公営企業会計決算特別委員会第一分科会速記録第二号

平成十三年十月二十二日(月曜日)
   午後一時三分開議
 出席委員 十一名
委員長大山  均君
副委員長花輪ともふみ君
副委員長藤井  一君
副委員長野田 和男君
東村 邦浩君
山加 朱美君
串田 克巳君
川井しげお君
執印真智子君
中村 明彦君
曽根はじめ君

 欠席委員 なし

 出席説明員
中央卸売市場市場長碇山 幸夫君
管理部長長尾 至浩君
事業部長内村 修三君
計画担当部長石川 俊一君
調整担当部長高津 満好君
参事小山 利夫君
参事松村  進君

本日の会議に付した事件
 平成十二年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  中央卸売市場関係
  ・中央卸売市場会計決算(質疑)

○大山委員長 ただいまから平成十二年度公営企業会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 初めに申し上げます。
 本日から三日間にわたり、本分科会所管三局の決算に対する質疑を行っていただきますが、質疑につきましては、平成十二年度の決算の審査から逸脱しないように行っていただきたいと思います。よろしくご協力のほどお願いいたします。
 本日は、中央卸売市場関係の決算の審査を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十二年度東京都中央卸売市場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○長尾管理部長 さきの委員会で要求のありました資料についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。築地市場移転問題の経過についてでございます。
 (1)のこれまでの経過でございますが、現在地再整備は、昭和六十一年に計画決定を行い、平成三年より仮設工事に着手いたしました。しかし、業界調整が難航し、計画におくれが生じたこと、バブル経済が崩壊し、流通構造の変化が急速に進んだことなどから、平成八年に基本計画の見直しを決定いたしました。
 このため、平成九年から市場業界とともに見直し計画案を種々検討し、精力的に議論いたしましたが、成案を得るに至らず、平成十一年十一月、築地市場再整備推進協議会の総意として、現在地再整備は困難であり、移転整備へと方向転換すべきとの取りまとめを行いました。
 このような経過を踏まえ、豊洲地区の最大地権者である東京ガスと用地確保に向けた交渉を開始し、本年七月に築地市場の移転について基本合意がなされたところであり、現在、関係区に対しまして移転の協力を要請しているところでございます。
 なお、この間、本年四月に開催されました東京都卸売市場審議会から、豊洲地区を移転候補地として検討を進めるべきであるとの答申をいただいております。
 次に、(2)の市場関係団体との協議経過についてでございます。
 〔1〕にお示ししました築地市場再整備推進協議会は、再整備事業の円滑な推進を図るため、都と業界との協議機関として設置されたものであり、平成三年二月以降、途中、一時中断した時期もございますが、築地市場の再整備問題について精力的に協議してまいりました。
 また、場外関係団体への説明状況については、〔2〕にお示ししておりますとおり、移転に関する都の考え方などについて、主に役員の方を中心に説明してきたところでございます。
 なお、本委員会は平成十二年度決算についてご審議いただくものでありますが、関連する経過として、平成十三年度の状況も記載させていただきました。
 続きまして、二ページをお開き願いたいと思います。中央卸売市場における生鮮食料品等取扱高の推移でございます。
 まず、全市場における取扱高でございますが、過去五年の推移を見ますと、青果物については、数量、金額とも減少傾向にあります。
 なお、平成十年におきましては、天候不順の影響により、取扱数量は減少したものの、取扱金額では増加となりました。
 水産物につきましては、数量、金額ともに減少傾向となっております。
 畜産物でございますが、牛につきましては、毎年、取扱数量が伸びてきたところです。豚については、平成十二年に国の補助制度の変更に伴い、輸入部分肉が大幅に増加したことから、数量、金額とも大きく伸びたところでございます。
 花きでございますが、数量は増加傾向にあるものの、近年、低価格化の動きが目立ち、平成十二年、切り花においては取扱金額が前年を下回ることになりました。
 なお、次の三ページと四ページは、これらの市場別の内訳でございます。
 次に、五ページをお開き願います。中央卸売市場築地市場における平成八年から十二年度までの作業中の車、ターレ等の事故の状況の推移でございます。
 おおむね年間二百件から三百件前後の事故が発生しており、うち半数以上が人身事故となっております。
 引き続きまして、六ページをお開きください。中央卸売市場会計の平成六年度から十二年度までの繰越利益剰余金、未処理欠損金の推移でございます。
 平成六年度は、当時、金利が高かったため利息収入が多く、純利益を計上しておりますが、金利が低下した平成七年度から十一年度までは、利息収入が大幅に減少したため、純損失を計上しております。純損失は未処理のまま翌年度に繰り越し、その結果、平成十二年度末においては百五十七億七千十二万余円の未処理欠損金を計上しております。
 以上、甚だ簡単でございますが、ご要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○川井委員 築地市場の移転問題について、何点かお聞きしたいと思っております。
 実は、ここにも記してあるように、現在地での再整備ということが基本的な考えとしてあったわけでございますけれども、平成九年だと思いましたが、都市計画局から豊洲、有明整備計画というものが出されました。これにおいて、今移転先とされている豊洲の主な地権者である東ガス、この東ガスは芝浦工大等と、あの土地そのものの利用を計画されていた。それは、あくまで都市計画局が出された整備計画にのっとった、あるいはその範囲内での整備計画というか、自分たちの計画をされておられたように私は聞き及んでいるわけですね。
 その間、移転あるいは豊洲という議論が、当時まだ現在地ということで出てきていなかったわけでありますけれども、この中で、移転ということでの、現在地が困難というのが平成十一年十一月、こういうふうに記してあるんですけれども、実はこの前に、既にもう移転ありき、あるいは豊洲ありきというのが見え隠れしていたような気がするんですね。ここら辺の日にちの前後というんですか、そこら辺が一番実は気になっているところでありまして、まさに現在地で整備計画を立て直す、あるいは種々検討するという段階で、実は移転という話、あるいはその中でも移転どころかもう豊洲ありきというのが、十一年あるいは十年後半から見えてきていたような気が、私の記憶ではするんですね。その時点で、そういう動き等というのが現実にあったのかなかったのか、まずお聞きをしたいんです。

○小山参事 ただいまのお話は、現在に至るまでの間に、先に移転ありき、豊洲ありきというような話があったのではないかというようなお尋ねかと存じますが、平成八年の東京都卸売市場整備計画におきまして、それまで現地再整備ということで、立体による整備から平面による再整備の方へ見直しを行いまして、行き詰まっていた現地再整備を促進しようということで、さまざまな計画を考えたわけでございますが、ついに成案を得られなかったといったような経緯がございます。
 さらに、いろいろなことがございまして、さまざまな場面で、さまざまな計画を練ったんでございますが、やはり成案を得られず、ついに平成十一年七月に、移転整備も視野に入れて検討することとし、平成十一年十一月に、第二十八回の築地市場再整備推進協議会で現地再整備は困難である、移転再整備へと方向転換するとの意見集約を行ったものでございます。経過としては、そういったような経過がございます。

○川井委員 東ガスさんと最初に接触したのは、何年の何月になりますか。

○小山参事 平成十一年十一月の第二十八回築地市場再整備推進協議会におきまして、ただいま申し上げましたとおり、移転整備の方向へ転換するという合意を受けまして、東京ガスと交渉を始めております。

○川井委員 そうしますと、私、芝浦工大の方の関係者から若干の相談を受けたのが、実はこの時期以前なんですよ。この時期以前に、ご相談をいただいた。それは、まさにその東ガスさんと計画をしてきた、しかしながら、こういううわさを聞くんだけれどもということがありました。
 そんな形の中で、前にも私はこの問題、担当委員会で若干触れたことがあるんですけれども、ここに書いてある経過と、町で流れたうわさというのか、あるいは市場長さんの動きであったか、それは定かではないんだけれども、どうも前後しているような気がするんですが、そこら辺について。

○小山参事 実は、豊洲の名前が東京都として挙がってまいりまして、東京都として検討を始めましたのは、業界の方が六団体連名でもって、臨海部への移転の可能性を検討してほしいと東京都に要望してきてからでございます。その時点では豊洲という名前も挙がっておりますので、東ガスさんと、ただいまお話のありました芝浦工大との間でお話があったかもしれない、そのように理解いたします。

