平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第四号

平成二十三年十月二十八日(金曜日)
第一委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十一名
委員長岡田眞理子君
副委員長中谷 祐二君
副委員長橘  正剛君
副委員長小宮あんり君
くりした善行君
高橋かずみ君
滝沢 景一君
大松あきら君
たぞえ民夫君
宇田川聡史君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
中央卸売市場市場長中西  充君
管理部長塩見 清仁君
事業部長横山  宏君
新市場整備部長宮良  眞君
市場政策担当部長江藤  巧君
移転支援担当部長森本 博行君
新市場事業計画担当部長野口 毅水君
新市場事業推進担当部長志村 昌孝君
基盤整備担当部長加藤 直宣君
施設整備担当部長久保田浩二君

本日の会議に付した事件
平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について
中央卸売市場関係
・平成二十二年度東京都中央卸売市場会計決算(質疑)

○岡田委員長 ただいまから平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場関係の決算に対する質疑を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十二年度東京都中央卸売市場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○塩見管理部長 去る十月十七日の当分科会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます。
 平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料に基づきまして、ご説明申し上げます。
 一ページをお開きいただきたいと存じます。1、豊洲新市場関係事業費内訳(平成二十二年度決算)についてでございます。
 平成二十二年度決算における豊洲新市場関係の事業費につきまして、件名、金額等を区分ごとに表にまとめてございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○岡田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○くりした委員 私からは、平成二十二年度中央卸売市場会計決算に基づき、築地市場の移転に関連して質疑をさせていただきます。
 まず最初に、平成二十二年度決算中、築地市場の豊洲への移転のために執行された費用総額と、その使途についてお伺いをいたします。

○塩見管理部長 平成二十二年度予算の中で、築地市場の豊洲移転に関連して執行された事業費総額は一千百五十九億五千万円でございます。その用途は、四千二百万円が土壌汚染対策費、一千百四十四億八千七百万円が用地取得費、十四億二千百万円がその他関係経費でございます。

○くりした委員 この執行された予算、つまり築地市場の移転に関連をする費用をめぐっては、平成二十二年度中央卸売市場予算案の審議の中でも、数多くの議論が行われてきました。
 現状での豊洲移転に反対をする我々都議会民主党は、この市場移転に関する予算については認めることができない、しかし、予算否決によって都の機能を一時的にも麻痺させることは大きな問題である、だから、付帯決議である、現在地再整備の可能性について大方の事業者の合意形成に向けて検討して、一定期間内に検討結果をまとめるとする、そして、知事は議会における検討結果を尊重すること、つまり、現在地再整備について本格的な検討をスタートさせる、そして、予算中の豊洲の土地購入費用については凍結をするという、そういった条件のもとに予算に賛成をしてきました。
 にもかかわらず、石原知事は、現在地再整備の議論から逃げるように、十月二十二日の記者会見において移転関連予算を執行すると述べ、その後に、今ご答弁をいただいた費用が執行されたわけでありますけれども、なぜこのような決定を東京都として下したのか、お伺いをいたします。

○塩見管理部長 平成二十二年度予算に付されました付帯決議でございますが、その第一項の現在地再整備の可能性の検討につきましては、二十七回に及ぶ築地市場の移転・再整備に関する特別委員会及び同小委員会で審議され、私ども執行機関としても、知事本局に検討チームを設けるとともに、当局におきましても、議会での検討に鋭意対応してまいりました。
 その成果といたしまして、昨年、第三回定例会の最終日に特別委員会の報告書が提出されたわけでありますが、知事は、現在地再整備は、仮にすべてが順調に進んでも十数年かかること、その前提となる晴海への仮移転が二重投資となることなど、その報告書の内容を踏まえ、さらに、二十五年以上にわたるこの問題に関する経緯、都民生活への影響なども考慮して、昭和からの宿題に区切りをつけるということで、昨年十月に豊洲移転を決める決断をいたしました。私どもとしては、これに基づき、豊洲新市場予定地の用地取得に係る予算を執行したものでございます。
 今後とも、豊洲新市場の整備に当たっては、付帯決議の趣旨を十分尊重して進めてまいりますが、その他の付帯決議の事項につきましても、具体には、土壌汚染対策は、専門家会議、技術会議の提言に基づく対策を確実に実施することで市場用地としての安全性を確保するとともに、工事現場見学会の開催や汚染物質処理結果をホームページに掲載するなど積極的な情報公開を行うことで、新市場予定地の安全性について、都民や市場業者の一層の理解が得られるよう、今後とも努めてまいります。
 さらに、移転を具体的に進めていくには、市場業者が個別に抱える課題や不安に対して丁寧に耳を傾け、安心して移転できる環境を整備することが何より重要でありますことから、現在実施中の個別面談などを通じて、市場業者の一人一人の意見、要望の把握に努め、それらを踏まえた具体的な支援策を取りまとめていくつもりでございます。
 こうした取り組みを通じまして、新市場整備に対する一人でも多くの市場業者の理解が得られるよう、引き続き努力いたしてまいります。
 都といたしましては、これまで申し上げましたように、こうした取り組みを通して、付帯決議の精神にのっとり、丁寧な移転を進めてまいる所存でございます。

○くりした委員 極めてご丁寧な答弁をいただいて、ちょっと逆に趣旨がわかりづらくなっちゃったかなというふうに思いますね。私がいっているのは、やはり議会での検討のその結論というのは、まだまだ出ていなかった、それに対して知事が勝手に進めたというので、これは事実であるというふうに思っております。
 今回の決算委員会の最初にいただいたこちらの資料に、もっと簡潔にこちらに載っていましたので、読ませていただきますと、この付帯決議に対して、業界六団体のうち、水産仲卸組合を除く五団体は移転を強く望んでおり、議会における現在地再整備に関する検討の結論が先送りされたことを受け、平成二十六年度の新市場開場を求める要望書を提出するなど、一致団結して豊洲新市場の一日も早い実現を求めている、これまで東京都は、業界の意向を十分しんしゃくし、豊洲新市場の整備を進めてきており、既に大方の合意形成が図られているものと考えていると。
 つまり、今のを要約すると、都としては、都議会の結論を本当は見守りたいんですけれども、業界団体を初めとする市場関係者が早期の決断を非常に強く望んでいるから、仕方なく都としては決断をしたんだと、私はそういう解釈だというふうに思っております。
 この市場関係者は合意をしているんだ、豊洲への市場移転を希望しているんだということですけれども、現在地再整備が、豊洲以外への移転が不可能である、現在地再整備ができない、都が再三そのように情報発信をした前提のもとに、これは積み上げられてきたものだというふうに私は感じております。東京都は、築地市場の現在地再整備は絶対に不可能なんだ、そして、移転先は豊洲しかないんだと、そういった情報操作とも思えるような露骨なすり込みを展開をしてきました。
 そして、私がなぜそんなことをいっているかというと、これ、「築地市場の移転整備」という、(資料を示す)東京都のホームページからダウンロードできる資料でございますけれども、こちらの三ページに、見てみると、大きく、現在地での再整備はできませんと書いてあるんです。現実的に再整備工事を進めることは不可能であり、早急に移転整備を実現させる必要がありますと。その次のページには、ご丁寧に、移転先は豊洲しかありません、このように書いてあるんです。
 これは、こういった資料において、豊洲市場に移ると、こんないいことがありますよと、ここまでならわかるんですけれども、まるで豊洲に早く行ってもらわないと困るんだと、そういわんばかりの思いを、私はこれを読んでいると、ひしひしと感じてしまうんですね。
 しかし、実際に現在地再整備がもし可能であるのであれば、それにこしたことはない、築地で商売を続けたいんだ、昔からやっている商売を続けたいんだと、そう思われている市場関係者の方々がいまだにたくさんおられることは、実際に市場に行っていただければ、これは紛れもない事実だということがわかるというふうに思います。
 我々都議会民主党は、移転・再整備に関する特別委員会の中で現在地再整備の具体案四案を示して、移転推進の会派も、現在地再整備は技術的には実現可能であるということを認めてきました。ここに書いてある現在地再整備が不可能なんだと、そういった前提が崩れ去った今においては、もう一度立ちどまって、この現在地再整備の、潜在的に希望する市場利用者や、あるいは市場で商売をされる方々、都民のために、その可能性について真摯に検討を行うことは当然であるというふうに思います。
 そして、先ほど、東京都から、豊洲移転でなければだめなんだと、こういうかなり偏った見方で情報発信がなされていたのではないかといった点について指摘をしてまいりましたけれども、本当に公平公正な情報発信がなされていたのか、それができる環境にあったのかどうか。私は、築地市場に行って、実際、市場の方々のお話を聞いていると、ちょっとそれについて疑問を持たざるを得ないような現状を目の当たりにしてまいりました。ここからは、その一端についてご質問をさせていただきたいと思います。
 これは、また別の東京都の示しているホームページ、(資料を示す)これ、プリントアウトしたものになりますけれども、こちらの「新市場Q&A なるほど納得! 築地市場移転」の中にありますけれども、市場業者は豊洲移転についてどう考えているのですかと。ここに書いてあるのをそのまま読ませていただきますと、築地市場の市場関係者は、それぞれ業界ごとに団体を組織しており、大きく分けると六団体あって、そのうち五団体が豊洲移転で合意をしている、残る一団体も移転についての話し合いをしている、ここ数年、業界団体からは豊洲移転推進の要望書が繰り返し提出をされており、平成二十二年十月に出された要望書では、これ以上の遅滞は経営体力からも限界である、移転は、民主的な手続で合意形成を図り、業界の意見として取りまとめたこと、速やかに新市場に着手し、予算執行を強く求めると、そういうふうに書かれております。
 つまりは、市場関係者の合意として--東京都がいっているのは、この六団体。築地市場で仕事をされている方々が所属している団体は三十ぐらいありますけれども、それらをまとめる六つの上位団体、これらを指しているのかと思われます。
 東京都が市場関係者の代表であるとするこの六団体、お名前を挙げさせていただきますと、東京都水産物卸売業者協会、東京魚市場卸協同組合、東京魚市場買参協同組合、東京都中央卸売市場買出人団体連合会、築地市場青果連合事業協会、そして築地市場関連事業者等協議会、これらの市場関係団体においては、団体加盟業者のためにどういった市場であるべきなのか、ニュートラルな情報のもとに、あらゆる可能性について自由濶達な意見が行われて、そしてコンセンサスが得られるというのが必要であるというふうに思いますけれども、それを行う上で一つの阻害要因となり得るんじゃないか、こういった事象が存在をいたします。
 今申し上げた市場関連団体は、それぞれ異なるプロセスで関係業者の総意を、コンセンサスをつくり上げてきたわけでありますけれども、すべての団体において共通をしているのが、会長あるいは理事といった役員が存在をする。現地では内閣というふうに俗に呼ばれているようでありますけれども、それらの方々が最も多くの情報を得て、そして、どういった経緯で議論を進めていくか、こういった決定を下す。つまり、団体の脳みそのような役割を担っているんだと、そういうことでありますけれども、しかし、その団体の中においても、都職員の再就職、俗に天下りというふうにいわれていますけれども、こういったことが当たり前のように行われているという実態が、このたびの調査において明らかとなってまいりました。
 まず、この六団体における都OBの再就職状況についてお伺いをいたします。

