平成二十一年度公営企業会計決算特別委員会速記録第二号

平成二十二年十月十五日(金曜日)
第四委員会室
   午後一時開議
 出席委員 二十三名
委員長田島 和明君
副委員長鈴木 章浩君
副委員長野上 純子君
副委員長大西さとる君
理事田の上いくこ君
理事高倉 良生君
理事神林  茂君
理事神野 吉弘君
理事中屋 文孝君
小林 健二君
吉住 健一君
桜井 浩之君
小山くにひこ君
西沢けいた君
新井ともはる君
佐藤 由美君
中山 信行君
西崎 光子君
山口  拓君
村上 英子君
花輪ともふみ君
泉谷つよし君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

出席説明員
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長岡田  至君
東京都技監都市整備局長兼務河島  均君
港湾局長中井 敬三君
交通局長金子正一郎君
水道局長尾崎  勝君
下水道局長松田 二郎君

本日の会議に付した事件
 平成二十一年度東京都公営企業各会計決算の認定について
平成二十一年度決算概要(説明)
・平成二十一年度東京都病院会計決算
・平成二十一年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成二十一年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成二十一年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成二十一年度東京都港湾事業会計決算
・平成二十一年度東京都交通事業会計決算
・平成二十一年度東京都高速電車事業会計決算
・平成二十一年度東京都電気事業会計決算
・平成二十一年度東京都水道事業会計決算
・平成二十一年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成二十一年度東京都下水道事業会計決算

○田島委員長 ただいまから平成二十一年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 本日から、さきの委員会でご決定いただきました実施要領及び審査日程に従いまして、平成二十一年度決算の審査を進めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。
 なお、決算審査の参考資料として、平成二十一年度予算の審議等における懸案事項の措置状況調をお手元に配布してあります。後ほどご参照願います。
 本日は、決算審査の第一回目でございますので、平成二十一年度会計決算について、所管局の局長から順次概要説明を聴取いたします。
 なお、局別の詳細説明の聴取と資料要求は、それぞれの分科会に分かれて行いますので、ご了承願います。
 それでは、各局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○金子交通局長 交通局長の金子正一郎でございます。
 田島委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから交通局の所管事業につきましてご指導、ご支援を賜りまして、厚くお礼を申し上げます。
 交通局を取り巻く事業環境は厳しい状況にございますが、事業運営に当たりましては、東京の都市活動と都民生活を支える公共交通機関として、お客様から信頼され、支持される都営交通を目指し、安全を最優先に、サービスの向上と経営改善に取り組んでまいる所存でございます。
 委員の皆様方におかれましては、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 それでは、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の中村靖でございます。本委員会との連絡を担当いたします財務課長の佐藤智秀でございます。
 よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○尾崎水道局長 水道局長の尾崎勝でございます。
 田島委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
 当局におきましては、水道事業並びに工業用水道事業を所管し、都民の暮らしを守り、都市活動を支える基幹的な都市施設として、全力を挙げて健全な水道事業の運営に取り組んでおります。
 当局に課せられた使命達成のため、局一丸となって職責を果たしてまいる所存でございます。
 委員長を初め委員の皆様方には、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の坂内顕宏でございます。次に、本委員会との連絡に当たります主計課長の斉田典彦でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○松田下水道局長 下水道局長の松田二郎でございます。
 田島委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから下水道事業につきましてご指導、ご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 下水道局は、二十三区における区部下水道事業と多摩地域の流域下水道事業を所管しており、都民の皆様に安全で快適な生活を送っていただけますよう、下水道の整備と施設の適切な維持管理に取り組んでいるところでございます。
 老朽化した施設の再構築、都市型水害への対応や合流式下水道の改善など、さまざまな課題を抱えておりますが、都民生活の安全性や快適性のより一層の確保を目指し、職員が一丸となって下水道サービスの維持向上に努めてまいります。
 今後とも、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席をしております幹部職員の紹介をさせていただきます。
 経理部長の須田潔でございます。本委員会との連絡を担当いたします会計課長の伊藤満臣でございます。
 よろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○河島東京都技監 東京都技監の河島均でございます。都市整備局長及び局技監を兼務しております。
 田島委員長を初め委員の皆様には、当局の事務事業につきまして日ごろからご指導、ご支援を賜り、まことにありがとうございます。
 市街地再開発事業は、道路、公園等の公共施設並びに住宅などの施設建築物を一体的に整備することにより、良好な生活環境を備えた安全で快適な都市空間を創出する事業でございます。
 とりわけ、当委員会でご審議いただきます北新宿地区、環状第二号線新橋・虎ノ門地区、大橋地区につきましては、都市再生の一端を担う都施行の事業として早期実現が期待されておりまして、職員一丸となって取り組んでおります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の石野利幸でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の須藤栄でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○中井港湾局長 港湾局長の中井敬三でございます。
