東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会速記録第七号

平成二十二年四月九日(金曜日)
 第十二委員会室
 午後一時開議
 出席委員 十七名
委員長花輪ともふみ君
副委員長長橋 桂一君
副委員長野島 善司君
副委員長増子 博樹君
理事上野 和彦君
理事鈴木あきまさ君
理事馬場 裕子君
伊藤 興一君
星 ひろ子君
柳ヶ瀬裕文君
田の上いくこ君
高木 けい君
岡田眞理子君
宇田川聡史君
西岡真一郎君
清水ひで子君
三宅 茂樹君

 欠席委員 なし

 出席説明員
中央卸売市場市場長岡田  至君
管理部長後藤  明君
事業部長大橋 健治君
新市場担当部長野口 一紀君
新市場建設調整担当部長宮良  眞君
参事大朏 秀次君
参事横山  宏君
新市場建設技術担当部長砂川 俊雄君
参事志村 昌孝君

本日の会議に付した事件
 副委員長の互選
 東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する調査・検討を行う。
報告事項(説明)
・築地市場の現在地再整備の経緯等について

○花輪委員長 ただいまから東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞任及び選任について申し上げます。
 議長から、去る四月一日付をもって藤井一副委員長及び山崎一輝委員の辞任を許可し、新たに伊藤興一委員及び高木けい委員を選任した旨、また、去る四月六日付をもって大沢昇委員の辞任を許可し、新たに西岡真一郎委員を選任した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 伊藤興一委員です。

○伊藤委員 どうぞよろしくお願いいたします。

○花輪委員長 高木けい委員です。

○高木委員 よろしくお願いします。

○花輪委員長 西岡真一郎委員です。

○西岡委員 よろしくお願いいたします。

○花輪委員長 紹介は終わりました。

○花輪委員長 次に、藤井一副委員長の辞任に伴い、副委員長一名が欠員になっております。
 これより副委員長一名の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○柳ヶ瀬委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○花輪委員長 ただいまの動議にご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には長橋桂一委員をご指名申し上げます。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。副委員長には長橋桂一委員が当選されました。
 長橋副委員長から就任のごあいさつがあります。

○長橋副委員長 ただいま副委員長にご推選をいただきました長橋でございます。本委員会の設置趣旨に基づき、委員長のもと、円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○花輪委員長 ありがとうございました。よろしくお願いします。

○花輪委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたします。ご了承願います。

○花輪委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の担当書記の紀平貴子さんです。平野光城君です。
 議案法制課の担当書記の岡田良子さんです。
 調査部の担当書記の井坂誠君です。よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○花輪委員長 次に、先般の人事異動に伴い、本委員会に出席する所管局の幹部職員に交代がありましたので、岡田中央卸売市場長より紹介があります。

○岡田中央卸売市場長 去る四月一日付の人事異動によりまして、当局の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 新市場建設技術担当部長の砂川俊雄でございます。続きまして、特命担当参事の志村昌孝でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の飯田一哉でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
   〔理事者あいさつ〕