○塩見管理部長 今のお答えの前に、いわゆる現在地再整備の案を築地の現場の方がかなり支持されているようなお話もありましたが、確かに、まだ反対されている方は、特に仲卸を中心にいらっしゃるわけでありますが、その方々にも、私ども丁寧にご説明していますし、いわゆる東卸と呼ばれる東京魚市場卸協同組合が、機関として、民主党さんの提案したいわゆるA-2案を中心とする現在地再整備案を受け入れたという事実もございませんので、その辺は誤解のないようにお願いしたいと思っております。
 今のご質問で、六団体は、先生おっしゃったとおりの六団体でありまして、そのうち東京都の職員の再就職状況ですが、昨年十月現在で、東京都水産物卸売業者協会に部長級が一名、築地市場青果連合事業協会に部長級一名、築地市場関連事業者等協議会に局長級一名及び課長級一名が、OBとしてそれぞれ在籍しております。

○くりした委員 またご丁寧な答弁をいただきましたけれども、確かにおっしゃるところも一理ありますけれども、やはり私も、自分の勝手な思いを述べているわけではありません。実際に市場に行って、市場の方々が、都は確かに自分では丁寧な説明をしているといっているけれども、例えば相談窓口を設けたというふうにいっているけれども、そういったところに相談をしても、なかなか具体的な答えが返ってこないんだと、そういうふうな対応について不満を持っておられる方々もたくさんいらっしゃるんです。だから、私はそのように申し上げているわけですけれども、質問には、ちょっと簡潔に答えていただきたいというふうに思います。
 先ほどお示しをいただきました、平成二十二年の十月、五団体からの要望書が送られていた時点で、賛成をしている五つの団体のうち三つの団体、つまり六割の団体で元都職員の方々がおられました。
 築地市場の移転については、長期間にわたって議論がされている問題でございますので、これ以外の時点についても、今回は時間切れだというふうに、事前に時間がないというふうにお知らせをいただきましたけれども、今後も調査をして、そしてご報告をいただきたいというふうに思います。
 そして、繰り返しになりますが、四人の方々が再就職をされていた。次は、こういった方々がどういう役目についていたのか、そういった点でございますけれども、市場の方々によれば、専務理事というポストについていることが多いんじゃないか、そういうふうなお話だったんですけれども、先ほどお答えをいただいた四人の都OBの方で、専務理事という役職についておられるのは何名いらっしゃるのでしょうか、お伺いをいたします。

○塩見管理部長 築地市場関連六団体の専務理事となっている者は三名でございます。

○くりした委員 三名の都のOBの方が専務理事として就任をされている。そして、この専務理事というのが、各団体においてどういったポジションに当たるかということなんですけれども、各団体において、これは特別な、非常に重要なポジションだというふうにも聞いておりますけれども、六団体において、この専務理事というポストがそれぞれ幾つあるのか、お伺いをしたいと思います。

○塩見管理部長 私ども元東京都職員が在職しております三団体においては、専務理事のポストはそれぞれ一あると聞いております。

○くりした委員 ご答弁をいただきましたけれども、それぞれの団体において一つしかない、そういったポストであるというふうなことですね。その他の役員の方々は、これは前にも委員会でご答弁をいただいたようですけれども、例えば、水産会社の社長さんであったり、あるいは青果会社の社長さんであったり、そういった方々がこれらの役員の役職についていると。しかし、この専務理事については、給料をもらってやっていると。つまり、ほかの方々が兼業でやっているのに比べて、専業でやっておられるわけですから、当然その影響力も相対的に強くなってくるんじゃないかと、そういったお話も伺ってまいりました。
 そしてまた、驚くべきことに、都OBとして、以前働かれていた方が、この賛成をしている五団体のうちの会長として就任をされているということもお聞きをしてまいりましたが、これは事実でしょうか。お伺いをいたします。

○塩見管理部長 築地市場関連六団体の会長となっている者は一人でございます。

○くりした委員 これ、私も調べるに至って驚いたんですけれども、この方については、築地市場に関する特別委員会においても、参考人として都議会に来て発言をされている、賛成の旨発言をされていると。また、先ほどの平成二十二年に提出をされた移転要望書の中にも名を連ねられているということですけれども、これは事実でしょうか。お伺いをいたします。

○塩見管理部長 事実でございます。

○くりした委員 事実であると平然とおっしゃいましたけれども、私は、これは世の中から見たら、なかなか、疑念を持たれることだというふうに思いますよ。局長まで上った方なんですから、当然、全庁的に強い人間的なつながりがあると考えるのが自然なところで、そういった方が会長という役職についたら、これは、移転要望書を書いても、あるいは特別委員会でも発言をしているわけですから、恣意的な判断をされるおそれがあると、都民の方から見てもそう思われるのは無理のないことじゃないかと思います。
 さらに、こちらの団体の会長については、この方の前任者の方も都のOBであったというふうに聞いておりますが、事実なんでしょうか。お伺いをいたします。

○塩見管理部長 今のご質問は事実でございますが、この方がいらっしゃるのは関連事業者等協議会でございまして、その関連事業者等協議会というのは、その下にいろんな協会がございます。それを束ねるような形で役職についておられますので、先生の今いったご指摘がストレートに当たるとは、私どもは考えてございません。

○くりした委員 私は外れていないというふうに思っております。やはり自分の名前を使って要望書も書いているわけですから、こういった方が影響を与えていないということは絶対にいえないわけでございます。
 先ほどのホームページでもありましたよね、これ。市場関係者の団体として、この五団体を扱っていると。そういった方の代表に、都OBの方が連続をして就任している、こういったことを知ってしまうと、もう先ほどのホームページの、この合意が得られているというところも、ちょっと違った見え方をしてくるのじゃないですかね。
 続けさせていただきますけれども、そのほかにもお伺いをしていますけれども、市場関係者向けの説明会において、豊洲移転のメリットについて、こういった熱心に説明をされていた職員の方が、業者さんたちの間で、知らない間に団体の役員になっていたと、そういったエピソードについてもお伺いをしてきました。
 それで、先ほどお答えをいただいた四人の都OBの中で、管理職として中央卸売市場を担当していた職員の方が、団体役員として就任をしていた例があったのかどうか、お伺いをさせていただきます。

○塩見管理部長 今のご質問ですけれども、三人の者が管理職として在籍したことがございますけれども、再就職は、あくまでも業界団体とその当該の個人の間でなされたものでございまして、その個々の都のOB職員が、団体の一職員として、その当該団体の職務に従事しているということでございます。
 私どもが、このOBの人たちの就職に際して関与しているわけではございませんので、その都のOB職員の再就職という問題が、移転問題に何らかの影響を与えているという事実は全くございません。

