公営企業会計決算特別委員会速記録第十三号

平成十二年四月十四日(金曜日)
   午後一時六分開議
 出席委員 二十三名
委員長松村 友昭君
副委員長松原 忠義君
副委員長浅川 修一君
副委員長鈴木貫太郎君
理事織田 拓郎君
理事真鍋よしゆき君
理事西条 庄治君
理事古館 和憲君
理事小礒  明君
三宅 茂樹君
いなば真一君
沢西きよお君
森田 安孝君
宮崎  章君
石川 芳昭君
新藤 義彦君
白井  威君
島田  久君
曽根はじめ君
花川与惣太君
嶋田  実君
藤田 愛子君
西田ミヨ子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
港湾局局長浪越 勝海君
技監高見 憲一君
総務部長阿部  功君
港営部長高橋 和志君
港湾振興担当部長小宮山元二君
開発部長渡辺日佐夫君
臨海部開発推進担当部長南雲 栄一君
参事高野 一男君
港湾整備部長増田 忠亮君
計画調整担当部長宮地 陽輔君
離島港湾部長小池 正臣君
参事押元 雅治君

本日の会議に付した事件
 平成十年度東京都公営企業各会計決算の認定について
  港湾局関係
  ・埋立事業会計決算(質疑)
  ・臨海副都心開発事業会計決算(質疑)
  ・羽田沖埋立事業会計決算(質疑)

○松村委員長 ただいまから平成十年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
 初めに、当委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の山岸由香利さんです。
   〔書記あいさつ〕

○松村委員長 よろしくお願いいたします。

○松村委員長 本日は、港湾局関係の決算の審査を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、港湾局長から紹介があります。

○浪越港湾局長 去る四月一日付の人事異動に伴いまして、港湾局の幹部職員に交代がございましたので、紹介させていただきたいと思います。
 港湾振興担当部長の小宮山元二君でございます。臨海部開発推進担当部長の南雲栄一君でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○松村委員長 紹介は終わりました。

○松村委員長 これより決算の審査を行います。
 平成十年度東京都埋立事業会計決算、平成十年度東京都臨海副都心開発事業会計決算及び平成十年度東京都羽田沖埋立事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○阿部総務部長 二月九日開催の当委員会におきましてご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成十年度公営企業会計決算特別委員会要求資料をごらん願います。
 ご要求のありました資料は、表紙の次のページにありますように、全部で五項目、六ページでございます。
 一ページをお開き願います。1、会計間の貸付金、返還金でございます。
 平成元年度から平成十年度までの一般会計、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計の各会計間における貸付金及び返還金の推移でございます。
 詳細につきましては、ごらんをいただきたいと存じます。
 次に、二ページをお開き願います。2、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計の年度別企業債発行額等でございます。
 平成元年度から平成十年度までの港湾局所管公営企業三会計における企業債の発行金額とその利率でございます。
 詳細につきましては、ごらんをいただきたいと存じます。
 次に、三ページをお開き願います。3、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計及び羽田沖埋立事業会計の繰越資金状況でございます。
 平成元年度から平成十年度までの港湾局所管公営企業三会計の繰越資金の状況でございます。
 詳細につきましては、ごらんをいただきたいと存じます。
 次に、四ページをお開き願います。4、外郭団体に対する出資及び貸付金等でございます。
 平成元年度から平成十年度までの港湾局所管公営企業三会計から外郭団体への出資金等の累計でございます。
 詳細につきましては、ごらんをいただきたいと存じます。
 次に、五ページをお開き願います。5、東京港における埋立地の変遷でございます。
 東京港における埋立地の開発に関する要綱の対象地区及び今後開発を予定している地区の竣工時期と昭和五十年及び平成十年時点の土地利用の状況でございます。
 詳細につきましては、ごらんをいただきたいと存じます。
 以上、大変簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○松原委員 私は、防災の面から臨海副都心関連の整備について伺っていきたいと思っています。
 ご承知のとおり、先日有珠山の噴火がありまして大変な被害が出ております。その模様は連日テレビ等で放映されているところでございますが、たまたま私のおいも虻田町にいまして、現地からは二十キロぐらい離れていますので直接の被害はないんですが、収拾の方向に向かっているということでほっとしているところでございます。
 また、今週、月曜日だったと思うんですけれども、早朝にいきなり震度三から四の地震がありました。こうした被害や地震のニュースに接すると、日本という国がまた改めて地震とか火山噴火、台風といった災害列島だなというのをしみじみ強く感じているところです。そうした意味から、行政施策を論じる際には、あるいは講じるときには、常に防災という意識を忘れないことが私は大変重要であると考えています。
 そこで、阪神・淡路大震災以降、時の経過とともにやや意識が薄れかけていると思いますが、起こってから今日まで対応ーーたしか来月の五月二十五、二十六だと思いますが、私たちの防災議員連盟の方も阪神、淡路の方へ視察に行くと思います。十分勉強してこようと思いますが、臨海副都心関連の整備についても、こういった面からも特に重要だなと思いますので、質問させていただきたいと思います。
 まず第一点に、平成十年度の埋立事業会計決算において、豊洲と晴海地区防潮護岸整備として調査設計費が九千万円余支出されておりますけれども、この調査の内容と防災面から見た防潮護岸の必要性についてお伺いいたしたいと思います。

○高野参事 お尋ねの調査設計の内容についてでございますが、これは豊洲地区の防潮護岸のうち、晴海ふ頭側の地質調査と護岸の設計等を実施したものでございます。
 お尋ねの防災面から見た防潮護岸の必要性についてでございますが、豊洲地区のようにかつて港湾物流や工業用地として水際線を利用していた埋立地につきましては、その利用目的から地盤が低く造成されているために、高潮に対して安全性は確保されておりませんでした。
 しかし、こうした埋立地で土地利用転換が図られ、都市化が進む場合には、高潮から人命と財産を守るための防潮護岸が不可欠な施設となります。防潮護岸は、伊勢湾台風級の台風が東京を直撃した場合でも安全性を確保できるばかりではなく、地震の際に液状化による護岸の崩壊等を防ぐため地盤改良などがなされておりまして、地震に対しても安全なものとなっております。

○松原委員 こういうときにおける防潮護岸の必要性が、高潮対策、それから液状化に対するものとしてどうしても必要であるということがよくわかりました。埋立地については特にそうだと思います。埋立地の液状化というのは、お豆腐みたいな状態になりますから、一方をたたくと最後すごく揺れていろんな問題が出てきますから、特にそうだと思っています。
 このように、埋立地の中でも先端的な都市づくりを目指している臨海副都心地域の橋梁や電気、ガス、上下水道のライフラインの安全性についてはどうなっているのか、お尋ねいたしたいと思います。

○高野参事 臨海副都心の整備に当たりましては、防災モデル都市を目指して地震等自然災害に備えたまちづくりを進め、安全性を高めていくこととしております。したがいまして、橋梁等の耐震性を確保することはもとより、電気、ガス、上下水道などのライフラインなどについても、液状化対策を施しました共同溝に可能な限り収容し、地震に対する安全性を万全なものとしております。

○松原委員 臨海副都心が地域全体にわたって防災面に配慮してつくられているということですが、私も過日、三年ぐらい前でしょうか、東京ガスを見に行ったことがあります。あそこは大変設備がしっかりとして、地下なんかも全部見せてもらいましたけれども、非常にしっかりやっているなというふうに思いました。こうした地域は、単にこの地区のみが安全であればよいというばかりじゃなくて、内陸の既成市街地の方々がいざというときに避難できるような地域でもあると当然考えております。
 そこで、災害時における臨海副都心の位置づけはどういうふうになっているのか、お伺いいたしたいと思います。

○渡辺開発部長 臨海副都心でございますけれども、先生ご指摘のとおり、この地域のみならず、広域的な防災支援活動を展開できるようなまちとして整備を進めていくことが求められております。
 このため、臨海副都心まちづくり推進計画におきましては、隣接する港湾機能等を活用して既成市街地の災害対策活動の支援基地としてのまちづくりを進め、その中心的な機能を有明の丘に整備することとしております。

○松原委員 今の答弁にありました有明の丘は臨海副都心まちづくり推進計画で防災拠点として位置づけられているということですが、これは都の地域防災計画ではどのような位置づけがなされているのか、また、その整備の考え方はどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。

○渡辺開発部長 東京都地域防災計画におきましては、有明の丘は立川地域防災センターとともに地域防災拠点として位置づけられております。
 その整備の考え方といたしましては、有明の丘を広域的な防災拠点として位置づけ、港湾機能等を活用し、物資の集配機能、支援要員の集結活動機能などを有する広域的な災害対策活動の支援基地として整備することとなっております。

○松原委員 東京全体を見ました場合に、有明の丘が二十三区を見ている。立川地域防災センターが多摩市の方を見ている。こういうように大きな二つの拠点というふうに理解されると思うんですが、臨海副都心は安全なまちとしてつくられている上に、水域に囲まれて、水陸の両面の交通アクセスを利用することができるため、災害時にも孤立せず、周辺地域との連絡や他地域への支援活動を迅速に行うことが可能な地域であります。
 したがいまして、私はこの地域にある有明の丘は、災害時における物資や支援要員等の広域支援拠点として極めて重要な位置づけを持つものだと考えています。そして、この地区を広域的な防災拠点として十分機能させていくためには、地区内の基盤整備だけではなくて、既成市街地への支援活動を確保するための海上輸送基地やアクセス道路の整備等を一体的に実施していく必要があると考えております。
 こうした整備がなされることによって、有明の丘防災拠点は、東京都のみならず、千葉県や神奈川県の港湾部の諸都市や荒川上流の埼玉県境等の諸都市とも連携が可能となってまいります。広域的な防災拠点として、より一層有効に活用することができることになると考えますが、そういうところから伺いますけれども、有明の丘防災拠点の機能を発揮させるためには、海上輸送基地の整備や緊急物資輸送路へつながるアクセス道路の整備等が不可欠であると考えますけれども、どのように認識しているのか、お伺いいたしたいと思います。

○渡辺開発部長 広域防災拠点としての機能を発揮させるためには、地域内の安全性のみならず、委員ご指摘のとおり、内陸部の既成市街地や東京湾岸沿いの諸都市との連絡手段が不可欠であると考えております。
 海上輸送基地といたしましては、既に国際展示場の西側に耐震強化岸壁である多目的ふ頭が整備済みでございますほか、海上バス発着場など緊急時には海上輸送に使用可能な施設が整備されております。
 また、陸上輸送路といたしましては、晴海通りの延伸、環状二号線等の整備を行うことによりまして、既成市街地の緊急物資輸送路と結びつけることが可能となってまいります。したがいまして、晴海通りの延伸、環状二号線の整備など、広域幹線道路の整備は計画どおりに着実に実施していく必要があるというぐあいに考えてございます。

○松原委員 ただいまの答弁のとおり、広域幹線道路の整備というのは、有明の丘を広域防災拠点として整備していく上でも重要であることがよくわかりました。ぜひとも計画どおりの整備を着実に実施していかれるよう要望していきたいと思います。
 また一方、地区内の安全性は高い、海上輸送機能も整備されている、広域幹線道路の整備も着実に進めていることなど、これだけの物理的な利点がある中で、有明の丘の整備の具体像がなかなか見えてこないというのはどうしたことなんだと思っています。現在の財政状況の中でさまざま理由はあるでしょうけれども、だからといって、防災機能の確保という重要課題を後回しにしてよいというものではないと思います。
 こうした財政的に厳しい中だからこそ、用地取得費や道路整備に対する国庫補助の創設や充実について国に対して要請していくべきと考えます。可能な限りの対策を講じて財源を確保して、整備を着実に進めていくべきと考えます。それには、我々議会の方も後押しをぜひしていきたいなというふうに思っていますが、最後に、局長からこの辺の決意を伺って私の質問を終わりたいと思います。

○浪越港湾局長 防災機能の確保を初めといたしました防災対策は都政の重要課題でございまして、先ほどお話のありましたような阪神・淡路大震災や有珠山の例を見るまでもなく、積極的かつ早急な対応が求められているんだろうと認識してございます。
 臨海部は、都心に隣接するとともに、耐震岸壁を備えました東京港、及び羽田空港やヘリポートを備えました、いわば陸海空の人、物、情報の結節点でございまして、その陸海空の交通手段を活用することによりまして、単に東京だけではなく、お話のありましたように、千葉、埼玉、神奈川県などの首都圏の広域防災拠点としても貢献できるだけの機能を有する地域であるというふうに考えております。
 港湾局といたしましては、臨海副都心の整備に当たりまして、災害時にも強い安全なまちづくりを進め、この地域が、東京が災害に遭った場合の緊急物資受け入れ基地として、また、他地域で災害があった場合には後方支援基地として機能できるよう、地域内の整備を推進しているところでございます。
 また、その拠点となります有明の丘の整備や周辺地域へのアクセス道路となる広域幹線道路の整備等につきましては、国庫の導入を図り着実に整備を促進するなど広域的な防災機能を確保するという面からも、国庫補助制度の創設や充実について、国に対してなお一層の協力を求めていく必要があろうかと考えております。
 こうしたことも踏まえまして、関係局とも連携をし、防災拠点の整備、広域幹線道路などの整備が着実に進展されるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。

○浅川委員 この平成十年度の決算では、豊洲・晴海地区の防潮護岸整備の調査設計費として約九千万円が使われております。この中で、豊洲地区の当初の埋め立ての経過というのは、都民に電気やガスなどを供給するために民間事業者に埋め立てを認めてきたものであったというふうに理解しております。それが今日、エネルギー供給施設の機能停止などを背景にして、臨海副都心開発とも関連をして土地利用の転換を図るということで都市開発を進めることになってきた経過だというふうにも理解をしております。
 その開発をするために、防潮護岸が必要となって埋立整備を行おうとしているんだと思いますが、この埋立免許の申請を行ったのはいつで、許可がおりたのはいつでしょうか。

○高野参事 豊洲・晴海の水際線埋め立てにかかわる免許の手続についてでございますが、免許出願日は平成十年五月十四日、免許取得日は平成十一年五月二十一日でございます。

○浅川委員 これはなぜ一年かかったんでしょうか。

○高野参事 これは、私ども免許を出願しまして、いろいろと免許を認める方で所定の手続がございました。その手続でこの程度の時間がかかったというふうに理解しております。

○浅川委員 通常、我々もそうですけれども、行政にいろいろ申請をしたり、それの許可という点ではもう少し早いように思うんですが、その手続ということで所定の時間がかかったということですが、一年もかかるものなんでしょうか。その中の議論というのはどういうことが行われたんでしょうか。

○高橋港営部長 港湾区域内の埋め立てにつきましては、港湾管理者が公有水面埋立法に基づきまして免許庁としての事務を行っております。
 今お尋ねの免許に要する期間がどういうふうになっているかということなんですが、この期間は特に定まってはおりません。埋立免許の出願から免許までには、手続といたしまして、告示、それから縦覧、さらには関係行政機関あるいは地元区長の意見聴取等がございます。特に地元区長の意見の聴取に際しましては、地元の議会の議決を得ることが必要な要件となっております。
 こういった手続を経まして、免許庁として埋め立ての内容が埋立法に定める埋立免許の基準に適合するかどうか、こういった審査を行いまして、免許することが可能と判断をしたときは、運輸大臣に対しまして認可の申請を行うことになっております。運輸大臣の認可を受け免許を行うわけでございますが、この出願から免許にかけましては、今までの私どもの経験でございますと、おおむね八カ月から一年程度の期間を要することになっております。

○浅川委員 それでは、平成九年四月に改定をされました豊洲・晴海開発整備計画というのがありまして、その中で、これはたしか一七ページだと思いますが、土地造成の方針として、防潮護岸の一部を宅地化し、連続する後背地と一体的な土地利用が行えるようにすると。この宅地化には、宅地内緑地と説明がありますけれども、この免許申請についても一部宅地化ということで行ったんでしょうか。

○高野参事 免許の申請に当たっては、その埋立地の土地利用をあらわしておりまして、緑地となっております。

○浅川委員 そうすると、一部宅地化ということについては、埋め立て後に変更されるということでしょうか。

○高野参事 土地の緑地としての利用形態は変わりませんけれども、それを宅地内緑地とするかどうかについては、埋め立て後、まちづくりの全体の計画の中で決めていくものというふうに考えております。

○浅川委員 これは改定された整備計画では宅地化をしていくという方針が明確に書かれているにもかかわらず、緑地で申請をされたということについては、何か経過があるんでしょうか。

○高野参事 宅地内緑地も普通の緑地も、土地利用としては、埋立免許上緑地ということで整理をしてあるということでございます。

○浅川委員 その後の土地の使い方について、宅地化して区画整理の中に編入をしていくという点では、通常の緑地と宅地ということで大変な違いがあるはずなんですが、そういうことをこの申請の時期に明確にされないで申請をされたのはなぜかと聞いておるんです。

○高野参事 先ほどもお答えしましたように、埋立免許出願では、埋め立てる土地の土地利用をどうするか。つまり、住宅用地にしますよとか、商業用地にしますよとか、緑地にしますよとかいう土地利用をきちっと決めて図化して申請することになっております。そういう意味で緑地というふうにしたものでございます。

○浅川委員 そうすると、宅地化するかどうかというのは、埋め立て後の事業の中で、先ほどちょっと伺いましたけれども、変更するかどうか、改めて判断をされるということですね。

○高野参事 平成九年三月の推進計画におきましては、豊洲・晴海の計画につきましては、その埋め立てた緑地の一部を宅地化することを検討していくということで開発の全体の、豊洲のまちづくり全体を考えておりまして、現在その方向でいろいろな調整を図っているところでございます。

○浅川委員 結局それは埋め立て後の区画整理事業の中にこうした土地を取り込んでいくということになるんじゃないかなというふうに思うんです。そういう点では、事業としては区画整理は建設局の方で取り扱っているというふうに理解をしておりますが、そうした減歩なんかの変更にもかかわる問題だということについてだけ指摘をしておきたいと思います。
 この防潮護岸を埋め立ててつくるという事業費は、これまでの経過でお聞きするところだと六百億円、開発利益を受ける民間業者の負担が二分の一、それから東京都も二分の一負担をする計画だというふうに聞いております。
 そこで、なぜ東京都が二分の一負担をするのかということと、それから、都の負担のうち埋立会計の負担額というのは幾らなんでしょうか。

○高野参事 豊洲におきまして、埋め立てによりまして防潮護岸を整備するわけですけれども、この整備につきましては、現在の豊洲地区の全域が既設防潮堤の外側に位置していることから防潮機能を確保する必要があること、また、都民に親水性にすぐれた緑地を提供するという公共的な目的を有している整備事業でございます。
 このため、当初は全額を東京都が負担することとしていたところでございますけれども、防潮護岸の整備によりまして、豊洲地区の土地の利用価値が大きく増進することが見込まれますことから、その受益の範囲内で二分の一の開発者負担を導入したものでございます。
 なお、東京都の負担分、二分の一の三百億円のうちの埋立事業会計が負担する部分は百五十億円でございます。

○浅川委員 この経過について、先ほども若干申し上げましたが、エネルギーの供給施設ということで、埋め立てと、それから土地利用が特別に民間の事業者に認められてきたということで、それだけでも十分に民間業者にとって利益を受けてきたというふうに思うんですが、エネルギーの供給の役割が終わって、市街地開発を進めるというのであれば、それにかかわる基盤整備というのは当然地権者の負担で行うのが原則であるというふうに思います。そういう点では民間事業者への配慮のし過ぎではないかと私は思います。
 さらに、防潮護岸の整備の方法についても疑問がありますので、ちょっと伺いたいんですが、自然環境保全の立場から、今海をどんどん埋め立てて開発するということには疑問の声が上がっております。防潮護岸の整備の方法についても、現在の土地を使って、陸上防潮堤というやり方で、埋め立てということによらない方法もあったのではないかというふうに思うんですが、なぜそうした方法をこの豊洲の埋め立てではとらなかったのか、お伺いをいたします。

○高野参事 豊洲地区につきましては、ほとんどが現在民有地でございます。そのまちを機能転換をして新しくつくっていくときに、親水性の緑地、つまり水際線を都民に開放するという観点から、水際線に水に親しめる緑地を整備していく必要があるだろうということで、その部分につきましては最小限の埋め立てをして整備しようということにしたものでございます。

