豊洲市場移転問題特別委員会速記録第二十一号

平成二十九年六月二日(金曜日)
第十二委員会室
午後六時四十五分開議
出席委員 二十三名
委員長山崎 一輝君
副委員長上野 和彦君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長酒井 大史君
理事伊藤こういち君
理事小松 大祐君
理事尾崎あや子君
理事あさの克彦君
理事鈴木 章浩君
理事田中たけし君
小林 健二君
小松 久子君
栗林のり子君
川松真一朗君
おときた駿君
松田やすまさ君
中村ひろし君
和泉 武彦君
早坂 義弘君
山下 太郎君
かち佳代子君
曽根はじめ君
宇田川聡史君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
管理部長松永 哲郎君

本日の会議に付した事件
豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う。
委員会調査報告(中間報告書)について
閉会中の継続調査について

○山崎委員長 ただいまから豊洲市場移転問題特別委員会を開会いたします。
 これより豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、委員会調査報告について及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 初めに、委員会調査報告について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布のとおり、委員会中間報告書(案)として取りまとめられました。
 朗読は省略いたします。

   〔委員会中間報告書(案)は本号末尾に掲載〕

○山崎委員長 お諮りいたします。
 本件は、お手元配布の(案)のとおり、中間報告することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山崎委員長 次に、委員会調査に関する委員長の口頭による中間報告について申し上げます。
 本件は、理事会において協議の結果、第二回定例会におきまして、委員長による口頭報告を行うことを申し合わせました。ご了承願います。
 なお、委員長の口頭報告の内容につきましては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山崎委員長 次に、本委員会に付託されております調査事件についてお諮りいたします。
 本件は、本定例会中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山崎委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 六月七日水曜日、本会議終了後に委員会を開催し、市場問題PT第十回会議について、報告事項の聴取を行うことを申し合わせました。ご了承願います。
 また、参考人招致につきましては、引き続き六月七日の理事会において協議することを申し合わせましたので、あわせてご了承願います。

○山崎委員長 この際、村松中央卸売市場長から発言の申し出がありますので、これを許します。

○村松中央卸売市場長 お許しをいただきまして、一言御礼を申し上げます。
 昨年十月に本委員会が設置されて以来、先生方には、豊洲市場への移転問題に関しまして、土壌汚染対策、建物の安全性、事業継続性など、多岐にわたる課題につきまして、熱心にご議論いただき、また、さまざまなご指摘を頂戴し、まことにありがとうございました。
 現在、専門家会議、市場問題プロジェクトチームなどによる検証内容を踏まえつつ、庁内検討組織でございます市場のあり方戦略本部において集中的な検討を積み重ねておりますが、引き続き精査を重ねまして、都民に信頼される安全・安心な市場の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
 今後とも、山崎委員長を初め委員の先生方には、よろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
 甚だ簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。まことにありがとうございました。

○山崎委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ご挨拶申し上げます。
 委員会のそれぞれの委員の皆様、そして副委員長並び理事の皆様、大変お疲れさまでございます。
 本委員会は、先ほども市場長がお話しされたように、昨年の十月から開会された後、約八カ月にわたり、さまざまな議論を積み重ねてまいりました。
 その中では、やはり専門家会議や市場プロジェクトチーム、また、参考人招致、そして、市場の皆さんとの視察、さまざまな事項がございました。その中で、市場のあり方戦略本部という新たな庁内機関が設置された中、また、この議論もしっかりと皆様も審議をさせていただいて、現在に至るわけでございます。
 しかし、この委員会のそれぞれの委員の皆様も認識をしているように、まだ先行きが見えないような状態であります。専門家会議が休会になり、また、市場のプロジェクトチームも六月五日に第十回目の会議が行われる、そして、あり方戦略本部がこれからまた行われる、さまざまなことがございます。
 そういったことも含めて、今回は継続という形をとらせていただいて、中間の報告を六月七日の本会議最終日にさせていただくことに決定させていただいたわけでございます。
 そういった中で、我々の任期というものは、この十九期、七月二十二日まで、この任期がございます。そういった中で、スピード感を持って、それぞれの委員のメンバーの皆さんが、また、皆さんも責任感強い、そういった部分も含めて、この委員会をしっかりと前に進めてまいりたい。それが都民や国民の皆さんに対して、我々議会人として、しっかり、この豊洲の、また築地の市場のさまざまな課題を前に進めていく我々の責務だと思っておりますので、どうぞこれからも、それぞれの先生方の、また委員の先生方のご協力、それぞれの会派の皆さんのご協力をよろしくお願い申し上げて、私のご挨拶にかえさせていただきたいと思います。
 本当に皆さん、とりあえずお疲れさまでございました。(拍手)いや、いいです。中間でございます。
 それでは、これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時五十二分散会