○くりした委員 全くございませんと、そう力強くおっしゃるわけですけれども、逆に、全くなかった、関与がなかったと、そういった証拠も全くないわけでございます。
 人間的なつながりというのは、これは書類とかには出てくるものではございませんので、証明はもちろん難しいですけれども、当然、自分のいた団体に対して有利になるように人間の気持ちが動いてしまうというのは、これは私は人間として自然なことだというふうに思いますね。
 で、豊洲移転を推進する中央卸売市場の担当の方が、団体役員として、先ほどお話に上った専務理事として就任をされている。実際に団体役員になってからも、実際に私は、市場の関係者の、市場で働く方にお聞きをしましたけれども、やはり市場は豊洲に移転しなければだめなんだ、市場はどうせ豊洲に行くんだから、早く要望を出してそれを通した方がいいと、そういったメッセージを発信していたり、あるいは、そういった市場移転に不満を持たれている方がいると、それが情報としてどんどん広まってしまう、そういったこともあるというふうに、市場関係者の方から、きょうお聞きをしてきました。
 今、いろんな角度からご質問させていただいたわけでありますけれども、私は結論として、都OBの方が、市場団体の決定に影響を及ぼし得る状態にあったんじゃないかと。そしてこれらは、市場業者の総意を酌み取っていく、本当に市場が移転、豊洲に行くべきなのか、あるいは現在地再整備も含めて検討すべきなのか、そういったところを議論していく上で、意見を酌み取っていく上で、本来の趣旨からすると、私は決して望ましい環境ではなかったんじゃないかなというふうに思います。
 私は、先日、青果のある仲卸業者の方を訪ねて、近況についてお伺いをしてまいりました。今、青果の仲卸の間では、新たな市場移転に対しての動きがあるそうでございますけれども、これは何かというと、実は、ある事情で役員の方が一部交代をされたということがあった、そして、新しく役員になった方が、実は、なかなか知り得なかった情報がたくさん出てきた、それらの一部が、やはり自分たちの商売にとって非常に不利益をこうむってしまうものなんじゃないか、そういったことが新たになって、市場移転に反対をする方々がふえてきていると、そういう話を伺ったんです。
 その情報とは何かというふうに私お聞きしたところ、これは、水産と青果の街区が分かれていると。本当にこれ、新市場としては基本的なところでありました。こういった基本的な情報も伝わっていない中で、こういった関係団体のトップが判こをついたからコンセンサスがとれているんだと、こういった形で都が声高に主張してしまうのは、私は、市場関係団体の方々すべてにとって、市場関係者の方々すべてにとって、いい市場をつくっていくためには、もうちょっと注意が必要なんじゃないかなと、このように思っています。
 彼らからすると、市場関係者の方々の言葉をかりると、いまだに行き先の賃料も決まっていない、どれぐらいの土地をあてがわれるかも決まっていない、どこをあてがわれるかも決まっていない、そういったところに、しかし、引っ越せということだけは決めてくれというふうにいわれている。彼らの言葉をかりましたけれども、まさにそのとおりだというふうに思いますよ。
 私は、こういった状況の中で強引に移転計画を進めていくのは、やはり先ほど申し上げましたとおり、結果として、都で働く市場の方々にとって、いい仕事ができる市場にはならないというふうに思います。
 そして、これは、きょうわかったことでございますけれども、きょう、豊洲新市場土壌汚染対策工事安全祈願式というのがハイアットリージェンシーの方でございましたね、午前中に。これも、きょう私、初めて知ったんですけれども、こちらの方には、先ほどおっしゃったような六団体の代表の方がいらっしゃっています。東京都の方からは、どなたが出席されたのでしょうか、お伺いをいたします。

○塩見管理部長 豊洲新市場土壌汚染対策工事の安全祈願式の主催は、工事請負者である三つの建設共同企業体、JVによる豊洲新市場土壌汚染対策工事安全衛生協議会でございますが、私ども施行業者である東京都からは、中央卸売市場長のほか、私ども部長級の者が出席をいたしました。
 また、築地市場業界からは、今、先生もご指摘ありましたように、新市場建設推進協議会の会長である伊藤裕康東京都水産物卸売業者協会会長を初め、現在までのところ、機関として本協議会には加入しておりません東京魚市場卸協同組合の山崎治雄理事長を含め、築地市場関連六団体のすべての代表が出席してございます。

○くりした委員 私が何をこれをもって申し上げたかったかというと、例えば、これらの団体の代表の方々が、先ほどの元都で働いていたような方々がこちらの方に来られたとする。そして、都職員の方々と顔を合わせるわけですよ。そうしたら、やっぱり昔働いていた同僚の方と一緒になったら、これは人間的に気持ちが動いても、私は、むしろ自然なことだというふうに思いますよ。
 だから、例えばIOCの委員とかもそうでありますけれども、本当に第三者的な決定を下さなければいけない方々というのは、決定に関係する方々との接触も制限をされるということも、これは国際的には普通であります。それが接触どころか、その仲間があちらの方にそのまま入ってしまっているというのは、私はやはり、都民の方からすると、疑念を持たれても仕方がないというふうに思います。だから、こういったことについては、僕は、思い切って都の方から、再就職について制限をしてもいいくらいじゃないかというふうに思いますよ。
 何が何でも豊洲でなければいけない、そういった結論ありきの市場移転は、東京都については確かにやりやすいかもしれませんけれども、しかし、先ほどもいいましたが、市場関係者の方々からすると、私は、こういう不幸な結果しか生まないような気がいたします。
 だから、冒頭申し上げましたとおり、私どもは、提案をした現在地再整備案についても、フェアに、こういった団体の方々にも情報を通して、そして自由濶達な議論をして、本当に市場で働く方々すべてにとって、どういった市場がすばらしいのかということを、もう一度、柔軟に検討をいただく、そういった方針に立ち返っていただくということを最後にお願いをいたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
   〔塩見管理部長発言を求む〕
〔くりした委員「質問していませんよ」と呼ぶ〕

○塩見管理部長 今、いわゆる反対の多い、通称、東卸の役員の方にも、今回、まさに民主党さんがつくりましたそのA-2案を含めた現在地再整備案を丁寧に、また説明をされているというふうにも聞いておりますし、私どもとしましては、今後も丁寧な、移転を進めるべく努力していくつもりでございます。
 あと、先生がおっしゃるような話なんですが、市場業界というのは、それぞれその商売をやっているトップの方がついておりまして、私どものOBがその人たちの意思決定を左右するなんていうことは、おおよそあり得ないというのが全くの現状でございまして、しかも、そういった個々の人たちは、私どもが関与していない中で就職をしているということでありますので、そういった先生のおっしゃるような実態が、あたかも私どもが豊洲移転を誘導しているというようなことは、あり得ないと考えております。その点はどうぞご理解いただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○くりした委員 今、私、答えを求めていなかったんですけれども、お答えをいただきましたけれども、先ほど申し上げたとおり、決して関係はないんだと、そのようにおっしゃいますけれども、これを証明することもまたできないわけです。人間的なつながりというのは、これはすべて監視をすることは不可能なわけですから、先ほど申し上げたとおり、例えばJOCの委員の方々が接触を禁じられているとおり、そういったことについては疑わしいことをしない、これが当然、そういった考え方になるというふうに、私はその主張をさせていただいたということでございます。
 山崎会長の方にも、反対をされている東卸さんの方にも、そういった現在地再整備案を含めて説明をされているという、そういった姿勢については、私はすばらしいというふうに思っておりますし、ただし、市場関係者の方々の声をさまざまに聞いてみますと、やはり豊洲じゃなきゃ無理だよねと、そういうふうな情報発信の方が非常に強いというふうに私は感じております。
 きょう、さまざま申し上げてまいりましたけれども、今回の決算については、そもそも執行について私どもは望んでいなかったんだと、そういう姿勢でございますから、それについて、東京都が一つの根拠としている市場関係団体の支持、これが本当に我々の信頼に足るものなのか、都民から見て信頼に足るものなのか、そういった視点から質疑をさせていただきました。
 以上で質疑を終わらせていただきます。

○小宮委員 中央卸売市場を取り巻く環境は、時代の流れとともに変化をしています。昨日の新聞紙上には、二〇一〇年の国勢調査の結果、日本人の人口が一億二千五百三十五万人となりまして、これは一九七〇年以降、日本人と外国人を分けて統計をとり始めて以降、初めて減少に転じたということが取り上げられてもおりました。本格的な人口減少社会になったということが調査でも裏づけられております。
 そんな中、昨今の少子高齢化、また共働きや単身世帯の増加というのは、冷凍食品ですとか、またレトルト食品などの食生活の簡便化、あるいはファミリーレストランなどの外食化につながっているんだと思います。私もそうなんですが、ひとり暮らしをする者にとっては、深夜のコンビニなどで、卵一個ですとか、納豆一パックといった買い方をすることが多くて、まちの小売店でゆっくりと買い物をする機会がなかなか少ないものです。
 また最近では、インターネットの直販の増加ですとか、地域の直売所がにぎわうなど、販売の機会というものが多様化をしているといった販売形態の変化もあります。
 平成元年から二十年の間で、卸売市場の経由率は、青果物で八三%から六三%へ、また、水産物で七五%から五八%へと大きく減少をしています。
 そんな状況の中で、卸売市場と消費者との間には、そもそも直接の販売でないという状態からも、消費者へのニーズに対する関心が薄く、時代の変化に対応がおくれがちであると思います。
 そうした昨今の卸売市場が抱える構造的な課題について、今後、少量多品種への対応など、時代に即した課題を都はどのようにとらえているのか、まず確認をしておきたいと思います。

