公営企業会計決算特別委員会速記録第二号

平成十八年十月十六日(月曜日)
第四委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 二十三名
委員長中村 明彦君
副委員長東野 秀平君
副委員長三宅 茂樹君
副委員長大塚たかあき君
理事谷村 孝彦君
理事臼井  孝君
理事山加 朱美君
理事初鹿 明博君
理事松村 友昭君
伊藤 興一君
きたしろ勝彦君
中山 信行君
早坂 義弘君
高橋 信博君
山口 文江君
泉谷つよし君
かち佳代子君
植木こうじ君
高木 けい君
門脇ふみよし君
小沢 昌也君
倉林 辰雄君
新藤 義彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
病院経営本部長大塚 孝一君
中央卸売市場長比留間英人君
都市整備局長柿堺  至君
港湾局長津島 隆一君
交通局長松澤 敏夫君
水道局長御園 良彦君
下水道局長前田 正博君

本日の会議に付した事件
 平成十七年度東京都公営企業各会計決算の認定について
平成十七年度決算概要(説明)
・平成十七年度東京都病院会計決算
・平成十七年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成十七年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成十七年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成十七年度東京都港湾事業会計決算
・平成十七年度東京都交通事業会計決算
・平成十七年度東京都高速電車事業会計決算
・平成十七年度東京都電気事業会計決算
・平成十七年度東京都水道事業会計決算
・平成十七年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成十七年度東京都下水道事業会計決算

○中村委員長 ただいまから平成十七年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 本日から、さきの委員会でご決定いただきました実施要領及び審査日程に従いまして平成十七年度決算の審査を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、決算審査の参考資料として、平成十七年度予算の審議等における懸案事項の措置状況調をお手元に配布してあります。後ほどご参照願います。
 本日は、決算審査の第一回目でございますので、平成十七年度会計決算について、所管局の局長から順次概要説明を聴取いたします。
 なお、局別の詳細説明の聴取と資料要求は、それぞれの分科会に分かれて行いますので、ご了承願います。
 それでは、各局長から、あいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○松澤交通局長 交通局長の松澤敏夫でございます。
 委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから交通局の所管事業につきまして、ご指導、ご支援を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
 交通局におきましては、地下鉄、バス事業など五つの事業を運営しておりますが、少子高齢化や低成長経済のもとで、事業者間のサービス競争が一層激しくなるなど、都営交通を取り巻く環境は大変厳しい状況にございます。
 こうした中、事業運営に当たりましては、お客様サービスの基本である安全輸送を初め、お客様のニーズに沿ったサービスのさらなる向上に積極的に取り組むとともに、引き続き、コストの削減、事業執行の効率化など、経営基盤の強化に努めていく所存でございます。
 今度とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 それでは、引き続きまして、出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の高橋都彦でございます。本委員会との連絡を担当いたします総務部財務課長の奥田知子でございます。
 よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○御園水道局長 水道局長の御園良彦でございます。
 中村委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 当局におきましては、水道事業並びに工業用水道事業を所管し、都民の暮らしを守り、都市活動を支える基幹的な都市施設として安定給水に努めております。また、より安全でおいしい水を安定して供給していけるよう、全力を挙げて健全な水道事業の運営に取り組んでおります。
 その一方で、安定した水源の確保、水質問題への対応、老朽化した施設の更新など、幾多の課題も抱えております。
 微力ではございますが、職員とともに全力を挙げて諸課題の解決に取り組みますとともに、健全な事業運営に精いっぱい努めてまいる所存でございますので、今度とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の鈴木孝三でございます。次に、本委員会との連絡に当たります総務課長の福田良行でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○前田下水道局長 下水道局長の前田正博でございます。
 委員長初め委員の皆様方には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 下水道局は、二十三区における区部下水道事業と多摩地域の流域下水道事業を所管しており、都民の皆様に安全で快適な生活を送っていただけますよう、下水道の整備と施設の適切な維持管理に取り組んでいるところでございます。
 下水道事業は、近年多発する都市型水害への対応や合流式下水道の改善、老朽化した下水道施設の再構築などさまざまな課題を抱えておりますが、下水道サービスの向上と効率的な事業運営に全力を尽くしてまいる決意でございます。
 今後とも、委員会の皆様方の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、出席しております幹部職員をご紹介させていただきます。
