公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第四号

平成十五年十月二十二日(水曜日)
第一委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十一名
委員長矢島 千秋君
副委員長秋田 一郎君
副委員長山下 太郎君
副委員長石川 芳昭君
かち佳代子君
大西由紀子君
高島なおき君
大塚 隆朗君
吉野 利明君
東ひろたか君
小山 敏雄君

 欠席委員 なし

 出席説明員
港湾局局長成田  浩君
技監高野 一男君
総務部長浅倉 義信君
参事岡田  至君
港湾経営部長片岡 貞行君
参事新田 洋平君
臨海開発部長高松  巖君
開発調整担当部長萩原 豊吉君
営業担当部長金子  優君
港湾整備部長樋口 和行君
計画調整担当部長松井  創君
参事安藤 哲士君
離島港湾部長原田 龍次君
参事松本 義憲君

本日の会議に付した事件
 平成十四年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  港湾局関係
   ・平成十四年度東京都臨海地域開発事業会計決算(質疑)
   ・平成十四年度東京都港湾事業会計決算(質疑)

○矢島委員長 ただいまから平成十四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十四年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成十四年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○浅倉総務部長 十月十日開催の当分科会におきましてご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成十四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらん願います。
 ご要求のありました資料は、表紙の次のページの目次にありますように、九項目でございます。
 一ページをお開き願います。1の臨海副都心地域の土地処分実績でございます。平成九年度から十四年度までの土地処分の実績を面積と金額に分けてお示ししております。表の右側には各年度の実績の内訳について記載してございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 二ページをお開き願います。2の臨海副都心地域暫定利用の状況でございます。臨海副都心地域において暫定利用されております五区画につきまして、それぞれ敷地面積、事業者名、事業者決定時期、施設概要及び開業時期をお示ししてございます。
 なお、表の右側にございます有明南N区画及び青海K区画の施設につきましては、本年十一月以降の開業予定でございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 三ページをお開き願います。3の有明北・豊洲埋立事業の進捗状況でございます。有明北地区及び豊洲地区防潮護岸部の埋立事業の進捗状況につきまして、工事費ベースで記載しております。有明北地区につきましては平成十二年度以降、豊洲地区につきましては平成十一年度以降の決算累計額と進捗率をお示ししてございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 四ページをお開き願います。4の臨海副都心におけ有償処分予定の現況一覧でございます。有償処分予定地につきまして、開発の確定した面積と今後の開発予定面積に分けてお示ししております。そのうち開発確定面積は処分済み及び処分見込み面積を、開発予定面積では、暫定利用中、公募中、今後公募予定及び土地区画整理中の面積をお示ししております。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 五ページをお開き願います。5の臨海関係第三セクターの経営状況でございます。臨海関係の第三セクターごとに、平成十年度から十四年度までの決算状況をお示ししたものでございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 六ページをお開き願います。6の臨海関係第三セクターに係る金融機関業態別融資残高でございます。臨海関係の第三セクターごとに、各年度末現在の融資残高を業態別にお示ししたものでございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 七ページをお開き願います。7の臨海関係第三セクタービルの入居率でございます。臨海関係の第三セクターが所有するビルごとに、平成十四年九月末、十五年一月末、十五年九月末現在の入居率をお示ししたものでございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 八ページをお開き願います。8の羽田沖浅場造成事業の執行状況と今後の計画でございます。事業の目的、昭和六十二年度から平成十四年度までの事業の執行状況及び今後の計画についてお示ししたものでございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 九ページをお開き願います。9の「ゆりかもめ」輸送人員の実績でございます。臨海新交通「ゆりかもめ」における過去五年間の輸送人員の実績でございます。各年度の合計旅客人員を営業日数で割り、一日当たりの平均人数をお示ししてございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○矢島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○吉野委員 臨海副都心に関連しまして、何点かお伺いをしたいと思います。
 臨海副都心は、昨今では、サントリーの着工ですとか大江戸温泉物語の開業など華やかな話題も多く、この夏には相当の来訪者があったというふうに伺っております。
 さて、都では、この副都心を安定的に開発していくため、財政面での抜本的な見直しを行い、昨年三月、財政基盤強化プランを策定してきたところでございます。都として、このプランを着実に実現していくことが最大の課題ではないかというふうに思っております。特に、これから迎える大量の起債償還期を考えれば、土地処分を推進し、収入を確保していくことが重要なのはいうまでもありません。
 そこでまず、収入確保の大きな柱の一つである土地処分等について何点かお伺いをしたいと思います。
 前回の十三年度決算は、単年度収支が約四十八億円もの赤字であったのに対し、十四年度は一転して百二億円の黒字を計上してきております。なぜこのように年度によって大きなばらつきが生じているのか、まずそのことからお伺いしたいと思います。

○高松臨海開発部長 土地処分につきましては、その重要性を十分認識いたしまして、営業努力を続けておるところでございます。
 お話の十四年度に黒字を計上しているのは、長期貸付方式で二区画、それから売却方式で三区画の土地が売れるなど、土地処分が進んだためでございます。
 しかしながら、例えば水道事業などの安定的に使用料収入を期待できるような他の会計に比べますと、この臨海会計の収入は、不動産会計としての性格上、年度ごとにきちんきちんと収入を見込むということが難しくなっております。したがいまして、年度によって大きなばらつきが生じやすくなっております。

○吉野委員 今お話がありましたように、水道事業などのようにある程度収入が見込める事業と違って、単年度の収入が計算できない事業であることはよくわかります。
 しかし、年度ごとにばらつきがあるのはやむを得ないとはいっても、収入がなければ起債の償還ができないわけでありますから、そこのことについて考えていかなければならないというふうに思っております。そこで、今後の土地の処分の見通しについてどうなのか、お伺いしたいと思います。

○金子営業担当部長 十五年度の土地処分につきましては、既に台場地区でマンション、有明南地区でホテルの進出事業者と土地売買契約を締結したところでございます。さらに、有明北地区において学校進出事業者を決定しておりまして、現在、本契約に向けての手続を進めているところでございます。
 なお、誘致に当たりましては、昨年度実施いたしました二千社訪問で感触のあった企業への再度の訪問や、地域ごとにターゲットを絞った誘致を行っており、現在、進出計画を検討している企業もございます。

○吉野委員 今年度、十五年度も土地処分は見込めるというお話を今伺いました。
 そもそも一区画で数十億以上もする土地を、そうやすやす処分できるものでないということは私も思っております。処分できればそれにこしたことはありませんけれども、それまでの間、活用しないまま土地を放置しておくということは、愚策といわざるを得ないと思います。
 都はこれまで、暫定的な土地活用として、幾つかの区画を利用に供してまいりました。大江戸温泉物語もにぎわい、青海地区に活気が出てきたことはまことに結構なことだというふうに思っております。たしかこの青海地区では、昨年まで、暫定利用で美術館の計画があったというふうに記憶しております。この計画は、平成十四年度中に開業予定ではなかったんでしょうか。美術館というのは、また一つ臨海副都心を新鮮なものにしていくという企画で、楽しみにしておりました。何やらうまくいかなくなったというふうに聞いてもおります。そこで、この計画はどのようになったのか、お伺いしたいと思います。

○金子営業担当部長 美術館の計画についてでございますが、ご案内のとおり、青海J区画で、ニューヨークの世界的に有名な美術館との提携、協力によりまして、新しい美術館運営を計画していたところでございます。平成十三年六月に事業者決定をいたしまして、十年間の暫定利用ということで、翌七月に予約契約を締結したところでございます。
 しかしながら、平成十三年九月にアメリカで発生いたしました同時多発テロ事件のために、ニューヨークの美術館では観光客が急激に減少いたしまして、経営に甚大な影響が発生し、計画された新美術館の提携、協力が極めて困難になったものでございます。
 その後も、決定事業者はいろいろと調整をされ、ご苦労されたわけでございますが、最終的には臨海副都心への進出を断念され、ことし二月、事業者から辞退届が提出されました。都はこれを了承したものでございます。

