公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第三号

平成十六年十月二十五日(月曜日)
第一委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十名
委員長中屋 文孝君
副委員長真木  茂君
副委員長木内 良明君
谷村 孝彦君
吉野 利明君
執印真智子君
和田 宗春君
立石 晴康君
清原錬太郎君
渡辺 康信君

 欠席委員 一名

 出席説明員
港湾局局長成田  浩君
技監樋口 和行君
総務部長斉藤 一美君
団体調整担当部長岡田  至君
港湾経営部長片岡 貞行君
参事新田 洋平君
臨海開発部長鈴木 雅久君
参事尾田 俊雄君
参事松本 義憲君
港湾整備部長田中  亨君
計画調整担当部長滝野 義和君
離島港湾部長萩原 豊吉君
参事西塚 武彦君

本日の会議に付した事件
平成十五年度東京都公営企業各会計決算の認定について
港湾局関係
・平成十五年度東京都臨海地域開発事業会計決算(質疑)
・平成十五年度東京都港湾事業会計決算(質疑)

○中屋委員長 ただいまから平成十五年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、局長より紹介があります。

○成田港湾局長 去る十月十五日の当分科会を欠席いたしました幹部職員を紹介させていただきます。
 港湾局技監の樋口和行でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○中屋委員長 紹介は終わりました。

○中屋委員長 これより決算の審査を行います。
 平成十五年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成十五年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○斉藤総務部長 十月十五日開催の当分科会におきましてご要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成十五年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらん願います。
 ご要求のありました資料は、表紙の次のページの目次にございますように、九項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
 平成十年度から十五年度までの土地処分の実績を、面積と金額に分けてお示ししてございます。実績の内訳欄には、処分方法を記載してございます。
 詳細につきましては、ごらん願いたいと存じます。
 二ページをお開き願います。2、臨海副都心地域暫定利用の状況でございます。
 臨海副都心地域において暫定利用されております八区画につきまして、それぞれの敷地面積、事業者名、事業者決定日、施設概要及び開業時期をお示ししてございます。
 詳細につきましては、ごらん願いたいと存じます。
 三ページをお開き願います。3、臨海副都心における有償処分予定の現況一覧でございます。
 有償処分予定地につきまして、開発の確定した面積と今後の開発予定面積を分けてお示ししてございます。そのうち開発確定面積は、処分済み及び処分見込み面積を、開発予定面積では、暫定利用中、公募中、今後公募を予定及び土地区画整理中の面積をお示ししてございます。
 詳細につきましては、ごらん願いたいと存じます。
 四ページをお開き願います。4、有明北・豊洲埋立事業の進捗状況でございます。
 有明北地区及び豊洲地区防潮護岸部の埋立事業の進捗状況につきまして、事業費ベースで記載してございます。有明北地区につきましては平成十二年度以降、豊洲地区につきましては平成十一年度以降の決算累計額と進捗状況をお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 五ページをお開き願います。5、臨海関係第三セクターの経営状況でございます。
 臨海関係の第三セクターごとに、平成十一年度から十五年度までの営業損益、当期損益、累積損益の決算額をお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 六ページをお開き願います。6、臨海関係第三セクターに係る金融機関業態別融資残高でございます。
 臨海関係第三セクターごとに、平成十四年から十六年の三月末現在の融資残高を、金融機関業態別にお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 七ページをお開き願います。7、臨海関係第三セクタービルの入居率とそのうち都と第三セクターの占める割合でございます。
 臨海関係の第三セクターが所有してございますビルごとに、平成十六年九月末現在の入居率と、そのうち、都と第三セクターの占める割合をお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 八ページをお開き願います。8、臨海関係第三セクターの経営安定化策の実施状況でございます。
 上から、(1)、会社の内部努力、(2)、東京都の支援、(3)、金融機関の支援、(4)、収支見通しにつきまして、それぞれ経営安定化策の区分、内容及び実施状況をお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 九ページをお開き願います。「ゆりかもめ」輸送人員の実績でございます。
 臨海新交通「ゆりかもめ」の過去五年間の輸送人員の実績でございます。下段の注記にございますとおり、各年度の合計旅客人員を営業日数で割りまして、一日当たりの平均人員をお示ししてございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 以上をもちまして、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○中屋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○立石委員 臨海副都心の開発につきまして、何点かご質問をいたします。
 臨海副都心の開発も既に十数年が経過した今日、現在、二期目の最終段階に入り、先日のご説明で平成十五年度決算の報告を受けましたが、昨年度に引き続き経常利益を計上しており、また、さきの本会議でも、土地の活用も約八割に達していると聞いています。
 通常、まちづくりは、三十年、五十年もしくはそれ以上の百年の長期的なスパンで大東京の再生のために進めていくべきものだと私は考えておりますが、臨海副都心は十数年でここまで発展している姿を見て、これまでの臨海副都心の開発についてどう評価しておられますか、初めにご質問いたします。

○鈴木臨海開発部長 臨海副都心の開発も、平成元年に工事を着手しましてから既に十六年が経過しようとしております。
 臨海副都心は、業務、商業、住居、文化、レクリエーションなど、多様な機能を備えた理想的な都市の形成を目指しております。二期目の最終段階を迎え、都市基盤の整備もほぼ八割が終了いたしました。また、私立の中高一貫校、スタジオ、癌研究会有明病院等、多様な企業が進出してきており、有効に土地活用がなされております。
 こうした観点から、臨海副都心の開発は順調に進んできていると認識しております。

○立石委員 そこで、私も時々行ってみて、臨海副都心の開発は順調に進んでいるなという認識がありますし、また、海外から訪ねられる外国の要人などと話し合う機会があっても、どこへ行ったのと聞きますと、ディズニーランドだの、浅草だの、銀座だの、必ず臨海副都心を見学されているという話を聞いて、世界的にも大変な開発なんだなという認識をしているところでありますが、経済情勢も、長い不況が一応底を打ち、やや好転しているようには見えますけれども、企業の進出意欲も高まってきているとは思いますけれども、まだまだ先行きは不透明さを残していると思います。
 そうした状況を考えると、都内でもあちこちで大規模開発が進められており、過日も、都市計画の事前説明で新丸ビルの一七六〇%の容積の説明がありました。これらの大規模開発が進められようとしておりますが、企業にしてみれば、これまでのいわゆる都心や交通の利便性、銀座一つとりましても、地下鉄十三路線以上の利便性がある、そういうところから、必ずしも臨海副都心を選択する大きな理由とはならないと思います。
 今後も土地の処分を順調に進めていくことは、そういう意味においてもなかなか難しいことではないかと考えられます。残された土地について、どのように戦略的に企業誘致を図っていこうとしているのか、お尋ねをしたいと思います。

○松本参事 残された土地についての企業誘致の方策ということでございますが、おかげさまをもちまして、平成十五年度は、土地の売却につきましては順調に進み、約六百七十億円の収入を計上したところでございます。
 引き続き今年度も土地の引き合いがございまして、これらを成約に結びつけるべく、鋭意営業活動を進めているところでございます。
 ご指摘のとおり、都内におきましても、あちこちで大規模な都市開発が進められてはおりますが、他の開発地域にはない臨海副都心独特の水辺の景観のよさを初めとして、今後国際化されることになっている羽田空港あるいは霞ヶ関や大手町への近接性等の臨海副都心ならではの魅力を最大限に生かしまして、青海、有明等、地区の特性に合致するような企業をターゲットに据えまして、これまで以上に積極的に誘致に努め、引き続き、広域交通基盤、「ゆりかもめ」の延伸等、着実に整備を進めまして、魅力のある臨海副都心まちづくりを図ってまいりたい。そういったことで企業を積極的に誘致してまいりたいと考えております。

○立石委員 臨海地域には、既にでき上がった既成市街地にはない新しい東京のまちづくりのモデルになってもらいたいと、当初から私は考えておりました。
 例えば今、埋立事業が進捗中である有明北地区、ここは将来、住宅地としての利用が計画されており、引き合いもあることだとは思いますが、ただ単に既成市街地にマンションが林立するような形になっては、せっかくの臨海地域のモデルとしての東京再生のための意味はないな、こう思っております。
 特に、いろいろな資料を見てみると、家族のきずなとか、大きな家族に育つことの人間形成における--だれもがやがては年をとっていくわけでありますし、かつてはだれもが子どもであったと。年寄り笑うな行く道だ、子どもしかるな来た道だという有名な話がありますが、孤立したマンションの一室の中のいわゆる核家族化した形態よりも、こういう広々とした立派なところで、それこそモデルとなるべき三世代が同居できるような特徴ある住宅といいますか、そういうものを開発してもらいたいな、そんなことで、夢と魅力のあるまちづくりを進めてもらいたい、そんなふうに考えております。
 そこで、三セクの状況はどうなっているであろうか。
 三セクは、都を初め、金融機関の皆さんの協力、支援を得て、平成十年度より経営安定化策に基づいた経営改善に努められて、平成十四年度までの計画前半では予想以上の成果を上げてきたと考えておりますが、十五年度は、この経営安定化の折り返しであり、計画後半の一年目に当たるわけでありますけれども、十五年度の経営状況はどのようになっているか、お尋ねいたします。

○岡田団体調整担当部長 十五年度の経営状況でございますが、営業利益につきましては、東京テレポートセンター、臨海副都心建設、竹芝地域開発の三社すべてが黒字を計上してございまして、三社合計で三十三億円となってございます。
 当期利益は二十億円の赤字で、依然水面下ではございますが、竹芝地域開発につきましては、経営安定化策実施以降初めてでございますが、一億円の黒字を計上いたしました。
 なお、十五年度末の債務超過額は三百五十一億円でございます。

○立石委員 今、経営指標の数字の説明がありましたが、個々の数字に必ずしもとらわれることなく、全体の経営状況を判断することが大切ではないかと考えます。また、経営指標というのは、毎年それぞれアップダウンするものではありますが、いわゆる健康チェックではありませんけれども、毎日の体重のアップダウンで一喜一憂することのないように、長期的な意味での経営がよくなってきているのかどうかを論ずることではないかと思います。
 会社経営も同じで、どういう方向に持っていこうとしているのか、これまでの状況を踏まえて、十五年度の経営成績をどのように評価しているか、また、経営改善はどのように進めようとしているか、お伺いいたします。

○岡田団体調整担当部長 事業を継続するために必要な資金が確保されている状況を示します償却前利益につきましては、十年度より黒字を計上してございます。
 営業利益につきましても、十一年度から黒字に転換してございます。特に十三年度からは、三社とも営業黒字を連続して計上してまいりました。
 当期利益でございますが、経営安定化策実施前の平成九年度と比較いたしますと、百三十億円近い改善が図られてございます。
 全体としての営業成績を評価いたしますと、経営改善は着実に進んでいると考えてございます。

○立石委員 債務超過があるということはもちろん好ましいことではありませんが、ロングスパンといいますか、長期タームで考えた場合でも、今般の突然の平成十六年新潟県中越地震におけるように、ある日突然、天変地異といいますか、そういった状況が起こるわけでありまして、運も災難もいろんなことがあるわけでありますけれども、そういう意味からでも、長いスパンで考えることは非常に大事だと思います。
 本業の収益力を示す営業利益がもちろん黒字基調であることなど、経営が改善しているとは考えられますが、この経営改善の進展は、会社自身の内部努力はもちろんいうまでもありませんが、経営安定化策に基づく支援が有効に機能してきているものだともいえます。
 しかし、不安材料もありまして、臨海三セクにとっては、ビル事業収入をいかに確保していくかが今後の経営改善のポイントであると思われます。二〇〇三年問題や、その先の一〇年問題など、ビル事業経営を取り巻く環境は大変厳しい状況にあると思います。
 実際の事例を紹介すると、超高層のあけぼのといわれております霞が関ビルが、四十年ぐらい前でしょうか、でき上がったと思いますが、近年、IT化に伴ってリニューアルされたと聞いております。それで、当時、超高層のあけぼのを初めてつくった技術屋の方々が集まって、何か同窓会をしているようでありますが、その中の一人に私の友人がおりまして、彼がふと漏らしたことは、ちょっと興味あることだなと思って聞いておりましたが、リニューアルをした霞が関ビルも、当初の建設費以上の費用がこのリニューアルにかかった、それで家賃は、今現在つくった新築のビルよりも安く設定しなければ、テナント獲得がなかなか難しい、そんなような話を聞いたことがありますが、事ほどさように不動産業界というのは非常に厳しい状況にあると思います。
 また、テレコムセンターにおいて大型退去があるとも聞いておりますけれども、このような経営環境の激変がビル事業にも影響を及ぼすのではないか--当然及ぼすわけでありますけれども、どう考えておられるか、当局の見解をお尋ねいたします。

