委員長 | 大山とも子君 |
副委員長 | 星野 篤功君 |
副委員長 | 萩谷 勝彦君 |
副委員長 | 植木こうじ君 |
理事 | 大木田 守君 |
理事 | 古賀 俊昭君 |
理事 | 吉野 利明君 |
理事 | 坂口こうじ君 |
理事 | 松村 友昭君 |
服部ゆくお君 | |
大西由紀子君 | |
近藤やよい君 | |
かち佳代子君 | |
前島信次郎君 | |
五十嵐 正君 | |
清原錬太郎君 | |
藤川 隆則君 | |
河合秀二郎君 | |
東ひろたか君 | |
桜井 武君 | |
小林 正則君 |
欠席委員 二名
出席説明員衛生局 | 局長 | 今村 皓一君 |
総務部長 | 櫻井 巖君 | |
中央卸売市場 | 市場長 | 大矢 實君 |
経営管理部長 | 長尾 至浩君 | |
港湾局 | 局長 | 齋藤 哲哉君 |
総務部長 | 渡辺日佐夫君 | |
交通局 | 局長 | 寺内 広壽君 |
総務部長 | 松尾 均君 | |
水道局 | 局長 | 赤川 正和君 |
総務部長 | 小泉 智和君 | |
下水道局 | 局長 | 横山 博一君 |
経理部長 | 馬場 正明君 |
本日の会議に付した事件
平成十一年度東京都公営企業各会計決算の認定について(意見開陳)
・病院会計決算
・中央卸売市場会計決算
・埋立事業会計決算
・臨海副都心開発事業会計決算
・羽田沖埋立事業会計決算
・交通事業会計決算
・高速電車事業会計決算
・電気事業会計決算
・水道事業会計決算
・工業用水道事業会計決算
・下水道事業会計決算
○大山委員長 ただいまから平成十一年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
初めに、先般の組織改正及び人事異動に伴い、本委員会の担当書記が交代いたしましたので、紹介いたします。
議事課の竹田千鶴子さん、高畠信次さんです。議事部議案調査担当の柴田京子さんです。議案調査課の木之内美智さんです。よろしくお願いいたします。
〔書記あいさつ〕
○大山委員長 本日は、平成十一年度公営企業各会計決算の認定について意見開陳を行います。
これより決算の審査を行います。
平成十一年度東京都病院会計外十会計決算を一括して議題といたします。
本決算につきましては、いずれも質疑を終了しております。
これより意見開陳を行います。
順次発言を願います。
○吉野委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、平成十一年度の公営企業会計決算について意見の開陳を行います。
初めに、各公営企業会計の共通事項について申し上げます。
平成十一年度の損益勘定の収支状況について見ますと、全十一会計のうち、水道事業会計、下水道事業会計等六会計が純損益で黒字、高速電車事業会計、臨海副都心開発事業会計等五会計が赤字となっております。そして、十一会計全体の累積欠損金は約五千三百四十三億円となっており、引き続き経営の効率化が必要であります。
いうまでもなく、公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進することを使命としております。この視点から、公営企業として実施している事業は、社会経済の進展を踏まえて、アウトソーシングやPFIなどを積極的に取り入れ、事業の効率化を進め、さらには事業の民営化等も視野に入れて検討していく必要があると考えます。
同時に、病院事業における医療事故の発生防止や、交通事業や高速電車事業における乗客の人身事故の防止対策等、安全確保については万全を期されるよう要望いたします。
それでは、個別に各会計について意見を述べたいと思います。
まず、病院会計について申し上げます。
一、都立病院は、その基本的役割である救急医療、障害者医療などの行政的医療や、がん医療、難病医療などの高度専門医療を都民に適正に提供するとともに、ターミナルケア、周産期医療など、都民要望の強い医療にも引き続き積極的に取り組み、高度専門医療機能の一層の充実に努められたい。
二、都財政の厳しい状況を踏まえ、一般会計補助対象経費の見直しを行うとともに、経費の節減と収入の確保に努め、より一層の経営基盤の強化に努められたい。
三、都立病院は、医療事故防止対策に万全を期すとともに、インフォームド・コンセントの充実、カルテ等の診療情報の提供を推進することにより、患者中心の医療の提供と患者サービスの向上に努められたい。
四、都立病院は、その医療機能を生かし、地域の医療機関との連携を進め、地域医療のシステム化に積極的に寄与されたい。
五、都民の救急医療への強い要望を踏まえ、東京発の医療改革の核となる東京ERの整備に万全を期されたい。
次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
一、都民に対する生鮮食料品等の円滑な流通と安定的な供給を確保するため、健全な財政計画に基づき、第七次卸売市場整備計画を着実に策定されたい。
二、築地市場の移転整備に当たっては、関係者との協議、調整に十分配慮するとともに、二十一世紀の首都圏の基幹市場としての役割を適切に担えるよう努められたい。
三、多摩地域の青果地方卸売市場については、多摩地域における青果物の円滑な供給を図るため、卸売市場整備の方向性を第七次卸売市場整備計画で明確にされたい。
四、市場内の環境改善や衛生対策を一層推進するため、市場関係業者との連携協力体制を強化し、リサイクルの推進や大気汚染対策など、市場の環境負荷を軽減する対策に努められたい。