○吉野委員 アメリカの同時多発テロが臨海副都心の開発にまで影響しているということには少々驚かされます。いろいろな事件が起こり、世界経済は急速に動いております。こうした状況の中で、経営のかじ取りというものは大変難しいというふうに思っております。美術館の計画のとんざは非常に残念でありますけれども、何があるかわからないのがビジネスの世界でもあるというふうにも思っております。
 そういう意味では、今回のことを貴重な教訓として、土地処分や土地の有効活用に当たっては常に経営感覚を最大限に発揮し、新たな方策を絶えず生み出し、収入確保のために全力を傾けていただきたいというふうに申し上げておきます。
 次に、臨海三セクの経営状況について伺います。
 臨海三セクは、設立当初から多額の負債を抱えておりまして、平成九年度には三社とも債務超過に陥ることとなり、そのため、都が中心となり経営安定化策を策定し、平成十年四月から、徹底した全社の内部努力を前提に、都と金融機関の支援を受けて、全力を挙げて経営改善に取り組んできているというふうに認識をしております。
 平成十四年度決算は、十年間の経営安定化策の前半五年の最後の年でもあります。折り返し点の年であり、ここで前半五年間の経営状況あるいは経営改善の状況をしっかりと把握し、次の五年間につなげる必要があるというふうに思っております。
 そこでまず、前半五年間の実績について伺います。経営安定化策の経営目標の達成状況、これはどうなっているでしょうか。

○岡田参事 経営安定化策の経営目標の達成状況でございますが、事業を継続するために必要な資金が確保されている状況をお示しします。
 償却前の収支でございますが、目標どおり十年度に黒字を達成いたしました。以後、黒字を継続してございます。
 営業利益につきましては、平成十一年度に三社の合計で黒字を達成し、その後、四年連続で黒字となってございます。また、十三年度以降は三社そろって黒字でございます。
 このように、前半五年間は、予想を上回るペースで経営改善が進んでございます。

○吉野委員 今お答えいただきましたところで、経営安定化策のもとで経営改善が着実に進んでいるということが示されたというふうに思います。
 それでは、これだけ経営改善が進んだ要因について、港湾局はどうとらえているのでしょうか、お伺いをいたします。

○岡田参事 経営改善が進んだ要因でございますが、第一は会社の内部努力であるというふうに考えてございます。ビル事業の確保に努めるとともに、役員を十七人から四人に、社員を百五十七人から八十六人に、さらに委託料等管理費につきまして見直しを行うなど、徹底した経費削減を実施いたしました。その結果、営業経費は五年間で一五%近い削減となっておりまして、このようなものが経営改善の効果としてあらわれたものと考えてございます。
 同時に、経営安定化策に基づきます都と金融機関の支援が会社の経営努力を後押ししまして、前半五年間については目標を上回る改善実績を上げたものと認識してございます。

○吉野委員 経費削減を中心とする内部努力と、都と金融機関の支援、この三つの要素の組み合わせが、経営改善がここまで進んだ要因であるというふうに、今お答えがありました。今後も、会社の経営改善を進めていく上では、収入の確保、特に全収入の大きなウエートを占めているビル事業収入の確保が重要と考えます。
 その点で、一つ不安材料といえると思いますが、二〇〇三年問題というのがあるというふうに思います。二〇〇三年問題とは、大規模開発によるビル床の供給増により、老朽化した既存ビルから退去や、本社機能の集約のための空室率の上昇、賃料値下げ要求が強まることといわれております。最近の新聞報道では、二〇〇三年問題の影響は鎮静化しつつあるというふうに述べられておりますけれども、論調は、既に、団塊の世代のリタイヤとそれに伴うオフィス入居率の低下、すなわち二〇一〇年問題へと移っているんだというふうにいわれております。
 そこでお伺いしますけれども、二〇〇三年問題の影響をどうとらえてきたのか、また、二〇一〇年問題を含めて今後のビル事業収入確保にかける会社の戦略について、考え方を伺いたいと思います。

○岡田参事 臨海三セクのビル事業につきましては、ビル事業の収入の十四年度決算は約二百五十億円でございまして、十三年度とほぼ同じ水準の収入を確保してございます。入居率につきましても、ことし九月の全ビル合計の入居率は約九〇%でございまして、昨年の同時期とほぼ同じ入居率を保ってございます。
 しかし、今年度に入りまして、テナントの退去により入居率の下がったビルも一部にございまして、ご指摘のとおり、いわゆる二〇〇三年問題の影響を少なからず受けているものと考えてございます。
 会社といたしましては、臨海副都心地域の開発は進んでいるものの、同地域だけ市況の波を受けないということはない、ビル事業は、リストラの進展などによりまして今後とも厳しい状況に置かれているとの基本認識に立ってございます。そのため、まず入居率の確保を目指すべく取り組んでいるところでございます。
 具体的には、昨年のりんかい線の延伸等によります交通アクセスの利便性の向上を生かしつつ、IT対応にすぐれ、災害への備えが強化されたハイテクビルであるというメリットをアピールしながら、営業努力を行ってございます。ビル営業は、一般的には仲介業者の紹介を待つという形態でございますが、業態別にターゲットを絞った直接営業なども現在実施しているところでございます。
 都といたしましても、引き続きビル事業の収入の確保に向けまして会社を指導してまいります。

○吉野委員 臨海三セクのビルは、地域冷暖房施設であるとか下水ポンプ所などのインフラ施設を収容しておりまして、その建物自体が公共的役割を担っているというふうにいえると思います。さらには共同溝の管理とか、極めて公共性のある事業を都から受託しているわけです。臨海三セクは、臨海副都心にとってなくてはならない会社となっているのであり、臨海副都心の開発に大きな支障を生じさせないためにも、都と金融機関の継続的な支援に基づく着実な経営改善が必要であるというふうに思います。
 最後に、土地処分などによる収入確保や臨海三セクの経営改善に向けた局長の決意をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。

○成田港湾局長 二点のご質問にお答えいたします。
 まず収入の確保についてでございますが、昨年三月に策定いたしました財政基盤強化プランを着実に実現していく上には、ご指摘のように収入の確保は極めて重要であると認識しております。これまで、二千社訪問や事業者ニーズを踏まえた進出環境の改善など、臨海副都心の魅力と特性を生かした誘致戦略を展開してきたところでございます。今後も創意工夫を凝らすとともに、あらゆる手段を講じまして土地の売却や有効活用を推進することによって、収入の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、臨海三セクの経営は、ご指摘のとおり、臨海副都心の開発にとって極めて重要な課題でございます。総力を挙げて臨海副都心の開発に取り組んでいる現在、臨海三セクにつきましても、経営安定化策に掲げた目標を一日も早く達成することが求められていると考えております。
 幸いにも、安定化策の前半の五年間は予想以上のペースで経営改善を進めることができたところでありますが、後半の五年間につきましても、先生ご指摘のとおり、二〇〇三年問題の背後に潜んでおります二〇一〇年問題という、そういった新しい問題も視野に入れまして、都といたしましては、引き続き金融機関と協力するとともに、会社を指導してまいりたいと考えております。

○大塚委員 私からは、臨海副都心の開発について、一カ月前にお台場に引っ越してきた住民の一人として、生活者の立場に立って幾つかのお尋ねをしたいと思います。
 まず、臨海副都心は、東京の七番目の副都心として開発が開始されました。この臨海副都心が整備された区域は、計画当初には広大な土地が広がっていたように記憶をしております。その当時は、日本経済はまさに絶頂期で、後にバブル経済といわれたわけでございますが、この開発には当時、大きな期待が寄せられておりました。
 あれから十数年がたち、この間、経済情勢が大きく変化をしたわけでございます。バブルが崩壊し、大きな打撃を受け、今、いろいろなところにこの後遺症が残っているのはご承知のとおりでございます。臨海副都心の開発も当然例外ではありません。この結果、臨海副都心の見直しもされたのではないでしょうか。
 まず最初に、バブル崩壊後、臨海副都心の開発がどのように見直されたのかをお尋ねいたします。

○高松臨海開発部長 バブル崩壊後の計画の見直しについてでございますが、都民の方々も参加をいたしました懇談会や、また都議会での活発なご議論をいただきまして、総合的な見直しを行い、それを踏まえて、平成九年三月に臨海副都心まちづくり推進計画を策定いたしまして、引き続き開発を推進することといたしました。
 その後、平成十四年三月には財政基盤強化プランを策定し、バブル崩壊後の事業のあり方を収入と支出の両面から徹底的に見直しをいたしまして、さらにこの事業を着実に推進していくことといたした次第でございます。

○大塚委員 バブルの崩壊など経済環境の悪化によりまして事業の見直しをすることは、今ご答弁のようにやむを得ないことだと思います。
 しかし、この臨海副都心に住む人や働く人にとっては、今後、臨海副都心がどうなっていくのかということは、極めて気にかかることだと思います。
 そこで、現在の臨海副都心の開発や事業者の進出など、見直し以後、順調にこのことが進んでいるといっていいのでしょうか。そしてまた、東京都としてどのように取り組んできたのかを伺います。

