公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第三号

平成十四年十月十八日(金曜日)
第一委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十一名
委員長樺山 卓司君
副委員長東野 秀平君
副委員長いなば真一君
副委員長富田 俊正君
松村 友昭君
初鹿 明博君
河野百合恵君
吉原  修君
織田 拓郎君
比留間敏夫君
山本賢太郎君

 欠席委員 なし

 出席説明員
港湾局局長高橋 信行君
技監高野 一男君
総務部長津島 隆一君
参事井戸 秀寿君
港湾経営部長浅倉 義信君
参事吉田 安輝君
臨海開発部長三枝 修一君
参事萩原 豊吉君
参事金子  優君
港湾整備部長梶山  修君
計画調整担当部長松井  創君
参事安藤 哲士君
離島港湾部長樋口 和行君
参事松本 義憲君

本日の会議に付した事件
 平成十三年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  港湾局関係
  ・臨海地域開発事業会計決算(質疑)
  ・港湾事業会計決算(質疑)

○樺山委員長 ただいまから平成十三年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都臨海地域開発事業会計決算及び平成十三年度東京都港湾事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○津島総務部長 十月七日開催の当分科会におきましてご要求のありました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の平成十三年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 ご要求のありました資料は、表紙の次のページの目次にありますように、六項目でございます。
 まず、一ページをお開き願いたいと存じます。1の臨海副都心地域の土地処分に係る予算と実績でございます。
 平成八年度から十三年度までの土地処分に係る予算と実績を、金額と面積に分けてお示ししてございます。表の右側には、各年度の実績の内訳について記載してございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 二ページをお開き願います。2の臨海副都心地域暫定利用の状況でございます。
 臨海副都心地域において暫定利用されております五区画につきまして、それぞれ敷地面積、事業者名、事業者決定時期、施設概要及び開業時期をお示ししてございます。
 なお、表の右側にございます青海E区画及び青海J区画の施設につきましては、平成十五年以降の開業予定でございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 三ページをお開き願います。3の有明北・豊洲埋立事業の進捗状況でございます。
 有明北地区及び豊洲地区防潮護岸部の埋立事業の進捗状況につきまして、工事費ベースで記載してございます。有明北地区につきましては平成十二年度以降、豊洲地区につきましては平成十一年度以降をお示ししております。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 四ページをお開き願います。4の臨海副都心開発事業の長期収支試算でございます。
 平成十四年三月に策定いたしました臨海地域開発財政基盤強化プランの中でご提示いたしました臨海副都心開発事業の長期収支につきまして、平成元年度から、収入の累積が支出の累積を上回る平成三十一年度までの収支の状況をお示ししたものでございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 続いて五ページをお開き願います。5の臨海関係第三セクターに係る金融機関業態別融資残高でございます。
 臨海関係の第三セクターごとに、各年度末現在の融資残高を業態別にお示ししたものでございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 六ページをお開き願います。6の臨海副都心開発関連第三セクタービルの入居率でございます。
 平成十三年度末現在のビルごとの入居率をお示ししたものでございます。
 詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますよう、お願い申し上げます。

○樺山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山本委員 港湾事業会計決算について、幾つか簡潔に質問をいたします。
 東京港というのは、いうまでもなく日本を代表する国際貿易港であり、都民はもとより、首都圏三千三百万というか、四千万の在住者にその恩恵を大いにもたらしております。そのため、大井ふ頭やあるいは青海のコンテナふ頭の再整備を行うなどして、外国貿易機能の拡充強化を図ってきたことは、我々、皆知っているところであります。外貿コンテナふ頭における国際競争力の強化が重要な課題であることは、この間の我が党の山崎幹事長の質問もそうだし、それに対する知事の答弁もそうでありました。私はそういう意味で、青海のコンテナふ頭を平成十三年度の行政監査の対象といたしました。
 そこでお尋ねいたしますが、青海のコンテナふ頭の公共バースにおける貨物の取扱量の実績は、前と比べてみてどうなっておりますか。

○浅倉港湾経営部長 青海コンテナ公共ふ頭の貨物取扱量の推移でございますけれども、平成八年には約百三十万トン、平成十年には百六十三万トン、平成十三年には二百九十九万トンと、この五年間で二・三倍と大幅に増加しております。

○山本委員 今聞きますと、大幅に取扱量が増加している。二・三倍ということでありますが、ここに対しまして、青海のコンテナふ頭の一番南のところに、新たなバースを整備しました。Cというんですか、C4というんですかね。
 港湾事業会計では、バース背後のコンテナヤードをまず整備しております。しかし、監査でも私が指摘しましたように、コンテナ数の急激な増加、急増には対応できていないというのが現状であろうと思います。
 また、ふ頭内の、この間できた青海縦貫道とその周辺道路は、公共バースの分だけでも、ピーク時には一日千五百台といいますか、あの大きなトラックが出入りをしていて、そのために搬入、搬出するコンテナトラックが大渋滞を起こしている。これが今、問題になっております。
 そこで、このコンテナヤードの不足や周辺道路の大渋滞に対して、港湾局ではどんな対策をやっておりますか。

○浅倉港湾経営部長 コンテナヤードと周辺道路の大渋滞等の対策でございますが、まずコンテナヤードの不足への対応につきましては、これまで青海ふ頭内の背後の土地や第二航路海底トンネルでつながっております中央防波堤内側に二十フィート、このコンテナに換算いたしまして一万八千個の空のコンテナを置くことのできるバンプールを確保いたしました。
 また、四百五十台のコンテナトラックのシャシー、コンテナトラックと申しますのは、運転手が乗っているヘッドの部分と、コンテナを載せるシャシーの部分とに分かれているのですが、そのシャシーを収容できるシャシープールを確保してきたところでございます。さらに、現在、中央防波堤内外側に、コンテナトラック九十五台分のシャシープールを整備中でございます。
 続きまして、渋滞対策についてでございますけれども、平成十三年度に、港湾事業会計で約五億円ほどの経費がかかりましたけれども、青海縦貫道の両脇の土地を利用いたしまして、約二百台分の新たな車両待機場を整備いたしました。また、ターミナルと青海縦貫道の間にございます背後道路の利用を港湾関係車両に限定するということによりまして、さらに二百台分の待機スペースを確保いたしました。その結果、道路上で搬出入待ちをしていたコンテナトラックの列を解消させたところでございます。
 また、臨海トンネルが本年四月に開通いたしましたけれども、これらの対応によりまして、青海の幹線道路の円滑な通行を確保できたと考えております。

○山本委員 今、国際競争力が大変激化して、東京港の世界的な地位というのはもう非常に下がっているということは、皆さんご承知のところなんですが、諸外国では、例えば港湾労働者の荷役作業を三百六十五日二十四時間やっているという。あるいはまた、ターミナルゲートのオープンを二十四時間やっているという。
 こんな時勢の中で、諸外国って一体どこだということになるでしょうから、例えばシンガポールだとか香港だとか、あるいは、この間アジア大会のあった釜山だとかロサンゼルスとか、欧州ではロッテルダムとか、こういうところは、そういうふうないわば官民一体となって国際競争力を高めようとしているのにかかわらず、我が東京港ではどうかというと、私の調べたところでは、コンテナふ頭のターミナルゲートにおいては、オープン時間が、平日は朝の八時三十分から午後の四時三十分まで、土曜日は午前中だけ、そして日曜日は受け付けないといったようにやっていたのですね。もちろん年末年始は休むことは、これは多少は仕方がないと思うけれども、こんな体制でやっているのですから、コンテナトラックが大渋滞を起こすのは当たり前であるわけですね。
 そこで、行政監査では、バンプールや車両待機場の整備といったハード面の対策も指摘しましたけれども、それだけではなくて、ターミナルゲートを二十四時間、三百六十五日フルオープンせよということを私どもは指摘をして、港湾局にお願いをいたしました。コンテナターミナルの二十四時間、三百六十五日、三百六十日でもいいんですが、このオープン化に取り組み、その結果はどういうふうになったか、私たちの指摘に対してどういうふうになったか、ひとつお聞かせいただきたい。

○浅倉港湾経営部長 フルオープン化に対してどのように取り組んだかということでございますけれども、効率的な荷役体制を構築するためには、コンテナターミナルの二十四時間、三百六十五日フルオープン化への取り組みが必要と我々も考えております。
 東京港におきましては、一昨年三月には、労働組合を含めて官民一体となって、ゲートオープン時間延長のトライアルを実施したところでございます。このことが一つの契機となりまして、昨年十一月、港運の労使合意により、土日も含めて、ターミナルのゲートオープン時間を二十時まで延長、それから荷役作業は二十四時間可能となったわけでございます。
 具体的に申しますと、ゲート待ちでのトラック渋滞対策として、例えば大井ふ頭のコンテナターミナルにおきまして、混雑する曜日の昼休み時間につきましてはゲートオープンを実施しております。その結果として、慢性化した昼休み明けの渋滞について改善が図られたところでございます。
 今後とも、二十四時間、三百六十五日フルオープン化に向けて、我々としても努力してまいりたいというふうに考えております。

○山本委員 港湾局の対応がわかりました。一歩二歩三歩、前進だと思うんです。非常に頑張っていただいて、港湾荷役労働者においては、従来の慣習とかいろんなことによって、なかなかできにくいところ、しかし、皆さんの努力によって改まってきた。しかも夜の八時までやるようになったというのは、よかったと思う。さらに、昼休みをのうのうととって、自動車が渋滞してとまっていたって、へいちゃらだったという、これらも解消されたということは、大変港湾局の皆さんの努力だと思うんです。
 そこで、先ほどちょっといったように、この十年間で日本の港湾は、アジアのほかの港と比べて、非常に競争しているのですが、相対的に東京港の地位が、コンテナ貨物の取扱量において世界の十八番目だそうですね、十八番目ですよ。私は、少なくとも五番目か六番目ぐらいだと思っていたけれども、十八番目になろうと、辛うじてとどまっているという、情けないと思うんですが、知事はこのことを知っているのかね。いろんなことをいっているけど。十八番目なんて。
 首都圏の生活と産業を支える拠点である、いわば生命線である東京港において、どうぞひとつ、国際競争力を強化していかなきゃならない。そのことが今の日本の活性化、経済の、景気の活性化につながると確信をいたしております。
 そこで、今後とも、ハード面のものをつくるということだけではなくて、ソフト面から今いったような取り組みを、国際競争力に勝ち抜くためにぜひやっていくべきだろうと思うのですが、港湾局ではどんなお考えで進みますか。局長でもどうぞ。

○高橋港湾局長 諸先輩あるいは関係者の努力によって、東京港はコンテナ港として日本一というふうになりましたが、先生ご指摘のとおり、アジアが追い上げ、追い抜きというような中で、一層、国際競争力を飛躍的に高める必要がまずあろうかと思います。
 こうした国際競争力を高めていくためには、先生のご指摘のとおり、コンテナ船の大型化に対応したハード面の整備に加えて、今後一層、ターミナル運営の効率化などを通じて、港湾運営のスピード化あるいはコスト低減などを図るためのソフト面の対策というのが、これからますます重要になってくるのだろうと思います。
 これまでもアクションプランというものの策定などを通じて、ゲートの改善等、今ご指摘のような問題等について取り組んでまいりましたが、現在、港湾運営に係る大きな動きが二つございます。
 一つは、政府の方で提起しております構造改革特区の問題でございますが、これについて私どもとしては、国際港湾特区ということをご提案させていただいて、規制緩和のモデル的な実施を提案しておるところでございます。
 それからもう一つは、国が、従来の全国均衡のあるような港湾整備から、ある意味で国際競争力を高めるために選択と集中ということをいっておりまして、それをスーパー中枢港湾として位置づけるというふうなことを提起してございます。
 これに対しまして、私ども東京港を管理する立場といたしましては、このスーパー中枢港を、既存の施設等も活用しながらオペレーションの改善を図るなど、国の提案にこたえて、積極的にこのスーパー中枢として立候補していきたいというふうに考えております。
 こうした大きな二つの構造的な改革の、ソフト面での大きなこの二つを契機としながら、私ども役所だけではこれはできませんで、まさに官民一体として取り組んでいくよう、関係者にも働きかけ、私どもとしてもいろいろな政策提案をしていきながら、戦略性のある港湾にしていきたいというふうに考えております。

