公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第三号

平成十五年十月二十日(月曜日)
第一委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十一名
委員長矢島 千秋君
副委員長秋田 一郎君
副委員長山下 太郎君
副委員長石川 芳昭君
かち佳代子君
大西由紀子君
高島なおき君
大塚 隆朗君
吉野 利明君
東ひろたか君
小山 敏雄君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長松尾  均君
次長谷川 健次君
総務部長木村 純一君
経営企画室長齊藤 春雄君
職員部長坂上 信雄君
電車部長市川 英治君
自動車部長鷲田 能敬君
車両電気部長関口 貞夫君
建設工務部長北川 知正君
会計契約担当部長帯刀  宏君
バス路線再編成・事業活性化担当部長遠藤 秀和君
参事斎藤  信君
参事荒井 哲夫君
参事古川 俊明君

本日の会議に付した事件
 平成十四年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  交通局関係
   ・平成十四年度東京都交通事業会計決算(質疑)
   ・平成十四年度東京都高速電車事業会計決算(質疑)
   ・平成十四年度東京都電気事業会計決算(質疑)

○矢島委員長 ただいまから平成十四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、交通局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十四年度東京都交通事業会計決算、平成十四年度東京都高速電車事業会計決算及び平成十四年度東京都電気事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○木村総務部長 過日の分科会でご要求のありました資料につきまして、お手元にございますように、平成十四年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料として取りまとめさせていただいております。その概要についてご説明申し上げます。
 初めに、一ページをお開きいただきたいと存じます。都営地下鉄における転落件数と対策でございます。路線別の転落件数を年度別に記載してございます。
 なお、十三年度からは、列車運行に影響がなかったものについても、括弧書き外数であらわしてございます。
 次に、二ページをお開き願います。都営地下鉄におけるバリアフリー対策の推移でございます。エレベーター、エスカレーターなどの各種施設の十三年度末、十四年度末における累計数を記載してございます。
 次に、三ページをお開き願います。都営地下鉄のエレベーターによるワンルート未確保駅でございます。路線別に、エレベーターによるワンルートが確保されていない駅名を記載してございます。括弧であらわしてございます駅は、今年度にワンルートを確保する予定でございます。
 なお、大江戸線は全駅でエレベーターによるワンルートが確保されております。
 次に、四ページをお開き願います。都営地下鉄の地下駅における主な火災対策整備状況でございます。路線別に各設備の整備状況を記載してございます。括弧であらわしてございます駅は、今年度に整備を予定しております。
 次に、五ページをお開き願います。大江戸線の乗客数の推移でございます。
 十三年度、十四年度及び十五年八月までにおける大江戸線の一日平均の乗車人員と目標乗車人員に対する割合を記載してございます。
 次に、六ページをお開き願います。大江戸線環状部の総事業費と、それに係る一般会計繰入金でございます。環状部総事業費の既執行額と今後の執行予定額及びそれに係る一般会計からの繰り入れについて記載してございます。
 次に、七ページをお開き願います。廃止、短縮したバス路線でございます。過去五年間における廃止、短縮したバス路線の系統名と運行区間を記載してございます。
 次に、八ページをお開き願います。都営地下鉄におけるダイヤ遅延時のお客様への対応等でございます。遅延の状況ごとに、乗務員による対応及び駅における対応について記載してございます。
 次に、九ページをお開き願います。都営交通における広告料収入の推移でございます。過去五年間の広告料収入額の推移について、事業別、種類別に記載してございます。
 次に、一〇ページをお開き願います。土地貸付内訳、バス事業用地及び未利用地の一覧のうち、土地貸付の内訳でございます。貸し付けの種類別に、件数、面積、十四年度の賃貸料収入額について記載してございます。
 次に、一一ページをお開き願います。このページと次の一二ページにわたりますが、バス事業用地一覧でございます。十四年度末におけるバス事業用地について、所在、地積、現況を記載してございます。
 次に、一三ページをお開き願います。同じく未利用地の一覧でございます。各会計ごとの未利用地について、所在、地積を記載してございます。
 次に、一四ページをお開き願います。大江戸線のダイヤを変更した場合の増加経費でございます。現行のダイヤと、昼間時間帯の運転間隔を五分とした場合の人件費、動力費を試算したものを記載してございます。
 以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○矢島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に関する質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○秋田委員 私からは、質問数にして約十五問お伺いしたいと思います。
 最初に、高速電車事業会計の十四年度決算について何点かお伺いしたいと思います。
 地下鉄事業は、多額の初期投資が必要となることから、開業後、当初の間は厳しい環境のもとで経営していかなければならない。事実、東京都交通局の高速電車事業会計における平成十四年度の経常収支は二百九十億円の赤字となっています。
 都営線といっても、昭和四十三年に全線開業した浅草線から平成十二年全線開業の大江戸線まで、建設年次が異なる四路線から成っており、各線別に少し詳しく見る必要があると思います。
 そこで、まず最初に伺いたいと思うんですが、十四年度決算における各線別の経常収支の状況はどのようになっているんでしょうか。

○木村総務部長 お答え申し上げます。
 各線別の経常収支の状況でございますが、浅草線につきましては、約七十二億八千万円の経常黒字でございます。三田線につきましては、約四十億六千万円の経常赤字となっております。新宿線については約十七億五千万円の経常赤字、大江戸線については約三百五億二千万円の経常赤字という状況でございます。

○秋田委員 大江戸線を除く三路線のうち、浅草線は既に七十二億八千万円ですか、経常黒字を実現しておるということで、このトレンドで判断すれば、残る三田線、新宿線も近い将来、単年度で経常黒字になることも予想はできるのかなと思っております。やはり全体で経常赤字という決算数値は、建設後間もない大江戸線の影響が大きいことがよくわかります。
 そもそも地下鉄というのは資本費負担が非常に重く、これが損益を大きく圧迫する要因となっています。例えば減価償却費は十四年度で五百二十七億円を計上しており、経常収支圧迫の大きな原因となっていることがよくわかります。
 そこでまず伺いたいと思うんですが、同じく十四年度決算における各線の償却前の損益の状況はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。

○木村総務部長 十四年度決算におきます償却前損益の状況でございますが、浅草線は約百二十四億六千万円の黒字でございます。三田線が約五十六億円の黒字、新宿線も約八十二億二千万円の黒字でございまして、大江戸線を除く三線が黒字となっております。大江戸線については、償却前損益においても約二十六億八千万円の赤字となっておりますが、四線の全線合計では約二百三十六億一千万円の黒字という状況でございます。

○秋田委員 全線合計では、減価償却費を除けば黒字となることからも、減価償却費がいかに大きいか、大きな負担となっているかということがよくわかります。
 いうまでもなく減価償却費は、現金の実際の支出を伴わない費用として内部留保されるものであり、計上前で黒字ということは、料金収入などの自己資金での事業運営が維持できることを示しているとは思います。
 それともう一つ、営業外費用として、企業債の利払いも全体で三百三十億円あり、これも経常赤字の原因となっていると思います。この支払い利息のこれからの推移については、今後の金利動向や投資水準にもよると思いますが、重要な点なのでお尋ねしたいと思います。
 大きなトレンドで見た場合、支払い利息の見通しについて現時点ではどのように考えているんでしょう。

○木村総務部長 支払い利息の見通しにつきましては、ご指摘のように、今後の金利動向ですとか、あるいは投資水準にも影響されるわけでございますが、建設計画の規模や金利水準に急激な変動がないという仮定をさせていただければ、過去の新線建設に係ります高金利の企業債の償還が進みますし、したがって、支払い利息も現行水準から漸減していくものと考えております。

○秋田委員 さらなる経費縮減の努力を怠ることなく続けていくことはいうをまたないんですが、償却前損益と今後の支払い利息の見通しからすれば、収支の見通しは何とか目鼻がついてきたようにも感じます。したがって、収支改善に向けた乗車料収入の増収確保が今後さらに求められることになります。
 そこで、増収、増客をいかに実現していくかという観点から、以下、質問させていただきたいと思います。
 大江戸線全線開業や三田線の延伸によって、都営地下鉄のネットワークも、営業キロ数合計でいうと百九キロにもなりました。しかし、少子高齢化社会、景気低迷や週休二日制の定着など、都営地下鉄を取り巻く状況は従前より厳しさを増しているように思います。
 そこで伺いたいんですが、まず、全線開業以来の大江戸線の一日当たりの乗客数と伸びはどうなっているのか。その内訳として、平日と土日ではどうなっているのか。できれば今年度の上半期の動向も教えていただきたいと思います。

○市川電車部長 それでは、お答えいたします。
 大江戸線は、平成十二年十二月十二日の全線開業以来、乗客数が伸びており、平成十二年度の一日平均乗客数が二十一万九千人だったものが、平成十三年度は五十一万人、平成十四年度は五十六万八千人となっております。平成十五年度は、六月に六十四万二千人、対前年同月比一一%増と開業以来最高の乗客数となったほか、各月とも対前年同月比で一一%から一二・六%増となっております。
 また、土曜、休日の利用者については、平成十四年度で、平日の七十万人に対し、土曜日は四十万人、休日は三十万人程度となっております。

○秋田委員 私も、実際、大江戸線をよく利用するんですが、今数字であらわれていたとおり、平日に比べてやっぱり土日の乗客数はかなり少ないんだなということが数字上でもよくわかりました。
 そこでお伺いしたいんですけれども、この土日の増客対策としてどのようなことに取り組んでいるでしょうか。

○市川電車部長 土日の増客対策として取り組んでいることについてお答え申し上げます。
 沿線の観光、グルメ、買い物などの情報を掲載したポスターやチラシを常時掲出、配布しているほか、沿線をコースにしたウオークラリーの開催、相互直通各社との連携による各種イベントなどの開催、企画乗車券として、土曜、休日のみ都営地下鉄全線を五百円で一日じゅう自由にご利用いただけるワンデーパスを発売するなど、お客様誘致に努めているところでございます。

○秋田委員 そういった増客対策の努力はますます進めていただきたいんですが、土日の問題はあるにせよ、大江戸線はそれなりに伸びているのかなという感じなんですが、同様に、十四年度決算における浅草線、三田線、新宿線の乗客数と、その最近のトレンドはどうなっているのか、教えてください。

○市川電車部長 浅草線、三田線、新宿線の乗客数と、その最近のトレンドについてお答え申し上げます。
 まず浅草線でございますが、平成四年度の六十一万五千人をピークに減少傾向にございましたが、平成十二年十二月の大江戸線全線開業や京浜急行線羽田空港アクセス強化などにより、平成十三年度から増加に転じており、平成十四年度は、一日平均五十九万三千人のお客様にご利用いただいているところでございます。
 次に、三田線でございますが、平成四年度の五十一万一千人をピークに減少傾向にございますが、平成十二年九月の目黒延伸によりまして、平成十二年度から増加に転じており、平成十四年度は五十万一千人のお客様にご利用いただいたところでございます。
 さらに、新宿線につきましては、平成六年度の六十一万六千人をピークに減少傾向にございます。大江戸線全線開業により、ネットワーク効果充実による増加があったものの、従来、新宿から新宿線をご利用のお客様が大江戸線に転じるなどの影響があり、ほぼ横ばいの状態となっており、平成十四年度は五十九万六千人のお客様にご利用いただいているところでございます。

○秋田委員 都営地下鉄の乗客数の現況は大体理解できました。大江戸線も、全線開業後三年目であり、成熟期を迎え、これまでの伸びも鈍化するかもしれないと思います。だからこそ、社会経済状況などの逆風を超えた営業努力が今まで以上に求められ、利用者を少しでもふやす知恵を絞っていく必要があると思います。
 そこでお伺いしたいんですが、地下鉄のさらなる増収、増客対策としてどのようなことをこれまで行い、またこれから行おうとしているんでしょう。