○金子営業担当部長 開発状況についてのお尋ねでございますが、まず基盤整備につきましては、域内の公園、道路、共同溝などはおおむね完成しているところでございます。
 土地処分につきましては、有償処分面積百三十九ヘクタールのうち、十四年度末現在で進出事業者が確定している面積は八十二ヘクタール、全体の約六〇%に及んでおります。さらに、暫定利用といたしまして、パレットタウンでございますとか大江戸温泉物語など十一ヘクタールが利用されているのが現状でございます。
 次に、事業者誘致を促進するための取り組みについてでございますが、分譲マンションの開発や土地証券化による事業スキームに対応できますよう、土地売却方式も導入してきたところでございます。また、事業者が進出しやすい環境を整備しますとともに、臨海副都心が持つ地域的な魅力を企業に強く訴えまして、誘致活動を積極的、継続的に展開しているところでございます。

○大塚委員 今のご答弁のように、都としてもいろいろの努力をされていることがよくわかったわけでございますが、バブル崩壊の後遺症や世界経済のグローバル化といった、企業環境の厳しい状況の中では、そう簡単に土地処分が進むとは思えません。ぜひとも頑張っていただきたいと思うわけでございます。
 先ほどの吉野委員とも重なってしまう質問になりますが、処分できない区画もあり、また、公募中の区画も幾つかあるというふうに伺いますが、これらの土地処分についての今後の見込みについて、繰り返しになりますが、確認のためお尋ねをいたします。

○金子営業担当部長 土地処分の見込みでございますが、現在公募しております区画は全部で七区画ございます。事業者様からはいろいろとお話もちょうだいしておりますし、また、その中にはかなり手ごたえのあるものもございます。引き続き誘致に向け頑張っていきたいと思っております。

○大塚委員 ぜひそういった方針で臨海副都心の発展のために頑張っていただきたいと、再度要望しておきます。
 しかしまた、既に進出している事業者や居住者のことも一方で考えていただきたいと思うわけでございます。台場の地区はまちとしてほぼ完成しているのはご案内のとおりでございます。この台場地区には五千人弱の人が住み、オフィスビルなどには一万六千人程度の人が働いております。この台場地区には、ことし、水質浄化実験の影響で、大変多くの方々が来訪したことも事実であります。活気やにぎわいが出ており、大変結構なことでございますが、住んだり勤めたりしている人にとっては、交通アクセスであります「ゆりかもめ」が混雑するなど、困ることも一方であるわけでございまして、土地処分が進み、新たな事業者が進出してくれば、それに応じた交通整備も必要であると思うわけですが、今後の交通アクセスがどのようになっていくのか、お尋ねをいたします。

○萩原開発調整担当部長 今後の交通アクセスについてでございますが、晴海通りや環状二号線、「ゆりかもめ」の豊洲延伸等の広域交通基盤の整備は、臨海副都心を初めといたします東京臨海地域の開発にとりまして極めて重要でございます。現在、早期整備に向け事業を推進しておりまして、「ゆりかもめ」につきましては、平成十七年度に現在の有明駅から豊洲駅までが延伸され、これまでのJR新橋駅からのアクセスに加えまして、地下鉄豊洲駅からのアクセスが可能となります。また、道路網につきましては、晴海通りの有明-晴海間、環状二号線の有明-豊洲間等が平成十七年度に整備され、臨海副都心と都心は約五キロメートルほどの距離で結ばれるということになります。
 今後、これら広域交通基盤の整備によりまして、臨海副都心の交通の利便性は大きく向上いたしますとともに、交通混雑の緩和にも寄与するものと考えております。

○大塚委員 「ゆりかもめ」が豊洲まで延伸されれば、多少混雑の緩和は期待していいというふうにも思います。ぜひともおくれないように整備を進めていただきたい。そしてまた、晴海通りが延伸されるということで、都は引き続き、交通混雑緩和に向けて積極的な取り組みを要望しておきます。
 さらにもう一つ、生活者という立場からすれば、病院、学校、保育園、スーパーマーケットなども大いに関心があるところでございます。今、臨海副都心では台場に住宅があり、保育園、小学校、中学校はあるのですが、保育園の方は今、定員がいっぱいの状況でございます。診療所はあっても大きな病院はありません。商業施設も観光用のもので、居住者向けのものではありません。こうした観点から、決して住環境がよいとはまだいえないと思うわけでございます。
 そこで、今後の開発の中で、こうした利便性を誘致していただきたいと思うわけでございますが、今どのような計画があるのか、お尋ねをいたします。

○金子営業担当部長 利便施設についてのお尋ねでございますが、居住者にとって、今お話のあったような利便施設はなくてはならないものと考えております。
 まず病院についてでございますけれども、有明南地区に、癌研究会が設置いたしますベッド数七百床の総合病院が十七年春に開院する予定でございます。
 次に、スーパーでございますが、台場地区の住宅に一店舗ございます。また、近隣にコンビニも見受けられますが、今般、マンションとして事業化されます台場のH区画には、食料品を中心とする高級なスーパーが進出するというふうな計画になっております。
 保育園につきましても、商業施設でございますデックス東京ビーチの一部に認証保育所が開園できるよう、現在手続中でございます。

○大塚委員 今ご答弁の施設ができれば、利便性も向上します。大いに期待をしたいと思っておりますので、しっかりと進行管理をしていただきたいと思います。
 最後にもう一つお尋ねをいたしますが、まちの治安のことでございます。
 今、臨海副都心では大きな事件は発生しておりません。また、この夏には、お台場を舞台にした映画が封切られ、大ヒットしたこともあるわけでございます。この映画の中では台場地区で事件が起こったわけですが、これはあくまで映画の話であるわけです。
 現実には、犯罪率の極めて低いエリアと、今はいっていいと思いますが、これからさらに来訪者がふえ、犯罪の不安が募るわけでございます。居住者や就業者にとってはこれも大きな関心事で、事件は映画の世界だけにしてほしいと思います。
 現在、交番も台場の住宅にあるだけで、知事も東京の治安回復を大きく掲げております。聞くところによりますと、東京テレポート駅前には、りんかい線全線開通によりまして、屋台が多く出店したということがあったわけでございます。これは暴力団の資金源になっているとの情報もあり、この問題をどう考えるか、臨海副都心での暴力団を初めとした治安対策等についてお伺いいたします。

○高松臨海開発部長 治安対策についてのお尋ねにお答えいたします。
 住民の方々が快適に生活をし、働く人たちも安心して仕事に励むことができるためには、安全なまちづくりが欠かせないということはいうまでもございません。さらに、多くの来訪者の方々に喜んでもらい、臨海副都心をにぎわいある空間にしていくためにも、犯罪や暴力のないまちにしていかなければならないと考えております。
 臨海副都心では、開発当初より、進出企業を中心にいたしまして協議会をつくりまして、暴力団を一切入れないまちづくりというものを進めておるところでございます。ご指摘の屋台につきましても、所管、所轄の警察署の協力を得まして一掃をいたしました。また、臨海副都心地区には警察署の開設も検討されておりまして、今後とも地域の方々と協力しながら、暴力団対策のみならず、まちの治安維持のために万全を期していく所存でございます。

○大塚委員 治安対策、保安対策については、居住者にとっても就業者にとっても本当に大事なことでございますので、今後とも警察と連携をとって、安全なまちづくりを進めていただきたいと思います。
 最後に意見だけ申し上げますが、駐車場対策にも大変な力を入れていただきたいということがあるわけでございます。土地処分がされ、まちが発展していくことはよいことですが、駐車場がなくなるということは、逆に大変困った問題でございます。特に台場は人が集まるまちで、住宅のすぐ近くには空き地がありまして、それが処分されていくと、土日に利用されていた駐車場がなくなってしまいます。
 しかし、こういった問題は、なかなかすぐには抜本的に対策をとることができないということも重々承知ですが、東京都としても最大限の努力を払っていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。

○東委員 私はまず最初に、これは私の地元のことなんですけれども、江東区の有明北地区の事業問題について少し聞きたいと思います。
 資料も出していただいて--その前に、たくさん資料をつくっていただいて、ありがとうございました。
 この資料にもいただいたんですけれども、工事費が四百億円で進捗率は四割ということになっていますけれども、この有明北の事業の目的といいますか、大体ここで何をやろうとしているのか、まずこれを答えてください。

○萩原開発調整担当部長 有明北地区の埋立事業の目的でございますが、業務・商業機能と居住機能のバランスのとれた活力あるまちづくりをいたしますとともに、晴海通り、環状二号線等交通基盤の整備、さらに防潮護岸の整備による防災性の向上や、緑と水に親しめる公園を整備していくことでございます。

