委員長 | 花輪ともふみ君 |
副委員長 | 原田 大君 |
副委員長 | 高木 けい君 |
副委員長 | 野上 純子君 |
理事 | 伊藤 ゆう君 |
理事 | 石森たかゆき君 |
理事 | 小磯 善彦君 |
理事 | 秋田 一郎君 |
理事 | 松村 友昭君 |
西崎 光子君 | |
中山 信行君 | |
菅 東一君 | |
田中たけし君 | |
上野 和彦君 | |
鈴木あきまさ君 | |
吉原 修君 | |
大西さとる君 | |
川井しげお君 | |
清水ひで子君 | |
山田 忠昭君 | |
大津 浩子君 | |
吉田 信夫君 |
欠席委員 一名
出席説明員病院経営本部長 | 中井 敬三君 |
中央卸売市場長 | 比留間英人君 |
都市整備局長 | 只腰 憲久君 |
港湾局長 | 斉藤 一美君 |
交通局長 | 金子正一郎君 |
水道局長 | 東岡 創示君 |
下水道局長 | 今里伸一郎君 |
本日の会議に付した事件
平成十九年度東京都公営企業各会計決算の認定について(質疑)
・平成十九年度東京都病院会計決算
・平成十九年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成十九年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成十九年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成十九年度東京都港湾事業会計決算
・平成十九年度東京都交通事業会計決算
・平成十九年度東京都高速電車事業会計決算
・平成十九年度東京都電気事業会計決算
・平成十九年度東京都水道事業会計決算
・平成十九年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成十九年度東京都下水道事業会計決算
○花輪委員長 ただいまから平成十九年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
これより決算の審査を行います。
平成十九年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
なお、去る十月十五日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり報告書が提出されました。
朗読は省略いたします。
〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕
○花輪委員長 これより質疑を行います。
この際、一言申し上げます。
質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領などに従い運営してまいります。
また、質疑を行う際は、平成十九年度決算の審査から逸脱しないよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
次に、理事者に申し上げます。
答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるようお願いいたします。
なお、発言の際には必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言をされますようお願いいたします。
これより順次発言を許します。
石森理事の発言を許します。
○石森委員 それでは、都議会自民党を代表して、最初の総括質疑をさせていただきます。
まず初めに、先月、墨東病院に救急搬送された妊婦が亡くなられたことについて、ご本人及びご遺族の方々に衷心から哀悼の意を表します。
我が子の誕生、そして成長を心待ちにしていた母親が願いをかなえられなかったことは、耐えがたい悲しみであり、周産期医療の厳しさと重大性を強く認識したところであります。
さきの第二分科会でも、事故の起きた直後であったことから質疑がなされておりますが、周産期医療は都立病院の重要な役割の一つであり、改めて何点か確認をさせていただきたいと思います。
墨東病院では、産科医師が年々減少する中、今回のような母体搬送の受け入れ件数は、十七年度百四十二件、十八年度百六十六件、十九年度百九十九件と、むしろふえておりまして、都内九カ所の総合周産期母子医療センターの中で最大の受け入れ実績であると伺っております。
また、この数年、低出生体重児の割合はふえ続けていると聞いておりまして、今後ますます都立病院における周産期医療の充実が求められるところであります。一方で、今回の事案の根本的な原因でもある産科医不足は、東京においても例外ではありません。
そういった中にあって、病院経営本部が産科医確保に向けどのような取り組みを行ってきたのか、まずお伺いいたします。
○中井病院経営本部長 まず、今回の墨東病院で生じた事態について、この場をおかりして、亡くなられた方及びご遺族の方に対し、改めて心から哀悼の意を表させていただきます。
病院経営本部では、これまでも大学医局や地域医師会に何度も足を運び、医師の派遣を要請するとともに、医師の勤務環境改善に関する意見などを伺ってまいりました。これらの意見や都立病院産科医師の状況等を踏まえ、議会からのご支援もいただき、平成十九年度は宿日直手当を改善するとともに、さらなる改善策を検討してきました。
その結果、今年度は、初任給調整手当の見直し、各種手当の新設などにより、産科医の年収を約三百万円増額する大幅な改善を行うとともに、育児短時間勤務制度の導入、院内保育室の二十四時間の運営など勤務環境の改善策も講じております。
さらに、今年度開講した東京医師アカデミーにおいても産婦人科コースを設置して、若手医師の確保、育成に積極的に取り組んでおります。
なお、こうした事態の根本的要因は産科医の絶対的な不足にあることから、緊急かつ効果的な対策を講じるよう、国に対し強く要請してまいります。
○石森委員 ただいまご答弁のとおり、病院経営本部が処遇改善などの施策を講じているにもかかわらず、産科医はいまだ不足している状況にあります。その原因は国の施策によるところが大きいわけですが、都民にとって重大かつ深刻な問題であるとの認識から、我が党におきましては、十月二十三日、周産期医療体制の強化を求める緊急要望、同三十日には、都民、中小企業を取り巻く厳しい経済環境への緊急要望により、産科医師確保や周産期医療体制の早期構築を緊急要望したところであります。
このような中、都は、先月末に発表した東京緊急対策Ⅱの中で、周産期医療緊急対策として、国に対し、産科、小児科医師の確保などについて緊急提案するとともに、都立病院における医療体制の充実及び産科医師確保対策の充実を実施することといたしました。これら施策は、これまで実施してきた周産期医療の充実に向けた取り組みの一環あるいは延長線上にあるものだと思います。
そこで、周産期医療の充実に向けた基本的な考え方についてお尋ねいたします。
○中井病院経営本部長 出産年齢の上昇等によりハイリスク妊娠は増加する傾向にあり、東京都における周産期医療に対するニーズは近年ますます高まっております。
こうした状況を踏まえ、病院経営本部では、都立病院の周産期医療体制の一層の充実をハード、ソフトの両面から行っていくこととしております。
具体的には、区部においては、墨東病院に加え、新たに大塚病院にM-FICU六床を整備し、平成二十一年度中に総合周産期母子医療センターとして機能充実を図ってまいります。また、多摩地域では、M-FICU九床、NICU二十四床を整備し、平成二十二年三月開設予定の多摩総合医療センターと小児総合医療センターが一体的に総合周産期母子医療センターを運営してまいります。
さらに、産科医師確保と地域医療連携を推進するため、地域医療機関の産科医師と協力して分娩業務等を行う産科診療協力医師登録制度の創設や、ハイリスク患者の受け入れ、紹介機能の充実に向けた助産師等コーディネーターの配置について、東京緊急対策Ⅱに盛り込んだところでございます。
このようにさまざまな角度から必要な施策を積極的に実施し、都内周産期医療の充実に努めてまいります。
○石森委員 産科医師確保を進める一方で、都立病院が地域医療機関と連携し、助産師を活用する等、さまざまな取り組みを積み重ねていくという考えであることを確認させていただきました。
周産期医療の充実は決して容易な課題ではありません。しかし、こういった行政的医療を安定的に提供することこそ都立病院の使命でありますから、引き続きご努力いただくよう切に要望しておきます。
次に、平成十九年度の病院事業についてお伺いいたします。
医師確保など山積する課題を克服し、都立病院の役割を果たしていく上でも、経営基盤の確立が何より重要だと思います。近年、公立病院は、経営状況の悪化や医師不足に伴い診療体制の縮小を余儀なくされる状況にありまして、大変危惧しているところであります。
先ほどの質疑で取り上げた周産期医療など行政的医療は、多くの人員や経費を要するなど、現在の診療報酬制度においては不採算性の高い医療分野であります。こういった行政的医療の提供という都立病院の役割そのものが、経営を圧迫する要因になっていると推察されます。とはいえ、病院事業は独立採算の公営企業として運営しており、厳しい経営状況の中にあっても、たゆまぬ経営努力が必要です。
そこで、平成十九年度、都立病院ではどのような経営努力を行っていたのかをお伺いいたします。
○中井病院経営本部長 病院経営本部では、各都立病院の経営努力を徹底して進めるため、活動目的を明確にして継続的、組織的に経営革新を行うためのマネジメント手法であるバランススコアカードを活用した経営管理を行っています。
これは、年度当初に本部のバランススコアカードを病院に示し、この内容を受けて各病院がそれぞれのバランススコアカードを策定し、病院と本部が一体となって四半期ごとに目標値の達成度を評価し、業務の見直し、改善を繰り返して実施していくというものでございます。
このような経営管理手法を活用した結果、平成十九年度の患者一人当たりの診療単価は増加し、入院、外来収益が約三億円増加いたしました。
一方、費用面では、都立病院で扱う薬品、診療材料等を一括で共同購入し、コスト削減を図ったことにより、実施前と比較して約三億三千七百万円の削減効果が生まれました。
また、コスト縮減と環境対策を両立させるESCO事業の実施により、実施前と比較して約一億六千六百万円の削減を実現いたしました。
今後も、収入、支出の両面にわたる経営努力を組織を挙げて行ってまいります。
○石森委員 千葉県の市立病院のように経営悪化により診療休止に追い込まれる病院がある中で、都立病院としては大変努力をされているようであります。特に、医薬品、診療材料等、共同購入により三億三千七百万円もの費用を縮減したことは高く評価いたします。
そういった中で、改めて医業費用の状況について平成十九年度の決算説明資料で確認すると、十八年度に比べ、給与費、経費及び研究研修費が増加しております。中でも給与費が約二十一億円と著しく増加しておりますが、これはどのような原因によるものなのか、お伺いいたします。
○中井病院経営本部長 給与費の増加が収支に大きな影響があったことはご指摘のとおりでございます。これは、退職手当の増、全庁的な制度改正による法定福利費の増のほか、宿日直手当の増額や非常勤職員の報酬改定といった医師の処遇改善によるものであります。
医師の処遇改善は、平成十八年度の初任給調整手当の引き上げに続き実施したものでありますが、こういった医師の処遇改善による費用は、優秀な医師の確保、育成による患者数の増加、さらには医療サービスの向上のための必要経費であり、都立病院が安定的な医療の提供を実現するために必要不可欠なものであると考えております。
○石森委員 費用の増は、単なる支出増ではなくて、勤務条件の改善や福利厚生の充実など、総合的かつ重層的な医師確保対策に必要不可欠な経費であるとの答弁でありました。
確かに、労働集約的産業である病院事業において、優秀な人材を育てることこそ事業の根幹であり、その推進には、指導者、研修体制の充実や環境整備などに多くの経費が必要です。一般会計からの繰入金などの財源を確保して、安定的な医療を提供していただきたいと思います。
先ほど産科医不足についてお伺いいたしましたが、医療人材の不足は、診療休止や縮小など患者サービスを低下するのみならず、収入源を断たれた病院を財政危機に追い込んでおります。看護師も全国的に不足しており、人材不足が病院経営に大きな影響を及ぼすことはいうまでもありません。
このような中、第二次都立病院改革実行プログラムでは、病院の再編整備などハード面の整備を進めるとともに、ソフト面、すなわち人に重点を置いた都立病院改革を推進するとしております。
そこで、病院経営本部における医療人材の確保、育成のための基本方針についてお尋ねいたします。
○中井病院経営本部長 先生ご指摘のとおり、医療人材の不足は病院経営に重大な影響を与えるものであり、都立病院においてもその対策は喫緊のものとなっております。
こうした認識のもと、本年一月に策定した第二次都立病院改革実行プログラムにおいても、再編整備などハード面の施策を進めるとともに、ソフト面の核となる、人に重点を置いた都立病院改革を推進することとしたところでございます。
具体的には、東京医師アカデミーを新たに設け、総合診療能力と高い専門性を兼ね備えた若手医師の育成体制を確立し、医師の確保に努めることとしており、本年四月に開講いたしました。
また、看護師については、新卒者の臨床研修や、その後のキャリアアップのための研修体系を充実するとともに、認定看護師等の資格取得支援を実施してまいります。
さらに、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師及び栄養士の各職種についても、感染管理その他専門資格等の取得支援を実施してまいります。
こうした取り組みを病院経営本部と各病院が一体になって進めることにより、都立病院に優秀な医療人材を確保、育成していくこととしております。
○石森委員 確かに病院事業は、人、即事業であり、職員の資質の向上が直接医療の質の向上に結びついています。ぜひとも精力的に人材育成を進めていただきたいと思います。
中でも東京医師アカデミーは、総合診療能力と高い専門性を兼ね備えた若手医師を育成する、極めて重要な事業であると受けとめております。
そこで、東京医師アカデミーの開講に向け、平成十九年度はどのような取り組みを実施したのか、お伺いいたします。
○中井病院経営本部長 東京医師アカデミーは、次代を担う若手医師の確保、育成に向けた重要な事業でございます。
本アカデミーは、都立病院、公社病院の七千二百床のスケールメリットを生かし、学会専門医の受験資格取得や総合診療能力の醸成等を目的とする、都立病院独自の後期臨床研修制度であります。
平成十九年度は、本アカデミー開講に向け、各病院の院長、副院長等で構成する都立病院医師アカデミー構想検討委員会で育成システムの検討を重ねるとともに、診療科別ワーキンググループを設置し、具体的な研修内容を検討いたしました。
また、本アカデミー専用ホームページを病院経営本部ホームページに設けるなど、事業の内容とアカデミー生の募集について積極的に広報をしてまいりました。
この結果、都立病院では百九十四名の応募者があり、そのうち百二名を採用し、質、量ともに当初の期待に十分かなうものが得られたと考えております。
○石森委員 我が党はこれまで、医師の処遇改善や東京医師アカデミーの開講を応援、推進してまいりました。その成果を大いに期待したいと思います。
今後とも、ぜひ医療人材の確保、育成を着実に推進し、医療サービスの質の向上に取り組んでいただきたいと思います。
これまでの質疑を通じ、周産期医療など不採算な行政的医療を担うという都立病院の役割を背景に、医師の確保、育成など困難な課題の克服に向け、病院経営本部が先手を打つといった形で鋭意取り組んでいることは理解できました。幾ら不採算であっても、行政的医療を都立病院が担っていくことこそ大きな意義があり、都民の願いでもあります。
今後とも、経営改善を進めるとともに、必要な一般会計繰入金を確保するなど経常収支を改善し、安定した経営基盤を確立する必要があると思います。
最後に、今後の病院経営に当たって、病院経営本部長の決意をお伺いいたします。
○中井病院経営本部長 深刻な医師不足やたび重なる診療報酬のマイナス改定など、都立病院を取り巻く環境は非常に厳しい状況がございます。こうした医療環境にあっても、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を都民に提供することが都立病院の重要な役割であり、将来にわたりこの役割を安定的に果たしていくことが私どもの使命であると考えております。
この使命を十全に果たすためには、厳しい医療環境の中においても不断の経営努力を行い、経営基盤の一層の強化を図っていかなければならないことはいうまでもございません。経営本部と各病院が一丸となって、今後も経営努力を休むことなく続けてまいります。
また、昨今、その状況が深刻化している医療人材の不足については、都立病院における喫緊の課題であるという強い認識のもと、東京医師アカデミーなどの人材育成システムのさらなる充実や採用活動の一層の強化などを図り、その解決に努めてまいります。
こういったさまざまな取り組みにより、今後とも都民が安心できる医療体制を確保し、都民の信頼と期待に全力でこたえてまいります。
○石森委員 本部長の力強い決意をお伺いいたしました。大変困難な状況下でありますが、ぜひ都民の不安を解消していただくよう、一層のご努力をお願いいたします。
次に、水道事業についてお伺いいたします。
水道局では、平成十六年六月に安全でおいしい水プロジェクトをスタートし、これまでに四年余りが経過しております。私は、安全でおいしい水を安心して蛇口から飲めるということが、都民の日々の暮らしを支える最も重要な要素の一つであると考えております。
この問題につきましては、私もかねてから高い関心を持っておりまして、平成十七年の当委員会の場でも質問させていただきましたが、重要な課題でありますので、改めて、安全でおいしい水プロジェクトとして水道局が展開しているさまざまな事業の進捗状況を中心に何点かお伺いしたいと思います。
そもそもこのプロジェクトをスタートさせたのは、水道局がさまざまな施策を積み上げて水道水の質の向上に努めてきたにもかかわらず、そのことが都民に十分浸透していなかったことが背景にあると、当時伺いました。
平成十五年のお客様満足度調査では、飲み水としての水道水の水質について、不満と回答した都民が五割を超えるという驚くべき結果でありました。ところが、平成十八年の調査では三四%まで改善し、わずか三年で一六ポイント以上向上しております。確かに、私の身近でも、水道の水がおいしくなったという話をよく耳や目にするようになりました。これは、安全でおいしい水の供給に向けて、我が党が水道局とともにつくり上げてきたさまざまな施策が着実に実を結んできた成果であると思います。
同時に、金町浄水場や朝霞浄水場の高度浄水処理水をボトルに詰めたペットボトル「東京水」の果たした役割も少なくないと思います。
そこで、このペットボトル「東京水」の製造目的、活用方法などを含め、具体的な効果についてお伺いいたします。
○東岡水道局長 ペットボトル「東京水」は、高度浄水処理を行った水道水をお客様に飲んでいただき、そのおいしさを実感していただくことで、水道水に対する理解をより深めてもらうことを目的としたものであります。
「東京水」は、平成十九年度までに六十五万本以上製造し、水道週間行事や施設見学会などにおいて試飲していただいたり、配布を行うなど、積極的に活用をしております。
また、これ以外にも、「東京水」を手に入れたいというお客様の声にこたえて、都庁舎内の売店や一部都関連施設などにおいて販売も行っております。
近年、さまざまな種類のペットボトル水が製造されておりますが、その多くが地下水や源流水を詰めているのに対しまして、「東京水」は水道水をボトルに詰めたものであり、東京水道の高い技術力を広くPRするのに役立っております。
最近は、新聞やテレビでもたびたび取り上げられており、当局といたしましても、「東京水」を通じて東京の水道水の評価が着実に高まってきているのではないかと考えているところでございます。
○石森委員 都民などから高い評価を得ている、そういったご答弁でございました。
ことし六月には、オリンピック立候補都市が決定された際、石原知事は「東京水」にも触れて、東京が見えないところで努力してきた点が総体的に評価されたという趣旨の発言をされたと聞いております。また、先ごろ東京で開催されたC40気候変動東京会議でも会議出席者に配布され、海外からの出席者にも大変好評であったと聞いております。
ぜひ、東京の水は世界に誇れるおいしい水なんだということを、引き続き積極的にPRしていただきたいと思います。
次に、水道水の水質管理のあり方についてお伺いいたします。
昨今、都民の食の安全を脅かす事件が相次いでおりますが、東京の水道水においては、このような安全・安心にかかわる問題は断じてあってはならないと思うものであります。このため、水道局では、他の事業体に先駆けて高度な水質管理体制を確立しているとのことですが、その具体的な内容をお伺いいたします。
○東岡水道局長 水道局では、平成十九年度に東京都版水安全計画となるTOKYO高度品質プログラムを策定し、今年度から運用を開始いたしました。このプログラムは、WHO、世界保健機関が提唱する水安全計画に加え、品質管理の国際規格や水質検査の信頼性を保証するISOの国際規格も一体で運用するものであります。
このプログラムでは、水源から蛇口に至るまでのあらゆる危害を想定し、危害が発生した場合の措置をマニュアルとして整備して、迅速で的確な対応を行うこととしております。
例えば、浄水場で取水する河川において油などが検出された場合には、その濃度に応じて活性炭の注入強化や、場合によっては浄水場の取水停止などの具体的な対応措置を定めるなど、きめ細かい水質管理体制を確立しております。
○石森委員 東京の水の安全を守るために、あらゆる危害を想定し、対応策を考えておられることは心強い限りであります。さらに水道局では、そうした安全な水をおいしさの面でも高度化すべく、におい、味、外観に関して、国の定める基準よりも高いレベルの都独自のおいしさに関する水質目標を設定し、その達成に向けた取り組みを実施しております。
そこで、このおいしさに関する水質目標を設定した背景をお伺いいたします。
○東岡水道局長 水道局がお客様に提供する水道水は、国が定めた五十一項目の水質基準を高いレベルでクリアするなど、安全性の確保は万全であります。その上で、より一層のおいしさを求めるお客様のニーズにこたえるために、都では独自のおいしさに関する水質目標を設定いたしました。
具体的には、におい、味などに関する八項目につきまして、国の基準にない項目や、国よりも高いレベルの目標を設定しております。例えば、味にかかわる有機物については、国の基準は五ミリグラム・パー・リッター以下でございますが、都ではこれを大幅に下回る一以下を目標としております。また、水道水に残留する消毒用の塩素濃度につきましては、国の目標値は一ミリグラム・パー・リッター以下でございますが、塩素濃度が高いとカルキ臭を感じることから、都では、ほとんどの人がカルキ臭を感じない値の〇・四以下を目標としております。
○石森委員 残留塩素は、その濃度が高くなると、水道水を使ったときにいわゆるカルキ臭を感じるようになるそうです。しかしながら、水道水に添加される塩素は消毒作用を有しており、これがあるからこそ水の安全性が保たれているわけであります。