 経理部長の佐藤仁貞でございます。本委員会との連絡を担当いたします会計課長の小林勇美でございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○柿堺都市整備局長 都市整備局長の柿堺至でございます。
 中村委員長を初め委員の皆様には、当局の事務事業につきまして日ごろからご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 当局が実施しております市街地再開発事業は、道路、公園等の公共施設、都市型住宅及び業務施設を一体的に整備することにより、良好な生活環境を備えた安全で快適な都市空間を創出する事業でございます。とりわけ、北新宿地区や環状第二号線新橋・虎ノ門地区、大橋地区につきましては、都市再生の一端を担う事業として早期実現が期待されており、職員一丸となって取り組んでおります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の安藤明でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます参事で総務課長事務取扱の浅川英夫でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○津島港湾局長 港湾局長の津島隆一でございます。
 中村委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから港湾局所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 東京臨海地域におきましては、その特性や潜在力を最大限に生かし、首都東京の都市再生の牽引者となるよう、総力を挙げて開発を進めているところでございます。
 また、東京港は、首都圏物流のゲートウエーとして、物流改革の取り組みはもとより、保安対策にも十分配慮した、安全で使いやすい国際競争力のある港づくりを推進してまいります。
 今後とも、臨海地域及び東京港の発展に向けて、局一丸となって取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の斉藤一美でございます。当委員会との連絡に当たります参事で総務課長事務取扱の中嶋正宏でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○大塚病院経営本部長 病院経営本部長大塚孝一でございます。
 中村委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから病院事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。
 病院経営本部は、都民に対する医療サービスのさらなる向上を目指すとともに、福祉、保健医療行政と密接に連携し、引き続き都立病院改革の推進に努めてまいる所存でございます。
 今後とも一層ご指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
 それでは、当本部幹部職員を紹介させていただきます。
 経営企画部長及川繁巳でございます。当委員会との連絡等に当たらせていただきます総務課長中川原米俊でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○比留間中央卸売市場長 中央卸売市場長の比留間英人でございます。
 中村委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから中央卸売市場所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 中央卸売市場は、首都圏の生鮮食料品等の円滑な流通を確保し、都民の消費生活の安定を支える役割を担っております。卸売市場を取り巻く環境が大きく変化する中で、新しい時代の流通に対応し得る豊洲新市場の建設を着実に進めていきますとともに、食の安全・安心を初めとする消費者ニーズに的確に対応した市場運営に、職員一同、全力を挙げて取り組んでまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 管理部長の高津満好でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の野口一紀でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○中村委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○中村委員長 これより決算の審査を行います。
 平成十七年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 それでは、決算の概要について順次説明を願います。

○松澤交通局長 それでは、交通局が所管しております三会計の平成十七年度決算のご審議をいただくに当たりまして、事業の概要と決算の概要につきましてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしております平成十七年度交通事業会計、高速電車事業会計、電気事業会計決算の概要の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 初めに、1の事業の概要でございますが、交通局は、地方公営企業法に基づきまして、独立採算制の原則により、三会計で五つの事業を運営しております。
 まず、(1)の交通事業会計で経理している事業は、一般乗合バス、いわゆる都バスを運行する自動車運送事業、それから路面電車、いわゆる都電荒川線を運行する軌道事業、上野動物園内のモノレールを運行する懸垂電車事業の三事業でございます。
 次の(2)の高速電車事業会計で経理しておりますのは、都営地下鉄浅草線、三田線、新宿線及び大江戸線を運行する高速電車事業でございます。
 (3)の電気事業会計では、西多摩にございます多摩川第一発電所、多摩川第三発電所及び白丸発電所の三つの発電所で発電を行う電気事業を経理しております。
 交通局を取り巻く事業環境は、先ほども申し上げましたが、少子高齢化や低成長経済のもとで、今後も乗客数の大幅な増加が期待できない中、事業者間のサービス競争が激化するなど厳しい状況でございます。
 次のページをお開きいただきたいと存じます。こうした中、交通局では、諸課題に的確に対応し、事業のさらなる発展を図るため、平成十六年三月に東京都交通局経営計画チャレンジ二〇〇四を策定いたしましたが、十八年度は計画の最終年度であり、その目標の達成に向けて、現在鋭意取り組んでいるところでございます。