○市川電車部長 増収対策についてお答えいたします。
 これまでも、都営地下鉄の増収、増客対策として、局内に営業推進会議を設置して、お客様誘致策を策定し、さまざまなPRやイベント、企画乗車券の発行などを行って、お客様誘致活動に努めてきたところでございます。
 今後とも、まず通勤通学定期ご利用のお客様の増加を図るため、企業や学校への訪問、新聞折り込みなどで路線のPRを行うことにより、新規利用者の発掘を行う。次に、昼間、土曜、休日の利用者の増加を図るため、沿線の観光、グルメ、買い物などの情報をPRするとともに、企画乗車券を発行していく。次に、地元商店街などとタイアップし、にぎわいを創出するようなイベントなどを企画する。次に、汐留や六本木など新たな開発地区でのお客様誘致に努めるほか、相互直通など各社との連携によるお客様誘致を図る。さらに、お客様のご利用実態を踏まえ、よりご利用しやすいダイヤ編成に努めるなどを効果的に展開することで、新たな人の流れをつくり、乗客増を目指してまいります。

○秋田委員 増収の取り組みはさらに強化していってもらいたいんですが、それとともに、本業に付随する関連事業の収益を上げることも必要だと思います。
 そこでまずお伺いしたいんですが、関連事業の主な項目別の過去五年間の決算額と収入の伸びはどのようになっているんでしょう。

○斎藤参事 お答え申し上げます。
 関連事業収入の決算額でございますが、平成十年度は約六十七億一千万円、平成十一年度は約七十億五千万円、平成十二年度約八十一億円、平成十三年度約九十三億八千万円と増加しております。
 平成十四年度決算では、土地建物の貸し付けで約五十億九千万円、平成十年度と比較して約四割増、広告収入で約四十三億五千万円、約五割増、構内営業収入で約四億七千万、約二倍となっておりまして、その他を加えまして合計約九十九億一千万円となってございます。

○秋田委員 関連事業の収入も順調に伸びているということで、大変努力もされているようだとは思うんですが、関連事業をさらに拡大していく必要があると私は思います。
 東京都交通局経営計画、チャレンジ二〇〇一でも、関連事業を乗車料に次ぐ収入の柱として、既存の計画や事業手法にとらわれず、迅速かつ柔軟に積極的な展開を図るとしています。
 先般も、都議会自民党の一年生議員で品川駅を、十月一日にオープンした新設の品川駅を視察したんですが、その中で、構内にはスターバックスですとか、あるいは英国系のサンドイッチ屋さん、プレタ・マンジェとか、従来のJRの中では見られない小ぎれいなお店が進出していて、大変にぎわっていらっしゃいました。
 地上に比べて地下には制約もあるかもしれませんけれども、都営地下鉄も、駅空間を活用した構内営業の展開をスピードアップさせるべきではないかと考えます。
 そこで、お伺いしますが、構内営業の十四年度までの出店実績と、今後はさらに意欲的に新規出店を進めるべきだと思いますが、どうでしょう。

○斎藤参事 駅構内への店舗出店数は、平成十四年度末現在で十九店舗となってございます。
 これまで、駅構内の出店につきましては、希望者から提案を受けて、実現の可能性を検討してまいりました。しかしながら、駅構内は地下という限られた空間であるため、給排水スペースの確保や防災上の問題等、解決すべき課題が多くございます。出店までには多くの時間を要するケースや、出店を断念するケースが多くございました。
 今後、駅構内の店舗展開につきましては、お客様の利便性や店舗の収益性等を勘案しながら、消防上、建築上の諸課題を解決し、公募等によりまして積極的な店舗展開を図ってまいりたいと考えております。

○秋田委員 JRを民間企業というにはなかなか難しい部分もあるのかもしれませんが、確かに一応JRも民営ということで、その民営化されたJRとは異なり、地方公営企業が行うことのできる関連事業には制度上の制約があって、また国の補助金をもらって取得した資産の活用についても、機動的にいかない部分があるということはよくわかりますが、必要に応じて国に制度改善の要望をして、現行制度の枠内でも可能な限りの努力をして、実績を積み重ねていくことも大切だと思います。
 そこで、お伺いしたいんですが、関連事業のさらなる増収策として、どのようなことを現在考えていらっしゃるんでしょう。

○斎藤参事 先ほどご説明申し上げました駅構内での店舗展開のほか、収入の大きな柱でございます土地の有効活用や広告事業においても、さらなる増収対策に努めてまいります。
 まず、土地の有効活用のうち、自動車営業所等の大規模用地につきましては、本来事業に支障を来さないことを前提に、都の施策や地域のまちづくりと整合を図りつつ、局の財政基盤の強化に資する観点から、暫定活用を含む有効活用をさらに積極的に進めてまいります。
 また、地下鉄建設に伴い取得した用地などの中小の用地につきましても、公募等によりまして賃借人を決定するなど、あらゆる手法を用い、一層の有効活用を図ってまいります。
 次に、広告事業につきましても、広告業界全体が低迷する中、電飾ボードの照度改善など、既存媒体価値の向上や新たな媒体の開発などを行ってまいります。
 以上の対策に加えまして、光ファイバーの貸し出しなど、IT化を見据えたさまざまな増収対策に取り組んでまいります。

○秋田委員 ご存じのとおり、東京都は先般、第二次財政再建推進プランを発表するなど、本当に厳しい財政状況にございますので、関連事業が収益の柱となるよう、さらなる知恵、努力をしていただきたいと思います。こうしたことに加え、乗客増加を図るため、今まで以上にきめ細かいサービスを実施し、努力することも必要だと考えます。
 例えば、バリアフリー対策の充実も、福祉対策としてはもとより、一方で攻めの乗客対策としても求められていると私は考えます。平成十二年十一月に交通バリアフリー法が動き出して、国、自治体及び都交通局などの事業者が施設の改良に取り組んできたことは承知しております。バリアフリーの実現は、高齢者や障害者にとってはもちろん、すべての利用者にとってもメリットをもたらすものであります。バリアフリーを進めることは、乗り継ぎの円滑化、いわゆるシームレス化の実現にも資するともに、快適でスムーズな交通サービスを提供し、乗客増にもつなげることができると思います。
 私が特にバリアフリー施設の中で提案したいのは、エスカレーター、それも下りエスカレーターの充実であります。
 私の地元の新宿区を走る大江戸線で申し上げますと、飯田橋駅では、文京区と新宿区にまたがっており、後楽園に近い文京区側には上下エスカレーターが整備されておりますが、JRや営団との乗りかえ口である新宿区側には上りエスカレーターしかございません。高齢者にとって階段を上るのは確かに大変だと思いますけれども、それ以上に、私は地元でよくいわれますのは、下りの方が、ひざに負担がかかるという以上に非常に怖いという話をよく聞きます。
 そこでお伺いしますが、下りエスカレーターが設置されている駅は何駅あるのか。また、設置の基準となる考え方はあるのか。そして三点目として、上りの台数との割合ではどうか。以上の三点についてお答えいただければと思います。

○北川建設工務部長 平成十四年度末現在、都営地下鉄の全百六駅中半数の五十三駅に、百三十九基の下りエスカレーターを設置しております。下りエスカレーターの設置に関しましては、エスカレーターが構造上設置可能な階段のうち、乗りかえ駅等、多くのお客様が利用する階段に整備することとしております。
 上り台数との割合でございますが、平成十四年度末現在、エスカレーターの総設置基数七百三十七基に占める下り基数百三十九基の割合は、一九%となっております。

○秋田委員 今お答えいただいた数字を復唱させていただきますと、エスカレーター総設置基数は七百三十七基であり、下りの割合は一九%ということですね。まだまだ少ないんじゃないのかなというような感慨を抱かざるを得ません。
 そこでお伺いしたいんですが、本日は平成十四年度決算に関する審査ではありますが、十五年度のエスカレーターとエレべーターの整備見込み台数はどのように予定しているんでしょうか。

○北川建設工務部長 平成十五年度にエスカレーターの整備を実施している駅は五駅八基でございまして、このうち、今年度の使用開始は、大江戸線勝どき駅の二基で、七月に完成いたしました。このうち一基は、下りエスカレーターとして運用しております。
 一方、十五年度にエレべーターの整備を実施しておりますのは十二駅十七基でありまして、そのうち平成十五年度中に供用開始予定は、三田線巣鴨駅など八駅十二基でございます。

○秋田委員 きょういただいた資料の中にも、都営地下鉄のエレべーターによるワンルート未確保駅が並べられておりますが、確かにワンルート確保のためのエレベーターの設置、エレべーターの方の設置も重要だと思うんですが、利用しやすい都営地下鉄にしていくには、ぜひとも下りエスカレーターの充実も考慮していただきたいと思います。
 そこで伺いますが、交通局としては、整理上、バリアフリー対策を福祉対策とちゃんと文言としても書いている。エレべーターやエスカレーターをそういって設置しているわけですが、増客対策という観点からも下りエスカレーターの整備を、やっぱりこれは重点的に考えていくべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。

○北川建設工務部長 交通局では、障害者や高齢者を初め、だれもが利用しやすい地下鉄とするため、エレべーター、エスカレーターの整備を計画的に進めております。設置に当たりましては、車いすやベビーカー等をご利用のお客様も単独で移動できるエレべーターの整備を基本に考えております。
 エスカレーターの整備につきましては、エスカレーターが構造上設置可能な階段のうち、乗りかえ駅等の多くのお客様が利用する階段に整備することとしております。お話の下りエスカレーターの設置につきましては、上りエスカレーターが設置済みであり、かつ十分な階段幅員があるなど、駅構造上設置可能な場合が対象となります。
 設置に当たりましては、お客様の利用状況、階段部の高低差、地元区の要望などを総合的に勘案して検討を進めてまいりたいと考えております。

○秋田委員 確かにエスカレーターはエレべーターと比べると費用もかかり、また場所的にもすごく大きな設置場所を必要とするなど、整備をするのは非常に困難だということはよくわかります。
 そこで、下り専用を新たに設置できない場合でも、例えば運用を見直すことによって一定の改善、利用者の満足度を上げることはできるんじゃないかと思います。例えば、エスカレーターは回転を逆にすることで上りにも下りにも使えるわけです。
 そこで伺いますが、例えば、駅によっては朝のラッシュアワーは高齢者は余り利用しない、だから通勤客を優先して上りとして、昼間は例えば高齢者の方とかが多いから下りとするといったような工夫はできないのでしょうか。

○市川電車部長 エスカレーターの運行につきましては、二基以上のエスカレーターが並列で設置されている場合は上下両方向の運行を行い、一基のみの設置またはホームなどの別々の箇所に設置されている場合には、降車されるお客様のスムーズな流動の観点から、上り運行を基本としてございます。
 しかしながら、ご指摘のように、ご高齢のお客様を中心に下りエスカレーターの運行を望む声もあることから、これまでも、ホームなどに複数のエスカレーターがある一部の駅においては、お客様の流動を阻害しない範囲で下り運行を実施しているところでございます。
 時間帯による運行方向の変更につきましては、上りを利用するお客様に不便を強いるという点や、目の不自由なお客様の安全性の確保という課題もあり、今後とも、お客様の声を踏まえながら検討していきたいと思っております。

○秋田委員 何といっても、利用者のニーズを実際の設備更新に的確に反映させる仕組みや体制が必要であると思います。東京都交通局には、その点で一層の工夫と改善の取り組みを求めたいと思います。特に高齢者の割合がこれからますます高まることを考えれば、その利便性を高めるためのサービスの充実は必要であります。福祉対策としてはもとより、広く増客対策の一環としても、下りエスカレーターをできる限り充実していただきたいと思います。
 最後に、今までの議論を踏まえ、増収、増客対策や関連事業の強化、さらには下りエスカレーターなど、きめの細かいサービスの実施などトータルな施策を実施することによって、今後の地下鉄事業の収支改善を図っていくことが必要だと思いますが、局長の決意をお伺いしたいと思います。

