公営企業会計決算特別委員会速記録第四号

平成十三年十一月十四日(水曜日)
   午後一時四分開議
 出席委員 二十二名
委員長小林 正則君
副委員長藤井  一君
副委員長土屋たかゆき君
副委員長大山  均君
理事花輪ともふみ君
理事中嶋 義雄君
理事松村 友昭君
理事野田 和男君
執印真智子君
東村 邦浩君
山加 朱美君
ともとし春久君
串田 克巳君
野島 善司君
中西 一善君
かち佳代子君
川井しげお君
鈴木 一光君
福島 寿一君
中村 明彦君
曽根はじめ君
清原錬太郎君

 欠席委員 一名

 出席説明員
衛生局局長今村 皓一君
総務部長櫻井  巖君
中央卸売市場市場長碇山 幸夫君
管理部長長尾 至浩君
港湾局局長川崎 裕康君
総務部長津島 隆一君
交通局局長寺内 広壽君
総務部長久保田経三君
水道局局長飯嶋 宣雄君
総務部長小泉 智和君
下水道局局長鈴木  宏君
経理部長今里伸一郎君

本日の会議に付した事件
 平成十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について(意見開陳)
 ・病院会計決算
 ・中央卸売市場会計決算
 ・埋立事業会計決算
 ・臨海副都心開発事業会計決算
 ・羽田沖埋立事業会計決算
 ・港湾事業会計決算
 ・交通事業会計決算
 ・高速電車事業会計決算
 ・電気事業会計決算
 ・水道事業会計決算
 ・工業用水道事業会計決算
 ・下水道事業会計決算

○小林委員長 ただいまから平成十二年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 これより決算の審査を行います。
 平成十二年度東京都公営企業各会計決算の認定についてを議題といたします。
 本決算につきましては、いずれも質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○山加委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、平成十二年度の公営企業決算について、意見の開陳を行います。
 初めに、公営企業会計の共通事項について申し上げます。
 平成十二年度は、特別会計から新たに組み替えられた港湾事業会計を含めた全十二会計の収支状況は、水道事業会計、下水道事業会計など八会計が黒字となり、高速電車事業会計、臨海副都心開発会計など四会計が赤字となっております。
 十二会計全体の累積欠損額は六千四百四十五億円で、昨年と比べ、千百二億円の増加となっております。理由は、高速電車事業会計の約七百億円などが加わったことによるものです。より一層の経営の効率化が必要であります。
 東京都は、平成十一年七月に、十二年度から十五年度の四年間での財政再建推進プランを策定しました。都財政の構造を改革して、財政再建団体への転落を回避するとともに、新たな都民ニーズに的確に対応し、強固で弾力的な財政体質の確立を目指しております。このため、さまざまな事業の見直しや、内部努力を懸命に実施しております。
 また、今回の十二年度の決算でも、一般会計からの病院会計などへの多額の補助金も支出されており、一般会計の健全化は、公営企業会計にとっても重要な課題であります。
 いうまでもなく、公営企業会計は、企業努力を通じて対価に見合った質の高いサービスを提供することが使命として求められております。市場経済の原理を生かして、創意工夫を凝らし、効率的な経営の実施に努めることは当然であります。
 今、我が国は構造改革のただ中にあります。このような時代にあっては、コストや人員の削減など、従来型の経営効率化にとどまらず、従来の施策や事業を根本から見直し、再構築していくことが重要であります。
 それでは、個別に、各会計について意見を述べたいと思います。
 まず、病院会計について申し上げます。
 都立病院は、その基本的役割である救急医療、障害者医療などの行政的医療や、がん医療、難病医療などの高度専門医療を都民に適正に提供するとともに、ターミナルケア--末期医療、周産期医療など、都民要望の強い医療にも引き続き積極的に取り組まれたい。
 都財政の厳しい状況を踏まえ、一般会計補助対象経費の見直しを行うとともに、経費の節減と収入の確保に努め、より一層の経営基盤の強化に努められたい。
 都立病院は、医療安全管理対策に万全を期すとともに、カルテなどの診療情報の提供を推進することにより、患者中心の医療の提供と患者サービスの向上に努められたい。
 都立病院は、その医療機能を生かし、地域の医療機関との連携を進め、安心のネットワーク化に積極的に寄与されたい。
 都民の命と健康を守るため、炭疽菌を初めとする感染症医療への対応に万全を期されたい。
 次に、中央卸売市場について申し上げます。
 都民に対する生鮮食料品などの円滑な流通と安定的な供給を確保するため、東京都卸売市場整備基本方針に基づき、第七次卸売市場整備計画を早急に策定されたい。
 築地市場の移転に当たっては、関係者との協議、調整に十分配慮するとともに、二十一世紀の首都圏の基幹市場としての役割を適切に担えるように努められたい。
 多摩地域の青果地方卸売市場については、東京都卸売市場整備基本方針に基づき、中核的地方卸売市場制度や施設整備事業費補助制度を活用し、支援の充実に努められたい。
 市場内の環境改善や衛生対策を一層推進するため、関係者との連携協力体制を強化し、リサイクルの推進や大気汚染など、市場の環境負荷を軽減する対策に努められたい。