○岡田団体調整担当部長 まず、二〇〇三年問題の影響でございますが、一時期、竹芝地区を中心にテナントの退去がありました。その後、新たな入居が続き、入居率につきましては現在九〇%と、前年度と同水準を維持してございます。今後とも、テナントの退去があった際には、後継テナントの獲得を目指して、会社を挙げた営業活動を展開していくと聞いてございます。
 一方、賃料についてでございますが、オフィスの大量供給のある状況では、テナントの賃料引き下げの圧力がありまして、ビル事業収入の伸びが鈍化し、前年度水準に及びませんでした。
 なお、今年度に入ってからでございますが、新築ビルの供給過剰という二〇〇三年問題も鎮静化してきていると考えてございます。空室率の改善や平均賃料の回復傾向といった風に乗って、今後も入居率が確保できれば、引き続き経営改善が進んでいくものと認識してございます。

○立石委員 二〇〇三年問題も、事前に大騒ぎされたほどではなかったなというような認識を私も持っております。しかしこれは、いうと長くなりますけれども、その影響は別な意味ではかなり起こっているということをいっておきたいなと思います。
 それはそれとして、大型ビル同士の傾向においては落ち着いてきたということはできるだろうと思います。したがって、今後も入居率のアップに努力していただきたい。
 注文しておきますことが一つありまして、私がいうのは僣越ですけれども、不動産業界ではテナントが入退去するのは当たり前のことで、むしろ、お客様のニーズ、時代をとらえて、ビル自体が活性化するようなテナントを積極的に誘致していくことが重要であると思います。丸ビルも、また旧東急デパートなどのコレドも、それぞれの工夫をされて繁盛しているようでありますけれども、民間の発想、感覚で積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 聞きますと、臨海三セクの営業部門には民間からの派遣社員が配置されているということなので、以上は杞憂であるとは思いますけれども、念のためいっておきたいと思います。
 これまでのやりとりで、経営改善が進んできたこと、ビル事業収入ができれば営業黒字の基調が続くことが確認できました。あわせて経営安定化策の効果があったことが理解され、経営目標の達成について、今後、この経営安定化策に示された目標達成についてどのように考えておられるか、お聞きしておきたいと思います。

○岡田団体調整担当部長 平成十年度に作成いたしました経営安定化策におきましては、償却前黒字の達成が平成十年度、単年度黒字達成が平成二十三年度、累積損失解消が平成四十八年度となってございます。
 償却前黒字につきましては、計画どおり十年度に達成しておりまして、次の目標でございます二十三年度の単年度黒字につきましては、営業利益など、予想を上回るペースで改善が進んでおります。引き続き、収入の確保や経費削減などを進めることで達成できるものと考えてございます。

○立石委員 事業経営において、これさえやればすべていくというマニュアルというものはないと思います。着実に一つ一つの目標を定めて、それをクリアしていく以外にはないと思います。経営改善へとつなげていくことがもちろん大切なことでありますし、都としても、その意味でさらに指導監督に努めてもらいたいと思います。
 臨海会計の状況、三セクの状況と聞いてきましたが、ここで臨海開発に対する私の考えを述べておきたいと思います。
 一体、あの当時、埋め立てをする、都市基盤をつくる、処分をする、いいまちをつくる、東京の共同溝を初めとする都市基盤の整備、理想のあるべき姿を求めてつくられたわけでありますけれども、もちろん、十年、二十年の世界ではなく、三十年、五十年、時には百年かかる。百年なんというのは本当にあっという間だと思うんですね、顧みれば。
 ですから、そういう意味で、手前みそになるかもしれませんが、日本橋でも、日本橋の百年の計画を練って、民間のまちの皆さんからいろいろな提案をいただいて既に五年たちましたけれども、始まったと思ったら既に五年たっているわけで、常に既成市街地でのまちづくりの難しさを感じつつも、理想に燃えながら今、まちの若い人たちから、OLの皆さんや勤められる方、また住まわれる方、ご商売の方々、訪ねられる方にとってすばらしいまちづくりを模索しながらやっているわけでありますけれども、そういうときに、やはり既成市街地という非常に限られた中で、どこのまちでもそうでしょうけれども、難しさがあるわけであります。
 そういう意味で、きょうの東京を--知事は時々、都市計画のことをおっしゃられますけれども、それは一つの時代の、それぞれの時代にそれぞれの、やっぱり努力をして積み上げてきたものであるという評価もできなくはないと私は思っておりますし、東京の今日をつくった先人たちが、百年の計をそれぞれにつくられたことだと思います。後藤新平さんの話がよく出ますけれども、昭和通り一つとりましても、大変な時間がかかることだと思います。
 今、臨海副都心、臨海開発は、未来のまちをつくるということで、非常に大切な今を--かつて鈴木知事時代に、世界都市会議でございましたか、知事が有名な言葉を引用されました。マーガレット・ミード女史の、未来はただ、今である、今こそ百年後の未来をつくる大切なときなんだというような趣旨の都市会議を開かれたことを今、思い起こしておりますけれども、そういう意味において、局長の今後の取り組みへの決意というか、意気込みというか、お聞かせいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

○成田港湾局長 臨海副都心の開発に着手して既に十数年が過ぎたところでございます。都市基盤の整備も八割を終え、土地の活用も八割に達しているところでございます。こうした状況を踏まえますと、臨海副都心は、まちとしては大きく成長したと認識しているところでございます。
 しかしながら、起債の大量償還が間近に迫っていることや、また、臨海三セクにつきましても依然厳しい経営環境にございますし、引き続き経営安定化策を着実に実施しなければならないこと等、解決しなければならない課題が目の前に山積しているのも事実でございます。
 とはいえ、臨海副都心は、人間に例えれば、希望にあふれる青年期に当たるかと思います。これからますます成長する年代でございます。
 先生ご指摘のとおり、百年の計、東京市長の後藤新平は、震災復興の中で、お話の昭和通りであるとか、あるいはさまざまな都市計画公園を整備しまして、今日の東京の都市骨格を築いたところでございます。後藤新平市長は、百年の計の思いでそういうものに取り組んだわけでございますが、こうした長い視点で臨海副都心を育てるとともに、「艱難、なんじを玉にす」のことわざのように、さまざまの新しい課題に対しまして、青年の気持ちで果敢にチャレンジして、次代に引き継ぐ夢のあるまちづくりに精力的に取り組んでまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○真木委員 真木でございます。
 臨海地域開発事業会計を拝見しておりますと、「ゆりかもめ」に対する開発者負担という言葉が出てまいりました。私がこの「ゆりかもめ」の開発者負担という言葉を初めて勉強させていただきましたのが、昨年の財務局が発表しております平成十五年度版の機能するバランスシートの2だったような気がいたしますが、この中で、二つの新交通システム、「ゆりかもめ」と多摩モノレールを比較して、バランスシートでやっておりました。
 それを見ますと、普通、新交通システムは上下分離方式で、上物だけ新会社が負担をしなさい、下は公共財だよということでございました。これをバランスシートで、本当に税金の投入からしていかがなのかということで、上下一体にしてバランスシートで比較をしたのが財務局の試みでありました。
 その中で、「ゆりかもめ」と多摩モノレールを比較した場合、開発者負担があるから非常に「ゆりかもめ」の方が優秀な会社だというような、このいい方は非常に誤解に満ちたというか、間違ったいい方でありますけれども、私などの浅い理解では、そのように読み取れるようなバランスシートの発表がありました。
 これは、バランスシートはバランスシートで一定の物すごい工夫をされて、東京都の税金の投入という観点からは、非常にためになる、いい視点での取り組みをされておりましたけれども、じゃ、二社の比較といったときには必ずしもそれが当てはまるものではないということも、ついこの間、港湾局の方から勉強させていただいたところでございます。
 いずれにいたしましても、この開発者負担があるから、「ゆりかもめ」はバランスシートにしても非常に優秀な会社になって、一方、多摩モノレールの方はこの開発者負担というのがない。開発者負担というのは一体何なのか。三十四億円という大きな額でありますけれども、なぜ支払わなければならないのかなというぐあいに思うわけでありますけれども、どういった考えに基づくものなのか、どうして負担をしなければならないのか、ご説明を願います。

○鈴木臨海開発部長 開発者負担についてのお尋ねでございますが、開発者負担とは、もともとの地権者でございます開発者が、広域交通基盤の整備に要した経費について、土地の価値の増加に応じて負担するという考え方でございます。
 臨海副都心においては、環状二号線、晴海通り延伸、「ゆりかもめ」等の広域交通基盤が整備されれば、交通利便性が向上いたしまして、周辺の土地の価値が増加をいたします。都は、臨海地域開発事業会計を設置いたしまして臨海副都心の開発を進めているため、開発者として、広域交通基盤の整備に要した経費について応分の負担をするものでございます。

○真木委員 最初見たときにはよくわからなかったのですが、私なりに理解をすれば、「ゆりかもめ」を通すことによって土地の価値が上がるんだから、だからその分を「ゆりかもめ」の建設費も負担しなさいよというようなことだと思います。なるほどな、そういう考え方が成り立つんだなということを勉強させていただきました。
 しかしながら、今のこの十五年度決算におきましても、三十四億円もの巨額な負担をされております。その上で、この「ゆりかもめ」は、新橋から有明までは既に開通をし、供用をもう既に開始をしております。一方、現在、有明から豊洲まで延伸の工事を行っております。
 問題は、この三十四億円がどちらにかかるものなのか。両方にかかるものなのか、それとも昔の分なのか、今工事しているものなのか、その辺の確認をしたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 新橋から有明までの既に開業している部分の開発者負担の総額は、約九百億円でございます。
 平成十五年度の開発者負担額三十四億円は、有明から豊洲までの延伸部の当該年度の工事に要した経費の二分の一を負担するものであり、新橋から有明までの工事に要した経費に充当するものではございません。

○真木委員 既に供用を開始している部分については九百億円払った。大変なお金でございますけれども、払ったと。それで、もうこれ以上払うことはない。それで、現在の三十四億円は、今工事しているものだというぐあいに理解をいたしました。
 そういたしますと、この新しい工事中のものの開発者負担、これは、十七年度に工事が終わるというぐあいに聞いておりますけれども、十七年度で終わるのか、今後の負担額はどのぐらいになるのか、これを確認いたします。

○鈴木臨海開発部長 開発者負担の額は、工事に要した経費が確定された後に算定をされる仕組みになっております。したがいまして、今後の事業費につきましては、現在、未確定であるため、開発者負担額も現時点では算定ができません。
 平成十七年度に「ゆりかもめ」が豊洲まで延伸予定でございますので、その工事が終了した段階で、当然、開発者負担は終了いたします。

○真木委員 多摩モノレールと「ゆりかもめ」を比べたときに、開発者負担があるから「ゆりかもめ」は有利だというお話を最初、勉強させていただいて、その上できょうの三十四億円を見させていただくと、これはずっと延々と続いていくのかなということで一瞬不安になったところでございますが、十七年度をめどに終わるということで、安心をいたしました。
 ただ、建設局が算定をするということでございますので、今後とも引き続き、厳しく建設局ともやり合って、無駄な拠出が--無駄というのは語弊がありますけれども、港湾局としての支出をなるべく抑えられるように努力をいただきたいというぐあいに思います。
 その上でもう一つ、副都心開発につきまして、ヒートアイランド、風の道の観点からお尋ねをさせていただきたいと思います。
 民主党は、第三回定例会におきましても、風の道、ヒートアイランド対策についてお尋ねをいたしました。風の道といえばいつも都市計画局、今は都市整備局、また、この前の三定では、環境局にあえて民主党としては質問しているようでございますが、その両方が民間にお願いする立場でお話をされております。
 また知事も、八月十三日の記者会見の中で、風の道なんてことを今ごろいい出してもおそいんですね、海風というものが東京に流れ込んでくる、そんなことを全然念頭なしにビルを乱立させてきた、これはだれの責任かといやあ、それはみんなの責任であってね、と石原節が出ております。
 しかしながら、東京都にはまちづくりを自分でできるところがあるわけでございまして、それはいうまでもなく臨海副都心であります。この臨海副都心につきまして、民間にお願いするとかいうことではなく、東京都みずからがまちづくりできるこの臨海副都心において、風の道についてどのように検討されてきたか、お尋ねをいたします。

○尾田参事 臨海副都心の計画は、当初より、既成市街地と比較しまして道路幅員や区画面積に余裕がありまして、風の道の確保を図りやすい構造となっております。
 また、平成十年策定の臨海副都心まちづくりガイドラインでは、省エネルギー対策として、敷地の日照、風などの自然条件を生かした建築物の配置、平面計画等を工夫するということを明確に位置づけ、さらに、平成十三年度策定の東京ベイエリア21では、臨海地域の都市開発に対して、建物や緑の計画的な配置等により海からの風の道を確保することにより、内陸部のヒートアイランド現象の緩和に寄与していくということになっております。
 臨海副都心の開発に当たっては、これらの指針に基づき、建物の壁面線の後退等により、道路空間と一体となった風の道を確保するなど、進出企業者に対して適切な開発指導を行っております。

○真木委員 今までの臨海副都心のまちづくりの中においては十分に考慮してきたよということだと思います。
 しかしながら、一方で--一方でということはないです、これは臨海副都心だけの責任じゃ全くありませんけれども、ヒートアイランド現象は激化しております。ことしの夏などは、もう本当に、このままで東京は人が住めるまちであり続けられるのかどうか、非常に疑問を呈せざるを得ないような現象が続いております。
 さらにこれから、臨海副都心の中でも、有明北地区等では開発が進むわけであります。一層のヒートアイランド対策、風の道対策というものは必要だと思いますけれども、今後の展望についてお尋ねをいたします。

