公営企業会計決算特別委員会第二分科会速記録第四号

平成十四年十月二十三日(水曜日)
第二委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十名
委員長石川 芳昭君
副委員長清水ひで子君
副委員長田代ひろし君
副委員長樋口ゆうこ君
新井美沙子君
東村 邦浩君
北城 貞治君
山田 忠昭君
河西のぶみ君
佐藤 裕彦君

 欠席委員 一名

 出席説明員
水道局局長飯嶋 宣雄君
次長野田 一雄君
総務部長甘利 鎭男君
職員部長東岡 創示君
経理部長松井 庸司君
営業部長中村 重利君
浄水部長本山 智啓君
給水部長御園 良彦君
建設部長松田 恵一君
参事鈴木 孝三君
参事伊藤  豊君
参事六車 一正君
多摩水道改革推進本部本部長鈴木 三夫君
調整部長二階堂信男君
施設部長田口  靖君
技術調整担当部長滝沢 優憲君

本日の会議に付した事件
 平成十三年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  水道局関係
  ・水道事業会計決算(質疑)
  ・工業用水道事業会計決算(質疑)

○石川委員長 ただいまから平成十三年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、水道局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都水道事業会計決算及び平成十三年度東京都工業用水道事業会計決算を一括して議題とします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○甘利総務部長 さきの分科会におきまして要求のありました資料を項目別に取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
 一ページをごらんいただきたいと存じます。水道需給計画の改定の経過と実績でございます。
 上の表は、水道需給計画の改定の経過につきまして、策定年月別にお示ししてございます。
 下の表は、一日最大配水量及び一日平均配水量の実績につきまして、昭和五十七年度から平成十三年度までの二十年間の推移をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。水源開発の計画概要と進捗状況でございます。
 水源開発は、利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画に基づき、国土交通省及び水資源開発公団等が行っております。現在は、利根川水系の四事業と荒川水系の一事業、合わせまして五事業を実施中でございます。
 水源開発は、長い年月を要する上に、水源地域対策の困難さなどにより、進捗もおくれがちでございますが、都としましては、水源施設の早期完成に向けた働きかけを従来から行っているところでございます。
 三ページをお開き願います。水源地域対策の仕組みと負担額でございます。
 水源地域対策には、公共工事における一般的な損失補償として、ダム本体の建設事業費に含まれる補償による措置と、地域振興を図るため、生活環境及び産業基盤等の整備を行う水源地域対策特別措置法による措置、及び水没関係者の生活再建推進のため、住宅や代替地の取得等を円滑に行う水源地域対策基金による措置の三つでございます。
 当局が負担した水源地域対策費につきまして、平成四年度から平成十三年度までの十年間の推移をお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。浄水所等の無人化施設でございます。
 有人施設から遠方監視制御している無人の浄水所、給配水所、ポンプ所を区部と多摩地区とに区分してお示ししてございます。無人化施設は、区部二十二カ所、多摩地区百八十八カ所で、全体で二百十カ所となっております。
 五ページをお開き願います。高度浄水施設の概要と事業費でございます。
 都民の皆様に、より安全でおいしい水を供給していくため、利根川水系の浄水場に高度浄水施設を順次整備しております。既に施設が稼働している金町浄水場、三郷浄水場に引き続き、現在、朝霞浄水場と三園浄水場におきまして、工事を進めているところでございます。
 それぞれの浄水場における高度浄水施設の整備状況としまして、導入規模、通水時期、処理方式、事業費をお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。漏水防止対策の概要と漏水の状況でございます。
 漏水防止対策の内容を体系的にまとめたものをお示ししてございます。漏水防止対策は、漏水を発見、修理する即応的対策と、配水管等の材質改善等を行う予防的対策及び技術開発とにより推進しております。
 漏水の状況につきましては、平成九年度から十三年度までの五年間の漏水量、漏水率及び漏水修理件数の推移をお示ししてございます。
 七ページをお開き願います。平成十三年度における応急給水施設の整備状況でございます。
 震災時にも可能な限り給水を確保するため、都の震災対策事業の一環として、応急給水槽の施設整備を実施しております。平成十三年度は、小規模応急給水槽二基を整備いたしました。
 それぞれの施設の場所、仕様、事業費につきましては上段の表に、また、整備場所を下段にお示ししてございます。
 八ページをお開き願います。事務委託解消に向けた取り組み状況でございます。
 多摩地区における都の水道事業につきましては、都が市町域を越える施設の建設及び維持管理などを行い、統合二十五市町は都からの事務委託により、個別に料金徴収や小規模施設の建設及び維持管理などを実施しております。
 現行の事務委託のもとでは、お客様サービスの向上などを図る上で限界が生じているため、事務委託の解消を主な内容とする経営改善を推進することといたしました。
 現在、移行計画策定に向けた市町との協議を開始するとともに、今後の業務移行に伴う業務量及び職員数の推移等について調査を行っております。今後、これらを踏まえまして、平成十四年度末をめどに移行計画を策定していく予定でございます。
 九ページをお開き願います。東京水道新世紀構想-STEP21-の概要でございます。
 新たな世紀を支える水道を構築するため、平成九年五月に策定したもので、おおむね四半世紀の間に行っていく施策の方向を示した基本構想として、今後の水道施設整備の指針となるものでございます。この構想では、東京水道が将来にわたって、使用者にとって安心できる水道であり続けることを基本目標とし、その実現に向けた施設整備の基本構想として、安定した水源の確保など五つの施策を展開していくことで、将来の東京水道を構築していくこととしております。
 一〇ページをお開き願います。水道事業経営プラン二〇〇〇の概要でございます。
 新しい世紀にふさわしい水道サービスを提供していくため、平成十二年度から平成十五年度までの経営計画として策定したものでございます。基本方針及び五つの主要施策と四カ年の財政収支計画をお示ししてございます。経営効率の一層の向上を図るとともに、最大限の企業努力を行うことにより、大幅な社会変動のない限り、平成六年に改定した現行の料金水準を維持した上で、平成十五年度末において財政収支を均衡させる計画でございます。
 一一ページをお開き願います。引当金の計上基準と算定基準でございます。
 引当金につきましては、退職給与引当金、修繕引当金、新規水源開発引当金を設定いたしまして、費用の平準化を図っております。これらの引当金につきましては、引き当て、または取り崩しに係る計上基準と算定方法をお示ししてございます。
 以上をもちまして、大変簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

○石川委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田代委員 それでは、水道局関係について何点かお尋ねいたします。
 いうまでもなく水道というのは、我々都民、東京都で生活を送っている人、あるいは昼間で事業のために東京で働いている人たち、こういう都市活動、都市の中で生活している人たちにとっても一番重要なインフラの一つであることは間違いない。しかもライフラインであるわけです。しかし、そういう中で、我々今現在、水道の蛇口をひねればすぐ水が出てきて、ごく当たり前のような、こういう水道の大切さを、ともすると忘れがちであるということをずっといわれているんです。
 しかし、一歩立場を変えて物を見てみますと、世界じゅうどこでも今、水飢饉というのは大変大きな問題なんですね。何度も何度も国連で報告されていますように、中でも開発途上国、発展途上国といわれるところでは、毎年約一千万人の人が、水質が悪化しているために、それがもとで死亡してしまう。いわゆる不衛生な水によって命を落とすということが現実に、日本じゃ到底考えられないことがごく当たり前に起きている。こういうことを知らないで、日本人、我々は、水はごく当たり前のものとして今扱っているわけです。
 しかし、逆にいえば、それだけ安全なこの東京都の水というものを、我が党だけではなく、各党各会派の先生方の今までの努力と行政との力が合わさって、今の安全なきちっと安定供給されている東京都の水道というのができているわけですけど、しかし、やはりそれには事業運営に予算もかかる。今の時代のことを考えますと、水道財政をむだのないように経営効率を上げていくということが非常に大切であって、安全な水は供給してほしい、しかし、むだ遣いはしてほしくないという、非常に相入れない両面かもしれませんけど、これを行政の努力で遂行していただかなくてはならないわけです。
 まず第一に、水道局では、平成十二年度から十五年度までを計画期間として水道事業経営プランというのを策定していますけれども、まず、このプランというのはどのような考え方に立って策定したのか、わかりやすく簡単にこの点を改めて伺いたいと思います。

○甘利総務部長 プランの策定の考え方でございますけれども、長引く景気の低迷などによりまして、料金収入が伸び悩む中、施設水準の向上を初め、社会経済状況の変化や都民ニーズの多様化にも的確に対応していく必要がございます。水道事業を取り巻く環境は厳しい状況にございます。こうした中におきましても、量はもとより質の高い水道サービスを提供するとともに、財政の安定化を図っていくため、平成十二年一月、水道事業経営プランを策定いたしました。
 この経営プランでは、施設整備事業の推進に加えて、新しい事業経営システムや環境施策を導入するなど、必要な事業を着実に実施するとともに、経営効率の一層の向上や最大限の企業努力により、平成十五年度まで通算で十年間、現行の料金水準を維持することといたしました。

○田代委員 今までは、ともすると予算ばかりがとはいいませんけれども、意外と予算の方に重点が置かれていろいろ物事を考えてきたわけですけど、やはり最近では、目標がちゃんと達成されたかされないかということも、同じく大切であるということもいわれているわけです。特にこの十三年度決算、このプランの二年間の実績が積み重ねられてきているわけですけども、そこで一種の折り返し点とか節目に、折り目になるわけですけども、量はもとより質の高いサービスの提供と今お答えいただきましたが、水道施設の整備について具体的に、十五年度の結果がどうだということではなくて、今現在どこまで、どういうふうに結果が出ているのか。目標に対するその実績も含めてお答えをいただきたいと思います。

○甘利総務部長 主要施設の整備事業についてでございますが、事業の内容面につきましては、八ツ場ダムなど新規水源確保のための分担金支出、朝霞浄水場における高度浄水施設の整備、山口貯水池の堤体強化、経年管の取りかえ、給水所の整備事業などを行いました。計画を上回る規模で実施したものを含めまして、着実に整備したところでございます。
 一方、金額面では、平成十三年度における予算額は約九百五十億円でございますが、新技術の導入など工事コストの縮減に努めた結果、決算額では九百億円、率として九五%と効率的な予算執行が図られたものと考えております。

○田代委員 九百五十億、決算が九百億、これが安い高いはいろんな見方があると思うんですね。昔ですと、執行率というのは一〇〇%に近い方がいいと、こんなばかげた話はないんで、やはり今お話があったように、いろんな経営努力があって、中身が同じであれば、あるいは中身がより以上いいものであれば、執行率は低ければ低いほどいい。こんなことは子どもでもわかることで、これはこの何年間か、いろんな委員会でもいわれていることですけれども、水道局もそれなりの努力はなさってくださったわけですよね。執行率というよりも、実行率がどのぐらいであるかということが一番問題なわけですから、実行率が一〇〇%で執行率が九五%であれば、これはもう問題がないというわけです。
 この費用については、後ほどもう一回申し上げますけども、高い安いというのは何を物差しとしていうのか。一面だけを見て、ただただお金がかかっている、かかっているというんであれば、逆にいえば、さっき申し上げたように、一千万人以上の人が供給される、公的な水によって命を落とすという、もう取り返しのつかないような状況があるものも踏まえて考えた場合に、どこまで安くしていけばいいのかというときに、でき得る限りの中でやっていかなくちゃいけないんであって、その値段がどうであるかということは、やはり費用対効果をもうちょっと詳しく、説明がだれにでもわかるような形で、よくいうアカウンタビリティーが必要だとは思うんです。
 この値段について安い高いということは後ほどにして、やはり安定給水を確保していくためには、必要な事業というのはどんどん進めていっていただかなくちゃならないわけですけども、この施設整備の内容についてちょっと踏み込んで話を伺いたいんです。
 まず、水源の確保ということですけど、ダムの開発が議論の対象としてしばしば取り上げられておりますけども、たしか僕が覚えているのは平成六年ごろだと思いますけど、あの記録的な猛暑によって日本じゅうが水不足、列島渇水といわれたニュースで、我々子どものときは随分あったんですけど、最近は余り見なかったんで、余計そういうふうにイメージ的に覚えているんですけども、九州や四国では大変影響がひどかった。飲食業だけではなくて、その他のあらゆる産業が非常に大きなダメージを受けたというニュースがあったんですけども、こういうことが東京にあってはとんでもない話で、九州ならいいんだ、四国ならいいんだということじゃないですよ。ただ、全体に及ぼすダメージの強さがでか過ぎるんで、もとに戻るのに必要以上に何かまたむだなお金が使われては困るわけですから。
 そこで、来年どうなる、再来年どうなるなんていうことをいったって、これは仕方がないんですけど、絶対あり得ないことであるのかないのかがまず一つですよね。絶対あり得ないことであれば、こんなことを心配する必要はない。ただ、あり得ることであれば、東京でこういう断水が、長時間にわたる取水制限が行われたりしたときにはどのような影響が予測されるのか、わかる限りでお話しいただきたい。逆に何もあり得ない、二度と渇水、断水は東京じゃないんだということであれば、これはお答えいただかなくて構いません。

○鈴木参事 断水が起きた場合の影響でございますが、東京都で大規模な断水が発生しますと、例えば家庭では入浴や洗濯はもとより、トイレの使用にも支障を来すなど不便な生活を余儀なくされることになります。また、このような状況が長期にわたる場合には、衛生状態も含め深刻な事態になることが考えられます。また、都市活動の面では、工場や飲食店等で営業時間の短縮や営業停止を余儀なくされ、さらには水冷式の空調設備が停止するとともに、冷却設備の停止に伴いコンピューターが機能障害を起こす可能性があるなど、社会経済活動にはかり知れない影響が及ぶものと考えられます。
 具体的な例といたしましては、昭和五十三年の福岡渇水では、最も厳しいときで一日五時間しか給水できない、こういう事態となりまして、水を使用しない学校給食の実施ですとか、飲食店の営業活動の短縮、大学の休校などが行われますとともに、水のある他の地域に一時的に移転する渇水疎開が行われた事例がございます。また、平成六年の列島渇水では、西日本を中心に断水の影響を受けまして、病院では透析時間の繰り上げ、飲食店では営業時間の短縮、休業が行われましたし、工場では操業停止や冷却水の輸入を行ったようなところもございました。

○田代委員 一番最初にお答えいただきたかったのは、渇水が、いわゆる断水が起きるのか起きないのかということなんですね。これは八日のときにまた詳しくその話は聞きたいと思いますけども、例えば九州でどういう対応をしたとか、今までの事例の中で行政体が受け取ることができた心構えというんですかね、こういう原因で、こういう結果ができてしまって、こうすればよかったというような学ぶべき点というものは多々あったと思うんですね。そういうものと今、東京が置かれている状況とを兼ね合わせて、何割ぐらいこうであれば、この確率があるということがはっきり読めてなくちゃならないわけですから、それは今度データを出していただいて、来年の何月からこのぐらいの降雨率であれば、このぐらいの確率があるんだ。降雨率がこうなる理由は、世界的な温暖化を含めて最近の情勢ではこうなっているんだ。例えば、ヨーロッパのあの大雨のように全く予測できないことも当然あるわけですから、そういうようなプラスアルファのことも考えて、どのぐらいこういう可能性があるということと同時に、今までそれぞれの地域で、各行政体で断水になったり、あるいは取水制限になったときに、何のためにどうしてこうなって、そしてそれはどうすればよかったかという知恵があるはずなんですね。
 その知恵を--僕はよく水の問題で申し上げるのは、手術用の水と飲料水というのは神戸のときに非常に大問題になって、水は届いたんだけど、我々が手を出していいかどうか、それは行政体が二つ違うんで、手術用の水であるか飲料水であるか、全くふいにされたために水がだめになっちゃったということがあったんですよ、あのときに。みんなうちの医師会は、向こうの救急隊で入ったんですけど、目の前に患者さんがいて手術をしたって、水があるんだけど、どっちが管轄だかわからないから、ひねれないわけですよね。
 だから、そういうものが、じゃ、次にどうすればいいかという、その知恵があるはずなんですよ、それぞれの行政体で。それとのネットワークをつくって、あなたのところはどうでした、そこはどうでした、なぜそうなったんですかというようなことをきちっとデータとして東京都は持っているべきだと思うんですね。それがなければ、幾ら計画を立てたいといっても、今までの昔のままの考え方と、今の断水、渇水とは違うはずですから。それは八日にしますけども、それはよくしっかり考えておいてください。それが一番基本だと思います。
 じゃ、今、東京の水源というのはどんなレベルになっているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。それから水源の確保というのは、どういう考え方に皆さんが立っているかということも、あわせて教えていただきたいと思います。

○鈴木参事 水源の確保でございますが、首都東京の都市生活や都市活動に欠かすことのできないものでございますので、長期的な視点に立ちまして、必要な対策を講じていくことが重要だというふうに考えております。
 現在、東京都は日量六百二十三万立方メートルの水源を有してございますが、この中には安定した取水に問題がございます課題を抱える水源が日量八十二万立方メートル含まれてございます。
 また、一般的に水源開発は、十年に一回程度の割合で発生します規模の渇水に対応できることを目標に計画されていますが、都の水源の約八割を占めます利根川水系では、五年に一回程度の割合で発生する規模の渇水に対応できる安全度にすぎませんで、他の水系に比べまして、利水安全度が低い状況にございます。現在もなお計画中のダムが完成していないことから、まだ計画上の利水安全度に達していない状況にあります。さらに、最近では、少雨傾向の影響もございまして、利根川水系では二年から三年に一回程度の割合で渇水が発生しております。
 こうしたことから、東京都では渇水に強い都市づくりを目指しまして、引き続きダム等の水源開発の促進による安定した水源の確保に努めますとともに、節水意識の向上や水の有効利用の促進など、節水型社会の実現に向けた施策についても積極的に実施をいたしまして、安定給水の確保に向けて総合的な取り組みを推進してまいります。