水道局では、消毒効果は確実に確保しつつ、残留塩素をさらに低減させ、一層おいしい水の供給に向けた取り組みを行っていると聞いております。
そこで、現在どのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。
○東岡水道局長 残留塩素については、給水区域の末端でも必要な濃度を確保できるように、浄水場において塩素濃度の調整を行っております。末端で不足する塩素を途中で追加注入することで浄水場での塩素濃度を低くすることができれば、全体の残留塩素をさらに低減することができます。これを実現するための第一歩として、板橋区の給水所において遠隔制御のできる追加塩素注入設備を整備し、本年七月から運用を開始いたしました。これにより、給水所に送水している三園浄水場における塩素注入率を大幅に低減させることができました。
今後、平成二十一年度末までにさらに七カ所の給水所に同様の追加塩素注入設備を導入し、その他の浄水場においても残留塩素の低減化を図ってまいります。
○石森委員 今ご答弁あったように、給水所で塩素を追加注入する設備が整えば、浄水場での塩素濃度を低く抑えられるわけでありますから、斬新で効果的な対応策なのだと思います。ぜひ今後とも積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。
ところで、将来にわたり安全でおいしい水を安定的に供給していくためには、質の向上とともに、渇水に強い水道を築くことも非常に重要な要素であります。日本の首都である東京が一たび厳しい渇水となれば、都民の生活はもとより、首都機能に与える影響ははかり知れません。したがって、東京の持続的発展のためには、長期的な視点に立って大切な水の確保に努めるべきであると考えます。
そこで、最後に、八ッ場ダムなど、首都東京に必要不可欠な水源の確保に対する局長の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○東岡水道局長 東京の水道は、一千二百万人の都民生活と首都機能を支える上で欠くことのできないライフラインであり、平常時はもとより、渇水時にも可能な限り安定給水を行えるよう水源を確保することは、水道事業者の重要な責務であると認識しております。
水源開発は計画策定から完成まで長期間を要する事業であり、例えば平成十年度に完成した浦山ダムは、昭和四十七年の計画から完成までに二十七年の歳月を要しております。このように水源の確保は一朝一夕でなし得るものではないことから、首都東京の将来を見据え、長期的な視点で行っていく必要があります。
今後とも、八ッ場ダムなど必要な水源開発を着実に推進することに全力を挙げて取り組んでまいります。
○石森委員 世界に誇るべき安全でおいしい東京の水を将来的にも安定的に供給することに力を入れていくという、局長の力強い決意をお伺いいたしました。
一方、熊本県知事が反対を表明した川辺川ダムを例にとり、八ッ場ダムでも事業を中止すべきとする意見がありますが、日本の人口の一割を占め、政治経済の中心としての機能を持つ首都東京において治水、利水の両面から大きな役割を果たす八ッ場ダムを同列に扱うことは適切ではないと思います。
また、各地で渇水が頻発する一方、集中豪雨で甚大な被害が発生するなど、これまでの経験でははかり知れない気候変動の影響があらわれているのではないかと危惧しているところであります。こうした将来の不安に対する備えとしても、八ッ場ダムは必要不可欠と考えます。
水道局においては、引き続き、将来を見据えながら、安全でおいしい水の供給に向けてたゆまぬ努力を重ねていただくよう切に要望して、次に移りたいと思います。
続いて、下水道事業についてお伺いいたします。
昨年末、我が国近代下水道の発祥の地である三河島水再生センターにある、れんがづくりのポンプ場施設が、下水道施設としては初めて国の重要文化財に指定されました。先週には、教育委員会の呼びかけで実施している東京文化財ウイーク二〇〇八の一環として、二日間にわたり特別公開され、多くの人でにぎわったとも聞いております。
このポンプ場施設が運転を開始したのは八十年以上も前の大正十一年三月、コレラの防疫対策として建設された神田下水は、さらに四十年さかのぼる明治十七年に着工されており、下水道施設は、明治、大正、昭和、平成と何世代にもわたって都民生活を支えてきました。
この間、東京は、人口集中などによる市街化の進展、急速な高度経済成長に伴う河川の水質悪化などの公害、また都市型水害の発生など、さまざまな課題を抱えてきましたが、下水道は、生活環境の改善、河川の水質保全、浸水の防除など、時代の要請に応じてその役割を果たしてきました。
このように長きにわたり都民の暮らしを支え続けてきた下水道も、老朽化が進みつつあり、計画的に更新するとともに、災害に強い都市づくりや地球温暖化防止など新たな課題に対応したレベルアップが望まれます。
さきの第三回定例会において、我が党の宇田川議員が下水道管渠の老朽化対策について質問しておりますが、老朽化による下水道施設の機能低下が懸念されるとともに、震災時には都民生活及び都市活動に大きな影響を与える可能性があり、その再構築を着実に行う必要があります。
そこでまず、区部下水道幹線の老朽化の現状と対策の進捗状況についてお尋ねいたします。
○今里下水道局長 下水道幹線の再構築に当たりましては、老朽化への対応とともに、耐震性能の向上や雨水排除能力の増強など、機能の高度化を図ることとしております。
区部下水道幹線のうち、四十七幹線、約百二十キロメートルが法定耐用年数の五十年を経過しておりますが、このうち、平成十九年度末までに十五幹線の再構築に着手し、約十四キロメートルが完了しております。
○石森委員 この老朽化対策にあわせて、雨水排除能力の向上など機能の高度化もあわせた再構築に取り組んでいるということでありますが、百二十キロメートルのうち十四キロメートルの完了と、実態は一割にとどまっております。思うように進んでいない理由についてお尋ねいたします。
○今里下水道局長 再構築を進めるに際しましては、既設の下水道幹線の老朽化調査を行い、その結果に基づきまして優先度を決める必要がございます。また、幹線の老朽度や雨水排除能力などを評価し、新たな幹線を敷設するか既設の幹線を活用するかを判断し、工事を実施しております。
調査の対象となっております幹線は、法定耐用年数を経過した四十七幹線を含めまして三百八十六幹線、約一千百キロメートルに上り、中の下水の水位が高い、流速が速いなどの理由によりまして老朽化調査が困難な場所が多くございます。
また、工事は、交通量の多い幹線道路上で行われる場合も多く、施工方法や施工時間に制約がございます。さらに、既設の幹線を活用する場合には、下水道幹線の水位を低下させなければならず、現在使用しております幹線の下水を切りかえるためのバイパス管などを先行して整備する必要があり、その整備に多くの費用と期間を要します。
こうした理由によりまして、これまでは下水道幹線の再構築は部分的な対応にとどまっていたのが実情でございます。
○石森委員 下水道幹線の再構築にはさまざまな課題があるというご答弁でございましたけれども、それら課題に対してどう対応しているのか、また、幹線再構築の今後の見通しについてあわせてお伺いいたします。
○今里下水道局長 幹線の老朽化調査を進めるため、口径が大きく流量も多い幹線を無人で調査する新たな機械を開発するなどいたしまして、平成十八年度から本格的な調査を開始し、耐用年数五十年を経過した四十七幹線につきましては調査が完了しております。
こうした機械の活用などによりまして、調査の対象となっております三百八十六幹線の調査を早期に完了させるよう努めてまいります。
一方、下水の水位が高く流速が速い既設の幹線を活用して再構築を行う場合には、下水を切りかえるバイパス管等を整備するだけでなく、ポンプ運転の工夫などを図ることで、幹線の水位や流速を低下させた上で工事を実施しております。
また、道路を掘削せずに施工できる更生工法を積極的に活用することで、コスト縮減や工期短縮を図りながら再構築を進めております。
こうした対応を図りながら、耐用年数を経過した四十七幹線につきましては、調査結果に基づき今後十年以内に、優先度の高い十六幹線につきましてはすべての区間の再構築を完了させ、残り三十一幹線につきましても、老朽化の著しい区間につきましては再構築を実施する予定でございます。
将来にわたり安定した下水道サービスを提供していくため、耐震性などの機能向上も含めた幹線の再構築を着実に実施してまいります。
○石森委員 今後もさまざまな取り組みを行い、下水道機能に支障が生じることのないよう、管渠の再構築を着実に進めていただきたいと思います。
下水道の老朽化といえば、幹線などの管渠だけでなく、水再生センターも老朽化が進んでいると思います。特に電気、機械設備は、耐用年数が短い上に技術革新が著しいということで、区部の水再生センターなどの設備についても順次更新を進めてきていると聞いております。
一方、高度経済成長の時代に整備に着手した多摩地域の下水道は、区部に比べて比較的新しいと思われがちですが、事業開始から既に約四十年が経過しており、老朽化による処理機能の低下が始まりつつあるのではないかと危惧されております。
そこで、流域下水道の水再生センターの設備の老朽化の現状と対応についてお尋ねいたします。
○今里下水道局長 流域下水道の七カ所の水再生センターは、多摩ニュータウンの入居開始に合わせて昭和四十六年に稼働した南多摩水再生センターを初め、いずれも設備の老朽化が進んでおり、現在、約一五%の設備が耐用年数を超えております。こうした設備につきましては、老朽度、故障の頻度などを考慮し、優先度の高いものから順次更新を行っております。
しかし、現在のペースで設備を更新しても、今後十年で現在の倍の約三二%の設備が耐用年数を超える見込みでございます。このため、計画的な補修などによる予防保全に努めまして延命化を図り、更新に要する事業費を平準化するなど、計画的かつ効率的に設備の更新を進めてまいります。
○石森委員 多摩地域の下水道も区部同様に老朽化が進みつつあり、それらの対応についてご答弁をいただきました。しかし、更新事業の実施に当たっては、単なる電気、機械設備の更新にとどまらず、地球温暖化防止対策を初めとした時代が要請するさまざまな課題に適切に対応しつつ、施設全体の更新事業を一層効率的かつ経済的に進めていく必要があると思います。
その更新事業を進める上での今後の取り組みについてお伺いいたします。
○今里下水道局長 放流先の水質基準が強化されたことや、最新の耐震基準への適合、地球温暖化防止対策など、新たな課題への対応を求められております。このため、更新に合わせまして、高度処理の導入や施設の耐震補強、汚泥ガス化炉の導入による温室効果ガスの削減など、機能の高度化を着実に進め、レベルアップに努めてまいります。
また、水処理施設など大規模な施設の更新に当たりましては、長期間にわたり施設を停止させて実施しなければならないため、本来であればバックアップのための施設を新たに整備する必要がございます。そこで、多摩川を挟んで対面する二つの水再生センターを連絡管で結ぶことで、対岸の水再生センターの施設を有効利用し、バックアップ施設を不要とするなど、財政的な負担を軽減しつつ効率的な更新を行ってまいります。
こうしたことによりまして、多摩川を初めとした東京の良好な水環境の保全に貢献してまいります。
○石森委員 引き続き計画的に老朽化対策を進め、安定的な下水道サービスを提供するとともに、時代の要請や技術革新に柔軟に対応してレベルアップし、東京を安全・安心、快適なまちとしていくことを要望しておきます。
次に、大橋地区の再開発事業について伺います。
大橋地区の再開発事業は、首都圏三環状道路の一つである中央環状線の大橋ジャンクションと一体的なまちづくりとして取り組んでいる重要な事業であります。しかし、計画されている二棟の再開発ビルのうち、現在建築中の一棟については順調に工事が進んでいるものの、残る棟については、現在の不動産市況の急激な悪化の影響を受け、これまで実施した二回の特定建築者公募に対して応募がないという事態となっております。
このような事態は、本事業を契機として進められている大橋地区周辺のまちづくりのおくれにつながるばかりか、何よりも、新たな生活を一日でも早く始めたいと待ちわびている権利者の不安を増大させるものとなります。
このような状況の中で、都は、十月三十一日から三回目の特定建築者公募を開始いたしましたが、その内容によりますと、敷地処分予定価格や権利床等整備費などの条件が見直されております。
そこで、今回で三回目となる公募では、確実に特定建築者が決定されることが絶対条件でなければならないと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○只腰都市整備局長 大橋地区の一-一棟の特定建築者につきましては、これまで二回の公募に対して応募がなかったことを踏まえまして、今回の公募におきましては、民間事業者としての事業計画に基づく自主的な応募を可能にするとともに、競争性を発揮させるため、敷地処分予定価格を設定しないことといたしました。
また、権利床等整備費につきましては、急激な建設コストの高騰を踏まえ、実勢工事費で再度算定した額に見直し、あわせて公募開始から応募締め切りまでの検討期間を約一カ月延長いたしました。
このように民間事業者が応募しやすい環境を整えることによりまして、今回は確実に応募が期待できるものと考えております。
○花輪委員長 石森理事の発言は終わりました。
次に、伊藤理事の発言を許します。
○伊藤委員 私からも、冒頭に、八つの病院に断られ、最後に墨東病院で亡くなられました痛ましいこの出来事についての質疑から入らせていただきたいと思います。
亡くなられた方には心より哀悼の意を表したいというふうに思いますけれども、遺族の方も会見で、せめて二度とこのようなことが起きないようにしてもらいたいんだということをいわれていたところが記憶に新しいかと思います。
そこで、今質疑にもありましたので、まず最初に、重なるところは省略をしたいと思いますけれども、昨年までの墨東病院への母体搬送依頼数の推移は伺いましたが、受け入れ率というのを推移としてお伺いしたいと思います。
○中井病院経営本部長 現在精査中であるという前提で申し上げますが、墨東病院の過去三カ年の母体搬送の受け入れ率でございますが、平成十七年度が四九・八%、平成十八年度が五一・九%、平成十九年度が五一・二%という形で、ほぼ毎年同程度で推移しているところでございます。
なお、この受け入れ率は、都内の周産期センターの中ではトップクラスの位置にございます。
○伊藤委員 聞くところでは、ほかの民間病院を含めて、多くの病院では受け入れ率が五〇%よりも大幅に下回っているところが多いというふうに伺っていますので、墨東病院では半数の受け入れ率ということで、ほかの病院よりはいいということですけど、それにしても二件に一件は受け入れができない状況ということなんだと思います。そういう意味では、まだまだ深刻な状況が今後も続くという認識を持たざるを得ないというふうに思います。
そこで、医師不足が大きな要因であるということがこれまでの経緯でわかってまいりましたので、今のお医者さんたちにもっと頑張れという精神論で詰めていっても、医師不足に拍車をかけるだけだという思いがいたしているところですが、都議会民主党はこのほど、墨東病院の件を受けて、緊急に実施できる課題として、救急司令室への母子緊急搬送コーディネーターの設置を石原知事あてに求めました。これは、人員不足に悩む病院側にコーディネートの負担を負わせないという点で重要であります。対して、都はこのほど、東京緊急対策Ⅱの中に、医療体制の充実として、総合周産期母子医療センターにおいてハイリスク患者受け入れ、紹介機能の充実を図るため、夜間、土曜、休日に助産師等のコーディネーターを配置します、こういうふうにうたったわけでございます。
コーディネーターの設置は、自分自身の病院の状況を把握し、調整をする人員が新たに設置されるだけでも、現場の医師の勤務環境の改善につながるという意味で期待できると思いますけれども、しかし、医師同士のやりとりでも、病院をまたがる場合、特に十分な意思疎通が図れない、すれ違ってしまう、あるいは認識の相違が生じるということがあるようであります。
このコーディネーターを設置することのメリットもありますけれども、同時に、このコーディネーターは大変な重責を担うことになるわけですから、どんな位置づけにするのかによって、そのコーディネーターから電話を受け搬送依頼をされた医師も受けとめ方が違ってくる。正直申し上げれば、お医者さんからの電話であれば丁寧な対応をするけれども、しかし助産師さんから電話を受けても、こっちだって手いっぱいなんだと、こんな認識では、コーディネーターの方も十分な仕事が果たしづらいのではないか、こう思うわけであります。
そこで、この設置されるコーディネーターはどのような位置づけでどのように活用されるのか、伺いたいと思います。
○中井病院経営本部長 今回、東京緊急対策Ⅱで発表しました助産師等によるコーディネーターは、総合周産期母子医療センターにおいてハイリスク患者の受け入れ、紹介機能の充実を図るために配置するものでございます。
具体的には、夜間、土曜、休日に配置し、医師の指示のもとで、搬送依頼元からの受け入れ要請に対して、新生児科など院内関係部門との調整の上、受け入れの可否を検討したり、自院で受け入れられない場合には、他の受け入れ先を確認、調整の上、紹介するなどの業務を想定してございます。
これにより、産科医師が不足し繁忙の中で、これまでより医師が診療に専念できる環境をつくるとともに、円滑な搬送受け入れの調整が可能となると考えております。
○伊藤委員 つまり、今回の墨東病院のケースでいえば、電話が一番最初にかかってきた段階で、この墨東病院の中にコーディネーターがいて、そのコーディネーターが、自分の院でもし受け入れられない場合はほかの院を探してあげますよ、こういうコーディネーターの役割になっていくんだろうと思うんですけれども、その役割において必要なことが幾つかあるのではないかと思いますので、伺いたいというふうに思います。
コーディネーターに当たっては、当然研修が必要だと思うんですけれども、特に、搬送調整の相手先である地域の病院やほかの周産期のセンターとも、患者の容体を正しく伝える共通言語でのやりとりというものがこれから重要になってくるのではないかなというふうに思います。
聞くところによりますと、これは、搬送先を探す救急救命士さん及びそれを受け入れるお医者さんから伺いましたけれども、搬送先を探す救急救命士は、受け入れ先を確保しやすいように患者の容体をあえて軽く病院側に伝えて、できるだけ受け入れてもらうということも中にはあるようであります。電話での情報伝達に当然なりますから、受け入れ先を探す側と受け入れる側、そのそれぞれの一言一言が救急患者の命を左右することにもなりかねません。
そこで、総合周産期の医療センターに設置されるコーディネーターと、かかりつけ医や受け入れ病院との正しい共通言語を確立する必要があると思いますが、搬送先調整業務からかんがみて、どのような準備が必要というふうにお考えでしょうか。
○中井病院経営本部長 今回設置いたしますコーディネーターは、助産師や看護師などで、医師をサポートできる相当程度の知識、経験を持っている人材を充てることを考えております。その上でさらに、的確に調整するために必要となる事項をあらかじめ明確にしておくことや、業務に必要な研修、訓練を行うことなどが事前準備として必要と考えております。
今後、地域の医療関係者等とも精力的に協議、調整を行い、早期に実施に移せるよう努めてまいります。
なお、医療者間の情報の共有については、さきに行われた東京都周産期医療協議会でも課題が提起されていることから、こうした動向も十分に注視してまいりたいと思っております。
○伊藤委員 その東京都周産期医療協議会等をぜひ活用していただいて、東京都の側だけで一方的に決めるルール設定ではなくて、それぞれの皆さんからの意見というのも集約しながら、共通言語の確立というものをぜひ目指していただきたいというふうに思います。
次いで、病院経営においての未納金について伺いたいというふうに思います。
病院経営において、医療費の未納金は経営圧迫の大きな要因になる課題であります。都立病院では、平成十九年度に約九億六千万円、平成十八年度も九億二千万、その以前も大体十億円以上の未納金が発生をしており、看過できない金額になっています。
とりわけ出産費用は、十日前後の入院が必要となり、都立病院でもおよそ三十五万円程度になっています。出産の場合、健康に退院をした母子は必ずしも通院をする必要がありませんので、その治療費を残したまま行方をくらましてしまうというケースも多いのではないかというふうに思います。
そこで、未納金に占める産科医療費の割合は一体幾らぐらいになるのか伺いたいと思います。
○中井病院経営本部長 現在の未収金管理は、収納状況を個人別に把握する必要があることから患者別の管理となっており、診療科別内訳等を即座に把握できる状況になっておりませんが、昨年十月に、国の検討会である医療機関の未収金問題に関する検討会の依頼により、都立ER三病院のみを調査対象としたものがございますが、それでは、入院の未収金全体に占める産婦人科の割合は一二・四%となっております。
○伊藤委員 全体の一二・四%という答弁でありました。恐らくは外科とか内科の方がもっと多いんですよということになると思いますけれども、しかし、例の産科医不足からすれば、今、出産の受け入れ数は年々減少傾向にあって、ほかの科に比べてかかっている患者さんの数もうんと少ないというふうに思いますので、このパーセンテージ以上の、恐らく一件当たりがどうしても三十五万円程度になってきますから、大きいんだというふうに思います。
そして、もう一つ、今の答弁の中で着目したいと思いますのは、診療科別の内訳を即座に把握できる状況になっていないという点であります。未納金を回収するということは当然大事なことであって、当然、その未納金を回収するために、どういうところで未納金というのが発生しやすいのかということを正確に把握する必要があるというふうに思うんです。こうした分析をすることが未納金発生を防ぐ上で重要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○中井病院経営本部長 未収金の発生原因の分析やその管理は、堅実な病院経営を行っていく上で重要な課題であると考えております。この認識のもと、平成十九年度に、未収金の発生防止、回収強化策等を検討する本部、病院職員で構成するプロジェクトチームを立ち上げ、改善策等について検討したところでございます。
その検討結果を生かし、今年度中に未収金管理システムの改修を行い、診療科別内訳等を把握し、一層の管理の徹底及び状況分析を行っていくこととしております。
○伊藤委員 このぐらいの、どの科がどれぐらいの未納金を発生していたかというのは、もっと早く取り組んでおくというのが、未納金対策を徹底的にやっているという姿勢だというふうに思いますので、遅きに失したということは申しませんが、ぜひ、できるだけ早くこの分析というものをちゃんとやっていただきたいと、こういうふうに思います。
