公営企業会計決算特別委員会速記録第十一号

平成十三年二月七日(水曜日)
   午後一時六分開議
 出席委員 二十二名
委員長大山とも子君
副委員長星野 篤功君
副委員長萩谷 勝彦君
副委員長植木こうじ君
理事大木田 守君
理事古賀 俊昭君
理事吉野 利明君
理事坂口こうじ君
理事松村 友昭君
服部ゆくお君
大西由紀子君
近藤やよい君
かち佳代子君
前島信次郎君
大西 英男君
五十嵐 正君
清原錬太郎君
藤川 隆則君
河合秀二郎君
東ひろたか君
桜井  武君
小林 正則君

 欠席委員 一名

 出席説明員
中央卸売市場市場長大矢  實君
経営管理部長長尾 至浩君
業務企画担当部長石川 俊一君
調整担当部長浅倉 義信君
施設部長内村 修三君
築地市場再整備担当部長小栗 英夫君
港湾局局長齋藤 哲哉君
技監高見 憲一君
総務部長渡辺日佐夫君
港営部長高橋 和志君
港湾振興担当部長小宮山元二君
開発部長津島 隆一君
臨海部開発推進担当部長南雲 栄一君
臨海部開発調整担当部長高野 一男君
港湾整備部長小池 正臣君
計画調整担当部長細川 泰廣君
離島港湾部長野村 孝雄君
参事押元 雅治君

本日の会議に付した事件
 平成十一年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  中央卸売市場関係
  ・中央卸売市場会計決算(質疑)
  港湾局関係
  ・埋立事業会計決算(質疑)
  ・臨海副都心開発事業会計決算(質疑)
  ・羽田沖埋立事業会計決算(質疑)

○大山委員長 ただいまから平成十一年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 本日は、中央卸売市場及び港湾局関係の決算の審査を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十一年度東京都中央卸売市場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○長尾経営管理部長 去る一月二十二日の当委員会でご要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます平成十一年度公営企業会計決算特別委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 要求資料の三項目の件名につきましては、表紙に記載してございます。
 それでは一ページをお開き願います。築地市場再整備の経過と現状でございます。
 まず、(1)の再整備の経過でございますが、アに示しましたように、昭和六十三年十一月に、一階を水産、二階を青果、屋上を駐車場とする立体構造の基本計画を策定し、平成三年から、正門仮設駐車場建設工事に着手いたしました。しかしながら、業界調整等に時間を要し計画が大幅におくれたこと、建設費用の増嵩が不可避となったこと、さらにはその後の社会経済状況の変化に伴い流通構造の転換が急速に進んだことなどにより、当初計画を見直しせざるを得ない状況が生じてまいりました。
 そこで、イにお示ししましたように、平成八年十一月に第六次東京都卸売市場整備計画を策定し、これまでの立体的配置計画を改め、青果、水産をそれぞれ平面的に配置する基本計画の見直しを決定いたしました。このため、新たな再整備計画を策定するために、都と業界で構成する築地市場再整備推進協議会においてさまざまな計画案を検討してまいりました。しかし、いずれの案も合意を得るに至らず、平成十一年十一月に、移転整備の方が合理性と実現性が高く、移転整備へと方向転換すべきとの意見が大勢を占めたとの取りまとめを協議会として行ったところでございます。
 なお、本委員会は平成十一年度決算についてご審議いただくものでありますが、関連する経過として、平成十二年度の状況も記載させていただきました。
 次に、(2)の主要工事の実施状況でございますが、施設等の名称ごとに、準備工事と本格工事に分けて取りまとめてございます。また、それぞれについて、当初計画の建設予定年度と実際の建設年度をお示ししてございます。
 準備工事につきましては、ほとんどの工事が当初計画の予定建設年度よりもおくれ、いまだに着工に至らないものもございます。また、本格工事としましては、勝どき門駐車場の一期工事を平成七年度に完成させておりますが、市場棟や冷蔵庫棟、あるいは事務所棟など、市場の中心的な施設はいまだ未着工となっております。
 次に、二ページをお開き願います。食肉市場改築工事に係る計画、事業費予算、工事発注の経過でございます。
 まず(1)の食肉市場改築工事計画といたしまして、第六次東京都卸売市場整備計画の計画内容、北側棟建設に係る当初総事業費、スケジュールを記載してございます。
 次に、(2)、北側棟建設に係る事業費概要でございます。平成九年度の基本設計を初めとして、平成十一年度までは決算額、平成十二年度から十四年度は今後の見込み額を記載しており、現在におきます全体事業費の見込み額は約二百四十億円となっております。
 続きまして三ページをお開き願います。北側棟建設に係る主な工事発注状況でございます。建築工事、電気設備工事等につきまして、工事件名、契約方法、契約業者、契約年度及び契約金額をそれぞれお示ししてございます。
 なお、これらはいずれも財務局契約でございます。
 次に、四ページをお開き願います。東京都中央卸売市場における廃棄物処理の現状でございます。
 市場内から発生する廃棄物は、各市場におきまして、事業者責任の原則のもと、市場業者で構成する業界団体の責任と負担により処理されております。都は、その指導、調整と一定の経費負担を行っております。
 廃棄物の処理は、(1)にお示ししてありますとおり、種類によってその処理方法が異なっておりますが、段ボール、瓶、缶、魚腸骨、食肉残渣などは専門業者が回収して再利用しております。また、廃棄パレットも、全部ではありませんが、リサイクルされております。発泡スチロールは、場内の施設で溶融、固化され、インゴットと呼ばれる板状の塊にしまして、再利用業者に売却されております。
 野菜くず、一般ごみ等は、現在清掃工場で焼却処分されておりますが、このうち野菜、果実などの生ごみにつきましては、市場としてリサイクル型社会に貢献するため、再資源化する方向で、業界とともに検討を進めております。そのため、欄外にございますように、平成十二年度には、板橋市場で野菜生ごみのコンポスト化実験事業を実施しております。
 また、下段の(2)は、平成十一年度の廃棄物の処理量と処理経費でございます。ごみの量は合計で四万三千五十六トン、これにかかる処理経費は九億九千五百五十九万余円、そして都は、産業廃棄物を除いた可燃ごみにつきまして、おおむねその四分の一に相当する額を負担しております。部別にお示ししてございますので、ご参照願います。
 以上、甚だ簡単ではございますが、ご要求のございました資料につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清原委員 築地市場の再整備事業について質問いたします。
 都民の台所、我が国の基幹市場として、築地市場を再生させるために抜本的な整備が必要となっていることは、衆目の一致するところであります。このため、都は平成三年に築地市場の再整備工事に着手しましたが、ローリング工事に先立つ仮設の施設や駐車場の一部が建設されただけで、基幹的施設である卸売場や仲卸売場の整備にはいまだ着工されておりません。しかも、平成八年に現在地での再整備計画の見直しが決定されたために、工事は中断し、移転整備か現在地整備かの基本方向が定まらないまま、整備はとまった状態にあります。今回の決算資料を見ても、平成十一年度には維持補修関連の工事しか行われておりません。
 豊洲の市場移転候補地の土壌汚染問題についてという記事が、先般新聞紙上に出ておりました。したがって、私はこの点について質問いたしたいと思いますが、このような閉塞した、今申し上げたような事態を打開するため、平成十一年十一月に開催された築地市場再整備推進協議会において、移転整備へと方向転換すべきとの意見集約が行われ、移転候補地の地権者である東京ガスと協議に入ったと伺っております。また、昨年十二月に開催された東京都卸売市場審議会では、中間報告という形の発表、すなわち、築地市場は、二十一世紀の生鮮食料品流通の中核を担う市場へ再生するための抜本的整備が必要である。しかし、現在地では、流通の効率化や衛生環境対策の強化を実現し、将来の流通構造の変化にも対応していくことは困難であり、早急に移転整備について検討するとのまとめが提出されました。これらに基づいて、都は、現在もなお移転候補地の地権者と交渉中とのことでありますが、築地市場の進むべき方向を確たるものとするためにも、速やかに交渉を進め、結論を得ることが必要であると考えます。
 そこで伺います。初めに、去る一月二十六日の新聞各紙に、築地市場の有力な移転候補地である東京ガス豊洲工場の跡地がベンゼンやシアンなどで汚染されているとの報道がありました。市場の移転候補地であると否とにかかわらず、開発が予定されている土地に土壌汚染があるということは重大な問題です。そこで確認のために、東京ガスが発表した豊洲の土壌汚染の内容とはどのようなものでしょうか、お伺いいたします。

○小栗築地市場再整備担当部長 東京ガスの発表によりますと、東京ガスは昭和四十年代まで石炭を主原料として都市ガスを製造していたが、その製造の過程でベンゼンやシアンが生成され、また、砒素を含む物質が使用されていたとし、操業時期が古いため正確には原因を特定することは困難であるが、予測できない漏えいがありまして、土壌に浸透したものと推定されると発表しております。調査の結果といたしまして、豊洲の工場跡地からは、ベンゼン、シアン、砒素、鉛、水銀、六価クロムの六種類の化学物質が環境基準を超えて検出されたとしております。

○清原委員 東京都は豊洲を市場移転の有力な候補地として、地権者である東京ガスに市場移転への協力を要請してきたわけでございますが、そのような要請を行う以上、市場は豊洲の土壌汚染について以前から知っていたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○小栗築地市場再整備担当部長 豊洲の東京ガス所有地に土壌汚染の可能性があることは、東京ガスから、自主的に調査をし、汚染対策を実施するとの情報がございましたことから、市場としても承知しておりました。

○清原委員 土壌汚染などの環境問題は、汚染者負担の原則に基づいて処理、対策を講ずるべきであることは当然なことでありますが、今回の発表では、東京ガスはどのような対策をとるといっているのか、伺います。

○小栗築地市場再整備担当部長 一月の二十五日に東京ガスが発表したわけですが、その発表によりますと、まず第一段階で、これまでの土壌調査がございますが、この調査をもとに汚染部の詳細な調査を行い、汚染の範囲や深度、深さ、あるいは汚染の程度を確認することとしております。次の段階で、土壌汚染が拡散しないように措置を講じた上で、汚染部の土壌を取り出しまして、土壌に含まれる物質ごとに適切な処理を行うことになっております。汚染土を取り除いた場所には、汚染されていない土で埋め戻しをするということでございます。
 その処理方法でございますが、ベンゼンや油分を含む土壌につきましては、豊洲の構内でバイオによる処理を行う。それからシアン、油分、あるいは重金属を含む土壌につきましては構外に搬出いたしまして、加熱処理、あるいは洗浄処理をすることとしております。なお、処理が完了した時点で、処理の内容、処理結果などが報告書に作成されまして、関係機関に提出されることになっております。

○清原委員 市場は日々大量の生鮮食料品を取り扱っており、食料品の安全と衛生の確保は、中央卸売市場が果たすべき重要な使命であります。市場当局は、衛生対策を充実するためにも豊洲に移転する方がよいとの説明をしております。土壌汚染があるとわかった土地に市場を建設しても問題はないのでしょうか。ご説明いただきたいと思います。

○小栗築地市場再整備担当部長 豊洲は、先生ご指摘のように、築地市場移転の有力候補地でございます。東京ガスは一月二十五日に、土壌の汚染状況とあわせまして、先ほど申し上げた処理対策を発表しております。その際に、区画整理後の土地利用に支障とならないよう対策を実施するといっております。仮に取得することになった場合には、市場用地として支障がないことを確認してまいりたいと存じております。

○清原委員 市場用地として支障がないことを確認した上で取得すれば問題は解決するということでございますが、本当に問題なく適切に処理できるのかどうか、市場長にお伺いいたします。

○大矢中央卸売市場長 豊洲の工場跡地につきましては、進行中の都の土地区画整理事業に合わせて、東京ガスが自主的に土壌調査を実施をいたしまして、既に対策案の取りまとめを終えて、本年二月末から、東京ガスがみずから土壌処理を行うことになっております。土壌処理につきましては、環境局が環境確保条例に基づきまして、適切に処理されるよう指導していくと聞いております。市場といたしましては、仮に購入することが決定したときには、環境局と十分協議をいたしまして、万全の対応をしてまいりたいと考えております。

○清原委員 都の土地区画整理事業が進行し、築地市場移転の有力候補地ともなっている豊洲に土壌汚染があることが確認され、汚染原因者である東京ガスが、汚染者負担の原則に基づいてその処理をするとのことでありますが、質問の中でも触れましたように、食料品の安全と衛生を確保することは、市場にとって大変重要な使命であります。まだ築地市場の移転問題が決着したわけではありませんが、いずれにしても土壌汚染にも万全な対応をされるよう要望して、私の質問を終わります。

○かち委員 ご提出いただきました資料の2、食肉市場改築工事にかかわって、何点か質問いたします。
 第六次市場整備計画に基づいて、と場関連施設の老朽化、衛生管理の強化などへの対応として進められているこの改築計画、新北側棟建設は、工期が平成九年五月から十三年十二月までということですが、主な契約執行が平成十一年ということで、改めて伺いたいと思います。
 地上九階、地下一階、延べ床面積約五万平米のこの建物は、総工費二百四十三億円とのことですが、その財源の内訳はどうなっているでしょうか。

○浅倉調整担当部長 総工費約二百四十億円の財源内訳についてでございますが、国庫補助金が約四十四億円、一八%、企業債が約八十九億円、三七%、市場会計の損益勘定留保金その他が約百七億円、四五%となっております。

○かち委員 都から国への働きかけ等努力もあって、当初の補助金よりも多少アップはしたように思いますけれども、四十四億円。この事業そのものが国庫補助対象でありながら、本来なら三分の一補助出るところが一八%しか出てこない。こういうわけで、必然的に都の負担分がふえることになるわけですけれども、この年は財政再建推進プランが進められ、すべての事業に対して見直しがうたわれていた時期でもあります。こうした中で、この事業そのものを縮減するなり、もう少し見直しをされてもよかったのではないかと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○浅倉調整担当部長 北側棟の仕様についてでございますけれども、構造は鉄筋コンクリートづくり、プレキャストプレストレストコンクリートづくり及び鉄骨づくりであります。卸売場、仲卸売場、冷蔵庫、加工場施設など市場機能の中心的部分を担う建物として、安全性や耐震性を踏まえた構造としております。また、外壁の材料としては、採光やメンテナンスの容易性を考慮して、ごく一般的な建築資材であるタイルなどを主として使用しておりまして、ご質問のようなコスト削減については意を用いたつもりでございます。

○かち委員 コスト削減に努力をしたけれども、こういうことになったということですけれども、建設単価、建築単価というものは一体どういう状況になっているのかなと。これはなかなか単純比較は難しいことを承知の上で、私は財務局から、この年の建築物の契約単価をちょっと比較をしてみたんです。確かに建物が全然違うし、特別な建物であるということをかんがみても--この年に五つの学校で改築が行われています。このときの建築単価は一平米当たり約二十数万程度なんですね。ところが、この場合は四十八万円程度になっております。そういういろいろな条件を取り除いたとしても、単価として高いのではないかなというふうに思います。
 昨年の秋、所在地近くで進めている品川駅の北口再開発地域の視察に行ったときに、現地のわきも通ってきましたけれども、計画の建物は、どう見ても現状の構造物に比べ過剰ではないかというふうに思います。北側棟の延べ床面積は、現在使用しているものの大体どのぐらいの倍率になるのでしょうか。

○浅倉調整担当部長 北側棟には、既存の建物にはなかった部分肉関連施設や保清施設等が加わっておりまして、また、構造上の違いがあるため、一概に現在使用している建物との比較は困難でございますけれども、比較するとすれば、北側棟の延べ床面積約四万九千平米、このうち地下一階から五階までの業務ゾーンが三万三千平米となっております。それから六階から九階までの事務所ゾーンが約一万六千平米でございます。これに対応させてみますと、現在利用している既存建物のうち、小動物卸売場や冷蔵庫、仲卸売場の一部など、業務関連関係施設の面積合計で約四千百平米、東京都事務室、関係業界事務室、衛生検査所など事務所関係施設の面積が合計で約八千七百平米、このような対応になっております。

○かち委員 もちろん機能拡充の面もあって、単純に比較することはできないということも承知の上ですけれども、今お話のあったことをまとめますと、新北側棟は約四万九千平米、既存建物の相当分は一万二千八百平米。ということになりますと、約四倍になるわけですね。中でも業務施設が大幅にふえているわけですけれども、この部分についてはどういうところがふえているのか、詳しくお聞かせください。

○浅倉調整担当部長 業務ゾーン約三万三千平米のうち、既存の業務関係施設、これは四千百平米ですけれども、それに相当する部分、ちょっと先ほどとダブってお答えさせていただきますが、一階から四階までの仲卸売場施設、それから小動物卸売施設が対応しておりまして、その面積が約一万八千平米ほどでございます。また、新たに付加する施設としては、五階の大動物冷蔵庫施設や保清施設、地下一階の駐車場や部分肉関連施設でありまして、その面積が約一万五千平米ということになっております。

○かち委員 新たな機能拡充ということで、冷蔵施設や保清施設の部分と、地下駐車場、この部分を除いても、業務施設は一万八千平米あり、既存の四・五倍。やはり大きなものになるわけですけれども、これで、これまで分散していた仲卸業務の機能を全部そこに収納することができるのかどうかといいますと、そうではないというふうにも聞いております。現在出入りをしている仲卸業者が一体どのぐらいあって、このうちどのぐらいの業者がそこで利用できることになるんでしょうか。

○浅倉調整担当部長 現在東京食肉市場において仲卸業者は四十二社ございます。そのうち北側棟に収容するのは八社でございます。

○かち委員 四十二社が今出入りをしているうちの、新しいところに入れるのはたったの八社しかない。三十四社はまだ既存のところでやらなければならない。国の指導もあって、保清管理、衛生管理というのは、特にO157の発生した年でもあって、非常に厳しい指導もされて、こういうことを進めていこうとするときに、ほんの一部しか、この大きな新しい建物の中で営業できないという点においても、こういう設備が本当に必要なのか、もっと機能優先の、全体がそういう高機能の施設に入れるようなものをつくってしかるべきではないかなというふうに思うわけです。
 こういう中で進められてきたわけですけれども、高性能でより利便性の高い設備ということになるわけですけれども、このランニングコストや維持管理費も相当高騰することになると思います。このことが出入り業者への負担増にはならないのでしょうか。

○浅倉調整担当部長 新しい施設をつくりまして、大きな面積を使うということになりますので、仲卸業者の使用料も当然上がります。使用面積が約四倍になります。そこの使用料金についても、機能が高度化されますので、そういった冷蔵庫など附帯施設が大幅にふえることから、使用料も大幅にふえるということになります。そのことについては、営業でその分をカバーしていただいて、より一層の業界発展をしていただきたい、このように思っております。

○かち委員 営業努力で頑張ってほしいということですけれども、全般的な不況の中で、なかなか営業努力にも限界がある中で、中小の業者にとっては、大変な負担になると思います。しかも、新しくなって使用料が四倍になるという点になりますと、かなりその施設に入れる業者も選定されてしまう。一定の力量がなければそういうところに入れないということになり、零細な業者は常に不十分な環境整備の中で甘んじなければならない。こういうことも非常に問題ではないかなというふうに思います。こういうことについては、ぜひ調整をしていただきたいというふうに思います。
 ところで、工事発注状況のそれぞれの入札項目が出ておりますけれども、この入札方法はどのようになっているのでしょうか。

○浅倉調整担当部長 本日ご提出させていただきました資料の三ページに記載してございます工事発注状況、これらの工事につきましては、建築工事が制限つき一般競争入札、それから以下六工事につきましては、すべて指名競争入札で行われております。

○かち委員 この間、と場関係の整備工事の状況を見てみますと、昭和五十八年から九カ所ほどの改築工事を行ってきているわけですが、そのほとんどに、同和と深くかかわりのある海原・錢高組が指名を受けて請け負ってきた実態があります。特定企業への利権誘導になりかねないということを、我が党は再三指摘をしてきたところです。今回、建築工事の一般競争入札においても、錢高組などが相変わらずJVとして組み込まれているという実態や、他の関係工事においても、同和関係とかかわりのある業者が入っているという疑念も聞こえてきます。今後も食肉市場全体の整備計画を進められていくと思いますが、都としてのさらなるクリーンな入札制度のあり方、過剰整備を見直し、健全運営に一層努力すべきということを申し上げて、質問を終わります。