○浅川委員 防潮護岸の整備という点では、同じ臨海地域でも、臨海副都心地域の防潮護岸については陸上防潮堤というやり方で整備が進められております。これは、今豊洲で埋め立てをしようとするやり方よりもはるかに事業費も少なくて済むということで紹介しますが、皆さんもご承知ですが、以前の公営企業委員会での質疑の中で、臨海副都心地域の陸上防潮堤については、整備延長六・五キロで事業費は六十億円、今度の豊洲の埋立防潮護岸は整備延長が四・三キロで、先ほどご答弁いただきましたように六百億円の事業費がかかるということで、はるかに少ない事業費で防潮護岸が、この埋め立てという方法によらずにできるやり方はあったんだというふうに思っています。
 この莫大な費用をかけて埋め立てて、先ほどちょっと伺いましたが、区画整理事業に組み入れるということで一番得をするのはだれかといえば、開発利益を受ける大企業、大規模地権者ではないかというふうに思うんです。こういうことを東京都があえて埋め立てを行う必要性は私は見当たらないというふうに思います。
 もう一点、埋立会計の立場から見ても問題があるというふうに思うんですが、埋立会計は本来コアの埋立整備の事業を独立採算で収支をする会計だというふうに理解していますが、この事業によって生み出した土地を処分するということであれば、当然ながら貴重な都の財源にもなるというふうに思うんです。
 ところが、先ほどの答弁にもありますように、この豊洲の埋め立てについては、百五十億円も埋立会計で負担をして造成を行い、そして、これを緑地として提供するということになるんですが、なぜ埋立会計が百五十億円も負担をしなくてはならないのか。埋立会計から見れば、赤字とか損失の事業だといわれても仕方がないように思うんです。こういうのは公営企業の本来の趣旨から外れるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○高野参事 その前に、先ほどの防潮堤の整備にかかわって、陸上防潮堤にすれば安くできるではないかというご議論がございました。確かに臨海副都心の中においてはそういう形で整備をしたところもございますけれども、それは臨海副都心の大部分が都有地でございまして、自分の土地でございます。それから、水際線に比較的広く緑地をとったりすることが可能なところが多うございまして、そういうところでは緩傾斜で緑地をとった上の方に簡単な施設をつくって防潮堤とすることができたということで、工事費を安く防潮護岸ができるということがございますが、豊洲の場合については、すべてが民有地でございますから、民有地の方が三十メートルなり二十メートルなりどうぞお使いくださいといってくれれば、それは可能かもわかりませんけれども、広域幹線道路に対する開発者負担等もありますし、なかなかそういうことにはならなかったということでございます。
 それから、埋立事業会計がなぜ負担するのかということでございますけれども、豊洲の防潮護岸につきましては、高潮から新しくできたまちの都民の生命、財産を守るという一般会計としての側面と、埋立地の環境整備として親水、緑地化を図るという埋立会計の側面とをあわせ持つというふうに考えておりまして、そのことから、都負担分につきましては一般会計と埋立会計とで折半して負担することとしたものでございます。
 これまでも埋立事業会計でいろいろな公園あるいはスポーツ施設等を整備していることはご案内のとおりかと思います。

○浅川委員 臨海副都心地域とは違うんだといわれましたけれども、今、民間の協力が得られればという答弁がありましたが、ここは開発をして一番利益を受けるのは民間業者でありまして、しかも、特別に自分たちがこれまでエネルギー事業でありますとか、そうした埋め立てを認められて利益を受けてきたわけでありますから、十分にその利益は還元をされておりますし、新たに開発をするという点であれば、確かに広域幹線道路への負担という面もありますけれども、しかし、基本的にはその当事者が防潮護岸の整備をすべきだというふうに思います。
 今、埋立会計でもほかの事業等で公園等を整備した経過はあるというふうにいわれましたけれども、それは、埋立事業の中で全体事業費をどうやって会計として独立採算でやっていくかという点でいえば、これは全くの持ち出しでやられるわけですから、私はやはり公営企業会計の本来の趣旨から外れるというふうに思うんです。
 例えば、隣の有明北の埋め立てではどうやって事業費を捻出するんですか。豊洲のように持ち出しということがあるんでしょうか。

○高野参事 有明北地区の埋め立てにつきましては、その埋立地の中に周辺の民有地も含めて新しいまちをつくるという埋立造成の主目的があります。護岸整備につきましては、その親水緑地とともにそれに付随するものというふうに考えております。
 一方、豊洲地区においては、都民の生命、財産を守るという防潮機能が非常に大きな目的でございまして、両者の埋立事業はその整備目的を主目的では異にしているというふうに考えております。このため、それぞれの整備目的に適合した整備手法を用いることとしたものでございます。

○浅川委員 埋立事業会計が不採算を承知で負担を、持ち出しをして整備をしなければならない理由にはならないというふうに思いますね。もし防災とか防潮、生命、安全を守るという点で、事業の整備という点でいうならば、それは一般会計が全額持つということもあるわけでありまして、それは埋立会計が赤字を出して、あるいは不採算というようなことでやるべき性格のものではないというふうに、この点は指摘をしておきたいというふうに思うんです。
 最後に、臨海部関連の広域幹線道路事業費、これが四千百億円ということで今まで聞いておりますけれども、この区分については、公共が二分の一、開発者負担が二分の一、こういうふうになっておりますが、その開発者負担の内訳、臨海会計、有明北地区、豊洲地区、晴海地区、それぞれ幾らでしょうか。

○高野参事 広域交通基盤整備にかかわる開発者負担についてのお尋ねでございますけれども、臨海副都心開発事業会計の負担額は約九百七十億円を予定しております。それから、晴海、豊洲、有明北につきましては、大部分が民有地でございまして、現在各地区の民間地権者と開発に向けた協議を進めているところでございます。
 それぞれの開発者負担額とその負担の方法等についての合意もその協議対象となっており、協議途上の現段階では個別の負担額は明らかにすることは適当ではないと考えておりますので、ご了承願いたいと思います。

○浅川委員 広域幹線道路事業費の総事業費というのは四千百億ということで、これは明らかになっているんですね。臨海会計の九百七十億ということについても、これまでの記録等で明らかになっているんです。今お答えいただいた交通基盤整備という点でいえば、「ゆりかもめ」等ありますので、この四千百よりも若干上に出るかもしれませんが、しかしながら、全体の大枠が決まっていて、臨海の会計の負担も決まっていて、それで開発者負担ということは基本的に合意をされていて、有明北や豊洲や晴海地区の数字が答えられないというのはおかしいというふうに思うんです。都民の税金を使う事業で既に十年度でも一部始まっていますね。そういうことについて、なぜお答えができないんでしょうか。

○高野参事 先ほどもお答えいたしましたように、開発者負担の額とその負担方法等についても各地区の民間地権者との協議対象となっておりまして、協議途上の現段階では個別の負担額を明らかにすることは適当でないというふうに考えております。

○浅川委員 そうすると、臨海だけは九百七十で決まっているけれども、仮に四千百からーー二分の一ですから二千五十ですけれども、九百七十を引いて千八十ということになりますが、有明北地区、豊洲地区、晴海地区というのはこれから数字が動く可能性があるということなんですか。

○高野参事 広域交通基盤整備には、先ほど先生も申されましたように、「ゆりかもめ」の負担分とーー先ほどの四千百億円というのは広域幹線道路だけですので、「ゆりかもめ」等の負担部分も多少そこに上乗せをされてまいりますけれども、これから動くかどうかということについては、事業費の精査、それから、まちをどういう形で整備していくか、つまり、これは受益の問題もございますので、そういう協議をしている。それから、その負担金額をどういう形で負担してもらうかということについても、まだ最終的に合意に至っておらないところがございますので、現在個別の金額を明らかにするのは適当ではないというふうに考えております。

○浅川委員 臨海については九百七十億の負担ということで、これまでの議会の議論の中でも、年間何十億とかいうような負担で、これが新たな都民負担になりかねないではないかというような議論もありましたし、今幹線道路が、本当にこの事業に緊急性があるのかという議論も私たち行ってきたんですけれども、有明北や豊洲・晴海地区でも開発者負担ということでは基本的に合意をしているわけですが、相手の意向があるということで、これも先ほどの埋め立てではありませんけれども、本当に企業側には配慮をしているんではないかというふうに思うんです。
 都民の税金も使われていることでありますし、莫大な金額でありますし、やはりこういった事業費というのは逐次明らかにして、その見通しが一体あるのかどうなのかということも含めて早急にぜひ明らかにしていただきたいと思います。
 最後に意見を申し上げますので、ぜひ聞いていただきたいと思います。
 先日委員会で、沈埋トンネルを視察させていただいたんですね。私の率直な感想は、俗っぽいいい方で申しわけないんですが、三多摩には金が来ていないなというふうに思って、これが実感なんですね。皆さんは、それは仕切りの違う、全く世界の違う話だよ、そういうふうにいわれると思うんで、そのことも百も承知なんですが、我々多摩地域では、下水のないところもあれば、車がすれ違えないという道路ですよ、そういうところもありまして、そういうところがあるんだということをぜひ認識していただきたいというふうに思いますし、これまでも臨海開発については、埋め立てて貴重な自然を失う点や開発目的が破綻しているのではないかとか、新たな財政負担になるんじゃないかというような点を議論してまいりましたけれども、ぜひ立ちどまって見直していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

○森田委員 私は、臨海副都心の開発状況を含めて少し伺いたいと思います。
 先日も臨海部にちょっと行ってまいりました。もう少し寒い時期でしたけれども、臨海部は大分変わってきたなという実感を持ちました。この副都心には、この四月にはアクアシティお台場が開業するとか、あるいは日商岩井の本社のビルが移ってくるとか、さまざまな動きがある。ちょうど私が行ったところでは、国際研究大学村ですか、こういう工事が、かつての臨海部が始まったころのようにクレーンがいっぱい立って、また動き出しているなという感じを受けたわけです。
 この臨海副都心、これは都民の貴重な財産ですので、有効に活用していくことが必要ではないかなということを含めて、何点かお伺いしたいと思うんです。
 まず、平成十年度の臨海副都心開発事業会計の決算では、国際研究交流大学村などへの土地の売却によって、土地の処分収益が二百三十四億円と、前年度に比べて約二百二十億円増加しているようです。臨海副都心の開発について、一部では、先ほどもちょっと話がありましたように、見直すべきだとかいろんなご意見がありますけれども、この都民の貴重な財産を有効に活用して、都民が本当によかったなといえるような開発をしなくてはならない、このように思います。
 そこで、まずお伺いしたいんですけれども、この国際研究交流大学村、ちょっと聞きなれない言葉ですけれども、ここに売ったりして二百三十四億円の収益があったというんですが、この土地処分は今順調に進んでいると考えてよろしいんでしょうか。

○渡辺開発部長 臨海副都心における土地処分の状況についてでございますけれども、先生ご指摘のとおり、この四月にはアクアシティお台場が開業いたしました。また、デックス東京ビーチの第二期工事も現在進んでおりまして、十一月には竣工の予定である。先ほどお話のございましたように、文部省、通産省、科学技術庁の三省庁プロジェクトで、六ヘクタールの土地につきまして大学村を現在建設中であるというところでございます。
 さらに、昨年度三月には、第二次公募をいたしました松下電器の方と土地の賃貸借契約を結ぶことができたところでございます。
 今後、第二次公募の追加登録をいたしましたので、できるだけ早い時期に第二弾の公募を実施して土地の処分を積極的に進めていきたいというぐあいに考えてございます。

○森田委員 これは国の機関なんですけれども、正式には国際研究交流大学村というんですか、あそこに大学の村ができるような印象なんですけれども、実際のところ、この大学村というのはどんなものができて、現在どんな進捗状況になっているのか、教えてください。

○渡辺開発部長 国際研究大学村は仮称でございまして、これから開村する際には正式な名称を決めるということを伺っております。ちょっと舌をかむような名前でございますが。
 それで、大学村の事業の中身でございますけれども、三省庁の共同プロジェクトといたしまして、国際交流、産・学・官連携、情報発信の拠点を整備していこうというものでございます。最先端の科学技術の情報発信や研究成果を活用する科学技術理解増進推進拠点、以前サイエンスワールドと呼んでおりましたけれども、日本語名称ではこのような形で、科学技術に対する理解を進めていく拠点となるもの。それに国際的共同研究や途上国への技術移転、ベンチャー企業等との技術交流などを行うオープンスペースラボ、そして、留学生や研究者の宿舎と国際交流プラザが建設をされるものでございます。
 留学生研究者宿舎、千人が居住することができますけれども、これと国際交流プラザにつきましては平成十一年の十月に、科学技術理解増進推進拠点は平成十一年の十一月に着工いたしました。現在、地盤改良工事を終えて基礎躯体工事を行っているところでございます。オープンスペースラボにつきましては、平成十二年の三月に着工いたしまして、三施設とも平成十三年三月を目途に竣工をし、その後、事業を開始する予定であるというぐあいに聞いております。

○森田委員 今の科学技術の変化というか、IT革命といわれるような、そのような拠点になるような感じを受けるわけですけれども、もう一つ、バイオテクノロジーの施設をつくるというような話も伺っているんですが、この辺はどうなんでしょうか。

○渡辺開発部長 通産省におきましては、国際競争力のある新成長産業を育成するための経済新生特別枠といたしまして、そのミレニアムプロジェクトということで、国際研究交流大学村のオープンスペースラボにバイオインフォマティックス研究センターを新設することといたしました。
 このセンターは、遺伝子情報の利用のための情報処理、情報解析の研究、たんぱく質等の生体分子の構造予測を行える理論とコンピューター解析とを行う中核研究所であるというぐあいに聞いております。

○森田委員 臨海副都心、最初できるころは、私もテレポートセンターを中心にして世界へ情報発信する先端基地というふうに思っていました。現在発信しているかどうか、いささか疑問なんですけれども、この大学村ができることによって、いよいよ本領を発揮できるきっかけになるんじゃないかなというふうに思いますので、これは国の事業ですけれども、東京都も全面的に協力できるところは協力して、ぜひ大学村の成功を期していただきたいと思うんです。
 ところで、この臨海副都心、私が行ったときも大分人出が多かったですけれども、これから気候が暖かくなるに従って、ますますにぎわいを見せてくるんではないか。本会議、予特を通して、平成十一年度は三千万人を超えたというふうに伺いましたけれども、この人出の推移というのはどんな状況になっていますか。

○渡辺開発部長 臨海副都心の方への来街者といいますか、来訪者数の推移でございますけれども、平成九年に二千二百五十万人、十年には二千五百万人でございましたが、昨年、平成十一年には三千百五十万人というように、前年に比べて二六%増加をしたものでございます。

○森田委員 大変に人出が伸びてきている。三千万人というと、東京の人だけでいくと一人三回行ったというような感じで、すごい人数なんですけれども、人出が多くなったらそれによって東京都の収入がふえるかというと、これはイコールにならないんじゃないかというふうに思うんです。多くなることは非常に結構なことだと思いますけれども、人出が多くなることによるプラス面というか、メリットというのはどんなことを考えられますか。

○渡辺開発部長 多くの方々に臨海副都心の方に来ていただく。そういたしますと、そこで消費活動と申しますか、物を買ったり食事をされたりするということ、あるいは、ビッグサイト等で展示会等にご出席いただいて、新しい商品等について取引を行っていただく。このようにさまざまな経済活動が行われまして、臨海副都心そのものを中心にいたしまして経済が活性化してくる。それがひいては臨海副都心の評価を高めることにつながっていくというぐあいに考えております。
 こうした臨海副都心への経済的な効果、あるいは評判が高まっていくということが、最終的には土地価格に反映をされまして、臨海副都心開発事業の収益向上に寄与するとともに、臨海副都心が広く周知されることで企業者としての進出意欲にもプラスの面があるのかなというぐあいに考えてございます。
 いずれにいたしましても、臨海副都心のこのような活発な経済活動を刺激していくということで、東京全体の経済の活性化にも寄与できるのではないかというぐあいに考えてございます。

○森田委員 大変すばらしい。臨海副都心が東京を変える、そういうふうにぜひしていただきたいですね。
 そういう兆しが見えているわけですけれども、昨年ですか、二六%も人出がふえてきた。これによって何か、例えば、あそこにビルを持っているわけですけれども、賃料が少し上がったとか、そんなような兆しはあるんですか。

○渡辺開発部長 テナント料金等の問題につきましては、第三セクターあるいは進出した事業者の営業上の秘密に関することになるということで、私どもなかなか詳しい情報はつかまえておりません。
 一方で、私どもでつかまえている情報といたしましては、実は第二次公募の追加登録をいたしましたけれども、三十六社、これは追加分。それから、暫定の方は十社を上回るご希望があったということで、その中では非常に多様な企業がございまして、人出を十分吸収しようという企業の方もその中に複数含まれていたというところでご容赦いただきたいと思います。

○森田委員 ぜひ臨海部の価値を高めて、大いに高く売れるように頑張っていただきたいと思います。
 これも予特でしたか、「ゆりかもめ」が、増収が十五億とか三十億とかというような話も出ていたように、経済効果はあるんですけれども、あそこではっきりしたーー予特で出たと思うんですが、生産誘発効果は約十八兆円というふうに聞きました。大変な数なんですが、これだけの経済効果が出ているということは、逆にいうともう一つ、今雇用が非常に厳しい。雇用の環境を改善するために、やっぱりあの臨海部が何らかの寄与をするということはすごくすばらしいことじゃないかなというふうに思うんですけれども、雇用に対する効果というのはどんなものなんでしょう。

○渡辺開発部長 臨海副都心開発に伴います雇用誘発の効果でございますが、建設当初を含めた全期間で七十五万人というぐあいに推計してございます。このうち就業者や来訪者などの消費によってもたらされる雇用誘発効果、これは毎年効果が継続するものでございますけれども、年間七万六千人というぐあいに推計がされるものでございます。
 なお、既に議会等でご答弁申し上げておりますけれども、雇用創出効果七十五万人のうち、都内の雇用創出効果は延べ約四十五万人、うち都内中小企業への雇用創出効果は延べ約三十三万人というぐあいに試算してございます。

○森田委員 経済効果から雇用効果、非常に出てきているわけですけれども、この前も沈埋トンネルを見に行きましたけれども、臨海副都心、今交通手段としては「ゆりかもめ」が一番使われていると思うんですね。あとはレインボーブリッジ、それから臨海高速。やっぱりまだ、これだけの発展をこれから期そうというには交通の便が非常に足らないのではないか。道路も必要だ、いろいろ意見はありますけれども、やっぱり道路もなければ臨海部のこれからの発展というのは考えにくい。
 そういう意味で、「ゆりかもめ」がこれから増発をするという話が先日ありましたけれども、新橋の駅がもっと本格的に、今は仮駅ですけれども、本格駅になるともっと「ゆりかもめ」が増発できるというふうに聞いているんですが、この新橋駅の進捗状況とか計画はどうなっていますか。

○高野参事 新橋本駅の整備工事でございますけれども、現在、乗りおりの人たちの動線を一方通行にするなどしまして、駅舎建設工事を進めるとともに、システム工事を施行しているところでございます。いずれの工事も予定どおり進捗しておりまして、平成十三年三月末の開業に向けて着実に工事は進められていると聞いております。
 これが完成いたしますと、輸送力は、平日のピーク時で、一時間当たり現在の約九千人から一万五百人へと、約一七%増強されることとなります。また、JR新橋駅からの距離も約百メートルほど短縮されますので、利便性や快適性が高まるというふうに考えております。

○森田委員 新橋駅へ百メートル近くなるということは、新橋駅にはつながらない。やっぱりあそこは道路を渡ってくるということになるわけですね。
 それから、「ゆりかもめ」でもう一つ課題なのは、豊洲への延伸、これが非常に大事なポイントじゃないかなと思うんですが、この辺についてはどんなになっていますか。

○高野参事 豊洲への延伸につきましては、昨年十月に事業認可、十二月に施行認可を取得いたしまして、直ちに同月から平成十七年度末の開業に向けて工事が開始されまして、現在、有明北地区及び豊洲地区の二カ所において支柱工事を施行中でございます。

○森田委員 最初に申し上げましたように、この臨海副都心、都民の貴重な財産ですし、この臨海副都心がさらに有効に活用され、経済効果、あるいは、さまざまな点で都民がやはり臨海副都心が開発されてよかったなと思えるようにやっていかなくちゃならないなというふうに思っています。そのためには、交通アクセス、「ゆりかもめ」を初めさまざまな交通機関、道路の整備、こういうものを含めて臨海副都心全体の発展を期していく必要があるというふうに思っています。
 決算委員会ですのでこの辺で終わりますけれども、この臨海副都心の開発、大変に私たちは期待を持っていますし、意義の大きい事業だと思っています。そういう意味で、今後の臨海副都心開発における局長の決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○浪越港湾局長 臨海副都心開発は、都民の貴重な財産を生かしながら、二十一世紀の東京の活力と創造を生み出し、都民生活を支える新しいまちを創造する重要な事業というふうに考えてございます。
 また、お話にありました広域幹線道路を初めとする交通アクセスの整備は、臨海副都心の発展のみならず、東京全体の交通ネットワークの形成の観点からも重要で、計画どおりの整備が必要であるというふうに思っております。
 昨年は三千百五十万人の来訪者があり、この四月にはアクアシティお台場のオープン、さらには大学村の建設も進みまして、今後、第二次公募や暫定利用の公募も予定をしてございます。
 今後開発を進めていくためには、交通アクセスの充実は、まさにお話のとおり緊急の課題でございます。一日も早く交通基盤を整備いたしまして、臨海副都心を初めとする臨海地域が、これまでの投資を最大限生かしながら、二十一世紀の東京の活力を取り戻し、日本を牽引し得る地域となるよう総合的、一体的な開発を進めるため、局一丸となって取り組んでまいりたい、そのように考えております。