○東委員 今、説明の中にもあったんですけれども、もともとこの有明北と隣の豊洲それから晴海ですよね、晴豊、そして有明、これは、さっきずっと論議になってきているような臨海副都心の関係で、その三地区を一体のものとして開発するということで進んでいるわけですが、これも急ピッチで進んでいますけれども、その隣の豊洲ですね、ここは半分は築地市場が行くんだということで決めているようですが、あとの半分はどういうふうにするつもりか、これもあわせてひとつ……。

○萩原開発調整担当部長 豊洲地区の関係でございますが、豊洲地区につきましては、現在、ご案内のとおり土地区画整理事業を実施してございまして、今後の換地計画等を踏まえ、各地権者が、豊洲・晴海計画に定める土地利用計画に沿って開発を進めていくことになろうかと思います。
 具体的には、立地特性を生かしまして、特に「ゆりかもめ」駅周辺には業務・商業機能を配置いたしますほか、補助三一五号線の北側につきましては、個性的で新しい複合市街地を、また、南側の東雲運河沿いには都市型住宅地の形成を目指して開発を進めていくということにいたしております。

○東委員 これは全部同じですよね。さっき有明の話も聞きましたが、業務・商業機能、複合的な、まあオフィスビルのことだと思うんですけれども、それと住宅。有明でこれをやり、そしてまた隣の豊洲でもやると。それで、この中で住宅は大体どれぐらいを予定しているのか、これを聞きたいと思います。

○萩原開発調整担当部長 有明北地区でございますが、臨海副都心まちづくり推進計画におきましては、住宅供給戸数は九千棟程度とされております。住宅供給主体等の社会的な変化もございまして、これにつきましては官民が協力して供給していくものということでございます。
 また、豊洲地区でございますが、豊洲・晴海開発整備計画におきまして、居住人口一万三千人程度とされております。
 なお、住宅整備主体等につきましては、現在におきましては未定でございます。

○東委員 有明に九千戸、それから豊洲の方に一万三千人ということですけれども、これは世帯でいえば、恐らくここも五、六千世帯の住宅ができると。これ合わせて一万四、五千ですよね。そして、ここには出てきませんけど、すぐその東隣に石川島が敷地を持っていまして、その石川島のところに、これも広大なところですが、やっぱり大学だとか商業用地だとか、今お話があったような住宅、複合施設、そういうものをつくると。これは全部江東区なんですよね。江東区の豊洲、有明の一帯に、今の副都心に加えて、住宅といったって戸建てじゃありませんから、大体高層のマンションですよね。高層のマンションができる、オフィスビルができる、商業施設ができると。これがもし全部完成したら、すごいものになるんだろうと思うんです。
 例えば、有明北の九千世帯というんですけれども、これは--八丈島がありますよね。あそこは大体三千四、五百世帯なはずですよ。だから、八丈島一つの町が、有明北だけで二つぐらいできるし、豊洲、そして今申し上げた石川島まで入れると、あの八丈島の町が三つか四つあそこに突然としてできることになるんですよね。そういう、ある意味では非常に無謀ともいえるような開発が進んでいるんですが、とりあえず有明北、九千戸と決まっていますから、ここについて聞きますけれども、この有明北の住宅建設については、そして他の事業計画もそうですが、当の江東区はこれを了解しているのかどうか。
 ご存じのように、これはテレビや新聞でもやっていますけれども、特に江東区でもこの地域に、私どもは南部といっているんですけれども、この地域に特に住宅建設が密集しているんですよね。現に、例えばこの有明のすぐ東側、直線ではかれば五百メートルもありません、そこに三菱製鋼の跡地があって、これも広大な土地ですが、ここに住都公団が買って、住都公団は今後新規建設はやめるというんだけれども、今のところはまだ、公団を中心に、六千世帯の住宅をどんどんどんどんつくっていますよね。むちゃくちゃといってもいい過ぎじゃないぐらい、この一帯に住宅ができる。
 だから、当然学校も足りない。八丈島だって、あの町で八丈高校、高校まであるところですからね、あそこは。高校もつくったって、三つぐらいの高校が必要なところです。だから、小学校も足りない、保育園も足りない、中学校も足りないということで、江東の区長名で、江東区内の--これはこの地域だけではありませんけれども、特にこの地域がひどい。だから、マンション業者に対して、マンションを自粛してくれ、あるいは延期してくれ、中止してくれという、かなり強い申し入れをして、マンション建設を規制しているというのが江東区の実態ですよ。
 そういう中にあって、こういう計画をどんどこどんどこ打ち上げて、工事をどんどん進めているということなんですけれども、これ、うちの江東区は、いいですよということになっているんですか。

○萩原開発調整担当部長 有明北地区につきましては、臨海副都心まちづくり推進計画に基づきまして土地利用計画や整備方針等を定めまして、計画的、段階的な開発を進めるところでございます。これに伴いまして当然必要となる学校等公共施設につきましては、今後、地元区、地権者と十分な協議、調整を図っていきたい、このように考えております。

○東委員 当然、局としてはそう答えると思うんです。どんどん協議をしていくと。例えば公団があそこで、九千戸全部つくるかどうか知らぬけれども、つくると。そしたら、学校用地として用地を提供させると。あるいは、江東区が絶対嫌だといったら、しようがないから建物ぐらいまで、あるいはつくってくれるかもしれない、こんなことはないけれども。仮に百歩譲って、つくってくれたとしても、学校の運営だとかそういうのは当然、地方自治体の持ち出しということになるわけですよね。
 そうすれば、今いわれた協議の中というのは、土地を出しますよ、例えば建物までつくりますよということなのか、それとも、その後の学校運営まで含めて、つまりこの建設を進めることによって地方自治体が負担しなければならない、そこまで、これは都が推進しているんだから、都としてちゃんと面倒を見るよと、そういうことも協議の中に入っているんですか。これをもう一回……。

○萩原開発調整担当部長 ただいまの学校についてでございますが、基本的には、学校をどのように、どう整備するか、この計画の中におきまして学校の必要数等々につきましても、計画上オーソライズいたしております。これらをどういうぐあいに整備するかにつきましては、当然、学校教育を担当いたしております区と十分協議することとなろうかと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、開発との関係で、今後、区もしくは地権者と十分協議はしていきたい、このように考えております。

○東委員 この有明北の埋立事業が出されて、そしてこれが始まるときに、地元でもそうなんですけれども、あの場所が江戸前のハゼの営巣地だということで、これは専門家が行っていろいろ調べもしたわけですけれども、だから、江戸前のハゼを守れと。
 それから、これは旧貯木場。昔、木場の材木を、外国あるいは国内から持ってきたやつを、有明のお台場のところのドルフィンに落として、それを引いていって、あそこに貯木した、そういう場所なんですね。だから、沈んでいる木もあったし、皮だとかそういうものが沈んで、しかも何十年あるいは百年近くの歴史があるわけだから--もっとあるのかな。まあ、いえば、もう少し自然化して、有明北と豊洲の間に、防潮堤といいますか、人は渡れないんですけれども、島がつくってあって、そこには松だとかそういう木が生えて、旧貯木場とそういう景観が一つの、何といいますか、あの地域の自然景観といいますか、そういうものを持ってきていたし、そしてまた、その場所自身が、今申し上げたように長い間の歴史の中で、しかも浅場で、ハゼの営巣地になっている。その地域では非常に親しまれる場所であり、それからまた、下町の風物詩であるハゼ釣りだとか、あるいは屋形船、そういう人たちの遊び場でもあったと。
 そういうこともあって、とにかく江戸前のハゼを守れ、旧貯木場跡地の景観を守れ、それから東京湾付近に残された最後の自然を守れと、そういう声が非常に高くなった。
 それからまた、あの地域の住民はほとんど都営住宅の人たちですけれども、あの臨海副都心の仕事がどんどん進むにつれて大気汚染が非常にひどくなった。あの地域は、東京でもワースト一、二ですよ。そこにこういうものをつくったら、なおひどくなるじゃないかと、そういう声があって、これに反対の運動もあったわけなんですけれども、最後に一つ聞きたいのは、大気汚染のことについて、ああいうものをつくれば、どんどん自動車がふえる、大気汚染がひどくなるというのは、常識で考えたってわかるわけだから、このことについて港湾局は一体どういうふうに考えているのか、この点を最後に聞いておきます。