○大木田委員 私も何点か伺いたいと思いますが、先ほど清原委員の方から、築地市場の再整備に関する質問がありました。この資料を見ますと、昭和六十一年の一月に、東京都首脳部会議において現地再整備を決定ということでありまして、この年の三月の都議会の予算委員会では激しい議論が展開をされました。これは、築地市場を現在地で再整備をするか、当時JRの汐留跡地があいておりまして、そこへ移転して、三年間そこでやって現在のところに建て直すかということと、それから営業を続けながら、十年間かけて再整備をした方がいいかということで、予算委員会でも激しい議論があって、最終的には、汐留の三年間と、それから十年間で再整備はできると。やはりさまざまな要素から検討した結果、十年間でやった方が費用的にもいいという、こういう判断があったわけです。
 それで、昭和六十一年から十年間というと、ここの現在地見直しにかかる平成七年ぐらいが十年間ですよね。本当はそこまでにできていなければいけないんですよ、基本的に。それをやるということで、予算委員会で激しい議論があったんですよ。それをですよ、できてなければいけないときになって、今、今度は見直しの話が出てくるということなんですね。じゃあこの十年間何していたと。失われた十年とよくいわれていますけれども、それとは直接関係ないけれども、十年間どういうことになってこうなったかということが、ちょっと議論のあれですから、こういう経過がありますからね、その辺の感触をちょっと伺っておきましょうか。

○小栗築地市場再整備担当部長 先生ご指摘のように、昭和六十一年に首脳部会議で、現在地再整備をしようということで決定をいたしまして、昭和六十三年に基本計画を策定したわけでございます。その計画は、準備工事等を含めまして工事期間十四年で、平成二年に着工し平成十五年に完了するという計画でスタートをしたわけでございます。しかしながら、この準備工事につきましても、各種の調整が、業界との調整等が支障になりまして、残念ながらその準備工事を進めることでほとんどが終わっている。実は本格的工事の部分といたしましては、勝どき門駐車場、これは一部--前期工事なんですが、その工事ができただけであるという状況でございます。
 なお、この現在地の再整備の問題につきましては、営業を続けながらどうしてもローリング工事をしなければならないということによりまして、市場業者の営業に深刻な影響が出てくる。あるいは、工事が錯綜し、工事機能が長期にわたり低下する等々の推進協議会での話もありまして、一昨年の十一月、推進協議会におきまして、これまでの現在地再整備を見直して、移転整備の方向に向かうべきであるという取りまとめがされたのが経過でございます。

○大木田委員 その議論は、要するに昭和六十一年のときに既に、市場という性格上、現在地で再整備するということはかなりやっぱりいろいろと無理があるんじゃないかということで、激しい議論があった。だけども大丈夫なんだということで決定したんで、今それが、だから、それがそういうことだということであっても、あの当時の激しい議論を、どっちがいいかと。汐留で三年間ですっきりやってということと、十年間でやるという、こういう経過をやっぱり、私はこれは非常に重要なことでありますから、これは今の説明的にはちょっと苦しいなと思っているんですが。
 それで、この十年間に三百五十億、再整備計画のために費用をかけましたけれども、これが万一移転した場合は、三百五十億の費用はどうなりますか。

○小栗築地市場再整備担当部長 これまで整備してまいりましたものは、先ほどの資料の一ページに出ておりますけれども、基本的に、例えば正門駐車場を初め、準備工事にかけました設備につきましては現在もなお使われておりますし、移転が決まるまで、あるいは移転をするまでの間は当然それが有効に使われていくというふうに認識をしております。

○大木田委員 三百五十億をかけて、まあ現在使っておりますから、そういういろいろな整備はしてきたんですけれども、先ほどの説明の中で、流通機構の変化ということがちょっと理由に入っておりましたけれども、流通機構の変化というのはどういう変化なんですか。

○小栗築地市場再整備担当部長 流通機構の状況の変化と申しますのは、これまで小売店、あるいは飲食業が主として買い出しに来ていたという状況がございました。現在、いわゆる魚屋さんというのが大変少なくなりまして、例えばスーパーマーケットというような量販店がその仕入れに来ているというような状況もございます。そういった状況の中で、流通の形態が大変変わってきているというのが現状でございます。

○大木田委員 それで、平成十一年の十一月に、築地市場再整備推進協議会において、現在地再整備は困難であり、移転整備へと方向転換をすべきとの意見集約を行ったと。これは、行ったということはそういう事実なんでしょうけれども、そうすると、移転契約をするというと、移転するならば移転先ということもあるわけですけれども、先ほどから豊洲のことも話が出てますけれども、この時点では、要するに移転をするということを決めて、移転先は決まってから後探すというようなことを前提にしていたんでしょうか。

○小栗築地市場再整備担当部長 推進協議会の中ではいろいろの議論がございました。場所のいかんを問わず、現在の場所での整備の難しさ、それから先ほど申し上げました営業への影響等々ございまして、それらの議論の中で、移転地を探した方がいいだろうということでございます。豊洲という話も出ておりますけれども、私ども、豊洲を現在有力な候補地として想定しながら議論を進めているということでございます。

○大木田委員 豊洲につきましては東京ガスが再整備のいろんな計画を立てておりまして、先ほど清原委員からも指摘がありました、ベンゼン、シアン、砒素、あるいは鉛等も、昭和四十年まで東京ガスがあそこで石炭からガスをやってたということで、現在はLPGをシベリアの方から輸送してきてますから、この作業は今ないわけですけれども、これ自体は豊洲の再開発のために、市場とは直接関係なく、まちづくりのためにこれを東京ガスとしてはやるというふうに私は認識しておりますけれども、これはどうなんでしょうか。

○小栗築地市場再整備担当部長 東京ガスの発表によりますと、東京ガスは、区画整理が今現在進められておりますけれども、区画整理後の土地利用に支障がないような形で処理をするという前提での処理作業であると理解しております。

○大木田委員 そういうところで、先ほどもちょっと確認がありましたけれども、市場という性格のものが来るということと、まちづくりの中で、それなりの対応で土壌汚染を除去するということと、そこでそういうものが、世界に誇る築地の市場が万一来るというようなことになった場合の、先ほど土壌汚染の処理についてはいろいろと進めていくという話もありましたけれども、それは大丈夫なのかなと。というのは、このスタートが、一回、最初から激しい議論の中で、再整備をする、あるいは汐留で三年間やるということが、十年かかってこうなった経過を考えますと、今度はまた行き先にそういう予定もあるということで、先行きこういろいろとあると、また二転三転するというようなことになりますと、要するに都の意思決定というのはどういうことなんだというような形にも、これはつながりかねない。したがって、土壌汚染等のこの問題がどういう展開をするかということについては、結果を見ないとわかりませんけれども、そういうような心配も、二転三転をしないように……。
 私はここでいろいろなことをいっているのは、都の東京都首脳部会議で決定して、あれだけ激しい議論の中で決定したんですよ、これは。それが要するにこの変化の中で、それでずるずると来てて、先送り先送りで来てて、ようやくこの移転についての市場審議会での話も出てきているんですけれども、それがまた今度はこういうような状況になって、我々いろいろと町を歩いていますと、市場の移転の話が出ます。話題にもなります。まあこれは長い時間かかるわけですけれども、そういうような問題。
 それから、これ豊洲に行った場合のインフラ整備の問題等も非常に大きな関連も出てくるんですけれども、この辺のインフラの問題は、今どんなふうにとらえているんですか。

○小栗築地市場再整備担当部長 インフラの整備、特に道路の関係でございますけれども、まず晴海通り、この延伸がございまして、これは平成十七年に完成をするという予定でございます。それから、その後平成二十七年までに環状二号線が完成する、それとあわせて補助の三一五号線が平成二十七年に開通をする、そういう計画でございます。

○大木田委員 計画というのは、大体そういうのは延びるんですよ。私のところも今王子高速が通っていますけど、平成七年に完成、それから平成九年完成、平成十二年完成、今平成十四年度完成ってなってるんですよ。そういうような形で倍ぐらい延びていますね、この道路の問題というのは。だから、いろいろと計画どおり物が全部運べば、それはまあそれであれですけど、そういうような状況とかいろんな状況がありますから、私は都の意思決定というものをした以上は、きちっとその状況の中で、さまざまな分野を検討して決めるわけですから、それでまた状況だってぐらぐら、ぐらぐらするような、最初つまずいたものというのは必ず後でもいろいろとありますので、そうしたことも踏まえて対応をきちっとやっていただきたい。そのことをちょっと申し上げておきます。
 それから、一兆円の隠れ借金というのが東京都にありますけれども、平成十一年度、市場会計からは隠れ借金として幾ら一般会計の方に出しているんですか。

○長尾経営管理部長 隠れ借金という言葉が適切かどうかは別にしまして、一般会計に二千四百億円余りお貸ししております。

○大木田委員 市場会計は大変今豊かというか、大田市場が移転した後のこの状況で収入があるわけですけれども、これは例えば参考までに聞いておきますけれども、ことし平成十二年度は税収が非常にいいということで、隠れ借金はできるだけ返したいということですけれども、どのくらい返ってくる予定なんですか、参考までに。

○長尾経営管理部長 現在返還の据置期間に入っておりまして、十五年度から一般会計から私どもの方に戻ってくるという予定になっております。

○大木田委員 例えば二千四百億を一般会計に貸してまして、これは無利息ですか。利息は入ってくるんですか。

○長尾経営管理部長 きちんと利息はいただいております。今、詳細なパーセンテージはちょっと調べます。

○大木田委員 それからちょっと参考までに、先ほど流通機構の変化の中で、今我々が町を歩いておりますと、魚屋さんが、おじいちゃんおばあちゃんでやっておりまして、継続できないということでだんだん店じまいをして、スーパー等が非常に産地直送でやっておりまして、確かに流通の大きな激変があるわけですけれども、そういう中において、築地の仲卸等も大変厳しい環境の中で対応しているというような状況があるわけですね。
 それで、二〇〇七年には全体的に日本全体の人口も減少が始まります。それから東京都も、いずれ二〇一五年から二〇年になって人口減少が始まるわけですね、今の少子化がずっと進みますから。全国平均とは東京都はおくれて、地方にいるお年寄りの皆さんが息子を頼って東京に来ますので、東京は全国よりもずっとおくれての人口減少に入るんですけれども、流通機構の変化と人口動態ということをいろいろと考えなきゃいけないとは思っておりますけれども、今そういう町の魚屋さんや、あるいは料亭等の需要が減って、非常に築地を取り巻く状況も厳しいと思うんですけれども、こうした現状はどう認識されてますでしょうか。

○長尾経営管理部長 ただいまのご質問に担当部長がお答えする前に、先ほどちょっと漏れたところを答弁します。
 一般会計に貸しました二千億円につきましては、金利は一・一七五%、それから四百億円につきましては二・六%で、いずれも民間の市中の金融機関に預けるよりは高い金利というふうに私どもは理解しております。失礼しました。

○石川業務企画担当部長 市場の仲卸業者の経営状況についてのお尋ねかと思いますが、先生ご指摘のように、最近の市場、生鮮食料品の流通多元化が生じておりまして、市場外流通の増大化傾向にございます。小売商も減少しておりまして、昨今の消費の低迷のもとでの単価安等もございまして、取扱高も減少傾向にございまして、仲卸業者の経営状況も大変厳しくなってございます。十一年の経営分析の状況で、水産を例にとりますと、約半数を超える仲卸業者が経常赤字、四割を超える仲卸が資本欠損というようなことで、大変厳しくなってきているというふうに承知しております。

○大木田委員 次に、せっかく資料がありますので、食肉市場の改築工事のこれが今出ておりますが、北側棟ができますと、食肉市場の全体の整備計画は、そうすると今後どうなんでしょうか、これができた段階で。

○浅倉調整担当部長 現在は第六次整備計画の中で北側棟を建設しております。六次整備計画においては、この後東側棟の工事をやるということが今後の予定としては入っております。
 なお、先ほど話がありましたように、第七次整備計画の基本方針の中間報告が十二月に出されまして、ことしの十月に第七次整備計画を作成いたします。その中で作成していくことになるわけですけれども、中間報告におきましては、食肉市場の近代化を進めるとともに、衛生対策、それから周辺環境の整備に配慮した整備を進めていくべきであるという中間報告をいただいております。

○大木田委員 今の話はわかりましたが、そうしますと、食肉市場、私も早く整備はして、衛生面その他の面からも、周辺環境の面からもきちっと整備すべきだという立場でございますが、全体的には、整備がきちっとされて、まさに世界に誇れる食肉市場としての全貌をあれするのはいつごろになるんですか。

○浅倉調整担当部長 平成三年に、食肉市場全体の整備計画をつくったプランというのがございます。それが生きておりまして、それに基づいて、今北側棟の整備をやっているわけですけれども、その計画では、ちょっと最終年度、今資料がなくてあれなんですけれども、二十年前後にはでき上がるという形になっておりますが、当然こういう状況でございますので、その計画については、順次整備計画の中で見直していくという形になるというふうに考えております。

○大木田委員 最後に築地市場の関連にもう一回戻りまして、ちょっと伺っておきますが、今のまま移転計画がいろいろと具体的になった場合、町なんか歩いている人から聞かれるのは、じゃ移転するならいつごろになるんですかと。私、大体二十年ぐらいかかりますよ、あなたが生きている間は無理でしょうねという話もしていると、笑っているわけですけれども、今の時点で決定しても、インフラ整備その他でいって二十年ぐらいかかるという認識でいいんですか。

○小栗築地市場再整備担当部長 例えば豊洲ということに仮に決まったといたしました場合に、豊洲の土地区画整理事業が完了するのが平成十八年でございます。その後建設工事に入るということになりますと、まあ十年以上どうしてもかかると思っております。

○大木田委員 いろいろと聞いておりますと、石原知事は早くやろうというような形でいろいろと取り組んでいるようでございますけれども、十年以上ということは、割と早くできるという--私はまあ二十年から二十五年ぐらいかかるんじゃないかと思ったんですけども、早くやろうという動きもあることもよく知ってますけれども、そうすると、早ければ十年でできるということ。十年以上ということは十年から先ですか。二十年なんてかからないということですね。

○小栗築地市場再整備担当部長 例えば豊洲が確保できたといたしまして、そこの中でいろいろの準備工事、あるいは建設工事に何年かかるかというような、これからどうしても積み上げなければならないことが多うございまして、私ども、現時点では十年は超すだろうということで考えております。

○大木田委員 今のその十年というのは、平成十八年に都市計画整備が終わって、それから十年ということですか。その間にもうそれは--それも含めてということですか。

○小栗築地市場再整備担当部長 説明が大変雑で申しわけございませんでした。今から大体十年以上、十年を超す期間がかかるだろうということで考えております。

○大木田委員 最後に一言意見だけ申し上げて終わりにしたいと思いますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、非常に重要な、都の意思決定というのは大事でありますから、最初のことから十数年経過して、今日もう一回見直しをすると。こういう事態を踏まえますと、二転三転しないように、都としては、意思を決定したら、それに基づいて、本当に世界のブランドであるこの築地ですし、これから中央区の地元のいろんな意見も出てくるでしょうし、さまざまなことが出てきますけれども、決定をしたらきちっとその対応を進めて、すばらしい都民の市場としてそれをつくっていただきたい。このことを要望して、終わります。

○藤川委員 私は都議会議員として、中央卸売市場に何回か足を運んで見学をさせていただいたわけですが、築地にしても大田にしても、私が今まで見たこともないようなすばらしいものがたくさんあるわけですね。そしてそれを見たときに、歩くのが嫌になって、ほかの人たちはどんどん歩いていってしまうわけですけど、一カ所にとまってじっと見入っているという、そういう、食材に対して異常ともいえる関心を持っているわけですが、私が今住んでいる町は典型的なベッドタウンで、そして、先ほどちょっと大木田さんから触れましたけれども、その町にある生鮮食料品を扱う店主の方々の高齢化と相まって、町のニーズに対して非常に鈍感である。ゆえに我々がそういう町にある生鮮食料品--スーパーも含めてですけど--への食材のアクセスというのはもう、魚を例にとれば大衆魚ばかりである。だけど私の住んでいる町は相当担税力が高くて、全国で九番目ぐらいですかね。六百五、六十、市があるらしいんですけど、相当高いわけですから、相当強いニーズが、購買力も町にあるわけですね。だけどそれに対して品ぞろえは実にありふれたものばかりだと。そうなると、東京にそれだけすばらしい施設があるにもかかわらず、電車でわずか一時間かかるか、かからないぐらいのベッドタウンにおいて、そういうものしか手に入らないということは非常に、東京都民で--それだけすばらしいものを皆さんは国の内外から集めていただいているわけですが、我々はそれに対するアクセスがない。東京都は、そういうニーズに関する方策ということについてはいろいろと考えておられるのかどうかということを常に疑問に思っているわけで、過去にも同じような質問を一回させていただいたことがあるんですが、皆さんの、東京都民一千二百万、その周辺集めると、全部で三千万ぐらい人がいるというんですが、それに対するニーズというのは的確につかんでいらっしゃるかどうか。そのことをまず質問させていただきたいと思います。

○石川業務企画担当部長 質の高い生鮮食料品に対するニーズに関するお尋ねかと思いますけれども、東京都中央卸売市場におきましては、都民の生鮮食料品に対します多様なニーズにこたえられますよう、国内はもちろん、広く海外からも多様な生鮮食料品を集荷をいたしております。また、中央卸売市場の開設区域を申し上げますと、多摩地域を含みます都内全域となってございまして、流通の実態の上では、首都圏全体が供給圏となってございます。そういった広範囲に大衆的なものから高級なものまで、それぞれの地域のニーズに沿った形で提供しているというふうに認識してございます。都といたしましては、中央卸売市場が生鮮食料品流通の根幹を担っているということもございますので、今後も多様な食材を都民に安定的に供給できるよう努めているところでございます。
 また、行政、業界、消費者代表で構成されます消費者事業委員会を設置しておりまして、都民のニーズや要望をお聞きしておりますほか、テレビやインターネット等を通じまして、市場や食の情報を提供しているところでございます。

○藤川委員 先ほど大木田さんの方からもいわれましたけど、要するに町の、例えば魚屋さんに例をとると、そこの店主はおじいちゃんおばあちゃんというレベルでもってやっているわけです。ところがその人たちの、私が住んでいる町の人たちのニーズの把握の仕方っていうものは、そのニーズに対して的確にキャッチしてないし、それにこたえてないわけですよね。ですから、いつも同じものばかり並んでいるというわけです。それに対して、私の質問は、東京都がどのような方策をもって、隠れてしまっているニーズ、潜在能力のあるニーズに対してこたえるかということについて(「社会主義経済じゃないんだよ、自由主義経済だよ。そんなのは各自が努力しなければだめだよ」と呼ぶ者あり)そういうことを質問しているわけですよ。
 そうすると、今不規則発言にもありましたけれども、要するに各店が努力するというときに、その努力の仕方について、やはり東京都では、皆さんの方でそれだけすばらしい頭脳を蓄えているわけですから、いい方策というものを考えて、こういう方法があるんじゃないか、ああいう方法があるんじゃないかということを刺激する必要があるんじゃないかと思うわけですね。IT革命と今いわれていますけど、いろいろな形で、新しい方策でニーズにこたえるような措置を講じてあげるということを考えるのであれば、やはり末端のニーズと、中央の仲卸か卸になるかわかりませんが、そういうところがうまく直結することによって、そういうニーズを中央が把握し、末端のニーズに対して中央がこたえるという方策でもって、いろいろなものをタイミングよく供給することによって、中央卸売市場の扱い高が、要するに人口減に伴って、また景気、不景気によってだんだん減少傾向にあるということが、少しでもメークアップされるんじゃないかと私は思うわけですね。そういうことについてはどのようにお考えでしょうか。

○石川業務企画担当部長 今、ニーズをつなぐということでITというようなお話もございましたけれども、一つには、それぞれの業界が商売ベースで取り組む話と、それから開設者として消費者に対して食の情報を流すと、両面があろうかと思います。業界としての取り組みとしては、それぞれの業界団体が情報化に向けてさまざまな取り組みをしておりますし、開設者といたしましては、そういった食の情報を提供することの重要性を十分認識しているつもりでございまして、先ほど申し上げました消費者委員会での広報広聴活動を始めまして、パンフレット、ビデオ、テレビ等を通じまして市場の情報を提供しておりますし、昨年の四月からはホームページも開設いたしまして、この十カ月間で約三万件ぐらいのアクセスがあるというような状況でございます。今後こういったホームページの一層の充実に努めまして、消費者に対しまして生鮮食料品に関する一層の充実した情報を提供してまいりたい、このように考えているところでございます。

○藤川委員 最近の一つの傾向として、我々がすばらしい頭脳を育てるということを考えた場合に、学校教育でもって、読み書きそろばんということはよくいわれますが、そのときに、五感に対して、我々はまず、動物の本能としての五感があるわけですけど、それを気持ちよく刺激するということが物すごく教育的な効果があるということを、よくいわれ始めているわけですね。世界の教育界においてもそういう傾向が強くなってきているという事実があるわけです。そういうときに、中央卸売市場が生鮮食料品を相当幅広くたくさんのものを持っているわけですから、そういうものをすばらしい状態で我々の口に届けてもらうということは、東京の都民が、教育の面においても、すべての面において豊かに生活をするという面において非常に意味があると私は思うわけですね。ですから、皆さんが持っているご努力によって、世界じゅうからいろんなすばらしいものを集めてきているわけですから、そういうものを、いかにして東京都民の隅々まで、すばらしいシステムと流通機構によって届けるかということについて考えていただければと思うわけです。そうすることによって、築地とか大田とか、そういう機構というものが、皆さんの持っているすばらしい、つくり上げてきたそういう市場というものが、これからますます生かされてくると思うわけですから、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○大西(由)委員 要求資料の四ページをもとに質問したいと思います。
 都の各市場については、その事業から考えて多量のごみが発生します。そこで、このごみの減量化やリサイクルの推進は長年の課題であると考えております。この観点から幾つか伺ってまいります。
 まず、平成十一年度におきます各市場のごみ処理量及び都が負担している費用をお願いいたします。

