豊洲市場移転問題特別委員会速記録第十四号

平成二十九年三月二十四日(金曜日)
第十二委員会室
午後一時三分開議
出席委員 二十三名
委員長山崎 一輝君
副委員長上野 和彦君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長酒井 大史君
理事伊藤こういち君
理事尾崎あや子君
理事和泉 武彦君
理事あさの克彦君
理事田中たけし君
理事崎山 知尚君
小林 健二君
小松 久子君
栗林のり子君
菅野 弘一君
おときた駿君
松田やすまさ君
中村ひろし君
島崎 義司君
桜井 浩之君
三宅 正彦君
かち佳代子君
曽根はじめ君
宇田川聡史君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事新市場整備部長事務取扱福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
事業支援担当部長西坂 啓之君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務金子 光博君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
移転支援担当部長長田  稔君
新市場整備調整担当部長井上 佳昭君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長赤木 宏行君
基盤整備担当部長村井 良輔君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設技術担当部長吉野 敏郎君

本日の会議に付した事件
豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う。
報告事項
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第五回)について(説明・質疑)
・第九回地下水モニタリング調査の経過等について(質疑)

○山崎委員長 ただいまから豊洲市場移転問題特別委員会を開会いたします。
 これより豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 それでは、理事者から「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第五回)について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○松永中央卸売市場管理部長 私の方からは、お手元の資料「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第五回)についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただき、一ページをごらんください。平成二十九年三月十九日、築地市場講堂において、十二時三十分から十八時四十二分まで開催いたしました第五回専門家会議についてでございます。
 まず概要についてでございます。
 地下水モニタリングの再調査結果及び過去のモニタリング調査の実施状況などを中心に議論いたしました。
 次に、再調査の概要についてでございます。
 第九回地下水モニタリングにおいて、基準値の五倍超えの結果となった地点を中心に、ベンゼン、シアン、ヒ素を対象に、二十九カ所の井戸について調査を二回実施いたしました。
 パージ、採水は、原則として、地下水の懸濁を生じにくい低流量ポンプを使用し、パージ当日に採水いたしました。ただし、復水状況等によって、翌日採水した箇所もございます。
 なお、分析に当たっては、四社によるクロスチェックを行っております。
 二ページをお開きください。再調査の結果についてでございます。
 再調査結果の概要は、表にお示ししているとおり、第九回地下水モニタリングにおいて最も高い値であった五街区のベンゼン七十九倍を検出した箇所については、再調査では八十倍から百倍、六街区のシアン十二倍を検出した箇所については、八倍から十四倍の結果となっております。
 専門家会議による評価でございますが、再調査により得られた観測井戸二十七カ所のベンゼン、シアンまたはヒ素濃度から見て、第九回地下水モニタリングによるこれらの観測井戸の分析結果は、妥当な濃度であると判断され、結果の取り扱いについては、暫定値から正式な値とする。ただし、パージ水を分析した箇所は、国のガイドラインの採取方法にのっとっていないため、結果を不採用とするとされております。
 三ページをごらんください。第一回から第九回の地下水モニタリング調査の作業内容についてでございます。
 二月二十日から三月十六日にかけて、これまでのモニタリング調査の受託事業者七社に対しまして、採水や分析等の状況を書類や写真で確認し、専門家会議メンバーがヒアリングを実施いたしました。
 ヒアリングの実施状況は、表にお示ししているとおりでございます。
 専門家会議による評価でございますが、各回、各街区によりパージ、採水、分析の各作業方法などに差異は認められるものの、一カ所を除いて、いずれもガイドラインにのっとって行われていたと判断される。パージ後に地下水位が回復した後の静置時間の違いなど、採水等の状況の差異による分析結果への影響は軽微であったと思われる。
 第一回から第八回地下水モニタリングにおいて、採水した地下水試料に懸濁物質が多く含まれていたとき等、分析値にその影響が出るのを防ぐために、地下水試料を再採水し、その試料の分析結果を報告値とされている地点があることが確認されたが、再採水の際の作業の方法には問題はなかったと判断する。第一回から第九回の地下水モニタリングについて、分析結果は有効であると判断するとされております。
 四ページをお開きください。第九回地下水モニタリングで基準値を超過する井戸が急増した原因についてでございます。
 専門家会議による評価でございますが、ページ中ほどをごらんください。
 APプラス二メートル以深の帯水層に部分的に存在する透水性の低い土壌の間隙水にベンゼン、シアン、ヒ素が含まれて残存しており、地下水管理システムの稼働によって、この間隙水が透水性のよい部分に移動してくることによって地下水基準を超過する状態になったという可能性が考えられる。
 土壌中のベンゼン、シアン、ヒ素が溶出しやすくなるケースとして、これらの物質と油分とが共存するケースも考えられる。地下水管理システムの稼働により帯水層中に残存していた油分の移動が生じた場合には、油分の移動先の土壌にわずかに残存していたベンゼン、シアン、ヒ素の溶出が増加し、地下水基準を超過する状態が生じたという可能性もないとはいえない。
 第九回地下水モニタリングにおいてベンゼン及びシアンが地下水基準を超過した観測井戸の大まかな分布は、濃度レベルは大きく下がっているが、詳細調査で高濃度の地下水汚染が検出された地点の分布と相関性のある分布を示していることから、土壌汚染調査や底面管理で把握できずに土壌汚染対策後も局所的に土壌汚染が残存していた可能性があると考えられるとされております。
 五ページをごらんください。地下ピットがある状態の評価とリスク管理上の対応策についてでございます。
 専門家会議による評価でございますが、地下ピットがある状態におけるリスクにつきましては、三点お示ししてございます。
 地下水経由のリスクは、豊洲市場において地下水の飲用その他の利用は予定されていないため、問題は生じないとされております。
 汚染土壌の直接摂取によるリスクは、建物部分は地下ピット部の床面が敷きならしコンクリートまたは厚さ五十センチメートルの砕石層となっており、建物以外の部分は厚さ五十センチメートル以上盛り土されているため、汚染土壌の直接摂取の可能性はなく、問題は生じないとされております。
 室内空気経由のリスクは、地下ピット内にたまった水にわずかに含まれる水銀が気化し、換気のない地下ピット内の空気中に滞留することが確認された。建物一階部分の空気で水銀が検出されておらず、地下ピット内の空気が建物一階部分に侵入している可能性はないと考えられるため、現状において問題は生じないと考えられる。
 将来について、建物一階部分の床面等にひび割れが生じたりし、地下ピット内の空気が建物一階部分に侵入する状態が発生する可能性を考慮すると、地下ピット内に滞留した水銀を含む空気が建物一階部分に侵入または地下ピット内の空気中の水銀が建物一階部分の空気中に拡散してくる可能性が考えられる。この場合、地下ピット内の空気中の水銀濃度が現在測定されているレベル以下で維持されれば問題が生じることはないと考えられる。
 ベンゼン、シアンについても、地下ピット下の地下水で地下水基準超過が確認されたことから、地下水から揮発して地下ピット内の空気中に滞留する可能性があると考えられるため、将来については水銀ガスの場合と同様のリスクを考えておくべきである。この場合も、地下ピット内の空気中のベンゼン、シアンの濃度が大気環境基準、吸入に対する参照用量を超えないレベルで維持されれば問題が生じることはないと考えられるとされております。
 六ページをお開きください。リスク管理上の対応策についてでございます。
 リスク管理上の対応策として、地下ピット内における対策やモニタリング等による管理について議論されました。
 具体的な対応策については、さらなる調査の結果や議論を踏まえて、今後検討していくこととなっております。
 考えられる対応策の主なものとしては、水銀等の地下ピット内への侵入防止策として、床面に遮蔽効果のあるシートや膜を敷設すること、床面の下に換気層を設け自然換気または強制換気。地下ピットの空気中水銀濃度の上昇防止策として、自然換気や機械換気などの換気、浄化装置による地下ピット内空気の浄化。建物一階部分の空気中水銀濃度の上昇防止策として、建物一階部分の機械換気の強化、浄化装置による建物一階部分の空気の浄化。その他といたしまして、地下水に関する対応策として、地下水管理システムの機能強化について検討することなどが挙げられております。
 次に、地下ピットの排水についてでございます。
 平成二十八年十二月十三日より排水を開始し、平成二十九年一月五日には、ならしコンクリート下まで水位は低下しており、現在も、復水の状況に即して排水を継続しており、ピット内の地下水位の上昇は見られません。
 水位と排水量につきましては、表にお示ししているとおりでございます。
 七ページをごらんください。地下ピット内の空気測定につきましては、床面の清掃が完了したため、換気後、測定を実施中でございます。
 また、補助三一五号線高架橋下の空気の測定につきましては、平成二十九年一月七日より、アスファルト舗装下の砕石層を換気五日間、測定二日間の一週間のサイクルでこれまで十二回実施し、現在も実施中でございます。
 換気後の測定結果は、六カ所の測定地点で、全て基準値以下となっており、封じ込めの効果と換気の有効性が確認されております。
 八ページをお開きください。ここからは参考資料でございます。
 まず参考資料1、再調査における地下水質分析結果でございます。再調査地点の図と一覧表をお示ししております。
 九ページから一一ページが再調査の結果でございます。
 九ページの右上に表の見方をお示ししております。上から順に九回目の結果、続いてクロスチェックを行った株式会社環境管理センター、東京都環境科学研究所、ユーロフィン日本環境株式会社、株式会社湘南分析センターとなっております。
 表の左から調査日、街区、調査地点となっており、クロスチェック用の試料は、調査地点を伝えない番号による管理、いわゆるブラインドチェックとして実施いたしました。
 調査地点欄の上から二番目のK37-4につきましては、第九回の値が〇・七九ミリグラム・パー・リットルというベンゼン濃度でありますが、再調査では〇・八から一・〇ミリグラム・パー・リットルという結果となっております。
 一二ページをお開きください。参考資料2、第九回地下水モニタリングの結果でございます。
 こちらは井戸の設置図で、一三から一五ページまでが第九回地下水モニタリングの結果になります。
 一三ページの下の方にございますP38-6の井戸については、パージした水を分析しているため、結果を不採用としております。
 一六ページをお開きください。参考資料3、地下ピット内の排水量、水位測定及び排水水質公定分析結果でございます。
 一七ページ、一八ページは、地下ピット内の排水量でございます。排水量につきましては、排水を開始した昨年十二月十三日から三月十三日までに、全街区合計で二万六千二百四十六立米を排出しております。
 一九ページは、地下ピット内の水位測定結果でございますが、全ての建物において、ならしコンクリート下まで低下しております。
 二〇ページから二二ページは、pH処理後の地下ピット排水の水質公定分析結果を載せており、いずれも下水排除基準以下となっております。
 二三ページの参考資料4をごらんください。地下ピット内の空気測定、水質調査及び臭気測定の結果でございます。
 二四ページから二五ページまでが空気測定の結果でございます。ピット内の空気測定については、清掃と再調査を実施していたため、その期間は調査しておりませんでしたが、これらの作業が完了したため、現在、空気測定を再開しております。
 二六ページから二八ページの上の表までが水質調査の結果でございます。
 二八ページの下の表及び二九ページは、臭気の調査結果でございます。
 三〇ページをごらんください。水銀濃度の定量下限値を下げて行った水質調査結果でございます。
 引き続きまして三一ページをごらんください。参考資料5、補助第三一五号線高架橋下空気測定結果でございます。
 六カ所のマンホール内の観測孔の測定結果は、測定した三二ページのベンゼン、三三ページのシアン、三四ページの水銀について、基準値以下となっております。
 三五ページをごらんください。参考資料6、豊洲市場用地における地下水位測定結果でございます。
 三六ページから四一ページにかけまして、地下水管理システムの観測井戸の地下水位測定結果を日付順に示しております。
 最終ページの四一ページをごらんください。三月二十三日時点で、七街区の7-6の井戸について、APプラス一・八メートル以下の管理水位以下まで低下しております。降雨による多少の増減はあるものの、全体的に水位は低下傾向にございます。
 報告は以上となります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山崎委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑は、既に説明を聴取しております第九回地下水モニタリング調査の経過等についての報告事項とあわせて一括して行いますので、ご了承願います。
 第九回地下水モニタリング調査の経過等についての説明を聴取した際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松永中央卸売市場管理部長 去る三月十三日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます豊洲市場移転問題特別委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 資料は全部で九項目でございます。
 恐れ入りますが、表紙を一枚おめくりいただき、一ページをごらんください。地下水モニタリング調査に関する契約における仕様書等の主な内容についてでございます。
 第一回から第九回までの地下水モニタリング調査におけるパージ、採水、分析などについて、仕様書等に記載した主な内容をお示ししてございます。一ページは第一回から第三回まで、二ページ及び三ページの上段は第四回から第八回まで、下段は第九回の内容でございます。
 五ページをお開きください。地下水採水手順書でございます。
 豊洲新市場事業における地下水管理システムに関する施設等修正設計の契約により作成したものでございます。一一ページまでが地下水採水手順書一式でございます。
 一三ページをお開きください。地下水採水手順書(案)でございます。
 先ほどご説明した地下水採水手順書を作成するに当たり、案として作成したものでございます。二一ページまでが地下水採水手順書(案)の一式でございます。
 二三ページをお開きください。地下水モニタリング調査における受注者との協議状況についてでございます。
 街区ごとに、協議の日付、受注者、協議内容及び都の指示、承諾内容を示してございます。
 二五ページをお開きください。東京都環境科学研究所による検体の分析結果報告書でございます。
 こちらはシアンの分析結果であり、表中のCNと表記のある黒い丸の箇所が該当いたします。この黒い丸の下の行にあります、例えば一・二という数字が分析結果となっております。二九ページまで計十検体ございます。
 三一ページをお開きください。第九回地下水モニタリング調査における井戸の不具合箇所についてでございます。
 井戸の位置は、図にお示ししているとおりでございます。
 ふぐあいの箇所数は、水没が計二十五カ所、変形が計二十五カ所、詰まりが計五カ所、破損等が計四カ所、合計五十九カ所でございます。
 三二ページをお開きください。地下水モニタリング調査を実施した事業者一覧でございます。
 第一回から第九回までの各街区におけるパージ、採水、分析の受注者及び作業者をお示ししてございます。
 三三ページをごらんください。第九回地下水モニタリング調査における中央卸売市場の立会い状況でございます。
 平成二十八年十一月十八日に現地確認の立ち会いを行い、採水の立ち会いについては、平成二十八年十一月三十日を除く計九回実施しております。
 三四ページをお開きください。地下水モニタリング調査における採水日一覧でございます。
 第一回から第九回までの各街区における採水日及び採水箇所数をお示ししてございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより報告事項二件に対する質疑を一括して行います。
 この際、一言申し上げます。
 委員の皆様方には、本日の質疑に際しまして、極力重複を避けていただき、効率的かつ円滑な委員会運営にご協力をお願いいたします。
 また、質疑の内容につきましては、毎回の話でございますが、本日議題となっております報告事項の範囲内としていただきますよう、ご協力をお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○田中委員 初めに、ただいまご説明をいただきましたが、第五回目の専門家会議で報告されましたモニタリング再調査の結果についてお伺いをいたします。
 今回の再調査は、第九回目のモニタリング調査で七十九倍ものベンゼンが検出され、それまでの八回の調査結果とは明らかに異なるため、九回目の調査結果を暫定値として、改めて四社によるクロスチェックにより再調査を行い、検証する目的で実施をされました。
 結果は、今回モニタリングの再調査が行われた二十九カ所の調査地点のうち、二十五カ所で環境基準を上回るベンゼンやシアン、ヒ素などが検出をされました。
 今回の再調査結果により、九回目の結果が暫定値から確定値となり、さらにそれを上回る基準の百倍のベンゼンが検出されるなどの結果が出ております。
 一方で、平田座長からは、地上と地下を分けて評価すべきであるとのご指摘もあり、地上の建物内外の大気の測定結果からは、安全性には問題ないとの評価もいただいているものであります。
 そのため、今回の結果については、冷静に、また客観的に受けとめ、結果の検証や原因分析をしっかり行い、今後の対策に生かしていくべきだろうと思っております。
 そこでまず、第九回目の結果や再調査の結果で、それまでの八回と比較して急激に濃度が上昇し、基準値を超えた測定結果が出ておりますが、この原因について専門家会議はどう分析されているのか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、調査で把握した操業に由来する汚染物質について、土壌は掘削除去し、地下水は浄化していることなどから、土壌汚染や地下水汚染が一部に残存していたとは考えにくいとする一方で、地下水管理システムの稼働による地下水の移動に伴う局所的な地下水汚染の発生や、調査で把握し切れなかった土壌汚染が残されていた可能性があると指摘しております。