○田代委員 今でも安全度の低い状況と考えるべきで、引き続きその水源確保について全力を挙げて取り組んでいただきたいわけですけども、ダム開発あるいは水源の確保というものは、まず第一にというか、それしかないと思うんですけど、環境の問題ですね。環境をちゃんと配慮して進めていくということが大切でありまして、ともすると偏った意見、どこの会派とは申し上げませんけども、ただ税金のむだ遣いだ、もったいないと、いつまでをもったいないと見るのか、どれだけのスパンをもったいないと見るのかということが大切であって、十年後、二十年後、三十年後のときを考えて、ちゃんと費用対効果が見えていれば、それは構わないわけです、幾ら高くてもいいんですよ、そんなこと国民、都民、文句いわないです。それが、理屈が通るものであれば。
 ところが、一たん環境汚染を起こしてしまうと、それを戻すには、我々の今の持っている方程式では、なかなかその改善を望むことができないような広範囲な影響が出てきてしまうことがあるんで、環境というものに対しては徹底的に配慮をしていただいて、そのかわり予算というものは、先ほど申し上げましたように、水というのは本当にライフラインですから、これに対して高い安いというのはよっぽど責任を持った数値を挙げて高いといわなくてはならないんで、かといってむだ遣いしていいというわけじゃ全くないですよ。むだ遣いはびた一文してほしくないけども、きちっとした考え方のもとで水源を確保していくということは、雑音には煩わされないようにして、対応はきちっとやっていただきたい。ただ、何回も申し上げますけど、むだ遣いをしていただきたくない。
 その中で、むだ遣いというわけじゃないんですけども、やっぱり漏水というのは非常に大きな問題でして、ただただ幾つも幾つもダムをつくればいいとか、何か水源を確保すればいいというだけではなくて、最小限の開発で済んで最大限の効果を上げるためには、やはり漏水というものをきちっと対応していかなくてはならない。これは物理的なものですから、絶対に漏水をゼロというわけにはいきませんね、当然。そんなことはあり得ない。ただ、なるべくそれをゼロに近くしていかなくちゃならない。漏水をきちっと、くみ上げてくるところも必要だけど、渡すときにむだがないように、ロスのないようにしていくということで、漏水の防止としてどのような対策を立てて今取り組んでいらっしゃるのか。
 それから、今現在の漏水率というんですかね、どれだけむだにしているか。むだといったら、最低限のものはむだにはならないかもしれませんけど、それが十年前、二十年前、どのぐらい具体的に変化してきたのか。また、将来としては、東京都としてはここまでが実行でき得る我々の目標なんですという、その目標値みたいなものがあれば、お伺いをさせていただきたいです。

○御園給水部長 漏水防止に関してでございますけれども、漏水防止対策は即応的対策と予防的対策の二つの大きな柱で実施をしております。
 即応的対策につきましては、漏水箇所を早期に発見して修理するものでございまして、地上に流出いたしました漏水は即日修理をしております。また、地下に潜在している漏水につきましては、計画的に調査を実施いたしまして、積極的に発見に努め、修理をしているところでございます。
 また、予防的対策でございますが、漏水の発見を未然に防止するため、漏水の原因となります経年配水管のダクタイル管への取りかえ、あるいは鉛製給水管のステンレス鋼管への取りかえを計画的に実施するものでございます。これらの施策の結果、平成十三年度末のダクタイル化率は九六%、ステンレス化率は九五%となっております。
 このような対策の推進によりまして、漏水率は二十年前の昭和五十六年度は一五・二%でございました。それが十年前の平成三年度は一〇・六%、そして平成十三年度には六・四%と着実に減少しております。
 将来の漏水率の目標についてでございますけれども、平成十二年度に策定いたしました東京構想二〇〇〇でお示ししておりますとおり、五%を目標に漏水防止対策を進めてまいります。

○田代委員 一五%から六%、かなりむだがなくなって、それなりの努力はなさっていらっしゃるんでしょう。その目標が、例えばゼロ%ですとか、一%ですというんであれば、また別ですけども、これは現実にはできないことで、五%ということであれば、ある意味ではほぼ今までのやり方をしっかりつなげてくることによって、いわゆる古くなった配水管や給水管などを予防的に取りかえていくという今までのやり方で効率を上げてきたわけですね。そこまで来ると、いよいよ将来の目標の五%台も見えてきたわけですから、そこで、今後の漏水対策というのも全く今までと同じパターンでいいのか。いいんであれば、どういう理由であるか。
 そろそろこういう考え方に変えていかなくちゃいけないという新しい考え方も当然あるはずなんですね。僕の方から申し上げることはしませんけども、そちらの方で何かお考えのことがあれば、こういう新しい取り組みをしたいということがあれば、教えていただきたいと思います。

○御園給水部長 漏水防止の実施上の課題といたしましては、今、先生のお話もございましたように、予防的対策はかなり進んできておりまして、今後は即応的対策が中心になってまいりますけれども、漏水率が低下している状況を踏まえまして、作業方法の簡素化やアウトソーシングを含めた執行体制の見直しについて検討するとともに、漏水発見器等の技術開発も継続的に行いまして、費用対効果を十分考慮いたしまして、より効率的で効果的な施策体系を確立してまいります。
 また、現在使用しておりますダクタイル鋳鉄管は、昭和三十年代後半から採用したものでございますが、採用当初のものにつきましては経年劣化の状況を調査中でございまして、その結果を踏まえまして、効果的な取りかえ方法について検討をしてまいります。
 いずれにいたしましても、漏水防止は貴重な水資源の有効利用のみならず、漏水に起因する二次災害の防止、管路の耐震性の向上、管内水質の保全など複合的な効果も大きいことから、局の主要施策の一つとして位置づけ、今後も着実に実施してまいります。

○田代委員 漏水の防止というものを一生懸命取り組んでいただきたいと思いますけども、ミネラルウオーターについてちょっと一言申し上げて、ご意見を伺いたいのですけど。
 ミネラルウオーター、今、随分はやっていて、便利で、それからミネラルといったネーミングも健康志向というのも手伝って随分普及しているわけですけども、実際どのぐらい飲まれているかというと、ミネラルウォーター協会というのがあるんですけど、この協会が発表した資料によると、日本で出荷された量というのは、国産品と輸入品を合わせて年間約十二億リットルというわけですね。国民一人当たりに計算すると、単純平均では年間十リットル、たった十リットル。よく最近、脱インシュリンダイエットなんていうのがあって、そこで一日二リットル飲みましょうなんて盛んに我々も病院で話をしているんですけども、そうすると五日分でしかないわけですね。意外と少ない、随分はやっているようだけど、大変少ない。
 このボトルというのは使い捨てなんで、いろいろな環境問題もたくさん出てくる。しかし、ほかの国ではいろんな問題があるから、やむを得ず飲むというところもあるんですけど、日本はそんなことないわけですね。どこの水道をひねって飲んでも問題がない。ですけども、よく高度浄水はもうミネラルウオーターに任せて、普通のそれほど高度の浄水をしていないものでいいじゃないかという意見がときどき、わけのわからない意見が出てくるんですけども、ミネラルウオーターというのは大体一リットルが、高いところ安いところ見て百二十円から百五十円ぐらい、もうちょっと高いのもありますけどあるわけです。水道水というのは一トン二百円ですから、大体千倍以上の開きがあるわけですね。
 よくテレビなんかを見ていますと、五分放置しておけばミネラルウオーターと同じ味になりますとか、何かちょっと器械つけると、ミネラルウオーターよりおいしいなんて、これはどこまで本当だかわかりませんけど、少なくとも水道水飲んであたっちゃったというのはない。ミネラルウオーターでちょっとときどき問題になることがあるわけですけども。そうすると、今、生活のレベルが非常に経済的な破綻を来して難しくなっているときに、安い、そして安全な水が飲めないと大問題なわけですから、また、高齢化社会になってどこでもここでもお年寄りが二人しかいらっしゃらないところで、ミネラルウオーターで生活するなんていうことはあり得ない、不可能なことなわけですね。
 そういうことを考えて、水道というこのインフラは、高度浄水した水というものを都民全体、全員に公平に配らせていただくということが大変重要なことなわけです。そうすると、この水道事業を進めていく上で、そういうことを含めて都民の方々に水道の水の重要性みたいなもの、確かにいつも努力なさって、広報はなさっていらっしゃるんですけど、やはりさっき申し上げました説明責任というものをしっかり持って、それから枝葉末節な重箱の隅をつつくような意見が出てくるのも、皆さん方がきちっとした説明責任を果たしていないというところもあるんですよ。いかに自分たちがこういう努力を、この目的でこういうふうにやっているということをわかりやすく議会側にも説明されれば、そういうことを突っ込まれることもないわけですから、そういうものに向けてどのようにこういうお金を、いわゆる予算を使っている、投資に対する客観的な評価というのはどのように考えているのか。また、内部努力などに対してどのように具体的に取り組んでいるのかを教えていただきたいと思うんです。

○甘利総務部長 水道局では投資を含めました事務事業につきまして、総合的、客観的な評価を行うため、平成十三年十月、事業評価制度を導入いたしました。この評価制度に基づきまして、水道事業経営プランに掲げた施策の達成状況等を評価し、評価結果についてはホームページ等によりまして、広く公表しております。
 水道事業を安定的に運営していくためには、都民の理解を得ていくことが不可欠であり、今後ともこのご指摘の点を踏まえまして、都民への説明責任を果たすべく一層努力してまいります。
 一方、内部努力につきましては、経営プランの企業努力計画の着実な実施に努め、平成十三年度におきましても、職員定数を二百人削減したほか、諸経費の節減に努めるなど、いずれも計画を上回る厳しい企業努力を実施してまいりました。

○田代委員 これが最後になりますけども、いわゆるBSEですね、狂牛病問題、あるいは食品の表示の偽装事件など、口に入る物の安全というものが今、社会問題で非常に大きくなっているわけです。それからアメリカなんかでは、大企業の粉飾決算なんかでも、公共的な会社の倫理性というものが強く問われているわけです。
 こういう状況が続いている中で、やはり都民全体が社会全般に対して何となく漠然と持っている不安感というものをぬぐい去っていかなくちゃならないわけですけども、水道局は今までお話を伺ったように、きちっとそれなりの努力はして、安全な水の供給というものを続けていらっしゃるんでしょうけど、やはりこれは今からも続けていかなくてはならない。今までこうだったからよかったというわけじゃない、今からの安全性もさらに求められていくわけですから、ということが一つ。
 それから、一方では、この水道事業というのは独立採算を原則とする地方公営企業ですから、必要な事業経費というものは、しかも、これはもともと都民が負担する水道料金であがなわれているわけでありまして、非常に公共性の高い事業ですから、そこを頭に入れながら、しかも経済性を追求していかなくてはならない。このような認識の上で、水道事業経営の基本姿勢について、改めて最後にお伺いしたいと思います。

○飯嶋水道局長 水道事業は、都民生活や都市活動を支える重要なライフラインでございまして、ご指摘のとおり、水源の確保や高度浄水の導入などの総合的な施策を実施していくことが求められております。一方で、地方公営企業として常に経済性を発揮した事業運営を行っていく必要もございます。このため、水道事業経営プランに基づき、必要な事業を着実に推進いたしますとともに、工事コストの縮減や資産の有効活用などの不断の経営努力はもとより、四年間で五百人の職員定数の削減など徹底した内部努力にも取り組んでおります。
 今後とも、都民の皆様に安心して水道を使っていただくため、効率的な経営のもと、水道事業の基本使命である安全でおいしい水の安定的な供給に向けまして、全力を挙げて取り組んでまいります。

○田代委員 わかりました。今お話しありましたように、安全でおいしい水、しかもそれを安く早急に運ぶ、それはとても重要なことですけど、それに対してどういう取り組みをしていって、いわゆる世界的な規模、レベルでいくと、日本がどのぐらいにあって、東京都がどのぐらいにある、こういうことも都民としては知る権利を持っているわけですから、先ほど申し上げました説明責任が非常に果たされていないんですね、行政としては。だから、わからないことを質問しちゃう議員も出てきちゃうし、そこで意見がまた食い違ってきてしまう。
 一番わかりやすいのは、インフォームド・コンセントという、医者の世界の中で、医者が全く、我々が何一つ説明しないものですから、患者さんは不満やる方ない、不満の中で医療を受けるしかなくなっちゃう。しかし、こういうことは当然見ていておかしいことであって、改めなくちゃならないことですから、行政としてもそのアカウンタビリティーというものをしっかりと実行していただいて、説明したからいいんじゃなくて、相手が納得しなくちゃならぬわけですね。説明と同意ですから、そこをしっかり踏まえていただいて、さらに安全で安くておいしい水をいつでも安定的に供給していただきたいということを申し上げまして、終わります。

○樋口委員 水道局の十三年度公営企業決算について、ご質問をさせていただきます。
 水道事業経営プラン二〇〇〇に基づき、質の高い水道サービスの提供と財政の安定を目指していくというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、水道事業経営プラン二〇〇〇に挙げられた五つの主要施策の中に、施設整備事業としての安全でおいしい水の供給という項目がありますが、その中の安全性、つまり水の品質関係を中心に質疑をさせていただきます。
 朝霞浄水場高度浄水施設オゾン処理場について、お伺いをさせていただきます。オゾン処理によってどのような効果があるんでしょうか。

○本山浄水部長 オゾンは強力な酸化力を持っておりまして、有機物の分解にすぐれた能力を有しております。オゾン処理は、オゾンのこの特性を利用いたしまして、水中の臭気原因物質等の有機物を分解するものでございます。具体的な効果といたしましては、トリハロメタン生成能の低減、カビ臭原因物質の除去、あるいは陰イオン界面活性剤の低減等が挙げられます。

○樋口委員 浄水場高度浄水処理にどのくらいの経費がかかったんでしょうか。

○本山浄水部長 朝霞浄水場におきましては、オゾン処理を含みまして、高度浄水処理施設全体の事業費といたしまして、四百五十億円を見込んでおります。

○樋口委員 オゾン処理法によっては塩素臭やカビ臭さ、いわゆるお水を飲んだときにぷうんとにおう、そのにおいを消すことになるんですけれども、オゾンそのものが呼吸器系に毒性や、また発がん性を持つという研究がされておりますけれども、そういった心配はないんでしょうか。

○本山浄水部長 オゾン処理した水に残留するオゾンでございますが、後段に設置いたしました生物活性炭吸着池で除去されまして、水道水には残留いたしません。

○樋口委員 オゾン処理を行うことで、ホルムアルデヒドなどの有機炭素化合物が増加してしまいます。それでもオゾン処理というのは大切なんでございましょうか。

○本山浄水部長 オゾンは、臭気原因物質等の分解に大変大きな効果を発揮するものでございます。オゾン処理によりホルムアルデヒドなどが増加いたしますが、後段に設置された生物活性炭吸着池内での活性炭で除去されますので、浄水にはほとんど含まれません。

○樋口委員 確かにオゾン処理後、生物活性炭吸着池内の二・五メートルの活性炭層を通るわけなんですから、活性炭素は吸着剤であります。しかし、ある一定量が通るならば、劣化を起こしてしまいます。活性炭を長期間使用しておりますと、活性炭の吸着力というんでしょうか、それがなくなってしまうということなんですけれども、それをどのように管理していっているんでしょうか。管理体制は万全なんでしょうか、お示しください。

○本山浄水部長 活性炭による処理前と処理後の水につきまして有機物質の指標となります紫外線吸光度等を連続測定し、活性炭の吸着能力を監視しております。吸着能力が劣化した時点で活性炭の再生、もしくは新しい活性炭に取りかえることで、活性炭の処理効果が得られるように万全の管理をいたしております。

○樋口委員 高度浄水処理によって水が、処理段階で分解生物ができてしまい、それをまたいかに安全な水をつくり直すかということが大切だと思います。水の安全性について、鉛管について次は質問をさせていただきます。
 鉛というのは比較的安価でありまして、そしてやわらかいということで、加工が容易な給水管として鉛管が明治三十一年から使用されていました。重金属の有害性が指摘される中で、特に鉛は鉛害という言葉が現存するほど極めて危険性の高い毒物だと認識されています。日本の鉛の水準規定については、現在、〇・〇五ミリグラム・パー・リットルですが、来年の四月より〇・〇一ミリグラム・パー・リットルと強化されると聞きましたが、現在、指摘されている鉛の健康への影響はないのでしょうか。
 また、現在の水質基準、それは〇・〇五ミリグラム・パー・リットルでありますけれども、平成十五年四月から〇・〇一に強化されることによって、この値というのは、要するに来年度からの値というのはWHO飲料水水質ガイドライン、また、アメリカの環境保護局、EPAの基準と比較してどのようなんでしょうか。教えてください。

○本山浄水部長 鉛は蓄積性がありまして、中枢神経系に影響し、乳幼児や妊婦等で感受性が高いといわれております。そのようなことから、WHOでは、一日に〇・七五リットルの人工栄養による体重五キログラムの乳幼児でも蓄積されないレベルとして、〇・〇一ミリグラム・パー・リットルがガイドライン値として設定されております。日本の水質基準値は、WHOガイドライン値と同じ値でございます。
 また、EPAの鉛の基準は、アクションレベルといたしまして、〇・〇一五ミリグラム・パー・リットルと定められております。

○樋口委員 鉛というのは、そもそも蓄積性があるということが非常に問題なんですよね。今、特にいろんな研究によって脳の影響、IQだとか、または子どもの残虐性、それについての研究もされていると聞いております。ですから、鉛については非常に注視しているというのが今の現状だと思います。
 来年四月から鉛の水質基準の強化に伴って、水道局では平成十二年度から三カ年をかけて計画的に鉛管の給水管の材料改善を行っていますが、平成十三年度末現在の進捗率と、それに要した費用、及び平成十四年度の執行見込みを伺いたいと思います。

○中村営業部長 公道部の鉛性給水管の解消につきましては、平成十二年度から十三年度の二年間の実施件数は約十三万件、費用は三百二十億円でございます。また、平成十四年度の実施予定件数は約八万二千件、費用は約百八十億円の計画となっておりまして、ほぼ終了予定となっております。