○長尾経営管理部長 各市場のごみの量と都の負担額でございますが、一番大きい築地市場は、年間ごみ処理量が一万九千九百トン、それに要します都の負担額は約一億一千六百万円、同じく大田市場は年間約一万トン、要します都の費用は四千五百万円、三番目が北足立市場でございまして、年間千七百トン、要する費用は約九百万円でございます。ちなみに板橋市場ですが、そこはごみ処理量は約千トン、都の負担額は五百七十万円でございます。

○大西(由)委員 大変なごみの量ということで、その負担額もばかになりません。こうした点で、各市場のリサイクルへの取り組みが問われるわけですが、各市場のリサイクル状況はどのような状況と把握していらっしゃるんでしょうか。

○長尾経営管理部長 配布しました資料四ページに書いてございますが、段ボール、瓶、缶、魚腸骨、食肉残渣、あるいは発泡スチロール等は、専門業者が回収し再利用しております。これらリサイクルされているものが廃棄物総排出量に占める割合は約三五%でございます。なお、市場別にはかなりばらつきがございまして、一〇%台のところから六〇%台と、大分差がございます。
〇大西(由)委員 各市場が扱っているものの違いや、それから施設の古さ、広さということもあるでしょうが、場所によって一〇%から六〇%ということですが、やはり各現場を構成する人間の意識が重要になると思います。
 ところで、生ごみの処理費用の単価と内訳の説明をお願いします。

○長尾経営管理部長 生ごみの処理につきましては、各市場の市場業者で構成する自治的団体が、廃棄物処理業者と契約してそれぞれ処理を行っており、その費用は各市場で異なっております。その幅ですが、低いところでは、一キロ当たり十七・二円、高いところでは一キロ当たり二十八・五円となっております。内訳といたしまして、その中には清掃手数料が一キロ当たり十二・五円含まれております。

○大西(由)委員 幅があって、築地で二十八・五円ということですが、それでは板橋でコンポストの試行が今されてますけれども、その処理単価はどのようなものになっているんでしょうか。

○長尾経営管理部長 板橋で試行されております実験事業の処理単価は、一キロ当たり四十七・一円となっております。

○大西(由)委員 板橋の場合、ですから、単純にいって二十四円もの差があります。この価格のままではコンポストは進まないと思うんですけれども、場内でコンポストを稼働させるメリットというのは何なんでしょうか。

○長尾経営管理部長 市場の中でコンポストを稼働させるメリットでございますが、一番大きいのは、市場から発生するごみをなるべく再資源化しまして、市場の外へ出すごみを極力減らすという、いわゆるゼロエミッションを推進できることにあると考えております。そのほか、市場業者への指名問題に対する普及啓発効果が期待できるとか、さまざまなメリットが期待できると思います。

○大西(由)委員 そこで板橋のコンポスト化が進行しているんですけれども、板橋のコンポスト化の試行について、内容としてどのような成果があったのか。そしてまた、その中からクリアすべき課題も出てきたかと思いますが、その辺を教えてください。

○長尾経営管理部長 板橋のコンポスト化事業は十二年度の事業でございまして、まだ実験途中でありますが、現段階で検証いたしますと、一つに、コンポスト化には分別の徹底がまず不可欠になりますが、それには業界の理解と協力が何よりも必要ということがはっきりしてきたこと。それから、先ほど先生ご指摘ございましたとおり、コストが大変割高になっておりまして、今のままでは業界の協力を求めることが難しいこと。それから三点目として、現在出されております製品を分析いたしますと、農地に直接供給するためには、さらにもう一段新たな処理が必要という結果があらわれております。そのため、本格的に各市場で導入するためには、これらの課題の解決が必要と考えております。

○大西(由)委員 課題もあるということですが、やはりその場所でコンポスト化することによって運搬費用が軽減されたり、それから何よりも、ごみを出す事業者のごみに対する理解というものが深まるので、ぜひ検証をしっかりやってほしいと思います。しかし、どのような方法をとろうと、既存の条件のままでは、先ほどおっしゃってましたが、市場原理の中で最初から進むことも難しいと思います。何らかの公共的な関与が必要だと思っておりますので、その辺もよろしくお願いしたいと思います。
 次に、食品リサイクル法が施行となっておりますが、どのような内容なのか。この仕組みを利用して、市場のごみ問題解決にこれはどのように貢献できるのか。その辺を教えていただきたいと思います。

○長尾経営管理部長 食品リサイクル法でございますが、これは食品関連事業者で、食品廃棄物を一定量以上排出する事業者に、一定程度の発生抑制、減量化、再生利用を義務づけるものでございます。法律は制定されましたが、具体的内容を明らかにする省令がまだ明らかになっておりませんので、具体的内容はまだわからないところが多々ございます。
 それから、この法律が施行されますと、対象となる業者だけではなく、市場の全業者に、食品資源の循環化を初め、廃棄物問題の意識啓発が図れると考えております。都では関係業界に対しまして、法の趣旨徹底、ごみ減量化の指導を行ってまいりたいと思います。

○大西(由)委員 ぜひとも活用を検討していただきたいし、これは市場だけの問題でありませんし、場合によっては、関係局と連携して都の単独施策も検討していただきたいと考えております。私は、先ほどの答弁にもありましたように、費用やリサイクル意識、そしてごみの劣化を防ぐという点でも、コンポストを場内に稼働させていくことが、ベストとまではいかなくても、やはりベターだと考えております。今後のごみ問題解決の展望を市場長に伺って、質問を終わりたいと思います。

○大矢中央卸売市場長 市場は、都民、あるいはこの周辺、特に東京都の場合は三千万のバックグラウンドがございますが、大量に生鮮食料品を集荷をし、分荷をし、流通させるという役割を持っております。したがいまして、大量に供給をするという重大な役割の一方で、大量に廃棄物を排出するという現象がございます。そのことによって環境に大きな負荷を与えていることはおっしゃるとおりでございます。今後、食品リサイクル法の趣旨等も踏まえまして、循環型社会づくりに市場として貢献するため、生ごみコンポスト化を初め、ごみの減量・減容化、再生利用に、業界ともども一層取り組みを強化していきたい、このように考えております。

○東委員 私も築地市場の整備問題について少しお聞きしたいと思います。
 先ほど来の話を聞いていますと、築地市場の移転ありき、そしてその移転先は豊洲でありきと、何かそういう印象を受けるんですが、さっき出してもらった資料の中で、平成十一年十一月に、都と市場の業界の協議機関の築地市場再整備推進協議会ですか、ここで、現在地での再整備は困難、移転整備へと方向転換すべき、そういう意見が集約されたというふうにあるんですけれども、それがもう全く困難というふうに結論を出した理由というのは何ですか。もう一回いってください。

○小栗築地市場再整備担当部長 昭和六十三年に基本計画を策定して、先ほどもお話し申し上げましたが、平成二年から準備工事に入ったという経過がございます。この工事の中で、現在地の再整備におきまして、工事に先立ちます業界との調整の過程、あるいは工事方法や設計に変更が生じたことなどから、当初、平成十五年には完了するという予定でございましたが、準備工事そのものも相当おくれてしまった。それとあわせて整備費も増嵩してしまったということがございます。また、現在地の再整備、ローリング工事でやるわけでございますけれども、長引く不況のもとで、工事に伴います影響が、営業への支障が耐えがたいものになってきたという、そういうおそれが高まってまいりました。
 このような状況を踏まえまして、平成八年に、昭和六十三年の当初計画、水産一階、青果二階という立体整備を見直しまして、平面整備へと方向転換することにしたわけでございます。これに伴いまして、平成九年十一月から、平面配置による再整備案の検討を、築地市場再整備推進協議会で綿密に行ってきたわけでございますが、いずれの案につきましても業界との合意が得られなかったという経過がございます。これらのことが、現在地での再整備が困難と意見集約された大きな理由でございます。

○東委員 そういう経過を踏まえて、去年の十二月に、市場審議会の中で、その市場審議会の中の学識経験者で構成する計画部会ですか、そこから市場審議会に対して、早急に移転を検討すべきという中間報告を行われたというふうになっているんですけれども、その中での議論ですね、その部会の中での議論、それから審議会の中での議論、どういうものがあったかということをお聞かせください。

○小栗築地市場再整備担当部長 東京都は第七次卸売市場整備計画の策定に当たりまして、平成十二年、昨年の六月でございますが、東京都卸売市場審議会に整備方針の基本方針を諮問いたしました。審議会におきましては、審議会委員の中で学識経験者で構成いたします計画部会を設置をする、その中で整備基本方針を集中的に議論していただくということになりました。
 計画部会ではさまざまな角度からの議論が行われたわけでございますが、要約しますと二つの点が結論ではないかなと理解しております。
 まずその一つは、現在地での再整備はローリング方式とならざるを得ず、時間もコストもかかる、非効率的な整備を余儀なくされる、そしてそのコストは結局都民に負わせることになってくるとの認識で委員の認識が一致しております。
 二つ目のポイントでございますが、築地市場を地域性の強い市場と見るかどうかという議論がございました。最近の流通は市場外流通を中心に流通の再編成の動きが加速をしておりまして、そうした中で、築地市場が全国流通の拠点、そして基幹市場としての役割を果たすには、取引や物流の機能面から見ても、衛生面から見ても、設備の充実が可能で、将来の変化にも柔軟に適応できる余地のある広い場所に移転するしかない、そうしたことが部会での結論であったと理解しております。

○東委員 どういう論議がされたかということは今出たんですけれども、審議会の中間報告では、早急に移転を検討すべきとしてはいるんですけれども、その移転先にはこれで触れてないわけですよね。さっきから聞いていると、豊洲、豊洲というようなことになっているんですが、豊洲のガスの跡地以外に、他の候補地とかそういうことというのは一切考えてないんですか。

○小栗築地市場再整備担当部長 築地市場は、小売店の仕入れの場であるとともに、広域流通拠点でもございます。このため、築地市場の移転先を考える場合、次の三つの条件を満たしていることが必要であると考えております。その一つは、大規模な用地の確保が可能であること。大規模な用地というのが一番でございます。二番目には、消費地である既成市街地の外周地域で交通条件の良好な位置であることということがございます。そして三番目には、現在の商圏に近く、機能や経営の面で築地市場との継続性を保つことができる位置であるということが条件であろうということでございます。
 こうした条件を満たす用地を築地周辺でいろいろ検討いたしました。豊洲のほかにも数カ所検討したわけでございますが、その検討の結果、候補地は豊洲が最も望ましいということで、現在は豊洲を候補地として絞り込んだものでございます。

○東委員 築地の立地といいますか、今のところは、これは市場の関係の卸売業、あるいは仲卸業、あるいは魚屋さん、おすし屋さん、そういう人たちとともに、場外の市場もあって、それで生活をしている人もいるわけですし、それから地元の中央区なんかも、これには反対という意向もあると聞いておりますけれども、いずれにせよ非常に重要な問題だと思うんですね。
 それで、いろいろな団体が集まっている審議会でもまだまだ、そういう方向が出たとはいっても、全部の合意となっているわけじゃないし、それから、その市場の業界をまとめる団体の中でも--まあ団体は何か多数が移転という方向に傾いているというような話は聞いているけれども、しかしその中の人たちは、まだまだ非常にばらばらだと思うんですね。そういう点で、いまだ関係者の意見が十分集約されていない、し切れてないという段階で、もう移転という何か既成事実のような方向を拙速に出すということは、私は問題じゃないかなというふうに思うんですけれども、そういう点どういうようにお考えでしょうか。

○小栗築地市場再整備担当部長 近年、消費の変化であるとか、あるいは産地の大型化、あるいは小売業態の変化等がございます。あるいは取引の仕方につきましても、インターネット取引の登場などによりまして、生鮮食料品の流通は大きく変化しているところでございます。
 このような中で、築地市場が将来にわたって基幹市場としての役割を果たしていくためには、取引の情報化、環境衛生対策の充実、流通コストの削減など多くの課題に対応することが不可欠となっております。そのために、早急に市場が進むべき方向を明らかにする必要があると考えております。
 昨年の十二月の審議会におきましても、移転整備か現在地再整備かという基本方針が定まらないために、市場業者が将来に備えた投資を決断できずに困っているといった意見や、都民の消費形態と流通が大きく変化している中でこれ以上議論を続けることは許されない、早急に結論を出すべきであるという意見も数多く出されております。
 一方、市場の移転に反対する方々もあるのは現実でございます。しかしながら、東京都といたしましては、再整備推進協議会の意見集約や、ただいま申し上げました昨年十二月の審議会における議論を深く受けとめておりまして、これらを踏まえまして、今後開設者としての方向を決定していく考えでございます。

○東委員 私は、こういう経過があって、今出たような話があるわけですけれども、やっぱりこの際、関係する業者や、それから住民や区やいろいろ、まあこれは何千人、あるいはそれ以上になるかもしれないと思うんですけれども、この際悉皆調査といいますか、本当にみんなはどういうふうに思っているのか、その辺のところも、今の時点できちっとやってみる必要があるんじゃないかという点が一つですね。
 それから、さっきもちょっと論議されましたけれども、東京ガスの跡地問題ですね。私も、きのう東京ガスの本社へ行って担当の部長さんにいろいろ話も聞いてきたんですけれども、まあとにかく水銀だとか鉛だとか、何十倍という基準を超えるような汚染があるということもわかっているわけですよね。そういう今までの流れの中とはまた違った新しい条件が出てきていると思うんですね。そういうことを踏まえて、このまま何か流れに乗って強行するというようなことじゃなくて、ここで一段冷静になって、さっきいったように悉皆調査もやると。そして汚染問題についてもきちっとした結論を出して、その上で整備計画については進めていく、そういうことが必要じゃないか。だから今のまま、築地は立ち枯れになって、そして何か豊洲への移転というのが既成事実になるようなことについては、我々としては賛成できない。そのことを申し上げて、終わりたいと思います。

○大山委員長 ほかに発言、いかがですか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○大山委員長 これより港湾局関係に入ります。
 これより決算の審査を行います。
 平成十一年度東京都埋立事業会計決算、平成十一年度東京都臨海副都心開発事業会計決算及び平成十一年度東京都羽田沖埋立事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について、理事者の説明を求めます。

○渡辺総務部長 一月二十二日開催の当委員会におきましてご要求のありました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の平成十一年度公営企業会計決算特別委員会要求資料をごらん願います。
 ご要求のありました資料は、表紙の次のページにありますように七項目でございます。
 一ページをお開き願います。会計間の貸付金及び返還金の推移でございます。
 平成二年度から十一年度まで十年間の一般会計、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計の各会計間における貸付金等の推移を取りまとめたものでございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 二ページをお開き願います。臨海副都心開発事業会計の収入でございます。
 平成元年度から十一年度まで十一年間の臨海副都心開発事業会計の資金ベースでの収入の状況でございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 三ページをお開き願います。臨海副都心開発事業会計の支出でございます。
 収入と同様に、平成元年度から十一年度まで十一年間の臨海副都心開発事業会計の資金ベースでの支出の状況でございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 四ページをお開き願います。平成十一年度末の埋立事業会計及び羽田沖埋立事業会計の保有資産の内訳でございます。
 平成十一年度末現在の資産総額は、埋立事業会計が約一兆一千七百二十六億円、羽田沖埋立事業会計が約一千六百三十四億円でございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 五ページをお開き願います。土地処分実績でございます。
 埋立事業会計及び臨海副都心開発事業会計の平成七年度から十一年度まで、五年間の土地処分の契約額、面積等を取りまとめたものでございます。埋立事業会計は二十七件、臨海副都心開発事業会計は十四件の処分実績がございました。
 なお、土地処分につきましては売却と長期貸付を対象としておりますので、臨海副都心開発事業会計の暫定利用は含んでおりません。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 六ページをお開き願います。臨海副都心有明北地区埋立事業の概要でございます。
 目的、経緯、事業内容、計画事業費の順で記載しております。
 なお、本事業につきましては、平成十二年八月に埋立免許を取得し、同年九月より工事を行っております。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 七ページをお開き願います。豊洲・晴海水際線埋立事業の概要でございます。
 目的、経緯、事業内容、計画事業費の順で記載しております。
 なお、本事業につきましては、平成十一年五月に埋立免許を取得し、同年八月より工事を行っております。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○桜井委員 臨海副都心開発最後の埋立地区として事業を行っております有明北地区埋立事業について伺います。
 この事業は、一昨年、昨年と、マスコミでも大分書かれましたし、都議会においても活発な議論が行われました。そういった経緯を経て、昨年八月には埋立免許を取得して、九月から工事に着手したということでありますけれども、この埋立工事や埋め立てによってつくられるとされる親水公園ですか、その利用などについて伺います。
 まず一点ですが、平成十一年度の決算として補償費が計上されていますが、この有明北地区において現に事業を営んでいる方々と、東京都はどのような対応をされてきたのか、まず伺います。

○高野臨海部開発調整担当部長 有明北地区の埋立予定水域は、昭和三十一年より貯木場として供用してまいりましたけれども、臨海副都心開発が港湾計画に位置づけられたのを受けまして、その機能については、貯木場利用者の協力のもと、順次十二号貯木場へ集約化を図ってまいりました。さらに、有明北地区の民間地権者とは、昭和六十三年に協議の場を設置いたしまして、平成五年には、地権者と東京都との間で、まちづくりの進め方や補償の考え方などの基本的事項について合意いたしました。
 この合意を踏まえまして、公有水面の占用許可を受けて現に事業を営んでおりました、現在地で事業継続が困難となる地権者と補償契約を締結するとともに、平成十一年までに関係地権者全員から埋め立てについての同意を得て、有明北地区の埋立免許を取得したところでございます。

○桜井委員 ところで話はちょっと違うのですけれども、私の友人には釣りの好きなやつが大分いまして、新年会に出て大分後でもいわれたんですが、隅田川ではこれまで一日に百匹ぐらい釣れたハゼが、去年は三十匹ぐらいになっちゃったと。おまえらがだめじゃないかといわれたんですね。有明北地区埋立事業の工事がそうしたことの原因になっているんじゃないかという意見も、現に私自身も聞いたんですけれども、その点についてはいかがでございましょうか。

○高野臨海部開発調整担当部長 マハゼは東京港のほぼ全域において生息する魚でありまして、釣りシーズンとなる夏から秋にかけては、多くの場所で釣りが親しまれております。昨年のハゼ釣りの状況についてでありますが、漁業関係者に聞いたところによりますと、昨年は東京港内の多くの地点で例年ほどハゼが釣れなかったとのことであります。その原因については余り定かではありませんが、夏の気温が高く、降水量が多かったからではないかともいわれています。確かに、昨年七月のデータによりますと、気温が平年と比べて二・五度C高く、七月の降水量も平年の三倍近く多い状況であったということでございます。
 有明北地区の埋立工事は、九月中旬に工事を開始しておりまして、工事内容につきましても、仕切りさくの撤去工などを主に実施してきておりまして、昨年のハゼの不漁とは全く関係ないものと考えております。

○桜井委員 ハゼの不漁と埋め立てとは関係ないということでございますね。だからといって何の配慮も必要がないということにはならないと思いますので、自然への影響など十分に配慮して工事を実施していくべきだと思います。
 有明北地区埋立工事についても、工事施行に当たっては、周辺環境について十分な配慮が必要だと思いますけれども、実際どのような対策を行っているのか、伺います。

○高野臨海部開発調整担当部長 有明北地区埋立事業におきましては、九月十三日の現場での着工後、周辺環境への影響を極力少なくするために、一つは、周辺水域への汚濁防止対策といたしまして、工事に伴う濁りの影響を少なくするために、汚濁防止幕を、ちょうど有明の水域の中央部分に設置しております。また、しゅんせつ工事におきましては、土砂の掘削に伴う濁りの拡散を防止するために、枠を設置しましてしゅんせつを施行しております。
 そのほかの対策としては、騒音対策として、低騒音、低振動の建設機械を使用しております。また、早朝、夜間の工事は行わないこととしております。