そして、未納金対策に、都は、税務当局の協力も得て全力を挙げているというふうに伺っていますけれども、退院後の未納金徴収は時間的にも人件費的にも当然高くつくわけでありまして、未納金を未然に防ぐには、退院後よりも治療中あるいは入院中に、支払ってもらうかどうかはともかくとして、支払いの意思を確認するということは非常に大事なことではないかなというふうに思います。
その上で、退院前の費用徴収を確実にする必要も同時にありますけれども、出産など高額医療行為に及ぶ場合は、医療費の一部を前金で徴収し、支払い能力と、そしてその意思を把握するべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○中井病院経営本部長 前金、いわゆる入院時の預かり金制度については、第二次都立病院改革実行プログラムにおいて、国や他の自治体病院の状況を踏まえ、制度導入を検討することとしております。
また、平成二十年七月に出された国の医療機関の未収金問題に関する検討会報告書では、この預かり金制度に関して言及しているものの、医師法第十九条における応招義務との関係については、なお検討が必要であるとされております。
こうした中で、預かり金制度の導入について、収納事務が煩雑になることや、公立病院ではまだまだ普及していない現状のもとで患者さんの抵抗感などが懸念されるなど、引き続き検討すべき課題があると考えております。
なお、未収金となる可能性の高い患者さんについては、現在も、看護師と医療相談員が連携し、早い段階で公的負担制度や医療費助成制度の紹介を行ったり、支払いの相談に応じたりしているところでございます。
○伊藤委員 ぜひ、この前金については積極的に検討していただきたいと思います。入院中に、もし支払いの意思がないことが確認できれば、お見舞いにいらっしゃった家族の方に事情を説明し、そして家族の方にも協力をしてもらって未納金の発生の抑止をしていくということも可能だというふうに思いますので、ぜひとも積極的にご検討いただきたいというふうに思います。
次いで、八ッ場ダムについてお伺いしたいというふうに思います。
八ッ場ダムの必要性の根拠となっているのは、水の需要予測でございます。東京都は、平成二十五年の一日最大配水量を六百万と定めたわけですけれども、これに対して、国の予測に基づいた調査結果では、著しく利根川水系の供給能力が落ちるんだということになっているわけですけれども、近年の実績値として、利根川水系の供給能力は計画段階と比べてどれぐらい低下したといえるのか、お伺いしたいと思います。
○東岡水道局長 利根川流域の降雨状況は、ダムなどが計画された当時に比べて、雨の多いときと少ないときの変動幅が拡大してきており、全体としても減少傾向にあります。
国土交通省は、本年七月、利根川、荒川水系の水資源開発基本計画を改定するに当たり、ダムなどから安定的に供給できる水量の評価を行っております。その結果、当初計画していた供給能力に対し、利根川では二一・四%、荒川では二八・二%の減少とされております。
○伊藤委員 この国の調査、予測に基づけば、利根川では二一・四%ということであるようですけれども、そうしますと、東京都として、この国の出した供給予測についてはどのような検証を加えたのか、伺いたいと思います。
○東岡水道局長 今回、国土交通省が行いました安定供給可能量の評価は、近年二十年間の日々の河川の流況をもとに、ダムの貯水量を活用し、年間を通じて取水できるかどうか、また不足する場合には、当初計画された開発水量をどの程度切り下げる必要があるかについて、それぞれのダムの流入量や放流量、基準地点における河川の流量、複数のダムにおける運用ルールなどの設定条件に基づき、コンピューターによるシミュレーション計算を繰り返し行って算出したものでございます。
その評価結果については、当局では、評価の考え方や前提条件及び評価方法等について、具体的かつ詳細な説明を受けて確認しており、妥当なものと考えております。
○伊藤委員 国の出してきたものに対して、その計算方法等を聞いたところ、妥当だったということですけれども、私もこの説明を、延べで大体四時間ぐらい受けましたけれども、まあそれはもう、本当に複雑怪奇な話でありまして、十数個のダムのそれぞれの貯水率等のシミュレーションを、一つのダムがこうなればこっちのダムがこう影響を受けてということで、普通、人間の頭で整理がついて、これはなるほどなといえる代物ではありませんで、現に東京都としても独自の検証を行いにくいのは、スーパーコンピューターによる計算であって、東京都にはそのようなコンピューターがないということでありますから、説明を受けて、何となくそうかなというふうに思われたんだと思いますけれども、果たしてこれが本当にその二一%の供給能力の減少になるかどうかというのは、東京都としては独自に確認のしようがないというのが私は実態だというふうに思っています。
そこで、特にこの供給能力、つまり、ダムの供給能力が当初想定したよりも少なくなっている一番の理由は、ダムが壊れちゃったとか、あるいは改修工事が必要だという意味ではなくて、降雨量が基本的に変わったんだ、気象状況が変わったから二〇%の供給能力が減っちゃったんですと、こういう話だというふうに思います。そして、その変わっちゃった年数を見ますと、昭和三十五年から昭和六十二年ですから、二十七年間において、基本的には日本の、東京の気象環境が二〇%も供給能力が落ちるほど変わっちゃったんですという話なんですけれども、私が生まれたのは昭和五十一年ですから、昭和三十五年当時のことを存じ上げませんけれども、ほとんどの住民の方々の中で、二〇%の供給量が変わるほど気象状況が変わったのかというのは、甚だ疑問だというふうに思うわけであります。
そこで、東京都は、降雨量だけではなくて、水がめからあふれてしまうときもあるし調整することもあるから、必ずしも降雨量だけでははかれないといいますけれども、都民の理解を得ることが極めて大事なダム建設であるとするならば、やはり降雨量というものがこれぐらい変わったんですよと、こういうことを改めて東京都としてちゃんと都民に対しては知らしめてもらいたい、周知をしてもらいたい。我々もわかるように説明をしていただきたいと思いますが、現状、その納得がいく説明を私は受けていませんし、質疑の内容をほかのものを読んでも納得できるものはありませんでした。
しかし、この二割の話を突き詰めても、スーパーコンピューターの話になりますから前に進みませんので、改めて申し上げますが、今、八ッ場ダムが完成した場合の水源量は六百八十万トンということになっています。そして、この利根川水系が二割減ったとすると六百万トン、まさに今東京都が目指している一日最大配水量、平成二十五年当時の六百万トン、こういう計算になるんですけれども、そもそもこの六百万トンというのは本当に必要なんでしょうかと、こういうことを伺いたいというふうに思います。
特に、この十年間程度で見れば、一日の最大配水量六百万トンを超えたことは一回もありません。そして、平成二十五年当時の人口統計というのは、これを東京都は一千二百三十八万人と見ていたわけでありますけれども、現状は、東京の人口というのは、平成二十年ですけれども、一千二百七十五万人です。
そこで伺いたいんですが、都の水需要を予測する上で、人口予測というのは重要な要素だと私は思うんですけれども、どのようなご見解でしょうか。
○東岡水道局長 水道事業は、給水人口だけでなく、平均世帯人員や経済成長率などさまざまな要因により変動するものでございます。当局では、需要の予測を、過去の実績及び関連するさまざまな社会経済指標を用いて、統計的手法により行っております。
その結果、予測の基礎となる一日平均使用水量において、現時点では実績との間に大きな乖離は生じていないことから、需要予測は妥当なものと考えております。
○伊藤委員 ところが、現に平成二十年のことしで既に当時の人口予測を超えて、先ほどいいましたけれども、一千二百七十五万人です。一千二百三十八万人のときに六百万トンの一日最大配水量が必要だといっていたんですが、もう既に東京都民の人口は一千二百七十五万人を超えていますから、ある意味では、この平成二十五年のときの将来設計よりも都民の人口がふえているわけです。しかし、六百万トンの必要性はありません。
ですから、今後のことを考えるならば、さらにここから人口がふえていくということであれば、渇水時のことを考えて六百万トン必要だと、こういうことになると思いますけれども、しかし、人口がどう推移するのかというのを正確に把握していく必要があるというふうに私は思っております。
そこで、この人口を予測し、それをもとにした需要予測を立てる必要があるというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○東岡水道局長 先ほどもお答えいたしましたが、水道需要は、給水人口だけでなく、平均世帯人員や経済成長率などさまざまな要因により変動するものであります。当局では、需要の予測を、過去の実績及び関連するさまざまな経済指標を用いて、統計的手法により行っております。
その結果、予測の基礎となる一日平均使用水量において、現時点では実績との間に大きな乖離は生じていないことから、需要予測は妥当なものと考えております。
○伊藤委員 わかりました。
ちょっとお伺いしたいんですけれども、二〇〇〇年に国勢調査が最近では行われましたけれども、これは通告していませんので、局長が聞いたときにこうだと思われることを教えていただければいいんですが、二〇五〇年ごろの日本の人口が大体どれぐらいになるか把握されていますか。聞いたことはありますか。
○東岡水道局長 具体的な数字は覚えておりませんが、減少するのではないかと思います。
○伊藤委員 ダムというのは、国家百年の計なんじゃないですか。つまり、今、別に正確な数字をいっていただかなくてもいいんですけれども、しかし、大体どれぐらいの日本の人口になっていって、都民の人口がどれぐらい減っていくのかということを、やっぱり五十年ぐらい先を見通して計画を立てていく必要が私はあるというふうに思います。
この件でいえば、二〇五〇年の日本の人口は八千万人、今の出生率と今のペースでいけば八千万人に落ち込む。これは一九四五年当時の日本の人口であります。その人口に対して、まさに東京都として何人ぐらいの人口を見込んでダムが必要かどうかということを予想するのが、これが東京都の仕事なんじゃないかということを私は申し上げておきたいと思います。
次いで、都市整備関係に移らせていただきたいと思います。
大橋地区の整備についてでありますけれども、大橋地区の一-一棟の件については、先ほど別の委員からも指摘がありました。まだこれが売れていないということで、第三回の公募が今まさにかかっているところであります。
しかしながら、この第一回の公募が出たのはことしの四月でありまして、そのときの予定価格は百九十億円という高額なものでありました。二回の公募を経ていまだに買い手がつかない状況が続いていますが、当時、不動産市況というのは、もう既に悪化傾向が出ていたわけでありますけれども、これを担当の局として、悪化を認識し始めたのはいつで、どのようなものなのかということを伺いたいと思います。
○只腰都市整備局長 不動産市況でございますが、いろんな指標がございますけれども、首都圏の新築マンションの契約率で見ますと、昨年夏ごろまでは堅調でございましたけれども、昨年末あたりから下降傾向を示すなど、不動産市況は厳しくなりつつあると認識しておりました。
○伊藤委員 認識していただいたんだと思いますけれども、そうすると、市況悪化を考えれば、不動産鑑定士に対しては、市況悪化を十分に反映した価格設定というものをもともと求めるべきではなかったのかと思うんですけれども、見解はいかがでしょうか。
○只腰都市整備局長 第一回目の特定建築者の公募に当たりましては、不動産市況の動向などを踏まえまして、平成二十年四月一日を評価時点とした不動産の鑑定評価を行っております。
敷地処分予定価格は、この評価をもとに設定したものでございまして、当時としては適正と考えておりました。
○伊藤委員 当時としては適正だったかもしれませんけれども、しかし、現に一回出してみて、その二カ月後には、第二回の予定価格で七十九億円というところまで局は引き下げて公募を出しているわけでありますので、当時、本当に適正だと局として思われていたのかも私は疑問だというふうに思うわけでございます。
それでは、第三回の公募ですけれども、これは予定価格が設定されておりません。そうすると、どんな安値となった場合でも、特定建築者として不適格でなければ売却をすることと、こういうことになるんでしょうか。
○只腰都市整備局長 特定建築者の選定でございますが、単に敷地に対する応募価格だけではございませんで、応募者が提案した建築計画や環境への配慮、資金計画などにつきまして、特定建築者等選考委員会におきまして総合的に評価して決定いたします。
○伊藤委員 その場合、不当に安く売ったということで、もし安い値段で特定建築者が決まってしまった場合というのは、これは住民監査請求の対象になるのではないか。そのおそれがあるのではなかろうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○只腰都市整備局長 特定建築者の選定でございますが、先ほど申し上げましたように、公平な競争条件を整えた上で行うことから、私どもとしましては、適正な手続に基づく敷地の処分に当たると考えております。
○伊藤委員 この第三回公募に当たっては、権利床の整備費として二十三億円の上積みが発表されました。もともと権利床整備費は、等価交換となる地権者が負担する仕組みでありますけれども、この二十三億円の上積み分というのは、地権者にとってみれば寝耳に水のことでありまして、それがまさに自分たちの負担増につながる。つまりは、分譲される延べ床面積の削減になるんじゃないだろうかと、こう心配されているわけであります。
この二十三億円分の負担は、東京都が負うのか、それとも権利者が負うことになるのか、伺いたいと思います。
○只腰都市整備局長 権利床等整備費でございますが、先ほど申し上げましたように、急激な建設コストの高騰を踏まえまして、実勢の工事費に合わせて見直したものでございます。
今後、再開発ビル完成後に、建物整備に要した費用を確定した後、事業にかかわる収支につきまして総合的に判断いたします。
○伊藤委員 その総合的に判断するということでは、権利者の方も不安を払拭することができないのではないかと思っています。
ことしの四月の時点では、まだリーマン・ブラザーズは破綻しておりませんでした。もっとも、ここまでひどい不動産市況の落ち込みになるとは、多くのアナリストも分析できなかったと思いますが、しかし、もう去年の十一月の時点で、同年前月比で見れば、マンションの売れ行きというのはマイナス四〇%ぐらいになっていたわけでありますから、相当な市況の落ち込みということがもう既に実績値として出ていたわけでありまして、権利者からすれば、四月の時点で、あの百九十億という、とてつもなく高い金額で予定公募価格をかけるのではなくて、むしろ市況に照らした金額で第一回目に出してくれていれば、少なくとも今回の金額よりはよっぽど高く売れたんじゃないかと、こういうふうに思われている方も少なくない。私もそういうふうに思います。
そういう意味では、不動産鑑定士が出された金額というのも、それはそれで平時においては妥当な金額だと思いますけれども、日々刻々変わる経済環境であったことしの春先においては、必ずしも妥当な金額とはいえなかったんじゃないかと。民間の会社の社長であれば、まさに経営判断をそこに働かせて、この百九十億というものじゃなく、より市況に照らした金額を不動産鑑定士に求めるのが普通だったんじゃないかと、こう思うわけでございます。
そこで、入札、今回の二回に続く不調と権利床整備費の増額によって、都税一般財源からこの地区整備のための費用に投入がなされるのではないかというふうに懸念をされますけれども、都税一般財源からの懸念の向きというのに対する所見はいかがでしょうか。
○只腰都市整備局長 現在、先ほど申し上げましたように、特定建築者の募集を行っている段階でございまして、事業の収支について確たることを申し上げる段階ではございません。
今後とも、不動産、建築、建設、金融など市街地再開発事業を取り巻く市況の動向をより的確に把握し、事業収支やスケジュールなども総合的に勘案しながら事業を推進してまいります。
○伊藤委員 今、収支を勘案しながらということでございましたけれども、この後には環二の方の再開発も待っていますし、北新宿の再開発というのも、また同じように特定建築者の募集というものがかけられるわけでありますから、やはり今回の件を反省材料に、特に不動産市況等が大きく変動しているときには、まさにその業界の方々を含めて情報収集をよくしていただいて、そして市況に照らした予定価格の設定というものをしていただきたいと思います。
現に、今回一カ月延びるごとに、この大橋地区では、権利床等あるいは営業補償をするために、一カ月当たり四千万円ずつ負担がふえていっているということをこの場で申し上げて、質疑を終わらせていただきたいと思います。
○花輪委員長 伊藤理事の発言は終わりました。
次に、菅委員の発言を許します。
○菅委員 それでは、先ほどの石森委員に引き続きまして総括質疑をさせていただきます。
最初に、臨海副都心についてお尋ねいたします。
水辺の美しい景観と環境を生かした臨海副都心のまちづくりは、開発着手から二十年を迎えて総仕上げの段階に入り、発展を続けております。
ところで、まちづくりを円滑に進めるに当たっては、まず、その前提として、着実な土地処分と安定した財政基盤が確保される必要があります。中長期的視野で未来を展望すれば、環状二号線など広域交通基盤の整備、羽田空港の国際化などによって臨海副都心の魅力が一層高まっていくのは疑いのないところであります。こうした状況を踏まえた上で、平成二十七年度の概成に向けたまちづくりを後押しする立場から、臨海副都心の開発状況と今後の見込みについて質問したいと思います。
平成十九年度決算におきまして、臨海副都心の土地処分はどのような状況なのか。また、総仕上げの十年という大詰めを迎えて、土地処分の見通しが立っていることが重要であります。そこで、あわせて、平成二十年度以降の土地処分がどの程度決まっているのか、まず伺います。
○斉藤港湾局長 臨海副都心におけます平成十九年度の土地処分の実績は六件でございまして、面積は約五ヘクタール、金額にいたしまして約三百六十七億円でございます。
また、平成二十年度以降の土地処分につきましては、現時点で進出事業者が決定しているものは十二件、約二十五ヘクタールでございます。
現在、有償処分面積百三十九ヘクタールのうち、八〇%に当たります百十二ヘクタールの処分が確定してございます。
○菅委員 まちづくりを円滑に推進する前提である土地処分が着実に進んでいるようであります。
一方、今後も開発を着実に進めていくためには、土地処分の促進はもちろん、開発に当たり都市基盤の整備のために起債した大量の都債を確実に償還し、財政基盤を確固たるものとしていくことも重要であります。
そこで伺いますが、平成二十一年、二十二年度の二年間に、利子をも含め約二千五百億円に及ぶ都債の大量償還のピークが目前に迫っておりますが、都としてはどのような見通しを持っているのか、詳細にお聞かせ願います。
○斉藤港湾局長 臨海副都心開発にかかわります発行済みの都債につきましては、平成十七年度以降は、起債時に予定してございました借りかえを行わず、平成十七年度から十九年度に約八百二十億円を償還いたしまして、大幅な金利負担軽減を図ってきたところでございます。
この償還後の平成十九年度決算では、資金運用額も含めまして、実質的な内部留保金は約千八百億円となってございます。
また、本年度は既に、六件の土地処分に伴いまして、約九百億円を収入してございます。進出事業者が決定いたしまして、今後、平成二十二年度までに収入の見込まれるものは六件、約千七百億円でございます。
こうしたことから、平成二十一年度、二十二年度に都債を大量に償還した後も、臨海地域開発事業会計の健全性は確保できるものと考えてございます。
しかしながら、平成二十六年度にも都債償還の大きな山が控えていることもございまして、これからしっかりと気を引き締めまして、引き続き土地処分を着実に進め、開発を支える財政基盤を万全なものとするとともに、都債償還を確実に実施してまいります。
○菅委員 平成二十二年度までに約二千六百億円もの土地処分による収入が見込まれているという報告、心強い答弁をいただきました。少し安心いたしました。
ただし、油断は禁物であります。現在好調でも、それに甘んじることなく、引き続き開発の総仕上げに向けて土地処分を促進するとともに、着実に都債の償還を進め、財政基盤の強化を図るなど、さらなる努力が必要だと、こういうふうに思います。
また、土地処分に当たり、ただ売ればいいというものでもありません。処分した土地にどのような施設ができ、それが臨海副都心開発にどういう意味を持つのかが大事だと思います。
そこで、平成十九年度から二十二年度までの土地処分が臨海副都心の発展にどのように貢献するのか、この点についてもお伺いします。
○斉藤港湾局長 臨海副都心は、研究開発、産業創生のまちとなります青海地区南側、コンベンションを核に業務機能が集積いたします有明南地区、豊かな水と緑に囲まれました住宅中心の有明北地区と、こういったコンセプトに基づきまして開発を進めてまいりました。
平成十九年度からの土地処分によります施設開設で、各地区ごとの特性がより具体化された街並みが順次形成されてまいります。
また、昨年度から開発に着手いたしました青海地区北側には、羽田空港国際化を見据えたビジネス拠点や、大規模な商業、文化施設などの立地を誘導することで、臨海副都心の核といたしまして、既に開発が進んでございます地区の機能を有機的に結びつける役割を果たすことを目指してございます。
今後、臨海副都心は、概成に向けまして、業務・商業、住宅などさまざまな機能のバランスがとれた一体性あるまちとしての形を整えるとともに、世界に誇れます環境配慮や文化発信を行うまちの基礎ができ上がってまいります。
○菅委員 今、答弁がございましたように、全体の開発ビジョンを持ちながらも、各地区の特色を踏まえ、コンセプトに合致した土地処分が進められており、安心するとともに、開業が待ち遠しいと、そんな気がいたします。今後も明確なビジョンを持ってまちづくりを進めていただきたいと思います。
ところで、昨今、百年に一度ともいわれる金融危機が全世界を揺るがしている中、我が国の経済も、株安や円高が進み、企業業績が悪化するなど混迷を深めております。このような厳しい社会経済状況の中で、臨海副都心の開発にかける意気込みをお尋ねしたい、こういうふうに思います。
○斉藤港湾局長 臨海副都心は、開発から二十年、バブルの崩壊によります厳しい試練の時期もございましたが、今日では九百二十社を超える企業が活動してございまして、また年間四千五百万人を超える人々が訪れるまちに成長してございます。
また、税収の面から見ますと、開発着手から現在までに推計で約一兆三千億円、うち都税は三千億円を超えまして、これがさまざまな施策を通しまして都民全般に還元されていると考えてございます。
菅先生お話しのように、経済の先行きは不透明でございまして、また、かなり厳しいことが想定できますが、この地域の持つポテンシャルをフルに活用するとともに、柔軟に土地処分を進めまして、臨海副都心が東京の活力を牽引していく役割を今後も果たしていけるよう、全力で取り組んでまいります。
また、二〇一六年東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えまして、臨海副都心から環境と調和した先駆的な都市モデルを世界に発信してまいります。