豊洲市場移転問題特別委員会 中間報告書(案)

 本委員会は、平成28年10月13日に設置され、豊洲市場の移転に関わる諸課題について調査・検討を行ってきたところですが、これまでの経過について、別紙のとおり中間報告いたします。

平成29年6月2日

豊洲市場移転問題特別委員長
山崎 一輝

東京都議会議長
川井 しげお 殿

目次

1 本委員会の設置
(1)設置の経過
(2)委員及び役員

2 調査審議及び必要な活動の経過

3 調査・検討の概要
(1)「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」について
(2)「市場問題プロジェクトチーム」の会議について
(3)豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームについて
(4)視察(豊洲市場)・意見交換
(5)地下水モニタリング調査に関する参考人からの意見聴取と関連する報告・質疑
(6)「市場のあり方戦略本部」について
(7)築地市場の土壌調査について

4 今後に向けて

1 本委員会の設置

(1)設置の経過
本委員会は、東京都議会として、豊洲市場の移転に関わる諸課題について調査・検討を行うことを目的として、平成28年10月13日の平成28年第三回定例会本会議において、小林健二君外109名の動議により、下記の要綱のとおり設置された。

豊洲市場移転問題特別委員会設置要綱
1 名称
 豊洲市場移転問題特別委員会とする。
2 設置の根拠
 地方自治法第109条第1項及び東京都議会委員会条例第4条による。
3 目的
  豊洲市場の移転に関わる諸課題について調査・検討する。
4 委員会の組織
  委員の定数は、23名とし、委員長1名、副委員長3名及び理事6名を置く。

(2)委員及び役員
ア 議長は、平成28年10月13日の本会議に諮り、次のとおり委員を指名した。
菅野 弘一君 栗林のり子君
伊藤こういち君 松田やすまさ君
小松 久子君 田中 朝子君
尾崎あや子君 和泉 武彦君
両角みのる君 中村ひろし君
上野 和彦君 島崎 義司君
田中たけし君 木内 良明君
鈴木あきまさ君 桜井 浩之君
山崎 一輝君 三宅 正彦君
かち佳代子君 曽根はじめ君
宇田川聡史君 崎山 知尚君
酒井 大史君

イ 平成28年10月13日の委員会において、次のとおり委員長、副委員長及び理事が互選された。
委員長  山崎 一輝君
副委員長 上野 和彦君
副委員長 鈴木あきまさ君
副委員長 三宅 正彦君
理事  伊藤こういち君
理事  尾崎あや子君
理事  和泉 武彦君
理事  中村ひろし君
理事  田中たけし君
理事  崎山 知尚君

ウ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年1月20日付け
○辞任  木内 良明君
○選任  小林 健二君

エ 平成29年2月7日の委員会において、中村ひろし理事の辞任が許可され、欠員となった理事1名が次のとおり互選された。
理事   酒井 大史君

オ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年2月15日付け
○辞任  三宅 正彦君
○選任  大場やすのぶ君

カ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年2月16日付け
○辞任  田中 朝子君
○選任  あさの克彦君

キ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年2月20日付け
○辞任  両角みのる君
○選任  おときた駿君

ク 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年2月22日の平成29年第一回定例会本会議で報告した。
平成29年2月22日付け
○辞任  大場やすのぶ君
○選任  三宅 正彦君

