公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第二号

平成十四年十月十六日(水曜日)
第一委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十一名
委員長樺山 卓司君
副委員長東野 秀平君
副委員長いなば真一君
副委員長富田 俊正君
松村 友昭君
初鹿 明博君
河野百合恵君
吉原  修君
織田 拓郎君
比留間敏夫君
山本賢太郎君

 欠席委員 なし

 出席説明員
中央卸売市場市場長碇山 幸夫君
管理部長橋本 康男君
事業部長石川 俊一君
市場政策担当部長高津 満好君
新市場建設担当部長小山 利夫君
参事岸  信子君
参事松村  進君

本日の会議に付した事件
 平成十三年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  中央卸売市場関係
  ・中央卸売市場会計決算(質疑)

○樺山委員長 ただいまから平成十三年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 初めに申し上げます。
 本日から三日間にわたり、本分科会所管三局の決算に対する質疑を行っていただきますが、質疑につきましては、平成十三年度の決算の審査から逸脱しないように行っていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 本日は、中央卸売市場関係の決算に対する質疑を行います。ご了承願います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都中央卸売市場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○橋本管理部長 去る十月七日の当分科会においてご要求のありました資料につきましてお手元に配布してございます。
 平成十三年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 まず、一ページをお開きいただきたいと思います。東京都卸売市場整備計画(第七次)における情報化への取組状況についてでございます。
 市場業務の電子化を促進することにより、ペーパーレスを初めとする事務改善を果たし、さらにインターネットを活用した迅速な情報公開を実現するための方策を行ったところでございます。具体的な施策の取り組み状況につきましては、表をごらんいただきたいと思います。
 次に、二ページをお開きいただきたいと思います。中央卸売市場におけるBSE対策の取組状況についてでございます。
 平成十三年九月の国内初のBSE発生以来、中央卸売市場では危機管理の観点から、安全な食肉の供給を確保できるよう、さまざまなBSE対策を講じております。対応策でございますが、集荷段階での対応、施設の整備・衛生管理による対応及びと畜解体工程における対応を行っており、それぞれの詳細な対策及び開始時期につきましては記載のとおりでございます。
 次に、三ページをお開き願います。中央卸売市場における環境課題への取組状況についてでございます。
 中央卸売市場の環境課題に対する取り組みを自動車排気ガス対策、廃棄物対策、省資源・省エネルギー対策の三つに区分し、それぞれの主な事業及び取り組みの概要につきまして記載してございます。
 次に、四ページをお開きいただきたいと思います。取扱物品の売上金額の推移(五年間)でございます。
 まず、水産物でございます。数量は横ばいですが、金額は減少傾向となっております。
 また、青果物につきましても数量はほぼ横ばい、金額は減少傾向となっております。
 次に、畜産物についてでございますが、牛は毎年取扱数量が伸びてきておりますが、BSEの発生の影響で平成十三年度は数量、金額とも減少しております。
 最後に花きでございますが、数量につきましては順調に伸びてきており、十三年度は世田谷市場の開設もあり大幅な増加となったところでございます。
 次に、五ページをお開きいただきたいと思います。築地市場移転問題の経過についてでございます。
 平成十三年十二月に東京都卸売市場整備計画(第七次)を策定し、築地市場の豊洲移転を都として正式に決定いたしました。
 さらに、本年四月、新市場建設協議会を設置し、現在、基本構想策定に向け協議を重ねているところでございます。
 資料では、現在地再整備計画の見直しから移転整備へと方向転換に至ります過程を記載してございます。
 最後に、六ページをお開きいただきたいと思います。東京都中央卸売市場取引方法別割合の推移(十年間)でございます。
 水産物部、青果部、花き部とも競り売りの割合が下がっております。特に、平成十二年の条例改正で競り売りの原則が緩和されたことによりまして、割合の低下が大きくなっているところでございます。
 以上、簡単でございますが、ご要求のございました資料につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○樺山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○いなば委員 それではまず冒頭に、BSEの発生以来次々と問題が生じている食の安全に関する問題と、最近進展の著しい築地市場の豊洲移転計画の二点について質問させていただきたいと思います。
 BSEが発生して約一年になるわけですけれども、BSEの問題は食の安全性に対する消費者の信頼を崩壊させる大事件でありました。東京都では事件発生後、機敏に対応して、消費者の視点に立って国に先駆けていろいろな措置を適切に講じてきたと承知しております。それまでの各省ばらばらで後手後手に回った国の対応に比べれば、各局が連携して迅速かつ的確に行動した都の対応、とりわけ中央卸売市場の対応は高く評価するところであります。
 しかし、その後も食肉の偽装表示問題や中国野菜における残留農薬、さらには国内産の野菜の無登録農薬使用、食の安全と安心に対する消費者の信頼を大きく揺るがす問題が続発してきたわけであります。食品の流通に携わる人たちのモラルや商品管理が厳しく問われるところでありますけれども、このように今や食の安全と安心の確保は、都政にとっても重要課題の一つとなっております。
 そこで、食の安全と安心に対する中央卸売市場の取り組みについて、まずお伺いしたいと思っております。

○石川事業部長 BSE対応に当たっての中央市場の対応についてのお尋ねでございますが、中央卸売市場といたしましては、安全な食肉以外は食肉市場から一切出さないという考え方のもとに、まず産地に向けました対策に力点を置きました。そのため、出荷に際しまして牛の生育履歴を記載させましたと畜牛育成履歴申告書や、BSEの発生源ともいわれております肉骨粉を飼料として与えていないということを証明する肉骨粉非使用証明書の提出を義務づけるなどいたしまして、BSE感染のおそれのある牛が芝浦と場に入ってこないよう水際の防止に努めたところでございます。
 さらに、特定部位といわれます脳、脊髄などにつきまして、BSEの感染の有無にかかわらずいち早く除去、焼却するなどしまして、芝浦と場、食肉市場での安全管理に万全を期したところでございます。

○いなば委員 そこで、その後も冒頭で述べたように食の安全と安心を揺るがすいろいろな事態が発生してきているわけでありますけれども、それらの問題に対しまして、中央卸売市場はどのようにまた対応してきたのかということをお伺いしたいと思います。

○石川事業部長 食の安全と安心を揺るがす種々の事態の対応についてのお尋ねでございますが、さきに起きました残留農薬や無登録農薬の使用の問題に対しましても、中央卸売市場は消費者の視点に立ちまして、事態の発生後直ちに卸売業者の販売原票等によりまして取引状況のチェックをし、地方卸売市場を含めます都内すべての卸売市場に対しまして、当該食料品の上場停止や販売の差しとめを指示したところでございます。
 また、国及び生産者団体に対しまして、農薬等の適正使用や農薬の使用に関する情報の公開につきまして要望したところでございます。
 さらに、食の安全につきまして全市場共通のテーマを設定いたしまして取引状況のチェックをするとともに、産地表示や農薬の使用に関する情報の収集を実施して、食の安全の確保に努めてきているところでございます。

○いなば委員 続いてですけれども、食の安全と安心を確保するために、予算の執行も含めまして市場当局と業者が一体となって機動的に取り組むことが肝要だと思うんですけれども、今後の取り組みについてまたお伺いしたいと思います。

○石川事業部長 食の安全と安心の確保に係る今後の取り組みについてでございますが、食の安全と安心の確保は極めて重要でございまして、常に消費者の視点に立ち、安全、安心な生鮮食料品の流通に最大限の配慮をして、そしてまた食の安全と安心を脅かすようなことが生じた場合には、時期を失することなく果敢に対応することが、行政のみならず市場関係業者の重大な責務と強く認識しているところでございます。
 このような観点から、ご指摘を踏まえまして、市場関係業者との連携を一層強化し、今後とも危機管理の視点に立ちまして有害な食品を市場に入れない、また市場から出さないを基本に生鮮食料品の安全性の確保に万全を期してまいりたいと思っております。

○いなば委員 次に、築地市場の豊洲移転についてでありますけれども、築地市場の豊洲移転は昨年の十二月、第七次東京都卸売市場整備計画で決定されました。そしてその後、新市場建設に向けての計画づくりが進められていると伺っていますけれども、そこでまず、これまでの新市場建設計画の進捗状況と現在の検討状況についてお尋ねしたいと思います。

○小山新市場建設担当部長 昨年九月に、今後の計画づくりに備えまして、新市場基本コンセプト懇談会をまず設置をいたしました。
 この懇談会では、築地市場の業界団体から推薦を受けた八名の若手業界委員、学識経験者、行政委員とで今後の市場のあり方、消費の動向、新市場のコンセプト等について話し合いを行いました。この成果を踏まえ、本年五月に築地市場の業界関係者と東京都の協議機関である新市場建設協議会を立ち上げ、現在、基本構想策定に向け協議を行っているところでございます。

○いなば委員 次ですけれども、築地市場の業者関係者と基本構想策定に向けて協議を進めているということですけれども、その築地市場の業界団体の中にはまだ移転反対にいろいろと声を上げていると、そういう団体もあると聞いておりますが、現在、市場業界の移転に対する考え方はどうなっているのかを伺います。

○小山新市場建設担当部長 水産関係四団体、青果三団体、関連事業者八団体、この業界八団体のうち従来反対を唱えておりました水産物の買出人団体連合会が、昨年秋以来、賛成を表明しております。この結果、東京魚市場卸協同組合、いわゆる東卸と申しますが、これを除く七団体が移転に賛成であります。
 東卸につきましては、平成十年の機関決定をいまだ翻しておりませんが、団体内に新市場対策特別委員会を機関決定の上、設置をいたしまして、新市場建設協議会やその下部機関である基本問題検討会にも代表を出して新市場建設に向けて協議に参加しておりまして、移転に向けての理解が深まっているものと考えております。

○いなば委員 引き続いてですけれども、築地市場の業界関係者とは移転に対する理解を得るよう努めるとともに、新市場の計画内容について十分な協議を重ねていっていただきたいと思っております。
 一方、移転を実現するに当たりましては、移転先の江東区や現在の築地市場の地元であります中央区の関係者に理解を得ていくことが当然これまた必要と思いますが、江東区と協議を開始したと聞いておりますけれども、中央区とはどうなっているのか。あとは隣接の場外市場、これも一部反対を唱えていたはずですけれども、場外市場との調整はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。

○小山新市場建設担当部長 中央区へは昨年七月、東京ガスとの基本合意の成立直後に経過の説明に伺いました。築地市場の豊洲移転の理解と協力を求めました。その後も理解を得るべく努力を継続してまいりましたが、残念ながらいまだ反対の態度を変えておりません。また、いわゆる場外市場には三団体約四百の業者が営業しておりますが、これまで都として数度にわたり説明会を開催し、移転への理解を求めてまいりました。この結果、本年一月、約三百二十業者で構成する団体が築地市場の豊洲移転を受け入れ、築地市場から自立した新たなまちづくりを目指すとの見解を表明するに至っております。
 また、約五十業者で構成する団体は当初から賛成を表明しておりました。残りの一団体につきましても、説明会への参加者がふえるなど理解が深まってきているものというふうに考えております。
 都といたしましては、今後とも、中央区やいわゆる場外市場と密接に情報交換や協議を行い、なお一層の理解と協力を求めてまいります。

○いなば委員 最後の質問ですけれども、築地市場の豊洲移転をめぐる関係者は多岐にわたっております。今後も多くの理解が得られるような努力をしていただきたいと思います。
 豊洲移転に当たりましては、こうしたさまざまな課題を一つ一つ解決していく必要があると思いますが、同時に豊洲でどのような新たな市場づくりをするのか、基本的な計画を十分検討して変転の激しい二十一世紀の食品流通を十分に担い得る新市場とすることが重要であります。
 そこで、今後どのような考え方で移転事業に取り組んでいくのか、築地市場の豊洲移転に向けた碇山市場長の決意のほどをお伺いしたいと思います。