○山本委員 局長、どうも大変ありがとうございました。どうぞみんな頑張ってほしいのですが、さてもう一つ、せっかくここに、資料要求で有明の北のことが出ておりますので、ちょうど今ごろはハゼ釣りの季節であって、考えてみると、去年、おととし、新聞でもハゼの楽園とか、あるいは、ハゼは人間にてんぷらにして食べられるのだから、ハゼの地獄の海じゃないかとか、いろんなことをいわれて大騒ぎをやっていたのですが、早いもので、あんなに大騒ぎをやって、その結果、いろんな議論が都民から出てきて、我が港湾委員会においても、環境の問題についてとかいろんな議論ができて、取り進められると思うのです。この地区の開発については、環境に十分配慮するように、我々も委員会あるいは都議会本会議において徹底的な議論をして、見直しをやってきて、今やっている結果だと思うんです。
 この埋立事業は、私どもの立場からいえば、ハゼの楽園もそうでありますけれども、あそこに「ゆりかもめ」を延伸していかなきゃならないということと、幹線道路の整備をするということだとか、付随するのじゃないけれども、あそこに住宅を建設させようなんて、こういうことがあったので、我々は進める立場で議論を進めてきたわけです。
 その進捗状況は、ここに三七%か幾らと書いてありますが、どうぞひとつ、そのほかのことを教えてください。

○萩原参事 有明北埋立事業の進捗でございますが、先生、今ご指摘のありましたとおり、計画工事費四百億円に対しまして、平成十三年度決算ベースで三四・四%、約三分の一の工事の進捗状況でございます。
 特に、平成十七年度完成を目標にいたしております広域幹線道路、また「ゆりかもめ」の導入部分、こういったところにつきましては、優先的に現在施工をしておるところでございます。

○山本委員 その中で、あのときに、ハゼがあそこに住むことができなくなると。そういうふうなことに対して、いや、そうじゃありませんと。あの計画では、いろいろな穴をつくるとか、いろいろなことをいって、何ですか、カニ護岸だとか潮入りとか、こういうふうなことを十分にそこにやりますから、決してハゼのためには悪くない環境ですよというふうなことをいっておりますが、これ、どうですか。この環境整備について、カニ護岸だとか潮入りなんていうのをちょっと説明してください。

○萩原参事 カニ護岸等の内容と整備状況についてでございますが、カニ護岸は、直立護岸の前面に、カニなどの生き物や水、空気が出入りできます、すき間を設けました奥行きのあるブロックを設置するものでございまして、周辺水域の水生生物の生息環境を豊かにする構造になってございます。
 また、潮入りでございますが、干潮になりましても、一部が海水に浸るわん状のくぼ地のことでございまして、ヨシなどの水生植物が生育し、カニを初めとします小魚、また小生物にとりまして、安定した住みよい生息空間になります。とともに、鳥類のえさ場にもなるものでございます。
 これら環境整備の状況でございますが、護岸延長二千百七十のうち、千四百メートルがカニ護岸として計画されてございます。このうち、五十メートルを現在実施したところでございます。
 また、潮入りでございますが、全体で八カ所が計画されまして、四カ所を現在実施してございます。
 なお、整備済みの潮入りで、本年九月に調査を実はいたしました。その調査結果でございますが、ハゼ類百五十四個体を含む百六十二個体の魚類と、二十個体のエビ、カニ類が確認されたところでございます。

○山本委員 港湾局だけではなくて、何事も新しく何か施策をやろうとするとき、何かをするときは必ず、反対というのじゃなくて、やはり不安を持ったりいろいろなことによって、いろいろな疑問点を明らかにするという、こういうようなことが世の習いであります。いろんなことがありますけれども、港湾局はどうぞ、高橋局長のいるうちに、十八位じゃなくて、もっともっと上になるようにご努力されますことをお願いをいたしまして、質問を終わります。

○富田委員 要求させていただきました資料に基づきまして、港湾局の決算について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、臨海副都心開発事業会計、そして羽田沖埋立事業会計及び埋立事業会計の三会計の統合についてお伺いをさせていただきます。
 平成十二年度に策定されました東京ベイエリア21では、東京臨海地域の役割と再編整備の方向性を具体的に示すとともに、財政基盤の確立や開発体制の構築といった、再整備を進めるための仕組みづくりについて提言がありました。この提言を受けて、平成十三年度に三会計が統合をして、新たに臨海地域開発事業会計が設置をされたところでございます。
 今回の決算は、会計統合後初めてのものであることから、まず初めに、会計統合の効果についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 会計統合の際に、事務的に大変複雑な会計処理が行われたのではないかというふうに思われますが、ここで改めて、具体的には何がどう変わったのか、ポイントとなる主な点について、わかりやすくご説明をいただきたいと思います。
 また、三会計の統合が、臨海副都心の開発や、これを支える財政にどのような効果をもたらしたのかについてもご説明いただきたいと思います。

○津島総務部長 まず第一点は、三会計統合によりまして、具体的に何がどう変わったのかという点でございます。
 三会計統合の前は、例えば土地や道路、公園、こういったインフラの資産計上の方法がそれぞれの会計間で異なっておったところでございますけれども、統合後の新会計では、旧埋立事業会計の方法に一本化いたしまして、しかもその内容は、民間の会計処理と同じ考え方に統一したため、都民にとっても非常にわかりやすい会計になったというふうに考えております。
 もう一点は、これまでのように、会計間のいわば複雑な貸借関係、こういったものがなくなって、より透明性が高まったものと考えております。
 それから、二点目でございまして、これらが臨海副都心の開発やこれを支える財政にどのような効果をもたらしたかということでございますが、さまざまございますけれども、大きく二つあるというふうに考えております。
 一つは、税金の投入を極力抑えて開発を進めるというこれまでの基本方針、これを守りながら事業の採算性が確保できたのではないかなというのが第一点でございます。
 第二点は、統合することによりまして資金を弾力的に運用することができまして、東京臨海地域全体を総合的、一体的に開発する体制ができたというふうに考えております。
 この二点が一番大きいというふうに考えております。

○富田委員 ただいまの答弁から、三会計統合は、会計処理をわかりやすくしただけではなく、財政基盤を強化し、事業の採算性を確保したものであって、東京臨海地域全体を総合的、一体的に開発する上で重要な取り組みであったということがわかりました。
 会計統合の際には、一部から、統合は借金の棒引きではないか、旧埋立会計による救済ではないか、あるいは旧臨海副都心開発事業会計は破綻したのではないかなどとさまざまな意見が出され、我々都議会としても、真剣に議論を交わしたというふうに記憶をしております。議論の結果、統合やむなしとしましたが、今回の決算を見て、とりあえず、新会計の初年度は形になったのかなというふうに印象を持つことができました。
 さて、現実の臨海副都心開発は、依然として厳しい状況に変わりはないと思います。
 企業の進出状況を見てみますと、四月の庭園型結婚式場の開場、九月の松下電器のパナソニックセンターのオープンなどによって、臨海副都心はこれまで以上に多くの都民が訪れ、にぎわいを見せています。また、この十二月には、りんかい線の埼京線との相互乗り入れが実現し、ネックとなっていたアクセスも大幅に改善されてまいりました。
 臨海副都心においては、地域内の基盤整備は既にほぼ終了し、晴海通りと環状二号線の延伸といった広域幹線道路の整備が残されるものとなっています。
 今後の開発において努力すべきことは、何よりも土地処分の推進であろうと考えられます。二〇〇三年問題に象徴されるように、オフィスの供給過多が目立ち始め、魅力のない地域や陳腐化したビルは淘汰される局面となっているといわれており、今後の見通しについて、楽観は許されないものだと思われます。
 そこで、土地処分の現状についてお伺いをいたします。
 平成八年度から平成十三年度までの臨海副都心における土地処分の実績について、資料を請求させていただきましたが、ご提出いただいた資料を見ますと、予算と決算に随分ばらつきがあるように見受けられます。こういう結果になるのには理由があるというふうに思いますが、土地処分の実績の内訳、この具体的な箇所について、あわせてご説明を願いたいというふうに思います。

○金子参事 予算と決算の差異でございますが、東京税関や科学未来館の科学技術振興事業団などの国やその関係機関は、国の補正予算との関係で、当初計画よりも早まるものがございました。また、民間事業者で、事業計画と資金収支との事情によりまして、逆におくれたものもございます。
 土地処分につきましては、タイミングを重視する必要がどうしてもございます。したがいまして、この処分と予算編成の時期が、残念ながら合致しなかった、こういうものでございます。
 二点目の具体的な処分先でございますが、売却でございますが、港湾合同庁舎として大蔵省関東財務局、それから大学村の日本国際教育協会、科学技術振興事業団、通産省工業技術院及び癌研究会。
 次に、長期貸付でございますが、東京国際貿易センター、住宅局、住宅・都市整備公団、住宅供給公社、及び先ほど申し上げました大学村の三機関、松下電器産業となっております。
 また、底地売却につきましては、東京国際貿易センターとなっております。

○富田委員 具体的な処分先も、公的機関に加え、民間企業にも広がりを見せているということがわかりました。厳しい経済環境の中で十四ヘクタールを超える処分を行ったことは、評価できるというふうに思います。
 不動産の処分は、相手があることでもあり、処分する時期がいつになるのか推定することが難しく、計画どおりにはいかないものであることも承知しています。しかし、宅地造成事業である以上、先行投資した資金の回収は至上命題であり、残高五千二百億円といわれる起債の償還のために、今後ともあらゆる創意工夫を凝らし、積極的な企業誘致活動を展開していただきたいというふうに思います。
 そこで最後に、この土地処分促進に向けての港湾局の決意と企業誘致戦略についてお伺いをしたいと思います。

○金子参事 土地処分に向けての決意と戦略についてのお尋ねでございますが、不動産市況を取り巻く環境には厳しいものがございますが、土地処分の促進がこの臨海開発の至上命題である、このように私ども考えております。したがいまして、臨海副都心の魅力として、潤いと安らぎの都市空間、交通の至便性、良好な進出事業環境、この三点を今後アピールしてまいりたいと考えております。
 潤いと安らぎの空間といたしましては、水と緑に囲まれ、共同溝に象徴されますインフラが整備された、安全性が確保されたまち。
 また、交通至便性につきましては、本年十二月、りんかい線の全線開業、またJR埼京線との相互直通運転、「ゆりかもめ」の汐留駅開業、臨海トンネルによる羽田空港とのアクセスも飛躍的増大、こういうことをPRしてまいりたいと思っております。
 三点目が、良好な進出事業環境ということでございます。これは、都市再生特別措置法によります緊急整備地域への指定、経済特区の提案、公募面で、土地売却スキームの創設と土地価格の早期確定など、良好な進出条件を有すること、これをPRしてまいりたいと思っております。
 これら臨海副都心の持つ魅力をアピールし、地域特性に応じた誘致活動を積極的に行ってまいります。
 あわせまして、昨年七月から一年間実施いたしました二千社訪問の成果を踏まえまして、そのフォローアップだとか、関西圏へのPR、誘致活動、こういうものを強めていきたいと考えております。

