平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第三号

平成二十三年十月二十六日(水曜日)
第一委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十一名
委員長岡田眞理子君
副委員長中谷 祐二君
副委員長橘  正剛君
副委員長小宮あんり君
くりした善行君
高橋かずみ君
滝沢 景一君
大松あきら君
たぞえ民夫君
宇田川聡史君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
港湾局局長中井 敬三君
技監前田  宏君
総務部長黒田 祥之君
監理団体改革担当部長大朏 秀次君
港湾経営部長小宮 三夫君
港湾経営改革担当部長笹川 文夫君
臨海開発部長石原 清志君
開発調整担当部長大和田 元君
営業担当部長延與  桂君
港湾整備部長石山 明久君
計画調整担当部長大釜 達夫君
離島港湾部長平田 耕二君
島しょ・小笠原空港整備担当部長小幡 和輝君

本日の会議に付した事件
平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について
港湾局関係
・平成二十二年度東京都臨海地域開発事業会計決算(質疑)
・平成二十二年度東京都港湾事業会計決算(質疑)

○岡田委員長 ただいまから平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十二年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成二十二年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○黒田総務部長 十月十七日開催の当分科会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。
 お手元の平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらん願います。
 ご要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載しておりますとおり、六項目でございます。
 それでは、恐縮ですが、まず一ページをお開き願います。1、臨海副都心における有償処分予定地の現況一覧でございます。
 有償処分予定地のうち、開発確定面積といたしまして処分済み及び処分手続中に分けまして、また、今後開発予定面積といたしまして公募中、今後処分予定に分けまして、昨年度末現在の面積をヘクタールでお示ししてございます。
 続きまして、二ページをお開き願います。2、臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
 平成十八年度から二十二年度までの土地処分の実績を、面積と百万円単位の金額でお示ししてございます。実績の内訳欄には、処分方法と件数を記載してございます。なお、注記のとおり、暫定利用は除いております。
 続きまして、三ページをお開き願います。3、臨海副都心地域暫定利用の状況でございます。
 臨海副都心地域におきまして暫定利用されております表頭記載の四区画の昨年度末における状況につきまして、それぞれ表側の敷地面積、事業者名、事業者決定日、施設概要及び開業時期をお示ししてございます。
 続きまして、四ページをお開き願います。4、臨海地域開発事業会計における企業債償還の推移でございます。
 臨海副都心開発の基盤整備に係る企業債につきまして、平成元年度から平成三十二年度までの発行額及び償還額を百万円単位で記載してございます。平成二十一年度までは決算額、二十二年度は決算見込み額、平成二十三年度は予算額、平成二十四年度以降は計画額でございます。
 続きまして、五ページをお開き願います。5、臨海ホールディングス傘下の各子会社の資産状況についてでございます。
 東京臨海熱供給株式会社、株式会社ゆりかもめ、株式会社東京テレポートセンター、東京港埠頭株式会社、株式会社東京ビッグサイトの各社における流動資産及び固定資産の内訳につきましてお示ししてございます。
 続きまして、六ページをお開き願います。6、臨海関係第三セクターのビル入居率の推移でございます。
 平成十三年度から二十二年度までの各年度末におけますビルごとの入居率をお示ししてございます。
 以上をもちまして、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○岡田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○滝沢委員 それでは、臨海地域開発事業会計についてお伺いをしていきたいと思います。
 臨海地域開発事業会計の平成二十二年度の決算についてでございますけれども、この会計が、バブルのころ計画された臨海副都心開発事業として、巨大な共同溝や広域幹線道などの都市基盤を先行的に整備して、その費用を進出事業者から賄うというものでございました。しかしながら、バブル崩壊により、その収支計画が大幅に狂い、青島都政下での見直し、平成十三年度の三会計統合などを経て、最近では、平成十七年度に公表された財政基盤強化プランのさらなる取り組みというものになりました。このさらなる取り組みでは、企業債の償還時期で大きな二つの山のうち、第一の山である平成二十一年度、二十二年度が終わった段階での収支予測を立てていました。
 そこでまず、平成二十一年度、二十二年度の企業債の償還について、さらなる取り組みでの対応方針と、平成二十二年度の予算を終えての対応についてお伺いしたいと思います。

○石原臨海開発部長 平成十八年三月に策定いたしました臨海地域開発財政基盤強化プランのさらなる取り組みでは、償還の山、谷を極力平準化するために、内部留保金を活用することを検討することとしておりました。
 平成二十一年度につきましては、予定どおりの償還を行いましたが、二十一年度末では、リーマンショックに端を発した経済動向の激変によりまして、土地取引が急激に冷え込み、今後、この市況が三、四年続くことも危惧される状況でございました。そうした中で、平成二十二年度には約千三百億円の起債の償還期を迎えたわけでございます。
 平成二十二年度におきましては、内部留保金を活用し、全額償還することも可能ではありましたけれども、厳しい市況が継続した場合、臨海会計は一時的に資金繰りが悪化してしまうおそれもありましたので、このため、約九百億円の都債の借りかえを実施し、財政基盤の安定化を図ったものでございます。
 起債償還の全体についてでございますが、起債総額約五千二百億円のうち、約五割に当たる約二千八百億円は償還済みとなっております。

○滝沢委員 その償還の二つの山が、今度、平成二十六年度でありましたけれども、このときまでに経済状況が好転していかなければいけない。予定される千五百三十四億円についても償還が難しくなるのではないかと懸念されますけれども、今後の見通しと対応策についてお伺いしたいと思います。

