平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会速記録第四号

平成二十三年十一月二十一日(月曜日)
第四委員会室
   午後一時開議
 出席委員 二十三名
委員長こいそ 明君
副委員長岡田眞理子君
副委員長谷村 孝彦君
副委員長山田 忠昭君
理事石森たかゆき君
理事中谷 祐二君
理事山下ようこ君
理事橘  正剛君
理事小宮あんり君
山崎 一輝君
くりした善行君
斉藤やすひろ君
星 ひろ子君
島田 幸成君
高橋かずみ君
滝沢 景一君
かち佳代子君
大松あきら君
原田  大君
たぞえ民夫君
宇田川聡史君
吉田康一郎君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長中西  充君
都市整備局長飯尾  豊君
港湾局長中井 敬三君
交通局長野澤 美博君
水道局長増子  敦君
下水道局長松田 二郎君

本日の会議に付した事件
 平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について(意見開陳)
・平成二十二年度東京都病院会計決算
・平成二十二年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成二十二年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成二十二年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成二十二年度東京都港湾事業会計決算
・平成二十二年度東京都交通事業会計決算
・平成二十二年度東京都高速電車事業会計決算
・平成二十二年度東京都電気事業会計決算
・平成二十二年度東京都水道事業会計決算
・平成二十二年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成二十二年度東京都下水道事業会計決算

○こいそ委員長 ただいまから平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 これより決算の審査を行います。
 平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 本決算につきましては、いずれも質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○岡田委員 私は、都議会民主党を代表して、平成二十二年度公営企業会計決算の認定に当たり意見を申し上げます。
 まず、公営企業会計に共通する事項について申し上げます。
 公営企業は、独立採算制による企業経営の健全性が求められる一方で、公共的な役割を担うことから、民間企業では容易に参入できない、あるいは切り捨てられてしまうような不採算部門を抱えざるを得ないという側面もあわせ持っています。しかし、こうした中にあっても、なお、多様化する都民ニーズにこたえる質の高いサービスを維持しながら、経営基盤のさらなる強化に努められることを強く求めるものです。
 また、東京都幹部職員の再就職については、監理団体や報告団体だけでなく、公益法人や民間企業を含めて、退職時の役職、再就職先の企業、団体名、そしてその役職などを公表するとともに、これら関係企業、団体と交わす契約については、公正性、透明性について十分配慮することを求めるものです。
 以下、それぞれの会計について申し上げます。
 まず、病院会計について。
 一、バランススコアカードBSCを用いた取り組み等により、患者満足度、自己収支比率、病床利用率などの一層の改善に取り組み、経営改善と医療の質向上に努めること。
 一、平成二十二年度、約十一億八千万円にも上り、ふえ続けている個人未収金については、公的支援制度の活用による発生防止、悪質な未払い者に対する専門的回収ノウハウのある職員体制の充実により、縮減のための努力を行うこと。
 一、病院事業の中ではコストセンターともいえる本部業務の一層の効率化を推進し、経営改善に努めること。
 一、患者や職員のストレスを軽減するため、都立病院の緑化を一層推進すること。
 一、医師や看護職員の確保対策として、各種手当の増額、新設、育児短時間勤務制度の導入、院内保育室の拡充、医療クラークの導入、病院賠償責任保険の加入、二十四時間院内保育室の拡大、看護キャリアパスの充実、資格取得支援の拡大などを継続すること。
 一、清瀬小児病院移転の後医療については、多摩北部医療センターへの小児総合医療センターからの医師派遣の継続、常勤医師の確保などに、引き続き取り組むこと。
 一、都立病院の分娩料適正化に努めること。
 一、PFI事業については、事業の質を確保するため、医療環境の変化に対応しているかなどのマネジメントを都が行い、契約変更を含め、柔軟に対応すること。
