公営企業会計決算特別委員会速記録第二号

平成十六年十月十五日(金曜日)
第四委員会室
   午後一時五分開議
 出席委員 二十二名
委員長馬場 裕子君
副委員長真木  茂君
副委員長中屋 文孝君
副委員長前島信次郎君
理事高橋かずみ君
理事酒井 大史君
理事かち佳代子君
理事真鍋よしゆき君
理事木内 良明君
谷村 孝彦君
村上 英子君
鈴木 一光君
吉野 利明君
執印真智子君
土持 正豊君
近藤やよい君
和田 宗春君
池田 梅夫君
古賀 俊昭君
清原錬太郎君
大河原雅子君
渡辺 康信君

 欠席委員 一名

 出席説明員
病院経営本部長押元  洋君
中央卸売市場長森澤 正範君
都市整備局長梶山  修君
港湾局長成田  浩君
交通局長松尾  均君
水道局長高橋  功君
下水道局長二村 保宏君

本日の会議に付した事件
 平成十五年度東京都公営企業各会計決算の認定について
平成十五年度決算概要(説明)
・平成十五年度東京都病院会計決算
・平成十五年度東京都中央卸売市場会計決算
・平成十五年度東京都都市再開発事業会計決算
・平成十五年度東京都臨海地域開発事業会計決算
・平成十五年度東京都港湾事業会計決算
・平成十五年度東京都交通事業会計決算
・平成十五年度東京都高速電車事業会計決算
・平成十五年度東京都電気事業会計決算
・平成十五年度東京都水道事業会計決算
・平成十五年度東京都工業用水道事業会計決算
・平成十五年度東京都下水道事業会計決算

○馬場委員長 ただいまから平成十五年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 本日から、さきの委員会でご決定いただきました実施要領及び審査日程に従いまして、平成十五年度決算の審査を進めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
 なお、決算審査の参考資料として、平成十五年度予算の審議等における懸案事項の措置状況調をお手元に配布してあります。後ほどご参照願います。
 本日は、決算審査の第一回目でございますので、平成十五年度会計決算について、所管局の局長から順次概要説明を聴取いたします。
 なお、局別の詳細説明の聴取と資料要求は、それぞれの分科会に分かれて行いますので、ご了承願います。
 それでは、各局長から、あいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○松尾交通局長 交通局長の松尾均でございます。
 委員長を初め委員の先生方には、日ごろから交通局の所管事業につきましてご指導、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 交通局におきましては、地下鉄、バス事業など五つの事業を運営しておりますが、少子高齢化や先行き不透明な経済状況等、事業を取り巻く環境は依然厳しいものがございます。このような状況の中、事業運営に当たりましては、輸送の安全を第一に、お客様サービスのさらなる向上とより一層の経営の効率化に努め、お客様はもとより、都民の皆様から信頼される都営交通を目指して、職員一丸となって取り組んでまいる所存でございます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。
 引き続きまして、出席しております幹部職員をご紹介させていただきます。
 総務部長の金子正一郎です。本委員会との連絡を担当いたします総務部財務課長の塩見清仁でございます。
 よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○高橋水道局長 水道局長の高橋功でございます。
 馬場委員長を初め委員の皆様には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚くお礼を申し上げます。
 当局におきましては、水道事業並びに工業用水道事業を所管し、都民の生活を支え、首都東京の都市活動を支える基幹的な施設として、安定給水に努めております。その一方で、安定した水源の確保、水質問題への対応、老朽化した施設の更新など、幾多の課題も抱えております。
 微力ではございますが、職員とともに全力を挙げて諸課題の解決に取り組みますとともに、健全な事業運営に精いっぱい努めてまいる所存でございます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席をしております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の中田清己でございます。本委員会との連絡に当たります総務課長の廣瀬秀樹でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○二村下水道局長 下水道局長の二村保宏でございます。
 委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
 当局は、二十三区における区部下水道事業と多摩地域の流域下水道事業を所管しており、都民の皆様に安全で快適な生活を送っていただけますよう、下水道の整備と施設の適切な維持管理に取り組んでいるところでございます。
 下水道事業は、施設の再構築や浸水対策、合流改善など、さまざまな課題を抱えておりますが、下水道サービスのさらなる向上と効率的な事業運営に全力を尽くしてまいる所存でございます。
 今後とも、委員会の皆様方の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 経理部長の野口孝でございます。本委員会との連絡を担当いたします会計課長の木暮一夫でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○梶山都市整備局長 都市整備局長の梶山修でございます。