 次に、2の事業実施状況についてご説明申し上げます。
 初めに、(1)の自動車運送事業でございますが、お客様誘致のため、乗客需要に的確に対応した路線見直しなどを実施するとともに、都内各施設と連携したキャンペーンなどのさまざまな媒体を利用したPR活動を積極的に展開いたしました。
 利便性の向上といたしましては、簡易型のバス接近表示装置を増設し、低廉なコストにより、サービスの充実を図っております。
 また、環境や福祉への取り組みといたしまして、新車はすべて最新の排出ガス規制に対応したノンステップバスを導入しております。
 一方、経営の効率化を一層推進するため、バス営業所における運行業務委託を拡大したところでございます。
 次に、(2)の高速電車事業でございますが、まず、安全・安心の確保といたしまして、昨年四月に起きましたJR福知山線の事故などを踏まえまして、浅草線において新型ATS、いわゆる自動列車停止装置への改良を進めております。
 また、次の三ページに記載してございますように、駅の排煙設備等防災改良工事を引き続き積極的に進めるとともに、より実践的な防災訓練を実施し、ハード、ソフト両面から安全対策に取り組んだところでございます。また、お客様に安心してご利用いただけるよう、朝ラッシュ時間帯に新宿線で女性専用車両を導入いたしました。
 利便性の向上といたしましては、事故発生時等において運行情報をタイムリーに提供するため、大江戸線及び新宿線の駅改札口に新たに列車運行情報表示装置を設置いたしました。また、昨年度に引き続きまして、エレベーター、エスカレーターの設置を積極的に進めております。
 さらに、経営の効率化を一層推進するため、地下鉄におきましても駅業務の外注化を拡大いたしました。
 続きまして、3の決算の概要についてご説明申し上げます。
 (1)の交通事業会計でございますが、まず業務量については、自動車運送事業では、百三十八系統の乗合バスと貸切バス、特定バスを合わせまして千五百十両の車両により営業を行いまして、乗車人員の実績では、一日平均五十七万二千人となったところでございます。
 次の軌道事業では、早稲田-三ノ輪橋間で全長十二・二キロメートルを運行しておりますが、乗車人員は一日平均五万四千人となり、また、懸垂電車事業での乗車人員は一日平均三千人となりました。
 次の四ページに記載してございますが、収益的収支につきましては、収入総額四百四十三億二千二百万円に対しまして、支出総額は四百二十七億七千八百万円で、差し引き十五億四千四百万円の純利益となっております。
 また、資本的収支では、収入総額二十九億二千百万円に対し、支出総額は八十二億六千万円で、収支差引不足額五十三億三千九百万円となりまして、この不足額は、前年度からの繰越資金及び損益勘定留保資金などで補てんしたところでございます。
 次に、(2)の高速電車事業会計についてご説明申し上げます。
 まず、業務量についてでございますが、浅草線、三田線、新宿線及び大江戸線の四路線の営業キロは、合計しまして百九キロメートルとなっており、車両数千九十八両をもって運行いたしております。
 十七年度の乗車人員の実績は、一日平均で二百八万六千人となっており、前年度に比べまして四線合計で二・七%増加しております。とりわけ大江戸線では、前年度比で五・三%の高い伸びを示しているところでございます。
 続きまして、収益的収支の状況でございますが、収入総額千三百七十二億九千百万円に対しまして、支出総額は千四百十一億六千四百万円となり、差し引き三十八億七千三百万円の純損失となっております。
 次の資本的収支では、収入総額九百六十五億二千五百万円に対し、支出総額は千三百五十六億八百万円で、収支差引不足額三百九十億八千四百万円となり、また、翌年度への繰越資金は十六億二千六百万円でございます。これらの不足額につきましては、次の五ページに記載してございますが、前年度からの繰越資金及び損益勘定留保資金などで補てんしたところでございます。
 最後に、(3)の電気事業会計でございます。
 業務量については、認可発電出力が、三つの発電所の合計で最大三万六千五百キロワットとなり、販売電力量では十一万七千百十三メガワットアワーとなりました。
 また、収益的収支の状況でございますが、収入総額九億八千二百万円に対しまして、支出総額は八億九千八百万円で、差し引き八千四百万円の純利益となっております。
 また、資本的収支は、収支差引不足額五千八百万円で、これを損益勘定留保資金で補てんいたしました。
 以上、平成十七年度の決算状況は、高速電車事業会計では赤字、他の二つの会計は黒字を確保したものとなっておりますが、地下鉄事業では、膨大な累積欠損金を抱え、また、自動車事業では営業損益で恒常的な赤字が生じているなど、厳しい財政状況が続いております。
 交通局では、このような状況を踏まえ、さらなる経営の健全化及び効率化に積極的に取り組み、チャレンジ二〇〇四の計画達成に向けて全力を傾注してまいります。
 また、東京の都市活動や都民生活を支える公共交通機関としての役割を十分認識しながら、都民やお客様に信頼され、支持される都営交通を目指しまして、局一丸となって取り組んでいく所存でございます。
 以上でございますが、ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○御園水道局長 平成十七年度水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算をご審議いただくに当たりまして、両事業の決算の概要についてご説明を申し上げます。
 お手元に配布してございます平成十七年度東京都水道事業会計及び工業用水道事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。初めに、水道事業会計について申し上げます。
 水道事業の最大の使命は、現在及び将来にわたり、都民生活や都市活動に欠かすことのできない清浄な水を安定して供給することにあります。平成十七年度は、この使命を着実に果たすとともに、首都東京にふさわしい水道サービスの実現に向け、東京水道経営プラン二〇〇四に掲げた主要施策を中心に事業を推進してまいりました。
 以下、平成十七年度の事業の実施内容についてご説明申し上げます。
 第一は、質の高い水道サービスの提供についてであります。
 まず、安全でおいしい水の安定的な供給について申し上げます。