○花輪委員長 紹介は終わりました。

○花輪委員長 これより東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する事項について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行います。ご了承願います。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 築地市場の現在地再整備の経緯等につきまして、当時の施設計画や工事が中断するに至った理由なども含め、お配りしております資料によりご報告させていただきます。
 一ページをお開きください。過去における築地市場の再整備の経緯についてでございます。
 左側の項目1、検討経緯をごらんいただきたいと思います。これまでの経緯を順を追ってご説明いたします。
 築地市場は昭和十年に開場いたしましたが、その後、取扱量が増加し、施設の狭隘、過密化が著しくなったことから、機能分散の検討が行われました。昭和四十七年に策定をした第一次東京都卸売市場整備計画では、築地、神田等の既存市場の機能分散を図るため、大井の埋立地に近代的な総合市場を建設するとされました。
 昭和五十六年から五十七年にかけまして、都は築地の水産業界に対しまして、大井市場、現在の大田市場への移転についての統一見解を求めましたが、全面移転、全面再整備で意見が分かれ、昭和六十年には水産業界が築地本願寺において、大井市場への機能分散に反対する総決起集会を開催しました。
 こうして大井市場への移転が困難となる中で、昭和六十一年に都の首脳部会議におきまして現在地再整備を決定し、第四次東京都卸売市場整備計画においても、その位置づけがなされました。
 あわせて、昭和六十年から六十二年にかけまして、再整備に当たっての仮移転先として、国鉄汐留用地の一時借用に動きましたが、条件面などから、最終的に断念せざるを得ない状況となりました。
 築地市場の再整備につきましては、昭和六十三年に基本計画を策定し、水産物部を一階、青果部を二階、屋上に駐車場を配した立体配置とすることとし、平成二年には基本設計を行っております。
 当時の施設計画につきましては、別紙により詳細をご説明いたします。
 恐れ入りますが、二ページをお開き願います。現在地再整備の施設計画及び工事中断の理由等についてでございます。
 左側の項目1、現在地再整備の施設計画をごらんいただきたいと思います。
 まず、再整備の基本方針でございますが、トラック輸送に対応した市場内物流動線の確保を図ること、また、限られた敷地を最大限有効利用するため、立体的な施設配置とすることなどといたしました。再整備対象の施設規模は、延べ床面積約五十七万平方メートル、駐車台数約六千四百台でございます。
 施設配置につきましては、その少し下にございます再整備計画図と記された図に記載したとおりでございます。図の中央にあります市場棟は、一階が水産の卸、仲卸売り場、二階が青果の卸、仲卸売り場、屋上が駐車場となっております。工法、工期につきましては、仮設建物に仮移転し、もとの施設を取り壊して新たな施設を建設するローリング工法を採用し、工期は十四年を計画しておりました。
 資料右側下の、予定されていたローリング計画の欄をごらんいただきたいと思います。当時、予定されておりました工事の計画をご説明いたします。
 図の中に1から6の数字が記載され、その周りを赤または青の点線で囲った部分がございます。それぞれが工区に該当し、全体で六つの工区がございます。工区全体は従前の水産物部の卸売り場、仲卸売り場、買い荷保管所に相当する場所であり、再整備後は市場棟が建設される予定でございました。
 計画されておりましたローリング工法では、まず赤い矢印の先にございます仮移転先の施設を整備し、買い荷保管所を移転いたします。次に、数字1の工区である買い荷保管所を取り壊し、市場棟の一部を建設いたします。その建設した市場棟に、数字2の工区に当たる店舗を移転します。同様に、数字の順番に従いまして、順次もとの施設を取り壊し、新たな施設を建設することにより、市場棟を整備する予定でございました。
 都は、こうした計画に基づきまして、平成三年に再整備工事に着手し、平成七年にかけまして駐車場や仮設売り場等の整備を進めましたが、工事の途中でさまざまな問題が発生いたしました。
 資料右側の上の項目3、工事中断の理由等をごらんいただきたいと思います。
 一つは、工期のおくれでございます。営業を続けながらの工事のため、業界との調整等に時間を要したこと。また、建物基礎の撤去や新たなアスベスト処理など、想定外の工事が発生したことなどから、当初の予定より工期がおくれました。
 左側下の項目2、工事の進捗状況をごらんいただきたいと思います。表の上段が当初計画しておりました工期、下段が工事の実績となっております。
 もう一度、項目3、工事中断の理由等をごらんいただきたいと思います。
 二つ目の理由でございますが、業界調整の難航でございます。複数回の移転や不便な場所への仮移転等を強いられる業界から不満が出たこと。そして、先ほどご説明いたしました、右側の下にございます予定されていたローリング計画の図をごらんいただきたいと思います。数字1の工区にございます買い荷保管所を場内各所に仮移転させる予定でしたが、この工事を行う平成七年の段階におきまして、一部の業界より工事見直しの要望書が提出され、再整備工事を先へ進めることが困難となりました。
 もう一度、項目3、工事中断の理由等をごらんいただきたいと思います。
 三つ目の理由でございますが、整備費の増大でございます。工期が当初の見込みでございます十四年から二十年以上と長期化したこと、また工事費単価が上昇したことから、整備費が平成二年の基本設計時の二千三百八十億円から、平成七年の再試算では三千四百億円に増大いたしました。再整備の財源としましては、旧神田市場跡地等の所管外収入による自己資金や、国庫補助金などを充てることとしており、平成二年における二千三百八十億円の財源確保は可能ではありましたが、平成七年に再試算した三千四百億円の財源を確保することは非常に厳しい状況となりました。
 恐れ入りますが、一ページにお戻りいただきまして、左側の下にございます再整備工事の中断の箇所をごらんいただきたいと思います。今申し上げましたように、再整備はさまざまな問題が生じたことから、平成八年に本格着手する前に工事が中断いたしました。なお、再整備工事におきましては、正門仮設駐車場、仮設卸売り場、勝どき門駐車場などの整備を行い、四百億円を執行いたしました。
 続きまして、右側の欄をごらんいただきたいと思います。再整備工事が中断した後、基本計画の見直し、現在地再整備の再検討が行われました。
 平成八年に策定をした第六次東京都卸売市場整備計画におきまして、工期の短縮、建設コストの縮減を図り、基幹市場としての機能を維持していくため、計画の見直しを行うこととし、立体配置を改め、水産物部、青果部に分けて整備していくことといたしました。
 平成九年に築地市場再整備推進協議会におきまして、新たな基本計画策定に向けた協議を開始いたしましたが、業界から、施設規模や工事による営業への影響など、さまざまな問題が提起され、平成十年に築地市場の業界六団体の連名で、臨海部への移転可能性についての調査検討を求める要望が出されました。これに対しまして、都から意思確認を求めた結果、四団体が移転推進、二団体が現在地再整備との回答がありました。
 平成十一年には、築地市場再整備推進協議会におきまして、六つの現在地再整備案を検討するとともに、移転整備も含めて比較検討を行い、この結果、同年、同協議会におきまして、現在地再整備は困難であり、移転整備へと方向転換すべきと意見集約をされました。
 これを受け、最終的に平成十三年に策定をした第七次東京都卸売市場整備計画におきまして、現行の計画を改め、築地市場を豊洲地区に移転することを決定いたしました。
 続きまして、項目2、再検討の際に明らかとなった問題点でございます。これは、築地市場再整備推進協議会における検討の取りまとめとして、平成十一年十一月の同協議会において整理された主な内容でございます。
 一つ目は、工事期間であります。少ない種地を活用し、営業を継続しながら工事を進めていくため、完成まで最低でも二十年程度は必要とされております。
 二つ目は、建設費用でございます。駐車場などの立体化や仮設施設の建設等から、建設費が割高になるとされております。
 三つ目は、営業活動への影響でございます。工事用車両と営業用車両との錯綜が避けられず、相当な交通混雑が発生すること。平場スペースが仮設施設や作業用地等に転用されることにより、一層駐車場が不足すること。既存店舗、仮設店舗などに分かれて営業することにより、店舗の立地に格差が生じる可能性があること。物流動線が長期にわたって制約されることなどから、出荷者、買い出し人の築地市場離れを引き起こす懸念があることなどとされております。
 最後に、完成後の市場機能についてであります。
 完成後の市場施設は、現有規模を若干上回る程度にとどまり、物流動線の抜本的改善が果たせないことから、基幹市場としての機能配備が不十分であること。低温流通、高度な衛生管理等への対応がスペース的に制約があること。オープンスペースがほとんどとれず、市場流通の変化に対応した新たな施設の組み入れが困難であるとされております。
 以上、築地市場の現在地再整備の経緯等についての説明を終わらせていただきます。

