのに対して、決算が十三億円となっており、収入率は一九%にとどまっておるということで、先ほども、一部、他の委員から質疑がありましたけれども、別の角度から質疑をしていきたいというふうに思います。
先ほど、この理由として答弁がございましたが、整理をすると、先ほどの説明でもあったとおり、四件の埋立地の売却処分を計上した。うち二件は売却をしたけれども、一件は、二十二年度に前倒しでお金が支払われたということで、これは順当に来ているんですね。残りの一件についてですけれども、事業者から購入の意向が示され、予算を計上したが、東日本大震災の影響により事業者が撤回をしたため、公募を実施しなかったとのことです。このため、一九%という収入率となっているという説明が先ほどありました。
そこで、今回のこの対象となった土地に関しては、埋立地の中でも再開発移転等用地ということで、これは何かというと、公共事業施行により当該地での現業継続ができない場合の移転代替地、または、既成市街地の環境改善のため、当該区長からの要請に基づく移転受け入れ地というふうにされています。
そこでまず、お伺いしたいんですけれども、このような再開発移転等用地が都内にどれくらいあるのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
○石原臨海開発部長 現状未開発の再開発移転等用地でございますが、約五十三ヘクタールでございます。
○柳ヶ瀬委員 今、お答えのあったように、臨海部に五十三ヘクタールという広大な再開発移転等用地があるということですね。
そこで、この用地の売却の方法なんですけれども、これは都が売りたいときに売れるという性質のものではなくて、事業者が特定の土地に対して購入の意欲を示した場合、この土地が欲しいということを都にいってきた場合に、そこから公募を実施するという仕組みになっています。
先ほどのケースでは、事業者が購入の意向を示したので、都は予算計上した、しかし、事業者の何らかの事情によって購入をやめる、撤回したということなんですね。
このように、事業者の都合で途中で撤回した事例というのは、これまでほかにもあるのか、教えていただきたいと思います。
○石原臨海開発部長 東日本大震災の影響ではございませんが、平成二十二年度に公募した土地について不調となった事例がございます。当該地は〇・八ヘクタールの土地でございまして、入札直前に経営状況が変化したため、購入希望者が入札をあきらめたと聞いてございます。
○柳ヶ瀬委員 今回の決算で出てきているのは平成二十三年度のケースで、それ以前にも、二十二年度にあったということだと思います。二十二年度の場合は、公募を実施した後に購入をやめてしまった、入札が成立せずに不調に終わってしまったわけであります。
ここでポイントは、公募をするには、さまざまな諸経費がかかってくるということかなと考えました。公募を実施する前に、測量をして、不動産鑑定評価というものを受けなければなりません。
それでは、先ほどの平成二十二年度の事例では、実際にどれほどの費用がかかったのか、教えていただきたいと思います。
○石原臨海開発部長 測量で約六十万円でございます。
不動産鑑定につきましては、近隣における取引事例がございましたため、庁内で評価することができまして、費用はかかってございません。
○柳ヶ瀬委員 今の答弁で、測量で六十万円、不動産鑑定は、近隣の取引事例があったので、たまたま費用はかからなかったということだと思います。
これは、事業者が買いたいといって、都が費用をかけて準備をした、けれども、結局、事業者の都合で買わないということに至り、この二十二年度の場合は六十万円を損失したことになるというふうに思います。
この測量については、一回やったら、その後、もうしなくていいのかといえば、そうではなくて、これは購入のたびに測量をしなければいけないということですので、同じ土地を売るためには、再度、この測量と不動産鑑定をしなければいけないというふうに聞いています。
この事例では、土地が狭くて、鑑定もたまたま必要はなく、それほど準備のコストがかからなかったから、六十万円ということだったと思います。
では、先ほどの、平成二十三年度予算に計上し、公募を実施しなかった土地処分について、測量と不動産鑑定評価に要すると予測される費用はどれくらいになるのか教えていただきたいと思います。
○石原臨海開発部長 予算計上しました金額は、測量で約三百万円、不動産鑑定で約二百八十万円でございます。公募しなかったために、当該予算は執行してございません。
○柳ヶ瀬委員 測量で三百万円、不動産鑑定で二百八十万円ということで、今回は公募に至る前に事業者が撤回をしているので、これは執行されなかったということで、むだにならなくてよかったなというふうに思うのですけれども、二十二年度の事例のように、公募後に事業者の都合で応札をしないということになれば、これは多額の費用がむだになってしまうというふうに思います。
そこで、この再開発移転等用地の処分について、これまでの入札の状況についてお聞きをしたいと思います。
○石原臨海開発部長 ただいまの質問の前に、一つお話をしておきたいと思いますが、測量や不動産鑑定に係る費用につきましては、不動産売買における売り主の責務でございまして、営業費用の一部であるというふうに考えてございます。
それから、ご質問でございますけれども、再開発移転等用地につきましては、過去五年間で十一件の入札を実施し、不調になったのは三件でございます。このうち複数者の入札による案件は四件でございます。
