委員長 | 松村 友昭君 |
副委員長 | 松原 忠義君 |
副委員長 | 浅川 修一君 |
副委員長 | 鈴木貫太郎君 |
理事 | 織田 拓郎君 |
理事 | 真鍋よしゆき君 |
理事 | 西条 庄治君 |
理事 | 古館 和憲君 |
理事 | 小礒 明君 |
三宅 茂樹君 | |
いなば真一君 | |
沢西きよお君 | |
森田 安孝君 | |
宮崎 章君 | |
石川 芳昭君 | |
新藤 義彦君 | |
白井 威君 | |
島田 久君 | |
曽根はじめ君 | |
花川与惣太君 | |
嶋田 実君 | |
藤沢 志光君 | |
西田ミヨ子君 |
欠席委員 なし
出席説明員水道局 | 局長 | 赤川 正和君 |
技監 | 石井 健睿君 | |
総務部長 | 石山 伸彦君 | |
経営計画部長 | 甘利 鎭男君 | |
職員部長 | 小泉 智和君 | |
経理部長 | 愛甲浩一郎君 | |
営業部長 | 二階堂信男君 | |
浄水部長 | 飯嶋 宣雄君 | |
給水部長 | 鈴木 三夫君 | |
建設部長 | 町田 秀君 | |
設備担当部長 | 関根 勇二君 | |
参事 | 古河 誠二君 | |
多摩水道対策本部 | 本部長 | 松田 奉康君 |
調整部長 | 山根 朋行君 | |
施設部長 | 佐々木滋夫君 | |
参事 | 村元 修一君 |
本日の会議に付した事件
平成十年度東京都公営企業各会計決算の認定について
水道局関係
・水道事業会計決算(質疑)
・工業用水道事業会計決算(質疑)
○松村委員長 ただいまから平成十年度公営企業会計決算特別委員会を開会いたします。
先ほどの理事会において、お手元配布のとおり、日程の追加を申し合わせました。ご了承願います。
本日は、水道局関係の決算の審査を行います。
これより水道局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十年度東京都水道事業会計決算及び平成十年度東京都工業用水道事業会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○石山総務部長 さきの委員会におきまして要求のございました資料を項目別に取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
一ページをごらんいただきたいと存じます。年間配水量等の推移でございます。
年間総配水量、一日平均配水量、一日最大配水量、配水量が日量六百万立方メートル以上の日数につきまして、平成元年度から平成十年度までの十年間の推移をお示ししてございます。一日最大配水量につきましては、年度によりまして渇水や冷夏などによる影響もございましたが、おおむね日量六百万立方メートル前後で推移しております。
二ページをお開き願います。水道用地下水の揚水量でございます。
一日当たりの水道用地下水の揚水量につきまして、都営水道二十四市町と未統合五市に区分し、平成元年度から平成十年度までの十年間の推移をお示ししてございます。都営二十四市町は二十万立方メートル前後、未統合五市は十七万立方メートル前後でそれぞれ推移しております。
なお、区部の杉並浄水所では、一日当たり四千立方メートル程度の揚水を行っております。
三ページをお開き願います。羽村取水堰投げ渡し堰のなぎ払いの回数でございます。
羽村取水堰の投げ渡し堰は、木の枝や丸太、砂利などの自然の材料を用いた堰で、洪水時には水の流れを利用して投げ渡し堰自体を下流に流し、流水断面を確保しております。その回数につきまして、平成元年度から平成十年度までの十年間をお示ししてございます。ご参照いただきたいと存じます。
四ページをお開き願います。浄水処理方法の調査研究及び適用実績でございます。
浄水処理方法の調査研究につきまして、高度浄水処理に関するものと、既存の浄水処理に関するものに分けて、その取り組み内容と適用実績をお示ししてございます。ご参照いただきたいと存じます。
五ページをお開き願います。三郷浄水場における高度浄水処理の効果でございます。
平成十一年三月末から稼働しております三郷浄水場の高度浄水施設につきまして、平成十一年四月から十月末までの高度浄水処理の水質検査結果を項目別にお示ししてございます。高度浄水処理は、安全でおいしい水の供給を目的とするものであり、原水の水質変動に対しても、カビ臭及び微量有機物質をより安定的かつ効果的に除去でき、その水質は改善されております。
六ページをお開き願います。水道水の残留塩素濃度でございます。
給水栓の残留塩素濃度につきまして、平成六年度から平成十年度までの五年間の検査結果をお示ししてございます。水道局では、給水栓水の残留塩素を確保しつつ、広域的な低減化を図るため、自動水質計器を設置し、連続して得られる測定結果をもとにきめ細かな水質管理を行い、給水栓水の残留塩素濃度の均てん化、低減化を図っております。なお、給水栓水の遊離塩素濃度は、一リットル中に〇・一ミリグラム以上保持することが義務づけられております。
七ページをお開き願います。ミネラルウオーター及び家庭用浄水器の出荷状況でございます。
日本ミネラルウォーター協会及び浄水器協議会の調査資料に基づきまして、平成六年度から平成十年度までの五年間のミネラルウオーター及び家庭用浄水器の出荷状況をお示ししてございます。ご参照いただきたいと存じます。
八ページをお開き願います。直結給水の拡大と漏水防止対策でございます。
平成元年七月の、三階建て建物へも直接給水できる直圧直結給水方式の導入後、配水管網の整備や、きめ細かな水圧調整を行い、対象区域の拡大に努めてまいりました。平成七年十月からは、安全でおいしい水を受水槽を経由せずに中高層建物に供給するため、増圧ポンプを設置して直接給水できる増圧直結給水方式を導入いたしました。それらの普及件数の累計と漏水量及び漏水率につきまして、平成元年度から平成十年度までの推移をお示ししてございます。水道局では、貴重な水資源を確保する観点から、お示ししてあります各種漏水防止対策を実施して、漏水率の着実な改善に努めております。
九ページをお開き願います。環境対策の主な取り組み状況でございます。
資源リサイクルに関するものと新エネルギーの導入に関するものに分けて、その取り組み状況をお示ししてございます。水道局では、資源リサイクルやエネルギー効率のよい水道システムの構築など、環境への負荷をできる限り抑制していくため、建設発生土や浄水場発生土の有効利用を進めるとともに、太陽光発電による水質改善の実証実験設備の導入や廃熱を利用する常用自家発電設備の設置など、環境に配慮した施策を推進しております。
一〇ページをお開き願います。職員の年齢別構成でございます。
平成十一年四月一日現在の水道局職員数につきまして、年齢別に棒グラフでお示ししてございます。
なお、グラフの下の表では、年代別に区分し、その職員数及び構成比を表示しております。ご参照いただきたいと存じます。
一一ページをお開き願います。東京都水道局における海外協力でございます。
海外協力につきまして、海外派遣、地震の被害調査等及び研修生の受け入れに分けて、その内容をお示ししてございます。水道局では、国の外郭団体である国際協力事業団等を通じた職員の派遣や受け入れなどにより、開発途上国における水道経営や水道技術の向上に寄与しております。
一二ページをお開き願います。国庫補助金及び一般会計繰入金の推移でございます。
国庫補助金及び一般会計繰入金につきまして、平成元年度から平成十年度までの十年間の推移を事項別にお示ししてございます。なお、一般会計繰入金のその他で、平成二年度から平成四年度までの金額が多くなっておりますのは、多摩川の水温を子どもの水遊びやアユの生育などに適した温度に改善するための施設を小河内貯水池に建設したことに伴いまして、その建設経費に対する繰入金を受け入れたことによるものでございます。
一三ページをお開き願います。水道事業三カ年計画における企業努力でございます。
平成九年度から平成十一年度までを計画期間とする水道事業三カ年計画における企業努力につきまして、平成九年度及び平成十年度は計画及び実績を、平成十一年度は計画及び予算を事項別に整理してお示ししてございます。三年間で、合わせて三百四十五億余円の収支改善となる見込みでございます。水道事業三カ年計画を着実に推進し、効率的な事業運営に努めてまいります。
一四ページをお開き願います。水道料金の消費税と水道局の消費税納付額でございます。
(1)では、平成十年度における水道料金の消費税額につきまして、小口と大口の使用者に分けてお示ししてございます。
(2)では、家庭用と事業用とに分けて、使用者の消費税の負担につきまして、それぞれ一カ月当たりのモデル試算をしてございます。家庭用は口径二〇ミリで一カ月の使用水量二十四立方メートル、事業用は口径一〇〇ミリで一カ月の使用水量一万立方メートルとして試算しております。
(3)では、平成十年度における水道局の消費税納付額をお示ししてございます。約五十五億円納付いたしました。なお、ご説明いたしました消費税とは、消費税及び地方消費税のことでございます。
一五ページをお開き願います。工業用水道の年間配水量等の推移でございます。
工業用水道の年間総配水量、給水件数、基本水量のそれぞれにつきまして、平成元年度から平成十年度までの十年間の推移をお示ししてございます。工業用水需要量の減少傾向により、事業の経営環境は極めて厳しい状況となっており、現在、東京都工業用水道事業経営改善計画を着実に推進し、財政の安定化と事業運営の効率化に努めているところでございます。
以上をもちまして、大変簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますよう、お願い申し上げます。
○松村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○藤沢委員 水道局は大変ご苦労され、経営をされていると十二分に承知しておりますが、まず地方公営企業法三条で、企業の経済性の発揮と公共の福祉を増進するように公営企業というのは目指すと、こういう形になっているんですが、水道局が担っていかなくちゃならない公共の福祉というのは、どのような認識を持っているのか、まず局長にご答弁願いたいと思うんです。
○赤川水道局長 今、先生がおっしゃいましたように、三条に、経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進すると、このようになっております。公共の福祉は、まず何よりも水道事業において、安定給水と水質の安全性の確保、これを継続して行っていくことでございます。
○藤沢委員 安定給水と安全性ということですが、以下、幾つか要求した資料に基づいて質問をしたいと思っています。
直結給水の拡大、それから漏水防止対策の変化について資料をいただいたわけですが、実際に直結給水を――増圧するということは、三階までの水圧をかけるということですから、漏水率が低下してくれば、従前と同じ水圧をかけていても、当然水圧は高くなる。そうした中で、いろいろと相乗的な効果もあるわけですけれど、実際にこれに要するコストというんですか、例えば漏水率を低下させて、三階まで容易に直結給水ができるという形にするための費用、それと効果というのが勘案されていくことが、これからやっていく事業の中では必要ではなかろうかというふうに思っているわけです。その辺についてどういうお考えを持っているのか、お尋ねをいたします。
○鈴木給水部長 三階建て直結給水による水圧の変化のために漏水量はふえる可能性があるというお話からでございますが、三階建て建物への直結給水導入に当たりましては、当初、その当時の配水管網の状況でお受けできる形での直結給水を開始いたしました。その後、低水圧区域の解消を図る等の水圧調整を行ってきておりますので、大幅な形での水圧上昇は避けられる形で行ってきております。
なお、漏水防止に要する費用ということでございますが、十年度で申し上げますと、漏水防止即応的対策と予防的対策、そのほか技術的な面での開発等がございますが、六百六十五億をかけております。
○藤沢委員 水資源を有効に活用するという意味では、漏水率を少なくするというのは大変有意義な事業であり、やっていかなくちゃならないわけですけれど、しかし私、ちょっと懸念をしているのは、例えば三階までの給水をやると。平常時は構わないんだけれども、阪神・淡路の大震災のときみたいに震災や何かになったときに、即応的に三階まで直結給水でできるような形で復旧ができるのかなと。例えば、その当座の便利さを与えるためにやったけれど、仮に増圧直結給水だったら、そういうときでも対応ができるわけです。水は入っていくわけです。ところが、直圧直結給水という形でやっていると、そこまでの水圧が上がらなければ、あるいはそれを上げるために漏水が物すごくふえる、漏水をしっかりと復旧させるまでに時間がかかるとか、いろいろな形になったときには、当然、物すごい不便を逆に与えてしまうという形になっていくわけですから、そういうことも配慮した上で安定的にやっていかれるという形で踏み切り、今日もやっているのかということを、確認のために答弁していただきたいんです。
○鈴木給水部長 大地震の際に、いわゆる直圧で給水をする形と、それから個別のブースターで給水する形の差のお尋ねでございますが、ご指摘のとおり、三階建てまでの直圧で給水をする形のものにつきましては、大地震の被害による、それに対する復旧の進捗にもよりますが、給水に何がしかの支障が出ることは考えられます。
また、ブースター形式によります増圧直結給水におきましては、個別のお客様がお持ちの、いわゆる増圧ポンプで上階まで給水いたしますので、ある程度の水圧がございますれば、それは可能となりますが、いずれのケースにおきましても、そのもととなります配水小管の水圧が一定程度維持されませんと、給水は行うことができません。したがいまして、大地震の後の復旧ということが最も肝要になるかと考えております。
○藤沢委員 今のお話にあったとおり、平常時は、水をたくさん売るためにはそういうような形でやってもいいけれど、いざというときには復旧にどの程度かかるかわからないが、ある程度の復旧が成るまでは、結局、かねや太鼓ではやし立てて、便利だから使いなさい、やりなさい、こういう形でやっていても、三階にふろをつくって、給水を直圧直結でやっていたと。それが出なくなっちゃって使えない、トイレも使えないとか、いろんな問題が出てくるわけです。
そういう意味では、例えば漏水率にも影響してくるわけですけれど、水圧を一定程度に保ちながら、しっかりと漏水率も縮小しながら――水圧を落とせば、漏水率はそれだけで落ちるわけです。そういう部分では、局の水道経営の中で一体どの辺を、漏水率、水圧をどの程度に抑えながら、安定給水と安全性のある水を供給ができるのか。
もちろん経営するに当たっては、私が老婆心ながら考えていること以上に、皆さんは専門家で、経営をしていこうとするわけですから、そこら辺についてははっきりとした目標値を持ってやっているんだろうと思っているわけです。その目標値について、まずお聞かせを願いたいと思います。
○鈴木給水部長 漏水防止におけます目標値はどのくらいかというお尋ねでございますが、平成二年十二月付をもちまして、厚生省水道整備課長の通知で、現状の有効率が九〇%以上の事業体にあっては、九五%の有効率を目標とするのが望ましいということがございます。こういったことから水道局では、将来的には五%を目標に漏水の作業、対策を進めているところでございます。
○藤沢委員 漏水率の低下に係る費用なんですけれど、漏水率が大変高いときには即効性がありますよね、ある程度。だけど、今日、大分ダクタイル鋳鉄管への取りかえが進んだり、あるいはステンレスの給水管や何かにどんどん変わってきて、漏水率の激減というのは出てきているわけです。しかし、また逆に、都市化が大変進んで、都会の中心部などについては、なかなか工事がやりづらい、いろいろやるときには金がかかる、そのような問題もある中で、単純に九五%の給水、漏水率五%以下というところに目標を設置するというのは、今までの継続線上という形だけでは判断できない問題もあろうと思うんです。
そういう意味では、どのぐらいの費用を考え、また、どの程度の期限を考えながら進めていこうとしているのか、お伺いをいたします。
○鈴木給水部長 ご指摘のとおり、都市の環境が、水道管の工事に対しまして厳しくなってきている実情から、やはり水道管の取りかえ、その他につきましても、それなりに金額がかかるという形になってきております。ちなみに申し上げますと、漏水防止対策のうち、予防的対策としてダクタイル管に取りかえている金額でございますが、十年度につきましては三百五十八億でございます。過去、数年間を見ましても、およそ三百億から四百億程度の経費をかけてダクタイル管に交換してきているわけでございます。
いつまでというお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたように、現在、ダク化率が九三%というところまで参っております。それと、漏水率を五%台という目標等を勘案いたしまして、いましばらくの間はダクタイル管等への転換を進めてまいる必要があると考えております。
○藤沢委員 ところで、直圧直結給水あるいは増圧直結給水、これを進めていくに当たっては、おいしい水を受水槽を経由せずに提供しよう、こういうことのようです。このおいしい水づくりのために、水道局は十年度はどの程度の費用をおかけになったのか、お答えをいただきたいと思います。
○町田建設部長 十年度に高度処理にかかわる金額でございますけれども、三郷浄水場で百三十七億、また朝霞浄水場で二億円でございます。
○藤沢委員 上水道の使用の形態も大分変わってきているんだろうと思うんです。水道局が供給している水のうち飲料水として、おいしい水として味わってもらえるような水というのは、どの程度の割合で使われているんでしょうか。あるいは飲料水以外に、例えば浴場用に使う水、あるいは今、下水道が概成一〇〇%を達成しているという二十三区の中で、ほとんどが水洗に変わっている。トイレで使っている水がどの程度なのか。あるいはそのほかに、車両の保有台数も多いという中で、洗車だとか、あるいはいろいろな雑排水に使っている、そういう水がどの程度の比率になっているのか、お答えをいただきたいと思います。