○富田委員 三会計の統合や財政基盤強化プランの策定など、港湾局はこれまで、臨海副都心開発について大変な努力を積み重ねてきたと思っております。今後とも、この地域の魅力を生かしながら、着実に開発を推進していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○東野委員 先ほど総務部長からもご説明がありましたとおり、これまで比較的わかりにくかった会計が、統合されることによって見えるようになってきた。また一方では、それがガラス張りに近くなってきた。非常に前進だというふうに思います。また、なおかつ、そういう状況に置かれたからこそ、これからは臨海の開発の一つ一つが着実になされていくことが、都民にきちっとした開発を進めているのだということを明確にわからしむる大事な事柄になってこようかというふうに思います。
 今の富田副委員長の質問と若干関連するのですけれども、臨海副都心開発のこれからの推進について、何点か伺いたいというふうに思います。
 十三年度決算、いわゆる臨海地域開発事業会計を見ますと、有明の丘病院用地が売却に至ったと。少しずつではありますけれども、先ほどもいいましたとおり、副都心開発は着実に今進んでいるのではないかというふうにも思えるわけです。
 有明の丘地区の周辺地域は、国の都市再生プロジェクトですか、これの広域防災拠点に位置づけられているわけでございますけれども、この周辺の地域、今後の整備はどのようにして行われていくか、まず最初にお伺いいたします。

○三枝臨海開発部長 本年七月に、国と七都県市の防災関係者によります広域防災拠点に関する協議会が開催されました。ここにおきまして、東京湾臨海部の広域防災拠点は、東京都の先ほどの有明の丘地区、それから川崎市の東扇島地区、この両地区に設置をするということが決定されたところでございます。
 この二つの役割分担でございますけれども、有明の丘地区は、首都圏の広域防災のヘッドクオーターとして機能をさせる。それから川崎の東扇島地区、これは海外からの救援物資輸送のための物流基地としての役割を分担する。相互に機能を補完するということになっております。
 有明の丘地区でございますけれども、ここには、国と地方の合同の現地対策本部、それから支援コア部隊のベースキャンプ、さらに災害時医療の支援基地としての機能を整備をする。平常時には、合同訓練といったものに活用していくということと同時に、防災公園として人々の憩いの場に供していくという予定になっております。
 現在、整備計画の策定に向けまして、協議、調整を進めておりまして、平成十五年度には設計に着手をする予定であるというふうに伺っております。

○東野委員 昨年度の三会計の統合、それからまた、ことしの三月ですか、策定されました財政強化プラン、こういったことにより、臨海副都心開発の着実な進展を支えます財政基盤といいますか、それが強化されて、当面の資金収支というものは安定してきているのではないかというふうに思います。
 しかしながら、先ほどもいわれていたように、多額の都債の償還が始まるわけで、その都債の償還を滞りなく行うためには、さらに着実な土地の活用といいますか、これを図ることは、当然ながら必要となってくるわけでございます。
 また、そのためには、長期貸付とか売却とか今までいろいろやってきた中で、暫定利用、これも有効な活用というふうに考えますけれども、事業者が決定した案件も含めまして、臨海副都心の土地処分は、実質的にどの程度まで進んでいるかということを、ここでまた再確認しておきたいと思います。

○金子参事 土地処分の状況でございますが、臨海副都心全体の面積が四百四十二ヘクタールで、そのうち有償処分面積は百三十九ヘクタールとなっております。しかし、現在、土地区画整理事業中で処分できない有明北地区がございます。これを除いた有効有償処分面積は、百二十三ヘクタールとなります。
 現在まで六十四ヘクタールが処分済みでございまして、暫定利用として、商業施設のパレットタウンでございますとか、大江戸温泉物語などに十一ヘクタール使用しております。
 また、十三年度末までに事業者決定した案件が二件ございます。それから、先ほどお話のございました広域防災拠点、これが十四ヘクタールございます。
 これらを含めまして、土地処分面積は、有効有償処分面積のおおむね七五%に当たります九十一ヘクタールに及んでいるということでございます。

○東野委員 公式には、土地の処分実績は四六%といわれているわけでございますけれども、今お話があったようないろいろな実質部分の進捗、そういったものを加味していくと、そこそこ進んでいるのかなと、今の数字をお聞きしてわかったところですけれども、今後さらに、先ほど話しましたように開発を推進するためには、あの地域の特徴でありますにぎわいをさらに創出しまして、とにかく人を集めていくということが、私は大事じゃないかなというふうに思っています。
 ご承知のとおり、臨海副都心の訪問客は、毎年着実に伸びているわけでございますけれども、りんかい線全線開業後は、さらにアクセスも充実してくるわけですね。大崎までの延伸、新宿から直通で数十分という時間になってくるというふうにも聞いております。人々がより多く訪れるようになってくるのではないか。千客万来のまちとなるようにアピールするには、またとないチャンスではないかなというふうに思っております。
 そこで、この機会をとらえまして、行く行くは、例えば博多どんたくですか、それからさっぽろ雪まつり、雪は降っておりませんけれども、何かそういった臨海副都心のシンボル的なものになるようなイベントを開催して、そういったことを考えていったらどうかというふうに思うのですけれども、いかがでございましょうか。

○三枝臨海開発部長 ご指摘のとおり、りんかい線の全線開業は、多くの都民に臨海副都心の存在をアピールする絶好の機会であるというふうに考えております。
 この十二月一日の開業のプレイベントということでございますけれども、まず、例えば、全国的にも来場者数を非常に伸ばしているイベントとして、よさこい祭りというのがございます。このよさこい祭りの札幌での実績をお聞きしましたところ、経済波及効果が二百六億円を超えるというふうにも試算をされております。現在、これをプレイベントとして開催することを企画している最中でございます。
 お話の博多どんたくであるとか、さっぽろ雪まつり、東京でいえば、浅草の時代祭りあるいはサンバといったようなものもあるわけですけれども、こういったもののように、臨海副都心ならではのシンボル的なイベントが必要である、このご指摘には、私も全くの同感でございます。
 臨海副都心に進出をしております企業を中心とした民間セクターのアイデアを生かしながら、庁内関係局とも連携を深めまして、そうした恒例のイベントを創出して育てていく、こういった検討をしたいというふうに考えております。

○東野委員 せんだって、二、三カ月前ぐらいになりますか、一般質問でも提案させていただいたわけでございますけれども、そういったイベント的なものをぜひ検討してくれと。これは単発であっては、意味ないといったら失礼ですけれども、いわゆる効果として、今おっしゃったように、きちっと続けていけるような、そういったものを創意工夫していろいろ検討していただければと。我々からも、またどんどん提案もしていきたいというふうにも思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 これらのイベントを開催することにより、まちとしては、またさらに活性化、活力が増していくということは大いに期待できるわけでございます。こうしたイベントは、一方で、人々を集めるだけではなく、今質問でずっと続けています企業誘致、こういったための、ある意味では一つの重要なツールともなっていくのではないか。臨海副都心開発のいわゆるコマーシャルというか、そういったものともいえるのではないかなというふうにも思います。
 予算、決算というか、そういったあれでは、こういった営業経費的なものは見ることができないわけですけれども、企業誘致を行う上で、イベントへの投資も大切な要素であるというふうに考えます。イベント実施はどのような効果があるか、考えられているか、ちょっとわからないのですけれども、その効果の認識をちょっとお伺いしたいと思います。

○三枝臨海開発部長 イベントの実施による効果でございますけれども、直接的なものと間接的なものと、二通りあるのかというふうに考えます。
 まず直接的な方ですけれども、これは臨海副都心に来訪者が増加をするといったことから、この消費による経済波及効果といったものが期待されるわけでございます。
 また、間接的なところでございますけれども、これはにぎわいを創出することによって、臨海副都心の魅力が高まる。そのことによって、既に進出をしている企業、あるいは業務ビルのテナント、こういったものが定着をするという効果があると思います。また、その魅力が増すことによって、新たな企業が進出をする誘因となるということが期待できるわけでございます。
 もともとイベントそのものは、文化の交流といったものがコンセプトであるわけですけれども、新しい創造的な産業とか、あるいはビジネスチャンスを生み出すものでもございますので、さらなる集客、あるいはにぎわいと企業誘致、それから、我々のねらいであります新たな土地処分につながっていくものである、かように認識しております。

○東野委員 時間の関係もありますので、あと簡単にお尋ねしますけれども、今お話がありましたように、大勢の来訪者を招き入れるにぎわいの方策として、暫定利用による土地利用やイベント誘致、お伺いしたわけでございますけれども、臨海副都心は、大型ショッピング施設とか、今もう既にホテル、コンベンション施設、エンターテインメント施設、また海上公園や、あとまた最先端の研究施設まで立地というか、整っているわけでございます。
 これらのさまざまな、いってみれば多彩な施設といいますか、これを活用しながら、これも私ども主張しておりますけれども、観光という視点からまちの活性化を図っていくべきではないかというふうに思いますけれども、この点に関しましてはいかがお考えでしょうか。

○三枝臨海開発部長 現在、観光産業の育成というのは、都政全体の大きな課題になっておるわけでございます。
 東京の代表的な観光地を例にとって考えてみますと、例えば上野、浅草、ここは大衆的な文化と江戸時代以来の歴史の蓄積が魅力ではないかなというふうに思います。また、銀座を見ますと、これは東京の近代を代表する高級感にあふれたまち、これがセールスポイントとなっているのではなかろうかというふうに思います。
 翻って臨海副都心を見てみますと、未来志向の現代的なまちと、それから水辺空間の調和、こういった点に魅力があるのかと。私どもとしては、これをアピールしていきたいというふうに考えております。
 これを具体的に申し上げますと、例えばお台場海浜公園の浜辺であるとか、あるいはレインボーブリッジとか、自由の女神像などを中心とする美しい景観であるとか、あるいはフジテレビを初めとする、未来を予感させるようなユニークな建築物であるとか、さらにはさまざまなアミューズメント、ショッピング、グルメ、数え上げると切りがないほどいろいろな特徴があるわけでございます。
 こういった多彩で、どこの観光地にも劣らない資源というものがございます。これは十分、東京観光の核となるポテンシャルを示しているのではなかろうかというふうに考えております。私どもとしては、これを今後最大限生かしながら、観光の視点から、まちの活性化、まちづくりに取り組んでいきたいというふうに考えております。

○東野委員 今、都政が観光というものに力を入れながら、さまざまな角度から、海外からのお客さんをどんどん呼んでいこうということで、施策を整え、また進めつつあるわけでございますけれども、そういった中で、私は、臨海副都心というのが、もっと観光の面からいろいろ検討され、また提案されている都内の各観光名所に劣らないポテンシャリティーというものを持っているのではないかなというふうに思います。
 観光を通じてのまちづくりというテーマに、最後なりましたけれども、これに対しましての局長のご決意を最後にお伺いいたしたい。お願いいたします。

○高橋港湾局長 我が国は、日本から海外への旅行者が年間千六百二十二万に達しているのに対しまして、日本を訪れる外国人観光者は、その三〇%のわずか四百七十七万にすぎないという現状にございます。
 東京都では、こうした状況を打開するために、昨年十一月に、千客万来の世界都市東京を目指して、東京都観光産業振興プランを策定し、観光施策に取り組んでいるところでございます。
 こうした全体の動きに対応しまして、今後とも、東京が日本のゲートウエーとして、世界に日本の魅力をアピールできるように全力を尽くしてまいりますが、とりわけ臨海副都心は、今もいろいろなご指摘がございましたが、いろいろなまちとしての特性、水際を生かした都市であったり、あるいは複合的な空間、あるいは個性的な町並み等ということで、ほかの既成市街地にはない特色を有しておりまして、そういう点から、まちの熟成自身が、ある意味では東京にとっての魅力のスポットでございますと同時に、先ほど部長がお話しをさせていただきましたような、具体的な傑出した観光スポットを有しております。
 こうした魅力的な点をフルに活用するとともに、るるお話ございましたイベントの構築なども通じながら、まちの熟成と観光ということが総合的によい循環をめぐらすようにしながら、より活性化した東京の代表的なスポットとして、まちづくりを行っていきたいというふうに考えております。

○河野委員 私は、有明北の埋立事業について質問いたします。
 江戸前の海に残された最後の貴重な海面を残してほしいと、こういう世論が強くある中で、平成十二年から埋立工事が始まりました。私は今でも、この事業を、東京都が都民の反対を振り切って急ぐ必要はなかったという思いを強くしています。東京都が貴重な水面を埋めて、今後どのようなまちづくりを進めようとしているのかということを含めて、順次お尋ねをしたいと思います。
 初めに、有明北地区のまちづくりはどのような目的を持ってスタートしたのか、また、土地利用の計画はどのようになっていくのかについてご説明をお願いします。