 安定した水源の確保につきましては、渇水に対する安全度の向上を図るとともに、安定した給水を確保するため、引き続き水源開発の促進に努めました。
 また、村山下貯水池堤体強化工事など、施設の耐震化、バックアップ機能の強化に取り組み、一層信頼性の高い水道施設の整備を推進しました。
 さらに、安全でおいしい水プロジェクトを推進し、三園浄水場、東村山浄水場の高度浄水施設の整備、貯水槽水道の適正管理の促進及び直結給水方式の普及拡大など、水源から蛇口に至るまでの総合的な施策を推進いたしました。
 これらの施策に加え、漏水防止対策を推進した結果、平成十七年度の漏水率は四・二%と、前年度に比べ〇・二ポイント改善いたしました。
 次に、お客様サービス向上について申し上げます。
 都民に信頼され、親しまれる水道を実現するためには、多様化、高度化する都民ニーズをより一層反映した質の高いサービスを提供する必要があります。平成十七年度は、月の途中で水道の使用を開始し、または水道の使用をやめたときの水道料金につきまして、使用日数に応じて算定する日割り算定方式を導入しました。
 また、水道事業への理解を得るとともに、水道水の安全性やおいしさを実感していただくため、引き続き、浄水場や貯水池などの施設見学会及び地域の住民等を対象とした工事現場見学会を開催いたしました。
 二ページをお開き願います。次に、地球環境の重視について申し上げます。
 地球規模での環境悪化が急速に進んでいる状況を重視し、地方公営企業としての経営バランスなども踏まえながら環境対策に取り組んでいく必要があります。平成十七年度は、東京都水道局環境計画に基づきまして、シカ食害対策などの水道水源林管理の充実、浄水場での太陽光発電設備の整備、建設発生土等の有効利用など、総合的な環境施策を推進してまいりました。
 第二に、多摩地区水道の広域的経営であります。
 多摩地区の水道事業は、事務委託により市町が実施しているため、市町域を越えた広域水道としてのメリットが十分に発揮できない状況にあります。このため、多摩地区水道経営改善基本計画に基づきまして、瑞穂町のすべての水道業務を都に移行するとともに、平成十七年度末をもって府中市ほか三市との事務委託を廃止いたしました。
 第三に、効率経営の推進であります。
 都の水道事業を将来にわたり健全に運営するためには、経営の一層の効率化を図り、強固な経営基盤を確立する必要があります。このため、新たに開設した多摩地区のサービスステーションにおいてすべての業務を民間委託するなど、アウトソーシングを一層推進するとともに、朝霞浄水場及び三園浄水場においてPFI手法を活用した常用発電設備の運用を開始いたしました。
 また、内部努力といたしまして、職員定数百人の削減を実施したほか、資産の有効活用などによる収入の確保に努めました。
 次に、給水状況について申し上げます。
 年間総配水量は十六億一千五百八十九万立方メートルとなり、前年度より八百七十二万立方メートル減少しました。有収水量は十五億二千二百二十八万立方メートルとなり、前年度より三百五十五万立方メートル減少しました。給水件数は六百五十五万件となり、前年度より十二万件増加しております。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支につきましては、収入総額三千三百八十九億四千七百万円、支出総額二千八百五十四億五千二百万円、差し引き五百三十四億九千五百万円の純利益となりました。
 また、資本的収支は、前年度からの繰越額を含めまして、収入総額四百十七億九千万円、支出総額一千六百五十六億九千百万円、翌年度への繰越工事資金九十億六千二百万円、差し引き千三百二十九億六千三百万円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
 四ページをお開き願います。引き続き工業用水道事業会計について申し上げます。
 都の工業用水道事業は、地盤沈下防止という所期の目的を十分に果たしてまいりましたが、工場の都外移転、水使用の合理化等による需要の減少傾向が続いている一方、施設の更新時期を迎えるなど、厳しい事業環境にあります。このため、平成十七年度においても、より一層の経営の効率化と財政の安定化を図ることを基本に事業運営を行いました。
 次に、給水状況について申し上げます。
 年間総配水量は一千四百一万立方メートルとなり、前年度より三十四万立方メートル減少いたしました。給水件数は六百二十五件となり、前年度より十件減少いたしました。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支におきましては、収入総額十六億一千六百万円、支出総額十六億一千六百万円で、収支は均衡いたしました。
 また、資本的収支は、収入総額六億二千三百万円、支出総額十三億八千万円、差し引き七億五千七百万円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金で補てんいたしました。
 以上、平成十七年度水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算の概要についてご説明を申し上げましたが、両事業とも幾多の重要課題を抱えております。都民から両事業を負託された公営企業管理者として、これらの課題解決に向け、職員ともども総力を挙げて取り組み、現在及び将来の安定給水の確保に努めてまいります。
 本決算につきましてよろしくご審議の上、ご承認賜りますようよろしくお願い申し上げます。

○前田下水道局長 平成十七年度東京都下水道事業会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます平成十七年度下水道事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。下水道は、都民の安全で快適な生活環境を実現する上で欠くことのできない社会資本として重要な役割を果たしております。
 当局は、区部の下水道事業と多摩地域の流域下水道事業を実施しております。
 平成十七年度は、平成十六年度から三カ年の経営計画二〇〇四の二年度目に当たり、この経営計画の実現に向けて事業を着実に実施いたしました。
 それでは、平成十七年度の事業方針及び事業の実施概要についてご説明申し上げます。
 初めに、区部下水道事業についてでございますが、次の方針により事業を実施いたしました。
