公営企業会計決算特別委員会第二分科会速記録第五号

平成十五年十月二十四日(金曜日)
第二委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十一名
委員長馬場 裕子君
副委員長中嶋 義雄君
副委員長古館 和憲君
副委員長三原 將嗣君
山口 文江君
谷村 孝彦君
中屋 文孝君
林田  武君
小美濃安弘君
宮崎  章君
林  知二君

 欠席委員 なし

 出席説明員
水道局局長飯嶋 宣雄君
次長甘利 鎭男君
総務部長中田 清己君
職員部長東岡 創示君
経理部長松井 庸司君
営業部長中村 忠夫君
浄水部長御園 良彦君
給水部長滝沢 優憲君
建設部長田口  靖君
企画担当部長鈴木 孝三君
設備担当部長六車 一正君
参事伊藤  豊君
多摩水道改革推進本部本部長本山 智啓君
調整部長中村 重利君
施設部長長岡 敏和君

本日の会議に付した事件
 平成十四年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  水道局関係
  ・平成十四年度東京都水道事業会計決算(質疑)
  ・平成十四年度東京都工業用水道事業会計決算(質疑)

○馬場委員長 ただいまから平成十四年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、水道局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十四年度東京都水道事業会計決算及び平成十四年度東京都工業用水道事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中田総務部長 さきの分科会におきまして要求のございました資料を項目別に取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
 一ページをごらんいただきたいと存じます。高度浄水施設の概要と事業費でございます。
 都民の皆様に、より一層安全でおいしい水を供給していくため、利根川水系の浄水場に高度浄水施設を順次整備しております。既に施設が稼働している金町浄水場及び三郷浄水場に引き続き、現在、朝霞浄水場及び三園浄水場におきまして工事を進めているところでございます。
 それぞれの浄水場におきます高度浄水施設の整備状況といたしまして、導入規模、通水時期、処理方式及び事業費をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。漏水防止対策の概要及び漏水の状況でございます。
 漏水防止対策の概要を体系的にまとめたものをお示ししてございます。
 漏水防止対策は、漏水を発見、修理する即応的対策と配水管の材質改善等を行う予防的対策及び技術開発とにより推進しております。
 漏水の状況につきましては、平成十年度から十四年度までの五年間の漏水量、漏水率及び漏水修理件数の推移をお示ししてございます。
 三ページをお開き願います。企業債元利償還費の推移でございます。
 元利償還費及び利率につきまして、平成五年度から十四年度までの十年間の推移をお示ししてございます。利率につきましては、当該年度に発生した利息を対象に、最低利率と最高利率をお示ししてございます。
 以上をもちまして、大変簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○小美濃委員 それでは、何点か質問させていただきます。
 私が選出をされている武蔵野市は、市の独自の水道事業をしておりますので、本来でしたら、この水道事業会計について質問するのはいかがかと思ったんですけれども、しかし、外部から見た水道事業というものもあることでございますので、そういう点も含めまして、多摩の水道の事務委託解消について、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 本年六月に多摩地区水道経営改善基本計画というものが策定をされました。先月二十九日には事務委託解消の第一号として、武蔵村山市との事務委託解消に関する基本協定が締結をされ、私どもに報告があったわけであります。三十年余り続いた市や町への事務委託も、いよいよ解消に向けて動き始めたのかな、そんな感想を持っております。
 水道業務の事務委託は、市や町の水道事業に従事していた職員の身分を保障するために、料金の徴収や小規模な水道施設の維持管理工事など、従来市や町が実施してきた業務を、引き続き市や町が実施できるよう東京都から市や町へ委託するという、いわゆる逆委託といわれている制度でありました。
 もともとこの事務委託は、地方自治法の制度で委託すると、市や町がそれぞれ独自に事務を実施していることになるので、都営一元化により広域的に事業を実施しようとしても、広域的のメリットを十分生かすことができなかったということが現状であったと思っております。
 地方自治法の事務委託制度は、一般的には地方公共団体が共同して広域的な行政を実施するための手段とされているわけであります。このようなことからしても、都道府県が市や町へ事務委託を行うということは、全国的に見ても余り例がなく、水道事業の事務委託については、早晩改善が必要であったと考えているわけであります。
 多摩地区の水道経営改善基本計画では、事務委託を解消し、市や町の垣根を取り払い、一体として事業運営を行うということであり、これは広域自治体として、都の水道事業が本来目指すべき方向であると理解をしているわけであります。
 ただ、これまで身近な市や町が実施してきた事務が東京都へ移行することとなりますと、基礎的自治体から広域的な自治体へと事務が移される、こういったことになるわけでありまして、住民の側から見ると、これまでと同じようなサービスが果たして受けられるのか、そういった不安もあるのではないかと考えております。
 そこで、事務委託解消後の事務の具体的な実施方法についてお尋ねをするわけでありますが、武蔵村山市との事務委託解消に関する基本協定では、来年三月末をもって水道料金等の徴収事務について事務委託を解消し、事務を市から東京都へ移行し、その後二年間でその他すべての事務についても東京都へ段階的に移行するということになっているわけであります。
 事務を市町村から東京都へ移行した場合、現在住民サービスを行っている市の水道事務所も当然廃止されることになるわけでありますけれども、事務委託解消後は住民サービスをどのように東京都として実施をしていくのか、まず最初にお伺いしておきたいと思います。

○中村調整部長 事務委託解消後につきましては、まず十二カ所程度のお客様対応窓口をバランスよく順次設置いたしまして、市町域にとらわれない、どこの窓口でも料金支払いや問い合わせができ、また相談に対応してまいります。
 また、平成十六年度中に、多摩水道料金等ネットワークシステムを導入しまして、最新情報に基づいた迅速的確なお客様サービスを提供してまいります。
 さらに、市町からの業務の移行状況に合わせまして、早期に総合的な受付センターを設置して、電話やインターネット等による受け付けや問い合わせに、お客様の居住地にかかわりなく一元的に対応して、昼夜の別なく断水や漏水事故等に対応いたします。
 こうした施策によりまして、お客様サービスの向上を図ってまいります。

○小美濃委員 多摩水道総合受付センターなどを設けて、お客様のサービスに対応していくということでございました。
 平時はそういった形でサービスの向上を目指して事務を行っていくわけでありますけれども、住民サービスというのは、平時のときはそれでいいわけですが、当然、非常時ということも対応を考えていかなくてはならないと思っております。
 先般も日本全国で、北海道や宮城県で地震もありましたし、そういった万が一の震災時には、やはり東京都だからといって、広域行政だからといって、サービスの低下があっては絶対いけないわけでありまして、きめ細やかな応急給水などなどが当然必要になってくると思うんですが、その辺についてはどう対応していくのか、お伺いいたします。

○中村調整部長 震災時の応急給水につきましては、東京都地域防災計画に定める都と市町、市や町との役割分担に基づきまして、水道施設の復旧や給水拠点におきます飲料水確保は東京都が行いまして、住民に対する直接的な給水業務につきましては、住民に身近な市や町が行うこととしております。
 事務委託解消後におきましても、この役割分担は変わらないんですが、震災時にはきめ細かな応急給水が必要となることから、被災状況の把握など、市や町との連携を十分に図ることによりまして、的確で迅速な対応に努めてまいります。

○小美濃委員 武蔵村山市が始まって、これから順次行っていくのであろうと思いますけれども、こういった経営改善の実施は、給水安定性の向上や事業の効率化など、さまざまなことを考えると、メリットはかなり大きいのではないかと考えているわけであります。
 この先、武蔵村山市に引き続き、都営水道の市町村に対しての事務委託解消に努めていかれると思うんですけれども、経営改善の進捗状況と今後の見込みはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

○中村調整部長 経営改善の柱となります事務委託の解消につきましては、武蔵村山市以外の各市町からも理解を得ているところであります。既に半数以上の市や町から具体的な移行計画案の提出を受けておりまして、現在、円滑な業務の移行を検討しているところで、協議が調った市や町から順次事務委託の解消を図っていきたいと考えております。