○江藤市場政策担当部長 卸売市場を取り巻く環境は、副委員長のご指摘のような少子高齢化の進展、共働き、単身世帯の増加などに伴う消費形態の変化、専門小売店の減少と大型量販店やコンビニエンスストアの増加などの販売業態の変化、さらに、輸入農産物やその加工品の増加などによる食品流通チャンネルの多元化など、社会環境の変化に伴い、大きく変化しております。これらの構造的な要因が複合的に重なり合った結果、ご指摘のとおり、卸売市場経由率は長期的に低下基調にございます。
 こうした状況の中にあっても、卸売市場は、都民への生鮮食料品の供給という公共的な役割を担っており、また、国産の青果物について見れば、その卸売市場経由率は依然として約九〇%を占めているなど、卸売市場の果たす役割は大きく、またその責任も非常に重いものでございます。
 ご指摘の少量多品種への対応を含みます消費者や実需者の多様なニーズにこたえていくことは、卸売市場が今後もその役割を果たしていく上で非常に重要であると考えており、第九次整備計画におきましても、引き続き、こうした視点に立ち、必要な機能強化を図ってまいる所存でございます。

○小宮委員 それでは、平成二十二年度の中央卸売市場の決算について確認してまいりたいと思います。
 卸売市場は、生鮮食料品の供給を通じて、都民の多様で豊かな食生活を下支えするという重要な役割を果たしています。築地や大田といった基幹的な市場はもちろんのことですが、その他の多くの市場が、東京の守るべき財産である商店街のにぎわいには欠かせないまちの八百屋さんにとって、すぐ買い出しに行くことができるという、そういう身近な存在であることからも、よくわかります。
 都は、東京都における十一の中央卸売市場を初めとする卸売市場について、東京都卸売市場整備計画を策定しています。これは、各市場の施設についてどのような整備を行っていくかを示し、同時に、整備を通じて、いわば卸売市場のあるべき姿、また方向性を示すものであります。
 平成二十二年度は、第八次整備計画の最終年度であります。私は、計画の総仕上げの年度であるこの二十二年度決算において、まず、どのような施設の整備がなされたかを確認したいと思います。第八次整備計画に基づく施設整備に関する二十二年度決算の内容について、主にどのような事業を行ったか伺います。

○江藤市場政策担当部長 第八次整備計画におきましては、近年の流通環境の変化や食の安全・安心への関心の高まりなど、社会経済状況の変化に対応した施設整備を図ることを目的として、品質管理の高度化及び衛生対策の強化や、物流効率化の推進、環境対策の徹底等に積極的に取り組んでまいりました。
 その結果、低温卸売り場が整備され、取扱数量が増加した葛西市場の例のように、市場における品質管理の高度化などの市場の機能強化を果たせたと考えております。
 計画の最終年次の平成二十二年度におきましては、食肉市場について、老朽化し、衛生対策が必要となった仲卸店舗や冷蔵庫を全面改修するため、市場棟衛生対策工事として六億七千三百万円、淀橋市場について、狭隘な市場の効率的な活用を図るためのリニューアル事業として七千六百万円を執行したほか、大田市場におきましては、物流機能の高度化、効率化のため、市場関係業者による北口立体荷さばき場の整備が行われました。

○小宮委員 答弁からもわかるように、第八次整備計画に基づくこれらの事業は、例えば、淀橋市場リニューアル工事に代表される場内における物流の改善、あるいは、食肉市場市場棟衛生対策工事のような卸売市場における食の安全・安心にこたえるための衛生管理など、卸売市場が今後もその役割を果たしていくための機能強化を実現するためのものであります。こうした機能を、十一の市場がそれぞれの特徴を踏まえながら整備していくことが重要であると考えます。
 そこで、現在策定中と伺っております第九次整備計画はどのような考え方に基づいて策定をされるのか伺います。

○江藤市場政策担当部長 東京都卸売市場審議会から本年五月に答申された第九次東京都卸売市場整備基本方針では、卸売市場を取り巻く環境が厳しさを増している中、卸売市場が果たしている公共的な役割について整理を行い、都民の安定した食生活を実現する上で、卸売市場が担う責任は重く、都は今後も着実に卸売市場を運営していく必要があるとしております。
 本答申は、副委員長のご指摘の卸売市場を取り巻く構造的な課題を踏まえ、卸売市場の今後の方向性について提言されたものでございます。
 こうした基本的認識のもとに、第一に、都民の食の安全・安心への期待にこたえること、第二に、生産者、実需者の多様なニーズにこたえること、第三に、市場の活性化を図ること、そして第四に、財政基盤を強化することという、整備に当たっての四つの方針が示されており、都といたしましては、これらを踏まえた卸売市場の適切な整備を通じて取扱数量の回復等を図っていくこともできるよう、現在、計画を策定しているところでございます。

○小宮委員 第八次計画に続いて、第九次計画においても、卸売市場における機能強化に努めていくという方針だと受け取りました。
 さて、流通環境の変化に対応し、高度な品質、衛生管理や物流機能の充実など、先進的な市場流通を実現できる今後の卸売市場のあるべき姿の一つとして位置づけられているのが豊洲新市場であります。
 豊洲新市場についても、第八次計画に続いて、第九次整備計画にも当然位置づけられると思いますが、二十六年度中の開場を控えて、二十二年度におけるその事業の進捗状況について、私は大きな関心を持っているところです。
 そこで、平成二十二年度の豊洲新市場予算の執行状況及び移転支援への取り組みについて、具体的にご説明をいただきたいと思います。

○塩見管理部長 まず、土壌汚染対策費として、平成二十二年十二月に契約いたしました土壌、地下水汚染処理工事設計委託など四千二百万円、用地取得費として、平成二十三年三月末までに一千百四十四億八千七百万円、豊洲地区補助三一五号線の高架化に関する負担金などその他関係経費として十四億二千百万円、合計一千百五十九億五千万円を執行したところでございます。
 一方、二十二年十一月には、豊洲移転に関して、市場業者から幅広く意見や要望を聞き、市場業者からの質問、相談及び要望等に常時的確に対応するため、築地市場内に豊洲移転サポート相談室を設置するとともに、二十三年一月には、豊洲新市場整備に伴う市場業者への移転支援の基本的考え方を公表するなど、円滑な移転を推進するための取り組みを行ったところでございまして、今後とも、多くの市場関係者から支持される丁寧な移転を推進してまいります。

○小宮委員 平成二十二年度豊洲関連予算を確実に執行するとともに、移転支援への取り組みを推進しているということがよくわかりました。
 築地市場は老朽化が進んでおり、また狭隘化が著しく、品質管理の面など、流通環境の変化にも対応できていない状況であります。また、業界団体の多くも早期の移転を望んでおり、新市場の整備を遅滞なく進めていくことが極めて重要であると考えます。
 新市場の開場に向けて、今後、具体的にどのようなスケジュールで事業を進めていくのか伺います。

○塩見管理部長 平成二十二年度につきましては、用地取得及び土壌汚染対策工事の設計等を行ったところでございまして、二十三年度に入って、残る用地を取得し、本年四月には、すべての用地取得を完了してございます。
 次に、土壌汚染対策工事につきましては、本年八月に工事請負契約を締結し、平成二十四年度にかけて確実に工事を実施し、市場用地としての安全・安心に万全を期すとともに、工事の進捗状況など積極的な情報提供を通して、都民や市場関係者の皆様のさらなる理解と信頼を得られるよう取り組んでまいります。
 続く本体施設の建設につきましては、現在、業界団体ときめ細かく協議を行いながら設計業務を進めているところでございまして、平成二十四年度から二十六年度にかけて建設工事を行う予定でございます。
 さらに、市場関係者の方々が円滑に移転できるよう、現在実施している個別面談などを通じて把握した意見、要望等を踏まえ、効果的な移転支援策を講じてまいります。この支援策につきましては、二十三年度中に具体的な内容が提示できるよう、検討を現在進めているところでございます。
 このように、丁寧かつ遅滞なく、平成二十六年度中の開場に向け取り組んでございまして、高度な品質管理や効率的な物流などの機能を備えた新市場の整備、円滑な移転を今後とも推進してまいります。

○小宮委員 豊洲新市場の平成二十六年度中の開場に向けて、計画的かつ着実に整備を進めていっていただきたいと思います。
 冒頭にも述べましたように、卸売市場は、食の面から豊かな都民生活を支える極めて重要な施設であります。卸売市場が今後ともその責務を十分果たしていくためには、都民の食の安全・安心への期待にこたえるとともに、流通環境の変化に対応した機能強化を図っていく必要があり、豊洲新市場は、その中心的な役割を担う首都圏の基幹市場として着実な整備が期待をされています。
 また、今、具体的な移転支援策について検討を進めるという答弁がありましたが、今後は、市場業者の移転をどうサポートしていくかが非常に重要になってくると思います。
 新市場がその機能を十分に発揮するためには、施設の充実に加えて、担い手となる市場業者の円滑な移転が不可欠であります。そのためには、市場業者が個別に抱える課題や不安に対して丁寧にぜひ耳を傾けていただいて、市場業者の意見、要望等を踏まえた効果的な支援策を講じる必要があると思います。
 二十二年度から施設整備及び移転支援が着実に動き始めており、平成二十四年度以降も、予定された工程をしっかりと進めていけるよう、今後の予算編成と執行につなげ、平成二十六年度中の新市場開場を確実なものとしていただきたい旨を申し上げまして、私の質問を終わります。