○碇山中央卸売市場長 昨年の十二月末でございますが、東京都としまして築地市場を豊洲へ移転するということを決定したわけでございます。
 以降、精力的に今いろいろな事業を進めておりますが、一つはやはり地元区、それから一つは業界団体、それから一つはやはり庁内体制の推進ということで関係五局を中心としてやっております。加えまして、ただいまいなば副委員長からもご質問がありました場外市場についても私どもの意を十分説明し、今後の方向づけ等について協議をしているところでございます。
 そのような意味で、私どもの市場としましては築地市場の移転を局の最重要課題として取り組んでおるわけでございますが、この新市場づくりの基本的なコンセプトと申しますのは、もう一つの局の重要事業として進めております市場改革にリンクして進めていくべきと私は考えてございます。
 いうまでもなく、食糧自給率が現在四〇%でございます。この量は半端な量ではございません。この膨大な量を産地から消費者のもとへ届けるというのが、我々卸売市場を担う者の仕事でございます。年間十兆円ともいわれておりますこの規模、この取り扱いを行いますスケールメリットが働くシステムというのが卸売市場システムであるのかなというふうに考えております。そのような意味で、この卸売市場システムは、先達が生んだ流通システムとして大変基幹的なシステムであるというふうに私は認識しております。
 しかしながら、ご案内のとおり、流通形態の多様化、あるいは情報化の進展、あるいは市場関係業者の経営が非常に悪化してございます。このような時代変化の波が現在大きく押し寄せてきております。現在、市場システムのあり方がまさに問われておるのはこのためでございます。そのような意味で、冒頭に申し上げました局の重点課題の一つとしまして時代の風にかなった市場システムの再構築をしようということで、現在、市場改革を進めております。
 築地市場の豊洲への移転に当たりましては、築地から豊洲へという単なる場所のシフトではなく、このような市場改革をあわせ実践いたしましてやってまいりたいなというふうに考えております。そのような意味で、豊洲の新市場は市場改革が結実された市場というふうに私自身認識しております。現在、基本構想を策定中でございますが、二十一世紀の生鮮流通の中核を担い、付加価値のついた千客万来の市場を目指す考えでございます。全職員と一丸となってこの事業に取り組んでいく覚悟でございます。よろしくお願い申し上げます。

○いなば委員 ありがとうございました。その覇気に富んだ意思たるや、市場長を中心として業者の皆様にもいろいろと手厚い保護やら何やらしていただければと思います。
 最後に意見としてですけれども、この築地市場は、昭和十年に東京府六百万人を対象として開場したもので、今や首都圏三千三百万人の台所を賄い、日本全国はもとより世界各地からも集荷する大市場へと発展しております。しかしながら、その市場が老朽化が著しくてかつ狭小となって、近年の流通変化に対応できずに日々の取引を辛うじてきた状況には目に余るものがあります。このまま放置したのでは、場内業者の経営状況がますます苦しくなるばかりではなくて、都民の首都圏に暮らす人々への安定した食の供給にも支障を来すことは必至であります。豊洲での開場は十年から十五年後と聞いておりますけれども、できる限り早期建設の開場を要望して私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○織田委員 せっかくの機会ですから、二、三、確認を含めてお伺いをしたいと思います。
 一つは、八月に公表されました平成十三年度の中央卸売市場会計決算審査意見書、ここに小型特殊自動車の電動化について、冒頭、審査の重点項目といいますか、記述があります。それを読ませていただきます。
 私も地元に板橋市場という市場がありますので、電動化率いかほどなのかなと思ってみましたところ、一〇%にも達していないというようなことで認識を新たにしたわけです。ずらずら各十一市場を眺めておりますと、非常に高いところのグループ、淀橋市場、あるいは多摩ニュータウン、それから大田市場、大田あるいは多摩は比較的新しいといいますか、そういったところは高いわけですけれども、旧来から行っているようなところの市場の電動化率はおおむね一〇%前後でずらずら並んでいるということでございます。東京都は平成十一年からでしょうか、いろいろ補助も取り組んでおられるようでございまして、電動化の八カ年計画というような形で取り組みを進められているというふうに書いてございます。
 現状は、電動化率が平成十三年度で二四・七%という状態でございますが、一生懸命に補助を出して進めている割には進捗状況がもう一つ悪いんではないのかなというふうに感じます。そこで、この電動化がなかなか進まないという要因について都の方ではどのように考えられておられるのか、まずお答えをいただきたいと思います。

○岸参事 電動化が進まない原因についてでございますが、電動車はガソリン車に比較して購入価格やバッテリーなどの維持費が割高であること。またガソリン車に比較して登坂能力、坂を上る能力でございますが、それが劣る。あるいはバッテリーの充電状況によりまして性能にばらつきが生じます。あるいは充電に約八時間かかるなど使い勝手が悪いということがございます。
 また、スペースにゆとりのない市場の場合には、充電施設の増設にも限界があることなどが原因であると考えております。

○織田委員 今お話をお伺いしますと、ネックになるようなことばっかりですね。ネックになるようなことが多いと、それは理解できます。そういう中で進めようというんですから、これは補助のあり方が少し足らないのかなというような、ごく普通に考えますとそう思わざるを得ないわけですね。私ども地元の板橋市場に行ってお話をお伺いしますと、それぞれ市場の固有の事情みたいなのはやっぱりあると思う。
 豊島市場なんかは一番悪いということでありますけれども、初期の段階で搬送用の機械が、機械化したときに一番最初にそういうものを導入して、それが今動いているというような状況でなかなか更新ができないというようなことから、フォークリフトやあるいはターレみたいなものがなかなか更新できないというような事情もあろうかと思います。
 あるいは、板橋市場の場合であれば、こういうのは大概大きな卸、仲卸等の方々が持っておられるのに、いわゆる本当に買参人といいますか、そういった方々が実際自分でお持ちになっているという、非常に資金力という面で大変な方々が個人的なユースとして使っているというような状況もあろうかと思いまして、確かに一筋縄ではいかない。
 あるいは充電といってもかなり時間がかかるものですから、結局バッテリーの予備をたくさん持って、それでもって使い回しをしていかなければなかなかうまくいかないというようなこと、さまざまな個別な理由が挙げられております。私はそういうことはよくわかるんでありますけれども、これについてはこの決算の意見書にも書かれてありましたけれども、リースの方の補助ができたということで、電動車から電動車の買いかえということが行われて、なかなか実績的には目に見えて上がってこなかったんだというようなことが記述をされておりました。
 しかし、それはそれとして、本来の意味でより効果的な、もし本当に八カ年計画というようなことで計画をお立てになって掲げてやられるというのであれば、その辺のところをよく検証して、そして実効ある補助のあり方というのを、これは本当に考えていかなければならないんじゃなかろうかというふうに思うわけですね。補助をしていただいても、例えばバッテリーを二つ、三つ、四つと補充しなきゃならないというんだったら補助の意味がないというふうにおっしゃる業者さんもいらっしゃるわけで、そのあたりのところについてはどういうふうにお考えになるのか、ちょっと見解を伺います。

○岸参事 今後の電動化の推進策についてお答えいたします。
 コールドチェーンに対応した低温施設などの閉鎖施設の整備が進められており、電動車の必要性は今後ますます高まっていくと考えております。
 小型特殊自動車の電動化を進めるため、現行の補助制度の適切な運用を図るとともに、小型特殊自動車の保管方法についても検討するなど、単に補助金を交付するということではなくて総合的な推進策の充実に努めてまいります。

○織田委員 ぜひお願いをしたいと思います。掲げた以上は、やっぱりそれがスムーズに進むように知恵を出し、買いかえがスムーズにいくように取り計らいをお願いしたいと思います。
 ここの意見書の中に、一つ非常に厳しいというか、そういう指摘がございました。これは確認のためにちょっとお伺いをしておきたいと思うんですが、市場において大気汚染の状況を把握する環境調査、これが築地、大田以外の市場では行われていないという指摘がございました。平成四年から場内環境の改善を目指して事業を始めたわけだけれども、基本になるデータといいますか、出発点になるものが、平成五年三月、大田市場の青果棟でやりました。それから平成十二年三月、築地市場で環境測定をやった。それ以外は環境測定をやっていないというふうに書かれているわけですね。こういう対応をするということであるんであれば、この環境の実態調査をやるべきだ、こういう意見書のご意見になっているわけですけれども、これを受けて、都としてこれについてどういうふうに対応していくおつもりなのか、その一点だけちょっと確認をしておきたいというふうに思います。いかがですか。

○岸参事 環境調査の実施についてでございますが、効果的な環境対策を実施する上で市場の実態を把握することは大変重要なことだと認識しております。これまでに実施いたしました市場における環境調査は、他の市場に比較して車の入場台数が多く、大気の汚染が特に著しいと考えられる築地市場、大田市場の二つだけでございました。今後は構造上、空気の流れの悪い施設を対象とするなど計画的に環境調査を実施してまいりたいと考えております。

○織田委員 ぜひそれは進めていただきたいというふうに思います。
 それから次いで、低温施設の整備状況について何点かお伺いをしておきたいというふうに思います。
 ヒートアイランド現象というようなことが騒がれ出しまして、ここ数年、夏の暑さというのは異常なものがあります。そういう中で市場の関係者の方々のお話をお伺いしますと、場内の温度がえらく高くなる。それによって、市場で流通をする青果物、かなり傷みがひどい。産地から青果物を入れてそれをさばくわけですけれども、その過程で傷みがひどくなるということになると、集荷の信用問題等にもなって非常にそういう点困るんだと、こんなようなご意見を私は何度も、市場に行くたびに聞かされてまいりました。
 流通拠点の一番のポイントになる市場で、保冷車とかそういったものを使ってわざわざ適切な温度を保って持ってきて、それでそこの場所で高温にさらされるというようなことがあったんでは、これは市場の面目丸つぶれですね。ですから、そういった意味では、きちっとそういう低温施設あるいは市場全体の温度管理、管理はあんな吹き抜けのところでできるかどうかわかりませんけれども、少なくともそういった面での対策を立てないと、これはいけないんではないのかなというふうに思います。
 第七次の市場整備計画等の中でも大きく三つぐらい柱が立っておりますが、流通の効率化と市場の活性化、それから変化に対応した施設整備、再編整備とこの三つ挙げられています。その施設整備というようなことでいえば、そういった職場の安全も当然のことでありますけれども、流通経路として途中で傷みを増すようなそういう施設が、これは市場ですよといって胸を張れるわけがないわけでありますから、東京都としても低温施設の整備を進めておられるようですから、この低温施設などの整備状況、具体的にどうなっているのか、まずお伺いをしておきたい。

○高津市場政策担当部長 織田委員ご指摘のように、消費者の食品の安全性に対する関心の高まりを背景にしまして、生産者や直接消費者と日々対応しております小売業者などからも、市場における衛生対策への取り組みが厳しく求められるようになってきておりまして、生鮮食料品の鮮度保持や安全性を確保するための施設整備が必要となっております。このため、青果、水産、食肉を問わず、十一市場のすべての市場において、低温卸売場を初め低温倉庫、冷蔵庫などの低温施設の整備を行ってまいっております。

○織田委員 たしかに昨年、板橋市場におきましても低温倉庫をつくっていただいたわけでありますが、見ておりますと低温倉庫に入る量というのは限られていますよね。
 問題は、要するに普通の建屋の市場内に置かれているところの物の管理というのは、これが大変なんだ。低温施設以外にずっと置かれているというケースもあるわけでありますが、そうなると私はまだまだ十分にそれが足りているというふうには思えないんですね。ですから、さらに低温倉庫なりあるいは市場全体の、もうお金がないということはよくわかりますから、そういった中で工夫をしてできる限りのことをするというような形にならなきゃいけないと思うんですけれども、そのあたりはいかがなんですか、まだまだ僕は十分じゃないと思うんです。

○高津市場政策担当部長 水産物はもちろん、青果物においても、特に季節物あるいはレタスやホウレンソウなどのような軟弱野菜、そういったものは低温卸売場、または低温倉庫に入れて一時保管して管理しております。しかし、その他の生鮮食品について、一定の温度管理が望ましいにもかかわらず施設面で十分に対応し切れていないというのは、委員ご指摘のとおりな状況がございます。
 今後は、食品の安全や鮮度を重視する消費者のニーズにこたえるため、低温施設等の整備をこれまでのものに加え、さらに進める必要があると考えております。

○織田委員 さらに進める必要があるというお答えですので、それはそれでいいんですけれども、本当に工夫次第で相当違ってくるだろうと思うんです。市場の構造的な面も少し考えていただいて、現状をよく聞いておりますと、それなりに工夫をしてやりたい、財政的に大変なことはよくわかるから、そういう中で話を聞いてもらいたいという声が非常にあるんです。板橋市場の方では、何度も何度もとにかく要望を出してもずっと無視されているというような不満の声が実は上がっています。ですから、お手本施設などは関係者の声をよく聞いていただきたい。単に建屋をつくってそういうふうにきちっと整備をする、全体としてどう工夫すれば納得できるように、あるいはまた少しでもそういったものの効果あらしめるようなことが恐らくあると思います。
 ですから、そういう声をよく聞いていただきたいという要望とともに、向こうも今さらに整備を進めるということだったわけですけれども、具体的に都としてどういうように推進していくつもりなのか、その方針をちょっとお知らせいただきたい。

○高津市場政策担当部長 食品の安全性の確保や流通環境の変化に伴います新たなニーズに対応するための施設につきましては、特に迅速かつ効率的に整備する必要がございます。このため、開設者による整備だけではなく今年度制度化いたしました新しい整備手法、これは市場業者の資金やノウハウを積極的に活用すべく市場用地を貸し付けるものでございますが、こういった手法なども適用しながら各市場の状況に応じた施設整備を推進してまいりたいと考えております。

