公営企業会計決算特別委員会速記録第四号

平成十五年十一月二十一日(金曜日)
第四委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 二十三名
委員長鈴木貫太郎君
副委員長石川 芳昭君
副委員長矢島 千秋君
副委員長馬場 裕子君
理事秋田 一郎君
理事山下 太郎君
理事中嶋 義雄君
理事古館 和憲君
理事三原 將嗣君
谷村 孝彦君
中屋 文孝君
林田  武君
山口 文江君
かち佳代子君
高島なおき君
大塚 隆朗君
小美濃安弘君
吉野 利明君
宮崎  章君
林  知二君
東ひろたか君
小山 敏雄君
大西由紀子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
病院経営本部長碇山 幸夫君
中央卸売市場長森澤 正範君
東京都技監建設局長兼務小峰 良介君
港湾局長成田  浩君
交通局長松尾  均君
水道局長飯嶋 宣雄君
下水道局長二村 保宏君

本日の会議に付した事件
 平成十四年度東京都公営企業各会計決算の認定について(意見開陳)
 ・平成十四年度東京都病院会計決算
 ・平成十四年度東京都中央卸売市場会計決算
 ・平成十四年度東京都都市再開発事業会計決算
 ・平成十四年度東京都臨海地域開発事業会計決算
 ・平成十四年度東京都港湾事業会計決算
 ・平成十四年度東京都交通事業会計決算
 ・平成十四年度東京都高速電車事業会計決算
 ・平成十四年度東京都電気事業会計決算
 ・平成十四年度東京都水道事業会計決算
 ・平成十四年度東京都工業用水道事業会計決算
 ・平成十四年度東京都下水道事業会計決算

○鈴木委員長 ただいまから平成十四年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 これより決算の審査を行います。
 平成十四年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 なお、本決算につきましては、いずれも質疑を終了いたしてございます。
 これより意見の開陳を行ってまいります。
 順次発言を願いたいと思います。

○秋田委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、平成十四年度公営企業会計決算について、意見の開陳を行います。
 まず初めに、各公営企業会計の共通事項について申し上げます。
 平成十四年度の収益的収支は、全十一会計のうち、病院会計と高速電車事業会計の二会計で三百二十億円の純損失が生じ、水道事業会計など九会計で六百八十五億円の純利益を得ております。
 また、十一会計全体の累積欠損額は、百三十四億円となっております。
 さて、民間企業では、景気に明るい兆しが見えてきました。これは、企業の血のにじむようなリストラによる収益改善、合併や再編、新商品の開発、市場ニーズの掘り起こしなどが、ようやく形となってあらわれてきたものです。
 それでも、我が国経済は、いまだ不透明感がぬぐえず、最終的な需要や生産がふえず、国民経済のパイ全体は大きくなっておりません。
 こうした中、東京都の公営企業においても、経営のあり方を真剣に考え、将来に向けた改革に前進していかなければなりません。
 公営企業は、都民生活に密着し、その日々の生活に欠かせないサービスを提供することにより、都民福祉を向上させ、より豊かで安全な東京を実現することがその使命であります。経営感覚を最大限に発揮しながら、常に自己改革をしていくことが求められます。
 それでは、各会計ごとに意見を申し上げます。
 まず、病院会計ですが、都財政の厳しい状況を踏まえつつ、医療を取り巻く情勢に応じて不断に一般会計繰り入れ対象経費の見直しを行い、負担区分の明確化に努められたい。
 今後、経費の節減や収入の確保など、さらなる経営改善努力を行い、欠損金の解消を図り、健全な経営に努められたい。
 また、救急医療のさらなる充実に向けて、東京ERを含む都立病院の救急医療体制について不断に見直しを行い、その充実強化に努められたい。
 患者中心の医療の実現と、都民に対する総体としての医療サービスの向上を図るために策定された都立病院改革マスタープランの実現に努め、東京発医療改革の核である都立病院改革を着実に推進されたい。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 まず、食の安全と安心を確保するため、市場関係業者と連携し、生産、流通、販売の各段階における適時、的確な情報収集、情報公開に努め、安全・安心な生鮮食料品の流通に万全を期されたい。
 豊洲新市場の整備に当たっては、二十一世紀の首都圏の基幹市場としての役割を適切に担えるように積極的に対処され、建設計画の着実な推進に努められたい。
 また、市場システムを見直し、市場改革が実現された市場となるよう整備されたい。
 多摩地域の青果地方卸売市場については、中核的地方卸売市場制度や施設整備事業費補助制度を活用し、支援の充実に努められたい。
 また、市場内の環境改善を一層推進するため、関係者との連携協力体制を強化し、リサイクルの推進や、場内搬送車の電動車への切りかえなど、市場の環境負荷の軽減を図られたい。
 次に、北新宿地区市街地再開発事業についてですが、新宿副都心にふさわしい土地の高度利用と、放射第六号線の整備による都市基盤の強化を図り、生活環境の改善と防災性の向上を推進されたい。
 また、環状第二号線新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業については、都市の骨格を形成する環状第二号線とその周辺を含めた一体的な都市機能を再生し、魅力と個性のある複合市街地の形成を推進されたい。
