公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第二号

平成十七年十月二十四日(月曜日)
第一委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十一名
委員長こいそ 明君
副委員長花輪ともふみ君
副委員長東村 邦浩君
副委員長秋田 一郎君
小竹ひろ子君
大松  成君
坂本たけし君
鈴木あきまさ君
野上ゆきえ君
神林  茂君
岡崎 幸夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
港湾局局長津島 隆一君
技監樋口 和行君
総務部長斉藤 一美君
団体調整担当部長岡田  至君
港湾経営部長新田 洋平君
参事江津 定年君
臨海開発部長鈴木 雅久君
開発調整担当部長尾田 俊雄君
参事藤原 正久君
港湾整備部長田中  亨君
計画調整担当部長滝野 義和君
離島港湾部長萩原 豊吉君
参事宮崎 孝治君

本日の会議に付した事件
平成十六年度東京都公営企業各会計決算の認定について
港湾局関係
・平成十六年度東京都臨海地域開発事業会計決算(質疑)
・平成十六年度東京都港湾事業会計決算(質疑)

○こいそ委員長 ただいまから平成十六年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 初めに申し上げます。
 本日から三日間にわたり、本分科会所管三局の決算に対する質疑を行っていただきますが、質疑につきましては、平成十六年度の決算の審査から逸脱をしないように行っていただきたいと思います。ご協力のほどお願いをいたします。
 本日は、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十六年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成十六年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○斉藤総務部長 十月十四日開催の当分科会におきましてご要求のございました資料をご説明申し上げます。
 お手元の平成十六年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらん願います。
 ご要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載の六項目でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
 平成十一年度から十六年度までの土地処分の実績を、面積と百万円単位の金額でお示ししてございます。実績の内訳欄には、処分方法と件数を記載してございます。
 なお、注記のとおり、暫定利用は除いております。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 二ページをお開き願います。2、臨海副都心地域暫定利用の状況でございます。
 臨海副都心地域において暫定利用されております表頭記載の八区画につきまして、それぞれ表側の項目、敷地面積、事業者名、事業者決定日、施設概要及び開業時期をお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 三ページをお開き願います。3、臨海副都心における有償処分予定の現況一覧でございます。
 有償処分予定地のうち、開発確定分といたしまして、処分済み及び処分見込みに分け、また開発予定分といたしまして、暫定利用中、公募中、今後公募予定及び土地区画整理中に分け、昨年度末現在の面積をヘクタールでお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。4、有明北・豊洲埋立事業の進捗状況でございます。
 まず、有明北地区でございますが、本年十月六日に竣工認可されてございます。
 工事費につきましては、当初計画の四百億円に対しまして、材料の有効利用や施工方法の見直し、新材料の採用等によりまして、工事費を二百八十億円に縮減いたしました。
 表は、平成十二年度から十六年度までの工事費の百万円単位の累計額と見直し後の計画工事費に対します進捗率をお示ししてございます。
 下段は豊洲地区でございますが、計画事業費六百億円、表は平成十一年度から十六年度までの百万円単位の工事費の累計額、進捗率をお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 五ページをお開き願います。5、臨海関係第三セクターの経営状況でございます。
 表側、会社名欄記載の第三セクター三社の平成八年度から十六年度までの営業損益、当期損益、累積損益の決算額を億円単位でお示ししてございます。
 恐れ入ります。六ページをお開き願います。6、臨海関係第三セクターに係る金融機関業態別融資残高でございます。
 表頭記載の第三セクターの三社の過去三年間の融資残高につきまして、表側記載の金融機関の業態別に億円単位でお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 以上で、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○こいそ委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神林委員 ちょっと風邪を引いておりまして、お聞き苦しい点があるかと思いますけれども、ご容赦願いたいと存じます。
 冒頭ですから、まず初めに、総括的なことを二、三点お聞きします。
 臨海地域開発事業はバブル期から始まり、経済状況が厳しく変動する中で、苦しい局面もあったかと思いますが、ようやくここまで進められた、こういう感がいたします。当年度の決算を見させていただいても、開発事業全体がようやく見通せる段階まで進んできたところだというふうに私どもは理解しております。この間の皆さんのご努力、敬意を表させていただきます。
 そこでまず、冒頭でございますので、平成十六年度の決算をどのように評価しているか、伺います。

○鈴木臨海開発部長 臨海地域開発事業会計におきます平成十六年度の土地処分の実績を示す営業収益は約六百九十一億円でございました。この数字は、平成十五年度決算の営業収益を下回ったものの、ここ三年間の営業収益の平均を上回る実績を上げることができました。
 また、会計の健全性を示す経常利益につきましては、逆に、平成十五年度決算を上回る約百三十七億円を計上することができ、これで平成十四年度決算以来三年連続で黒字計上しているところでございます。
 このように、平成十六年度におきましても、開発を順調に進めることができたと認識をしております。引き続き創意工夫をして、営業活動を精力的に進めてまいる所存でございます。

○神林委員 私も臨海地域開発事業、初めて会計を見させていただきましたけれども、大変強く感じるのは、関係区域内の一事業に対して、債券発行などの事業費の捻出から始まりまして、埋め立ての造成、インフラ整備、維持管理、売却、開発、開発によって生み出される都民サービスや経済効果、こういうものが出るまで大変長期間にわたるわけでございます。したがって、私たちが単年度の臨海地域開発事業会計決算だけ見ても、事業がいかなる流れで進められ、その時々で正しい判断や効率的な運営が行われているのか、十分把握できない部分が大変強くございます。
 それだけに、事業執行に当たっては、土地の売却などの不確定な要素は多いと思いますけれども、毎年度または中期のスパンで、しっかりとした開発に対する考え方や数値による到達目標を掲げて、しっかり取り組み、検証していくべきだと私は考えます。見解を伺います。

○鈴木臨海開発部長 臨海副都心は、平成九年に策定をいたしました臨海副都心まちづくり推進計画に基づきまして、平成二十七年度のまちの概成に向けて開発を進めているところでございます。
 開発は、まちの活動が開始をし、台場地区が概成する一期、交通アクセスが充実し、有明南地区が概成し、青海地区の開発が進む二期、広域幹線道路がほぼ完成する三期と、おおむね十年のスパンでの中期的な計画を掲げまして、段階的に開発をしてきているところでございます。
 しかしながら、バブル経済の崩壊や近隣地区の大規模開発などがございまして、これまで必ずしも順風満帆に開発が進められてきたわけではございません。事業の性格上、ご指摘のように毎年の目標を将来まで定めることは困難でございますが、各年度ごとに予算に定めました土地処分の目標の達成を目指して進めているところでございます。
 近年、経済も回復状況にあるなど、開発にも私ども手ごたえを感じ始めておりまして、当初の目的に近づくべく、その達成に努力をしてまいります。

○神林委員 今お話聞いたように、やはり我々どんなことをやるにしても、できるだけ客観的な数値だとか目標を持って事業というものは進めるべきだと思っております。これからの事業展開の中でも、ぜひ一つずつしっかりした目標を持って、特に客観的に評価できるような数値を持って進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次に、監査委員の決算審査書の中でも、経営は改善されているが、企業債残高が五千六百二十四億円余あり、今後、多額の償還を控えているなど厳しい経済環境にあることから、引き続き土地処分へ向けた努力が必要である、こういう指摘がされております。
 今後の土地処分の見込みについて、お伺いいたします。