 田島委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから港湾局所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 東京臨海地域におきましては、その特性や潜在力を最大限に生かし、この地域が東京全体の活力の牽引役となるよう、総力を挙げて開発を進めているところでございます。
 また、東京港におきましては、首都圏物流のゲートウエーとして、物流改革の取り組みはもとより、ハード、ソフト両面にわたる施策を展開し、国際競争力のある港づくりを推進してまいります。
 今後とも、臨海地域及び東京港の発展に向けて、局一丸となって取り組んでまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の山本隆でございます。当委員会との連絡に当たります担当部長で総務課長事務取扱の古谷ひろみでございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○川澄病院経営本部長 病院経営本部長の川澄俊文でございます。
 田島委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから病院事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。
 病院経営本部は、医療サービスのさらなる向上を目指すとともに、福祉、保健医療行政と密接に連携し、引き続き病院事業の推進に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、一層のご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 経営企画部長の黒田祥之でございます。当委員会との連絡等に当たらせていただきます総務課長の児玉英一郎でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○岡田中央卸売市場長 中央卸売市場長の岡田至でございます。
 田島委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから中央卸売市場所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。
 今後とも、都民生活を支える重要な役割を担っております市場運営に全力を挙げて取り組んでまいります。
 続きまして、本日出席の当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 管理部長の塩見清仁でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の飯田一哉でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○田島委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○田島委員長 これより決算の審査を行います。
 平成二十一年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 決算の概要について順次説明を願います。

○金子交通局長 交通局が所管しております三会計の平成二十一年度決算のご審議をいただくに当たり、事業及び決算の概要につきましてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております平成二十一年度交通事業会計、高速電車事業会計、電気事業会計決算の概要の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 初めに、事業の概要でございますが、交通局は、地方公営企業法に基づき、独立採算制の原則により、三会計で六つの事業を運営しております。
 (1)の交通事業会計では、自動車運送事業を初めとする四事業を経理しております。
 (2)の高速電車事業会計では、都営地下鉄四線を運行する高速電車事業を経理しております。
 (3)の電気事業会計では、奥多摩にございます三つの水力発電所で発電を行う電気事業を経理しております。
 次の二ページをごらんください。
 交通局を取り巻く環境は、少子高齢社会の進展により、今後、乗客数の増加が期待できない中、安全対策やお客様サービスの向上、環境対策などの社会的要請への対応など、対処すべき課題が増大しております。
 こうした中、交通局では、諸課題に的確に対応し、事業のさらなる発展を図るため、平成十九年度から二十一年度までを計画期間とする東京都交通局経営計画新チャレンジ二〇〇七を策定し、これに基づき事業の着実な実施に努めてまいりました。平成二十一年度におきましては、乗客数が微減となった軌道事業及び平成十九年度末に開業し減価償却費などの資本費負担が重い新交通事業、これらの二事業を除く四事業におきまして経常損益の黒字を確保いたしました。
 次に、2の事業実施状況についてご説明申し上げます。
 初めに、(1)、自動車運送事業でございますが、安全・安心の確保として、乗務員の安全教育を強化するため、新たに運転訓練車を活用した研修を開始するとともに、ドライブレコーダーの映像を活用した研修を引き続き実施いたしました。
 便利で快適なサービスの提供として、バス停留所に接近表示装置を増設し、お客様の利便性の向上に努めました。また、すべての更新車両をノンステップバスにするとともに、バス停留所上屋を増設するなど、サービスの充実にも努めております。
 次の三ページをごらんください。
 社会的要請への対応として、ハイブリッドノンステップバスの導入を当初計画から大幅に拡大し、CO2削減に向けた取り組みを積極的に進めました。また、国が行う次世代型非接触給電ハイブリッドバス実証走行実験への協力をいたしました。
 (2)の軌道事業でございますが、速度制御装置や運転手異常時列車停止装置を装備し、環境負荷低減にも配慮した新型車両八八〇〇形を三両導入いたしました。
 また、電車の安全輸送を確保するため、西尾久変電所の設備を更新し、機能を強化いたしました。
 (3)、新交通事業でございますが、お客様の利用状況等を踏まえ、車両を二編成増備するとともに、これにあわせ、朝ラッシュ及び深夜時間帯の輸送力を増強するためダイヤを改正するなど、利便性の向上を図りました。
 次に、(4)の高速電車事業でございますが、安全・安心の確保として、脱線事故を想定した異常時総合訓練を実施するなど、安全対策の充実を図りました。また、駅施設の排煙設備の整備や車両の火災対策の強化を図るとともに、現在、平成二十五年度末までに大江戸線全駅に可動式ホームさくを設置するための準備を進めておりまして、二十一年度はホームの補強工事などを実施いたしました。