○小美濃委員 先ほども申し上げましたけれども、現在は、私どもの武蔵野市もそうですけれども、一部自治体を除く多摩地区の都営水道事業は、都が事業経営主体でありながら、実際は、事務事業は市や町が実施しているという二元的な事業形態で、ねじれ現象が起きているということ、これは住民から見たときには非常にわかりづらい状況であると思います。また、効率化も当然図りにくくなっていると思っております。
 このため、経営改善を推進し、事業の経営主体である都が責任を持って水道事業を経営するのであれば、ぜひこれは本質的な一元化に向けてのスタートであると考えておりますので、一歩でも二歩でも進捗をしていただくことを、またそういう努力をしていただくことを強く望むところであります。
 多摩の水道事業経営改善についてはこの辺にさせていただきまして、次に、玉川上水の管理問題についてお伺いしたいと思います。
 玉川上水は、長年東京都が実質的に所有し、また管理をしてきたにもかかわらず、所有権の所在が大変不明確でありました。また、そのために史跡の申請ができない、こういう状態にもあったわけでありまして、しかし、昨年十二月に国との間で所有権問題がやっと決着をして、本年八月に晴れて国の史跡に指定されたことは、私も地元の住民の一人でありますけれども、本当に長年の悲願であったわけであります。多くの沿線の住民がこれを大変よしと、また喜んでいるわけであります。
 玉川上水の貴重な自然環境や歴史環境は都民共通の財産として多面的に活用されているわけでありますけれども、それだけに一般都民からすると、所管局が一体どこなのかということは、いまだに実はよくわかっていないわけでありまして、そういったことを考えますと、だんだん国との話も進めてきて、東京都としてもそろそろそういったものに対して考えていかなくてはならない時期に来ているのかなと思っております。
 そこで改めて、今現在、玉川上水がどのように管理をされているのか、その役割分担についてお伺いしたいと思います。

○松井経理部長 玉川上水はさまざまな形で利用されているということで、多くの部署がそれぞれ所管する事業に応じて管理しているという状況にございます。
 まず、上流部でございますが、ここは現役の水道事業の導水路として利用されておりますので、当局が管理を行っております。
 また、中流部につきましては、昭和六十一年から清流復活事業が実施されております。この事業につきましては環境局が所管でございますが、その管理業務につきましては、環境局から委託を受けて、当局が行っております。
 また、玉川上水の両岸につきましては、道路、緑道、公園などとして利用されておりまして、土地所有者である当局の使用許可を受けて、それぞれ所管する建設局あるいは地元区市が管理しているところでございます。
 また、名勝小金井桜がございますが、これについては教育庁が管理しております。
 なお、玉川上水の開渠部全域につきましては、東京における自然の保護と回復に関する条例に基づきまして歴史環境保全地域に指定されておりまして、この保全のための規制などにつきましては、環境局が所管しているという状況でございます。

○小美濃委員 ただいまの答弁でもおわかりのように、水道局があり、環境局があり、教育庁があり、また沿線の区市があり、本当に多くの窓口があるわけでありまして、住民にとっては、どこに何をいったらいいのかというのが大変わかりづらい状態ですよね。でも、玉川上水の本当に緑豊かな自然環境をこれからも適切に管理していくためには、地元住民の協力というのは、これは絶対に不可欠なんですね。
 実は私の住む武蔵野市では、武蔵野市だけじゃないのかもしれませんけれども、玉川上水沿線は、昔は桜が大変多かったと聞いております。その後、戦後ケヤキが急にふえてきて、特にこの時期、ちょうど今の時期には大量の落ち葉が玉川上水の沿道にばらまかれというんですか、降り注ぎ、処理に困っている、こういう声も多く聞くわけであります。
 付近の住民の方は玉川上水の管理に協力をしているんですけれども、一方で、こういった例えば落ち葉の処理一つとってみても、住民の意見というのはすぐに行政の側に伝わってこない。これは所管局が多過ぎるということも一つの原因ではないかと思っております。
 先ほど答弁がありましたように、玉川上水の管理に関しては多くの部署が関与しているということがありますけれども、住民の声がたらい回しにされないよう、しっかりとした仕組みづくりを、水道局もその責任の一端があると思いますので、ぜひとも部内で、東京都の中で考えていただければなと、これは要望しておきます。
 ところで、玉川上水の保全について、住民の声を反映させる機関として、都と地元から成る協議会がある、こういうことを聞いているわけでありますが、どのような構成員でどのように活動されているのか、お伺いしたいと思います。

○松井経理部長 ただいまお話のございました趣旨の協議会としましては、玉川上水緑の保全事業都区市連絡協議会というものがございます。この協議会は、都、区市、住民が協力して、玉川上水における緑の保全を円滑に推進するということを目的として、平成九年に、庁内の関係各局を初め、地元区市の所管部署及び住民代表を構成員として設置されたものでございます。事務局は環境局が担当しておりますが、当局も構成員として参加しております。
 協議会でございますが、地元住民等の意見を参考にしながら、植生の管理のあり方について検討するなど、玉川上水の緑の保全に努めているものでございます。

○小美濃委員 玉川上水は羽村から取水をして、ずっと多摩を縦断をして、私はことしの予算委員会で知事にも質問したんですけれども、多摩の観光資源としても大変大きな役割を担っているのではないかと思っております。
 そういう玉川上水という貴重な財産を将来にも伝えていくために、今後どのように管理をしていくのか、お考えをお伺いしたいと思います。

○松井経理部長 玉川上水は、昭和四十年に淀橋浄水場が廃止された後は、小平監視所から下流の流れが途絶えておりましたけれども、関係各局と連携のもとに、地元の協力を得ながら、現在のような水と緑の空間がつくり上げられてきたところでございます。
 本年八月に史跡指定を受けまして、都としては、今後改めて現況調査を行いまして、史跡保存を目的とした保存管理計画を策定して、一層の保存、保護に努めていく必要がございます。
 そのため、関係する各局がこれまで以上に協力して進めるということが重要と考えますので、さらに庁内の連携を強化するよう働きかけてまいる所存でございます。

○小美濃委員 玉川上水は、先ほどのご答弁にもありましたとおり、文化財としての側面を有するとともに、水道施設を初め緑道や公園、清流復活事業など、さまざまな行政目的に利用されているわけでありまして、今後とも各局が連携をしていただいて、全庁的な取り組みの中で、玉川上水が良好な状態で次世代に継承されていくことを強く希望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、多摩川の上流に位置する、いわゆる水源地対策についてお伺いしたいと思います。
 いうまでもなく、森林は土砂災害の防止や気候緩和、レクリエーションなど、私たちの暮らしを安心で、快適なものにする働きを保持しているとともに、二酸化炭素を吸収するなど地球温暖化防止にも貢献をしているわけであります。
 このため東京都では、先月、森づくり推進プランの中間のまとめを公表し、環境都市として持続的に発展をしていくため、都民共有の財産である森林の健全な育成について、重点的に取り組む施策を明らかにしたところであります。
 また、水道局では、多摩川上流域に広がる森林を、水源の涵養、土砂の流出防止、水質の浄化などなど、機能が維持できる水道水源林として、これまで百年以上にわたり、良好な状態に管理をしてきていると聞いております。今後もこうした機能が十分発揮できるよう、適切な管理を継続していくことをまず望むわけであります。
 しかし、一方では、特に民有林が多摩川の上流は多いんですけれども、本当に目を覆うような荒廃が進んでいるわけであります。私も先日、雲取山という山に登って、下山するときに、本当に植林をされた杉やヒノキが枯れ始めていますね。何本か倒れていました。こういった現状を見てまいりました。
 これは聞くところによりますと、近年の林業の不振などによって、手入れが全然行き届いていなくて、荒れ放題のままになっている、こういった状態なわけでありますけれども、しかし、この状態が進むと、木が枯れて、本来ならば、降った雨が山道をじっくりとしみ渡りながら山にしみ込んで、その水が地下水やまた川の水となって、私たちの命の根源である飲料水になるわけでありますけれども、木がなくなってしまうと、水源林としての機能が低下するばかりでなく、森林の持つ多面的な機能へも影響を及ぼすのではないかと大変心配をしているわけであります。
 このように荒廃の危機が進行している民有林の対策に環境局など各局で取り組んでいるようではありますけれども、水道局でも、多摩川上流域における民有林の保全対策として、昨年、森林隊というものを設立したというニュースを聞いております。その概要についてお伺いしたいと思います。

○御園浄水部長 ご質問の森林隊の概要でございますが、正式名称を多摩川水源森林隊といいまして、ご指摘のような手入れの行き届かない、荒れたままの民有地の人工林を水源地にふさわしい緑豊かな森に再生することを目的といたしまして、昨年七月一日に設立をいたしました。
 この森林隊は、ボランティアの方々を主体といたしまして、森林保全に関する学習あるいは植栽体験等の活動を通じまして、森林保全の大切さを理解していただきますとともに、民有林を保全し、水源林としての機能の維持向上を図っていくものでございます。
 ことし八月には、活動の拠点となります森林隊事務所を奥多摩町に設置いたしまして、本格的な森林保全活動を実施しているところでございます。
 また、環境局などにおきましても、多摩の森林再生事業、大自然塾等の自然や森林を保全する活動を行っておりまして、当局といたしましても、関係局と情報を共有しながら、連携をとって保全活動を進めてまいりたいと考えております。

○小美濃委員 ボランティアの方々が主体で、この森林隊を組織しているというご答弁でございました。
 ボランティアの方々も本当にいろんな媒体からこういった情報を仕入れていると思うんですが、募集状況なども含めて、もう少し活動内容を詳しくお伺いしたいと思います。

