豊洲市場移転問題特別委員会速記録第二十二号

平成二十九年六月七日(水曜日)
第十二委員会室
午後五時三十分開議
出席委員 二十三名
委員長山崎 一輝君
副委員長上野 和彦君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長酒井 大史君
理事伊藤こういち君
理事小松 大祐君
理事尾崎あや子君
理事あさの克彦君
理事鈴木 章浩君
理事田中たけし君
小林 健二君
栗林のり子君
川松真一朗君
おときた駿君
松田やすまさ君
西崎 光子君
中村ひろし君
和泉 武彦君
早坂 義弘君
山下 太郎君
かち佳代子君
曽根はじめ君
宇田川聡史君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務金子 光博君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
移転支援担当部長赤木 宏行君
新市場整備部長岡安 雅人君
新市場整備調整担当部長影山 忠男君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長前田  豊君
事業支援担当部長西坂 啓之君
基盤整備担当部長村井 良輔君
技術調整担当部長鈴木  理君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
総務局局長多羅尾光睦君
次長理事兼務榎本 雅人君
総務部長小暮  実君
都政改革担当部長池上 晶子君

本日の会議に付した事件
豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う。
報告事項(説明)
・市場問題プロジェクトチーム(第十回会議)について

○山崎委員長 ただいまから豊洲市場移転問題特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞任及び選任について申し上げます。
 議長から、本日六月七日付をもって、小松久子委員の辞任を許可し、新たに西崎光子議員を選任した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 西崎光子委員です。