○萩原参事 臨海副都心開発におきましては、職・住・学・遊、こういった機能が連携したバランスのとれた複合的なまちづくりを進めるといたしております。
 埋立地を含みます有明北地区の開発の目的でございますが、まず、都心に近接した立地条件や、海辺のすぐれた景観といった特性を生かしまして、業務・商業機能と住居機能が複合する活力あるまちをつくることでございます。職と住を適切に配置したバランスのとれた都市づくりのため、当地域に潤い豊かな都市型住宅を配置いたしまして、都心居住の推進にも貢献するものでございます。
 また、環状二号線、晴海通り等の広域幹線道路の整備や、「ゆりかもめ」の延伸等によります交通基盤整備、さらには防潮護岸の整備などの防災性の向上や、水と緑に親しめる大規模な親水公園の整備なども重要な目的といたしております。
 こういった目的に沿いまして、適切な土地利用を図っていくものでございます。

○河野委員 今ご答弁で、業務とか住居をうまく組み合わせた活力のあるまちをつくっていくということだったのですけれども、有明北地区のホームページなどを拝見しますと、やはり良好な住宅、都心居住を供給するということが最初に出されてくるのじゃないかと思うんですね。もともと、お話にありましたように、都心部やあるいは副都心に働く人たちの住宅を供給するということで、ここの土地利用計画が位置づけられているというのは、これまでの経過から明らかになっているのじゃないかと思っています。
 私は、住宅系として開発していくという位置づけについて伺いたいのですが、臨海副都心地域全体の開発フレームが、住宅戸数で合計一万四千戸の戸数を目指しているというふうになっています。そのうち有明北地区は九千戸を受け持つということで、居住人口二万八千人。また、臨海副都心の住宅供給では、公的な住宅と民間の住宅との比率は、おおよそ公が六、民が四ということも明らかになっています。
 臨海副都心地域全体で一万四千戸、そのうち六割を超える九千戸の建設を見込んでいる有明北地区で、やはりここで相当数の公的な住宅が建っていかないと、この東京都が出したフレームが実現できないのじゃないかと感じています。
 都営住宅や公団、公社などの公的な住宅供給は、今後どのような計画があるのか、見通しをお示しいただきたいと思います。

○萩原参事 公共住宅の今後の整備についてのお尋ねでございます。
 これらにつきましては、従来から、特にお台場を中心といたしまして、都住宅局、また住宅供給公社、都市基盤整備によります住宅が二千二十五戸建設されております。また昨年は、晴海、青海地区に、公的事業者でございます財団法人日本国際教育協会の留学生のための住宅約八百戸が建設されているところでございます。
 また、有明北地区におきましても、都市基盤整備公団が、都心居住等を実現するために、既に一部の土地を取得いたしておりまして、事業に今後積極的に取り組んでいくということになってございます。
 臨海副都心につきましては、このような多様な形で、今後も公共住宅の整備が進められていくものと、このように考えております。

○河野委員 後からゆっくりと、もう少し詳しく伺いたいと思いますが、今、公営住宅をどう供給していくかということについて、ご説明はいただきました。しかし、なかなか状況は甘くないのではないかというのを、私は実感として持っております。
 なぜならば、都市公団は、特に大都市部で、平成十四年度から民間供給支援型賃貸住宅制度というのを発足させて、基盤整備はするけれども、新規の住宅建設は行わない、民間にシフトしていくという方向を強く打ち出しています。実際に、平成十二年度とか十三年度に公団自身が分譲で建設したのがどうかというと、建設戸数はゼロなんていう数字が出てきているわけですね。東京都自身も、公的な住宅支援からは手を引いていこうという方針を最近も明らかにしておられますし、やはりこの公的な住宅が、ここにどのように供給されてくるかというのは、東京都が本当に努力をしていかないと、なかなか難しい課題の一つになっているのではないかということをお話しをしておきたいと思います。
 それでは次に、民間の住宅の建設については、今どのような見通しを持っておられますか。

○萩原参事 民間の住宅供給の見通しということでございますが、平成十三年東京都住宅マスタープランによりましては、臨海エリアにつきまして、都心居住を推進し、水辺空間を生かした快適な住宅市街地の創造を目指す、このようになってございます。
 そういった中で、有明北地区につきましては、先ほども申し上げましたとおり、水と緑豊かな恵まれた環境にございまして、また「ゆりかもめ」の延伸、晴海通り等の基盤整備も着実に進み、都心に近接した良好な住宅地として、非常に大きな魅力を有している土地柄である、このように考えております。
 このような立地特性等を有する本地区の住宅供給は、今後着実に進むものというふうに考えております。

○河野委員 臨海副都心の地域は、ほとんどのところが江東区になりますよね。江東区では、ご存じのとおり、民間のマンションがどんどんと建って、いろいろと問題があるということで、江東区自身が独自の規制の方向も打ち出されているという状況が生まれています。
 都心に近くて、工場跡地なんかが大きくあいて、そこの地価の安いところに民間がどんどん進出してくるという状況が、すぐ隣の地域で、豊洲や東雲で生まれているわけですし、そういう点では、これから、豊洲のあの大きな石川島播磨重工の跡地利用の問題なども含めて、臨海の方にどれだけの民間の資本が住宅建設で進出してくるかというのも、私は注目していかなくてはならないのじゃないかと思っています。
 特に有明の地域については、今でも国道三五七という大きな道路が、上に高速道路を抱えて走っていますし、これから、さっきおっしゃった環状二号、晴海通り、高速道路も走ります。そういう三つの大きな幹線道路も入ってくる中で、環境面でもデメリットが大きくなっていくということでは、本当に、今ご答弁がありましたけれども、東京都が考えているそのレベルで考えていては、大変なことになるのじゃないかというのを感じていますし、民間の住宅建設についても、なかなか難しい状況があるということを、私はこの場で申し上げておきたいと思います。
 住宅の建設に関して、もう一点伺います。
 臨海副都心地区の中で、住宅系と定められたところが幾つかの地域にあります。その中で、お台場の住宅系の土地は、既に計画に沿って、お話にありましたように住宅建設が進んでいます。
 しかし、他の住宅系と定められていた青海では、パレットタウンができていたり、有明の丘なども、住宅系ですということでしたけれども、病院の建設とか国の防災拠点に指定されるなど、本来の住宅建設のための用途には活用できなくなっているというのも今の現状だと思います。
 当初、東京都が打ち出しました一万四千戸の住宅供給を実施するには、実質的に有明北地区が相当部分を受け持たないと、この一万四千戸のフレームが実現できないという状況に至っていると思います。
 私はさっき、九千戸をどうするのかということでお話伺って、余り具体的なご回答がなかったのですが、当初立てた住宅建設のフレーム自体が、今崩れてしまっているのではないかと率直に感じているのですけれども、この点はどのようにお感じになっておられますか。

○萩原参事 当初立てたフレームが、現時点におきましてはそもそも違うのではないかと、このようなお尋ねかと思うのですが、臨海副都心につきましては、先ほども申しましたとおり、居住、商業、工業、いろんな用途を総合的に勘案しまして計画したものでございます。
 そういった中で、現時点におきましては住宅建設が少々おくれている、こういうご指摘かと思いますが、先ほど申しましたとおり、有明北、非常に大きな部分を担ってございます。この北につきましては、先ほど来申し上げましたとおり、非常に住宅としての特性を備えてございます。
 したがいまして、今後、こういったものは着実に進めると思いますし、フレームそのものを、現時点におきましては見直す必要はないと、このように考えております。

○河野委員 私はここで、一つ意見として述べさせていただきたいのですが、公的な住宅建設の保証、これもなかなか難しい問題がたくさんあると。それから、民間もどうなるかという疑問もたくさん沸いている中で、今多額の費用をかけて埋立事業を急いでいく根拠は、本当にないのじゃないかということを強く感じるものです。ですので、このことはこの場でお話をさせていただいておきます。
 次に、大問題になっている、青海や有明南の土地処分が進んでいないのに、有明北の埋立地の土地処分が果たしてどうなるのかということについても伺っておきたいと思います。
 臨海の副都心全体の土地利用や処分の動向と、有明北地区の開発について、どのように分析をされていらっしゃいますか、お答えをいただきたいと思います。

○萩原参事 土地処分について、どのように考えて分析しているかというお尋ねでございます。
 土地処分につきましては、先ほど来質疑がございましたとおり、いろんな方法、いろんな工夫をしながら、現在、処分に努めております。
 有明北につきましては、開発の動向、さらには施設の整備、こういったもの等を踏まえまして、今後処分を考えていくものでございまして、現時点におきまして、明確にどうこうだというようなことはお答え申し上げられない……。

○河野委員 それは、私はこの場で一応承っておきますけれども、納得できるご答弁ではありませんので、よろしくお願いします。
 次に、事業費について質問をしたいと思います。
 埋め立ての事業費について、これまで東京都は、総額六百四十九億円とおっしゃっておりました。その内訳は、埋立事業に四百億、そして、年三%の利子で起債利子分百二十億、さらに補償、調査費に百二十九億、合計六百四十九億円です。これが私たちが今まで伺ってきた東京都の説明ですが、埋立事業として、今後、埋め立てた土地を処分したお金で公園や道路を整備するということになっていますけれども、その金額は幾らになるのでしょうか。

○萩原参事 埋立免許の資金計画におきましては、埋め立ての処分収入を七百五十億と見込んでおりまして、これらのうち埋立造成費が四百億円、また企業債の利子百二十億、及び調査等々百二十九億を差し引いた金額によりまして、上下水道でありますとか基盤整備、こういったものを行うことになってございます。

○河野委員 これまで私たち、例えば経済・港湾委員会であるとか、資料をお願いしましたら、この六百四十九億という数字が、公式な東京都の事業費として出されてきたわけですね。今おっしゃる金額は七百五十億ですから、約百億円違っていて、埋め立てた土地のところの公園や道路の整備に百億円のお金がかかっていくということであれば、私はやはりその金額については、今後きちんと都民の前にも、東京都が責任を持って明らかにしていくべきだというふうに考えていますので、これは要望をしておきたいと思います。
 この委員会に出た資料で、埋立事業費四百億円の執行率が出されています。平成十三年度で三四・四%ということになっております。これは当然、工事の進捗率という数字とは違ってくると思うのですけれども、埋立事業費は、予定どおり四百億円で完了させられるのかどうかというのも、一つ私の疑問にあります。それ以上の事業費が必要になることはないのか、現段階でどのように判断されているのかを伺っておきたいと思います。

○萩原参事 工事費の増が今後あるんではないかと、このような質問かと思いますが、工事費につきましては、これまでの進捗状況、また実績等から、ほぼ変動はないというふうに考えております。

○河野委員 それでは、三十五ヘクタール埋め立てるわけですけれども、そのうち、道路をつくり、公園をつくりということで、売却できない土地を除いて、処分してお金にできる土地の面積及び金額がどうなっていくのかというのを伺っておきたいと思います。
 また、価格については、一平方メートル当たり、この埋め立てたところに幾ら予測していくのかも、あわせてお答えをいただきたいと思います。

○萩原参事 ただいまのご質問でございますが、金額につきましては、基本的に、先ほど申しました処分収入七百五十を見込んでございます。
 これらにつきましては、公共施設等々を差し引きました面積三十五から、それらを引きました約二十ヘクタール、これらを処分する金額でございます。

○河野委員 一平方メートル当たり幾らで計算されているのかも伺いたいと思います。

○萩原参事 本埋め立ての計画におきましては、すべての土地を売却するというようなスキームになってございませんので、単純にそれを割ることが適切ではないというふうに思っております。

○河野委員 ちょっと、わかりにくいご答弁だと思います。
 七百五十億円事業費がかかり、それは土地を処分したお金から出していくということで、事業費七百五十億円とおっしゃったわけですが、では、売れる土地は二十ヘクタールぐらい。だれが考えても、単純に割り算すれば、一平方メートル当たり三十五、六万になってしまうんじゃないでしょうか。そういうふうに判断せざるを得ないんですが、これはいかがでしょうか。