○嶋田委員 私も、臨海副都心開発と、それから東京臨海部の開発全体等について質問をしていきたいと思います。
 臨海部開発については、東京都議会の方も長い期間にわたって真摯な議論を積み重ねてきて、そして、いろいろ途中には見直し議論もあって、ようやくしっかりと事業の遂行に向けて少しずつ軌道に乗ってきているんじゃないかと考えるわけであります。私もそういう意味では、長い間、この臨海副都心の見直し計画とか、あるいはその開発に関して関与をさせていただきました。
 最近、有明北の問題なんかを中心として、これまでの都議会がかかわってきたような大切な議論をさておいて、知ってか知らないか、公有水面だけをとって、けしからぬとかというような形で、臨海開発全体の仕組みだとか、あるいはその実態、そういうものを無視した議論が見受けられるわけでありまして、私もかかわってきた人間として余りおもしろくないというか、違うぞというような感じもあるわけでありましてーー本当の話。そういう意味で、きょうは時間をもらいましたので、少し手前みそになりますけれども、自分なりに考えているようなことをきっちりやることが私の責務だと思っておりまして、ちょっと発言をさせていただきたいと思うところでもあります。
 まず、平成十年度の決算でありますから、一つは平成十年度決算の埋立事業会計、ここでは約七十二億円、それから臨海副都心開発事業会計で九十六億円の開発者負担を行っているわけでありますけれども、この両会計の十年度における開発者負担金の主な内容と金額を教えてほしいと思います。

○阿部総務部長 両会計の開発者負担金の主な内容についてでございますが、平成十年度におきましては、埋立事業会計は東京港臨海道路整備事業に六十四億円、城南島海浜公園整備事業に約三億円など支出しております。
 また、臨海副都心開発事業会計は、東京港臨海道路整備事業に五十五億円、下水処理施設整備事業に約二十一億円などを支出しております。

○嶋田委員 埋立事業会計、そして臨海副都心開発事業会計ともに、臨海道路の建設に対しまして多くの開発者負担を行っているわけであります。今の説明のとおり、合わせて百十九億円にも上っているわけであります。
 この臨海道路の歳出自体は一般会計で組まれていると思いますけれども、十年度決算額とその財源構成における両会計の開発者負担金の割合を教えてほしいと思います。

○阿部総務部長 東京港臨海道路整備事業につきましては、一般会計で歳出を組んでおりまして、その十年度決算額は約百八十一億円になっております。その財源としましては、埋立事業、臨海副都心開発事業の両会計が繰り出しております開発者負担金は合わせて約百十九億円でございまして、財源構成に占める割合は六六%となっております。
 残りの財源につきましては、国庫支出金が約十七億円で九%を占めており、都債を含む一般財源負担は約四十五億円、二五%にとどまっております。

○嶋田委員 今ご答弁がありましたように、臨海道路の建設は、その建設のお金の実に三分の二を開発者負担でやっているということでありますよね。その臨海道路は、基本的には港湾施設の一つであります臨海道路と位置づけられているわけでありますけれども、本来ならばこれは国のお金が五〇%、残りの五〇%を一般会計が負担するというようなルールで始まっている事業であると思うんですけれども、先ほどありましたとおり、都債を含む一般財源負担は約四十五億円で、構成比が約二五%というようなことでありますから、約半分の一般会計の負担でできているわけであります。
 本来ならば一般会計が持つやつを開発者負担がやる、そういう意味では非常にその分一般会計に貢献をしているというようなことは、私は両会計のご努力というか、頑張っているなということについて非常に評価をしたいというふうに考えているわけであります。
 そこで、確認の意味で伺いますけれども、臨海道路建設の目的と期待される効果、これについてどう考えているのか、港湾局の考え方を教えてほしいと思います。

○増田港湾整備部長 まず、東京港臨海道路建設の目的でございますが、第一に港湾機能の沖合展開に伴います物流の円滑化、第二番目に臨海副都心の開発に伴います交通需要への対応、第三番目といたしまして新海面処分場関連車両の分散化を目的といたしまして、沖合埋立地相互間を結ぶ道路として計画したものでございます。
 次に、東京港臨海道路建設による効果でございますけれども、現在施行中の第一工区が完成した場合、城南方面と中央防波堤外側地区、さらには青海地区とが直接結ばれまして、臨海部の交通の一層の円滑化が図られることとなります。その結果、城南方面から臨海副都心へのアクセスが容易になりますとともに、江東、江戸川方面との交通の円滑化にも大きく貢献するものと考えてございます。
 また、この道路は阪神・淡路大震災級の地震にも耐えられる構造となってございまして、震災時におきまして緊急物資の輸送ルートとして重要な役割を担うものと考えております。
 さらに、若洲まで東京港臨海道路全体が完成いたしますと、臨海副都心を初めといたします東京臨海部の発展はもとより、東京全体の経済の活性化に資する重要な道路ネットワークを形成するものと考えてございます。

○嶋田委員 臨海道路の建設は臨海部の発展に大きな効果をもたらすということは今のご説明でわかりますけれども、とにかく臨海だけじゃなくて、第二期工事も終われば、東京全体、あるいは千葉、あるいはこちらから始まれば神奈川、そういうような部分から東京全体、ひいては首都圏全体にもその影響力を及ぼしていくという、その活性化に対する貢献度は大変意義のある事業であると私は考えます。しかも、そういう事業が三分の一の公共負担で一応実現ができる、そういう事実をしっかりと押さえていかなきゃいけないというふうに考えるわけであります。
 私も長年臨海開発にかかわっておりまして、国の大臣がかわるたびに、建設大臣に国道三五七号線の早期建設要望をいっているわけでありますけれども、これが何回いっても、東京港トンネルのところの道路建設が具体的にならないんですね。困っているわけでありますけれども、そういう中で、国がやらないんだから、僕は東京臨海道路を東京都がしっかり努力しているということについては、本当に首都東京を担うという意味で非常にご努力をしているということをこれまた高く評価をしておきたいというふうに考えているところであります。財源の三分の二を開発者負担で賄うということで行われているということも確かに大変なことでありますので、そういう意味で認識をしたいと思います。
 ところが、この臨海道路をつくると、一般会計にも大変しわ寄せが来ちゃう、そんなようなところでいろんな議論がありますけれども、私は、一般会計というのは、この臨海道路に関する財源負担は常識的な範囲かなというふうに考えておりまして、そういう意味では、今までどおりこの事業の進捗についてもしっかりとやっていただきたいと思うところであります。
 そこで、この臨海道路を補てんする意味で伺いますけれども、臨海道路と同様に、公共性が強く、今東京の新名所になっている、あの平成五年につくりましたレインボーブリッジ、この場合は建設財源はどうであったんでしょうか、説明してください。

○阿部総務部長 平成五年に供用開始いたしましたレインボーブリッジの建設財源についてでございますが、この建設には約九百億円の事業費を要したところでございます。
 その財源としましては、国庫支出金を除いた約八百億円を埋立事業会計と臨海副都心開発事業会計が負担しておりまして、一般財源は投入をいたしておりません。

○嶋田委員 今の答弁のとおり、トータルで九百億円のうち国費が百億、約八百億円を埋立事業会計と臨海副都心事業会計でやった。一般財源は要りませんということであると思うんですけれども、やはり当初は一般財源の使用とか何かも検討があったと思うんですけれども、ここのところは恐らく私は、臨海開発を責任持って進める、特に埋立事業会計と臨海副都心開発事業の、何というか、意欲というか、並々ならぬ決意でこのブリッジを、道路を建設していったんじゃないかと思うんです。こういうような意欲を、今も見直し議論があったとしても、こういうような議論をしっかりと踏まえて積極的に僕はやっていくべきじゃないかというふうに考えるんです。
 この臨海道路とレインボーブリッジを取り上げて、財源問題で、開発者負担の役割、その評価をしたわけでありますけれども、さらに両会計は、先ほど議論がありましたとおり、臨海の新交通「ゆりかもめ」、さらにはこれから完成いたします臨海高速鉄道、これに対しても多くの財源を負担している。この事実も大切なことだと思うんです。
 私は、地元区大田区でも、埋立事業会計なんかが、例えば昭和島、京浜島あるいは城南島、こういう島を埋め立てて、それで既成市街地の公害工場を積極的に受け入れて、既存の市街地を本当に住みやすくした、そういうような経緯もあるわけでしょう。
 さらに、うちの西条理事が資料要求いたしました東京港における埋立地の変遷、これは昭和五十年時点と平成十年時点で対比して書いてありますけれども、約二十二、三年、約二十五年ぐらいの経緯がありますから、当初の利用の目的と実際やった形を見れば、もうほとんど生活関連施設みたいなものもどんどんつくられているわけですよ。本来なら一般財源でやらなきゃいけないところを、実際には埋立事業会計が担っているし、一部は臨海会計がやっているわけでしょう。そういう意味では、私はこの二つの会計、大変大きな役割を持っているんじゃないかと考えるわけであります。
 さらに、東京港のこれを見ると、公園がいっぱいありますね、海上公園。これみんな埋立事業会計でしょう、つくったのは。あるいは、一部臨海会計でもつくりましたね。港湾機能の中にこんなに自然公園があるというのも珍しい東京じゃないかと思うわけでありますけれども、最近はコンテナを置く場所がないから、公園をつくり過ぎたなんて反省もあるでしょうけれども、このように大変な自然公園をつくって、都民の皆さんが本当に利用している、こういうような大きな実績があるわけですね。そういう意味では、さらに埋立事業会計、今度は新しく臨海開発事業会計も、もっともっと役割を発揮していただきたいと思います。
 次に移りますけれども、先ほどもちょっと副委員長の浅川さんからもありましたけれども、環状二号、それから晴海通りの延伸、ことしの予算特別委員会でも論議の焦点となりました有明北の埋め立ても含めてちょっと質問をしていきたいと思います。
 この道路の問題と有明北の埋め立て、これは本質的には財源論の議論を無視してはできないんだと思うんですね。結局有明北というところを埋め立てて、それを埋立事業会計が完全に把握をして、例えば貯木場の事業者の移転補償に使うとか、あるいは道路の建設にも使うとか、いろいろな形でこの埋立財源でもって仕組みが成り立っているわけであると考えるんですね。
 そこのところをまずしっかりしておかなきゃいけないんですけれども、まず、おさらいを含めてお聞きしますが、環状二号線を初めとしたいわゆる臨海関連の広域幹線道路の計画事業費、ちょっと先ほども出ておりましたけれども、その財源の考え方はどうなっているのか、まずお聞きしたいと思います。

○高野参事 環状二号線延伸部、晴海通り延伸部、補助三一四号線及び補助三一五号線のいわゆる臨海関係広域幹線道路の計画事業費でございますけれども、合計で約四千百億円でございます。これを開発者負担と公共負担とで二分の一ずつ、おのおの約二千五十億円ずつ負担することとなっております。

○嶋田委員 これも今質問のとおり、二分の一ずつの負担割合ですよね。これはとにかく広域幹線道路の財源として予定されている開発者負担を生み出す上でも、この有明北の埋め立てというものは本当に必要だというふうに考え、あるいは埋め立てられた土地の一部も道路に使うようなこともあるわけであります。そういう意味では、財源ルール上の開発者負担、五〇%以上の実質負担がこの埋め立てによって可能となるというふうに私は考えているわけであります。
 そういう意味で考えますと、どうしても埋め立てをするということが前提であります。これがなくて広域幹線道路を通すという議論は私はないと思うんですが、いかがでしょうか。恐らく局長も予特の中で、埋め立てをしなくて道路をつくる、そういう場合は一般会計から六百億円もお金を出さなきゃいけない。それは当たり前のことですね、財源がないんだから。そういうことだと思うんですけれども、そういうことはもう不可能でしょう、きっと。不可能じゃないですか。僕は不可能だと思うんですね。
 そんなような議論を展開していくと、先ほどもちょっと浅川副委員長さんからありましたけれども、もう広域幹線道路なんか要らないよというふうになってくるんですよ。そうすると、広域幹線道路がなくなった場合は、その場合の影響というのは、臨海開発全体にはどういう影響が出ますか、お答えください。

○高野参事 仮に広域幹線道路の整備自体を取りやめるということになりますと、首都圏全体の道路ネットワークの形成にとって大きなマイナスとなり、臨海地域の交通渋滞も解消されません。このことは、港湾物流の改善による都民生活の向上にとっても打撃となると考えております。
 また、臨海地域の利便性向上にブレーキがかかり、この地域で進められている職住近接のまちづくりの実現も遠のいてしまうのではないかと考えております。
 広域幹線道路の開通によってもたらされることが期待されていた開発者利益が得られないため、これまでの投資が回収できず、最終的にはその穴埋めを都民負担で処理せざるを得なくなるというようなおそれも出てくると考えております。
 さらには、東京、ひいては我が国の活力を牽引する役割を担っております臨海副都心開発ができなくなり、期待されていた経済波及効果や雇用創出効果、税収効果の多くが喪失してしまうこととなると考えられます。

○嶋田委員 臨海部というところは、まずあそこは人が住んじゃいけないといっていたの、最初は。今湾岸高速があるでしょう。あれから海側は人は住んじゃいけませんということが委員会の綱領で決まっていますね。そのとおりですよ。けれども、そこを副都心の七番目として位置づけて開発しようということで始まったわけですから、そこへのアクセスをしっかりしない限りは人も行けないんですよ。今レインボーブリッジができて、「ゆりかもめ」が通って、それで人が向こうへ行けているんでしょう。それから、今度は臨海道路ができて、清掃作業車もできれば中央防波堤の利便性も向上するし、アクセスがあるからそういう機能が、生活ができるわけです。
 そういう意味で考えると、何としても交通アクセスが第一番ですよ。今いろいろ反省してみれば、臨海高速鉄道をもっと重点的にやればもっと展開が違ったんじゃないかと私は思うんですけれども、幹線道路と主要交通網の建設については、青島さんが臨海開発だめだといったって、都市博中止したって、見直しやったって、この幹線道路と交通アクセスの基本は崩れていないんですよ。それはみんなが大切だと思っているからですね。やっぱりそういう認識があるわけでしょう。
 それには、有明北のあそこは閉鎖水域ですよ。見直しの議論も、自然に配慮するために、埋め立てを少し縮小して、なるべく現在考えられる時点での英知を結集して、自然環境を取り入れて、それでどうやっていくかということが見直し議論だったわけですよ。そこが私大切だと思うんで、もっとしっかりとしてほしいなという思いでいっぱいです。
 それから、焦点の有明北の埋め立てについてもちょっと質問いたします。
 何か最近の議論は、これが突如計画されたというような観点での質問があるわけでありますけれども、臨海開発の長年にわたる検討の中で慎重に議論を尽くしてきた、そういう経緯から伺っていきたいと思います。
 まず、有明北の埋立事業計画が今日の計画の姿に至るまで、その経緯と内容の変遷について説明をしてほしいと思います。

○高野参事 有明北の埋立事業の経緯についてでございますが、昭和六十三年三月策定の臨海部副都心開発基本計画に基づきまして、同年七月の東京港第五次改訂港湾計画で、有明貯木場の水域約五十四ヘクタールのうち約四十一ヘクタールを埋め立てることといたしまして、平成元年四月の臨海副都心開発事業化計画で、職と住の均衡のとれたまちづくりを進めるため、有明北地区に三万六千人の居住人口を設定することといたしました。
 しかし、その後、有明北地区の埋め立てを含む臨海副都心開発につきましては、平成七年三月の都議会での、始動期後の開発については総合的に見直しを行うこととの付帯決議を受けて、同年九月に臨海副都心開発懇談会が設置され、見直しが開始されたところでございます。
 懇談会は平成七年の十一月に中間報告を、翌八年四月に最終報告を知事に提出し、これを受けまして、東京都として平成八年七月に臨海副都心開発の基本方針をまとめ、有明北地区埋立計画につきましては、自然環境を再生、保全し、潤い豊かな水辺空間を創出する観点から埋立規模を縮小することといたしました。
 これに並行いたしまして、都議会に設置されました臨海副都心開発特別委員会においては、平成九年五月までの約二年間に、二十三回に及ぶ委員会で慎重かつ精力的な審議が行われました。都は、こうした都議会の議論や懇談会の報告並びに都民から寄せられました意見を総合的に勘案いたしまして、平成九年三月に臨海副都心まちづくり推進計画を策定し、有明北地区については埋め立ての面積を約三十五ヘクタールに、さらに同地区の居住人口を二万八千人にそれぞれ縮小することといたしました。そして、これを、平成十年四月の東京港第六次改訂港湾計画に現在の埋立計画を位置づけたものでございます。

○嶋田委員 長い間検討したから説明も随分長かったですよね。(笑声)いや、本当ですよ。そういう意味で、結局何がポイントかというと、自然環境に配慮したんですよ。だから、埋立面積も小さくしたでしょう。例えば、東雲と有明との間、あそこは当初の計画では十五メートルしかあけなかったじゃないですか。今度の見直しで五十メートルあけたでしょう。それも一つですよ。
 それから、閉鎖水域の両サイドを今度親水性をやったんでしょう。それから、こういう親水性護岸をつくるんでしょう。そのように長い間かけて、この親水護岸を初め、有明の埋め立ても、本当は公有水面を埋めちゃいけないよという議論が先にあれば、それはそういう議論になるかもわからないけれども、埋め立てなければ金が出ないんだから、金が。そうでしょう。金が湯水のごとくあれば別ですよ。大体開発の仕組みというのはそういうことでやるんですよ。
 さっき豊洲の問題があったけれども、五十ヘクタールのうち道路でとられる量ってどれくらいですか。十ヘクタールが道路ですよ。民有地。道路なんか要らないといったらつくれないでしょう。それほど交通アクセスが必要なの。だから、みんな協力し合っているんですよ。
 そういうように考えると、有明の埋め立ての例の経緯を今ご説明いただきましたけれども、まさに今日の計画になるまでにはたくさんの時間と労力をやりました。民主的な手続も僕はやったと思います。そういう意味では、当初の計画と比べて、環境保全、そういう面でも十分配慮された計画へと改善されたと思います。
 少ししつこいですけれども、現在の有明北の埋立計画が、環境面へのさまざまな配慮、具体的にどうなったか、いってください。

○高野参事 環境面への配慮についてでございますけれども、有明北地区の埋め立てに当たっては、あそこの水域全体で五十四ヘクタールございますけれども、三分の一強に当たります約十九ヘクタールを水域として残しました。これは、先ほど先生からもありましたように、両側に水域を広くあけ、真ん中の水路を五十メートルに拡幅したということでございます。
 それから、前面にあります旧防波堤の周辺でございますが、この部分は昔の石垣積みの緩い傾斜になっておりまして、水質が悪くなる夏場においても、ハゼを含む水生生物が生息しているところでございますけれども、その部分はそのまま保全してまいることとしております。
 それから、護岸のうち、直立の護岸につきましては、ハゼのえさとなるカニなどの甲殻類が生息できる機能を持った、私どもで近自然型ブロック、こういっておりますけれども、そういうブロックを備えた護岸とすることとしておりまして、この具体的な取り組みにつきましては、海域においては日本で初めての試みとなります。
 さらに、干潟機能を持った緩傾斜型護岸や潮入りを整備するとともに、しゅんせつした部分、これは工事上どうしてもしゅんせつしなければいけない部分が出てくるわけですけれども、それは既存の水底土砂で覆土するなど環境に配慮していくこととしております。
 また、背後には緑地や水辺の散歩道などのオープンスペースを設けまして、人々が自由に散策できるように整備してまいります。
 以上のことにより、水生生物や鳥類の集う旧防波堤の緑と一体となった潤い豊かな水辺環境が創出されると考えております。