 委員長を初め委員の皆様方には、当局の事務事業につきまして日ごろからご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 当局が実施しております市街地再開発事業は、道路、公園等の公共施設、都市型住宅及び業務施設を一体的に整備することにより、良好な生活環境を備えた安全で快適な都市空間を創出する事業でございます。とりわけ北新宿や環状第二号線新橋・虎ノ門地区につきましては、都市再生の一端を担う事業として早期実現が期待されており、職員一丸となって取り組んでおります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の村松満でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の浅川英夫でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○成田港湾局長 港湾局長の成田浩でございます。
 馬場委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから港湾局の所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻賜りまして、まことにありがとうございます。
 また、本日から、平成十五年度の臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計の決算につきましてご審議を賜ることになりました。
 東京臨海地域におきましては、六本木や汐留などとの地域間競争が激化する中で、臨海地域が持つ魅力や潜在力を最大限に生かし、この地域が首都東京における都市再生の牽引役となるよう、総力を挙げて開発を進めているところでございます。
 また、東京港は、本年七月に横浜港とともにスーパー中枢港湾に指定を受けました。これまでの国際競争力強化の取り組みをさらに推進し、今後、首都圏物流のゲートウエーとして、物流改革の上でも先導的な役割を果たしてまいります。
 今後とも、臨海地域及び東京港の発展に向けまして全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 総務部長の斉藤一美でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の中嶋正宏でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○押元病院経営本部長 病院経営本部長の押元洋でございます。よろしくお願い申し上げます。
 馬場委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから病院事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜りまして、まことにありがとうございます。
 本日から、平成十五年度の病院会計決算につきましてご審議を賜ることになりました。
 病院経営本部は、医療サービスの充実向上、並びに病院事業の自律性と経営責任の一層の明確化を図りまして、都立病院改革を強力に推進しております。
 病院経営本部は、都民の皆様の安全・安心を支える質の高い患者中心の医療を実現するために、職員一丸となりまして都立病院改革に引き続き取り組んでまいる所存でございます。
 今後とも、一層のご指導のほどをお願い申し上げます。
 引き続きまして、当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 経営企画部長の奥田匠でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の和賀井克夫でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○森澤中央卸売市場長 中央卸売市場長の森澤正範でございます。
 馬場委員長初め委員の皆様方には、日ごろから中央卸売市場所管の事務事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 今日、生鮮食料品流通におきましては、輸入食品や冷凍・加工食品の増加、生産者から量販店への直接販売等による流通経路の多様化など、卸売市場を取り巻く環境は大きく変化を来しております。
 中央卸売市場では、こうした流通環境の変化に対応するため、卸売市場法の改正を踏まえ、安全・安心で効率的な市場流通システムへの転換を図るとともに、都独自の規制緩和などを進め、活力のある市場の実現を目指してまいります。また、首都圏の基幹市場となる豊洲新市場の建設に向けて、計画の策定を進めております。
 今後とも、局事業の推進に職員一丸となり取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日出席しております当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 管理部長の石川俊一でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の後藤明でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○馬場委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○馬場委員長 これより決算の審査を行います。
 平成十五年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 それでは、決算の概要について順次説明を願います。

○松尾交通局長 交通局が所管しております三会計の平成十五年度決算のご審議をいただくに当たりまして、事業の概要と決算の概要につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の資料をごらんいただきたいと存じます。
 まず、事業の概要についてご説明申し上げます。