 市場財政の健全な運営を確保するため、徹底した内部努力など経営の合理化に努めるとともに、効率的な資金運用や財産の有効活用など、さらなる財政基盤の強化に取り組まれたい。
 次に、埋立事業会計について申し上げます。
 東京港の埋立地は都民の貴重な財産であり、長期的な視点に立った着実な開発整備を推進するとともに、都民のニーズに対応し、海上公園やスポーツ・レクリエーション施設の充実を図り、良好な都市環境の形成に努められたい。
 特に、有明北地区の埋め立ては、豊かな水辺環境を生かした職住近接のまちづくりを目指すとともに、東京臨海地域の発展に大きく寄与する広域幹線道路の整備などに不可欠なものであり、積極的に事業を進められたい。
 また、老朽化した護岸の改修などを実施し、埋立地の防災対策に万全を期されたい。
 次に、臨海副都心開発事業について申し上げます。
 臨海副都心の開発は、東京の活力と創造力を生み出し、都民生活を支える新しいまちを創造する重要な事業であります。今後とも、東京の新たな名所として都民の間に定着しているこの地域の一層の活性化を図るとともに、新たに打ち出した売却方式などを活用し、民間企業の誘致に努めるなど、着実に開発を推進されたい。
 また、新交通「ゆりかもめ」の豊洲延伸、臨海副都心地域と都心部とを結ぶ晴海通りや環状二号線など、広域幹線道路の整備を積極的に推進されたい。
 次に、羽田沖埋立事業会計について申し上げます。
 羽田空港の沖合展開に伴う埋立造成及び用地処分は既に終了したところでありますが、引き続き、浅場造成事業の円滑な推進に努められたい。
 次に、港湾事業会計について申し上げます。
 東京港は、首都圏四千万人の生活と産業活動を支える物流拠点として、重要な社会基盤施設であります。このため、利用者ニーズに的確にこたえて施設を整備し、内外の貨物誘致などを推進するとともに、東京港の国際競争力の強化を図られたい。
 次に、交通事業会計について申し上げます。
 経営計画に定めた事業計画の着実な執行に努めるとともに、組織の簡素効率化などにより、徹底した経営の効率化を推進し、収支目標の達成に努められたい。
 バス及び路面電車の車体広告をさらに拡大し増収を図るなど、関連事業の積極的展開を図られたい。
 バス事業については、乗客潮流の変化に対応した路線の整備を図るとともに、地下鉄との乗り継ぎ案内の充実など、利便性向上のための方策を推進されたい。
 ノンステップバスや低公害型バスの導入拡大に努めるなど、福祉や環境にも配慮した先導的施策を引き続き推進されたい。
 路面電車について、利用者の利便性の向上と乗客誘致をさらに推進されたい。
 次に、高速電車事業について申し上げます。
 経営計画に定めた事業計画の着実な執行に努めるとともに、組織の簡素効率化などにより、徹底した経営の効率化を推進し、収支改善に努められたい。
 駅構内の空間を最大限に利用するなど、関連事業の積極的展開を図られたい。
 大江戸線の全線開業による都営地下鉄ネットワークを生かした、より安全、円滑な輸送サービスの提供を図られたい。
 交通バリアフリー法の趣旨を踏まえ、エレベーターなど垂直移動施設の整備、車いす対応型トイレの設置などを推進されたい。
 パスネットの普及に伴い、自動改札機を複数枚対応にすることを検討されたい。さらに、ICカードシステムの導入についても、引き続き検討されたい。
 わかりやすく、利用しやすい地下鉄運賃制度について、検討を進められたい。
 安全のための施設整備を推進するなど、安全確保に万全を期するとともに、乗客が安心して利用できるよう、適時適切な情報の提供に努められたい。
 地下鉄の安全対策や利用者利便の向上を図るための施設整備が計画的に進められるよう、国などからの助成制度の拡充に努められたい。
 地下鉄事業の資本費負担を軽減するため、今後とも、高利率の企業債の借りかえ制度の拡充を国に強く働きかけられたい。
 次に、電気事業会計について申し上げます。
 引き続き良好な経営状態となっておりますが、電気事業の規制緩和の進展を踏まえ、一層の効率的経営に努めるとともに、長期的な経営のあり方についても検討されたい。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画で予定している新規水源開発について、国などに一層の促進を要望するとともに、水源県との協力関係を深め、その推進に努められたい。
 現在及び将来にわたる安定給水を確保するため、主要施設整備事業を強力に推進するとともに、事故、震災時においても都民生活や都市計画に必要な水を確保できるよう、応急給水槽の整備や水道施設の耐震性の強化など、震災対策に万全を期されたい。
 貴重な水資源の有効活用を図るため、経年配水管の取りかえ、給水管のステンレス化などの漏水防止対策を推進し、漏水率の低減化に努められたい。
 また、都民の節水意識の高揚、大規模ビルなどに対する循環利用及び雨水利用の促進など、節水型都市づくりに努められたい。
 安全でおいしい水を供給するため、水質監視体制の充実及び浄水処理技術の向上を図るとともに、高度浄水施設の建設を積極的に推進されたい。
 また、水質基準の改定動向を踏まえ、鉛製給水管の早期解消に努められたい。
 なお、河川水質の保全について、下水道の整備促進や農薬の適正使用に関する指導の強化などを国に強く要望されたい。
 資源のリサイクルやエネルギー効率の高い水道システムを構築するなど、環境に配慮した施策への取り組みを積極的に推進されたい。
 水道フレッシュ診断を引き続き実施するとともに、窓口環境の改善や施設の開放など、都民サービスの一層の向上に努められたい。