○西崎委員 よろしくお願いします。

○山崎委員長 紹介は終わりました。

○山崎委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○山崎委員長 これより豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 初めに、本日の委員会には、お手元配布の名簿の理事者が出席しておりますので、ご了承願います。
 それでは、理事者から、市場問題プロジェクトチーム(第十回会議)について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○池上総務局都政改革担当部長 私からは、お手元に配布しております資料1、市場問題プロジェクトチーム(第十回会議)についてご説明をいたします。
 恐れ入りますが、資料1の一ページをごらんください。2、小島座長からの説明のところをごらんください。
 (1)、第一次報告書案の構成として、卸売市場のあり方、豊洲市場移転案、築地改修案の三部構成となっている旨の説明がありました。
 次に、(2)、卸売市場のあり方について、卸売市場は斜陽産業の特徴を備えている事業であり、この現実をまず直視した上で、税金や補助金の投入、または新規事業の取り込みなどビジネスモデルの変化による再生といった政策的対応を考える必要があること。
 また、市場用地の管理権能と処分権能を分け、中央卸売市場に処分権能を与えないといった改革などにより、売却収入を当てにしない自立した経営戦略を立てることが必要であること。
 また、PDCAサイクルを回して経営していくことが可能となるよう、市場の組織改革が必要であり、豊洲市場が開場した場合、市場会計全体が大幅な赤字となり、市場の再編が加速化することが予想されるといった説明がありました。
 さらに、豊洲市場の将来像として、ITプラス物流センターとしての機能強化が強みになると考えられる一方で、築地市場の改修の場合は、築地ブランドを維持しながら、伝統と革新が融合し、観光資源にもなるような経営的に自立した食のテーマパークとしての再生を目指すことから、両者は目指す市場のあり方が異なるといった旨の説明がありました。
 次に、(3)、豊洲市場移転案について、豊洲市場を開場した場合、市場会計は毎年百億円を超える赤字が継続して計上される、減価償却を含まない収支についても検討してきたが、大規模修繕や設備更新の費用を留保しないということから、豊洲市場は使い捨て、使い切り施設であるという会計になる上、豊洲市場だけで二十一億円の赤字となること。
 また、豊洲市場の個別の課題として、コールドチェーンや市場へのアクセス、買い回りなどのふぐあいについては、使いながら直していくということであるが、それに要する費用も含めて市場会計を考える必要があるといった説明がありました。
 さらに、土壌汚染対策について、いわゆる無害化三条件が達成できないのであれば、中央卸売市場は、それにかわる安全・安心の基準を明確化し、かつ、その基準がこれまでの土壌汚染対策工事費八百六十億円の正当化できるものとする必要がある、また、業者や都民の方々への説明責任を果たすことが必要であるといった説明がありました。
 次に、(4)、築地改修案については、築地市場の改修により老朽化に伴う問題は解決すること、ツインタワーの建設は将来の検討事項であることの説明がありました。
 また、築地改修の選択肢として、表でお示ししております案が提示されました。ただし、民間的手法導入(A案)の場合には、この工期の前に、都庁の中での意思決定の期間が加算されるといった説明がありました。
 続いて、3、専門委員による主な議論をごらんください。
 (1)、卸売市場のあり方については、豊洲市場は、IT化を進め、築地市場とは全く違った市場、あるいは物流センターという形で発展していくことが可能なのではないかといった意見や、築地市場は、そのブランド力により食のテーマパークという点で発展性があるが、さらに市場運営の観点から、業者の経営努力や中小企業政策、新規参入の促進、業界再編などの検討が必要であるといった意見。
 また、市場を取り巻く状況について、客観的に、関係当事者も含めた共通認識を持つこと、総体として経営のあり方について考えていくことが必要であるが、今回、豊洲と築地の二つのプランの方向性が大きく異なるものとして、まとめができたと考えているといった意見や、地震発生時の築地市場の耐震性の課題については、豊洲に移転する場合、築地を再整備する場合、いずれも期間を要することから、ハードの面での対策は困難であるとしても、ソフト面からの対策は可能な限り対応すべきであるといった意見が出されました。
 三ページをごらんください。
 次に、(2)、豊洲市場移転案について、会計の課題については、減価償却の問題だけではなく、今後のメンテナンスコスト、ライフサイクルコストの見積もりなど、アセットマネジメントの考え方がないと、大規模施設の建設計画として成り立たなくなるといった意見や、当初の専門家会議、技術会議で求めていたわけではないにもかかわらず、土壌汚染対策が、なぜハードルの高い目標に変わってしまったのかについて、これまで十分に議論されておらず、明らかにする必要があるといった意見。
 さらに、土壌汚染に関して、築地市場と豊洲市場を同じレベルで比較するものではないが、築地市場については、まず事実をはっきりとさせるため、少なくとも地下の土壌汚染の状態を把握するための調査を早急に実施する必要があるといった意見や、豊洲市場は、コールドチェーンとして冷房に相当大きな費用がかかっているが、今後、メンテナンスを含め、いかにリーズナブルなものとなるよう改善されるかは見守っていきたいと考えているといった意見が出されました。
 次に、(3)、築地改修案については、民間的手法を導入した場合、整備の方針の検討、要求水準の作成、業者の募集、審査期間等の期間として、さらに二年から二年半程度の期間を要すると考えられる、また、要求水準書を作成する際には、市場業者との移転調整に係るリスクや、土壌汚染や文化財調査におけるリスク、仮設建設物の処分に係るリスクをどう取り扱うかの問題があるといった意見や、要求水準書については、PPPの方式など、要求水準書等の計画策定段階から民間を活用する方法など、やり方は一つではない、さまざまな組み合わせがほかにも考えられ、築地市場改修の可能性も相当ふえたのではないかといった意見が出されました。
 また、豊洲市場の場合は、PFIを検討したが、土壌汚染の問題などの障害により導入ができなかったということだが、現在は当時と異なり、民間的経営手法の導入にもさまざまな手法があり検討すべきであるといった意見や、築地改修案について、営業しながら改修する場合の工費の見込み額が、民間的手法導入(A案)と、従来どおり都庁主導(B案)とで大きく異なることの理由について説明を付記するといった意見が出されました。
 最後に、4、今後の予定として、今回の議論を踏まえ、各専門委員から第一次報告書案の修正意見の提出を受け、小島座長が修正を行い、それを各専門委員が確認し、第一次報告書として知事に提出する旨、小島座長より説明がありました。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○山崎委員長 報告は終わりました。
 なお、資料要求については、これまでと同様に、今回の報告事項の範囲内としていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、資料要求のある方は発言を願います。

○あさの委員 一点だけお願いします。
 このプロジェクトチームが第一次報告書をまとめるまでにかかった総費用、人件費の中で専門員分を別にすることと、資料作成費など項目別に出していただきますようにお願いいたします。

○山崎委員長 ほかに。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 ただいま、あさの理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○山崎委員長 この際、参考人の招致に関する理事会の協議結果について申し上げます。
 小島敏郎市場問題プロジェクトチーム座長の再度の参考人招致については、これまで理事会で継続して協議をしてきましたが、協議が調わず、本日の委員会において、やむなく起立により採決を行うことを申し合わせました。ご了承願います。