○田中委員 まずその要因の一つとして、地下水管理システムの稼働が要因ではないかということであります。
 この地下水管理システムは、十月十四日から本格稼働しておりますが、モニタリング調査の時期と比較いたしますと、第八回目が八月末から九月初旬に採水が行われております。また、第九回目が十一月中旬から十二月初旬にかけて採水が行われております。このことから、このタイミングから見ても、地下水管理システムの稼働が大きな影響を及ぼしたのではないかと推測されます。
 一方で、専門家会議では、地下水管理システムについては、当然その必要性を認めていらっしゃいますが、改めて、地下水管理システムに対する基本的な、まずは認識をお伺いしたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、揚水機能、モニタリング機能、水質浄化機能など、豊洲市場用地の地下水を管理するためのさまざまな機能を有しております。
 四方を遮水壁で囲まれた豊洲市場用地において、地下水の水位や水質を管理する重要な役割を担っているものと認識しております。

○田中委員 地下水管理システムの稼働によって、九回目の地下水の数値が急激に上昇した可能性があるわけでありますが、だからといって、地下水管理システムに疑問を投げかけるのではなく、今ご説明ありましたが、今後、揚水機能や水質浄化機能に大いに期待したいと思っております。
 この地下水管理システムが有効に稼働すれば、地下水位も下がり、水質浄化も進むものと期待しておりますが、専門家会議は、今後の地下水管理システム稼働による浄化等の効果についてどのような見通しを持っているのか、見解をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、地下水管理システムの浄化機能を活用することによって、将来、環境基準を目指すことが可能との見解が示されております。

○田中委員 一刻も早くこの地下水管理システムの効果があらわれ、目標達成されることを期待しております。
 一方で、さきに答弁があったとおり、調査で把握し切れなかった土壌汚染が残されていた可能性があるとの指摘もあったとのことでありますが、これまでの対策で汚染は全て除去されていたはずではなかったんでしょうか。今回の結果について、都としてはどのように受けとめているのか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都では、土壌や地下水の汚染状況について、詳細調査や絞り込み調査などを実施し、調査によって把握したガス工場操業に由来する汚染について、汚染土壌の掘削除去や地下水の浄化など、法を上回る水準の土壌汚染対策を実施してまいりました。しかしながら、目指してきた環境基準を守れていないのは事実でございます。
 一方で、専門家会議では、地下水管理システムの浄化機能を活用することで、将来、環境基準を目指すことは可能との見解も示されており、都としては、こうしたことを踏まえて、今後必要な対策を講じてまいります。

