公営企業会計決算特別委員会第二分科会速記録第三号

平成十三年十月二十六日(金曜日)
   午後一時一分開議
 出席委員 十名
委員長土屋たかゆき君
副委員長中嶋 義雄君
副委員長松村 友昭君
副委員長倉林 辰雄君
ともとし春久君
野島 善司君
中西 一善君
かち佳代子君
福島 寿一君
清原錬太郎君

 欠席委員 一名

 出席説明員
下水道局局長鈴木  宏君
次長藤井 浩二君
総務部長馬場 正明君
職員部長三浦  茂君
経理部長今里伸一郎君
業務部長時田 公夫君
計画調整部長大矢 爽治君
技術開発担当部長佐伯 謹吾君
施設管理部長前田 正博君
建設部長串山宏太郎君
流域下水道本部本部長藤田 昌一君
管理部長萩原 英夫君
技術部長広瀬 達男君

本日の会議に付した事件
 平成十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  下水道局関係
  ・下水道事業会計決算(質疑)

○土屋委員長 ただいまから平成十二年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、下水道局関係の決算の審査を行います。
 これより下水道局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十二年度東京都下水道事業会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○今里経理部長 さきの分科会で要求のございました資料を平成十二年度公営企業会計決算特別委員会第二分科会要求資料として取りまとめまして、お手元に配布させていただいております。その概要につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きください。区部下水道事業における損益勘定留保資金等の推移(過去十年間)でございます。
 平成三年度から十二年度までの十年間における区部下水道事業の損益勘定留保資金、引当金及び純利益の推移をお示ししてございます。
 二ページをお願いいたします。区部下水道事業財政収支計画でございます。
 平成十年度から十二年度までの区部下水道事業財政収支計画に基づく決算額及び平成十三年度の計画額をお示ししてございます。
 三ページに移らせていただきます。大都市における資本費の汚水・雨水の費用負担区分でございます。
 下水道会計における資本費、すなわち減価償却費、起債利子等につきまして、東京都及び各政令指定都市における費用負担区分の状況をお示ししてございます。
 四ページに参ります。市町別流域下水道維持管理負担金の推移でございます。
 平成三年度から十二年度までの十年間における市町別の維持管理負担金の推移をお示ししてございます。
 五ページに参ります。主な浸水被害状況と雨水整備クイックプランの進ちょく状況でございます。
 上段の区部における主な浸水被害状況の表は、平成八年度から十二年度までの五カ年の、区部における大雨等に起因いたします主な浸水被害の発生状況をお示ししてございます。
 下段の雨水整備クイックプランの主な進ちょく状況の表は、平成十二年三月に策定いたしました雨水整備クイックプランの平成十二年度末までの進ちょく状況を記載してございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○土屋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○倉林委員 下水道事業の取り組みの中の下水処理水の水質の検査、あるいはまた下水処理場の空間活用について、二点に絞ってお聞かせいただきたいと思います。
 たしか第三定のときだったと思いますけれども、私どもの古賀議員が下水処理水の水質改善に対しまして質問しております。局長からは、今後とも下水処理水の水質改善を進め、多摩川の水環境の保全に努めていく、こういう答弁があったわけでありますけれども、先般出されました多摩の将来像、その中にも述べられておりますけれども、私も同様、豊かな自然を持つ多摩地域の発展にとって、水と緑のシンボルである多摩川の活用は大変重要である、こういう考え方に立っておりますが、そして多摩川を活用するには、まさに多摩川の水質と水辺空間の改善が当然必要である、こう思っております。
 特に、下水道局は多摩川の流域において下水道事業を行っているわけでありまして、そこで、多摩川の活用に向けた下水道局の取り組みについて、多摩川に放流される下水処理水の水質改善、さらに多摩川沿いに六カ所立地しております東京都の下水処理場の広大な空間の活用、この点について伺っていきたいと思います。
 先ほどの質疑での局長答弁では、北多摩二号、南多摩あるいは八王子処理場で、高度処理施設が一部稼働中である、こういうことですけれども、高度処理水が下水処理水全体に占める割合はどのぐらいになっているのか、そしてまた、今年度、浅川、多摩川処理場で一部稼働する、こういうことのようですけれども、この時点では、高度処理水の割合はどのくらいになっているのかをお聞かせいただきます。

○広瀬技術部長 昨年度から北多摩二号処理場で高度処理を行っており、また、今年度当初からは八王子処理場、南多摩処理場の高度処理施設の一部が稼働いたしました。これによりまして、流域下水道で処理する下水に占める高度処理水の割合は約五%という数字でございます。
 さらに、今年度末には多摩川上流処理場、浅川処理場でも一部施設の稼働予定でございます。この結果、全体処理水量の約一一%が高度処理される見込みでございます。

○倉林委員 高度処理については大変努力をされているわけでありまして、ことし一年で五%から一一%へ倍増する、こういう勢いのようであります。ぜひひとつ引き続いてお願いをしたいな、こう思うわけでありますが、一方、水質改善のもう一つの柱であります合流式下水道の改善について、多摩地域ではどのような取り組みを実施しているかについてもお伺いいたします。

○広瀬技術部長 多摩地域の場合、下水道計画区域の約四分の一が合流式下水道で整備をされております。合流方式は、雨天時に一部の下水を河川などに放流せざるを得ない、このようなシステムでございます。このため、この放流を軽減するための対策としまして、雨水の貯留施設の整備を計画的に進めておるところでございます。既に北多摩一号処理場及び北多摩二号処理場におきまして、一部稼働をしております。
 また、野川処理区では、流域下水道からの雨水はけ口対策としまして、ろ過スクリーンの設置を計画しており、今年度三カ所、来年度に六カ所、合わせまして九カ所を設置する予定であります。今後とも、合流式下水道の改善に向けて鋭意努力してまいる所存でございます。

○倉林委員 貯留施設は合流式下水道の改善の効果が大きい。もちろんそういう意味では引き続いて施設の整備をお願いするわけでありますけれども、これらの高度処理や合流式下水道などの取り組みについて、効率的な事業実施が大変大切だ、こう思います。あわせて、その取り組み状況もお伺いしておきます。

○広瀬技術部長 高度処理の導入につきましては、できる限り、新たな施設を増設するのではなく、既存の施設の更新に合わせまして高度処理化を進めております。
 また、合流式下水道の改善施設につきましては、メンテナンス面を十分に考慮した新しい構造を採用するなどしまして、効率的な事業実施に向けて取り組んでいるところでございます。

○倉林委員 ぜひとも今後も効率化に努めていただきたい、こうお願いするわけでありますけれども、もう一点の質問にかえさせていただきますけれども、先ほど申し上げましたように、都の下水処理場は、六つが多摩川沿いに位置しております。こうした処理場の空間は、多摩川の水辺を構成する大変重要な要素の一つである、こう思っておりますが、処理場の空間を、そういう意味では大いに活用していくべきである、こう思います。このような貴重な処理場の空間の活用についての取り組みも伺っておきたいと思います。

○萩原管理部長 処理場の空間の活用についてのお尋ねでございますが、当局では既に公園やスポーツ施設のためのスペースといたしまして、処理場上部の空間を地元市に開放いたしております。また、処理場を舞台にいたしまして、多摩の水環境などをテーマとしました各種イベントを開催しております。そして、処理場にお越しになる施設見学者は年間で約六千人に上っており、処理場が都民の環境学習の場となっております。
 今後は地元の皆様や小中学校、自然保護団体等と連携いたしまして、身近な生物の生息空間、いわゆるビオトープなどを整備し、多摩川の水辺環境にマッチした処理場空間の活用に取り組んでまいります。

○倉林委員 下水道局が各種のイベントを開催して積極的に水環境についての学習の場を提供している、こういうお話でありますけれども、子どもたちの環境学習の場についてはどのような工夫をしながら進めているのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

○萩原管理部長 子どもたちの環境学習の場につきましては、単に処理場への見学者を待つという姿勢ではなく、処理場の職員が積極的に地元の小学校に出向きまして、水辺環境を保全する上で下水道が果たす役割の大きさを教えるでまえ授業というものを実施いたしております。
 今申し上げましたでまえ授業は、実際の生物を使いまして、下水の処理の過程がわかる模型を教室に持ち込みまして、小学生の前で動かして見せたり、また、ジュースやみそ汁などを用いまして、水の汚れを測定する簡単な実験などを行っております。こうしたことによりまして、下水道の仕組みをわかりやすく示すなど、小学生に水環境への関心を高めてもらう工夫をいたしております。

○倉林委員 二十一世紀は環境の世紀ともいわれております。こうした取り組みは大変重要だと思いますので、ぜひ続けていただきたい、こう思います。
 多摩川の水辺環境の保全に向けて、下水処理水の水質改善や下水処理場の空間の活用など、いわゆるハード、ソフトも含めて、両面にわたりまして総合的に取り組んでいってもらいたい、こう思います。これによりまして、多摩川の活用に寄与し、自然の魅力あふれる多摩の将来像の実現に貢献するようお願いして、質問を終わらせていただきます。

○ともとし委員 それでは私の方からは、下水道事業会計決算書、この冒頭にあります総括事項の中の(2)のウの浸水対策の推進、その下段の方の文面につきまして、そしてまた、今回資料として提出されております、この五ページの主な浸水被害状況と雨水整備のクイックプランの進ちょく状況、これらを含めて質問をさせていただきたいと思っております。
 この文書の中にも、近年の局所的集中豪雨による浸水被害の状況等を踏まえて、平成十二年三月に策定した雨水整備クイックプランに基づき緊急的に雨水対策に取り組んだ、こうあります。これは今回資料として提出された過去五年間のそういう内容の状況を見れば、かなりの浸水戸数等も出ております。これはあくまでも浸水戸数でありますので、道路状況を踏まえると、かなりの被害等があったのではないのかな、こういうふうに思っております。
 そうしたことを踏まえながら何点か質問したいと思っているんですが、私は足立区の方の選出の議員の一人でありますので、そうしたところを中心にしながら質問させていただくわけですが、集中豪雨等がありますと、道路の浸水等、非常に場所が多くなってきているような気がいたします。これは都市型水害というふうにいっていいのかな、こう思うんですが、今までであれば、それこそ農地であるとか、あるいはまた緑地であったり、そういうような場所が非常に多かったために、決して浸水が進むような場所じゃないところが、新たな浸水箇所として出てきているわけなんですね。
 こういうような浸水の被害が発生しているその原因というのは何点かあるかと思うんですが、その点についてまず伺っておきたいと思います。

○前田施設管理部長 近年の浸水被害の発生原因でございますけれども、まず、現状の下水道の施設水準、これを大幅に上回ります局所的な集中豪雨が原因の一つでございます。また、先生もご指摘のとおり、都市化によりまして舗装面積が増加するなど、雨水が地中に浸透しにくくなりまして、下水道に流入する雨水が増加していることも原因の一つでございます。

○ともとし委員 何点かの原因点があるかというふうに思うんですが、その原因に対して下水道局としてはどのような対策を練られているのか、その点についてお伺いしたいと思います。

○大矢計画調整部長 浸水対策についてでございますけれども、下水道局では、一時間五〇ミリの降雨に対処するということで施設整備を行ってきております。先ほど施設管理部長がお話し申し上げましたとおり、既に下水道が整備された地域でも浸水被害が発生しておりまして、幹線管渠やポンプ所などの基幹施設の能力増強をしているところでございます。
 加えまして、浸水被害を繰り返し受けている地区、これを重点化しまして、貯留浸透及び管渠のネットワーク化などの手法も活用しまして、できるだけの対策を速やかに実施するという雨水整備クイックプランを作成して推進しているところでございます。

○ともとし委員 幹線のそうしたところの基幹施設を整備する、そういったところを主にしてプランを練られているのかなというように思うんですけれども、これはあくまでも幹線あるいはまた施設の改善の中でやられていくのかなというふうに思うんですが、よく今いわれています、ずっと前から進めているんでしょうけれども、浸透ますだとかあるいは浸透度の高い舗装等がありますね。これらについての効果というのは、この基幹施設の雨水分も含めながら、その度合いというのはどんなものなんでしょうかね。やはり施設の改善の方を重要視した方がいいのか、あるいはそういう浸透ますだとか、浸透度の高い舗装を積極的にやった方がいいのか、この辺についてちょっとお伺いしたいんです。

○大矢計画調整部長 道路の透水性舗装等について、浸水対策上の効果ということでのお尋ねかと思いますけれども、東京都としましては、総合治水対策ということで、河川と下水道の整備を基本に浸水対策を進めております。また、その中で、宅地内また道路等で貯留浸透システムをさらに補完する仕組みとして取り組む、そういう位置づけにいたしております。

○ともとし委員 要するに、施設の整備をする方がより効果が高いのか、それとも道路上の、浸透度の高いそういう舗装あるいは浸透ます等、そういう面でのことをやる方が高いのか、比率的にはどうなんでしょうか。

○大矢計画調整部長 比率の問題でございますけれども、都の総合治水対策計画では、下水道及び河川によります浸水対策というものを基本としております。そういう意味では、そちらが一番重要というふうに考えております。