○尾田参事 有明北地区を初めとして、今後開発が進められていきます地域においても同様に、余裕のある道路幅員や区画面積、壁面線の後退などにより風の道を確保するとともに、建築物の敷地内においては、空地部分の緑地面積の確保や屋上部分の緑化などに努めまして、進出企業を適切に指導し、ヒートアイランド対策に十分配慮してまいりたいと思っております。

○真木委員 この審議は、臨海副都心の会計についてでございます。臨海副都心について、今、二つほどお尋ねをしたわけでありますけれども、しかしながら、港湾局の守備範囲の中で、臨海副都心というのは本当に一部でございます。これを提示すると、パネルの展示ということをいわれちゃうといけませんのであれでございますが、本当に一部だけでございまして、港湾局の管轄はずっと広いわけであります。
 これからもまだまだ豊洲--これからもということはありませんが、豊洲はまだこれからも東京都が主体となって開発をいたします。朝潮、芝浦、品川、大井、日の出といったようなふ頭部分、これも大分民地が少ないだとか、ふ頭として使うんだということで、高層ビルが建つ可能性は、一般としては低いんだとは思いますけれども、しかしながら、この地域一帯に港湾局が責任を持つわけであります。
 この辺の道路は、普通の道路法が適用される道路ではなくて、臨港道路だ、全く別の法律が適用される、普通の道路ではないというような特殊事情があるぐらいの土地でございます。湾岸道路から臨海部を見ていますと、本当にこれは風の道は大切だな、東京盆地になっているなということを痛感いたします。
 民間にお願いをしなきゃいけない都市整備局ですとか環境局とは違って、みずから事業を行うことができる港湾局の中において、ヒートアイランド現象をみずからのこととして、ぜひ取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。

○木内委員 臨海地域開発事業会計の平成十五年度決算がさきに報告をされました。
 臨海副都心の開発に着手してから既に約十六年が経過をしておりまして、先日私は、有明の丘の駅前の、例の癌研の開業予定地に足を運びまして、立派にそびえるあの病院の骨組みを見上げながら、感慨をさらに深くしたようなことでございまして、既に八割にも達する土地の有効利用の割合がうなずけるかのように、臨海副都心には、本当にふさわしい進出企業、バリエーションに富んださまざまな事業分野の企業が進出をしてきている、また、学校も私立学校がここに出てくる、あるいはまた今申し上げた病院も、これはもうまさに都民生活に密接不可分な保健あるいは医療に結びつく重要な機能として、今、高いレーゾンデートルを示しつつある。
 特に私は、この癌研の総合病院の誘致につきましては、当初、港湾局が防災拠点の機能の一部として極めて部分的な医療施設を想定しておられたということを聞き及んで、東部医療圏における人口当たりの病院、総合医療施設が少ないということで、この誘致を強く本議会の本会議で訴えたところであります。
 この提案を反映して、港湾局は、この総合病院の誘致を積極的に進められた。このおかげで、江戸川、葛飾、墨田あるいは江東区といった東部医療ゾーンには今大きな朗報となっているわけでございまして、いよいよ来年の春にはこの癌研の有明病院が、ベッド数七百、ドクターを含めて千人以上のスタッフを擁する極めて大きな医療拠点として開業することになっていることなどもあるわけでございます。
 また、私は、さまざまな機会をとらえて、知事がいわれる治安こそ最大の都民福祉であるという点に共感を強く覚えながら、警察署、この新設というものも訴えてきたところでございます。
 警察の新設というのはなかなか難しい課題がございまして、四、五年前ですか、竹の塚警察ができましたのが東京では百一番目でありまして、四、五年のインターバルを置いて、いよいよ今度はこの臨海副都心に、青海でありますけれども、仮称臨港警察、これがまた私どもの主張を反映することもあり、今、準備が進められている。大きく都民生活に寄与する機能というものを、この臨海副都心というものが擁するようになってきている。
 十六年、先ほど港湾局長から真剣な、また精力的な決意の披瀝がありましたけれども、さまざまな困難を克服して今日の臨海副都心のまちづくりに努力をしてこられたことに、まず敬意を表したいと思うわけであります。
 それからもう一つは、今、同僚議員からも話がありましたけれども、この十五年度の決算を行う上で忘れてならないのは、議論というものは、この四百四十二ヘクタールの臨海副都心に局地的な限定を行うだけでなく、実はこの臨海地域というものの存在も忘れてはならないわけでありまして、豊洲、晴海あるいは品川、大田等にまたがる広域的な臨海地域の開発との相乗効果の中で、都民の大きな財産として、あるいは都民生活の向上に寄与する資産として、あるいは東京の経済の活性化に資する大きな拠点として、そうしたパワーというものが、ここから新しい時代にどんどん実は発信をされるんだ、こういう位置づけが大事なのではないか、こういうふうに思うわけであります。
 さて、決算の方に戻るわけでありますけれども、地区的にはまだ企業の誘致をさらに進めなければならないところもありますけれども、例えば台場地区なんかでは、ほぼまちづくりが終了しておりまして、まち全体としては着実に開発が進められていると私は認識をしているわけであります。
 これは概括的なお尋ねでありますけれども、行政の事業というのは、計画があって、実施があって、これをさらに検証するというプラン・ドゥー・シーの姿勢というものが常に重要であると思うわけであります。
 そこでまず、今回の決算について基本的なことを伺うわけでありますけれども、臨海地域開発事業会計における営業収入は幾らになるのか、また、予算額は幾らだったのか、そのうち臨海副都心の開発に係る部分は幾らになるのか、その数字を明らかにされたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 平成十五年度決算におきます営業収入は約九百四十億円でございまして、予算額は約五百二十億円でございます。収入率といたしましては約一八〇%でございます。
 このうち、臨海副都心の開発に係るものは、収入約七百五十八億円、予算額は約二百六十九億円でございます。収入率としては約二八二%となっております。

○木内委員 そこで、この臨海副都心の開発は、用地の処分収入をもって収支の均衡を図るということが大前提になっているわけでありますけれども、特にこの十五年度の決算に限定してお尋ねをしますけれども、このうち、土地の処分収入はどうだったのか。また、この数字における予算との比較の内容を明らかにされたいと思います。

○鈴木臨海開発部長 土地の処分収入についてのお尋ねでございますが、臨海副都心の土地の処分に係る収入としては約六百七十一億円でございまして、平成十四年度の約二百四十三億円を大幅に上回る収入でございます。
 また、予算額は約百六十八億円でございまして、前倒しで土地の処分を進めることができたと認識しております。

○木内委員 内容ですけれども、あわせて何点かについてお尋ねを一緒にしてしまいます。
 売却件数が何件なのか、また、主な進出企業としてはどういったところがあるのか、具体的にお示しをいただくと同時に、これまで社会経済状況が閉塞感の中にあって、それを反映して、企業の臨海副都心への進出意欲がややもすれば低いものにならざるを得なかったという社会状況があったと思うんですね。
 そうした状況を考えると、平成十五年度に土地処分が順調に進んだということは、私は大変な実は成果だと思うわけでありまして、私自身の認識を申し上げれば、この臨海副都心開発は、こうした土地の処分等を勘案いたしましても、着実に推進されてきている、こう思うわけでありますけれども、以上二点について端的にお答えください。

○松本参事 ただいまの二点のお尋ねに対してお答えしたいと思います。
 まず最初の具体的な売却件数でございますが、平成十五年度における臨海副都心の売却件数は、全部で八件ございました。
 その進出企業でございますが、具体的には、まず台場地区に分譲マンション販売のオリックス・リアルエステート株式会社、それから青海地区に、IT・バイオの融合研究施設を建設いたします、これは独立行政法人でございますが、産業技術総合研究所、それから有明地区でございますが、会員制ホテル事業を運営いたしますリゾートトラスト株式会社、それから、国際ビジネス拠点、流通ビジネス情報発信基地の創造を行う株式会社テーオーシーなどでございます。
 また、有明北地区では、中高一貫教育を行う学校法人嘉悦学園が進出することになってございます。
 さらに、二問目でございますが、現在まで暫定利用等を含めました土地活用の割合は、何度も申し上げておりますが、もう八割にも達しております。
 臨海副都心におきましては、都市の開発状況、それからインフラ整備状況に合わせて段階的に開発を進めておりまして、処分が可能となりました区画については、すべて公募の対象にしておるわけでございます。
 また、当面、処分予定のない土地につきましても、暫定利用等によって有効活用を図るとともに、まちのにぎわい創出ということで、臨海副都心の発展に貢献しておるところでございます。
 その結果が、いわゆる土地の有効活用率が八割ということでございますが、まだまだこれからも企業進出を図らなければならない地区があることはご指摘のとおりでございますが、全体としては、着実にまちづくりは進んでおるというふうに考えております。

○木内委員 着実にまちづくりが進んでいるという答弁、私も、認識を全く一にするものであります。
 例えば、このまちの魅力を証明する数字としてよく来訪者の問題が議論されるんですけれども、年間延べで四千万人を超えているということは既に公になっているところでありますけれども、この数字なんかは、都民を初めとして、広く全国の皆さんにここ臨海副都心が認知をされ、その意識、認識の中で大きな分野を実は占めているということの証左ではないかと思うんですね。
 この臨海副都心の開発を進めてきた都として、この来訪者四千万人を超えているという歴年の数字、これをどう評価されるか、改めて確認したいと思います。

○松本参事 臨海副都心の来訪者数でございますが、昨年は四千百八十万人ということで、過去最高を記録いたしました。これは、進出企業等の増加によるビジネスマンの往来、それから、りんかい線全線開業によります、新宿等都心とのアクセスの飛躍的な向上、それから大江戸温泉物語等の集客施設、にぎわいを創出するためのイベント等の効果、そういったさまざまな、こういってはおこがましいですが、我々の努力が実ったものだというふうに考えております。
 「ゆりかもめ」の豊洲延伸といったことが今後ありまして、交通基盤の整備がさらに進むわけでございます。都心とのアクセスがさらに向上いたしまして、来訪者は今後とも着実に増加すると考えられますが、実は、ことしに入ってから、その来訪者の増加率といいますか、増加の勢いが若干鈍っているといいますか、とまっているというようなことがございます。
 こうしたことを受けまして、四千百八十万人という、このいわば過去最高の来訪者の記録に甘んじることなく、気を引き締めて、これからも一層の努力をして、できるだけ多くの方々に来ていただけるようなまちを目指して頑張ってまいりたいというふうに思っております。

○木内委員 四千万人を超える年間の来訪者に関する評価について極めて客観的な答弁をいただいた中で、おこがましいけれども我々の努力が実ったという--おこがましくないのでありまして、まさに港湾局の皆さんを中心にして、都が懸命な努力をされた結果であると思いますので、ぜひこれは、遠慮なさらないで、いろんなところで喧伝されていいと思うんですが、あわせて、私もその一員をもって任じているわけでありますけれども、議会における応援団の一人でありますので、これはもうぜひ、その点にも触れていただくとなおよかったかな、こんなふうに思うわけであります。
 だから、さっき申し上げたように、癌研の有明病院あるいは仮称臨港警察署の開設に向けて私も提案をさせていただいているわけでありまして、その着実で積極的な推進方も、あわせて強く要望をしたいところであります。
 都はことしの二月、臨海副都心への来訪者、これをさらに呼び込むために、臨海地区観光まちづくり基本構想をまとめておられますけれども、これを具体的にどう活用して、今後、さまざまな事業に向けてどう取り組んでいくのか、具体的な方針を明らかにされたいと思います。

○松本参事 失礼いたしました。先生のお言葉に甘えまして、これから、我々の努力とそれから議会の皆様のご支援につきまして、あちこちで喧伝させていただきたいと思います。
 それで、済みません、質問の件でございますが、観光まちづくり基本構想についてでございます。この基本構想は、臨海副都心が常ににぎわいのある活力に満ちたまちとして発展していくために、今度は観光という新たな視点からまちづくりを進めていくための基本指針として位置づけられております。
 この構想では、官民の協力によりまして、具体的に八十五件の方策が掲げられております。平成十六年度には、この具体策のうち、ビーチバレーの通年実施とかデジタルアートフェスティバルの本格実施、それから桜並木づくりなどを既に実施しているところでございます。
 このように、提言の中で実施可能なものはもう直ちに実施するとともに、時間を要するものにつきましても、中長期の課題として着実に推進して、計画的な来訪者の増加を図ることによりまして、臨海副都心のにぎわいを引き続き創出していくということで頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。