○田中委員 詳細な調査に基づいて、土壌も地下水も対策を講じてきたとのことでありますが、改めてその点は理解をいたします。しかし一方で、環境基準を目指すという目標が達成されていないということは、しっかりそれも受けとめる必要があると思います。
 そこで、これまで都の行ってきた土壌汚染対策はどう評価すべきと考えているのか、全く意味がなかったことなのかどうか、見解をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 法の求める最小区間のレベルで詳細な調査を実施した上で、土壌も地下水も高いレベルの対策を行ってまいりました。こうした取り組みにより、豊洲市場用地の土壌汚染は大幅に改善されているものと認識しております。
 今後、必要な対策については、専門家会議の議論を踏まえながら講じてまいります。

○田中委員 今後、専門家会議の議論を踏まえながら必要な対策を講じていくということでありますが、これまでの都の対策では、土壌汚染対策法の求める基準は満たしているのか、改めて確認をさせていただきます。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地は、土壌汚染対策法上、形質変更時要届け出区域とされており、汚染土壌や地下水の摂取経路が遮断されていれば、浄化や掘削除去などの対策は求められておりません。
 これまでの都の取り組みは、法を上回るレベルの対策が講じられてきたものと認識しております。

○田中委員 今のご答弁、繰り返しますけれども、豊洲市場用地は、土壌汚染対策法上、形質変更時要届け出区域とされており、汚染土壌や地下水の摂取経路が遮断されていれば、浄化や掘削除去などの対策は求められていないということであります。
 しかし、都は、安全以上の安心を求めて、これまで法を上回るレベルのさまざまな対策を講じてきたものと思っております。そして、その一定の効果を上げてきているのは事実であると思っております。
 しかしながら、ここまでこうした取り組みを行っているにもかかわらず、特に市場業者の方々の安心を得るまでには至っていないと思っております。市場業者の方々の安心を得られていないのはなぜなんでしょうか。都としてはどのように受けとめているのか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場への移転については、昨年八月の移転延期後に、本来あるべき盛り土がなされておらず地下空間となっていることが明らかになりました。また、地下水モニタリング調査では、当初、開場後の調査であった第九回調査で大きく基準超過を確認しております。
 こうした事実が、市場業者の方々にきちんと説明されていなかったことや、目標としていた環境基準を達成できていないことなどから、市場業者の方々に都に対する不信感を抱かせてしまったものと認識しております。

○田中委員 私もまさにそのとおりだと思っております。市場業者の方々の気持ち、これは当然、非常に理解できるものであります。日々の商売に直接的な影響をこうむるのであれば、これはなおのことであります。
 ぜひ引き続き市場業者の方々へは丁寧な対応をしていただきたいと思いますが、市場業者の方々の安心を揺るがせた事態の一つが、これまで実施してきたモニタリング調査の信頼性への疑念であります。この点は、さきの特別委員会での参考人招致における受託事業者の発言によって、モニタリング調査への信頼が大きく揺らぐ事態となりました。
 私も質問者として大きな衝撃を受けましたが、今回の専門家会議では、結果としては、これまでのモニタリング調査は適切であったとの結論が出ておりますけれども、改めて今回の検証の内容について確認をしたいと思います。
 まず、第一回目から第八回目までの調査についてでありますが、第九回目の調査結果から、一部では、八回までの過去の調査報告がおかしいのではないかとの指摘もありますが、第一回目から八回目までの調査について、専門家会議ではどう評価されているんでしょうか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、第一回から第八回までの調査については、ガイドラインに則して行われたもので、その分析結果は妥当であるとの評価をいただいております。パージ後の採水時期の違いについては、実際に検証を行い、測定結果に大きな違いが生じるものではないことが確認されており、再採水についても問題がなかったとされております。
 こうしたことから、調査は適切に行われたものと判断されております。

○田中委員 ここで確認の意味で改めてお伺いをしたいと思います。
 パージした後の採水までの時間に関してでありますが、モニタリング調査の第一回目から第八回目までの調査では、パージしてから翌日ないし翌々日に採水をしておりました。一方、第九回目では、パージした当日に採水をしていることがわかっております。
 ベンゼンのように揮発性の物質を調査する際に、時間が経過するとベンゼンが気化してしまい、濃度が薄まり、調査結果に影響するのではないかとの多くの指摘がありましたが、専門家会議ではこの点についてどのような評価をされているのか、改めて確認の意味でお伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の再調査の中では、複数の調査地点でパージから一時間後、二十四時間後、四十八時間後のベンゼンの分析結果を比較いたしました。この結果、パージから採水までの静置時間が多いからといって、ベンゼン濃度が低下するわけではないことが確認されました。
 このため、専門家会議では、当日採水と翌日採水の違いにより、分析結果に大きな違いが生じていることはないと考えられると評価されております。

○田中委員 今、改めて確認いたしましたが、パージ後の採水時期の違いについては問題ないということでありますし、第一回目から八回目までの調査にも問題はなかったということであります。
 それでは、第九回目の調査はどのように評価されているんでしょうか、お伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第九回の調査についても、都の指示によりパージ水を分析した一カ所を除いて、調査はガイドラインに則して行われており、その分析結果は妥当であると評価をいただいております。

○田中委員 今のご答弁から、これまで全て、第一回目から九回目までの全てのモニタリング調査は、ガイドラインに則して適切に行われていたということでありまして、改めて確認をさせていただきました。
 確かに、調査全体として捉えれば適切に行われたとの結果であったのかもしれませんが、それはあくまでも私は結果論であると思っております。
 そもそも、モニタリング調査の信頼性に疑念を持たれるような事態になったのは、パージ後の採水時期について都の指示が一貫していなかったことや、パージ水そのものの分析をさせていたことなど、不適切な調査を都が指示していたことに原因があると認識をいたしております。
 私は、都の調査の姿勢に大いに問題があったといわざるを得ません。その一例として、第九回目の調査において、パージした水を分析するような指示が出されておりますが、なぜそのような不適切な指示をしたんでしょうか、お伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ご指摘の件については真摯に受けとめております。
 強制排水のスケジュールなどへの影響を勘案して、現場判断で行われており、必要な情報の共有化などが図られておりませんでした。
 専門家会議でも、適切であったとはいえないことから調査結果を不採用とすることとしております。

○田中委員 専門家会議でも、適切だったとはいえないことから、この箇所の調査結果は不採用とされることとされたということでありましたが、そんなことは当たり前でありまして、パージ水を分析させても問題ないとする感覚そのものが全くおかしいのであって、私は理解できません。
 今回のようなことは、中央卸売市場が置かれている状況や、今何が求められているのか、何をなすべきことなのか、当事者意識が欠如している結果であると指摘せざるを得ません。
 昨年の盛り土がなされていなかったことの事態を受けての経済・港湾委員会で、私も質疑に立ちました。
 そのときの質疑の中で、その要因は、当時の要因は、中央卸売市場職員の事務系職員と技術系職員の意思疎通がしっかりされていなかったことや、施設担当職員と基盤や土壌担当職員の連携がうまくされなかったということが指摘されております。私も指摘をいたしました。
 今回の状況を見ましても、まさにそのときの職員の意識が全く改善されていないとしか受けとめられません。再発防止に向けての職員の意識改革に対する考えをお伺いいたします。

○福田中央卸売市場理事 今回の事案では、仕事の重要度に応じた的確な判断や上司への報告、相談が適切になされていなかったなど、組織として反省すべき課題があったと認識をしております。
 こうした課題を踏まえて、職員一人一人に対し、担当する仕事の意義や背景などをしっかり理解させるとともに、緊密な報告や相談ができる風通しのよい職場づくりなどの取り組みをしっかりと進めてまいります。

○田中委員 先ほど、昨年の盛り土発覚のころの質疑の中で、中央卸売市場では、事務系職員と技術系職員の意思疎通がなされていない、あるいは施設担当職員と基盤、土壌担当職員との連携がなっていない、そこに問題があるんだということを指摘いたしましたけれども、今回は、さらに上司と部下との間にも意思疎通が図られていなかったということであります。
 行政は縦割り社会で、横の部門間の連携がなされていないとよく指摘をされますけれども、中央卸売市場当局では、上下関係においても意思疎通が行われていないということなんでしょうか。改めて再発防止を強く求めますが、本当に大丈夫なんでしょうか、お伺いいたします。

○福田中央卸売市場理事 ご指摘を肝に銘じまして、市場業者の方々を初め都民の皆様方に信頼をしていただける、そのような職場づくりを目指して、職員一丸となって意識改革に取り組んでまいります。

○田中委員 ぜひともお願いしたいと思います。
 今回のケースは、そもそもいいわけの余地すらない状況でありますが、それ以外にも、調査の一貫性を確保する上での調査会社の選定や仕様書のきめ細かさ、環境局との連携など、市場当局として反省すべき点が多々あったと考えております。こうした市場当局の脇の甘さがモニタリング調査に対する疑念を招いたことも否定できないと思っております。
 調査主体である市場当局に対する不信があれば、その結果は、受け入れてもらえないということにつながってしまいます。市場当局は組織的な対応力の強化を徹底していただきたいと思っております。
 さて、今回の専門家会議の結論をもって、二年間で予定していたモニタリング調査は全て終了したこととなります。しかし一方、地下水では環境基準を超える高い値が検出されており、地下水をどのように管理していくのかが重要になってまいります。
 そこで、今後の地下水を管理する取り組みについて、都の見解をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、今回の二十九カ所の測定地点については、引き続き調査を継続し、測定結果の推移を確認することとしております。
 また、二年間モニタリング調査は、第九回モニタリング調査が確定値となったことを踏まえて、調査結果に基づいた台帳修正の手続を進めてまいります。
 なお、今後の地下水管理の取り組みについては、専門家会議などにおける議論やご意見を踏まえて検討してまいります。