○ともとし委員 そうすると、施設の整備の方が重要であると。要するに、我々素人目に考えれば、一般の道路、一般の歩道、一般のそういう浸透ますの個数、そっちの方がはるかに多いわけですよ。ですから、その整備を進めることによって、単に五〇ミリ対応だけじゃなくて、ちょっとした、それより多目なものがあったとしても、自然に浸透するようなそういう方向性を重要視した方が効果があるんじゃないかなと。あくまでも施設的なモーターのあれをふやすとか、いろいろなものをやるとかという、そっちで排水のポンプアップするとかというよりも、自然のそういう--自然の現象の中で雨が降るわけですから、今までは自然の現象の中で全部吸い込んでいったわけですよ。
 ところが、それを都市型という形の中で、要するにアスファルトにしたりコンクリートにしたりということで、それがそうじゃなくなったわけですから、できれば自然に近いような形をとってあげることがより、いってみれば地球に優しいのかなと。そんなところの中で下水道というか、そういう対策もとれるのかなというふうに思うんですが、もう一回済みません。

○大矢計画調整部長 説明がうまくなくて大変恐縮でございますけれども、基本的なことということで先ほども申し上げましたけれども、都の総合治水対策計画で、数字についてまず確認申し上げますと、現在は五〇ミリの水準を目指しておりますけれども、最終的には一〇〇ミリという大きな計画を持っておりまして、この中で、九〇ミリまでは下水道及び河川等の基本的な治水施設で達成する、残りの一〇ミリ分につきまして、先ほど申し上げました宅地及び道路等の浸透貯留施設で補完していくというふうに考えております。
 それと、この効果についてでございますけれども、宅地等ということでいきますと、それぞれ都民の方の協力が得られるかどうか、また、その協力が計画的に得られるかどうかという問題がございます。また、浸透貯留施設につきましては、維持管理がなかなか難しい。目詰まり等がございまして、効果が時間がたつにつれて劣っていく。また、さらに、宅地等であれば、個々人の方々がどれだけ管理してくださるかという点の信頼性等の問題もあるというふうに考えております。

○ともとし委員 我々素人考えで、一般道路、一般舗装のそういう中で浸透度の高い舗装に変えていくことによって、相当、いうならば土の中に吸い込んでいくんじゃないかなと、そう単純に考えていたんですけれども、目詰まりがあるということですね。その目詰まりによって、年々効果が薄くなってくると。
 これは道路の舗装の場合は、何年かの中でその舗装もかえていくという、そういうものがあるかと思うんですが、その舗装のやりかえの工事と、それから目詰まりの状況と、それはやはり舗装をやりかえる年数の方が、それはさらに遅いということですね。要するに、目詰まりの度合いの方が早いと。

○串山建設部長 浸透型の舗装でございますが、当局が一部導入いたしましたそういう浸透型舗装も含めたますの浸透とか、いろいろなものを含めた流出抑制型下水道というものを一部の地区で実施いたしておりまして、その浸透効果につきましては、目詰まり等もございますが、経年変化がたちましても、大体下水道管への流入量が通常の整備に比べまして二割程度削減が見込めるという調査結果が出ております。

○ともとし委員 浸透ますは今の内容で、そういうものかなというふうに思うんですけれども、一般道路の浸透度の高い道路舗装をやっていますよね。それも全部下水管に入るんですか。

○大矢計画調整部長 ここで最初にお断り申し上げたいと思いますけれども、道路等の舗装並びにこれの維持管理につきましては、私どもの所管でございませんので、厳密なお答えは難しいかと思います。
 先ほど串山部長がお答えいたしましたのは、道路等の舗装及び浸透トレンチとか浸透ますとか、いわゆる公共下水道の浸透施設、これらも含めました総合的な取り組みということで、その観測結果の一部ということをお答え申し上げました。
 それと、透水性舗装につきましても、おおむね一年に一遍程度は機能を回復させるための維持管理というものを行っているようでございますけれども、最終的にどの程度まで効果が期待できるかということにつきましては、先ほど、所管が違うので、私どもでちょっとお答えするのは難しいと存じます。

○ともとし委員 そうなんですよ。下水道局と建設局の所管が違うので、同じ水の問題でありながら、同じ雨の問題でありながら、所管が違うというだけで、仕事の内容の、その辺の連携がとれているかとれていないかという、その辺のことを私もちょっと知りたいなと思って、今ずっと質問をさせていただいたんです。
 仮に一般道路、一般歩道のところが浸透度の高いそういう舗装をすることによって、より水の対策ができるのであれば、これは建設局や何かとも連携をとりながら、そちらはそちらで進めていただくことによって、雨水がどれだけ抑制されるか、その辺のことも計算ができると思うんです。浸透ますは浸透ますで、これは下水道の方でやるんでしょうから、その上で浸透ますを使えばどのくらい抑制できるか。そして、そういったものを総合した上で施設の整備、モーターのアップだとかという、そっちの面でやることによって、それこそあらゆる面からこの雨水対策ができるんじゃないかな。しかしながら、縦割りという中身の中で、都民によりサービスが欠けた、そういう形になってしまうのじゃ、これはもったいないなと。
 同じ東京都の財源を使いながら、その辺の連携がどういう形であるかということで、やはり違った答えが出てしまうんじゃないかなというように思うので、その辺の道路の舗装の件と、下水道が、本来下水道局としてやるべきそういう内容との連携はどういうふうになっているか、その辺を教えていただきたいと思います。

○大矢計画調整部長 先ほどもお答え申し上げましたけれども、都の総合治水対策計画によりまして、宅地内及び道路等また公共施設における貯留浸透事業は、各局連携して促進するという取り組みになっておりまして、これが先ほど一〇〇ミリという計画に対して一〇ミリという位置づけでございまして、連携しては取り組んでおるということを改めて申し上げたいと思います。

○ともとし委員 そうすると、道路舗装や何か、そういったものに関しては一〇ミリ、残り九〇ミリはやはり強制的に放流していかなければ、一〇〇ミリ対応のそういう状況にならない、こういうふうに解釈すればよろしいんですね。いいんですね。

○大矢計画調整部長 そのとおりでございます。

○ともとし委員 所管が違いますから、これはまた建設局等の何らかのそういう面で質問をしていく内容になっていくかと思いますけれども、もし仮に十分の一等の、それだけの抑制しかできないというものであるならば、これは道路の、少なくとも舗装等については、やはりもうちょっと考えなくてはいけないものもあるのかなと。少なくとも、道路舗装をするために、浸透性の高いそういう工事をやるときには、単価も相当高いんじゃないかなというふうに思うんですよ、一般の舗装から比べてみて。それがたった一〇%ぐらいしか抑制する、そういったものがないとするならば、これは建設局の方のそれはちょっと考えてもらわなきゃいけないのかなと思いましたので、やはり施設の改善、そういうような強制的に放流していくというシステムがより高く、九〇%以上もあるというのであれば、それはそういうふうにちょっとやっていかなければいけないのかなというふうに思うんですが、もう一回、下水道局の見解を聞いておきたいと思います。

○大矢計画調整部長 浸透貯留等が、浸水対策等さまざまな効果がございますので、私どもの基幹施設の整備と連携をして、引き続き取り組んでいきたいというふうに考えております。

○ともとし委員 同じ雨水の問題でございますので、仮に所管が違うといえども、少なくとも連携のとれる内容かなというふうに思いますので、より連携を強めていただいて、こうした問題が解決できるようにご努力をお願いしたいというふうに思います。
 この雨水整備クイックプラン、これらについて今進められているというふうに聞いておりますけれども、これは今の状況の中ではどのくらい進んでいますか。

○大矢計画調整部長 雨水整備クイックプランの進ちょく状況でございますけれども、重点地区二十八カ所、小規模対応地区八十二カ所等で実施しておりまして、重点地区につきましてはすべて着手をしておりまして、十二年度末一カ所が完了しております。また、八十二カ所の小規模対応地区につきましては、現在すべて着手をしたところでございます。

○ともとし委員 ポンプを増強したり、あるいはポンプアップの改造等、いろいろと検討してやられていくのかなというふうに思うんですが、新たな技術を使ってのクイックプラン、この推進方法はいかがなものかお伺いしたいと思います。

○佐伯技術開発担当部長 新たな技術を使ってのクイックプランを進ちょくする方法はないのかということでございます。確かに先ほど来話題になっております施設づくり、あるいはそういったものに大層な事業費を投入するより、もっと技術的なところの対応がないのかという、このようなお尋ねかと思いますけれども、その一つの例といたしまして、私どもが進めておりますポンプの開発といいますか、それをちょっとご紹介させていただきたいと思います。
 通常、ポンプの排水能力であるとか地中の安全度を高めるためには、現在ある施設を大幅に改造して、それに対応するということが一般的でございますけれども、そういうことをなくして、ポンプの能力を高めて、既存の施設を生かしながらそのような目的を達成していこうというもので、私ども具体的にはポンプの羽車であるとか、そのあたりの形状を工夫することによりまして、ポンプの運転の高速化を図りまして、排水能力を高めたポンプを開発してございます。
 また、もう一つ、このごろ雨の降り方がかなり急激なものがふえてございますけれども、急激な雨水の流入に対応できるようなポンプ、これは先行待機型ポンプと我々呼んでございますけれども、そういったポンプも開発してございます。このポンプは、いうなればどのような水位でも全力で、全速力で運転できますので、雨が降ったときに、あらかじめポンプを起動させておきまして、流入してくる雨水を速やかに排除してしまおうという、そういうポンプでございます。
 このような技術を導入いたしまして、委員お尋ねのクイックプラン、そういったものを早期に事業効果を発揮するように我々努力しているところでございます。

○ともとし委員 東京はまさに日本の首都でございますので、集中豪雨等によって、その状況によって道路が寸断されたり何かするというそういう状況をなくしていかなければいけないんじゃないかな。経済的ないろいろな面を考えてみても、そうした一時間ぐらいに集中的に降った雨のために、あらゆる道路が遮断されたり何かしてしまうと、流通の面でも非常によくない結果になってしまうんじゃないかな。
 そういった面で、まさに政治、経済、文化という、首都東京にふさわしい、安全性のあるそういう状況づくりが必要かと。また、そうしたことをするために下水道局に対する期待度も非常に都民にとっては高いものがあるのではないかな。その辺の当局の考え方、決意等を聞かせていただいて、私の質問は終わりたいと思います。

○鈴木下水道局長 浸水被害から都民の生命や財産を守ることは、下水道事業に課せられた重大な使命と認識しております。このため、幹線管渠やポンプ所などの抜本的な対策に加えまして、先ほど来お話ございました雨水の貯留浸透や管渠のネットワーク化などにつきまして、こういった新たな整備手法を取り入れ、また、地域を重点化しました雨水整備クイックプランを地元区と連携しながら着実に推進してきているところでございます。
 対策を推進するに当たりましては、ポンプ排水区域や地形条件などの地域特性に十分配慮いたしまして効果的な対策を講じることで、早期に浸水被害の軽減を図り、お客様である都民が安心して暮らせる東京を実現するため、全力を尽くしてまいる所存でございます。

○かち委員 ただいまの雨水問題に関連するんですけれども、具体的に大田区内の問題を含めて質問させていただきます。
 本当に近年、都市化の進展やヒートアイランド現象に起因するともいわれている集中豪雨の被害、そして現在五〇ミリ対応で整備を進めているとおっしゃっておりますけれども、既に一〇〇ミリを超える雨が一昨年は二回、そしてことしとあるわけで、こういう大雨の後にオイルボールや魚の浮上などという珍現象も頻発しています。
 東京の下水道の雨水排水整備の現状は区部では合流式が八二%、分流式が一八%で、雨水排水施設は六割の整備率とのことです。多摩地域では合流式が二五%、分流式が七五%で、雨水排水施設は二割の整備率と聞いています。こういう中で大雨が降っても安心して生活ができる、そのためにはどうしたらいいかということで何点かお聞きしたいと思います。
 まず、下水道局の雨水対策の現況と今後の計画についてお聞きします。

○大矢計画調整部長 下水道の浸水対策の現状でございますけれども、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、一時間当たり五〇ミリの降雨に対処するということを基本としておりまして、都市化の進展が著しく、雨水流出量の増大している地区等におきまして、幹線管渠やポンプ所などの増強を進めております。進ちょく状況でございますけれども、十二年度末で、幹線管渠百十キロメートル、ポンプ所二十四カ所の整備が完了しております。
 加えまして、浸水被害を繰り返し受けている地域を重点化しまして、雨水整備クイックプランを策定して推進しているところでございます。この進ちょく状況でございますが、重点地区ですべての地区で着手しておりまして、十二年度末一地区が完了しております。
 今後でございますけれども、この計画を着実に推進してまいるという考えでございます。

○かち委員 このクイックプランは平成十二年の三月に一回目が発表されて、その後、十二月にも追加分が発表されていますけれども、こういう経過を見ると、今後も必要があれば重点地域を追加していくというお考えとしてとらえていいんでしょうか。

