委員長 | 田島 和明君 |
副委員長 | 鈴木 章浩君 |
副委員長 | 野上 純子君 |
副委員長 | 大西さとる君 |
理事 | 田の上いくこ君 |
理事 | 高倉 良生君 |
理事 | 神林 茂君 |
理事 | 神野 吉弘君 |
理事 | 中屋 文孝君 |
小林 健二君 | |
吉住 健一君 | |
桜井 浩之君 | |
小山くにひこ君 | |
西沢けいた君 | |
新井ともはる君 | |
佐藤 由美君 | |
中山 信行君 | |
西崎 光子君 | |
山口 拓君 | |
村上 英子君 | |
花輪ともふみ君 | |
泉谷つよし君 | |
吉田 信夫君 |
欠席委員 なし
出席説明員病院経営本部長 | 川澄 俊文君 |
中央卸売市場長 | 岡田 至君 |
東京都技監都市整備局長兼務 | 河島 均君 |
港湾局長 | 中井 敬三君 |
交通局長 | 金子正一郎君 |
水道局長 | 尾崎 勝君 |
下水道局長 | 松田 二郎君 |
本日の会議に付した事件
平成二十一年度東京都公営企業各会計決算の認定について(質疑)
・平成二十一年度東京都病院会計決算
・平成二十一年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成二十一年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成二十一年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成二十一年度東京都港湾事業会計決算
・平成二十一年度東京都交通事業会計決算
・平成二十一年度東京都高速電車事業会計決算
・平成二十一年度東京都電気事業会計決算
・平成二十一年度東京都水道事業会計決算
・平成二十一年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成二十一年度東京都下水道事業会計決算
○田島委員長 ただいまから平成二十一年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
初めに、委員会日程の変更について申し上げます。
過日の理事会におきまして、お手元配布のとおり変更することといたしました。ご了承願います。
これより決算の審査を行います。
平成二十一年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
なお、去る十月十五日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり報告書が提出されました。
朗読は省略いたします。
〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕
○田島委員長 これより質疑を行います。
この際、一言申し上げます。
質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従い、運営してまいります。
また、質疑を行う際は、平成二十一年度決算の審査から逸脱しないよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
次に、理事者に申し上げます。
答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるようお願いいたします。
なお、発言の際には必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
これより順次発言を許します。
西沢委員の発言を許します。
○西沢委員 では、資料の方をお願いいたします。
〔資料配布〕
○西沢委員 決算の委員会ということで、リニューアルをされました水の科学館、十一月九日に民主党都議団で視察をさせていただきまして、また、その五百メートル離れた場所にございます虹の下水道館を一緒に視察させていただきましたので、関連して質疑をさせていただきたいと思います。
まず、配布を今させていただいております資料によりますと、このリニューアル費に約九億円をかけているということでございますけれども、この中で一番多くの金額をかけたのが、水のたびシアターであるというように聞いております。このシアターというものは、どんな内容のもので、かかった金額とその内訳をお伺いいたします。
○尾崎水道局長 水のたびシアターは、見学のイントロダクションとして、水が森から川へ、浄水場からまちへ、そして海から雲となり、また森に雨を降らせるという自然界の水の大循環をお客様に体感していただくことをコンセプトに、前方、左右、上部の四面に映し出される映像と照明演出により、自分が水の一粒になったような感覚で、自然界の水の大循環の旅を体感できる内容となっております。
水のたびシアターのコーナーへの金額は、映像制作費が八千八百五十万円、映像システムが六千九百五十万円、その他の経費が三千三百五十八万円であります。
○西沢委員 合計で一億九千万円以上ものお金がかかっている、およそ二億円ものお金がかかっているというようなことがわかったわけでございます。
それで、この水のたびシアターに関しましては、水の大循環をお客様に理解していただくことがコンセプトであると聞いております。私は視察をさせていただいた際に、この映像、十分間の映像なんですね。十分間のシアターを拝見いたしまして、私としては、この水の大循環をお客様に理解していただくまでには至らないものではないのかと感じました。
確かに、映像技術のクオリティーとしては高いものがあったと思います。迫力もありました。グラフィック技術者から見ても、相当な技術力だというような尊敬の念を抱くかもしれませんが、しかし、ナレーションもテロップも一切なくて、海から雲になって山に雨が降ってというような流れで、グラフィックが延々と流れていくだけなんです。マッサージ店とかサウナ店とかにあるような、リラクゼーションビデオとか、そういったものに私は感じまして、そういったメッセージ性というものは感じなかったんです。
東京都が水ビジネスで国際市場に参入していく中で、水に関します都民の理解をいただく絶好の機会でありますから、そういう意味からも、私は、この局が意図するメッセージ性をもっと上げてほしいというように感じました。
この映像をごらんになりまして、水の循環というメッセージが伝えられているというように感じられたのかどうか、率直に、局長がごらんになってどう思ったのかをお伺いいたします。
○尾崎水道局長 私も実際見ましたが、自然界の水の循環を十分体感でき、水がお客様の家に届くまでの仕組みをわかりやすく表現したものとなっていると感じました。
効果の高いものをつくるためには、一定の投資が必要だというふうに考えております。
本施設は、楽しく水道や水のことを学ぶことができます。このため、来館者も多くなっています。多くの皆さんに、ぜひ来てみて体感していただきたいと思います。
○西沢委員 一定の投資は、そのために高額になっても必要だというようなご答弁でありましたが、二億円かけられたこの中で、先ほど、その他の経費三千三百五十八万円とありました。これ、映像の制作だけで九千万円近くのお金がかかっているわけなんですが、残り七千万円がシステム利用料、残りの三千万円以上のお金が、この資料の中にもありますが、ちょっと下が切れてしまっているが、三番のページにあるのがこの中身なんですが、これが内装なんです。内装にかけられたものと思われるんですが、ここには、ソファーとかいすとか、こういったものしかないんですね。これで家一軒建つぐらいのお金なわけなんですが、このソファーの数とか個別の値段、そして、いすの値段を含めた三千三百五十八万円の内訳をお伺いいたします。
○尾崎水道局長 各コーナーごとの金額は、全体経費を規模等に応じて割り振った概算額でありますが、その他の経費三千三百五十八万円の内訳は、照明、空調設備九百九十四万円、造作物制作九百六十九万円、床、天井等内装工事八百八十万円、壁面装飾五百十五万円であります。
また、ご指摘のソファーでありますが、四面の映像を来館者がくつろいで鑑賞できる仕様とするとともに、年間十数万人の利用が見込まれるため、快適性、耐久性を考慮したものになっています。その個数は、大が四、中が四、小が十、また、単価は、それぞれ三十三万円、三十万円、八万円、合計で三百三十三万円であります。
○西沢委員 これ見ても改めて、三千万円以上、家一軒建つお金をかけて、私は非常に高いと思います。このいすとかソファーについても八万円とか、見ても、いすとかが最低でも八万円かかってというようなものでありますので、都民感覚からしても高いというふうに私はいわざるを得ないというように感じます。
映像費についてなんですけれども、この映像費、十分間の映像制作でおよそ二億円かかっている。制作費が九千万円かかっているわけでありますが、こうした映像の制作というのは、値段としては確かにピンからキリまでといいますが、例えば、フルのCGで十分の映像をつくった場合どうなのかという話を知り合いの業者の方にも聞いてみれば、確かにピンからキリまでで、実際やってみないとわからないというところが実情だと。ただ、安いところだと三百万円ぐらいからできる、高いところでも二千万から三千万円ぐらいじゃないかというような話を聞きました。そういった意味で、これはピンなのかなと。ピンからキリのピンなんじゃないかなと私は思うわけなんですね。
また、このPRという意味からいえば、青少年・治安対策本部が作成している協力雇用主制度普及のためのDVDというものがあるんですけれども、こういったものを、タレントの渡辺裕之さんが出演されて三十四分間の映像の制作だけで八百三十六万円とかでつくっているわけなんですね。ですので、私は、こういうものはもう少し考えていただきたいなというように思うわけなのであります。
このお金はどうしてかけられたのかといいますと、今回、リニューアル、九億円をかけたということでございますが、その内訳を見ますと、この映像の制作だけではなくて、先ほどありました内装工事とか備品の購入とか、そういったものも含まれているわけであります。
今回は、指名競争入札で、すべて一括して発注しているというようなことなんですが、内装工事とか備品の購入まで、これを一括発注する必要がどこまであるのかというのは、甚だ疑問なわけです。幾ら競争入札をしているといっても、映像のさっきの制作だとか、いすなどの備品の購入は、それぞれ詳細にコストを分析した上で発注して、別々に競争入札した方がトータルとしてコストを削減できたのではないかと思うわけです。
その後も、管理運営の業者さんを選ぶやつもコンペを行ったということですが、資料を見てわかるように、結果として同じ会社が、同じ業者に委託していると。リニューアルをした会社と管理運営する会社が同じだと。これでは、結果として丸投げをしている、コスト意識がないとかいわれても仕方がないんじゃないかというように私は思いました。
分割発注してコスト削減をするという検討をしなかったのはなぜか、なぜ一括発注をしたのか、改めてその根拠を伺う。具体的にお答えください。
○尾崎水道局長 コスト削減の方法についてのお尋ねでございますが、水の科学館のリニューアルに当たっては、電気照明設備、空調、給排水設備、映像、音響ソフト制作など、八工種に分け、工種ごとに三社から見積もりをとるとともに、そのうちの最低価格を予定価格として採用しております。その上で競争入札に付しており、十分に経費削減が図られております。
○西沢委員 私が聞いているのは、一括で競争したから妥当だということではなくて、例えば映像の制作とか、いすとか、そういったものに関しては分割で競争しても、考えてもいいんじゃないのかということをいっているわけでございます。
少なくとも、いすの単価が八万から三十万円というのは、都民の感覚からしてもおかしいと思いますし、一億九千万円のものをかけて、それだけ--幾らお金をかけても、都民に還元できる、それに見合ったものであれば全く問題はないと思うんですが、私は今の質疑を通しても、この一億九千万円もかけて、それに見合っているものだとはいえないと。全くもって、この水道料金、公金のむだ遣いであると断言できるというように私は考えます。
水道事業会計の黒字は大きいです。そうした状況にあぐらをかいて、コスト意識が希薄になってはいけないというように感じます。水の科学館は、水がじゃぶじゃぶと流れている科学館なんですが、都民のお金がじゃぶじゃぶ流されているむだ遣い科学館だというように私は考えます。
改めて企業経営の原点に立ち直り、むだを廃すことを強く望んで、次に下水道局について質問をさせていただきますが、同じ、水の科学館の近くに虹の下水道館というところがあります。
この資料ですと、五ページ、六ページのものが、そこの映像の写真になります。
視察をさせていただいた際に、五ページのものが、水の科学館と同じように映写機をするもの、そして、もう一つの映像がジオラマレインボーというものでございますが、これは、二つとも写真に写っているものが故障したまま放置されている状態でした。
これ、いつから放置され、なぜ修理しないのか、今後どうするのかお伺いいたします。
○松田下水道局長 故障をした二つの機器は、ともに古く、交換する部品がないため、もとの状態に戻すには多額の費用がかかります。
映写機は、下水道の仕組みや役割をわかりやすく伝えるためのビデオを上映する機器でありまして、全部で五台あり、うち一台が平成十七年に故障をいたしましたが、残りの映写機を使ってビデオを上映しております。
ジオラマレインボーは、動画と模型が連動して有明地区の下水道施設を説明する機器でございますが、本年六月にシステムが故障したことから、動画を用いないで模型部分のみを使用する予定でございます。
これらの機器については、当面、ただいま説明いたしましたような対応をしてまいりますが、現在検討している虹の下水道館のリニューアルの中で抜本的な見直しを行っていく予定でございます。
○西沢委員 少なくとも、水の科学館と比較して虹の下水道館というのは、規模も小さいですし、地味なイメージを抱きます。ただ、下水道施設についても、PRの場としては大変大切な場でございます。私は、この水の科学館と虹の下水道館を一体としてやっていくことが、コストの意識が高まるというふうにも思いますし、コスト削減効果が十分にあるのではないかというように感じるわけであります。
そこで両局長にお伺いしたいんですが、まず水の科学館、水道局長にお伺いしたいんですけれども、先ほどもいいましたけれども、水道事業会計は下水道事業会計に比べて利益が出ているから、高価なものをつくってもいいんだと。下水道事業会計は水道に比べて利益が余り出ていないから、映写機が五年も故障したまま放置をされているというような状態ですから、これ、水の科学館と虹の下水道館を一体となって運営することによって、来館者によりご理解いただくことができるし、コストの削減にもつながると思うと感じます。
下水道のリニューアルを検討されているというようなご答弁をいただきましたので、まず、この一体化についてのメリットがあると思いますが、どう考えるかお答えください。
○尾崎水道局長 水の科学館は、臨海副都心に有明給水所を建設した際に、都民が給水所を見学し、その仕組みや水道事業への理解を深めてもらうことを目的として、給水所の上部空間を活用し設置したPR施設であります。
その上で、より多くの方々に訪れてもらうよう、親子が楽しみながら水について学べるように展示内容の充実を図ってまいりました。その結果、開設以来百七十二万人の来場者があり、団体見学のリピート率も高く、都民から人気の施設となっております。
このように、給水所に併設されているという特性を生かしながらPR効果を高める取り組みを行っていくことが、事業をPRする上で、より効果的な方法であると考えております。
○西沢委員 今、協力する、一体としてやる必要はないんだというようなお話だったと思いますが、虹の下水道館とは、上・下水道クイズラリーということで、またスタンプラリーとかいうことで連携をとっているというような過去の答弁もあります。実際、一緒にやることは意義があるということは局も認めているんじゃないですか。ですから、一体化するということのメリットが全くない、検討することにも値しないというように考えられているのか、改めてお伺いいたします。
○尾崎水道局長 ただいま申したように、水の科学館は給水所の上部を活用した施設なので、そのPR効果は、給水所を見せたいということがあります。
今お話しのように、スタンプラリーとか連携するものは、それはそれなりに効果があると思いますので、それはやっていきたいと思っています。
○西沢委員 それでは下水道局長にお伺いいたしますが、今、水道局の方では、その必要はないんだというようなお答えがありました。ただ、水道局の水の科学館については、大変豪華な施設だし、お金もかなりかけていらっしゃいます。こういういい方はあれですけれども、やっぱり水道局の方がお金があるから広報費も十億円予算をとっていると。それはうらやましいねと下水道局の担当の方が漏らしたぐらい、そういった格差というか、あるわけですよね。
ただ、下水道事業の方が必要ではないということは全くないわけでありまして、こうした連携をとることは、虹の下水道館の発展、ひいては都民のためにつながると思いますが、下水道局長のご見解をお伺いいたします。
○松田下水道局長 下水道局は、それほど経営状態が悪いわけではございませんが、虹の下水道館につきましては、平成九年四月に開館をいたしまして、一部施設が老朽化していることもあり、現在、全面的なリニューアルについて検討を行っているところでございます。
下水道施設というのはほとんどが地下にございまして、お客様に下水道の役割や大切さについて実感をしていただくことが非常に難しいということがあります。このため、下水道のPR施設は、実際の下水道施設と併設して、展示と実物とをセットで見ていただくことが有効でございます。
虹の下水道館は、有明水再生センター管理棟五階に設置をされておりまして、これまで、PR施設であるこの虹の下水道館と実物の下水道を見ることができる有明水再生センターの見学を結びつけることで、お客様の下水道に対する理解の促進に努めてまいりました。
今後リニューアルをしていくことになりますが、リニューアルの前提としても、お客様に下水道事業をわかりやすく紹介する観点から、虹の下水道館と有明水再生センターを有効に活用していくこととしております。
なお、リニューアルの基本的な考え方としては、子どもたちが下水道の基本的な役割を体系的に理解できること、多くのお客様が下水道の新たな役割や課題を理解できること、そして現行のスペースを活用し、最少の経費で効果的な展示をすることとしております。
また、今後とも、近隣の都市インフラに関する各種PR施設と連携し、より効果的なPRを図ってまいります。
○西沢委員 時間がもうないので質問はしませんけれども、改めて、まず水の科学館の、私は税金のむだ遣いだと思っているわけなんです。これをまず是正していただきたいという要望。そして、リニューアルしたばかりですから、すぐに変えろというのは、これまたおかしな話ですが、先ほどの映像の部分に関しては、十分間の映像で二億円かかっているものをエンドレスに流しているわけですね。それを、小さいお子さんからお年寄りの方までいらっしゃる中で幾つかに分かれてやるという方法も私はあったと思うんです。一種類だけつくって、わかりにくい、メッセージ性が伝わりにくいというもの、そういったものを今後も意識を持っていただきたいという要望と、それから、虹の下水道館についても、やはり効果はまだ薄いと、私、現状感じますから、いいリニューアルの検討をしていただきたいということを要望して、質問を終わらせていただきます。
○田島委員長 西沢委員の発言は終わりました。
次に、鈴木副委員長の発言を許します。
○鈴木委員 長期の決算委員会も、いよいよ本日総括ということで、あと一息でございますので頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、都議会自民党を代表いたしまして、最初の総括質疑をさせていただきます。
公営企業会計は、ご承知のように、東京都予算総額の二割近くを占めているわけでありますが、出資や補助、貸し付けなど、一般会計などとも大変分かちがたい関係にあるわけであり、公営企業の経営改革なくしては、将来にわたる東京都の健全な財政は実現しないといっても過言ではないと思います。
またあわせて、公共の福祉を増進するという公営企業の本来の目的に立って考えてみますと、さらなる都民サービス向上に向けて不断の努力を続けていく必要が求められるものであります。そのような観点から質問いたします。
最初に、交通局についてお伺いいたします。
さきの決算特別委員会第一分科会では、我が党の村上委員が、決算を通じて見えてきた交通局の課題について質問をさせていただきましたが、局長から、安全対策の強化を最優先に、質の高いサービスを提供し、お客様に信頼され、支持される都営交通を目指していくという今後の事業運営の決意を聞かせていただきました。
私も、安全対策の強化は交通事業者にとって第一の使命であると考えておりますし、これまでも交通局の安全対策について何度も質問させていただきました。本日は、時間が限られているため、都営地下鉄の安全対策に的を絞って何点か質問していきたいと思います。
交通局の決算の概要を見ますと、都営地下鉄の利用者は、一日平均の乗車人員が二百三十万人を超えております。これは、多少、大げさかもしれませんけれども、交通局は毎日二百三十万人の地下鉄利用者の命を預かっているということであり、まさに安全は最大のお客様サービスといっても過言ではないと思います。
また、平成十二年に大江戸線が全線開業する前と比べて、一日の平均の利用者数が十年で約八十万人もふえたということであり、都営地下鉄に求められる安全水準は、より一層厳しいものが求められていると思います。
当然、交通局も、ハード、ソフトの両面を問わず、毎年安全対策を強化してきているとは思いますけれども、まずは、平成二十一年度における都営地下鉄の安全対策について、ハード面ではどれくらいの経費をかけてどのような対策に取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○金子交通局長 交通事業者にとりまして、安全・安心の確保は最重要課題であり、安全は最大のお客様サービスというのは、ご指摘のとおりと考えます。
交通局ではこれまで、ハード、ソフト両面からさまざまな安全対策を講じてまいりましたが、ハード面では、平成二十一年度に、安全関連設備の改良、修繕のため、地下鉄全体の改良修繕費三百十四億円の約半分に当たる百六十三億円を投入いたしました。
その主な内容は、地下駅の排煙設備の整備等火災対策の強化、変電所設備の更新、橋梁等構造物の耐震補強、大江戸線ホームさく整備のためのホーム補強工事、レール交換工事等でございます。
今後とも、安全性向上のため、積極的な投資を行うとともに、施設、設備、車両等の適切な維持管理に努め、安全輸送を支える基盤の整備に万全を期してまいります。
○鈴木委員 今、局長の方から、さまざまな安全対策に取り組んでいるということが答弁されておりましたけれども、私たちは、その中でも特に大江戸線へのホームさくの設置については、分科会における村上委員の質疑にもございましたけれども、計画どおり工事を積極的に進めていっていただきたいと思っております。
また、浅草線、新宿線への設置についても、相互直通運転を行っている他の鉄道会社とも相談しながら、整備に向けた検討を進めていきたいとの答弁がございました。ぜひ、都営地下鉄の安全対策を強化するため、ホームさくの設置拡大に取り組んでいただきたいと思います。
ところで、都営地下鉄のハード面での安全対策では、新しい経営計画で事業化されました地下鉄構造物の長寿命化も重要な対策であると考えております。と申しますのも、私の地元を走る浅草線は、開業五十年目を迎えまして、今後トンネルなどの老朽化がさらに進み、安全にも支障を来すのではないかと危惧しているからであります。ただ、地下鉄の営業を休止してトンネルをつくり直すということは、利用者に与える影響や膨大な費用を考えれば、非現実的であるということは承知しております。この点につきましては、私は本年三月の公営企業委員会の中でも交通局の所見をお伺いいたしましたが、その際、交通局では、トンネルの寿命を延ばすため、将来の劣化を予測した上で事前に対策を行う予防保全の考え方に立った管理手法を導入していくとのことでありました。
そこで、現在行っている浅草線のトンネルの長寿命化について、進捗状況はどのようになっているのか、改めてお伺いいたします。