○木内委員 観光まちづくり基本構想について、内容を随分と明らかにしていただいたし、できる事業については、当面、すぐにでも着手をされるということでありますので、ぜひ強くこれも要望しておきたいと思います。
 いずれにいたしましても、さまざまな新たな構想が打ち出されて、まさに都民に憩いと安らぎと、そして活力を与える臨海副都心、臨海地域ということになってきているわけでありまして、いわばこの開発コンセプトに沿ったまちづくりを着実に進めるためにも、戦略的、戦術的にも緻密にそのプランを積み上げて、誘致活動等も積極的に行っていただきたいことを求めておきたいと思います。
 ところで今回、土地の処分が進んで、さまざまな業種、業態の企業が進出をしてまいりました。それに伴って、売却による収入が大幅に増加したことになるわけでありますけれども、こうしたことが臨海副都心の開発へ与える効果として、どのようなものが考えられるのか。
 例えば、私としては、これまでユニットを限定して、それぞれ局部的、局地的に誘致した企業の特性というものが、複数以上のいわば多様な形態の企業がこの一地域に集積することによって、さまざまな相乗効果というものも期待できるのではないか、こうも観測するわけですけれども、いかがでしょうか。

○鈴木臨海開発部長 さまざまな企業の進出によりまして、臨海副都心のコンセプトに沿った複合的なまちづくりが着実に進展するものと考えております。また、企業等の集積による交流の活発化、にぎわいの創出による来訪者の増加等によりまして、臨海副都心の持つ、人々を引きつける魅力ある空間という地域ブランドの確立が図られ、その結果、先生ご指摘のように、臨海副都心の集客力を背景に、新規企業誘致の好転等、開発の相乗効果があらわれると考えております。
 加えて、売却収入増加によりまして、短期的な収支の改善も図られます。

○木内委員 こうした企業が臨海副都心に進出してくることによりまして、概括的に申し上げれば、職、住、学、遊の機能がさらに充実、向上することになるだろうと思います。こうしたことが、都民や来訪者に喜ばれるまちへの発展に大きく結果的に貢献することになる、こう思うものでもあります。
 さらには、臨海副都心開発の順調な推進というものが、東京全体の再生や活性化にも大きく寄与するものと思うんですね。たしか平成十三年だったと思いますけれども、臨海副都心開発に伴う経済波及効果分析調査報告というものが出ていると思うんですけれども、これが直近のものであろうかと思われますが、まず、各分野における波及効果についてご報告をいただければと思います。

○鈴木臨海開発部長 さまざまな企業等の進出を図ることによりまして、まちの魅力が一層高められ、さらにさまざまな機能が集積することと考えております。結果として、経済波及効果、雇用創出効果、税収の増収効果などが期待できるものと考えております。
 少し前の数字になりますが、委員ご指摘の平成十三年十二月の臨海副都心開発に伴う経済波及効果分析調査報告書によりますと、臨海副都心の開発がほぼ終了する平成二十七年度までに、生産誘発効果は約十四兆八千億円、雇用の創出効果は約六十五万人、都税の増収効果は約八千億円、国税を含めた税収効果は開発の総事業費を上回る約二兆九千億円となり、まさに東京の再生に大きく貢献するものと考えております。

○木内委員 経済波及効果、雇用創出効果、税収の増収効果などは、今後の臨海副都心の開発を占う上でも極めて重要な指標だと思いますし、常にこうした指標は最新の数値を把握し、データの分析を行いながら進めていかれるよう要望をしたいと思います。これは要望にとどめます、答弁は結構であります。重く受けとめていただければと思います。
 以上、いろいろお尋ねをしてまいりました。質疑で明らかになってまいりましたように、臨海副都心は、まだ課題はあるとはいうものの、私の認識としては、ほぼ順調に開発が進められているものと思うわけであります。
 先ほども、成田局長、恐らくは万感の思いを込めての答弁だったと思いますが、エモーショナルな言葉を駆使されながらいっておられまして、勇将のもとに弱卒なし、そういう言葉もありますけれども、港湾局は今まさに重要な時期にかかっておりまして、成田局長を先頭に、チームワーク豊かに団結して、さらに事業の充実、実施に頑張っていただきたいと思うんですが、最後に、局長のご決意を伺いたいと思います。

○成田港湾局長 臨海副都心の開発が始まりまして十数年になりますが、その開発の目的といいますか、その目指すものは、業務、商業、居住、文化、レクリエーションなど、多様な機能を備えた理想的な都市の形成でございます。まさに今回進出いただきました企業は、こうした目的の達成に大きく貢献していただける企業ばかりであり、我々といたしましても、これによって魅力あるまちづくりを大きく進めることができると確信してございます。
 もちろん、来訪者数の横ばい傾向や、今後、大量の起債の償還期が間近に迫っていること等、適切な対応を誤りますと、これまでの長年の努力が水泡に帰すような重要な課題があることも事実でございます。その意味で、これまで以上に気を引き締めなければと自戒しているところでございます。
 私は政府の都市再生本部に二年ほどおりましたが、都市再生本部で、全国また東京全体を見ておりまして、この臨海副都心の開発の成功が東京の持てる力を最大限に引き出し、東京の再生に大きく寄与することは明白でございます。臨海副都心開発の初心を忘れることなく、引き続き先頭に立ちまして、港湾局が一丸となり、また、関係局の協力も得ながら、臨海副都心の開発を着実に進めていきたいと考えております。
 議会の皆様の一層のご支援をお願いしたいと存じます。よろしくお願いします。

○渡辺委員 私は、臨海の問題で、土地の売却問題、それから三セクの問題について幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、臨海副都心の土地処分についてですが、これはどのようになっているか、まずお伺いをいたします。

○松本参事 臨海副都心の土地処分についてでございますが、提出した資料の確認かと思いますが、臨海副都心におけます有償処分面積でございますが、百三十九ヘクタールでございます。そのうち、処分済みが七十六ヘクタール、事業者決定済み、これは資料の中で処分予定となっておるところですが、十ヘクタールございます。それから、暫定利用中が十五ヘクタール、現時点での土地活用面積は合計百一ヘクタールとなりまして、本格開発を今後に控えている有明北地区の十六ヘクタールを除きますと、土地の有効活用率は約八〇%ということになります。
 処分状況につきましては以上でございます。

○渡辺委員 前にいただいた資料とちょっと違うものですから、改めて確認をさせてもらったんですけれども、私の方でいうと、現状を見ると、有償売却面積、百三十九ヘクタールありますね、開発確定面積が八十五ヘクタール、これは約六割だというふうに私は思っております。これは前の資料でいただいたものです。これはもう、処分済みと処分見込みが入ります。また、開発予定面積五十四ヘクタールということで、これは残されたところですが、約四割というふうにいえると思うんですね。ただ、今の経済状況を考えたときに、この土地処分というのはなかなか思うように進まないといえるのではないかなというふうに思います。
 先ほどから出ておりますけれども、臨海が始まって十六年といわれますけれども、その中でこういう状況なわけですよね。しかも、バブルそのものの中でいわゆる売却そのものを進めてきたということからいっても、余り進んでいないんじゃないかという感じはいたします。
 それに加えて、最近のこの都心の超高層オフィスビルあるいはまた住宅、こういうもの、いわゆる業務・商業等の建築物がどんどん建てられていると。臨海は、交通の便もよくなったというけれども、やはり都心には勝てないというふうに私は思っています。だから、土地そのものの売却ということにもなかなか結びつかないということがいえるのではないかというふうに思います。
 これまでいろいろ港湾局の皆さんが努力するということで、企業回りなんかもやってこられまして、二千の企業を回ったとかということで、声かけもやってきた、引き合いもいろいろと話があったようですけれども、実績としては、直接結びつくというのはなかなか難しいというような現状もあった。
 こういう中で、臨海における業務・商業系の土地処分ということで、やはりなかなかうまくいかないんじゃないかというふうに私は理解するんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。

○松本参事 ちょっとお答えする前に、先ほどの答弁の中で、数字をちょっと私、間違えましたので、訂正させてください。
 ご提出申し上げておる臨海副都心における有償処分予定の現況一覧の中のとおりでございます。処分済みというのが七十六というふうに申し上げましたが、七十四でございます。それから、事業者決定済み、これが処分見込みでございますが、十ヘクタールではなく、十一ヘクタールということで、ちょっと数字の訂正をさせていただきたいと思います。
 それで、業務・商業系の土地処分が円滑に進むのかどうかということについての考え方でございますが、私どもといたしましては、オフィス機能が集積しております都心の大型物件と比較して、臨海副都心というのは、水と緑といった自然に恵まれ、かつオフィスビルのみならず、大型商業施設、展示施設、研究交流施設等が複合的に既に立地しておるまちでございます。
 りんかい線の全面開業によります、新宿等都心との時間短縮がもう既に実現しました。また今後、「ゆりかもめ」の延伸、晴海通りの延伸など、広域幹線道路の整備等が図られまして、臨海副都心の交通アクセスは飛躍的に改善されるものでございます。
 臨海副都心は、先ほど八〇%というふうに申し上げましたが、その土地の有効活用率の高さにあらわれておりますように、企業等の集積が進展するとともに、来訪者も過去最高となっているという現状でございます。
 二十一世紀を代表する近未来都市を目指しております臨海副都心の魅力、ポテンシャルを積極的にPRして、戦略的な事業者誘致を継続的に実施いたしまして、円滑な土地処分を進めていく所存でございます。

○渡辺委員 いろいろ努力するという点では理解はしますけれども、私は、先ほどもいいましたけれども、そんな簡単に土地処分が進むとは思っておりません。
 百歩譲って、港湾局がいうこの平米単価、これは平均で八十五万円ということで、局長から予算特別委員会でもご答弁がありましたけれども、八十五万ということで考えると、これは坪単価というと二百八十万前後ですよね。この値段では--最近の超高層オフィスビルの賃料、これがどれぐらいかというと、坪一万二千円から一万五千円、こういうふうにいわれているところもあるんだということらしいんですね、これは都心の中で。そういう話も聞いております。ということになると、競争にもやはり限界がありますから、そういう点ではもう最初から勝てるはずもないんじゃないかというような感じもするんです。
 港湾局はそれでも、土地の売却収入六千三百億円、これを見込んでおられるわけですよね、これは、六千三百億円と一口でいうけれども、これを売って収入として、何というか、その取り組みというのは大変なことだな、こういうふうに私は思います。
 そのほか土地の賃料で一千七百億円等々入れまして、収入で八千四百億円あるというふうに局長は答弁されておりましたよね。支出もそれに見合う八千四百億円ということで、平成三十一年には収支均衡する、こういうお話でございましたけれども、先ほどもいいましたように、これまでにだってもう十六年たっているという中で、なかなか思うように進まないというような状況がある。そして、やっと六割まで達した、これは見込みも含めてですよね、六割というのはね、先ほどもいいましたけれども。
 それで、今日のこの不景気というか不況というか、そういう日本経済の状況を考えたときに、今の業務や商業のいわゆる都心三区への過剰な集中、これを考えると、収支均衡のとれる平成三十一年までにこの土地が本当に全部売れるのか、そして均衡がとれるのか、改めてこの問題についてお答えをいただきたいと思っているんです。

○鈴木臨海開発部長 長期収支についてのお尋ねでございますが、財政基盤強化プランでは、基準標準画地の価格をもとに街区ごとの条件を反映いたしまして土地価格を推計し、積算しており、精度の高い収入見込みであると認識しております。
 土地の処分については、経済状況も踏まえ、大変厳しいというようなご指摘もございますが、私どもとしては、引き続き積極的に取り組み、臨海副都心の魅力を生かした誘致活動を進めていく所存でございます。

○渡辺委員 本当に強気ですね。(「強気でいいんだよ」と呼ぶ者あり)強気になるなとはいっていませんよ。
 いずれにしても、この坪単価が二百八十万でしょう、それで、二百八十万円ということではなかなか買い手がつかない。買い手がつかない、しかも三十一年が近づく、こういうことになってくると、今度は土地処分が進まないということで、この平米単価を下げるということにもなりやしないか。そうすることになると、今度は採算ベースが狂ってしまうという問題が実際に出てくるわけですよね。
 そういうことをお考えの上で、そういう話が出されているんだろうとは思いますが、行くも地獄だ、のくも地獄だ、こういうことを知事がいいましたけれども、そのようになるのは私は明らかじゃないのかというふうに思うんですけれども、その三十一年、いわゆる現状のままでこれを均衡をとるというつもりなのかどうなのかということで、再度お聞かせください。

○鈴木臨海開発部長 平成十五年度の決算におきましてもご説明したとおり、土地の処分は大幅に進み、臨海副都心の開発は順調に進んでいるものと認識しております。
 今後とも、晴海通りや「ゆりかもめ」の延伸など、交通アクセスの充実を図るとともに、臨海副都心の魅力を生かした誘致活動を積極的に展開していくことにより、着実に土地の処分を進めてまいります。

○渡辺委員 きょうはこの土地処分の問題はこのぐらいにしておきますから、次に三セクの問題に移ります。
 平成十五年度決算では累積損失が八百九十七億円、これは毎年ふえ続けていると。資本金の約一・六倍ということになっているというふうに思います。それにもかかわらず、収支は改善傾向にある、こういうことを何回も何回もお話があるわけですけれども、そういうことがいえるんでしょうか。