○御園浄水部長 ボランティアの方々の募集につきましては、昨年七月の森林隊設立当初に実施した森林保全の体験学習から行っておりまして、その後も、森林保全作業の実施について、水道局のホームページ、あるいは「水道ニュース」などを通じまして、広く募集しております。十月十五日現在におきますボランティア登録者は、二百二十六名でございます。
 具体的な森林保全活動につきましては、本年八月二十一日から、毎週木曜、土曜、日曜日に、林業体験者の指導のもとに実施してございます。これまでに二十一日間で延べ百八十七名のボランティアの方々に参加をいただきまして、三カ所の民有林で下刈りあるいは間伐等を行っております。

○小美濃委員 森林隊の活動を通して、水源林の重要性をしっかりと理解をしていただくとともに、都民の方と協働して水源林の保全を行っていくことは大変有意義なことであると考えております。
 今後も、ボランティア活動などによる良好な森林の保護と育成が我々の命の水にかかわる重要なものであることについて十分理解し、努めていっていただきたいなと要望いたします。
 最後に、安全でおいしい水の供給についてお伺いいたします。
 最近の新聞報道によりますと、いわゆるペットボトルに入ったミネラルウオーターの市場が急成長しているということであります。日本ミネラルウォーター協会の発表によりますと、国民一人当たりのミネラルウオーターの年間消費量は十年前に比べると四倍にふえているということでありますけれども、結局それに伴って、容器であるペットボトルの生産量も増加をしているわけであります。
 リサイクルをされているといえども、使用後のペットボトルの半数近くが廃棄物となっているのが現状でありまして、環境にも大変悪影響を及ぼすことになっているわけであります。
 さらに、容器から有害物が溶出する可能性があるという情報もありまして、私はこのようなミネラルウオーターの増加に関しては多少疑問を持つ一人であります。
 一方、水道局のモニターアンケートによりますと、ミネラルウオーターを使用している方の約四割が、水道水がおいしくないからということを理由に挙げているわけであります。
 このようにミネラルウオーターの消費量が増加する要因としては、利便性やファッション性などももちろんあるわけでありますけれども、例えば水道水のカルキ臭が臭いとか、受水槽の経由のために水温が高くなったりして、おいしくないということがあるのではないかと思っております。
 そこで、水道局はこうした現状をどのように認識しているのか、まずお伺いいたします。

○御園浄水部長 水道事業者といたしましては、水道水を直接飲まない人が増加していることは重大な問題だと認識しております。
 水道局では、これまでも高度浄水処理の導入や残留塩素の低減化など、おいしい水の供給に努めてまいりました。
 しかしながら、都民の皆様方からは、カルキ臭などに対する不満が寄せられている状況にありますことから、高度浄水処理の導入をさらに進めるなど、今後とも一層おいしい水の供給に努めていく必要があると考えております。

○小美濃委員 安全でおいしい水の供給のためには、水源から蛇口までの総合的な取り組みが必要であると考えています。しかし、原水水質の改善が進まない状況を見ますと、浄水処理における対策は特に重要であると考えています。都民ニーズにこたえるためには、高い整備費をかけて、高度浄水処理を導入してきている現状であることも理解をしています。
 高度浄水処理の導入が図られてきている現状においても、都民が安全性やおいしさにいまだ不安を抱いているということが、先ほど申し上げましたとおり、浄水器使用者やボトルウオーター利用者の増加にあらわれているのではないかな、こういうふうに想像するわけであります。
 しかし、浄水器やいわゆるミネラルウオーター、ボトルウオーターも決して万全ではないと先ほど私も申し上げましたけれども、飲料水としての水道水の向上をさらに望むわけであります。
 そこで、お伺いいたしますけれども、まず安全でおいしい水を供給するための高度浄水施設の整備状況、これはどうなっているのか、お伺いします。

○鈴木企画担当部長 利根川水系の浄水場では、カビ臭原因物質、アンモニア性窒素、トリハロメタン前駆物質などの除去を目的にいたしまして、オゾンと生物活性炭を基本とした高度浄水処理の導入を進めております。
 既に金町浄水場と三郷浄水場では稼働しておりまして、現在、朝霞浄水場は平成十六年度、三園浄水場につきましては平成十八年度の完成に向けて、整備を進めております。

○小美濃委員 利根川水系の浄水場については、順次、高度浄水処理の導入が図られているということであります。
 高度浄水処理された水を実際に飲んでいる都民は、それでは実際どのように感じているのか、また要望に十分こたえているのか、都民の声をお尋ねしたいと思います。

○鈴木企画担当部長 高度浄水処理を導入しております浄水場の給水区域におきましては、カビ臭に対する不満は少なくなってきております。
 しかし、現在高度浄水処理を導入している浄水場では、早期かつ公平に普及させる必要性などから、施設能力の半量程度を目標に整備を行ってきておりまして、通常処理水とブレンドして供給しております。このため、いまだカルキ臭などへの不満が解消し切れていない状況となっております。

○小美濃委員 高度浄水処理の導入の成果が一方ではあらわれていると思うんですけれども、先ほどのご答弁のように、都民の声や原水水質の状況を踏まえますと、より一層の高度浄水処理の整備が必要と考えております。今後の高度浄水処理の整備についてどのように考えているのか、ご所見をお伺いいたします。

○鈴木企画担当部長 カルキ臭などに対する不満などを含めまして、お客様には安全でおいしい水の供給に強い要望がございます。このため、利根川水系を原水とする浄水場に対しまして、早期に高度浄水処理の導入を進めていく必要があると認識しております。
 これまで、金町、三郷浄水場に導入し、現在、朝霞、三園浄水場におきまして整備を進めております。今後、東村山浄水場につきましても工事着手を予定しており、これによりまして、利根川水系を原水とするすべての浄水場に高度浄水処理が導入されることになります。

○小美濃委員 水道局が、先ほどのご答弁のように、せっかく高度浄水処理を導入して、安全でおいしい水の供給に努力をしても、各家庭に届けられる配水管や給水管が古くなって、赤水の原因になったり、水質上の問題が発生したのでは、水道システム全体のレベルアップには結びつかないわけでありまして、そこで、赤水などの原因となる配水管の取りかえについてはどのように取り組み、現在どのような状況になっているのか、お伺いいたします。

○滝沢給水部長 昭和四十年代前半までに布設しました鋳鉄製の配水管は、強度が低いとともに、内面がモルタルライニングされていないため、経年劣化により、管内面にさびが発生し、赤水発生の原因となります。
 当局では、このような経年配水管を内面がモルタルライニングされたダクタイル鋳鉄管に取りかえる事業を、昭和四十八年度から計画的に行ってまいりました。その結果、平成十四年度末には、全配水管に占めるダクタイル鋳鉄管の割合は九六%となっております。

○小美濃委員 配水管の取りかえは、赤水問題だけではなくて、漏水防止及び震災対策の観点から有効であると考えています。そのため、水道局では、残り少なくなっている経年管を対象に、Kケイ0ゼロプロジェクトというんですか、経年管全廃への挑戦を立ち上げ、経年管の早期解消を推進しているということであります。
 そこで、Kケイ0ゼロプロジェクトの進捗状況と今後の取り組みについて、お伺いいたします。

○滝沢給水部長 当局は従来から経年管の取りかえを計画的に進めてきましたが、経年管の中には、河川や鉄道下の横断部あるいは埋設物が密集した場所など、工事の施工環境が厳しいところに残っているものもございます。
 特にこのような施工困難箇所の取りかえを精力的に進めるため、当局では、平成十四年度からKケイ0ゼロプロジェクトをスタートさせました。
 計画の初年度である平成十四年度は、取りかえ対象としている導水管、送水管、配水本管百六キロメートルのうち、十二キロメートルを取りかえました。残る九十四キロメートルにつきましては、管路の埋設環境や機能に応じまして、さまざまな対策を講じるとともに、道路交通管理者などの関係機関や都民の理解と協力を得ながら、平成二十三年度解消を目指して、計画的に取りかえを進めてまいります。

○小美濃委員 施工困難な場所が多くて大変だと思いますけれども、今後も経年管の取りかえを着実に進めていただきたいと思います。
 配水管はわかったんですけれども、一方で、給水管の問題があるわけですよね。各家庭に引き込まれている給水管の一部には、健康への影響が指摘されている鉛製の給水管が使われていると聞いているわけでありますが、都民の安心を得るためにも、このような給水管の取りかえは早急にするべきであると考えております。その取り組みについて、お伺いいたします。

○滝沢給水部長 鉛製給水管につきましては、漏水防止の観点から、昭和五十七年度以降、配水管の取りかえ工事等に合わせまして、計画的にステンレス鋼管への取りかえを進めております。
 さらに、平成十二年度からは、鉛の水質基準値が平成十五年四月に強化されることを踏まえまして、鉛製給水管の解消を重点的に進めてまいりました。その結果、公道部の鉛製給水管は平成十四年度末にほぼ解消いたしました。また、私道部及び宅地内のメーターまでの鉛製給水管につきましても、引き続き平成十九年度までに計画的に解消してまいります。
 なお、メーターから蛇口までの鉛製給水管につきましては、お客様の負担により取りかえていただくことになりますことから、平成十三年度に対象のお客様へ個別にお知らせしておりまして、今後も、「水道ニュース」等で積極的に情報を提供してまいります。

