豊洲市場移転問題特別委員会速記録第二十号

平成二十九年五月三十日(火曜日)
第十二委員会室
午後二時十分開議
出席委員 二十三名
委員長山崎 一輝君
副委員長上野 和彦君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長酒井 大史君
理事伊藤こういち君
理事小松 大祐君
理事尾崎あや子君
理事あさの克彦君
理事鈴木 章浩君
理事田中たけし君
小林 健二君
小松 久子君
栗林のり子君
川松真一朗君
おときた駿君
松田やすまさ君
和泉 武彦君
中村ひろし君
早坂 義弘君
かち佳代子君
曽根はじめ君
宇田川聡史君
山下 太郎君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務金子 光博君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
新市場整備部長岡安 雅人君
新市場整備調整担当部長影山 忠男君
移転調整担当部長前田  豊君
基盤整備担当部長村井 良輔君
技術調整担当部長鈴木  理君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
総務局局長多羅尾光睦君
次長理事兼務榎本 雅人君
総務部長小暮  実君
都政改革担当部長池上 晶子君
環境局局長遠藤 雅彦君
次長池田 俊明君
総務部長笹沼 正一君
政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務鈴木 研二君
環境改善技術担当部長近藤  豊君

本日の会議に付した事件
豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う。
報告事項(説明・質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第九回会議)について
・築地市場の土壌調査について

○山崎委員長 ただいまから豊洲市場移転問題特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞任及び選任について申し上げます。
 議長より、去る五月二十五日付をもって三宅正彦委員の辞任を許可し、新たに山下太郎議員を選任した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。山下太郎委員です。

○山下委員 よろしくお願い申し上げます。

○山崎委員長 紹介は終わりました。

○山崎委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○山崎委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において、六月二日金曜日、本会議終了後、委員会を開催し、本委員会の中間報告書の取りまとめ及び閉会中の継続調査の申し出の決定を行うことを申し合わせました。
 そして、参考人招致のことでございますが、引き続き協議をさせていただくことも同じく申し合わせをさせていただきました。ご了承願います。
 これより豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、本日の委員会には、お手元配布の名簿の理事者が出席しておりますので、ご了承願います。
 次に、理事者の欠席について申し上げます。
 中央卸売市場、赤木移転支援担当部長、櫻庭新市場事業推進担当部長、西坂事業支援担当部長、佐藤施設整備担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 それでは、理事者から、市場問題プロジェクトチーム(第九回会議)について及び築地市場の土壌調査について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○池上総務局都政改革担当部長 私からは、お手元に配布しております資料1、市場問題プロジェクトチーム(第九回会議)についてご説明をいたします。
 恐れ入りますが、資料1の一ページをごらんください。
 五月二十四日に開催いたしました第九回会議では、概要及び1、検討事項にございます市場問題プロジェクトチーム第一次報告書案についてというテーマで審議をいたしました。
 2、第一次報告書案の構成をごらんください。
 報告書案の構成としては、卸売市場のあり方、築地市場の特徴と課題、豊洲市場移転案、築地改修案の四部構成となっております。築地改修案につきましては、さらに三案で構成されております。
 続いて、3、小島座長からの冒頭発言をごらんください。
 会議の冒頭、小島座長から、第二回市場のあり方戦略本部における資料やこれまでの議論を踏まえ、中央卸売市場に要求した資料の提供及び質問に対する回答に時間を要し、また、未回答のものもあることから、現在の報告書案は直前に作成したものであり、専門委員において議論する時間も不十分な状態であることから、本日の議論を踏まえ、平成二十九年六月五日に第十回市場問題プロジェクトチームを開催する旨の発言がございました。
 また、市場会計への影響について、公認会計士への意見照会を行っている旨の報告がありました。
 続いて、会議における主な議論につきましてご報告申し上げます。
 (1)、神田市場跡地の売却につきましては、一般会計が三千七百億円で市場会計から引き継いだ土地が、民間に四百億円で売却されたことについては、バブル崩壊後の不動産市場の変化や換地処分であったことを考慮しても、より精緻な調査が必要といった意見がございました。
 二ページをごらんください。
 また、築地市場や豊洲市場の売却益について議論する際には、神田市場のケースをモデルとして今後の見通しを整理するのか、それとも今の社会情勢を踏まえて整理するのか、経営の観点での整理が必要といった意見が出されました。
 次に、(2)、市場の経営組織、市場運営につきましては、経営組織としてガバナンスの問題があり、運営、内部統制、監査を機能させる必要があり、具体化に当たっては、都の内部での議論、業界との調整、弁護士等の意見を聞きながら詰めていくべきという意見や、市場が衰退しようとしている時代においては、現実的なスタンスとして、新規参入も将来的には認めていくことも必要ではないかといった意見が出されました。
 次に、(3)、築地市場の価値につきましては、取引される商品がきちんとしており、アクセスがよく観光的な価値があるものとして、外食産業と流通産業が一体となってつくり上げてきたものが築地ブランド、仮に豊洲に移転するとしても、豊洲ブランドをつくることが重要という意見や、築地市場は、鉄道の線路を引き込みながら形づくられた建物であり、建築物として歴史的に大事であり、さらに、場外も含むまちがブランド力をつくり出しているという意見が出されました。
 次に、(4)、豊洲市場の土壌汚染問題につきましては、報告書案に記載の、いわゆる無害化三条件が達成できないならば、それにかわる基準は何か、それは、これまで支出した土壌汚染対策及び追加対策にかかる費用を正当化できるものであるべきという意見や、報道されている豊洲市場の基準の百倍のベンゼンが未来永劫続くことはないと考える、地下水管理システムにより、地下水の基準以下までは下げられるということが定性的にはいえるが、今はそのデータがなく、予測を立てたとしても十年か二十年のスパンの話になるといった意見が出されました。
 次に、(5)、豊洲市場の建物の構造安全性につきましては、六街区の積載荷重については、市場当局が豊洲市場の使い方について業者にきちっとアナウンスしていないことによって誤解が生じているという意見や、設計者が発注者と協議して設定した積載荷重の話とフォークリフトのこれからの使い方の話は区別して議論すべきという意見、また、報告書は、プロジェクトチームの総意となるものであり、構造安全性についても構造の専門家が納得できる文章になるようにすべきといった意見が出されました。
 最後に、(6)、築地改修案につきましては、ツインタワーの甲案については、経済的に自立した市場案として、空中権を使って収益を上げるアイデアレベルのものであるという意見や、楽観的な計画にすべきではない、七年の工期については、アセスとは関係なく、環状二号線の線形の変更に係る手続、更地にした上での地下埋設物や土壌汚染調査などが必要となり、そうしたリスクを見込むと十四、五年と見るのが適切、工期と工費に関しては最大限のリスクを盛り込んだ案とすべきという意見が出されました。
 また、築地市場の改修について、環境局に環境アセスメントの要否について確認したところ、敷地が条例で定める面積要件に該当すれば建てかえが一棟でも対象となるが、環境に影響を及ぼすことが客観的に明らかでない場合は対象外とする運用をしているとのことであった、この取り扱いは条例に規定しておらず、役人が恣意的に判断をしており、単なる行政指導にすぎないのではないかと考えられるという意見や、報告書案に築地改修案がすぐれているという表現があるが、報告書としては、各案の欠点、長所、問題点を挙げるにとどめ、優劣の判断は望ましくないのではないかといった意見が出されました。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○白川中央卸売市場事業部長 私の方からは、お手元の資料2、築地市場の土壌調査についてご報告申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。築地市場の土壌汚染概況調査についてでございます。
 (1)、概要でございます。
 築地市場におきまして、東京都環境確保条例が施行された平成十三年十月以降、同条例に基づく届け出や手続を行わなかった八件の工事につきまして、土地利用の履歴等調査届け出書を提出し、土壌汚染概況調査を実施いたしました。
 次に、(2)、調査概要でございます。
 築地市場敷地内の一部での百十一地点において土壌ガス調査及び表層土壌調査を行いました。調査の対象物質は、土地利用の履歴等調査を届け出た結果、汚染のおそれのあるとされた計二十三種でございます。内訳は、揮発性有機化合物である第一種有害物質が計十二種、重金属等である第二種有害物質が計九種、農薬系の第三種有害物質が二種でございます。
 二ページをごらんください。次に、(3)、調査の結果でございます。
 調査の結果、土壌ガス調査におきまして、一地点でベンゼンを検出いたしました。また、表層土壌調査については三十地点におきまして、溶出量調査では六価クロム、ヒ素、水銀、フッ素を、含有量調査では鉛を検出いたしました。
 三ページをお開き願います。二ページでお示しした表層土壌調査につきまして、詳細な結果をお示ししております。
 〔1〕溶出量調査、〔2〕含有量調査の結果別に、試験項目、基準超過地点数、検出地点の最大値、基準値に対する最大値の割合、基準値、定量下限値及びそれぞれの単位を記載しております。網かけの部分が基準値を超過した項目でございます。
 四ページには、調査地点及び基準を超えた地点を図面でお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 五ページから一三ページにかけまして、全調査地点の土壌ガス調査、溶出量調査、含有量調査の結果を記載してございます。
 本件に関する説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○山崎委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 この際、一言申し上げます。
 委員の皆様方には、本日の質疑に際しまして、極力重複を避けていただき、効率的かつ円滑な委員会運営にご協力をお願いいたします。
 また、質疑の内容につきましては、本日議題となっております報告事項の範囲内としていただきますよう、ご協力をお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○鈴木(あ)委員 それでは、私からは、まず、この築地市場の土壌調査結果についてお伺いをさせていただきます。
 折しも五月二十五日木曜日に、この築地市場の土壌汚染調査の結果が発表されました。有害物質が検出されたとの報道はメディアでも大きく扱われたところであります。
 改めて、この築地市場の土壌調査の内容と結果について詳しく教えていただきたい。

○白川中央卸売市場事業部長 今回の土壌調査は、東京都環境確保条例第百十七条に基づく届け出をしていなかった八件の工事箇所について、ことし三月に環境局へ土地利用の履歴等調査届け出書を提出し、汚染のおそれがあるとされた箇所について概況調査を実施したものでございます。
 調査方法につきましては、この八件の工事箇所について、十メートルのメッシュによりまして百十一地点の調査地点を設定いたしました。これら調査地点において、五月上旬に土壌ガス及び表層土壌の調査を実施したものでございます。
 まず、土壌ガス調査では、深さ〇・八メートルから一メートルまでの土壌の中のガスを吸引し、ベンゼンなどの揮発性有機化合物、第一種有害物質十二種を対象に行いました。その結果、一地点から基準値を超えるベンゼンを検出いたしました。
 また、表層土壌の調査につきましては、地表から深さ五十センチメートルまでの土壌を採取し、重金属等のヒ素等の第二種有害物質九種、PCB等の農薬等の第三種有害物質二種を対象に調査を行いました。
 その結果、全百十一地点の調査地点のうち、三十地点において有害物質五種が基準値を超過したものでございます。なお、この有害物質五種は、六価クロム、ヒ素、水銀、フッ素、鉛でございます。

○鈴木(あ)委員 今、詳しくご報告をいただいたとおり、築地市場もご多分に漏れず基準を超えている地点があり、汚染されているということが明らかになったわけであります。それが特定箇所に限られているのか、そうではないのかによって、築地市場の汚染分布の予想が異なってくるわけです。
 そこで、この基準を超える有害物質が検出された三十地点は、特定の調査対象箇所に集中していたのか、それともこの調査対象となった八カ所に広く分布していたのか、その点について伺います。

○白川中央卸売市場事業部長 基準値を超える有害物質が検出された三十地点は、八件の工事区域の全てにわたっております。
 今後、都といたしましては、ボーリング調査を実施するとともに、地下水を採取し、詳細に汚染状況を把握するなど適切に対応してまいります。

○鈴木(あ)委員 特定箇所に集中していないとのことなので、この八カ所に限らず、この築地市場の敷地内に汚染が広く広がっている箇所は高いのではないかと、このように考えられます。築地市場の改修再整備案は、長い歴史の中で消費者から得た安心をよりどころにしているわけでございます。
 しかしながら、それは、これまで土壌調査が実施されてこなかったことで、築地市場、この市場の汚染の実態が現実にはわからなかったというだけで、いってみれば根拠のない安心感だと、こういうふうにいえるのではないでしょうか。真実を知った今、その安心は幻想である、このように知るべきであろうかと思います。
 さらに、一地点で水銀が検出されております。専門家会議の座長を務める平田先生は、水銀は常温でも揮発する物質で、検出されたことは重く受けとめるべきだ、敷地内の他の区域も似たような状況にあることが懸念されるとのコメントを出したと報じられております。このコメントは本当に平田座長のコメントか、市場当局にお伺いをさせていただきます。

○白川中央卸売市場事業部長 今回、築地市場の表層土壌の調査結果についてどのように受けとめるべきか、土壌汚染に関する専門家個人の立場としてコメントを都が求めたものでございます。
 また、水銀の基準超過地点及びベンゼンの土壌ガス濃度検出地点の付近で、地上の空気測定を実施する必要があるとアドバイスをいただいているため、七月中をめどにこれらの物質の地上の空気測定を実施する予定でございます。

