東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会速記録第十九号

平成二十三年六月二十九日(水曜日)
 第十二委員会室
 午後二時三十分開議
 出席委員 十七名
委員長馬場 裕子君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長長橋 桂一君
副委員長増子 博樹君
理事宇田川聡史君
理事岡田眞理子君
理事上野 和彦君
星 ひろ子君
柳ヶ瀬裕文君
佐藤 由美君
田の上いくこ君
高木 けい君
伊藤 興一君
西岡真一郎君
清水ひで子君
野島 善司君
川井しげお君

 欠席委員 なし

本日の会議に付した事件
 閉会中の継続調査について

○馬場委員長 ただいまから東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 閉会中の継続調査を議題といたします。
 この際、本件に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○田の上委員 私は、都議会民主党を代表して、閉会中の継続調査について意見を述べさせていただきます。
 当特別委員会では、昨年十月五日に中間報告をまとめましたが、その後十月二十七日には、地元自治体である中央区から、区長並びに区議会自由民主党、公明党、友愛中央、民主党区民クラブの各幹事長の連名による築地市場移転問題についての要望が提出されました。
 こうした地元自治体からの要望は、当然、当特別委員会において参考人を招くなど真摯に対応すべきでしたが、今日まで、それがなし得ていないことは残念でなりません。
 また、その後、平成二十三年度の東京都一般会計予算において、築地地区を中心とした将来のまちづくりの検討として三千万円が予算化されたことからも、地元自治体の意向が尊重されるよう、所管局である知事本局での取り組み状況などを確認していく必要があります。
 さらに、この間、移転先である江東区からも、豊洲移転を無条件で受け入れるものではないとして、豊洲から押上とを結ぶ地下鉄八号線の延伸を求める声も聞いており、この問題の所管局である都市整備局も含め、築地市場の移転問題は、港湾局や建設局、環境局、産業労働局なども関係する全庁的な課題であり、特別委員会でこそ議論されるべきものであります。
 また、地元自治体だけでなく、築地市場最大の業界団体である水産仲卸についても、先日、六月十七日の選挙によって、移転反対を訴え続けてこられた方が理事長に就任することになりました。
 この理事長が、この間、意向調査の実施を訴えてきたことをかんがみても、当特別委員会は、小委員会などにおいて議論してきた現在地再整備案の特徴や課題、メリットやデメリットを提示することなどを通じて、業界の大方の合意形成に向けて取り組んでいく必要があります。
 さらに、三月十一日に発生した東日本大震災によって移転予定先の豊洲地区で起こった液状化現象についても、今後専門家の意見も公表されるようですが、議論が深められるべきです。
 そして、豊洲の土壌汚染問題は、液状化だけでなく盛り土の問題や対策工事の問題、そして、何よりも都民とのリスクコミュニケーションが極めて不十分であるという決定的な問題があり、これは、単に市場当局だけでなく、都政が抱える根本的な問題でもあるのです。そのためには、調査や対策工事の検証、あるいは汚染が確実に除去されているのかどうかを確認するための方法などについても、引き続き当特別委員会で議論し、確認していくべきだと考えます。
 私たち都議会民主党は、移転予定地である豊洲地区の安全性が確認されていないこと、また関係者の合意も得られていないことから、強引な移転に反対だと訴えてきました。そして、その状況は今も何ら変わらないという認識です。
 このような中で、引き続き当特別委員会において、築地市場の移転、再整備に関して調査、検討していくことが必要であると申し上げ、終わります。

○清水委員 本委員会の継続調査に賛成の立場で意見を述べます。
 土壌汚染問題では、これまでの汚染についても、都が日本環境学会などの見解などにも全く答えておらず、今回の液状化による汚染の拡散についても、目視だけで済ませようとしています。多くの専門家の見解を無視しており、引き続き議論が必要です。
 震災で起きた百八カ所もの液状化についても、全面調査することなく済ませようとしています。一般論だとしていますが、都の技術会議の安田委員も、液状化の程度は地下を調べなければわからないといっています。都民からも疑問の声が出されており、この委員会でも専門家を呼んで見解を聞く必要があります。
 現在地再整備の問題については、民主党案は議論をしましたが、私たちは、都としても英知を出してまとめて、その上で豊洲新市場案と比べる必要があると主張してまいりました。それもしないで進めることは許されません。東卸の理事長選挙で移転反対派の理事長が誕生したことを見ても、このまま進めることが許されないことを示しています。
 以上です。

○星委員 都議会生活者ネットワーク・みらいを代表して、東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会設置の継続について、賛成の立場から意見を申し上げます。
 特別委員会は、一昨年の第三回定例会で設置され、昨年七月に設置された小委員会では、休日返上で短期間に集中的に議論を重ね、打合せ会を含めると、実に二十一回もの開催になりました。
 現在地再整備の可能性という一つのテーマで議論を煮詰め、議会調査機能の強化や情報公開など、議会の活性化に向けて都議会が先陣を切ったことにつながり、評価していました。
 この間の議論を通して、生活者ネットワーク・みらいは、工期の問題もコスト面においても、十分、現在地再整備は可能性があると判断しました。
 昨年十月七日の本会議最終日では、当時の花輪委員長が、委員長報告の中で、両論併記となった議論の経過を中間報告という形で行ったと認識しています。しかし、ことしの三月、知事は特別委員会の中間報告を無視し、強引に豊洲にかじを切ったことは、まことに遺憾です。
 議会の独立性を担保するためにも特別委員会の結論を待つべきであり、よって委員会は継続すべきと考えます。
 以上です。

○馬場委員長 発言は終わりました。
 これより、本委員会に付託されております調査事件について、起立により採決いたします。
 本件は、今定例会中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○馬場委員長 可否同数でございます。よって、委員会条例第十五条の規定により、委員長が裁決いたします。
 委員長は、本件について、閉会中の継続調査の申し出をすることに賛成でございます。
 よって、本件は、閉会中の継続調査の申し出を行うことに決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後二時三十八分散会

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