○藤原参事 今後の土地処分の見込みについてでございますが、社会経済状況が好転する中、地価動向が落ちつきを見せ、人口の都心回帰傾向が続いております。これを受けまして、近年、都心の不動産市場が活発化しております。
 臨海副都心におきましては、都心部との交通アクセスが改善されるとともに、臨海副都心自体の開発が進み、サントリーや癌研究会有明病院など、多くの企業が進出する中で、まちとしての魅力が高まっております。こうした中で、特に臨海副都心に対する評価は、ここ数年、一段の向上を見せているところでございます。
 こうした結果、現在、各区画に対して、民間事業者からの手ごたえのある引き合いや問い合わせが増加しております。これらを追い風に、引き合いなどが土地処分につながるよう、積極的に営業活動に邁進してまいります。

○神林委員 先ほどもちょっとお話ししましたけれども、土地処分というのは必ずしも順調に進むとは限らない部分がございますね。ですから、例えば買収条件の緩和なども一つの方策かと思いますけれども、土地処分にあってのこれからの方針とか考え方とか、要は実効ある進め方というんですか、そういう意味合いでの考え方、方針等をちょっとお示しいただければと思います。ちょっとじゃなくて、たくさんです。

○藤原参事 今後の土地処分の方向というか、対策でございますけれども、一つには、臨海副都心の持つ魅力やポテンシャルの高さを積極的にPRしていくことでございます。そして、加えまして、アンケート調査などによりまして、ターゲットを絞った、そうしたピンポイントセールスを行いまして、誘致活動を実施していくというふうに考えております。

○神林委員 ぜひ、先ほどお話ししましたとおり、実効の上がる進め方を検討していただいて、進めていただきたいと思います。
 それでは、これからちょっと交通基盤の関係で質問させていただきます。
 都市整備にまたがる事務でもございますけれども、臨海副都心の開発を進める上では、広域幹線道路の整備が重要でありますが、その状況はどうなっているのか、伺います。

○尾田開発調整担当部長 広域幹線道路につきましては、平成十四年にりんかい線の大崎-新木場区間が全線開通しまして、さらに今年度末、新交通「ゆりかもめ」の豊洲への延伸区間が開業することにより、臨海副都心の公共交通のインフラ整備は完了いたします。
 また、広域幹線道路であります環状二号線や晴海通りの延伸部につきまして、その一部は今年度末に整備され、供用を開始いたします。これによりまして、都心と臨海副都心の新たな動線が形成されることになります。
 これらの整備によりまして、今年度末に臨海副都心地域の交通アクセスが大きく強化されるようになるというふうに思っております。

○神林委員 私ども通称湾岸道路といっておりますけれども、湾岸道路は本当に東京湾岸を結ぶ首都圏の大動脈であり、一日も早く開通を望むものでございます。
 この湾岸道路と都内を結ぶ一般道である国道三五七号線が副都心周辺で未整備であるために、各地で交通渋滞を引き起こしております。また、都心を初め広く首都圏から当副都心へのアクセスとして、幹線道路を補う橋梁や一般道が不足している感がございます。今後の副都心計画の進捗や周辺地域の開発が進む中で、ぜひ整備が必要と考えます。都市整備にもまたがる問題ですが、一般道である国道三五七号線の整備計画と幹線道路を補う橋梁や一般道についての考え方をお示しください。

○尾田開発調整担当部長 臨海部の交通基盤の利便性強化につきましては、臨海副都心と都心のアクセス改善を図るべく、広域交通基盤を初めとしまして、臨海副都心の周辺の道路網の整備を行っております。例えば大田区城南島と江東区若洲を結ぶ臨海道路の一期の区間につきましては、平成十四年度に完成をしまして、これによりレインボーブリッジの混雑緩和に大きな効果があったというふうに、効果が出ております。
 残りの中央防波堤外側埋立地から江東区若洲区間の二期の区間につきましても、今年度、本格的に工事に着手しており、平成二十二年度完成予定でございます。
 また、首都高品川線につきましても、今年度事業に着手しており、平成二十五年度完成予定でございます。
 また、先ほど先生からお話がありました国道三五七号線の東京港トンネル付近は、国におきまして、平成十四年度に調査に着手しておりまして、現在工法の検討中であります。私どもは、国に早期整備を要請しているところでございます。
 これらの整備によりまして、臨海部の交通ネットワークは飛躍的に充実するとともに、混雑が緩和し、走行時間の短縮また走行経費の減少など、交通の利便性が大幅に向上することになるというふうに確信しております。

○神林委員 有料道路だけが建設されても、なかなかだめなんですね。一般のプロの運転手の方々というのは、そこで高速料金が出ませんから、どうしても一般道へ行くんですよ。そうすると、有料道路が途中で切れていますと、そこから一般道へざっと車が流れるんです、市街地に特に。そうしますと、うちの方も例外ではないんですけれども、十トン車とかそれ以上の車が市街地に流れ込んできますので、やはり道路というのはつながっていて初めて機能するものですから、ぜひところどころで途切れているものを早急に整備を関係機関にもお伝えいただきたいと思います。
 それでは、次に移りますけれども、当副都心は、このほど発表されました総合物流ビジョン案の中でも、陸海空の広域物流ネットワークの中心的な地域に位置しています。さらに、二〇〇九年十二月には羽田空港が国際化され、二十四時間運用可能な空港として、今後貨物便の離発着が飛躍的に伸びることとなります。お隣の神奈川県では、既に神奈川口構想を提案して、その実現方を国に働きかけていますが、東京都としても、この羽田空港の国際化や航空貨物の伸びといった経済効果を臨海副都心、羽田空港跡地、羽田空港周辺地域、中央防波堤内外などを含めた地域と結びつける、総合的な整備計画が必要だと考えます。
 港湾局だけの課題ではありませんが、環境や人のにぎわいも結びつけるなど、少なくとも今後の副都心開発の中ではどのように検討されていくのか、お伺いいたします。

○藤原参事 今お話ございましたように、羽田の国際化が進んでいく中で、臨海副都心に多くの外国人の観光客の皆さんも入ってこられるだろうというふうに考えているところでございます。そうした中で、外国人観光客に関する考え方をお話しさせていただきたいと思います。
 臨海副都心は年間四千万人を超える来訪者を迎える東京の一大観光スポットでございまして、アジアを初めとする多くの外国人観光客を引きつける観光のリーディングエリアとなってきているところでございます。臨海副都心を訪れる観光客が増加することは、まちのにぎわいにもつながり、ひいては開発を推進する上でも大変重要なことであるというふうに考えております。
 これまでも、日韓ワールドカップの開催に当たって、ウエルカムカードを発行したり、あるいはトライアスロン、ビーチバレーの国際大会を誘致するなど、国や都全体の観光施策と連動して、集客に努めてきたところでございます。
 また、昨年度、外国人観光客の利便性を高めるために、案内板を四カ国語表記に改めたり、あるいは観光ポータルサイトについて、英語、韓国語、中国語などを新たに加えたところでございます。
 今後とも、観光の視点を重視しつつ、近接する羽田空港の国際化を視野に入れながら、増加が見込まれる外国人観光客にとっても快適で魅力のあるまちとなるよう、進出事業者やまちづくり協議会と協力をしながら、開発を進めてまいりたいと考えております。

