委員長 | 高木 けい君 |
副委員長 | 原田 大君 |
副委員長 | 小磯 善彦君 |
副委員長 | 秋田 一郎君 |
菅 東一君 | |
上野 和彦君 | |
鈴木あきまさ君 | |
大西さとる君 | |
川井しげお君 | |
清水ひで子君 | |
名取 憲彦君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 金子正一郎君 |
次長 | 三橋 昇君 | |
総務部長 | 柴田 健次君 | |
職員部長 | 岸上 隆君 | |
資産運用部長 | 佐藤 守君 | |
電車部長 | 野澤 美博君 | |
自動車部長 | 斎藤 信君 | |
車両電気部長 | 室木 鉄朗君 | |
建設工務部長 | 吉原 一彦君 | |
安全管理担当部長 | 室星 健君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 松下 義典君 | |
参事 | 小泉 健君 | |
参事 | 広川 徳彦君 | |
参事 | 橿尾 恒次君 |
本日の会議に付した事件
平成十九年度東京都公営企業各会計決算の認定について
交通局関係
・平成十九年度東京都交通事業会計決算(質疑)
・平成十九年度東京都高速電車事業会計決算(質疑)
・平成十九年度東京都電気事業会計決算(質疑)
○高木委員長 ただいまから平成十九年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の決算に対する質疑を行います。
これより交通局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十九年度東京都交通事業会計決算、平成十九年度東京都高速電車事業会計決算及び平成十九年度東京都電気事業会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○柴田総務部長 過日の分科会でご要求のありました資料を、お手元の第一分科会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
一ページをお開きいただきたいと存じます。都営地下鉄における駅業務等の委託料の状況でございます。
駅関連業務、駅・線路設備等保守業務及び電気設備保守業務ごとの委託料を年度別に記載してございます。
次に、二ページをお開き願います。平成十九年度の高速電車事業、自動車運送事業の職員数、退職者数及び採用者数を事業別に記載してございます。
次に、三ページをお開き願います。地下鉄関係工事の契約件数でございます。
契約件数は、予定価格を九億円以上と九億円未満とに区分し、年度別に記載してございます。
以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
○高木委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○秋田委員 交通局は、昨年二月、経営計画新チャレンジ二〇〇七を策定しました。私も当時、交通局を所管する公営企業委員会の委員長として、委員会の場等で、この計画の策定趣旨や内容について説明を受けました。その際、交通局は、この経営計画について、これからの経営の基本的な考え方や取り組み方針を示すとともに、平成十九年度から二十一年度における主要な事業や財政収支目標等を明らかにしたものであるとしていらっしゃいました。
本委員会で審議している交通局の平成十九年度決算は、この経営計画の初年度の決算になるわけで、さまざまな決算数値にあらわれた結果は、平成十九年度単年度の成果にとどまらず、経営計画の進捗状況を端的にあらわしており、これからの都営交通事業の進展を占うものであるともいえると思います。
そこで、私は、今後の事業運営のあり方も含め、平成十九年度決算に関する質問をしたいと思います。きょうは決算ということですから、経常損益、営業外損益、特別損益、純利益というPLの順番に従って質問をさせていただきたいと存じますが、特別損益に関しては、平成十九年度に関しては特に重立ったものはないということなので、その他の部分で触れさせていただきたいと存じます。もちろんBSにも触れながらの質問をさせていただきたいと存じます。
まず最初に、平成十九年度決算の収支概要について見ると、交通事業会計、高速電車事業会計、電気事業会計の三会計とも、平成十八年度決算に引き続き、経常損益で黒字を計上しており、事業別の経常損益でも、交通局の主要事業である地下鉄事業で約百十億円、バス事業で約二十一億円の黒字を計上しています。
そこで、このうち地下鉄事業については、開業以来初めて経常損益が黒字転換した平成十八年度を大幅に上回る黒字を計上しておりますが、このことについて所見を伺います。
○柴田総務部長 平成十九年度の地下鉄事業の決算状況についてでございますが、まず収入面では、沿線での開発の進展や人口の都心回帰が続いたことに加え、ICカード乗車券PASMO等のサービスの拡大などにより、乗車料収入が十八年度に比べ約七十億円増加いたしました。また、支出面におきましては、企業債利子の大幅な減少や、駅業務の委託等による効率化などによりまして、経費が約九億円減少いたしております。この結果、平成十九年度の地下鉄事業の経常損益は、十八年度に比べまして黒字が約七十八億円増加しております。
しかしながら、地下鉄事業は依然として四千六百億円を上回る巨額の累積欠損金を抱えていることから、引き続き経営効率化を進めるとともに、増客増収対策に取り組み、累積欠損金の解消に努めていきたいと考えております。
○秋田委員 ただいまの総務部長の答弁によりますと、経営効率化に加え、約七十億円という乗車料収入の大幅な伸びが決算の好成績につながった要因であるということですが、確かに、大江戸線に乗りますと、利用客がふえていることを実感できます。これは、新宿や飯田橋を初め多くの駅でJRやメトロ各線等と乗りかえができるという大江戸線の便利さが利用者にも浸透してきた結果ではないかと思います。
今回配布された決算説明資料を見ても、都営地下鉄四線とも乗車人員が前年度を大きく上回っているようですが、今後の地下鉄の乗客数についてはどのような見通しを立てているのか伺います。
○野澤電車部長 都営地下鉄の乗客数でございますが、平成十九年度四線合計の乗客数は、前年度と比べまして六・四%増加しておりまして、大江戸線の八・八%を筆頭に、新宿線で六・五%、浅草線、三田線とも四%以上増加いたしました。
今年度に入りましても、大江戸線を初め各線とも堅実な伸びを示しておりまして、八月までの実績では、四線合計で昨年度と比較いたしまして一・六%増加しております。
今後の見通しでございますが、沿線での大規模オフィスビルの開発や相互直通運転各社からの乗り入れるお客様の増加が見込まれますことから、当面の間は一定の伸びが期待できると考えております。しかしながら、景気の不透明感が増加していることや、中長期的に見ますと、平成二十七年、二〇一五年ころをピークに東京の人口が緩やかに減少していくことが推測されていることなどから、楽観はできないものと考えております。
○秋田委員 乗客数は当面は増加するものの、やはり一定の限界があり、楽観はできないとのことですが、本当にそうだと思うんですね。例えば、原油高によってマイカー通勤を電車に乗りかえるといったような外部的要因によって、結果的に乗客数がふえたというようなことも考えられるでしょうし、何より、それに加えて、地下鉄事業には四千六百億円という莫大な累積欠損金があります。また、貸借対照表を見ると、企業債残高も六千四百億円以上あります。昨年度に比べ四百億円ほど減少してはいるようですが、それでも大変な借金の額です。建設時の莫大な初期投資を乗車料収入等で回収していくという地下鉄事業の特質を考えれば、いたし方ない面もありますが、ぜひ今後も引き続き積極的な経営効率化を進めていただきたいと思います。
一方で、数年前の状況に比べれば、単年度ベースでは黒字を計上できるまで経営状況が改善されています。また、今も述べましたが、初期投資を乗車料収入等で回収していくのが地下鉄事業の特質の一つであります。それらのことをかんがみれば、都営地下鉄の安全性や利便性をより高め、一人でも多くの人に利用してもらい、増収に努めていくことが不可欠です。
昨年、懸案であった大江戸線飯田橋駅の東西線方面に乗りかえるための階段に下りエスカレーターが設置されましたが、やはり地下鉄、特に大江戸線はホームが大変深いため、高齢者や体の不自由な人にとっては利用しづらい面もございます。また安全面では、ホームからの転落者も決して少なくないと聞いています。