○川井委員 そうでなくて、例えば、候補地を豊洲として決めたのが十三年の四月ですよ。それで、現在地で調整、再整備が困難だなということで、移転整備へと方向転換をするのが十一年の十一月です。その以前なんですよ、私がいっているのは。その以前に、既にそういう相談を受けている。
 この移転整備という方向転換をする前に、既に移転がひとり歩き、あるいは豊洲がひとり歩きしてしまっていたとなると、仮にこれがうわさであったとしても、これは市場の内部にそういう議論がなければ、そんなうわさが起きるわけないんですよ。となると、現実に検討委員会等、あるいはそれを越えて市場の中でそういう議論が先になされていたのかどうか、それをお聞きしているんです。

○小山参事 東京都として検討を開始いたしましたのは、業界からご要望がございました十年四月以降でございます。

○川井委員 十年四月以降に動きをとったということでありますけれども、この時点では、現在地再整備が困難であって、移転という形の方向転換をするという結論は出ていない時期ですね。この時期に、既に豊洲という方向づけをされていたということでいいんですか。

○小山参事 十年四月に業界の方からご要望がございましたので、検討の素材として取り上げてはおりましたが、この時点で、既に東京都として豊洲のみを検討したというようなことではございません。ましてや、ここで決定したということではございません。

○川井委員 実は最初に聞いたのは、東京都が十年の四月から検討に入ったということでありますけれども、この時点で検討に入った、しかしながら、この時点で東ガスも芝浦も全く東京都からドアをノックされた覚えはない、人の土地を勝手に計画するのか、こういう言葉も出ていたように聞くんですけれども、そこら辺はどうですか。

○小山参事 東京ガスさんあるいは芝浦工大さんの方に対しましては、東京都が豊洲を検討を始めてから接触ということでございます。それまでに自分たちのまちづくりを考えていたという東京ガスあるいは芝浦工大さん、そちらの方には東京都としては迷惑をおかけした、一部そういうようなことでございます。

○川井委員 そして、十三年四月に豊洲地区を候補地として検討を進めるという形になったんだろう、こう思いますけれども、東京都のこの東ガスとの折衝の責任者、最高責任者はどなたで、何年何月からその方になられたんですか。

○碇山中央卸売市場長 ただいま担当の部長からご答弁申し上げましたとおり、経過といたしましては、現在地ということでいろいろ検討しておったわけですが、現に一部若干の工事にも入ったわけでございますが、川井委員ご案内のとおり、何分ともあそこは狭隘で狭いというようなことで、業界活動に非常に支障を来すというようなこともありまして、十年の四月の段階で業界団体から、移転も、可能性について検討されたいというようなことで、ただいま部長から話させていただきましたように、東京ガスとも並行的に事務レベルでは検討があったというふうに、私なりに認識しております。
 ご質問の、東京ガスとの関係でございますが、移転に当たりましては、これまで中央卸売市場という私ども局一局でやっておりましたけれども、何分ともこれはオール都庁の大事業でございますので、中央卸売市場だけではなかなか困難ということで、関係局集まりまして、五局体制というふうにいっておりますけれども、その五局の中で対応してきたということでございます。

○川井委員 質問に答えていただいてないんですけれども、東京ガスとの土地の折衝、この責任者はどなたで、何年何月から就任されておりますか。

○碇山中央卸売市場長 それぞれの役割分担がありますけれども、東京ガスとの窓口といえるのは、現在の知事本部が主に担当していたというふうに認識しております。

○川井委員 最高責任者は、私、浜渦さん、副知事と聞いております。何年何月から就任されたか、わからないんですか。

○碇山中央卸売市場長 今回の東京ガスとの基本合意の調印につきましては、責任者という、私どもの局の所管でも担当の副知事でありますし、加えまして知事本部の担当ということで、浜渦副知事ということで、浜渦副知事の着任以降、浜渦副知事が担当しておるということでございます。

○川井委員 何年何月に就任されたかわからないんですかという質問をしているんですがね。

○碇山中央卸売市場長 十二年七月でございます。

○川井委員 十二年七月に、東京ガスとの折衝の知事本部の責任者は浜渦さん、しかし、豊洲として決定したというのは十三年四月ですよ。豊洲として決定する前から東ガスの交渉をしていたわけですね。

○小山参事 先ほどもお答えしましたとおり、東ガスとの折衝が始まりましたのは十一年十一月からでございます。

○川井委員 東京都卸売市場審議会の方の答申、十三年四月であります。これで初めて豊洲という部分が公式に出たんだろう、私はこう思っております。
 しかし、今のお話のとおり、十一年十一月から豊洲として東ガスと交渉してきた、いわゆる豊洲が移転先だということが決定前から、既に二年も前から豊洲ということで、市場長あるいは東京都は決めてその交渉にかかってきた、こういうことが今事実としてわかってきたわけですけれども、私は、こういうことはできるだけ克明に、なおかつきちっとした形の中で関係委員会に報告してくるべきだったんだろう、こういう思いがしております。だからこそ、現実に移転ありきだったのか、あるいは豊洲ありきだったのか、こういう議論がいまだにくすぶっている、そういう思いがします。
 これは、これ以上やってもと思いますので、改めて前へ進みますけれども、そこで、先日ちょっと私、個人的に聞いたら、芝浦工大の方は土地の権利者じゃないんで、東京都は一切交渉しておりません、交渉する必要もありませんと、こういうお話も承りました。しかしながら、東京都の平成九年に出した整備計画の中で、それに沿った形の中で地権者である東京ガスと計画をしてきた、それも東京都は十分に知っていながら、芝浦工大との接触を一切持たなかったというのがどういう意味合いなのかな、こういう思いもしているんですが、ちょっとご意見を。

○小山参事 芝浦工大さんとは一切接触がなかったということではございませんで、芝浦工大さんの方は、やはり豊洲のまちづくりの方に計画をしておりました。そういう関係から、市場の方の情報収集、それから市場の方としては、市場の考え方のご説明を、数回にわたり芝浦工大さんとそういうような形で意見交換をしてございます。

○川井委員 そうしますと、私の情報が間違っていたのかもしれません。済みません。しかしながら、私は、やはり地権者じゃなくとも、そこに現実に計画を持った、これには誠意を持って対応すべきなんだろう、こういう思いがしてなりません。
 それと、現在、移転という形の中で着々と進んでおります。特に二号線にかかわる、これもたしか昨年だったでしょうか、年末までにある程度豊洲の移転がきちっと決まってくれないと、十二年末ぐらいまでにきちっと決まってくれないと、どうも二号線自身の基盤整備ができない、共同溝その他の計画が、中央市場が来るのと来ないのではえらい違うんだ、この計画を進められない、どうかそれを十二年末ぐらいまでに進めてくれないか、こういう議論があったように思います。
 それの方向づけというのを、これで見ますと、明けて十三年の四月に豊洲という形が決定してきているんでしょうけれども、そこら辺の建設局なり都市計画局との方の調整というのは、当時どのように進んだんですか。

○小山参事 市場周辺、豊洲のインフラの整備のお話かというふうに理解をさせていただきます。
 主要なインフラでございます環状二号線につきましては、当初、平成二十七年、豊洲-晴海間開通というような予定で組まれておりました。今後、財源の調達の努力、無利子融資を国から導入する、そういったような努力を行いました上で、平成二十年度に開通をするというふうに考えております。
 それから、そのほかのインフラといたしまして、晴海通りの延伸、「ゆりかもめ」等につきましては、平成十七年度完成予定でございます。

○川井委員 それと、この移転という考え方が出て、今まさに進んでいるわけですけれども、この移転によって大きく影響を受ける側、このことも忘れてはいけないんだろう、そのことに対してもできるだけの心遣いをしていくべきだ、こういうふうに思っておりますけれども、あの周辺の冷蔵庫屋さんとか、いろいろな関係企業の方々、倉庫屋さんだとか、あるいは運送屋さん、あるのかもしれない。
 そういうことを含めて、その関連事業の方々、これはどういうような対応をしているのか。例えば、一緒に移転していくならば用地を確保しますよということであるのか、そこら辺、どういうふうな経過を踏んで交渉しておられるのか、ちょっとお聞かせいただければと思います。

○小山参事 先生おっしゃいました関係の方々には、機会をとらえまして、ご意見を伺う等の努力をいたしております。
 今後、この市場の建設におきましては、これから基本構想、基本計画といったように進んでまいる予定でございます。その検討の中で、新市場における、今お話のありました冷蔵庫等関連事業等、こういったものをどうやって生かしていくか、組み込んでいくか、そういったようなことを検討していきたいというふうに考えておりまして、その検討の結果を踏まえまして、それぞれの会社、事業でご検討をお願いする、こういうふうに考えてございます。

