公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第三号

平成二十年十月二十七日(月曜日)
第二委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十一名
委員長高木 けい君
副委員長原田  大君
副委員長小磯 善彦君
副委員長秋田 一郎君
菅  東一君
上野 和彦君
鈴木あきまさ君
大西さとる君
川井しげお君
清水ひで子君
名取 憲彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
港湾局局長斉藤 一美君
技監飯尾  豊君
総務部長多羅尾光睦君
監理団体改革担当部長吉田 長生君
港湾経営部長江津 定年君
港湾経営改革担当部長小宮 三夫君
臨海開発部長藤原 正久君
開発調整担当部長余湖由紀夫君
参事長谷川 研君
港湾整備部長前田  宏君
計画調整担当部長成瀬 英治君
離島港湾部長石山 明久君
島しょ・小笠原空港整備担当部長北村 俊文君

本日の会議に付した事件
 平成十九年度東京都公営企業各会計決算の認定について
港湾局関係
・平成十九年度東京都臨海地域開発事業会計決算(質疑)
・平成十九年度東京都港湾事業会計決算(質疑)

○高木委員長 ただいまから平成十九年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十九年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成十九年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○多羅尾総務部長 十月十五日開催の当分科会でご要求のございました資料をご説明申し上げます。
 お手元の平成十九年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらん願います。
 ご要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり六項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、臨海副都心における有償処分予定地の現況一覧でございます。
 有償処分予定地のうち、開発確定分といたしまして、処分済み及び処分手続中に分け、また、今後開発予定面積といたしまして、公募中、今後公募予定及び土地区画整理中に分け、昨年度末現在の面積をヘクタールでお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。2、臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
 平成十年度から十九年度までの土地処分の実績を、面積と百万円単位の金額でお示ししてございます。実績の内訳欄には処分方法と件数を記載してございます。
 なお、注記のとおり、暫定利用は除いております。
 詳細はごらん願います。
 三ページをお開き願います。3、臨海副都心地域暫定利用の状況でございます。
 臨海副都心地域において暫定利用されております表頭記載の四区画につきまして、それぞれ表側の項目、敷地面積、事業者名、事業者決定日、施設概要及び開業時期をお示ししてございます。
 詳細はごらん願います。
 四ページをお開き願います。4、臨海地域開発事業会計における企業債償還の推移でございます。
 臨海副都心開発の基盤整備にかかわる転貸債、建設元利金債につきまして、発行額及び償還額を記載してございます。償還額につきましては、元金、利子及び合計に分けてお示ししてございます。
 なお、平成十八年度までは決算額、平成十九年度は決算見込み額、平成二十年度は予算額、平成二十一年度以降は計画額を記載してございます。
 詳細はごらん願います。
 五ページをお開き願います。5、臨海ホールディングス傘下の各子会社の資産状況についてでございます。
 東京臨海熱供給株式会社、株式会社ゆりかもめ、株式会社東京テレポートセンターの各社における流動資産及び固定資産の内訳につきましてお示ししてございます。
 詳細はごらん願います。
 六ページをお開き願います。6、臨海関係第三セクターの入居率の推移でございます。
 平成十年度から十九年度までの各年度末におけるビルごとの入居率をお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 以上をもちましてご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 それでは、臨海副都心の開発について質問をさせていただきます。
 臨海副都心は、平成元年から開発に着手し、現在、平成二十七年度の概成に向けた十年間のまさに総仕上げの時期、総仕上げ期の三年目を迎えております。
 東京港の埋立地に、最先端の都市インフラを備えた未来型の都市を目指してスタートした臨海副都心開発は、バブル経済の崩壊による経済環境の変化に伴い、企業の進出意欲が冷え込むなど、厳しい時期もありましたが、今、まちとして着実に成長しているというふうにいっていいかと思います。
 近年、「ゆりかもめ」の豊洲延伸、晴海通りの全線開通など、広域交通基盤の整備が進みまして、交通アクセスは飛躍的に向上しました。また、臨海副都心が持つ先進性やリゾート性を生かした施設の開業やイベントの展開などがにぎわいを創出して、昨年は過去最高の四千五百万人の来訪者を記録するなど、開発が順調に進んでいるという印象を持っております。
 こうした総仕上げに向けた取り組みの状況や方向性について確認するために、臨海副都心について幾つか伺わせていただきます。
 臨海副都心の土地処分などの実績を見ますと、年度により増減はありますが、着実に処分が進んでいるというふうに思います。昨年度から新たに青海地区北側の公募を開始するなど、土地処分に積極的に取り組んでいるようですけれども、青海地区北側の公募結果や今後の施設の開業の見込みを含めまして、開発の状況はどうなっているのか、まずお伺いいたします。