五、市場財政の健全な運営を確保するため、徹底した内部努力など経営の合理化に努めるとともに、効率的な資金運用や財産の有効活用など、さらなる財政基盤の強化に取り組まれたい。
次に、埋立事業会計について申し上げます。
一、東京港の埋立地は都民の貴重な財産であり、長期的な視点に立った着実な開発整備を推進するとともに、都民のニーズに対応し、海上公園やスポーツ・レクリエーション施設の充実を図り、良好な都市環境の形成に努められたい。
特に、有明北地区の埋め立ては、豊かな水辺環境を生かした職住近接のまちづくりを目指すとともに、東京臨海地域の発展に大きく寄与する広域幹線道路の整備などに不可欠なものであり、積極的に事業を進められたい。
また、老朽化した護岸の改修等を実施し、埋立地の防災対策に万全を期されたい。
次に、臨海副都心開発事業会計について申し上げます。
一、臨海副都心の開発は、東京の活力と創造力を生み出し、都民生活を支える新しいまちを創造する重要な事業である。今後とも、東京の新たな名所として都民の間に定着しているこの地域の一層の活性化を図るとともに、共同溝の開放など進出事業者の誘致策に積極的に取り組み、着実に開発を推進されたい。
また、臨海高速鉄道の大崎延伸や新交通「ゆりかもめ」の豊洲延伸、臨海副都心地域と都心部とを結ぶ晴海通りや環状二号線など広域幹線道路の整備を積極的に推進されたい。
次に、羽田沖埋立事業会計について申し上げます。
一、羽田空港の沖合展開に伴う埋立造成及び用地処分は既に終了したところであるが、引き続き浅場造成事業の円滑な推進に努められたい。
なお、平成十三年度から、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計は統合され、新たに臨海地域開発事業会計が設置された。今後、これを契機として取り組みの一層の強化を図り、東京再生の起爆剤となる東京臨海地域の総合的、一体的な再編整備を着実に推進されたい。
次に、交通事業会計について申し上げます。
一、経営計画に定めた事業計画の着実な執行に努めるとともに、組織の簡素効率化等により、徹底した経営の効率化を推進し、収支目標の達成に努められたい。
二、バスの車体広告を拡大し増収を図るなど、関連事業の積極的展開を図られたい。
三、バス事業については、乗客潮流の変化に対応したバス路線の整備を図るとともに、地下鉄との乗り継ぎ案内の充実など利便性向上のための方策を推進されたい。
四、ノンステップバスや低公害型バスの導入拡大に努める等、福祉や環境にも配慮した先導的施策を引き続き推進されたい。
五、路面電車について、利用者の利便性の向上と乗客誘致をさらに推進されたい。
次に、高速電車事業会計について申し上げます。
一、経営計画に定めた事業計画の着実な執行に努めるとともに、組織の簡素効率化等により、徹底した経営の効率化を推進し、収支改善に努められたい。
二、駅構内の空間を最大限に活用するなど、関連事業の積極的展開を図られたい。
三、大江戸線の全線開業により飛躍的に拡大した都営地下鉄ネットワークを生かした、より安全、円滑な輸送サービスの提供を図られたい。
四、鉄道事業者間の共通カード制度を拡充するとともに、わかりやすく、利用しやすい地下鉄運賃制度について検討を進められたい。
五、交通バリアフリー法の趣旨を踏まえ、エレベーター等垂直移動施設の整備、車いす対応型トイレの設置等を推進されたい。
六、安全のための施設整備を推進するなど、安全確保に万全を期するとともに、乗客が安心して利用できるよう適時適切な情報の提供に努められたい。
七、線路、駅ホームなど、地下鉄の安全対策や利用者利便の向上を図るための施設整備が計画的に進められるよう、国等からの助成制度の拡充に努められたい。
次に、電気事業会計について申し上げます。
一、引き続き良好な経営状態となっているが、電気事業の規制緩和の進展を踏まえ、一層の効率的経営に努めるとともに長期的な経営のあり方についても検討されたい。
次に、水道事業会計について申し上げます。
一、利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画で予定している新規水源開発について、国に一層の促進を要望するとともに、水源県との協力関係を深め、その推進に努められたい。
二、現在及び将来にわたる安定給水を確保するため、主要施設整備事業を強力に推進するとともに、事故、震災時においても都民生活や都市活動に必要な水を確保できるよう、応急給水槽の整備や水道施設の耐震性の強化など、引き続き震災対策に万全を期されたい。
三、貴重な水資源の有効活用を図るため、経年配水管の取りかえ、給水管のステンレス化及び漏水防止作業などの漏水防止対策を推進し、漏水率の低減化に努められたい。
四、安全でおいしい水を供給するため、水質監視体制の充実及び浄水処理技術の向上に努めるとともに、高度浄水施設の建設を積極的に推進されたい。
また、水質基準の改定動向を踏まえ、鉛製給水管の早期解消に努められたい。
なお、河川水質の保全について、下水道の整備促進など国に強く要望されたい。
五、都民への節水意識の高揚、大規模ビル等に対する循環利用及び雨水利用の促進等、節水諸施策を積極的に推進し、節水型都市づくりに努められたい。
六、資源のリサイクルやエネルギー効率のよい水道システムの構築を図り、環境に配慮した施策への取り組みを積極的に推進されたい。
七、水道事業経営プラン二〇〇〇に盛り込まれたPFI手法の適用範囲の拡大など、新たな経営手法の積極的な導入や企業努力により、事業運営の一層の効率化に努められたい。
次に、工業用水道事業会計について申し上げます。