○嶋田委員 いろいろ答弁ありましたけれども、最後の説明がポイントですよね。今の有明のあそこは、陸側から行けないんですよ。民有地があって入っていけないでしょう。それを今度は都民が水際線まで水と緑に親しめる空間をつくるわけでしょう。つくるんでしょう。大切なことでしょう、これは。現在水域は東も西も南も三方ふさがっているのです。それは直立護岸ですよね。そうでしょう。そんなんじゃだめなんですよ。それをしっかり陸側から入れないやつを入って、それで都民が親水性を楽しむというようなこともやったわけだから、そういう意味でもここのところは私、大切なところだと思います。
 しかし、港湾局だらしないですよ。現場に、ここはそういうものになるんだということをちゃんと掲げてありますか、あの水域に。看板でも出して、有明北はこうなりますということをもっとでかいものを出してみんなに見てもらうんですよ。そうでしょう。何もないじゃない、行ったって。ほっぽってあるだけですよ。だから、材木業者がいなくなれば、ほかの人が入ってきちゃっている。例えば、都内の道路の土地買収をやった後どうなっていますか、知っていますか。移転したらちゃんとさくをつくって、そこは使われないようにするんですよ、きちんと。そうしなかったら道路用地なんか確保できないですよ、やたらと駐車場になっちゃって。それと同じ発想なんですよ。だから、僕は有明北、いろいろ考えると、どうも港湾局、言葉ではいっているけれども、本当に都民の皆さんに、こうなりますよということをもっとしっかりしなきゃだめだよ。本当だよ。足りないんだよ。
 それは、だって船で来れば、プールみたいなところだから、波がないんだから、入れるんだから。そうでしょう。そういうような実態になっちゃうよ。だから、今度の予特の議論でもそうだけれども、それじゃだめだよ。それじゃだめ。それで、局長はハゼの議論ばかりやっていて……。(笑声)ハゼが卵なんか産むあの防波堤のところは残すんですよ。ちゃんと残るんだから。そうでしょう。そうなんです。だから、もっと自信を持ってきちんと今までの計画を都民にアピールすることですよ。看板ぐらいつくることですよ。それから、この水面はこうなるということをもっともっと真剣にやってほしいよ。(「開き直ってちゃんとやれと」と呼ぶ者あり)そういうことだ。そう思います。
 それから、まだ質問があるんです。
 私なりにこの問題を整理すると、まず一つは、環境面について格段に改善された計画がつくられたと思います。それから、二つ目には、前例のないほど手続を踏んで都の計画として決定された現行の計画は、いわば本当にみんなで真剣にやったんだからーーもちろんいろんな議論はありましたよ。けれども、やったんだから、そういう公定力を持っているという点が大切なことです。
 それから、決して密室でやったわけではなくて、都民の皆さんに会議をみんな公開して、周知してやってきたわけでしょう。そして、都の正式な計画として地権者や関係事業者にも実際には認知をして、その前提として民間企業等の意思決定もやったんですよ、地権者。私は随分江東区の代表の人たち、地権者を連れて要請活動もやりましたよ。そういうような積み上げがあるんです、ここには。
 そこで伺いますけれども、最後にここのところをいいますけれども、有明北地区の民間地権者とこれまでの折衝状況、現在どうなっていますか。

○高野参事 有明北地区の民間地権者とは、昭和六十三年に協議の場を設置し、事業継続、開発者負担、まちづくりの将来像について協議を重ねてきているところでございます。その結果、平成五年に地権者と開発に関する基本的な合意をいたしまして、平成九年には広域幹線道路等の整備にかかわる開発者負担について基本的な了解を得ているところでございます。
 また、埋め立てに伴い、現在地での事業継続が困難となる水面利用者の補償についても契約を完了し、一部の事業者については移転先で既に事業を開始しているところでございます。
 さらに、「ゆりかもめ」建設予定地にある地権者との移転に関する協議も既に調っているところでございます。
 現在は、有明北地区の将来のまちづくりについてガイドライン策定に向けた協議を行っているところであり、民間地権者との調整は順調に進んでいるというふうに考えております。

○嶋田委員 もうとにかく始まっているんですよ。それで、これは、ちょっと資料を読むと、埋め立ての総事業費のうち工事に要する費用は四百億円。その内訳は、護岸工事が約二百四十五億円、埋立工事が約百四十億円。そして、今ある仕切りの撤去で約十五億円。工事費のほか、地権者に対する補償費や環境調査等の費用が約百二十九億円であり、合計で五百二十九億円の計画をしていますということで始まっているんですよ。
 したがって、もはや有明北の埋立計画は単純な計画の段階じゃないんですよ。よく皆さん心に入れておいてくださいよ。まさに実行の段階に突入しているんですよ。実行の段階に突入しているの。けれども、現場に行くと、何にも、実行の途中の掲示も何もないんだ。本当だよ。恐らく埋める土は中央防波堤に多少積んであるぐらいでしょう、今。だと思うんですよね。そうじゃなくて、それは実行の段階ということはもっと都民の皆さんに大きくPRすることが必要なんです、正しく。そういうことが私は必要だと思います。
 私としては、現行の有明北の埋立計画をこれまでの議論の集約として尊重すべきものと考えており、ぜひとも計画どおり着実な事業実施をお願いしたいと思います。
 そういうことを中心として、最後にハゼの議論で随分ご苦労いただきました港湾局長に決意を伺いますけれども、現行の臨海副都心まちづくり推進計画、私はこれはこれまでの議論の積み重ねを評価して、推進計画を評価いたします。
 最後に、これまでの開発の経過の重みーーこれが大切なんですよ、重みも振り返りつつ、今後の臨海開発推進に向けた浪越局長さんの具体的な決意をお願いします。

○浪越港湾局長 今いろいろお話がございました。これまで臨海副都心開発懇談会や臨海副都心開発特別委員会を初め、議会等で議論に次ぐ議論をされ、真剣な議論の積み重ねの結論として現在の計画があり、今お話のありましたように、既に実行の段階にあるというふうに考えてございます。
 今回の議会で埋め立てに関する予算も議決していただいてございます。そういうふうなことで、私ども一生懸命にやっていきたいというふうに考えてございます。
 現在この計画に基づきまして、都市基盤の施設や広域交通基盤の整備が進みつつありまして、有北では地権者の合意もなされた上で実際に移転も進むなど、着々と事業が進展している状況でございます。目を転じてみれば、近年、バブル経済崩壊の影響や台頭するアジア諸都市の追い上げが見られるものの、やはり東京は引き続き世界の都市として重要な地位を占める必要があろうかと考えてございます。
 今後、世界的な規模での都市間競争が一層激化する中で、東京における経済活動の成否はまさに全国に多大な影響を及ぼしまして、大げさな言葉でいえば、日本の盛衰を左右することになるといっても過言ではないのではなかろうかというふうに考えてございます。したがいまして、今後とも、これまでの成果を踏まえまして、臨海副都心開発の一層の推進に向けて職員一同全力で取り組んでいくつもりでございます。

○松村委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十二分休憩

     
   午後三時八分開議

○松村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤田委員 平成十年度の公営企業、臨海副都心開発についてを中心に質問してまいりたいと思います。
 平成十年度における臨海副都心開発状況について、事業費と事業の進捗状況についてまず伺いたいと思います。

○渡辺開発部長 平成十年度におきます臨海副都心開発の事業費は、他会計も含めまして約三百三十億円でございます。一方、今回の委員会でご審議いただいております決算におきましては、臨海副都心開発事業会計の建設改良費は五百十八億円でございますが、開発費及び基盤引取費が約五百十二億円ほどございますので、実質的な工事費は約二億円程度となってございます。
 それから、これまでの事業の進捗状況について見てまいりますと、平成十年度末時点で「ゆりかもめ」、臨海高速鉄道、レインボーブリッジが開通するとともに、道路、公園、共同溝が整備されるなど、地域内都市基盤の約八割が完成しております。また、有償処分面積の約四割を占める土地処分が終了しております。
 平成十年度の主な動きといたしましては、六月に第二次公募の募集予定者として、有明南LM区画に松下電器株式会社及び、三社のグループでございますが、株式会社テーオーシー、森トラスト株式会社、株式会社三和銀行を決定いたしました。
 平成十一年に入りますと、二月に国際研究交流大学村の事業者、通産省などを決定し、三月には有明の丘の病院の事業者として財団法人癌研究会を決定したところでございます。
 また、ホテルやアミューズメント施設といたしましては、平成十年六月にホテルグランパシフィックが開業し、十一年三月には青海T街区及びS街区の一部に暫定利用施設のパレットタウンが部分開業をしたという状況でございました。

○藤田委員 この開発は十年ごと区切っているわけですけれども、その十年というのは開発の始動期の最終の状況にあるわけです。私たちは、この臨海副都心の開発が開始されたときから、一挙に開発するという資金計画や、それからまちづくり計画において、初期の時点で計画に無理があるというふうにいってまいりました。都心への人口集中、それから埋め立てが都心のヒートアイランド現象につながることなど、環境への問題を提起したわけでございます。
 しかし、既に莫大な起債を起こしていますし、将来の負担を可能な限り減らしていくこと、開発を段階的な開発にして速度を遅くしていく、それから規模を縮小すること、それから将来世代に選択の余地を残しておくことや市民参加による見直しを求めてきたわけです。こうした経過もあって、青島知事の誕生を契機に平成九年に見直しがなされたわけです。過去何回もこの開発については見直しがあったわけですけれども、当初の負荷や財政の環境にどう対処していったかがポイントであったというふうに思います。
 そうした点で、現在では平成九年の見直しに立ち返る必要があるというふうに私は思っています。この平成九年の見直しで地代と権利金収入は減少しているわけですけれども、どんな原因でどのくらい減少しているのかを伺いたいと思います。

○渡辺開発部長 臨海副都心開発事業会計の収支均衡年次までの地代及び権利金収入の合計でございますが、平成二年九月試算におきましては約四兆三千六百億円でございましたが、現行の平成九年二月試算では約二兆二千五百億円と見積もってございます。その差は約二兆一千百億円でございます。
 この違いについてでございますが、基本的には、バブル経済の崩壊など社会経済状況の大幅な変化を受けまして、土地利用方式や土地の平均価格を見直したことによるものでございます。具体的には、平成二年の試算におきましては新土地利用方式を採用し、業務・商業用地の土地平均単価を一平方メートル当たり二百五十七万円と定めていたのに対し、平成九年の試算では土地処分方式を通常の長期貸付方式に変更し、業務・商業用地の土地平均単価を一平方メートル当たり百十四万円と改定したことなどによるものでございます。

○藤田委員 今のお話ですと、平成二年九月の試算で約四兆三千六百億、それから九年の二月では二兆二千五百億というわけですから、二兆一千百億の大穴があいたということですよね。今ご答弁があったような地価設定が現在では信じられなかったことなんですけれども、バブルで踊ったのはもちろん都だけではなくて、すべてですけれども、都としての判断の責任といいますか、甘かったということがあるというふうに思うわけです。
 それで、九年の見直しの結果として、規模縮小やスケジュールの変更によって収支が見直しをされて事業計画が改定されたわけですけれども、その平成九年度の見直しにおける試算で、地代、権利金収入の前提条件として地価上昇をどのように前提条件としてきたのかをお伺いしたいと思います。

○渡辺開発部長 平成九年の長期収支試算におきましては、地価上昇率を平成十一年度まではゼロ%、平成十二年度から平成十六年度までは毎年二%、平成十七年度以降は毎年三%と見込んでございます。

○藤田委員 平成十一年度まではゼロ、そして十二年度以降が二%の地価上昇というようなご答弁があったわけですけれども、財務局のデータによっても、基準地価の指数が、区部の商業地域で九年で一五七・七、十年が一三三・三、十一年が一二二・二というふうに、九年度から地価がどんどん下がってきているわけです。皆様方の実感としてももちろんそういうふうになっているかと思うんですが、こういう数値が事業計画の収支の前提を狂わせているわけですし、それから、穴が広がるのではないかというような感じを覚えているわけです。計画の十二年度地価上昇二%というのはかなり厳しい状況ではないかと思うんですが、認識を伺いたいと思います。

○渡辺開発部長 平成十一年度までは地価上昇率ゼロということでございますが、現在の臨海副都心におきましては、上昇もせず、また値下がりもせず、同じペースで進んでおります。
 お尋ねの平成九年の長期収支試算では、平成十二年末の臨海高速鉄道の大崎延伸等を勘案いたしまして、平成十二年度以降二%の地価上昇を見込んでございました。しかしながら、臨海高速鉄道の大崎延伸が平成十二年から十四年におくれたため、その影響を受けるものと私ども考えてございます。
 長期収支試算は長期にわたる臨海副都心の財政見通しを立てるためのものでございますので、短期的な地価の動向等との間には乖離が生じるのは、この長期収支試算の性格上やむを得ないものであると考えております。
 地価動向につきましては、先生のご指摘がございましたけれども、東京全域で同一歩調で推移しているものではございません。例えば、平成十二年の都内の商業地の公示地価を見てみますと、公示地価は三月二十三日に発表されておりますけれども、千代田区で平均五・八%、新宿区で平均五・七%の減でございます。
 一方、銀座では上昇しておりますし、内幸町、大手町、京橋などでは横ばいのままという状態でございます。
 平成十一年の基準地価におきましても、臨海副都心と同様に新たなまちづくりが進んでいる晴海や港南地区では横ばいという状況でございます。臨海副都心ではさまざまな施設が開業しておりまして、都心部の下落部分を実質的には相殺するというような効果が生じているのではないかと思っております。また、臨海副都心のように開発が進行中の地域における地価動向につきましては、単純に前年度と比較して地価上昇を見積もるということは妥当ではなく、アクセスの向上でございますとか域内の開発の進展、成熟を踏まえて、既成市街地等の地価水準も参考にすべきものであるというぐあいに考えております。
 ちなみに平成十二年の公示地価におきましては、今後臨海副都心と接続が予定されております恵比寿駅周辺では二百七十九万円、目黒駅周辺では二百十一万円、五反田駅周辺では三百三十五万円ということになってございます。私どもといたしましては、臨海高速鉄道の大崎開業後の臨海副都心の地価水準は、私どもの長期収支の試算では平米百十四万円が平均でございますが、これらの既成市街地と比較いたしますとかなり割安の数字でございますので、開業に伴いまして相当の上昇があるのではないかというぐあいに考えてございます。
 なお、新駅開業に伴う地価上昇につきましては実例がございまして、横浜のこれは住宅地でございますが、一三%から三五%の上昇があったという例がございます。私どもといたしましては、平成十四年十二月の臨海高速鉄道の大崎延伸、さらには平成十七年度の「ゆりかもめ」の豊洲延伸、環状二号線並びに晴海通りの延伸等によりまして、相応の地価の上昇が期待できるというぐあいに考えております。

○藤田委員 もちろんポイント的には交通機関がクロスするところではもう地価が上がっているところもあるわけですけれども、景気の全体の動向を見ますと、やはり底を打ったといいながらなかなか上がってこない、あるいは消費による景気回復が六〇%を占めているということからいえば、底が上がってこないのでなかなか楽観的ではないというふうに私は思うわけです。
 こうした状況の中で、予特の議論でもあったわけですけれども、一般会計に三百十億円、十年から十二年の間に支出をして、開発に伴う税収見込みは六百八十億だというようなお話があったかと思います。それから、第一次の生産誘発効果というのが十三兆四千三百億ですか、それから七十五万人の雇用というようなものがあったわけなんですけれども、そもそも一般会計は一切使わないというのがこの臨海開発の初めの話だったというふうに思うんですよね。
 ですから、ここのところでもう既にいろいろ狂ってきてはいるんですけれども、それから、ある意味ではタコ足的に、モデルビルの中に今まで飯田橋の中に入っていた青少年センターが移るというように、大変高い地代を払って借りているわけですから、そういうこともひいては一般会計を出しているということにつながるというふうに思うわけです。
 それで、そういう意味で一面だけを見てはだめで、平成九年度までに転貸債を元利合計でどのくらい支払ってきたのか、それから、十年度以降の元利合計でどのくらい返還をしなければいけないのかということを伺いたいと思います。

○渡辺開発部長 ご質問の平成九年度までの転貸債の発行額でございますけれども、合計で五千百八十五億円でございます。同期間の償還額は元利合計で約一千十六億円でございます。また、平成十年度以降の償還額は元利合計で約五千九百九十八億円と見積もってございます。
 なお、開発者負担の考え方についてでございますが、東京都におきましては、臨海副都心開発事業化計画のときにおきまして、域内については開発者負担で整備をする、広域幹線道路等の広域交通基盤につきましては、大きな開発利益をもたらす広域的根幹施設の整備は公共負担と開発者負担によって行うということで決めておりますので、すべてを開発者負担で行うという形で出発したものではないということを申し添えさせていただきます。

○藤田委員 それでは、平成十年度までで臨海副都心開発事業会計の他会計の借り入れはどのくらいになっていますでしょうか。

○渡辺開発部長 平成十年度までの他会計借入金の合計は約三千百九十億円でございます。

○藤田委員 今のご答弁で、二つ合わせますと、ざっと数えても九千億円以上というふうになるわけですね。初めの償還額が元利合計で五千九百九十八億、それから今の他会計の借入金の合計が三千百九十億ということですから、九千億円以上。しかし、これを返す当ては基本的には地代と権利金なわけですから、今後の状況はますます私は厳しいというふうに思うわけです。にぎわいがあって、そしてその中でお金を落としていく、あるいは雇用が大きくなるというようなことをいわれていても、まずそこの基盤のことを考えていったときには非常に厳しい状況なのではないかというふうに思うわけです。
 無理な当初の計画の起債は、一方で臨海開発関連の第三セクターの危機というふうになってあらわれてきているわけです。平成十年度から支援策がとられてきましたけれども、都としての支出の総額はどのくらいになっていますでしょうか。

○阿部総務部長 都としての支出につきましては、経営安定化策に基づきまして株式会社東京テレポートセンターに対して三十億円の増資を行うとともに、同社及び東京臨海副都心建設株式会社、さらに竹芝地域開発株式会社に対しまして、総額百七億円の無利子貸付を行うものでございます。

○藤田委員 実際には無利子の貸し付けということでありますから、非常に大きなお金が出ているわけです。先ほど申しましたけれども、この間の経済動向は必ずしもよくありませんし、今後どんなふうになるかということで、追加的な支援は東京都はどんなふうに考えておられるでしょうか。

○阿部総務部長 株式会社東京テレポートセンターを初めとする臨海関係第三セクター三社は、経営安定化策を策定し、平成十年度から経営改善を実施しております。その成果としまして、平成十年度決算では償却前黒字を達成し、平成十一年度についても三社合計で対前年度比約二十億円の大幅な収支改善が図られ、初の営業黒字を達成する見込みでございます。
 今後とも経営安定化策を着実に実施し、徹底した経営改善を図っていくつもりでございます。

○藤田委員 ごめんなさい。もう一回お尋ねしますけれども、追加的な支援策は必要になりますか、なりませんか。

○阿部総務部長 目下経営安定化策を着実に推進しているところでありまして、今後徹底した改善を図っていくということで着実に推進していけるというふうに考えております。

○藤田委員 今後について、ないということは明言されないわけで、私たちもこれまで都の責任が出資の範囲内ということを常々申し上げてきたわけなんですけれども、あいまいな救済策で傷口を広げるより、場合によっては、これは二年前の予特の中でもお話ししたんですけれども、公的清算の道も選択すべきというふうにいってきたわけです。いずれにせよ、まず情報公開、経済状況を公開をしていただきたいということを再度要請をしておきたいと思います。
 さて、同じく開発の危機に対するある意味で救済策というふうにもいわれているわけですけれども、有明の丘の防災拠点について伺いたいと思います。
 この防災拠点の今後の計画はどのようになっておりますでしょうか。

○渡辺開発部長 有明の丘につきましては、臨海副都心まちづくり推進計画のほか、平成十年に策定いたしました東京都地域防災計画や平成十一年に策定いたしました第七次東京都震災予防計画におきまして、広域的な防災拠点として位置づけ、整備していくことが定められております。
 防災拠点は物資の集配機能、支援要員等の集結活動機能を有する後方支援の拠点として整備し、発災時の柔軟な対応を可能とするためにオープンスペースを確保するとともに、通信施設、備蓄施設、災害対策要員宿舎等の拠点施設の集約化を図り、平常時におきましては防災訓練の場としても活用を図っていきたいということにしてございます。
 今後は、東京全体の安全で安心なまちづくりに貢献できるよう、平成十三年度から段階的に一般会計へ有償所管がえを行っていく予定でございます。

○藤田委員 一般会計の、ここでは有償所管がえというふうになっているわけですけれども、先ほどのお答えにもありましたように、開発はそもそも一般会計を使わないのではというふうに私が申し上げたら、幹線道路や鉄道についてはそういうことではないというお話でしたので、これはちょっとどうも、だまされたといいますか、やっぱり救済策ではないかなというのが、そういう声も出てくるのも当然だというふうに思うわけです。
 それで、有明の丘の病院の進出に当たって、先ほど一番初めのお答えの中で、今回は病院事業者として財団法人癌研究会を決定したというふうにお話がありましたけれども、これまでの進出事業者と違った配慮があるのでしょうか。もしあれば、その理由を伺いたいと思います。