 次に、便利で快適なサービスの提供として、朝ラッシュ及び深夜時間帯の輸送力を増強する大江戸線のダイヤ改正を行うとともに、駅全体の案内サインについて東京メトロとの統一化を進めるなど、利便性の向上を図りました。また、エレベーター、エスカレーターの設置など、駅施設のバリアフリー化を進めました。
 次の四ページをごらんください。
 社会的要請への対応として、お客様の利用が比較的少ないエスカレーターについて、利用時のみ自動的に運転するよう改修し、電力使用量を削減することにより環境負荷の低減を図りました。また、地元区と連携して、駅構内に障害者の方が働く店舗を二店舗設置し、障害者の方の自立の支援を行っております。
 続きまして、3の決算の概要についてご説明を申し上げます。
 (1)の交通事業会計でございますが、まず業務量については、自動車運送事業は、百三十九系統、千四百六十九両の車両をもって営業を行い、乗車人員は一日平均五十六万二千人となりました。
 次の軌道事業は、三ノ輪橋-早稲田間、全長十二・二キロメートルを運行し、乗車人員は一日平均五万一千人となり、新交通事業は、日暮里-見沼代親水公園間、全長九・七キロメートルを運行し、乗車人員は一日平均五万五千人となりました。
 また、懸垂電車事業の乗車人員は、一日平均三千人となりました。
 収益的収支につきましては、収入総額四百五十三億七百万円に対し、支出総額は四百六十三億八千七百万円で、差し引き十億八千万円の純損失となっております。
 次の五ページをごらんください。
 資本的収支では、収入総額七十五億九千七百万円に対し、支出総額は百十九億四千九百万円で、工事資金一億九千二百万円を翌年度へ繰り越しまして、四十五億四千四百万円の差引不足額が生じました。この不足額につきましては損益勘定留保資金などで補てんをいたしました。
 次に、(2)の高速電車事業会計についてご説明申し上げます。
 まず、業務量についてでございますが、地下鉄四路線の営業キロは、合計で百九キロメートルとなっており、車両数千八十六両をもって運行しております。乗車人員は一日平均二百三十三万人となり、前年度に比べて、四線合計で〇・三%減少しております。
 続きまして、収益的収支の状況でございますが、収入総額千四百二十八億四千万円に対し、支出総額は千三百四億八千五百万円で、差し引き百二十三億五千五百万円の純利益となっております。
 次の資本的収支では、収入総額七百十六億九千八百万円に対し、支出総額は千百四十八億五千三百万円で、工事資金六十六億五千九百万円を翌年度に繰り越しまして、四百九十八億一千四百万円の差引不足額が生じました。この不足額につきましては損益勘定留保資金などで補てんいたしました。
 なお、平成二十一年度末における高速電車事業会計の累積欠損金は四千三百九億円、長期債務は一兆一千百八十億円となっております。
 次の六ページをごらんください。最後に、(3)の電気事業会計でございます。
 業務量については、認可発電出力が三つの発電所の合計で最大三万六千五百キロワットであり、年間の販売電力量は九万千七百二十七メガワットアワーとなりました。
 収益的収支の状況でございますが、収入総額八億九千五十八万円に対し、支出総額は八億六千八百五十四万円で、差し引き二千二百四万円の純利益となっております。
 また、資本的収支は、収支差引不足額二億一千百六万円となり、これを損益勘定留保資金などで補てんをいたしました。
 以上、平成二十一年度の決算状況は、三会計合計の経常損益で百十一億円の黒字となりました。
 引き続き、増収に努めるとともに、職員定数の削減や業務運営の見直しなど、さらなる経営力の強化に努めてまいります。
 今後とも、公営交通としての役割を十分認識し、これまで以上にお客様から信頼され、支持される都営交通を目指して、局一丸となって取り組んでいく所存でございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○尾崎水道局長 平成二十一年度水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算をご審議いただくに当たり、両事業の決算の概要についてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます平成二十一年度東京都水道事業会計及び工業用水道事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。初めに、水道事業会計について申し上げます。
 水道事業の最大の使命は、現在及び将来にわたり、都民生活や都市活動に欠かすことのできない清浄な水を安定して供給することにあります。平成二十一年度は、この使命を果たすとともに、一層確かな安心、安定を実感できる水道サービスの提供に向け、東京水道経営プラン二〇〇七の最終年度として、計画に掲げた主要施策を中心に事業を着実に推進しました。
 以下、平成二十一年度の事業の実施内容についてご説明申し上げます。
 第一は、安全でおいしい水の安定的な供給についてであります。
 まず、安定給水について申し上げます。
 安定した水源の確保につきましては、渇水に対する安全度の向上を図るなど、安定した給水を確保するため、水源開発の促進に引き続き努めました。
 また、事故時や震災時にも強い水道施設として、原水連絡管の二重化に向けた基本設計の実施、送配水管ネットワークの強化、東海、小右衛門給水所整備工事の完成、三次救急医療機関や首都中枢機関等への供給ルート及び大口径給水管の耐震強化など、より一層信頼される水道施設の整備に努めました。
 さらに、初期ダクタイル管の取りかえを初め、漏水防止対策を推進した結果、平成二十一年度の漏水率は三・〇%と、前年度に比べ〇・一ポイント改善しました。
 同時に、震災時に備え、相互応援協定を締結している仙台市水道局との共同訓練を行うなど、応急体制の強化を図りました。
 二ページをお開き願います。
 現在の大規模浄水場が、平成三十年代以降、集中的に更新時期を迎えることから、着実に施設更新を進めていくために必要な代替施設の整備資金の一部を自己財源により確保するため、昨年度に引き続き、利益処分案として、大規模浄水場更新積立金への積み立てを五十億円計上させていただいております。
 次に、安全でおいしい水の供給について申し上げます。
 平成二十一年度も、引き続き安全でおいしい水プロジェクトを推進し、水源から蛇口に至るまでの総合的な施策を展開しました。
 まず、東村山浄水場高度浄水施設を完成させるとともに、金町浄水場などにおいても高度浄水施設の整備を推進し、利根川水系の高度浄水処理率一〇〇%の達成に向けた取り組みを着実に実施しました。
 また、残留塩素の低減に向けた取り組みとして、芝給水所を初めとする六カ所の給水所において、追加塩素注入設備の整備を進めました。
 次に、蛇口から直接水を飲んでいただくための取り組みについて申し上げます。
 蛇口から直接水を飲むという、日本が誇る水道文化を確実に次世代へ継承していくため、公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業を推進するなど、直結給水化を普及、促進していくための施策を実施しました。