 次に、臨海地域開発事業会計について申し上げます。
 臨海副都心の開発は、都民生活を支える新しいまちを創造する重要な事業であります。東京の新たな観光地として、さらに魅力の向上に取り組むとともに、売却方式などを活用し、民間事業者の誘致に努めるなど、土地処分に全力を尽くされたい。
 また、新交通「ゆりかもめ」の豊洲延伸、臨海副都心地域と都心部とを結ぶ晴海通りや環状二号線などの整備を積極的に推進されたい。
 有明北地区の埋め立てについては、東京臨海地域の発展に大きく寄与する広域幹線道路の整備などに欠かせないものであり、着実に事業を推進されたい。
 東京港の埋立地は、都民の貴重な財産であり、都民のニーズに対応し、海上公園やスポーツ・レクリエーション施設の充実を図るとともに、自然の再生に取り組むなど、自然環境と調和した都市環境の形成に努められたい。
 次に、港湾事業会計について申し上げます。
 東京港は、首都圏四千万人の生活と産業活動を支える物流拠点として重要な役割を担う社会基盤施設です。このため、利用者ニーズに的確にこたえて施設を整備し、内外の貨物誘致等を推進するとともに、事業運営の効率化を図るなど、東京港の国際競争力の強化に努められたい。
 次に、交通事業会計について申し上げます。
 まず、経営計画に定められた事業計画の着実な事業執行に努めるとともに、組織の簡素効率化などにより徹底した経営の効率化を推進し、収支の改善に努められたい。
 バス事業については、需要に対応した路線の見直しや整備を図るとともに、バス運行情報サービスの充実など、利便性向上のための方策を推進されたい。
 ノンステップバスや低公害型バスの導入に努めるなど、福祉や環境にも配慮した先導的施策を引き続き推進されたい。
 次に、高速電車事業についてですが、大江戸線を初め、各線でより質の高いサービスを提供し、積極的な乗客誘致策を展開しながら、あわせて収支改善に努められたい。
 新たな広告媒体の開発に努めるとともに、駅構内の空間を最大限に活用して、店舗等の展開を図るなど、関連事業のスピーディーかつ積極的な展開を図られたい。
 また、安全のための施設整備を推進するなど、ふなれな人も戸惑うことなく、案内標識の充実を図るなど、適切な情報の提供に努められたい。
 バリアフリー法の趣旨を踏まえ、エレベーター、エスカレーターの整備、車いす対応型トイレの設置などを引き続き推進されたい。
 電気事業会計については、電気事業の規制緩和の進展を踏まえ、一層の効率的経営に努めるとともに、長期的な経営のあり方について検討されたい。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 安定給水を確保するため、水資源開発基本計画で予定されている新規水源開発について、国等に一層の促進を要望するとともに、水源県との協力関係を深め、その推進に努められたい。
 また、主要施設整備事業を推進するとともに、施設の耐震性強化など、震災対策に万全を期されたい。
 安全でおいしい水を供給するため、高度浄水施設建設の推進、鉛製給水管の早期解消、直結給水の普及拡大、貯水槽水道の適正な管理などに努められたい。
 資源リサイクルや未利用エネルギーの利用など、環境に配慮した施策への取り組みを積極的に推進するとともに、漏水防止対策や節水型都市づくりに努められたい。
 多摩地区水道事業は、より一層のサービスや、給水安定性の向上及び効率的な事業運営を図るため、多摩地区水道経営改善基本計画に基づき、経営改善を着実に推進されたい。
 また、水道施設の開放など、都民に信頼され、親しまれるサービスの充実に一層努められたい。
 PFIや事業評価制度など、新たな経営手法を積極的に活用するとともに、水道事業経営プラン二〇〇〇に盛り込まれた企業努力の達成に万全を期し、経営効率の一層の向上と財政基盤の強化に努められたい。
 工業用水道事業については、安定給水及び施設の安全性を確保するため、経年管の更新などを進めるとともに、より一層効率的な事業運営を推進し、財政の安定化に努められたい。
 次に、下水道事業会計について申し上げます。
 まず、老朽化施設の更新に合わせて、能力不足の解消や機能の高水準化を図るなど、再構築事業を着実に実施されたい。
 また、陥没対策や臭気対策及び震災時のトイレ機能の確保などに重点を置いた再構築クイックプランを着実に実施されたい。
 浸水から都民の生命と財産を守るために浸水対策を積極的に推進するとともに、雨水整備クイックプランを着実に実施されたい。
 公共用水域の水質を改善し、快適な水辺環境を創出するため、合流式下水道の改善や高度処理を推進するとともに、合流改善クイックプランを着実に実施されたい。
 また、都民の理解を得るために、キャンペーンなどのソフト対策も充実されたい。
 多摩地域の下水道の普及促進については、流域関連公共下水道の整備と整合を図りつつ、流域下水道建設事業を推進するとともに、市町村が建設から維持管理まで効率的な事業運営を行うための技術支援を行われたい。
 また、多摩地域の浸水被害を解消するため、市や町が行う雨水排水施設の整備との整合を図りつつ、必要な浸水対策を推進されたい。
 再生水の利用、下水汚泥の資源化及び下水熱利用などの技術開発を進めるとともに、その利用の拡大に努められたい。
 処理場の名称変更を契機に、周辺環境に配慮した下水道施設の整備に努めるとともに、より地域に親しまれるための取り組みを推進されたい。
 下水道施設を適正かつ効率的に維持管理するとともに、経営改善に取り組み、国庫補助金等の財源確保を図るなど、健全な財政基盤の確立と都民サービスの向上に努力されたい。