○金子交通局長 浅草線のトンネルにつきましては、通常実施しております目視や打音による点検に加え、平成二十一年度からすべての区間を対象に、最新の技術を取り入れた構造物の健全度調査を行ってまいりました。
具体的には、電磁波探査や化学的試験による鉄筋やコンクリートの劣化状況、及びトンネル内の漏水の有無などについて調査してきたものでございますが、現在、調査データの分析、取りまとめを進めており、今年度末までに予防保全型の補修計画を策定し、トンネルの長寿命化を図ってまいります。
○鈴木委員 これからもぜひ、利用者の安全を第一に効果的な対策を講じていただきたいと思います。
次に、ソフト面での対策についてお伺いいたします。
安全対策としてハード対策を向上させましても、ヒューマンエラーは、いつ、どこで起きるかわかりません。三年前の決算特別委員会でも、平成十九年十月に発生いたしました大江戸線停電事故について質問させていただきましたが、あの事故も、作業員が作業後の確認を怠ったことが原因と記憶しております。幸い死傷者はなかったわけでありますが、ちょっとしたミスが利用者に多大な迷惑をかけることになったのであります。
そこで確認をしておきたいのですが、交通局では、このような過去の事故を教訓といたしましてどのような事故防止に取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○金子交通局長 事故や輸送障害等の多くはヒューマンエラーに起因していることから、過去の事故等を教訓とした防止対策が重要でございます。
このため、基本動作、基本作業を確実に実施するよう、規定や作業手順について繰り返し指導するとともに、これまで起きた事故等の再発防止対策については、局内に部課長で構成する会議体を設置し、定期的な進捗状況の確認と、各部門が連携した効果的な対策の推進に努めております。
また、事故には至らないものの、現場でひやりとしたり、はっとした事例を収集分析し、その結果を研修に活用するなど、事故の芽を未然に摘む取り組みも推進しております。
○鈴木委員 ぜひとも、くどいようでありますけれども、利用者の命を預かっているという観点で、同じ事故を繰り返さないように万全の対策を講じていただきたいと思います。
また、平成二十年十二月には、東京メトロと共同で使用している三田線白金高輪駅構内で、乗務員が列車の折り返し時にたばこを吸って、吸いがらを側溝に捨てていたことが原因と推測される発煙事故が発生し、夕方ラッシュ時間帯に一時間半にわたって列車の運行に支障が出ました。職員のルール違反が原因で列車をとめてしまった事故であります。
この事故を受けて、東京メトロと交通局がそれぞれ対策を講じ、そのうち交通局では、点呼時に乗務員がたばこを携行していないかを確認するとともに、都営地下鉄全線の折り返し地点において、職員が定期的に点検を行っていると聞いておりますが、この点についても、しっかり再発防止策を実施していただくよう改めて要望しておきます。
さて、ヒューマンエラーに起因する事故のほかに、水害や大地震などの災害に対しても、備えを万全にしておかなくてはなりません。交通局の経営方針にも、災害に強い都営交通を目指すとうたっておりますが、災害はいつ襲ってくるのかわかりません。
そこで、都営地下鉄では、例えば水害や大地震などの災害に対応するため、どのような訓練を行っているのかお伺いいたします。
○金子交通局長 都営地下鉄では、災害等の異常事態に対する即応力の維持向上を図るため、日ごろから職場単位で個別に訓練を行うとともに、駅、運転、保守の各部門が合同で自然災害防止訓練及び異常時総合訓練を実施しております。
自然災害防止訓練では、集中豪雨による駅出入り口からの大規模な浸水を想定し、止水板や土のうの設置、部門間の情報伝達訓練等を行っております。
また、異常時総合訓練では、大規模地震の発生による列車の脱線等を想定し、連絡通報、乗客の避難誘導、負傷者の救出、施設復旧等を内容とした訓練を行っております。
この訓練では、実際の事故実例をもとに改善した避難方法や、改良した非常ばしごを用いてその効果を検証するなど、より実戦的な訓練となるよう創意工夫を凝らしております。
○鈴木委員 訓練は、繰り返し行っていくことが重要であります。ぜひ訓練の際には、災害などの異常時における対応を確認するとともに、絶えず改善を念頭に置いて、今後も充実を図っていただきたいと思います。
最後に、テロ対策についてお伺いいたします。
ご存じのとおり、ことしの六月から全国各地でAPECの閣僚会合が順次開催され、まさにあすからは横浜市で首脳会議が開催されます。首都圏で大規模な国際会議が開催されるのは、平成五年の東京サミット以来、十七年ぶりということでありますが、過去には、海外において公共交通機関をねらったテロが何度か発生しております。不特定多数の人間が利用する地下鉄は、テロリストの標的になる可能性があります。
そこで、交通局では、テロ対策などの危機管理についてどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○金子交通局長 日ごろからテロなどの非常事態に備え、危機管理体制の整備を図ることは、交通事業者にとって極めて重要であります。このため、交通局では、テロを想定した各種マニュアルを策定し、危険度に応じた警戒態勢を整備するとともに、警察や消防とNBCテロ等を想定した訓練を繰り返し実施しております。
今回のAPEC開催に対応した地下鉄のテロ対策につきましても、この警戒態勢に基づき、職員や大幅に増員した警備員による駅構内及び列車内の巡回強化や、ごみ箱の撤去等の対策を実施しております。
今後とも、お客様の安全確保のため、関係機関と連携して危機管理体制の一層の強化に努めてまいります。
○鈴木委員 本日は、都営地下鉄の安全に限って質問をいたしましたが、都営バスや都電荒川線、日暮里・舎人ライナーについても同様、安全対策の強化に積極的に取り組んでいただきたいと要望いたします。
次に、中央卸売市場関係についてお伺いいたします。
中央卸売市場は、日々の業務を通じて都民の食生活を支えるという重要な業務を担っていることは言をまたないものであります。
また、東京都における中央卸売市場の整備計画は、計画期間における都内の卸売市場のあるべき姿を位置づけるものであり、今述べた都民生活と中央卸売市場との密接な関係を考えれば、その計画もまた重要なものであるといえます。現在進行中の第八次整備計画に基づいてどのような整備が行われてきたかについては、さきの本委員会第一分科会において、我が会派の桜井委員から質疑があったように、品質管理の高度化、衛生対策の強化、環境対策の徹底等の対策がなされてきたところであります。
私は、第八次整備計画の考え方とそれに基づく具体的な取り組みの結果、何が成果として挙げられ、あるいは何が課題として残ったのかを検証したいと考え、質問いたします。
それでは、第八次整備計画における問題意識、テーマはどんなものであったのか、そして、そのような考え方に基づいた整備により、中央卸売市場の機能強化をどのように果たし、どのような成果が得られたのかお伺いいたします。
○岡田中央卸売市場長 第八次整備計画の策定に当たりましては、食の安全・安心の確保に向けた市場における品質管理の高度化や物流の効率化などの市場の機能強化が課題として挙げられておりました。
これらへの対応として、葛西市場や世田谷市場などにおきましては、低温卸売り場の整備を進めたことで、市場における品質管理の高度化に寄与するとともに、大田市場におきましては、屋根つき積み込み場の整備によりまして、場内車両の混雑解消や荷さばき効率を向上させるなど、市場の機能強化を果たしたと考えてございます。
こうした取り組みの結果、葛西市場では、低温卸売り場の整備後に取扱数量が約一・五倍に増加するなど、明らかな数字上の成果が見られております。
○鈴木委員 ただいまの答弁の中でも、品質管理の高度化、市場内の物流環境の改善等に効果があったという説明についてはわかりました。
これに関連して一言申し上げると、私の地元の大田市場は、国内最大の青果物市場でございます。開場以来、その取扱量が増加するにつれ、場内の物流環境が悪化するという状況にあったわけで、ただいまの答弁にあった屋根つき積み込み場の整備は、こうした状況を改善するとともに、羽田空港が国際化され、大田市場周辺が物流拠点として脚光を浴びる可能性がある中で、大田市場そのもののポテンシャルを高めるものとして、とても心強く思っております。
しかし、施設整備が着実にその成果を上げている一方で、東京都の中央卸売市場全体の取扱量そのものは、平成二十一年実績を平成十六年実績と比較すれば、水産で約一三・一%の減、青果では一・一%の減と、いずれも減少しているという厳しい現実があるわけであります。
そこで、施設整備が確実に進んだにもかかわらず、市場全体の取扱数量が減少するといった状況についてどのような認識を持っているのか、お伺いいたします。
○岡田中央卸売市場長 卸売市場を取り巻く状況といたしましては、量販店などの大口需要者と産地との直接取引や、商社を経由した輸入品の増加など、卸売市場を経由しない、いわゆる市場外流通が増加してございます。
また、後継者難などを理由といたしまして、卸売市場を主な仕入れ先とする食料品の専門小売店が大幅に減少するなど、小売業界にも大きな変化が見られます。
その結果といたしまして、全国の中央卸売市場におきます取扱数量は、平成十六年から二十一年にかけまして、水産で二割程度、青果が一割程度減少しており、都の中央卸売市場における取扱数量についても、ご指摘のとおり減少してございます。
しかしながら、都の卸売市場におきましては、首都圏の消費需要を背景に、卸売業者の集荷努力や仲卸業者及び売買参加者の販売努力によりまして、取扱数量の減少割合は、全国に比べれば緩やかなものになっていると認識してございます。
都といたしましては、市場施設の適切な整備などを通じまして市場の機能強化を図り、出荷者や買い出し人から支持される魅力ある市場づくりを進めてまいります。
○鈴木委員 第八次整備計画に基づき、東京都の中央卸売市場の整備が着実に進む一方で、中央卸売市場を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあることがわかりました。
しかし、こうした状況下にあっても、都民の食への関心の高まりや、より新鮮な生鮮食料品を求めるニーズに的確にこたえていかなくてはなりません。また、それを果たしていくためには、現実問題として、取扱数量等の実績を重ねていくことも必要であります。
そこで最後に、第八次整備計画の最終年度を迎えまして、これまでの取り組みや置かれている状況を踏まえ、今後の整備に向けた市場長の決意を改めてお伺いいたします。
○岡田中央卸売市場長 今後の中央卸売市場の運営に当たりましては、卸売市場が果たすべき役割、機能を踏まえまして、第八次整備計画で掲げました食の安全・安心を確保するための取り組みでございます品質管理の高度化や衛生対策の強化、物流の効率化などをさらに推進してまいります。
加えまして、今日的課題でございます加工パッケージ機能など、多様化する生産者、消費者のニーズに迅速かつ適切に対応するため、市場関係業者と協力して、その機能強化に努めてまいります。
さらに、専門小売店の販売促進活動など、取引の活性化につながる取り組みを行う市場関係業者に対しましては支援を行うなど、引き続き市場の活性化に取り組んでまいります。
今後も、都内十一の中央卸売市場それぞれにつきまして、地域の特性等を踏まえた施設整備や活性化策を具体化するため、実効性のある第九次卸売市場整備計画の策定を通じまして、市場の機能強化や活性化への取り組みを着実に実施してまいります。
○鈴木委員 ただいま市場長の強い決意がうかがえたわけですけれども、本当に厳しい環境ではありますけれども、ぜひとも頑張っていっていただきたいと強く要望いたします。
東京都の十一の中央卸売市場全体の取扱数量は本当に減少しているとはいえ、依然として膨大であり、都民の食生活への貢献度は高いことには変わりありません。
私は、第八次整備計画を実施するに際しての課題や、中央卸売市場の置かれた状況をどのように認識しているかについて、今、お伺いいたしました。これは、整備計画はきちんとした問題意識を持ち、それを解決していくための処方せんとして定めるべきだと考えているからであります。
今後、第九次整備計画は、これまでの取り組みと、そこで明らかになった課題をきちんと踏まえた上で作成していっていただきたいと要望して、私の質問を終わります。
○田島委員長 鈴木副委員長の発言は終わりました。
次に、花輪委員の発言を許します。
○花輪委員 私たちは、家で蛇口をひねると、おいしくて安全な水をいつでも飲むことができます。世界を見渡すと、水がないために紛争が起きていたり、きれいな水を飲めないために病気にかかって赤ちゃんが死んじゃったり、そんなような状況もあるようです。そういうことを考えると、本当にこの東京の水というのは、おいしくて安全でありがたいなというふうに思っています。
また、このおいしくて安全な水を常に支えてくださっている水道局の皆さん、水源地でいろいろとご苦労をされていたり、給水所、浄水場、また水道管を汗をかいて埋めてくれている方々、また、日ごろ私たちの家の検針業務なんかで、雨の日も風の日も頑張って働いている、そんな皆さんに改めて感謝をして、その上で質問をさせていただきたいと思います。
まず、水道局が二十一年に発注をした契約の案件の一覧を見ていますと、株式会社宅配というところと第一環境株式会社というところ、この二社への発注の金額が突出をしているように見えるんですね。
まず、この二社への発注金額の合計、その件数、また内容はどんなものなのかご答弁をお願いします。
○尾崎水道局長 二社に委託した平成二十一年度の契約件数は十五件であり、当初契約金額は約六十五億円であります。また、その委託内容は、水道メーターの検針業務や営業所名称変更のビラ配布業務などであります。
○花輪委員 六十五億円を二社に発注ということでした。
見てみますと、例えば、営業所外七営業所の徴収業務の委託単価契約で二十四億とか、ビラの配布で二千九百万円とか、そういうのがたくさんあるわけですが、この契約のうち随意契約に占める割合が結構高いんじゃないかというふうに思うんですが、その割合とその理由、また予定価格に占める契約金額の割合ですか、そのあたりを教えていただければと思います。
○尾崎水道局長 二社と契約した十五件は随意契約であります。このうち検針業務は、水道事業において料金算定の基礎となるものであり、地域特性に応じて、全戸、当局が定める期日ごとに確実に検針しなければならず、安定的な履行を確保することが必要であることから、当局ではこれまで、十分な実績、ノウハウを有し、当該地域の地理や実情を熟知する事業者と随意契約を行ってきたものであります。
また、各種ビラの配布業務も、検針時に同時に配布できる、あるいは当該地域の地理や実情を熟知していることから、これらの業者と随意契約しております。
随意契約においては、業者の提示額が予定金額を上回る場合には減価交渉を行い、予定金額を下回った金額が提示された段階で契約を行うことになります。このようなことから、平成二十一年度の予定価格に対する当初金額の割合は九九・七六%であります。
○花輪委員 六十五億円の随契、二社に。内訳でいうと、三十五億が宅配で、三十億円が第一環境ということですが、一件何十億という契約があって、それが随意契約で出ていて、全部随契。さらにいえば、予定価格に占める契約金額が九九・七六%、ほぼ一〇〇%ですね。予定価格というのは本当は教えていないはずですから、幾ら減価交渉があったとしても、この価格になるというのは、やはり超能力者がいるとか、そのようなことしか考えられないのかなと思うわけですが、この二社に都庁のOB職員はいますか。
○尾崎水道局長 都庁OBの再就職の状況につきましては、東京都職員の再就職に関する取扱基準に基づき、都管理職OBの退職時における再就職の状況を公表することとしております。平成二十一年八月一日以降、株式会社宅配に一名再就職していることを把握しております。
また、東京都水道局所管東京都監理団体の契約に関する指導監督指針に基づき、PUCが金額一億円以上の契約情報をホームページに公表するに当たり、株式会社宅配に確認したところ、平成二十一年四月一日現在、都管理職OBは二名在籍しております。
○花輪委員 宅配には一名いたり、二名いるという、そんなお話が今ありましたね。天下りがいると。
第一環境はいかがでしょうか、今ご答弁がなかったようですが。
○尾崎水道局長 取扱基準あるいは監督指針に基づいて問い合わせたところ、そのような話はありませんでした。
○花輪委員 確認ですが、いないということでいいんですか。
○尾崎水道局長 繰り返しますが、不明であります。
○花輪委員 局長、宅配については何で天下りが出てきたかというと、PUCから宅配に対して一億円以上の発注があるから、監理団体と発注先との間の約束、今の東京都の指導基準で天下りは出さなきゃいけないというから、今、宅配の分はご答弁いただいて、いるということをいっていただいた。
しかし、第一環境については、監理団体と契約をしていないからそれがわからない、不明であるということなんですが、監理団体の一億円以上の発注先のことは天下りを公表するけど、そもそも東京都本体が、水道局が十億円も十六億円も発注している、それも随意契約で。その先の天下りが明らかにできないなんていうのはおかしいじゃないですか、どうですか。
○尾崎水道局長 東京都職員の再就職に関する取扱基準に基づき、的確に対応しております。
○花輪委員 監理団体に求めておいて、自分たちのところは秘密ですよなんていうのは、おかしいですよ、そもそもそんなことは。そんなことでは質問続けられないですよ、委員長。
○田島委員長 質問を続行してください。
○花輪委員 人柄のいい委員長がそういうふうにおっしゃるので続けますけれど、それで、このパネルなんですけど(パネルを示す)、過去十年間、検針業務を東京都水道局から委託している、これ全部随契ですが、委託先の一覧ですね。
ここが各区です。例えば千代田区、中央区、港区、新宿区、この区ですね。この色が、青であれば第一環境という会社、赤であれば宅配という会社、そして緑であればジェネッツという会社ですが、二十三区は、今この三社がずっと平成十二年から、ほぼ独占状態でいるわけです。これ随意契約ですよ、随意契約。
で、宅配と第一環境、宅配はこのエリアをもらって毎年三十五億円、そして第一環境は毎年三十億円。シェアでいうと、宅配は四〇%を超えたシェア、四六%か七%、それで、第一環境の方は三十数%のシェアを常にもらっているわけです。
こうやってエリアをまさに分けて、決まった会社が随意契約でずっと仕事を請け負っている。こういうことも、公平性、公正性の観点から私はおかしいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○尾崎水道局長 検針業務は、水道事業において料金算定の基礎となるものであり、安定的な履行を確保する必要があることから、当局ではこれまで、十分な実績、ノウハウを有し、当該地域の地理や実情を熟知する事業者と随意契約を行ってまいりました。
平成十九年度には、新規参入を促し、かつ価格面での競争性を高めて競争入札を導入しましたが、新規の落札事業者の能力不足により、定められた期日までにメーターを点検することができず、業務継続が困難となり、契約を解除する事態に至りました。
このため、平成二十年度以降は、安定した履行能力を担保しつつ、一層の競争性と透明性を確保するため、一定の要件を満たす複数の事業者から履行計画書を提出させ、価格面のみならず、履行能力を総合的に評価し選定する履行能力等審査方式を導入し、今後も順次導入して拡大していく予定であります。
○花輪委員 何だかんだいったって、ずっとこうじゃないですか。ずっとこうですよ。毎年毎年同じエリアが決まったところに、能力審査方式といったって、結局こうなっているわけでしょう。これが実態ですよ。
それで、このエリアを分けられた中に、ビラを配布するような業務があるということで、ちょっと聞いてみたんです。約三千万円でビラを配布しているというんですね。三千万円でビラを配布している、それ、世田谷区内外八区とか多摩地区と書いてあるんですけど、三千万円で三円でビラをまいたらどのくらいだろう、一千万枚まけますよね。十円でまいたらどのぐらいだろう。どのくらいでしょうね、三百万枚ぐらいまけるのかな。すごい量ですよね。皆さんも自分の都政報告なんかでチラシをまいているからおわかりになると思いますが、相場が。これ聞いたら、一枚二十五円だっていうんですね。これで、履行能力審査も何もあったものじゃないですよ。これは高過ぎじゃないですか。
だから、私はやっぱり、こういうことを直すためにも、競争原理の働く、ちゃんとした仕組みにするべきだと思います。いかがでしょうか。
○尾崎水道局長 本委託契約における受託者の作業内容は、単に戸別ポストにビラを配布するだけの一般のポスティング作業だけではなく、水道管管理図等を活用して断水等の発生する住戸を正確に抽出する作業、告知ビラを局と記載内容を調整の上作成する作業、万が一、配布漏れがあった場合にはお客様に多大な迷惑をかけることから、正確に告知ビラを配布する作業であります。
また、集合住宅等には、掲示板への配布や管理会社への連絡を行うとともに、お客様から断水時等のバルブ操作について説明を求められた際には、バルブ位置や給水方式などから判断し、適切な対応を行っています。
このように、本委託契約は、お客様に断水等の情報を周知する一連の作業を行うことから、一般のポスティングと比べ単価が高くなります。
○花輪委員 今いろいろいいましたけど、水道管の工事とか、濁り水が起きるよというところにチラシを配布するらしいんですね。五百件とか六百件の場合もあるから、確かにそれは、ボリュームが少ないから少しはコストが高くなるのかなとも思います。だけど、二十五円は高過ぎですよ。
今、局長がいったことは、局が色分けまでしてくれた地図を持たせて、定形のチラシに日時、場所を印刷して、そして配ってくる仕事ですよ。この仕事、私、同業というか、ポスティング業者に確認しました。このぐらいの金額でやっているらしいよと。そうしたら、声を裏返して、まさにうちでやらせてくださいよといっていましたよ。そんなような状況なんですよ。だから、やはりこの仕組み、見直しをしていただければと思います。
次に行きます。
都の監理団体である株式会社PUCについて伺います。
これまでの多摩の事務委託の解消を含めて、また監理団体と一体化をしていくということで、PUCへの発注量がどんどんふえていると思いますが、その契約の件数と金額の推移について伺います。
○尾崎水道局長 一体的事業運営体制の構築に関する基本方針を策定した平成十八年度から平成二十一年度までのPUCとの契約件数の推移は、平成十八年度から順に、七十二件、八十三件、七十五件、七十六件であります。また、当初契約金額は、同じく百一億八千万円、百八億九千万円、百十億四千万円、百十億四千万円であります。
○花輪委員 局からPUCへどんどん仕事がふえていって、百十億円も去年は発注をされたことがわかりました。これ全部随意契約です。これからもどんどんふえていくんですね。二十三区の窓口なんかをPUCに委託していく、そういうような流れもありますから、これからどんどんそれもふえていくことになりますが、では、PUCの株主はどんな方々なのでしょうか。
○尾崎水道局長 PUCの株主構成は、東京都が五六%、株式会社宅配が一六%、第一環境株式会社が一六%、株式会社みずほ銀行が五%、株式会社損保保険ジャパンが三・五%、富国生命保険相互会社が三・五%であります。
○花輪委員 大株主に、先ほど出てきた宅配と第一環境がいることがわかりました。PUCの業務というのは、都から委託されている業務というのは、例えば多摩のステーション業務なんていうのがあるわけですね。
これはどういう仕事かというと、ちょうどこの前、田の上さんが分科会で質問して、部長が答えているんですけど、PUCに委託してございます、サービスステーション業務は、民間の検針会社への指導監督などを含んでいるということから、一般の民間事業者から独立した立場で行うことが必要でございます、よって、これを基幹的業務と位置づけまして、公平性や中立性を確保するために監理団体に業務を委託していると答えています。
要は、検針会社への指導監督を含んでいる、中立でなければいけない、公平でなければいけない、だからPUCといっているんですね。