 一、都立病院改革マスタープラン策定から十年を経過し、環境の変化や都民意識の変化を踏まえた総括を行い、医療機能の見直しや重点化、行政的医療の考え方の整理など、さまざまな課題に対応すること。
 一、外国人未収金対策について、保険証を提示せずに支払いをしない者について実態調査を行うこと。警視庁等関係機関と連携を強化する等、積極的に対策をとること。
 次に、中央卸売市場会計について。
 築地市場の移転問題は、移転予定地である豊洲の安全性が確認されず、関係者の合意も得られていない中にあって、豊洲への移転を強引に進めないこと。
 なお、今回の予算執行に当たっては、全局質疑の中でも述べましたように、十月二十二日の石原知事の移転決断の発言は、直後に、地元中央区から要望書が提出されたことや、水産仲卸の総代選挙の状況などからしても、大方の合意形成が極めて不十分な中で行われてきたものであると考えます。
 本来であれば、特別委員会の中間報告を踏まえ意向調査を行うなど、業界の大方の合意形成に向けて丁寧な対応がなされるべきでありましたが、東京ガスからの用地購入までに十分な時間がありながらも、こうした合意形成に向けた努力が全く行われない中での判断は、付帯決議の趣旨をないがしろにするものであったと申し上げておきます。
 次に、都市再開発事業会計について。
 都施行の北新宿地区、環状二号線新橋・虎ノ門地区、大橋地区の三地区の市街地再開発事業においては、ダイナミックな緑化の推進を図り、人にも環境にも配慮したまちづくりを進めること。
 次に、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計について。
 一、臨海副都心の土地処分については、総合特区の指定なども見据え、将来の良好なまちづくりという視点を踏まえて実施すること。また、土地の一時貸付や暫定利用に際しては、まちのにぎわいや会計収支上のメリットなどを踏まえ、柔軟な運用を図ること。
 一、臨海ホールディングスグループの契約情報の公開については、引き続き、透明性の向上に努めること。
 次に、交通事業会計及び高速電車事業会計及び電気事業会計について。
 一、都営地下鉄における安全・安心を確保するために、大江戸線への可動式ホームさくを整備すること。また、都営地下鉄における地下建造物の維持管理費の平準化に向けての取り組みを着実に進めること。さらに、地下鉄駅務を東京都交通協力会に委託する場合などにおいて、委託費用の水準の再確認をすること。
 一、バス事業においては、東京電力からの二十五億円の配当が今年度以降見込めなくなる中にあっても、運賃値上げなど、安易に都民に負担を転換することのないよう、着実に経営努力を進めること。
 一、災害時における都営地下鉄の浸水対策について、地下鉄トンネル内や出入り口の防水扉の拡充と電動遠隔操作化を初め、技術検証委員会で策定される基本方針への対応にとどまらず、国の被害想定の見直しを踏まえた抜本的な対策強化に取り組むこと。
 次に、水道事業会計及び工業用水道事業会計について。
 一、将来人口推計や関連する社会指標、経済指標など、最新データを用いて水需要予測を早急に見直し、八ッ場ダムへの必要性を検証するなど、これまでの水源確保のための施策を再検討すること。また、普及宣伝費の効果的な運用を図ること。
 一、水道の災害対策として、ゼロメートル地帯を含む低地帯にある水道施設が、二浄水場、八給水所等とある中にあって、技術検証委員会で策定される基本方針への対応にとどまらず、国の被害想定の見直しを踏まえた抜本的な対策強化に取り組むこと。
 一、多摩地区水道事業における事業委託に際しては、地域事情を考慮し、円滑な移行が行えるよう十分に配慮すること。あわせて、一元化に伴い東京都の監理団体が受注していると思われる公共事業については、民間への振り分けも含めて検討すること。
 最後に、下水道事業会計について。
 一、老朽化が著しい下水道管の再構築を計画的、効率的に実施するとともに、水再生センターやポンプ所を再構築する際は、省エネ化や雨水排除能力の向上を進めること。
 一、下水道の災害対策として、東京湾の満潮位以下にあるポンプ所が六カ所ある等の中にあって、技術検証委員会で策定される基本方針への対応にとどまらず、国の被害想定の見直しを踏まえた抜本的な対策強化に取り組むこと。
 一、豪雨などの浸水対策のため、特に浸水の危険性の高い二十地区の対策促進地区の施設整備を引き続き進めること。
 一、民間企業との共同研究について、人材育成によって、より一層力を入れることにより、東京都が培ってきた技術の継承や先進的な技術の開発をさらに進めること。
 一、下水道工事からの発生残土を受け入れる土づくりの里については、地元の意見、要望に十分配慮しながら、効率的な運営に努めること。
