委員長 | 石川 芳昭君 |
副委員長 | 清水ひで子君 |
副委員長 | 田代ひろし君 |
副委員長 | 樋口ゆうこ君 |
新井美沙子君 | |
東村 邦浩君 | |
北城 貞治君 | |
山田 忠昭君 | |
田島 和明君 | |
河西のぶみ君 | |
佐藤 裕彦君 |
欠席委員 なし
出席説明員下水道局 | 局長 | 鈴木 宏君 |
次長 | 二村 保宏君 | |
総務部長 | 馬場 正明君 | |
職員部長 | 三浦 茂君 | |
経理部長 | 内村 修三君 | |
業務部長 | 谷村 隆君 | |
計画調整部長 | 大矢 爽治君 | |
技術開発担当部長 | 中里 卓治君 | |
施設管理部長 | 佐伯 謹吾君 | |
建設部長 | 串山宏太郎君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 前田 正博君 |
管理部長 | 時田 公夫君 | |
技術部長 | 中村 益美君 |
本日の会議に付した事件
平成十三年度東京都公営企業各会計決算の認定について
下水道局関係
・下水道事業会計決算(質疑)
○石川委員長 ただいまから平成十三年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日から三日間にわたり、本分科会所管三局の決算に対する質疑を行っていただきます。
質疑につきましては、平成十三年度の決算の審査から逸脱しないように行っていただきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本日は、下水道局関係の決算に対する質疑を行います。ご了承願います。
これより下水道局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十三年度東京都下水道事業会計決算を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○内村経理部長 さきの分科会でご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の平成十三年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。
多摩地域における流域雨水幹線整備の進捗状況でございます。
多摩地域においては、二市以上にまたがって広域的な雨水対策が必要な地域がございます。こうした地域における浸水被害の解消を図るため、流域下水道による雨水幹線の整備を進めており、その計画と平成十三年度末における進捗状況をお示ししてございます。
二ページに参ります。
雨水幹線流域の浸水被害状況でございます。
雨水幹線流域内における大雨等に起因する浸水被害の発生状況を、十三年度までの五年間、市別にお示ししてございます。
三ページに参ります。
下水道管理用光ファイバーの敷設状況でございます。
下水道管渠内に敷設した光ファイバーの平成十三年度末の敷設総延長と、平成十三年度の敷設実績をお示ししてございます。
次の四ページにその敷設状況図をお示ししてございますが、緑の線が平成十三年度に敷設した箇所でございます。
五ページに参ります。
引当金の計上基準と算定方法でございます。
下水道事業会計では、退職給与引当金及び修繕引当金の二つの引当金を計上しております。退職給与引当金の計上基準につきましては、在職者の仮定退職給与金の当年度末と前年度末との差額としており、修繕引当金につきましては、財政計画及び資産の一定割合の額を基準としております。
六ページに参ります。
下水道事業における温室効果ガス排出状況の推移でございます。
平成十一年度から十三年度までの三年間における温室効果ガスの排出状況をお示ししてございます。
なお、温室効果ガス排出量は、都が平成十三年三月に策定した地球を守る都庁プランにより、二酸化炭素換算で算出しております。
七ページに参ります。
区部下水道における企業債未償還残高の金利別内訳でございます。
平成十三年度末における金利別の未償還残高及び構成比率をお示ししてございます。
なお、政府資金、民間資金等の資金種別について内書きでお示しいたしました。
八ページに参ります。
区部下水道建設事業費の目的別内訳でございます。
平成十三年度における区部下水道建設事業費の内訳を、老朽化施設の再構築、浸水対策の推進、合流式下水道の改善など目的別にお示ししてございます。
九ページに参ります。
市町別流域下水道維持管理負担金の推移でございます。
平成四年度から十三年度までの十年間における市町別の維持管理負担金の推移をお示ししてございます。
一〇ページに参ります。
区部の下水道管渠の現状と再構築・改良工事の実績でございます。
(1)は平成十三年度末における下水道管渠の現状を、(2)は道路のへこみなどを含めました道路陥没の状況を、(3)は再構築工事及び改良工事の実績を、(4)は再構築事業の工法別内訳を、それぞれお示ししてございます。
一一ページに参ります。
再構築・改良工事の区別施工延長でございます。
平成十三年度における区別の再構築工事・改良工事の施工延長をお示ししてございます。
以上をもちまして、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○石川委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○田代委員 私は、多摩川の水質の改善に向けた取り組みについてお尋ねしたいと思いますが、私が参画しております多摩川に親しみ、多摩川を生かす議員連盟というのがございますけれども、そういうものを含めまして、多くの人々が多摩川の自然や水質などへの関心を大変多く持っているわけですけれども、特にことしの夏、ニュースで大変話題になりましたアザラシのタマちゃんが話題を集めて、より一層多摩川というものが都民の皆さん方から注目を集めるようになったわけです。
昨年三月には、多摩川の水質が改善されたために、多摩川の中流、また下流域の水質環境基準がコイやフナからアユがすめる基準へ強化されたと聞いております。多摩地域の下水道普及率が九三%に達しまして、多摩川の水流に占める下水の処理水の割合が約半分を占めている東京の現実を考えてみますと、下水道整備による水質改善の効果というものがかなり上がっているんだなと認識しております。
今まで便利で豊かな生活は当たり前のように享受してきましたこの代償として、自然環境の喪失など、都市化が進んだ東京においては、逆にこの多摩川が自然の魅力にあふれたかけがえのない残された財産の一つであると思っております。将来の子どもたちにこの貴重な自然を残していくためにも、多摩川のより一層の水質の向上というものに努めていただきたいと思いますが、そのような観点から多摩川流域における下水道の取り組みについて幾つかお尋ねをしたいと思います。
答えは、なるべく専門用語はわかりやすい言葉にかえていただいて、略さないでお答えをいただけたら大変ありがたいと思います。
まず第一に、三十年前汚れていた多摩川の水質に比べて、現在格段に改善されている、先ほど申し上げたように改善されていると思うんですけれども、どの程度具体的に改善されたのかを教えていただきたいと思います。
○中村技術部長 三十年前の多摩地域の下水道普及率は約二〇%でございましたが、今では九三%に向上しており、アユが生息できる環境まで改善されてきております。これを水の汚染を示す指標、BODという数値であらわしますと、三十年前の一〇ミリグラム・パー・リットルが現在では三ミリグラム・パー・リットル程度まで改善をされております。
○田代委員 二〇%から九三%という飛躍的に伸びた中で、しかもその半分が下水が処理されている、多摩川に流れ込んだ総量の半分を占めているという中で、きれいになったそのぐあい、前一〇ミリだったものが三ミリという、そしてそれが具体的にアユがすめるような状態になった。これはかなりはっきり目に見えた状態だと思うんですけど、やはり昔は多摩川というのは、私が子どものときにも泳ぎに行った覚えが随分あるんですけども、やはり子どもたちが安心して憩って遊んでいく、そういう多摩川をもう一度よみがえらせていただきたいというのが我々の希望なわけですから、都民にとっての憩いの場である多摩川の水ということを考えますと、下水処理の水質をさらに、今がいいというわけではなくて、もっときれいにしていただかなくちゃならない。そのための高度処理が必要だと思うんですけども、現在、多摩川に処理水を放流している流域下水道の取り組みはどうなっいるのか、お教えいただきたいと思います。
○中村技術部長 下水道局では多摩川の一層の水質向上を目指しまして、通常の処理に加え、窒素や燐を除去できる高度処理を推進しております。平成十二年度に北多摩二号処理場、十三年度には多摩川上流処理場、南多摩処理場、浅川処理場、八王子処理場のそれぞれ一部施設で高度処理を順次導入いたしました。この結果、多摩川流域の六処理場中、五処理場で高度処理を行っており、流域下水道で処理する下水に占める高度処理水の割合は約一一%となっております。
○田代委員 高度処理率が一一%、約一割ということですね。なかなかこれも技術的なことだけではなくて費用的なこと、費用対効果、いろいろ考えなくちゃならない。ですから、一割が高い、低いということを今ここで申し上げるわけではないのですけど、やはり高度処理というものを進めていただきたいと思うんですけど、これから現実にどのようにして高度処理を進めていくか、そのお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
○中村技術部長 多摩川の水質改善には、高度処理を進めることが重要であると認識をしております。このため、既存施設の更新や増設に合わせ、計画的かつ効率的に事業を進めてまいります。
○田代委員 頑張ってそれをしっかり進めていただきたい。
多摩川の水質が改善に向けて今、鋭意努力していただいていることはわかったんですけど、我々は各地元の都議会議員から話を聞いたり、あるいは住民の方々から苦情が出たりすることをよく耳にするんですけど、雨の日に合流式の下水道からの放流水に最初のときに大変汚れたというか、地元の方々から苦情の出る水質の悪化というのが懸念されているわけですけど、例えば六郷橋の下流部ではまだヨシ原の自生する豊かな自然が残っているわけですけど、こうしたこの環境をきちっと保全していくためには、雨天のときにおける水質の汚濁というものを軽減していかなくちゃいけないと考えているわけですけども、多摩川の特に下流域における合流式下水道の改善対策というのは今どのように行われているんでしょうか。
○串山建設部長 多摩川下流域における合流式下水道の改善の現状についてでございますが、平成十三年度までに行った対策といたしましては、雨天時により多くの下水を処理場に送水する第二多摩川幹線などの幹線管渠約二十五キロメートル整備するとともに、下水の油やごみなどをより多く除去するためのスクリーンの目幅の縮小工事を矢口ポンプ所、六郷ポンプ所の二カ所で実施いたしました。また、特に汚れた初期の雨天時下水を一時的に貯留する施設の整備を雑色ポンプ所、矢口ポンプ所の二カ所で現在行っておりまして、その貯留量は三万五千立方メートルでございます。
ご指摘の六郷橋下流部にあるヨシ原の自生する豊かな自然を守るため、河川管理者と連携し、ヨシの成育に支障とならないよう雑色ポンプ所のはけ口の位置を変更するなどの工夫をいたしております。
○田代委員 確かにいろいろ手を打っていただいているんですけども、貯留するその場所、あるいはそれにかかる費用なんかも膨大なものにはなると思いますけれど、やはり地元の方々から、見た目の汚さ、それから自然環境を壊していくというような現実があって、大変心配している方が多いわけですから、きちっと取り組んでいただきたいんですけども、多くの中小の河川や東京湾などのある区部では、約八割の区域が合流式下水道で整備されていると聞いているんですけども、雨天時の越流水による水質の悪化の課題というのは、これは多摩川だけに限ったわけではないわけです。ですから、全部東京都の中で合流式の下水道の改善対策というのは取り組んでいかなくちゃならないわけですけれども、その点について下水道局の決意を伺わせていただきたいと思うんです。
○鈴木下水道局長 局の決意でございますが、東京の川や海を良好な水環境にすると同時に、都民が触れることのできる水辺にするためにも、合流式下水道の改善対策は下水道事業にとって重要な施策であると考えております。このため、従来からの基本対策を着実に推進するとともに、事業効果を早期に実感できる合流改善クイックプランを策定して取り組んでいるところでございます。
今後ともお客様である都民の方々の協力を得つつ、これまで以上に多摩地域も含めた関係機関との連携を深めながら、合流式下水道の改善事業を効率的かつ着実に実施いたしまして、快適な水辺環境の創出に努めてまいります。
○田代委員 頑張っていただきたいと思います。費用はかなりかかるんでしょうけども、まず効率化に努めて、そして多摩川、隅田川などの水辺が都民にとって大変重要な貴重な憩いの場でございますので、この河川の水質改善というものをしっかりと取り組んでいただきたいと要望して、終わります。
○河西委員 それでは、質問をさせていただきますが、若干、田代副委員長とダブる箇所もあるかと思いますが、お許しをいただきながら、質問をさせていただきます。
下水道事業にかかわる水域の環境問題と資源の有効活用というテーマで質問させていただきます。
多摩地域には、多摩川や野川など都民が親しめるような貴重な水辺が数多く存在しております。しかし、私が住んでおります狛江市を流れている野川を初めとして、合流式下水道区域を流れている河川では、雨の日には下水道からの放流水により水質の悪化がございまして、大変懸念をされているところであります。この放流水により貴重な水辺が失われないように、多摩地域におきましても合流式下水道を改善することが急務となっていると思います。