これがその図なんですが、サービスステーション業務というのを都がPUCに委託しています。PUCの中身を見てみたら、株主は宅配と第一環境ですよ。検針会社に対して指導監督をしてねといってお願いした会社の株主が検針会社じゃ、ちゃんとした指導監督が本当にできるのかどうか、これ心配になっちゃいますよ。それで、さらにいえば、そのサービスステーション業務の一部の契約を、PUCはさらに再委託ですよ。どこに出しているかと思えば、宅配ですよ。びっくりじゃないですか。
さっきの検針業務も、宅配とか第一環境、そういうところにどんどん随意契約で出して、そしてさらにいえば、PUCを通してもまた仕事を出していく。そしてまた、PUCの株主は第一環境とか宅配。これでは、まさに天下りを中心とした身内の中で仕事を回していると、都民の批判の声が聞こえてきそうですよ。私は思いますよ。やはりこの資本関係はしっかりと見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○尾崎水道局長 PUCの資本関係についてでございますが、多摩地区の事務委託解消に伴い、徴収業務に関する体制の整備を図るため、検針委託会社から人的支援を得る必要があり、これを円滑に実施するため、二社から出資を受け入れたものであります。こうした方法は、民間企業でも一般的に行われており、法律上全く問題ありません。
また、利益の享受のことでありますが、PUCは、株式会社化以降、株主への配当は行っていません。
しかし、こうしたスキームについては、外部の専門家による運営体制諮問委員会において、将来には、利益の流出を防止するという観点から見直しをすべきという助言をいただいております。このため、本年一月に策定した東京水道経営プラン二〇一〇の中で、出資のあり方について検討することを盛り込んでおり、多摩地区の事務委託解消に合わせ、平成二十四年度以降、二社との資本関係を解消する方針であります。
○花輪委員 今、二十四年度以降に解消するという答弁が出ました。これを了とします。
この前の田の上さんの分科会での質問のときにも、部長はのらりくらりとした答弁でした。そして、この運営委員ですか、評価委員でしょうか、その議事録を見てみても、そういう先生のご指摘に、出資の割合を、東京都の割合を引き上げるとか、そんなようなことはいっていましたが、解消するというのは、恐らく今、局長が踏み込んだ答弁をしていただいたんだと思います。ぜひそのようにしていただければと思います。
あともう一つ、つけ加えますけど、東京水道サービス、これはこれから国際展開をしていくといっていますね。これも株主の構成の中に、関係のそういう会社が入っています。だから、このこともしっかり見直しをしていただきたいというふうに要望しておきます。
○尾崎水道局長 東京水道サービスは、東京都が五一%の株式を所有するほか、株式会社クボタが一九%、株式会社栗本鐵工所が一〇%、その他金融機関五社が二〇%を保有しております。
東京水道サービスは、設立以来、株式会社クボタ及び株式会社栗本鐵工所と管路に関する共同研究を実施しており、特許も共有しております。また、今後、国際貢献ビジネスを展開するに当たっては、両社が持つ高い管路技術の一層の活用が見込まれております。
こうしたことから、資本関係の解消は考えておりません。
○花輪委員 せっかくPUCでいい答弁をしたと思ったら、同じような仕組みなのに、わざわざ答えて、解消は考えていないという。これだって、クボタや栗本さんのほかに水道管をつくっている会社はいるじゃないですか。ポンプの会社だってたくさんありますよ。
これから皆さんが海外に出ていくときに、ある意味、特権的な立場で行くわけですよ。それが一部の方々に利益が行くような話になったら、これは公平性とか中立性からいったら、相当、僕は問題があると思いますよ。これはしっかりと検討していただければと思います。
次に、水の需要予測について伺います。
余り時間がないので、局長は余りしたくないという答弁を、先日の分科会でも、また常任委員会でもされておりました。
私たちは何で水の需要予測をしてくれというかというと、まず、この前、請願が通りましたよね、八ッ場ダムを考える会の方々から水需要予測をしてくれと。あんな古いような数字を並べているんじゃ、これは信頼できないから、そしてそもそも過大な予測の疑いがあるから、水の需要の予測をもう一回してくださいという請願が出た。これは議会で採択をされましたよ。採択されたんです。
だから、私は、まずこの水需要予測はするべきだというふうに思いますし、そして水需要予測というのは、まさにこれから水道事業、水源とか、また水道施設を整備するに当たって、長期的な視野でやるために予測を立てなきゃいけないんですよ。
それが今どうなっているかというと、ちょっと小さいんですけど、平成二十五年、三年後までしか予測がされてないんですよ、三年後までしか。これも、長期的視野に立ってさまざまな物事を進めていくということからしたらば、まことにこれは無責任だと私は思います。
それで、決算書を見ていたら、水道予測、水道の需要予測に関する調査研究というのを実はしていたんですね、毎年。そういう数字が出ていたので、何か資料あるのといったらば、これが出てきました。よく聞いてみたらば、公表していないんですというんですね。
求められたから出しましたというわけですが、それで、中には、予測値を三十七年まで出しているやつとか、シャワーがふえても平成十八年の数字は上回らないだろうとか、あとは、報酬が上がって水の使い方がぜいたくになっても、平成十八年度より実績を上回ることはないだろう、そんなことが書いてある報告書、要は、これから水需要というのはふえないですよということが書いてあるような、そんな報告書、五年分出てきましたけど、これは公表されていませんでした。
ということは、平成十五年にこの過大な予測をしたときのこういう資料があるでしょうと私は聞きました。あるでしょうと聞いたらば、局の方からは、捨てちゃいましたという、そんな答弁がありました。
局長、もう時間がないからまとめていっているんですけど、これを捨てちゃうなんてとんでもないですよ。水需要予測というのは、水道事業の根幹をなす、そういうことですよ。その予測をまさに怠っておいて、そして--今ある最新の水需要予測は平成十五年のです。その十五年の予測を立てたときの報告書、これ捨てちゃいましたなんて、そんなこと許されるわけないじゃないですか。どこかにあるなら出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○尾崎水道局長 水道需要予測調査研究に関する委託の資料は、膨大な量であります。毎年蓄積、更新しているものであり、文書管理規程に基づいて保管を管理しています。
現行の計画、一日最大配水量を決定した平成十五年度の文書は、所定の手続があれば開示いたします。
○花輪委員 あるの。
○尾崎水道局長 決定文書です。
○花輪委員 報告書は。報告書があるかないか。
○尾崎水道局長 文書管理規程に基づいて保存管理をしております。
○花輪委員 文書管理規程というのは、五年のことをいっているんですか、十年のことをいっているんですか。
まず、五年というのは、普通の重要な報告とかそういうものは五年の文書管理規程、だから、五年経過しているから捨てちゃったという可能性はありますね。十年は、特に重要な報告とか、総務局長もいるけども、そういうものを保存するのは、これは特に重要なものだったら十年保存しなきゃいけないんですよ。ということは、十年以内だから、とってあるということでいいんですか。
○尾崎水道局長 先ほども答弁しましたが、需要予測の資料は毎年蓄積、更新していくものです。そういうことですから、文書管理規程に基づいて保存管理しています。で、保存年数は五年であります。
○花輪委員 捨てちゃったということじゃないか。こんなことで続けられますか、委員長。はっきりしてくださいよ、局長。あるのかないのかぐらい、はっきりいってくださいよ。続けられないよ、こんなんじゃ。あるのかないのか、いってくださいよ。
委員長、お願いしますよ。あるのかないのかぐらい、答えさせてくださいよ。
○尾崎水道局長 水道需要予測の調査に関する資料、十五年度のやつは、文書管理上、五年で廃棄しています。
決定した決定文書は保管しております。
○田島委員長 花輪委員の発言は終わりました。
次に、野上副委員長の発言を許します。
○野上委員 続きまして、水道事業についてお伺いいたします。
将来にわたり安全でおいしい水を安定的に供給し続けるためには、水源の確保、また水道水の品質の向上、施設の適切な整備と更新など、取り組むべき課題は多く、本日は、その課題についてただしてまいりたいと思います。
まず、水源の確保ですが、我が会派では、現在の水需要のみをとらえ、近視眼的に水源を論ずるのではなく、渇水に対するリスクにも十分配慮し、将来を見据えた水源確保が必要であると繰り返し訴えてまいりました。
昨年九月に一方的に中止を表明した八ッ場ダムについて、先日、現国土交通大臣は、今後、中止の方向性には言及しないとして、来年の秋を目標として検証を進めていくと発言したようですが、ダム本体工事を中止してから既に一年以上がたちまして、むだに時間が流れております。
八ッ場ダム建設予定地の地元では、ダム湖を前提として生活再建を進めてきましたが、長引く混乱により奔走され、疲れ切っております。ことしに入り、川原湯温泉では、一番規模が大きかった高田屋さんの旅館が休業に追い込まれるなど、まさに胸が締めつけられるような思いがいたします。
我が会派は、八ッ場ダムが都における水供給上の安全、安定を語る上で非常に重要なダムであることを考え、これまで早期完成を主張してまいりました。
そこでまず、八ッ場ダムの完成によって、具体的に渇水の危険性がどう軽減されるのかをお伺いいたします。
○尾崎水道局長 利根川水系では、平成に入ってから夏冬合わせて六回、渇水による取水制限を余儀なくされております。
特に平成八年の渇水では、延べ百十七日間にわたる取水制限が実施され、ビール工場での生産ラインの一部停止、噴水の停止やプールの中止など、都民生活に大きな影響を及ぼしました。
国土交通省の試算では、八ッ場ダムが完成した場合、過去六回の取水制限のうち三回は回避され、最も期間が長かった平成八年の場合、取水制限日数は百十七日から十七日へと百日間軽減できるとしております。
○野上委員 八ッ場ダムが完成すれば、渇水に対する大きな効果が期待できます。
そもそも日本の河川では、降った雨は瞬く間に海に流れてしまい、雨が降らなければ、いつ渇水が起きても不思議ではありません。ダムによる貯水は、水資源を有効に活用する上で最も有効な方策だと思います。ふだんは取水に問題がなくても、渇水になれば、そもそもその取水できる水が少なくなるわけですから、水源は、将来考えられるリスクを十分に考慮した上で手を打っていかなければ、先々禍根を残すことになりかねません。渇水に対するリスクには、さまざまな要因があるのではないでしょうか。
そこで、水源を取り巻く状況と将来のリスクについてお伺いいたします。
○尾崎水道局長 利根川上流域の過去百年間の降雨状況を見ますと、降雨量は長期的に減少傾向にあり、また、近年は雨の多い年と少ない年の変動幅が拡大しております。このような少雨傾向により、利根川・荒川水系では、ダム等の供給能力は当初計画よりも既に約二割減少しております。
こうした影響を踏まえますと、現在都が確保している六百三十万立方メートルの水源量は、神奈川県等の水事情によっては分水を受けられなくなる相模分水など課題を抱える水源を含めても、日量五百五十二万立方メートルと評価されます。
また、国等の予測によれば、気候変動により、百年後の利根川上流の積雪量は現在の三分の一まで減少するとされています。さらに、温暖化に伴い、現在よりも雪解け時期が早まることにより、春先からの水需要期には河川への流出量が減少すると考えられます。
このように、気候変動が水資源に与える影響は深刻であり、将来にわたる安定給水の確保という観点から、大きなリスクになると懸念されます。
○野上委員 次に、安全でおいしい水の供給についてですけれども、水源から流れ出た水は、浄水場で磨かれて水道水となり、都民のもとへ届けられます。
水道局では、現在、高度浄水処理の整備を進めておりますが、高度浄水施設が最初に導入されたのは、私の地元であります金町浄水場でございました。現在、金町浄水場の水は、以前はおいしくなかったんですけど、最近はおいしくなったという話をよく聞いております。
そこで、全量高度浄水処理が可能になったときの効果と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○尾崎水道局長 高度浄水処理による効果は、トリハロメタンなどの人の健康にかかわる物質をさらに低減させるとともに、通常の浄水処理では十分に対応できない臭気原因物質やカルキ臭のもととなる物質等を除去または低減できることであります。
当局ではこれまで、金町、三郷、朝霞、三園の利根川水系を原水とする各浄水場に、順次、高度浄水施設を導入してまいりました。さらに、平成二十一年度には東村山浄水場に高度浄水施設を導入いたしました。
今後とも、より一層安全でおいしい水をお客様にお届けするため、平成二十五年度までに利根川水系取水量の全量を高度浄水処理できるよう、金町、三郷、朝霞の各浄水場における高度浄水施設の拡充工事を着実に推進いたします。
○野上委員 将来にわたり安全でおいしい水を供給するために、着実に高度浄水施設の拡充工事を進めてもらいたいと思います。
次に、老朽管の取りかえについてですが、都民が安心して生活をしていくためには、安全でおいしい水を安定的に供給していくことは水道事業者の使命です。都民に水を届ける水道管路は、まさに都民の生命線ともいうべき重要な施設でございます。
我が会派は、分科会において、水の安定的な供給に焦点を当てた質疑を行い、管路における突発事故の一例として、土質による水道管の腐食などを取り上げました。
これに対して、水道局は、水道管の腐食を防ぐ工法を採用し、主に土壌の腐食性を考慮して、区部東部地区を優先として取りかえているとのことでございました。しかし、その他の地域でもこうした取り組みが急がれるところでございます。
そこで、腐食性土壌がある地域も含めた都内全域の管路の取りかえについて、今後どのように進められるのかについて、改めて伺います。
○尾崎水道局長 管路の取りかえは、経年管、初期ダクタイル管、ポリエチレンスリーブで外面が覆われていない管等を対象に行っており、腐食性土壌がある地域につきましては優先的に取り組んでおります。
また、大規模地震発生の切迫性が指摘される中、本年一月に策定しました東京水道経営プラン二〇一〇において、震災対策を強化するため、水道管路の耐震継ぎ手化緊急十カ年事業を主要施策の一つに掲げ、これまでの取りかえ計画を大幅に前倒しすることといたしました。
この事業を着実に推進することにより、区部東部地区はもとより、都内全域において管路の取りかえをさらに積極的に進め、一層の安定給水に努めてまいります。
○野上委員 都内全域で、これまで以上に管路更新に取り組み、事故の未然防止対策が進むことがわかりました。
しかし、管路の取りかえだけでは対応できないということもあるのではないでしょうか。先月ありました日野市の漏水事故では、復旧におよそ一日を費やしました。水道管路のバックアップ機能があれば、断水とか濁水といった影響も最小限に抑えられると思います。水道局では、送配水管のバックアップ機能の強化にも取り組んでいると、分科会において説明がありました。
そこで、多摩地区では、管路の取りかえもさることながら、そもそも管網の整備が急務なのではないでしょうか。現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○尾崎水道局長 ご指摘のとおり、多摩地区の管路は市町単位で管理されてきたため、ネットワーク化が十分ではございません。このため、現状では、一たび事故が起きると、断水や濁水の影響が広範囲に及ぶおそれがあるほか、工事中の代替ルートが確保できないため、管路の取りかえを進められない状況にあります。
そこで、多摩地区では、水道管路耐震継ぎ手化緊急十カ年事業による管路の耐震化を進めるとともに、本年八月に策定しました多摩水道改革計画におきまして、市町間を結ぶ配水管の整備など、管路のネットワーク化を推進することといたしました。
今後、これらの事業を推進することにより、多摩地区水道のバックアップ機能の向上に取り組んでまいります。
○野上委員 突発事故による影響が最小限に抑えられるよう、老朽管の取りかえを着実に行うとともに、多摩地区における管網の整備を早期に推進していっていただきたいと思います。
次に、水道局の水の科学館についてお伺いいたします。
我が党は、本会議や常任委員会において、水の科学館について繰り返し取り上げてまいりました。本年のリニューアルに当たっては、参加体験型の企画や地球環境に関する展示の充実など、さまざまな提言を行い、実現をしてまいりました。
我が党が水の科学館について取り上げてきたのは、水道水を直接飲むことができるという日本が誇る水道文化を次世代を担う子どもたちに引き継ぐことの重要性からです。これらの学習の拠点として、水道局の水の科学館があります。豊かな人間性をはぐくむには、実体験が不可欠であり、教育の面で非常に高い効果があると思いますが、この水の科学館について、教育上の役割につきまして見解を伺います。
○尾崎水道局長 地球規模での気候変動が問題となり、水資源の大切さが改めて認識されている現在、水の科学館は、水の不思議さや、水と暮らしなどについて知ってもらい、水道事業への理解を深めてもらうために重要な施設でございます。さらに、次世代を担う子どもたちが、実験施設や映像ライブラリーなどを通じ、楽しみながら水について学ぶことができる総合学習施設としての機能を有しております。
これまで、累計百七十二万人の来場者や、年間千校を超える小中学校の団体見学が訪れております。また、リニューアルに伴って、直近までで、全国紙を含む延べ十六紙、「るるぶ」や「ぴあ」など延べ二十九誌の雑誌、さらにはNHK、民法を含め十八のテレビにおいて水の科学館を取り上げるなど、高いパブリシティー効果を有しています。
今後も水道局は、水の科学館を拠点としてさまざまなイベントを実施するなど、積極的に活用し、着実に次世代を担う子どもたちへ水道文化を引き継いでまいります。
○野上委員 先ほど質問がございましたけれども、給水所の上部部分にある水道の水の科学館と、それから有明水再生処理施設に併設されている虹の下水道館ですけれども、それを統合すべきだというようなことをいわれておりましたが、これは全く的外れな質疑ではないかと私は思っております。
それともう一つ、一、二時間見学しただけで思い込みだけの主張をする前に、見学に来た学校に、水の科学館は必要かどうかとか、どうだったのか、子どもの反応はどうだったのかという、そういう聞き取り調査をしてみたらいかがでしょうか。
私も、数回にわたり、子どもを引率して水の科学館に行ったことがございます。非常に子どもたちは喜んでおります。教育にとっても大事な施設だと思っております。水道文化の確実な継承に向けて、しっかりとこれからも取り組んでいただきたいことを要望して、次に移ります。
次に、下水道局の契約制度についてお伺いいたします。
先日、十月二十五日に行われました第二分科会における民主党の質疑、またそれを受けての新聞の報道によりますと、下水道局発注の九億円以上の設備工事においては、入札参加者の辞退が極端に多く、競争入札になっていないとの指摘がなされておりました。
大規模な設備工事においては、そもそも受注可能な業者が少ない傾向にあります。その理由としては、下水道という特殊性にあると思っております。発電機、監視制御設備、焼却設備工事などの設備は、水再生センターやポンプ所における整備であり、揚水とか、下水処理、汚泥処理等の特有の機能があり、業者はそれぞれの施設の特性を熟知している必要があると思います。それと、こうした設備は、オーダーメードで製造し、設置する必要があり、当然、一定以上の高い技術水準が必要であります。
平成十九年六月から二十二年の七月の間で、九億円以上の設備工事が四十六件ありました。一者あるいは二者のみが入札を行った工事が三十四件、三者あるいは四者以上が入札を行った工事が十二件あったとのことでございます。この両者の間には、その工事内容に大きな差異があるのではないかと推測されます。
まず、一者ないし二者入札となった工事と三者ないし四者以上の入札となった工事との内容の違いについて確認をいたします。
○松田下水道局長 一者ないし二者入札となった工事は、既設設備の再構築工事において多く見られます。既設設備を稼働しながら新しい設備に順次切りかえる工事においては、既設の設備に関する詳細な知識が必要になるとともに、他の設備を稼働させながらの工事となり、複雑な工程調整や安全管理が必要となることから、入札を希望する業者が少なくなる傾向がございます。
一方、三者ないし四者以上の入札となった工事は、新設の工事において多く見られます。旧来の設備との関連性がなく、工程調整などが必要ないことから、既設設備の再構築工事に比べて制約条件が少ない状況がございます。
○野上委員 既設設備と新設の設備の違いもあり、大規模な設備工事という範疇で単純に一くくりできないことがよくわかりました。
次に、一者ないし二者入札となった工事について、競争性が確保されているのか確認をいたします。
○松田下水道局長 現在は電子入札方式を採用しておりまして、この方式では、入札に参加している業者数を入札前に公表することはなく、応札する業者は、当該入札に何者が参加しているのかを知ることなく入札、札を入れる仕組みとなっております。
したがいまして、入札に参加する業者には、できるだけコストを圧縮した上で応札しようとする動機づけがなされ、実質的な競争性が確保されており、公平かつ適正な契約を行ってきたと考えております。
○野上委員 入札者が少なくても、落札に当たって、積算に努力するという動機づけが働いていくということですね。
次に、先般の第二分科会の質疑で、下水道設備の特殊性から受注業者が少ないのであれば、特命随意契約にして経費を抑えることもできるが、やらないとの主張をされているようでしたが、このような主張は、法令上も成り立たないのではないかと考えます。
そこで、随意契約が成立する要件及びこのような場合に随意契約が成立するかどうかについてお伺いいたします。
○松田下水道局長 随意契約は、地方自治法第二百三十四条第二項において、政令で定める場合のみ例外規定として定められております。公営企業の場合には、地方公営企業法施行令第二十一条の十四に列記されている九項目に該当する場合のみ、随意契約による契約をすることができることとなっております。
特にその中でも、特定の事業者を指定して契約する特命随意契約については、特殊な技術、能力、設備等が必要であるなど受注できる事業者が特定される場合や、前工事の施工者に引き続き施工させることにより工期の短縮や経費の節減ができるなど、競争入札に付することが不利と認められる場合などに限定をしております。
今お話しの参加業者数の少ない設備工事では、これらの随意契約の要件には該当せず、原則どおり競争入札により契約をしたものでございます。
○野上委員 ということは、随意契約は、限られた場合にしか締結することができないということですね。
ところで、東京都では、昨年十月に出された公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針に基づいて、入札契約制度の改革を進めているとしております。これを受けて、下水道局においても、入札契約制度の改善に努めていることと思います。
改めて、公平性、透明性、競争性の高い入札の実施に向けた局長の見解をお伺いいたします。
○松田下水道局長 東京都においては、昨年十月に公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針を定め、総合評価方式の拡大や一般競争入札の拡大といった改革を進めております。
当局におきましても、この実施方針を踏まえて、総合評価方式や一般競争入札の拡大を図るほか、これまでも、できるだけ工事の専門分野や工程、工区を切り離して発注する分離分割発注方式の採用、工事期間が集中しないようにする発注時期の平準化、民間企業による見積内容も取り入れた積算方法の改善などの工夫を図り、業者が入札に参加しやすく競争性の高まる入札制度となるよう取り組みを進めております。
また、入札契約に係る情報の公表範囲を順次拡大し、公平性、透明性の高い入札制度となるよう努めております。
今後とも、公平性、透明性、競争性の高い入札の実現に向け、鋭意取り組んでまいります。