○小美濃委員 水道管路は、整備状況はよくわかりました。これからも精力的に頑張っていただきたいと思います。
 もう一つ心配なのは、マンションの上に設置されている小規模の受水槽であります。これらの受水槽は設置者が自主的に管理するものでありまして、適正な指導監督は保健所等のところでやるしかないと聞いております。
 しかし、先般水道局では、経営プランの中の生活に密着した水道サービスの一環として、水道フレッシュ診断において、小規模受水槽を対象とした管理状況等の調査を行っていると聞いているわけでありますが、そうした調査の経過を踏まえて、水の供給者である水道局では現状をどのように認識しているのか、改めてお伺いしたいと思います。

○滝沢給水部長 小規模な受水槽の設置件数は、平成十四年度末におきまして、約十九万六千件でございます。そのうち、平成十二年度から十四年度の三カ年で実施いたしました水道フレッシュ診断におきまして、設置者の同意を得た約十三万二千件の受水槽につきまして、管理状況調査を行いました。
 その結果、内部壁面の汚れや雨水等の影響を受けるおそれがあるなど、改善を要するものが約四千五百件見られました。また、小規模な受水槽を利用しているお客様からは、定期清掃や点検など、受水槽の管理に不安を感じるといった声が寄せられております。
 このようなことから、当局といたしましても、小規模な受水槽につきましては、早急な対応策を講じる必要があると認識しております。

○小美濃委員 マンション等に居住する都民が安心して水道を利用できるように、適切な対応が必要だと思っております。昨年四月に施行されました改正水道法に伴って一部改正した給水条例では、改正条例が施行されたわけですが、マンション等の受水槽を設置して給水される貯水槽水道の衛生管理を向上させるため、水道局ではどのような取り組みを行っているんでしょうか。

○滝沢給水部長 当局では、改正給水条例に基づきまして、貯水槽水道の設置者による自主的な適正管理を促すとともに、利用者等に適切な情報提供を行うため、三つの取り組みを行っております。
 まず第一に、設置場所や清掃、点検等に関する情報を電子データ化いたしまして、利用者からの貯水槽水道の管理状況等に関する問い合わせに対しまして、適切な情報提供を行っています。
 第二に、利用者等から水質検査の依頼があったときには、速やかに検査を行うとともに、その検査の結果、水質に問題がある場合には、設置者に対し、適正管理の指導、助言等を行っています。
 第三に、管理の実態を定期的に把握するため、貯水槽水道の管理状況等の調査を計画的に実施しています。
 当局では、水道水の供給者としての立場から、今後も衛生行政と連携を図りながら、貯水槽水道の管理向上に向けて取り組んでまいります。

○小美濃委員 受水槽、貯水槽の管理を向上させることは重要なことでありますので、引き続き行っていただきたいと思います。
 しかし、こういったことを解消するためには、受水槽を介さずに高層階まで給水する、いわゆる増圧直結給水方式を導入すればいいわけでありまして、これをすることによって、都民が安心して水を飲用することができるわけであります。
 今でもこういったことは水道局は行っていると聞いておりますが、より一層直結の給水の普及拡大に努めることが必要であると考えております。
 そこで、水道局では、直結給水を普及させるためにはどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたしたいと思います。

○滝沢給水部長 当局では、受水槽を経由しない直結給水方式の普及を図るために、建築業や給水管工事等の組合、団体に対しまして、定期的な会合等の機会をとらえまして、要請を行ってまいりました。
 また、お客様に対しましても、水道フレッシュ診断において各戸に配布した「東京水読本」のほか、定期的に刊行している「水道ニュース」、ポスター、パンフレットなどを通じまして、周知を図っております。
 これらの取り組みに加えまして、現在、メーター口径が五〇ミリメートル以下の給水管で水を引き入れている建物を対象としている増圧直結給水方式の適用範囲の拡大につきまして検討しているところでございます。

○小美濃委員 今までの答弁で、水道局が実施している安全でおいしい水の供給については、しっかりと努力はされているということは理解ができたわけであります。
 しかし、浄水器の使用者やペットボトル、いわゆるボトルウオーターの利用者が増加傾向にあるのも、これは現状でありまして、都民が水道水に対して、安全性やおいしさにいまだ不満を抱いていることは大きな問題であります。
 したがって、水道局は水道水の安全性やおいしさについて、もっと積極的にPRをしていくべきではないかと思いますけれども、最後に、安全でおいしい水の供給について、PRも含めた総合的な取り組みについての局長のご見解をお伺いしたいと思います。

○飯嶋水道局長 安全でおいしい水を安定的に供給することは水道事業の基本であると考えております。
 水道モニターの意見等を見ましても、都民は、より安全でおいしい水を供給していくことを水道局に求めております。
 この安全でおいしい水を供給していくためには、ただいま先生からるるご指摘いただいたように、水道全般にわたってさまざまな取り組みが必要でございます。当局では、今後とも、これらの取り組みを総合的に推進し、お客様に満足される水の供給に努めてまいります。
 一方、水道水の供給には、このような取り組みのほか、浄水処理を初め、水質管理など万全を期しておりますので、安心してご使用いただけることをお客様にご理解いただくために、広報広聴活動を通して、なお一層積極的にPRして、信頼していただけるよう全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。

○小美濃委員 力強いご見解を、またご決意をお伺いいたしました。
 私は、日本全国で水が、水道をひねると直接飲料水となるということ、これは世界の中でも日本が誇るべき文化の一つであると考えておりますし、また大変重要なことだとも思っております。
 そこで、先ほど来お話がありましたとおり、安全でおいしい水をしっかりと首都東京から供給していくということ、これからもしっかりと責任ある水道事業を引き続き行っていただくことを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。時間が大変おくれまして、申しわけありませんでした。

○谷村委員 それでは、特に危機管理の観点からお伺いいたしたいと思います。
 一昨年の九月十一日に発生しました米国同時多発テロ以降、かつては考えられもしなかったテロへの恐怖を身近に感じるなど、安全というものがただといわれていた時代はもはや昔となってしまいました。
 あの同時多発テロの二次的なテロの対応の際に、アメリカのブッシュ大統領が指示をしました幾つかの施設の中に、原子力発電所などとあわせて水道施設が挙げられたことは見逃せない重大な事実であります。水道施設というのは、まさにテロの標的となる重要施設ということなのであります。
 また、水道は、日常的な暮らしはもとより、首都東京の機能を維持していくために極めて重要な役割を担っていることは申し上げるまでもありません。東京に一たびテロ、大停電、震災などが起きた場合には、都市機能に多大な影響が及ぶとともに、都民生活にも重大な支障が生じることになります。
 そこで、水道局における危機管理対策というものは大変に重要なわけであります。
 私の地元であります東村山市には、東京水道で三番目に大きい浄水場があります。浄水場は敷地面積が広く、施設への侵入は容易であると思われ、また、その水処理施設を見てみますと、沈殿池、ろ過池などは開口部があり、水道水への異物混入の可能性も少なからずあると思われます。
 そこで、まず最初に、浄水場への侵入防止や毒物混入に対する対策について、具体的にお伺いしたいと思います。

○御園浄水部長 浄水場への侵入防止対策につきましては、周囲さくを高さ二・五メートルに整備しておりますとともに、出入り口や周囲さくには侵入防止センサーを設置いたしまして、異常のあった場合には警備会社へ通報するシステムによって、整備をしております。
 また、毒物混入による水質異常をより迅速かつ的確に検知するため、従来の方式を改善いたしまして、魚類を利用したセンサーによる毒物検知装置を設け、原水と浄水を常時自動監視する新たなシステムを今年度中に整備する予定でございます。

○谷村委員 水道局では、水道水の安全保持と信頼性の向上を図るために、今おっしゃったようなさまざまな対策に加え、ろ過池にふたをする、いわゆる覆蓋化を実施しておられますが、この具体的な整備状況についてお伺いいたします。

○御園浄水部長 ろ過池の覆蓋化につきましては、平成十四年度からおおむね五年間で、主な浄水場を対象に、順次整備を進めていく予定でございます。今年度は朝霞浄水場、高月浄水所の工事に着手いたしまして、東村山浄水場につきましては平成十七年度から着手する予定となっております。
 また、覆蓋上部につきましては、自然エネルギーを積極的に活用し、環境負荷を低減するため、太陽光発電設備を設置する予定でございます。