○萩原参事 土地処分をすべてというふうに仮定するならば、そのような計算も成り立つだろう。しかしながら、先ほど申しましたとおり、土地処分する場合と賃貸収入、二つございますので、必ずしもそれで割ることが適切ではないというふうに申し上げたわけでございます。

○河野委員 これで長くやりとりしていても仕方がないんですが、要するに、今おっしゃった金額で考えれば、だれが考えても、私が申し上げた三十五、六万の数字というふうに、そこから積算していくしか、この事業を見ていく根拠はないわけですよね。それは、答弁、きちんとおっしゃりませんし、賃貸と分譲とまた違って--分譲というか、売却と違ってくるとかという、わかりにくいご答弁なんですが、やはり都民の前に、きちんと明らかにできるような試算をしていただきたいと思います。
 今、総事業費が七百五十億円、恐らく土地を処分して入ってくるお金との差し引きとんとんになるということで、事業費を計画しているんでしょうが、この事業の会計のあり方について、二つご説明をいただきたいと思います。
 一つは、本来は埋立事業ということであれば、会計原則の立場に立って考えると、埋め立てた三十五ヘクタール全部を処分して、お金にかえていくということになるのではないかというのが一点で、そうすると、一平方メートル三十六万円ということで計算をした場合には、千二百六十億円のお金がこの会計に入ってくるということになるんですが、これは有明北地区の区画整理と一緒に開発するという方針のもとで、環状二号、晴海通りなど三つの幹線道路の土地や公園を提供、整備するという、そういう手法ですね。埋立会計のあり方と、今回、東京都がとっておられる手法と、会計原則上、どのように判断していいのか、これをご説明いただきたいと思います。
 二つ目には、埋立地の開発の手法なんですけれども、南側の八十六ヘクタールですか、これは区画整理地区となっていますし、この地区と一体に進めていくというのが、これまでの東京都のご説明でした。臨海副都心と一体に開発するという方針で進められているお隣の豊洲や晴海は、大街区方式の区画整理事業地域になっておりますけれども、有明北のこの埋立地、三十五ヘクタールですか、ここについては、どのような手法でまちづくりが行われていくのか、今どのようにお考えかについてお伺いをしておきます。

○萩原参事 まず第一点目の、会計上の問題でございますが、埋め立て--先ほど先生の方で総事業費七百五十億円というご指摘がありましたが、七百五十億円は収入として見込んでいる額でございまして、そういう意味におきましては、今回、全体事業のうち道路、公園、特に環状二号線でありますとか放射三四、こういったものにつきましては、当然、土地を処分する際に必要な公共施設でございます。こういったものにつきましては、無償で提供するということになります。
 二つ目の区画整理区域の編入の問題でございますが、まさに一体的な整備を行うということにつきましては、有明北のまちづくりを、埋立地を含めまして一体的に整備するという意味でございまして、それは土地利用の方針でありますとか、道路の整備、そういったものを統一した考え方で整備いたすということでございますので、手法について一体的にやるということではございません。

○河野委員 いわゆる埋立会計のあり方とか、そういう原則に照らしてどうなるかという問題、それから、その埋め立てた土地の利用の方法ですか、どういう計画を持って、どのような手法で進めていかれるのかということについて、私は、今後引き続いて、東京都の進め方について重大な関心を払っていきたいというふうに思っています。
 埋立事業の原則に基づいて資金運用がされたら、事業会計は収支とんとんどころか、さっきいったように、もっと多くのお金を生み出すことができるというふうに思います。環状二号や晴海通り、補助三一五号線など、通過交通の利便になる幹線道路建設のために、本当にサービスをしているといってもいい手法じゃないかという思いもいたします。
 ところが、土地処分について、もし青海や有明南のように、売却に応じるところがなかったら、収支の見通しは大きく違ってくるし、また埋立事業費が見込みの範囲内におさまらなかったらどうなるのかという懸念を持っているのは、私だけではないと思います。どのような条件や環境の変化にも対応して埋立事業の収支見通しに責任を持つことができるかどうかが、東京都に問われていると思うんですが、このことについて、改めてお答えを伺っておきたいと思います。

○萩原参事 道路、すなわち幹線道路でありますとか、「ゆりかもめ」の整備、こういったことをすることが、すなわち私どもが予定しております処分収入を得る道でございまして、まさに相互一体的になるわけでございまして、そういう意味からすると、このような幹線道路、さらには良好なまちづくり、こういったものを一体的にすることによって、本埋立事業は十分、先ほども申しました目的を達成できるものだというふうに考えております。

○河野委員 では最後の質問にいたしますけれども、埋め立ては、平成十六年度完了予定で工事が行われていますが、都民の間には、なお、見直し、計画の撤退を求めている人が大勢います。東京都を相手に裁判を起こしている方もいらっしゃいます。住宅供給の可能性や事業の採算性、緊急を要する土地造成事業とは判断できないという、そういう都民の方がいらっしゃいますし、自然保護の問題も先ほどお話がありましたけれども、さまざまなご意見を持っている方がおります。
 こういういろいろな角度から検討して、今からでも埋め立てを一たんストップしてみる、そして都民参加でまちづくり計画を練り直していくことが、大事な問題じゃないかと思っているんですけれども、東京都はいかがお考えですか。

○萩原参事 臨海副都心開発におきましては、過去にバブル崩壊という経済環境の激震を受けまして、都民も参加しました懇談会あるいは都議会の活発なご議論を経まして、開発内容の抜本的な見直しを行ったところでございます。その結果、平成九年三月に、現行のまちづくり推進計画を作成しているのは、ご案内のとおりでございます。
 本埋立事業も、このまちづくり推進計画の一環としまして行われている事業でございまして、今後とも着実に推進していくことが重要であろうと、このように考えております。

○河野委員 意見を述べさせていただきます。
 有明北地区の埋立事業については、さっきいいましたように、江戸前に残された最後の貴重な海面ということで、ぜひこれを残してほしいと。そして、ハゼなどの水生生物を保護してほしいという都民の世論が、今でも大きく、強く続いています。
 長野の田中県知事が脱ダム宣言を行って、自然を守り、大型公共事業に使っていた財源を福祉や教育に使う政策を進めて、県民の大きな支持を受けています。千葉県も、堂本知事のもとで、三番瀬の埋め立て中止を決断しています。こうした全国の自治体での新しい流れを認識して、東京都も、都民の貴重な財産と自然を守る立場に立ち返るべきだと私は思います。
 有明北地区の埋立事業は、強行することなく、都民の要望も聞き取って、必要な見直しを行うということを求めて、今回は質問を終わります。

○織田委員 質問をさせていただきます。
 大変にこの臨海の副都心開発につきましては、種々議論があり、さらに会計制度の問題で、かなり複雑だというような話が先ほどもありました。今回、三会計を統合して非常に単純明快になった、透明性が上がった、こういうお話でございます。
 私は、余り勉強しておりませんので、そういう意味からは、果たして、ではこれが透明性が上がったのかなということは、なかなかよくわからない面もあるんです。それで、一生懸命この決算の説明資料を読んでおりましたら、どうにもわからないことが出てきて、いろいろお話を伺って、やっとわかったわけなんですね。
 どうしてもわからなかったのが、実は私の知識の至らざるところだったわけですけれども、例えば、臨海副都心の処分原価というのが百四十七億計上されておりまして、営業収益の方で、臨海副都心の処分収益、これ九十八億円しかない。それで、処分をしまして、それに引き当てる形で、いわゆる原価が出されてくるという仕組みの上から見ると、どうにもこうにもわからなかった。よくよく聞きましたら、これは病院なものですから、約半額におまけをして売却をした。事ほどさように私の知識は偏っていますので、間違いがありましたら、どんどんご訂正をいただきたいということを、まず最初に申し上げておきたいというふうに思います。
 臨海副都心のこの会計決算、ずっと読ませていただきまして、またいろんなお話を伺いました。先行的に起債で基盤整備をし、埋立地を造成して、それでその土地を処分して、そして回収資金でもって起債を償還する。いってみれば、この会計がポンプといいますか、中継点といいますか、そんな役割をきちんと担っていきますよ。ですから、起債を起こして、土地が処分されて、そのことが充当されていくわけですから、起債の償還のペースと土地処分のペースがきちっとフィットしていれば、何の問題もない。ところが、償還のペースと土地の処分のペースとがそごが起きてきますと、資金の取り回しが非常に厳しくなってくる。
 それで、数年後にその先行投資をした起債の償還が、かなり膨大な額、出てくるということで、今回の三会計統合をいたしまして、手元流動性を高めて、そしてその資金の取り回しをきちっとやろうということで財政基盤の強化、こんなことが出てきたんだというふうに私は理解をいたしました。
 そうしたことから考えますと、経済・港湾委員会等での質疑の資料、読ませていただきますと、前川崎局長なんかが、第一にも第二にも土地の処分だといわれる意味が、私としてはよく理解できたつもりでございます。
 そこで、実態として、先ほどからも議論ありましたけれども、臨海副都心、台場あるいは青海、有明北、南と、四つ地域があるわけですが、この地域ごとの開発状況、これは処分の状況、現況、そんなことをまずお聞かせいただきたいと思います。

○金子参事 臨海副都心の地域ごとの開発状況、処分状況等でございますが、まず、台場地区でございます。ここは十三区画中、十二区画が処分されておりまして、面積では二十ヘクタールございますうち十九ヘクタールが既に処分済みでございます。
 次に、有明南地区でございますが、先ほど東野副委員長のときにも申し上げましたが、暫定利用を加えまして、二十一区画中、十一区画、面積で五十六ヘクタール中、三十四ヘクタールが処分済みでございます。さらに三区画、三ヘクタールの事業者が決定されており、このうち二区画については、今年度から来年度にかけて、本契約を締結できるという見込みでございます。
 次に、青海地区でございますが、青海地区では、暫定利用を含めまして、二十六区画中、十一区画、面積で四十八ヘクタール中、二十三ヘクタールが処分済みになっております。
 なお、有明北地区につきましては、現在、土地区画整理事業を実施中でございますので、処分はございません。

○織田委員 今の地区の現況、わかりました。台場地区は、もうほとんど完成に近い形になっておりますし、処分の方も、すべてではないけれども、一地区残して済んでいると。こういうようなことで、次に、スタートをしましたといいますか、進んでいる有明南というものが、おおむねこれで見ると、二十一区画中、十一区画プラス三区画が決定ということで、これまた五割を超えた状況になっている。というような状況で、着実に進んでいるということもある程度わかります。
 この土地処分といったものを着実に進めていく、そういうため、その前提としての財政基盤強化ということなんですけれども、この財政基盤の強化を行うと。具体的に、どういう見直しをして、どういう形でこれを行おうというのが、きちっとしておりましたらお示しをいただきたい。数値的な面も含めてお示しをいただきたいと思います。

○三枝臨海開発部長 三会計の統合によりまして、短期的な資金収支というものを改善いたしました。そして、事業の採算性を確保することができたわけでございます。しかしながら、先ほど先生もご指摘がありましたとおり、平成二十年代当初に、起債の大量償還がピークを迎えるといったような事情がございます。したがいまして、中長期的な資金収支につきましては、引き続き厳しいものがあるわけでございます。
 こういった観点から、財政基盤強化プランでは、収入を得るということと、それから支出を削減すると、この両面からの厳しい見直しを行っております。
 まず、収入の確保策でございますけれども、先ほど来、営業担当参事が答弁しておりますように、土地の売却方式の導入であるとか、あるいは土地処分にかかわります規制の緩和等、こういったもので企業誘致を促進していくということを決定したところでございます。
 また、支出につきましては、地下の公共駐車場、あるいは共同溝、プロムナード、こういった臨海副都心地域内の残事業につきまして、原則として整備を凍結するということと同時に、グレードと申しますか、バブル期に始めました事業でございまして、当時のかなりグレードの高い整備水準でやってきたものの見直しでありますとか、そういったさまざまな手法の見直しを行いまして、千三百四十億円の事業費を削減しております。
 こうした両方の取り組みによりまして、当面の資金収支をさらに安定化させると同時に、事業の長期収支の均衡年度、これ、従来は平成四十八年度というふうに申し上げておったわけですけれども、これを平成三十一年度へということで、大幅に前倒しをしたところでございます。