そこで、多摩地域にかかわる合流改善事業について何点かお尋ねをしたいと思います。
まず、冒頭、多摩地域には分流式の下水道と合流式下水道がありますが、合流式下水道の占める割合はどの程度か、このうち流域下水道の占める割合はどの程度か、お伺いいたします。
○中村技術部長 多摩地域では下水道を早い段階から整備をしてきた八王子市、狛江市など十二市で合流式下水道を採用しております。多摩地域の下水道計画区域のうち、合流式下水道区域は約四分の一の一万四千ヘクタールございます。そのうち、八割強が流域下水道区域内でございまして、残りの二割は市単独の公共下水道区域でございます。
○河西委員 ちなみに私が住みます狛江市の公共下水道は、世田谷通りを境にして北側が合流の地域になっております、約三百八十九ヘクタール、南側が分流式地域で約百九十三ヘクタールとなっておりますが、この分流式のエリアの中でも、まだ五〇%分流方式になっているところでございます。本来は全エリアを分流式にということをずっと要求をしてきた立場でございますけれども、その経費はとてつもなく大きなものでございまして、そこで今、緊急に問われている改善策、合流式の下水道の改善策、これが強く求められてきたところだというふうに認識しています。
国におきましても、ことしの五月十六日付、合流式下水道緊急改善事業実施要綱を定めて、都道府県知事、政令指定市長あて通知を出し、管内の市町村への周知を徹底させてほしい、こういう通知が来たところだというふうに思っています。
そこで、改善対策なんですけれども、流域の下水道は東京都と市が役割分担をして下水道を管理しております。東京都ではどのような改善対策があって、どのように進めてこられたのか、これからどうされようとしているのか、お伺いいたします。
○中村技術部長 合流式下水道の改善対策には、降り始めの雨水をためて、雨がやんだ後に処理場で処理するための貯留池の整備や、雨水はけ口から河川へ流れ出るごみを取り除くろ過スクリーンの設置などの対策がございます。貯留池の対策としまして、北多摩一号及び北多摩二号処理場で一部施設を整備しております。また、雨水はけ口対策としまして、野川第二幹線の全九カ所ある雨水はけ口のうち、平成十三年度にろ過スクリーンを三カ所設置し、引き続き今年度に残る六カ所の設置を予定しております。
○河西委員 ちょっと具体的な細かい質問になるかと思いますが、市が管理する公共下水道にも雨水のはけ口があると思います。多摩地域全体では雨水はけ口が何カ所あって、また対策はどの程度進んでいるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○中村技術部長 多摩地域には公共下水道の雨水はけ口は約九十カ所ございます。各市とも合流式下水道の改善対策は重要と認識をしておりますが、技術的にも費用的にも課題があり、具体的な対策は進んでおりません。
○河西委員 これから改善策が講じられるという段階かと思いますが、この合流式の下水道の改善を進めていくには、東京都と市が一体となって取り組む必要があるというふうに思います。都と市の連携についてどのようなご認識をお持ちなのか、お伺いいたします。
○中村技術部長 既に実施をいたしましたろ過スクリーンの設置は、関係市の協力のもとに進めたものでございます。今後の合流式下水道の改善は、都と市が一体になって進めていくことが大切と考えております。このため、都と市が一層の連携を図り、合流式下水道の改善対策を進めていくため、協議会を近々設置することといたしております。
○河西委員 私は、合流式下水道の改善を進めるための具体的な対策として、下水道の管渠に流入する雨水量の抑制、これはどうしても必要だと思います。雨水はけ口からの越流冠水を削減する、これも必要かと思います。そして、もう一つは雨水の浸透の問題ですが、浸透性の道路の舗装等を手がけておりますが、具体的に雨水の浸透ますの設置、これも効果的であるというふうに思っています。
これまで各市が行っている雨水浸透ますの設置者に対する助成、これの二分の一を東京都が補助してまいりましたけれども、そのおかげで、ちなみに私が住んでおります狛江市でも毎年設置が進みまして、十三年度末の現在基数で二千七百二十三基まで到達した。もっと先進的な自治体ではこの何倍もの設置を既にしているところがあるわけですが、おくればせながらここまで設置ができたのも、やっぱり東京都のこの助成制度があったということが大きかったというふうに思います。ところが、東京都のこの市の助成の二分の一の補助というのが十三年度末で完全に終了したという段階で、今後の増設が大変危ぶまれるんではないか、地元の市でも大変だなという認識を持っていると思います。
このような経過も踏まえまして、現在、雨水浸透に対して下水道局はどのようにお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
○大矢計画調整部長 お話の雨水浸透についての取り組みでございますけれども、雨天時の越流水を削減しまして、合流式下水道の改善に有効な施策でございます助成制度を持っております区などとの連携によりまして、これからも取り組んでいく考えでございます。
○河西委員 この緊急の合流式下水道の改善、これは先ほども触れましたように、国の方でも緊急の整備のための要領をつくって各都道府県にもおろしてきております。その中で、私は、ぜひ東京都と市町村がしっかり連携を図って、この対策に取り組んでいただきたいということを思います。
同時に、近々この協議会を開いて、それぞれの自治体の計画が出されてくるだろうと思います。それぞれの自治体での計画を調整しながら、東京都ができる限りそのバックアップをしていく、こういうことでぜひ効果を上げる対応をお願いをしたいと思っています。
今回、私が質問をするに当たりまして、これは下水道局所管内だけで解決できない、特に多摩の場合は流域下水道で、この基本的な総合計画の策定と見直しの時期ももう来ておりますし、それから三多摩地域全体の下水道のあり方についても、この間検討がされてきているところだと思います。そんな経過も踏まえまして、ぜひ全力で取り組んでいただきたいということを、この下水道の合流式の改善については、最後、要望を申し上げておきたいと思います。
次に、資源の有効利用についてお尋ねをしたいのですが、まず、再生水の有効利用についてお尋ねいたします。
下水を処理した水をトイレ用水などとして再利用する、これは水資源の節減ということで大変意味のある重要なことだと考えています。
そこで、まず、再生水が現在どのように使われているのか、再生水利用の現状についてお聞かせをいただきたいと思います。
○佐伯施設管理部長 当局における再生水の利用状況についてでございますが、現在、西新宿、中野坂上地区を初め四地区へビルの水洗トイレ用水や散水などの雑用水として、あるいは「ゆりかもめ」の洗車用水として、日量約七千立方メートルを供給してございます。また、清流復活用水といたしまして、野火止用水や渋谷川、古川などに日量約十万七千立方メートルを供給してございます。そのほかに、処理場やポンプ所など当局の施設内でも可能な限り利用しているところでございます。
○河西委員 再生水の安全性の確保についてお伺いをしたいんです。
再生水は下水からつくられている。これを考えますと、この安全性の確保というのはとても重要だと思います。再生水の利用に当たっての安全性の確認はどのように行っているのか、お聞かせください。
○佐伯施設管理部長 再生水の利用に当たりましては、国などの基準を参考に、当局独自に再生水の利用にかかわる要綱を定めまして、利用用途に応じた水質基準を設定しております。この要綱に基づきまして、定期的に水質検査を実施いたしまして、安全性を確保しております。
○河西委員 再生水の利用は、循環型社会づくりを実現していく意味でも大変意義のある事業だと思います。安全性を確保した上で、今後も再生水の利用を一層拡大をしていくべきだと考えております。この利用拡大に向けての下水道局の取り組みについて、お聞かせいただきたいと思います。
○大矢計画調整部長 これまで再生水利用事業は、都市の再開発に合わせて供給する区域を拡大するとともに、供給地域内でも利用の拡大を図ってきております。また、本年十一月には汐留地区で再生水の供給を新たに開始する予定でございます。また、これまで延べ床面積が三万平方メートル以上の大規模な建築物を対象としてまいりましたけれども、その対象を一万平方メートルまで引き下げて利用拡大を図ったところでございます。
さらに、新たな利用用途を目指しまして、ヒートアイランド対策に向けて、保水性舗装への散水調査も実施しているところでございます。再生水は都市における貴重な水資源でございまして、さらなる活用を図るため、利用拡大に積極的に取り組んでまいります。
○河西委員 再生水については以上なんですが、その活用について一点だけちょっと留意点と申しましょうか、これは私の要望としてお聞きとどめいただいてもいいんですが、再生水の活用で渇水対策で河川に放流するということが、一方では希望されて要求されているところですが、一方ではその河川の成り立ちですとか、現在の水辺に親しむ、親水の状況ですとか、多自然型の川づくりということで、ここのところずっと川を見直す機運が高まっております。そういうことを配慮した上で、渇水対策に使うといっても、ぜひ慎重にお考えいただきたいということを、私の要望として申し上げておきたいと思います。
次に、下水道事業におけるエネルギー施策についてお尋ねをしたいと思います。
まず、下水道事業は水処理及び汚泥の処理過程で大量の電力を使っております。その使用量は都内で消費される電力の一%に達すると聞いております。コストの削減や地球環境保全の観点からも、このエネルギーの効率的利用や未利用エネルギーの活用を進める必要があるのではないでしょうか。
そこで、現在、下水道局が行っているエネルギー施策について、どのような取り組みを行っているのかをお聞かせください。
○大矢計画調整部長 現在のエネルギー施策の取り組みについてでございますが、処理場を初め下水道施設全般にわたり創意工夫を凝らした運転管理によるエネルギーの効率的利用に取り組んでおります。さらに、下水が持つ熱や処理過程で発生する消化ガス、焼却廃熱などのエネルギーの回収利用も図っているところでございます。
具体の例としましては、夜間電力を活用できる電力貯蔵設備、いわゆるNaS電池を昨年度より導入いたしております。また、下水熱を冷暖房に活用したり、消化ガスを発電用として下水道施設で活用しているほか、文京区後楽地区や江東区新砂地区においてオフィスビルやホテル、高齢者医療施設などに冷暖房や給湯熱源として供給もしております。さらに、未利用エネルギーの新たな活用策として、小水力発電などの技術開発も行っているところでございます。
○河西委員 では、このエネルギーの問題について何点か質問させていただきます。
経営の効率化、環境負荷の削減の視点から、夜間電力を貯蔵し、昼間の電力ピーク時に使用する電力貯蔵設備、NaS電池を導入した、こういうことでございますが、導入状況とその効果についてお伺いいたします。
○佐伯施設管理部長 NaS電池の導入状況とその効果についてでございますが、昨年十二月に葛西処理場に一千キロワットのNaS電池を日本で初めて実用導入いたしました。導入の効果といたしましては、年間、二酸化炭素に換算いたしまして八十六トン、電気料金二千五百万円の削減を見込んでおります。
○河西委員 次に、下水には家庭や都市活動において使用した都市排熱の四割が投資されています。この未利用の下水熱、エネルギーの有効利用として、下水道局は地域冷暖房事業を実施しているということですが、この現状と効果についてお聞かせください。
○佐伯施設管理部長 下水が持っております熱や下水の処理過程で発生いたします汚泥の焼却廃熱などのエネルギーを回収、利用する施策を現在進めております。現在、文京区後楽地区や江東区新砂地区におきまして、オフィスビルやホテル、高齢者医療施設などへの冷暖房や給湯の熱源として供給する地域冷暖房事業を実施しております。
この事業による二酸化炭素の削減量は年間約四千九百トンであり、これは代々木公園の約二十五倍の広さの森林が吸収する二酸化炭素の量に匹敵いたします。
○河西委員 次に、下水汚泥処理の消化工程で発生しているガスを有効に活用する消化ガス発電を行っているということでありました。この消化ガス発電の現状と効果についてもお聞かせいただきたいと思います。
○佐伯施設管理部長 消化ガス発電の現状と効果でございますが、小台処理場では昭和六十三年度から消化ガスを活用したガスエンジン発電設備を導入し、発電を行ってございます。これによりまして、処理場で使用する年間の電力量の約二〇%に相当する九百五十万キロワット時の電力を賄っております。この発電量に相当する二酸化炭素の削減量は年間三千六百五十トンであります。
○河西委員 もう一つ、下水道局で新たな発電として小水力発電、この実証研究に取り組んでいるというご答弁がございました。その特徴と内容についてお聞かせいただきたいと思います。
○中里技術開発担当部長 低コストで未利用エネルギーを利用する技術の開発は重要なテーマでございます。葛西処理場に設置いたしました小水力発電設備は、下水処理場にあるわずかな放流落差から電力を低コストで回収するものでございます。埋もれていた資源を活用するということを特徴にしております。
この施設につきましては、小水力発電に適した高効率の発電システムを導入するとともに、汎用品の活用や工事の簡素化など創意工夫をいたしました。その結果、低コスト化を実現したところであります。放流落差は約五メートル、発電出力は二十七キロワット、一般家庭六十世帯分の電力に相当いたします。
平成十三年度から研究を開始いたしまして、下水の放流先の潮の満ち干や放流量の変化に対して安定な発電が可能であるかどうか。また、メンテナンスの簡素化など実用化に向けて実証実験を進めているところでございます。