 多摩地区水道事業のより一層の効率化と都民サービスの向上を図るため、現行の事務委託方式の見直しを推進されたい。
 金町浄水場常用発電PFIモデル事業の検証を踏まえ、朝霞浄水場及び三園浄水場における常用発電設備など整備事業へのPFI導入など、新たな経営手法を活用するとともに、水道事業経営プラン二〇〇〇にも盛り込まれた企業努力に万全を期し、事業運営の一層の効率化に努められたい。
 次に、工業用水道事業について申し上げます。
 工業用水道事業については、安定給水及び施設の安全性を確保するため、経年管の更新を初めとした諸施設の整備を進めるとともに、より一層効率的な事業運営を推進し、財政の安定化に努められたい。
 次に、下水道事業について申し上げます。
 区部における下水道普及困難地域の早期解消に努められたい。
 浸水から都民の生命と財産を守るため、浸水対策を積極的に推進するとともに、最近の局所的な集中豪雨に対処する雨水整備クイックプランを着実に実施されたい。
 老朽化施設の更新にあわせて、能力不足の解消や機能の高水準化を図るなど、再構築クイックプランを着実に実施されたい。
 公共用水域の水質を改善し、快適な水辺環境を創出するため、高度処理や合流式下水道の改善を推進するとともに、合流改善クイックプランを着実に実施されたい。
 多摩地域における下水道の普及を促進するため、流域関連公共下水道の整備と整合を図りながら、流域下水道建設事業を積極的に推進されたい。
 多摩地域の浸水被害を解消するため、市や町が行う雨水排水の施設の整備との整合を図り、必要な浸水対策を推進されたい。
 循環型社会の形成に資するため、再生水の利用、下水汚泥の資源化及び下水熱利用などの技術開発を進めるとともに、その利用の拡大に努められたい。
 下水道管渠内の光ファイバーケーブルを利用した情報通信網の構築など、下水道の多目的利用を積極的に推進されたい。
 下水道施設の周辺環境を良好に保つため、臭気、騒音などの対策に万全を期されたい。
 また、処理場の緑化の促進やバリアフリーにも配慮した施設上部の公園化など、地域住民に親しまれる施設づくりに努められたい。
 下水道施設を適正かつ効率的に維持管理するとともに、経営改善に取り組み、健全な財政基盤の確立と都民サービスの向上に努力されたい。
 以上をもちまして、私の意見開陳を終わります。

○土屋委員 私は、都議会民主党を代表して、平成十二年度公営企業会計決算について意見を申し上げます。
 初めに、公営企業会計に共通する事項について申し上げます。
 本決算年度における都政を取り巻く社会経済状況が、決して良好といえる状態ではない中にあって、それぞれの会計にかかわる事業局が都民生活の安定を第一義に、公共の福祉を拡充するという立場から、確実なる事業執行に努められてきたことには、一定の理解を示すものであります。
 しかしながら、公営企業会計全十二会計の損益状況を真摯に見るならば、確かに純損益で赤字となっているのは高速電車事業会計、臨海副都心開発事業会計、交通事業会計、電気事業会計の四会計で、他の八会計は黒字となっていますが、都民サービスの向上というファクターを加味するならば、その内実はかなり厳しいものであったと思われます。そのことは、十二会計全体の累積欠損金が約六千四百四十五億円となったことからも、推測可能であります。
 改めて申し上げるまでもなく、公営企業は一般会計以上に経済的効率が問われる事業であります。また、独立採算を旨とする企業としての経営基盤の確立が、絶えず求められております。その立場からするならば、十二年度における事業執行が、必ずしも万全ではなかったと指摘しておきたいと思います。
 公営企業における経営の効率化、合理化は永遠のテーマであると思います。利用者たる都民へのサービス向上を第一義とした企業経営に、今後とも全力で取り組まれるよう、強く要望しておきます。
 以下、それぞれの企業会計について申し上げます。
 まず、病院会計についてです。
 一、都立病院を東京ERとして整備するなど、三百六十五日二十四時間体制を推進すること。
 一、都立病院と地域の医療機関との連携を進めるとともに、地域の医師会、歯科医師会との連携をさらに充実させること。
 一、病床利用率の向上や医療資源の効率的な活用を進めるなど、病院事業の経営改善を図るとともに、今後の都立病院の整備に当たってはPFIの活用を図るなど、財政支出の削減に努めること。
 一、医療事故防止のために、インシデント・アクシデント・レポートの分析による防止対策の確立やリスクマネジャーの設置、養成に努めること。また、患者の声相談窓口の設置など、開かれた医療を推進すること。
 次に、中央卸売市場会計についてです。
 一、市場財政が厳しい中で、財政の健全化を図るため、公営企業として効率的な経営に努めるとともに、民間活力の導入も含め、一層事業の活性化に努めること。
 一、各市場の再整備に当たっては、広く英知を集め、市場の未来像をしっかり描き、着実な整備を図ること。特に、築地市場の再整備については、豊洲地区の土壌汚染の状況を踏まえ、市場関係者や地元自治体などの意見を十分踏まえること。
 一、市場内で荷物搬送を行っている小型特殊自動車の電動車への切りかえを推進するとともに、中央卸売市場から発生する生ごみのコンポスト化事業に取り組むなど、市場の環境対策を進めること。
 次に、港湾局関係の埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計、羽田沖埋立事業会計についてです。