○桜井委員 この埋め立てに当たっては、自然環境の面でさまざまな配慮がなされているということですけれども、具体的にはどのような配慮がされているのか、伺います。

○高野臨海部開発調整担当部長 有明北地区の埋立事業におきましては、水生生物の生息環境に配慮した潤い豊かな水辺環境を創出するためにいろいろと工夫を凝らしております。埋め立ての実施に当たりましては、水域全体の三分の一強に当たる約十九ヘクタールを残すとともに、直立型護岸の前面には、自然型ブロック、これは海の生物や、水、空気が内部に出入りできるようなすき間を設けた奥行きのあるブロックでございますけれども、これを設けたり、干潟機能を持つ緩傾斜護岸や、潮入り部を設置したり、また、しゅんせつした海底を水底土砂で覆土するなど、水生生物のための環境対策を実施することとしております。
 また、旧防波堤の周辺部は、魚などのさまざまな水生生物の生息に適した環境となっていることから、水域としては保全をしてまいります。
 都では、昨年十月まで、この近自然型ブロックの実証実験を行っておりましたけれども、その結果は、ブロック内からカニや貝などが多く採取され、近自然型ブロックの有効性が確認されたものといえまして、こうした成果を有明北埋立事業に反映させていくこととしております。

○桜井委員 この有明北地区の埋立事業によって海浜公園が整備されていくというように聞いておりますけれども、この水域についてはどのような利用がされることになるのか。また、先ほどいった釣りなどについてどんなことが可能となるのか、伺います。

○高野臨海部開発調整担当部長 現在の有明北地区の水域を囲む護岸線はほとんど民有地でございまして、一般の人は陸側からこの水域に近づくことはできません。しかし、この埋立事業によりまして、水際線に海浜公園--私ども有明親水海浜公園と今いっておりますけれども--を整備いたしまして、都民が水に親しむ場所を提供してまいります。
 釣りにつきましても、陸からもハゼ釣りなどが楽しめるように検討してまいりたいと考えております。

○桜井委員 最後ですけど、日本各地で、埋め立て、干拓についての是非が論議されていますが、有明北地区の埋め立ては、臨海副都心を職と住のバランスのとれた都市とするとともに、広域幹線道路、「ゆりかもめ」などの幹線交通基盤を確保して、憩いのある公園の整備を行うものでありまして、ぜひ推進していくべきだと考えておりますが、これは局長の決意を伺いたいと思います。

○齋藤港湾局長 日本各地で埋め立てとか干拓についての是非がいろいろ議論されていることはよく承知しておりますが、有明北地区の埋立事業地は、ご案内のように三方直立の護岸で囲まれておりまして、かつては港湾施設である貯木場として利用されてきた人工的な水域である、いわゆる干拓等の自然の状態にある三番瀬でありますとか、あるいは有明海の諌早湾とは基本的には異なるのではないか、このように考えております。
 そこで、有明北地区埋立事業につきましては、都民も参加しました臨海副都心開発懇談会や、都議会にも設置していただいた特別委員会などで議論を重ねておりまして、平成九年に計画の見直しを行ったものでございます。その後環境影響評価を実施し、地元地権者の合意を得るとともに、地元区や区議会の了解もいただいて手続を進めてきたところでございます。また、昨年の都議会においても活発な議論が交わされまして、埋立工事に係る予算も可決をされております。こうした経緯を経て、昨年八月に埋立免許を取得し、九月より埋立工事に着手したものでございます。
 ただいまもご答弁申し上げましたように、有明北地区埋立事業は、水と緑豊かな、潤いがあり、住・商・業の多様な機能を備えた活力あるまちづくりを進めるとともに、広域幹線道路の延伸など、都心と臨海副都心のアクセス向上にも欠かせないものと考えております。この事業は、臨海副都心の発展のみならず、さらには東京の活性化にも資するものであり、着実に事業を進めてまいりたいと考えます。

○東委員 私も、今の有明北の埋立問題、私の地元でもありますので、二、三聞いておきたいと思います。
 この有明北の埋立事業については、多くの都民が、何であそこを埋め立てるんだという疑問を投げかけているわけですよね。現に、暖かい時期、春先から夏、秋にかけては、ハゼ釣り船だとか、あるいは屋形船だとか、そういうのがいっぱい出て、都民の憩いの場にもなっているわけです。そして、その人たちは、あそこは江戸前十六万坪といって、東京湾で残された最後の自然だと、こういうようにいっているわけです。さっき局長は、あそこは人工のものだから三番瀬や有明の海とは違うといいましたけれども、それは確かに三番瀬や有明とは違うけれども、長い歴史を持って、もう自然化しているわけなんですね。そういうところを今さら埋め立てるということは問題があるということで、多くの声が出ていますが、東京都はそういう声は全く無視して、地元説明会は確かにやりましたけれども、それをやって、それで去年の九月には強硬に着工するという状況になってきています。私たちは、こういう都の姿勢については率直に抗議をしたい、ひどいということをまず申し上げておきたいと思いますが、その上で幾つかの点について質問します。
 まず、この有明北の埋め立ての目的は何か。何であそこを埋め立てなきゃいけないかということを、もう一回答えてください。

○高野臨海部開発調整担当部長 きょうのお手元の配布資料にも目的が記載してありますが、少し詳しくご説明申し上げますと、まず第一点には、緑豊かな旧防波堤への眺望や、海辺の景観及び都心に近接する立地条件を生かしまして、この地域に生活することの楽しさを演出する潤い豊かな都市型住宅を配置し、都心居住の推進に貢献することが一つの目的でございます。地域には、ウオーターフロントにふさわしい業務・商業機能などを配置しまして、臨海副都心が、職と住のバランスのとれた都市として、豊かな都市生活が送れるまちを目指しておるものでございます。
 二番目としては、地区内に環状二号線及び放射三四号線が整備され、都心部と直結することにより、交通利便性の向上及び交通ネットワークの形成を促し、臨海副都心地区内やその周辺の交通渋滞の緩和に大きく貢献いたします。新橋、有明を結ぶ新交通「ゆりかもめ」が営団地下鉄豊洲駅まで延伸され、交通利便性を飛躍的に高めることになります。
 それから三つ目は、都民に開かれた大規模親水公園の整備によりまして、都民に散策や釣りなどの楽しみの場を提供し、さらに防潮機能を持った護岸の整備によりまして高潮から都民の生命と財産を守る、このような目的を持っておるものでございます。

○東委員 まあ要するに眺めのいい住宅を中心にした、商業施設だとか、そういう眺めのいいまちをつくるということですよね。その住宅地を中心にして、業務だとか商業機能も入れるんだというお話なんですけれども、現在の臨海部の地域、いわゆる臨海副都心の地域にも、住宅・商業・業務用地というのが、それを目的とした有償の処分地というのはまだ大分あると聞いています。大体半分ぐらいしかまだ処分が決まってないというふうに聞いているんですけれども、臨海副都心の中にある未処分地はどれぐらいまだあるのか。そういう状況の中で、わざわざあの有明北の貴重な水域を埋める必要があると。我々はそう思わないのですけれども。この点について、あとどれぐらい未処分地が残っているのか、その辺聞かしてください。

○高野臨海部開発調整担当部長 臨海副都心において有償処分の対象としております面積は百三十九ヘクタールでございますけれども、このうち六十二ヘクタールが処分済みでございまして、残りの七十七ヘクタールが未処分地となっております。

○東委員 百三十九のうち売れたのが六十二ヘクタール、まだ半分以上、約六割近くは残っている。それで、ここで主に住宅をつくる、商業や業務施設もつくるんだというお話ですけれども、住宅の場合、公団も東京都も、新規都営住宅はもうつくらない、公社も新規はもうつくらないという方針になっているわけですよね。そういう中で、一体どういう住宅を考えているのか。全部民間のいわばマンション業者に売り払うつもりなのか。その辺はどうなんですか。

○高野臨海部開発調整担当部長 臨海副都心におきます住宅建設につきましては、臨海副都心まちづくり推進計画、これは平成九年三月に策定したものでございますけれども、それと臨海副都心住宅整備計画に基づきまして、都が民間企業を含む供給主体と調整し、実施するものであります。現在の計画におきましては、公共住宅と民間住宅の比率をおよそ六対四といたしまして、公共住宅は主として賃貸住宅、民間住宅は主として分譲住宅といたしまして、供給主体としては、東京都、それから東京都住宅供給公社、都市基盤整備公団等の公的事業者及び民間事業者とすることとしております。
 例えば都市基盤整備公団では、都心居住を実現し、地域のまちづくりや再開発に貢献する場合の賃貸住宅事業に取り組んでいくため、有明北地区の土地のポテンシャルの高さを認めまして、既に一部の土地を取得し、さらに土地取得の交渉を進めているというふうに聞いております。
 また、臨海地域における水際線を擁する住宅につきましては、現在大変人気も高く、基盤と環境の整備をしっかり行えば、民間事業者の進出も十分実現性がある、このように考えております。したがって、有明北地区における住宅建設につきましては、以上の動向を踏まえながら、地元地権者や関係機関と調整を図って、その実現に向け努めてまいる考えでございます。

○東委員 そんなことをいわれましても、大体、住宅用地の六割は公的な住宅用地にするんだというお話ですけれども、さっきもいいましたけれども、都営も公社も、もう住宅の新規建設はやらない、既存のストックで、今のところ建てかえることはやるけれども、もうやらないということを、方針を決めているわけですよね。公団だって、もうそういう賃貸住宅からは撤退して、再開発事業はやるけれども、新規に公団をつくるというようなことからはどんどん撤退しているというのが実態ですよね。そうすれば、勢い民間のいわゆる住宅業者ということになりますかね、そういう人たちに全部提供することにならざるを得ない。そうなれば、それは確かに希望者もいるかもしれないけれども、かなり高額な家賃のマンションがずっと建ち並ぶということになりかねないと思うんですね。そのことを指摘しておきたいと思います。
 それから同時に、この住、商と。それはそう広い場所じゃないようですけれども、あと商業地、業務という複合の利用も計画されているようなんですけれども、これまで臨海副都心の中で、売りに出した、しかし進出企業がない、なかなか売れないというのが現実ですよね。そうしたら、さらにその上に埋め立てをして、そして住宅もさっき指摘したような状態。それから業務、商業も現実にはなかなか買い手がつかない。進出企業がない。これはいろいろと港湾局でも工夫をして、何とか売ろうという努力をしているけれども、しかしなかなか現実には進出企業がないという状況があるわけですよね。そういう状況のもとで、そういう用地の処分先や処分方法というのは一体どういうふうに考えているんですか。

○高野臨海部開発調整担当部長 有明北地区は都心から直線で約五キロメートルの位置にございます。さらに、水に親しめる公園等を整備し、都民に散策や釣り等の楽しみの場を提供するなど、ウオーターフロントの魅力と快適性を持っております。また、「ゆりかもめ」、環状二号線、それから晴海通り、放射三四号線の延伸等が進められ、銀座までは約十分で結ばれることとなるなど都心とのアクセスも格段に向上していく。そういうことから利便性が高いという立地特性がございます。こうしたことから、有明北地区の業務、商業等の複合用地につきましては、臨海副都心の一地区として、快適で活力のある市街地として発展することが期待されている、このように考えております。
 これらの用地の処分先、処分方法につきましては、周辺の開発状況等に配慮しながら、今後十分検討していきたいと考えております。

○東委員 この埋め立てた後の土地処分については、今話がありましたけれども、港湾局としての希望や、あるいは期待であるかもしれないけれども、しかしなかなか、さっき指摘したような現実がある。具体的なこうしたい、ああしたいという話はあっても、余り現実味がないのじゃないかというふうに一つは感じます。さっきもちょっといいましたけれども、とにかくまだ大分現実に残っているわけで、新たに今から埋め立てをしていくという必要は余りないんじゃないかというふうに思うんですが。
 で、この有明北の埋立事業について、最初にいいましたけれども、さまざまな意見が出ているわけですよね。さっき桜井さんもいわれましたけれども、釣り船業者、あるいは屋形船業者、それから実際に船に乗って釣りをする人、それから東京の自然環境を守れという人、それから、あの地域に隣接するところは東雲の団地なんですけれども、そこに五つ自治会があるんですが、今までは二つしかなかったけれども、最近は五つの自治会全部が、あそこを埋め立てるな、残してくれと、そういう方向になってきているわけですね。
 そういう状況の中で、東京都としてはもう強引に、どんどんどんどん進めているようなんですけれども、何かそういう都民の声をじかに聞くような--一回説明会やったからというかもしれませんけれども、そういういろんな人たちの意見をじかに聞くようなアンケート調査なり、そういう都民の意向をどういうように把握しているのか。その点はどうですか。

○高野臨海部開発調整担当部長 現行の埋立計画につきましては、都民も参加した臨海副都心開発懇談会や、都議会の特別委員会の議論を踏まえ、平成九年に埋立規模の縮小などの変更を行ったもので、既に都民の声を踏まえて作成された計画というふうに考えております。
 その後、環境影響評価を実施し、地元地権者の同意を得るとともに、地元区及び区議会の了解を得て手続を進めてきたところでございまして、また、昨年都議会においても活発な論議が交わされ、埋立工事に係る予算も可決されております。都議会では、埋め立てに反対する趣旨の請願二件と陳情四件も審議され、それぞれ不採択の結論を得ているものでございます。こうした経緯を経て、昨年八月に免許を取得したものでございます。
 環状二号線や放射三四号線及び「ゆりかもめ」の豊洲延伸の平成十七年度末の完成のために、埋立工事を平成十六年度に完成させることを目指して、工事を九月に開始したところでございまして、一刻も早く完成させることが私どもの責務と考えております。

○東委員 今、幾つかの質問してきたんですけど、いろいろ環境問題というのが、さっきもちょっと幾つか議論がありましたけれども、今新しい問題としてまた浮き上がってきているわけですよね。千葉の三番瀬の問題なんかだって、とにかくどんどん埋め立てというふうになっていたけれども、それを縮小するという方向が、これは環境省ですか、の方でも出ているし、それから、もう今毎日やっている九州の有明の海のノリの養殖被害ですよね。そのことからも、とにかく政府の方じゃ、どんどんどんどんあの堤防を締め切ってやってきた干拓事業について、やっぱりこの時点でもう一回、必要によっては水門をあけることもあるというところまで変わってきているという状況があります。
 そういう状況を見た場合に、環境問題というのが新しい一つの問題として、全国的な問題になってきている。それからもう一つは、これはさっきの市場のところでいろいろ議論があったんですけれども、この有明の北のすぐ北側の、いわゆる豊洲のあの東京ガスの跡地で、重金属の土壌汚染、あるいは水質汚染が見つかったと、そういう新しい問題もあるわけです。
 そういうことを考えると、我々も先日現地へ行って見せていただいたんですけれども、今の時点では、仕切り板を取っちゃって、そして沈木を取ったということで、確かに道路のところの工事は進んでますけれども、しかし全体はまだまだ、どんどこどんどこ埋め立てているという状況にはなってないわけですよね。そうすれば、今ならまだ見直すチャンスはあるというふうに思うんですよね。だからそういう点で、あのときこうすればよかったと。あのときやっぱり--埋め立てちゃえば、これは締め切りの堤防と違って、もうもとには戻らないわけですから、そういう点ではもう一回立ちどまって、東京湾の貴重な水面を残すという方向で私は見直すべきだ、そのことを最後に強調して、私の質問を終わりたいと思います。

○大山委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十一分休憩

   午後三時二十二分開議

○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたしたいと思います。
 発言を願います。

○大木田委員 私からも何点か質問いたしますけれども、先ほど休憩時間中に、それぞれ夜予定が入っておりますので、できるだけ早く、簡潔な質問をしてほしいという要望がありましたので、時間を短縮をして、簡潔に質問をさせていただきます。その後の人も考慮していただきたいと思います。
 一月二十六日に臨海の視察をいたしまして、国際大学村、それから有明北の埋立地の状況等を見てまいりまして、非常に私も感慨深いものがありました。昭和六十年、東京テレポート構想から始まって、臨海開発は十六年でありますけれども、折々に大変厳しい状況がありました。知事選のたびに話題になったり、いろいろありましたけれども、やっぱり難産の子はよく育つという、そういうこともありますけれども、そういう中において、よく英知を結集して今日まで取り組んで、まだその途中でありますけれども、これをすばらしいまちにつくり上げていきたいというような印象を持ちました。
 私は最初から、臨海は未来からの風が吹いているまちというような印象を持って進めてまいりましたけれども、特にきょうは平成十一年度の決算ということでありますので……。
 国際大学村については、建物があそこまでできているとは私も思いませんでした。四年前に、あのときもちょっと話しましたけれども、留学生ODAという構想をまとめて、中曾根内閣のときに、十万人の留学生と。しかし、それを受け入れる態勢がまだまだ希薄であるというような、住居の面とかさまざまな面で、私も提言を取りまとめた経過がありますので、大変あの大学村については関心を持ちまして、あそこの新しい名称も、内定ですけれども、東京アカデミーパークというような名称をつけていくということでありますので……。
 これは平成十一年の初めに事業決定をいたしまして、非常にスムーズに進んでおりますけれども、現在、完成は本年の三月と聞いておりますけれども、あそこの国際交流プラザ、日本科学未来館、オープンスペースラボですね、これ、全体が整備されて、入居開始等をするのはいつごろになるのか、伺いたいと思います。

○津島開発部長 現在の予定ですと、七月にオープンということになっております。

○大木田委員 極めて簡潔で。
 平成十一年に、もう一つ臨海に--私は前から、世界都市東京ということで、国際医療センター構想というのを折々に話をしてまいりましたけれども、特に臨海は、これから海外の人もどんどん来る。数年前、私、アメリカの大使館の関係者がぜひ臨海を見たいということで要望がありましたので、大使館の関係者を臨海に案内したことがあります。そのときにも、国際医療センターもきちっとできますというようなことで、大変大使館の関係者も注目をしておりました。
 それで、最終的に癌研究会病院が臨海に行くということに決まりました。平成十一年にこれ決まっておりますけれども、私の家の近くに大塚の癌研があるわけでありますけれども、十一年に決定をして、どういう十一年のスケジュールがあって、今後癌研の状況がどうなっていくのか。そのときに、大塚の跡地は臨海と直接何か関係があるのか。それだけちょっと伺いたいと思います。

○津島開発部長 財団法人の癌研究会病院でございますけれども、現在、平成十二年の九月でございますけれども、設計を開始いたしました。今の予定でございますけれども、平成十七年の春に竣工するということで、順調に進んでおります。全体で七百床ということで、総合病院ということでやっております。
 それから跡地でございますけれども、他に売却をして資金を調達するというふうに聞いております。

○大木田委員 ちょうど六年前に阪神・淡路大震災が起きたときに、東京の防災拠点というのをどうするかということで、私もあの直後に警視庁のヘリコプターで阪神に行きまして、日本の場合は、東京と大阪に司令塔を二つ持たなきゃいけない、拠点を。どちらかがだめになっても対応できるようにしなきゃいけない。その意味においては、臨海というのは非常に防災拠点としても重要であるというような、そういう要素を兼ねた臨海の開発が重要だということを、当時話をいたしました。それで、この国際医療センター、まあ名称はどうなるかわかりませんけれども、総合病院ができますけれども、防災のときのいろんな臨海での対応の医療拠点になるということで、先日、津島部長が説明会のときに、七百床ですけれども、災害が起きたときには九百床になっていろんな対応をしますということですから、その二百床がふえるというのはどういうことなのか、ちょっと伺っておきたい。

○津島開発部長 二百床の増加の内訳でございますけれども、基本的には、いろいろ空間を使いまして、そこに臨時のベッドなり、救急の態勢を整えて対応するというふうに聞いております。

○大木田委員 昭和六十年に日本がバブルの絶頂に向かっているときにこの構想が打ち出されまして、当時は、あそこに募集をしたときに、もう大変な、本当に沸騰するような状況で進出業者が来ました。バブルの絶頂に向かっておりましたから。そのために、全体のために見直しをして、二年全体をおくらすという経過の中にあって、ところが、バブルの崩壊とともに、これが状況が変わってきたんですね。
 それで、東京都のテナントビル等も、いろいろとあきができたりしたことがあるんですけれども、最近また、私がいろいろと聞きますと、アメリカ、世界の企業は日本に拠点を持ちたいということで、相当いろいろと進出で来ているというような状況がありますし、臨海も、青島さんが--臨海というのは、最初の構想は、世界都市博覧会をやって、そして臨海のまちづくり、新しい未来型のまちづくりがどうなるかということを中心にして、それで、今から十年ぐらいですから、平成二十二年に--だから、世界都市博覧会をして臨海の起爆剤にして、そして二十年ぐらいたったら、もう一回、第二回世界都市博覧会のようなことをする。未来型のまちづくりができている過程を最初見ていただいて、二十年たって、日本がどれだけのまちをつくったか見ていただくという壮大な構想のもとに、これが出たんですけど、そういうことを全く知らない青島さんが、しかも、私が当時質問したときには、東京国際フォーラム、都庁の跡に何ができるかも知らない、それから、職業安定所のこともわからないような状況で中止になったということで、一段のロケットがなく、それで、しかもバブルが崩壊した、経済上昇が厳しい中で、一時は「ゆりかもめ」も、空気を運ぶ「ゆりかもめ」というようにやゆされるほど厳しい状況になりましたけれども、しかし、その中で、あらゆる英知を結集しながら今日までつくって、これからさらに大きく発展をするという、そういう大変未来の可能性を秘めた状況があるわけですね。
 したがって、最初の起爆剤である世界都市博覧会が中止になって、寄ってたかって臨海のことをいろいろと批判をする人はいます、いろんなことで。しかし、このまちづくりの過程と、これから進んでいくこの過程。盲人が象をさわるような議論、部分部分の議論を、総合的に、このまちづくりが未来型の都市として、そしてどうなっていくのかという全体ビジョンを把握した上で、この臨海のまちづくりについては、私は、いろんな意見--意見はあっていいと思いますけれども、そういう観点でこの話をいわないで、部分部分の対応だけでいっていたんではだめでありますし、しかし、そういう中であっても、それを乗り越えながら今日までのまちづくりに取り組んできているということは、この前も視察に行きまして、大変感銘を受けたわけであります。
 この臨海の開発を進める過程における経済波及効果についてちょっと確認をいたしますけれども、最初、六兆五千億の経済効果があるというようなことを聞いておりますけど、今、日本経済も低迷しておりますけれども、第二次、第三次の全体の経済波及効果、それから、雇用創出という面においては、臨海がどの程度の貢献をするのか、伺っておきたいと思います。