 第一に、老朽化施設の再構築、浸水対策の推進、合流式下水道の改善などの重点事業を着実に推進する。第二に、予防保全を重視した維持管理を行うとともに、日常管理の充実を図り、より良好な下水道サービスを提供する。第三に、都民生活に直結した緊急対策である雨水整備、再構築、合流改善の三つの新クイックプランを推進する。第四に、地球温暖化の防止に向けて、アースプラン二〇〇四に基づき、温室効果ガスの削減を図り、地球環境の保全に貢献する。第五に、より信頼され親しまれる下水道を目指すとともに、より一層のお客様サービスの向上を図る。
 以上でございます。
 続きまして、事業の実施概要についてご説明申し上げます。
 次ページをお開きください。初めに、建設改良事業の主な内容でございます。
 まず、老朽化施設の再構築として、六十九キロメートルの管渠を敷設したほか、ポンプ所十二カ所、水再生センター四カ所の整備を行うとともに、新・再構築クイックプランに基づき、道路陥没対策や震災対策などを実施いたしました。
 次に、浸水対策として、谷川雨水幹線の整備など九キロメートルの管渠を敷設したほか、東品川ポンプ所の完成など、ポンプ所十カ所の整備を行いました。さらに、近年の浸水被害の状況等を踏まえ、対象地区を重点化した新・雨水整備クイックプランを実施いたしました。
 次に、合流式下水道の改善として、飛鳥山幹線の整備など二キロメートルの管渠を敷設したほか、ポンプ所七カ所、水再生センター八カ所の整備を行うとともに、ごみやオイルボールの流出抑制など、緊急に取り組む施策を新・合流改善クイックプランとして実施いたしました。
 次に、東京湾等の公共用水域の水質改善を図るため、水再生センター三カ所で高度処理施設の整備を行いました。
 また、下水道の持つ資源・エネルギーの有効利用として、汐留地区等五カ所で再生水を供給する施設の整備を行うとともに、汚泥処理の集約化を促進するため、南部汚泥処理プラント及び水再生センター等八カ所の整備を行いました。
 次に、維持管理事業についてご説明申し上げます。
 下水道の機能を確実に発揮させるため、一万五千六百十八キロメートルの管渠、八十カ所のポンプ所、十三カ所の水再生センターの適切な維持管理と補修を行いました。また、一日平均四百六十三万立方メートルの下水を適正に処理し、健全な水循環の形成に貢献してまいりました。
 なお、平成十七年度末の下水道使用件数は、前年度より九万件増加して、四百八十万件となっております。
 続きまして、流域下水道事業についてでございますが、次の方針により事業を実施いたしました。
 第一に、未普及地域の解消、老朽化設備の更新などの重点事業を推進する。第二に、予防保全を重視した維持管理を行うとともに、日常管理の充実を図り、より良好な下水道サービスを提供する。第三に、流域下水道はもとより、多摩地域全体の下水道事業の効率化を進める施策を推進する。
 以上でございます。
 続きまして、事業の実施概要についてご説明申し上げます。
 まず、建設改良事業の主な内容でございます。
 未普及地域の解消のため、あきる野幹線三キロメートルを整備しました。
 なお、多摩地域における公共下水道普及率は、平成十七年度末で九六%でございます。
 次に、老朽化設備の更新のため、水再生センター三カ所の整備を行いました。また、多摩川上流水再生センター、八王子水再生センター間で処理機能を相互融通する連絡管を整備いたしました。
 次ページをお開きください。維持管理事業についてご説明申し上げます。
 関係市町村が整備を進めている流域関連公共下水道が十分に機能を発揮し、快適な生活環境を実現するため、流域下水道の幹線管渠二百十七キロメートル、ポンプ所一カ所、水再生センター七カ所の適切な維持管理を実施し、一日平均八十九万立方メートルの下水を適正に処理いたしました。
 続きまして、区部及び流域下水道を合わせた経理状況をご説明申し上げます。
 まず、下水道施設の維持管理にかかわる収益的収支でございます。総収益三千四百三十七億一千九百万円、総費用三千百五十六億二千八百万円、差し引き二百八十億九千百万円の純利益が生じました。
 次に、下水道施設の建設改良等に係る資本的収支でございますが、資本的収入二千二百四十六億二千八百万円、資本的支出三千七百九十五億三千百万円、工事資金二百三十三億九千八百万円を翌年度へ繰り越しまして、一千七百八十三億百万円の差引不足額が生じました。この不足額につきましては、損益勘定留保資金などをもって補てんいたしました。
 続きまして、下水道サービスの向上につきましては、汚水、雨水の排除、処理に加え、再生水の活用や下水汚泥の減量化、資源化を進めております
 また、下水道管への油の流入を減らすために、「油・断・快適!下水道」キャンペーンを実施するとともに、六月には、浸水対策強化月間として、大雨への備えをPRいたしました。
 以上の事業執行に当たり、当局としては、徹底した経費の節減に努めるとともに、国庫補助金等、必要な財源の確保を図ってまいりました。
 今後も、お客様の視点、環境の視点、経営の視点の三つの基本的視点を基軸として、都民サービスのさらなる向上と事業の効率化に取り組んでまいります。
 以上、平成十七年度下水道事業会計決算の概要につきましてご説明申し上げました。本決算につきましてよろしくご審議の上、ご承認賜りますようお願い申し上げます。

○柿堺都市整備局長 平成十七年度東京都都市再開発事業会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明申し上げます。
 お手元の東京都都市再開発事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。初めに都市整備局の事業概要でございますが、当局は、現場感覚を反映した迅速で実効性ある都市整備を進めていくことにより、都市の活力はもとより、風格や魅力、安全性や持続可能性を備えた、二十一世紀にふさわしい東京への再生を目指しております。
 平成十七年度は、一昨年四月の三局再編統合を踏まえ、計画部門と事業実施部門が一体となった組織の特性を十分に発揮し、以下の事業を総合的に推進してまいりました。
 第一に、都市整備の基本的事項に関すること、第二に、都市計画に関すること、第三に、住宅及び住環境整備に関すること、第四に、市街地整備に関すること、第五に、建築に関することでございます。
 これらの事業を、一般会計及び六つの特別会計並びに一つの公営企業会計に区分して経理を行っており、本委員会におきましては、公営企業会計である都市再開発事業会計についてご審議をお願いするものでございます。