○樋口委員 本管については間もなく一〇〇%ということで、ひとまず安心はするものの、本管以外の配管についてはどうなっているのか、とても心配です。特に個人所有の私有地等の鉛管について、質問させていただきたいと思います。
 配水管から宅地内の水道メーターまでの間には、水道局が計画的に鉛管の給水管の取りかえを進めているということですけれども、水道メーターから蛇口までの間の鉛管にかわる、いわゆる鉛製給水管の使用状況はどういうふうになっているんでしょうか。把握していらっしゃいましたら、お示しください。

○中村営業部長 平成十二年度に行いました鉛製給水管の使用状況調査によりますと、水道メーターから蛇口までの間に鉛製給水管を使用しているお客様は、約百二万件でございます。これは、給水件数約五百八十五万件の一七%に当たります。

○樋口委員 たとえ一七%であっても、百二万件、おびただしい数の鉛管が残っているということに対して、私は驚きを隠せません。ただ、建物に埋設されている場合が非常に多いものですから、その工事に大変費用とお金がかかります。それで、鉛管を取りかえることがなかなか進まないということがよくわかります。
 水道メーターから蛇口までの鉛管については、水道所有者の負担で取りかえることになります。水道局では取りかえにかわる方法として調査研究をしていると聞いていますけれども、その結果はどうだったんでしょうか。

○松田建設部長 鉛製給水管の調査研究でございますが、水道メーターから蛇口までの鉛製給水管について取りかえよりも費用負担が少なく、新水質基準に対応できる方法がないかを調査するため、給水管の鉛溶出防止に関する調査研究を実施いたしました。
 調査研究の内容としましては、電気的に鉛の溶出を抑制する方法、管の内面に塗装を施す方法、管の内面に化学的に皮膜を生成させる方法について検証いたしました。結果として、初期の段階ではほぼ新水質基準に適合できましたが、時間の経過に伴い鉛の溶出量が増加し、満足できる成果は得られませんでした。

○樋口委員 結局、そういう調査結果をしても、鉛管をまた使い続けることができないということが大体わかりました。つまり鉛管をいかに取りかえていかなくちゃならないかという課題が、まだまだあるということが確認できました。
 ただ、鉛管だけではなく、鉛が含まれている材料というものがまだあると聞いております。具体的にはどのようなものがあるのか。また、鉛の溶出は問題とならないのかどうか、お尋ねいたします。

○中村営業部長 給水管以外に鉛が使用されているものとしましては、水道メーター、それからサドル分水栓、仕切り弁、給水栓などの、いわゆる青銅鋳物製のものがあります。五%程度の鉛が含まれております。
 このため、平成十五年四月以降設置するものにつきましては、国において改定が予定されております給水装置の構造及び材質の基準に適合しなければならなくなるため、関係機関に周知徹底を図っていく予定でございます。

○樋口委員 今、来年の四月以降に設置するものに対してのお答えだったように思えるんですが、今現在の鉛の溶出は問題とならないのでしょうかという部分の、現在のこともお答えいただけましたらと願います。

○中村営業部長 鉛の長期にわたっての蓄積性ということで、それを重視して水質基準が変わるわけですけれども、十五年四月に変わるといいましても、今現在、健康に支障があるとはとらえられておりません。

○樋口委員 わかりました。都民に対して必要な情報を適切に提供していくことが求められていると考えております。
 そこで、お伺いをさせていただきますが、水道局ではこれまでにどのような情報提供を実施していらしたのか。また、それに対する私たち都民の反応はどうだったのか、教えてください。

○中村営業部長 昨年八月からことしの五月にかけまして、メーターから蛇口までの間に鉛製給水管を使用しているお客様に対しまして、鉛製給水管の使用状況、それから取りかえ依頼の検討、また、水道使用時の留意事項などにつきまして、個別にお知らせをしております。
 この個別のお知らせに対しましては約二万七千件の問い合わせがありましたが、その内容は、主に鉛製給水管の使用箇所や取りかえ費用、また、水質に関するものでありました。これらの問い合わせに対しまして、給水装置工事図面で確認の上、鉛管の使用場所や取りかえ方法等お答えしまして、必要に応じて現地での説明や水質調査を行っております。
 また、このほかにも、検針票、水道局ホームページ、「水道ニュース」、「東京水読本」などによりまして、鉛製給水管使用の場合の留意事項ですとか、当局の取り組み状況などについてもお知らせしているところです。

○樋口委員 より親切で、よりわかりやすくて、より見やすいような情報提供が必要だと考えております。生活に、とっても身近なのが水道水ですから、このようなたくさんの問い合わせがあったのではないかと考えられます。
 ただ、以前、シロアリの駆除ということで必要以上に危険をあおり、そして、第三者が訪問検査をして、その契約をさせるというようなことがあったかに思いますけれども、そんなことが、この鉛管を通じて水道局事業をまねた第三者がそういったことをしないように注意していかなくてはならないことかなと思っております。
 そして、この過剰な危険性についていろいろといってくる方々というのは、それこそ今現在使っている蛇口がどうだ、あなたのところのこの管が悪いだとか、本当に具体的にいってこられると、これをどうしてやったらいいものだということで、使用者が本当に困ってしまうということがよくあるので、こういったインチキセールスに対する啓蒙も必要になってくるのではないかと思います。
 鉛管以外の水質について質問をさせていただきます。
 アスベストは発がん性の高い物質とされております。世界がアスベストの危険性について禁止を決めたりしているのに、日本は依然、昨年度で八万トンを輸入している有数の輸入国です。もっとも茶色の石綿、また、青色の石綿については既に禁止はされておりますけれども、アメリカがたった一万トンなのにもかかわらず、日本は約八万トンも輸入しているということ、それというのは一体どうなんだろうかと私たち消費者としても危惧せざるを得ないところがあります。このありさまは、世界でBSEが問題になっていたときに、売れ残った危険な肉骨粉を日本は多分大丈夫だろうと思ってどんどん輸入していったという過去の事例となぜかダブるような気もしております。
 さて、水道局の配水管の中には、いわゆる石綿セメント管、アスベスト管があります。十三年度末での残存状況をお伺いさせていただきます。

○御園給水部長 石綿セメント管につきましては、耐震性の強化及び漏水防止対策の観点から取りかえを進めております。その結果、平成十三年度末で区部におきましては、配水管の管路延長全体で千五百四十七万メートル中、石綿セメント管は百三十メートルでございます。
 一方、多摩地区におきましては、配水管管路延長八百五十二万メートル中、九千七百メートル残っておりまして、これは多摩地区の配水管管路延長の約〇・一%に当たるものが残存しております。

○樋口委員 残存するアスベスト管の取りかえはどのように実施されていくんでしょうか。また、撤去されたこのアスベスト管、その処分はどのようにされるんでしょうか。

○御園給水部長 区部に残存しております石綿セメント管につきましては、再開発事業に合わせまして、平成十五年までに取りかえる予定でございます。また、多摩地区につきましては、残存延長の多い地域から計画的な取りかえを行うとともに、市街地の開発等に合わせまして、取りかえを促進していく予定でございます。
 撤去いたしました石綿セメント管の処分についてでございますが、建設副産物適正処理推進要綱等関係法令に基づきまして、飛散しないようプラスチック袋で二重にこん包いたしまして、アスベスト廃棄物である旨を表示した上で、建設廃棄物として適正に処分しております。

○樋口委員 アスベスト管の人体への影響はあるんでしょうか。

○本山浄水部長 大気中からの吸入によりまして、石綿症あるいは気管支がん等の発生が認められております。しかし、飲料水中のアスベストが人の健康に影響を及ぼすという疫学的な確証は得られておりません。そのために、WHO飲料水水質ガイドラインにおいても、ガイドライン値を定める必要はないというふうにされております。

○樋口委員 アスベストというのは、本当は繊維でして、このアスベスト管というのはコンクリートに練り入れられたものなんですが、コンクリートが時間とともに腐食する。または水道水のpHによっても、また流水によっても、流れ出していく危険性があります。溶け出すのではなくて、その繊維が一部折れるとか、また、鋭い針のようなものですから、それが飲料水の中に入る可能性も否定できないように私は思っております。
 そして、アスベストは、たとえ少しであっても発がん性を失わない物質なんです。同じような発がん性物質には、トリハロメタンという物質があります。トリハロメタンは水中に含まれているフミン質、有機体窒素化合物なんですけれども、有機体窒素化合物と消毒剤として用いられている塩素が反応して消毒副生成物をつくってしまう。副生成物ができるということなんです。ですから、塩素と結びつくことによって、このトリハロメタンというものができてしまうということ、そのトリハロメタンということについての心配性はないのかどうなのか、お伺いをさせていただきます。

○本山浄水部長 先生ご指摘のようにトリハロメタンは発がん性があるといわれておりまして、我が国におきましては、総トリハロメタンに関する水質基準といたしまして、〇・一ミリグラム・パー・リットルと定めておりまして、水道局におきましても、日常の水質管理を十分に行いまして、このトリハロメタンにつきましても、水質基準以内におさめた安全な水を供給しておるところでございます。

○樋口委員 トリハロメタンの性質については、PRをされていらっしゃるんでしょうか。

○本山浄水部長 先ほどご答弁申し上げましたように、当局では水質基準に適合した安全な水を供給しております。トリハロメタンを含む水質検査結果につきましては、「水道ニュース」のほか、「水質年報」、あるいはホームページを活用するなどいたしまして、機会をとらえ繰り返し情報の提供を行っておるところでございます。

○樋口委員 さまざまな形で水道局は情報提供をしていらっしゃるということがわかりました。しかしながら、私たちの生活に大変密着しているこの飲料水にもかかわらず、そこの中の成分表示というのは舌をかみそうな、本当にいっている本人もどこまでいったのかわからなくなるような、長ったらしい名前がついているものが非常に多いというのが現実です。一般的には見たこともない、聞いたこともないようなものが年報なんかにも羅列されております。よりわかりやすい親切なPR活動をしていただきたく、次の質問に移らさせていただきます。
 水道施設に使用する資材等の溶出検査について、お伺いをさせていただきたいと思います。
 前身は上水道協議会として、実に長きにわたって検査機能のない自治体にかわって検査をし続けてきた社団法人日本水道協会、水道法改正までの平成九年度までに日本水道協会の検査などの役割と、その九年以降について、お伺いをさせていただきます。

○中村営業部長 まず、日本水道協会につきましては、水道の普及と水道事業の発展を図ることを目的としまして、全国各地の水道事業体によって組織され、設立されております。大小さまざまな水道事業体が、安全な水を安定的に供給できるように、水道用資器材の品質確認や、水道事業運営のための方策を調査検討しまして、全国の水道事業者の効率的、効果的な事業運営を支えている組織であります。
 今お尋ねの検査の材料のことですけれども、平成九年の給水装置の構造及び材質の基準が施行される以前につきましては、各水道事業体は給水装置用材料につきまして、日本水道協会等の公的規格製品、それから水道事業体独自の規格製品、あるいは日本水道協会等の公的機関が品質を確認した製品を採用しておりました。
 施行後、平成九年後につきましては、給水装置の構造及び材質の基準に適合すれば、どのような製品でも給水装置材料として使用できることとなりまして、適合を証明する方法としましては、日本水道協会等の公的規格以外の製品につきましては、製造者みずからが適合性を証明する自己認証、それから第三者機関が製造者にかわって適合性を証明する第三者認証の二通りございます。
 この第三者認証機関としましては、現在、社団法人日本水道協会、財団法人日本燃焼器具検査協会、財団法人電気安全環境研究所、財団法人日本ガス機器検査協会、株式会社ユー・エル日本の五機関がございます。

○樋口委員 私たちが使わせていただいております配水管のほとんど、ほぼ一〇〇%が日本水道協会の規格のものと聞きました。ほぼ一〇〇%と申しましたのは、一部違うものもあるということで、ご認識いただけましたらと思います。長きにわたって日本の水道事業に貢献されていたんだと改めて思います。
 さて、私たちが水を利用するときによく使いますいわゆる浄水器が、私の家の昔の浄水器のところにJWWA、つまり日本水道協会の規格のもののシールがついていたことを記憶しておりますが、その浄水器についても、ことし、家庭用用品品質表示法によって水質基準が決まりましたが、その水質の問題ではなく、給水管に取りつけているための構造材質基準が適合しているかどうかの許可を平成九年度以前、どこが発行されていたのか、どのような形で認証していたのか。また、平成九年度以降についても、給水管に取りつけるための構造材質基準はどこが担ったものか、教えてください。

○中村営業部長 浄水器についてのお尋ねですけれども、二つありまして、配管の途中に設置され、常時給水圧力を受けるタイプのものと、給水栓の先端に取りつけられるタイプの二通りございます。前者の圧力を受けるタイプのものにつきましては、給水装置の構造及び材質の基準というものが適用されまして、基準に適合することを確認するため、自己認証あるいは第三者認証が必要となっております。これは平成九年度以降のことで、現在ですけれども、この日本水道協会も第三者認証機関として認証を行っているところです。
 平成九年以前のお尋ねでしたが、先ほど申しましたように、給水装置の構造及び材質の基準が施行される以前につきましては、各水道事業体は給水装置用材料につきまして、日本水道協会等の公的規格製品、水道事業体独自の規格製品、あるいは日本水道協会等の公的機関が品質を確認した製品を採用しておりました。

○樋口委員 昨今、国の道路関係四公団民営化推進委員会について話題が高まりました。公団とファミリー企業の不透明な関係というのは、私たちの国民の怒りとなりました。東京都水道局のパンフレットの中に水道豆知識というコーナーがありまして、そこに浄水器が取り上げられ、浄水器は日本水道協会が形式認証している器種がありますという記事とともに、JWWAのマークが紹介されていました。このパンフレットというのは平成六年か七年につくられたものですが、つい昨日まで都庁を含む水道局及び水道局関係施設にありました。このようなものを見る限り、水道局との独立をどのように担保していたのか、ついつい疑問に思ってしまうことがあります。
 水道法の改正により、結局のところ、平成九年に規制緩和の事例として、他社に参画できたものだと思います。しかし、実質的他社の参画をどこまで数字上にあらわせるのか、見守ってまいりたいと思っております。
 今回は私自身、勉強の途中でありますので、この件につきましてはここまでとさせていただきますが、引き続きいろいろと皆様方にご指導いただき、教えていただき、そして私なりの提案をしてまいりたいと思っております。そして、最後の質問に移らさせていただきます。
 あらゆる意味で水道に対する安全性が高まっております。水道事業経営プラン二〇〇〇、施設整備事業の推進の中で、さきにも述べさせていただきましたが、安全でおいしい水の供給が挙げられておりました。水道水はいっとき、とってもまずい、臭い、そんなふうにいわれた時期がありました。でも私自身は最近、水道水がとてもおいしくなったように思えております。そして、昔は口のそばに持っていくと、あっ、におうと思ったときもありましたけれども、最近は少しもにおわず、何か水道水に対して非常に親近感を持って、前のようにペットボトルのお水じゃなくちゃだめなんて思っていることもなくなってしまいました。しかし、相変わらずペットボトルの水を一部の方々が購入され、また、各家庭に何らかの浄水器が取りつけられているということをよく見ることがあります。
 「水道ニュース」七月号を拝見させていただいたんですが、安全でおいしい水とうたいながらも、鉛管やアスベスト管が取りかえられているという事実が一方であります。安全ですといった七月号、その後に八月十四日には、1・4ジオキサンの検出により二つの浄水場が休止になりました。本当に安全なんでしょうか。片方で安全だといいながら、実際危険があった、そして浄水場が休止されているというのは、水道局のある意味では勇気だとは思って、そこに対しては高く評価をしたいと思いますが、実際のところ安全性があったのかどうなのかということについては、私たち自身も疑問を持ってしまうところがあるんです。
 WHOの規定、そして諸外国の規定、日本の規定、それぞれのやり方があり、また、それぞれの項目があり、それぞれ違っていますけれども、でも一体何を信じていいのか、私たち自身が戸惑いを感じます。というのは、ジオキサンというのは日本の規定の中に入っていなかった。WHOの中には入っていたけれども、日本の中にはなかったから、本来ならば水道局さんは別にこの浄水場をとめる必要がなかったわけですよね、国の基準からいえば。でも、それをとめられたということに対しては、私は水道局のやる気と熱意とそれから、これからの水道局のあり方というものに対して非常に期待をいたしております。
 よく朝一番のお水というのは捨てるべきだといわれております。バケツ一杯のお水を捨てなさい、そういわれています。でもバケツってどのくらいの大きさなんでしょうか。私たち自身よくわからないんです。しばらくの間、水道の蛇口をひねって水を出していなさい、そういわれていても、一体何分間出していいのかわからないんです。
 高松市というところの水道局、そこの調査報告があります。アトランダムに選んだ幾つかのところから、これは鉛に対するものだったんですけれども、どのくらい含まれているかという調査がありました。そして、一番最初のお水と、中には驚くなかれ、五分流水した後のお水を調べたところ、初めのお水よりも鉛の量が十数倍ふえていた、そんなところまであるんです。ですから、何を信じていいのか、何を目安にしたらいいのかわからないというのが私たち都民の現実問題だと私は思っております。
 配水管からメーターまで、そして蛇口までは私たちの物、私物ではありますけれども、今後の水道水の安全性をぜひお誓いいただきたく、その決意を局長に求めさせていただきまして、私の今回の質問を終わらせていただきます。

○飯嶋水道局長 水道局では、これまでも水源、河川や原水から給水栓に至るまでの水質管理を徹底いたしまして、水質基準等に適合した安全でおいしい水を供給してまいりました。また、高度浄水施設の導入を順次進めまして、浄水処理に万全を期しますとともに、水質検査体制の充実も図ってまいりました。今後ともこれまでの取り組み方針を継続、さらに発展させ、新しい水質問題に対応するための調査研究に努めるなど、さまざまな施策を実施することによりまして、安全でおいしい水の供給に努めてまいります。