○河西委員 エネルギーの問題について何点かご質問してまいりました。平成十三年度に新たに取り組んだものや、従前の取り組みを強化されたもの、拡大されたもの、幾つかあったというふうに思います。今後もより一層エネルギー施策等を推し進めるべきだというふうに考えますが、今後の取り組みについての考え方をお聞きしておきます。
○大矢計画調整部長 下水道局ではこれまで全事業所で環境マネジメントシステム、ISO一四〇〇一に関する認証を取得いたしまして、その運用を通じて日常的に電力や化石燃料を削減するなど、環境負荷の低減に努めているところでございます。今後も新技術などの開発導入を図りまして、環境に配慮した事業運営に引き続き取り組んでまいります。
○河西委員 資源や未利用エネルギーの有効活用は、地球環境の保全にも大いに貢献できるものであります。今後より一層の拡大に努めていただきたいと思います。このことを改めて要望しておきます。
また、水やエネルギーといった問題は、ボーダレスな側面がございます。また、先ほど申し上げました合流式の改善施策につきましても、効率的に進めていくためには局間の垣根を越えて、関係部局が連携を強化して取り組んでいただきたい。このことがとても重要だということを認識しております。今後これまで以上の連携をぜひ図っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
最後に、これら下水道事業における環境対策、ますます今後重要になってくるものと考えております。しかし、厳しい財源の中で合流式下水道の改善や再生水の利用拡大、数々のエネルギー施策の取り組みといった事業を行っていくためには、やはり財源が必要であります。私もこれまで基礎的自治体といわれる審議会の中で活動してまいりましたけれども、何といっても起債の償還など大きな財政の圧迫となっています。低金利への借りかえなどは長年の要求となっていますが、なかなか効果が出ていない。このことも含めますけれども、東京都で毎年、国に対して要望を行っていると思いますが、要望の成果、今後の取り組みについてご見解をお聞かせください。
○馬場総務部長 下水道施設の整備に当たりましての主な財源は、国庫補助金と企業債でございます。これまで国の予算編成期に合わせまして、繰り返して国に対して提案要求を行ってまいりました。その結果、国庫補助制度につきましては、近年、補助採択基準の拡大や新たな補助制度の創設がされるなど、財源措置の拡充が図られておりまして、要望の成果が出ております。
また、企業債については、借りかえ制度の創設を要望してまいりましたけれども、十三年度から新規に発行する政府引受債につきましては、一定の改善がなされましたが、過去十二年度以前に発行しました企業債につきましては、従来どおりの返済状況のままでございます。これからも引き続きあらゆる機会をとらえまして、関係省庁に対し要望活動を行い、必要な財源の確保に努めてまいります。
○東村委員 平成十三年度東京都下水道事業会計の決算について、資料要求の五ページで、私は、この引当金の計上基準と算定方法について資料要求いたしました。なぜ資料要求したかといいますと、皆さんも多分ご存じのように、決算というのは一定の前提に基づいて決算が組まれるわけでございます。例えば、減価償却の方法でも定額法、定率法、生産高比例法等といろんな方法がありまして、その方法によって数字というのは大きく変わってくるわけです。今、国で銀行の不良債権に対する引当金の問題が取り上げられている。引当金がどういう基準で、どれだけ不足しているかということも、この前提があくまでも大事であって、この前提がどういう前提をとっているかによって数字なんかは随分変わってくるわけなんですね。そこが明らかにならないで決算を組んでいても、この決算の数字というのは、いい方は悪いんですけど、私はマジックだろうなと思っております。そういう意味で、特に固定負債の部で退職給与引当金と修繕引当金という大きな数字が計上されていましたので、これの計上基準と算定方法はどうなっているのかということで資料要求させていただきました。
昨年も公営企業会計の第一分科会の方で、この決算審議に当たらせていただきまして、公営企業、局によって計上基準が非常にまちまちな状況があります。その中で私は、この下水道局が今回、退職給与引当金が期末要支給額の一〇〇%を計上しているというのは、ある意味で評価いたします。修繕引当金も、企業なんかは税法の一定の率をかけてやっているところが多いんですけれども、きちっと過去数年間の修繕状況を把握して、その修繕状況の資産に対する割合、これをちゃんと把握し、それを一定の率として、引当金としてかけて計上している。私は、これは非常に評価できる部分だと思います。
ただ、一点申し上げておきたいのは、この決算書を渡された我々が数字だけ見て判断するわけなんですけれども、先ほどいいましたように、この会計方針という、減価償却の方法だとか固定資産の評価の方法、これから減損会計ということも導入されてくるでしょうし、また、引当金の計上方法、算定根拠、この辺なんかやはり事前にこういう方法でやりましたよということを、義務づけられていないかもしれないんですけれども、開示してあげると、これは決算書を読む側がもっとわかりやすいと思うんですね。どうかその辺を改善点として今後検討していただけないかということを最初に申し上げて、これから下水道局が今後一番最終局面としてやっていかなければいけないという、まさにゼロエミッションの実現を目指して行われている下水の汚泥の問題、これについて何点か質問したいと思います。
最終的な処理であるこの下水汚泥なんですけれども、処分形態として埋立処分方式とリサイクル方式、この二つがとられると思っているんですが、平成十三年度、現在においてはこの埋立処分とリサイクルの現状、比率はどうなっているのか、まず最初にこれについて答えてもらいたいと思います。
○佐伯施設管理部長 下水の処理過程で発生いたしました汚泥を埋立処分とリサイクルした比率は、脱水汚泥量に換算いたしますと、平成十三年度におきましては、埋立処分六〇%に対しまして、リサイクルは四〇%でございます。
○東村委員 それでは、確認の意味で伺いたいんですが、どの程度の量をどのような方法で埋立処分をしているのか。そして、どこに処分しているのか、具体的に答えてもらいたいのです。
○佐伯施設管理部長 平成十三年度には、焼却灰として三万トン、脱水汚泥二万トンにセメント一千トンをまぜ合わせまして、安定化処理をした五万一千トンを埋立処分しております。埋立処分先は中央防波堤外側廃棄物処分場でございます。
○東村委員 今、平成十三年度に五万一千トンですか、埋立処分をしているという話がありました。この埋立処分をしている中央防波堤の新海面処分場は、東京港では恐らく最後の埋立処分地だといわれているわけなんですね、これ。そのために、やはり私は、今後、下水汚泥を埋め立てていくということに関しては、この埋立処分地に限りがある限り、大変なこれから状況に陥っていくんじゃないか。そういった意味でやはり、先ほど汚泥のリサイクル化には大量の熱エネルギーがかかるという話がありましたけれども、確かに熱エネルギーはかかるかもしれないんですけれども、このリサイクルを進めていかない限り、日本のような限られた国土、ましてや東京都のように埋め立てるところがない地域では、やはりこのリサイクルというのは必ずやっていかなければいけない大きな問題であると思います。
そういう意味で現在の下水道局のこのリサイクルの取り組みについて、まずお伺いしたいと思います。
○佐伯施設管理部長 埋立処分場の延命化のため、脱水汚泥の九八%を焼却いたしまして、減量化を行っております。また、先ほどご説明いたしましたように、汚泥の四〇%をリサイクルしております。具体的には、脱水汚泥量で換算いたしまして、軽量細粒材に一万六千トン、メトロレンガに二万五千トン、熔融スラグに二万七千トン、セメント原料等に三十六万五千トン、合計四十三万三千トンをリサイクルしております。このように一つの用途に限定することなく、多様な用途にリサイクルをしております。
○東村委員 今、セメントやメトロレンガ、熔融スラグ、軽量細粒材ですか、このような多様な形態でリサイクルをしているという話がありました。他方、このようなリサイクルを進めている一方で、平成十一年度に四五%あったこのリサイクル率が平成十三年度に四〇%まで逆に落ち込んでいるわけなんですね。これからどんどん進んでいかなければいけないのに、四五%から四〇%まで落ち込んでいる。このようにリサイクル率が低下している状況にあるわけです。
そこで、どのような原因で、または課題で、このようなリサイクル率が低下しているのか、これについて説明してもらいたいと思います。
○佐伯施設管理部長 リサイクル率の低下の状況、先生ご指摘のとおりでございます。これは、メトロレンガなどの取引先であります公共事業の抑制に伴います市場の縮小によるところが大きく影響してございます。これに伴い、在庫が発生してございます。また、セメント原料などにつきましては、原料供給先であります企業の受け入れ量の抑制や、処分コストの上昇などもリサイクル率低下の原因となってございます。リサイクルの促進には、これら解決すべき課題がございます。
○東村委員 課題として市場が縮小して在庫が発生した。また、企業の利用量が抑制されて取引価格なんかが上昇しているということが今挙げられるという話がありました。
そこで、今話しにありましたこのような課題を解決する取り組みとして、下水道局はどのようなことを行っているのか、これについて説明してもらいたいと思います。
○大矢計画調整部長 リサイクル製品の利用拡大を図るために、まず下水道事業の中で活用するみずから利用を最大限行いますとともに、庁内各局や区などに利用拡大の要請をしているところでございます。また、購入者の利便性の向上を図るため、製品の引き渡しを当局の製造場所から相手の工事現場での引き渡しに改善をいたしました。今後は民間の販売店で個人向けの販売にも取り組んでまいりたいと考えております。
一方、安定的な販路が確保でき、コスト面でも競争力のある製品とするよう、新技術の開発にも努めてまいります。
○東村委員 この販売単価についてはいろんな意見があると思うんですけれども、私は、例えばこの在庫が発生しているという在庫の扱いなんかは、もっともっと民間の発想を取り入れて、販売単価を下げるとコストより低くなるから損失が出るんじゃないかという考え方があると思うんですけれども、私は、公営企業というのは公共性というものも非常に大事な視点であるわけですから、そういう意味で機会利益という考え方を、いわゆるコストより低くなっても機会利益を得れば、それで公営企業はいろんな意味でリサイクルという現状を考えれば、ただ埋立処分するよりも、よりこの環境の面でもいろんな面でもバックアップをしているわけですから、そういった意味で機会利益を得るという発想をぜひともこの公営企業の中でも取り入れてもらいたいと思いますし、そしてその中で、もっとみずから利用を拡大することを考えることが必要なんじゃないかと思います。これについて考えを述べてもらいたいと思います。
○大矢計画調整部長 ただいまお話しのように販売を促進する取り組みとしては、これまで一定量以上の購入者に対して販売価格の引き下げなどを実施してきたことがございますが、なかなか効果が上がりませんでした。今後は民間企業への影響も考慮しながら、さらなる販売価格の引き下げについて検討してまいりたいと考えております。
みずから利用の拡大については、森ヶ崎水処理センターの覆蓋上部にコアジサシの営巣地の造成用に使用するなど積極的に活用を図っているところでございます。さらに、庁内での利用の拡大に向けて、これまでも東京都土木工事標準仕様書に規定するなど努力をしてまいりました。今後も東京都建設リサイクルガイドラインの改定に合わせて、下水汚泥リサイクル製品の採用を要望するなど、これまで以上にきめ細かな努力をしてまいります。
○東村委員 確かに販売価格を引き下げるということは、民間業者に対する影響もあるという、特に今、中小企業、不況ですから、そこを圧迫しては何もならないわけなんですけれども、その辺よく話し合いをして、影響を及ぼさない範囲で販売価格の引き下げや、また、私はある意味で無償でいろんなところに、特に学校だとか、学校の花壇のところのレンガなんかにも、ああいうところはどんどん無償で提供してもいいんじゃないかと思うわけであります。その辺のことをよくこれから具体的にもっともっと検討していただいて、ここが進んでいけばやはりリサイクル率もアップしてくるわけだと思います。ぜひともその辺、努力をしていただきたいと思います。
そこで、我が党はこれまでもこのリサイクルの推進に向けていろんな提案を行ってまいりました。その中で、やはり東京に廃棄物があふれて、都市機能に支障を来したら元も子もないわけでございます。その意味でぜひともこの一〇〇%リサイクル、ゼロエミッションを実現してもらいたいと思いますが、今後この一〇〇%リサイクル、非常にこれから大変だと思います。大変でしょうけれども、この一〇〇%リサイクルへ向けて下水道局はどのような取り組みをやっていくのか、局長に最後、見解を伺いたいと思います。
○鈴木下水道局長 一〇〇%リサイクルについての局の基本的な考え方についてでございますが、下水道局は環境保全の担い手であることを自覚いたしまして、日々の事業活動を通して望ましい環境を将来の世代へ継承するために、日々努力しているところでございます。下水汚泥につきましては、一〇〇%リサイクルを行いまして、廃棄物をゼロにすることを当局の目標としております。このため、局内や庁内での利用の促進はもとより、民間利用の拡大を図りながら、安定的なリサイクルが行えるようリサイクル製品の多様化を初め、競争力のある新製品の技術開発を促進し、実用化に取り組んでいるところでございます。今後も下水道局の総力を挙げて一〇〇%リサイクルの実現を目指してまいります。
○清水委員 東京都平成十三年度下水道事業会計決算について何点か伺います。