○萩原開発調整担当部長 大気汚染等のご質問でございますが、臨海副都心におきましては、一般環境大気測定局を港区台場に設置いたしておりまして、大気汚染の状況を監視しております。これによりますと、大気の状況はここ数年、ほぼ横ばいで推移いたしております。
 今後、晴海通りや環状二号線等の広域幹線道路の整備によるネットワークが形成され、交通の分散や渋滞の緩和が図られること、また、りんかい線の全線開業や「ゆりかもめ」の豊洲延伸によりまして公共交通への転換が図られること、さらに、ディーゼル車対策等を強力に推進すること等によりまして、大気の状況は改善されるものというふうに考えております。

○東委員 それは進める方からすれば、そういわざるを得ないんでしょうけど、しかし、ここに、今、話に出てきたような業務ビル、商業施設、大量の住宅、それに市場が来る、大学が来ると、当然そこに車の発生も多くなるということは明らかなわけで、確かにディーゼル車規制ということはありますけれども、だからといって、あの地域の大気汚染などの環境が改善されるということはないと私は思う。これは見解が違うでしょうけれども、そういうふうに思っているし、それから、現に地元の人たちはそういう心配をしているわけですよね。
 だから私は、今申し上げてきたような地元の人たちあるいは釣り船業者や屋形船の業者の人たち、またそういう愛好者の人たちは、もう四割方進んでいるけれども、だからといって、決してこの計画をそのまま野放しで認めているわけではない。それから、地元では、大気汚染等に対する危惧も引き続き強いものがある。
 私は、特にそういう点から、半分近く進んでいるというわけですけれども、その計画全体が、今申し上げてきたように、とにかく超高層ビルを集中させるという計画なわけですから、これは、今この時点で抜本的に見直すべきであると、このことを特に強調しておきたいと思います。
 それでもう一つ、第三セクターの話なんですけれども、これまたいろいろ話が出ましたから簡単に聞きたいと思いますが、第三セクターの経営状況というのを資料で出していただきました。
 まず、第三セクターの事業内容とビルの賃料収入、これはどれぐらいになっているか、あわせて十四年度決算の状況をひとつわかりやすく説明してください。

○岡田参事 臨海三セクが行っている事業でございますけれども、大きく分けまして、ビルの事業、施設の管理事業、情報通信の関連事業、それから東京都からの受託事業などでございます。
 事業ごとの収入でございますけれども、十四年度決算でお答え申し上げますと、ビル事業は二百四十九億円の収入がございます。施設管理事業が六億円、情報通信事業が八億円、受託事業が八億円で、合計で十四年度、二百七十一億円の収入となってございます。
 臨海三セクの十四年度決算でございますが、三社合計の数字でお答え申し上げますと、営業利益は三十八億円の黒字でございます。当期利益は三十二億円のマイナス、赤字でございます。累積損失でございますが、八百七十七億円、債務超過額は三百三十一億円というふうになってございます。このうち当期利益は、今お示ししましたとおり依然赤字ではございますが、この五年間で約百十億円ほど赤字額が減ってございます。
 ビル事業など本業の成績を示します営業利益は、平成十一年度以降、四年連続で黒字となってございます。また、償却前収支は八十億円の黒字でございまして、これも平成十年度の黒字化以来の黒字を保ってございます。
 以上のように、臨海三セクの経営は平成十四年度も順調に推移いたしまして、着実に経営改善が進んでいるものと考えてございます。

○東委員 出していただいた資料、五年分ですけれども、決算はここに出ていますよね。営業損益が三十八億円の黒字で、しかし利子を差し引くと三十二億円の欠損で、そして累積が八百七十七億円あると。
 これは、たしか平成九年だったんですかね、この第三セクターがもう成り立っていかないというので、東京都が、たしか二百七十億ぐらいだったんじゃないかと思うんですけれども、貸付金だとか地代の免除だとか、出資金というふうなことで出して、そしてまた銀行にも当然それに対応するような--これは第三セクターだから、東京都と銀行で金を出し合ってつくったやつなんだから、金を、都も出す、銀行も出してもらうというような形で改善してきたという経過がここに出ているんだと思うんですよね。
 それで、私、聞きたいんですけれども、この累積欠損が、そういういろいろ手当てしてきたんだが、しかしこの表で見ると、毎年ふえて、現在八百七十七億円ということになっていると。それで、資本金を差し引いて、とにかく三百三十億円ですか、の債務超過があると、さっきお答えがありました。しかし、この流れで見ると、このいわゆる営業損益あるいは当期損益ですか、これも、例えば営業損益がそうどんどこどんどこ上がるような要素はないんじゃないかと。さっき二〇〇三年問題という話がありました。そして、後のほかで出してもらった資料によれば、一つ七割しか入っていないのもありますけれども、大体九割方入っていると。しかしこれだって、中身を照らせば、例えばテレコムセンターなんて、私よく行っていますよ。あれが本来は臨海副都心開発の中心として、上の方に、今ろくに使ってもいないようですけれども、でっかいパラボラアンテナをつくって、衛星から世界と情報の通信のやりとりをして、あそこで情報処理する。だからテレコムセンターというわけでしょう。しかし、あそこへ行ってみると、あそこの一階のところに、このビルをだれが使っているか書いてあって、NTTというのが書いてある。そして、あとは全部東京都庁となっていますよね。それで、たしか東京都の研修所ですか、そういうのがあそこへ行っている。
 そうやって、とにかく東京都が金も出すよ、地代も免除するよ、それからビルに入り手がないんだったら東京都が入るよという形で、そういうようなことをやって、そしてここまで営業が改善してきて、営業損益は三十八億円になりましたということなんですけれども、しかし、この状況でいけば--さっき二〇一〇年問題というような話もありました。あそこの六本木にもできた。汐留にもできた。そしてまた今度は有明にもできる。豊洲にもそういうものがどんどんできるということになれば、今の三セクのあのビルが、今の家賃だって相当まけているという話ですけれども、もともとあれは、家賃が三、四%ずつ毎年上がっていくという計算でつくられたものですよ、あのビル自身はね、バブルのときの話なんですから。毎年三、四%ずつ上がっていくようなことでつくられたという点から見ても、そういうことはとても考えられないということになれば、このいわゆる累積損益はますます拡大するというふうに見なきゃいかぬと私は思うんですが、とにかく、当期で黒字に転化するというのは、いつを見越しているのか。それから、債務超過、現在三百三十億円ですか、があるわけですが、その債務超過が解消するのはいつになるのか。あわせて聞きますけれども、累積欠損が解消するというのを大体いつに考えているのか、この点、答えてください。

○岡田参事 経営目標の達成年度でございますが、経営安定化策における単年度黒字を達成する目標年次は平成二十三年度となってございます。累積損失の解消目標年度につきましては、同じく平成四十八年度となってございます。債務超過の解消の時期につきましては、単年度黒字の達成が平成二十三年度、累積損失の解消が平成四十八年度であることを考えますと、平成四十年代の初めごろになるものと考えてございます。
 このうち、単年度黒字の達成についてでございますが、既に、償却前の収支については目標どおり平成十年度に黒字を達成し、現在も黒字になってございます。営業利益など予想を上回るペースで改善が進んでいることにつきましては、ご説明したとおりでございまして、引き続き経営安定化策による経営改善を進めることによりまして、次の目標でございます平成二十三年度の単年度黒字は達成できるものと考えてございます。

○東委員 二十三年度、単年度で黒字と。あと八年ですよね。そういうふうに見込んでいると。それから、今、八百七十七億ある累積が大体解消するのが四十八年度、あと三十三年ですか、になるということなんですけれども、今いわれた三十三年というのは何か根拠があるのか。このまま推移していって、さっきいったようなビルの状況というのがあるわけですよね、そういうことも勘案しての見通しなのか、その点はどうですか。もう一回答えてください。

○岡田参事 ただいまお答え申し上げました経営目標の達成年度でございますが、これは経営安定化策を作成したときに収支の見通しを立てまして、それに基づいて立てた目標でございまして、そういう意味で、現在、その計画を上回ったペースで経営改善が進んでいるということでございますので、今お答え申し上げました単年度黒字の達成といったものも、計画どおり達成できるものというふうに考えているところでございます。

○東委員 それでは、予定より上回っているというお話でしたけれども、そうやって仮に三十三年後に累積欠損がなくなったと、何とか単独で営業していけるよということになったとした場合に、その次のページに出していただいている資料で見ると、これは十五年度末現在ですけれども、三千四百九十七億円借金がありますよね。それで、累積欠損がとにかく八百七十七億円あるわけだから、まずそれをとにかく埋めて、債務超過解消を達成して、そして今の八百七十七億円を埋めていくと。しかし、それでもってこれが全部解消するわけじゃないわけですよね。そうしたら、とにかく三セクがビルを建てて、そのときに借金した三千四百九十七億円という、これを返し終わるのは、大体いつごろを見込んでいるんでしょうか。