○菅委員 ただいまのご答弁にありましたとおり、羽田空港や東京港などの陸海空の結節点に位置する臨海副都心は、東京の活力を牽引していく地域として、ますますその重要性が高まってまいります。
さらに、先ほど話がありましたように、オリンピック・パラリンピックが招致されれば、オリンピック・パラリンピックの競技場や選手村の舞台として世界の注目を集める地域でもあります。さらに発展が期待できると思います。この臨海副都心を都民の貴重な財産として次代に引き継ぐためにも、今後とも全力で開発に取り組んでいただきたい、このことをお願い申し上げます。
次に、中央卸売市場についてお尋ねします。
卸売市場を取り巻く環境は、今日、品質管理の高度化や物流の効率化等の流通環境の変化への対応が必要になるなど大きく変化してきており、さらに、今後、景気の減速に伴う個人消費の減少等を考えますと、市場業者の経営状況が悪化するなど、厳しい状況に置かれることは容易に推測ができます。
一方で、平成十六年の卸売市場法の改正により、卸売業者による市場外での販売や仲卸業者による産地からの直接買い付け等が可能となり、来年四月からは卸売手数料が弾力化されるなど、これまでの市場取引に課せられていたさまざまな規制が緩和され、ビジネスチャンスとなる反面、競争力の強化が求められるようになっております。このような変化への対応が必要なことは、何も卸売市場に限ったことではありません。
多くの企業が生き残りを問われているように、卸売市場にも変革が求められているわけであります。卸売市場は、川上と呼ばれる生産者、出荷団体と、川下と呼ばれている小売、消費者を結ぶ川中に位置しておりますが、生産、消費活動が大きく変容している中、時代の変化を敏感に感じ取り、ニーズに即した対応を進めていかなければ、衰退を余儀なくされることは疑う余地がありません。現に、そのような対応がおくれていることが、近年、市場離れを生じさせ、取扱数量の減少など卸売市場の地盤沈下を招いているのではないでしょうか。都では、市場を取り巻く環境の変化を正確に把握し、市場の活性化を図るため、必要な施策に取り組んでいかなければなりません。
そこでまず、中央卸売市場では、生産、消費動向等を取り巻く環境変化を踏まえ、市場機能を高めるためにどのような取り組みを進めているのか、まずお伺いいたします。
○比留間中央卸売市場長 市場は、生鮮食料品等の流通拠点として、これらを効率的かつ安定的に都民へ供給できるよう、環境の変化に対応しながら必要な機能を確保していく必要がございます。
そのため、現在、青果物の基幹市場となっている大田市場では、大型輸送トラックへの対応や雨天時の荷さばき等、市場関係業者が分荷、配送を行いやすい環境を整えるため、都が屋根つき積み込み場を建設しているところでございます。
この工事に引き続き、卸売業者と仲卸業者が事業主体となって、大口事業者等に対応するため、一階は開放型の荷さばき場、二階は温度管理機能を備えた閉鎖型荷さばき場、屋上階は駐車場とする一体荷さばき場の建設を予定してございます。これらの施設整備により、品質管理の高度化及び場内物流の効率化を図ってまいります。
築地市場につきましては、近年の生産、消費動向に対応するため、高度な品質管理や効率的な物流システムを取り入れた新市場建設計画を進めているところでございます。
また、食肉市場では、仲卸業者の店舗や冷蔵庫等がある市場棟の改修工事を行い、コールドチェーンの構築や衛生対策の向上など、食肉流通における安全・安心を確保してまいります。
今後とも、業界と協力し、流通環境の変化に対応した市場機能の強化に取り組んでまいります。
○菅委員 流通環境の変化に対応するための積極的な取り組みとして、大田市場では大規模な施設整備を進めているということがわかりました。
また、もう一つの基幹市場である築地市場は豊洲への移転を計画しているわけでありますが、移転先の豊洲新市場では、温度管理ができる閉鎖型施設や大口荷さばき施設、加工・パッケージ施設など、流通環境の変化をきちんと見据え、施設が計画されているというふうに聞いております。
大規模市場では、このような取り組みがなされているわけですが、その他の市場の中には、わずか五年で二割ないし三割も取扱量が落ちているというところもあり、今後、その他の市場が取り残されていかないのかということが大変危惧されているところであります。
そこで、中央卸売市場としては、市場間の格差についてどのように認識しているのでしょうか。また、取り扱いの減少が著しいその他の市場については、どのように取り組みを行っていくのか、お尋ねいたします。
○比留間中央卸売市場長 基幹市場である大田市場や築地市場に比べ、他の市場においては取扱数量が減少傾向にあり、市場間において格差が生じていることは認識してございます。
しかし、大規模な市場以外においても、それぞれの市場は地域における生産、生鮮食料品等の流通拠点としての役割を担っており、その機能を確保していくため、市場の活性化に取り組む必要がございます。
例えば、葛西市場におきましては、昨年九月に卸売業者がみずから卸売り場の一部を低温化いたしまして、このことにより、取扱数量を前年比で約五〇%伸ばしてございます。
また、本年七月には、淀橋市場松原分場を世田谷市場に統合いたしました。これは、取扱数量が減少していた世田谷市場に卸売業者や仲卸業者、売買参加者を集約することで、市場の集荷力、販売力の強化を目指したものでございます。
今後とも、流通環境の変化を踏まえ、各市場の果たしている役割に応じた活性化に努めてまいります。
○菅委員 その他の市場でもさまざまな取り組みを行っているようでありますが、また、私の地元の板橋市場でも、ICタグを用いた車両ゲート管理の実証実験を行うなど、物流の効率化に向けた新たな取り組みを始めたところであると、そういうふうに聞いております。ぜひ、こういった市場も含めて積極的な取り組みを進めていただきたい、こういうふうに思います。
次に、首都圏の新たな基幹市場として整備していく豊洲新市場について伺いますが、今後、新市場予定地へ万全な土壌汚染対策を講じるに当たり、いかに確実かつ経済的に実施していくかが移転を進める上で喫緊の課題となっております。このことについては、現在、専門家会議の提言を踏まえ、技術会議において具体的な対策が検討されており、世間の注目を集めているところであります。
特に経費に関しては、プロジェクトマネジメント分野の専門家が加わり、縮減を図っていくというふうに聞いております。経費縮減の検討はきちんとやっていただくにしても、市場会計はいうまでもなく、卸、仲卸など市場業者の皆さんの使用料により賄われているわけであります。今後、土壌汚染対策計画が取りまとめられることになりますが、この対策費は、使用料として市場業者の負担となるのでしょうか。
また、技術会議で検討されている地下水管理システムなどは、施設完成後も維持管理が必要となるというふうにしておりますが、これに要する費用負担も含めて説明をお願い申し上げます。
○比留間中央卸売市場長 市場使用料は、中央卸売市場が公営企業という性格から、市場を運営していくために必要な経費のすべてを対象として算出することが原則でございますが、その性質上、市場使用料を充てることが適当でない経費については除外することといたしております。
まず、用地費につきましては、地価水準の高い東京で広大な敷地面積を必要とするため、極めて多額なものとなり、市場業者の負担が過大になることや、市場用地は中央卸売市場の財産として将来にわたって活用できることから、使用料の対象外としてございます。
また、今ご質問のございました土壌汚染対策あるいは防潮護岸などの基盤整備は、市場用地としての利用を可能とするための基礎的な整備でございまして、その経費は用地取得と一体で考えるべき性格のものであることから、使用料の対象外とする必要がございます。
土壌汚染対策の一環となる地下水管理システムの設置やその維持管理につきましても、同様に使用料の対象外というふうに考えてございます。
○菅委員 技術会議では、公募の結果、二百二十一件もの新技術、新工法の提案があり、この中からすぐれた対策が選定されることが期待されます。
しかし、その一方で、実績が少ないゆえに、リスクを抱えるという不安的な声も一部にはあります。現在の技術会議の選定状況はどうなっているのでしょうか。特に実績の少ない新技術、新工法をどのように評価、検証していくのか、お尋ねいたします。
○比留間中央卸売市場長 公募提案の中には、実績の少ない新技術、新工法が見られますが、技術会議では、これらの提案につきましても、公募条件として求めた科学的根拠や実証データ等を精査し、他の提案と同様に、実効性や経済性、工期などを評価、検証してございます。
現在、汚染物質処理や液状化対策など各分野ごとに応募のあった提案の中から、各専門分野の委員が推奨した個々の技術、工法を組み合わせ、地下水の流出入を防ぐ遮水壁の設置から汚染物質処理、液状化対策、市場施設完成後の地下水管理まで、土壌汚染対策全体を網羅する案を複数策定したところでございます。
今後、これらの複数案について、必要に応じ具体的な施工方法等のヒアリングを行い、施工性、経済性、工期などの面から多角的に評価、検証していく予定でございます。
なお、当新市場予定地の土壌特性などから選定に至らなかった技術、工法のうち、有用と考えられるものは、他の土壌汚染対策において今後広く活用されるよう、提案者の了解等、事業者の技術資産の保護に配慮しつつ、公表する内容やその方法などを具体的に検討してまいります。
○菅委員 最後に、今後のスケジュールについてお尋ねします。
この技術会議は八月に立ち上げられ、知事からは、おおむね三カ月間の期間をかけて結論を出していくという話でありましたが、既に十一月に入っております。技術会議の検討期間を適切に確保することは必要でありますけれども、会議の検討結果が出なければ、都としての土壌汚染対策計画も取りまとめられないわけであり、開場のスケジュールがどうなるかということが大変心配されます。技術会議の検討結果がまとまる時期及び今後のスケジュールについてお尋ねしておきます。
○比留間中央卸売市場長 技術会議の検討結果の取りまとめ時期は、当初、十月下旬ないし十一月上旬と予定しておりましたけれども、予想を大幅に上回る提案があり、また内容も多岐にわたりますことから、評価基準に関する課題の議論や、各委員による提案内容の検証、評価など、すぐれた提案を絞り込むための審査に時間を要している状況にございます。
技術会議では、現在、土壌汚染対策全体を網羅する案を複数策定したところでございまして、今後、評価、検証がより具体的に進んだ段階で検討期間の目途を定めることとしてございます。
また、豊洲新市場整備の全体スケジュールにつきましては、技術会議の結論に基づき都として土壌汚染対策計画を策定し、土壌汚染対策の内容とともに、必要な経費、開場までのスケジュールを明らかにしてまいります。
○菅委員 技術会議において、実効性が高く経済性にもすぐれた対策を選定し、時代の変化に対応できる豊洲新市場の建設を着実に進めていっていただきたい、こういうふうに思っております。
次に、交通局について伺います。
交通局の事業概要を見ますと、都営交通の歴史は、明治四十四年、西暦ですと一九一一年に東京市が電気局を開局し、路面電車事業を開始したときにさかのぼるということになっております。そうしますと、三年後の二〇一一年には創立百周年を迎えるわけで、改めてその歴史の長さに驚かされます。
創業の事業であった路面電車事業は、現在、都電荒川線のみとなってしまいましたが、関東大震災により、その路面電車が壊滅的な被害を受けた際の代替交通機関としてスタートしたバス事業は、営業キロ約七百八十キロと、我が国でも屈指の事業規模を誇っております。
一方、首都東京の公共交通網の整備を促進する目的のもと、昭和三十五年に開業した都営浅草線に始まる地下鉄事業も、その後、三田線、新宿線、そして平成十二年十二月には大江戸線全線が開業し、四線合わせた営業キロが百九キロまでに拡充されました。
今や都営交通は首都東京に欠かせない公共交通機関であるといっても過言ではありません。
平成十九年度の乗車人員を見ましても、地下鉄が前年度に比べ六・四%増の一日約二百三十万人となっており、鉄道網の整備により毎年減少してきたバスも約五十七万人と、わずかながらとはいえ、増加に転じております。
このような好調な事業状況もあって、平成十九年度決算は、平成十八年度に引き続き、交通事業会計、高速電車事業会計、電気事業会計とも、経常損益で黒字を計上しております。乗車人員も増加しており、財務状況も改善されてきているわけでありますが、そこで、このような局の現状についてどのような認識を持っているのか、局長の所見を伺います。
○金子交通局長 交通局では、平成十八年度、十九年度と、二年続けてすべての会計で経常黒字を達成することができました。これは、地下鉄やバスの乗車人員が好調に推移したことに加えまして、これまでの長年にわたる経営効率化の成果が相まった結果であると考えております。
しかしながら、乗車人員につきましては、景気の不透明感が増していることや、東京の人口が中長期的には緩やかに減少していくと予測されているなど、将来的には大きな伸びを期待することができない状況にあります。
また、地下鉄事業は四千六百億円を超える累積欠損金を抱えておりまして、バス事業も営業損益では赤字が続いております。この三月に開業いたしました日暮里・舎人ライナーも、多額の建設費をこれから長期間かけて乗車料収入で回収していくことから、当分の間、厳しい経営状況が続いてまいります。
今後、安全対策の推進やサービスの向上、福祉、環境対策などをより充実させていくためには多額の投資が必要でございまして、決して楽観できる経営状況にはないと認識しております。
○菅委員 確かに、ここ二年間、単年度ベースでは黒字を計上できたとはいえ、今、答弁にありましたように、地下鉄事業でいまだ膨大な累積欠損金を抱えるとともに、日暮里・舎人ライナーもこれから建設費を回収していかなければならないなどと、もろ手を挙げて喜べるような経営状況にはないといえると思います。
しかし、その一方で、都営交通には一日約三百万人という多くの利用者がおります。利用目的や利用経路はさまざまでしょうが、利用者が望んでいるのは、安全で正確な運行ではないかと思います。平成十七年四月のJR福知山線の事故を受け、平成十八年十月から、いわゆる運輸安全一括法が施行され、全国の交通事業者と同様、交通局はこれまで以上に厳しい安全管理体制が求められるようになりました。毎年、安全管理体制全般について国の立入検査を受ける、こういうふうに聞いております。
このように安全への対応がより厳しく求められるようになってきた中で、交通局はどのような安全対策を行っているのか、その主な取り組みについてお尋ねします。
○金子交通局長 お客様に安心して都営交通をご利用いただくためには、さまざまな角度から安全対策を講じていく必要がございます。
主な取り組みといたしましては、ハード面では、駅の火災対策の強化を目指した排煙設備の整備や車両の不燃化を促進するとともに、転落事故防止を目的とした保護さくにつきましては、平成二十五年度までに大江戸線のすべての駅に設置できるよう準備を進めております。
また、バス事業におきましても、避難誘導の指示などを迅速に行うことができる音声通話専用無線を全車両に導入し、緊急時の対応の強化を図っております。
さらに、ソフト面では、より実践的な訓練や、過去の事故事例をもとにした研修を充実、強化するとともに、都営交通安全の日を定めまして、すべての職場で仕事の見直し、安全の再点検に取り組むなど、職員の安全意識の向上を図っております。
今後とも、ハード、ソフト両面から各種の安全対策を進め、一丸となって安全確保に努めてまいります。
○菅委員 ハード、ソフト両面での安全の向上に努めておられるということがよくわかりました。
都営交通にもやっと光が差し込んできた中にあって、ここで大きな事故でも起こせば、今までの苦労が水の泡と消えかねません。ぜひ、いま一度気を引き締め、安全の確保に全力を注いでいただきたいというふうに思います。
あわせて、サービスの向上も極めて重要であります。私がいうまでもなく、交通事業はサービス業であり、利用者のニーズや期待に的確にこたえていくことが求められます。しかし、エレベーター、エスカレーターの設置や車両の増備など多額な費用がかかる施策については、収支状況も見ながら、ある程度の時間をかけて対応せざるを得ない場合もあると思います。より多くの人々に都営交通を利用してもらうためには、利便性や快適性を高めるための投資を必要以上に惜しんではならない、こういうふうに思います。
また、サービスという点では、駅の職員やバスの乗務員の接客態度も大きなポイントとなるのではないかと思います。施設や設備の改良も進み、職員のサービスも、以前に比べれば大分よくなっている感じはいたしますが、今も交通局には、利用者からさまざまな苦情や意見が寄せられていることと思います。
そこで、交通局では、サービスを向上させるためにどのような取り組みをしているのか、お尋ねいたします。
○金子交通局長 ご指摘のとおり、交通事業はサービス業でございまして、常にお客様本位のサービスの提供に努めていかなければならないと考えております。
そのため、地下鉄事業では、例えば駅の利便性、快適性の向上を目指して、エレベーター、エスカレーターの設置や、よりわかりやすい案内サインへの改良、冷房化の推進などに取り組んでおります。
バス事業においては、バス停の上屋やベンチ、運行状況を表示するバス接近表示装置を増設するとともに、更新する車両は、すべて最新の排出ガス規制をクリアしたノンステップバスとしております。
また、お客様から寄せられた声をサービス改善に迅速に生かすとともに、都営交通のサービスレベルを定期的に評価していただきます巡回モニター制度も導入しております。また、各職場におけるサービス向上運動の推進などにも取り組んでおります。
こうした取り組みによりまして、平成十九年度は、前年度に比べてお客様からの苦情を二割以上減少させることができました。
都営交通は、民間同業者との厳しいサービス競争の中で事業を行っておりまして、今後とも、ハード、ソフト両面から、常に質の高いサービスを提供できるよう努力を重ねてまいります。
○菅委員 さて、安全とサービスについてお話をお聞きいたしました。交通局は公営企業であります。民間同業者との厳しい競争の中、早朝から深夜まで地下鉄、バスなどを絶え間なく運行することは大変な努力が必要かと思いますが、安全で快適なサービスを提供することに加え、公営企業として、環境や福祉の面で、他の交通事業者を先導する役割をぜひ果たしていただきたいというふうに思います。
そこで、最後に、これからの交通局の事業運営に向けた局長の決意を伺います。
○金子交通局長 都営交通は、現在、地下鉄、バスなどを合わせまして、一日約三百万人ものお客様にご利用いただいておりまして、この多くのお客様の安全・安心の確保をまず最優先事項として力を注いでまいりたいと思います。
また、お客様に満足していただけるよう、より質の高いサービスをきめ細かく提供することに努めてまいります。
さらに、今お話がありましたように、環境や福祉、観光振興などの面で行政施策とより一層連携し、都の公営企業としての役割を果たしていかなければならないと考えております。そのためにも、経営計画新チャレンジ二〇〇七に掲げた各種の事業や経営効率化の取り組みを着実に実施してまいります。
今後とも、局事業を支える第一線の現場を初めとする局職員一丸となって、これまで以上にお客様から信頼され、支持される都営交通となるよう、全力で取り組んでまいります。
○花輪委員長 菅委員の発言は終わりました。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十七分休憩
午後三時十四分開議
○花輪委員長 休憩前に引き続き委員会を開会いたします。
質疑を続行します。
野上副委員長の発言を許します。
○野上委員 初めに、交通局について伺います。
平成十二年に都営大江戸線が全線開通してから八年が経過いたしました。都営地下鉄全体の乗客数は増加しており、十九年度決算では、高速電車事業としては経常損益で百九億円の黒字を計上しております。しかしながら、依然として四千六百三十六億円という多額の累積欠損金を抱え、厳しい状況が続いております。今後、少子高齢により乗客数の大幅な増加が期待できない中、地下鉄駅の広い空間という資産を最大限に活用することによって、少しでも収益の拡大を図り、経営基盤を強化するべきです。
私は、平成十六年の第三回定例会で、収益拡大についての一般質問を行い、今後三年間で三十店舗の新規開店を図る予定であると答弁を得ました。
そこでまず、平成十九年度における駅の構内での営業に関する主な取り組みと決算状況についてお伺いします。
○金子交通局長 平成十九年度は、新宿線市ヶ谷駅や馬喰横山駅におきまして複数の店舗を同時に設置するなど、新たに九店舗を新規出店し、現在、合計で四十五店舗が営業しております。
平成十九年度決算におきます構内営業料は、店舗の新規設置や自動販売機の設置数の増加などによりまして約六億六千九百万円となり、前年度に比べ五千万円、八・一%の増収となっております。
○野上委員 店舗数が合計で四十五店舗、構内営業料が約六億六千九百万円とのことですが、いわゆる駅ナカビジネスも、現在では鉄道各社が競って展開しております。より収益性を高めるためには何が求められているのか、どんなことが利用者のニーズとして考えられるのか、どんな店舗が必要とされているのか、研究していただきたいと思います。
交通局の施設を使った撮影をするときの場所代、広告物掲示料、地下鉄グッズの作成、イベント用のPASMO事業等、積極的に収益事業に取り組んでほしいと思います。
また、駅構内店舗は、都営地下鉄を利用されるお客様への利便性の向上という大切な役目もあります。
そこで、駅構内店舗の展開に関する交通局の基本的な考えについて伺います。
○金子交通局長 駅構内への店舗の設置は、資産の有効活用により経営基盤の強化に資するものであるとともに、お客様に対するさまざまなサービス提供による魅力ある駅空間の創出に寄与するものと考えております。店舗の設置に当たりましては、駅利用者や、周辺環境など立地特性も十分考慮し、お客様の利便性向上につながるような店舗展開に努めております。
なお、交通局経営計画新チャレンジ二〇〇七におきましては、平成十九年度からの三年間に、先ほどご発言がありましたように、三十店舗を新規設置するという目標を掲げてございます。
○野上委員 駅構内への店舗等の設置は、都営交通を利用する人にとっては便利であると同時に、交通局にとっては収益拡大を図っていくという、駅空間という経営資源を最大限に活用した大変意義深い事業だと思います。
一方で、駅空間という大変公共性の高い資産を保有する交通局は、営利を追求するだけではなく、公営企業として社会的要請にも積極的に対応していく必要があると考えます。
我が党の吉倉議員から、平成十七年の第四回定例会で、都営地下鉄駅構内に設置されるパンの売店やコーヒーショップなどでも、一定の条件のもとで障害者団体の出店が可能となるよう検討すべきと提案いたしました。それを受けて、チャレンジ二〇〇七では、障害者の自立と雇用を支援する取り組みとして、障害者が働く駅構内店舗の設置を目標に掲げています。障害者の雇用や就労の場を確保することは重要な取り組みであります。