○松尾交通局長 お答えいたします。
 ご指摘いただきましたように、大江戸線におきましてのお客様は増加しておりますけれども、全体といたしまして、地下鉄事業の経営状況は依然として厳しいというふうに認識しているところでございます。今後、さまざまな方策によりまして一日も早く収支を改善いたしまして、お客様の期待にこたえていく必要があると考えているところでございます。
 ご指摘のございました下りエスカレーターの充実でございますけれども、お客様の要望にきめ細かくこたえていくサービスであるとともに、増収、増客にもつながるものと考えているところでございます。
 しかしながら、一方、エスカレーターの未設置駅や、財政面での課題もございまして、今後、お客様ニーズを踏まえながら多角的に検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、今後とも地道な取り組みの積み重ねによります営業活動の強化、それから、お客様の利便性を向上させる構内営業の拡大など、関連事業におきましても一層の増収に努める一方、内部努力といたしまして、さらなるコスト縮減にも取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 このような総合的な取り組みによりまして、収支の改善を図り、地下鉄事業の経営基盤を強化いたしまして、都営交通としての使命を果たしてまいりたい、このように考えているところです。
 今後ともよろしくどうぞお願い申し上げます。

○山下委員 私からも幾つかの観点から質問を行いたい、このように思っております。
 まず、関連事業についてでありますが、いうまでもなく関連事業というのは、交通局の本来の事業に対する経営基盤の強化に寄与するためのものであります。中でも広告事業は、最も目立つ、顔に当たるところだと考えております。そこで、広告料収入についてから、お伺いさせていただこうと思います。
 まず初めに、平成十四年度の広告料収入をお伺いいたします。

○斎藤参事 お答え申し上げます。
 十四年度の広告料収入でございますけれども、約四十三億五千百万円でございます。
 事業別の内訳でございますが、バスが約十一億九千七百万円、都電が約五千八百万円、地下鉄が約三十億九千七百万円となってございます。

○山下委員 本日は、この後もさまざまな質問を私の方でも考えておりますので、地下鉄に関して集中的に議論をさせていただこうと思います。
 JRなどの他の路線に比べますと、都営地下鉄の広告料収入というのは実際どうなっているのか、また乗客一人当たりでの収入というのはどうなっているのか、お伺いいたします。

○斎藤参事 平成十四年度の広告料収入で見ますと、都営地下鉄が先ほど申し上げました約三十億九千七百万円に対しまして、関東交通広告協議会の資料によりますと、JRが約四百四十七億六千百万円、営団地下鉄が約百八十七億七千八百万円でございます。
 乗客一人当たりの広告料収入で見ますと、都営地下鉄が千六百二十三円、JRが千八百七十四円、営団地下鉄が三千三百三十八円でございます。

○山下委員 ただいまご答弁いただいた中のデータに、乗客一人当たりの広告収入で、都営地下鉄が千六百二十三円であって、JRが千八百七十四円である。この数字なんですが、私、どうも実感と違うんですね。乗客一人当たりの数字では、実際、今申し上げましたようにJRさんとほとんど差がないというように考えておりますが、私も実際JR、乗ること、多くあります。そこで利用して考えるのは、実際利用したときに感じることは、山手線などではいつも広告が埋まっていてにぎやかである。それに比べて都営地下鉄は圧倒的に広告量が少ないのではないかと思いますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

○斎藤参事 関東交通広告協議会の資料によりますと、十四年度は、十一社中七社の鉄道会社の広告料収入が対前年の比で減少した中で、都営地下鉄では金額で約二億一千万円、率にして七・三%伸びてございます。
 しかしながら、先生ご指摘のとおり、都営地下鉄は山手線に比べまして広告が少ない状況でございます。都営地下鉄は、広告主、クライアントから見ますと、山手線に比べまして知名度や広告効果などが影響しているのではないかと思われます。さらに、景気の低迷によりまして企業の広告費が削減されております中で、より媒体価値の高い鉄道に絞って広告を出す傾向にあると思われます。

○山下委員 ご答弁の中に、関東の鉄道会社でいえば十一社中七社は広告料収入が減少しているのに対して、都営地下鉄は約二億一千万円、七・三%増加しているというご答弁や、景気の低迷によりいろんな広告媒体、注文を出される側から敬遠されているんじゃないかというご答弁があったんですが、私は果たして本当にそれだけであろうかと、大変厳しい意見で申しわけないんですが、率直に感想を持っております。
 そこで、さらに議論を深めていきたいと思っておる次第でございますが、まず伺いたいのは、実際の販売方法であるとか料金には問題はないんでしょうか。

○斎藤参事 都営交通の広告は、他の鉄道会社と同様に、指定代理店を通して広告主に販売する方法をとってございます。また、広告料金は、他社の広告料金などを勘案しながら適切な料金に設定しております。
 さらに、広告媒体ごとに販売促進のキャンペーンを実施するなど、広告代理店が販売しやすいような工夫をしてございます。

○山下委員 今ご答弁いただいた意味というのは、よその鉄道会社さんと比べても適切な料金設定であるし、販売方法についてもちゃんと工夫をしているということでございます。もちろんそれはそのとおりなんでしょう。これだけ伺っていますと、じゃあ私、きょう質問する必要ないのかなというふうに思うんですが、私はどうしてもそこだけは納得いかないと思っております。
 実は、きょう私がこの広告料収入について質問させていただこうと思ったのには一つのきっかけがあるんですね。実際、私はよく大江戸線を利用しております。この質問をつくった日もそうですが、乗ったところ、中づり広告というのが、私がたまたま乗った車両に一枚もなかったんです。これはお伺いしますと、一編成すべて、六台、七台あるのかよくわかりませんが、一編成を一つの広告主に貸し切るメディアライナーというものであるというふうにお伺いしたんですが、このメディアライナーの稼働状況というのはどうなっているか、お伺いいたします。

○斎藤参事 メディアライナーとは、おっしゃるとおり、一編成八両すべての車両の広告を一広告主で貸し切る、貸し切り広告電車でございまして、新宿線では平成十年から、大江戸線では平成十三年から販売しております。
 先生お尋ねの稼働状況でございますが、十四年度では新宿線が四七%、大江戸線が一一%の稼働となってございます。

○山下委員 中でも比較的いい方である新宿線でも四七%、大江戸線に至っては何と一一%、たった一一%の稼働率であるというもの。これが実際に現在でも運行しているというのは、空の広告のまま運行しているというのは、これは民間では考えられないことだと私は思います。
 ちなみに、このメディアライナーというのは、もちろん教えていただいたんですが、全車両、つまり大江戸線の中で走っている全車両の中の一〇%がメディアライナーだということです。つまり十台に一台はメディアライナーであって、その中で稼働率が、約一一%ですが、一〇%だとすると、メディアライナー十台のうち九台がまさに広告、中づり広告がゼロの状況で走っている。繰り返し申し上げますが、民間では考えられない。このような観点から考えれば、あいているときは、その九台、空で走っているときは、貸し切りにしないでほかの一般の中づり広告を載せるとか、いっそのことこのメディアライナー自体、貸し切り広告自体を再検討する必要があるのではないか。いずれにしても、この状況は、私から見れば本当に大変なことだと思います。何か対策を考えるべきではないでしょうか。

○斎藤参事 メディアライナーは、インパクトの強い企画広告として、観光PRやさまざまなキャンペーンなどに多くご利用いただいておりまして、好評を得てまいりましたが、広告主のニーズの変化に伴いまして、最近は残念ながらあきが目立つようになってございます。
 しかし、先生ご指摘のとおり、空き枠のままでは他の広告にも影響が出るため、メディアライナーのあり方につきまして現在検討しているところでございます。

○山下委員 ぜひこの点に関しては真剣にご検討いただきますよう、心からお願いを申し上げたい、そんなふうに思います。
 さまざま申し上げてきましたが、大江戸線に関して申し上げれば、暗いことばかりじゃなくて明るい将来の展望もあると思うんですね。実際問題、乗客数もふえているようでありますし、新しい路線でありますから、駅も車両もきれいなのであります。そういった観点から見ますと、多方面から増収対策というものを考えられると思うんですが、いかがでしょうか。

○斎藤参事 おかげさまで、大江戸線につきましては、広告主や広告代理店からも期待されておりまして、窓上ポスターなどの車内広告も人気がございます。しかしながら、中づり広告につきましては、車両が小さいことから通常の掲出方法がとれずに、広告を曲がった形で掲出しておりまして、広告主や広告代理店からも改善要望が強いのが現状でございます。
 このため、中づり広告を掲載する器具の改良を検討いたしまして、試行としまして、十四年十二月に一編成に取りつけました。この改良型につきましては、広告主や広告代理店からも評価をいただいておりまして、今年度中に他の編成にも実施していく予定でございます。
 また、今月からは、新たな媒体としまして、大江戸線のドアの上部に二枚一組で掲出するツインステッカー広告の販売を開始いたしております。
 なお、大江戸線の駅構内におきましても、柱巻き広告など積極的に取り組んでまいります。

○山下委員 ぜひ、ただいまご答弁のあったような新しい取り組みを含めて、早期にご検討いただければありがたい、そんなふうに思っております。
 本日、この広告料収入に関して、私なりにさまざまな問題提起をさせていただいたつもりであります。私の指摘させていただいたこの問題点、それだけではないんでしょうが、いろんな問題点を踏まえて、今後の交通局の広告事業の目標を中長期的にどのように設定されているのかをお伺いいたします。

○斎藤参事 おかげさまで大江戸線の乗降客数も順調に伸びておりまして、広告主や広告代理店からも非常に期待されております。今後は、大江戸線を中心とした商品設計などによりまして、都営の広告媒体全体の底上げを図ってまいりたいと考えております。
 これに加えまして、中期的な増収策といたしまして、既設駅の改修に合わせて広告枠の位置や形状を魅力的にするなど、クライアントニーズの把握に努めながら、広告媒体の価値を高めてまいります。
 さらに、長期的には、時流を踏まえながら、事業環境に見合った広告料収入の確保を目標といたしまして努力してまいります。

○山下委員 ぜひこういった視点から、中長期的に引き続きご努力いただきますようお願い申し上げます。
 この一連の私の質問の中で、さまざま、厳しい表現も多少使わせていただきましたが、大江戸線に関しても皆様方はいろんな工夫をされているということもわかりました。その点については率直に評価をさせていただきます。今後もぜひ取り組んでいただきたい、頑張っていただきたい、そんなふうに思います。
 また、現状では、交通広告というのはライバル会社も非常に多く、大変厳しい環境のようでありますが、一層の増収対策に取り組んでいただきたいととりあえず申し上げまして、この広告料収入に関しては終わらせていただこうと思います。
 次に、災害への備えについてお伺いしたいと思います。
 この夏のニューヨークなどでの大停電は記憶に新しいところでございますが、交通局も伺うところによりますと発電事業を行っている。そこで、何点か伺っていこうと思います。
 交通局は奥多摩に三つの発電所を運営しているということでございますが、発電した電気はどうしているのか、お答えいただけますでしょうか。

○関口車両電気部長 お答えいたします。
 発電した電気につきましては、発電所内で使用する分を除き、全量を東京電力株式会社に売っております。多摩川第一発電所につきましては、当局送電線を利用して東京電力氷川発電所に、多摩川第三発電所につきましては、隣接する東京電力沢井変電所に、また白丸発電所につきましては、最寄りの高圧配電線に接続して、それぞれ送電しております。

○山下委員 多摩川第一発電所、多摩川第三発電所、白丸発電所と、この三つの発電所を東京都では運営しているということでございますが、この三つの発電所の年間の発電電力量というのは一体どれぐらいあるのか。また、その発電電気量で賄っている一般家庭の世帯というのは一体どれぐらい、何世帯分なのか、お伺いいたします。