○大矢計画調整部長 雨水整備クイックプランの追加ということについての考えのお尋ねでございますけれども、雨水整備クイックプランは昨年策定しまして、平成十二年度の集中豪雨によりまして浸水被害が発生した地区につきまして、浸水発生の原因分析を行いまして、地域特性に合った効果的な対策をクイックプランに追加をした経緯がございます。具体的には、重点地区三地区、小規模対応地区五カ所を追加したところでございます。

○かち委員 最近の雨の降り方を見ると、いつも浸水をする地域がいつもそういう被害を受けるという状況ばかりではなくて、本当にどこに降るかわからないという、局所に集中豪雨という形があちこちで発生しているという現象があると思うんですよね。そういう意味では、そういうところを将来も含めてどういうふうに位置づけていくのか、重点化していくのかということを早急に検討していただきたいというふうに思います。
 このクイックプランは平成十一年から二十年までの十カ年計画で、総事業費が九百四十億円ということですので、年間にすると百億円足らずかなというふうに思うんですが、こういうテンポで本当に東京都民の安心を築いていくことができるのかという点では、私は非常に懸念を抱くものです。
 そして、つい最近ですけれども、大田区内でも大変な被害の寸前まで行ったという事例がありましたので、ちょっと紹介したいと思います。
 ことしの九月の台風で集中豪雨によって多摩川が増水しまして、七メートルの危険水域を超えたということで、そのために世田谷と大田区の区境を通っております、多摩川に排出する丸子川の上沼部雨水幹線計画地の水門を閉めたという経過がありました。そのために丸子川があふれ出して、結構ひざ上まで水がついたという状況がありました。
 これに対しては、大田区の土木二課や消防署の協力などによって、二十二台の消防車が出て、排水ポンプも十本以上の管を通して、二十四時間がかりでこの排水をしたためにようやく難を逃れたという経過があったんですね。(写真を示す)見にくいですけれども、このように排水管を十本、バスの通る道路を横切って多摩川に排水しなければならないということで、交通も全く一日麻痺をしてしまったという状況があったわけです。
 こういう中でこの地域はどういうふうになっているのかといいますと、田園調布地域は分流式で雨水管の整備を進めているところですけれども、この地域は上沼部幹線が未整備のために、雨水管の整備もまだ未着手の状況です。特に丸子川と多摩川に挟まれたこの地域は地形的にも低くて、大雨が降るたびに水害の危機にさらされている、こういう状況にあるわけです。
 上沼部雨水幹線を早期に整備すべきだと考えますけれども、速やかな雨水管の整備を求める意見書というものも区議会からも出ていますし、地元自治会からも要請が上がっているというふうに聞いております。当局としてはどのようにこれを受けとめているのかお聞きします。

○大矢計画調整部長 大田区の地元区議会から意見書が提出されておりまして、先週、十月十九日に受理をいたしております。内容としましては、上沼部雨水幹線の早期整備及び幹線完成後の速やかな雨水管の整備について要望するという内容でございます。
 どのようにこの要望を受けとめているかというお話でございますが、区部における浸水対策につきましては、被害の規模、頻度によりまして、区部全体の優先度を判断しながら、効率的に早期に実施しているところでございます。

○かち委員 もしこの幹線を整備するとしたら、どのぐらいの経費と期間がかかるんでしょうか。

○串山建設部長 幹線整備費用と期間についてでございますが、これまで上沼部雨水幹線につきましては、具体的な整備手法を検討してまいりませんでした。このため、整備期間と費用につきましては算出いたしておりません。

○かち委員 この地域の洪水が起きたという経過は十七年前に一回、それと今回ということで、頻度としては確かに少ないんですけれども、最近の雨の降り方、そして多摩川の増水傾向なども踏まえまして、ぜひ検討していただきたいと思うんですが、すぐに対応は難しいということであれば、何らかの暫定措置というものはとれないものでしょうか。

○串山建設部長 暫定的にでも対応を講ずべきではないかというご意見でございますが、下水道局といたしましては、大田区議会からの意見書を受け取ったばかりでございまして、今後、意見書の内容をよく検討してまいりたいと思います。

○かち委員 ぜひ早急に検討していただきたいと思うんですけれども、この多摩川べりにあります建設省の河川管理課の記録によりますと、多摩川の危険水域以上に上がったものが、昭和四十九年、五十七年、平成三年、十一年、そしてことしの十三年ということで数年に一回、最近は短くなっているという事実経過もあります。
 五〇ミリ以上、一〇〇ミリを超える降雨もふえている状況の中だけに、関係住民の不安が募っているわけです。そういう中では、従来の考え方に加えて、こういう新たな地域についても、ぜひ検討の対象としてとらえ直していただきたいということを強く要望しておきます。
 もう一つの問題は、雨の日に合流式下水管から放流される汚水について、公共水面が著しく汚染されているという問題です。
 ことし八月二十四日、国土交通省が、合流式下水道改善対策検討委員会というところにおいて、全国の十三都市において行った下水道施設の雨天時放流水の調査結果を公表しました。都内では箱崎ポンプ所の雨天時放流水について調査が行われて、その結果は、浮遊物質が最大で一リットル当たり五〇〇ミリグラム、大腸菌群数は千から一万個・パー・ミリリットル、最大で一万個を超えていたというショッキングな事実が出ております。
 この間、テレビでも特集をやっておりましたけれども、最近、東京湾の海域がふん便性大腸菌で非常に汚れている、通常の数百倍から数千倍になるということを取り上げていました。
 雨天後の海域、公共水面の汚染は、感染症や健康への影響など、問題は大変大きいと思います。下水道局として、これらの改善策にどのように取り組まれているのでしょうか。

○大矢計画調整部長 合流式下水道の改善についてのお尋ねでございますけれども、合流式下水道は汚水と雨水を一緒に集める方式でございまして、雨天時に一部の下水を河川等に放流せざるを得ないという仕組みになっております。
 合流式下水道の改善の取り組みとしては、この放流を軽減するために、幹線管渠の増強や貯留施設の整備を行っているところでございます。

○かち委員 十二年度までの実績というのはどうでしょうか。

○大矢計画調整部長 十二年度までの実績ということでございますけれども、平成十二年度末で、幹線管渠で百三十七キロ、貯留施設で四十一万立方メートルが完成しております。

○かち委員 合流式クイックプランというのも、平成十二年から十六年の五年間で事業費が二百八十億円ということですけれども、この合流式の放流によって海が大変汚れるという現実を私も知ったわけですけれども、多摩川の河口付近に、支流になって、もう海とほとんど同じところになるんですけれども、ちょうど羽田空港との境のところに海老取川というのがありまして、そこには羽田ポンプ所がありまして、雨水の放流口があります。そこが八月十一日、ちょうど大雨の降った翌日なんですけれども、その海の実態というのがあるんですが、これは浮遊物質なんですけれども、これはふん便も一緒にまじっているという状況です。この下には魚が浮いてしまった、こういう状況で、これは南部事務所が撮っていただいた写真なんですけれども、まさに魚が浮いている、これが東京湾の玄関といわれる空港のすぐそばの海の状況なんですね。
 こういうことがなぜ起きているのか、また、このときの事実経過は局として把握しているのでしょうか。

○前田施設管理部長 羽田ポンプ所の関連でございますけれども、雨天時にスクリーン等で取り切れなかったごみなどが、恐らく海老取川に放流されたものと承知しております。

○かち委員 魚の浮いた原因はどういうふうに考えているのか。

○前田施設管理部長 魚の浮上の原因としては、ポンプ所から雨水の放流の際に、海老取川に堆積しましたヘドロが巻き上げられまして、恐らく酸素不足によって起こったものと推定しております。

○かち委員 放流してごみが取り切れなかったからだろうというんですけれども、ここにオイルフェンスというのがあるんですけれども、どっと放流したら、こんなごみなんかは取り切れないのは当然だと思うんですね。ごみならばまだしも、ふん便そのものが海にあふれるという、こういう事態はやはりゆゆしきことだと思うんです。合流式下水道の改善策として、羽田ポンプ所に対しての改善策というのは何か実施しているのでしょうか。また、今後の対応はどういうふうに考えているのか、お聞きします。

○串山建設部長 羽田ポンプ所での改善策でございますが、これまでも、ポンプ所放流口へのオイルフェンスの設置、雨水沈砂池の清掃などの対策を行ってまいりました。また、基本的な合流式下水道の改善策といたしまして、羽田ポンプ所の流域の一部を東糀谷ポンプ所に切りかえる工事を進めております。これによりまして、羽田ポンプ所からの放流量や放流回数などが減少いたします。
 今後も、合流改善クイックプランとして、オイルフェンスの改良やスクリーンの改造を行うことにより、ごみなどの流出抑制に努めてまいります。

○かち委員 オイルフェンスの改良というのは、網の長さを長くしたり目を細かくしたりということのようですけれども、その目がすぐ詰まってしまったりとか、そういう点では本当に効果があるのかなという疑問があるわけですけれども、たとえそのごみを取ったとしても、まだ処理されていない汚水が出てくるわけですから、海の水質そのものは、私は大して改善しないだろうと思うんですね。
 東糀谷ポンプ所が、今度大きく設置されましたので、そちらの方に何割かは行くだろうという話ですけれども、本質的な水質の改善という点では、今の改善では、私はとても効果を期待することはできないんじゃないかと思うんです。
 先ほど、海の日の--ヘドロが巻き上がって魚が酸欠で浮いてしまったという状況が説明されましたけれども、そういう状況というのは、魚もすめない海をそのままに放置しておくわけにいかないわけですから、やはりしゅんせつなどして、そこの海をきれいにする必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点については、下水道局としてはどのように考えていますか。

○前田施設管理部長 しゅんせつなど港湾区域などの維持管理につきましては、公有水面管理者が所管することになっておりますので、役割分担を踏まえまして適切に対応していきたいと思っております。
 下水道局といたしましては、先ほど建設部長がお答えしましたとおり、これまで進めてきました東糀谷ポンプ所への一部流域の変更や、オイルフェンスの改良、スクリーンの改造など、合流式下水道の改善対策を着実に進めてまいりたいと考えております。

○かち委員 先ほどもいわれていましたけれども、縦割り行政の弊害というふうに非常に思うんですよね。出すのはうちですよ、管理するのは港湾局でということでは解決しないと思うんですよ。本当に海や環境をきれいにしていくために、国土交通省もその調査結果を踏まえて積極的に取り組むということで、それにこたえて東京都もやるということなんですが、こういうことに関係する各局というのは、都市計画局、環境局、衛生局、建設局、港湾局、下水道局、六局がかかわっているわけですよね。こういうところが、本当にどうしたら海をきれいにすることができるのか、そして下水、雨水対策を進めることができるのかというのは、末端の排出部分だけではなくて、いかに雨水を少なくするかということについても本当に真剣に取り組まなければならない課題だというふうに思っております。ぜひ六局の協議会というもので、具体的に進めていただきたいというふうに思います。
 都市化が進む中で、雨水対策は深刻な都市問題となってきています。根本解決のためには、末端の排出対策だけでは到底解決できないのも事実ですけれども、総合治水対策における雨水流出抑制施設の整備の促進や、各戸貯留施設、浸透施設等、事業の促進などを含め、下水道事業のあり方として、環境面からも、経済的効率の上からも、流域下水道一辺倒という考え方を根本から見直して、総合的に検討していただくことを強く求めて、質問を終わります。