そのような点も踏まえると、経営効率化の努力を進める一方で、大江戸線のホームさくや、エレベーター、エスカレーターの増設など、地下鉄の安全性や利便性を高めるために必要な投資については的確に対応していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○小泉参事 地下鉄事業の財務状況を改善していくためには、引き続き経営の効率化を進める必要がございます。一方、これまで以上に強く求められております安全の確保、危機管理の徹底やバリアフリー推進などの要請に的確に対応していかなければならないと認識をしております。
このため、大江戸線のホームさく設置に着手いたしますとともに、引き続きエレベーター、エスカレーターの設置など駅のバリアフリー化を進め地下鉄の安全性と利便性を高めていくなど、必要な投資を行ってまいります。
○秋田委員 次に、バス事業について伺います。
都営バスの乗客数は、昭和四十年代後半には一日百万人を超えていた時期もあったそうですが、その後は毎年減少を続け、近年は、かつての半分以下の一日五十万人台にまで落ち込んできており、厳しい事業環境にあると推察をいたします。
そのような中で、平成十九年度は、これまで減少一辺倒であった乗客数が、わずかながらとはいえ前年度を上回った、この要因についてはどのように考えているのかを伺います。
○松下バス事業経営改善担当部長 乗車人員が前年度を上回った要因でございますが、区部における再開発の進展や新たなマンションの完成などにより沿線地域の人口がふえていることに加え、平成十九年三月のPASMOの導入や、ガソリン代の高騰によるマイカー使用の抑制などが乗車人員の増に影響したと推測しております。
○秋田委員 経常損益で黒字を計上し、乗客数も増加に転じるなど、バス事業にも明るい兆しが見えてきたんだと思います。
路線バスは乗りおりがしやすく、高齢者や体の不自由な人にとっては身近な公共交通機関であります。私の地元の路線でもある池86などでも、副都心線が開通したにもかかわらず、高齢者等を中心に根強い利用者がいます。このように、地下鉄を含め鉄道網が整備されてきた中にあっても、バスを利用するお客様は決して少なくはありません。
そこで伺いますが、引き続き経営努力を進める一方で、都民に身近な公共交通機関として、お客様の需要に応じた、よりきめの細かい事業運営が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
○松下バス事業経営改善担当部長 バス事業の営業損益は、約十八億円の赤字を計上しております。中長期的に安定、自立した経営を維持するためには、営業活動の結果であります営業損益の改善が必要でございます。加えて、原油高騰による燃料費の負担増などもあり、依然として経営状況は厳しい状況にございます。
こうした状況を踏まえ、新チャレンジ二〇〇七で定めた効率化を着実に進めるとともに、乗客潮流の変化を把握し、路線や運行ダイヤの見直しに反映させるなど、的確に対応してまいります。
○秋田委員 交通局の主要事業でございます地下鉄、バス事業とも財務状況の改善が進み、積極的な事業展開を図れる状況になってきたことは大変喜ばしいことだと思います。ぜひこの流れをとめないよう、収支両面からの努力を継続してもらいたいと思います。
さらに、好調なこの時期にこそ、経営基盤をより一層強化する施策を進める必要があります。その意味でも、私は、いわゆる関連事業の積極的な展開が必要だと考えます。その点も踏まえて質問させていただきたいと思います。PLでいいますと、ここからは、ご存じのとおり営業外損益について質問をします。
経営計画では、関連事業の取り組みの一つとして、土地建物の活用を挙げております。その成果については、例えば地下鉄事業を経理している高速電車事業会計の説明資料を見ると、平成十九年度で賃貸料収入として約四十二億円強の収益があったことになっています。これを平成十八年度の決算と比較してみると、約四億八千万円、率にして約一三%もふえています。
このように前年度に比較して賃貸料収入が大きく増加したのは、何か新たな取り組みをしたのか、その理由について教えてください。
○佐藤資産運用部長 高速電車事業の賃貸料収入の増加の主たる要因でございますが、去年の十月ですか、有楽町の旧庁舎跡地を活用した再開発ビル、有楽町イトシアとして十月にオープンしました。交通局は、このビルの一部を権利変換によって取得しまして、それを民間企業に貸し付けまして、約四億一千万円の収入増となったことによるものでございます。
○秋田委員 賃貸料収入が大きく伸びた理由については納得しました。
先日、十月二十一日の日経新聞にも、有楽町イトシアに入るテナントの売り上げが当初の目標を大きく上回っていると書かれていました。
実はこの近くに、新宿駅の新南口にクリスピー・クリーム・ドーナツというのがございます。できた当初はすごい並んで、何時間も待たなくちゃいけない。私も、かみさんに頼まれて並んだ覚えがありますけれども、そのクリスピー・クリーム・ドーナツもこのイトシアのビルに入っているということで、最近は新南口の方も大分並ばないでも買えるようになったそうでございます。
これに限らず、人気が高ければビルの価値も高まり、今後の賃貸料収入にも好影響を与えることであろうと思いますので、このイトシアの件は、資産活用の成功例の一つであるといえるんだと思います。
さて、経営計画新チャレンジ二〇〇七には、土地建物の活用のほかにも、広告事業の展開や駅空間の活用が計画事業として位置づけられています。JRを初め鉄道各社ともこれらの事業に積極的に取り組み、増収を図っているようでございますが、平成十九年度決算では、高速電車事業の広告料収入及び構内営業料についてはどうなっているんでしょうか。
○佐藤資産運用部長 十九年度高速電車事業の決算額でございますが、まず広告料収入につきましては、東京ミッドタウンの開業に伴いまして、大江戸線六本木駅の広告掲出が大幅に増加したことによりまして、決算額は約三十七億八千万円、対前年度比九千四百万円、二・六%の増収となりました。
また一方、構内営業料につきましては、専門店舗の新規開業や、また自動販売機の設置数の増加などによりまして、約六億六千九百万円、対前年度比五千万円、八・一%の増収となったものでございます。
○秋田委員 大変頑張っていることがよくわかりました。
土地建物の活用状況や広告料収入等についてお聞きしましたが、高速電車事業のBSを見ると、固定資産が一兆六千億円を超えており、そのうち土地だけでも一千三百億円以上あります。もちろん、本来事業のための用地がその多くを占めており、売却や貸し付けできる用地は限られているかとは思いますが、まだまだ新規に貸し付けたり使用用途を見直したりすることで、より有効に活用できる土地建物もあるのではないかと考えます。
都営交通は乗客数が増加しており、地下鉄だけでも一日二百三十万人もの利用客があるのですから、駅や車内の広告媒体としての価値は決して低くはないと思います。また駅構内は、他線との乗りかえ客も含め、多くの利用客が通過しています。これも一つの資産ともいえると思います。これらの資産をより有効に活用し収入を上げることで経営基盤の強化を図っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○佐藤資産運用部長 交通局経営計画新チャレンジ二〇〇七では、関連事業の取り組みの強化ということをうたっておりまして、十九年度につきましては、計画目標を上回る百十九億円の収入を上げております。
今後とも、土地の高度利用など付加価値を高めるような活用や、新規媒体の開発などによる広告事業の拡大、それからお客様のニーズに合致させた構内店舗の設置等、都営交通の経営基盤強化に寄与するよう、資産の有効活用に努めてまいります。
○秋田委員 本日は、冒頭にも述べましたが、平成十九年度の決算数値に基づき、今後の事業展開も含めて幾つか質問をさせていただきました。交通局の経営状況について改めて確認させてもらいましたが、やはり地下鉄事業の累積欠損金を解消するには相当の年月が必要であり、また膨大な企業債残高を抱えています。しかしながら、単年度ベースでは二年続けて黒字を計上するなど、地下鉄事業もやっと長く暗いトンネルに明るい光が差し込んできたんだと思います。
また、バス事業については、長年にわたり地下鉄網の整備などによる利用客離れが進んでいましたが、この六月の副都心線の開業以降は、減少傾向に歯どめがかかることと思われます。そういう意味では、これまでに比べ、バス事業を取り巻く事業環境も大分安定したといえるんだと思います。