○石原臨海開発部長 国内外の経済の先行きが不透明な中、不動産市況は依然として厳しく、楽観視はできないと認識しております。
 しかし、臨海副都心では、これまで、事業者の誘致に工夫を凝らしながら積極的に取り組み、テナント入居を含めて九百二十社を超える企業が集積する一大拠点となってございます。
 また、進出事業者で構成されるまちづくり協議会や臨海ホールディングスグループなどと連携しまして、各種のスポーツ大会、海の灯まつりなど、魅力あるイベント創出にも取り組んでまいりました。こうした取り組みも功を奏し、今や年間四千五百万人を超える来訪者を迎えて、まちのにぎわいが増しております。
 また、都心に近接する広大な土地として貴重な価値を有し、羽田空港、成田空港からのアクセスにもすぐれているなど、不動産価値としてのポテンシャルは高く、さまざまな方面から注目を集める地域であります。
 引き続き、臨海副都心が持つ高いポテンシャルを最大限に生かし、創意工夫も凝らしながら土地処分を進め、安定的な会計運営に取り組んでまいります。

○滝沢委員 今、ポテンシャルがいいという話もありましたけれども、昨今の経済状況の中では柔軟に対応していくということも、やはり理解しますけれども、さらなる取り組みで、第一の取り組みとして掲げられていましたのは新たな起債の抑制でありました。そして、その効果として、新たな金利負担を回避することができることや、臨海副都心のまちが概成する平成二十七年度を待たずして、平成二十六年度までに借金を完済できることが挙げられていました。
 これについて、どのような影響が出るものと考えているのか、お伺いいたします。

○石原臨海開発部長 平成二十二年度に約九百億円の都債の借りかえを実施したことによりまして、起債償還年度につきましては、平成三十二年度まで延長となりました。都債の借りかえによる財政基盤の安定化は、激変する経済動向に適切に対応し、臨海副都心開発を着実に進めるために必要な措置でございます。
 償還期間は長くなりましたが、臨海副都心のポテンシャルは高く、中長期的に見れば、保有している土地の処分によりまして、確実な償還が見込めると考えております。

○滝沢委員 三十二年に延びたということですけれども、平成二十七年度のまちの概成までに借金が償還できない、中長期的には確実な償還が見込めるというふうなご答弁がございましたけれども、その一方で、収入の確保に向けた取り組みはどうなっているのか。
 さらなる取り組みでは、これまで以上の収入確保に向けた土地処分方策の検討も掲げておりますけれども、これらの具体的な内容と、その取り組みについてお伺いいたします。

○延與営業担当部長 土地処分方策につきましては、これまで、事業者が臨海副都心により進出しやすい条件を整備するために、転売禁止期間の撤廃や分割支払い時の利息引き下げ、また、公募区画の境界を希望により変更する区画の弾力化などを実施してまいりました。
 平成二十二年度には、不動産仲介成功報酬額の上限を増額させることにより、仲介事業者に対するインセンティブを向上させるなど、さらに臨海副都心の土地処分の促進を図る取り組みを行ってまいりました。

○滝沢委員 この先の土地処分も着実に進めていかなければいけないということで、収入確保は当然にして求められるわけでございまして、さらなる取り組みでは、平成二十二年度までに四千九百七十四億円を収入する予定であった都有地運用収入等はどうであったのか。特に臨海副都心地域での都有地運用収入は計画どおり進んでいるのか伺いたいと思いますし、また、収入の確保に当たっては、処分以外の方策を工夫されているのかも、あわせてお伺いいたします。

○石原臨海開発部長 都有地運用収入等につきましては、平成二十二年度までに四千六百七十八億円、九四%の達成率となっており、近年の土地価格の下落傾向を勘案しましても、さらなる取り組みに掲げた計画をおおむね達成できたといえます。
 処分以外の方策につきましては、当面処分を予定していない用地を暫定利用するなど、有効活用を図っております。具体的には、青海ST区画の複合商業施設や、青海E区画の温泉テーマパーク施設、有明南H区画の結婚式場などでございます。これによりまして、まちのにぎわいが創出され、臨海副都心の発展にも寄与しているものと考えております。

○滝沢委員 九四%ということですけれども、昨今では、厳しい不動産市況の中でも、将来を見据えた安定的な会計運営に取り組んで土地の処分の工夫を進めているということが今のご答弁でわかりましたけれども、土地の暫定利用については、臨海副都心地域のにぎわいと活力を創出していく上での有効な方策だと思います。
 一方で、開発の総仕上げに向けては、まちづくり推進計画に定める各地区のコンセプトに沿って、より魅力があり、すぐれた事業者の誘致、集積を図っていくことが必要であります。
 これまでの質問でも明らかなように、まちづくりは不動産市況や外的な要因の影響を大きく受けますが、長期的な視点から、まちづくりが重要と考えます。社会経済情勢を見据え、需要を見きわめながら、じっくりまちづくりに取り組むこと、そして、会計運営には中長期的な視点を持って、柔軟な発想で財政基盤の安定化を図り、より適切な会計運営に取り組むことにより、多摩ニュータウン開発事業のように、債務超過に陥り、多額の一般財源で穴埋めするようなことにならないようにしていただきたいというふうに強く要望しておきます。
 さて、この会計運営を左右する重要な要素としては、土地の処分の進捗状況があると思います。そこで、臨海副都心地域内の全体の用地処分状況の詳細について伺いたいと思います。
 平成二十二年度の決算書の八ページから九ページでは、臨海副都心用地の処分収益として、四件、七万九千六百平米で三百三十五億円を収入している。このうち大きいものは、住友不動産株式会社に対して、江東区有明二丁目の六万七千三百平米を二百六十九億円余りで処分したものです。この区画は、有明北三-一地区の十一街区として、平成二十年五月八日に公募を発表しましたけれども、買い手がつかず、三度目の公募でした。
 当初予定した最低売却価格と、今回実際に契約した土地処分額を伺います。また、公募の条件の見直し点についても確認をしていきたいと思います。