○野島委員 何点か質問をいたします。
 汚水もあれば雨水もある、区部もあれば三多摩もある、こういうことでございますが、全体を俯瞰して質問というほどの分析力もありませんので、極めてドメスチックな話題で恐縮でありますが、黒目川雨水幹線を中心とした件について、それから、あと一つは汚水の関係で、流入汚水のチェック、こんなことについて、二点にわたってお伺いしたいと思います。
 汚水の方は、実は私どもの方は、東久留米市というところがあるんですが、かつて単独だったんですが、流域に切りかえをさせてもらいました。かつて内需拡大の流れに乗りまして、それから、当時、生活空間倍増計画というのを政府が打ち出しました。内閣がしょっちゅうかわっておりますから、何の内閣だったか、ちょっと記憶がありませんですが、そんなことで、大体私どもの方も、かつての清流が戻ったりして、大変感謝を申し上げております。
 そうしますと、今度は、汚水の方が先行ですから、これが大体めどついたということで、実は私どもの方は、昭和六十三年だというふうに記憶をしておりますけれども、小平、東村山、こんなところと、黒目川流域公共下水道の雨水整備促進協議会、こんなことを発足させまして、東京都に対して、雨水排除のいわゆる流域での処理をお願いしてきた、こんなことを記憶しております。当時、執行の側にあった立場として、今日までの当局のご努力に心から敬意を表したいというふうに思ってございます。
 そこで、実は私ども、今市内を歩きますと、時節柄、この間の大雨のときにあそこがあふれた、あそこが飲み切れない、早く何とかしてくれ、こういう希望が多いわけであります。
 また一方、私ども--先ほど地下浸透の話もありました。全体として、雨水総量の一割程度は地下浸透にして、それで処理して、しかし九〇%は、いわゆるこういう排除計画の中でやっていかなきゃいけないというふうなことだろうと思っております。
 それと同時に、いろいろ雨水が溢水してくるといいましょうか、道路冠水も含めて、思うに当然のことながら、先ほど議論にありました都市化の進展、とりわけ、いわばコンクリ、アスファルト、こういうことで固めていきますし、流出係数は恐らく、あがきを持って見ているにせよ、三多摩、特に私どもの場合には、開発行為が大体百十平米切るんですね。百十平米切りますから、その上に四〇、八〇なり五〇、一〇〇の家を乗せていけば、とてもとてもそこの中で浸透処理をさせましょうというのは、先ほど部長もお答えになったけれども、地域の人はわかっていながら、実態としてはなかなか進まない、こういう点もあるわけですね。
 それから、あと一つは、実はこれは直接の局じゃないんですが、実は下水道計画を進めることによって道路整備も進みます、こういうケースもあるんですね。余計なことをしゃべっている時間ないですから--所沢街道というのがありまして、そこを何とか、歩道を整備してくれというのをずっとやっているんです。東京都の方も、建設局所管ですが、こういうふうに買い取ってくれているんですね。これが計画的に進まないんですよ。それは結局、そこを買って道路整備をしても、雨水の飲み場所がありませんよ、こういうことなんですね。
 したがって、総括的にいえば、こういう雨水処理施設をしっかり流域でやっていただいて、そういうものにも波及をしていく、こういう効果だろうと思いますし、そういう意味では、大変市民といいましょうか都民の期待も高いですし、九月の何日か失念しておりますけれども、うちの方で下水道デーか何かあって、市民対象に、施設は今こんな状態になっています、こういうことを理解いただくようなイベントもやっていただいたというふうに伺っておりまして、大変好評のうちに実施されたということも伺っております。
 そこで、黒目川の雨水幹線がどんな事情なのかな、流域下水道ということで、平成十三年四月現在ということでこれをちょうだいいたしましたけれども、着手したのが平成六年三月ぐらいだというふうに記憶しておりますので、もう七年有余になるわけでありますけれども、どんな状態になっているのかなと。
 市としても、白山調整池というのがありまして、あれはすぐぱんぱんになっちゃうんですね、ちょっと降ると。そんなことで、いろいろ対応はしているんですけれども、やはり最後は雨水排除を流域としてしっかりやっていただくということが、大変市民の皆さんあるいは都民--あるいはじゃないですね、市民であり都民の皆さんの要望として強いんですが、その黒目川幹線の進ちょく状況、そんなところについて、まず一点お伺いをさせていただきたいと思います。

○広瀬技術部長 黒目川流域における雨水幹線ですけれども、黒目川、出水川、落合川、小平という四本の雨水幹線計画がありまして、全体の延長は約八キロメートルでございます。このうち黒目川雨水幹線及び出水川雨水幹線は、延長は約五キロメートルありますが、その大部分が完成しておりまして、現在、残された区間の整備を鋭意進めまして、今年度末には完成する予定でございます。また、落合川雨水幹線につきましては、今年度着工に向けて準備中でございます。小平幹線につきましても、落合川雨水幹線の進みぐあいに合わせまして、できるだけ早期の着工に向けて努力をしているところでございます。

○野島委員 ありがとうございました。
 黒目川、それから出水川、そういったので、八キロのうち五キロが大体年度いっぱい、こういうことです。オレンジのところで落合川があるわけでありますけれども、莫大な財源も要しますから、計画的に進めていただきたいということを要望しておきます。
 次に、物ができますと、ぜひそういうものを積極的に使って何らかの対応が保てないだろうか、こういうことになるかと思いますね。でき上がった部分、当然雨水ですから、全体として最後はどこかに持っていくわけですけれども、聞くところによりますと、黒目川幹線も何かトラックが入れるぐらいのでかい内径の雨水管というふうに伺っていまして、そうすると、先ほど申し上げましたように、実は私どもの方も、恐らく計画時点よりも流出係数が上がっているという経過もあると思うんですね、もちろん今の白山調整池、私ども東久留米市にあるものが。
 だけれども、流出係数が上がっているからということもあるんですが、その辺で、でき上がった部分に--環七なんかですと、何か貯留するためのばかでかい管が入っているというふうに伺っているんですね。貯留して、なおかつ調整して出していくということなんでしょうけれども、そういうことを流域の中でも黒目川あたりでも取り組めるのかどうか。それに取り組むことによって、せっかくつくった資産ですから、全体完成前に最有効利用、こういう形になろうかと思いますので、その辺が可能なのか不可能なのか。あるいは利用されているとすれば、現実にどんな状態で、その辺の実態についてお尋ねを申し上げたいと思います。

○広瀬技術部長 黒目川雨水幹線と出水川雨水幹線は、先ほど申し上げましたように、一部区間が完成し、雨水を暫定的に貯留させることが可能となりました。このため、東久留米市と連携を図りまして、お話がありました白山調整池、これがあふれそうな場合には、調整池内にたまった雨水を暫定的に雨水幹線に貯留させるための設備を準備いたしました。大雨による浸水被害の軽減をそのことによって図るという努力をしております。
 今後とも、大雨に備えまして、暫定貯留の対応などをとりながら、幹線管渠の整備を進めてまいりたいと考えております。

○野島委員 わかりました。
 暫定貯留の関係は、どのくらいの貯留量が可能なのか、あるいは何ミリ降って、何時間でそれは排除できるけれども、それ以上になるとそこを使うのか、こんなところもあろうかと思いますが、細かい話はまたほかの場所で教えてもらえば結構でございます。
 あと、そういったふうなことは、もちろんここの黒目川だけじゃなくて、ほかのところでも取り組んでいると思いますので、それは、きょうは私は極めてドメスチックな話題ですから、それは恐らく、そういう考え方であれば、ほかでも取り組んでいるんであろうというふうに推測して、暫定貯留の関係につきましては質問を終わりたいと思っています。
 次に、先ほどお話ししたように、落合川の整備がこれは残っているわけですね。黒目川、出水川については進ちょくしたというふうに伺っています。落合川というのは、実は極めて湧水の豊富なところなんですね。湧水をどうするかというのはこっちの議論に置きまして、しかし、さっき申し上げたように、全体の九〇%程度は強制排除で、いわゆる流域雨水でやっていかなきゃいけない、こういう前提でお話を申し上げているわけですけれども、落合川の整備は大体どんな状態の中で--一刻も早く、あるいはなるべく早く着手したいというのが当然下水道局の考え方だと思うんですが、どんな形でいつの時点、あるいはこういったふうな整備手法をもってというようなところがございましたら、ひとつご教示をいただきたいと思います。

○広瀬技術部長 落合川雨水幹線の整備に当たりましては、先ほど局長答弁の中にも出てまいりましたが、貯留とネットワークという新たな方式で整備を進めたいというふうに考えております。
 この方式は、別々の幹線管渠を相互に連結しまして、全体の完成前であっても、雨水を貯留あるいは排除できるシステムでございます。このような方式を取り入れることによりまして、より効率的、効果的な整備を図ってまいりたいと考えております。

○野島委員 私から申すまでもなく、ある種の静脈の部分ですね。水道を動脈とすれば、汚水は静脈の部分。それから、雨はどこでも降りますけれども、それをどう排除していくかというのはなかなか見えないんですね。
 昨今、公共投資無用論みたいな話がありますけれども、いざ自分のところが浸水したり、あるいは車で走っていたら、うちの方も一カ所、都市計画道路ですけれども、ちょっとした雨でも通れなくなっちゃうところがあるんですね。先ほど物流の関係もお話ししましたが、生活に支障が出てくる。何時間か待てば雨は引くじゃないのといったって、なかなかそうも、だから結構ですとはなりませんので、ひとつ精力的な整備を進めていただきたいと思います。
 それから、いろいろな意味で、新しい手法も今伺いました。貯留とネットワークということでございまして、なるほどという、言葉ではわかりましたけれども、また詳細につきましては、別の機会にどこかで教えていただければ結構でございます。
 ところで、汚水の関係なんですが、当然のことながら、集めた--集まったといいますかな、集めたというのがいいのかな、それを処理場で処理して、最終的には清瀬の処理場から柳瀬川に放流する、こういうことで、当然のことながら出口で、水質汚濁の関係もありますから、しっかり規制を受けながらやっているというふうに思うんですね。
 実は、平成十二年だったというふうに記憶しているんですが、今まで各市で、そういう流入汚水の有害をチェックするとか、どんな状態なのかというのをやっていたのを東京都で一元化して、すべてかどうかよくわからないんですが、やるようになったということを東久留米の市議会で議論したような記憶があるんですよ。その辺の事情、何を目的に、結果的にこういう効果があった、だから今後もやっていくという、こういうことなのか、その辺の事情についてお伺いをいたします。

○萩原管理部長 お尋ねは、多摩地域の各市でやっています水質検査、これの共同実施の話かと思いますけれども、現在、私ども東京都と一部の市町村の間で、実は水質検査の共同実施をしております。これは実は、多摩北部の関係市からの強い要望がございまして、平成十二年度から、都と、東久留米市を含む五市で水質検査の共同実施を開始いたしました。その後、今年度からはさらに四市が加わりまして、清瀬処理場を受け持つ、全九市になります、九市と共同実施を行っております。

○野島委員 わかりました。
 五市から、四市が加わってということは、結果がよかったから仲間に入りましょう、こういうことだろうと思うんですね。それの効果といいましょうか、例えばコスト的な部分、例えば東久留米市なり、その九市がやる部分だと幾らかかっちゃったよ、これをやることによって実はこれだけ安くなりましたよということになれば、それは大変な効果ですから、その辺はコスト・アンド・パフォーマンスでどんな状態なのかというふうなこと、それが一つ。コスト・アンド・パフォーマンスでどうなのかというのを一点教えてほしい。
 それから、私思うんですが、確かにそれぞれ市、専門家も抱えていますけれども、正直なところ、こういう部分の専門家というのが、ほかの市は知りませんが、我が市ではなかなか--我が市というか、単独の市ではなかなか養成し切れないですよ。と同時に、恐らくは、そこの部分だけで人を張りつけて専門的にやるといったら、人事制度上の硬直化の問題も出てきちゃいますからね。ですから、そういう全体として取り組める問題は、私は積極的に全体として取り組んでいただきたい、こんな気持ちを持っておるんです。
 したがいまして、一点目はコスト・アンド・パフォーマンスの問題、二点目は、そういう視点から見た場合に、専門的に全体を統括して共同実施していった方がいいというふうに私は思うんですが、その辺の見解がありましたら、お答えをいただければと思います。

○萩原管理部長 水質検査の共同実施の評価の点だろうと思うんですけれども、まず市側のと申しましょうか、関係から申し上げますと、各市がこれまで個別に行っていた場合と比較いたしまして、水質管理技術の向上などの業務改善の面、それから、先ほどちょっと先生がお話しされましたコストの削減の面、こういったことで大きな効果がございまして、各市からは非常に好評を得ております。
 また、都側というか、都におきましても、費用削減に加えまして、下水処理に悪影響を及ぼす排水が処理場に流入するのをより確実に抑制をするというようなメリットがございます。
 先ほど、市側のコストの関係ですけれども、市側では、通常かかる経費、一般的に水質検査でかかっている経費の、この共同実施によりまして約一五%程度が削減されるということになります。
 それから都側ですけれども、都の部分は割合が非常に小さいものですから、都側の関係では一〇%ぐらいのコスト削減があるというふうにいえるのではないかと思います。
 いずれにいたしましても、この水質検査の共同実施につきましては、今後とも、各市町村の要望等を踏まえまして適切に対処してまいりたいというふうに考えます。

○野島委員 これで終わります。
 汚水、雨水も含めまして、一市だけで完結する事業じゃないし、私はスケールメリットが大変求められるという場所が出てくる事業だと思っているんですね。そういう意味では、大変厳しい財政事情ですけれども、各市も努力をしつつ、早い段階で、安心して、水の恐怖や、あるいはそれから発生するいろいろなマイナス面を排除できるような、こういう流域雨水の促進をぜひお願いしたいというようなことと、今お話のありましたように、各市もそうでありますけれども、コストダウンに向けて、恐らく先進的なといいましょうか、先端的な技術開発の部分というのは、正直なところ、ほかの市はわかりませんが、なかなか私どもの、私は東久留米に住んでいますけれども、行政を見ていた場合に、限界がありますよ。ですから、そういう意味では、東京都の専門的な知識をどんどん出していただいて、共同して進めていただきたい、こんなことを要望して、終わります。
 ありがとうございました。