○津島開発部長 臨海開発が及ぼす経済波及効果及び雇用創出効果でございますけれども、経済波及効果につきましては、初期投資として六兆五千億の経済効果が出るわけでございますが、経済効果といいますのは、第一次波及し、それがさらに経済の流れを通じまして第二次、第三次と波及していくわけでございますけれども、最終的には第三次波及効果まで入れますと十八兆円の経済効果が出る。このうち都内の中小企業には、試算でございますけれども、約八兆円の経済効果が出てくる。また、雇用創出についてでございますが、第一次波及効果として約七十五万人、中小企業に対して三十三万人の雇用効果が出てくる、このような試算が出ております。

○大木田委員 今伺っても、経済波及効果だけでも大変な臨海の存在があるわけです。こういう景気が低迷した中で、もし、これがなかったらどうだったかという逆の計算もしてみる必要もあるわけでありますけれども。
 それで、視察のときにも津島部長が話をしておりましたが、臨海を訪れた人が、平成十一年のときに三千百五十万人、平成十二年が三千六百七十万人、一六・六%もふえたと。ディズニーランドのときの一千五百万から見れば、二倍をはるかに超える皆さんが来ておりますけれども、「ゆりかもめ」で千八百万ぐらいが来れるということを聞いておるんですけど、あとの人はどういう交通ルートで、例えば三千六百七十万人の人は、自家用車もあるし、いろんなのも、船もあると思いますけど、もしわかればで結構ですけれども、大体何かわかるのかどうか、ちょっと参考までに伺っておきたいと思います。

○津島開発部長 先生おっしゃいますように、臨海を訪れる訪問者の約半分、平成十二年でいいますと、三千六百七十万人のうち約千八百九十万人が「ゆりかもめ」を活用しております。したがって、往復を入れますと、行きと帰りを入れますと、やはり三千六百万人ぐらいが「ゆりかもめ」を活用しているということになると思います。したがって、「ゆりかもめ」は約五〇%。それから、りんかい線が一四%、このほか海上バスが一%、それから公共バスが三%、それから自動車が、いわゆるマイカーでございますけれども、これが約二八%という状況でございます。

○大木田委員 この一月の末に、私の北区のある美容師の会の皆さんが、臨海のところで新年会をやりまして、私も行ったわけですけれども、王子の美容組合の皆さんでございましたけれども、約八十名ぐらいの人が新年会に出まして、私も二時間ほど、いろいろと懇談をしながら聞きましたけれども、初めて来たという人が大半なんです。帰りに、青海の女性のためのテーマパークであるヴィーナスフォートに寄って帰るなどと皆さんいっておりましたけれども、そのときの感想といたしましては、東京にいながら、こんなすばらしいまちができているのを知らなかったという人が大半なんですね。
 したがって、例えば三千六百万の人が来たということですけれども、半分ぐらいの人が都内の人なんですか、それから、全国からも来て、沖縄の人なんか、私、沖縄へ行って聞いたら、沖縄の高校生は、今のブランドは一番のあれは、「ゆりかもめ」に乗ってみたいというのが沖縄の高校生の合い言葉になっている。そのくらい若い人は感性でそれを受けとめているわけですけれども、海外の人も相当来ていると思いますが、意外に東京の人が、近いから行かないということもあるかもしれませんけれども、来てないというんですけれども、そういう内訳が何かもしわかれば、ちょっと参考までに。

○津島開発部長 恐縮でございますけれども、ちょっと内訳につきましては、十分把握しておらないわけでございますけれども、かなり東京の圏外からの利用者、訪問者が多いというふうには聞いております。

○大木田委員 次に、開発の整備費と一般財源との関係についてちょっと伺っておきますけれども、開発、二兆四千三百億ですが、よく、臨海への一般会計の投入を盛んに指摘する人がいます。全体のまちづくり、一般会計で、道路の場合でもそうですけれども、あれだけのまちをつくるんですから、応分な対応はしなきゃいけないわけですけれども、そのうち都税の関係はどの程度投入されるのか、ちょっと伺っておきたいと思います。

○津島開発部長 開発に当たりましての総事業費でございますけれども、ただいま先生お話にありました二兆四千三百億円でございますが、このうち都税は一六%、三千九百億円でございます。

○大木田委員 ちょっと参考までに代表的な事業について伺っておきたいと思いますが、例えば、レインボーブリッジ、約九百億かかりましたけれども、うち税金は幾らだったのか、それから、清掃工場、五百九十四億円かかっておりますけれども、クリーンセンターですね、これは税金は幾ら投入されたのか。それから、地域内道路、六百八十億円ぐらいかかっておりますけれども、このうち税金は幾ら投入されたのか、参考までに伺っておきます。

○津島開発部長 レインボーブリッジでございますが、九百億円のうち税金投入はゼロでございます。それから、清掃工場は、約五百九十四億円のうち税金投入が約三億円でございます。地域内道路は、約六百八十億円のうち税金投入が約十二億円でございます。

○大木田委員 それから、各地区別にちょっと伺いたいと思いますが、台場地区は、いろいろと住宅も随分、この前視察をしたときにもできてきておりますし、二千戸以上のあれができているということであります。特に、これからの台場地区のあれは、どういうような状況になりますでしょうか。

○津島開発部長 台場地区でございますけれども、ここの特色は、ご案内のように、交通の利便性なり、都心を臨む景観のよさがございまして、ホテルだとか、フジテレビのようなテレビ局、ショッピングセンター、エンターテインメント施設等が既に設置されておりまして、最も熟成の進んだ地区でございます。住宅も二千二十五戸が設置されておりまして、例えば、昨年の十二月に、公団のシーリアお台場一番街でございますけれども、募集がありましたけれども、平均倍率が十一・二倍、最高倍率三百三十倍という人気を博しております。現在、Hという一区画を残すのみで、開発が最も進んでおります。
 今後の予定でございますけれども、ことしの三月には日商岩井の本社ビルが竣工して、さらに活況を呈すという状況でございます。

○大木田委員 次に、青海について伺いますが、先日視察をしたときも、青海に国内最大の和風温泉テーマパークができると。大江戸温泉物語というようなことで、大江戸線ができたときに非常にふさわしいなと思って、私も期待をしておりますけれども、露天ぶろが約五十できるということなんですけれども、大江戸温泉物語というのは、今どんな内容になっているんでしょうか。

○津島開発部長 大江戸温泉物語でございますけれども、臨海を老人から子どもまで楽しんでいただこうということで、東日本ハウスが平成十二年の七月に進出を決定したものでございまして、露天ぶろ約五十個を擁します、全体を江戸時代の木造の、いわゆる昔のおふろの形を残した形のテーマパークにしていくということで、現在、十四年の春を開業予定といたしまして、順調に進んでいると聞いております。

○大木田委員 それから、青海は、先ほど話しました、いわゆる国際大学村、東京アカデミーパークができますけれども、そのほかどういうものができて、これからどうなるかということを伺います。

○津島開発部長 青海でございますけれども、昨年の七月に東京税関とか東京検疫所が入っております東京港港湾合同庁舎が七月に竣工しまして、九月から開業を始めております。それから、国際研究大学村が、先ほども申し上げましたとおり、今年の七月から開業するということで進んでおります。青海につきましては、以上でございます。

○大木田委員 そのほか、有明南地区が、先ほど話しました癌研の新しい国際医療センター等ができる。有明北は、先ほどから質疑がありますけれども、埋め立てが行われて、これが進んでいくということでありますけれども、先ほど、テナント等が都心部においても、非常に国際的な、特にIT関連の業界の皆さんが進出をしておりますけれども、今後の臨海の土地処分のあり方について、どうなっているのか、また、今後の考え方等について伺っておきたいと思います。

○津島開発部長 土地処分の促進というものが、これから何よりも臨海の開発にとって中心になるわけでございます。その前提といたしまして、広域交通基盤の整備、こういうものが前提となるわけでございますけれども、やはり何といっても、土地がきちんと処分されるということがこれからの臨海の着実な推進のかなめになるということで、私ども、これを推進するため、昨年十月、局長を本部長といたします臨海副都心事業者誘致促進本部を立ち上げまして、局を挙げて促進策を検討してまいりました。検討に当たりましては、IT関連企業を中心とするいわゆる民間の企業の方々のさまざまな意見、ご批判を聞きまして、本年一月に総合的な誘致促進策を打ち出したものでございます。
 代表的なものを幾つか申し上げますと、まず第一に、企業のいわゆる土地に対する選択肢を拡大して、企業の進出のタイミングに即応するような公募をしようということで、これまで小出しに公募しておったわけでございますけれども、十区画を一斉に公募対象区画とし、しかも、常時応募を受け付けるという形をとっております。
 二つ目は、IT産業を初めとする民間企業の強い要望を受けまして、本年四月から、共同溝でございますが、通信関係、電気、ガス、いろいろ入っている共同溝につきまして、特に電気通信事業者に開放するということを決定いたしました。これによりまして、さらに臨海地域が、いわゆるITのグローバルエリアとなることをもくろんでおります。
 三番目に、やはり何といっても企業誘致するためには、さまざまな不動産関係の高度な情報を活用するということが大事でございますので、こういったものを活用するために、仲介成功報酬制度、これを設置いたしました。これはどういうことかと申しますと、土地の本契約が締結された場合に、これを仲介してくださった不動産専門業者に対しまして契約代金に応じて仲介料の報酬をお支払いするということで、最高で一億円を支払うという形を決定しております。さらには、事業者が決定した後に、着工までの期間が、いろいろ都市計画手続、時間がかかりますものですから、こういったものを大幅に短縮するということも検討して、もろもろこれからの事業推進に資するということで、土地処分の促進につきまして、局として全力を挙げてやっていきたいということで発表させていただいたものでございます。

○大木田委員 ぜひさまざまな手法を使って、全力を挙げて取り組んでいただきたい。東京構想二〇〇〇で千客万来の世界都市ということをうたっているわけでありまして、まさにその象徴的な場所が臨海地域ではないかなと、私はこう思って、大変期待をしております。
 前から私ども、臨海の四百四十八ヘクタールにとらわれないで、あのずっと沿岸部、ウオーターフロントの時代を踏まえて二千二百ヘクタールというようなことで主張してまいりましたけれども、東京ベイエリア21の構想を見ますと、さらにそれを広げて、江戸川からずっと羽田のところまで含めて、七千ヘクタールに展開する、九区にまたがるベイエリア21構想というのを、臨海を核にしながら、ウオーターフロントということで、この五十年間、モータリゼーションの中で人々の目が内陸に向かった中で、再び、水辺の都市であり、海洋国家である日本のそういう海との接点の中においてまちづくりを進めていくということは、大変すばらしい内容であります。ベイエリア21の中間構想もすばらしい内容でありますので、臨海の発展とともに、ベイエリアの九区のその発展がさらに進んでいくように取り組んでいただきたい、こう思っておりますが、ベイエリア21の最終的な報告はいつごろ出す予定なんでしょうか。

○南雲臨海部開発推進担当部長 最終の取りまとめでございますが、年度内を目途に現在鋭意取り組んでいるところでございます。

○大木田委員 極めて簡単な答弁でしたけれども、委員会運営に協力をするという立場でございましたので、大体三十分たちましたので、五十分通告をしてありましたけれども、二十分は省略をして終わりにしたいと思いますが、(笑声)いずれにしましても、臨海開発は、大変な、この十六年間、さまざまなことがありました。時代状況が全く逆転する中でありましたけれども、十六歳、よくここまで来たということでありますけれども、まさにこれからの十年、二十年、大変注目される、世界的にも注目されるまちになっていくということで、当初あそこに進出をしようということで、あの沸騰して、大変な、まさに沸騰したという表現がふさわしい、そういう状況が、これからまたさらに再びよみがえってくるというようなことを私は実感をしております。その意味において、まだまだ苦しい局面等がいろいろとあって大変でしょうけれども、ぜひ頑張っていただきたい。局長、もし所感があればで結構ですけれども、一言どうぞ。以上で終わりますから。

○齋藤港湾局長 今ご質問をいろいろいただきましたように、この十六年間、いろいろな場面がありました。一つの都市がつくられ、成熟していく過程には、世の中のさまざまな変化を受けるというのは当然でありまして、その時々に応じてきちっと対応していくということによって所期の目的というのが達成されていくんだろうというふうに思います。おかげさまで、ご答弁の中でも申し上げましたように、大変魅力のある地域であるということで注目も浴びております。こういう可能性を十分に生かして、私どもも一生懸命努力をして、さらによいまちをつくっていきたい、このように考えております。

○大西(由)委員 私は、臨海副都心開発に関連して、港湾局所管の三つの公営企業会計について伺ってまいります。
 いうまでもなく、臨海副都心開発はバブルによって大きな危機に立たされております。この事業は、都市計画としても、そして事業の投資としても一挙に行うというものであり、もともと無理な計画であったのではないかとも考えております。このような点で私ども生活者ネットワークは、総合的な見直しを市民の参加を得る中で行うこと、人口フレームなど事業規模の縮小、段階的な開発とスピードのダウン化を提言してきました。このような中、私たちの提言、提案とは距離がありましたが、見直しがなされ、平成九年には四十八年間の収支計画が策定されました。当初、この計画で大丈夫だと都の幹部の方々は述べておられたわけですが、新予算では三つの会計統合ということが提案されています。やはり私どもが指摘してきたように、危機は本当に根深いものといえると思います。これを決算の方から考えていきたいと思い、幾つか伺っていきたいと思います。
 この事業、羽田沖会計、埋立会計、そして開発会計と、三つの会計があるわけですけれども、その中で羽田沖は、剰余金が千二百億円以上ある、いわば優良な会計だと考えます。そして埋立は、近年、単年度収支が、ちょっと見ておりますと悪化しているものもあって、出資土地六千七百億円、そして長期貸付金二千九百億円と、資産とすれば、これも優良な会計といえるんじゃないかと思っております。ただ、これらの貸付金が、これは順調に返済されるか、そして、出資土地が適切な利回りを生むのかが気になるところです。
 そこでお聞きしますが、羽田沖、そしてさらに埋立の長期貸付金や出資土地が何に使われているのか示していただきたいということ。そしてまた、これらの貸付金は返済されるべきお金であるものなのかどうか、その辺を確認したいと思います。

○渡辺総務部長 臨海副都心開発事業会計に貸し付けが行われました羽田沖会計並びに埋立事業会計への他会計のいわゆる貸付金でございますけれども、お金の性格上、その中に入ってきたものが具体的にどうという形のものはご説明しがたいところではございますが、基本的には開発者負担という形で、レインボーブリッジでございますとか、臨海高速鉄道でございますとか、あるいは公園等の整備等に充当されてきたということでございます。
 また、会計間の貸借関係でございますけれども、これにつきましては、地方公営企業法に基づきまして、貸借につきましては、期限が来れば返済をするという原則になってございます。

○大西(由)委員 羽田沖会計、それから埋立事業会計から、それぞれ臨海開発会計への長期貸付金があるということと、それから、この貸し付けたお金は期限が来れば返すべきお金であるということでいいんでしょうか。

○渡辺総務部長 先生のご発言のとおりでございます。

○大西(由)委員 羽田沖は、私は、この会計決算審査意見書というものをもとにして、参考にして話を進めたいと思うんですけれども、この中にも、平成十五年には事業終了予定と書いてありますし、このように剰余金がある会計は、終了する場合、それは一般財源に組み込まれ、幅広く活用の方法が検討されるべきだと私は思っておるんですが、これを見ますと、港湾局の資産というような狭い了見で浪費されるべきではないと考えるんですが、その辺はどうでしょうか。

○渡辺総務部長 羽田沖の埋立事業会計におきましては、現在、浅場の造成事業を行っております。これにつきましては、造成しました浅場が一部波に洗われて流失する等の状況がございましたので、現在、平成十六年度まで事業を延長してございます。そういうことで、羽田沖埋立事業会計決算の資料の中では十三年度ということになっておりますけれども、事情変化があって、事業については終了年次を延長しているという状況にございます。
 それから、現在、羽田沖の会計につきましては継続中でございますが、仮にこの事業が終了した場合に剰余金をどうするかというようなご質問かと思いますけれども、今回、予算として、東京都予算原案としてこれからご提案いたすものにつきましては、三つの会計を統合して一つの会計にするということになってございます。そういう中で、新しい会計の中に統合されますので、その中に資産だとか負債だとか、そういうものは引き継がれていくものだというぐあいに考えてございます。

○大西(由)委員 ということは、一般財源へ返さなくても、その中でやっていこうではないかというのが、この統合になるんじゃないかなと思います。
 ちょっとその辺はそこに置いておきまして、埋立会計も、ある意味では、一時的に今年度ちょっと欠損金を出しておりますけれども、それなりに、ほどほどにといいますか、ちゃんとした会計のあり方になっているんじゃないかと考えております。
 そこで、やはり問題になってくるのは臨海会計だと思っております。臨海副都心開発は、当初、埋められた土地を埋立会計から購入し、内外の基盤や区画を整備し、売却ないし賃貸する事業だったと理解しておりますが、こういう認識でいいんでしょうか。

○津島開発部長 そういう認識で結構でございます。

○大西(由)委員 九〇年代初め、臨海副都心の処分予定地の時価総額は四兆円以上と計算され、埋立地の原価を払い、内外の基盤整備費を負担しても、その四兆円の中で、なおおつりが来る事業といわれていました。しかし、その後、周知の地価下落が始まり、現在では九〇年代初めに比べて地価水準は半分以下、もっと低くなっているんじゃないかとも思っております。
 そこで、業務・商業用地の土地単価、平成二年には平米当たり二百五十七万円、そして平成八年には平米当たり百十六万というふうに聞いておりますが、現在幾らなんでしょうか。

○津島開発部長 現在、臨海部の土地の平均価格は、一平米当たり百十四万円でございます。

○大西(由)委員 ということで、年々やはり下がっているということが、この数字からもわかると思います。この事業は、収入は結局は土地の資産額、この資産額というのは、単価掛ける処分可能の面積によって決まるわけですが、そして支出は土地代プラスインフラ整備で、こちらは途中で土地代については埋立会計からの出資ということで負担がなくなりましたけれども、インフラ整備の負担は重いと思っております。
 そこで、支出が余り変わらないのに、収入のもととなる資産価値、これが今問題でありまして、急速に減少しているということ。そして、そういう意味では、どこでもおっしゃっているんですけれども、事業として非常に厳しい状態になっているんじゃないかと思っています。そこで、その辺を具体的にちょっと教えていただけますか、厳しい状態という。

○渡辺総務部長 臨海副都心につきましては、先ほど来ご議論ございますように、多くの人が訪れている。それから、土地の処分につきましても、四割程度の処分が進んでいるという状況でございます。
 一方で、広域交通基盤でございますりんかい線につきましては、当初平成十二年の開業予定であったのが二年間ほど延びて、平成十四年になってきているというような状況等もございまして、将来性につきましては、この地域の発展の可能性というのは非常に高いものというぐあいに考えておりますが、現状におきます資金繰りの面で、他会計から借り入れて先行的に整備をして、土地売却代金、土地の処分代金で返していくという意味で、資金収支上厳しい状態にある。で、将来的には土地売却代金によって、あるいは土地処分代金によって投下した原価を回収していくというような仕組みになっているので、現時点では厳しい要素があるというぐあいに認識してございます。

○大西(由)委員 資金繰りの面において非常に厳しい状態であるということを認識していらっしゃるということです。
 それでは、臨海会計の持つ処分可能用地を挙げていただきたいと思います。