○延與営業担当部長 有明三-一地区につきましては、隣接地権者であります都市整備局及び都市再生機構との三者共同で一体開発を条件に公募を行い、平成二十二年十二月に事業者決定したところでございます。
 当初の公募は平成二十年五月でございますが、その際の港湾局用地分の最低売却価格は約四百八億円でございました。その後、リーマンショックや景気の後退等による都内の地価下落傾向を踏まえて売却価格の改定を適宜行いまして、平成二十二年七月には、最低売却価格は二百六十二億円となっております。最終的には、港湾局分として、約二百六十九億円で事業者決定いたしました。
 公募条件の見直し点につきましては、一部、事業用定期借地を認めましたほか、東西を貫通する区画道路部分について、売買対象面積から除外するなどの条件整備を行い、また、住宅予定戸数の上限も千八百戸から二千戸に変更してございます。

○滝沢委員 東京都で、平成二十二年の十月二十七日付で、青海C2や有明南G1など五区画、八万八千平米余りについて進出事業者の公募を行っておりますけれども、このうちNO区画については、ことし十月四日に、公募条件の見直しを検討するため、一部を中止すると発表がありました。その理由については、国際会議場などを誘致するためと報道もありましたが、NO区画についての検討内容と今後のスケジュールについてお伺いいたします。

○延與営業担当部長 NO区画が位置します青海地区北側の開発コンセプトは、観光、交流を中心としたまちづくりでございまして、これを踏まえて、平成十九年三月から公募を実施してまいりました。
 先月二十七日には、東京都が、臨海副都心を含む五つのエリアにつきまして、国際戦略総合特別区域の指定申請を国に行ったところでございます。これに伴いまして、このNO区画につきまして公募条件の再検討が必要となりましたので、十月六日から公募を一たん中止いたしました。再公募につきましては、総合特区の状況や不動産取引の状況などを勘案して決めてまいります。
 今後、総合特区の指定状況も踏まえ、既にビッグサイトや大型ホテルなどコンベンション施設が集積しております臨海副都心の特性を生かして、さらなる開発に取り組んでまいります。

○滝沢委員 リーマンショック以降、厳しい経済状況が続いておりますけれども、昨今では、円高の影響などにより、外国企業の進出もままならない状況があります。
 そして臨海副都心は、ことし三月の東日本大震災に際しても、被害はほとんど発生していないということでございます。国際化した羽田空港からのアクセスが、先ほどの答弁などでも、よりよいということなどもありますけれども、今後の開発に進む潜在的な可能性を秘めている。また、日本経済についても引っ張っていく、そういったこともできるでしょうし、アジアのヘッドクオーターとしても、臨海副都心地域における期待はとても大きいことと思います。
 総合特区の指定なども見据え、さらに魅力的なまちづくりの実現に向け、引き続き取り組んでほしいと強く要望し、私の質問を終わります。

○宇田川委員 臨海地域開発事業会計を拝見させていただきました。その中の一九ページに、公園緑地管理経費として一億七千六百万円を超える支出が記載をされておりました。私からは、海上公園の管理委託について質疑を進めてまいりたいと思っております。
 昨年の第四回定例会において、平成二十三年度から五年間の新たな指定管理者を決定、本年度から管理を開始しているところであります。今回の決算は、平成十八年度から本格的に導入した指定管理者制度を検証する時期に当たっているわけでございまして、その観点から質問させていただきます。
 まず、おさらいといいますか、過去を少し振り返って確認をしておきますが、従前の管理委託制度では、自治体が公の施設管理を外部委託する場合に、幾つかの問題があったのだと思っております。委託先が非常に限定をされておりました。その上、管理上の権限を自治体側で有する必要があったために、自由度もかなり限られていたんだと思います。結果として、住民ニーズに的確に対応するための柔軟性に欠けていたわけでございます。その欠点を補うように導入されたのが指定管理者制度である、こういうことだと思っております。
 今のことを踏まえてお尋ねをさせていただきますが、海上公園において導入された指定管理者制度、この五年間の結果をどのように評価されているのか、まずお伺いをいたします。

○石原臨海開発部長 指定管理者制度は、多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の創意工夫や発想を活用しつつ、住民サービスの向上と経費の節減を図ることを目的に導入されました。
 海上公園では、指定管理者制度の導入によりまして、管理経費に関しましては、民間事業者などの参入により競争原理が働き、大幅な縮減が達成できております。また、各指定管理者が管理運営している公園におきましては、それぞれの特性に応じた各種イベントなどの自主事業に取り組み、公園の活性化に十分な効果をもたらしており、指定管理者制度の導入によりまして、海上公園の効率的、効果的な管理運営が実現され、一定の成果を上げていると認識しております。