○関口車両電気部長 平成十四年度の発電電力量は、多摩川第一発電所、多摩川第三発電所及び白丸発電所の合計で十二万二百メガワットアワーでございます。この発電電力量を一般家庭の年間平均消費電力量三千五百キロワットアワーとして換算しますと、約三万四千世帯分に相当いたします。

○山下委員 わかりました。今のご答弁で何となくわかるのは、例えば奥多摩町で申し上げれば、約三千世帯です。今のご答弁、そのまま単純にはそうはならないんでしょうが、奥多摩町から青梅市の一部にかけた地域への供給が可能であるというふうなことになるのかな、そんなふうに思っています。
 続きまして伺いたいんですが、本年の八月に発生した北米東海岸での大規模な停電事故というのは、オハイオ州にある石炭火力発電所が系統から脱落したのがきっかけだったというふうに伺っております。交通局の発電所ではどのような発電停止防止対策をとっているのか、教えてください。

○関口車両電気部長 発電所では、発電停止防止対策といたしまして、二十四時間の監視制御体制、保安規定に基づく定期点検、遠隔監視制御回線や制御用コンピューターの多重化などの対応をとってございます。

○山下委員 ご答弁いただきまして、私もこれだけ聞くと、コンピューターに強い方ではないので、ああ、安心なのかなと思うんですが、それでも万が一事故により突然の発電停止となった場合に、多摩の広い地域が停電することはないんでしょうか。お伺いします。

○関口車両電気部長 東京電力の送電線は、関東の広い範囲でネットワーク化されております。当局の発電所とともに、多くの原子力発電所や火力発電所が並列に接続されております。仮に当局の発電所が停止しても、東京電力管内には瞬時に増出力運転のできる発電所があり、大規模な停電が起きないようなシステムになっております。
 なお、過去に当局発電所の原因による東京電力の送配電停止事故は発生してございません。

○山下委員 アメリカで起きたような事故は大丈夫である、東京都が運営しているこの三つの発電所の事故によってアメリカの停電のような大規模、これがきっかけになって大規模な停電が起きるということに関しては心配ないのかなというふうなお答えでございました。
 ただし、電力システムは、ご説明ちょうだいしたように非常に複雑であり、想定外の事故というのもないとはいえないと思うんですね。ことしの夏の原子力不祥事から生じた電力不足問題のようなことがまた起きたり、電力の供給に不安が生じた場合、小さなトラブルも大きな停電事故につながりかねないと私は思うんです。交通局の発電所は、小さいとはいえ、多摩地域では貴重なクリーンエネルギーであると思います。今後も都民に不安を与えることのないようにどのように努力をしていかれるのかをお伺いいたします。

○関口車両電気部長 当局の電気事業は、昭和三十二年の多摩川第一発電所の運転開始以来、今日まで、奥多摩の地で電力の安定供給に寄与してまいりました。先生ご指摘のとおり、多摩地域における貴重なクリーンエネルギーである水力発電所を維持していくため、今後とも、施設の適切な整備と安全第一の運転管理に努めるとともに、より一層効率的な運営に努力してまいります。

○山下委員 次に、地下鉄事業の安全対策についてお伺いしていこうと思います。
 ことしの八月、米国北東部とカナダで大規模な停電が発生したというのは先ほども申し上げました。市民生活にこれは深刻な影響を与えました。地下鉄では運転再開までに三十二時間も要するなど、市民の足が長時間にわたって奪われました。また、二月には韓国で、放火による地下鉄火災によって多くの人命が失われました。災害に対する備えが肝要であると私は考えますが、都営地下鉄における安全対策についてこれから伺っていきます。
 まず初めに、韓国では、災害とともに停電し、被害がさらに大きくなった、そのように伺っています。都営地下鉄の場合、災害で停電する可能性はあるのでしょうか。

○関口車両電気部長 都営地下鉄におきましては、東京電力から複数の系統で受電しており、また各駅への送電系統も二重系となっております。一斉に停電する可能性は低いと考えております。

○山下委員 ただいまのご答弁で、可能性は低いということでございましたが、それでも万が一送電がとまったらどうなるんでしょうか。教えてください。

○関口車両電気部長 万が一停電した場合ということでございますけれども、電車は原則として惰力で次駅まで運転を継続いたします。また、電車にはバッテリーを搭載しておりまして、停電時にも、お客様の避難誘導に必要な車内照明、車内放送、列車無線等に電気を供給できるようになっております。
 また、駅は、バッテリーにより非常灯は三十分間、誘導灯は二十分間点灯しております。
 さらに、非常用発電機が動作することによりまして、排煙設備等ほかの防災設備にも電源を供給できるようになっております。

○山下委員 わかりました。
 少し細かい話に議論を移していきたいと思いますが、実際、災害時に万が一停電した場合に、駅のエレベーターはどのようになるんでしょうか。

○関口車両電気部長 停電時におきましてはセンサーが働き、エレベーターは自動的に最寄り階で停止するとともに、扉が開き、お客様が安全に避難できるようになっております。

○山下委員 そうなると、災害が起きたときに、停電をしてしまえば、お客様は当然のごとく歩いて避難をすることになりますね。火災を想定した場合に、排煙設備等が整備されていない駅というのは、資料要求にもございましたが、二十三駅残っていると伺っております。そのような駅をどのように今後整備されていくんでしょうか、お答えください。

○古川参事 交通局ではこれまでも防災改良工事を実施してきております。今年度も既に宝町駅に排煙設備等が完成いたしました。また板橋区役所前駅では、年度末の完成を目指して工事を進めております。
 一方、国土交通省では、地下鉄道の火災対策検討会を設置いたしまして、我が国の地下鉄の安全性について総合的に検討を進めております。火災対策工事に対しての補助制度の創設の動向も踏まえまして、今後とも計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。

○山下委員 国の対策、検討会ですか、というのがあるというふうに伺っておりますが、これを待って受け身で考えるのではなくて、ぜひ東京都自身としてどう考えていくかご検討いただきたい、災害は待ってくれませんので、なるべく早く整備を計画的に進めていただきたい、そんなふうに思います。
 少しまた話を戻しますが、階段を使って歩いて避難をする場合に、六本木駅のように深い駅だと、ホームから地上までたどり着くのに一体どれぐらい時間がかかるのか、また、すいているときとラッシュ時ではその時間も変わってくると思うんですが、そのあたり教えていただけますでしょうか。

○古川参事 六本木駅でございますけれども、ホームが上下の構造になってございます。深い方のホームから地上までは約四十二メートル、浅い方のホームから地上まで約三十三メートルございます。閑散時には、深い方のホームから地上まで約五から七分で避難することができると考えております。また、ラッシュ時には九分程度で避難できるものと想定してございます。

○山下委員 今ご答弁いただいたのはあくまで、すいているときで五分から七分、ラッシュ時には九分ということでありますが、これは乗客の皆さんが落ちついて平常時でこのぐらいかかるんだというふうに思うんですね。実際問題として、お客様が一斉に避難するようなことがあるときには、当然パニックというのが起こり得る。そして、まさにそのときがラッシュ時であったときにはどのように対応していくのか。本当に九分で大丈夫なのかどうか。直接お答えいただく必要はありませんが、そういう意味について、どのように対応していくか、大きい視点からお答えいただければありがたいです。

○市川電車部長 お答えいたします。
 ラッシュ時にパニックが起きたときの対応をどのようにするかということでございますが、まず、パニックの原因となりやすい煙対策といたしまして、大部分の駅に排煙設備や防煙垂れ壁が設置されており、火災の際にも煙に巻かれないで退避できる構造となってございます。
 次に、万が一火災が発生した場合は、火災報知装置により自動放送が行われ、同時にサイレンが鳴動いたします。駅係員は、排煙設備起動押しボタンの操作を行うとともに、一一九番、一一〇番通報を行います。さらに、異常時対応マニュアルに基づきまして、指揮・連絡、救護誘導、防火・消防の各役割分担により活動に入り、お客様動揺防止の構内放送を行いながら、駅構内のお客様の避難誘導や初期活動を行います。
 このようなことをすることにより、お客様のパニックは防止できると考えております。

○山下委員 ぜひ万全を期していただきたいな、そんなふうに思います。
 そして私がもう一つ心配なのは、もし万が一その災害時にハンディキャップをお持ちの方がホームに取り残されてしまったらどうなるのか、非常に不安なんですが、そこでお伺いします。
 身体に障害のあるお客様をどのようにホームから避難をさせるとお考えでしょうか。

○市川電車部長 エレベーターが使用できない場合でございますが、お客様の障害の程度により、職員が誘導する、背負う、あるいは担架を使用するなど適切に避難させます。
 また、避難に当たっては、出動した消防、警察と連携するほか、身近な他のお客様にお手伝いをお願いすることもあり、そのために、日ごろから、お客様のご協力が得られるよう努めてまいります。

○山下委員 私もまさに今ご答弁いただいた、災害時に、ハンディキャップをお持ちの方、実際にその方々を救うためには、ほかのお客様にお手伝いいただくことがあろうかと思うんです。ぜひ、今ご答弁いただいたように、ふだんからの働きかけを忘れずにお願いしたいと思います。
 次に、お客様が安全に避難するためには、ハード面での整備を急ぐことはもちろんでございますが、ふだんの職員の訓練も重要であると考えております。訓練が実際にどのように行われているのか、お教えください。

○市川電車部長 都営地下鉄では、以下三つの訓練を今実施しているところでございます。
 まず、東京都総合防災訓練でございますが、これは直下型地震や東海地震を想定して毎年九月一日に実施されておりますが、交通局はこれに参加し、減速運転訓練、お客様の避難誘導訓練などを実施しているところでございます。
 また、お客様の救出誘導訓練、施設復旧訓練など異常時に必要となる訓練を、駅部門、運転部門、保守部門などが合同で、異常時総合訓練として年一回実施しております。
 さらに、都営地下鉄の各駅では、各駅ごとの避難誘導マニュアルに基づく避難誘導訓練や、警察、消防に対する通報訓練、消火器取扱訓練などの自衛消防訓練を年一回以上実施しておるところでございます。
 加えて、韓国の地下鉄火災事件を踏まえ、事件直後の本年三月には、三田線巣鴨駅、浅草線五反田駅などで、各駅所轄の消防署と、列車火災を想定した合同訓練を実施したところでございますが、このような訓練につきましては今後も継続して実施してまいりたいと思っております。

○山下委員 さまざまな訓練を行われているということは理解もできましたし、ぜひ今後も頑張っていただきたい、そんなふうに思います。
 ただ、私はきょう、この質問を通して、大体、現在皆様方が想定をされている災害の範囲というのがわかったような気がします。例えば排煙設備に関しても、いろんな対策を講じて、これはご答弁いただく必要ありませんが、一両、二両で火災が実際に起きた場合には対応できる、それで排煙設備でもちゃんと外に煙を出せるということで対応ができるんですが、もし万が一、どんな悪人がいるかわかりませんから、全車両に同時に火災が起きたときにどうなるかとか、実際にパニックでわっと人が階段を通じて逃げていく、そんなときに、ひとりハンディキャップの方がホームに残されてしまって、駅員の方の数も限られていると思うんですよね、そのときに本当に救うことができるんだろうか、そんな心配も私、個人的には多く持っております。
 私が申し上げたいのは、災害にはマニュアルはないのではないか。まさに想定外のことが起きるんだということを肝に銘じていただいて、今後も、議論、検討をさらに深めていただきたい。お願い申し上げます。
 本日、交通局の広告事業、発電事業と地下鉄事業について私は質問をさせていただきました。広告事業については、より一層の活性化を図っていただきたい、そして発電事業と地下鉄事業については、安全対策を十分に行っていただき、クリーンエネルギーの安定供給、そしてお客様の安全に万全を期せられたい、そのように考えております。
 そこで最後に、これらのことについて局長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