○岡田団体調整担当部長 償却前利益でございますが、十年度から六年連続の黒字となる九十一億円を平成十五年度は計上してございます。
 また、本業の収益力を示す営業利益が十一年度以降連続して黒字となってございますが、十五年度も三十三億円の黒字でございます。特に、十三年度からは三セク三社すべてにおいて黒字でございます。
 当期利益につきましては、二十億円と赤字ではございますが、経営安定化策策定前の平成九年度と比べますと、約百三十億円の改善となってございます。特に十五年度におきましては、初めてでございますが、三社のうちの一つ、竹芝地域開発が黒字に転換してございます。
 予想を上回るペースで改善が見られるこのような経営指標を総合的に評価すれば、全体として経営改善が進んでいることがご理解いただけるものと思います。

○渡辺委員 改善されていると、こういうことなんだけれども、いろいろ話を港湾局から聞けば、この償却前の利益、これが黒字だからということで経営が改善されてきているんだと、こういう話ですよね。
 それで、臨海三セクの経営上の問題として、減価償却額があるわけですよ、いずれにしても。それを全く度外視して、この償却前利益が黒字だから、全体として経営改善がされているんだと、こういう理解ですよね、港湾局というのは。
 そういうことで、償却前利益、これをどう理解するのかということについてお聞きしたいんです。

○岡田団体調整担当部長 償却前利益についてのお尋ねでございますが、償却前利益は、事業に必要な資金が確保されている状態を示す経営指標でございます。
 減価償却費は現金支出を伴わない費用でございまして、減価償却費の控除前の黒字は、資金に余裕があり、危機的な状態にないことをあらわすといわれてございます。
 キャッシュフローを重視する最近の会計の流れから申しましても、償却前利益は非常に重要な指標であると考えてございます。

○渡辺委員 いわゆる減価償却前利益と。私ね、一般の企業で考えた場合に、この減価償却というものをどう扱うかという問題は、やっぱりこれは重要な問題なんですよ。普通の企業だったら、例えば売り上げがある、その売り上げの中に経費としていわゆる減価償却というのも入れて、そして全体を経費として出してですよ、そしてそこからもろもろ引いて、そして残ったものが収益というか、利益ということになるでしょう。減価償却というものも中に入れているんですよ大体が、普通は。
 ところが、今回の場合は入っていないんですよ、それは。何で入れないのかという問題をお聞きしたいわけですよ。
 それが入っていない。それが何ていうか、一定の経営の資力というか、そういうものがあるからだとかなんとかという理屈はつけておりますけれどね。しかし、何で全体の経費の中に減価償却費を入れて、それでそれを合わせて差し引いて残り幾らと、そういうことにどうしてできないんですか、これは。

○岡田団体調整担当部長 一番最初にご答弁申し上げましたときに、営業利益につきましては、十五年度三十三億円の黒字であるということのご説明を申し上げましたが、その営業利益についての出し方でございますが、営業収入から営業費用を除いた収益ということになってございますが、この場合の営業費用の中には、減価償却費も含めて計算してございます。
 したがいまして、営業利益につきましては、減価償却も費用として計算した後の収益であるというふうに考えてございます。

○渡辺委員 そうすると、その減価償却費を入れたと。入れてすべて差し引いたその利益というか、収益だというんだったらば、何で減価償却前利益というんですか。

○岡田団体調整担当部長 営業利益と、それから償却前の損益というものにつきましては、少しその経営指標として見る、いわゆる指針が違うのであろうというふうに考えてございます。
 営業利益としましては、その年に入った営業で上げました収入と、それからその上にかかった費用で、損益、いわゆる決算がどうであるかというものを示すものだろうというふうに考えてございます。
 償却前利益と申しますのは、先ほど申し上げましたけれども、減価償却費は費用ではございますが、現金の支出が伴いません。したがいまして、実際として、キャッシュがどの程度その年度に生み出されたのかというものを見るものでございまして、具体的に申し上げますと、十五年度におきましては、営業利益としては三十三億円でございますが、償却前の利益は九十一億円というふうになってございますので、九十一億円の現金が生み出されているという形になってございます。

○渡辺委員 よくわからないんですけれど、それじゃ私も聞きますけれど、減価償却前利益と、今度一億三千三百万出ていますよね。じゃあ減価償却というのはこの年に幾らぐらいあったんですか。減価償却で。

○岡田団体調整担当部長 改めて数字を確認をさせていただきますと、十五年度におきまして、営業利益は三十三億円の黒、それから支払い利息といった--当期利益は三角の二十億円、赤字でございます。
 なお、その年の減価償却費でございますが、十五年度においては約百十一億円でございます。

○渡辺委員 そうすると、その百十億円、この百十億円の減価償却もちゃんと差し引いて、計上して差し引いて、そして本当にこれは、一億三千三百万というのは純然たる利益ということで理解していいですか。これは減価償却そのものは、全くこれは何というか、普通の企業と同じような形で計算をして、そしてその一億三千三百万というのはもう完全なる利益と、こういうことでよろしいですね。

○岡田団体調整担当部長 営業利益につきましては、先ほど申し上げましたとおり、営業費用として減価償却費を百十一億円を費用として計上した上での最後の収益でございますので、三十三億円の営業利益につきましては、減価償却費を引いてございます。

○渡辺委員 そうしたら、私、くどいようですけれど、その減価償却前利益というものを訂正したらどうですか。なぜ訂正できないんですか。減価償却前利益というのは、何でそんな名前つけてるの。完全に減価償却も引いてありますと、入れてありますということをいうんだったら、しかも純然たる利益、収益が出ているというんだったら、何で減価償却前利益ということで書くの。それ、書く必要ないんじゃないですか、全く。

○岡田団体調整担当部長 私の説明が、なかなか要領を得ずに申しわけございませんが、営業利益と、それから償却前の損益というものは別物でございます。
 営業利益というのは、何度も申し上げますが、その年の営業に伴って入った収入と費用を差し引いたものでございまして、その中には、費用の中には減価償却費が入ってございます。
 また、償却前の損益というものは、いわゆる現金の支出を伴わない減価償却費を控除するということではなくて、現金がその年、どの程度あったかということを見るものでございますので、営業利益といったものから減価償却費を戻すことによって、その年度についての現金がどの程度生み出されたかというものがわかるという指標でございますので、両者については、別の指標であるというふうにお考えいただければと思います。

○渡辺委員 ちょっと後でね、具体的に私も議論したいと思いますよ。ここでやっていても、時間がありますから、ちょっとかみ合っていない。だから、これはここでわかったということじゃなくて、理事会で時間の問題も提議してありますからね。私は、先ほどの立場から、具体的に話をして聞きたいというふうに思いますよ。
 いずれにしましても、その減価償却前というこの字は、言葉自体がやっぱり理解できない。普通できないですよ、そんなものは。
 だから、それはそういうことにしまして、いずれにしましても、全体として会社の平成十五年度の決算、この中で、いわゆる決算の意見書というのがついているんですよね。この意見書というのは、特記事項ということなんですけれども、ここではどういうことが書いてあるかというと、当社はということで、みずからですけれども、当社は債務超過の状態にあると。これは先ほどいったとおりですね。継続企業の前提に関する重要な疑義が存在と記載されていると。
 これはですね、会社みずからが経営破綻というか、超過債務も大幅だということで、みずからその破綻を認めたのではないかというふうにいわれているんですが、これは二十三年度までに、いわゆる単年度黒字、目標としていますよね。この単年度黒字というのは、本当に達成できるんですか、こういう状況の中で。

○岡田団体調整担当部長 十五年度の会社の決算書の特記事項についてのことでございますが、継続企業の原則というものがございまして、これは企業の経営活動が長期にわたり継続するという企業会計上の前提を申します。
 監査法人の適正意見にもかかわらず、決算後、短期間で破綻する企業が続出し、監査の有効性に対する厳しい批判が行われたため、平成十四年度でございますが、アメリカなど主要国の監査基準に倣いまして、債務超過にある会社につきましては、継続企業の前提に重要な疑義が存在しているといったような注記をするよう、監査の基準が改正されました。
 臨海三セクにおきましては、債務超過のため、他の債務超過会社と同様に、この注記がなされたものでございます。すなわち、ご指摘のような破綻であるとか、倒産であるとかといったような、経営判断を示すものではございません。
 臨海三セクは、債務超過ではございますが、経営安定化策の実施により、着実に経営改善が進んでおり、ご指摘の決算書の注記の後にございますが、平成十四年度までの前半五年間は、計画を上回る経営改善が図られている。当期--十五年度でございますが--においては、ほぼ計画どおりの利益を計上と記されておりまして、監査法人もこれを認めているところでございます。

○渡辺委員 それでは、具体的にもう少しお聞きしたいというふうに思うんです。
 経営、その改善が進んでいるということですけれども、まず、東京テレポートセンターについてですけれども、このビルの入居率、売上高、当期損益、そして累積損益、これについてはどうなっていますか。

○岡田団体調整担当部長 東京テレポートセンターの入居率でございますが、直近の平成十六年九月末の数字で申し上げますと、九〇・五%でございます。
 それと、十五年度決算で申し上げます営業収入等でございますが、これは、ビル事業収入そのほか、情報通信事業等の収入を含んだ数字で申し上げますが、営業収入は二百五十九億円でございます。また、当期利益はマイナスの十二億円、累積損失は二百三十六億円となってございます。

○渡辺委員 今ご答弁ありましたように、テレポートセンターについては、やはり当期の損益、あるいは累積損益、こういうものが今、出されました。これをもう少し具体的にいいますと、例えばですけれども、当期損益からいいますと、今、十二億という話がありましたけれども、これは十四年度は六億三千七百万、その前が八億九千三百万、今度十二億と、ふえているわけ。
 それから累積損益についても、今、二百三十六億、こういう話ですけれども、十四年度は二百二十四億、それからその前が二百十七億と。年々、これね、ふえているんですよ、この損益そのものが。だから、改善されたとはいえ、やはり毎年当期損益とか累積損益がふえているということは、これは経営そのものが改善されているということにはならないんじゃないかというふうに思うんです。
 そして、もう一つ、では聞きます。東京の臨海副都心建設株式会社の内容について、先ほどみたいに、ちょっとお答えいただきたいんですけれど。

○岡田団体調整担当部長 臨海副都心建設の平成十六年九月末の入居率でございますが、フロンティアビル三棟全体で申し上げますと、八四%でございます。
 営業収入は、これはサブリース賃料でございますが五十六億円、当期損益は十億円の赤字でございまして、累積の損失は四百十一億円となってございます。

○渡辺委員 ここでも同じように、当期の損益、これもふえている。そして累積損益、これもふえていると。
 竹芝地域についてはどうでしょうか。これもあわせてお聞きいたします。

○岡田団体調整担当部長 竹芝地域開発についてでございますが、入居率は同じく十六年九月末でございますと、九七・八%でございます。
 営業収入は、同じようにサブリース賃料でございますが六十億円、当期損益につきましては一億円の黒字でございます。累積損失につきましては、二百五十一億円となってございます。

○渡辺委員 竹芝でも、ことしというか、去年は一億三千三百万の当期損益の中では、収益として改善されていると、こういう表が出ていますね。その分、この累積損益分が減っているということで、これは昨年は二百五十二億、その前が二百四十七億、そして十五年度は二百五十一億と、こういうことですよね。
 だからいずれにしても、全体としては、いわゆる当期損益と累積の損益、こういうものが年々ふえているということだけは、これ、隠せない事実なんですよね。ですからね、経営が改善したということもお話があるんですけれど、実際にどこでそれじゃ判断するのかと、最終的には。
 ということになれば、やはりこれは累積の損益ですよね。これが年々こうやって重なって膨れていったら、これは幾ら、だれが見たって経営が改善されているというふうには思いませんよ、それは。だからそういう意味で、やはり私は、この経営改善が進むということでは、やっぱり無理があるのではないかというふうに思うんですね。
 その経営改善の問題で、ちょっと一言つけ加えておきますけれど、例えば平成十年に経営安定化支援策というものが行われました。ここで、増資あるいは無利子貸し付けということで、二百七十億。銀行からの金利の負担の軽減策ということで、これはいろいろありますけれどね、さらにテレポートセンターへの地代の割引ですね、七五%もの減額処置、こういうものが行われた中で、一定のこの改善策というものが見られるという形はありますよ。しかし、それでもなおかつ全体として当期損益あるいは累積損益ということになると、これ、着実に毎年ふえているということは一体どういうことなのかという問題なんです。
 これでも二十三年までに実際問題として経営改善というものができるのか、いわゆる均衡とれるのかと、こういうことで改めてお尋ねしたいと思うんです。

○岡田団体調整担当部長 累積損失についてのお尋ねでございますが、累積損失が現在増加しておりますのは、当期利益が赤字のためでございまして、先ほど竹芝地域開発の例でもわかりますとおり、当期利益が黒字になれば、これは減るわけでございます。現在、経営安定化策では、当期利益の黒字は平成二十三年度を予定しておりますので、それ以降は順次、累積損失は減っていくものと考えてございます。
 平成十五年度につきましては、二〇〇三年問題の影響を受け、営業収入は減少いたしましたが、経費削減などを徹底的に行いまして、収益でありますところの営業利益は、対前年度の五億円のマイナスにとどまってございます。
 また、何度も申し上げますが、当期利益は改善が進んでおりまして、例えば、十四年度の対比で申し上げますと、十二億円も改善しているところでございます。
 二〇〇三年問題につきまして、鎮静化してきているところもあり、会社は、収入の確保や一層の経費削減を続ける一方で、都と金融機関は一体となって支援することになってございますので、これからも経営改善は進むものと考えてございます。