○田中委員 ぜひ今後もしっかり地下水の管理を行っていただきたいと思います。
 築地市場の老朽化や狭隘化への応対に加えまして、卸売市場では、温度管理の徹底など品質管理の向上が現在求められております。
 そのような中、我々は、豊洲市場への移転を早期に進めていくことが重要だと認識をいたしております。ゼロリスクを追い求めることが現実的ではないことは、改めて認識をする必要があると思っております。
 先ほどの質問の中で地下水管理システムについて触れましたけれども、環境基準を超過した地下水への対策をどのように講じていくのかが重要になってくると思っております。
 地下水管理システムには水質浄化機能が備わっており、こうした機能の強化が必要と考えますが、都としてどう取り組むのか、ご見解をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議において、地下水管理システムの揚水による継続的な地下水の浄化とともに、必要に応じ、揚水井戸の増設等の機能強化といった対策の方向性が示されております。
 今後、専門家会議における議論を踏まえつつ、その具体的な内容について検討を進め、適切な対策を講じてまいります。

○田中委員 一刻も早く対策を講じていただきまして、水質浄化を進めていただきたいと思っております。
 次に、地下水だけではなくて、大気についても一点確認をさせていただきたいと思います。
 地下ピット内で検出された水銀への対応も必要になるんだろうと考えておりますが、こちらについてはどのような対応をされているのか、見解をお伺いいたします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 専門家会議では、地下ピットがある状態に対し、換気や床面からの水銀等の侵入防止策などについて議論がなされ、地下ピット内部の機械換気のほか、床面に遮蔽効果のあるシートやコンクリートを設置するといった方向が示されました。
 都としましては、この方向性に沿って具体的な対応策を検討してまいります。

○田中委員 ぜひ、地下水だけではなくて、大気の部分も含めまして、対応策については早急に取りまとめていただき、対応していただきたいと思っております。
 これまでのやりとりの中で、土壌汚染対策法上の対応はしっかりなされているということも踏まえて、我々は、豊洲市場の施設は安全であるというふうに確信をいたしております。
 今、市場当局で取り組んでいる対応というのは、安全をさらに安心にと受けとめてもらうためのさまざまな取り組みを行っていただいているものと思っております。
 そのような観点から改めてお伺いをいたしますけれども、豊洲市場は安全であると認識されているのかどうか、そのご所見をお伺いしたいと思います。

○福田中央卸売市場理事 豊洲市場用地については、専門家会議において、地上部分は安全との評価をいただいております。
 地上部の空気については、都内の一般環境と変わりがない水準であり、地下水を利用することもないことから、安全という点では問題ないものと認識しております。

○田中委員 安全であるという認識をしていただいておりますが、地上部分は安全であり、地下水も利用することがないため、科学的、法的に、また実態としても何ら問題がないと我々は思っております。
 専門家会議において、市場業者も指摘されておりますが、豊洲市場が安全であるということを消費者の方々がきちんと理解をしてくれなければ、市場業者の商売にも大きな影響を与えることとなってしまいます。
 平田座長は、市場業者の方々から時には厳しい言葉をぶつけられながらも、質問に対しては真摯に向き合って回答されております。膝詰めで議論にも参加をされていらっしゃいます。
 平田座長は常々、築地事業者の方々を第一に考えていかなくてはならないともおっしゃっておりますように、まさにそのような対応をされており、科学的な見解を一人一人に誠実に伝えようという平田座長の責任感に対し、我々は心から敬意を表したいと存じております。
 科学的、法律的な安全を多くの都民が正しく理解することが、安全への第一歩だと思っております。
 その一方で、築地市場においてでありますけれども、昨日、都議会自民党の高木幹事長を初め、豊洲市場の現状を確認するため視察を行ってまいりました。
 建物は老朽化しているため、多くの場所で壁や天井が剥がれ落ちており、落下物で下を歩く人を保護するためのネットがあちらこちらに覆われておりました。水産仲卸棟の屋根には幾つもの穴があいておりましたが、老朽化しているため、人の体重も支えられないほどもろくなっており、修理すらできないという状況であると説明を受けました。
 地面については、各所にアスファルトやコンクリートに亀裂が入っており、応急処置でコンクリートの亀裂を埋めておりましたけれども、その応急処置をしたコンクリートそのものにも亀裂が入っているほどでありました。
 我々が特に問題視いたしましたのは、水産仲卸棟の屋根を初め、各所に多くのアスベストが残っていた点であります。説明では、市場を営業しながらではアスベスト除去のための工事が行えず、しっかり管理しているとのことではありましたが、手をつけられない状況であるとのことでありました。これは大変重大な問題であると、我々は改めて現場の状況を認識して帰ってきたものであります。
 そのほかにも、雨漏りが頻発する箇所などもありまして、築地市場の厳しい現状をしっかり確認をしてまいりました。
 これらの市場に対しては、私たちが視察を通じて強く感じたのは、こういった状況にあっても、市場業者の方々自身がしっかり築地を守っていただいている、そういった築地市場の方々への思いをしっかり寄せながらも、一方で、都民への安全・安心実現のための、安心した食材を提供するための豊洲市場への移転は、一刻も早く決断すべきだと、改めて強く感じております。
 今回の質疑を通じまして、ご答弁もありましたように、豊洲市場は安全であるということを改めて確認をいたしました。その確認のもと、築地市場の事業者の方々だけではなくて、都民の皆様に安全で安心した食材をしっかりと提供するための豊洲市場への移転、これは一刻も早く決断すべきだと強く認識をし、それを我々の思いとして、中央卸売市場の皆さんにしっかり認識をしていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。

○伊藤委員 都議会公明党は、一回目から九回目の調査に一貫性、妥当性があったのかどうか、そのために事業者間の引き継ぎがきちんと行われていたのかどうか、このことを重ねて確認をしてまいりました。
 小池都知事が再三、地下水のモニタリング調査は食の安全・安心にかかわるものであり、都民の信頼が確保されるものでなければならないと発言をされております。そのとおりであります。
 先日、三月十九日の専門家会議では、これまでに行われた一回目から九回目の全ての調査が国のガイドラインに沿って行われたと判断され、有効な結果だったと結論づけられました。暫定値とされていた九回目の結果も確定値として扱うこととなったわけであります。
 専門家会議で公表されたこの結果と、再調査によって環境基準値の百倍ものベンゼンの数値やシアンの検出などは、都議会公明党としても重く受けとめ、今後出される対応策をしっかりと注視してまいりたい、このように考えております。
 同時に、三月四日の参考人質疑で、一回目から八回目の事業者と九回目の事業者とでは明らかに違う証言がなされ、その九回目の調査について、都の報告の不透明な部分を本日の質疑のこの場で明らかにしていきたいというふうに思っております。
 まず、この九回目の調査受託者は、入札前に事前の現場の状況説明がなかったと証言をしております。これに対して都は、契約に際しての現場の事前確認は通常行われておらず、こうした疑問については、仕様書に対する質問をいただき、これに対する回答を入札参加者にお伝えしている、今回の契約については、地下ピットには照明設備がないことや水がたまっていることなど、地下ピットの状況についても回答していると報告をされております。私は思うのですが、これでは、質問されたから回答したと、いい分に聞こえてなりません。
 回答は書面で回答したのか。そうであるならば、書面だけの回答で、豊洲市場の地下ピットなど特殊な状態であったことなどが正確に相手方の事業者に伝わったかとか、認識をしているのか、そういう認識を持っているのか、私は、もっと丁寧に説明すべきではなかったのかと、大変にこの点について疑問に思いますけれども、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 条件の明示につきましては、電子調達システムにおいて、仕様書や入札要件を明示した発注予定表を公表しております。また、電子調達システムにより質問を受け付け、電子調達システム上で回答を公表しております。

○伊藤委員 いわゆる電子調達システムでやりとりをしたよということで、入札前に、ここの現場がどうなっているかということが全くわからないまま、要するにこの九回目の事業者からすれば、井戸にふぐあいなんかはないと、整備されている状態との前提の上で契約を結んだのではないかというふうに私は思います。しかし、契約を結んで、いざ現場へ行ってみたら、こんなはずではなかったというのが実感だったと思います。
 調査会社は、現場の様子は契約書からは読み取れなかった。先日そこでそう証言をされました。そして事業者は、契約延期や辞退を都に申し込んだけれども、都が責任を持つからやってくれと指示され、調査の実施に踏み切ったと証言をしています。
 その一方で市場は、打ち合わせをした結果だと報告をしておりますけれども、両者のいい分が食い違っているように思います。都が責任を持つと発言したのは事実なのか、事実であれば誰がそのように指示をしたのか、そして、責任を持つといったその責任とはどういう意味だったのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都は、昨年十一月十七日に湘南分析センターに採水スケジュールを示し、十一月二十一日に打ち合わせを行っております。
 その後、調査延期の提案はありましたが、最終的に調査を実施することについて応諾をいただいております。湘南分析センターが応諾するに当たり、作業スケジュールは都が提示したものであることを明確にするため、文書を作成しております。
 責任とは、現場状況の差異については設計変更などの協議に応じる旨回答したものであります。