○中嶋委員 区部の下水道、概成一〇〇%達成ということがありまして、一時期、下水道局無用論なんというのを聞いたことがありましたけれども、そんなことはないんであって、下水道の管工事を一生懸命やる事業局から、環境問題にアプローチする政策局にだんだん転換するんだろう、こう思っておりますから、そういう観点を踏まえて、決算概要の中で触れられているコストの縮減、それから決算書でも述べられている再構築事業、それから行政評価、環境会計、これらについて質問したいと思っています。
 まず、決算概要を読みますと、その中で、公営企業としての財政基盤の強化安定のため、建設から維持管理に至るまで徹底した経費の節減に努めた、こう述べております。
 では、具体的にどのような経費の節減努力を行ってきたのか、まずご説明願いたいと思います。

○馬場総務部長 十二年度に実施いたしました経費の削減努力の内容でございますけれども、まず建設工事の関係につきまして、非開削の工法などの採用を拡大いたしましたり、シールド工事におきまして各種の工法の創意工夫をいたしまして、コストの縮減を図っております。
 また、維持管理の面におきましても、電力契約の内容の見直し、あるいは汚泥処理施設の集約化などによりまして、メンテナンス経費の節減を図ったところでございます。
 さらに、遠方監視制御を導入いたしまして、ポンプ所二カ所を無人化いたしまして、その他、合計で百一名の職員定数の削減を行うなど、可能な限りの経費節減に努めたところでございます。

○中嶋委員 百一名の職員の削減あるいはポンプ所の無人化、大変なご努力だと思います。時間も限られていますから、これ以上触れませんが、ぜひ今後とも、人員配置の適正化等、コスト縮減努力、それから用地の問題、工夫しながらコスト縮減に取り組んでいただきたいというふうに思います。これは料金にはね返る話ですので、ぜひ努力をお願いします。
 経費節減とも関係しますが、次に、下水道局における行政評価について質問したいと思います。
 これも聞いた話ですが、余り僕もよく知らなかったんですけれども、アメリカではパブリックインボルブメント、こういう住民に対する情報提供、あるいは住民の評価を行政に反映させる、オレゴン州ではベンチマークスが有名ですが、こうしたことが非常に活発化していると聞いています。
 東京都も、行政評価制度、積極的に取り組んでこられまして、下水道局では十二年度から行政評価を導入した、こう聞いております。それで、下水道局の行政評価制度の内容あるいは特徴について教えてもらいたいと思います。

○馬場総務部長 下水道事業の内容と取り組み状況を都民の方にわかりやすく伝えますとともに、一層のサービスの向上を図るため、行政評価制度を十二年度導入したところでございます。
 その内容でございますけれども、局の事業につきまして、都民の視点から見てわかりやすい七つの指標を選定いたしまして、その実績と今後の目標をお示ししたカスタマーズレポートというのを作成しております。また、事業執行の視点から、例えば再構築の整備率など、事業の進ちょく度合いを指標といたしましたアクションレポート、そして経営の視点から、事業の効率化に関する指標をお示しをいたしましたマネジメントレポート、この三つの視点から構成をしているものでございます。

○中嶋委員 このパンフレット「水環境を守る下水道(東京都下水道局環境会計)」という、ことしの二月に出されたパンフレットをよく読ませていただきまして、よくできた行政評価制度だと思います。すばらしい。
 ただ、よくわからないですね、まだ。カスタマーズレポートとかアクションレポートとかマネジメントレポートといわれても、なかなかぴんときません。
 そこで、いつ、何を、どれだけやるのか、これを明示するのが一番大事だと思うんですね。行政評価制度というのは、都民への説明責任を果たすことと、それから結果を重視する、あるいは住民満足度、つまりカスタマーズの満足度を重視する、この三つが大事なわけですから、そのためにも、いつ、何を、どの程度やるのか、いってみればベンチマークスです、この次はこれをつくるべきだと。
 東京構想二〇〇〇でも、東京政策指標、これは東京版ベンチマークスです、つくりました。オレゴン州でいうと、川の浄化率をあらわすベンチマークスとして、天然サケの遡上率なんていうのを出したんですね。なかなかおもしろい。あるいは東京政策指標の試案の段階では、一年間で富士山が見える日数なんていうのも案としてはあったわけです。
 このような下水道局独自の政策指標、これを早急につくって都民に公開すべきだ、こう思うんですが、いかがでしょうか。

○馬場総務部長 都民の皆様方に下水道局の取り組みの方向をより明確にお示ししていくためには、今委員からお話がございましたとおり、数値目標ですとか目標年次を明記した指標を作成する、大変重要なことと考えております。
 そこで現在、例えば浸水対策では、一時間五〇ミリの降雨に対応するために下水道を整備した面積がどのぐらいあるかというような、そのような割合を、その現状と、いつまでに整備するか、目標年次における整備水準を明らかにする、そのようなわかりやすい指標の策定につきまして検討しておりまして、現行の行政評価制度の改善に取り組みまして、まとまり次第公表したいと考えております。

○中嶋委員 まさに浸水対策なんというのは一番明示的でわかりやすい。何年度までに、時間降雨何ミリまで対応できる、そういう地域をどの程度ふやすかということが都民にはっきりわかれば、あとはそれが達成できたかできないかを、都民はそれを見て判断すればいいわけですから、事業展開にも緊張感が出てきますし、張り合いも出てきます。ぜひ政策指標、早期に策定して、公表願いたいと思います。
 次に、環境会計について質問いたします。
 水道局が、たしか都庁では先鞭をつけた。すかさず下水道局も導入された。全国初です。これも評価いたしたいと思います。
 それで、平成十一年度の区部公共下水道、これは決算ベースだそうですが、それを対象とした環境会計の結果、これを見せてもらいました。これだけじゃないんでしょうが、公害防止対策や省エネなどの環境保全対策、環境保全対策のコストが総額で七十二億九千九百万円、こう資料で発表されています。
 一方、その効果ですね、七十二億九千九百万円を環境保全対策に使った、その効果はどうかというと、直接的な経済効果が三十六億五百万円と発表されています。それから、それにプラスして、金額に換算できないものの、CO2の削減量、これもわかりやすい例ですから挙げますと、二万千八百一トン削減した、車の台数に換算すると約九千台分だ、こういうふうに資料で報告されています。
 これはすばらしい環境会計の成果だと僕は思いますが、この環境会計の結果、局としてどのように評価して、その評価のもとで、今後どのようにこの環境会計を活用されるおつもりか、お聞かせ願いたいと思います。

○馬場総務部長 当局が作成いたしました環境会計では、新たな試みといたしまして、流入する下水の中に含まれる環境に負荷を与えている物質がございますけれども、それを下水の処理過程の中でどのように削減されるかと、そのような状況を示しました物質フローというものも作成いたしました。
 また、今お話がありました公害対策など、環境保全対策に加えまして、下水を処理し、水環境を改善するという下水道の本来事業そのものも環境会計の対象といたしまして、そのコストと効果を明らかにしたものでございます。
 評価でございますけれども、このことによりまして、環境のコストと効果を的確に把握することができまして、職員一人一人の環境意識の向上、あるいは環境に一層配慮した事業運営に役立つものと考えております。
 今後、毎年継続的に取りまとめを行うことによりまして、下水道事業における環境負荷の一層の低減に役立たせますとともに、事業の透明性を高めることを通じまして、都民の皆様の下水道事業への一層の理解の促進にも活用していきたいと考えております。

○中嶋委員 環境負荷の低減に役立てる、あるいは事業の透明性を高める、こういうことも重要ですし、都民への理解も広まっている。何よりも、この環境会計に取り組む過程の中で、職員の皆さんのモチーフも高まると思うんですね。そういう意味でも、ぜひ環境会計、積極的に活用を願います。これは大義性があります。ぜひお願いしたいと思います。
 次に、これは環境関係にも関連しますが、環境対策として極めて効果が高いと判断できる下水の熱利用について質問します。東京ドーム周辺地域、後楽地区で地域冷暖房に下水の熱を利用している、これはもう既に本会議等でも明らかにされていますが、この供給地域をさらに拡大すべきだと思うんですね。ぜひ拡大していただきたい。
 まず、後楽地域でやっている事業の現況を報告願いたいと思います。

○大矢計画調整部長 下水の熱を利用しました冷暖房事業の現況について、まずご説明を申し上げます。
 まず、下水は四季を通じて温度変化が少なく、外気温に比べて夏は低く、冬は高いという特性がございます。下水道局では、その特性を活用しまして下水の熱を有効利用する冷暖房システムを開発いたしました。このシステムを活用しまして、委員ご指摘の平成六年に後楽ポンプ所を拠点としまして、国内初の未処理下水を活用した地域冷暖房事業を開始いたしております。その後、対象施設を拡大しまして、平成十二年度からは東京ドームホテル及びポンプ所の上部利用の後楽森ビルが加入いたしまして、現在七施設に熱を供給しております。これによりまして、大気汚染の防止や地球温暖化防止などに貢献いたしております。

○中嶋委員 決算書を見ますと、新たに江東区新砂三丁目で、砂町水処理センターから熱供給を行う事業をやっていると書いてございました。ほかにもアーバンヒートというのもあるらしいですね。この計画、後楽地区の事業と若干違う面があると聞いているんですが、どう違っているのか。あるいはこの計画の進ちょく状況、これを教えてほしいんです。

○串山建設部長 江東区における熱供給事業でございますが、新砂地区地域冷暖房事業といたしまして、新砂三丁目の一部、十三ヘクタールを対象に、高齢者専門病院を初め、五施設に砂町水処理センターから熱を供給するものでございます。
 事業の進捗状況でございますが、現在建設中の高齢者福祉・医療の複合施設などへ平成十三年十一月から試運転を開始いたしまして、平成十四年度当初から本格稼働する予定でございます。
 次に、本施設の特徴でございますが、後楽地区でも利用しております下水の持つ熱エネルギーに加えまして、下水汚泥焼却炉の廃熱エネルギーもあわせて利用していることでございます。このため、冷暖房の熱源のほか、給湯をも可能といたしまして、省エネルギーなど環境保全効果にすぐれたものとなっております。

○中嶋委員 これもぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。これは場所が限定されますから、どこでもできるというわけじゃないんでしょうけれども、しかし、可能な地域においては積極的にやっていただいて、あと、都民へのPRももうちょっとやった方がいいと思うんですね。かつての清掃局の給湯は有名になりましたけれども、まさか下水道局でこんなことをやっているというのは余り知られていませんから、ぜひPRにも努めてもらいたいと思います。
 それから、同様に再生水、処理水の活用ですね。これを見ますと、さっきから皆さん使っているので僕も使わせてもらいますが、再生水の供給地域というのが青い線で明示がしてあるんですが、非常に限定されている。新宿地域とか、あるいは品川駅の東側とか、非常に再生水供給地域は限定されています。都庁に来て初めて、当選してびっくりしたのがトイレの再生水。トイレを使う前に水を流す必要はないんじゃないかと思いますが、しかし、トイレの水は再生水で十分なわけですね。それを限定的な地域でしか供給できないというのは、非常にもったいないと思います。
 聞くところによると、三万平方メートル以上ないと供給しないという、何か基準があるらしいんですね。この基準をもっと緩和して、単体の施設、単体の建物にまでいずれ再生水を供給できる、つまり中水道ができる、こういうふうに持ってくるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○大矢計画調整部長 下水の再生水を活用していただくには、建築物の二重配管というような整備が必要でございます。それで、副委員長ご指摘のとおり、現在は東京都としましては、延べ床面積が三万平方メートル以上、また、利用水量が一日百立方メートル以上の建築物を対象に、再生水の利用の指導をしているところでございます。
 当局としましては、再生水利用事業実施要綱というものを作成しておりまして、西新宿地区など、再生水の供給区域内においても、小規模の建物にも再利用の要請を現在行っているところでございます。今後は、この再生水利用をさらに拡大していくために、都の関係局とも連携をしまして、小規模な建物にも指導をしていく仕組みづくりをしていきたいというふうに考えております。

○中嶋委員 急いでほしいんです。こんなに不況でありながら、都市計に聞きますと、都内のあちこちで民間主導の再開発プロジェクトがメジロ押しです。どんどん始まっています。これは東京の、ちょっとくすぐったいですがアーバンルネッサンスになるかもしれないといわれるほど、民間主導の再開発プロジェクトがメジロ押しです。そういうところにこの再生水を導入することは、確かに二重配管のコストはかかりますけれども、二十年、三十年、五十年のタームで考えれば、これは東京の水需要にも直接かかわる話ですから、ぜひ今のうちに準備をして早急に対応していただきたい、これは強く要望したいと思います。
 それから最後に、再構築事業について質問したいと思います。
 平成十二年度の東京都下水道事業報告書を見させていただきました。管渠五万八千八百四十メートル、約二百二十二ヘクタールを再整備した、こう書いてあるんですね。
 ところが一方、例えばこの下水道構想二〇〇一を見ますと、耐用年数五十年を超えた管渠が、区部で二千キロメートルを超えている、全体の一三%は、もう耐用年数五十年を超えちゃったというんですね。それで、その区部の管渠、全部で約五万六千ヘクタールございます。ところが、下水道事業報告書のとおり、毎年二百二十二ヘクタールを整備していくとしたら、この五万六千ヘクタールは一体何年かかるか。単純計算で百年ぐらいかかっちゃうんですね。これじゃ間に合わないんじゃないか、そういう気がいたします。
 今後、再構築事業、局のメーンテーマだと、これはもう前々からいわれています。この再構築事業、今のペースでやっていって果たして間に合うのか。あるいは何らかの新しい工夫、あるいはスピードアップする手法はあるのか、ちょっと局の見解をお聞きしたいと思います。