十三年度の下水道の普及率は、多摩地域では私の地元の八王子などはまだ公共下水道の整備が残っているということで、促進の課題はまだ残っているわけですけれども、区部では一〇〇%、全体では九七%ということで、汚水処理という点では、生活環境改善という点では一定の到達というふうになっていると思います。
下水道事業の今後の取り組みとしては、先ほどから質疑がされておりますけれども、再構築の問題や、また高度処理など、また資源化など、そうした課題というものが進んでおりますけれども、十三年度の予算の審議の際にも私どもから、下水道事業として過大な建設投資を行わずに、最低の必要な整備を行って、都民の負担をこれ以上引き上げるというようなことなく、また企業債の未償還残高の減少を進めるようにということで、当初の予算では要望してきたところです。
そういう立場で幾つか伺いますけれども、まず、下水処理水量について伺います。
区部の処理場におけるここ数年間の処理水量はどのように変化をしているのでしょうか、十三年度までお聞きいたします。
○佐伯施設管理部長 区部処理場における処理水量は、平成十一年度が日平均四百七十四万立方メートル、平成十二年度は日平均四百七十六万立方メートル、平成十三年度は日平均四百六十二万立方メートルとなっております。
○清水委員 全体の傾向として、一つの傾向がすべて今のお話の中では示されたというふうな数字ではありませんけれども、徐々に減少しているというふうに、九年度から見るとうかがえます。
そこで、人口の減少とか、それから都民の生活スタイルとか、それから企業の活動の変化とか、それから都市構造の変化などによって処理水というものが変化をして、今後も変化をしていくというふうに考えられますが、こうした変化に対応した下水道計画の見直しというのも必要だというふうに思いますけれども、その点ではどのようになってきたでしょうか。
○大矢計画調整部長 東京都の下水道計画は、多摩川、荒川等流域別下水道整備総合計画に基づいております。現在、人口フレーム等が変化したこと、東京湾に窒素や燐にかかわる環境基準が設定されたことなどにより、都市計画局において本計画の見直しを行っております。
○清水委員 人口の減という点では、今後の五十年先の都市ビジョンなんかが出されて、多少の横ばいというのがあるんですけれども、当初の計画から人口の減という、そういう下水処理量が予想されるわけですけれども、しかし、一方では、先ほど触れましたようにヒートアイランド現象とか、都市型水害などによって、雨水量の増加というのも予想されます。しかし、現実的には人口減による下水の処理量の減というのが予測をされるわけです。そういう意味では、先ほども触れられましたけれども、雨水の処理という問題については今後真剣に取り組む必要があるというふうに思うわけです。
それで、この間も都としては連携を局でとりながら、総合治水対策ということで十三年度も行われてきたというふうに思うんですね。それで、水循環マスタープランなどによって、また、私は現在、常任委員会は環境局に所属しておりますから、環境基本計画などの審議などでも繰り返し地下浸透とか、水循環とか、地下水の保全とかいうことが繰り返し行われてきて、雨水浸透という問題、地下水の確保などということで議論されてきているわけですけれども、下水道局の役割というのは降った雨を受けとめるという、そういう立場にあって、降る場所をセーブしたりとかいうことはできないと思うんですけれども、総合治水対策協議会、検討会の中で、受けた雨量などについて、実態をこの協議会などで提起し、そして実際がどうなっているかというようなことを積極的に下水道局としての役割を果たす必要があると思いますけれども、十三年度においては総合治水対策の中ではどのような役割を果たしてこられたのか、伺いたいと思います。
○大矢計画調整部長 都の総合的な治水対策における下水道の役割でございますけれども、流域に降った雨を河川や海に排除するための、いわゆる内水対策を担っております。外水対策を目的としております河川などとともに、役割を分担することとなっております。
○清水委員 現在の役割というのはそういうところにあるというふうに思いますけれども、先ほど他の委員もお話しありましたように、雨水の浸透とか、このままでは降った雨はみんな処理しなければいけなくなるということで、莫大な施設の整備というものも予測されるわけですね。そういう意味では、要望ですけれども、総合治水の中で、受けた側の社会資本整備費というのはやはり莫大にかかってくるわけですから、そういう実態をもっと積極的に、降った雨を、つくりますというんじゃなくて、これだけかかるわけで、都民の負担とか、企業会計にもいろいろ影響が来るわけですから、積極的な役割を果たしていただきたいというふうに要望いたします。
次に、先ほども触れられましたけれども、当年度においては企業債の発行額を償還額より低く抑えることとか、支払い利息を減少させるとかいう努力が見られます。しかし、いただいた資料によりましても、企業債の未償還残高は二兆九千億円ですか、大きな額が残っています。それから金利別の内訳を見ても、金利が四%以上のものが半分を占め、六%、八%の金利も残っているという点については、先ほどもこの努力については触れられたところですが、今後借金を減らすための取り組みと、ふやさないための努力についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
○馬場総務部長 後年度負担の増加を極力避けるために、建設投資のより一層の重点化や効率化、コスト縮減を図りまして、建設水準の見直しを行ってまいりますとともに、国庫補助金の増額確保を図ってきたところでございます。例えば、建設事業費につきまして、平成五年度がピークでございまして、二千七百四十四億円でございましたが、十三年度予算では千六百五十億円、今年度の十四年度予算におきましては千五百億円と縮減を図ってきております。
また、過去に発行いたしました企業債の未償還残高の減少努力ということでございますが、先ほどもご質問ございましたけれども、国に対しまして借りかえ制度の新設などを繰り返して要望してきておりまして、十三年度からは新規の発行いたします政府引受債につきましては、一定の改善が図られたわけでございますが、今後も引き続き国に対して改善を要望してまいります。
○清水委員 下水道局における未償還残高額というのは、大変いろんなところで触れられることもあるわけですけれども、現在の努力を一層実ることができるよう、努力を引き続き行っていただきたいと思います。
次に、流域下水道の維持管理負担金について毎年、東京都市長会から要望が出されているというふうに思います。この負担金の経緯について、十三年度についてはどのような要望が出されていたのか、伺います。
○時田管理部長 市長会からは予算編成に対する要望等で、維持管理負担金につきまして負担軽減の要望を受けております。
○清水委員 先ほどいただいた資料でも、もちろん人口がふえていくとか、それから整備の地域が広がるとかということにもよっているわけですけれども、維持管理負担金の総額は非常に多くなっておりますし、市長会では他の要望ですよね、建設負担金の軽減、終末処理場建設に伴う周辺環境整備事業に対する財政援助の拡大措置など、市長会から大変多くの要望が出されてきているというふうに思います。
今いただいているということであれば、じゃ、十三年度はそれを受けとめて何らかの検討とか、それから、その対策をどうするのかということで話し合われてきたというふうに思うんですけれども、維持管理費負担金の負担軽減の市長会からの要望について、どのように十三年度は対応していくのか、検討してきたのでしょうか。
○時田管理部長 当局といたしましては、これまで事業の効率的執行に努めまして、維持管理負担金につきましては、一立方メートル当たり三十八円を維持してまいりました。しかしながら、今後は施設の老朽化に伴う補修費、あるいは高度処理経費等維持管理費の増加が見込まれますので、引き続き事業の効率的執行に努めてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 決算は純利益というふうに流域下水道の方にもなっていると思うわけですけれども、そういうこともかんがみながら、やはり各市の負担が少しでも減るように今後とも努力をしていただきたいというふうに思います。
次に、先ほども資源化の問題がありましたけれども、下水道事業によって排出される温室効果ガスの問題について、この決算審査意見書では前の方で詳しく触れられていると思うんですね。十一年度からの温室効果ガスの二酸化炭素換算分の推移が先ほど資料でいただきました。東京都全体としても、この温室効果ガス、CO2の削減ということでは、国全体としても、世界全体としても早急な対応を求められていくわけですけれども、この決算審査意見書で触れられているように、都庁の中の下水道局がこういう事業をやっているということもありますから、それは単に他と比較するわけではありませんけれども、四十数%がCO2の発生の構成割合を示しているわけですよね。ですから、やはり都全体として真剣に努力をしていかなければいけないと思いますし、私たちもこのことを深く受けとめなければいけないと思うんですが、十一年度からの三年間で、いただいた資料によりますと、十二年度は多少減少しているんですけれども、十三年度になりますと、また増加をしているわけです。その要因は何なのか、お伺いをしたいと思います。
○佐伯施設管理部長 十三年度には新河岸東処理場など新規の施設が稼働いたしましたが、これによるエネルギー使用の増加及び東京港の新海面処分場の延命化に向けた汚泥焼却量の増加などにより、温室効果ガスの排出量が増加してございます。
○清水委員 そうすると、事業量としては減少するということにならないという、今の原因によるご報告だとそうなるわけですけれども、しかし、これ減少していかなければいけないということで、どのように今後この削減というのを進めていくつもりか、伺いたいと思います。
○佐伯施設管理部長 下水道局における温室効果ガス削減の取り組み状況でございますが、きめ細かな運転管理による省エネルギー対策、汚泥の高温焼却、下水熱や消化ガスの有効利用、これらを行いまして、温室効果ガスの排出の抑制に努めてまいります。
○清水委員 先ほどからの他の委員のこととも考えますと、最終処分地が延命で焼却をする、リサイクルする。しかし、リサイクルの製品も販売先が詰まっている。焼却をするとCO2が発生するということで、これはごみを燃やすのと違いますから、ごみはもとから減らそうということで、ごみは減らしていけばいいわけですけれども、下水道の問題というのは人間生活に不可欠な問題なので、これは焼却をしていかなければいけないということにはなると思うんですけれども。
これは要望ですけれども、やはり研究というんですかね、私、今の諸外国の成果とか、それから科学技術の前進などをかんがみながら、東京都が重要な研究所を持っているわけで、研究所でいろんな研究してきているのをいろいろ伺っているわけですけれども、それをやっていらっしゃると思います、下水道局でもやっていらっしゃると思うんですけれども、現実的に減らないでふえていく、これを減らさなければいけないという数値が出されたときに、やっていらっしゃると思いますけれども、そしてまた新しい世代の人がこういう研究なら自分もやってみようとか、こういう人に役立つ研究ならやってみようとか、そういう研究の枠を広げるとか、そういうことにもやはり情報を提供して、やはり都民の英知を結集して、このCO2の削減、それから先ほどあったようなリサイクルの販路の拡大とかいうことには、ぜひこれからも努力をしていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
続きまして、最後ですけれども、具体的なちょっと処理場についての二つだけのことについて伺います。
先ほども出ておりましたけれども、大田区の森ヶ崎水処理センターについて上部利用のお話が、先ほどコアジサシのお話がされておりましたけれども、NPOなどが加わって取り組んできた結果、渡り鳥のコアジサシがすみついているということで、自然の利用、自然の環境ということで、区部の方々からは大変好評を得ているというふうにも伺っていますし、放映されたのでしょうか、マスコミで報道されたというふうにも伺っておりますが、伺いたいのは、この場所の利用というのはどのような経過になっているのでしょうか。
○佐伯施設管理部長 上部利用の経過でございますが、森ヶ崎水処理センターの東系列の処理施設の上部は大田区が公園などとして整備する計画となっております。
一方、昨年六月のコアジサシの飛来を契機に地元の環境保護団体から、コアジサシ営巣地整備の要望が当局及び大田区の方に提出されました。これを受けまして、大田区と協議の結果、公園の将来計画に支障のない範囲でコアジサシの営巣地を暫定的に整備したものでございます。
○清水委員 区や区民との経過などもあるようですので、地域的な問題、自然利用、財政なども、また都民要望などあるようですので、総合的な観点から利用の方向を区と協議して進めていただきたいというふうに思います。
それから、ここの処理場の能力と処理の現状についてはどのようになっているのでしょうか。
○大矢計画調整部長 森ヶ崎水処理センターの現在の処理能力でございますが、日最大で処理能力は百五十四万立方メートルでございまして、十三年度の流入実績は百五十万立方メートルでございます。
○清水委員 以前にも大田区の都議が質問をさせていただいたことがあるんですけれども、雨量の増大で河川に汚水があふれるというようなことと、それから、ここの処理能力の問題と、それから、区民の中には、常時、処理能力に合った稼働がされているのだろうかというような疑問も出されることもあるんですね。その関係というのはどういうふうになるのでしょうか、それがおわかりになりますか。
○大矢計画調整部長 ただいまの繰り返しになる部分がございますけれども、森ヶ崎水処理センターの処理能力は、日最大で百五十四万立方メートルでございます。日平均を申し上げますと、十三年度は百十八万立方メートルでございました。晴天日の最大ということで先ほど百五十万立方メートルと申し上げました。
