豊洲市場移転問題特別委員会速記録第十七号

平成二十九年四月十八日(火曜日)
第十二委員会室
午後一時十一分開議
出席委員 二十三名
委員長山崎 一輝君
副委員長上野 和彦君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長酒井 大史君
理事伊藤こういち君
理事小松 大祐君
理事尾崎あや子君
理事あさの克彦君
理事鈴木 章浩君
理事田中たけし君
小林 健二君
小松 久子君
栗林のり子君
川松真一朗君
おときた駿君
松田やすまさ君
和泉 武彦君
中村ひろし君
早坂 義弘君
三宅 正彦君
かち佳代子君
曽根はじめ君
宇田川聡史君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務金子 光博君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
新市場整備部長岡安 雅人君
新市場整備調整担当部長影山 忠男君
移転調整担当部長前田  豊君
基盤整備担当部長村井 良輔君
技術調整担当部長鈴木  理君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
政策企画局局長長谷川 明君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小池  潔君
政策担当部長佐藤 智秀君
総務局局長多羅尾光睦君
次長理事兼務榎本 雅人君
総務部長小暮  実君
都政改革担当部長池上 晶子君
財務局局長武市  敬君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務十河 慎一君
主計部長岩瀬 和春君

本日の会議に付した事件
豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う。
報告事項(質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第六回会議)について
・市場問題プロジェクトチーム(第七回会議)について
・市場のあり方戦略本部について

○山崎委員長 ただいまから豊洲市場移転問題特別委員会を開会いたします。
 これより豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑を行います。
 初めに、本日の委員会には、お手元配布の名簿の理事者が出席しておりますので、ご了承願います。
 次に、理事者の欠席について申し上げます。
 中央卸売市場、西坂事業支援担当部長、赤木移転支援担当部長及び櫻庭新市場事業推進担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 報告事項、市場問題プロジェクトチーム(第六回会議)及び市場問題プロジェクトチーム(第七回会議)について並びに市場のあり方戦略本部についてに対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松永中央卸売市場管理部長 去る四月十一日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます豊洲市場移転問題特別委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 資料は全部で六項目でございます。
 恐れ入りますが、表紙を一枚おめくりいただき、一ページをごらんください。築地市場・豊洲市場、平成二十八年十一月七日以降執行状況等についてでございます。
 (1)では、平成二十八年十一月七日から平成二十九年三月三十一日にかけて執行した額を、移転支援、豊洲関係、築地関係の事項に分けてお示ししており、合計は四十億九千百万円でございます。豊洲関係の委託料(その他)については、造作支援など、豊洲市場の維持管理以外で執行した経費を記載しております。
 なお、注2でも記載のとおり、十月分の電気料金の請求を十一月に受け執行したものなど、十一月六日以前の経費も一部含まれております。
 (2)では、平成二十九年四月一日から四月十八日までの金額について、平成二十九年度予算額を日割り計算してお示ししており、合計で四億百万円でございます。
 (3)は、市場業者への補償として平成二十九年度補正予算額を示しており、金額は五十億円でございます。
 二ページをお開きください。築地市場修繕工事及び耐震改修等工事に係る執行額でございます。
 築地市場における平成二十三年度から二十七年度までの修繕工事の執行額、平成十二年度から二十七年度までの耐震改修等工事の執行額をお示ししております。
 三ページをごらんください。築地市場平成二十九年度補修計画でございます。
 築地市場において、平成二十九年度に計画している補修の内容をお示ししております。(1)は工事請負費、委託料によるもの、(2)は修繕費によるものでございます。
 四ページをお開きください。築地市場補修要望を受け対応した主な修繕内容(平成二十八年度)でございます。
 築地市場において、昨年度、補修要望を受けて対応した主な修繕内容をお示ししております。
 五ページをごらんください。噴砂の状況調査と結果でございます。
 都は、平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災の翌日から現地を調査し、液状化による噴砂が新市場予定地の一部で確認されたため、液状化の発生状況の把握や対応を行っております。
 ページをおめくりいただき、六ページは調査等の経過、七ページ、八ページは噴砂の状況写真、九ページは噴砂状況の調査内容、一〇ページから一四ページまでが調査結果となっております。
 調査結果については、一〇ページから一二ページまでは噴砂の発生箇所、一三ページ、一四ページは噴砂の規模となっております。
 一五ページをお開きください。都が施工した液状化対策の実施状況でございます。
 一五ページから二〇ページにかけまして、街区ごとに液状化対策の実施状況をお示ししてございます。
 一五ページは、五街区について、液状化対策の種別ごとに建物下と建物下以外に区分して、くいの本数をお示しし、それぞれの対策範囲を図示しております。
 一六ページは、種別ごとの対策状況の写真となっております。
 一七ページ、一八ページは同様に六街区、一九ページ、二〇ページは七街区の実施状況でございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより質疑を一括して行います。
 この際、一言申し上げます。
 委員の皆様方には、本日の質疑に際しまして、極力重複を避けていただき、効率的かつ円滑な委員会運営にご協力をお願いいたします。
 また、質疑の内容につきましては、本日議題となっております報告事項の範囲内としていただきますよう、ご協力をお願いいたします。
 なお、過日の委員会においてもご報告いたしましたとおり、理事会において、市場問題プロジェクトチーム(第七回会議)についてのうち、これまでの委員会において既に取り扱った内容については、今回の質疑の対象外とすることを申し合わせておりますので、ご了承願います。
 それでは、発言を願います。

○川松委員 私からは、市場問題プロジェクトチームについて伺ってまいります。
 市場問題プロジェクトチームは、築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関することについて知事から委託されて調査研究を行い、そして知事に報告するものだというふうに認識しております。つまり、専門委員というのは知事のアドバイザーであると考えておるわけであります。
 そのような理解のもとで、本日は市場問題プロジェクトチームに関することをじっくりと尋ねていきたいと思います。
 まず、公開の場で開催されました第七回市場問題PTの中で、小島座長が築地市場再整備の案について言及しているわけですが、今回のこの議会の報告資料の中に、この現地再整備案の記載がないわけであります。これ、当委員会に報告しなかったのはなぜでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 委員ご指摘の築地案につきましては、このたびの委員会報告資料2の4、市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けた課題と今後のスケジュールについて、検討素材、小島専門委員の(1)、市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けた課題の中に、築地市場の耐震工事、アスベスト除去、仮設建築物の法令上の適正化に向けた解決策、第六回会議における課題として報告をしているところでございます。

○川松委員 報告では、その案というのはしっかりと立てられて報告していたわけですが、この資料の中には、ほかのものとまざっていたということになります。これ、専門委員同士で議論をしながら案をまとめ上げていくのなら理解はできます。しかし、そういった様子はみじんもなく、さながら小島座長の独演会の様相を呈していたわけであります。
 これ、ほかの委員の手前いかがなものかと思うんですが、そもそも今回発表されました小島座長の案というのは、ほかの全ての専門委員の了解を得ていたんでしょうか。案の公表について専門委員全員が賛意を示されていたのか教えてください。

○池上総務局都政改革担当部長 第七回市場問題プロジェクトチーム会議において示された検討素材は、小島座長が専門委員として作成して示したものでございます。
 なお、この検討素材は、同会議開催一時間前の打ち合わせ時に市場問題プロジェクトチームのほかの専門委員に提示をしておりますが、会議の席上で内容についての議論は行っておりません。

○川松委員 ということは、専門委員、皆さんほかの方は賛成しているわけではないということですね。
 では、都政新報の報道で、小島座長に、この小島座長案の公表をやめるよう副知事が促したとはっきり書かれていたわけでありますが、これは事実でしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 副知事から、市場問題プロジェクトチームの三月の会合で公表しないよう求められた小島氏というお話ですけれども、総務局としては、それについては把握をしておりません。

○川松委員 ということは把握されていないということであります。これまた副知事にもお聞きする場面もあるかと思いますが、では、市場問題PTの事務局である皆さん方は、小島さんに私案の公表をやめるよう促しましたか。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員は、先ほど委員お話がありましたとおり、知事からの委託事項について調査研究をしております。そういった中で、専門委員が専門委員として作成したものを示したものというふうに考えております。

○川松委員 今の論理が適用されるのであれば、これ、ほかの専門委員がそれぞれ個々に、私の考えはこうです、私の考える市場のあり方はこうですと発表することを事務局は許容するということになっちゃいますけど、いいんですか。

○池上総務局都政改革担当部長 今回小島座長が示したものにつきましては、専門委員として、小島座長が検討素材としてPTの会議に提供したものでございます。

○川松委員 じゃあ例えばこの後に、専門委員の方が次のPTでは私のを出しますと持ち込まれた場合に--今回前例をつくられたわけです。事務局としてはどう対処されますか。

○池上総務局都政改革担当部長 各専門委員は、知事からの委託事項について調査研究しておりますので、そのPTの会議に議論の素材としてさまざまな意見を出すということは、PTとしても行っていくことだと考えております。

○山崎委員長 答弁者の方に申し上げます。
 語尾が聞こえづらいです。ですので、はっきりと大きな声で答弁を求めたいと思います。

○川松委員 ということは、この後、仮の話をすることになりますけれども、それぞれの委員がばんばんばんばんPTで出したいといったら、もうこのPTというのは話が今後まとまらなくなるんじゃないかという危険性を今の答弁から感じました。
 またきょうも、その専門委員の方が築地の皆さん方にいろいろとお話をされるとも聞いていますけれども、そのあたり、事務局としてしっかりとハンドリングをされた方がいいんじゃないかと思います。
 小島さんのこの説明資料には、今、部長お答えのように、東京都専門委員と記載されておりますけれども、小島さんというのは専門委員であり、PTの座長であり、特別顧問であるわけですね。これ、一般の皆さん方からすると、その差というのはよくわかりません。だとすると、こうやって出てきました、PTの中に小島さんの案として出てきました、でも専門委員で出されたんですという今の答弁でしたけど、これはよく僕には理解できません、なかなか難しくて。
 つまり、何でわからないかというと、時によって肩書を使い分けているというのはどうかと思います。この小島さんの肩書の私物化、肩書の濫用ではないかという声も世間からは上がっていますけれども、事務局としてはどういう見解をお持ちでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 複数の肩書を持っているということですけれども、それぞれの立場で小島氏が活動されているものと考えております。

○川松委員 だから、それを肩書の濫用じゃないかというふうに指摘されているんだと思うんですね。
 じゃあ、この第七回市場問題PTで小島さんが明らかにしたこの再整備案、その延長線の中で四月八日に築地市場において市場関係者に説明をされたわけです。その際、小島さん何といったか。今回の会議は公式的な会議であるが、事務局は総務局であるという発言をされているわけです。この会議、都の公式的な会議、どういう意味で使われたんでしょう。

○池上総務局都政改革担当部長 築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関する専門委員九名の庶務は総務局で行うこととしております。
 四月八日に実施された東京都専門委員による説明と意見交換は、小島専門委員らの調査研究の一環として行われたもので、総務局はあくまでも専門委員の庶務を行う立場にすぎません。小島専門委員からも、事務局は総務局と発言してしまったが、総務局がプレス発表や旅費の支出など専門委員の庶務事務を行うという意味であったと、後刻、総務局に対して説明がございました。

○川松委員 ということは、今、総務局が庶務としてお金も出しているということですから、四月八日の会議というのは東京都主催の会議であったということでよろしいんでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームのメンバーの総意として行った市場問題プロジェクトチームのヒアリングとは違いまして、個々の専門委員の説明と意見交換であったということで、私どもはあくまでも庶務を担う総務局としてプレス発表したにとどまります。

○川松委員 つまりこれ何で聞いているかというと、先ほどプライベートな立場として、専門委員として出したという話でしたが、今の中では、総務局はお金も出して、会議の段取りもしているわけです。そうすると、先ほどプライベートな案といっていましたけど、これは公式的な会議の場での発言ということになって、公式な案になりはしないですかという認識を聞いています。いかがでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員は東京都の非常勤職員でありまして、その専門委員の調査研究活動というのは公的な活動といえますので、純粋なプライベートという意味ではないというふうに考えております。

○川松委員 そうすると、ちょっと今まで報道でも小島私案と呼ばれていましたけれども、この私案というのはもうきょうから呼べなくなりますよね。ということになりますね、今のお答えだと。
 じゃあちょっと視点を変えます。この四月八日の会議、築地市場の会場を借りる手続も市場問題PTの事務局である総務局がされたと思います。その上、次が重要ですが、総務局のホームページから小島案というのはダウンロードできるわけです。これ、総務局は、この会議に関与していないと断言できるんでしょうか。誰がこのウエブサイトに載せようというふうに指示をしたんでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 総務局で庶務を行っている専門委員の活動ということで、私ども総務局のホームページにその資料を掲載したところでございます。

○川松委員 そういうのをそんたくというんじゃないですかね。私は、じゃあ誰も指示出していないのに、そのプライベートな案だと今まで思っていたものを総務局のホームページに載せちゃったんですかという意味で聞いたんです。でも、専門委員が出したものだから載せたということになると、思い出してみてください、オリンピックの問題のときに上山顧問が出した文書が公文書かどうかという議論をしました。そのときにもウエブサイトに載せたかどうかという話にもなったはずです。
 今回、皆さん方はそれを総務局のページに、ウエブサイトに小島さんの案を載せたわけです。ですから、もうこれは、きょうから都の案だというふうに我々はいっても差し支えないでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員としての資料、調査案ということで、それは専門委員としての公的な活動だということで、私どものホームページに資料として載せております。

○川松委員 これですね、事務局である、今、部長初め総務局の皆さんでさえ、ちょっとこう誤解が入るような答弁なわけですよ。世間の皆さん、都民の皆さんはもっとこれ、その小島案というものが一体どういう扱いになっているのかというのは誤解を生むと思います。
 あの案というのは、先ほどから--最初は、これは小島私案だというような話で我々は聞いてきましたけれども、それは総務局が公表する場を手伝っていた、これも判明しました。いつどこでこれ会議を開催するかプレスリリースされたのも総務局だと思います。要するに、もうこれは事実上の総務局案として築地再整備案が今ある。そして、これは都の案であるというふうに私も理解しているし、多くの方がこれで理解されるんじゃないかなと思うんですね。
 そういう中で、もう一点、ここに大きな問題があるわけです。
 小島専門委員、竹内専門委員、菊森専門委員の三人の専門委員とともに、あのとき会議の壇上に説明者として上がって質疑に答えた方、特別協力者の小松さんという方がいたわけです。誰ですか、これ。特別協力者というのは誰の特別協力者で、誰が肩書をつけたのか。名前もつけて文書も出ているわけです。
 この会議への支出は一般会計で処理されています。よって、都民の税金が、あの段階では素性がはっきりしない人物が出席した会議に使われたことになります。都民の税金の使い方として、ワイズスペンディングの観点から、これが適切なのか、問題ないのか、この点は今後改めて検証させていただきたいと思います。
 さて、その四月八日の会議の午前中、築地市場の業界団体のトップが記者会見を開き、小島座長案の現地再整備案で業界内部が分断されたことを嘆く声もありました。市場問題事務局として、その記者会見、声をどのように受けとめていますか。

○池上総務局都政改革担当部長 意見交換につきましては、専門委員の調査内容ということで、総務局としては関与しておりません。

○川松委員 四月十一日の夕方に市場当局の主催で新市場建設協議会が開催されたわけです。そこで声を上げた市場関係者から我々のところに、ここ一週間で築地の業界は分断され大混乱に陥っているという悲痛な声が届いたので、今の話をお聞きしました。業界を二分した罪は重いと思うんですね。豊洲市場移転の決断がなされても、この混乱は尾を引き、業界と都の関係が正常化するまで相当な時間がかかると思います、この先。
 そもそも小島さんの案というのは、コストばっかりに目が向いていて、市場の役割というのが軽視されているんじゃないかと思うんです。何のために市場が必要なのか。我々のところに声を届けていただいた市場関係者によれば、産地と消費者の間に立って十年先を見据えた生産を進めてもらおうという社会的使命を持って、我々市場関係者は働いているんだ、にもかかわらず、市場のあり方はこの小島さんの案には全く考慮されていなかった、嘆かわしいという声が届いているわけですよ。
 しかも、耐震性のない建物で事業を継続していることへの不安も当然に理解できます。直下型地震が起きて人的被害が生じた場合、都は責任を負えるんでしょうか。真剣に考えていただきたいと思います。
 次に、この小島案の築地市場再整備案、一体何を根拠に再整備費用を算出されたんでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員の調査報告内容につきましては、総務局は関与する立場にないので承知しておりません。

○川松委員 加えて、重要なことをお尋ねします。
 ご存じのことと思いますが、築地市場は、業界団体との合意を受けて、築地市場の営業を継続しながら再整備を進める事業というのを平成三年からスタートしました。しかし、合意があったにもかかわらず、ローリング工事を開始する段階において、最初に仮移転を迫られた買い荷保管所の業者等から猛反対を受けまして、平成八年に再整備が頓挫した経緯があるわけです。
 そして、この経緯を踏まえて、市場関係者たちは移転へとかじを切ってきた歴史があるんですが、こういった歴史があるにもかかわらず、再びローリング工事が今回提案されました。この小島さんの案は、営業しながらの再整備に当たり、関連業者からローリング工事を行うとするとしていますが、それはどうしてなんでしょう。関係者との合意はとれているんでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 総務局は、専門委員の調査研究に関与する立場にないため、専門委員が合意形成についてどう考えているかは承知しておりません。

○川松委員 わからないけど公表した総務局。そこが私にはよくわかりません。
 これ、過去の経緯を全く踏まえずに、関係者との調整もせずに一方的に案を公表する。それを総務局のウエブサイトに載せる。これは皆さん方、暴挙といわれても仕方ないと思います。営業しながらの現地再整備案というのは市場関係者に大きな犠牲を強いるもので、実現は極めて難しいんだとほとんどの方が思っているはずです。しかも、トラック輸送の時代に、かつての鉄道輸送に適した形状の現在の施設をそのまま維持することも疑問が残ります。コストばかりを見て、昨今の物流事情を全く無視しているなというのが私の印象です。
 そもそも、市場問題PTには物流の専門家がいるんでしょうか。それとも、新たな特別協力者がこれから出てくるんでしょうか。もう疑問が湧くばかりです。
 次に行きます。
 豊洲市場の整備に当たり、国庫交付金を受け入れていると思いますけれども、小島さんの案では、国庫交付金を用いて整備した豊洲市場施設は解体され、跡地にはタワーマンションや小学校などが建ち、新たな住宅地となるようです。
 そこでまず確認いたしますが、市場施設の整備に当たり国庫交付金が都に交付される場合、法令上、誰から誰へ国庫交付金が交付されるのか、市場当局に伺います。

○松永中央卸売市場管理部長 豊洲市場整備にかかわる国庫交付金については、強い農業づくり交付金は関東農政局長から東京都知事、地域自主戦略交付金は農林水産大臣から東京都知事へ交付されております。

○川松委員 一般に国庫を受けて整備した市場施設を稼働させることのないまま取り壊した場合、国庫交付金を返還することになるんでしょうか。市場に伺います。

○松永中央卸売市場管理部長 一般的に、国庫を入れて整備したものを、その利用に供さない形での場合は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律により返還するということになります。

○川松委員 ありがとうございます。
 一般に国庫交付金を国に返還することになった場合、交付金相当額だけではなく、いわゆる利息などのようなものを支払うなど、都が不利益をこうむることはあり得るんでしょうか。市場当局に伺います。

○松永中央卸売市場管理部長 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律等の規定によると、補助金等の交付の決定が取り消された場合には、補助金等の受領の日から納付の日までの日数に応じ、当該補助金等の額につき年一〇・九五%の割合で計算した加算金を国に納付することになります。

○川松委員 二百八億円に年一〇・九五%の割合で加算されてくる。今この金額がわかったわけです。じゃあこれ、小島さん案というのは、国庫交付金を受けて整備した市場施設を使用することなく取り壊すことを前提としているわけですが、国庫交付金を返還する可能性もありますよね。このようなリスクは、総務局の庶務担当者として、リスクを小島さんは考慮されているのかどうかお伺いします。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員の調査研究は専門委員の判断のもと行っているものでございまして、総務局では、専門委員の調査報告内容については関与する立場ではないので承知しておりません。

○川松委員 とはいえ、小島さんは皆さんご存じのとおり環境省OBであります。国家公務員の経験がある以上、国庫交付金や補助金がどのように取り扱われるかは私よりもはるかに詳しいはずではないかなと思います。既に国会でも、この国庫返還の可能性について議論が出ているわけであります。にもかかわらず、国庫返納になるリスクを全く勘案していないとすれば、これは問題じゃないでしょうか。
 国庫返還のリスクを意図的に無視したのか、隠したのかわかりませんが、都民に対してそのようなリスクを隠蔽していたと、この先いわれても仕方ありません。市場問題PT座長にそのような印象操作や隠蔽体質があるのかどうか、しっかりと確認する機会が必要だと思います。
 しかも、先ほどお話があったように、農林水産省から、大臣から知事に対して交付金が出されました。そのケース、小島さんの案が進んだ場合は知事がお金を返すわけですから、知事のアドバイザーが、それを知事に話もしないでこの案を進めていたかどうかということも、ちょっとこの先確認してみたいなと思います。
 さて、この小島座長案説明資料には、豊洲市場の敷地を売却するに当たり議会の承認が必要との記載があります。なぜこのような記載のある資料をこの議会に報告されなかったんでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員の調査研究内容については、庶務を行う総務局としては関与する立場にないので把握しておりません。

○川松委員 なかなかずっと同じ答弁を繰り返されると、今この時間が何のためにあるのかという感じになりますが、次に、小島座長案は、市場とは全く関係がない東京駅の再整備の状況についても紹介されています。性質が大きく異なるものを対象にするというのは、これはフェアな議論じゃないと思うんです。
 こちらを見てください。(パネルを示す)これが築地市場の敷地です。その中に占める東京駅の丸の内のこの駅舎というのはここだけなんですよ。この赤い斜線の部分が東京駅の駅舎の敷地面積です。これを比較して、東京駅でできるから市場もできるんだのような議論展開というのはフェアじゃないと思いますけれども、いかがですか。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員の調査研究内容については、私どもとしては承知しておりません。