○川井委員 その関連企業、それから後でちょっと質問しますけれども、場外の方々、こうあるわけですけれども、全部行きたいとなると、用地は間に合うんですか。

○小山参事 今お答えいたしましたとおり、それぞれの方々といろいろな機会にお話をさせていただいておりますが、先生おっしゃいましたような形でのお話というのは、今まで聞いておりません。残って営業をされたい方、それから行きたい方、いろいろご意見がございます。それぞれのご意見を伺いながら、今後十分それらのご意見が生かされるよう、東京都としても配慮してまいりたいというふうに思っております。

○川井委員 ぜひ一緒に行かれる方々のことを考えていただきたい。特に条件的なものが大きく変化してしまうんで、行きたくても行けないんだ、こういうような話が出ないようなご努力を、ここで希望しておきます。
 それともう一点は、場外と中央区の問題を残しているわけですね。場外の方々に対して希望をとったら、一一%ぐらいの方々が一緒に行きたい、あとの方々は、残って新たな中央区の拠点となるようなまちづくりをしてみたいんだ、こういうように聞いております。
 そのときに、私は、ついてくる一一%の人たちに対しての心遣いも確かに大事なことだし、また、残る方々に対しても、この市場と離れることによって、大変不安もあるだろうし大きな影響を与えられる、それは、まちづくりのことだから区に任しておけばいいんだ、こういうことではなく、そこに積極的な東京都の姿勢を見せていかなきゃならぬ、こう思っているんですが、どうですか。

○小山参事 中央卸売市場といたしましては、先生お話がございました築地市場の場外市場の方々に対しても、十分な配慮が重要であろうというふうに考えております。今後、場外市場の方々ともご意見を十分に交わしながら、中央区と関係機関と十分協議してまいりたいと考えております。

○川井委員 もう時間もあれなんで最後にしますけれども、中央区では、かなり反対の運動もあるやに聞きます。区長挙げて反対だというようなお話も聞いておるわけですけれども、ここら辺を東京都としての責任範囲の中で、これから区とどのような調整をしていき、区に理解をいただき、そして、なおかつ中央区に対してもメリットのあるような計画を残していけるのか。中央区にもメリットがあるように、場外で本当に厳しい経済情勢の中で何とか食っていこうという方々に対しても、ただ単に、おまえさんたち、今度区とまちづくりをやっていきなさいということだけではないんだろう。ここら辺の考え方は、ある程度残るまちづくりをやろうとする方々にも、それから中央区にも、東京都がこういう考えを持っているぞ、ここまではバックアップしていくよ、こういうものを速やかに構築して打ち出していく。そうしないと、なかなかこれは理解されないんだろうなと、こういう思いを持っているんですね。
 そこら辺で、例えば中央区あるいは場外に残る方々に対して、東京都もどのようなバックアップの仕方とか、あるいは手の差し出し方とか、そういうものをつくり上げていくような考えはあるんですか。

○小山参事 東京ガスとの基本合意を受けましてから、七月十二日に、中央区には豊洲移転について理解を求めるようお話をしていったところでございます。
 今後、中央区には、さらにご理解をいただくように私どもお話をいたしまして、努力をしていきたいというふうに思っておりますが、その際、今お話のございました場外市場、それから築地市場が移転した後の跡地利用、それらを含めたまちづくりにつきましても、中央卸売市場といたしまして、中央区を初め関係機関と十分話し合っていきたいと考えております。

○川井委員 ただ単に話し合っていくだけじゃなくて、ぜひ、東京都としてでき得ること、それを大いにこの議論の中で示していっていただきたい、こう思っております。中央区にとっても、そして、あそこで商いをして生活してきた方々にとっても、この移転問題というのは大変なことであります。将来を、あるいは自分の孫、子、こういう時代まで、一つの商いをする家あるいは会社、そういう企業に対して、あるいは個人経営者に対して、まさに大打撃になるのか、あるいは東京都が協力してくれた形の中で、そのまちづくりというものに参画してこういうものが得られた、まさに分かれ際というか、岐路にあるわけですね。
 私は、中央区というものを考えたときに、東京都の技術的な職員の方々の力量的なことを考えますと、都市計画局あるいは建設局等々、人材を集めますと、東京都の人材というのはかなり豊富に能力のある方々が大勢いらっしゃる、そういう人的な応援を含めて、あるいは財源的な手当てができるのかできないのか、そういうことを含めて、ぜひ積極的なかかわり合いを持っていただきたい。
 このことを希望しまして、質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

○中村委員 ただいまの話にも関連してまいりますけれども、平成十三年四月の東京都卸売市場審議会の整備基本方針が説明があったわけです。その中で、築地市場の整備が必要である、整備検討を進めていくべきであるというのがありましたね。今、流通形態といいますか、消費者の食生活の多様化、こういうものが非常に多くなってきているわけですね。
 その中で、築地市場の再整備に対しまして、市場当局がこれからの食生活と市場のあり方、こういったものをどういうふうにとらえているのか、そしてまた市場機能、コンセプト、位置づけ、こういうものをどういうふうに考えているのか、まずお伺いいたします。

○小山参事 市場のこれからのあり方、築地市場の再整備のあり方、市場機能のあり方についてのお尋ねというふうに考えております。
 築地市場は、千二百万人都民の台所であるとともに、三千三百万首都圏の基幹市場として機能しております。今後におきましても、引き続き重要な役割を担うことに変わりはありませんし、それを継続していくことが必要なことであろうと考えております。
 そこで、私ども豊洲の移転を考えておるわけでございますが、豊洲の新市場におきましては、まずIT化や流通のグローバル化を初めとする、将来の流通変化に的確に対応できる機能的な市場づくりを目指す、そういうことを考えております。また、生鮮食料品流通におけるコールドチェーンやHACCP対応など、食の安全、衛生対策を重視するとともに、環境問題に配慮した市場を目指していきたいと考えております。
 さらに、多くの都民が食事や買い物に訪れ、市場のもたらす食文化を満喫するなど、にぎわいを創出し、地域のまちづくりに貢献することができる市場を目指していきたいというふうに考えております。

○中村委員 今の答弁ですと、まず豊洲移転ありきということで、先ほどの川井委員からの質問の中でも、なぜ豊洲だったのかなと、私もまだ解せない部分がたくさんあるのですけれども、それはまた後ほど質問させていただきます。
 まず、市場の機能のあり方という中で、中央卸売市場の規模が、コンセプトの中で、どのくらいの規模、何ヘクタールくらいが一番望ましいのか、また、その立地的なロケーション、これはどういうところが一番いいのか、その辺のところも当然検討されて入ってきていると思うのです。その辺の検討の仕方、経緯をご説明いただきたいと思います。

○小山参事 規模がどの程度が適当なのか、ロケーションがどういったところが好ましいのかといったようなご質問かと思います。
 私どもは、昭和六十一年に現地再整備を決定いたしまして、平成三年に工事に着手をいたしましたが、その後、社会経済状況が著しく変化をいたしまして、基本計画において前提としていた条件が大きく変わってしまいました。都といたしましては、生鮮食料品の生産、流通、小売段階におけるドラスチックな変化への対応、情報化や物流の効率化、衛生、環境問題への対応、さらには、消費者の視点に立った新たな発想から見直しを考えた場合に、現在地では対応は困難だ、移転による抜本的整備が必要というふうに考えております。
 現在、生鮮食料品流通の変化は、少子高齢化やIT化等の社会状況の変化の中で、大きな過渡期、かつ変革期にございまして、その変化を十分見きわめつつ、市場のあり方を今後整理をしていく必要がある、その整理の結果を豊洲市場の基本計画に反映していきたいというふうに考えております。

○中村委員 今、市場の規模、果たしてこれから築地でそのまま対応できるのかということですよね。
 ただ、この前、他の委員会で、豊洲の開発する土地の土壌の説明がございました。その中で、その土地には六価クロム、ベンゼン、シアン、砒素、鉛、水銀、この六種類の化学物質が環境基準を超えていたという報告がされたわけです。これは、普通に考えたら大変な土地だなと、そこに生鮮食品、魚介類、そういうものの市場があっていいのかと、通常考えるわけですよね。
 ただ、その中で、東京ガスが土を掘り返してきれいにして、その上にまた土を盛るという説明がされましたが、果たしてそれが本当なのか、それで改善されるのか、専門的なことは、私たちわかりません。ただ、そういう化学物質が含まれている土地、非常に不安なわけですね。
 若洲ゴルフリンクスを東京都でつくりました。あのときも、土中にガスか何かがあって、ゴルフをやっているところでは、たばこを吸わないでください、そういうこともあったわけです。土というのは、一年、二年、五年で果たして改良できるのか、非常に不安なところを持っております。あえてまた豊洲というのならば、どのようにその不安を解消できるのか、その取り組み方を説明してください。