○織田委員 ぜひよくご検討いただいてお願いをしたいと思います。
 市場の課題は市場改革、そして築地の豊洲移転という大きな問題があるわけですけれども、それぞれの核の市場、そこを忘れてもらっては困る、こういうことを一言ご要望として申し上げまして質問を終わります。

○富田委員 私は、十月七日の当分科会において要求させていただきました資料に基づきまして、幾つか質問させていただきたいと思います。
 初めに、生鮮食料品流通における卸売市場の果たしている役割について伺わせていただきます。
 資料を見ますと、取扱物品の売上金額の推移というところでございますが、花きを除いて取扱高が減少傾向にあるようです。しばしば生鮮食料品流通の多元化とか市場経由率の低下という声を聞きますが、生鮮食料品流通において卸売市場が果たしている役割についてどのように考えているのか、まずお伺いいたします。

○石川事業部長 生鮮食料品流通におきます卸売市場が果たしている役割についてでございますが、今委員ご指摘のように、花を除きますと数量的には微減ないし横ばいでございますけれども、金額の面では単価安ということもございまして、減少傾向にございます。
 市場外流通に見られますとおり、流通チャンネルは多元化しておりまして、市場経由率も食肉や果実では低下傾向にございます。しかしながら、野菜、水産物ではおおむね横ばいでございまして、量販店の中にも品ぞろえや代金決済の面で市場回帰の動きもございます。青果物、水産物では今なお流通量の七割から八割が卸売市場流通となっておりまして、生鮮食料品の安定供給という点では卸売市場は依然として重要な役割を担っているというふうに認識してございます。

○富田委員 生鮮食料品流通における卸売市場の役割がまだまだ大きいということを聞いて、安心をいたしました。しかし、卸売市場をめぐる環境は大きく変化しており、こうした環境の変化に卸売市場が的確に対応していくことが大事だというふうに考えております。その一つとして、情報化の課題があるというふうに思います。
 そこで、市場における情報化の問題についてお聞きいたします。
 まず、卸売市場の情報化を進めるに当たって開設者と市場業者、業界のそれぞれの役割分担についてどのように考えているのかお伺いいたします。

○石川事業部長 卸売市場の情報化をするに当たっての開設者と市場業者との役割分担でございますけれども、市場の情報化は開設者と市場業者、業界がそれぞれの役割のもとで適切に進めていくことが必要であるというふうに思っております。開設者の役割といたしましては、市場内での情報をやりとりするためのインフラの整備や開設者と業者間で行われております業務の電子化、さらには都民等に対する情報の提供などというふうに考えてございます。
 商取引の効率化、高度化のために行います情報化につきましては、個々の企業や業界団体がみずからの責任のもとにそれぞれが主体的に取り組む必要があるというふうに考えているところでございます。

○富田委員 IT時代といわれる今日、インターネットに見られるとおり社会の情報通信技術や基盤整備が急速に進んでいます。卸売市場においても、こうした情報通信技術や情報基盤を有効に活用し流通の効率化を図ることが重要だと思いますが、卸売市場流通において情報化を進める場合の問題点はどこにあるのか、また市場における今後の情報化の取り組みについて考え方をお伺いいたします。

○石川事業部長 情報化を進めるに当たっての問題点と今後の取り組みでございますが、まず問題点でございますけれども、卸売市場におきましては非常にたくさんの産地、たくさんの取扱品目、そしてまた規格が多岐にわたるというようなことで膨大な商品を対象に取り扱っているということが一つございます。また、極めて多くの出荷者、買い受け人が対象でありまして、流通が多段階にわたっていること、さらには末端の小売商の中には経営規模も小さくパソコンを所有していない者などもおりまして、なかなか統一的なシステム構築が難しいという側面がございます。開設者といたしましては、整備計画に基づきます情報化を過大投資にならないよう留意しながら着実に進めますとともに、市場業者、業界に対しまして必要な指導、助言を行いまして情報化の推進を図っていきたいというふうに考えてございます。

○富田委員 次に、卸売市場の環境課題の取り組みについてお伺いいたします。
 来年十月から始まるディーゼル車規制に向けて東京都は、東京都ディーゼル車対策推進会議を設置し、全庁的に取り組んでいるところでございます。この点からかんがみますと、市場は大量の水産物や農産物の集散場所であり、その搬送のために大小さまざまなディーゼル車が多数出入りするところであります。そこで、全市場で一日にどれぐらいの車が入場するのかお示しいただきたいと思います。

○岸参事 車の入場台数についてでございますが、都内の全中央卸売市場における一日当たりの大小合わせた車の入場台数は約六万三千台となっております。

○富田委員 資料によりますと、市場としても環境対策としてさまざまな自動車排気ガス対策に取り組んでおられますが、こうしたことに加えて、都の直営市場としてディーゼル車対策にも積極的に協力すべきだと考えます。その点についての見解をお伺いいたします。

○岸参事 市場におけるディーゼル車対策についてでございますが、全市場において卸売業者、仲卸業者及び売買参加者等の市場内の業界団体に対しまして環境確保条例やディーゼル車規制について説明会を開催し、普及啓発を図ってきております。
 また、築地市場におきましては、築地市場排ガスクリーン作戦としてDPF装置、粒子状物質減少装置でございますが、DPF装着車等の優先入場を実施しておりまして、この制度の普及を通じて出荷者に対しましてもディーゼル車規制の周知を図ったところでございます。
 今後も環境局とも十分連携を図り、各市場の登録車両のチェックや産地や輸送業者に対する説明会の開催、あるいはパンフレットの配布など、来年十月の実施に向けて一層の周知徹底に努めてまいりたいと存じます。

○富田委員 ただいまの質疑を通じまして、生鮮食料品の安定供給という点では卸売市場は依然として重要な役割を担っていること、そして取り巻く環境が大きく変化する中にあって商取引の効率化、高度化のためにさまざまな課題を克服しながら情報化に向けた努力を進めていること、さらに東京都の環境対策を先取りするような形で市場排ガスクリーン作戦などを積極的に展開することなど、決算資料だけではわかりにくい中央卸売市場の努力が明確になったというふうに思います。こうした中央卸売市場のご努力に改めて敬意を表したいというふうに思います。
 しかし、中央卸売市場の努力が都民に見えにくいというのも事実ですし、市場は、朝早くからトラックが多く出入りするなど周辺住民にとっては迷惑施設と思われがちです。大量の物流の基地である卸売市場が、狭隘化した大都市の中で今後もその機能を発揮していくためには近隣住民の理解と協力が不可欠であると考えます。
 先日、私も淀橋市場祭りに参加をさせていただきましたが、しっかりと地域に定着していることを改めて認識をしたところでございます。こうした都民との直接的な触れ合いのほかに、今回の質疑で明らかになりました中央卸売市場の努力などについてもっと積極的に都民に知っていただき、市場に対する認識を高めていただく努力が必要だというふうに思います。
 そこで、最後に市場長に決意をお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。

○碇山中央卸売市場長 私ども卸売市場の役割でございますが、これはいうまでもなく一つは生鮮食料品等、等というのは花も入るわけでございますが、それの安定供給、これがコアな部分だというふうに考えております。加えまして食の安全性の確保、これが今日的課題で大きな役割になっております。通常の事故が事件に発展しないように、私ども常に食の安全、安心という観点では危機管理体制をとっております。引き続き、この点については十分意を用いて最大限のものとして進めていきたいというふうに思います。
 それと、今富田副委員長からお話にございました淀橋市場祭り、私も副委員長とご一緒に同席させていただいたわけでございますが、卸売市場が卸売という流通機能にとどまらないで、いわゆる持てるインフラ、これを活用して地域に定着した市場とするということも大事だというふうに考えております。通常、卸売市場というのは、お話にもございましたように生鮮食料品を都民の方々に供給するということでございますので、やはり都民に見えにくい部分がございます。縁の下の力持ち的な存在がありますけれども、縁の下の力持ちだから見えなくていいという時代ではないと思います。そのような意味で、地域に定着した市場というものも目指していきたいというふうに考えております。
 今後、あらゆる機会をとらえまして中央卸売市場の果たしている役割あるいは機能というものを、生鮮食料品流通におきます役割なども含めまして積極的にPR、打って出てまいりたいと、かように考えてございます。

○河野委員 決算書を見ますと、花き以外の水産、青果、畜産はいずれも取扱数量、それから売上高ともに前年度より減少しております。不況のもとで各業界の方々が大変な努力をされているということがこうした数字からもうかがえると思います。
 私は、中央卸売市場の決算審議に当たって、二つのことについて質問をしてまいります。
 まず、築地市場の豊洲移転計画についてお伺いいたします。
 築地市場再整備についての経過や豊洲移転計画の問題について関係委員会などの議事録などを読んでみますと、東京都の立場は移転先にありきではないと市場長などがはっきりと述べられております。しかし、現実の動きを見ていると、その言葉はそのとおりに進んでいないのではないかという感じを強くしています。
 一九八六年に現在地整備を東京都が決定してからその方向で整備が行われてまいりましたが、平成十一年十一月に豊洲に移転という案が浮上して、そして昨年十二月二十五日、年末ぎりぎりに豊洲移転を東京都が決定し、発表ということになりました。今、豊洲移転問題は関係者の間にいろいろな矛盾を生んでいるというのが率直な現状ではないかと思います。
 それで、まず初めにお尋ねをいたします。一九八六年、昭和六十一年から現在地整備という方針のもとで行われた築地市場の整備工事はどのようなものがあり、どのくらいの金額がかけられてきたのか、お答えをいただきたいと思います。

○小山新市場建設担当部長 築地市場の現在地再整備工事関連でございますが、正門仮設駐車場などの仮設工事が約二百六十億円、勝どき門駐車場の本格工事が約百三十八億円でございます。

○河野委員 合計四百億円近い予算がこれまでに充てられたということですが、現在地整備ということでこのお金が使われてきたわけですね。この現在地整備の方針が変更になると、このような多額の投資が生きないということになっていくわけですが、公的なお金の使い方という点で都民が納得できるだけの理由や説明が必要だと思います。この点でどのようにこれまでのことを東京都自身が総括されておられるのか、そしてこうした問題について東京都の責任をどのように感じておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。

○小山新市場建設担当部長 これまでに建設してまいりました施設のほとんどは、現在有効に活用されております。実際に移転するまで少なくともあと十年ほどはかかるというふうに考えております。これらの施設はなお相当期間使うことになりますので、今後とも有効に活用できるものというふうに考えております。

○河野委員 それは当たり前のことだと私は思います。現在地で整備が可能ということで当時の東京都首脳部会議が判断した結果そういうお金が使われてきたのでありますし、市場の中できちんとした営業、運営ができるようにということでそういう整備にお金をかけるのは当たり前ですが、やはり正直に考えて、市場が移転するという方向で出されていたのであれば、必要最小限のものにとどめたということも考えられるわけで、私は、この点でやはり東京都民は厳しい目で見ているということをお伝えしておきたいというふうに思います。
 築地市場の移転問題については、市場内で営業している業界団体や地元区など関係者の合意のもとに進めていくと東京都は表明してまいりました。合意形成をするということは、本当に尊重されなくてはならない根本的な問題だというふうに思います。
 先ほど築地市場の業界団体、この皆さんとの合意についていろいろご質問もあり、ご答弁もありました。大体様子がわかりましたが、伺っておりますと、まだ業界団体の皆さんとも協議をこの問題では続行中というのが正確な現状ではないかと思われます。
 そこで質問いたしますが、市場内には多くの労働者が働き、それぞれに労働組合がつくられております。水産関係の労働組合、仲卸の従業員の方の組合、市場内の運搬業務に携わっている労働組合などが共同で二年ほど前に豊洲への市場移転について声明を出したと聞いています。また、新聞などで二〇〇〇年八月に都庁職市場支部が公開質問状を出したことも報道されました。市場で働く労働者との関係がどのようになっているのか、これまでの経過と現状についてお聞かせいただきたいと思います。

○小山新市場建設担当部長 市場内の労働組合、これからの話し合いというような関係のご質問でございますけれども、市場の方にそれぞれの労働組合が連合しております築地市場労組従組連絡協議会というものがございます。このいわゆる市場労組が市場の移転に反対であると方針をうたったというようなことは聞いてはございますけれども、これに関しまして私どもの方に説明を求めたり、あるいはこれについての絞っての意見の交換といったようなことを求めてきたことはございません。ただし、私どもの方といたしましては広く市場関係者から意見を求めたり話し合いをするといったような観点から、このような労組とも話し合いの場を持っております。現に今までも持ってまいりました。そういうことでございます。