○川松委員 よく見ておいてくださいね。それで伝えておいてくださいね。これを本当に比較していいのかと。僕は一般的にこういう比較は許せないと思いますよ。言葉だけ聞いていたら、ああできるんだとみんな思っちゃっていますから、現実はこういうことだということです。
 しかも、またこれを、ホテルの整備費の単位面積当たりの建設費をよく持ち出されるわけですが、人が泊まるその宿泊施設と、荷物はもちろん、トラックやターレが行き交う流通施設である市場とでは、これはもう扱う重量の単位も全く違うわけです。こういう事情が異なるものを同じ土俵で論じるということは不適切であり、比較対象として無理に並列し何度も言及し、印象操作、これも含めてですが、印象操作をされることは直ちにやめていただきたいということを要望しておきます。(「そうだ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 そして、豊洲市場用地というのは、前の所有者である東京ガスが開発を予定していた土地であります。都が市場用地にすることを熱望したため、その熱意にほだされて、公共事業者として社会的責任を果たす観点から、東京ガスは都に土地を売却してくれたわけです。それを無視して、今、小島さんの案では、住宅地に転用するとなれば、東京ガスは都に対して損害賠償請求など訴訟を提起することも考えられますが、小島さんの案というのは、そのあたり勘案されているんでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 先ほどもお答えしましたとおり、専門委員の調査内容については総務局としては関与しておりません。

○川松委員 いわゆる百条委員会では、東京ガスからの土地取得が大きなテーマとなっていて、世間の耳目を集めていました。そのことを踏まえれば、これ当然考えなきゃいけないことだと思います。小島座長は弁護士の資格をお持ちだと思います。この点についてお考えがあってのことだろうと思いますので、ぜひこのあたりも聞いておいていただきたいなと思います。
 今の話に関連するんですが、豊洲市場の地元区である江東区の区長さんは、この案が出されて大変怒っていると聞いています。この案の公表に当たって江東区と小島さんは調整されたんでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 総務局といたしましては、専門委員の調査内容については把握しておりません。

○川松委員 四月十一日の江東区長の記者会見で、これも、地元区に一切相談なく案を出したことは失礼で憤慨しているとお話をされていました。誰が聞いても全くそのとおりだと思います。
 では、いろんなこれ、関係者がたくさんいるわけです。たくさんいるわけですけれども、小島さんの案では、その市場関係者との合意形成、誰が責任者になって、どのように進めようと考えていらっしゃるのか、見解を伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員のその調査研究内容については、総務局として承知しておりません。また、先日の小島専門委員のその資料の中でも、合意形成については特段触れていなかったかと思います。

○川松委員 繰り返しになりますが、質問しても具体的な答弁はどうもいただけないようであります。委員の皆さん、この状態ではこれ質疑にならないと思いますけれども、いかがなんでしょうか。これですね、大事なことを今話しているわけです。専門委員という立場にある方が、自分はアイデアを出して方向性を示せばよく、あとは都の職員が関係者と調整して実現させればいいんじゃないかみたいな乱暴な考え方に思うんですね。都の役人の皆さんは私の指示に従って動けばいいんだみたいな見えないフレーズまで私は見えちゃうわけですが、成功したら座長の成果、失敗したら役人の責任、こういうふうな安易な考えに直結しそうなスタイルなので、どういう責任があって、専門委員がいて、どうやって発表して、その先どう進めていくか、しっかりとここは構築しておかないと後で大変なことになると思いますので、この極めて無責任な態度は一日も早く改めていただきたいと思います。
 第七回市場問題PTの中で、小島さんは今後のスケジュールとして、専門家会議は続行し、市場問題PTは予定どおり五月を目途に閉じるんだというような内容の意向を明らかにしたわけですが、このことはどういう意味なんでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 第七回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、小島座長から、市場問題プロジェクトチームとしては昨年十一月十八日の知事の記者会見で示されたスケジュールを守っていきたい旨の発言がございました。
 具体的には、専門家会議の審議、評価がおくれているため、その部分については分離せざるを得ないが、それ以外の部分については、四月に報告書の素案を出し、五月に案を出し取りまとめていく旨の発言がございました。

○川松委員 ということは、五月以降もセカンドオピニオンとして市場問題PTは存在し続けるということになりますね。
 市場問題PTの最終報告の取りまとめに当たって、今回出てきた小島座長案を含めて築地市場再整備の検討がなされることだろうと思います。その際、過去の市場特別委員会の検討結果も活用することになるのが普通でありますが、これ私も読み込みましたけど、過去の委員会ですね、東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会、この議事録を小島座長はじっくりと読み込んで今回の案を出されたんでしょうか。近くで見ていて、読まれていた雰囲気はありましたか。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員の活動全てを見ているわけでありませんので、私の見る範囲ではわからないところでございます。

○川松委員 これは過去の議事録ですよといって、総務局の皆さんが小島座長にお届けしたという記憶はありますか。お届けしましたか。

○池上総務局都政改革担当部長 資料につきましては渡していると。(「どっちだよ」と呼ぶ者あり)資料--その議事録につきましては小島座長の方に渡しているということでした。

○川松委員 渡しているのにあの案が出てきたということは、読んでいないのか、完全に無視をしているかどっちかになると思います。これも詰めていかなきゃいけません。
 さてこれ、市場問題PTと戦略本部、改めて立ち上がったわけですが、この関係はどう整理されているんでしょうか。市場問題PTの事務局に伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 市場のあり方戦略本部におきましては、市場問題プロジェクトチームで出ましたその報告書を集約して、さらなる検証をしていくものというふうに考えております。

○川松委員 すると、PTと戦略本部の関係、同じ質問になりますが、戦略本部の事務局としてはどう整理されているんでしょうか。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 市場問題プロジェクトチームでは、豊洲市場の施設の構造安全性や使い勝手、事業の継続性等につきまして検証が行われております。戦略本部は、こうした専門的見地からの検証結果を集約いたしまして、残された課題の総点検を行い、知事の総合的な判断につなげていくために設置された庁内の検討組織でございます。

○川松委員 その総合的な判断がどこにあるかというのは、これはまたマジカルワードなわけですけれども、じゃあこれ、当面、市場問題PT、専門家会議、戦略本部、三つの会議体が併存する形になります。それぞれの関係とともに、ロードマップ上の整理はどうなるんでしょうか。戦略本部の事務局としての考え方を教えてください。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 専門家会議では土壌汚染対策などにつきまして、それから市場問題プロジェクトチームでは建物の構造安全性や事業継続性等につきまして、それぞれ外部有識者により専門的見地からの検証を行っております。戦略本部はこれらの検証結果を集約しまして、残された課題の総点検を行うことで、ロードマップに示されている知事の総合的な判断の材料をそろえるために設置されました庁内の検討組織というふうに認識してございます。

○川松委員 もうまとめに入りますが、そもそも小島座長案は、実質的に築地市場の現状維持に近いものです。耐震など、さまざまな築地市場が抱える諸課題を解決できるアイデアなのかどうかということ、これ、定かじゃないわけです。豊洲市場の目標取扱数量が過大で、築地市場の取扱数量長期低落傾向を反映しておらず、オーバースペックだと豊洲市場を指摘されている節があるわけですけれども、豊洲市場を状況に応じて縮小し、その空地を売却していく考え方も可能性としてはあるのかなと思います。あくまでこれ、可能性としてですが、そのような検討をした形跡もないようなんですね。
 都民の負託を受けた我々都議会議員として、このような内容の濃い実質的な議論をこの委員会で積み重ねたいと強く願い、私もきょうは初めてこの委員会で質疑に立たせていただきましたが、庶務担当の局であるから、専門委員がやっていることは私たちはわかりません、私たちはわかりませんと、連続こういう答弁が返ってきたわけですけれども、この不誠実なお答えぶりでは、先ほどいいました内容の濃い実質的な議論を積み重ねたいという我々の願いは、今のままでは、かないそうにありません。
 そこで、都議会自民党は、都民の負託に応えるべく、市場問題プロジェクトチームの小島座長ほか全メンバーをこの委員会に参考人として招致することを強く要求し、委員の皆様のご理解を賜りまして、私の質疑を終わりといたします。
 山崎委員長、どうぞよろしくお願いします。

○伊藤委員 いまだかつてない二度にわたる震度七の地震が襲った熊本地震から一年、改めて、犠牲となられた方々に心から哀悼の意をささげ、被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い被災地の復興をお祈りするものであります。
 築地市場の歴史を振り返れば、江戸時代から続いた日本橋魚市場は大正十二年に発生した関東大震災によって壊滅をし、当時も激しい論争があった末、約十二年後の昭和十年にようやく現在の築地市場が開場となったことは皆様ご案内のとおりだと思います。
 歴史の教訓を踏まえれば、東京の市場は、災害という観点から、市場で働く方々の生命と安全はもとより、都民、国民の台所として、生鮮食料品の安定供給、また消費者の食の安全・安心の確保という観点からも非常に重要な施設であることはいうまでもありません。
 本日は、開場から八十二年が経過した築地市場と、建物下に施されていなかった盛り土問題を抱える豊洲新市場とをパネルを使いながら、安全・安心を比較しながら、確認を含めて質問してまいりたいと思います。
 今、多くの都民は、先ほどの自民党さんからの質疑もありました、いろんな問題がこの市場のことで噴出をしている中で、築地なのか豊洲なのか、もうよくわからなくなってきている、こういう声がまち中の多くの声であります。都民の理解と納得が深まるよう、わかりやすくきょうは答弁をしていただきたい、このように思います。
 まず、第六回市場問題PT会議において、築地市場施設の耐震化とアスベストの状況について説明がありました。まず、築地市場の耐震化の状況について、豊洲新市場と比較しながら、今の現状を伺いたいと思います。

○白川中央卸売市場事業部長 都では、耐震改修促進法に基づきまして、都有施設で延べ面積千平方メートル以上かつ三階建て以上の建物や防災上重要な公共建築物として位置づけられる施設に対し重点的に耐震化を進めているところでございます。
 築地市場では、この防災上重要な施設等十六棟のうち、当初から耐震基準を満たしている五棟に加え、五棟は補強工事を行うことで耐震基準を満たしているところでございます。このため、残り六棟が耐震基準を満たしていないということとなります。
 一方、豊洲市場の主要棟につきましては、通常、建築基準法で定められている水準の一・二五倍以上の耐震強度を確保しているところでございます。

○伊藤委員 本日のパネルにもまとめてまいりましたけど、耐震性の欄を見ていただければ、今答弁があったように、都は平成八年からこの十六棟の施設の耐震診断を行ったわけであります。その結果、耐震基準を満たしているのが五棟、補強工事を何とか行ったのが五棟、そして、現在でも十分な耐震性が確保されていない施設が六棟も残っているわけであります。ちょっと小さくて申しわけないんですけれども、いつ発生してもおかしくない首都直下地震等に備えた生命にかかわる耐震工事であるわけであります。
 なぜ耐震化できていない施設が残っているのか、何が課題だったのか、明らかにしていただきたいと思います。

○白川中央卸売市場事業部長 耐震基準未満の施設につきましては、店舗の移動や筋交いの設置による売り場の分断など、市場業者の営業継続に支障を来すことになり、十分な工事を実施できなかった経緯がございます。
 例えば、水産仲卸売り場棟につきましては、二百本の柱を補強するため、売り場を十六区画に区分し、約五年間、仮移転をして工事する内容の基本設計を平成十八年に取りまとめましたが、事業者との調整が難航し、最終的に売り場棟の一部の補強工事にとどまったものでございます。

○伊藤委員 本当に首都直下地震については、いつ発生するかわからないわけであります。この生命に直接かかわる耐震工事でさえ、今答弁いただいたように、営業継続に支障を来すこととなって十分な工事を実施できてこなかった経緯があるわけですよね。ここにもまとめてまいりましたけど、営業を継続しながらは耐震工事でさえ困難だということが、これまでの経験でわかっているわけであります。
 次いで、災害と同じく人の命にかかわるアスベストについてでありますけれども、築地市場のアスベストの状況について、これも豊洲新市場と比較しながら現状を伺いたいと思います。

○白川中央卸売市場事業部長 築地市場において、現在場内に残されたアスベストは、青果部屋上駐車場二階のはりや水産物部立体駐車場四階から八階までのはりに吹きつけアスベストが使用されているほか、水産物部仲卸売り場の屋根にアスベスト含有材が使用されておりますが、状態が安定しているか、密閉されておりまして、空気中に飛散する危険性が低いと認識をしているところでございます。
 また、場内では、大気中のアスベスト濃度の測定を年四回実施しておりまして、アスベスト濃度は敷地境界基準以下であるということを確認しております。
 一方、豊洲市場におきましてはアスベストは使用しておりません。

○伊藤委員 築地市場の歴史を振り返れば、貨車による輸送が主流であった時代からの築地市場の象徴ともいえる水産物仲卸業者売り場棟の弧を描いたような屋根の部分には、建材としては安定はしているものの、そのほとんどにアスベストが残存しているということが明らかとなっているわけであります。
 生命にかかわるこのアスベストであるわけであります。なぜ除去工事ができていない施設が残っているのか。先ほどの耐震化と同じように、何が課題だったのか。改めて明らかにしていただきたいと思います。

○白川中央卸売市場事業部長 営業しながら吹きつけアスベストやアスベスト含有材を撤去する場合、工事区画を密閉するなど徹底した飛散防止対策が求められることから、売り場や通路を部分的に封鎖する必要がございます。このため、営業を継続しながら工事を実施することが極めて困難を伴うものであったことから、現在アスベストが残留しているものでございます。

○伊藤委員 生命にかかわるアスベストの除去でさえ、今答弁にありました、営業しながらの工事は大変に困難であるということであります。
 パネルを、字が小さくて申しわけないんですけれども、今の築地の現状、六棟が耐震基準未満、アスベストは残存している。だけど、今いじくっていないわけですから、これは一応安定はしていますよと。だけど、仮に現状から改修あるいは再整備へ、この築地市場をもし今の形から変えていく、こういうことになれば、営業しながらは極めて困難だということを、これまでの私たちは経験で、知識として得ているわけであります。
 一方で、これも確認ですけれども、豊洲新市場についてはどうか。耐震性、アスベスト等の安全性については、建築基準法に基づく安全性を確認済みだと。平成二十八年十二月に検査済み証がもう既に受領されている。つまり、耐震も、また新市場についてはアスベストを使ってもいないということであるわけであります。ここの部分一つとってもですね、しっかりと豊洲新市場、そして築地市場、これを多くの都民の皆様に理解と納得を深めていただけるように、理解を求めてまいる、また情報発信をしていく、私は、このことが重要じゃないか、このように思います。
 ここで、これまでの質疑で明らかになったことの確認でありますけれども、このパネルの土壌汚染、また地下水、大気、ベンゼン等ですね、これについても、おさらいですけど、確認をしてまいりたいと思います。
 まず、土壌汚染についてでありますけれども、東京ガス、ガス工場操業の由来によります汚染物質が局所的に残存している可能性は、あることはわかっていると。しかし、敷地はコンクリートやアスファルト等で覆われており、土壌汚染対策法上問題はないと。これも専門家会議の先生方にも今まで繰り返しいっていただいた部分であります。
 一方、築地市場はどうか。土地利用の履歴等の調査の結果、この調査もまだまだ不十分です。これからです。この履歴によっての調査をしっかりとまた進めていく必要がある。ただし、今、現状は、敷地はコンクリートやアスファルト等で覆われており、土壌汚染対策法上問題はないわけですね。今の現状のままでおくならばという、そういう話であります。
 また地下水です。地下水もこれまでのおさらいです。ベンゼンやシアン等のそういう汚染物質が確認はされているけれども、地下水の、その水そのものを直接飲んだり、その地下水の水でお魚を洗ったり野菜を洗ったりするわけではないということは、これももう明らかとなっているわけであります。
 また、築地の現状も、土地利用の履歴等の調査、これをしてみないとわからないですよ。また、築地については地下水、まだ調べていないんですから、調査中なんですから、今。結果出ていないんですから。しかも、数ポイントですよ。これをしっかりと、やっぱり築地についても調査をしていかなければならないんではないか、私はこのように思います。
 また、大気です。大気もおさらいになりますけれども、これまでもありました、いろいろ。しかし、結果として建物内、建物外とも環境基準内におさまっている。ベンゼンについては、この特別委員会で私もやりましたけど、豊洲の周辺あるいは建物の中、これと、都内のどこと比べると同等程度ですか、環境局からお答えをいただきました。新宿、この都庁のある周辺と豊洲は変わらない、こういう答弁でした。築地についてはどうか。これは、築地の直近であります、近くであります、近傍であります晴海の測定局、ここの濃度と変わりませんよ、こういう話でありました。
 いずれしても、豊洲市場については、また後ほども触れますけれども、今、専門家会議の先生方によって、リスク管理上の追加対策を今後検討して、それを出していくという状況に今あるわけであります。
 一方、築地市場については、仮に改修あるいは再整備、これを行うのであれば、これほとんど、調査してみないとわからないんですよ、これからですよ。そして、対策が必要だということになったらどれだけの時間がかかるか、どれだけのお金がかかるのか、これは全く未知の部分のわけであります。
 しかも、衛生管理、品質管理、これについても豊洲新市場と、今の築地市場、これを比べてみれば、もし仮にこの築地市場、衛生管理を世界の市場に通用するようなレベルまで持っていくことにするには、営業を継続しながらそうした整備をすることは極めて困難だと、このこともわかっているわけであります。
 なぜ今確認をしてきたかというと、豊洲新市場と築地市場は土壌汚染や地下水汚染の存在が危惧されているわけであります。大きな地震が発生した際には、液状化によってその汚染物質が噴出するのではないかと、こういう疑念の声もあるからであります。
 そこで、平成二十三年の三・一一東日本大震災の日に、豊洲市場用地で液状化現象が見られたというふうに報道されましたけれども、その状況はどうだったのか。また、豊洲市場用地の液状化対策はいつ行われたのか。伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 東日本大震災の際、豊洲市場用地において液状化に伴う噴砂が五街区と六街区で発生いたしました。大小百カ所以上の噴砂を確認いたしましたが、噴砂は部分的なものであり、一カ所当たりの噴砂量も少なく、現地を確認していただいた専門家は全体として小規模と評価しております。
 また、豊洲市場用地の建物敷地以外の構内道路や駐車場などの液状化対策は、平成二十五年三月から平成二十六年十月までの間で実施いたしました。主要三棟の建物下の液状化対策は、平成二十六年四月から平成二十六年十二月までの間で実施しております。

○伊藤委員 三・一一東日本大震災のときに、豊洲市場用地において液状化による噴砂、噴水が確認をされたけれども、それは豊洲市場の建設工事前のことであって、液状化対策工事はその後に実施したということを確認いたしました。
 それでは、豊洲市場において実施した液状化対策について詳しく質問をしてまいりたいと思います。
 豊洲市場用地の液状化対策は具体的にどのように行われたのか、またどのぐらいの規模の地震に対して液状化をしないように目標を設定したのか。そしてまた、この設定をした目標ですけれども、現状はその対策の水準は達成をされているのか、あわせて伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場敷地全域で、基本的に液状化しない不透水層であるYc層より上部の液状化すると想定される地層を対象に対策を実施しております。一部、液状化の影響の度合いなども総合的に判断し、Yc層よりも下の層も対策を実施しております。
 対策の目標については、建物下の地盤については、中地震が発生しても液状化せず、大地震が発生しても液状化の可能性が低いことを目標としております。また、建物敷地以外の構内道路や駐車場などの敷地の地盤については、中地震が発生しても液状化しないことを目標としております。
 目標としていた対策水準が達成されたかということについてでございますが、液状化対策の効果の確認として、締め固めぐあいなどを確認するチェックボーリングと呼ばれるボーリングを建物敷地で七十三カ所、建物敷地以外で六十一カ所実施しております。チェックボーリングの結果から、建物下については、中地震及び大地震に対して目標としていた改良効果が得られたことを確認しております。また、建物敷地以外についても、中地震に対し液状化しないとの目標が達成されていることを確認しております。

○伊藤委員 建物敷地以外は中規模な地震を対象とした対策をしているということでありますけれども、大規模な地震が発生をしたら液状化が発生するのではないかと、こういう危惧があるわけであります。この点についていかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 市場問題プロジェクトチームの委員と協議いたしまして、建築物の基準を適用し、レベル二相当の大地震における液状化に対する安全性を検証しております。その結果、工事で十分に地盤が締め固められたことで、レベル二相当の大地震に対しても液状化の可能性が低い地盤となったことを確認しております。

○伊藤委員 建物敷地以外といえば、補助三一五号線高架下の液状化対策や土壌汚染対策の状況を、確認のため伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号線高架下では、ガス中圧管や既設の高架橋の橋脚などが設置されている状況を踏まえて、可能な限りの土壌汚染対策や液状化対策を実施しております。
 具体的には、土壌汚染対策として、APプラス四メーターまでは入れかえを行い、ベントナイト混合土層やアスファルト舗装により封じ込めを行っております。
 また、液状化対策についても、ガス中圧管や既設の高架橋への影響を考慮した上で、可能な限り締め固めによる対策を講じております。

○伊藤委員 ただいまの答弁で、補助三一五号線高架下では、可能な限り締め固めによる対策を講じたということでありますけれども、つまり、汚染土壌が残っておりまして、また液状化対策をしていないところもあるわけでありますけれども、大規模な地震が発生をした場合に、液状化によってそうした汚染土壌が地表に噴出をしてこないのかどうか伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 三一五号線高架下では液状化対策が未実施の箇所が残っていることから、必要な対策を講じております。
 具体的には、レベル二地震動による液状化で生じる噴砂、噴水量を解析により推定し、これらの噴砂、噴水量を防止するために必要な砕石層の厚さを算定した上で、その二倍の厚さの砕石層を設置することで、大地震が発生したとしても地表面への噴砂、噴水を防止する対策を講じております。