○長谷川参事 土地処分及び開発の状況についてでございますが、臨海副都心の土地処分状況としましては、平成十九年度末現在で、有償処分予定地百三十九ヘクタールのうち、処分手続中の土地を含め、九十九ヘクタールの処分が確定しています。
 青海地区北側については、第一期、第二期の合わせて五区画の公募を行ってきましたが、このうち四区画については事業予定者が決定しています。
 また、今後、おおむね平成二十四年度までに、スモールオフィス施設、産業技術研究センター、大学を含む十五の施設の開業が予定されるなど、開発は順調に進んでいます。

○鈴木委員 青海地区北側の処分状況が、今、おおむね順調であり、また、今後も新たに多くの施設ができるということを伺いまして、総仕上げが着実に進んでいるというふうに改めて実感をしたところです。
 今後、十五もの施設が順次開業していくということですけれども、それぞれ、地域の特性を生かした個性ある事業が展開していくものと期待して、また注目もしていきたいというふうに考えております。
 こうした中でも、先般、青海地区北側の、パレットタウンという名称で親しまれております商業施設のある区画について、後継事業予定者が決定したとの発表が、十月九日だったと思いますけれども、あり、新聞などでも取り上げられ、話題になっておりましたが、どのような特徴を持つ施設ができるのか、お伺いいたします。

○長谷川参事 施設の特徴についてでございますが、この区画を含む青海地区北側については、観光、交流をコンセプトとして、幅広い年齢層が集う広域型の商業・業務複合施設を公募しました。
 今回、進出することが決定した施設は、ものづくりや未来の暮らしをテーマとした展示施設、企業のプライベートな催しを開催できる、ホテルと一体化したコンベンション施設、これは有明のビッグサイトを補完する機能が期待できるものでございますが、さらに、商業施設、エンターテインメント施設、オフィスなどで構成されておりまして、これらが有機的に結合することにより、恒常的なにぎわいを創出し、一層のまちの活力をはぐくむことになります。
 今後、既に決定している青海地区北側の三区画とともに、羽田空港の国際化を見据えた新たなビジネス拠点として、また、ものづくりの文化や都市づくりの文化の発信地としても期待されます。

○鈴木委員 今お伺いしましたような施設が開業すれば、臨海副都心が一層にぎわいを創出して、二〇一六年のオリンピック・パラリンピック開催にふさわしい、世界に誇ることができる地域として、ブランドイメージをさらに高めることができると思います。
 ところで、昨今の経済状況というか、世界に目を転じますと、アメリカのサブプライムローンに端を発した経済のまさに変調は、株価の急激な下落と信用の収縮など、グローバルな規模の金融危機に発展して、全世界を震撼させております。
 欧米諸国に比べて比較的傷が浅いというふうにいわれている我が国においても、つい最近では、政府と日銀がそれぞれ、経済報告の中で、この金融危機が実体経済に影響し始めて、景気が弱まっているとの認識を明確に示したところです。
 また、今回のパレットタウンの後継事業が、事業面積が七万九千二百九十五・七六平米、予定事業費が約二千八百三十四億円、そのうち用地費が八百十四億円で売却される。森ビル株式会社とトヨタ自動車株式会社の応募者が、これが一グループだったということにも若干不安を感じないでもないわけでございます。
 臨海副都心の開発が、バブル崩壊後の失われた十年ともいわれた厳しい社会状況を乗り越えて現在の成長に至っていることは承知いたしております。今回、この世界経済あるいは日本経済の動向が臨海副都心の開発に再び影響を与えるのではないかという懸念から、お尋ねをさせていただきたいと思います。
 平成十九年度の東京都臨海地域開発事業会計決算の審査意見書の審査結果でも、経営状況は、今年度、純利益を計上しており、経営成績は良好なものの、依然として企業債残高が四千五百三十九億円あるため、引き続き土地処分に向けた努力が必要であると指摘をされているところです。
 景気が悪化しているといわれておりますが、平成二十七年度のまちの概成に向けて、今後どのように土地処分に取り組み、まちづくりを進めていくのか、お伺いしたいと思います。