昨年の三月にオープンした、地下鉄大門駅の第一号店のトロアは、障害者の方が働いているパン屋さんです。大門は乗りかえに利用しますので、私もパンを買いによくトロアに行きますけれども、障害者の方が喜々として働いて、その姿にいつも感動し、心地よい思いをしております。
先日の公営企業委員会では、我が党の松葉議員の質問に対して、いよいよ第二号店を、今年度は大江戸線の若松河田駅に開店するとの答弁がありました。
そこで、障害者が働く駅構内店舗の設置に関する基本的な考え方と今後の取り組みについて伺います。
○金子交通局長 障害者が自立した社会生活を営むに当たって、就労の場を確保することは重要なことであり、交通局では、障害者の自立と雇用を支援する観点から、都営地下鉄駅構内に障害者が働く店舗を設置することといたしました。その第一号店は、ただいまご発言がありましたように、本年三月に大江戸線大門駅に開店したところでございます。
今年度は、大江戸線の若松河田駅に二店目を設置する予定でございますが、今後とも、関係区や障害者団体などと調整を図りながら、三年間で三店舗設置という目標を確実に実施してまいります。
○野上委員 ぜひ、第二号店の次は第三号店というふうに設置できるよう、鋭意努力をしていただきたいと思います。
次に、利用者サービスの観点から、女性専用車両について伺います。
女性専用車両は、平成二十年四月現在、全国七十六路線で導入されています。首都圏でも、JR東日本を初め東京地下鉄、大手民鉄で導入が進み、多くの都民にもその存在は浸透しております。
警視庁によると、電車の中の痴漢発生は、検挙数だけでも、平成十七年に千八百五十三件、平成十八年は千八百十件、平成十九年は千五百九十三件であります。これは認知件数だけです。つかまらなかったけれども、現実にはこの何倍もの痴漢が発生し、被害届も出さずに泣き寝入りしているものと思われます。
都営地下鉄では新宿線において、平成十七年五月にモデル実施、新宿から本八幡間で、平成十八年十二月には本八幡から新宿間で、いずれも朝のラッシュ時間帯に女性専用車両を導入いたしました。この新宿線の女性専用車両は女性には大変評判がよく、多くの賛同を得ております。女性専用車両は全国的にも要望が強く、都営地下鉄でも今後さらに路線を拡大すべきと考えます。
新宿線において女性専用車両を本格的に導入してから約二年が経過し、女性専用車両の状況もわかってきたと思いますが、これまで女性専用車両を運営する上で問題となるようなことはなかったでしょうか。
○金子交通局長 新宿線における女性専用車両の運行に当たりましては、当初は、お客様がふなれなことから、ホームや車内での混乱を防止するため、案内整理員を新たに配置するなど、万全を期したところでございます。
新宿線は、車両が八両または十両編成で運行を行っておりまして、混雑率も大江戸線ほどは高くなく、相互直通運転を行っている会社が一社であるという、女性専用車両を運営する上では有利な条件にございました。お客様のご協力などもありまして、運行開始当初から大きなトラブルは生じておりません。
○野上委員 新宿線における女性専用車両の運営では、特に問題がないということがわかりました。女性だけでなく、小学生、それから障害者の方も利用できますし、何よりも男性の冤罪を防ぐためにも女性専用車両は必要であり、最も有効な対策です。
これから年末にかけて酔っぱらいが多くなりますが、十一時を過ぎた深夜の時間帯などでの導入、これは既に京王線で導入されております。新宿線と相互乗り入れをしている京王線ですので、検討はしやすいと思います。また、都営地下鉄新宿線以外の浅草線、大江戸線、三田線など他の路線への導入も検討すべきです。ぜひ女性専用車両の路線の拡大、深夜の時間帯への導入を強く要望いたします。
次に、水道局について伺います。
平成十六年の六月から、水道局では、安全でおいしい水プロジェクトとして、都民に安全でおいしい水を届けるために、水源から蛇口に至るまでさまざまな施策を実施してきました。その一環として、昨年度から、公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業を立ち上げています。私も小学校の教員として長年教壇に立ってきましたが、学校では夏場の水は生ぬるく、土日の休み明けの水はおいしくありません。貯水槽の水が滞留するからです。
次世代を担う児童に水の本当のおいしさを伝えていくことは、私たち大人が当然のこととして受け継いできた日本のよき伝統を伝えていくことであり、極めて意義深いことと受けとめております。そうした面から、本事業を立ち上げた水道局の取り組みを評価したいと思います。
そこで、事業開始から一年を経て、実際に直結化を行った学校の評価は、どんな声が聞かれるのか、伺います。
○東岡水道局長 直結化を行った学校での評価についてでございますが、水道局では、平成十九年度に直結給水化工事を実施した三十一校のうち、夏休み期間中に工事が完了した二十二校において、事業効果を把握するため、四年生以上の児童と教職員合わせて五千名を対象に、工事の前後にアンケート調査を実施いたしました。
その結果、教職員からの回答では、水道水に満足しているが三割から六割に増加するとともに、学校の水道水を飲む児童も八割を超えました。また、アンケートの中の自由意見では、児童から、水がおいしくなったのでたくさん飲むようになった、冷たい水がすぐ出るようになったなどの声が寄せられ、また教職員からも、水筒を持参する児童が減ったなど、本モデル事業に対して高い評価をいただいております。
○野上委員 児童等の評価も高く、本事業を今後も推進していただきたいと思います。
この事業は、学校の耐震化、補強等の工事と兼ねて行ったりしているようですが、中国の四川大地震の後、学校の耐震事業も急ピッチで進んでおりまして、私の地元の葛飾区におきましては、小学校、中学校ともに一〇〇%耐震化が完了しました。そうした耐震化の工事とともに水飲み栓直結事業を推進していこうとの流れに乗れない学校も出てくるわけでございます。これからの課題となりますが、そうした学校も前向きに検討していただきたいと要望しておきます。
水道局ではこれまでも、「水道ニュース」や水道キャラバンなどを通じて事業のPRを行ってきておりますが、今後さらに学校の直結給水化を進めていくためには、区市町への情報提供やサポートの充実が欠かせないと思います。区市町の置かれたそれぞれの事情をしんしゃくしながら、緊密に連絡をとって事業を進めていただくようお願いいたします。
小学校の水飲み栓直結化を初め、水道局がさまざまな施策に取り組み、より安全でおいしい水の供給を推進していることは、我が党も高く評価しております。今後も積極的に進めていっていただきたいと考えております。
そこで、安全でおいしい水の供給に向けた局長の決意を伺います。
○東岡水道局長 水道局では、より多くのお客様に安心しておいしい水道水を飲んでいただくために、安全でおいしい水プロジェクトを実施しております。このプロジェクトの一環として、利根川水系の全浄水場への高度浄水処理の導入や、塩素濃度の低いおいしい水を供給するための残留塩素低減化対策、ビルやマンションの各階へ配水管から直接給水する直結給水方式の普及促進など、水源から蛇口に至るまでの総合的な施策を進めております。
また、水道水の安全性やおいしさへの理解を深めていただくため、小学校四年生を対象とした水道キャラバンや親子水道施設見学会など、各種イベントなどを実施しております。
こうした施策を積極的に実施していくことにより、蛇口から直接水を飲むという日本が誇る水道文化を守り、次の世代に継承してまいります。
○野上委員 こうしたおいしい水も、事故や渇水などのときにも確実に供給できなければ、都民の期待にこたえることはできません。給水の安定性を確保することは、水のおいしさと同様に重要なことといえます。先ほど局長が、八ッ場ダムなど必要な水源開発を着実に推進していくとの答弁がありましたが、我が党もまさにそのとおりだと考えております。
二十世紀には石油争奪で戦争が勃発したが、二十一世紀には水が原因で戦争が起こるだろうと、「ニューズウイーク」等で報じられてきております。日本人は、世界各国で進行している水危機について、まだまだ他人事のようにとらえ過ぎているのではないでしょうか。私たちの子どもや孫の世代においても安全でおいしい水を供給し続けられるよう、八ッ場ダムなどの水源の確保についても積極的に推進していただきたいと申し述べておきます。
次に、下水道局の環境対策について質問いたします。
我が都議会公明党は、一貫して環境保全の重要性を訴えてきました。下水道局では以前から、水環境の保全のため、都民、事業者に、下水道に油を流さないよう呼びかける啓発運動を行っています。
また最近では、使用する油の量を控えた料理を紹介するダイエットレシピを配布しています。ダイエットレシピはどのような観点から作成したのか、伺います。
○今里下水道局長 下水道に油を流しますと、下水道管の中で固まり、詰まりや悪臭の原因になります。また、大雨が降りますと、管内にこびりついた油がはがされ、大量の雨水とともに川や海に流れ出すこともあります。
このため、当局では、都民や事業者の方々に対しまして、下水道に油を流さないよう呼びかける啓発活動を行っております。
ダイエットレシピは、この啓発活動の取り組みの一つといたしまして、調理方法を工夫して、使用する油の量を控えた料理を紹介するもので、当局職員の発想によりまして、栄養専門学校と連携をいたしまして、平成十七年度に初めて作成したものでございます。
当局といたしましては、下水道への油の流入を減らすとともに、使用する油の量が減ることで、食べる方々の健康にも配慮したこのダイエットレシピを普及させまして、食事という身近なことを通じて、都民の方々に下水道に油を流さないという意識を広め、下水道に対する関心や親しみを持っていただきたいとの趣旨で現在PRに努めているところでございます。
○野上委員 私は料理教室を地域の方々と行っていて、その中で、ダイエットレシピを使って幾つかの料理も取り上げてみました。特に、油の量を極力少なくして電子レンジを上手に活用した料理は定評があります。下水道に油を流さないということと健康とを結びつけるというダイエットレシピのコンセプトは、健康に関心が高まっている時代状況とマッチする、都民が取り組みやすい方法です。
下水道局は、せっかくつくったこのダイエットレシピをより多くの人にPRして、使ってもらうことが大事ではないかと思います。その方法はどのようにしているのでしょうか。
○今里下水道局長 初めてダイエットレシピを作成いたしました平成十七年度は、約一万部を、当局の水再生センターでのイベントや区市町村が実施する各種のイベントで配布いたしました。翌年度以降は順次配布場所を拡大いたしまして、都民の方々が気軽に手にとっていただけるよう、区市町村や金融機関、交通機関に協力を依頼いたしまして、各窓口において配布をしたり、子どもたちを通して家庭にも広めてもらうために、都内のすべての小学校へ配布するなどいたしまして、これまでに約百二十万部を配布したところでございます。
また、レシピの配布だけでなく、幾つかのイベントでは料理の実演と試食会も実施し、ダイエットレシピのよさを実感していただく取り組みも行っております。
さらに昨年度からは、レシピへの関心をより高めることをねらいといたしまして、ダイエットレシピコンテストを開始し、レシピの公募を行っておりますが、今年度は募集対象を全国の栄養士、調理師養成学校などに拡大したところ、約三千件の応募がありまして、予想以上の反応の高さに驚いているところでございます。
今後とも、下水道に対する関心や親しみを持っていただくよう、ダイエットレシピを使ったPRを積極的に進めてまいります。
○野上委員 ダイエットレシピは、健康と下水道を結びつけることにより、全国からも注目され、人々の関心や興味を引くものとなっています。今後とも、より多くのダイエットレシピを作成してホームページに掲載するなどして、都民一人一人の環境意識を高め、環境に配慮した行動に参加するよう促していく取り組みを積極的に進めていってほしいと思います。
次に、病院経営本部に入ります。
先月四日、墨東病院に緊急搬送された妊婦さんがお亡くなりになったことについて、亡くなられた方及びご遺族の方に対し、改めて心から哀悼の意を表します。
また、今月五日には、九月の下旬、多摩地域に居住されていた妊婦さんが、今回の墨東病院の件と同じ脳内出血を発症し、総合周産期母子医療センターを含む六病院に搬送を断られ、結果的には墨東病院に母体搬送され、無事お子様は出産されたものの、いまだに意識不明の状態であることが判明いたしました。改めて周産期医療と救急医療の連携のあり方が大きな問題として浮き彫りになってきたといえます。
これは、東京都だけでなく、国レベルの問題としてしっかり受けとめ、その打開策に向けて対応していただくよう、私どもも総力を挙げて要請していきたいと考えております。この連携のあり方については福祉保健局ということで、別の機会に質疑をさせていただきます。
いずれにしましても、根本的には産科医不足が大きな要因となっていることは間違いありません。現在、全国的な産科医不足が問題となっており、そうした中にあっても、女性医師の割合が高まっていることは承知しております。女性医師が結婚、出産等をしても、勤務と家庭との両立が可能となる働きやすい職場環境づくりを行うことができれば、離職防止につながり、また若手医師においても産科を希望するようになると考えます。
そこで、改めて都立病院における女性医師の割合について伺います。
○中井病院経営本部長 平成十九年十月一日現在での都立病院における医師総数八百八名に対し、女性医師は百八十六名であり、その割合は二三%であります。
なお、このうち産婦人科に関しては、とりわけ女性の割合が高く、同時点で、現員三十五名のうち女性医師十八名と、半数を超える状況になっております。
○野上委員 都立病院産婦人科においても、女性医師が実に半数を超えている現状があるわけです。我が党は、ふえ続ける女性医師の方々がワークライフバランスが可能となるよう、医療現場の実態に即した形での現実的かつ効果的な対策を講じていただくよう、一貫して主張してきました。
私も、昨年の第三回定例都議会の代表質問において、子育て支援の重要性について言及し、特に、三交代勤務が行われている都立病院などで率先して二十四時間保育体制を実施するよう主張しました。そのことに対し病院経営本部からは、院内保育室の二十四時間化は、医療に従事する女性職員の確保と定着のために有効な方策の一つであり、実施に向け検討を進めるという前向きなご答弁をいただいております。
そこで、都立病院における院内保育室の充実の進捗状況、並びに女性医師が出産しても安心して勤務を続けられるよう、どのような対策を講じてきたのか、またその成果についてもお伺いします。
○中井病院経営本部長 女性医師対策として、平成十九年度には、院内保育室の対象年齢を二歳未満から三歳までに拡大するとともに、一部の都立病院において午後十時までの延長保育を実施するなど、育児支援の充実を図ったところであります。
その後も、さらなる対策の強化に向けて、利用頻度の高い一部病院の院内保育室の二十四時間化や、育児期間中においても柔軟な勤務が可能となる育児短時間勤務制度の導入について検討を行い、それぞれ本年四月と七月から実施に移しております。
ちなみに、二十四時間保育については、府中、墨東病院で本年四月から、また大塚病院においても十月から実施しておりますが、子育て中の女性医師等から非常に好評を得ているところでございます。また、育児短時間勤務制度についても、既に六名の女性医師が利用しております。
これらの対策は、都立病院医師不足の状況を少しでも解消する点で、確かな成果につながっていると考えております。
○野上委員 我が党の主張が実り、院内保育室の二十四時間化などの対策を講じていただいたことは大いに評価します。また、こうした対策により、本来ならば離職していたかもしれない女性医師が現場に踏みとどまっていただいたことは、都立病院にとっても一つの成果であったと思います。
私にも女性医師の友人がおりますが、保育園の送り迎えをしてくれる人とベビーシッター、そして、病気のときの地方からわざわざ新幹線で駆けつけてくれる実家の母親の手助けがなければやっていけなかったということを聞いております。
またもう一人、離職をしてしまった友人は、子どもさんが二人目になったときに、もうやっていけないと限界を感じ、職をやむなく離れました。こうした一度離職した女性医師が再度働くための環境づくりも大切な要素だと思います。研修会や講習会などを開くなど再教育を行って、職場復帰ができるよう、今後とも女性医師が働きやすい環境づくりに向けて尽力されるよう要望します。
次に、都立病院の女性専用外来について伺います。
女性特有の身体的症状や精神的不安などを総合的に診療できるのが女性専用外来です。ジェンダー・スペシフィック・メディシン、つまり性差に基づいた医療は--多くの生理学的研究が男性をモデルにしております。体重八十キロの男性と体重四十五キロの女性が同じ薬の量を調合されても、女性には薬が効き過ぎてしまうということもあります。さらに更年期障害とかがありまして、体の構造、体質、ホルモンの働きの違いなど、性差を見きわめた治療が大切といわれております。
平成十五年当時、女性専用外来というのは、全国、民間、公立合わせて四病院しかございませんでしたが、ことしはもう既に百を超えております。女性の気持ちがよくわかり、安心して診療が受けられる、男性の医師に聞くのは恥ずかしいと思っていることが気軽に相談できると大好評でございます。
思春期から更年期まで女性特有の病気について、性差を考慮しつつ、トータルな立場から看護師さんや女医の診察を受ける女性専用外来でございますが、ホルモンバランスの変化等による女性特有のストレス、心身の変調など、専門の医師が診断、治療を行う女性専用外来でございますけれども、これは我が党の主張により、平成十五年七月に、大塚病院に最初に女性専用外来が設置されたところです。続いて、平成十六年七月に墨東病院、平成十六年九月に府中病院と次々に設置され、現在、都立病院では三病院で開設をしております。
受診患者さんからは、診療時間が長く、丁寧に話を聞いていただき、不安が解消されたとか、初めて確定した病名がつけられ、安心して治療に専念できるなどの意見があったと伺っております。都立病院での高水準で専門性の高い医療機能を生かして都民ニーズにこたえていく取り組みとして、高く評価するものです。
都立病院での女性専用外来は、皮切りとなった大塚病院での開設から五年が経過し、一つの節目を迎えたといえます。
そこで伺いますが、平成十九年度の各病院の診療実績はどのような状況でしょうか。
○中井病院経営本部長 平成十九年度の女性専用外来の診療実績でございますが、大塚病院は、延べ患者数一千八百二十三名、前年度に比べ二百十六名の減、墨東病院は、延べ患者数一千二百九十七名、前年度に比べ四百四十三名の増、府中病院は、延べ患者数二百三十名で、前年度に比べ四十一名の増となっております。
女性専用外来全体では、延べ患者数三千三百五十名で、前年度に比べ二百六十八名の増となってございます。
○野上委員 数多くの患者さんが利用され、全体として患者さんの数も着実にふえていることがわかりました。
ただ、やはり女性特有の病気となると、診察や相談もなかなかしづらいこともあると思います。患者さんにとって利用しやすい女性専用外来であってこそ、初めてその存在意義があるといえます。患者さんが利用しやすい外来とするためには、いろいろと工夫も必要かと思います。
そこで、各病院の女性専用外来の具体的な診療の体制や工夫についてどのようになっているか、お伺いいたします。
○中井病院経営本部長 女性専用外来は、大塚病院では週四日、墨東、府中病院では週三日、それぞれ診療を行っております。
診察は、初診の場合、看護師による問診を含め三十分程度の時間をとっており、完全予約制で行っております。
診察室は個室にしておりまして、患者さんのプライバシーに十分配慮し、ゆったりと受診できる環境を整えております。
また、必要に応じて、他の診療科と連携して各専門医への紹介を行っていく振り分け外来としての機能も果たしております。
なお、予約については、現在のところ、大塚病院ではおおむね四日先、墨東病院ではおおむね二週間先、府中病院ではおおむね翌日の予約が可能となっております。
○野上委員 各病院での診療の体制を整えていることがわかりました。引き続き、利用しやすい女性専用外来の運営をお願いいたします。
なお、これは十九年度の公営企業会計の決算特別委員会なので、要望としてとどめておきますが、我が党の強い働きかけで設置された公社大久保病院の女性専用外来が、残念ながらことしの六月から休止となっております。担当医師の退職によるものと聞いておりますが、医師を確保し、一日も早く再開することを強く希望いたします。
次に、駒込病院について伺います。
我が党は、がん医療の推進に精力的に取り組んできました。先週の十一月五日も、都議会公明党議員団で駒込病院を改めて視察し、患者さんへの情報提供や緩和ケアのあり方について意見交換をしてきたところであります。
この駒込病院は、都内に数あるがん治療の病院の中から、本年二月に、財団法人癌研究会有明病院とともに、都道府県がん診療連携拠点病院に指定されたと聞いております。
そこでまず、都道府県がん診療連携拠点病院とはいかなるものなのか、お伺いいたします。
○中井病院経営本部長 都道府県がん診療連携拠点病院については、平成二十年三月に通知された厚生労働省のがん診療連携拠点病院の整備に関する指針に、その指定要件が定められております。
指針によれば、都道府県の中心的ながん診療機能を担うもので、地域がん診療連携拠点病院で専門的ながん診療を行う医師、薬剤師、看護師等を対象とした研修の実施や、地域がん診療連携拠点病院に対する情報提供や診療支援の実施、さらには都道府県がん診療連携協議会を設置して、院内がん登録データの分析、評価や、地域連携クリニカルパスの整備などを行うなどの役割を担うこととされております。
○野上委員 ただいまのお話によれば、人材育成から医療機関同士の連携、データの分析、評価に至るまで、まさにその名前のとおり、東京都のがん医療の拠点として中心的な役割を果たしていくということであります。
そこで、駒込病院が都道府県がん診療連携拠点病院としてその役割を果たしていくための取り組みについてお伺いいたします。
○中井病院経営本部長 駒込病院は、都道府県がん診療連携協議会の設置や、院内がん登録データの集積、分析、評価、地域連携の推進など、都におけるがん医療ネットワークの中心としての役割を果たすこととなっており、人材育成を中心に担う癌研有明病院との役割分担のもと、都道府県がん診療連携拠点病院としての取り組みを始めております。
六月三十日には、駒込病院や癌研有明病院のほかに、十二の地域がん診療連携拠点病院と十の東京都認定がん診療病院、東京都医師会、行政の代表者から構成される東京都がん診療連携協議会を初めて開催いたしました。こうした協議会を通じて、がん診療の連携協力体制や、相談、支援、提供体制の構築を図るとともに、がん医療に関する情報交換を積極的に行っていくこととしております。
今後も、駒込病院では、再編整備事業によるがん医療機能の充実に努めながら、東京都のがん医療ネットワークの中心としての役割を果たすことで、東京都全体のがん医療対策の推進に貢献してまいります。
○野上委員 駒込病院が東京都のがん医療政策において非常に大切な役割を果たしていくということが改めて認識できました。