○東村委員 それでは、十三年度の決算審査に即して、多摩地区の水道統合二十四市町に対する事務委託制度について何点かお伺いします。
 平成十三年度の決算について、一つは経営的な視点から、区部と多摩地区の効率性を比較してみるため、販売単価で分析をしてみました。区部の料金収入は二千五百二十億七千九百四十七万二十二円、これに対する使用水量というのが十一億一千四百二十二万四千七百九十九立方メートル、これに対して多摩地区は六百八十九億九千二百六十八万五千七百八十円、これは料金収入ですね。使用水量は三億六千二百九十万二千百二十三立方メートル、このような数字が出ております。これを一立方メートル当たりの単価にしますと、区部では二百二十六円、多摩地区では百九十円、多摩地区の方が三十六円も低い。これは多摩の皆さんが水道料金が安いというわけじゃないんです。一立方メートルに換算したわけですから。これは、水道局として非常に非効率な部分があるように私は思います。
 そこで、このような非効率な部分があると思うんですけど、これについて局の見解を伺いたいと思います。

○二階堂調整部長 多摩地区では、大口使用者よりも、料金単価の低い一般家庭の占める割合が大きいことから、そのように区部と比較しまして、多摩地区における一立方メートル当たりの販売単価が低くなっているというふうに考えております。

○東村委員 多摩の地区は、確かに大口の使用者がいないから、料金単価の低い一般家庭が多い、したがって全体として低くなっている、こういうことなんですね。
 多摩地区では、確かに区部に比べて料金収入が少ない、そういった意味で一層の効率化が必要になってくるわけです。このような中にあって、公営企業としての一層の効率的企業経営や、広域水道としてのメリットの発揮を目指して、この経営改善を推進しているということなんですけれども、現在の市町への事務委託による運営には具体的にはどういう点で問題があるのか、これについて伺いたいと思います。

○二階堂調整部長 現在の市町への事務委託による事業運営につきましては、第一に、業務運営面におきまして、お客様が転居手続をするときや料金等の問い合わせするときに居住市町でしかできない。第二に、施設管理面では、市町域を越えて相互に給水の融通が困難である。第三には、予算執行面におきまして、市町別の予算に拘束されまして、予算の弾力的な執行という公営企業としての特性が生かされていない。第四に、執行体制の面で、市町の水道部署の職員に対し都に人事権がないことから、多摩地区全体を考えた適切な人員配置ができないなどの問題点を抱えております。

○東村委員 一つは業務運営面、二つ目に施設管理面ですか、そして三つ目に財務、予算執行面、四つ目に人事、組織管理面で、現在のこの事務委託制度の限界を認識している、このようなことなんですけれども、他方、この事務委託制度を解消することによって、それではどのような経営改善の効果があるのか、これについてお願いしたいと思います。

○二階堂調整部長 多摩地区水道事業におきます市町への事務委託解消に伴う効果としましては、まず、転居手続、料金等の問い合わせに対するお客様への対応を、居住市町を越えてこたえることができる体制をつくるなど、お客様サービスの一層の向上が図れます。
 さらに、市町域を越えて給水の相互融通が可能になるなど、多摩地区の給水の安定性の向上が一層図れます。
 そして、市町の規模の大小にかかわらず、多摩全体としての執行体制をつくることが可能になるため、適切な人員体制、合理的庁舎配置などによる経営の効率化を図ることができます。このようなことが効果として挙げられると思います。

○東村委員 今、明確に限界も認識しているし、それから経営改善の効果もしっかりと認識されているわけなんですけれども、それではこの多摩地区の水道統合二十四市町に対する事務委託制度、今日までこの解消が--これだけの限界とこれだけの経営改善の効果があるということがわかっていながら、今日までこの事務委託制度の解消が図ってこられなかったという、これはどうしてなんでしょうか。

○二階堂調整部長 水道局は、公営企業として常に経営の効率化を図ってきておりますけれども、多摩地区の水道事業につきましては、まず、統合を図る際に、市民に直結する給水に関する事務等については市町に事務委託をするという決定がございました。さらに、統合後の各市町の事務処理方式の統一化及び普及率の向上を目指した施設整備を優先してきたことなどから、事務の委託を継続する中で種々の改善を可能な限り進めてきたというのが現状でございます。
 しかし、近年の技術的進歩により、市町域を越えた広域的な施設管理が可能になったことなどの条件が整い、今般、さらなる経営の効率化、サービス向上を進めるために、事務委託を解消することとしたものであります。

○東村委員 この事務の委託を継続していく中で改善をして、ある程度その基盤が整って事務処理も統一化されてきたんで、そろそろやってはどうかと、簡単にいえばこういう話だと思うんですけれども、私はやっぱり最大の課題は、何といっても今、事務委託している市町職員、大体これが千百人ぐらいいるわけなんですね。この人たちを首切るわけにはいかないという、これが最大のネックになっているんじゃないかと思うわけです。三多摩の市長会からも、実はこの移行に当たって、市町全体の人員計画にぜひとも配慮してほしいと、こういう要望が出ているわけなんです。
 そこで、やはり何といっても、千百人を削減するといっても、そんなに簡単にいかないわけですけれども、これは末永くそれぞれの市町と協議をしながらやっていくしかないだろう。恐らく年数もかかるんじゃないかと思うんですね。そういった意味で今後、水道局としてどのような形で多摩地区の水道統合二十四市町に対する事務委託制度を解消していくのか、これについてお伺いしたいと思います。

○二階堂調整部長 多摩地区の水道事業の経営改善に当たりましては、お客様のサービス向上と経営の効率化を図っていかなければなりません。そのために、まず、事務委託の解消につきましては、おおむね十年をかけ、お客様サービスを低下させないよう段階的に市町から都に事務を移行してまいります。この際、市町と十分協議の上、市町別移行計画を策定してまいります。
 市町の職員につきましては、各市町の事務委託の段階的解消に合わせて、退職不補充や市町部局への配置転換により減員していく考えでおります。

○東村委員 おおむね十年をかけてということなんですけれども、これは年月だけ区切っても仕方がないと思いますので、ぜひともやっぱり個別に各市の状況をよく相談して、早められるものだったら、どんどん早めていけばいいと思うんです。これは別に十年かける必要はないですから、どんどん早めて効率化を図っていくべきだと思います。その辺はやっぱりこちらからどんどん積極的に働きかけをしていっていただきたいなと、このように思います。
 次に、資料の要求の中にも入っているんですけれども、災害時の応急給水施設の整備状況について、何点かお伺いしたいと思うんです。
 平成十三年度に百トンの小規模応急給水施設を渋谷区と葛飾区に設置をしています。これら二カ所とも二十三区なんですね。十三年度末現在で東京都の震災対策事業計画に基づく応急給水施設は、二十三区で六十三カ所、多摩地域でたったの八カ所です。どうしてやっぱりこんなに差があるのか、率直に疑問に感じるわけです。

○松田建設部長 応急給水施設の整備でございますが、都では都民の居住場所からおおむね二キロメートルの範囲内に給水拠点を確保するため、浄水場、給水所などを拠点として整備するほか、給水拠点のない空白地域を解消するため、応急給水槽を建設してまいりました。ご指摘の応急給水施設は、容量一千五百立方メートル及び百立方メートルの応急給水槽であり、応急給水用の拠点にはこのほかに浄水場、給水所などが含まれます。
 多摩地区には、小規模な浄水施設や給水所などが広域的に多数存在しており、これらを含めた給水拠点の数は、平成十三年度末現在、百カ所であります。区部の九十二カ所とほぼ同数となっております。

○東村委員 要は、応急給水施設はないけれども、小規模の浄水場や給水所でカバーしているからオーケーだよと、こういうご答弁だと思うんですけど、私、阪神大震災のときに実は手伝いに行ったんです。そこでやっぱり感じたのは、幾ら応急給水施設の体制が万全であるといっても、実際に避難している場所に水が来なければ何の役にも立たない。どんなに給水施設が地下に立派に眠っていても、避難している住民のところに水が来なければ、これはもう何の意味もないんだなということを本当に感じました。
 確かに一生懸命タンクローリーなんかも出動してくれましたけれども、あの状況ですから、バイクが通れるのがやっとという状況のところが結構ありまして、私もバイクにポリタンクを積んで走った経験があるんですけれども、本当に私はあのときに、この応急給水というのは、災害が起きて初めてありがたさがわかるんだなということを感じたわけなんですね。そのときに、この避難場所にも、せめてあの角に応急給水タンクがあれば、三日間ぐらいかもしれませんけれども、相当数の人がこの水の恩恵に恵まれたんじゃないかと思ったわけです。
 現在、都が設置をしている応急給水施設は、十三年度のこの二カ所を含めて、すべて地下型なんですね。確かに地下型のメリットはあると思うんですけれども、私は、避難場所の公園、この公園等に地上型の応急給水タンクを設置するのも一つの方法なんじゃないかと思うわけです。
 現在、都が地上型の応急給水タンクを設置していない理由について、説明願いたいと思います。

○御園給水部長 都におきましては、小規模応急給水施設の設置に関しまして、財団法人日本消防設備安全センターが定めております二次製品飲料水兼用耐震性貯水槽の認定基準及び消防災害等施設整備費補助金交付要綱の基準を適用してございます。
 現行基準におきましては、二次製品飲料水兼用耐震性貯水槽は地下式のみを規定しておりまして、平成七年から現在まで当局におきましては、安全確保の観点から、この基準に従い小規模応急給水施設を設置してきているところでございます。

○東村委員 これは、日本消防設備安全センターの二次製品飲料水兼用耐震性貯水槽の認定の基準がある、こういう話が今ありました。実は地上型の給水タンクでも、ご存じだと思うんですけれども、書類上でこの認定を受けている業者もあるわけなんですね。既にそれで相模湖なんかは、町なんですけれども、設置をしているわけでございます。そういう中で、補助金の問題はちょっと後で述べたいんですけれども、今、安全性の面から、この地上型というのはどうも認められない、こういうお話がありました。
 ただ、私、このセキュリティーの問題であれば、地下型の、この前、日比谷公園の地下型の貯水槽、あれは大規模ですけれども、見てまいりまして、結局、地下の施設も必ず入り口には地上の建屋があるわけなんですね。建屋があって、結局、建屋はかぎがかけられているわけです。その建屋に、そこは通報システムがかけられていたわけなんですけれども、私は、地上型であっても、そこにきちっとしたセキュリティー、通報システムを設置すれば、結局は同じことになるわけですから、問題ないんじゃないかと思うわけですが、どうですか、この点について。

○御園給水部長 ただいま、先生のご指摘のとおり、日比谷公園の千五百立方メートルの応急給水施設につきましては、地上に出ておりますポンプ室に侵入警報システムが設置されております。
 地上に応急給水施設を設置する場合、テロ対策等を含めまして、安全対策に十全を期すために、周囲を堅牢なフェンスあるいは建屋等で囲いまして、警報システムを備える必要があると考えております。

○東村委員 周囲を堅牢なフェンスやハウス等で囲って、その上で警報システムを備えれば安全性は確保できる、これは非常に前向きな答弁だと思いますし、私はそうだと思うんですよ。
 その上で、次に価格の問題としてお伺いしたいんですけれども、今回、資料提出願った百トンの小規模応急給水施設、平成十三年度、渋谷区は九千三百万円、片や葛飾区は一億四千百万円と金額が異なるわけなんですけど、これはどうしてなんでしょうか。

○御園給水部長 これまで都内に設置してまいりました小規模応急給水施設の一基当たりの平均的な費用は、地盤状況等にもよって異なりますけれども、九千万円程度でございます。この葛飾区立渋江東公園に設置いたしました応急給水施設につきましては、設置箇所に大量の産業廃棄物がございまして、これの撤去のために費用を要したものでございます。

○東村委員 設置箇所に大量に産業廃棄物があった、これも問題なんでしょうけども、これがあったから、どうしても価格は高くなった、大体九千万円程度であるということだと思うんですけれども、一般論として、地下に応急給水施設をつくるよりも、地上に応急給水施設をつくる方がはるかにコスト的に安くなるんじゃないかと私はこのように思うんですけど、どうでしょうか。

○御園給水部長 一般的に地上に設置する場合は、土工事等が軽減されますことから、コストが安くなると考えられます。しかし、安全対策費のほか、設置場所によりましては、地盤改良等の補助工法が必要となりまして、費用が増大する場合も考えられます。

○東村委員 設置場所等によっては費用が増大する場合もあると、こういう話です。きょうは応急給水槽の地上型ということについて、コストの面とか、セキュリティーとか、いろんな形から問題を投げさせてもらいました。今までこういう形で議論してきたんですけれども、この議論を踏まえて、公園等の避難場所に地上型の応急給水槽を設置する問題について、最後にもう一度、水道局の見解を伺いたいと思います。

○御園給水部長 地上式につきましては、現行制度上の制約や安全確保の課題等がございますが、今後、関係部局と協議をしてまいりたいと思います。

○東村委員 今後、関係部局と協議してもらいたい。恐らくこれは総務局になると思うんですけれども、先ほど補助金のことは後でいいますといったんですけれども、いわゆる消防防災施設整備補助金交付要綱、これによって補助金が地上型は受けられない、こういう話だと思うんですけれども、政府の第六次都市公園等整備五カ年計画、これに防災公園の整備についていわれているわけですね。大震災時に大都市地域等において、都市の防災構造を強化し、避難地、避難路として機能する防災公園を緊急かつ重点的に整備する。その中に広域の避難地、いわゆる面積が十ヘクタール以上の広域の避難地である防災公園、さらに一時避難地である面積が一ヘクタール以上の防災公園、さらに避難路や緑道についても幅員が十メートル以上であれば、防災公園として政府は公園施設の新設、増築、改築に要する費用の二分の一を補助金として出すということがうたわれているわけなんです。
 さらに、それぞれの広域避難地、一時避難地、避難路、それから緑地なんかについて必ず補助の対象となる中に耐震性の貯水槽が入っているわけなんですね。この辺のやはり今後、安全性の面をきちっと確保できれば、一番いいのはやっぱり避難して、避難場所ですぐ水が飲めれば一番いいわけですから、本当にそういう安全性の面が確保されれば、今後こういう補助金なんかも現状ではなかなか受けられないという話ですけれども、補助金も受けるやり方というのがあると思うんですね。これは、優秀な皆さんですから、いろんな角度で知恵を絞っていただいて、やっぱり今後は防災公園として、防災公園の中に地上型の貯水タンクを設置していただきたい。そして、何かあったときには可及的にそれぞれの市民に一番大事な水が入るような、こういう措置を願いたい。これを要望いたしまして、終わりたいと思います。

○清水委員 私からも、平成十三年度の水道の会計の決算の質問を幾つかさせていただきます。何人か委員が既にされておりますので、多少省略しながら質問させていただきます。
 まず、資料で水道需給計画の改定の経過と実績というのをいただきました。これを見ますと、この二十年余りで四回にわたって需給計画の改定を行っていますが、その理由についてお伺いいたします。

○鈴木参事 ご質問の需給計画の改定でございますが、いずれの場合につきましても、都の長期構想が策定されたことに伴いまして、そこに示されました人口、経済成長等の基礎指標に基づきまして、適宜適切に見直したものでございます。

○清水委員 そうすると、最大の需給量というのは、最初に制定をされた七百四十万トン、そして四回目に改定をされた、十七年で六百三十万トン、十二年で六百二十万トンということになっているわけですけれども、同じくいただきました一日最大配水量、一日平均配水量の実績というのがありますが、これで見ますと、十三年度の実績は約五百四十万トン日量ということになっています。計画とこの実績というのは大きく差が生じていますけれども、今日ずっとそうした人口減少などに伴って改定をしているということであるならば、平成十年に改定後、今日の需給計画というのも、それに見合った下方修正をさらにしていく必要があるのではないかと思いますが、その点はいかがですか。

○鈴木参事 現在、東京構想二〇〇〇において示されました基礎指標をもとに、最近の水使用の動向を含めまして、さまざまな社会経済指標と水需要の関係につきまして、最新のデータに基づいて総合的な視点で検討分析を進めているところでございます。
 これらの分析をもとにいたしまして、長期的な視点に立って検討し、適切な対応をしてまいります。

○清水委員 それで、先ほども質問がありましたけれども、次にいただきました水源開発の計画概要と進捗状況ということで、先ほどもかなり詳しく触れられていましたから、簡単にしますけれども、現在計画されているダム計画などが完成した場合には、水源量は幾らになるのでしょうか。

○鈴木参事 既得水源の水源量でございますが、日量六百二十三万立方メートルというのが現在の既得水源でございますが、これに八ツ場ダム等の完成によりまして、確保される水源量、日量にしますと、六十三万立方メートルを単純に加えますと、都の水源量、日量で六百八十六万立方メートルになります。しかし、今ご説明さしあげました既得水源の中には、安定した取水に問題がございます課題を抱える水源が、日量で八十二万立方メートル含まれております。このため、首都東京におきます安定給水の確保に向けまして、安定した水源の確保が課題であるというふうに考えております。

○清水委員 先ほどからも議論されていますけれども、水道の事業の中には、管の取りかえとか、それから応急給水槽とか、課題は大変多いわけですね。先ほど経営の資料もいただきましたけれども、また、経営も改善していかなければいけないということでは、やはり入ってくる利益というのは大体横ばいだということになって、課題は安全でおいしい水、しかも災害にも対応していく、そういう施策がこれからももっとふえていくことになると、じゃ、どこを削っていかなければいけないのか、どこを縮小していかなければいけないかというときに、私たちが今まで指摘をしてきましたけれども、これらが全部不要だとはいいませんけれども、じゃ、これらの水源開発が全部今後必要なのかということで、ずっと問題にしてきたわけです。
 今のご説明でいくと、全部の開発水量は約六十三万トン日量で、それで課題を抱えるのが約八十二万トンということで、だからこれが必要なんだということですけれども、先ほどの資料によっても平成十三年度の一日最大配水量五百四十万トン、確保できる水量が六百二十三万トン余りですか、ということになると、そこには約百万トンの乖離が、差があるわけですよ。じゃ、渇水が起きないからということをいっているのではなくて、最大そうした対応を行いながら、これらのすべての水源の開発が本当に今後必要なのだろうかという点では、これまでも問題提起してまいりましたけれども、十三年度にはその点ではどのように議論をされたでしょうか。