このような機会をチャンスととらえ、経営計画新チャレンジ二〇〇七に掲げているように、経営改革を積極的に進めながら、より安全かつ快適で利用しやすい都営交通を目指し、積極的な事業運営を行っていくべきだと考えますが、最後に、これからの交通局の事業運営に向けた局長の決意を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○金子交通局長 交通局では、平成十八年度、十九年度と二年続けて全会計で経常黒字を達成することができましたが、ただいまお話がありましたように、地下鉄事業ではなお巨額の累積欠損金を抱えておりますし、またバス事業も、営業損益では赤字となっているなど、経営状況は依然として楽観を許すものではなく、引き続き財務体質の改善、強化を図っていく必要がございます。
しかしながら、こうした中にありましても、大江戸線へのホームさくの設置など、交通事業者にとって最も重要な安全の確保に必要な投資や、お客様サービスの向上につながる施策については、より積極的に対応していく所存でございます。さらに、福祉や環境、観光振興などの面で行政施策と一層連携し、東京都の公営企業としての役割を果たしていかなければならないと考えております。
そのためにも、二年目を迎えました経営計画新チャレンジ二〇〇七に掲げた各種事業や経営効率化の取り組みを着実に実施し、これまで以上にお客様から信頼され、支持される都営交通となるよう、全力で取り組んでまいります。
○大西委員 私からは、平成十九年度に開業いたしました日暮里・舎人ライナーについてお伺いいたします。
日暮里・舎人ライナーは、足立区、荒川区の地元の大きな期待を担って、昨年度三月三十日に開業したわけですけれども、開業日には、その期待を如実にあらわすように大変なお客様が乗車されました。私の記憶では、たしか七万三千人を超えていたのではなかったかと思います。しかし、平成十九年度の営業日は三十日と三十一日の二日間しかございませんし、開業当初ということもあって、ご祝儀的なお客様も多かったのではないかと思いますので、平年度の乗客数を見るには適当ではないと思います。
そこで、まず最初に、日暮里・舎人ライナーの乗客数の推移について伺います。
開業後、乗客数は順調に推移していると聞いております。また、さきの十月二十七日には乗客数がついに一千万人を達成したということで、とても喜ばしい限りでございますが、乗客数の推移はどのようになっているのでしょうか。
○野澤電車部長 日暮里・舎人ライナーの乗客数の推移でございますが、平成十九年度の営業日二日間は、開業効果によりまして、予想をはるかに上回るお客様の数となりました。四月も引き続き開業効果によりまして、一日平均で五万人を超える順調なスタートとなりました。
五月以降は落ちつきを見せているものの、通勤通学の定期利用者を中心に着実に増加しておりまして、これまでのところ、一日平均約四万九千人と、おおむね順調に推移しているものと考えております。
○大西委員 ほぼ順調に増加していると伺いまして、ほっとしたところでございます。
ただ、開業当初、始発の時間がほかと比べて余りにも遅いのではないか、また、終電が早いのではないかなどの意見が数多く寄せられ、私も、その問題につきまして、六月の定例議会におきまして相当強く改善のお願いをさせていただいたわけでございますが、そのお願いがかなってか、その後交通局では、七月十二日に、開業後わずか四カ月という素早さで、日暮里行きの始発電車の二十二分の繰り上げと朝五本の増発及び十八時台から終電時間帯に、上り四本、下り六本の増発というダイヤ改正を実施していただきました。地元の方々は本当に喜んでいらっしゃいます。私からも御礼を申し上げたいと思います。
そこで伺いますが、このダイヤ改正による効果はどのようにあらわれているんでしょうか。
○野澤電車部長 七月に実施いたしましたダイヤ改正の効果でございますが、第一には、見沼代親水公園の始発時刻を二十二分繰り上げたことによりまして、六時を過ぎておりました始発列車の日暮里駅到着が五時四十六分となって、また、運転本数を五本増発しましたが、そのうち五時台の運転本数を二本増発しましたことによりまして、早朝ご利用のお客様の利便性を高めることができたというのが第一点かと思います。
第二点には、想定よりも三十分ほど早く、七時ごろから始まっております混雑を改善するために、七時台の運転本数を三本増発いたしまして混雑の緩和を図ったところでございます。
第三点目といたしまして、夕方十八時以降の運転本数をふやしましたことによりまして、通勤通学のお客様を初め、ショッピングや食事を楽しまれるお客様もご利用しやすくなったのではないかと考えております。
○大西委員 始発電車が早くなっただけでなく、混雑が大分緩和されたということで、非常にいい効果が出ているのではないでしょうか。
ただ、沿線地域は新築マンションの建設など開発も進んでおります。乗客数自体が今後もまたふえていくとも思います。そしてまた、先日私も朝乗ってきましたが、やはりあの電車は奥の方に人が入れないという構造でもございます。要するに、扉の前に余りにも人が集まってしまう。その一部地域が物すごく混雑してしまう。また、日暮里の駅が前の方が利便性がいいということで、前の方が物すごく込んでいるという状況もございます。今後も、そういう混雑率のみならず、つらさもございますので、ぜひとも必要に応じてダイヤの見直し等、検討を続けていただきたいと、これは要望しておきたいと思います。
次に、日暮里・舎人ライナーの乗客予測でございますが、開業当初は一日当たり五万一千人ということでございましたが、好調とはいえ、先ほどの野澤部長の答えでございますと四万九千人ということで、現状のところでは予想数値には達していないということでございます。今後さらに利用者をふやして、経営基盤を早期に安定させていくには、幾つか工夫をする必要があろうかとも思います。
そこで、私からは、料金についてお伺いしたいと思います。
これも、私もずっと何度も委員会で質問させていただき、また再三お願いしているわけでございます。バスとライナーを乗り継ぐと、足立区に住んでいる人たちにとっては割高感というのはどうしても出てまいります。一番遠いところでいきますと三百二十円、そこにバス代が二百円、往復で乗るとどうしても千円を超えてしまう。そこに、山手線とか、またつくわけですね。これはやはり大変な割高感ということになってしまいます。都営地下鉄とメトロでさえ割引運賃があるわけですから、PASMOができている今、ぜひともバスとライナーの割引運賃というのをしていただくことが本当にいいことだと私は考えますが、この料金体系について、割引制度についてお伺いいたします。
○野澤電車部長 日暮里・舎人ライナーと都バスとの運賃割引でございますが、日暮里・舎人ライナーの開業と同時に、これまで実施してまいりました都営交通における割引と同様に、都バスあるいは都電への乗り継ぎにつきましても、それぞれの定期券の金額から一〇%の割引を行っております。
また、都営地下鉄、都バス、都電に乗り放題の一日乗車券につきましても、開業日に合わせて、名前を「都営まるごときっぷ」に変更の上、料金は大人七百円に据え置いたままで、新たに日暮里・舎人ライナーでもご利用いただけるようにしているところでございます。
○大西委員 ぜひとも、一日一回乗るだけの人も、そういうふうな割引があればさらに需要がふえるかなと思いますので、検討いただきたいと思います。都心に出るために、わざわざ遠回りをしている方も多いという話も聞いております。バスとライナーの割引制度ができれば、交通局にとっても大きなアドバンテージとなるのではと考えます。PASMO導入に、私は、他社との乗り継ぎであっても乗車した距離による単純な従量運賃制が理想だとは思いますが、これからも新しい割引制度について検討していただきたいと思います。
次に、もう一つの乗客誘致対策としては、バス路線の充実があると思います。これについてお伺いいたします。
私は、ライナーが開業した十九年度以前から、日暮里・舎人ライナーの集客を図るためには、東西に走る路線の充実を図るべきだと主張してまいりました。足立区には東西に走る電車がございませんので、東西の移動はバスに依存しております。その中でも都営バスに対する区民の期待は大変大きなものがございます。
そこで、東西方向の都営バス路線を充実すべきだと何度もお話をさせていただきましたが、もう一度改めてお伺いさせていただきます。
○松下バス事業経営改善担当部長 東西方面のバス路線の充実についてでございますが、都バスでは、日暮里・舎人ライナーの開業に合わせて、東京駅から荒川土手操車所前まで運行していた東43系統の一部を江北駅まで延伸するとともに、王子駅から加賀団地まで運行していた王46系統を西新井大師西駅経由とするなど、日暮里・舎人ライナーのアクセスの向上を図ってございます。
今後とも、お客様の利用動向などの変化の把握に努め、適切に対応してまいります。
○大西委員 ぜひ今後の動向を見て、またさらに充実を図っていただきたいと思います。