 一、東京湾の埋立地の整備については、多くの都民が親しめる海上公園の整備やスポーツ・レクリエーション機能の充実を図るとともに、利用者サービスの向上に努め、都民要望にこたえられるよう努めること。
 一、臨海副都心地域への事業者誘致を推進するとともに、都市基盤整備については、国庫補助の導入やPFIの活用など、さまざまな工夫により財政負担の軽減を図ること。
 一、臨海副都心開発にかかわる長期収支を早期に示すとともに、包括的外部監査など外部の専門家の知恵を活用するなど、その負担が都民のものとならないようにすること。
 次に、交通事業会計及び高速電車事業会計についてです。
 一、交通局は、都民の足を確保する公共交通機関を経営する事業体としての基盤を一層強化するとともに、広く東京の公共交通政策に的確に対応できるよう、長期的視野に立った体制の整備を図ること。
 一、安全優先の運行管理を徹底し、幹部を初め職員を含む組織全体の危機管理意識の徹底を図り、報告と分析、真摯な情報開示を怠らぬこと。
 一、LRTの導入の可能性について、積極的な調査研究を進めること。
 一、CNGバスなど低公害車をさらに積極的に導入し、都市環境に配慮した事業に努めること。
 一、ノンステップバスの導入促進や地下鉄駅のエレベーター、上下エスカレーターの設置の促進など、福祉のまちづくりの視点から、輸送サービスの向上に努めること。
 次に、水道事業会計及び工業用水道事業会計についてです。
 一、限りある資源としての水や、水のサイクルの回復の観点から、節水、再利用を強化するとともに、水源自立都市に向けた施策の促進に努めること。
 一、今後とも効率性を重視した視点に立ち、多様な経営手法の一環として、事業の優位性、経済性を総合的に検討し、積極的にPFI方式の導入を図ること。
 一、水道事業経営プラン二〇〇〇に掲げた事業目標に向け着実に経営すると同時に、適正な人事の配置、人材育成を行い、都民サービスを低下させないこと。
 一、工業用水道事業についても、より一層効率的な事業経営に取り組み、事業を安定的に継続していくよう努めること。
 最後に、下水道事業会計についてです。
 一、下水道の持つ資源の有効利用の観点から、下水の再生処理水、汚泥の積極的活用等、資源化に努めること。とりわけ、汚泥資源の有効的かつ積極的活用を進めるために、都や都関連の公共施設、都が発注する公共事業等への利用促進を働きかけること。
 一、下水熱を活用した地域冷暖房事業を、事業採算性を確保しつつ積極的に進め、都市の環境負荷低減に貢献すること。
 一、下水道管渠を利用した光ファイバー通信網の整備を着実に推進し、下水道事業の効率的な運営を図るとともに、同通信網を高度情報化社会における情報通信基盤として多目的に活用できるよう、研究を進めること。
 一、多摩地域においては、地下水の涵養と水循環の回復に留意した雨水対策を、関係局や市町村と連携して総合的に検討を進めること。
 以上で、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○藤井委員 私は、都議会公明党を代表しまして、平成十二年度公営企業会計決算に対する意見の開陳を行います。
 まず、全体について申し上げます。
 公営企業会計に関連する各事業は極めて公共性が高く、都民生活に直結するものばかりであり、しかも料金を受け取ってサービスを提供する事業が大半を占め、したがって、その経営に当たっては、効率性と経営基盤の安定性が強く求められます。
 そのような要請にこたえるために、行政評価制度の活用やPFIの積極的な導入、さらに国にも働きかけて、公会計制度の抜本的見直しなどを行うことが不可欠であります。そして、時には事業そのものの中長期的展望に立って、より根源的な改革の道筋を探ることも重要になります。
 いずれにしましても、都民に十分なサービスを提供できるよう、常に改革の視点を忘れず、効率的かつ効果的な事業運営に当たられることを強く要請し、以下、各会計について申し上げます。
 初めに、病院会計について申し上げます。
 一、都立病院は、高度専門医療や行政対応が必要な医療を適正に都民に提供するとともに、都における医療の質的向上に努められたい。
 また、このような役割を果たしていくために、経営改善に向けた多様な努力を行い、安定した経営基盤を確立されたい。
 一、小児医療機関の減少を踏まえ、都立病院における小児医療の充実強化に努めるとともに、周産期医療の充実に努められたい。
 一、都立病院における救急医療体制の一層の充実強化を図るため、東京ERの整備などを進めるほか、震災対策等災害対応能力の向上に努められたい。
 一、エイズ、結核、その他の感染症について、患者が安心して適切な医療を受けられるよう、引き続き診療体制の充実に努められたい。
 一、インフォームド・コンセントの充実、患者の権利章典に基づく医療の推進、多様な医療安全対策の実施、リスクマネジャーの導入など、患者サービスの向上に向けて引き続き努力されたい。
 一、病院改革に当たっては、行政的医療、地域医療の確保、小児救急医療システムの整備充実などに十二分に配慮し、都民の安心と納得を得るよう、最大限に努力されたい。
 次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
 一、第七次卸売市場整備計画の策定に当たっては、市場を取り巻く近年の環境変化を踏まえ、今後の市場整備と市場運営の方向性を明確にするよう努められたい。
 一、築地市場については、将来とも引き続き基幹市場としての機能を発揮することができるよう、関係者の十分な理解と協力を得ながら、移転整備に向けて万全な体制で事業促進をされたい。
