平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会速記録第二号

平成二十三年十月十七日(月曜日)
第四委員会室
   午後一時開議
 出席委員 二十三名
委員長こいそ 明君
副委員長岡田眞理子君
副委員長谷村 孝彦君
副委員長山田 忠昭君
理事石森たかゆき君
理事中谷 祐二君
理事山下ようこ君
理事橘  正剛君
理事小宮あんり君
山崎 一輝君
くりした善行君
斉藤やすひろ君
星 ひろ子君
島田 幸成君
高橋かずみ君
滝沢 景一君
かち佳代子君
大松あきら君
原田  大君
たぞえ民夫君
宇田川聡史君
吉田康一郎君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長中西  充君
都市整備局長飯尾  豊君
港湾局長中井 敬三君
交通局長野澤 美博君
水道局長増子  敦君
下水道局長松田 二郎君

本日の会議に付した事件
 平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について
平成二十二年度決算概要(説明)
・平成二十二年度東京都病院会計決算
・平成二十二年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成二十二年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成二十二年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成二十二年度東京都港湾事業会計決算
・平成二十二年度東京都交通事業会計決算
・平成二十二年度東京都高速電車事業会計決算
・平成二十二年度東京都電気事業会計決算
・平成二十二年度東京都水道事業会計決算
・平成二十二年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成二十二年度東京都下水道事業会計決算

○こいそ委員長 ただいまから平成二十二年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会に付託されております平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定については、去る九月二十九日に閉会中の継続審査とすることを決定し、この旨を議長に申し出ておりますが、その後、会期が、ご案内のとおり十月十八日まで延長となりましたので、会期中ではございますが、引き続き、審査を行います。ご了承を願います。
 それでは、本日から、さきの委員会でご決定をいただきました実施要領及び審査日程に従いまして、平成二十二年度決算の審査を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、決算審査の参考資料といたしまして、平成二十二年度予算の審議等における懸案事項の措置状況調をお手元に配布しております。後ほどご参照願いたいと思います。
 本日は、決算審査の第一回目でございますので、平成二十二年度会計決算について、各所管局の局長から、順次、概要説明を聴取いたします。
 なお、局別の詳細説明の聴取と資料要求は、それぞれの分科会に分かれて行いますので、ご了承を願います。
 それでは、各局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介がございます。

○野澤交通局長 交通局長の野澤美博でございます。
 こいそ委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから交通局の所管事業につきましてご指導、ご支援を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
 交通局を取り巻きます事業環境は厳しい状況にございますけれども、事業運営に当たりましては、東京の都市活動と都民生活を支える公共交通機関として、お客様から信頼され、支持される都営交通を目指し、安全を最優先に、サービスの向上と経営改善に取り組んでまいる所存でございます。
 委員の皆様方におかれましては、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 それでは、本日出席しております幹部職員をご紹介させていただきます。
 総務部長の宮川昭でございます。本委員会との連絡を担当いたします財務課長の稲垣敦子でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○増子水道局長 水道局長の増子敦でございます。
 こいそ委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 当局におきましては、水道事業並びに工業用水道事業を所管し、都民の暮らしを守り、都市活動を支える基幹的な都市施設として、全力を挙げて健全な水道事業の運営に取り組んでおります。当局に課せられた使命達成のため、局一丸となって職責を果たしてまいる所存でございます。
 委員長を初め委員の皆様方には、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の福田良行でございます。次に、本委員会との連絡に当たります主計課長の坂井吉憲でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○松田下水道局長 下水道局長の松田二郎でございます。
 こいそ委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから下水道事業につきましてご指導、ご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 下水道局は、二十三区における区部下水道事業と、多摩地域の流域下水道事業を所管しておりまして、都民の皆様に安全で快適な生活を送っていただけますよう、下水道の整備と施設の適切な維持管理に取り組んでいるところでございます。
 老朽化した施設の再構築、都市型水害への対応や合流式下水道の改善など、さまざまな課題を抱えておりますが、都民生活の安全性や快適性のより一層の確保を目指し、職員が一丸となって下水道サービスの維持向上に努めてまいります。
 今後とも、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 経理部長の須田潔でございます。本委員会との連絡を担当いたします会計課長の田中宏治でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○飯尾都市整備局長 都市整備局長の飯尾豊でございます。
 こいそ委員長を初め委員の皆様には、当局の事務事業につきまして日ごろからご指導、ご支援を賜り、まことにありがとうございます。
 市街地再開発事業は、道路、公園等の公共施設並びに住宅などの施設建築物を一体的に整備することにより、良好な生活環境を備えた安全で快適な都市空間を創出する事業でございます。