○松尾交通局長 お答えいたします。
 初めに、広告事業についてでございますけれども、ご説明申し上げましたように、これまでもラッピングバスや柱巻き広告など、新たな手法を取り入れました増収策に努めてきたところでございます。今後とも、クライアントニーズを常に把握しながら、大江戸線を中心といたしました商品設計を進めるとともに、駅のリニューアル等にもよりまして、都営交通全体の媒体価値を高めるための取り組みを行っていきたいというふうに思います。また、あわせまして積極的な広告事業を展開して、一層の増収に努めてまいる所存でございます。
 次に、交通事業の運営におきまして最も優先されますのは、ご指摘のございましたように、お客様の安全を確保し、安心して利用いただくことだと考えております。排煙設備などの整備や、職員によります訓練の実施など、ハード、ソフト両面から安全対策に取り組んできているところでございます。
 しかしながら、ご指摘のように、米国での大規模な停電など、災害は思わぬところで起きております。今後とも、私どもといたしましては、交通事業者といたしまして総合的に防災対策を検討、推進いたしますとともに、関係機関とも連携を図りながら、より一層の安全対策に取り組んでまいります。

○山下委員 よろしくお願いします。ありがとうございました。

○石川委員 それでは、私からも若干質問させていただきます。
 先ほど、秋田副委員長の質疑のやりとりにもありましたけれども、都営地下鉄の収支状況は、昭和四十三年に全線開業した浅草線については、開業三十五年を経て黒字基調で推移しております。また、答弁にありましたように、三田線、新宿線も、今後、順次黒字で推移するだろうということが明らかになりました。
 しかし、三十年以上も赤字状態を続けなければ累積欠損金が解消しないのは、何か構造的な欠陥があるんだろうと思います。そこで、私は、地下鉄経営についてまだまだ不十分な補助制度などの制度的な側面から、以下質問をいたします。
 そこで、まず、現行の地下鉄建設にかかわる補助制度の概略についてお伺いいたします。

○木村総務部長 お答え申し上げます。
 現行の地下鉄建設費補助金につきましては、国土交通省の地下高速鉄道整備事業費補助交付要綱に基づいておりまして、その内容といたしましては、平成三年度以降の補助採択路線につきまして、当年度の建設費から、車両費、建設利息、工事に伴う人件費経費でございます総係費を控除したものに、事務費分として二%を加えた額を補助対象の建設費としてございます。その額から出資分の二〇%を控除いたしまして、国、地方それぞれが三五%の補助率を掛けたものが当年度の補助金として交付されております。
 なお、現在、国の交付分につきましては、さらに一割を圧縮させていただいているところでございます。

○石川委員 地下鉄の安定的な経営には、収支改善に向けた日ごろからの経費のコスト削減など、不断のたゆまぬ努力も必要でありますけれども、やはり何といっても、地下鉄建設財源調達の多様化や補助制度の充実など、建設整備段階での工夫が最も重要だと思います。
 次に、そうすると、新規路線の地下鉄を建設するに当たっての財源はどうなっているのか、先ほどの補助金も含めて説明してください。

○木村総務部長 ただいまご説明申し上げました地下鉄建設費補助金は、車両費や建設利息などを除いた補助対象建設費の七〇%を国と地方が二分の一ずつ交付するという制度でございまして、結果といたしましては、建設費の実質的約四割を手当てしているというのが現状でございます。
 したがいまして、建設財源としては、この地下鉄建設費補助金が四割で、残りの六割、これを二割の一般会計出資金と四割の企業債で充当しているというのが財源の現状でございます。

○石川委員 そうしますと、現行の補助制度のもとでは、約四割は企業債として有利子の借金をしているわけでありますけれども、そこで、確認のために、この地下鉄の建設のための企業債というのは何年ぐらいで返すことになっているんですか。

○木村総務部長 企業債の償還年限のお尋ねでございますが、政府系の資金につきましては、五年据え置きの二十五年元利均等償還、三十年で償還することとなっております。また、公営企業金融公庫債につきましては、五年据え置きで二十三年元金均等償還の二十八年で償還することになっております。
 一方、民間債についてでございますが、通常、十年一括償還でございますが、政府債の最長借入期間でございます三十年に合わせまして、二回まで借りかえることができるということになっておりまして、結果的には三十年まで借り入れができるということもあります。

○石川委員 そうしますと、おおむね三十年間ということになりますよね。
 一方、それでは、地下鉄の減価償却費の耐用年数は、その固定資産の代表であるトンネルでは何年ぐらいになっているんですか。

○木村総務部長 ご指摘の固定資産の大宗を占めております線路設備のトンネルの耐用年数でございますが、六十年となってございます。
 なお、平均いたしますと、平成十四年度末の固定資産残高ベースでは四十七年程度という状況でございます。

○石川委員 建設費の四割を借金し、それをおおむね三十年間程度で償還、つまり返済しなくてはいけない。しかし、その原資を回収する手段である減価償却費の耐用年数は、平均しても五十年近くもあるという実態。企業内部に借金返済のための資金が蓄えられないうちに企業債の償還、すなわち借金を返済しないといけないとするならば、常識的に考えれば、当然、資金不足に陥ることは必定であります。
 地下鉄は、都市部における重要な公共交通機関で、都市生活になくてはならないインフラであります。したがって、今後とも整備充実させていかなければいけないのに、この整備にかかわる公共負担の制度は不十分であるといわざるを得ません。
 去る九月十四日の日本経済新聞の一面に、現在、日本で公営地下鉄は、東京都や札幌、名古屋市などの八つの政令指定都市で運行されている。ところが、建設コストが過大で、利払い負担などが経営を圧迫していると。その実態として、十四年度、公営地下鉄全体で千三百億円程度の経常赤字に陥り、累積損失は総額約二兆五千億円に上る実態だと。そこで、今後、総務省は、それぞれの自治体の経営健全化計画の策定の条件つきではありますけれども、今後、財政支援を考えているというような記事が載っておりました。
 これによれば、地方債の起債条件の緩和や地方交付税の配分など、財源支援について述べられておりますけれども、この支援策の概略についてお伺いいたします。

○木村総務部長 公営地下鉄の恒常的な資金不足解消を目的といたしまして、平成十四年度末において有します不良債務額と資本費負担緩和債の合計額が営業収益の二倍以上で、今後その増加が見込まれる事業者に対しまして、経営健全化計画を策定させた上で、その期間中に経営改善が確実な場合、平成十四年度末の不良債務額の二分の一を一般会計出資金による繰り出しを認めると。ちょっとややこしくて申しわけございません。
 ただし、この措置は、平成十五年度限りの措置でございまして、東京都の地下鉄の財政状況は当てはまらず、また、その対象という意味では該当しないということになっております。

○石川委員 せっかくの新たな財政支援策も、その場限りの制度では、何十年もの長期間、都民の足として欠かすことのできない地下鉄の運営には役に立たない。また、東京都が対象とならないとするなら、次の地下鉄整備への体力づくりにも結びついてきません。
 そこで、これまで国に対し、この地下鉄への財政支援強化策について、都交通局はどのような制度改善の要望をしてきたのか、伺います。

○齊藤経営企画室長 国への要望でございますけれども、国土交通省に対しましては、地下高速鉄道整備事業費補助の補助率の引き上げなど、また総務省に対しましては、高金利企業債を低利なものへの借りかえや、施設の耐用年数に見合うような償還期限の延長などを要求しております。

○石川委員 ただいまの答弁の中の現行制度の補助率アップも重要ではありますが、現在の国、地方を通じた厳しい財政状況からは、すぐにはなかなか難しいんだろうなと思います。
 そこで、先ほどの議論でも明らかになった、地下鉄建設の構造的な弱点である企業債の償還期間と減価償却費の耐用年数のずれを解消すべく、三十年で償還してしまう企業債の償還期間を、減価償却の期間とマッチするぐらいに延長させる取り組みをもっと強化すべきであると思います。何も借金を将来の世代へといっているわけではなく、将来の世代も享受できる期間、すなわち耐用年数の期間ぐらいの企業債の償還年限にすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○木村総務部長 ご指摘の償還期間の延長についてでございますが、総務省の委託によります公営交通事業協会が平成十四年に行った研究会報告の中でも、その導入の提言は行われているところでございまして、交通局といたしましても、今後とも国の動向などを注視しつつ、あらゆる機会をとらえて引き続き一層の国ヘの要求に努めてまいりたいと考えております。

○石川委員 財政面での制度改革がなければ、さらなる新線建設は険しい道を進まなければなりません。ぜひともこうした観点に立った取り組みを、局として最大努力して進めていってほしいと思います。
 さて、運政審の答申に盛り込まれております大江戸線の練馬大泉学園町付近への延伸計画でありますけれども、私もこれまで本会議場の場で何度か質問を行ってまいりました。導入空間としての都市計画道路補助二三〇号線の整備が前提であることは承知しております。しかし、工事着手へ向けた技術的な取り組みは当然のことながら、それと並行して、補助制度の改善や企業債の償還期限延長など、財政的な面でも建設促進を図る方策を検討し、積極的に取り組むことが重要であります。
 二十三区に残された数少ない交通不便地域であります練馬土支田や大泉学園町の地元住民は、導入空間である道路の整備とあわせて、一日も早く大江戸線の延伸計画が現実になることを強く期待しておりますので、今後さらなる取り組みを要望し、質問を終わります。

○かち委員 それでは、高速電車事業会計とバス事業について若干お聞きします。
 先ほど来の議論で、高速鉄道事業は大変厳しい経営環境にあるという状況ではありますけれども、航空輸送とともに、電車事業というのは大量の人を運ぶ事業であり、そういう意味では、何をおいても安全第一、安全確保が、怠ることはできないことだというふうに考えております。そういう意味で、地下鉄の安全対策について何点かお聞きしたいと思います。
 一つは、本年二月に起きた韓国大邱市での、死亡が五十二人、負傷者百三十九人という大惨事を起こした事故がありました。これは、シンナーによる放火事件ということでしたけれども、実際考えられないようなことが昨今起きているわけで、最も近いお隣の国で起きた、こういう惨事から、都の都営地下鉄にもぜひ生かすべきことがあったのではないかと思いますけれども、この事故から都の交通局としてはどのようなことを調査し、学んで、教訓とされてきたのか、その辺をお聞きします。

○市川電車部長 大邱市の地下鉄火災の惨事から学んだことなどについてのお尋ねでございますが、都営地下鉄では、ハード、ソフト両面にわたり火災対策を講じており、直ちに大邱市における地下鉄のような被害状況には至らないと考えております。
 しかし、万一、列車内、駅構内で火災が発生した場合、お客様への案内及び避難誘導に万全を期するために、消防等関係機関との連携の必要性について認識を新たにいたしました。
 このため、十五年度においては、無線通信補助設備や防煙垂れ壁の設置などを前倒しして行うこととしているほか、事件直後の本年三月に、三田線巣鴨駅などで、各駅所轄の消防署と、列車火災を想定した合同訓練を実施するとともに、防火設備や車両、駅からの避難方法などについて解説したQアンドAのホームページへの掲載及びポスターの各駅の掲出などを行ったところでございます。
 なお、国におきましては、国土交通省により地下鉄道の火災対策検討会が設置され、地下鉄の安全性について総合的に検討が進められておりますので、その動向を注視しているところでございます。

○かち委員 新聞報道などでは、なかなかこの火災の起きた実際がよくわからないんですけれども、実際に走っていた電車はワンマンだったのか、それとも車掌はいたのかどうか、その辺のところはつかんでいらっしゃいますでしょうか。二問目に入る前に、わかったら教えていただきたいんです。