ケ 平成29年2月22日の委員会において、三宅正彦副委員長の委員辞任に伴い欠員となった副委員長1名が次のとおり互選された。
副委員長 酒井 大史君

コ 平成29年2月22日の委員会において、酒井大史理事の副委員長就任に伴い欠員となった理事1名が次のとおり互選された。
理事   あさの克彦君

サ 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年6月1日の平成29年第二回定例会本会議で報告した。
平成29年4月7日付け
○辞任  崎山 知尚君 菅野 弘一君
     島崎 義司君 桜井 浩之君
○選任  小松 大祐君 鈴木 章浩君
     川松真一朗君 早坂 義弘君

シ 平成29年4月11日の委員会において、崎山知尚理事の委員辞任及び和泉武彦理事の理事辞任により欠員となった理事2名が次のとおり互選された。
理事   小松 大祐君 鈴木 章浩君

ス 議長は次のとおり、委員の辞任を許可し、新たに委員を指名した旨を平成29年6月1日の平成29年第二回定例会本会議で報告した。
平成29年5月25日付け
○辞任  三宅 正彦君
○選任  山下 太郎君

2 調査審議及び必要な活動の経過

 本委員会は、21回の委員会及び22回の理事会の開催並びに1回の視察を実施し、次のとおり調査・検討を行った。

年月日委員会の調査事項理事会の調査事項
平成28年
10月13日(木曜日)
○委員長、副委員長及び理事の互選
○議席について
1 今後の委員会運営について
2 その他
11月25日(金曜日)1 運営要領について
2 今後の委員会運営について
3 その他
11月28日(月曜日)○報告事項(説明)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(概要・第1回・第2回)について
・市場問題プロジェクトチームについて
1 本日の委員会運営について
2 その他
12月2日(金曜日)○報告事項(質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(概要・第1回・第2回)について
・市場問題プロジェクトチームについて
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
12月13日(火曜日)○報告事項(説明)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第3回)について
・市場問題プロジェクトチーム(第3回会議)について
○閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 今後の委員会日程について
4 その他
12月27日(火曜日)○報告事項(説明・質疑)
・市場問題プロジェクトチームによる青果部関係者へのヒアリングについて
・市場問題プロジェクトチーム(第4回会議)について
○報告事項(質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第3回)について
・市場問題プロジェクトチーム(第3回会議)について
1 本日の委員会運営について
2 その他
平成29年
1月23日(月曜日)
○報告事項(説明)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第4回)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
1月31日(火曜日)○報告事項(質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第4回)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
2月7日(火曜日)○理事の辞任及び互選
○報告事項(説明)
・豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームについて
・市場問題プロジェクトチーム(第5回会議)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
2月14日(火曜日)○報告事項(質疑)
・豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームについて
・市場問題プロジェクトチーム(第5回会議)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
2月22日(水曜日)○副委員長の互選1 今後の委員会運営について
2 その他
2月25日(土曜日)○視察(豊洲市場)・意見交換
3月4日(土曜日)○参考人からの意見聴取
・地下水モニタリング調査について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
3月6日(月曜日)○委員会調査報告書について
委員長から、本日終了とする予定だったが、参考人からの意見聴取により新たな事実が判明したために、今後も審議を継続していくと理事会で申し合わせた旨の報告があった。
1 本日の委員会運営について
2 委員長口頭報告について
3 その他
3月13日(月曜日)○報告事項(説明)
・第9回地下水モニタリング調査の経過等について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
3月24日(金曜日)○報告事項(説明・質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第5回)について
○報告事項(質疑)
・第9回地下水モニタリング調査の経過等について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
3月25日(土曜日)○閉会中の継続調査について1 本日の委員会運営について
4月11日(火曜日)○理事の辞任及び互選
○報告事項(説明)
・市場問題プロジェクトチーム(第6回会議)について
・市場問題プロジェクトチーム(第7回会議)について
・市場のあり方戦略本部について
1 本日の委員会運営について
2 その他
4月18日(火曜日)○報告事項(質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第6回会議)について
・市場問題プロジェクトチーム(第7回会議)について
・市場のあり方戦略本部について
1 本日の委員会運営について
2 その他
5月9日(火曜日)○報告事項(説明・質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第8回会議)について
○報告事項(説明)
・市場のあり方戦略本部(第2回)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
5月23日(火曜日)○報告事項(質疑)
・市場のあり方戦略本部(第2回)について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
5月30日(火曜日)○報告事項(説明・質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第9回会議)について
・築地市場の土壌調査について
1 本日の委員会運営について
2 今後の委員会運営について
3 その他
6月2日(金曜日)○委員会調査報告(中間報告書)について
○閉会中の継続調査について
1 本日の委員会運営について
2 閉会中の継続調査について
3 その他