○鈴木(あ)委員 専門家会議を率いる平田先生は土壌汚染分野の権威であります。そのコメントはしっかりと受けとめるべきであります。今回の調査は、表層調査の土壌で、地表からわずか五十センチのところで水銀が検出されたわけであります。常温で揮発する水銀はそのまま魚や野菜など商品に付着したとしてもおかしくはないわけです。しかも、この築地市場の卸売り場や、この仲卸売り場で同様の汚染があるとすれば、これは大問題ですよ。ネズミやカモメに象徴されるこの開放型の市場の衛生状況、アスベストを含有している部材の入った水産仲卸売り場のこの脆弱な耐震性は、既に指摘をさせていただいたところでございますが、加えて、この営業中の築地市場の土壌汚染も深刻な状況にあることを心に刻むべきだと思います。
 築地市場の改修、再整備案は、この基準超えの土壌汚染を織り込んではおらず、その前提は崩れたといえるわけであります。ここから、この市場問題プロジェクトチーム第一次報告書案に沿って重要な点を各局に聞いていきたい、このように考えております。
 PT報告書案の一四一ページから一四二ページにかけて、既存の卸売市場で土壌汚染対策をする場合にどこまでの土壌汚染対策を行うかは、各市場の判断に委ねられている、豊洲市場の土壌汚染対策、無害化した状況での開場には、豊洲市場独自の経緯と理由があるのであり、全ての既存市場で豊洲市場レベルの土壌汚染対策を講じるべきという議論は、採用し得ないと記載されているわけであります。
 豊洲市場に求めるレベルと、築地市場に求めるレベルは違うので、この築地市場改修案に土壌汚染対策が織り込まれていなくてもよいのだ。豊洲には厳しく築地には緩く、このダブルスタンダードでよいのだといわんばかりなわけでありますが、そのような主張と理解していいのか、市場問題PT事務局にぜひお伺いしたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームの報告書につきましては、現在、審議中でございますが、その内容については、小島座長を初め各専門委員が判断するものであり、庶務を行う総務局としては関与する立場にはございません。

○鈴木(あ)委員 相変わらずの今の答弁のようなフレーズが続くのは、非常に残念であります。それはともかくとして、今申し上げたとおり、豊洲に厳しく築地には甘く、このダブルスタンダードは、余りにご都合主義じゃないですか。
 ご都合主義といえば、築地市場の土壌調査の結果が判明する前は、ある会派は、汚染土壌の上に生鮮食料品の市場をつくるという根本矛盾が噴き出している、こういうふうに、あえて申し上げれば五月二十四日付の「赤旗」で志位委員長さんがおっしゃっているわけです。あたかも、鬼の首をとったともいいたげに発言していた。
 今、現に、この有害物質が五十センチの地下にある根本矛盾をどうするのか、程度問題として、築地市場の土壌汚染には目をつぶるのだとしたら、こんなご都合主義、ダブルスタンダードはないじゃないですか。
 知事は、法令を上回る汚染対策で有害物質を環境基準以下に抑えるという従来の考え方を重視する発言を繰り返しております。これが影響してか、五月十八日の専門家会議では、豊洲市場への追加対策が議論される予定でありましたが、傍聴の移転反対派から、この無害化問題が再燃して異論が相次ぎ、議論に入れないまま休会を余儀なくされたわけであります。
 法令上の安全が確保された豊洲市場では、地下水がいまだ環境基準以下ではないから安心できないとの話ですが、築地市場で基準以上の値が出た今、もはや、この築地市場での安心も、もろくも崩れ去っているわけであります。
 小池知事の最も信頼するブレーンともいわれる小島座長の主導のもとで、築地市場の優位性が語られ、築地改修案が適切であることはいうまでもないと、PT報告書案一五〇ページに明記されています。しかしながら、佐藤委員や森高委員からは、現実性が疑問視されて結論が先送りとなっております。また、PTの専門委員の一人が都議会選挙に立候補することを表明した。驚きですね。報道によれば、この築地再整備を強く主張するとのことであります。つまり公平無私に議論すべきPTの場に、築地再整備ありきの専門委員がいたことになり、極めて遺憾であります。一体これは何なんだろう、こういうふうに申し上げなければならない。市場問題PTは、もはや調査研究組織の体をなしていないんじゃないですか。
 このPTは、築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関することについて、知事から委託されて調査研究を行い、知事に報告をする役割を担う旨、前々回の当委員会でも確認されたところであります。
 しかしながら、四月八日の築地市場での市場関係者を集めての説明会など、小島座長は、専門委員としての調査研究の枠をはみ出している振る舞いを続け、このPTを、個人的主張を補強する場としている、これが明らかになっているわけであります。
 繰り返しますが、今回のPTでも、小島座長は、報告書案に、この築地改修案が適切であることはいうまでもないと根拠のない記述をして、他の専門委員から行き過ぎを批判されるありさまなんですよ。
 先週の五月二十四日水曜日に開催された市場問題PTでは、小島座長は、報告書案が完成に至らなかった理由として、都から質問への回答が来ないこと、これを挙げているんです。
 そこで、小島座長から都に対して、いつ、何問の質問がなされたのか、あわせて、小島座長が納得していない回答や口頭による回答、回答が困難であるとの回答など、何らかの回答があったものを含めて、この市場問題PT開催までに関係部署から何問の回答があったのか、市場問題PT事務局に、ぜひ伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 平成二十八年九月の市場問題プロジェクトチーム発足以降、小島座長からは、市場当局に対し資料要求がありましたが、直近では、第二回市場のあり方戦略本部会議資料に対して、五月八日から十日にかけて、合計百十三問の質問がございました。これに対して、市場当局より、豊洲市場の土壌汚染対策の目標、都議会付帯決議、地下水管理システム、地下水モニタリング等に関する質問三十一問につきましては、専門家会議の状況を踏まえた上で回答すると報告を受けております。
 第九回市場問題プロジェクトチーム会議において、小島座長から、第一次報告書案は、五月二十二日までに回答があったものを盛り込んだ旨の発言があり、二十二日までに回答があったものは、残り八十二問のうちの五十八問でありました。
 五月二十四日の第九回市場問題プロジェクトチーム開催までに、追加で二十二問の回答の提出を受けましたが、このうち十九問は、再調整となった環境アセスメントに関する質問でございます。

○鈴木(あ)委員 今、答弁いただいたんですけれどもね、現時点で回答していないものは何問あるのか、市場問題PT、これもう一回、長くてちょっとわからないので、もうちょっとわかりやすく、現時点で回答していないものはあるのか、この点ちょっとはっきり答えてください。

○池上総務局都政改革担当部長 今お話しいたしました百十三問につきましては、現時点では、全て回答を受けております。

○鈴木(あ)委員 おおむね回答しているのではないですか。これね、今、答弁いただいたように、都合のいいことも悪いことも針小棒大に誇張する傾向が、この小島座長には見てとれるので、今、改めて確認をさせていただいたところであります。
 小島座長は、PTの中で、築地市場で随所に立っている使用禁止の立て札、これ小島座長がいっているんですが、この使用禁止の立て札に関して二週間前から質問をしているが、回答がないとの趣旨の発言をしておりました。
 これは市場に出された質問だと思いますが、この質問は、いつなされ、いつ回答したのか、これは市場当局に伺いたいと思います。

○長嶺中央卸売市場財政調整担当部長 築地市場において、使用禁止措置が講じられている店舗についての質問は、五月二十二日に総務局から送付され、五月二十五日に総務局に回答を送付しております。

○鈴木(あ)委員 二日前にした質問を二週間前にした質問である、こういうふうにオープンな場で堂々と述べることはいかがなものかと思いますよ。小島座長が、この報告書案を完成できず、参考人招致を断る理由を、あたかも都の回答がおくれたからだと責任転嫁するなど、これは許されない話であります。大量の質問ながらも、誠実に対応している都の姿勢に私は問題はないように思いますよ。むしろ回答期間を短く設定するなど、職員を振り回しているのは、小島座長側に問題があるのではないでしょうか。
 この問題を掘り下げても、豊洲市場問題を前進させることには寄与しないので、ここで環境アセスの問題に移りたいと思います。
 一週間前の当委員会で、早坂委員が、築地市場全域で改修、再整備を行う場合に、環境アセスを行う必要があるのかお尋ねをいたしました。その際、環境アセスは必要である旨の答弁があったことは記憶に新しいところであります。
 しかし、このPTの報告書案では、卸売市場の面積はふえないし、環状二号線の用地は除外するので面積はむしろ縮小していることを理由にして、既存の卸売市場の敷地内での建物の増改築であるので、東京都環境影響評価条例に定める環境アセスは不要であるとしております。
 そこで、このPT報告書案一四〇ページでは、敷地面積に増加はないから環境アセスは必要ないとの趣旨の記載がありますが、これは正しいのか。卸売市場に関する環境アセスの要件について、これについては環境局に伺います。

○鈴木環境局政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都の環境影響評価条例は、卸売市場につきまして、卸売市場の設置または変更をアセス対象事業としております。市場の敷地面積が十ヘクタール以上の場合は市場の設置に該当し、増加する敷地面積が五ヘクタール以上で、増加後の敷地面積が十ヘクタール以上となる場合は市場の変更に該当するとして、環境アセスの対象としております。
 築地市場は、敷地面積が二十三ヘクタールあることから、詳細は不明でありますが、仮に現在示されている再整備案を実施する場合は、環境アセスの対象となると考えております。

○鈴木(あ)委員 この建てかえ改修は、市場の設置に該当し、環境アセス対象になるとのことですが、これまでにそうした例はあるのか、引き続きお伺いしたいと思います。

○鈴木環境局政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成三年に行われました築地市場再整備事業については、敷地面積が二十三ヘクタールあり、建物を順次建てかえ、敷地全域にわたって大規模に改修を行うものでありましたことから、卸売市場の設置に該当するとして環境アセスを実施いたしました。

○鈴木(あ)委員 平成三年の再整備の際には、環境アセスを実施したとのことであります。今回は、同じ再整備でありながらアセスを不要とするのは、これはなかなか都民の納得を得られないところではないでしょうか。
 次に移りますが、このPT報告書案の一一九ページに、ローリング工事の際のアセスメントについて言及がありますが、平成三年の築地市場再整備事業以外に、ローリング方式で建てかえる事業で、環境アセスを実施した例はほかにもあるのか、お伺いをさせていただきます。

○鈴木環境局政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 築地市場再整備事業以外では、平成二十年に実施した印刷工場の建てかえがございます。
 これは、五万四千九百平方メートルの敷地にあった事務所、印刷工場を地域開放型施設に建てかえたものでございまして、敷地面積には変更がなく、平成二十一年から平成二十九年にかけて、ローリング方式で建てかえ工事を実施したものでございますが、これを工場の設置に該当するとして環境アセスを実施いたしました。
 また、敷地面積を要件としたものではございませんが、ローリング方式による住宅団地の建てかえ事業についても、環境アセスを実施した例が過去十年間で三件ございます。

○鈴木(あ)委員 工場や住宅団地等、卸売市場以外にも多くの建てかえ事業が設置等に当たるとして環境アセスを実施しているということがわかりました。
 小島座長は、環境省OBであり、こうした環境アセスメント事情にも明るいにもかかわらず、むしろ権限と責任のある環境局に対して小島座長は、牽強付会、つまり都合のいいように、無理にですよ、理屈をこじつけているというか、自説を押しつけている、このようにしか見えないわけであります。このような振る舞いが、市場関係者のみならず都政にも混乱を生じさせている。四月八日に築地市場で私案を発表するなど、専門委員の肩書の私物化は目に余るわけでありますが、みずからの職分を省みることなく都政を混乱させている挙に出るのであれば、これは許されざることであります。これを許しているのであれば、この任命権者責任を追及する必要があるんじゃないですか。
 続いて、大田市場の前身である神田市場のことについても伺いたいと思います。
 神田市場は、大田市場に移転して、平成二年から開場したわけですが、秋葉原駅前の神田市場用地の取り扱いが、再開発との関係で当時大きな話題を呼んでおりました。市場会計では、土地は資産として計上されていると思います。市場移転などで使用しなくなった土地は、一般会計に所管がえをした際、資産勘定から当該土地を除却して、対価に相当する現金を一般会計から繰り入れることは、健全経営を進める上で当たり前のことではなかったのか、このように思うわけであります。
 PT報告書案九ページによれば、市場跡地が都民の財産として財務局に引き継がれる際に、一般会計から卸売市場会計に金銭が移転されることが当然視されるものではない、このように記載されているわけでございます。この記載の真意は何なのか、これは市場問題PTの事務局にお伺いしたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームの報告書につきましては、現在、審議中でございますが、その内容については、小島座長を初め各専門委員が判断するものであり、庶務を行う総務局として関与する立場にはございません。

○鈴木(あ)委員 そもそも、この市場会計が公営企業会計に準じた独立採算制を原則として会計処理を行っていることをご存じなのでしょうかね。それとも自説を主張するときは、都合よくですか、忘れちゃうんですか。
 報告書案九ページには、市場から財務局への市場跡地の引き継ぎの際に一般会計から市場への資金移転がない場合もあり得るとの記載があります。やむを得ない場合など例外的な場合でない限り、会計を痛める取引など、これはあり得ないことだと思うんですよ。
 次に、築地市場にツインタワーを建設する案について、お伺いをさせていただきたいと思います。
 PT報告書案五一ページで、豊洲市場を経営戦略なき巨大物流センターと評しているが、今回急に登場した同報告書案一一八ページに記載のある築地のツインタワー建設は、何を目的としているのか、市場問題PT事務局にお伺いいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチーム第一次報告書案には、築地市場が抱える好条件を生かし、築地市場の高度利用等で市場外収入を得て、築地市場として自立することが可能な改修案として、ツインタワー建設によるオフィス賃料収入を確保する旨の記載があり、第九回市場問題プロジェクトチーム会議においても、ツインタワー案について、空中権を使って収益を上げようという案である旨の発言がございました。また、アイデアレベルであるとの発言もございました。