○伊藤委員 調査会社は、分析結果で異常値が初期段階で出たので、口頭で二回伝えたと。だけれども、都は、速報はしなくてもよいと、一月上旬に文書で伝えるようにと指示をされたと、このように証言をしています。
 先日の私の質問に対し、この調査会社は、直ちに東京都の方に過去の値と大幅に違う旨は伝えたと、そこで断言をされました。これに対して都は、基準値を大きく超える箇所が多数あったとの報告を受けた記憶はないとか、さらには、一月十日以前に検査結果について報告を受けた者はいないと確認していると報告をしております。この部分は、調査会社と都では大きく認識が違っているわけであります。
 しかし、都民、国民が注目し、高い関心を持っているこのモニタリングについて、異常値が出たということは、事業者にとっても、この調査会社にとっても、なかんずく市場にとっても一大事であったはずであります。口頭での報告であったとしても、聞いていないということは、私はこの一大事を聞いていないということはあり得ないというふうに思います。真実はどうなのか明らかにしていただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 三月四日の豊洲市場移転問題特別委員会における受託事業者の発言について、同日以降、担当者に確認したところ、基準値を大きく超えている箇所があったという報告は、事前には受けていないということでございました。
 なお、担当者によれば、十一月二十四日の打ち合わせの際、先方から、希釈倍率のターゲットレベルが今までと異なるので、他の濃度データはないかといったことを聞かれ、提供済みのデータしかない旨を回答しております。同社の発言はこのことを示したものかもしれませんが、そのように認識できるやりとりではなかったとのことであります。

○伊藤委員 先ほど申し上げたとおり、異常値が出るということは、都民、国民の一番の関心事であって、市場にとって一大事だったはずなんですよ。それを、報告したという人もいれば、聞いていないという人もいる。報告は受けていないといっている。それは余りにも私は、組織がおかしいのか、申しわけないけれども、その最前線にいる職員のマインドが安全にきちんと向いていないのか、本当に疑問でならないわけです。
 もう一点あります。調査会社は、最終日の十二月六日に採水を行ったP38-6地点の採水について、パージ作業後の復水が遅い井戸があり、翌日以降の採水を申し入れたが、パージした水で分析するように指示された、その水は濁っていたと証言しております。この証言には耳を疑い、本当に衝撃を受けました。
 これに対し都は、ろ過分析により対応可能との認識のもと、スケジュールを考慮し、現場担当者の判断により指示したと報告書で報告しています。これはあってはならないことだと私は断言したいと思います。
 このことを指示した職員は地下水調査に精通していた人なのかどうか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 パージ水を分析することはガイドラインにのっとっておりませんでした。一方で、ガイドラインには、対象物質であるシアンは、懸濁していたとしても、ろ過分析により対応可能との規定があります。当該職員は、厳しいスケジュールのもと、この規定が採用可能と判断し、指示してしまったものであります。

○伊藤委員 都の指示でパージした地下水を分析試料とした。これは大問題であります。
 先日の私の質疑の際に、その濁った水の写真が事業者から提示をされましたけれども、あれを見せられたとき、誰もが都の対応に疑問を持ったというか怒りを覚えたわけであります。
 そして、それまでとは違う方法で採水を行ったことがメディアにも大きく取り上げられ、都民、国民、とりわけ市場関係者に多大なご心配をおかけしたわけであります。先日の専門家会議でも、この箇所の結果については不採用として、今後も調査を実施していくということでありました。
 そこで伺いますけれども、信頼性の確保とはほど遠い、このあり得ない調査が行われたことについて、市場はどのように受けとめているのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 パージ水を分析したことについては、専門家会議でも、適切であったとはいえないことから調査結果を不採用とすることとされたところであり、こうした取り扱いをしてしまったことについて、ご指摘を真摯に受けとめてまいります。

○伊藤委員 九回目のモニタリングを行った調査会社は、本当に勇気を持って証言をしてくださったというふうに思います。つい先日のことでありますけれども、きのうのことのように、そこの発言台のところに立たれて、声を震わせながら勇気を持って話をされた、このように私は思います。
 しかし、結果として、このパージ水での分析の結果は不採用となりました。また、ベンゼンの値が基準の七十九倍という調査結果も、それまでの結果と余りに乖離していることから、暫定値として扱われたわけであります。
 この扱いによって風評被害にも遭ったとの証言もありました。この調査会社に対し、都が聞いている風評被害とはどのようなものがあったのか、また、それに対し都はどのように対応したのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 受託事業者からは、会社などへのいたずら電話やメールなどがあったとお聞きしております。
 第九回モニタリング調査の結果を暫定値として公表したことについては、三月十九日の専門家会議の審議を踏まえて暫定値から正式な値としたことを、受託事業者に対し説明会を開催し説明するとともに、ホームページ上で公表しております。

○伊藤委員 いずれにしても、この九回目の調査を行った調査会社については、値が不採用となったり--これは都の責任です。そして、値については暫定値、このように扱われたわけでありますから、今後も、この調査会社については丁寧に誠実に対応していっていただきたい、このように要望したいと思います。
 先日の参考人質疑では、株式会社日水コンが作成した採水手順書がきちんと引き継がれているのかを、都議会公明党は、来ていただいたそれぞれの企業に確認をいたしました。それは、その手順書には、ここで示す地下水採水手順書(案)は、今後の地下水二年間モニタリングにおける採水手順に適用するものであるとの記載があるからであります。
 また、都議会公明党は、国のガイドライン、それから、その後都がつくった地下水モニタリング計画書、そしてこの採水手順書、一番最初に日水コンがつくったやつです。これをよく見比べてみますと、確かに似たようなところもあるんですけれども、私たちは、この採水手順書、非常に現場に即した、また、チェック項目等も非常に丁寧にできている採水手順書であったというふうに思います。
 しかしながら、日水コンが作成した採水手順書、これは、最初に日水コンがつくって、その日水コン以降の受託者には引き継がれていないことが、先日の参考人質問の中で明らかとなったわけであります。
 とりわけ、私が九回目の調査会社に尋ねた際には、参考人は、今初めて伺って、拝見したことはないと、驚くべき発言をされました。
 それでは伺いますけれども、そもそも、都はその一番最初の発注をした契約書の中に書いてあった採水手順書、これを、要するに都はお金を払って、委託業務で作成するようにお願いしたはずであります。その採水手順書、この目的は何だったんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 採水手順書(案)は、地下水モニタリングの手順を明確にするため、ガイドラインに準拠して作成したものでございます。

○伊藤委員 地下水モニタリングの手順を明確にするためなんですよね。ですから、二年間続けるモニタリングの、これは要するに基準になるわけじゃないですか。それならば、なぜそれを十分に活用していかなかったんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 採水手順書(案)に基づき、試験モニタリングを実施した結果、環境局との協議や作業効率などを踏まえ、地下水採水手順書を作成いたしました。
 手順書に規定された写真の条件などは、その後も引き継がれておりますが、一方で、国のガイドラインと重複する部分も多く、都が発注した各JVには、特記仕様書において、一貫してガイドラインに準拠するよう規定していたことから、採水手順書は補完的に活用してきたものと考えております。

○伊藤委員 採水手順書は補完的に活用してきたという答弁でありましたけど、引き継がれていないんですから、ここで確認したんですから。一回から九回目の調査が同じ手順で行われていなかったこと、さらには、パージした水をそのまま試料として分析させたことなどの不祥事、この不祥事は、都民、国民のモニタリング調査そのものへの一貫性、信頼性、妥当性が失われて、不安と不信を増大させた結果となったということは、断じて許されないことであるというふうに思います。
 盛り土の件で大きく信頼を失った市場当局は、今再び信頼を損ねたといわれても仕方ない。その回復に全力を挙げなければならないということを強く申し述べておきたいと思います。
 次に、第五回専門家会議の報告について質問をしてまいります。
 まず最初に伺いますけれども、専門家会議は一貫して、都庁の会議室や、あるいは記者会見で行っておらず、常に築地市場で行われています。それは、専門家会議の平田座長の並々ならない市場関係者への思いと配慮だと私は感じておりますけれども、この専門家会議が常に築地市場で行われているその理由は何なのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議の平田座長は、まず第一に、当事者である築地の方々と対話することが一番重要であると考えておられます。そういった観点から築地で開催しているものでございます。

○伊藤委員 今の質問をあえてさせていただきました。先日は、豊洲市場で直接平田座長とも意見交換をさせていただいた中で、なぜ築地でいつも報告をするのか、一番最初に一番苦労している築地市場の方々に報告をしたいんだ、その思いで築地市場でやられる、そんなお話もありました。私たち議員も、そして市場当局も、その思いは同じにして、築地で働く方々をしっかりと大事にしていきたい、このように思うものであります。
 今回の専門家会議の先生方の管理による再調査で、最大で基準値の百倍のベンゼンが検出されたわけでありますけれども、市場当局はこの結果をどう受けとめ、どのような認識を持っているのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都では、土壌や地下水の汚染状況について、詳細調査や絞り込み調査などを実施し、調査によって把握したガス工場操業に由来する汚染について、汚染土壌の掘削除去や地下水の浄化などの土壌汚染対策を実施してまいりました。しかしながら、目指してきた環境基準を守れておりませんでした。
 一方で、専門家会議では、地下水管理システムの浄化機能を活用することで、将来、環境基準を目指すことは可能との見解が示されており、都としては、こうしたことを踏まえて、今後必要な対策を講じてまいります。

○伊藤委員 専門家会議の先生方の管理のもとで再調査、そしてクロスチェックでの分析、一回から九回目のモニタリング調査機関へのヒアリングなど、専門家会議の先生方の献身的な取り組みには、本当に感謝であります。
 そして、これまでの調査の方法に違いはあったものの、一カ所を除き有効な調査であったことが明らかとなりました。また、豊洲市場の土壌の一部に有害物質が残存していることも明らかとなったわけであります。
 そこで、これら一部に残存した汚染物質に対して、都は今後どのような対策を講じていくのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、土壌汚染対策工事を実施した後も、局所的に土壌汚染が残存していたなどの可能性があるとしております。その残存した汚染物質について、専門家会議では、地下水管理システムの浄化機能を活用することで、将来的に環境基準を目指すことが可能であるとの見解をいただいております。