○山崎委員長 小島敏郎市場問題プロジェクトチーム座長の再度の参考人招致を議題といたします。
 この際、本件に対し、発言の申し出がありますので、これを許します。

○松田委員 我々都議会自由民主党は、本委員会に市場問題プロジェクトチームの小島敏郎座長の出席を求めることについて、賛成の立場で意見を表明するものであります。
 四月十八日、本委員会は、小島座長が築地市場における意見交換会で市場関係者に披瀝をした築地再整備案について説明を求めるため、小島座長を参考人として、本委員会に招致をする旨、全会一致で決定し、ご本人に対し、出席の要請を行いました。
 しかしながら、小島座長からは、この要請には、市場問題プロジェクトチーム報告案の作成作業中という理由によって応じられないとの回答があり、その後、今日に至るまで本委員会への出席は実現しておりません。
 豊洲市場移転を早期に求める我々自由民主党のみならず、公明党、東京改革、都民ファーストの会に加え、これに反対し、築地再整備を主張する共産党、生活者ネットからも、小島氏本人に説明を聞きたいと、全六会派が一致して本委員会への出席を求めてまいりました。このように、小島座長の参考人招致は、本委員会を構成する全会派が一致した大変重いものであります。
 欠席の回答があった後にも、本委員会は四回開催いたしましたが、質疑では、築地市場現在地再整備の実現可能性についての議論を深めることはできませんでした。
 一方、小島私案公表後、PT素案として、PT第一次報告書として成案となりつつある現在、市場業界の混乱と分断は日を追うごとに悪化し、取り返しのつかない事態となってしまっております。第一次報告書の取りまとめが事実上終了した今こそ、小島座長の出席を改めて求めて、その真意を確認すべきであります。
 振り返ってみれば、昨年十二月二日の本委員会において、我が党の和泉武彦当時の理事が、市場問題PTの専門委員の実績について総務局に伺いましたが、記者会見の知事の説明を引用するにとどまり、実績があるのか、信頼に足るのか、判然としないままでありました。
 続く、昨年十二月二十七日の本委員会では、私、松田が、市場問題PTの委員がマスコミに極端なということについて指摘をした際、専門委員の発言がプロジェクトチームの中と外で異なることは問題であり、プロジェクトチームで議論しながら整理をしていくという旨の小島座長の発言があったとの答弁がありました。
 また、本年三月二十四日の委員会では、我が党の田中たけし理事が、ゼロリスクを追い求めることは現実的ではない、豊洲市場の地上部分は安全であり、地下水を利用することもないため、科学的にも法的にも実態として何ら問題がないと喝破をしております。
 このような経過をたどりながら、三月二十九日の市場問題PTの場で、唐突に小島座長が、築地市場の改修、再整備という私案を公表いたしました。
 四月十八日の本委員会では、これを受けて川松真一朗委員が、四月八日に築地市場で開催された意見交換会をテーマに取り上げ、その資料に東京都専門委員と記載されていることこそ、そして、その場で小島座長が、都の公式な会議で、事務局は総務局であると発言をしたことについて、総務局に真意の確認を求めましたが、明快なご答弁はいただけませんでした。
 今もなお、このときの資料は、東京都総務局のホームページからダウンロードできる状態にあります。東京都専門委員という肩書の私物化、濫用ともいえる手段を使って、市場関係者を惑わせたのは、いかなる了見なのか全く理解ができません。
 当日の午前中、築地市場の業界五団体のトップがそろって記者会見を開き、小島私案の現在地再整備案で業界内部が分断されたことに強い憤りが表明されましたが、今なお混乱と分断は続いており、深刻化しております。市場関係者の間に、かくも深い溝ができるようなひどい状況を、一体誰がつくり出したのでしょうか。
 同じく四月十八日、本委員会においては、我が党の小松大祐理事が、都民の不安をあおり、市場業界を二分し、混乱に陥れただけの惨状を嘆き、憤り、全ての問題の根源は、決断できない知事のガバナンスのなさだと指摘をしました。小島座長を任命した責任は、知事はどのように感じているのでしょうか。問題の所在、病理を白日のもとにさらし、的確にえぐり出した指摘であると思います。
 そして五月九日は、私、松田からの質疑の過程で、小島座長が知事に面会してPTの報告をしたのは本年一月末しかないということが答弁で明らかになりました。ある意味、小島座長は、PT設置後、任命権者に報告もせずに独断でPTを運営してきたことになります。
 こうしたことを踏まえ、小島座長が知事のアドバイザー役を本当に果たしているのかという疑問を呈しました。そして青果部門を豊洲市場に単独で移転させる案が出たことについても触れ、青果が移転できるなら豊洲市場は安全であると小島座長は認めたことになりませんかと、また、築地と豊洲以外に第三の道はないとした知事の方針に反してはいませんかとの指摘に対し、総務局からは明快な答弁はありませんでした。この点についても、小島座長の真意を確認する必要があると思います。
 また、五月二十三日、本委員会で我が党の早坂義弘委員が、市場のあり方戦略本部の報告に沿って、市場問題プロジェクトチームの報告書素案の問題点について指摘をしました。築地市場の現在地再整備を進める際には、環境アセスメントを実施する必要があること、また、松平定信邸などの大名屋敷があったことから、埋蔵文化財調査を実施する必要があり、それには十年前後の時間を要すること、豊洲市場用地を更地化して売却する場合には、豊洲・晴海開発整備計画の改定や、都市計画上の地区計画の変更、これに伴う地権者や地元区との調整、都市計画審議会の議を経て決定する必要など、所要の手続がPT素案から全く抜け落ちていることを具体的に指摘しました。この早坂委員の指摘は、PT素案の非現実性を鋭く指摘したものでありました。
 最後に、五月三十日、我が党の鈴木あきまさ副委員長は、築地市場の土壌調査の結果を取り上げ、百十一地点中三十地点で基準を上回る有害物質が検出されたことに言及し、営業中の築地市場の土壌汚染が深刻な状況であることを指摘しました。そして、PT素案では、具体的な土壌汚染対策に触れていないことにも言及して、築地市場再整備案の前提は、もはや崩れたことを指摘いたしました。
 さらには、小島座長が、土壌汚染対策に関して、豊洲市場には厳しく築地市場には甘い判断基準を適用するとの主張に対し、このダブルスタンダードは余りにご都合主義であると喝破しました。
 また、五月十八日に休会を余儀なくされた第六回専門家会議にも言及しながら、築地市場での土壌調査で基準以上の値が出た今、築地市場の再整備案の優位性自体崩れ去っているということを指摘しました。また、小島座長の専門委員としての資質に疑念を抱いているし、市場業界に混乱と分断をもたらした張本人である小島敏郎氏の参考人招致を改めて要望したところであります。
 このように、これまでの経過を振り返れば、市場問題プロジェクトチームの座長である小島敏郎氏本人に確認をしなければ、本委員会に求められている役割を十分に発揮できず、都民の負託に応えられないと我々都議会自民党は考えております。
 四月十八日に全会派が一致して小島敏郎氏の参考人招致を決定し、本委員会として本人に出席を求めたことは記憶に新しいところであります。市場関係者の行く末を考えた場合、そのときよりも、状況はさらに悪化し、ますます参考人招致の必要性は高まってきております。
 皆様に賛同していただけると確信をしておりますが、我々都議会議員は、都民のことを第一に行動しなければなりません。一刻も早く、知事に総合的判断をしていただかなければなりません。
 したがって、都議会自由民主党は、小島敏郎氏に本委員会への出席を求めることに賛意を表明いたします。と同時に、私は、都民の負託に応えるべく、小島敏郎氏への本委員会の参考人招致の賛意を求め、会派を超え、全ての委員に意見表明をいたします。