○津島開発部長 現在、臨海会計における処分可能用地、全体で百三十九ヘクタールでございます。このうち処分が六十二ヘクタール完了しておりまして、残りの七十七ヘクタールが今後処分していく土地ということでございます。

○大西(由)委員 これらには、もう既に貸し付けてある土地とか、それから未処分の土地があるわけですけれども、こういう中には、例えばフジテレビのある既に貸し付けてある土地とかは、既に頭金をもらって、その中で残った分をまた売っていくというような厳しい条件がついてきますよね。そういう条件を勘案した場合、総資産を今推計しますと、どれくらいになるんでしょうか。

○津島開発部長 これは平成九年の二月に、いわゆる長期収支ということで、平成四十八年までに収支を均衡させた場合に、どの程度の収入と支出が行われるかというときの試算でございますけれども、その中で都有地の運用収入につきましては、二兆五千三百七十八億円という数字を得ております。

○大西(由)委員 総資産の貸し付けの利回りをもとに収益還元法によって地価を評価すると、現在でどれくらいになるのか。処分可能な用地の総資産の現在価格というのをちょっとお聞きしたいんですけれども。

○津島開発部長 失礼しました。平均価格が、先ほど申し上げました一平米当たり百十四万円でございます。均等だと仮定いたしますと、これに残りの七十七ヘクタールを乗じますと出てまいります。
 それから、現在、このうち、例えばフジテレビのように長期の賃貸をしている分については、権利金が二分の一しか入っておりません。したがって、残り二分の一を仮に売却に切りかえたという形になりますと、金額が変わってくるだろう、こういうふうな計算でございます。

○大西(由)委員 私、計算に弱いんですけれども、はっきりと、どれくらいになるというような数字が出ないものなんでしょうか。

○津島開発部長 大変失礼しました。先ほどの現在の時価ということで計算すれば、面積と現在の平均価格という形になるわけでございますけれども、私どものいわゆる資産として計上されている考え方としましては、簿価で現在計上しておりますので、平成十一年度末の簿価では、約四千五百三十五億円でございます。

○大西(由)委員 簿価で四千五百三十五億円。その額をバランスシートで見ますと、自己資本六千七百億円より少なくなります。自己資本は、つまり、土地の資本が現実にはどれだけ目減りしているかということがこの中にあると思うんですけれども、この辺、どういうふうにお考えですか。目減りしているということなんでしょうか。

○渡辺総務部長 年々の土地処分によりまして、年々の決算によりまして、先行的な投資の結果、単年度で赤字が出ております。その欠損金の処理という形になりますと、結果的にはバランスシートはマイナスの部分が出てきますので、その分については自己資本額が結果的には減ずるという形になろうかと思います。
 ただ、この開発は長期にわたる開発でございまして、土地の処分につきましては四割ということでございます。将来的に土地の価値が上がってくるということを考えた上での長期的な開発及び収支の試算をしているというのが私どもの考え方でございます。

○大西(由)委員 そういう意味では、公営企業のルールというのが、一般の企業会計と違ってなかなか理解しにくかったわけですけれども、このバランスシートによりますと、自己資本、つまり、土地が会計の収入の源泉でありまして、これを売ったり貸したりしていく中で、負債四千八百億、そして資本に計上されている借入資本金七千七百億を返済していかなければならないんじゃないかと思うんですけれども、借入資本金は、貸付金として、このバランスシートには資本の中に計上しているわけですよね。しかし、一方では、羽田沖会計、それから埋立会計から考えれば、これは返してもらわなければ困る金だと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○渡辺総務部長 貸借対照表上、自己資本金と借入資本金という形になっておりまして、公営企業会計の場合は通常の企業会計と異なりまして、他から借り入れたものにつきましても資本金として計算をするという形になっているのは事実でございます。それで、借り入れたものにつきましては、会計間の貸借関係というものについては、期限が来れば、その返済条件に従って返済していくというのが大原則だと心得ております。

○大西(由)委員 だから、やっぱり改めて指摘したいと思うんですけれども、自己資本金、つまり土地資本は既に目減りしており、これをどう運用しても、負債、借入金を返せないんじゃないかなと思います。そういう意味では、つまり事業として破綻している。だから、非常に厳しい状況といわざるを得ないというさっきの発言につながってくるんじゃないかと思うんですけど、それはどうでしょう。

○渡辺総務部長 現在の時点では資金繰りも大変厳しい状況にあることは事実だというぐあいに、私どもも発言をせざるを得ないと思います。ただ、この地域につきましては、非常に長期にわたる開発をしているということと、先行的に多額の投資をして、現在開発を進めている途上である。さらに、会社負担で、レインボーブリッジでございますとか、清掃工場等についても先行的に投資をしていっている。そういうことで、逆に、これらの投資をしたものが現在は土地の処分ということに結びついておりませんけれども、非常にレベルの高い開発をしていく、あるいは、これから先の東京の活力を支えるような開発をしていくということで、用地についても、鋭意土地処分をこれから強力に進めていきますし、広域交通基盤についても整備が進んでいく。そういうところになりまして、最終的には、この事業については成算があるというぐあいに考えております。現時点におきましては、ご指摘のような、資金繰りが非常に厳しい、あるいはバランスシート上の状態が出ているというように考えてございます。

○大西(由)委員 私は、これまで指摘されてきたように、バブルの時期には、この事業、もうけ頭といわれ、そして臨海開発、臨海会計がかくも現在悲惨な状況にあるのは、やはり経済環境の変化という点があるわけですけれども、それに適切に対処してこなかった港湾局の責任という意味では、どういうふうに考えていらっしゃるのか、あえてちょっと厳しく聞きたいと思います。

○齋藤港湾局長 臨海開発に当たって、非常に長期的な開発を進めていくという中で、いろいろな社会経済状況の変化があるわけで、その過程の中で、今もお答え申し上げましたように、資金繰りといいますか、大変厳しい側面も持っていることは事実だと思います。これは、そういう面では厳しいと思いますが、これから着実に開発を進めていく中で、長期的に収支を見ますと、期間は長くかかりますけれども、十分に収支均衡がとれるという前提で我々進めておりますので、そういう意味では、破綻をしているとは考えておりません。したがいまして、これからの努力ももちろんありますけれども、さまざまな工夫をすることによりまして、臨海開発を着実に進めていくということが必要だと考えております。

○大西(由)委員 破綻してないということですけれども、このバランスシートを見ますと、自己資本金を超えて負債があるということは、やっぱり隠せないと思います。そういう意味で、先ほど冒頭にも触れましたけれども、都では平成九年に臨海会計の見直しを行いましたが、その効果は全くあらわれてなく、事態はますます悪化しているんじゃないかなと感じるんですけども、その辺はどうでしょうか。ちょっとしつこいですが。

○渡辺総務部長 先ほど来から破綻ということでのご認識でございますけれども、自己資本につきましては、約六千七百億円という自己資本がございまして、累積欠損金は約五千億円という状態でございます。そういう状態から考えますと、いわゆる債務超過という形で自己資本を上回るような欠損が出ているという状態には、私どもなっていないのではないかということで、いろいろな言葉の定義はあろうかと思いますけれども、いわゆる経理上、あるいはバランスシート上、破綻というような概念とは違うのかなというぐあいに考えてございます。
 また、将来の臨海副都心の開発、あるいは将来の臨海地域の開発ということにつきましても、私どもとしては、この地域は東京の再生あるいは日本の再生にとって非常にポテンシャルの高い地域であって、今後とも着実に事業を進めていこうということを考えてございます。
 それから、まちづくり推進計画との間で大きなそごがあるのではないかというようなご指摘かと思いますけれども、臨海副都心における基盤整備の状況、あるいは町のにぎわい状況、あるいは進出事業者等の状況を見ますと、私ども、一定の成果が上がってきているのではないかなというぐあいに考えてございます。

○大西(由)委員 臨海会計の危機に当たって、五年目の平成十四年三月を待たずに、やはり私どもから見れば、もう危機にあると思っているわけですから、見直しに着手すべきだと考えるんですが、その辺は危機ではないとおっしゃっているので、ちょっとこれは聞くことをやめまして、そういう中で、今回三会計の統合というのがいわれております。しかし、問題は臨海会計の破綻状態に尽きて、ほかの会計はほどほどであるというふうに私は認識しております。
 そんな中、年ごと赤字がふえ、累積欠損金五千億円に至っております。そういう今の状況からいえば、三会計を合併して羽田沖や埋立会計の剰余金を注ぎ込んでも焼け石に水という意見もありますが、問題の核心であります臨海会計そのもの、それを外部の専門家によって徹底的に見直す必要があるんじゃないかなと考えるんですけど、そういう考えはないでしょうか、あるでしょうか。

○津島開発部長 先ほど来お話しておりましたけれども、臨海会計の中で開発事業を進めるに当たりまして、極力税金の投入を抑えるということで、これまで事業を進めてまいりました。したがいまして、今後も極力税金の投入を抑えるという視点から、三会計の統合という考え方を提起したものでございまして、こういった考え方に基づきまして進めていきたいというふうに考えております。
 なお、私どもとしては、会計につきましては、議会のご審議を得ながら進めていけば足りるというふうに考えております。

○大西(由)委員 やはり、それぞれの会計が、まずそれぞれでスタートしたことを考えれば、安易に統合というような形に持っていって解決するというような方法、やはり公的な企業であれば避けなければいけない問題じゃないかなと、どうしてもその辺から離れることができません。
 そして、先ほど、十六年間、よくぞここまで育ったというふうにおっしゃっていましたけれども、これから危険な十七歳という年代を迎えるに当たりましても、(笑声)非常に問題をはらんだ事業だと思っております。
 そういう意味で、最後にちょっと意見といたしまして、平成九年の見直しでも、私ども生活者ネットワークは、危機が到来したら、事業計画、すなわち、まちづくり推進計画を見直すように提言しました。当初から五カ年ごとに検証するとのことでした。平成十四年三月が五年目です。今後の広域交通基盤の整備などについても含めて見直し作業を早急に進めるよう提案して、質問を終わりたいと思います。

○服部委員 今、危険な十七歳なんというお話がありましたけれども、やっぱり私は、この事業は、これからも本当に二十歳ももっと長引いて、正常に発展をしていかなきゃいけない事業だと思っていますけれども、埋立事業会計、あるいは臨海副都心開発事業会計と羽田沖の埋立事業会計の統合、今、話もありましたけれども、この三会計統合については、ちょうどきのうのMXテレビの九時のニュースでも報道されていましたね。私としてもこれは大変関心のあるところですけれども、この委員会は決算審査の場でありますから、公営企業としての自律的な、あるいは弾力的運営に向けた取り組みであるという点、これを指摘するにとどめて、具体的な論議については後日の予算審議の場に譲って、本日は決算に限定して、六点伺いたいと思います。
 平成十一年度の決算資料によりますと、埋立事業会計では環境整備事業として六億円を超える支出を行っておりますけれども、まず、その内容についてお伺いいたします。

○津島開発部長 環境整備事業といいますのは、埋立地の海上公園の整備を行うための事業でございます。平成十一年度におきましては、この環境整備事業といたしまして、若洲海浜公園の整備、それから、大井ふ頭中央海浜公園のトイレのバリアフリー対策及び京浜運河緑道公園の段差解消等によります、やはりバリアフリー対策などの事業を実施してまいりました。これによりまして、スポーツ・レクリエーション施設の充実が図られ、また、障害者にも使いやすい公園となり、海上公園がより一層都民に親しまれる場となることと考えております。

○服部委員 今お話があったように、バリアフリー対策を初め海上公園の整備が着実に進んでいるということであります。大井ふ頭中央海浜公園は、陸上競技場や六面の野球場等から成るスポーツの森として、また、釣りとか、あるいは野鳥の観察、これが楽しめるなぎさの森、これがあって、連日多くの都民でにぎわっていると聞いております。このように極めて公共性の高い海上公園が、現在まで四十二カ所オープンして、その多くが埋立事業会計で整備されている。これは私は特筆すべきことだと思っています。このことは、単なる不動産業とは違う、公営企業会計ならではの公共性の証左であると思います。
 二点目ですけれども、やはり決算の資料によりますと、埋立事業会計が約七十七億円、それから臨海副都心開発事業会計で九十二億円、合計百六十九億円のいわゆる開発者負担金、これが支出されています。
 そこで、その主な内容と、負担額算出の内訳、これがどうなっているのか、まず伺います。

○津島開発部長 開発者負担金とは、ご案内のとおり、臨海副都心地域及び周辺埋立地内の開発を促進するために、地域内及びその関連地域における道路、橋梁、鉄道等の交通基盤施設並びに下水道処理場等の供給・処理施設の整備等に、開発者としてその事業の一部を負担するものでございます。
 平成十一年度におけるこの開発者負担の主な事業でございますが、まず、東京港臨海道路整備事業、これは全体で約百九十二億円でございますが、このうち埋立会計と臨海会計で約百十九億円、六二%を負担いたしました。それから、城南島海浜公園整備事業、約八億円でございますが、このうち約四億円、五〇%を両会計で負担いたしました。それから、下水道処理施設整備事業でございますが、事業費の全額、約二十三億円を臨海副都心開発事業会計で負担しております。合わせますと、全十三事業で総額約三百九億円に対しまして約百六十九億円、五五%を開発者負担として支出しております。

○服部委員 開発者負担という形を通して、公共的な都市基盤の整備が着々と進んでいるということがよくわかりました。例のレインボーブリッジも、国費を除いては一般会計から全額負担するのが通例であると。これは先ほどの質疑で明らかになったように、実際には埋立事業会計と臨海副都心開発事業会計の負担ででき上がったということですよね。もしこの両会計がなければ、東京臨海部の状況も現在の活況とはほど遠いものになっていたんではないかと思うんです。しかし、そうはいっても、両会計の財政状況が苦しいのは厳然たる事実であります。公営企業設置の目的が公共性の確保とともに経済性の発揮にあることは、よく知られているところであります。今後、この経済性の実現により力を注いでいく、そういうことが必要だと思うんです。
 そうした観点から、まず、この両会計の収支改善に向けて、収入の確保と支出の削減に、これは局を挙げて取り組むべき課題と考えますけれども、この点に関して平成十一年度では具体的にどのような取り組みが行われたのか、お伺いいたします。

○津島開発部長 平成十一年度の埋立事業会計及び臨海副都心開発事業会計の収支の改善でございますけれども、まず、収入につきましては、埋立事業会計の埋立地処分による収入が、潮見の土地売却などで、予算額約八十億円に対しまして決算では八十八億円、約一一〇・一%の収入率を確保しております。また、臨海副都心開発事業会計では、土地処分等による営業収益が、予算額約百七十九億円に対しまして、決算では、松下電器産業株式会社に対する長期貸付など約三百六十二億円、収入率で二〇一・六%の実績を上げております。
 一方、支出の縮減策でございますが、事業を実施するに当たりまして、技術課題の検討会などを設けるなど事業費の縮減に努めまして、一例でございますが、豊洲・晴海地区の防潮護岸のケーソン製作工事では、ケーソンのいろいろ形状を考えるなどしまして、事業費を当初の予定額より約二〇%程度減額などしております。

○服部委員 今ご説明があったように、さまざまな努力をされていることは理解いたします。しかし、厳しい指摘をさせていただければ、今、大変な長引く景気低迷下で、生き残りをかけて必死の経営改革を行っている、こういう民間企業に比べると、まだまだ手ぬるいところがある、そのような気がいたします。臨海副都心が先行的に借金をして基盤整備を行う以上、多額の借金が残っていることは、ある程度やむを得ないことであることは理解できますけれども、しかし、一方で、土地処分による収入確保にさらなる努力が必要とされることはいうまでもありません。この点で港湾局として、先般、臨海副都心事業者誘致促進策、この具体的内容を発表したことは非常に評価できるものであり、これは今後に期待をいたします。
 次に、視点を変えてちょっと伺いたいんですが、臨海副都心、これは各種都民調査などの結果からも、まさに今東京の新名所としての地位を不動のものとしています。例えば、昨年政策報道室が行った東京と都政に対する関心についてのアンケート調査では、東京で自慢できる場所として、まず一位が皇居とその周辺、二番目が新宿、それに次ぐ第三位に臨海地区が挙げられているんです。私のおります上野・浅草も、上位ベストスリーにランクされるように、これからみんな頑張っていきたいと思うんですけれども、地元の隅田川沿いにある水上バス乗り場、これも土日には臨海地域に向かう人々で本当に行列つくっているような状態で、東京の観光全体を押し上げる広範な効果もあらわれつつあります。
 戦後の高度成長を境に、都民と東京の海、これが大きく隔てられてしまったんですけれども、臨海副都心の開発によって、都民にとって再び海が近い存在になってきた。そこを訪れる多くの都民が、レインボーブリッジからとか、あるいはデックス東京ビーチなどの施設から海を眼下に眺めて、また、お台場の海浜公園で潮風に当たる、そんなことで東京の海を体感できるようになったんですね。
 私、かねがね東京港を世界の三大美港に肩を並べる、比肩するものにしたい。シドニーだとかナポリ、あるいはリオデジャネイロ、そういったものに比肩するものにしたいというのが持論でありますけれども、その理想実現の第一歩は、まず都民が、東京の海、この東京港を身近に感じることだろうと私は思っております。都民を引きつけてやまない臨海副都心の魅力は、こうしたウオーターフロントの特性というものが大きな要素となっているわけで、加えて、毎年次々に新しい施設がオープンしていますけれども、人々を飽きさせないという点も大きいんではないかと思うんです。
 四点目ですけれども、平成十一年度の動きの中で、新規施設のオープンなど、臨海副都心の魅力につながるものにはどのようなものがあったのか、これをお尋ねいたします。

○津島開発部長 平成十二年度中の臨海副都心の魅力につながる動きでございますけれども、まず、新規にオープンした施設といたしましては、有明南の有明パークビルの業務棟が六月に、それから、東京ベイ有明ワシントンホテルが七月に開業いたしました。また、八月には青海のパレットタウンが、女性のための総合テーマパークやショッピングゾーンを含みまして施設の全面開業をいたしました。また、十一年の十月から国際研究交流大学村の施設が着工されるとともに、アクアシティお台場や、台場の都営住宅、公社住宅が十二年の三月に竣工いたしました。その他、十一年の暮れには臨海副都心でカウントダウンイベントを行いまして、大みそかから元旦にかけまして、約二十八万人が臨海副都心を訪れたということでございます。これらが相まって、十一年の一年間に臨海副都心を訪れた方々は、約三千百五十万人に上りました。

○服部委員 さっきもそういうご答弁、三千百五十万人、これは大変な数字ですよね。また、先ほどは経済波及効果、あるいは雇用創出、そういったようなお話もありました。
 この東京ベイエリア21ですけれども、臨海地域のコンセプトとして、職・住・学・遊、これを掲げられていますけれども、まことにこれは的を射た表現だろうと私は思っているんです。特に私としては、遊ぶ、遊の機能を充実する必要がある、そのように考えます。都民は、心の安らぎとともに刺激を求めて臨海副都心を訪れる、そういった若者もいらっしゃる。そして、例えばパレットタウンとかお台場には多くの若者が集まって、独特の若者文化というんでしょうかね、そういった芽生えさえ見られつつあります。
 そうした若者文化から世界に向けて発信されているものに、アニメとか、あるいはゲームソフト、こういったものがあって、今はドラえもんとか、あるいは鉄腕アトムとかポケモン、こういったものが世界のキャラクターになっているというんですね。直接の所管としては労働経済局になると思うんですけど、東京ビッグサイトでは、このところアニメとか、あるいはコミックに関するイベントが催されているようですけれども、その直近の開催の状況について、わかる範囲でお答えください。

○津島開発部長 東京ビッグサイトにおきますアニメやコミックに関するイベントでございますけれども、平成十二年の一年間では約三十件開催されたと聞いております。このうち最大規模のものが、八月と十二月に行われましたコミックマーケットでございまして、両月の五日間の延べ人数が、約七十三万人の来場者があったと聞いております。

○服部委員 最後ですけれども、東京ビッグサイトで行われるコミックマーケット、いわゆるコミケ、最近若い人たちも全部横文字を略すので、どうかと思うんですが、あと、コスプレとか、こういったアニメのキャラクターの格好に扮した若者が集まっているようです。一部にやはりひんしゅくを買う、そういうことは厳しくやらなきゃいけないと思うんですけれども、ただ、いつの世も、こういった若者のエネルギーが時代の壁を突き動かして、新しい文化を創造しているんだと私は思うんです。
 このような遊の機能は、アニメとかゲームソフトなど、いわゆるコンテンツ産業と呼ばれる分野に結びつく点をやっぱり忘れてはならないんだろうと思うんです。IT先進国であるお隣の韓国では、大学にアニメーション学科を設置するなど、国を挙げて支援を始めたと伺ってもおりますし、先般視察にも行った国際研究交流大学村、これがいわば学の機能の中核として、産学との連携を志向して、産業界の活性化の呼び水となることが期待されているのと同様の効果があると思います。
 私はこうした意味において、臨海副都心のにぎわいは、単なる一過性のにぎやかしというものじゃなくて、東京の将来につながる無限の可能性のあらわれであると確信をいたします。
 そこで、最後に、これまで申し上げてきましたけれども、臨海副都心の可能性、とりわけ遊の機能に対する大きな期待を踏まえて、臨海副都心を初めとした東京臨海地域の着実な開発推進に向けて、港湾局長のお考えがありましたらお聞かせください。