○神林委員 それこそ大きな変化じゃないんですけれども、人と物が大きく変革するわけでございまして、単に臨海副都心だけの問題ではないことはもちろん重々承知しておりまして、やはりキーは羽田空港の跡地だと思います。ただ、そこだけで解決する問題じゃなくて、その周辺地域一帯が総合的な計画で進められるべきだと考えておりますので、ぜひ、他人事じゃなくて、臨海副都心の開発という意味の中にも、周辺との調整を図っていただきたいと思います。
 時期は、今お話ししましたとおり二〇〇九年十二月でございまして、あともう何年もありません。これから検討するというより、今からぜひ検討していただきたいと思います。
 それから、次に参ります。私どもが副都心に行って、強く感じることは、雨の日などは、一区画が大変広いため、施設から施設へ動くのが大変でございまして、いい方にしてみれば、一キロ以内の移動という意味では、大変不便を感じます。新たな都市づくりを考えていくのですから、広くゆったりとした施設間の連絡通路や、動く歩道などの回遊性や、にぎわいを持った基礎基盤整備をもう少し検討を加えるべきだと考えますが、見解を伺います。

○尾田開発調整担当部長 現在、臨海副都心地域内の域内交通としましては、「ゆりかもめ」や無料の巡回バス等がございます。また、ことしの三月には、お台場海浜公園駅や東京テレポート駅周辺に自転車駐輪場を整備しております。また、自転車の利用者に供用されて、非常に好評を博しているところでございます。
 さらに、有明地区のイーストプロムナードにおきましては、地元の協議会などが中心となって、屋根つき回廊を整備するなど、快適性も向上しております。
 今後は、先生の質問の趣旨も踏まえまして、開発状況に合わせ、まちづくり協議会と連携し、さまざまな交通手段の活用や快適性の向上について検討していきたいというふうに思っております。

○神林委員 やはりこれからの都市ですから、回遊性だとか人のにぎわいで、歩くことは本当はいいことなんですけれども、だんだん現代人は歩くのがおっくうになってきまして、やはりそういう意味では施設から施設へ気軽に、あるいは回遊して歩ける新しいまちをぜひ模索していただきたいと思います。
 最後の質問といたしますけれども、資料の中でも、埋立事業の進捗状況が提案されているところでございますが、有明北の地域の埋め立てが竣工しましたけれども、今後どのように開発されるのか、その概要をお聞きして、私の質問を終わります。

○尾田開発調整担当部長 有明北地区は平成二十年度に土地区画整理事業が概成する予定であります。民間地権者の個別の開発のポテンシャルも高まっております。
 そこで、より具体的なまちづくりを誘導するよう、民間地権者とともに、現行のまちづくりガイドラインの改定を今予定しており、現在作業中でございます。
 有明北地区の今後のまちづくりにつきましては、都心への近接性や身近な水辺空間などの有明北地区の持つ魅力を最大限に生かしたものとしていきたいというふうに考えております。
 開発手段としましては、埋立部につきましては、面的な一体開発をすることで全体として良好な環境を確保することができる大街区処分方式など、開発事業者の創意工夫を生かすことが可能な開発方式の導入を検討し、売却条件が整い次第、できるだけ早く処分を進めていく予定であります。

○野上委員 それでは、私からは臨海副都心土地処分について質問させていただきます。
 東京都の港湾局まちづくり推進計画によりますと、臨海副都心は、職と住の均衡のとれた東京の第七番目の副都心として、また、あすの東京の活力を担い、都民生活を支える新しいまちとして、生活都市東京の創造に積極的な役割を果たしていかなくてはならないとあります。
 しかしながら、現状では、職・住・学・遊の複合機能を有した都市とはまだまだ大きく乖離している状況です。また、臨海会計の開発者負担増、土地処分が順調に進んでいない状況であります。維持管理費などを含むほかの経費の大幅な削減がない限り、都の負担あるいは開発者負担というのは極めて大きく、まだまだ厳しい状況ともいえます。
 そこで、現状把握も含めて、質問させていただきたいと思います。臨海副都心の十六年度の土地処分件数は何件であるか、また処分収入は幾らで、予算対比としてはどうか、お答えください。

○藤原参事 平成十六年度の臨海副都心における土地処分件数は四件でございます。また、これに伴います収入額は約三百十三億円でございまして、予算額の百九十八億円に対しまして、一五八%の収入率でございます。

○野上委員 今の数字をお聞きしますと、十六年度については処分は好調であったということになるかと思いますが、この処分が進んだ理由というのは何か、お答えください。

○藤原参事 平成十六年度の土地処分が進んだ要因でございますが、「ゆりかもめ」の豊洲延伸や広域幹線道路の整備による交通アクセスの改善を見越したものや、サントリーや癌研究会有明病院などの進出により、着実に企業集積が進み、臨海副都心のポテンシャルが向上してきていること、こうしたことが土地処分が進んだ要因であると考えております。

○野上委員 土地処分については、経済情勢とかその他要因がいろいろかかわってきますので、なかなか見通しは難しいとは思いますが、今後の土地処分の見通しはどうであるか、見解を伺います。

○藤原参事 土地処分の見通しについてでございますが、社会経済状況が好転する中で、近年、都心部では不動産市場が活発化しております。臨海副都心におきましても、交通アクセスが改善されるとともに、開発も進み、まちとしての魅力が高まり、臨海副都心に対する評価が向上しているところでございます。
 こうした中で、現在、各区画に対して民間事業者からの引き合いや問い合わせが増加してきております。これらの引き合いが今後の土地処分につながるよう努力してまいりたいと考えております。

○野上委員 ただいまのご回答の中に、経済状況が今好転しているというような見通しで、予測をしていらっしゃいましたが、例えば特に現代のように--私が今認識しているのは、経済が成長過程から成熟した状態に行こうとしている、あるいは行こうとした状態においては、やはり民間企業においても、売上高は増加しないままに資産総額及び有利子負債残高が高い水準で推移してしまうというケースが目立ち始めています。例えば大きくなる資産を圧縮しまして、自己資本比率あるいは総資本利益率あるいは総資本回転率などの主要な財務指標をよくしたいという要望が生じると思われます。
 このような場合に、大きくなった資産を圧縮するために、特定目的会社、SPCと呼ばれる、そういったものを利用して、売り掛け債権、手形債権あるいは土地などの不動産を流動化して、資金化して、有利子負債を返済することによって、貸借対照表から資産と負債を消してしまうという資産の圧縮が行われています。特に都心の地域においては、このSPCを活用して不動産を取得するという動きが活発化しておりますが、こうした動きには都は的確に対応しているのか、ご見解を伺いたくお願いいたします。

○藤原参事 SPCの活用についてでございますが、不動産流動化市場が拡大する中で、臨海副都心への進出を希望する企業の中にも、新たな資金調達手法としてSPCの活用を希望する企業が増加してきております。
 こうした中で、SPCを活用する事業者につきましては、臨海副都心開発にふさわしい事業運営の安定性と継続性を確保することといたしまして、平成十四年十一月から、積極的な企業誘致の一つとして、SPCを活用した事業者の応募も可能としたところでございます。

○野上委員 最後に、特に売却が進んでいない都民提案街区について要望しまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 現在ある船の科学館から水の広場公園までの都民提案街区及び暫定利用しているパレットタウン、つまりはセンタープロムナードを挟む周辺一帯地区についてです。パレットタウン暫定利用期間はあと五年と迫っています。その後どのように計画を進めていくのか、どのような機能を持つ地域にしていくのか、少なくとも五年後をめどに再検討しなくてはいけないと考えます。付加価値の高い地域として売却できるかどうか、今後の二、三年の計画で決まるといっても過言ではありません。都民の理解と協力を求めて、暫定利用している地区の今後の利用については、早急に計画し、提案していくこと、それを強く求めまして、私の質問を終わらせていただきます。