○伊藤委員 これまで豊洲市場の液状化対策について確認をしてまいりましたけれども、築地市場では、あの三・一一東日本大震災のときに液状化は見られたのかどうか伺いたいと思います。

○白川中央卸売市場事業部長 東日本大震災発生後、築地市場において各施設の被害状況を点検した結果、液状化による被害や噴砂現象は確認されておりません。

○伊藤委員 ここまでパネルを使って、土壌汚染、地下水、大気、品質、衛生管理、そして耐震性やアスベストの安全性、今、液状化について質問をしてまいりました。
 豊洲新市場については、建物下、建物下以外、そして三一五号線高架下とも対策済みということであります。そして、三・一一の際も、築地市場については液状化は見られなかったということです。
 しかし、この後、築地については、改修あるいは再整備、こうした対応を行う場合には地盤の調査もしなければならないわけであります。ですので、私はこの築地市場の地盤については、液状化については今のところ不明ではないかと、このように思います。
 これまでこのパネルを使ってまいりながら、豊洲新市場と築地市場の現状と今後の対応について比較検討、そしてまた、これを多くの都民の皆様に安全・安心の参考としていただければなと、このように思うものであります。
 ところで、先日、都からは、築地市場の立体駐車場などの仮設建築物について許可期間が切れていると説明がありまして、予算特別委員会で我が党の橘政調会長が都の姿勢を厳しくただしたところであります。
 法令違反状態が今の築地市場の現状であるわけでありますが、手続上の不備を改善して、法的に正常な状態にするまでの見通しはどうなっているのか、また、現状の法令違反のままで、仮に築地市場で大規模な改修工事を行うことができるのかどうか伺いたいと思います。

○白川中央卸売市場事業部長 平成三年からの現在地再整備の実施に当たりまして、仮移転先等を確保する必要から、仮設許可を得て施設を整備してきており、再整備工事が中断された後も、引き続き、築地市場の運営上、数度の許可手続を行ってきたところでございます。しかしながら、平成十七年五月以降、許可期限切れの状態となっております。
 今後は、是正に向けた方針を策定した上で、建築基準法の申請手続に必要な図面、構造計算書等について、建築当初にさかのぼった資料の復元整備の必要があることに加え、場合によっては補修工事の実施など、是正が完了するまでにはかなりの年数を要するものと考えております。こうした是正のめどが立っていない状況におきましては、新たな建築の手続を行うことはできないものと考えております。

○伊藤委員 市場のこの問題についての姿勢については先日厳しくただしたところでありますので、今はあえて申し上げませんけれども、築地市場の現時点のこの現状では、大規模な改修工事は行えないということであるわけであります。
 第七回市場問題プロジェクトチームの会議においては、豊洲市場の土壌汚染対策に係る安全と安心について小島座長が言及をしております。
 そもそも、豊洲市場の土壌汚染対策については専門家会議で扱われているはずであります。先日の第五回専門家会議では、平田座長によって、地下ピットがある状態について問題は生じないという評価が示されております。
 この件に関する市場PTの見解はどうなのか、またこのPTの役割について改めて伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 豊洲市場の土壌汚染対策についての市場問題プロジェクトチームの見解については、現時点では示されておりません。
 また、市場問題プロジェクトチームは、築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関し検討し、知事に報告することが役割となっております。豊洲市場の土壌汚染に関する事項につきましても、市場問題プロジェクトチーム設置要綱において、検討する事項の一つに掲げられております。
 なお、豊洲市場の土壌汚染対策につきましては、専門家会議で出された結果についてセカンドオピニオンを行うこととしております。

○伊藤委員 専門家会議は、地下ピットがある状態について問題は生じないというふうに評価をしたわけでありますけど、パネルにも書きましたけれども、今後のリスク管理を考慮した上で対応策を検討しているということであります。
 一方、この市場問題PTの方は、スケジュールどおりに報告書をまとめて、それを五月に提出して、二カ月おくれている専門家会議とは分離をするというふうにしております。
 今後の専門家会議による具体的な対応策については、それでは誰がセカンドオピニオンの役割を果たすのか、都の見解を伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 専門家会議による具体的な対応策につきましては、専門家会議の報告が出された後、市場問題プロジェクトチームがセカンドオピニオンを行うこととしております。

○伊藤委員 専門家会議による具体的な対応策については、市場PTがセカンドオピニオンを行うということであります。であるならば、肝心な対応策については、専門家会議はスピード感を持って一刻も早く示すことが重要だと思います。都の見解を伺いたいと思います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 三月十九日の専門家会議では、将来、建物一階部分の床面にひび割れ等が生じた場合、地下ピットに滞留した水銀等が建物内部に侵入する可能性があることから、地下ピットにおいて、こうした物質の滞留を防ぐ換気や、コンクリート等による床面の防護といった対策の方向性が示されました。
 都は、専門家会議において対策に関する具体的な検討を進められるよう、必要な作業を迅速に進めてまいります。

○伊藤委員 豊洲新市場についても、土壌汚染や地下水、そして大気、さまざまに課題はあります。しかしながら、ここにもさっきも書きましたけど、今後の対応として残っているのは、リスク管理上の追加対策を今検討中なわけでありまして、そのほかのことはもう完了しているんですよ。なので、ここの今検討していること、これをぜひスピード感を持ってやっていただきたい、このことを強く申し上げておきたいと思います。
 私は、平成二十一年に設置をされた築地市場の移転・再整備に関する特別委員会のメンバーとして、上野副委員長も一緒でした、山崎委員長も一緒でした、その当時。相当の時間をかけて現在地再整備の議論を行いました。
 そのときの議論を振り返れば、種地を見つけ出して、営業を続けながらのローリング工事によって、その当時ですよ、工期は十一年とも十七年とも、いずれも長期にわたることがあのときの議論で明らかとなったわけであります。加えて、築地市場敷地内における土壌汚染調査やその対策、江戸幕府に由来する埋蔵文化財が出土した場合には、これまでの経験値から、この埋蔵文化財の調査に十年程度はかかるという議論もしました。
 さらに、再整備の費用については二千三百八十億円程度はかかって、加えて、今申し上げた土壌汚染調査やその対策、埋蔵文化財の調査費用も必要となる、こうしたことが想定をされた、また議論をされたわけであります。
 そして、何よりも難しいのは市場業者間の合意と調整、これこそが本当に大変なんだということを、私たちはこの前回の特別委員会でさんざんこれを議論してきたわけであります。
 第七回の市場問題プロジェクトチーム会議で、小島座長が私案、検討素材として示したいわゆる築地市場改修案には、設計一年、工期六年としております。この期間の中には、築地市場の地歴から危惧される土壌汚染調査や、それに伴い生じる土壌汚染対策工事や、あるいは埋蔵文化財についても、こうした期間的なものを見込んでいるのかどうか伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 第七回市場問題プロジェクトチーム会議において示されたいわゆる築地市場改修案でございますが、これは小島座長が市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けた検討素材とするため専門委員として作成したものであり、総務局では専門委員の調査報告内容については関与しない立場であり、承知しておりません。
 なお、検討素材として示された案には、築地市場の土壌調査、それに伴い生じる土壌汚染対策工事や埋蔵文化財調査に関する記載はございません。

○伊藤委員 記載がないということであるならば、考えていないということなんだろうなと想像するわけであります。
 また、小島座長が検討素材、私案として示した、いわゆるこの築地市場改修案では、工事費用が、先ほど私が申し上げたように平成二十二年当時はA案、B案、C案とかいろいろありました。だけれども、二千三百八十億円はかかるよ、それ以外に土壌汚染の対策や埋蔵文化財--埋蔵文化財の調査についてはこれ、所有者持ちですからね、教育庁が出してくれるわけじゃないんですからね、そういうのを省いたとしても二千三百八十億円ぐらいかかる、こういうふうに私たち議論したんですよ。
 ところが、今回の小島座長案は、工事費用が五百億から八百億円でできると。この費用の中には、築地市場の、先ほど申し上げてきた土壌調査、またそれに伴い生じる土壌汚染対策の工事、そして埋蔵文化財の調査費、こうしたことについても見込んでいるのかどうか伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 今回の案につきましては、小島座長が市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けた検討素材とするために専門委員として作成したものであり、先ほどもお答えいたしましたが、総務局では専門委員の調査報告内容については関与しない立場であり、承知しておりません。
 なお、検討素材に示された案には、築地市場の土壌調査、それに伴い生じる土壌汚染対策工事や埋蔵文化財に関する記載はございません。

○伊藤委員 先ほどの工期の件、そして費用の件についても記載がないと。つまり、この小島座長が出された私案の中身、そして根拠が、私たちにはわからないわけであります。
 第七回市場問題プロジェクトチームの会議を踏まえて、四月八日には東京都専門委員による説明と意見交換会が開催をされました。この意見交換会の中で小島座長は、今回の会議は都の公式な会議だが、事務局は総務局である、このように発言をしています。
 先ほどもありましたけど、確認のために伺います。
 この意見交換会は、市場問題PTとしての公式な会議であったのか、総務局の見解をいま一度確認したいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 四月八日に開催されました東京都専門委員による説明と意見交換は、小島専門委員らが四月開催予定の市場問題プロジェクトチーム会議に資料として提出する報告書素案の作成のために開かれたものでございます。これは、小島専門委員らが知事からの委託事項である築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関する調査研究の一環として行ったものでございます。市場問題プロジェクトチームとして実施されたものではございません。

○伊藤委員 今、答弁にあったとおり、この意見交換会、そしていわゆる築地市場改修案については、小島座長がPTの取りまとめに向けた検討素材とするため専門委員として作成したものであり、全くの私案であるということでありました。しかしながら、この私案の中身、根拠については全くわからないわけであります。
 そもそも、この意見交換会、なぜ開いたのか。この根拠のない、中身のないものについて、こうして市場業界の関係者を集めて、こうした意見交換会を開くこと自体をなぜとめなかったのか。そして、誰がどのようにこの関係者を集めたのか。具体的にちょっと聞きたいと思います。いかがでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 四月八日に開催された説明と意見交換会、先ほども申し上げましたように、小島専門委員らがその取りまとめに向けての調査研究の一環として行ったものでございます。専門委員らの発議によって行ったものでございます。

○伊藤委員 この小島座長の私案、PTの座長の立場にある方が、市場関係の、まさに当事者ですよ、この当事者を集めて、そして築地再整備が魔法をかけたようにしてできてしまうんだと思わせるような内容を話しているわけですよ。
 先ほど来申し上げてきたように、築地市場の改修や再整備、これいじくるんだったら、いろんなことをいろんな方面から総合的に考えてやらなきゃならないんですよ。これによって、業界の方々も団体の方々も、そして都民の多くの方々が、今大混乱させられておるわけであります。その根拠は何なのか。これは、私は、小島座長にぜひともこの特別委員会にお越しいただいて、参考人として意見を伺いたいということを公明党として表明をさせていただき、また委員長にもお計らいいただきたいと、このように思います。
 さて、今の総務局、先ほどの自民党さんの質疑でもありましたけれども、私は、この豊洲市場の問題、築地市場の問題は、今、都政課題の最大の課題である、そして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを大成功させていく、この豊洲市場の問題とオリンピックのことについては、都政課題の最大の課題である、このように思います。つまり、オール都庁でこのことをやらなきゃいけないんですよ。
 築地市場のこのPTが、座長の立場でありながら、所管をしている総務局、これもコントロールできないで意見交換会をやる。当の当事者たちを集めちゃって、自分の試しの案か何かわかりませんけれども、これを披露してしまう。これは市場局だけの問題じゃなくて、総務局もそうです。きょうは財務局長もお見えになっている、政策企画局長もお見えになっているんですよ。何か私は申しわけないけど人ごとのように感じるんです。
 市場のことだから市場にやらせておけばいいんだみたいなことじゃないんですよ。全局を上げて、この豊洲の問題、築地の問題を解決していかなければならないんですよ。この問題意識が、オール都庁一体となっていない、このことを指摘させていただきたいのと同時に、このPTのことに対してはしっかりと総務局が責任を持って取りまとめていくべきだ、私はこのように思いますけど、総務局長の決意を伺いたいと思います。

○多羅尾総務局長 ただいまのご議論の根底にあるものは、専門委員というのは一体どういう職なんだということがまず第一にあると思います。
 これにつきましては、専門委員は、地方自治法上で全くの独任制の附属機関というふうにされております。したがいまして、委託を受けた事項について報告をするために行う活動については、一人でも専門委員の活動ということになるということが前提としてございます。また、調査検討の内容につきましても、これは独任制ということから、基本的には専門委員の裁量に任されている。
 こういう制度の中で、私ども総務局としては、庶務担当という立場で補佐をしてきたわけでございますけれども、適切、円滑な専門委員の活動がなされるように、そういう庶務という立場の中ではありますけれども、今後とも努めていきたいと思っております。

○伊藤委員 私は今、局長に、この専門委員としての立場だとか役割、それを聞きたかったのではなくて、そうではないんですよ、この市場の問題を、PTのことに関しては、今は総務局なんですよ。専門委員だからといって、やはり今このタイミングで何をどうしたらどういうことになるのか、都民の皆さんが余計に混乱することにならないのかどうか、そういうこともきちんと総務局として掌握をして、そして、いうべきことはやっぱりいうべきだ、このように局長、私は思いますので、よく総務局全体としても、オール都庁、全体として、このことを捉えていただきたい、このように申し上げておきたいと思います。
 いずれにしても、この私案でありますけれども、次回の市場問題PTで議論されるのかどうか、確認しておきたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 四月八日に開催された東京都専門委員による説明と意見交換は、小島専門委員らが四月開催予定の市場問題プロジェクトチーム会議に資料として提出する報告書素案の作成のために開かれたものでございます。
 第七回市場問題プロジェクトチーム会議において、次回、四月開催予定の市場問題プロジェクトチーム会議は、報告書素案を出す旨、小島座長から発言がありました。

○伊藤委員 いずれにしても、次回のPTで今回のこの私案について話があるということであります。どうか総務局長、きょう、まだこの後も質疑が続きますけれども、議員からは、非常に、やはり今回、意見交換会をこのタイミングでこういう形でやったということについて異論があるということ、これを伝えておいていただきたい。よろしいでしょうか。
 次いで、過去に都は築地再整備に取り組んだわけでありますけれども、そのとき、都も議会も、非常に厳しいとして途中で断念をした経緯があるわけであります。
 改めて、過去の築地市場の現在地再整備の経緯と、工事を中断せざるを得なかった再整備の問題点を伺っておきたいと思います。

○岡安中央卸売市場新市場整備部長 築地市場の現在地再整備は、平成三年に、営業を継続しながら少ない空き地を活用することを前提に工事に着手しましたが、工事を進める中でさまざまな問題が発生しておりました。
 具体的には、当初、工事完了まで十二年とされていた工期が最低でも二十年以上に長期化することや、施設の重層配置や仮設施設の建設等により総事業費が約一千億円増加することが明らかとなりました。さらに、工事用車両と営業用車両の錯綜に伴う交通渋滞の発生等、営業活動への深刻な影響も懸念される事態となったものでございます。
 こうした状況の中、平成八年ごろに再整備工事が中断し、東京都と市場業界の代表により構成する築地市場再整備推進協議会において計画の見直しに向けた協議を積み重ねたものの、最終的には、平成十一年に、現在地再整備は困難であり移転整備へと方向転換すべきとの意見集約がなされたものでございます。

○伊藤委員 市場当局は、これまでの築地再整備計画の検討、実際に再整備に着手したものの多くの問題が発生して中断したことから、市場関係者の苦労やこうむった被害、中止せざるを得なかった事業から得た知識と経験を市場は持っているわけであります。
 先ほど来指摘をしてまいりましたPT、こうしたプロジェクトチーム等には、必要に応じてプロジェクトチームの方から関係職員の出席を求めて意見を聞きたいよ、あるいは情報の提供を求めるよと、いわれたらば出ていっていうという立場である、職員から意見を述べる仕組みにはなっていないということはよくわかります。わかりますけれども、今答弁いただいたように、築地市場改修案をこれから検討するんでしょうけれども、過去の現在地再整備の経緯や中止した理由などを踏まえる、こうしたことをしっかりと理解した上で議論をするということは極めて重要であるというふうに私は思います。
 先ほども総務局長に、議員からこういう指摘があったということをちゃんと伝えてほしいというふうに申し上げましたけれども、そしてまた、この築地、市場問題PTの場だけではなくて、市場のあり方戦略本部において、過去の築地市場の現在地再整備の経緯や中止に至った理由などについて、これも、この戦略本部の中でもきちんと説明をして、検討に生かしていくべきというふうに思います。
 この戦略本部については、市場長が副本部長であります。ここに臨む市場長の決意を伺いたいと思います。

○村松中央卸売市場長 市場のあり方戦略本部は、市場の移転問題に関しまして、外部有識者によるこれまでの検証結果を集約し、事業の継続性や、お話の築地市場における過去の再整備事業の経過、また中止に至った経緯も含めて論点を整理いたしまして、庁内の検討組織として知事の総合的な判断材料を整えるという重要な役割を担っております。都民の理解と納得、豊洲、築地市場の課題、市場の将来的なあり方という戦略本部の三つのテーマは、市場問題の解決を図る上でいずれも重要な論点でございまして、大局的な視点で取り組んでいく必要があると考えております。
 中央卸売市場が都民の信頼を得て適切にその役割を果たしていくことができるよう、中西本部長の指示のもと、関係局との緊密な連携を図りまして有益な議論につなげるなど、精力的に取り組んでまいります。

○伊藤委員 ぜひとも市場長、この戦略本部は重要な会議であります。これまでのことをきちんと整理しながら、きょうこのパネルを使いましたけれども、どうか整理をしながら、この市場問題が前に進めるように、意味のある戦略本部にしていただきたい、このように思います。
 市場のあり方戦略本部においては、検証の成果を集約した上で、小池知事が総合的な判断を行えるようスピード感を持って取り組んでいただきたいと強く申し上げておきます。
 そのため、戦略本部では、点検する三つのテーマのうち、都民の理解と納得の観点から幅広い議論がなされるべきであると私は思います。我が党は、先立っての予算特別委員会、そして本特別委員会において、豊洲市場の見える化に向けて、まず一つ目は、市場の見学会をやるべきだと提案をしました。そしてまた、市場の大気の電光掲示板の表示です、先ほど申し上げたとおりです。豊洲市場の周辺の大気がどうなっているのか、それと近い値の地域はどの地域なのか、それを並列して電光掲示板で表示すべきだ。もう一つは、地下水の安全・安心、これを見える化すべきだ。この三つを、提案を行ってまいりましたけれども、この豊洲市場の見える化について、現在の検討状況について伺いたいと思います。

○有金中央卸売市場渉外調整担当部長 豊洲市場につきましては、法的、科学的な根拠に基づいた安全の確認はもとより、市場業者や都民を初めとした消費者の理解と納得による安心の確保、これが重要だと考えております。
 こうした認識のもと、今お話のありました見学会等につきましては、取り組みについて、今鋭意検討を進めているところでございます。

○伊藤委員 先ほどの、リスク管理上の追加対策を検討中、ここの部分もそうです。そして、豊洲の、市場の見える化です。都民に見えるように、見るのが一番ですから、目に見えるのが。そして、目に見えない空気や地下水だとか、そういうものについては工夫をすればできるわけですから、これ一刻も早く私はやるべきだというふうに思います。
 そして、最後に申し上げておきたいのは、先ほども申し上げましたこの豊洲市場、築地市場の問題については、これは都政課題の最大の課題なんです。市場がやっているからいいやじゃないんです。PTは総務局が所管しているからいいやじゃないんですよ。今大事なことは、オール都庁で--今の見える化についてもそうですよ、豊洲市場で、今、じゃあ都民の皆さんに見学会をしていただこう、それだけの人員が、人数が今の中央卸売市場にいますか、いないですよ。それだけの予算がどうなっていますか、ないですよ。それに対して財務局はどのように考えているのか、どのように一緒にやっていこうと思っているのか。この職員の配置についてだって、総務局でどう考えているのか。何かみんな人任せにして、なるように、なるように、そう考えていたのでは、私は解決しないと思います。
 いま一度、オール都庁を上げて、この市場問題を一刻も早く前に進められるように取り組んでいただきたい、私はこのことを全局長に申し上げて、質問を終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十二分休憩

   午後三時十一分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○あさの委員 私の方からもこの件に関して質疑をさせていただきますが、他の会派ともかぶっている部分もございますので、そこの部分については質疑を変更するか、もしくは省略しながら進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、我々東京改革議員団が百条委員会でさまざまな調査をさせていただきました。その中でわかってきたことというのは、今回の豊洲の移転に関して、東京都はその意思決定のあり方のところに非常に大きな課題を、問題を抱えているのではないかということが、私たちはその可能性を思っているところでございます。
 特に、これまでの交渉過程の中で、東京ガス等から提供された資料に基づけば、例えば、公印をつく書類と、あえて公印を使わずに確認を交わす書類といったように、東京都が実は文書開示の請求にひっかからないように文書を使い分けるといった交渉をしていたというような資料もございました。
 我々は、議会として、都側が提供した情報をもとに精査をし、時に判断をしていくというのが議会の役目であります。出してくる情報に偏りがあったり、あるいは隠し事があれば、当然のことながらその判断が変わっていく可能性がある。これからますます情報公開と、そして文書の保存が必要になる、そのように考えています。
 そういった中で、このことの発端となった豊洲の新市場への移転の問題、事ここに関しては、特にそういった観点で厳しく見させていただきたい、そのことを最初に申し上げます。
 まず最初に、先日の委員会で、この委員会に報告をされた内容について資料要求をさせていただきました。あり方戦略本部の会議における資料一切について提供してほしいという要求をいたしました。
 要求した私との調整の中で、都は、このあり方戦略本部の第一回目の会議は非開示で行ったため、資料については公開ができない、結論が出たところで会議内容とともに資料も公開するということでありました。
 でしたら、その資料そのものではなくてもいいから、どのような資料があったのか、タイトルだけでも一覧を出してほしいといってみましたが、それも非公開だと。じゃあ、どれだけの分量の資料があったか、つまり何枚、何ページにわたる資料があったかということを教えてくれないかといったら、それすらも非公開だといわれました。
 これで後々結論が出て公開されたとして、それが本当にその会議に提供された全ての資料であったのかどうか、我々はどうやって確認をしたらいいんでしょうか。公開された資料が全てだと、ただ信じろというのでしょうか。我々議会が、この公開された資料が全てであり、会議の中身が全て公開されたとどうやって確認できると考えているのか、まず見解を伺いたいと思います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 第一回本部会議につきましては、会議の今後の進め方やヒアリングの実施方法等につきまして率直な議論を交わしたところでございまして、こうした観点から、知事の訓示のもと、非公開で行ったところでございます。
 庁内の検討組織におきまして、政策形成過程の議論をする場合、通常、公開を想定しておらず、この第一回本部会議の内容につきましても、一定の結論が出た段階で公表することを考えてございます。
 なお、今後の本部会議につきましては、都政の透明化を進め、市場問題についての都民の理解を広げていく観点から、可能な限り公開に努めていくこととしております。