 以上で都議会民主党を代表いたしましての意見開陳を終わります。

○山崎委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、平成二十二年度公営企業会計決算について意見の開陳を行います。
 最初に、病院会計について申し上げます。
 病院運営を取り巻く厳しい情勢のもと、一般会計繰入対象経費の算定方法及び負担区分の一層の明確化に努めるとともに、収入の確保や経費の節減など、さらなる経営改善努力を行い、引き続き強固な経営基盤の構築に努められたい。
 また、三百六十五日二十四時間の安全・安心を実現し、安定的で良質な医療サービスを提供するため、次代を担う若手医師を育成、確保する、東京医師アカデミーの臨床研修の充実を図るとともに、医師の確保、定着に向けた取り組みを一層推進されたい。
 小児医療を初め、感染症医療、周産期医療などの高水準で専門性の高い行政的医療については、継続的に公的医療機関としての役割を十分に果たされたい。
 都立病院は、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害拠点病院として中心的な役割を果たせるよう、関係機関との連携を強化するとともに、災害対応能力の一層の向上に努められたい。
 次に、中央卸売市場会計についてですが、豊洲新市場の整備については、土壌汚染対策工事に万全を期し、建設工事を着実に進め、二十六年度中の開場を確実なものとされたい。
 移転に当たっては、市場業者一人一人の声に耳を傾け、効果的な支援策を講じていくとともに、豊洲も築地もブランドとして並び立つよう、地元区等と検討されたい。
 環境対策の取り組みとして、市場関係業者と協力して省エネに取り組むとともに、自然エネルギーの活用等に取り組まれたい。
 第九次卸売市場整備計画においても、第八次計画に続いて、卸売市場の機能強化への取り組みを着実に実施されたい。
 福島第一原発の事故に起因する風評被害等へ適切に対応するとともに、引き続き、卸売市場の使命である食の安全・安心を確保し、都民への安定的供給に努められたい。
 次に、都市再開発事業会計についてですが、北新宿地区市街地再開発事業については、新宿副都心にふさわしい土地の高度利用と都市基盤の強化を図り、生活環境の改善と防災性の向上を推進されたい。
 環状第二号線新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業については、都市の骨格を形成し環境軸として位置づけられている環状第二号線と、その周辺を含めた一体的なまちづくりとして、都市機能を再生し、魅力ある複合市街地を形成されたい。
 大橋地区市街地再開発事業については、首都高速道路中央環状新宿線大橋ジャンクションと一体的にまちづくりを進め、合理的かつ健全な土地の高度利用と都市機能の更新を図るとともに、事業に協力してきた権利者の生活再建に確実に取り組まれたい。
 次に、臨海地域開発事業会計について申し上げます。
 臨海副都心の開発は、東京の活力と創造力を生み出し、都民生活を支える新しいまちを創造する重要な事業で、臨海副都心のポテンシャルを生かし、MICE・国際観光機能の集積など、観光、交流のまちづくりを推進し、土地処分に全力を尽くしてまちづくりの総仕上げに取り組まれたい。
 具体的には、臨海副都心地域と都心部とを結ぶ環状第二号線など、広域幹線道路の整備を積極的に推進するとともに、都民の憩いの場である緑豊かな海上公園の適切な管理に取り組み、さらには、都心に近接した豊かな水辺環境を生かしたまちづくりを目指し、積極的に事業を進められたい。
 港湾事業会計については、東京港が首都圏四千万人の生活と産業活動を支える物流拠点として欠くことのできない重要な社会基盤施設であり、利用者ニーズに的確にこたえて施設を整備し、貨物誘致や事業運営の効率化を推進するなど、さらなる国際競争力の強化を図られたい。
 次に、交通事業会計についてですが、バス事業は平成二十二年度決算では経常利益を確保したが、経営環境が今後一段と厳しくなると予想され、経営資源を有効活用して、さらなる効率化に一層努力されたい。
 また、ドライブレコーダーの活用など安全対策の推進や、バス停施設、運行情報サービスの充実など利便性向上に努められたい。
 軌道事業は、安全対策やサービス向上に努めるとともに、経営の効率化に一層努力されたい。
 新交通事業は、早期経営安定化に向け、乗客誘致や関連事業の増収を図るとともに、監理団体を活用し、安全と経営効率化を両立されたい。
 また、車両や施設のバリアフリー化、省エネルギー化などに、引き続き取り組まれたい。
 次に、高速電車事業会計についてですが、経営は改善傾向だが、累積欠損金解消や長期債務縮減に向け、増客や関連事業の推進を含めた増収努力と、監理団体も活用した一層の効率化を図り、経営基盤を強化されたい。