○橘委員 平成二十二年度に執行した豊洲新市場関連予算と、中央卸売市場の各市場における二十二年度の経営活性化支援の取り組み、この二点について質問いたします。
 初めに、豊洲新市場整備について質問いたします。
 卸売市場は、都民の食生活を安定的に支える重要な施設であることはいうまでもございません。しかし、近年、先ほども答弁等でございましたけれども、産地から消費者に直接届けられる産直、大手スーパーの進出、それから、かなり気候変動の影響も受けている、さまざまな要因の中で大変厳しい環境にあること、これはもう共通する認識であろうと思います。
 しかしながら、その中にあっての対応として、卸売市場、今、市場がそういうふうになっているんだから、市場の流れに、市場原理に任せればいいじゃないかという、そういった意見も一部にあることは確かでございますけれども、これはやはり、長い目で見ると危険な発想ではないかと私は考えております。
 なぜかならば、昨年の状況を見ましても、生鮮食料品が、一つの産地で温暖化の影響もあったようですし、それから異常気象もございました。そういった観点で、一つの地方から産品が届かなくなると一挙に品薄になる、そしてまた、海外から緊急輸入せざるを得ないとか、そういった、あたふたした対応をせざるを得なくなる。その機能を調整しているのが市場の機能でございまして、こういう観点からいたしますと、この市場機能を、むしろ、こういう場合だからこそ、こういう状況だからこそ機能を強化し、利便性を高めていくというのが、時代の流れに合ったやり方ではないか、そういう選択肢は、その方が正しいのではないかと私は考えております。
 その観点から、最先端の市場機能と新たな魅力を持たせた豊洲新市場の整備は、待ったなしの状況であると思います。この市場については、平成二十六年度の開場に向けて全力で取り組んでいただきたい、この趣旨で質問をさせていただきます。
 そして、私、先ほど、くりした委員の質問を聞いておりまして、この新市場を整備していくその第一歩となる豊洲新市場の整備に関する予算について、これは、今までの経緯、皆さん当然ご存じですけれども、付帯決議が付され、そして特別委員会等でも検討が行われ、その後に執行に至った経緯があります。そうしますと、先ほど、くりした委員がおっしゃった、ちょっとひっかかるところがあります。その決断をしたところに、仕方なしに決断したと受けとめざるを得ないという、そういった発言がございましたけれども、これ、私、同じような趣旨の質問になりますので、割愛しようかと思いましたけれども、そういう言葉があった以上、確かめておかなきゃならないと思いまして、今までの、今申し上げたような流れの中で、都として、平成二十二年十月以降に豊洲関連予算の執行を決断した根拠、それから、当時の状況判断について、どういう状況判断したのか、それをもう一度、深く掘り下げて、改めて伺います。

○塩見管理部長 今、お話のありました付帯決議の第一であります現在地再整備の可能性の検討については、都議会におきまして、特別委員会での参考人招致を含む長時間にわたる審議を通じ、集中的かつ精力的な検討が行われ、私ども都といたしましても、その検討に協力してきたところでございます。
 知事は、この検討結果の成果である報告書を踏まえるとともに、老朽化が著しい築地市場の現状や、長年にわたる経緯、移転を望む業界大多数の声、都民、国民の生活への影響などを総合的に判断し、移転を決断したものでございます。これに基づきまして、私どもは平成二十二年度豊洲関連予算を執行したものでございます。
 なお、その他の付帯決議につきましても、既に着工した土壌汚染対策工事を確実に実施することにより、市場用地としての安全・安心の確保に万全を期すとともに、市場業者の意見、要望等を十分踏まえた効果的な移転支援策を講じるなど、また、関係する地元中央区、そして豊洲の地元江東区と連携をいたしまして、平成二十六年度中の開場に向けて、丁寧な移転を推進していきたいというふうに考えてございます。

○橘委員 この問題は、長期化すればするほど被害を受けるのは、また窮地に追い込まれるのは、この関係の団体、また関係者でございまして、これ以上長引かせることは、すべきではないと私は思っております。
 今、答弁の中で、効果的な支援策という言葉、それから丁寧に移転を推進するという、この二つのキーワードが私は大事だろうと思います。この基本に基づきまして、このキーワードに基づきまして、信念を持って推進していただきたいということを要望しておきます。
 次に、二十二年度執行の新市場予算に関連いたしまして、東京ガスの負担額について質問いたします。
 豊洲の用地取得に当たりましては、東京ガスとの負担協議がこれまで大きな課題となっていたことは周知の事実であります。負担の内容をきちっと整理するために、この決算審議の機会に確認しておきたいと思います。
 平成二十二年度決算では、東京ガスの負担額として七十八億円が計上されておりますけれども、土壌汚染対策工事の全体が五百八十六億円であるのに対し、この数字だけを見ますと、五百八十六億円もかかっているのに、七十八億円しか東京ガスは負担しないのかという、数字だけを見れば、そういう感じもしないわけではありません。
 そこで、都が実施する豊洲新市場の用地の土壌汚染対策経費全体の中で、東京ガスの負担額七十八億円という数字、この金額が負担面でどういう位置づけになっているのか、これについて伺います。

○野口新市場事業計画担当部長 東京都が実施する土壌汚染対策工事の経費につきましては、技術会議の報告をもとに五百八十六億円としておりますが、これを対策内容で分けますと、土壌処理に要する経費は約三百三十八億円、地下水対策に要する経費は約百九十億円、液状化対策に要する経費は約四十五億円、調査に係る経費は約十三億円と見積もってございます。
 このうち地下水対策や液状化対策につきましては、市場用地としての安全性をより一層確保するため、都独自に対策を実施するものであり、また、調査に係る経費につきましても、専門家会議の提言に基づいて都が独自に実施したものであることから、今回の負担の対象外としてございます。このため、協議を行いました東京ガス株式会社及び東京ガス豊洲開発株式会社、以下、東京ガスと通称させていただきますが、こちらとの協議のベースは、土壌処理に要する経費約三百三十八億円ということになります。
 ただし、この三百三十八億円の中には、ガス工場の操業地盤面から深さ二メートルまでの土壌をすべてきれいな土に入れかえるのに必要な経費約百億円、こちらが含まれておりまして、この土壌の入れかえというものは、専門家会議の提言に基づき、環境基準以下であっても、市場用地の安全性を確保するために実施する都独自の対策であることから、これも対象から除外されるべきものとなります。
 したがいまして、土壌処理の経費三百三十八億円から、さらにこの入れかえの経費百億円を除いた残りの二百三十八億円が、先ほど副委員長の方から、全体五百八十六億円からすると相対的に小さく見られるのではないかというようなお話もありましたけれども、この二百三十八億円が、東京ガスとの実質的な協議ベースと考えております。このうち、平成十七年に都と東京ガスとの間で締結いたしました豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書で、東京ガスが実施すべきと定めた内容と同等の対策を改めて実施すると想定いたしまして算出した経費が、今回の合意額である七十八億円ということでございます。
 なお、今回の負担対象とは異なりますけれども、東京ガスは過去に、みずからが行った土壌汚染対策におきまして、約百億円を支出してございます。したがいまして、今回の負担と合わせると約百八十億円ということになります。

○橘委員 これだけ数字を羅列されると、とても聞きながら理解するというのは難しい面がございます。簡単に私なりに整理してみますと、これは大事な部分なので、ちょっと整理しておきたいと思います。
 全体の土壌汚染対策費としては五百八十六億円、そのうち、都独自の判断で対策を講じるその分を除きますと。その除いた分が二百三十八億円であるということになるかと思います。そして、東京ガスとその負担について交渉する、協議の対象になる金額が二百三十八億円、そのうち東京ガスが七十八億円を負担したという理解になろうかと思います。そしてまた、東京ガス一者という、そこから見れば、今回の七十八億円プラス、それ以前に出費している百億円があると。そうしますと、東京ガス本体から見れば百七十八億円、約百八十億円を負担しているという理解でよろしいでしょうか。

○野口新市場事業計画担当部長 委員のお話のとおりでございます。

○橘委員 整理するとそんなふうになると思います。
 私、なぜこれをあえて確認したかといいますと、これから予算執行に当たっては、二十六年度の開場まで、さまざまなこういう数字が出てくることになります。どこがどう負担したのかという、そういった数字が出てくることになります。この数字は、私たち議会に対しても、それから都民に対しても、わかりやすく説明をしていく。それがやはり、先ほど管理部長がおっしゃったような丁寧な対応だと思いますので、このこともまた要望しておきますので、よろしくお願いいたします。
 次に、平成二十二年度の事業内容のうち、市場業者に対する経営活性化支援について伺います。
 先ほど申し上げたように、今、市場は本当に厳しい状況にある。私たちが知っている市場に伺いましても、そういう話は、もう本当に至るところから聞こえてまいります。この原因として、近年の消費の落ち込み、それから、それに基づく経営不安というのもあると思いますけれども、これは、単なる築地市場だけにかかわらず、すべての市場が同じような課題を、また悩みを抱えているわけでして、年々深刻になりつつあるような気がしてなりません。
 こうした状況に対応するためには、流通過程のニーズに対応した施設整備を進める一方で、市場業者の経営基盤強化に向けた支援や、先駆的な事業展開による経営の活性化、これを後押ししていく、推進していくということが重要であろうかと思います。これがやはり開場者としての一つの責任でもあろうかと思います。
 そこで、市場業者の経営活性化に対する都の基本的な支援方針、考え方、そして、この経営活性化対策として二十二年度に実施した具体的な事業の取り組みについて伺います。