○小山参事 平成十三年一月二十五日に、東京ガスの方から、ただいま先生がお話しになりましたような発表がありましたことは、そのとおりでございました。
 その土地に対しまして、東京ガスといたしましては、土壌汚染の原因者としてPPP原則、いわゆる汚染者負担原則に基づいて、土壌に含まれる物質ごとに適切に処理を行うというふうに発表をしております。
 具体的には、まず、主にベンゼンを含む土壌には場内でのバイオ処理によって浄化をする、二番目には、シアンを含む土壌は場外で加熱処理によって処分を行う、三番目に、その他の四種類の化学物質につきまして、場外での洗浄処理等を行うとしております。汚染部を取り除いた場所には、汚染されていない土で埋め戻し、健全な土壌で回復するとしております。
 東京ガスでは、既に本年二月から処理を開始しておりまして、平成十八年度中には処理を終える予定だと考えております。私ども、これによって土壌は回復されるものというふうに考えております。

○中村委員 確かに自信を持って答弁をされているわけですけれども、非常に都民としては、不安というものは打ち消すことができないと思うのです。改良していく、これの報告を逐一してもらう、これは当然のことだろうと思います。ただ、今、土地がそうした不安な材料があるというにもかかわらず、築地移転に関して中央区と江東区に移転の協力を要請している、し始めてきた、そしてまた東京ガスとの基本合意がなされていると、どんどん進んでいってしまうわけですね。進めようとしているし、進んでいってしまう。何か検討する以前に、もうすべて土壌ができ上がっている中で、しようがないから、どんどん上へかぶせてきている。危険な化学物質のある土地にも、そんなことはきれいにすればいいのだ、ただもうその場所が豊洲しかない、そういう大前提でこの話が進んでいるのかなというふうに、どうしても考えざるを得ない。
 その中で、やはり私たちとしては、都民の代弁者としている議員としては、まず築地市場が豊洲に移転ありきという前提ではなくて、すべてが安全な土地なんですよ、この土地がロケーション的にも、そしてまた一千二百万都民に最大に有効な場所なんですよということを理解させることができてから、初めて作業を進めるべきじゃないかなと思うわけなんです。恐らく、答えは私の希望する答えにはならないだろうとは思いますが、土地の改善も、今のお話の中では、必ずやる、心配ないようにするといっておりますが、消費者の安全確保、そして食文化に対する安全に対して、再度ご見解を伺います。

○小山参事 東京ガスさんの方には土壌処理を、都の環境局の指導を受けて進めていただいております。東京都は、その処理が完了した後に土地を取得するということでございまして、全く問題はないというふうに考えております。
 また、中央卸売市場といたしましても、用地取得の際には環境局と十分連携し、生鮮食料品を扱う卸売市場の用地として支障がないことを確認するなど、先ほど先生がおっしゃいました、消費者の方々の心理も考えながら、万全を期してまいりたいと考えております。
 なお、豊洲のロケーションにつきましては、豊洲の規模が市場に適合すること、それから今後の環境の問題を考えました場合に、トラック輸送だけではなく、船による輸送といったようなものも考えていかなければならない、そういった点を考えますと、やはり豊洲は最適なところというふうに私ども考えております。

○中村委員 いろいろなことを考えて、築地よりか豊洲というお話であるわけなんですけれども、今一番話題になっているのが狂牛病ですよね。あれも、国の安全基準ですよという発表が十八日に出されました。その以前に、食肉業者さんが国産牛は安全ですというチラシを配った。そしてまた東京都も十八日以前に、東京都では四千五百頭の牛、二百事業所を全部検査しましたから大丈夫ですよといった経緯もあります。
 国と東京都、いろいろな検査のやり方が違うのは、もちろんわかります。だからといって、東京都で安全ですよといって、もし何かあったらどうするか、その責任はどうなるのか。ただ単に責任者が責任をとるというだけではなくて、日本国民が病むわけですよ。そうしたときにどうなるのか、そこら辺も十分考えた上での今回の報道になっていかなければならない。それは簡単な、ただ単に、まず豊洲ありきだとか、もう築地を建て直すには大変なんだ、そういう発想では、もちろんいけないわけです。
 そういうことも踏まえて、土地を改良したのも確実に報告して、食生活の安全を担保できるような方向をとりながら、慎重に作業を進めていくべきであると。答えをもらうとまた同じ答えになりますから、答えはいいですけれども、私は最後に、これはより慎重に、重大な決意を持って進めていっていただきたい。何かあったらすぐ報告をし、また方向が転換できるような、そのくらいの決意を持って、この豊洲、慎重に対応していただきたい。これだけ申し上げて、質問を終わります。
 以上です。答弁は要らないです。

○東村委員 今、お二方の委員の方から、築地市場の豊洲移転、整備問題については幾つかご質問がございました。私の方からも、これに関連して何点か伺いたいと思います。
 先ほど説明がございました築地市場の移転問題の経過によりますと、築地市場は平成十一年度以降、確かに大きく、現在地再整備から移転へと変わってきているわけでございます。これは方向転換といってもいいのじゃないでしょうか。
 この転換に当たっては、平成十二年度に開催された卸売市場審議会でかなりの議論がなされた、こういう話をお伺いしております。その上で、近年、生鮮食料品の生産、流通、消費、先ほども随分変化してきたという話がありました。私も、かなり変化してきているのじゃないかと。
 例えば、家庭で主婦が魚をさばかなくなった、こういう現象も起きてきているわけです。パックに入ったものを買ってきて調理をする、こういうことの流れにもなってきている。そういう中で、卸売市場の機能や役割も変わってきているのじゃないか。これも、ある意味で移転を検討していく上での大きな、大きなといったらおかしいかもしれない、一つの要因となっているのではないか、このように考えるわけでございます。したがいまして、この中央卸売市場も、これまで以上に、その市場としてのあり方がこれから問われてくるのではないか、このように考えるわけでございます。
 そこで、具体的に何点かお伺いしたい、このように考えております。全国で流通がなされております。この中で、正確な数字を把握するのは恐らく無理なんじゃないかと、私は思っておるわけでございますが、およそで結構です、約何割くらいが今、卸売市場を通らないで、直接、小売店や家庭なんかに運ばれていくのか。おおよそで結構ですけれども、もし把握していれば、現状について教えていただきたい。また、変化をするということですから、比較する必要はあると思います。十年前と比べて、その基準をどこに持ってくるかというのは、データを集約する上で非常に難しいのですけれども、十年前と比べて、どのように先ほどいったことが変化してきたのか。これらについて、把握している範囲で結構でございますから、教えていただければと思っております。

○小山参事 いわゆる市場外流通についてのお尋ねかというふうに思いますが、先生ご指摘のとおり、この数字につきましては、正確に把握することはなかなか難しいところがございます。
 しかしながら、総流通量に占める卸売市場取扱量の割合については、食料需給表と、それから卸売市場取扱量をもとに、毎年、国が卸売市場経由率という推計値を発表してございます。
 それによりますと、全国ベースではございますが、平成十年の卸売市場経由率は、水産物が七一・六%、青果物が七四・八%となってございます。十年間の推移というお話でございますが、基準を、まず最初の年を平成元年というふうにさせていただきますと、平成元年に比べると、水産物が七四・六%、青果物が八三%の卸売市場経由率でございまして、この十年間で水産物が三ポイント、青果物が八ポイント、卸売市場経由率が低下しております。
 卸売市場を通らない、いわゆる市場外流通量は、先ほど申しましたとおり、正確に把握することは困難といううらみはございますが、一〇〇%と、ただいま申し上げました数字との差を、おおよその市場外流通量というふうに考えていただいて結構かと思います。