 以上で、各会計に対する意見を申し上げましたが、最後に、地方公営企業の経営改革は、都政の構造改革の中で重要な位置を占めるものであり、都財政の再建と不即不離の関係にあることを改めてここで強調して、私の意見開陳を終わります。

○山下委員 私は都議会民主党を代表いたしまして、平成十四年度公営企業会計決算について意見を申し上げます。
 初めに、公営企業会計に共通する事項について申し上げます。
 長期にわたる景気低迷の中で、各公営企業は厳しい経営を強いられておりますが、公営企業会計全十一会計の損益状況は、会計上赤字となっているのは病院会計と高速電車事業会計のみとなっております。
 しかし、中央卸売市場会計では、営業損益で前年度に引き続き損失が生じ、交通事業会計でも主要な事業である自動車運送事業で、営業損益で四十七億余円の損失が生じています。
 また、臨海地域開発事業会計の百二億余円の純利益も、埋立地を処分したことなどによるものであり、かつ、今後五千六百五十六億余円もの多額の企業債の償還を控えていることなど、厳しい経営環境にあるため、財政基盤強化が急務の課題となっております。
 さらに、高速電車事業会計では、純損失額は減少しているものの、累積損失は四千五百六十三億余円となっており、依然として厳しい経営状況が続いております。
 各公営企業は、独立採算を旨とする企業としての経営基盤確立が絶えず求められておりますが、その一方で、公が経営する企業であるがゆえの公的な役割も求められております。こうした立場を踏まえて、企業としての社会的貢献と、公としての役割を精査し、適正な一般会計負担を得るように求めるものであります。
 これまで、民間企業との競争の中で、あるいは独占企業にあってはより一層の自己規律が求められる中で、都民生活の安定、公共の福祉の拡充に取り組まれてきた各公営企業のご努力に敬意を表するとともに、今後とも都民サービスの向上とより一層の効率的な事業運営に全力で取り組まれるよう強く要望しておきます。
 以下、それぞれの企業会計について申し上げます。
 まず、病院会計について申し上げます。
 一、患者中心の医療の実現のため、医療安全管理体制を強化、充実するとともに、患者の意見や要望を反映させる仕組みを強化すること。
 一、医療事故防止対策の確立と徹底、リスクマネジャーの活用に努めること。
 一、適切な人員配置や、きめ細かな対応が可能となるよう体制を整備し、小児医療の提供体制を充実すること。
 一、患者サービスの向上のため、専門外来の充実を図ること。
 一、コスト意識を持った病院経営の実現のため、人材の育成や研修内容等の充実に努めること。
 一、病床利用率の向上や医療資源の効率的な活用を進めるなど、病院事業の経営改善を図るとともに、今後の都立病院の整備にPFIを活用するなど、財政支出の削減に努めること。
 一、都立病院の再編整備については、地域での医療機能が確保されるとともに、地域住民等の理解が得られるよう、十分な対策を講じること。
 一、都立病院と地域の医療機関との連携を進めること。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 一、市場財政が厳しい中で財政の健全化を図るため、公営企業として効率的な経営に努めるとともに、民間活力の導入も含め、一層事業の活性化に努めること。
 一、各市場の着実な再整備を図ること。特に、築地市場の再整備については、豊洲地区の土壌汚染の状況も踏まえ、市場関係者や地元自治体などと十分協議すること。
 一、市場内での荷物搬送を行っている小型特殊自動車の電動車への切りかえを進めるとともに、CNG車に対しても購入費補助を行うこと。
 一、消費者の安心を確保するために、適正表示の指導監督体制を充実するとともに、食品の安全情報や危機情報について、インターネットの活用のほか、幅広く都民に提供できるように体制の充実を図ること。
 次に、臨海地域開発事業会計及び港湾事業会計について申し上げます。
 一、臨海地域開発事業会計は、三会計統合によるメリットを生かして、弾力的で効率的な財政運営を図ること。
 一、晴海通り、環状二号線等の広域交通基盤の整備を推進すること。特に、新交通「ゆりかもめ」については、豊洲延伸部の十七年度開通に向けて、積極的に推進すること。
 次に、都市再開発事業会計について申し上げます。
 一、北新宿や環状二号線地区における都市再開発においては、事業収支を適切、明確に示すとともに、事業リスクの回避、事業スピードの向上、採算性のすぐれた事業展開を図ること。
 次に、交通事業会計及び高速電車事業会計について申し上げます。
 一、地下鉄を初めとする公共交通網の整備に合わせ、利用者の利便性向上に資するよう、各鉄道事業者間の乗り継ぎ割引制度を拡大するとともに、都営交通ネットワークのシームレス化に努めること。
 一、天然ガス自動車などの低公害車の導入を促進するなど、都市環境に配慮した事業の展開に努めること。
 一、高齢者や障害者など、すべての人が乗車しやすいノンステップバス等の導入促進や、地下鉄駅のエレベーター、上下エスカレーターの設置の促進など、福祉のまちづくりの観点からも、輸送サービスの向上に努めること。
 一、都営地下鉄における防災対策、痴漢犯罪防止対策を強化すること。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 一、限りある資源としての水や、水のサイクルの回復の観点から、節水、再利用、地下への涵養等を強化するとともに、水源自立都市に向けて施策の促進に努めること。
 一、水需要計画を実態に合わせて見直し、水源地の人々や環境に著しい影響を与え、都民に多大な負担をかけるダムなど巨大施設の建設を見直し、既存の水源確保のための施策を強化すること。