○森本移転支援担当部長 市場業者の経営活性化は、絶えず変化いたします流通環境に市場取引を適応させるとともに、都民に安全で安心な生鮮食料品を供給する市場の設置目的を果たす上で不可欠であると思っております。各事業者の努力はもちろん、都も開設者として積極的に取り組む必要があると考えております。
 これまで都は、卸売業者や仲卸業者に対して公認会計士による財務検査等を行うことで、経営上の課題や改善点を明らかにしまして、弁護士や中小企業診断士等による経営相談により、経営再建や業務不振へのアドバイスを行うなど、市場業者の経営を支援してまいりました。
 これに加えまして、平成二十一年度からは、新商品開発や販路拡大のための取り組みなど、市場業者が行う先駆的な事業に対しまして補助金を支出するとともに、優秀な事業は表彰しまして、講演会を開きまして、そういった事業を紹介するなど、市場業者のための活性化事業を展開しております。昨年度は、小売店などから優良店を選びまして、市場で取引された商品の取扱店であることを消費者にアピールする認証グッズを配布した豊島市場などの事業について表彰いたしました。ことしは、商品知識の向上を目的といたしました板橋市場の取り組みなど、既に七事業が実施されておりまして、件数、内容ともに年々向上しております。
 今後、東京都は、財務検査や経営相談を継続するとともに、各市場の特性や業種、業態に応じた新たな先駆的事業に対して支援を強化するなど、開設者として、一層、市場業者の経営活性に努めてまいります。

○橘委員 ただいまの答弁にあった、この活性化支援事業というのは、局の方からいただいたこの資料に一覧表になっております。その幾つかを挙げてみますと、先ほど豊島市場の取り組みは答弁でありましたので、それでいいんですけれども、例えば、ブランドの構築であるとか、食育の支援であるとか、そういったさまざまな経営活性化支援事業というのが展開されております。
 しかしながら、今回の質問に当たって、私、幾つかの市場にそれを問い合わせてみました。ところが、なかなか大きな成果というものはまだ出ていないのかなと、率直にいいますと、そんな感じもしました。それはやはり、今まで自分たちは自分たちでやるというそういう意気込みで、そういうまた気概のある方たちですから、そういうふうにしてやってこられたけれども、この時代の激流の中で、やはりそうともいっておられない。そこで、東京都の活性化支援策というものが生きてくるわけですけれども、ただし、その発想はよかったけれども、まだまだ関係者に、関係者の経営に本当に助かったというそういった声まで、もろ手を挙げて喜ばれているという、そういう状況ではないという現実もあります。
 ただし、この事業は私は大事だと思います。もっともっと力を入れて、もっともっとこの支援策の活用の仕方--支援の仕方、活用と、それから具体的に自分の事業にどう生かすかという、そういったところまで考えていったならば、この事業というのは大きな花を咲かせることは間違いないと思います。どうかそういう観点から取り組んでいただきたい。再度、気を引き締めて取り組んでいただきたい、これが一点でございます。
 それから、もう一点は、どうしても築地市場に、予算も、また注目も集まりがちであります。けれども、他の卸売市場も非常に頑張っていらっしゃいます。もう本当に、行くたびに、私があいさつで伺うたびに、いろんな要望が出されますし、そしてまた、役員の皆さんで議論を本当に真剣になさっております。
 そこで、東京都としても、どれだけその支援をしていくことができるか。例えば、冷蔵施設であるとか、それから、生鮮食品の鮮度を一挙に落としてしまう太陽熱遮熱板であるとか、いろんな話が出ているわけでありまして、予算の関係もあると思いますけれども、そういった市場で頑張っていらっしゃる、その方たちがだめになれば、まちの活性、にぎわいもだめになっていくわけですから、どうかもっともっと大きな視点で、それぞれの市場から出されている要望であるとか声であるとか、そういったものを十分に生かしていっていただきたい。そして、築地も含めました東京全体の卸売市場が、どんな事態になっても、気候変動の中にあっても、災害の中にあっても、安定して都民に生鮮食料品、そしてまた水産物を提供していったと、そういう体制をつくり上げていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
 以上です。

○たぞえ委員 私は、二十二年度中央卸売市場会計決算について伺います。
 二〇一〇年度決算書の七ページの調査・設計・監理業務等の種別の欄で、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事の有効性を確認するという適用実験が行われ、土壌汚染対策の設計費が執行されたことが記載されています。その予算の執行は、本当に食の安心・安全が最大限確保されるのか、これまでも議会で大きな争点になりました。
 その上で大きな論点となったのが、豊洲新市場予定地には、有楽町層と呼ばれる地層の最上部には、不透水層という粘性土が二メートルから二十メートルの厚さで一面に広がっているので、汚染はそれ以下には広がらないという都の説明の信憑性です。
 豊洲新市場予定地において、どのような地層が不透水層なのかについて、規定が最初に打ち出されたのはいつで、だれがどのように述べたのでしょうか。

○加藤基盤整備担当部長 豊洲新市場予定地の地質や地層につきましては、平成十八年に実施いたしました八カ所のボーリング調査に加えまして、水道局の水道本管設置や建設局の「ゆりかもめ」整備の際に行った百二カ所の地質調査結果から把握しているところでございます。
 都は、これらの調査結果に基づき作成いたしました地質断面図及びボーリング柱状図を、平成十九年五月十九日の第一回専門家会議に資料として提出し、豊洲新市場予定地の地層状況を説明しております。
 さらに、平成十九年六月三十日に開催いたしました第二回専門家会議におきまして、第一不透水層は、有楽町層のYc層であるということの説明をいたしております。

○たぞえ委員 私は専門家会議の議事録をすべて読みました。すると、どのような地層が不透水層なのか説明したのは、専門家ではなく、都の皆さんです。
 では、お聞きしますが、専門家会議は、どのような地層が不透水層なのかについての規定について、議論をしたのでしょうか。

○加藤基盤整備担当部長 まず、不透水層の規定についてでございますが、不透水層の規定は、土壌汚染対策法施行規則第四十条に定められております。厚さが五メートル以上であり、かつ透水係数が毎秒百ナノメートル以下である地層、または、これと同等以上の遮水の効力を有する地層をいうとされてございます。
 都は、豊洲新市場予定地の不透水層につきましては、先ほどお話ししましたように、八カ所のボーリング調査に加え、さまざまなボーリング地質調査をもとにしながら、透水係数あるいは層厚を確認しておりまして、これらが法の規定を満たすと判断してございます。
 これらにつきまして、当該地が埋立地であるといった特性に加えまして、ボーリング調査で把握した地質、地層の状況や土質特性などに基づく判断結果を専門家会議の方に説明いたしまして、専門家会議の委員のうち、特に関東地方の地質や地層に詳しい委員から、有楽町層のYc層が不透水層であるということの確認を得てございます。

○たぞえ委員 専門家会議では確認をしたんですね。議論はしていないんですよ。
 二〇〇八年八月からは、専門家会議にかえて技術会議が開かれてきました。技術会議では、不透水層についてどのような議論がなされたのか。また、専門家からは、だれからどのような意見が出されたのですか。示してください。

○加藤基盤整備担当部長 まず、先ほど申し上げましたように、不透水層につきましては、一々議論するものでございませんで、法に定めた規定に基づいているかどうかということで判断をされるということを、また改めてご説明させていただきたいと思います。
 それから、今ご質問がありました技術会議の件でございますが、平成二十年の絞り込み調査におきまして、不透水層が確認できなかった地点が二カ所ございました。そのため、平成二十一年二月三日の第十二回技術会議におきまして、この地点における対策の考え方について議論をさせていただいております。
 都からは、不透水層が確認されなかった二カ所につきましては、特異な地点であり、周辺部の調査を行って実態を確認した上で、土壌について、深度にかかわらず汚染物質をすべて除去することや、地下水についても、汚染状況を確認した上で浄化すること、さらには、一メートルごとの下の方向に確認するといった底面管理の後に、不透水層をもし損傷した場合につきましては、セメント固化材等を用いながら不透水層を再度形成した後、埋め戻しを行うといった対策の考え方についてのご説明を行ったところ、これに対しまして、技術会議委員からも、底面管理による汚染の範囲を確認することや、セメントをまぜて締め固めることにより不透水層を形成することの対策について、問題はないといったような見解をいただいているところでございます。