 二ページをお開き願います。都市再開発事業会計でございますが、この会計は、北新宿地区、環状第二号線新橋・虎ノ門地区及び大橋地区の再開発事業について、事業収支の一層の明確化を図るためのものでございます。
 事業の概要についてご説明申し上げます。
 第一に、北新宿地区でございます。
 当地区の事業目的は、市街地再開発事業により、放射第六号線とその周辺の低層密集市街地を一体的に整備することにより、副都心にふさわしい土地の高度利用と都市機能の更新を図ることでございます。
 経過といたしまして、平成六年十月の都市計画決定後、十年五月の事業計画決定を経て、十九年度の完了を目途に事業を進めております。十七年度は、用地買収、移転補償を行うとともに、放射第六号線の整備、二街区の二-二A棟の建築を行いました。
 三ページをごらんください。第二に、環状第二号線新橋・虎ノ門地区でございます。
 当地区の事業目的は、立体道路制度を活用した市街地再開発事業により、道路と建物の共存を図りながら、環状第二号線とその周辺を含めた一体的な都心機能再生のまちづくりを行うことでございます。
 経過といたしまして、平成十年十二月の都市計画決定後、十四年十月の事業計画決定を経て、二十三年度の完了を目途に事業を進めております。十七年度は、用地買収、移転補償を行うとともに、Ⅱ街区Ⅱ-一棟の建築を行いました。
 第三に、大橋地区でございます。
 当地区の事業目的は、首都高速道路中央環状新宿線大橋ジャンクション整備と一体的にまちづくりを進めるため、合理的かつ健全な土地の高度利用と都市機能の更新を図ることでございます。
 四ページをお開き願います。経過といたしまして、平成十六年一月の都市計画決定後、十七年三月の事業計画決定を経て、二十一年度の完了を目途に事業を進めております。十七年度は、用地買収、移転補償を行いました。
 最後に、収支状況についてご説明申し上げます。
 まず、収益的収支でございます。収入総額七千百万余円、支出総額千八百万余円、差し引き五千三百万余円の純利益が生じました。
 次に、資本的収支でございます。収入総額二百七十三億三千六百万余円、支出総額二百六十五億一千百万余円、翌年度繰越額三十億八千九百万余円、差し引き二十二億六千四百万余円の不足となり、前年度からの繰越工事資金等で補てんいたしました。
 以上が平成十七年度東京都都市再開発事業会計決算の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○津島港湾局長 平成十七年度港湾局関係の決算につきまして、その概要を、お手元配布の平成十七年度東京都臨海地域開発事業会計、港湾事業会計決算の概要によりましてご説明申し上げます。
 一ページをお開きください。初めに、当局の事業の概要についてご説明申し上げます。
 当局は、東京港及び島しょの港湾、漁港等の整備、管理や東京臨海地域の開発等の事業を通じまして、物流の円滑化や都市の再生、防災機能の充実などを図り、都民生活の向上や産業の発展に努めております。
 これらの事業につきまして、一般会計、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計に区分して経理を行っておりますが、本委員会におきましては、これらのうち臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計のご審議をお願いするものでございます。
 それでは、臨海地域開発事業会計についてご説明申し上げます。
 この会計の所管いたします事業は、埋立地の造成、整備及び開発でございます。
 東京港の埋立事業は、昭和三十六年の東京港改訂港湾計画の策定以降、本格的に埋立地を造成整備してまいりまして、その後、幾度かの計画改定を経まして、現在は、東京港第七次改訂港湾計画に基づき整備をいたしております。
 全体面積二千七百六十九ヘクタールに対しまして、平成十七年度末において二千三百三十六ヘクタールを処分し、港湾など都市の物流施設の充実と、既成市街地の再開発への対応や自然の回復などを図ってまいりました。
 臨海副都心の開発につきましては、平成九年に策定いたしました臨海副都心まちづくり推進計画に基づき、着実に開発を進めているところでございます。
 現在の開発状況は、就業人口が三万八千人、居住人口が六千三百人であり、年間に訪れる方も四千百六十万人に達しており、臨海副都心地区は東京の新しいまちとして定着してまいりました。
 本年三月には、新交通「ゆりかもめ」の豊洲延伸や環状二号線の一部延伸が図られましたほか、来月下旬には晴海通りの延伸が予定されるなど、広域交通基盤の整備も着実に進んでおります。
 臨海副都心のまちづくりへの取り組みにつきましては、現行の臨海副都心まちづくり推進計画を基本に、本年九月に「臨海副都心における土地利用等の一部見直し」をまとめましたので、今後は、これに基づき、青海地区北側及び有明北地区の二つの地区を重点的に開発してまいります。
 また、財政面の取り組みにつきましては、本年三月にまとめました「臨海地域開発財政基盤強化プランの更なる取組み」に基づき、新たな起債の抑制によりまして、まちが概成する平成二十七年度を待つことなく、平成二十六年度までに都債を完済することを目指してまいります。
 今後とも、これまで以上の収入確保に向けた土地処分方策の導入など、さまざまな取り組みを引き続き着実に進めてまいります。
 二ページをお開きください。次に、決算の概要についてご説明申し上げます。
 まず、平成十七年度の主な実施事業についてご説明申し上げます。
 第一に、土地処分についてでございますが、臨海副都心地域で八件、八・一ヘクタール、その他の埋立地で四件、〇・二ヘクタールの処分を行いました。
 第二に、主要事業についてでございますが、豊洲・晴海地区の防潮護岸整備や、有明北地区の埋立造成を実施するとともに、広域幹線道路の整備等に対する開発者負担を行いました。
 次に、収支状況についてご説明申し上げます。
 まず、収益的収支でございますが、収入総額六百二十四億一千九百三十五万円、支出総額九百五億五百四十万円、当年度純損失二百八十億八千六百五万円となりました。
 なお、当年度純損失を計上しておりますが、長期貸付地の底地売却を行ったこと等によるものでございます。
 次に、資本的収支でございますが、収入総額一千六十七億六千六百六十五万円、支出総額一千七百六十七億三千八百三万円、翌年度繰越二十億六千百八十四万円、差し引き七百二十億三千三百二十三万円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金等で充当いたしました。