一、工業用水道事業については、安定給水及び施設の安全性を確保するため、経年管の更新を初めとした諸施設の整備を進めるとともに、より一層効率的な運営に努められたい。
次に、下水道事業会計について申し上げます。
一、区部における下水道普及困難地域の早期解消に努められたい。
二、浸水から都民の生命と財産を守るため、浸水対策を積極的に推進するとともに、最近の局所的な集中豪雨に対処する緊急重点雨水対策を着実に実施されたい。
三、老朽化施設の更新にあわせて、能力不足の解消や機能の高水準化を図るなど、効率的な再構築事業を推進されたい。
四、公共用水域の水質を改善し、快適な水辺環境を創出するため、高度処理や合流式下水道の改善を推進されたい。
五、多摩地域における下水道の普及を促進するため、流域関連公共下水道の整備と整合を図りながら、流域下水道建設事業を積極的に推進されたい。
六、多摩地域の浸水被害を解消するため、市や町が行う雨水排水の施設の整備との整合を図り、必要な浸水対策を推進されたい。
七、循環型社会の形成に資するため、再生水の利用、下水汚泥の資源化及び下水熱利用などの技術開発を進めるとともに、その利用の拡大に努められたい。
八、下水道管渠内の光ファイバーケーブルを利用した情報通信網の構築等、下水道の多目的利用を積極的に推進されたい。
九、下水道施設の周辺環境を良好に保つため、臭気、騒音等の対策に万全を期されたい。
また、処理場の緑化の促進や、バリアフリーにも配慮した施設上部の公園化など、地域住民に親しまれる施設づくりに努められたい。
十、下水道施設を適正かつ効率的に維持管理するとともに、適切な人員配置、新技術の導入、資産の有効活用など不断の経営改善に取り組み、将来とも健全な財政基盤の確立と都民サービスの向上に努力されたい。
以上をもちまして、私の意見開陳を終わります。
○かち委員 日本共産党を代表して、一九九九年度、平成十一年度公営企業会計決算について意見開陳を行います。
本決算年度は、不況の深刻さがますます深まる中、都民生活を守ることが何より都政の重要課題でしたが、都財政危機を理由に公私格差是正事業の廃止など、福祉分野の切り捨てが始まった年でした。一方、都財政危機の最大の原因である投資的経費のあり方が、根本から問われた年でありました。
公営企業会計は、一般会計事業より、一層大型開発などの投資的経費が膨らんだ分野だけに、その事業内容を徹底的に見直し、必要なものだけに切りかえていけば、今日の都財政のより深刻な事態を食いとめることができた分野です。我が党は、この立場から一貫してただしてまいりました。
しかし、結局、臨海副都心開発事業に象徴されるように、この年度においても、都市基盤施設の整備、東京港臨海道路整備などの開発が一層促進され、その傷口を大きくする結果となり、今日の臨海関連三会計の統合で破綻を繕う事態に至ったことは重大です。
まず、港湾局所管の三会計です。
臨海開発の中心となる土地処分は、第一次土地処分で五企業が辞退する、さらに、第二次公募、そして追加公募を行っても決定企業の契約さえできないという、全く見通しのない状況が明らかになりました。その一方、九九年度末の累積欠損金は四千九百九十億円、長期支払い金が一兆二千七百九十億円となり、破綻状況にあることが、だれの目にも覆いがたい事実となりました。
羽田沖埋立会計、埋立事業会計を臨海副都心事業会計に統合することは、両会計の一兆円にも及ぶ都民の財産を臨海の赤字の穴埋めにすること以外何物でもなく、そんなことは断じて許されるものではありません。撤回すべきです。
また、これ以上の臨海への投資的事業は、事態を改善させるどころか、ますます財政的に泥沼状態になることは明白です。有明北の埋め立てや臨海関連道路などを凍結し、開発計画の抜本的再検討と、今後、財政負担を必要最小限に抑えるための見直しを求めるものです。
中央卸売市場会計については、この年の十一月に、築地市場整備推進協議会によって移転整備の方向が出されて以来、豊洲への移転計画が中心となっています。本来、市場は、こうした移転先にありきではなく、競り売り原則に立ち返った市場運営にこそ力を注ぐべきです。
交通事業会計は、都民の重要な移動手段であるバス路線の大幅な縮小、廃止を前提として、バス路線の再編整備計画の準備を進めた年でした。このことは、とりわけ高齢者の足を奪うことになり、高齢者が病院に行くことさえ困難になる状況を生み出していることは、自治体の役割からいって許されないことです。
高速電車事業会計については、大江戸線環状部である清澄工区の買い取りが行われたのが、この年であります。大江戸線建設工事については、当初から談合情報が飛び交う中で進められた事業でありました。
さらに、相次ぐ設計変更等により、総事業費が三千億円も膨らみ、この年度に買い取った工区についても、当初契約から比べて土木工事だけでも二倍近いものとなり、採算性を度外視した建設工事のツケを都民に押しつけるという無責任な状況は、料金値上げや定員削減など都民サービス低下を招きかねません。
水道、下水道会計では、この年度も、過大な水需給計画に基づく水源開発を初めとした過大投資を続けてきました。下水道事業についても、一〇〇%概成された中、事業内容をそれにふさわしい規模、テンポにしていくことが必要であるにもかかわらず、建設事業費は数年で七、八倍となっています。そのため、起債未償還残高が二兆九千百五十億円にも上っています。今求められているのは、節水型、循環型の水供給です。