 とりわけ、当委員会でご審議いただきます北新宿地区、環状第二号線新橋・虎ノ門地区、大橋地区につきましては、都市再生の一端を担う都施行の事業として早期実現が期待されており、職員一丸となって取り組んでおります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の田崎輝夫でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の小林忠雄でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○中井港湾局長 港湾局長の中井敬三でございます。
 こいそ委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから港湾局所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 東京臨海地域におきましては、その特性や潜在力を最大限に生かし、さらなるにぎわい創出に向けた取り組みを行うなど、総力を挙げて開発を進めてまいります。
 また、東京港におきましては、国際コンテナ戦略港湾として、川崎港、横浜港との連携のもと、ハード、ソフト両面にわたる施策を展開し、国際競争力のある港づくりを推進してまいります。
 今後とも、臨海地域及び東京港の発展に向けて、局一丸となって取り組んでまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の黒田祥之でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の有金浩一でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○川澄病院経営本部長 病院経営本部長の川澄俊文でございます。
 こいそ委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから病院事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 病院経営本部は、医療サービスのさらなる向上を目指すとともに、福祉、保健医療行政と密接に連携し、引き続き病院事業の推進に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、一層のご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 経営企画部長の藤田裕司でございます。当委員会との連絡等に当たらせていただきます担当部長総務課長事務取扱の児玉英一郎でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○中西中央卸売市場長 中央卸売市場長の中西充でございます。
 こいそ委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから中央卸売市場所管の事務事業につきましてご指導、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 中央卸売市場は、首都圏の生鮮食料品等の円滑な流通を確保し、都民生活を支える重要な役割を担っております。
 引き続き、食の安全・安心を初めとする消費者ニーズに的確に対応した市場運営に、全力を挙げて取り組んでまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 管理部長の塩見清仁でございます。当委員会との連絡に当たります、担当部長で総務課長事務取扱の飯田一哉でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○こいそ委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○こいそ委員長 これより決算の審査を行います。
 平成二十二年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 決算の概要について順次説明を願います。

○野澤交通局長 それでは、交通局が所管しております三会計の平成二十二年度決算のご審議をいただくに当たり、事業及び決算の概要につきましてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております平成二十二年度東京都交通事業会計、東京都高速電車事業会計、東京都電気事業会計決算の概要の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 初めに、1の事業の概要でございますが、交通局は、地方公営企業法に基づき、独立採算制の原則により、三会計で六つの事業を運営しております。
 (1)の交通事業会計では、自動車運送事業を初めとする四事業を経理しております。
 (2)の高速電車事業会計では、都営地下鉄四線を運行する高速電車事業を経理しております。
 (3)の電気事業会計では、奥多摩にございます三つの水力発電所で発電を行う電気事業を経理しております。
 次の二ページをごらんください。交通局を取り巻く事業環境は、少子高齢化の進展により、今後乗客数の増加が期待できない中、安全対策やお客様サービスの向上、環境対策を初めとした社会的要請への対応など、対処すべき課題が増大しております。
 こうした中、交通局では、平成二十二年度から三カ年の経営計画である東京都交通局経営計画ステップアップ二〇一〇を策定し、安全・安心の確保等の方針に基づき、取り組みを開始してまいりました。平成二十二年度におきましては、減価償却費などの資本費負担が重い新交通事業を除く五事業におきまして、経常損益の黒字を確保いたしました。
 次に、2の事業実施状況についてご説明申し上げます。
 初めに、(1)の自動車運送事業でございますが、安全・安心の確保として、乗務員の安全教育を強化するため、運転訓練車を活用した研修を実施するとともに、ドライブレコーダーの映像を活用した研修を実施いたしました。
 質の高いサービスの提供として、更新する車両すべてをノンステップバスといたしました。また、バス停留所に簡易型バス接近表示装置を設置し、景観に配慮したバス停留所上屋を設置するなど、サービスの充実にも努めております。
 次の三ページをごらんください。社会的要請への対応として、ハイブリッド車両の導入を進めました。また、次世代合成燃料によるバスの実証運行への協力をいたしました。
 (2)の軌道事業でございますが、安全、安定輸送を強化するため、運行状況をより詳細に把握できる運行管理装置の更新に向けたシステム開発を行うとともに、環境負荷低減とユニバーサルデザインに配慮した新型車両を導入いたしました。
 (3)の新交通事業でございますが、お客様の利用状況等を踏まえたダイヤ改正を行うとともに、混雑対策として、既存の車両について座席レイアウトを変更するなどの車両の改修を行いました。
 次に、(4)の高速電車事業でございますが、安全・安心の確保として、異常事態に対応するための総合訓練を実施するなど、安全管理体制の強化を図りました。
 また、浅草線のATS自動列車停止装置について、きめ細かな速度制御が可能となるよう改良するとともに、大江戸線ホームドア設置に向け、駅の電力設備の増強や車両改修などを行いました。