○伊藤委員 本来、地下水位を、日常管理の水位、つまりAPプラス一・八メートルを実現して、たとえ豪雨のときでもAPプラス二・〇メートル、これを超えることがないようにしなければならないはずであります。しかし、現状の豊洲市場の地下水位は平均でAPプラス二・六メートル、依然として高いわけであります。
 最近のデータを見てみますと、当初のころは減っていく減少幅も結構あったんですけど、最近は減少幅が少ない、横ばいになっているところが多くあるように私は思います。つまり、今まで地下水位が四メーター、五メーターまであったわけですよね、建物の外側で。その水圧によって、があっと地下水が地下ピットの横からしみ出してきて水がたまっていたわけですけど、これがある程度下がってきたから、この圧が低くなってなかなか下がらなくなってきている、こういう状態が今、私は、豊洲の地下で起きている現象ではないかというふうに思います。つまり、これ以上は劇的に、今申し上げたAPプラス二・六メーター、これは、劇的に減少するということは、余りないのではないかというふうに思います。
 そこで、強制排水と地下水管理システムによって、今、排水を行っているわけでありますけど、その排水方法、これをしっかりと改善を行うべきではないか、このように思いますけど、見解を伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場において日常的に維持すべき地下水位はAPプラス一・八メートルであります。
 現在は水位がそれより高い状況であるため、強制排水を継続するなどして、まずは日常の管理水位まで低下させることが重要と考えております。
 加えて、地下水管理システムの適切な運転管理のために、揚水ポンプの洗浄や排水処理施設の定期的なメンテナンスなど設備の適切な機能維持に取り組んでいるところであります。

○伊藤委員 揚水ポンプの洗浄とかメンテナンスというのは当たり前のことであって、それ以上の対策をやる必要があるということを私は申し上げたい。そのために今質問したわけでありますので、しっかりこのことを検討して、早急に取り組んでいただきたいと思います。
 というのは、もうすぐ雨が多くなる季節を迎えるわけであります。昨年のちょうど桜が咲いて散ったその後ぐらいでしょうか、豊洲市場の建物の完成と同時に、外構工事を優先させたために、地下水のくみ上げを中止してしまったこと、これが地下水をコントロールできないまで上昇させた要因となったわけであります。同じ轍を踏んではならないというふうに思います。
 このままでは、再び地下水が上昇してしまう可能性、このまま雨が多い季節、そして梅雨の時期に入れば、このまま水位が下がらない、そして再び上昇してしまう可能性が危惧されるわけであります。
 先ほどの答弁にもあったとおり、地下水管理システムには、残存した有害物質の処理機能や地下水位のコントロール機能が目的であるはずであります。だからゆえに、早急に地下水管理システムの機能も強化すべきというふうに思いますけど、見解を伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、地下水管理システムの揚水による継続的な地下水の浄化とともに、必要に応じ、揚水井戸の増設などの機能強化といった対策の方向性が示されたことから、今後の議論を踏まえつつ、対策の具体的な内容について検討を進めてまいります。

○伊藤委員 答弁にあった揚水井戸の増設等の機能強化、これも一つの有効な手だてだと思います。いずれにしても、もう間もなく雨の多い季節がやってきます。水がまた再び上がってからでは遅いんです。これは、私は早急に取り組んでいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 小池都知事は、本定例会の所信表明で、安全は科学的、法的根拠に基づくもの、このように述べられました。全くそのとおりであり、今回の再調査によって、専門家会議からは、科学的に、市場の建物内、地上部においては問題がないことが明らかにされました。
 しかし、一層の安全の確保については、都民への安心につながる、わかりやすい具体的な対策でなければならないと思います。つまり、都民への安全の見える化となる具体策を、私は、専門家会議任せではなくて、主体者である市場が積極的に検討を進めるべきと申し上げておきたいと思います。
 また、安心の確保についてでありますけれども、安心は都民一人一人の主観や心の問題もあると思います。
 六年前、東日本大震災によって、福島第一原子力発電所の事故で、福島を初め東北地方の生鮮食料品に対して深刻な風評被害が発生しました。その際、都の中央卸売市場が総力を挙げて取り組んだことがあります。それは、都内の八百屋さん、あるいは魚屋さんを募って、バスツアーを行って被災地の現地に行ったんですよ、何十人も何百人も何回かに分けて。そして、お客さんと直接相対する八百屋さんや魚屋さんに、直接、被災地での放射能検査をしているのかどうか、しているところを見てもらって、そして生産しているところ、出荷をしているところ、その状況を見ていただいて、魚屋さんや八百屋さんは自信を持って自分のお店で、相対しながら、お客さんに自信を持って大丈夫ですということを語ってくださった、こういう取り組みを都がやったわけであります。まさに安心の見える化、これを具体的に事業化した事例ではないか、このように思います。
 小池都知事は、安心は消費者の理解と納得によるものと述べられました。今、この安心について、都民の客観的な判断に資する、具体的でわかりやすい、参考となるものが必要であると私は思います。市場当局は、消費者の安全と安心の確保、理解と納得に向けてどのような取り組みを行っていくのか。
 都民の客観的な安全・安心の判断を得るために、先日は都議会公明党の上野議員が予算特別委員会で、専門家会議の先生方の提案も踏まえて質問をいたしましたけれども、まずは市場関係者、そして一般都民への市場の見学会等を通して、私は、まずは施設の見える化、これが重要だと思いますけど、見解を伺いたいと思います。

○有金中央卸売市場渉外調整担当部長 豊洲市場につきましては、法的、科学的な根拠に基づいた安全の確認はもとより、市場業者や都民を初めとした消費者の理解と納得に基づいた安心の確保が何よりも重要でございます。
 こうした認識のもと、例えば市場の見学会、そういったものにつきましても、今後、その時期や方法などを含めて検討してまいります。

○伊藤委員 小池都知事は、本定例会のやはり所信表明の中で、都政の透明性、これが大事なんだという話をされました。私は本当にそのとおりだと思います。
 この見える化、さまざまなことで見える化をしていくということは大事です。施設見学等によって、施設が安全なのか、そうじゃないのか、これは目で見えるわけでありますけれども、一方で大気は見えません。当たり前です。ベンゼンなど、土壌や大気の中に有害物質による汚染がされているのではないかという都民の心配は、これは当然のことであって、重要なことだと思います。
 この有害物質の濃度と大気の見える化、これも行うべきだというふうに私は思います。豊洲市場内の十一カ所で今、大気の調査をしております。その調査の数値をそのまま現地にて、例えば電光掲示板で表示をしたり、豊洲市場以外の都内の、ほかにも大気観測地点があるわけですから--この間も私、ここで環境局に質問したと思います。豊洲の大気と都内のどことを比較するとわかりやすいですかという質問をしました。環境局の方からは、豊洲の地上部分の空気と新宿周辺、ここの都庁周辺の空気と変わらないという、こういう答弁がありました。
 ですので、ありのままの豊洲の大気の見える化、これを電光掲示板で表示をしたり、そうした豊洲以外の都内の大気観測地点と対比するなど、都民の客観的な判断の参考となるような具体的な取り組みを私は検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 これまでも、大気の測定については、その結果を専門家会議にて報告するとともに、ホームページで公表しております。
 今後、よりわかりやすい広報のため、その発信方法について検討し、都民、市場関係者の安全・安心につなげてまいります。

○伊藤委員 また、都民にとって心配なのは、大気だけではなく、それこそ地下水、この地下水こそ私は心配だと思います。
 ただ、水は見えます、見ようと思えば。だけれども、その水が安全なのか安心なのかまでは、それは目には見えないわけであります。環境基準値だとか排水基準値だとか、数字ばかりがひとり歩きをして、私は不安をあおっている感もあるのではないか、このように思っています。安心にとって大事なことは、客観的で、わかりやすく、判断できる参考を示せるかどうかであります。
 私は、この豊洲市場の盛り土の問題、地下水の問題、これが明らかになった直後に、品川区在住の方からあるお手紙をいただきました。そこにはこう書いてあります。昔、排水処理場が開発されていないとき、特に神奈川県は、相模川が飲料水に供給されていることで、工場排水出口に金魚を飼うことを義務づけられた話を聞いたことがあると、金魚が生存していたら有害物質規定標準以下と併用して多少安全は信じられます、有害物質規定以下といわれただけでは、それでは心配ですと、こうしたお手紙。
 また、先人のお話も伺ったことがあります。その方がおっしゃったのは、昔はどこのうちにも、あるいは近所に井戸があったと。その井戸の中にコイがすんでいたと。試験薬も何もないから、コイが生きていれば水は大丈夫、生活のお水として使って大丈夫だ、だけどコイが死んじゃったらだめだ、そういうふうにして知恵があった、こういう話でありました。
 また、以前、私も視察に行かせていただいた下水道局。下水道局では、処理場で下水処理をした、そして最後排水をする、海に流していく、その手前で、その水を使って身近な生物を飼育する取り組みを行っております。
 きょうはパネルを持ってまいりましたけど、これは浅川水再生センター、日野市にあるんですね。下水道局で、都内から集まってきた下水、これを高度浄水処理して、そして最後、流す前の水です。そこにコイを飼っているんですね。いっぱい、元気いっぱいに泳いでいます。
 もう一枚あります。これは三河島水再生センター、荒川区にある。これも同じように処理をして、最後排水する前の水に少し海水を加えて、サンゴを飼育している。
 これは何のために下水道局がこれをやっているかといえば、最後、都の施設でちゃんと処理をして、そして安全の状態にして排水をしているんですよという、つまり都民の皆様に、安心の見える化のためにこれをやっているわけです。
 私は、市場においても、地下水の見える化、これをやるために、例えば地下水管理システムで集水した水で、隅田川や、あるいは東京湾に生息する魚などを飼育して、それを都民に公開するなどして、都民にとって客観的でわかりやすい、そして参考となる取り組みを示すべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都民への市場の安全性についての発信は、大変重要であります。
 豊洲市場では、地下水は飲用に用いない、地上と地下水は遮断されていることなどについて、わかりやすい広報に努め、市場の安全・安心への理解につなげてまいります。