○あさの委員 今、これからは可能な限り公開に努めていくというご答弁をいただきました。私は、最初に申し上げたとおり、公開していくことはもちろん歓迎なんですが、同時に、それが本当に、つまり過去非公開であった部分が全て公開されたかどうかをどうやって確認したらいいのかということを伺ったんですね。
 正直申し上げまして、今、東京都、特に市場に対する信頼というのは、揺らいでいるどころか失墜しているんです。我々も、これまで議会の中で答弁をしていただいたこと、あるいは見せていただいたこと、先日の百条委員会の場でさえ、東京ガスから資料が提供されて初めて東京都にもその資料がありましたと出してくる始末、この状況の中で一体何を信じればいいのかといわざるを得ません。
 そこで、本来であれば、知事が今、改革本部を設置して、この情報公開に対しても積極的に取り組もうとしているのですから、市場のみならず、もちろん全ての局がその方向に協力するように常に頭に置いておくべきだと考えます。
 例えば今回、非公開で会議を行ったのであれば、後々の公開の際にその全てがきちっと公開されたことを担保するために動画で撮影をし、それを記録として残しておき、後々公開するなどといったやり方が考えられると思います。そういう、後であっても、時間が過ぎたところであっても、信頼をかち得るための何か方策をしていたのかどうか、確認をさせていただきます。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 会議に際しましては議事録をとってございますので、そちらも含めまして整理した上で公開させていただきたいと考えてございます。

○あさの委員 あらかじめ申し上げておきますが、先ほどいったように信用は失墜しているんだということを申し上げました。議事録をとっていることは最低限の話だとご理解ください。
 なぜなら、我々は百条委員会の場で、今、皆さんは現役の職員ですから、これから先、そういったことがないようにお願いしたいと思いますが、過去、職員であった方々が、重要な場面について記憶にない、覚えていないといわれたことを何度も経験しているんですね。議事録で残したとしても、その発言が、いやそれは記憶にないといわれれば、じゃあ議事録をとった人の聞き間違えなのかどうかといったこと、時間がたてば確認のしようがないんです。
 最も確実なことは、今申し上げたように、例えば動画など、あるいは最低限の音声を録音するなどして、確実にその人であるということが確認できる状況でデータを残しておく。そういったことをしなければ、今後、東京都の信頼が回復することはないんだと、まず思っていただきたいと思います。
 さて、この戦略本部は、各局さまざまなきょうお越しいただいている四局の皆さん方、局長、次長が参加をしております。先ほど申し上げましたとおり、今回の、私たち東京改革議員団の百条委員会でのさまざまな調査によって、東京都は、意思決定のあり方、特に責任の所在、これが曖昧になりやすいということがわかってきております。
 なので、ここであえて全ての局に確認をさせていただきます。
 この各局の局長、次長が参加している戦略本部、それぞれの局がどのような役割を持っていて、どこまでの責任を負うのか、具体的にお示しいただきたいと思います。政策企画局から順番にお願いをいたします。

○佐藤政策企画局政策担当部長 まず、戦略本部の目的でございますが、これまでのさまざまな検証の成果を集約しつつ、課題の総点検を行っていくこととしております。事務方の組織として、知事の総合的な判断に資する材料を整えることでございます。その目的を達成するため、戦略本部におきまして、局長、次長を初めとする私ども政策企画局は、中央卸売市場など関係局相互の連絡調整並びに戦略本部開催に当たっての各種準備作業の役割を担っているところでございます。
 これらを踏まえまして、政策企画局として、みずからの役割についてしっかりと責任を果たしてまいる考えでございます。

○池上総務局都政改革担当部長 戦略本部では、専門家会議や市場問題プロジェクトチームによる検証の成果を集約しつつ、その課題の総点検を行っていくこととしております。
 総務局は、全庁調整の一翼を担う立場として、また東京都専門委員及び市場問題プロジェクトチームの庶務を担っていることから、戦略本部に参加しております。

○岩瀬財務局主計部長 戦略本部におきまして、本部員でございます財務局長を初め財務局が果たす役割は、市場事業の継続性など長期的な収支を含めた多角的な検討、検証を行うことでございます。
 都民の理解と納得をいただけますよう、市場のあり方戦略本部設置要綱に基づきまして、その責務をしっかりと果たしてまいります。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 戦略本部は、本部長である中西副知事のもと、副本部長を中央卸売市場長が担い、政策企画局長、総務局長、財務局長を本部員としてございます。
 なお、必要に応じて関係局に参加いただくこととしております。
 中央卸売市場は戦略本部の事務局を担っておりまして、事務局長である次長のもと、豊洲、築地市場に係る外部有識者による検証結果の集約や諸課題の整理に関係局と緊密に連携しながら取り組んでまいります。

○あさの委員 今、関係四局の皆さん方からご答弁をいただきました。多分、聞いていた方々は、どこが何を担っているのか余り理解できなかったと思います。
 私は、このたびのさまざまな過去の交渉過程において、例えば土壌汚染の件で環境局がかなりの間、交渉窓口の中に参加をしていなかったり、必要な局があるはずなのに、必要な部署が参加をしていないということがあったように思います。
 まず政策企画局さんには、連絡調整担当として、必要であればさまざまな局を積極的に参加をさせることを、ぜひ自分たちの責任でやっていただくことを求めておきたいと思います。
 財務局には、今、財源の、そして継続性について、側面からの支援というようなお話がございました。市場が運営をする以上、市場会計のさまざまなことについては市場が責任を持つんだろうと思います。しかし、その役割において、都庁全体の財源、お金の使い方、そこに責任を持つ立場から、きちっと管理監督をしていただく、あるいは意見をしていく、アドバイスをしていく、その責任が参画している以上は財務にあるんだということはご理解をいただいて、果たしていただきたいと思います。
 総務局の方々は、全局調整の一翼を担うという総合的なさまざまなことをやるという形で、聞いているといろんなことをやりそうですが、実はここが一番責任の所在が見えづらい局になっていきます。
 正直申し上げて、今回既に設置されている市場問題のプロジェクトチーム、そして専門委員、この方々と、他の、これまであった質疑の中でも出ましたけれども、ここから先、いろんな動きが出てきて、そのたびに調整が出てくる。
 その際に、先ほどの答弁にあったような、自分たちの範囲はここまでだから、これはもうあと知りませんということがないように、全局調整の一翼を担うというのであれば、その責務を果たすために積極的に情報を収集し、その情報について把握し、各局との連携を図っていく、そういう役割を果たしていただけるように要望をしておきます。
 そして、市場は、あくまでこのことの当事者であります。各局は確かに市場に協力をする形でこの会議に参加をしているように見えますけれども、先ほど他の会派でもあったように、今この豊洲の移転問題というのは、東京都全庁挙げて、早期に解決をしなければいけない課題であることは明白です。その中で、市場は当事者として最も動きをとっていかなければなりません。
 その動きとは何か。ただ一つ、都民の信頼をかち得るという動きです。当初の質問にありましたとおり、皆さん方が、その信頼をかち得なければ、その後、どんなことを発表したとしても、それは知事が何を発表したとしても、都民が納得することに効果を得るまでに時間がかかり過ぎてしまう。まずは信頼を構築することが第一義なんだということを肝に銘じておいていただきたい、そのことを要望しておきます。
 さて、細やかな、この戦略本部については非公開ということですから、何を話したと聞いても、恐らく答えられませんといわれてしまうでしょうから、今後公開されることを期待し、プロジェクトチームの方の話に移らせていただきたいと思います。
 先ほど、アスベストの状況については質疑がありました。現状影響があるのかどうかということについて、状態が安定している、危険性が低いと認識している、そして、築地市場内では大気中のアスベスト濃度の測定を年四回実施しており、アスベスト濃度は敷地境界基準以下であることを確認していますというようなご答弁がございました。
 ですので、私はそこはかぶりますから、現状影響あるのかどうかについては省略いたしますが、では、このアスベストの課題も、都民から見れば非常に心配事になると思います。
 何度も申し上げますが、都民の納得、信頼を得ることが市場の非常に大切な役目であります。今回、市場も含めて、皆さん方が信頼をかち得るために、発信する情報の扱いというのは私は非常に気をつけていただきたいと思うんですね。
 その中で、今回、この委員会に報告をされた第六回目の状況につきまして見ると、アスベストに関しては、この第六回目、施設の耐震化及びアスベストの状況についてというところで、アスベスト対策工事を完了した箇所、アスベストが残存する箇所及び濃度測定実施状況とだけ書いてあるんですね。
 これが、普通に読んだ方はどうするのかというと、何か全部終わっていないのかなと、対策を完了したところもある、でもまだ残っているところもある、今濃度をはかっている、そういうことなんでしょうかと思うと思うんですね。こういう情報の出し方というのが非常に不安をあおることになるし、時にそういった情報が利用されていくことにつながると思います。
 そこで伺います。
 この当委員会の報告について、状況説明したという内容になっていますけれども、実際、第六回のプロジェクトチームの中では、専門委員の小島座長からも、改めて安定しているかどうかの確認もされています。どうしてそういったことをきちっとこの報告の中に入れていかなかったのか、伺いたいと思います。

○白川中央卸売市場事業部長 当委員会への報告に当たりまして、第六回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、アスベストの状況につきましては、主な意見、質疑事項として説明を行った旨の報告にとどめ、各委員からの意見や質疑が多かった耐震化の状況を中心に記載したものでございます。
 なお、第六回会議では、当局から、築地市場のアスベストに関しまして、過去に行ったアスベストの除去、また残存しているアスベストは安定しているか、密閉し、危険性が低いこと、さらに定期的に測定を行っていることなどを説明したところでございます。

○あさの委員 先ほど私が申し上げました責任の所在が曖昧だというのは、今のような形にもあらわれていくんですね。
 何がいいたいかというと、今ご答弁いただいたのは市場の事業部長でございました。この報告された資料、何て書いてあるか、これは総務局と書いてあるんです。別に答弁するところが総務局じゃないからだめだというつもりもありませんが、ただ、だとしたら、この中身について市場がしっかりとかかわっているというのであれば、プロジェクトチームの話ではあるけれども、卸売市場の名前も列記するなり、それが都民に対する信頼をかち得ることだよということを何度も申し上げているんです。
 後々になって、この紙の資料だけが残っていき、五年後か十年後かわかりませんが、その中でもう一回このことを検証し直さなければいけない、検討しなければならないといったときに、この紙資料を見た人たちは、全員総務局に話を聞きに行くんです。でも、中身については市場が知っています。そういう状況になっていくことが、後々いろんなことが見えなくなる。誰に責任があるのか、どこに問題があるのかというのを物すごく見えづらくしている。東京都の意思決定のあり方、物事の発信の仕方に大きな課題があると我々がいっているのはまさにこの部分なんです。
 今の部分、アスベストについても、簡単にいえば、そこは聞かれたら答えようと思っていた、そのような感覚に私は受け取りました。正直いって、これは何度も何度も、他の委員会でも私は、経済・港湾委員会でも、あるいはこの委員会でも申し上げたと思いますが、情報を出すときに、聞かれたら何でも答えますよっていうのは、相手側にも一定程度情報があって初めて成り立つ関係なんです。何も知らない人は何を聞いていいかもわからない、そういう状況にならないようにするためには、積極的に自分たちから、できるだけ正しく、できるだけ具体的に情報を出していくということを常にこれから先もやっていっていただきたいと思います。
 さて、今のようにさまざまに議事録を読み込んでいきますと、いろんな問題が出てまいります。先ほど他の委員からもこの私案について、築地改修案、豊洲移転案、座長が東京都専門委員の皆さん方とつくって発表して、そのことで、中身については私も正直さまざま疑問に思う点もありますが、これもどうやら他の委員の発言の答えを聞いておりますと、自分たちがつくったものじゃないから、責任ある答弁ができないといえば格好いいですけれども、答えるわけにいかないというような形になっているようでございます。
 そこで、まず伺いたいんですけれども、その中で、これは大規模改修をするという築地改修案があるんですが、議事録の中で、竹内委員ですかね、名前が載っているんですけれども、その中で、大規模改修の前提としての手続の不備、つまり、この仮設のものについて手続の不備があると。改善が必要である、これはもちろんそうなんですけれども、これ、もしかして、これがあると改修なんかできないんじゃないんですかということを何度か聞いているんですね。
 この改善が必要だということですけど、まずこの点の改善方法について、今回どうするかということも大事なんですけれども、あわせて一般的な行政指導、つまりほかの民間の方々がこういう手続の不備があった場合にどういう指導をされるのか、そして都として今後どういうふうに対応をしていくかということについて、伺いたいと思います。

○白川中央卸売市場事業部長 手続上の不備に対する一般的な行政指導といたしましては、まず特定行政庁が事業者に対しまして、建築基準法令への適合性について報告を求めるというふうに聞いております。
 一方、築地市場におきましては、平成三年からの現在地再整備の実施に当たりまして、仮移転先等を確保する必要から、仮設許可を得て施設を整備してきておりまして、再整備工事が中断された後も、引き続き築地市場の運営上必要がありますので、数度の許可手続を行ってきたところでございます。
 平成十七年五月以降、期限切れの状態にございまして、現在、是正に向けて特定行政庁と協議を進めております。
 今後は、是正に向けた方針を策定した上で、建築基準法の申請手続に必要な図面や構造計算書等につきまして、建設当初にさかのぼった資料の復元整備を行いまして、場合によっては補修工事を実施することとなります。

○あさの委員 一般的な行政手続のことを伺いましたが、私が仄聞するに、建築基準法上、違法建築というか、手続がちゃんとなされていない建築物の場合、それを後で改善しようとすると、基本的には一回その建物を潰せという指導をされると聞いています。
 つまり更地にして、新しくきちっとした手続をして建て直すんだったらいいけれども、既に違法状態になっているものを書類上のやりとりだけでいいですよって認めることは余りしていないというふうに聞いているんですね。
 今後の話ですが、今後、もしこれを市場側が何らかの手段で書類上の手続、あるいはちょこちょこっとした改修等で進められるようにしていったとするならば、これは特定行政庁、つまり建築関係を所管する東京都として、それが前例になるんだということは忘れないで覚えておいていただきたいと思います。
 つまり、これをただ忘れていたから、今からいろんな書類をそろえて、ただやりますといっても、それは民間の事業者の方々が同様な場合になったときに、同じ対応をすることを東京都として求められるんだということ。市場だからいい、ほかだからだめとならないようにしなきゃいけない。もちろんそうならないと思いますけれども、もしそれをやった場合には、少なくとも、見ている都民の方々は、何だ、内輪だったらオーケーなのかと、過去それで自分のところが改築できなくて結局更地にせざるを得なかったという方々が何でだと、何で俺らのときはだめで、市場だけよかったんだって必ず疑問に思うんだということです。これも信頼を損なう結果になるんだということを忘れずに覚えて、今後の対応は慎重に行っていただくことを求めておきたいと思います。
 さて、今度は第七回の市場問題プロジェクトチーム会議の件について伺います。
 第七回市場問題プロジェクトチーム会議において、今専門家会議が日程がちょっとおくれている。なので、ちょっとここは分離して行わなければいけないという発言が議事録の中にございました。この分離という言葉の意味について、まず確認をさせていただきたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 第七回市場問題プロジェクトチーム会議において、小島座長から、平成二十八年十一月十八日の記者会見で知事から示されたスケジュールを基本的には守っていくこと、それから専門家会議の審議、評価がおくれている部分については分離し、それ以外の部分については四月に報告書の素案を出し、五月に案を出し、取りまとめていく旨の発言がございました。
 豊洲市場の土壌汚染対策につきましては、専門家会議で出された結果についてセカンドオピニオンを行うこととしておりまして、これは専門家会議の報告を待って行うこととなるため、分離するということとなっております。

○あさの委員 これは移転案及び改修案というのを私案でつくられております。
 今、専門家会議は基本原則、移転する方向でできるかどうか、そのために本来やっておかなければいけなかった盛り土の部分が地下ピットになってしまっている、このことを何か改善することで、あるいは確認をすれば使えるのかどうか、そのことがもともと目的で再招集されたものだと私は認識しております。
 そこの出された結果を、報告をここだけ分離するというのは、つまりそれ以外の部分は進めていくということだと思うんですが、やはり土壌汚染の課題というのは非常に大きい課題なんですね、豊洲移転に関しては。もちろん、それ以外に経済性の問題だ何だと、大きな問題はありますけれども、土壌汚染のところがまさに都民の納得、不安を払拭しなきゃいけない、安心を得なきゃいけない部分なわけで、ここを分離して話を進めていくとすると、結果的に豊洲移転案だけをおくらせていく、比較検討ができるのかどうかといったことが私は正直疑問に思います。
 上手にやるんだということがあれでしょうし、これはどうするんですかと聞いても、専門委員の方々の判断だから、自分たちはあずかり知らないといわれても困りますので、あえて聞きませんけれども、一言だけ申し上げれば、この部分きちっと、ある意味専門委員は調査はしていいとは思いますけれども、最初から決め打ちのようにやるべきではないと私は思いますから、フラットにきちっと比較できるように、日程的にも配慮していただくように要望しておきます。
 さて、いよいよこの私案についてだけちょこっと確認しますが、まず豊洲移転案と築地改修案が発表されまして、もうこれは何度も聞いているのでさらっと聞かせていただきますが、発表した専門委員の小島座長ら、この人たちは、今回の発表に際して関係者の皆さんと事前調整をしていたのかどうか、どのようにしていたのか、伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 小島専門委員らは、知事からの委託事項について、専門委員としての判断のもと調査研究を行っており、総務局では、専門委員の調査報告内容については関与する立場ではございませんので、承知をしておりません。

○あさの委員 ね、同じ答弁でしたね。何度もいいますが、確かに、行政上のシステムでしょうから、専門委員の方々がやっていることに対して、局側が自分たちの判断で話をするというわけにはいかないというのはよくわかるんです。
 私が求めたいのは、せっかくこのプロジェクトチームのことを報告し、そして四月八日、我々に報告する前ですよね、報告に入って、質疑に入るもう十日以上前です。きょう、ちょうど十日前ですか。十日前にこれを業界の方々に発表している。
 その時点で、やはり庶務を担当している総務局としては、自分たちも議会に説明する責任がありますから、これこれのことについては教えてくださいと聞いておくべきだと思うんです。それが積極的な情報収集であるし、それが誠意ある報告をする、発信をするという姿勢なんだと私は思うんですね。
 今回、確かに具体的な中身の深い部分についてさらに掘り下げていくんだったら、そこは座長以下、専門委員の皆さん方に聞いてくれというならわかります。しかし、今の東京都のこれまで他の委員の方々への答弁も含めて都の姿勢というのは、基本的に自分たちがやるべき範囲はここだから、それ以外のことは答えませんと、これは行政としては正しい姿勢だと思いますが、事今回のこの件に関しては、じゃあどうしますかという話にどんどんつながっていくんですね。
 皆さん方は、ぜひとももっと積極的にきちっと情報を集めて、我々の質疑に一定程度答えられる、少なくとも皆さんもこれ見れば疑問に思うところは出てくると思うんです。私は今回これを見て、なぜ最初に業者さんだったんだろうと思いました。どうして所管局である中央卸売市場は知らないのかなと。もしかしたら知っているかもしれません。知っていたとしたら、どうしてこの話をいきなり公開の場で業者さんに説明するということを許してしまうのかなと、いろんな疑念が生まれるんです。そして、そういった疑問点が解決されないことが不安につながって、不信につながっていくんですね。
 信頼を取り戻すというのは、まずそういう、人が疑問に思いそうなところを一つ一つ埋めておく。その上で、都庁全体として、何度も申し上げますが、意思決定をしていく中で、自分たちの責任の範疇と、そして相手の責任の範疇だけれども、これはきちっと確認をしておかなきゃいけないということは、しっかりとお互いに意見をいい合っていただきたいと思います。
 今回のこのプロジェクトチーム、六回、七回、ご報告いただきました。そして、これからずっと話をまとめて、報告をまとめていくという話でございます。そして、そういったいろんな課題の集約を受けて、あり方戦略本部で一定程度の結論というか、判断に資する材料を集めて報告するんだということであります。
 私は自分の思いとして、この先何十年も使う市場であるから、ここ一カ月、二カ月、そこをしっかりと丁寧に確認をするということは、決して間違ったやり方ではないと思っております。
 しかし、一方でそのやり方を担う皆様方が、ただただいわれたことをやる、あるいは決められたことだけをやるというのであれば、この一カ月、二カ月が非常に無駄な時間になってしまう。せっかく待ってもらって稼いだ時間なんです。この時間を有効に使うためには、もっと積極的にいろんなことを集めて課題を検討し、情報を収集し、分析していくという作業をしていかなければ、とてもとても都民が納得する判断を下すだけの材料が集まり切らない。ですから、これからもしっかりとその部分についてご尽力いただきたい、そのことを強く申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