日暮里・舎人ライナーは、地元の大きな期待のもと開業いたしました。多くの足立区民やその周辺に住んでいる皆さんが本当に喜んでおられます。今後もさまざまな工夫をして利用促進を積極的に進めるとともに、経営の早期安定化を図っていただきたいと思います。
以上、日暮里・舎人ライナーと都バスを中心に質問させていただきました。
交通局は、平成十九年度決算で、ライナーを除くすべての事業で、前年度に引き続き経常黒字を達成しました。地下鉄については依然として多額の累積欠損金があり、またバスについては営業損益が赤字であるなど、厳しい状況であることは認識しておりますが、平成十八年度に引き続き経常黒字を達成したことは高く評価いたします。
私は、最近の交通局の勢いのようなものを感じております。また、都営交通で働く従業員や職員の方々も相当な努力をして、身を粉にして頑張って働いてもおります。利便性が増せば職員の負荷も当然高まるわけでございますが、ただ、新人の採用も再開し、将来の明るさも少しずつ見え始めているとも思います。働く者、そして企画する者、双方が力を合わせて、今後ますます都営交通ネットワークを活用して、より利便性を向上させる取り組みを積極的に進めていただきたいと思います。
皆が、公営企業としての意義、そして利点を再認識しながら、交通局が都民の足としてこれまで以上に重要な役割を担っていただくことを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございます。
○小磯委員 私の選挙区は、都バスも、また都営地下鉄も走っていない、大変寂しいわけでございますが、大きな観点で、大きな気持ちで質問をさせていただきます。
先ほど秋田副委員長からもございましたが、交通局では、平成十八年度決算に引き続き平成十九年度においても、交通事業会計、高速電車事業会計、電気事業会計の三会計とも経常損益で黒字を計上しております。中でも、地下鉄、バス事業については、財務状況の改善が進んだことを高く評価したいと思います。引き続き経営努力を進めるとともに、公営交通としての役割もしっかりと果たしていただく観点から、幾つか質問をいたします。
まず、交通局の環境対策についてお伺いいたします。
深刻化している地球温暖化問題を社会全体で取り組む仕組みを構築していくためには、公共交通の利用促進が大変重要であると考えております。一方、公共交通機関そのものが、電力消費、またCO2排出をしているわけでございます。都営地下鉄における冷暖房、またエレベーター設置などバリアフリー化により消費電力はふえており、都バスにおいても、排出するCO2量は一般乗用車よりも多いのが事実でございます。
そこでまず、排出事業者としての交通局としてのCO2削減の具体策についてお伺いいたします。
○小泉参事 交通局では、交通局環境方針に基づき、最新の技術等を積極的に取り入れるなど、環境に最大限配慮した事業運営を行っております。
具体的なCO2削減策の主な取り組みといたしましては、地下鉄事業においては、平成二年度から環境に配慮した地下鉄車両の導入により省エネルギー化を図っており、電力回生システムやVVVF制御装置の導入等によりまして、平成十九年度では、走行キロ当たりの車両の電力消費量を導入開始年度比で約三割削減しております。
バス事業においては、環境に優しい省エネルギー型車両を積極的に導入しており、また平成十九年度から二十一年度までの三カ年で、すべての営業所等におけるグリーン経営認証取得に向け、軽油消費量のきめ細かな管理や、エコドライブの実践による燃費改善に取り組んでおります。
○小磯委員 排出事業者としてのCO2削減への取り組みについては、よくわかりました。
グリーン経営認証については、他のバス事業者でも導入が進んでいると聞いております。交通局においても、こうした取り組みを拡大してエコドライブを実践していただき、将来、大型車両全般への普及拡大につながるための先導的役割を果たしていただきたいと思っております。
都バスのハイブリッド車の導入とか、こういったものの拡大とか、またバイオディーゼルのバスについては、今は食物系のバイオディーゼルというのはいろいろな課題があるようでございますので、例えばてんぷらの廃油を使ったバイオディーゼル車などをどこか特定の路線を決めて導入するとか、そういった拡大もしていただければなと、こういうふうに思っております。
それからまた、もう一つ、環境局の方でいわゆる環境確保条例の改正がございました。大規模事業所の削減義務と同時に、いわゆる中小規模事業所に対する温暖化対策の制度も決められたところであります。その中には、いわゆる同一法人が管理などを行う複数の事業所を合算したエネルギー使用量が一定以上の場合、本社でまとめて公表する義務があるということで、例えば駅ごとは大したCO2排出量でなくても、全部の駅を合わせると大変なCO2排出量になる、そういう事業者については報告する義務が出てくる。また、それについては公表する義務もある。また、知事はその報告内容を公表し、必要に応じた指導助言を行う、そんなようなことになっておりますので、これからますます交通局のこうした環境への取り組みというのは大事になってくる、こういうふうに認識をしております。
また、こうしたCO2削減については、都民一人一人のエコ活動が欠かせないと思っております。都民一人一人のエコ活動については、商店街での取り組みや公共交通の利用促進、リサイクルといったさまざまな広がりを見せております。都民のエコ活動を支える観点から、都営交通の利用促進についても、これまで以上に取り組む必要があると思います。交通局が、安全を最優先に、利用者本位の質の高いサービスを提供していることは承知しておりますが、こうした利用促進に対する方策についてお聞きしたいと思います。
公共交通の利用促進に関して、交通局はこれまでどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いいたします。
○小泉参事 交通局では、都営地下鉄、都バス、都電、日暮里・舎人ライナーに一日に何回でもご乗車できる「都営まるごときっぷ」を初めとする割引乗車券を発売しております。また、年末年始やゴールデンウイーク、夏休み期間等、行楽時期における企画乗車券の発売や広報誌による沿線紹介などを積極的に行っております。さらに、環境定期券制度の実施を初め、交通局が取り組んでいる環境対策につきまして事業PRポスターでわかりやすく紹介するなど、都営交通のイメージアップや利用促進を図っております。
今後とも、安全を最優先に、お客様に快適なサービスを提供いたしますとともに、乗り継ぎ利便性の向上や、わかりやすい乗車案内などによりまして、お客様が利用しやすい公共交通を目指してまいります。
○小磯委員 今後は、収入増の観点からだけでなく、エコ活動を促す観点からも、都営交通利用促進策について幅広く実施することが重要であると思います。こうしたCO2削減策と都営交通利用者増を一体的に進めることで、効果的な地球温暖化防止に一層取り組んでいただきたいと思います。
その意味で、エコポイント、これは有効な手法であると考えます。エコポイントは、公共交通への利用促進など、身近でわかりやすい形で省エネなどの努力が報われ、さらなる行動を促すインセンティブを付与する仕組みの一つであります。
さきの第三回定例会において、我が党は、都民一人一人の環境配慮行動をより一層喚起できるように、大都市東京ならではのエコポイント制度を幅広く立ち上げ、その活用策についても具体的な検討を開始すべきと主張したところであります。これに対し、都も、年度内をめどに、民間事業者、NPOなどと協議の場を設け、エコポイントの活用策を具体的に検討していくと答弁しました。
そこで、交通局においてもエコポイントの具体的な検討を進めていただきたいと考えますが、所見をお伺いいたします。
○小泉参事 ただいま副委員長がご指摘されましたようなエコポイントを初め、都営交通のご利用がCO2の削減に貢献できると実感できるような、わかりやすい仕組みが構築されることは有意義であると認識しております。
このため、公営の公共交通機関といたしまして、都の環境対策に積極的に協力してまいりますとともに、エコポイントにつきましても、連携しながら検討してまいります。
○小磯委員 ぜひともこの検討をよろしくお願いしたいと思います。
次に、バス接近表示装置についてお伺いいたします。
我が党は以前より、バスを利用されるお客様の利便性向上のために、バス接近表示装置の増設を強く要望してきたところでございます。他のバス事業者では、バスの位置情報をGPSを活用して、接近表示装置を設置しているところもあります。交通局でも従来から接近表示装置の設置に取り組んでまいりましたが、平成十六年三月から簡易型の表示装置を開発、導入することにより、飛躍的に設置箇所数をふやしてきたとお伺いしております。