○織田委員 収入、支出の両面からこれを見直したと。今後、支出していくべきものについては、プロムナードの整備であるとか、残りの共同溝の問題であるとか、そういったところを凍結しまして、やめました。
 それから収入の強化につきましては、土地の処分のやり方というものを、極めて柔軟性を持たせました。売却という方法もとれるようになりました。これも議会の声も強かったわけであります。あるいは、底地の買い取りということも可能にいたしましたというようなこともおやりになって、そういう形での取り組みを行ったわけでありますけれども、何はともあれ、三会計が統合して手元流動性がふえたから、この危機感を持って、とにかく土地を処分しなきゃならないというものが、私は薄れては困るなと思っているんです。
 もし、この売却の方法をとれませんよと。長期貸付のみでいくんですよと。そうしますと、その賃料の収入で資金の取り回しをしなきゃならない。あるいはまた、三会計統合して、臨海開発の会計だけで処理をしなきゃならないということになったら、これは大変だと思います。お話を伺っていて、逆に類推をすると。
 そうすると、これは、よほど腹を据えて、ともかくこの土地の処分ということに取り組まなければ、その健全な危機感が薄れたら、これは港湾局としては、使命を果たしていないというふうに思うわけなんですね。
 確かに、この事業を勉強させていただきまして、将来的に、単年度ごとに目標を立てて、次は、ここと、ここと、ここを売却いたしますと。すぱっと処分ができました。あるいは、ここと、ここと、ここは長期化してその翌年度にやりますよと。そして処分ができたというようなことではないということは、よくわかります。
 しかしながら、少なくとも一つ一つの地区の進捗状況等があって、それに対応する有償処分をいたしましょうという土地が、ある意味でいえば、計画が、線が引かれているわけですから、確定しておって、そういう状況の中であれば、これは普通の考えであれば、目標をつくって、進行管理をして、きちっとした見通しを立てて取り組むのが、私は筋だと思います。
 ただ、そういう会計になっていないものだから、なかなか難しいということはよくわかりますけれども、ある意味でいうと、そうした感覚をお持ちになってやっていただかなければ、これからの事業というのは、なかなか成功はしていかないんではなかろうかというふうに思うわけであります。そういった意味から、しっかり見通し、それから戦略、細かなことはいいません、戦略的な物の考え方というのはきちっとして、ひとつおやりになっていただきたいなというふうに思うわけです。
 先ほどから答弁聞いていましたら、こういう答弁かなということはわかりますけれども、私は、そういう意味では、もっと工夫があっていいんではないか。
 二千社訪問やりました、では、その結果どうなんですか。二千社訪問しました、あるいは、いろんなところを使ってそういうところへ当たりました。もっと工夫はないのかという、そういうことを考えていかなければならないんじゃないかというふうに思うんですが、こういう営業戦略、どんなふうにお考えになっていますか。

○金子参事 先生ご指摘のとおり、営業戦略というものをどういうふうに立てるかと、非常に我々も苦慮しているところでございますけれども、我々なりに危機感を持って何とか売ろうと、こういうような決意で今やっております。
 いずれにしましても、ここの土地、いろいろ広うございますので、地域ごとのニーズがかなり違ってきております。こういうものに合わせて、我々、誘致をかけると、こういう営業戦略をとらせていただいております。
 まず第一点でございますが、一番開発の進んでおります台場地区、ここにつきましては、先ほどご説明しましたように、残りの区画は一区画でございます。住宅と業務のちょうどはざまのようなところが一区画残っているわけでございますが、ここについて、住・商業の調和のとれた区画、こういうような形での公募条件の緩和を今検討しているところでございます。
 有明南地区でございますが、ここは、全線開業いたしますりんかい線の国際展示場駅から、年間八百万人の方がお見えになります集客施設のビッグサイトに至る大きなプロムナードがございます。このプロムナードをにぎわい空間にする、そういうような仕掛けをつくりまして、まち全体としてここをコンベンションシティーとする、そしてコンベンション関連施設の誘致を行うと、こういう戦略を立てております。
 青海地区でございますが、青海地区は、先端産業や研究施設の誘致ということで考えておりますが、経済特区の指定でございますとか、こういう経済特区の指定による活用などを視野に入れまして、関係企業のところに積極的に働きかけてまいりたいと思っております。
 それから最後の有明北地区でございますが、ここは現在区画整理を行っておりますが、将来的には、住宅を中心としたまちになるという地区でございますので、住宅開発に先行いたしまして、公共公益用地への教育施設の誘致、これも工業等制限法が廃止になりましたので、そういう大学等も誘致できるような条件が整いましたので、教育施設の誘致、こういうものを今検討している、こういうことでございます。

○織田委員 ちょっと夢のようなことを申し上げますけれども、処分をしていくということになってまいりますと、本来、この計画がスタートをしていったときには、土地の値上がり益というものを十分に予測をして、先ほども議論ができたように、余裕を持って、さまざまな利得を生みながら、このまちが完成をしていくと。
 今の状況、もし仮にですよ、私はそうあってほしいというふうに思うんですけれども、このまちが本当ににぎわいが出て、今、計算上出てくるような形の処分の価格、賃料にいたしましても、にぎわいが出てきて引っ張りだこになる。とてもじゃないけど、一社にこれこれの設定した価格でお譲りすることは、これはもう大変な競争でできない。もし仮に、そんなような状況になった場合、現在のいわゆる売り出しの方式というのは、変えざるを得ないんだろうと思うんですけれどもね。もっともっと、うんともうかりますよというふうに、私は夢を見るんですよ。そうあってほしいな。そうなるためには、このまちの魅力と土地の利用価値、商品価値、そういったものを上げなきゃならない。
 そういう意味では、晴海の延伸も必要、「ゆりかもめ」の延伸も必要、りんかい線は十二月に完成をいたしますが、そういったものも必要、そのほかのイベントも必要、そういったことを、知恵を絞り尽くして私はやっていただきたいというふうに思うんですね。
 局長、いかがでしょう。いつも最後に局長に振るみたいな、何となくパターン化した展開は僕、嫌なんですけれども、まさにこの港湾の指揮官として、このまちを、本来、想定したようなことになるぞというふうにしていただきたいと思うんですね。
 僕は先日、都議会の調査団でロンドンへ行ってきました。ドックランドを見てきました。まだまだ発展途上ですね。開発を請け負った当初のやつは、もう見事に破産。それでどうしたか。結局は、どう企業を誘致したか、この一点だったですよ。立て直しの、その手法というのは何もない、汗と努力。
 そういったことも感じますと、やはり局長みずから旗を振って、その決意を表明していただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。

○高橋港湾局長 先生ご指摘のとおり、今、経済環境は非常に厳しい状況にはございますが、この臨海副都心地域というのは、あすの東京を担う新しい特性を持ったまちだというふうに考えております。
 先ほど来、いろいろお話ございましたけれども、すぐれた景観や安全性の高い都市基盤整備、あるいは、都区内外からの交通アクセスへの容易などということで、まだ開発途上ではございますが、非常に高いポテンシャルを持っている土地だというふうに考えております。
 今、なかなか土地の販売が、いろいろ私ども努力しておりますが、厳しい環境の中で、今、営業部長が申し上げましたようなさまざまな努力を、全力を挙げてやろうと思っています。特に、この土地が持つ潤いと安らぎのある都市空間、あるいは交通の至便性、良好な進出事業環境といった、この土地の持っている特性を改めてわかりやすくPRをしていくとともに、交通アクセスの問題でも、今お話ありましたように、大崎の延伸とか、広域道路の整備等ということで、ポテンシャルが単なるポテンシャルではなくて、現実にアクセスのよいまちに変貌を遂げようとしているわけでございます。
 こういう状況を積極的に売り込みまして、問題となっている土地の処分について、全力を挙げていきたいというふうに考えております。
 さらに、現在では、経済特区の問題であるとか、あるいは都市再生特別措置法というふうな、新たな都市再生のさまざまな動きがございます。こうした動きも活用をしながら、さらには、にぎわいの創出なども一層工夫をしていきながら、全力を挙げて開発に取り組んでいきたいというふうに考えております。

○織田委員 終わります。

○松村委員 もうしばらく、よろしくお願いいたします。
 二〇〇一年、平成十三年度は、今もいろいろ質問がありましたけれども、三会計が統合され、それから平成十三年末には、臨海地域開発財政基盤強化プランが出された年です。石原知事は、臨海副都心開発は、進むも地獄、退くも地獄と認め、徹底した事業の見直しを検討したとして、いわゆるこのプランに基づく長期収支の見直しを発表しました。しかし、私は、これは全面見直しに値しない、全くの小手先のものであるといわざるを得ないというふうに思います。
 そこで、長期収支試算が成り立つためには、今後、処分可能地七十五ヘクタールがすべて売却され、その土地売上代金が入る、こういうことを前提としておりますけれども、今後、平成十三年度から、三十一年、この長期収支が出されておりますけれども、この土地の売上代金は幾らと計算されておりますか。

○三枝臨海開発部長 売り上げ--総額ということでございますか。

○松村委員 まず総額。この都有地運用収入等で、平成十三年から平成三十一年度には九千百九十八億円とあるでしょう。これは賃貸料も入っているので、純然たる今の土地の売り上げ、土地を処分するということですから、それに見合う土地売上代金はどうなっているのかと。

○三枝臨海開発部長 金額的に、今、手元に数値はございませんけれども、おおむね売却収入と賃貸収入のおおまかな割合は七対三でございます。土地売却収入についていいますれば、約六千七百億程度ということになっております。

○松村委員 あらあらの試算でも、この土地運用収入等の九千百九十八億円、この平成十三年度から三十一年という中で、そのうち土地の売り上げ見込みというのが六千七百億円ということですね。
 そうすると、七十五ヘクタールが処分可能地ということですから、一平米当たり、ちょっと私、今計算機がないんですけれども、幾らになるでしょうか。

○三枝臨海開発部長 単純に計算いたしますと、八十九万三千円ということになります。

○松村委員 平成十三年三月十九日の経済・港湾委員会では、三会計統合させていただいた後、土地の処分価格の云々の答弁がある中で、一平方メートル当たり百十四万円としておりますというふうに答弁されているんですけれども、えらい乖離がありますよね。それは、ここでも平均しますとということなんですけれどね。一年間で、この財政基盤強化プランでは、それほど、今の港湾局の試算が違うほど変動しているんですか。

○三枝臨海開発部長 先ほど先生のご指摘がありました百十四万円という数字は、今の長期収支上の割り算をした数字ではございませんで、台場地区での平均価格という数値だと思います。
 それから、もう一つのお尋ねの方は、長期貸付が別に、年間収入百億程度ございますので、土地の売却収入だけが収入ではなくて、長期貸付の収入、これ十九年間で約千九百億円が見込まれているわけでございます。

○松村委員 そうすると、私は、その売却予定価格、今は単純に割り返すとどういう額になるかというのがありましたけれども、各年度ごと、例えば、売却予定価格でも、各区画、区画によって違いますよね。当然、今いった形の長期賃貸料も含めた九千百九十八億円というのを出しているわけですから、積み上げた形だと思うんですけれども、その各区画ごとの売却予定価格はどういうふうに見込んでいるのか。
 また、各年度の収入をどのように計算、試算された数字の積み上げが、この九千百九十八億円、それは賃貸料も含むわけですけれども、見合ったものになっているのかをお答えいただきたいと思います。