○谷村委員 覆蓋化につきましては、何を差しおいてでも、ぜひ急ピッチで取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、今ご答弁にありました環境面の配慮から、覆蓋に太陽光発電設備を設置するということでございますけれども、二十一世紀は環境の時代といわれますように、地球規模で環境の危機に直面しているわけであります。太陽光発電の整備はこうした環境の危機を打開していくための取り組みにもつながり、まさに一石二鳥の対策であります。
 そこで、どのような効果が期待できるのか、具体的にお伺いいたします。

○御園浄水部長 主要な浄水場の覆蓋化が完了いたしますと、その太陽光発電によって得られます年間総発電量は約四百二十万キロワットアワーとなります。この量は一般家庭千二百戸分の年間使用量に相当いたします。
 また、環境負荷の低減といたしましては、年間二千トンのCO2削減効果がございます。これを自動車のCO2排出量に換算いたしますと、約八百三十台分に相当いたします。

○谷村委員 テロ対策とあわせて、地球環境を重視した省エネルギーや環境対策にも資するこのような施策につきましては、ぜひとも積極的に展開をしていただきたいと思います。
 次に、もう一つの危機管理対策として、大規模な停電対策についてお伺いしたいと思います。
 この夏、首都圏では電力不足に起因する電力危機が心配されておりましたが、幸い冷夏の影響もあり、広域停電の発生は回避されたわけであります。一方で、八月十四日には、北米カナダで五千万人に影響を及ぼす大停電が発生しました。復旧までに二日間を要し、市民生活や都市活動に多大な影響を及ぼしたと報じられております。
 また、九月に入ってからは、ヨーロッパでイタリア全土やデンマーク、スウェーデンにおいて停電が起きるなど、各地で電力トラブルが続発しております。
 これに対し、日本では電力系統がシンプルな構成で、また、供給責任体制が明確であることなどから、このような大停電が発生する可能性は極めて少ないといわれております。
 しかし、世界的レベルで比較をしますと、電源の信頼性が高いといわれる日本におきましても、落雷や大雪などの自然災害に起因する局所的な停電が各地で発生しております。
 そこで、こうした局所的な停電が発生した場合、水道供給はどういう事態になるのか、お伺いいたします。

○六車設備担当部長 局所的な停電が発生した場合、東村山浄水場などのように、標高差を利用して自然流下で配水可能な浄水場では、平常どおりの給水が可能であります。
 また一方、ポンプで配水している浄水場、給水所では、停電により一時的な減水や濁水が発生する場合もありますが、自家発電や他の浄水場及び給水所からのバックアップによって、早期に平常給水に復旧することが可能であります。

○谷村委員 地域的、部分的に発生する局所的な停電につきましては、一時的な減濁水はあるものの、早期復旧が可能であるとのことであり、ひとまず安心をいたしました。
 しかし、大規模停電それ自体が皆無だともいい切れないわけであります。北米やヨーロッパほどの大規模ではないにしましても、平成十一年には、自衛隊機の墜落によって、東京、埼玉の八十万世帯に影響を及ぼす停電事故が発生しております。
 これまでに水道局では電源の信頼性向上にどのように取り組んでこられたのか、お伺いします。

○六車設備担当部長 自然災害や電力供給側の事故などによる停電に備え、浄水場や給水所では、受電を二系統化して電源の信頼性を高めております。また、阪神・淡路大震災を契機に、電力供給が停止した場合においても、一定の浄水機能あるいは送配水機能を確保するため、東村山浄水場などの主要な施設に自家発電設備の整備を進めております。

○谷村委員 諸外国に比べまして、日本は電源の信頼性が高いといわれております。自然災害等に起因する大規模な停電はいつ発生するかわからないものでもあります。
 水道は、浄水処理や送配水に膨大な電力を使用しており、安定給水には電源の信頼性が不可欠なわけであります。特に、停電による浄水場の停止は広範な地域の給水に影響を及ぼす可能性があり、浄水場の停電対策はとりわけ重要であります。
 そこで今後、浄水場への自家発電設備の整備をどのように考えておられるのか、お伺いします。

○鈴木企画担当部長 浄水場への自家発電設備の整備につきましては、これまで東村山浄水場、金町浄水場で行ってきております。
 現在、朝霞浄水場、三園浄水場におきましてPFI手法による自家発電設備の整備を進めており、平成十七年度から運用を開始する予定でございます。
 水道局では、現行の経営プランにおきまして、停電時に自家発電によって浄水場で処理できる量を定めておりまして、平成二十一年度末にはその九八%を確保することを目標としております。

○谷村委員 省エネルギーや未利用エネルギーなど新エネルギーにかかわる技術革新が急ピッチで進んでおります。そもそも環境とエネルギーは表裏一体のものでありますが、先ほどのろ過池覆蓋上部の太陽光発電設備は、まさに水道施設の特性を活用した環境とエネルギーの複合施策であるわけであります。このほかにも水道施設の特性を活用した複合的なエネルギー施策について検討を進めていただき、環境対策やコスト縮減を含めたトータルな観点から、電源の信頼性向上に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、震災対策についてお伺いしたいと思います。
 いうまでもなく、水道における震災対策は最重要課題の一つといってもいいわけであります。平成七年一月に発生した阪神・淡路大震災では、大変多くのとうとい人命と多くの家屋、財産を喪失しました。水道施設も数多くの被害があり、飲料水や生活用水を求める被災者の長蛇の行列は今も強く脳裏に焼きついております。
 また、最近国内では、七月に宮城県北部地震が、九月には北海道で十勝沖地震が立て続けに発生しております。この十勝沖地震では石油タンクが連日にわたって炎上したことなどは、まだ記憶に新しいところであります。同時に、家屋等の損壊とともに、多くの水道施設が被災し、市民生活に支障が生じました。このことは、改めてライフラインである水道の震災対策の重要性を痛感させる出来事であったわけであります。
 国の中央防災会議では、南関東地域においてもマグニチュード七程度の直下型地震が起こることが切迫していると指摘しております。また、テレビなどでもそのようなことを取り上げた番組も大変ふえております。
 このような状況から、いつ大地震が私たちを襲ってもおかしくない状況にあるわけでございまして、一方で、都の水道施設の多くが、水道需要が急激に伸びた昭和三十年代後半から四十年代の高度経済成長期にかけて集中的に建設されております。これらの施設は既に四十年近くが経過しており、各施設の耐震性が懸念されるところでもあります。果たして大地震が東京を襲った場合、水道はどうなるのかと不安に思っている都民も数多くいるのではないかと思います。
 そこでまず、阪神・淡路大震災クラスの大地震が東京で発生した場合、東京水道の被害はどの程度を想定しておられるのか、また復旧にはどの程度の期間を必要とするのか、お伺いしたいと思います。

○田口建設部長 大地震におきます水道施設の被害想定でございますが、平成九年八月の東京都防災会議におきまして、阪神・淡路大震災程度でありますマグニチュード七・二、この地震が発生した場合の検討を行っております。
 この想定によりますと、震源が区部直下の場合、送水管と配水管の被害箇所数でございますが、合わせて約三千六百カ所となってございます。
 また、発災後、一日後におけます断水件数は約百五十万件でございまして、復旧に必要な日数は三十一日と想定しております。

○谷村委員 区部に直下型地震が発生した場合、約百五十万件が断水し、完全復旧までには約一カ月を要するということでありますが、しかし重要なことは、膨大な規模を誇る東京水道の施設をいかに計画的かつ着実に震災対策を進め、被害を最小限にとどめるかということであります。
 そこで、水道局の震災対策はどのように進めておられるのか、お伺いいたします。

○田口建設部長 水道局におきましては、震災対策を重要課題の一つとして位置づけております。耐震性を考慮した水道施設の整備に努めるとともに、地震の発生後の応急体制を確立するなど、ハード、ソフト両面にわたる施策を積極的に進めております。
 まず、ハード面といたしましては、施設の耐震性強化と飲料水の確保を目的にいたしまして、平成十四年度から十六年度を計画期間といたしました東京都水道局震災対策事業計画を策定いたしました。給水所の補強や送水管ネットワークの構築など、水道施設の強化、整備に努めておるところでございます。
 また、ソフト面といたしましては、発災時におきます施設の復旧及び応急給水等の諸活動を迅速に遂行するための東京都水道局震災応急対策計画を策定いたしまして、万全の応急体制を整えているところでございます。

○谷村委員 ハードとソフトの両面にわたり震災対策を進めることがまさに重要なことであると思います。
 私の地元であります東村山市、また東大和市に隣接する村山下貯水池の堤体補強工事もことしから始まっております。そこで、平成十五年度に計画している具体的な施設の耐震性強化策についてお伺いいたします。