そこでまず、改めて、簡易型のバス接近表示装置とはどのようなものか、またあわせて、従来型に比べて簡易型はどのような利点があるのか、お伺いしたいと思います。
○斎藤自動車部長 簡易型バス接近表示装置でございますが、リアルタイムで把握したバスの位置情報を停留所の表示装置に配信することによりまして、バスがお客様のお待ちになっている停留所より幾つ前の停留所に来ているかを表示するものでございます。
また、従来型の接近表示装置が、バス停留所標識柱を新設する必要もあり、一基約四百万円するのに対しまして、簡易型接近表示装置は既存の標識柱に組み込むことが可能となりまして、約二十万円で設置できるなどの利点がございます。
○小磯委員 交通局は、簡易型の接近表示装置の増設を現行の経営計画新チャレンジ二〇〇七の計画事業に位置づけ、積極的に設置してきているようでございますが、現在までの設置状況を伺うとともに、今後より一層普及すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○斎藤自動車部長 交通局では、お客様のバス待ちのいらいら感を緩和するために、バスの接近表示装置の拡充を図ってきたところでございます。
現在は、簡易型のバス接近表示装置を、バス路線の乗降客数や運行間隔等を勘案し増設してまいりまして、平成十九年度末までに三百七十二基を設置いたしました。今年度は六十五基の設置を行う予定、さらに平成二十一年度は九十基を設置する計画でございます。それによりまして、二十一年度末の設置数は合計で五百二十七基になる予定でございます。
○小磯委員 都バスの運行情報は、バス接近表示装置のほか、インターネットや携帯電話でも提供されておりますが、都バスを利用する都民にとって大変有用なものであると思っております。
私の地域では、神奈川中央交通というバスがやはりこのバス接近表示をしておりますが、この神奈中の方はGPS、いわゆる全地球測位システム、これを導入しています。
このGPSと、今、都バスでのバス接近表示、どういうメリットがGPSの方にあるかと申しますと、前のバス停を出ましたというのが今の交通局の情報でありますが、あと何分ぐらいでこのバスが来ますというリアルタイムの情報を流すことができる。バス停からバス停が近ければ、今このバス停を出ましたという情報でいいのですけれども、バス停とバス停が遠い場合は、また、そのバス停とバス停の間が渋滞の場合、より利用者にリアルタイムの情報が届けられる。これは利用者の方であります。また、今度は事業者の方からいきますと、より正確でリアルな運行管理ができる。そういったメリットがこのGPSにはあるというふうに認識をしておりますので、費用対効果というのが大変ございますので、その辺は考慮していただきながら、常にさまざまな新技術を視野に入れて、ぜひ今後も、利用者の利便性向上のためによりよいものを目指していただきたいと思います。
また、あわせて、簡易型バス接近表示装置を計画どおり設置していくことをお願いしたいと思います。
続きまして、地下鉄事業でございます。
交通局の地下鉄事業では、平成十九年度において一日平均約二百二十九万人の利用があり、特に大江戸線では、対前年度の増加率は八%を超え、平日にはおよそ九十万人もの人に利用されております。交通事業者にとって、安全の確保は第一に取り組むべき重要な課題でございますが、利用者が増加し混雑度が高まっているという状況から、すべての人が安心して都営地下鉄を利用するために、交通局としてでき得る限りの対策を実施すべきであると考えます。
我が党はかねてより、ホームの安全性を向上させるため、転落事故防止対策を具体的に進めていただきたいと申し上げてきたところでございます。本年三月の公営企業委員会における我が党の鈴木貫太郎委員の質問に対し、交通局長は、大江戸線のホームさくについて、諸課題を解決しつつ、整備計画を策定してホームさくの設置を推進していきたいと、積極的な使命を示されたところであります。
今後、設置に向けて動き出すことになると思いますが、こうした観点を踏まえ、都営地下鉄大江戸線のホームさくに関する質問をさせていただきたいと思います。
改めて確認いたしますが、大江戸線ホームさくの整備計画の内容についてお伺いいたします。
○広川参事 大江戸線可動式ホームさく整備計画の内容ですが、平成二十五年度までに大江戸線の全駅において可動式ホームさくの設置を完了させることとしております。
また、計画における事業費は、既存の設備をできるだけ活用することでコスト縮減を図り、約百二十億円としております。
○小磯委員 現在の大江戸線の混雑状況などから見て、転落事故防止のためのホームさくは可能な限り早く整備することが必要と考えます。整備計画でも示されたように、平成二十五年度までに全駅への設置を完了するという整備スケジュールは評価できるものであり、今後は着実に整備を進めていただきたいと思います。
そもそもホームさくは、ホームからの転落事故を防止するための設備でありますが、いわゆるバリアフリー新法にも示されているように、駅におけるバリアフリーを促進する設備として重要な位置づけを持つものと考えます。また、高齢の方や障害を持つ方などからは、かねてからホームさくを設置してほしいという強い要望をいただいております。このような観点からも、整備に当たっては、すべての利用者にとって安全で利用しやすい設備とする必要があると考えます。
そこで、だれにでも安全で利用しやすいホームさくを検討すべきでありますが、いかがでしょうか。
○広川参事 大江戸線のホームさくは、高齢の方や障害を持った方にとっても安全で利用しやすい設備にしていきたいというふうに考えております。
交通局としましては、既に三田線へホームさくを導入し、利用者のご意見も伺っております。こうした実績を踏まえるとともに、他の鉄道事業者における導入状況や最新の技術情勢なども参考にしながら、大江戸線ホームさくの整備を進めてまいります。
○小磯委員 交通局では、大江戸線へのホームさく設置を決定し、その具体化に向けて積極的に取り組んでいくということがよくわかりました。
また、さまざまな制約がある中で、平成二十五年度までに全駅への設置を完了するという意気込みも感じられます。先ほども申し上げましたが、安心して大江戸線を利用するために、ホームさくを心待ちにしている方も多く、ぜひおくれることなく実現していただきたいと思います。
改めていうまでもなく、交通事業者にとって事故はあってはならないことでありますが、一たび事故が起きれば、その信頼回復には多大な労力を要することとなります。公共交通の先導的な役割を果たすべき交通局としては、大江戸線へのホームさくの設置を初め、ハード、ソフトの安全対策をより充実させていく責務があると思います。
都民が安心して利用できる都営交通となるよう、改めて、安全対策に取り組む局長の決意をお伺いいたします。
○金子交通局長 交通事業者にとりまして、お客様の安全の確保はサービスの基本であり、最大の使命であると考えております。このため、交通局では、経営方針に安全最優先を掲げまして、安全意識の浸透、安全風土の構築を図るとともに、安全性向上のためのさまざまな投資に努めております。
ご質問の大江戸線ホームさくの設置につきましても、転落事故の防止など、お客様の安全確保に有効な手段であり、平成二十五年度までに全駅に設置を完了させるべく、着実に進めてまいります。
今後とも、ハード、ソフト両面から各種の安全対策を進め、より一層安全・安心な都営交通の実現に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。
○小磯委員 ただいま局長から安全対策の取り組みへの決意が示されたところでございますが、常に都民の視点に立って、さらに安全・安心な都営交通を目指していくことをお願いして、質問を終わります。
○清水委員 地下鉄事業について伺います。
高速電車事業では、平成十八年度に黒字に転換し、平成十九年度も引き続き黒字を計上しているといいますが、その主な要因は何だと考えているのか、お伺いいたします。
○柴田総務部長 平成十九年度の地下鉄事業の決算状況でございますが、先ほど秋田副委員長にもお答えしたところでございますけれども、収入面では、沿線での開発の進展等により乗車料収入が増加し、支出面では、企業債の利子の減少や駅業務の委託等による経営効率化などにより費用が減少いたしました。この結果、平成十九年度の地下鉄事業の経常損益は、平成十八年度に引き続き黒字を計上したものでございます。
しかしながら、地下鉄事業は依然として四千六百億円を上回る巨額の累積欠損金を抱えていることから、今後とも、経営効率化を進めるとともに、増客増収対策に取り組み、累積欠損金の解消に努めていきたいと考えております。