 交通局は、バス、路面電車、モノレール及び地下鉄に発電事業を加えた五つの事業を経営いたしております。これらの事業運営に当たりましては、東京の都市生活や都市活動を支える公共交通機関としての使命を果たすべく、コスト縮減を初め効率的な経営に努めるとともに、お客様の立場に立った輸送サービスの整備充実に取り組んでおります。
 交通局では、質の高い公共交通サービスの提供と経営基盤の強化を目指し、平成十二年度に策定した「東京都交通局経営計画 チャレンジ二〇〇一」の最終年度として、事業の着実な実施に努めてまいりました。
 平成十五年度の主な事業の実施状況についてご説明申し上げます。
 自動車事業でございますが、利便性向上を図るため、バス運行情報の携帯電話やインターネットへのリアルタイム配信サービスを充実いたしました。
 また、環境や福祉への積極的な取り組みとして、新たに導入した車両はすべて排ガス規制に対応したノンステップバスにするとともに、燃料電池バス・パイロット事業の営業運行実証実験を開始いたしました。
 一方、経営の効率化を一層推進するため、管理の委託を導入しました。
 地下鉄事業におきましては、引き続き安全対策の推進として、地下駅の排煙設備等防災改良工事を進めました。また、エレベーター、エスカレーターによる地上までの一ルート確保に努めるとともに、だれでもトイレの、すべてをオストメート対応に改修するなど、駅施設の改善を実施いたしました。
 お客様の誘致策として、大江戸線全線開業三周年記念イベント、ふれあいウオークや地元と協調した各種イベントの実施、ヘブンアーチスト事業への協力、さまざまな企画乗車券の発行など積極的に取り組むとともに、駅をより魅力的な空間とするため、駅構内を活用した軽飲食スタンドなど多様な利用者サービスの充実により、安定的な収入の確保に努めました。
 さらに、地下鉄においても経営の効率化を一層推進するため、駅業務の外注化を行いました。
 次に、決算の概要についてご説明申し上げます。
 まず、自動車運送事業、軌道事業及び懸垂電車事業の三つの事業の収支を経理する交通事業会計についてご説明申し上げます。
 自動車運送事業は、百三十一系統の乗合バスと貸切バス、特定バスを合わせて千五百四十両の車両をもって営業を行いました。乗車人員は、乗合バスにおいて、前年度に比較いたしまして一日平均二万七千人減少し、五十八万人となり、自動車運送事業全体では一日平均五十八万四千人となりました。
 軌道事業は、荒川線十二・二キロメートルを運行しておりますが、乗車人員は、前年度に比較いたしまして一日平均一千人減少し、五万七千人となりました。
 懸垂電車事業は、上野動物園内のモノレールでございますが、乗車人員は一日平均三千人となりました。
 続きまして、収益的収支の状況でございますが、収入総額四百五十一億四千万円、支出総額四百五十六億八千九百万円、差し引き五億四千八百万円の純損失となりました。
 資本的収支でございますが、収入総額三十一億五千万円、支出総額百六億二千六百万円、収支差引不足額七十四億七千六百万円となり、また、翌年度への繰越資金は三億八千万円で、これらにつきましては、前年度からの繰越資金二億一千三百万円及び損益勘定留保資金などで補てんいたしました。
 次に、地下鉄事業の収支を経理する高速電車事業会計についてご説明申し上げます。
 浅草線、三田線、新宿線及び大江戸線の四路線で、営業キロ百九キロメートル、車両数千九十四両をもって運行いたしております。乗車人員は、前年度と比較いたしまして一日平均三万七千人増加し、二百一万六千人となり、年間では七億三千八百万人のお客様にご利用いただきました。
 続きまして、収益的収支の状況でございますが、収入総額千三百五十六億四千百万円、支出総額千五百億八千七百万円、差し引き百四十四億四千六百万円の純損失となりました。
 資本的収支でございますが、収入総額八百七十八億四千七百万円、支出総額千百四十九億六千九百万円、収支差引不足額二百七十一億二千二百万円となり、また、翌年度への繰越資金は十一億九千百万円で、これらにつきましては、前年度からの繰越資金十七億九千八百万円及び損益勘定留保資金などで補てんいたしました。
 最後に、発電事業の収支を経理する電気事業会計でございますが、多摩川第一発電所、多摩川第三発電所及び白丸発電所の三つの発電所で、認可発電出力は最大三万六千五百キロワットとなっております。これらの発電所の発生電力は東京電力株式会社に卸供給しており、平成十五年度の販売電力量は十二万一千メガワットアワーとなりました。
 続きまして、収益的収支の状況でございますが、収入総額九億九千七百万円、支出総額八億五千四百万円、差し引き一億四千三百万円の純利益となりました。
 資本的収支では、支出総額三千万円で、損益勘定留保資金などで補てんいたしました。
 以上述べましたように、平成十五年度の決算状況は、軌道、懸垂電車及び電気事業で黒字を確保したものの、引き続き厳しい財政状況となっております。
 交通局では、このような状況を踏まえ、局を取り巻く諸課題に的確に対応し、事業の発展と新たな展開を図るため、これまでの成果や第二次都庁改革アクションプラン等、諸施策との整合性を図りながら、本年三月に、都営交通ならではのサービスの展開、経営基盤の強化及び組織の活性化を柱とした「東京都交通局経営計画-チャレンジ二〇〇四-」を策定いたしました。
 今後とも一層、経営の健全化及び効率化に積極的に取り組むとともに、職員一人一人の知恵を結集して、今まで以上にお客様に信頼され、選ばれる都営交通を目指して、計画の達成に全力を傾注してまいりますので、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○高橋水道局長 お手元に配布をしてございます平成十五年度東京都水道事業会計及び工業用水道事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 平成十五年度水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算をご審議いただくに当たりまして、両事業の決算の概要につきましてご説明申し上げます。
 初めに、水道事業会計について申し上げます。