○長谷川参事 今後の土地処分とまちづくりについてでございますが、景気の減速感が強まっている中で、建築コストの高騰やオフィス空室率の上昇など、今後の不動産市況全般に不透明感があるのは事実でございます。
 しかし、臨海副都心につきましては、今年度、青海地区に限っても、公募により三区画の進出予定者が決定したところでございます。これは、都心の間近にこれだけ広大な未開発の土地が残されている地域はほかにはなく、また、九百二十社を超える企業の集積、すぐれた景観と豊かな水辺環境など、その魅力とポテンシャルの高さが評価されているからだと考えます。
 こうした地域の持つ魅力を広くアピールするなど、積極的に誘致活動に取り組む中で、幅広い世代の人々を引きつけることのできる業務・商業、住居、文化など、多様な機能のバランスがとれたまちづくりを進めてまいります。

○鈴木委員 今後、羽田空港の再国際化やオリンピック・パラリンピックの開催など、臨海副都心の発展を後押しする新たな大きな活力も生まれようとしております。不確実な社会経済状況の動向を踏まえても、なお臨海副都心のポテンシャルの高さを生かしながら、積極的な取り組みを続けて、総仕上げを着実なものとしてほしいと思います。
 世界じゅうから多くの人々が訪れ、交流するまちとして、臨海副都心が発展し続けることを期待したいと思います。
 就業人口九万人、そこに住む方々、居住人口四万七千人という、まさに新しいまちづくりが今進んでいるわけです。平成二十七年度、二〇一五年までに臨海副都心の都市基盤整備が完了して、新交通「ゆりかもめ」が勝どきまで延伸されて、環状二号線などの広域的交通基盤の整備が完成する予定だということですけれども、交通アクセスの先行整備が必要じゃないかなというふうに私は考えております。それによって今後の土地処分にも必ず弾みがついてくるのではないか、こういうふうに考えております。
 現在、臨海副都心は、台場地区が港区と品川区、有明北地区や有明南地区、青海地区が江東区というように、行政割りがなっていますけれども、臨海副都心は、三つのコンセプト、生活の質の向上、自然との共生、あるいは世界との交流、未来への貢献、広域的な防災支援のまちとして整備して、既成市街地のまちづくりとの連携と貢献を図る、こういうふうに東京都がまちづくりを進める、まさに未来都市を目指しているわけです。
 さらには、先ほども述べましたように、羽田空港の再国際化への対応や、オリンピック・パラリンピック開催に向けての今後の臨海副都心のポテンシャルというものがさらに高まってくるというようなことを考えますと、私は、この臨海副都心自体が二十三区プラスワンというような、まさにそういう位置づけになってくるのではないかなというふうに思っているわけでございます。
 二十三区の再編論がある中で、港湾局長にはしっかりとこういった点を認識していただいて、臨海副都心の総仕上げにぜひ取り組んでいただきたい、このように私としてはあえて--いろいろ難しい問題があるでしょうから、お答えいただかなくても結構でございますので、この点を指摘させていただいて、私の質問を終わらせていただきたいというふうに思いますが……(斉藤港湾局長発言を求む)感想をいただけるんですか。

○斉藤港湾局長 臨海副都心につきましては、平成元年に臨海副都心の開発基本計画を策定以来、二十年経過しまして、今、土地が約八割処分済みということになります。その間、お話にもございましたように、バブル崩壊後の失われた十年ということで、不動産市況の低迷とか経済の低迷がございまして、当局でも、幹部全員によります二千社の企業訪問なども行ってまいりましたけれども、なかなか進まなかったのが事実でありますが、幸いにも、ここ三年、四年の間に、都民提案街区、それから、今お話のございましたパレットタウンのところを初めとして、かなり進出事業者が決まりました。
 これもひとえに、これまで長い間、都議会の先生方の絶大なご支援と、そしてフロンティアといいますか、先に進出した事業者のたゆまない努力によりまして、まちの営みというのをしっかりやっていただいたこと、それから、さっきお話ししたように、私どもの都政の先達がしっかりと事業を継続したということが成果としてあらわれたのかというふうに考えてございます。
 これからは、やはり、お話にございましたように、羽田の国際化も踏まえて、そういう国際的なビジネス拠点としての役割もしっかりと担わせていきたいと考えてございます。
 さらに、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます平成二十八年の一年前に、この臨海副都心が概成いたします。
 そういうことを考えますと、臨海副都心は、二十三区プラスワンというお話がありましたが、そこはちょっとお答えは控えさせていただきますけれども、これまでのコンセプトのとおり、東京全体の経済と産業、そういう活力をしっかりと牽引できるようなまちにしていくこと。それから、今、四千五百万人が訪れてございますが、実は「ゆりかもめ」がこの春に、平成七年の開業以来、四億人のお客様をお運びいたしました。そういうこともございますので、人々がこれからも気軽に、夢を持って集まっていただいて、そして交流していただく、そういったまち。それから、オリンピック・パラリンピックを踏まえまして、低炭素型の都市ということで、しっかりと環境対策をしまして、世界に誇れる環境対策というものを発信していく、そういうことをしっかりとやっていきたい。
 それから、二十七年度以降のまちの営みにつきましては、私ども行政の、まちをつくるという動きというのは、ある程度完結いたしますので、今、まちに進出してございます事業者の方々が主体的に、いわゆるタウンマネジメントといいますか、まちの運営をしっかりとやれるような体制づくり、その仕組みを私どもとしてはつくっていきたいと考えてございます。