○岡田参事 金融機関からの借入金についてでございますけれども、平成十年三月の予算特別委員会にご提出いたしました三社の当初見通しでは、累積損失が解消されます平成四十八年度の段階でございますが、融資残高は約一千億円と見込んでございます。今ご指摘いただきましたように、平成十五年度末の借入金残高が約三千五百億円でございますが、平成四十八年度には約一千億円と、二千五百億円圧縮できる見通しとなってございます。
 借入金につきましては、今後とも、収入の確保や経費の削減などの営業努力によりまして、完済は可能であると考えてございます。

○東委員 では、もう最後にしますけれども、平成四十八年度、あと三十三年後には、そうやって頑張っていって、しかしそれでもなおかつ一千億円の債務が残ると、しかし可能だというお話でしたけれども、率直な話、これはわからないわけですよね。五十年になったら、我々みんな生きていませんよ、大体。
 だから、それも、さっきちょっといいましたけれども、入居率が一〇〇%になって、家賃も上がって、金利も今のようなゼロ金利の状態で推移をするということの前提だと私は思うんですね。
 そうすれば、五年前には、とにかく東京都が二百七十億円という都費をつぎ込んだわけですよね。形のやり方はいろいろだけれども、つぎ込んだと。そして、今の計画でいくと、あと五年したらまた一つの区切りになる。その時点でどうするかということになるわけですけれども、結局、また東京都が何らかの形で金をつぎ込むということだって出てこないとは限らない。やっぱりこのことは都民の負担に、都民の重荷になっているし、なっていくということは、私は明らかだと思うんです。
 話を聞きますと、こんな状態、民間の企業ではこういうことはあり得ないし、こういうことは許されないということだと思うんですけれども、こんな破綻が明白になった事業は、今、少しでも損失を少なくするために、破産宣告というんですか、そういうやり方もあると思うんです。直ちに抜本的な見直しをする必要があると、そういうことをいっている人たちもたくさんいるわけですよね。私はそのことを強く申し上げておきたいと思いますが、最後に、この点について局長はどういうふうにお考えですか。

○岡田参事 経営安定化策の前半五年につきましては、先ほど申し上げましたように、営業黒字の達成ですとか当期利益の大幅な改善など、経営改善が着実に進んでございます。しかしながら、会社の経営をめぐる状況は依然として厳しいものとの認識は持ってございます。このため、今後も、会社は五年間の実績の上に一層の経営努力を続ける一方、都と金融機関が一体となって支援を継続していくということになってございます。
 経営安定化に掲げました目標に向かって、臨海三セクは確かな足取りで進んでおりまして、ご指摘のような抜本的見直しは必要はないものと考えてございます。

○大西委員 私も臨海副都心開発について伺ってまいります。
 臨海副都心開発については、バブル経済の象徴的な開発とされてきましたし、その後の展開についても影響を受け、そしてそのあおりを受けてきています。
 しかし、私は、バブル以前の問題として、やはり一挙に開発するというこの方式が、都市計画としても、また資金問題としても、非常に初期の段階で決めてしまうという計画であって、後で手直しが大筋においてきかない構造を持っていたこと、そして、そのことがやはり厄介な問題をここまで引きずり、そして相変わらず危機は今でも続いていると考えております。
 私ども生活者ネットワークは、開発をやめろという立場ではありません。しかし、将来にわたるリスクをなるべく減らせという立場から、この質問をしていきたいと考えております。
 いわば、今述べた開発の危機のあらわれとして、臨海開発関係第三セクターの経営危機としてあらわれ、これに対して安定化策がとられました。具体的には私どもの税金、都民の公的資金が使われたのです。
 そこで、平成十四年度は、平成十年に始まる臨海関係第三セクターの経営安定化策実施期間の前期の終了年度ですが、当初定めた目標に対して実績はどうだったんでしょうか。

○岡田参事 経営安定化策前半五年間の成果でございますが、平成十年三月、予算特別委員会に提出いたしました三社の当初見通しとの比較で申し上げます。
 当期利益は、十年度から十四年度までの合計額が、当初見通しで申し上げますとマイナス四百二十九億円でございました。実績はマイナス二百二十五億円でございまして、差し引き二百四億円改善されている形になってございます。
 また同様、累積損失でございますが、十四年度において、同じく当初見通しでマイナス一千六十三億円であったところが、実績ではマイナス八百七十七億円となってございまして、これも百八十六億円改善されているところでございます。

○大西委員 もともとこの危機は都の施策の失敗に起因するもので、そこで都も、財政危機の中でも大変な額が投入されてきたわけですから、今、改善されているというお答えがありましたけど、この目標の到達は当然でなければならないわけですよね。
 しかし、経営状況の中身の問題はどうかと、ちょっと見てみたいと思います。東京テレポートの貸借対照表のうち、短期借入金は、三月期で、十一年約三百三十三億円、十二年約三百七十一億円、十三年約四百三億円、十四年四百三十二億円、十五年五百八十五億円と、右肩上がりにあります。これはどういうことなんでしょうか。

○岡田参事 東京テレポートセンターの短期借入金の推移でございますが、十年度から十四年度までの貸借対照表をごらんいただきますと、ご指摘のとおり、短期の借入金額が徐々にふえてございます。しかし、これと対応いたしますように、長期の借入金が逆に減っているのがおわかりいただけるかと思います。これは、東京テレポートセンターの借入金につきまして、貸借対照表上、長期借入金が短期の借入金に振りかわったことによるものでございまして、借入総額といたしましては、ふえてはございません。お手元の資料の金融機関業態別融資残高、本日お配りした資料でございますが、この東京テレポートセンターの借入金残高の合計額でも、残高は若干減っているということでご確認いただけるものと思います。
 この長期から短期への資金の振りかえでございますが、これは経営安定化策における金融機関の協力の一つといたしまして、金利負担の軽減措置を受けてございます。それまで長期資金に適用される金利から短期資金に適用される金利に変更されたことによりまして、このようなことが起こったわけでございます。

○大西委員 今の答弁にあったように、金利負担軽減措置によることだということでしょうが、一般論として、会社の経営評価の本などを見ると、短期資金の増加というのは、よしという評価は余りないんですよね。というのは、信用力が低いと長期が借りられないというような現状があるわけです。
 金利が減っていくということだけど、同じように軽減策であれば、長期で借り入れて金利も減っていく、こっちの方がいいんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。

○岡田参事 東京テレポートセンターを初めとする臨海三セクが金融機関から借りております資金は設備資金でございまして、借入期間が十五年から二十年の長期資金でございました。したがいまして、その適用となっております金利は長期金利、いわゆる長期プライムレートを基準といたします長期の金利でございます。
 一方、平成十年から金利負担軽減として金利を下げたわけでございますが、そのときのやり方といたしまして、長期の金利から短期の金利に変動する、ないしは長期の金利から短期の固定金利に変えるといったような方法によりまして、金利負担軽減を行ったわけでございます。
 それに伴いまして、借入期間が十五年のものを一年の短期資金の借り入れに変えていったといったようなことがございますので、便宜的に借入期間が一年のものになったので、貸借対照表上の借り入れの長期借入金と短期借入金の仕分けが変わっていったというようなことでございまして、資金そのものの基本的な性質は変わっていないものと考えてございます。

○大西委員 きょうはその辺でとどめておきたいと思います。
 次に、要求資料にあるんですが、臨海第三セクターの入居率を見ますと、テレコムセンター及び青海のビルの低下が目立ちます。これはどうしてでしょうか。

○岡田参事 入居率についてでございますが、テレコムセンターにつきましては、今年度に入りまして情報通信関係のテナントが退去してございます。青海フロンティアビルにつきましても、昨年秋に国の研究機関が入ったため入居率が上昇いたしましたが、今年度に入りましてシステム関係のテナントが退去したため、入居率が下がっているものでございます。
 ビル事業につきましては、いわゆる二〇〇三年問題の影響もありまして、先行き不透明ではございますが、会社ではさまざまな営業努力を通じて、入居率の向上に努めているところでございます。昨年十二月のりんかい線の全線開業に合わせて、東京テレポート駅とテレコムセンターとの間の無料送迎バスを運行したり、企業への個別訪問による営業活動に努めておりまして、こうした努力を引き続き継続しているところでございます。
 都といたしましても、ビル事業収入を確保すべく、会社を指導してまいりたいと考えております。