○甘利経営計画部長 平成十年度で一人当たり約二百四十九リットル、一日使っておりますけれども、その内訳は炊事に二二%、洗濯に二〇%、ふろに二六%、トイレに二四%、その他洗車等も含まれると思いますけれども、八%でございます。
○藤沢委員 局長は、地方公営企業法上の公共の福祉という部分では、水事業においては安定的に安全な水を供給すると、こういう話をされたわけですが、実際にはおいしい水を供給するという形で、飲食用といいますか、調理用とか、いろいろなものに使っている水を――直接飲むわけじゃないわけです。そういう水も使って、やっと二割強。その二割強のために、おいしい水をどんどんお金をかけてつくり、それをトイレで流させる、ふろに使わせる、これを水道局の事業として進めることが妥当なんですか。
○赤川水道局長 今、先生のおっしゃいましたような意見は、全国の水道界でもいろいろあることは承知しております。しかしながら、現在、先ほど基本を申しましたように、安定給水で安全というのから、最近、水道界を初めとして厚生省等のいろいろの中におきましても、やはり安全だけでなくて、水質基準を達成していればいいというだけじゃなくて、おいしいというものも入ってまいりまして、水道局でも、その安全でおいしいというのになっております。
それで今、先生がおっしゃいましたように、たしかにトイレ用水もあるじゃないか、その他いろいろ洗車もあるじゃないかという議論がございますが、ではどちらの方にというので、厚生省とも、あるいは水道界全体での、日本水道協会だとか、そういうところで、水質部会等でいろいろ議論されておりますが、現在、日本の水道界においては、やはり安全で、それからおいしくないところに関しては、以前、例えば金町浄水場等で夏場にはよくカビ臭等がございまして、多くの苦情がございました。そういうのを踏まえながら、安全で、かつ、おいしいというものに踏み切ったわけでございます。しかしながら、確かにそれには膨大なお金がかかります。非常に頭の痛いところでございますが、できる限りコスト縮減等を図りながら、安全でおいしいと。特に、現時点では問題のある利根川系等には、やはり高度処理も導入しながら、安全でおいしいというのを掲げております。
確かに先生、おっしゃいましたように、トイレに流す、洗車、その他、おかしいじゃないかという議論があるのは承知しておりますが、日本の水道界では、現在ではおいしいという方向にもなっておりますので、東京もそういう方向でやっているわけでございます。
○藤沢委員 資料で、ミネラルウオーターと家庭用浄水器の出荷状況というのをつけてもらったんですけれども、これは全国だそうですが、浄水器で三百四十三万台、大体毎年ふえているような形の経過になってきています。特にことしなんか、また特段とふえているというような話も聞いているところでございます。それからミネラルウオーターも、これは八十七億三千七百二十七キロリットル、大変な量が出ているわけです。そういう形で、飲料水あるいは食する、そういう炊事用の部分に関する水というのは、みんなが家庭で自分たちでつくっていくような形になっている。
この前、新聞に出ていたんですよ。公園で小さな子どもが、お母さん、水、欲しいと泣いていたと。公園に水道があるからそこへ連れていくのかと思ったら、お金をやって、ペットボトルを買いに行って、水を買ってきて飲ませていた。子どもに、他人がそこに水があるから飲みなさいといっても、うちの子に何を飲ませるのよと、そういう世の中に変わってきている。これだけ出ているんです。公営企業として、わずか二割足らずの水、そういうものに対して莫大な金をかけて、トイレやふろで使うような水においしい水をつくって流す必要があるのか。家庭用で、飲む水だけ、そういう形でやってください。そのために水道局はこういう浄水器を用意していますよ、あるいはこういう水を出していますよと。
今、家庭や、あるいはどこかに行って飲む水でも、「エビアン」だとか「ヴァルベール」というんですか、子どもの方がよく知っていますけど、「エビアン」なんか、フランスから輸入しているわけでしょう。一本幾らか、私は知らないけれども、値段がガソリンの三倍、四倍ですよ。ガソリンなんか、今、九十円ぐらいで売られていますけれど、あのうち税金は六十円ですからね。輸入関税、石油税、ガソリン税なんて、一リッター当たり五十三円八十銭かかっているんですから、全部で六十円かかっているんです。輸入した原油を精製して、小売で売って、全部マージン取っていて、三十円ぐらいで売っている。それと比較したら、水なんか、べらぼうに高いわけです。だけど、飲むときには冷蔵庫に入れておいしい水が飲める。だから、日本の水が安全でおいしい、一生懸命宣伝しているにもかかわらず、どこの外国へ行っても水は頼りにならないから、自分で高い水を買っても、自分の体、健康を守る、だんだんこういう思考に変わってきているんです。日本の国内だって、どこのホテル、どこの旅館に行ったって、冷蔵庫をあけると、必ずミネラルウオーターが入っていますよ。そういう水は、水道局として、つくって出荷する、そういうことはできないんですか。
○甘利経営計画部長 ボトルウオーターを生産、販売できないかということですけれども、水道事業として、附帯事業としては、あるいは可能ではないかと思っております。しかしながら、先ほど局長答弁ございましたように、安全でおいしい水の供給、これは水道事業としての使命でございます。また、ボトルウオーター、先ほど出荷量が出ておりましたけど、一人当たりに直しますと七リットルということで、まだ大部分の方が水道水を利用しているような状況でございます。そういう意味で、引き続き安全でおいしい水、高度処理等によって実施していきたいと考えております。
○藤沢委員 公営企業の一つの目的というのは、企業の経済性の発揮、これを求められているんです。附帯事業でできるんだったら、なぜやらないんです。ちなみに聞きますよ。水道上水まで持ってきたときの価格、水道の給水原価は大体二百二十円ぐらいだと聞いていますけれど、家庭用に売っている水道水で、トン当たり二百二十円以下で売っている水の量というのはどのぐらいなんですか。
○甘利経営計画部長 一般に全体の七割程度が生活用水でございます。
○藤沢委員 七割程度が、要するに給水にかかる――原水を取水して、ダムに貯水をして、そして原水を流して取水をして、浄水場できれいにして、家庭に持っていくのに、トン当たり、原価で計算すると二百二十円ぐらいかかっているというふうにいわれているわけですけど、水道局の水の販売の関係というのは、口径別の従量料金制という形でなかなかわかりづらい形になっている。しかし、その中には、小口のところは全く給水原価を割って売っている部分があるわけでしょう。それがどの程度かというふうに聞いているんです。それが七割もあるんですか。
○二階堂営業部長 供給単価の原価を割っております部分につきましては、基本料金が二十一立方メートルから三十立方メートル以下で、百七十五円と百三十円というようになっております。
○藤沢委員 その量は全量でどのぐらいですか。日量五百五十万トン近く出ているわけですけれど、そのうち、そういう原価割れで売っているのはどの程度売っているのかというふうに聞いているんです。ちゃんと調べてください。
その前に、局長は、公共の福祉は安定的に安全な水を確保することといいましたよね。甘利経営計画部長は、安全でおいしい水といったじゃない。どっちが本当なんですか。経営計画部長が、公営企業としての水道局が持っている、その公共の福祉の認識が違って、やろうとしていること自体が間違っているんじゃないですか。おいしい水をやるなんていうことをやっているから、そんなばかばかしいことに、八割の水に、ただ流す、それをおいしい水に変えていこうと、このために莫大な金をかけている、そんなばかなことをやっているんじゃないですか。何考えているんですか。ちゃんと答弁しなさい。
○赤川水道局長 経営計画部長が答弁したのは、私が先ほど申しました後段のように、その法律上求められておりますのは、公共性の発揮と経済性の発揮、公共性の発揮の中で、特に公営企業の中で水道事業としては、安定給水であり、安全性、いわゆる厚生省による水質基準を達成する。しかしながら、最近、その安全性の中に、水道界全体として、おいしい水も目指すと、そういうものが加わってきましたので、一般的に我々の目指す、例えば最近、四半世紀を目指すSTEP21をつくりましたが、その中でも安全でおいしい水と、このようになってまいりましたので、その安全でおいしい水を我々は目指して今後ともやっていく、このように経営計画部長は答弁したのでございますので、よろしくお願いいたします。
○藤沢委員 公営企業は、企業としての経済性を求めなければいけないわけですよね。お客さんに安い水を供給しなくちゃいけないんですよ。ましてや、独占でやっているんですから。それを、トイレや何かにたくさん使う、あるいはふろで使う、そういう水が多いにもかかわらず、飲んでおいしい水をつくって、高くなったものをどんどん売る、これは利用者にとって、本当に経済性を目指してやっていることなんですか。厚生省でいっているのと水道界でいっていることと、利用者の声と、どちらを受けながら、公営企業者としてはやっていこうとしているのか、お答えください。
○赤川水道局長 現在、先ほども申しましたように、水道界におきましては、安全でおいしいというのを目指す方向になっております。しかしながら、先生がおっしゃいましたように、我々の中でも、コストを下げるためにはどうしたらいいかという議論の中で、いろいろの、いわゆるお客様の立場を考えれば、どうしたらコストを下げるかも考えております。ただ、今、先生がおっしゃいましたように、確かにトイレの水まで安全でおいしい高度処理はむだじゃないかという議論もありますが、現在、日本の水道はいろいろの中においても、蛇口をひねれば、まだ飲めるのは日本だと、そういう面において、国際的に非常に大きな評価も受けている中で、やはり我々はおいしい水を目指すというのが、現在における水道界、あるいは東京水道の考えでもございます。
しかしながら、コストをいかに下げるかというのは、いろいろの角度からやっていかなければならないのは事実でございますので、そういう面でいろいろの経営手法など考えながら、できる限りコストを下げますが、確かに難しい問題は、全く先生のご指摘のとおりでございますが、現在では、安全性だけあればいいじゃないかという、例えば今、先生がおっしゃいました、お客様の立場、それも大変大事でございますので、我々はいろいろの角度から調査をしております。そうすると、昔は、料金が安いとか、渇水が多かったころは、何よりもダムをつくって安定給水というのが多かったんですが、最近の調査の中におきましては、やはり安全でおいしい水に力を入れてくれと、そういうものが非常に多いというのも実態でございますので、ひとつよろしくご理解願います。
○藤沢委員 そういう調査をやっているんですか。調査の結果はどういう結果になっているのか、聞かせてくださいよ。そのためのコストをどうしたらいいか。いっているとおり、東京は非常にコストのかかる都市で、海外から来る人は、ホテルに泊まってもホテル代が高いと、いろんな意見があるわけです。そうすると、例えば家庭で使う少量の水しか使わない人には原価割れで安く提供しているけれど、その分、大口で使うところには、同じ一トン使っても、物すごい、何倍かの価格を設定して取っているじゃないですか。そういうことが、日本の生活、企業活動、あるいは外国から人が来る、そういうところに全部かかわり合いがあって、出てきているんです。それを、いつまでも平気で、安全でおいしい水をやっていくんだと。もしそれを本気で考えているとしたら、僕は、公営企業管理長として局長の考えというのはふさわしくないと思う。
日本は、特に東京は再生を目指さなくちゃいけないという中で、そういうものに対する高コストの関係も是正していかなくちゃいけない、私は真剣にそう思っているんですよ。それを、一部の影響する人だけ安くして、それで声なき声、大きな負担をしている人は、ほかに転嫁しちゃえばいいから、コストを高くして、ホテルの使用料金が高いとか、しかしホテルにいわせれば、水や下水の使用料金は一般家庭で使うよりも何倍も払っている。量で払うんだったら当たり前だけれど、同じトン当たりに何倍も払っている。こういう制度になっちゃっているというものを是正していくことが必要だし、そういう視点がなくて、公営企業管理者として企業性を持って活動する、しかも公共の福祉をしっかりと支えながらやっていくという立場に、私はちょっと欠けているんじゃないかというふうに思うんですけど、どうですか。
○赤川水道局長 高コストを是正して、できる限り安くする、企業内容をよくするというのは全くそのとおりでございまして、水道局でも、今後ともできる限りの努力はしてまいります。
しかしながら、先ほどのアンケートでございますが、昨年からモニターを百人から二百人、より多くの方々の意見を聞こうと。これはたまたまモニターアンケートでございますが、水のおいしさというか、高度処理というか、それはたくさん金がかかりますと。こういうものをやった調査結果でございますが、まず「水道料金は上がってでもぜひ導入すべき」という方が二七%、それから「少々上がるぐらいであれば導入してほしい」が六二五%、「上がるのなら導入の必要はない」という方が四・五%、その他が五・五%。あくまでモニターでございますので、東京水道は使っているのが約一千百万でございますが、全部とはいいませんが、集約するとそういう方向になっております。
○藤沢委員 さっき質問した件についてお答えをしてください。給水の原価以下で売られている……。
○二階堂営業部長 先ほどの質問にお答えしなくて、大変失礼しました。
原価割れの割合は、特に算定はしておりませんけれども、家庭用の一カ月の料金が平均二十四立方メートルで三千三百円になります。それを割り返しますと、一立方メートル約百三十円となりまして、平均供給単価二百円を下回ります。したがいまして、この家庭用水は全体の約七割という割合になります。
○藤沢委員 まず、さっきいったアンケート結果で、多少上がってもおいしい水がいいとか、そういうことをいう人には、ちゃんと原価以上の価格で買ってもらったらいいじゃないですか、まず第一に。全然違う価格体系をつくって、そういうことがいえない人たちに高い金をぶっかけて売っているわけでしょう。そういうことをやっていて、そういう意見が出てきたから、では、高い金を投じてどんどんおいしい水はつくりますよ、だけどその費用はほとんど、そういうものに直接ぶつからない、高額の費用を負担して、また高額の費用をほかの人にどんどん転嫁していけるような、そういう人たちにやってもらっちゃっているわけじゃないですか。もしそれが本当だとすれば、少なくとも水道の水は原価コストが、給水単価は二百二十円かかっているんですよ、一トン当たり二百二十円で全部買ってください、その上で水はおいしい方がいいんだったら、高くお金をかけてもきちっと供給しますよと。それはトイレに使う水も洗車に使う水も、ふろに使う水も、みんな飲む水として使える水なんですよと、こういう形をはっきりさせてくださいよ。そうじゃないところで、そんな話、理屈をいうのはおかしいでしょう。そういうことをみんな知っていて答弁しているんですか。
○赤川水道局長 確かに水道料金体系は長い歴史がありまして、それを時代とともに見直してきたことは事実でございます。基本料金のあり方もそうでございましたし、あるいは現在行われている、いわゆる口径別の逓増制料金体系、これに対しまして、地方都市によりましては、また口径別じゃなくて用途別があったり、逓増制が緩やかであったり、もっと厳しかったり、いろいろあります。現在の東京都の水道料金体系がたまたまそういう形になっておりますので、将来的には、いろいろの、料金体系を見直す場合は基本料金のあり方、逓増制のあり方、料金全体の、今は一般的には積み上げ総括原価方式をやっておりますが、そのあり方等も含めまして、今、日本の水道界の中においても、公共料金全体をどうあるべきかというのが話題になっておりまして、その中にも水道料金もあります。ただ、たまたま現在置かれている水道料金体系は口径別料金体系であり、逓増制料金体系がとられているために、平均から見たら家庭料金が安くなっておりますので、現状としてはそうなので、ひとつよろしくご理解願います。
○藤沢委員 だったら、さっきみたいな、わずかの人間からアンケートをとって、今の金額よりも高くなってもおいしい水がいいと。そうかもしれないけど、それをやると大口の、たくさん負担しなくちゃならないところには、どかっとまた負担が行くわけじゃないですか。そうでしょう。その人たちが、ちゃんと給水にかかる単価以上のものを負担してくれて、それ以上高いのだったらいいという話をするんだったら別ですよ。だから、そんな詭弁をいうの、よしなさいよ。局長たる人がいうような話ではないですよ。
それで、今みたいな料金体系があるというふうにいっているけれど、時代は変わってきているんです。今、水道の蛇口をひねったって、夏はやっぱりおいしくないんだ、冷えて出てこないから。冷やさないと、おいしい水にはならない。だから、ペットボトルを買ってきて、入れて、冷たい水で飲んだ方がおいしいとか、そういう形にもなっちゃうんです。だから、主たる事業としてできない。だけど附属的な事業としてできるということであれば、あんな水商売、トン当たり二百二十円の原価でできて、しかも東京都の水道事業の技術者たるや、世界で一番優秀な人たちが集まっているんでしょう。おいしい水、幾らでもできるでしょう。それを、市販のペットボトルと同じような形で売れるような名前をつけて売れば、海外にだって輸出できるじゃないですか。世界を席巻できますよ、おいしい水で。そうしたら、どっかりもうけて、高い水だって安く供給できるんですよ。それは、買ってくれる人が買ってくれるんだから。何もそれまで安くしろとはいわないでしょうからね。市場価格よりも物すごく高く出すというんだったら、また別だけれども、そういう事業をなぜ手がけないんですか。従たる事業だって、やってできることでもうけられるんだったら、やったらいいじゃないですか。大あぐらかいて、全員から水道料金徴収しているから、だからその中でやっていけばいいって――私はそういう企業努力、それが企業努力というものだと思うんだけれど、そういうもののないところで料金値上げだとか、そういうものが提案されてきたって、我々はやっぱり許しがたいと思いますよ。もっと企業のあり方を考えて、真剣に取り組んでもらわなくちゃ困る。