○曽根委員 私からは、プロジェクトチームの第六回及び第七回の会議に関連して何点かお聞きしたいと思います。時間が限られておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
 まず最初に、各会派の方から出た参考人質疑のことですけれども、我が会派としても、今回、形はともかく、小島私案という形で築地現地再整備案が出たと。この案の中身については、もっともっと吟味しなきゃならないと思いますが、ようやく出たかという思いがいたしますので、これは詳しく聞く価値はあるだろうし、この特別委員会にお呼びして、参考人として意見を伺ってみたいと、この点については異論はありませんので、この点については賛成です。
 ただ同時に、だったらば、私たちの委員会が担当しているのは、同時に専門家会議もあるんですから、私は二つの理由で専門家会議のメンバーも全員お呼びしたいなと。
 それは一つには、平田座長がおっしゃっている、豊洲の地下は科学的に見れば豊洲の市場は安全なんだというその根拠について、専門家としてどういう根拠でそれをおっしゃっているのかはぜひ聞いてみたいですし、それからこれに対して公開質問状も各団体から出されておりますので、これにどう答えるのかについてもぜひお聞きしたいと思いますので、そういう点では、私たちはあわせて専門家会議のメンバーについても、参考人として招致をすべきだというふうに提案をしておきたいと思います。
 私たち日本共産党都議団は--三月十九日に、昨年暮れに行った九回目のモニタリング調査の結果が確定値となりました。それは再調査の結果も九回目のモニタリングと同様の結果が出たからで、同じポイントから前回九回目は七十九倍のベンゼンが出たと、今回は八十倍から百倍の範囲で何カ所かのクロスチェックで同様の値が出たということで、九回目の値が暫定値から確定値になったということであります。
 このことを受けて、豊洲の地下にはまだ相当量の汚染が残っている可能性が高い、少なくとも汚染は消えていないということは明確でありますので、しかも今後恐らく継続的な調査がどうしても必要になってくると思いますが、濃度は上がってくる可能性は十分にあるという点からも、豊洲移転はもう困難であり、改めて豊洲移転をきっぱり中止して、築地の市場の再整備に本格的な検討をすべきだというふうに、既に三月中に知事に申し入れておりますので、この立場からすると、ことしに入ってから、ようやく初めてこの検討の中で築地再整備という具体的なプラン、アイデアも出てきたということから、やっと少しずつ公平な議論ができる、まだまだ不十分ですが、公平な議論ができる可能性が出てきたなということを考えております。
 それで、そのために幾つかちょっと質問したいんですが、まず、豊洲の土壌汚染対策について、第七回のプロジェクトチームの資料の中に、豊洲市場の土壌汚染対策、無害化された安全な状態の現状確認という資料がありました。
 三つの点で、無害化された安全な状態とは、土壌汚染対策を確実に行うこと、つまり建物下の盛り土はどうだったのか、これはなされていなかった。しかし、これは何らかの対策を検討中である。それから、操業に由来する汚染物質は全て除去、浄化されるべきだったが、全て除去、浄化することはできなかった。三つ目に、地下水中の汚染も環境基準以下になることであるというふうにいわれていたけれども、地下水中の汚染も全て環境基準以下にすることはできなかったと、三つの点で、無害化された安全な状態は達成されていないというふうに書かれております。しかし、専門家会議で対策を検討中であるというふうに記されております。
 それで、これについての基本認識なんですが、プロジェクトチームに出されたこの資料、三つの点での無害化された安全な状態にはなっていないという現状の確認についての基本的な市場の当局の認識をお聞きしたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都では、土壌や地下水の汚染状況について、詳細調査や絞り込み調査などを実施し、調査で把握したガス工場操業に由来する汚染について、汚染土壌の掘削除去や地下水の浄化など、法を上回る水準の土壌対策を実施してまいりました。しかしながら、目指してきた環境基準を守れていないのは事実でございます。
 一方で、専門家会議では、地下水管理システムの浄化を活用することで、将来、環境基準を目指すことは可能との見解も示されております。
 都といたしましては、こうしたことを踏まえ、今後必要な対策を講じてまいります。

○曽根委員 私たちは、既に十年前の二〇〇七年に、当時の福田内閣に対する我が党衆議院議員の質問主意書を提出しておりますが、これに対する当時の農水省からの答弁で、築地市場の移転を計画している東京都に対し、食の安全性や信頼が確保されるよう科学的見地に基づき万全の対策を講じるとともに、消費者等に対して対策の内容等について十分な説明を行い、その理解を得るよう求めているところであるというふうな答弁が出ており、この政府の立場がその後も一貫して農水省の基本的な認識、立場になっております。
 しかも、その後の土壌汚染対策法の改定に伴って、いわば土壌汚染対策法上の形質変更時要届け出区域の上に卸売市場が建つことそのものは法律上否定されているものではないが、その上で、東京都が汚染の除去の措置を行わず盛り土等のみを行った状態で卸売市場の用地とすることについて想定し得ないものというふうに認識しているとの農水省の見解が出ております。つまり、汚染対策をちゃんとやらずに盛り土等だけではだめですよと、法律上は認められたとしても汚染対策がいいかげんであればだめだという意味ですよね。
 この問題は、何がいいかげんなのか、何がちゃんとやったのかということになりますけれども、東京都の汚染対策がきちんと無害化された状態まで持っていっていないことは、先ほど部長がお認めになったとおりなんですよ。
 どこまでが許される範囲なのかというのは、最終的には都民の判断になります。法的には認められても、本当に消費者、都民の安心、そして信頼が得られるかどうか。ここが今問われているわけなんで、私たちは、その点でいうと、この問題で一番、今後被害を受ける可能性のある市場業者の方々の意見、意向がやはり最も尊重されなければならないだろうし、そして、そのことがまた都民全体の食の安全を守ることにもつながっていくだろうと思っております。
 その立場から質問したいんですけれども、まず、昨年、私、この委員会じゃなかったかもしれませんが、ただしたことがあります。国に説明する際の資料で、これは以前も取り上げた問題なんですが、昨年の春にですね、東京都がつくって、国の審議会、農政審議会ですね、の分科会に出した資料の中に二つ大きな誤りがあるということは指摘させていただきました。
 一つは、建物の下に盛り土がないということが図の中にも明記されていない問題。それからもう一つは、この説明書きの中に、ガス工場操業に由来する汚染土壌は全て掘削除去し、地下水は環境基準以下に浄化、さらに、遮水壁の設置や液状化対策などを組み合わせた総合的な対策と。汚染土壌は全て掘削除去と、操業由来のものは。この記述は、その後のことしになってからの九回目のモニタリングの測定結果、そしてそれが改めて検証された三月十九日の再調査結果が明らかになった時点で、当然ながら訂正されなければならないものであるというふうに考えております。
 盛り土がなかった問題は既にもう昨年の秋の段階で私聞きました。しかし、その時点で訂正されたかどうかのたしかお答えがなかったんですが、その二つについて、それぞれ訂正が国に対してきちんと行われているかどうかについてお答えいただきたいんです。

○山崎委員長 曽根委員、六回目と七回目、またあり方戦略本部、今回報告事項に対しての質疑でありますので、その点も踏まえて曽根委員の方でしっかり質問をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 よろしいですか。曽根委員、よろしいですか。外れていますからね。(曽根委員「外れていません、ここに書いてあります」と呼ぶ)外れていますよ。よろしいですか。(曽根委員「外れていません、後で説明します」と呼ぶ)

○金子中央卸売市場市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 主要な建物下に盛り土がなかった事実ですとか、地下水モニタリングの結果、専門家会議での検討状況など、国に対しては適宜説明を行っております。

○曽根委員 私は、その豊洲の国への報告の訂正については、豊洲市場の経営リスクについてという、これは第六回目のプロジェクトチーム会議の資料3で、豊洲市場のリスクについて書かれており、その中に食の安全・安心が維持できないリスクがあるよということがきちんと書かれておりますので、これに基づいて質問をしております。これ資料、現に出たものですからね。
 それで、その訂正がきちんと行われていたかどうかなんですけれども、何月何日にどのような形でちゃんと文書をもって訂正がされたかどうかを確認したいと思います。

○金子中央卸売市場市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 モニタリング結果の状況等々、必要に応じて資料等も活用しながら説明の方は行っているところでございます。

○曽根委員 日にちもいえない、文書も出したともいえないということは、何か連絡はしたかもしれないが、恐らく口頭とかそういう形だと思いますが、私は文書できちんと訂正をすべきだ、これは今後の、もし豊洲に移転した場合の、後で大きなリスクの原因になるかもしれない問題ですから、あのとき国にはちゃんと報告していないじゃないかということのないように、この点はきちんとやるべきだと思います。
 それで、私たちは、そういう点で豊洲移転というのは非常にやっぱりリスクが大きい。また、市場が、市場の業者の方々にとってみれば、去年の八月の末までは、大賛成した方もいるだろうし、渋々の方もいるでしょうが、ほとんどの市場業者の方は豊洲に移転することを決めて、腹を固めて、もう事前の投資もして、それで行く準備を進めていた、これは間違いありません、事実ですから。
 ところが、それからですよ、わずか二カ月前ですよね、それが移転の、オープンの。その間に大変なことが次々に明らかになって、それで、汚染が、もし市場がオープンした後に見つかったらどうなったかわからないぐらいの大変な問題が後で出てきたわけですよ。小池知事がモニタリング九回目までの結果を見た上でというふうな延期の理由を述べて延期したことは、判断としてはやっぱり正しかったといわざるを得ないと思います。
 それで、だったらば、豊洲移転ではなく、改めて築地で再整備はできないのかという議論が市場業者の方から出てきているわけです、現に。多くの方が、今それにやはり共感を持っていると。それは小島私案という、私たちにいわせればいろいろ意見あります、あの案もね。しかし、それに、私もちょっとインターネットで見たんですけれども、もうみんな涙を流さんばかりに喜んでその話を聞いたんです。(発言する者あり)もちろん反対の人はボイコットしたというんでしょうけれども。そういうやっぱり動きがあったということで、私はこの現地再整備案というのを、よりこの議会の中でも深めていく必要があるということで、改めてちょっと検証したいと思っています。
 第六回プロジェクトチームのこの資料の中には、築地再整備はなぜ頓挫したのかという問題提起があって、その中で三つの理由が書かれています。
 種地が確保できない、時間と費用がかかる、業界調整が難航、この三つの理由を挙げていますが、このプロジェクトチームの分析というのは、これは基本的に認識は一致しているでしょうか。市場当局にお聞きします。

○岡安中央卸売市場新市場整備部長 築地市場の現在地再整備は、事業を進める中でさまざまな問題が発生し、その都度見直してきた経緯がございます。昭和六十三年に策定した築地市場再整備基本計画は、築地市場が開場から五十余年経過し、施設構造が時代に合わず老朽化も深刻であることや、施設の狭隘、過密化が進んでいることなどを受け、築地市場での日常業務への支障を必要最小限にとどめて市場機能を強化することを目指したものでございます。
 この基本計画では、工事着工から完了まで十二年かけて計画敷地面積約二十三万平方メートルに延べ床面積約五十四万平方メートルの建物を再整備することとしておりました。
 次に、平成二年の基本設計におきましては、総事業費は約二千三百八十億円と試算されておりました。その後、平成三年に再整備工事に着手したものの、営業を継続しながら工事を進めていくという制約に伴い、工期が最低でも二十年以上に長期化することや、総事業費が約一千億円増加するという問題が明らかになり、最終的に再整備計画は頓挫することとなったものでございます。

○曽根委員 そうしますと、ここでいわれているように、費用が約二千四百億円から三千四百億円に膨らんだこと、工期は約十二年から二十年に延びざるを得なくなったことなどは、確かに大きな理由の一つだろうということになりますが、私は、いろいろ現地の業者の方とか当時の経験者からお話聞いていて、二つの点にやっぱり着目したんですね。
 一つは、仮設の市場の施設をつくっていますよね、あのときに一部。駐車場もつくりましたけど、扇形の外側の部分に仮設の市場をつくって、それ今も使っていますよね。あの部分であの扇形の外側にトラックが入ることが難しくなっちゃったという意見がもう圧倒的に多いんですよ。ですから、あそこで流通のトラックの流入が非常に阻害されたという、いってみれば、あの築地の市場の敷地内に種地がないために、いわば仮設をつくらざるを得なかった、外に種地がつくれなかったということが非常に決定的な弱点となったんじゃないかというふうに思いましたし、それからもう一つは、一千億円増加したことの中身が、これは民間資金でやる予定だった市場会館、二十八階建てのビルを市場会計の事業費の中に組み込んだことが、金額としては三千四百億円に膨らんだ大きな要因の一つじゃないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

○岡安中央卸売市場新市場整備部長 狭隘化などですとか過密化が進んだということで、そういうことに対する対策費として一千億円増加をしたということと認識しております。

○曽根委員 狭隘化、過密化の原因は、当時は、市場の業者の数が今よりはるかに多くて、大体千五百者、当時は合わせて千二百四十四者、今六百四十五者ですから、青果と水産を合わせて、約二倍の業者数がありましたし、取扱量も四割増しぐらいの量がありましたので(「小間数は変わってないから」と呼ぶ者あり)小間数は今変わっていないんですけれども、やはり当時過密の問題に、残念ながら外に種地をつくれなかったために頓挫するという大きな原因をつくったことは明らかだと思います。
 それで、今回出されている私案はそれとして、私は、今の条件で最も現実的な道を考えた場合、三つの点を考える必要があるんじゃないかと。
 その一つは、市場の現状を踏まえながら、二十年前に頓挫した轍を踏まないという点で、現在の事業者数や取引量を大幅にふやすような計画よりも、現状に即してできるだけ費用や工期を節約すること、そして、それによる市場業者や市場会計の財政負担を軽減させるという点、これが一点ですね。それから、市場業者の数や取引量から、現在の二十三ヘクタールの営業面積を大幅にふやさずに進めるんじゃないかという点。三つ目に、卸売市場として長期になれ親しまれてきた現在の建物の配置や構造を現状から大きく変えないで再整備を行うと、こういう方法をとった場合、部分的にブロック別に建てかえもしくは改修を行いながら、しかも、やっぱり種地は外につくる必要がありますので、私は、環状二号線工事に使った隅田川沿いの、今スペースがありますので、これをさらに広げるなど、東京都の責任でできるスペースもつくって進める方法はいろいろ検討できるだろうと。これはやっぱり多くの英知を結集しないとなりませんので、私個人の案は今の段階で出すつもりはありませんが、しかし、この英知を結集しないと、いつまでも豊洲に行けるのか行けないのか、そして、築地はもう以前検討したけどだめなんだというところで、繰り返すだけなんですね、議論を。
 したがって、議論を前に進めるためにも、築地再整備のプランを具体的に進めるためにも、これからの豊洲特別委員会での参考人質疑をぜひ行うべきだと思っております。
 それで、六回目のプロジェクトチームの会議の中で、築地の再整備の可能性について、四十ヘクタールの広さの土地は本当に必要だったのかということについての問題提起がされておりますが、今日の時点でも四十ヘクタールの、あの豊洲の敷地面積が、築地の市場移転にとって欠かせないのかどうかという点では、市場の認識はいかがでしょうか。

○岡安中央卸売市場新市場整備部長 当時、移転が考えられておりましたときにも、例えば流通のその場所ですとか、いろいろそういう駐車スペースですとか、荷さばき場ですとか、そういう場所が狭隘だったというお話がございます。現在においても、そういう部分でのやっぱり広さ的なものが必要だと、そういう認識でおります。

○曽根委員 認識の理由がちょっと、根拠が曖昧なんですけれども、現在市場の数も、市場業者の数も、取引量もやはり当時とはかなり違いますので、それを踏まえて、なおかつ四十ヘクタールが必要だという根拠は、東京都側でもしこの計画について進めるのであれば、当然ながら、根拠を持ったデータなり理由を示すべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
 それから、一方で、豊洲の建物や土地をどうするのかという問題は当然、築地の再整備案に伴って考えなきゃならない問題ですが、その前に、豊洲の施設の整備費、全体で五千八百八十四億円かかっていますが、これの返済というものはどういうふうに行われていくものでしょうか。

○長嶺中央卸売市場財政調整担当部長 豊洲市場の整備費につきましては、中央卸売市場会計の保有資金、国庫交付金及び企業債を充てており、企業債の償還につきましては、会計保有資金に加え、築地市場跡地の処分収入を充当する予定でございます。

○曽根委員 その企業債というのは、プロジェクトチームの会議録を見ますと、三十八年とか五十年という数字が出てくるんですが、こういう長期にわたって返済していくのが一般的なんでしょうか。

○長嶺中央卸売市場財政調整担当部長 豊洲市場整備のために起債いたしました企業債は、主に満期一括償還の十年債でございます。

○曽根委員 この満期十年の企業債は、例えば臨海副都心開発の事業会計のように、借りかえでもって三回ぐらい延長しますよね、開発の事業会計。こういうことは可能なんですか。

○長嶺中央卸売市場財政調整担当部長 借りかえにつきましては、具体的にまだ検討しておりません。

○曽根委員 私たちは、豊洲の建物については、小島さんの私案としては、取り壊して更地にした上で活用した方が高く売れるんじゃないかという、主に財政的な理由でそういう案が出されていますが、これが最善の案とは必ずしもいえないと考えております。
 ただ、ここをどうするかについては、まずは第一に、築地市場の再整備問題と私は切り離す必要があると考えます。なぜならば、築地市場の業者の方々が豊洲に行けば、築地の売却益でその赤字の半分は埋まるでしょうけれども、残り半分は築地市場の業者の肩にかかってきます。築地だけでは、もちろん豊洲だけではなく、十一市場の全業者にかかってきて、ここでいわれているように、その経営負担の増加リスクというのが重くのしかかってくるということがいわれているわけです。
 したがって、これを切り離す、築地の業者の方々に責任のない、豊洲の、私たちにいわせれば法外な費用でつくられた施設については、その活用や今後の対策については別個に検討すべきだろうと。そうでないと、この問題、常に業者の方々の営業や都民の食の安全を最優先に考えようと思っても、必ず六千億円どうするんだって話が条件としてつきまとってくると、本当の意味で都民の立場に立った判断が難しくなるから、切り離すのが一番だというふうに思います。
 もちろん、一定の時間はかかるでしょうから、そのためには企業債の十年返還を場合によってはもう少し長期に見通しを立てて、その中で、本当にこれが都民活用はどうすべきかについて検討すべきだろうということをぜひ今後も検討して、とにかく英知を結集して、築地残留という方向も具体的な案になるんだということをぜひ東京都として検討していただきたいことを申し上げまして、私の質問は終わります。

○おときた委員 私からは、報告事項について、重要な点に絞りまして端的に幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、第六回のPTにおきまして耐震工事やアスベスト対策が議論をされています。その際には専門委員から、営業しながらアスベスト対策工事をすることは可能ではないかとの旨が示唆され、また、後日提出された小島座長による私案では具体的な工法も示されています。
 一方で、複数の専門家からは、アスベストの粉じんを出さずに現地改修工事を行うことは極めて困難ではないかという意見が出されているとも聞いております。
 こうした議論を踏まえた上で、改めて、中央卸売市場の運営に責任を持つ東京都として現地改修によるアスベスト対策の実現可能性についての見解を伺います。

○白川中央卸売市場事業部長 営業しながら吹きつけアスベストやアスベスト含有材を撤去する場合、工事区画を密閉するなど、徹底した飛散防止対策が求められることから、売り場や通路を部分的に封鎖する必要が生じてまいります。このため、営業に支障を来すことから、相当困難を伴う工事となると考えております。

○おときた委員 今ご答弁の中でも、売り場の通路を閉鎖する可能性について言及がありましたが、私は昨年の決算特別委員会でも取り上げたように、現在の築地市場では、年間四百件近くの交通事故が発生しています。この状態で交通動線がさらに狭まることは、安全性の観点から看過できない影響を及ぼす可能性があります。仮に対策工事の検討が次に進むことがあれば、技術的な実現可能性だけではなく、こうした広義の安全性にも、くれぐれも留意をしていただきたいと思います。
 次に、同じく第六回PTで議論されました民間的経営手法の導入について伺います。
 第六回PTでは、かつてPFIの導入が頓挫した経緯について議論がされるとともに、民間的経営手法導入についての資料が示されるなど、今後の経営リスク軽減についても議論が行われています。
 そこで、改めて、かつてPFIが頓挫をした理由、そして民間的手法の導入について、都の見解をお伺いいたします。

○岡安中央卸売市場新市場整備部長 豊洲市場の整備に当たりましては、当初PFI方式の導入を検討しておりましたが、導入効果が見込めないことなどから直営方式へと見直したものでございます。
 具体的には、土壌汚染対策や地下水管理とPFIによる市場施設の整備運営が錯綜するという制約を受けることから、民間事業者による事業費の上乗せや追加費用の発生などが想定され、PFIによるコスト削減効果が見込めないと判断したものでございます。
 なお、第六回市場問題プロジェクトチーム会議において、今後の経営について議論がなされたことは承知をしております。
 中央卸売市場としましても、ガバナンスの確保や業務の外部委託化、維持管理費の節減などに取り組んでおりまして、今後も効率的な経営に努めてまいります。

○おときた委員 ご答弁の中で効率的な経営に努めていくとの発言もございましたが、市場の経済的な採算性、持続可能性は非常に重要なファクターの一つになっています。
 既に大阪市の中央卸売市場では、管理センター株式会社という民営の組織をつくり、市場運営の一部を委託する試みが始まっています。私も関係者にヒアリングを行いましたが、事業者で構成される組合などに比べてしがらみも少なく、非常にスピーディーで合理的な運営が可能になったという評判を耳にします。
 こうした先進例も踏まえて、市場移転に向けた建設的な議論が加速していくことを期待いたします。
 次に、第七回PTで発表された座長私案について、私の方からも確認させていただきたいと思います。
 専門委員の方々がそれぞれの見地から移転の是非についてアイデアを出され、それが多角的に検討されていくこと自体は否定するものではなく、情報公開の視点からは望ましい方向にもなり得ます。
 ただ、そこで、今回提出されている私案を見ますと、リニューアルではなくリノベーションであるとはいえ、これまで都が検討してきた築地再整備の計画と比べ、工期、費用ともに余りにもかけ離れているのではないかとの印象を持っています。
 改めて、この私案の立ち位置と、この私案を市場問題プロジェクトチームでどう取り扱っていくのかについて見解をお伺いいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 第七回市場問題プロジェクトチーム会議において示された案は、小島座長が市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けた検討素材とするため、専門委員として作成したものでございます。
 同会議において、次回の市場問題プロジェクトチーム会議で報告書素案を出して審議していく旨、小島座長より発言がございました。