○大松委員 公明党の大松成でございます。私の方からは、港湾事業会計決算について質問をさせていただきます。
 東京港は世界の国際物流拠点でありまして、また首都圏の産業そして住民の生活を支える重要な港湾でございます。
 ところが、こうした中で、釜山港また上海港など、アジアの主要港がサービスやコスト面で優位に立っておりまして、今東京港の国際競争力、これが大きな課題になっているところでございます。
 現在、この東京港では、スケールメリットによる港湾コストの三割削減、こうしたことに取り組んでいるわけでございますが、このことにつきまして、この決算をもとに、質問をさせていただきます。
 まず、収益を見ますと、営業収益が前年度比で〇・六%減少をしているわけでございます。その原因を見ますと、起重機、これはガントリークレーンといわれますけれども、コンテナ用クレーンの使用料が大きく減少している、これが主な理由の一つになっているわけでございます。
 申し上げるまでもなく、今の外国貿易、また国内貿易、このほとんどはコンテナでございます。このコンテナの取扱量、それがそのまま東京港の実力でありまして、これがクレーンの使用料に如実にあらわれてくるわけでございます。この中で、こうしたクレーンの使用料、これが減っているというのは大変気になる数字であるわけでございます。そういう観点から、きょうはこのクレーンについて質問をさせていただきたいと思います。
 実は東京都は、平成十六年度から、貨物の取扱量を増加させる、そして、港湾コストも削減をする、これを両輪のように進めていくために、料金のインセンティブ制度を導入しているところでございますが、まさにこのガントリークレーンもその対象になっているわけでございます。
 また、使用料減免をするわけでありますから、決算の中でこれがマイナスになるというふうなことも考えられるわけでございますけれども、実はこのインセンティブ制度は、前年度実績を上回る分についてのみ減免をする、こういうものが大半でございます。したがいまして、もし取扱量がふえていれば、同時にクレーンの使用料も上がるはずでございます。したがいまして、減っているということが大変気になるわけでございます。
 そこで、お伺いをいたします。このクレーンの使用料が、収入が減収をした理由は何なのか、そして、インセンティブ制度を導入したことによって、コンテナの取扱量、ふえたのか減ったのか、これについてお伺いをいたします。

○新田港湾経営部長 昨年、東京港全体で、外貿コンテナ貨物につきましては、九・二%の増加をいたしました。このうち都の使用料、先生ご指摘のクレーン等の料金でございますが、その対象となります公共ふ頭におきましては、その一割の貨物シェアを占めます大規模船社、これが民間ふ頭へシフトしたにもかかわらず、インセンティブ制度の導入によりまして、七・六%増を達成いたしました。
 この貨物増によりまして、コンテナ用クレーン使用料のベースとなりますクレーンの使用時間につきましても四%弱の伸びとなりましたが、インセンティブ制度は対前年比で増加いたしました個別事業者ごとに適用されるため、その事業者ごとの減額の合計額が四%を上回ったということの結果、全体として減収となったものでございます。
 総じて申し上げれば、港内民間ふ頭への大船社シフトによります大幅減収要素、これをインセンティブ制度による貨物増によって緩和することができたというぐあいに考えてございます。

○大松委員 貨物の全体の取扱量は、東京港全体でも、また公共ふ頭による取扱量もふえている、こういうことでございます。減収もそういった意味では一時的な問題でありまして、先ほど答弁いただきました、港内シフトがあったにもかかわらず全体の取引量がふえている、こういうことがわかったわけでございます。
 しかし、減収でありますので、その上で、今回減収した分を取り戻す見通しはどうなのか、これをお伺いいたします。

○新田港湾経営部長 公共ふ頭におきます今後のコンテナクレーンの稼働予測などを勘案いたしまして、これにインセンティブの減免を織り込みますと、年数%程度は今後も増加が見込まれます。
 このため、昨年度におきます大船社のシフト等によります一億円強の減収分につきましては、今後二、三年程度で回収できる見通しでございます。

○大松委員 インセンティブ制度は、ガントリークレーン、それ以外にもさまざまな港湾施設の使用料の減免にも使われているわけでございまして、また、港湾施設の利用料以外にも、入港料の減免など、港湾のコストのかかわるところに網羅的にこのインセンティブ制度は導入されているわけでございまして、その効果が総合的にあらわれてきたものというふうに私どもは評価をしたいと思っております。
 今後、引き続き、このインセンティブ制度の効果が上がるような取り組みをお願いするものでございます。
 そこで、先週の金曜日、私も東京港に行ってまいりまして、クレーンの稼働状況を視察させていただきました。昨今、船舶の大型化が進んでおりまして、それに伴って作業を効率化するためには、クレーンの着実な更新が必要でございます。私が見てきたところでも、新旧のクレーンがございました。古いタイプのクレーンはアームの位置が低いわけでございまして、船みずから甲板にクレーンを搭載している場合、アームの高さが低いと、ガントリークレーンが使えない、こういったような状況も見てきたわけでございます。
 また、さらに最近の東京港の課題といたしまして、北米航路またヨーロッパ航路、こういう世界の基幹航路の大型船の直接寄港、これが課題になっているということでございますけれども、そうした意味では、大型に対応していくということが求められているわけでございます。釜山港や上海港では、東京港では船の幅、コンテナ、大体十六とか十八とかいうような対応がクレーンということでございますが、それを上回るようなクレーンを整備するというような話もあるというふうにも聞いてはいるわけでございます。
 そうしたアームの幅を広げ過ぎるということについて、需要があるかどうか、これは別にいたしまして、クレーンの機能、これはそのまままさに東京港の物流を活性化させる重要なポイントということであるわけでございます。また、クレーンの性能がよくなりまして、作業が効率化をすれば、時間制による料金でございますので、その分コストの削減にもつながると考えます。
 こうした観点から、老朽化しているクレーンの更新、これはどのようになっているのか、お伺いをいたします。

○新田港湾経営部長 クレーンの更新につきましては、品川コンテナふ頭におきまして、平成元年度から供用してまいりました旧式の起重機にかえまして、新たな起重機を平成十四年に設置いたしました。さらに、昨年でございますが、新型起重機を一基増設いたしましたところでございます。
 今後とも、老朽化した施設を計画的に新しいものに切りかえていくなど、船舶の大型化等、先生ご指摘のそういった状況を踏まえまして、海上輸送及び港湾荷役の新たな動向を的確に踏まえまして、施設の機能更新に適切に取り組んでまいります。