○野上委員 さらなる努力をお願いし、次に、監理団体改革について質問します。
我が会派では、以前から監理団体改革に積極的に取り組んできました。その結果、団体の整理統合や役員退職金の全廃などの成果を上げてきたところであります。
私たちのこれまでの取り組みを踏まえ、このたび外郭団体改革推進プロジェクトチームを立ち上げて、さらなる監理団体改革に向けて提言を行う予定としております。
下水道局の監理団体である東京都下水道サービス株式会社、ここではTGSといわせていただきますが、このTGSが、より多くの民間事業者と連携し、しっかりと都民のために仕事をしているのかという、そういう視点から質問してまいります。
まず、そもそもの設立目的なんですが、どういう目的でTGSを設立したのでしょうか。
○松田下水道局長 膨大な下水道施設などの維持管理業務の効率的な執行を図るとともに、きめ細かな都民サービスを提供していくためには、大規模な汚泥処理施設の運転管理や水再生センターのメンテナンス業務、出張所業務などを総合的かつ一体的に運用していく必要がございます。
これらの業務は、局と密接に連携し、しかも多岐にわたる複雑で専門性の高い困難な作業を束ねて行う必要があり、民間事業者では実施が困難であることから、局事業を補完、代行する新たな組織として、東京都下水道サービス株式会社、TGSと略しておりますが、昭和五十九年に設立をいたしました。設立に当たりましては、当局職員を派遣することで公共性を確保しつつ、民間企業の資金や技術の導入による機動的な事業展開を可能とするものといたしました。
○野上委員 TGSに委託している業務は、専門的技術を生かしつつ、局と密接に連携して行う必要のある業務だという理由でTGSしかできないということであれば、その契約方法は随意契約になるしかないということだと思っております。
下水道局では、都の事業運営と密接な関係を有する業務については、監理団体にこれを行わせ、民間でできることは民間事業者を活用し、効率的な事業運営に努めてきたという経緯があると聞いております。
また先日の議論では、TGSの職員数は約六百人増加しているものの、下水道局職員は、それを大幅に上回って二千人以上減少しているということであり、ここにも、下水道事業総体として見て、経営効率の努力を見ることができると思います。
加えて大事なのは、提供する下水道サービスの水準であります。今後、下水道サービスを安定的に提供していくために、TGSの活用の仕方についてお伺いいたします。
○松田下水道局長 これまでTGSでは、局事業を補完、代行する監理団体としての役割を十分に果たしてまいりました。今後の下水道事業におきましても、労働力人口の減少が見込まれる中、将来にわたって下水道サービスを安定的に提供していくためには、下水道事業に携わる人材の育成や技術継承を確実に行い、トータルマンパワーを確保していくことが重要であり、TGSを活用し、これらを推進してまいります。
また、局やTGS及び民間事業者が連携して、これまで積み重ね、培ってきた技術や蓄積をしてきたノウハウなどを、局の責務として、国内外においてTGSと一体となり広め、下水道事業の発展に貢献してまいります。
今後も、TGSとのさらなる連携を図りつつ、効率的で効果的な下水道事業の運営に努め、多くのお客様、都民の皆様の要望にこたえてまいります。
○野上委員 我が党としては、引き続き監理団体について、見直すべきところがあれば見直すなど、必要な改革に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
次に、地球温暖化防止の取り組みについて質問をいたします。
都は、国の動きに先立って、既に二〇〇六年に、カーボンマイナス東京十年プロジェクトとして、二〇二〇年度までに東京都全域で温室効果ガス排出量を二〇〇〇年度比で二五%削減する目標を掲げ、世界で最も環境負荷の少ない先進的な都市の実現を目指しております。
その中にあって、下水道事業は、都の事務事業の中で最も温室効果ガスを排出しており、全体の約四割を占め、温室効果ガスの排出量削減に大きな責任を持っていると思います。
平成十六年度から昨年まで取り組んできた下水道局の地球温暖化対策でありますアースプラン二〇〇四の成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○松田下水道局長 平成十六年に策定いたしましたアースプラン二〇〇四では、汚泥処理の工程において発生する二酸化炭素の三百十倍の温室効果を持つ一酸化二窒素や、電力の使用に伴い発生する二酸化炭素などに着目し、対策を行ってまいりました。
その結果、計画の最終年度であります昨年度の二〇〇九年度には、温室効果ガス排出量を一九九〇年度比で一六%削減することができ、目標である六%を大幅に超えて達成いたしました。
削減した量であらわすと十六万トンとなりまして、これは東京二十三区の約七割に当たる面積の森林が一年間に吸収する二酸化炭素の量に相当いたします。
今後も、高度処理施設や雨水ポンプ所の増設など下水道機能を向上させることに伴いまして、温室効果ガスの排出量の増加が見込まれますことから、さらなる地球温暖化防止のためのアースプラン二〇一〇を本年二月に策定いたしました。
このプランでは、最新技術の先導的な採用や新しい削減技術を開発することで、二〇二〇年度までに温室効果ガスを二〇〇〇年度比で二五%以上削減することを目標としております。具体的には、本年七月に、清瀬水再生センターに日本初となる汚泥ガス化炉を導入いたしました。
今後も、新たに開発をした燃焼方式による多層型流動焼却炉などを導入いたしますとともに、汚泥を火力発電所の代替燃料などとして活用する炭化炉を増設するなど、汚泥処理工程における一酸化二窒素のさらなる削減に取り組んでまいります。加えて、電力消費量を大幅に削減できる汚泥脱水機など省エネ型機器の積極的な導入や、太陽光発電など再生可能エネルギーの活用などにも努め、二五%以上の削減に向けて全力で取り組んでまいります。
○野上委員 さらなる取り組みに期待いたしまして、次は、交通局関係の決算について質問いたします。
平成二十一年度の都営交通の乗車員数というのは、前年よりも減っております。より多くの人々に都営交通を利用していただくことが経営の向上につながります。利用促進のためには、今後ともさまざまな工夫が不可欠です。車をやめて公共交通を利用してもらうことは、環境への負荷をより少なくしていく環境配慮行動への大きなインセンティブにもなると考えます。こうした観点から、都議会公明党は、都営交通の利用を促進する新たな取り組みとして、ICカードPASMOを活用したエコポイントシステムに着目してまいりました。
PASMOは、多くの都営交通利用者が活用しておりまして、交通機関の乗車料支払いのほか、買い物などにも利用されております。新たなエコポイントシステムは、都営交通を利用するとPASMOにポイントがたまるというものであります。
我が党は、平成二十一年度に、代表質問や事務事業質疑を通じて導入を提案してまいりましたが、これを受けて都が取り組みを進めているエコポイントシステムの内容と具体的な導入時期について明確にご答弁願います。
○金子交通局長 交通局が導入を予定しておりますポイントサービスは、より多くのお客様に都営交通を利用していただくことを目的としておりまして、その結果として環境負荷低減にも寄与することができるものと考えております。
現在、検討しておりますサービスの内容は、ICカードPASMOをお持ちのお客様に会員となっていただき、定期券以外の利用実績に基づいてポイントを付与するものでございます。ポイントは、一回の乗車に対する基本ポイントに加え、土休日のご利用や都営交通相互の乗り継ぎに対して加算するボーナスポイントを予定しております。
また、たまったポイントは、駅設置のチャージ機においてICカードPASMOにチャージしてご利用いただけるようにしてまいります。
なお、具体的な導入時期でございますが、平成二十三年の夏ごろを目指しております。
○野上委員 現在、精力的に準備を進めていると思いますが、新たなシステムということで、さまざまな課題もあるのではないかと推察をいたします。
そこで、現在の準備状況とともに、今後の課題とその解決に向けた取り組みについて答弁を求めます。
○金子交通局長 ポイントサービスにつきましては、現在、基本的な設計が終了し、システムの構築を進めるとともに、会員受け付け等を行うサポートセンターについて委託業者を決定したところでございます。
導入に当たっての課題としましては、ポイントサービスの安定的な運用を図るため、システムの信頼性を高めることや、会員に対してわかりやすく丁寧な情報提供をしていくことが挙げられます。
今後、システムについては十分な試験を行い、その機能を検証してまいります。また、サポートセンターにつきましては、問い合わせ対応マニュアルの作成など、運用面での十分な検討を行い、利用者本位のサービスとなるよう取り組んでまいります。
○野上委員 課題の解決を図り、少しでも早くエコポイントシステムを実施できるよう、全力を挙げてほしいと思います。
そして、都民を初め多くの利用者に利用していただけるよう、この新たなシステムのメリットなどについて積極的な広報に努め、普及拡大を図るべきと考えますが、所見をお伺いします。
○金子交通局長 このサービスは、入会金や年会費が不要であり、都営交通の利用により、ためたポイントを各駅でいつでもICカードPASMOにチャージすることができ、また、チャージした金額を、乗車料の支払いのほか駅売店での買い物などにもご利用いただけるものとなっております。これらのメリットをお客様にわかりやすく伝えることで、このサービスが普及し、結果として都営交通の利用促進にもつながっていくものと考えております。
今後、こうした観点から、各種媒体を活用して積極的な広報に努めてまいります。
○野上委員 PASMOは、都営交通も含め、鉄道やバスなど百以上の交通機関で利用できる便利なICカードです。都営交通においてエコポイントを導入することにより、利用の促進と環境配慮行動につながる効果が出てくれば、将来、都営交通以外の公共交通においても導入が広がっていくと思います。都交通局のさらなる取り組みに期待し、次に、病院経営本部の周産期医療体制について質問させていただきます。
時間が少なくなってきましたので、ちょっと飛ばして……。
都立病院におきまして、周産期医療体制におきましていろいろな取り組みを行っているところでございますが、この都立病院において、施設の整備とか、地域との連携強化とか、医療人材の確保、育成など、周産期医療体制の充実に今まで取り組んでこられたと伺っておりますが、改めて、決算年度である二十一年度の取り組み状況についてお伺いいたします。
○川澄病院経営本部長 総合周産期母子医療センターである墨東病院では、二十年度に引き続き、産科診療協力医師登録制度を実施いたしました。この制度は、墨田、江東区及び江戸川区の三医師会の協力のもと、あらかじめ墨東病院に登録した地域の産婦人科医師が、母体搬送時における診療支援、夜間休日における当直支援及び実地研修を行うものでございます。二十一年度は、二十三名の地域産婦人科医師が登録し、月七回程度当直支援を実施いたしました。
また大塚病院では、新たにM-FICUを六床整備し、十月に総合周産期母子医療センターの指定を受け、三月までに百十九件の母体搬送と二十六件の新生児搬送を受け入れたところです。
加えまして、ことし三月に開設した多摩総合医療センター及び小児総合医療センターが一体となり、四月に総合周産期母子医療センターとして指定を受けたところでございます。
○野上委員 大塚病院では、ことしの五月から産婦人科地域医療連携システム、いわゆる大塚モデルといわれておりますが、これを開始したと伺っております。大塚病院と文京区、小石川及び豊島区の三医師会とが、協定書に基づき連携して地域医療を推進しているとのことですが、この大塚モデルの概要についてお伺いいたします。
○川澄病院経営本部長 今お話のございました産婦人科地域医療連携システム、いわゆる大塚モデルでございますけれども、これは、限りある産婦人科の医療資源を効率的に活用するため、地域の産婦人科医師を三つのグループに分類して協力医として登録し、それぞれの役割分担に応じ、相互に連携する病診連携システムでございます。
例えば、産科領域のグループA、Bでは、妊娠初期から三十二週までの健診を受け持ち、それ以降の健診と分娩までを大塚病院が受け持つこととしております。また、リスクが少ない正常分娩につきましては、大塚病院からグループAに逆紹介をいたします。婦人科領域では、大塚病院が手術などの入院治療を受け持ち、グループCが、がん検診やホルモン療法など受け持つこととしております。
このようにして、大塚病院と地域の診療所とが医療機能に応じた連携を推進し、地域で安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを進めてまいります。
○野上委員 次に、医療人材の状況についてお伺いいたします。
全国的にも深刻な医師不足の状況のもと、周産期医療を支える産科、小児科の医師がとりわけ不足していることは承知をしております。
そこで、大塚病院及び墨東病院における産婦人科と小児科の医師確保状況についてお伺いいたします。
○川澄病院経営本部長 平成二十一年度の医師定数と平成二十一年十月一日現在の現員を比較しますと、大塚病院産婦人科は、定数九名に対して現員十名、小児科は定数十四名に対して現員十名となっております。また墨東病院産婦人科は、定数十二名に対して現員六名、新生児科は定数八名に対して現員九名となっております。
なお、平成二十二年度につきましては、定数と十月一日現在の現員を比較しますと、大塚病院産婦人科は、定数九名に対して現員十三名、小児科は定数十四名に対して現員十一名、墨東病院産婦人科は、定数十二名に対して現員八名、新生児科は定数八名に対して現員十名と、いずれも増加してございます。
○野上委員 去る平成二十年十一月十四日開催の平成十九年度公営企業決算特別委員会において、私も都立病院における女性医師の割合について伺ったところですが、産婦人科に関しては、とりわけ女性医師の割合が高かったと記憶をしております。改めて都立病院の産婦人科と小児科における女性医師の割合についてお伺いいたします。
○川澄病院経営本部長 平成二十一年十月一日現在、都立病院における産婦人科医師総数三十二名に対して女性医師は十五名、その割合は約四七%となっております。また、小児科医師は同時点で、総数九十一名に対して女性医師は三十六名、割合は約四〇%でございます。
なお、大塚病院における女性医師の割合は、産婦人科で六〇%、小児科で五〇%、墨東病院においては、産婦人科で五〇%、小児科で約四五%となっております。
○野上委員 都立病院における女性医師の状況がわかりました。医師確保が全国的に依然として厳しい状況にある中で、女性医師を確実に確保するには、働きやすい勤務環境の整備が必要と思われます。
都は、平成二十年七月に育児短時間勤務制度を導入いたしました。この育児短時間勤務制度を活用している医師の取得状況と、女性医師の職務住宅への入居状況、あわせて院内保育室の利用状況についてお伺いいたします。
○川澄病院経営本部長 平成二十二年十月一日現在、五名の医師が育児短時間勤務制度を利用しております。内訳ですが、産婦人科が一名、麻酔科が二名、内科が一名、精神科が一名となっております。
職務住宅でございますが、平成二十二年十一月一日現在、百十三名の女性医師が入居しております。
次に、院内保育室でございますが、平成二十二年十月実績で十九名が利用しており、このうち四名が二十四時間保育を利用してございます。
○野上委員 ちょっと時間がなくなったので、最後に、今後の周産期医療体制の充実に向けた取り組み方針を伺って、質問を終わりたいと思います。
○川澄病院経営本部長 東京都内に不足する周産期医療体制の充実を図り、都民の期待にこたえることは都立病院の重要な責務でございます。特に、ことし三月に開設した多摩総合医療センター及び小児総合医療センターは、都内最大の総合周産期母子医療センターであり、果たすべき役割が大きいと認識しております。
このため、福祉保健局と連携し、多摩地域周産期医療ネットワークグループの中心として医療連携を推進するなど、多摩地域全体の周産期医療を充実してまいります。
また、医療人材の充実につきましては、単に処遇改善だけでなく、勤務環境の改善など総合的な取り組みを行い、一定の成果を上げてきたところでありますが、引き続き、確保、育成対策を積極的に進めてまいります。
今後とも、たがを緩めることなく、こうした取り組みを推進し、医療サービスの向上を図ることによりまして、都立病院の周産期医療提供体制を充実強化してまいります。
○田島委員長 野上副委員長の発言は終わりました。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十三分休憩
午後三時十一分開議
○田島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行します。
神林理事の発言を許します。
○神林委員 私の方からは、水道事業、下水道事業、病院事業について伺います。
初めに、水道事業について伺います。
昨年の民主党政権の発足以降、その迷走ぶりは目に余るものがございます。国政の根幹をなす外交問題や経済政策は定見を欠き、国内はもとより国際社会からの信頼を失いつつあります。
八ッ場ダムの問題についても、迷走ぶりは同様です。先日、国土交通大臣による中止の撤回、地元住民への謝罪といった報道がありましたが、マニフェストを金科玉条のごとく掲げる一方で、大臣がかわれば方針が二転三転し、全く一貫性がありません。
また、民主党政権は、コンクリート政権、コンクリートから人へというキャッチフレーズのもと、社会資本の重要性を軽視し、一方的な見直しを進めています。八ッ場ダムはその象徴であり、具体的な根拠も示さないまま中止が表明されてから、早くも一年余りが経過いたします。八ッ場ダムの必要性を来年秋までに検証するとしていますが、こうした検証もせずに、マニフェストに中止を掲げた民主党の姿勢は全く無責任といわざるを得ません。
我が党は、首都東京の安全と安心のため、水と都市という歴史的な観点を含め、八ッ場ダムの早期完成が絶対に必要だということを繰り返し主張してまいりました。改めまして、八ッ場ダムの早期完成に向けた決意を伺います。
○尾崎水道局長 東京の水道は、一千三百万人の都民生活と首都東京の都市活動を支える上で欠くことのできない重要なライフラインであり、平常時はもとより、渇水時でも、可能な限り給水を確保することが水道事業者の責務であります。
現在、都の水源の約八割を占める利根川・荒川水系では、渇水に対する安全度が他の水系よりも低いことに加え、近年の少雨化傾向によりダム等の供給能力が減少しているとともに、気候変動による水資源への深刻な影響も懸念されるなど、都の水源は脆弱な状況にあります。このような状況を踏まえますと、首都東京の安定給水のためには、安定した水源の確保が極めて重要であり、八ッ場ダムは必要不可欠であります。
八ッ場ダムにつきましては、これまで、都議会、関係自治体、地元とも連携し、国に対し、ダム本体工事の早期着手などを強く申し入れてまいりました。今後も、関係自治体等と協力し、八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場などを通じてダム本体工事の着手を強く要請し、事業の早期完成に向けて全力で取り組んでまいります。
○神林委員 今も、知事、ちょうど休憩中に会見を行っておりましたけれども、知事は民主党の迷走に対し、幼稚な政府を持つと国民は迷惑すると発言していますが、まさに至言でございます。早期完成に向けて最大限の努力をお願いしたいと思います。
水道事業は、ダムなどの水源を初め数多くの施設を有していますが、これらが今、大きな転機を迎えております。基幹的な水道施設である浄水場が耐用年数を迎え、一斉につくり直さなければならない時期が迫っています。
そこで、二点目でございますが、まず、必要とされる施設更新の検討状況と今後の予定について伺います。
○尾崎水道局長 都の浄水場の多くは、昭和三十年代から四十年代の高度経済成長期に集中的に整備してきたことから、平成三十年代以降、法定耐用年数である六十年を一斉に迎えることとなります。
仮に耐用年数どおりに浄水場を更新した場合には、同時期に膨大な事業費が必要になるとともに、浄水処理能力の大幅な低下は避けられず、安定給水の確保が困難となります。
さらに、浄水場の更新は、施設を分割し、一部を稼働させながら順次実施するため、都の主要な浄水場すべての更新を終了させるには、数十年という長い工事期間が必要となります。
このため、更新に当たっては、浄水場などの施設管理にアセットマネジメントの手法を導入し、施設の延命化と更新時期の平準化に取り組むとともに、トータルコストの縮減を図ってまいります。
また、更新時には浄水処理能力が低下し、安定給水に支障を来すことから、あらかじめ低下する能力を補う代替施設が必要であり、平成二十三年度からの調査設計に向け、現在、その整備、規模等について検討を進めております。
今後の計画的な施設更新に向け、こうした取り組みを着実に推進し、将来にわたる安定給水を確保してまいります。
○神林委員 我が党は本会議におきまして、CO2排出削減の観点から、浄水場を上流部に移動させ、位置エネルギーを活用したシステムとすることを提言しております。これに対し、水道局からは、幅広く検討するという前向きな答弁をいただいております。
そこで、浄水場の再配置に向けた検討状況と実現に向けた課題について伺います。
○尾崎水道局長 都の主要な浄水場は、取水位置などの制約により、標高の低い位置に配置されていることなどから、主に送配水過程において多量なエネルギーを消費しております。
ご指摘のとおり、水道システム全体のエネルギー効率を一層高めていくには、浄水場の再配置などにより、極力、自然流下を活用していくことが有効であると認識しております。
しかし、その実現には、取水地点や水利権上の制約など、解決に向けて関係機関等の理解と協力が欠かせません。
このため、本年一月に策定した東京水道経営プラン二〇一〇に基づき、低炭素型モデル浄水場や、上流部浄水場の整備に向けた検討を開始するとともに、課題解決に向けて国に働きかけを行うなど、取り組みを実施してまいります。
○神林委員 ただいま答弁にありましたとおり、課題はたくさんあると思います。しかし、一歩ずつ着実に進めていくことが大事でございますので、ぜひお願いしたいと存じます。
我が党は、本会議や常任委員会において、水源を初めとする水道施設の整備は、経済動向や人口動態、気候変動の影響など、幅広い視点による検討が必要と繰り返し提言をしてきました。これに対し、将来の東京にふさわしい都水道施設への再構築に向け、基本構想の策定に向けて検討中という答弁をいただいております。
水源を含めた水道施設の基本構想の検討に当たっては、エネルギー効率の視点も含めて行うべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○尾崎水道局長 気候変動に関する政府間パネル、IPCCが二〇〇七年に公表しました第四次評価報告書では、今世紀末には地球温暖化がさらに進行すると予測しており、環境負荷低減への要請は、五十年、百年後には、ますます高まってくると想定されます。
このため、将来の首都東京の水道施設のあり方を検討する際には、ご指摘のとおり、水道システム全体のエネルギー効率を向上させるという視点も重要であると認識しております。
今後、こうした点も含め、水道に影響を及ぼすと考えられる要因を十分に考慮し、外部有識者や都民の意見を取り入れながら幅広い角度から検討を進め、将来の首都東京にふさわしい水道施設への再構築に向けた基本構想を、平成二十三年度内をめどに策定してまいります。
○神林委員 まだたくさん質問がありますので、少しスピードアップをさせていただきたいと思います。
水道は、生活や都市活動を支える最も重要なライフラインの一つです。施設整備のあり方は、さまざまな角度からの検討をお願いしたいと思います。
安定的な水の確保という点で、忘れてはならないのは震災対策でございます。我が国は世界有数の地震国であり、世界じゅうで発生する地震のうち、二割が日本付近で発生しているといいます。専門機関での調査においても、南関東において、マグニチュード七程度の大地震が今後三十年以内に七〇%の確率で発生すると予測しております。震災は、いつ起きてもおかしくない状況であり、万全の構えが必要です。