 一、都民の健康を守るため、鉛製給水管の完全解消を図ること。
 一、資源リサイクルやエネルギー対策など、地球環境を重視した施策を一層推進すること。
 一、引き続きPFIなど新しい経営手法を積極的に活用するとともに、一層効率的な事業運営を行うため、より弾力的でかつ効率性を重視した経営手法について、長期的な視点に立って、幅広い角度から検討を行うこと。
 一、水道料金体系の見直しに当たっては、社会経済状況や都民負担を考慮して慎重を期すること。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 一、下水の再生処理水、汚泥など、下水道事業の持つ資源を積極的に活用すること。汚泥資源については、有効的かつ積極的活用を進めるために、東京都や東京都関連の公共施設、東京都が発注する公共事業等への利用促進を働きかけること。
 一、下水の高度処理を普及するとともに、合流式下水道の改善を推進し、都市河川や東京湾の水質浄化に努めること。
 一、非常時における生活雑用水としての供給、飲料水転化への必要性などを考慮し、再生処理水の水質水準の高度化などの技術開発、研究などに努めること。
 一、下水道管渠を利用した光ファイバー通信網の接続計画を着実に推進し、下水道事業の効率的な運営を図るとともに、同光ファイバー通信網を高度情報化社会における情報通信基盤として多目的に活用を図れるように研究を進めること。
 一、多摩地域においては、都市水害ともいわれる浸水対策を進めるとともに、下水道の一〇〇%普及に向け、流域下水道事業の促進を図ること。
 以上で都議会民主党を代表しての私の意見開陳を終わります。

○谷村委員 私は都議会公明党を代表して、平成十四年度公営企業会計決算に対する意見の開陳を行います。
 初めに、各公営企業会計に共通する事項について申し上げます。
 公営企業会計に関連する各事業は、公共性が高く、都民生活への影響が極めて大きいものばかりであります。したがって、事業推進に当たっては、常に都民へのサービス向上を念頭に置き、なおかつ、事業の効率性をたゆまず追求することが肝要であり、各局の努力を求めたいと思います。
 以上を前提に、各会計について申し上げます。
 初めに、病院会計について申し上げます。
 一、都立病院は、感染症医療、救急医療、がん医療、周産期医療、難病医療などの行政的医療を適正に都民に提供するとともに、都における医療の質的向上に努められたい。また、このような役割を果たしていくために、PFIの導入を引き続き積極的に検討するなど、経営改善に向けた多様な努力を行い、安定した経営基盤を確立されたい。
 一、小児医療機関の減少を踏まえ、都立病院における小児医療の充実強化に努めるとともに、周産期医療の充実に努められたい。
 一、都立病院における救急医療体制のさらなる充実強化を図るため、東京ERの円滑な運用に努めるとともに、震災対策等災害対応能力の向上に努められたい。
 一、SARSやエイズ、結核を初めとする感染症医療について、患者が安心して適切な医療を受けられるよう、引き続き診療体制の充実に努められたい。
 一、リスクマネジメント活動を初めとする多様な医療安全対策の実施、女性専用外来などの専門外来を充実するなど、引き続き患者サービスの向上に向けて努力されたい。
 一、都立病院改革マスタープランに基づく病院改革に当たっては、行政的医療、地域医療の確保、小児救急医療システムの整備充実などに十二分に配慮し、都民の安心と納得を得るよう最大限努力されたい。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 一、都民に対する食の安全と安心を確保するため、国内で生産された食品はもとより、輸入食品も含め、常に消費者の視点に立ち、安全・安心な生鮮食料品が流通するよう最大限の配慮をされたい。
 一、豊洲新市場については、将来とも引き続き基幹市場としての機能を発揮することができるよう、移転整備を促進されたい。
 一、市場内の環境対策として、小型特殊自動車の電動化を一層推進するとともに、市場内関係者と協力しながら、ごみの減量化、減容化を図られたい。
 一、健全な市場財政の運営を確保するため、収益の確保、経費の削減による内部努力の徹底により、今後の施設整備に必要な財源を確保できるよう適切な措置を講じられたい。
 一、多摩地域の円滑な青果物流を確保するため、第七次卸売市場整備計画を踏まえ、地方卸売市場に対する施設整備事業費補助制度等の支援策を充実されたい。
 一、災害緊急時における生鮮食料品の供給について、遺漏のないように努められたい。
 次に、都市再開発事業会計について申し上げます。
 一、都市の骨格を形成する幹線道路とその周辺部の都市機能を再生し、生活環境の改善と防災性の向上を図るため、北新宿地区及び環状第二号線新橋・虎ノ門地区の市街地再開発事業を推進されたい。
 次に、臨海地域開発事業会計についてであります。
 一、東京の活力と創造力を生み出す臨海副都心の開発は、中小企業に対する大きな生産誘発効果や雇用誘発効果をもたらし、都民生活を支える極めて意義の大きい事業であります。このため、今後とも、晴海通り、環状二号線等の広域幹線道路や、新交通「ゆりかもめ」の豊洲延伸の整備など、交通アクセスの整備を推進するとともに、事業者ニーズに的確に対応するなど、土地処分を促進し、着実な開発を進められたい。
 また、広域防災拠点として位置づけられている有明の丘がその機能を確実に果たせるよう、地域内の都市基盤はもとより、アクセス道路などの施設を整備されたい。
 一、臨海副都心は、都民の新しい観光スポットとして定着してきていることから、観光まちづくりを推進し、一層の活性化に努められたい。