 次に、質の高いサービスの提供として、エレベーターやエスカレーターの設置など、駅施設のバリアフリー対策を推進するとともに、駅全体の案内サインについて東京メトロとの統一化を進めるなど、利便性の向上を図りました。
 次に、社会的要請への対応として、駅構内にAED自動体外式除細動器を増設し、すべての改札口に設置しました。
 次の四ページをごらんください。続きまして、3の決算の概要についてご説明申し上げます。
 (1)の交通事業会計でございますが、まず業務量については、自動車運送事業は、百三十九系統、一千四百六十七両の車両をもって営業を行い、乗車人員は一日平均五十五万四千人となりました。
 次の軌道事業は、三ノ輪橋-早稲田間、全長十二・二キロメートルを運行し、乗車人員は一日平均五万人となり、新交通事業は、日暮里-見沼代親水公園間、全長九・七キロメートルを運行し、乗車人員は一日平均五万九千人となりました。
 また、懸垂電車事業の乗車人員は、一日平均三千人となりました。
 収益的収支につきましては、収入総額四百六十一億四千九百万円に対し、支出総額は四百六十六億二千万円で、差し引き四億七千百万円の純損失となっております。
 資本的収支では、収入総額六十億四千五百万円に対し、支出総額は百十二億八千二百万円で、工事資金五億二千六百万円を翌年度へ繰り越しまして、次の五ページになりますが、五十七億六千四百万円の差引不足額が生じました。この不足額につきましては、損益勘定留保資金などで補てんいたしました。
 次に、(2)の高速電車事業会計についてご説明申し上げます。
 まず、業務量についてでございますが、地下鉄四路線の営業キロは合計で百九キロメートルとなっており、車両数一千九十四両をもって運行し、乗車人員は一日平均二百三十三万人となりました。
 続きまして、収益的収支の状況でございますが、収入総額一千四百一億七千九百万円に対し、支出総額は一千三百七億八千百万円で、差し引き九十三億九千九百万円の純利益となっております。
 次の資本的収支では、収入総額一千百二十億五千八百万円に対し、支出総額は一千六百八十一億二千八百万円で、工事資金二十四億二千七百万円を翌年度に繰り越しまして、五百八十四億九千六百万円の差引不足額が生じました。この不足額につきましては、損益勘定留保資金などで補てんいたしました。
 なお、平成二十二年度末における高速電車事業会計の累積欠損金は四千二百十五億円、長期債務は一兆四百四十億円となっております。
 最後に、(3)の電気事業会計でございます。
 業務量につきましては、認可発電出力が、三つの発電所の合計で最大三万六千五百キロワットであり、年間の販売電力量は十五万五千二百三メガワットアワーとなりました。
 次の六ページをごらんください。収益的収支の状況でございますが、収入総額九億四千六百九十三万円に対し、支出総額は八億三千二百二十一万円で、差し引き一億一千四百七十一万円の純利益となっております。
 また、資本的収支は一億七千四百六十八万円の不足となり、これを損益勘定留保資金などで補てんいたしました。
 以上、平成二十二年度の決算状況は、三会計合計の経常損益で八十四億円の黒字となりました。
 引き続き、増収に努めるとともに、職員定数の削減や業務運営の見直しなど、さらなる経営力の強化に努めてまいります。
 今後とも、公営交通としての役割を十分認識し、これまで以上にお客様から信頼され、支持される都営交通を目指して、局一丸となって取り組んでいく所存でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○増子水道局長 平成二十二年度水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算をご審議いただくに当たり、両事業の決算の概要についてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます平成二十二年度東京都水道事業会計及び工業用水道事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。初めに、水道事業会計について申し上げます。
 水道事業の最大の使命は、現在及び将来にわたり、都民生活や都市活動に欠かすことのできない清浄な水を安定して供給することにあります。
 平成二十二年度は、この使命を果たすとともに、一層確かな安心、安定を実感できる水道サービスの提供に向け、東京水道経営プラン二〇一〇の初年度として計画に掲げた主要施策を中心に、事業を着実に推進いたしました。
 以下、平成二十二年度の事業の実施内容についてご説明申し上げます。
 第一は、安全でおいしい水の安定的な供給についてであります。
 初めに、安全でおいしい水の供給について申し上げます。
 平成二十二年度も引き続き、安全でおいしい水プロジェクトを推進し、水源から蛇口に至るまでの総合的な施策を展開いたしました。
 まず、利根川水系の高度浄水処理率一〇〇%の達成に向けて、金町、三郷、朝霞の三カ所の浄水場において、高度浄水施設の整備を着実に実施いたしました。
 また、残留塩素の低減に向けた取り組みとして、葛西給水所を初めとする四カ所の給水所において、追加塩素注入設備を導入いたしました。
 さらに、蛇口から直接水を飲むという、日本が誇る水道文化を着実に次世代に継承していくため、小中学校の水飲み栓の直結給水化モデル事業において、これまでの公立小学校に加えて、公立中学校及び私立小中学校を新たに対象として実施するなど、直結給水化を普及促進していくための施策を実施いたしました。
 次に、安定給水について申し上げます。
 安定した水源の確保につきましては、渇水に対する安全度の向上を図るなど、安定した給水を確保するため、水源開発の促進に引き続き努めました。
 二ページをお開き願います。小河内貯水池上流域の荒廃した民有林を購入し、将来にわたって水源地域を良好な状態で保全することにより、水道水源林の機能を最大限発揮できるよう、民有林購入モデル事業の公募を開始いたしました。
 また、事故時や震災時にも強い水道施設を目指して、水道管路の耐震継ぎ手化緊急十カ年事業の推進、原水連絡管の二重化に向けた実施設計の着手、送配水管ネットワークの強化、大谷口給水所整備工事の完成など、より一層信頼される水道施設の整備に努めました。
 さらに、初期ダクタイル管等の取りかえを初め、漏水防止対策を推進した結果、平成二十二年度の漏水率は二・七%と、前年度に比べ〇・三ポイント改善いたしました。
 同時に、現在の大規模浄水場が、平成三十年代以降集中的に更新時期を迎えることから、着実に施設更新を進めていくために必要な代替施設の整備資金の一部を自己財源により確保するため、昨年度に引き続き、利益処分案として、大規模浄水場更新積立金への積み立てを五十億円計上させていただいております。
 第二に、広域的な事業運営であります。
 まず、多摩地区水道の広域的経営について申し上げます。
 多摩地区の水道事業は、多摩地区水道経営改善基本計画に基づいて事務委託を解消し、都による事業運営体制への移行を段階的に進めております。平成二十二年度には、新たに三鷹市及び稲城市への事務委託を解消いたしました。
 さらに、市町ごとに異なる業務方法や設備仕様の見直しなど、事務委託解消の過程で新たに顕在化した課題等に対する取り組み方針を明らかにした多摩水道改革計画を策定し、今後、都営水道にふさわしい広域水道としてのメリットを、さらに発揮できるよう取り組みました。