 また、次世代を担う小学生を対象に、劇などを取り入れ、わかりやすく親しみやすい授業を行う水道キャラバンを、当初の計画を上回る数の学校で実施しました。
 第二に、お客様サービスの積極的な展開であります。
 お客様に信頼され、親しまれる水道を実現するためには、多様化、高度化するお客様ニーズをより一層反映した質の高いサービスを提供する必要があります。
 まず、東村山浄水場などの浄水場において見学コースを整備するなど、水道施設の施設開放を促進しました。
 また、東京都水道歴史館をリニューアルオープンしたほか、東京都水の科学館においても、新たな展示物の製作、施工を実施しました。
 三ページをお開き願います。第三に、経営基盤の強化であります。
 水道事業における公共性を確保しつつ、経営の一層の効率性を追求するため、基幹的業務は水道局と水道局が所管する東京都監理団体が担い、定型的な業務などは民間事業者に委託していくことを理念とする一体的事業運営体制の構築に向けて、監理団体への適切な指導を行うとともに、業務移転を着実に行いました。
 また、経営努力として、多摩地区の事務委託解消に伴う増加要因を吸収した上で、なお職員定数二百五十人の削減を実施したほか、資産の有効活用などによる収入の確保に努めました。
 第四に、広域化の推進であります。
 多摩地区の水道事業は、多摩地区水道経営改善基本計画に基づいて事務委託を解消し、都による事業運営体制への移行を段階的に進めています。平成二十一年度には、都への業務移行に合わせ、既存のサービスステーションを移転し、新たに青梅、調布サービスステーションを開設いたしました。
 また、これまで地理的条件などから統合の対象外であった奥多摩町の水道事業を平成二十二年四月に東京都の水道事業に統合することとした、東京都の水道事業に奥多摩町の水道事業を統合することに関する基本協定を締結しました。
 第五に、次世代を見据えた施策の推進でございます。
 まず、環境施策について申し上げます。
 地球規模での環境問題が深刻化する中、一層の環境負荷低減に向けた取り組みが必要とされています。このため、平成十九年度から二十一年度までを計画期間とする東京都水道局環境計画に基づき、実効性のある環境施策を推進しました。平成二十一年度は、八雲給水所において小水力発電設備を稼働させるとともに、小作浄水場の配水池上部へ太陽光発電設備を整備し、運用を開始するなどの取り組みを行いました。
 次に、国内外の水道事業のレベルアップに向けた取り組みについては、韓国のソウルで開催された第三回世界大都市気候サミットに参加し、漏水防止対策による効率的な水利用についての取り組みを、世界の主要都市に向けて発表しました。
 四ページをお開き願います。次に、給水状況について申し上げます。
 年間総配水量は十五億六千七百九十万立方メートルとなり、前年度より千四百三万立方メートル減少しました。有収水量は十四億九千九百三十七万立方メートルで、前年度より一千百三十三万立方メートル減少しました。給水件数は六百九十一万件で、前年度より五万件増加しました。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支におきましては、収入総額三千三百七十二億七千八百万円、支出総額二千七百二十六億四千四百万円、差し引き六百四十六億三千四百万円の純利益となりました。
 また、資本的収支は、前年度からの繰越額を含めまして、収入総額二百八十億二千九百万円、支出総額一千三百八十五億七千五百万円、翌年度への繰越工事資金百二億百万円、差し引き一千二百七億四千七百万円の不足となりました。この不足額は損益勘定留保資金などで補てんしました。
 五ページをお開き願います。工業用水道事業会計について申し上げます。
 都の工業用水道事業は、地盤沈下防止という所期の目的を十分果たしてまいりましたが、工場の移転、水使用の合理化等により需要の減少が続いている一方、老朽化施設の更新時期を迎えるなど、厳しい事業環境にあります。このため、平成二十一年度においても、より一層の経営の効率化と財政の安定化を図ることを基本に事業運営を行いました。
 まず、給水状況について申し上げます。
 年間総配水量は一千百八十四万立方メートルとなり、前年度より七十一万立方メートル減少しました。給水件数は五百九十一件で、前年度より三件減少しました。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支におきましては、収入総額十三億八千三百万円、支出総額十三億八千三百万円となり、差し引きゼロ円となりました。
 また、資本的収支は、収入総額八千二百万円、支出総額一億一千五百万円、差し引き三千三百万円の不足となりました。この不足額は損益勘定留保資金で補てんしました。
 以上、平成二十一年度水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算の概要についてご説明申し上げましたが、両事業とも幾多の重要課題を抱えております。都民から両事業を負託された公営企業管理者として、これらの課題解決に向け、職員ともども全力を挙げて取り組み、現在及び将来の安定給水の確保に努めてまいります。
 本決算につきましては、よろしくご審議の上、ご承認賜りますようお願い申し上げます。

○松田下水道局長 平成二十一年度下水道事業会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしてございます平成二十一年度下水道事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。
 第1の事業の概要でございますが、下水道は、都民の安全で快適な生活環境を実現する上で欠くことのできない社会資本として重要な役割を果たしております。平成二十一年度は、事業運営の指針として策定した経営計画二〇〇七の最終年度として、区部の下水道事業と多摩地域の流域下水道事業を着実に実施いたしました。
 第2の平成二十一年度の実施概要についてご説明を申し上げます。
 まず、区部下水道事業の主な取り組み事項でございますが、(1)の第二溜池幹線(下流部)、勝どき幹線の整備着手、これは、溜池幹線流域の基幹施設の増強を図るとともに、皇居内堀への雨天時に放流される汚水まじりの雨水を下水道管に取り込むことを目的に、整備に着手したものでございます。
 (2)の世田谷区上馬雨水調整池の完成、これは、世田谷区上馬地区の浸水対策を目的として、区立小泉公園の水広場地下に設置したものでございます。
 (3)の芝浦水再生センター再生水造水設備の完成、これは、再生水の需要増に対応していくため、再生水処理工程のろ過材に、国内で初めてセラミックを用いた設備を増設したものでございます。
 (4)の葛西水再生センター新型太陽光発電設備の完成でございますが、これは、太陽の向きに合わせてパネルが動き、従来の太陽電池よりも省資源型の薄膜太陽電池を国内で初めて本格採用した設備でございます。
 (5)の南部汚泥処理プラント新二号炉の稼働、これは、下水汚泥を高温で焼却することによりまして、焼却時に排出される二酸化炭素の三百十倍の温室効果があります一酸化二窒素の排出量を抑制する機能を持つ汚泥焼却炉でございます。