都民の死因の第一位ががんであり、全死亡の約三割をがんが占めるという現状をかんがみた場合、都道府県がん診療連携拠点病院に指定された駒込病院への都民の期待は大きなものがあるといえます。現在、駒込病院は、PFIによる改修工事がいよいよ着工され、ハード面での整備が本格化していきます。都民のための病院である都立病院として、質の高いがん医療の提供を図り、都民のがん医療への期待に対してこたえるためにも、しっかりとした体制を整えて取り組んでもらうことを要望して、私からの質疑を終わります。
○花輪委員長 野上副委員長の発言は終わりました。
次に、松村理事の発言を許します。
○松村委員 私からも、墨東病院で亡くなられた妊婦の方に心から哀悼の意を表するとともに、改めて、都立病院における医師不足の深刻な現状、そして都立病院のあり方が問われている問題について伺います。
まず、平成十一年の財政再建推進プランで、都立病院への一般会計補助についてどのように指摘されたのか。また、当時の衛生局は、これを受けてどう対応したのですか。
○中井病院経営本部長 財政再建推進プランでは、施策の見直し、再構築を進める中で、経常経費を平成十五年度までに一般財源ベースで十一年度予算額の二〇%削減することを目標として、経費の圧縮に取り組むとしております。この間、病床の効率的運用や経費の節減等の経営努力を行った結果、このプランの最終年度である十五年度の一般会計補助予算額は四百六億円であり、十一年度の五百八億円と比較して百二億円の減少となっております。
なお、この間、都立病院では、患者相談窓口の設置、東京ERの開設や女性専用外来の設置など、医療サービスのさらなる向上も行ったところであります。
○松村委員 財政再建推進プランを忠実に実行し、四年間で二〇%、百億円以上削減しました。その中でつくられたのが都立病院改革マスタープランであり、それに基づく都立病院改革実行プログラム、これがつくられたわけです。
平成十五年に策定した都立病院改革実行プログラム、ここに持ってきておりますし、この中での収支計画、ここに書かれておりますけれども、都立病院への一般会計繰入金を、平成十五年度の四百六億円から、本決算年度の平成十九年度には二百七十二億円まで減らしているわけです。どういう根拠で繰入金をこんなに減らすことができると考えていたのですか。
○中井病院経営本部長 平成十五年一月の計画策定時には、計画期間中に大久保病院、荏原病院、豊島病院の東京都保健医療公社への移管等を予定しており、病院数の減少による規模減を見込んでいたことが繰入金減少の大きな要素となっております。これに加えて、病床利用の効率化などの方策により経営改善努力を行うことで収支改善を図っていくことも、収支推計値の中には含まれております。
○松村委員 都立病院への繰入金は、救急や周産期医療を初めとした行政医療、不採算医療に対するものです。平成十一年度五百八億円だった繰入金を十九年度には二百七十二億円、五割近くまで減らすという、こんなことをしたら、都立病院が担うべき行政医療、不採算医療を大幅に縮小せざるを得ないことは明らかではないでしょうか。このような計画が大失敗だったことは既にはっきりしました。抜本的な再検討が必要です。
平成十一年度に築地産院が廃止され、都立病院改革マスタープランに基づいて、平成十四年に母子保健院が廃止されました。築地産院と母子保健院には、産科医師、助産師がそれぞれ何人いて、年間の分娩件数、またNICUは何床あったのですか。
○中井病院経営本部長 まず、築地産院の産科医師数、助産師数、分娩件数、それからNICUの数でございますが、平成十一年に墨東病院へ統合いたしました築地産院は、その前年度の平成十年度の数字が一年間トータルで見られる数字でございまして、産科医師は六名、助産師は四十四名、分娩件数は一千五十一件で、NICUは十二床でございました。
また、母子保健院、同様に廃院の前年度である平成十三年度の数字を申し上げますが、産科医師は五名、助産師は二十五名、分娩件数九百四十九件、NICUは三床でございました。
○松村委員 平成十年度以降、墨東病院の産科医師とNICU病床数は毎年どう推移してきましたか。また、本決算年度の母体搬送受け入れ状況、直近でいいんですけれども、それについて伺います。
○中井病院経営本部長 墨東病院の産科医の人員の推移でございますが、いずれも十月一日時点の数字でございますが、十五年度八名、十六、十七年度が七名、十八年度五名、十九年度四名となってございます。
搬送受け入れ要請件数でございますが、最近、直近三年間のものでございますが、十七年度が二百八十五件、十八年度三百二十件、十九年度三百八十九件でございます。(松村委員「受け入れ率ですよ。それとNICU。委員長、端的に答えるようにいってください」と呼ぶ)
失礼しました。NICUにつきましては、新病棟開設後の平成十一年度が十二床でございまして、以後、今日までこの十二床で来ております。
受け入れ……。よろしいですか。
○松村委員 受け入れ件数、先ほどパーセントが示されましたので、繰り返しません。
廃止された二つの病院を合わせれば、産科医師は十一名の体制、NICUは十五床であるはずが、統合した墨東病院は、定数が九、しかも、先ほど答弁がありました大幅欠員で、本決算年度の十九年度末には三名という事態になっていたと。NICUも三床減らしてしまいました。この結果が、拠点病院でありながら、要請の半数近く受け入れを断るという事態になっているのです。
限られた資源の有効活用のための拠点づくりだといって統廃合を繰り返してきましたが、拠点病院は機能しない、引き揚げられた地域には何も残らない、こういう結果ではないですか。本部長はどう思いますか。
○中井病院経営本部長 都立産院のまず廃止の経緯、理由でございますが、都立産院のあり方を検討しておりました平成五年当時、この当時において、少子、少産化などを背景として、分娩件数、助産件数とも、二十年前と比較して大幅に減少しておりました。その一方で、分娩件数に占める低体重児の割合は増加するなど、より質の高い母子医療体制の整備が求められていたところでございます。
こうしたことから、都立病院においては、分娩を扱う産科だけの体制から、内科や小児科などの総合診療基盤が整備されている総合病院を中心とした周産期医療体制の充実を図ることが必要と考えたものでございます。
なお、産院の廃止が行われたわけでございますが、それに伴いまして、従前の産院にいた医師、看護師、助産師は他の都立病院に配置がえをするということで、その後もそれぞれの部署で活躍をされておりますし、NICUにつきましても、産院で保有していたNICUは他の都立病院に移すことによって、NICUの都立病院全体の保有数は、産院の廃止によっても変わっておりません。
○松村委員 長期的見通しも持たず、そういう計画をつくってやってきた途端に失敗したということは、今でもはっきりしているというふうに思います。都立病院改革プログラムは、抜本的な見直し、再検討が今求められているというふうに思います。
都立病院の医師不足の背景に、給与が低い、働く待遇が不十分であることが指摘されています。平成十一年の外部監査で、医師の待遇を初め都立病院の運営についてどういう指摘がなされていたのですか。
○中井病院経営本部長 平成十一年度の包括外部監査では、自治体病院平均値との比較を行った結果、医師については、常勤医師の人数を削減するための方策について検討されたい、看護要員については、特に一人当たり月額給与単価を適正化するための方策について検討されたい、事務職員については、都立病院の月額給与単価が非常に高いことが判明したため、適正化するための方策について検討されたいなどといった包括外部監査人からの意見がございました。
○松村委員 包括外部監査は、石原知事が目玉として導入したものです。平成十一年度に初めて実施された包括外部監査の対象にされたのがこの都立病院で、その結果、都立病院に補助金が過剰に支出されている、中でも医師の給与が高過ぎるというものでした。当時、石原知事は、病院の院長は医師である必要はないとか、月刊誌で、医師は死ななきゃ治らない、こんなことまでいっていたんですよ。そういう対談までしていました。さらに、都立病院の売却を視野に入れた、検討するなどといってつくられたのが、この都立病院改革マスタープランだったのです。
この間の都立病院医師の手当を含めた年間給与の推移は、それではどうなっていますか。一九七六年度、八六年度、九六年度、そして二〇〇六年度について、また全国の自治体病院と比較した推移はどうですか。端的に答えてください。
○中井病院経営本部長 総務省の地方公営企業年鑑から都立病院医師の給与を他の自治体と比較いたしますと、一九七六年度は五十六自治体中三十一位、八六年度は五十七自治体中五十位、九六年度は五十九自治体中五十七位、二〇〇六年は六十一自治体中六十一位でございます。このように、東京都の給与水準は、かなり以前から他の自治体に比べて非常に低い状況にあったわけでございます。
しかしながら、多くの医師は、勤務先を選ぶに当たりまして、給与以外に、給与よりも、むしろみずからのスキルをアップできる条件がどこが整っているのか、具体的には、豊富な症例を経験できるとか、出身医局と近接しているとか、医療界の多様な人材との交流ができるとか、そういったことに重きを置く傾向がございまして、現に都立病院においてはそのような条件が非常にそろっていたことから、自治体の中での給与は低くても、医師の充足率は九八%というような高い数字が、十年前、二十年前の状況でございます。
○松村委員 今の数字は、七六年というのは美濃部都政ですよね、真ん中ちょっと下でした。八六年は鈴木都政、下から七番目。九六年は青島都政で、下から二番目。そして石原都政で最下位となったのです。
この物価の高い東京で、ほかのいろんな要素があるから給与は低くてもいいんだと、そんな今のいい分、本当にあきれてしまいますけれども、こういう事態に置かれたのは、まさに包括外部監査の指摘とは全く違って、一貫して全国最低水準に落ちてきたんですよ。にもかかわらず、石原知事がいい出した包括外部監査による指摘や財政再建推進プランに縛られて、全く改善が進まなかった、そういうことじゃないでしょうか。
人事院勧告に責任があるというが、手当を改善したいときは、都が方針を決めて予算をつけ、それを受けて人勧の勧告があります。要は東京都の姿勢の問題であることが明らかじゃありませんか。ですから、行き過ぎちゃったから、知事もようやく本決算年度に少し手当を上げ、そしてまた今年度、皆さん方が大幅にやったんだという、それでも中位ぐらいですけれども、だから、これはやる気になればできるわけです。それをやってこなかったというのが、まさにこれまでの都の実態ではないでしょうか。
都立病院の医師の一層の待遇改善が必要だと思いますが、どうでしょうか。
○中井病院経営本部長 医師の処遇につきましては、先ほども申し上げましたとおり、給与だけを見るのではなく、医師が働きやすい勤務環境、そして、医師はみずからの成長、スキルのアップができるのかどうかということを非常に重要なファクターとして考えるものでございます。そういう中で、都立病院はそういった要素が非常に多くそろっておりましたので、医師の充足については、給与を他の自治体よりもそれほど気にしなくても十分に確保できたという歴史的な事実がございます。
そういうことではございますが、十六年度から医師臨床研修制度が導入され、大学の医局の医師引き揚げなどにより、このころから医師不足が大きな社会的な問題として顕著化してきたわけでございます。
これをとらえ、東京都におきましても、十七年度に医師の確保、定着を促進するための給与の引き上げを検討し、十八年度は初任給調整手当の引き上げ、十九年度は宿日直手当の支給総額の増額を図りました。さらに、東京医師アカデミー開講に伴い、指導医層の確保、定着を促進するとともに、産科医師を初めとする医師不足がさらに深刻化する中で、都立病院における医師の確保、定着のため、今年度、年収で三百万を超える大幅な給与の引き上げを行ったところでございます。
このように、東京都といたしましては適時適切に処遇改善を行ってきておりまして、都の、処遇改善を行っていない、あるいはおくれているという指摘は当たらないと考えております。
○松村委員 今まで指摘した事実をきちっと見なさいよ。本当に見苦しいというか、そういういいわけ、そんなことをやっているから、今後とも都立病院が信頼の置ける病院になるかどうか、本当に危惧されますね。
産科、周産期医療の分野では、女性医師の確保が特に大事となってきています。大阪厚生年金病院を初め、都立病院以外の病院における女性医師の確保、働く環境の改善に向けた先進的な取り組みを把握していますか。また、それらの取り組みをどう評価しているのですか。
○中井病院経営本部長 昨年度、都立病院で実際に勤務している女性医師や大学医局、日本産婦人科学会等と精力的に意見交換を行い、都立病院の勤務実態に即した、育児と勤務が両立できる勤務環境改善に向けた検討を重ね、その過程において、当然のことながら、ご指摘の大阪厚生年金病院等の取り組みについても把握をしているところでございます。
この病院につきましては、女性医師の働きやすい職場づくりに熱心であるというふうに私どもも考えておりますが、それぞれの病院の事情、考え方もありまして、違うところはあるわけでございますが、育児休業、都立も三年、こちらの病院も三年でございます。最大三年でございます。それから、短時間勤務を入れているというのも、両方とも同じでございます。また、院内保育をそれぞれ実施しているということで、大まかにいって、やっていることは、多少違いはありますが、全体としては同じような状況にあろうかというふうに考えております。
ちなみに、二十四時間保育につきましては、既に東京都の方ではやっておりますが、こちらの病院ではまだやっていないという状況でございます。
○松村委員 ちゃんと見てくださいよ。大阪厚生年金病院では、女性医師の場合、育児休業は三年間であり、そのうち一年六カ月は雇用保険から月給の四割の有給保障があります。もしその三年間に就業したい場合には、週一日以上あれば、希望の日数の就業も可能です。お子さんが三歳以上になっても、小学校卒業までは、週三時間以上働けば正式職員として就業可能です。これらの就業時間短縮があっても、賞与は全額支給され、昇進に影響ありません。看護師やその他の職員もすべて同様というものです。
この結果、この病院では、産婦人科をとってみても、平成十九年度までの四年間で、医師の人件費も増加していますが、分娩件数は二倍、医業収入も五億から七億近くまで伸ばしています。また、産婦人科医師の超勤時間が、平成十六年度が一人平均二百三十・二時間から平成十九年度には九十三・一時間に短縮されています。こういう先進的な取り組みをもし把握しているというんだったら、やはり都立病院においても実践すべきではないでしょうか。
当面、私は、夜間の出産が多い産科については、当直勤務ではなく夜勤にして、看護師と同じように交代勤務を実施することを求めて、次の質問に移ります。
次に、築地市場の豊洲移転問題について伺います。
これまでの質疑で、豊洲の土壌汚染については、東京ガスが一九九八年から二〇〇七年にかけて行った調査と対策が、当時の基準、条例に基づくもので、内容についても手厚いものだと市場は繰り返し答弁していますが、それで移転予定地に決めた中央卸売市場の責任が本当に逃れられるものなのかということなんです。同じ東京ガスの田町工場跡地では、この間の法改正で、新たな基準での調査でより深刻な汚染状態が判明していたにもかかわらず、それを承知の上で、法を盾に豊洲への移転を強行しようとしたからです。
しかし、世論と都民運動がそれを許さず、石原知事も追い詰められて再調査した結果、今日の事態に至っていることからも明確です。
食の安全というのは、なぜ市場として万全な調査と対策をとることで臨まなかったんですか。市場の責任を問うているのです。見解を求めます。
○比留間中央卸売市場長 東京ガス株式会社は、平成十年から十一年にかけて、国の土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針に基づき、土壌と地下水の調査を実施いたしました。また、平成十四年には、前年に施行された環境確保条例に対応し、市場用地という特性も踏まえ、ベンゼンの表層土壌ガス調査を追加実施してございます。
これらの調査結果を受け、東京ガス株式会社は、環境確保条例に基づき、環境基準の十倍を超える汚染物質を深さにかかわらず除去するとともに、工場操業時の地盤面から深さ二メートルの範囲の環境基準を超える物質を除去し、平成十九年に対策を完了しております。
これら東京ガス株式会社が行った調査及び対策は、当時の国の指針や都の条例に基づいたものでございます。
○松村委員 東京ガスが行った当時の調査、対策について聞いているんじゃないんですよ。それで、よしと安全宣言まで行って移転をやろうとしたんですよ、市場が。そして、世論がそれをストップさせ、今日の事態となって再調査したという結果で、さらに今、技術会議で抜本的な対策を、さっき、市場会計じゃないからということだと、恐らく一般会計からの莫大な対策費用を持ち出してやらざるを得なくなった。そういうことになるに至った、その認識はどうなのかということを問うているんです。
もしそういう都民の世論や、石原知事が都知事選挙で追い詰められて、そういう公約と約束をしなければ、市場はそのままで、東京ガスがやった対策のままで、当時の法制度では十分なんだということでやってしまったでしょう。それと、今のこの時点に立ったその認識、反省はあるのかというふうに聞いているんです。
○比留間中央卸売市場長 東京ガス株式会社が行いました調査、対策については、ただいまご答弁申し上げたとおりでございますけれども、それに加えまして、東京都といたしましても、東京ガス株式会社の行った対策に加えて、さらに手厚い対策を講じるということを予定してございました。
○松村委員 この間の結果から、都民は、市場のそういう反省もない、責任を感じていない態度そのものに、食の安全に対する不信感を募らせているということを肝に銘じるべきだと思います。
技術会議で検討しているといいますが、それは専門家会議の調査を前提にしています。ところが、その専門家会議の調査に重大な欠陥があります。科学的に重大な疑義が提起されています。
いろいろ問題はありますが、きょうは二つの問題に絞って伺うんですけれども、まず、四千百二十二カ所の詳細調査の結果、環境基準を超過した割合は三六%でありながら、千倍以上を超えたのが土壌の二カ所、地下水で十三カ所で限定的などと、一千倍以上でなければ、環境基準を十倍または百倍なら安全と、どうしていい切れるんですか。やはり環境基準という法があるんですから、法を守る立場に立つべきではないでしょうか。
○比留間中央卸売市場長 豊洲新市場予定地の土壌汚染の状況でございますが、敷地全域に高濃度の汚染が広がっているわけではなく、その範囲は限定的でございます。この点を正確に理解していただくために、本年十月に策定したパンフレットにおいて、豊洲新市場予定地の汚染状況を、環境基準の千倍を一つの基準として、土壌と地下水の高濃度の汚染の分布を具体的にお示ししたものでございます。
したがって、これはあくまで汚染状況を示したものでございまして、安全であるか否かを述べたものではございません。
なお、このパンフレットの中には、環境基準を超えた箇所数、それから、環境基準が健康にどういう影響を及ぼすかということもきちんと明記してございます。
○松村委員 ここにパネルを、お許しをいただきまして、ありますけれども、今、この高濃度、四万三千倍だとか出たのがこの二カ所。これは限定的だというんですけれども、これを見てください。十倍、百倍、つまり環境基準を超えている。これはだから、グリーン以外はその表示なんですよね。限定的どころか、全体へ広がっているじゃないですか。こういう汚染が現実に調査結果で明らかになっているんですよ。
今、その答弁は、環境基準が人体にどういう影響を与えているかパンフレットの中にも書いてありますといいますけれども、市場として、そういうことで安全だということがいえるんですかというふうに質問しているんですよ。いかがですか。
○比留間中央卸売市場長 ただいまご答弁申し上げましたとおり、一千倍というのは、豊洲の新市場予定地が高濃度の汚染で全面が汚染されているわけではないということを、一つの一千倍ということを基準にお示ししたものでございまして、安全性の問題について、そこで云々しているわけではございません。
○松村委員 先に進みます。全くひどい話ですよね。一千倍以上じゃなければ問題ないと。
もう一つは、有楽町層というふうにいわれているものですけれども、専門家会議の提言を受け、技術会議で検討して対策をとるといいますけれども、有楽町層の下の地下水は汚染されていないことを前提にしていますよね。しかし、有楽町層の下が汚染されていないという科学的な根拠は、調査をしていないんですから、示されていないんです。地質の専門家は、そもそも有楽町層は不透水層でないと指摘しているんですよ。違いますか。
しかも、六月二十日の委員会で我が党は指摘しました。「ゆりかもめ」や水道管のボーリング、または「ゆりかもめ」の橋脚についてただす中で、どういうことを答えているんですか。調査時の記録がないとか、汚染が広がっている可能性は少ないとか、くいの周辺から水が漏れていることはないなどと答弁していますけれども、こんな無責任な科学的根拠もない答弁で、調査もしないで有楽町層下の地下水汚染はないなどというふうに私はいい切れないと思います。
大体、専門家会議がそういっているといいますけれども、日本環境学会は八月九日に声明を出し、埋め立て以前の軟弱な自然地層である有楽町層は、移転予定地の浅層部に広く分布し、問題となっている東京ガスの過去の工場操業に伴う地層汚染は、この層にまで及んでいる懸念が極めて濃いのに、専門家会議は、有楽町層は不透水層であるから汚染が及んだ可能性は低いなどという、全く、そういう判断に立っているということを厳しく指摘しています。
そこで、もう一つの問題は、現地再整備の問題です。知事は、現地再整備ができない理由にアスベスト対策問題を挙げていました。築地市場のアスベスト問題は、この間の我が党の質疑によって、飛散性でないし、安定していることからも、工事期間が長くなる問題があるが、現地再整備上、支障にならないことが明らかになっています。
問題は種地ですけれども、都は現市場内に種地がないといいますが、なぜ市場内に限るのですか。
○比留間中央卸売市場長 築地市場は、卸、仲卸業者を初め物販業者、輸送業者などの関連事業者が一体となって機能していることから、売り場や荷さばき場、駐車場などが分断されないようにすることが必要でございます。
このため、種地の場所は、ターレットやフォークリフトなどの構内搬送車両による荷の搬送が可能な距離にあること、買い出し人が水産、青果の仲卸店舗や関連店舗などの買い回りのため容易に移動できる位置にあること、仮移転に伴い店舗間に格差が生じ、営業活動に深刻な影響を与えない位置にあることなどが必要でございます。
こうしたことから、種地の場所は、場内または隣接した場所に確保することが不可欠でございます。
○松村委員 市場がいっている、種地が四・二ヘクタール必要だというのは、豊洲につくろうとしている新市場の規模と面積をこちらの市場でやるようなことを想定して、現在地再整備はできないということを盛んに根拠としておりますけれども、それは、今やはり市場に求められている耐震化とか老朽化、そういうものを即刻やっていく、そして、新たに今そういう規模の市場が必要だったら、改めて考えるというやり方もあるではありませんか。