 また、奥多摩町の水道事業を、平成二十二年四月に東京都の水道事業に統合し、原水水質の悪化や施設の老朽化などの問題を解決するため、浄水施設の整備に向けた取り組みを実施いたしました。
 次に、国内外の水道事業者などとの連携について申し上げます。
 震災時や大規模な水源水質事故等の非常時に備え、横浜市及び仙台市との応援受け入れ合同訓練や、区市町、町会、自治会等の多様な主体と連携した応急給水訓練を実施するなど、震災時の応急体制を強化いたしました。
 また、世界的な水問題への対応など、我が国の技術に対して高まる期待にこたえるため、水道局所管の監理団体である東京水道サービス株式会社を活用した新たな国際貢献を実施することといたしました。
 平成二十二年度は、海外事業調査研究会を立ち上げ、国内外の関係情報を収集、整理するとともに、マレーシアを初めとする五カ国へ、東京水道国際展開ミッション団の派遣などを行いました。
 三ページをお開き願います。第三に、お客様サービスと広報広聴の展開であります。
 お客様に信頼され、親しまれる水道を実現するためには、多様化、高度化するお客様ニーズをより一層反映した、質の高いサービスを提供する必要があります。
 まず、長沢浄水場などの浄水場において見学コースを整備することなどにより、水道施設の施設開放を促進しました。
 また、より魅力的で効果的な広報を目指し、局のPR施設である東京都水の科学館をリニューアルオープンいたしました。
 さらに、水道水の、飲み水としてのイメージ向上を目指し、首都圏七水道事業体が共同でポスターを作成し、全国で初めて都県域を越えた広域的なキャンペーン展開を実施いたしました。
 第四に、次世代を見据えた施策の推進でございます。
 まず、環境施策について申し上げます。
 地球規模での環境問題が深刻化する中、一層の環境負荷低減に向けた取り組みが必要とされています。このため、平成二十二年度から二十四年度までを計画期間とする東京都水道局環境計画に基づき、実効性ある環境施策を推進いたしました。平成二十二年度は、砧浄水場の配水池上部へ太陽光発電設備を設置し、運用を開始するなどの取り組みを行いました。
 さらに、水運用とエネルギー管理を融合した新しい水供給システムについて、トータルエネルギー管理システムの運用を開始し、送配水過程におけるエネルギー使用状況の把握に努めました。
 また、次世代を担う小学生を対象に、劇などを取り入れ、わかりやすく親しみやすい授業を行う水道キャラバンを、新たに土曜日にも実施するとともに、目標を上回る学校数で実施いたしました。
 第五に、経営基盤の強化であります。
 水道事業における公共性を確保しつつ、経営の一層の効率性を追求するため、基幹的業務は水道局と水道局が所管する東京都監理団体が担い、定型的な業務などは民間事業者に委託していくことを理念とする一体的事業運営体制の強化に向けて、監理団体への適切な指導を行うとともに、業務移転を着実に行いました。
 また、経営努力として、多摩地区の事務委託解消に伴う増加要因を吸収した上で、なお職員定数五十人の削減を実施したほか、資産の有効活用などによる収入の確保に努めました。
 四ページをお開き願います。次に、給水状況について申し上げます。
 年間総配水量は十五億六千九百三十四万立方メートルとなり、前年度より百四十四万立方メートル増加しました。有収水量は十五億一千十三万立方メートルで、前年度より一千七十六万立方メートル増加いたしました。給水件数は六百九十七万件で、前年度より五万件増加いたしました。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支におきましては、収入総額三千三百四十四億三千万円、支出総額二千七百九十五億九千六百万円、差し引き五百四十八億三千四百万円の純利益になりました。
 また、資本的収支は、前年度からの繰越額を含めまして、収入総額二百八十三億九千七百万円、支出総額千二百一億五千百万円、翌年度への繰越工事資金百七十二億二千六百万円、差し引き一千八十九億八千万円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金などで補てんいたしました。
 五ページをお開き願います。工業用水道事業会計について申し上げます。
 都の工業用水道事業は、地盤沈下防止という所期の目的を十分果たしてまいりましたが、工場の移転、水使用の合理化等により需要の減少が続いている一方、老朽化した施設の更新時期を迎えるなど、厳しい事業環境にあります。このため、平成二十二年度においても、より一層の経営の効率化と財政の安定化を図ることを基本に、事業運営を行いました。
 まず、給水状況について申し上げます。
 年間総配水量は千二百十八万立方メートルとなり、前年度より三十五万立方メートル増加いたしました。給水件数は五百八十八件で、前年度より三件減少いたしました。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支におきましては、収入総額十二億八千七百万円、支出総額十二億八千七百万円となり、収支均衡となりました。
 また、資本的収支は、収入総額一千百万円、支出総額一億三百万円、差し引き九千二百万円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金で補てんいたしました。
 以上、平成二十二年度水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算の概要についてご説明申し上げましたが、両事業とも幾多の重要課題を抱えております。都民から両事業を負託された公営企業管理者として、お客様に喜ばれる水道を目指し、これらの課題解決に向け職員ともども全力を挙げて取り組み、現在及び将来の安定給水の確保に努めてまいります。
 本決算につきましてはよろしくご審議の上、ご承認賜りますようお願い申し上げます。

○松田下水道局長 平成二十二年度東京都下水道事業会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます平成二十二年度東京都下水道事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。第1の事業方針でございますが、下水道は、都民の安全で快適な生活環境を実現する上で欠くことのできない社会資本として重要な役割を果たしております。
 平成二十二年度は、経営計画二〇一〇の初年度として、東京の現在を支え、よりよい未来をつくり出していくという考え方のもと、お客様の安全を守り、安心で快適な生活を支える、良好な水環境と環境負荷の少ない都市の実現に貢献する、最少の経費で最良のサービスを提供するという三つを経営方針に位置づけ、区部下水道事業と多摩地域の流域下水道事業を着実に実施いたしました。
 第2の区部下水道事業についてご説明申し上げます。
 まず、平成二十二年度の主要施策でございます。
 (1)の施設の再構築でございますが、明治時代から整備をしてきた東京の下水道は、現在、施設の老朽化が急速に進行しております。
 下水道施設が将来にわたって、安定的にその機能を発揮できるよう老朽化対策を行い、あわせて、雨水排除能力の増強、土木施設の耐震性向上や省エネルギー化などの機能向上を図る再構築を、計画的、効率的に推進いたしました。