○柳ヶ瀬委員 今、部長がおっしゃったように、これは必要な営業経費だというふうに思います。ですから、都は、これはしなければいけないことなんですね。
ただ、問題というのは、事業者がその都合によって、この場合であれば五年間で三件、事業者の経営上の問題等で応札をしなかったということで、ここに、都は、しようがないといってはいけないというふうに思います。これはやっぱり、このような事例をできるだけ減らしていく努力をしなければいけないだろうというふうに考えます。
もっと大規模な土地の処分ということになれば、先ほどは測量と不動産鑑定で五百八十万ということですけれども、鑑定、測量を合わせて数千万になる可能性もあるということも聞いています。購入の意欲を示したところと随意で契約するわけにはいかないということもよくわかりますが、この取引の方法では、今後五十三ヘクタールという広大な土地を処分していくその過程で、むだになる準備費用、これは必要な経費なんですけれども、これが多額になっていくおそれがあるのではないかというふうに考えます。
そこで、これ、公募は必要なんですけれども、そこに至るまでに、事業者と密に連携をして経営状況の情報の獲得など、丁寧なプロセスが求められるというふうに思います。ぜひ丁寧に進めて、大規模な土地ほど進めていただいて、今後、このような公募における不調が少なくなっていくようにご留意をいただきたいというふうに思います。
そもそも、この再開発移転等用地ですが、都内の土地としては数少ないまとまった種地であり、有効活用がなされなければなりませんが、なかなかその処分は進んでいないというふうに見受けられます。
そこで、今後、この再開発移転等用地の処分についてどのようにしていくお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○石原臨海開発部長 再開発移転等用地は、臨海部及び内陸部の公共事業や再開発事業等を初めとする都市開発に当たりまして、事業者等の用地を提供し、地域のまちづくりの推進等に貢献する用地でございます。
臨海地域の開発が進展する中で再開発移転等用地の処分も進んできておりまして、今後の処分につきましては、地元区とも十分に協議を行い、適切に対応してまいります。
○柳ヶ瀬委員 地元区と十分に協議をしていくということですが、まず、この地元自治体と、この再開発の移転に関して、どれほどの需要があるのかということを、よく再度検証していただきたいというふうに思います。
まだ需要があるということであれば、これは地元区との密な連携が求められると思います。場合によっては、地元自治体や、または民間にアウトソーシングをするといったことも検討の課題になってくるのではないかなというふうに思います。
また、これ、再開発移転の需要が減ってきているということであれば、これは臨海部の主要で広大な五十三ヘクタールという土地ですから、今、ほとんど資材置き場になっておるということを聞いていますが、これを、再開発移転等用地としてそのまま存置するのではなく、例えば用途変更も含めて、真に必要としている事業に、また、そういった事業者に使用、処分できるように検討するということが必要だというふうに考えています。
これを実施していくに当たっては、先ほども何度もおっしゃっているとおり、地元自治体との調整が必要であり、都の意向だけで処分方法を変更することはできないということは存じておりますので、地元自治体とよく協議をして、有効活用に向けて努力をいただきたいということを要望いたしまして、質疑を終わります。
○伊藤委員 私からは、臨海副都心地域のシンボルプロムナードの活用についてお伺いをしたいと思います。
臨海地域には、シンボルプロムナードという、いわば大規模な遊歩道がありまして、臨海地域の回遊性を高めています。このプロムナードの土地は東京都のものでありますが、管理は臨海ホールディングスであるというふうに伺っています。このプロムナードの利活用について、きょうはお伺いしたいと思います。
遊歩道のようなこのプロムナードですけれども、単に大きな歩道として活用されているだけではなくて、事業者が申し込めば、例えばビッグサイトのイベントに合わせて活用できるとも伺っておりますので、さきの資料要求でも、これまでの実績をご提供願いました。
しかし、一方で、イベントの主催者側が、そういったプロムナードの活用方法を知らないケースもあるというふうに伺っています。特にビッグサイトを活用したイベントの主催者が、こうしたシンボルプロムナードを同時に利用できるということを知っていれば、さまざまな形で利活用できるとは思うんですけれども、ビッグサイトを使用する主催者側に、きちんとこうした利活用の情報を周知する必要があると考えますが、所見をお伺いしたいと思います。
○石原臨海開発部長 これまでも、東京ビッグサイトで開催されるイベントに際しまして、入場者の安全性確保のための待機場所や、ビッグサイトで行われるイベントに関連した地域のにぎわいに資するイベントの場として、シンボルプロムナードを活用していただいてきているところでございます。
今後とも、東京ビッグサイト並びに指定管理者と連携をとりまして、イベント主催者等への公園利用情報の提供に努めてまいります。
○伊藤委員 私も、ビッグサイトを使っての展示会を行っている事業者の方にも聞きましたけれども、そんな使い方をプロムナードでできるのか、初めて知ったという方もいらっしゃいまして、ぜひビッグサイトから、展示会ビジネスを行うような事業者の方々などに周知徹底をしていただきたいと思います。