○三枝臨海開発部長 今回の長期収支に当たりまして、土地区画ごとの売却予定価格、これは収入見込みの精度を高めるために、私どもとしましては、基準画地の価格をもとに、試算時点における区画ごとの価格を設定して収入額を積算しております。
 従来から、その区画ごとの価格というものは、公募する時点で参考価格としてお示しをしてきていました。それで、契約直前の財産価格審議会の議を経て、最終的な価格を決定したという決め方をしております。
 今回、その処分の促進を図るという観点から、第二次公募の九区画分、現在公募しております区画でございますけれども、今回、財産価格審議会の評定を得た最終的な価格ということを示して公募をしております。
 ただ、その他の区画につきましては、処分時期が未定でございまして、これは、いつ処分するかによって、価格が異なってくるわけでございますので、現時点での価格を示すということは、今後の土地処分、私どもの営業にとりまして支障を来すということから、お示しをできないということでございます。
 続きまして、各年度ごとの収入予定は幾らかというお話でございますけれども、臨海副都心開発事業、これは公営企業会計ではありますけれども、例えば、水道事業でありますとか、そういった他の公営企業では、料金収入という毎年度の安定した収入というものがあるわけでございます。しかしながら、私どもの収入の多くは、年度ごとの土地処分の--年度ごとにその価格を見込むことが非常に困難な土地処分というものに頼っておるわけでございます。そのため、将来、各年度ごとの収支を見通すということは、事業の性格上なじまないということから、年次ごとの収入といったものは設定しておりません。

○松村委員 普通、どの企業というか、企業経営においては、きちっとした採算の見通しのもとで事業を進めていくという点においては、本当に見通しが持てないというか--大体私は、例えば、新土地貸付方式、または、その後、長期土地貸付方式になりましたけれども、それが一次、二次公募が終わって、普通だったら、現在まできちっとした見通しを持ってやれていたものが、売却方式という形になって、その土地がいつ売れるかわからないというような、いわば、そんな山師みたいなことを、それは企業だったら一発もうけようというんで、やるところがあるかもしれませんけれども、しかし、なかなか厳しいというんで売れなければ、当然これ、資金繰りがおかしくなって、企業ならば倒産と。今までも地上げとか、いろんなそういう土地にまつわることはやった企業がありますけれども、そういうところは破産したり、倒産しているわけですね。
 私は、乱暴ないい方をすれば、同じような性格のことをやっている。本来、見通しが立たない、一生懸命頑張っているんだ、一生懸命頑張っているんだというだけでは、私は済まない。もうとっくの昔にこれは責任とって、これは破産というんですか、破綻する以外なかったものを、今日まで引きずっているんじゃないかということも、ちょっとこの点では指摘したいというふうに思うんです。
 それで、転貸債や建設元金債の支払いピークは、それではいつになるのか。それまでにどのぐらいの土地売却が必要になっているのかをお答えいただきたいと思います。

○三枝臨海開発部長 起債の償還についてのお尋ねでございますけれども、今後の起債の元利償還金は約六千九百億円でございます。
 この起債の償還でございますけれども、平成二十一年度に約一千五十億円、平成二十二年度に一千三百四十億円、平成二十六年度に約一千四百六十億円という大量の償還がございまして、この時点がピークということになります。

○松村委員 今も答弁がありましたけれども、私、平成十三年にいただいている資料を見ても、元金の返済額だけでも--今お答えいただいた平成二十一年度が一千億円、それから二十二年度には一千三百億円と、これに利息などを加えれば、今いったみたいに三千億円台の支払いをしなければいけないと。つまりは、この間に三千億円の土地が売れていなければ、先ほどの織田委員の質問にありましたように、完全にこれは資金ショートどころか、本当に破綻、破産してしまうという、そういう事態は変わらないわけなんですよね。
 それでは、このように土地が売れる見通しがあるのかと。二千社の訪問ということをやっておりますけれども、その結果はどうだったのかをお答えいただきたいと思います。

○金子参事 昨年七月から実施いたしました二千社訪問の成果でございます。
 まず第一に、今般の二千社訪問で、リゾートトラストという進出事業者一社を確保することができました。また、臨海副都心への進出について関心を示し、キーテナントとしての入居も含めまして、約三十数社が我々のところに、かなり詳しい情報をとりに、関心を持ってお越しになりました。現在も事業計画を検討している企業さん、数社あると、こういうふうに聞いておりまして、その数社に対し、我々としては強く勧誘に努めているところでございます。
 二点目に、この二千社訪問によりまして、直接、各事業者からいろいろな話をお聞かせいただきまして、進出する際の環境の改善に係るニーズを把握したわけでございます。これによりまして、要望の強かった土地売却でございますとか、土地価格の早期確定、こういうことを行うことができたわけでございます。
 三点目は、二千社訪問、これを機会にいたしまして、臨海副都心が持っているポテンシャルでございます、りんかい線の全面開業でございますとか、臨海トンネルの開通で、羽田とのアクセスが非常に向上したと。こういうことのみならず、他の地域に類のない、水と緑に囲まれた都市環境、こういうものをPRすることができたわけであります。
 その際も、訪問企業さんのみならず、アナウンス効果というんですか、関連の企業さんにも、そういう意味で、臨海副都心のことが十分周知できたんではないかと思っております。
 以上でございます。

○松村委員 二千社すべて訪問した結果、平成十一年十一月にホテルですか、一社、大体百億円の契約にようやくこぎつけることができたと。しかし、これもまだお金は、仮契約ということで、売り払い代金は入っていませんよね。いつの見通しになるんですか。

○金子参事 入金のお話でございますが、この売上代金が入りますのは、都市計画手続が終わって、その後代金が入る、こういうのが公募のときの考え方でございますので、今の見込みといたしましては、十五年の夏、来年の夏になる予定でございます。

○松村委員 確かに行政ですから、都市計画決定とか手続とかあるんですけれども、普通、契約が成って二年も、お金が入るには三年もかかると。こんなこともやはり私は民間では考えられないと思いますし、その間、もう契約したから別に暫定利用するわけでもなしに、そこにかかわる利払いは、相変わらずやはり東京都が負担しなければならないという、こういう構図になっているというふうに思うんです。
 さて、オフィスの過剰時期をいよいよ迎えますよね。二〇〇三年問題で、都内のオフィスビルは供給過剰になると。来年だけでバブル期の二倍のオフィス床が供給されるということが、既にもう広くマスコミでも伝えられているわけです。こういう状況を反映して、臨海副都心第三セクターのビルの、現在つくられて、稼働しているところの状況も、こういう事態が既に反映しているんじゃないかというふうに思いますけれども、この第三セクタービルの入居率、空き室率はどうなっているのかを、資料はいただいておりますけれども、これは三月三十一日ですが、直近の数字をちょっとお示しいただきたいというふうに思います。

○井戸参事 臨海副都心第三セクターのビルの直近の入居率でございますけれども、現在、七棟のビルを保有しておりまして、八月末の入居率では、テレコムセンタービルが九五・五%、台場、有明、青海の三棟でございますけれども、これが平均八三・八%、竹芝が、ニューピア三ビルが九五・三%でございます。三月末と比べますと、ビルによりまして入居率が下がっているところもございますけれども、上がっているところもあるというような状況でございます。

○松村委員 下がったところもあるが、上がったところもあるといわれて、確かに台場の方は、やはりにぎわいがあるし、商業施設等なども含めれば、やっぱり一〇〇%になってきているということですけれどもね。
 しかし、有明フロンティアや青海フロンティアビルは、いまだに二割、三割の空き室になっている。テレコムセンタービルも、この半年間で空き室率はかえって四%もふえたと。
 先日、私は河野委員と、ちょうど三連休の最初の日に、改めて、きょう決算審議があるので、現状を見てきました。ちょうどお昼どきで、のどが渇いたので、ある大きな喫茶店に入ろうと思ったんですけれども、一人も入っていないんですよね。もうびっくりして、思わず入り損ないました。ではラーメンでもと思ったら、表には休業中となっていたんですけれども、休業中どころか、もう撤退して、がらんと全部もぬけの殻になっているというような、どこそことはいいませんけれども、そういう事態や、いろいろ見てきたけれども、これは、やはり大変だなと。確かににぎわいのあるところもありますけれども、そういう状況を見て、我々の心配は本当に現実のものになりつつあるという気がしました。本当に見通しが暗いと。
 その上、さらに都市再生によって膨大なオフィスビルが供給されることになるんですよね。これは、東京都みずからが都市再生をやるということでの方針をとっているわけですから、本格的なビル不況が到来することは避けられないというふうに思うんです。臨海部のオフィス開発はますます競争力が落ち、価格も低迷する。ですから、全部売れたとしても、低価格なら元も子もなくなるという、こういう構造になっているわけですよね。いずれにしても、私は破綻状況になっているんだというふうに思います。
 七十五ヘクタールの土地処分には、十六ヘクタール--先ほど十四ヘクタールという答弁がありましたけれども、この資料によりますと十六ヘクタールですから、私は、十六ヘクタールの有明の丘と、この防災用地を含んでいると思いますけれども、この広域防災拠点整備のため、国などに有償処分を働きかけるとしていますけれども、交渉状況はどうなっているんでしょうか。

○三枝臨海開発部長 広域防災拠点の検討の状況につきましては、先ほどご答弁申し上げたとおりであります。
 それで、国と自治体との役割分担、これについては、現在、関係者間で協議、調整を進めている最中というふうに伺っております。

○松村委員 例えば、先ほど七十五ヘクタールの処分可能地を、全部処分するということを前提として長期試算が成り立っているということになれば、今、私が--先ほど答弁したとおりだというそっけないものが、他の委員の質問の答弁のことをいっているんでしょうけれども、私は、逆に、ではこれ、どのぐらいの価格で十六ヘクタールを国が買ってくれるというか、出す見通しを持って今交渉しているのかということをお聞きしたいんですよ。

○三枝臨海開発部長 私ども自身が、現在この広域防災拠点の具体化ということの作業に携わっているわけではございませんし、それから、国と、あるいは国の中でも、財務省と国土交通省との間でどのようにやりとりをされているか、そういったことは私ども存じ上げておりませんので、今のところお答えする立場にございません。

○松村委員 いずれにしても、当初は、東京都の土地なのに、現物出資しておいて、それを一般会計で東京都が東京都の土地を買い上げるというような、同じ会計がですね。違うといっても、余りにもひどいということでの都民の批判が上がる中で、そういうことはやめまして、今、広域的だ、防災拠点だからというんで、国の協力と。だから、今まで少しはといいますか、そういう形では、土地代金が、国なりのお金が入ってくるということにおいては、助かるというか、資すると思いますけれども、しかし、それもやはり全部が今、都が当初考えていたような、この収支見込みで出しているような平米単価で、国が丸々資金を出すなんていうことは到底考えられない。当然、都の負担ということにもなってくるし、これはまた都民の税金、一般会計も注ぎ込む結果というふうになると思いますし、いずれにしても、決して甘い見通しはないんだと。そういうところが、実際、試算が崩れれば、途端にこの長期収支見通しというものが現実性を失うということも、指摘しておきたいというふうに思うんです。
 それから、有明の丘の問題でいいますと、国際展示場の駐車場として使われておりますよね。この二千台を超える駐車場がなくなれば、ビッグサイトの機能にも大きな影響が出ると思いますけれども、どういう対策をとられるのか。
 また、先ほどの長期収支の中での財源圧縮の中に、地下駐車場、これ、千七百台を予定したというふうに聞きますけれども、この地下駐車場もつくらない。さらに、この臨海全体では、暫定的にいろいろ駐車場を使用しておりますけれども、これも処分可能地、どんどん売りに出すわけですから、駐車場の機能としては、暫定的にも使えなくなると。
 そうなると、臨海副都心全体の駐車場対策というものが、今後どのように、この見直しの中でも対策があるんでしょうか、検討されているんでしょうか、伺います。