 整備年代の古い下水道管七万九千九百三十二メートル、都心四処理区、これは二十三区の三分の一の面積に当たりますが、この都心四処理区の枝線再構築面積約三百六十六ヘクタールのほか、ポンプ所十三カ所、水再生センター十一カ所などの基幹施設を整備いたしました。
 二ページをお開き願います。(2)の浸水対策では、都市化の進展に伴う下水道への雨水流入量の増加や局所的な集中豪雨に対応するため、下水道管四千二百九十メートルを敷設するとともに、ポンプ所七カ所、水再生センター二カ所などを整備いたしました。
 また、浸水の危険性が高い地区の対応として、東京駅八重洲口地区の地下街対策を完了させました。
 なお、これまでに浸水対策への取り組みが完了した地区におきましては、浸水被害の軽減効果があらわれております。
 (3)の震災対策では、震災時においても下水道が有すべき機能を確保するため、避難所からの排水を受け入れる下水道管の耐震化工事を二百二十三カ所で実施し、整備目標二千五百カ所の約七割を完了させました。
 また、液状化の危険性の高い地域にある緊急輸送道路などの交通機能を確保するため、マンホール浮上抑制対策を三百五十二キロメートルの道路で実施しまして、整備目標約五百キロメートルを完了させました。
 (4)の合流式下水道の改善では、雨天時に河川などへ放流される下水の汚濁負荷量を削減するため、下水道管九百九十二メートルを敷設し、また皇居内堀の水質改善対策として、一部地域の分流化工事を完了させました。
 さらに水面制御装置を、これは私どもで開発したものでありますが、これを七十三カ所設置いたしまして、雨水はけ口から河川などへのごみの流出を抑制する対策を、合計七百十カ所で完了させました。
 三ページをお開き願います。(5)の高度処理では、東京湾や隅田川などの水質をより一層改善するため、窒素と燐を同時に削減する高度処理施設を、水再生センター二カ所で整備いたしました。
 また、既存施設の改造と運転管理の工夫によりまして、窒素または燐の削減効果を高める準高度処理施設を、水再生センター四カ所で整備いたしました。
 (6)の地球温暖化対策・資源の有効利用では、アースプラン二〇一〇に基づきまして、省エネルギー型機器の導入や運転管理の工夫など、徹底した省エネルギーを推進いたしました。
 太陽光発電では、国内で初めて、太陽の向きに合わせてパネルが動き、省資源型の薄膜太陽電池を採用した発電設備を本格導入いたしました。
 また、国内初となる、再生水処理過程のろ過材にセラミックを用いた再生水造水設備を稼働させました。
 さらに、従来の汚泥焼却炉と比べ、高温で圧力の高い状態で効率的に汚泥を焼却させることで温室効果ガスを約八割削減できる、ターボ型流動焼却炉の整備に着手いたしました。
 次に、2の建設改良事業でございます。
 建設事業では、下水道管九万八百八十八メートル、ポンプ所二十六カ所、水再生センターなど十四カ所で工事を実施し、改良事業では、下水道管二万五百三十一メートル、ポンプ所五十五カ所、水再生センターなど十五カ所で工事を実施いたしました。
 四ページをお開き願います。3の維持管理事業でございます。
 一万五千八百五十七キロメートルの下水道管、八十四カ所のポンプ所及び十三カ所の水再生センターの施設を二十四時間休むことなく稼働させ、一日平均、東京ドームの約四杯分に相当します四百六十万立方メートルの下水を処理し、下水道サービスを安定的に提供いたしました。
 下水道使用件数は、前年度より四万件増の五百十二万件でありました。
 続きまして、第3、流域下水道事業についてご説明申し上げます。
 まず、1の平成二十二年度の主要施策でございますが、(1)の老朽化施設の更新・震災対策では、施設更新にあわせて、温室効果ガスの削減、省エネルギー化などを考慮した機能向上を図り、また震災時においても、下水道が有すべき機能を確保するための水処理施設の耐震補強を、水再生センターで実施をいたしました。
 (2)の雨水対策では、市単独では雨水排除が困難な地域の浸水被害を軽減するため、広域的な雨水幹線として、落合川雨水幹線のはけ口部を整備いたしました。
 (3)の高度処理・合流式下水道の改善では、多摩川などで水と親しむことができる快適な水辺空間を創出するため、南多摩水再生センターで高度処理施設を稼働させ、水再生センターへの下水流入量に対する高度処理割合は五割以上となりました。
 また、雨天時に河川へ放流される下水の汚濁負荷量を大幅に削減するため、野川処理区において雨水貯留池を整備いたしました。
 五ページをお開き願います。(4)の地球温暖化対策・資源の有効利用では、下水汚泥を低酸素状態で熱分解しガス化することで、温室効果ガスの排出を大幅に削減する日本初の汚泥ガス化炉を、清瀬水再生センターで完成、稼働させました。
 (5)の水再生センター間の相互融通機能の確保では、更新時に必要な代替施設の共有化や緊急時のバックアップ機能確保のため、多摩川を挟んで対面に位置します、北多摩一号水再生センターと南多摩水再生センターとの間を結ぶ連絡管を整備いたしました。
 (6)の市町村との新たなパートナーシップの構築では、流域下水道への有害物質の流入による水質事故防止などを図るため、市町村との水質検査の共同実施を拡大いたしました。
 次に、2の建設改良事業でございます。
 建設事業では、下水道管二カ所、ポンプ所一カ所、水再生センター七カ所で工事を実施し、改良事業では、ポンプ所一カ所、水再生センター七カ所で工事を実施いたしました。
 3の維持管理事業でございます。
 市町村の公共下水道が十分機能し、良好な下水道サービスを提供できるよう、下水道管二百三十二キロメートル、ポンプ所二カ所、水再生センター七カ所の適切な維持管理を行い、一日平均九十五万立方メートルの下水を処理いたしました。
 以上が流域下水道事業でございます。
 六ページをお開き願います。次に、第4の下水道サービスのさらなる向上でございます。
 1の技術開発の推進では、産学公の連携強化を図り、先駆的な技術開発を推進していくため、技術開発推進計画二〇一〇を策定いたしました。下水道事業が直面している技術的課題に取り組み、日本初のN2O連続測定計などの新技術を開発いたしました。
 2の国際展開の推進では、下水道ニーズのある国や地域の課題解決に寄与するとともに、下水道関連企業の海外展開を後押しし、東京ひいては日本の産業力強化につながるよう、下水道事業の国際展開に取り組みました。
 これまで蓄積してきた技術、ノウハウなどを活用し、マレーシアにおける下水道再整備に関する基本構想策定などの技術支援を行いました。
 また、合流式下水道の改善を図る水面制御装置の特許技術につきましては、ドイツ及び韓国の企業と使用許諾契約を締結いたしました。なお、本年九月には米国の企業とも契約を締結しております。
 さらに、都などが開発をした、道路を掘ることなく下水を流しながら、老朽化した下水道管をよみがえらせることができるSPR工法につきましては、海外十カ国における施工実績が累計約五万メートルとなり、着実な成果を上げております。
 加えて、海外五十四の国と地域から、三千名を超える技術研修員や視察者を受け入れました。
 七ページをお開き願います。3のお客さまとのパートナーシップの充実では、より多くの方々に下水道の応援団となっていただくことを目的とする下水道局PR戦略を策定いたしました。この戦略に基づき、ふだん目につきにくい下水道施設を紹介する、写真展や施設見学ツアーの開催などを行いました。