○鈴木委員 しっかりやってください。

○小磯委員 平成十九年度の港湾事業会計決算についてお伺いいたします。
 この決算の説明書を見ますと、品川ふ頭ユニットロードターミナルの施設整備に関する事項がございまして、この整備につきましては、船舶の大型化、また環境への配慮といいますか、モーダルシフトの促進に対応するための内貿ユニットロードターミナル計画の一環であるというふうに理解されるわけでございます。
 私も、品川ふ頭、また上屋の倉庫の整備とか、そういうのを実際に先週見てまいりました。せっかくの港だったわけですけれども、船は来ていませんし、また雨も降っていたということで、残念だったわけでございますが、でも、品川ふ頭の整備計画というのは自分自身としてよく実感できたわけでございます。
 その上屋と呼ばれる倉庫には、北海道の製紙工場から、東京の読売、朝日、毎日という大手の新聞社へ納入する新聞紙用の巻き取り紙が積み上げられておりました。また、北海道向けの日用品を積んだシャシーが整然と並んでいたわけでございます。
 このシャシーというのは、車の後部に当たる台車部分で、船に積みおろしする際には、前に牽引する車両をつけて移動するとのことでございましたが、また、そのふ頭には、新車の乗用車またトラックが、これも北海道向けということで並んでおったわけでございます。
 これらの貨物は、荷姿が統一化、ユニット化されているために、直接ローロー船と呼ばれる大型の船舶に積みおろされるので、極めて効率よく荷役できるとのことでございます。
 そこで、品川ふ頭ユニットロードターミナルの整備内容、また今後のスケジュールがどうなっているのか、まずお伺いしたいと思います。

○前田港湾整備部長 品川ユニットロードターミナルについてでございますが、このターミナルは、今お話にございましたように、近年、荷役の効率化を図る観点から、国内海上輸送において主流となってございます大型のローロー船輸送に対応するとともに、CO2の削減を目指しましたトラックから船舶への輸送転換、いわゆるモーダルシフトに対応したものでございます。
 ターミナルには、シャシー等のユニット化された貨物を一時保管できる広い野積み場や、大型車両が船へ出入りする際のスペースを十分に備えておく必要がございます。品川ふ頭では、現在三棟ある上屋を一棟に集約いたしまして、この上屋の屋上部を乗用車などの商品車の置き場として活用するとともに、上屋集約後のあいたスペースを野積み場等に再編整備するものでございます。
 整備に当たりましては、ターミナルの機能を確保しながら再編する必要があるため、上屋を二期に分けて建設するものでございます。
 平成十九年度は、上屋建設に先行して、既存上屋一棟を撤去し、二十年度から上屋の新築工事を開始する予定で、野積み場整備を含め、全体として二十四年度に完成する予定でございます。

○小磯委員 上屋一棟はもうきれいに撤去されておりましたけれども、首都圏にとって必要となるそういった巻き取り紙を一時保管する上屋の面積を確保しつつ、そしてまた急増する商品車等の置き場である野積み場を拡張するために、さまざまな手法によって計画されているということはよく理解できました。
 内貿ふ頭の拠点を大規模に再編整備し直す計画であり、時間と予算もかかるわけでございますが、モーダルシフトを推進する上で大切な施設でもあるので、しっかりと整備して、一日でも早く完成させてほしいと思うものでございます。
 そこで、東京港における内貿ユニットロードターミナルの計画がどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