○河野委員 都の方は--市場の方ですね、幹部職員の皆さんは努力をされてきたというご認識かもしれませんが、まだまだこの豊洲移転については関係労働組合、働く皆さんの合意については十分なものが形成されていないというふうに私自身は聞いておりますので、今小山担当部長がお答えになりましたけれども、ぜひともそういう労働組合との関係についても努力を重ねていただきたいというふうに要望しておきます。
 関係者の合意の問題で、地元区との関係はどうなっているのかということも改めてお尋ねをしておきます。
 豊洲移転計画には江東区、中央区と二つの区が関係しております。この二区との協議がどのように進められ、到達がどうなっているのか。先ほど中央区のことも若干ご答弁がございましたが、改めて二区との関係について到達経過をお示しください。

○小山新市場建設担当部長 まず江東区との関係でございますけれども、江東区に対しましては平成十三年八月に市場移転への理解と協力を求めております。その年の九月から江東区及び江東区議会と正式の協議に入っております。これまで江東区議会には、築地市場や豊洲の移転候補地の案内を初めといたしまして、新市場の基本コンセプトや新市場の地域環境への配慮について都の考え方を説明してまいりました。江東区及び江東区議会からは、豊洲にどんな市場ができるのか、新市場の構想、計画が見えてきた段階で移転の是非を含めて判断をするとの見解をいただいております。
 中央区の方でございますけれども、やはり平成十三年七月の東京ガスとの基本合意の直後に中央区の方に上がりまして説明をさせていただいております。理解と協力を求めております。しかしながら、現在のところ、中央区の方からは理解を得られておりません。私どもといたしましては、今後とも、中央区には協議に応じていただくべく努力をしてまいる所存でございます。

○河野委員 中央区長が、先月九月二十七日に港湾局が発表しました豊洲の土地利用方針の変更、これは、築地が豊洲に市場移転するということで行われた、それを前提としたまちづくりの計画変更ですが、これに対して厳しい抗議書を石原知事あてに提出したことが報道されました。昨年十二月の豊洲移転計画の発表後、ことし一月二十八日に開かれた第五十六回卸売市場審議会でも中央区長は、計画の発表の手法、手続が余りにもルール違反、アンフェアであると東京都を批判しています。そして今後、このようなルール違反をしないということを貫いてほしいと強く要望もされています。
 さらに、一九九九年十一月に五項目の疑問を東京都に提出し、二年後の昨年七月に回答が来たが、これは到底納得できるものではないと述べておられます。区が出した具体的な質問への都の回答が、協議を行っていくとか検討をしていくとかあいまいな抽象的な表現に終始しているからという理由をきちんと述べておられます。
 私は議事録で矢田中央区長の発言を読みながら、中央区と区民にとって築地市場の移転問題は本当に重大な問題であることを強く感じさせられました。中央区長は、特に築地市場の場外市場約四百店舗には死活にかかわると指摘されておられ、そして壊滅的な打撃を受けるといっています。不況の嵐の中で頑張っている場外業者の生の声を聞いている区長だからこその実感が込められている東京都への発言だと思います。
 こうした二度にわたる中央区長の抗議が続くような事態がなぜ起こっているのでしょうか。東京都としてはこうしたことをどのようにとらえておられるのか、このことについてお伺いをしておきます。

○小山新市場建設担当部長 中央区長からは先生が今おっしゃいましたようなお話を承っております。区長から昨年一月の卸売市場審議会の場におきましても五つの質問、それから二つの疑問についてのご質問をいただきました。
 その際に私の方からご回答を申し上げましたが、私の方からはこのようなご回答を差し上げております。中央区長に対しましては五項目について回答は差し上げました。また、その五項目プラス二つの疑問、これについて私の方から最近の事情について、解決されたものもある、解決に向けて努力をしているものもある、そしてその方向は解決に向かっていると、こういう趣旨のことをご回答を申し上げております。
 しかしながら、区長からは、都の説明にはいまだ不十分であって不明確な点があるということで、残念ながら理解をいただいていない状況でございます。私は、私の説明の中で不明朗な部分はなかったというふうに信じております。都といたしましては、今後とも機会をとらえましてご理解、ご協力を求めてまいります。

○河野委員 ご努力は一生懸命されているというのも今のご答弁で伺ってわからないわけではありません。しかし、東京都がやっていることは、まだ合意に至っていない中央区などに対してどうだったのかということもやはり改めて考えていかなくてはならないんではないかと思っています。
 東京都は、先ほどもお話がありましたけれども、昨年秋に新市場コンセプト懇談会ですか、これを設けて、これまでホームページで見ただけでも七回の懇談会が開かれ、さらにまた、ことしからは新しい設置に向けての検討会も発足しているというそういう豊洲移転に向けた論議、手続がどんどん進められているんじゃないかと思うんですね。
 それだけでなくて、先日の九月二十七日の経済・港湾委員会で港湾局が土地利用方針の変更を報告しましたけれども、中央市場もこの計画変更の場には当然参画をしているわけです。これの案についてもやはり江東区や江東区議会にはことしの五月の時点で東京都の港湾局、そして中央市場などが説明にいらっしゃっているわけですが、中央区については余り親切な対応がされていない。説明をしたとはおっしゃっていますけれども、正式なお話はきちんと承っていないということも関係者の方がおっしゃっています。
 このような経過を見ますと、既成事実を次々とつくって豊洲移転を進めていこうとしている東京都の姿勢がはっきりしているのではないでしょうか。私は、これからでも東京都は、中央区を初め先ほど申し上げました関係者との必要な合意形成の努力をやはりもっと積極的に行っていくべきだと考えているんですけれども、この点でもう一度ご答弁をお願いしたいと思います。

○小山新市場建設担当部長 広く合意形成に努めるべきだというご趣旨の発言、ご質問であろうかと存じますけれども、その点については私どもも同感でございます。都といたしましてはこれまでもそうしてまいりましたし、これからもそうしてまいります。中央区にはたびたびにわたり積極的に働きかけをいたしております。

○河野委員 最後に意見を申し上げます。
 東京都のこれまでの進め方を振り返ってみますと、やはり豊洲への築地市場移転先にありきというような方向を強めて手続を進めているといわざるを得ないのではないかと感じます。築地市場は、昭和の初めから、都民だけでなく首都圏の人々の食を守る台所として重要な役割を果たしてまいりました。今、再整備をどのように進めていくのかという大事な問題は、関係者や都民の広い合意が必要です。土地利用方針を中央区抜きに変更したり、市場移転のコンセプト懇談会で豊洲移転前提で計画案をつくっていって既成事実を積み重ねていく、こうしたことをするのではなくて、急ぐべきは関係者の合意形成だと思います。まさに市場移転については誤りのないように進める。そのためにも必要な手続です。豊洲移転計画は今見直しをし、築地市場再整備については改めて関係者の合意の上で策定し直すべきであるということを意見として申し述べておきます。
 次に、市場内の環境問題、特に大気汚染問題について、先ほど織田委員の質問と重なることもございますけれども、質問をさせていただきます。
 ことし六月にこの二〇〇二年市場環境白書が出されました。これを見ますと、築地や大田の市場の二酸化窒素、浮遊粒子状物質の測定値は環境基準を大幅に上回っています。大気汚染の想定は現在のところ築地で八カ所、大田で三カ所測定されているようですが、その測定値は驚くほど大気汚染が進んでいることを示しています。築地での二酸化窒素は八カ所全部で環境基準を超えており、基準値の上限である〇・〇六ppmの三倍の〇・一八〇ppmという測定値が出たところもあります。浮遊粒子状物質は環境基準値が一立方メートル当たり〇・一〇ミリグラムといわれておりますが、これも二カ所ではるかに超えた測定値が出ております。大田でも二酸化窒素は三地点全部でオーバー、そして三カ所ともこれは〇・〇九ppmを大きく超えるという値が出ています。浮遊粒子状物質は〇・三七六ミリグラムで、環境基準値の約四倍というびっくりするような値を出したところが一カ所あったということもこの市場環境白書で報告されています。
 この白書の三ページに入場登録車両のディーゼル車の割合が出ておりまして、三九%がディーゼル車、築地は五六%がディーゼル車ということが報告されています。
 私は市場関係者の方からお話を聞きました。保冷車が入っていくわけですが、保冷車は温度を上げてはいけないためにずっとエンジンをかけっぱなしにしておくことが多い。それから、深夜にも車が入ってくるわけですから、夏でも冬でも車の中で休む人は、クーラーや温度を上げるためのヒーターをかけていかなくてはならないということで、エンジンをかけっ放しにするアイドリングが続いて、これも排ガスで空気が汚れている原因になっているとその方は述べておられました。
 こうした事態への改善が急がれますが、私は今回、特に場内で使われている小型搬送車、ターレの低公害化について伺っていきたいと思います。
 自動車排ガスから出る二酸化窒素は呼吸器疾患の原因になることは広く知られています。また、浮遊粒子状物質SPMは発がん性があるベンゼンを含んでいます。食材を扱う市場として、大気汚染を環境基準値内におさめるよう改善することは急がれる課題だと思います。東京都は平成四年から公害のない電動車への補助を始めておりますが、十年たった今日でもまだ全体の五四・六%がガソリン、ディーゼル車で、電動車の導入率は四分の一という状態です。全市場内には約六千八百台の小型搬送車が使われていますが、大気汚染がこのように深刻なのに毎年二百台ぐらいしか低公害車の導入が進んでいない、これが現状なんですけれども、先ほど、なぜ電動車の普及が進まないのかということについてはご答弁がありました。
 私はその上に立ちまして、東京都が、これまで電動車が持っている欠陥、こういうものが改善される、性能が向上される、そして導入についても業界の方々が意欲を持つと、そういう方向に進んでいくのがふさわしいと思うんですが、その点で努力されたことがあるかどうかだけ、この問題で一つお伺いしておきたいと思います。

○岸参事 電動車の普及に向けて努力をしてきたかというお尋ねでございますが、各市場におきまして、電動車の普及を図るために充電設備を設けたり種々努力してきております。

○河野委員 そういう努力もされていると思うんですけれども、メーカーとか電力会社に対しても、ぜひそういう点では電動車がより普及されるようにご努力をお願いできたらというふうに思います。
 二つ目にお伺いしたいのは、最近は電動車よりもLPG車の導入がふえている傾向にあるといわれています。LPG車はSPM、浮遊粒子状物質はほとんど排出しないんですけれども、二酸化窒素はガソリン車並みの排出量だといわれています。一番環境に優しいのはやはり電動車なわけです。これはさっきいろいろ問題点をおっしゃっていましたけれども、なかなか電動車を導入するということでは隘路があるようです。
 こういう電動車が、環境対策についてすぐれた能力を持っているということは明らかなんですが、低公害車の導入について関係者の意見や要望を聞いたり講習会などを開いている、そういう努力はどうなったでしょうか。生鮮食料品を扱う市場だからこそ関係者の環境や食の安全についての意識啓発が必要になっていると思いますが、これまで取り組んできたこと、そして今後の意識啓発のための努力方向についてお考えをお示しいただきたいと思います。

○岸参事 食品を扱う市場における環境問題への意識啓発と、何をしてきたかというご質問かと思いますが、全市場におきまして卸売業者、仲卸業者、売買参加者等の市場内の業界団体を対象に、小型特殊車両に限らず環境確保条例やディーゼル車規制について説明会を開催する中で、業界の皆様と意見交換をしつつ普及啓発を図ったところでございます。
 また、築地市場におきましては、築地市場排ガスクリーン作戦としてDPF装着車等の優先入場を実施し、この制度の普及を通して出荷者に対してもディーゼル車規制の周知を図ったところでございます。まだまだ意識が高いとはいえず、一層の努力をしてまいりたいと思います。

○河野委員 ぜひよろしくお願いします。
 電動車とあわせて、より環境に優しいという点で、CNG車が注目されています。築地市場でモニター走行がことしの四月十五日から七月末まで試みをされたということですが、これは評価されるべきことだと思います。スタンドの設置の問題など、CNG車についてもクリアすべきことが多いのも事実ですが、CNG車のモニター走行の結果はどうだったのでしょうか、そして今後の導入に向けての検討方法とあわせてお示しをいただきたいと思います。

○岸参事 CNG車のモニター走行の結果の概要につきましてお答えいたします。
 燃費あるいは排気ガスにつきましては、CNG車はガソリン車に比べてすぐれているということ、それから登坂能力、坂を上る力でございますが、あるいは使い勝手はガソリン車とほぼ同等であるとの結果が得られました。また、実際にご利用になる業界の関係者の評価はおおむねCNG車に良好でございました。
 今後、具体的にCNG車をどう導入していくのかということは、現在検討中でございます。
 以上です。