○萩原参事 臨海副都心地域の交通対策の基本は、公共交通の利用促進であります。
 本年十二月一日に予定されておりますりんかい線の大崎延伸や、平成十七年度を目途としております「ゆりかもめ」の豊洲延伸など、公共交通機関の充実によりまして、車から公共交通への転換の促進が図られるものというふうに考えております。
 と同時に、あわせまして、臨時駐車場の効率的な運営、また、建物の建設の際に行っております附置義務駐車場、こういったものも、なるべく多く確保させる、こういったようなもの、さらには、空き駐車場の誘導、こういった対策を進めていくことが必要だというふうに考えております。

○松村委員 大いに公共交通を利用してもらうというのは、私、大賛成ですけれども、しかし、国際展示場など、そういう機能としてはどうしても必要なものというのは確保されなければ、またここが全然お客がつかないとか、そういう事態になったら、これはもう悪循環の繰り返しになるんじゃないですか。
 それから、先日見に行ったときに、東京みなと館に入りました。そのときにもお金を払って二人で入ってみたんですけれども、二人だけでした。それで、受付の方に聞いたら、ほとんど来られませんけれども、ただ、平日は社会科見学で、バスで、中学生といいますか、来られる。だから百二、三十人の入館者はありますというふうに聞きました。確かに、見たら、みなと館にはその日は来ていませんでしたけれども、バスがずっと並んで、恐らく国際大学村だとか、ほかの社会見学に来たりとかですね。ところが、そのバスの五、六台が全部道路にとまっているんです。前はあそこは臨時駐車場がありましたのが、もう既になくなったから、そういう駐車場機能がないので、道路にとめざるを得ないというふうに思うわけですけれども、そういう形で、にぎわいをつくるんだといっている一方、使い勝手が非常に悪ければ、やはり私は、ますます都民というか、足は遠のくと。
 それからもう一つ、盛んに土地の、さっきの処分の場合にも、このりんかい線の、東京臨海高速鉄道が大崎に延伸をするということが、一つの土地処分の決め手になるような、また、この財政基盤強化プランにも、そのことによって土地処分の評価が変えられるという期待を込めていますけれども。これ、いつでしたか、ちょっと私見たのは、平成十四年十月四日、つい最近ですよね。東京臨海高速鉄道臨海副都心線、このりんかい線の運賃改定、これは値上げなんですけれども、この認可についてという申請が出されて、これが今いった十月四日に認められたということなんですけれども、ご存じですか。この質問は、今聞くわけですけれども。

○金子参事 臨海高速鉄道の運賃のお話でございますけれども、運賃の改定が行われるというご連絡は、臨海高速鉄道の方からはちょうだいしております。

○松村委員 ここには、その運賃の値上げですよね、新たに新設されるところは新設の運賃なんですけれども、その理由に、この沿線開発のおくれ、つまり、この臨海副都心開発ですよね。このおくれにより、輸送需要が相当下回っていることなどのため、東京臨海高速鉄道の経営状況は極めて厳しい状況にあって、既存区間の運賃改定もあわせて行うというんですよね。
 こういう状況に、やっぱり鉄道というのは一番乗客というのが命ですから、その将来見通しというか、見込んで、全力をそこに--見放されているというか、だから、今、この新木場から東京テレポートの現行二百三十円を二百六十円にすると。通勤定期も、八千九百七十円が一万百四十円と、千幾らも、月、本当にたばこやコーヒー代がこれでなくなっちゃうという、ますますやはりそういうところに帰りたくない、行きたくないというような現実的な事実をやっぱりどのように認識して--ただ土地の処分がこれによって、ますますできるとか見通しがあるとか、そういう状況じゃないんじゃないですか。この点についてお答えいただきたい。

○金子参事 りんかい線の開業につきましては、それに合わせまして、臨海副都心でもこれに関連するイベントを、先ほど申し上げましたが、よさこい祭りを導入するとか、そういう形でのにぎわい創設をしながら、臨海高速鉄道と相まって乗客をふやし、来場者をふやし、臨海副都心をにぎやかにしていく、こういう形で考えております。

○松村委員 るるいろいろありましたけれど、長期収支見直しといっても、実現の見通しのない、まさに絵そらごとになっているといわざるを得ないと思います。
 そこで、私、最後に質問したいことは、そういう長期収支もともかく、足元も今非常な、危機的といいますか、先ほど三会計統合で、やれ一安心というような話もありましたけれども、そんなことでは決してないということも、この決算を見て指摘せざるを得ないというふうに思います。
 そこで、決算書の一六ページ、三会計統合後の損益計算書が出ていますけれども、このうち、臨海副都心開発事業分を営業収益、営業費用、営業外収益、営業外費用の額がどうなっているかをお示しいただきたいと思います。

○津島総務部長 臨海地域の開発事業会計、三会計統合したわけでございますけれども、それぞれ事業費については、区分してわかるようにしてございますけれども、このうち一般管理費とか雑支出は、全体で合算して計算していますので、完全に正確な数字として、旧臨海会計分だけこの時点で取り出すことはできないんですけれども、おおむね約百億前後が臨海会計の損失ということになっております。
 ただ、この損失というのは、先ほど織田先生がおっしゃいましたように、有明の丘の病院が、実はこれは二百億程度の金額でございますけれども、五〇%減額を行った結果、収入が九十八億という形になったために赤が出たものでございまして、これがなければ、ほぼとんとんだったということでございます。

○松村委員 この決算書で見ると、例えば、この営業収益の(2)の臨海副都心用地処分収益九十八億、今いった病院の売上代金、土地の売上代金とか、賃料収入だとか、ずっとこう数字を拾ってみて、大体九十三億八千七百万の損益になっていると。経常損失が臨海開発事業だけを、この三会計統合後の決算書から拾ってみたんですけれども。ただ、そこには、大体今、百億という話がありましたけれども、一般管理費が四十六億円で、この中身がわからないんです。
 それで私は、十二年度のを見たら、一般管理費が、臨海副都心開発事業会計損益の中では十七億ですよね。それをこの十三年度も当てはめると、九十三億から十三億で、百十億ぐらいになると、今の百億という話がありましたけれども、それ以上だというふうに私は見るわけです。それではもう一つ、これ、三会計統合をした損益計算書ですけれども、この三会計が統合されない前は、他会計借入金などの利払いが相当あったというふうに思うんですよね。その分はどのように見ることができるんでしょうか。
 つまり、会計統合しなければ、今は百十億と私、臨海の、あれしましたけれども、さらに、その会計を統合しなければ、旧臨海会計からどのぐらいの支払いが--この中には入ってこないので--あるのかも示していただきたい。

○津島総務部長 旧臨海会計は、旧埋立事業会計と旧羽田沖事業会計から、合わせまして三千六百億円の借入金を持っておりまして、その部分の支払い利息は百九億円でございました。三会計を統合されることによりまして、三つの会計が一緒になりましたので、利息はなしということになったものでございます。
 これは、先ほど申しましたように、いわゆる税金で持つ一般会計に負担をかけないで再建をしていくと、こういう形でやった結果ということでございます。

○松村委員 百九億円、会計統合をしなければ、旧の臨海副都心開発事業会計から出していたと。そして、それ以外に企業債の利払いなどがあって、大体この十三年度においても、臨海会計だけを拾ってみると、百十億円ぐらいの赤字というか、損失がされているということだから、では二百二十億ぐらいかなというような気がするんですけれども。
 そこで私、ちょっと聞きたいんですけれども、平成十二年度の決算のときには、この営業外費用の支払い利息及び企業債取扱諸費が四百四十五億円なんですよね。今度三会計統合したときの営業外費用の中の同じ項目、支払い利息などが二百五十一億。私は、だから、この四百四十五億から二百五十一億を単純に引けば、恐らく借り入れ三千六百何がしに見合うんじゃないかと。それ以外、何かこれが減ったですね、十二年度と、この三会計が統合された十三年度を比較して、そこが今いったみたいに百億じゃなくて、もう少し多いんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点はいかがですか。

○津島総務部長 その差がおおむね支払い利息分でございます。

○松村委員 そうすると、二百億にとどまらないですね。三百億、それ以上で、やはり私たちが当初指摘していたとおり、五百億円支払いがありながら、長期貸付方式による賃貸収入が、ここでもう平成十三年度も九十四億五千幾らですから、百億ぐらいということになれば、本当にこれ、毎日毎日一億円の赤字が、臨海会計は生まれているんじゃないかということを従来から指摘してきた。
 私は、確かに三会計が統合されて、今いった会計間の払わなければならないものは払わなくても済んだとかいうことだけれども、この臨海副都心開発事業の、こういう赤字を生み出していく構造というものは、全く変わっていないんだということを指摘したいというふうに思います。
 それから、私はさらに大問題だと思うのは、先ほど、ことしはたまたまというか、前に売れた病院の土地売上代金が入りました。減額になったといっても、入ったのは九十八億円。ところが、この営業損益の支払い利息が二百五十一億というか、つまり何がいいたいかというと、元金償還金にほとんど回っていないんですね。土地を売っても、それが利払いに消えちゃう。だから、わかりやすくいえば、今七十五ヘクタールを、これからいろいろ努力して売るというんですけれども、売っても売っても、この臨海会計は利払いに消えて、元金償還金--長期収支では皆さん方、何か合うようなことをいって、一遍にこれだけ売れればとんとんになるんだというけれども、実際に私は、毎年毎年の決算を本当に分析して見ていくと、土地を売っても全部それが利払いに消えて、元金を減らすことにはならないというような、やはり構造になっているということが、おぼろげながらというか、本当に気がしています。これは、今後さらに私は分析して、ただしていきたいというふうに思いますけれども、今度の十三年度のを見ても、そういうことがいえるんじゃないかと。
 それから、資本的収支、これで見ると、三会計統合後でも四百四十一億円の資金不足となって、損益勘定留保資金で充当しているわけですよね。この損益勘定留保資金というのは、前は減価償却ということで出しました。今度は新たにその名前を変えて、臨海副都心用地処分原価というふうになったそうでありますけれども、これのどこに積み立てられているというか、これになるかというと、貸借対照表を見ると、現金預金だという説明を受けました。
 しかし、この十三年度決算の現金預金、決して余裕あるものではありませんよね。これ、幾らになっていますか。

○津島総務部長 十三年度末で七百八十六億でございます。

○松村委員 十三年度も、三会計統合後も四百四十一億円の資金不足となって、損益勘定留保資金から充当していると。それは、もちろん単純に現金のやりとりで四百四十一億円が消えるわけじゃありません。現金としては、五十億とか六十億台の収支でしょうけれども、いずれにしても、この現金預金というのは七百八十六億円ですから、このまま推移したら、本当にあと数年で完全にまた資金ショートするというか、の状態にあるんだということも、私はいえるんじゃないかというふうに、私なりに分析してみました。(「だから、どうすればいいんだよ」と呼ぶ者あり)これから述べます。
 以上のように、三会計統合によって資金ショートは辛うじて免れましたが、それもあと数年もつかどうかという実態が鮮明になってきたと思います。結局、三会計統合が、旧埋立や羽田会計に残っていた都民の財産を赤字の臨海副都心開発事業で食いつぶすという実態が、この決算からも明らかになってきているというふうに思います。
 以上のように、企業副都心開発という、コンセプトそのものを根本的に見直すことなしには、ますます泥沼化になるんですよね。先ほど局長からも、質問の中で、観光地というふうにとか、にぎわいがあるとか、確かにお台場の方はにぎわって、先ほどいった社会科見学もたくさん来るかもしれません。
 しかし、だったら、この企業副都心、国際ビジネスセンターという、しかも事業用地として、オフィスビル用地として売ろうというわけですから、このコンセプトをやっぱり根底から見直さなければならないところに来ているんじゃないでしょうか。
 しかし、昨年の十三年度末に出されたこの基盤強化整備プランにおいても、そこは全く手をつけないということですから、ますますこれは大変な事態になると。我が党は、開発の当初から都民要望に沿った、自然を生かした臨海部の活用の道を具体的に提案してきましたけれども、今こそ改めて都民参加で抜本見直しを進めるべきだということを表明して、質問を終わります。

○樺山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○樺山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の第一分科会を閉会いたします。
   午後三時三十四分散会

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