○前田港湾整備部長 内貿ユニットロードターミナルにつきましては、平成十八年三月に策定いたしました東京港第七次改訂港湾計画におきまして、十五バースを計画しております。この十五バースのうち十三バースが、既存ふ頭を再編整備するものでございまして、現在、品川ふ頭で二バースを整備中であります。また、中央防波堤内側地区におきまして新規に二バースを計画しており、このうち一バースを整備中でございます。
 今後も、ユニット貨物が急増している状況を踏まえ、十号地その二地区等のターミナル整備を着実に推進してまいります。
 なお、内貿ユニットロードターミナルのうち、品川ふ頭など十バースにつきましては、大規模地震等の震災時における緊急物資等の海上輸送基地として位置づけられており、整備に当たりましては、ターミナル前面の岸壁の耐震強化対策をあわせて実施していく計画でございます。

○小磯委員 内貿ユニットロードターミナルの全体計画はよく理解できました。特に、十号地その二ふ頭内にはフェリーふ頭もあり、一般の乗船客も訪れます。また、北海道、九州、四国、沖縄と東京を結ぶ航路が集結をしており、内貿貨物の一大拠点でもあるわけであります。ぜひ着実な整備をお願いしたいと思います。
 また、ただいまの答弁の中で、ユニットロードターミナルの整備にあわせ、前面の岸壁を耐震強化するとのことでございますが、またこれも大変重要な視点であります。港湾は、生活や産業に関連する物資を運ぶ重大な結節点であり、岸壁なくして現在の船舶は着くことができないわけであります。そうした重要な岸壁が地震などによって崩壊してしまっては、緊急物資の運搬に支障を来してしまうものであります。
 阪神・淡路大震災のときも港湾施設が相当被害を受けたというのは、私ども、いろいろと資料で知ったところでございます。これから三十年間のうちに首都直下型地震が七〇%の確率で起こるといわれているわけでありまして、その三十年がもう既に何年かたっております。また、降水確率で例えるとちょっと変でしょうけれども、降水確率で五〇%、あした雨ですというと、ほとんどもう雨だという認識で傘を持っていくわけであります。そういった意味では耐震強化というのは本当に喫緊の大事なテーマである、こういうふうに思っております。
 同様に、船舶からコンテナを積みおろしする際に荷役機械が必要でございますが、これについてもやはり耐震化が欠かせないわけであります。東京港における岸壁並びに荷役機械の耐震強化を確実に、また速やかに取り組むべきでありますが、いかがでございましょうか。

○前田港湾整備部長 岸壁や荷役機械の耐震強化についてでございますが、東京港におきましては、緊急物資それから国際コンテナ貨物を輸送する拠点として、震災時においても機能する耐震性の高い港湾施設を整備することが極めて重要であると考えております。このため、東京港第七次改訂港湾計画におきまして三十一バースの耐震強化岸壁を計画しております。このうち、平成十九年度までに十三バースが整備済みでございまして、その進捗率は約四〇%となってございます。また、現在、品川ふ頭や中央防波堤内側地区などにおきまして四バースを整備中でございます。
 首都直下地震の切迫性が指摘されている中、さらに耐震強化岸壁の整備を促進していくとともに、荷役機械でございますガントリークレーンの耐震化を図ることも重要でございます。これまでに、大井ふ頭におきまして平成十九年度に整備した一基を含めまして、八基のガントリークレーンの耐震化が完了しております。
 今後、中央防波堤外側コンテナふ頭の耐震強化岸壁の整備にあわせまして、新たなガントリークレーンにつきましても耐震化を進めていく予定でございます。

○小磯委員 現在までに耐震強化岸壁が計画のほぼ半分まで整備済みとのことでございます。都民生活の安全と安心を確立する上で極めて大事な取り組みであると思います。引き続き港湾施設の耐震強化に取り組んでいただきたいことを要望して、私の質問を終わります。

○清水委員 臨海副都心における土地の長期貸付及び売却等の推移の表を見ますと、十九年度には、有明南地区を初め五区画が株式会社東京テレポートセンターなどに現物出資をされていますが、この現物出資というのはどういうことなのか伺います。そして、なぜこういう措置をとられたのかということをお聞きいたします。

○吉田監理団体改革担当部長 土地に対する現物出資についてのお尋ねでございますけれども、これは臨海三セクの民事再生にかかわる現物出資をしたものでございまして、臨海三セクは、インフラ施設の管理や多様な企業の集積拠点になるなど、民間の利益追求ではなし得ない公共的な役割を担っておりまして、臨海副都心開発に着実に活用していく必要がございます。したがって、臨海三セクの経営基盤を確立するため、都、民間金融機関等の債権者、関係株主らの合意により民事再生の手法を選択したものでございます。
 ビルの底地の現物出資でございますけれども、これは、東京地方裁判所の公正な手続を経まして、債権放棄を行った金融機関など、関係者の合意を得られた民事再生計画に基づくものでございます。都は、臨海副都心開発を推進していくためには、臨海三セクを今後も一層活用していく必要があることから、合併後の会社の経営基盤確立のため現物出資を行ったものでございます。