○花輪委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○田の上委員 都議会民主党から、以下の資料を要求させていただきます。
 一つ、昭和四十七年の第一次東京都卸売市場整備計画時からの卸売、仲卸、買参の数の推移。
 一つ、昭和六十一年の東京都首脳部会議のメンバー構成と議事録。
 一つ、平成十一年に検討された六つの現在地再整備案の図面及び検討の詳細。
 一つ、築地市場再整備推進協議会で提出された見直し素案の詳細。
 一つ、築地市場再整備推進協議会のメンバー構成とその議事録。
 一つ、整備費の増大における資産の内訳。
 一つ、築地市場再整備建設費と、豊洲の新市場予定地における建設費の各内訳。
 一つ、築地市場再整備工事地質調査、その一からその九。
 一つ、築地市場地内の地下残存物の詳細。
 一つ、仮移転先として予定していた国鉄汐留用地の規模、金額及び交渉の経緯。
 以上を要求させていただきます。

○清水委員 ただいま報告されました経緯に関する資料をお願いいたします。十点、お願いいたします。
 現在地再整備基本計画、基本設計の策定経過について及び公募の有無。
 二つ目、基本計画の取扱高、仲卸店舗数、売り場などの主な施設面積、駐車場利用台数、従業員、運搬車別の面積。
 三つ目、基本計画の取扱量について、市場経由の物流フロー図及び物流量、水産、青果別。
 四つ目、基本計画、実施計画の委託契約書。
 五つ目、環境アセス、基礎構造物、地盤調査など、再整備に当たって事前調査した基本的な調査報告書。
 六つ目、関係者、業者、業界団体、区、その他などから出されたすべての要望について及び都の対応について、お願いいたします。
 七つ目、移転、仮店舗営業時の営業補償の検討状況。
 八つ目、全体整備費の内訳及び既執行額四百億、整備費の内訳について。
 九番目、現在地再整備推進協議会で検討されたとされる六つの現在地再整備案について、それぞれの内容と、都としての検討経過。
 最後に、平成十一年の築地市場再整備推進協議会における検討の取りまとめ案及びまとめ。
 以上、十点、お願いします。

○花輪委員長 そのほかございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 それでは、ただいま田の上委員、清水委員から資料要求がありました。これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出をお願いします。

○花輪委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程表のとおり理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後一時二十一分散会

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