 また、虹の下水道館や水再生センターなどへの見学者は、約六万三千人でございました。
 4の庶務事務システムの稼働では、給与、服務などの事務について新たに庶務事務センターを開設し、集中処理、電子決裁による効率化を図る庶務事務システムを稼働させました。
 第5の東日本大震災への対応では、震災により被害を受けた都の下水道施設について、その機能を損なわぬよう早期復旧を図り、その後の計画停電へも適切に対応いたしました。
 また、被災地である仙台市へ当局職員を派遣しますとともに、浦安市へ当局職員と関係団体職員を派遣し、下水道施設の復旧に向けた支援を行いました。
 なお、被災地への支援につきましては、このほか千葉県香取市さらに宮城県へ、四人の技術職員を長期的に派遣しております。
 八ページをお開き願います。最後に、区部及び流域下水道事業を合わせた、第6の経理状況についてご説明申し上げます。
 まず、収益的収支でございますが、総収益三千二百四十四億円、総費用三千三億九千三百万円でございまして、差し引き二百四十億七百万円の純利益が生じました。
 次に、資本的収支でございますが、資本的収入二千三十五億六千九百万円、資本的支出三千七百四十七億九百万円でございまして、工事資金二百七十八億八千九百万円を翌年度へ繰り越しました。この結果、一千九百九十億二千九百万円の差引不足額が生じましたが、この不足額につきましては、損益勘定留保資金などをもって補てんいたしました。
 以上、平成二十二年度東京都下水道事業会計決算の概要につきましてご説明申し上げました。
 下水道局におきましては、事業を確実に実施するため、必要な財源の確保を図るとともに徹底した経費の削減に努めるなど、財政基盤の強化に取り組んでまいりました。
 今後とも、地方公営企業の経営の原点であります公共性と経済性を最大限に発揮し、より一層効率的、効果的な事業運営を行い、下水道サービスの維持向上に努めてまいります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○飯尾都市整備局長 平成二十二年度東京都都市再開発事業会計決算のご審議をいただくに当たりまして、お手元に配布してございます東京都都市再開発事業会計決算の概要によりご説明いたします。
 一ページをお開き願います。1、都市整備局事業概要でございます。
 当局は、都市づくり全般にかかわる政策や住宅にかかわる政策の立案、都市再生を進める優良な民間プロジェクトの誘導、道路や鉄道など都市基盤の整備、土地区画整理事業や都市再開発事業などによる市街地の整備、宅地開発や建築物にかかわる指導、都営住宅の建設、管理など、幅広い分野にまたがる業務を担っております。
 平成二十二年度は、計画部門と事業実施部門が一体となり、以下の五つの分野における事業を総合的に推進いたしました。
 第一に都市計画、調査に関すること、第二に都市基盤整備に関すること、第三に市街地整備に関すること、第四に建築行政に関すること、第五に住宅政策に関することでございます。
 これらの事業の経理を、一般会計、五つの特別会計、一つの公営企業会計に区分しておりまして、本委員会では、このうち、公営企業会計でございます都市再開発事業会計についてご審議いただきます。
 二ページをお開きいただきます。2、都市再開発事業会計事業概要でございます。
 この会計は、北新宿地区、環状第二号線新橋・虎ノ門地区及び大橋地区における市街地再開発事業につきまして、事業収支の一層の明確化を図るためのものでございます。
 各地区の事業の概要についてご説明申し上げます。
 まず、北新宿地区でございます。
 当地区における再開発事業の目的は、都市計画道路放射第六号線とその周辺の低層密集市街地を一体的に整備することにより、新宿副都心地域にふさわしい土地の高度利用と都市機能の更新を図り、生活環境の改善と防災性の向上を図ることでございます。
 平成六年十月の都市計画決定及び平成十年五月の事業計画決定を経まして、平成二十六年度の完了を目途に事業を進めているところでございます。
 平成二十二年度の事業実施状況でございますが、三街区三-二棟の敷地譲渡契約を締結し建築工事に着手したほか、区画街路整備工事を実施しております。
 三ページをごらんください。環状第二号線新橋・虎ノ門地区でございます。
 当地区では、立体道路制度を活用し、道路と建物の共存を図りながら、都市計画道路環状第二号線とその周辺を含めた一体的なまちづくりを行い、都市機能の更新や魅力ある複合市街地の形成などを図ることを目的としております。
 平成十年十二月の都市計画決定及び平成十四年十月の事業計画決定を経て、平成二十六年度の完了を目途に事業を進めているところでございます。
 平成二十二年度の事業実施状況でございますが、用地買収、移転補償を行うとともに、三街区三-一棟のうち、一部の敷地譲渡契約を締結しております。
 次に、大橋地区でございます。
 当地区では、首都高速道路中央環状新宿線大橋ジャンクション整備と一体的にまちづくりを進め、合理的かつ健全な土地の高度利用と、都市機能の更新を図ることを目的としております。
 四ページをお開き願います。当事業は、平成十六年一月の都市計画決定及び平成十七年三月の事業計画決定を経て、平成二十四年度の完了を目途に事業を進めているところでございます。
 平成二十二年度の事業実施状況でございますが、一-一棟の建築工事を進めたほか、電線共同溝設置工事を実施しております。
 最後に、3の収支状況についてご説明申し上げます。
 まず、(1)の収益的収支でございますが、収入総額は四千五百万余円、支出総額は二十八万余円、差し引きは四千五百万余円でございます。
 次に、(2)の資本的収支でございますが、収入総額は三百五十九億六千七百万余円、支出総額は三百七十一億五千六百万余円、翌年度繰越額は二十五億五千七百万余円、これらの差し引きで、資金不足額は三十七億四千五百万余円となりますが、これは前年度からの繰越工事資金等で補てんしております。
 以上、平成二十二年度都市再開発事業会計決算の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中井港湾局長 平成二十二年度港湾局関係の決算のご審議をいただくに当たりまして、概要をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料の平成二十二年度東京都臨海地域開発事業会計、港湾事業会計決算の概要の一ページをお開き願います。1、港湾局の事業概要をごらんください。
 当局は、東京港及び島しょにおける港湾、漁港等の整備、管理や、臨海地域の開発事業等を通じて物流の円滑化や都市再生などを図り、都民生活の向上や産業の発展に努めております。これらの事業につきまして、一般会計、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計の三会計に区分して経理を行っております。
 本委員会におきましては、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計の二会計につきまして、ご審議をお願いするものでございます。