 一、多摩地域の円滑な青果物流を確保するため、東京都卸売市場整備基本方針を踏まえ、地方卸売市場に対する助成策を充実されたい。
 一、健全な市場財政の運営を確保するため、内部努力の徹底や一般会計との負担区分の見直しなどについて取り組むとともに、施設整備の適切な水準や多様な整備手法について検討を進められたい。
 一、市場内で発生するごみ処理について、市場関係業者と協力しながら、リサイクルやコンポスト事業の推進など、総合的な減量化、減容化に取り組まれたい。
 次に、埋立事業会計について申し上げます。
 一、東京港の埋立地の開発整備に当たっては、都市再生に寄与するよう進めるとともに、引き続き都民の要望に的確に対応して、海上公園等の整備や各種スポーツ・レクリエーション施設の拡充に努め、都民の多様な余暇活動にこたえられたい。
 一方、老朽化した護岸については改修等を実施し、埋立地の防災対策に万全を期されたい。
 また、豊かな水辺環境を生かした職住近接のまちづくりを目指す有明北地区の埋め立てについては、東京臨海地域へのアクセスを改善する広域幹線道路整備の基盤ともなるものであり、積極的に事業を進められたい。
 次に、臨海副都心開発事業会計について申し上げます。
 一、東京の活力と創造力を生み出す臨海副都心の開発は、中小企業に対する大きな生産誘発効果や雇用誘発効果をもたらし、都民生活を支える極めて意義の大きい事業である。このため、今後とも東京港臨海道路、晴海通り、環状二号線等の広域幹線道路の整備など交通アクセスの整備を推進するとともに、企業ニーズに的確に対応するなど、企業進出の可能性を高め、着実な開発を進められたい。
 また、広域防災拠点として位置づけられている有明の丘がその機能を確実に果たせるよう、地域内の都市基盤はもとより、アクセス道路などの施設を整備されたい。
 次に、羽田沖埋立事業会計について申し上げます。
 一、羽田空港の沖合展開に伴う埋立造成及び用地処分は既に終了したところであるが、引き続き浅場造成事業を着実に推進されたい。
 次に、港湾事業会計について申し上げます。
 一、東京港は、首都圏四千万人の生活と産業活動を支える重要な物流拠点であり、その国際競争力を確保するため、事業運営の効率化に努めるとともに、利用者ニーズに的確にこたえる施設整備を行い、内外の貨物誘致等を推進されたい。
 次に、交通事業会計について申し上げます。
 一、経営計画に基づく計画事業を着実に執行するとともに、組織の簡素化、経費の節減等徹底した経営の効率化を推進し、あわせて資産の有効活用やラッピング広告の拡大等による増収対策にも積極的に取り組み、収支目標の達成に努められたい。
 一、バス事業、路面電車事業については、利用者ニーズを的確に把握し、運行ダイヤの見直しや新しいサービスの提供により乗客の増加に努められたい。
 一、高齢者や身体障害者はもとより、すべての人々が利用しやすいバスとするために、ノンステップバスの導入を進められたい。
 一、排気ガス対策の一環として、引き続きCNGバスなどの低公害車両の拡充に努めるとともに、TDMで積極的役割を果たすなど、環境対策に取り組まれたい。
 一、都バスの公共交通としての機能を十分に発揮するため、バスレーンの拡大、駅ターミナルの整備及び違法駐車対策等、バス優先の走行環境の整備を推進するよう関係機関に働きかけられたい。
 次に、高速電車事業会計について申し上げます。
 一、経営計画に基づく計画事業を着実に執行するとともに、組織の簡素化、経費の節減等徹底した経営効率化を推進し、収支の改善に努められたい。
 一、大江戸線の全線開業等による地下鉄のネットワーク効果を高めるために、乗客への情報案内を一層充実させるなど、利便性の向上を図られたい。
 一、都営地下鉄の大量輸送機関としての役割を十分発揮するため、安全管理、危機管理意識の向上及び安全優先の運行管理、保守管理の徹底を図られたい。
 一、地下鉄建設については、西欧各国のように、建設費に対する国の助成措置を大幅に増額するシステムの確立を国に強く働きかけられたい。
 一、地下鉄における垂直移動施設としてエレベーターを積極的に導入する等、バリアフリー化に向けて駅施設の改善を促進されたい。
 一、地下鉄の震災対策、安全対策については、ハード、ソフト両面での適切な対策を講じて、乗客の安全確保に努められたい。
 次に、電気事業会計について申し上げます。
 一、引き続き良好な経営成績を示し、財政状況も安定しているが、今後とも経営の健全化及び効率化に、なお一層努力されたい。
 次に、水道事業会計について申し上げます。
 一、将来にわたる安定給水を確保するため、新規水源の開発促進を国などに対し引き続き強く要望するとともに、国庫補助金等の拡大導入に努力されたい。
 一、近年の水源水質の悪化にかんがみ、水道水源の水質保全対策について、国に対し強く要望されたい。
 また、水質監視体制に万全を期すとともに、浄水処理の一層の徹底に努め、都民が求めている安全でおいしい水を確保するための高度浄水施設の建設を積極的に推進されたい。
 さらに、鉛に関する国の水質基準の改定動向を踏まえ、鉛製給水管の早期解消に向け、ステンレス鋼管への取りかえを積極的に推進されたい。
 一、都民生活や都市活動を支えるため、浄水施設及び送配水施設の整備を積極的に進めるとともに、事故や震災時においても必要な水を確保できるよう、応急給水槽の建設や水道施設の耐震化等、震災対策を推進されたい。