 一、豊かな水辺環境を生かした職住近接のまちづくりを目指す有明北地区の埋め立てについては、東京臨海地域へのアクセスを改善する広域幹線道路整備の基盤となるものであり、着実に事業を進められたい。
 一、東京港の埋立地の開発整備に当たっては、都市再生に寄与するよう進めるとともに、引き続き都民の要望に的確に対応して、海上公園等の整備や、各種スポーツ・レクリエーション施設の拡充に努め、都民の多様な余暇活動にこたえられたい。
 次に、港湾事業会計について申し上げます。
 一、東京港は、首都圏四千万人の生活と産業活動を支える重要な物流拠点であり、その国際競争力を強化するため、事業運営の効率化に努めるとともに、利用者ニーズに的確にこたえる施設整備を行い、内外の貨物誘致等に積極的に推進されたい。
 次に、交通事業会計について申し上げます。
 一、経営計画に基づく計画事業を着実に執行するとともに、組織の簡素化、経費の節減等、徹底した経営の効率化を推進し、あわせて資産の有効活用やラッピング広告の拡大等による増収対策にも積極的に取り組み、収支目標の達成に努められたい。
 一、バス事業、路面電車事業については、利用者ニーズを的確に把握し、運行ダイヤの見直しや新しいサービスの提供により乗客の増加に努められたい。
 一、高齢者や身体障害者はもとより、すべての人々が利用しやすいバスとするために、ノンステップバスの導入を進められたい。
 一、排気ガス対策の一環として、引き続き低公害車車両の拡充に努めるなど、環境対策に取り組まれたい。
 一、都バスの公共交通としての機能を十分に発揮するため、バスレーンの拡大、駅ターミナルの整備、及び違法駐車対策等、バス優先の走行環境の整備を推進するよう関係機関に働きかけられたい。
 次に、高速電車事業会計について申し上げます。
 一、経営計画に基づく計画事業を着実に執行するとともに、組織の簡素化、経費の節減等、徹底した経営の効率化を推進し、収支の改善に努められたい。
 一、大江戸線を初めとした地下鉄のネットワーク効果を高めるために、他の事業者等とも協力して、障害者や外国人にもわかりやすい情報案内を一層充実させるなど、利便性の向上を図られたい。特に路線名、駅名のナンバーリングについては、平成十六年度実施に向けて取り組むこと。
 一、広告事業を初めとして、関連事業の積極的展開により、安定収入の確保に努められたい。
 一、地下鉄の快適性を増し、乗客数の増加に資するために、駅施設や車両、設備等のきめ細やかな点検に努められたい。
 一、地下鉄における垂直移動施設として、エレベーターを積極的に導入するとともに、オストメートにも対応した車いす対応トイレの設置推進等、バリアフリー化に向けて、駅施設の改善を促進されたい。
 一、地下鉄建設については、企業債償還期限の延長や、西欧各国のように、建設費に対する国の助成措置を大幅に増額するシステムの確立を、国に強く働きかけられたい。
 次に、電気事業会計について申し上げます。
 一、引き続き、良好な経営成績を示し、財政状況も安定している中、今後とも経営の健全化及び効率化になお一層努力されたい。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 一、将来にわたる安定給水を確保するため、新規水源の開発促進を国等に対し、引き続き強く要望するとともに、国庫補助金等の拡大導入に努力されたい。
 一、近年の水源水質の悪化にかんがみ、水道水源の水質保全対策について、国に対し強く要望されたい。
 また、水質監視体制に万全を期すとともに、浄水処理の一層の徹底に努め、都民が求める安全でおいしい水を供給できるよう、高度浄水施設の建設を積極的に推進されたい。
 さらに、鉛に関する水質基準の改正を踏まえ、鉛製給水管の早期解消に引き続き努められたい。
 一、都民生活や都市活動を支えるため、浄水施設及び送配水施設の整備を積極的に進めるとともに、浄水場におけるろ過池の覆がい化や、自家発電設備の整備など、危機管理対策について万全を期されたい。
 また、事故時や震災時においても、必要な水を確保できるよう、応急給水槽の整備や水道施設の耐震化等、震災対策を推進されたい。
 一、水資源の有効利用を図るため、広報による節水意識の高揚、循環利用及び雨水利用の促進など節水諸施策を推進し、節水型都市づくりに努められたい。
 また、経年配水管の取りかえに引き続き取り組むとともに、漏水発見技術の研究開発に努め、漏水防止対策を引き続き推進されたい。
 一、財政の安定化を図るため、PFIなどの新たな経営手法を積極的に活用するほか、水道事業経営プラン二〇〇〇に盛り込まれた職員定数の削減や工事コストの縮減など、一層の企業努力に努められたい。
 また、事業評価制度の活用などにより、都民への説明責任を果たし、より一層信頼される水道を目指して、事業運営に努められたい。
 一、広域水道としてのメリットを発揮し、多摩地区水道事業のより一層の水道サービスや、給水安定性の向上と効率的な事業運営を図るため、多摩地区水道経営改善基本計画に基づき、経営改善を積極的に推進されたい。
 一、コージェネレーションシステムや太陽光発電など、エネルギーの有効活用や発生土の再利用など、資源リサイクルに努めるほか、環境会計の公表など、総合的な環境施策を推進されたい。
 一、インターネットを活用したサービスの充実や水道施設の開放など、都民生活に密着したサービスの推進に努められたい。
 次に、工業用水道事業会計については、安定給水及び施設の安全性を確保するため、経年管の更新など諸施設の整備を進めるとともに、事業運営の効率化、財政の安定化に努められたい。
 次に、下水道事業会計について申し上げます。
 一、老朽化施設の再構築を進めるとともに、再構築クイックプランを着実に推進されたい。