○河野委員 ぜひこういう低公害車もいろいろな形で開発されておりますので、市場としても検討、研究を続けられて、大気汚染改善の方向へと努力を強めていただきたいということを要望しておきます。
 同時にまた、中小零細業者の方々の負担増を招かないということも配慮として必要だと思いますので、そのこともあわせて述べさせていただきます。
 きょうは詳しくは伺いませんでしたけれども、大気汚染の改善問題を初め環境対策ではいろいろあります。廃棄物の処理問題、衛生面でのBSEやO157対策など安心、安全の食の提供への努力が重要になっておりますが、市場の環境改善に向けて私はこの場で市場長のご決意を改めてお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○碇山中央卸売市場長 私ども中央卸売市場という局は、都庁の一局であると同時に、業界と一緒になって流通事業そのものをやっているという極めて独自の立場をとっておるわけでございます。いうまでもなく、今グローバルで大きな問題で環境問題が惹起されておりますし、加えて東京都においては石原知事のもとで、環境問題について大きな環境改革を進めておるわけでございます。そのような意味で、私どもの局の事業としましても環境対策というのは、広い意味では市場改革の一環として私は認識しておりますけれども、あえて市場改革の中から取り上げて環境対策の推進ということを今鋭意進めておるわけでございます。
 環境を進めるに当たっては、河野委員からお話がありましたようにいろいろな経費もかかるということがあります。基本的には事業者であります各業界の方々がやっていただければ一番いいわけでございますけれども、なかなかそうもいかないということで私ども補助金を出して、それをインセンティブとして推進しておるわけでございます。
 いずれにしましても、環境問題は単なる公徳心だけに訴えてもなかなか進まないというようなところもありますので、財政状況もにらみながらこの環境対策について進めていきたいと思っておりますし、加えまして業界の方々の意識啓発、これはなかなか高いともいいがたいところがございますので、そこら辺につきましても、この東京都におきます今の環境対策の位置づけ、グローバルな問題、この辺も十分お話をしまして進めてまいりたいと、かように考えてございます。

○吉原委員 それでは若干の時間ではありますけれども、質疑をさせていただきたいと思います。
 昨年示されました第七次東京都卸売市場整備計画は、今の時代の変化に激しい流通環境の中で卸売市場が今後進むべき方向を示した大変重要なものと思っているわけでありますけれども、そこで、この計画に示された東京都の考えを何点か質問させていただきます。
 今日の大変厳しい流通環境の変化に迅速でなおかつ的確に対応していくために、東京都がすべての施設を建設して、そして提供するというこれまでの整備方法では、市場業者の自主性や工夫など独自性が発揮しにくいのではないか、そういうふうに思っているわけであります。今回の計画で市場業者の資金や発想を活用するなど整備手法の多様化を図るとの方針が示されておりますけれども、このことについてどのように取り組まれていらっしゃるのかお尋ねしたいと思います。

○高津市場政策担当部長 整備手法の多様化についてでありますが、民間活力の導入による施設整備を促進するため、市場用地に十年から二十年の期間の事業用借地権を設定いたしまして市場業者に貸し付け、市場業者みずからの施設整備を可能とする新たな整備手法を今年度から導入したところであります。

○吉原委員 今年度からというお話でありますけれども、今東京都には十一の市場がありますけれども、この制度を具体的な形で適用されている場所があれば教えていただけるでしょうか。

○高津市場政策担当部長 大田市場の花き部におきまして、卸会社が事業主体となって商品の保管施設等を建設することを決定いたしまして、年内には工事に着手する予定で準備を進めているところでございます。

○吉原委員 わかりました。
 それでは次に、第七次の整備計画で築地市場を豊洲に移転をされる、そういう決定をされたわけでありますけれども、これからの流通の変化に対応できる、そしてさらには市場の活性化に結びつくものになるかどうかは、この豊洲の市場をどういう形でつくっていくかということにかかっているのではないかな、そんなふうに思っているわけでありますけれども、豊洲の市場建設における基本的な考え方はどんなようなものなのか、また現在どういうふうに検討されているのか。今お話しいただきました新たな整備手法なるものが、この建設に当たって十分発揮されるような形で検討されていくのかどうなのか教えていただきたいと思います。

○小山新市場建設担当部長 豊洲の新市場が真に二十一世紀の流通の中核として機能する市場になるかどうか、これが基本的な考え方にかかっているということはまさに先生ご指摘のとおりであるというふうに考えます。
 現在、築地市場業界と行政から成る新市場建設協議会におきまして基本構想策定に向けて協議をいたしておりますけれども、この中で東京都として次の三点を基本的なコンセプトとして提供いたしております。一つは、消費と流通の変化に対応した市場。二つには、都民と消費者に開かれた市場。三つには、地域のまちづくりと環境に配慮した市場でございます。今後、これらを基本的な考え方として十分協議してまいりたいと思います。
 それから、豊洲の整備の中で民間の活力がどうやって導入されていくのかというようなご趣旨のご質問でございますけれども、民間のノウハウあるいは資金を活用いたしまして、これを市場の活性化に結びつけていくということは重要なことだろうというふうに考えておりまして、豊洲の新市場におきましても積極的に導入を図ってまいりたいというふうに考えております。
 具体的な対象あるいはその運営方針等につきましては、先ほど申しました新市場建設協議会におきまして基本構想、基本計画を策定する中で検討してまいりたいというふうに思っております。

○吉原委員 これからまだまだ検討や協議を重ねていかなければならないことがたくさんあるんだろうと思いますけれども、しっかりやっていただきたいと思っております。
 私の、今三多摩でありますけれども、三多摩にも市場が一つございまして、その市場の取り扱いの数量がかなり少ないんではないかな、そういう報告がその第七次整備計画の中でもあったわけでありますけれども、十三年度においては大体どのぐらいの量であったのか教えていただきたいと思います。
 地元の方でもいろいろなご意見をいただきますと、どうしても卸や仲卸があるわけでありますけれども、同じ商品がたくさんあって魅力が少ない、差別化がなかなかできないんではないか、そういう意見もありましたし、あるいは全く同じようなことになりますけれども、入荷の種類も少し少な過ぎるんではないかな、こういう意見があったわけでありまして、当然のことながらあの市場でも、仲卸の方もかつてよりは大分少なくなってきたんだろうと思うんですね。そういった意味では、やっぱり魅力ある市場でなければ、そこの中にもお客さんというか業者の方々もなかなか来にくい部分がある。その業者の方々が、そこがよくなければ当然のことながら違う市場に行ってしまうことも多々あるわけでありますから、そんなことも見解も含めて教えてください。

○高津市場政策担当部長 まず、多摩ニュータウン市場の平成十三年の取扱数量でございますけれども、約二万三千トンでございまして、一日当たりの取扱数量は約八十四トンとなっております。これはご指摘のように当初計画した取扱数量をかなり下回っている状況になります。
 また、品ぞろえが少ないとか、いろいろ不満といいますか、市場に対するいろいろな意見があることを今委員のご指摘がございました。私どもも今、買参人といいまして八百屋さん等市場のお客様になっていただける方々からもいろいろな意向をお伺いしております。中ではそういったご意見もいただいておりますので、そういった中でこれからいかに活性化していくかということを今鋭意詰めているところでございます。

○吉原委員 やっぱりどうしてそういうふうに取扱量が少なくなってきたかという原因を明らかにしていくことが大切ではないかな、そんなふうに思っているわけでありますけれども、またさらに、その整備計画の中でも施設の利用率が低いというお話もあるようでありますけれども、現在のところ遊休施設はどのぐらいあるんでしょうか。

○高津市場政策担当部長 遊休施設につきましては、平成十二年十二月に卸業者二社のうちの一社が廃業いたしましたことから、卸売場で約五千平方メートル、事務室で約二千平方メートル、そういったことで合計でその他含めまして約七千七百平方メートル、そういった状況になっております。

○吉原委員 業者の皆さんの中には、冷蔵庫等が小さくて本来の目的を達成できないという話もいわれている方々もたくさんいらっしゃるんですね。そんな中で遊休施設を活用して低温施設というものを積極的に整備していく必要があるんではないかなと思いますが、いかがでしょうか。

○高津市場政策担当部長 多摩ニュータウン市場におきましては、今ご指摘の低温施設につきましては市場業者の造作によりまして既に導入しているところでありますが、市場業者の要望がある場合にはその内容等について検討の上、積極的に対応していきたいと考えております。そのことは同時に、今いろいろお話がありました市場業者の競争力の強化につながっていくものと考えております。

○吉原委員 もう一点だけお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、東京都内の十一の市場があるわけでありますけれども、お聞きしますところによりますと、業者の皆さんが施設を利用する利用料が統一だと。地域によってやっぱり少し違ってもいいんじゃないかなという意見もお聞きしたことがあるんです。
 そのことがいいかどうか私よくわかりませんけれども、多摩の場合と都心の場合と、といったときに、やっぱり需要率というのも大分差があるんではないかなと思うんです。ですから業者の中の皆さんも、特に多摩の皆さんではありますけれども、もう少し施設料を安くしてもらった方がありがたいんだという業者もいるんですね。そのことがまた、別の遊休の施設に投資することもできるんだよといわれている業者もいらっしゃるわけでありますけれども、そういった意味では公営の市場ですから全体的なことを考えていかなければならないということもよくわかりますけれども、その辺についてもしご見解があれば、一言で結構ですけれども、お願いできればと思います。

○橋本管理部長 現在十一の市場があるわけですけれども、卸売市場整備計画に基づきまして一体的に今整備を進めております。また、そのことから運営につきましても一体的に行っているということから、全市場の同一の使用体系を今現在しているわけです。
 しかし、今委員のご指摘のように市場別使用料があってもいいんじゃないかというようなご意見が多々あります。したがいまして、平成十二年度から十三年度にかけまして学経あるいは業界委員から成ります市場使用料のあり方検討会を立ち上げ、論議してきたところでございます。
 ただ、その中では市場の新旧による使用料の格差が余りにも大きくなる、そういうようなこともあり、今後の検討課題となったところなんです。しかし、並行して平成十三年の外部監査がありまして、包括外部監査の中で市場別使用料を検討すべきというご指摘をいただきました。そのことから、本年五月に局の中に市場使用料のあり方検討会を設置し、今立ち上げました。その中で今後検討してまいりたいというふうに思っております。

○吉原委員 なかなか難しい問題だと思いますけれども、多摩の方も都心の方も、それぞれの業者の皆さんのご意見をお聞きしながら、またきちっとした対応をしていっていただけたらありがたいな、そういうふうに思っております。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。

○東野委員 本日、私の方からは食の安心確保について、この一点に絞って何問かお聞きしたいと思います。
 先ほどお話がありましたように昨年、平成十三年のBSEの発生以来、食の安全、安心の問題につきましてはさまざまな議論を呼んでいるわけでございますけれども、これまでのやりとりを聞いていても食の安全につきましては、BSEの全頭検査の実施とか、また無登録農薬の取り締まり強化と、そういったような施策によってある程度対策は進んできているのではないかというふうに思います。
 さらに、中央卸売市場としても国に先駆けた形でさまざまな対策を講じてきている。それがこれまでの経緯だと思います。その後、新聞紙上をまたにぎわせましたけれども、日本ハムの偽装牛肉問題、今度は不当表示というんじゃなくうその表示を行っている、そういった行為が発生したわけでございますけれども、これはいわば、うその表示があっても仮に食べても大丈夫だといわれればそれまでなんですけれども、安全ではあっても、消費者の安心というかそういう部分を裏切る行為ではないか、こういうふうに考えるわけでございます。
 そういった中で、ちょうど先週の新聞、朝刊各紙に、十月十一日だったと思うんですけれども、ある商社の子会社によるかば焼きウナギの偽装表示、これが一斉に報じられたわけですけれども、百トンで四千万円のもうけとか、偽装表示することによってもうけを増しているというとんでもないことが行われたわけでございます。この問題を通しまして若干お伺いしていきたいと思います。
 まず最初に、中央卸売市場においてもウナギは当然数多く扱っていると思いますけれども、ウナギの総扱い数量をお伺いします。

○石川事業部長 中央卸売市場におきますウナギの取扱高でございますけれども、築地、足立、大田の都内三水産市場におきますかば焼きウナギの取扱数量は平成十三年一年間で六千五百七十四トンでございます。そのうち輸入品はおよそ七割でございまして、主な産地は中国、台湾となってございます。

○東野委員 六千五百七十四トン、かなりの量だというふうに思います。どのぐらいの塊になるかちょっとわかりません。そうすると築地市場なんかでも、この十月十一日に報道された問題の商社のウナギは扱っておられたんでしょうか。

○石川事業部長 築地市場における問題となった商社のウナギ取り扱いでございますけれども、当該商社から出荷されましたかば焼きウナギは築地市場の卸売業者二社、足立市場の卸業者一社で取り扱ったことがわかってございます。しかし、いずれも報道されました当該商社の九州営業所から入荷されたものはございませんでした。当該商社のものを取り扱った業者からの聞き取り調査によりますと、箱に中国産と表示されますとともに、箱の中の個別のかば焼きにも原産地、加工業者等を適正に表示したシールが張られたということでございました。