 それでは、2、臨海地域開発事業会計につきましてご説明申し上げます。
 この会計の所管する事業は、埋立地の造成、整備及び開発でございます。
 まず、(1)、東京港の埋立事業についてですが、埋立事業の計画面積二千七百六十九ヘクタールに対し、平成二十二年度末において二千四百十六ヘクタールを処分し、都市の物流施設の充実、既成市街地の再開発への対応などを図ってまいりました。
 次に、(2)、臨海副都心の開発状況でございます。現在、就業人口が約四万七千人、居住人口が約一万一千人、年間に訪れる方も約四千八百万人に達しており、臨海副都心地域は東京の新しいまちとして定着しております。
 二ページをお開き願います。(3)、決算の概要についてご説明申し上げます。
 まず、収入の柱であります、〔1〕、土地処分についてでございますが、臨海副都心地域で四件、八・〇ヘクタール、その他の埋立地で十件、十六・四ヘクタールを処分いたしました。
 続きまして、支出のうち、〔2〕、主要事業についてでございますが、広域幹線道路の整備等への開発者負担や共同溝整備を実施いたしました。これらによりまして、〔3〕、収支状況にありますとおり、収益的収支は、収入総額一千百二十九億一千万円、支出総額七百二十七億九千百万円、純利益四百一億一千八百万円となりました。
 一方、資本的収支は、収入総額一千六百九億四千三百万円、支出総額一千五百三十一億九百万円、翌年度繰越額十三億九千四百万円、繰越資金額六十四億三千九百万円となりました。
 続きまして、三ページをごらん願います。3、港湾事業会計についてご説明申し上げます。
 この会計の所管する事業は、荷役機械、上屋、野積場、貯木場等の運営でございます。
 (1)、東京港の貨物取扱量ですが、平成二十二年取扱総量は七千七百五十二万トンとなり、そのうち、外貿貨物が四千五百十五万トン、内貿貨物が三千二百三十七万トンでございます。外貿コンテナ貨物の取扱総数については三百八十二万個となり、十三年連続、日本一となりました。
 次に、(2)、主な港湾施設ですが、荷役機械や上屋、野積場など、東京港における荷役業務のために必要な施設を整備し、使用に供しております。
 四ページをお開き願います。(3)、決算の概要についてご説明申し上げます。
 〔1〕、主要事業といたしまして、辰巳ふ頭上屋整備や、若洲内貿ふ頭施設整備を行いました。これらにより、〔2〕、収支状況にお示ししてございますとおり、収益的収支は、収入総額五十六億九千四百万円、支出総額二十九億八千五百万円、純利益二十七億九百万円となりました。
 一方、資本的収支は、収入総額四千五百万円、支出総額八億三千四百万円、翌年度繰越額四千四百万円、差し引き八億三千三百万円の不足となりました。この不足額は損益勘定留保資金等で充当いたしました。
 以上、二会計の決算の概要についてご説明申し上げました。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○川澄病院経営本部長 平成二十二年度東京都病院会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます資料、平成二十二年度東京都病院会計決算の概要の一ページをごらんください。まず、事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 平成二十二年度における病院経営本部所管の都立病院は、普通病院が六、小児病院が一、精神科病院が一の、計八病院でございました。
 次に、都立病院の役割でございます。
 都立病院は、都民の生命と健康を守ることを使命としております。そのため、小児医療、救急医療、周産期医療、感染症医療など、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供し、他の医療機関等との密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスの確保を図ることを基本的役割として、運営を行っております。
 次に、都立病院改革でございます。
 医療における透明性、信頼性、効率性を確保し、開かれた医療、安心できる医療、むだのない医療を方針として、三百六十五日二十四時間の安心と、患者中心の医療の実現を目指して、都立病院改革に取り組んでおります。
 恐れ入りますが、二ページをお開き願います。ただいま申し上げました都立病院改革をより具体的な取り組みとしていくため、平成十五年に都立病院改革実行プログラムを、平成二十年一月に第二次都立病院改革実行プログラムを策定して、都立病院改革を次のステージへ推し進めていくための取り組みを進めているところでございます。
 第二次都立病院改革実行プログラム三年目となります平成二十二年度の主な取り組み状況についてご説明申し上げます。
 まず、医療を担う人材の育成と資質の向上でございます。
 高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供していくため、平成二十年四月に開講した東京医師アカデミーにより、次代を担う若手医師を確保、育成いたしました。
 また、看護師についても、従来の研修をより実践的な研修体系に再構築した東京看護アカデミーの運用を開始し、看護職員全体の資質の向上を図るとともに、専門職として職員一人一人の能力を伸ばす取り組みを行いました。
 さらに、院内保育室の二十四時間化を駒込病院でも導入するとともに、土曜日の毎週開室を、駒込病院、墨東病院及び多摩総合医療センターでも実施するなど、医師や看護職員の定着に向け、勤務環境の整備を行いました。
 三ページをごらんください。次に、医療の質の向上と、患者サービスの充実強化でございます。
 多摩総合医療センターと小児総合医療センターでは、M-FICUとNICUを一体となって運用することにより、平成二十二年四月に総合周産期母子医療センターの指定を受け、さらに平成二十三年二月には、緊急に母体救命処置が必要な妊産婦を必ず受け入れる母体救命対応総合周産期母子医療センターの指定を受けるなど、周産期医療体制を拡充いたしました。
 また、多摩地域の小児医療体制を強化するため、小児総合医療センターから多摩地域の医療機関へ医師を派遣するなど、人材支援を含めた機能強化への取り組みを行いました。
 次に、都立病院における災害対策、感染症対策の強化でございます。
 新型インフルエンザ等感染症への対応として、医療資器材等整備三カ年計画の二年目に当たる平成二十二年度は、ポータブルレントゲン装置や簡易ベッド等の緊急配備を行いました。
 さらに、平成二十三年一月には、病院経営本部BCP新型インフルエンザ編を策定し、病院経営本部及び都立病院における、新型インフルエンザ流行時の事業継続についての対応策を定めました。
 また、先般の東日本大震災の発災時においては、東京DMAT隊、医療救護班及び東京都こころのケアチームを被災地に派遣するとともに、人工透析患者や精神科患者を被災地から受け入れるなど、被災地住民に対する医療救護活動を行いました。
 四ページをごらんください。次に、再編整備と医療機能の強化でございます。
 駒込病院については、PFI事業契約に基づき、建物の改修工事を行い、一号館及び二号館の供用を開始いたしました。また、松沢病院については、PFI事業契約に基づき、新館及び職務住宅の建設工事を行い、そのうち職務住宅の一棟については、平成二十二年十月に竣工し、十二月より供用を開始いたしました。