○大西委員 努力はわかりますが、ビル開発の二極化がいわれており、先ほどもいろいろありましたけれども、交通が不便なところは対抗力が非常に弱い。さらに、この間の新幹線の品川駅の実現で、この周辺地域のポテンシャルが、いろいろ影響があるわけで、臨海副都心にとっては大きな問題であると考えます。
 先ほど来、答弁もありましたけど、再度お答えいただきたいんですが、経営安定化実施後期の目標達成の見通しはどうか、伺います。

○岡田参事 今後の見通しでございますが、先ほど申し上げましたとおり、前半五年間は当初の見通しを上回るペースで経営改善が進んでございます。しかし一方、会社の経営をめぐる状況は引き続き厳しいものがあると認識してございます。
 後半五年間につきましても、ビル事業を中心とする収入の確保、委託料や管理事務費などの一層の経費削減を柱としました会社の内部努力を実施してまいります。加えまして、都や金融機関が引き続き支援をすることで、経営安定化策の目標でございます平成二十三年度の単年度黒字を達成することはできるものと考えてございます。

○大西委員 そこで、関連して局長にちょっと伺いたいんですが、今の答弁のように、これまでの計画が順調であるならば、安定化計画後期において、計画以上の追加支援策についてはないと考えていいんでしょうか。

○成田港湾局長 先ほど申し上げましたように、前半五年間につきましては、おかげさまで非常に順調な推移を示してきたわけでございますけれども、これからは、先ほど申し上げました二〇〇三年問題、さらに二〇一〇年問題、そういう当初予想していなかった新しい事態の展開も予想されるところでございます。ですから、私どもといたしましては、会社の経営努力等々に全力を挙げて指導するとともに、そういった新しい事態に対しても対応できるように、幅広く対応策に万全を期してまいりたいと考えております。

○大西委員 ということは、計画以上の追加支援策についてはどのように受け取ったらいいんでしょうか。あるのかないのか。必要であれば、もっとあるとか。

○岡田参事 経営安定化策では、臨海三セクの経営改善を進めていくため、まず会社の厳しい内部努力を前提といたしまして、都及び金融機関が支援をしていくという仕組みになってございます。平成十年から平成十九年までの十年間におきまして、東京都は総額二百七十億円の支援をするというふうになっていまして、金融機関も同程度の支援をする形になってございます。
 この支援につきましては、例えば東京都からの一部貸付金、地代の減免といったようなことが行われているわけでございまして、現在、そういった東京都の支援、金融機関の支援を受けまして、何度もご説明申し上げましたとおり、会社は当初計画を上回るようなペースで経営改善が進んでいるわけでございますので、現在の内部努力を中心とした経営改善を進めていくということによりまして、先ほどから申し上げております平成二十三年度の単年度黒字は達成できるものというふうに考えているところでございます。

○大西委員 だからどうなんですかというところがあったんですけれども、また同じ答弁が返ってくると思うので、聞くのはやめます。
 ネットとして、開発の安定のためには、最初に述べましたように、これからのリスクを少しでも減らしていくという考え方です。その具体策の一つとして、やはり広域交通基盤の整備量を減らしていくことも考えなければいけないんじゃないかと思っております。その考え方の基本は、やはり全体を精査して減らす。そして整備する場合は、環境も考え、道路よりも公共交通、鉄道などを優先させていくというのが、私どもネットの考えなんですが、そこで伺いたいと思います。要求資料によれば、「ゆりかもめ」の輸送人員は平成十二年度から減る傾向にあります。これはどういう理由なんでしょうか。

○萩原開発調整担当部長 「ゆりかもめ」の輸送人員についてのお尋ねでございますが、「ゆりかもめ」は臨海地域の交通手段といたしまして極めて重要な役割を果たしておりまして、臨海副都心の来訪者の約半数の方々に利用されております。ここ数年の一日当たりの輸送人員でございますが、約十万人ということで、順調に推移いたしております。
 今ご質問の若干の減少につきましては、平成十三年三月のりんかい線の天王洲アイルまでの部分開業、さらに平成十四年十二月の大崎までの全線開業に伴うものであるというふうに考えております。

○大西委員 答弁のように、当初の需要予測を上回っているということですが、やはりそこには、りんかい線の影響があると思います。「ゆりかもめ」については、平成十七年度には豊洲への延伸が完了する。需要予測はどのくらいなんでしょうか。

○萩原開発調整担当部長 平成十年七月に実は軌道法の特許を取得したわけでありますが、その際の需要予測によりますと、「ゆりかもめ」の豊洲延伸が完了した時点の輸送人員は、一日当たり約十二万人が見込まれております。

○大西委員 平成十年七月の需要予測ですよね、十二万ということで。現状を見ていると、これで本当にいいのかなという思いがあります。そして、こういう計画はそこだけじゃなくて、交通は特に、計画全体の見直しと連動しながら見直していくことが必要なんじゃないかなと思っております。
 整備検討路線となっている勝どきへの延伸が、今、構想されておりますが、この計画は、計画上どのような位置づけになっているんでしょうか。

○萩原開発調整担当部長 「ゆりかもめ」の勝どきへの延伸につきましては、平成十二年一月の運輸政策審議会答申、東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について、これにおきまして、目標年次である平成二十七年までに整備に着手することが適当である路線というふうに位置づけられております。

○大西委員 先ほど提出していただいた「ゆりかもめ」の輸送人員の実績、平成十二年度から減っておりますよね。先ほど、十二万の需要予測があるということがありましたけれども、これを見ると、本当に改めてそうなのかなと、今の答弁を聞きながらもちょっと思ってしまったので、いわせていただきます。
 そういう観点から、先ほど述べましたように、私どもネットでは、道路よりも「ゆりかもめ」やりんかい線の整備を優先すべきという考え方はあるんです。しかし、豊洲で有楽町線とつながっていること、そして今の予測、いろいろなことを考えるとき、勝どきへの延伸は事実上、計画から外してもいいんじゃないかと考えております。平成二十七年までに着手することが適当である路線というふうに答弁もありました。こういう状況を考えて、このことを局長はどういうふうに考えられますか。やはり有楽町線とのつながり等を考えれば、計画を凍結するというような決断を今してもいいんじゃないかと思うんですが。

○成田港湾局長 「ゆりかもめ」の延伸で、現在、豊洲まで、十七年度を目標に計画を進めております。その先の問題についての大西委員からのご質問でございますが、これにつきましては、先ほど萩原部長等もるる申し上げておりますように、いろいろな交通状況をトータルに考えて検討していくべき課題であると、かように認識しております。

○大西委員 今、答弁できないということであれば、ぜひ都も検討していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 今までのやりとりのように、「ゆりかもめ」とりんかい線は非常に関連が深いわけですが、「ゆりかもめ」は港湾局、りんかい線は都市計画局、そしてそれぞれの会社も違うということ、別会社ですよね。しかし、局や所管庁が違うのはわかるんですけど、経営効率ということを何よりも考え--こういう場で、「ゆりかもめ」とりんかい線のことを統合しながら考えるためには、こうばらばらでいいのかなと思うんです。そういう意味では統合等も考えるべきではないかと思うんですけど、その辺はいかがでしょうか。

○萩原開発調整担当部長 ただいま、大量公共交通機関の役割分担についてのお尋ねでございますが、現在、臨海部を担っておりますのは臨海高速鉄道、また「ゆりかもめ」、それぞれの役割がございます。したがいまして、これらの公共交通それぞれの役割をうまく分担しながら、相互に補完して利用していくということが、やはりこの地域にとっては必要であろう、こんなふうに考えております。

○大西委員 今の答弁自体は、私どももそれが必要でしょうということはいっているわけですね。だからこそ、もう少し大胆な経営効率という視点から、そういう問題も考えたらどうですかということを提案いたしました。
 ちなみに、「ゆりかもめ」は港湾局が担当しておりまして、東京都から六七%出資され、七十三億円ほどいってます。そして、りんかい線はほとんど、九割を東京都から出資しているという状況があります。このことは今後の検討にお願いしたいと思っております。
 これまでの答弁を聞いておりましての感想なんですけれども、今、日本が直面している経済の大幅な増加は望めない、なおかつ少子高齢化という人口減少社会に向かう、それへの対応としてのかじ取りを迫られているというのが、日本の大きな課題だと私は思っていたんですけれども、港湾局の答弁には、そういう認識が本当にあるのかなというふうに思いました。港湾局独自のユートピアの中での計画がまだまだ息づいているのかなというのを、きょうの答弁の中で感じましたので、一言感想としていわせていただきます。
 終わります。