 水道事業の最大の使命は、現在及び将来にわたり、都民生活に欠かすことのできない清浄な水を安定して供給することにございます。平成十五年度は、この使命を着実に果たすとともに、質の高い水道サービスの提供と一層の財政の安定化を目指して策定をいたしました水道事業経営プラン二〇〇〇の最終年度として、計画に掲げた主要施策を中心に、事業を着実に推進いたしました。
 以下、平成十五年度の事業の実施内容についてご説明申し上げます。
 第一に、施設整備事業の推進についてでございます。
 都の水源の約八割を占める利根川水系は、他の水系に比べて渇水に対する安全度が低く、今後とも利水安全度の向上を図っていく必要があります。このため、引き続き水源開発の促進を国等に対して働きかけるとともに、水源県等との協力関係を一層深めるなど、水源の安定化に努めました。
 また、近年、より質の高い水の供給を求める都民ニーズが高まっていることから、朝霞浄水場等において高度浄水施設の整備を推進するとともに、増圧直結給水方式の普及拡大に努めたほか、公道部に引き続き、私道部及び宅地内メーターまでの鉛製給水管の材質改善を推進しました。
 さらに、施設の老朽化の状況等に応じて施設機能の維持向上を図るとともに、震災対策として村山下貯水池の堤体強化工事や送配水管の耐震性強化などを実施しました。また、より一層の水道水の安全性を確保するため、浄水場ろ過池の覆蓋化を推進しました。
 これらの施策に加え、経年配水管の取りかえなど漏水防止対策を推進した結果、平成十五年度の漏水率は四・七%と、前年度に比べ〇・七ポイント改善いたしました。
 このほか、貴重な水資源の有効活用を図り、節水型社会を実現するため、都民の節水意識の高揚や水の循環利用の促進を図りました。
 第二に、生活に密着したサービスの推進についてであります。
 都民の生活様式や社会環境の変化に伴い、多様化、高度化する都民ニーズに的確に対応するため、インターネットを活用した受け付けサービスの充実や「水道ニュース」の全戸配布を行うとともに、貯水槽水道に関する改正水道法の趣旨を踏まえ、貯水槽水道の適正管理に関するパンフレットを配布するなど、啓発活動に努めました。
 また、水道施設の開放を一層推進するなど、より信頼され、親しまれる水道を目指して、サービスの充実に努めました。
 第三に、地球環境の重視についてであります。
 地球規模での環境問題が深刻化する中、環境への負荷を極力抑制するため、浄水場ろ過池の覆蓋化に合わせて、覆蓋上部への太陽光発電設備の設置を推進したほか、引き続き、浄水場等発生土の有効利用など、資源リサイクルを着実に実施しました。
 また、総合的な環境施策を推進するため、平成十六年一月に東京都水道局環境計画を策定しました。
 第四に、新しい事業経営システムの導入についてであります。
 経営効率の一層の向上や財政基盤の強化を図っていくため、PFI手法や事業評価制度の活用など、経営手法の多様化を図るとともに、双方向的な情報公開の仕組みづくりなど、新しい事業経営システムを積極的に導入し、事業を推進しました。
 また、多摩地区統合市町のお客様サービスや給水安定性の向上及び事業運営の効率化を図るため、多摩地区水道経営改善基本計画を平成十五年六月に策定し、この計画に基づき、平成十六年三月三十一日に武蔵村山市及び多摩市への事務委託を廃止しました。
 次に、給水状況について申し上げます。
 年間総配水量は十六億一千二百六十二万立方メートルで、前年度より二千五百九十万立方メートル減少いたしました。有収水量は十五億九百六十一万立方メートルで、前年度より八百八万立方メートル減少いたしました。給水件数は六百三十一万一千百十一件となり、前年度より八万九千百四十九件増加いたしました。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支におきましては、収入総額三千四百二十九億四千四百万円、支出総額三千二十六億二千五百万円、差し引き四百三億一千九百万円の純利益となりました。
 また、資本的収支は、前年度からの繰越額を含めまして、収入総額五百八十億八百万円、支出総額一千六百四十八億七千九百万円、翌年度への繰越工事資金九十七億四千三百万円、差し引き一千百六十六億一千四百万円の不足となりました。この不足額は損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
 次に、工業用水道事業会計について申し上げます。
 都の工業用水道事業は、昭和三十九年度から、地盤沈下防止という行政目的のため、地下水の揚水規制に伴う代替水を供給する事業として開始いたしました。その結果、地盤沈下は鎮静化し、所期の目的を十分果たしてまいりました。
 しかしながら、工業用水の需要は、工場の都外移転、水使用の合理化などにより、昭和四十九年度を境に減少傾向が続いております。さらに、建設以来四十年以上を経過した施設の更新時期を迎えるなど、厳しい経営状況にあります。このため、平成十五年度も計画的な事業執行に努めるとともに、より一層の経営の安定化を図ることを基本に事業運営を行いました。
 次に、給水状況について申し上げます。
 年間総配水量は一千四百四十九万立方メートルで、前年度より八十四万立方メートル減少しました。給水件数は六百四十五件で、前年度より三件の減少となっております。
 次に、財政状況について申し上げます。
 まず、収益的収支におきましては、収入総額二十億四千三百万円、支出総額二十億四千三百万円で、収支は均衡いたしました。
 また、資本的収支は、前年度からの繰越額を含めまして、収入総額十三億七千七百万円、支出総額二十億七千七百万円、差し引き七億円の不足となりました。この不足額は損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
 以上、平成十五年度の水道事業会計及び工業用水道事業会計の決算の概要についてご説明を申し上げましたが、両事業とも幾多の重要課題を抱えております。このような中で、水道事業においては、首都東京にふさわしい水道サービスを実現するため、本年九月に東京水道経営プラン二〇〇四を策定いたしました。都民から両事業を負託された公営企業管理者として、この計画の達成や課題解決に向け職員ともども総力を挙げて取り組み、現在及び将来の安定給水の確保に努めてまいります。