○鈴木参事 先ほどもお答え申し上げましたけれども、水源の確保といいますのは、首都東京の都民生活ですとか、あるいは都市活動に欠かすことのできない重要な問題であるというふうに考えております。
 これも先ほどお答えしたところですが、東京都の今抱えています水源には、取水に問題がある水源が含まれているという点がございます。
 それから、加えまして、都の水源の八割は、先生方ご存じのとおりですが、利根川水系からの水源ということになっておりますが、計画されております水源がすべて完成した場合にも、五年に一回程度の割合で発生する規模の渇水に対応できる安全度にすぎない、こういう面がございますので、他の水系に比べまして、利水の安全度が低いというのが現状でございます。さらに、最近では計画中のダムがまだすべて完成していないということに加えまして、少雨傾向などもございますので、そういう影響も受けまして、渇水がたびたび発生しているという状況がございます。
 そういうもろもろの状況を兼ね合わせまして、首都東京で時間給水を伴うような深刻な渇水が発生した場合には、都民生活や都市活動への影響がはかり知れないものが生ずるというふうに考えておりますので、そういうことを含めまして、将来にわたりまして渇水に強く、都民に信頼される水道を構築するために、今後とも節水施策を進めるということはもとより、ダム等の水源開発による安定した水源の確保に努めていきたいというふうに考えております。

○清水委員 渇水に対応していくということはもちろんですけれども、東京の水事情、先ほど情報提供とかいうお話もありましたけれども、東京の水需要をよくキャッチして、節水とか雨水利用、下水の再利用とか、そうした都民ができ得るすべての施策を、最大限まで本当にやった上で水源開発がされているのかどうかという問題だと思うのです。
 八ツ場ダムの計画というのは昭和六十一年くらいですから、七百四十万トンに対応する計画。それから、霞ヶ浦の導水計画も昭和六十一年の事業計画決定ですから、七百四十万トンに将来はなるだろうという予測のもとで計画されたものが、ずっと今日まで続いているわけです。
 それで、この東京都水道局分の総事業費をプラスすると、約九百億円余りになるわけですよね。この総事業費の大きさも、水道局にとっては大変大きな負担になりますし、そういう総合的な見地から考えて、都民にも、渇水に対応する水の確保とか節水とか、そうしたすべての施策を行っていって、現在約百万トン余りの乖離があるということでは、必ずしも、これをこのまま進めていくという、それが渇水対策だからというだけで、本当にそれが適当な施策なのかということでは大変疑問に思います。
 そういう意味では、総合的見地からの確保ということで、水源開発などについてはこれまでも繰り返し指摘をしてまいりましたので、きょうはこの程度にいたしますけれども、ダム開発などの開発計画については見直しの方向に、私としては要望をしたいというふうに思います。
 次に、先ほども触れられておりましたけれども、多摩地区の事務委託の解消についてお伺いいたします。
 先ほど質問をされましたので、省略してまいりましたが、十三年の十月に、市長会と町長に報告を説明されております。それで、現在どのような形で進められているのか、また、課題は何かということで、改めてお願いしたいと思います。

○二階堂調整部長 経営改善の進捗状況でありますけれども、市長会報告後、平成十三年十一月、各市町に経営改善に関する意見照会を行い、本年八月、移行計画策定に向けた市町との個別協議を開始するとともに、現在、移行計画策定に係る調査を進めているところであります。
 経営改善を進めるに当たりましては、市町の水道業務に従事している約千百名の職員を円滑に減員していくことが、最も大きな課題であるというふうに考えております。

○清水委員 窓口のサービスについて伺いたいのですけれども、区部の方は事務所ごとにずっとされていくと思うのですけれども、今回の方向では、窓口の統合がいわれていると思います。
 これまで各種の窓口では、かなり細かいサービス、また苦情や相談などに対応されてきているわけですけれども、水道局の資料によっても、こんなときにご連絡をということで、工事の問題とか漏水、赤水や濁り水が出たとき、真っ白な水が出たとき、水道水が濁るとき、蛇口を閉めると、コトコトと音がするとき、ご連絡くださいなどということで、かなりきめ細かな対応が窓口でされてきているというふうに思います。
 これが統合ということになると、恐らく立川市に一つになっていくと思うのですけれども、この窓口の統合によって、サービスの維持ができるのでしょうか。その点についてどのようにお考えですか。

○二階堂調整部長 経営改善の実施によりまして、転居手続から問い合わせ、漏水事故の通報まで、水道に関するすべての受け付けについては、お客様の居住地にかかわりなく一元的に対応する総合的な窓口を設置しまして、休日や夜間も対応するなど、より一層の都民サービス向上を図ってまいります。
 あわせて、地域の窓口につきましては、お客様サービス上の必要性や事業運営の効率性、また、市町からの事務の移行状況を勘案して、今後、適切な配置を検討していく所存であります。

○清水委員 例えば二十四時間、電話で、機械でなくて人でサービスを受け付けるというふうに聞いておりますが、その対応というのが、二十四時間今のように細かく、これまでのようにされるのかどうか。
 例えば、八王子市で聞いたところによると、まあ年に何件もないけれども、夜中に引っ越し作業が終わって、夜中に開栓、蛇口をあける仕事が発生してしまった。課長さんが本当に夜中に出ていって、あけてあげたのですよと。水はいっときでも我慢できないから、そんな対応を市ではしてきたのですけれども、今後どうでしょうか。
 できないとは、それはいっていませんけれども、私がいいたいのは、そのような細かい対応、それは年に何回もあるわけではないですけれども、住民の側に立った細かい対応というのが、このような統合のやり方で、各市で今までやってきたようなものができるのかどうなのかということなんですけれども、どうでしょうか。

○二階堂調整部長 先ほど申し上げました総合窓口と、移行期間中につきましては市町あるいは水道局の事業所と、さらに夜間事故受け付け等を行っている委託業者、あるいは工事の業者等との連携を密にすることによりまして、速やかな対応が可能となるよう、今後、体制の整備を検討してまいりたいというふうに考えております。

○清水委員 職員のことについては、先ほどご答弁がありましたから、約千百名の、長い間、かなりのさまざまな専門性を身につけた職員がそれぞれの市で対応されてきて、八王子でも約百六十人余りですか、事務また管理運営などにも携わってきているわけですけれども、それについても、よく相談して対応していただきたいと思うのです。
 その上で、先ほど無人施設の資料もいただいたわけなんですけれども、浄水所等の無人施設は、区部の方は少なくて、多摩の方が多いということですけれども、その中で、八王子で有人になっている高月浄水所に、この前、ちょっとお邪魔させていただきまして、勉強させていただいて、対応をありがとうございます。
 ここでは、市職員が現在、浄水所の運転、管理を行っているわけですけれども、八王子、立川、青梅、日野市では、現在、市職員による運転、管理がされています。聞くところによりますと、今度の事務委託解消で、これが、必ずしも有人のままではないというふうにも聞くわけです。かなり大きな施設ですけれども、こういうところは、無人になってやっていけるのかどうなのかということについて、方向は決まっていないと思うわけですけれども、どのようにお考えでしょうか。

○滝沢技術調整担当部長 施設管理につきましてでございますが、施設管理の集中化、これは平常時はもとより、事故時等におきましても広域的に弾力的な水運用を可能といたしまして、給水の安定性を一層向上させるために実施しているものでございますけれども、施設の集中化、無人化に当たりましては、監視制御システムの二重化や、電源の二系統化を図るなどの対策を講じているところでございます。
 このため、事故が発生し、設備が停止した場合におきましても、自動的に予備機に切りかわるなど、信頼性の高いシステムとなっております。

○清水委員 そうすると、残っている四市の市職員の運転、管理の有人施設が、今のお話で想像するところによると、無人で、機械化で運転をされていくというふうに想像するのです。
 先ほども出されていましたけれども、災害もそうなんですけれども、テロとか、そうした異常時に配慮して水の施設を維持することが必要だというふうに思うのです。
 阪神の震災の問題も、先ほどの中で出されました。ここでも、施設はあるけれども、無人であることによって迅速な対応が十分にできなかったということも聞いているわけですけれども、その教訓を生かすのであったら、これからのことなわけですから、この教訓をよく生かすべきではないでしょうか。

○滝沢技術調整担当部長 水道施設の保安対策といたしましては、周囲さくの整備とともに、必要に応じまして、侵入防止装置や毒物検知装置等を設置してございます。
 また、無人施設の震災対策といたしまして、停電や通信回路の不通時、そういったときにも施設の機能を維持するために、自家発電設備の設置や自動運転を継続するシステム、こういったものを導入するなど、十分な対策を講じてきております。
 またさらに、応急給水など発災後の対応につきましては、都と市町の役割分担に基づきまして適切に対応することとしております。

○清水委員 機械が把握するといっても、かなりの部分までは、水は表面が出ているわけですよね。つまり屋根がない。最後の部分で屋根があるわけです。だから、例えば八王子の高月浄水所だって、ちょっと入れば、水の中に何でも入っていくわけです。
 そういうこともあるし、それから阪神の話では、やはり水のあるところに人が殺到するということが起こって、今いわれたように、市が、防災の職員がかぎを持っているから大丈夫だということのようですけれども、かぎをあけるだけで、さっきペットボトルの話がありましたけれども、どっちが飲めてどっちがきれいか、そういう技術的な話、本当にこれは飲み水なのか、どこまで薬を入れれば飲めるのだろうか、そういうようなことで、かぎを持ってあけたからできるということではない。やはりそういう意味では、水道の技術の職員というのは、長い間、地域性を持った技術や経験が蓄積されているわけですよね。
 だから、委託とか民間とか無人とかいうことになるのかもしれないのですけれども、専門性が失われるということになると、それが復活されることは非常に困難であることは、そちらの専門家をいっぱい持った職員の方が一番よくご存じだと思うのですけれども、各自治体で蓄積されてきた知識、専門性の技術の検証をどのように行っていくのかが、やはり明らかになっていないというふうに思うのです。
 ですから、市長会の話も出されていましたけれども、市長や議員がつくって、毎年、多摩地区水道事業に関する陳情書を出すわけなんですけれども、その中でも、多摩市町への水道事業の業務委託の見直しに当たっては、各市町の要望を聴取の上、十分協議し、安定給水及びサービスが向上するように進めることというふうになっていますけれども、この無人の問題も十分な協議を行うと同時に、これから--渇水には真剣に、何か渇水、渇水、五年に一回の渇水といわれているけれども、震災だって、五年の間に起こるかもしれない。その十分な体制ということから考えて、浄水所の無人とか給水所の無人--さっき応急給水の数をふやすと。もちろん大事ですけれども、せめてあるところからは、直ちに職員が対応できるようなところ、八王子は、高月浄水所くらいは残したっていいのじゃないでしょうかと思いますので、それは要望しておきたいと思います。
 次は、水道料金について伺います。
 水道料金については、毎年、基本料金の引き下げなどを私たちは要望してきましたが、聞くところによりますと、現在、水道料金のあり方について第三者機関で検討しているようですけれども、どのような内容でしょうか。

○甘利総務部長 本年二月に、学識経験者や都民代表で構成します、東京都水道事業経営問題研究会を設置いたしまして、今後の料金制度のあり方につきまして、調査及び研究を諮問してございます。
 現在、研究会は五回開催されたところであり、その中で、使用者間の負担の公平を図る観点から、料金制度全般にわたって幅広い議論が行われております。
 この研究会は公開を原則としておりまして、開催日程をプレス発表しているほか、資料及び議事録についても、水道局のホームぺージで公開しております。

○清水委員 ホームぺージも、会議も長時間にわたってやられているようですので、ずっととらせていただいて、今、読んでいるところですけれども、今回には余り直接関係ないので、これからの問題のようですけれども、事務局が提示したシミュレーションによると、基本料金を大変引き上げるというシミュレーションも行っているというふうに思います。
 九百二十円から千三百七十円に引き上げと、十トンの一三ミリの口径では七三%もの料金の値上げとなるような想定も含まれているというふうに、このホームぺージを見ると想定できるのですけれども、この中ではどのような議論をしているのでしょうか。

○甘利総務部長 現在、研究会の議論の状況ですけれども、小口使用者と大口使用者の負担のあり方を含めまして、現行の料金体系の課題等を整理いたしまして、今後の水道料金のあるべき姿について検討しております。
 その中で、節水のインセンティブを高めるにはどうしたらいいか、使用者間の負担の公平を図るにはどうしたらいいかなど、幾つかの想定に基づくシミュレーションなども行っております。
 そういった検討段階における議論の中で、小口使用者の水道料金が負担となるなどの事例も含めて、幅広く議論されております。

○清水委員 第三者機関で負担のあり方を検討しているということですけれども、先ほどの資料の中にも、純利益の問題がここに出ていましたけれども、その還元の方向ということもあるというふうに思うのです。 
 その純利益は全部をこれに使うのだ、あれに使うのだということをいわれていますけれども、しかし、そういうことから見れば、先ほど紹介した三多摩の議会と市で構成されている、水道事業に関する陳情書の中でも、水道料金について軽減に努力すること、特に低所得者に対する軽減基準の引き上げ及び最低基本料金の引き下げというものがこの中に出されていると思います。 
 水道料金だけが都民の負担ということではなくて、さまざまな負担の増だとか、医療費の増だとかという暮らしの総合的な見地から、やはり水道料金というものはどうあるのかということでは、私たちもこれまで、低所得者の問題、基本料金の問題について指摘してきたところですけれども、私は、水道料金は、今の暮らしの中から引き下げの方向にいっていただきたいなということを要望しておきたいと思います。
 滞納による給水停止について伺います。
 こういう中で、やはり料金が払えないという方も出てきてしまうわけですけれども、その都民の実態はどうでしょうか。そのうち、十三年度、給水停止を行ったものはどの程度あるのでしょうか。

○中村営業部長 料金の請求につきましては、口座振替と納入通知書の送付により、年間約三千五百万件の料金請求を行っております。
 このうち、納入期限内に料金のお支払いがないものにつきましては、郵送により五回程度の催告などを行いまして、なお、お支払いのない方について、当局の徴収整理員による未納整理の対象としております。
 この未納整理の対象となる未納カードの発行枚数は、平成十三年度におきましては、年間約七十三万三千枚でございます。そのうち、徴収整理員の再三の催告にもかかわらず、料金のお支払いがないため、やむを得ず給水停止を行ったものは約八万六千件ございます。

○清水委員 最終的に、不納欠損額というのは年々下がっているということを伺って、水道局のその面での配慮しながらのご努力の成果だというふうには伺っているわけですけれども、未納発生の場合の対応は、どのように具体的にはされてきたのでしょうか。

○中村営業部長 先ほど申し上げましたように、納入期限内に料金のお支払いがない場合には催告書等を発送しまして、なお、お支払いがない場合に、当局の徴収整理員による未納の整理の対象としております。
 負担の公平性を確保するため、徴収整理員の再三の催告にもかかわらず料金のお支払いがない方には、それぞれの事情を考慮した上で、やむを得ず給水を停止するなどの対応をとることによりまして、未納料金の早期回収に努めているところであります。

○清水委員 手続としてはそういうふうになっていると思いますけれども、生活困窮者への配慮が必要だというふうに思います。
 最近でも、高齢の男性が、電気などがとめられて、ろうそく生活をしていて火事になって焼死するという事件がありましたし、二〇〇〇年には、栃木、宇都宮では、二十代の母子家庭で二歳の女の子の凍死餓死事件。このときに、水道料金の滞納で水がストップをされたという問題が大きな問題になりました。
 こうしたことの後、厚生労働省が通達を出して、福祉部局との連絡、連携体制の強化についてということで、水道局と滞納者への対応がされてきたと思いますけれども、十三年度の福祉部局との連携体制というのは、どのようにされてきたのでしょうか。

○中村営業部長 福祉事務所との連絡体制についてですけれども、真に生活に困窮しているお客様に対しましては、所管の福祉事務所と相談するようにお客様に勧めております。
 お客様が意思表示ができない状態ですとか、お客様から相談や依頼を受けた場合などには、水道局から所管の福祉事務所へ連絡するということもやっております。
 福祉事務所から、水道局の営業所の窓口に、生活保護についてのパンフレット等を置くように依頼があった場合には置くようにしておりますし、また、水道の営業所の方から、水道料金、下水道料金免除申請書を福祉事務所の方に置かせていただくという措置をとっております。
 水道局の営業所の方から福祉事務所に、十三年度、何らかの事情で連絡した件数は百二十件と聞いております。

○清水委員 十二年の厚生省の通達の中では、栃木県の凍死事件に触れられていて、マスコミなどの報道では、水道も生活に困窮していることを発見できる視点の一つであるということで、水道料金滞納を理由にした機械的な給水停止をすべきではなかったといった意見が少なからず出されているところですと。 
 水道も生活に困窮していることを発見できる機関の一つであるとの視点に立ちということで、水道の検針の時点、それから滞納の時点で、やはり水道局として、ただ検針するとか滞納を整理するとかいうことで対応をされていないというふうに伺いました。これで、機械的な給水停止を行うといった事態を回避するためにということで、都も国も、かなりの枚数の通達を次々と、このいただいた資料によると、出しているわけです。
 東京では、現在、そういうことでは起こっていないということでは、適切に対応されている結果だというふうに思いますので、今後とも、そういう点では、やはり対応していただきたいと思います。
 しかし、その前に、今の水道料金の問題もありました。今の不況の中での医療費、それから社会保障の負担増というものが、これからも国などでは次々と計画をされています。税制改革の中でも、所得税、住民税の増税とか法人事業税の外形標準課税の導入とか、国の方のこういう負担増が次々と計画されている中で、暮らしの一層の深刻な状況が予測されるわけです。
 こういうときだからこそ、前に戻りますけれども、やはり東京都が、どこかを削りながら適切に、事業の見直しも行いながら、そしてむだを省きながら、都民の水道料金という点では、こういう時期に引き上げるような方向を打ち出すということでなくて、ますますこういう困難者がふえてしまうというようなことも予測される中で、東京都の水道局の役割が非常に重要だということを指摘をしたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○石川委員長 この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩いたします。
   午後三時二十二分休憩