○大松委員 続きまして、この防災対策ということについてお伺いをしたいと思います。
 阪神大震災では、神戸港で多くのコンテナ用クレーンが倒壊をいたしました。私も被災地でつぶさにそうした現状を見てきたわけでございます。
 この神戸の被災地で、クレーンが倒壊をした原因、これは岸壁の崩壊でございます。また、この岸壁、これは鉄道、道路網が神戸では遮断をされたわけでございますけれども、被害が少なかった岸壁では、救援物資の輸送とか、大変大きな役割を果たしたわけでございます。このクレーンを考えたときに、岸壁の耐震化、重要でございます。
 こうしたふ頭の安全対策というのは国際競争力を考えた上でも大変重要なテーマになるわけでございますので、一部、この一般会計の部分も含まれますけれども、この東京港の耐震化対策がどうなっているのか、これをお伺いをしたいと思います。
 また、神戸港では、岸壁が崩壊をしなかった場合もほとんどのクレーンが脱輪をしたり、そして橋脚が折れ曲がったりというふうに、大変激しい損傷があったわけでございますので、クレーン本体の耐震化、稼働中の場合も含めてあわせてお伺いをいたします。

○田中港湾整備部長 ただいま委員から、神戸港におきます被災のご紹介がありましたが、こうした阪神大震災のような震災時におきましても機能する耐震性の高い岸壁を整備することは、極めて重要であると認識しております。
 このため、東京港におきましては、緊急物資や国際コンテナ貨物を輸送する耐震強化岸壁をこれまでも順次整備してまいりました。現在までの整備状況は、十八バースを整備する計画に対しまして十三バースが完成しておりまして、進捗率は七二%でございます。
 首都直下地震の切迫性が指摘されている中、これまで以上に耐震対策を強化する必要があり、このたびの七次改訂港湾計画におきましては、耐震強化岸壁の拡充を最重点課題と位置づけまして、品川ふ頭や中央防波堤外側などを新たに計画に組み入れていくこととしております。
 次に、こうした耐震強化岸壁の上に設置しておりますコンテナクレーンの対策でございますが、地震時におきます岸壁とコンテナクレーンのそれぞれの動きを把握し、その相互作用を分析いたしまして、コンテナをつり上げている稼働時においても、コンテナクレーンが転倒や倒壊しないよう、構造上の安全性を確保しております。
 具体的には、現在東京港の耐震強化岸壁にありますコンテナクレーンは、その脚部に免震装置を設置しておりまして、地震時の衝撃を緩和することにより転倒や脱輪をしない構造としております。

○大松委員 この国際競争力を考える上で非常に今、大事なテーマ、この安心・安全でございます。この港湾施設の安心・安全対策、耐震化は当然でございますけれども、この耐震化された港湾施設が十二分に機能するためには、人員等やはりソフト面の整備なくして、この機能は果たし得ないわけでございます。そうした観点から、この港湾施設におけるソフト面の災害対策をお伺いいたします。

○江津参事 ソフト面の対策は、先生ご指摘のように大変重要であると考えております。
 東京港では、横浜港、川崎港と、平成十六年四月に、京浜三港広域連携協議会を設置し、三港の協力体制を構築しております。この中で、震災時の耐震強化岸壁の相互利用について、本年三月に協定を締結するなど震災時の連携体制の整備を推進しております。
 さらに、スーパー中枢港湾に指定されました六港、具体的には横浜、名古屋、四日市、大阪、神戸港でございますけれども、これらの港の管理者と、スーパー中枢港湾推進会議を設置し大規模災害時対策のための協定締結に向けた検討を進めております。
 また、いざ地震が発生した場合には、東京港における緊急物資の受け入れや港湾物流機能の確保などのための港湾荷役作業を行う災害対策要員の確保が不可欠でございます。このため、関係業界と連携して、港湾労働者の確保策に向けた実効性のある取り組みを進めてまいります。

○大松委員 それでは最後に、現在の東京港の国際的な地位はどのぐらいにあるのか、また、先ほど申し上げましたアジアの主要港、上海、釜山港と比較すると、どのような位置に今東京港はあるのか。
 その上で、今後、これから東京港が目指す目標をお伺いいたします。

○江津参事 東京港の国際的地位についてでございます。
 東京港は、年々コンテナ貨物が増加し七年連続日本一を達成しているものの、中国などアジア諸港の急激な伸びのため一九九五年、平成七年でございますが、世界十二位でございましたけれども、二〇〇〇年、平成十二年には十四位となり、昨年は二十位となっております。
 一方、世界有数の中継貿易港である釜山港は、それぞれ五位、三位、五位と高いランクを維持しており、また上海港では、中国経済の躍進とともに十九位から六位、三位と急上昇しております。
 次に、東京港が目指す目標についてでございます。
 北米航路など基幹航路の大型母船の直接寄港を確保し、メーンポートとして首都圏四千万人の生活と産業を支えていくことが東京港の重要な使命であると認識をしております。
 この使命実現のために、港湾コストの三割低減、リードタイムの一日程度への短縮に向けた具体的な取り組みを進め、十年後には、現在改定作業を進めておりますけれども、第七次改訂港湾計画の取り扱い目標であるコンテナ個数にして四百六十万個を取り扱うことができる国際競争力のある港を目指して、官民一体となって取り組んでまいります。

○大松委員 東京港、物流量が伸びていると。しかし、それ以上に他のアジアの主要港の伸びの方が大きいということでございます。単にこの順位がどうこうということではなく、東京港は東京港のあるべき姿がある、このように思うわけでございますけれども、今後も世界のメーンポートとしての地位を引き続き確保していくためには、やはり課題が大きいわけでございます。
 先ほど来、この使用料減免等のインセンティブ制度についてお伺いをしてまいりました。こうしたインセンティブ制度、これ以外に、港湾コストの削減、効率化に向けてのさらなる取り組みをお伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○江津参事 東京港では、国際競争力にすぐれた使いやすい港づくりを進めるために、官民一体となりまして、港湾コストの低減ですとかリードタイムの短縮、ターミナル運営の効率化に取り組んでおります。
 具体的には、先ほどお話に出ましたインセンティブ制度の導入のほか、港湾特区の提案を通じた水先料金の低減化、加えて港湾のフルオープン化や荷さばき施設の共同利用による効率化の推進など、港湾物流のサービスアップ、コストダウンに取り組んでまいります。
 今後とも港湾におけるさまざまな物流改革を推進するとともに、関係各局とも連携をして総合物流ビジョンの策定を進めるなど、東京港を利用する貨物の主要な生産地、消費地である首都圏全体を視野に入れました物流の効率化に取り組んでまいります。

○小竹委員 私は、臨海会計に関連してお伺いをしたいというふうに思います。
 産業労働局は、臨海三セクについて、民事再生法による破綻処理を行いました。臨海副都心の開発への企業の呼び込みということでつくられた、港湾局が所管する臨海三セク三社の累積損益については、昨年度、平成十六年度の累積損益は九百十四億円に上っています。債務超過は三百六十七億円ということで、いずれも年々増加する状況で、破綻状況にあります。民間企業だったら、とうの昔に破産をしているという状況にあるわけですけれども、私は、その中でも累積損益が二百四十六億円になっている、そして債務超過に陥っているテレコムセンターについて伺っていきたいというふうに思います。
 臨海副都心開発は、当初、世界を衛星通信で結ぶテレポートとして構想された経緯があります。テレコムセンタービルは、その開発の中心的コンセプトを担うビルとしてつくられてきました。そのために屋上には巨大なパラボラアンテナの基地がつくられ、オフィスの床には通信関係の企業が入れるように設備された、高額な費用をかけたインテリジェントビルとして建設されたものです。
 単位床面積の建設コストは、当時、この庁舎、都民からは豪華過ぎると批判を浴びた都庁の二倍をかけた超豪華なものだったわけです。NTTドコモなどが入居をしたものの全部床が埋まらずに、東京都は生活文化局の青少年センターや総務局の職員研修所など、都の施設をわざわざ移して高い賃料と共益費を払って、このテレコムセンターのビルを支えてきました。
 そこで伺いますけれども、委員会資料によれば、テレコムセンターの入居率は昨年度末で九一%というふうになっていますけれども、最大の入居者であったNTTドコモが品川に本社ビルを建設して、退去をしたというふうに伺っています。現在の入居状況はどうなっているのかお伺いします。