○おときた委員 築地市場内で一部の仲卸事業者などに対する説明会なども行われておりましたが、あくまで検討素材であると理解をいたしました。
 繰り返しになるところもございますが、盛り土問題や土壌汚染対策などにおける都の一連の不手際により移転問題に対する都民不信が高まっていることからも、築地存続案を含めたさまざまな案を検討し情報公開していくことは必ずしも否定するものではありませんし、一つのやり方として尊重いたします。
 しかし、そうであれば、都民や築地の事業者に対して提供される各種の情報は、現実に即したリアルで誠実なものでなければなりません。
 例えば、この私案の中で、八百億円、七年間とされている金額、工期については、築地市場よりはるかに敷地が狭い大阪中央卸市場でも整備には十五年の期間と千三百億円近くの費用がかかっています。また、輪転計画については、以前にほかならぬ築地の事業者間で折り合いがつかず頓挫したという経緯もございます。
 現在地再整備には関係各所の合意と協力が必要不可欠ですが、座長私案の説明会は、主要六団体のうち五団体が参加を拒否しており、また、仲卸事業者も組合理事長は出席していなかったとも仄聞しています。
 加えて、豊洲に関しては、容積率の緩和などにより豊洲市場売却益を四千三百七十億円と見込んでいる点につきましても妥当性の検証が不可欠ですし、それならば、築地市場の売却においても同様の緩和条件を織り込まなければ単純比較することはできません。プロジェクトチームは、移転の是非を判断する権限を持たないとはいえ、各界を代表する専門委員たちが名を連ねた報告書には一定の影響力がございます。
 今後、報告書の審議に当たって検討していく際には、山積する課題を客観的に分析し、現実に即した提案として、専門委員全員の見解が記されたものが提出されることを期待いたします。
 最後に、今も触れました今後の取りまとめについてお伺いをいたします。
 いよいよPTのスケジュールも大詰めを迎え、ここから報告書の作成に取りかかるものと思います。繰り返しになりますが、PTは意思決定機関ではないとはいえ、その報告書には大きな意味を持ちます。通常の審議会などでは、多様な意見を持つ専門委員たちの最大公約数ともいえる意見が集約されるやり方が一般的であると思われますが、本PTの報告書はどのような方向性で取りまとめが行われる予定でしょうか。伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームの報告書の取りまとめにつきましては、今後、同プロジェクトチームでの議論の中でその方向性が決まっていくものと考えております。

○おときた委員 ご答弁から推察するに、現段階ではまだ未定であり、未確定であり、また総務局がその方法に介入することが難しいという、そういうことだと思います。
 報告書の取りまとめ方法については、それぞれの分野について各委員の意見をすり合わせたものを記載するのではなくて、担当となった委員がその分野について書く方法も検討されているやに仄聞をしています。
 ただ、仮にそうしたやり方がもし採用されますと、これでは一人の委員の私案のような考えがあたかもプロジェクトチーム全体の見解であるかのように都民に示される可能性があり、問題は小さくありません。専門知識や立ち位置の異なる専門委員たちが議論を尽くし、折り合い、納得できる部分で報告書の完成を目指すべきであり、次善策としても、仮に意見が異なる場合は同規模での両論併記が望ましいと考えます。
 さきに申し上げた座長私案についても含め、都民、事業者には、現実に即したリアルで誠実な情報が提供されることを期待、要望いたしまして、私の質問を終わります。

○小松(久)委員 市場問題プロジェクトチームは、所掌事項のうち、土壌汚染については二年間のモニタリング調査を受けての評価をセカンドオピニオンとして報告することとなっています。
 セカンドオピニオンというからには、何度も申し上げておりますが、専門家会議の検討を受けて、それに対する意見ということではなく、独立した見解としてまとめていただきたいと改めて述べておきたいと思います。
 プロジェクトチームは、環境対策の専門家だけでなく、市民感覚により近い知見を有する幅広いメンバーで構成されており、専門家会議とは役割の違い、視点の違いを発揮していただけるものと思います。市民の安全・安心への配慮や市場関連の事業者の意見、そして市場の経済的な持続可能性などの視点で開場についての諸問題を論じることを期待するものです。
 豊洲市場開場後の運営の問題や築地再整備案の検討も知事が総合的に行うとしている市場整備の判断の材料となることは間違いないのであって、四月八日に開催された市場関係者の意見を聞く取り組みも専門委員の活動として大変結構なものであると考えます。この成果も生かして報告書にまとめていただきたいと思います。
 以下、方向性を確認する意味で幾つかお伺いすることとします。
 液状化対策についてです。
 PT会議の液状化対策資料の最終ページに地下水の水位をあらわす地図が入っております。地下水の水位から何が読み取れるのか、液状化対策とどのような関係にあるのかお伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 市場問題プロジェクトチームの資料には、平成二十九年二月下旬時点の地下水位を示す資料をおつけしております。この資料は、地下水位の高さと地盤改良工事として行った液状化対策との関係性や地下水位が高い状態が液状化判定に与える影響について確認するためにおつけしたものであります。
 なお、このときに豊洲市場における液状化対策について、実際の地下水位に基づいて液状化判定の試算を改めて行った結果、大きな問題はないことが確認されております。

○小松(久)委員 今の答弁にもありましたが、地下水位が目標としていたAP一・八メートルを上回った時期は長く続きました。少しずつ水位は下がってきているようではありますけれども、この先、梅雨や台風のシーズンの到来など、予断を許さない状況です。これに伴って、液状化対策を強化する必要は生じないのでしょうか。お伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場における液状化対策について、実際の地下水位に基づいて液状化判定の試算を改めて行った結果、大きな問題はないことが確認されております。
 なお、都といたしましては、引き続き地下水位の適切な管理に努めてまいります。

○小松(久)委員 第七回会議では、建物敷地内と敷地外の液状化対策が異なっているとの説明でありました。どのように違っているのか、その理由など、この委員会でも説明をお願いしたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 液状化対策の目的は、想定地震動に対する地盤、構造物の機能確保であり、対策レベルは構造物の種類や重要度に応じて異なります。
 このため、建物下は、地盤の過剰な変位などによって構造物が補修、補強で再使用できない状態にならないことを目標にレベル二相当で液状化対策を行い、それ以外の液状化対策についてはレベル一とすることといたしました。
 なお、建物下以外の地盤の液状化について、市場問題プロジェクトチームの委員と協議し安全性を検証したところ、工事で十分に地盤が締め固められたことで、レベル二相当に対しても液状化の可能性が低い地盤となったことを確認しております。

○小松(久)委員 それでは、土壌汚染対策の評価についてなんですが、PTでは、専門家会議の見解案を受けてセカンドオピニオンを出すとのことなんですが、専門家会議の検討はモニタリング調査の再調査のために一カ月以上おくれています。しかし、セカンドオピニオンはおくれに左右されることなく、独自の見解としてまとめるとして、予定どおりの審議スケジュールで進んでいると考えてよいでしょうか。確認します。

○池上総務局都政改革担当部長 第七回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、小島座長から、専門家会議の審議、評価がおくれているため、その部分については分離せざるを得ない旨の発言がございました。それ以外の部分につきましては四月に報告書の素案を出し、五月に案を出し取りまとめていく旨の発言がございました。

○小松(久)委員 先ほどもありましたが、分離せざるを得ないということです。二年間のモニタリングによって環境対策が十分であったか、盛り土がなかったことによる影響をどのような対策でカバーできるかについて専門家会議は検討していると思いますが、九回目の調査で高い汚染値が出たことにより評価を一旦棚上げし、再評価を行い、その結果、環境基準を上回る汚染が残存していることが明らかとなったわけです。
 環境対策は十分ではなかったのであり、それにもかかわらず、専門家会議は、飲むわけではないから安全であるという見解を、まだ正式な報告書ではありませんけれども、そのような見解を出しました。提言した対策が盛り土といい、地下水位といい、達成していなくても、汚染が残っていても、もともとの目標が高過ぎたので下げてよしとすると、これはどう考えてもおかしいことだと思います。汚染が検出されても安全であるというなら、何のために再調査をしたのか、再調査の意味がなくなってしまいます。
 プロジェクトのセカンドオピニオンでは、達成できないからといって目標値、基準値を下げればよいという考え方をぜひとも打破していただきたいと思います。
 都民や事業者が望むのは、豊洲であろうと、築地であろうと、安全・安心の市場であります。座長が今回の第七回プロジェクト会合で示した土壌汚染に関する評価は、モニタリング調査の結果は目標に掲げた無害化された安全な状態を達成できていないとの評価であり、報告書もその方向でまとめられるものと期待いたします。
 豊洲を市場移転先と決めた当時の石原知事は、日本の科学の粋を尽くして徹底的に汚染除去を行うと約束しました。そのための対策を諮問された専門家会議は、除去方法とともに、除去し残して汚染が残ったとしても、盛り土とそして地下水管理でカバーできると提言しました。しかし、この約束は三つともほごにされたわけです。しかも、都は、盛り土については全て施した上で建設していると虚偽の説明をしていたわけです。
 今日の混乱の元凶は、石原元知事が汚染の地を市場の移転先に選んだことにあります。都議会は多数決で立ちどまらせることができませんでしたけれども、付帯決議により無害化された安全な状態で開場することを条件と課したわけです。無害化された安全な状態とは、環境基準以下にすることであると議会答弁がされています。この条件が満たされなかった以上、決議した議会として、豊洲移転を許すわけにはいかないと考えます。
 東京都は、科学の過信と都民への背信に真摯に向き合うべきであると申し上げて、では、築地再整備案についてです。
 PT会議では、築地整備がなぜ頓挫したのかについて、一、過大な再整備規模、二、業者間の互譲、譲り合いの欠如、三、当時の未熟な建築技術、これらを挙げ、今日では克服できるという小島専門委員の見解案が示されました。
 二〇一〇年にも特別委員会において築地再整備に関する審議を行っています。その最中に、特別委員会の結論の出る前に当時の石原知事が豊洲移転決断を表明し、明けての予算が一票差で可決、そして豊洲の土地購入に至った経緯は百条委員会でも改めて明らかになったところです。
 一番目の再整備規模が過大であったのではないかということについては、第五回PTの市場の持続可能性の質疑に関して、豊洲を四十ヘクタールに及ぶ大きな入れ物とした理由を伺ったところです。しかし、納得のいく答弁はいただけませんでした。取扱量が右肩下がりであるにもかかわらず、市場整備を計画するに当たり、豊洲市場において過大な規模とした理由、その考え方を再度お伺いしたい。
 その上で、今日の少子高齢化、水産物の需要の減少傾向を勘案して、取扱量に見合った計画に変更することは可能か、そして、その場合の規模は現在の築地の規模に比べてどのようになるとお考えかお伺いします。

○前田中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場におけます取扱数量は、平成十六年の豊洲新市場基本計画策定時に、それまでの取扱数量の推移を勘案した上で定めたものでございます。
 その後、築地市場の水産物や青果物の取扱数量は減少傾向にございますが、その要因といたしましては、国内漁業生産量の減少や市場外流通へのシフトなどのほか、駐車、荷さばきスペースの不足、加工等の新たな業務需要に対応できない、開放型施設であるため品質、衛生管理が難しいなどの課題が考えられます。
 豊洲市場では、こうした築地市場の施設上の課題を踏まえまして、目標取扱数量の実現に向けて充実した施設整備を図ったものでございます。

○小松(久)委員 前回と同じお答えでした。納得できるご答弁でないことを再度お伝えしておきます。
 また、今日の取扱量に見合った計画に変更することは可能かという質問への答弁はありませんでしたけれども、築地再整備案の検討に当たっては実情に見合った規模での検討とすべきであることも述べておきたいと思います。
 過去の築地再整備案が頓挫した二番目の要因として挙げられた互譲ですが、譲り合いについてです。
 関係者の望む市場はどのようなものであるかというコンセンサスづくりの努力が不足していたのではないかと思います。業者間が譲り合ってのコンセンサスがつくれるかどうかがポイントであり、結局、築地再整備が頓挫した一番の原因はそれであると思います。互譲の合意のためにどのように取り組むべきか、PTでもぜひ提言していただきたいと思います。
 また、解決のためのキーワードとして、種地の確保が挙げられています。二〇一〇年の特別委員会では晴海を種地とする案が示され、もともと生活者ネットは晴海移転を提唱しておりましたが、晴海を種地に築地再整備の可能性に期待したところですけれども、特別委員会での検討は打ち切られ、そして一票差にあらわれた議会の懸念も顧みず、豊洲移転に突っ込んだことが今日の結果となったと考えます。
 小島私案は、当時の再整備案の検討経緯も生かして、場内に種地を設けてローリングしていく案となっています。今では、晴海は種地としてはもう使えなくなりましたが、場外に種地を求める方法もあるかと思います。さまざまな案を検討していただきたいと考えます。
 豊洲市場では、建物の容量が大きい上にコールドチェーンの構築などで他の市場よりエネルギーに関する費用が多大にかかるとの説明でありました。築地再整備に当たっても、新しい市場として整備するからには、容量は見直して縮小するとしても、次代、次の世代の要請に応えて、閉鎖型の衛生的な市場として整備する必要があります。ランニングコストの試算も詰める必要があると思われます。
 プロジェクトに提示された現段階の案は私案のレベルでありますけれども、今後の詳細な検討に資する案であると考えます。築地再整備案を今後のプロジェクトの中で、プロジェクト案としてブラッシュアップしていくのかお伺いいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 第七回市場問題プロジェクトチーム会議において示された案は、小島座長が市場問題プロジェクトチームの取りまとめに向けた検討素材とするため、専門委員として作成したものでございます。市場問題プロジェクトチームの案となるのか、ブラッシュアップしていくのかといった専門委員の調査報告内容につきましては、総務局では関与しておりません。

○小松(久)委員 PTでの検討の推移を期待して見守りたいと思います。
 それでは、あり方戦略本部についてお伺いをしますが、最初の都知事の方針、スケジュールでは、専門家会議とPTの二つの会議体での評価、報告を受けて知事が総合的に判断するとのことでした。二つの報告を受けてさらに戦略本部が検討することとなった理由を、改めて確認したいと思います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 専門家会議では土壌汚染対策などにつきまして、それから市場問題プロジェクトチームでは建物の構造安全性や事業の継続性などにつきまして、それぞれ有識者により専門的見地から検証が行われております。
 新たに立ち上げました庁内検討組織であります戦略本部は、これらの検証結果を集約し、市場の将来的なあり方など残された諸課題を含めた総点検を行い、改めて課題を整理することで、知事の総合的な判断につなげていく役割を担っているものでございます。

○小松(久)委員 さらに決断が先延ばしにされ、市場関係者の宙ぶらりん状態が続くことで市場関係者の事業上の支障や心痛ははかり知れないものがあります。何よりも、今後の方針についての先が見えないことが最大の困り事であることは間違いありません。
 しかし、目指した目標を守れないから基準を下げるとは、行政がやってはならないことです。放射能の許容量を一ミリから二十ミリに引き上げた国と同様、歴史に残る行政の誤謬となるかと思います。できてしまったものは使うしかない、本当はここまで対策する必要なかったといわれて都民が納得するわけはありません。強引に開場したとしても、取扱量の見通しも過大ではないかとの疑義があるところ、市民の不信感が市場経営に影響を及ぼすことは必至であると考えます。
 新市場が都民の安全・安心にかなう場所として今後発展していくとは到底思えません。豊洲移転は白紙撤回を含む見直しが必要であるという提言をPTには期待するものであると申し上げ、質問を終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時四十六分休憩

   午後五時開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小松(大)委員 小松でございます。私からは、市場のあり方戦略本部について伺います。
 去る三月十四日から十六日までの予算特別委員会総括質疑を終えまして、翌週の二十七日月曜日の締めくくり総括質疑の直前に当たる三月二十四日金曜日に戦略本部の設置が突然発表されました。まさに寝耳に水という印象を持っています。予算委員会での議論をあえて避けたのではないかという思いすら感じています。既に専門家会議や市場問題プロジェクトチームがある中で、屋上屋を重ねるものであります。
 小池知事にとっても判断材料は十分にそろっていると考えるわけでありますが、まずこの戦略本部の設置の経緯について幾つかお尋ねします。
 市場のあり方戦略本部は、中西副知事を本部長としていますが、誰の発案で設置に至ったのか伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 市場のあり方戦略本部は、市場の移転問題に関するこれまでの議論を整理しまして、残された諸課題を大局的に検討して、知事の総合的判断につなげるために、知事の指示により設置された庁内の検討組織でございます。

○小松(大)委員 ただいまご答弁で確認されましたように、小池知事の指示によって設置されたわけでありますが、四月三日の第一回会議で知事による訓示を受けて、事務局は中西本部長からどのような方向性が示されたのか、また、どのような議論がなされたのか伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 中西本部長からは、市場問題は都政の最大の課題の一つであり、知事の訓示に基づき集中的に取り組むべきこと、また関係局が連携して、使命感を持って取り組んでいくよう指示がございました。第一回会議では、戦略本部の今後の進め方やヒアリングの実施方法等について議論を行ったところでございます。

○小松(大)委員 この四月三日の第一回会議で今後の進め方について、またヒアリングの実施方法についての打ち合わせをされたということでありますが、その後、開催はされたのでしょうか、また今後の予定はどうなっているのか伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 第一回戦略本部会議を開催して以後、第二回についてはまだ開いてございません。今後の日程につきましては未定でございます。

○小松(大)委員 全くスピード感がない。都民の期待するスピード感覚と違うということをまず申し上げたいと思います。
 戦略本部において、冒頭撮影がありました。知事がテレビでにこやかにお話しされていた様子を見ていますが、会議の議論過程については非公開でありました。この判断は誰が決められたのか伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 第一回本部会議は、知事の訓示の後、今後の会議の進め方やヒアリングの実施方法について、率直な議論を交わすために、本部として非公開としたものでございます。庁内の検討組織において政策形成過程の議論をする場合、通常公開を想定しておりませんが、今後の戦略本部会議につきましては、都政の透明化を進め、市場問題についての都民の理解を広げていく観点から、可能な限り公開に努めてまいります。

○小松(大)委員 今、本部として非公開としたというご答弁でした。ということは、本部長である中西副知事の了解のもとでの判断だったと理解しますが、よろしいでしょうか。
 知事は、情報公開を東京大改革の一丁目一番地に位置づけています。そして、それを多くの方が支持をしていると私は理解しています。それにもかかわらず、戦略本部の議事内容や配布資料がなぜ非公開だったのか伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、第一回本部会議は知事の訓示の後、会議の今後の進め方やヒアリングの実施方法等につきまして、率直な議論を交わすため本部として非公開としたものでございます。会議資料等を含めまして非公開としてございますけれども、一定の結論が出た後に公開する取り扱いというふうにしたいと考えてございます。

○小松(大)委員 今後は公開に努めていくというご答弁でありましたので、次の質問に移りたいと思います。
 第七回の市場問題PTで小島座長が築地市場再整備案を公表しておりますが、その小島座長の案について戦略本部は何かしら説明を受けているのか伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 現時点で説明は受けてございません。

○小松(大)委員 先ほど我が会派の川松委員からも話がありましたが、既にこの案は総務局のホームページからもダウンロードできる案になっております。市場関係者の方は毎日気が気ではない、そうした案なわけでありまして、説明を受けないままで、なぜここまで放置をしてこれたのか、そのことは私は非常に不思議に思うわけであります。
 なぜこれまでこの重要な、またメディアでも多く取り上げられている案について、正確に報告を受けないままで来たのか、理由をお尋ねします。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 戦略本部は、専門家会議、それから市場問題プロジェクトチームの検証結果を集約いたしまして、課題を総点検して、知事の総合的な判断につなげていくというふうに考えてございます。
 現在、市場問題プロジェクトチームの小島専門委員の案ということで検討が行われているというふうに考えておりまして、次回の市場問題プロジェクトチームで素案を検討され、その後、本案になって、当戦略本部に報告されるというふうに考えてございます。現時点では、専門委員の案という段階でございますので、その検討を見守っている状況でございます。

○小松(大)委員 先週、当委員会に報告された資料3を拝見しますと、市場のあり方戦略本部の位置づけとして、専門家会議や市場問題プロジェクトチームによる検証の成果を集約した上で、残された諸課題を点検し、総合的な判断につなげるための庁内検討組織として設置と書いてあります。
 そこで、この位置づけから、私が疑問に思うことを幾つかお尋ねさせていただきます。
 専門家会議や市場問題プロジェクトチームによる検証の成果とはいかなるものを指すのか、具体的に明らかにしていただきたいと思います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 専門家会議では、建物下に盛り土がなく、地下ピットとなっていた状況や、地下水モニタリング調査結果を踏まえた安全性の検証が行われ、現在、対策について検討が進められております。
 また、市場問題プロジェクトチームでは、豊洲市場の建物の構造安全性の検証や事業の継続性、築地市場の現状の課題等について整理が行われ、今後、築地市場の改修案についても議論されると聞いております。
 これらの検証の成果を戦略本部に集約した上で、残された諸課題について総点検を行い、知事の総合的な判断につなげてまいります。

○小松(大)委員 ただいまの答弁の中にあった築地市場の改修案というものは、小島座長の案を示すものなのか、また別のものなのか、ご回答いただきたいと思います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 小島専門委員が案として検討されておりますけれども、今後、市場問題プロジェクトチームの中で検討されるというふうに考えてございますので、その内容について申し上げてございます。