   午後三時二十九分開議

○石川委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 発言を願います。

○新井委員 それでは、十三年度の水道事業につきまして、二点、質問させていただきます。
 これまでの委員の皆さんでダブっているところがありますので、なるべく重複しないようにはするつもりですけれども、もしそういうことがありましたらば、ご容赦をいただきたいと思います。
 まず一点目、地下水の有効利用についてということでお伺いをしたいと思います。
 都は、一九九九年に水循環マスタープランを策定しまして、治水、利水、環境など各部門ごとに行われてきました水施策を、水循環の視点でとらえ直して、総合的、体系的な施策の導入を図るというふうにしております。
 多様な水源の確保という視点で、水道局では水循環マスタープランをどのように進めていらしたのでしょうか。十三年度末までの進捗状況をお聞かせください。

○鈴木参事 水循環マスタープランでは、望ましい水循環の形成を目指して、循環利用や雨水利用などの水の有効利用を推進することを明記しております。
 水道局では、雑用水利用に係る指導指針及び東京都雨水利用・雨水浸透促進要綱に基づきまして、都市計画局など関係局と協力をいたしまして、大規模建築物に対し循環利用、雨水利用の指導を行っております。あわせて、節水型都市づくりを推進するため、節水意識の高揚、節水型機器の開発、普及及び漏水防止対策の推進に取り組んでおります。
 循環利用等の実績でございますが、平成十三年度末までの累計で、循環利用施設の件数が五百六十件、雨水利用施設が八百五十件でございます。これを水循環マスタープラン策定時の平成十年度末と比べてみますと、この三年間で、それぞれ一二%及び二二%増加しているところでございます。
 また、漏水率につきましては六・四%で、同じく三年間で一・六ポイント改善されております。

○新井委員 節水意識の高揚、それから漏水防止、雨水利用等の水の有効利用ということで、かなり水循環という視点で施策を進められてきたことがよくわかりました。
 先ほどのご質問で、漏水率も非常によくなってきているということで、今後の漏水率の見込みも、五%台までにしていきたいというご答弁がございました。
 節水については、都庁のエコ・アップ計画で、平成七年度から五年間で一〇%の節水というのを目標にしていらっしゃいましたけれども、一一・三%、約十四トンの節水を達成されております。その後、地球を守る都庁プラン、これを十三年度に設定されているわけですけれども、こういった節水あるいは漏水の防止というところを進めていけば、本当に大きな意味の一つの水源が確保できるのではないかというようなこともいえると思います。
 ところで、都は、利根川、荒川水系の第四次フルプランで、十二年度の水需要を日量六百九十万トンというふうに想定をされまして、日量九十五万トンの新規水源を求めております。現在、第五次フルプランに向けて、各関係自治体に国の方で聞き取り調査をしているというふうに伺っておりますけれども、東京都の水需要の予測というのはどうなっているでしょうか。

○鈴木参事 将来の水需要についてでございますが、現在、東京構想二〇〇〇におきまして示されました新たな基礎指標をもとに、最近の水使用の動向を含めまして、さまざまな社会経済指標と水使用の動向、水需要の関係につきまして、最新のデータに基づきまして、総合的な視点で検討、分析を進めているところでございます。
 これらの分析をもとにいたしまして、長期的な視点に立ちまして検討した上で、適切に対応してまいりたいと思っております。

○新井委員 最新のデータに基づいて分析を進めていらっしゃるところということですけれども、水需要というのは年々減少しておりまして、十三年度の平均配水量は四百六十六万トン、最大配水量が五百三十九万トンということで、十三年度において百五十万トンもの見込み違いが出ているということがあります。
 今後、水需要が、節水、漏水率が低くなってくるということも含めて、減ってくるわけですけれども、先ほどおっしゃっておりました東京構想二〇〇〇、この基礎指標の中でも、人口は二〇〇七年をピークに減少傾向というふうにされているわけで、こういった人口が減ってくるという視点からも、水需要というのはどんどん減少していくのではないか、こういうことが予測されているわけです。
 今、関係自治体に聞き取りをしているということで、仄聞によりますと、ほかの関連自治体も、水需要についてはかなり減ってきているということを伺っているわけなんですけれども、ぜひ今度の第五次フルプランにつきましては、現実をきちんと見据えて、今回のように百五十万トンもの見込み違いが出るということがないように、現実に即した水需要予測をしていただきたいということをお願いしておきます。
 それで、多摩の地域は、地下水をたくさん飲料水として、今、活用しているわけなんですけれども、東京都は、現実の水需要実態をもとに需要計画を見直して、自然の水循環の保全と再生という視点で、多摩の地下水を計画的に活用していくべきではないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。

○鈴木参事 地下水の利用につきましては、水道に使用する上では、地盤沈下や水質の問題がございます。しかし、地下水は、平常時はもとより、渇水時や震災時におきましても、身近に利用できる貴重な水源でございます。
 このことから、今後とも、地盤沈下や水質の動向に十分配慮しながら、可能な範囲で活用を図ってまいります。

○新井委員 都独自の水源というのは、地下水と多摩川ということなんですけれども、水道水源としては、利根川の渇水時のときの非常用水という位置づけしか、残念ながらないわけです。
 私たちは、ちゃんと地下水を水道水源として位置づけるべきだということをずっと申し上げているわけなんですけれども、この辺は、どうもいつもすれ違いで、なかなか非常用水としての位置づけというところの域を出ません。ただ、今、可能な範囲で活用を図りたいというご答弁が出ました。
 多摩地域は、まだ一〇〇%の地下水を飲んでいるところも含めて、非常にたくさん地下水を飲料水として活用しています。今回、一元化ということもあったわけですけれども、その中の不安として、地下水が減ってしまうのではないか、おいしい地下水を飲んでいるのだけれども、その割合が減ってしまうのではないか、こんなような不安の声も、市民の方からたくさん出ております。そういう意味で、可能な限り、ご答弁にございましたように、地下水を飲料水として活用をしていただきたいというふうに申し上げたいと思います。
 今のところで、水需要がどんどん減ってくれば、当然、ある意味では新たな水源がふえるというふうに考えられるわけで、先ほどほかの委員の方もおっしゃっておりましたけれども、水需要が減少していく中で、地下水をきちんと位置づけて活用していけば、新規ダムは必要ないのではないか、こんなふうに考えるわけですけれども、いかがでしょうか。

○鈴木参事 先ほどもお答えをしましたけれども、現在、都が保有しております水源の中には、安定した取水に問題のある水源もございます。
 また、あわせて、先ほど申し上げましたけれども、水源の八割を占めます利根川水系で計画をされておりますすべての施設が完成をしても、五年に一回程度で発生する渇水に対応できる安全度程度にすぎない、こんなようなことで、他の水系に比較しますと利水安全度が低い、こういう状況もございます。
 さらにまた最近は、ダムが完成していないことに加えまして、少雨傾向もございまして、渇水がたびたび発生している、こんな状況でございます。
 したがいまして、ご指摘の多摩地区の地下水につきましては、渇水時の貴重な水源でもありますので、先ほどお答えしましたような、地盤沈下ですとか、あるいは水質の動向などに十分配慮しながら、可能な範囲で活用していくということとあわせて、渇水に強い都市づくりを目指しまして、引き続きダム等の水源開発の促進による安定した水源の確保に努めてまいりたいと思います。

○新井委員 確かに、地下水をくみ上げ過ぎると、地盤沈下が起きるということがあるわけで、そういう意味で、計画的に使っていこう、雨水の浸透と含めて活用していただきたいということを申し上げているわけです。
 公共事業ということの位置づけで考えますと、例えば電気の需要なども八月にピークを迎えるわけですけれども、これまではそのピークを満たそうと、最大限満たしていこうということで安心を確保していく、これが公共事業だというふうに思われてきたわけですけれども、実はそうではなくて、そのピークを下げるということを皆さんとお話をして、ちゃんと説明責任を果たした上で合意形成をしていく、そういうことがこれからの公共事業の考え方ではないかというふうに思うわけです。そういった点も含めて、人口減、それから節水と漏水率のアップによる新たな水源、そして雨水の利用と雨水の浸透、こういったところで、ぜひ地下水を計画的に使っていくのだというところを、今後もお願いをしたいと思います。
 これを飲料水として位置づけるということについては、何度も申し上げているわけですけれども、すれ違いということで、この場では意見としていわせていただきます。
 最後に、水道局がつくりました、小学生と中学生に配っている副読本ですが、地下水について全く触れていません。
 多摩地域では、先ほども申しましたように、多くの自治体が地下水を飲料水として飲んでいるわけで、自分たちの飲んでいる地下水のことが全然この中に触れられていないというのは、非常に寂しいことであると思いますので、きちんと明記をしていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○鈴木参事 先ほどもご答弁申し上げましたように、地下水は、地盤沈下や水質の問題がございますので、あくまでも予備的な水源として位置づけております。
 ご指摘の副読本への地下水に関する記述につきましては、社会科学習資料の全体の構成等を勘案をいたしまして、今後、検討してまいります。

○新井委員 地下水を飲料水として認めれば、またいってしまいますけれども、日量四十万トンの見込みがあるということで、計画的に使うことで、かなり重要な水源になるということを申し上げたいと思います。
 それから副読本ですけれども、今すぐに改訂ということを申し上げてもなかなか難しいかもしれませんが、定期的に改訂をなさっているのだと思います。その時期に、ぜひ地下水について積極的に、最大限活用を図るというふうなご答弁をなさっているわけですから、中に位置づけていっていただきたいというふうにお願いをしておきます。
 それでは二つ目ですけれども、多摩地区における無人施設の安全対策についてということです。
 資料をお願いしまして、出していただいたのですけれども、浄水所及び給水所、ポンプ所などの無人化施設についてということでお願いをしました。区部と多摩地域に分けてということでお願いをしましたらば、区部は無人が二十二カ所、多摩地区は百八十八カ所ということで、非常に多いので驚いてしまったわけなんですけれども、有人と無人の基準化といいますか、なぜ多摩地域にこれだけ無人施設が多いのでしょうか、お伺いいたします。

○滝沢技術調整担当部長 多摩地区には、都営水道に統合される以前に、それぞれの市や町が整備した小規模な水道施設が多数存在しております。
 これらの無人施設は、安定給水の確保を前提といたしまして、効率的に運用するため、施設の更新に合わせまして遠方監視制御システムを導入いたしまして、運転、管理の集中化を推進してきたということによるものでございます。

○新井委員 多摩地域には、非常に小規模な水道施設が多いということで、すべての施設を有人にというふうには思いませんけれども、無人が余りにも多いということでは、不安感がわいてくるのを否めません。
 それで、こういう無人施設が多いわけですけれども、特に開放水面がある施設の安全対策というのは、どんなふうになっているでしょうか。

○滝沢技術調整担当部長 多摩地区におきまして、屋外に開放水面を有する施設は三カ所と、少のうございますが、これらの施設につきましては、周囲さくを整備するとともに、センサー方式等によります侵入防止装置や、魚の行動の異常によりまして水質の異常の有無を把握する方法などの毒物検知装置を設置するなどの安全対策を講じているところでございます。

○新井委員 いろいろ侵入防止とか毒物の検知機とかというものが設置されているということですけれども、今の社会状況が非常に物騒なようなことになっておりまして、こういう質問も本当に、しないで済めばいいわけなんですけれども、例えば空からとか、あるいは何か遠くから投げ込むというんですか、毒物が入ってしまったというふうな場合、そういうことが想定されたとき、家庭に行くまでの間に、必ず無人施設においても迅速に対策が立てられるのかどうかということを確認させていただきたいと思います。

○滝沢技術調整担当部長 多摩地区の無人施設のほとんどは地下施設や建物内にあることから、毒物混入の問題はないというふうに考えておりますけれども、開放施設のある無人施設におきましては、万一、毒物等による水質異常が検出された場合につきましては、遠隔制御によりまして、直ちに施設停止することが可能となっております。
 その際には、他の系統からの給水に変更するなど、必要な措置を講ずることとしております。

○新井委員 水というのは本当に命にかかわることですので、そういう視点で、特に無人化施設については配慮をお願いしたいと思います。
 危機管理ということに対しましては、震災対策ということも非常に重要になってくるわけですけれども、先ほど、応急給水拠点が非常に多摩に少ないという話もございました。
 私も、実は阪神・淡路大震災のときにはボランティアに入りまして、つぶさにそういう状況を見て、水の重要性というものを感じているわけなんですけれども、震災時に円滑に応急給水をするということでいうと、もう一度、無人施設と有人施設と比べて、対応はどんなふうになってくるのでしょうか。特に、市区町村との連携ということを視点に置いてご答弁をお願いしたいと思います。

○滝沢技術調整担当部長 多摩地区におきまして、震災時の応急給水活動でございますが、東京都地域防災計画震災編に基づきまして、市町が応急給水資器材等の設営並びに被災者への応急給水を行うこととしております。
 特に無人施設につきましては、応急給水活動に支障が生じないように、施設への立ち入り及び資器材等の搬出に必要なかぎを市町で保管しておりまして、万一に備えているところでございます。 

○新井委員 設備は東京都、資器材も含めて、かぎは市町で管理ということですけれども、無人のところ、人がいなければ、いざというときの対応がおくれがちということもございます。こういう意味では、市町との連携ということに十分配慮してやっていただきたいというふうに思います。
 こちらの提出資料では、多摩地区の無人施設は百八十八カ所なんですけれども、この中の六十六カ所しか給水拠点に指定されていません。例えば、指定されていない施設が多いという現状を見ると、被災で一つの給水拠点が使えなくなっちゃったというふうなことが想定されるわけです、壊れてしまって。近くに、壊れていない、給水拠点に指定されていない給水所並びに浄水所があるけれども、そこを緊急に代替拠点として活用できるようになっているのでしょうか。

○滝沢技術調整担当部長 給水拠点としております水道施設は、震災時におきましても、その機能を十分に発揮できると考えておりますけれども、万一、不測の事態が生じた場合につきましては、その状況に応じまして、給水確保に向けた適切な措置を講じていきたいと考えております。

○新井委員 状況に応じた適切な措置というのが、どういう措置になるのかということなんですけれども、無人化施設においては、特に人災あるいは防災、両方の観点から、いろいろな可能性を考えて対処していただきたいと思います。
 今、使えなくなるということはないと想定しているけれどもというふうにおっしゃいましたけれども、災害というのは、本当にあらゆることを想定して、それに対してどう対処するかということを考えていかなければならないというふうに思います。
 そういう意味では、多摩の方は、区部に比べて施設が小さいということもございますけれども、無人施設が非常に多い。そこの無人でのテロ対策あるいは災害対策というところで、万全を期した対策をとっていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。

○山田委員 それでは、質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、多摩地域の水道事業の経営改善についてお伺いいたしたいと思いますが、この質問内容についても、既に何人かの委員の方から質疑がございました。若干重なる点もあろうかと思いますけれども、お許しをいただきまして、質問をさせていただきたいと思います。
 多摩地域水道経営プランという資料をいただいておりますが、この多摩水道経営プラン21の案ということなんでしょうけれども、これによりますと、この内容については、お客様サービスの向上、給水の安定性の向上、効率的な事業の運営を目指してという内容でありまして、平成十四年から、おおむね十年間をかけて市町への水道事業運営事務委託を解消して、東京都の直営とするという内容だと思います。
 この三つの目標は当然のことでありまして、これは水道事業運営の基本だと思いますが、やはり一日も早く、こういう基本目標については実現をされることが望まれるところでもあります。
 そのためにも、円滑な事務事業、先ほど質疑にありましたけれども、各地域においては、これまで取り組まれてきた水道事業に携わってきた職員ということもございますし、その移行に当たってはいろいろな問題点もあろうかと思いますけれども、ぜひ関係市町と十分協議をされながら、円滑な移行、事務委託の解消をしていただいて進めていただきたい、そのように思うところでございます。
 私どもの西東京市についても、先ほど職員数の説明がございましたけれども、約五十二名の、水道部に所属しております職員がおりまして、その職員の配置も含めて、今、組合と話し合いをしているというようなことも伺っておりますので、ぜひこういう問題も含めて、事務委託の円滑な移行に向けて、関係当局としても努力をしていただきたい、そのように思っているところでございます。
 経営改善ということについては、これは当然、都民サービスの向上ということでもありますし、それと同時に、企業経営の効率化が実現できることにもなると思います。このようなこれまでの事務委託を東京都が直接運営をする、こういう機会でもありますので、この際、積極的に事務の効率化を図っていただきたい、経営効率化を図っていただきたいと思うところであります。
 まず、事務の委託の解消によって、今後、東京都としてどのような水道業務の事業運営を行っていこうとするのか。それと、私は当然、この際ですから、民間委託というのも積極的に取り入れて、企業経営の改善といいますか、よりよい執行体制を確立をしていくためには必要かと思うのですけれども、その点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○二階堂調整部長 事務委託解消によりまして、どういう水道事業をしていくのかということでございますけれども、より高い水準のサービスと、より安定した給水を実現すると同時に、効率的な執行体制を確立し、二十一世紀にふさわしい多摩地区水道を構築するということが目的でございます。
 さらに、民間委託の活用につきましては、経営改善をする際には、ご指摘のとおり、お客様サービスの向上と経営の効率化を図っていかなければなりません。したがいまして、各市町が行っている水道業務を都が引き継ぐに当たりましては、現在の各種業務を見直し、より積極的に民間委託を活用していく所存であります。
 これによりまして、お客様サービスの向上を図るとともに、事務委託解消後の都職員の増加を抑制し、多摩地区水道事業の経営の効率化を図っていくというふうに考えております。