○渡辺開発部長 臨海副都心への事業者の進出に当たりましては、長期貸付を原則としてございましたが、病院の公募に当たりましては、公募要綱におきまして売却方式と貸付方式どちらかを選択できるということにいたしました。また、権利金及び土地賃貸料、売却を選択した場合には売買代金につきましても五〇%の減額を行うこととしたものでございます。
 貸付方式に加えまして売却方式を導入した理由といたしましては、災害時後方医療施設としての機能を有する公益的な施設であるということ。第二に、病院経営は医療法上収益を目的としないこととされており、貸付方式では経営に適合しない可能性があること、すなわちこれは後年度に土地賃貸料収入を支払うような財源が収入で得られない可能性があるということでございます。それから、第三に、病院施設は用途が特定されておりまして、建物を担保として資金調達することが難しい。すなわち、建物をほかに転売してもなかなか用途上それが難しいということで、土地所有を認めることで資産として活用できるようにする必要があるということから、売却方式も選択の対象にしたという点がございます。
 なお、事業予定者として決定した財団法人癌研究会は、売却方式を選択をいたしました。
 また、減額を行うわけでございますけれども、この減額に当たりましては、臨海副都心開発規則により、五〇%の減額ということでございます。
 その理由といたしましては、第一に、災害時の後方医療施設として、本来ならば公的病院によって運営されるべき施設と同等の機能を有する必要があり、東京都としても積極的に誘致すべき公共的な施設であると位置づけられること。第二に、災害時に後方医療施設として対応できる規模、機能等を整備する必要があること。病床七百床ということになってございます。通常の病院より初期投資額が増大すること。救急対応ということも実施する予定になっております。
 以上の二点によりまして、臨海副都心開発事業の実施上の必要性が極めて高いということから、都立病院の場合におきましては、仮に都立病院の方に土地を移管する、あるいは売却するという場合には五〇%の減額という規定がございますので、それを準用して五割減額という形で募集をして、決定をしたものでございます。

○藤田委員 病院を建てること自体は、別に問題はないと思いますし、それから後方医療施設としての、その問題があるかもしれませんけれども、やはり今後の都立病院はまず自前ではしていかないというようなところもあって、それをつくっていくのではなくて、民間にぜひお願いをしたいというような、そういうようなことが今の全体の流れというふうになっているかと思うんですけれども、なかなかこの辺でも、実際に本当にここにそういうものが必要であったのかーー全体の考え方としてですよ、病院があること自体は問題ないですけれども、そういうことが本来として必要だったのかどうかというのが、なかなかはっきりとわかってこないといいますか、そういうことになるんじゃないかと私は思うんです。いわゆる有明の丘が防災拠点であるということ、また、そこへ病院をつくったという、そのもともとの考え方がそんなふうに思っています。
 さて、今後の開発のポイントなんですけれども、広域交通基盤、その中でも広域幹線道路であるというふうにいわれているわけですが、事業費が広域幹線道路である四千百億の事業費というふうにいわれているわけですけれども、開発者負担と公共負担で折半するということになっているわけです。一般財源の支出はあるけれども、開発者負担ということで、先ほどの趣旨から考えても、臨海会計の負担が重いのではないかというふうに予想されるわけです。この事業についてどんなふうに認識をされているのか、また、開発者負担のあり方を見直す考え方があるのかどうかを伺いたいと思います。

○渡辺開発部長 晴海通りや環状二号線の延伸など広域幹線道路の整備は、臨海副都心を初めとする臨海地域全体の発展にとって不可欠であるのみならず、東京全体、さらには首都圏全体の経済の活性化にも資する交通ネットワークの形成の観点からも大変重要であるというぐあいに認識をしております。
 また、広域幹線道路の開通によりまして、土地の所有者に開発利益が生じ、その開発利益を開発者負担として還元することによって事業費を賄うことができる。また、事業者にとりましては、新たな事業機会が獲得できるということでございまして、最終的には都民負担が抑制されるものと考えてございます。
 これらのことから、今後の広域幹線道路の整備に当たりましては、平成九年三月策定の臨海副都心まちづくり推進計画において定めた整備スケジュールや、整備することによって生じる開発利益に応じて整備費を負担するという開発利益の還元方式に基づきまして、着実に事業を推進していきたいというぐあいに考えてございます。
 逆に、この事業を見直すということになりますと、開発者負担もできなくなりますし、また、今まで投資したものがむだになるのではないかということで、私どもとしては、着実に事業推進をしていくべきであるというぐあいに考えてございます。

○藤田委員 もちろん幹線交通をつくることによって開発者が入ってくるということがあって、もうつくらないぞといった途端に入ってこないということになりますので、行くも引くもというのが非常に難しい状況にあることは確かだというふうに思うわけです。かつて、この負担の割合は、開発者が七で公共が三であったと思うのです。いわば開発者負担は特急券の意味があって、一般の道路よりもとにかくまずそこの臨海に道路をつくろうというようなことがあったはずなんですけれども、一般財源からの優先性を確保してきたわけですが、現在は五対五というふうになっていると思って、その意味も変わってきたというふうに思うわけです。
 一般財源の危機もあって、開発者負担も将来が危ない。先ほどお話ししたように、どちらに押しても引いても非常に難しいという状況になっているわけですけれども、そういう意味としては、私たちは総枠として広域幹線道路の整備費を減らすことを主張してきたわけです。この広域幹線道路の整備は、もちろん、先ほどの質疑にもありましたけれども、あくまでも有明北の埋め立てを前提としているわけですが、この埋め立てを平成十三年度の見直しまで延期するなどした場合には、どういう影響がありますでしょうか。
 それから、埋め立てをしないで、橋で「ゆりかもめ」の導入空間を確保しようとすると、先ほどちょっと質疑の中でお答えがあったかもしれませんけれども、どういうふうになりますでしょうか。

○高野参事 有明の埋め立てにつきましては、推進計画に基づきまして、着実に今進めてきているところでございますけれども、平成十二年度にこれに着手しなければどうかということでございますが、平成十七年度に予定しております晴海通り延伸などの広域幹線道路の整備や新交通「ゆりかもめ」の豊洲延伸が困難になると考えております。これらの交通網の延伸は東京全体の交通ネットワークとともに臨海副都心の今後の発展に不可欠であり、交通渋滞の日常化を解消し、住民生活の利便性向上や事業活動の円滑化のために早期の整備が必要であります。
 また、計画どおりに埋立事業を進めていくことは、進出事業者や埋め立てを前提に共同してまちづくりを進めていくことで合意している有明北地区の民間地権者との信頼関係を維持していくためにも、必要であると考えております。
 さらに、広域交通基盤は開発利益の還元方式により整備することとなっており、民間地権者に開発者負担を求めていることから、計画どおりの広域交通基盤の整備が不可欠であるというふうに考えております。広域交通基盤を計画どおり平成十七年度までに整備するためには、何としても平成十二年度早期に埋め立てを開始することが必要であります。
 埋め立てによらずに、橋梁方式で道路等をつくる場合につきましては、埋立地を処分した収入により整備費を賄うことができなくなることから、道路の整備等を税金で負担せざるを得なくなり、その額は約六百億円近くと試算されております。さらに、橋梁構造への変更に伴う工法や設計の見直し、それから都市計画手続や「ゆりかもめ」の認可手続のやり直しなどが必要となることから、平成十七年度の広域幹線道路等の整備が大幅におくれることとなります。したがいまして、都民の皆様にお約束したスケジュールどおりに埋め立てを実施していくことが何としても必要であるというふうに考えております。

○藤田委員 今回の予特あるいは一般、代表質問の中でも、埋め立てがハゼなど自然環境の問題としていわれていましたけれども、今後の広域幹線道路の整備との関連で考えることが重要だというふうに思っています。こうした点で、事業計画の見直しが今後は焦点になるかと思いますけれども、平成十三年の見直しはどのような見直しになるのか、お伺いをいたします。

○渡辺開発部長 平成九年三月に策定いたしました臨海副都心まちづくり推進計画におきましては、臨海副都心開発は大規模かつ長期にわたる事業であることから、開発に当たっては、社会経済状況の変化に迅速かつ柔軟に対応していくことが必要である。そこで、今後のまちづくりについては、都市の開発状況や施設の整備状況に合わせて、開発計画をおおむね十年単位に区分し、段階的に開発を進めていく。また、おおむね五年ごとに必要に応じて開発の内容を見直すとともに、財政見通しを作成するというぐあいに記載されておりますので、このとおりでございます。

○藤田委員 有明の地区に限らず、臨海開発全体が一挙にお金を投入して開発をされた、そして、巨大な共同溝、基盤整備が先行してしまって、かえってまちづくりを固定化してしまったことなど、私はもともと非常に無理なといいますか、難しい計画であったなというふうに思うわけです。現時点では、将来世代への負債をこれ以上ふやさないということが必要だというふうに思っています。
 それから、私はまだ広域幹線道路の整備量が過大であるというふうに思うわけです。どうしても必要な「ゆりかもめ」ということはわかりますし、もう一本の環状二号に続くところは何とか整備をしなければ域内が活性化しないというのは十分わかりますけれども、都の危機的な財政状況や都内の他の道路の整備状況との均衡を考えて、来年度に予定される見直しにおいては、将来世代の負担を残さないように、最小限にリスクを抑えることが必要だというふうに思っています。
 こういう視点を反映した見直しをされることを要望いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

○古館委員 それでは、埋立事業会計関連についてお尋ねします。
 埋立事業会計では、予算の内訳を埋立造成、環境整備、埋立改良など七つに区分していますけれども、その中で開発事業という区分がありまして、先ほどから議論されています開発者負担金として、九八年度は東京港臨海道路に六十七億円、投資として東京臨海高速鉄道(株)に二十五億円の出資、九九年度は開発者負担金として東京港臨海道路などに七十八億円、投資としては臨海副都心開発事業会計への貸し付けとして二十五億円など、恒常的に支出をしています。
 そこで、まずお尋ねしますけれども、埋立事業会計でありながら、開発者負担金を支出したり、臨海副都心開発事業会計に投資と称して毎年のように支出するなどは、私は、本来業務から逸脱していると思いますけれども、この点について最初にお伺いしたいと思います。

○渡辺開発部長 埋立事業会計は、東京都地方公営企業の設置等に関する条例によりまして、羽田沖埋立事業に係る水域を除く東京港港湾区域及びこれに隣接する地域において埋立地の造成、整備及び開発を行うものと規定されているところでございます。
 開発者負担金につきましては、これも決算に出ておりますが、臨海道路や城南島海浜公園の整備等を行うことによりまして、埋立地の効用や価値が高まることから、応分の負担として行っているものでございます。したがいまして、開発者負担金につきましては、条例に基づく開発のための負担であるというぐあいに考えてございます。
 また、投資でございます臨海副都心開発事業会計に対する出資及び長期貸付金につきましては、地方公営企業法第十八条及び第十八条の二に基づき、適正に執行しているところでございます。
 東京港の埋立地は、ふ頭やその他関連施設用地を初め、広域的な幹線道路や鉄道などの交通施設用地のほか、海上公園等さまざまな目的に利用され、また開発されてきております。埋立会計と臨海会計は隣接し、また密接に関連して開発を行ってきているところでございまして、臨海会計へ埋立事業会計から投資を行うことによりまして、臨海副都心開発が促進され、その波及効果によりまして埋立地の効用や価値が高まり、埋立地そのものの開発にも貢献していくということから、私どもはこの投資は埋立事業会計にとっても十分有意義なものであり、法にかなった投資であるというぐあいに考えてございます。

○古館委員 私は、今までそういうふうに埋立事業会計と臨海副都心開発事業会計、何か融通をきかせながらやってきているというのは承知しております。けれども、埋立事業会計というのがきちっとあって、それとは別に、臨海副都心開発会計というのもある。もう一つ羽田沖埋立事業会計というのもある。ここはきちっと押さえておかないとーー今決算審査しているわけですね。何か都合がつくと、これは、じゃ埋立から出しましょう、これは羽田から出しましょう、そういうような、何といいますか、仕切りが非常にあやふやにされているのではないか。
 臨海道路なんかにつきましては、私ども常々主張しておりますけれども、臨海副都心開発を無理に今日のように進めようとしなければ、現実に横断道があるわけで、それで足りるという論を今までやってまいりましたし、それから臨海高速鉄道にしても、これでお金の膨らんできているという問題でも、むしろJRの責任という問題も、この定例会で我々質問をし、JRに負担させるべきだということを要求してきたわけです。
 それで、横浜市の場合、この埋立事業に対する設置条例というものがあるんですね。東京都の場合は、設置条例というのは、企業会計をこういうもので以下に設置しますという形でざあっと並んでいる。あとは要綱なんです。ところが、横浜市の場合は、ここに埋立事業の設置等に関する条例というのがありまして、その目的、埋立事業の設置等という目的があって、ここでは海面を埋め立てて、工場用地、住宅用地及び道路用地等を造成するため、本市に埋立事業を設置する。つまり、埋め立てて造成する、それで商品にするようにするというところが、明確に埋立事業という概念で規定しているわけなんですね。
 ですから、そういう点では、本来のあり方から見て、かなり無理のあるやり方をーーもちろんこれをいうと、またいい分があるでしょうけれども、私どもはこの問題についてもきちっともう一度整理をする必要があるのではないか。それが本来のあり方であるというふうに指摘をしておいて、次に角度を変えてお聞きしたいと思います。
 資料2の二二ページに、十年度の埋立事業貸借対照表というのがあります。これで見ますと、1、固定資産の投資の中で、ウの長期貸付金というのが二千七百八十億円、埋立事業から長期に貸し付けているのが二千七百八十億円、それから、エの出資土地というので出資しているのが六千七百二十五億円、合わせて九千五億円にもなる貸し付けと出資についてありますが、これはどこに支出しているものでしょうか。

○渡辺開発部長 長期貸付金及び出資についてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、地方公営企業法第十八条及び第十八条の二に基づき、適正に執行したものでございますが、いずれも臨海副都心開発事業会計に対するものでございます。

○古館委員 今、臨海副都心開発関連に全部で約一兆円近く貸し付けたり出資をしている。それはこの貸借対照表の中で明らかなんですね。港湾局が出してくれた資料によりましても、埋立事業会計について、繰越資金状況、これは十年ほど前、数年間は三千億台、この繰越資金というのがあったわけですね。ところが、ここ数年は激減をしまして、この出していただいた資料によりましても、平成十年度ですか、九八年度では、四百六十八億円に落ち込んできています。
 そこでお尋ねしますけれども、繰越資金、手持ちのお金ですね、この状況の九九年度見込みは幾らで、なぜこれほどまでに繰越資金が減ってきたのか、その主要な原因をお伺いします。

○渡辺開発部長 平成十一年度の繰越資金については、約二百六十八億円というぐあいに見込んでございます。ピーク時に比べまして大幅に繰越金が減じてまいりましたのは、臨海副都心開発事業会計への貸付金や開発者負担金及び埋立地の道路や下水道などの基盤整備、海上公園等の環境整備等として埋立事業会計で支出をしてきたからでございます。

○古館委員 繰越資金が三千億円あったものが、そこからどんどんどんどん激減をしまして、今のご答弁ですと、十一年度の見込みは二百六十八億円しか資金がなくなる。これ自体、大問題なんですね。港湾局の資料でも、埋立事業会計から臨海副都心開発事業会計への貸付金が、この十年間で二千九百億円にも上っております。これでは、臨海副都心開発が埋立事業会計を食いつぶしている、こういうふうにいわれても仕方がないんではないでしょうか。ご見解、いかがでしょう。

○渡辺開発部長 先ほどご答弁申し上げましたけれども、臨海副都心開発事業会計の主管している土地と埋立事業会計の土地は隣接しておりまして、その開発については密接な関係がございます。臨海副都心開発事業会計の方に長期貸付及び出資をして、その結果におきまして、埋立事業会計が主管する土地についても開発の効果が及んでくる。このようなことから、手持ちの現金につきまして、法律に基づきまして適正に出資及び貸し付けを行ってきているということで、ご指摘は当たらないのではないかと考えておるわけです。

○古館委員 土地が隣接していても、事業会計としては事業会計ごとにあって、今決算審査をやっているわけですから、それで埋立事業会計という自己の事業収支を無視して、見返りを期待することができないーー今までの議論でよくわかるんですが、臨海関連への投資を行うこと自体が、逆に公営企業会計運営の基本原則を逸脱している、かえって私はそういうふうに思うんですといわざるを得ない。臨海事業会計という立場から見たら、投資だとか開発者負担などは、私は、凍結するのが筋だ、このように思いますが、いかがでしょうか。

○渡辺開発部長 埋立事業会計につきましては、これまで埋立造成を初め海上公園などの環境整備、あるいは橋梁だとか道路等の改良工事等の事業目的がございまして、これを着実に推進してきているところでございます。ご指摘のように、資金の残、繰越資金について減少がございますけれども、減少したからといって、埋立事業会計が今日までその事業の執行に支障があったということはございません。この点をちょっとご留意いただきたいと思います。現在このように埋立事業会計につきましては、着実に埋立事業会計としての使命を果たしているところでございます。
 一方、臨海副都心開発事業につきましては、先ほど申し上げましたように、埋立事業会計と隣接し、もともといわば兄弟関係あるいは親子関係にあるような形での開発を進めてきたものであり、臨海副都心につきましては、多額の基盤整備のための先行投資が必要であるということから、地方公営企業法に基づきまして出資及び貸し付けを行っているということでございます。また、利息につきましても、利息を収受してございますので、私ども埋立事業会計を主管する立場としては、適正な執行であるというぐあいに考えてございます。
 そのようなことから、臨海会計に対する貸し付けをやめるとか、あるいは返してもらうとか、そのようなことは考えてございません。

○古館委員 貸し付けだから、返してもらうのは当たり前のことなので、返してもらう気はないって、事業責任がーー今私は埋立事業のことで、事業責任に対して経営責任を問うているんですね。そこが貸し付けておいて、返してもらう気がないなんていうのは、もともと、何か同一人物がそんなふうにいろいろ会計をやっているのはわかりますけれども、しかし、その立場立場という問題は、埋立事業会計の中で今私は議論しているわけですから、そういう話というのは極めて無責任きわまりないといわざるを得ない。ちょっと後でそれは、恐らく何かいってくるんだろうと思いますが……。(笑声)
 それで、港湾局主管の埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計、羽田沖埋立事業会計の三事業会計の成り立ちや資金の流れなどを見ますと、この臨海副都心開発事業会計が歴史的には後からつくられているわけですね。二つの埋立事業会計は主たる業務が土地の造成とか用地の確保、提供であるのに対して、臨海副都心開発事業というのは、その名のとおり、その土地のそれぞれの活用をどのようにするかという開発に力点が置かれている。ここに、三事業会計といえども、事業の性格の違いがあるんですよ。埋立事業と明確に性格づけている事業資金が、破綻のはっきりしている臨海副都心開発に流れていって埋立資金が食いつぶされているなどは、埋立会計の経営責任をどうとるか、この問題で、もう一回ご答弁をお願いしたいと思います。

○渡辺開発部長 先ほど、返還を求めない、返済をしないというようなことを申し上げましたが、期限が来ていないもの、あるいは途中の期間中に打ち切って返済をするというようなことはない、直ちに返還を求めるという必要はないということを申し上げたかったわけでございまして、大変失礼して申しわけございませんでした。
 先ほど申し上げましたように、埋立事業会計そのものは、埋立地の造成、環境整備、海上公園等の管理運営等を着実に実施してきているというように、私ども、認識してございます。それぞれの会計については、それぞれの性格があり、目的もございますけれども、その間に密接な関連があるということも事実でございまして、法律に基づいてきちんと会計、経理を区分した上で、適切に事業を執行しているというように考えておりますので、埋立事業会計を所管する港湾局として、経営責任も十分に果たしているというぐあいに認識してございます。

○古館委員 私は、埋立会計の経営責任とは、埋立会計からの現物出資や長期貸付金の返還をきちっとさせること、これがやっぱり経営の責任だと思います。これは事業会計というのがきちんとあるわけですから、それはそれとしてきちっとする必要があるのではないかというふうに思っています。
 そして、埋立事業会計として余剰資金が出た場合に、やっぱりこれは一般会計への繰り入れだとか、都民の共有財産としての公園の拡張だとか、都民がだれもが共有できる、それからそのことが福祉増進に役立っていく、そういうものにこそ充てられるべきではないか。これこそが都民の理解と納得がいく方法であると考えますが、ご見解をお伺いしたいと思います。

○渡辺開発部長 埋立事業会計の余剰資金といいますか、繰越資金の運用についてのお尋ね、あるいはご提案だと思いますけれども、私ども臨海副都心開発に伴いまして、大変大きな経済波及効果があるということは、ご説明申し上げたとおりでございます。十八兆円、七十万人の雇用がある。また、税収につきましても、大幅な税収効果があるということをご説明申し上げてきたところでございます。
 現在の日本の経済状況あるいは東京の経済状況から申しましても、雇用の確保あるいは税収の確保というのは、大変公共的な使命のある事業ではないかというぐあいに考えてございます。そうした中で、東京港の埋立地にあって、埋立事業会計の資産だとか資金を有効に活用していくということを考えた場合に、臨海副都心開発事業会計に出資、貸し付けするということは、公共的な事業を推進していく上でまことに適切な事業の選択であるというぐあいに考えてございます。