 一、貴重な水資源の損失を防止するため、経年配水管の取りかえに引き続き取り組むとともに、漏水発見技術の研究開発に努め、漏水防止対策を積極的に推進されたい。
 一、財政の安定化を図るため、水道事業経営プラン二〇〇〇に盛り込まれた職員定数の削減や工事コストの縮減など、一層の企業努力に努めるとともに、連担建築物設計制度の活用など、新たな経営手法を積極的に導入されたい。
 一、金町浄水場常用発電PFIモデル事業の検証を踏まえ、朝霞浄水場及び三園浄水場における常用発電設備等の設置及び運営などPFIを積極的に活用するとともに、IT化を進め、事業経営の一層の効率化に努められたい。
 一、水資源の有効利用を図るため、広報による節水意識の高揚、循環利用及び雨水利用の促進など、節水諸施策を推進し、節水型都市づくりに努められたい。
 一、コージェネレーションシステム、水力発電、太陽光発電などエネルギーの有効活用を一層推進するとともに、発生土の再利用など資源リサイクルに努め、地球環境に配慮した施策を積極的に推進されたい。
 一、水道フレッシュ診断の実施や施設の開放など、都民生活に密着したサービスの推進に努められたい。
 次に、工業用水道事業会計について申し上げます。
 一、工業用水道事業会計については、安定給水及び施設の安全性を確保するため、経年管の更新など、諸施設の整備を進めるとともに、より一層効率的な事業運営を推進し、財政の安定化に努められたい。
 最後に、下水道事業会計について申し上げます。
 一、区部に残る下水道普及困難地域を早急に解消されたい。
 一、多摩地域の流域関連公共下水道の整備と整合を図りながら、流域下水道建設事業を促進されたい。
 一、浸水対策を積極的に推進するとともに、近年の局所的な集中豪雨に対処するため、新たな技術などを活用し、雨水整備クイックプランを着実に推進されたい。
 一、老朽化施設の再構築を進めるとともに、再構築クイックプランを着実に推進されたい。
 一、東京湾及び都内の河川の水質を保全するため、合流式下水道の改善及び高度処理の促進を図るとともに、合流改善クイックプランを着実に実施されたい。
 一、下水道施設の保全及び下水処理を円滑に行うため、有害物質を含む下水を排出するおそれのある事業所等に対し、除害施設の設置等の指導を強化されたい。
 一、下水汚泥の資源化技術の開発促進や有効利用の拡大を図り、汚泥の減量化、再資源化に努められたい。
 一、再生水の活用や下水の熱利用等、下水道の新たな役割に積極的に取り組まれたい。
 一、下水道管渠等に光ファイバーケーブルを敷設し、効率的な維持管理に努めるとともに、高度情報化社会に貢献する事業の展開を図られたい。
 一、下水道施設の上部を公園、スポーツ施設等として、都民に還元できるよう整備されたい。
 また、整備に当たっては、上部利用方法について地元と十分協議されたい。
 一、国庫補助金の確保や起債における政府資金枠の拡大等、財政措置を国に強く要求するとともに、経費の縮減や資産の有効活用など、企業努力を一層促進されたい。
 一、都民への説明責任を果たすとともに、都民の意見が事業に反映されるよう行政評価制度を積極的に活用されたい。
 以上で意見開陳を終わります。

○松村委員 日本共産党を代表して、二〇〇〇年度、平成十二年度公営企業会計決算について意見開陳を行います。
 国と都の財政悪化の最大の原因が、毎年、国と地方を合わせて百兆円の財政支出の中で、公共投資が五十兆円と半分を占めるなど、対米公約としてバブル当時につくられた枠組みがバブル崩壊後も固定されていることに原因があることを我が党は一貫して指摘し、この転換を主張してきました。
 ようやく公共事業の見直しが時代の流れになってきた中、公共事業の中でも財源的に大きいのが、道路や都市開発などとともに、上下水道と鉄道です。
 よって、本決算年度は、公営企業が担っている公共事業の投資のあり方が、規模、内容とも厳しく吟味したものとして実行されたものかどうか、厳しく問われた年であります。
 ところが、二〇〇〇年度を見ると、公営企業の投資的財源となる都債発行は四千七百五十四億円と、前年度並みの水準が維持されています。これは、一般会計全体の都債の発行が前年の八千五百億円から四千七百十八億円に大幅減となったのと対照的です。
 その結果、公営企業会計の借金は二〇〇〇年度末で約五兆三千七百億円で、一般会計全体の借金、七兆四千億円の七割に及んでいます。結局、公営企業が、財政再建プランや依命通達から別枠扱いになっていることが明らかとなり、このことは重大です。
 まず、水道事業においては、現実の水の使用量と需給計画には二割の開きがあるにもかかわらず、いまだ八ッ場ダムを初め、新たな水源対策に巨費を投じています。水需給計画を下方修正し、過大な公共投資はやめるべきです。
 下水道事業でも、既に区部は一〇〇%概成された中、建設投資は、事業の中身、規模など本当に必要なものに限るべきです。汐留開発を初め、都心のビル開発がメジロ押しになっている中、下水道の建設投資が大きくなれば、料金や都民の負担が増すばかりであり、再開発地域の負担は開発者に求める仕組みも当然必要です。
 雨水処理は、新たな管渠の建設に頼るのではなく、徹底的な総合治水対策に転換すべきです。
 交通事業会計は大江戸線の引き取りによって、利息を含め今後一兆円を超える建設費を返していかなければなりません。一方、乗客数は、大江戸線は計画より大きく下回っており、地下鉄全線でも乗客数は微増にとどまり、今後乗客数の拡大を図るのはもちろん、国の負担をさらに求めるなど、あらゆる工夫を行い、料金の値上げなどで都民に犠牲を押しつけぬようにするべきです。