○たぞえ委員 これまで、都議会で市場長などが繰り返し、専門家会議から意見をいただいていると、専門家会議が豊洲新市場予定地に不透水層が広がっているとの見解を出し、規定しているかのように説明をしてきました。
 しかし、実態は、専門家会議でも、技術会議でも、それぞれの議事録で明らかなように、不透水層について説明したのは都であり、その説明に専門家から異論が出なかったというところが本当のところです。
 豊洲における不透水層の定義は、都の主導でつくられてきたんです。その後、例えば二〇〇九年三月の経済・港湾委員会で、改めて不透水層といえる地層について問われ、東京都が、有楽町層のうち不透水層を形成しているシルト層、砂まじりシルト層、砂質シルト層などの粘性土層を不透水層としている、このように答弁がされてきたんです。
 専門家会議を傍聴していた土壌汚染の専門家などからの質問、都議会の中での追及を受け、東京都は、豊洲における不透水層といえる地層について、当初から微妙に変えてきました。これについても、結局のところ、技術会議に、修正することについての科学的な検証がされてきたわけではありません。
 また、都は、これらの不透水層について調査した結果、透水係数が十のマイナス七乗から十のマイナス六乗であり、土対法の透水係数の二十六倍も水を通しにくいものだともいい出しました。しかし、これも、四十ヘクタールにわたる地域をわずか八本のボーリング調査を行ったということにすぎず、うのみにすることはできません。
 不透水層については、土壌汚染対策法のガイドラインで規定しています。では、これをどう調べるかについては、環境省に問い合わせたところ、地盤工学会で地盤調査関係の規格、基準で定めているということなわけです。工業製品の日本標準規格、JIS規格というのがありますが、いわばその地盤調査版という規格があるということです。
 東京都が豊洲の八本のボーリング調査で透水係数を求めた圧密試験というのは、この透水係数を求めるための地盤工学会による試験基準によるものなんですか。実験方法について説明を願いたいと思います。

○加藤基盤整備担当部長 まず、今回、豊洲新市場予定地におきましての透水係数を求めた方法につきましてご説明をさせていただきたいと思っています。
 まず、有楽町層のうち不透水層を形成する層の透水係数につきましては、平成十八年度に豊洲新市場予定地内で行った八カ所の土壌ボーリング調査により採取いたしました三十一検体の土質試験から求めてございます。
 試験の内容につきましては、室内におきまして、採取した試料に段階的に荷重をかけ、強制的に土壌中の水分を排出させることによりまして、試料を圧縮させます。これによりまして、土のすき間の程度をあらわす間隙比、あるいは圧力などといったものを測定しまして、透水係数を求めているところでございます。
 こうした試験結果によりまして、先ほど委員が申し上げられましたように、透水係数につきましては、毎秒一・一二ナノメートルから一〇・八ナノメートルの範囲でございまして、平均をいたしますと、毎秒三・八三ナノメートルとなってございます。この平均値と土壌汚染対策法に定めます不透水層の透水係数である毎秒百ナノメートルを比較いたしますと、透水係数といたしましては二十六分の一ということで、不透水層として十分なものであるということを確認しているところでございます。
 それから、先ほどのJIS規格ということでございますが、透水試験につきましてのJIS規格につきましては、JISA一二一八というのが一つございますが、これにつきましては現地ではかるものでございますが、比較的透水係数の大きいものを対象としてございます。先ほど来、私どもではかってございました、毎秒一掛ける十のマイナス七乗単位の非常に透水係数が低い値につきましては、現場での測定ということは非常に困難でございまして、先ほど私が説明いたしましたとおり、一般的には室内試験で求めることとされております。それに基づきまして、今回の透水係数を出したものでございます。
 以上でございます。

○宮良新市場整備部長 今、たぞえ委員からお話がありました、不透水層に関する議会等での議論なんですが、有楽町層のところの不透水層のお話がありましたけれども、その表現を微妙に変えている、それから、不透水層を定めるところの科学的根拠がない、それから、八本で不透水層の物性みたいなものを決めているのはおかしいというお話が、そういった趣旨がございましたけれども、決してそういうわけではなく、不透水層については、委員お話しのとおり、当委員会あるいは議会の中で、平成二十年、二十一年にかけまして延べ十回ぐらい、いろいろなお話をさせていただきました。そういった議論の中、ご説明の中で丁寧な説明を私どもはしております。
 例えば、先ほどありました不透水層を形成しています土質の話も、シルト層あるいは砂質シルト層など具体的な名前を挙げてご説明をしています。そういった趣旨は、丁寧にご説明をと、私どもは考えて述べたもので、決して表現を変えたわけではございません。
 それから、科学的に根拠がないというお話ですが、決してそういうことではなく、ただいま担当部長がご説明しましたように、土壌汚染対策法では不透水層の定義を決めております。それに対応しまして、自然の、要は地質、地層の状況を土壌ボーリングで確認するとともに、土木でいいます室内試験で数値的にちゃんと求めております。そういった数値と土壌汚染対策法に定める基準を比較してお話を申し上げています。
 そういったことに対しまして、専門家会議あるいは技術会議における土質、地層の専門家、そういった方が、当然そういう内容をチェックしていただいて確認--確認というお話をしましたけど、要は、議論をまつまでもなく、専門家委員のこれまでの知見や経験、あるいは私どもがご提示した科学的データ、そういったもので不透水層を、位置あるいはその意味合いを定めたものであります。
 また、その八本の土質調査でデータを出させていただきましたけれども、地層なんかの成り立ち、六千年ぐらいかけて形成された地層でありまして、そういったものを代表する数値としては八本で十分だと私どもは考えております。

○たぞえ委員 我が党は、都が透水係数を求めたこの試験方法について、その基準を定めている地盤工学会にも問い合わせし、調べたところ、地盤工学会として正式な回答をいただきました。
 本来、透水係数を求めるものは、他の標準規格の試験方法がありまして、都の試験方法で調べたという透水係数には二つの問題があることがわかりました。都が行った試験というのは、正式には土の段階載荷による圧密試験というものですけれども、第一は、もともと都が行った試験方法で算出される透水係数というのは、あくまでも地盤工学会の見解は目安にすぎないということです。どうですか。

○加藤基盤整備担当部長 土の透水試験の方法につきましては、定水位透水試験、変水位透水試験と圧密試験結果から計算する方法がございます。地盤の透水性に応じて、どの試験方法を適用するかにつきましては、地盤工学会から目安が示されてございます。
 豊洲新市場予定地の有楽町層のうち、不透水層を形成している層の透水係数につきましては、土壌ボーリング調査の結果、粘性土であるということで、圧密試験結果から計算する方法を適用して透水係数を求め、計算結果についても、地盤工学会の目安の範囲に含まれていることから、透水係数の推定方法に問題はないというふうに考えてございます。

○たぞえ委員 そもそもこの試験は、埋立地などの地盤沈下量、沈下時間を確かめるもので、透水係数を求めることは規定をしていないんです。透水係数を算出するデーターシートの欄はありますけれども、これはあくまでも理論式を使用して間接的に求めたものにすぎないというのが地盤工学会の見解なんです。この点についてどう認識されますか。

○加藤基盤整備担当部長 先ほど申し上げましたように、透水係数を測定するものにつきましては、現地ではかる、先ほどご説明した二つの方法と、室内試験によって求める測定方法とございます。
 最初にも申し上げましたように、今回の透水係数につきましては、非常に小さなものでございますので、現地ではかるということは非常に困難ということもございまして、私どもといたしましては、圧密試験ということで求めて、計算によって出したものでございまして、この試験方法につきましても、日本工業規格、JIS規格に基づいて行っているものでございます。
 以上でございます。

○たぞえ委員 二つの問題の二つ目ですけれども、もともとこの試験は、粒度の細かい粘性土を対象としたものであるにもかかわらず、都が採取した実際のサンプリングは、三十一個の試験のうち、十五個には、この試験方法に定められた基準にふさわしくない大きな粒が混入していたサンプルがあったことです。
 仮に、この大きな粒を入れたままで試験をしていますと、試験の本来の目的である圧密時間、圧密量は正しく求められないというのが地盤工学会の見解なんです。ましてや、さらにそこから理論式で求められる数字が正確でないというのは当然ではないでしょうか。どうですか。

○加藤基盤整備担当部長 今、委員から指摘がございましたが、先ほど私が説明いたしましたように、八本のボーリングの結果によって、三十一の検体すべてに基づきまして、土壌汚染法の定める規定をすべて満たしているということでございまして、その平均したものでございましても、二十六分の一ということを確認してございますので、私どもが出したものにつきましては、基づいた不透水層の考え方については問題がないというふうに考えてございます。

○たぞえ委員 目安にすぎない数値を算出して、それを振りかざして、不透水層だとごまかす。その数値も、実は大きな粒を取り除かないと正確な実験ができないんですよ。仮にそうだとしたら、実際の豊洲の土壌とは違うもので実験をやったということになるじゃありませんか。逆に、大きな粒を入れたまま試験をやったとすれば、正しい値は出てこないのです。したがって、都のいう透水係数は、豊洲における不透水層を証明するものとはいえないということを私は指摘をしなければなりません。
 それに加えて、実際の地層は大変複雑なんです。都の不透水層に関するいい分に重大な問題があることを事実をもって明らかにするものが、ことしの予算都議会で我が党が取り上げた、東京ガス田町工場跡地の土壌汚染調査結果についてです。
 この調査では、都がこれまで繰り返し不透水層だといっていたシルト層、砂まじりシルト層、砂質シルト層などが汚染されていたものです。その下部、十五メートル下も、その間十メートルにもわたって環境基準以下であったにもかかわらず、その下部が汚染をされていました。この指摘に対して、市場長は、東京ガスは、田町では十五メートルのところを不透水層としていたから矛盾はないという、そういう趣旨の答弁を行っているわけです。ということは、粘性土イコール不透水層ではないという、このことを認めたことではありませんか。これまでの都の説明を覆したということではないでしょうか。答えてください。