○宇田川委員 指定管理者制度を導入したことによって、経費の縮減とか公園が活性化した、こういった効果をもたらし、一定の成果は得られたと、こういう答弁だったと思うんですが、確かに私もそのとおりだと思っております。しかし、もう一歩踏み込んだ検証というか、議論をしっかりやっていかなきゃいけないんじゃないかなと私は考えております。
 例えば、経費の縮減をする。これ、当然のことで大事なことの一つではあると思うんですが、お金をかけないことによって弊害が出ることもあると思うんです。
 なぜ指定管理者制度を導入したのか。一つには、都の政策と密接に関係する事業を進めるという役割があるからだと思っております。政策実現のために一定の経費がかかることはやむを得ないことであって、こういったことは多々あると思います。
 「十年後の東京」計画の中で、水と緑で包まれた美しいまち東京を復活していくんだと、こういうことが書かれておりました。公園は都市の顔であるという位置づけがなされたと考えております。公園は、都民に憩いなどを与えるとともに、観光政策などの重要な役割を一方で果たしているわけです。浜離宮などの庭園はもちろんのことですが、この臨海部の中にも、シンボルプロムナード公園とか、お台場海浜公園などがございまして、これはまさに政策の一翼を担っているわけでございます。こうした役割をしっかり全うしていくためには、日々の管理がきちんとなされていなければならないと思います。経費縮減を掲げた結果、安かれ悪かれという結果が出てしまうと困るんですね。
 シンボルプロムナード公園において、指定管理者は、他の民間などに再委託をされているわけですが、どんな業務を再委託されているのか、お尋ねをします。加えて、どういった契約方法をとられているのか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。

○石原臨海開発部長 二十二年度におきまして、シンボルプロムナード公園で指定管理者が委託している業務は、樹木剪定や草刈り、清掃作業などの園地管理業務、消防設備点検や照明設備点検などの設備管理業務でございます。
 契約方法といたしましては、競争契約を基本としておりますが、特定メーカーが設置した照明設備の制御装置点検委託につきましては、安全、安心、安定を確保するため、その照明設備メーカーの代理店と特定契約をしております。
 なお、競争契約の業者選定に当たりましては、過去の施工管理の実績を重視し、業者を選ぶなどの工夫を行い、指定管理者が有するノウハウを生かして実施していると指定管理者から聞いております。

○宇田川委員 今、樹木剪定だとか草刈りという話がありました。それで、最後の方で、競争契約が基本だけれども、いろいろ工夫してやっているという話があったんですが、私はそうは思っておりません、申しわけございませんが。
 我々自民党として、造園業の方々にいろんな意見を伺っております。直近では、九月に予算要望ヒアリングを行って、その中でも話をしましたし、我々が今やっている入札・契約制度プロジェクトチーム内で、十月にも直近でお呼びをいたしまして、二度目の意見交換をさせていただきました。
 こうした関係者の話を伺っていると、それがすべてだとはいいませんが、先ほど申し上げた政策との一体化が本当になされているのか、先ほど申し上げたとおり、私は疑問を持っています。品質確保がしっかりなされているのでしょうかね。
 ほかの委員会でも、私、同様の発言をしたことがあるんですけれども、新芽とか花芽とか、これから育っていく木を、ただ丸くバリバリとチェーンソーで刈ってしまう。せっかく来年の春にきれいなお花が咲くということで、植えたり、種をまいたりしたその草花を、雑草と一緒に、やはりチェーンソーみたいなものでざっと刈ってしまう。こんな事例は、私は少なくないと聞いています。
 これ、国のことなんですが、皇居の松の剪定に当たって、やはり文化であり、顔の一つだと皇居は思うんですが、チェーンソーで松をバリバリ刈っちゃって丸裸にしちゃったなんていう話があって、この最たるものだと思っているんです。
 こうしたことを考えると、指定管理者制度による民間活力の導入、これが必要以上の経費削減につながってしまうことがあるんじゃないかと考えております。行政効率のアップとか住民福祉向上に寄与する等、本来の役割を全うできない可能性が出てきてしまう。それじゃ困るんですよ。
 我が党のPTでは、入札契約制度とともに、指定管理者制度についても議論を重ねてまいりまして、二回目の報告書では、このことで提言を取りまとめさせていただきました。東京都は、この報告書を受けていただく形で、この制度のブラシアップを行っていただいて、結果、昨年の公募とか選定とか、これの見直しに至ったと、こう思っております。
 この見直しを行ったことによって、海上公園では、指定管理者選定の際にどのような対応をされたのか、お伺いいたします。

○石原臨海開発部長 昨年の見直しでは、施設の特性に着目しまして、都の重要な政策と密接な関係を有し、その政策実現のために活用すべき施設であるとともに、管理に当たって、都の政策に沿った柔軟な対応が求められる施設につきましては、行政支援、補完機能を有する監理団体を特命で選定できることとなったところでございます。
 臨海副都心開発は、都が主体となって実施する政策でございます。このエリアの海上公園は、地域全体を一体的に結びつけるまちの骨格を形成しておりまして、にぎわいの舞台、防災避難広場などの政策的に重要な役割を担っております。
 臨海ホールディングスグループは、これまで、都のパートナーといたしまして、臨海副都心開発における都の政策の具体化に多くの実績を上げるとともに、開発当初から、進出事業者の立場でまちづくりを牽引してまいりました。そのため、臨海副都心エリアの海上公園につきましては、都の政策を確実に実現するとともに、効果的に管理運営できる団体といたしまして、特命により東京臨海副都心グループを指定管理者として選定いたしました。