3 調査・検討の概要

 本委員会は、平成28年10月13日に設置された後、これまで約8か月にわたり精力的に調査・検討を行ってきた。その際、諸課題について、優先順位をつけて理事者から報告を聴取し、その範囲内でスピード感を持って資料要求及び質疑を行ってきた。
本委員会におけるこれまでの調査・検討の具体的な内容は、以下のとおりである。

(1)「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」について
 「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」は、生鮮食料品等を扱う豊洲市場において、食の安全・安心を確保する観点から、改めて土壌汚染対策について検討を行うために設置された。
 本委員会では、この会議で検討されてきた地下水モニタリング調査や地下ピット内及び補助第315号線高架橋下の空気・地下水等の測定結果、地下水位の状況などについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、環境基準・指針値の意義や地下水の管理、地下水モニタリング調査における採水・分析方法などについて、質疑が行われた。

 なお、平成29年5月23日の委員会において、5月18日に開催された第6回専門家会議に関して理事者から説明があった。説明によると、当該会議は、議事の途中で傍聴人からの意見が集中し議事進行ができなくなったため、今後の対策について議論ができなくなり、一時休会したとのことである。

(2)「市場問題プロジェクトチーム」の会議について
 「市場問題プロジェクトチーム」は、築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関し、情報を公開し、関係者から意見を聴くとともに、専門的見地からの知見の集約を行うために設置された。
 本委員会では、この会議で検討されてきた豊洲市場の施設の安全性・機能性や豊洲市場の事業継続性、第一次報告書案などについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、「市場問題プロジェクトチーム」の役割・位置づけや豊洲市場の構造上の安全性、豊洲市場の収益・費用、第一次報告書案に対する専門委員からの意見などについて、質疑が行われた。

 なお、平成29年4月18日の委員会において、小島敏郎市場問題プロジェクトチーム座長に参考人として出席を求め、意見を聴くことについて、全会一致で決定した。しかし、5月9日の委員会において、委員長より、出席依頼をしたが、「知事への報告書のとりまとめに専念しなければならず、その作業もできていない段階で議会に説明することは控えさせていただきたい」との理由で、参考人として出席できない旨の回答があったとの報告があった。

(3)豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームについて
 豊洲市場への移転延期に伴い市場業者等に生じている損失に対して行われる補償のスキームに関して、市場業者へのヒアリング結果や補償対象者・原則・対象項目、今後のスケジュールなどについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、ヒアリングの状況やつなぎ融資制度、補償に関する相談体制などについて、質疑が行われた。

(4)視察(豊洲市場)・意見交換
 本委員会では、平成29年2月25日、豊洲市場の現地視察を行うとともに、視察にご同行いただいた「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」の平田健正座長及び中島誠フェローとの意見交換を行った。
 視察では、豊洲市場における地下水モニタリング調査の採水作業の様子や地下水が排水され床面が乾燥した地下ピット、補助第315号線連絡通路部の状況を確認した。
 意見交換では、これまでの測定結果に関する詳しい説明を受けるとともに、市場関係者、都民、国民に対し、データから導き出された安全性を適切に説明していくことの重要性に関して議論が行われた。

(5)地下水モニタリング調査に関する参考人からの意見聴取と関連する報告・質疑
 平成29年3月4日、地下水モニタリング調査の採水及び分析などについて確認する趣旨で、参考人として招致した10者のうち出席のあった以下の6者から、技術的な部分を中心に意見聴取及び質疑を行った。
 参考人からの意見聴取では、作業実施当時の具体的な現場状況や採水・分析作業の実施体制や方法などについて、参考人が意見を述べた。
 意見を受け、採水・分析に関する詳細や作業体制、作業の適正性、事業者の実績などについて、質疑が行われた。