 一、浸水対策を積極的に推進するとともに、近年の局所的な集中豪雨に対処するため、新たな技術などを活用し、雨水整備クイックプランを着実に推進されたい。
 また、降雨情報の提供など、ソフト面での対策を充実されたい。
 一、東京湾及び都内の河川の水質を保全するため、合流式下水道の改善及び高度処理の促進を図るとともに、合流改善クイックプランを着実に実施されたい。
 一、区部に残る下水道普及困難地域を早急に解消されたい。
 一、多摩地域の流域関連公共下水道の整備と整合を図りながら、流域下水道建設事業を促進されたい。
 一、下水道施設の保全及び下水処理を円滑に行うため、有害物質を含む下水を排出するおそれのある事業所等に対し、除害施設の設置等の指導を強化されたい。
 一、下水汚泥の資源化技術の開発促進や有効利用の拡大を図り、リサイクルの推進に努められたい。
 一、再生水の活用や下水の熱利用等、下水道の新たな役割に積極的に取り組まれたい。
 一、下水道管渠等に光ファイバーケーブルを敷設し、効率的な維持管理に努めるとともに、高度情報化社会に貢献する事業の展開を図られたい。
 一、下水道施設の上部を公園、スポーツ施設等として、都民に還元できるよう整備されたい。
 また、整備に当たっては、上部利用方法について地元と十分協議されたい。
 一、国庫補助金の確保や、起債における政府資金枠の拡大等、財政措置を国に強く要求するとともに、資産の有効活用など、企業努力を一層促進されたい。
 一、下水道事業を効率的に運営していくため、さらなるコスト縮減に努められたい。
 一、都民への説明責任を果たすとともに、都民の意見が事業に反映されるよう、行政評価制度を積極的に活用されたい。
 以上で、都議会公明党を代表しての意見開陳を終わります。

○かち委員 日本共産党を代表して、二〇〇二年度、平成十四年度公営企業会計決算について意見開陳を行います。
 二〇〇二年度は、経済不況が一層深刻化する中で、むだな公共事業の見直しが大きく問われる年でした。東京都の公営企業は、上下水道、交通、病院、市場など、都民生活にとって重要な役割を果たしている基盤的分野での事業があるとともに、二〇〇一年度に三会計を統合した臨海会計や、今年度から組み入れられた都市再開発事業会計などのように、むだと借金漬けの事業があるなど、徹底した審議が求められました。
 わが党は都民の視点に立ち、それぞれの決算審議に臨み、そのあり方をただしてきました。
 ここで主な課題についての意見を述べます。
 都における公共事業の中でも、とりわけ大きなウエートを占める事業が上下水道です。
 まず、水道事業会計では、水の需給計画と実績との間には、百万トンの乖離が続いています。こうした中で、計画・事業中のダム建設費が総事業費八千四百億円、都民負担は八百七十七億円と、依然として巨額を投じています。
 これからの水確保については、漏水防止や災害に強い配水管施設など、節水型に転換し、水需給計画の見直しを進め、むだなダム建設に頼るあり方を根本的に改めること。
 下水道事業においても、過大な建設投資を抑制するなど、徹底してコスト縮減を図ることを通して、上下水道の値上げを抑えていくことを強く求めておきます。
 都市再開発事業会計では、都施行による市街地再開発事業の北新宿地区と環状二号線地区の開発でありますが、住民追い出しが進んでいるばかりか、既に開発が終了した赤羽北地区では、四百二十億円の財産収入見込みに対して、その実績は見込みのおよそ半分の二百二十億円。二百億円もの穴があいたことなどに示されているように、都施行でも区市施行でも、再開発は至るところで破綻しているのが現実です。
 都市再生の名のもとで一般財源を際限なく投入していくことになる再開発事業は、根本的に見直すべきです。
 臨海地域開発事業の一つである臨海三セクは、平成十年四月に貸付金など二百七十億円の都費を投入しても、なお累積損失が八百七十七億円、債務超過が三百三十一億円にも達しています。臨海三セクの経営は、今後の見通しでも、入居率一〇〇%でも黒字への転化の見通しが極めて厳しいという状況です。
 いうまでもなく、総額八兆円ともいわれている臨海副都心開発は、都の臨海開発事業費だけでも二兆三千億円もの事業費です。既に九千億円の資金をつぎ込み、さらにこれからも開発を続け、総額では一兆円を超える投資を行うことが明らかになりましたが、土地処分の収入見込みが四千五百億円、現在売りに出している七区画の土地はいまだ未処分であり、元利償還分の六千八百億円に見合う回収は、極めて困難といわざるを得ません。
 このような臨海開発をこれ以上続けるのではなく、都民参加で抜本的な見直しをすることを求めます。
 中央卸売市場会計では、本年九月に、築地市場の豊洲移転を前提とした都市計画区域マスタープランの見直しを求める意見書が、中央区長と区議会から上がっています。本計画は、現市場における実績に照らしても、過大な見積り計画であることを指摘するとともに、防潮護岸整備など、本来、企業会計で行うべきものでないものまで含めた構想になっています。何よりも、関係者との合意がない中での強行はやめるべきです。
 交通事業会計では、ソウルの地下鉄火災の教訓からも、未整備の避難路二方向確保や排煙設備について早急に対策を講ずるとともに、震災対策として、地下鉄構造の安全点検、補強を早急に行うこと。また、大江戸線での安全対策としての落下防止さくの整備を強く求めます。
 さらに、バリアフリー化の一層の促進、バス路線過疎地域でのミニバスの運行支援に積極的に取り組むことを求めます。
 病院会計では、平成十四年度の経理状況は、三十億二千六百十四万円の純損失となっていますが、主な原因は診療報酬の改定によるものであり、国の医療政策によるものです。