○田口建設部長 まず、貯水池と申しますか、貯水施設の耐震性強化対策でございますが、昨年度、堤体強化工事が完成しております山口貯水池に引き続きまして、今春より村山下貯水池の工事に着手しております。この工事によりまして、村山下貯水池も阪神・淡路大震災クラスの地震に耐えることのできる耐震性の高い施設となります。
 また、地震時に停電が生じた場合でも、浄水機能や送配水機能が確保されるように、朝霞浄水場及び三園浄水場におきまして自家発電設備を整備することとしております。
 また、さらに、管路につきましては、先ほども説明ありましたが、Kケイ0ゼロプロジェクトによりまして、強度が低く、漏水や濁水、こういった原因となる経年配水本管の取りかえを積極的に進めております。
 これらの施策によりまして、一層耐震性、信頼性の高い水道システムの構築を図っておるところでございます。

○谷村委員 東京の水道施設は世界でも有数の規模となっている一方、高度経済成長期を迎え、老朽化した施設も相当数あるわけで、そのため、一朝一夕に震災対策を図ることは極めて難しいことであると思います。
 しかし最近、各地で大地震が頻発し、水道施設もかなりの被害を受けております。また、南関東地域における大規模な直下型地震発生の切迫性も指摘をされております。
 このようなことから、今後も震災対策を計画的かつ着実に進め、首都東京にふさわしい、強く、安全な水道施設の構築をお願いしたいと思います。
 日本は、狭い国土にもかかわらず、全世界の地震発生の約二〇%を占めていると聞いております。地震はもとより、テロ、事件、事故などさまざまなアクシデントから都民を守り、災害時の被害を最小限に食いとめることは、都政の大きな課題であり、重要な使命でもあります。とりわけ水道は、生命維持に欠かすことのできない最も重要なライフラインであります。
 これまでいただきましたご答弁で、水道局は万一の危機に備え、さまざまな非常時を想定した取り組みを行っておられることがよくわかりました。水道は、水源から蛇口まで一体的なシステムであり、この東京の水道においては、その規模からして膨大な施設量となっているため、そう簡単には危機管理の対策は、これでよいというものにはならないとも思います。しかし、首都東京の機能を維持する上で、危機管理対策は極めて重要なテーマでもあります。
 そこで、最後に、東京水道における危機管理対策について飯嶋局長のご決意をお伺いして、私の質問を終わります。

○飯嶋水道局長 水道局では、非常時においても安全な水をできるだけ供給できるよう、危機管理対策に努めているところでございます。
 先日、私自身も、アメリカで開催されました日米水道地震対策ワークショップに参加いたしまして、ロサンゼルス市、サンフランシスコ市など、大規模地震に見舞われました大都市と情報交換をしてまいりました。
 その中で、危機管理につきましては、常日ごろから対策を講じて必要な投資を計画的に継続していくことの重要性をお互いに確認してきたところでございます。
 また、先ほど先生からご指摘ございました北米の大停電がございました。その直後に施設計画課長を派遣いたしまして、主としてポンプによる圧力給水をしておりますデトロイト市に行って調査をさせました。
 それによりますと、停電時における情報手段の確保が大事であるということ、そしてまたデトロイト市では、非常用の発電設備を備えているんだけれども、日ごろの訓練をもう少しやっておけばよかったというような反省点をいっておりました。こういったことを今後の施策に十分反映してまいりたいと思っております。
 今後とも、あらゆる危機に対しまして日ごろから備えておくことは、水道事業者に課せられた使命であることを肝に銘じまして、水道システム全体をとらえて優先度の高いものから計画的に取り組みを行いますとともに、お客様に対しましても十分説明責任を果たしてまいりたいと思っております。

○古館委員 それでは質問させていただきます。
 ライフラインでも、とりわけ水というのは万物にとってなくてはならないものですし、とりわけ水道というのは都民生活にとっても不可欠のものです。水道は、とりわけ事業経費を水道料金として都民に負担を求めているということから、本当に、この水道のあり方そのものについても真剣に今後ともかかわっていかなければならない。
 安定した水の供給だけではなくて、より安全でおいしい水の供給、しかも命の水ですから、だれもが水の恩恵を受けることのできる低廉な料金の設定などが求められているのはいうまでもありません。こうした角度から、以下、質問させていただきます。
 一つは、都民は水道事業に一体何を望んでいるのか、あるいは期待しているのか。都民の要望について、水道局ですから当然把握されていると思いますけれども、どのような状況になっているでしょうか。

○中田総務部長 水道局では、都営水道を使用しているお客様から公募によりまして選出しましたモニターにアンケートを実施しておりまして、水道事業に対しますお客様の声を把握しまして、事業運営の参考にしておるところでございます。
 副委員長のご質問の水道事業へのご要望ですけれども、水道モニター二百人に対しまして、平成十五年一月に実施しました平成十四年度第三回水道モニターアンケートの中で、今後の水道事業運営について力を入れるべきことを三つ以内の選択方式で聞いております。
 その結果でございますけれども、第一位が安定的に給水できる水源の確保、これが六三・〇%でございます。第二位が水質管理の強化、これが四三・八%、第三位が震災に強い水道施設の整備、これが三九・六%となっております。

○古館委員 このアンケート、私もこれをいただいたんです。変な話、議会図書館に行ったら十三年度のしかなくて、後から係の方に、平成十四年度の第三回水道モニターアンケートというのをいただきました。
 それでは、どういうアンケートのとり方をしているのかなと思って見ますと、別に今水道局でやっている事業がこういうことでこうなっていますとか、それから例えばダムの建設によって水の需要、供給はこうなっていますとかという、そういう予備知識がここにあるわけじゃなくて、それで一番は、何が設問でなっているかというと、今後の水道事業運営について力を入れるべきことは何ですかということで、一番先に、安定的に給水できる水源の確保というのが1に出ていて、それから順番にずっといろんな答えが出てくるという形になっております。
 その中で一番回答が多かったのが六三・〇ということで、安定的に給水できる水源の確保ということなんですが、きょうも各委員さんが喫緊の水道問題についての質問をやられていますけれども、安定的に給水できる水源の確保というのは余り質問の中にはないわけなんですね。むしろ今の震災問題とか、それからおいしい水、浄化する場合にどうするかと。
 そういう点で、このモニターのアンケートをよく見てみますと、例えば水道について知りたい情報というのがあって、水道について知りたい情報は何ですかということでいうと、これもやっぱり一番目に水源の貯水量情報というのがあるんですが、これは全然順位が高くなくて、六位なんですね。水源の貯水量情報、これが一番先に設問としてあるんですけれども、これは六位ということは--それで、最初の、水源の確保というのが第一位なんですけれども、それに対する水源の貯水量情報というのは、それと密接不可分につながっているんですけれども、これは六位なんですね。
 何が一位かといいますと、二番目の設問である水源や水道水の水質検査の結果というのを知りたがっているというのが実は、第一位にあるんです。第二番目に何があるかというと、おいしい水への取り組みについてというのを聞きたいと。それから節水方法や機器の情報だとか、その次に災害対策、ずっと下がって水源の貯水量情報というのが、このアンケートをよく見ていますと、実際には今都民が何を水道局に対して、水について知りたいかというと、そういうような水質検査だとかおいしい水だとか、それから震災対策に対してどうなっているのかということが、やはり切実な問題として出されているというのが、アンケート、私の読み取りはそういう読み取りをいたしました。
 したがって、安定的に給水できる水源の確保が一番高いということですけれども、水道事業の置かれた状況について都民が正しく認識し、あるいはアンケートに答えたのかということについては、今も私お話ししましたけれども、非常に疑問であります。
 そこで伺いますけれども、需給計画と実績はどうなっているんでしょうか。

○鈴木企画担当部長 現行需給計画では、平成十二年度における一日最大配水量を六百二十万立方メートル、平成十七年度は六百三十万立方メートルと予測してございます。また、平成十四年度の実績は、景気低迷などの影響によりまして五百十九万立方メートルでございます。

○古館委員 立方メートルというのはトンといってもいいんでしょうかね--いいですよね。それで結局、今の話ですと、需給計画は大体六百二十万トンから六百三十万トンを計画しているんですね。ところが実績は五百十九万トンということで、どんどんどんどん、今、実績が下降しているんですよ。それで、大体今安定してきて、大体一日最大配水量が百万トン以上も乖離しているという状況にあります。ですから、需給計画の方はかなり高くて、実際は百万トン以上も、その需給計画と実績はかけ離れている。いかに予測が過大なものかということがわかると思います。
 昨年の水道会計の、企業会計の決算を読みますと、大体ほかの党の方も需給計画と実績についてのかなりの乖離についても質問としてやられておりましたが、そこでお伺いしますけれども、現在開発中のダムの総事業費は幾らでしょうか。そしてそのうち都の負担額は幾らでしょうか。

○鈴木企画担当部長 現在、都が参画しております開発中の水源開発は、霞ヶ浦導水、八ッ場ダム、戸倉ダム、利根中央事業及び滝沢ダムでございます。
 これら水源開発の総事業費は約八千四億円でございまして、水道局の負担額は、国庫補助金及び一般会計繰入金を含めまして約八百七十七億円でございます。