 三ページをお開きください。続きまして、港湾事業会計についてご説明申し上げます。
 この会計の所管いたします事業は、荷役機械、上屋、野積み場、貯木場等の運営でございます。
 平成十七年の東京港の外貿コンテナ貨物取扱量は三百六十万個であり、前年から、取扱総数では二十四万個、率では七・一%増加いたしまして、八年連続日本一の取扱量となり、首都圏四千万人の生活と産業の発展を支える重要な役割を担っております。
 しかし、アジア諸港との競争が激しさを増す中で、さらなるサービス向上やコスト削減等を実現し、今後とも国際基幹航路の寄港するメーンポートの地位を確保していく必要がございます。
 港湾事業会計では、港湾施設の整備や改良を実施するとともに、平成十六年度より、港湾施設使用料に事業者の努力を反映させるインセンティブ制度を導入するなど、東京港の国際競争力向上に取り組んでおります。
 四ページをお開きください。次に、決算の概要についてご説明申し上げます。
 まず、平成十七年度の主な実施事業でございますが、港湾施設整備事業として、品川ふ頭ユニットロードターミナルの施設整備を行いました。
 次に、収支状況についてご説明申し上げます。
 まず、収益的収支でございますが、収入総額七十九億二千百二十八万円、支出総額五十二億八千五百六万円、当年度純利益二十六億三千六百二十三万円となりました。
 次に、資本的収支でございますが、収入総額一万円、支出総額十一億七千七百九万円、差し引き十一億七千七百八万円の不足となりました。この不足額は損益勘定留保資金等で充当いたしました。
 以上、二会計の決算の概要についてご説明申し上げました。
 今後とも、臨海地域開発事業会計につきましては、「臨海地域開発財政基盤強化プランの更なる取組み」に基づき、引き続き収支改善を図ってまいります。
 また、港湾事業会計につきましては、港湾施設の整備を推進し、効率的な事業運営に努めてまいります。
 本決算につきましてよろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○大塚病院経営本部長 平成十七年度東京都病院会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます資料のうち、東京都病院会計決算の概要の一ページ目をごらんください。
 まず、事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 平成十七年度における病院経営本部所管の都立病院は、普通病院八、小児病院二、精神病院が二の計十二病院でございました。
 都立病院は、都民の生命と健康を守ることを使命としております。そのため、救急医療、がん医療、周産期医療、難病医療、感染症医療など、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供するとともに、他の医療機関等との密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスの確保を図ることを基本的役割としております。
 次に、都立病院改革でございますが、近年、医師の不足や患者さんへの説明不足など、都民が抱く医療に対する不安感や不信感が増しております。これを解消するため、開かれた医療、安心できる医療、むだのない医療の三つの改革方針を打ち出し、三百六十五日二十四時間の安心と患者中心の医療を目指して都立病院改革を進めているところでございます。
 恐れ入ります、二ページをお開き願います。都立病院改革実行プログラムでございますが、ただいま申し上げました都立病院改革をより具体的な取り組みとしていくため、平成十五年に策定し、現在、着実に実行に移してきているところでございます。
 平成十七年度の主な取り組み状況についてご説明申し上げます。
 まず、患者中心の医療の推進でございます。
 患者さんの求める医療情報を的確に提供するため、駒込病院において患者医療情報室を設置しました。また、クレジットカードによる決済方法を広尾、駒込、豊島、府中病院で試行的に導入し、患者サービスの向上を図りました。
 さらに、自動体外式除細動器、いわゆるAEDを全都立病院に整備し、事務職を含む全職員を対象に、AEDの使用方法など一次救命処置法の講習会を実施しております。
 次は、経営革新でございます。
 広尾病院の設備、施設改修において、省エネルギーサービス提供事業、ESCO事業を導入し、エネルギー消費量、二酸化炭素の排出量及び光熱水費の縮減を図りました。
 また、優秀な専門医を育成するため、現行の専門臨床研修医制度に加え、さらに専門性を高めるサブスぺシャリティレジデント制度を創設するとともに、経営センスに富む人材の育成を図るため、民間病院等派遣マネジメント研修を実施するなど、人材育成に取り組みました。
 次に、三ページをごらんください。都立病院における危機管理体制でございます。
 救急・災害医療センターである広尾病院において、災害用備蓄資器材の配備等を増強したほか、専門スタッフによる災害対策教育・訓練を実施しました。
 最後に、都立病院の再編整備の推進でございます。
 多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)の整備につきましては、PFI事業としての実施に向け、落札者を決定し、基本協定の締結を行いました。
 また、がん・感染症医療センター(仮称)の整備につきましても、同じくPFI事業としての実施に向け、整備計画、実施方針の策定、公表、特定事業としての選定、公表を行っております。
 さらに、精神医療センター(仮称)の整備につきましては、PFI手法の導入に向けた詳細な検討を行ったところでございます。
 次に、平成十七年度決算の概要についてご説明申し上げます。
 恐れ入ります、四ページをお開きください。まず診療実績でございます。
 入院患者は延べ百九十四万九百七十人、外来患者は延べ二百三十八万三千五百三十二人でございまして、前年度に比べ、入院患者は二万四千百六十三人の減、外来患者は三万八千五百七十三人の減となっております。
 次に、経理状況でございますが、収益的収支は、総収益が一千三百九十七億二千七百万余円、総費用が一千四百十七億七千百万余円でございまして、差し引き二十億四千四百万余円の純損失となり、一番下の欄にございますとおり、翌年度への繰越欠損金は五十七億六千七百万余円となっております。