○古館委員 ちょっと質問を移しますが、今、埋立会計、臨海副都心開発会計、羽田沖埋立会計のこの三会計を統合しようという計画が港湾局から取りざたされているというふうに聞いているんですが、その真偽のほどについてご答弁いただきたいと思います。

○阿部総務部長 港湾局として、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計、羽田沖埋立事業会計の三会計統合の予算要求を出したという事実はございません。

○古館委員 ということは、統合をする気はないというふうに理解していいんでしょうか。あわせまして、私、約一兆円に上る投資だとか、いろいろこの臨海開発に出している、そういうものも、実際統合されると、新しくできる事業会計に吸収されていく、こういうことになってしまうというふうに思っているんですが、その件についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。

○阿部総務部長 先ほども申し上げましたとおり、港湾局として、予算要求を出したという事実はございません。それで、仮に三会計を統合するというふうにした場合には、当局が事業所管局として、事業の目的、性質、経緯、それから事業を取り巻く状況等を総合的に勘案しまして、貸付金等の取り扱いを検討することになるものと思いますが、最終的には知事の査定、議会審議を経て決定されるべきものというふうに考えております。

○古館委員 みずからの責任を、最終的には知事の決裁とか議会局とかいっているんですが、結局、統合するということになりますと、今までの貸付金だとか出資金だとか全部御破算になる、チャラになるわけですね。そういうようなことをやって、臨海副都心開発の事業がどういうものなのかというのが、ますますわかりづらくなっていく。都民からは全然、臨海開発の状況はどうなっているのかということが公開されにくくなる。そういう不明朗さがつきまとっていくんだということを、私は改めて指摘をしておきたいと思います。
 最後に、羽田沖埋立事業会計についてご質問しますが、現在の予定では、二〇〇一年度に浅場の造成が完了し、起債の残りもあと一、二年で整理できるという見通しのようですけれども、羽田沖埋立事業会計については、統合などということではなくて、それならそれでこの事業会計は事業会計としてきちっと廃止をする、きちっと処理をする、そういうふうに考えますが、ご見解をお伺いしたいと思います。

○阿部総務部長 仮に会計整理を行うという場合における剰余金の取り扱いについてでございますけれども、これにつきましても、同様に事業の目的、性質、経緯や事業を取り巻く状況の総合的な判断を踏まえまして、最終的には知事の査定、議会審議を経て決定されるべきものというふうに考えております。

○古館委員 統合の問題は先ほどいったとおりですが、現在、この当該会計、つまり羽田沖埋立事業会計には七百億円ほどの剰余金があると、私、見込んでおります。これについては、一般会計に組み入れるとか、少しでも財政難の解消に役立つ、福祉の増進に寄与すべきだ、このように考えますが、ご見解を最後にお伺いしたいと思います。

○阿部総務部長 まことに恐縮でございますが、繰り返しになりますが、仮に会計整理を行うという場合の剰余金の取り扱いについてでございますが、これについては、事業の目的、性質、経緯や事業を取り巻く状況の総合的な判断を踏まえまして、最終的には知事査定、議会審議を経て決定されるというふうに考えております。

○古館委員 最後に、私は今埋立事業会計、羽田沖埋立事業会計の幾つかについて質問をしましたけれども、それはそれとして、きちっと独立しているわけですから、そこはきちっとそういう対処の仕方も望みますし、それで埋立事業会計から臨海開発に貸しているお金とか、そういうものについてはきちっとした処理を返してもらう、そういう対応をきちっとしてもらう、そのことを強く求めて質問を終わります。

○西田委員 それでは、決算ですので、最初にちょっと細かい問題になって恐縮ですけれども、伺いたいと思います。
 臨海副都心開発事業会計について伺います。
 私は、臨海副都心というのは、もともと埋立地で、大半が都有地ですね。有明北の一部民間事業者が所有している土地、あるいは船の科学館ですか、あるいはJRが所有していたというか、今はそうじゃないわけですけれども、臨海高速鉄道の地下の部分とか、ごく限られた部分が民間の所有だったということですので、地上権の設定というのは、この臨海副都心の中ではあり得る話なのかどうか、考えられない話だというふうに思っていたんですね。
 ところが、この十年度の決算で見ますと、臨海副都心開発事業会計の二二ページ、ここに地上権設定費というのが載っておりまして、二億八百万計上されているわけなんです。一体これは何のために、どこの場所のどういうものなのか、何なのか、とにかく内容を教えていただきたいと思います。

○渡辺開発部長 地上権の設定についてでございますけれども、地上権を設定した場所は国際研究交流大学村の中で、通商産業省工業技術院へ売却した土地の一部、約二百八十七平方メートルについて、地上権を設定したものでございます。
 この地上権の設定の理由でございますけれども、この部分に共同溝が食い込んでございましたので、共同溝のその部分についての権利を阻害するというところから、地上権を設定をしたものでございます。
 なお、この共同溝が食い込んでいる理由でございますけれども、もともとはこの部分につきましては、大学村の用地の中を南北に貫通する道路が予定されておりまして、その下に共同溝を整備する予定でございました。しかしながら、平成九年三月の臨海副都心まちづくり推進計画におきまして土地利用計画を変更したことから、道路計画が廃止となりまして、一団の土地として、一区画の土地として開発することになったわけでございます。そのために、区切りのよい部分まで共同溝が先行して整備をしてあったものでございますので、たまたま宅地部分に約二百八十七平方メートル分だけ、共同溝の、何といいますか、端切れの部分が取り残されていた、残ってしまったというような経過でございます。

○西田委員 今、たまたま、端切れとか、ちょこっと残ったと軽いお気持ちで答えられているようですけれども、私は、そういう話では済まない問題があると思います。本来道路の下に建設される共同溝というのは、道路の下を走っているわけですから、宅地の中へ引き込むということはないわけですね。その共同溝から宅地の中へ引き込む、連結するという事業については、その宅地を持っている人が事業をする、その人たちが負担をしてやる話だと思うんですね。
 ところが、その共同溝の端切れが残っていたという話なんですね。計上されている二億八百万円というのは、今ご説明がありましたけれども、通産省の工業技術院への売却地の中にあったということなんですね。その分について地上権を設定して、補償を行ったというわけなんですが、この二百八十七平方メートル、これが二億八百万円の補償をしたという、その算定の根拠というのはどのようになっているのか、教えていただきたいと思います。

○渡辺開発部長 区分地上権を東京都として設定をして、区分地上権を都が保持しているわけでございますので、正確には、補償という性格のものではないのではないかと思います。
 それで、この区分地上権の評価でございますけれども、土地価格の九三・三三%相当に当たるというような率になってございます。この考え方といたしましては、地下部分に大規模な共同溝があるということで、上部利用が、くいを打ったりあるいはその他で地下室を設置できない等で阻害されてしまうということから、この比率を財産価格審議会で評定していただいて、はじき出した、算定したものでございます。

○西田委員 この売却地、これは私、図面もいただきましたけれども、接道していないわけですね。道路から離れていますね。道路と、この今地上権を設定した土地の間に、そこにも共同溝が入っているはずですね。その土地というのが貸し付けになっているということなんですが、その貸付地につきましては、いわゆる阻害率、今九三・三三といわれましたけれども、それはどのようになるわけですか。

○渡辺開発部長 お尋ねの貸付地でございますが、今回の国際研究交流大学村に対する土地処分につきましては、半分を売却、半分を貸し付けとしてございます。お尋ねの中の貸し付け、通産省の工業技術院につきましても、他の文部省の大学、留学生の宿舎、あるいは科学技術庁の科学技術理解増進拠点と同様に、それぞれ半分を売却し、半分を貸し付けるということにいたしました。たまたま通産省の工業技術院のところに、先ほどの共同溝が埋設されているというところでございます。評価の基準といたしましては、同一の九三・三三%という形で計算をしてございます。

○西田委員 今一緒に聞いてしまえばよかったんですけれども、聞き落としてしまいましたが、阻害率は九三・三三%で同一だというのはわかりましたけれども、この貸付地の、つまり売却地に対する地上権設定費が二億八百万ですね。その貸付地の阻害率に基づく減額というのは、どれだけの減額というか、何といったらいいんですか、こっちが出すわけでーー貸付地だからやっぱり減額ですね、減額があるのかないのか、どのような金額になるのか、それをちょっと教えていただけますか。

○渡辺開発部長 先ほど、地上権の設定価格は二億八百万円と申し上げました。貸付地につきましては、権利金の差額が四千三百万円。貸付料につきましては、これは三十年間になりますけれども、試算で七千八百万円、三十年間分でございますがーーこれは試算となります、貸付料に変動があった場合がございますので。合計一億二千百万円が差額となってございます。

○西田委員 それぞれ金額はわかりましたけれども、今のご答弁でちょっと納得ができないというのは、その貸付地に対する阻害率ですね。これは財産価格審議会でそういうふうに決定されたからということで、直接港湾局には責任がない話かなというふうには思うんですけれども、私も実は、私の家の近くに都営新宿線が通りまして、その線路というか、地下部分を走っているわけですから、その地上権を設定されたという、何軒もそういうお家がありましたし、交通局にも、当時も最近もいろいろ聞いたことがあるんですけれども、その地上にどのような建物が建つのかとか、利用ができるのか、あるいは容積率だとか、いわゆる土地の条件ですね、そういうものによっていろいろ違う。だから、今一〇〇%近いような阻害率もあるのかもしれませんね。しかし、交通局の話ですと、ちょっとここで人の局の話を出しては申しわけないから、あれなんですが、でも、二五から三〇%が普通の場合の阻害率というふうにーー大ざっぱにいってですよ、全部そうだというわけじゃありませんが、そういうふうな、それが普通ですというふうにお聞きをしたわけですね。
 確かに売却をするところの用地は、建物がもろに建つわけですから、余り地下も、共同溝が深いところにあるというわけじゃなくて、比較的浅いところにあるとか、だから、地下が利用できないとか、くいが打てないとか、いろいろ障害があるので、掘ってはならないというふうになっているかどうか知りませんが、いろんな条件があって、一〇〇%近い阻害率になったというのは、そうなのかなというふうに思うんですが、その貸付地の方、そこは、ご説明では、建物がとにかく建つところについては売却したけれども、そうではない、道路に接道したぐるっと周り、普通ああいう大きな建物が建てば、周りが相当あくことは事実ですね。木が植えられるか植えられないかという話もあるのかもしれませんけれども、いずれにしても建物がじかに建つところではないものに、同じ阻害率で九三・三三%で決めていいというのはいかがなものかというふうに思うんですね。三十年の地代ということですけれども、一億二千万、東京都が負担をするという話になるわけですからね。そういう考え方自体、私のその疑念というのは、どうなんでしょう、間違っているんでしょうか。

○渡辺開発部長 大学村への土地の処分につきましては、貸付地と売却地が半々ということで、それぞれ土地のとり合いというのがございまして、三つの事業主体ごとに分けてございます。ただ、評価につきましては、一つの大きな区画でございますので、細かく、売却地であるか、あるいは貸付地であるか、あるいは対象がだれであるかということを除きまして、二つの区画について同じ評価基準を適用して処理したものでございます。したがいまして、貸し付けにつきましても、あるいは売却につきましても、同じような形の基準が適用されているということでございます。
 なお、貸付地の面積は百二十四平方メートルでございまして、この売却地ともども、ちょうどこの施設の中央部分に当たるところでございますので、機能的には大変重要な場所ではないかと思います。
 また、もともと地上権の設定につきましては、平成九年の見直しによって、この場所について道路を廃止をした、宅地に切りかえたということでございますので、結果的にこのような形での対応が生じたものでございます。
 なお、道路を宅地に切りかえたことによりまして、東京都といたしましては、売却によりまして二十四億円の収入を得ることができました。また、貸し付けにつきましては、権利金で十一億円の収入を得ることができましたので、最終的には、三十五億円の土地処分代金の収入というものが今回の宅地処分において増となった、道路から宅地に切りかえることによって増となったというようなことでございます。

○西田委員 道路を見直しによって宅地に切りかえて、その分を売ったからいいという話とは、全く違うレベルの話ではないかと思うんですね。それから、貸し付けも売却地も同じ評価で、土地の価格の設定をやったという話なんですけれども、確かに一つの大きな区画ですから、しかも、売る方は一つですから、そういうやりくりというのかな、相手との交渉の中でいろいろあるかもしれませんね。しかし、売却地と貸付地、それから、その貸付地が明らかに建物を建てるというところでないということがわかっていて、そこを貸し付けにしたという前提があるにもかかわらず、そういう同じ比率で阻害率をかけてお金を減額するというのは、私は納得できない。お金がわずか一億ではないかとか、そういう問題じゃないと思うんですよ。考え方として納得できない。売却地と貸付地というのは、全然土地の価値も違うわけですから、それはやっぱりちゃんとしておかなくちゃいけない問題ではないか。これは私が納得できないということで、申し上げておきたいと思います。
 ところで、先ほど端っこが残ったといわれましたその宅地に入り込んだ共同溝の問題なんですが、これは道路から延長どれだけ入り込んでいるんですか。

○渡辺開発部長 宅地からはみ出したといいますか、宅地の方に出ている分でございますけれども、二十五メートルほど外に出てございます。
 なお、貸付地と売却地についてでございますが、大変恐縮ですが、土地の評価に当たりましては、土地の評価をまず行う際に、長期貸付であるかあるいは売却地であるかによって土地の価格そのものを変えるという方式ではなくて、その土地の価格を出しまして、売却の場合はその金額、貸付地の場合は五〇%の権利金をこの臨海副都心の場合はいただくというような形で評価を実施しておりますので、具体的な土地の利用形態と評価そのものは、現在の財産価格審議会での評価のルールでは異なっているという点を申し添えさせていただきます。

○西田委員 今お聞きしていないこともまた答えていただいたんですが、いずれにしましても、地上権の設定の阻害率というのが、建物の利用状況とか、いろいろそういう問題で変わってくるというふうに話を聞いていますし、しかも、大きな土地なわけですから、小さい、私の家みたいな二十坪しかないような、そういう家の地上権設定の話とは全く違うわけですから、そこは東京、まさに臨海副都心開発事業会計を扱っているところが、やっぱりちゃんと粘って、ちゃんとする必要があるのではないか。これは私の考えですから、申し上げておきたいと思います。
 それから、今お話を伺いましたけれども、二十五メートル入り込んでいるということなんですが、この共同溝の建設の単価は幾らでしょうか。単価というか、一メートル当たりの建設費といった方がいいんでしょうか、幾らでしょうか。

○渡辺開発部長 共同溝の工事費は場所によって異なっておりますが、この区域における一連の共同溝ということになりますと、一メートル当たり約千五百五十万円でございます。

○西田委員 この共同溝を建設した一区、一つの共同体が請け負ったその工事費が五十六億七千万円余りということなんですね。三百六十五メートルぐらいだというから、私も計算したんですが、確かに一メートル千五百五十四万円、そういう金額になるわけですよ。それで二十五メートル出っ張ったわけですから、幾らになるかと計算すれば三億八千八百五十万円です。約四億近いお金がその共同溝にかけられたということになるわけですね。
 先ほど来、売却で地上権設定あるいは土地の貸し付けで一億何百万円という話になりますと、本当にそれがなかったらーーこれは結果の話ですから、なかったらといってみても仕方がないという話になるかもしれませんけれども、なかったら、まさに七億円近いお金が、あるいはそれ以上なのかな、そういうお金が、何というんですか、死んでいっているという話なんですよ。私は、これは決して小さい話じゃないというふうに思っております。七億というお金は、皆さんも、さっきも埋立事業会計から一兆円というお金が臨海会計につぎ込まれたとか、貸し付けられたとか、いろいろ話がありましたけれども、港湾局の皆さんは、一兆円、二兆円、三兆円と、臨海開発だけで三兆幾らなんていう話になっているわけですから、一億、二億、六億、七億という金が小さい話に見えるかもしれませんね。でも、私はそうではないというふうに思うんです。
 七億というお金があったら、何ができますか。今、今年度、福祉の見直しでさんざん大変な論議をやりましたよ。障害児の福祉手当、これ、十二年度、平年度に直して減額される分、五億円ですよ。それが大変な事態を招くというんで大論議をやったわけですね。一般会計とは違うという話になるかもしれませんが、知事の答弁からしたって、臨海会計が最後にどうにもならなかったら一般会計をつぎ込むんだって、そういう話になっちゃうじゃないですか。だから、たとえわずかなお金でも絶対むだにしてはならないという感覚を、私は港湾局の皆さんにはぜひ持っていただきたい、このように思うわけであります。
 そういう点で、なぜこのようなことが起こったかといえば、先ほど藤田委員の方からもお話がありました。本当に広大な副都心を、創設期に限ったというかもしれませんけれども、大部分の共同溝を一遍にあっちもこっちも引いちゃった。台場の集積を確保するんなら、台場だけやって、その後の状況を見ながら周りへ進むというやり方でなくて、一遍に広げたわけでしょう。そういう中で、青海の道路計画があって、もともとこういう道路計画がありましたといったって、そうはならないということになって、途中で道路を廃止せざるを得なかった。そういう話になっているわけでしょう。だから、その原因は、行き着くところ、こういう開発の手法がそもそもすべての、本当に私はこの臨海副都心開発の抱えた困難の根源だったというふうに思うんですよ。
 この共同溝がこんなにあっちもこっちもとならなければ、もっと身軽な開発が着実に、順調に、まちづくりというのが、こういう開発になるかどうかは別として、進められていったはずだというふうに思います。ですから、これは決して小さい話ではなくて、私は、今の臨海開発の、本当に財界、大企業に奉仕するやり方の破綻の典型が、そこに、ちょこっと残ったという形であらわれたんじゃないかということを指摘しておきたいと思います。
 次に、臨海副都心開発事業会計で、十年度の決算ですから、この決算の最大の特徴は何かといったら、第三セクターの経営安定化対策と称して、臨海会計から十年間で二百七十億円の財政投入計画が強行されたことだというふうに思います。当時、私も予算特別委員会で、二年前に取り上げました。マル福だとか、ここでもやっぱり福祉の切り捨ての大なたを振るう計画が出されている。そういう一方で、この臨海第三セクターへの支援計画が出されていたわけであります。
 しかも、なぜこのビル経営が破綻したのか、破綻の危機に直面しているのかという原因の解明もなく、あるいは、出資者である金融機関等の支援内容や各業態別の融資残高だとか金利だとか、各行の融資残高や金利とか、審議に必要な判断材料が全く出されないまま、これは何か資金繰りが大変になるからとか、企業秘密だとか、いろんなことがいわれましたけれども、そういうことを理由にして、一切明らかにされないまま強行されていったというのが、この安定化策だったと思うんですね。
 そこで、その安定化策でいろいろありましたよね。その内容は申し上げるまでもないわけですけれども、ビルの管理事業について、竹芝地域開発、それから臨海副都心建設株式会社のあのフロンティアビル、東京テレポートセンター、こういう事業をテレポートセンターに集中してサブリース契約で行うんだということで、内部努力ということで役員を削減したり、職員を削ったり、あるいは諸経費を圧縮する、そういう努力が行われるという内部努力があったり、さらに、金融機関の支援ということでいろいろあったり、さらに東京都自身の二百七十億円という支援があったりということで進められていくわけです。
 その結果、先ほども答弁がありましたので、ちょっとお聞きするのはなにかなと思いますけれども、やっぱり話のつながりぐあいがありますので答弁していただきたいんですが、この経営収支の状況というのはどのように改善されたのか、もう一度答弁をいただきたいと思います。

○阿部総務部長 平成十年度から経営安定化策を着実に実施しているところでありますが、その結果、平成十年度で償却前黒字を達成しました。十一年度の見込みでありますけれども、営業黒字を達成するという見通しになっております。

○西田委員 先ほど藤田委員さんの質問に答えられて、全体としてですか、二十億円の改善があって営業黒字になった、達成したというふうにお話があったのですが、この営業黒字というのは、一体どういうことなのか。それから、その営業黒字ということで十年度と比べた場合、どの程度の改善になっているのかということについてお伺いしたいと思います。

○阿部総務部長 営業黒字ということについてでございますけれども、営業収益から営業費用を差し引いて算出されるものでありまして、会社が営業黒字を計上するということは、会社の通常の営業活動といいますか、いわば本業で利益を計上することができるような状態になったということであります。
 十一年度の決算見込みで収益が二十億円改善されるということで、営業黒字になったということですけれども、その具体的な内容についてでありますが、十一年度についてはまだあくまでも見込みでございまして、会社が現在決算作業中でございますので、その詳細についてはお答えできません。