 都民にとって最も身近なバス事業を採算面から廃止するやり方は許されません。都民の要求にこたえるとともに、自治体からのコミュニティバスなどの支援を拡充すべきです。
 中央卸売市場については、関係業界との合意はできていないにもかかわらず、移転先にありきという姿勢が厳しく問われています。都民ニーズにこたえられる今後の市場のあり方も含め、十分論議を尽くさなければなりません。
 港湾会計の三事業会計は、本決算が最後で統合されましたが、臨海副都心開発事業会計の破綻によって、都有地の無償提供も含めると、都民の財産が一兆円も飲み込まれました。しかも、会計統合により、借金と利息を消滅しても、本決算年度に見られたように、土地処分実績ゼロ、二次公募もゼロという状況では、新たな売却方式によっても見通しは全く立たず、さらに毎年約百億円の赤字が出ることも明らかになりました。改めて、臨海副都心開発は都民参加で都民の利益最優先にした根本的見直しを求めるものです。
 都立病院の統廃合や民営化を打ち出した改革会議の報告に対して、患者、住民、地元自治体や議会から厳しい批判の声が上がっています。本委員会でも大きな議論となり、道理のなさが明確になりました。
 八王子小児病院や清瀬小児病院の府中への統合や母子保健院の廃止、豊島病院と老人医療センターの統合、民営化を初め、改革会議報告は、少子高齢化対策に逆行するだけではなく、都立病院の地域医療からの撤退を推し進めるものであり、容認できません。
 荏原病院や大久保病院については、都立病院から切り離して地域病院とし、公社化、民営化するとされていますが、これらの病院が現在担っている高度専門医療は、他のセンター機能病院に移していくとの答弁がありました。これでは、荏原病院や大久保病院が今までつくり上げてきた地域医療連携の土台を掘り崩す結果になることは明らかです。
 一方で、大塚、駒込、広尾など、センター機能化される病院も、他の都立病院で分担してきた高度専門医療が集中することになり、一般診療など何らかの医療機能の縮小が避けられません。
 同時に、重大な問題は、こうした統廃合や民営化の本当のねらいは、財源対策にほかならないことです。例えば、六月十四日の第十回改革会議小委員会では、荏原病院と大久保病院の公社化により、実質的に九億円から十億円の一般会計補助金を削減できるなどの試算が事務局から明らかにされ、議論されているのであります。
 以上述べてきたように、都立病院の統合、廃止、民営化は中止し、都民、医療関係者、地元自治体などの意見を十分踏まえて、都立病院の充実のための改革こそ行うよう求めるものです。
 以下、主な項目について意見を述べます。
 一、臨海副都心開発では、破綻を取り繕う三会計統合をやめること。これ以上の税金投入を抑えるため、企業都市づくりをやめ、都民参加で根本から見直すこと。
 一、築地市場の移転問題は、関係者間での十分な議論と合意のもとで進めるべきであり、現状でも、緊急性を要する車両の改善と冷蔵庫の更新を急ぐこと。新市場建設を先行的に進める豊洲の防潮護岸はやめること。
 一、大江戸線開通に伴って廃止、短縮されたバス路線でも、必要な路線は、復活ないしミニバス配備などを検討すること。
 一、都営大江戸線のバリアフリーの促進、電動車いすの乗車用の橋渡し板を設置すること。
 一、都立病院の差額ベッド料など患者負担の軽減を図ること。
 一、都立病院の医師、看護婦などの働く条件の改善を図ること。
 一、都立病院改革会議報告に基づく統廃合、廃止、民営化はやめ、だれでも、いつでも、良質な医療を公平に受けられるよう、充実のための改革を行うこと。
 一、実態に合わない過大な水需要計画を下方修正し、巨大な経費負担と環境破壊が明らかな八ッ場ダム建設計画は見直し、中止すること。
 一、水資源の保全、循環、節水型の水計画に転換すること。
 一、大幅黒字の水道料金については値下げすること。
 一、雨水の地下浸透、貯留を基礎とするまちづくり計画、総合治水計画を積極的に進めること。クイックプランの拡大促進とともに、各戸雨水抑制利用の促進とともに、下水道料金への転化はしないこと。
 一、都民負担となる過大な建設企業債をこれ以上ふやさないこと。
 以上です。

○執印委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表して、平成十二年度の公営企業会計決算について、意見を申し上げます。
 平成十二年度公営企業会計は二兆三千二百九十一億円で、前年度対比で四・六%の減となりました。都の財政危機の中で、各公営企業とも厳しい状況に置かれています。しかし、公営企業経営の最大の問題は、都民への説明責任です。この点では、いまだ情報の公開や提供については極めて不十分といわざるを得ません。
 こうした体質に事業の効率性などを求めるため、民営化などを議論することは必然ですが、経営変革に向かうその形態だけが先行してはなりません。まず、何より情報公開、情報提供、そしてきちんとした第三者機関がチェックする事業評価、サービス評価を徹底して行うべきであり、その積み重ねの中から改革の道を探るべきであり、このことを共通の意見として強調しておきます。
 まず、全局共通事項について申し上げます。
 一、入札、契約の透明性を高めるために、各種の落札率を公表すること。
 一、電子入札制度の導入に向け、条件整備を進めること。
 それでは、各会計別に意見を申し上げます。
 まず、病院会計についてです。
 一、負担金と補助金の区分を明確にし、都民への情報公開を進めること。