○齋藤港湾局長 臨海副都心を含めた臨海地域の開発可能性について、特に職・住・学・遊の遊に大いに着目すべきだとご指摘をいただきました。また、一過性のにぎやかしだけではなくて、東京の将来につながる無限の可能性もあるということに着目すべきだというご意見もいただきました。私も全くそのとおりだというふうに考えております。
 繰り返し申し上げておりますように、臨海副都心開発は、二十一世紀の東京の活力と創造力を生み出し、都民生活を支える新しいまちを創造する極めて重要な事業だと考えております。この臨海副都心に多彩な商業施設、あるいはエンターテインメント施設が立地して、さまざまなイベントが次々に繰り広げられて、いわゆる遊の機能が充実をしてきていると思います。また、これによって多くの来訪者が招来し、そのにぎわいがまちの認知度を高め、あるいは魅力を高めると申し上げてもいいと思いますが、そして、企業の進出にも資していくというふうに考えております。また、その結果、ご指摘のありました経済波及効果や、あるいは雇用創出効果というものも極めて大きなものがあるというふうに考えておりますし、まちの活性化がそれによって一層期待されるところでございます。今後とも、これまでの投資を最大限に生かして、職・住・学・遊の機能をバランスよく充実させながら、新しいまちとしての魅力を高めつつ、着実に開発を進めてまいりたい、このように考えます。

○植木委員 先ほど来の皆さんの質問の中で、東京都の港湾局としては、臨海副都心事業会計において、今後の土地処分問題が非常に大きな役割を占める、そういうお話がありましたので、その角度から質問をしたいというふうに思います。
 前提といたしまして、この間も当委員会で視察をしたわけですけれども、行った方々によって感じ方というのはいろいろあるんだなというふうに私は思って今の質疑を聞いていたんですけれども、事業者負担によって都民の税金を投入しない、こういうことで始まったこの計画、それがその後の数重なる見直しによって、税金の投入の問題だとか、それから土地評価の問題、いろいろ変わってきた。いろんな形でお金をつぎ込めば、これだけ立派なものができるのかなと。確かに一つ一つのビルを見ると、立派ですよね。三セクのビルも非常に立派ですけれども、あれも財政債務超過でいろいろ統合しなきゃならないという状況にある。全体も、部分的には密集しているけれども、そうでないところもあって、これが未来都市だと、こういうふうにいわれれば、そうかなあとも思うけれども、これによって都財政が大変苦しくなってきた原因の一つでもある、こう考えますと、一体これでいいのかなというふうに私は自問自答してきました。
 港湾局の皆さんの先ほど来の答弁によりますと、順調にいっている、未来都市のために非常に大きな役割を発揮するんだ、こういうご説明が繰り返し行われていました。果たしてそうなのかなということを十一年度の予算のときに、あるいは質疑の中で、十一年度のときには、立ちどまる勇気が必要だよという発言を私どもの委員がして、港湾局にいいましたけれども、港湾局は、順調にいっていると同じ答弁が繰り返されていたと思うんです。そういう点から見まして、幾つか土地問題をめぐって事実関係をはっきりさせたいというふうに思うんですね。部分的にはそれぞれの質問の中で出てきましたけれども、私は改めて聞きたいというふうに思います。
 そこで、十一年度の質疑の中で、まとまってこの土地処分の問題について皆さんが答弁されているのがないかなと思って、一通り全部めくってみました。そうしましたら、自民党の議員さんの質問の中で、こういう答弁が二カ所に見られました。一つは、今回の誘致については--第二次公募について検討されているというのが十一年度のときでしたから、今回の誘致に関して民間事業者の進出の意欲、あるいは動向について、どんな見通しを港湾局が持っておられるか、また、それに対してどのように対処していこうとしているのですか、こういう質問がありまして、それに対して当時の開発部長さんが、臨海副都心のポテンシャルを評価し、進出を打診するような事業者の動きもございます、また、これまでの開発の進展によりまして、臨海副都心の認知度も高まってきたことから、外資系企業など、新たに臨海副都心へ進出を検討し始めた事業もある、こういう答弁をされていました。事業者に対して周知を図る、積極的にPRに努める、こういう答弁でした。
 それから、もう一つは、今回の事業者の誘致は、新たなる開発・整備ビジョンの策定の方向にも沿った措置であるように考えますが、いかがでしょうか。開発・整備ビジョンの策定の問題が、このとき出ました。これがベイエリア計画として今回出されている内容ではないかなというふうに思いますが、それに対する開発推進担当部長さんの答弁は、今回策定に着手いたしました臨海部の新たな開発・整備ビジョンは、羽田空港の国際化や大規模な土地利用転換など、多様な動きが展開されている東京臨海地域の総合的、一体的な開発・整備を進めることによりまして、この地域を首都東京をよみがえらせるための起爆剤とすることを目的として策定するものであり、臨海副都心開発の目指すべき方向と一致するものでございます。今回実施を予定している第二次公募の追加登録は、臨海副都心開発の着実な推進に資するものであり、新たな開発・整備ビジョンの策定の方向と矛盾するものではないと。
 つまり、臨海副都心開発を首都東京をよみがえらせる起爆剤にするんだ。そして、さらに、先ほど来出ていましたように、臨海副都心開発を中心として港湾地域七千ヘクタールにわたって整備を広げていく、その起爆剤にしていく。そのためにも、この第二次公募というのは大変重要な役割を果たしている、こういう趣旨だと私は読み取っているんですが、この二つの答弁について、どのように現時点でお考えになっているでしょうか。今日もこのとおりであるんでしょうか。

○津島開発部長 第二次公募を、企業のさまざまな進出の意向を調査した結果、実施したわけでございますけれども、やはり経済というものはいろいろ動いております。また、企業自身の業績も含めまして、いろいろ流動的だ、こういう中で、最終的には第二次公募を、平成十年の六月に松下電器産業が、事業者が一区画決定いたしましたけれども、公募した三区画のうち二区画につきましては、決定はしたけれども、現在、いろいろ企業自身の状況がございまして、契約までは至ってないというような状況がございます。
 また、もう一つ、平成十二年の七月に、第二次公募の追加ということで、台場と有明、二区画を公募したわけでございますけれども、最終的には現在契約に至っていない、そういうような状況でございます。
 また、ベイエリアの検討につきましては、最終段階に入ってきておりまして、臨海副都心全域を含めまして、より弾力的、重点的な開発を今後進めていくということで、その流れの中で今進めているということでございます。

○植木委員 そうすると、このときに、見通しとして、認知度も高まったから進みますよという答弁は、もうそこで違っちゃっているんですか。

○津島開発部長 その時点、その時点で、公募するに当たりましては、ある程度の民間の意向というものを確認して進んできたわけでございますけれども、これはやはり経済が動いておりますので、状況という中で、平成十年以降、なかなか経済が低迷する、こういう中でそれぞれの企業が、やはりそれぞれの企業事情に基づいて、当初は進出の意向がかたかったけれども、会社のさまざまな業務の方針の中で変更したのではないかと我々は考えております。
 いずれにしても、これまでのような形で二つの区画を第二次公募のときに出したわけでございますけれども、企業の選択肢が少し狭いよというご批判がありまして、いろんな広い土地、狭い土地、それから場所、こういったものを選択できるような形で出すことが、より開発の選択肢の範囲を広げるということと判断いたしまして、処分のやり方を変えたわけでございます。

○植木委員 そんな細かい経過を聞いているんじゃないんですけれども、もう既に十一年度の答弁が違ってきたよということをお認めになったと。
 しかし、今紹介した答弁の中に、私は二つの問題があると思うんですよ。一つは、そういう土地処分が大事だと皆さんいうんだけれども、本当にそのとおりに進んできたのかということが一つ。今は進んでないという答弁で、最初から認めちゃったんですけれども。
 もう一点は、こういう土地処分を進めていくことと、それから、首都東京の起爆剤として、ベイエリアとして七千ヘクタールに広げていく計画、その上でも、この土地の売却は、その推進に資する、こういうふうにいっていたけれども、本当に資する方向に動いているのか。この二つのことが私はあると思うんですよね。
 それで、今もお話既にあるんですけれども、ちょっと幾つか、まとめてといいましょうか、土地処分の流れを整理して、一つ一つ簡潔にお聞きしますから、簡潔に答えていただきたいというふうに思います。
 土地処分は、最初にいいましたように、もともとは都民に負担をかけないで開発者負担でやるよ、こういうことでやってきたかなめとなってきたものですけれども、第一次の土地処分では、公募はたくさんあったという話は先ほどありましたけれども、当せん企業グループのうち辞退した企業は何企業になるのか、お示しいただきたい。

○津島開発部長 第一次土地処分、平成二年の時期でございますけれども、当せんが十四企業グループでございます。辞退は、当初四企業が辞退いたしまして、辞退した一区画につきまして再度進出を希望する企業がありましたけれども、最終的にはその企業も辞退ということで、総計五企業グループが辞退ということになっております。

○植木委員 それでは、第二次土地処分、先ほどちょっと部分的には出されましたけれども、ちょうど十一年度の予算のころから始まってきたわけですけれども、現在までの土地処分の動き、どういうふうに動いていっているのか、示していただきたいんですが、いかがでしょうか。

○津島開発部長 第二次公募でございますけれども、平成十年の二月と平成十二年の七月に二回行っております。平成十年の二月、三区画を公募いたしまして、先ほど申しました、三区画全部決定したんですけれども、契約が一社、松下電器産業が契約、残りは現在交渉中ということでございます。
 それから、七月の二区画の公募につきましては、応募者がなかったということでございます。

○植木委員 最初の三区画に対して一区画で、十一年度の決算以降はゼロ、こういうことでありますが、その結果、総体として処分対象のうち未処分地はどうなのか、民間企業は何割なのか、お示しいただきたい。

○津島開発部長 現時点におきましては、有償処分対象面積百三十九ヘクタールのうち六十二ヘクタールが処分されまして、このうち民間企業の占める割合は三一%でございます。

○植木委員 そうすると、未処分地、先ほど来もう何回も出ていますけれども、七十七ヘクタールということで、まだ六割前後、未処分である。七十七ヘクタールというのは、大変大きな面積ですよね。ちょっと今どこの自治体と比較という数字が出てきませんけれども、しかも、民間企業は三割しかなくて、あとは第三セクターだとか、いろんなので穴埋めをする、こういうことですよね。
 それで、この間、処分の方法も、先ほど来ちょっと出ていましたけれども、まとめて、どういうことをどういうふうに、また、どういう方式をどういうふうに、その結果、何と何が変わってきたのかというふうに、ちょっとオーソライズして教えていただきたい。

○津島開発部長 まず、平成二年の第一次公募でございますけれども、この場合、土地の処分の方式が、新土地利用方式という方式に基づいて行ってまいりました。これが平成十年の第二次公募からは、借地借家法に基づきます普通長期貸付方式に転換いたしました。さらに、平成九年以降、公的な性格を有する事業者に対しましては売却方式を導入してまいりました。また、昨年十一月からは、公募の方式につきまして、期間と区画を限定した方式から、対象区画を拡大し、常時受け付けを行う方式に変更したものでございます。

○植木委員 そうすると、今お話があっただけでも、新土地利用方式、貸付方式、売却方式、それから、常時受け付け。今お話なかったけど、私の聞いているところでは、権利金も五年間の分割払いを認めるとか、いろんな優遇措置だとか緩和措置をとってやってきた。しかし、それでも、先ほどゼロだったというお話があった。
 そうしますと、九年度の見直しがあって、二次公募以降、順調にこの分野の事業収入はふえているとはいえないということでよろしいんですね。

○津島開発部長 新しいいわゆる常時公募を含めまして、ただいまお話がありました権利金の分納なり仲介手数料制度も含めまして打ち出したのは今回の一月でございますので、私どもは、今後こういった臨海副都心の持っているポテンシャルをより有効にPRすることによって開発を進めてまいりたいというふうに考えております。

○植木委員 最後の部分は去年だ、だからということなんだけど、事業収入はふえてないということですよね。
 それじゃ、第一回の長期収支以来、業務・商業地の平均単価、この間どのように推移してきたのか、経年的に教えていただきたいと思います。

○津島開発部長 業務・商業用地の平均単価でございますけれども、まず、平成二年の九月の試算で、平成四年の三月まで、一平方メートル当たり二百五十七万円でございます。それから、平成四年九月以降、平米当たり二百十三万円、平成五年九月から百六十四万円、平成八年六月から百十六万円、平成九年二月から百十四万円が現在まで続いております。

○植木委員 百十四万円。採算とれるラインというのは、お幾らになるんでしょうか。

○津島開発部長 採算のとらえ方というのは、バランスシート上、いろいろ難しい計算でございますけれども、仮に、今後、全体をまた売却するか、それから、賃貸という形で残すか、これによっていろいろ計算の仕方が違いますけれども、仮に一挙に今全部売ったと仮定いたしますと、先ほど来お話ししております全体が約二兆円を超える事業費でございますから、これを全部土地でもって賄ったら、どれくらいの金額で売ればバランスが合うかということになりますと、おおむね一平方メートル当たりは百八十五万円程度だと試算しております。

○植木委員 そうすると、現時点で百十四万ですから、百八十五万円に、一気に引き上がるのか、だんだん引き上がるのか、いずれにしても、引き上がらないと、もはや採算はとれない。つまり、安くなればなるほど赤字が、赤字というか、収入見込みが減っていくわけですから、それだけ負担がどこかにいく、こういうことですね。いいですか。

○津島開発部長 バランスシート上はそうでございますけれども、これから平成四十八年までをかけた長期のまちづくりの過程の中でやっていく。それから、売却と賃貸もいろいろミックスしながら、最も有利な形で資金運用していくという形でございます。

○植木委員 そうすると、百十四万から百八十五万、いずれにしても四十何年かの間というんですから、それだけ土地がどんどん値上がって、バブルとまでいくのかわかりませんけども、そういうのを望んでいる、こういうことですね。
 それで、まとめていいますと、当初は税金を使わないといっていた、会社負担でやるといっていたのが、つまり、当初見込みの収入と、現時点では見込みがどのくらい違ってきているのか。それから、五年前に長期収支を試算した段階で、十二年度以降の地価上昇率をどのように予測していたのか。この二点について教えていただきたい。

○津島開発部長 長期収支を試算して発表した時点、これは五年前でございますけれども、この時点の平成十二年以降の地価上昇率をどう見たかといいますと、五年前、すなわち平成九年の二月の長期収支で地価上昇率は、まず平成十一年度まではゼロ%と見ておりました。平成十二年度からは、平成十六年度まで、年約二%、平成十七年度以降は三%と予測しておりました。これは、当時、平成十二年度にりんかい線が大崎まで延伸し、平成十七年度には「ゆりかもめ」が豊洲まで延伸する。さらに、放射三四号線、環状二号線の一部が延伸する計画であったために、こういうふうな形で計画をしていたものでございます。

○植木委員 答弁。もう一つ聞いているんだけど。

○津島開発部長 大変失礼しました。
 平成四年の三月の試算でございますけれども、長期収支としまして、当時、六兆九千六百億円の収支を見ております。それから、平成九年の二月の段階では、一兆四千百九十六億円の収支を見ております。

○植木委員 そうしますと、今の二点でわかるのは、もともとの六兆九千六百億円は、現時点でマイナス五兆五千億円、さっき一兆四千幾らといっていましたから。五兆五千億円見通しが狂っている。で、九年度の見通しも、二%、十二年度からということですけれども、それはもう既に、いろいろ条件はいっていましたけれども、狂ってきている、こういうことですよね、事実として。
 そうしますと、九年度の前はもう既に終わっちゃっていることですから、あれなんですけれども、それにしても、五兆五千億円というのは大変な金額だ。
 それから、この五年間を見ただけでも、もう既に狂い始めてきているわけですけれども、しかも、ずっと土地公募もゼロ、こういう状況です。見た目はいろいろ派手なものがあったり、それから、企業の都市づくりというけれども、パレットタウンみたいな、あるいは、お台場とか、そういうところの方のにぎわいの方が多い。その辺の基本的なフレームも変わってきている。
 そうしますと、九年度に決めた見通しが、もう既に大幅に違ってきているということは事実としてあると思うんですけど、どうですか。違ってないと、それでもいい張るんでしょうか。

○津島開発部長 平成九年度に、地価上昇率を平成十二年度以降二%、十七年度から三%と見込んだ収支の考え方でございますけれども、地価上昇の見込みにつきましては、臨海副都心は、まちのポテンシャルを考慮いたしますと、長期的には相当の地価上昇が見込める地域であると考えております。長期収支の試算におきまして、試算の前提として、長期的な傾向を勘案して一定の上昇率を組み合わせることとして、こういった仮定を置いたものでございますが、臨海副都心は、何といっても交通基盤の整備がまだ未完成であること、いまだ開発途上にございまして、今後、まちの成熟とともに、一定の地価上昇が必ず見込まれる場所だと考えております。当面は、平成十四年の十二月、来年でございますが、りんかい線の大崎延伸が地価上昇要因ではないかと考えております。このため、臨海副都心の平均地価は、先ほど申しました、現在百十四万円でございますけれども、まちが完成すれば、例えば周辺を見ますと、平成十二年の公示価格で、目黒では二百十一万円、恵比寿では二百七十九万円、こういう状況でございますけれども、同様の地価評価がいずれ見込まれるのではないかと考えております。
 また、民間の企業者と最近の不動産業者といろいろ話を聞いておりましても、臨海地域における土地の割高感というものはなくなったというふうに伺っております。

○植木委員 恵比寿とかは高いから大丈夫だ、こういうんだけど、十一年度のときには、既にそういう見込みがあるから大丈夫だ、ポテンシャルも上がってきたよといってきたんだけれども、もう既にこの二年間だってそうはなっていないのは、さっきあなたが認めたわけでしょう。石原知事も、方針の部分についてはいろいろ意見が違うけれども、こういうふうにいっていますよ。臨海副都心は、当初の見込みが狂って、物すごい借金があり、大変な足かせ、引くも地獄、進むも地獄だと。
 私は、十一年度の決算のときに、やっぱり立ちどまる勇気が必要だという私どもの考え方を当時いいましたけども、やはり、これ以上単価がどんどん下がっていく、あるいは、大崎延伸が二年ぐらい先でしょう。そういうものを当て込んでやる。担当者は、いってみれば不動産の業を主としてやっているような仕事をやらざるを得ない。それが悪いとかいいとかといっているんじゃないんですよ。そういう仕事が主にならざるを得ない。こういう状況ですよ。で、売れるには、いろんな条件を緩和したり、いろんな支出を新たにしなきゃいけない。仲介料も含めて、やる。
 その上に暫定利用という点で、暫定利用、これ、ちょっと途中で聞くの忘れちゃったんだけども、暫定利用の土地も物すごく安いでしょう。結局、何とかなる、何とかなるといって、いろんな条件を緩和して、いろんな値段も下げて、そして、結局その見込みも違ってくる。これの繰り返しなんですよね。何とかなるだろう、何とかなるだろうと、まるでオオカミ少年ですよ。暫定利用のところなんか、半分以下でしょう、さっきの価格からすれば。
 しかも、また起爆剤だという言葉が出てきている。それで、今度はベイエリアの計画が今年度出るわけでしょう。十一年度の決算の反省をしたら、やっぱり勇気を持って立ちどまる。先ほども話あったけれども、見直しの年度に十三年度入るわけですから、そういう勇気が必要だと思うんですけど、どうですか。

○津島開発部長 第二次公募の企業誘致がうまくいってないじゃないかということもご指摘ありましたけれども、先ほどの土地の上昇の見込みでございますが、平成九年に見込みをした際には、りんかい線が大崎まで延伸するのが平成十二年だという状況が予測されておりましたもので、そういう形で地価の上昇を考えておったわけですけれども、残念ながら、二年間、交通基盤の整備がおくれたということが一つの原因ではないかと考えております。平成十四年、来年でございますけれども、十四年の十二月に大崎に延伸すれば、これはほかのさまざまな交通アクセスの向上に伴い地価上昇が出ている例が幾らでもございますので、地価上昇がそれなりに見込めるのではないかなというふうに考えております。
 それから、暫定利用でございますけれども、暫定利用というのは、やはり長期の段階的なまちづくりをしていく過程では、当然未利用地というものが出てくるわけでございまして、これを遊ばせる手はないわけでございまして、有効利用していくのは当然のことだと考えております。今日のように社会経済情勢が非常に激しく変化して不透明な時期は、暫定利用はむしろ開発手法としては非常に有益ではないかと考えております。暫定利用が臨海の人気に、例えばパレットタウンだとか、これから出てきます大江戸温泉物語、こういったものが人気にも大きく貢献するわけでございますので、暫定利用というのも一つの立派な開発手法の一つだというふうに考えております。