○鈴木(あ)委員 済みません、今ツインタワーのことを伺ったんですが、ちょっともう一つ質問させてください。
 豊洲市場への移転に際して、築地市場跡地を財務局に引き継ぐことになった場合に、一般会計から市場会計に金銭の移転がなければ、市場会計ではどのような処理が必要となるのか、また、どのような影響が生じるのか、これ市場当局にお伺いしておきたいと思います。

○長嶺中央卸売市場財政調整担当部長 東京都公有財産規則第十条では、公有財産を異なる会計間で所管がえするときは、原則として有償で整理するものとしております。仮に、中央卸売市場会計から一般会計へ土地を無償で所管がえするとした場合、中央卸売市場会計において、損益計算書では損失を計上するとともに、貸借対照表では、資産である土地と資本である利益剰余金を減額する処理を行います。
 また、その影響につきましては、資産の処分に伴う現金収入がないことになりますため、今後の市場運営に当たり資金繰りが極めて厳しい状況になると考えます。

○鈴木(あ)委員 資産が減り、資金繰りが厳しくなる、この取引を強要しながら、市場会計が六十年もつ、もたないなどと、うそぶく、こういった神経はわかりませんよ。
 そもそも市場会計が公営企業会計に準じた独立採算を原則として、この会計処理を行っているということもご存じなんでしょうか。それとも、自説を主張するときは都合よく、本当に忘れてしまうんだろうかと。報告書九ページには、市場から財務局への市場跡地の引き継ぎの際に一般会計から市場への資金移転がない場合もあり得るとの記載があります。やむを得ない場合など例外的な場合でない限りは、会計を痛める取引などあり得ないことだと思うんですよ。
 さて、済みません、もう一回ツインタワーの方に戻りたいというふうに思います。
 この高度利用、空中権もいいんですが、本業の市場機能をどうすべきかを考える方が先決ではないのでしょうか、金のことばかり考えているが、このこと自体が私は残念でならないんです。このPTの報告書案の一一八ページには、ツインタワー建設によるオフィス賃料収入やレストラン設置による売上収入で市場外収入を確保して、その運営経費などをリニューアルした築地市場の支出に充てる構想が記載されております。
 これらの構想を考察するに当たり、卸売市場法のもとでの経営的に自立した新しい築地市場の可能性や卸売市場の機能は有するが、卸売市場法の規制から自由になって自立した経営を行う可能性を検討するとの記載があります。
 これは、築地市場に、中央卸売市場から民営地方市場への転換、いわゆる場外市場への転換と、卸売市場法に定める中央卸売市場の地位を捨てろというふうに迫っているんじゃないですか、おかしいじゃないですか、これ。この中央卸売市場の地位が失われれば、十一の中央卸売市場の支出を十一市場で得た使用料収入などで賄う現在の市場会計から築地市場は離脱することとなるわけであります。自由が高まるということは、リスクも高まるということなのであります。
 このようなことを市場関係者はしっかり理解しているのだろうか。築地市場現在地再整備を本当に喜んでいらっしゃる方は、この小島案の実現が築地市場を中央卸売市場でなくなることに協力していることになるんじゃないですか。
 また、食のテーマパークという言葉は、耳に心地よく響きますけれども、都民の台所としての役割を放棄して、観光客目当ての施設になるということであります。築地で仕入れを行う小売店や飲食店などは大変困ることになり、容認できない案であります。
 ここで、自由民主党が、なぜ豊洲市場への移転を目指すのか、非常に重要なことなので、改めてここで申し上げておきたい。
 なぜ豊洲市場へ移転するのか、それは、端的にいえば、二十一世紀にふさわしい夢のある市場をつくっていくという点にあります。衛生管理が行き届き、物流環境の変化にも対応した新しい市場を、この東京の豊洲という地区から国内、国外へ発信していくためなのであります。
 築地市場を前提とした運営では、衛生、環境の低下から来る取扱数量の減少、そして進行する老朽化という負のスパイラル、負の連鎖から抜け出ることはできないわけであります。
 次の時代の市場を考えた場合、生産現場の高度な衛生管理、品質管理を重視した物流網を通して、市場に集められた生鮮食料品を都民に届けるために、豊洲市場こそ、これは必要なのであります。その実現が可能となる市場施設を確保していくことは、関係者として当然の責務であります。我々自由民主党は、揺るぎない自信と強い決意を持って、この築地市場の豊洲移転実現に全力を注いでいるわけであります。
 都民の皆さんと豊洲移転について話題にすることが多いんですが、豊洲市場の安全性や豊洲移転の必要性への理解はかなり進んできていると思います。私も朝は駅頭に立ってこの問題、しっかりと話しています。やっぱり、皆さん私たちの主張にしっかりと耳を傾けていただいているようになっています、これは。このため、機を逃さず、速やかに豊洲市場への移転、開場を実現すべきだと考えております。
 こうした中、PTでは、建築家出身の佐藤専門委員を初め、何人かの専門委員が、この築地市場の改修そして再整備案の問題について指摘をしておられます。しかし、例えば報道によれば、建築家である佐藤専門委員は、営業しながらの築地市場の改修、再整備には、十四、五年かかる可能性があるとリスクを指摘し、報告書案の修正を要望したわけですが、小島座長に反映してもらえなかったと語っているそうでございます。この佐藤委員の意見を報告書に反映していないのはなぜなのか、市場問題PT事務局にお伺いをさせていただきます。

○池上総務局都政改革担当部長 第九回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、小島座長からは、佐藤専門委員が指摘しているリスクは、報告書案の一三六ページ以降に記載しており、議論しなければならない旨の発言がございました。
 佐藤委員からは重ねて発言がありましたが、現在、六月五日の報告書取りまとめに向け、小島座長、佐藤委員を初め各専門委員間で作業を進めているものと考えております。

○鈴木(あ)委員 結局、小島座長は、自説を支持する人には丁寧に接して、自説に批判的な人には耳をかさないということなんでしょうね。
 実は、今、二時にプレス発表されたということですが、私ども都議会自民党が小池知事に会派として要望していたところでございますが、都民向けの豊洲市場の見学会を開催することが決定したそうでございます。会派によっては、いろいろとその点発言をされていた方がおりますので、あえてここでご報告をさせていただきますが、平成二十九年六月十四日水曜日、午前、午後の二回実施をすると。午前の部は十時から十二時、午後の部は三時から五時、参加人数は一回につき三十名程度ということであります。決まってよかったと思います。
 だけれども、三十人、まだまだ少ないですよ。もっと大勢の方に見てもらう、都民に広く見てもらう。私どもも、ぜひこういった皆さんに見てもらいたいということも発言をしております。皆さん見たいというふうにいっております。そうすれば、豊洲が安全であり、そして見た方は安心だということをまさに体感してくれるものだと思っております。
 さて、議論をもとに戻します。
 また、小島座長は、白地で考えるならば、築地市場改修案が優位であると語っています。これに対し佐藤専門委員は、豊洲市場整備に約六千億円をかけ、豊洲の地にさん然とそびえ立つ市場施設をいかに活用していくかに我々は腐心すべきで、今、豊洲移転案と築地改修案とを白地で、アイデアベースで比較考慮している時期ではない旨の発言をしております。
 総務局長、小島座長の専横ぶりは目に余る。この報告書案を実質一人で執筆しているというふうにも聞いているんですけど、多様な意見を反映せずに、自説の補強とならない資料や意見を突き返している。PTの運営も、築地市場優位に向けて恣意的に誘導していると耳にしております。小島座長は、本当に、PTの座長として、東京都専門委員として、東京都顧問として、適切な人材なんですか、大変疑問に思うところですが、総務局長の見解を伺います。

○多羅尾総務局長 改めまして、小島座長の立場というところでございますけれども、東京都専門委員として、築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関する事項の調査研究を行い、知事に報告する役割を担うため、地方自治法に基づき選任されたものでございます。
 また、東京都顧問として、都政運営のあり方について知事に進言、助言する役割を担うため、顧問の設置及び運営に関する規則に基づき選任されたものでございます。
 さて、現在のPTの活動は、これは専ら専門委員としての活動でございます。専門委員が独任制の機関であることから、その活動は、自身の判断、裁量によって行われるべきものであると、このように考えております。

○鈴木(あ)委員 総務局長、お立場で今のような答弁ということなんでしょうけど、知事が選んだ人であれば何もいえないということなんでしょうかね。うまくいかなかった場合には、役人のあなたたちに責任が押しつけられる公算が非常に高いというふうに私思いますよ。局長、大丈夫。であれば、たとえ小島座長に対してもきちんと主張すべきは主張すべきだと私は思います。老婆心ながら、この点、本当に申し添えておきたいと思います。
 また、この立場を深刻化させてきた小池知事は、築地で再整備か豊洲移転かの判断をするに立ちどまって足踏みをしている、そんな場合じゃないんです。事態がここまで進めば、もう開場日の設定なども視野に入れた対応をしていくのは、最高責任者としてこれは当たり前のことじゃないですか。豊洲市場への移転はあくまでもスタートであり、知事の安全宣言による準備の本格化、そして具体的な開場日を市場関係者と調整しながら、市場を機能させていくことまでを考えてくれないと、本当に失った時間を、今まさに失っている時間なんです。この失っている時間を取り戻せない。
 我々は、都議会自由民主党は、市場問題PTは本来この豊洲市場の移転とは直接関係のないさまざまな課題やテーマをあげつらって殊さら時間稼ぎをしていると考えてきました。その懸念は、三月末の小島私案と称する築地市場現在地再整備案となって、市場関係者に幻想を振りまき、混乱と分断をもたらすという最悪の事態になっているわけであります。その張本人である小島敏郎氏には、引き続き、当委員会に参考人として出席いただくことを自由民主党を代表して強く要望をさせていただきます。
 また、この小島座長に対し、的確に問題点を指摘している佐藤委員、森高委員など、市場問題プロジェクトチームの専門委員をあわせて参考人招致することを改めて提案したいと思います。
 そして、知事のもとにある市場のあり方戦略本部では議論の内容に制約があるため、都民にわかりやすい形で豊洲市場問題を議論するために、文教委員会でも同様でございますが、小池百合子東京都知事にもこの委員会にご出席をいただきたいと思います。
 来る都議会議員選挙では、望むと望まないにかかわらず、この問題は、まさに争点化しているんです。特に、築地市場の土壌調査の結果が明らかとなった今、この築地市場の地下と豊洲市場の地下は汚染されているという点においては変わりない状況になっているわけであります。
 そこで、我々は知事にお尋ねをしたい、ぜひさせていただきたい。築地は安全で安心、豊洲は安全だが安心とはいえないとの趣旨の発言をしてきたこの小池知事に、私は改めて問いたい、伺いたい。この状況に至っても決断できないんですか、この状況に至っても決断しないんですかと。
 また、この移転延期が長引く分、移転後に向けて市場関係者との話し合いや調整が困難になってまいります。そこで、小池知事に改めてお伺いをしたい。安全宣言をし、風評被害の払拭にリーダーシップを発揮して、先頭に立って豊洲市場運営に取り組むのは最高責任者である知事なんですよ、自覚はあるんですか。もう一回いいます。最高責任者である知事なんですよ、自覚はあるんですか。
 山崎委員長、ぜひお取り計らいをお願いしたいと思います。
 以上、私の質問を終わらせていただきます。

○上野委員 私からは、初めに、築地市場土壌調査結果について質問をしたいと思います。
 今回の調査は、地歴からの推測ではなく、科学的分析結果として築地市場の八件の建設工事の全区域で環境基準超過が確認されるなど、築地市場の地下も環境基準以下ではないということが明らかになったわけでございます。
 今回の調査結果の大事なことは、地上部に近い表層から五十センチのところ、ここに有害物質が存在していたというところであります。築地市場は現に生鮮食料品を扱っている場所である。その意味でも、この豊洲市場よりもハイリスク状態に置かれているといえるのではないでしょうか。平田座長も、水銀は常温でも揮発する物質であり、表層での検出は重く受けとめるべきであると、このようにコメントされているところであります。
 そこでまず、今回の調査箇所、これは地歴調査から土壌汚染の疑いが高いと思われる区域がありますけれども、そこに該当するのか、あるいはその区域外なのか、このあたりについて確認のためにお尋ねいたします。

○白川中央卸売市場事業部長 今回の土壌調査は、平成十三年十月以降に、東京都環境確保条例第百十七条に基づく届け出をしていなかった八件の工事箇所について、ことし三月に環境局へ土地利用の履歴等調査届け出書を提出し、汚染のおそれあるとされた箇所について概況調査を実施したものでございます。
 築地市場における地歴調査と土壌概況調査の結果を照らし合わせますと、池や河川を埋め立てた区域や旧海軍関連施設、あるいは進駐軍接収時、資材倉庫が立地していた区域に該当いたしますが、進駐軍のクリーニング工場が立地していた区域は該当しておりません。
 しかし、概況調査において基準値を超える有害物質が検出された三十地点は、八件の工事箇所の全てにわたっておるところでございます。