○古館委員 今名前が出たダム建設に東京都が出している負担分として約八百七十七億円。これは、建設費だけの総額なんですよね。当然、完成すれば管理費もかかりますし、そういう意味でいうと、年間の負担額というのがまた違ってくるはずなんですね。この年間の負担額はどのくらいになるのか、十四年度決算では、私もちょっと手持ちでいただいたんですが、建設改良費と営業費用の中で、建設にかかわるお金以外にダム関係の経費は幾らになりますでしょうか。

○中田総務部長 平成十四年度の建設改良費と営業費用の中におきますダム関係経費でございますが、建設改良費が四十億九千四百万円、営業費用が九十四億四千五百万円となっております。

○古館委員 つまり、ダムの建設費が、先ほど東京都の負担分で八百七十七億といいましたか、それで、それのほかに百三十五億円負担しているということになります、単年度でですね。配水量がその需給計画に対して百万トン以上乖離があることは、先ほど私も明らかにしたとおりなんですが、こうしたダムにかかわる全体像が、実は都民の知るところとなっているのかどうか、こういうことが、アンケートの回答が、もしそのことがわかっているならば、回答はおのずと違う結果になったというふうに私は推量いたします。
 したがって、このアンケート結果をダムの開発への免罪符にしてはならないということを強く指摘をしておきたいと思います。
 それで、水道事業の建設事業にかかわる企業債についても幾つかお伺いしたいと思います。
 まず、企業債元利償還、この資料でもありますけれども、企業債の元利償還ですが、十二年度が六百六十一億円なのに対して十三年度が七百七十五億円、そして十四年度が八百二十二億円と償還費が上昇しておりますけれども、これはなぜでしょうか。

○中田総務部長 十三年度、十四年度と償還費が上昇している理由についてのご質問でございますが、基本的には、これは償還方式の変更によるものでございます。
 企業債には、ご案内のとおり、政府系資金と民間資金があるわけですけれども、当局が借り入れております民間資金につきましては、銀行縁故債が平成四年三月発行分から、市場公募債が同年五月発行分から満期一括償還方式に移行しております。これらの債券が平成十三年度以降十年の満期を迎えているために償還費が上昇しているものでございます。

○古館委員 さっきのは訂正します。資料にありますなんていったんですけれども、資料は、ごめんなさい、企業債の元利償還費のこれからの残高について聞いた話ですよね。今私がいったのは手持ちの資料の話をずらずらずらっといっちゃいましたので、ちょっとこれは訂正させていただきます。
 それで、今のお話のとおり、元利償還が高くなっているのは、十年の一括償還のちょうど返す年度に来ているということもあってちょっと高くなっているということなんですが、それでは毎年の元利償還、これが巨額に上っております。この元利償還の資料が先ほど私がありますがといったものなんですが、これが相当の巨額に上っているわけなんですよね。それで、少しでも負担を軽くしていく上で、これはやはり下水道局と同じ債券は仕組みになっているんだろうと思っております。
 そういう点でいいますと、かなり、政府債が三十年間という長期の債券なものですから、しかもこれが八・二というのが、大変最高利率で高いものがあります。こういう金利のものもあって、私は政府に対して、政府債に対して、借りかえというのを当然求めてしかるべきだと。なぜかというと、今は民間債の方がずっと安いわけですよ。たしか〇・八%ぐらいの金利だと思うんですね。しかもそれは十年返還なんですけれども、民間債は借りかえもできるはずなんですよね。
 ですから、そういう点からいいましても、この政府債がいかに不利な状況というか、そのときはそれが借りられるものだったのかもしれないんですけれども、そういう点もありますので、ぜひこれは政府に対して働きかけをしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

○中田総務部長 政府資金でございます財政融資資金につきましては、平成十三年四月一日以降の新規貸し付けに係るものについてのみ、補償金を払うことによりまして財務大臣の承認を得まして任意の繰り上げ償還が行えることとなりました。
 しかしながら、借りかえ並びに既貸付分の繰り上げ償還は依然として認められていないため、従前から都議会等のご協力を得ながら低金利債への借りかえを認めるよう要望活動等を行ってきたところでございます。
 今後とも、元利償還に係ります負担の軽減を図るため、あらゆる機会をとらえて要望活動を行っていきたいと考えております。

○古館委員 それで、ちょっとこれもまた手持ちなんですが、いただいた資料で、企業債の年度末の未償還額という資料があります。つまり、我々がいう起債残高がここに推移としてあるんですが、一番のピークが九年から十年にかけて八千億オーダーですね、起債残高が。それから、十一年が七千九百八十四億、十二年が七千九百五十三億、十三年度が七千七百十四億、十四年が七千四百八十二億というふうに起債残高がどっと下降線、少なくなってきている。
 この傾向は、今後この問題については、恐らくこれ自身は負担を軽くしていくという点でも、いまだに多額にはなっているんですけれども、償還額の推移で見ますと、先ほどいいましたように七千四百八十二億円ということで、八千億オーダーだったのが七千四百何がしまで落ちてきているわけですね、起債残高。そういう点でいうと、むだなダム建設などをやめれば未償還の残高もさらに下降線をたどる、こういうふうに判断しますが、いかがですか。

○中田総務部長 企業債残高が減っていくのではないかというご質問として理解して答えさせていただきます。
 企業債は、既に発行したものにつきまして今後の償還予定額を見込むことは可能でございます。一方、今後の企業債につきましては、先ほど来ご質問等にありましたけれども、安定給水の確保や高度浄水施設の建設などの財源として適切に発行していくことが必要となります。その今後の投資量であるとか、あるいは財源としての企業債の発行条件、これらは非常に変動要素が多いため、現時点で将来の企業債残高を予測することは極めて困難であると考えております。

○古館委員 先ほど、こういうことをやったらどうかと積極的提案が、すごく貴重な提案が各委員さんからありました。これはこれで答弁は、今までもやってきたし、これからもやりますということの答弁なんですよ。今までやってこなかったことをいっているわけじゃなくて、さらにそれを進めなさいということをいっているわけなんですね。
 私は、起債残高が減る要素は十分にあると。なぜかというと、利率が依然として低利で推移しているということと、それから高利率の債務も段階的に少なくなってきていますし、さらに起債額が年次計画よりも十二年度で百四十億円、つまり発行の予定だった起債が百四十億円、計画よりも少なく起債発行しているわけですね。十三年度は百五十一億円少なく発行しています。十四年度は計画よりも百八十七億円、起債を少なく発行しているんですね。
 こういうふうにして、これにダム建設などをやめれば、元利償還の抑制効果というのはさらに加速させることができますし、そういう分はもっと、今までお話が出ていた震災対策だとかそういうものにも十分に使っても、残高そのものを押し上げることにはならないというふうに私は思っていますが、これは指摘にとどめておきます。
 こうした都民の立場での財政の健全化を進める中で、今後さらに力を入れなければならない対策、例えば震災対策は喫緊の重要課題として一層推進することや、それから漏水防止対策などが挙げられます。
 私は、この資料に、漏水対策について、漏水量が本当に急激に減っているということについては、水道局の皆さんの努力というものに対して多としたい、率直にそのように感じております。
 この漏水防止対策などが挙げられておりますけれども--私が注目したのは、とりわけ漏水防止対策ですね。この事業はこれまでも成果を上げてきておりますけれども、この事業での効果と、また漏水対策事業を推進してきた結果としての費用対効果を含めてお伺いしたいと思います。

○滝沢給水部長 漏水防止対策は、即応的対策と予防的対策の二つを大きな柱としております。
 即応的対策は、漏水箇所を発見して修理するものであります。また、予防的対策は、漏水の発生を未然に防止するため、漏水の原因となる経年配水管のダクタイル鋳鉄管への取りかえ等を計画的に実施するものでございます。
 これらの対策を着実に行ってきました結果、漏水率は最近五年間では平成十年度の八・〇%から平成十四年度の五・四%まで低下しております。
 漏水防止対策の費用対効果につきましては、貴重な水資源の有効利用や漏水に起因する二次災害の防止のほか、予防的対策の実施による管路の耐震性の向上、管内水質の保全などの内容が複合的に含まれており、厳密な意味での費用対効果を定量的に示すことは難しい面がございます。
 このような難しさを前提にいたしまして、あくまで仮に算定可能な部分につきまして費用及び効果を試算いたしますと、平成十四年度の漏水防止対策経費は約百三億円、効果は二百八十七億円と見積もられます。