○小林委員 ただいま議題となりました市場問題プロジェクトチーム小島座長の参考人招致につきまして、都議会公明党を代表して意見を申し上げます。
 去る四月八日、築地市場事業者への説明、意見交換の際に、東京都専門委員の立場で、小島座長より、豊洲市場移転案とともに築地市場改修案の説明がなされました。
 この点については、十八日の本特別委員会の質疑で、我が党の伊藤こういち理事より、築地市場改修案については、小島座長がプロジェクトチームの取りまとめに向けた検討素材とするために、専門委員として作成した私案であることを確認させていただきました。
 しかしながら、唐突に説明がなされたこの私案は、築地再整備が魔法をかけたようにできてしまうんだと思わせるような内容と伊藤理事が指摘したように、業界団体や都民に混乱を生じさせるものでありました。
 こうした事態を踏まえ、詳細な築地改修案の内容や、市場業者に説明がなされた意図を確認すべく、都議会公明党も賛成し、小島座長の参考人招致を本委員会において全会一致で決定をしたところであります。
 結果的には、小島座長の出席は実現せず、一昨日の第十回会議において、市場問題プロジェクトチーム第一次報告書案の提示に至り、私案として説明された築地改修案も二つの案に分けて記載されております。
 今後、各専門委員からの修正意見を受け、正式に知事に提出されます。さらに、十一日には、専門家会議による豊洲市場の安全対策の説明が築地市場業者に行われます。これらが市場のあり方戦略本部において検討されることとなり、小島座長の私案として築地改修案の説明がなされた時点とは状況が異なっております。
 さきの代表質問において我が党は、都民が安心して利用できる市場という大きな目標の実現に向けて、早急に明確な判断を示すべきと主張したとおり、今なすべきは、スピード感を持って、市場の方向性を都民に示していくことであります。
 第九回会議において、殊さら築地改修案がすぐれているという表現は望ましくないのではないかとの他の専門委員の意見があったとも仄聞しております。さらに、第一次報告書案の冒頭には、本報告書は、東京都として特定の案を採用するべきであるという提案をするものではないと記載されております。
 本報告書案初め、専門家会議の報告書も間もなく提示され、知事が市場問題を判断する材料がほぼ出そろう環境が整うことから、現時点での小島座長の参考人招致は適切ではないと考えます。
 以上、意見表明といたします。