○渡辺委員 これも港湾局の資料ですけれどね、これは予特資料ですけれど、今、当期利益が云々かんぬんいっていますけれどね、ではそれがもう改善されていって、いわゆる平成二十三年度には全くこれは改善するんだと、こういう話がありましたけれど、この港湾局から出された資料を見たって、例えばですけれど、経営安定化実施期間ということで前半五年間、平成十年から十四年度、ここで損益が四百二十九億円の赤字、そして十四年度末では、これは千と六十三億円の累積損益だ、こういうことが書いてある。そして、その次の今度は後半五年間、平成十五年から十九年度ということで見ると、これは確かに当期損益が二百十三億円ということで、赤字が確かに若干減っています。
 しかし、累積損益についていうと、逆にふえているんですよ。何でふえるんですか、これ。十九年度末が千二百七十六億でしょう。そして単年度黒字達成ということの平成二十三年度になると、先ほど、改善されると損益がなくなるというような話がありましたけれども、いずれにしてもここへ来ると、二十三年ですよ、累積は千四百五十三億円にふえるんですよ。だからこれ、累積損益というものを全く抜きにして話ししているということですか。この資料で私はいっている、おたくからもらった資料で。
 だって、改善する、改善するというんだったらば、累積損益というんだって、改善されなきゃいけないはずでしょう。(「当期損益の話をしているんです」と呼ぶ者あり)いやいやいや、局長ということでなくて。そうでしょう。それがどうしてそういうふうになっちゃうのか、その内容を聞かしてください。

○岡田団体調整担当部長 今、先生、ご質問で資料と申しますのは、平成十年度の予算特別委員会に港湾局がお出しした資料だろうというふうに思ってございます。
 その中では、臨海関係三セクの収支見通しということで、経営改善実施期間中の平成十九年までの累積損失を千二百七十六億円、それから平成二十三年度、単年度黒字達成ができるとご説明申し上げております二十三年度の累積損失が千四百五十三億円というふうにお示ししてございまして、累積損失がふえるではないかというご質問だろうと思いますが、先ほどございましたように、当期利益が黒字に転換するのが二十三年でございますので、それまでは残念ながら累積損失はふえていくという形になってございます。
 二十三年に当期利益が黒字に転換するということでございますので、二十四年度以降は、この千四百五十三が順次減っていくということでございまして、累積損失の解消は、計画上は四十八年度になっているということが計画の中身でございます。

○渡辺委員 それは数字のごまかしというんだよ、そういうのは。
 私は経営の問題をいっているんだ。経営改善、経営改善といわれているんだからね。だから経営改善でいえば、そういうことでね、だれしもがよくなっているというふうに思うじゃないですか。だけれど、当面は当期だけでいって、その累積は幾らでもいいと積んでいって、それは累積は累積で、後になって、何というかな、解消していけばいいんだって、そういう考え方でしょう、今の話というのは。
 だから、実際問題でそういうことにいっても、それじゃ逆にいってだよ、四十八年度でこの千四百五十三億というものがこれ本当に解消していくのかということが一つあるわけですよ。その前に私は、当期損益だって、こんなような状況にはならないと、先ほどからいって。
 だって、元に戻って申しわけないけれど、これ、三セクのいわゆるテレポートセンターは九〇・五%、これも余り変わってないですね。それから臨海副都心建設株式会社の三つのフロンティアビル、これの入居率だって、これ変わっていませんよ。一番最低が六六・七%でしょう。こういうような状況というのは、ずっとやっぱり続くと思うの、私。(「さっき、十二億円を解消したっていってる」と呼ぶ者あり)いやいや、そういうことは、やっぱりこれからも続くだろうと思うし、それから何というかな、今つくられている都心のオフィスビル、住宅あるいは商業棟、いろいろありますけれど、そういうところと競争をやっていくといっても、なかなかこれは競争に立ち行かないという問題だって、いろいろ考えると、そちらで数字が示されましたけれども、そういうようなことで、うまく進まないなという感じはしているんですよね。
 ですから、当期損益という点でも、先ほどいいましたけれども、ここのところでは、十五年度決算ということでいえばですよ、毎年ふえているんだ。これは来年から減るというふうに私は思えないんですよ。(「そういってないよ」と呼ぶ者あり)ちょっと待って。思えない。
 そういうことでいえばですよ、本当に二十三年度までに、いわゆる均衡がとれるような状況にはならないと。そして、ましてまた、先ほどの話のところへ戻りますけれど、その累積のいわゆる赤字、こういうものをそれから解消する、こういったって、そんな簡単なものじゃないというふうに私は思いますね。そういう意味で、この問題については厳しく指摘をしておきたいというふうに思います。
 そういうことから、何ていうか、土地の売却が余り進まない、そして今申し上げたような三セクの問題についても、そう改善が見られないというふうに私は思うんですよ。そういうことで、このまま進めば、やっぱり破綻をせざるを得ないなという感じもするんです、正直いって。それはね、改めて三セクの場合で、東京都が、新たなまた支援策を入れるとかなんとかいうんだったら、また別ですけれども、そういうことは許されない話でしょう。実際問題としてね。だからそういうことを考えると、自力ではなかなか難しいと私は思いますよ。
 そういう意味で、これは思い切ったことを考える必要があると。これは国がいっているんですよ。政府がいっているんですから。例えばね、三セクで公的な支援が今後なければ、三セクはうまくいかない。そういうようなことが明らかになった場合には、第三セクターに関する指針というものが出されていると。ガイドラインですね。だから経営改善が極めて困難と判断されるものについては、問題を先送りすることなく法的整理の実施等について判断すべきだと、こういうガイドラインが出ているんですよ。それに沿って、私は東京都も早期にこの法的な整理、こういうことも考えていく必要があるんじゃないのかというふうに思うんですけれども、それについてはいかがなものでしょうか。

○岡田団体調整担当部長 先生ご指摘の国の文書というのは、平成十五年十二月に改正されました、総務省の第三セクターに関する指針であろうかと思います。その指針の第四に、経営悪化時の対応についての留意事項というものがございまして、その中に、改善が極めて困難である場合には法的整理の実施等についての判断をすべきであること、ということが述べられてございます。
 しかしながら、臨海三セクでございますが、臨海三セクは、三社が債務超過に陥った平成九年度の段階で、問題を先送りすることなく、関係者が一致協力して経営改善計画を検討し実施してまいりました。その結果、平成十五年度まで六年間の経営指標の推移が示すように、着実に経営改善は進んでおり、指針にいうところの、改善が極めて困難な場合には該当しないというふうに考えてございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、指針の中には、予備的診断といったような事項がございます。その予備的診断の事項に当てはめて考えますと、まず、損益計算書におきましては、単年度の赤ではございますが、減価償却前が黒字であるということ、それからバランスシート上においては、累積損失はありますが、計画以下の損失額であること、また単年度黒字が二十三年度に見込めることといったような、臨海三セクの経営指標から申し上げますと、経営努力を行いつつ事業が継続するといった部門に該当するものというふうに考えているところでございます。

○渡辺委員 今そういう話がありましたけれどね、この平成十年に経営安定化支援策というものがされた。それによって、利息という点では若干改善がされているという状況があるんですけれど、依然として、これは二十億だ、あるいは二十一億だ、二十二億だと、こういうような非常に高額な利息を毎年支払っていかなきゃならぬと、これ三セクでね。というような問題とか、あるいは当期利益そのものを十年から改善はされてきたというけれども、十年から、依然として毎年当期利益の、収益の、損益の問題についても、これは着実にふえていると、赤字が。そして、なおかつ累積損益も大幅にふえていると。こういうようなことで、何でこれがいわゆる改善されているのか。そして、このままでいって、二十三年に本当に収支均衡がとれるのかといったら、私は、これは幾らそういうこといっても、それは数字のごまかしであって、そういうことにはつながらないというふうに思いますよ。二十三年になって、それでこれができなかったら、どういう責任をとるのかといいたいぐらいの話ですよ、早くいって。
 まあそこまではいわないけれども、いずれにしても、こういうような状況の中で、私は改善は見込めない。だから、先ほどいったような国の総務省の出した、いわゆる思い切った整理ですよね、その整理の方向に、やっぱり何というか、足を出した方がいいんじゃないか、そして清算をした方がいいんじゃないかというふうに私は思うんですよ。こういうことを強く指摘して、私の質問を終わります。

○中屋委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間、休憩いたします。
   午後三時二分休憩

   午後三時十二分開議

○中屋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○執印委員 それでは、私も臨海副都心開発について伺います。
 きょう午前中、私は多摩動物公園に行ってまいりました。それは、オーストラリアからいただいたコアラのタムタムというのが二十一歳になって、それをいただいてから二十年ということで記念の式典がございまして、行ってきたわけですけれども、多摩の楽しみの動物園に行った後、モノレールに乗って高幡まで出て、ここに来たものですから、いろいろ質疑を伺いながら、三多摩格差ということがよくいわれますけれども、多摩のまちづくりとこの臨海副都心開発、そしてモノレールと「ゆりかもめ」というような比較を頭の中でしながら、質疑を聞いておりました。
 先ほど、近未来都市だというような話も出まして、近未来都市って、どういうイメージでお話しされているのかなというふうに思いながら伺いましたけれども、聞けば、臨海副都心のようなところというお答えになるんだろうなと思いますので、あえて聞きませんけれども、この臨海副都心という、そういう言葉を聞きますと、都民の大半は、お台場とかテレビ局とか、それから温泉テーマパークとか、大変華やいだ印象を持っているんだろうというふうに思います。
 港湾局のパンフレットなどでも、生活都市東京の創造に大きな役割を果たしていますという、いわば耳ざわりのいい言葉が並んでいるというふうに思います。しかし、将来にわたるリスクというのが、納税者である都民に十分に説明し切れているんだろうかというふうにも思いますし、そういった意味では、その近未来都市というのが、簡単、便利を追い過ぎてマイナス面も非常に多い、飾りの多い発展というふうにも見受けられるところもあるわけでございまして、解決すべき問題は多く残っているのではないかというふうに考えております。
 私ども生活者ネットワークでは、この計画が示されたときから、都市計画や資金投入の方法の面からも、一気に開発することの問題点を指摘してきました。ここまで来たからには、過去に戻すことはできないというふうに考えますけれども、危うさを抱えたこの地域の開発については、将来にわたるリスクをできる限り回避をして、身の丈に合ったまちづくりを進めるべきであるし、それが、人が暮らしていける場所にするための今後の展開の仕方ではないかなというふうに感じておりますので、多少重なるところもございますが、何点か質疑をさせていただきます。
 資料にもいただきましたけれども、この臨海関係第三セクターのビルのうち、有明フロンティアビルと青海フロンティアビルの入居率が低いわけですけれども、この理由を改めて伺います。

○岡田団体調整担当部長 有明フロンティアビルと青海フロンティアビルの入居率についてでございますが、まず、有明フロンティアビルにつきましては、平成十五年三月末では、ほぼ七五%の入居率でございました。しかし、事業者の進出や、りんかい線の延伸による交通アクセスの向上など、有明地区は地域としての魅力が増してきました。加えて、商業店舗や一般オフィスのほか、ショールームとして利用できる企業などにも積極的な営業を展開してきたところでございます。
 その結果、二〇〇三年問題の影響の中にありましても、現在は、約八二%まで入居率が上昇してきてございます。今後、さらなる入居率の向上を期待しているところでございます。
 青海フロンティアビルでございますが、最近三年間の平均入居率は約七〇%と苦戦をしてございます。仲介業者などからのヒアリングによりますれば、青海地区近辺は、アクセスの点で、都心から遠いとの印象をテナントは持っているとの指摘がございました。
 このため、会社は、賃料を弾力的に設定したり、ターゲットを絞って営業活動を展開するなどの対策を立ててございます。

○執印委員 いろいろ利用率の変化はあったとしても、青海のフロンティアビルについては、平均入居率が約七〇%となって苦戦をしているということで、こんないい方は恐縮ですけれど、三〇%あいているビルがあるというのが、近未来都市というイメージとどういうふうに--本当にそういうふうに思っていらっしゃるのかなというような気もいたしますけれども、何というんでしょうね、それだけビルがあいているということが、いろいろまちづくりにとっても影響があるんだろうというふうに、安全などの面でも影響があるのではないかなというような印象を受けると、なかなか近未来都市と目指しても、そこに行き着くのが大変じゃないかなというような感じがするわけです。
 次の質問は、資料もいただきましたけれども、臨海関係第三セクターの経営状況というのを見ますと、決してこれ、うまくいっているというふうには私にも思えないわけです。先ほど、これが四十八年に解消するということだったんですかね、約三十年後、すごく時間がかかるんだとは思いますけれども、普通の会社だったら、もうとっくにけりがついているんじゃないかというふうな感じもするわけです。
 そこで、平成十五年度が経営安定化策、後半の初年度であるというふうに伺っておりますので、その平成十五年度の対策とその効果をどのように考えていらっしゃるかを伺いたいと思います。