○清水委員 先ほどご説明がありました資料によりますと、地下鉄事業の職員数は、退職者百八十六人に対し採用者数は二人というふうになっています。地下鉄駅係員は十八年と比べてどのぐらい減少しているのか伺います。
○岸上職員部長 いわゆる地下鉄駅係員といわれます鉄道営業職員につきましては、平成十九年度は平成十八年度に比べまして八十六人減少しております。
○清水委員 かなり減っているわけです。それだけ減ったら、事業に大きな影響があるのではないかと考えるわけですけれども、交通局の事業を円滑に安全に進めていくために、要員の確保が重要な一つだと思いますが、駅職員数の減少に対してどのように対応しているのか、お伺いいたします。
○野澤電車部長 駅の業務につきましては、交通局経営計画新チャレンジ二〇〇七に基づきまして、窓口業務、旅客案内、ホーム監視等の業務を委託しておりまして、駅職員の定数削減を図ったところでございます。
○清水委員 昨年、平成十九年には大江戸線での停電事故があったわけです。それについては、何回かのこの間の本会議や委員会などで、当該委員会で詳しく質疑がされてきたと思います。その原因などについて、対策などについて質疑がされてきたと思いますけれども、我が党は当時、その問題について、効率化の名で経費をとことん削減するために、都職員技術者の育成を放棄し、委託会社に監督を任せ、さらに事実上の二次委託の低賃金労働に現場の作業をやらせている中で、重大なサービスの後退が起きたものだというふうに指摘をしてきたわけですけれども、何より重要なことは、この事故の教訓が今日生かされなければならないということだと思います。
そこで、業務委託により必要な要員は確保しているということですけれども、直営に比較して、安全を確保していく上での問題はないのかどうか、お伺いいたします。
○野澤電車部長 業務委託における安全の確保でございますけれども、駅業務の委託に当たりましては、委託契約におきまして、委託係員に当局係員と同様な研修や訓練を義務づけておりまして、鉄道係員としての十分な教育を行い、安全を確保しております。
また、運転取扱業務につきましては、従来どおり、当局職員であります管理所長以下の駅務区長、助役によって行っており、異常時または緊急時には、委託職員は、当局職員である助役の指揮のもとに入り、対処することとなっておりまして、安全には万全の措置を講じているところでございます。
○清水委員 交通局では、駅業務以外にも、線路の保守や電気関係設備の保守についても委託化を進めています。資料によると、委託金額が年々増加していることがうかがえ、委託が拡大していると推測できます。駅職場もそうであるけれども、技術職場についても安全運転に欠かすことができない職場であり、安全、確実に地下鉄の運行を行い、都民に安心して地下鉄を利用してもらうためにも、技術レベルの維持向上を図る必要があるというふうに考えます。
都営地下鉄はこれまで、開業以来長い年月を経ているわけですけれども、これまでの経験の中から、多くの経験に裏打ちされた技術があるというふうに聞いています。今、多くの退職者がさまざまな分野でふえる中で、中小業者だとか製造業だとか、さまざまな分野で若い世代への技術の継承が課題となっている、そのことがマスコミでも繰り返し取り上げられています。交通局についても例外ではないというふうに考えるわけです。運転とか、またその他の問題でも非常に重要な技術が必要だということで、マスコミでも取り上げられているのを見たことがあります。
職員の方々が培ってきた技術を次の世代に確実に継承し、事故を未然に防止していくことは、交通事業者の使命であると考えておりますが、技術の継承についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
○岸上職員部長 職員の大量退職時代を迎えまして、技術、技能の継承というのは全庁的にも重要な課題となっております。こうした状況を踏まえまして、交通局では、平成十九年五月に局人材育成方針を定めまして、プロフェッショナル職員の育成に取り組んでいるところでございます。技術、技能の技能系職員につきましても、平成十九年度より、それまでの講義中心の研修から、OJTなど、より現場の実務に即した研修への転換を図っているところでございます。
具体的には、各職場研修に現場実習を取り入れ、実地に即した実践的な教育に努めております。また、集合研修につきましても、故障、事故時の対応につきまして事例研究方式を導入するとともに、保守職場の指導的立場にある班長、組長に対する研修を新設するなど、各職場での後輩職員等に対する技術の継承に役立てるように工夫しているところでございます。
なお、一口に技術、技能と申しましても、定型的な業務から高度な判断を要するものまでさまざまでございまして、それぞれにふさわしい研修を実施しているところでございます。
○清水委員 今、内容についてさまざまご回答がありましたけれども、やはり、今おっしゃったように、技術の継承には一定の時間がかかるわけです。一遍にそれを身につけるように努力をしても、それはやはり一定の時間がかかるわけで、交通事業であってもそれは例外ではないというふうに考えるわけです。
そして、それを継続して実施していくためには、安定的な身分の正規職員が直接業務を行い、技術職場のすそ野を広げる必要があるというふうに考えます。これまで交通局においては、多くの職場が委託され、正規職員の数が減少しているわけですけれども、これまで培ってきた技術、経験を確実に継承し、安全運転に万全を期していくためには、現在委託されている現場を順次直営に戻して、正規職員を採用していく必要があるというふうに、基本的には私は考えるわけですけれども、どのように考えられるか、お伺いいたします。
○柴田総務部長 交通局では、例えば駅業務につきましては、経営の効率化を図るため、一定の基準に該当する駅を対象に、先ほど電車部長からも答弁がありましたように、安全の確保に万全を期しながら業務委託を実施しております。
また、清掃や定型的な保守業務などについても、職員の適切な検査確認体制のもと委託を行っておりますが、一方で、異常時に高度な判断に基づく対応が必要な業務などにつきましては、直営で対応しているところでございます。
このように、業務の性質、内容に応じて、輸送の安全を確保しながら、直営と委託を的確に組み合わせ、事業の運営を行っており、今後ともこうした取り組みを推進していくことから、特に問題はないというふうに考えております。
○清水委員 効率化の名で、引き続きですね。退職者に採用者が本当に何分の幾つだというふうな状況というのは、改善してほしいというふうに思うわけです。
次に、安全対策についてですけれども、都営地下鉄の利用者の中には、先ほど他の委員からもありましたように、高齢者そしてさまざまな障害を持つ方がいます。これに対して、エレベーターの設置だとかホームさくの設置に取り組むというようなことで、一定の成果は上げていると思うわけです。
しかし、最近では、合理化などのためか、ワンマン運転とか地下鉄駅改札口の無人化など、どんどん駅から駅員が少なくなってきている、そして、それが大変支障になっているよというふうな声も聞いているわけです。特に、障害者の中でも視覚障害者にとっては重大な問題であって、視覚障害者団体などからは、繰り返し無人駅の危険性などについて要望が出されています。
利用者の安全を守るために、駅ホームでの旅客誘導、安全監視など、職員配置というのはどういうふうになっているのか、お伺いいたします。
○野澤電車部長 駅ホームへの職員の配置でございますけれども、現在、都営地下鉄におきましては、朝夕ラッシュ時間帯を中心に各駅のホームに職員を配置いたしまして、ホーム監視やお客様の誘導に当たっております。その他の時間帯につきましても、駅のホームの形状でありますとか構造によりましては、駅ホームに職員を配置いたしまして、安全の確保に努めているところでございます。
○清水委員 引き続き、ホームへの職員の配置というのは万全を期していただきたいと思います。
また、我が党もかねてから繰り返し求めてきたところですけれども、ホームでの安全確保の一番の方策といえるのは、可動式ホームさくだというわけです。特に、先ほどから触れておりますように、障害を持つ方々の安全対策上、どうしても必要だというふうに考えるわけです。一刻も早く実現してほしいと思うわけですけれども、どのように具体化されているのか、お伺いいたします。
○広川参事 大江戸線のホームさくの設置でございますが、昨年度、平成十九年度に大江戸線可動式ホームさく整備計画を策定いたしました。この整備計画におきましては、平成二十五年度までに大江戸線の全駅に可動式ホームさくの設置を完了させることとしております。