今後とも、こうした問題について積極的に取り組みをさせていただきたいというふうに思っていますが、我が党では、今まで安全で安心して飲めるおいしい水を提供されたいという予算要望から、おいしい水を省きましたよ。わずか二割のことで、どんどん価格が高くなっていくような投資だけして、そのツケを全部利用者に転嫁してしまっている。そういう経営方針というか、経営のきちっとしていない中でやっている水道事業については、やっぱり手を加えていかなくちゃいけないと、こういうふうに思っているところです。
きょうは決算委員会ですから、この程度にとどめさせていただきます。
○浅川委員 水道局が昨年から金町浄水場の汚泥処理施設の老朽化に伴う更新と、それから常用発電設備の導入にあわせてPFI、これをモデル的に進めるという経過になっていると思いますが、昨年の当初予算の段階では、このことについては特別の報告はなかったわけでありまして、ずっと経過などを見させていただきますと、唐突な形で出されてきたというふうに私自身は感じているわけですけれども、このPFIの導入の目的と、それから先般、法律が成立したわけでありますけれども、この法律成立以前に水道局として実施に踏み切る、この理由について、いかがお考えでしょうか。
○石山総務部長 今般、金町浄水場にPFI手法で導入した常用発電設備の目的と、それから法の成立前に導入した理由ということでございますが、まず目的でございます。水道事業につきましては、地方公営企業といたしまして不断の経営努力が求められているわけでございます。そういう意味で、水道事業経営の一層の効率化を図るとともに、水道財政の安定化、こういうものを目指しまして、多様な経営手法の選択、そういうものの一環といたしまして、民間の資金や経営ノウハウを活用するPFIを導入したわけでございます。
法がさきに成立いたしましたが、当時はまだ成立しておりませんでした。その理由でございますが、金町浄水場の施設でございます排水処理所ですが、その老朽化に伴いまして、更新の時期が目前に迫っておりました。その時期と整合を図る必要性がございまして、事業開始時期に制約があったということでございます。また、現行法令の範囲内で事業化できるということを判断したことと、さらに法が予定しております支援策がなくても、経済性の発揮が期待できると判断したため、法成立前に導入を決定した次第でございます。
○浅川委員 ただいまのご答弁ですが、昨年、水道局の皆さんが委員会でいろいろご説明されている中には、このPFIの手法につきましては、技術的な面で私どもまだいろいろと未熟な点もございます、これは総務部長さんのご答弁ですが、あるいはPFI、あらゆる面からリスクの問題、その他の問題たくさんありますが、水道局でモデルとしてこれを導入しよう、これは局長さんのご答弁ですが、こういうふうに発言をされていたわけであります。この議論の中で我が党は、PFIの導入の先導役をさせられているのではないかというふうに指摘をしたわけでありますけれども、この間の国会の議論の中では、廃棄物処理に伴う売電事業、あるいは浄水場の売電事業が具体的にPFIの事例として出てきていると、こういうふうな答弁もありまして、まさに東京都の、この水道局の役割は先導役ではないかというふうに思うわけです。
ご答弁にもありました、去年、皆さんが指摘をされておりましたPFI導入について、未熟な点を補うためにアドバイザリー契約というのをされておりますが、その必要性、業務内容、また契約先、委託料など、概要についてご説明願います。
○石山総務部長 アドバイザリー契約の概要等でございます。先生、ご発言のとおり、PFIは水道局として初めて導入するものでございまして、財務面、法制度面、技術面に関しますノウハウが培われていなかったため、海外でのPFI融資実績、また国のPFI研究会に参加しているアドバイザーと契約を締結したわけでございます。業務内容は、事業全体の仕組みづくり、それから資金調達や事業の収益性、諸手続の法的側面、設備の信頼性、優位性などについて、水道局に対しまして助言するものでございます。
契約先でございますが、株式会社第一勧銀総合研究所でございまして、委託料は二千九百四十万円で、期間は事業計画策定からPFI契約締結までといたしました。
○浅川委員 委託料が三千万円近くかかるということで、結構なお金がかかるんだなというふうに思いますが、このPFIについてのノウハウがないからアドバイザーの助言を受けて進める、こういうやり方をとってきたわけでありますけれども、その際重要なことは、水道事業としての公共性を確保し、経済性があること、また事業者の選定過程において透明性や公平性、競争性が確保される、こういうことだと思います。経過を拝見いたしますと、当初の説明会に百八社が参加をする予定だったということでありますが、こうした説明会で公開募集に係る現場の説明を行って、一次公募には十一社が応募をして、その中から五社を選定して、最終的に金町浄水場エネルギーサービス株式会社と契約をしたという経過になっているわけでありますけれども、選定の過程で競争入札にされなかったというのはなぜでしょうか。
○石山総務部長 民間の技術、経営ノウハウ、創意工夫を十分に取り入れるとともに、価格だけではなく、事業計画の内容全体を総合的に評価する必要があったため、競争入札ではなく、公募提案型を採用したものでございます。
○浅川委員 私も、何が何でも競争入札でなければならないというつもりはありません。特に安全性とか、あるいは信頼性が求められております水道事業でありますので、価格が低ければ内容が何でもよいということには、当然ならないんだと思います。総合的に評価をするために公募提案型にしたという、そういう趣旨は理解はできるわけでありますけれども、その際、審査に当たりまして、この考え方として、より優良な技術をより安く、こういうことを基本にして技術の信頼性ですとか、あるいは事業計画の現実性、また有効な提案などが基準というふうになるんだと思いますけれども、その際、特に契約に当たっての透明性や競争性が確保される、これが客観的に示されるかどうかが極めて大事だと思いますが、そこで問題になるのは、この金町浄水場の常用発電PFIモデル事業につきまして、契約した以外の提案です。これが、出された内容が公表されていないということだと思いますが、なぜ公表されていないんでしょうか。
○石山総務部長 最終的に、先生、お話の一社に決まったわけでございますが、私どもは透明性、公開性を十分に発揮させるために、昨年の常任委員会等でもお約束をして、節目節目にはそういう情報につきまして広く公開していくというようなことでやってまいりました。したがいまして、先ほど先生がお話しされましたような数字につきましても、その都度、お話をさせていただいたわけでございます。
ただ、今回、一社以外の情報でございますが、今回の事業者公開募集では十一の提案がなされたわけでございますが、契約して事業化の運びになる提案は、最終的に選定した一社でございます。この提案以外の、選定されなかった提案内容を公表することは、応募した企業の事業活動が損なわれるおそれがあることから、私どもとしましては、このことにつきましては公表しないこととしたわけでございます。
○浅川委員 企業の事業運営上にいろいろ支障があるとかいうことで公表しなかったということでありますけれども、今、PFIで一番心配をされておりますのは、三セクの二の舞にならないのかということでありまして、今、進められようとしておりますPFIについては、進めていく方々のいろいろな指摘として、官民の役割分担を決めて民間がリスクを負うことも明確にすることだとか、あるいは透明性や競争性を確保することで三セクのようにはならないんだと、こういうようなことがうたい文句で、大丈夫だというふうにいわれているわけであります。
今のご答弁では、事業に参加をする企業にばかり配慮されていて、一番説明すべき都民や都議会には何の説明もないと、情報が公開をされていないということだというふうに思うんです。昨年、今、総務部長さんがいわれましたけれども、公営企業委員会では、透明性、情報の公開等は、新しい事業でもございますし、多くの分野から注目されていることもあり、私どもも最大限の配慮をしていかなければならない課題というふうにお答えになっていらっしゃいますし、局長さんは、公募するに当たっても二段階に分けて、まず事業として成立するかしないかというもので公募をして、そして当局として、事業として成立できること、今度はその中から経済性で、また二回目の入札をする、こういう形で透明性、経済性、あらゆる面から、あらゆる角度から行っていると答弁をされていたわけでありまして、こうした去年のご答弁からしますと、随分後退をしてしまっているという感じが否めないわけですが、局長さん自身は入札までやるんだということをお答えになっていたので、東京都の都合で参加をされた企業の、そういう公募について、内容について公表しないということではなくて、やはり企業側の都合で公表できない、こういうことになっているんではないかと思いますが、いかがですか。
○赤川水道局長 昨年、できる限り公表していきますと、それから、その都度、議会にも報告いたしますと、このように公営企業委員会では答弁いたしまして、そのようにやってまいりました。たまたま今、総務部長がお答えしました、ほかの落選した事業内容の点につきましては、何かいろいろと提案型のものがたくさん入っておりまして、今後、またそれが次への提案になる。これからPFIをいろいろの企業でやってまいりますので、そういうことで、まだ企業として、まだまだ抱えていて、落選の場合、またどこかで使いたいとか、そういうのもいろいろあるとか、そういうことも、あらゆる角度から判断いたしまして、今回は、その中身と金額だけは公表しないと。いろいろな手法その他は今後とも公開してまいりますし、それから今の、では公開しない場合、今後公開することもあり得るかどうかも含めまして、アドバイザリーだとか、その他いろいろの角度から検討して、まだ緒についたばかりでございますので、よりどうしたらいいかということも、今後いろいろ公開の方法も含めまして検討してまいります。
○浅川委員 公募は十一社だったんですね。十一社の中から一次選考で五社選んで、その五社の中から最終的に一社に決まったということで、二度も選考をされたわけです。簡単にいえば、技術的にも大変すぐれているというふうにいわれるわけですけれども、それではほかの会社の提案の内容はどうかと聞けば、それは説明できない、明らかにすることはできないと。そうすると、比較のしようがないわけです。
今、ご答弁ありましたように、価格も一番安いところだといわれるわけですけれども、ほかの会社は幾らでこの事業をするというふうに提案されたのかというと、それはいえないというと、安いとはいっても比較のしようが、これもまたないわけです。比較すべき情報が全くないこと。後は水道局を信用してくれということですよね。これで透明性を確保したとはいえないんじゃないかと思うんです。せめて金額くらいは、こっちが幾らでこっちが幾らだと、だから一番安いんだと、それぐらいの公表さえできないんでしょうか。
○石山総務部長 不採用になりました提案の価格には、公開募集に応じた応募企業独自の技術やノウハウが最大限に反映されておりますことから、今回は公表を行わないことにいたしましたが、今後は、公開募集の方法や契約のあり方等につきまして、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○浅川委員 今回のPFIですけど、直営で事業を行えば、今の事業で施設の関係は、二十億余りの施設なんで、この建設に関する契約については、当然入札を行って、そういう経過が公表できるというふうになるんだと思うんです。だから、この契約のかかわり方だけ見ると、私は直営の方が透明性がよっぽどあるんじゃないかなと思わざるを得ないわけであります。契約のあり方について今後検討されるといわれましたが、この金町浄水場のPFI導入が、いわば一番最初のモデルケースなわけですよね。ですからそういう点では、これからもよく検討していただいて、公募の経過については公開していただきたい、このことは要望しておきたいと思います。
それで、PFIの経済性について伺いますが、費用対効果の内訳が、これまで従来のやり方、それから直営でコージェネレーションシステムを導入した場合、それからPFIでコージェネレーションシステムを導入した場合とどの程度違うのか、あわせて直営で同様の効果がなぜできないか、ご説明願いたいと思います。
○石山総務部長 費用対効果の内訳ということでございますが、経費削減効果につきましては、今後、詳細な分析が必要な部分もございますが、エネルギー経費を二十年間で試算いたしますと、コージェネレーションシステムを導入しない場合では二百八十六億円、コージェネレーションシステムを直営で整備した場合では二百六十七億円となり、約六%の削減が見込まれます。さらに今回の事業のように、PFIを導入した結果、二百五十三億円でございます。直営の場合と比べ、十億円の削減が見込まれ、約五%の効果となっております。
○浅川委員 直営で同様のメリットが出せないかということをあわせてお聞きしたんで、お願いします。
○石山総務部長 失礼いたしました。直営でなぜ同様のメリットが出せないのかということにつきましてですが、今回の事業では、これから申し上げます三点で、民間独自のノウハウが発揮されておりまして、効率的な運営となっているというふうに理解しております。
第一に、民間事業者が建設及び運営管理を、一つの契約で一体的有機的に行うことでございます。第二に、民間事業者が専門知識に基づいた緻密な運転計画を策定いたしまして、実際に運転する人材の育成や効果的な配置ができることでございます。第三点目に、供給停止のリスクの一部を民間が担うことによりまして、費用を削減できることでございます。
○浅川委員 今、ご答弁いただきました内容で、建設や管理など、民間だと一体的ですぐれているんだというふうなことなんですが、公営企業として、なぜそういうことができないのかというあたりを研究する上で、このPFIのメリットについて、今、ご答弁いただいた建設や技術など個々の効果を、その額を具体的に算定、そういうようなことはできるんでしょうか。
○石山総務部長 今回の提案価格でございます二百五十三億円には、建設、それから資金、原材料、人員、運転方法など、あらゆる部分に企業のノウハウが生かされておりまして、これらが結果として価格に総合的に反映されたため、現時点で個々の算定は難しいというふうに思っております。
今後、設備の稼働状況の調査及び事業者へのヒアリング等を通じまして、多方面から検証してまいりたいというふうに考えております。
○浅川委員 建設や資金、それから材料、さらには運転方法など、水道局でできないはずがないというのが私の率直な思いですが、今後、いろいろ研究されるようでありますので、都民にわかりやすく説明できるような方法をぜひ考えていただきたいと思います。
このPFIについては、リスクの分担を明確にすることが、先ほどいいましたように三セクと違うんだといわれておりますが、その一方で、経済企画庁がことし一月に出した文書の中では、PFI推進研究会中間のまとめという文書の中に、民間が負担すべきリスクについては一方的に民間のリスク負担が大きくならないようにするとか、あるいは民間事業者への収益機会が確保される事業の枠組みを構築するなどと書かれておりまして、本当にリスクについて明確にできるのかが心配されるわけでありますけれども、水道局としてのリスクの分担の考え方をお示ししていただきたいと思うんです。
例えば発電施設が停止した場合に、バックアップシステムとして東京電力から供給を受けるということになっておりますけれども、この原因が企業側にある場合には、その費用負担は当然企業が負うということになろうかと思いますが、それでよろしいんでしょうか。
○石山総務部長 そのとおりでございます。
○浅川委員 あわせて、今、水道局としてのリスクの分担の考え方をお伺いしたんですが、このことについてもお答え願いたいと思います。
○石山総務部長 契約では、原則といたしまして、リスクを招いた原因者がその費用を負担することとしております。具体的には、設備の建設、運営に関しますリスクは事業者が負い、原材料費等の物価変動によるリスクは水道局が負うこととしております。また不可抗力や法令変更など、両者の責に帰さない場合につきましては、さまざまな事態を想定し、事業者との役割分担とリスクへの対応能力という観点から、費用負担について細かに契約で定めております。
○浅川委員 私自身は、公営企業でありますので、本来水道局が最も効率的な投資を行って、そもそもみずから努力をして、こうした事業を行うべきだと思うんです。先ほどのお答えで、経済性が二十年間で十四億ということですので、年間では七千万程度ということで、私は、この程度であれば、水道局全体で経営努力を行って、直営で進めていく方がよっぽど合理的ではないかと思うんです。特にそういう感じがするのは、いろいろな技術に水道局自身が挑戦をしていく、これはこのコージェネについても先進的にやっている事例があるわけですから、水道局の技術水準を高めていく、その方が大切ではないかというふうに思います。