○宇田川委員 特命にて監理団体を選定したわけですけれども、当然なことだと思っています。なぜなら、先ほど来申し上げているとおり、政策実現の一翼をしっかりと担っていると私は認識しているので、間違いないということを申し上げたわけでございます。
 さて、都の監理団体は第三セクターと位置づけがなされているんですが、しかし、PTの報告書においても我々主張を繰り返させていただいたように、本来的には、公益性を優先する行政と経済効率性を優先する民間企業との間に立って、中間的優位性を生かした、我々は一・五セクターという名前をつけましたが、一・五セクターともいうべき位置づけがふさわしいわけでありまして、その両面をしっかり発揮することによって、都政運営の重要なパートナーとして機能していくべきだと考えております。
 昨年の第四回定例会において、臨海副都心エリアの海上公園の指定管理者決定に当たっては、臨海地域のエリアマネジメントを推進する臨海ホールディングスグループに参画する三社で組織をされた、今お話が出た東京臨海副都心グループ以外はないと、こういうことでありました。より都に近い立場で事業を行っている過去もありますし、さっきの議論でいえば、一・五じゃなくて、一・二とか一・一とかに近いのかなと、そんな気がしておりまして、管理者決定は間違いのない選択だと私は確信をしております。
 この東京臨海副都心グループが指定管理を始めて半年が経過したわけですが、都の政策を実現するべく、着実に機能されているのか、お尋ねをいたします。

○石原臨海開発部長 三月十一日の東日本大震災以降、臨海副都心におきましても、イベント辞退や来訪者の激減が続いておりました。また、電力不足が心配される中、イベントそのものの開催も困難になっておりました。
 しかし、経済を活性化させ、被災地を支援するためにも、まちのにぎわいを取り戻すことは重要でございます。そのため、指定管理者は、積極的な被災地支援を目的としたイベントの誘致や、電力不足を補うため、イベント時には自家発電を使用するなど、さまざまに工夫を凝らすことで、臨海副都心のにぎわいを取り戻させました。
 また、指定管理者が都にかわってイベント開催にかかわる窓口を担うことで、情報の一元化を図り、利便性向上にも寄与しているところでございます。
 指定管理者である東京臨海副都心グループは、ご指摘にもありましたとおり、公益性と効率性を発揮し、よりよい都政を実現するという監理団体のありようを、臨海副都心の地で具体的かつ着実に実現しております。

○宇田川委員 お話のとおり、ぜひ都は、監理団体と政策を実現するんだと、この思いをしっかり持って連携をしていただいた中で推進を図っていただくようにお願いをいたします。
 本日は決算の質疑ですから、やりとりはこの程度でやめますけれども、先ほど申し上げたとおり、PTで今なお議論を重ねているところで、指定管理者制度についても、いろいろ検討を重ねております。その中で、まだまだ課題はあるんだなと認識をしています。
 人材交流をすることによって人材育成をする、これは私、昨年の四定の一般質問でもやらせていただきましたけど、そういうことだったり、政策とのかかわりによっては、五年という期間じゃなく、十年という長期の委託もあり得るんだと思っています。
 先ほど触れた再委託についても、草花をバリバリ刈ってしまうという話をしましたが、二年とか三年とか複数年契約にすれば、同じ事業者がしっかり草花を見据えてできることだから、そういうこともやっぱり考えていくことによって品質向上を得るということもやっていかなきゃいけないんだと思います。これは臨海ホールディングスに限らず、公園協会とかJKKとか、それの再委託先もやはり同じことなんだろうなと考えております。
 我々、申し上げてきたPTメンバーとしても、今後もこういった指摘とか提言を重ねて、皆さんにお示しをしてまいりたいと思っております。ぜひ、よりよい制度づくりにお力をいただいて、ともにこの制度をよりブラシアップした中で、確かな制度として確立するようにお力を尽くしていただくようにお願いさせていただきます。
 以上です。

○たぞえ委員 私は、臨海地域開発事業会計決算について質疑をします。
 この事業会計は、港湾地域とこれに隣接する地域での埋立地の造成、整備と開発を行っている事業ですが、決算年度での埋立地の処分は、資料でも明らかなように、金額は三百三十四億円と記載されています。
 決算書一〇ページの一時借入金の概況では、企業債の発行について、八百九十七億八千万円の当年度借入金があったと、このようにも記載がされています。
 もともと臨海副都心地域は、東京駅から約六キロ離れた四百四十二ヘクタールの東京港埋立地に業務・商業ビルを誘致する、まさに我が国最大の自治体の民活プロジェクトで、当初の事業計画費は、民間投資を含めて八兆円という大規模です。
 臨海副都心開発について、我が日本共産党は、計画段階から現在まで、繰り返し問題を厳しく指摘して、ただしてきました。きょうも、今日までも事業そのものは継続をしていますが、現時点でどうなっているか、幾つかただしていきたいと思います。
 まず、当初の臨海副都心開発の開発方針です。
 臨海副都心まちづくり推進計画では、平成二十八年度以降に、すべての地区でまちが完成、発展していくといっていますが、計画人口、そして、現在の就業人口と居住人口はどうなっているのか、まず答弁をいただきたい。

○石原臨海開発部長 初めに開発方針でございますが、臨海副都心は、職、住、学、遊のバランスのとれた複合的なまちづくりを目指し、業務、商業、居住、文化、レクリエーションなどの多様な機能を備えるとともに、地域と来訪者のさまざまな交流によるにぎわい豊かな都市の形成を進めているところでございます。さらに、臨海副都心では、環境先進都市を目指し、自然と共生する環境保全型の都市づくりを進めております。
 お尋ねの臨海副都心における計画人口でございますが、就業人口は九万人、居住人口は四万七千人でございます。現在の就業人口は約四万七千人、居住人口は約一万一千人でございます。