○上野委員 地歴から、最も土壌汚染が懸念されている米軍のクリーニング工場、あるいは旧日本海軍、これは場所がはっきりしていませんけれども、毒ガス研究所とか兵器もつくられていた、こういった薬剤や薬液を使用していた場所以外でも汚染が確認されたということは、築地市場全域に広がっていると推測せざるを得ません。この点、専門家はどのような見解を示しているのでしょうか。大事なところですので、都民の皆様にわかりやすく説明をしていただきたいと思います。

○白川中央卸売市場事業部長 専門家会議の座長を務める平田先生に調査結果に対して見解を求めたところ、八件の建設工事の全区域で環境基準超過が確認されており、地歴からはそれらの原因が推定できず、敷地内の他の区域についても似たような状況にあることが懸念されるとのことでございました。

○上野委員 今のお話からも、本来ならば、全区域を調査すべきだと思います。ただ、営業している状況の中で物理的には非常に困難ということでもございますが、今回の調査の結果、築地市場で有害物質が検出されたとの報に接しまして、市場関係者の皆様も驚きを禁じ得ないのではないかと思います。
 そこで、土壌調査の結果について、市場関係者はどう受けとめておられるのでしょうか、その点についてお尋ねします。

○白川中央卸売市場事業部長 今回の調査結果につきましては、市場関係者からは、ある程度想定していた、あるいは、アスファルトやコンクリートで被覆されているため安全性に問題はないと認識しているが、風評被害が心配であるといった声がございました。

○上野委員 今回の調査は、五月の連休中の連続した市場の休日に実施されておりますけれども、営業中の築地市場で詳細調査となれば、これは作業などもさまざまな困難を伴うことと思います。今後どのような調査を進めていく予定なのか、スケジュールも含めまして丁寧なご説明をお願いします。

○白川中央卸売市場事業部長 都といたしましては、今後、土壌汚染状況を確定させるため、ベンゼンにつきましては六月中を目途に、土壌のボーリング調査及び地下水の採取は十一月中を目途に実施する予定でございます。
 また、水銀の基準超過地点及びベンゼンの土壌ガス濃度検出地点の付近で、地上の空気測定を実施する必要があると専門家からアドバイスをいただいております。このため、七月中を目途に地上の空気測定を実施する予定でございます。

○上野委員 今後、ボーリング調査及び地下水の採取、並びに水銀の基準超過地点及びベンゼンの土壌ガス濃度検出地点の付近で地上の空気測定を実施していくということでございますけれども、五月二十五日の中央卸売市場発表のプレス資料、これには、今後、この三十カ所の調査箇所につきまして、詳細に土壌汚染状況を確定するため、ボーリング調査を実施するなど適切に対応してまいりますと、こう記されております。この詳細という言葉ですけれども、詳細の内容をお尋ねいたします。

○白川中央卸売市場事業部長 築地市場の土壌調査は都条例に従っておりまして、まずは調査結果を環境局に報告し、環境確保条例の手続の完了を目指してまいります。
 その後、環境局と協議を進めながら、土壌汚染対策法第十四条の区域指定の申請を行っていくこととなります。

○上野委員 大事なことだと思いますけれども、ちょっと詳細な内容を聞きたいんです。
 今回、調査地点から、一地点で六価クロムだけ出たところもあります。あるいは幾つかの地点から、ヒ素、水銀、フッ素、鉛の出たところもあります。その地点、地点で出ている、超過している種類が違いますけれども、ボーリング調査で詳細にということは、そういったものが出たところについて、下にもまたいろんなものがある可能性があると思いますけれども、これは当然に、また、二十三種類をされたわけでしょう、これまで。もう一度、その下の方でも同じように二十三種類の調査をやられるんですか、それを聞きたいです。

○白川中央卸売市場事業部長 今回の詳細調査につきましては、ボーリングと地下水の調査を行いますが、一メートルごとの土壌を原則十メートルの深さまで試料採取を行ってまいります。
 今お話しのように、今回の概況調査を踏まえて、条例の規定に基づき、汚染のおそれのあるとされた物質について土壌調査を行うものでございます。

○上野委員 汚染のおそれがあるというのが、要するに、いろんなものが出ていますね、築地市場の中で。その地点で六価クロムしか出ていなかったところは、下は六価クロムしかやらないんですか。それとも、ほかにもあるんではないかということで、詳細というからには、当然に詳細に調べられるのでしょう、その点についてはっきりと述べてください。

○白川中央卸売市場事業部長 今回のボーリング調査につきましては、条例の規定による調査を行うものでございまして、今お話しのように、全ての項目につきまして土壌調査を行う予定はございません。

○上野委員 詳細な調査をやるといっておきながら、五十センチのところで出たものについてだけを調べるということなんでしょうかね、今の話だと。おかしいんじゃないですか。どんなものがあるかわからないんです、その下が。都民の安全・安心を考えなきゃいけないですよ。また特に、生鮮食品を今現在扱っているわけですから、非常に大切なところですよ。
 当然に、この下についても、その二十三種しっかりと、出るのか出ないのか調査すべきじゃないですか、それが食の安全・安心じゃないですか。それを、できないということであれば、なぜできないのか。できないことはなく、できる方法もあるのか。そのあたりについて明確に答えてください。

○白川中央卸売市場事業部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、今回の調査につきましては、条例の届け出漏れ、調査漏れに対する是正措置ということでございますので、条例の規定に基づいて調査を行うものでございます。

○上野委員 問題は、もともと工事をやろうとしたところについて届け出をしなかったというのが一つの原因ですね。そうした中で、こういったいろんな問題が出てできた。特に、食の安全・安心というのが絶対必要になってきた。豊洲はしっかり調べたけれども、築地はそれで終わりますよと、こういうふうな、市場によって調査の仕方が変わるというのはおかしいんじゃないですか。食の安全・安心はどこの市場でも同じじゃないでしょうか。
 市場長、そうじゃないのでしょうか。現に、今築地は営業しているんです。豊洲よりはるかに、もしも出た場合には危険なんです。ハイリスク状態になっているんです。都民の皆様を安全・安心にもっていかなきゃならない。どういうものがあるかというのを明確にして、それに対して対策をとらなきゃいけないんです、本来は。条例に基づいてという行政の立場だけでいうのではなくて、やはり都民の立場から、今この土壌汚染問題というのは、都政の中の重要な課題です。もっとその重みを感じて、これは二十三種類やったらお金がかかるとか、そんなことでやらないなんていうことだったら、これはおかしいわけでありまして、二十三種類やるんだったら、ほかにまたボーリングをいっぱいつくらなきゃいかぬとか、その場所が広くなるということじゃないでしょう、同じ場所からとるんでしょう、ボーリング一カ所で、広がるわけでもない。手狭な築地市場の中でそういったことはできないわけですから、ボーリングをせっかくそこでやるんだったらば、その下までしっかりともう一度、表層五十センチで出たこと、その超過したものだけをボーリングやって調べるという、こういうのもったいないんじゃないですか。ほかにまだある可能性があるわけだから、心配ですよ。都民の理解と納得ができないんじゃないですか。
 これはまた、市場長、ぜひ考えてもらいたい。いいですかね市場長、いいですかね。

○村松中央卸売市場長 今回の件につきましても、過去に行われた築地市場における工事に関しまして、環境確保条例上の届け出漏れがあった事実、そういったところから発生しているものでございまして、そうしたことから考えれば、条例上の手続をきちんとまず行うと。そういった条例上の手続をまず確実に行っていくと。そういう趣旨から、条例にのっとった対応をする予定としております。
 また、専門家会議座長を務めております平田先生から、水銀あるいはベンゼン、揮発性物質については、計測して都民に公表した方がいい、そういうアドバイスをいただいておりますので、そうした点も七月中に実施しまして、都民の方に安心になるように、そういう措置も講じていく予定としております。

○上野委員 なかなか今の段階では条例に従ってという話だけでありますけれども、平田先生のお話をさっきされました。平田先生が今後ボーリング調査を実施していくという中では、詳細に汚染状況を把握する必要があるという言葉をいわれているわけですね。この詳細にというのが、表層で出たものを詳細にという話になるんですかね。表層に出たものが下でもどのくらい出るかということで、六価クロムなら六価クロムが下にどれくらい出たかということだけを調べるのが詳細になるんでしょうかね。僕は、平田先生がいわれているのは、表層でそれだけ出たということは、その下の土壌にも、ボーリングしてしっかりと、どういった汚染がされているかというのを、これは詳細に調べなきゃならないですよという思いがあるんじゃないでしょうか。
 だから、この条例とかそういうことも大事ですよ、それを確実にやるというのは大事ですよ。それを超えたものを今回はやっていかないと、そういうふうな重要な課題だということを、ぜひ認識してもらいたいですね。こうした、しっかりと--このことについて何度いっても時間の無駄でございますので、都民の理解と納得を得る第一歩につながるということで、これをぜひとも、また進めてもらいたい。強く要望しておきます。
 さて、詳細調査が終了した後は、環境確保条例に定める手続を経ることになるわけでありますけれども、土壌汚染対策法上の手続は具体的にどのような展開となるのか、お尋ねいたします。

○白川中央卸売市場事業部長 先ほどの答弁と重なってしまう部分もございますが、築地市場の土壌調査は都条例に従って行っておりまして、まずは詳細調査の結果を環境局に報告し、環境確保条例の手続の完了を目指すというものでございます。
 その後、環境局と協議を進めながら土壌汚染対策法第十四条の区域指定の申請を行っていくこととなります。

○上野委員 詳細調査で基準を超える汚染が確認された場合、市場は、土壌汚染対策法第十四条に基づいて、区域指定の申請を自主的に行うということでありますけれども、中央卸売市場から土壌汚染対策法第十四条の指定の申請が提出された場合、環境局ではどのような手続を行うのか、お尋ねいたします。

○近藤環境局環境改善技術担当部長 中央卸売市場から提出される土壌汚染状況調査の結果について、物質ごとに基準値を超えていることを確認した上で、盛り土等による封じ込め措置や周辺の飲用井戸の有無などを調査し、要措置区域、または形質変更時要届け出区域に指定することとなります。
 指定の申請から告示までは、おおむね一カ月から二カ月でございます。

○上野委員 築地市場が要措置区域に指定される可能性がないとはいえないということがわかったわけでございますが、都民の食卓を支える築地市場の地下に有害物質がある以上、築地市場の現在地再整備の検討に当たっては、この点を考慮に入れないわけにはいかないということであります。
 さて、これまで私たち公明党は、豊洲市場開場に向けた議論を通しまして、第一に、財政基盤となる市場会計の収支、決算分析などから、開場後も十年間はキャッシュ・フローが回り、資金上事業運営を可能とすること。
 第二に、事業運営については、現行の第十次東京都卸売市場整備計画、次の第十一次整備計画などにおいて、物流環境や消費の動向などを的確に捉えて継続的に行っていくこと。
 第三に、過度に収支にこだわり、市場の民営化や不要論に傾くのではなく、都の喫緊の課題である首都直下地震など防災対策上の観点から都内十一市場を活用し、市場関係者のみならず、都民に貢献していく基礎インフラとして、その公共性を捉え直していくこと。
 第四に、食の安全・安心において、安心は都民の理解と納得が必要である。そのためには、百聞は一見にしかず、豊洲新市場の都民向け見学会を開催すべきと。こういったことをしっかりと予算特別委員会等でも主張してきたわけでございます。こうした観点を意識しながら、市場問題プロジェクトチームの報告書案について質問してまいりたいと思います。
 市場問題プロジェクトチームの検討は、ロードマップに位置づけられた豊洲市場移転に向けた諸課題を解決していくものと思われておりました。しかし、三月末の小島座長私案以降は、築地市場の現在地再整備にかじを切っているようにしか見えません。とりわけ、四月八日に築地市場で行われた説明会で、小島座長は、築地市場再整備の実現は市場関係者のやる気にかかっているかのような発言をし、いとも簡単に築地市場の再整備が可能であるような雰囲気を醸し出して、市場関係者に、いわば魔法をかけ、幻惑させているという状況でありました。
 いうまでもありませんが、築地市場再整備は、平成初期に頓挫し、その後、都議会でも特別委員会が設置され、議論を積み重ねましたが、結論は出ずに妙案は見出せなかった経緯がございます。
 そうした中で、今回の報告書案は、築地改修案がすぐれていると結論づけておりますけれども、その主な理由について、報告書案ではどのように説明しているのか、説明をお願いいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 第一次報告書案におきましては、白地で考えれば、築地改修案がすぐれているとされ、その主な理由として、豊洲移転案は既に建設済みで自由度がほとんどなく、他方、築地改修案はこれから計画するので自由度が高い、築地市場の好条件を生かすという観点、運営上の費用を当初から考慮して経営戦略を考えることができる観点からも築地改修案が適切であるということはいうまでもないと記載されております。

○上野委員 それでは、市場問題プロジェクトチーム所属メンバーから、築地改修案がすぐれているという小島座長の評価に対し異論を唱えた委員がいたようでありますが、誰がどのような理由で、どのような意見を述べていたのか、お尋ねいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 佐藤専門委員から次のような発言がございました。座長は以前、豊洲がすぐれているとか、築地がすぐれているという判断はしないということをいっていたが、第一次報告書案では明らかにそうではないことが書かれており、報告書として、それぞれの案の欠点、長所、問題点を挙げるのはいいが、現状の表現の形は望ましくないといった発言がございました。