○伊藤委員 これまでは、施設の見える化、大気の見える化、そして地下水の見える化、見える化をしていくことで、知事がおっしゃっていた透明性ですよ、豊洲の透明性。安全かどうか、これは専門家会議の先生方が、科学的に見れば安全だということをおっしゃってくださったわけです。ただ、安心かどうかは、都民の皆さんの、消費者の皆さんの理解と納得なんです。だから、その判断の基準となれるように、私は、見える化を市場として努力してやっていくべきだ、このように思います。
 豊洲市場の都民への見学あるいは公開が実現して、その見える化を都民の皆さんが直接見る、これが実現したとしても、都民の誰もがそこに行けるわけではありません。こうしたそこに行けないという人たちも消費者であることを忘れてはならないわけであります。
 私は、広く都民や国民に豊洲市場のありのままの現状を知っていただいて、安全・安心の確認に向けて、客観的な判断の参考となるように、テレビによって特集を組むとか、あるいはDVDを作成するだとか、わかりやすい情報を都として届けていくべきだ、このように思いますけど、見解を伺いたいと思います。

○有金中央卸売市場渉外調整担当部長 これまでも、報道機関に対しまして施設の公開を行ったり、また、ホームページなどを活用しまして、都民に迅速に情報を公開することに努めてまいりました。
 また、施設の概要につきましても、動画を作成いたしまして、ホームページ上で公開をしているところでございます。
 今後とも、さまざまな媒体を活用し、わかりやすい情報を届けるように努めてまいります。

○伊藤委員 情報の発信ですけど、私は常々いうんですけれども、本当にご家庭の中でエプロンをして、洗い物をされている、掃除機をかけていらっしゃる、こうした例えば高齢のご婦人の方が聞いてもよくわかるような情報発信をしていただきたい。
 ホームページ、ホームページっていうんです、どこの局に聞いても。そのホームページを見ていない人たち、いっぱいいるんです。そういう人たちにわかりやすく、そしてそこに行ける人にも行けない人にも、見える化をどうやったら、本当の、ありのままのことをわかってもらえるだろうかという、このことを、私は努力を続けていただきたい、このように思います。
 安全も安心についても、都民の客観的な判断となる情報を発信していくには、私は、知事任せや、あるいは専門家会議任せではなくて、市場として主体性を発揮して、そして市場長が中心となって、十分に取り組んでいくべき課題であるというふうに思います。
 最後に市場長の決意を伺って質問を終わります。

○村松中央卸売市場長 ただいま伊藤理事から、施設あるいは大気、あるいは地下水の見える化といった市場の安全・安心に向けた貴重なご提案を伺いました。
 中央卸売市場ではこれまでも、豊洲市場の施設の概要だとか、あるいは専門家会議等の内容などにつきましてホームページで公表してまいりました。しかしながら、市場施設の安全性や機能が正しく伝わっているか、また、各種の測定数値の公表の仕方によっては、かえって都民の不安を生じさせているようなことはないか、こういったことを、今回の質疑を踏まえまして、これまでの発信方法を改めて見直す必要があると、そういったことも感じたところでございます。
 今後、市場の安全・安心につきまして、情報発信の内容や方法を一層工夫いたしまして、多くの都民の理解と納得が得られるよう、中央卸売市場として最大限の努力をしてまいります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十二分休憩

   午後三時二分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○あさの委員 今回の報告、第九回の件についてと、それから専門家会議での内容について報告されましたが、専門家会議の話に出ていることというのは、簡単にいうと、一回目から九回目までのモニタリング調査の数値をまず確定しましたと。それによって、九回目だけが突出して基準値超えの値が出ている。であるならばその理由はどこにあるかというと、恐らく、少しだけあったであろう汚染の場所が地下水管理システムを動かしたことによって溶出して、それが数値として出てきたのであろうと、なのでそれに対する対策を講じていく必要があるのではないか、大体こんな感じだと私は受けとめております。
 大事なことは、今申し上げたとおり、全ての今の結論に至るまでの大前提というのは、第一回目から第九回目のデータがまず確定値であるということなんですね。なので、まずその部分から確認をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、いろいろとずっと問題になっておりましたが、第一回目から第九回目まで、さまざまなやり方が変わってしまっているというところが問題視されておりました。
 そこでまず、一回目から八回目と、九回目とで、パージから採水の期間が異なっていることについて、これについて専門家会議では、一応その影響は少ないのではないかという結論を出しているようですけれども、まず、この期間が異なっていることを誰が決めて、そして、そのとき専門家の承認とか確認というのはとっていたのか、確認したいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 国のガイドラインでは、パージから採水までの期間についての規定はございません。
 パージに際しては、水中ポンプなどで十分揚水し、目視などで、濁りがなくなり、さらにpHや電気伝導率などを測定し、地下水質が安定していることを確認することとしております。
 第一回から第八回は、各工事がふくそうする状況下で安全を確認しながら作業を行う必要があったために、原則として翌日の採水といたしました。そうしたことから、第一回から第九回までのいずれの調査も、国のガイドラインに基づいてパージから採水を行ったものであるため、専門家会議への承認をとったわけではございません。

○あさの委員 それではちょっと確認しますけれども、きょう出された資料で、要求資料の五ページに地下水採水手順書というのがあります。そして、一三ページには地下水採水手順書(案)というのがございます。ともに日水コンがつくっているんですが、まず案が二十六年の八月に提示されていて、十一月十三日に確定版として手順書というのがつくられるんですね。
 中を比べてみますと、いろいろあるんですけれども、パージの手順のところが一番わかりやすいかと思いますが、パージの手順のところですね、案の状態では、実はパージ手順のところに、水温、pH、電気伝導率を測定すると。今、部長が、ガイドラインでは測定することになっているとおっしゃっておりましたけど、まさにそのとおりで、ガイドラインにそのように書いてあります。そのとおり日水コンもここを手順に入れているんですね。
 しかし、この最終的に確定した手順書のところでは、この確認をするという作業が抜けているんです。これは誰が決めたんですか。そしてここは、これでもガイドラインにのっとっているといい切れるのか、もう一度お答えください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 採水手順書の中で、そのpHの測定等が記載からなくなっていることについては、試行モニタリングを現場の方で実施しまして、三倍程度のパージをすれば地下水が安定するということを確認したために、手順書の方からはpH等や電気伝導率の記載を除いたということでございます。

○あさの委員 もう一度確認します。
 先ほどの答弁では、ガイドラインにのっとっているため、専門家の意見を聞かずに決めたとおっしゃいました。今のお話は、地下水質が安定しているということが試行で確認できたから、そのようにしたという答弁であります。であれば、当然その試行結果について専門的見地の見解をとっていなければおかしいと思いますが、その点についてもう一度ご見解をお伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどもご答弁差し上げましたように、試行モニタリングの段階で何回かパージをしております。その中で、経験的に、三回程度パージ水をとれば、三倍程度とれば、pHと電気伝導率も安定してくるという経験があるから、そこは記載をしなかったということでございます。

○あさの委員 もう一度聞きます。
 私が伺っているのは、記載をしなかった理由ではなくて、このときに、これを変更した際に、経験的に大丈夫だったということの確認をとったと今おっしゃいました。その経験的に大丈夫だったということを専門的見地の確認をとっているのかということなんです。市場が独自に、これ大丈夫だね、じゃそれで行こうよとやったのか、それとも、データを見たら、試行をとったら、このデータを見る限り水質は安定しているということがわかりましたので、これはこの部分を削除しても大丈夫ですよねということを、専門的あるいは専門家の方々に相談したのかということを伺っているんです。
 そこのことをもう一度お答えください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家には特に確認をとっておりませんが、三倍程度パージをすれば、pHとか伝導率が落ちついてくるという、そこは現場で確認をしているということでございます。

○あさの委員 それでは確認しますが、pH等はとらずに、三倍程度とれば水質が安定するということを現場で確認したのは、二百一カ所の井戸のうち何カ所でしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 二十四カ所の井戸で確認をとっております。

○あさの委員 今、二十四カ所、つまり約一割強とっているというところで確認をしたから、ほかのところも大丈夫だと判断をしたということでございまして、しかもそれは専門家の確認をとらずに、市場の判断で行ったということがはっきりいたしました。
 私が問題視しているのは、常に、市場が独自の判断でそういったことを進めていくことが、後々いろんなときに影響を及ぼすということを問題視しているのであります。
 例えば、今回も資料で要求させていただいておりますけれども、さまざまな現場での協議事項の記録も残っていません。協議したこと、結果だけが残っていて、どんな話をしたかがわからない。先ほど他会派さんの質問にもありましたが、この九回目の湘南分析センターさんが口頭で報告をしたよということも確認がとれないと。これ今、いった、いわないの話になっていますから、もはや議論をする意味がなくなっています。つまり、記録はとっていない、そして変更をかけるときもその場の判断で行っていく、こういった姿勢が全てにつながっていくんですね。そういったことを一つ一つ明らかにさせていただきたいと思います。
 例えば、一月十四日の専門家会議で、先日の専門家会議に報告をして不採用となったパージ水を分析したということですけれども、なぜこれ、わかっている一月十四日の第四回の専門家会議で報告しなかったんでしょうか、伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 委員ご指摘のとおり、専門家会議に特に報告はしておりませんが、国のガイドラインに沿っていなかったこともあり、今回の専門家会議で改めて議論していただき、適切とはいえないことから、調査結果については不採用としております。