○東村委員 今、ご説明していただきました。この十年間で確かに消費の動向は随分変わってきており、これに対応してやはり流通も変わってくるわけでございます。ポイントでいえばそんなに大きくないようですけれども、これを量とか金額にすると、随分大きな金額になってくるのではないか、このように考えております。
 そこで、築地市場の豊洲移転整備問題についても、先ほどから結論ありきじゃないのだよというご指摘が、何点かありました。確かに、将来にわたってこれらの消費者の動向、どういう動向をしていくのかというのは、なかなか難しいのだろうとは思いますけれども、この辺を、やはりいろいろな人たちの意見を聞いて、流通もどう変わっていくのかということを見据えていかなければいけないのじゃないか。そうしないと、また何十年後か先に、今起きている移転問題とか再編整備の問題というのが、つけ焼き刃的にやると、恐らくまた見直していかなければいけないのじゃないか、こういうことを考えているわけです。
 東京都は、このような消費の動向や、また、将来にわたる流通の変化をどのようにとらえて考えているのか、見解を伺えればと思っております。

○小山参事 豊洲の新市場は、首都圏の生鮮食料品流通の中核にある基幹市場というふうな位置づけを、我々いたしております。
 そのために、現在進展している生産、流通、消費の構造変化の行方を十分に見定めるとともに、IT化やグローバル化を初めとする将来の流通の変化にも対応できる市場づくりを行う必要があると考えております。
 そこで、都といたしましては、先月、新市場基本コンセプト懇談会を設置いたしました。この懇談会は、学識経験者と業界の四十歳代を中心とした若手の方々で構成をしておりまして、食生活と消費の変化や、川上、川下の動向と将来見通しなど、市場づくりの基本的事項について、自由闊達なご意見をいただくことを目的としてございます。
 都といたしましては、この懇談会を第一歩といたしまして、今後二年半をかけて段階的に新市場の骨格を明らかにしていきたいと考えております。

○東村委員 今、検討会を持って、二年半をかけて段階的に検討していきたいと。本当に、初めに結論ありきではなくて、やはり焦らないで、いろいろな方の、また、いろいろな分野の意見を集約していく必要があるのじゃないか。
 私は、都に対して非常に危惧していることが一つありまして、私は、この議会に送っていただいてまだ数カ月しかたっていないのですが、非常にトップダウン方式の行政が今、しかれつつあるのじゃないか。特に石原知事の一言一言、これをどんどんどんどん、それが結論のようにして進めていかれるような現場も見受けられます。今おっしゃった、この基本方針を貫いて多くの方の意見を集約する、この作業は大変しんどいわけでございまして、また労力を要するわけではございますが、これをぜひとも東京都はやっていただかないと、やはり多くの方の合意を得られない、反発を招いてくるのじゃないかと私は思うわけでございます。
 その上で、築地市場が豊洲に移転をし、拡大することによって、現在、築地市場が抱えているさまざまな問題点があるわけでございます。問題点がなければ、こういう話も出てこなかったのでしょうから、恐らくこの問題点を解決するために、いろいろ悩んできたのでしょう。狭隘化による危険性の問題、衛生上の問題点、私も現地に行ったことがありますから、よくわかります。
 また、ある人の話ですと、海外から日本に持ってくる海上の運賃よりも、市場内の物流コストの方が高くつく場合も出てくるのだと。そういった意味で、効率性の問題についても、しっかりとこれから考えていかなければいけない。移転によって、これらの問題点が本当に根本的に解決していくのか。
 先ほど、基本構想策定という話がありましたけれども、この基本構想策定に当たって、豊洲新市場、こういういい方をしていいのかどうかわかりませんが、移転した場合のこの市場が目指していく方向性、この辺についてどのように東京都は考えているのか、本当に根本的に解決をすることができるのか、これについてお伺いしたいと思います。

○小山参事 現在の築地市場が、先生ただいまお話がありましたように、さまざまな問題を抱えているということは事実でございまして、場内外の混雑、昔ながらの物流システムがもたらす非効率、こういった問題、それから商品管理や衛生対策の向上等、解決すべき多くの課題がございます。
 そのために、豊洲の新市場では、情報化や物流システムの革新、衛生対策の強化等を実現いたしまして、集荷、分荷、物流等における基幹市場としての機能を回復するということを目指しております。
 また、搬入、搬出車両の分散や場内運搬車両の削減、交通騒音や排気ガス対策等に取り組みまして、環境負荷が少ない、広くてきれいで使いやすい市場を目指していきたいというふうに考えております。
 そのためにも、現段階から多くの方々のご意見を承るべく、先ほど申し上げましたとおり、手順を踏んでの計画をつくっていくという手続を踏んでいるところでございます。

○東村委員 また、築地市場の移転整備問題については、私は、やはりこれから二十一世紀の市場づくり、何といっても大きく再整理していくということですから、今までと同じであってはいけないと思うのです。その意味で、やはり戦略的にこれらの市場づくりに取り組んでいく必要があると思います。
 そういった意味で、確かに市場関係者の方が一番苦しんでおられるし、一番影響を受けているということは事実ではございますが、ただ、その一点でまた終わるのではなくて、未来性のある、いわゆる首都圏の人たちが喜んで集まってこられるような、そこに来て、家族連れで楽しんで、よかったねといって帰れるような、東京都が何度も何度もいっています千客万来、このような市場を目指した、やはりエンターテインメント性なんかも、私はこれからの市場というものは考えていかなければいけない。
 築地市場というのは、確かに東京の市場であります、首都圏の市場であるかもしれません。ただ、これは日本の首都にある、一番の大きい市場でございます。世界的にも注目をされてくるわけでございます。世界の市場というのは、すばらしい市場が幾つかございます。そういった意味で、これからこの移転整備問題を一つのきっかけとして、新たな市場づくりというか、これからの市場はどうあるべきなのか、基本的な考え方、コンセプトみたいなものを、ぜひとも私は市場長にお聞きしたい、このように思っております。

○碇山中央卸売市場長 我が国の生鮮食料品の流通というものでございます。これは、我が国の制度と諸外国の制度との若干といいますか、いろいろな制度の仕組み、文化性、食文化の違いがあるやに、私なりに認識しております。
 東村委員ご案内のとおり、我が国の食料流通に当たりましては、卸売市場制度というものが根幹にございまして、それが今日まで来ているということでございます。いうまでもなく、戦時中の統制経済、それから終戦直後の食糧需給逼迫の時代には、このかけがえのない、我々の日常食します生鮮食料品の供給に関しまして、卸売市場制度というものが大きく機能したということは、これは歴史的事実と、私は先達の評価というふうに認識しております。
 しかしながら、今日、卸売市場を取り巻く流通環境は、先ほど来からご議論がございますように、大きく変化しておりますし、同時に、市場法の改正等も含めまして、卸売市場システムといいますか、市場システムそのもののアップ・ツー・デートな改革というのが、今、かなり多方面に議論されておりますし、現に農水省でも、近々、卸売市場におきます競争力強化のための総合検討委員会というものを、学識経験者、各業界の代表、それから開設者を集めまして立ち上げるというふうに聞き及んでございます。
 事、私ども中央卸売市場に関しましては、昭和十年に築地市場が開設されまして、先ほど来もご答弁申し上げましたけれども、三千三百万人、首都圏の台所という機能でございます。それから、何といっても全国の建て値市場、基幹市場という機能がございます。
 移転に当たりましては、ただいま申し上げたような時代の風と申しますか、それにかなった市場づくりというのが何よりも不可欠であると認識してございます。
 ただいまもご説明申し上げましたように、現在、新市場構築に向けまして、基本コンセプト懇談会をスタートしてございます。いうまでもなく、IT化やグローバル化など、二十一世紀の流通形態に的確に対応できる市場づくりと申しますか、それから、ご質問にもありましたようなにぎわいの機能ですとか、あるいは千客万来の市場づくりというものも、地域のまちづくりに貢献するというような観点から、あるいはオールジャパン、全地球的な観点から進めていく必要があるのかなと。そういう意味で、世界に開かれた市場というような観点も、大変必要であるかというふうに考えております。
 と申しますれば、豊洲の新市場は、このような意味で単なる場所のシフト論ということではなく、先ほど来からご論議ありましたように、単に豊洲先にありきということではなく、このような市場システムそのものの変容に見合った市場、これを実現していく市場でなければならないと考えてございます。
 ご質問にありましたように、これについて、多方面からのいろいろなご議論があります。多方面からのご意見を受けとめまして、新市場の建設に向けまして鋭意努めてまいりたい、かように考えてございます。