○岡田団体調整担当部長 臨海三セクは、前半五年間は予想を上回るペースで改善が進みました。平成十五年度においても、経営改善をさらに進めるため、会社は増収を図るべく営業を強化するとともに、徹底した経費の削減を行ったところでございます。都と金融機関は、地代の減免や金利負担の軽減など、前半五年間と同様の支援を行いました。
 その結果でございますが、償却前利益につきましては、十年度以降六年連続での黒字となってございます。本業の収益力を示す営業利益につきましても、十一年度より五年連続して黒字を計上いたしました。
 当期利益は二十億円の赤字でございますが、経営安定化策策定前の平成九年度と比べますと、約百三十億円ほど改善が進んでございます。特に竹芝地域開発につきましては、初めて黒字を計上したところでございます。
 以上の点から、経営改善は着実に進展しており、経営安定化策は有効に機能したと考えてございます。

○執印委員 経営安定化策は有効に機能したと考えているということです。
 それはそれで伺っておきますが、そのほかにも、臨海関係第三セクターの経営安定化策の実施状況というものもいただきましたけれども、会社の内部努力と東京都の支援、金融機関の支援、収支見通しというふうな区分けになっておりますが、その内部努力についても、役職員の大幅削減による人件費削減などなど書かれておりまして、過去の議事録を読ませていただいて、こういうことができるんだったら、最初から、もう少し何とかした経営状況というのは考えられなかったものだろうかというふうに感じたのが、正直な感想でした。
 大変そういった意味では、大盤振る舞いして立ち上がって、続けてきて、こういった経営安定化策を講じざるを得ないような状況でもあったし、社会の状況も、行政も読み間違えたというのが、私はあるんじゃないかというふうに思っているわけなんです。
 そして、内部の努力はそういった形でやらなきゃいけないことは当然だというふうに思いますけれども、この東京都の支援の部分が、先ほども話に出てきておりましたけれども、東京臨海副都心建設及び東京テレポートセンターの地代は七五%、総額約百三十三億円減額、それから東京テレポートセンターへの三十億円増資、三社に対し総額百七億円を無利子貸与というようなことを見ていきますと、これも結局は都民の税金ということでかかっていくわけですから、正直、ここであんまり三多摩格差だけ持ち出すのは変だと思いますけれども、東京全体のまちづくりのバランスというものがどういうふうになっているのかなということは思うわけです。
 それは私の感想ですけれども、質問といたしましては、こういった追加支援策は今後ないと。当然、先ほどの経営安定化策は有効に機能したというお答えでもあるわけですから、追加支援策はないということだと思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。

○岡田団体調整担当部長 臨海三セクは、経営指標がお示ししますように、予想を上回るペースで経営改善が進んでおり、経営安定化策は有効に機能していると認識してございます。
 経営安定化策上の次の目標でございます単年度黒字達成のため、会社が一層の内部努力を行い、都と金融機関などが一体となって、経営安定化策に沿った支援をしていくことが重要であると考えてございまして、新たな支援について検討しなければならないような状況にはないものと考えてございます。

○執印委員 それでは次に、広域交通基盤の事業費の今後の事業費について伺います。

○鈴木臨海開発部長 広域交通基盤整備費についてのお尋ねでございますが、臨海副都心の開発に係る総事業費は約二兆三千六百億円の見込みであり、そのうち広域幹線道路、「ゆりかもめ」、りんかい線など、臨海副都心における広域交通基盤の総事業費は約一兆四千億円を見込んでおります。
 また、今後の投資額でございますが、臨海地域の開発にとって必要不可欠な広域交通基盤の整備のために約四千四百億円を見込んでおります。

○執印委員 この計画そのものが、「ゆりかもめ」も延伸、それから道路もつくっていくというような、全体としてはそういう計画になっているわけですが、その「ゆりかもめ」については、輸送人員が平成十二年をピークに減少しているわけですが、その分析はどのようにされているのでしょうか。

○尾田参事 この分析につきまして、平成十五年度の「ゆりかもめ」の一日当たりの輸送人員は約九万四千人で、平成十二年度に比較して約一万人減少しております。
 このりんかい線が、平成十三年三月に天王洲アイル駅まで延伸し、さらに平成十四年十二月の全線開業により、JR埼京線と相互直通運転が開始されたことで、「ゆりかもめ」の輸送人員の一部がりんかい線に移行したというふうに考えております。
 しかしながら、「ゆりかもめ」の輸送人員が減少する一方、平成十五年度の「ゆりかもめ」とりんかい線の一日当たりの合計輸送人員は約二十一万六千人で、平成十二年度の約十三万二千人に比べて、約八万四千人増加しております。
 広域公共交通でありますりんかい線が全線開通し、「ゆりかもめ」と相互に補完することで、臨海副都心への利便性が高まった結果であるというふうに考えております。

○執印委員 両方合わせて輸送人員が増加しているということだっていうふうに、そういうお話ですけれども、「ゆりかもめ」とりんかい線が並んで走っていること自体が、ちょっと極端ないい方ですけれどもね、すごく大急ぎのまちづくりをしてきたというあかしでもあるかなというふうに私どもは受けとめております。
 そこで、副都心開発も都の財政の聖域にはできないというふうに考えているわけですが、私ども、いろいろほかの面でも、これまでどおり進めたいいろんなことが東京都にあるようですけれども、もう右肩上がりの時代ではございませんので、本当に身の丈に合ったまちづくりを進めることが今本当に求められているというふうに思うわけですが、「ゆりかもめ」の豊洲から勝どきまでの区間については凍結や棚上げを考えてもいいというふうに思うわけですが、これが、そういった事業費を公共交通の経営の改善に充てるというリスク回避にもつながるというふうに思いますが、こういった点で、最初に計画を立てると、計画どおりにやりたいというのは、だれも持っている気持ちだと思いますし、当初はそれが必要で、経済状況もそれができるというふうに考えたから計画をつくってきたんだというふうに思いますが、今お話をしましたように、トータルに今後の計画を見直すべきではないかというふうに思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。

○尾田参事 「ゆりかもめ」は一日十万人の人員を運んでおり、臨海副都心の貴重な交通手段になっております。また、平成十七年には豊洲まで延伸となり、さらに利便性が向上することとなります。
 今後の「ゆりかもめ」の勝どき駅への延伸につきましてですが、豊洲・晴海開発整備計画において、今後の利用状況や周辺の開発動向を見定め、整備時期を検討するということになっております。

○執印委員 今後の状況を見ながらということだというふうに思いますけれども、地球全体がこれだけ温暖化も進み、地球の上で生きている私たちは、地球がだめになったらだめになるというような、そういう状況でもありますし、みんなが少しずつ生き方を見直したり、物のつくり方を考え直したり、子どもとのつき合い方を考え直したり、そういう時代に、そろそろ本当に向きを変えていかないと、すべてが遅くなってしまうのではないかというふうに私どもには思えるわけです。
 意見を述べて終わりにしたいというふうに思いますが、過去の転貸債の大量償還の到来、それから将来世代への負担の回避という意味で、今後の事業費の見直しはどうしても必要だというふうに考えております。本当に皆さんからしたら、耳にたこができるような感じかもしれませんけれども、環境の視点でも、ネットは、道路よりも公共交通を優先するべきだというふうに考えておりますし、さらにそれも精査をするべきだというふうに思います。
 多少の不便をしても、生き続けられる環境をつくり出していくというようなところにきっちりと立っていかないと、今後の展望がないのではないかというふうに思いますので、具体的には平成十八年度以降の環状二号線や補助三一五号線などの道路整備を見直しをして、整備を絞るなどの検討をされることを強く求めまして、質問を終わります。

○清原委員 昨年の臨海副都心では、東京ディズニーリゾートの年間来訪者数の約一・七倍にも相当する、過去最高の四千百八十万人に上る来訪者を記録したと報道がありました。そこで、臨海副都心のにぎわい創出の観点から、幾つかお伺いいたします。
 ことしは、今までどれぐらいの来訪者があり、夏休み期間はどうだったのか、また夏休みの大型イベント「お台場冒険王」は、どれぐらいの人を集めたのか、さらに「お台場冒険王」で「ゴーイングメリー号」という帆船が運航され、朝の時点で一日の乗船券がなくなるほどの人気と聞いております。どのぐらい乗船したのか、お伺いいたします。

○鈴木臨海開発部長 臨海副都心へは、本年一月から六月までの半年間で約一千九百万人が来訪しております。
 七月十七日から八月三十一日の夏休み期間、四十六日間では約六百五十万人もの来訪者がございました。
 「お台場冒険王」は、主催フジテレビ、共催東京都港湾局及び臨海副都心まちづくり協議会で、七月十七日から九月五日までの五十一日間開催され、約四百二十万人を集客したと聞いております。
 お話の「ゴーイングメリー号」は、子どもたちに人気のあるテレビアニメに出てくる海賊船を模して装飾した船でございまして、船首に登場人物の等身大の人形を配したり、水の大砲を発射するなどの趣向を凝らしており、子どものみならず、大人の冒険心も満足させるアトラクションとして人気を博しておりまして、期間中、約二十万人の乗船があったと伺っております。

○清原委員 昨年度のお台場海浜公園は、月平均約十七万人、年間では二百万人を超える来園者があったと伺っております。「ゴーイングメリー号」は、夏休み期間だけで、一カ月分相当以上の家族客を集客したことになります。
 私は、議会の場で、たびたびお台場海浜公園を取り上げてきました。この都心にある貴重な海辺を含む公園を、子どもも大人も楽しめる魅力のある観光スポットにすることが、臨海副都心全体の活性化につながると主張してまいりました。そういう意味で、一つの成果があらわれたものとして評価するものであります。お台場海浜公園が、ますます臨海副都心のシンボルとして大いににぎわうよう、引き続き取り組んでもらいたいと思います。
 そこでお伺いいたします。お台場海浜公園では、今後どのように取り組んでいくのか、いかがでしょうか。

○鈴木臨海開発部長 海上公園では、海釣り、潮干狩りの原則解禁などの規制緩和や、新しいボランティア活動の拡大による都民と協働で育てる公園へなど、五つの転換を図っております。
 その一環といたしまして、お台場海浜公園におきましては、釣り教室の開催やビーチバレーの通年実施、東京ベイ・クリーンアップ大作戦、今年度、新たに実施した砂浜に灯明を並べる海の灯まつりinお台場など、水域を持つ特性を生かしたイベントを民間との協働により実施をいたしております。
 今後も来訪者の増加を図るため、大好評でございました「ゴーイングメリー号」など民間の事業も支援いたしまして、都心に隣接した水辺空間を有効に活用して、地元住民や都民の方々に、親しみ、楽しんでもらえるよう取り組んでまいります。

○清原委員 また一方で、私はかねてから、お台場海浜公園を都民にとって最も身近な水遊び場になってほしいと、こう願って、機会を得ては質問してきました。その結果、昨年度から三年間の試行ということではありますが、お台場海浜公園内の一部の水域において、浄化実験を行うこととなりました。昨年七月には、石原知事出席のもと記念式典が行われました。実験の開始と同時に、子どもたちが水辺で遊べるようになったことは、新たなお台場海浜公園の魅力になった感があります。
 そこで、十五年度はどのような実験を行ったのか、またその成果はどうであったのか、お伺いいたします。

○田中港湾整備部長 昨年度の浄化実験は、七月十八日から十月三十一日までの百六日間にわたって実施いたしました。
 具体的には、海浜公園の砂浜に面した海域約七千平米をオイルフェンス等で仕切りまして、下水道局有明水再生センターで付近の海水をろ過、消毒の上、日量五千トンを実験海域へ放流し、海水浄化の効果を確かめました。
 実験の成果でございますが、環境省の基準を満たす日数が、実験区域内では百六日中九十五日で九〇%となっており、実験区域外での八十五日、八〇%を上回る効果が認められました。

○清原委員 実験による水質改善効果が上がっているようでございます。大変うれしく思います。この成果を踏まえて、なお一層、水質の浄化に努めてもらいたいと思います。
 そこで、今年度の実験では、どのような工夫をして行ったのか、また、その成果はどうであったのか、これをお伺いいたします。

○田中港湾整備部長 今年度の実験の主な改良点は、まず、春のゴールデンウイークにおけるデータを把握するため、実験の開始を七月から四月に三カ月早めまして、調査期間を百六日から百九十二日といたしました。
 次に、調査分析精度を高めるため、調査項目に潮汐や潮流に関する項目を追加しますとともに、実験水域の遮へい効果を高めるため、満潮時にも砂浜と接続するよう、オイルフェンスの両端を延長いたしました。
 さらに、浄化能力の向上を図るため、夏場の放流水量を五割増しの日量七千五百トンに増量いたしました。
 実験の成果でございますが、今年度の実験はまだ終わっておりませんが、四月二十三日から九月三十日までの速報値によりますと、基準を満たす日数は、百六十九日中百四十九日で九三%となっておりまして、昨年に比べて三%程度上昇しております。
 なお、今年度、すべての実験が終了した後、評価委員会におきまして詳細な分析を行うこととしております。