 毎年、一般会計から約四百億円の補助金が計上されていますが、これは本来、地方公営企業法第十七条二に定める負担金であり、都立病院として、地域医療のさらなる充実と高度専門医療にこたえていく使命があります。現下で進んでいる都立病院の統廃合計画は、その最大の目的が財政支出の削減であり、都立病院が地域医療から手を引き、都民の医療要求から撤退することを意図したものであり、絶対に許せるものではありません。
 都民や子どもたちの命を守る役割を使命として、地域医療や小児医療で長年にわたって大きな役割を果たしている都立病院の削減計画は、根本的な転換を求めます。
 なお、先日の当委員会総括質疑の中で、都立母子保健院の廃止の経過の中で、一部の勢力は人々の不安をあおる運動を盛んに展開した、とか、政治的に偏向した反対運動がいかに事実をゆがめているかを明らかにしなくてはならない、などの発言がありました。これは、世田谷区も区議会も挙げて行われた母子保健院の存続を求める要請行動や、党派を超えた住民、都民の切実な要求に基づく運動を否定するものです。
 また、質疑の中で、国立成育医療センターが、二〇〇二年四月からあたかも救急告示をしていたかのような答弁がありましたが、当センターは国と地方自治体の役割分担ということで、救急告示はしていませんでした。
 この問題を、昨年十二月、衆議院厚生労働委員会で日本共産党の山口富男議員が取り上げ、夜間、休日を含めた小児救急医療に国立病院も積極的に取り組むべきだと主張したことに対し、坂口厚生労働大臣が、それはご指摘のとおり、他の国立病院も含めて、国立病院が率先して小児救急医療をやはりやらなきゃいけないですよ。それをやらないというのは怠慢だと僕は思います、明確にしたいと思います、と答弁しました。国立成育医療センターはこれらを受けて、本年四月からやっと救急告示をすることになったのが経過であります。いうまでもなく、その背景には住民、都民の切実な要求、世論があったからであるということを申し上げて、私の意見開陳にいたします。

○大西委員 都議会生活者ネットワークを代表して、平成十四年度の公営企業会計決算について意見を申し上げます。
 平成十四年度一般会計歳入決算額は五兆八千四百六十三億円、歳出決算額は五兆八千百十五億円で、差し引きは三百四十八億円となり、実質収支は百四十九億円の黒字でした。しかし、本年九月発表の普通会計決算を見ますと、実質収支は五百二十四億円の赤字で、都財政は五年連続の赤字決算です。なお、予算現額に対する収入済額の執行率は九五・八%となっています。
 こうした財政危機の中で、公営企業経営の最大の問題は、都民に見えにくく、いまだに情報公開や情報提供については、極めて不十分であるということです。公営企業は、都民からの税金によってつくられる学校や道路などと違って、水道など料金収入によって事業を行っています。一般会計から独立した会計によって事業を運営していること、事業運営の責任者として、知事とは別に管理者を置いていることなどからも、官と民の役割分担を明らかにするとともに、事業の効率性やサービスの向上を図ることが求められています。
 また、行政改革は常に考えなければなりませんが、その形態だけが先行してはなりません。まず情報公開、情報提供を徹底させ、市民の視点での、外部による第三者機関がチェックする行政評価、事業評価、サービス評価を徹底して行うべきであり、その積み重ねの中から改革の道を探るべきです。
 こうした中で、各公営企業とも厳しい状況に置かれているにもかかわらず、平成十四年度に、臨海開発の負債を臨海開発関連三会計の統合によってバランスシートから落とした臨海地域開発事業会計については、莫大な都民の財産を投入したことを考えれば、公開と参加で計画と事業の抜本的見直しを速やかに再開すべきであることを強く申し上げておきます。
 まず、全局共通事項について申し上げます。
 一、契約・入札制度の透明性を高めるため、落札率の公表を徹底し、情報提供は都民が検索しやすい仕様に改善すること。
 また、電子入札制度の導入に向け、セキュリティー機能等の条件整備を進めること。
 一、総合評価方式の導入に向け、多様な契約発注方式を検討、試行すること。
 それでは、会計別に意見を申し上げます。
 まず、病院会計についてです。
 一、負担金と補助金の区分をさらに明確にし、都民への情報公開を進めること。
 一、都立病院にあっては、地域の各医療機関との連携を深め、予防を軸とした医療のネットワーク化への寄与を進めるとともに、経営の効率化に努めること。
 一、都立病院の患者の権利章典を医療従事者及び患者へ周知を図り、患者へのサービス向上を進め、インフォームド・コンセント、セカンドオピニオンなどの原則を明確にし、医療情報や相談機能を拡充すること。
 一、根拠に基づく医療、いわゆるEBMなどを充実させ、患者中心の医療を推進すること。
 一、医療の質の向上に向け、クリニカルパスの有効活用を図り、充実させること。
 一、都立病院の医薬分業を進めるとともに、適切な院内の薬剤管理を進めること。
 一、都立病院では、塩ビとフタル酸エステル製の医薬用具は使用しないこと。
 一、都立病院でのエイズに関する診療体制と骨髄移植についての医療体制を拡充すること。
 一、未整備の多摩地域を初めとして、すべての都立病院にアレルギー専門外来を設置すること。
 一、小児専門医を育成し確保していくために、都立病院においての専門臨床研修制度を拡充すること。
 次に、中央卸売市場会計についてです。
 一、安全な食品の管理と未然防止の観点から、安全性に問題のある食品に関しては、市場に入れない、流通させないことを徹底して行うこと。