 二ページをお開きを願います。(6)の二十三区内の雨水放流渠はけ口の全件調査、これは、不適切な接合がなされていないことを確認するために、下水道管の雨水はけ口七百三十三カ所で、調査員の目視などによりまして調査を行ったものでございます。この調査の結果、誤接合のため改善が必要な箇所が五カ所発見をされましたが、五カ所とも直ちに対策を実施いたしました。
 (7)のお客様向けPRの拡充でございます。これは、下水道事業の重要性や必要性を理解し、応援をしていただくための取り組みでございまして、具体的には、油の使用量を少なくした料理方法を紹介するダイエットレシピの作成、配布など、下水道に油を流さないキャンペーンを展開いたしました。
 (8)の国際貢献への取り組みでございますが、これは、海外からの訪問者や技術研修員を受け入れまして、事業説明や施設、現場見学を実施するとともに、アジア大都市ネットワーク21の共同事業であります下水道維持管理技術者研修において、バンコクからの研修生を受け入れたものでございます。
 次に、これら主な取り組み事項を含めた建設改良事業と維持管理事業の概要でございます。
 まず、建設改良事業でございます。
 (1)の老朽化施設の再構築でございますが、施設の延命化を図りつつ、更新にあわせて、雨水排除能力の増強、省エネルギー化など下水道機能の高度化を図りました。
 (2)の浸水対策の推進でございますが、都市化の進展に伴う雨水流出量の増大や頻発する集中豪雨に対応するため、下水道管やポンプ所の能力を増強いたしました。
 (3)の合流式下水道の改善でございますが、一定量以上の降雨があった場合に合流式下水道から河川などへ放流される下水の汚濁負荷量の削減を図るため、下水道管や貯留施設を整備するとともに、下水道管の雨水はけ口百六十三カ所に水面制御装置を設置いたしました。
 (4)の震災対策の推進でございますが、避難所などからの排水を受ける下水道管の耐震化工事を二百三十二カ所で行ったほか、緊急輸送道路などに埋設をされているマンホールが液状化現象によって浮き上がることを抑制する対策を実施いたしました。
 また、ポンプ所などの非常用発電機の整備などを行うことにより、施設の安全性の向上を図りました。
 三ページをごらんいただきたいと存じます。(5)の高度処理の推進でございますが、窒素、燐の放流水質規制強化に対応し、公共用水域の水質をより一層改善するため、高度処理施設を水再生センター二カ所で整備いたしました。
 (6)の資源、エネルギーの有効活用でございますが、永田町や霞が関地区など六カ所で再生水の供給施設の整備を行いました。
 また、葛西水再生センターでは太陽光発電の整備をしたところでございます。
 (7)の汚泥処理の効率化でございますが、汚泥処理施設の集約化による事業の効率化を図るため、汚泥焼却設備や送泥施設を整備いたしました。
 次に、維持管理事業でございます。
 下水道の機能を確実に発揮させるために、平成二十一年度は、一万五千八百三十キロメートルの下水道管、八十三カ所のポンプ所、十三カ所の水再生センターの適切な維持管理と補修を行い、一日平均四百六十四万立方メートルの下水を処理し、良好な水循環の形成に貢献をいたしました。
 なお、平成二十一年度の汚水排出量は、前年度に比べ減少はしておりますが、使用者の小口化などによりまして、下水道使用件数は、前年度末と比べ三万件増の五百八万件となっております。
 また、予防保全を重視した維持管理を行うとともに、日常管理の充実を図り、良好な下水道サービスを提供いたしました。
 続きまして、流域下水道事業についてご説明を申し上げます。
 まず、流域下水道事業の主な取り組み事項でございますが、(1)の多摩川上流幹線(延伸部)の稼働でございます。
 これは、未普及地域の解消を図るために、幹線の延伸部を稼働したものでございます。これによりまして、水道水源地域を抱える奥多摩町と青梅市の沢井、御岳地区におきまして、当幹線につながる下水道の供用が開始をされました。
 四ページをお開きいただきたいと存じます。(2)の水再生センター水処理施設の増設でございます。
 これは、流入汚水量の増大への対応と多摩川の水質改善を図るために、高度処理が可能な水処理施設を増設したものでございます。平成二十一年度は、浅川と八王子水再生センターで施設が稼働いたしましたほか、南多摩水再生センターで施設が完成をいたしました。
 (3)の野川下流部雨水貯留池の整備着手、これは、一定量以上の降雨があった場合に合流式下水道から河川へ放流される下水の汚濁負荷量の削減を図るために、狛江市において整備に着手したものでございます。
 (4)の多摩川上流水再生センター下水汚泥と木質系バイオマスの混合焼却施設の稼働でございますが、これは、スギ花粉症対策事業などから発生する木材チップを汚泥焼却炉の補助燃料として有効活用することで、都市ガスの使用量を削減し、温室効果ガスの排出量を削減させる施設でございます。
 (5)の北多摩一号-南多摩水再生センター間連絡管の整備、これは、二つの水再生センターを、多摩川の下を横断する延長約三・三キロメートルの連絡管で結んで、処理施設を相互に利用することによりまして事業の効率化を目指すものでございます。
 次に、これら主な取り組み事項を含めた建設改良事業と維持管理事業の概要でございます。
 まず、建設改良事業でございますが、(1)の未普及地域の解消でございます。
 関連市町村の下水道整備に伴う流入汚水量の増加などに対応するため、稲城ポンプ所や南多摩など水再生センター七カ所の整備を行いました。
 (2)の老朽化設備の更新でございますが、清瀬など水再生センター六カ所で設備の整備を行いました。
 (3)の雨水対策の推進でございますが、浸水被害の軽減を図るため、落合川雨水幹線と落合川が接続するはけ口を設置いたしました。
 (4)の合流式下水道の改善でございますが、北多摩二号幹線において、下水道管の雨水はけ口へ水面制御装置の整備を行いました。
 五ページをごらんいただきたいと存じます。(5)の高度処理の推進でございますが、多摩川などの水質を改善するため、南多摩水再生センターなどで高度処理施設を増強いたしました。
 (6)の地球環境保全への貢献でございますが、温室効果ガスの排出量を大幅に削減するため、清瀬水再生センターで、日本で初の汚泥ガス化炉の整備を行いまして、本年七月に稼働しております。
 次に、維持管理事業でございます。
 都の管理する流域下水道と関係市町村が管理する公共下水道で構成されます多摩地域の下水道の機能を十分に発揮させるため、平成二十一年度は、流域下水道の下水道管二百三十二キロメートル、ポンプ所二カ所、水再生センター七カ所の適切な維持管理と補修を行い、一日平均九十二万立方メートルの下水を処理いたしました。
 また、予防保全を重視した維持管理を行うとともに、日常管理の充実を図り、良好な下水道サービスを提供いたしました。
 以上が流域下水道事業でございます。
 最後に、区部及び流域下水道事業を合わせた経理状況についてご説明申し上げます。
 まず、収益的収支でございますが、総収益三千二百六十二億五千八百万円、総費用二千九百七十六億三千百万円でございまして、差っ引き二百八十六億二千六百万円の純利益が生じました。