○市川電車部長 ワンマン運転でございます。

○かち委員 その件については後ほどまたお聞きしますが、資料を出していただきまして、四ページを見ますと、韓国のように停電が起きても非常用の照明器具があるとか、それから難燃材でつくられているとか、そういう意味では韓国と同じような、有毒ガスでみんな倒れてしまうとか、真っ暗な中でドアがあかなかったとか、そういうようなことはないかもしれませんけれども、ここでもありますように、国の基準があるわけで、排煙設備とか二方向避難路、こういうものは確保しなければいけないことになっていますけれども、先ほどもありましたが、まだ二十三カ所と、二方向避難路は七カ所残されているということがあるわけです。こういうことでは、いざというとき、パニックが起きたときにどうするのかという問題もありますので、こうしたことについての解決策、早急にこういうことは確保すべきではないかと思いますけれども、その辺の対応はどのようにされていますでしょうか。

○古川参事 交通局では、これまでも防災改良工事を実施してきたところでございます。今年度も既に宝町駅で排煙設備等が完成いたしました。また板橋区役所前駅では、年度末の完成を目指して工事を進めているところでございます。
 ご指摘の排煙設備につきましては、今後とも鋭意整備に努めてまいりたいと存じます。
 また、二方向避難路の確保につきましては、駅の大規模改良の際に整備する方向で検討してまいりたいと存じます。

○かち委員 年に一カ所ぐらいずつ、二カ所ぐらいになるのかな、鋭意努力はされていると思うんですけれども、この調子でいったら、あと十年ぐらいかかってしまうのかなというふうにも思うんですね。そういう猶予が許されないのが今の実態ではないかと思うんです。
 日本では、三十年来こうした火災はないといわれていますが、関東大震災から八十年、そして地下鉄サリン事件や、昨今繰り返されている凶悪犯罪の発生状況を見ても、いつ、どんな状況が起きてもおかしくないというのが今日の実態だと思うんです。
 起きてしまうかもしれない、起きることを防ぐことはできないというのも、これ事実だと思うんですけれども、どんな状態、事態が起きても、その被害を最小限に食いとめる最大の努力をしなければならないというのが私たちの使命だと思うんですね。
 そういう中で、今お話がありましたけれども、とりわけ日本橋とか板橋本町など、排煙設備も二方向避難路もない、両方がないというのは、実際に起きたときに一体どうなるんだろうというのは想像にかたくないんですけれども、こういうことを見ても、やはり早急に対策をとらなければならないと思うんです。計画的にいつまでに完備するか、そういう計画性を持つべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○古川参事 国土交通省では、地下鉄道の火災対策検討会を設置いたしまして、我が国の地下鉄の安全性について総合的に検討を進めてございます。また、火災対策工事に対しての補助制度の創設の動きもございます。
 交通局といたしましても、火災対策未整備駅構内での新たなスペースの確保や地上用地の確保の可能性、またバリアフリー工事との整合などの検討を行いまして、また同時に国の動向も勘案した上で、早期に整備計画を策定する考えでございます。

○かち委員 早期に整備計画を作成するというお答えがありましたので、ぜひそこに期待したいと思います。
 もう一つは、先ほども韓国の列車の火災はワンマンカーだったということなんですけれども、こういう事故が起きたときには、やはり同時的にいろいろなことをしなければならないという状況が生まれると思うんですね。日常的には、ITがどんどん進んでいく中で、ワンマンカーでも足りているという状況は確かにあると思うんですけれども、いざというとき、火災とか震災とか、こういう非常事態のときに、幾らITが進んでいて、近くから、放送設備があって駆けつけてくるとかいっても、その間の時間がある。電車を使って来れないわけですから、そういうことを考えるとということ。
 それから、日常的にも保安管理。運転士というのは、あくまでも電車を走らせるというのが使命なんですね。後ろの乗客についての責任を持つことは、およそ不可能なんです。そういう意味で電車の中には今まで車掌と運転士というのが配置されていたと思うんですね。車掌というのは、日常的な電車内の保安、そしてホームの安全確保、そういうことに大きな役割を果たしていると思うんですが、そういうものがない都の地下鉄においても、大江戸線や三田線などもだんだんワンマン化になっていく中で、そういう意味での安全が限りなく狭められてきているというのが実態だと思うんです。
 一列車に二人の体制、複数体制というのは、日常的な安全を確保する意味でもどうしても必要ではないかと思いますけれども、その点の見解はいかがでしょうか。

○齊藤経営企画室長 ワンマン運転についてのお尋ねでございますけれども、車両火災発生時におきましては、運転士はその原因及び状況に応じまして対応マニュアルに従って処理することとなっております。
 列車走行中に火災が発生した場合でございますが、極力、次駅まで運転を継続するとともに、車内放送でお客様を安全な車両へ誘導いたします。同時に、運輸指令に火災発生を通報いたしまして、駅到着と同時に、駅係員、運輸指令も含めまして総力を挙げてお客様を避難誘導させ、消火等を行うこととなっております。
 また、ワンマン車両につきましては、運転席で安全確保のため他の車両を停止することができる装置、列車防護装置といっておりますが、通常、これは車掌がやる役目になってございますが、これが運転士が運転席で操作できる仕組みになってございます。
 また、運輸指令から直接車内放送を行うことができるほか、列車に乗っているお客様が直接運転士に話ができる、インターホンに近い非常通話器であるとか、また、そのボタンで通話いたしまして運転士が出られなかったという場合には、運輸指令に通じまして通話ができる、こういう装置も備えてございます。
 また、運転席から後方車両の乗務員室扉を開錠いたしまして、お客様を避難誘導できる設備等も備えてございます。
 さらに、関係する職員につきましては、安全確保に万全を期するために、火災を想定したマニュアルに沿った訓練も実施してございます。
 このように安全確保につきましては、ハード面、ソフト面の体制を整えておりますので、現行の体制で対応が可能というふうに考えてございます。

○かち委員 通勤などで同じルート、同じ電車にいつも乗っている人であれば、多少はそういう非常灯がどこにあって、運転席にどうすれば連絡がつくとか、非常ドアはどうあければいいかというのがわかっている人もいるかもしれませんけど、ほとんどの人は、ある電車に乗るという、通過するだけのお客さんが多いわけですよね。そういう人たちを相手にして、どう安全を管理するかと、確保するかという点におきましては、今の説明では、本当に軽微な火災についてはそういう対応ができるかもしれないけれども、韓国のような、あのような状況があったときには、何といったって、そのときに状況のわかっている人手があるかどうかということが致命的だと思うんです。そういう意味では、安全確保の意味での複数体制というのをもう一度考え直していただきたいというふうに思います。
 続きまして、地下鉄のホームの転落事故防止対策について伺います。
 我が党としては、毎年のように決算委員会等で取り上げてきている課題ですけれども、資料を出していただきましたけれども、一ページにありますが、状況は改善していないというのが現状です。転落防止策はいろいろととられてはいますけれども、年々転落者がふえている。この状況を局としてはどのように認識されているでしょうか。

○市川電車部長 転落事故がふえている状況をどのように認識しているかということでございますが、酔客等により転落件数は増加している、そういうふうに考えております。
 都営地下鉄では、お客様のホームからの転落事故を防止するため、ハード面では誘導・警告ブロックやホーム端固定さくの設置などを行い、ソフト面では駅ホーム監視要員の配置、視覚障害者への案内及び職員による巡回などの対策を講じているところでございます。
 さらに、万一、お客様が転落した場合については、列車を緊急停止させる列車緊急停止装置などをホーム上に配置するとともに、その使い方を説明するポスターや、設置場所の方向をお示しするサインを掲出することなどをいたしました。
 幸い、これまでのところ重大事故には至っておりません。

○かち委員 転落者の多くは酔客だということで、酔客は自己責任だといわれたいのかもしれませんけれども、世の中にお酒の販売がある以上、酔客というのは、だれでもがなり得る。皆さんだって、たまに酔って足がふらつくこともあると思うんですよね。そういう意味では、固定の方のためというのではなくて、だれでもがあり得る状況、そういう安全策をとらなければいけないということだと思うんです。
 いろいろ対策がとられている。センサーがついて、落ちたところをすぐ明示するとかいうものはありますけれども、落ちることを防止するさくがないんですよね。で、落ちた者を早急に引き上げる。ですから、この数字上で新たに、運行に支障がなかった数なども出ていますね。これはそういうのが発揮しているのかもしれませんけれども、しかし数としては多い。一つ間違えば死亡事故にもなりかねないという現実でもあるわけです。
 この資料では、ホームドアをつけた三田線では転落ゼロというふうになっていますよね。このことからも、ホームさくがいかに転落防止に有効であるかということを示していると思うんです。また、投身自殺などの防止策にもなると思うんです。
 大江戸線では、なぜか確実に転落者がふえているんですけれども、この状況はどのように見ていますか。

○市川電車部長 大江戸線におけます転落者の増加の主たる原因は、酔客によるものでございます。これまで、転落者の多い起終点駅や折り返し駅に警備員の配置をしてきたところでございますが、各駅の状況を見ながら、今後ともその適正配置を検討してまいりたいと考えております。

○かち委員 大江戸線は、最新の技術を導入して、ハード面では対策をとってきた路線だというふうに思うんです。しかし、今お答えがあっても、やはり酔客だということをいわれますけれども、大江戸線だけに酔客が多いわけではないと思うんですね。
 そして、先ほど数が出されました四つの路線の中でも、昨年の利用客数は大体五十万から六十万、大江戸線も含めてですね。特に大江戸線にすごく利用者が多いということではないと思うんですね。延長割合からいえば、大江戸線が一番長いわけですから、平均すれば各駅の客数はまだ少ない方だというふうに思うんです。しかし転落者が多い。本当になぜだろうかというふうに思うんですね。
 私、大江戸線を利用したり、見たりしているんですけれども、大江戸線というのは全体が、シールド工法でやったのでコンパクトにできてますよね、電車も。ホームもそうなんですね。ホームも割合に狭くて、しかし一番下にあるということで、大変な重圧に耐えるための太い柱がぼんぼんとある。で、バリアフリーでエスカレーター、エレベーター、階段、そのほかに自動販売機や水道があるということで、大変ホームそのものが手狭になっている。こういうことも大きな要因になっているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そういう状況の中で、いかに転落者を出さないかということを真剣に考えていただきたいというふうに思うんですね。
 一昨年の新大久保駅での転落事故を発端にして、国土交通省としてもプラットホームでの安全対策、転落防止対策として、ホーム柵設置促進に関する検討会というのが設置されて、十三年から十四年にかけてガイドラインを作成するというふうに聞いております。この検討会ではどのようなことが検討され、ガイドラインはできたのでしょうか。できていなければ、いつごろの見通しになるのか、その辺をお聞かせください。

○齊藤経営企画室長 ホーム柵設置促進に関する検討会のお尋ねでございますけれども、この検討会は、国土交通省が鉄道に造詣の深い学識経験者の方々や鉄道事業者等に委嘱いたしまして、十三年九月から検討を始めてございます。
 検討の内容につきましては、非公開ということで、外部には出てございませんが、ガイドラインを作成するということでの検討をしているというふうに聞いてございます。その進捗状況ということでございますが、現在検討中であるということで、現在策定には至ってございません。

○かち委員 取りまとめに時間を要しているということですけれども、間もなく出るだろうというふうに思うんですね。
 プラットホームの安全確保のためにホームさくが必要だということは、国においても認識されるところまで来ています。ただ、技術的な問題とか、やはり費用の問題、そういうことも事実だとは思いますけれども、だからといって、いつまでも手をこまねいているわけにはいかない問題だと思います。
 今すぐできなくても、都の交通局として、公営企業局として調査検討するなり、何らかの対策をとるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○齊藤経営企画室長 ただいま、都としても何らかの検討をというお尋ねでございますけれども、交通局では、地下鉄事業に関係いたします各部がそれぞれ検討を行っているほか、必要に応じまして合同の検討を行ってございます。
 具体的な例といたしましては、営団千代田線綾瀬-北綾瀬間の調査であるとか、丸ノ内線の方南町の調査というようなことを実施してございます。
 国土交通省の検討会では、先ほど申しましたように、鉄道に造詣の深い専門家の方々も入りまして検討し、ガイドラインの作成の検討を進めているところでございますけれども、その専門家の皆様方が集まった検討でも大変時間を要している、こういうことだろうと思います。
 交通局といたしましては、この検討会の動向なども踏まえまして対応していきたいというふうに考えております。