また、最近生じた震災における被災者へのアンケートでは、入浴や洗濯、トイレなどの用途のために、一日も早い復旧が望まれています。
我が党はこれまでも、震災予防対策の強化が重要であることを指摘してきました。特に耐震継ぎ手管への取りかえへの推進は、我々の提言により、新たな施策としてスタートしたところです。
そこで、水道管の取りかえを含め、水道施設の耐震化の現状と今後の取り組みについて伺います。
○尾崎水道局長 水道は、首都東京を支える重要なライフラインであり、震災時においても、都民生活や都市活動への影響を最小限に抑制することが水道事業者の責務であります。
このため、水道施設の耐震化を重要施策の一つとして位置づけ、昭和四十八年度から、東京都水道局震災対策事業計画に基づき、浄水場や給水所、管路などの耐震化を着実に進めてまいりました。
水道管路につきましては、材質が耐震性にすぐれたダクタイル鋳鉄管への取りかえをほぼ完了しております。
また、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、平成十年度からは、抜け出し防止機能を有する耐震継ぎ手管を全面的に採用していますが、管路の延長が二万六千キロメートルと膨大であることから、現在の耐震継ぎ手率は二六%となっております。
このため、今年度から水道管路の耐震継ぎ手化緊急十カ年事業を新たに立ち上げ、取りかえ計画を大幅に前倒しして、十年後の耐震継ぎ手率を四八%へ引き上げ、平常給水への復旧日数を従来の三十日以内から二十日以内へと短縮することとしました。
こうした水道施設の耐震化に全力を挙げて取り組むことにより、震災時におきましても可能な限り給水を確保してまいります。
○神林委員 断水による都市活動や都民生活への影響は、はかり知れません。震災時において一日でも早い復旧が可能になるよう、重点的な取り組みをお願いいたします。
安定給水に向けた取り組みとともに重要な施策が、安全でおいしい水対策でございます。東京水道における安全でおいしい水は、我が党と水道局が長年にわたってともにつくり上げてきたものでございます。高度浄水を初め貯水槽水道対策や学校の直結化など、実現した取り組みは数多くございます。
現在、平成二十五年度の全量高度処理の目標に向けて、工事が本格化していると聞いています。安全でおいしい水への都民の期待は高いものがあります。本日は意見にとどめますが、目標の達成に向けて取り組んでいただきたいと思います。
ここまでの質疑を通して、水道局が中長期的な展望を持ち、着実に課題に取り組んでいることがよくわかりました。しかし、限られた財源の中でこうした取り組みを確実に進めていくためには、経営の効率化が不可欠だと思います。
先日来、また、きょうも質疑がございましたけれども、水道局が進めている監理団体を活用した一体的事業運営体制は、公共性を確保しながら経営の効率化を推進するという先進的な取り組みだと思います。
ある会派によりますと、一部だけをとらえて、よいところをすべて消してしまうような議論ではなくて、今後の都政や都民サービスのあり方をしっかりと見据えた評価が必要であり、我が党は、既に三年以上にもわたる調査研究を行い、監理団体を活用した一体経営こそが都民の期待にこたえることになると結論を出しております。
ちなみに、当然のことでございますが、私自身も何度か指摘させていただいておりますが、むだを省いたり、あるいは効率化を図っていくことの見直しというのは、一過性で終えるものではなく、最善を目指して常に進めていくべきものだと考えております。
そこで肝心なことは、都民に対する説明責任を果たすためにも、水道局が責任を持って監理団体の指導監督に取り組むことが重要だと考えます。水道局では、一体的事業運営体制の中で、監理団体に対してどのような指導監督を行っているのでしょうか、伺います。
○尾崎水道局長 当局では、一体的事業運営体制の構築に際し、監理団体の経営に適切に関与し、局の意向を反映させるため、監理団体に過半数の出資を行い、さまざまな指導監督を実施しております。
具体的には、当局の方針に沿った計画的な業務運営を確保するため、監理団体に経営目標を設定させるとともに、その達成度を評価しております。
また、信頼性を確保するため、監査法人による外部監査を導入するなど、経営に対するチェックを行うとともに、経営状況や契約等に関する情報公開を充実させ、透明性の確保に努めております。
こうした指導監督を行っていくに当たり、双方の経営トップによる連絡会を開催し、取り組むべき課題を共有するとともに、外部の専門家による運営体制諮問委員会を設置し、一体的事業運営体制の仕組みづくりについて、さまざまな助言を受けております。
○神林委員 さまざまな取り組みにより監理団体の指導監督を行っていることがわかりましたけれども、ぜひ実効性のあるものにしていただければと思います。とりわけ外部の専門家の意見を活用していくことが、一体的事業運営体制を充実させるために重要だと考えます。
そこで、運営体制諮問委員会の概要と成果について伺います。
○尾崎水道局長 運営体制諮問委員会は、当局と監理団体が一体となって事業運営を行うに当たり、幅広く外部の意見を求めて経営に反映し、一層の経営効率化や公共性を発揮させることを目的として平成十八年十月に設置したもので、弁護士、公認会計士及び企業監査役といった専門性の高い三名の委員で構成しております。
設置以来、現在までに十回開催しており、これまでに監理団体が設定する経営目標について、株式会社としての効率性に加え、都民サービスの質の向上といった視点を取り入れるべきという助言や、財務諸表に高い信頼性を付与するため、任意に外部監査を導入すべきという助言をいただいております。
こうした助言を積極的に取り入れ、経営目標の設定においては、都民サービスの向上の視点を充実させるとともに、監査法人による外部監査を導入するなど、一体的事業運営体制の充実を図ってまいりました。
○神林委員 ただいまの答弁でも、外部の意見を監理団体の経営目標に反映させるとか、こういう運営体制諮問委員会が果たしてきた役割を答弁いただいたわけでございます。
しかし、今後、一体的事業運営体制の構築が進み、監理団体が担う業務がさらに拡大していく中で、外部の視点はこれまで以上に重要になってくるのではないでしょうか。今後、外部の専門家による監理団体のチェック機能をさらに強化すべきと考えますが、見解を伺います。
○尾崎水道局長 当局では、一体的事業運営体制の構築を進めていく中で、運営体制諮問委員会でいただいたさまざまな助言を積極的に取り入れてきた結果、当局と監理団体が責任を持って基幹的業務を担っていく仕組みが一定程度整備されてきたと認識しております。
しかし、監理団体への業務移転はいまだ拡大の途上であり、今後、この仕組みをさらに確固たるものとしていくためには、ご指摘のとおり、外部の視点を一層強化していくことが重要であります。
そこで、これまでの仕組みづくりに対する助言に加え、新たに監理団体への指導監督の実効性をチェックしていただくなど、現在の運営体制諮問委員会の役割を充実してまいります。
今後とも、外部の意見を積極的に活用し、公共性を確保しつつ、効率的な事業運営を推進してまいります。
○神林委員 一体的事業運営体制について都民に正しく理解していただくためにも、外部の視点のさらなる強化に取り組んでいただきたいと思います。
本日は、水源を含めた水道施設の将来のあり方と施設の耐震化、監理団体を活用した効率的な経営と、水道事業全般にわたり幅広く伺ってまいりました。
最後に、短目で結構でございます。効率経営に努めながら、安全でおいしい水を安定的に供給していく決意を局長に伺います。
○尾崎水道局長 水道は最も重要なライフラインの一つとして、安全でおいしい水の安定的な供給を確保することを最大の使命としております。このため、高度浄水処理の着実な導入や貯水槽水道対策などの安全でおいしい水対策、並びに八ッ場ダムによる水源確保や水道施設の耐震化などの安定給水のための取り組みを、局の最重要課題として推進してまいります。
また、公共性を確保しつつ、経営の一層の効率化を図るため、定型的な業務など、民間にゆだねられる業務は可能な限り民間事業者に委託するとともに、基幹的業務を水道局と監理団体とが担う一体的事業運営体制の構築を進めてまいります。
今後とも、都民生活と首都東京の都市活動を支える都市基盤として、効率経営に努めながら、将来にわたり、一層確かな安心と安定を実感できる水道サービスを提供してまいります。
○神林委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、下水道事業について伺います。
水は、動植物の命を保ち、生活用水、産業用水として都市活動を支える基本的要素であり、自然環境をはぐくみ、快適な水辺空間を創出するなど、人々や都市に安寧をもたらす存在でございます。
世界に目を向けると、水を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。人口の急激な増加により、水の汚染が地球規模で進行し、世界人口の約四割に当たる二十四億人の人々が適切な汚水の処理施設を利用できず、感染症などの脅威にさらされております。
日本においては、衛生面の憂慮は解消され、昭和四十五年の、いわゆる公害国会のころに比べると、水環境も大幅に改善されました。この実現に大きく貢献したのが下水道です。特に東京のような都市では、下水道は、膨大な汚水を一手に処理し、川や海に戻すという水の循環に必要不可欠な存在になっています。その下水道施設が一たび使えなくなると、都民生活や事業活動に少なからず影響があると思います。施設の老朽化などに適切に対応し、将来にわたって安定的な下水道の機能を発揮させるとともに、集中豪雨や震災への対応など、さまざまな社会的ニーズにもこたえていかなければなりません。
そこで、老朽化施設の対応や浸水対策など、さまざまな課題に対し、下水道の整備をどのように進めるのか、見解を伺います。
○松田下水道局長 東京の下水道は、明治十七年の神田下水から始まり、施設整備を重ね、平成六年度に普及概成を果たしましたが、初期に整備した施設は老朽化が進んでおり、その対応が喫緊の課題となっております。
さらに、下水道事業には、近年多発しております都市型水害や震災への対応、合流式下水道の改善などによる良好な水環境の創出への貢献、汚泥の資源化や地球温暖化対策など、多様な課題に対応することが求められております。
そこで下水道局では、例えば老朽化対策では、施設を単に更新するだけではなく、施設の更新に合わせ、雨水の排除能力の増強や、耐震化など震災への対応、高度処理の推進など、さまざまな機能の向上を同時に図る再構築などを鋭意推進しているところでございます。
今後とも、温室効果ガスの削減による地球温暖化対策など、新たな課題や社会的要請にこたえるとともに、お客様に安定的に下水道サービスを提供していくために、下水道の整備に全力で取り組んでまいります。
○神林委員 東京の都市をさらに成熟した都市へと発展させていくためには、都市型水害や震災への対応など、老朽化に合わせ下水道の機能の向上を図るなど、再構築を進めていくことが重要です。再構築を進めていくに当たっては、特に下水道管の老朽化への対応が課題と考えます。
区部の下水道管の多くは高度経済成長期に集中して整備されてきたと認識しており、これら膨大な下水道管がもう間もなく耐用年数を迎えてくることから、その対応を万全にすべきでございます。
そこで、これまでの再構築の取り組みと、今後、老朽化を迎える下水道管への対応について伺います。
○松田下水道局長 下水道の再構築についてでございますが、耐用年数を超えた下水道管は千五百キロメートルあり、今後二十年間でさらに六千キロメートル増加するため、その対応が喫緊の課題であり、計画的かつ効率的に事業を実施していくことが重要でございます。
下水道管には、家庭から排水を最初に受ける取りつけ管を初めとして、口径の小さい枝線と呼ばれる下水道管、そして口径の大きい幹線と呼ばれる下水道管があり、それぞれの特徴に応じたきめ細かな対策を実施しております。
下水道管の管路延長のうち九割以上を占める枝線下水道管については、特に整備年代の古い都心四処理区一万六千三百ヘクタールを対象として、平成二十一年度末で三千四百ヘクタールの地域が整備を完了しております。残る一万二千九百ヘクタールにつきましては、経営計画に基づき、これまでの整備ペースを二割アップさせるなど、平成四十一年度末までに完了させるよう鋭意取り組んでおります。
事業実施に当たりましては、テレビカメラなどにより下水道管の健全度を把握、評価した上で、損傷の程度などにより、道路を掘らずによみがえらせることができる更生工法などを用いて、既存の下水道管を可能な限り有効活用し、コスト縮減を図るなど、計画的かつ効率的に取り組んでまいります。
○神林委員 老朽化施設は、下水道管に限らず、道路など都市インフラ施設に共通の課題ですが、下水道は、下水道管のように多くが地下深くにあるなど、再構築事業を進めるにも困難を伴うと思いますが、引き続き計画的、効率的に取り組みを推進するよう要望しておきます。
これまでに答弁があったように、下水道事業は、普及という目標から、現在は老朽化対策のみならず、浸水対策、震災対策、高度処理など水環境を支える取り組み、さらには地球温暖化対策までと、その取り組む範囲は複雑化しております。このような施策に対し、下水道事業を適切に進めていくためには、従来の取り組みを続けるだけではなく、将来を見据えて取り組むべき課題を把握し、備えていく必要があると考えます。
そのよい事例として、私は本年七月に、清瀬水再生センターの汚泥ガス化炉の完成式典に立ち会いました。技術の仕組みを聞くと、従来方式と比べ、温室効果ガスを九割も削減できるものであり、日本で初めての下水道施設とのことであります。下水道局が地球温暖化対策に早期に取り組み、技術開発を重ねた結果だと思います。
今後もこのような新技術を生み出し、先進的な取り組みを続けていくべきと思いますが、下水道事業における技術開発のこれまでの取り組みと今後の展開について伺います。
○松田下水道局長 下水道サービスの維持向上に向けて、下水道事業が直面する技術的課題を解決するとともに、将来的な課題を見据えて計画的に技術開発に取り組んでおります。
具体的には、再構築事業において、テレビカメラなどの調査技術や、道路を掘ることなく下水を流しながら古くなった下水道管をよみがえらせることができる、現時点で唯一の工法でございますSPR工法を開発しております。
合流式下水道の改善では、降雨時に下水道から河川などへ流出するごみを七割以上削減できる水面制御装置を開発し、区部の河川などにある、おおむねすべての雨水はけ口の対策を完了しております。
こうして技術開発を重ねた結果、現在では約二百五十件に及ぶ特許等を有しており、お話の清瀬のガス化炉もそうでございますが、こういった下水道事業の推進に役立てております。SPR工法や水面制御装置は、東京以外の国内の自治体に広く普及するとともに、海外の都市においても活用されております。
今後も、民間企業や大学などとの連携を強化し、下水から燐を回収する技術や、水処理から排出される二酸化炭素の三百十倍の温室効果を持つ一酸化二窒素の排出抑制技術の開発を進めるなど、新たなニーズに対しても率先的かつ先導的に対応し、東京の下水道、ひいては日本の下水道が発展していけるよう、局一丸となって取り組んでまいります。
○神林委員 技術を積極的に海外に展開するなど、日本だけでなく、世界をリードする気概を持って推進していただきたいと存じます。
次に、病院事業について伺います。
都立病院を初めとする公的病院は、地域医療の中核をなすだけではなく、救急医療や周産期医療などの行政的医療を担い、地域の方々にとってなくてはならないものでございます。
病院は全国一律の医療制度のもとで運営されており、都立病院の経営状況も決して楽観できるものではなく、一般会計からの繰入金を除いた自己収支比率は、平成十一年度以来の七〇%割れだったと聞いております。
そこでまず、都立病院の二十一年度の経営状況はどうなっているのか、改めて伺います。
○川澄病院経営本部長 平成二十一年度の経常収支比率は一〇一・八%であり、二十年度と比べ〇・六ポイント向上しておりますが、一般会計繰入金を除いたいわゆる自己収支比率は六七%で、二十年度と比べると三・四ポイント減少しております。
患者一人当たりの診療単価ですが、入院単価は、平均在院日数の短縮などにより、前年度と比べ一千七百七十五円増加しており、外来単価では、外来化学療法の増加などにより、前年度と比べ九百七十五円増加しております。
一方で、本年三月の多摩総合医療センター、小児総合医療センターの開設に当たり、移転時の患者さんの安全を確保するために段階的に診療規模を縮小したことで、全体として患者数が減少し、収益全体を押し下げ、自己収支比率が減少する主な要因となりました。
なお、全国の主な公的病院と民間病院が加盟している全国公私病院連盟の調査によると、都立病院の平均在院日数、病床利用率、患者一人当たりの入院、外来診療単価などの主な指標では、全国平均を上回っているところでございます。
○神林委員 二十一年度の都立病院の経営を圧迫した主な要因が、三月に開設した多摩総合医療センター及び小児総合医療センターの移転のための診療規模の縮小ということであり、患者さんの安全を考えると当然の措置であったと思います。また、都立病院の病床利用率や診療単価が全国平均を上回っているということを聞いて安心もいたしました。
ただ、都立病院の再編整備は、駒込病院、松沢病院が後に控えており、厳しい状況は当面続くのではないかと推察しております。
そもそも都立病院は、救急医療や感染症医療、周産期医療など、不採算性の高い医療分野である行政的医療を多く担っており、一般会計からの繰入金は、都民の生命を守る上では必要なものでございます。とはいえ、病院事業は独立採算の公営企業として運営されることが原則であり、厳しい経営環境の中にあっても再編整備を着実に推進し、都民に安定的な医療サービスを提供していくために、たゆまぬ経営努力を行い、健全な経営基盤を確立していくことが大切でございます。
そこで、平成二十一年度に病院経営本部ではどのような経営努力を行ったのか、伺います。
○川澄病院経営本部長 平成二十一年度は、七対一入院基本料施設基準を、二十一年四月に大塚、六月に広尾、二十二年一月に墨東の各病院が取得するなど、診療報酬上、現行より上位の基準を取得するように努めたところでございます。
また、診療行為が包括的に算定されるDPC制度に的確に対応できるよう、それぞれの医療行為を分析することを通して、最も効率的、効果的な医療の提供や、平均在院日数の短縮を図ったところでもございます。
これらにより、先ほどご答弁したとおり、入院診療単価が前年度比一千七百七十五円増の四万五百十七円、外来診療単価が前年度比九百七十五円増の一万二千七百四十二円と大きく増加することになりました。
一方、費用面では、医薬品、診療材料等の共同購入やESCO事業の実施により、約六億円の縮減を行いました。
今後も診療報酬改定に適切に対応するとともに、医療連携等を通じた患者数の増や病床利用率の向上、費用の一層の縮減を図るなど、引き続き、収入、支出の両面にわたり経営努力を行ってまいります。
○神林委員 先ほどもお話ししましたとおり、経営努力を引き続き、一層願いたいと思います。
それでは次に、本年三月に開設された多摩総合医療センター、小児総合医療センターについて幾つか伺います。
東京都は、平成十三年十二月に策定した都立病院改革マスタープランに基づき、都立の清瀬小児病院、八王子小児病院、梅ケ丘病院を移転統合して、新たに小児総合医療センターを整備することにしました。
我が自民党では、都立病院改革マスタープラン作成当初から、小児医療確保について、小児科医師不足、各地域での小児医療の現状などを調査し、一次医療や二次医療、そして三次医療の機能的な体系を検討してきました。
まず、清瀬小児病院のあった北多摩北部二次保健医療圏では、小児科を標榜する医療機関は減少傾向にあり、小児科医師数も都内区部の平均を下回る状況にありました。八王子小児病院のあった八王子市は、市立病院を持たず、二つの大学病院を中核病院として医療を確保している状態にあります。梅ケ丘病院は、小児の精神疾患の専門病院として、幼児期から思春期までの小児精神科医療を担ってきました。
そのような中で我が党は、都立の小児病院が地域から移転した以上は、いずれの地域でも小児医療を確保するため、さまざまな対応を講じるよう提案してきたところでございます。
そこで、清瀬、八王子、梅ケ丘の各病院が小児総合医療センターに統合された後、それぞれの地域で小児医療体制がどのように確保されているのか、簡単にお願いをいたします。
○川澄病院経営本部長 清瀬小児病院移転後の北多摩北部二次保健医療圏では、平成二十一年度から小児総合医療センターの医師を多摩北部医療センターへ派遣し、小児病床を三十五床に増床するなどの対策を行いました。また、地域の中核病院として一次医療を担う診療所などと連携することにより、小児救急医療体制を確保しているところでございます。
八王子小児病院移転後の八王子地域におきましては、東海大学八王子病院及び東京医科大学八王子医療センターの二つの中核病院に小児科病床各六床を増床するとともに、都からそれぞれ一名の医師の派遣を行っております。さらに、南多摩病院におきましては、人材確保の支援を行うことにより、平成二十二年四月から小児科外来を新たに開始いたしました。六月からは、小児科病床十床の確保により、入院及び救急の受け入れも実施しております。
小児精神科医療につきましては、大塚病院の児童精神科外来を昨年十月に開設し、小児総合医療センターと連携を図りながら、区部の小児精神医療を担っております。
○神林委員 性格の違う三つの小児病院が統合された小児総合医療センターは、心から体に至る高度専門的な医療を提供する都における小児医療の拠点であり、地域の医療機関との連携のもと、その機能を十分発揮することが重要でございます。小児救急医療、小児精神医療のほか、新生児医療を充実させるという三次医療の担い手としての非常に重要な役割もございます。
そこで、小児総合医療センターの開設後の状況はどのようなものであるか、伺います。
○川澄病院経営本部長 小児総合医療センターにつきましては、本年三月の開設以降、段階的に診療規模を拡大しているところでございますが、九月末現在、入院は一日当たり三百八十二・八人、外来は五百四十四・四人となっております。
また、本年九月には、小児専門の高度医療を行うこども救命センターに指定され、運用を開始したところです。
稼働病床数も、十月には約九割が稼働しており、今後は、早期に全病棟を稼働するために引き続き調整を図ってまいります。
多摩総合医療センターと一体として運営している総合周産期母子医療センターにつきましては、三月の開設以来、高い実績を保っており、ほぼフル稼働している状況でございます。地域との連携では、六月までの実績となりますが、NICU入院患者のうち、多摩総合医療センターからの転院を含めると、約九〇%が多摩地域から搬送されており、その地域も二十一市と、広範囲から搬送が行われております。
新生児ドクターカーについても、一日当たり一台以上の稼働実績がございます。
○神林委員 それでは、両センターでは、災害に対するライフラインがどのように確保されているのか伺います。
○川澄病院経営本部長 災害拠点病院は、災害時においても診療を継続し、適切な医療救護活動を提供することが使命であると認識しております。
とりわけ、いつ起こるかわからない地震に対応するため、建物全体を免震構造としており、震度が最も高い区分に分類されている阪神・淡路大震災クラスの震度七にも対応できるように構造設計されております。
また、待合室、講堂、レストラン等の壁に医療ガスを設置したり、待合室のいすを簡易ベッドとするなどの構造も有しており、災害時の患者収容能力を向上させております。
さらに、災害時は迅速な情報の収集と的確な判断を必要とすることから、特定の会議室を災害対策本部に転用することとしており、院内に設置された監視カメラからの情報を集約する機能を備え、情報の一元化を可能としております。
加えて両センターは、広域的な災害に対応するため、静岡県及び山梨県を加えた関東近隣地域で震度六以上の地震が発生した場合に、ヘリポート機能などを活用することにより、患者の受け入れ体制を整えて待機する使命も担うこととなっております。
○田島委員長 神林理事の発言は終わりました。
次に、大西副委員長の発言を許します。
○大西委員 私からは、中川水再生センターについてお伺いをいたします。