 東日本大震災の教訓を踏まえ、地下鉄構造物の耐震補強や、実践的訓練、危機管理体制の充実など、関係機関と連携し、防災対策の強化に取り組まれたい。
 また、地下鉄全線の安全性をさらに強化するため、総合指令の構築を進めるとともに、大江戸線へのホームドアの設置を着実に進め、新宿線など他線の整備に向けても検討されたい。
 そして、高齢者など、だれでも地下鉄を快適に利用できるよう、内方線つき点字ブロックやエレベーター等の設置を進め、利用者サービスの向上と安全対策に取り組まれたい。
 さらに、地下鉄構造物の長寿命化に向けた取り組みを進め、予防保全の視点で管理されたい。
 電気事業会計は、経営環境の変化を踏まえて、効率的な経営に一層努力されたい。
 次に、水道事業会計についてですが、水道施設の再構築に当たっては、長期的な観点から、渇水や気候変動などのさまざまなリスクを十分考慮し、水道システム全体の安全度を踏まえ、将来の首都東京にふさわしい水道施設のあり方を検討されたい。
 新規水源開発については、国等に一層、促進を要望するとともに、水源県との協力関係を深め、関係自治体と連携して推進に努められたい。
 また、都民の貴重な水源地を守り続けるため、荒廃した民有林対策を進められたい。
 水道管路の耐震継ぎ手化緊急十カ年事業の推進、バックアップ機能の拡充や私道内給水管の整備など、災害、事故対策を強化されたい。
 安全でおいしい水プロジェクトで掲げた高度浄水処理の導入や直結給水の普及など、積極的に推進されたい。
 水道局及び監理団体による一体的事業運営体制の強化など、効率的で責任ある運営体制の構築に努められたい。
 多摩水道改革計画に基づき、市町域を越えた施設整備等を推進し、給水安定性の向上に努めるとともに、市や町との連携強化を図られたい。
 諸外国の水事情改善に貢献するとともに、日本経済の活性化のためにも、東京水道の持つ技術、ノウハウなどの強みを生かし、公民連携を図りながら積極的に国際貢献ビジネスに当たられたい。
 工業用水道事業会計については、安定給水及び施設の安全性を確保するとともに、効率的な事業運営を推進し、財政の安定化に努められたい。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 東京都下水道事業経営計画二〇一〇の達成に取り組み、都民サービスの一層の向上を図られたい。
 東京都豪雨対策基本方針などに基づき、浸水対策を推進されたい。
 高度防災都市づくりに向け、下水道施設の耐震化及び耐水性の強化を推進されたい。
 公共用水域の水質を改善し、快適な水辺環境を創出するため、合流式下水道の改善や高度処理を推進されたい。
 アースプラン二〇一〇に基づき、温室効果ガス排出量の削減に努められたい。
 下水汚泥の資源化、再生水の利用拡大など、資源の有効活用を進められたい。
 流域下水道事業は、市町村との協同を基本に、効率的、効果的に推進されたい。
 下水道ニーズのある諸外国の課題解決に寄与するなど、国際展開を積極的に推進されたい。
 より一層の経営効率化に取り組み、国費等の財源確保を図るなど、経営基盤の強化に努められたい。
 以上で各会計に対する意見を申し上げましたが、公営企業は都民の生活に密着し、欠かすことのできない事業であります。安全・安心はもとより、一層の経営改善と都民サービスの向上に努められることを要望して、私の意見開陳を終わります。

○斉藤委員 都議会公明党を代表して、平成二十二年度の公営企業会計決算について意見開陳を行います。
 初めに、共通事項について申し上げます。
 平成二十二年度決算十一会計の経常利益、経常損失の合計は一千三百五十億円の黒字で、前年度より黒字額が増加しており、一定の評価をするものです。一方で、累積損益は全会計合計で、累積欠損金が前年度の四百七億円から四百六十億円へと増加しています。
 公営企業事業は、公共の福祉を増進するために、社会経済状況の変化に的確に対応し、サービスの向上に絶えず取り組むことが必要です。同時に、経済性を発揮し、効率的、効果的な事業運営を行うことが求められます。引き続き、財務状況の改善に向けた各局のたゆまぬ努力を求めます。
 次に、各事業会計について申し述べます。
 初めに、病院会計について。
 一、都立病院は、感染症医療、救急医療、がん医療、周産期医療、難病医療などの行政医療を適正に都民に提供するとともに、都における医療の質的向上に努められたい。
 また、このような役割を果たしていくために、さらなる収益の確保や、省エネ対策、薬品等の共同購入の充実など、経営改善に向けた多様な努力を行い、安定した経営基盤を確立されたい。
 一、東京医師アカデミーにおいて、専門性の高い優秀な医師の育成、確保はもとより、指導医へのインセンティブ付与や女性医師が働きやすい勤務状況の改善などにより、総合的な医師確保対策を推進されたい。