○たぞえ委員 昭和六十三年の開発地域の当初基本計画では、就業人口十一万人、居住人口六万人という巨大な都市づくりを進めるために、インフラ整備に莫大な投資を行い、それに伴って過大な起債償還を背負ってきました。その後も、平成九年のまちづくり推進計画、十八年の土地利用一部見直しなどで、就業人口も土地処分も見直しをしまして、当初の人口計画に比べて、就業人口は半分以下の四割、居住人口に至っては六分の一、十八年の四・七万人の人口計画に対して、いまだに一・一万人で、計画段階から現在までも大幅に進展もしない、このことへの検証は必要だというふうに思います。
 次に、臨海関係第三セクターのテレコムセンタービル、有明フロンティアビル、青海フロンティアビル、台場フロンティアビルの四つのビルの入居率について、二十二年度の状況を示してください。

○大朏監理団体改革担当部長 お尋ねの各ビルの平成二十三年三月末現在の入居率でございますが、テレコムセンタービル、七九%、有明フロンティアビル、八四%、青海フロンティアビル、八三%、台場フロンティアビル、一〇〇%でございます。
 このため、株式会社東京テレポートセンターでは、インターネットのウエブサイトによる情報発信ですとか、大手不動産業者の仲介による新規テナント獲得のための営業活動に努めているところでございます。

○たぞえ委員 これらのビルには、東京都と都関連団体が入居していますが、ビルへ入居している団体数と使用している床面積、月々の賃料と共益費の状況を説明いただきたいと思います。

○大朏監理団体改革担当部長 株式会社東京テレポートセンターのビルに入居してございます都の施設及び都関連団体の施設数でございますが、全部で五施設でございます。使用している床面積は約八千七百平方メートルでございまして、これは同社のビル全体の四%でございます。
 なお、個別の賃料、共益費につきましては、株式会社東京テレポートセンターの営業上の情報でございますので、お答えはいたしかねます。

○たぞえ委員 これまでも、賃料や共益費については、議会にも説明があったかと思います。こうした内容については、すべて公開をしていくということが大事だと思います。
 東京都は、八〇年代末に、臨海の中核事業であるビル経営を担うために、第三セクタービルを次々に設立しました。しかし、今、答弁のように、臨海関係第三セクターのビル入居率は、テレコムセンタービルでは、二十一年度、八八%が二十二年度には七九%に落ち込み、有明フロンティアビルは、三%減って八四%、青海フロンティアビルでも、三%減って八三%というぐあいに、保有ビルのテナントは埋まらず、入居率は惨たんたる状況です。
 その中でもテレコムセンターは、十九年度末が九六%が、二十年度、九六%、二十一年度、八八%、二十二年度、七九%と、十七年度末の七三%に近い入居状況になっていることは重大です。テナントが業務部門の縮小などで撤退が続く、そういう状況は、過大なオフィス需要予測に基づく無謀ぶりが直撃した姿だと思います。
 東京テレポートセンターは、民事再生の際、三セクが所有する土地とテレポートセンターの株式を交換するという支援までもが行われました。
 都は、当初、臨海副都心の基盤整備費用は、全額、進出の企業で賄うと、こうして一九八九年に臨海地域開発事業会計を設置したわけですが、当初の計画では、土地の売却ではなく、地価は上がり続けると、このような土地神話にしがみついて、長期貸付を前提に毎年八%ずつ地代を引き上げる、全国に例のない新土地利用方式を採用したわけです。
 九〇年に第一次公募を開始したものの、バブルの崩壊で、進出企業の要求をのんで、地代の引き下げと権利金の返済まで踏み込みました。そればかりか、二〇〇〇年から開始した第二次公募も不振で、今度は、〇一年には売却方式を導入して、相次いで土地の値下げを実行しました。ことしに入ってからも、企業公募の土地販売価格が三年連続値下げしています。
 東京都と都市再生機構が〇八年に共同で公募した有明北三-一区画、十一ヘクタールを、この決算年度の二十二年十二月に処分をしていますが、住友不動産が買い入れたこの区画の公募価格は、一回目の平成二十年五月の時点は、港湾局と都市再生機構、都市整備局の分、合わせて幾らだったのでしょうか。

○延與営業担当部長 有明北三-一区画の平成二十年五月の第一回公募時点での最低公募価格でございますが、約六百十三億円でございます。

○たぞえ委員 それでは、二回目の公募価格と、住友不動産が買い入れた三回目は幾らだったのですか。

○延與営業担当部長 二回目の最低公募価格は約四百四十七億円、三回目の最低公募価格は約三百九十二億円でございます。
 これは、平成二十年九月に発生しましたリーマンショックの影響等により、都内の地価が大幅に下落いたしましたほか、十一ヘクタールに及ぶ大規模区画ということで、大規模画地に対する需要が減退するなど、不動産市況を反映したものでございます。