○ 株式会社日水コン 事業統括本部環境・資源部チーフエンジニア 平井真砂郎 氏
○ 鹿島・西松・東急・岩田地崎建設共同企業体代表者 鹿島建設株式会社 土木営業本部プロジェクト推進部次長 小沢 明正 氏
○ 清水・大林・鴻池・錢高建設共同企業体代表者 清水建設株式会社 東京支店建築第四部部長 望月 尚幸 氏
○ 大成・竹中・名工・大日本建設共同企業体代表者 大成建設株式会社 環境本部環境イノベーション推進部長 氏家 正人 氏
○ 株式会社湘南分析センター 統括部長 市川 泰之 氏
○ ユーロフィン日本環境株式会社 環境ラボ副ディレクター 関  淳也 氏

 参考人からの意見聴取により、第1回から第8回の作業手順と第9回の作業手順が異なっていることが明らかとなった。そこで、まず、理事者から、第9回地下水モニタリング調査の経過等について、報告を聴取した。
 報告を受け、地下水採水手順書の作成過程及び利用実態、都と事業者との間の指示・報告内容、職員の意識改革に対する考え方などについて、第5回専門家会議において評価された内容も含めて、質疑が行われた。

(6)「市場のあり方戦略本部」について
 「市場のあり方戦略本部」は、専門家会議や市場問題プロジェクトチームによる検証の成果を集約した上で、残された諸課題を総点検し、総合的な判断に繋げるための庁内検討組織として設置された。
 本委員会では、この会議の位置づけや会議で議論されている豊洲市場の課題への対応・築地市場現在地再整備における課題・中央卸売市場会計の持続可能性の検証などについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、会議のロードマップ上の整理や関係者へのヒアリングの状況、今後のスケジュールなどについて、質疑が行われた。

(7)築地市場の土壌調査について 
 築地市場において、過去に環境確保条例に基づく手続きが必要であった8件の工事に関して、土地利用の履歴等調査届出書を提出後、土壌汚染概況調査が実施された。
 本委員会では、調査の概要や結果などについて、理事者から報告を聴取した。
 報告を受け、結果に対する専門家の見解や汚染の分布状況、今後予定されている詳細調査の内容などについて、質疑が行われた。

4 今後に向けて

 以上のとおり、これまで本委員会は、都民、国民の関心が高い豊洲市場移転問題について、議会の権能を行使し、精力的に調査・検討を行ってきた。調査・検討に当たっては、限られた議会日程の中、通常は委員会が開催されない午前中や土曜日にも委員会活動を設定するなど、全会派が一致して、スピード感を持って取り組んできた。
 本報告書とりまとめ時点の平成29年6月2日現在、豊洲市場移転問題に関しては、第6回専門家会議が休会中であることに加え、市場問題プロジェクトチームの報告書のとりまとめが当初の予定より遅れており、これらも踏まえて、「市場のあり方戦略本部」で検討が続いている状況である。
 また、本委員会設置からこれまでの間、最新の豊洲市場の地下水モニタリング調査結果の公表や、築地市場の土壌調査の実施など、豊洲及び築地の両市場を巡る状況は刻々と変化している。最近では、小島敏郎専門委員の私案である「築地改修案」及び「豊洲移転案」が築地市場内の事業者等と意見交換されたことで、築地の現在地再整備が再び議論の俎上にのる一方で、都では豊洲市場を広く一般に公開し、生鮮食料品を扱う卸売市場としての現状をご覧いただくための都民向け見学会を実施するなど、新たな動きも生じている。
 このように、未だ最終的な結論が見えない中、引き続き、二元代表制の一翼を担う議会として、執行機関に対するチェック機能を全うする責務を的確に果たしていかなくてはならない。
 本委員会のこれまでの成果が、豊洲市場移転問題の一日も早い解決に向けて十分に生かされることを希望する。さらに、第19期都議会議員の任期が満了する平成29年7月22日まで、今後も引き続き、豊洲市場移転に向けた諸課題を解決するための調査・検討を行っていくことを表明し、本委員会の中間報告とする。

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