東京東部八区の下水道工事から発生する建設発生土を受け入れ、改良し、下水道工事の埋め戻し用の土として再利用する施設がこの中川水再生センターであり、本来、下水処理施設が建設された後、その上に公園をつくるという計画であった場所のところに、一時的につくられたものだと聞いております。
ただ、この問題につきましては、私は二年前にこの場所で質問をさせていただきました。二〇〇八年十一月十四日のことになりますが、このとき、不適切であるという状況を皆さんに説明させていただきました。
そこから出たトラックがどこに行くのか、地元の人とみんなで追跡調査をしたわけですね。そのときの写真を皆さんに見せて、何と、十四台出て行った車のうち、十トン車十二台が残土処理の場所に行って置かれると。これだったら意味がないんじゃないですかという質問に、当時の局長さんは、小分けにして出すんですという、苦しい答弁だと思うんですけど、されました。十二台、十トン車を小分けにするとしたら、二トン車でやると六十台要るわけです。だったら、もともとそこから出したらいいわけで、何でそんな必要があるんだと、そんな話をさせていただきましたが、その後、この問題はどのようにフォローされているのか、二年たちましたので、状況をお伺いさせていただきたい。
○松田下水道局長 土づくりの里は、下水道工事から発生する建設発生土を受け入れて改良し、改良土を下水道工事の埋め戻しの土として再利用するための施設でございます。平成十九年度の決算特別委員会で、改良土が下水道の工事現場以外に搬入されているのではないかとのご質問をいただき、これは請負者が確保している仮置き場所に改良土を搬入していた事例でございまして、適切に運用はされておりました。
仮置き場所に搬入する理由としては、少量の改良土の埋め戻しを行う場合、道路幅員が狭い現場などでは小さな車両で搬入しなければならず、仮置き場所へ搬入した上で、小さな車両に積みかえて工事現場へ搬出する必要も生じます。
改良土の仮置き場所を利用する場合には、工事請負者は、その住所や運搬経路などを施工計画書に記載し提出するとともに、これを監督員が確認しております。また、改良土の運搬車は事前に登録するとともに、監督員により、必要事項を記載した伝票や現地における確認を行っております。
このように、引き続き改良土の適切な運用がなされていることを確認しております。
○大西委員 適切にやっているというわけですけど、先ほど申しましたように、一日チェックしただけでも、どうやらおかしそうなところがございます。これはぜひとも、これからも定期的にチェックはしていただきたいと思います。
そして、最近はどのぐらいの運用実績があるんですか。
○松田下水道局長 最近の五年間における土づくりの里の運用実績は、建設発生土の受け入れ量が約六十万七千立方メートル、年平均約十二万立方メートルでございます。搬出した改良土の量は約五十五万九千立方メートル、年平均約十一万立方メートルでございます。
平成二十一年度においては、建設発生土の受け入れ量は約九万六千立方メートルであり、搬出した改良土の量は約八万五千立方メートルでございます。
○大西委員 その量は、下水道局にとっては大変重要な施設だということだと思うんですが、この建設プラントを設置した当初の目的を伺います。
○松田下水道局長 建設残土改良プラントを設置した昭和六十年代当時は、区部下水道普及率一〇〇%を目指して、下水道の建設に邁進をしていた時代でございます。特に、普及のおくれていた荒川以東三区、足立区、葛飾区、江戸川区の下水道の建設は急務でございました。
下水道建設を促進する上での課題の一つとして、工事から発生する建設残土の処分の問題がございました。当時、残土の処分先として、東京湾の埋立地、あるいは千葉県や埼玉県などに処分先を求めておりましたが、埋立地の逼迫、東京都外へ処分すること等の問題がございました。また、埋め戻しの土に山砂を使用することによる山砂の資源枯渇化や自然破壊も問題となっておりました。
このような状況のもとで、埋立処分場の延命化、残土の自区内処理、循環型社会構築への貢献、自然環境保全などを目的として、中川水再生センター内に建設残土改良プラントを暫定的に設置したものでございます。
○大西委員 局長、もうちょっと短目に答弁お願いします。
今、暫定的にということだったんですが、当初の稼働期間は一九九四年までという約束ではなかったかと聞いておりますが、その点ご答弁お願いします。
○松田下水道局長 平成六年度には、下水道普及率、概成一〇〇%を達成いたしました。しかし、一方で、古い時期に下水道が整備された地域では、下水道管の老朽化が進んできたため、これらの古くなった下水道管を更新する再構築事業に本格的に着手しております。
このため、下水道工事からの建設発生土も相当量が継続して発生することから、下水道局としては、工事を進める際の埋立処分量の削減や建設発生土を資源として有効利用することが引き続き必要となったことから、建設残土改良プラントを地元の皆様のご理解を得ながら継続して使用してまいりました。
○大西委員 今、地元の了解を得ているとおっしゃいましたけど、地元の声というのはどういうふうに理解されておられますか。
○松田下水道局長 中川処理場連絡協議会を定期的に開催しており、地元の皆様から、土づくりの里の運営に関して、防音壁や緑地帯の設置、散水による土ぼこり対策など、さまざまなご意見、ご要望をいただき、それらに配慮して事業を運営しております。
また、直近では、この九月に、地元自治会、足立区の方々に土づくりの里を見学していただき、建設発生土の再利用事業の必要性や仕組みについてご理解を深めていただきました。
これまで同様、地元の皆様のご理解、協力をいただきながら、引き続き運営してまいります。
○大西委員 ここに、九月に見学会が行われた、その後、協議会があった議事録が私のところにございます。その中には、土づくりの里は早くやめて公園整備してほしい、こんな声だとか、都区連絡会で区はきちんと地元の要望を都へ伝えているのか、きちんと伝えてほしい、このようにも書かれているわけですよ。これだけ強い口調で書かれている、要するに、私も地元の皆さんに聞きましたら、ほとんどの人が、もういいかげんにしてくれということをおっしゃっています。
そのことはまずちょっと置いておいて、私は思うんですけど、これは何で直営でしなきゃいけないんですか。この土が出る、次、埋め戻す。当然マンションを建てるときにも土台が必要で、そのときに、みんなゼネコンからその土を買ったりして、もとをつくるわけですね。そして、つくる。もし駐車場にして掘るなら、その土は買ってもらう。そういうことをするのに、何で東京都が直営でこれを行わなきゃならないのか、その理由を教えてください。
○松田下水道局長 区部の下水道事業におきましては、年間約五十四万立方メートルを超える膨大な建設残土が発生しております。
公共工事の発注者の責務として、不法投棄などのおそれを回避するために、建設発生土は、あらかじめ処分先を指定する指定処分を原則とし、適正に運搬、利用されなければなりません。
また、これらを廃棄することは、環境に多大な負荷を与えるとともに、埋立地が逼迫することから、廃棄せずに建設資材等として活用していく必要がございます。
土づくりの里の改良土の製造能力は年間約十二万立方メートルでございまして、この規模の施設は、都内では都市整備局の運営する東京都建設発生土再利用センター以外にはなく、民間においては同規模の施設はございません。
このようなことから、下水道事業を着実に推進していくために、下水道局において運営をしております。
○大西委員 ゼネコンなんかは、いろんな各社があるわけですから、一社で全部というのはそれは無理かもわからないですけど、そういうことも考えてもいいんじゃないかなというようにも私は考えたりします。
また、この上部団体には、前の前の局長さんも社長さんでおられるというような関係もございます。この辺はどうなのかなというところも正直思いますが、この土づくりの里を、一体いつまで利用を続けるつもりなんですか。
○松田下水道局長 土づくりの里は、埋立処分量の削減や建設資源を有効活用するため、下水道工事からの建設発生土を改良して埋め戻しに再利用する、極めて重要な施設でございます。
本施設の運用については、これまで、中川処理場連絡協議会においてさまざまなご意見、ご要望をいただき、これらに配慮し、課題の解決を図ってまいりました。
今後とも、地元の皆様のご理解を得ながら、土づくりの里の運営により建設発生土の有効利用を図ってまいります。
○大西委員 申しわけないですが、今の地元の理解を得ながらというのは、やられていないですよ。これはぜひわかっていただきたい。
この連絡会議でも、何て書いてあるかといったら、次回の都市計画法第六十五条の手続の際に、暫定の土づくりの里がいつまで残るのか、都の方針を早目に示してもらいたい、そして二番目、下水道施設の将来像を早目に示してもらいたいと、この内容を明記していただくことを許可条件とするとも書いておられます。
これだけきつい、要するに、いつまで続くのかということ、本当にみんな嫌がっているわけですね。六十一年からでは、もう二十四年間たっている。一九九四年からもう十六年たっているわけでございます。当初、ちょっと一時的に借りたいということで使われた、それがずっとなっているわけです。
でも、一方、今、答弁でも明らかになったように、この施設は必要なわけですね。下水道局としては絶対必要なんだと。さらに、その場所は本来、下水道処理の施設がつくられる。ところが、この中にも載っているんですが、水量が伸びないため、当初計画の水処理施設の建設はまだである。これは水の需要予測と連動しているかもわからないですけど、要するに、水がそんなに使われていない状況で、施設はつくりません。施設はつくらないから、永遠にそこは残土処理として、土づくりの里として使われる。ここまで来たんだったら、もう局長として、いや、申しわけない、これからも必要なのでずっと使わせてください、それぐらい明言したらいかがでしょうか。
○松田下水道局長 この施設につきましては、やはり基本的に、中川処理場の連絡協議会においてさまざまなご意見、ご要望をいただき、これらに十分配慮して課題を解決して、今後とも地元の協力を得ながら進めていきたいと思っております。ご理解のほどよろしくお願いします。
○大西委員 済みませんね、通告もしないで質問しちゃったわけですけど、本当はこれは、すぱんとやめるか、それとも続けるかをはっきりすべきだと私は思います。それが地元に対する一つの礼節で、ずっとだまし続けるというのは、これだけはやめていただきたい、そのように思います。
次に、時間がないので、どんどん次の問題に行きたいと思いますが、交通局関係でお伺いをいたします。
どんどん公務員の定数削減が行われる中で、駅業務の委託が進められております。都営地下鉄でも、十五年度から、全駅のほぼ半数に当たる四十七駅を委託しておりますが、その駅の委託に対する成果と課題についてどのように認識しているのか、お伺いいたします。
○金子交通局長 都営地下鉄では、安全性やサービス水準を維持しつつ経営の効率化を図ることを目的に、財団法人東京都交通局協力会へ駅業務の委託を行っております。
これによる経費削減効果額を試算しますと、平成二十一年度決算では年間約十五億円となります。また、安全やサービス面に関しましては、交通局職員と同様の研修や訓練を行うよう、協力会に対して義務づけておりまして、委託職員にも十分な教育が行われており、委託駅においても適切に事業運営がなされていると認識しております。
○大西委員 今までの委託により、かなりの定数削減をしてきたということで、交通局の人材の枯渇が大変私は心配でございます。鉄道事業者は安全が第一で、教育をしているといえども、離職率が多いという問題もございます。
今後、駅業務の委託については拡大すべきではないと思いますが、いかがでしょうか。
○金子交通局長 都営地下鉄には、企業としての経済性を発揮しつつ、最良のサービスを提供するということが求められております。
本年二月に策定いたしました交通局の経営計画におきましても、経営力の強化を大きな柱として掲げ、業務の見直しや組織体制の見直し、職員定数の削減など、さまざまな経営効率化に取り組むこととしておりまして、駅業務の委託もその手法の一つとして行っているものでございます。
今後とも、事業環境の変化や業務運営に必要な人材の確保、育成の観点などを総合的に勘案しながら、適切に対処してまいります。
○大西委員 本当は拡大しませんという答弁をいただきたかったぐらいですけど、なかなかそれは難しいのはわかります。
ただ、局長もご存じのように、間もなく交通基本法というのが国に上程されます。これが可決されますと、移動する権利というものが明文化されて、各地方自治体がそれを保障する義務が発生することにもなります。そうしたときに初めて、公共交通というものの整備が叫ばれる中で、そしてまた、東京都内でもたくさん残っている交通の空白地帯、これを埋めるためにも、公営交通というものの意義がさらに大きくなってくると思います。
その一方で、先ほど離職率の話をさせていただきましたが、駅業務の方がこの七年間で何人残っているかというと、何と五〇%がやめておられるわけですね。それは大変厳しい雇用関係の中で働いておられる、その実態もわかりますが、局長の同期入社した皆さんが五〇%、七年でやめるといったら、これはむちゃくちゃな話だと思うんですね。それだけ技術の継承がされない。
今、私は電車だけを例に出しましたけど、当然これは機動性に富んだバスでもいわれる、必要なことなんです。
この交通基本法ができて、交通がもっともっと重要になっていく、この将来像を見据えて、交通政策、交通局の未来としてどのように感じておられるか、お伝えいただけますか。
○金子交通局長 こういうお答えで、今のご質問に対するお答えになるのかどうかちょっとあれなんですが、都営交通は、ご承知のとおり公営企業として経営をしております。東京の都市活動や都民生活を支える重要な公共交通機関としての役割を果たしていくためには、先ほど申しました安全の確保やサービスの向上と並び、強固な経営基盤を築いていくということが不可欠でございます。
そのために、経営計画に基づきまして、業務の見直しや定数の削減など、経営の効率化を進めているわけでございます。この点については、引き続き、人材の確保、育成や技術の維持、向上に取り組んでいくことが必要であろうというふうに思っております。
あわせて、委託との関係でいいますと、局の職員が直接担う役割や業務の範囲を適切に見きわめて、必要に応じて監理団体等へのアウトソーシングを活用するなど、より効率的な執行体制を構築して、都営交通の安定的な事業運営に努めてまいりたいと考えております。
○大西委員 安定的な発展には、私は人材は不可欠だと思います。これから次の計画においては、そんなに削減、削減ということを中心にされるよりも、もっと都民に使ってもらえる都営交通を目指していただきたいと思います。
もう時間がなくなってきましたので、あともう一つ、どうしても伝えたかったのが、PASMOの一日券でございます。今、一日券は紙で使われるわけですけど、PASMOというきちんとしたシステムが、Suicaができて、それで一日券も買えるにもかかわらず、紙で買っている人をよく見かけます。そうすると、むだにもなりますし、何せ、おつりを渡したりしている間に定時性が保たれないということもあります。
ぜひともこのPASMOへの移管を考えていただきたいということをお伝えして、時間がなくなってしまいましたので、これで終わらせていただきます。
○田島委員長 大西副委員長の発言は終わりました。
次に、泉谷委員の発言を許します。
○泉谷委員 東京都水道局では、平成十六年六月から安全でおいしい水プロジェクトを立ち上げ、水道水に対する不安や不満を解消し、おいしい水の供給に力を入れてきました。その後六年間、推進計画と蛇口回帰推進計画に基づき、高度浄水処理の導入や直結給水化の普及促進など、安心・安全でおいしい水をつくり届けるためのさまざまな取り組みを着実に実施してまいりました。こうした取り組みの結果、水道水の安全性やおいしさが大きく向上したことに大変敬意を表します。
その上で、蛇口回帰推進計画の中で、公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業では、二十年度末でまだ累計百二十九校にしか実施されておらず、子どもたちが口にする水としては、いささかその速度が遅いと思われますが、決算年度までの達成率と今後の見通しについてお伺いいたします。
また、実施しました小学校が選ばれた基準、選定基準があるのかどうか。あるとすれば、どのような基準なのかお伺いいたします。
○尾崎水道局長 本事業は、蛇口から水を飲むという、我が国が誇る水道文化を次世代に引き継ぐとともに、貯水槽水道の直結給水化を促すPRの一助とするため、小中学校の水飲み栓直結給水化工事費用の一部を負担するもので、平成十九年度から実施しております。
校舎の改修や耐震化等、優先度の高い計画を抱えている区市町村もあり、当初予定どおりの校数が確保されなかったため、事業年度を平成二十八年度まで延長してきました。
実施校数は、平成十九年度は三十一校、平成二十年度は九十八校、平成二十一年度は六十九校の計百九十八校であり、事業目標六百校に対する達成率は三三%であります。
実施校の選定基準につきましては、当局では実施校数以外は定めておりません。
○泉谷委員 三三%ということなので、子どもの口に入るものですから、早急にやっていただければと思っております。
また、水道局では、中学校にもこれを持っていこうという話ですが、中学生は体が小学生と比べてできておりますので、小学校を早急にしていただければと思っております。
続きまして、安心・安全でおいしい水を提供するには、水道管の果たす役割というのが非常に多大だと思いますが、まず、水道管の耐用年数というのはどのぐらいであるのか、お伺いいたします。
○尾崎水道局長 水道管路の耐用年数については、配水管は、地方公営企業法上、四十年と定められております。給水管は、お客様の財産であることから、耐用年数についての定めはありませんが、建築内配管については、大蔵省令十五号、減価償却資産の耐用年数等に関する省令において、建築附属設備として耐用年数が十五年とされております。
○泉谷委員 耐用年数が四十年ということで、次に、昭和三十年代後半から四十年代にかけて布設、導入されました初期ダクタイル管は、管内外面の腐食の進行により漏水や濁り水の原因になっておりますが、決算年度までにその解消率はどのぐらいであったのでしょうか。
また、決算年度における水道管交換工事の全長の距離とその費用についてお伺いいたします。
○尾崎水道局長 初期ダクタイル管は、ダクタイル鋳鉄管の直管と内面がライニングされていない曲管が混在している路線で濁り水の原因となるものです。
平成二十一年度末現在、初期ダクタイル管の残延長は約二千四百キロメートル、解消率は二〇%であります。
また、平成二十一年度における初期ダクタイル管の取りかえ工事の全延長は約百三十二キロメートル、その費用は約百八十七億円であります。
○泉谷委員 今お答えいただきまして、まだ解消率二〇%、まだ二千三百八十五キロも残っているということで、先ほど質問したのが昭和三十年代後半ですから、もう四十五年以上たっていますね。私、四十年生まれなので四十五歳ですから、四十五年以上たっていると。
先ほどの四十年という耐用年数から考えますと、まだ二〇%で、まだ二千三百八十五キロも残っているということで、今後このままのスピードでいきますと、どんどん漏水あるいは工事が必要になってくる箇所がいっぱい出てくるのではないかと危惧しておりますので、その辺は、これもスピードを上げていただければと思っております。
それで、まだ交換されていない管は、全長二千三百八十五キロもあると伺いました。その残された水道管は、先ほどもいいましたように、大変老朽化し、さびもできていると思います。一九七〇年代に水道管のさびどめとして使用されていましたエポキシ樹脂塗料は、コールタールから抽出したMDA、メチレンジアニリンを含んでいまして、そのMDAは発がん性が世界的に指摘されており、八九年に厚生労働省の外郭団体である日本水道協会が、水道管塗料の規格改正でMDA含有塗料を外し、別の成分塗料を使用するように変更しています。
実は、この水道管の塗料から発がん性物質が溶け出しているといわれております。八九年以前につくられ、そのままに放置されている水道管は、四十または十五年という耐久年数を超え、水道管から、経年劣化によってMDAが水道に溶け出していると見られております。このことを水道局は把握していたのかどうか。また、対処はどのようにしているのか、お伺いします。
○尾崎水道局長 四・’四-メチレンジアニリン、いわゆるMDAに関して、平成元年に日本水道協会が水道用液状エポキシ樹脂の塗料に関する規格を定める際に、当時までエポキシ樹脂塗料の硬化剤として使われていたMDAを指定しなかったことは、ご指摘のとおりであります。
お尋ねでは、平成元年以前に施工された水道管からMDAが溶出している事実があるとの前提で、その把握をしているかとのことでありますが、平成十七年に当局が水道水のMDAを検査した結果、検出されてはいません。
また、信頼に足る科学的根拠を持って学識経験者等が調査したものとして、水道管からMDAが溶出しているという事実は、これまで確認されていません。
当局の対応については、平成十七年に一部報道でMDAが取り上げられたことを契機に、お客様から水道水の水質検査を依頼された場合に検査を実施してきました。これまで二件の依頼があったが、いずれもMDAは検出されていません。
○泉谷委員 今、るるご説明がありましたけれども、平成十七年に当局が水道水のMDAを調査した結果、検出されていないというのは、最後に、これまでに二件を実施したが、MDAの検出はなかったという二件ということでよろしいんですか。一回も出なかったというのは、たった二件を実施した、その二件ということでしょうか。
○尾崎水道局長 ただいまの説明は、十七年に緊急にそこでは調査しました。その後、お客様から、MDAが溶出しているんじゃないかという、ある意味で調査してほしいと、そういう要請が二件ありましたので、その二件を調査した結果、MDAは溶出されていなかったということであります。
○泉谷委員 水道管内のMDAについては、多くの国際機関が危険を勧告し、発がん性が認められた物質にもかかわらず、水道法の区分を盾に公用地以外の水道管には我関せず、危険を知りながら労働者の健康を無視したアスベストの構造とそっくりといえます。
マンションなどの貯水槽方式の水道に関しては、法令により、水質検査と貯水槽内の清掃については管理者の責務としての定めがありますが、貯水槽内部の衛生、汚染のチェックについては、何の定めもありません。水道管全部の取りかえには、壁をはがし、床板をめくらなければなりません。
先ほど、ないということでしたが、水道局はどのように啓発しているのか、お伺いいたします。
○尾崎水道局長 MDAに関しては、国において、水質基準、水質管理目標設定項目等に定めていないため、水道局ではお客様に対する啓発は行っていません。
貯水槽水道の管理につきましては、有効容量十立方メートルを超える貯水槽水道に関しては、水道法により、一年に一回の清掃と法定点検の受検が義務づけられているが、それ以下のものについては、衛生行政の指導等にゆだねています。
当局では、貯水槽水道の適正な管理を促進するため、平成十六年度から、すべての貯水槽水道を対象に、適正管理に関するパンフレットを配布するとともに、管理状況や設置環境、水質などの点検調査を行ってまいりました。
管理に不備があった施設には、設置者に対して指導、助言を行っています。中でも、水質に問題のあった施設に対しては、保健所と連携して迅速かつ適切に対応しております。
○泉谷委員 次に、水道局が推し進めている給水方式というのは、高層住宅への給水に、屋上タンクを使用しないで、道路の下の本管から引いた水の圧力を上げることによって直接蛇口に送り込むという方式ですが、インバーターというものを使用して、増圧により、マンションであれば十階ぐらいまで水を押し上げるということが可能になりましたけれども、その一方で、先ほどから指摘していますように、水道管が老朽化している場合、その高圧の水に持ちこたえられず管路が破壊されるということが、東京都に限らずいろんなところで、東京都の制度ですけれども、いろいろなところで起きていると聞いております。
このような現象は、決算年度までにどのぐらい確認できているのかお伺いします。また、そのことへの対処はどのようにしているのでしょうか。