○東村委員 ありがとうございます。市場長の言葉から、結論ありきじゃないという言葉が出てきたことを、ひとまず私は信じたい、このように思っております。
 その上で、やはり何といっても築地市場を現在地で再編整備するには、これは聞いたお話ですけれども、恐らく二千億ほどの費用がかかってくるだろうと。また、豊洲に移転して整備しても、これから具体的にコンセプトを決めて詰めていくわけですから、幾らとはいいにくいのでしょうけれども、それに近い、またそれなりの金額が出てくるのじゃないか。かなりの資金の投入なわけでございます。そういう意味で、これは市場関係者だけの問題ではなくて、多くの都民の関心事にもなってくると思いますし、都民のためにも考えてもらわなければいけない、このように考えております。
 そういった意味で、これからの議論の過程で、先ほど来からいろいろな話が出ていました、私の方も、危惧をしているという話をしましたけれども、ぜひとも地域住民の声、地元の自治体の声や住民の声、そして市場関係者の声をしっかりと反映をした、本当に将来性ある、未来性ある、首都東京にふさわしい、これからの市場構築を検討していただきたい、このようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○曽根委員 同じく、移転問題について質問します。
 今まで、移転先にありき、豊洲先にありきだったんじゃないかとか、環境や安全の点で豊洲の場所はどうなのか、それから、時代の流れと市場の役割などについての議論がありました。
 それらの点については省きまして、まず第一点目に、関係業界との合意についてお聞きしたいと思いますが、この移転の話が出たのは九八年四月、業界団体から移転の可能性について問い合わせがあった。それの最初の東京都の返答は、要するに関係六団体で合意が前提ですよということでした。しかし、実際には、つい最近まで六団体中二団体が団体としては反対しているというにもかかわらず、移転すべきというゴーサインが審議会で出た。それによる混乱ももちろん起きているということです。
 したがって、この四月に移転すべきという結論を出した経過の中で、私、少なくとも六団体において完全に賛成できる、合意ができるという何らかの大きな見通しでもない限り、当初の約束に対する大きな逸脱になってしまうんじゃないかと思うんですが、特に大きな東京魚市場卸売協同組合、略称東卸、この組合との協議を行ったのか、そこでの状況はどうだったかについてお聞きしたい。

○小山参事 東卸組合との協議というお話でございます。豊洲移転に関する市場協議会との協議は、築地市場の全業界団体の代表者と都で構成する築地市場再整備推進協議会を公式な協議機関としてございます。しかしながら、移転について、より一層の理解と協力を得るために、個々の団体に対しましても、都の説明を聞く場や都との意見交換の場を設けていただくよう働きかけております。
 お尋ねの東卸組合につきましては、平成十二年十一月に同組合理事会に出席いたしまして、移転問題についての都の方針や用地確保の交渉の進ちょく状況を説明させていただきました。都といたしましては、このような働きかけを通じまして、移転問題に対する同組合との論議が深まるよう努めてまいりました。今後とも、また機会がある限り努めてまいりたいというふうに考えております。同組合が作成いたしました移転反対のビラが築地市場内には張られておりますが、このような努力の結果といたしまして、現在、徐々にそのビラの貼付が少なくなってきているという事実がございます。
 なお、四団体賛成、二団体反対というお話がございましたが、現在は五団体賛成、一団体反対、機関決定上はそういうふうになってございます。

○曽根委員 反対の組合が最近一団体、理事長さんの交代によって変更になったと。私、つい最近までは二団体だったというふうに先ほど申し上げた。
 それで、東卸ですけれども、今、お話の中で反対のビラが減ってきたと。しかし、理事会にご報告されたけれども、組合としての反対の意向を撤回されたわけではないわけですね。そういう点では、関係者の合意はできていないということは、もう明確な事実であります。
 同時に、中央区区議会、区長こぞっての反対の会もつくっての運動があり、つい最近も、私どもの会派で中央区議会で質問したんですが、区長自身から出している東京都に対する疑問に対しても誠実な答えはないという答弁が来ており、中央区としても反対の意思は明確という状況が続いています。そういう中で、移転先の江東区との話し合いに入っているというのも、私、非常に何か不明朗な話だなというふうに思います。
 特に、私は関係業界、特に大きな位置を占めている東卸組合の中での実情、ここから見ますと、このままの状態で移転を推し進めていくならば、必ず落ちこぼれると。それも一割二割が落ちこぼれる程度じゃ済まない、半分以上、場合によっては移転できないで、ついていけないというところが出る可能性があると思います。これは、公式に聞いても東京都としては関与していないと思いますが、東卸組合自身が巨額の負債を抱えていて、この返済そのものの見通しが極めて厳しいという状況にあり、確かに一定数の若手の社長さんにかわったところとか、やる気のあるところは移転して心機一転やろうじゃないかという声があるのは事実ですが、大半のところはなかなか厳しくて、しかもこの不況の中ですから、もう移転が決まったらついていけないという声が率直に私たちにも聞こえております。
 それで、築地市場が移転によって将来性が見えているのかという問題なんですけれども、築地市場の水産、青果、それぞれのこの間の取引高の推移はどういうふうになっているのか。それから、移転後を見通して、東京都としていろいろシミュレーションもやっているかもしれませんが、この先の築地市場としての取引の見通し、上向く可能性があるのかどうか、この点はいかがでしょうか。

○内村事業部長 まず、第一点目の築地市場におきます水産、青果の取扱高の推移でございますが、水産物につきましては、ここ数年、数量、金額ともに減少傾向にございまして、平成十二年は取引金額が引き続き減少したものの、取扱数量は前年と同様、わずか増加したという状況でございます。また、青果物でございますが、同様にここ数年、数量、金額とも減少傾向にありまして、ただし平成十年は、天候不順の影響から数量減、金額増となりました。このような状況でございます。
 また、二点目の市場業界の経営問題でございますけども、近年、市場を取り巻く流通環境が大きく変化する中で、景気の低迷が長引き、先生ご指摘のように市場関係業者の経営は大変厳しくなっております。特に、築地の水産仲卸業界、大変厳しくなっておりまして、水産は平成十一年で見ますと五六%程度が赤字業者となってございます。
 基本的に、業者の経営の健全化といったものは経営者自身の責任で行うものであると考えますが、出荷者や買い出し人に安心して都の中央市場を利用してもらうためには、市場業者の信用力の確保と経営基盤の強化が大変重要であると、このように考えてございます。

○小山参事 先生のご質問に、今後取扱高が大きく上回るのか、そういう可能性があるのかというご質問がございました。二〇〇七年をピークといたしまして、我が国の人口は減少に向かうと考えられております。一人当たりの食糧消費量も頭打ちという現状でございまして、市場取扱高が右肩上がりで上昇するという時代は、私ども、もう終わったというふうに認識してございます。
 しかし、市場間競争の激化や流通効率化の動きが加速する中で、築地市場を初めとする大都市拠点市場が市場流通に占める割合は高まってきている、こういう実情もございます。取引と物流の効率化や情報化、温度帯別の商品管理や衛生対策の向上など、出荷者や買い出し人のニーズにこたえる基幹市場づくりを豊洲で行っていけば、築地市場は現在の取扱高をやや上回る水準で推移する可能性はあるものというふうに考えております。

○曽根委員 私の実感とも、都の今のお話は非常に共通したものが多いと思います。
 それで、確かに仲卸さん、中に入っているとはいっても、個々の営業については自分たちが本当にやる気を持ってやってもらわなきゃならない、そこまで東京都がおんぶにだっこするわけにいかないと、これはそのとおりだと思います。しかし、東京都がいわば主導して市場を移転させるとか、もしくは再整備をするとかいうことをやる以上は、少なくともその業者の方々が働く器についていえば、最大限その業者の方々が仕事がしやすい場所にしなければならない、これは東京都の責任だと思うんですよね。
 そういう点から、東卸を含めて今非常に厳しい、半分以上が赤字という現状にある市場関係業者の方々の営業を土台で支えていくという責任は、東京都には明確にあると思うんですが、これは簡潔にお答えいただきたい。その責任を踏まえて、この再整備問題を考えていくということでよろしいんでしょうか。

○小山参事 場内で働く業者の方々が使いやすい市場にするということは、どこの市場においても開設者の責任の一つでございます。豊洲市場においては、今まで以上に使いやすいオペレーション、こういったようなものを実現していく方向で考えております。