 次に、資本的収支でございますが、資本的収入二千九十一億三千七百万円、資本的支出三千八百四十八億五千三百万円でございまして、工事資金二百五十八億六千三百万円を翌年度へ繰り越しました。この結果、二千十五億七千九百万円の差っ引き不足額が生じましたが、この不足額につきましては損益勘定留保資金などをもって補てんいたしました。
 以上、平成二十一年度下水道事業会計の決算の概要につきましてご説明を申し上げました。
 下水道局ではこれまで、事業を確実に実施するため、必要な財源の確保を図るとともに、徹底した経費の節減に努めまして、財政基盤の強化に取り組んでまいりました。
 今後とも、地方公営企業の経営の原点でございます公共性と経済性を最大限に発揮し、不断の経営効率化に努めて経営基盤を強化することで、最少の経費で最良のサービスをお客様に安定的に提供してまいります。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○河島東京都技監 平成二十一年度東京都都市再開発事業会計決算のご審議をいただくに当たりまして、お手元にお配りしてございます東京都都市再開発事業会計決算の概要によりご説明いたします。
 一ページをお開き願います。1、都市整備局事業概要でございます。
 都市整備局は、都市づくり全般にかかわる政策や住宅にかかわる政策の立案、都市再生を進める優良な民間プロジェクトの誘導、道路や鉄道など都市基盤の整備、土地区画整理事業や都市再開発事業などによります市街地の整備、宅地開発や建築物にかかわる指導、都営住宅の建設、管理など、幅広い分野にまたがる業務を担っており、これらを通じて二十一世紀にふさわしい東京への再生を目指しております。
 こうした認識のもと、計画部門と事業実施部門が一体となり、平成二十一年度は以下の五つの分野における事業を総合的に推進いたしました。第一に都市計画、調査に関すること、第二に都市基盤整備に関すること、第三に市街地整備に関すること、第四に建築行政に関すること、第五に住宅政策に関することでございます。
 これらの事業の経理を、一般会計、五つの特別会計、一つの公営企業会計に区分してございまして、本委員会では、このうち、公営企業会計でございます都市再開発事業会計についてご審議いただきます。
 二ページをお開き願います。2、都市再開発事業会計事業概要でございます。
 この会計は、北新宿地区、環状第二号線新橋・虎ノ門地区及び大橋地区における再開発事業について、事業収支の一層の明確化を図るためのものでございます。
 各地区の事業の概要についてご説明申し上げます。
 まず、北新宿地区でございます。
 当地区における再開発事業の目的は、都市計画道路放射第六号線とその周辺の低層密集市街地を一体的に整備することにより、新宿副都心にふさわしい土地の高度利用と都市機能の更新を図り、生活環境の改善と防災性の向上を図ることでございます。
 平成六年十月の都市計画決定及び平成十年五月の事業計画決定を経まして、平成二十六年度の完了を目途に事業を進めているところでございます。
 平成二十一年度の事業実施状況でございますが、用地買収、区画道路の測量、設計を行うとともに、一街区一-一棟の敷地譲渡契約を締結してございます。
 三ページをお開き願います。環状第二号線新橋・虎ノ門地区でございます。
 当地区では、立体道路制度を活用し、道路と建物の共存を図りながら、都市計画道路環状第二号線とその周辺を含めた一体的なまちづくりを行い、都市機能の更新や魅力ある複合市街地の形成などを図ることを目的としてございます。
 平成十年十二月の都市計画決定及び平成十四年十月の事業計画決定を経まして、平成二十六年度の完了を目途に事業を進めているところでございます。
 平成二十一年度の事業実施状況でございますが、用地買収、移転補償を行うとともに、三街区三-一棟のうち、一部の敷地譲渡契約を締結してございます。
 次に、大橋地区でございます。
 当地区では、首都高速道路中央環状新宿線大橋ジャンクション整備と一体的にまちづくりを進め、合理的かつ健全な土地の高度利用と都市機能の更新を図ることを目的としてございます。
 四ページをお開き願います。当事業は、平成十六年一月の都市計画決定及び平成十七年三月の事業計画決定を経まして、平成二十四年度の完了を目途に事業を進めているところでございます。
 平成二十一年度の事業実施状況でございますが、一-一棟の敷地譲渡契約を締結するとともに、一-二棟の敷地等の売却を実施してございます。
 最後に、3、収支状況でございます。
 (1)の収益的収支でございますが、収入総額八十七億一千四百万余円、支出総額は六十八億六百万余円、差し引きは十九億七百万余円でございます。
 (2)の資本的収支でございますが、収入総額は三百三十億四千六百万余円、支出総額は三百三十六億三千百万余円、翌年度繰越額は十三億二千百万余円、これらの差し引きで資金不足額は十九億五百万余円となりますが、これは前年度からの繰越工事資金等で補てんしてございます。
 以上、平成二十一年度都市再開発事業会計決算の概要についてご説明申し上げました。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中井港湾局長 平成二十一年度港湾局関係の決算のご審議をいただくに当たりまして、概要をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料の平成二十一年度東京都臨海地域開発事業会計、港湾事業会計決算の概要の一ページをお開き願います。
 まず、港湾局の事業概要をごらんください。
 当局は、東京港及び島しょにおける港湾、漁港等の整備、管理や臨海地域の開発事業等を通じて、物流の円滑化や都市再生などを図り、都民生活の向上や産業の発展に努めております。
 これらの事業につきまして、一般会計、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計の三会計に区分して経理を行っております。本委員会におきましては、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計の二会計につきましてご審議をお願いするものでございます。
 それでは、2、臨海地域開発事業会計につきましてご説明を申し上げます。
 この会計の所管する事業は、埋立地の造成、整備及び開発でございます。
 まず、(1)、東京港の埋立事業についてですが、埋立事業の計画面積二千七百六十九ヘクタールに対し、平成二十一年度末において二千三百九十二ヘクタールを処分し、都市の物流施設の充実、既成市街地の再開発への対応などを図ってまいりました。
 次に、(2)、臨海副都心の開発状況でございます。現在、就業人口が約四万八千人、居住人口が約一万人、年間に訪れる方は約四千八百五十万人に達しており、臨海副都心地域は、東京の新しいまちとして定着しております。
 二ページをお開き願います。(3)、決算の概要についてご説明を申し上げます。
 まず、収入の柱であります土地処分についてでございますが、臨海副都心地域では二件、〇・一ヘクタール、その他の埋立地で四件、二・九ヘクタールを処分いたしました。
 続きまして、支出のうち主要事業についてでございますが、広域幹線道路の整備等に対する開発者負担やシンボルプロムナード公園の整備工事を実施いたしました。