病院会計では、この年は、都立豊島病院の改修工事の完了で七月オープンを初め、墨東病院と築地産院の統合、広尾病院の病棟改修などが重なった年でした。都立十五病産院への一般会計からの補助金負担が多過ぎるという批判がありますが、一般会計からの補助四百九十六億円のうち四十九億七千五百万円、約一割は建設改良費です。こうしたものは、他の道府県立病院では、病院運営費とは分離して計上されているものです。
都立病院は、歴史的経緯の中で、療育機能や研究機関を備えていること、また、不採算部門である小児医療や救急、難病など、行政的医療としての重要な役割を果たしています。こうした役割に照らしても、財政再建推進プランに基づく補助金の二〇%、百億円の削減などを行おうとしていることは重大です。
今日、都立病院の民営化を含めた検討がされていますが、広く都民の健康と命を守る責任を果たし、その期待にこたえられるよう、都立病院の統廃合や民営化ではなく、病院機能の拡充こそすべきです。
以下、主な項目について意見を述べます。
一、築地中央卸売市場整備については、市場豊洲移転を既成事実として推進するのではなく、関係業者はもとより、住民及び関係区等の意向を十分尊重すること。
一、都民の税金を投入し、貴重な自然の江戸前十六万坪を破壊する有明北の埋め立ては中止すること。
一、破綻をしている臨海副都心開発では、これ以上の税金投入を抑えるため、企業都市づくりをやめ、病院などの公的利用や中小企業の産業振興、都民の憩いの場として活用する方向で、都民参加で根本的に見直すこと。
臨海副都心会計の破綻を取り繕う三会計統合をやめること。
一、大江戸線開通に伴って廃止、縮小したバス路線は、復活すること。
同時に、バス事業の規制緩和に伴う対応は、縮小、廃止方針をやめ、積極的なバス事業の展開と、コミュニティバスなど域内交通について都営交通として責任を持つこと。
一、低公害、とりわけCNGノンステップバスの導入を積極的に進めること。
一、地下鉄駅ホームの転落防止を進めるため、ホーム要員の確保とホームゲートの設置を進めること。
一、地下鉄のエスカレーター、エレベーター未設置駅には、早急に設置すること。
一、水需要の減少の実態を踏まえ、過大な水需要計画を下方修正し、巨額な経費負担と環境破壊が明らかな八ッ場ダム建設計画は見直し、中止すること。
一、水資源の保全はもとより、循環、節水型の水計画に転換すること。
一、大幅黒字の水道料金については、値下げすること。
一、雨水の地下浸透、貯留を基礎とするまちづくり計画を本格的に進めること。当面、クイックプラン事業の促進、各戸貯留浸透施設助成事業を継続させること。
一、流域下水道の市町村建設費負担金、維持管理負担金の軽減を図ること。
一、都立病院の医師、看護婦等の職員を増員すること。設備面でも、必要な改修、改善は早急に行うこと。
一、採算性最優先の入院期間の短縮や差額ベッド料などの自費料金の徴収拡大をやめ、都民負担を軽減すること。
一、多摩地域への都立病院の増設を図ること。NICUの多摩地域での不足を補完するため、都立病院で実施すること。
一、財政再建推進プランに基づく一般会計から都立病院への財政支援を、二〇%削減はしないこと。
また、民営化の検討をやめ、都民のための病院として拡充を図ること。
以上です。
○大木田委員 私は、都議会公明党を代表して、平成十一年度公営企業会計決算に関する意見の開陳を行います。
初めに、全体について申し上げます。
変化、変化、そして大変化、時代はまさに激しい大変化の中にあります。その変化のスピードの速さに、時代も社会も法律も条例も、ややもすればついていけない状況が生まれております。この激しい変化を的確にとらえ、弾力的、機動的な見直しを常に行っていくことが大事であります。
都政の究極は、都民福祉の向上であります。公営企業会計の事業についていえば、公共性が高く、都民生活への影響が大きいものばかりであります。ゆえに、常に都民の目線ですべてに取り組むことが重要であります。
こうした点を踏まえ、我が公明党は、都事業の高コスト体質を是正するため、徹底した構造改革を行い、負の遺産を清算する勇気と決断を持って取り組むよう強く要請します。
二十一世紀という新しい舞台に立って、東京の新しい百年を開いていく公営企業会計の事業であらなければなりません。そのために、今何が必要か、何をなさなければならないか、常に都政の原点に立ち、都政の最大の責務は都民への奉仕であり、行政サービスであるとの自覚に立ち、事業を進めていくことを強く要請します。
以下、各事業について申し上げます。
初めに、病院会計について申し上げます。
一、都立病院は、高度専門医療や行政対応が必要な医療を適正に都民に提供するとともに、都における医療の質的向上を図られたい。
また、こうした役割を果たしていくために、一層の経営努力を行い、安定した経営基盤を確立されたい。
二、小児医療機関の減少を踏まえ、都立病院における小児医療の充実強化に努めるとともに、周産期医療の拡充を進められたい。
三、都立病院における救急医療体制の一層の充実強化を図るため、東京ERの整備などを進めるほか、震災対策等災害時対応能力の向上に努められたい。
四、骨髄移植について、都立病院における医療体制の充実を図るとともに、日本さい帯血バンクネットワークへの一層の協力に努められたい。
五、エイズ患者、感染者が安心して適切な医療を受けられるよう、引き続き診療体制の整備拡充に努められたい。
六、結核緊急患者の円滑な受け入れ及び治療が行えるよう、都立病院の結核医療体制の充実に努められたい。
七、インフォームド・コンセントの充実やカルテ等診療情報の開示など、患者中心の医療の推進に努められたい。
八、都立病院の医薬分業を促進するため、院外処方せんの発行について引き続き努力されたい。