○清水委員 臨海会計には実際どのような影響があるのか、お伺いいたします。

○吉田監理団体改革担当部長 臨海会計への影響でございますけれども、都は、株式会社東京テレポートセンターに土地の現物出資をしてございますけれども、一方で、お台場ライナーふ頭の機能の見直しの検討を行う中で、埠頭公社からふ頭用地の寄附を受けております。したがいまして、臨海会計としましては、その所有する土地資産に変更はございません。また、土地の現物出資に伴い株式を取得しておりまして、臨海会計のバランスシート上は、土地が出資による権利に変わったものでございまして、資産の減はございません。

○清水委員 実質的な負担はないということではありますけれども、実際には、土地代の収入など、会計としての影響というのは否定できないのではないかというふうに思うわけです。
 それで、包括外部監査では、テレポートセンターに夢の島マリーナを無償で貸し付けていたことに対して指摘を受けていたと思いますが、その経緯についてお伺いいたします。

○江津港湾経営部長 夢の島マリーナの貸し付けにつきまして、包括外部監査で平成十七年度にご指摘をいただきましたけれども、それにつきましては、夢の島マリーナは、より民間の活力を活用するにふさわしい施設である、そういったことから、他の民間事業者の公募を行いまして、ふさわしい団体を選択するのが適切であるというご指摘を受けています。

○清水委員 十七年に包括外部監査を受けるまでは、ここの利用料というのはテレポートセンターにずっと入っていたわけです。それで、包括外部監査で十七年度に指摘を受ける。その監査の指摘というのは、観点というのは異なりますけれども、しかし、夢の島マリーナの管理をテレポートセンターが行って、それで利用料を受けるというのは好ましくないというような是正措置だったわけです。この問題を改めて質問しませんけれども、住民団体などからも、なぜこの使用料をテレポートセンターが受けるのか、おかしいという声も出されていたところです。
 それで、先ほどの民事再生にかかわる現物出資も、それから、夢の島マリーナをテレポートセンターに貸し付けた問題も、私たち、テレポートセンターなどの経営悪化の事態についてはずっと指摘をしてきたところですが、ある場面では見直しの議論もされました。その時点で対応していれば、今日の時点で現物出資は避けられたのではないかという思いもあります。
 また、今回、現物出資した三社の主たる事業はオフィスビルである。先ほどから入居率のお話も資料で説明されましたけれども、民間会社と何ら異なることはないという内容で、都民の財産を提供してなぜ存続しなければならないのか。そのような公共性を持っているとは到底いえないというふうに私は思うわけですけれども、なぜ支援を続けているのか。
 民事再生の現物出資やマリーナを無償で貸し付けた問題については、テレポートセンターの支援ではないかというふうに思うわけですけれども、どのようにお考えでしょうか。

○吉田監理団体改革担当部長 民事再生に基づく土地の現物出資等についての、TTCへの支援ではないかというお話でございますけれども、総仕上げの時期にかかりました臨海副都心開発を推進していくために、臨海三セクの持つ公共的役割にかんがみまして、経営基盤を立て直した後に着実に活用していく必要がございます。
 ビルの底地の現物出資につきましては、民事再生計画の一連の手続の中で行ったものでございまして、この結果、東京テレポートセンターはビルの入居率も高まりまして、十九事業年度では約四十九億円の純利益を確保いたしまして、長年の課題でありました累積損失を解消するなど、経営状況は順調でございます。
 また、夢の島マリーナ事業は、民間ノウハウの活用により、管理運営の効率化や迅速な施設補修や改良を図り、利用者サービスの向上を図ることを目的に、都が貸し付け、東京テレポートセンターが管理運営を行ってきたものでございます。
 したがいまして、いずれもいわゆる支援には当たらないものというふうに考えてございます。

○清水委員 知事も、行くも地獄、戻るも地獄などというふうなことをいっていたときもあるわけですけれども、やはり三セクの破綻をずるずると先延ばししてきたことで、今回の現物出資などの対応をせざるを得ないというようなことに至ったと思います。私はやはりまずその反省をしなければいけないと思うわけですけれども、今の言葉の中には、答弁の中には、何らその認識も見られません。そして、外部監査で指摘されるなどの事態にもなっていますし、それから、マリーナの件などについては住民監査も出されているようです。やはりこれらが三セク支援、三セク救済の目的でやられたことに間違いないということを私は指摘しておきたいというふうに思います。
 それでは、十九年度の土地処分はどのような状況になっているのか、お伺いいたします。