○岡田団体調整担当部長 テレコムセンターの入居率につきましては、十フロアに及ぶ大型テナントが退去したことによりまして、平成十七年度、一時期六〇%台に落ち込んだところでございます。しかし、その後積極的な営業展開を行った結果、三・五フロアにつき新たなテナントの入居がございまして、九月末では、その入居率は七四%となってございます。
 今後とも入居率の向上に取り組んでまいります。

○小竹委員 現在でも七四%ということで、四分の一が空き室になっているわけですよね。私、テレコムセンターのホームページのテナント募集を最近見たんですけれども、今までは、入居率九〇%といわれる時点では、こういうふうにA4判一枚のテナント募集が載っていたんですけれども、最近見たのでは、こういうふうにA4判半分にもならない、オフィス区画については六フロアになっているんですけれど、これを見て私びっくりしたんですが、一体どういうことなのかご回答いただきたいと思います。

○岡田団体調整担当部長 東京テレポートセンターのホームページについてでございますが、臨海三セクは、民間の不動産業者と同様にホームページなども活用しながら積極的な営業展開を行ってございまして、ホームページの閲覧をきっかけに問い合わせがあったといったような例もあると聞いてございます。
 先生のお話のように、以前は募集面積のすべてをホームページ上、掲載してございましたが、営業上の理由やテナントからの要望、これは全件掲載だとアクセスに時間がかかるといったような声がございまして、このような理由から民間不動産業者のホームページの例ですとか、仲介業者のアドバイスといったものを参考にして、主要なフロアのみの掲載に変更したというふうに聞いてございます。
 あわせまして、ビルごとの営業担当者の連絡先をわかりやすく配置し、入居を検討されているテナントからの問い合わせを容易にしているところでございます。
 臨海三セクは、ビル事業会社としてテナント誘致を最大の目的としており、民間不動産業者との競争の中で戦略的な誘致活動を行っているところでございます。

○小竹委員 いろいろ理由はおっしゃいましたけれども、結局私は、空き室が四分の一になっているということがあって、こういう状況になったんじゃないかというふうに思えて仕方がないんです。
 私、テレコムセンターに最近行って、あいた状況を見てまいりました。センターの入り口を入ったところのインフォメーションに書かれていた表示を図にしたんですけれども、こういう状況です。(パネルを示す)赤い色分けしたところが何も入っていない状況になっていると。これをオフィス--五階から下は多分商業フロアとして表示されているんだというふうに思うんですけれども、六階から上のオフィスで見ると四割近いんですよね、床面積で計算してみると。
 そういう点でいうと、先ほど六割台に落ち込んだというふうにおっしゃられましたけれども、現実にここまであいているという状況なんじゃないかと思うんですが、この点どうなのか。
 そしてまた、これが本当に埋まる見通しをお持ちなのかどうか、その点、もう一度お伺いします。あわせてお答えください。

○岡田団体調整担当部長 テレコムセンターの入居率についてでございますが、一時期キーテナントの退去によりまして、退去がために入居率が大幅に落ちたことは事実でございますが、その後、会社側の積極的な営業展開によりまして、九月末現在では三・五フロアにつきまして後継テナントが入居するという形で契約をいただいてございます。
 現在におきましても、弾力的な価格設定、それから短期の賃貸借の募集、あるいは情報通信産業や臨海地域内進出事業者の関連事業者などに対象を絞って営業展開するといったような、さまざまな営業活動を行ってございまして、最近におきましては引き合いもふえているというふうに聞いてございます。
 厳しい経営環境の中ではございますが、着実に入居契約に至るよう引き続き東京都といたしましても指導に努めてまいりたいと考えております。

○小竹委員 今、入居状況を着実に埋まるように努めていきたいというお答えなんですけれども、実際どうなんですか。それこそ汐留を含めて、臨海の周辺には、後であれしますけれども、相当オフィスを含めた開発が進んでいるわけですよね。そういう点で見ると、私は現実には入居が非常に困難になるんじゃないかなというふうに思うんです。
 先ほどの図示したのを見ても、NTTドコモが多分また戻られた結果、あそこの表示になっているんだというふうに思うんですけれども、本当にそういう意味で、果たしてこのままあきが埋まるんだろうかというのは、私の率直な感じであります。
 もう一つ伺っておきたいんですけれども、近くMXテレビがテレコムセンターを出るというふうに聞いているんですが、この点についてはどうなんですか。
 私、先日行ったときに、三階の総務関係のところがもう既に移っていました。そこにいらした方に聞いたら、MXは移って、総務関係はもう移りましたというふうなお話だったんですね。そういうことで考えると、MXテレビがそこから出ていったら、私がこの図示したのに合わせると、半分近くが空き室になってしまうんじゃないかというふうに思うんですが、この点、あわせてお答えください。

○岡田団体調整担当部長 MXテレビでございますが、MXテレビは、テレコムセンターに約四千六百平米ぐらい入居がございました。ご指摘の退去についてでございますが、本年九月末に事務室部分についての退去がございました。
 なお、スタジオを中心とする部分につきましては、引き続きテレコムセンターの中に入ってございまして、これについての当面での退去についてはないものというふうに考えてございます。

○小竹委員 そうすると、MXテレビについては、四千六百平米のうち事務室について退去ということなんですが、残りの面積はどのぐらいになっているんですか。

○岡田団体調整担当部長 MXテレビでございますが、先ほどご答弁申し上げましたように、ことしの九月末に事務室部分についての一部退去があったわけでございますが、なおそれ以外の部分については残っているわけでございまして、その部分についての面積は約二千八百平米程度になろうかと思います。

○小竹委員 いずれにしても半分近く減るということになるわけですよね。MXテレビは、それこそ東條会館か何かに移られるというふうなお話も聞いているんですけれども、いずれそういうことになれば、向こうがあくというふうなことにもなりかねないんじゃないかなと思います。
 いずれにしても、現在移転してあきになるという点でいえば、もう本当に、それでなくても経営的に大変な状況にあるわけですから、これだけ空き室がふえるということは経営的に成り立たないような状況になるのではないでしょうか。
 そういう点では、その上に、テレコムセンターについてはビルの建設当初から都の職員研修所が入っていたわけですし、昨年度は、資料でも出していただいたように六億六千九百万円の賃料を払っています。職員研修所は、テレコムセンターのビルの約一割を占めているわけですから、東京都がそこに入れているから全体として維持できるというふうな状況にもあるわけですけれど、もしテレコムセンターから職員研修所を東京都が撤退するというふうな状況になれば、もう半分以上空きビルになってしまうわけですよね。
 そういう点で見ると、本当にこのビルそのものの経営が今危機に瀕しているというふうに私は考えています。その点では、このビルをつくるコンセプトが、衛星通信を使って二十四時間のビルをつくるというのがコンセプトだったわけですけれども、インターネットの普及で、なかなかその分野も衛星通信をというのが進んでいないのが現状じゃないかというふうに思います。
 後でも土地処分のところで問題にしますけれども、先ほど申し上げた汐留だけじゃなくて、丸の内や東品川、晴海など臨海を取り巻く地域、交通の便のいい都心部の方でオフィスビルの建設がどんどん進んでいる状況ですから、そういうオフィスビルの供給が進んでいけば、ますます臨海は落ち込んでいくということになって、三セクビルへの入居が困難になっていくのではないかというふうに思われてなりません。
 これまで高い賃料を東京都が払ってこのテレコムセンターの貸しビル業を支えてきた、こういう点で、さらに赤字が広がるような状況になって、また支援策を強化するなどというのは、もう絶対に許されないことだというふうに思っています。
 そういう点では、都民に対しては財政が厳しいからといって、この間、福祉などが切り捨てられてきたわけですけれども、貸しビル業を支えるために税金を使うなどというむだ遣いは、やっぱり都民の側からいったって納得できないですよ。そういう点では、やはりこういう支援策はもうやめるべきだというふうに思うんですが、港湾局が決断すればできることなんで、この点についてどうですか。