 本決算につきまして、よろしくご審議の上、ご承認賜りますようお願い申し上げます。

○二村下水道局長 お手元にお配りしてございます平成十五年度下水道事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 平成十五年度東京都下水道事業会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要についてご説明申し上げます。
 下水道は、都民の安全で快適な生活環境を実現する上で欠くことのできない社会資本として重要な役割を果たしております。当局は、区部の下水道事業と多摩地域の流域下水道事業を実施しております。区部の下水道事業は、明治十七年に建設された神田下水以来百二十年の歴史を有しており、平成六年度末には一〇〇%普及概成を達成いたしました。
 しかしながら、老朽化した下水道施設の再構築や近年多発している局所的な集中豪雨に対応する浸水対策、さらには、公共用水域の水質保全のための合流式下水道の改善など、下水道事業における緊急な課題がなお多く残されており、その解決に向けて、積極的に取り組んでいるところでございます。
 また、多摩地域においては、一〇〇%早期普及を目指し、関係市町村が実施する流域関連公共下水道との整合を図りながら、流域下水道の整備を促進しているところでございます。
 それでは、平成十五年度の事業方針及び事業の概要についてご説明申し上げます。
 初めに、区部下水道事業についてでございます。
 平成十五年度は、安全で快適な生活環境を確保する上で必要不可欠な下水道サービスを将来にわたって維持向上していくために策定した下水道構想二〇〇一を基本として、次の三つの方針により事業を実施いたしました。
 第一に、老朽化施設の再構築、浸水対策の推進、合流式下水道の改善などの重点事業の着実な実施、第二に、良好な下水道サービスを維持し、都民生活の安全性と快適性を確保するための維持管理の充実、第三に、事業実施に当たって、都民生活に直結する緊急対策をクイックプランとして進めるほか、より信頼され親しまれる下水道を目指して、お客様サービスの向上への取り組みや地球環境の保全への貢献などでございます。
 続きまして、事業の概要についてご説明申し上げます。
 初めに、建設改良事業の主な内容でございます。
 決算書では、平成十五年度決算であることから、旧名称の処理場と表記しておりますが、ここでは、平成十六年度からの新名称である水再生センターでご説明させていただきます。
 まず、老朽化施設の再構築として、八万一千余メートルの管渠を敷設したほか、ポンプ所十カ所、水再生センター七カ所の整備を行うとともに、道路陥没対策や震災対策などの再構築クイックプランを実施いたしました。
 次に、浸水対策として、神谷幹線の整備など一万二千余メートルの管渠を敷設したほか、雑色ポンプ所の完成などポンプ所八カ所と浮間水再生センターの整備を行いました。さらに、近年の浸水被害の状況等を踏まえ、対象地区を重点化した雨水整備クイックプランを実施いたしました。
 次に、合流式下水道の改善として、第二岩淵幹線の完成など二千余メートルの管渠を敷設したほか、ポンプ所七カ所、水再生センター八カ所の整備を行うとともに、ごみや油の塊の流出抑制など、緊急に取り組む施策を合流改善クイックプランとして実施いたしました。また、隅田川や東京湾の水質改善を図るため、水再生センター四カ所で高度処理施設の整備を行いました。
 さらに、下水道の持つ資源の有効利用等として、汐留地区等四カ所で再生水を供給するための整備工事を実施するとともに、汚泥処理の集約化を促進するための焼却炉の建設などを行いました。
 次に、維持管理事業についてご説明申し上げます。
 下水道の機能を確実に発揮させるため、一万五千余キロメートルの管渠、八十一カ所のポンプ所、十三カ所の水再生センターの適切な維持管理と補修を行いました。
 また、一日平均四百七十五万余立方メートルの下水を適正に処理し、健全な水循環の形成に貢献してまいりました。
 なお、平成十五年度末の下水道使用件数は、前年度より六万余件増加して、四百六十四万余件となっております。
 続きまして、流域下水道事業についてご説明申し上げます。
 平成十五年度は、多摩の市町村と連携し、環境と調和する循環型社会の形成を目指した、これからの流域下水道事業に掲げる三つの基本方針、第一に、快適で安全な生活を支える下水道、第二に、自然に優しく環境と調和する下水道、第三に、地域社会と共存する下水道に基づき事業を実施いたしました。
 以下、事業の概要についてご説明申し上げます。
 まず、建設改良事業の主な内容でございます。
 北多摩一号水再生センターについては、高度処理対応として、処理能力を一日当たり五万四千余立方メートル増強いたしました。また、普及促進のため、あきる野幹線などの整備を行いました。
 なお、多摩地域での公共下水道普及率は、前年度より一ポイント増加し、平成十五年度末で九五%となりました。
 さらに、都市化の進展による浸水被害を軽減するため、黒目川流域及び多摩川上流域において、広域雨水幹線の整備を行いました。
 次に、維持管理事業についてでございます。
 関係市町村が整備を進めている流域関連公共下水道が十分に機能を発揮し、快適な生活環境が確保されるよう、流域下水道の幹線二十一万二千余メートル、ポンプ所一カ所、水再生センター七カ所の適切な維持管理を実施し、一日平均八十七万余立方メートルの下水を適正に処理いたしました。
 続きまして、区部及び流域下水道事業をあわせた経理状況をご説明申し上げます。
 まず、下水道施設の維持管理等に係る収益的収支でございます。
 総収益三千五百五十七億余円、総費用三千三百七億余円、収支差し引き二百四十九億余円の純利益を計上いたしました。