 一、流通環境の変化に対応するとともに、有機農産物の供給を図る上での対策や取り組みをより一層進め、食べ物等の安全性を確保するため、消費者の立場に立ち、独自対策の強化に努めること。
 一、循環型社会づくりに市場として貢献するため、生ごみコンポスト化を初め、ごみの減量・減容化、再生利用に、業界とともに一層の取り組みを進めること。
 一、市場内の小型特殊車両の電動化を進め、市場活動に伴う環境負荷の低減に、より一層努めること。
 築地市場整備に際しては、地元住民の意見を聞き、衛生対策、周辺環境の整備を進めること。
 一、都民、消費者への生鮮食料品の流通実態や商品に関する情報提供、意見交換を図るに当たり、都民意見の反映の仕組みを充実すること。
 次に、臨海地域開発事業会計についてです。
 一、開発計画全体の見直しを公開、参加で再開すること。
 これに伴い、広域幹線道路など交通アクセスについての整備量全体を縮減するとともに、公共交通を優先させるなど、都財政の危機的状況や他の都内整備との均衡を考え、将来世代への負担を残さないようリスクを最小限に押さえること。
 一、臨海関係第三セクターについては、一般財源の投入を抜本的に見直し、都の責任は出資の範囲内とし、都民に経営状況を公開すること。
 次に、交通事業会計及び高速電車事業会計についてです。
 一、利用しやすい地下鉄を目指し、他の事業者との連携をし、一層のサービス向上を図ること。
 一、防災・震災対策の強化とともに、テロ対策を進めること。
 一、交通局は、交通政策を独自に持ち、広く東京の公共交通政策に的確に対応できるよう、長期的視点に立った体制の整備を図ること。
 一、LRTの導入に取り組むこと。
 一、ハイブリッド自動車や天然ガス自動車など低公害バスを、さらに積極的に導入すること。
 一、誰もが利用しやすいバスシステムとして、アクセスのしやすい小型車両の導入、バス停間隔の短距離設定や、停留所の整備、利用者の視点に立った案内板の設置を図ること。
 一、ノンステップバス等の導入は、全路線への早期配置に努め、施設設備の充実を図ること。
 一、地下鉄火災対策は、排煙設備を全駅に早急に整備するなど、充実を図ること。
 一、都民サービスの向上に向け、相互利用ができるよう、ICカード乗車券の導入など整備に努めること。
 一、都営地下鉄において、ホームからの転落事故防止対策を進めること。
 一、大江戸線延伸については、情報を公開し、建設については、費用対効果を考慮すること。
 一、バリアフリーの施設整備を早急にし、ユニバーサルデザインヘの転換を図ること。
 次に、水道事業会計についてです。
 一、限りある資源としての水であるという観点から、節水、漏水対策等、再利用を強化するとともに、水源自立都市に向けた施策の促進に努めること。
 一、水源地の人々や環境に著しい影響を与え、都民に多大な負担をかけるダムなど巨大施設の建設を見直し、既存の水源確保のための施策を強化すること。
 また、循環型社会づくりに向け、地下水を水道水源と位置づけ、水収支に見合う地下水の涵養のため、雨水の地下浸透を進めること。
 一、自己水源である小河内貯水池などの水質保全対策に努めること。
 一、安全でおいしい水の確保のため、江戸川の水質改善を強化するとともに、生活排水対策を強化すること。
 一、非常時用の飲料水としても有効である地下水の活用と、水質の安全確保に努めるなど、多面的な水資源確保を講じること。
 一、無人化の浄水場や給水場などの安全対策を万全にし、非常時には地元自治体との連携で対策を進めること。
 一、環境負荷の低減に向け、環境会計等の取り組みを進め、情報公開に努めること。
 次に、下水道事業会計についてです。
 一、総合的治水対策を強化し、雨水流出抑制のため、雨水の活用や雨水浸透ますの設置を進めること。
 一、資源としての水の観点から、下水の再生処理水、汚泥の積極的活用など、資源化に努めること。とりわけ、汚泥資源の有効的かつ積極的活用を進めるために、都や都関連の公共施設、都が発注する公共事業などへの利用促進を働きかけるとともに、低コスト化に努め、民間への普及を図ること。
 一、下水の高度処理を普及し、都市河川や東京湾の水質浄化に活用すること。また、非常時における生活雑用水としての供給や、飲料水転化をも考慮し、再生処理水の水質の高度化などの技術開発、研究に努めること。
 一、下水道管渠を利用した光ファイバーやマンホールアンテナ通信システムについては、下水道事業の厳しい財政状況を認識し、諸条件の整備など、早期の実用化に向けた研究開発を着実に進めること。
 一、荒川・多摩川等流域下水道整備総合計画を再検討し、緊急性のない野川処理場及び多摩川処理場の新設計画は抜本的に見直すこと。
 一、多摩地域の下水道についての投資は精査すること。
 一、単体ディスポーザーの使用禁止の取り組みをさらに進め、ディスポーザー排水処理システムの水質管理を徹底して行うこと。
 一、未利用エネルギーの有効活用をさらに進めること。
 一、事業の推進に支障を来さぬよう、国庫補助率の引き上げ、補助対象事業の拡大など、財源の確保に全力を尽くすこと。
 最後に、都市再開発事業会計についてです。
 一、事業収支をより一層明確にすること。
 一、事業を効率的に進めるために、地域を区分し、優先順位を図り、整備に取り組むこと。
 以上で意見開陳を終わります。

○鈴木委員長 以上で、各会派の意見開陳を終わります。
 なお、本決算の認定に付する意見案文の作成につきましては、理事会にご一任をいただきたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 以上で本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十五分散会