○尾崎水道局長 既存建物の増圧給水設備への切りかえに当たっては、指定給水装置工事事業者に、既設配管の材質、耐圧、水質等について事前確認を求めております。耐圧につきましては、試験水圧を〇・七五メガパスカルとし、一分間水圧をかけた後、漏水のないことを確認することとしております。高い圧力でも耐えられる管であることが切りかえ工事の前提条件であるため、増圧給水設備の水圧により管路が破壊された件数については確認しておりません。
○泉谷委員 そうはいいますけれども、事前に調査したとしても、そういうことが理由で壊れてしまったということも、私、実際聞いておりますので、そういったところに対しては、しっかりとこれからも対処していただきたく要望していきたいと思います。
次にですが、水道局では、安全でおいしい水を提供するために、平成十六年度から貯水槽水道の点検調査を実施してきました。マンションなどでは、貯水槽を塩素で消毒を行うことで安全性を確保していますが、滞留時間が長くなると、適正な残留塩素濃度を維持できない場合もあり、水道局では、滞留時間が長いと推定される貯水槽水道には、詳細な調査と適切な管理に向けたアドバイスを行っています。
そこで、その課題と今後の対応についてお伺いいたします。
○尾崎水道局長 平成十六年度から実施しておりますクリーンアップ貯水槽において、調査拒否や所有者が特定できなかった等の理由により、点検調査が未実施の貯水槽があります。
東京水道経営プラン二〇一〇では、所有者等の要望に柔軟に応じ、点検調査の実施を土日にも拡大するなど、協力を得られるよう工夫を図っていくこととしました。
また、所有者が特定できず点検調査を実施できなかった貯水槽につきましては、不動産登記情報の活用や、居住者などからの聞き取り調査をきめ細かに実施してまいります。
あわせて、残留塩素の消費量が過大な施設に対しましては、貯水槽の水位調整や直結給水化、施設の更新に合わせた貯水槽の規模縮小等、原因に応じた適切なアドバイスを行っています。
○泉谷委員 いずれにしろ、本日指摘させていただいたことは、水道というのは直接口に入るものでございますので、人間の人体にあらゆる影響を与えるということで、非常に大事なことでございますので、慎重の上にも慎重に、これから対応していただくようお願いいたしまして、時間がありませんので、質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○田島委員長 泉谷委員の発言は終わりました。
次に、吉田委員の発言を許します。
○吉田委員 私は、都政の最大の焦点となっている築地市場の豊洲東京ガス跡地への移転問題に絞って質問いたします。
中央卸売市場の昨年度の事業の中で見過ごせない問題は、年度末の三月十日に適用実験の中間報告を発表し、土壌汚染対策の有効性が確認されました、無害化できることが実証されましたと断定した問題です。
食の安全がかかった問題であり、科学的厳正さを欠いた恣意的な判断は絶対に排除されなければなりません。これがいささかでもゆがめられ、誤った誘導を図れば、取り返しのつかない事態を招くことはいうまでもありません。
しかし、中間報告は、そもそも初期値を示せず、隠しました。そして、中温過熱については、四万三千倍の高濃度ベンゼンを想定していましたけれども、さきの分科会の質疑でも、測定サンプルに高濃度汚染土壌が含まれていたということは明言できませんでした。また、技術会議も、中間報告された実験では、高濃度汚染が処理できるという評価は下すことができませんでした。
この中温加熱の問題と同時に、中間報告のもとになったのが洗浄処理です。もう一つのベンゼン等の洗浄処理について伺います。
洗浄処理でも、シアン、砒素を含む土壌は、五十立米あるいは百立米の土壌を採取し、処理実験がされています。他の処理方法でも、土壌汚染の場合は、ほぼ同規模です。しかし、ベンゼンが含まれた土壌の洗浄は、実験土壌百立米と記載されながら、実際には一立米しか採取されず、処理、測定が行われていません。なぜ他の実験と同じように、五十あるいは百立米を採取し、処理し測定しなかったのか、その理由について明確にお答えください。
○岡田中央卸売市場長 洗浄処理は、ベンゼン、シアン化合物、重金属等の複合的な汚染土壌、あるいはシアン化合物、重金属等の単独汚染土壌を対象として行うものでございます。
洗浄処理を行う施設などは、土壌汚染対策法の規定に基づきまして許可を受ける必要がありますが、このうちベンゼンを洗浄処理する技術は新技術でございまして、揮発性のあるベンゼンを処理するためには、施設全体を密閉するなどの対策を施す必要がございます。
今回の実験では、現時点ではベンゼンを処理する許可施設がないことから、プラント会社が所有するミニプラントを用いまして、一立米の土壌で処理を行い、環境基準値以下への状況を確認してございます。
こうした洗浄処理の効果の確認を、実施機、実際に行う機械と同じメカニズムでありますミニプラントで行うことは一般的な方法でございます。
なお、ベンゼンを含む土壌の処理対象土量でございますが、既に公表してございます第十三回の技術会議資料や実験の報告書では、ご指摘の百立米ではなく、実際の処理土量であります一立米と正確に記載してございます。
○吉田委員 結論的には、許可施設がなかったからだと。しかし、有効性ということを強調されるならば、少なくとも、実験であっても、一定規模の土壌が現実に処理されるというのは当然のことだと思います。しかも、実験土壌百立米というのは、仕様書の中に明記をされていたと私は認識しています。結局、実際上ではその百分の一しか行われていないということです。
さらに伺いますけれども、そもそも技術会議では、処理方法を選定、採用する基準の一つとして、施工実績などをもとに、確実に効果が得られるかという点を挙げていますね。ベンゼンを含む土壌の洗浄処理について、適用実験で採用した手法で、試験的なレベルではなく、大量の土壌を実際に処理した先例、事例としてどのような事例があるのか、お示しください。
○岡田中央卸売市場長 先ほどもご説明申し上げました、ベンゼンを処理する技術では新技術でございまして、技術会議におきましては、浄化のメカニズムですとか、浄化効果などの実証データを確認するとともに、ヒアリングを実施することで評価、検証を行い、実効性のあるすぐれた技術、工法として選定してございます。
実際に、お話の大量処理した例というのは現在ございませんけれども、高い技術を持つ五者から提案がございまして、技術会議では、実効性などにおいて評価の高いものと選定しているところでございます。
なお、先ほども申し上げましたが、ミニプラントで行うというのは、実際に浄化の各工程のシミュレーションでありますとか効果の検証実験などにも使用するものでございまして、一般的にとられている方法でございます。
○吉田委員 結論的には、実績としての先例、事例はない、新技術だと。そういうからには、私は、有効性の確認という表現をするならば、それだけに他の実験以上の慎重な取り組みと慎重な検討がない限り、新技術でありながら安易に有効性が確認をされましたというふうに発表するのは、極めてリスクを伴ったものだと指摘せざるを得ません。
それで、改めて、許可施設がないんだということをいわれましたけれども、土壌汚染対策法では、処理施設を置く都道府県の許可を得なければならないという規定になっていますが、確認のためにもう一度聞きますけれども、現時点でこの許可を得た業者はいるのかいないのか、それだけ結論的にお答えください。
○岡田中央卸売市場長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、現時点では実際に許可を得ているところはございませんが、実際の処理に当たりましては、評価が高い処理技術のプラントを設置し、確実に処理してまいります。
○吉田委員 いまだに一者も許可施設がないわけですよ。これからやるのは実験じゃないわけですよね。許可施設はない、そして、実験は、本来の実験土壌の百分の一の量しか行われていない。こういう状況で、中間報告で有効性を確認なんということは、極めてあってはならない評価だということを私は重ねて指摘させていただきます。
そして、そもそも中間報告の中では、中温加熱にしても、今指摘をした洗浄にしても、時間の問題で部分だけに限りましたけれども、極めて不確定な状況が浮き彫りになり、私は有効性を確認という根拠にはなり得ないと思います。
以前から市場長とは、この問題で予算特別委員会も含めて議論をしてまいりましたけれども、しかも実験の効果を比較する初期値を示すことができず、隠し、結果値だけを示したのが中間報告でした。そして、専門家による検証もなしに発表されました。にもかかわらず、有効性が確認、無害化実証というふうに結論づけて発表されました。
改めて確認の意味で伺いますけれども、現時点でも、こうした有効性確認という判断、発表が、適正、適切だったというふうに判断しているのでしょうか。
○岡田中央卸売市場長 技術会議は、公募、提案のあった処理技術につきまして、実証データですとか施工実績などにより評価、検証を加えまして、確実に施工可能で高い効果が得られる技術、工法を提言してございます。
今回行いました実験は、こうした技術会議が定めました技術、工法につきまして、豊州新市場予定地の汚染の状況ですとか土質の状況に即して適用して、確実に無害化が可能であることを客観的なデータで確認することを目的として行ったものでございます。
先ほど来、お話がございました中温加熱処理あるいは洗浄処理につきましては、処理後に汚染物質の濃度が環境基準以下になったといったことを、客観的データが得られましたものですから、三月十日に中間報告として公表させていただきました。したがいまして、中間報告は適切であったと考えてございます。
○吉田委員 いろいろいわれましたけれども、実験の効果を検証するためには、少なくとも、初期値、これを示して、比較することなしに結論を出すなどということはできることではありません。言葉は悪いかもしれませんけれども、小学生の実験でも、こんなことは私はあり得ないと思うんです。にもかかわらず、驚くべきことに、有効性確認、無害化という評価を下されました。こういう乱暴な形で平気で発表し、かつ、いまだに何ら反省もない、こういうことでは、都民から、そもそも市場の発表そのものは信用できないということに私はならざるを得ないというふうに思います。
さらに確認したいことなんですけれども、時間が過ぎていますから飛ばしますが、処理技術の有効性自身を、私が問題点を指摘しましたけれども、あわせて、一体どれだけの土壌を処理するのかと。それが本当に全量を処理するというならば、さらに検討の対象になるかもしれませんけれども、そもそも処理土壌二十九・四万立米というのは、私たちの推計では、第五街区、第六街区、第七街区のAP二メートル以下の土壌全量からすれば、わずかに十数%というものしか対象になっていないわけですよね。そういうことでも、私は、そもそも有効性、無害化実証というようなことは、食の安全を慎重に考えれば、到底できる問題ではないということを指摘しておきます。
次に、ただしたいことは、専門家の中からも、にもかかわらず、あくまでも土地を購入し、そして強行するというのだったら、この汚染対策が終了してから十年間ぐらいは置いて、そして検証した上でなければ認めることはできないという声が挙がっております。
そこで、安全だ、可能だということを強調されますけれども、それならば、土壌汚染処理工事の後の無害化の確認、安全確認はどのように行おうとしているのでしょうか。お答えください。
○岡田中央卸売市場長 専門家会議や技術会議の提言に基づきまして都が行います土壌汚染対策というのは、法が定めました以上に綿密に行った調査結果をもとに、土壌、そして地下水の汚染、いずれにつきましても環境基準以下へと浄化していくものでございまして、こうした土壌汚染対策を確実に実施することで、豊洲新市場予定地における操業に由来する汚染物質をすべて除去いたします。
こうしたことによりまして、専門家会議が提言してございます、人が生涯この地で七十年間住み続けたとしても健康に影響が出ない、そうした市場用地としての安全性を確保していくと、こういうことになると考えてございます。
○吉田委員 結局、処理後の無害化の確認、安全確認はしないということですよね。これだけ、そもそも土壌処理対策について、専門家も含めてさまざまな疑問、問題点が指摘をされながら、あくまでも、一切、処理後の確認はしないということになれば、ますます都民の不安は、私は広がらざるを得ないというふうに思います。
さらに、この点に関連してもう一問、質問をいたします。
既に議会でも議論されておりますけれども、土壌汚染対策法に基づく届け出をし、そして指定を受けるという経過の中で、二年間、水質のモニタリング調査を行うということについては、市場長も、たしか予算特別委員会でお答えになりました。
そこで伺いますけれども、この水質のモニタリング調査の結果が確認されるまでは、具体的な整備事業に入らないという方針なのか、それとも、モニタリングの結果あるいは指定解除を待たずして整備に入るということなのか、改めて確認をしたいと思います。
○岡田中央卸売市場長 豊洲新市場予定地におきます新市場の整備につきましては、これまでもご説明をさせていただきましたように、汚染物質を除去し、新市場予定地としての安全性を確保する、これが大前提であると考えてございます。したがいまして、専門家会議あるいは技術会議の提言に基づく土壌汚染対策を確実に行いまして、操業に由来する汚染物質を除去するなど、汚染物質の対策工事が完了し、そうした区画より建設工事に着工していくこととしております。
なお、今お話がございました二年間の地下水のモニタリングは、土壌汚染対策法に基づきまして、当該土地において地下水汚染が生じていない状況が二年間継続していることを確認するために行うものでございます。
都といたしましては、地下水をモニタリングを実施いたしますが、地下水から汚染物質が検出されることがないよう、技術会議で提言された技術、工法を確実に実行して、万全な対策を講じてまいります。
○吉田委員 もう一度、結論で確認しますが、モニタリングの結論以前から整備を進めるということですね。
○岡田中央卸売市場長 先ほど申し上げましたとおり、専門家会議や技術会議の提言に基づきました土壌汚染対策を確実に実行し、万全の対策を講じる、そうした工事が終わった後に建設工事に着工してまいります。
○吉田委員 少なくとも、モニタリングの結果を待つということはいえませんでした。そうしたことをとってみても、これまでさまざまな問題点が指摘をされながら、しかも、この土対法に基づくモニタリングすら、その結果を待たずして進めるということになれば、その結果、ますます取り返しのつかない事態が生まれ得ることは明らかであり、そして、そういうやり方は都政史上に百年の悔いを残すということを改めて指摘させていただき、したがって、土地取得などの予算の執行はすべきではないということを改めて述べて、私の質問を終わります。
○田島委員長 吉田委員の発言は終わりました。
次に、西崎委員の発言を許します。
○西崎委員 まず初めに、中央卸売市場関係について伺います。
都は、築地、大田を初め十一の中央卸売市場を運営しておりまして、全国から多種多様な青果物、水産物、食肉、花きを集め、消費者であります都民に安全・安心な生鮮食料品等を継続的、安定的に供給することを使命としておりまして、生鮮食料品流通のかなめとして、消費者の信頼と理解を得るための努力を継続的に行っていくことが求められております。そのために、開設者である都と、実際の供給を担っている市場業者とが連携して一体となって取り組んでいく必要があります。
そこで、私からは、都と市場業者が協力した市場の取り組みの現状と今後の方向性について、何点か伺いたいと思います。
三年前に中国冷凍ギョーザ事件があり、消費者には大変記憶に残っているところであります。昨今、社会的な関心が非常に高まっています中、食の安全・安心について、都と市場業者とがどのように連携し、取り組んでいるかということが大変重要だと思います。
卸売市場を経由した食品に対する都民の信頼にこたえるためには、食品衛生法やJAS法等で流通することが許されない物品が入ったり、あるいは入るおそれがある場合、中央卸売市場は条例でこれらを禁止するとともに、市場衛生検査所とも連携して、その摘発や排除に努めています。
こうした開設者の取り組みはもちろん必要であり、都民のために食の安全・安心を一層向上させるためには、食品に接し、確かな目ききができる市場業者側の協力が不可欠であり、市場業者と開設者が効果的に連携して、調査や回収に当たることが重要だと思います。
これまで、取り扱う食品の安全・安心を図るために、市場業者の衛生面での取り組みに加えて、市場衛生検査所の検査、開設者の指導等により、有害食品や法令に違反する食品の流通を未然に防ぐ仕組みとなっていることは十分に承知しておりますけれども、中央卸売市場において、人の健康を損なうおそれがある事件、事故が発生した場合の緊急対応における市場業者との連携の仕組みと運用状況についてお聞かせください。
○岡田中央卸売市場長 都は、食品の安全確保等の緊急対応を目的といたしまして、平成十五年から、卸売業者、仲卸業者と都職員より選任され、所属する組織における食品安全部門の責任者を兼ねます安全・品質管理者、通称SQMを、各市場に合計百六十八名配置してございます。
SQMによる緊急対応の仕組みにつきましては、都がみずから定めました食品危害対策マニュアルに基づきまして、行政機関、市場関係者からの通報ですとか、インターネットなどを通じて食品関係事件や事故の情報を収集いたしまして、各市場のSQMに通知することとなってございます。SQMは、通知を受け取りますと、直ちに各企業が定めました危機管理手順に従いまして在庫調査などを行うほか、必要に応じまして自主回収等を実施することとなってございます。
これらの運用状況でございますが、SQMの情報提供として、昨年度は十一件、本年度がこれまでに十五件行っておりまして、お話にございました、特に三年前の中国産の冷凍ギョーザによる食中毒事件の際には、都とSQMとの連携によりまして、全市場での当該食品の販売中止、回収措置を適切に実施することができました。
今後とも、都が関連情報の収集力を高めていくとともに、毎年実施しております専門研修等を通じて個々のSQMの対応力を強化し、より効率的な市場業者との連携による食の安全・安心の体制づくりに努めてまいります。
○西崎委員 食品の事件、事故が起こった際、都は、市場業者と連携して体制を整備し、実際に迅速な対応が行われていることはわかりました。最近は余り事件、事故とかは聞かなくなりましたけれども、しかしながら、市場に対する都民の信頼にこたえるためには、いざ事が起きてからの対応もさることながら、ふだんから現場取引の中で、食品を取り扱う市場業者が一人一人が自覚を持って、注意、チェックを行う仕組みを構築することが大変重要だと思います。
そこで、中央卸売市場における市場業者の自主的な衛生管理を推進する取り組みについてどのようなことを行っているのか、お聞かせください。
○岡田中央卸売市場長 市場業者の自主的な衛生管理を推進するためには、各市場業者が衛生管理や品質管理の観点から、それぞれの施設の使用や食品の取り扱いについて、具体的な方法を品質管理マニュアルとして定め、日々の業務におきましては、マニュアルに基づく作業の確認、点検を自主的に実施していくことが効果的でございます。
そこで、都は、平成十八年度から、卸売業者及び仲卸業者を対象といたしまして、品質管理マニュアル作成の手引を配布し、それぞれの業態に即したマニュアルを作成するよう指導してまいりました。
こうした品質管理マニュアルは、現時点では、卸売業者につきましては全業者が、仲卸業者につきましては八四・七%に当たる一千二百四十七業者が整備を完了してございます。
今後、都は、品質管理マニュアルの一〇〇%整備を目指すとともに、各業者が作成したマニュアルに基づきまして、食品の取り扱いや温度管理等を適切に実施しているかにつきまして、現場での検査機器による確認や従業員へのヒアリングなどにより検証を継続することで、自主的な衛生管理の定着を図ってまいります。
○西崎委員 食品の安全性を確保するためには、行政だけではなくて、実際に食品を扱う個々の事業者が、日々しっかりとした衛生管理や品質管理を常に心がけることが重要だと思います。非常に数の多い仲卸業者、八割以上の方が品質管理の自主的マニュアルをつくられているということで、大変心強いんですけれども、ぜひ今お話にありましたように、一〇〇%を早急に目指していただきたいと思います。
都が、食の安全・安心に対する都民の信頼を確保するために何が必要かをしっかり認識して、品質管理の自主的マニュアルの作成を促す取り組みを継続的に行っていることは重要な点であります。今後も、マニュアルが現場で活用されるよう、都はチェック、指導を丁寧にやっていただくことを要望しておきます。
次に、卸売市場がこのように食の安全・安心を支えて生鮮食料品の流通拠点となっていることを都民に理解してもらうための最大の機会であります市場まつりについて、都と市場関係者がどのような取り組みをしているのかについて伺いたいと思います。
十月の中旬に世田谷市場まつりが行われまして、私も出かけてまいりました。世田谷市場は、環八沿いの砧公園隣接地にありまして、築地や大田に比べますと敷地面積が四万平米とコンパクトで、取扱量も中堅どころの、地元に根差した市場だと思います。ここで行われました市場まつりは、毎年、地元住民の方が大変楽しみにしておられるイベントで、野菜や果物、花の即売会、屋台とか抽せん会、あるいは世田谷独特なのでしょうか、地域住民の方が市場の敷地内でバザーをやっておりまして、だれでも楽しめる催し物が行われていました。また当日は、食育や食品の安全性についても展示コーナーがありまして、大変工夫されているんだなというふうに思いました。
このように、市場まつりは、ふだん接点のない卸売市場と消費者が直接触れ合う貴重な機会だと思います。
そこでまず、世田谷市場を含む市場まつり全体の概要と、平成二十一年度決算における執行額についてお知らせください。
○岡田中央卸売市場長 市場まつりは、食生活の向上や生鮮食料品等の消費拡大を目的といたしまして、市場業者が主体となり、毎年開催されてございます。都は、都民に卸売市場に親しんでいただくとともに、食育を推進するという観点から、これに協力してまいっております。
平成二十一年度は、世田谷市場を初めとして八市場で、今年度は、これに築地と足立の両市場を加え、十市場で開催されてございます。
市場まつりでは、青果物などの即売のほか、食育関連のイベントですとか、市場の仕組みに関するパネル展示など、さまざまな内容の企画が行われてございまして、来場者数も、平成二十一年度、昨年度は約十七万人、今年度は約二十六万人と、都民から大変好評をいただいてございます。
都は、市場に対する都民の理解を図るため、主に広報面や来場者の安全確保にかかわる経費を負担してございまして、平成二十一年度決算で申し上げますと、約五百三十万円を支出してございます。
○西崎委員 世田谷市場まつりでは、旬の食材を使った料理の実演とか試食、栄養価などについても伝えるコーナーがありまして、都民が興味を持って参加できる工夫がされていました。
食育は、市場まつりの開催目的の大きな柱の一つになっているようですけれども、このような内容を、都民が大勢訪れます市場まつりで企画することは、食育推進の観点からも大変有効であると思います。
そこで、この市場まつりにおいて、都と市場業者とがより連携を深めて、一層の工夫をしながら食育を推進していくことが望まれると思いますけれども、見解を伺います。
○岡田中央卸売市場長 卸売市場には、生鮮食料品流通の基幹的な役割を果たしていく中で、食材に関する情報やノウハウが豊富に蓄積されてございます。こうしたことから、中央卸売市場では、食育講習会の開催など、都民が健全な食生活を実践することができるよう、市場ならではの食育の取り組みを広げておりまして、これに加えまして、市場まつりの食育推進の場として特に重要な機会であると考えてございます。
各市場で開催されます市場まつりでは、都と市場業者が連携いたしまして、旬の食材を使った料理方法ですとか食べ方などに関する知識を伝えたり、楽しみながら生鮮食料品に触れる機会を提供するなど、健全な食生活の実現に向けた食育事業を実施しているところでございます。
今後とも、実際に食材に触れたり、試食ができるなど、参加型、体験型の企画を充実させまして、多くの都民を引きつけるとともに、市場業者が有する食に対する知識が有効に提供されますよう、都として、市場まつりの機会を最大限に活用いたしまして、市場ならではの食育を積極的に推進していきたいと考えてございます。