○西田委員 私、今ちょっと質問が悪かったのかもしれませんが、この二十億円がどうなったのかということを聞いたわけではないんですね。せっかくのご答弁ですから、ついでに、この二十億円というのは、会計上、どういうものとの比較の中で、収支の比較の中で二十億円なのか。それから、さっき私がお答えいただきたかったのは、いわゆる営業黒字というレベルの話で、十年度はどうだったのかということをお聞きしたかったんです。

○阿部総務部長 十一年度の決算見込みで収益が二十億円改善されるということの内容でありますけれども、人件費の削減、それからビル事業の増収策等三セクの経営努力によって生まれてくるものであります。
 営業黒字でありますけれども、十一年度の見込みで営業黒字になるということで、じゃ、十年度はどうだったかということでありますけれども、営業黒字は見込みでありますが、十一年度で初めて達成されるということでありますので、十年度については営業黒字は生じておりません。同じ項目でいいますと、黒ではないということであります。

○西田委員 ちょっと私の質問にかみ合わないで困っちゃったな。じゃ、私の考えを述べてみますので、それでいいのか悪いのか、判断していただきたいと思います。
 その最初の二十億円の改善というのは、こういうことでしょうか。収入として営業収益というのがありますね。それから、営業外収益、これは受取利息等ですね。それから、特別利益、不動産売却益等というのが収入として通常計上される。支出の方は、減価償却費以外の営業費用、それから減価償却費という、これが営業費用という中身だそうですが、それと営業外費用、支払い利息等というのと特別損益というのがあって、その収入と支出全体を比べたときに二十億の改善が見込まれるということで、一つ私は理解したということでいいかという問題ですね。
 もう一つは、その営業黒字という場合に、営業収益と比べるのは、営業費用といわれる、減価償却費以外の営業費用と減価償却費を足したもの、これと比べて黒になるということで、その見込みが立ちましたよということだということなんですね。
 そこで私が質問したのは、その営業収益と営業費用と比べたときに、十年度はどうだったのですかと。十年度、営業費用、三社の合計ですね。三社合計でとさっきからいわれていますから、三社合計で営業収益と営業費用と比べてーー黒字にならないんですから、赤なんですよね、どれだけの赤だったんですかということをお聞きしている。

○阿部総務部長 三社合計で、平成十年度は二億円の赤でございます。赤字が二億円でございます。(西田委員「それで、最初の方のあれは」と呼ぶ)先ほどの先生のご理解のとおりでございます。

○西田委員 償却前黒字とか、それから営業黒字とか、何か本当に私にはわからない言葉が次々と出まして、営業黒字というのがどういう状態なのかということを今ちょっと知りたかったものですから、お聞きしたんですが、二億でしょう。黒の前、赤字が二億だということですね。営業黒字になったということですから、二億は改善した。それ以上、五億、もっと十億も二十億も改善したのかなとさっきの話を聞いていたら、そうではないわけですね。全くそうではないということはわかりました。
 つまり、この営業収益と営業費用を比べた場合の話でありまして、収入の方でいえば受取利息とか、支出の方でいえば支払い利息とは全く関係のない話なわけですね。ただ、もともとこの三セクのビルは、ほとんど大半が借金で建てられたビルであることはご承知のとおりですから、その支払い利息の負担というのが物すごく大きくなっているわけですね。まずそういうことだということなんですね。
 それで、まず都の支援について伺いたいのですが、決算当年度、つまり、今決算を審議しているわけですが、この十年度と十一年度、それから十二年度、これは予算になりますけれども、それぞれどのような支援が東京都の支援として行われたのか、この三年間。それぞれお答えいただきたいのです。

○阿部総務部長 平成十年度には、東京テレポートセンターへの増資が三十億円、東京臨海副都心建設及び竹芝地域開発への無利子貸付が五十億円、東京テレポートセンター並びに東京臨海副都心建設への地代の減額を実施しております。
 また、平成十一年度につきましては、東京テレポートセンターと竹芝地域開発へ無利子貸付三十七億円、東京テレポートセンターと東京臨海副都心建設への地代の減額を実施しております。
 十二年度につきましては、東京テレポートセンターへの無利子貸付二十億円と、東京テレポートセンター並びに東京臨海副都心建設への地代の減額を実施する予定でございます。

○西田委員 お話がありましたけれども、結局、この三年間で出資は三十億円、それから無利子の貸し付けは百七億円、そして、それぞれ毎年度地代の減額ということになるわけですね。これだけの支援が行われる。つまり、地代の減額ーーその前にちょっと教えてください。地代の減額というのはどういう計画になっておりましたか。

○渡辺開発部長 地代減額でございますけれども、十年間にわたりまして七五%を減額する。金額としては百三十三億円と見積もってございました。

○西田委員 十年間で百三十三億円の減額を見積もっているわけですから、毎年毎年地代が上がったり、何か変動があれば別ですけれども、大体平均して毎年十三億円ぐらいずつ減額されたと考えていいと思うんですね。そういたしますと、三年間の地代減額で約四十億円ということになるわけですから、これだけの支援がこの三年間で投入されたということで、収支が改善されたというのは当然のことだというふうに思うんですね。もちろん内部努力と金融機関の支援もあるでしょうが、そういうことで、かなりの東京都の具体的なお金が投入されて改善しているということは明らかだというふうに思います。
 そこで、今後の見通しなんですけれども、平成二十三年に単年度黒字を達成するという計画になっているわけですが、その前提は営業収益はどれだけ上げられるかということであって、その営業収益の約九割をオフィス賃料収入で占めているというふうに思うんですけれども、その安定化策では、平成十六年度までに現在の賃料を一・五倍にする。これは高速鉄道の大崎への延伸等、あるいは交通アクセスの整備等々というのがあるんでしょうが、そういう上に立って、積極的に賃料の引き上げを行う、あるいはテナントの誘致をするということが、あの安定化策に書いてあるんです。そういうふうにいわれているんですが、果たして本当にそういうふうにうまくいくのでしょうかという問題なんです。
 そこで、この三社のビルの入居の状況につきまして、十年度末と十一年度末とを比べて、現実にどのようになっているか、会社ごとにその入居の状況を明らかにしていただきたいと思います。

○阿部総務部長 入居の状況でございますが、入居率で申し上げます。東京テレポートセンターが十年度は一〇〇%、十一年度で九八・七%、一・三%の減でございます。臨海副都心建設は十年度が九一・九%、十一年度が九一・五%、ですから、〇・四%の減ということになります。それから、竹芝地域開発は十年度が九七・三%、十一年度が九六・〇%で、一・三%の減ということになります。

○西田委員 入居率という点で今お答えがありましたので、若干改善したのもあるのかなというふうに思いましたけれども、実際に貸付面積で見ますと、みんな減少しているんですね。テレポートも八百九十九平米減っておりますし、フロンティアビルも三棟で百十一平米減っていますし、竹芝地域開発も九百五十三平米減っております。
 それで、九年度あたりと比べますと、かなり改善されているということはあるわけなんですが、十年度と十一年度の入居状況を比べると、こういうふうに三社合計で千九百六十三平米減少しているわけであります。
 特に私は、これはどうなのかなと思うのは、竹芝についてなんですが、十一年度末と十年度末を比べますと、さっきいいましたように、九百五十三平米の減少ですから、約千平米近く減少しているわけであります。この竹芝地域開発のビルについて、今後の入居状況の改善と平成十六年度までの値上げの見込みはどのようになるでしょうか。

○阿部総務部長 竹芝地域開発についての今後の入居の状況、それから賃料値上げの見込みについてでございますが、これにつきましては、営業努力を重ねること、それから景気回復などにより、入居率、賃料収入がさらに改善するというふうに見込んでおります。

○西田委員 営業努力によって入居率を改善するというのは、本当にそういう努力は結構なことだというふうに思いますが、一年前と比べまして、これだけ減少しているわけです、現実に。それから、臨海高速鉄道が全線開業といいますか、大崎まで延伸されたとしても、ストレートにそのメリットを受ける地域ではないんですね、ここの竹芝の地域開発というのは。同時に、汐留の開発が進んでおりますね。汐留の開発というのは本当にすぐ近くですから、そういう周辺のビル開発が進んでいくということになりますと、内部努力で入居率も高めるということなんですが、賃料が相当下がるとか何かということじゃないと難しいんじゃないか、厳しいのではないかというふうに思いますが、どうでしょうかとお聞きしても、同じでしょうか。

○阿部総務部長 竹芝地域開発について、入居率、入居状況でございますけれども、確かに一〇〇%ではございませんが、九六%というふうな高率でございます。さらに状況の変化はございますけれども、これは血のにじむような努力を重ねるしかないということであります。

○西田委員 それは、じゃ、そういうふうにお聞きしておきましょう。
 もう一つ、フロンティアビルが台場、有明、青海の三社で百十一平米減少しているんですけれども、このビルごとの入居状況というのはどのようになっているでしょうか。また、テレコムセンターはどうでしょうか。これも十年と十一年度で比べてお願いします。

○阿部総務部長 十年と十一年度の入居率の比較をいたしますが、お台場のフロンティアビルにつきましては、十年度が一〇〇%、十一年度がこれは一〇〇%で、同じでございます。今のは台場のフロンティアビルでございます。次は、有明のフロンティアビルは、十年度が八九・二%、十一年度が九〇・二%ですから、これはプラス一%ということになります。青海のフロンティアビルにつきましては、十年が八五・二%、十一年度が八二・六%ですので、二・六%の減ということになります。東京テレポートセンターのテレコムセンタービルにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、一〇〇%が九八・七%、一・三%の減でございます。

○西田委員 台場の方は、一〇〇%、一〇〇%といっても、貸し付けている床面積はふえているんですね。二百五十四平米ぐらい、私の計算ですと、ふえています。有明も三百二十一平米ふえているんですね。青海のフロンティアビルは二・六%の減少ということで、六百八十六平米ぐらい減っているんですね。こうして台場や有明はふえているわけですが、青海が減少している。青海のテレコムセンターも、さっきいわれたように、減少しているんですね、八百九十九平米。
 結局、竹芝と青海のビルへの入居が減少しているというのは、理由がないことではないんじゃないかと思うんですね。高速鉄道の開業まであと二年というところに来ていますが、その効果も見込んでなのでしょうか、台場や有明のフロンティアビルには入居状況の改善が見られるのではないかと思うんです。けれども、青海のビルの入居状況と大きな開きがあるというか、余り大きいかどうかはわかりませんが、差があるというのは、いずれのビルも、高速鉄道の開業によって、ストレートに大きく影響を受けるということにはならないのではないかというふうに思えてならないわけです。
 私たちはこれまでも指摘してまいりましたけれども、こうした状況のもとで、あと四年後ですね、平成十六年度というのは。ここまでに賃料を五割アップするということになれば、有明のフロンティアビルあるいは台場のビル等で、一・五倍じゃなく二倍とか、それ以上の賃料改定が行われなければならないことになるんじゃないかというふうに思うわけですね。それが果たして本当に現実的なのかどうか。そういう見通しについて、なかなか厳しいんじゃないかというふうに思わざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。
 次に、今度は金融機関の対応についてでありますが、この安定化対策では、金融機関に対して、金利の引き下げや融資残高の維持ということで、十年間に都と同額の支援協力を求めたことなんですね。まず、臨海の第三セクター三社への融資残高というのはどのようになっているでしょうか。九年度末と十年度末を比べて、金融機関の業態ごとに説明をしていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

○阿部総務部長 臨海関係第三セクター三社合計の業態別融資残高につきまして申し上げます。
 日本開発銀行は、平成十年三月末で八百二十億円、平成十一年三月末で七百九十億円、長期信用銀行は、平成十年三月末及び平成十一年三月末ともに四百九十四億円で、同じでございます。都市銀行等につきましては、平成十年三月末で千八百四十四億円、平成十一年三月末で千七百八十六億円、信託銀行は、平成十年三月末で三百二十七億円、平成十一年三月末で三百八十五億円、生命保険会社、損害保険会社は、平成十年三月末及び平成十一年三月末ともに三百四十九億円。
 なお、これらの合計で見ますと、平成十年三月末で三千八百三十四億円、平成十一年三月末で三千八百五億円でございます。融資残高合計は二十九億円の減少というふうになっております。

○西田委員 今業態別にお話しをいただきまして、二十九億円の減だということなんですが、信託銀行とか市中銀行とか、これはちょっと出入りがありますが、基本的には、残高維持が行われていて、開発銀行だけが二十九億ですか、三十億ですか、残高が減少しているわけなんですね。それで、残高が減少したということは元金を償還したということですから、無利子と有利子といろいろあると思うんですが、無利子を中心に残高が償還されているんじゃないかと思うんですけれども、有利子分もこの中には含まれているのかいないのか、あるとかないとか簡単でいいですから、お答えいただきたいと思います。

○阿部総務部長 ただいまのご質問についてでございますけれども、ご質問の内容について詳細を明らかにすることは、関係者間の信頼関係に支障を来すおそれがございますので、お答えできないことでございます。

○西田委員 ごめんなさい、時間がたって。安定化策の中での金融機関の支援という点では、資金繰り支援で円滑な融資ということが挙げられていますね。そういう形での支援ということに、この残高維持というのはなるんだと思うんですね。そういう点で、開発銀行というのは、私は、この臨海副都心開発を進めてきた大いに責任のある銀行だと思うんですよ。ですから、協力をするというのであれば、この開発銀行が真っ先になって協力をしていかなくちゃいけないはずなんですね。ところが、その開発銀行の協力が何だかほかと比べてちょっとどうなんだろうかと思うような問題というのは、いかがなものかというふうに思います。
 それで、はしょりますが、臨海三セク三社の支払った金利というのは、この安定化策をとったことによって、どのように改善されたのでしょうか。それから、それはどのような具体的な支援の内容になって引き下げられてきたのか、具体的な支援内容をお答えいただきたいと思います。

○阿部総務部長 平成九年度における金融機関向け支払い利息額は百二億円、平成十年度は約八十五億円でありまして、約十七億円減少しております。業態ごとの金利の引き下げ状況等につきましては、これを明らかにすることで、会社と金融機関との取引関係に支障を生ずる可能性もございますので、お答えできません。

○西田委員 お答えできないというところについては、前からもお答えいただけないというので、ちょっとはしょりますが、金融機関の支援というのは、十年間で都の二百七十億円相当というのが支援のスキームのはずだったんですね。金利がどの程度引き下げられたのかということも、今わからない、いえないということであれば、それが本当にそうなのかどうかというのも判断ができないということで、これはやっぱりちゃんといってもらわないと困ると思うんですね。
 私は実は二年前の予算特別委員会で、こういう問題について質問をしたわけですね。そのときに、どういう金利の負担を下げるのかと聞きましたら、港湾局長が明快に答えられました。十年間で平均で〇・七五%引き下げる、金額での負担の軽減は二百七十億円だ、このように明確に答えられたんですね。私は、今十七億円の金利の負担が減少したということで、残高維持で変わらないわけですから、これから先十年間で計算をすれば、百七十億円の金利の負担軽減ということになるのかなというふうに思っているわけなんですけれども、二百七十億円とは百億円の乖離があるわけなんですが、この百億円はどうやって埋めていくんでしょうか。

○阿部総務部長 経営安定化策におきます金融機関の支援額二百七十億円は、経営安定化策策定時に想定した金利に対する支払いリスクと支援後の支払いリスクとの十年間の差額の合計でございます。一方、ご指摘の十七億円につきましては、平成九年度と平成十年度の実際の支払い利息の差でございまして、したがって、両者は全く性格の異なる数字でございますので、比較の対象とすべきものではないというふうに考えます。

○西田委員 全く比較の対象にすべきものではない、それは考え方が違うから違うんだといいますけれども、実際に金融機関からの金利の負担が幾ら軽減するかというのは、実に具体的な話なんですね。
 今この金利が非常に低くなって、変動金利を固定にしたということで、十年間固定していくというので、中心的には利息が減っていく、あるいは固定の金利はどれぐらいか下げて減っていくということなんですが、これ以上金利は下がらないというふうにいわれているわけですね。ですから、百七十億というのは現実にお金の額として出ていくとなれば、考え方がどうかは別として、現実のお金としては、百七十億円の支援にしかならないというのは、都民から見たってそれは明らかな話じゃないんですか。
 それから、もう一つ、ちょっとお聞きしますが、今後金利が上がった場合、変動から固定にしたわけですから、この十七億円減少という具体的に今年度一年間であらわれたこの金利の負担軽減というのは、これはずっとその影響でいくと考えていいですか。現実のお金の話です。

○阿部総務部長 変動金利から固定金利に変更した金利につきましては、今後十年間、金利の変動がございましても変わりません。固定のままでございます。

○西田委員 私がお聞きしているのは、この十七億円というのは、変動から固定になったのも入っているし、変動のまま残っているのもあるんじゃないですかというふうに考えているんですが、その変動がもし残っているとすれば、それは金利が上がった場合に、その分については利息の支払いはふえていくんじゃないですか。どうなんですか。全体としてですよ。

○阿部総務部長 金融機関は、変動金利の融資につきまして、経営安定化策に基づきまして、従前の変動金利より金利水準の引き下げを行っております。市場金利の動向にかかわらず、利息負担が軽減されることになっています。
 また、変動金利を固定金利に変更した結果、会社の支払い利息額は、たとえ市場金利が上昇したとしても、経営安定化策の期間中、一定に保たれることになりまして、利息負担が軽減されるということになります。こうした対応によりまして、十年の期間で見れば、十分な支援効果があらわれるというふうに考えます。

○西田委員 済みません、時間が延びていて。まとめたいと思いますが、今、十年の期間で支援効果があらわれる。つまり、それはあくまでも金利がどのように変動していくかという推測の話でしょう。推測で、固定してやった。だから、その差額がメリットになるんだという話ですけれども、あくまでも推測の話じゃないですか。本当にわずかしかずっと上がっていかないで、横ばいでいくかもしれませんよね。それから、全部変動から固定にしたんじゃないというふうにお聞きしています。そういう点でいえば、その部分については、金利が上がれば金利の負担はふえていくという話じゃありませんか。
 ですから、そういう意味で、私は金融機関の協力というのは不足していると思うんですよ。東京都がこれまでどれだけ支援してきましたか。第三セクターが払った利息というのはもう六百二億円ありますね、十年度までに。それから東京都が三セクに入居という形で、十年度で見れば一年間で二十四億円もお金をつぎ込んでいるわけですよ。これがずっと十年間そのままやれば、二百四十億円の賃料を払う、そういう話にもなるわけですね、共益費等を入れて。そういうこともあります。そして、地代の減額その他で二百七十億円の支援ということになるでしょう。けれども、金融機関からすれば、それは二百七十億円相当ですというかもしれないけれども、それはなってみなくちゃわからない話で、現実に考えられるのは百七十億円程度だと私が申し上げても、ちっともおかしくない話だというふうに思うんですよ。本当に民間と金融機関との関係でいえば、金利を棒引きにして、金利なしにしてほしいといったら、はいよと応じるところだってあるわけじゃないですか。
 そういう点からいえば、私は今度の支援策、安定化策というのが、それをとって、いいというわけにはいかないし、ましてやこれから、さっきもいいましたように、高速鉄道が通っても、必ずしも賃料が一・五倍に上げられるかどうかわからない、入居もあるかどうかわからないという話になっていけば、これからもっときつくなるわけですよ。再支援というお話がさっきありましたけれども、私は、労経三セクが、東京都がお金を入れないで、金融機関の協力で、お金を入れないけれども先送りするという形で、しかし、地代の減額もないし、現ナマを入れるというわけでもないしという、そういう支援スキームをつくりましたね。そういう点でいえば、本当に東京都がもう地代減額なんかやめなさいといいたいですよ。それから、金融機関に、本当にそういう点ではつぶしたくなかったら、ちゃんと金融機関がテナントに自分が入るとか、そういうことも含めて考えるということは大阪でもやっているわけですし、本当にもっともっとちゃんとしっかりとやらなきゃいけないというふうに思います。
 今年度も、さっきもいわれましたように、二十億円の無利子の貸し付けがあるわけですし、十三億円程度の地代の減額もあるわけですし、一方で、福祉の切り捨てがばんとやられた。こんな都政のあり方は都民から見れば許せない、そういう話でありますので、こういう支援策には本当に反対だということを申し上げて、終わりたいと思います。

○曽根委員 質疑もきょうで終わりで、最後でございますので、簡潔にやりたいと思いますが、ご協力をお願いします。
 それから、今回は平成十年度、九八年度の決算なんですが、この年は臨海開発事業会計、この中で、いわば大きなエポックがあった年です。つまり、青島都政見直し後初めての二次公募の決定が、この六月に行われたわけですね。局としては、待望の二次公募第一号ということになるんでしょうけれども、私たちはこれに対して、新たな破綻への第一歩であるということで、これがいかにこの開発の都民利益になるような見直しをしていく上で障害になっているかということについて、若干関連をしたいと思います。
 この見直しの際に、原則としておおむね五年ごとに見直しをする、その際に財政見通しも出しますよということが決められていました。こういう方針に基づくと、来年あたりが五年になるんですが、この方針どおりの見直しを行い、財政見通しも新たに出すというお考えはあるでしょうか。