○かち委員 国の動向を見てというふうなことではありましたけれども、やはり局内、交通局の中にぜひ検討委員会などを設けて、具体的な手だてをとる、対策をとる、調査をする、そういうことにぜひ足を踏み出していただきたいというふうに思います。
 最後に、バス事業についてお聞きします。
 資料によりますと、この五年間で多くのバス路線が短縮、廃止されていますけれども、その理由をお聞きします。

○遠藤バス路線再編成・事業活性化担当部長 バス事業におきましては、再開発や鉄道網の整備等、社会環境の変化に伴いまして乗客潮流も大きく変化することから、適時適切な運行形態の構築に向けまして、路線の新設や新たなバスサービスの提供を行う一方、廃止、短縮、経路変更など、路線の見直しを行っております。
 資料にございます路線の廃止、短縮の理由でございますけれども、バスと鉄道の役割分担の明確化という視点から、地下鉄等の鉄道整備に伴い乗客の減少が見込まれるものについて路線の見直しを行ったものが主なものでございますが、その他、乗客潮流の変化に伴い見直したものもございます。

○かち委員 確かに、大江戸線が開通すると同時に、多くの競合するバス路線が大幅に廃止されました。しかし、それでは困るという住民の運動や住民の声にこたえて、一部復活もされているわけですが、幾ら地下鉄ができても、高齢者や障害者にとっては利用しにくい点も数々あるんですね。交通弱者といわれる方々にとって、平面移動が確保されることが大変重要な課題だと思います。都民の移動の自由を保障するということは、公営企業的というか、収益的な考え方だけでは限界があるとは思います。
 昨年から、バス事業に関する規制が緩和され、自治体としても運行できるようになったわけですけれども、こうした状況の中で各自治体でコミュニティバスの運行が進み、住民から好評を得ていると聞いておりますけれども、自治体からの要望はどのようになっているのか、都の交通局としての取り組みはどのようになっているのでしょうか。

○鷲田自動車部長 お答えいたします。
 交通局におきましては、台東区、また江東区からの具体的な要望がございまして、平成十三年度から、台東区の委託を受けまして、浅草北部地域におきましてコミュニティバス「めぐりん」を運行しております。また江東区におきましては、十月二十日、本日からでございますが、三カ月間という試験的な運行でございますけれども、区からの委託によりましてコミュニティバスの運行を開始したところでございます。
 その他の自治体につきましては、杉並区、世田谷区、武蔵野市、西東京市、町田市等で民営バス事業者が運行していると承知しております。

○かち委員 多摩地域を中心に多数のミニバスが今普及しているようですけれども、二十三区の中でも、ことし、きょう試験開通の江東区を含め、世田谷、足立、杉並、江東、渋谷区で計七路線というふうになっているわけですね。交通局は、このうち二路線を対応するということですけれども、このように地域の需要に応じて小回りのきくコミュニティバスというのは、今後も要望がふえていくと思いますけれども、交通局として、このコミュニティバスの考え方はどうでしょうか。

○鷲田自動車部長 コミュニティバスにつきましては、基礎的な自治体でございます区市町村が、その必要性の有無につきまして検討し、導入を決定するものでございますけれども、交通局といたしましても、地元区等からコミュニティバスの運行要請等があった場合には、既設路線との整合性、需要動向や採算性等を考慮し、十分協議を行いまして対応いたしたいと考えております。

○かち委員 コミュニティバスというのは、必ずしも収益性のあるものばかりではないわけですね。各自治体においては、年間数千万円の支出になっているところもあると聞いております。しかし、住民の足を確保すること、高齢者などの自立と社会性を保持する上でも非常に重要な施策だということで、頑張っているところもあるわけです。
 コミュニティバス事業は、基本的に福祉の事業とのことですけれども、場所によっては境界線を挟むものもありますし、そういう意味では、広域行政としてバス事業に実績のある都の交通局が積極的にもっとかかわっていただきたいと思います。
 また、現在、福祉局高齢者部から補助金が出ているようですけれども、この事業はもっと福祉事業に位置づけて考えていく必要があるというふうに申し上げて、私の質問を終わります。

○大西委員 初めに、十三年に作成されました東京都交通局経営計画三カ年計画、チャレンジ二〇〇一なんですけれども、これは十五年までの計画ですが、平成十四年度終わったところでの総括はどのように考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。

○齊藤経営企画室長 交通局経営計画、チャレンジ二〇〇一の十四年度決算を踏まえた総括でございますけれども、事業計画につきましては、地下鉄駅のエレベーターの設置、ノンステップバスの導入、低公害バスの導入等、事業を着実に実施してございます。
 また、効率化計画につきましては、平成十二年度期末から平成十五年度期首までに条例定数を計画どおり四百人削減いたしました。
 さらに、財政収支計画でございますけれども、平成十四年度自動車事業、地下鉄事業ともに乗客数が計画を下回ったものの、人件費等のコスト縮減を図ることで、経常収支差額では、消費税込みの数字でございますが、自動車事業で十七億円、地下鉄事業で二百六十八億円の改善となってございます。

○大西委員 経営改革を見直すとなると、すぐコスト削減ということになってしまうんですけど、効率化計画の中で定数が四、五百人削減されますと、一方で安全が確保されるのかどうなのかということが心配になってくるわけですけれども、平成十二、十三、十四年度の決算において、投資額に占める安全対策の割合はどのように推移しているんでしょうか。

○木村総務部長 お答え申し上げます。
 安全対策につきまして、交通局ではこれまで、新宿線の自動列車制御装置の一斉更新ですとか、あるいは耐震補強対策、火災対策など、各種安全対策事業に取り組んでまいったところでございます。
 これら安全対策事業として行いました工事費の割合でございますが、平成十二年度から十四年度までの間は、おおむね構成比で見ますと約二割で推移しているという状況でございます。
 なお、火災対策につきましては、各年、二倍近く伸びているというのが現状でございます。

○大西委員 確かに、この三年間の中では、構成比率では二割を超えているけど、金額的には十二年度は三十九億一千万、そして次が十五億、そして二十一億と、数字には差があります。これは、この差はどういうことなのかということ。
 それから、他の民鉄などと比較して、この安全対策費の二割というものは、大体同じようなものなのかどうなのか、教えてください。

○木村総務部長 十二年度、十三年度、十四年度の安全対策の額の差でございますけれども、各年それぞれ同じような安全対策を行ってはおりませんので、それぞれの年度で項目、対策の中身が変わっておりますので、その辺の差が数字という形であらわれたものでございます。
 また、各民鉄の状況でございますけれども、安全対策費という形で整理された資料がちょっと手元にございませんので、申しわけございませんが、お答えを控えさせていただきます。

○大西委員 それでは、先ほどから話題になっております大江戸線について、私も聞いてみたいと思います。
 まず、地下鉄とかそういうものを営業しようということになったときに、国交省にその免許申請等、いろいろな手続があると聞いておりますが、開業に当たっての諸手続と、そしてそのとき出す資料というものはどういうものがあるのか、教えていただけますか。

○齊藤経営企画室長 鉄道を建設する場合でございますけれども、現在ですと国土交通省ですが、国土交通省に事業許可申請を出すことになります。
 ここで出す書類でございますけれども、事業収支見積書、建設費概算書、それから総金額等と資金収支見積書等々の書類が必要になります。
 また、この許可を受けた後でございますけれども、変更する場合には、またその都度、その変更する内容等の説明資料の提出が義務づけられてございます。

○大西委員 まず、免許を申請するときには、ある意味、需要の予測とか、そういうものを大枠、幅を持って申請していなければ、そこに許可がおりないんだろうなと、ちょっとそういうことが働くんですけれども、しかし、まずそこで許可がおりて工事を進めていく。そして、いよいよその開業に当たって料金を設定していくときに提出する書類の中に、そのときには本当に厳しく需要予測をしなきゃいけないということで、前回出したものと、それから今回出すものの数字の差というのがあるんだと思うんですね。それは、結果的にそういうこと、事業を行って、それを回収していくために運賃が設定されるということであるわけですから、当然なんですけれども、その差というのは、今回の大江戸線のことを考えたときには、妥当な幅であったのかどうなのか、教えてください。

○齊藤経営企画室長 ただいまのお尋ねでございますけれども、大江戸線の場合、環状部を東京都地下鉄建設株式会社が建設するということでございましたので、その会社が事業認可申請を行い、許可をとるときに収支を出してございます。
 また、その後につきましては、開業する直前、具体的にいいますと、平成十一年九月に再度、収支等の見積もりを出しているところでございます。
 国のほうでは、そのような書類等を審査いたしまして、現行、認可という形になって運営しているところでございます。

○大西委員 確かに大江戸線は、地図で見ますと、こういうふうにオタマジャクシ型といいますか、テニスのラケット型というか、こういうことで、その環状線の部分は地下鉄建設株式会社がやって申請したということと、それからこっちの柄の方は交通局が申請しながら管理しているということがあるんですけれども、すべてをトータルで考えなければいけない交通局として、このような手続を踏んで収支見積もり、三十年までの返還とか、そういうことで長期の収支見積もりがあったと思いますけれども、それから見て、今回いろいろ資料が出ておりますけれども、大枠でどのように見解を立てていらっしゃいますか。ほぼ収支見積もりのとおりにいっているのかどうなのかということを教えてください。

○齊藤経営企画室長 ただいまのお尋ねの件は、長期収支計画と、それに伴います各事業年度といいますか、その収支がどのようになっているのかという向きのお尋ねかと思います。
 この大江戸線につきましては、先ほど来いろいろ質疑の中でお答えさせていただいていますように、大変資本投下の額が大きいということから、経営が厳しい、収支見通しが厳しい、こういうことでございます。
 それで、現実的には、長期収支、大江戸線が最初、事業免許を取得するときは、四十九年八月に、先生、今ご質問になられました放射部の西新宿から、当時、申請時は高松町といっていました、今、光が丘でございますが、その間の免許を取ったということで、そのときの収支というのは、その後のバブル経済等々、いろいろな経過がありまして、具体的には、それと現在どうなのかというので、なかなか比較しにくい部分がございます。
 地下鉄経営の場合、一般的にモデルでいわれますのが、十年で単年度黒字、それからおおむね三十年ぐらいで累積欠損金の解消、これが一つのモデルでございますけれども、そのようなことに沿いまして、現行の収支の当てはめ方といたしましては、現在では交通局経営計画でございますけれども、十三年度から十五年度の計画、この計画に沿いまして、ある程度具体的に読めるといいますか、検証ができる数字をつくりまして、それに基づいて収支等を図っている、このようなことで現在やっているところでございます。

○大西委員 ちょっと、もとになる資料というものが、環状部と柄の部分とが分かれていたりして、いろいろこれまでにもお聞きしている中で、なかなか把握できない部分がたくさんあったわけですけれども、やはり、私、普通の都民として税金を払っている立場からすると、大枠どうなのか。最初に計画を立てようと、起こしたときの計画と、今のがどうなのかというのは非常に気になるところです。それは、もしすごい乖離があるとすれば、最初の計画段階で無理があったのか、はたまた経営努力でそれをカバーできる程度のものなのかということが非常に気になるんですけれども、その辺はいかがですか。