○古館委員 これは環境会計といういい方もされていて、結局、漏水を防止するためには、管そのものも耐震性も強くて、しかも漏水しにくい、そういうふうに布設がえというか、改良が施されていくものですよね。そのことによって、水源からの水の量だとかさまざまなものをプラス要因として働くことができる、そういう全体の費用対効果でいうと百三億円、対策費を投入した、それに対して対費用効果でいえば二百八十七億円、そういうような効果があるというご答弁なんですね。
 私は、この漏水防止対策を初めとして、やはり震災対策などについても本当に喫緊の重要課題ですので、これはぜひ前倒ししてでも進めていただきたいと思っています。
 質問の最後なんですけれども、さっきの質問にまた戻るんですが、水道局の支出規模が約四千億円、ダム開発などを直ちにやめて、今述べたような必要な施策にシフトしていくことが必要だと思います。この点についてどのように水道局として認識をしているか、改めてお伺いしたいと思います。

○中田総務部長 改めていうまでもなく、水道は都民生活と都市活動を支えます重要なライフラインでございます。安全でおいしい水の安定的な供給は、私ども水道事業者に課せられた重要な使命であると理解しております。このため水道局では、都民の要望等を踏まえまして、水道事業経営プランに基づきまして、安定した水源の確保を含めた施設整備事業や、生活に密着したサービスの推進など、必要な施策を計画的に推進しているところでございます。
 また、水道事業は地方公営企業として公共の福祉の増進と経済性の発揮が求められており、新しい事業経営システムの導入や徹底した企業努力を実施しまして効率的な経営に努めているところでございまして、今後とも経営の効率化に一層努めていきたいと考えております。

○古館委員 私は先ほど--水需給計画と実績の乖離が百万トン、こういう状況がほぼ固定化してきているような状況に今あるんですね。ですから、今の答弁ですとダム建設は引き続き行うという答弁ですね。
 こうした中で、やはりダム建設の過重負担というのを都民に転嫁するということになってしまうわけですので、この点について私は、やはりダムは中止をすべきだと改めて指摘をしておきたいと思います。
 なお、水道局では、経営問題研究会を設置して料金改定を検討しておりますけれども、料金改定で都民に負担増を強いることではなくて、今こそ都民が真に望む都民本位の施策へと水道のあり方の転換をしていくことを強く指摘をいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 以上です。

○山口委員 水道局における地球温暖化防止の取り組みについて何点か質問いたします。
 東京都環境確保条例では、事業活動における環境への負荷の低減に向けて温室効果ガスの排出量の多い事業所には地球温暖化対策計画書の提出が規定されています。地方公共団体の事業については、この計画書の作成は不要となってはいますが、東京都みずから積極的に温暖化対策を講じる必要があると考えます。
 具体的には、オフィスと大規模な事業所のCO2排出量の削減に向けた実効ある仕組みが課題となります。電力部門は、温室効果ガス、特に二酸化炭素の最大の排出源となりますので、より環境への負荷の少ない再生可能なエネルギー源への移行を行うことが不可欠です。
 そこで伺いますが、水道事業では、都民への水を送り出す過程での電力使用量及び温室効果ガスの排出量をCO2換算でどのくらい排出されているのか、伺います。

○鈴木企画担当部長 水道局で消費をしておりますエネルギーのほとんどは、浄水場等の施設の運転に要する電力でございまして、平成十四年度における使用量は、多摩地区統合市町村分を含めまして約七億五千万キロワットアワーで、これに伴う電力料金は約九十八億円でございます。
 この電力使用による二酸化炭素排出量は約二十九万トンでございまして、これ以外の燃料使用等も含めた水道局の温室効果ガスの排出量は、二酸化炭素換算で約三十一万トンでございます。これは自動車約十三万二千台が一年間に排出する二酸化炭素換算の温室効果ガス量に相当するものでございます。

○山口委員 水道事業の運営過程では、大量の温室効果ガスを排出しているということですが、温暖化防止へどのような取り組みをしているのでしょうか。また、その対策に係るコストと効果について伺います。

○鈴木企画担当部長 水道局では、電力使用に伴う環境負荷を軽減するために、常用発電へのコージェネレーションシステムの導入や、太陽光発電、水力発電設備の整備等のエネルギーの有効利用を進めております。
 このうち、環境負荷低減の割合の高いコージェネレーションシステムによる常用発電につきましては、東村山浄水場に続き、PFIモデル事業によりまして金町浄水場で導入しております。また、平成十七年四月からは朝霞浄水場及び三園浄水場におきましても、PFI事業による常用発電設備の運用を開始する予定でございます。
 これらのエネルギー施策の導入によりまして、平成十四年度におきましては、環境保全コストが約十二億円、環境保全対策に伴う経済効果が約十三億四千万円で、その差約一億四千万円のコスト節減と、約一万四千トンの二酸化炭素排出量の低減を図ることができております。

○山口委員 エネルギーの有効利用策としてのコージェネレーションシステムとはどのような内容なのか、伺います。

○鈴木企画担当部長 当局のコージェネレーションシステムによる常用発電は、環境負荷の少ない都市ガスを燃料といたしました発電をしまして、発電に伴う排熱を浄水場発生土の加温脱水処理に有効利用するものでございまして、二酸化炭素排出量の削減及び浄水処理後の排水処理コストの節減に効果を上げております。
 現在稼働中の東村山浄水場及び金町浄水場におきましては、常用発電により、それぞれの浄水場における電力使用の約六割を賄っております。

○山口委員 水道局は、環境負荷削減効果とコスト縮減効果を踏まえ、地球環境に配慮した総合的な対策を行う必要があると考えますが、今後、どのような施策を進めていくのか、伺います。

○鈴木企画担当部長 地球がはぐくむ水を資源として事業を行っております水道局にとりまして、地球環境を重視した施策への取り組みは極めて重要であると考えております。
 そこで、コージェネレーションシステムを活用した常用発電設備の整備を着実に進めるとともに、ろ過池の覆蓋化に伴う太陽光発電設備の設置など、自然エネルギーの活用、施設の新設、更新等における省エネルギー型機器の導入や、効率的な水運用による省エネルギー施策などを推進してまいります。
 さらに、環境会計や環境報告書の発行等による都民への積極的な情報提供など、総合的な環境施策を引き続き進めてまいります。
 今後とも、公営企業としての企業性を踏まえつつ創意工夫を行い、安全でおいしい水を安定的に供給するという事業活動を通しまして、環境対策に積極的に取り組んでまいります。

○山口委員 次に、水資源の有効活用についてですが、多摩地域における日量約四十万トンの地下水は、都営一元化後も使い続けられていて、渇水期にはより多くくみ上げられることや、震災時には身近に利用できる頼りになる貴重な水源となっています。地下水汚染問題で利用できなくなった場合には、水道局として揚水再開に向け汚染源の究明と対策が必要であると考えます。
 そこで、水道水源井戸について伺います。
 府中市の水道水源井戸で、トリクロロエチレンが検出したときの対策はどのように行ったのでしょうか。
 また、一・四-ジオキサンが検出された立川市の水道水源井戸はどのように対応しているのか、伺います。

○中村調整部長 過去に水質基準を上回るトリクロロエチレンが検出されました府中市の水道水源井戸につきましては、揚水を停止しまして、水質の動向を監視してきております。その後、曝気処理によるトリクロロエチレンの除去効果が確認されたために、除去装置を設けて井戸からの揚水を再開しております。
 また、一・四-ジオキサンにつきまして、現在のところ効果的な処理方法がないことから、一定濃度以上の一・四-ジオキサンが検出された立川市の井戸からの揚水を停止して、水質を監視しているところでございます。

○山口委員 一・四-ジオキサンは、トリクロロエチレンのように除去が容易ではないとされていますが、生物活性炭やオゾン酸化によって除去が可能ともいわれています。水道局としては、このような処理方法を導入して貴重な水道水源井戸の揚水を再開すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

○中村調整部長 一・四-ジオキサンをオゾンなどで除去するにつきましては、大規模な設備と多額の費用が必要となります。現在のところ、オゾンなどによる除去を含めまして効率的に浄水処理できる装置の実用化は難しい状況にございます。

○山口委員 汚染井戸の運転を休止すると、地上への出口を失った汚染物質が地下水の流れに乗って拡散し、汚染が拡大することはよく知られています。実際に府中市では、トリクロロエチレンで汚染された都の水道水源井戸の揚水を停止したため、汚染が東の方向に拡大したと聞いています。これらの物質の汚染の拡大を食いとめるための措置及び揚水しない理由について伺います。

○中村調整部長 水道原水の揚水停止と汚染拡大との関係につきましては、現在のところ十分な知見が得られておりません。水道事業者としましては、効率的な除去方法がない中で、休止井戸の監視を継続しているところでありまして、地下水のくみ上げを再開する状況ではないと考えております。

○山口委員 今回の立川での汚染した二本の井戸は量も少なく、配水系統を変更して対応することができました。水道局は料金収入で成り立つ公営企業ですので、配水できない水に除去設備など経費はかけられないということだと思いますが、貴重な地下水源を将来も使い続けられるような対応をぜひ検討していただきたいということを要望しまして、質問を終わらせていただきます。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時四十三分散会

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