次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
一、第七次卸売市場整備計画の策定に当たっては、市場を取り巻く近年の環境変化を踏まえ、今後の市場整備と市場運営の方向性を明確にするよう努められたい。
二、築地市場再整備については、将来とも引き続き基幹市場としての機能を発揮することができるよう、関係者の十分な理解と協力を得ながら、移転整備に向けては万全な体制で事業促進をされたい。
三、多摩地域の円滑な青果物流を確保するため、新たな卸売市場整備の方向性を明確にされたい。
四、健全な市場財政の運営を確保するため、内部努力の徹底や一般会計との負担区分の見直しなどについて取り組むとともに、施設整備の適切な水準や多様な整備手法について検討を進められたい。
五、市場内で発生するごみ処理について、市場関係業者と協力しながら、リサイクルやコンポスト事業の推進など、総合的な減量化、減容化に取り組まれたい。
次に、埋立事業会計について申し上げます。
一、東京港の埋立地の開発整備に当たっては、東京の都市構造の再編に寄与するよう進めるとともに、引き続き都民の要望に的確に対応し、海上公園等の整備や都民の多様な余暇活動にこたえるため、各種スポーツ・レクリエーションの施設の拡充に努められたい。
老朽化した護岸については、改修等を実施し、埋立地の防災対策に万全を期されたい。
また、豊かな水辺環境を生かした職住近接のまちづくりを目指す有明北地区の埋め立てについては、東京臨海地域へのアクセスを改善する広域幹線道路整備の基盤となるものであり、積極的に事業を進められたい。
次に、臨海副都心開発事業会計について申し上げます。
一、東京の活力と創造力を生み出す臨海副都心の開発は、中小企業に対する大きな生産誘発効果や雇用誘発効果をもたらし、都民生活を支える極めて意義の大きい事業であります。このため、今後とも、東京港臨海道路、晴海通り、環状二号線等の広域幹線道路の整備など広域交通基盤の整備を推進するとともに、進出事業者の誘致などに積極的に取り組み、着実な開発を進めること。
また、広域防災拠点として位置づけられている有明の丘がその機能を確実に果たせるよう、地域内の施設整備はもとより、アクセス道路などの基盤整備を着実に進めるとともに、既成市街地の再開発に当たって臨海副都心地域の活用を図るなど、既成市街地とリンケージする開発に努められたい。
次に、羽田沖埋立事業会計について申し上げます。
羽田空港の沖合展開に伴う埋立造成及び用地処分は既に終了しましたが、引き続き浅場造成事業を着実に進めること。
なお、このたび埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計の三会計が統合され、新たに臨海地域開発事業会計が設置されました。この臨海地域開発事業会計が所管する東京臨海地域は、陸・海・空の結節点として、人、物、情報が集積する重要な地域であり、着実な取り組みを進め、この地域の総合的、一体的な再編整備を進められたい。
次に、交通事業会計について申し上げます。
一、経営計画に基づく計画事業を着実に執行するとともに、組織の簡素化、経費の節減等徹底した経営の効率化を推進し、あわせて資産の有効活用等による増収対策についても積極的に取り組み、収支目標の達成に努められたい。
このことは、高速電車事業会計についても同じであります。
二、バス事業、路面電車事業については、利用者ニーズを的確に把握し、運行ダイヤの見直しや新しいサービスの提供により、乗客の増加に努められたい。
三、高齢者や身体障害者はもとより、すべての人々が利用しやすいバスとするために、引き続きノンステップバス等低床バスの導入を進められたい。
四、排気ガス対策の一環として、引き続き低公害バス車両の拡充に努めるとともに、TDMで積極的な役割を果たすなど、環境対策に取り組まれたい。
五、都バスの公共交通としての機能を十分に発揮するため、バスレーンの導入、駅ターミナルの整備及び違法駐車対策等、バス優先の走行環境の整備を推進するよう関係機関に働きかけられたい。
次に、高速電車事業会計について申し上げます。
一、大江戸線の全線開業等により、都営地下鉄の営業規模が大幅に拡充したことから、乗客への情報案内を一層充実させるなど利便性の向上を図られたい。
二、都営地下鉄の大量輸送機関としての役割を十分発揮するため、安全管理、危機管理意識の向上及び安全優先の運行管理、保守管理の徹底を図られたい。
三、地下鉄建設については、西欧各国のように、建設費に対する国の助成措置を大幅に増額するシステムの確立を国に強く働きかけること。
四、地下鉄における垂直移動施設としてエレベーターを積極的に導入する等、バリアフリー化に向けて駅施設の改善を促進されたい。
五、地下鉄の震災対策、安全対策については、ハード、ソフト両面での適切な対策を講じて乗客の安全確保に努められたい。
電気事業会計について申し上げます
一、引き続き良好な経営成績を示し、財政状況も安定しておりますが、今後とも経営の健全化及び効率化に一層努力されたい。
次に、水道事業会計について申し上げます。
一、将来にわたる安定給水を確保するため、新規水源の開発促進を国などに対して引き続き強く要望するとともに、国庫補助金等の拡大導入に努力されたい。
二、近年の水源水質の悪化にかんがみ、水道水源の水質保全対策について国に対して強く要望されたい。
また、水質監視体制に万全を期すとともに浄水処理技術の向上に努め、都民が求めている安全でおいしい水を確保するための高度浄水施設の建設を積極的に推進されたい。