○たぞえ委員 今のお答えのように、わずか二年二カ月で、港湾局分だけで百四十五億九千万円、都市再生機構と都市整備局を合わせて、三つで二百二十一億円も下げたわけです。最低販売価格は、国の地価動向を受けたと、今お話がありましたが、二十二年十月時の一平方メートル、八十九万二千円を、わずか九カ月後の二十三年七月には八十三万二千円に値下げした。このことを価格にした、まさに私は、改定へのよい条件と救済としかいいようがありません。
 東京都が臨海副都心の企業公募を開始してから既に二十一年が経過しましたが、分科会要求資料でも明記されているように、有償予定地百六十三ヘクタールのうち、売却や長期貸付が決まったのは百六ヘクタールで、処分手続を含めても百十八ヘクタール、七二%にしかすぎないんです。
 処分した、国や関連法人、民間企業それぞれの土地の面積について説明いただきたいと思います。

○延與営業担当部長 まず、先ほどの公募価格の改定について補足のご説明をさせていただきたいと思いますけれども、公募価格は、規則に基づき手続を経まして、その時々の適正な時価をもって評価をしてございます。最近、土地の価格の動向は下落傾向にありまして、価格が下がりましたのは外的な要因によるものでございますので、都が意図的に値下げをしたとかということではございませんので、ご理解いただければと思います。
 また、今お尋ねのありました処分面積に関してですけれども、臨海副都心の有償処分面積百六十三ヘクタールのうち、現在、処分済み面積が百六ヘクタールでございます。この内訳としまして、国、独立行政法人、東京都など公的なセクターに対するものが五十六ヘクタール、第三セクターに対するものが十ヘクタール、民間に対するものが四十ヘクタールとなってございます。

○たぞえ委員 二年二カ月待っていれば二百二十一億円下がった、この事実は消すことはできないですよ。進出企業が今の地価の動向をずっと注意深く調査し、半年、一年、二年、二年半、そこの目当ての土地が、じっと待機をすることによって地価が下がっていく。それは、一般のサラリーマンが住宅を購入するときに、この住宅が一年後に下がります、二年後に下がりますといったら、それまで、じっとみんな待つのが普通です。それは企業だってそうでしょう。
 しかし、地価の動向といえども、必ず上がっていく、こういう予測をかつて立てたその地域で、しかも、土地の販売をやってもなかなか売れない中で、いや、これはもう少し様子を見てみようというふうに企業としては意思を働かせるのは当然だと思いますね。
 しかし、それにしても、この額というのは、都民にとってみたら、都民の財産である都有地がこれほど価格が下落するということは、想像を絶する状況じゃないでしょうか。
 都や国の関連法人が、これによって五二%、大半を占めているわけですが、一方で、民間企業は、三八%の五十三ヘクタールにとどまっています。今後の開発予定面積は、処分できないでいる二八%の四十五ヘクタールの公募でありますが、これもいまだに残っています。
 この十年間で、青海C2と有明南G1は、どれだけ価格を下げ、その差額と率はどう変動したのでしょうか。

○延與営業担当部長 まず、青海C2区画に関しましては、現在の区画規模での公募は、八年前の平成十五年七月からでございます。当時の最低売却価格が約五十七億円、現在の最低売却価格は、平成二十三年七月に価格改定を行いまして約四十九億円、差額が約九億円、率では約一五%のマイナスでございます。
 有明南G1区画につきましては、十年前の平成十三年七月当時の最低売却価格が約百十三億円、現在の最低売却価格は九十三億円、差額は約二十一億円、率にしますと一八%のマイナスでございます。

○たぞえ委員 今の二つの区画のうち、青海C2は、今、答弁のように四十九億円、そして、有明南G1は九十三億円の売却目標額を設定していますが、売却できたのですか。

○延與営業担当部長 お尋ねの区画につきましては、現在、処分には至っておらず、引き続き公募を行っております。

○たぞえ委員 いまだに売れ残っているのが事実なわけです。何とか売却したいと、売却のために不動産仲介業者への報酬制度まで見直して、仲介成功業者には、売却額に応じて上限一億円を二億円に引き上げて、何としても売却を広げていくと、こういう活動だと思います。しかし、それでも売却ができない。
 企業公募の不振による相次ぐ値下げによって、結果的に、毎日一千万円の利子払いと、毎日一億円の赤字が累積している事態に追われている。借金地獄の臨海会計をさらに圧迫している。これが現在の姿そのものです。
 バブル経済に浮かれて不動産業に手を出したことが、今日も深刻な事態に追い込まれている。まさに、都財政に大きな負担をかけてきた臨海開発の失敗は明白だと思います。
 二〇〇一年度には、黒字の埋立会計、羽田沖埋立会計の二つの事業会計を統合して、臨海会計が二会計から借り入れていた三千六百三十億円を事実上チャラに、踏み倒して、赤字の穴埋めを行ってきました。そこまでして資産を臨海会計につぎ込むなど、貴重な都民の財産を臨海の穴埋めに投入してきたといわざるを得ません。
 統合後も、臨海地域開発事業会計の資金繰りは厳しい状況であることは事実です。リーマンショック後も進出企業がほとんどなく、用地売却をしようにも入らない。分科会要求資料にも出ていますように、二十二年度は、千三百四十億円の元金返済のために、七割の八百九十七億円の新たな借金を起債して、借りかえで先送りをする。資金ショートをこうして回避してきました。それでも、過大な計画に基づく過大投資のツケは、いまだに起債残高でも莫大な借金として残されています。
 今後の動向についてですが、予想がつかない、そういうことではありませんか。

○延與営業担当部長 土地処分の今後についての予測ということだと思いますけれども、不動産市況全体を見ますと、依然として厳しい状況は続いております。一方で、臨海副都心につきましては、ポテンシャルは高いと考えておりまして、実際にさまざまなお問い合わせはいただいております。
 引き続き、厳しい経済状況ではありますけれども、経済全体や土地需要の動向を見きわめながら、さまざまな努力、工夫を行いまして、土地処分に全力で取り組んでまいります。