同時に、ビッグサイトと必ずしも連携するばかりではなくて、プロムナード単独で活用をされる方もいらっしゃると思います。
そうしたプロムナードの活用ができることをわかりやすく広報するためにも、ホームページなどで情報提供をする必要があるかと思うのですけれども、その所見をお伺いしたいと思います。
○石原臨海開発部長 現在、臨海ホールディングスグループのホームページでは、公園のイベント情報や、公園の特徴や魅力について紹介をしているところでございます。
今後、公園使用のための情報も含めまして、より一層わかりやすい広報に努めるよう指導してまいります。
○伊藤委員 私も、仮にも、プロムナードを使う身になって検索をかけてみましたけれども、プロムナード、申し込みなど関連の検索キーワードを入れても、やはりどのホームページにもヒットしなかったわけでありまして、恐らく、この記述自体、どこかにあるというものではないというふうに理解しています。そういう意味では、ホールディングスグループのホームページだったり、東京都のホームページなどに、このプロムナードがどのように借りられるのか、どういった金額設定になっているのか、詳細に掲示をしていただければと思っています。
ビッグサイトなどで人気のイベントになりますと、会場が混雑するだけではなくて、今度は飲食をするところが足りないという状況もあります。実際、私も、コミックフェアだったと思いますけれども、以前に行ったときには、中のレストランに行列ができている状態でありまして、簡単に食事がとれない状況がございました。
過去の実績を見させていただきましたら、シンボルプロムナードを使って、例えば待機列の解消をしたり、また、仮設のトイレをつくったというようなこともあるようですけれども、こうしたビッグサイトでの大規模なイベントが行われるときにおいては、公園内で縁日のような出店がよく見られますけれども、こうした飲食の場をプロムナードを使って提供するということも考えられるんじゃないかと思うのですけれども、所見を伺いたいと思います。
○石原臨海開発部長 これまでも、東京マラソンに際しまして、このシンボルプロムナードの広場を活用して東京大マラソン祭りを実施しておりますが、物販や飲食ブースなどの店舗を設置し、多くの来訪者でにぎわっているところでございます。
開催されるイベントの規模等により、取り扱いは異なりますけれども、事例ごとに指定管理者と連携し、適切に対処してまいります。
○伊藤委員 神社仏閣の参道ではないので、毎日縁日をやった方がいいということではないのですけれども、ビッグサイトのイベントに合わせた形でプロムナードが使われたり、また、フジテレビ等のイベントなどに合わせて有効に活用されることを望みたいと思います。
最後に、公園の占用料について伺いたいと思います。
このプロムナードの占用料というか使用料は、一日当たり一平米三十一円と、非常に安い金額であるというふうに伺っています。通常の屋台でいえば、三平米もあれば出せると思いますので、そういう意味では、一日百円で屋台が出店できる程度の安さだと思います。
私は、多くの事業者の方々に参加してもらった方がいいと思いますので、余り高過ぎるというのもなんだとは思うのですけれども、しかし、あの地域の土地の利用価値を考えれば、占用料を少し見直して、上げていってもいいのではないかと思うのですけれども、東京都の所見を伺いたいと思います。
○石原臨海開発部長 海上公園を一時的に使用する土地占用料は、海上公園条例によりまして、一日一平方メートル当たり三十一円と定められております。これは、二十三区の固定資産評価額平均をもとに算出しているところでございます。
お話の占用料の設定につきましては、今後、イベントの実施状況等をかんがみながら検討してまいります。
○伊藤委員 臨海地域においては、本当にさまざまなイベントがメジロ押しに組まれています。せんだっては、東京モーターショーも臨海地域で行われましたし、コミックマーケットだったり、あとはアニメフェアであったり、さまざまなイベントが組まれている中で、このプロムナードは、税外収入を得る上で大変有益な土地だと私は思います。
そういう意味で、平成十九年度以来、二百万円ちょっとであった占用料の収入が、最近は七百万円になっているということで、多少上がってはいるんですけれども、あれだけ広大な土地でありますので、年間七百万円というのは、私は、まだまだ努力できる金額であって、これが上限だとは思いませんので、ぜひ頑張って臨海ホールディングスにも宣伝をしていただきたいと思います。
この宣伝の一つのポイントになっているのは、使用料は東京都に直接入ってきますけれども、管理をしている臨海ホールディングスには一円も入らない仕組みになっているということでもあります。これは、ここだけの問題ではないんですけれども、臨海ホールディングスにとっては、宣伝をしたり、ここを貸し出しても、収入という意味ではインセンティブの働かない仕組みになってしまっていますので、こうしたインセンティブのことも今後検討をぜひしていただければ、より多くの方々に周知されるのではないかと思いますので、その点は要望にさせていただいて、質疑を終わらせていただきます。
○大西委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後二時十三分散会
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