 一、都立病院は、発災時における医療提供体制の確保に万全を期すとともに、一定期間が経過した後も継続的に医療を提供していくため、一層の体制強化に努められたい。
 一、PFIによる病院の整備、運営に当たっては、医療環境の変化に柔軟に対応していくとともに、病院と民間事業者とのパートナーシップや、モニタリング等を通じた業務履行状況のチェック体制をさらに強化し、医療サービスの一層の向上に努められたい。
 次に、中央卸売市場会計について。
 一、豊洲新市場については、市場業者に対して効果的な支援策を講じ、平成二十六年度中の開場に向け、丁寧に移転を推進していただきたい。
 一、全卸売市場の活性化のため、第九次卸売市場整備計画を策定し、施設の改修、整備に努められたい。
 一、小型特殊自動車の電動化を引き続き推進するとともに、必要な充電設備の整備を行うなど、環境負荷の低減に努められたい。
 一、市場業者の経営基盤強化に向けた支援や、先駆的な事業展開による経営の活性化の推進に努められたい。
 次に、都市再開発事業会計について。
 一、幹線道路とその周辺部の都市機能を再生し、生活環境の改善と防災性の向上を図るため、北新宿地区、環状第二号線新橋・虎ノ門地区及び大橋地区の市街地再開発事業を推進し、事業に協力してきた権利者の生活再建を最優先に取り組まれたい。
 次に、臨海地域開発事業会計について。
 一、臨海副都心の開発に当たっては、MICE振興や新たな観光資源の創出に取り組むとともに、環状第二号線などの広域幹線道路の整備など、平成二十七年度の概成に向け、一層の工夫に努められたい。また、臨海地域の土地処分を積極的に行い、効果的な開発を誘導されたい。
 一、有明北地区については、職住近接の新しい水際市街地の創造を目指して着実に事業を進められたい。
 次に、港湾事業会計については、東京港が今後もメーンポートとしての地位を維持していけるよう、京浜三港連携の中で事業運営の効率化に努め、利用者ニーズに的確にこたえる施設整備を行い、貨物誘致を推進されたい。
 次に、交通事業会計について。
 一、交通事業会計を取り巻く経営環境の変化を踏まえ、乗客誘致や広告料収入の確保など、増収対策を進めるとともに、経営の効率化をさらに推進し、一層の収支改善に努められたい。
 一、ドライブレコーダーを有効に活用するなど、安全対策をさらに充実されたい。
 一、都バス、都電の停留所等におけるきめ細かい運行情報や、携帯端末等を活用した新たな情報サービスの提供を図るとともに、上屋やベンチの設置など、利便性の向上に引き続き努められたい。
 一、すべての人々が利用しやすいハイブリッド・ノンステップバスの導入を進めるとともに、新しい低公害バスの実証運行など、開発に積極的に協力されたい。
 次に、高速電車事業会計について。
 一、利用者が安心して利用できる都営交通となるよう、監理団体も活用し、ハード、ソフト両面にわたる安全対策に引き続き万全を期されたい。
 一、大江戸線へのホームドア設置については、平成二十五年六月までの全駅設置完了に向けて整備を進められたい。
 一、地下鉄駅におけるバリアフリー化を推進し、いわゆるワンルート確保を早期に実現されたい。また、駅構内の小さなバリアの実態把握と解消に努めるとともに、誘導チャイム、音声案内触知図やサービス介助士の充実などを図られたい。
 一、企画乗車券の販売や、沿線の見どころなどを紹介する広報媒体物の発行など、効果的な乗客誘致に積極的に取り組まれたい。
 一、省エネルギー型照明器具を導入するなど、駅の環境対策を充実するとともに、公共交通の利用促進に寄与するICカードを活用したポイントサービスの利用者増加策に取り組まれたい。
 一、資産の有効活用に当たっては、中小規模の未利用地の活用や新たな広告媒体の開発などによる収入の確保と、障害者が働く店舗として駅構内を利用させるなど、公共の福祉の増進との両立を図られたい。
 次に、電気事業会計は、今後とも経営の健全化及び効率化になお一層努力されたい。
 次に、水道事業会計について。
 一、将来にわたる安定給水を確保するため、新規水源の開発促進を国等に対して引き続き強く要望するとともに、国庫補助金等の拡大導入に努力されたい。
 一、国に対して、水道水源の水質保全対策を強く要望されたい。また、水質監視体制に万全を期し、高度浄水施設の建設を着実に推進するとともに、都独自のおいしさの水質目標を達成するよう、浄水から給配水に至る総合的な施策を推進されたい。
 一、発災時に必要な水を確保できるよう、首都中枢機関等への供給ルートや、地盤の脆弱性が指摘される東部地域の耐震強化に取り組むなど、水道管路の耐震継ぎ手化緊急十カ年事業の推進に努められたい。さらに、各区市町や他事業体と連携した共同訓練の充実、被害状況等を迅速に把握する体制の整備など、危機管理対策に万全を期されたい。