○長谷川参事 平成十九年度の土地処分状況は、売却三件、所管替え二件、長期貸付一件の計六件で、面積は約五ヘクタール、金額にして三百六十七億円でございます。

○清水委員 その内容については、昨年の事務事業の際に、かなり公共の利用目的でされているなど指摘してまいりましたから、きょうは先に行きますけれども、それでは、都民提案街区の処分状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。

○長谷川参事 都民提案の対象となった青海地区北側の副都心広場を囲む四区画でございますが、これらの区画につきましては、昨年三月に公募を開始し、昨年十二月に二区画、また本年七月にはさらに一区画、合計三事業予定者が決定したところでございます。

○清水委員 その内容も通知をされてきたところですけれども、森ビル株式会社、東京建物、三井不動産などの、コンテンツ発信拠点とか、アジア各国との交流拠点とか、文化、商業・業務の複合都市とか、劇場型都市空間などと、都民提案街区という際にいわれた緑の空間とか、そうした内容と提案とは、これまでも繰り返し指摘をしてまいりましたが、ほど遠いものになっているのではないかと私は思うわけです。
 今回、この内容についても改めてそのように強く思うわけですけれども、都民提案の中身との関係をどのように考えているのか、お伺いいたします。

○長谷川参事 都民提案におきましては、憩い機能、文化機能、にぎわい機能を中心として、業務・商業機能に関する提案が多かったところでございます。優秀提案の趣旨には、環境と共生するまち、自然を身近に感じられるまちや、イベント空間を備えたにぎわいを演出するまちなどがございました。
 こうした点を踏まえまして、大型商業施設、本格的なイベントが開催される大規模ホール、フェスティバル広場、都市文化の展示施設など、観光、交流をコンセプトとした幅広い年齢層が集う施設を事業決定しております。また、自然エネルギーの利用や十分な緑化など、環境にも十分な配慮がなされた事業内容となっています。
 これらの施設は、にぎわいを創出し、自然や環境と共生するなど、都民提案の趣旨と合致したものと考える次第でございます。

○清水委員 我が党の小竹議員も、それから昨年の曽根議員も、都民提案街区の内容について、どのような都民提案がされたのかということも示しながら、この趣旨が生かされていない、この趣旨とは違うんじゃないかということで指摘をしてきたわけですけれども、今ご答弁がありました内容というのは、私は、提案者が意図していたものとはほど遠いというふうに考えるわけです。
 環境との共生とかいわれますけれども、昨今の都市のあり方というのは、世界の流れなどからも大きく変わってきているわけです。何よりも地球温暖化とか、都市づくりだったら、本当にコンパクトにするんだとかいうような流れに変わってきているわけですが、今、都民提案街区でさえも、こういう流れからいっても、逆行しているといえるのだというふうに私は考えます。
 それじゃ、都民提案街区、それだけに限ったわけではないんですけれども、今、都民提案街区が出ているからお聞きするわけですけれども、都民提案街区でこれらの施設ができたら、どれだけのCO2の発生が予測されているんですか。

○長谷川参事 臨海副都心は、長期的視点に立って、省エネルギー、資源の循環利用などを行い、環境負荷を軽減するとともに、生態系の再生にも配慮した水と緑の創出など、自然と共生する環境保全型の都市づくりを進めているところでございます。
 具体的には、臨海副都心まちづくり推進計画におきまして、全体の二七%を公園、緑地、シンボルプロムナードとし、十分な公園等のオープンスペースを確保しております。また、都民提案の対象となった青海地区北側のうち事業者決定した三区画全体として、都や区の緑化関係条例の基準を上回る、おおむね四割を超える緑化率を確保しております。さらに、各区画の建築物は、最新の技術を駆使して断熱性能にすぐれた構造とし、省エネルギー性能が高い設備を導入するとともに、自然エネルギーについても十分活用しており、環境に与える負荷を最小限とした計画となっているものと考える次第でございます。