○上野委員 また、築地改修案の課題として、どのような項目を報告書案で挙げているのでしょうか、お尋ねします。

○池上総務局都政改革担当部長 第一次報告書案におきましては、工事実施における課題として、種地づくりのためのスペースの確保や工事中の粉じん対策、アスベスト対策などが挙げられております。さらに、法的手続の課題としては、環境アセスメントの要否や埋蔵文化財の措置、土壌汚染対策などが挙げられております。

○上野委員 今回の第一次報告書案は、五月二十五日の築地市場の土壌調査の結果が判明する前日にまとめられたものであります。また、豊洲市場の土壌汚染対策を検討する専門家会議が休会中で、次回改めて具体策が審議された後には、対策を含め二次報告が取りまとめられると聞いております。
 先ほど申し上げましたが、築地市場の現在地再整備にかじを切るのであれば、土壌汚染対策は避けられません。その場合、土壌汚染対策法等、所要の法令に従って、必要に応じて豊洲市場と同様に形質変更時要届け出区域や要措置区域の届け出をしていくことになるのではないかと思います。
 ご承知のように、形質変更時要届け出区域に指定されれば、これは法令上の安全性は担保されます。そうした中で、築地市場は長年汚染が確認されてこなかったから安心だけれども、豊洲市場は形質変更時要届け出区域に指定されているのであるけれども安心ではないとか、そういうわけにはいかないのであります。
 この安心ということについて、先ほども、豊洲市場開場に向けた議論の第四に私も述べましたけれども、この都民向けの見学会というのを、予算特別委員会でも、小池知事にも私は提案をさせていただきました。まさに、今大事なことは、どんなに安全だといわれても、専門家の先生とか、科学的にも法的にも大丈夫だといわれても、それはやはり消費者というのは、理解と納得するためには、自分の目で見て肌で感じて初めて納得できるものですよと。百聞は一見にしかずというではないですか。小池知事、ぜひとも都民の見学会を開きたい、開いてもらいたい、こういうことを提案しました。いい提案だと小池知事にいっていただきました。
 先ほど、自民党さんからその話がありましたけれども、私、市場の方から聞いていませんので、しっかり市場の方から、このことの、見学会の開催について話をしてもらいたいんですけれども、いかがですか。

○有金中央卸売市場渉外調整担当部長 これまでも委員会等の議論の中で、豊洲市場を広く一般に公開すべきというお話もございました。
 そういったお話を踏まえまして、生鮮食料品を取り扱う卸売市場として現状をごらんいただくということを目的といたしまして、本日二時でございますけれども、試行でございますが、都民向けの見学会を実施するということにいたしました。
 中身につきましては、日時といたしましては、六月十四日の水曜日、午前と午後、それぞれ三十名程度、合計六十名で、広く都民の関心の高い場所を中心に各街区をごらんいただきたいと思っているところでございます。申込方法等につきましては、インターネットと往復はがきで公募いたしまして、人数が多ければ抽せんになります。こういった形で、まずは、試行という形で始めさせていただきたいと思っております。

○上野委員 私は、これはもう本当に高く評価したいと思います。さまざまなことがあったと思いますけれども、都民の皆様に、こういった形で広く見ていただく、やはり見える化というのが大事です。
 そして、これをせっかくやるということになれば、これを見ていただいて都民の皆様がどう思ったかという、そうしたところは極めて大事ですから、そしてまた、説明をその中で、見学会の中できちんと説明をしていく。科学的にも、そして法的にも安全ならば、それはきちんと説明していただく、そして見ていただくと。こういったことをぜひとも工夫していただいて、そして、都民の皆様の、その見た感想、そういったものも公表していく、こういったことまで全部、やはりしていくべきだと思いますけれども、いかがですか、お尋ねします。

○有金中央卸売市場渉外調整担当部長 これまでも豊洲市場につきましては、さまざまな報道の中でいろいろな形で取り上げられるところがございますので、そういったところ、我々として取り組んできた内容につきましては、しっかり都民の方にお話をさせていただいて、理解と納得をしていただけるように見学会を実施していきたいと思っております。

○上野委員 そういったことで、都民の皆様の率直な感想も、ぜひともまとめて聞かせていただきたいと思います。そしてまた、大気の方も心配されている方いらっしゃるんです。それをやっぱり例えばデジタルで見えるような形にできれば一番いいんですけれども、ここの大気がこれだけいいんですよ、きれいなんですよということも、やっぱり見える化の一つですから、ちょっとそのあたりについても工夫をしていただければなと、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
 さきに述べましたとおり、築地市場は、健康被害のおそれもあり得る要措置区域に指定される可能性がないとはいえない状況であります。にもかかわらず、事ここに至っても、五月二十七日付の「赤旗」三面に、豊洲市場の土壌汚染は深刻、築地市場の土壌汚染は規模が大変局所的で濃度も低い、豊洲市場と同列に扱うことはできない、だから大丈夫だと平気でダブルスタンダードを使い分けているのは、これは私は許されることではないと思います。
 その点で、報告書案では、築地市場の土壌汚染対策について、豊洲市場と比較してどのようなレベルの対策を講じるべきと記載されているのか。また、どのような議論を採用すべき、あるいはすべきではないと報告書案には記載されているのか、お尋ねします。

○池上総務局都政改革担当部長 第一次報告書案におきましては、土壌汚染対策法が制定され、施行される前から、多くの卸売市場は営業を行ってきており、これらの既存の卸売市場で土壌汚染対策をする場合にどこまでの土壌汚染対策を行うかは、各市場の判断に委ねられている、豊洲市場の土壌汚染対策、いわゆる無害化した状態での開場には、豊洲市場独自の経緯と理由があるのであり、全ての既存の卸売市場で豊洲市場レベルの土壌汚染対策を講じるべきという議論は、採用し得ないと記載しております。

○上野委員 都民にとりまして、食の安全・安心は、どの市場であろうとひとしく要請される重要な事項であります。土壌汚染対策は、食の安全・安心を確保する観点から実施するのであって、その程度が市場ごとに異なることはあり得ないわけです。市場問題プロジェクトチームの報告書案は、築地市場の土壌調査の結果がオープンになる前日に公表されている。土壌汚染対策に十分な記述ができなかったという、こういったいいわけが聞こえてきそうな気がします。何で前日に発表したんでしょうか。
 しかし、都民の食の安全・安心を優先して考えるならば、築地市場の改修、再整備に当たっても、豊洲市場と同じレベルで土壌汚染対策を進めるべきであると、このように私は考えます。都民が求める食の安全・安心が市場ごとに異なるということはあり得ません。築地市場の土壌汚染対策だけ手を抜いてよいことにはならないのであります。
 私たちは、現在、築地、豊洲の両市場の地下において環境基準以下になっていない現実に直面しております。この現実に照らし、市場問題プロジェクトチーム報告書案の土壌汚染対策の項目は大幅に書き変わるのではないかと思いますが、まとめに当たっては真剣な議論をぜひとも期待したいと思います。
 一方、この厳しい現実を踏まえまして、この問題を収束させ、都民に正しい理解と納得を得ていただくためにも、都議会としても、都民のためになる決断をしていかなければならないということを申し上げ、質問を終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時五十分休憩

   午後四時六分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○あさの委員 先行する他会派の質疑を聞いていて、我々が前身である民主党の時代に、強引な豊洲への移転をとめてきちっと調査をすべきだといっていた時代には、土壌汚染調査など特にやらなくていいんじゃないかといっていた人たちが、今、一生懸命調査しろといっていることに時代の流れを感じながら質問に入りたいと思います。
 さて、今回のプロジェクトチームの会議ですけれども、この第九回会議の議事録、そして資料等を読ませていただきました。率直にいわせていただいて、小島座長が仕切りながら進めているこのプロジェクトチームでございますが、だんだん何か会議が広がっていっている、報告書をまとめるに向けて収束をしていくはずの会議が何か広がっている印象を持っております。
 この議事録を見まして、冒頭、小島座長は、市場当局などに対する質問や資料提供のお願いに対して、非常に時間がかかっていたり、回答が出ていないものもあるということを述べております。
 今回の会議の中では、築地の改修案の中にツインタワー案というのが出てきたり、その前には、市場の関係者にいたずらに期待を持たせていたりと、私の印象としては非常に自由奔放な動きをする小島座長の言葉ではありますけれども、ただ事実として確認したいということに対して回答が遅くなっていたり、あるいは回答ができないというものがあるのであれば、それは、このプロジェクトチームの会議を進めるに当たって都側にも問題があるということになると思います。
 そこでまず、この回答に時間がかかっているという理由と現在の状況について、総務局に伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 小島座長からは、第二回市場のあり方戦略本部会議資料に対して百十三問の質問がございました。
 このうち三十一問につきましては、豊洲市場の土壌汚染対策の目標、都議会付帯決議、地下水管理システム、地下水モニタリング等に関する質問であり、市場当局より専門家会議の状況を踏まえ回答すると報告を受けています。残りの八十二問につきましては、五月二十六日までに回答がございました。

○あさの委員 五月二十六日、この会議の後ということにもなると思うんですけれども、この議事録ができた時点では、まだ出ていないものも多々あったのではないかなということが想像つきます。
 先ほど別の会派の質問の中でもありましたけれども、最終的に都側の責任というふうにいわれないように、求められたことには早急に答えていただきたい。そして、もし現状出せないものについては、もちろん説明しているんだと思うんですけれども、そういったことも、見える形で、都民に見える形できちっと説明をしておくべきだということを申し添えさせていただきます。
 先ほども申し上げましたが、今回のプロジェクトチーム、正直、一層拡大していっているという印象は本当に拭えません。そこで、次の会議を六月五日に行うということでありますけれども、ここまで広げてしまった内容を、次の会議で、あと一回の会議をすることでまとめていくことができるのかということについては甚だ疑問が残ります。
 そこで、このような会議運営をするやり方で、本当に六月五日に第一次報告書案というのができ上がるのか、都の見解を伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 第九回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、小島座長からは、第一次報告書は、第九回会議の議論を踏まえ、整理した上で、六月五日に第十回市場問題プロジェクトチーム会議を開催し、取りまとめたい旨の発言がございました。

○あさの委員 座長は取りまとめたいといっているんですね。自分でここまで広げておいて、これを、あと一回の会議でまとめていく。議事録の中を読んでいけば、この座長の意見に賛同する賛同しないに関係なく、さまざまなところで見解の相違がありまして、その中には、この報告書は、このプロジェクトチームの総意として出すものであるから、反対であれば載せられないといったような発言をしている方々もいるんです、また別のところで。ということは、つまり、皆が納得する状況にしなければ、そもそも、例えば、築地の改修案にしたって、両論併記というわけにはいかなくなってくるのではないかなというふうに思います。
 今の状況で全く平行線になっている異なる意見というのを集約するのは、そんなに簡単なことではありません。特に、この築地の改修が可能かどうか、あるいは豊洲で将来的にやっていけるかどうかなど、こういったことについては、立場、あるいは何の専門家なのか、どんな価値観を持っているか、そういった考え方などで意見が相反しているように見受けられます。
 最終的にプロジェクトチームとして、まさか、この第一次報告書案を多数決でまとめるということは絶対ないとは思いますけれども、この最初の目的にいわれているとおり、知事の判断材料として、相反する事柄を、この委員はこう思いました、この委員はこういう意見もありますといって、ただ出すのであれば、そして、あとは知事が決めてくださいと、もしいうのであれば、十回も会議をしている意味が全くないんですね。各専門家が、それぞれの専門分野に応じて、自分たちの意見をレポートとして知事に提出すればそれで済んだ話なんです。
 ここまで会議をやっているということは、それは、かなり議論をしてまとめていくという作業をやらなければいけない。十回目で意見を集約したいと座長はいっていますけれども、九回目を見るまでで、ほとんどまとまっているように見えないものを、あとたった一回の会議でまとめていくというのが本当にできるのかというのはすごく不思議に思います。
 そこで、このプロジェクトチームの会議で異なる意見、今いったように本当にいろんな意見が出ていますけれども、この異なる意見をどのように集約していくのか、都の見解を伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 報告書の取りまとめにつきましては、プロジェクトチームの議論の中で決まっていくものであり、現在、六月五日の取りまとめに向け、小島座長を初め、各専門委員間で作業を進めているものと考えております。