○串山建設部長 再構築事業の進め方でございますが、下水道施設の老朽化が著しい都心部の四処理区を再構築区域と定め、緊急度、優先度を考慮して、計画的かつ効率的に再構築事業を実施しております。また、道路陥没、臭気や震災など都民生活に直結する事柄に速やかな対応を図るべく、再構築クイックプランを実施いたしております。
 実施に当たりましては、既設管渠を可能な限り活用することを基本としております。このため、テレビカメラを用いて管渠の健全度を調査し、健全な管渠についてはそのまま活用し、比較的軽微な損傷の管渠につきましては、道路を掘らずに管渠内面を補強する更生工法を採用するなど、最も経済的な手法を採用して再構築を進めております。

○中嶋委員 ぜひこれも積極的な取り組みをお願いいたします。毎年二百二十二ヘクタールでは、なかなか追いつかない。だけれども、重点化して効果的にやっていくということだそうですから、ぜひお願いしたいと思います。
 プラハに行ったことがありまして、ビロード革命が終わった直後で、カレル大学の環境学の教授がプラハの副市長をやっていました。嘆いていました。有名なまちですけれども、地上の建築物と地下構造物が一体化している、下水道が老朽化しているけれども、下水道だけ交換できないんだと。地下構造物を更新すると、上部の建物も全部かえなくちゃいけないと。
 プラハというまちは、建築物の博物館といわれているんですね。西暦六〇〇年、七〇〇年から一二〇〇年までの建物が全部ある。なかなか更新が進まない。それに比べたらはるかに東京は恵まれているわけですから、ぜひ積極的に取り組んでもらいたいと思います。
 かつて真島町でしたっけ、公営企業委員会にいたときに、古いところに入りました。入ってみたら、さわっただけで壁がぼろぼろ崩れちゃう。鉄骨が露出しているけれども、それも赤さびちゃっていて、いつ崩れてもおかしくない、こういう状態です。えてして下水道の老朽化による崩落によって、道路の陥没が起きて、甚大な被害を及ぼすそうです。
 最後の質問ですが、僕もうかつにして見逃し、京葉道路で今月の頭に、直接的には大雨が引き金だったそうですが、しかし大規模な道路の陥没が起きた。十月十日、車が三十九台その穴に突っ込んでしまったという大変な被害を出しております。もしも下水道施設の老朽化によって、それが道路陥没を引き起した、都内でそんな事故が起きたら大変なことになります。
 そこで、再構築に関連して、都内における国道、都道に対する再構築、あるいは陥没に対する対策、これはどうなっているか教えてもらいたいと思います。

○串山建設部長 国道、都道などでの陥没対策への取り組み状況についてでございますが、ご指摘のとおり、国道や都道において陥没事故を起こしますと、社会的、経済的にも影響が大きく、都市活動に支障を来すことになります。このため、再構築クイックプランでは、都心三区の国道八路線、都道六路線を選定し、再構築を先行的に実施するものとしております。
 当該路線につきましては、平成十二年度から十四年度にかけて調査を行います。既に第一京浜国道及び都道新大橋通りなどの工事に今年度着手したところでございます。平成十三年度は約三・六キロメートルを施行いたします。全路線が完了いたしますのは、平成十六年度末を予定しております。

○中嶋委員 これもぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。何はともあれ、大事な仕事をしていらっしゃるわけですから、それから公営企業関係の水道、下水道、交通局、本当によく仕事をしていると思います。これからもより一層努力をお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

○土屋委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分程度休憩いたします。
   午後二時四十五分休憩

   午後二時五十六分開議

○土屋委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行します。
 発言を願います。

○松村委員 もうしばらくよろしくお願いいたします。
 二〇〇〇年度、平成十二年度決算の区部下水道事業の純利益と損益勘定留保資金は幾らでしょうか。ここ数年、営業損益が大幅な黒字傾向になっているようですが、その要因についてもお聞きいたします。

○馬場総務部長 平成十二年度の決算の純利益でございますけれども、百九十二億三千八百万円でございます。また、損益勘定留保資金は一千六十二億四千五百万円となっております。また、純利益についてでございますけれども、この純利益は企業債の元金償還金等の財源を確保するために、減価償却費など内部留保資金では賄い切れない不足分につきまして、損益収支の利益を見込みまして、決算で計上しているものでございます。

○松村委員 要求資料を出していただきましたけれども、この一ページを見させていただいても、今いったように十二年度は純利益が百九十二億三千八百万、損益勘定も一千六十二億ですか。合計でも、これはどのぐらいになるんでしょうか。大変な今の黒字傾向というか、十一年度、十年度を見ても、一千億円台を超える数字だというふうに思うんです。
 今、私はその要因は何かというふうにちょっと伺ったんですけれども、それはこうするんだというだけしか答弁がなかったんですけれども、もう一度、企業努力とか、その他のことがおありだと思いますけれども、お答えいただきたいと思います。

○馬場総務部長 純利益の関係の要因でございますけれども、先ほど申し上げましたように、純利益を計上している理由でございますが、企業債の元金の償還に充てる財源といたしまして、不足分を賄うために損益計算上利益を予算に見込みまして、決算上計上しているものでございます。そういう意味で、今後増加をいたします元金償還金相当額、それが増加いたしまして、それに対応するために純利益の方も増を見込んで、その決算上もそうなっているところでございます。

○松村委員 それは会計上の処理の問題で、営業をやるわけですよね。下水道を処理して、下水道料金を利用者、都民の皆さんからいただいて、それにかかわる人件費等々やるわけですよね。それが、だから今いったみたいな数字、減価償却費を入れて、さらにそうした利益が上がっているということを今ちょっと聞いたんです。ですから、その会計上の処理はありますけれども、この決算数字からは前回の値上げは必要なかったのではないか、この大きい利益を都民に還元すべきではないかと、このように我が党は考えるんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

○馬場総務部長 純利益につきましては、地方公営企業法の規定に従いまして、法定の積立金であります減債積立金として積み立てをしまして、翌年度、企業債の元金償還金の財源として充当しているものでございます。そういう意味で、健全な事業運営を確保するために必要な措置でございまして、将来の収支にもよい影響を与えるものと考えております。都民の負担の軽減にも寄与しているものと考えております。

○松村委員 都民の負担の軽減に寄与すると。この点についてはちょっと後段で私も触れたいと思うんですけれども、とにかく今そういう利益、純利益が年度年度上がっても、やはりそれが企業債償還に、結局は吸い込まれてしまうといいますか、充てられる。私はだから、ここの点をまず問題としたいわけなんです。
 そこで、現在企業債が一体どうなのかということでは、決算書、この最後のページに企業債明細書が載っております。二兆、ことしの償還額を引いても二兆九千百十一億五千万というから、本当に大変な金額だなというふうに思います。この企業債、この表を見ますと、利率で、高いものが八%もありますよね、一部かもしれませんけれども。今の、例えば都民というか国民は、民間の銀行からも借りていると思いますけれども、預金をしても、ほとんどゼロ金利ですよね、何年も何年も預けても。ところが、借りる側から借りて、今の金利からいったら相当高いものを利用者の料金などから充てているということになると思いますけれども、従来から、借り入れなどによって、利率を下げることを求めてきたんですが、これまでの成果はどういうことがいえるでしょうか。

○馬場総務部長 十二年度末の企業債未償還残高のうち、今お話がありました八%の高利率のものは、全体で一%ほど残っております。公的資金、政府資金につきましては、原則として繰り上げ償還による借りかえが認められておりません。例外的に公営企業金融公庫資金につきまして、いわゆる高資本費対策ということで、厳しい条件の中で一部認められているところでございますけれども、現在、東京都は借りかえの対象となっていないところでございます。
 このため、局としましては、国に対しまして借りかえ基準の緩和など、借りかえ制度の改善につきまして、都独自としてはもちろんのこと、他の大都市や他の団体とも共同いたしまして、提案、要求活動を行ってきたところでございます。今後とも、あらゆる機会を通じて粘り強く国に要望してまいりたいと思っております。

○松村委員 私は本当にとんでもないというか、これだけ地方の財政が苦しく、それがいろいろな事業を展開する中でのこういう金利だとか、そういうものに対して政府が、一部例外を除いて認めない、しかも、その例外も東京には適用されない。本当にこれは、議会も前々から各会派からの強い要望がありますからね。挙げてやはりこれを本当に打開していかなければいけないというふうに思うんですよ。
 例えば一%下げるだけでも、三兆円近い未償還残高を、大ざっぱにいって三百億円も減らせる、そういうことになるわけですから、これは今、きょうはもう時間だから、今の平均金利はどうだとか、市中金利はどうだとかいうことまでちょっと聞きませんけれども、やっぱりそれについては本当に全力を挙げなければいけない。
 もう一つは、市中銀行というか民間ですよね。これについては、この十二年度決算でも、企業債全体一千七百億ぐらいのうち、八百億円以上借りかえでやっているというふうに--これを見ると八百三十二億七千万余ですね。民間金融機関はどうなんですか。これについては、例えば東京都というか、公営企業だからやらないのか。ほかのいろんな住宅ローンだとか、そんなことを見れば、やはり私は下げることもあるというか、全然借りかえ、もっと低い、今の現時点に合った借りかえというものに応じないんでしょうか。そういう点での積極的な交渉をしているんでしょうか。

○馬場総務部長 民間債につきましても、現在繰り上げ償還は認められておりません。ただ、民間債につきましては十年が満期でございます。政府債は三十年でございます。そういうことで、施設の耐用年数との均衡から、十年たちました満期時に二回借りかえを行いまして、三十年としているという状況でございます。金利につきましては、その時々の市場の金利を反映したものになっております。

○松村委員 認められていませんなんて、何か法律みたいなことをいいますけれども、決してそうじゃなくて、相手があって、相手のいい分があって、それをそうじゃないといって現実に応じさせることがなかなか困難だというふうに私は受けとめたいと思いますし、そういう点では、ただ下水道局だけじゃなくて、公営企業や東京都全体の財政問題にかかわる点なので、大いにやっぱり今後とも努力していかなければならない問題だということで、その努力を下水道局にもお願いしたいと思うんです。
 それで、今の企業債がどのぐらい重いものかという点、特に利払いですよね、利子。十二年度はこの償還額が一千六百九十二億円程度ですけれども、これの利子と元金、ちょっとわかったら教えていただきたいと思うんですよ。といいますのは、私は決算書をよく、いろいろ見させていただきましたら--ちょっとその点で、もし数字が手元にあって、お答えいただけるんだったらお願いしたいと思います。

○馬場総務部長 十二年度の償還関係でございますけれども、元金償還金の額が千六百九十二億円でございます。利子の支払い額は千二百九十四億円という状況になっております。

○松村委員 そうすると、ですから、もう大部分というか、元金はほとんど返していないというか、そういう形で借りてきているから、十二年度は年度に返す元金プラス利払いということをやるんでしょうけれども、これで三兆円近い企業債が本当に減るものなのか。しかも、一千六百九十二億円のうち一千二百億以上が利払いというような、こういう点が本当に、先ほどもいいましたように、都民からのそういう営業収益においては黒字になっている部分も、そういうところの今後の企業債の償還に充てられるということでありますから、もっとこういうところにメスを入れなければならないと思うんです。
 そこで私は、企業債をふやさないことだというふうに思うんですけれども、平成十二年度の建設費と改良費はそれぞれ幾らかということと、そのうちの起債はどうなっているのかについてお知らせください。

○馬場総務部長 平成十二年度の、まず建設費関係でございますけれども、決算額は千六百二十三億円、そのうち起債額は八百八十七億円でございます。改良費でございますけれども、決算額二百十五億円、そのうち起債額は約三十二億円となっております。

○松村委員 十二年度の建設費が千六百二十三億三千五百万。このうちの起債がどのぐらいを占めているかというと、企業債が八百八十七億円というと、これは五五%なんですよね、五割以上です。
 ところが一方、改良費の方だと、二百十五億三千百万のうちの起債が三十二億円というんですから、一五%なんですよね。ですから、やっぱり改良は維持して、それこそ営業を続ける、当然必要なことだというふうに思いますけれども、どちらかというと今、下水道事業会計を見て、私はこの建設費、しかもそれを大半が、十二年度を見ても五五%が企業債に頼っている。ここにやはり一つの大きな会計上というか、今の全体の問題点があるというふうに思うんです。
 区部下水道は概成一〇〇%普及を達成していただきました。だから、都民は下水道の建設費は大幅に削減されているだろうというのが、私は都民の一般的な常識だというふうに思うんです。
 そこで、この平成十二年度、二〇〇一年度の決算では、先ほど建設費は千六百二十三億余だというお答えがありましたけれども、この間、どうでしょうか。この額、千六百二十三億というのがどういう水準にまで、ずっと下水道を普及しなきゃいけないというので都民は待っていた、下水道局も一生懸命頑張ったという点で、建設費が大分膨れ上がって、先ほどいった膨大な起債残にもなっているというふうにもちろん理解しますけれども、この間の建設費の推移、それからまた、その建設事業の中身もどうなっているか、お聞きします。