もう一つ、別の問題をお伺いいたしますが、今回のモデル事業では、国などの補助金は入っていないということのようでありますけれども、仮にエネルギー事業などの補助金が認められた場合には、先ほどの契約金額から、さらに減額をして、東京都の負担を減らすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○石山総務部長 補助金でございますが、コージェネレーションシステムなど新エネルギーの普及促進に対します補助制度を新エネルギー・産業技術総合開発機構、略称NEDOといっておりますが、ここが設けております。今回、コージェネレーションシステムの設置に伴いまして、PFI事業会社分として三億七千七百万円を申請したところでございます。この補助金をPFI事業会社が受領した段階には、建設に必要な調達資金や金利等の費用が軽減されますことから、それに見合って電力及び蒸気料金を減額する料金改定を行います。
○浅川委員 水道事業は、住民生活に一番密着している事業だというふうに思います。これまでこうした住民生活に密着した水道だとか、あるいは下水道、ごみ処理や道路建設など、生活に欠かすことのできないこうした事業は、公共事業として位置づけられてきたのが自治体のあり方だったと思うんです。これからも、住民サービスの低下にならないようにやっていく必要があると思います。特に水道事業というのは、安全性、信頼性を最も重視しなければならないと思いますので、このPFIということがモデル的に進められたわけでありますけれども、先ほど来の質問の中で、公平性や透明性の点では、今回の事例については、私自身は若干疑問があるというふうに思わざるを得ませんし、技術的な蓄積などを考えると、経済性の点だけで判断すべきではないというふうに思いますし、今後は慎重に対処していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○森田委員 私は、高度処理等に関して、少し質問をしたいと思います。
先ほど藤沢委員が提案されましたけれども、私は少し意見を異にしておりまして、やっぱり東京都水道局はおいしい水を供給すべきではないかなと。議論は後にして、私の考えですけれども、水道とかトイレ、確かにもったいないことは事実なわけです。理想でいえば、二チャンネルを持って、一つは飲料水用、一つはトイレとか、ふろとか用と。しかし、これだけの大都市に、今さら二チャンネルのネットワークをつくることは、これは不可能な、経済的に考えても無理なことですし、またもう一つ私、考えたのは、ある程度の水を供給して、水道局が各家庭に浄水器を配るのも一つの方法かなというふうにも思ったりしているんですが、現時点では、それもなかなか難しいということで、私は安全でおいしい水を供給するのが水道局の大きな役割ではないかと。しかも、廉価で供給するということです。
安全でおいしい水の供給には、いろんな要素があると思います。一つは原水、川の水の質がいいか悪いか、これは大きな要素だと思います。それから、浄水のやり方、方法。三つ目は供給の方法。この三つが備わって、安全でおいしい水が供給できるのではないかというふうに思うんです。
そういう意味で、原水、川の水が、現実にここのところ、例えば有機物だとか化学物質だとか環境ホルモンだとか農薬だとかいうので汚染されていると思うんですが、この原水はどのような状況なのか、まず最初にお伺いします。
○飯嶋浄水部長 河川水の原水の状況でございますが、多摩川系につきましては、上流はもともと正常に保たれておりまして、特段の変化はございません。利根川系につきましては、特に江戸川系におきまして、流水保全対策事業が昨年七月に全面的に稼働いたしまして、若干改善を見ております。ただ、総じていいますと、利根川系におきましては、たびたび有機物の多い水が流れ込んでおりまして、通常処理ではなかなか処理が困難な状況がございます。
○森田委員 化学物質等もふえていると思うんですが、今、おっしゃったように、東京の水は七割ぐらいが利根川系の水を使っているということですけれども、現状はそうで、今後、この汚染の状況、原水の状況というのは、どのように推測されていますか。
○飯嶋浄水部長 当局といたしましても、上流域の下水道整備等の要請をたびたびしてきておりまして、若干下水道整備は進んでおりますけれども、下水道整備につきましては、かなり長い時間を要しますので、当分の間、急激な改善は見込まれないものと考えております。
○森田委員 改善はないけれども、悪くなる方向はないんですか。
○飯嶋浄水部長 悪くなることはないとはなかなかいい切れないんでございますが、おおむね現状並で推移するのではないかと思っております。
○森田委員 さっきちょっと多摩川に触れましたけど、多摩川と利根川系とでは、具体的にどの辺が水質が違うんでしょうか。
○飯嶋浄水部長 河川の水質の指標といたしまして、BODですとか、あるいはアンモニア性窒素でおおむね評価されておりますけれども、特に違いますのは、利根川系におきましてはアンモニア性窒素が高いということでございます。アンモニア性窒素があるということは、人為的な汚染があるということを示す指標としてございまして、またこれを塩素で消毒いたしますと、カルキ臭の原因になるものでございます。
○森田委員 現在、水質の悪いといわれている利根川系の浄水場では、金町と三郷に高度処理装置がついて、オゾンで浄化をしているようですけれども、資料もいただきましたけど、もう少しわかりやすく、このオゾンで浄化すると、どのような効果があるのか、これを教えてください。
○飯嶋浄水部長 オゾン処理をいたしますと、強力な酸化力によりまして、有機物が分解されます。活性炭に吸着して除去することもできますが、オゾンで分解いたしますと、より吸着性が高まります。あるいは、生物活性炭を用いますと、生物により、より酸化されやすくなるということで、臭気物質ですとか、あるいは陰イオン界面活性剤、そして総トリハロメタン、これらはオゾン処理をいたしますと、よく分解され、除去されることになります。
○森田委員 わかりやすくいうと、オゾン処理をすると、水の安全性が増すのか、おいしさが増すのか、両方なのか、これはどうなんでしょうか。
○飯嶋浄水部長 トリハロメタンは慢性的な発がん性の物質といわれておりまして、これがよく分解されるということでございまして、これについてはより安全性が増すということでございます。また臭気物質につきましては、これが除去されることになりますと、よりおいしい水ということになろうかと思います。
○森田委員 たしか三郷の高度処理装置が四百億円だったというふうに記憶しておりますけれども、四百億円のお金をかけて、この高度処理装置をつける。先ほど議論になったように、確かにこれは水道料金の値上げというか、価格につながるわけですけども、この三郷、金町に高度処理装置をつけて、結果として都民から、ついた効果というような反響は出ていますか。
○飯嶋浄水部長 三郷浄水場につきましては、三郷浄水場から練馬給水所を経由して城南地区の方へ配っているルートと、それから金町方面から江東地区へ配水しているルートと二つございます。それらにつきましては、まだ具体的な評価としては、アンケート調査等具体的には実施しておりません。ただ、金町浄水場が稼働して以降につきましては、金町浄水場を見学に訪れた方々に試飲していただいておりますが、非常に好評をいただいております。
○森田委員 水道水がおいしくなったというのは、浄水場に来て飲んで、おいしいかまずいかというのは、あんまり意味がないんじゃないか。じゃなくて、エンドユーザー、最終的な消費者が、確かに高度処理装置がついておいしくなったな、この反響を押さえていなければおかしいんじゃないかと思うんです。
○飯嶋浄水部長 従来、高度処理が導入される以前におきましては、私どもにかなり多数の苦情がございました。それらが平成四年に金町浄水場に高度処理を導入以来、一件もございません。また、三郷が稼働して以降も同様でございます。
○森田委員 もう少し数字的な裏づけみたいなのはないんですか。本当に四百億とか、両方でいったら一千億近いお金を投資してやっているわけですから、これだけ水質が向上して、都民からもこういう反響があったというのを押さえていなければおかしいんじゃないかと思うんです。おいしい、まずいというのは、皆さん専門家だから、あえていいませんけど、冷えた水はだれでもおいしく感じるんですよ。だから、同じ水道水から、自分の蛇口から出た水がおいしくなったかどうかということの反響をとっていなければ、これは正確なデータにならないと思うんです。
○飯嶋浄水部長 昨年度に二百名のモニターにいろいろ評価していただきました件は先ほどご報告したとおりでございまして、それ以外に、私ども特に評判を聞くという形ではやっておりませんが、水道週間ですとか、浄水場の開放日等に、そこを訪れた都民の皆様方に試飲会をしていただいております。その中では、目隠しをして飲んでいただいておりますが、高度浄水処理はなかなか好評を得ております。
○甘利経営計画部長 苦情の件数ということでございますけれども、年によって違うんですが、多い年には千件余りの苦情がありましたが、現在は、その苦情はございません。
また、試飲テストで何回かやっておりますけれども、例えば九年の六月に行われました水道週間中央行事、ここで行われました試飲テストでは、ミネラルウオーターとほぼ変わらない評価を高度処理がいただいております。また、金町浄水場でも試飲テストを去年十月に行っておりますけれども、約四百名近くですけれども、ほぼ同様にミネラルウオーターと高度浄水処理は同じ評価をいただいております。
○森田委員 余りこだわりませんけども、これだけの投資をして、おいしい水を供給すると水道局がいっている以上、実際に最終消費者、要するに都民の人から水道の水がおいしくなったかどうかというぐらいの調査はしないとおかしいんじゃないかなと。しかも、現在金町にしても三郷にしても、一〇〇%高度処理水じゃないわけですよね。半分だとか三分の一かでしょう。それでどれだけおいしくなったかということを、逆に水道局が、これだけのことをやったんだからというPRにもなるし、そういうような調査というのは計画はないんですか。
○赤川水道局長 まず、最後の方からお答え申し上げます。今後ともより一層、モニターだけじゃなくて、いろいろ幅広く多くの方々からのご意見もちょうだいしてまいりたいと存じます。
ちなみに、先ほど全体の数字で申しましたが、例えば金町浄水場におけるデータが、ここに十年ばかりございますが、金町浄水場は、今まで夏場になると、いわゆるカビ臭というものがありまして、よく浄水場、あるいは金町系の営業所、場合によれば本庁の広報課だとか、時には局長室にいろいろ苦情とか問い合わせが参りました。はっきりしている問い合わせで見ますと、これは年によって若干、雨量やその他によって違いますけど、カビ臭さだけでの問い合わせの数字が載っておりますが、昭和六十年あたりが二十件から四十四件、平成三年には三十八件、平成四年からカビ臭の問い合わせは、現在のところございません。
○森田委員 そういう意味では、やっぱり明らかに効果があるわけですから、もっと自信を持って都民の方にPRするなり、アンケート調査をして、東京の水道水はよくなっているよということをやるべきだというふうに思います。
それと、利根川系では浄水場は七つですか。そのうちの、今、二つに高度処理が入っているわけですけども、あとのところは高度処理をやるというふうに予定は聞いていますけれども、現時点で高度処理をしていなくて、安全性等は大丈夫なんでしょうか。
○飯嶋浄水部長 利根川系の浄水場でございますが、江戸川系に三郷浄水場と金町浄水場がございます。それから荒川を経由して秋ヶ瀬取水堰から取水している浄水場が朝霞浄水場、三園浄水場、そして東村山浄水場、全部で五つございます。このうち導入したのが、三郷浄水場と金町浄水場でございます。現在、朝霞浄水場で高度処理の建設を始めているところですが、秋ヶ瀬取水堰から取水している三つの浄水場につきましては、原水の水質動向を見ながら、粉末活性炭の注入をして対応しておるところでございます。
○森田委員 私は安全性が大丈夫かと聞いているんです。
○飯嶋浄水部長 粉末活性炭を注入して、安全を確認した上で給水しているところでございます。
○森田委員 そういう高度処理がついていないところの浄水場から供給される水と、高度処理された金町、三郷から供給される水と、どっちが質が上なんですか。
○飯嶋浄水部長 ただいま粉末活性炭の注入で対応しているというふうにお答えいたしましたが、粉末活性炭処理の場合ですと、高度処理と比べて若干処理性能が落ちますので、高度処理を通した水の方が、よりよい水が処理されていると思います。
○森田委員 余り自信がないような……。やがては利根川系は全部高度処理を導入するというふうに聞いているんですけども、その予定はどうなっているかわかりますか。
○飯嶋浄水部長 現在のところ、朝霞浄水場の建設を始めたところでございまして、これの完成見通しが平成十五年度でございます。引き続き次の三園浄水場に、現在のところ導入の予定で検討を進めているところでございます。
○森田委員 原水が一番悪いのは、いうまでもなく金町だと思うんですけれども、金町浄水場も全量をやっていなくて、半分ですか、三分の一ですか――しか高度処理をやっていないんですが、全量高度処理をする考え方はないんですか。
○石井技監 利根川系、江戸川系の浄水場を全部高度処理するかどうかというご質問でございますが、高度処理には、先ほどから議論が出ていますように、大変経費のかかる問題でございます。ですから、全部の能力をするというと――必ずしも水道施設、それ全部使って、いつも水を出しているわけではございません。つまり、百万トンの浄水場はいつも百万トン、水を出していないので、百万トン分全部高度処理をやるか、あるいは四分三程度でとめるか、あるいは半分で、ほかのところはいつも現状のように補うかとか、いろいろ高度処理についても検討の余地がございます。そういうことでございますので、先ほどから、原水の水質の状況を考えつつ、それから配水量をどのくらい出すか、つまり施設をどのくらいのパーセントで使っていくかということを総合的に考えまして、どの程度の高度の処理がいいかを、現在も検討しているところでございます。ただ、現在のところ、半分で十分ということはないということだけははっきりしております。
○森田委員 半分で十分でないということは、もっとふやした方がいいということですか。それで、利根川系の浄水場には、将来的には全部つけるというふうに考えていていいんですね。
○石井技監 利根川系及び江戸川、利根川系で結構でございますが、浄水場には全部導入しようと思っていますが、施設能力全部を入れるということは、先ほど申し上げましたように、必ずしも施設が一年じゅう全部動いているわけではございませんから、そういうわけで、どの程度入れるというようなことを考えているわけでございます。
○森田委員 それと、オゾンを使った高度処理というのは、確かに効果があるということは先ほど来の議論でわかりましたけれども、オゾンは余り大量に吸うと人体にもよくないというようなことをいっている学者もいますよね。オゾン以外に何かそういう、ほかの方法で高度処理に近いような処理をやっているような研究はされているんでしょうか。
○飯嶋浄水部長 現在のところ、我が国に導入されている高度浄水施設につきましては、オゾンと生物活性炭を組み合わせたタイプがほとんどでございます。ご質問のオゾン以外ということでございますと、現在のところ、原水の状況に応じては生物処理なども使われておりますが、当局におきましては、やはりオゾンの処理が最も適当だと考えております。その上に立って、より効率的な処理の研究調査を行っているところでございます。
○森田委員 安全性が増すことは、イコールおいしい水につながるようなことですので、ぜひそちらを進めていただきたいんです。
もう一つ、私は前にも取り上げたことがあるんですけれども、残留塩素の問題について少し伺いたいんです。水道水がおいしいかおいしくないか、人によっていろいろ感じ方があるんですけれども、大きな要素は結構香り、においじゃないかなと。においの中で、どぶ臭さというのは典型的なものですけれども、これは高度処理することによって取れる。もう一つは塩素のにおい、これはやっぱり結構おいしさに影響するんじゃないかなというふうに思うんです。それと塩素が余り濃いと、どうも体にもよくないようですし、塩素の量というのは水道水としての非常に重要な条件じゃないかなというように思っているんです。
きょう提出していただきました資料によると、平均で〇・六ppm――ミリグラム・パー・リットルですか――が平均であるということですが、法律では〇・一ppm――ミリグラム・パー・リットルでいいというふうになっていますよね。〇・六というのは、結構高いんじゃないかなというふうに感じるわけです。平均で〇・六ということは、非常に大ざっぱな計算というか考えでいうと、都民の半分、二分の一は〇・六ppm以上の水道水を飲んでいるということになりますよね。そういう意味では非常に塩素の量が多い水道水を飲んでいる都民が多いなと感じるんですが、この辺は、どうしてこういうふうに残留塩素がふえちゃっているのか。この表でいうと、少しは減っているようなんですけれども、〇・六ppmが平均値、最大では一・二というふうになっていますけれども、この辺はどうなんでしょうか。
○飯嶋浄水部長 先生、ただいまご指摘のとおり、給水栓における残留塩素の法定値は一リットル当たり〇・一ミリグラム以上でございます。残留塩素がなぜ高いかということですが、残留塩素は浄水場で注入して以降、時間とともに減少する性質がございます。そして、浄水場から給水栓に至るまで非常に長期間要しておりますので、管の途中での残留塩素の減少を勘案しまして、常時給水栓において一リットル当たり〇・一ミリグラム以上の残留塩素を確保するために、若干の安全を見て塩素注入を行っております。
○森田委員 浄水場に近いほど塩素の量が多いということですね。一番近いところで一・二と考えていいわけですか。
○飯嶋浄水部長 現在では、浄水場で塩素注入を行っておりますので、浄水場の直近の場所におきましては、最大値で一・二という数字でございますが、現在のところ、ほぼ一・〇をめどにいけるように管理はしているんですが、夏場の時期におきましては、残留塩素の減少速度が非常に高くなるために、時々一・二程度、注入せざるを得ない場合がございます。
○森田委員 厚生省の快適水質項目では、どういうふうにいっていますか。