○植木委員 暫定利用のことを聞くつもりなくて、終わろうと思ったら、また暫定利用の話が出てきたから、聞きますけれども、暫定利用で貸し出す金額、例えば、先ほどのパレットタウンですか、通常の貸し付けとの比はどのくらいになるんですか。通常で幾らになって、そして暫定利用だと幾らになるんですか。そういうことをまたこれから繰り返すということなんですけれども。

○津島開発部長 これは長期貸付の場合には、例えば、容積率、建ぺい率、非常に高いわけでございますけれども、暫定利用の場合には、十年あるいは十年未満の貸し付けということになりますので、建ぺい率にしても容積率にしても低い。したがいまして、その比率に応じまして賃貸料も低くなるということでございます。ただ、暫定利用を適用しておりますのは、例えば住宅なり学校なり、緊急に土地を整備する必要のない部分を暫定利用として有効利用するわけでございますので、これを比較するのは適当ではないというふうに考えております。

○植木委員 金額はいわなかったけど、私が前の記録を見ましたら、通常の貸し付けで十八億九千万するところが、七億二千七百三十三万。容積率とかいろいろあるから、単純に比較はできないよというんですけど、いずれにしても、とにかく売り出すためにいろんな条件を緩和したり、仲介料もつけたり、権利金も分割払いにしたり、いろんなことをやっていく中で、結局は四十八年というこんな長いスパンでさえ、もう狂ってきちゃって、何年先になるかわからぬ、こういうことですよ。
 しかも、そういう赤字の大もとを、七千ヘクタールのベイエリアに拡大しよう、それが東京の起爆剤だというんですけれども、お金が際限なくあるんなら、どんどんどんどんつぎ込めば、それは立派なものできるでしょう。その結果、都財政と都民が苦しむ、そういう構図が、この十数年来ずっと続いてきているわけでしょう。しかも、今後も二兆円の事業費の投入というのは明らかでありますし、そういう意味で、やはり今本当に、十一年度のとき私たちがいったように、立ちどまって抜本的に見直しをする、そういう勇気を持つ必要があるということを重ねて強調して、私の質問を終わりにします。

○松村委員 最後ですので、よろしくお願いいたします。
 今も植木理事から質問がありましたが、私たち日本共産党は、この九九年、平成十一年度の臨海副都心開発予算を審議するときにも、これまでにも何度もやはり見直すべきだということを指摘しましたけれども、この十一年度予算のときにも、今後の投資の中心となる幹線道路計画を抜本的に見直し、今後の財政負担を必要最小限に抑えるための見直しをすることがどうしても必要だという立場から論議をしてまいりましたけれども、いよいよ決算でありますので、私は、都民の目線といいますか、都民の目から見て、一体今この十一年度の決算を得て、どういうところに今この事業があるのかということを、ちょっと質疑したいというふうに思うんです。
 そこで、臨海副都心開発事業に、この間どのくらいの投資といいますか、経費の支出がなされてきたのか。平成十一年度決算の累積額を、事業別でまずお示しいただきたいと思うんです。

○津島開発部長 臨海副都心の整備で平成十一年度までの累計でございますが、総額で約一兆四千億円の事業費が投資されてまいりました。事業別に申し上げますと、地域内の都市基盤を整備するための東京臨海副都心建設株式会社への貸し付けが約五千二百億円、上下水道の供給・処理施設の整備が約千二百億円、新交通システム等の交通基盤整備が約三千三百億円、東京港臨海道路等の広域基盤施設の整備が約二千八百億円、そのほか東京臨海高速鉄道株式会社への出資など約千五百億円が内訳でございます。

○松村委員 今の数字の中には、域内関連事業、例えば国際展示場や都営住宅など、これも当然臨海開発事業の投資といいますか、これは含めなければならないと思いますけれども、それへの投資額は幾らになりますか。

○津島開発部長 関連事業への投資額でございますが、ただいまお話にありました国際展示場や公営住宅の建設等で約三千八百億円となっております。

○松村委員 それと、埋立事業会計、それから、羽田沖埋立事業会計からの借入金、これは先ほど来論議ありましたとおり、十一年度末で三千五百八十億円、これもやはり資金ショートを起こさないためにというか、回転しているといっても、当然これはまだ回収されておりませんから、やはり投入された経費として見なければなりませんし、それから、そもそも開発の前提となる、当時百八十三ヘクタールの土地の代金、これは一体幾らというふうに積算できるのでしょうか。

○津島開発部長 埋立事業会計から現物出資を受けた土地のことだと考えますけれども、面積でございますが、最終的には百八十三ではなくて百六十三ヘクタールの土地の投資ということになりまして、この土地の簿価は約六千七百億円でございます。

○松村委員 現物出資って、これは平成五年に、臨海支援ですか、臨海会計の体力を増強するというようなことなどのあった見直しですけれども、当初は、当然これは有償売却ですよね。有償売却で港湾局自身が埋立会計から臨海会計へと出した。今、簿価で六千七百億円とありましたけれども、当時、有償売却のときにはどのぐらいで見込んでいたんでしょうか。

○津島開発部長 現物出資に切りかえる以前の、平成四年九月の長期収支試算では、これは有償売却でございますけれども、いわゆる土地移管の経費を約七千六百億円及び土地の移管経費の利子分、これが四千五百億円、合計で一兆二千億円と見込んでおりました。

○松村委員 そうしますと、以上の今お示しいただいた金額を合計すると、三兆二千四百一億円にも上ります。これは今の数字は、例の平成四年ですか、見直し試算においてですから、それ以前のいろいろ臨海関連というのがあったものが、外れたりとか、そういうやり繰りがあるから、私たちはこれまでにも大体三兆五千億円ぐらい、資本というか、投資されてきたというふうに、これまで指摘してきたところであります。
 そのことと、先ほど、一般会計、一般財源も投入されているということも指摘し、それが今の都財政のやはり大きな負担要因というか、事態をつくり出してきている。先ほどの論議の中には、大体一般財源は一六%だといって、その数字も示されましたけれども、私は、例えば、これは財務局の主計部長の答弁で、そのことをただしたときには、臨海副都心整備事業にかかわる一般会計の負担額は約五千八百億円でございまして、そのうちの一般財源が約千六百億円、都債は約三百億円--先ほどの数字に恐らく合うと思うんですよね、答弁がなっております。なお--なお書きなんですね、今答えてもらった臨海関連の国際展示場だとか公営住宅の建設などの関連事業を含めますと、一般会計の負担額は九千六百億円と。うち一般財源四千百億円と。それで都債は約三百億円となっていますという。
 私は、これがやはり都民の目から見て、この当時四千百億円。さらに年度が二年ぐらいたっていますから、さらにやっぱり一般財源の投入額がふえているというふうに、その点は指摘しておきたいというふうに思うんです。
 それで、そのぐらい莫大な投資、一般会計といっても、これは、後で今の何かに入りましたとおり、当然埋立会計だとか羽田沖だとか、これはもう一般会計で特別会計ではありませんから、これは都民の財源というか、本来使えるべき財源のそういう大きな負担になっているということも、あわせて指摘しておきたいというふうに思うんですけれども、じゃ、そういう大きな投資を行って、十一年度決算においてどういう収入があったんでしょうか。これも累計でお答えいただきたいと思います。

○津島開発部長 本委員会の要求資料の二ページにも記載してございますとおり、平成十一年度決算までの収入でございますが、権利金収入が約三千二百五十億円、土地売却収入が約三百八十億円、土地賃貸料が約八百十億円、合計で約四千四百四十億円でございます。

○松村委員 先ほど私が数字を挙げました三兆二千億何がし、そしてまた、私たちのいろいろなこれまで調べた試算によっても、とらえ方はいろいろありますけれども、三兆五千億という中で、じゃ、そういう投資というか、事業の中で、どのぐらい収入を上げているかという点では、今の四千四百四十億円と。
 では、これからどういう収入見込みといいますか、この事業が上げるのかという点では、これまでも何回か見直しがあって、直近の点では、二兆五千億とか、それも昨年までが、当然土地の上昇を見込んだ長期収支ということは、先ほども質疑がありましたけれども、そして、昨年からですか、二%、十七年まで。十七年以降が三%と。しかし、その前提、先ほどいいました二次公募だとか、そういうことが全部うまくいった上での長期収支ですから、それももはや崩れてきたのならば、これは重大な私は破綻というか……。
 で、先ほど来の質問にもありましたけれども、土地、その資産が四千五百三十五億円、活用できる資産がある、そういう数字だと。一方においての累積欠損額が四千九百九十億円と。そして、私は、今まで、銀行とか、転貸債とか、多くの借り入れをやっていますけれども、一番これからやはり物すごい負担になってくるのは、この転貸債だというふうに思います。これまで転貸債等利払いを、この十三年度決算までどのくらい支払っているのかも、ちょっと聞いておきたいと思います。

○津島開発部長 平成十一年度までの転貸債及び建設元金債の元金償還額は約千五百七十億円で、利払いは約千三百二十億円、合計で二千八百九十億円でございます。また、今後の支払い額でございますが、平成九年の二月の長期収支試算によりますと、元金償還が約九千三百九十億円、利払いが三千四百億円、合計で一兆二千七百九十億円と見込まれております。

○松村委員 これまでの利払いだけで千三百十七億円と。元金は、これまた借りかえやってますから、まだこれから五百十八億円はそっくりそのままあると思うんですよね。ただ、それがあと何年後ですか、もう十八年度から、今の利子を含めて元金の一括償還になってくるとなると、私はやはり大変な事態になってくる。しかも、それがあと十五年後ですか、二十九年には、転貸債ですから、やはり、さっきいった、収入が上がらなければ、それは当然埋め合わせできないという会計上の仕組みになってきているというふうに思うんですよね。事実、もう資金ショートの可能性が非常に高いということで、この十一年度も、他会計からの借入金として、資料を提出いただいた中にでも、埋立会計から、この十一年度は八十三億、それから、羽田沖事業会計からも十二億。八十三億と十二億ですから、百億近い、資金会計のためにやらざるを得なくなってきているということが、今、この臨海会計の実態だと。先ほど大西さんからも厳しい指摘があって、まさに破綻しているんじゃないかということを、私も本当に痛感せざるを得ないわけであります。
 それで、予算ですから、余り踏み込みませんけれども、そういうことがあるから、やはりこういう三会計統合などという、都民から見てもわからない、いわば巨額債務を穴埋めする、こういういわば借金棒引きではないかという声もありますけれども、これに対する見解も伺っておきたいと思います。

○渡辺総務部長 三会計の統合につきましては、これからの東京を活性化していくための地域でございます臨海副都心を核とする東京のウオーターフロントの着実な開発を推進するために、その財政基盤を強化する方策の一つとして実施しようというものでございます。そこで、統合につきましては、具体的には埋立事業会計に臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計の二つの会計を吸収いたしまして、新たに臨海地域開発事業会計としてご提案しようというぐあいに考えてございます。
 この統合によりまして、債権債務の主体でございます三つの会計が統合されまして、臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計の二つの会計の資産、負債及び資本のすべてが埋立事業会計の方に包括的に引き継がれるということでございます。したがいまして、いわゆる債権放棄という形での借金棒引きというようなものではないと考えてございます。
 なお、埋立事業会計が現物出資をいたしました土地は、統合後の会計に引き継がれるものでございますので、埋立事業会計及び羽田沖埋立事業会計からの貸付金につきましては、都市基盤施設整備のための会社負担金等にもう既に充当されて、いろんな基盤が整備されてございますけれども、そのことによりまして、臨海副都心の土地の資産価値といいますか、利用価値を高めることに役立ってきているというぐあいに考えてございます。

○松村委員 いろいろ答弁がありましたけれども、でも、それは都民の目から見れば、例えば、前には埋め立て、本来だったら都民の財産、それで利益が上がれば、これが一般会計に戻されて、都民のために活用できる、そういう埋め立てから、最初は有償売却で出されるものが、臨海会計への支援、体力増強などということで、現物出資。出資だから、恐らく将来これが均衡があって利益が上がったら戻すというようなことだと思うんですけれども、じゃ契約がどうなっているかといったら、全然そういうものは交わしていないと。それはもう無償でというか、ただでやったものじゃないかというようなやりとりもありましたし、また、それが有明の丘みたいに、二千二百億円の買い取り、こういうものも、いや、全体の防災計画だと、だから今までの臨海じゃないんだと。
 私は、臨海に資するために出されたものが、そういう役割とは違った役割で見直したんだったら、これは引き取るべきじゃないか。そうすれば、二千二百億円で買い戻すだとか、そういう都民の目から見てわからないことをやる必要ないんだという会計間のやりとりも論議してきたわけですけれども、しかし、いずれにしても、今度はそういう現物出資、形はまだ残っている。それが文字どおり、これは統合すれば、それもきれいになくなってしまうというか、それから、文字どおり、さっきの二つの会計、埋立と羽田沖の借入金三千八百五十億円も、これもなくなるというか、それから、埋立会計にまだ二千五百億もの未処分地がある。これもまさに臨海会計に、これは新たにつくる臨海地域開発事業会計にのみ込まれて、この貴重な都民の財源も、そこにやっぱりのみ込まれてしまうという、こういう問題。
 それから、私は本当にひどいというか、今度、最終補正で、羽田沖が一般会計から借りていた、二年も前倒しして、二百十四億も、わざわざ年度末に戻す。で、結局三会計が統合されたら、その二百十四億円も、これは今いった新しい臨海地域開発事業会計に使われると。こういういろいろな角度から見て、まさに私は、そういう一般会計というか、果てしない財源投入、先ほどいった、もう破綻している臨海会計へ、やはり都民の貴重な財源が使われるということ以外何物でもないと思うんですよ。
 これはやはり、さっき、経済効果が将来あるとか、いろんなことをいっておりましたけれども、まさに一方では、今どういう東京都の財政事情になっているかといったら、予算がない、財源がない、都民に我慢してくれといって、それでもうどの聖域もなくなどということで、真っ先にそういう命にかかわるような福祉施策などを、現に切り捨ててきているんですよね。そのときにも、いや、財政再建団体になってしまったら、何も東京都じゃなくて国が、国のやってないことを、また国基準を超えるものを全部切ってしまうんだから、それよりも東京都みずからが切る方がいいなんという、こういう都民への大宣伝がある。
 しかし、私もそのときに本当に思ったんですよ。財政委員として、もし今いったほかの会計が本当にあれば、これまでも借りてきたけれども、借りられて、そういう一般会計全体の資金ショートというか、そういうことがなくて済むわけなんですよね。それすらがないというのは、一体何なのかといったら、やはり私たち再三この事業の見直しを求めてきたけれども、まさに私は、臨海会計などのやはりそういうことが大きな要因になっていると。
 きょう演説じゃありませんので、ここら辺でやめておきますけれども、それで、これからの財政負担もあわせて聞いておかなければならないというふうに思うんです。(「見直す、見直すって、どう見直すのか、じゃ、いってみろよ」と呼ぶ者あり)
 これからの総事業の、あとどのくらいの投資額の残があるのか。今までの見直し後の総事業費というのがありまして、十一年度末までの既投資額ということから、あとどのくらい今後の投資額が予定されているのかもお聞きしておきたいと思うんです。

○津島開発部長 総事業費二兆四千億円のうち、これまで投資した事業費が一兆四千億円、残りは約一兆円でございます。

○松村委員 見直しの総事業で既投資額を引けばそうなるという数字で、一兆二百五十九億円という答弁がありましたけれども、しかし、これには、例えば、東京港臨海道路などの、一工区は入っていますけれども、二工区分は入っていない。それから、後年度事業とされた見直しによって、そういう臨海関連の広域事業等も入っていないわけですね。私たちもいろいろ調査し、試算し、これまで指摘してきたのは、一兆円じゃない、二兆円に上るということをはっきり指摘しておかなければならないというふうに思うんですよね。だから、どこをどう見直すのかということだったけれども、私たちもはっきり主張して、先ほどもいいましたように、課題になっている関連事業、広域幹線道路も含めて、そういう点を含めた、やっぱり見直し。
 あともう一つ、三セクについても伺いたいというふうに思います。三セクを聞いてから、その見直し問題については指摘したいというふうに思うんですけれども、これまで、平成十年の四月に経営安定化策というものをつくりましてというか、これに基づいて経営支援を行っておりますけれども、そのときにも、金融機関の責任をもっときちっと果たさせるべきじゃないかと。このスキームにおきましては、都の二百七十億円と同等の負担をするというふうにされておりますけれども、さっぱりそれが見えてこないというか、具体的な、これまでの金融機関等のやってきたことというか、それを具体的に、金額でもってお示しいただきたいと思います。

○渡辺総務部長 臨海三セクの経営安定化策に対する努力でございますが、会社自身の内部努力、それに東京都の支援、それから金融機関の支援ということになってございます。それで、金融機関の支援につきましては、金利負担の軽減及び資金繰り支援によりまして、十年間で東京都と同程度の支援を行うというところでございます。具体的な実績については、利息額につきましては既に会社の決算書等で公表されておりますので、支払い利息の額で申し上げますと、平成九年度は約百二億円、これは経営安定化策実施前でございますが、実施後の平成十年度につきましては、これが十七億の減となりまして、さらに平成十一年度には利息負担額八十億となっておりますので、当初の平成九年度に比べれば二十二億の減ということでございます。
 このほかにも、既に金融機関からは、元利の棚上げ、円滑な融資等による資金繰りの支援を受けてございます。この中身につきましては、金融機関と取引関係の問題がございますので、詳細は差し控えさせていただきますけれども、このような金融機関の支援の合計で東京都と同程度の支援を十年間で行うということになってございます。
 このような各金融機関の支援、あるいは、先ほど申し上げました内部努力等によりまして、平成十年度決算では、三社とも償却前黒字を達成いたしまして、平成十一年度決算では、三社合計で営業黒字を計上するなど、事業継続につきまして成果を上げてきていると私どもは考えてございます。

○松村委員 銀行の負担といいますか、当然負わなければならない責任を、私はもっときちっと求めてもらいたい。なぜかというと、ゼロ金利で、ほとんどただ同然の金を、今、これを見ますと、二%だとか、そういうので、やはりこれだけ苦しんで、破綻して、都民の一般会計や一般財源をつぎ込まなきゃいけないというときに、私は、のうのうとというか、利潤を上げているなどということは、本当に許せないというふうに思いますし、今の点も一部ちょっと金額の答えがありましたけれども、私は、全面的にこれは都民に情報を公開していただきたいというか、明らかにしていただきたいというふうに、この点は要望したいというふうに思います。
 それで、そのことも含めて、先ほどの、全体の今の臨海の破綻している状況ということもありまして、これは平成九年の時点での見直しでは、五年後には財政見通しをやることになっていますよね。その時期は、九年ですから、ことしですか、来年ですか、この財政見通しの計画をつくることになっていますけれども、やりますか。それをちょっとお聞きします。

○津島開発部長 先生おっしゃるのは、まちづくり推進計画を見直すべきかどうかというお話であろうかと思いますけれども、臨海副都心まちづくり推進計画におきましては、おおむね五年ごとに必要に応じて開発の内容を見直すという形になっております。しかし、五年ごとに必ず見直しをするという趣旨ではないと書いております。
 今後の対応につきましては、現在、発表が間近に迫っております東京ベイエリア21の最終取りまとめの内容などを踏まえながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○松村委員 私、最後に指摘したいと思うんですけれども、この臨海開発のそもそもの間違いというか、最大の問題は、呼び込み方式という、つまり、基盤をつくれば企業がどんどん来てくれる、そして土地の値段が上がり続けるということを前提としてやった計画なんですよね。ところが、皆さん、これは全国至るところ、例えば、北海道の苫小牧東開発とか、大阪の泉佐野テクノポリスですか、やはりそういうもう失敗した事例があるではありませんか。結局あれはどうなったかというと、一般財源を何百億と投入した。
 ただ、この臨海の場合は、その比じゃありませんよね。規模が、全然けたが違いますから。やはり今現実にそういうことになる形で私は進んでいるというふうに思います。いや何とかなる、もっと長い目で優しく見てほしいなどという、私は、またここで、委員会が違いますけど、財務局長の答弁があったときに、なぜもっと都民の命や福祉を温かく見ないのかと、臨海だけが、なぜもっと長い目で見ていただきたいなんというような言葉がいえるのかということを、私は厳しく指摘した点もあるわけですから、本当にここで、さっき植木委員もいうように、立ちどまって、抜本的に見直すべきだ。見直しの内容については、冒頭申し上げたとおりでございます。
 以上で質問を終わります。

○大山委員長 ほかにご発言はいかがですか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時四十五分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る