○小松(大)委員 これは先ほど、まずは素案だということをまとめていくということなので、そこから先のことについての案なんだろうというふうに理解いたしました。
 残された諸課題というふうにありますが、どのような課題が残されていると認識しているのか見解を伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 戦略本部では、専門家会議や市場問題プロジェクトチームで検討、検証されたことを集約した上で、残された課題を含めて総点検を行うことにしてございます。
 現時点で想定している事柄といたしましては、例えば地下水モニタリングの調査結果が環境基準を超える高い値が検出され、専門家会議において対応策が検討されていること、また付帯決議など都民との約束についての整理が必要であること、それから豊洲市場に移転した場合、年間百億円規模の赤字という収支見込みが出されておりまして、将来の市場の持続可能性について課題となっていること、また豊洲市場の使い勝手等の利便性の向上策、それから十一市場全体で見た市場の将来像、築地の土壌汚染の状況、また今後、先ほどご答弁いたしましたPTで議論されるでありましょう築地市場の改修案の実現可能性等について整理していく必要があると考えてございます。

○小松(大)委員 今、大きく七点ほど残された課題について挙げられましたが、私はもう少しあるのではないかというふうに思っています。本当に今、事務局の方で残された諸課題というふうに認識されているのはそれだけでしょうか、もっとほかにあればお示しいただきたいと思います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 ただいまご答弁申し上げましたのは、現時点で想定されている事項として申し上げました。今後、専門家会議であるとか、市場問題プロジェクトチームの方からさまざまな内容を報告いただきまして、集約した中で残された課題が出てくることもあるかと考えております。

○小松(大)委員 小池知事も今夏には判断したいというふうなお話がありますけれども、そういうことでは少しスピード感がやはりずれているのではないかというふうに思います。
 残された課題、大きく七点ありましたけれども、築地市場の再整備案については入るのか、入るとすれば、当然過去の市場特別委員会、東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会の検討結果ということについても活用することになると思うのですが、ご見解はいかがでしょうか。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 築地市場の現在地の再整備案につきましては、今後、PTで議論されるでありましょう築地市場の改修案の実現可能性について対象になっていくというふうに考えておりますし、またその際には、これまでの現在地再整備の議論であるとか、経過につきましても含めて整理していくことになると考えてございます。

○小松(大)委員 本当に大きな話なので、本来であれば、先ほど冒頭にご答弁いただく中に含まれるべきであったのではないかなというふうに思います。
 ほかにも私なりに七点ほど、これは残された課題として含まれているのかどうか確認しなければいけないなと思うことがございますので、今から七点申し上げますので、一つずつ確認しますと、時間が限られておりますから、七点、今から列挙させていただきますので、含むか含まないのか、イエスかノーでお答えをいただければと思います。
 まず、一点目は、市場の民営化について。
 二点目は、市場への指定管理者制度の導入について。
 三点目は、市場の衛生管理について。
 四点目は、市場の機能強化について。
 五点目は、築地市場跡地を通る環状二号線の整備工事について。
 六点目は、卸売市場法との関係の整理について。
 そして最後に、川松委員からも質問させていただきましたが、豊洲市場の整備に当たり受け入れた国庫交付金の取り扱いについて。
 このことは残された諸課題に含まれるのか含まれないのか、イエスかノーかでお答えいただければと思います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 今、七点の内容につきましてお示しいただきました。多くのものが築地と豊洲市場の課題の整理の中で求められる機能等の比較検討等の中で入ってくる、または築地市場の再整備の中で課題となってくるものもあると思っております。また、市場会計の持続可能性であるとか、豊洲市場の事業の継続性を検証する中で、さまざまな観点から議論を行っていく必要があるものも含まれているというふうに認識してございます。

○小松(大)委員 これは大きなテーマであるというふうに私は認識しておりまして、ただ、にもかかわらず、先ほどのご答弁の中に残された諸課題として挙げられていなかったので、イエスかノーかでお答えをいただきたいというふうにさせていただきました。
 これからの質問にもつながるテーマでもありますので、改めて先ほどの七点について、現時点で構いませんので、含むものなのか含まないものなのか、イエスかノーかでご答弁をお願いします。

○澤中央卸売市場次長 まず、一点目と二点目の民営化、指定管理者制度につきましては、大きく市場全体の会計の持続性、あるいは豊洲市場の事業継続性、そうした大きな観点から議論していくという形になろうかと思います。
 また、三点目、四点目、五点目、衛生管理や機能強化、あるいは環状二号線の問題につきましては、築地と豊洲のそれぞれの市場の課題整理の中で、特に環二の問題につきましては、築地の再整備案、そういった中での課題になってくるのかなというふうに思っております。
 また、六点目の法との関係につきましても、二つの市場のあり方、課題の中での整理になってこようかと思っております。
 それから、最後の七点目の国庫交付金につきましては、これも二つの市場の整備の方向性の中で当然会計に関係する部分でございますので、関係してくるというふうに考えております。

○小松(大)委員 全てイエスだという理解で、続いて質問を続けさせていただきたいと思います。かようにこの資料3の中には、残された諸課題を総点検するというふうに記載されているわけであります。点検するのでありますから、点検すべき対象である残された課題というのは、この時点で明確に示されていなければならないというふうに思うんです。
 四月三日からもう既に半月が経過し、移転の見送りの判断からは、もう八カ月が経過しようとしているわけであります。にもかかわらず、いまだに残された課題が整理されていない状態で、今からこの課題を総点検する、そうした表記があること自体、極めてナンセンスだと思います。これまでの時間を浪費しているだけとも受け取られます。
 この間にも豊洲市場は営業できないままに、一日五百万円もの経費を費やしているわけであります。貴重な時間とお金を無駄にしている。私も都議会議員として、都民や苦労を続けられている市場関係者にこの事実をどう伝えるべきか、この怒りをどこにぶつけてよいものか、複雑な感情にならざるを得ません。
 中西本部長は、この状態を容認されているのでしょうか。本人の方針や覚悟を直接聞かなくては審議が進まない、そのようにも思うわけであります。中西本部長出席のもとでの委員会質疑が欠かせないように現段階で思うということを、参加されている皆様方にお伝えしたいと思います。
 次に、戦略本部の検討事項について伺います。引き続いて、報告資料3から伺います。
 検討事項として、〔1〕、都民の理解と納得、〔2〕、豊洲、築地市場の課題、〔3〕、市場の将来的なあり方という三つのテーマが列挙されています。
 まず、〔1〕の都民の理解と納得とは、具体的にどのような意味でしょうか。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 都民や事業者に信頼され、安心して利用できる市場をいかにして実現するかがこの問題を考える上で重要でございまして、都民の理解や納得をどのようにしたら得られるかといった観点からの検討が必要であると考えております。
 例えば、豊洲市場の土壌につきましては、地下水モニタリング調査で想定よりも高い値が検出され、環境基準以下にするという都民との約束が十分に果たされていない現状にございます。
 こうした状況の中で、専門家会議で示された対策の具体化や、これらの取り組みのわかりやすく丁寧な情報発信など、どのようにしたら都民の理解と納得を得られるかという観点からの検討が一例として挙げられます。

○小松(大)委員 それでは、〔2〕、豊洲、築地市場の課題とは具体的にどのようなことを意味するのか、そして、〔3〕の市場の将来的なあり方とは具体的にどのようなことを意味するのか、あわせてご答弁をお願いします。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 まず、豊洲、築地市場の課題につきましてですが、豊洲市場と築地市場それぞれの課題につきまして、現地の状況、都議会での議論、専門家会議や市場問題プロジェクトチームでの検証結果を集約した上で、客観的にわかりやすく整理していくことを考えてございます。
 例えば土壌や地下水の状況、耐震性など建物の安全性、衛生管理の状況、物流などの機能面や事業の継続性など、さまざまな観点から整理を行ってまいります。
 また、市場の将来的なあり方につきましては、生産者から消費者に生鮮食料品が届けられる流通構造の全体について、市場外流通の増加などの大きな変化が生じているほか、消費者のニーズの多様化も指摘されるなど、市場を取り巻く環境は刻々と変化しております。
 市場の移転問題を考えるに当たりまして、こうした変化が市場会計の持続可能性や卸売市場に求められる機能に影響を与えるため、こうしたことを踏まえた課題整理を行ってまいります。

○小松(大)委員 腰を据えた議論をするのであれば、市場は生鮮食料品流通のかなめであるということから、有事の際には、その物流網を生かし、食料供給のライフラインとして位置づけることも重要であります。このような市場の多面的価値を日ごろから評価し、備えを固めていくということも極めて大切なことであります。論点の一つにしていただきたいと思います。
 もっとも戦略本部の議論で市場の将来的あり方が論点になることには違和感を覚えます。先ほどの川松委員の質疑でも若干触れましたが、五十年後、百年後を見通す必要も出てくる市場の将来のあり方というものと、早期決断を迫られている築地市場の豊洲移転と関係づける必要性について、あわせてここで議論するという必要性について疑問を覚えるわけであります。単に時間を延ばしたいというふうに思っているのではないかというふうに疑念を抱くわけであります。
 市場のあり方等を定めた第十次の東京都卸売市場整備計画がさきの第一回都議会定例会の常任委員会で報告されたばかりのタイミングで、なぜこの戦略本部を設置し、将来的なあり方を改めて論じなければならないのか、甚だ疑問であります。
 いうまでもありませんが、この計画は、小池東京都知事のもとでつくられた整備計画であります。改めて、後ほど整備計画との関係については確認させていただきます。
 先週、当委員会に報告のあった資料3に戦略本部のメンバーが記載されています。本部長として中西副知事、副本部長として中央卸売市場長、本部員として政策企画局長、総務局長、財務局長、事務局長としては中央卸売市場次長が挙げられております。
 副本部長として、中央卸売市場長は戦略本部でどのような役割を果たすのか、中西副知事からはどのような指示を受けたのか伺います。

○村松中央卸売市場長 戦略本部は、外部有識者による検証の成果を集約した上で、都民の理解と納得、豊洲、築地市場の課題、市場の将来的なあり方の三つのテーマから、諸課題を総点検し、知事の総合的な判断に資する材料を整える重要な役割を担っております。
 中西本部長からは、戦略本部においてしっかりと議論ができるよう関係局と連携を密にしながら、必要な情報の共有や諸課題の整理に精力的に取り組むよう指示がございました。

○小松(大)委員 ここで気になることがあるわけですが、戦略本部の副本部長としての市場長は、中央卸売市場を率いる事務方のトップでもあります。副本部長としての立場と中央卸売市場の事務方のトップとしての立場とが利益相反するのではないかという懸念です。
 例えば戦略本部の議論で築地再整備案を選択するなどとした場合、これまで費やしてきた豊洲新市場との利益相反について、当然、市場長としては卸売市場の利益確保を最優先に考えるものと思いますが、その見解を伺います。

○村松中央卸売市場長 中央卸売市場の使命は、生鮮食料品等の円滑かつ安定的な供給を確保するための基幹的インフラとしての役割を果たしていくことでございます。戦略本部としての議論は、こうした市場の役割を踏まえて行うものでございますことから、市場長としての立場と副本部長としての立場が相反するということにはならないと考えております。

○小松(大)委員 資料3に添付されている市場のあり方戦略本部設置要綱には、本部員の役割が明記されておりません。そこで、本部員のおのおのにお尋ねしたいところでございますが、時間の関係上、先ほど、あさの委員も触れられておりましたので、少しここは割愛させていただきます。
 続いて、総務局長に伺いたいと思いますが、戦略本部は、要綱上は行政職員で構成されていると聞いております。一方では、正式メンバーではない特別顧問が采配を振るうとの声も聞こえてきております。
 仮にそのようなことがあるとすれば、まさに都政のブラックボックスといわざるを得ませんが、戦略本部は設置要綱のとおり、行政職員での検討組織と断言ができますか、総務局長に伺います。

○多羅尾総務局長 戦略本部は、設置要綱上、行政職員で構成されるとされております。

○小松(大)委員 そのような答弁であるということでありますので、行政職員での検討組織というふうに理解して、次に質問を進めます。
 本部員としての財務局長は戦略本部でどのような役割を果たすのか、中西副知事からどのような指示を受けたのか、財務局長にお尋ねします。

○武市財務局長 本部員である私を初め、戦略本部の中で財務局が果たす役割は、市場事業の継続性など長期的な収支を含めた多角的な検討、検証を行うことでございます。こうした点を含め、中西副知事からは、都民の理解と納得を得られるよう、財政面から積極的に検証などの取り組みを行うよう指示を受けております。

○小松(大)委員 小島座長の案では、豊洲市場の開場で、六十年後、一兆一千億円の累積赤字となって市場会計が破綻するとの想定がされています。一般会計自体は六十年後も安泰なのでしょうか。高齢化に伴い福祉関係の支出が増加する中で、人口減少が同時に進んでいるわけであります。
 六十年後も一般会計は長期予測のもとで安泰だと断言ができるのでしょうか。人口構造や社会環境も変化するわけであります。まさに先が見通せないというわけであります。このような状況の中でどのように捉えているのか、財務局長にお尋ねします。

○武市財務局長 都政を取り巻くさまざまな課題、長期的な少子高齢化、ご指摘の点等ございます。そうした中で、中央卸売市場会計におきましても、また一般会計におきましても、持続可能性という点を十分に考慮した上で検討してまいる所存でございます。

○小松(大)委員 今のところは大事なので、掘り下げたいところでありますが、かように六十年という中でいけば、一般会計ももとより、見通すのは大変難しいわけであります。市場会計だけを取り上げて、破綻するだとか、そうした話が出ること自体、やはりおかしいのではないかというふうに思うわけであります。
 今、都政が議論すべきは、骨太の政策やそれを支える組織や財政のあり方であります。これらの議論が放り出されて、時間が浪費されているのは大変残念であります。ちゃぶ台をひっくり返すだけの五輪施設への対応しかり、都民の不安をあおり、市場業界を二分して、混迷に陥れただけの豊洲市場移転問題への対応しかり、これらに見られる惨状は嘆かわしいばかりであります。
 全ての問題の根源は、決断ができない小池都知事のガバナンスのなさにある、そのように認識しています。そういう意味で、政策企画局長、総務局長、財務局長には都政をしっかりと下支えをいただき、都政があらぬ方向に進まないように力を尽くしていただきたいと切に願うものであります。
 先ほどの資料に戻りますが、メンバーの記載の下に、テーマに応じて関係局も参加とありますが、このテーマとは具体的に何か、見解を伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 市場問題の諸課題を整理するに当たりまして、例えば土壌汚染対策への対応、都市計画法上の手続、環状二号線の問題など、多岐にわたる事項を整理する必要がございまして、必要に応じて関係局に参画いただくこととしております。

○小松(大)委員 あわせて、資料3の3、検討事項の中に、検討に当たり、業界団体、出荷者、消費者団体、スーパー、小売業界、物流業界等に対して集中的にヒアリングを実施とあります。現時点でこれらの業界とヒアリングの日程調整をしているのか、その際、職員の誰が業界と会っているのか、お尋ねします。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 現時点で具体的な日程調整は行っておりません。今後、ヒアリング実施の際には、本部事務局におきまして、各団体や事業者等と日程調整を行ってまいります。

○小松(大)委員 先ほども市場の移転問題は都政の重要課題だというふうにいわれました。そして、設置から半月以上がたっているわけであります。一体何人にヒアリングするつもりかわかりませんが、さまざまな方々にヒアリングをするわけでありますよね。四月三日から既に二週間以上が経過しています。毎日経費がかかっています。市場関係者の経営にも負担をかけています。余りにも遅い対応ではないかと思います。
 単に豊洲市場の移転の意思決定を先延ばしする、そのための意図を感じるわけであります。そうだとすれば、極めて悪質であり、改めて、いつ日程を調整し、いつからヒアリングを実施するつもりなのか、ここで問いただしたい、そのような思いに駆られております。
 時間もありますので、次に進みます。
 都は、卸売市場整備計画を策定するために、中期的なあり方を市場関係者と議論し、合意を得ながら、卸売市場審議会の場を通じて、内外に示してまいりました。にもかかわらず、今回、市場のあり方を戦略本部で検討することとしています。
 小池知事のもとで本年二月に策定した第十次整備計画との関係性はどう整理されているのか伺います。

○金子中央卸売市場市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本年二月に策定した第十次東京都卸売市場整備計画は、豊洲市場の開場が未確定であることなどから、豊洲市場に係る取扱量見込み等を含まず、必要に応じて適宜改定を行う暫定計画としております。戦略本部において、諸課題を検討し、知事の総合的判断が示された後に、必要に応じて整備計画の改定を行ってまいります。

○小松(大)委員 そもそも将来的な市場のあり方という長期的なものと、築地市場の豊洲移転という短期的な判断が求められるものと絡めて検討することに違和感を覚えます。昨年八月末に知事が移転延期を決定した際には、そこまで言及していない上に、ちょうどそのころ卸売市場審議会から整備方針第十次案について、知事宛てに答申もあったはずであります。
 そこで、本年二月に第十次整備計画が作成されたばかりであるにもかかわらず、卸売市場審議会の頭ごなしに戦略本部を設置したのは、やはり理解しがたい。小池都政のガバナンスはどうなっているのか、知事ならルールを無視していいのかとの怨嗟の声も聞くわけであります。どのような環境変化があって、戦略本部を設置するのか、改めて伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 市場の移転問題につきましては、これまで昨年の十月以降、専門家会議、それから市場問題プロジェクトチーム、それぞれの組織において、さまざまな議論、検討が進められて、それが進捗してきてございます。また、新たに課題として検討され始めることもございます。
 そうしたものにつきまして、戦略本部の方に集約いたしまして、改めて課題を整理し、知事の総合的な判断の材料をそろえていくという役割を担っているものというふうに認識してございます。

○小松(大)委員 ご承知のように、卸売市場審議会は、東京都卸売市場審議会条例に基づき設置されているもので、市場の重要な事項を審議する場とされています。我が党の鈴木章浩都議と河野都議とが委員になっております。市場のあり方について、議論の必要があれば、知事から卸売市場審議会に諮問すればよかったのではないでしょうか。
 審議会を初め、さまざまな会議体が既に存在する中で、今なぜ戦略本部を立ち上げる必要があったのか疑問に思います。市場の将来のあり方という重要な事項を取り扱う戦略本部の設置について、審議会には説明を行い、合意を図ることはしたのでしょうか、その判断は誰がしたのでしょうか、お尋ねします。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 現在、戦略本部を立ち上げて、鋭意検討を進めているところでございまして、現時点で審議会に対するご説明等はしてございません。

○小松(大)委員 審議会の方々からすれば、無視をされているというふうに思われてもいたし方ないと思います。
 戦略本部で今後検討が進むということでありましたが、戦略本部はいつ結果をまとめる予定なのか、スケジュールを伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 戦略本部の検討内容の取りまとめ時期につきましては未定でございます。現在、本部事務局におきまして、鋭意課題の整理を進めているところでございまして、今後、本部会議におきまして集中的に議論を重ねてまいります。

○小松(大)委員 四月三日の第一回会議で進め方についても議論されたというふうに答弁されました。しかし、ヒアリングはおろか、全体のスケジュールの見通しも立っていないわけであります。こんな進め方では、知事が示されているスケジュールにすら間に合うとはとても思えせん。
 戦略本部の検討結果は、専門家会議や市場問題PTと同様、逐次議会に報告すべきであると考えますが、見解を伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 先ほどご答弁いたしましたとおり、今後の戦略本部会議につきましては、可能な限り公開に努めるとともに、議会に対しましても報告させていただきたいと考えてございます。

○小松(大)委員 時間でありますので、最後に意見だけ、少しだけ述べさせていただきます。
 検討結果を議会に逐次報告するとの答弁をいただきましたが、もとより知事が推進する東京大改革の一丁目一番地とは情報公開でありました。都みずから非公開部分をつくり出しているようでは、東京大改革にほど遠いではないかというふうに思うわけであります。
 都民はガラス張りの都政を望まれて、そしてここにいる委員の多くもそのことに賛同していると思います。戦略本部の議論を全て公開の場で行うべきだというふうに意見を述べさせていただきたいと思います。
 また、重要な事項をテーマとする予定であったにもかかわらず、条例で設置された卸売市場審議会には諮問せず、なぜ戦略本部を設置して、その場で議論することになったのか理解できないということも申し述べたいと思います。
 市場関係者が委員に入っている審議会の場を活用すればよかったのではないか、こういう進め方が都の信用を失うことになっているということにいまだ気づいていないのか、そのようにお伝えしたいと思います。
 これらの点の判断や事情説明が副本部長以下で明確にご答弁できないのであれば、中西本部長に発言を求めるしか道はないと思います。本日の質疑を通じて、戦略本部には暗闇の部分、そして非常に遅いスピード感を課題として思っておりますので、我々はこのような戦略本部をしっかりと監視し、全容を解明していく必要があるというふうに改めて認識したところであります。
 よって、都議会自民党は、中西本部長の当委員会への出席を強く求め、最後に山崎委員長にお願い申し上げて、質問を終わります。

○中村委員 それでは、質問いたします。
 まず、第七回目の市場問題プロジェクトチームの会議に関して、今後のスケジュールと課題ということに関して質問したいと思っています。
 今、地域を歩いていますと、やはりこの問題、引き続き大きな関心を都民の方々も持っていらっしゃいます。もちろん報道は多くされてはいるんですけれども、都民の方々が、どちらにというのはなかなか難しいようなのですが、あるべき方向にきちんと進んでいるのか、きちんと都庁や都議会の方が議論していくのか、しっかりできているのですかというところにやはり大きな関心と、またそういった注文というか、指摘もされるところでもございます。
 そこで、今回改めて第七回の市場プロジェクトチームの会議に、知事が十一月十八日の記者会見で示した工程表、豊洲市場総合的な判断の工程表というのが示されました。これに基づいて今まではずっと作業をしてきたということで、変更したということは聞いてはおりませんが、こういったものを十一月十八日に発表した後で、地下水から環境基準を超える七十九倍の汚染が見つかり、その後、この暫定値が百倍ということで確定していったということではあったんですけれども、そういったいろんなことが起きているんですけれども、現在でもこの工程表に従って動いているというふうに考えてよいのかどうか、まず伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 第七回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、小島座長から、専門家会議の審議、評価がおくれているため、その部分については分離せざるを得ないが、それ以外の部分については、市場問題プロジェクトチームとしては、基本的に工程表のスケジュールを守っていきたいと考えている旨の発言がございました。