○飯嶋浄水部長 快適水質項目におきましては、一・〇ミリグラム・パー・リッター程度以下を目指しなさいということになっております。
○森田委員 それを超えている水が供給されているということですよね、現実には。
それで、ここに監視箇所が百十七カ所というんですが、これは適当な数なんですか。ちょっと少ないような感じがしますけれども、今後ふやす方向はありますか。
○飯嶋浄水部長 百十七カ所につきましては、区部及び多摩地区の、それぞれの浄水場ごとの系統ごとに適切に配置して、それを計測しているもので、おおむね給水栓における水質の状況を把握できる場所に設置してございます。したがいまして、現在のところ、この数は適正かと思っております。
○森田委員 この百十七カ所というのは、蛇口ではかっているわけですか。
○飯嶋浄水部長 蛇口と考えていただいて結構だと思います。具体的な場所といたしましては、公園の給水栓ですとか、ご家庭の中に入っていくわけでもございませんので、当局の施設であるとか、いずれにしても蛇口から出る水を採水しております。
○森田委員 前の質問のときも、局長も塩素はできるだけ減らすというような答弁をしていただきましたけれども、今後も塩素については常に監視をしていただきたいことと、最初に申しましたように、水道局として、おいしく、安全な水道水を供給する、これに大きな役割があるんではないかというふうに思います。ここにもミネラルウオーターの売れ行きの数値がきょうの資料で出ていますけれども、確かにミネラルウオーターしか飲まないという人も結構多い。そういうようなことで、東京都が、ミネラルウオーターを飲まなくても、安心して、おいしく水道水が飲めるというような水を供給していただくように、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思っています。
最後になりますが、局長の、おいしく安全な水の供給についての決意をよろしくお願いします。
○赤川水道局長 より一層安全でおいしい水の供給は、都民の快適で安全な暮らしを支える東京水道が目指す目標の一つであります。このため、これまでもまず国等に対しまして、水源水質、河川を中心とした改善を働きかけるとともに、金町浄水場や三郷浄水場への高度処理の導入、それから水源から給水栓までの水質管理体制の充実、今ご議論のございました、できる限り塩素を、どうしたら少なくなるかという、そういう水配調整も含めまして、また新たな浄水処理方法等の調査研究なども実施してきましたが、今後とも朝霞浄水場など利根川水系への、今、ありました経過的な時間等はまだはっきりしないものもありますが、全浄水場への高度浄水処理の導入を初め、これらの施策を着実に実施し、都民がより一層、安心して飲める水道水の供給を実現するよう努力してまいります。
○松村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時五十七分休憩
午後三時十一分開議
○松村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○嶋田委員 私は、水道局の危機管理に関して質問をさせていただきます。
まず、平成十年度、都の水道局は施設の整備費、施設補修費等、約二千億円ぐらいのお金をかけて整備しているわけでありますけれども、その中で約六百億円を使って耐震対策、あるいは強い水道をつくる事業に費やした結果になっているわけであります。その中で堤体の耐震強化事業の進捗が少しおくれているという部分がありますけれども、かなりの努力をされて、耐震対策、あるいは強い水道をつくるという意味では、大変なご尽力をしていることについて、まずは心から敬意をあらわしたいと思うわけであります。
まず最初に、十一月二十二日に、東京都と埼玉県で大規模な停電がありました。この事故によって、両県で約八十万世帯が停電をして、水道施設についても上井草、練馬といった主要の給水所が停電しました。今回の広域停電による被害状況について、まず伺っておきたいと思っています。
○飯嶋浄水部長 去る十一月二十二日十三時四十二分ごろ発生した広域停電によりまして、区部では上井草、練馬、大蔵の各給水所、高井戸増圧ポンプ所、砧浄水場、杉並浄水所で停電し、ポンプ運転が停止いたしました。
多摩地区におきましては、田無、保谷、狛江、清瀬、東久留米の五市で浄水所のポンプが停止いたしました。一時的に減水や濁水の影響が生じたと思われる区域は、杉並、世田谷、練馬、中野、目黒、大田各区の一部でございます。この区域内には三十三万世帯がございまして、問い合わせは五百七十五件ありました。また、停電した時間は、短いところで三分、長いところで三十一分でございました。
○嶋田委員 そこで、東京都の水道局の要である水運用センターを初めとして、水道局全体として、停電発生後、具体的にどのような対応をとられたのか、お答えいただきたいと思います。
○飯嶋浄水部長 今回の広域停電では、影響を受けた施設が多数に上り、その区域が広範囲であることから、本局内に給水対策本部を設置して、情報の収集及び関係機関との調整を行いました。停電発生直後、砧浄水場及び多摩地区の浄水所では非常用自家発電設備を稼働させて、ポンプ運転を行いました。また水運用センターでは、影響を最小にとどめるため、東村山、朝霞、両浄水場に増強運転を行うよう指示し、運用系統を変更いたしました。電力供給が回復した施設から順次運転を再開し、十五時二十六分、停電から一時間四十四分後に通常の運用に復旧いたしました。
○嶋田委員 今回の停電事故については、減水とか濁水の影響が出ていた上、水道局もかなり頑張って復旧等についての努力をしていただいたわけでありますけれども、今回のような事故は、いつあるかわからないわけでありますから、あらかじめこういうような事故を想定して、ふだん、具体的にどのような対策を講じているのか、伺っておきたいと思います。
○飯嶋浄水部長 停電時にも一定の給水を確保するため、これまで非常用電源設備の設置や、他の施設からのバックアップ機能の強化に努めてまいりました。例えば停電時にも一定の浄水機能及び送水機能を確保するため、小作、境、長沢、砧の各浄水場に非常用自家発電設備を設置してまいりました。また非常時だけでなく、常時安定した電力が確保できる常用自家発電設備を東村山浄水場に設置しており、今後も同様な設備を金町浄水場を初めとする主要な施設に順次導入してまいります。
また、各浄水場や給水所相互を結ぶ管路のネットワークを整備し、バックアップ機能を強化してまいりました。今後も、停電時においてもバックアップ機能が適切に確保されるよう、これらの施策を総合的に進めてまいります。
○嶋田委員 東京水道新世紀構想│STEP21、これの六八ページに、水運用システムの充実というようなページがあるわけであります。私も先般、水運用センターを訪ねて、どんな水運用をやっているのか勉強してきましたけれども、給水所に対するコントロールの指示とか、いろんなことをやって、全体の水運用がうまくいくように、圧力バランスとか給水バランスをやっているわけであります。ここの六八ページに、今後の検討の課題だと思いますけれども、給水所等の直接運転化の指示をするとか、あるいは送配水管の使用弁の遠隔制御をするとか、あるいは、大きくは衛星通信回線などを利用して災害時の情報連絡体制をさらに強化するということで目標があるわけでありますけれども、これらの目標等については、水道局として今、どんなような段階にあるのか、現状を教えていただきたいと思います。
○飯嶋浄水部長 現在のところ、主要給水所に集中制御の施設を設けまして、そこからその周辺の給水所を運転管理するというシステム整備を行っております。それと同時に、水運用センターから直接バックアップできるようなシステムをあわせて設置しております。それがまだ主たるところとして始めたところでございまして、主な給水所といたしましては、練馬給水所、そして江東給水所、現在、和田堀給水所の整備を行っているところでございます。
○嶋田委員 私はこういう、何かが起こったときにその復旧を早くするという意味では、最近の情報通信のより発達の状況等も考えて、水道ですから、水を一定の圧力でコントロールすればいいわけでありますから、比較的制御についてもそんなには難しくないんじゃないかというふうに考えるわけでありまして、できれば水運用センターから、今お話があったような関連箇所への、例えば自動制御等についての構築をもう少し早く、具体的に実現されることを望んでおきたいと思うところでありまして、今後とも努力していただきたいと思うわけであります。
さて、ことしの九月に発生いたしました台湾地震のような直下型地震が東京で発生した場合、東京水道の被害はどの程度を想定しているのか、伺っておきたいと思います。
○甘利経営計画部長 直下型地震の被害想定でございますけれども、平成九年八月に東京都防災会議がこれについて発表しております。それによりますと、震源が区部直下で兵庫県南部地震程度、これはマグニチュード七・二でございました――の地震が発生した場合、送水管及び配水管の被害箇所数は三千六百十一カ所としております。また、発災一日後における断水軒数は約百五十一万軒、復旧に必要な日数は三十一日と想定しております。
○嶋田委員 区部に直下型地震が到来した後、大体百五十一万軒が断水するだろう。そして完全復旧までには約一月かかるというようなご答弁があったわけでありますけれども、水道局の、こういうような災害対策についての基本的な考え方を伺っておきたいと思います。
○甘利経営計画部長 水道局では、震災対策を最重要課題の一つとして位置づけております。発災前の取り組みを含めました震災予防計画と、発災時の体制を定めました震災応急対策計画を策定いたしまして、この計画に基づき、震災対策を鋭意進めております。
そのうち予防対策としましては、耐震性を考慮した水道施設の整備に努めるとともに、震災時における飲料水を確保するために、応急給水槽などの施設整備を進めております。応急対策といたしましては、震災時における的確な応急給水や被災施設の迅速な復旧のための体制づくりに努めております。
○嶋田委員 ちょっと細かくなりますけれども、これまたSTEPで、その方針があるわけでありますけれども、これは六四ページと六五ページにわたって書いてあるんですけれども、給水区域を一定のエリアでブロックをして、被害もほかに影響を与えないようにしようとか、あるいは復旧を早くしようとかという考え方を述べているわけであります。これは給水本管、あるいはそういうもののブロック化というような形で書かれているわけでありますけれども、このブロック化等についても、例えば区部であれば二十三のブロックに分けて、こういうものを実現していくというようなこともあるわけでありますけれども、これについてはどのぐらいまで進捗率があるのか、教えてください。
○甘利経営計画部長 ブロック化につきましては、区部で三十二程度を考えてございまして、現在、それにつきまして、本郷地区等で試行といいましょうか、そういったことをやっております。
○嶋田委員 この給水配管のブロック化についても検討して、実際実施はテスト的にやっているぐらいの感じであるわけでありますけれども、都市構造が比較的複雑化する中では、何といってもネットワーク化の、一元として、ブロック化事業として早急にやる事業じゃないだろうかと思うわけでありまして、今後も水道局においては、こういうような一定のエリアをブロックして、被害あるいは災害復旧が早くできるような現場体制をご努力いただきたいということも、あわせて要望しておきたいと思っています。
それから、台湾の地震では貯水施設が崩壊しました。都のダムとか、その他の水道施設の耐震性は大丈夫なのかどうか、お聞きしておきたいと思います。
○甘利経営計画部長 小河内ダム、それから村山、山口貯水池につきましては耐震解析を行いまして、安全性を確認しております。このうち村山、山口貯水池につきましては、堤体機能に支障はございませんけれども、堤頂部に約一メートルの沈下が発生することが判明いたしました。また、堤体下流部には住宅が密集しております。こういったことから、平成十年度より堤体強化工事を実施しております。
また浄水施設につきましては、耐震性を考慮して設計されておりますけれども、塩素設備など二次災害のおそれのある施設につきましては、計画的に、より耐震性の高い施設に更新をしております。
さらに管路では、継ぎ手の抜け出し防止機能を備えた強度の高いダクタイル鋳鉄管等へ計画的に取りかえを行っているとともに、給水管につきましても、耐震性の高いステンレス管への取りかえを推進し、耐震性の向上に努めております。
○嶋田委員 災害が発生したときは、何といっても応急対策の早さが勝負になるというか、二次災害を招かないこと、復旧を早くさせることにつながることだと思うわけであります。台湾の地震でも比較的初動態勢がうまくいったというような情報も聞いているわけでありますけれども、災害発生時、特に震災発生時における水道局の初動態勢の確保は十分なのか、どういうことになっているのか、伺っておきたいと思います。
○石山総務部長 震災時の初動態勢を確保するために、先ほど出ました震災応急対策計画におきまして、水道局の災害対策職員住宅の職員ですとか、都庁舎から十キロメートル以内に居住する管理職員及び水道特別作業隊の職員は、発災後直ちに本庁舎に参集いたしまして、応急給水対策本部を立ち上げ、情報収集、緊急対応に努めることとしております。震災発生時の対応をより円滑に行うために、この計画に基づきまして、日ごろから参集訓練、情報連絡訓練等を繰り返し実施しているところでございます。
○嶋田委員 今、ご説明があった参集訓練とか情報連絡訓練だとかということについては、どのぐらいのインターバルでやっているのか、これからの計画はいつごろあるのか、聞いておきたいと思います。
○石山総務部長 震災訓練の参集訓練につきましては、九月一日の防災の日の直後、水道局として例年実施しておりますが、近くは、来る一月十七日に参集訓練を実施する予定でございます。
○嶋田委員 阪神・淡路の大震災のときには、都の水道局も、資器材を含めて大勢の職員が現地に派遣され、応急給水や水道施設の復旧に大いに活躍したわけであります。このように災害時、震災時における復旧活動を担保するためには、他都市との水道事業者からの応援というようなことも視野に入れた対策を講じた方がいいと思います。そういう観点から、東京都は他都市の水道事業者からの応援という体制は、現在どういうふうになっているのか伺います。
○石山総務部長 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、平成八年六月一日に従来の内容を一層充実させました十二大都市の水道局災害相互応援に関する覚書を締結いたしました。また平成九年六月一日には、東京都水道局と千葉県水道局との災害相互応援に関する協定を締結したところでございます。
これは、大都市水道に関する災害対策の重要性にかんがみまして、発災時に円滑かつ迅速な相互応援を実施するために、飲料水の供給ですとか、施設の応急復旧等に必要な役務の提供、資器材の調達、その他必要な処置について規定したものでございます。発災時には、これらの覚書等に基づきまして、他都市等の水道事業者に協力を要請いたしまして、応急対策体制の確保に努めることとしております。
○嶋田委員 危機管理の最後に、水道局における二〇〇〇年問題に対するこれまでの対応状況について伺います。
○甘利経営計画部長 当局では、この二〇〇〇年問題を事業運営上の重要な問題と位置づけまして、平成七年度から対策に着手してまいりました。水の供給にかかわる制御系システムにつきましては、年月日情報を用いて運転制御を行っておりませんので、二〇〇〇年問題の影響はないものと考えております。また、データ等の記録機能、あるいは徴収事務システムにつきましては、年月日情報を用いているところから、本年三月までにプログラムの修正などをすべて対応を終了しております。さらに本年七月には、万一不測の事態が生じた場合にも事業が継続できるように危機管理計画を策定いたしました。この計画に基づき、浄水場などでは職員延べ二千六百人が参加いたしまして、実地訓練を三回実施し、二〇〇〇年問題の対応体制に万全を期しているところでございます。
○嶋田委員 都民に対する対応、PRは具体的にどういうことをやっていますか、伺っておきます。
○甘利経営計画部長 二〇〇〇年問題を随時都民にPRすることは非常に大事なことと思いますので、インターネット等によりまして情報の提供に努めております。また、越年時にも、そのように対応していきたいと考えております。
○嶋田委員 余り都民にわあわあいうと、何か危機意識をあおるようなんですけれども、何といったって、都民の皆さんが、やっぱりそういう備えをするということ等については、私はもっと水道局はいろいろPRを具体的に考えた方がいいんじゃないかと思うんです。これは水道局だけの話じゃありませんけれども、二〇〇〇年問題にかかわる問題は、今非常に、ある意味ではそういう形でのPRも盛んであるわけでありますから、水道局としては、こういう問題については万全を期しているけれども、都民の皆さんが不自由しないためには、事故が――しっかりとその責任を全うするというようなことも含めて、もっとPRした方がいいんじゃないかと思いまして、お願いしたいと思っています。
そこで、水道局の越年時の対応を含めた危機管理計画の具体的な内容を伺っておきたいと思います。
○甘利経営計画部長 越年時の対応でございますけれども、近日中に局対策本部を設置いたします。越年時には、通常勤務者に加えまして二〇〇〇年問題対応要員、約二百三十名の要員を増強しまして、合計五百名の職員を配置し、万全の体制で臨んでまいります。また、問題の発生が最も危惧される時間におきまして、不測の事態を回避するために、送配水ポンプ設備等の運転を自動制御から手動制御に切りかえます。次に徴収事務システムにつきましては、一月二日に起動確認テストを実施し、最初の営業日に備えます。さらに先ほど申し上げましたように、二〇〇〇年問題への対応に当たりましては、都民に的確な情報を提供することが極めて重要であることから、当局のホームページを活用して、システムの稼働状況等を随時提供してまいりたいと思います。