また、雨天時とのお話がございましたけれども、雨天時につきましては、合流式下水道方式を採用しておりまして、計画水量の二倍まで、処理場に導いて処理するということになっております。
○清水委員 自然状況などで大きな変化が出てくるのはもちろんのことですから、それが当然のことなのですけれども、その日量の処理能力と稼働実態というものを、区民の方の中からは、最大に受ける量を確保しておかなければいけないわけですけれども、こんなに大きいものが必要だろうかということも出てくることは、確かにあることだと思うんですね。ただ、たくさん降ったときに受け入れられる施設が必要じゃないかということも、これも当然のことだということでは、やはり情報の提供ですよね。きちんとした情報の区民、都民への提供というものによって、これがどのように稼働されているのか、処理されているのかということをきちんと区民、都民にわかるように、引き続き行っていただきたいというふうに思います。
最初に申し上げましたように、そうした意見などが出てくるのも、やはり一つ一つの--下水道も公共事業というわけですから、これが税金で賄われるということで、区民の方にとってみれば、自分の下水道処理料金などといろいろかんがみて、意見も出されることもあるわけで、最初に申し上げましたように、やはり必要なものについては進めていくと同時に、課題が事業としてされないということを今後も要望いたしまして、質問を終わります。
○新井委員 それでは二点質問をさせていただきます。
まず第一点目は、平成十三年度の入札契約から適用ということで、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律というものがございます。それが、中では、すべての発注者に義務づける事項として、入札契約に係る情報の公表とか施工体制の適正化等が書かれておりまして、また、発注者が取り組むべきガイドラインということで、第三者機関によるチェックとか工事の施工状況の評価、こういったものがあらわされているわけですけれども、この法律を受けまして下水道局の方ではどのような対応をされたのか、お伺いをしたいと思います。
○大矢計画調整部長 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の目的は、入札、契約の適正化の促進により公共工事に対する国民の信頼の確保及び建設業の健全な発達を図ることでございます。
そのため、当局としましては、工事現場の適正な施工体制の確保及び一括下請、いわゆる丸投げの排除を目的として、東京都下水道局工事施行適正化推進要領を昨年八月に策定して取り組んでおります。
具体な取り組みとしましては、監理技術者等の雇用及び専任の確認、工事施工中の体制及び下請状況の確認を行っております。確認の結果、一括下請等の疑いがあった場合、建設業許可行政庁へ通知することといたしております。
○新井委員 法律を受けて要領をつくられて、それに沿ってお仕事なさっているようですけれども、具体的にお伺いをいたします。
まず、公共工事における適正価格ということなんですけれども、適正価格といいましても非常に難しいということがありまして、安ければいいものではないということはもちろんなんですが、民間の取引価格と比べまして、いわゆる公共事業の価格設定が高いのではないかということをいろいろな場所で聞くわけです。
そういうことを受けましてお伺いするわけなんですけれども、下水道局の事業の単価設定、これはどんなふうにされているんでしょうか。
○大矢計画調整部長 下水道事業で使用している資材等の単価でございますけれども、国や他の部局が設定している単価を参考にしますとともに、当局独自の資材については、市場取引の実態調査を行い、適切に設定いたしております。
○新井委員 国のいわゆる標準価格というのと独自の実態調査での設定ということですけれども、地元の方でいろいろな企業の監査をなさっている方にお伺いをいたしますと、なぜ公共事業の方が民間よりも高いのかというと、国の価格基準の設定、標準価格というものの見直しが年に二、三回行われているけれども、今、デフレで非常に物価が何度も下がっておりますよね。そういう資材の価格が下がるということの中にその設定が追いついていかないのではないかということとか、あるいは、大手のゼネコンなどは大量に資材を購入するわけですから、当然安く購入ができるとかということもございまして、それで結果として公共事業の価格設定が若干高いというような傾向があるのではないか、こんなふうに伺ったわけなんです。
今、国の標準価格だけを見ているのではなくて、独自に調査もなさって価格設定をしているということですので、ぜひそういう価格調査の独自の部分を強化なさいまして、適正な価格の設定に努めていただきたいというふうに思います。
適正な価格ということでは、一番大事なのは、情報公開による透明性を図っていくということがあると思うんですけれども、建設局でお伺いしましたらば、請負契約金額とか単位当たりの施工単価というものを工事現場で公表している。もちろんホームページでも公表しているということを伺いました。下水道局の方ではどんなふうになさっているんでしょうか。
○大矢計画調整部長 当局の取り組みでございますけれども、本年十月一日以降の契約で広報板を設置する工事につきましては、請負契約金額、単位当たりの施工費、さらに国庫補助金等を明示するなど、情報開示に努めてまいります。
なお、ホームページでの公表についてでございますが、現在、本局で契約した工事について実施しております。今後は、事務所で契約する工事についても実施していく予定でございます。
○新井委員 十月一日の契約からということですので、まだ現場では多分表示がされていないのかなというふうに思うわけですけれども、ぜひこれについてはわかりやすい表示ということで進めていただきたいと思います。
建設局の方では今、ほぼ九〇%、現場で表示しているということなんですけれども、実は東京都の表示が、非常に数字が小さくて、通る方が目につかないような状況の表示ということになっているようです。宮城県では、実験なんですけれども、非常に大きな数字で、ぱっと見て平均単価がわかるというような表示の仕方をしております。そうしますと、通った方が、平均単価と請負の価格がわかるということで、市民の方にも非常にコスト感覚というものができてくるということも含めまして、価格の透明性を図っていく、こんなところが一番適正な価格というところの基本になるかというふうに思いますので、ぜひわかりやすい表示ということで今後続けていっていただきたいと思います。
それから、ホームページには本局と事務所契約、両方とも公表ということですので、こちらについても一〇〇%の表示ということで努力をしていただきたいというふうにお願いいたします。
それから、事業の適正な施工の確保ということで、今、監理技術者と監督員ということがご説明がございましたけれども、仕様書どおりに工事が行われていくのかどうか、資材も仕様書どおりの資材が使われているのかどうか、こういったことをチェックしていく責任というのはどこにあるんでしょうか。
○串山建設部長 下水道局と請負者の契約約款では、仕様書を含む設計図書に従い、請負者の責任で工事を実施することとなっております。請負者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、施工計画の作成、品質管理等技術上の管理、下請業者を含めた工事関係者の指導監督などを責任を持って行っております。
○新井委員 請負契約書の中で何か瑕疵があった場合には、それは請負側に責任があるんだということをはっきりさせているということは、これは重要なことだと思うわけですけれども、やはり監督員の役割というのは非常に大きいというふうに思うんです。今回、その監督員という現状が下水道局の中ではどんなふうになっているのかということをお聞かせいただきたいんですけれども、例えば、平成十三年度の事業の数と監督員の人数というのはどんなふうになっているでしょうか。
○串山建設部長 監督員の人数は、事業の規模や難易度を考慮して決めておりますが、平成十三年度は、四百十九件の建設工事を施工いたしまして、監督員の人数は百九十三人でございました。
○新井委員 平成十三年度の補修の内容全部、事業、大変ご苦労をおかけしたんですけれども、内容をいただきまして、本当にたくさんの工事を行っていらっしゃるなということがわかりました。監督員の方が足りないのかなということもあってお伺いしたわけなんですけれども、きちんと機能される数が確保できているのかなというふうに思います。
それで、監督員の仕事というか役割なんですけれども、こちらの請負契約書の方によりますと、監督員は主任技術者、監理技術者または専門技術者、その他東京都が工事を施工するために使用している下請人、労働者等で、工事の施工または管理につき著しく不適当と認められる者があるときには、請負側に対して、その理由を明示して必要な措置をとることを請求することができるというふうにあります。ここに書かれている監督員の役割というのはとても大きいというふうに思うんですね。
そういう意味で、人数ということはあれなんですけれども、東京都の監督員の資格といいますか、何か資格を持った方がいらっしゃるのかどうかということをお伺いしたいと思います。監理技術者については、国の資格を取らないとなれないということがありまして、請負側がそれを雇用することになっておりますね。その辺の実態はどんなふうになっているんでしょうか。
○串山建設部長 当局の監督員は、ある程度経験を積んだ職員がやることになっておりまして、特に資格というものはございません。
○新井委員 経験則によるお仕事というのは非常に大切かと思いますけれども、非常に大きな事業を持っていらして、東京都という大きい自治体のことですので、中にはやはりいろいろな資格があるというふうに伺っておりますけれども、そういった資格をお持ちの方を監督員の中に入れていくということが、今後やはり必要ではないかというふうに思います。
現状ということでお伺いをしましたけれども、そういった面についてもぜひご検討をいただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
次に、事業の評価なんですけれども、評価の結果はどんなふうに公表していらっしゃるのでしょうか。また、公表するだけではなくて、優良業者の優遇措置といいますか、優良業者を多用することで全体の工事のボトムアップを図っていくということがあるかと思うんですけれども、その辺の実情はどんなふうになっているでしょうか。
○内村経理部長 評定結果の公表についてでありますが、当局においては、東京都下水道局工事成績評定要綱に基づき工事の評価を実施しております。評価の結果は、現在のところ、工事請負会社のみに通知しておりますが、通知に際しては、評定内容や評価結果に不服がある場合の申し立て方法も説明しております。
次に、優良業者の優遇措置などについてでありますが、当局では、業界への励みとして、成績が優良な工事を施工成績優良工事として公表するとともに、工事事業者を表彰しております。
また、過去三年間の工事成績がすべて良好であった事業者につきましては、特に、工事施工成績優良業者として表彰し、優先指名等の措置を実施しております。
○新井委員 成績評定によって、公表と、それから優遇措置もつくっていらっしゃるということですので、それについては、ぜひ--優良業者ばかりを登用すればいいということではございませんけれども、全体のボトムアップを図るという意味で行っていただきたいというふうに思います。
そして、この工事評定の成績評定表なんですけれども、これはもちろん工事に係る成績評定ということしか書かれていないということですよね。この間、九月十五日なんですけれども、読売新聞に、国交省では、経営事項審査ということで、これまで売り上げ重視だったものを、経営の質を重視していくということに基準を変えていきたいというふうな方針を出したということが載っておりました。
単に売り上げを上げている会社がいいんだということではなくて、会社全体の経営の質といいますか、例えば、環境にどれだけ配慮をしているのかとか、障害を持った方をどれだけ雇用しているのかとか、男女平等施策がどの程度できているのかとか、そういった経営の質すべてを見て、その会社の成績をつけていくといいますか、そんなこともこれからは大事になってくるのではないかと思います。
これについては、下水道局だけで決めていくということではないということですので、そんなことをぜひ、こちらの方からも協議する場合にお声を上げていっていただければありがたいなというふうに思いまして、ちょっと申し上げておきます。よろしくお願いいたします。
それから、下請事業の実施の現状をどの程度把握しているのかということについてお伺いしたいんですけれども、どこの業者がどういった部分の下請をしているのか、最終工事を請け負っている業者というのがどんなところなのかということについて把握をしていらっしゃるでしょうか。
○串山建設部長 請負者が下請業者を使用する場合、建設業法及び適正化法に基づき、下請業者が行う工事の着手前に、下請契約書の写しを添付した施工体制台帳を監督員に提出しなければなりません。監督員は、この台帳により、下請業者の名称や工事内容等を確認いたしております。
○新井委員 下請業者の把握はしていらっしゃるということですが、それでは、下請価格とか下請業者への代金の支払いといった部分についてはいかがでしょうか。
○串山建設部長 監督員は、施工体制台帳によりまして、下請金額を確認いたしております。下請金額の支払いにつきましては、請負者と下請業者との当事者間の契約に関することでございまして、確認をいたしておりません。下請業者から未払いの苦情等がありました場合は、発注者といたしまして、元請業者からの事情聴取や助言を行っているところでございます。