○あさの委員 私は、東京改革議員団を代表して、小島敏郎座長の参考人招致について意見を述べます。
 小島座長は、東京都の専門委員とはいえ、一民間人であります。都議会のこの場所における、この特別委員会の場に、参考人とはいえ民間人を呼び出すのであれば、でき得る限り全会一致となるよう尽力すべきと考えます。少なくとも会派の数で半数以上になるように努力をすべきだと考えています。
 今回、意見が分かれ、起立採決により、この招致を決定するというやり方そのものに賛同することができません。したがいまして、我々東京改革議員団は、この参考人招致には反対をいたします。

○尾崎委員 日本共産党都議団を代表して、市場問題プロジェクトチームの小島座長の参考人招致への反対の意見を述べます。
 小池知事は、昨年の八月三十一日に築地市場の移転延期を表明しました。知事が今後のことについて総合的に判断するために専門家会議が再度召集され、市場問題プロジェクトチームが発足し、市場のあり方戦略本部もつくられました。
 前回、小島座長の参考人招致を合意した時点では私案でした。しかし、今は私案ではなくなってきています。
 本日の豊洲市場移転問題特別委員会で、第十回市場問題プロジェクトチーム会議の報告を受けました。しかし、第十回市場プロジェクトチーム会議では、今回の議論を踏まえ、各専門委員から第一次報告書案の修正意見の提出を受け、小島座長が修正を行う。それを各専門員が確認し、第一次報告書として知事に提出するとされています。
 この段階で、市場問題プロジェクトチームの責任者である小島座長の参考人招致は必要ないと考え、反対です。

○おときた委員 私は、市場問題プロジェクトチームの小島座長の参考人招致について、現段階では反対とする立場から意見を表明いたします。
 そもそも小島座長に対して、本特別委員会が参考人招致を全会一致で可決したのは、四月八日に小島座長が突如として座長私案を組織内にほとんど共有することなく発表したことが発端でした。根拠が不明瞭な段階で、築地の再整備は可能と断定しながら、座長という立場で築地の関係者に説明したことが混乱を招いたことは、いささか遺憾であると改めて指摘せざるを得ません。
 こうした小島座長に対して、私案を発表した意図やその内容について、参考人招致の必要性が当時としてあったことは疑いがありません。しかしながら、現在、座長が提案した私案は、プロジェクトチームで審議され、今まさに取りまとめを行う段階に入っています。来週には、各専門委員から出された修正意見を取り入れたものが提出されるとのことですから、まずはその報告書を確認し、当局に対しての質疑を行うことが適切なものと考えます。
 市場移転問題は、移転の方向性が仮に指し示された後も継続的な調査検討が必要な政策課題です。まずは都に正式に出された報告書について、当局との精力的な議論を重ねていくべきとの見解を申し上げまして、意見表明を終わります。

○山崎委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 小島敏郎市場問題プロジェクトチーム座長を参考人として再度出席を求めることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山崎委員長 起立少数と認めます。よって、本件は否決されました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五十八分散会