 一、漏水防止対策、広報による節水意識の高揚、循環利用及び雨水利用の促進など節水諸施策を推進し、節水型都市づくりに努められたい。
 一、東京水道経営プラン二〇一〇に盛り込まれた、経営努力や監理団体との一体的事業運営体制の強化等、経営基盤の強化に努められたい。また、事業評価制度の活用などにより、都民への説明責任を果たし、より一層信頼される水道を目指した事業運営に努められたい。
 一、多摩地区水道事業の、より一層の水道サービスや給水安定性の向上と効率的な事業運営を図るため、多摩水道改革計画二〇一〇-二〇一四に基づき、事務委託解消の過程で顕在化してきた課題、広域的な施設整備などへの取り組みを積極的に推進されたい。
 一、自然エネルギーの有効活用や資源リサイクルに努めるほか、環境会計の公表など東京都水道局環境計画二〇一〇-二〇一二に掲げた総合的な環境施策を推進されたい。
 一、水の科学館を活用するなど、都民の理解を一層得ていくためのPRを実施されたい。また、非常時においても、広く都民に対して正確な情報を迅速に提供できるよう、情報伝達手段の多様化に努められたい。
 次に、工業用水道事業会計については、安定給水及び施設の安全性を確保するとともに、事業運営の効率化、財政の安定化に努められたい。
 最後に、下水道事業会計について。
 東京都下水道事業経営計画二〇一〇を着実に実行し、一層の都民サービスの向上と経営の効率化に努められたい。
 一、老朽化施設の再構築を計画的に推進しつつ、下水道管渠や水再生センター、ポンプ所の耐震化など、震災対策を着実に進められたい。
 一、東京都豪雨対策基本方針に基づき、ポンプ所、幹線管渠などの基幹施設を整備し、浸水対策を推進されたい。
 一、公共用水域の水質を改善するため、合流式下水道の改善及び高度処理施設の整備を推進されたい。
 一、アースプラン二〇一〇を着実に推進し、下水処理の過程で発生する温室効果ガス排出量の削減に努められたい。
 一、再生水の利用拡大や下水汚泥の資源化など、資源の有効活用を進められたい。
 一、多摩地域の流域関連公共下水道を実施する市町村との協同を基本に、流域下水道事業を効率的に進められたい。
 一、すぐれた技術やノウハウ等を活用して、国際展開に積極的に取り組まれたい。
 一、国費の確保や起債における公的資金の確保等、財政措置を国に強く要求するとともに、コストの縮減や資産の有効活用など、企業努力を一層促進し、経営基盤の強化に努められたい。
 以上で都議会公明党の意見開陳を終わります。

○かち委員 日本共産党都議団を代表して、二〇一〇年度公営企業会計決算に対して意見を述べます。
 昨年度は、経済悪化が進み、大企業による賃金抑制と雇用破壊、国の社会保障の切り捨てで、都民の暮らしと中小企業の経営はますます深刻なものとなっていました。
 都が発表した高齢者の生活実態調査でも、高齢世帯の三六%が、毎月あるいは時々赤字になると答え、社会保障の拡充を強く求めていました。また、都内中小企業の倒産の中で不況型倒産の割合は九割近くに増加し、東京の完全失業率は年平均で五・五%と、全国を上回りました。それだけに、東京都に求められていたことは、総力を挙げて、都民の暮らしと雇用、中小企業を守る手だてを尽くすことでした。
 また、東日本大震災、津波と東電福島第一原発事故は、多くの都民が都の震災対策や放射能汚染対策への不安を高め、各事業における防災対策が改めて問われることになりました。
 東京都の公営企業事業は、水や食の安全供給や、命を守る医療の確保、さらには都民生活を支える公共交通や都市インフラの整備など、多様な分野に及びます。これらの公営企業が設置された目的は公共の福祉を増進することでありますが、同時に、大震災時、都市型災害にも強いインフラ整備と、都民の安全を守るシステムと体制を確保することです。
 決算委員会の質疑を通して、上下水道の管の耐震化、補強のおくれ、都営地下鉄の東部低地帯での一部防水扉が手動で、機動性に大きな欠陥があることも明らかとなりました。また交通局の電気事業では、水力発電事業を、民間への譲渡を検討していたことも明らかとなりました。
 その一方で、効率的運営の名のもとに職員の削減や業務委託が引き続き継続され、水需要をはるかに超えている需給計画のもとで、八ッ場ダム建設など過大な投資のあり方も問われました。都の公営企業事業が、都民の願いにこたえ、安全・安心を最優先して都民生活を支える本来の責務にふさわしい役割を果たすことを求めて、以下、会計ごとの意見を述べます。
 まず、病院会計についてです。
 効率的病院経営の名のもとに三つの小児病院が統廃合され、府中に小児総合医療センターが開設されました。しかし、多摩地域での小児救急やNICU、障害医療についても、不足は否めません。抜本的に拡充すること。
 区部における児童精神科も不足しています。せめて旧梅ケ丘病院跡地の一部に、小児総合医療センターの分院として児童精神科医療機関を開設すること。