○曽根委員 私、これは単に新しいものをつくったときの中身の問題だけじゃないと思っています。やはりシチュエーションの問題があるということです。そして、ホームページで新市場基本コンセプト懇談会ニュースというのが公開されていますので、私も見させていただいたんですが、ここに、先ほどお話のあったように、非常に厳しい、時代も変わってきている、この中で今後取引高が若干でも上向いていくという可能性があるとすれば、二つだというふうに議論をされているんですね。
 その一つは、集散市場への積極的な対応だと。つまり、競りとそれから相対取引が、今はもう同格になっていますよね。競りを中心に今まで頑張ってきた築地市場ですが、入荷と出荷で通過場所として使うというやり方に積極的に是認を与えるべきだ、そういう意見がある。そうすれば取扱量は間違いなくふえますよね。しかし、そのときには、このままでは市場関係業者の利益にはならないと、ただ通過していくだけなんですから。大手に場所をとられるだけだという意見はもちろんあって、本当にそれでいいのかという問題がある。
 もう一つは、ほかの市場との市場間競争に勝ち抜けば、地方市場が今軒並み厳しい、つぶれる可能性ももちろんある、そういうもののいわば受け皿として大都市拠点市場の役割は出てくるだろう、高まるだろうという話もある。この二つなんですね。
 どちらも、ある意味ではほかのものが、ほかのところがつぶれたり何かしたときにこっちが上向くという話であり、片方は、いわば中の業者の方の、今の段階では利益にならない場所提供というふうな形に市場がされてしまう可能性、危険性を含んでいる。私、どちらも築地市場が目指すべき方向とは違うんじゃないかというふうに、この中の議論を見た限りは思わざるを得なかった。
 私はむしろ、先ほどどなたかもお話がありましたけど、新しい築地市場の方向性としては、今までは競りもしくは相対取引、つまり卸売業者、それから仲卸、小売業者の間での取引が中心であった市場ですけれども、もう一般消費者もどんどん入ってきているし、場外市場も含めれば、いわば一般消費者への直接サービスも含めた時代への多様な対応が求められるんじゃないか。そこが、これからの時代の市場のあり方としては考えていかなければならない一つの方向じゃないかと思うんです。
 そういう点で、今の築地の場所、大江戸線も開通して駅前の一等地になった。それと豊洲と比べてみた場合、どちらにこれからの時代に発展していける--スペースにはもちろん差がありますよ、二倍ぐらい違うと思うのです。しかし、シチュエーションとしては、私は築地の現在地の可能性というのは極めて捨てがたいものがあると思うんですが、いかがでしょうか。

○小山参事 先生ご指摘のとおり、ただいま市場の物流、市場に買い出しに見えられる方、さまざま多様化しております。出荷者や買い出し人等の多様化が進んでいる。したがって、市場としては、その人々のニーズに対応した物流、情報システムの革新や保管、加工、商品開発の強化などの新たなシステムの施設を導入していく必要があるというふうに考えております。
 そのように考えた場合に、現在の築地市場は、慢性的な市場周辺路上での駐車や荷さばき、物流コストの増嵩、都民の消費ニーズの変化に対応できる商品開発力や商品管理能力の向上におくれている、こういった問題に直面しているわけでございまして、これらに対応する機能を導入することは、現在の築地市場では私ども、狭小に過ぎる、不可能であるというふうに考えております。
 したがいまして、シチュエーションとしては、むしろ築地市場が豊洲に移転することによって初めてこういった問題に対応していける、そういったことができるというふうに考えております。

○曽根委員 確かにスペースは、今いろいろ議論されている対象としては四十ヘクタールぐらい、現在地が二十三ヘクタールですから、大きく広がる。移転のメリットとすれば、そこが最大のものだと思います。しかし、同時に都心からは、今の場所から二・五キロ離れて、しかも現在予定されているアクセスは道路一本、環二だけですので、そういう点で考えた場合、本当に量的拡大が大きく望めないとするならば、質的強化という点で、どちらの場所がいいのかは、私はまだまだ大いに議論すべき余地があるというふうに思うのです。
 したがって、審議会の結論は、業界との先ほど申し上げました合意という点でももちろん、環境問題、安全問題、それから移転がいつ決まったのかという不明朗な部分、中央区の反対なども含めて、同時に市場のあり方という点でも、まだまだきちんと議論されなきゃならない問題が残っているというふうに指摘をしたいと思います。
 さて、その問題はそれとしまして、現在の場所でも、どちらにしても対策をとらなきゃならない緊急問題があります。特に私が聞いているのでは、場内の車両の改善、それから冷蔵庫の更新です。冷蔵庫は民間の持ち物が大半なので、東京都が資金援助をするとかいう関係ではないにしても、働いている労働者の話では、アンモニアガスが漏れるのはしょっちゅうのことで、もう耐用年数ぎりぎりに来ていると。移転まで十何年ですか、予定どおり移転したとしても。再整備したとしても、どちらも時間がかかる。どちらになるにしても改善が急がれている、何らかの対策を打ってほしいという要望が聞こえております。
 こうした問題についての必要な対策を検討し、できるところからどんどんやっていくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○小山参事 整備待ちにならずに、必要な対策をどんどん講ずるべきだという趣旨のご質問だろうというふうに思います。
 都では現在、今年度を初年度とする第七次卸売市場整備計画を策定中でございます。本年四月に卸売市場審議会から、その基本となる整備方針の答申をいただいたところでございます。
 その方針の中で、移転までの間、現在地の市場の機能を維持し、流通の変化に対応するための整備が必要であるとしてございます。都ではこの答申を踏まえ、既に築地市場暫定整備案を業界の方に提示をいたしております。
 その内容の主なところは、再整備工事用種地の開放や、卸売場の再配置等によりまして、駐車場及び場内交通動線の確保と物流の効率化を進める、二番目に、生鮮食料品の鮮度保持、品質管理の向上のための低温卸売場等の整備、三番目に、老朽化した施設設備の保全と機能維持ということでございます。
 場内搬送の車両につきまして、電動化は既に補助制度を設けて、従来から取り組んでいるところでございます。
 また、民間冷蔵庫につきましては、所有者による設備の更新等が既に実施されてございます。

○曽根委員 現状で一番大きいのは、だれがどう責任を持ってやるのかはともかくとして、すぐ解決ができる冷蔵庫の問題だと思うんです。大きな地震が来れば、本当に危ない。もし大きな事故があった場合には、全体の市場を運営している東京都の責任も免れませんので、業界との話し合いを含めて、対策を講じていただきたいと要望しておきます。
 次に、その財源の問題なんですけれども、たしか九六年、平成八年度に市場会計から四百億円の一般会計の貸し付けが行われ、その後、昨年度、この決算年度では二千億円の貸し付けがさらに行われています。この返済がもう間もなく始まっていくと思うんですが、それぞれいつから返済が始まるのか、返済が最終的に終わるのはいつなのか、教えてください。

○長尾管理部長 まず初めに、平成八年度に貸し付けました四百億円ですが、これは平成十五年度で一括償還される予定になっております。
 それから、平成十二年度に貸し付けを行いました二千億円ですが、平成十七年度から償還が始まり、平成二十一年度までに返済される予定になっております。

○曽根委員 これは、私が聞いたうわさの範囲ということにしておきますが、この二千四百億円はもう返ってこない、だから移転して、築地の土地、豊洲の土地に比べればはるかに値がいい、売れば財源ができるじゃないかという話が、まことしやかにというか、私はそれなりの根拠があると思うんだが、聞こえてくる。もうあきらめているんじゃないかという声が聞こえてきたので、改めて確認をしておきたい。これらは、きちっと返済させる見通しと決意がおありかどうか。

○長尾管理部長 返済されると確信しております。

○曽根委員 市場のお金ですから、市場の会計として適切に処置していくべきなんですね。この問題があるから、事態が推移していけば後でだんだんわかってくるんでしょうけれども、移転に拘束されていく、移転じゃなければできなくなっていくというようなことがないように、これは申し上げておきたい。
 市場会計については、昨年度、決算年度では、このほかに食肉市場の北側棟の改築も行っているわけで、これは要望の範囲にしておきますが、私たちは、と場関係については、同和業者が入り込んで、かつて特命随契ということで、入札もしないで莫大な事業を発注した経緯があって、そういった企業については、指名停止にして入札に入れるなということを厳しくいってきたんですが、残念ながら北側棟には銭高組が入ってしまいました。入札ではありますけれども、私たちはこの点は厳しく意見を当時申し上げました。
 また、この北側棟の建設は、食肉市場のいわば事務部門、そしてPR部門がありますので、この間起きている狂牛病の問題やO157問題など、消費者に対して、または関係者に対して、十分正確な情報を伝えられるような施設の充実もぜひ行っていただきたいということを最後に申し上げて、終わります。