○あさの委員 今の話が仮に事実だとしたら、六月五日の会議までの間に、見えないところで専門委員間の、もしかしたら情報交換をしているかもしれないということです。まさに密室型の会議になってしまうんですね。何のために公開でやっていたんですかという話になるんです。
 これは正直申し上げまして、小島座長の進め方には疑問が残ります。九回目まで、ここまで話がとっ散らかっている状態を、十回目までの間に個人間でやりとりをして、納得できる答えを見つけて、集まった瞬間になぜかみんなが納得しているなんてことになったら、私は見ていて、これ何のために会議やったんですかといいたくなると思うんですね。
 ぜひ、総務局の方から、都議会議員として、こういった進め方はどうなのかと、少なくとも、期日を六月五日に設定すること以上に、全員が納得できるような運営をしてほしいという意見があったということをはっきりと小島座長に伝えておいていただきたいと思います。
 さて、続いて、小島座長がほぼほぼ一人で書いたと思われている第一次報告書案ですけれども、この報告書の中、一四〇ページには、築地市場の改修における環境影響評価条例に基づく環境アセスメントが不要であるという記載があるんですね。これ、不要であると書いてあるんですが、その後すぐに、対応、つまり当局の対応ということが書いてありまして、この一四〇ページの記載を読みますと、要らないというのは報告書の提案です。で、一四一ページに、環境局の東京都環境影響評価条例の(現時点での)解釈は次のとおりであると書いてあり、築地市場内の建物の一棟でも改修、増改築などを行えば、東京都環境影響評価条例の対象となると書いてあるんですね。つまり環境局の対応というのはちゃんと回答してあって、これは環境アセスメントをやらなきゃいけないと思いますよということをいっている。しかし、小島座長は、なぜか、報告書を書く段になったら不要だといい切っているんですね。
 これは、確かに条例上の規定に不備があるんだというような指摘もしているようではありますけれども、そもそもそんな話は、このPTの中でやる話じゃありません。小島座長に求められているのは、市場のこれから先、そして豊洲に移転、築地の改修、さまざまな考え方があるでしょうけれども、そのことの判断材料をそろえて知事に提出するということであって、今のその条例だの運用だのの件について報告書に載せてほしいということではないんだと思うんです。
 では、どうしていくかというと、私が思うに、確かに、日本語というのはもともと曖昧な言語ですから、条例でどんなに条文をつくっていったとしても、運用するときは、その条文をどう解釈するかということが大事であり、その解釈にのっとって運用というのは行われていくんですね。じゃあ、その解釈はどうするかというと、その解釈は、過去との一貫性というのが最も大事だと私は思います。時代時代、現場現場、ケース・バイ・ケースで解釈が変わってしまえば、それこそ、その条例や規定に対する信頼は失墜します。過去に行われた環境影響評価、環境アセスメントの判断とのそごが生じないように運用していくことこそが何よりも肝心ではないかと。
 この小島座長の意見をかりれば、この件に限っていうと、環境局の解釈は間違っているんだといわんばかりのことが書いてあり、その一例として、大田市場の増築工事の事例を挙げて、今回も、市場は増改築なんだから、これに当たるはずがないんだという自分の解釈で、不要だという結論めいた書き方をしております。
 そこで、環境局に確認をさせていただきますが、過去の環境アセスメントの要否に関して、条例上の運用はどのようにしてきたのか、教えていただきたいと思います。

○鈴木環境局政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 まず、卸売市場に関してでございますけれども、平成三年に行われました築地の再整備事業につきましては、敷地面積が二十三ヘクタールあり、建物を順次建てかえ、敷地全域にわたって大規模に改修を行うものであったということから、卸売市場の設置に該当するとして環境アセスを実施いたしました。
 次に、工場に関してでございますが、平成二十一年から二十九年にかけて、ローリング方式で順次建てかえを実施しました印刷工場につきましては、工場の設置に該当するとして環境アセスを実施しました。さらに、住宅団地につきましても、ローリング方式で建てかえを行い、環境アセスを実施した例が過去十年間で三件ございます。

○あさの委員 今、伺った限りでも、大田市場の増築の例はやっていなかったと。これも私が確認したところによると、現状、確認している最中だというような話も聞こえてきております。で、実際にやっている。どうやら、その設置という言葉が新設に当たるから、今回は増改築で新設じゃないから要らないんだというのが座長の話らしいんですけれども、座長の真意は、本当は本人に聞くしかないんですが、ここの委員会には来てもらえませんので、その真意は、はかることができません……(「呼ぼうよ」と呼ぶ者あり)はい。ですので、そこについては、今後、呼ぶことができれば聞きたいなと思います。そのためには、ぜひ、さまざまな会派の同意があれば、そういったことが実現できるのではないかなというふうに私は考えております。
 実際、この報告書の中、今、環境アセスメントについては話をしましたが、その前のページにも、私が前の委員会でも話をさせていただきました建築の違法状態、これの取り扱いについてどうするかということについても、局の対応、そして、それに対する意見というのが出ています。簡単にいうと、今、違法状態になっている三十五棟の仮設建築物について、将来的に除去することを計画として提出するのであれば、とりあえず、今、改修工事に入ることが可能だというのが見解でありますが、ただ、私として、やっぱり、そこで非常に難しいなと思うのは、この三十五棟もの、実際に今でも使っている施設、それを将来的には、例えば七年かけて、十年かけてと、工事の期間で除却します、だから、今、建築をさせてくださいといったとしても、ほかの委員からの指摘もあるように、工期が延びる可能性というのは非常に高いんですね。いろんなリスクを抱えていると。そうすると、当局として、一応除却計画に基づいてオーケーしましたよといっても、いろんな理由で工事を延期しなきゃいけない。しかし、これはもう更新はできない状態になっていますから、延期というと、またその違法状態のまま、工事に入れないからというので少し、じゃあ除却計画延期しますねというのが、前例としてどんどん残っていくと。もちろんほかの工事でもそういったことはあったかもしれませんが、今回の場合は、異常に工期が延びることだって考えられるんです。中に、そういった不安定なリスク、不安定になる要因を抱えている改修案が、あたかも白地だったら優秀だといわんばかりの意見というのは、私は少し自画自賛が過ぎるのではないかと個人的には思うわけであります。
 さて、六三ページには、今度、法令上安全で、科学的に安全だから豊洲に移転すべきという立論に立てば、土壌汚染対策費用の支出は不要であったというような記述があります。
 私は、この論は、確かに的を射ている部分もあると思います。この一方の土壌汚染対策によって、正直申し上げまして、地表面から二メートルが新しい土に入れかわっていて、その下は、調査で見つかった汚染土壌を掘削除去をしている。つまり基本的に汚染は除去されたとみなしていいことになっています、土壌については。
 今回、小島座長は、自分の言葉で無害化三条件といって、議会の付帯決議の内容というのを細かく記載しております。私が読んだ限り、この中で最も達成できてないのは〔3〕番、つまり地下水に対する対策であるというふうに思います。であるならば、私は、豊洲に移転したいと思うのであれば、地下水の対策を行うべきだというふうに考えます。
 市場として、地下水対策の方法について検討すべきだというふうに考えられますけれども、見解を伺いたいと思います。

○鈴木中央卸売市場技術調整担当部長 各街区が遮水壁で囲まれました豊洲市場用地の特性を踏まえますと、地下水管理システムの揚水機能と浄化機能により、水質は徐々に浄化されていくものと考えております。
 専門家会議では、地下水管理システムの機能強化について議論していただいているところでございまして、都としましては、この結果を踏まえまして、適切に対応してまいります。

○あさの委員 それを話し合わなきゃいけない専門家会議の日程が決まっていないという、そんな状況なわけですね。私は、個人的にこの地下水対策の方法については、地下水管理システムによる揚水機能と浄化機能というのは、ベンゼンに対してはある程度有効であると思いますが、シアンに対しては、そこまで有効ではないという見解を持っています。
 それは、今までやった事例によって、十年かかってやってもシアンは出続けているという事例が、実際、日本国内にあるからであります。だとしたら、この部分について、もう少し積極的な対策を練っていく必要があるのではないかと考えます。
 そして、この無害化三条件と小島座長がいっていますけれども、それにかわる安全・安心の基準といったことについても触れられています。専門家会議では、無害化の条件というのが、クリアできないものとしていわれているような記述もあります。
 専門家会議の結論というのは、ちょうど今まだ休会中ですから、まだはっきりと出されているわけではないと思うんですね。その一方で、これまでの論を引用しながら、PTとしての報告の方向性を定めていくというのは、結局、再度固まった後でもう一回検討しなきゃいけない、これ何度もいいますけれども、議論を何回も何回もやらなきゃいけない、これは二度手間になるんじゃないかと思うんです。
 そこで確認させてもらいたいんですけれども、都としては、都議会と約束をしたこの付帯決議、この付帯決議において約束したことは、現状もう達成はできないと考えているのかどうか、確認させていただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 付帯決議については、法的拘束力はないものの、都としては重要と認識しております。
 環境基準以下という約束が果たされていない状況については真摯に受けとめており、執行機関として向き合わなければならない課題と認識しております。

○あさの委員 今の話というのは、実は私の質問には全然答えられていないんですけれども、専門家会議をやっている最中ですから、まだ結論をはっきりといえないのでしょう。
 もし、仮に専門家会議が今いっているかのように、なかなか達成できないよということであれば、その上でも、できる限り達成すべく努力することが、安全・安心の基準となり得るのではないかということを述べさせていただきたいと思います。
 実は、本当は、これ細かくずっといっていくと、もう時間が幾らあっても足りないぐらいたくさんいいたいことはあるんですけれども、そういったことを一つ一ついっている時間もありませんので、こういったような感じで、いろいろなもう矛盾だとか何かこれどうなのという話がたくさんあるんですね、この報告書というのは。これは、豊洲市場に関しては特にそういった指摘がどうも多くて、さまざまないろんな指摘がされています。
 豊洲移転を、もし考えて推進していくという、東京都としては一応あそこまでつくったんですからやっていく、そして我々としても、条件を満たせば移転していいんじゃないかという立場からいわせていただければ、当然この指摘に対して、市場として、いろいろ反応はしておくべきだと思うんです。
 それは、ホームページなどを用いて、こういった議論の中で、いろんなことが出てくるんですけれども、それが結局メディアを通じて世の中に出せば、あたかも既成事実のように伝わっていってしまう。そうならないようにするためには、議論の内容に回答すべき点については、積極的に市場としても情報発信をしていくべきだと考えておりますが、見解を伺いたいと思います。

○前田中央卸売市場移転調整担当部長 市場問題PTの第一次報告書案では、豊洲市場の個別課題として、土壌汚染対策、コールドチェーン、品質管理、物流、建物の構造安全性、液状化対策といった課題が挙げられております。
 こうした内容につきましては、都はこれまでも、市場問題PT会議におきまして、都の取り組み状況を説明するとともに、ホームページ等を活用した情報提供にも努めております。
 具体的には、豊洲市場に関するQアンドAを掲載するほか、建物の構造安全性等のトピック的な情報を発信するといった取り組みを行っておりまして、引き続き適切な情報発信に努めてまいります。

○あさの委員 最後に一言だけいわせていただきます。
 正直、このプロジェクトチームの第一次報告書案を読ませていただくと、これで知事に、判断材料としていただくというんだったら、私がもし自分が知事だったら、こんなもので判断なんかできません。
 はっきりいわせてもらえば、もっときちっとまとめる努力をして、自分の意見に引っ張るのではなくて、本当に客観的な事実と課題を列記した上で、どうすべきかという方向性が見えるような報告書にまとまることを心から期待いたしまして、私の質疑を終わりたいと思います。

○かち委員 私からも、市場PT会議第一次報告検討案について及び築地市場土壌調査の結果について質問させていただきます。
 第九回市場PT会議は、第一次報告書案の検討過程であり、まだ報告がまとまっていない中での質疑でありますが、幾つか確認をしたいと思います。
 そこで最初に、報告書案の一〇ページにありますが、神田市場売却の経緯について触れていますが、過去に神田市場を含めた統廃合によって約四十万平米の大田市場が平成元年から二年にかけて完成しています。そのときの経過では、神田市場二万七千平米を、三千七百億円で一般会計から分割支出しています。所管がえをしたわけです。十年後、一般財産となった神田市場跡地は、一万六千平米を四百億円で民間に売却となっています。
 これだけを見ると、極端な落差があるわけですけれども、その辺の経緯について私も調べたところ、この間の近傍公示地価の平米単価は、昭和六十三年、閉鎖したころですね、千九百四十万円から、平成十四年、三百七十万円、一九%まで落ち込んでいたわけです。その時期は、バブルの破綻という大きな外因がありました。また、売却しなかった一万一千平米の内訳は、区画整理事業によって、約千八百平米は消防庁関係施設等、都用地として活用、残りは減歩などとなっています。
 神田市場跡地の売却に当たって、三千七百億円が四百億円になった経緯は、十年間の経過があって、この間、バブル崩壊などの外因的な状況もあったということです。土地の売却は半分近くに減ったこと、しかし残りの一万一千平米については、その多くが都民の財産として活用されているということがわかりました。
 そこでお聞きしますが、当時の土地の売買に当たって、施設解体費用や土壌汚染対策などについてはどのように対応されていたのでしょうか。

○長嶺中央卸売市場財政調整担当部長 神田市場の跡地を一般会計へ有償所管がえする際の取り扱いにつきましては、財務局と中央卸売市場との間で取り決めており、当該土地にある構築物については、中央卸売市場の責任と負担により撤去し、撤去工事完了後、速やかに財務局へ引き継ぎをいたしました。
 また、土壌汚染対策につきましては、当時は、土壌汚染対策に係る規制の法制化前であり、特段の取り決めはございません。

○かち委員 市場当局から財務局に所管がえした時点では、土壌汚染対策法の制定がされていなかったということもあって、していないということでした。解体費用については、別途、市場当局が支出したということですから、三千七百億円からそれが差し引かれるということにもなるわけですね。
 仮に、築地市場を廃止した場合、一般会計からの繰り入れは四千三百八十六億円との予測がされていますが、それから解体費や埋蔵文化財、土壌汚染対策などは、幾ら、どのように反映しているのでしょうか。

○長嶺中央卸売市場財政調整担当部長 市場問題プロジェクトチームにお示しをしました収支試算におきます築地市場跡地の処分収入額につきましては、土壌汚染対策や埋蔵文化財調査を考慮し、二百億円を控除した金額で計上をしてございます。
 また、築地市場の撤去に関しましては、当局で解体工事の発注をするというような扱いでやっておりました。