○東野委員 まだ一週間たっていないわけですけれども、よく把握されているというふうに思います。
 都としては、ウナギだけでもなく、いわゆる生鮮食品、これの原産地表示というのは当然ながらかなり厳密に扱われているというふうに思いますけれども、どのような指導を市場として行っているのか。

○石川事業部長 生鮮食料品の原産地表示の件でございますけれども、JAS法によりますと、例えばウナギのかば焼きのような加工品の例で申し上げますと、輸入品の場合、輸入業者及び原産国を記載することになってございます。中央卸売市場といたしましては、このような法律の規定が守れているかどうかを現場において調査しますとともに、各卸売業者に対しまして適正表示の確認等を指導しているところでございます。この指導を受けまして本年五月に水産物の卸売業者九社が生産者、出荷者に対しまして、出荷時にはJAS法に基づく表示について現品に表示するとともに、送り状にも記載するよう要請文を出したところでございます。

○東野委員 きめ細やかな指導がなされているというふうに思いますけれども、今のお話ですとことしの五月ですか、卸売業者に対して指導を行って、その卸売業者が取扱業者に対して--生産者とか出荷者ですね、それに対して、JAS法に基づく現品に産地表示をするとともに送り状にもそれを明記しろという一歩踏み込んだ形での指導だというふうに思います。送り状にもきちっと入っていた方が当然明確になるわけですから。それが五月ですか、行ったのは。五月にそこまで突っ込んで行った理由というのは何かあるんでしょうか。何か事故があったとか、そういうことはなかったんでしょうか。

○石川事業部長 五月以前の段階におきましても各卸売業者が個別に出荷者に対しては適正表示等の要請をしてきたところでございますけれども、四月のアサリなどの貝類の偽装事件などを契機といたしまして、卸売業者が九社そろいまして統一的に要請をしたものでございます。これまでの私ども都の指導に即した対応だというふうに考えているところでございます。

○東野委員 安心いたしました。
 次の質問ですけれども、東京都の場合は水産物の市場に流れる品の市場経過率といいますか経由率、それはどのぐらいになっていますか。

○石川事業部長 水産物の卸売場経由率についてのお尋ねでございますけれども、おおむね七〇%程度でございます。

○東野委員 お聞きしましたように七〇%というとかなりの量が市場を経由して、そして都民の台所に入っていると。かなりのパーセンテージだと思います。このことからいえますのは、やはりもちろん安全ということは当然あって当たり前のことなんですけれども、若干きょう触れさせてもらいました安心ということについても、やはり市場の果たすべき役割というかポジションというのは非常に高いんではないかというふうに、これはだれでも考えることでございます。
 そういったことを踏まえまして、最後になりますが、市場長の食の安心ということに対するお考え並びに決意をご披露いただければと思います。

○碇山中央卸売市場長 ただいまの東野副委員長からお話がございましたように、生鮮食料品の流通におきまして卸売市場の果たすべき役割というのが、今一番大きくクローズアップされておるわけでございます。そのような意味から、消費者に対しまして食品に関しましての安心感を持ってもらうため、私ども流通に携わる者にだけじゃなく業界、すべての関係者が適正な表示をきちんと守らせる、守っていく、この両面が必要であるというふうに特に昨今痛感しておるわけでございます。
 私ども中央卸売市場といたしましては、卸売業者などの関係業者に対しまして、JAS法の遵守についてただいま担当部の事業部長からご答弁申し上げましたが、強く指導するとともに、関係局とも連携しまして生鮮流通段階におけます表示の適正化の推進に努めてまいる覚悟でございますが、いずれにいたしましても、ただいま副委員長からお話がありましたように安全と安心でございますが、その安全も揺らいでいるというのは昨今の実情じゃないかと思っております。
 いうまでもなく昨年のBSEに端を発しまして、本年に入ってからの無登録農薬あるいは残留農薬の問題、ただいまお話にございましたような虚偽表示の問題、そういう意味で卸売市場の役割あるいは意義というものが、改めていろいろな意味で脚光を今浴びている時期だというふうに強く痛感しておるわけでございます。今後とも食の安全、安心の確保、そのための危機管理体制の強化、これは万全を期していきたいというふうに強く認識しておるところでございます。

○初鹿委員 繰り返しになりますけれども、この一年間、本当にBSEの問題に始まり産地の偽装問題や無登録の農薬の問題、またBSE対策事業の不正受給等、本当に食をめぐる事件が多発をしまして、特に農水省の対応のまずさや大手企業、有名ブランドの不祥事などと、私たち消費者は何を信じてよいのか全くわからない、非常に不安と不信感を植えつけられたそんな一年だったように感じております。本日は、信頼の回復を図って安全で安心できる食を供給していくという視点で何点か質問させていただきます。
 まず最初に、BSEについて質問いたしますが、BSEはご承知のとおり一九八〇年代に英国で発見され、その直後から我が国でも報道がされていたわけですね。また、発見直前にもEUから日本でも発生するおそれがあるということで警告を受けてきたと、農水省のBSE問題に関する調査検討委員会で公表されています。つまり農水省がこの警告を全く無視していた結果が、今回の騒動を非常に大きな問題にしてしまったのではないかなと感じるわけでありますけれども、東京都もしくは中央卸売市場として、九月十日に初めて国内でBSEの感染牛が発見をされましたけれども、その以前に何らかの対策というものを検討していたんでしょうか、お伺いいたします。

○石川事業部長 BSE発生以前の対策の検討状況についてのお尋ねでございますけれども、BSEという牛の疾病については承知しておりましたけれども、日本での発生の可能性については私ども必ずしも十分な情報がございませんで、対策につきましては国も検討をしていなかったのが実態でございます。

○初鹿委員 検討していなかったということですから、これは東京都だけの問題ではないと思うんですけれども、これが後々大きな問題になっていったということは十分皆さんご認識をいただきたいと思うんですね。
 この件についてはまた後ほど触れさせていただきまして、具体的な質問に入らせていただきますが、まず九月十日に発見されました、そして十月十八日から全頭検査を開始をいたしました。九月十日に発見された前後、そして十八日に全頭検査を開始した後の価格の動向というものはどのように変化をしているんでしょうか。

○石川事業部長 BSE発生前後の価格の動向等についてのお尋ねでございますけれども、一般家庭でも消費されます和牛のいわゆる等級格付でB3というのがございますけれども、それを例にとりますと、事件発生一年前の平成十二年九月におきましてはキロ当たり千三百円程度でございましたけれども、事件発生直後の十三年十月には千円ということで約三〇%ほど下落をいたしました。全頭検査実施後も下落の傾向がしばらく続きまして、十二月には七百円弱となったというのが状況でございます。

○初鹿委員 全頭検査を実施した後にも価格が下落していっているということですよね。はっきりいってしまえば、全頭検査をして価格が下落しているということは、農水省が安全宣言を出した、これが消費者からすると、より一層不信や不安をさらに助長させていったんじゃないかなというふうに感じるところなんですよ。皆さん方にいってもこれは農水省の問題なのでしようがないかもしれませんけれども、やはりこれは感染牛はいないんだというアピールの仕方じゃなくて、感染牛が出るかもしれないけれども、市場の段階でしっかりとガードできる態勢ができたんだよということを国ももっと主張すべきだったと思いますし、皆様方市場関係者ももっとアピールした方がよかったんではないかなと、今になって感じるところなんですね。
 ところで、安全宣言を出して農水省や政府は信頼を著しく低下をさせてしまったわけですけれども、東京都として、また中央卸売市場として、国とは異なる信頼回復の努力というものは行ったのかお伺いいたします。

○石川事業部長 BSE発生に伴う信頼回復の問題でございますけれども、委員ご指摘のように、感染牛が出たとしても市場に出回らないということがやはり大事だろうというふうに思っておりまして、東京都におきましては国に先駆けまして独自に出荷者に対しまして、出荷の際に先ほど申し上げましたと畜牛育成履歴申告書及び肉骨粉非使用証明書の添付を義務づけるなどいたしまして、BSE感染の疑いのある牛が芝浦と場に入ってこないように万全を期したところでございます。
 さらに、特定部位である脳、脊髄につきましては、他に先駆けましていち早く除去、焼却に努めるなど安全対策を講じ消費者の信頼回復に努めたところでございます。

○初鹿委員 今お答えいただきましたと畜牛育成履歴申告書の添付などについては、農水省の反対を押し切って導入したと伺っております。我々東京は多くの消費者を抱えているわけですから、消費者保護という観点でそういうしっかりとした対応をとったということは高く評価をするところであります。
 以上の対応の結果、それでは現在の価格は事件発生直後と比較してどうなっているのか、また消費者に近いところの小売店や焼き肉店などへの影響はこの一年間通じてどうであったかお答えください。

○石川事業部長 BSEによるこの一年間の影響でございますけれども、先ほど述べましたようにBSE発生後はしばらく下落を続けましたけれども、ことしの六月ごろから回復基調に入りました。八月時点で千四百円と回復してきております。発生当初は小売店や焼き肉店の一部に廃業などが見られたようでありますけれども、最近の消費回復基調によりまして持ち直してきているというふうに聞いているところでございます。

○初鹿委員 価格も持ち直して小売店などへの影響が少なくなっていると聞いて少し安心をいたしましたが、とはいっても、やはり地元を回っていますと、BSEなどの問題だけが原因ではなく景気全般の影響もあると思うんですけれども、まだまだやはり小売店、厳しい状況が続いているんですね。今後もこの動向には十分に注視をしていただきたいとお願いをいたします。
 ところで、我々都議会民主党の一期生で、BSE問題がホットなさなかの十二月に芝浦のと場の視察に行ってまいりました。と畜解体に従事している作業員の方々の本当に手際のよいところに大変感動して、また改めて非常に大変な仕事だなと認識をして帰ってきたわけでありますが、今回このBSEの対策を行うに当たって施設の改善や作業工程に一部変更があったと思いますが、どこが変わったのか、また作業工程の追加が一日にと畜できる頭数に影響が及ぶものであったのかお伺いいたします。

○岸参事 BSE対策としての設備改善につきましてお答えいたします。
 BSEの検査結果が判明し陰性が確定するまでは、枝肉はもちろん、内臓等をと場内に分離、保管しておくため、新しく内臓等のための冷蔵施設を整備いたしました。
 また、特定部位である脊髄を除去する方法についてでございますが、背割りを行う前に除去する装置を設置したほか、今年度中には脊髄を包んでいる硬膜の除去装置を設置し、さらに万全を期す考えでございます。
 また、作業方法の改善といたしましては、のこぎりやナイフなどの背割りを行う器具につきまして一頭ごとに洗浄、消毒するとともに、作業終了後には毎日施設全体やと畜用具等の消毒を徹底しております。
 最後に、作業工程の追加などによって若干と畜数が減少した時期はございましたが、現在では通常の頭数に戻っております。
 今後とも、施設改善、衛生管理を徹底し安全な食肉の供給に努めてまいります。

○初鹿委員 大変ご努力しているなと高く評価をするところでありますが、皆さん方の努力以上にやはり実際に作業に当たっている現場の職員の皆さんのご苦労というものは多大なものであるなというふうに感じております。特に作業工程が追加したということは、非常に単純に考えて負担が大きくてまた危険も伴う作業なわけですよね。BSEという感染したらどうしようかという問題もあるわけで、精神的にも大変ご苦労だったなと、改めて現場の職員の皆様には、私も一消費者の立場でお礼を申し上げたいと思います。理事者の皆さんも十分に作業をされている方をねぎらっていただきたいなとお願いいたします。
 いずれにしても、このような対策をしっかりと続けて消費者の信頼回復に努めていただくことが必要でありますので、よろしくお願いいたします。
 ここで最初の問いに戻るんですけれども、今回やはり感染した牛が発見されたという事実以上に、対応がまずかったということが大きな大きな問題になったんだと思うんですね。ですから今後は、仮にまた海外で新たなBSE以外の何か病気が発見されたとかいうそういう事例があったら、今までの経験を踏まえて、早急に日本の国内で発見される以前から対応していくことを強く求めさせていただきます。
 最後に、大変皆さん方努力しているということを認識した上で厳しい現実も指摘させていただきます。一昨日でしょうか、読売新聞に出ていた記事なんですけれども、現在でも学校給食で牛肉の使用を自粛している小中学校が全国で二千五百二十二校に上るという農水省の調査が発表されておりました。首都圏を管轄する関東農政局管内でも一八%に当たる千五百五十四校に上るということですから、東京都内の具体的な数字はわかりませんけれども、都内にも相当数あるということですよね。これだけまだまだ不安や不信感が完全にぬぐえていないというのも現状であるわけですから、今後とも、より一層この事態というものを認識していただいて、一層信頼の回復に努めていただきたいとお願いをいたします。
 次に、食の安全というものを考える上でやはり消費者の関心が高いのは、先ほどもどなたか質問されておりましたけれども、偽装の問題というものが挙げられると思うんです。輸入品を国産と偽ったり、産地表示を偽る事例も見受けられると聞いています。
 例えば、市場としてこの産地表示の問題についてどう取り組んでいるのか、特に、市場の業界だけではなく産地に対して働きかけを行っているのかお答えいただきたいと思います。