○山田委員 今回の東京都の直営に変更するという方針、そういう方向でやっているわけですけれども、これまで各市町で携わっていた業者の方も当然いるわけです。今までは市町から発注を受けて仕事をしていたという業者の方たちも、これを東京都が直接、業務をするということになりますと、地元の業者の対応というのも、これから変わっていくのかなと、そんな不安も持っているところでもあります。
 やはり今まで地域で、事情に精通した業者の方たちに、今後も水道業務にいろいろ積極的に協力していただくということもありますので、多摩地域の水道事業を支える上で大きな力となっております業者についてのこれまでの配慮、あるいは受注機会の増大のための水道局としての方策はどのようなことをされてきたのか。あるいは、直接、事業運営を行うことになるわけでありますが、これらの業者についてはどのような形で対応されていくお考えなのか、都のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○二階堂調整部長 これまで当局では、公共事業における中小企業者の受注機会増大のための方策としまして、分離分割発注の推進、共同企業体方式の採用、事業協同組合等の活用などを行ってまいりました。
 事務委託解消後についてでありますが、事務委託解消後は、多摩地区の水道事業の契約発注はすべて都が行うことになりますが、地元中小業者は、先生おっしゃられるとおり、その地域に精通していることや現場に近いことなど、工事施工の上ですぐれている点もございます。そのため、発注に当たっては、今後とも、地元中小業者の受注機会の確保について、さらに検討していきたいというふうに考えております。

○山田委員 これまで地域の水道業務に協力をして、また仕事に携わってきた、地元の中小業者といいましても零細業者ということになると思うのですが、ぜひ仕事の確保ができますように、お取り計らいをいただきたいと思います。
 次に、現在の多摩地域における安定給水の確保についてでありますけれども、多摩地区の給水における現状はどうなっているのか、ご説明いただきたいと思います。

○滝沢技術調整担当部長 多摩地区の水道は、都営水道の一元化を開始した昭和四十八年以降、送配水施設等の充実に努めてまいりました。
 しかしながら、配水管整備が市町域内にとどまってきたことや、地形が複雑であることから小規模施設が散在するなど、効率的な管理や水運用、事故時のバックアップなどの点におきまして、解決すべき多くの課題を抱えております。

○山田委員 市町域を超えた施設の整備が必要ということだと思いますけれども、今後、具体的な施設の整備についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○滝沢技術調整担当部長 今後の多摩地区の水道施設整備に当たりましては、市町域を超えた配水区域への再編成に向けまして、広域的な拠点となる給水所などや、これらを結ぶ送配水ネットワーク、さらには配水本管網の整備を進めていきまして、一層の安定給水に向けた送配水システムの構築を図ってまいります。

○山田委員 ぜひとも、より一層の安定給水の確保に、今後とも努めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それとあと、先ほども質疑にあったのですが、震災時における飲料水の確保ということで、応急給水槽の設置ということがございました。東京都の震災対策条例においても、この給水及び備蓄のための施設の整備に努めなければならないということが規定されておりますし、水道局としても、先ほどのご説明ですと、それに努力をされていることはよくわかるのですが、ぜひこの応急給水槽、それなりの大きな財源も必要だと思うのですが、その設置について努力をしていただきたいと思います。また、これについては、関係部局と調整をしながら、ぜひ計画を進めていただきたいと思います。
 また、これは要望になるのですが、私どもの西東京市においても、合併記念公園という記念公園を約百億円の財源、予算をかけて建設をするということで、その中に応急給水槽を設置をしたいということで東京都に申し入れをしたところ、いろいろな事情があって、なかなか設置が難しいというお話であったように聞いております。そういうような避難場所等については、必要な場所については十分検討していただいて、生命を守るといいますか、そういう大事な水の確保でもございますので、取り組んでいただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
 次に、安全でおいしい水対策についてお伺いいたしたいと思います。
 これは十月十七日の朝日新聞の夕刊に載っていた記事なんですが、「スーパーの浄水スタンド『安価で安心』人気上昇」とのタイトルで、スーパーの浄水スタンドでの水サービスの記事が載ってございました。その人気の秘密は、ミネラルウオーターと比べて安いこととか、あるいは水道水の味と安全性への不信から、人気を得ているということが書いてありました。
 それと同時に、朝日新聞が実施をいたしました世論調査によりますと、水道水をそのまま飲むことに抵抗があるかという質問に、四四%の人が抵抗がある、ないという人が五三でした。水道水をおいしいと思うかという問いには、おいしいと答えた人が二六、そうは思わないと答えた人が六四%。水源の汚れが十分に取り除かれているか不安に思うことがあるかという問いに、あると思った人が五二%、ないと答えた人が四三%。こんな記事が載っておりました。
 水道水についても、おいしい水ということで、それなりに当局としても、おいしい水対策については取り組んでいるとは思っておりますけれども、市民の中には、都民の中には、まだまだこのように不安を持っている市民、都民も多いということを、ぜひご認識もしていただければと思います。
 そこで、当局といたしまして、安全でおいしい水を供給するためのさまざまな努力や苦労をされていらっしゃると思いますが、どのように取り組んできたのか、ご説明いただきたいと思います。

○本山浄水部長 東京都水道局では、安全でおいしい水を供給するため、水源から給水栓までのきめ細かな水質管理の徹底を図っております。
 また、水質管理体制を充実させるとともに、浄水処理技術に関する調査実験に取り組み、新たな水質問題に対応できるように努めております。
 さらに、高度浄水処理の導入を順次進める一方、水源水質の保全について、引き続き国及び関係機関に対して積極的に働きかけてまいります。

○山田委員 多摩地域は、かつては井戸水が水道水の主流であった時期もございました。その後、需要がふえたとか、あるいはその他の理由によって、現状では河川水と井戸水のブレンドによる水道水が配給されているわけですが、先ほどの質疑にもありましたけれども、高度浄水処理によってのおいしい水ということで、そのような整備も進んでいると思います。
 私どもの西東京市は、井戸水が三〇%、河川水が七〇%のブレンドの水でありまして、地域によっては、おいしいとか、おいしくないとかいうようなこともいわれますけれども、ぜひおいしい水のために、対策として、今後とも努力をしていただきたいと思います。 
 今、利根川水系の浄水場の整備が順次進められていると聞いておるのですが、東村山浄水場の整備については、高度浄水処理の導入ということなんですが、どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねいたしたいと思います。

○鈴木参事 利根川水系を水源といたします浄水場では、流域河川の汚濁進行等によりまして、カビ臭原因物質や消毒副生成物等の問題への対応を迫られております。
 このため、既に金町浄水場、三郷浄水場につきましては高度処理を導入してきており、現在、朝霞浄水場、三園浄水場への導入を鋭意進めているところでございます。
 東村山浄水場につきましては、主に多摩地区へ供給している浄水場でございまして、多摩川と利根川の両水系を水源としております。施設の三分の二は、利根川水系の水の処理を行うものとなっておりまして、その原水の水質は、現在、導入を進めております朝霞浄水場、三園浄水場とほぼ同一でございます。
 このため、東村山浄水場につきましても、高度浄水処理の導入が必要であり、現在、平成十六年度の工事着手に向けて鋭意検討しているところでございます。

○山田委員 それでは、マンション等にあります受水槽の管理ということでお尋ねいたしたいと思いますが、せっかく水道局がそのような高度浄水処理をして、おいしい水を供給しても、マンションに設置しております受水槽の管理が不十分であれば、そのような水が届かないという状況になると思います。
 特に、法規制のない小規模な受水槽の水質が問題になっていると聞いておりますけれども、その適切な処理が必要でないかという思いの中で、現在、受水槽の管理はどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○中村営業部長 健康局の資料によりますと、平成十二年度末におきまして、受水槽の設置件数は約二十二万五千件ございます。そのうち、水道法の規制を受けない、有効容量が十立方メートル以下の小規模受水槽は、約十九万五千件設置されております。
 これら小規模受水槽については、法規制を受けないため、衛生行政の面から、要綱に基づく指導等が行われていますが、定期清掃や検査が実施されないなど、管理が不十分なものがあり、衛生上の問題が発生しているものがあります。

○山田委員 ことしの四月に水道法が改正されまして、貯水槽については設置者の責任が明確に定められ、そして、そういう項目が規定されたということを聞いておりますけれども、どのような内容であるかをご説明いただきたいと思います。

○中村営業部長 改正水道法では、受水槽を介して給水するビル等の建物内の水道の総称を貯水槽水道と新たに定義しまして、この貯水槽水道に関して、水道事業者及び貯水槽水道設置者の責任に関する事項を、供給規定に適切かつ明確に定めることを求めております。
 このため、水道局では、来年三月までに給水条例の改正を行う予定となっております。

○山田委員 それでは、給水条例について、今、変更というようなことのお話がありましたけれども、改正というのですか。この改正に伴いまして、水道局ではどのような対応をしていくお考えであるのかをお聞かせいただきたいと思います。

○中村営業部長 水道局では、改正水道法の趣旨を踏まえまして、関係機関と調整を図りながら、現在、給水条例の改正に向けて準備しているところであります。
 給水条例の改正に伴いまして、水道局は、貯水槽水道の設置者に対する適切な管理の指導、助言、勧告、また利用者及び設置者に対する情報提供、必要に応じた立入調査などを実施する一方で、設置者の責任としましては、管理基準の遵守、利用者への情報提供、貯水槽水道の設置や変更等の届け出義務を課すことを予定しております。
 今後、健康局などの衛生行政と連携を図りまして、貯水槽水道の適正管理の充実に向けて取り組んでいく考えでおります。

○山田委員 そのようなマンションに居住している方たちの安心を図るためにも、水道局が貯水槽の設置者、管理者などに対して十分なフォローをしていただくように、ぜひお願いいたしたいと思います。
 次に、水道フレッシュ診断についてお尋ねいたしたいと思います。
 水道は、一日二十四時間、いつも欠くことのない、日常生活において最も身近なサービスでありまして、その水道事業経営プラン二〇〇〇では、生活に密着したサービスの推進を主要主題として、その中で、水道フレッシュ診断を、平成十二年度から三年間で実施をいたしていると聞いております。一般家庭約五百三十四万件ですか、あと小規模水槽約十九万件を実施する計画だと聞いております。
 そこでお伺いいたしますが、平成十三年度の水道フレッシュ診断の実施状況について教えていただきたいと思います。

○中村営業部長 水道フレッシュ診断は、都民に信頼され、親しまれる水道を目指したサービス向上施策の一環としまして、お客様を直接訪問して、漏水の有無や水質などを調査するとともに、お客様ニーズの的確な把握に努めることを目的として実施しております。
 平成十三年度におきましては、一般家庭につきまして約百九十六万一千件、小規模受水槽につきまして約四万二千件の診断を実施しております。

○山田委員 今の数値をお聞きいたしますと、三年間の予定件数に対して、平成十三年度は約三六%の実施をしたということになるわけですけれども、水道局としてこれをどのように評価をしておられるのか、お尋ねいたしたいと思います。

○中村営業部長 平成十二年度及び平成十三年度におきましては、おおむね計画に沿った内容で実施しております。
 現在、三カ年計画の最終年度としまして、先ほど申し上げました所期の目的を達成するため、鋭意努力しておりますが、直接お客様を訪問しまして、希望者に対する水道調査の実施のほか、「東京水読本」を配布することなどによりまして、水道事業の内容や水道水の安全性などを積極的にPRできたものと考えております。
 また、アンケート調査等を通じまして、お客様から貴重なご意見、ご要望をいただいておりまして、これらは今後、幅広い角度から集計結果を分析し、今後の局事業の施策に反映させていきます。

○山田委員 「水道ニュース」の、これは九月号だと思うのですが、こちらに「悪質な訪問販売にご注意を」ということで、水道フレッシュ診断に便乗した、詐欺や訪問販売に対する注意を喚起した記事が書いてあるのですけれども、聞くところによりますと、近年、水道局の職員を装った詐欺事件とか、あるいは訪問販売、浄水器を売りつける、そういう事例が多く出ていると、この記事を見ますと書いてありますが、実際にどのような事例があったのか、ご説明いただきたいと思います。

○中村営業部長 平成十三年度におきまして、悪質な訪問販売等に関して、お客様から水道局に連絡いただいたものとしましては、一つは、調査と称して家屋に入り、浄水器を設置して高額な料金を請求するもの、また、水道局の水質検査を装い、色のついた水道水を見せてお客様の不安をあおり、浄水器の契約を勧誘するもの、また、水道局によるメーター交換直後にお客様を訪問し、メーター交換代を請求するもの、それから二人組みでお客様を訪問し、検針を装って水道メーターの点検に立ち会わせ、その間に一人が部屋を物色し、金品等を窃取するものなどの事例がありました。

○山田委員 ご説明いただきまして、ありがとうございました。
 それで、水道局では、これらの事件についてどのような対策をとっているのか。また、事件を未然に防止をするために、都民への啓蒙活動、「水道ニュース」に掲載するのもそうでしょうけれども、どう取り組んでおられるのか、お答えいただきたいと思います。

○中村営業部長 水道局では、悪質な訪問販売などがあった場合、当該地区の自治会や区市町村、消費者センター、警察等の関係機関へ情報を提供しております。このほか、特に悪質な事件が発生した場合には、当該地区の全戸に対して、注意を喚起するビラを配布するということもしております。
 また、このような事件の発生を未然に防止するため、検針票の裏面や水道局のホームぺージ、「水道ニュース」、「東京水読本」などを通じて、お客様に対しまして悪質業者への注意を広く呼びかけているほか、当局職員はもとより、検針委託会社などに対して、身分証明書の携行などを徹底するよう指導しております。

○山田委員 どうもご答弁いただきまして、本当にありがとうございました。
 ぜひ今後とも、東京水道事業の運営につきましては、常に効率的な事業運営ということを念頭に置いていただいて、民間委託あるいは新しい事業の経営システムを積極的に導入していただきまして、安定給水の確保や、安全でおいしい水の供給に努めていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○河西委員 それでは、本日最後の質問者のようでございます。簡潔に進めていきたいと思いますが、まず最初に、十三年度決算の意見書が監査委員から提出されております。これに触れて、一点、お伺いをしたいと思います。
 管路診断の有効活用についての審査結果が報告をされています。管路診断をした結果、補修が必要だと思われる箇所が長期間にわたって放置をされたままだと、診断に使ったお金が有効に生かされていないのではないか、このような趣旨で指摘があるわけですけれども、まず、管路診断業務とは何かということをお尋ねしたいと思うのです。どのような業務なのか、まずお伺いをいたします。

○御園給水部長 管路診断業務についてでございますが、この業務は、管路施設を将来にわたりまして健全な状態で維持管理するために、配水管路の機能等を調査、診断するものでございまして、主な業務といたしましては、まず、配水管のバルブや消火栓などの機能を調査する配水管附属設備調査がございます。
 次に、河川や軌道等を横断する水管橋などの腐食状況を調査する横断管路調査、及び道路下に埋設されております配水管の腐食状況や周辺土壌の腐食性を調査する管体環境調査がございます。
 診断結果は、機能や腐食状況の程度に応じまして施設の補修を行うなど、日々の維持管理に活用しております。

○河西委員 日々の維持管理に活用しているということですが、これが不十分じゃないか、こういう指摘があったわけです。
 特定事項の監査ということで、これが全体の水道局会計決算の中でどのくらいの比重を占めるのか、重要性があるのかということについては、まだ私も十分にわかりません。けれども、この指摘そのものは、納税者であり、水道使用者の立場から、都民の立場からすると、いかがなものかな、この指摘のとおりだというふうに認識しているのです。
 今回の決算審査において、今後、管路診断を有効に活用した施設の維持管理に努めるべきだ、こういう指摘でございます。これにつきましては、どのように受けとめていらっしゃるのか、お伺いいたします。

○御園給水部長 決算審査では、診断後の補修の進捗状況に地域差があることや、長期未補修となっております案件が見受けられることから、管路診断を有効に活用した施設の維持管理に努められたいとのご意見をいただいたところでございます。
 当局といたしましては、このたびの意見を真摯に受けとめまして、より一層管路診断を有効に活用した施設の維持管理に努めるべく、改善策を講じることとしております。

○河西委員 それでは具体的に、今後の改善策はどういう中身なのか、お聞かせください。

○御園給水部長 管路診断のより一層の有効活用を図るために、まず年間補修計画を策定をいたしまして、補修を着実に実施するとともに、補修の促進を図るため、実施状況を把握いたしまして、進行管理を徹底しております。
 このような措置を講じまして、適切な施設の維持管理に努めてまいる所存でございます。

○河西委員 今、ご答弁で、補修計画を策定して着実に実施しています、進行管理もしています、こういうことなんですが、これがなかったから、こういう指摘があったのだと思います。今後、これを改善策として講じていくというご答弁ではなかったかというふうに思います。私はそのように受けとめます。もし違えば、ご訂正をいただきたいと思います。
 それで、具体的にここで指摘をされています未補修部分の対応、これは平成十年度以降の補修の必要設備が放置をされているという指摘ですから、十三年度だけではなくて、それ以前からということなんですが、この未補修部分の対応について、どのように解消されていくのかお伺いいたします。