○嶋田委員 最後に、水道局長に水道事業における危機管理への取り組みについての決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
○赤川水道局長 水道が一たび断減水いたしますと、都民生活並びに首都東京の都市機能に重大な影響を及ぼすものと強く認識しております。このため、水道局では事前の対策及び危機発生後の迅速な対応の両面から危機管理マニュアルの作成や訓練などを行い、広域停電、大地震はもとより、施設事故、水源水質事故など、想定されるさまざまな危機にも対応できるよう日ごろから努めております。今後とも、ライフラインを担う水道事業の使命を果たすため、危機管理に万全を期してまいります。
○沢西委員 それでは、多摩地区における水道施設の整備、運営について伺いたいと思います。
多摩地区の水道事業は、かつては地下水を水源として、市や町が独自に経営をしていたわけでありますけれども、昭和三十年代後半以降、急激な人口増加に伴いまして、都市化の進展に伴う水需要の著しい増加は、地盤沈下や地下水位の低下をもたらしました。また、水源の確保が困難になってきたわけでございます。二十三区との間においては、水道料金の水準や、水道普及率等の格差が顕著となったわけでございます。こうしたことから、東京都は多摩地区の全市町村の要望を取り入れて、昭和四十八年以降、水道事業の都営一元化を進めてきた経緯があるわけであります。
都営一元化後、都によって水源が確保されたことによりまして、地下水のくみ上げが抑制されまして、私の住んでいる東久留米市におきましても、地盤沈下は落ちつきの傾向を現在見せております。この点については、水道局の果たしてきた役割について評価したいと思います。しかしながら、都営一元化後も、住民に直接給水するために必要な業務は水道局が直接行っているのではなくて、各市や町に委託して行っていると。広域的かつ基幹的な施設の整備を行っているわけでございます。このため、都営水道に一元化されてから四半世紀しかたっていないわけでありますけれども、多摩地区の水道事業は百年の歴史を持つ二十三区の水道と異なりまして、水道施設の整備、運営面において多くの課題を抱えているものと考えております。
まず、安定給水のための施設整備であるが、多摩地区の水道は市や町が独自に経営してきた水道施設を引き継いだことから、水道管や給水所等の整備は市や町の行政区域を単位としたものでありまして、統合直後の都営水道は、水道としての一体性や公益性に欠けたものであったろうと思います。このような状況を改善するために、これまでに水道局は安定給水の向上に向けてどのような施策を講じてきたのか、具体的に伺いたいと思います。
○村元参事 水道局では、多摩地区における需要量の増加に対応するため、東村山浄水場の増強、小作浄水場の整備を行いました。また、行政区域を超えて広域的な配水を可能にするため、多摩中央幹線、町田線などの送配水管を新設するとともに、常に安定した給水を確保できるよう、八坂給水所や東大和給水所を建設するなど、施設の整備をしてまいりました。この結果、多摩地区における安定給水に必要な基幹的施設と、これらを結ぶ広域的な幹線網の整備が図られました。
○沢西委員 水道局が進めてきた基幹的施設の整備については評価できるわけですけれども、統合後も住民に直接給水するために必要な業務は市や町に委託して行われてきているわけでありまして、配水管の整備も、市や町の行政区域を単位として行われてきております。このため、今でも市の境などには一部水圧の低い地区があるなど、安定給水の上で問題が残っているというふうに思うが、どういうふうになっているか伺いたいと思います。
○村元参事 水道局ではこれまで、先ほども申しましたように、多摩地区における基幹的施設の整備と、これらを結ぶ広域的な幹線網の整備を進めてまいりました。しかし、ご指摘のように、各地域の配水管網は市や町の単位で形成されてきたことから、市や町の境の一部には、水圧が十分確保されていない地区がございますか。
○沢西委員 その原因は、配水管の各市や町のネットワークが不十分だからということかなと思いますけれども、今後、行政区域を超えて広域的に水を融通できる施設の整備が必要であるというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○村元参事 各地域における配水管の整備に当たっても、市や町を結ぶネットワーク化に努めてまいりましたが、ご指摘のように、今なお不十分な地区が一部にございます。給水の安定化には、市や町の行政区域を超えて、相互融通機能を強化することが非常に重要なものと考えており、多摩地区水道においても、有機的一体的に水運用が行えるよう、今後も配水管の整備を進めてまいります。
○沢西委員 次に、多摩地区の水道施設の効率的管理についてでございますが、まず広い多摩地区に点在する浄水場や給水所の管理について伺いたいと思いますが、多摩地区には浄水所が六十一カ所、給水所が七十八カ所と、非常に多くの施設があるわけでありまして、例えば給水所を見ても、二十三区内では二十カ所というふうに伺っております。これらは各市や町が独自に水道事業を経営していたということで箇所が多いと思いますが、これらの施設は市や町が設置し、都営水道に統合後も、その市や町が受託して管理してきたものであると。運転管理の効率化や水運用の適正化、さらに事故後のバックアップ体制等を考えますと、管理を集中化し、市や町の行政区域にとらわれない広域的な管理体制を構築すべきではないかと考えているわけでありますが、いかがなものかということを伺いたい。
しかしながら、受託をしている市にとっては、これらを進めるに当たっては、各市の人的な面におけるいろいろ計画があるわけですから、影響を与えるということになりますと、各市町村とも十分話し合っていただきたい、このことは要望しておきたいと思います。
○村元参事 多摩地区に数多くの施設がありますのは、先生がご指摘のように、各市や町が独自に水道事業を経営していた当時に設置した小規模な施設を都営水道への一元化に伴い、そのまま引き継いだため、多摩地区には大変多くの施設がございます。それを運転管理していくためには、今までは統合当時からの各市や町の管理形態を継続し、点在する浄水所や給配水所等小規模なものを含め、多くの有人施設で運転管理しておりましたが、その後、できるだけ集中化を図るということで、昭和五十九年度から安定的かつ効率的な運転管理を行うため、一つの市や町にある複数の施設を一カ所で管理することを目指した整備を進めてまいりました。
さらに、平成元年度から広域的な水運用と一体的な施設管理を行うため、行政区域にとらわれない運転管理の集中化を進めております。その結果、現在では十六カ所で集中管理を行っておりますが、今後も多摩地区施設管理の一層の集中化を進め、広域的な管理体制を構築して、目指してまいりたいと思います。
なお、現在は、その施設管理を市に委託して行っております関係で、先生ご指摘のように、事業執行には市の協力も含めながら十分努力してまいりたいと思います。
○沢西委員 最後にしたいと思いますけれども、まだバックアップ体制というのは不十分であるというふうにいえます。多摩地区に住む三百八十万人の都民が安心して水道を使えるよう、将来にわたって事故のときや渇水時にも安定した給水ができる施設の整備をぜひ進めてもらいたい。最後に、多摩地区における今後の施設整備に向けた水道局長の決意を伺いたいと思います。
○赤川水道局長 多摩地区の水道は、二十三区と比べて都営水道としての歴史は浅く、広域水道として有機的一体的な管理運用を行う上で、いまだ改善すべき点も多いと考えております。今後とも、市町域を超えた広域的な施設整備をさらに推進しまして、事故時や渇水時にも安定的な給水が一層確保できますよう、より信頼性の高い水道システムを構築してまいります。
○小礒委員 それでは、何点か質問させていただきたいと思います。
いうまでもなく、水は生命をはぐくむ源でありますし、我が国は古来より瑞穂の国といわれたように、清らかな水に大変恵まれてきたわけであります。しかし、現在は、さまざまに指摘をされておりますけども、環境破壊という言葉に示されるように、我々を取り巻く環境、とりわけ水環境は大変厳しい状況になってきているんではないかと思うわけであります。河川等々における汚濁が進んでおり、それによって我々が水を確保する、かけがえのない水道水にも、水質の基準は満たしているといいながらも、発がん性が疑われるトリハロメタンが現状含まれているというようなことも指摘をされているわけであります。
昨今、先ほども議論のやりとりがありましたように、ペットボトル水ですね、ボトルウオーターを飲む人は大変多くふえてきた。こういう中で、水道水は、これもいろいろ出ましたけれども、率直にいわせていただいて、うまくない、まずい、そして安全性にちょっと不安があるんじゃないかと、こういうことを思われている都民が少なくないんではないかと思うんです。それとともに、今、ごみ問題で循環型といわれますけれども、このようにコンビニ等々で今、小さいペットボトルが多く生産、販売されていますけれども、飲むと。それを大量――いわゆる捨てると。こういうような悪循環といいますか、こういうことにもなっている現状であるわけでありまして、いずれにいたしましても、都民の多くが、特に安全な水を安定的に供給してもらいたいということはいうまでもないと思うんです。
このような観点から、次にお伺いをさせていただきたいと思いますが、まず水環境、つまり水道水源の保全についてでありますが、安全な水を供給するためには、その源となる水道水源が正常に保たれていることが、まず第一の条件である。しかし、残念ながら、現状では水源の水質は良好な状況とはいえない。そこで、水道局では、水源水質の保全のためにどのような取り組みを現状行われているか、ここからお聞かせをいただきたいと思います。
○飯嶋浄水部長 安全な水を供給するためには、先生ご指摘のとおり、何をおいても良質な水源の確保が最も大切であると考えております。水道局では、これまで水源河川を管理する国などに対し、関係自治体とともに、河川の水質保全や下水道の整備促進、生活排水対策の推進を要望しております。その結果、江戸川における流水保全水路の整備など、水質改善につながる事業が実施されてまいりました。また、多摩川上流に水道局が所有する水源林では、水質の浄化機能の向上が図れるよう適切な管理に努めております。あわせて、小河内貯水池の水質保全を図るため、流域の自治体等と協定を結び、生活排水などによる汚染防止の協力をお願いしております。そのほか、「水道ニュース」などを通じて、水道水源となる河川を汚さないよう広く都民に呼びかけております。
○小礒委員 水源の水質保全のための取り組みにつきまして、今、ご答弁いただきましたが、都が水源の多くを依存している利根川、そして荒川水系の下水整備状況を見ますと、これらの水系の水源水質の改善には、なお相当の時間がかかるであろうということの中で、トリハロメタンだとか、さらには環境ホルモンや農薬といった、水質問題に対して、都民はこれらの状況から見ても大変不安を抱いているんだということなんです。そこで、これらの問題に関して、水道局として、具体的にどのような対策を講じておられるのか、このあたりをお願いします。
○飯嶋浄水部長 当局では、トリハロメタンやカビ臭、農薬などの問題に対しまして、水質管理や浄水場の高度浄水処理の導入などにより対応しております。まず水質管理面では、水源や水道水の定期的な水質検査に加え、メーカーと共同開発したトリハロメタン計や自動水質計器を浄水場、給水所等に設置し、水道水の連続的な監視をきめ細かに行っております。さらに、環境ホルモンなどにつきましては、情報の収集やモニタリングをして、その結果を都民に公表するとともに、分析方法などの研究開発も行っております。
浄水処理につきましては、原水の水質状況に応じて粉末活性炭処理を行っており、さらにオゾンと生物活性炭を組み合わせた高度浄水施設を金町浄水場と三郷浄水場に導入いたしました。また、朝霞浄水場においても、導入に向けて現在建設中でございます。
○小礒委員 今後とも、水質の保全並びにその水質状況に応じた最適な浄水処理に最善を尽くしていただきたいとお願いするわけであります。
さて一方、水道に求められる要件として、水質面での安全性だけじゃなくて、給水の安定性の確保ということも非常に重要なことだと。給水の安定性を確保するためには、水道の足腰ともいうべき浄水場や送配水施設といった水道施設が健全に保たれているということがなければならないといわれております。都の水道事業は明治三十一年十二月ですね、既に約一世紀たったわけでありますけれども、ここの都庁舎のある、現在の場所の淀橋浄水場が、開始してから、まさに百年を超える歴史を有しているわけでありますけれども、このような歴史経過の中で、水道施設もさまざまな改良や更新がなされてきました。ここに資料をいただきまして、また特に平成十年度の水道事業会計決算書でございますけれども、この事業所の報告を見る中で、老朽化の状況等に応じて施設機能の維持向上に努めるとあります。そこで、平成十年度には、具体的にどのような施設の改良や更新工事が実施されてきたのか、この点についてお願いします。
○甘利経営計画部長 施設の改良等でございますけれども、貯水施設につきましては、山口貯水池の堤体強化工事に着手いたしました。この貯水池は昭和九年に完成した施設でございまして、南関東直下型地震が発生した場合に、堤体機能に支障はないものの、堤頂部に約一メートル強の沈下を生ずることが、耐震調査の結果、判明いたしました。このため、平成九年度から調査を、設計を行い、平成十年度から堤体強化工事に着手しております。
次に浄水施設につきましては、東村山浄水場で排水処理設備の設備改良工事を、また三郷浄水場におきましては、ポンプ設備及び薬品注入設備等の制御盤改良工事を実施いたしました。さらに配水管につきましては、当局の主要幹線となっている長沢線などを初めとした経年劣化の進んだ管を強度の強い管に、約二百キロメートル取りかえております。
○小礒委員 十年度において、老朽化施設の維持機能向上につきまして取り組まれたということは今、わかりましたが、都の水道事業を支える、まさに膨大な施設の中の、今後の老朽化に伴い、改良、そして更新を余儀なくされるものも大変多くなってくると危惧をするわけでありますが、そこで主要な水道施設がどの程度老朽化が進んでいるか、またこれに対して長期的な視点に立った改良や更新は、どのようにこれから進められていくのか、お願いしたいと思います。
○甘利経営計画部長 最初に水道施設の老朽化の進行状況でございますが、浄水施設の七割以上が昭和四十年代以前に建設されております。この中には、戦前に築造されて、既に六十年以上近く経過した施設が、全施設能力の七%存在しております。また、管路は昭和四十年代半ばまでに一般的に使用されていました普通高級鋳鉄管など、強度の低い管が平成十年度末で約千五百キロメートル、全管路延長の七%存在しております。
次に水道施設の改良、更新の進め方でございますけれども、長期的な施設能力の低下に備えまして、安定して給水できる施設能力を確保するとともに、改良、更新時期を分散し、計画的に実施してまいります。また、管路につきましては、継ぎ手に抜け出し防止機能を備えました強度の高いダクタイル鋳鉄管等へ計画的に取りかえてまいります。
○小礒委員 まさに、安全な水を安定的に給水していくという中で、既存の施設の改良や更新は、今、お話のようにこれからも進めていくということでありますけれども、現在の施設の中でということの中で、新たに施設をつくるということになれば、それなりの対応もできると思いますけれども、現況、安定的に給水する中での、さらなるリニューアルといいましょうか、非常に難しいと思いますが、大変な技術も伴ってくると思います。これらのさまざま技術の開発や導入が、今行われていると思いますけれども、今後とも、さらに重要になってくるという認識を持つわけであります。
そこで、これまでどのような技術の開発を水道局としては行ってこられたのか、また施設の延命化を図るような研究も当然進めてこられたと思いますが、そのあたりを教えていただきたいと思います。
○甘利経営計画部長 当局におきましては、従来より、研究開発した技術を駆使いたしまして、浄水場や管路を安全に改良、更新し、安定給水に努めてまいりました。送配水管や給水管では、耐震性や耐久性に関する研究開発による強い施設づくりを行うとともに、漏水防止に関する技術を開発、導入しまして、漏水率を低下させるなど、成果を上げてまいりました。
また、金町浄水場や三郷浄水場への高度浄水施設の導入に当たりましては、処理の効率性や安定性に関する研究開発を進め、安全でおいしい水の供給に努めてまいりました。今後も、今まで培ってきた技術力を生かすとともに、送配水管の延命化や高度情報化に関する総合的な技術開発を行い、一層レベルアップをして、その改良、更新を行ってまいります。
○小礒委員 さまざまな改良や更新計画が進められていくわけでありまして、そこに技術開発が進められていくと認識をするわけでありますが、このような大変な技術を要すること、経験に培われたノウハウを、やはりこれは大変な東京の水道の財産になっていくんではないかと思うわけであります。
このような中で、私も資料要求をさせていただきましたが、このような経験とノウハウ、高い水準であるわけでありますから、これは国内はもとより、世界に向けて技術協力なり貢献はできないのかと思うわけでありますが、まさに、今日的に人、物、情報などの交流がさまざまに行われている中で、あらゆる分野で急速に国際化もしているわけでありますが、また、東京都の水道の高い技術を求めている国もあるわけです。資料もいただいておりますけれども、それらの中で、どのような水道技術が具体的に海外で求められて、また都がどのようにそれに対してこたえて、協力しているか、このあたりを教えていただきたいのです。