○石川事業部長 産地表示に関する中央市場の取り組みについてでございますけれども、先ほどもちょっと触れさせていただきましたように、食の安心の問題を考える場合に、表示の問題は大変重要だというふうに認識してございます。中央市場といたしましては、市場関係者に対しましてJAS法の内容を周知徹底しますとともに、卸売業者に対して適正表示の確認を指導するなど、産地に向けても業者を通じた指導をお願いをしているところでございます。
 また、職員による現場の巡回指導等により表示の徹底を図るなど、食の安心に向けた取り組みをしているところでございます。

○初鹿委員 また、無登録の農薬が長年使用をし続けられていたという問題も発生しております。この無登録農薬の問題に対しては具体的にどのような対応を行ってきたのかお聞かせください。

○石川事業部長 無登録農薬問題の対応でございますけれども、産地に対しまして、全国の中央卸売市場の開設者で構成しています全国中央卸売市場協会という団体がございまして、この団体から各出荷者団体に対しまして農薬を適正に使用することや農薬使用に関する情報公開することなど要請したところでございます。また、山形県とか宮城県など生産県とは、それぞれ県レベルでの意見交換を図るなど産地の情報の収集にも努めているところでございます。

○初鹿委員 とにかく無登録農薬を使用した野菜が市場に入ってこないようにしていくことが必要だと思うんですね。その点についてもう少し具体的に、どのような対策をとっているのかお聞かせください。

○石川事業部長 無登録農薬を使用した野菜が市場に入らないようにということでの対策でございますけれども、ただいま申し上げましたように産地からの使用状況についての情報などを収集すると同時に、卸業者に対しまして産地における農薬使用状況の確認を指導するとともに、職員が行っています巡回指導の中で卸業者等からの聞き取り調査を実施をしたり、あるいは農林水産省等の農薬情報を収集するなど、無登録農薬を使用した野菜が市場に入ってこないよう、また市場から出さないようにということを基本に対処しているところでございます。

○初鹿委員 この無登録農薬を使用した野菜が市中に出回ってしまった場合は、やはり小さい家族経営でやっているような八百屋さんとかが非常に打撃が大きいと思うんですよ。例えばホウレンソウが危ないなんていう風評が流れただけで、実際にそのお店が入荷しているホウレンソウが農薬に汚染されていようが汚染されていまいが、売れないんですよね。そうすると負担はその店が全部背負わなければならないということで、もうやってられないよという小さい八百屋さんというのが非常に多いんですよ。実際に閉めてしまっている店も相当数あると思います。このようなことを考えて、市場に本当に出ていかないようにしていくということをもう一度改めて、八百屋さんとかそういう小売店の立場も踏まえてお答えいただきたいんです。

○石川事業部長 無登録農薬を使用した野菜が市場に出ていかないようにということでの対応についてでございますが、今委員ご指摘のように、無登録農薬に伴いましていわゆる風評みたいなことでの小売商など末端といいますか、消費者との一番の接点のところでのご心配は十分私どもも認識しているところでございます。そのため、先ほども申し上げましたように流通の大宗を担う中央卸売市場としましては、産地の対策も含めまして無登録農薬を使用した野菜が市場に入ってこないように、また市場から出ないようにということを基本に万全を期してまいりたいと考えております。

○初鹿委員 いずれにしましても食品の流通というものを考えた場合に、中央卸売市場は産地と消費者を結ぶ重要な結節点であるわけでありまして、このような観点から産地や品質の表示の問題、さらに農薬の使用といった問題についてもより一層積極的に取り組むべきであると考えるわけでありますが、その所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わりにいたします。よろしくお願いします。

○石川事業部長 産地の表示や農薬問題についての取り組みでございますけれども、今委員ご指摘のように、卸売市場は生鮮食料品流通の産地と消費を結ぶ結節点でもあります。また、先ほど申し上げましたように生鮮食料品の流通の大宗を担っているということもございます。食の安全と安心を確保するためには、行政はもちろん、市場関係業者も表示の適正化や農薬使用問題に積極的に取り組んでいくことが極めて重要だというふうに考えてございます。このため、中央卸売市場といたしましては、これまでにも増しまして市場関係業者との連携を強化しますとともに、卸業者を通した出荷者に対する指導や市場内における日常的な業務指導、さらには問題が発生した場合の危機管理体制の徹底など、食の安全と安心の確保に万全を期してまいりたいと考えております。

○樺山委員長 ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕

○樺山委員長 再開します。

○松村委員 二〇〇一年、平成十三年度の決算を損益計算書二六ページで見ますと、全体の収益的収支では二億九千六百七十万円余の純益となっていますが、営業収支で見ると二十一億九千三百四十三万円余の営業損失を出していますよね。つまり赤字なわけですけれども、この過去五年間の収支状況はどうなっているのかをまず伺っておきたいんですが。

○橋本管理部長 市場会計の営業損益でございますけれども、これは昭和三十九年ですが、公営企業会計を適用して以来一貫して赤字でございます。ここ五年間では九年度が三十五億、十年度が三十二億、十一年度が三十一億、そして十二年度二十億、十三年度決算では二十二億の赤字となっております。

○松村委員 ちょっと記録に残るといけないと思うんですけれども、私は、あらかじめこの五年間の営業収支の推移ということでいただいた資料では、今部長が答えたこととちょっと違うんですけれども、それは何か入っているんじゃないですか。純然たる営業収支、この損益計算書で、消費税とかそういうの入らないですよ。その数字で……。もう一回ちょっとお答えいただきたい。私が今いったのは十三年度は二十一億九千何がしですよね。十二年度は二十億、十一年度は三十一億余、この数字ですか、今読み上げられたのは。

○橋本管理部長 今のご質問の再度の、十三年度については二十二億の赤字でございます。

○松村委員 約でしょう。

○橋本管理部長 約です、ごめんなさい。

○松村委員 このように営業損失となっているわけですけれども、赤字続きですよね。この要因をどのように分析しておられますか。

○橋本管理部長 十二年度の売上高使用料の改定はしたわけでございますけれども、景気の低迷による売上高割使用料が減少によるものと考えております。また、一方で施設整備に係ります減価償却等の固定資産費が増加しております。これによりまして、私たちは事務経費の内部努力をしておりますけれども、経費に見合った使用料の収入確保ができなかったということでございます。
 以上です。

○松村委員 今営業に係る費用に対して、それに見合った使用料の収入が上がらないと。一つにはさっきいった景気の低迷とかありますけれども、そもそも始まって以来ずっと、先ほどの答弁では赤字だと。何か今の、最近やはりいろいろ今までの質疑があったとおり、なかなか売上高が減少しているということの影響があると思いますけれども、ずっと赤字だというには、何か構造的なそういう仕組みということをやっぱり分析してみなければいけないというふうに思うんですけれども、その点ではどうなんでしょうか。

○橋本管理部長 使用料を決めるに当たっては、当然その営業に係る経費を回収する料金を設定するのがいいわけでございます。しかし、業界団体の状況等踏まえまして使用料を設定していく中で、留保資金等活用することによって埋めることができるということから料金設定している、そういう状況にあります。したがって、営業収益だけで見ますと若干赤字になるということでございます。

○松村委員 確かに売上高割使用料は減っておりますけれども、施設使用料、十二年度に値上げがあったということでふえていますよね。十二年度では前年度対比で七億余、それから十三年度ではさらに五億ということで、使用料の値上げといいますか、それが反映しているというふうに思うんですけれども、今まで使用料の改定は三年ごとというふうに伺っていますけれども、それでいくとまたまた十五年度のこの時期を迎えますよね。これまでにも十二年度のときには激変緩和というか、当然その状態から一遍に上げられないということでのそういう配慮もしたわけですけれども、十五年度については改定といっても下げるんですか、またさっきのような話になると上げるおそれも出てきますけれども、今の業界というか、卸や仲卸の状態から見たら当然使用料を値上げするというようなことはできないというか、やるべきではないし、できる状況にないというふうに思うんですけれども、いかがですか。

○橋本管理部長 前回の使用料の見直しが十二年度でしたので、それから三年ごとに見直すということになりますと十五年度になるわけです。しかし、私ども今予算編成の最中でございます。今ご指摘がありましたように業界団体の経営状況も勘案しなきゃいけないと思っております。それも踏まえましてこの予算編成の中で検討していきたいというふうに考えております。

○松村委員 これまでにも三年ごとという方針があっても、前回は十二年度にやりましたけれども、その前は三年ごとじゃありませんよね。その前はいつでしたっけ。

○橋本管理部長 十二年度の前は平成六年でございます。

○松村委員 私は、ぜひ使用料の値上げ改定というものはやるべきじゃないということをここで意見として述べておきたいと思いますけれども。
 それで、さっき私が構造的なものといいましたけれども、答弁にもあったとおり、減価償却費、つまり使用料が営業収益で入りますよね。それに見合う営業費用としての減価償却費、これが例えばこの五年間を見ても平成九年度は四十二億、十年度は四十二億、十一年度も四十三億、十二年度が四十三億、そして十三年度もこの損益計算書にあるとおり四十五億余ですよね。この減価償却費の、年々多くなってきているこれが本当に赤字を出している、これが低く抑えられれば、営業収支によっては少なくともやはり黒を出すことができると私は思うわけですけれども、この占める割が非常に多いと。ですから、実際、例えば売上高使用料が十三年度は三十三億ですけれども、それに対する減価償却費は四十五億なんですね。これはもう完全に帳消しというか、この減価償却費の異常な高さといいますか、それが利益を、営業損益を生み出す原因となっておりますけれども、そういう要因によってつくられているというふうに思いませんか。

○橋本管理部長 減価償却は当然設備投資したものによる償却費を公営企業法に基づきまして計上するものでございます。したがいまして、このこと自体が使用料の足を引っ張るというふうには考えておりません。

○松村委員 そのことは後でちょっといいますけれども、もう一つ、資本的収支では当該年度は百四十億五千八百四十億円の資金不足になっていますね。これはどのように処理されたのでしょうか。

○橋本管理部長 資本的収入といいますのは企業債、国庫補助金であります。また、資本的支出は建設改良費、あるいは企業債の償還金であります。この不足額につきましては損益勘定留保資金及び建設改良費の積立金等で補てんしてございます。

○松村委員 この決算書においても、今いった百四十億の処理の額が載っていますけれども、それはそれぞれ、例えば今百四十億の不足額がありましたよね。ことしはそれぞれどこからどのような形で充当したんでしょうか。

○橋本管理部長 今回の百四十億の穴埋めですが、損益勘定留保資金は当該年度分の損益勘定費用、それから建設費の積立金から補てんしたということでございます。現金の伴わない減価償却費四十五億円等でございます。

○松村委員 歯切れが悪いんですけれども、この決算書の三ページにそれが載っているんですよね。この資金不足額については建設改良積立金三十六億三千余、減債積立金二十七億三千余、損益勘定留保資金七十六億九千余ですよね。貸借対照表、バランスシートといわれるものを見ますと、その結果、三三ページに出ているわけですけれども、十三年度は資金不足ですよね、いろいろな建設改良だとかやったと。それに対して企業債収入とか、それから都費の補助金だとか入れても足りない、百四十億円も資金不足が生じたと。どうやって処理したのかというと、今まで積み立ててきた減債基金積立金、それから建設改良のための積立金、これからそれぞれ今いった額を差し引きましたと。なお、減価償却費からも、損益勘定留保資金ということで積み立てておりますから、そこからも七十六億九千余を引きまして百四十億円の資金充当をいたしましたということですよね。だから、それがバランスシートで載っているのがこの貸借対照表の特に資本の部、負債の部のところに載っているわけです。
 それでは、今それぞれ残高はどうなりますか。今まで利益を上げてきて積立金を積み立ててきたと。それからさっきいった減価償却費も、毎年の使用料が入ってきますけれども、減価償却費もきちっと差し引いて見ていますよということで、資本的収支においては資金不足を当然そこから充てましたということですよね、理解としては。その結果、では私がお聞きしたかったのは、十三年度現在でそれぞれの積立金、それから減価償却費を積み立てるといいますか、計数上では見込んでいる損益勘定留保資金というものの残高はどのぐらいですか。