○御園給水部長 意見に付されました未補修設備につきましては、進行管理を徹底しながら補修を実施しておりまして、おおむね今年度中に補修を完了する見込みでございます。

○河西委員 ぜひこの間のおくれを、監査委員の指摘のとおり早急に取り組んでいただき、今年度中に、指摘箇所については補修されたいというふうに思います。
 十三年度では、区部においてだけでも、十五億七百九十一万円余りが診断費で計上されているわけです。その診断結果が生かされないということは、大変、都民にとっては納得のいかないことでございまして、この指摘を受けて、年度別の補修計画をつくる、そして、その計画が着実に推進されているかどうか、進行管理を徹底するということをご表明いただきましたので、ごく当たり前のことだと私は認識しておりますが、ぜひ投じた費用が十分な効果を発揮できるような、そんな姿勢の改善も含めてお願いをしたいということで、この問題については終わりたいと思います。
 続きましては、多摩地区における事務委託制度の解消、都直営化に向けての問題なんですが、もう四人目でございます。重複しますので、重複部分を避けて、確認的な質問をさせていただきます。
 昨年の十一月以降、この案が市長会を通して各市に伝えられたというふうに思います。昨年、市長会で、この経営改善という表題でご報告をされた中身、それ以降のスケジュールとして、一つは全受託市町への経営改善についての意見照会、そして二つ目は、経営改善についての基本計画の策定、三つ目は自治労等との協議、四つ目は、全受託市町ごとに協議の上、市町村別移行計画、民間委託化計画とか職員減員計画を策定する、こういう予定がこの計画プランの中では示されています。
 十三年度あるいは十四年度の今日現在まで、それぞれの進捗状況についてご報告いただきたいと思います。

○二階堂調整部長 市長会での報告後、平成十三年十一月に、すべての受託市町に対しまして、経営改善に関する意見照会を行い、同年十二月には、多摩地区水道経営プラン21案、及び移行に当たっての基本的な考え方案を作成し、市町等に通知しました。
 また、自治労等との協議につきましては、現在も継続中であります。
 市町別移行計画の策定につきましては、市町との協議を本年八月に開始しまして、現在、計画策定に必要な調査を行っているところであります。

○河西委員 受託全市町に対して意見照会を行ったということですけれども、その際、どのような意見があったのか。
 その他のスケジュールは現在も継続しているようでございますが、これからの当面の予定も、あわせてお伺いいたしたいと思います。

○二階堂調整部長 各市や町からは、広域的な視点から、区部と同一のサービスを実現するとの都の考え方は了解するという意見をいただきました。
 ただ、水道業務に従事している職員の問題があり、市や町の実情に十分配慮してほしい、また、事務委託解消の実施時期や期間などについては柔軟に対応してほしいなどの要望を受けております。
 当面のスケジュールでありますが、十四年度末を目途に、多摩地区水道経営プラン21、及び移行に当たっての基本的な考え方を決定し、基本計画として公表したいと考えております。
 あわせて、市町との協議を進め、十四年度末を目途に市町別移行計画を策定していく予定であります。

○河西委員 おおむね十年間の予定で、これを進めていくという方針が出されているわけですけれども、この推進に当たっての留意点についてお伺いをしたいと思います。

○二階堂調整部長 平成十四年度末に策定を予定しております市町別移行計画に基づき、おおむね十カ年の間に、順次、市町から業務を都に引き継ぐとともに、民間委託を活用し、市町の水道職員を減員してまいります。そして、都への業務引き継ぎがほぼ完了した市町から事務委託を廃止する予定であります。
 留意事項としましては、円滑に業務を移行し、お客様サービスに影響を与えないこと、市町の実情を踏まえた職員の減員を行うこと、経営の効率化を図ること等があると考えております。

○河西委員 今のご答弁で、幾つか気になるところといいますか、あるのですけれども、とりあえず次の質問に移ります。
 多摩地区における水道事業の経営改善、もっと端的に事務委託制度の解消、こういうふうにいった方がいいと思うのですけれども、これを進めるに当たって、現在、一元化されていないところ、未統合の自治体が三市ございます。武蔵野、昭島、羽村だと思いますが、この三市の意向、そして、それに対する都のお考えを伺っておきます。

○二階堂調整部長 都営水道への一元化に関する未統合の三市の意向でございますが、それぞれ将来的には別でありますけれども、当面は市の事業として行っていくというものでございます。
 このため、都としましては、市の意向を尊重し、今後、市から統合の要望があった時点で検討していきたいというふうに考えております。

○河西委員 今回の多摩地区水道事業の経営改善ということで出されました案は、水道は都民生活に欠かせない大切なものであるということでありますから、経営改善によって、これまで以上にサービスを向上し、水道を安心して使えるようになるということは望ましいことであるというふうに私も思っています。
 事務委託経費、ちょっとさかのぼって、数年間、合計額を出していただきましたが、平成九年に四百億を超えていましたが、その後は三百五十億なり四十億なり、十二年から調布市が一元化、統合されましてからも三百六十億ぐらいで、急激にふえているとか、そういうことではないのですが、そのぐらいの委託費を計上して運営をしてきたということだろうと思います。水道事業全体の一層の効率化ということは、私も必要だというふうに思っていますので、これについては、基本的には了解をしたいというふうに現時点で思っています。
 けれども、先ほどから、るる今後の進め方、あるいは現時点での市や町の考え方、不安等をお聞きしますと、予定どおりに進むのかなという疑問も、一方では出てきます。今回、経営改善案ということで事務委託制度を解消しようというその根本理由として、今の事務委託制度に限界があるのだということで指摘をされた、もう既に出されておりますけれども、幾つかの点につきましては、これは専ら、私は効率的な事業運営という、経営サイドの視点からの限界だというふうに認識をしています。お客様サービスの向上、これは現時点でも、前の質問者からもありましたけれども、事務委託されている各市町村の水道局の職員の、利用者に対する、使用者に対するサービス、対応、あるいはもろもろの事業についても、余り利用者、使用者は不都合を感じていないのです。
 ただ、ご指摘のように、それぞれの自治体に、必要な事務セクションが重複してあるとか、それから、営業所といいますか事務所といいますか、それをそれぞれが持っていて、必ずしもその必要性があるのかどうかとか、あるいは予算執行でも重複していて、もう少し整理できるのではないかとか、そういった財務とか予算執行の面ですとか、あるいは組織的な人事管理ができないという問題とか、これは確かにあるのですけれども、お客様といわれる我々使用者からしますと、結構今のままでもいいじゃないか、こういう受けとめ方をしているのがほとんどだというふうに思います。
 先ほどの質問者の中で、夜中の引っ越しに対応してくれた、課長さんが夜中に出てきて栓をあけてくれたと、こういう話がありました。あるいは、別のところで私も聞くのですけれども、使用料を滞納していても、あした払うからとか、二、三日後に払うからあけてくれないかということに対しても、それに対応している、こういう水道局もあるようでございます。
 これらは必ずしも、これがなくなるからといって、サービスの低下だ、後退だとは私は思いません。ですから、この際本当に、使用者であるお客様といわれる我々都民が、水道事業に対して何を期待しているのか、利用者として、やはり改善、改革しなければいけない部分もあるのだということも同時に考えながら、改善計画をきちんと納得づくで進めていただきたい、こういうふうに思うのです。
 それにいたしましても、それぞれ今、受託をしています市や町、いろいろな温度差がありまして、私が住んでいます狛江市は、一元化が決まった翌年といいますか、その年といいますか、四十八年に既に東京都に一元化されています。同じ地元であります調布市は、平成十二年度に一元化になりましたし、その他、三鷹がやっと入った--やっとといっちゃいけませんね--という状況で、一元化の経過だけ見ましても、それぞれ違いますし、ましてや人口の規模もそれぞれ違います。また、それぞれの自治体の職員の年齢構成も、大幅には違わないと思いますけれども、違っているのではないか。
 この計画が十年後ということになりますと、ちょうど団塊の世代の、どっと膨らんでいる職員がおやめになる時期だとか、いろいろなことがあると思うのですが、いずれにしましても、それぞれの市や町の事情が異なるわけですから、十分に受託市町の意向を聞いた上で、協議をきちんとしていただきたいということを申し上げたいと思うのです。
 それから、自治労と、職員の減については交渉を始めているということなんですが、自治労の都本部とお話をされていると思います。ただ、まだそれぞれの市職なり、自治労傘下の単組にはお話が来ているのかどうか、まだ来ていないのじゃないかと思うのです。そんな中で、この自治労との話し合いも、そう簡単にはいかない。 
 そして、もう一方では、水道局全体では、企業内努力を各方面で進めておりますけれども、職員の定数の削減も、水道事業経営プラン二〇〇〇の中には明記をされていまして、昨年度も今年度も、定数ベースで二百人、減員をされています。計画を達成する、一応、目標年度の十五年度には、全部で五百人を削減しようという計画がございます。
 そうしますと、市の職員を千百人全員減員して、今の水道局の職員で賄いながらやっていくということになりますと、大幅な業務委託がなければ不可能でございます。そうしますと、これは業務の委託の幅を大幅に拡大をしていくことになるわけですから、これは自治労というレベルではなくて、東水労なり、東京水道の労働組合との協議も、またこれまで以上に必要なのかなという感じも持っております。
 いずれにしましても、強引に進めようと思ってもできるわけではありませんので、関係機関、関係者、あるいは利用者である都民の理解と納得を大前提に進めていただきたいということだけ申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 次は、用地の有効活用についてお尋ねをしたいのですけれども、水道局は、水道事業経営プラン二〇〇〇に基づく企業努力の一環として、用地の有効活用を行っていると思います。この用地の有効活用に対する基本的な方針、考え方についてお伺いをいたします。

○松井経理部長 用地の関係でございますが、水道事業は、多くの施設から成る事業でございます。そのため、用地もたくさん所有あるいは管理してございます。
 こういった用地に関しましては、原則として、管路、給水所等、局施設の事業用として、施設計画等に基づき効率的な使用を行っておるところでございますが、施設の廃止または休止によりまして遊休化した用地につきましては、有効活用によって収益を確保して、局財政に寄与することとしてございます。

○河西委員 そういった施設の廃止または休止によって遊休化した用地につきまして、具体的な活用は、どのような考え方に基づいて行われているのでしょうか。

○松井経理部長 遊休化しました土地につきましては、できるだけ保有したまま、長期的な観点に立ちまして、共同ビル事業の実施、市街地再開発事業への参画、貸し付け等の積極的な有効活用を図るとともに、必要に応じまして、他局への有償移管ですとか、地元区市町村や民間への売却も検討していくということとしてございます。

○河西委員 休止や廃止によって、原則としては局の事業に使用するということで、局としては保有をしていく、これが原則であると。その上で有効活用として、今おっしゃった長期的な観点に立って、共同ビル事業の実施とか市街地再開発事業への参画、あるいは貸し付け等で積極的な有効利用を図っていくのだ、こういうことです。
 具体的な活用策というのは、どのような手順で決定をされていくのか、お伺いいたします。

○松井経理部長 用地の有効活用につきましては、局内に設置しております固定資産管理運用委員会、局用地有効活用委員会におきまして、最も有効な活用方法を検討した上で、局として方針を決定しております。
 なお、売却に際しましては、規程に基づきまして、財務局が担当しております東京都財産価格審議会の評定を得ることとしてございます。

○河西委員 十三年度当初において、施設の廃止等が見込まれ、今後活用を検討していく、あるいは検討していた用地、これはどのくらいあるのか。
 それから十三年度の売却実績、これはどうなっているのか。決算書では、八億幾らという数字が出ていたかと思います。八億五千七百万ですか、金額的にはそういう数字が出ていたと思いますけれども、あわせてお答えをいただきたいと思います。

○松井経理部長 平成十三年度当初におきまして、施設の廃止等が見込まれて、活用を検討していた用地につきましては、件数にして二十一件ございまして、面積では約五万三千平方メートルでございました。
 また、平成十三年度の売却の実績でございますが、地元の自治体などから要望が四件ほどございましたが、そういったものも含めまして、件数にして十件、面積で約三千九百平方メートルでございます。

○河西委員 十三年度当初には、有効活用の対象用地として二十一件あった。十三年度の売却実績が十件。この中には、地元の自治体からの要望も四件あったということです。
 そうしますと、その後ふえたのでしたらあれですが、残り十一件が現在あるというふうに、十三年度末には、活用用地として十一件あるというふうに思うのですけれども、十四年度の売却予定はどうなっているのか、お伺いいたします。

○松井経理部長 今年度の、平成十四年度の売却の見込みでございますが、公舎跡地など七件、面積で約八千百平方メートルを見込んでございます。

○河西委員 わかりました。企業努力計画の一環として、未利用地の売却等による収入の確保ということで、有効活用について計画化されているわけです。残り十一件のうち、七件が十四年度に売却予定があるということになりますと、残り四件が現在あるわけです。
 私は狛江市に住んでおりまして、狛江市に広大な水道局の用地がございまして、これは資材置き場として使われております。これも、十四年度末で資材置き場としての利用、使用が終わるわけでございまして、これは資材の供給方式の変更に伴ってそういうことになるわけですが、かなり大きな土地でございまして、地元市としても、行政も住民も大きな関心を持っているところです。
 これまでの十三年度の売却面積、売却金額と比べましても、かなりのものでして、これについてはさまざまな経過がございます。きょうご質問しまして、有効活用についての手順などについても再確認をさせていただきましたが、事前の当局、あるいは住民との、必要があれば協議なども通じて、有効活用については取り組んでいっていただきたいということだけ、きょうは申し上げておきたいと思います。
 それでは最後になりますが、環境対策に関連して、十三年度の環境会計決算についてお伺いをしたいと思います。
 水道事業における環境対策を総合的に把握するために、全国自治体に先駆けて、平成十二年度から導入をしました環境会計の十三年度決算についてお尋ねをいたします。
 水道局は、平成十三年度の環境対策として、水道水源林の保全を初めエネルギーの有効活用、省資源、リサイクルなど、前年度に引き続き、取り組みを進めてこられました。十三年度新たに取り組んだ事業としては、東村山浄水場における水力発電、これが四月から稼働しているということであろうかと思います。
 環境対策に係る費用と、経費節減効果や環境負荷の低減量などを数字で明らかにすることによって、環境対策の総合的な推進の方策の一つとして、環境会計の採用は意義のあることだと私は思っています。
 そこで、十三年度の環境会計決算についてお尋ねをするのですけれども、まず、環境会計を導入した経緯についてお聞かせをいただきたいと思います。

○甘利総務部長 地球規模での環境問題が深刻になる中、水道事業におきましても、これまで以上に創意を重ねて環境対策に取り組んでいくことが求められております。事業経営とのバランスを踏まえた環境対策を推進していくためには、お客様の理解を一層得ていくことや、内部の意思決定を支援していくことが必要でございます。 
 こうしたことから、経営情報の一つとしまして、全国の自治体に先駆けて、平成十二年度予算版から導入しております。以後、予算版、決算版を作成し、公表しているところでございます。

○河西委員 それでは、平成十三年度の決算の効果、結果についてお聞かせいただきたいと思います。

○甘利総務部長 平成十三年度環境会計決算版につきましては、浄水場における常用発電や、発生土の有効利用などの環境対策に係る費用として約五十一億円、これに対する経費節減効果として約七十五億円で、約二十四億円の費用対効果が得られました。
 また、環境保全効果といたしましては、年間で、二酸化炭素は一万三千四百四十六トン、窒素酸化物は七千二百七十九キログラム、硫黄酸化物は一万九百四十一キログラム、それぞれ環境負荷を低減いたしました。
 なお、二酸化炭素の低減量を自動車の年間排出量に換算いたしますと、約五千七百二十二台相当の効果が得られました。 
 その他、発生土の有効利用は四万六千四百四十五トンでございました。

○河西委員 十三年度の環境対策に投じた費用とその効果ということで、今、費用対効果の問題も含めてお答えいただきました。
 今、十三年度決算をやっていますので、この決算審議を生かして予算編成をするのは十五年度になるかと思いますが、十四年度も環境会計の予算というのをおつくりになっています。これは、さまざまな取り組みをして、予算ベースでいいますと、年間の自動車のCO2の排出量に換算すると六千七百台分の効果を上げるのだ、こういうことで、新たに低公害車への買いかえの問題とか、営業所等における屋上緑化を進めるとか、NaS電池の導入をするなどなど入れて、この効果をさらに高めていきたい、こういう予算になっているかと思います。
 それでは、この環境会計の十三年度決算を踏まえて、さらに会計の精度を高め、十五年度の予算版にどう反映させていくのか、これについてお伺いをいたします。

○甘利総務部長 環境会計は、最近できた新しい仕組みのために、環境省では、環境会計ガイドラインについて検討会を設置しまして、環境保全への取り組みの進展等を踏まえまして、検討、改定を行っております。
 当局におきましても、最新版の環境会計ガイドライン二〇〇二年版における変更点などを参考に、精度の向上に努めてまいります。
 また、お客様にも一層わかりやすい環境会計とするため、評価方法として、例えば販売水量当たりの環境負荷の低減量を表示するなど、検討してまいります。

○河西委員 工夫を凝らしながら、この環境会計をやはり都民にきちんと公表していく、都民もそういう環境意識を持って水を使うということにつなげていっていただきたいと思うのですけれども、どのような方法で、この環境会計、都民に公表しているのか。拡充策があれば、それもあわせてお伺いをいたします。

○甘利総務部長 当局では、現在取り組んでいる環境施策につきまして、体系的にまとめました環境報告書を毎年作成しております。その中に環境会計の決算版を掲載するとともに、ホームぺージに、環境報告書と、単独で作成している環境会計の予算版を公表しております。
 また、環境報告書や環境会計のリーフレットを都民情報ルームや営業所の窓口に備えつけ、お客様に対し情報の提供に努めてまいります。
 これからもさらに充実していきたいと思っております。

○河西委員 ぜひ工夫を凝らして、先ほどの、どのくらいの水を使ったら、東京ではこのくらいの環境の効果が上がっていますよというようなことを伝えていくことが、まず、都民の理解をいただける第一歩だというふうに思います。
 「水道ニュース」なども、私も毎号、拝見をさせていただいておりますけれども、学校における環境教育の中にも積極的な取り組みをお願いしていくなどなど、たくさんあると思います。
 せっかく、いいこの環境会計の導入、それによって総合的な環境対策を推進していくのだという意気込みでスタートされていますので、会計の精度を高めながら、ぜひこの存在自身を普及していただく、お知らせいただくということもあわせてお願いして、質問を終わります。

○石川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石川委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。
 以上をもちまして、第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、打合会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石川委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後四時五十三分散会

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