 右側五ページをごらんください。病院運営をあらわす主要指標である自己収支比率につきましては、患者数は減少しているものの、診療単価の増などによりまして、入院、外来の収益は増加する一方で、給与改定に伴う給料や諸手当の引き下げなどにより費用が減少した結果、七三・〇%、前年度と比較して一・三ポイントの上昇となりました。
 これは、これまでの最高でございました平成十五年度決算を〇・九ポイント上回る過去最高の数値であり、着実な経営状況の改善を示すものと考えております。
 なお、医業収支比率につきましては、病院全体で八四・五%となっておりまして、前年度と比較して一・〇ポイントの上昇となっております。
 資本的収支は、総収入が百十一億四千三百万余円、総支出が百五十三億一千九百万余円でございまして、差引不足額四十一億七千六百万余円は損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
 以上、平成十七年度東京都病院会計決算の概要についてご説明申し上げました。
 自己収支比率は着実に改善してきてはいるものの、病院事業の経営は依然として厳しい状況にございます。このため、都立病院が保有する医療資源を最大限有効に活用しながら、これまでにも増して経営革新や職員の意識改革に力を注ぎ、都民の皆様の期待にこたえられる病院となるよう、引き続き職員一丸となって都立病院改革に邁進してまいる所存でございます。
 以上、本決算につきましてよろしくご審議の上、ご承認賜りますようお願い申し上げます。

○比留間中央卸売市場長 平成十七年度東京都中央卸売市場会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明を申し上げます。
 お手元に配布してございます平成十七年度東京都中央卸売市場会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。初めの1の事業の概要でございますが、当局の所管事業を四項目にまとめてございます。
 卸売市場は、生鮮食料品等の円滑な流通を確保することを通じて、都民の消費生活の安定に資するという重要な役割を担ってございます。この役割を果たすため、都は、中央卸売市場の開設者として、築地市場など十一市場一分場を管理運営するとともに、二十三の地方卸売市場の開設を許可しております。
 市場施設の整備につきましては、卸売市場整備計画に基づき、品質管理の向上などを目指した施設整備を行うとともに、大きく変化する流通に対応するため、首都圏の基幹市場としての機能を果たす豊洲新市場の建設に取り組んでございます。
 また、民営の地方卸売市場につきまして、施設整備に対する助成等を実施するほか、公正な取引と安全・安心で効率的な市場流通を確保するため、市場関係業者に対する指導監督を行うとともに、市況などの公表を行っております。
 次に、2の事業実施状況についてご説明申し上げます。
 (1)の施設の整備でございますが、既設市場の衛生対策として、築地市場仲卸店舗の給水設備改修工事などを実施したほか、環境改善対策として、場内搬送車の電動化に対応するための充電設備の整備を引き続き実施いたしました。
 次に、豊洲新市場建設につきましては、実施計画を策定するとともに、市場建設予定地の一部購入及び防潮護岸建設工事を実施いたしました。
 (2)の市場関係業者の指導監督でございますが、卸売業者や仲卸業者に対する経理監査や日常的な取引の指導を行っております。
 (3)の市況の公表につきましては、取引の透明性を確保するため、取引価格などの市況を日々公表いたしました。
 (4)の民営地方卸売市場に対する施設整備の助成につきましては、取引業務の指導監督を行うとともに、国立地方卸売市場の卸売場整備に対する補助事業などを実施いたしました。
 二ページをお開きいただきたいと思います。3の決算の概要についてご説明申し上げます。
 (1)の生鮮食料品等取扱高でございますが、中央卸売市場全体の取扱数量、取扱金額及び対前年度比を一覧でお示ししてございます。水産物、青果、食肉並びに花きを合計した取扱金額は一兆二千五百四十八億三千九百万円で、前年度と比較いたしますと二・四%の減少となっております。これは、食肉が単価増により増加した一方、水産物は取扱数量の減、青果では単価の減により減少したため、全体で減少となったものでございます。
 続きまして、収支の状況についてご説明を申し上げます。
 (2)の収益的収支でございますが、収入総額は百九十一億七千百万円、支出総額は百八十八億四千四百万円、差し引き三億二千七百万円の純利益でございます。この純利益に前年度繰越欠損金百五十二億五千八百万円を加えた当年度未処理欠損金は百四十九億三千百万円となり、平成十八年度へ繰り越すことといたしました。
 次に、(3)の資本的収支でございますが、収入総額は八百五十六億一千六百万円、支出総額は四百六十四億二千八百万円、収支差引額は三百九十一億八千八百万円の収入超過となりましたが、これから建設改良繰越として翌年度に繰り越した一億四千五百万円を差し引き、さらに、一般会計からの返還金七百億円につきましては建設改良積立金に繰り戻したことから、資本的収支の資金不足額は三百九億五千七百万円となったところでございます。この不足額につきましては、建設改良積立金、損益勘定留保資金などをもって補てんをしてございます。
 以上、平成十七年度東京都中央卸売市場会計決算の概要についてご説明を申し上げました。
 今日の卸売市場を取り巻く環境は、取引規制の緩和や国際化の進展、環境規制の強化などによる生鮮食料品等流通の急速な変化を背景として厳しい状況にございますが、中央卸売市場は、今後とも、都民はもちろん、首都圏全体の生鮮食料品等供給の中核を担う重要な役割を果たしていく必要がございます。
 このため、都といたしましては、流通環境の変化に対応した施設整備を進めるほか、食の安全・安心の確保に向けた品質管理の高度化や衛生対策の強化などに取り組むとともに、あわせて今後の市場運営に当たりましては、より一層効率的な執行を図り、健全な財政運営の確保に努めてまいります。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中村委員長 説明は終わりました。
 この際、各分科会委員長に申し上げます。
 分科会における局別質疑終了後は、速やかに委員長まで審査報告書を提出されますようお願いいたします。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三分散会

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