○橋本管理部長 十三年度末の積立金等でございますけれども、減価償却積立金の残高百四十一億でございます。また、建設改良積立金が二千六百八十八億、貸付資金積立金が四十億で、損益勘定留保資金関係が八十五億となっております。

○松村委員 十三年度末で見れば市場会計も大変なんですけれども、しかし実際といいますか減債積立金は百四十一億と、建設改良が二千六百八十八億、それ以外の貸付資金積立金なんかを入れればこのバランスシートの三三ページ、利益剰余金の合計は二千七百十四億ということですよね。この資金がどこに資産でいっているかというと、よく見ますと、三〇ページに貸付金ということで、これが、はあはあなるほどと、一般会計に貸している二千四百億円なんだということですよね。そして減価償却費の損益勘定留保資金も平成十三年度では四十五億二千九百九十六万余ありますと。ありますというか、こういう形になっていますということをちょっと私は認識はしておいたと、これからの市場会計をよく見ていく上でこういうことを今のご答弁で私も知りました。
 そこで、バランスシートにある三二ページの組み入れ資本金というのがありますよね、一千九百五十一億六千万。この組み入れ資本金というのはどういう額なんでしょうか。

○橋本管理部長 組み入れ資本金でございますけれども、十三年度は幾らかということになろうかと思いますが、減価償却積立処分金二十七億と建設改良積立金未処分三十六億の合計六十三億が十三年度に新たに組み入れた資本金でございます。

○松村委員 私も組み入れ資本金という理解が足りないもので、いろいろこれを調べてみますと、組み入れ資本金というのは、結局今もお話にあったとおり建設改良積立金の取り崩し額、それから減債基金の積立金の取り崩し額を組み入れ資本金として入れるということですよね。そういう理解でいいですよね、会計上。
 私はその組み入れ資本金、これは会計上いわば資本造成資本金とも--資本造成費ですか、つまり本来、企業活動の利益で結局この積立金をやるわけでしょう。今いった減債基金とか建設改良というので。それが一般貸し付けに貸し付けた二千四百億円を含めて現在二千七百十四億ある、これは文字どおり市場の企業活動において利益を上げて、それを今後、将来にいろいろな建設のために積み立てておくと。しかし、年度においてのいろいろな建設改良を行った場合、入ってくる収入、企業債とか補助金を入れてもなおかつ足りない場合には、そこから取り崩して充当していいですよというふうになっていますよね。そのかわり、充当した額を組み入れ資本金に入れると。これは何が残るかというと、結局資産というか、それにストックされるという公営企業の会計上の仕組みだということも私はわかりました。
 何を私は問題にしたいかということは、組み入れ資本金の額はどのような推移をしているかということをちょっとここでお聞きしたいんですけれども、この十年間全部いってもらうのは時間のむだですし、また資料をいただいていますので、平成十三年度がここに書いてあります一千九百五十一億六千余です。十年前の平成四年度は一体どういう額だったか。平成十三年に対してどのぐらいの割合でふえているのかをちょっとお示しいただきたいというふうに思うんですけれども。--市場長いいですよ、時間を節約する意味で。混乱させたわけじゃなくて、資料をいただいていて、私がいいますから。
 今いった平成十三年度が一千九百五十一億六千余なんですけれども、平成四年度は五百八十三億なんですよね。十年前に比べて資本造成というか、これは約三・三倍というこういう形での額になっています。結局私はどういうことがこれによって明らかになるかというと、やはり市場の巨大化といいますか、大田市場をつくると。それに対して膨大な施設費が要ると。それが一つは減価償却費になってはね返る。また、だから市場の施設整備を拡張して拡大していくこの推移が、今いったみたいにこの十年間で五百八十三億から一千九百五十一億というような形に膨れ上がっているわけです。何もこれは市場会計ではありませんけれども、公営企業会計においては今いった形での本当は使用料だとかそういうものが営業収入として入って、人件費だとかいろいろなものを差し引いて減価償却も行われるけれども、減価償却費が毎年毎年膨れ上がってきていると。
 もう一つは、今まで過去積み立ててきた積立金も毎年のいろいろな建設改良や施設整備拡張費によって、その積立金が今いった組み入れ資本金に回ってくると。いつもそこで欠損状態に陥るから、また新たな値上げというか、市場の場合には使用料の改定という形になってくる。ですから私は、それがいつまでもできる状態はそれでもいいけれども、今はもう本当に市場関係も含めてそれを負担する側は耐えられないというか、そういう時期になってきているこのやり方をいつまでも繰り返していて本当にいいのかと、市場は市場のあり方からきちっとやっぱり将来を見詰めていかなければいけないと。
 先ほど河野委員から私たちの豊洲移転のこともいいました。こういう点においては、やはり今の豊洲移転については再検討というか見直しが必要なんじゃないかと。現在の築地市場は確かに老朽化で手を打たなければいけないけれども、よく関係者の合意を得ながら、私たちは適切な規模というか、この市場のあり方をやらなければ、そもそも今日のこういう膨大なあれが出てきたのもやっぱり大田市場だったんですね。そういう巨大化した市場の方向というものが今日のこういう今の市場会計の数字となってあらわれてきているということを、私はきょうは実は指摘したかった。だから、使用料の改定もそれは抑えるべきだし、それからやはり今の市場というのは、どこかに大きなものを、適切な規模をつくればいいというんじゃなくて、やっぱりそこに本当に求めるのは地域地域の、その地域に合った適切な市場だと私は思う。そこをやはりきちっとすれば、私は市場会計としても立派なものになっていくということをこの点から指摘しておきたいんです。何かご感想等は聞きません。それは私の意見とします。きょうは申し述べさせていただきます。

○碇山中央卸売市場長 松村委員と私の認識が若干といいますか、かなり違いますので、あえてご答弁をさせていただくことをお許しいただきたいと思います。
 まず、公営企業会計におきましては三条会計と四条会計というのがございます。したがいまして、三条会計は経常的収入と支出を計上する、四条会計は資本的な整備をするための収入、支出を計上するというのが、三条会計と四条会計のことでございます。
 先ほど来、松村委員からご指摘がありました減価償却費でございますが、減価償却費はどんなことがあっても将来の資本整備、すなわち四条会計で整備する将来の資本整備に充てるために、三条会計の経常的なところで計上しなければいけないということです。ですから、したがいまして、減価償却費が多いから使用料の改定につながったということではなくて、これはあくまでも違うということを一つお話しさせていただきたいと思います。
 それから、もう一つ簡単に。申しわけございません。四条会計でございますが、現実には四条会計で各市場の整備をやらなければいけません。したがいまして、その中で現実的には四条会計で決算上赤が出ても、現実問題とすれば四条会計の外に現金、預金がございます。それでやっている。それが先ほどからお話がございました準備金等の話になるかと思います。そこら辺をご理解賜りたいと思います。

○松村委員 私は時間を省略するために答弁はいいといったんですけれども、違うんですよ。会計上の仕組みからそうなっていて、だから施設規模を大きくすればますます減価償却費はふえる。さっき河野委員が指摘した、では築地整備の四百億円、これは減価償却費当然落としてますよね、かかっているから。そうしたらもうじゃあ十年そこそこで、いやあと十四年有効に使うといっても、私は、減価償却費、これは今現在入ってきている。これは結局、だから使わないでというかそういう形にもなってくるし、そういうことをいうんだったら私は、それは一つ一つの市場ごとの決算を出していただきたいと、今後よくそれで分析して、違うんだよと。実際、会計上の仕組みから営業収支の中に減価償却費を入れているわけですから、その減価償却費の規模が大きくなれば将来のためだって、それは普通の企業ではそうなんですよ。だから、それがどんどん拡張していけば最終的には、資産を最後清算するときにはなくすから合うかもしれませんよ。合うというか……。実際は、でも料金改定のいつも根拠にされているのは、そういう欠損金が生まれやすい会計基盤になってきているというのは、今こうした組み入れ資本金の問題も含めたことになるということは、これは私ではなくて専門家が強く指摘している点なんですよ。
 その点は、今後もう少し解明していきたいので、今局長の答弁は答弁としていただいておきたいというふうに思っております。
 そこで適切な規模ということでもうちょっと短時間にやりますけれども、淀橋分場、これについてもちょっとどうしても具体的な問題として聞いておきたいわけですけれども、我が党は従来から予算要望をしていましたけれども、平成十三年度に総合事務所の耐震診断を行っておりますよね。その結果はどうだったのか、またその結果に基づく耐震補強工事などをどうするのかを伺っておきたい。

○高津市場政策担当部長 お尋ねの建物の耐震診断につきましては、その結果、特に補強の必要はないという結果でございました。

○松村委員 そうしますと事務所棟の改築とか、手狭だとか狭隘だとか、それこそ耐震上問題があるんじゃないかと絶えず出されていたわけですけれども、では耐震上問題はないという結論で、事務所棟を含めて老朽化、狭隘化の建物についての今後の整備計画というのは一切やらないということですか。

○高津市場政策担当部長 時間の関係で若干はしょりましたけれども、先ほどの建物につきましては四十年近く経過しておりますけれども、はりとか柱とか、そういった設計に余裕があって補強の必要はないという結果が出ております。
 その後、今後、では全く何の整備もしないのかということでございますけれども、それにつきましては、狭隘な市場でございますので、より効率的な活用を図るためにいろいろな具体的な整備内容あるいは手順等について検討を行ってまいりたいと考えております。

○松村委員 私も先日改めてあそこの淀橋市場を見てきましたけれども、既に平成十一年、十二年度で耐震補強工事をやっているといいますけれども、現場へ行ったら、確かに補強してあるんでしょうけれども、見た目には落下するようなモルタル、天井のところどころをとめてあるモルタルの地がもう既に、その部分すらが落ちているという。あれは人が大変込んでいるときにはあんな塊がおっこってきたら私も危険だなというふうに思いました。それが、もう十一年度、十二年度にやった工事ですらがそうなっているという状況は、私はこれはまずいというふうに思うんですよ。
 先ほど来も環境対策を多くの委員、河野委員も含めて出されました。また、こういう築地だとか大田だとか大きい市場以外の分場、やっぱり整備が必要だということもそれぞれ出されました。そういうところに適切な財源、予算を私は使うべきじゃないかというふうに思います。一点集中方式の豊洲移転で豪華なものをつくれば本当にそれは都民のために役立つかという点は、もう繰り返しませんけれども、ぜひやはりそういう整備をやるべきだというふうに要望して、きょうの時点では……。
 中央市場の旧練馬分場についてもいろいろやはり本当に過去、問題があるんですよ。だってそれは、淀橋がああいう手狭で狭隘だから、それを補完するということで練馬の旧分場を杉並と統合してやるということがこの決算委員会でもずっと論議されてきたと。しかしその結果はどうかというと、中央卸売市場は廃止して地方市場にしたと。せっかく補完的なんだから、土地が練馬の分場は狭いからといって、わざわざというか、土地を買ったんですよね、道路を挟んで。しかも練馬区にお願いして、道路を廃止してもそこを広げたいと。ところがその結果どうなったかといったら、その計画やめちゃって、私がいただいた資料によると二十四億余。これは平成七年に買ったんですけれども、坪平均百八十七万ですよ。これが高いかいいか。私は高いと思うんですけれども、せっかくそういう形で買った土地が、その計画をやめたために改めて新宿青果の地方市場としての今建てかえをやっているんですね。では二十四億円余の土地はどうかといったら、今東京都駐車場公社に管理してもらっているという。本当に今後生かして使わなければいけないというふうに思いますし、必ずしもむだだとかそういうことはいいませんけれども、やはりそういう市場の将来的なあり方を、ふらふらしないでといいますか、しっかりとした、もちろん関係者の合意が要るからなかなか難しいとは思いますよ。でもやっぱりそういう二十四億余もかけてその計画がそのとおりにならなかったと、そういう暫定利用を今せざるを得ないというような問題。
 それからもう一つは、大田の花き市場のところには市場関係の住宅を建てるという形で大体二百億円余の土地が十数年そのままになっていたと。私は先日も河野委員と見てきましたけれども、一部は今花きの臨時駐車場や荷さばき場で使っています。だから全然むだじゃないと思うんですけれども、しかし、その隣の港湾局が買い戻した市場関係の住宅用地というのはもうペンペン草が生えているというか、何ら使わないで、それが(発言する者あり)本当にそうです、そういう状態だったんですよ。一体これは都民から見て、何だと。東京都が財政難で危機だと。もちろん市場は市場で企業努力をしていることは十分認めます。しかし、やはりそういう今の会計上の問題からいっても、あり方がやっぱりどうなのかということは厳しく都民の側からは問われる問題だということを指摘しておきたいと思いますし、十分その点も踏まえて都民の期待にこたえる市場をやっていただきたいということを要望いたしまして、終わります。

○樺山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○樺山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時四十二分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る