 次に、下水道施設の建設改良等に係る資本的収支でございますが、資本的収入二千七百十三億余円、資本的支出四千五百二十四億余円、翌年度への繰越工事資金八十億余円、収支差引不足額一千八百九十億余円となりました。この不足額につきましては、損益勘定留保資金などをもって補てんいたしました。
 続きまして、下水道サービスの向上につきましては、汚水、雨水の排除、処理といった基本的な役割に加えて、再生水の活用や下水汚泥の減量化、資源化に努めるとともに、地球環境の保全に向けた取り組みが必要とされています。
 平成十五年度においては、下水汚泥の一〇〇%焼却を開始し、廃棄物の減量化による環境負荷の低減を図りました。また、ヒートアイランド対策として、再生水を保水性舗装への散水用水として活用するなど、環境保全への取り組みを一層強化してまいりました。
 また、お客様サービスの向上の一環として、リアルタイムの降雨情報である東京アメッシュを引き続きインターネット等で配信したほか、浸水対策強化月間、「油・断・快適!下水道」キャンペーンなどを実施したところです。
 以上の事業の執行に当たり、当局としては、徹底した経費の節減に努めるとともに、国庫補助金等必要な財源の確保を図ってまいりました。今後は、平成十六年二月に策定いたしました経営計画二〇〇四の実現に向け、お客様の視点、環境の視点、経営の視点の三つの視点を基軸に、都民サービスのさらなる向上と事業の効率化に取り組んでまいります。
 以上、平成十五年度下水道事業会計決算の概要につきましてご説明申し上げました。
 本決算につきまして、よろしくご審議の上、ご承認賜りますようお願い申し上げます。

○梶山都市整備局長 お手元の東京都都市再開発事業会計決算の概要をごらんいただきたいと思います。
 平成十五年度都市整備局関係の決算についてご説明申し上げます。
 初めに、当局の事業概要でございますが、魅力と活力のある国際都市東京の再生など、当面の政策課題に的確に対応するとともに、現場感覚を反映した迅速で実効性ある都市整備の推進を図るため、本年四月に、都市計画局、住宅局、建設局の市街地整備部門を再編統合して新たに発足いたしました。
 所管事項は、おおむね次の五つに区分されます。一、都市整備の基本的事項に関すること、二、都市計画に関すること、三、住宅及び住環境整備に関すること、四、市街地整備に関すること、五、建築に関することでございます。
 これらの事業につきましては、一般会計、七つの特別会計、一つの公営企業会計に区分して経理を行っておりますが、本委員会におきましてご審議をお願いする北新宿地区と環状第二号線新橋・虎ノ門地区の再開発事業につきましては、事業収支の一層の明確化を図るためのもので、この四月に建設局から当局に引き継がれたものでございます。
 それでは、事業及び決算の概要についてご説明申し上げます。
 第一に、北新宿地区でございます。
 当地区は、市街地再開発事業により、放射第六号線とその周辺の低層密集市街地を一体的に整備することにより、副都心にふさわしい土地の高度利用と都市機能の更新を図ることを目的に、平成六年十月の都市計画決定、十年五月の事業計画決定を経て、十九年度の完了を目途に事業を進めております。十五年度は用地買収を行うとともに、十四年度に着手した施設建築物工事を引き続き実施いたしました。
 第二に、環二新橋・虎ノ門地区でございます。
 当地区は、立体道路制度を活用した市街地再開発事業により道路と建物の共存を図りながら、環二とその周辺を含めた一体的な都心機能再生のまちづくりを行うことを目的に、平成十年十二月の都市計画決定、十四年十月の事業計画決定を経て、二十三年度の完了を目途に事業を進めております。十五年度は用地買収を実施いたしました。
 次に、収支状況についてご説明申し上げます。
 まず、収益的収支でございます。収入総額六千六百万円余、支出総額二千百万円余、差し引き四千四百万円余の純利益が生じました。
 次に、資本的収支でございますが、収入総額二百五億八千百万円余、支出総額百五十四億九千六百万円余、翌年度繰越額七十三億一千百万円余、差し引き二十二億二千六百万円余の不足となり、前年度からの繰越工事資金で補てんいたしました。
 以上が平成十五年度東京都都市再開発事業会計決算の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○成田港湾局長 平成十五年度港湾局関係の決算のご審議をいただくに当たりまして、その概要をご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます臨海地域開発事業会計、港湾事業会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、当局の事業の概要についてご説明申し上げます。
 港湾局は、東京港及び島しょの港湾、漁港等の整備、管理や東京臨海地域の開発等の事業を通じて、物流の円滑化や都市の再生、防災機能の充実などを図り、都民生活の向上や産業の発展に努めておるところでございます。
 これらの事業につきまして、一般会計、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計に区分して経理を行っておりますが、本委員会におきましては、これらのうち、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計のご審議をお願いするものでございます。
 それでは、臨海地域開発事業会計についてご説明申し上げます。
 この会計の所管いたします事業は、埋立地の造成整備及び開発でございます。
 東京港の埋立事業は、昭和三十六年の東京港改訂港湾計画の策定以降、本格化いたしましたが、その後、幾度かの埋立造成整備計画の改定を経まして、逐次埋立地を造成整備し、港湾など物流諸施設の充実と既成市街地の再開発への対応などを図ってまいりました。
 また、臨海副都心の開発につきましては、平成九年に策定いたしました臨海副都心まちづくり推進計画に基づき、着実に開発を進めているところであります。