○中村委員 地下水から汚染が見つかったということがあったので、専門家会議が二カ月延びたということはわかりますけれども、またいろんな状況が出てくると思っています。この工程表がもとになっているのであれば、例えば今回市場のあり方戦略本部ができたということであれば、またそれがいろんな要素があるのであれば、それはそれで変わったということも含めて公開していくことが必要なのではないかと思いますから、一番ベースになる計画なり工程というのは、もちろんそんなに簡単に変えるものではないと思うんですけれども、そういったものがどうなっているかということはしっかりと示していただきたいと思っています。
 また、改めて工程表を見てみますと、専門家会議や市場プロジェクトチーム、環境アセスメントの審議を終えてから、総合的な判断として、移転をするかどうか判断するとあります。この矢印が、そうはいっても、移転をすると決めると、そのまま矢印どおり進むんですけれども、移転をしないという場合については、特に矢印がないので、どうなのかということは書いていないわけですから、大もと豊洲市場への移転に向けたということの工程表なんだというふうには理解はしています。
 さきの予算委員会では、そうはいっても、質疑の中で、豊洲か築地かと、二者択一だという話もあり、また今回、市場問題プロジェクトチームの中では、築地での再整備を議論していくというような話も出てきているようなんですけれども、そうであれば、今後、市場問題プロジェクトチームでは、築地の再整備と豊洲移転についてどのように議論を進めていく予定なのか伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチーム会議における審議内容は、小島座長を初め各専門委員が判断するものでありまして、総務局は関与する立場にはございません。
 なお、第七回市場問題プロジェクトチーム会議におきましては、プロジェクトチームの取りまとめに向けた検討素材として、小島専門委員から、これまでの審議における課題等が整理され、示されるとともに、次回の会議において報告書素案を出し、審議していく旨の発言がございました。

○中村委員 先ほどの工程表の中でも移転をしないという矢印はなかったわけなんですけれども、いろいろ変わってくることがあるのだとするならば、しっかりここは事務局として、内容等についてもしっかりと見ていただいて、全体へのつなぎもしなければならないのだろうと思っています。少し今回のこういった現在地再整備案というのは唐突感が当然あったわけですから、きちんと事務局として整理もしていただきたいというふうに思っています。
 さて、この市場問題プロジェクトチームは、知事が、二年間の地下水モニタリングをしていなかったことなどを理由に延期を決めたときに設置を決めたので、時間軸でいえば、その後に盛り土の問題が見つかっていたわけですから、先に市場問題プロジェクトチームの設置をされたときの目的の一つには、土壌汚染の安全性として、モニタリング結果を確認するということが書いてありましたが、今までの報告を委員会に受けていた中でも、それが議論されていたということではなかったようです。
 この設置の時間が逆にはなっているのですが、セカンドオピニオンということで、プロジェクトチームはいっているわけですから、専門家会議の検証を踏まえて、市場問題プロジェクトチームとしても地下水の検証は行うべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 土壌汚染の問題につきましては、豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議において検討を行うこととなっており、市場問題プロジェクトチームでは、専門家会議の報告が出された後、セカンドオピニオンを行うこととしております。
 なお、セカンドオピニオンにつきましては、小島座長から、専門家会議の報告における調査内容、対策工事などに関し、調査の手続、過程、対策工事の内容等について書面で確認を行うと聞いております。

○中村委員 地下水の問題等含めて、大変重要なところだと思っています。セカンドオピニオンというのは、もちろん専門ではない人が、もう一つ意見を聞いてみたいということもあるでしょうし、場合によっては、その意見が正しいかどうかということを確認することにもなると思いますので、大変重要だと思っています。
 ぜひしっかりと、これから検討会議はどの部分に入ってくるかということはわかりませんけれども、この件に関しては、都民の皆様に対しても対策を示す上で大事だと思っていますから、しっかりやっていただきたいと思っています。
 さて、プロジェクトチームの資料の中にもまた指摘もされているのですが、これまで議会の方でも、過去予算案を可決する際等にも、土壌汚染等の対策についても付帯決議を付すなど、議論も積み重ねてきました。移転に関して検討する際には、こうした議論をしっかり踏まえていくべきと考えていますけれども、見解を伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 今お話のございました豊洲市場用地の地下水につきましては、第九回モニタリング調査におきまして、環境基準を超える調査結果が明らかとなったところでございます。このため現在、専門家会議において現状の検証を行うとともに、必要な対策の検討が進められております。
 今後、戦略本部におきまして、こうした専門家会議の検証結果等を集約した上で、さまざまな課題を整理、点検し、知事の総合的な判断につなげていくこととしてございます。

○中村委員 都議会での議論を踏まえてというふうに話させていただきましたが、この間も本当に都民の皆様にとって、安全・安心であるということは何より大切だと思っていますので、そういった対策が本当にちゃんとできるのかどうか、そこはしっかりと取り組んでいただきたいと思っています。
 ただ、今回、市場のあり方戦略本部の方も新たに設置されて、その中に都民の理解と納得という項目も入っています。この市場の問題については、法的な基準の安全だけでは安心を得られないため、法的基準を上回る対策を求めてきました。しかし、盛り土の問題や土壌汚染など、法的基準という客観的な状況をつくっても、なかなか安心を得られなくなっているというような感じもしています。
 関係者、消費者、都民が本当に安心するためには、客観的な安全に加えて、安全という東京都そのものが信頼されることが大切だと考えています。
 都は、どのように関係者や消費者、都民の信頼を得るつもりなのか伺います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 都民や消費者に信頼され、安心して利用される市場をいかに実現していくかが、市場移転問題を考える上で重要な論点であると認識してございます。
 市場のあり方戦略本部におきましても、都民の理解と納得が検討テーマの一つとして位置づけられており、信頼される市場の実現に向け、これまでの取り組みの総括や都民への的確な情報発信を含め、課題整理を行ってまいります。

○中村委員 先ほど、あさの委員の方からも質問しましたけれども、見える形でということは本当に大切だと思っています。今、どのような順序で、手順で進んでいって、どういうふうな状態にあるのかとか、都民の方々も非常に関心を持っています。
 都の方が安全対策をきちんとやっていて、そういっていることを信用できるかどうか、特にこの間、盛り土の問題、汚染の問題、またいろいろありましたから、豊洲そのものが安全だと思っていただかなければ、なかなか信頼できないところもあると思っています。
 そのためには、信頼回復のためには、しっかりと手順を示し、説明し、公表していく、公開していくことだと思っていますので、今後ともしっかりと取り組みをしていただくことを求めまして、私の質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からも、第七回目の市場プロジェクトチームの報告について質問します。
 最初に、補助三一五号線高架下の液状化対策について、幾つか伺います。
 市場PT会議で、東京ガスのガス管、中圧管が入っているため、土壌汚染対策はAP四メートルより下の部分にある汚染は残っている、液状化対策も、ガス管から離れたところだけ部分的に対策をしたと報告されています。
 補助三一五号線高架下の液状化対策の内容と範囲について伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号線高架下では、ガス中圧管や既設の高架橋への影響が出ない範囲で、可能な限り締め固め工法による液状化対策を実施しております。その上で、液状化対策が未実施の区域が残っていることから、レベル二地震動により液状化が生じても、それに伴う噴砂、噴水が地表に噴出しないよう、必要な厚さの二倍の砕石層を設置しております。

○尾崎委員 では、液状化対策工事は、いつからいつまでで実施したのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 液状化対策は、平成二十五年十月から平成二十六年七月までの間で行っております。

○尾崎委員 液状化対策はしたけれども、ガス管、三一五号線の橋脚があることから、部分的な液状化対策にとどめたということです。砕石層の厚さを推定必要厚の二倍、百三十センチにしているということです。砕石層で液状化対策をしているほかのところでの実績はあるのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 三一五号線高架下では、可能な範囲で液状化対策を実施しておりますが、レベル二地震動により、地中で液状化が起きた場合でも、地表面への噴砂、噴水を防止するため、砕石層を設置しております。これは三一五号線高架下の道路用地を市場用地と同様に扱うことから、その特性を考慮した上で噴砂、噴水を防止するための方法でございます。
 具体的には、レベル二地震動による噴砂、噴水量を解析により推定し、必要な厚さの二倍の砕石層を設置したものであり、ここまでの対策を講じている事例は承知しておりません。

○尾崎委員 今のご答弁で、ここまでの対策を講じている事例は承知していないということでした。要するに実績がない対策だということだと思います。液状化が起きることを前提にして、それをレベル二地震動による噴砂、噴水に解析により推定し対策とするのは、極めて危険だといわざるを得ません。この対策はどこでどのような検討がされて、導入に至ったのか、重要なことですので、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 検討は市場において行っておりますが、専門家の先生にも確認して検討しております。

○尾崎委員 ここの液状化対策は、土壌汚染との関係でも極めて重要なものだと私は思っています。それにもかかわらず、市場で、そして専門家の話も聞いたということですけれども、ずさんだといわなければならないと思っています。
 二〇〇八年三月三日から八日に実施した道路用地内の試掘に伴う調査が行われました。補助三一五号線の橋脚位置の試掘のところの一カ所から木くず、タールまじりの土壌が確認され、ベンゼンが一リットル当たり四・四から四・五ミリグラムが検出されています。
 過去の調査で環境基準を超えて出ています。ベンゼンが千百倍、七百十倍、シアンが八百六十倍、七百倍、三百十倍など、それ以外にも数十倍の汚染も数多くありました。しかし、それらはどれもAP四メートルより深い位置にあります。対策は、AP四メートルより上部の土の入れかえとなっていますから、取り除かれていないことになります。
 豊洲市場予定地の中でも、極めて高濃度の部分が取り残されている箇所ということになります。こんなところですから、不十分な液状化対策であれば、液状化が起きることを前提に、起きた場合の対策をとることが求められるのだと思っています。
 これは念のために伺いたいのですが、先ほど指摘した三一五号線下部の対策がされていないAP四メートルよりも下の極めて高濃度の汚染が除去されているのかされていないのか、この点について伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号線高架下のAPプラス四・〇メートルから下の部分については、残念ながら汚染物質は除去しておりません。
 しかしながら、その上にはベントナイト混合土層やアスファルト舗装、そして先ほども申しましたように、百三十センチにわたる砕石層などを設置して、万が一噴砂が起こった場合でも、砕石層で吸収する、また汚染物質が上に上がってこないように封じ込め対策を実施しております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、ベントナイト層をやったり、砕石層を普通やる二倍もやっているんだという答弁ですけれども、大地震が起きて、水産卸と水産仲卸の通路に損傷が起きた場合には、大変なことになるのではないかと思います。
 補助三一五号線の下の建物で地表とのすき間が十センチというものがありますが、何かあった場合のこの底部の修理はどのように行うのですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号線高架下の連絡通路下の舗装部分は、通行に供するものではございません。そのため荷重がかかることはないことから、特にメンテナンスは必要としておりません。

○尾崎委員 豊洲の新市場の用地は、全体で四十ヘクタールと大変広大です。しかも、埋立地であり、地質構造も場所によって大きく違っています。東日本大震災では、東京で震度五強でした。五街区、六街区で百カ所以上のところで液状化が起こりました。液状化対策を検討するために、改良前の地質構造を八カ所で調査して、地質断面図を作成していますが、八カ所で調査した根拠について伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地では、市場用地全体の地層や地質を把握するため、既に百カ所を超えるボーリング調査が実施されております。こうした既存の調査結果を活用しつつ、八カ所の調査を行えば十分であると考えていたものでございます。

○尾崎委員 今回の特別委員会で資料要求しまして、出していただいた資料によると、東日本大震災のときには、六街区で発生した液状化の場合は、補助三一五号線に近いところでたくさん発生しています。
 そこで、東日本大震災のときには、補助三一五号線のところはどういう状況だったのか、液状化はあったのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 市場用地については、東日本大震災後に調査を行い、大小百カ所を超える噴砂があったことは承知しておりますが、道路用地である補助三一五号線部については、調査対象としてはおりません。しかしながら、補助三一五号線部分についても、必要な液状化対策を実施しております。

○尾崎委員 必要な対策は組んでいるんだということですけれども、東日本大震災のときの状況もわからない中での対策になっているということです。こんな広い豊洲新市場の用地で、八カ所の地質構造の調査は少な過ぎると私は思います。東日本大震災では、六街区だけで八十五カ所の液状化が起きているわけです。ですから、地質調査を追加で行うべきだったのではないかと厳しく指摘をしておきます。
 次に、建物周囲の盛り土ののり面に対して、埋め土した部分の問題についてです。
 私は、昨年十一月の経済・港湾委員会の事務事業質疑の中で、液状化対策について、のり面のところの液状化対策がどうなっているのかとただしました。しかし、質問に対して納得のできる答弁が余りされませんでした。
 そこで、改めて幾つか質問したいと思っています。
 最初に、盛り土部については、地下水位がAP二メートル以下を前提に対策をしていないのでしょうか。日建設計からは、地下水管理を前提としなくても、上層部の液状化しないとはいえないとの指摘、これは二〇一一年三月二十九日ですが、ありました。最終的には、どのような検討を経て、どのような対策をとることになったのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地では、APプラス二メーター以深で地下水管理をすることから、APプラス二メーター以深を対象に液状化対策を実施しております。また、盛り土の施工に際しましては、三十センチごとに転圧をし、適切に締め固めを行っております。

○尾崎委員 地下水位がAP二メートルで管理されているということが前提の液状化対策ですが、実際は、地下水は現在ほとんどのところでAP二・五メートル以上です。しかし、雨が降ると、たちまち地下水位が上昇してしまいます。この液状化対策では対応できないことになるのではないかと心配しています。
 次に、のり面は、盛り土をしている緑地や通路などと盛り土をしていない建物の下の境目をいいます。ちょっとパネルが小さいんですけれども、ここが建物の地下ピットです。そして、これが盛り土をしたところです。盛り土をしたところと建物のところは、のり面になっています。ここがのり面になっているわけです。ですから、主要な建物の周りは、全てのり面状況なわけです。そして、土どめ壁をつくって、その建物とのり面の間に締め固めした埋め戻しをするということです。
 こうなっているわけですけれども、私はこの間、建築の専門家だったり、土木の専門家の人にも話を聞きました。のり面のところで土どめ壁、L字型躯体を使うことは、通常あるということも聞きました。しかし、高さというのか、厚さというのか、私は専門家ではないのでわからないのですが、ここが五・五メートルあるわけです。
 専門家の方に聞きますと、L字の躯体が倒れないように、下にくいを打たなければ、この厚さ五・五メートルもあるようなものは危険ではないかと。これは単にブロック塀を置いているようなものだという話を聞きました。しかも、この下は砕石層になっているんです。
 そこで、質問したいわけですが、地下ピットと地面部分の境目には、L字型躯体が全て置かれているわけですけれども、阪神・淡路大震災のような直下型地震が起きても、埋め土が、ここですね、ここの埋め土が崩壊することはない、L字型躯体が傾いたり、移動することはないという根拠は何かを伺います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピットの側面壁は、壁及び底版で構成されるL字型の鉄筋コンクリート構造であり、みずからの重さ及び底版上の盛り土の重さによって、土の圧力を支え、安定を図っております。
 この側面壁は、日本建築学会の建築基礎構造設計指針に基づき構造計算を行い、施工したものでございます。同指針は、阪神・淡路大震災における宅地擁壁、のり面等の被災調査結果を参考に改定されたものであり、この指針を踏まえて施工することで、通常時及び地震時の土の圧力に対する安全を確保しております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁では、阪神・淡路大震災における住宅擁壁、のり面の被災調査結果を参考に改定されたもの、そして地震時の土の圧力に対する安全を確保しているということでしたが、これほど大きなL字型躯体の実績は、ほかに実績があるのかどうか、一般住宅とは比較にならないと私は思っているんです。
 そこで、ちょっと質問の角度を変えたいと思うんですけれども、底面の摩擦についても考慮しているのかどうか伺います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 先ほど答弁しました建築基礎構造設計指針に基づき構造計算を行っておりまして、そういう滑りだとか、沈下だとか、倒壊とか、そういう要素は全て考慮して構造計算を行っているというものでございます。

○尾崎委員 それでは、こういう五・五メートルを超えるL字型躯体は、建築工事標準仕様というもので対応できるのかどうか伺います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 この側面壁は、先ほど申しましたL字型の鉄筋コンクリート構造でありまして、その考え方、土の圧力を支え、安定を図っているという構造の考え方ということでは同じでございますので、それで計算しても全く問題ないと考えております。

○尾崎委員 それでは、L字型躯体のところで、この下に支えるためのくいは打っていないんですけれども、くいを打たなかった理由は何ですか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピット側面壁の設置面につきましては、液状化対策を施した地盤となっておりまして、必要な地盤の強度を有しているため、くいを打って支える必要はございません。

○尾崎委員 のり面の液状化対策について、のり面が崩れないようにするには、液状化対策と同時に、平常時でも土の圧力、そして地上のここはトラックが通る道路になっているわけです。荷物を積んでトラックが移動するわけですが、それでも崩壊しないように盛り土や埋め土の崩壊対策が必要だと思いますけれども、それはどのような対策をしていますか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 お話ののり面部におきましては、必要な液状化対策を行っております。また、そののり面は、工事施工中に一時的に生じたものでありまして、のり面があった箇所には、土を締め固めて埋め戻しを行っておりますので、たとえそういう車両が通ったとしても、崩壊対策が必要な状況ではございません。

○尾崎委員 その崩壊対策がL字型躯体次第ではないのかと思います。L字型躯体が建物外、五・五メートルのもの、厚さは、何十年間も問題なく支え切れるかという問題があると思います。
 この埋め土部分には、何らかの問題が起きれば、先ほど小さくて、ちょっとわかりませんが、埋め土したところには、これは五街区の青果棟ですけれども、雨水接続管などがあります。さまざまな下水道の管だとかがあるわけですが、この配管にも問題が起きてしまう可能性があるわけです。地面に凹凸となり、荷物の運搬、運送に影響が出ます。崩壊対策はなくてはならないものだと思っています。
 そこで、改めて伺いますが、地震で盛り土、埋め土が崩壊してきたときに、地下ピットの側壁が崩れないように対策が必要だと思いますが、今の設計、施工で問題ないとする根拠は何か伺います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 繰り返しになりますが、地下ピットの側面壁は、日本建築学会の建築基礎構造設計指針に基づき構造計算を行い、施工したものでございます。同指針を踏まえて施工することで、通常時及び地震時の土の圧力に対する安全を確保してございます。

○尾崎委員 それでは、改めて伺いますけれども、これと同じようなL字型躯体で、基礎もなく、高さ五・五メートルで対応している事例が実際にあれば教えてください。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 このような地下ピット部分にそういう土どめ壁としている事例というのは承知しておりません。

○尾崎委員 事例がないということは、やはりこれはさまざまな問題が起こる可能性も十分あるんだと思います。結局、崩壊対策が必要な状況ではない、対策も、先ほどの答弁を聞いていますと、一般的な宅地擁壁に基づくもののように思われます。これで安全を確保しているといい切るのは危険ではないかと思います。
 二〇一一年三月十一日の東日本大震災では、液状化対策を実施したとされた産技研でも液状化しました。地震により、共同溝と建物の接続部で破損が起きています。
 豊洲市場用地では、下水道施設が埋め土内に支えられていない、これはくいがないんです、ここの下にくいがないんです。ここに埋め込まれているという状況だけの下水道管の施設などがあるわけです。こうした問題がより起こりやすいのではないかと危惧するわけです。そこで、見解を伺います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 豊洲市場では、敷地全体に液状化対策を実施しており、その上で配水管と建物との接続部には、フレキシブル管を設置し、地盤の沈下等による破損対策も行っております。

○尾崎委員 豊洲の建物の周囲の下水道配管施設は、先ほどもパネルで示しましたけれども、くいのない状況です、支えがないんです。震災が起きなくても、平時の状況でも沈下の危険があるわけです。
 建物下はレベル二、建物下以外はレベル一になっているということですけれども、全体をレベル二にしなかった理由を伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 液状化対策の目的は、想定地震動に対する地盤構造物の機能確保であり、対策レベルは、構造物の種類や重要度に応じて異なります。
 このため、建物下は地盤の過剰な変位などによって、構造物が補修、補強で再使用できない状態にならないことを目標に、レベル二相当で液状化対策を行い、それ以外の液状化対策については、レベル一とすることとしております。
 なお、建物下以外の地盤の液状化について、市場問題プロジェクトチームの委員と協議し、安全性を検証したところ、工事で十分に地盤が締め固められたことで、レベル二相当に対しても液状化の可能性が低い地盤となったことを確認しております。

○尾崎委員 もともと東京ガス豊洲工場跡地は、高濃度の土壌汚染が取り残されています。卸売市場を開設するにはふさわしい土地ではありません。それに加えて、きょうの質疑を通じて、三一五号線の下には高濃度の汚染土壌が取り残されているにもかかわらず、液状化対策も十分ではないことが確認されました。また、建物と盛り土の境界部分の埋め土についても、対策が十分だと都の説明を得ることはできないようです。
 都が豊洲新市場への移転をきっぱりと中止して、都民、専門家の英知を集め、市場関係者の合意を得ながら、本格的な現在地再整備の検討に踏み出すことを求めて、質問を終わります。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午後六時二十四分休憩

   午後七時開議

○山崎委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 参考人招致に関する理事会の協議結果について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、小島敏郎市場問題プロジェクトチーム座長を参考人として出席を求め、意見を聞くことを申し合わせました。
 お諮りいたします。
 本件は、理事会の協議結果のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 なお、参考人招致の詳細につきましては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時一分散会

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