○かち委員 そうすると、四千三百八十六億円は、表示価格としては四千五百八十六億円で、そこから二百億円を引いた額ということでよろしいんですね。というふうに聞きました。
 第九回市場PT会議の中で、豊洲市場の維持管理費七十六億五千八百万円の中には、推定工事費も入っていると、市場当局からの説明のようですが、それでは、その内訳はどのようになっているのでしょうか。

○長嶺中央卸売市場財政調整担当部長 豊洲市場開場後の維持管理費の概算額約七十六億五千八百万円は、委託料と光熱水費の合計額でありまして、工事費は含んでございません。

○かち委員 何点か確認をさせていただきましたけれども、今のご答弁も含めて、正確な情報がPTチームと行政との間で間に合わなかったということも含め、共有し切れていない点もあって、議論はまだ途上という感は否めませんが、今後の市場のあり方として、市場流通の減少、物流の多様化、人口減少時代の到来などからしても、六千億円をかけた豊洲新市場の規模は、持続性、維持管理費の負担増という点からしても過大過ぎるといわざるを得ません。
 先日、私は、築地市場業者の方々と懇談の機会がありました。そこで、とても印象的なお話を伺いました。外国の政府関係者に築地市場を案内したとき、ある人が一番驚いたのは、銀座に近い都心の一等地に市場があるということです。それは、日本人がいかに食文化を尊重しているかを示すものですと感想を述べたということです。この問題は、食の安全・安心がかかっているだけではなく、日本の食文化を守り、継承できるかどうかの意味を持っていると思います。
 市場PTからは、築地再整備についての三案が示されていますが、それだけでなく、今さまざまな専門家の方々がいろんな再整備案を示しています。以前にも紹介しましたが、八十年以上の築年数を経ていて設計図書もなくても、築地のような歴史的建造物のよさを生かして再生する工法で、建てかえよりも六、七割の経費に抑えられるリファイニング工法など、全国各地での実績も重ねています。技術的にも工法も、かつての時代からは格段に進歩しています。こうした英知を結集して検討すれば、現在地再整備は可能であると確信しています。
 続いて、土壌汚染対策について伺います。
 報告書の六二ページから六五ページにかかわってですけれども、都は、豊洲市場用地は、土壌汚染対策法上、形質変更時要届け出区域に指定されており、土壌はコンクリートまたはアスファルト等で覆い、地下水は利用しないことから、法的に安全と認識している、また専門家会議において、建物や地上の空気測定を行った上で、地上部の空気について、都内の一般環境と変わりがない水準であることを確認しており、科学的に安全と認識している、だから豊洲新市場予定地は、法令上安全、科学的に安全といっていますが、とんでもないと思います。
 それは、土壌汚染対策法における一般的な最低基準にすぎません。農水省自身の見解として、盛り土などで汚染物質の拡散防止対策をすれば、他の用途に改編することは可能でありますが、市場の認可を持つ農水省の大臣の見解は、生鮮食料を扱う市場を整備することは想定し得ないといっているんです。
 もともと東京都は、二〇一〇年の第一回都議会において、豊洲新市場開場の条件は、無害化された状態での開場を可能にすることという議会の付帯決議が上げられ、その無害化とは、技術会議で有効が確認された土壌汚染対策を確実に行うこと、操業由来の汚染物質は全て除去、土壌、地下水とも環境基準以下にすることという岡田市場長の答弁がされてきたところです。この考え方の基本をなし崩しにして対策をやめることは許されません。いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 付帯決議については、法的拘束力はないものの、都としては重要と認識しております。
 環境基準以下という約束が果たされていない状況については、真摯に受けとめており、執行機関として向き合わなければならない課題と認識しております。

○かち委員 付帯決議に対する都の約束を変更したということではないということですね。そうであるなら、今回の専門家会議の招集は、都が約束した目的を達成するための対策の検討ではなかったのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の専門家会議は、生鮮食料品などを扱う豊洲市場において、食の安全・安心を確保する観点から、改めて土壌汚染対策について専門家により検討を行うことを目的として設置されており、地下ピットがある状態の確認と評価や、リスク管理上必要な対応策の検討を検討事項としております。
 なお、付帯決議に対する検討を専門家会議に求めているものではございません。

○かち委員 高濃度汚染の豊洲市場予定地の土壌汚染対策として、把握した汚染土壌の全ての除去と地下水の浄化、さらに盛り土をするとした対策であったにもかかわらず、主な建物の下には盛り土がなかった、地下空間がある、地下水は汚染されているという事態から、生鮮食品を扱う市場として安全・安心が確保できていない、だからその対策を専門家会議に求めたということなんですね。
 二年間モニタリングの九回目で、ベンゼンが基準値の七十九倍を含め、シアン、ヒ素などが基準値を超えている井戸が三割に及んでいます。再調査、再々調査によってもベンゼンは百倍という値、シアン、ヒ素も同様に基準値を超えています。これは、土壌中にベンゼンを初めとした有害物質がまだ残置していることを示すものだと思いますが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、地下水管理システムの稼働による地下水の移動に伴う局所的な地下水汚染の発生や、調査で把握し切れなかった土壌汚染が残されていた可能性があると指摘しております。

○かち委員 調査で把握し切れなかった土壌汚染が残されている可能性があるという指摘ですね。たとえ調査で把握した汚染の全ての除去をしたとしても、十メートル掛ける十メートルメッシュの中で、直径七センチのボーリングにかかるかどうかですから、おっしゃるように汚染土壌が残されている可能性は十分にあるわけです。
 有害物質が残されているこういう状態では、いずれ地上に汚染の影響が出る、その場合、たちまち商売に影響することになると思いますが、いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地の土壌の安全性などについては、現在、専門家会議において専門的な見地から検証していただいております。
 専門家会議では、地上部は法的、科学的に安全、地下は対策が必要との見解を示しており、地下ピットの対応策と地下水に対する対策について検討中でございます。

○かち委員 地上も地下も環境基準以下の約束が守れないということを真摯に受けとめているというなら、豊洲移転をやめるべきですよ。
 東京都はこれまで、豊洲新市場予定地は、自然由来のヒ素などの調査、除去をしていない、だから今後も形質変更時要届け出区域の解除をしないといってきました。土壌汚染対策を完了しているにもかかわらず、ベンゼンが今なお百倍も検出されるということは、幾ら何でも自然由来とはいえません。そうであれば、土壌汚染対策法に基づいて、さらに二年間のモニタリングが必要になると思いますが、どうですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地では、継続的なリスク管理として、地下水管理システムを活用し、地下水質をモニタリングすることとしております。
 これまで実施してきた二年間モニタリングは、地下水管理システムによりモニタリングが可能となるまでの間の措置として、リスク管理の一環で、土壌汚染対策法における地下水モニタリング調査を準用し、国のガイドラインに定められた手法にのっとり実施してきたものでございます。
 今後の予定は、専門家会議などの意見を踏まえて検討してまいります。

○かち委員 ガイドラインでは、モニタリングで二年間やって出なければ、それで形質変更時要届け出区域の解除もできるわけですけれども、そこで出た場合には、さらに二年間モニタリングをするということが書かれているわけです。
 地下水管理システムの観測井戸は二十一本です。モニタリングの井戸は二百一本です。継続的なモニタリングを行うとしても、十分の一の井戸でしか把握できないわけで、全体のリスクを管理できるとは思えません。
 今後、基準値以下にはできないということを認めるというのであれば、それは議会、都民との約束を果たせないということですから、移転そのものをやめるということにならざるを得ないわけですが、それを曖昧にした上でのリスク回避などでは済まされないと思います。はっきりと議会で説明をすべきだと思いますが、いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 環境基準以下という約束が果たされていない状況については真摯に受けとめており、執行機関として向き合わなければならない課題と認識しております。
 今後、専門家会議の中で、地下ピットがある状態での対策を取りまとめていただいた後、市場のあり方戦略本部において集約し、総合的な判断につなげてまいります。

○かち委員 市場PTの報告案の中にも書いてありますが、都として約束した無害化の基本を変えるのかどうか、ここが問題なんです。そうであるならば、何を新たな基準、基本にするのかを明確に示すべきだといわれています。そこを曖昧にした対策では、都民も市場関係者も合意できないのです。
 多くの方々は、地上も地下も安全・安心が担保されることを求めているんです。
 そこで、卸売市場法第十一条二項には、市場の移転や名称変更などについて、卸、仲卸、買参人から意見を聞くことになっています。無害化での開場の条件が変わるなら、その旨を説明し、理解と合意が必要だと思いますが、いかがですか。

○影山中央卸売市場新市場整備調整担当部長 都はこれまで、専門家会議や市場問題PTにおける議論の状況など、移転延期以降の都の動向につきまして、新市場建設協議会などの場におきまして、業界団体に対して情報を提供しており、引き続き必要な情報を適切に提供してまいります。
 なお、卸売市場法第十一条第二項の規定は、業務規程に規定する開場の期日や売買取引、決済、品質管理の方法などを変更する認可申請に際して、利害関係者である市場業者の意見を聞くことを定めたものであり、同法では、開場の条件については対象となっておりません。

○かち委員 今のご答弁では、情報提供をするというだけですが、そんなことはありません。
 本年四月十日の国会決算委員会で、我が党の吉良よし子参議院議員が、山本有二農水大臣に質問しています。こういう豊洲への移転に当たって、市場関係者の合意形成、これは大事なことであると思いますが、どうですかとの質問に対し、山本大臣は、これは大事なことであると思っております、開設者である東京都が卸売市場の業務規程に関する変更の認可申請をしようとするとき、卸売業者、仲卸業者等の意見を聞かなければならないというように法文に明記されていますと答えているではありませんか。
 今、築地の水産仲卸で組織する東京魚市場卸協同組合の理事長は、現段階の豊洲市場移転の選択肢はないとしていますし、築地女将さん会の署名には、水産仲卸業者の七割が移転中止署名に応じています。青果仲卸の二団体も、食の安全・安心が担保されない限り豊洲市場への移転はできないとしているんです。こうした関係者の声を真摯に受けとめるべきです。
 次に、築地市場の土壌汚染調査結果について伺います。
 二十五日に発表された築地市場での土壌調査によって、百十一カ所で測定し、三十カ所から、ヒ素、フッ素、水銀、鉛、六価クロムなどが基準を超えて検出されたということです。このような調査をなぜ今行ったのか、経緯を含めて説明を求めます。

○白川中央卸売市場事業部長 現在、築地市場で実施しております土壌調査につきましては、東京都環境確保条例が施行された平成十三年十月以降、合計八件の建設工事において、届け出や調査を行っていなかったものでございます。このため、条例の規定に従いまして、必要な行政手続を行っているところでございます。
 具体的には、三月に環境局へ土地利用の履歴等調査届け出書を提出し、汚染のおそれがあるとされた箇所につきましては、今回、土壌汚染状況調査のうち概況調査を実施したものでございます。

○かち委員 今回の調査の具体的な方法はどのようなものですか。また、今回の結果についての要因などはどのように考えているでしょうか。

○白川中央卸売市場事業部長 具体的な調査方法といたしましては、全百十一地点の調査箇所から試料を採取し、土壌ガス及び表層土壌の調査を行ったところでございます。
 まず、土壌ガス調査は、ベンゼンなどの揮発性有機化合物、第一種有害物質でございますが、十二種を対象に行ったところでございます。
 また、表層土壌調査につきましては、ヒ素等の重金属等の第二種有害物質九種を対象に、農薬等PCB等の第三種有害物質二種を対象に行ったところでございます。
 今回の調査結果につきましては、専門家からコメントをいただいておりまして、それによりますと、物質につきましては、六価クロム及び鉛は人為的な可能性が考えられ、ヒ素及びフッ素は自然由来で検出されている可能性も考えられるとされておるところでございます。

○かち委員 築地市場における土壌調査は、本来八カ所の増築等を行った際に、その都度、市場当局が手続、調査をしなければならなかったものを怠ったために百十一カ所もの調査をせざるを得なかったということであり、市場当局としての職務怠慢を指摘するものです。
 これらの汚染がどの程度の深さまで浸透しているのか、地下水に溶出しているかどうかは、今後の調査結果を待たなければわからないところです。
 先ほど、自民党、公明党の議員から、「赤旗」を取り上げて、築地も豊洲も同じように汚染されているという説がありましたけれども、これはちょっと違うと思うんですね。今回の調査は、表層五十センチの土壌調査であり、しかも点在的であり、濃度も、鉛でしたけれども、最高で基準値の四・三倍ということです。
 一方、三十年間、東京ガスの操業を続け、有害物質を含んだタールを直接土の中に流し込んでいた豊洲でのベンゼン四万三千倍、このときはシアンが九百三十倍、ヒ素が二十倍、水銀が二十四倍出てきたわけです。それが、今回の調査と、かつての五十センチではかったときのこの違いです。汚染の質、レベルが違うんです。豊洲の場合は、八百六十億円もかけて土壌汚染対策をしてきても、なお地下水から揮発性のベンゼンが百倍も出てくるという深刻な汚染地であるということです。
 三月の専門家会議の資料では、将来想定されるリスクとして、地下水から気化した水銀、ベンゼン、シアンを含むガスの地下ピット内への侵入が発生する、一階床面のコンクリートにひび割れ等が生じて、地下ピット内から一階部分への空気の侵入、拡散が発生することにより、一階部分でリスクが生じる可能性があると書いています。専門家会議でも、地上が安全とはいえなくなっているんです。今後、追加対策を行っても、遠い将来基準値を目指すことができるだろうという程度のものです。
 以上から、食の安全・安心を確保すべき市場を豊洲に移転することは中止し、築地での再整備を本格的に検討することを重ねて求めて、私の質問を終わります。