○清水委員 本当にその過程で転落事故が起きるというようなことがないように、万全の対策をとっていただきたいというふうに思うわけです。引き続き、各地下鉄駅へのさまざまな視覚障害者などの要望が出されておりまして、一つ一つ触れませんけれども、要望には積極的にこたえていただきたいと思います。
そして最後に、きょうの質問には直接関係ないのですけれども、かつて予算特別委員会で私は、多摩地域との格差の解消の問題を取り上げた際に、この交通の問題についても触れたことがあります。先ほどはいわれませんでしたけれども、心の中では、三多摩住民は都営交通の存在というものを本当に--ここに力を入れるというのも、今までのところよりも力を入れるというのも何なんですけれども、やはり都営交通の存在を、一つのそうした格差の解消ということで取り上げていただきたいなと。これは将来的な問題でもいいんですけれどもね。一部都営バスが入っているところもあるようですし、八王子なんかは、かつて営業所があったよなんていうようなことも聞いているんですよね。私は営業所に勤めていたなんていうことを聞くと、えっ、都営バスが八王子にもあったのかななんていうような感想を持って、かつてはあったのだというようなことを知りました。そういうような、将来的に多摩の全域に都営バスの導入がされたらいいなというふうに思うわけですけれども、そんなことも検討していただければいいなということを申し上げて、質問を終わります。
○上野委員 平成十九年度の交通局の決算を見ますと、これまでさまざまな経営改善などを進めてきた結果だと思いますけれども、日暮里・舎人ライナーを除く各事業が経常損益の黒字を確保するという、計画を上回る成果をおさめたことは、私は評価すべきことと考えております。引き続きこうした取り組みの継続を期待いたしまして、幾つか、確認の意味も込めまして質問をしていきたいと思います。
まず初めに、特命随意契約についてでございますが、東京都監査委員による平成二十年各会計定例監査の報告によりますと、重点監査事項である特命随意契約について、交通局に関しても、十九年度執行分の契約について特命の理由を認めがたいといった指摘が二、三件ほど見受けられております。
そこでまず、平成十九年度の特命随意契約はどれくらいあるのか、また、その状況というものをお伺いいたします。
○佐藤資産運用部長 十九年度の特命随意契約件数でございますけれども、全体で二千八百六十五件中六百十二件でございまして、全体の二一・四%でございます。
○上野委員 地方自治法では、随意契約は例外的な契約方法とされております。とりわけ特命随意契約は、競争を通じた契約先選定の公平性や契約金額の妥当性の検証が期待できないということから、より一層、慎重かつ厳正な運用が求められているわけであります。都においては、平成十六年にも特命随意契約をテーマとして行政監査というのが実施されたところでございますが、交通局がこれまで特命随意契約をどのように見直してきたのか、お伺いします。
○佐藤資産運用部長 交通局では、平成十八年四月に契約事務規程を改正しまして、指名業者選定委員会に付議する特命随意契約の基準を、予定価格五千万円以上から一千万円以上に引き下げることによって対象を拡大しまして、より慎重な運用を図るなど、局を挙げましてこの見直しに取り組んできたところでございます。
この結果、十九年度の特命随意契約は、先ほどもご答弁したとおり全体の二一・四%となっておりまして、これは、見直し前の十七年度の三八・二%の約半数近くまで減少したというものでございます。
○上野委員 ご答弁にありましたように、これまで見直しを図られた結果、十九年度は特命件数がおよそ半減したということについては、一定の評価をしたいと思います。
しかしながら、それでもまだ特命として残る案件が二割ほどあるということであります。
そこで、交通局の特命随意契約はどのような理由のものが多いのか、また、今後の運用の考え方についてお伺いします。
○佐藤資産運用部長 特命随意契約につきましては、交通局ですけれども、お客様の安全に直接かかわります、地下鉄、バスの車両や設備、装置等につきまして、メーカー指定の純正部品しか正常な動作が保証されないとか、それから、ソフトウエアの設計が非公開で設計業者しか改修できないなど、その専門性と、いってみれば安全の確保を理由としまして、特命随意契約もやむを得ないというふうに判断をしている場合が、全体から見ればほとんどでございます。
この特命随意契約につきましては、今後とも、事業者の技術力の向上などによる参入の可能性など、その個々の合理性や妥当性を常時検証してまいりたいと思っています。
○上野委員 私は、特命随意契約はすべてなくすべきであるというふうなことは絶対思っておりません。事業の特殊性や専門性、また都民の安全・安心を確保されているために必要なものについては、そういった場合はもう特命随契でやって構わない、このように思っているわけでございます。ただ、この特命随意契約の見直し、これによって、コストダウンによる経営改善という面だけではありません。また、透明性の向上による都営交通に対する信頼の確保、こういった面においても大変大事であるというふうに思うわけでございます。
引き続き、特命随意契約のより一層の精査、検証を要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
都バス事業について何点か質問をいたします。
バス事業は、ここ四年間、経常損益は黒字となっております。一時期に比べますと収支状況も改善してきております。これまでの事業の効率化やノンステップバスなどのバリアフリー化対策、またバイオディーゼル燃料導入事業など、環境対策などの都の取り組みにつきましては、私は評価したいと思います。
都バスは、ご承知のとおり、高齢者や障害者などの交通弱者にとっても利用しやすい身近な交通機関であります。いわば、私たち都民の足として重要な役割を果たしているわけでございます。平成十九年度は、今まで減少していた乗客数が、わずかながらですけれども、増加に転じている。
そこで、交通局では平成十九年度、バス路線の増強等にどのように取り組んできたのか、お伺いします。
○松下バス事業経営改善担当部長 バス路線の増強等についてでございますが、都バスの路線や運行ダイヤにつきましては、再開発や鉄道網の整備などによる乗客潮流の変化を的確に把握し、需要に見合った見直しを適宜行っております。
平成十九年度につきましては、マンションの建設などにより需要の増が見込まれた、王子駅前から新田一丁目まで運行しております王55系統や、西葛西駅前から新小岩駅まで運行しております新小21系統などについて輸送力の増強を図ったところでございます。
○上野委員 江戸川区では新小21系統で輸送力の増強が行われたとの答弁がありましたけれども、南北方向の交通をバスに頼らざるを得ない状況である江戸川区においては喜ばしいことでございます。
ところで、都バスの路線やダイヤの見直しについては、乗客潮流を把握して行っているとのことでございますが、一般論として、この乗客潮流の変化についてはどのように把握しているのか、お伺いします。
○松下バス事業経営改善担当部長 乗客潮流の変化の把握についてでございますが、再開発や大規模マンションの建設など、新たな需要が見込まれる場合につきましては、予定される居住人口や就業人口を踏まえ、乗客数を予測しております。
また、その他の路線についても、必要に応じて、始発から最終まで実際にバスに乗り込んでの調査や主要な停留所での状況調査などを行うことにより、乗客潮流の変化の把握に努めているところでございます。
○上野委員 それでは、江戸川区においては、乗客潮流に合わせ、路線やダイヤの設定はどうしているのか、お伺いいたします。
○松下バス事業経営改善担当部長 江戸川区における路線や運行ダイヤの設定についてでございますが、江戸川区においては、東西に鉄道が運行されてございます。その中でバス路線は、主に南北方向に、鉄道駅へのアクセスを図るように設定しております。運行ダイヤにつきましては、区内の多くのお客様が通勤通学時間帯にバスを利用されることから、朝夕のお客様に対応した輸送力を確保するとともに、日中においても利用実態に合った運行回数としているところでございます。
○上野委員 利用実態に合った運行回数としているとの答弁でございますけれども、区内において住民の方からは、例えば船堀街道を通る、もうここは幹線道路ですが、臨海22系統のように、日中のダイヤがほとんどないといったような路線が幾つかあるという声を聞いております。