○新井委員 施工体制台帳によって価格は確認しているけれども、その支払いについては未確認であるということですね。
それでは、最低基準賃金が守られているかどうかということのチェックについてはいかがでしょうか。
○串山建設部長 下水道工事の監督員は、工事が適正に実施されているかという視点に基づいて施工の指導監督を行っております。労務賃金の最低基準については、最低賃金法に定められており、その指導監督は労働基準監督署が行っているところでございます。
○新井委員 なかなかこちらの発注側でここまで把握をしていくということは難しいことなのかもしれませんけれども、今、いろいろな工事の現場の様子がマスコミ等で取り上げられまして、特に作業をしている労働者の方の置かれている現況というのは非常に厳しいということがいわれております。民間の工事である場合にはともかく、東京都というところが発注した工事については、できればそういった人権が無視されたような工事の現場ではなくて、きちんと胸を張って、しっかりとした工事が行われていますよということを総体的にいえるように、なかなか難しいことではありますけれども、頑張っていただきたいというふうに思います。
例えば、苦情の受けやすい環境をつくるとか、総体的にまだ、工夫をすれば、少しそういった部分を把握して現状を改善していける部分というものがあるかと思いますので、その点をお願いをしておきたいと思います。
それから、二点目の質問に移ります。
二点目は、ディスポーザーの取り扱いについてなんですけれども、最近、チラシやあるいは工事現場などで、ディスポーザーつきのマンションというのが非常にたくさん売り出されているところを見ます。
東京都では以前から、ディスポーザーの使用については極力控えるようにというふうなPRをされていたというふうに思いますけれども、ディスポーザーというのは、下水道に非常に大きな影響も与えるということで、環境上好ましくないということで指導をされているわけだと思うんですけれども、ディスポーザーの使用について、現在、東京都ではどのような対応をなさっているのか、お伺いをしたいと思います。
○谷村業務部長 東京の下水道は、生ごみの流入を考慮した施設になっておりませんので、ディスポーザーを使用いたしますと、破砕されました生ごみが下水道管内に沈殿、堆積いたしまして、詰まりの原因となります。また、下水処理場の放流水の水質低下を引き起こすことになります。さらに、大雨のとき、生ごみが大量に排出されまして、公共用水域の汚濁を引き起こすというような問題が懸念されるため、従来から使用の自粛をお願いしてきているところでございます。
最近のマンションなどでふえておりますディスポーザーは、ディスポーザー排水処理システムというものでございまして、ディスポーザーで破砕された生ごみを宅地内にある処理槽で処理した後、下水道へ排出するため、下水道に負担を与えないものとなっております。
このため当局では、こうしたディスポーザー排水処理システムにつきましては、例外的に使用を認めているところでございます。
○新井委員 単体のディスポーザーは自粛をお願いしているけれども、ディスポーザー排水処理システムというのは認められているということですけれども、このディスポーザー排水処理システムというのは、どのような経緯で認められるようになったのでしょうか。
○谷村業務部長 ディスポーザー排水処理システムにつきましては、旧建設省が、ディスポーザーによる生ごみリサイクルシステムの開発研究を進めていく中で実用化されたものでございまして、平成十年に、建築基準法に基づく配管設備として大臣の認定が行われたものでございます。
これを受けまして、当局におきましては、このディスポーザー排水処理システムにつきまして、平成十年九月から使用を認めているものでございます。
○新井委員 その認定制度は廃止されたというふうに伺っているんですけれども、現在はどうなっているんでしょうか。
○谷村業務部長 平成十二年六月に建築基準法が改正されまして、大臣が認定を行う制度は廃止されました。この廃止の後、各自治体でみずから判断する際の資料といたしまして、社団法人の日本下水道協会におきまして、平成十三年三月に、下水道のためのディスポーザー排水処理システム性能基準案を作成いたしました。この性能基準は、制度の継続性を考慮し、従来の考え方を基本としてまとめられたものでございまして、当局では、この基準に適合したシステムにつきましても同様に使用を認めているものでございます。
○新井委員 わかりました。それでは、このシステムは、現在どの程度使われているのでしょうか。
○谷村業務部長 私どもへの排水設備計画書の届け出によりますと、平成十年度から平成十三年度までに、二十三区内で合計約八千三百戸の住宅で設置されております。
○新井委員 ディスポーザー排水処理システムについても八千三百戸ということですけれども、これは多摩地域でどういうふうになっているか、把握をされていますでしょうか。
○時田管理部長 多摩の地域におきましては、ディスポーザーの公共下水道への接続に関する指導は、市町村が対応しております。しかし、当局としても、処理場を適正に管理する立場から、市町村を通じまして現状を調査した結果、約二千戸の住宅で設置されております。
○新井委員 このディスポーザーの排水処理システムなんですけれども、平成十一年ごろから急激に伸びてきておりまして、すごい勢いで設置が進んでいるようなんですね。下水道の負担がないという前提で行われておりますけれども、例えば、浄化槽のような処理装置というのは維持管理が非常に重要になっていくわけです。これが老朽化してくると大変だということもあるわけなんですけれども、この維持管理というのはどんなふうに行われているんでしょうか。
○谷村業務部長 このディスポーザー排水処理システムにつきましては、排水設備計画の届け出の際に、維持管理に関する計画書の提出を求めているところでございます。この計画の中では、専門の維持管理会社と委託契約をし、排水処理槽等の保守点検や水質検査を行い、下水道局からの要請があれば、その資料を提出することになっております。
これまで提出された資料によりますと、比較的良好な水質の水が下水道に排出されているため、適正な維持管理が行われていると判断しているところでございます。
○新井委員 今のところ適正な管理がされているということですけれども、今申し上げましたように、非常に新しくどんどんふえてきている、物すごく急激にふえてきている装置です。老朽化した場合に、非常に大きな汚染が起こってくるんじゃないかというような不安を非常に強く持っているわけなんですけれども、こういった維持管理というものを徹底していかないと、今はまだいいけれども、十年、二十年後に、気がついたら非常に水が汚染されていたということになっては困ると思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○谷村業務部長 維持管理は確かに重要でございますので、私どもは、維持管理が確実に行われますように、維持管理会社等に対しまして、保守点検や水質検査の実施とともに、使用者への周知など自己管理の徹底を指導しているところでございます。
さらに、今後は、下水道に排出されます処理水の状況を直接調査いたしまして、適正な維持管理が行われていることを確認していく予定でございます。
○新井委員 直接水質の調査をしていただくということで、これについてはぜひよろしくお願いをいたします。
今後のディスポーザーなんですけれども、例えば、マンションとか建っているところを見ますと、単体のディスポーザーなのか、あるいは排水処理のものなのかということが全く区別ができない状況で建てられています。ホームページなどで見ましても、生ごみディスポーザーということで、排水処理に問題はありませんよということを書かれているわけなんですけれども、これが単体なのか、あるいは排水処理なのかというのが全然わからない状況で書かれているんですね。
これから、排水処理システムつきのお宅に遊びにいって--私も主婦をしておりますのでわかるんですが、台所を見て、これはとても便利ねということで、じゃ売っているんだから、うちもつけましょうかというふうな形で、単体のディスポーザーが、排水処理システムに比例して同じようにふえていってしまうという危険性が非常に高いというふうに思うんですね。
現在でも、単体については登録制でも何でもございませんで、自粛ということをお願いしているわけで、東京都の方も把握をしていらっしゃらないというふうに思うんですけれども、把握をしないままに単体ディスポーザーがどんどんふえていくという事態は、絶対防がなければいけないというふうに思うわけですけれども、この点について、局はどんな姿勢をお持ちでしょうか。
○谷村業務部長 東京の下水道は、ディスポーザーの利用を想定してつくられておりませんので、排水処理システム以外の単体のディスポーザーにつきましては、都民はもとより販売店などに対しまして、使用の自粛を強化してまいりたいと考えております。
○石川委員長 この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩いたします。
午後二時五十四分休憩
午後三時開議
○石川委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
発言を願います。
○山田委員 それでは質問をさせていただきたいと思います。既に各委員の方からいろいろな角度から質問がございました。私も一部重なる部分があるかとは思いますけれども、その点についてはお許しいただきまして、ご答弁をいただきたいと思います。
下水道につきましては、この事業方針にも記載をされておりますけれども、快適な生活環境を確保する、実現をするという、都市住民にとっては大変大事な事業でありまして、どの住民も下水道については恩恵をこうむっている、都民の一番関心の高い行政課題である、私はそのように認識をいたしております。
東京都としての下水道整備につきましては、これまでの行政当局のご努力をいただきまして、区部については平成六年ですか、一〇〇%の整備率、そしてまた、多摩地域については、西多摩とか南多摩等に一部、山間地域等の事情があって整備率が低いところもありますけれども、多摩全体としますと九三%、これは平成十三年度末でありますけれども、の整備率ということであります。
快適な生活環境を確保するという下水道事業の目的でございます、それだけ、公衆衛生の確保という点につきましては、汚水対策についてはおおむね整備が達成をされつつあるのではないかな、そのように思っております。これまで長年にわたりまして下水道事業に取り組んでこられた皆様に対しては心から感謝を申し上げたいと思っております。
しかしながら、下水道事業につきましては、汚水対策と同時に、また雨水対策も大事な下水道事業ではないか、そのように思います。雨水の排除施設の整備については、区部では合流式、多摩では合流式と分流式という方式の違いがあり、あるいは、制度的にも区部と三多摩ではいろいろな違いがありまして、整備率については十分でないと思います。
都内については、雨水整備率一〇〇%ということでありますけれども、多摩地域を見てみますと、平成十三年度末では、雨水の整備率四三・二%であります。その内訳をちょっと見ますと、整備率零%から五%、つまりほとんど未着手地域が三多摩の中では十市、あるいは、五%から四三%の平均整備率の地域が十市、そしてまた、九五%、おおむね完了をしたといえる市は十市程度と、地域的に大きな格差が生じているのも事実でもございます。
そのため、雨水整備が整っていないところについては毎年浸水被害が発生をいたしまして、地域的に溢水被害が集中しているのが実態でもございます。台風時期やあるいは大雨などの天気予報があるたびに、その住民については、大変心配をしながら被害がないよう願っているというのが実態であります。
この下水道局で集計されております下水道モニターのアンケートの集計を見てみましても、都民が望む下水道に対する課題、対策について五段階選択肢の最上位に、浸水対策の強化七四%ということでありますけれども、非常に重要であるとの回答がございます。最も重要視されている課題としておるのが、この溢水対策、雨水対策ではないかと思います。
そこで質問ではございますけれども、ご案内のとおり、ことしに入りまして台風が三回来ております。多摩地域でも溢水被害が台風によりまして発生をいたしております。多摩地域の、とりわけ多摩の北東部地域につきましては、多摩川のような大きな河川がないということから、単独で雨水を排除することが難しい地域ということでありまして、こういう地域に対してはぜひ--地元市が対応するということでありますけれども、今それなりの努力をしているところでもございます。
東京都としては、多摩地域については、全国に先駆けまして流域下水道による広域的な雨水対策を実施をしていただきまして、黒目川あるいは多摩川上流域での流域下水道の雨水幹線の整備を実施していただいているわけでありますけれども、既に両流域におきます雨水幹線については整備済みのところもあるそうであります。また、一部完成をされているところ、あるいは施工済み区域内、あるいは施工を続けているというところもあるように聞いておりますけれども、暫定的に貯留対応をなされて、大きな成果が出されているということも聞き及んでいるところでもございます。
そこでお伺いいたしたいと思いますけれども、流域下水道の雨水幹線の整備状況、そして、今後の取り組みについてお答えいただければと思います。
○中村技術部長 雨水幹線の整備状況でございますが、まず黒目川流域には四本の雨水幹線がございまして、このうち、黒目川雨水幹線及び出水川雨水幹線は十三年度末に完成をいたしました。残る落合川雨水幹線、小平雨水幹線につきましては、平成十七年度末完成を目途に整備することといたしております。
次に、多摩川上流域の多摩川上流雨水幹線についてでございますが、現在、十五年度末完成を目途に残りの約二・九キロメートルを整備中でございます。なお、でき上がっている区間につきましては、暫定貯留を行っております。