三、都民生活や都市活動を支えるため、水道事業経営プラン二〇〇〇に基づく主要施策整備事業を着実に推進するとともに、事故や震災時においても必要な水を確保できるよう、応急給水槽の建設や水道施設の耐震化等震災対策を推進されたい。
四、貴重な水資源の損失を防止するため、経年配水管等の取りかえ、給水管のステンレス化等に積極的に取り組むとともに、漏水発見技術の研究開発に努め、漏水防止の対策を積極的に推進されたい。
五、金町浄水場常用発電PFIモデル事業の検証を踏まえ、朝霞浄水場及び三園浄水場へのPFIの積極的な活用を図るとともに、IT化の推進など新たな経営手法を積極的に導入し、事業経営の一層の効率化に努められたい。
六、水資源の有効利用を図るため、広報による節水意識の高揚、循環利用及び雨水利用の促進など節水諸施策を推進し、節水型都市づくりに努められたい。
七、コージェネレーションシステムの導入、水力発電、太陽光発電など、エネルギーの有効活用を一層推進するとともに、発生土の再利用など資源リサイクルに努め、地球環境に配慮した施策を積極的に推進されたい。
八、都民サービスの一層の向上を目指し、水道フレッシュ診断の実施や施設の開放など、都民生活に密着した水道の実現に努められたい。
次に、工業用水道事業会計について申し上げます。
一、工業用水道事業会計については、安定給水及び施設の安全性を確保するため、経年管の更新など諸施設の整備を進めるとともに、引き続き効率的な事業運営の推進、財政の安定化に努められたい。
最後に、下水道事業について申し上げます。
一、区部に残る下水道普及困難地域を早急に解消されたい。
二、多摩地域の流域関連公共下水道の整備と整合を図りながら、流域下水道建設事業を促進されたい。
三、浸水対策を積極的に推進するとともに、近年の局所的な集中豪雨に対処するため、雨水整備クイックプランを着実に実施されたい。
四、早くから整備された区域内における老朽化施設の再構築を進めるとともに、東京湾及び都内の河川の水質を保全するため、合流式下水道の改善及び高度処理の促進を図られたい。
五、下水道施設の保全及び下水処理を円滑に行うため、有害物質を含む下水を排出するおそれのある事業所等に対し、除害施設の設置等の指導を強化されたい。
六、下水汚泥の資源化技術の開発促進や有効利用の拡大を図り、汚泥の減量化、再資源化に努められたい。
七、再生水の活用や下水の熱利用等、下水道の新たな役割に積極的に取り組まれたい。
八、下水道管渠等に光ファイバーケーブルを敷設し、効率的な維持管理に努めるとともに、高度情報化社会に貢献する事業の展開を図られたい。
九、下水道施設の上部を公園、スポーツ施設等として、都民に還元できるよう整備されたい。
また、整備に当たっては、上部利用方法について地元と十分協議されたい。
十、国庫補助金の確保や起債における政府資金枠の拡大等、財政措置を国に強く要求されたい。
十一、新技術の導入による経費の縮減や資産の有効活用など、企業努力を一層促進されたい。
以上で意見開陳を終わります。
○坂口委員 私は、都議会民主党を代表して、平成十一年度公営企業会計決算について意見を申し上げます。
初めに、公営企業会計決算全体の状況について申し上げます。
平成十一年度決算は、損益の状況は、公営企業会計全十一会計のうち、臨海副都心開発事業会計、高速電車事業会計等の五会計が純損益で赤字、水道事業会計等の六会計が黒字となりました。また、臨海副都心開発事業会計及び高速電車事業会計の累積欠損金は、それぞれ四千九百九十一億円、四千九百億円と膨らみました。このため、十一会計全体では、累積欠損金は、十年度四千七百二十二億円に対し、十一年度五千三百四十三億円となりました。
長引く景気低迷の影響等により、各会計とも厳しい経営を強いられていますが、こうした中にあっても、公共性を有する公営企業は、多様化する都民のニーズに的確にこたえ、質の高いサービスを提供していかなければなりません。したがって、今後も企業努力に努め、計画的、効率的な事業運営を図るよう求めておきます。
以下、それぞれの企業会計について申し上げます。
まず、病院会計についてです。
一、松沢病院病棟改築や八王子小児病院移転改築を進めること。
また、都立病院における三百六十五日二十四時間体制を推進すること。
一、医療事故防止のために、インシデント・アクシデント・レポートの分析による防止対策の確立やリスクマネジャーの設置、養成に努めること。
また、患者の声相談窓口の設置など、開かれた医療を推進すること。
一、都立病院から排出される感染性廃棄物の処理について、すべての都立病院で最終処分先の現地確認を行うなど、積極的に取り組むこと。
次に、中央卸売市場会計について申し上げます。
一、市場財政が厳しい中で、財政の健全化を図るため、公営企業として効率的な経営に努め、一層の企業努力に取り組むこと。
一、各市場の再整備に当たっては、財政状況や市場関係者の意見等を踏まえ、着実な整備を図ること。
特に、築地市場の再整備については、市場関係者はもとより、地元区などの意見を十分踏まえること。
一、市場内で荷物搬送を行っている小型特殊自動車の電動車への切りかえを推進するとともに、中央卸売市場から発生する生ごみのコンポスト化事業に取り組むことなど、市場の環境対策を進めること。
一、多摩地域における新たな青果中央卸売市場設置に向け、積極的に取り組むこと。
次に、港湾局関係の埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計、羽田沖埋立事業会計について申し上げます。