 一、都立病院にあっては、地域の各医療機関との連携を深め、予防を軸とした医療のネットワーク化への寄与を進めるとともに、経営の効率化に努めること。
 一、都立病院にあっては、患者へのサービス向上を進め、インフォームド・コンセント、セコンドオピニオンなどの原則を明確にし、医療機関の情報や相談機能の充実を図り、患者の自己決定権を保障すること。
 一、都立病院の医薬分業を進めるとともに、適切な院内の薬剤管理を進めること。
 一、都立病院では、塩ビとフタル酸エステル製の医薬用具は使用しないこと。
 一、感染性医療廃棄物については、東京ルールにのっとり、最終処分までの業者、処分地の確認をすること。
 一、都立病院でのエイズに関する診療体制の整備拡充をすること。また、骨髄移植についての医療体制を拡充すること。
 一、医療機関のレベルアップや患者の自己決定に向け、都立病院独自の評価制度をつくり、情報公開をすること。
 次に、中央卸売市場会計についてです。
 一、循環型社会づくりに市場として貢献するため、生ごみコンポスト化を初め、ごみの減量、減容化、再生利用に、業界とともに一層の取り組みを進めること。
 一、流通環境の変化に対応するとともに、有機農産物等の供給を図る上での対策や取り組みをより一層進めること。
 一、築地市場整備に際しては、地元住民の意見を聞き、衛生対策、周辺環境の整備を進めること。
 次に、臨海副都心開発事業会計及び埋立事業会計についてです。
 一、臨海関係第三セクターについては、一般財源の投入をせず、都の責任は出資の範囲内とし、都民に経営状況を公開すること。
 一、広域幹線道路など交通アクセスについての整備量を減らすなど、事業計画の見直しを行い、都財政の危機的状況や他の都内道路整備との均衡を考え、将来世代への負担を残さないようにリスクを最小限に抑えること。
 次に、交通事業会計及び高速電車事業会計についてです。
 一、防災、震災対策の強化を進めること。
 一、交通局は、交通政策を独自に持ち、広く東京の公共交通政策に的確に対応できるよう、長期的視点に立った体制の整備を図ること。
 一、ハイブリッド自動車や天然ガス自動車などの低公害バスをさらに積極的に導入すること。
 一、だれもが利用しやすいバスシステムとして、アクセスしやすい小型車両の導入、バス停間隔の短距離設定や停留所の整備を図ること。
 一、ノンステップバス等の導入促進、拡大、全路線への早期配置に努め、施設設備の拡充を図ること。
 一、都営地下鉄において、ホームからの転落防止対策を進めること。
 一、男女平等の視点で子ども連れ利用者対策を進めること。
 一、バリアフリーの施設整備を早急に進め、ユニバーサルデザインへの転換を図ること。
 次に、水道事業会計についてです。
 一、限りある資源としての水や、水のサイクルの回復の観点から、節水、再利用を強化するとともに、水源自立都市に向けた施策の促進に努めること。
 一、水源地の人々や環境に著しい影響を与え、都民に多大な負担をかけるダムなど巨大施設の建設を見直し、既存の水源確保のための施策を強化すること。
 また、循環型社会づくりに向け、地下水を水道水源と位置づけ、水収支に見合う地下水の涵養のため、雨水の地下浸透を進めること。
 また、新エネルギー対策などに積極的に取り組むこと。
 一、自己水源である小河内貯水池などの水質保全対策を進めること。
 一、安全でおいしい水の確保のため、江戸川の水質改善を強化するとともに、生活排水対策を強化すること。
 一、非常時用の飲料水としても有効である地下水の活用と水質の安全確保に努めるなど、多面的な水資源確保を講じること。
 一、多摩地域の水道統合については、地元市の意向を尊重すること。
 最後に、下水道事業会計についてです。
 一、総合的治水対策を強化し、雨水流出抑制のため、雨水浸透ますの設置を進めること。
 一、資源としての水の観点から、下水の再生処理水、汚泥の積極的活用など、資源化に努めること。とりわけ、汚泥資源の有効的かつ積極的活用を進めるために、都や都関連の公共施設、都が発注する公共事業などへの利用促進を働きかけるとともに、低コスト化に努め、民間への普及を図ること。
 一、下水の高度処理を普及し、都市河川や東京湾の水質浄化に活用すること。
 また、非常時における生活雑用水としての供給、飲料水転化への必要性などを考慮し、再生処理水の水質の高度化などの技術開発、研究に努めること。
 一、事業の推進に支障を来さぬよう、国費補助率の引き上げ、補助対象事業の拡大など、財源の確保に全力を尽くすこと。
 一、下水道管渠を利用した光ファイバーやマンホールアンテナ通信システムについては、下水道事業の厳しい財政状況を認識し、諸条件の整備など、早期の実用化に向けた研究開発を着実に進めること。
 一、荒川・多摩川等流域下水道整備総合計画を再検討し、緊急性のない野川処理場及び多摩川処理分場の新設計画は抜本的に見直すこと。
 一、多摩地域の下水道についての投資は精査すること。
 以上で、生活者ネットワークの意見開陳を終わります。

○小林委員長 以上で意見開陳を終わります。
 なお、本決算の認定に付する意見案文の作成につきましては、理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、そのように決定させていただきます。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十五分散会

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