○石山総務部長 海外から求められております水道技術といたしましては、高度浄水処理を初めとする浄水処理技術、漏水防止技術、それから耐震化技術などのほか、水道整備計画や経営管理に関する知識、情報など多岐にわたっております。当局では、これまで国際協力事業団等を通じまして、各局に専門知識、技術を持つ職員を派遣するなどしてまいりましたが、今後とも、職員の派遣や研修生の受け入れなど、海外協力、国際貢献に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○小礒委員 海外派遣や国際協力貢献に積極的に取り組んでいただきたいと要望するわけであります。
そこで、資料をいただきまして、特に国際協力事業団、または日本水道協会を通じて海外から研修生を受け入れていると。また、見学者は千四百名になっているんだということを資料でご提示いただきましたけれども、具体的に海外から研修生が、どのくらいの人数があったのかということと、期間はどのくらいで受け入れたのか、それから具体的にどのような研修を行ってきたのか、このあたりをお聞かせいただきたいと思います。
○石山総務部長 毎年やってきておりますが、平成十年度のケースで申し上げますと、国の名前で申しますと、タイの方が二回、それからケニア、中国、サウジアラビア、ジョルダン等から参っておりまして、その来ている期間につきましては、それぞれの研修の内容によりまして期間の差はございますが、短い方では一週間、また長い方では一月と、いろいろ、さまざまでございます。人数につきましても、お一人で来る場合、またそれぞれの受け入れ期間の関係等から複数で来る場合等々、さまざまなケースがございます。
○小礒委員 私は、これも一つの国際貢献になることを、こちらから出向くということも、大変国際協力に結びついていくでありましょうし、今、総務部長からお話ありましたように、さらに海外から、非常に幅広く研修生が来られているという現状、今後とも、一定の研修期間を設けながら、対応はぜひしていく必要性もあろうかと思うんです。このあたり、要望という形で結構ですから、ご検討をよろしくお願いしたいと思います。
水道事業について、幅広い視点から、何点かお伺いをさせていただきました。都民生活並びに首都東京の機能を向上させるためにも、まさに世界的に有数な規模となっている東京の水道システムを、将来にわたって良好な状況に維持をし続けていくとともに、また発展させていくことが不可欠であることはいうまでもありません。そのためにも、何よりもコスト縮減も含めてたゆまぬ経営努力が必要だろうと思います。公共性と経済性の調和のとれた事業経営がまさに求められている今日でありますけれども、今後の水道事業の企業経営方針について、局長の基本的なお考えを最後にお聞かせいただきたいと思います。
○赤川水道局長 水道の基本的な経営方針についてお答えいたします。
ご指摘のとおり、水道は最も重要なライフラインでございまして、都民生活や首都東京の都市活動を支える極めて公共性の高い事業でございます。同時に、水道事業は地方公営企業として常に経済性を発揮し、効率的な事業経営も行っていく必要もございます。
今後の事業経営に当たった基本的な考え方でございますが、社会経済の変化や都民ニーズの多様化などに的確に対応していくため、企業努力はもとより、PFI手法の適用範囲の拡大など、あらゆる新たな経営手法を積極的に採用するなど、財政の安定化を図り、公共性と経済性の調和のとれた事業経営に努めてまいります。
○曽根委員 私からは、この水道事業の運営方針の一つでもあります節水型の都市づくり、それを大きく目指していくという観点から、二つの点についてお聞きしたいと思います。
一つは、節水型都市を本当に目指していくという上での限られた資源である水の節約、これを実際に今後の将来の計画においてどう具体化するかという問題です。これは主に需給計画としてあらわされるわけですが、この決算を行っております九八年度、平成十年度というのは、私も記憶に鮮明なんですが、九三年に私、初めて都議会に出てきて、その年の暮れに料金改定が提案されました。九四年度から九七年度、四年間で一千七百七十一億円の累積資金不足が生じると。これを埋め合わせるために、一六・一%の平均値上げを行いたいという提案がされました。我が党はもちろん反対しましたが、これが可決されまして、確かに四年間で資金不足は解消されたんです。その翌年が九八年、平成十年なわけです。新しい財政計画のスタートというふうな形になったのかと思います。
そこで、昨年度、つまり十年度の予算を考えるときに必要だったのは、九四年の値上げの影響、そしてその値上げの根拠とされたいろんな事業計画、これが四年間で現実とぴったり一致していたのか、過剰な部分はなかったのか、むだ遣いはなかったのか、本当に都民に痛みを与えることになりますので、その負担をお願いするにふさわしい事業が四年間行われたのかということを、いろんな角度から検討すべきだったのではないかと思います。
それで、ちょっと振り返る形で見ていきたいんですが、九四年に値上げが計画されたときに、水の需給計画というのは、西暦二〇〇〇年までに六百七十万トンの一日の最大配水量を確保するという計画でありました。きょう、いただいた資料の一ページに、現実に、これは昨年度までですが、平成十年度、九八年度の一日最大配水量は五百四十九万七千トンと出ております。六年間で一三%ぐらい、当時は、平成五年ですから、五百九十万トンぐらいの一日最大配水量だったものを、西暦二〇〇〇年には一三%ふえるだろうというふうに見ていたけれども、実際は、十年度までのデータですが、五年間で逆に七%ぐらい減っているということで、当時の予測との開きを見ますと、現実は二割の開きが、もう需給計画上出ているわけです。ですから、値上げの根拠とされた需給計画、それに基づいて当然投資事業が行われてきたわけですが、この計画の根本が現実と合っていない過大なものだったことは、この数字からも明らかだと思います。
この需給計画については、その後、修正がどのように行われたんでしょうか。
○甘利経営計画部長 平成十年一月に生活都市東京構想の指標が出ましたので、改定を行いまして、平成十二年度には、先ほどご指摘ございました六百七十万立方メートルから六百二十万立方メートル、平成十七年度は六百三十万立方メートルと修正してございます。
○曽根委員 西暦二〇〇〇年、平成十二年度までには六百七十万トンを確保しなければならないとされた計画が、九七年二月の生活都市東京構想の段階で、西暦二〇〇〇年までに六百二十万トンというふうに修正されたと。しかし、これすら現実に、昨年度のデータで約五百五十万トンですか、ずれが既に生じているわけで、これが急に西暦二〇〇〇年になったら六百二十万トンになるというような流れでないことは、この数字からも明瞭であります。修正を繰り返しながら、これまで何度も水道局は需給計画を見直して、しかし現実と乖離して、また下げる。下げた目標が、また現実と乖離して、また下げるということを、何度も繰り返してきている。しかし、現実にやっぱり合わないという点は、私は反省が足りないんじゃないか、なさ過ぎるということは、厳しく指摘せざるを得ません。
この平成九年二月、九七年二月に修正されたというものの、つくられた需給計画で、今後、水需要は二十一世紀にわたって、どの時期にどれぐらいまで伸びていくというふうに考えられているんでしょうか。
○甘利経営計画部長 今後の需要の伸びの見込みですけれども、平成十七年度で六百三十万立方メートル、それから四半世紀後には六百五十万程度にはなるものと見込んでおります。
○曽根委員 四半世紀後というと、大体西暦二〇二〇年か二五年ぐらいでしょうか。そのころに、現状から見て百万トン以上の伸びがあるだろうというからには、それなりの伸びの要因というのを考えておられると思うんですが、長期に需要が伸びていく要因というのはどういうものが考えられているんでしょうか。
○甘利経営計画部長 現在の水需要につきましては、いわゆるバブル経済崩壊後の景気回復がおくれていることと、平成七年度の冬、あるいは平成八年度の夏季、冬季と続きました渇水時に節水をお願いしたことなどから、需要は一時的に減少した状態になっているものと思います。
しかし、水需要は個人所得、あるいは平均世帯人員、経済成長等に密接な関係がございます。需要の約七割を占める生活用水につきましては、経済の成長による個人所得の増加や世帯数の増加による平均世帯人員の減少から、一人一日当たりの使用水量の増加が見込まれます。全体の使用量も、緩やかでございますが、増加を続けるものと推定しております。
○曽根委員 今のお話は、私は説得力がないと思うんです。水の使用の七割は家庭で、生活用水、残り三割がいろんな施設や企業などの使っている水だというふうに、先ほどもお話がありましたが、企業の方についていえば、確かに景気は回復するかもしれないけれども、今、企業も経費削減に必死になって取り組んでいるという状況ですから、しかも低成長が続くだろうといわれているわけですから、景気はたとえ回復したとしても、水の需要が大きく伸びるという保証は私はないと思うんです。現に平成元年、二年ごろの推移を見ましても、現状とさほど大きな配水量の違いはないわけです。バブル経済が再燃して、とんでもないことにならない限り、大きく伸びるということは考えにくい。
一方で、生活用水で一人当たりの水の使う量がふえていくだろうと見込まれるというふうにお話ありましたけど、私、水道局の事業概要、隅から隅まで読ませていただいたんですが、そういう傾向が、何かの統計資料がデータで出ているということは、少なくともこの方には一切載っていないんです。載っていたのは、とにかく総配水量に対して、給水人口で割り返せば、これは企業も生活用水も含まれますけれども、要するに都民一人当たりの年間平均使用量です。これを見ますと、この六年間、ずっと下がり続けているわけです。九二年の十六・三トンをピークにして、九八年度は十四・九トンと、ずっとじりじり、着実に下がっている。ですから、節水意識が高まったと、先ほどおっしゃったのはそのとおりであって、これはむしろ水道局の運営方針から見れば、非常に結構なことじゃないかというふうに私は思うんです。
それで、もし仮に生活用水の一人当たりの量がふえて、今後、本当に六百五十万トンに四半世紀のうちに到達するとすれば、一人当たりの使う量がどれぐらいふえなければならないかと、私、ちょっと計算してみたんです。そうすると、先ほどお話に出た生活都市東京構想では、二〇二〇年、二五年ごろには、人口は大体一千百万を割るんじゃないかといわれているわけです。つまり、今から八十万人ぐらいは減るだろうという、片や八%ぐらいずつ人口は減っていくという一方で、一人当たりの量がふえると――大体四割ぐらい、一人当たりの使う水の量がふえないと、六百五十万トンにはいかないわけです。だから、これは本当に荒唐無稽な数字になると思うんです。都民のみんなが平均して四割ぐらい水を多く使うようになるだろうということを、本当にまじめに水道局が節水型都市といいながら考えて、この需給計画というのを立てておられるのかどうか、この点をもう一回確認したい。
○甘利経営計画部長 需給計画を立てる場合、生活用の場合につきましては、一人どのくらい使うかという原単位ごとの実績を見てやるんですけれども、平成元年、一人当たり日量二百三十三立方メートルございましたけれども、平成十年になりますと二百四十九になっております。一人当たりの使用水量というのは、四人家族から三人家族、あるいはもう少し少なくなれば、一人当たりの使用水量は多くなってまいります。同じふろを使うにしても、三人で使うのと二人で使うのとは違いますので、一人当たりはふえていくということでございます。
○曽根委員 そういう傾向が、人数が少なくなれば出るだろうというだけで六百五十万トンの需給計画を立てて、しかもそれに伴う投資を膨大な額でだあっとやっていくわけですから、その根拠としてはいかにも希薄だというふうに、私はいわざるを得ないと思うんです。
それで、この需給計画と、それに基づく過大な投資事業の計画を、私はこの際、やっぱり抜本的に見直すように、これは時間の関係で要望にとどめますけれども、改めて求めておきたいと。今、また新たにこういう需給計画があるから、資金不足が生じるんだといって、都民にまた負担をお願いできるような、そういう状況じゃないということもあわせて申し上げておきたいと思います。
次に、その四年間で値上げもありまして、千七百億円以上の資金不足が解消されて、新しいスタートとなった九八年度なんですが、この九八年度を真ん中とする九七、九八、九九の、今年度までの三カ年計画、この中で私は注目すべき動きがあったというふうに見ています。それは、当初三百二、三十億の資金不足が生じるというふうに三年間で見られていたのが、企業努力によって、これはほぼ解消されたというふうに、先日パンフレットをいただいたときにご説明がありました。その企業努力、いろんな努力がされたんじゃないかと思うんですが、主な内容を示していただきたい。
○石山総務部長 水道事業三カ年計画におきます企業努力でございますが、計画におきます収支改善策は三百二十億円でございまして、現在、おおむね三百四十六億円程度を見込んでおります。その内容でございますが、事務事業の効率化による職員定数の削減で約七十一億円、水道業務手当の削減で約五億円、工事施工時の機械土工範囲の拡大等、工事コストの縮減で約九七億円、それからメーター購入契約方法の改善など、諸経費の節減で約九十九億円、未利用地の売却などの収入の確保によりまして約七十四億円でございます。
○曽根委員 諸経費が九十九億円ですか、それを除けば、やっぱり大きいのは工事コストの縮減という方法による財政対策が九十七億円で、かなり多くを占めていると思います。これはたしか九七年当時、建設省の指針が出まして、各事業局で取り組まれてきたものです。水道局の場合、この三年間の取り組みで、工事コストはどれぐらい縮減率を上げたんでしょうか。
○甘利経営計画部長 水道局における工事コストの縮減額でございますけれども、平成九年度十億円余、それから平成十年度約三十五億三千万円、平成十一年度五十一億六千万円でございます。平成十一年度は予定でございます。
○曽根委員 縮減率はトータル幾らになっているでしょうか。
○甘利経営計画部長 平成九年度目標に対しまして一%、平成十年度三・四%、平成十一年度につきましては四・七%を予定しております。
○曽根委員 これは毎年積み上げていくものですから、三年間で、年間の一定の事業の量に対して、工事コストの縮減という形で四・七%の縮減ができるところまで来たということですよね。これは、経常的にこれからもその効果が生きてくるというふうに見られる費用ですから、非常に貴重な努力だと思うんです。ただ、この四・七%のコスト縮減という、成果は、東京全体の建設関係、土木関係の平均程度だと思うんです。例えば、港湾局では三年間で一〇%と、国の建設省の指針の到達を目指すという目標を掲げておりますし、下水道局なども同様だと聞いています。それから、財務局が管轄している公共建築物の方ですが、これは二割以上の削減ができていると、建築物という特殊性もあるかもしれませんが。そういう点で水道局としても、これで終わりにするのではなくて、さらにコスト縮減を目指すべきだと思うんですが、何か目標とか、そういう形で今後取り組む方向は出ているんでしょうか。
○甘利経営計画部長 平成十一年度等の削減率につきましては、下水道局の一〇%という話がございましたけれども、東京都全体としては四・五%、当局は四・七%を目標にしております。今後につきましては、オール都庁でコスト縮減に取り組んでおります。そういった経過を見ながら、さらにやっていきたいと思います。
○曽根委員 水道局として、私は目標をきちんと定める必要があると。建設省が指針で三年間で一〇%、これはなかなか大変だとは思いますが、これは早急に一〇%というのを目指すべきだろうと。さらに、水道局は建物もいろいろつくるわけですから、そういうものも含めれば、一〇%以上は、私は可能ではないかと思います。
それで、前向きな立場から、一例だけ申し上げますと、臨海部に九七年の春に水の科学館というのがオープンしたんです。私たちは、臨海副都心がオフィスビルを林立させるという企業都市という形でのコンセプトには反対していますが、都民の憩いの場として活用していくべきだという大きな流れの上で、水の科学館のような施設があることは、むしろふさわしいのかなというように思います。ただ、この施設が建設費八億七千万円に対して、これは毎年のランニングコストだと思いますが、お聞きしたら、一億二千万円ぐらいかかっていると。建物の建設費に比べて、年間のランニングコストがそれの八分の一か七分の一ぐらいですか――というのは、都庁なんかに比べても、非常にランニングコストが、年々の分がかかっているなという印象を得ました。それは、設計のあり方や、中での設備のメンテナンスの費用だとか、いろいろあるんだと思いますが、こうした中身も設計段階から、いわゆるVE方式といいますか、バリューエンジニアリングなどの方式を活用して、できるだけつくった後のコストも節約できるような方法を工夫していくということが必要じゃないかと思いますので、これはこういう施設をつくる場合の考え方として、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
それで、建設省の指針の一〇%を達成するということになれば、さらに百億円ぐらいの財源を節約することが可能になるわけですよね。私たちは、今までのやり方といいますか、少なくとも前回の値上げのときにいわれたような、料金収入以上の毎年の、過大だというふうに私たちは思いますが、投資額がどんどん計画されて、資金不足が累積されていくと。それで何年かに一遍値上げして、それを解消しなければならないというような、やっぱり都市計画を、収入に見合ったものということで適切に見直していくこと。それから今申し上げたように、コスト縮減などに取り組むことによって、私はかなり水道局の事業も、水も節約しなければなりませんが、お金も節約して、そして財政的にもゆとりを持たせる、都民にも利用者にも、何らかの形でその財源的な余裕の中で還元をするというふうに考えてもらいたいと思います。