○たぞえ委員 いろいろお問い合わせはあるでしょうけれども、着地点がない、これがやはり結果なんですよね。問い合わせはあっても、そこに行き着かないわけだから、これがずっと続いている。やはり予想がつかない、そういうことじゃないでしょうか。
 今後、建設元利金債の残高見込みはどの程度と推測をしているのでしょうか。

○石原臨海開発部長 お尋ねにお答えする前に、冒頭、委員から、計画人口と実際の人口の乖離についてお話がございましたので、一言申し上げたいと思いますが、現在の有償処分面積の約七割について事業者が確定しておりまして、全体としては、開発は着実に進んでおります。
 就業人口につきましては、業務・商業をメーンとした青海地区北側の開発がこれから進んでまいります。また、居住人口につきましては、住宅をメーンとした有明北地区の開発がこれから進んでいく予定でありますことをご理解いただきたいと思います。
 それから、お尋ねでございますが、平成二十二年度末現在における企業債残高は二千三百五十三億円でございます。今後発生する利子は百八十一億円でございます。合計しまして二千五百三十四億円となってございます。

○たぞえ委員 決算委員会ですからね、これから、これからなんていう先の話を持ち込まれても困るんですよ。現在どうなんですかと質問しているんですから、それ以上のことについて私も聞いていないし、そんなことは予測つかないわけですよ。二十二年の決算の時点の話を聞いているんですから、そういうおまけのような発言をされても、私は場が違うというふうに思います。
 さて、青海NOの二区画でありますけれども、面積は三万五千八百九十二平方メートル、臨海副都心進出企業者の公募を実施してきた区画です。二〇〇八年では四百二十億円、〇九年は四百八億円、一〇年度は三百七十三億円、一一年、三百四十七億円と、販売価格を毎年下げただけではなく、長期の貸し付けでも、公募しましたが、進出企業はゼロというもとで、突如、港湾局は、十月四日、公募条件の見直しを検討するとして、十月五日限りで公募を中止しました。なぜ急遽、公募を中止したのでしょうか。

○延與営業担当部長 NO区画が位置しております青海地区北側の開発コンセプトは、観光、交流を中心としたまちづくりでございまして、これを踏まえて、当該区画の公募を平成十九年三月から実施してまいりました。
 先月二十七日に、東京都は、臨海副都心を含む五つのエリアについて、国際戦略総合特別区域の申請を国に対して行いました。これに伴いまして、NO区画の公募条件の再検討が必要となり、十月六日から公募を一たん中止しました。再公募については、総合特区の状況や不動産取引の状況などを勘案して決めてまいります。
 今後、総合特区の指定状況も踏まえて、既にビッグサイトや大型ホテルなどのコンベンション施設が集積している臨海副都心の特性を生かしまして、さらなる開発に取り組んでまいります。

○たぞえ委員 この背景には、石原知事が打ち出した総合特区、アジアヘッドクオーターがあります。知事は、今回の第三回定例会でも、この地域に、世界から人、物、金融、情報を寄せ集めて、東京をアジアのヘッドクオーター、つまりアジアの司令部へと発展させていきたいと述べて、外国企業の法人税の半額などの軽減によって、今後五年間で五百社以上の外資企業を呼び寄せるために、至れり尽くせりのサービスを行う、そういう総合特区をつくると。そして、今、答弁がありましたように、国際会議場や大型ホテルをつくって、ビジネスイベントを誘致する方針を掲げています。まさに臨海副都心の救済策だと私は思います。
 税の優遇措置のほかに、さらに土地価格を引き下げることも想定されるのでしょうか。

○延與営業担当部長 先ほどもご説明いたしましたけれども、公募価格につきましては、規則に基づく手続を経て、そのときの適正な時価をもって評価しておりますので、土地の価格を意図的に下げるようなことはあり得ないことでございます。

○たぞえ委員 青海地区の都有地は、九七年のまちづくり推進計画に基づいて、広く都民に呼びかけられ、いかに都民のために使うかという提案に、実に二千四百件もの都民から都民活用提案が寄せられ、十一件が優秀提案に選ばれ、この都庁でも、それが展示されました。まさにこのエリアは都民提案型街区だったのです。
 ところが、東京都は、この提案を八年間にわたって放置して、具体化もせず、二〇〇六年には、業務・商業複合用地に変貌させ、企業が自由に使えるよう、売却を容認する方向に転換いたしました。しかし、転換して売却するにしても売れない。二〇一〇年度決算でも、二十三年度予算の今日でも、公募しても売れない。
 このような状況のもとで、突如、公募を中止する。そして、打ち出したアジアヘッドクオーター、特区構想に基づいたプランは、港湾局のペーパーを見てみましても、三井不動産を初めとした民間企業がこぞって土地開発の構想を打ち出す中で、まさにこの街区は、これまで漂流を続けていた末、再び企業のための特区構想に、税の軽減で救済されようとしている。このような転換は、破綻した臨海開発のまさに救世主の手だてだといわざるを得ません。
 私は、三セクの五社とも民事再生で破綻し、そして、破綻している臨海副都心の破綻救済の手だては到底認められないし、また、この臨海副都心地域の今後の開発については抜本的な見直しが必要であるということを述べて、質問を終わります。

○岡田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○岡田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時三分散会

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