○山田委員 ただいま、黒目川流域の黒目川雨水幹線あるいは出水川雨水幹線については十三年度末に完成して、その他の完成については、今鋭意努力中というご答弁をいただきました。
先般の台風において、先ほどの黒目川雨水幹線やあるいは出水川雨水幹線の整備によって、どの程度の効果があったのか、教えていただきたいと思います。
○中村技術部長 黒目川流域では、ここ数年、毎年のように床上床下浸水などの被害が発生しておりました。黒目川雨水幹線、出水川雨水幹線の完成と一部区域の雨水を取り込むことによりまして、先日の台風では、道路冠水が一部で起きましたが、家屋への直接的な被害は発生しておりません。
今後は、この幹線に各種の雨水幹線がつながりますので、さらなる効果が期待できます。
○山田委員 今、多摩川の上流雨水幹線ですか、あるいは施工中の幹線に暫定的に雨水を貯留をして、その対応を講じたということを聞いております。貯留については、実際どのように行われたのか、また効果はどうであったのかを、もう少し具体的にご説明いただければありがたいと思います。
○中村技術部長 暫定貯留の方法は、既設の都市下水路の水位が上昇し、あふれそうになった場合に幹線に取り込むことにいたしております。七月十日の台風六号到来時に、初めて雨水を貯留をいたしました。以降これまでに計五回、累計約十万立方メートルの貯留を行っております。
この暫定貯留によりまして、家屋への浸水や道路冠水などの被害を軽減することができました。八月十九日の台風十三号時の被害軽減額を試算したところ、直接的な被害だけで約五千五百万円相当となっております。
○山田委員 今、暫定的な貯留ということによって被害を最小限にとどめられたというご説明でございました。いまだ完成はしてなくても、暫定的に一部区域が完成をしているところにおいて、そのような努力をされて、溢水、浸水被害を軽減させたというその姿勢については、私は大変評価できるものであると思います。
しかしながら、幹線の整備効果を発揮するには、全線の早期完成が望まれるわけでありますし、またそれと同時に、関係市、東京都のみならず関係市の公共下水道によります雨水整備がともに一体となって進められてこそ、本当に大きな効果が発揮できると私は思うわけでもございます。
浸水被害について、早期に解消に向けて、としての当局の今後の取り組みについて改めてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○中村技術部長 雨水対策として、広域的に落合川、小平、多摩川上流の三本の雨水幹線を計画どおり完成するよう着実に整備を進めてまいります。また、お話しのとおり、雨水対策は、幹線と公共下水道の整備が一体となって本来の効果を発揮できることから、公共下水道の効率的な接続方法等につきまして、地元市に対し技術的な支援を行ってまいります。
○山田委員 先ほど質疑をさせていただいておりますけれども、雨水幹線、特に流域雨水幹線の整備を進めることによって、その効果、これまで溢水被害が起きた地域でも溢水被害が出なくなる、そういう効果が如実にあらわれたということのご説明がございました。
流域下水道については、財政的にも大変厳しい中でもありますけれども、やはり住民の生活に一番大事なといいますか、影響のある、被害を最小限に抑えるという意味からも、ぜひ創意工夫をしていただきまして雨水対策には取り組んでいただきたいと思います。
また、その雨水対策に取り組んでいく先ほどのお話、その姿勢については、これからも堅持していただき、そしてまた、下水道当局のこれまで培った技術についても、積極的に関係市についてアドバイスもしていただければと思う次第でございます。
先ほど私いただいた資料や、私自身も調べた範囲を見てみましても、多摩地域では、大雨がありますと恒常的に溢水被害が起きているという地域が必ずございます。多摩地域全体を見てみましても、広域的な雨水対策、先ほど、取り組まれている流域雨水対策もありますけれども、今後やはり必要な雨水対策、流域雨水対策事業を検討しながら、それについて取り組んでいただきたいと思いますけれども、今後の流域雨水対策に対する取り組み、それについてお答えいただきたいし、また、私の住んでおります西東京市については、流域雨水幹線の中に入っていないということもありまして、雨水整備率は二・五%という実情でもございます。毎年のように溢水被害が発生をするわけでありまして、今回の十月一日に来ました台風二十一号についても、やはり六カ所の道路の冠水被害が発生をいたしております。
これは制度的に地元市が対応するんだということになるのかもしれませんけれども、しかし、住民として見れば、当初申し上げましたように、生活が脅かされるという面もありますし、同じ都民ということからしました場合にも、やはり浸水被害、溢水対策については、東京都としてもいろいろな立場からご援助いただければと、そのように思う次第でございます。
ぜひ、下水道当局といたしまして、三多摩地域の溢水対策についてはご尽力いただきたいと思いますが、それについて、最後でございますけれども、流域下水道本部長のこれからの取り組みも含めての決意をお聞かせをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○前田流域下水道本部長 流域下水道本部では、多摩地域の下水道事業全般にわたり日ごろから関係市と連携を深めておるところでございます。
多摩地域におきまして、お話しのとおり、浸水対策は主として市町村の取り組みでございます。しかしながら、現状は、雨水排水設備が整備がおくれておりまして、地域的に浸水が常習化しております。
お話しのとおり、今後整備を進める上ではさまざまな課題があるということは承知しております。本部といたしましては、所管しております流域下水道雨水幹線の整備を促進いたしますとともに、市町村の要請にこたえ、多摩地域の雨水対策の推進に向け、技術的支援などを積極的に進めてまいります。
○樋口委員 東京は、ことしも台風の本当に当たり年で、この七月にも二回の台風が来てしまい、八月にも浸水被害があちらこちらでありました。そして、ついこの間の十月一日、そのときの台風二十一号ですか、あれでも多くの被害がありました。土や緑が少なくなってどんどん都市化が進んでいるこの東京では、雨水が地中に浸透しにくくなって、短時間に降った雨の大部分が河川や下水道に流れ込みやすくなってしまっております。
私の家のそばの神田川流域などの都市部では、下水道で流し切れなくなった雨が町にあふれてしまうという、いわゆる都市型災害、都市型水害が発生しておりまして、流域の安全性を高めることが急務となっています。都民が安心して暮らせるまちを実現するためには、下水道局が浸水対策を積極的に、効果的に行っていくことが重要だと考えております。
そこで、下水道局が取り組んでいる浸水対策に関連して質問をさせていただきたいと思います。下水道局の進めている浸水対策の内容と進捗状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。お願いします。
○串山建設部長 浸水対策についてでございますが、一時間五〇ミリの降雨に対応することを目標に、管渠やポンプ所などの施設の建設を進め、平成十三年度末までに区部の約五五%の区域について完了いたしております。
しかし、施設の整備には多くの費用と期間がかかります。そこで、早期に浸水被害を軽減するため、対象地域を重点化した雨水整備クイックプランを平成十一年度より実施しており、重点二十八地区及び小規模対応八十二カ所のすべてに着手をいたしまして、十三年度末に、重点地区は三地区、小規模対応は七十八カ所が完了いたしております。
○樋口委員 工事を着手しましたけれども完成がいつになるかわからない、そんなような状況がぜひないように、しっかりとお願いしたいと思います。
下水道管の容量不足による浸水対策には、多くの費用と期間がかかります。さきのご答弁でもありましたが、短期間で緊急的な対応を行うために、平成十一年度に雨水整備クイックプランを策定し実施しているということですけれども、たびたび浸水被害があっている中野区における具体的な対策内容、そしてその進捗状況、見通しについてお伺いをさせていただきたいと思います。
○串山建設部長 中野区内の雨水整備クイックプランは、二つの重点地区、五カ所の小規模対応を実施しております。重点地区の一つ目の江古田沼袋地区では、平成十二年度から第二妙正寺川幹線の延伸工事に着手し、平成十七年度に完成する予定でございます。二つ目の東中野中央地区では、桃園川幹線の断面を広げる工事を平成十五年度の完了を目指して実施しております。また、桃園川幹線内の水位情報を地域住民に提供するための装置を設置いたします。小規模対応の五カ所は、区と協力いたしまして、平成十二年度末までにすべて完了いたしております。
○樋口委員 東京都では、品川区に次いで、桃園川幹線の水位情報を光ファイバーを通じて区役所や地域の住民に提供し、浸水対策に役立てようとする計画が進んでおります。この事業は、区との連携のもとに進めているわけですが、下水道局と区の役割分担について、どうなっているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○串山建設部長 水位情報の提供に関する下水道局と区の役割分担についてでございますが、下水道局は、光ファイバーを利用した水位計を設置し、水防管理者である中野区に水位情報を提供いたします。一方中野区は、その水位情報に基づき水防活動を迅速、的確に実施いたします。さらに、浸水が発生しやすい塔下橋付近に、管渠内の水位が見える装置を設置し、住民に状況をお知らせいたします。
○樋口委員 水位情報表示板、要するに中野区が設置しました表示板なんですけれども、その設置をし、情報を地域の方々に提供するといわれましたけれども、光ファイバーが入っているところまでは五〇ミリ対応でありまして、その先の、今、工事をちょうどしているところなんですが、そこは三〇ミリ対応という、要するに、どっと水が入ってきたら、その先で詰まってしまう、あふれてしまうという状況下にあります。ぜひその工事、今、工事をしていますけれども、その三〇ミリ対応の場所を、おくれることなく完成を心からお願いをする次第でございます。
光ファイバーで得られます水位情報を使って、今後、これまで以上に下水道の運転管理を効率的に進めることも可能なのではないかと考えられますが、いかがなものでございましょうか。
○中里技術開発担当部長 リアルタイムに得られる幹線水位情報は、浸水対策に役立てるだけでなく、幅広く下水道施設の運転管理にも活用していく考えでございます。例えば、合流式下水道の改善におきましては、管渠内に設置した水位計から得られる水位情報に基づきまして、浸水に対する安全性を確保しながら、管渠の貯留能力を最大限に生かす形でポンプを運転するリアルタイムコントロールシステムを開発して、試運転を行っているところでございます。
今後、さらにこの幹線水位情報を利用することによりまして既存施設を最大限に活用して、下水道システム全体の信頼性、効率性の向上を目指した技術開発に取り組んでまいりたいと考えております。
○樋口委員 下水道局では、東京上空の降雨情報を東京アメッシュというんですか、東京アメッシュを持っていらっしゃいます。現在、インターネットや私の今持っておりますiモードなんかでも、そういうものを通じて情報提供をしていますけれども、そのアクセス状況はいかがでございましょうか。
○佐伯施設管理部長 当局ではこれまで、降雨情報東京アメッシュを下水道施設の効率的な運転管理に利用してまいりました。本年四月から下水道局ホームページに掲載し、お客様に情報提供を開始したところでございます。
東京アメッシュは、都内の各地域ごとに雨の範囲や強さなどをリアルタイムにきめ細かく表示しておりますので、多くのお客様に利用されております。現在までのアクセス件数は、本年四月から九月末までの六カ月間で約八十万件でございました。また、iモードにつきましては、四月から配信を開始いたしましたが、九月の一カ月間だけで四十六万件を超えるアクセスがございました。
○樋口委員 インターネットでは、たった半年の間に約八十万件のアクセスが、またiモードの方には九月の一カ月だけで四十六万件を超えるアクセスがあったとのことですけれども、もしかすると、下水道局の皆様方が朝都庁に行かれるときにアクセスするんじゃないか、また帰るときに雨が降るかどうかアクセスされるんじゃないか。それにしても大変な量です。私もちなみに、きのう、夜とても雨が降ったんですけれども、早速アクセスをしまして、どういうふうに雲の動きが変わっていくのか、それを見させていただきました。とてもおもしろく拝見させていただきまして、ついついとりこになって、お気に入りの中に入れてしまったというのが、今、私の状況であります。
ただ、このサービスから収益を上げるということも有益なんじゃないかと私は考えております。下水道局の次なる収益のあり方というもので、ぜひその辺のことを今後研究していただきたい。また、収益ということで考えるならば、下水管の中で映画を撮るとかそういったこともまた考えていただいて、それをPRして、また収益につながるような形があるんだったら、既存のものでできるんだったら、そういった考えも、方向性も持っていただけたらと願っております。
東京アメッシュの反響の大きさを見ても、都民の浸水対策の関心の高さが大変よくわかります。都民が安心して生活できるためにも、施設の整備だけではなく、きめ細やかなソフト対策にも配慮した浸水対策を進めるべきだと思います。今後の取り組みをぜひお聞かせください。
○馬場総務部長 浸水対策を効果的に進めていくためには、施設の整備だけでなくて、お客様でございます都民や地元の区などと連携をしたソフト面の対策が重要と考えております。