 なお、当会計の財政基盤を強化するため、平成十四年三月に臨海地域開発財政基盤強化プランを策定し、収支両面から事業の見直しを行うなど、財政基盤の強化に努めているところであります。
 さらに、都市再生の一環として、スーパーエコタウン事業のために埋立地の活用を図るとともに、有明の丘地区における首都圏の基幹的な広域防災拠点の整備の推進に取り組んでおります。
 次に、決算の概要についてご説明申し上げます。
 まず、平成十五年度の主な実施事業についてご説明申し上げます。
 第一に、土地の処分でございますが、臨海副都心地域で八件、その他の埋立地で十八件の処分を行いました。
 第二に、豊洲・晴海地区の防潮護岸整備及び有明北地区の埋立造成を実施するとともに、東京臨海新交通臨海線整備事業等に対する開発者負担等を行いました。
 次に、収支状況についてご説明申し上げます。
 まず、収益的収支でございますが、収入総額一千七十三億一千六百四万余円、支出総額一千六十八億一千二百六十八万余円、差し引き五億三百三十六万余円となり、消費税を控除した後の当年度純利益は五億百十一万余円となりました。
 次に、資本的収支でございますが、収入総額三十八億二千六百七十万余円、支出総額三百十六億四千五百八十万余円、翌年度繰越額二億九千九百九十一万余円、差し引き二百八十一億千九百二万余円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
 続きまして、港湾事業会計についてご説明申し上げます。
 この会計の所管いたします事業は、荷役機械、上屋、野積み場、貯木場等の運営でございます。
 東京港は、首都圏四千万人の生活と産業の発展を支える重要な役割を担っております。現在、東京港は、コンテナ貨物取扱量において我が国第一位でございますが、アジア諸港との競争が激しさを増す中で、今後とも国際基幹航路の寄港するメーンポートの地位を確保していく必要がございます。そこで、国際競争力を高めるため、ハード、ソフト両面から港湾機能の充実を図るとともに、サービス向上やコスト削減等を実現することが差し迫った重要な課題でございます。
 これらの課題に的確に対応するため、港湾事業会計により、港湾施設の整備や改良を実施し、東京港の機能の維持発展に努めております。
 次に、決算の概要についてご説明申し上げます。
 まず、平成十五年度の主な実施事業でございますが、港湾施設整備事業として、品川コンテナふ頭荷役機械の更新や青海コンテナターミナル施設整備等を行うとともに、港湾施設用地等の取得を行いました。
 次に、収支状況についてご説明申し上げます。
 まず、収益的収支でございますが、収入総額七十四億四千二百四十四万余円、支出総額四十九億九千三百六十八万余円、差し引き二十四億四千八百七十六万余円となり、消費税を控除した後の当年度純利益は二十三億六千六十万余円となりました。
 次に、資本的収支でございますが、収入総額五億余円、支出総額四十六億九千九十三万余円、差し引き四十一億九千九十二万余円の不足となりました。この不足額は、損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
 以上、二会計の決算の概要についてご説明申し上げました。
 今後とも、臨海地域開発事業会計につきましては、臨海地域開発財政基盤強化プランを着実に実施し、引き続き収支改善を図ってまいります。
 また、港湾事業会計につきましては、港湾施設の整備を推進し、効率的な事業運営に努めてまいります。
 本決算につきまして、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○押元病院経営本部長 平成十五年度東京都病院会計決算のご審議をいただくに当たりまして、決算の概要につきましてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りをしております平成十五年度東京都病院会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 平成十五年度における病院経営本部所管の都立病院は、普通病院が九、小児病院が二、精神病院が二の計十三病院でございます。
 都立病院は、救急医療、がん医療、周産期医療、難病医療、感染症医療など、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられました行政的医療を適正に都民に提供いたしますとともに、他の医療機関等との密接な連携を通じまして、都における良質な医療サービスの確保を図ることを基本的役割として運営を行っております。
 現在、三百六十五日二十四時間の安心・安全と患者中心の医療を目指しまして、都立病院改革を着実に推進しておりますが、これまでの東京ERの開設や患者権利章典の制定などに引き続きまして、平成十五年度からは、都立病院改革実行プログラムに基づきまして、都立病院改革の第二段階として改革に取り組んでいるところでございます。
 本プログラムにおきます平成十五年度の主な取り組み状況につきましてご説明を申し上げます。
 まず、患者中心の医療の推進でございます。
 医療安全管理対策を充実強化するため、すべての都立病院に専任のリスクマネジャーを配置いたしますとともに、生命維持装置等の管理の徹底を図りますため、五病院において臨床工学技士の配置を強化いたしました。
 また、医療サービスの向上に向けた取り組みといたしましては、専門外来の充実を初め、電子カルテを含む新病院情報システムを府中病院に導入いたしまして、患者様に対するインフォームド・コンセントの充実や会計待ち時間の短縮などを実現してまいりました。
 次に、都立病院の再編整備の推進でございます。
 まず、大久保病院につきましては、地域医療の一層の充実を図るため、平成十六年三月末をもって都立病院としての運営を終了し、財団法人東京都保健医療公社に移管いたしました。
 また、広尾病院では、救急・災害医療センターとしての機能を充実するため、看護職務住宅の改築にあわせまして、発災時の臨時病室の整備や災害対策用の備蓄倉庫、研修施設の整備を行いました。