公営企業として採算性を考えると、需要が多く望めない日中のダイヤが少ないのは理解できますけれども、例えば、平成十四年四月に、区民の強い要望にこたえて東京臨海病院が開設されましたが、病院へは多くの方がバスを利用して通われております。バスを利用されている方からは、特に都バスに対してでありますけれども、日中の便がないので不便なんですと。朝の便はあるわけですから、朝、バスに乗って東京臨海病院に来て、診察を受けて帰るのが昼ごろなんですね。ところが、その昼ごろにはバスのダイヤがないということで、結局、身内の方に電話して来てもらうか、あるいはタクシーを利用して帰らざるを得ない。これがいわゆる実態でございます。何とかしてもらいたいという要望が多いわけでございます。
そこで、交通局は、この東京臨海病院の開業に合わせ、これまでどのような対応をしたのか、また、こうした都民の要望に対する今後の対応について伺います。
○松下バス事業経営改善担当部長 東京臨海病院の開業に合わせましては、地元要望を踏まえ、平成十四年四月に、船堀駅前から臨海病院を経由いたしまして葛西臨海公園駅まで運行する西葛26系統と、東新小岩四丁目から東京臨海病院まで運行する新小30系統の二つの路線の運行を開始いたしました。
依然として、バス事業を取り巻く経営環境は厳しい状況にありますが、効率化を着実に進めるとともに、乗客潮流の変化を把握し路線や運行ダイヤの見直しに反映させるなど、今後とも適切に対応してまいります。
○上野委員 病院開設に当たりまして西葛26系統や新小30系統を新設するなど、利用者の利便性の向上に努力されたことについては、私も一定の評価をしたいと思います。
しかしながら、答弁にもありましたように、乗客潮流の変化を把握し今後とも適切に対応していく、こういうことでありますけれども、先ほども乗客潮流の話をお伺いしましたが、これは、本当に需要がどれだけあるのかという予測は確かに難しいと思いますけれども、このあたりを本当に正しくつかむ、こういう努力をぜひしていただきたい。
例えば江戸川区は、先ほどもお話がありましたように、横を一としますと縦が二という縦長の形態をしている。そこに鉄道は何本か横に入っておりまして、横の路線というのは非常に交通が便利なんですが、縦の路線は、もう公営交通機関としては、そういう都バス、私バスに頼るしかない。バスに頼るしかないという、こういう状況なわけでして、幹線道路にどれだけ車が通ってくれるか、これはもう住民の願いです。特に環七、ここにしっかりと環七シャトルバスみたいに走ってもらいたい。当初、メトロセブンという構想もありましたけれども、なかなかこれが実現しない中で、早く欲しいという、これは住民の本当に要望なわけですね。
それで、それを聞き入れた江戸川区は、区として東京都の方に、環七シャトルに都バスを走らせてもらいたい、こういった要望をして、都バスが、じゃ、やりましょうかねという動きがあるというふうに私も聞いていたわけですけれども、なぜか突然、都バスは断ってきた。そこで、江戸川区は困って、京成に声をかけていった。京成バスの方も、これはどうしようかと思ったけれども、ディズニーランドの関係もある。じゃ、上から走らせようということで試験運行をしていった。試験運行をして、この環七シャトルバスは約一年ちょっとです。乗客の方がどんどんふえていって、もう予想を上回る乗客数ということで、この一年ちょっとで何と百万人を超えているのです、乗客数が。これはもう増強しなきゃならない、こういう実態が今あるわけです。
こういう需要、要するに潜在的な需要というものを本当に把握していけば、これは都バスとしてはまさに黒字の路線になったのではないかなと。本当にそのあたりが私は悔しく思うわけでございます。公営交通機関として役割を果たすためにも、こうした都民の、足らざるところを補ってもらいたい、こういう要望に交通局は真摯に耳を傾けて、こたえていかれることを強く要望するものでございます。
今後とも、採算性を重視していくことも公営企業として重要でございますが、利用者の利便性にも配慮した柔軟な対応を期待いたしまして、次の質問に移ります。
都営地下鉄について三点質問いたします。
これまでに説明を受けたとおり、平成十九年度には都営地下鉄の乗客数が順調に伸びております。中でも大江戸線の伸びが大きいと強調されておりますけれども、新宿線も平成十九年度の乗客数の伸びが六・五%である、このように伺っております。
そこで、具体的にどこの駅で特にふえているのか、お伺いいたします。
○野澤電車部長 乗客数の伸びの高い駅でございますが、平成十九年度の決算では、新宿線の乗客数は、全駅で前年度と比較いたしまして四%から九%台と高い伸びを示しております。大幅に伸びました駅は、市ヶ谷駅の九・七%を筆頭に、九段下駅の八・九%、新宿駅の七・九%と、他社線との乗りかえ駅を中心に高い伸び率となっております。また、東大島以東の各駅につきましても、ここ数年堅実な伸びを示しておりまして、新宿線全体の底上げの大きな要因となっていると考えております。
○上野委員 今までに比べますと、最近、新宿線の混雑が進んできているように感じられます。東京メトロの東西線と比べますと、まだあいているのかもしれませんけれども、新宿線の混雑対策は、交通局としてぜひ真剣に考えてもらわなければなりません。
そこで、新宿線の混雑率はどのくらいになっていて、混雑対策としてどのようなメニューを考えているのか伺います。
○野澤電車部長 新宿線の混雑率と混雑対策でございますが、最も混雑しております一時間で見ますと、平成十九年度の混雑率は一七三%となっておりまして、前年度と比較いたしまして九ポイント増加をしております。
交通局では、混雑対策といたしまして、三カ年の経営計画新チャレンジ二〇〇七の中で、新宿線車両の一部を現行の八両編成から十両編成にし、混雑緩和を図っていくこととしております。
○上野委員 たしか京王線からの乗り入れ車両はすべて十両編成だったと思いますが、都営も十両編成の列車がふえてくれば、輸送力が増して混雑緩和につながると思いますので、ぜひとも計画どおりに実施していただくよう要望いたします。
最後に、駅におけるお客様サービスについてですが、新宿線を利用する方が便利になったと実感できるようなサービス向上策にも積極的に取り組んでいただきたいと考えております。その際、利用者の利便性の向上策として、都民の声から、最も望まれているのがエレベーターの整備であります。
そこで、新宿線におけるエレベーターによるワンルート確保の整備状況と今後の取り組みはどうなっているのか、お伺いいたします。
○吉原建設工務部長 都営地下鉄では、地上からホームまで容易に移動できるよう、すべての駅でワンルート確保を目指し、エレベーター等の整備を進めるなど、バリアフリー化を推進してきております。
新宿線では、平成十九年度、篠崎駅や東大島駅など三駅でエレベーターによるワンルートの確保を図っております。これによりまして、新宿線二十一駅中十八駅におきましてワンルートを確保することができ、整備率は八六%となりました。
今後とも、新宿線で残っている三駅につきましてエレベーターによるワンルート確保を図るなど、だれもが利用しやすい駅となるように取り組んでまいります。
○上野委員 まだエレベーターの設置されていない駅もあります。引き続き精力的に設置を進めていただくよう要望いたします。
交通局では、いわゆるワンルートの確保ということで、高齢者や体に障害のある方々を含め、利用しやすい駅づくりを進めていることは高く評価しております。このワンルートの確保は優先課題だと考えていますが、ワンルートを確保した上では、個別の駅の個々の事情に対応したきめ細やかな対応もしていただきたい。
例えば、私の地元の江戸川区の一之江駅でありますけれども、エレベーターは設置されていますが、駅の出入り口が、環七が上に走っておりまして、環七で完全に右と左、西口、東口が分かれております。最近、西口の駅前広場というのが、区の方においてきれいに整備されたわけです。そちらの方の乗降客が多いわけですけれども、そこにはエスカレーターもエレベーターもない、階段だけという状況で、結局、足の不自由な方、高齢者の方は、東口、そちらの方からエレベーター、エスカレーターを利用して上がって、そして環七をぐるっと回って自分のところに帰るという非常に不便な状況になっているわけでございます。
こういった個別の状況にも、今後はきめ細やかに対応していただきたいことを強く要望いたしまして、今後の交通局の努力を期待して、私の質問を終わります。
○高木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高木委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で交通局関係を終わります。
以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
午後二時三十七分散会
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