○齊藤経営企画室長 大江戸線の全線の経常収支でございますけれども、平成十三年度、三百四十七億円の赤字であったものが、平成十四年度では三百五億円の赤字ということで、赤字額は四十二億円縮小してございます。
 現在の考え方でございますけれども、地下鉄事業は、開業後しばらくは減価償却費や支払い利子の資本費負担が大きく、経営を圧迫します。その収支改善には長期間を要するということでございます。
 大江戸線の収支状況は大変厳しゅうございますけれども、今後とも増収増客対策を強化することによりまして、またより一層のコスト削減を行うことで、既に黒字になっております浅草線を含めた地下鉄四線合計で、全体で収支を図っていきたいというふうに考えております。

○大西委員 先ほどのご答弁の中にも、他の浅草線、三田線、新宿線、それは非常に黒字に転化しているのでということで、心強く思っているわけですけれども、そうすれば、また長期に見通しというものが必要だと常に私は考えるんですが、そういうものを転嫁しながら大江戸線の赤字を埋めていった場合、いつごろにその収支が均衡というんですか、赤字がなくなる路線になるのか、大体の目安でいいです。見通しを教えてください。

○齊藤経営企画室長 長期収支上、見ていくのがなかなか難しい面もございます。金利状況ですとか社会経済状況の変化等、なかなか予測がつきにくい時代でございますので、なかなか長期収支は立てにくいところもございます。しかしながら、地下鉄事業という大変息の長い事業をやっておりますので、当然、長期収支というものを物差しにしながら、短期、中期の事業運営をしていく。これは経営上当然のことだと思います。
 それで、現行上は、平成十六年度以降の事業運営の基本となります次期経営計画の中で、これは今、策定中でございますけれども、その中であわせて長期収支的なものを見直しを行っていきたいということでございます。具体的には、その数字を待ってということになりますが、今おおよそのということになりますと、地下鉄四線合計でおおむね十年程度で単年度黒字になるのではないか。で、単年度黒字になりますと、今度は累積欠損金をどんどん返していきますので、順次、収支改善といいますか、累積欠損金改善に向けて進んでいくというふうに考えてございます。

○大西委員 私も大江戸線はよく使うので、赤字、赤字といわれるとつらいところがあるんですけれども、公共交通と税金というところで見たときに、公営の公共交通については、公共交通として維持する必要があるのは当然なんですが、健全な経営が行われなければ都民の財政負担が大きくなるという面があります。日本には、民鉄などで健全な経営を行っている公共交通が多いことを十分に踏まえて、大江戸線の経営にも当たってほしいと思います。
 そして、現在、赤字経営が続いているのであるから、情報を積極的に開示して理解を得なければならないのは当然なんじゃないかなと思っております。建設の着手を決めた免許申請時の目論見書や、それからその他、節目の需要予測、そして収支計画書をやはり開示して、改善のための提案、意見を都民に求めるということも必要であると思います。私たちの望みは延々と続きますので、これからの厳しい財政状況を考えたときに、そういう開示というのはこれまで以上に必要になっていくんじゃないかなと思っております。よろしくお願いします。
 地下鉄が終わりまして、バス事業について伺います。
 JRのバスの飲酒運転を契機に、バスの事業者の管理体制とかそういうものがやはり気になっているんですけれども、これは交通局として、単にバスだけではなく、地下鉄その他すべてにかかると思うんですけれども、その辺のチェック体制と、何かそういう点での研修等は行っているのか伺いたいと思います。

○鷲田自動車部長 都営バスにおきます飲酒防止対策でございますけれども、交通局におきましては、飲酒運転防止のために、厳正な点呼はもとより、アルコール検知器を使用いたしまして酒気帯びの有無の確認を行っております。
 また、全乗務員に対しまして、研修及び面接等を通じまして、飲酒運転防止につきまして指導の徹底を図りましたほか、本局管理職及び職員によりまして点呼の立ち会い等、営業所に対する巡回点検を行っているところでございます。

○市川電車部長 地下鉄、それから都電関係について私の方からお答え申し上げます。
 出勤時に乗務員一人一人の当日の勤務内容や健康状態を確認するため、現在、対面点呼を的確に実施しているところでございます。特に、飲酒運転防止のため、乗務員に対しましては出勤点呼時に必要に応じてアルコール検知器を使用して、酒気帯びの有無を判定しているところでございます。
 次に、研修等の内容でございますけれども、乗務員に対する研修につきましては、平成十四年度、事故防止やお客様サービスあるいは飲酒等につきまして、全員を対象として研修してきたところでございます。今後ともこのような研修を実施するとともに、現在、職場内研修として管理所長あるいは区長等が講師となりまして、飲酒等のテーマごとにそれぞれ研修を行っているところでございます。

○大西委員 次に、先ほど、広告のこといろいろ出ていましたけれども、私の方から、ラッピングバス、非常にラッピングバスが効果があるということで期待されているわけですが、一方でラッピングバスの素材、これは塩ビだと聞いておりますし、その素材の使用後の処分について、どのようになっているのかということが気になります。そこで、その状況。
 それから、やはり将来、都営バスとして、環境に優しい素材の仕様の開発とか、それから、そういうものに変えていくとかいうことも、公共のバスであるならば求められるんじゃないかと思うんですが、その辺いかがでしょう。

○斎藤参事 撤去したラッピングフィルムでございますけれども、指定広告代理店が廃棄物の処理及び清掃に関する法律に定めます許可を受けた処理業者と契約いたしまして、適正処理するよう覚書を締結して指導しておりまして、廃棄物の運搬、処分後は、指定広告代理店に管理票、いわゆるマニフェストを作成させまして、実施状況を確認しております。
 それから、将来でございますけれども、より環境に優しい素材が開発された場合には、代替使用を検討してまいりたいというふうに考えております。

○大西委員 この十四年度の決算説明資料というものを読んでいましたら、一四ページに、東京電力株式会社配当金というので二十五億円入っていました。なぜここに東京電力の配当金が入っているのか、それから、ここに入っているのは妥当なのかと、ちょっと疑問に思ったので、その経緯等を説明してくださいますか。

○木村総務部長 まず、東京電力の株式を保有している経緯でございますが、昭和十七年の配電統制令施行によりまして、明治四十四年以来、経営してまいりました配電事業を関東配電株式会社に現物出資したところでございまして、その際の電気事業再編成令によりまして、昭和二十六年五月に、設立されておりました東京電力株式会社に引き継がれまして、今日に至っているというのがもともとの経緯でございます。
 それから、また、現状では自動車事業の所管ということで、交通事業会計で経理させていただいていると、そういう内容でございます。

○大西委員 大体年二十五億円、ここで確保できるということで、非常にバス事業にとって、これが大切な資金になっているということは承知なんですけれども、この二十五億円、配当金で二十五億円ですから、ある意味、株式、それを売買して得る利益というのは、計算するとどれぐらいになるのかなというのを思ったんですけど、それはどれくらいになるんですか、金額として、今の価格で。

○木村総務部長 現在、四千二百万株余を保有しておりまして、本日の午前相場で申し上げますと約二千三百五十五円のベースでございますので、単純に掛けますと約千五億円相当という計算となります。

○大西委員 このまま配当金で維持していくのと、その千五億円、きょうは二千三百五十五円ということで、格差はあると思うんですけど、処分して赤字へ入れていくのと、どっちがいいのかなというふうにちょっと思ってみたんですけれども、その辺はどういうふうに考えていらっしゃいますか。

○木村総務部長 現在、自動車事業の方にとりましても、この東京電力の株式配当金というのは安定的に確保できる貴重な収入源となっておりまして、現実、民営バス二百十円のところを、ほとんどの都営バスの均一区間では二百円と、民営よりも安いという状況で運営できているような貴重な資源でございますが、仮に、ただいまご指摘のような移管をしてはどうかということになりますと、これは一応、交通事業会計、高速電車事業会計、それぞれ会計が異なりますので、会計処理上、有償での所管がえということになりますので、ただいま申し上げました千五億円相当という膨大な金額を地下鉄事業で財源を準備するというのは極めて難しいと考えております。

○大西委員 一つの案としてお話しさせていただきました。
 一つ、よく営団地下鉄との一元化というのもいわれておりまして、本会議でも石原知事から、僕もそのようになってもいいんじゃないかという答えも出ていましたけれども、利用する方からすると、別々になっているというメリットというのがなかなか感じられないんです、利用者としましては。その辺はどういうふうに考えていらっしゃいますか。

○齊藤経営企画室長 サービス一元化についてのお尋ねでございますけれども、営団地下鉄とは昭和五十九年当時から、情報案内サービスの向上であるとか乗り継ぎサービスの向上に努めてきたところでございます。
 現時点では、さらにそれを発展させまして、お互いに連絡協議会というような形で、サービス一元化に向けた取り組みをやっているところでございますけれども、具体的な例といたしましては、サインの統一であるとか、東京フリー切符の発行も実現するとか、それから運賃面では、平成八年にSFカード、今のパスネットの前身になりますけれども、その営団と都営で共通化を図ったとか、それから乗り継ぎ割引も、大江戸線の開業いたしました平成十二年十二月には、従来の五十円割引を七十円割引に拡大し、また一日乗車券を、営団と一日千円で乗り放題、そのような具体的な運賃面での協議が調って実施して、お客様にはサービス改善という形で具体的なものとしてございます。

○大西委員 サービス改善といわれるんですが、東京に住んでいる方は、自分の行く場所が、どこが都営で、どこが営団かというのがわかるかもしれませんけれども、東京は国際都市でもありますし、それから上京してくる人たちも多い中で、なかなかこれは、地下鉄に乗ろうと思うときに、どっちというふうに迷うんですよね。そういう意味で、非常に何だか、私たち利用者にとっては不便でしかないという思いがあります。
 にもかかわらず、東京都は出資率が四六%で二百億ほど出資しています。そういう意味では、出資だけして、そのメリットが返ってこないなという思いが私は個人的に強いですし、ましてや営団がある意味、民営化の方向を探っているということであります。そういう意味では、チャンスではないかと思いますので、ぜひ今の知事の時代に、こういう国に対して物をいうことはいいかもしれませんので、その辺もぜひ考えていただきたいなと思います。
 あと、バリアフリー関連について、ちょっと二つほど確認しておきたいと思います。
 昨年も質問しましたけれども、だれでも、男性も女性も、それから高齢者の方、車いすの利用者の方も使えるという「だれでもトイレ」があります。これは平成十四年度には何カ所整備されたのか、また十五年度は何カ所整備する予定なのか、お聞かせください。

○北川建設工務部長 車いす使用者を初めとして、どなたでもご利用できる、いわゆる「だれでもトイレ」は、平成十四年度には六駅、六カ所設置し、同年度末に八十五駅に整備されて、八〇%の整備率となっております。平成十五年度には六駅、七カ所の「だれでもトイレ」を設置する予定でございます。この結果、九十一駅に整備され、整備率は八六%になります。

○大西委員 八六%、順調に取り組みが進んでいるんじゃないかと思います。
 もう一つ、人工肛門を使っていらっしゃる方たちへの対応ということで、オストメイト対応はどのようになっているのか教えてください。

○北川建設工務部長 平成十三年度以降に設置いたしました「だれでもトイレ」には、オストメイトのパウチ等が洗浄できる設備を設置してございます。また、これより以前、平成十二年度までに設置した「だれでもトイレ」についても、オストメイト対応設備の改修を行っておりまして、平成十四年度末で三十六駅に設置済みでございます。十五年度中には、四十五駅の既設のトイレの改修と、それから新たな七駅の「だれでもトイレ」の設置を行うことによりまして、都営管理駅八十八駅の「だれでもトイレ」すべてにオストメイト対応設備を設置する予定にしてございます。

○大西委員 ありがとうございました。
 何よりもやはり情報を開示して取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、終わります。

○矢島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○矢島委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
   午後三時二十九分散会

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