○清水委員 それでCO2の発生が抑えられるとか減らせるというふうに予測をされているのだというふうに思いますが、本当にそういうんだったら、今、緑地を何%、何割とるとか、そういう点をいっていますけれども、それと、建設されるビルから発生するCO2とを比べたらどうだということをいわなければ、何の説得力もないわけですよ、こうしたい、こういうふうにすればこうなるだろう、そういう予測をいわれても。今の東京都などの取り組みなどでは、どこから何トン発生するから、何年までに何トン減らすんだ、そういう計画でやっているわけですよ。だから、緑をつくったから、そこで何トン吸収して、じゃ、このビルからどれだけ出るから、これだけ吸収してというふうにしなければ、何の説得力もないというふうに、私たちは繰り返しこれを指摘しているわけです。
 せめて、東京都自身が自由にできる未利用地、それは、緑、公園をふやしてCO2の抑制に貢献していくという方向になぜなれないのか。ふえるということはもう明らかなんですよ。今の事態の中だって、ふえるということはもう明らかになっているわけで、これがまた高層ビルを建てるだけでは、私は時代に合っていないというふうに指摘せざるを得ません。
 しかも、先ほどの他の委員のご説明にもありました青海も、また今回も、森ビル株式会社が入っているというふうに伺いました。新橋・虎ノ門開発や六本木開発などでは、都が規制緩和してやっているといわれています。そして、今度のこの都民提案街区や、それから新しいところの進出などでも、人によっては、森ビル開発だなどともいわれています。私は、都民の貴重な財産を都民のために生かすべきであるということを指摘しておきたいと思います。
 次に、「財政基盤強化プランの更なる取組み」の会計の収支試算、十九年度決算で、というのはどうなっているのか。起債償還の山に入るわけですけれども、昨今の金融状況などにより、臨海地域の売却がこのまま進んでいくとは考えられないわけですけれども、その点についてお答えいただきたいと思います。

○藤原臨海開発部長 二十一年度、二十二年度の起債償還の山についてでございますけれども、今後、平成二十二年度までに約二千億円を超える土地処分収入が見込まれております。またさらに、十九年度末での内部留保金を加えますと起債償還は十分可能であるというふうに考えているところでございます。
 今後とも、土地処分を着実に進め、都債償還を確実に実施してまいります。

○清水委員 振り返りますと、当初の事業計画では、開発事業費を四兆千四百億円と見込み、基盤整備に要する約半分の二兆円を都が負担し、残りの二兆円の上物整備費は民間が負担していたわけです。ところが、二年もしないうちに全体の事業費が二倍以上に膨れ上がり、交通アクセス整備のための用地買収費などを含めれば十数兆円を上回るといわれました。三十年間の事業収入は、進出企業からの地代、権利金などによるとしたものですけれども、当初の収入見込みは狂い、開発を継続すればするほど都民への負担がふえ、しわ寄せが広がってきたのです。
 臨海副都心会計では収支試算の変更が繰り返し行われ、試算のたびに収支均衡年度が先送りされてきたわけです。そして、先ほどから、成り立つ、成り立つというふうなご答弁ですけれども、二〇〇一年度には、赤字の臨海副都心開発事業会計と黒字の埋立事業会計、羽田沖埋立事業会計の統合が行われ、今日の臨海地域開発事業会計が設置されました。臨海副都心開発事業会計の赤字を見せかけ上減らしたとしても、都民の共有財産である土地や埋立事業会計のお金を無償で臨海副都心開発事業に提供したことに変わりないのです。開発目標とされた情報化産業、企業誘致、インターネットの普及や、そのもとで、計画は狂ったわけです。
 先ほども指摘してまいりましたけれども、開発は中身も破綻しているし、公共性も全くない。これ以上の支援はやめるべきではないかということを伺います。いかがですか。

○藤原臨海開発部長 ただいま三会計統合のお話がございましたけれども、東京臨海地域を、総合的、一体的に開発を着実に進めるために、三会計の統合を図ったところでございます。また、こうした会計統合によりまして、それまでの会計間での出資や貸付金についても新会計が包括的に引き継ぐ中で、都市基盤、施設等が引き続き都民の財産として存続して、臨海地域の土地の資産価値を高めるというようなことになってございます。
 それから、先ほど、先生、特定の企業名をお出しになって青海地区北側の開発のお話をされておりました。私ども、事業者の決定に当たりましては、外部の専門家の皆さんも入っていただいて、専門的な見地からその提案の内容のよしあしを審査した上で事業者を決定しているところでございます。

○清水委員 私がきょう決算で指摘してきたことは、都民の立場から見て、臨海開発にどれほど都の税金が投入され続けてきているのか、その一方で、都民の暮らしとの関係を、私は改めていいませんけれども、そのことを考えたら、やはり港湾局自身がこれも見直さなければいけないということを指摘してきたものです。
 私の意見として、質問を終わります。

○高木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高木委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後一時五十七分散会

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