 また、多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターの整備につきましては、建設予定地の埋蔵文化財調査に着手いたしますとともに、事業手法としてPFIの導入を検討するなど、準備を進めてきたところでございます。
 次に、決算の概要についてご説明を申し上げます。
 まず、診療実績でございますが、入院患者は延べ二百六万四千三百五人、外来患者は延べ二百六十五万八千二百三十二人でございまして、前年度に比べますと、それぞれ二万四千二百十二人、十二万九千九百四十三人の減となっております。
 次に、経理状況でございますが、収益的収支は、総収益が一千四百九十八億七百八十三万余円、総費用が一千五百七億六百三十七万余円でございまして、差し引き八億九千八百五十四万余円の純損失となりましたが、前年度の純損失三十億二千六百十四万余円から大幅に改善が図られたところでございます。この結果、翌年度への繰越欠損金は三十九億二千四百六十八万余円となりました。
 なお、病院運営の主要指標の一つでございます自己収支比率につきましては、病院全体で七二・一%、そのうち総合病院では七五・五%となりまして、各病院の経営努力によりまして、前年度と比較して、病院全体では一・九ポイント、総合病院では二・三ポイント向上いたしまして、過去最高の自己収支比率となりました。
 また、資本的収支は、総収入は四十一億七千九万余円、総支出が百四十七億四千八百三十九万余円でございまして、差引不足額百五億七千八百二十九万余円は、損益勘定留保資金等で補てんをいたしました。
 以上、平成十五年度東京都病院会計決算の概要についてご説明を申し上げましたが、病院事業の経営は依然として大変厳しい状況にございます。このため、都立病院が持ちます医療資源を最大限に有効活用しながら、経営革新や職員改革に力を注ぎまして、これまでにも増して都民の皆様の期待にこたえられる病院となりますよう、引き続き職員一丸となりまして都立病院改革に邁進をしてまいる所存でございます。
 本決算につきまして、よろしくご審議の上、ご承認を賜りますようお願い申し上げます。ありがとうございました。

○森澤中央卸売市場長 お手元に配布しております平成十五年度東京都中央卸売市場会計決算の概要をごらんいただきたいと存じます。
 平成十五年度当会計の決算の概要につきましてご説明を申し上げます。
 中央卸売市場は、生鮮食料品の円滑な流通を確保することを通じて、都民の食生活の安定に資するという重要な役割を担っております。この役割を果たすため、都は、区部及び多摩地域に十一の中央卸売市場を開設し、公正な取引と安全・安心で効率的な流通を確保するため、指導監督等の業務を行うとともに、大きく変化する流通に対応し、首都圏の基幹市場として機能を果たす豊洲新市場の建設や既設市場における品質管理の向上を目指す施設整備などの事業を実施しております。
 また、民営の地方卸売市場に対する指導及び施設の整備の助成等を行うほか、消費者への生鮮食料品情報の提供などの事業を実施しております。
 平成十五年度の中央卸売市場における取扱実績についてご説明申し上げます。
 市場の取扱数量は、水産物六十九万三千八百三十八トン、青果物二百二十五万九千七十二トン、畜産物九万三千三十七トン、生鮮食料品合計で三百四万五千九百四十七トン、花きが二十億四千百九十四万本で、これらを合わせた取扱金額は一兆二千八百十六億余円であります。これを前年度と比較しますと、取扱数量で、生鮮食料品は十四万八千九百八十六トン、四・七%の減少、花きは五百二十四万本、〇・三%の減少、取扱金額全体では六百二十九億余円、四・七%の減少となりました。
 次に、平成十五年度に実施いたしました主な事業について申し上げます。
 まず、中央卸売市場の活性化への取り組みについてであります。
 市場外流通の増加などの流通形態の多様化に対応して卸売市場の競争力を回復するためには、市場業者の経営体質の改善と経営基盤の強化が不可欠でございます。このため、仲卸業者に対して経営相談のための公認会計士による特別指導を充実するなど、経営体質の強化や統合促進に努めたところでございます。
 また、定期借地権制度を活用して、市場用地を大田市場の花き部の事業者に貸し付け、みずから商品保管施設や駐車場施設などを迅速に整備できるようにいたしました。
 次に、施設整備事業について申し上げます。
 豊洲新市場につきましては、市場建設予定地に係る防潮護岸建設工事を実施いたしました。
 既設市場につきましては、品質管理の向上や衛生対策を図るため、卸売り場の低温化や施設改良工事を実施いたしました。また、市場内の大気環境の改善を目指し、場内搬送車の電動化を進めるための施設整備を実施いたしました。
 続きまして、収支の状況についてご説明申し上げます。
 まず、収益的収支でございますが、収入総額は二百七億六千百三十三万余円、支出総額は二百七億六百三十八万余円、差し引き五千四百九十四万余円の純利益となりました。前年度繰越欠損金百五十二億三千八百五十三万余円からこの利益額を差し引きました当年度未処理欠損金は百五十一億八千三百五十八万余円となり、平成十六年度へ繰り越すことといたしました。
 次に、資本的収支でございますが、収入総額は十三億七千二百二十五万余円、支出総額は百七億三千四百六十四万余円でございまして、収支差引不足額は九十三億六千二百三十九万余円となりました。この不足額につきましては、減債積立金、建設改良費積立金、損益勘定留保資金等をもって措置をいたしました。
 以上が平成十五年度東京都中央卸売市場会計決算の概要でございます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 この際、各分科会委員長に申し上げます。
 分科会における局別質疑終了後は、速やかに委員長まで審査報告書を提出されますようお願いいたします。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十九分散会

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