○執印委員 それでは、まず初めに、有機農産物について伺います。
 平成三年から個性化コーナーなどを大田市場、築地市場に設けて、有機農産物の取引促進を行っているというふうに伺っております。そして、平成五年からは、北足立市場、葛西市場なども、有機農産物の産直形態から卸売市場流通での展開への体制づくりを進めていますが、その推移状況についてお伺いをいたします。

○内村事業部長 有機農産物についてでありますが、中央卸売市場におきましては、平成三年から卸売場に有機農産物の特別コーナーを設けるなど、販売の促進を図ってきたところであります。現在、青果市場九市場のうち七市場に特別コーナーが設置されております。
 中央卸売市場における有機農産物の取扱状況は、平成五年からの調査によりますと、特別栽培農産物を含めた有機農産物等は、日量おおむね四十トンから六十トン前後で推移しておりまして、全体の青果物取扱数量に対する割合は、〇・四%から一・三%の前後で推移しております。そのうち有機農産物は、日量おおむね十トンから三十トン程度の取り扱いとなっております。

○執印委員 ありがとうございました。
 有機農産物というものがまだまだ取り扱いが難しいということと、戦後ずっと化学肥料による農業というのが進められてきた中で、転換そのものが難しいということがあるんだというふうに思いますが、市場として、この十年間の中での促進、また体制づくりにおける課題と今後について、どのようにお考えなのかをお伺いいたします。

○内村事業部長 中央卸売市場における有機農産物の流通促進等に係る課題でございますが、これまでの実績、経験からいたしますと、まず、有機農産物は品目、数量とも少なく、定時定量の流通という卸売市場流通の条件にこたえにくいという面がございます。また、生産コストがかかる割にはつくりづらく、大量生産、大量流通が難しいこと、そして、出荷量が少ないことから運賃コストがかさみ、継続入荷が難しいこと、そして製品としての見ばえも悪く、形状がばらばらということで、形の悪いものは市場での評価が低くなることなどの課題がございます。
 しかしながら、都民の健康志向や安全志向もございまして、都民の有機農産物への期待は大きいものがあると考えております。有機農産物の拡大を図っている生活文化局などとの連携も含め、今後とも消費者ニーズにこたえられるよう努めてまいりたいと考えております。

○執印委員 ありがとうございます。
 先ほど来お話が出ておりますように、市場の役割というものも、今後見直されていく必要があるのかなということを私も感じながら、やりとりを聞かせていただきました。
 次に、市場のごみ処理について伺います。
 まず、平成十二年度における市場のごみ処理量及び都が負担している費用について伺います。

○長尾管理部長 平成十二年度におきます中央市場におけるごみ処理量ですが、食肉市場を除く十の市場で、一般廃棄物が約三万五千トン、発泡スチロールが約四千五百トン、合わせまして約四万トンでございます。
 これらの処理に必要な経費のうち、都が負担しております費用は二億一千三百五十万円でございます。

○執印委員 廃棄物の量の多さと、かなりの都の負担額があるというふうに思います。今後のリサイクルへの取り組みが大きな課題だと思います。今、いろいろ問題になっております狂牛病の問題なども含めて、大変難しい問題があると思いますが、現在進めている各市場でのリサイクル状況についてお聞かせてください。現在進めている部分で結構でございます。

○長尾管理部長 各市場において行っておりますリサイクルですが、各市場におきましては、各事業者が自主的に団体を設置いたしまして、それぞれリサイクルに取り組んでおります。
 ちょっと具体的に申し上げますと、魚腸骨、これは魚のあらとか、マグロの頭なんかですが、こういうもの、それから食肉の残渣、段ボール、瓶、缶、これらは専門の業者が回収してリサイクルを行っております。
 また、発泡スチロールにつきましては、市場内で溶融固化、つまり溶かして固めるということで、これを行い、それを売却しております。

○執印委員 今の東京の中で取り組みが進められているんだということは理解をいたしますが、さらに進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 次に、青果物を対象に板橋市場におけるコンポスト化の実験事業の本格実施に向けた検証についてですが、昨年の課題として、業界への理解と協力が必要、それからコスト削減の検討、または二次発酵処理の検討などが挙げられておりましたが、課題の解決に向けてどのように検討されてきたのでしょうか。

○長尾管理部長 お尋ねの平成十二年度におきます板橋市場での実験の結果でございますが、事業者による分別収集が徹底されるなど、業界の意識は高まってきております。
 しかしながら、コストの削減につきましては、現在の処理技術では、機器の使用料や人件費など、これらの削減は難しい状況にございます。
 また、二次発酵処理につきましても、場所の確保等が依然として残されておりまして、引き続き検討課題となっております。

○執印委員 ありがとうございます。
 市場として実験事業を進められてきたことは、大変評価できるものというふうに考えております。関係者の皆様のご努力にお礼を申し上げたいと思います。
 しかし、食品リサイクル法も施行されましたことから、今後さらに循環型の社会づくりに貢献するように、市場としては、市場の全事業者がコンポスト化を初めとして積極的にリサイクルに取り組めるようにするべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○長尾管理部長 循環型社会を目指すためには、ごみの減量化、再資源化が重要であると認識しております。そのためには市場の事業者と協力しまして、コンポスト化の本格実施に向けた検討を初め、リサイクルに積極的に取り組んでいきたいと考えております。

○執印委員 今、コンポスト化の本格実施の検討を初めというようなお考えを示されまして、リサイクルに積極的に取り組んでいくということが示されましたが、農水省の総合食料対策事業のうち、総合食料対策地方公共団体推進事業、食品流通活性化地域対策事業の補助事業というものがございますが、この活用についての検討はされているのでしょうか、お伺いいたします。

○長尾管理部長 生鮮食料品の衛生的で安全な流通を図るとともに、ごみの減量化、再資源化に努めますことは、市場にとって極めて重要な課題であります。
 そのためには、どのような施設整備を行ったらいいのか、ご指摘の補助事業を活用できるのかどうか、これらにつきまして、実際に市場を使用しております事業者の意向を調査した上で検討してまいりたいと思います。

○執印委員 ありがとうございます。
 こういった問題につきましては、事業者と連携をしながらというところが非常に重要だというふうに思いますので、ぜひ丁寧に進めていただきたいと思います。
 最後になりますが、ごみ処理に関しては、しっかりと検証することが前提だというふうに思います。これまでの条件では、前進することはなかなか難しいかと思いますので、この補助事業の活用を図るなどして、積極的に事業者への働きかけをして、モデル的なリサイクル事業を立ち上げていくことなど、一歩ずつ進めていくことが必要であるというふうに思います。
 また、食品リサイクルにおける都独自のごみ排出量の規制をつくるなどして、インセンティブを与えるような施策を他局と連携して講じていくことを提案いたします。
 最後に、市場長さんにぜひお伺いしたいんですが、私は、八九年でしたか、東京都への食品安全条例の直接請求の運動にも地域で参加しておりました。当時は、食品安全への認識というのがまだまだ低かったなという印象を持っております。昨年の牛乳の事故ですとか、また狂牛病というふうに、不安な食の現状が次々と発覚しておりまして、市民が暮らしの中から提案してきた食の安全の確保というのが大きな政治課題となっている、その解決が急がれているというふうに感じております。
 食べることは生きることだということを、これまで以上に十分に念頭に入れていただきまして、今質問させていただきました有機農産物の取り組みも含めて、今後、各局と連動しながら市場の展開をしていただきたいと思います。
 市場の役割が見直される時期だということが、ほかの委員の方からも出されまして、私もいろんな意味で、そこを通過するというだけではなくて、市場そのものが、安全、安心、信頼の拠点となる、そういう市場にぜひしていっていただきたいわけですが、市場長のご決意をぜひお伺いしたいと思います。

○碇山中央卸売市場長 私自身、市場改革という観点からやらなければならない幾つかの課題があるというふうに思っておりますが、そのうちの一つは、やはり市場におきます環境対応、これだけグローバルの環境問題が提起されておりますので、執印委員からお話がございましたコンポストも含めまして、幾つかの環境対応というのは進めてまいりたいと考えております。
 なお、あわせまして、狂牛病のお話もございますが、いずれにいたしましても、市場は消費者に対します入り口でございます。いい方を変えれば、最後のとりでと申しますか、立場にございます。そのような意味で、食品の安全というのは常に消費者サイドに立った形で現在進めております。そのような意味でも、今後とも努めてまいりたいと考えております。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時五十二分散会

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