このため、六月を浸水対策強化月間と定めまして、区と連携をいたしまして、マンホールやますなどの施設の点検などを行いますとともに、過去に浸水被害のあった地域を戸別訪問し、都民の皆さんに協力を呼びかけるなどのキャンペーンを実施しているところでございます。
今後とも、お客様サービスの一環といたしまして、東京アメッシュや管渠内水位情報など、浸水に関するさまざまな情報を迅速に都民の方や区などに提供いたしまして、浸水への備えや水防活動に役立てていただくなど、ソフト面の施策を一層充実していきたいと考えております。
○樋口委員 今のご答弁の中で、浸水情報などを都民や水防責任者の区などに提供して、水防活動に役立つソフト対策という発言がありましたが、私の住んでいる中野区では、「中野区洪水ハザードマップ」というものができました。九月からいろいろなところで配布されております。どんなハザードマップかと申しますと、この青いところは五メートル、二階の軒下までつかる程度のところだということが克明にわかるようになっています。色分けしています。ですから、私の家は、そうだ、二メートルになるから、屋根のところに船を用意しておこう、いかだを用意しておこう、そういうふうに役立てるのかもわかりませんが、この雨というのは一一四ミリという、七十年間に一遍という、東海豪雨のときを想定してつくったマップであります。
そんなものですから、本当の私たちの生活にいかに大切なものがあるのかというようなニーズにこたえたものを、また、区とも連携しながら、提案しながら、つくっていただけたらと願っております。これも、ある種の指標となって有効なものなのかもわかりません。
ただ、例えば、建て売りで、あるときマイホームを建てました。ところが、雨が降ったら水が半地下にどっと流れてきてしまった。これって一体どこにあったんだろう、なぜこんなことが起こってしまったんだろう、でも、買ってしまった後、引っ越した後、そういうことが多々あります。私たちの実生活により密着な情報を提供していただけたらと願っております。
最後になりますけれども、中野区の平和の森公園は、二期工事分が終了いたしました。隣接道路側に下水処理場のフェンスがありまして、公園避難路をふさぐ形になっています。中野区というのは、人口密度が東京一、つまり日本一なんです。そして、道路率は、二十三区実質最低の状況にあります。いかに防災に弱いかというのがこの数値からもおわかりになるかと思いますが、そういった意味で、防災公園としての役割からも、早期に下水処理場の工事が終わり、区が公園開設ができるようにあるべきだと考えています。中野処理場の早期完成をお願いいたします。
ついては、現在進めてくださっています工事の見通しについてお尋ね申し上げます。
○串山建設部長 ただいま、工事用フェンスのある処理場の東側では高度処理施設の整備計画がございます。このうち、高度処理施設の約三分の一の覆蓋につきましては、平成十六年度完成を目途に建設を進めております。
公園としての開放につきましては、工事の進捗に合わせ、中野区と調整を図ってまいります。
○樋口委員 下水道局は、私たち都民の縁の下の力持ちだとでもいいましょうか、都民の健康や安全や安心、そういったもの、快適性はもちろんのこと、不要なものを宝物にしてしまう貴重な、貴重な、夢をもたらすような可能性の大きい局だと考えております。「-まちづくり 未来につなぐ下水道-」、今、こういうふうにこの封筒にキャッチが書かれているんですが、ぜひ私たちの血税をより有効に使っていただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○北城委員 最後でございます。下水道施設の老朽化対策と環境汚染について、大変恐縮なんですけれども、私の住んでおります荒川区に関係をする点につきまして質問させてもらいたい、こんなふうに思っております。
ただ、質問に入ります前に、私たちの荒川区は、一つの処理場と一つの浄化センターが存在をしている区であります。それがゆえに、東京都に対する思いが長年ありましたので、私見でありますけれども、申し述べておきたい、こんなふうに思っております。
大正十一年に、日本で最初の処理場が三河島処理場としまして開設をされました。今日に至ったわけであります。そしてその後、たしか昭和五十一年だと記憶をしておりますけれども、旭電化跡地に二つ目の処理場をつくる提案が荒川区に出されたわけであります。
しかしながら、当時、荒川区には二つの処理場は要らないというような反対運動が展開をされ、最終的には、三河島処理場で処理をされた二次処理水を高度処理をするというような合意が生じ、同時に、その見返りとしまして、旭電化跡地に教育文化施設等の整備を東京都が約束をしたわけであります。その結果として、東尾久浄化センターが開設をされたわけであります。
そうこうしているうちに、五年前の平成九年、二つの約束事があったにもかかわらず、東京都の財政状況の中で教育文化施設の整備が一向に進捗をしない状況の中で、東尾久浄化センターの処理方法の変更、すなわち、生下水の処理の変更の提案がなされたわけであります。
なぜ東京都は二つの約束事が守れないのだろうというような強い思いの中で今日を迎えたわけでございますけれども、このような懸案事項を解決をし--その一つの道は、私は、東京都がみずからの責任で誠意をもってテーブルに着く、すなわち、都区協議会を再開をすることであろうと思いますので、ぜひ、局長、前向きなご検討を心からお願い申し上げたい、こんなふうに思っているところでございます。
そこで質問に入ります。まず、下水道管の老朽化に伴う傷みと道路の陥没というのは恐らく相関関係にあるのじゃないかな、こんなふうに思っているところでございます。例えば二十三区内、コンクリートの法定耐用年数であります五十年以上経過をした下水道管渠が約二千キロぐらいあるのかなと思います。そしてまた、年間約千四百件ぐらいの道路陥没が生じていると私は思っております。荒川区はどのような状況になっているのか、ご説明を願いたい。
○佐伯施設管理部長 荒川区の下水道の現状でございますが、荒川区は、日本で一番古い三河島処理場の開設時から下水道を整備した区域でございます。下水道管渠延長は約二百八十八キロメートルございまして、そのうち五十年を超えた管渠は約百六十三キロメートルでございます。また、道路陥没件数は、平成十三年度には七十六件発生してございます。
○北城委員 私たちの荒川区は、約六割近くが五十年以上経過をした下水道管を持っている。すなわち、それに応じて道路の陥没も発生をしている、こんな関係があるかなと思うわけでございます。
そんなことを考え合わせますと、下水道局は、現在、老朽化が進み、道路陥没が多く発生をしている地域を優先をした対策、すなわち再構築クイックプランをもってこのような対策を進めていると思いますが、荒川区の状況はどうなのか、お聞かせを願いたい、こんなふうに思います。
○串山建設部長 道路陥没は、都民生活に直結いたします重大な問題でございますので、多発している地域につきましては、再構築クイックプランを策定し、地域を重点化して事業を実施しております。
荒川区では、西日暮里地区を重点地区として、平成十四、十五年度に三・二ヘクタールの再構築クイックプランを実施する予定でございます。
○北城委員 この件につきましては、最後にさせてもらいたいと思いますけれども、心配をすることが三つほどあるんです。
その一つは、コンクリートの法定耐用年数は五十年でありますけれども、ある専門家のお話を聞きますと、コンクリートの腐食が起きている、ですから、私たちが想像外のことが起こるんだ、こんな指摘をなさる方もおいでになります。例えば、そのメカニズムとしましてはこんなことが書かれております。腐食を引き起こすのは、家庭からの排出水中の洗剤などに含まれる硫黄と下水管の中に生息する二種類の細菌が何らかの反応を起こして腐食を起こすというようなことであります。ですから、想像外のことが起こるということもあり得ることであります。これが一つであります。
そしてもう一つ心配をしていることは、二十三区の下水道普及率一〇〇%が、恐らく今までの下水道局の至上命題なのかな、こんなふうに思い、平成六年、下水道局の努力の中で一〇〇%が達成をされたわけであります。逆にいいますと、老朽化対策というのはやはり、平成六年度以降、多くの目を向けることがその時点以降にならざるを得なかったということもいわざるを得ないのかな、こんなふうに思うわけであります。
そんなことを考え合わせますと、当然、老朽化をした、傷みが激しくなる下水道管渠が増大をしていくということは自明の理であります。これが二つ目の心配事であります。
そして、三つ目の心配事、決算額の老朽化施設の再構築に要する費用が四百六十五億、そして、平成十四年度の予算を見ましても、六百四十二億、このような額をベースにして考えますと、下水道管の老朽化対策が終着をする時点が、私たちには想像でき得ないぐらいの先の話になってくるのかなと思わざるを得ないわけであります。
その三点を勘案をしますと、やはり再構築クイックプランと同時に、中長期的視点に立った計画を立案をして、その計画に基づいた老朽対策をすべきであると私は考えますが、下水道局のご見解をお伺いをしたい、こんなふうに思います。
○大矢計画調整部長 下水道は、いっときもとめることができない施設でございます。良好な下水道サービスを提供していくために、計画的に再構築を私どもとしても推進をしております。
事業実施に当たりましては、テレビカメラなどにより管渠の老朽度を調査しまして、三河島処理区など優先度の高い地域から進めております。また、健全な管渠は極力活用するとともに、損傷の程度に応じて更生工法を活用するなど、コスト縮減に配慮した効率的な事業執行を図っているところでございます。
今後とも、厳しい財政状況にあっても、新技術の開発、導入を積極的に行い、効率的かつ計画的に再構築を推進し、下水道サービスのさらなる維持向上に努めていく考えでございます。
○北城委員 ぜひ計画的な対応をこの際お願いしておきたい、こんなふうに思っております。
続きまして、三河島処理場におきます環境対策につきまして、若干お伺いをさせてもらいたいと思います。
先ほど山田委員の方からも発言がありましたように、下水処理場というのは、都市環境を保全をする上で必要不可欠であるというような認識は、私自身も持っておるところでございます。しかしながら、施設周辺の方々の思いというのは、やはり汚水処理中の悪臭の問題であるとか、また地域のイメージを悪化させるとか、また、施設を挟んだ地域の交流が分断されるとか、いろいろな思いの中で処理場を見ているわけでございます。
そんなことを考え合わせたときに、下水道事業の一つの大きな責任は、その地域の環境をリードをする環境整備を行うことが一方の責任であると私は思いますけれども、三河島処理場に対する今までの環境対策、とりわけ緑化対策、そして、今後の対応につきまして、ご所見をお伺いをさせてもらいたいと思います。
○佐伯施設管理部長 三河島処理場におきます環境対策でございますが、三河島処理場の整備に当たりましては、自然豊かな環境整備を最も重要な課題として施設整備を行ってまいりました。
一例といたしましては、区と協力いたしまして、施設の覆蓋上部を荒川自然公園として開園しているところでございます。また、先生、先ほどご指摘になりました臭気等につきましても、計画的に臭気対策を実施しているところでございます。また、今年度は、汚泥棟であるとか、あるいは藍染ポンプ棟の脱臭工事も実施してございます。今後も着実に臭気対策を実施していく予定でございます。
また、環境対策、臭気対策を含めまして、日常の維持管理業務を通じまして、よりきめ細かな対応を今後とも展開してまいる所存でございます。
○北城委員 緑化対策につきましては、ぜひ、さらに前向きな姿勢の中で対応してもらいたい、こんなふうに思います。
ただ、臭気対策なんですけれども、この二、三年、多分、地球温暖化というような関係にもあると思いますけれども、こんなことがよく私たちの方に耳に入ってきます。季節や風向きによっては、悪臭が物すごく発生をするんだ、何とかしてもらいたいということであります。この点につきまして再度ご答弁願いたい。
○佐伯施設管理部長 臭気対策でございますが、水処理施設を覆蓋するなど、施設の脱臭設備工事等も計画的に実施してきておるところでございます。先ほど申し上げました、今年度も汚泥処理棟、藍染ポンプ所の脱臭工事を実施しております。
さらに、こういったハード的な施設であるとか設備の改善に加えまして、日常の維持管理業務を通じまして、臭気の発生場所であるとか原因であるとか、その辺を追求いたしまして、作業方法を見直すなど、きめ細かな対策を今後とも実施してまいります。
○北城委員 ぜひよろしくお願い申し上げます。
最後にさせてもらいますけれども、現在の生活の利便性を追求をする生活環境というものが、下水道管を腐食をさせたり、また、下水道施設の耐用年数を低下をさせてしまっているといっても、私は過言ではないと思っております。だからこそ、使う方も、下水道というものを自分たちのインフラとして考えて、愛着を持って理解をすることが大切なのかな、こんなふうに思うわけであります。
そうしますと、せっかく日本で最初の処理場が三河島処理場でありますから、三河島処理場を環境教育であるとか社会教育であるとか、そのような教育の場として活用をしていくことも一つの方法なのかなと思うわけでございますけれども、この点につきましてのご所見があれば、お聞かせを願いたい、こんなふうに思います。
○佐伯施設管理部長 三河島処理場は日本で初めての処理場でございます。日本の下水処理発祥の地でもございます。旧浅草系ポンプ室など歴史ある施設の保存を図りまして、環境教育や社会教育などに役立ててまいりたいと思っております。
○石川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石川委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時五十二分散会
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