大体、今、市場が、現に最盛期の六割以下になっている。これからの人口増もわからない。いろいろな経済不安がある中、なぜそもそもそういう大規模なその市場でなければならないというふうに、そこにしがみつくのか。だから、新市場の豊洲の規模を考えなければ--地元区もはっきりいっております。また、関係業者も、改めていろいろ、現地再整備ができるんだという提案をしているんです。そのことにしっかり耳を傾けなければならないと思います。
中央区長は、十一月十日、中央区の築地市場等街づくり対策特別委員会で、現在地再整備なら、種地の協力などに全力を尽くすと断言しております。やはり、直ちにそういう地元区と私は協議を開始するべきだというふうに思います。
もう一つは、この十一月七日に、東卸、水産協同組合の総代会選挙が行われ、百名の総代の七割を反対派の方が占めた。それからあと、三人に一人選ばれる理事についても、恐らく六割が理事を占めるだろうと出ております。やはり反対という声が、そういう関係者の中から高まってきているわけであります。やはりそういうところとしっかり話し合って意見を求めて、この再整備問題は考えるべきではないでしょうか。
これまでにも求めてまいりましたけれども、話し合うんですか。こういう団体と、または地元区と話し合うのかどうか、お聞きします。
○比留間中央卸売市場長 築地市場の移転の問題、これは長い経緯を持っておりまして、この長い経緯の間、業界団体、それから地元区である中央区、さらには移転候補先である江東区、緊密な話し合いをしてきております。特に、特に業界団体は、これは営業がかかっておりますので、プランを作成するに当たってのさまざまな場面で検討を行い、協議を行い、やってきた経緯がございます。
○花輪委員長 松村理事の発言は終わりました。
次に、大西委員の発言を許します。
○大西委員 東京都下水道局では、今年度が計画の最終年度となる再構築クイックプランに基づいて、区部における老朽化した下水道管渠の再構築を進めることにより、道路陥没対策や臭気対策、震災対策などを実施しておられます。既に法定耐用年数を超えている下水道管渠につきましては、引き続き急いで更新していく必要がありますが、問題は、高度経済成長期以降に大量整備したものが耐用年数を超え、老朽下水道管渠が急増する時期が、あと数年と目前に迫っていることです。
そこで、このような老朽下水道管渠の急増に対してどのように対応していこうと考えているのか、所見を伺います。
○今里下水道局長 下水道管渠の再構築は、老朽化対策にあわせ、都市化の進展に伴う雨水排除能力不足の解消や耐震性の向上などを図る機能の高度化、維持管理しやすい下水道システムの構築などを目的に実施しております。
現在、法定耐用年数五十年を経過した下水道管渠は、先ほどの石森理事のご質問にお答えした下水道幹線百二十キロメートルを含めて約一千五百キロメートルございます。
こうした老朽化した下水道管渠の再構築を進めるに当たりましては、まずテレビカメラ等によりまして下水道管渠の状況を把握、評価いたしまして、予防保全を重視した維持管理に取り組んでいるところでございます。その上で、ライフサイクルコストの最小化を図るとともに、既存の下水道管渠の延命化などによる更新時期の平準化を図るなど、計画的かつ効率的な事業を進めております。
今後一斉に更新時期を迎えます下水道管渠の再構築につきましても、同様の手法で事業を進めてまいります。
○大西委員 老朽化した下水道管渠を再構築することは、道路陥没対策にもなるわけです。ことしの八月五日、私の地元である足立区千住四丁目付近で大きな道路陥没が発生し、バイクで走行中の男性がそこに落ちてけがをするという事故が起きました。陥没した場所は、縦五メートル、幅四メートル、深さが何と七メートル。これは二階建ての住宅の屋根の高さに相当する深さです。これだけの規模だったにもかかわらず、不幸中の幸いといいましょうか、被害者はこの男性お一人で済みました。
当時、陥没箇所付近では下水道工事が行われていたと聞いていますが、まず、この工事が直接的にあるいは間接的に陥没の原因になっているのかどうかも含め、このときの陥没の原因がどのようなものだったと考えているのか、所見をお伺いいたします。
○今里下水道局長 足立区千住四丁目付近では浸水被害が頻発しておりましたため、この地域の雨水を既設の貯留管に取水する新たな下水管を整備しておりましたが、この下水管を既設の貯留管に接続する箇所の近くで道路陥没が発生したものでございます。
当初の計画では、新たな下水管は、既設の貯留管の近くの道路内に立て坑を設置し、推進工法で施工する予定でございましたが、地元住民の方々からの理解が得られませんでした。このため、約五百四十メートル離れました千住寿町付近で施工中の下水道管の中から推進工法で施工しなければならなくなり、技術的にかなり困難なものでございました。
また、当時の工程では、梅雨前には既設貯留管への接続を完了させる予定でございましたが、新たに整備する下水管のルート上に支障となる障害物があることが新たにわかりまして、その除去に時間を要したため、既設貯留管に到達したのが七月末になってしまいました。
接続します箇所の施工に当たりましては、土を凍らせて補強する凍結工法を採用いたしましたが、凍結による土の膨張などによりまして、地下水の流入を防ぐ目的で接続部に設置いたしましたゴム製のパッキンの上部が変形し、すき間が発生いたしました。
道路陥没が発生いたしました前日の八月四日に集中豪雨がありましたため、浸水被害の発生を防ぐ目的で、この工事の完成前ではございましたが、既設の貯留管に雨水を貯留しております。貯留した雨水によりまして、先ほどの凍結させました地盤の解凍が促進されるとともに、降雨によりまして地下水位が上昇いたしまして土砂の流入圧力が増加したことなどの複合的な要因によりまして、ゴム製のパッキンのすき間が広がりまして、そこから貯留管内に土砂が流入し、道路陥没の原因となったものと考えております。
なお、二次災害の発生に留意しつつ復旧に努めました結果、十月中旬には復旧を完了し、貯留管流入を再開しております。
○大西委員 この足立区での事故の発生は午後二時十五分、これに対する水道やガスなどライフラインの復旧と土砂による埋め戻し作業は翌日の午後九時四十分ごろに完了と、陥没の規模から見ても、相当迅速に対処されたことは、率直に評価したいと思います。
この埋め戻しに関連してといいますか、下水道工事の掘削で発生する土、いわゆる建設発生土を改良して埋め戻し用の土をつくるという事業が、昭和六十三年から中川水再生センターの建設発生土改良プラントで行われており、平成十五年の一月からは土づくりの里として更新されています。この土づくりの里に関して、分科会でも質疑が行われたようですが、それとは別の観点から何点か伺ってまいりたいと思います。
まず、土の改良を行うに当たっては、土づくりの里に持ち込まれる建設発生土そのものの性状を把握した上で実施する必要があると思いますが、改良前に建設発生土に含まれる有害物質の検査は行っているのかどうか、その方法や内容、検査結果の取り扱いも含め、伺います。
○今里下水道局長 土づくりの里では、コンクリートなどが混入していないこと、有害物質が含まれていないことなどの条件を満足する建設発生土を受け入れております。
有害物質の試験につきましては、五百立方メートル以上の建設発生土を搬入する工事を対象に実施しております。
試験の方法ですが、土壌汚染対策法などに基づく六価クロム等三十五項目の有害物質などの試験を行いまして、基準値以下であることを確認しておりますが、これまで、基準値を超える有害物質が検出され、土づくりの里への建設発生土の搬入ができなかった工事はございません。
また、土壌調査の結果につきましては、地元自治会、足立区、下水道局で構成いたします中川処理場連絡協議会に昨年度から報告をしております。
○大西委員 中川水再生センター用地は、都市計画で下水道施設と公園施設以外の利用はできないことになっていると理解しておりますが、現在、用地内には、土づくりの里の管理運営業務を委託している下水道局の所管する監理団体である東京都下水道サービス株式会社が賃貸用の駐車場として使用している部分があります。これが都市計画法上、整合しているのかどうか、このような利用に問題はないのか、所見を伺います。
○今里下水道局長 当該の駐車場として使用しております用地は、下水道施設を建設するまでの間、公共用地の有効利用の観点から駐車場用地として貸し付けているものでございます。
都市計画事業の事業地内におきましては、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある建築物等の建築などに制限がございますが、当局が公用または公共に供するための必要があるとき、駐車場の土地貸付契約を解除できることとしておりますので、都市計画上の施行の障害とはなりません。
○大西委員 土づくりの里のプラントの生産能力は、建設発生土が年間で約十二万立方メートルの改良土を生産できると聞いておりますが、昨年度実績ベースで、土づくりの里に搬入して生産した改良土の生産量、改良土の搬出量がそれぞれどのようになっているのか、伺います。
○今里下水道局長 平成十九年度に土づくりの里におきまして生産した改良土は約十二万三千立方メートル、搬出いたしました改良土は約十二万立方メートルでございます。
○大西委員 ちなみに、先ほどの足立の道路陥没では、土づくりの里で生産された改良土が埋め戻しに使われたのでしょうか。もし使われていれば、その使用量もあわせてお伺いします。
○今里下水道局長 足立区千住四丁目付近で発生いたしました道路陥没箇所の埋め戻しには、全体で約百三十立方メートルの土を投入いたしましたが、このうち三十五立方メートルが土づくりの里で生産した改良土でございます。
○大西委員 土づくりの里に搬入される土が発生した工事現場の場所や搬入量、現場からの輸送方法や搬入時刻、また、逆に、搬出する改良土が使われる工事現場の場所や量、現場への輸送方法や納入時刻などについて、下水道局としてはどのように把握をしているのか、お伺いいたします。
○今里下水道局長 土づくりの里におきましては、工事の請負者に建設発生土の搬入や改良土の搬出に使用する運搬車両を事前に登録させるとともに、伝票などによりまして、建設発生土の搬入、改良土の搬出を適切に管理しております。
具体的には、事前登録されました運搬車が建設発生土を搬入するごとに、日付、入庫時間、車両番号、積載量などを記載した伝票が、土づくりの里から建設発生土を搬入した工事の請負者に発行されます。当局の監督員は、請負者からの伝票の提出を受けまして、土づくりの里への建設発生土の搬入量を集計し、設計数量と照合することで、建設発生土が適切に土づくりの里に搬入されたことを確認しております。
土づくりの里から搬出されます改良土につきましても、同様の方法で、事前登録された運搬車が改良土を搬出するごとに、日付、出庫時間、車両番号、積載量などを記載した伝票が、土づくりの里から改良土を利用する工事の請負者に発行され、当局の監督員は、改良土が適切に下水道局の工事に利用されたことを確認しております。
○大西委員 なぜこのような質問をしたかと申しますと、実は先日、土づくりの里で改良土を積み込み、下水道工事現場に向かうトラックを、地元の人たちがちょっと追跡調査をしてみたわけですね。ここにその写真がたくさんあるわけですが(写真を示す)、たくさんの車を、本当に下水道の工事に使っているのかというところで、追いかけてみたわけです。そうしたら、調査した数台のトラックが、都内や都外にある民間の残土、資材センターに持ち込まれているという事実を確認したからであります。そのうちは埼玉に行った車もございます。これらはそのトラックの写真でございますが。
そこで、下水道局としては、土づくりの里の改良土が下水道の工事現場以外に搬入されているということを把握しておられるのか。また、その理由は何かをお伺いいたします。
○今里下水道局長 下水道局では、建設発生土の改良土が下水道工事現場以外に仮に搬入された事例を確認しておりますが、これらはすべて、請負者が確保しております仮置き場所に搬入された事例でございます。
仮置き場所に搬入する理由ですが、ますや取りつけ管の工事などの少量の改良土の埋め戻しを行う場合、道路幅員が狭い現場などは、小さな車両で搬入しなければならないケースもあります。こうした場合、仮置き場所に改良土を仮置きした上で、小さな車両に積みかえまして工事現場に搬入する必要がございます。
また、土づくりの里に建設発生土を搬入した運搬車両が、帰りに改良土を運搬することで効率的な運搬を行っているケースがあるわけですが、この場合、改良土の埋め戻し工程との調整が必要となることから、一時仮置きをした上で工事現場に搬入することもございます。
○大西委員 小さな車両の必要性で仮置きをしているとのご答弁ですが、その場合、土づくりの里から小さなトラックを直接使えばいいと思います。
また、八月二十九日の調査では、十四台中十二台が仮置き場の運搬車両でもあります。こんなにたくさんの量が小分け用に使われるとは、なかなか思えないとも思います。
さらに、仮置きした改良土がそのまま小分けに下水道工事現場へ搬出されていれば問題ありませんが、改良土に品質の粗悪な土を業者が意図的に混入して下水道工事現場へ搬出する可能性もあると考えられます。
例えば、この写真などは、産業廃棄物名が瓦れき類になって保管をしているというところもございます。仮置きされた改良土が、間違いなくそのまま下水道工事現場へ搬出されているということをどのように確認しているのか、伺います。
○今里下水道局長 土づくりの里におきましては、工事の請負者に改良土の搬出に使用する運搬車両を事前に登録させるとともに、伝票などにより改良土の搬出を適切に管理しているところです。
具体的には、土づくりの里から搬出される改良土につきましては、事前登録されました運搬車両が改良土を搬出するごとに、日付、出庫時間、車両番号、積載量を記載した伝票が発行されております。
一方、請負者は、土木工事標準仕様書に基づきまして、材質がわかるように埋め戻し状況の写真撮影を行うとともに、一定の頻度で埋め戻し現場におきます貫入試験を実施し、埋め戻し土の強度の確認を行っております。
また、工事現場に改良土が搬入される都度、色やにおい、粒子の大きさ等の材質などの確認によりまして、土づくりの里の改良土であることを確認しております。
改良土の仮置きを必要とする工事につきましては、工事請負者は仮置き場所の住所や運搬経路などを施工計画書として提出するとともに、仮置き場所において、改良土と他の土との混入が防止できるよう、適切に管理されていることを定期的に確認しております。
これらの品質管理の実施結果や写真などにつきましては、請負者から工事監督員に提出されますが、工事監督員は、土づくりの里が発行しました伝票と設計数量との照合、埋め戻し状況の写真による改良土の材質の確認、貫入試験結果による埋め戻し土の強度の確認などによりまして、土づくりの里の改良土が適切に工事現場に搬入されたことを確認しております。
下水道局といたしましては、このような品質管理の方法によりまして、土づくりの里から搬出された改良土が仮置きされる場合でも、最終的には下水道工事の現場に適切に搬入されているものと考えております。悪意で意図的にというふうなことが発生するということは、基本的には考えておりません。
○大西委員 指摘した事例は想定していないというご答弁でございましたが、この写真でもわかるように、資材置き場に使われているところは外壁に囲まれている場合が多うございます。これは中を隠すというよりも、粉じんが外に飛ばないように外壁がつくられているわけですが、しかし、中が見えないのもまた事実でございます。疑ってかかる必要もないとは思いますが、十二分に確認されることを望みます。
また、民間の残土、資材センターに持ち込みということは、費用面で疑問も残ります。先ほどの調査の事例では埼玉に運ばれているわけでございますから、トラックの運送費用や土の保管経費などが余分にかかったり、さらに余分なCO2排出など、問題もあることを指摘しておきます。
これまでの答弁で、土づくりの重要性、このことはある程度理解しているつもりではおります。しかしながら、この施設は水処理施設の整備までの暫定施設と聞いており、地元住民の立場からいえば、水再生センターの施設が整備され、その上部が公園に開放されることを強く望む声があるのもまた事実です。
そこで、この土づくりの里は、いつまで建設発生土の改良プラントとして使い続けるおつもりなのか、お伺いいたします。
○今里下水道局長 建設発生土の改良は、埋立処分量の削減や建設資源の有効利用を図ることなどを目的に整備されたものでございまして、下水道工事の建設発生土を改良して埋め戻しに再利用する大変重要な施設と、土づくりの里は位置づけております。
改良プラント用地として使用するために必要な規模、先ほど先生もおっしゃいました車のむだな排気ガスを出さないために、下水道工事現場からの運搬費用等を考慮いたしまして、暫定的に中川水再生センターの拡張用地に整備したものでございます。
今後とも、地元住民の代表、足立区、局で構成いたします中川処理場連絡協議会におきまして、建設発生土の再利用の重要性などにつきましてご理解を得ながら、本施設などを活用いたしまして、下水道局における建設発生土の有効利用を引き続き図ってまいります。
○大西委員 今のご答弁の中で、暫定的に整備したとございました。これは昭和六十一年十二月に、当初の都市計画法上の目的になかった残土プラント施設の基本計画が示され、期間は十年だから認めてくれと設置したわけでございます。その後、昭和六十二年の第十三回の中川地区下水道整備連絡協議会にて、多少前後することもあろうかという前置きつきで、一九九四年までに終了するとの約束もしております。昭和六十一年からは既に二十二年、一九九四年からは既に十四年が過ぎています。いまだに暫定的というのは少しおかしいのではないかと思います。
また、この場所は都が指定した避難場所にもなっています。今、大震災が起これば、避難所として機能しづらいのは明白です。何よりも、近隣住民は一刻も早いこの施設の移転と公園化を強く望んでいます。二十年以上も我慢しているんだというのも本音であります。住民の声に真摯に耳を傾け、そして、この施設の存在意義をもう一度考え直す必要もあります。
この中川の例を一例と挙げましたが、このような施設はほかにもあると思います。本当に必要な施設であるのかどうなのか、その効果や意義、また運用の仕方、近隣への影響などを定期的に深く調査する必要性をあえて指摘させていただき、質問を終わります。
○花輪委員長 大西委員の発言は終わりました。
次に、西崎委員の発言を許します。
○西崎委員 まず私からは、交通局関係について、バリアフリー対策関連を中心に幾つか質問いたします。
高齢化が急速に進むとともに、障害者のノーマライゼーションの考え方が浸透する中で、高齢者や障害者の方が安心して快適に公共交通機関を利用できるように、バリアフリーの取り組みが求められてきています。平成十八年十二月に高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律が施行されまして、東京都では、東京都福祉のまちづくり条例等を踏まえまして、さまざまな取り組みが進められてきました。
交通局が平成十九年に策定しました新チャレンジ二〇〇七によりますと、バス事業において、更新車両のすべてをノンステップバスにする予定です。道路とバスの段差が少ないノンステップバスでは、お年寄りや障害をお持ちの方にはもちろんですけれども、小さなお子さんをお持ちのお母様方にも大変評判です。また、ノンステップバスの効果を最大限に発揮するためには、ソフト面での取り組みも重要だと思います。
最近、車いすを利用している障害者の方から、これは民間のバスだと思いますけれども、乗車拒否をされたという話を伺いました。車いすの方が、あるいは足の不自由なお年寄りなど、バスの乗客にはいろんな方がいらっしゃると思いますけれども、このようなことがないように、細かい心配りをした対応が求められると思います。
そこで、都営バスでは、障害者などが利用しやすいようにどのような取り組みを行っているのか、伺います。
○金子交通局長 都営バスでは、バリアフリーの推進に向けまして、毎年更新するすべての車両をノンステップバスにするとともに、車内における車いすの固定方法の改善や、乗りおりしやすい停留所への改修等を行っております。また、営業所に車いすや高齢者体験器具を配置しまして、車いすの固定方法の訓練や、高齢者疑似体験を含むバリアフリー研修を実施することで、乗務員の接遇能力と意識の向上を図っております。
今後とも、こうした取り組みを継続、充実させ、障害者や高齢者を初め、だれもが安心して快適にご利用いただける都営バスを目指してまいります。
○西崎委員 ソフトの部分では職員研修を行っているとのことでした。ワンマンバスで運転手さんがすべて対応されるのは大変だと思いますが、ぜひ研修の成果を生かした対応をお願いしたいと思います。
次に、地下鉄について伺います。
最近では多くの駅にエレベーターが設置されまして、エレベーターで地上からホームまで移動できる駅がふえてまいりました。また、車いす利用や乳幼児連れの方や、あるいはオストメイトの方にも対応した、だれでもトイレというのが大分多くなってきました。障害者、高齢者の方やベビーカーなどを利用している子育て中の人にとって、移動を確保するためにも、気軽に地下鉄を利用できるハード、ソフトの面での対応が求められてきています。
そこで、だれもが使いやすい駅への取り組みについて、ハード、ソフト面での対応についてどのように行っているのか、お聞かせください。
○金子交通局長 都営地下鉄では、だれもが地上とホームの間を容易に移動できるよう、すべての駅でエレベーターによるワンルート確保を目指して整備を進めております。
また、車いすを利用しておられる方や乳幼児連れなどのお客様にもご利用いただける、だれでもトイレにつきましては、現在、全体で駅が百六ございますが、百四駅に設置しておりまして、来年度末までに全駅で整備が完了する予定でございます。
さらに、高齢者や障害をお持ちのお客様などが、いつでも快適に安心してご利用いただけるよう、各駅に勤務するすべての助役にサービス介助士の資格を取得させ、お客様の立場に立ったきめ細かなサービスの提供に努めてまいります。
○西崎委員 障害者や高齢者に対して、そういったハードの面で大変対応されているということはわかりましたけれども、次に、都営地下鉄における外国人旅行者対策について伺います。
東京は、公共交通、特に地下鉄が整備されておりまして、いつも乗りなれている人にとっては大変便利なところだ思います。ところが、初めて訪れた人にとりましては、大変路線図が複雑で、乗り継いでいくのも大変のようです。特に外国人の旅行者の方にとっては、乗りこなすのはなかなか難しいと思います。私も外国に行ったとき、一番戸惑うのは、その国の公共機関、特に地下鉄など、地名が見なれないせいか、スムーズに乗りこなせません。
最近では、大江戸線で外国人の方を大変よく見かけるようになったんですけれども、外国人の旅行者の方がガイドブック片手に乗車しているのを見かけますが、大変迷っている様子でした。特に都庁前の駅では、乗りかえがわからなく、日本人の方でも迷う部分がすごくあるのではないかと思います。先日も韓国人の方に聞かれました。
チャレンジ二〇〇七を見ますと、地下鉄の駅や車両においても、外国人旅行者に配慮したさまざまな取り組みをされているようですけれども、だれでも使いやすい都営地下鉄を目指すことは重要な取り組みであると考えます。