○岡田団体調整担当部長 臨海三セクは、経営環境は厳しいものの、都や金融機関の支援、会社の内部努力によりまして、経営安定化策は一定の成果を上げてきたところでございます。
 具体的に申し上げますと、償却前利益は平成十年度以降七年連続で黒字でございまして、事業展開に必要な資金は確保されてございます。
 また、本業の収益力をお示しします営業利益は、平成十一年度以降平成十六年度まで六年連続で黒字となってございます。
 一方、臨海三セクは、商業、業務などの多様な集積の拠点となっており、臨海開発事業の重要な役割を担ってございます。
 このような経営状況や三セクの果たす役割を考えますると、経営安定化策に基づき、より一層の経営改善を図っていくことが重要であると考えてございます。

○小竹委員 今、営業収益が連続黒字だというふうにおっしゃられたんですけれども、東京都が経営安定化策をとっているから、こういう状況を維持できるというのが実態じゃないですか。
 東京都は、これまで、九八年に経営安定化策ということで赤字の三セクビルの地代を七五%減額しましたよね。それで三十億の増資と無利子の貸し付けなどを合わせると、二百七十億の支援をこの臨海三セクのビル事業に対してやってきているわけですよね。これがあって黒字ということになっているんだけれども、それと元本の返済だとか、そういうのの猶予などを含めてなっているわけですが、テレコムセンターの救済という点でいえば、当初から、先ほどいったように職員研修所や、もうなくなりましたけれども青少年センターを、わざわざ都心の便利なところにあるのを移転させて賃料を払ったという状況、他のビルと合わせると、その総額は百二十億にも上るわけですけれども、そういう税金投入を行った上に経営安定化策というのがとられたわけですよね。
 その安定化策だけで足りなくて、夢の島のマリーナの無償貸付でテレポートセンターは昨年度五億円以上の収益を得ているんじゃないですか。こういうものが全部合わさっての黒字ということになるわけで、あともう一つは、未利用地を駐車場として利用して、これらがテレポートの方に移って年間二十億円近い収益をテレポートは入れているわけですよね。
 こういうものを含めて黒字ということであれば、このマリーナとそれから駐車場についていえば、本来だったら一般会計に入れて都民のために使わなければいけないお金ではないんですか。最大譲ったとしたって、臨海会計の方ですよね。臨海三セクのビル会社の救済のために使うなんていうのは、やっぱり都民からいったら納得できないですよ。こういうあらゆる手だてを使って手厚い保護を加えて、何とか維持しているというのが現状じゃないですか。それでビルが空きビルになれば、また大変な状況になって救済策ということになっていくわけですよね。
 いずれにしても、これだけ支えても、この臨海三セクの経営状況というのは、累積損益でも、それから債務超過でも増大している状況にあるわけですから、破綻状況という点でいえば私はもう処理すべき時期に来ているというふうに思うんですね。
 この間、先ほど申し上げたような財政支援を合わせると、総額で東京都の財政支出は五百億円以上に上っているんじゃないかというふうに思います。このお金が一体どこへ使われたのかというのが、最大の問題だというふうに思うんですよね。
 その点でお伺いしたいんですけれども、この間、臨海三セク三社が金融機関に払ってきた利息と元本の返済は幾らになっているのかお伺いします。

○岡田団体調整担当部長 経営安定化策が策定されました平成十年度以降の金融機関の利息支払いでございますが、総額で五百八億円でございます。
 金融機関の協力を得て策定されました経営安定化策に基づきまして、金融機関は金利減免等の支援措置を行ってございまして、例えば支払い利息でございますが、平成九年度には百二億円でございましたが、平成十六年度決算では五十九億円と約四〇%、額にいたしますと四十三億円の減になってございます。
 同じく経営安定化策が策定された平成十年度以降の元本返済額でございますが、約四百億円でございます。
 経営安定化策では、資金繰り支援といたしまして、金融機関による元利の棚上げが行われておるところでございますが、会社の資金繰りに影響を与えない範囲内で、会社は元本返済を行っているところでございます。
 このような金融機関による金利軽減措置に加えまして、会社の有利子負債を圧縮するといった措置によりまして支払い利息は軽減され、そして、このことによりまして経営改善が進んでいるというふうに考えてございます。

○小竹委員 今お答えいただいたんですけれども、九八年、平成十年から返済された元本は四百十二億円ですよね。さらに、同時期に払われた利息は五百八億円。
 私、それ以前の状況はどうなのかということで議事録を手繰ってみたんですけれども、九七年以前に払われた利息が五百億円以上に上っているんですよね。そうすると、合わせたら、利息だけでも一千億以上の支払いを銀行に対して行ってきた。東京都が一生懸命支援策をとってやってきたわけですけれども、そっくり銀行にいっていたといっても過言じゃないような状況になっているなというのを思いました。
 東京都がやっているのは、ビル経営を支援するということですし、破綻した会社に都民の税金をこれ以上つぎ込んでいくということは許されないというふうに思います。法的処理をすぐにでもやるべきだというふうに思うんです。
 その際に、この間、銀行に支払った元金、利息合わせると、一千五百億円にも上っているわけですから、そういう点でも、この点はきちんと踏まえる必要があるというふうに思います。銀行も出資者であり共同経営者ですから、当然出資者としての責任、それから経営者としての責任が問われるものというふうに思います。
 そういう点でいうと、産労局のような民事再生ではなくて、債権をきちんと、もう一千五百億円も支払ってきているわけですから、債権を放棄させて三セクビルを都民の財産として取り戻して都民のために使えるようにすべきだということを主張して、この三セクビルの質問を終わります。
 続いて、臨海本体の土地利用についてお伺いをしておきます。
 最初に、資料で出していただいたわけですけれども、昨年度、売却二件、それから所管がえ二件というふうに書かれておりますけれども、合計四件、四万二千平方メートルの土地処分の状況が、どこどこに行われたのかまず明らかにしてください。

○藤原参事 平成十六年度の土地処分でございますけれども、処分先といたしましては、株式会社フジテレビジョン、警視庁、国土交通省、建設局でございます。

○小竹委員 民間はフジテレビ一社ということで、あとは有明の丘の売却ということになるかというふうに思うんですが、国と都が中心ですよね。四件処分されたといっても、結局そういう状況にあるというのは明らかです。
 本来、臨海の土地は、都有地であり都民の財産でした。防災拠点という点でいえば、当初から無償でつくられる予定だったんではありませんか。臨海会計に無償で提供したものをまた二千二百億円かけて買い戻すというのは、だれが考えても都民は納得いかないことだというふうに思うんですが、この点は指摘をしておきたいというふうに思います。
 今後、売却の見通し、今年度も含めてですけれども、どういうふうになるのかお伺いします。