○馬場総務部長 過去五年間の建設事業費について申し上げます。平成八年度は千九百九十五億円、平成九年度が千八百五十九億円、平成十年度が千六百九十二億円、平成十一年度が千五百四十三億円で、平成十二年度が先ほど申し上げました千六百二十三億円ということで、漸減傾向でございます。
 また、建設事業費の中身でございますけれども、十二年度決算で申し上げますと、老朽化施設の再構築事業について約四百三十九億円、浸水対策につきましては約四百三十億円、普及の促進関係につきましては二百三十五億円、下水汚泥の減量、資源化関係につきましては百六十八億円、そして合流式下水道の改善等が百五十億円と、主な事業内容は以上でございます。

○松村委員 十二年度でいえば、今いった千六百二十三億円余の建設費の内訳というか、その使い方です。ほか一つ一つちょっと分析していきたいんですけれども、きょうは時間がないので、一つには、この浸水対策のかかわり合いなんです。つまり、雨水の処理という意味で私はとらえて質問したいんですけれども、これは当年度はどのぐらい雨水処理にかかわる--失礼いたしました、建設費がそのうちの四百三十億と今お答えを聞いたんですけれども、このうち、国庫補助を初め公費の割合はどうなっているのかをお聞きします。

○馬場総務部長 浸水対策事業費、平成十二年度決算の四百三十億円の内訳でございますけれども、国庫補助金が百八十八億円、そのほか企業債、都費等で賄っているところでございます。このうち国庫補助金を除く財源につきましては、雨水は公費、汚水は私費という原則に基づきまして、下水道事業全体として負担割合を算定しておりまして、雨水の分が六一%を占めてございます。

○松村委員 この雨水処理にかかわる事業費四百三十億円、今、国費が百八十八億円、そしてあと大部分が企業債ですね。先ほどの恐らく五五%というような割合で企業債を出していると思うんですよね。
 そうすると、この企業債というのは、どういうふうな償還になっていくかというと、純利益が出ても、結局はこれが減債基金に積み立てられて、そちらに回る。ですから、例えば雨水にかかわる処理は、汚水が私費、雨水が公費という大原則があるわけですから、私はこれが料金などに紛れ込むといってはおかしいんですけれども、要するに雨水処理は公費といいながらも、実際そうなっていないんじゃないか。今いったみたいに雨水は公費という原則で、一〇〇%努力すべきというふうに思いますけれども、その点についてはどうでしょうか。

○馬場総務部長 雨水と汚水の費用の負担割合につきましては、個々の施設ごとに計算をするのではありませんで、費用の発生する全体額をもとに算定している仕組みとなっております。
 例えば、この理由といたしましては、下水道のサービスというのが管渠、ポンプ所、処理場、各所一体となっての機能を発揮するというような点、あるいは大部分が合流式でございまして、一つの施設も非常に多目的に活用されているというような点もございます。そのようなことから、下水道事業全体として算定をして、建設費につきまして、資本費につきましては雨水分が六一%、公費負担としているところでございます。
 それから補足させていただきますけれども、何問か前のご質問の中で、平成十二年度の元金償還金等利子のご質問がございまして、私の方のお答えで、元金償還金が千六百九十二億円、利子の支払いが千二百九十四億円とございましたけれども、この利子の支払い額は元金に対する利子という意味ではございませんで、その年度の決算額という意味でございます。

○松村委員 ちょっと今また答えがあったので、私の理解不足かもしれませんけれども、実際に十二年度にどのぐらいの元利償還をやったんですか。それで、そのうちの利子、利払いがどのぐらいなのかというふうに私は聞いたのであって、ばらばらだったから差し引いてみたんですけれども、その点ではいかがでしょうか。

○馬場総務部長 今申し上げましたのはそういうことでございます。

○松村委員 そうしたら同じ、私の理解でいいわけですよ。例えば年度でどのぐらい元金が減るのか、利子がどのくらいかと、都民はやはりそういう視点から知りたいわけですから。
 そこでもう一つ、下水道料金、これがどういうふうに使われているかというので、東京の下水道ニュースという、この七月号に載っていましたので、これを見させていただきました。下水道料金百円の行方ということですけれども、ちょっと私、ほかの、手元にないので、この内訳を述べていただきたいというふうに思うんです。

○馬場総務部長 この資料は十三年度予算の内訳についての資料でございますけれども、下水道料金の百円の内訳といたしまして、施設の建設改良にかかった借入金、元金の償還金ですが、その返済等で三十一円、三一%でございます。それと施設の建設改良にかかりました借入金の利子の支払い分が二十四円、二四%。その次に、汚水を処理場まで運ぶ経費、管渠関係等も含めた経費でございますが十六円、汚水を処理する経費が十七円、料金徴収その他の経費が十二円という内訳になっております。

○松村委員 結局、都民が下水道料金を百円負担すると、今いいましたように、借入金の返済三十一円、借入金の利息が二十四円と、五十五円なんですよね。これで建設改良費も入っていますから、先ほどの十二年度の決算で建設費と改良費の割合を、単純にはいきませんけれども、一応それをそういう傾向にあるというか、この今いった十三年度の予算ですけれども、ここに当てはめますと、大体改良費は七円なんですよね。改良費にかかわる借金返し、返済と利子。だから、五十五円のうち、圧倒的なのが建設にかかわる元金と利子、借金返済。
 ですから私は、今若干論議しましたけれども、この建設にかかわる後年度のあれを本当にどう抑えるかということが、先ほど私は都民に還元すべきじゃないかという質問というか、ぶつけましたけれども、私はそこにつながる議論だというふうに考えております。ここにやはりメスが入らないと、今の下水道料金の高コスト構造は本当に変わらないというふうに思っております。
 そこで、全国の主要都市に比べて東京の下水道料金はどうなっているのかについてお聞きしたいと思います。

○時田業務部長 家族四名の標準世帯の一カ月の使用量二十四立方メートルで下水道料金を計算いたしますと、川崎市が二千五百二十円、横浜市が二千六百六十九円、名古屋市二千三百九十四円、福岡市三千九十九円などとなっておりまして、東京都区部は二千五百六十二円で、十三大都市中で五番目となっております。

○松村委員 ちょっと私の手元にいただいた資料と若干違うので、私が後からいう数字が違っちゃうといけないと思うんですけれども、今、最後に福岡市についていった数字、三千幾らといいましたよね。私の手元にいただいた資料は二千九百十一円なんですよ。これをきちんとしていただかないと、私が次にいう数字が違ってしまうので……。

○時田業務部長 失礼いたしました。平成十三年十月一日現在で、福岡市は二千九百十一円でございます。

○松村委員 そうしますと、これは東京を入れて全部平均しますと二千三百四十六円なんですね。だから、これと東京を比べても、二百十六円東京の方が高い。低いところは大阪が千四百四十円、札幌が千七百十五円とか、神戸市は千九百三十四円とか、二千円以下のところもあるわけなんです。東京は、大体平均といいますか、家庭での二十四立方メートルの料金が、税込みで二千五百六十二円。
 私はいろいろ都民の声なども聞いていますけれども、やはり下水道を一日も早くと都民は待っていたんですよね。私は練馬区ですけれども、一生懸命下水道をやってほしいと。しかし、そうして普及したら、助かったけれども、その当時はまだ本当に下水道料金とか水道料金とかを払えると思っていたと。いたというか、何とか経済が成長していけば。でも、今のような状態で、この東京の二十四立方メートルの二千五百六十二円、それから水道料を合わせて来ますから、都民には大変高いというか、本当に生活実感として重いという、やはりそういう声があるわけなんです。
 そういう点では、先ほどもいいましたように、この料金をいかに都民負担を軽くするという点からいっても、今の建設にかかわる、幾つか論議がありましたけれども、もちろん本当に必要とされるものはやっぱりやらなければいけません。維持できませんし。しかし、そういうのはきちんと減価償却費も含めて、損益勘定留保資金ですか、あるわけですよ、取っているわけですよね。そういう点など、やはりこの高コスト構造といいますか、本当に建設費のむだとか必要のないもの、過大なもの、そういうものについて本当に根本からメスを入れていただきたいというのが私の意見であります。
 そこで、ちょっと今の下水道料金を何とかしてほしいという声もある中で、東京都というか、下水道局は減免制度をやっていますよね。その現在の減免についても、ちょっとご説明いただきたいというふうに思います。

○馬場総務部長 料金の減免措置でございますけれども、基本的な考え方といたしまして、他の使用者の負担を招き、公平を損なうような点ですとか、独立採算の原則から外れるようなこと等から、公営企業の料金体系に本来なじまないものでございまして、実施に当たりましては慎重に対処しているところでございます。
 こうした考え方から、減免は生活扶助世帯及びその他公益上特別の事情がある場合という形で下水道条例で定められているところでございます。現在、当局では、生活扶助受給者を対象に条例に基づきまして減免措置を実施しているほか、都議会の付帯決議を受けまして、それに基づく減免措置もあわせて実施をしているところでございます。

○松村委員 一般家庭でもそうですし、また、水をちょっと余計に使うというか、そういう零細商店や企業は、本当に今、悲鳴を上げるような緊急事態だというふうに思うんです。そういう意味では、ほんのわずかですけれども、ほんのわずかというか、皆さん方がやっている減免制度というものはやはり喜ばれているというか、歓迎されているというふうに思うんです。
 もちろんこれは議会の付帯決議がつけられた、こういうことでまた一般施策というか、一般会計からの、そういう下水道会計だけに負担をしょわせるという形ではない措置ではありますけれども、しかし、やはり事業者として、私はもっと都民の期待にこたえるべき声を上げていただきたいと思うんです。それを受けて議会としても、もちろん私たち、私も他の会派に働きかけたり、いろいろこれからも努力していきたいというふうに思うんです。
 それで、この今の減免、生活関連業種がありますけれども、これは私がお話を聞いた中では、いろいろ業種を変えたりしているんですけれども、例えばアイスクリームとかタコ焼きをやっているとか、そういう飲食店、こういう方はどの業種に入るかというと、ちょっと定かじゃないんですね、いろいろ挙げてありますけれども。そういう意味では、生活関連業種ですから、もっと広げられないのか。
 名前を挙げているからこれ以外というので、いろいろ、あなたのところは主として何かというのでやるんでしょうけれども、もう少し幅広い、拡充していく、そういう判断の余地は下水道局としてはないんですか。もしそれを、業種を広げるというのはどうしたら--皆さん方としても、そういう気持ちは私たちのところにもあると。実際お客さんから料金をもらおうとしたらなかなか大変だ、滞納もあるとかいう中で、広げたいという場合には、皆さん方のそういう判断でできるのか、それともどういうふうにすればいいのか、考えているのか、ちょっとお聞かせを--勉強のためにも知っておきたいと思います。

○時田業務部長 現在実施しております生活関連業種につきましての減免の対象につきまして、ただいま二十三業種ということでやっておりますが、当初、生活関連業種につきましての減免を始めたときは、たしか八業種ぐらいから始まったということで、拡充はしているというふうに当局は思っております。
 ただ、先ほども総務部長から答弁申し上げましたように、公営企業としての独立採算性及び負担の公平の原則から、この減免につきましては、最小限の対象と期間に限って実施すべきものであるというふうに考えております。

○松村委員 当初八事業だったのが二十三に拡充されたと。大変感謝しますけれども、さらにそれを今いいましたような形で、こういう業種もだと、それを救ってやりたい。大体この趣旨がそうだと思うんですよね。ですから、それを皆さんの判断でできるのか、要望したいと思うんですけれども、その点についてはどうなんですか。どこをどうやればいいかということを私は率直に聞きたいんですよ。

○馬場総務部長 先ほどもお話をいたしましたけれども、現行の減免措置は、都議会の付帯決議を受ける形で例外的な措置として実施しているものでございまして、来年の三月までということになっております。ただいまの委員のお話につきましては、ご要望ということで承らせていただきます。

○松村委員 それからもう一つ、これも要望になると思うんですけれども、ちょっとお答えいただきたいんですけれども、一月当たり五十立方メートルを超えて二百立方メートル以下の汚水排出量にかかる料金なんですけれども、今本当に不況の中で、水を使う量が減って、流す汚水も減って、五十立方メートルを少しでも切っちゃう。そうすると途端にこの適用がないというので、それもやはりせっかくこういう減免を設けてくれた、また、それを決めた私たちの議会の意図からもちょっと違うんじゃないかというふうに思うんですけれども、そういう場合にも、やはりその五十立方メートル以上というのを、今日の不況というか、こういう緊急事態の実態に合わせて引き下げるというような点についてはいかがでしょうか。