○かち委員 羽田沖浅場造成整備事業についてお聞きします。
 この事業は、東京湾が現在、いろいろな意味で埋め立てが進んだり、合流式の下水道からの溢水とか、そういうことで東京湾自身が大変疲弊している、負担がかかっている、こういう中で、国を挙げて東京湾の再生、自然の回復、こういうことがうたわれている中では、大変重要な事業であるというふうに私は認識しております。
 この羽田沖整備事業なんですけれども、資料8に出していただきましたが、この事業は、羽田空港の沖合い展開に伴う埋立事業の代替措置として、十数年来取り組まれてきた造成事業なんですが、予定では平成十二年に完成の計画でしたが、砂場がなかなか定着しないということで、いまだに完成に至っていないというのが現状です。
 そして、今も整備が続いているわけですけれども、平成十四年度は六億四千万余円の予算に対して一億一千五百万余円、執行率が一七・九%と大変低いわけです。十三年度も同じような傾向があるんですが、なぜこのように執行率が低いのでしょうか、お聞きします。

○樋口港湾整備部長 羽田沖浅場造成事業の執行率でございますが、本事業の実施に当たりましては、現場状況等を勘案しながら、漁業関係者などと調整をとりながら進めておるものでございまして、十四年度につきましては、現場調査の結果、あるいは関係者調整の結果、砂の流出が少ない箇所での砂の補充、あるいは浅場から砂が流れ出ないようにするための砂どめ堤というのを予定しておりますが、その工事の一部を取りやめたものが主な原因でございます。
 また、十三年度についてでございますが、リサイクル材料を活用するなどコスト縮減を図ったことや、関係者調整の結果、既設構造物の撤去工事を取りやめたことが主な要因でございます。

○かち委員 あそこにかつて生息していたアサリなどが自然に回復するためにも、良質な砂場が早くあそこに定着することが最も求められているところですけれども、造成するに当たっては、関係する漁協の皆さんや大田区などとも協議しながら進めているといわれながら、予算と決算との関係で余りにも乖離があり過ぎて、計画性はどうなんだろうというふうにも思えるわけですけれども、これまでの取り組み状況と現在の浅場の状況がどうなっているかをお聞きします。

○樋口港湾整備部長 これまでの取り組み状況と現在の状況でございますが、羽田沖浅場は、先ほどお話もございましたが、昭和六十二年度に事業着手いたしまして、しゅんせつ土砂の投入工事を行い、十二年度には表層部分の砂をかぶせて概成をいたしてございます。
 その後、調査をしたところ、浅い場所、砂が流れたような場所がございましたので、それを防止するため、十三年度から対策として、浜辺から直角に幅五メートル、長さ約五十メートルの突き出した、砂の流れをとめるための、砂どめ堤と私どもはいってございますが、それを試験的に整備し、十四年度までに四基設置したところでございます。

○かち委員 五十メートルの砂どめ堤を四基設置したということですけれども、あそこは四キロぐらいの幅がありまして、これから先もかなりあると思うんですけれども、砂どめ堤をつくっていくことによって、砂が定着する効果というのは実際にあらわれているのかどうかということと、今後それをずっと続けていくのかどうか、その辺をお聞きします。

○樋口港湾整備部長 砂どめ堤の効果と今後の予定でございますが、砂どめ堤を設置した後、砂どめ堤の周辺に砂の堆積が進みまして、整備前の干潮時で約四十メートルぐらいの砂浜が出ていたわけでございますが、整備後には六十メートルというふうなことで幅が広がりまして、砂どめ堤の効果が着実にあらわれております。
 また、予定でございますが、第一航路に面した浅場において砂どめ堤を段階的に整備することとしておりまして、平成十五年度には新たに二基整備する予定でございます。また、砂どめ堤の整備にあわせて、砂が流れたところについては補充をしていきたいと、かように考えてございます。

○かち委員 砂どめ堤の効果は着実に生まれているというようなお答えでしたけれども、私も写真を見せていただきまして、実際、リサイクル材を使って砂どめ堤をつくってきたら、アオサが生まれてきて、そこにマガキが定着し始めているというようなことからしても、これは一定の効果があるのかなと思います。
 羽田沖の海は着実に、微々たるものであっても回復しつつあるというふうにいえると思うんですが、環境局が測定している水質検査では、多摩川河口も羽田沖もBODが三から六ぐらいということで、河川基準としては何とかクリアしていますけれども、海域基準としてはまだまだほど遠いというのが現状だと思います。
 かつての魚の宝庫といわれていた東京湾がよみがえることができるかどうか、そこが今、問われているところだと思いますが、羽田沖の水生生物の生息状況というものは把握していらっしゃいますでしょうか。

○安藤参事 水生生物の生息状況でございますが、調査を開始いたしました昭和六十二年度から平成十四年度までの状況を見ますと、羽田沖浅場の海域に生息する魚類につきましては、スズキ、マハゼ、マアナゴ、シロギスなど平均しまして二十三種類もの多様な魚種が確認されております。
 また、貝類につきましては、アサリのほかにバカガイ、シオフキ、サルボウ、アカガイをちょっと小さくしたような種類でございますが、サルボウなどの多くの種類の貝が生息している状況でございます。

○かち委員 二十三種類の魚がいるということですけれども、今、回復しつつあるところで、絶対量が定着するという点では、まだまだ相当年数を要するというふうに思うんですね。
 ところで、毎年、クロソイとかアサリとかハマグリとか、いろいろ貝や魚を放流されているというふうに聞いておりますけれども、これはどの経費で行っていて、実際にやっているのはどこなのでしょうか。そして、その量と金額はどういうふうになっているでしょうか。

○樋口港湾整備部長 クロソイ、アサリなどの放流の量あるいは実施などでございますが、クロソイにつきましては平成十四年度で一万一千匹、四百七十万円ほどの経費を必要として事業を進めました。十五年度には一万一千匹、金額は四百六十万円でございます。
 また、アサリでございますが、平成十四年度に十四トン、一千百万円ほどの経費を使わせていただきました。また、十五年度は十一トン、経費九百万円で事業を実施したところでございます。
 これらの放流は、漁業資源の確保と水質の浄化と、特にアサリは水質の浄化に非常に効果があるというふうにいわれておりますが、そうしたことを目的に、基金を活用しまして、東京港埠頭公社が実施しているものでございます。

○かち委員 基金の運用益を利用しているということなんですけれども、毎年、今のように千数百万円もかけて放流しているわけですよね。それをやっているのは埠頭公社ということで、埠頭公社が請け負って、それを漁協の皆さんにやらせているというか、そういう仕事になっているわけですけれども、実際には、その過程をちゃんと監督している体制がないというふうに思うんです。
 私は、実際に羽田沖で漁をしている方々からお話を聞いているんですけれども、アサリがちゃんと適切な、浅場に近いところに放流されているんじゃなくて、随分沖の方にまかれていたりとか、数年前には、保管管理が悪くて、もう既に死んでしまったアサリがそのまま投げ込まれていたとか、あるいは、まいたはずのアサリが育つ前に潮干狩りをしてしまうというような状況があるというようなことも聞いております。
 そういう意味では、千数百万円を毎年かけるわけですから、それが本当に効果があるように、きちんと管理、指導を当局としてやらなければならないというふうに思っているんですけれども、その辺のところは今後どのようにやっていこうと思っているんでしょうか。

○樋口港湾整備部長 浅場の事業に関します管理などでございますが、先生からお話がございましたが、漁業関係者あるいは水産の専門家などと協議をするとともに、協力をしていただきながら実施しているところでございまして、例えば貝だとか魚類の放流などの際には、この海をみずからの生活の場としている漁業関係者の方々に協力いただいて、良質な稚魚を取り寄せていただいて実施しているということでございます。
 また、埠頭公社の監督員は、現地で立ち会って、抜き取り検査などで確認しておるところでございます。また、放流後には、埠頭公社が生息状況の調査を行うとともに、海底面を耕して酸素を供給したりとか、底質改良も行っております。またあわせて、大田漁協なども含めた漁業関係者の皆さんには、ボランティア活動という形で、海岸清掃だとか海底に堆積したヘドロの除去などをしていただいております。
 この浅場につきましては、事業を開始した平成六年でございますけれども、朝日新聞に大きく取り上げられまして、一日でアナゴが百匹ぐらい釣れるように、非常に良好な自然が回復したというようなことで、非常に高く評価いただきました。また、その後、釣り情報誌だとかいろいろな形で評価していただいておりまして、こうした貴重な浅場でございますので、埠頭公社などとも連携をとりながら、都としても適切に管理していきたいと思っております。

○矢島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○矢島委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 以上をもちまして第一分科会における決算審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承をお願いいたします。
 これをもちまして本日の第一分科会を閉会いたします。
   午後二時四十八分散会

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