 次に、IT化推進と情報セキュリティー対策の強化でございます。
 大塚病院及び墨東病院において、既存のシステム機能をさらに発展させた新世代の電子カルテシステム等を稼働いたしました。
 また情報セキュリティー及び個人情報の管理体制強化として、院内統合LANのデータセンターにおいて、アクセス制御機能の導入や、個人情報管理ファイルサーバーの整備を行いました。
 最後に、経営力の強化でございます。
 七対一入院基本料の対象病棟の拡充や新たな施設基準の取得などにより、収益の向上を図るとともに、後発医薬品の採用拡大により、費用の縮減を図るなど、経営力の強化に努めてまいりました。
 次に、平成二十二年度決算の概要についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、五ページをごらんください。まず、診療実績でございます。
 入院患者は延べ百四十五万百四十七人、外来患者は延べ百八十一万七千四百九十六人でございまして、前年度に比べ、入院患者は六千六百八人の増、外来患者は三万四千三百三十五人の増となっております。
 これらの増の主な理由は、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターのフルオープンにより入院患者数が増加したことや、墨東病院や大塚病院の外来患者数が増加したことなどによるものでございます。
 次に、経理状況でございますが、収益的収支は、総収益が一千四百二十七億四千万余円、総費用が一千四百二十二億五百万余円でございまして、差し引き四億九千九百万余円の純利益となっております。
 病院運営の主要指標でございます自己収支比率につきましては六九・三%となっており、前年度に比べ二・三ポイントの改善となっております。
 資本的収支は、総収入が百九十五億二千九百万余円、総支出が三百二十六億三百万余円でございまして、差引不足額百三十億七千三百万余円は、損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
 以上、平成二十二年度東京都病院会計決算の概要につきましてご説明申し上げました。
 高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を都民に確実に提供するためには、医師、看護師等の医療人材の確保、育成を図っていくとともに、限られた医療資源の有効活用の観点から、公社病院を初めとした他の医療機関との一層の連携強化が必要となっております。
 私ども病院経営本部といたしましては、職員一丸となって、全力でこれらの課題に取り組む所存でございます。本決算につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中西中央卸売市場長 平成二十二年度東京都中央卸売市場会計決算の概要についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております平成二十二年度東京都中央卸売市場会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。初めに、1の事業の概要でございますが、中央卸売市場の事務事業を四項目にまとめて記載しております。
 まず、(1)の中央卸売市場の設置及び管理運営でございますが、生鮮食料品等の円滑な供給を確保し、都民の消費生活の安定に資するため、市場の管理運営を行っております。
 (2)の卸売市場整備計画に基づく市場施設の整備でございますが、東京都卸売市場整備計画に基づき、品質管理の高度化や、情報化・物流の効率化の推進、環境・衛生対策などを目指した施設整備を行っております。
 (3)の市場関係業者の業務に係る許可及び指導監督でございますが、市場関係業者に対する業務許可などのほか、市場取引の公正かつ円滑な運営と、効率的な市場流通を確保するため、これらの業者に対して必要な指導監督を行っております。
 (4)の地方卸売市場の取引指導及び助成でございますが、都内に設置されている地方卸売市場について適正かつ健全な運営が確保されるよう、業務に対する指導、助成を実施しております。
 次に、2の平成二十二年度事業実施状況についてご説明申し上げます。
 (1)の市場施設の整備でございますが、老朽化した施設、設備の改修のほか、衛生対策として、食肉市場において市場棟の増改修を実施いたしました。
 (2)の新市場の整備でございますが、用地の取得や、予定地の汚染物質処理に関する適用実験を実施いたしました。
 (3)の食の安全・安心、市場環境の改善でございますが、品質管理マニュアルの作成指導や運用の検証を行い、市場業者の自主管理を推進したほか、市場環境の改善として、小型特殊自動車の電動化に対する費用の一部補助などを実施いたしました。
 (4)の地方卸売市場に対する助成につきましては、各地方卸売市場の開設者が負担する廃棄物処理経費や施設整備などに対する助成を実施いたしました。
 二ページをお開き願います。3の決算の概要についてご説明申し上げます。
 (1)の生鮮食料品等取扱高でございます。水産物、青果、食肉及び花卉を合計した取扱金額は一兆一千九百十八億七千八百万円で、前年度と比較いたしますと二・三%の増加となっております。これは青果、食肉、花卉において、取扱金額が増加したことによるものでございます。
 続きまして、(2)の収支状況についてご説明申し上げます。
 アの収益的収支でございますが、収入総額は二百三十九億四千四百万円、支出総額は百七十八億六千八百万円、差し引き六十億七千六百万円の純利益となりました。
 なお、市場使用料を主な財源とする営業収支では十二億八千五百万円の赤字となっており、二十二年度は用地売却に伴う特別利益等があったことから、収益的収支全体では黒字となったものです。この純利益に前年度繰越欠損金百二十九億七百万円を加えた当年度未処理欠損金は六十八億三千百万円となりました。
 次に、イの資本的収支でございますが、収入総額は七百十二億五百万円、支出総額は千二百十三億三千三百万円で、これに翌年度繰越額三十六億八千百万円を加えた差引資金不足額は五百三十八億九百万円となり、この不足額につきましては、損益勘定留保資金等をもって補てんいたしました。
 以上、平成二十二年度東京都中央卸売市場会計決算の概要についてご説明申し上げました。今後も引き続き、首都圏全体の生鮮食料品流通の中核を担う拠点として中央卸売市場がその機能を果たしていくため、流通環境の変化に即応しつつ、品質管理の高度化や衛生対策の強化など、市場の基本的使命である食の安全・安心の一層の確保に向け、さまざまな取り組みを推進してまいります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○こいそ委員長 説明は終わりました。
 この際、各分科会委員長に申し上げます。
 分科会における局別質疑終了後は、速やかに委員長まで審査報告書を提出されますようにお願いをいたします。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時六分散会

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