一、東京港の埋立地の整備については、多くの都民が親しめる海上公園の整備やスポーツ・レクリエーション機能の充実を図るとともに、利用者サービスの向上に努め、都民要望にこたえられるよう努めること。
一、有明北地区の埋め立てについては、水生生物等が生息できるよう、自然環境に十分配慮して行うこと。
一、臨海副都心地域への事業者誘致を推進するとともに、都市基盤整備については、国庫補助の導入やPFIの活用など、さまざまな工夫により財政負担の軽減を図ること。
一、臨海副都心開発にかかわる長期収支を早期に示すとともに、包括的外部監査など外部の専門家の知恵を活用するなど、その負担が都民のものとならないようにすること。
次に、交通事業会計及び高速電車事業会計について申し上げます。
一、交通局は、都民の足を確保する公共交通機関を経営する事業体としての基盤を一層強化するとともに、広く東京の公共交通政策に的確に対応できるよう、長期的視点に立った体制の整備を図ること。
一、安全優先の運行管理を徹底し、幹部を初め職員を含む組織全体の危機管理意識の徹底を図り、報告と分析、真摯な情報開示を怠らぬこと。
一、LRTの導入の可能性について、積極的な調査研究を進めること。
一、CNGバスなどの低公害車をさらに積極的に導入し、都市環境に配慮した事業に努めること。
一、ノンステップバスの導入促進や地下鉄駅のエレベーター、上下エスカレーターの設置の促進など、福祉のまちづくりの視点から輸送サービスの向上に努めること。
次に、水道事業会計及び工業用水道事業会計について申し上げます。
一、限りある資源としての水や、水のサイクルの回復の観点から、節水、再利用を強化するとともに、水源自立都市に向けた施策の促進に努めること。
一、今後とも効率性を重視した視点に立ち、多様な経営手法の一環として、事業の優位性、経済性を総合的に検討し、積極的にPFI方式の導入を図ること。
一、水道事業経営プラン二〇〇〇に掲げた事業目標に向け着実に経営すると同時に、適正な人員の配置、人材育成を行い、都民サービスを低下させないこと。
一、工業用水道事業についても、より一層効率的な事業経営に取り組み、事業を安定的に継続していくよう努めること。
最後になりますが、下水道事業会計について申し上げます。
一、下水道の持つ資源の有効利用の観点から、下水の再生処理水、汚泥の積極的活用等資源化に努めること。とりわけ汚泥資源の有効的かつ積極的利用を進めるために、都や都関連の公共施設、都が発注する公共事業等への利用促進を働きかけること。
一、下水熱を活用した地域冷暖房事業を、事業採算性を確保しつつ積極的に進め、都市の環境負荷低減に貢献すること。
一、下水道管渠を利用した光ファイバー通信網の整備を着実に推進し、下水道事業の効率的な運営を図るとともに、同通信網を高度情報化社会における情報通信基盤として多目的に活用できるよう研究を進めること。
一、多摩地域においては、地下水の涵養と水循環の回復に留意した雨水対策を、関係局や市町村と連携して総合的に検討を進めること。
以上で、都議会民主党を代表しての意見開陳を終えます。
○藤川委員 私は、都議会無所属クラブを代表して、平成十一年度公営企業会計決算について、これを認定する立場から意見を申し上げます。
我が国各分野における乱れを主たる要因として混迷を続け、先行き不透明なままに推移する経済環境の中で、それぞれの会計にかかわる事業局が、都民生活の安定と質的向上、そして公共の福祉を増進するという立場から、確実なる事業執行に努められてきたことには理解を示すものであります。
改めて申し上げるまでもなく、公営企業は、一般会計以上に経済性の発揮が問われる事業であります。その観点から申し上げますが、平成十一年度に限らず、各公営企業では、これまでも経営改善に真摯に取り組んできたとは思いますが、その企業の存続をかけて日夜経営努力を重ねている民間企業に比べたときに、必ずしもその取り組みが十分であったとはいいがたいと思います。細かくは申しませんが、臨海関連事業、地下鉄事業など、一層の工夫が求められる事業のあることは否定できません。
いずれにしろ、各企業とも独立採算を旨とする企業として、従来の慣習、慣行にとらわれることなく、なお一層の経営の効率化、合理化に取り組み、安定した経営基盤の確立を目指し、不断の努力を積み重ねていくことを求められていると思います。利用者たる都民へのサービス向上を第一義とした企業経営に、今後とも全力で取り組まれるよう強く要望しておきます。
なお、各会計別の意見については、今までの委員会の審査、また、予算要望や定例会の議論を通じて、主張、要望として繰り返し申し上げており、それぞれにしっかりと受けとめられているとの認識に加え、本日のこれまでの開陳された決算全会計認定に賛成する各会派のご意見と内容的に大きな差異はないことから、重複を避ける意味も含め、割愛させていただきます。
以上をもって、私の都議会無所属クラブを代表しての意見開陳を終わります。
○大西(由)委員 私は、生活者ネットワーク都議団を代表して、平成十一年度の公営企業会計決算について意見を申し上げます。
平成十一年度の決算は、形の上では三百六十九億円の黒字となったものの、繰り越すべき財源などを差し引いた実質収支は二年連続で赤字収支となりました。このような中で、都債残高は七兆六千六百八十三億円となりました。