○西崎委員 今後も、より一層、積極的に進めていっていただきたいと思います。
この質問の最後に、要望なんですが、世田谷市場の緑化について一言触れておきたいと思います。
世田谷市場は、緑豊かな砧公園や、その中に位置する世田谷美術館に隣接しておりまして、それらの施設と、都市施設としての景観上の調和を考慮する必要があります。現在、美術館側の壁面には、屋上から植栽がなされていますけれども、屋上からほんの少し壁面に伸びているだけで、緑豊かな印象とはいいがたい感じです。こうした観点からも、もっと植栽の量をふやして、環境面でも配慮していただくことを要望しまして、次の交通政策について質問したいと思います。
都営交通の女性職員の進出について伺いたいと思います。
女性の職員の姿を、最近、東京都交通局でもよく見るようになってまいりました。地下鉄の車掌、駅員さん、バス運転手など、さまざまな分野で活躍する姿を目にする機会も多くなってきております。
平成二十一年度の常勤職員は、交通局全体で六千二百九十一人に対して女性は百四十一人、昨年度は、百三十四人を採用して、うち四人が女性だというふうに伺っております。こういった、男女があらゆる職場でひとしく尊重されて、その能力を発揮していくことは、大変喜ばしいことだと私ども感じておりますが、しかし交通事業は、これまで男性職場としての歴史が長い上、女性の進出に伴って解決すべき課題も多くあるのではないかと思います。
そこで、女性職員の進出に伴い、具体的にどのような課題があるのかお聞かせください。
○金子交通局長 これまで男性のみであった職場に女性を配属することに伴う課題は、トイレや休憩室、宿泊勤務の際に必要となる仮泊室などの施設を男女別に整備していくことなどでございます。例えば地下鉄では、駅構内の空間が限られていることなど、さまざまな制約がございますが、女性職員が配属される職場を中心に順次整備を進めているところであり、引き続き取り組んでまいります。
○西崎委員 施設の面の、物的施設の整備が課題であるということはわかりましたけれども、今後も引き続き努力していっていただきたいと思います。
それで、都営交通において、女性職員が男性職員同様に能力を発揮していくために、今後どのように取り組んでいかれるのか、その決意を伺いたいと思います。
○金子交通局長 当局の職員は、男性、女性を問わず、ひとしく交通事業を支える貴重な人材でございまして、局における昇進や研修、訓練等につきましては、男女の区別なく実施するなど、各職員が能力、意欲を発揮できる制度となっております。
例えば、地下鉄の駅員として採用された後、助役に昇進して駅の責任者として活躍している女性職員もございます。
都営交通の安全、安心、快適な輸送サービスを向上させるためにも、女性職員が十分能力を発揮できるよう、ハード、ソフト両面から職場環境の整備に引き続き努めてまいります。
○西崎委員 最後の質問になるかと思いますけれども、都営地下鉄などで環境対策に取り組んでいるという話を伺いました。私ども、なかなか知らない部分でも、大変環境対策を進めているというお話を伺っておりますので、その取り組み状況についてお伺いいたしまして、質問を終わります。
○金子交通局長 交通局では、公共交通事業者としまして、可能な限り環境に配慮した事業運営に努めております。
都営地下鉄の具体的な取り組みとしては、平成二年度から消費電力の少ない環境配慮型の車両を導入しておりまして、二十一年度における車両走行キロ当たりの電力消費量を、導入開始年度比で約三割削減しております。また、駅の一部のエスカレーターについて、電力消費量を削減するため、お客様の利用時のみ自動的に運転を開始するよう、平成十九年度からの三年間で百基を改修したところでございます。さらに、トンネル内で発生する湧水を河川や庭園の水質改善に活用するため、目黒川や池上梅園の池などに放流しておりまして、二十一年度は、浅草線において放流量を増加させるため、設備の増設を行ったところでございます。
○田島委員長 西崎委員の発言は終わりました。
以上で、本日予定いたしました質疑はすべて終了いたしました。
お諮りいたします。
平成二十一年度東京都公営企業各会計決算の認定についてに対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田島委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
なお、十一月二十二日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時六分散会
第1分科会で行われた平成21年度東京都公営企業会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成22年11月4日
平成21年度公営企業会計決算特別委員会
第1分科会委員長 大西 さとる
平成21年度公営企業会計決算特別委員長
田島 和明 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、平成22年9月29日に設置され、次の案件を審査した。
・平成21年度東京都公営企業会計決算中、中央卸売市場、港湾局及び交通局所管分
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月15日(説明聴取・資料要求) 交通局、中央卸売市場、港湾局
10月25日(質疑) 港湾局
10月27日(質疑) 交通局
10月29日(質疑) 中央卸売市場
2 本分科会における質疑の概要
(1) 平成21年度東京都臨海地域開発事業会計決算(港湾局所管分)
〔1〕 臨海副都心開発について
ア 平成21年度の土地処分の状況及び土地の売却が大きく落ち込んだ原因について
イ 処分原価の考え方について
ウ 処分原価の回収をもって事業達成とすることについて
エ 企業債完済のための残りの土地の処分価格の設定について
オ 臨海副都心地域内の土地の売却目標の達成について
カ 今後の土地処分の促進のための工夫について
キ 平成22年度予算における起債の借換えの状況について
ク 起債償還の見通しについて
ケ 計画にない約900億円の新たな起債について
コ 豊洲の市場移転予定地内の土地の推計額とその土地が臨海地域開発事業会計の所管となった経緯について
サ 基盤整備関連経費の残額について
シ 開発方針と計画人口の変化及び就業・居住人口について
ス 有明北地区の今後の整備計画と整備目標について
〔2〕 臨海ホールディングスグループの経営状況について
ア 平成21年度のグループ各社の経営状況及びグループ経営の成果について
イ イベントの実施内容と成果について
ウ りんかいnaviの利用状況と経費及び情報発信への取組について
エ 異業種の各社によるグループ経営の維持について
オ 契約情報と経営情報の情報公開について
カ 来訪者等に向けた地域情報などのより一層の情報発信への取組について
キ 契約実績における特定契約が多い理由及び更なる契約の透明性の向上について
ク 臨海ホールディングスのあり方について
〔3〕 東京テレポートセンターについて
ア 臨海ホールディングスグループへの参画理由及びグループにおける役割並びにグループ参画による効果について
イ IT関連企業にとっての東京テレポートセンタービルの優位性と特徴について
ウ テナント確保のための営業活動について
(2) 平成21年度東京都港湾事業会計決算(港湾局所管分)
〔1〕 外貿コンテナふ頭の一元化について
ア 管理一元化の実施目的について
イ 現物出資という手法の採用理由について
ウ 現物出資による外貿コンテナふ頭一元化の具体的効果及び利用者の評判について
〔2〕 品川ふ頭における内貿ユニットロードターミナルの整備について
ア 整備の課題及び第一期工事における課題への対応について
イ 整備における環境にやさしい具体的な工夫について
(3) 平成21年度東京都交通事業会計決算(交通局所管分)
〔1〕 バス事業について
ア 乗車人員の推移及び乗車人員引上げのための対策について
イ 東京ならではの観光資源をいかした増収対策について
ウ ラッピングバスと広告付バス停の広告料収入の推移及び収入確保への取組について
エ バスにおける情報サービスの充実に向けた対応について
オ 外国人観光客がバスを利用しやすくする対応策について
カ ドライブレコーダーの導入実績と活用状況及び今後の導入予定について
キ バス停留所の上屋・ベンチ・接近表示装置の整備状況と整備計画について
ク 高齢者の移動におけるバスの重要性の認識について
ケ ノンステップバスの導入状況について
コ 職員削減の理由及び委託・非常勤職員の増加について
サ 路線運行と都民サービスの維持を前提としたバス営業所の利活用について
〔2〕 新交通事業(日暮里・舎人ライナー)について
ア 利用実績の当初計画との対比及び最終的な利用見込みについて
イ 混雑対策と今後の取組について
ウ 安全確保と経営の効率化を両立させるための取組について
〔3〕 自動車車両の環境対策について
ア 低公害バスの導入状況について
イ ハイブリッドバス導入の状況と効果及び導入時の課題について
ウ 電気バスの普及における課題及び新技術への協力について
〔4〕 広告事業収入の現状と今後の見込みについて
〔5〕 今後の事業運営に対する取組について
〔6〕 公共交通において都が担う使命と役割について
〔7〕 広報紙について
ア 種類と目的、発行部数と残数管理及び契約の状況について
イ 読者の評判と都営交通巡回モニター制度の概要について
ウ 財団法人東京都交通局協力会の概要及び協力会との協力による交通局の負担軽減について
〔8〕 東京交通サービス株式会社について
ア 会社の概要及び交通局との関係並びに監理団体とした目的について
イ 平成21年度決算における会社への支出額と支出内容について
ウ 特命随意契約を含めた再委託の状況及び再委託に対する交通局の見解について
エ 特定契約の契約状況、具体例及び締結の理由について
オ 受託業務の再委託における特定契約の理由と対象業務について
カ 利益剰余金の交通局への還元について
キ 委託業務の推進による会社職員の増加に対する交通局の見解について
〔9〕 財団法人東京都交通局協力会について
ア 事業用不動産や未利用地を利用した長期安定収入確保への取組について
イ 目黒駅前駐車場事業の仕組み、交通局との関係における賃料及び賃料の収入差額の使途について
ウ 協力会で勤務する交通局OBの人数について
エ 経済性の高い駅ナカ店舗などの有効利用の検討について
(4) 平成21年度東京都高速電車事業会計決算(交通局所管分)
〔1〕 地下鉄事業について
ア 乗車料収入の推移及び平成21年度の減収の要因について
イ トイレのリフレッシュ事業の実績及びグレードアップ事業への取組について
ウ 駅業務における委託先職員の身分と雇用条件等の現状について
〔2〕 浸水防止対策並びにハザードマップに応じた浸水対応及び今後の水害対策について
〔3〕 バリアフリー対策について
ア ホーム柵整備の大江戸線での進捗状況及び他路線への拡大に向けた課題について
イ エレベーターとエスカレーターの整備状況及び今後の整備計画について
〔4〕 視覚障害者に対する誘導チャイムと音声案内の整備状況及び今後の取組について
〔5〕 障害者店舗の設置状況及び平成21年度の営業状況並びに設置に向けた課題について
〔6〕 外国人観光客へのわかりやすい利用案内などの取組状況について
〔7〕 地下鉄の遅延情報の提供について
ア 平成21年度の遅延状況及び主な遅延の原因について
イ 遅延発生時の乗客への情報提供について
〔8〕 広告事業について
ア 収入の現状と今後の見込みについて
イ デジタルサイネージの広告媒体としての活用と取組状況について
〔9〕 今後の事業運営に対する取組について
〔10〕 公共交通において都が担う使命と役割について
〔11〕 広報紙について
ア 種類と目的、発行部数と残数管理及び契約の状況について
イ 読者の評判と都営交通巡回モニター制度の概要について
ウ 財団法人東京都交通局協力会の概要及び協力会との協力による交通局の負担軽減について
〔12〕 東京交通サービス株式会社について
ア 会社の概要及び交通局との関係並びに監理団体とした目的について
イ 平成21年度決算における会社への支出額と支出内容について
ウ 特命随意契約を含めた再委託の状況及び再委託に対する交通局の見解について
エ 特定契約の契約状況、具体例及び締結の理由について
オ 受託業務の再委託における特定契約の理由と対象業務について
カ 利益剰余金の交通局への還元について
キ 委託業務の推進による会社職員の増加に対する交通局の見解について
〔13〕 財団法人東京都交通局協力会について
ア 事業用不動産や未利用地を利用した長期安定収入確保への取組について
イ 五反田立体駐車場の事業の仕組み及び管理費の検証について
ウ 協力会で勤務する交通局OBの人数について
エ 経済性の高い駅ナカ店舗などの有効利用の検討について
(5) 平成21年度東京都電気事業会計決算(交通局所管分)
〔1〕 今後の事業運営に対する取組について
(6) 平成21年度東京都中央卸売市場会計決算(中央卸売市場所管分)
〔1〕 築地市場について
ア 施設や設備の老朽化の状況について
イ 市場機能維持のための工事内容及び平成21年度決算の修繕費に占める築地市場の割合について
ウ 修繕を行い使い続けることに対する見解について
エ 水産物部の取扱量の推移と変動要因について
オ 水産仲卸業者の経営状況及び事業者数の推移について
カ 市場業者の活性化のための取組及び支援策検討のための個別面談の実施結果について
〔2〕 中央卸売市場について
ア 第8次東京都卸売市場整備計画における施設整備の基本方針及び計画に対する取組について
イ 食肉市場における市場棟衛生対策工事の進捗状況及び家畜伝染病に対する危機管理について
ウ 地球温暖化対策への取組と今後の対策について
エ 市場内での排気ガス対策及び環境対策に対する事業者の協力を促す取組について
〔3〕 築地市場の駐車場管理について
ア 駐車場の管理体制及び平成21年度の都の収益並びに今後の管理について
イ 民間事業者への駐車場管理の許可について
ウ 駐車場管理の許可を受けている築地市場青果連合事業協会の概要について
〔4〕 財団法人東京都中央卸売市場環境整備協会について
ア 役員・職員数及び非常勤役員の報酬額について
イ 築地市場の駐車場管理における使用料収益の使途及び料金改定について
〔5〕 豊洲新市場予定地における汚染物質処理に関する実験の中間報告について
ア 無害化実証の発表について
イ 測定土壌のサンプルについて
ウ 初期値の公表を行わなかった理由について
第2分科会で行われた平成21年度東京都公営企業会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成22年11月4日
平成21年度公営企業会計決算特別委員会
第2分科会委員長 野上 純子
平成21年度公営企業会計決算特別委員長
田島 和明 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、平成22年9月29日に設置され、次の案件を審査した。
・平成21年度東京都公営企業会計決算中、病院経営本部、都市整備局、水道局及び下水道局所管分
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月15日(説明聴取・資料要求) 水道局、下水道局、病院経営本部、都市整備局
10月25日(質疑) 下水道局
10月27日(質疑) 都市整備局、病院経営本部
10月29日(質疑) 水道局
2 本分科会における質疑の概要
(1)平成21年度東京都下水道事業会計決算(下水道局所管分)
〔1〕 地球温暖化防止計画「アースプラン2004」における取組内容並びに再生可能エネルギーの導入成果及び今後の取組について
〔2〕 経営計画について
ア 下水道事業の運営方針について
イ 下水道管の再構築及び臭気対策の取組について
ウ 多摩地域の流域下水道における高度処理の導入状況について
エ 「経営計画2010」の目標の実現に向けた取組について
〔3〕 浸水対策について
ア 長期的な対策について
イ 1時間50ミリ降雨対応地区の整備について
ウ 集中豪雨対策などを含めた今後の対応について
エ 浸水対策促進地区として定めた新宿・千住地区の進捗状況及び20地区の整備完了に向けた取組について
オ 足立区での内水氾濫に対する取組について
カ 都民の浸水に対する備えを促すための情報発信への取組について
〔4〕 震災対策について
ア 施設の耐震化対策の基本的考え方と取組内容について
イ 区部における避難所などからの排水を受ける下水道管の耐震状況及び排水受入れへの取組について
ウ 仮設トイレの設置可能なマンホールの指定に対する取組状況について
〔5〕 平成21年度における下水道事業の省エネルギーについて
ア コスト縮減の取組結果について
イ 電力料金の削減に関する具体的な取組結果について
〔6〕 北多摩一号水再生センターにおける多摩川の水質改善の取組状況及び今後の取組について
〔7〕 東京都下水道サービス株式会社について
ア 設立当初から現在までの事業規模及び下水道局全体の事業費の推移について
イ 売上げに占める下水道局からの受注割合について
ウ 下水道局からの委託業務の内容と契約方法について
エ 競争入札による委託契約について
オ 職員数の推移並びに社員構成及び都派遣職員と都管理職OBの人数について
カ 都派遣職員及び都管理職OBの必要性について
キ 役員の人数及び報酬について
ク 監理団体であることの効果について
ケ 監理団体の有効活用及び透明性を高める取組について
〔8〕 設備工事の契約について
ア 入札参加希望者数の確認状況及び業者の指名基準について
イ 入札参加者が少ない理由及び入札辞退が多い理由について
ウ 下水道設備の特殊性と規模について
エ コンストラクション・マネジメント方式による発注について
オ 業界団体との意見交換の場について
カ 随意契約の方法による契約の締結について
キ 1社入札の場合の工夫について
ク 公平な入札の確保について
〔9〕 都民との協働について
ア 都民の理解と協力を得ていくための取組について
イ 「油・断・快適!下水道」キャンペーンの取組内容と成果について
(2)平成21年度東京都都市再開発事業会計決算(都市整備局所管分)
〔1〕 都施行の市街地再開発事業について
ア 事業の意義について
イ 都と特定建築者の役割について
ウ 3地区の事業の進捗状況及び今後の見通しについて
エ 3地区の事業収支の見通し及び各地区での収支状況の相違について
オ 大橋地区における収支改善に向けた具体的な取組及び保留床販売の取組内容について
カ 総事業費に占める国費の割合と使途及び国費確保への考え方について
キ 事業の着実な推進に向けた取組について
(3)平成21年度東京都病院会計決算(病院経営本部所管分)
〔1〕 医療安全管理体制の充実・強化について
ア 医療安全対策及び院内感染防止対策の取組について
イ 医療安全推進室及び都立病院医療安全推進委員会の構成と役割について
ウ 専任リスクマネジャーと感染管理認定看護師の資質、人材育成への取組、位置付け及び処遇について
エ インシデント・アクシデント・レポートの平成21年度の提出件数及び活用方法について
オ 医療事故予防マニュアルの内容と平成21年度の改定内容及び安全に対する啓発に向けた研修について
カ 都立病院における相談体制及び平成21年度の相談内容について
キ 平成21年度の電子カルテシステム関係の経費について
ク 電子カルテシステムの導入状況及び患者認証機能の運用状況と課題について
〔2〕 医師の確保について
ア 優秀な人材の確保に向けた取組について
イ 処遇改善に向けた具体的な取組について
ウ 東京医師アカデミーにおける応募・採用状況及び医師不足が顕著な診療科での採用状況について
エ 東京医師アカデミーによる医師の充足状況の改善について
オ 医療クラークの導入状況、業務内容及び導入による具体的な効果について
カ 今後の医師の確保に対する取組について
〔3〕 多摩総合医療センターの医療強化について
ア 旧府中病院のがん患者数の実績について
イ 多摩総合医療センターにおけるがん治療に対する医療機能及びER機能の強化について
〔4〕 駒込病院における改修を契機としたがん医療への取組について
ア 化学療法の実施に十分対応可能な体制の構築について
イ 臨床と研究の連携の積極的な推進について
〔5〕 墨東病院において開始した「NICUからの円滑な退院に向けた取組への支援」モデル事業の概要、検討内容及び平成22年度の取組について
〔6〕 松沢病院における精神科医療について
ア 社会復帰支援室の設置目的、実施体制、取組内容及び実績について
イ 長期在院患者の退院促進や包括的地域医療サービスの実施上の課題について
ウ 精神医療センター(仮称)開設に向けた今後の展望について
〔7〕 地域連携クリニカルパスについて
ア 都立病院における地域連携クリニカルパスの取組状況について
イ 医療連携の推進への取組について
〔8〕 都立病院における省エネへの取組について
ア 省エネ及びCO2削減への取組状況について
イ 再編整備事業における省エネ東京仕様2007の反映について
〔9〕 都立病院におけるボランティアの活動に対する対応及び都民への周知について
(4)平成21年度東京都水道事業会計決算(水道局所管分)
〔1〕 水源対策について
ア 渇水に対する安全度及び水源が抱えるリスクについて
イ 地下水のリスクへの対応策及び今後の活用方法について
ウ 今後の水道施設整備の検討及び都民への説明について
〔2〕 震災対策について
ア 水道施設及び三次救急医療機関等への給水ルートの耐震化について
イ 震災時に給水が途絶した医療機関への給水について
ウ 災害拠点病院等への給水方法の検討及び合同訓練の実績と計画について
エ 他都市との合同訓練の考え方と具体的内容について
〔3〕 事故時における安定給水の確保について
ア 水道管漏水事故の原因と予防策及び突発事故発生時の対応方法について
イ 断水等の影響を抑制する取組状況について
ウ 安定給水の一層の向上に向けた取組について
〔4〕 水質管理への取組について
〔5〕 直結給水方式の普及促進について
ア 普及促進への取組とPRについて
イ 既存の建物に対する取組について
ウ 直結切替え見積りサービスの利用状況について
〔6〕 小・中学校の水飲栓直結給水化モデル事業について
ア 概要と実績について
イ 区市町や学校からの評判及び事業実施上の課題について
〔7〕 今後の水道事業運営について
〔8〕 株式会社PUCについて
ア 都派遣職員の人数及び都庁OBと退職派遣の有無について
イ 外部監査の導入、会計参与の設置及び情報公開規定の策定について
ウ 都の政策と連動性の高い業務及び水道局の直営業務と民間委託業務とのすみ分けについて
エ 株式会社PUCへの委託料増加に伴う水道局の業務内容の変化について
オ 株式会社PUCへの発注が全て随意契約である理由について
カ 株式会社PUCへのシステム関連業務の発注について
キ 準コア業務が競争入札により株式会社PUCから民間に発注される理由及び外部との契約の内訳について
ク 少額契約の締結の基準について
ケ 株式会社PUCへの多摩地区営業業務の委託について
コ 株式会社PUCに委託されたサービスステーション業務等の基幹的業務が民間に特定契約により発注される理由について
サ 監理団体指定前の多摩地区サービスステーション業務の委託について
シ 監理団体に対する今後の水道局の展望について
〔9〕 東京水道サービス株式会社について
ア 監理団体を活用した事業運営の考え方及び業務内容について
イ 国際貢献ビジネスに活用するメリットについて
〔10〕 水源井戸の汚染について
ア 井戸汚染拡大に対する認識及び都独自の水質基準値の設定の経緯と根拠について
イ 西砂第二浄水所の停止の理由及び立川市と住民への説明について
ウ 地下水質調査等の結果に対する関係局や地元自治体との連携について
エ 井戸の汚染除去及び飲み水等としての使用について
オ 今後の汚染実態調査や原因究明への取組及び井戸掘り替え計画の基本的な考え方について
(5)平成21年度東京都工業用水道事業会計決算(水道局所管分)
質疑なし
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