 これらによりまして、〔3〕の収支状況にありますとおり、収益的収支は、収入総額二百四十一億七千四百万円、支出総額百二十九億二千万円、純利益百十二億五千五百万円となりました。
 一方、資本的収支は、収入総額六百六十四億五千八百万円、支出総額千二百十億三百万円、翌年度繰越額五億四千三百万円、差し引き五百五十億八千七百万円の不足となりました。この不足額は減債積立金で充当いたしました。
 続きまして、三ページをごらんください。3、港湾事業会計についてご説明申し上げます。
 この会計の所管する事業は、荷役機械、上屋、野積み場、貯木場等の運営でございます。
 (1)、東京港の貨物取扱量でございますが、平成二十一年取扱総量は七千二百四十一万トンとなり、そのうち外貿貨物が四千六十八万トン、内貿貨物が三千百七十三万トンでございます。外貿コンテナ貨物の取扱総数については三百四十万個であり、十二年連続日本一となりました。
 次に、(2)、主な港湾施設でございますが、荷役機械や上屋、野積み場など、東京港における荷役業務のために必要な施設を整備し、使用に供しております。
 四ページをお開き願います。(3)、決算の概要についてご説明申し上げます。
 主要事業といたしまして、品川ふ頭ユニットロードターミナル施設整備や青海コンテナふ頭荷役機械更新を行いました。
 これらにより、〔2〕の収支状況にお示ししてございますとおり、収益的収支は、収入総額六十億二千六百万円、支出総額五十四億六百万円、純利益六億二千万円となりました。
 一方、資本的収支は、収入総額二十一億一千二百万円、支出総額六十一億七千百万円、翌年度繰越額五千三百万円、差し引き四十一億一千二百万円の不足となりました。この不足額は損益勘定留保資金等で充当いたしました。
 以上、二会計の決算概要についてご説明申し上げました。
 よろしくご審議賜りますよう、お願い申し上げます。

○川澄病院経営本部長 平成二十一年度東京都病院会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます資料、平成二十一年度東京都病院会計決算の概要の一ページをごらんください。まず、事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 平成二十一年度における病院経営本部所管の都立病院でございますが、平成二十一年四月に豊島病院を財団法人東京都保健医療公社に移管しましたこと、及び平成二十二年三月に小児総合医療センターを開設しましたことにより、同センターに移転統合した清瀬小児病院、八王子小児病院及び梅ケ丘病院を含めまして、普通病院が六、小児病院が三、精神科病院が二の計十一病院でございました。
 都立病院は、都民の生命と健康を守ることを使命としております。そのため、小児医療、救急医療、がん医療、周産期医療、感染症医療など、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供するとともに、他の医療機関等との密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスの確保を図ることを基本的役割として運営を行っております。
 次に、都立病院改革でございます。
 医療における透明性、信頼性、効率性を確保し、開かれた医療、安心できる医療、むだのない医療を方針として、三百六十五日二十四時間の安心と患者中心の医療の実現を目指して都立病院改革に取り組んでおります。
 恐れ入りますが、二ページをお開き願います。
 ただいま申し上げました都立病院改革をより具体的な取り組みとしていくため、平成十五年に都立病院改革実行プログラムを、平成二十年一月に第二次都立病院改革実行プログラムを策定して、都立病院改革を次のステージへ推し進めていくための取り組みを進めているところでございます。
 第二次都立病院改革実行プログラム二年目となります平成二十一年度の主な取り組み状況についてご説明申し上げます。
 まず、医療を担う人材の育成と資質の向上でございます。
 高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供していくため、平成二十年四月に開講した東京医師アカデミーにより、次代を担う若手医師を確保、育成いたしました。
 また、看護師についても、七対一の看護基準や二交代制勤務を導入、拡大するなど、働きやすい勤務体制の整備を図りました。
 次に、医療の質の向上と患者サービスの充実強化でございます。
 大塚病院では、ハイリスク妊産婦などの高度な集中管理を行うM-FICUを整備し、平成二十一年十月から総合周産期母子医療センターを運用しておりますほか、平成二十二年三月に開設した多摩総合医療センター及び小児総合医療センターでは、一体となって総合周産期母子医療センター指定に向けて運営を開始するなど、都立病院の周産期医療体制を拡充いたしました。
 都立病院における災害対策、感染症対策の強化でございます。
 緊急時安否確認システムを導入、運用し、職員の被災状況や参集可否が確認できる体制を整備いたしました。
 また、新型インフルエンザ等感染症への対応として、医療資器材等整備三カ年計画に基づき、簡易陰圧機や人工呼吸器等の緊急配備を行いましたほか、駒込病院、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターに、感染が拡大した場合に一般病室を陰圧管理に切りかえることが可能な感染症緊急対応病床を整備いたしました。
 次に、再編整備と医療機能の強化でございます。
 多摩総合医療センター及び小児総合医療センターにつきましては、PFI事業契約に基づき、病院本体等の工事を行い、平成二十一年九月に竣工し、平成二十二年三月に運営を開始いたしました。
 また、がん・感染症医療センター、現在の駒込病院でございますが、これの整備につきましては、PFI事業契約に基づき、平成二十一年四月から事業者による業務運営を開始いたしましたほか、三号館建物の改修工事を終え、供用を開始いたしました。
 四ページをお開きください。
 さらに、精神医療センター、現在の松沢病院でございますが、これの整備につきましては、PFI事業契約に基づき、既存病院施設の解体工事、実施設計を完了させるとともに、新館建設工事及び職務住宅建設工事に着手いたしました。都が直接整備する、いわゆる医療観察法に基づく病棟につきましては、平成二十二年一月に竣工し、三月より運営を開始いたしました。
 次に、IT化推進と情報セキュリティー対策の強化でございます。
 神経病院、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターにおきましては、既存のシステム機能をさらに発展させた新世代の電子カルテシステム等を稼働いたしました。
 また、情報セキュリティー及び個人情報の管理体制強化といたしまして、各都立病院独自管理を行っていた院内LANをデータセンターで一元管理する統合院内LANを構築し、ウイルス対策及びデータ管理等の徹底を図りました。
 最後に、経営力の強化でございます。