○藤原参事 今後の売却の見通しでございますが、現在、各区画に対して民間事業者からの引き合いや問い合わせが増加しております。これを売却に結びつけるように営業活動に努力してまいります。
 なお、ただいま民間企業が一件ではないかというお話が先生からございましたが、土地の売却については、その時々によりまして、民間企業が多い場合、また公共的機関が多い場合がございます。
 ちなみに、平成十四年からの三年間を見ますと、総処分件数が十七件でございますけれども、そのうち民間企業が十一件ということで、六割以上が民間企業に処分しているところでございます。

○小竹委員 民間の引き合いが今後出されているのを結びつけていくということですけれども、もう既に今年度も半ばを過ぎているわけですが、その辺の状況はどうなんですか。さっき、お答えがなかったんで……。

○藤原参事 今年度、先ほどもお話しいたしましたように、現在の常時公募区画を初めとして、幾つかの区画で引き合いが来ております。今後、その引き合いが売却に結びつくように鋭意努力をしてまいりたいと考えております。

○小竹委員 具体的なお答えはないんですけれども、今年度も有明の丘の売却というふうなことを伺っております。そういう点でいうと、本当にどうなのかなという心配があるわけですけれども、それと、伺っているのは、底地を売るというふうな、昨年--その前、底地を売るのが、民間が十一件の中に底地を売ったのもあるわけですよね。そういう底地を売るというのは、一時、収入としては入るけれども、長期の契約で入ってくる賃料が入らなくなるという点でいえば、臨海会計にとってはマイナスになるんじゃないかというふうに思われるんですよね。
 そういう点でいうと、実質、本当に処分したのは、国と都が、昨年度のあれと今年度予定されているというふうに伺っているのは、税金でやって、国も税金ですから、そういうことになるんじゃないかというふうに思うんですけれども、そういう点でいうと、本当に公募区画が常時公募をやっているんだけれども、そういう民間が進出してくる可能性があるのかという点では、私、非常に心配をしています。
 二次公募での公募区画が常時公募になったのは、いつからやってきているのか、そして今回、最近また売却価格の引き下げが行われたようですけれども、この間、何回ぐらい引き下げを行ったのか、そしてどのぐらい下げられたのか、まずお伺いします。

○藤原参事 常時公募を開始いたしましたのは平成十二年十一月からでございます。
 また、売却方式が導入された平成十四年度から平成十七年度までの常時公募の売却価格は、二回下がっております。率にいたしますと、平成十四年度に対しまして十七年度の売却価格は、六区画平均で三・一%下がっております。

○小竹委員 常時公募を行ってから四年間ですよね。二次公募という点で見ると、一次公募もあるわけですけれども、現在の常時公募を行っているのは二次公募ですから、そういう点で見ると、九八年からということになると八年以上たっていて、いまだに処分が、この六つの区画については決まっていないということになるわけですけれども、先ほどご答弁の中でもありましたけれども、二次常時公募が行われて、二〇〇二年の七月に売却価格が下げられてから、二〇〇三年度の四社、五区画が決まったという状況ですよね。
 地価が下がってということになるわけですけれども、港湾局の方は、臨海高速が、大崎延伸が完成すれば地価は上がるんだというふうに、この間ずっと主張してこられたわけですけれども、現実には大崎延伸が決まって、今回も地価が下がるというふうな状況になっているという点では、一体どうなのかというふうに思います。
 二〇〇二年に臨海地域開発財政基盤強化プランが策定されて、臨海開発に投資した費用を二〇一九年までに回収をする、会計の収支が--投資した費用を二〇一九年までに回収して、会計の収支を均衡にするというのが計画だったんじゃないんですか。このプランでいうと、地価については、十七年まで、十七年間据え置くのが計画だったはずだというふうに思います。
 こういう点で見ますと、策定後三年間で二回も地価が下がってしまっている。しかも大崎延伸が完了しているのに地価が下がってしまったという、この状況をどういうふうに見ておられるのか、この点についてお伺いします。

○鈴木臨海開発部長 りんかい線は、平成十四年十二月に大崎まで延伸をし、同時に埼京線と相互乗り入れが開始され、臨海副都心の交通利便性は大きく向上しているところでございます。
 そうしたことも要因となりまして、平成十四年度に対する平成十七年度の区部商業地の公示価格動向は約六%下落であるのに対しまして、臨海副都心の常時公募六区画の地価は、先ほどの答弁のとおり三・一%の下落にとどまっております。
 平成十四年度から平成十五年度にかけましては、台場地区にはオリックスリアルエステートが、また有明南地区にはリゾートトラスト、テーオーシーが進出するなど、臨海副都心の開発が大きく進んでいるところでございます。
 また、平成十五年十月には、埼京線との相互乗り入れの本数も大幅に増便となっており、さらに交通利便性も向上しております。
 こうしたことが、臨海副都心の土地の実質的な価値を高めているものと認識をしております。

○小竹委員 他の商業地と比べて下がり方が低いというふうにおっしゃっておられるんですが、私は、そういう点でいうと決して甘くはないというふうに思っています。臨海高速の大崎延伸が実現しましたけれども、常時公募をしている六区画が売れ残っているという点でも、それから臨海全体で見た場合には四割もの土地がいまだに処分できないという未利用状態が続いています。
 私は、大崎延伸のために莫大な投資が行われて、臨海副都心を取り巻く地域環境の開発状況を全都的に見てみたんですけれども、相当、臨海を取り巻く地域が--どういうものが、どういうビルが建てられているかを図示したんですけれども、写真も含めて出したんですけれども、本当に今、臨海副都心を取り巻く地域の開発状況というのは、すさまじいものがあるというふうに思います。都市再生の名で次々と開発が行われて、百メートル以上の超高層のオフィスビルが臨海を取り巻いてつくられているのが、この図ですけれども、それこそ汐留が百メートル以上が九棟、虎ノ門が三棟、六本木が五棟など、これを合計すると五十棟以上に上るんですよね。
 オフィスビルの床面積も、延べ床面積は五百万平方メートル以上という、こういう状況にあります。都心にビルも経済も、そして人も集中させるような仕組みがつくられてきている。これが都市再生の実態だというふうな状況の中で、臨海副都心に進出する企業が本当に望めるんだろうかというのを率直に感じざるを得ません。
 この点でも、もうこれ以上の税金投入は私はやめるべきだというふうに考えています。この間、破綻した臨海会計を救済するために、埋め立て、そして羽田などの三会計統合による財政支援、そして臨海高速や「ゆりかもめ」の延伸など基盤整備で既に二兆円以上、税金が使われています。
 そして、さらに道路網の整備など、先ほどもお話がありましたけれども、基盤整備に一兆円以上の税金を使うという、さらなる税金投入が行われていく状況にあるというのは、やはりこのまま続けるわけにはいかないんじゃないか、これ以上都民負担をふやさないためにも、やはり都民参加で、行き詰まった臨海副都心の開発について抜本的な見直しを行うべきだということを主張して質問を終わります。
 以上です。

○こいそ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○こいそ委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時四十分散会

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