○清原委員 十五年度の結果や十六年度の速報値から、着実に海域浄化は進んでおります。海域浄化実験については、率直に評価したいと思います。私の思いが着実に成果を結んでいるようで、大変うれしく考えます。実験はあと一年残っておりますが、この二年間の実験結果の分析を行い、さらなる水質の浄化に努めてほしい。
 確かに、こうした浄化水の放流によることも一つの手法であると思いますが、私が以前からたびたび提案してきましたことでございますが、水遊びをするエリアを石積みで囲って、数カ所にフィルターを設置し海水を通して、潮の干満という自然のエネルギーを利用して、内部の海水を浄化するという手法もあります。この手法と、現在実験が行われている浄化水の放流とあわせて行えば、より一層の浄化効果が期待できると、こう思います。それだけではなく、水質浄化をしている現在の対象エリアを、もっともっと広くとることが可能であると私は思います。
 いずれにしても、さまざまな技術的検討を続けるとともに、地元住民を初めとする都民の意向などを踏まえて、一日も早く子どもたちや大人が安心して泳いだり、水遊びできるようなお台場海浜公園となるよう期待して、私の質問を終わります。

○和田委員 私は、有明北地区の埋立事業に関連をして、数点お伺いいたしたいと思うんです。
 十五年度決算は、進捗率からすると四八・二、十四から比較すると七・六%の増、約三十億円の執行額となっているわけであります。私は、この有明北埋立事業を顧みるときに、我が国といってもいいかもしれませんが、バブルの発生からその衰退まで至る背景の中に、今日までの北地区の埋立事業があったのかなと思うんです。
 例えば、臨海部の副都心開発基本計画というのが昭和六十三年にご承知のとおり決定をされ、平成元年に臨海副都心開発の事業化計画というものが出され、そして臨海副都心の開発懇談会、臨海副都心開発特別委員会等で、平成七年から九年まで、従来の埋立計画の見直しというのが三カ年にわたって行われた。この三カ年の見直しというのが、平成元年といってもいいかもしれませんが、具体的にこの埋立計画が出てきてからの、いわゆるバブルの絶頂期に出てきたこの計画が、七年-九年のこの衰亡期に、半世紀に至って徐々に陰が差してきたころに見直しに入り、そして現在、十二年から埋め立てに入っているということであります。
 したがいまして、この計画そのものの背景は、さきに申し上げたとおり、日本経済や東京都の財政の成長、それから今、少し衰退していると、大いに衰退しているという部分を大いに反映させている計画だと思うんです。
 平成七年から九年の間の見直しはどんなことがあったかというと、それまで四十ヘクタールあった埋立面積を三十五に見直すと、縮小させると。それから、それまで西側の方に潮入りといいましょうか、くぼんだところをつくって、東側の方は陸とくっついて、片口しか潮の出入りはなかったんですけれども、それを東側の方にもくぼみをつくって、両方のくぼみから潮の出入りに強弱をつけるというような配慮もいたしました。
 それから、雰囲気といいましょうか、風貌といいましょうか、風景を醸し出す古い堤防がありますけれども、二つあるわけですが、それと、埋め立ての距離もそれまで十五メートルだったものを五十メートルに広げて、潮の出入りをより厚くするというようなことが、この平成七年から九年の間の三カ年計画の中で、見直しの中で、今までの行け行けどんどんから少し反省したような形が、この埋め立て形態の縮小、それから水辺の拡大というところで見受けられるというふうに思うんです。
 しかしながら、その手直しとは別に、この計画の持っている一つの宿命というのは、やはりあくまでもその拡大路線の域を脱し切れなかったということが、指摘せざるを得ません。
 その理由は、臨海副都心有明地区というこの計画の中の土地利用計画なのです。この土地利用計画は、修正された三十五ヘクタールの多くを住宅系用地にし、それでその一部を住商複合地域にするというような形は、ここの部分については手直しはしていません。したがって、全体は小さくしたんだけれども、この四百億をかけて--総額工事費四百億ですけれども、それをかけてつくる多くは、これ住居地域なんですね。住宅系の用地。住宅系の用地を、この会計は特別会計でありまして、税金を投入しないで、すべての工事費は転売した土地で四百億を回収してしまいましょうよというシステムですね。
 したがって、住宅用地で、今から十七年前にできたその計画を、十七年たって、バブルのときに考えたといってもいいそのプランニングを、いまだに土地利用の計画については修正せずに、住宅でどんどん売れるだろうと、四百億円回収できるだろうという、その観点が全然修正されていない傾向だということをいわざるを得ない。したがって、そのような膨張期の発想が、今少しディセンディングしている、衰退しているときの状況に合うのかどうなのかということは、私はさきの委員のそれぞれの質問とは別な角度から、大いに危機感を持ってこの計画の全体像に着目をしているということを申し上げておきたいと思うんです。
 さて、そういう全体計画の中でありながら、今回の私の質問は、ひとつ、その環境に限ってスポットライトを当ててみたいと思うんです。
 私は、平成九年に初めて議席を与えていただくわけですが、そのときに、さっき申し上げた七年から九年の三カ年の見直しの、ちょうど過程に私はいました。そこで私は、従来の先輩方の政治姿勢は、先ほど申し上げた四十一から三十五、潮入りを二つつくる、あるいは堤防間の距離を十五から五十にするというような、そういう修正で、同じ会派の先輩方は、ほぼ納得されていたような節がある。
 ところが新人の私、議員は、違う角度で、これはもう少し--当時からヒートアイランドもいわれ、風の道なども考えられていた我が会派は、これは三十五ヘクタールといえども埋め立てせずに、自然のまま温存して海風をもっと東京湾から町場に入れていくんだぞという、そういう発想を持ったものですから、疑義を呈しました。疑義を呈して、我が会派の半数ぐらいの仲間は、埋め立てのこの計画に反対した経過があります。
 そういう経過を踏まえながら、立ち返って環境の問題に移りたいんでありますけれども、この平成十二年から工事をしておりますこの埋立事業の計画に対して、十五年度まで、この今決算時期まで、どういう進捗状況があったのかということをまずお伺いいたしたいと思います。

○尾田参事 有明北地区の埋立事業は、新交通の「ゆりかもめ」の導入空間となる環状二号線や放射三四号線都道晴海線の延伸部の用地部を先行的に埋立造成を行いまして、十五年度末に約十九ヘクタールを有する東側の地区を埋め立てをしました。
 そして平成十五年度の工事の進捗状況は、先ほど先生からお話がありましたように、事業費四百億に対して約四八%でございます。計画面積三十五ヘクタールに対して約五四%でございます。
 現在、昨年に引き続きまして、西側地区約十六ヘクタールの埋立造成を進めております。本年度末には埋め立てが概成する予定でございます。
 埋め立ての竣工期限であります十七年九月までには、埋立竣工する予定でございます。

○和田委員 初めに東側をやって、次は西側に移ってきているという工事の経過もわかりました。
 ただ、疑問なのは平成十五年度時点ですよ、これ決算時期で、百九十二億円余の決算累積ですよね。それで、進捗率というか、執行率は四八・二%ということですから、今、十五年度の数字でちょうどまだ半分にいっていない。それで、十四年度、十五年度のそれぞれの対前年比の比較からすると、一四%とか一八%の進捗率の増ですよね。
 この十五年度から十六年度を予想するに、多分一〇%ぐらいだとすると、今ちょうど、四八・二ですから、一〇%と予想すると、五八%ぐらいしかいかない。それで、十七年度の今ご答弁いただいた九月に完成ということは可能なんだろうか。そんなに急に進捗率が上がるものなのかという疑問がまずあるんですよ。一遍に、三年間で五〇%近く上がるだろうかということですね。
 これについては、今、答弁では十五年度まで四八%だから、十六年度、十七年度、あと二カ年ある。しかし、二カ年丸々じゃありませんから、十七年の九月まででストップするということになっているわけですから、事実上は一年とまあ六カ月しかないわけですよね。単純に月々で割っていく、その進捗率はないとは思うけれども、あと丸々二カ年ないこの間に、四八から一〇〇にいけるのかという疑問には、今のご答弁の勢いから、どういうふうにお答えになりますか。

○尾田参事 平成十五年度末の整備状況は、先ほどご説明しましたように、計画面積三十五ヘクタールに対して五四%、それで護岸延長につきましては、二千百七十メートルありまして六二%になっております。
 先生が先ほどご指摘ありましたように、四百億の事業費に対してどうかということでありますので、十六年度における予算額は約百二十二億円ございます。十六年度末の事業費としましては、先ほどの十五年度末の約二百億円と百二十二億円を足しますと約三百十五億円となりまして、計画全体の事業費の約八割に達するということでございます。
 で、埋立護岸については完成をする予定になっておりますので、したがって、埋立免許の期限までには十分完成するというふうに考えております。

○和田委員 この種の計画は、初めとろとろ中ぱっぱというのではありませんけれど、初めにゆっくりいって、あとはぐっと双曲線上にいくというのも承知しているんですが、一種の杞憂でまさに終わってほしいなということを申し述べておきます。それを急ぐ余りに事故など出さないように、ぜひ慎重なおかつ効率的に工事完成、来年の九月まで、ぜひ見事な竣工結果を見せていただきたいというふうに思うんです。
 私は、そのような進行状況はわかりながら、かつてここは木場という名のとおり貯木場で、海外から輸入した材木を蓄えておく場所でしたよね。そのために、一種独特の木を保存しておくというか、滞留しておく高い塔のようなものが、木の塔のようなものがあって、江戸前の風景を醸し出したものです。
 したがって、九年のこの計画に反対というか、疑問を呈する人々の中には、船宿の人ですとか、あるいは東京湾の江戸前の風景を尊重する環境学者の人とか、あるいは江戸前の生物を大事にする、そういう生物学者とか、もろもろの方が集まって、この十万坪の土地の埋め立てに疑問を呈したという運動があったわけです。
 私は、そのときの議会質問で、里山という言葉はしばしば聞くけれども、この地域は里海だと、まさに庶民生活と、それから太平洋に行く間のちょうど中間地点で、みんなが憩える、あるときはハゼ釣りをして、そのハゼの天ぷらを食べながら、貯木場のその風景を見ながら夕涼みをするとか、あるいは社員の憩いの時間を、うたげを持つとか、そういう本当にほのぼのとした空間、空域だったんだということを私は主張したことがあるんです。
 しかしながら、このように埋め立てられた後は、それをどのように情感を取り戻して残していくかということに考えを切りかえなければいけません。その意味で、今回の埋立事業において、自然環境の復元というか保全というか、そういうことについて、当局はどれほど注意を、あるいは情熱を傾けていただいたのかということについてのお尋ねをいたします。

○尾田参事 先生が、先ほど里海という概念でお話がありました。私どもは、この里海という概念を、海というエリアにおいて、人の領域と自然との領域がうまく共存した、人間との領域がうまく共存した空間であるというふうに理解をしております。したがって、ここを埋め立てに当たりましては、いろいろと環境には配慮をしまして、復元をしていこうというふうに考えてやってきました。
 先ほどお話がありましたように、埋め立てる前は、ここは三方を直立護岸に囲まれた、産業用に使っていた貯木場であります。これを埋め立てるに当たっては、先ほど先生からお話がありましたように、当初の計画を四十一ヘクタールから三十五ヘクタールに埋立面積を縮小したり、それから東西の水域に入り江を配置したりしまして、それからまた水路を十五メートルから五十メートルに広げて水が流れやすくし、良好な環境が確保できるようにしたと、こういったこともやってきました。
 また、工事を進める上でも、埋め立てが終わって、しゅんせつした土砂をまた元へ戻して、水生生物が元の状況に、底質環境が元に戻るような形で工夫をするというような形でもやってきました。
 さらに、護岸も近自然型ブロックと、通称私どもはカニ護岸というふうにいっておりますが、こういった護岸を千四百メートル整備をすると。それからまた、干潟機能を持ち、ヨシなどの水生生物も生育する潮入りの八カ所を整備すると。そしてまた、ハゼやカニなどの水生生物がすみやすい環境をつくっていくと、こういった環境に配慮してきました。
 そして、こういうことをすることによって自然環境が復元し、都民が水辺環境に親しむ環境になるというふうに私どもは考えております。

○和田委員 この四百億の工事費は、すべて挙げて、用地売買によって賄われるものだと。したがって、この護岸整備、埋め立てだけではまだ事業半ばでありまして、十七年九月がまだこれからの始まりなんで、埋立地で終わるんじゃなくて、いかに売れるのか、売るのかという、ある意味では、東京都の不動産的な役割がそこに出てくるという認識でやりますから、今のご答弁の純粋に経緯、経過のご説明、あるいは今までの自然環境保全に対するご苦労、それはわかりますが、しかし、これからは、結果として四百億回収できるのか、できないのかという現実問題が待っているわけでございますから、ぜひ、今までの努力は努力として、私は多といたしますけれども、まだまだ一山、二山ありますよという私なりの心配を申し上げて、私の質問を終わります。

○中屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時五十八分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る