○渡辺開発部長 平成八年七月の臨海副都心開発の基本方針及び平成九年三月の臨海副都心まちづくり推進計画では、おおむね五年ごとに、必要に応じて開発の内容を見直すこと等としてございます。このとおりでございます。

○曽根委員 これについて、代表質問で、私たち、知事が危機突破・戦略プランの中で臨海再整備指針の策定を表明しまして、あわせて開発整備ビジョンも出す。中間まとめはことし六月ごろですか、出すというふうにしているので、この中には当然臨海開発が含まれておりますから、開発の見直しとなる。だとすれば、当然財政見通しもあわせて出す必要があるだろうということで、これは繰り上げて、おおむね五年なんですから、ことしは四年目なんですから、おおむね五年として財政見通しを出すべきだというふうに質問しましたが、知事ははっきりとお答えにならなかったんです。
 改めて港湾局として、これは開発整備指針、ビジョン策定とあわせて、財政見通しを出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○渡辺開発部長 臨海ビジョンの策定に向けて検討を進めているところでございます。検討状況を踏まえて、先ほど申し上げました臨海副都心まちづくり計画における、おおむね五年ごとに必要に応じて開発の内容を見直す等としているということに対応してまいります。

○曽根委員 時間があれなんで、はっきりお答えいただきたいんですが、開発ビジョンの中間まとめはことし六月ごろに出すといっているわけです。ですから、当然その前提として、その中に含まれている臨海開発の財政見通しをきちんとこれまでの経過も含めて明らかにしなければ、次の大きな開発を考える前提が立たないと思うんですよ。したがって、これは来年五年目だからというのではなくて、今年度中にやらなきゃならないものだと思いますが、いかがでしょうか。

○渡辺開発部長 現在、鋭意臨海ビジョンの策定に向けて検討を進めているところでございます。その検討状況を踏まえて、適切に対応してまいります。

○曽根委員 私は、臨海開発もう十年以上になりますから、その中で財政的にはどうだったのか、今後見通しがあるのか、まさにその開発整備ビジョンを大きくつくるとしても、その中核が臨海副都心ですから、その見通しが立たずして周りの開発なんていうのはあり得ないわけでしょう。それをはっきり、その整備ビジョンの中間まとめと一緒に、ある程度の見通しを出すというふうにいえないということは、二つ考えられると思うんですけれども、一つは、臨海開発事業会計の現在の財政状況が都民に説明できない状態なのかということか、今後の見通しが立たないのかというふうに見られても仕方ないと思うんです。これは指摘だけしておきます。
 もう一つは、長期収支を見直しのときに立てたわけですが、これが一体今どうなっているのか。私、率直に意見をいいますけれども、一つは、第一次進出企業は既に全部契約が終わっているはずだったんですね、長期収支上は。ところが、その中で二つ明確な撤退が出て、もう二次公募に繰り入れられましたね。東京都市開発と資生堂のグループですね。それから、明確にはなっていないけれども、三井不動産は、事実上、一昨年の春に進出権放棄ですよ。こういうところまで来ているんですから、そういう部分の収入欠陥が既に出ている。それから、今までに予定がなかった臨海高速鉄道に追加出資をしなければならなくなった。これも臨海会計からの出資がある。しかも、二年おくれる。地価も低迷しているというふうに、長期収支からの大きな後退要因になっていると思うんですが、私は、そういう点からも、大至急この財政見通しを立て直す必要があると思うんですが、この点はいかがでしょうか。

○渡辺開発部長 平成九年の臨海副都心開発の長期収支試算におきましては、平成四十八年度の収支均衡年次までの都有地運用収入等を試算しているものでございます。平成十年度までに都有地運用収入等は三千五百十七億円でございまして、試算をいたしました二兆五千三百七十八億円の一四%でございました。本格的に土地処分を開始したのは平成三年度からでございますので、既に有償処分面積の約四割が処分されているということでございます。収入額及び面積の点から見て、今後貸付地からの賃貸料収入、また、藤田委員の方にご説明いたしましたように、臨海高速道路の開通あるいは交通基盤の整備並びにまちとしての熟成等があるということを考えますと、長期収支試算による長期的な収支の見通しは十分成算があるものと考えてございます。

○曽根委員 都有地の運用収入は、開発全部の期間を通じてといいますか、均衡の年次までで二兆五千三百七十八億円、そのうち、今までに三千五百十七億円が収入されたから、今後も大丈夫だろうというけれども、それはちょっとあんまりだと思うんですよ。まだ一四%で、あと二兆二千億、収入予定が残っているわけですね。ここが私は大問題だと思うんです。確かに一企業の進出については、これは二次公募でかわりの企業が見つかれば、それは穴埋めができるでしょう、何年かおくれるけれども。それから、追加出資もそのとき限りの出費ですよ。もう余り議論する時間がないから、自分でいっちゃうんですけれども。
 ただ、私、地価の動向だけは、これは後々大きな影響が残る問題だと思うので、それをわかりやすくするために、ちょっときょうはパネルを一枚用意したんですが、私なりにつくった臨海副都心の地代収入の模式図です。(パネルを示す)模式図というのは、極めて概略的な図だからそういうふうに書いたんですが、これは土地処分に伴う権利金の収入とか、売却も予定していますが、売却収入とか、一時的なお金は無視して、地代収入だけを見たものです。これから入る二兆二千億円の収入予定の恐らく二兆円近くは地代収入だと思いますので、ここがどうなるかが大きいんですね。
 しかも、今後の開発処分については、わかりやすくするために、極めて理想的に開発が進んだという前提で、二次公募で残りを予定していますね。これが一気に全部契約ができたというふうに仮定して、十二年度、それから、基本方針でありますね、十七年度までに企業進出を予定している区画が。これもめでたく全部一気にできたと仮定して、一気にここで地代収入が上がる。それから、最終的には二十五年間で全部熟成するといっていますので、最後の開発がこれで終わるというふうに三段階で土地処分が行われたと仮定しまして、本当はこんなにきれいにはいかないでしょうけれども、そうすると、地代の動きを見ますと、今の長期収支によると、二〇〇〇年から二〇〇五年まで、この五年間は二%で上昇する。さらに、「ゆりかもめ」が延伸し、道路が一部できれば、その後は三%で前進する。上昇していく。で、平成四十八年までですね。今高速鉄道が二年おくれたということで、ことしは地価が上がらなかったわけです。さっきは下がらなかったからよかったという話がありましたが、これがもう一年「ゆりかもめ」にかかるということになりますと、毎年二%ずつ地価の上昇から外れていくわけです。二年間で約四%。これが地下鉄が開通しても地価がもし上がらなければ、さらに深刻な事態になる。二年間おくれただけで全体が四%ずつ、ずっと最後まで、この黄色い色を塗った部分が累積して収入が減るわけですから、これから二兆二千億予定しているとすれば、四%で約一千億円弱収入減になるわけですね。さらに、二〇〇五年まで地価が上がらなかったとするならば、六%ぐらい落ちまして、二兆二千億円の六%ということで、さらに大きな減益、減収、収入欠陥が生じる。
 これから数年間の地価の動向というのは、開発の将来にわたるまさにネックになるだろうというふうに思うんですが、これが二年おくれる段階に入りつつあるわけですね。したがって、私のこの図でいうと黄色いラインに入ってきている。さらにこの赤いラインに入らないという保証はないということだと思うんですが、この先を考えますと、これは財政見通しを改めてきちんと立て直す、地価の上昇に頼った財政収入計画というのを見直すことがどうしても必要じゃないかと思うんです。改めてお聞きしますが、いかがでしょうか。

○渡辺開発部長 地価上昇の見込みについてでございますが、二%ないし三%というような形で、長期的な試算の中で設定をしているものでございます。長くなるので省略いたしますけれども、先ほど、平成十二年の公示地価では、恵比寿駅周辺は二百七十九万円、目黒駅周辺で二百十一万円、五反田駅周辺で三百三十五万円という数字が出ております。一方、臨海副都心は、現在平均で百十四万円である。こういうようなことからも、おのずから臨海副都心のまちの熟成、あるいは臨海高速鉄道、交通基盤の整備によって、今後の地価の動向については、成算があるというぐあいにいえると思います。
 もちろん収支両面にわたりまして節減を行い、また増収努力を不断の努力で行っていく。収支の見直しということではなくて、日々の中でそういう努力を行っていく必要は、私ども、十分考えてございます。

○曽根委員 やっぱり努力しなければならないということだというふうにお答えになりましたが、私は、確かに地下鉄開通や「ゆりかもめ」の延伸で一時期地価が上がるということは、あり得ないことじゃないというふうには思いますよ。しかし、この計画の最大の弱点というのは、地価が二%なり三%で将来上がり続けるという想定をしていることなんですよ。これは単に臨海副都心の土地の地価ということじゃなくて、東京全体の業務・商業の土地の地価が上がっていかない限り、臨海だけこういうふうな上がり方をするということは、通常あり得ないわけですね。
 そういう点で見て、これから三十年、四十年の期間ですから、確かに地価がまた上がっていく可能性も十分あります。しかし、これまでのように、バブルを経験した日本の経済が、また将来、現在の地価の二・七倍に上がるだろうというふうに単純に予測できるような状況なのか、また、そういう予測をもとに公共開発を行っていいのかということが、私、厳しく問われていると思うんですよ。バブル時代ほどではないにしても、ミニバブル的な地価の設定のもとに財政計画が立てられている。私は、こういう考え方から今後はこういう公共開発は脱皮していく必要があるだろうということをまず申し上げておきたいと思います。
 二つ目に、先日の予算特別委員会や本会議で、いわゆる臨海開発の税収効果という話がありました。その中で、将来のことはいろいろ予測は立つと思うんですが、今決算でやっています九八年度、平成十年度までに一般会計から投資したお金が税収で回収されるのはいつかという質問に対して、二〇〇一年までに税収で回収できるという答弁がありました。これは、税収というのはそんなにはっきりして出てくるものかなと疑問を持ったんですが、この税収の根拠はどういうものでしょうか。

○渡辺開発部長 今回臨海副都心開発にかかわる税収試算でございますけれども、個別企業の税収額を具体的に把握するというのは、税務上の守秘義務等の問題がございますので困難ではございますが、臨海副都心開発に伴う全体としての税収効果をとらえ、開発の効果を測定しようということで、調査を専門家に委託して実施したものでございます。したがいまして、一定の前提のもとに税収額の推計を行っております。
 ご指摘の予算委員会での答弁は、平成十年度までに開発のために支出した一般財源は一千五百億円であったが、平成十三年度までの開発の効果として、都税収入の推計額はこれを上回る一千六百億円であるというような試算結果を申し上げたものでございます。
 今回の本試算の推計方法につきましては、平成九年三月の臨海副都心まちづくり推進計画の人口フレーム、建設投資額、土地処分等を基礎とし、都区部の税収実績等をもとに行ったものでございます。
 なお、平成十年までには既に建物の建設等あるいは土地の処分等が行われてございますので、この部分につきましては、現実の実際の状況を反映させた形で対応をさせて、モデル計算をしたものでございます。

○曽根委員 今、個別企業の税収を押さえるのは、私企業ですから困難だというお話がありました。これはもちろんのことですが、困難だということよりも、私、主税局の職員の方とか、それから税務専門の方に聞いたんですが、どの方も、そういうことは意味がないというお話でした。つまり、臨海開発にたとえ本社があったとしても、その企業はたまたまそのビルがあいていたので、そこを借りて、臨海開発で営業をしている。じゃ、臨海から税金が上がったという。これは陳腐な考え方だと。陳腐という言葉は最近はやっているんですが、空きビルは都内いずこにもあるわけで、どれを選ぶかというのはあくまで選択の問題で、たまたま臨海に来たから臨海から税収が来たということは、極めてナンセンスな話だというお話もありました。
 それから、経済の専門家の方に聞いたら、例えば臨海のためにつくった企業、第三セクターなんかそういうのに当たると思うんですが、それが新たに職員も雇い、税収を上げているということであれば、これは臨海の独自の税収効果だといってもいいだろうが、しかし、現実は、臨海開発のためにつくった企業は軒並み全部赤字なわけですよ。熱供給ぐらいですか、今黒字なのは。そういう状態ですよね。まあ、百歩譲って、臨海に進出したおかげで独自のメリットがあって、もうけが出た、ふえたという企業があれば、それは経済用語でいえば特別利潤というんだそうですけれども、臨海に来たおかげでもうかって、その分、税収もふえましたというのがあればまだしも、一般論で、そこに働いている人口で、それで割り返して、都区部の税金の就業人口一人当たりのでやるというやり方がいかに乱暴なことかというのは、私がいうまでもないと思うんです。
 そういう点で、就業人口というのは、本会議でも答弁がありましたが、現在臨海部に住んでいる方は三千人、居住者は約三千人、就業人口は約二万五千人、この数でよろしいんですか。こういう形でもってはめ込んだということでよろしいんでしょうか。もう一回ちょっと確認だけ。

○渡辺開発部長 それでは、若干長くなりますが、具体的な試算方法を、都税収入の主な項目である固定資産税と法人事業税についてご説明申し上げます。
 固定資産税につきましては、臨海副都心の売却予定地面積あるいは貸付予定地面積に計画上の地価を乗じた土地資産額に課税評価額への換算率〇・七を乗じ、さらに税率を乗じることによって算出したものでございます。売却予定地だけでございます。貸付地については、固定資産税はかかっておりません。また、建物についても同様のような形の所定の税率を掛けたものでございます。
 法人事業税につきましては、算定の基礎である都区部の税収実績を当該法人の就業人口で除した就業者一人当たりの税収実績額に、臨海副都心の開発計画上、あるいは既に開発が終了している過去の年次については実際の就業人口等を乗じて得たものでございます。また、景気変動に関する料率を乗ずることによって、景気変動の割合を考慮しているものでございます。
 なお、土地開発について、税収効果が意味がないというご指摘もあろうかとは思いますけれども、具体的に申し上げますと、固定資産税については具体的にその場所で発生するものでございますので、先ほどの主税局の職員のご指摘は当たらないのではないかというぐあいに考えております。
 また、臨海副都心の進出事業者等についてごらんいただきますと、ホテル等につきましては、臨海副都心という眺望を重要視して立地しておりますし、またNTTドコモは、テレコムセンタービルの中で携帯通信事業という新たな事業を展開することによって事業拡大をしたものでございます。さらに、フジテレビにつきましては、河田町におきましては既に事業を継続することが将来のディジタル化等について困難であるということから、事業拡大で進出をしたというようなことでございます。また、商業施設等につきましては、新たな集客機能を持つことで事業収入を得る機会を得たということでございますので、必ずしも先ほどのご指摘は当たらないのかな、実際に税収は現実の形として臨海副都心の中で生まれてきているのではないかと私どもは推計したものでございます。

○曽根委員 かなり細かい説明があったので、一言だけいっておきます。
 フジテレビジョンは認めます。進出直前の営業収益に対して、平成十年の、九八年の営業収益は二倍近く伸びていますよ。確かにあそこは進出して利潤をふやしましたよ。我々見ていてもわかりますよ。うまくやったなと思いますよ。
 ところが、そういう企業ばかりじゃない。大体は横ばいで、もしくはマイナスなんですよ。まあ、全都的にそうなんですが。
 一番ひどいのは、テナントとして一番大きいところだと思うんですが、昭和シェル石油です。あそこは社員が猛烈に反対したんですね。私、詳しく紹介したいんですけれども、時間がないからやめますが、大変な反対が社内であったのに、社長のワンマンで移ったんですよ。移って、その後、業績はどうかというと、九四年度四百四十六億円あった営業利益が、九八年度には二十八億六千万円しかないんですよ。私、これは偶然じゃないと思うんだ。いや、それは石油業界そのものの問題だといわれるかもしれないけれども、とんでもないですよ。あそこに移って何が具体的には問題になったかといえば、とにかくお客さんが来るのに交通の便がなくて困っているというのが、社員からもたくさん聞こえてきた。私、現に調べに行ったんですから。「ゆりかもめ」で事故があったときにも聞きに行きましたよ。そうしたら、その話も出ました。臨海に進出したために企業利益を下げたところは、間違いなくある。これは首をかしげるのだったら、昭和シェル石油によく聞いてもらいたいんですけれども、こういう例もあるんですよ。
 ですから、経済効果、税収効果というのを、こういう形で押さえることのナンセンス、個別企業についてつかめない、また、つかむ意味のない税収効果を云々するやり方は、私は意味がないと思う。
 むしろ、本当に経済効果というんだったら、都民の立場に立って、臨海開発が本当に都民の暮らしや営業や中小企業の立場に立った経済的な効果があるのかどうかということを、本当にまじめに考えていく必要が、私はあると思うんですよ。
 一つの例として、憩いの場という点で、来訪者の数については先ほど質問がありました。二千五百万人、平成十年、九八年度が、三千百五十万人にふえたということで、一年間にかなり大きく伸びているわけですが、この直接の原因は何だと思っていますか。

○渡辺開発部長 平成十年から十一年にかけまして、パレットタウンの開業、あるいは、パレットタウンの開業によりまして、臨海副都心のPRといいますか、認知度が非常に高まってくるということがございまして、多くの方が訪れたのではないかなというぐあいに考えてございます。

○曽根委員 パレットタウンの威力は物すごいと思います。私、二回行ってきました。確かにお客さんはすごい入っています。その影響が、私は、都内の有料のテーマパークが軒並み入場者が一割、二割、多いところで半分までダウンしているということに、直接影響を与えていると思うんです。先ほどお話のあったように、都民が平均して三回ぐらい行っているということになるんでしょう。アクアシティ、それからパレットタウンを合わせると、四千万人に及ぶんじゃないかといわれているわけですね。本当に東京じゅうのお客さんを引っ張っているわけですよ。しかし、そのことが、それでは本当に都民の方が消費購買力を伸ばしながら、そこにお金を落としてくれたのかということなんです。
 直接的な影響を受けている東京ディズニーランド、ご存じかもしれませんが、九八年から九九年にかけて、千七百五十万人入場者がいたのが、千六百五十万人、百万人下がったわけですね。これは開園以来初めてのダウンだそうです。大きなダウンをさせている。東京ディズニーランドというのは、大体今一人のお客さんが幾らぐらいお金を使うかというデータは出ていないそうですが、大人でいうと五千二百四十円のフリーパスというのを使うことが多い。有料のテーマパークですね。そういうところでお金を使うのをあきらめて、臨海副都心で「ゆりかもめ」に乗っていけば、お金をそれほど使わなくても娯楽ができるという方向に都民が今ずっと流れているということに乗っているからこそ、お客さんが集まっているということであって、じゃ、経済効果としてどうなのかという問題なんですよ。
 都民としては、そういうことにお金を使わなくなっているんですね。できるだけ安上がりで楽しめるところに行こう。これに合っているということであって、今まで皆さんが論議している経済効果というのは、そういうものじゃなかったはずなんです。私は、それはそれとして都民の選択ですから、これはいいことだと思いますよ、それにこたえるものができたということは。だから、必ずしも悪いものだと思いません。しかし、経済効果云々でいうならば、違うでしょうということを申し上げておきたい。
 最後に、見解をちょっと一言お伺いしておきたいんですけれども、都民の暮らし向き調査の速報というのが出ました。臨海開発、頑張って、お客さんをいっぱい集めている。そのことが娯楽や遊興費、それから交通費にどう影響しているか。都民が何しろ一人三回ぐらい行ったという勘定になるんですから。しかし、暮らし向き調査によれば、去年の都民の暮らしは、この統計をとり出して、公表して三十年近くになりますが、最大の落ち込みなんですよ。娯楽教養費はマイナス四・三%、全体の消費がマイナス三・五%に対して、さらに大きく落ち込んでいる。それから交通費に至っては、マイナスの一二%だったかな、一〇%を超えるマイナス、一年間で。そういうところまで都民の暮らしというのは落ち込んでいるわけです。
 そういう中で、臨海だけひとり勝ちという状態が、東京じゅうに住んで、暮らしている都民や、またそれぞれの地域で頑張っている中小企業、営業の方々にとって、本当にいいことなのかということを考える必要があると思うんですよ。私は、都民の憩いの場として臨海開発を活用していくということは否定していませんが、やはり東京の暮らし、都民の暮らしや地域ごとの中小企業や産業基盤や、そういうものにとって、本当の意味での地域経済を盛り上げるために活用するという方向で見直していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

○松村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○松村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時四十二分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る