もう一つ、その還元の一つということでもあるんですが、水の節約を進める節水型都市をつくる上で、私は最近よく都民の方から相談を受けるのは、料金体系の問題なんです。それは、要するに小口の利用者の場合、月に十トンまでは基本料金なんです。ですから、例えば一番普及している二〇ミリの口径の給水の世帯では月に千二百三十円、二カ月単位で振り込みとか、払いますので二千円以上になるんですが、これは十トン使うまでは何トン使っても同じ料金なんです。だから節水、節水といわれるけれども、節水しても料金は変わらないと。これはもう少しちゃんと、使う量を節約すれば、その分料金にもはね返るような仕組みにしてもらえないかという声をよく聞くようになりました。これは、なかなか生活も厳しいということもあるんだと思うんです。
そこでお聞きしたいんですれけども、いわゆる十トン以下しか使っていない基本料金だけの世帯というのは、全使用者の中でどれぐらいの割合を占めているのか。またさらに、その中でも月に五トン以下しか使っていない世帯というのは、どれぐらいの割合なのか。こういう少量しか使わない世帯というのは、大体どういう特徴があるのか、その辺をお聞かせいただきたい。
○二階堂営業部長 口径一三ミリから二五ミリの、いわゆる小口径のお客様のうち、一月当たり使用水量が十立方以下である割合は、平成十年度において四一・七%になります。そのうち、さらに五立方メートル以下のお客様の割合ですが、これは九年度の数字でありますけれども、十立方メートル以下のお客様のうちの約五一%に当たります。さらに、小口径利用者全体においては二一%という割合になっています。
また、そのような使用者の特徴といいますか、どういうお客様になっているかと申しますと、直接水道局で調査は行っておりませんけれども、各種統計資料によりますと、単身者の世帯、あるいは夫婦のみの世帯が増加しておりますので、主にこうした世帯が該当しているんではないかというふうに推測しております。
○曽根委員 全消費者の四割を超す世帯が十トン以下で、基本料金しか徴収されていないと。基本料金しか徴収しないということは、使った量に応じた従量料金は取っていないという意味で、かつては小口利用者に対する、そういう非常に大きなサービスだという形で行われてきたんだと思います。ただ私は現実に、二〇ミリで月千二百三十円の基本料金そのものが、決して軽い負担ではないと。今、ひとり暮らしや夫婦のみというようなお話がありましたが、やはりお年寄りの世帯などにとっては、場合によっては国民健康保険料よりも高いという場合もあります。したがって、その負担感です。やっぱりこれは下げる方向で考えるべきじゃないか、また、節約すれば、その分だけ料金が安くなるということを考えるべきじゃないか。
その点でお聞きしたいんですが、近隣の神奈川県で、横浜や川崎、こういうところの基本料金はどういうふうになっているんでしょうか。
○石山総務部長 横浜市の一カ月の基本料金は七百四十円、川崎市につきましては七百二十円というふうになっております。
○曽根委員 今の東京の水道料金の基本料金を、全部一遍にこの川崎、横浜のレベルまで下げるとなると、相当な財源が必要になります。そこまで行かないにしても、いわばこれを参考にしながら、現在の十トン以下の世帯に対する、節約に応じて料金が低減されていくというシステムをつくることは、今の財政的な事情の中でも何とか工夫してできるんじゃないかという気がしているんですが、この基本水量制というんですか、十トンまでは料金は同じというやり方を再検討するという動きは、例えば日本水道協会の方ではされていないんでしょうか。
○石山総務部長 現行の十立方メートルまでの基本水量につきましては、公衆衛生上の観点、また生活用水としての特別な配慮から従量料金は徴収していないと、こういうふうになっております。この制度は、節水のインセンティブが働きにくいと、費用負担上問題があることから、日本水道協会では平成八年の八月に、水道料金制度にかかわる諸施策につきまして検討を行うために設置されました水道料金制度調査会におきまして、今後は原則として基本水量制はとらないものとするという答申を出しております。また、その答申を受けまして、同協会は平成九年十月に水道料金の算定要領というものを改定いたしまして、基本水量制は多くの事業体で採用しており、社会的にも定着していることから、同要領の中では、基本水量を付与する料金は料金の激変を招かないよう漸進的に解消するものとし、経過的に存置することはやむを得ない、このようにしているところでございます。
○曽根委員 私は、今の基本料金をそのままにして、一トン刻みで最初から料金を従量料金で乗せていくというようなやり方にすると、大変な値上げになりますので、そんな状況ではないだろうというふうに思いますので、一つの案を考えてきました。
(図を示す)現在は、ごらんのように、基本料金は千二百三十円でベースにありまして、十トンを超えたところから一トン刻みで従量料金が乗っかっていくわけです。この部分が、いわば使う量に関係なく同じ料金だと。これを、基本的に基本料金のベースを下げてみたらどうかと。これは一つの考え方として試しにつくってみたんですが、このように、基本料金をあるレベルまで下げまして、十トンのところからゼロまで、トン当たり五十円ずつ、千二百三十円からさかのぼって料金を下げていくというふうに仮にしますと、ゼロの料金は七百三十円ということになり、たまたまですけれども、横浜、川崎のレベルになるわけです。基本料金制はベースとして残りますが、あとは一トン使うごとにずっと料金は上がっていくと。逆に、節約すれば料金は下がるということになります。このためには、もちろんこの部分の金額を下げるわけですから、財源が必要です。一三ミリ、二〇ミリ、二五ミリ、三種類の口径についてこういう措置をとりますと、約六十七億円の財源が必要になるというのが私の試算です。
もし六十七億円の財源が確保できるという見通しがあれば、私はこの方法は、日本水道協会が提示している、今後、基本水量制はとらない方向でいこうという方向とも合致するし、しかも値上げではなく、一番世帯としては収入が少ない方が多い小口の利用者に対して一部値下げもできると。かつ、節約すれば料金も下がる、節水の意欲も高まるという点で、非常に喜ばれる制度じゃないかなと思うんですが、そういう点ではいかがでしょうか。
○石山総務部長 先ほど述べましたように、平成八年の水道料金制度調査会におきまして、今後は原則として基本水量制はとらないとの答申がなされております。ただ、この答申においても、水道料金によって全体の経費を賄うという、それから個別の使用者の原価に着目するという、いわゆる総括原価、水道料金全体によって全体の総括原価、トータルを賄うという、そういう考え方を変えるということではございません。基本水量制の見直しは、料金体系全体にかかわる問題でございます。十立方メートルまでの基本水量の部分だけをとらえまして料金水準を引き下げることは、総括原価を賄うことが困難というふうになり、協会の答申とも合致しないのではないかと考えております。
○曽根委員 石山部長さん、ちょっと誤解があると思うんで、私も事業全体の費用を料金収入で賄うことを決して否定はいたしません。先ほど前半のときに質問をいたしましたように、事業の費用が料金収入を毎年上回って資金不足、資金不足ということで累積されて、また値上げというのを繰り返すのではなくて、全体の事業を適切に圧縮する中で、料金収入で十分賄える、さらには料金を下げられる財源の余裕をつくる中で、こういうことは可能になるんじゃないか。つまり、総原価を収入で賄う中で、こういうこともできるんじゃないかと申し上げているわけです。
それで、確かにこれは私の一つのアイデアであって、しかも十トン以下の方にしか、これは還元がないわけですから、そういう意味で、もしもっと財源を確保して、すべての利用者に対して公平に、全体の料金を下げていくという努力は、当然私はあっていいと思います。その中で、基本水量制をとらないとした水道協会の方向とも合致して、こういう検討もできるんじゃないかというふうに申し上げているわけで、今後、私の案は一つの案にすぎませんので、これも含めて、この基本水量制をなくして、基本的には、節約すればどんどん料金も下がるよと。節水意欲を一層高めるような、何しろ全使用者の四割以上ですから、一般家庭の中でいえば半分ぐらいを占めるんじゃないでしょうか。そういう方を対象とした問題として、一つの重要な問題だと思いますので、検討いただく余地はあるでしょうか。
○石山総務部長 水道料金は、水道事業におきます全体経費を水道料金で賄う総括原価の考え方、また料金を個々のサービスの供給に必要な原価に基づいて設定いたします個別原価の考え方による、二つの考え方によりまして適正な原価計算がなされた上で、その水準と体系が定められております。現行の料金体系におきます基本水量制につきましては、節水へのインセンティブが働きにくいという面があるものの、全体としては節制型の料金体系となっております。
現在、公共料金制度につきましては、総括原価主義に対するヤードスティック査定とか、プライスキャップ制などの多くの議論がございます。水道料金のあり方につきましても、これらに加えまして、基本水量制や逓増制などさまざまな議論がなされておりまして、このような状況を踏まえて、今後とも、より合理的で均衡のとれた料金のあり方について検討してまいりたいというふうに考えております。
○島田委員 小河内ダム周辺でサル、シカが、いつになく多いそうであります。山奥に、多分温暖化でえさがなくなったためだと思うんですけれども、水道局でご努力されている水源林の被害などについて、まずぜひ調査をしていただくようにお願いをしたいと思っています。多摩川の、重要な羽村堰について、何点かお伺いさせていただきます。
まず、この羽村の堰は、自然のものを使って、例えばなぎを払うときに、台風が来たり、大雨が出ると、雑木を使って、むしろを使って、そして松ぐいで雨の降っている間に、水がまだある間に堰を切るという形で、何といいますか、今、自然との共生の時代という面から考えても、重要な堰であると考えておりますが、これはいつごろからあったものでしょうか。
○飯嶋浄水部長 羽村取水堰の投げ渡し堰ぜきは、明治末期に実施されました近代水道の改良工事に伴い大改造されまして、現在のような姿になったのが明治四十二年でございます。
○島田委員 つい先日、十二月十四日の朝日新聞の夕刊で、建設省は、直線的なコンクリートの堤防や堰を見直し、古くから地域に伝わる治水等の技術を現代に生かす取り組みに乗り出すという記事が出ておりましたけれども、この羽村の堰は、伝統的な技術を現在まで継承している重要な、典型的な例だと思うわけであります。ただ、この堰が、だんだん職人さんが高齢になってきて、この堰そのものを維持するというのがなかなか大変な形になってきているようであります。それと同時に、水道局の方からのご提案等もあって、あそこに魚道をつくるということで、昔の投げ渡し堰というのがあって、そこのところの関係で水道局の皆さん方がご努力されて、建設省等との話し合いもあったようですけれども、その中で全体の景観を生かしながら魚道をつくるということに対して、ご努力されたことを可とするものでありますけれども、今後、これらの堰がもう百年以上たっていますので、地震のちょっとしたことで崩れがあったり、例えば何か改良しなければならないような時期があると思うんですけれども、これらについて、どんな考えをお持ちなのか、お伺いをいたします。
○飯嶋浄水部長 ただいま先生ご指摘のとおり、投げ渡し堰につきましては、河川の洪水がおさまった後、河川水位が低下してきて、その途中で速やかに投げ渡し堰をもとどおりに組み立てます。この作業は熟練をした技術を必要としておりまして、長い間の工夫と努力によって、改良されてはぐくまれてきた技術でございます。最近は、若い労働力の確保が難しくて、また作業になれた方々も少なくなってきているという課題はございますけれども、この作業を行っている請負業者のご協力も得ながら、後継者を育成し、投げ渡し堰を維持してまいりたいと思っております。
また、百年経過、さらにその先、老朽化が進んでまいりますと、将来的にはその対応が必要になる場合もございますが、ご指摘の趣旨を踏まえまして、幅広くまたご意見を伺いながら、適切に対応していきたいと思っております。
○島田委員 次に移らせていただきます。
次に、職員の採用の抑制について、お伺いをさせていただきます。
ことしの七月に策定されました財政再建推進プランによると、都は平成十二年度から十五年度の四年間に、約五千人の定員削減を行うということを決定しておりますけれども、一方、この四年間の退職者数は、さっき資料をいただいておりますけれども、知事部局で約六千五百人が想定されております。それと、第三セクター等の見直し等によって、出向派遣職員を戻さなければならないというようなことを考えてみますと、実際上、この四年間で新規採用する場合に、その定数を維持する、あるいは削減を考えた場合に、大体四百名程度きり、新規採用ができないような状況になるのではないか。これは知事部局でありますから、公営企業にかかわる職員のあり方等については、これから検討されると思いますけれども、ただ、このように新規採用ができないような状況になりますと、都民サービスの低下、あるいは現状をなかなか維持することについても大変になるような気がしますけれども、これらについての将来計画を、この際きちっと立てていかなきゃいけない時期に来ているのではないかと思います。財政計画で、その厳しさというものはよくわかりますけれども、これらについて、今日的な観点に立ってどのように考えておられますか、まず質問いたします。
○小泉職員部長 ご指摘のとおり、大幅な採用抑制は組織の年齢構成を将来にわたって不均衡な状態に陥らす可能性があり、組織の活力維持や適切な世代交代に影響が及ぶことも懸念されます。そうしたことが起こらないように、当局といたしましては、今後とも、適材適所を基礎とした計画的な配置管理を徹底し、適正な人事管理を行ってまいりたいと思っています。
○島田委員 今の答弁でもありましたように、資料の中でありますように、昭和五十年代、それからこれは第一次鈴木都政を中心に厳しい採用抑制を行った時期でありまして、それが大きな谷となって職員構成にあらわれているわけであります。公務員の場合には、身分保証が制度的に担保されているために、職員定数を大幅に削減しますと、採用抑制も同時に行われてくるという状況になってくるわけであります。しかし、この財政事情の厳しい中で大幅に採用を抑制する、あるいは将来の人員計画に支障を来すような状況になっては、難しい問題点もあるのではないだろうか。それらの面で、職員の定数のあり方についてどんなお考えでありますか、お伺いをいたします。
○小泉職員部長 話が若干前後いたしますが、資料の一〇ページにございますように、職員の年齢構成に大きな山と谷がございまして、それによっていろいろな採用抑制等が行われたわけでございますけども、こういった不均衡な状態というものが決して望ましいとは思いませんので、先ほど来申しましたように、当局といたしましては、今度とも、適切な適材適所を基礎とした計画的な配置管理を徹底してまいりたいと思っております。
○島田委員 ただいま適正な人事管理を行うというご答弁でありましたけれども、水道局においては、技術職の比重が高いわけであります。技術四大職員の採用の中止の影響が特に大きいと考えられますけれども、限られた職員数で事業を実施していかなければならない、職員一人の能力を向上させることなど重要だと考えておりますが、これらについてどんなことをお考えですか、お伺いをいたします。
○小泉職員部長 職員の能力を高めていくことは非常に重要であり、当局ではこれまでも日常的なOJTのほか、集合研修として職層別研修や各種の実務、専門研修、特別研修等を行ってきたところでございます。先生のご指摘も踏まえ、技術系職員に対する実務専門研修の充実を図るなど、一層の人材育成に努めてまいります。
○島田委員 適正な人事管理を行っていく上でも、あるいは今後の財政再建推進プランの重要さなども考えてみる中で、全体の幾つかの山がある。その中から自然退職者が出る。そして、都民サービスを低下させないための将来的な人事計画を立てていかなければならない。これは水道局だけではないと思うんですけれども、都庁全体で、その計画について将来的な展望を明らかにしていかなければならない、今、重要な時期だろうと思うんです。その計画が今、まだ財政再建推進プランの中でも明らかになっていないような気がするんですけれども、それらについて、今後の水道局としての考え方について、局長のご見解をお伺いしたいと思います。
○赤川水道局長 水道局では、これまでも円滑な事務事業執行のため、適材適所の人員配置や人材育成など、適切な人事管理を行ってきました。今回の採用抑制に当たりましては、先ほど職員部長が申しましたように、こうした人材管理をより徹底するとともに、さらに事務事業の見直し、業務の効率化、改善等に積極的に取り組み、より一層都民サービスの向上に努めてまいります。
○島田委員 最後に要望させていただきます。
公営企業としての企業の重要さ、都民サービスに対する公営企業としての徹底も図っていかなければならない。財政の厳しさの中で、水道全体の料金体系等について、きちんとした都民へのあり方を考えながら、適切な、例えば大きな山がどおんと、今の五十歳になると、東京都全体で五千人ぐらいの自然退職があるわけです。ここで、本来的な人事管理のあり方を基本的に考えて将来の方向性を見出さないと――この四年間の中できちっとした方向性を見出さなければならないというふうに考えておりますので、都庁全体で、あるいは知事部局だけではなくて、公営企業としてどうあったらいいのか、人事管理がどうあったらいいかということも、ぜひ将来的な展望を示していただくように心から要望いたしまして、終わらせていただきます。
○松村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時五十九分散会
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