そこで、地下鉄における外国人旅行者に対応するための取り組みについてお聞かせください。
○金子交通局長 都営地下鉄では、駅構内におきまして、列車運行情報表示装置、主に改札付近に設置しておりますが、この装置による列車遅延などの情報を英語、中国語、韓国語でも提供しているほか、駅構内の案内サインについては、出口などの重要な施設について、英語以外に中国語、韓国語も併記した案内サインの整備を進めております。
また、浅草線と大江戸線の主要な駅には、英語を話せるコンシェルジュを配置しまして、乗りかえのご案内や駅周辺の観光案内などを行っております。
さらに、外国人向けの案内パンフレット、「TOEI SUBWAY GUIDE」、あるいは駅ナンバリング路線図を発行し、各駅で配布しているほか、都営地下鉄の車両についても、英語による案内の充実に努めているところでございます。
○西崎委員 さまざまな取り組みをしていることはわかりました。都営交通は、高齢者、障害者の方など、さまざまな方が利用されています。少しでも着実にサービスの向上を目指して取り組みを進めていっていただきたいと思います。
都営地下鉄は、これまで赤字だったものが、平成十八年度に黒字を計上し、十九年度については百九億円の黒字になっています。非常に厳しい経営状況を乗り越え、黒字を計上してきたことは評価できますけれども、ぜひ経営状況がよくなったときこそ、きめ細やかなサービスにも投資していくことを要望しておきます。
そして、この質問の最後に、先ほどもお話がありました、障害者が働く駅構内の店舗について一言意見を申し上げます。
本年三月に、浅草線の大門駅にトロワが開業しました。先ほども野上副委員長の方からお話がありましたけれども、私もこのお店を先日見てきました。浅草線の大門駅からすぐの、改札口のところにありまして、ヨーロッパから輸入されたパン生地を使った焼きたてのパンを販売していまして、女性客を中心に大変好評だそうです。夏場は売り上げが落ちたそうですけれども、この十月からは順調に売り上げが伸びているという話を聞きました。
障害者にとって、働く場所の確保は大変困難であり、都営地下鉄駅構内に障害者が働く店舗を設置することは、障害者の自立した社会生活を支援する観点から大変画期的なことだと思います。チャレンジ二〇〇七では、十九年度から二十一年度の三年間に、三店舗の障害者が働く店舗を設置することになっています。ぜひとも目標を確実に実施していただくことを要望しておきます。
次に、水道事業について伺います。
現在、食品の分野では、偽装表示や、中国産の冷凍食品からの高濃度の農薬による健康被害などが発生するなど、消費者の食品への不安が高まっている中で、食品と同じように日常的に口にする水道水についても、安全でおいしい水を供給するため、より高度な品質管理が求められています。
先日の決算委員会の分科会で、TOKYO高度品質プログラムについて、水道局の水質管理への取り組みについて伺っております。その質問を通じまして、水道局は、大変高い技術レベルと管理体制によりまして高度な水質管理を行っていることがわかりました。
そこで、きょうは、この高度なレベルで技術を維持し、高い評価を得ている水道局の研究開発について伺いたいと思います。
まず初めに、現在、水道局が安全でおいしい水に関して積極的に取り組んでいる研究開発についてお聞かせください。
○東岡水道局長 水道局では、高い技術レベルを維持し、お客様に満足していただける安全でおいしい水を提供し続けるため、研究開発を積極的に行っております。
例えば、カルキ臭低減のための塩素注入方法と自動測定装置の研究開発、貯水池における藻類の増殖防止システムの研究開発、有機物を指標とした残留塩素の濃度予測モデルの開発など、水質改善に関するさまざまな研究開発を実施し、安全でおいしい水の供給に係る諸施策に反映しております。
このほか、浄水処理技術の一層の向上を目的として、高度浄水処理に関する技術や、高度浄水処理の代替として期待されているナノ膜ろ過技術など、さまざまな研究開発も行っております。
○西崎委員 現在、水質改善や浄化処理技術など、水道局として、絶え間なくさまざまな研究開発に力を入れていらっしゃるということはよくわかりました。
水道局では、平成十七年度に、研究開発の拠点としまして、浄水処理実習プラントやさまざまな実験室が整備されました研修・開発センターを世田谷区玉川田園調布に開設したと聞いています。
水道局ではこれまで、研究開発に関してどのような体制で取り組んできているのか、伺います。
○東岡水道局長 水道事業百十年という長い歴史の中で、例えば、浄水場における急速ろ過方式の導入や水道管の管材料の改善など、さまざまな水道技術の研究開発を重ねてまいりました。
近年では、昭和六十三年に、水道技術の研究開発体制を充実させるため、技術開発室を設置し、時代の要請に応じた研究開発に取り組む体制づくりを行い、例えば、都市騒音の状況にかかわりなく漏水位置を特定できる、電磁波やヘリウムガスを用いた漏水検知機器や、相関式漏水発見装置の開発など、数々の成果を上げてまいりました。
また、その後、さらなる技術力の維持向上を目指すとともに、研修と開発との連携による相乗効果を最大限に発揮するため、平成十七年に開発フィールドを備えた研修・開発センターを開設し、管内面の状況を断水することなく調査できる管内調査ロボットの開発など、幅広い分野における水道技術の研究開発に取り組んでおります。
○西崎委員 水道事業の大変長い歴史を通じて、組織的にもさまざまな技術に関する研究開発に取り組んでいることはわかりました。
水道水を取り巻く社会的な変化によりまして、都民ニーズの多様化、高度化など、直面している技術的課題は多種多様化しています。水道事業の技術的課題を幅広い視野から解決して、効果的、効率的な研究開発を展開していく必要があると思います。
日本の水道界を牽引していく東京都水道局として、今後どのように研究開発へ取り組んでいくのか、お聞かせください。
○東岡水道局長 水道局ではこれまで、主として局単独での研究開発を行ってまいりましたが、より効果的な研究開発を実施するため、首都大学と共同して、水道送配水管網システムの合理的水運用計画に関する共同研究などを実施いたしております。また、民間の発想や技術力と大学のシンクタンク機能を積極的に活用した、産学公連携によるナノ膜による浄水処理についての共同研究などを実施しております。
さらに、水道事業の技術的課題を幅広い視点から解決するため、公募による研究開発も開始いたしました。
今後は、研究開発テーマに応じた適切な手法を用いて、より高度で効率的な研究開発を推進してまいります。こうした研究開発の成果は、水道局内での活用はもとより、我が国最大規模の水道事業体として、全国の水道事業の技術向上にも役立てていきたいと思っております。
○西崎委員 先日、ある雑誌の記事に、あなたのまちの水道が危ないというタイトルで、赤字経営に悩む地方都市の水道事業がフランス系の民間会社に委託されているという内容の記事が出ていました。東京の水道事業は、安全で高いレベルの技術を持つ意味では、ぜひこれからも水道事業の研究開発に取り組み、全国の水道事業の技術向上に役立てていただきたいと思います。
最後に、資産の有効活用について伺います。
水道局は、資産の活用について、経営プラン二〇〇七に基づき、柔軟で効果的な利活用を推進していくこととしています。平成十九年度の決算書を見ますと、事務所用地、浄水場などの施設用地、水源林用地など、実にさまざまな種類の用地を保存していることがわかります。また、土地や建物などの資産を活用することで得た土地、物件収益は、決算書から計算しますと、収益的収入のおよそ二・四%あり、金額も八十億円になることから、資産の有効活用を積極的に進めているということはわかります。
しかし、資産の有効活用に当たっては、公営企業とはいえ、単に収益の確保だけではなく、環境や地域の活性化に配慮して進めていく必要があると思います。水道局では、経営努力の一環として施設の統廃合などを進めていると聞いていますので、今後も事業上の利益が見込めない資産が発生してくると思います。
そこで、今後の資産の有効活用を進めるに当たって、水道局の基本的な考えを伺います。
○東岡水道局長 水道事業は独立採算により事業運営を行っており、常に経済性や企業性の発揮が求められております。このため、当面事業用として利用計画がない土地などの資産は貴重な経営資源としてとらえ、積極的に有効活用を図っております。有効活用に当たっては、局財政に寄与するため、中長期的に安定した収益を得ることを基本として進めており、また、具体的な活用においては、地域の活性化などにも配慮しております。
今後とも、公営企業としての経済性を発揮するため、積極的に資産の有効活用を進めてまいります。
○花輪委員長 西崎委員の発言は終わりました。
以上で、本日予定いたしました質疑はすべて終了いたしました。
お諮りいたします。
平成十九年度東京都公営企業各会計決算の認定についてに対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○花輪委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
なお、十一月二十一日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を本委員会室で開催いたしますので、よろしくお願いいたします。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時四分散会
第1分科会で行われた平成19年度東京都公営企業会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成20年11月4日
平成19年度公営企業会計決算特別委員会
第1分科会委員長 高木 けい
平成19年度公営企業会計決算特別委員長
花輪 ともふみ 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、平成20年9月26日に設置され、次の案件を審査した。
・平成19年度東京都公営企業会計決算中、中央卸売市場、港湾局及び交通局所管分
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月15日(説明聴取・資料要求) 中央卸売市場、港湾局、交通局
10月24日(質疑) 中央卸売市場
10月27日(質疑) 港湾局
10月29日(質疑) 交通局
2 本分科会における質疑の概要
(1) 平成19年度東京都中央卸売市場会計決算(中央卸売市場所管分)
〔1〕 中央卸売市場の現状と課題について
ア 卸売市場経由率及び市場外流通について
イ 卸売手数料の事前届出制の安定的な運用と今後のスケジュールについて
ウ 食育を推進するための取組について
エ 現在の主な施設整備の状況について
〔2〕 豊洲新市場について
ア 土壌汚染対策費用に関する東京ガス株式会社との負担協議について
イ 技術会議の評価及び検証の状況と今後の建設スケジュールについて
ウ 応募技術を広く東京の土壌汚染対策に活用することについて
エ 土壌汚染調査の目的及び対策費用の許容範囲について
オ 汚染されていない土壌の有効活用について
カ 将来の維持管理に係るランニングコストについて
キ 地下水管理期間について
ク 新技術・新工法の提案件数及び実効性の評価・検証の検討期間の延長について
ケ 専門家会議報告書に記載されている環境基準の安全性について
コ 食の安全について
〔3〕 未処理欠損金を累積させている状況について
〔4〕 市場跡地の売却に頼らない財務体質について
〔5〕 利益剰余金の考え方について
〔6〕 建設改良費及び施設拡張費の執行率について
〔7〕 充電設備の設置状況及び小型特殊自動車の電動化の進捗状況について
〔8〕 築地市場及び豊洲新市場の温室効果ガス排出量について
〔9〕 築地市場の跡地利用について
(2) 平成19年度東京都臨海地域開発事業会計決算(港湾局所管分)
〔1〕 臨海副都心開発について
ア 臨海副都心の土地処分等の実績を含めた開発の状況について
イ 青海地区北側の「パレットタウン」区画の施設計画について
ウ 平成27年度のまちの概成に向けたまちづくりの進め方について
エ 平成19年度の土地処分状況について
オ 都民提案街区の提案内容と処分状況について
カ 都民提案街区のCO2排出量について
キ 臨海副都心開発の財政支援計画と見直しについて
〔2〕 東京テレポートセンター(TTC)への支援について
ア 現物出資をした経緯と臨海会計への影響について
イ TTCにマリーナを無償で貸し付けた経緯について
ウ 破綻した臨海第三セクターへの支援について
(3) 平成19年度東京都港湾事業会計決算(港湾局所管分)
〔1〕 品川ふ頭ユニットロードターミナルの整備内容と今後のスケジュールについて
〔2〕 東京港における内貿ユニットロードターミナル計画について
〔3〕 東京港における荷役機械等の耐震強化への取組状況について
(4) 平成19年度東京都交通事業会計決算(交通局所管分)
〔1〕 自動車事業について
ア バスの乗客数が上昇した理由について
イ 需要に応じたきめ細かい事業運営について
ウ 足立区における東西方向のバス路線の充実について
エ バス路線の増強について
オ 乗客潮流の把握について
カ 江戸川区のバス路線とダイヤの設定について
キ バス利用者の声への反映について
ク バス接近表示装置の設置状況と今後の設置計画について
〔2〕 日暮里・舎人ライナーについて
ア 乗客数の推移について
イ 7月12日に実施したダイヤ改正の効果について
ウ 都営バスと日暮里・舎人ライナーの割引制度について
〔3〕 環境対策について
ア CO2削減に向けた具体的な取組について
イ 公共交通機関の利用促進について
ウ エコポイントへの取組について
〔4〕 特命随意契約について
ア 特命随意契約件数について
イ これまでの見直し状況について
ウ 特命随意契約の理由と今後の運用について
(5) 平成19年度東京都高速電車事業会計決算(交通局所管分)
〔1〕 地下鉄事業について
ア 昨年度を大幅に上回る黒字を計上した理由について
イ 今後の乗客数の見通しについて
ウ 今後の投資の考え方について
〔2〕 賃貸料収入が増加した理由について
〔3〕 広告料収入及び構内営業収益について
〔4〕 資産の有効活用について
〔5〕 環境対策について
ア CO2削減に向けた具体的な取組について
イ 公共交通機関の利用促進について
ウ エコポイントへの取組について
〔6〕 都営地下鉄ホームでの安全対策について
ア ホーム監視について
イ 大江戸線の可動式ホーム柵整備計画について
ウ 安全で利用しやすいホーム柵の整備について
〔7〕 業務委託について
ア 正規職員の減少数と要員確保について
イ 委託駅における安全性の確保について
ウ 技術技能の継承について
エ 直営化の復活について
〔8〕 新宿線について
ア 乗客増加が多い駅について
イ 混雑率と混雑対策について
ウ エレベーターの整備状況について
〔9〕 特命随意契約について
ア 特命随意契約件数について
イ これまでの見直し状況について
ウ 特命随意契約の理由と今後の運用について
(6) 平成19年度東京都電気事業会計決算(交通局所管分)
〔1〕 特命随意契約について
ア 特命随意契約件数について
イ これまでの見直し状況について
ウ 特命随意契約の理由と今後の運用について
第2分科会で行われた平成19年度東京都公営企業会計決算に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成20年11月4日
平成19年度公営企業会計決算特別委員会
第2分科会委員長 野上 純子
平成19年度公営企業会計決算特別委員長
花輪 ともふみ 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、平成20年9月26日に設置され、次の案件を審査した。
・平成19年度東京都公営企業会計決算中、都市整備局、病院経営本部、水道局及び下水道局所管分
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審議し、終了した。
10月15日(説明聴取・資料要求) 水道局、下水道局、病院経営本部、都市整備局
10月24日(質疑) 病院経営本部
10月27日(質疑) 水道局
10月29日(質疑) 都市整備局、下水道局
2 本分科会における質疑の概要
(1)平成19年度東京都病院会計決算(病院経営本部所管分)
〔1〕 都立病院における周産期医療体制について
ア 産科医の充足率の推移と定員割れの要因、分娩件数について
イ 産婦人科医の勤務形態とそれに対する認識について
ウ 女性医師の割合の推移と働きやすい職場環境づくりについて
エ 平成19年度の総合周産期母子医療センターの整備状況と今後の方向性について
オ 周産期医療における医療連携の実施状況について
カ NICU(新生児集中治療室)、GCU(新生児回復期治療室)の現状と今後の方向性について
〔2〕 墨東病院の周産期医療体制について
ア 分娩及び母体搬送受入れの状況について
イ 産科医確保の取組と今後の当直複数体制への早期対応について
ウ 総合周産期母子医療センター本来の機能と実態について
エ 受入困難時の受入先の確保について
オ 当直医不足時の体制について
〔3〕 多摩総合医療センター及び小児総合医療センター整備について
ア 整備の意義と工事の状況、設計上の工夫点について
イ 都と地元との検討、協議における取組について
ウ 平成19年度の清瀬小児病院と多摩北部医療センターの小児救急患者実績について
エ 平成19年度の清瀬小児病院と八王子小児病院のNICU使用実績について
オ 清瀬小児病院存続の要望と今後の小児二次救急医療体制の確保について
カ 多摩メディカル・キャンパスの周産期医療の考え方及び人材確保について
〔4〕 がん・感染症医療センター(仮称)の整備について
ア PFIの仕組み、メリット、先行事例との違いについて
イ VFM(バリュー・フォー・マネー)の概要及び算出根拠、縮減要素について
ウ VFMに関するガイドラインの改定のとらえ方について
エ SPC(特別目的会社)を設けることによるコスト、税負担について
オ 長期契約におけるデメリットへの対策、第三者評価の検討について
カ 三菱商事株式会社の適格性について
キ 整備事業に関する情報提供の方法について
ク 改修により充実する医療機能及び人員体制について
ケ ベンチ・トゥ・ベッド(臨床機関と研究部門の連携)の取組について
〔5〕 多摩北部医療センターについて
ア 医師の定数と平成19年度の現員、欠員状況について
イ 病床の増床計画について
〔6〕 国に対する医師確保の緊急要請について
〔7〕 都立病院の本来の役割について
〔8〕 公立病院のない練馬の置かれた状況の認識について
〔9〕 都立病院の財産について
ア 有形固定資産の状況及び平成19年度に増加した財産について
イ 都立病院の緑化の推進について
ウ 都立病院再整備後の病院跡地の活用について
〔10〕 一般会計繰入金について
ア 平成19年度の増加要因について
イ 財政再建推進プランにおける削減額について
〔11〕 薬品等の共同購入の内容及び課題について
〔12〕 都立病院、公社病院における駐車場の料金徴収の現状について
(2) 平成19年度東京都水道事業会計決算(水道局所管分)
〔1〕 安全でおいしい水の供給について
ア 東村山浄水場高度浄水施設の概要について
イ 直結給水方式の普及拡大について
ウ 17階以上の建物等に対する増圧直結給水方式の拡大について
エ 「水安全計画」の概要について
オ 水道水への危害の分析状況と対応マニュアルについて
カ 「TOKYO高度品質プログラム」の特徴と今後の展開について
〔2〕 震災対策について
ア 送配水幹線の耐震強化と送配水管ネットワークの充実について
イ 震災時における飲料水の確保について
ウ 応急給水拠点での応急給水体制と給水車の確保について
エ 重要施設への供給ルート耐震化の概要と今後の取組について
オ 近隣自治体との連絡管設置の目的と運用体制について
カ 他の地域へ連絡管を整備する上での課題と取組について
〔3〕 水需要予測と水源の確保について
ア 水源として利用可能な地下水について
イ 水需要予測の算出根拠と水需要量の減少要因について
ウ 生活用水における雑用水の割合について
エ 八ッ場ダムの事業費及び工事進捗状況について
〔4〕 多摩地区水道の経営改善
ア 経営改善による都民へのメリットについて
イ 事務委託解消後の効率的な事業運営体制と今後の取組について
〔5〕 水道事業について
ア 省エネルギーの視点からの送配水幹線整備の取組について
イ 事務事業の成果の発信について
ウ ナレッジバンクの概要と具体的な活用状況について
エ 純利益の使途について
(3)平成19年度東京都工業用水道事業会計決算(水道局所管分)
〔1〕 工業用水道事業について
ア 工業用水道と上水道の料金の比較について
イ 年間使用量別の中小企業数について
ウ 今後の工業用水道事業のあり方に関する検討について
(4)平成19年度東京都都市再開発事業会計決算(都市整備局所管分)
〔1〕 大橋地区市街地再開発事業について
ア 地域の利便性向上や環境改善に寄与する具体的取組について
イ 不動産市況の悪化や先行き不透明な状況への認識について
ウ 特定建築者制度導入の効果について
エ 従前居住者の生活再建の状況について
オ 仮移転した権利者の補償費について
カ 事業の進捗状況と今後の取組について
〔2〕 大橋地区市街地再開発における1-1棟ビルの特定建築者公募について
ア 応募状況について
イ 予定価格と権利床整備費、敷地取得費について
ウ 今後の予定価格設定における欠損の認識及び公募について
エ 都が建築事業者となる可能性について
オ 今後の改善策について
〔3〕 大橋地区市街地再開発における1-2棟ビルの特定建築者の公募結果と現状、今後の予定について
(5) 平成19年度東京都下水道事業会計決算(下水道局所管分)
〔1〕 河川の水質浄化について
ア 目黒川の浄化に向けた取組について
イ 品川区における合流式下水道の改善対策の具体的取組について
ウ 湧水の活用について
エ 上目黒幹線の概要と工事進捗状況について
〔2〕 浸水対策の推進について
ア 千住地区における浸水対策への取組について
イ 千住関屋ポンプ所建設に当たっての地域住民との合意形成について
ウ 世田谷区における浸水対策への取組と整備の進捗状況について
エ 雨水流出抑制型下水道への取組について
オ 再開発業者と連携した分流方式の導入について
カ 豪雨対策基本方針の推進について
キ 公共雨水浸透ますの設置状況と今後の計画について
ク 平成19年度決算における雨水処理繰入金の推移、算出根拠について
ケ 雨水貯留管の整備にかかる財源について
コ 江戸川区中央地区への雨水貯留管の整備について
サ 東京アメッシュの情報提供の充実について
〔3〕 震災対策の推進について
ア の耐震化の実施状況について
イ マンホール浮上抑制対策の実施状況について
ウ 危機管理の強化に関する取組について
エ 震災に備えた訓練について
〔4〕 老朽化した管渠の再構築について
〔5〕 水再生センターの施設活用について
ア 中川水再生センターの施設上部の活用と今後のあり方について
イ 土づくりの里の設置目的、現況及び今後のあり方について
〔6〕 工事入札不調の実績と入札不調の抑制対策について
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