○馬場総務部長 今のお話につきましても、委員のご要望という形で受けとめさせていただきます。

○松村委員 それと次のもう一点、下水道料金にかかわることの質問に入る前に、先ほどさっきの数字が出てきたので質問していた雨水と汚水の処理をどうするんだということが、どこか質問として飛んでしまったんですけれども--飛んでしまったというか、ちょっと聞いていなかったので、そのことについてもいいたいわけですけれども、現在、例えば一〇〇%概成した。若干未普及地域があるからそういうのはやっているとしても、大体汚水処理はできると。
 そうなってくると、例えば雨にかかわる処理ということの雨水整備クイックプランとかいろいろな関係からいくと、私は先ほどいいましたように、雨水は公費という原則からいって、もっと皆さん方がそこの点をはっきりさせて、それが企業債だ、何かできるからといって、結局それが借金払いで、そのツケがさっきいった料金だとか、いろんなところにはね返ってくるわけですから、なぜ--私はそういうふうに思うんですよ。都民ももう一〇〇%概成したと。それで水害が出る。だから、それを処理するとなったら雨水の処理なんですから、それはもう公費だという考え方に立ってしかるべきじゃないかというふうに思うんですけれども、その点についてのお答えをいただきたいと思います。

○馬場総務部長 現在の汚水と雨水の比率につきましては、平成十年度から実施をしているわけでございますけれども、それは一〇〇%概成を受けまして、その後の状況を見まして、先ほど申し上げましたように、下水道事業全体の額をもとに算定をしたもので、適切な比率というふうに考えております。

○松村委員 比率といっても、結局それは下水道化にかかわるものとか、いろんなことになるからですけれども、私は、今いった雨水はやはり公費というような原則からいったら、適切どころか、もっと改めていく問題だというふうに、これはもう繰り返しになりますが、強く私の意見を申し述べたいというふうに申しておきます。
 それからもう一つ、その下水道料金にかかわる問題で、皆さん方はご存じでしょうか、新聞報道。私が見たのは読売新聞の、この七月四日の記事もありますけれども、雨水の利用。これは私は非常に雨水を、先ほどもかち委員の方からもありましたけれども、これが下水管に流れたりして、しかもそれが未処理となって海や河川を汚すというようなことを見れば、やはりできる限り雨水が下水道管に入らないようにすると。確かに今までは降った雨の水は速やかに下水管を通じて排除するんだということをいったけれども、国の考え方や、そういう下水道法の考え方もやっぱり変わってきたというふうに思うんですね。
 先ほどもありましたけれども、やはり貴重なその雨水、それを集めて流して海に捨てればいいという考え方じゃないというふうに私も思うんです。そういう点では、いろいろ都民が立ち上がって、また公共事業者にも求めて、雨水利用が近年盛んになってきているというふうに思います。
 そこで、雨水を雑用水に利用している公共施設、つまり雨水利用の施設はどのぐらいあるというふうに下水道局として把握されておりますか。

○時田業務部長 雨水を雑用水に利用している公共施設ということでございますが、主な公共施設といたしましては、東京都庁舎のほか、東京国際フォーラムや都立豊島病院などがございます。
 また、下水道料金を徴収している雨水利用の水量は、平成十二年度で約百三十三万立方メートルとなっております。

○松村委員 今、主な公共施設ということですけれども、そこに対して、一般家庭とかそういう主な公共施設以外において、民間も含めていろいろあると思うんですけれども、それについては把握されているんでしょうか。

○時田業務部長 一般家庭の雨水の利用でございますが、当局が徴収しているのはごくわずか、何件かというところでございます。

○松村委員 それも先ほど、縦割りじゃなくてもっと横断的に、そういう全体の雨水利用という貴重な資源をいかに都民が活用していくか。そのことがひいては、さっきいった下水道にもかかわってくる重大な施策だというふうに私は思うんです。
 ところで、そうした雨水をいろいろ雑用水などに利用しているのに対して、下水道料金を徴収しようというような動きがあるというか、現に公共施設については徴収しているわけですね。さらにそれを一般家庭にまで、さまざま利用しているものに下水道料金を徴収しようというような考え方があるんですか。結局、そういう大事な普及に水を差すんじゃないかというのが、ここでとらえられている新聞の報道なんです。そういうことをやったら、せっかく貴重なそういう都民の活動に対して水を差すのじゃないかということなんですけれども、いかがでしょうか。

○時田業務部長 一般家庭でありましても、雨水をためましてトイレ等の雑用水として利用して公共下水道に排除した場合には、料金徴収の対象となるというふうに考えております。

○松村委員 対象となるということですけれども、それが実際にこういう報道があって、そんなことをやられたら、せっかく私たちは本当にいいことをやろうとしていると。これは節水という点でも、水道局などもやはり大事な事業として、本当に飲み水以外、先ほども中水という話がありましたけれども、唯一自然の雨の水を、水道は本当においしい高度な上水というので物すごいお金をかけて今やっているわけですけれども、しかし、飲み水としてどのぐらい使われるのかと。それ以上にいろいろトイレとか雑用水で使われている。そういうものに対して、やはりこういう雨水などを利用していくということは大いにやってほしいということで、これまで東京都も水循環マスタープランの中にもそういう位置づけが行われていたというふうに思いますし、この水循環マスタープランには下水道局としても参画しているというふうに思うんです。
 ところが、そういう都民が、自発的に一生懸命雨水を利用してやろうと、それをやったら何か利用料というか下水の料金を取られた。いいことを一生懸命協力してやるのに、何でそういう負担がかかってくるのか。それだったらやりたくない、ばかばかしいからやめるということになってきたら、これはその普及に水を差すものじゃないかというとらえ方で、私はこれは都民の常識というか、そういうふうに思うんです。今は取ることができるというご答弁でしたけれども、もう少しそういう大事な事業については、下水道局としてはどうとらえて考え方を整理されるのか、お答えいただきたいと思います。

○時田業務部長 雨水を大いに利用して節水するとか利用を大いに進めてほしいということにつきましては当局も同じく考えておりますけれども、ただ、雨水でありましても、これをトイレ用水等に使用して下水道に排除いたしますと、これはもう雨水ではなくて、汚水として取り扱われるべきものというふうになってしまいます。したがいまして、これを処理して自然に戻すという下水道サービスの対価としての料金の対象になるというふうに考えております。

○松村委員 なると考えてしまうということと、実際にそれを本当にやるのかということにちょっとまだ乖離があるので、私も慎重に、もう少し時間をいただいて質問したいというふうに思うんですけれども、自然の雨の水ですよね。降りますよね。それはそのまま庭先や公道にあって、下水管、特に二十三区なんていうのは合流管で入って汚水処理場の方に行きますよね。雨の水は、何もしなくても降ったら確かに地下水になるとか浸透するとかありますけれども、いずれは下水管に入って処理場に行って処理する。だから、これは結局、雨の水は、処理は公費だといっても、雨の水は処理するわけですよね。それが途中でちょっと使って、同じ量というかそれ以下が流れる。何にも都民がしなければ、そのまま流れても、やっぱり皆さん下水道の処理施設だとか、それを超えたら海や川に未処理で流しちゃうというか、やっているんですよ。だから、それを都民が非常に大事な観点だからといって少し利用する、それは皆さん、大変結構なんじゃないですか。
 考え方としては、汚れて汚水になったから、だからほら、お客さんになっていただくんだと。いただくんだという乱暴な言葉ですけれども、そうするのか。ちょっと考え方を正せば、今までと何ら、それが何か重大な損失になるとかということでもないと思いますよ。だって、雨が降る、それを一部利用して、それから通過点が出て、一遍に流れるのも抑制して、ほかのさらに何かあふれたり水害になるのを食いとめる役割もあるわけですよ。そうしたら皆さん方だって建設費がかかるのが助かっただとか、下水道にとっても私は重要な役割をやると思いますよ、節水だけじゃなくて。
 この前も、実は公営企業委員会でほかの委員からあったんですよ。ドラム缶一つやるだけでも相当違うじゃないかと。それはそういう質疑があったことは局長さん以下覚えていますよね。それが小さいようだけれども水害解消にも大事なんだと。だから、それがさらに下水道のいろいろな施設をふやしていく、そのことを抑制する意味にもなるんじゃないかという、たしか質問の趣旨だと思いましたし、私も同意見なんですよね。そういうことを、下水道にも寄与することを一方でやろうとしている。ところが皆さん、それをやって、結果、それをやったら損ですよと。または善意でうんとお金を払ってもらいますよという形では、本当にこれはマスコミでも取り上げざるを得ないことになると思うんです。
 私は、下水道事業局が、そういう都民の大事だと、都庁を挙げてやろうとしている、または区市町村を挙げてやろうとしていることに水を差すようなとらえ方を、今はまだ主な公共施設だけだということですけれども、これを一般家庭やそういうところにまで絶対広げるべきではないと。また、公共とか民間が割と多くの規模でやっているのも、これは私はそういう施設をつくって雨水を使ったというので、逆に補助をしたり褒められるべきだというぐらいなものだと思うんですよね。それをもう既に料金を取り始めているということはいかがなものかと。
 でも、私はちょっと言葉を尽くしたいと思うんですよ。わかりますよ、下水道事業会計の仕組みとしてそうなっているということは重々わかりながら、私はあえてこのことをやっぱり声を大にしていいたいんですよ。これは先ほどの減免とも通ずる考え方だからいうわけですけれども、少なくとももう少し知恵を尽くして、もっとしかるべき考え方、いっそさっきのようないろいろな、やっぱり下水道会計の状況を見て判断する手もありますし、一般会計に求める手もありますし、いろいろあるというふうに思うんですよ。
 その点、局長から答えてもらっちゃうと何か後で困るといっちゃおかしいけれども、だから私はいいたいのは、今この場の論議ですけれども、ぜひ本当にそれはもう慎重な上にも検討していただきたいというふうに思いますけれども、くどいようですけれども、もうあと一、二問で終わりますので、お答えください。

○時田業務部長 先生先ほどおっしゃいましたように、雨が降って自然に下水道に流入するということであれば、お説のとおり料金は取っておりません。しかしながら、先ほどもお話ししましたように、トイレ用水に使用すると汚水になるということであります。したがいまして、これはもう料金の対象となるというふうになっております。
 また、そのことで当局が、都全体で今進めている雨水の利用あるいは貯留浸透の事業に水を差すんじゃないかというようなお話ですが、下水道局も雨水浸透を始めまして、都全体として雨水の利用については進めている立場にあります。ただ、料金につきましてはそういう仕組みになっておるということで、当局としては徴収の対象として考えざるを得ないということであります。

○松村委員 そういうふうに考えざるを得ないということは、やるということですか。
 それで、もう一ついいますと、例えばその雨水を使った方が、何もトイレじゃないんだと。私は水まきをやっているし、洗車だ、使っていないという方もいれば、その一部をトイレへ入れていると。どうやって料金をかけるんですか。雨水利用で、何でうちはかけるんだ、隣はかけないんだとね。そんなことが全体にできるんですか。
 逆に、今の下水道料金だって水道メーターで取っているわけでしょう。しかし、水道だって、全部が全部汚水になって流れているのを、あなた方がきちんと一軒一軒調査して把握してやっているんですか。いや、うちは主に庭先にまいているとか、ほかで使っているとか、下水に流していないとか、洗車しているとか、そんなことをいったら毎月毎月かかる料金が違うという、そういう理屈になりかねないんですよ。(発言する者あり)いやいや、そうじゃないですよ。だから、そこは私は大事なところだというふうに思うんですよね。
 だから、そういう理屈で取ることができるとなっているとかいうことでは済まされない、私はこれは東京都政にとっても大きな政策的な課題でもあるというふうに思うんですよ。そういう点では再度、慎重な上にも慎重に、私はこういう事業は逆に下水道局が先頭になって奨励して、負担をかけないというような意気込みで知恵を発揮してもらいたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。最後に聞いて終わりたいと思います。

○時田業務部長 当局といたしましては、サービスの対価としての料金は公平に負担していただくということでありますので、料金の対象になるというふうに考えております。
 ただ、先ほど先生おっしゃいましたように、それじゃ水道の水だって庭にまいたり何だりするじゃないかというようなことは、水道水につきましては全量を下水道の使用料とみなすということになっておりまして、たとえそうじゃない分がありましても、水道水についてはそういうことで、下水の使用者である限りは水道の使用料はそのまま料金の対象になるということです。
 それじゃ、雨水の場合は料金なんか取れないんじゃないかというようなお話ですが、当局が徴収の対象にしますのは、貯留して配管してトイレ用水としてきちんと使っているというところにはメーターをつけさせていただきます。それから、メーターがつかない場合は、ポンプアップするところにポンプの時間計というのをつけて、これによりまして下水道に流入する汚水の分というのをはかっておりますので、それで料金徴収は可能であるというふうに考えております。

○松村委員 そんな答えでは都民は絶対納得しないし、可能であるというような答えではだめです。繰り返しになりますからやめますけれども、ぜひこれは慎重な上にも検討していただきたいということ、取るべきではないということを強く要望して、終わります。

○土屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○土屋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時五十四分散会

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