○おときた委員 私からは、今回の築地市場土壌調査について、二点ほど確認をさせていただき、意見を述べさせていただきます。
 本調査では、表層五十センチメートルの調査箇所全百十一カ所のうち、全区域三十カ所において有害物質五種が基準値を超過したと報告されました。地下四・五メートル以上の深さから有害物質が検出された豊洲市場と異なり、表層五十センチメートルの部分から明確な数字が出たことには注意が必要であり、専門家からも懸念を示す意見が表明されています。
 築地市場は、コンクリートで覆われているとはいえ、一部では、穴やひび割れなど老朽化も目立ちます。今回の調査報告を受けて、改めて築地の環境面、安全性についての都の見解をお伺いいたします。

○白川中央卸売市場事業部長 今回の調査で、ベンゼンや水銀など揮発するものを含め六種類の有害物質が基準値を超えて検出いたしました。築地市場の敷地は、コンクリートやアスファルトで舗装されており、土壌に接することはないため、安全上の問題はないと考えております。
 なお、揮発性の物質であるベンゼンや水銀につきましては、七月中を目途に地上の空気測定を行う予定でございます。
 また、穴やひび割れにつきましては、日常点検のほかに随時点検を行いまして、必要に応じて補修するなど適宜対応しているところでございます。

○おときた委員 コンクリートなどで覆われているので、築地市場の安全性は依然として問題ないと、従前と同じご答弁でした。
 では、本調査結果を受けて、今後はボーリング調査などを行っていくとのことですが、この詳細な調査を行う目的、狙いと、要する期間や経費について改めてお伺いいたします。

○白川中央卸売市場事業部長 東京都土壌汚染対策指針では、土壌概況調査の結果、汚染が判明したときは、汚染土壌の存在範囲についてボーリング調査による詳細調査を行うこととなっております。
 具体的には、原則として十メートルの深さまでの土壌を一メートルごとに採取し、調査することに加えまして、地下水の採取も行っていく予定でございます。調査期間につきましては、三十一地点、六物質の調査で、契約準備を含め約六カ月を見込んでいるところでございます。
 また、経費につきましては、一般的には、ボーリング一地点、四十万円から七十万円程度かかると考えているところでございます。

○おときた委員 調査には半年と相応の費用がかかるとのことでしたが、これは過去に本来行われるべき調査を行っているので、仮に移転問題に進展があったとしても、それとは無関係に行わなければならないものであると聞いています。行うべき行政手続は進めていただかなければならないとして、今回、調査結果を受けて有識者から示されている懸念の一つとして、これだけ広範囲の表層で汚染物質が検出されている以上、こうした状態が築地市場全体に幅広く常態化しているのではないかという指摘があります。
 かつて、築地市場と移転予定地の豊洲とを比較した際に、築地市場がこのような状態であるということは暗黙の了解だったのかもしれませんが、正式には認識されておりませんでした。そして、築地が完全に安心・安全であるということを前提に、豊洲新市場開設に向けて諸条件が決められていきました。こうした事実に鑑みると、一方の状態の前提が変化したことは、もう一方の条件を見直し、建設的な提案につなげていく一つの機会なのではないかということを申し述べておくものです。そして、プロジェクトチームの会議につきましては、報告取りまとめ前ですので意見を申し上げさせていただきます。
 先般行われた第九回会議では、さまざまな意見が噴出し、報告書の取りまとめには至りませんでした。また、一部の委員からは、報告書案に反映される意見に著しい偏りがあるのではないかという点も指摘をされています。
 さらに先週末には、突如として委員の一人が移転に反対の立場を明確に表明し、都議選への出馬の意思を表明しました。これは中立性やプロジェクトチームの政治的利用の観点などから、当該の委員のこれまでの発言に対する信憑性を大きく損ねるものであり、非常にゆゆしき事態であるといわざるを得ません。
 こうした指摘を真摯に受けとめ、小島座長並びに関係当局には、状況を抜本的に立て直し、公正中立かつ早急に報告書を取りまとめていただきたい旨を強く要望いたしまして、私の発言を終わります。

○小松(久)委員 築地市場の土壌調査結果が出されました。基準を超える汚染値が示された状況でありますが、その状況は、豊洲に比べはるかに軽度であることを示していると考えます。
   〔委員長退席、鈴木副委員長着席〕
 事前の土地履歴調査、また今回、汚染が確認された箇所数、測定結果からして、現築地市場の土壌汚染状況は、汚染地点が少なく、範囲も局所的で測定値も低いものです。
 仮に、築地市場施設の一部建てかえを含む改修工事を進めるのであれば、今後さらに汚染範囲を特定していく必要がありますが、汚染部分を基準値以内に改善する対策工事によって無害化三条件を達成することは難しくない、容易であると理解しておりますが、都の認識はいかがか、お伺いします。

○白川中央卸売市場事業部長 豊洲市場で実施した土壌調査は、生鮮食料品を取り扱う市場用地として食の安全・安心を確保する観点から、敷地全体で調査を行ったものでございます。
 これに対しまして、今回の築地市場の一部地域における土壌汚染調査は、過去に環境確保条例上の届け出を行わなかった八件の工事区域について、条例の規定に従いまして必要な行政手続を行い、是正する目的で実施したものでございます。
 したがいまして、両者は調査目的も規模も異なっておりまして、一概に比較はできないと考えているところでございます。

○小松(久)委員 第九回PT会議では、今の豊洲移転先では汚染土壌は全て取り除けない、地下水の環境基準は達成できないという認識が示されています。
 さらに、このような中で豊洲移転を進めるなら、土壌汚染の新しい安全・安心の基準とは何なのか、無害化三条件ができないのであれば、それにかわる基準は何なのか、都側は、市場問題PTから問われているわけであります。これに対してどのような見解をお持ちか。また、巨費を投じた過去の土壌汚染対策費、そして今後も追加措置費が必要となるそのことを正当化するに足る見解とはどのようなものか、お伺いいたします。
   〔鈴木副委員長退席、委員長着席〕

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 環境基準以下という約束が果たされていない現状については真摯に受けとめております。
 豊洲市場用地の土壌の安全性などについては、現在、専門家会議において、専門的な見地から検証していただいているところであります。
 専門家会議では、地上部は法的、科学的に安全、地下は対策が必要との見解を示しており、地下ピットの対応策と地下水に対する対応策について検討中であります。
 こうした議論の成果を、市場のあり方戦略本部に集約し、総合的な判断につなげてまいります。

○小松(久)委員 プロジェクトチームに出されている築地改修案につきまして、環境アセスメントの必要性が議論になりました。
 対象事業の内容や規模の要件が規則に定められているわけですが、具体の事業によっては、アセスの対象になるものとならないものがあるということです。PTで座長は、大田市場の建てかえ事例を出し、環境アセスメント条例に書いていないことを義務とすることに疑問を呈し、条例の解釈運用が恣意的になっているのではないかと指摘しています。こうした疑問に対し、環境局はどのように答えていかれるのか、お伺いいたします。

○鈴木環境局政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 卸売市場につきましては、条例で卸売市場の設置または変更を環境アセスの対象事業としておりまして、市場の敷地面積が十ヘクタール以上の場合は、市場の設置に該当し、増加する敷地面積が五ヘクタール以上で増加後の敷地面積が十ヘクタール以上となる場合は、市場の変更に該当するとして環境アセスの対象としています。
 個々の事業に対する条例の適用に当たっては、その概要について精査し、条例の趣旨に照らして、環境に著しい影響を及ぼすおそれがあり、環境アセスを実施する必要があるかどうかを個別に判断してございます。

○小松(久)委員 環境アセスを実施するかどうかを個別に判断することが、今回、PTで恣意的な運用といわれる原因になっているのではないでしょうか、誰もが納得できるような公平性こそが今求められています。
 昨年、一般質問でも取り上げた豊洲市場の環境アセスメントでは、盛り土が前提の評価書を提出しておりまして、これは虚偽の記載でありました。そこで、条例違反を解決するために変更届を提出するとのことですが、アセスのやり直しについてははっきりしません。都が実施する公共事業において、このような状況であることについて改善が必要と考えます。
 以上を申し上げ、質問を終わります。

○中村委員 それでは、報告事項である築地市場の土壌調査について質問します。
 私たちは、市場移転問題については、食の安全・安心の確保が何より最優先であり、豊洲も築地もどちらも安全・安心が大切なのは当然です。築地市場においても、建物が老朽化しているだけではなく、土壌汚染についても検出されたわけですから、しっかりと調べ、必要な対策を講ずることが必要です。今回の調査結果に対しても、きちんとした対応をすることで、築地市場における安全・安心を確保していくことが重要と考えます。
 さて、五月二十五日の築地市場の土壌調査の結果を発表した際に、報道機関や議会に対して、専門家会議の座長である平田健正先生と、事務局の中島誠氏の、肩書のない個人名での連名による見解が出されました。重く受けとめるべき、空気測定を実施する必要がある、ボーリング調査を実施し、詳細に汚染状況を把握する必要があるとしています。まず、この見解はどういう立場からの見解だったのか、伺います。

○白川中央卸売市場事業部長 今回の調査結果についてのコメントは、土壌汚染に関し、専門家の立場として、お話の平田氏、中島氏から連名でいただいているものでございます。
 具体的な指摘といたしましては、検出された物質については、水銀は常温でも揮発する物質であり、表層での検出は重く受けとめるべきとされております。また、六価クロム及び鉛は人為的な可能性が考えられ、ヒ素及びフッ素は自然由来で検出される可能性があるとされているところでございます。
 都といたしましても、専門家の意見を踏まえ、七月中に、ベンゼンと水銀の地上の空気測定を行ってまいります。

○中村委員 都としての見解ではないようですが、専門家に意見を求め、それを踏まえた対応をするとの趣旨の答弁でした。
 発表において、個人名で見解が掲載されていたので、どういう経過でこの方々の見解を掲載したのか、都はどういう考え方かを示し、きちんとした情報公開のあり方をしていただきたいと思います。
 さて、今回の調査結果を受けて、築地は安全なのかと不安になる都民も多いかと思います。また、先ほどの他の委員への答弁では、市場業者からは、想定していたとか、風評が心配だとかの声もあったとのことでした。
 こうしたことから、科学的にしっかりとした検証を説明する必要があります。仮に安全でないのに営業が継続しているから黙認するということではいけませんし、逆に、安全なのに殊さら騒ぎを大きくして不安を与えてもいけません。そのため、冷静な科学的な知見を持って、さらなる調査を行い、検出された汚染への対応を行い、都民への説明を丁寧に行うことなどが必要になります。
 先ほどは、専門家の先生の見解でしたので、改めて、この結果を受けての都の見解はいかがか、伺います。

○白川中央卸売市場事業部長 築地市場の敷地は、コンクリートやアスファルトで舗装されておりまして、土壌に接することはないため安全上の問題はないと考えております。

○中村委員 今、安全上の問題はないとの答弁でした。しかし、そもそも今回の調査は、本来すべき調査ができていなかったことからの調査であり、また、これまで、盛り土がなかったのにあったと議会での答弁をするなど、残念ながら都民の信頼を失っているわけです。
 改めて、都政そのものの改革を行う中で信頼回復をしなければ、都民が本当に安心とはいえなくなってしまいます。こういった状況においては、条例で必要な調査だけではなくて、都民が安心できるような調査をしっかりと行っていくことが大切であり、そのことを求めたいと思います。
 今後は、先ほど述べた専門家会議の委員の見解を踏まえて、都民への説明も必要になりますが、どのように対応するのか、伺います。

○白川中央卸売市場事業部長 都といたしましても、専門家会議の座長である平田先生の見解を踏まえて、今後、詳細に汚染状況を把握するため、ベンゼンについては六月中を目途に、土壌につきましては十一月中を目途に、ボーリング調査に加えまして地下水の採取をする予定でございます。
 また、ベンゼンや水銀といった揮発性の物質につきましては、七月中を目途に、地上の空気測定を実施し、調査結果について専門家の見解とあわせて公表するなど、適切に対応してまいります。

○中村委員 今後の具体的な調査のスケジュールも示されました。営業しながらの調査は大変だとは思いますが、不安な状況のままでというわけにはいきません。
 今後、七月とか十一月に調査という答弁ではありましたが、拙速な調査であってはなりませんが、迅速かつ丁寧な調査、対応、説明を行っていただくことが重要です。これは、今、プロジェクトチームの方では、築地再整備の案も検討されているようですが、当然、今後の豊洲への移転の判断そのものにもこれは考慮されなければならないのだろうと危惧を持っています。
 プロジェクトチームの報告書の素案については、豊洲に関しては独自の経緯と理由があるということで特別な扱いになっているようですけれども、そういうことではなくて、これは、安全・安心の観点から議論しているわけであって、そこで働く人や、訪れる人、扱われる食べる物の安全・安心が確保されることが重要だと思っています。そのためにも、しっかりとした調査を行うということを求めまして、質問を終わります。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十四分散会

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