 都立病院で働くことに生きがいとやりがいが持てるよう、看護師の労働環境を改善し、実態に合った定数の見直しを行うこと。
 PFI手法による運営は中止し、見直すこと。
 都立病院の運営は直営を堅持し、独立行政法人化は行わないこと。
 次に、水道事業会計です。
 都の水需給計画は、いかなる角度から分析しても、過大であることは明らかです。水需給計画を見直すこと。
 ダム依存のあり方を見直し、八ッ場ダム建設は中止すること。同時に、関係住民の生活再建、地域振興を図ること。
 震度七を含む大地震の確率が高まる中で、インフラの耐震整備が急がれています。水道管の継ぎ手耐震化についてのおくれと、十カ年目標を達成しても、必要な継ぎ手管の四八%であることから、目標を引き上げスピードアップで耐震化率を高めること。
 水道事業での都民負担の軽減を図ること。とりわけ高齢者の老齢福祉年金受給者を減免対象とすること。
 生活困窮者に対し、料金徴収対策で給水停止をしないこと。
 安易な水ビジネスは行わないこと。
 次に、下水道事業会計です。
 下水道では、下水管の更新、耐震化がおくれています。同時に、福島原発事故による放射能汚染対策も求められています。
 液状化によるマンホールの浮き上がり防止対策や、下水管とマンホールの接続部の耐震化が急がれます。対象区とも連携し、早急に目標を達成すること。
 局地的豪雨による内水はんらんを防ぐため、貯留施設の整備など、豪雨対策を関係局とも連携し、強化すること。
 区部における下水汚泥の焼却灰・混練り灰の放射性物質の測定を行い、公表すること。
 汚泥焼却の排ガスにおける放射性物質の測定は、回数、捕捉量ともに大幅にふやして、測定、公表すること。
 下水道料金における介護施設などへの軽減措置を拡大すること。
 水再生センターにおいては、太陽光や小水力発電など、再生可能エネルギーの拡大を中小企業との連携で進めること。
 次に、高速電車及び交通事業会計、及び電気事業会計についてです。
 安心・安全な公共交通を進めるため、運営の民間委託をやめ、本来の都営交通の立場に立つことが求められています。保線や電車運行業務などを、コスト削減第一の一般競争入札などによる委託は行わないこと。
 津波による耐震対策を直ちに着手すること。
 都営バスの再編整備による路線廃止を行わないこと。
 都営地下鉄の駅務の民間委託を中止し、駅員の増員を図ること。
 地下鉄四線で、全駅へのホームさく整備を急ぐこと。
 本所吾妻橋駅の防水扉は電動式に改善し、津波を想定した対策、訓練を初め、浸水対策を抜本的に強化すること。
 多摩地域における三カ所の水力発電所の民間移譲は行わず、出力を増強すること。
 次に、臨海地域開発及び港湾事業会計についてです。
 国際戦略総合特区アジアヘッドクオーター特区指定による外国企業への税軽減や、都心部の司令部づくり構想は、破綻が明らかな臨海副都心への救済、大企業への便宜を図るものであり、中止すること。
 臨海地域の都有地は、都民本位の活用を図ることが急がれます。安易な土地処分は行わないこと。
 臨海副都心地域は、緑と環境など都民本位で新たな活用策をつくること。
 国際コンテナ戦略に基づく大深度バースなどへの過大な投資はやめること。
 日の出ふ頭などの老朽化施設の耐震改修を直ちに完了すること。
 次に、中央卸売市場会計です。
 築地市場の移転予定地は深刻な土壌汚染があるにもかかわらず、その調査にも対策工事にも欠陥があり、このままでは食の安全・安心が確保される保証はありません。
 豊洲新市場予定地への移転は行わないこと。
 都の土壌汚染対策について、意見の異なる専門家を含めた、汚染状況の全面的再調査、公開討論を行うこと。
 築地市場現在地再整備計画を早急につくるために、オール都庁体制で取り組むこと。
 築地市場内の全施設の耐震診断を完了させ、耐震改修が必要な施設、老朽化した施設を直ちに改修すること。
 最後に、都市再開発事業会計についてです。
 道路建設と一体で進める都施行の再開発事業は、環状第二号線新橋・虎ノ門地区、北新宿地区、大橋地区の三事業ですが、いずれも従前住民の多くが住み続けられない開発事業となっており、とりわけ大橋地区の一-一街区においては、特定建築者の公募において結果的に採算ラインを大きく下回り、その穴埋めをするために、都がみずからマンション販売に踏み出さざるを得ない状況となっています。しかもキャンセルのあった権利床を完売しても、不足を満たすには至りません。このような大きなリスクを免れない都施行による再開発のあり方を根本的に見直すことを強く求めて意見開陳といたします。
 以上です。

○星委員 私は、都議会生活者ネットワーク・みらいを代表して、本委員会に付託された平成二十二年度の公営企業会計決算について意見を申し上げます。