このような都の財政危機の中で、各公営企業とも厳しい状況に置かれています。しかし、公営企業経営の最大の問題は都民への説明責任です。情報の公開や提供については、極めて不十分です。こうした体質に事業の効率性などを求めるため、民営化などを議論することは必然ですが、経営変革に向かうその形態だけが先行してはなりません。まず、何より情報公開、情報提供、そして第三者機関がチェックする事業評価、サービス評価を徹底して行い、その積み重ねの中から改革の道を探るべきであり、このことを共通の意見として強調しておきます。
それでは、各会計別に意見を申し上げます。
まず、病院会計についてです。
一、都立病院にあっては、地域の各医療機関との連携を深め、予防を軸とした医療のネットワーク化への寄与を進めるとともに、経営の効率化に努めること。
一、都立病院にあっては、患者へのサービス向上を進め、インフォームド・コンセント、セカンド・オピニオンなどの原則を明確にし、医療機関の情報や相談機能の充実を図り、患者の自己決定権を保障すること。
一、都立病院の医薬分業を進めるとともに、適切な院内の薬剤管理を進めること。
一、都立病院では、塩ビとフタル酸エステル製の医薬用具は使用しないこと。
一、感染性医療廃棄物については、東京ルールにのっとり、最終処分までの業者、処分地の確認をすること。
一、都立病院でのエイズに関する医療、検査体制を確立すること。また、骨髄移植対策を強化すること。
一、医療機関のレベルアップや患者の自己決定に向け、都立病院独自の評価制度をつくり、情報公開をすること。
次に、中央卸売市場会計についてです。
一、循環型社会づくりに市場として貢献するため、生ごみコンポスト化を初め、ごみの減量、減容化、再生利用に、業界とともに一層の取り組みを進めること。
一、流通環境の変化に対応するとともに、有機農産物等の供給を図る上での対策を進めること。
一、築地市場整備に際しては、地元住民の意見を聞き、衛生対策、周辺環境の整備を進めること。
次に、臨海副都心開発事業会計及び埋立事業会計についてです。
一、臨海関係第三セクターについては、一般財源の投入をせず、都の責任は出資の範囲内とし、都民に経営状況を公開すること。
一、広域幹線道路など交通アクセスについての整備量を減らし、見直しに当たっては、都財政の危機的状況や他の都内道路整備との均衡を考え、将来世代への負担を残さないようにリスクを最小限に抑えること。
一、三会計統合をやめ、長期収支についての検討機関に公募市民や専門家も入れ、事業そのものもトータルに見直すこと。
次に、交通事業会計及び高速電車事業会計についてです。
一、防災、震災対策の強化を進めること。
一、交通局は交通政策を独自に持ち、広く東京の公共交通政策に的確に対応できるように、長期的視点に立った体制の整備を図ること。
一、ハイブリッド自動車や天然ガス自動車など、低公害バスをさらに積極的に導入すること。
一、だれもが利用しやすいバスシステムとして、アクセスしやすい小型車両の導入、バス停間隔の短距離設定や停留所の整備を図ること。
一、ノンステップバス等の導入促進、拡大、全路線への早期配置に努め、施設整備の充実を図ること。
一、都営地下鉄において、ホームからの転落防止対策を進めること。
次に、水道事業会計についてです。
一、限りある資源としての水や水循環の観点から、節水、再利用を強化するとともに、水源自立都市に向けた施策の促進に努めること。
一、水源地の人々や環境に著しい影響を与え、都民に多大な負担をかけるダムなど、巨大施設の建設を見直し、既存の水源確保のための施策を強化すること。
また、循環型社会づくりに向け、地下水を水道水源と位置づけ、水収支に見合う地下水の涵養のため、雨水の地下浸透を進めること。
また、新エネルギー対策などに積極的に取り組むこと。
一、安全でおいしい水の確保のため、江戸川の水質改善を強化するとともに、生活排水対策を強化すること。
一、非常時用の飲料水としても有効である地下水の活用と水質の安定確保に努めるなど、多面的な水資源確保を講じること。
一、多摩地域の水道統合については、地元市の意向を尊重すること。
最後に、下水道事業会計についてです。
一、総合的治水対策を強化し、雨水流出抑制のため、下水道による雨水浸透ますの設置を進めること。
一、資源としての水の観点から、下水の再生処理水、汚泥の積極的活用など資源化に努めること。とりわけ汚泥資源の有効的かつ積極的活用を進めるために、都や都関連の公共施設、都が発注する公共事業などへの利用促進を働きかけるとともに、低コスト化に努め、民間への普及を図ること。
一、下水の高度処理を普及し、都市河川や東京湾の水質浄化に活用すること。
また、非常時における生活雑用水としての供給、飲料水転化への必要性などを考慮し、再生処理水の水質の高度化などの技術開発、研究に努めること。
一、事業の推進に支障を来さぬよう、国庫補助率の引き上げ、補助対象事業の拡大など、財源の確保に全力を尽くすこと。
一、下水道管渠を利用した光ファイバーやマンホールアンテナ通信システムについては、下水道事業の厳しい財政状況を認識し、諸条件の整備など、早期の実用化に向けた研究開発を着実に進めること。
一、荒川・多摩川等流域下水道整備総合計画を再検討し、緊急性のない野川処理場及び多摩川処理分場の新設計画は抜本的に見直すこと。
一、多摩地域の下水道についての投資は精査すること。
以上で意見開陳を終わります。
○大山委員長 以上で意見開陳を終わります。
なお、本決算の認定に付する意見案文の作成につきましては、理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時五分散会
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