 七対一入院基本料を、平成二十一年四月に大塚病院、六月に広尾病院、平成二十二年一月に墨東病院で取得するなど、新たな施設基準取得などにより収益向上に努めてまいりました。
 次に、平成二十一年度決算の概要についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、五ページをごらんください。
 まず、診療実績でございますが、入院患者は延べ百四十四万三千五百三十九人、外来患者は延べ百七十八万三千百六十一人でございまして、前年度に比べ、入院患者は二十二万一千六十九人の減、外来患者は十九万四百八十一人の減となっております。これらの減の主な理由は、豊島病院の財団法人東京都保健医療公社への運営移管による患者数の減少のほか、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターの開設に向けて、安全な移転を行うために、府中病院、清瀬小児病院、八王子小児病院及び梅ケ丘病院の診療規模を段階的に縮小したことによります患者数の減少等によるものでございます。
 次に、経理状況でございますが、収益的収支は、総収益が一千四百五十九億四千百万余円、総費用が一千三百四十三億九千九百万余円でございまして、差し引き百十五億四千二百万余円の純利益となっております。病院運営の主要指標でございます自己収支比率につきましては六七%となっております。
 資本的収支は、総収入が三百三十三億五千三百万余円、総支出が四百六十四億一千五百万余円でございまして、差引不足額百三十億六千百万余円は損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
 以上、平成二十一年度東京都病院会計決算の概要につきましてご説明申し上げました。
 小児医療、救急医療及び周産期医療など、都民が期待する医療サービスを都立病院が十全に提供していくためには、医師、看護師等の医療人材の確保、育成及び定着が引き続き重要な課題となっております。私ども病院経営本部といたしましては、職員一丸となって全力でこれらの課題に取り組む所存でございます。
 本決算につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○岡田中央卸売市場長 平成二十一年度東京都中央卸売市場会計決算の概要につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元配布の平成二十一年度東京都中央卸売市場会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 まず、一ページをお開き願います。初めに、1の事業の概要でございます。
 中央卸売市場の事務事業を四項目にまとめて記載してございます。
 まず、(1)の中央卸売市場の設置及び管理運営でございますが、生鮮食料品などの円滑な供給を確保し、都民の消費生活の安定に資するため、築地市場など十一の市場を管理運営してございます。
 次に、(2)の卸売市場整備計画に基づく市場施設の整備でございます。第八次東京都卸売市場整備計画に基づきまして、品質管理の高度化や情報化、物流の効率化の推進、環境、衛生対策などを目指した施設整備を行ってございます。
 また、豊洲新市場予定地の土壌汚染に係る調査などを実施いたしました。
 (3)の市場関係業者の業務に係る許可及び指導監督でございますが、市場関係業者に対する業務許可などのほか、市場取引の公正かつ円滑な運営と効率的な市場流通を確保するため、これらの業者に対しまして必要な指導監督を行っております。
 最後に、(4)の地方卸売市場の取引指導並びに助成でございます。都内に設置されております十八の地方卸売市場につきまして、適正かつ健全な運営が確保されるよう、業務に対する指導、助成を実施しております。
 引き続きまして、2の平成二十一年度事業実施状況についてご説明申し上げます。
 (1)の市場施設の整備でございますが、老朽化した施設、設備の改修のほか、小型特殊自動車の充電設備の整備、また、大田市場におきます物流の効率化を目指しまして、屋根つき積み込み場の建設を実施いたしました。
 (2)の新市場の整備でございますが、本事業を進める上で前提となります豊洲新市場予定地におきます環境確保条例第百十七条に基づく調査、環境影響評価に必要な調査などを実施いたしました。
 次に、(3)の食の安全・安心、市場環境の改善でございます。品質管理マニュアルの作成指導や運用の検証を行い、市場業者の自主的管理を推進したほか、市場環境の改善といたしまして、小型特殊自動車の電動化に対する費用の一部補助などを実施いたしました。
 (4)の地方卸売市場に対する助成につきましては、各地方卸売市場の開設者が負担いたします廃棄物処理経費や施設整備などに対します助成を実施いたしました。
 恐れ入りますが、二ページ目をお開きいただきたいと思います。3の決算の概要についてご説明申し上げます。
 まず、(1)の生鮮食料品などの取扱高でございます。
 水産物、青果、食肉並びに花きを合計した取扱金額でございますが、一兆一千六百四十五億九千九百万円でございまして、前年度と比較いたしますと五・七%の減少となってございます。これは、水産物、青果、食肉、花きのすべてにおいて取扱金額が減少したことによるものでございます。
 続きまして、(2)の収支状況についてご説明申し上げます。
 アの収益的収支でございますが、収入総額は百九十億八千九百万円、支出総額は百五十九億五千五百万円でございまして、差し引き三十一億三千四百万円の純利益となってございます。
 なお、市場使用料を主な財源とする営業収支で見ますと、十四億一千九百万円の赤字ですが、二十一年度は用地売却に伴う特別利益などがあったことによりまして、収益的収支全体では黒字となってございます。この純利益三十一億三千四百万円に前年度繰越欠損金百六十億四千百万円を加えた当年度の未処理欠損金は百二十九億七百万円となりました。
 次に、イの資本的収支でございます。収入総額は十一億五百万円、支出総額は七十二億六千万円でございまして、これに翌年度繰越額十七億五千九百万円を加えた差引資金不足額は七十九億一千四百万円となってございます。この不足額につきましては損益勘定留保資金などをもって補てんいたしました。
 以上、平成二十一年度東京都中央卸売市場会計決算の概要についてご説明申し上げました。
 今後も引き続き、中央卸売市場が首都圏全体の生鮮食料品流通の中核を担う拠点といたしまして、流通環境の変化に即応しつつ、品質管理の高度化や衛生対策の強化など、市場の基本的使命でございます食の安全・安心の一層の確保に向け、さまざまな取り組みを推進してまいります。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田島委員長 説明は終わりました。
 この際、各分科会委員長に申し上げます。
 分科会における局別質疑終了後は、速やかに委員長まで審査報告書を提出されますようお願いいたします。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三分散会

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