 都民一人一人の生活に密着したサービスを提供する公営企業にとって、三月十一日に発生した東日本大震災とそれに続く原発事故は、改めて、都民のライフラインを担っている責任の重大さを認識させるものでした。
 公営企業の多くが大量のエネルギー消費など環境に過大な負荷をかける事業を有することから、これまでも地球温暖化対策については率先して取り組んでまいりましたが、これからは、なお一層の省エネに取り組むとともに、災害時における対応を検証し、都民の安全と安定した生活を支える取り組みが重要です。
 また、独立採算を旨とした公営企業は、企業としての社会的貢献と公としての役割を精査し、効率的な事業運営に全力で取り組むとともに、事業者としての危機管理の徹底及び都民に向けた情報提供のあり方など、安全かつ良質な公共サービスの提供に不断に取り組むことを要望いたします。
 それでは、個別の会計について申し上げます。
 初めに、病院会計についてです。
 一、災害対策は、あらゆる角度から検証し、病院機能の維持、患者の安全確保に万全を期すよう計画を見直すこと。
 一、小児医療、児童精神医療は、本人及び家族への相談、情報提供などの支援体制の一層の充実を図ること。
 一、周産期医療や小児医療に取り組む医師や看護師などの人材養成と確保、定着に努め、救急医療体制を整備すること。
 一、地域の病院、診療所、助産所などとのネットワークづくりに積極的に参加すること。
 次に、中央卸売市場会計についてです。
 一、食品安全条例に基づき、安全な食品の管理と未然防止の観点から、食品危害対策マニュアルを十分に活用して、安全・品質管理者への研修を実施し、安全性に問題のある食品に関しては、市場に入れない、流通させないことを徹底して行うこと。
 一、放射能汚染に関する情報を積極的に公開、提供すること。
 一、生産・流通履歴トレーサビリティーシステムや産地表示を徹底すること。
 一、築地市場の移転については、食品の安全性を第一に、長期的視野に立って引き続き検討を行うこと。
 次に、交通事業会計及び高速電車事業会計についてです。
 一、すべての交通機関において、都民の利便性と安全確保のため、バリアフリー化を進めるとともに、外国人、障害者、旅行者にもわかりやすい案内表示を行うこと。
 一、災害時の対応マニュアルを徹底させ、非常時の実践的訓練を行うとともに、災害時の駅や車内での利用者への情報提供を綿密に行い、安全確保に努めること。
 一、節電対策を一過性のものとせず、可能な限りむだをなくし、省エネを推進すること。
 一、都営地下鉄においてホームドアなどの設置を促進するとともに、新宿線などにも拡充すること。
 一、施設整備は、ユニバーサルデザインへの転換を進めること。
 一、都営交通における女性職員の労働環境の整備を進めること。
 次に、水道事業会計についてです。
 一、過大な水需要予測は、実績と実態に合わせて、再度早急に見直しを行うこと。
 一、多摩地域の地下水源を保全し、水源水と位置づけること。
 一、都の独自水源の回復と保全に努め、適正、有効に利用して、ダム開発に頼らない水道事業の構築を図ること。
 一、小河内貯水池などの水質保全対策や、江戸川、荒川などの水質改善対策を強化し、安全でおいしい水を確保すること。
 一、学校や民間住宅における直結給水を推進すること。
 一、現在、工業用水のみを供給している玉川浄水場については、多摩川中流の環境基準B類型達成後の再開を目指した計画モデルを明らかにすること。
 最後に、下水道事業会計についてです。
 一、水環境の改善と水循環の促進の視点から、着実に合流改善を進めること。
 一、環境局と連携してオーバーフローの実態を調査し、対策を立てること。
 一、再生処理水や下水熱などの未利用エネルギーの有効活用を進め、汚泥資源は、都や都関連の公共施設、都が発注する公共事業などへの利用促進を働きかけること。
 一、下水道施設の耐震化を促進すること。
 一、下水汚泥に含まれる放射能の測定と結果の公表及び保管の安全管理を徹底すること。
 以上で意見開陳を終わります。

○こいそ委員長 以上で意見の開陳を終わります。
 なお、本決算を認定する際は、意見を付することといたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 異議なしと認め、そのように決定させていただきます。
 また、意見案文の取りまとめにつきましては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 異議なしと認め、そのように決定させていただきます。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十五分散会

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