○宮良新市場整備部長 ただいまの一つ目のご質問ですが、土の中に粒があって、粒というのは抽象的ないい方なので、よくわかりませんが、当然、そういった土質試験をやる場合には、熟練した技術者がサンプルをちゃんとチェックして、JIS規格に基づいて調査をしますので、そういった粒が入った、例えば不確かなデータ、そういうことは、まずあり得ないと私どもは考えております。
 また、今回の予算委員会で田町の例を出されました。柱状図といいまして、田町のところの地層の状況と、それぞれの汚染が検出された箇所が記されたものと記憶しております。
 そういった提出されました資料を拝見しますと、予算委員会でも私どもの市場長が申し上げましたとおり、不透水層が十五、十六メーターとあり、その下では汚染が検出されていませんでした。こうしたことは、まさに、私どもが豊洲で認識しています不透水層の下の汚染の可能性は低い、それを図らずも証明していただいたと、そういうふうに認識しております。

○たぞえ委員 豊洲の場合、不透水層がたまたま有楽町層の上にあったと。田町は、有楽町層の上端から十五メートルのところだったということですけれども、地歴的には、田町と豊洲の地質は一連のものです。いわばこれは、厳しくいえば詭弁だといっても過言じゃありません。
 聞きますけれども、豊洲において不透水層とはいえない粘性土はどれだけあると調べたのですか。答えてください。

○加藤基盤整備担当部長 まず、土壌汚染対策法につきましては、一番最初に出てくる第一不透水層ということが問題になってございます。先ほど来、私ども、るる八本のボーリングデータで確認しているというところにつきましては、まさしく第一番目に出てくる不透水層に当たるであろうところを科学的に分析して透水係数を出したものでございますので、そこで十分調査を尽くしているというふうに考えてございます。

○宮良新市場整備部長 豊洲地区の不透水層の確認でございますが、今、担当部長がお話申し上げたことに加えて、そういった経験が豊富な技術者が、ここは海底土を埋めてありますから、例えば、海底土特有な砂が入っていたり、色が違っていたり、それから人工のものが入っていたり、そういったことをいろいろ参酌しまして、それに加えまして、今お話申し上げました地質状況を確認した上で、不透水層を形成するシルト、粘土層、あるいはそれ以外の土を峻別しております。

○たぞえ委員 どういおうとも、都のいい分は、おかしいといわざるを得ません。
 東京ガスは、田町の有楽町層そのものを十五メートル地点まで調査して汚染処理を行いました。しかも、その上でなお学校用地として適さないという判断をして、学校用地として使うことをやめたわけです。
 都民の食の安心・安全にかかわる市場用地の土壌汚染問題は、それ以上の慎重性と科学性が必要だと思います。この点で、都の姿勢は大問題だということを述べておくものです。
 それにもかかわらず、こうした都の欠陥土壌汚染調査、欠陥土壌汚染対策にお墨つきを与えてきたのが、都のいう権威ある専門家です。とりわけ、専門家会議で決めた方針を縮小、簡素化させてきた技術会議の専門家には大変問題が多いんです。
 液状化対策の専門家にしても、深刻な土壌汚染地で液状化対策を進めた経験のある人はいません。しかも、豊洲新市場予定地の液状化問題、土壌汚染問題での我が党の公開質問状には、みずから答えられなかったではありませんか。
 豊洲新市場予定地の場合、最も重要な土壌汚染対策については、その中心になってきた人物は都の職員出身で、いわば都の身内起用です。原発の安全神話をつくり、福島原発事故をもたらした経済産業省と保安院の関係と全く同じです。大体、身内を起用したこと自体、意図的といわざるを得ません。ほかに比べても、土壌汚染対策に献身的に取り組んでいる専門家がいるじゃありませんか。なぜあえて身内を起用したのですか。

○加藤基盤整備担当部長 まず、委員がお話しになっているのは技術会議の長谷川委員のことだと思いますが、長谷川委員につきましては、化学工場の……(「個人名なんかいっていないよ。勝手に決めつけないでよ」と呼ぶ者あり)いや、公開質問で既にそういうふうに名前が出てございますので。化学工場の土壌汚染が問題となりました昭和四十年代ごろから、水質問題とあわせて、各種調査、条例、要綱の策定等、汚染や環境行政に伴います東京都の職員として務められてございます。その後、環境分野では、我が都を代表する研究機関であります、私どもの東京都環境科学研究所の所長を務められながら、その研究員あるいは役職員としまして職務を果たされております。現在は、共立女子大学の非常勤講師をされている等、多くの知見と経験をお持ちの方でございます。
 これまでの技術会議での議論を見ていただければおわかりと思いますが、委員からは、土壌汚染対策の策定に際し、こうしたご自身の知見や経験に基づき、客観的な立場から適切、的確な意見やアドバイスをいただいており、技術会議委員として十分にふさわしい方であると我々は認識してございます。

○たぞえ委員 個人名をおっしゃいましたけれども、私は、そういう方について、個人名でいっていません。あなたがそういうなら、個人名でいきますよ。いいですか。
 こういう調査については、ほかにもたくさん専門家がいるんですよ。日本環境学会から推薦してもらえばよかったと思いますが、なぜそうしなかったのですか。なぜ身内なのですか。

○宮良新市場整備部長 技術会議の委員に限らず、土壌汚染対策の専門家会議の委員も同じことですが、これまでのそれぞれの土壌汚染対策、あるいは処理、分析、それから健康被害、そういったものに関する実績、それからいろんな学会の発表の内容、そういったものも踏まえまして、東京都の各局、それは環境局さんもいらっしゃいます。その分野の各局とも相談申し上げまして、皆さんそれぞれの専門家の方にお願いした、それが人選の経緯でございます。

○たぞえ委員 私は、この人をと、いおうと思ったんです。長谷川氏という名前が出てきたので、その名前使いますが、この長谷川氏を、都市整備局が進めた豊洲新市場予定地の盛り土の搬入基準等に関する提言にも起用して、なおざりの基準づくりに役割を果たさせました。
 長谷川氏は、土壌汚染対策に都の職員としてかかわってきただけで、みずからの学術的研究論文を一つも示せなかったではありませんか。我が党の公開質問状には一切答えることができなかった人物です。
 第十三回技術会議では、データ隠しをした初期値問題でも、原位置微生物処理、洗浄処理、中温加熱処理、中温加熱と洗浄処理、全体のまとめでも、原島座長から見解を問われ、都が進めようとしている土壌汚染処理方法の有効性、欠陥実験の有効性に見切りの発車のゴーサインを出すなど、そのまとめ的な発言をしたのは、この長谷川氏にほかなりません。
 そればかりか、技術会議の会議録を全部読んでみますと、長谷川氏は、この会議の随所で、もっと簡単ないい方法があるなら、そちらに変えてもいいのかなという気がしております、もっと高濃度のものが処理できるので、洗浄処理というのは意外に適用範囲が広いのではないか、こんな気がしております、簡易な方法で使えるのではないかという気がしております、技術会議の報告書ではとありますけれども、合理的なやり方をもう少し考えた方がよい、このような気がしておりますと、多分、そして、気がしておりますを連発して、科学的な検証抜きに、技術会議としてのより簡易な処理方法、経費削減の提言をする旗降り役を果たしてきたのがこの方であります。都にとって、こんなに便利な人はいなかったんじゃないでしょうか。
 都は、欠陥調査に加えて、適用実験では、当初、予算額が約七億円が、実際には三四%も膨れ上がり、欠陥実験に湯水のようにお金をつぎ込みました。そして、土壌汚染まみれの土地を購入するなど、千百六十億円もかけてきました。
 豊洲新市場予定地については、関係者の合意という点でも、食の安心・安全の確保という点でもなおざりにし、計画を強引に進める。その一方で、当初予算で計上されていた水産部仲卸売り場の耐震補強工事は先延ばしにしてしまいました。
 築地市場については、耐震性が確保できているかどうか把握できている施設さえ、市場施設の約二分の一にしかすぎないというお粗末ぶりです。メンテナンスもおくれています。
 今、都がやるべきは、強引な移転計画は中止して、都の土壌汚染対策について、意見が異なる専門家も含めて再検討することとともに、築地での現在地整備について、都民も関係業者も納得できる案を、関係者の参加のもとに都自身の責任でつくることであることを強く述べて、私の質問を終わります。
   〔中西中央卸売市場長発言を求む〕
〔たぞえ委員「いや終りました。終りました。市場長に求めていません」と呼ぶ〕

○中西中央卸売市場長 長谷川委員について、少しお話がございましたので、一言ご説明させていただきますけれども、先ほど担当部長からご説明いたしましたとおり、長谷川委員は、長い間、東京都の環境部門で専門的な仕事に従事をされておりまして、昭和の非常に公害問題が起こったときから、水質問題、大気の問題、それから土壌の問題、さまざまな事象に専門職として従事をされて立派な業績を残された方でございます。
 今のお話の中で、技術会議、専門家会議で長谷川委員の方の発言が、ややもすると断定をしないというようなことをちょっとおっしゃったのかもしれませんけども、それはある意味で、長谷川委員の物事に対する非常に良心的な姿勢のあらわれだというふうに私は考えております。
 決して、私どものいいなりになって物をいっていただくというような立場ではございませんので、その点については、ご本人の名誉のためにも、はっきり申し上げておきたいと思います。

○岡田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承を願います。
 これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
   午後二時四十六分散会

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