○あさの委員 おかしくないですか。先ほどは、国のガイドラインにのっとっているから専門家の意見は聞かずにやりましたといいました。そして今回は、報告していなかったんだけど、結果的にガイドラインにのっとっていないことがわかったから不採用となりました。この時点でもう既に矛盾しているんですよ。常に現場の判断で、そしてそれは、安全性や、あるいはこの地下水モニタリングの結果によって出てくるデータに対する信憑性、これは物すごく大事なことだという認識を持っていないで、工事の優先であったりだとか、スケジュールの管理であったりとか、別の要因を気にしているから、このようになっているのではないかと思うんですね。
 今回、専門家会議でさまざまなヒアリングを行っていただいたと伺っています。その中には、パージのことについても、パージ終了の判断方法についてというヒアリングがあります。各会社はそれぞれ答えておりますが、先ほども、何度もいいますけれども、ガイドライン上では、ここにガイドラインがありますけれども、ガイドライン上ではどう書いてあるかというと、揚水量は、帯水層の透水性にもより一概にはいえないが井戸内の滞水量の三倍から五倍量を目安とする、水中ポンプなどで十分揚水し、目視または透視度測定で濁りがなくなり、さらに水素イオン濃度指数、これはpHですね、それから電気伝導率及び水温を測定し水質が安定していることを確認する、こう書いてあるんです。ガイドラインにこうはっきり書いてあるんですね。
 これをやっているかどうかということを聞いたら、いろんな会社さんがいました。まず、パージの際に、pH、それからEC、これは電気伝導ですけど、pH、ECともに計測はしていないという会社。ほかには、工期的にも難しいから、試験パージというのを一番最初に一回だけやって、モニタリングの前に五地点、五カ所でだけやってみて、まあ大体地下水を三倍くみ上げたら、入れかえが終了している結果になったなと、だから安定的に見て五倍の方に振って、つまり五倍量とれば、もうほぼ安定するだろうということで、五倍以上くみ上げるというルールを定めてこれで実施しましたというところもあるんです。
 どういうことかというと、最初の手順書のところに、ガイドラインにのっとっているから大丈夫だ、経験値から見て大丈夫だからそれは外そうといって外して、あとは業者さん任せにしました。そしたら、その業者さんは、書いていないからやりません。あるいは一応、でもガイドラインにのっとっているからやってみようと思ったけど、ちょっと工期的に難しいからといってやっている。こういうでたらめなことをやって、それで第一回目から八回目までの数値を信用してくださいといっている。
 もう一つ確認させていただきましょう。
 最初、九回目のものが暫定値として発表されておりました。しかし、今回、その暫定値とした理由は何かという問いに対して、都は何と答えているかというと、これは数値が大きく違っていて、今、採水方法だ何だから確認をしなきゃいけないといっているんですね。
 まず一つだけ確認しておきます。ここ、湘南分析センターさんというのは、これは国やなんかも認めた計量証明事業所の認定をとっているんです。つまり、出したデータは間違っていませんということを、国やなんかがそういう能力がある事業所ですよと証明しているんです。プラス、それをさらに、環境科学研究所、ここも計量証明事業所の証明をとっていると伺いました。ということは、二重で計量証明事業所の証明をとっているところが出したデータにもかかわらず、なぜ暫定値扱いとしたのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 環境科学研究所の分析により、一部の検体について分析結果が同等であることを確認しましたが、採水の方法や前処理を含め手順については、環境科学研究所では確認できなかったことから、暫定値として公表いたしました。
 なお、専門家会議でも、暫定値が妥当であるとの見解をいただいております。

○あさの委員 では聞きますけれども、一回目から八回目までの採水方法や前処理を含め、手順について環境科学研究所で確認はとれていましたか。
 つまり、私は何がいいたいかというと、この時点で、数値は、試料の分析自体は合っているということは確認とれたと。でも、その前段階の処理についてが確認とれていないから暫定値としましたというのが今の説明です。
 その後、市場は、それから専門家会議は、九回目の手順を確認するとともに、一回目から八回目もヒアリングをして、採水の手順についてガイドラインにのっとっているかどうかを確認しています。つまり、この時点でまだ不確定だから、確認しようという作業に入っています。
 でも、一回目から八回目までは確定値、九回目は暫定値という扱いをしました。この理由をちゃんと説明してください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第八回までは、調査結果の大きな変動はなく、その都度、計量証明書が発行され、確定値として報告しておりました。
 第九回については、これまでの数値と大きく異なっており、専門家会議の管理のもと、再調査を行う必要が生じたため、暫定値として公表したものでございます。

○あさの委員 今のご答弁で、要は何がはっきりしたかというと、一回目から八回目までは大体数値が一緒でした。出ないという数値が一緒でした。九回目は数値が違った。この一点だけなんです、暫定値にしたか確定値にしたかの違いというのは。
 つまり、私がいいたいのは、これによって、計量証明事業の証明もとっている事業者さんが、あたかも自分のところ、ここは採水、もっといえばパージからですね、パージ、採水、分析と全部とって一業者がやっていますと。それに対して、採水のものが、出したデータが今までと大きく違ったから、いきなり暫定値扱いされたということに苦しんでいるというお話が当日ありましたね、参考人招致のときも。同じように、今回、一回目から八回目の事業者さんたちは、実は分析だけをやっている、採水だけをやっている、パージだけやっている、いろいろ分かれていて、本来だったら人為的ミスというのは、こっちの方が発生しやすいんですよ。一元でやっていて、ただデータが今までと違うから暫定値扱い。今まで大体一緒だったから、しかもそれは、都ができれば出てほしくない環境基準値以下のデータだったから、一回から八回は確定値で、違う数値が出たときに、本来であれば、前のものも含めて一回全部暫定値にするというのが本来正しいあり方だと私は思うんです。それが科学的な考え方じゃないでしょうか。
 よく科学的に安全だ何だという議論が出ますけれども、そもそもデータの扱いが科学的でなければ、その論を誰が信じると、どこに信憑性があらわれると思うのか。
 私は、今回のこのやり方、ほかのものも大体そうですけれども、基本的に、東京都にとって都合のいいデータの扱いというのは非常に優しくなります。厳しいデータが出ると、その扱いも厳しくなる。そしてそこの基準がいつも曖昧。ここに科学的にちゃんとした見地、論理的に説明できる見地を入れていないから、常に信憑性がぐらぐらぐらぐらぐらつくんです。
 そして、その信憑性がぐらつくことこそが、科学的な安全が安心につながらない最も大きな原因になるんじゃないんですか。それをまず市場はしっかりと肝に銘じていただきたいと思います。これまでのやり方が本当に正しかったのかどうか、そこをもう一度考え直さなきゃいけないということを申し伝えておきたいと思います。
 さて、今回、翌日採水については、実験を行って、余り影響がないということが今回の専門家会議の報告でありました。
 まず確認をさせていただきますけれども、ベンゼンというのは揮発性物質です。揮発性物質であることを考えたら、真夏--今まだ三月、実験をやったのは二月みたいですけれども、真夏の状況下だと二月とは全く環境が違います。その中で、パージ後、翌日あるいは翌々日、二十四時間とか四十八時間とか置いていくと、揮発性物質ですから当然抜けていっちゃうんじゃないかという疑問が普通に湧いてくると思うんですね。
 これが基準値ぎりぎりのような値のところだったら、そのちょっとした差が基準値超えになるか基準値以下になるかということに影響を及ぼすということも考えられないわけじゃない。専門家会議の言葉をかりれば、可能性がないとはいえないという状況だと思うんです。
 これは、しかも翌日採水というのは、手順書の中でほぼ最初からずっと決められているんです。翌日でやりなさいと決められているんですね。なぜか。これはモニタリング調査自体、もっと丁寧な取り扱いが必要だったんじゃないかと思いますけれども、それについての見解をまず伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリング井戸は、内径五センチメートルの井戸であり、キャップもしていること、また、採水に際してはガイドラインにおいて、帯水層の中間地点から採水することとしております。揮発性物質への影響が極力ないよう配慮していることから、翌日採水の影響はなかったと考えております。
 なお、パージから採水までの時間について、専門家会議では、当日採水と翌日採水の地下水中のベンゼンの濃度には大きな違いがないとしております。

○あさの委員 今、部長がご答弁いただいた専門家会議では影響がないといっていますけれども、私も資料を取り寄せて調べてみたら、専門家会議がやっている実験というのは、全部地下ピットの井戸を使っているんです。二月の気温がそんなに上がらないのに、屋外の井戸を一つも採用していないんですよ。屋外の井戸を何でやらないのかと、それで実験結果が大丈夫だといっていいのかと、そういった疑問が浮かぶわけでありますけれども、それについての見解を伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 井戸の選定に当たりましては、井戸の状況や復水状況を考慮し、検証に適した井戸として専門家会議において選定を行ったものであります。

○あさの委員 これですね、私、一番本当に気になるのは、この件に、例えばさまざまな技術者さん、専門家会議の先生方もそうでしょう、いっぱいかかわっております。市場は、先ほどいった、経験値から見て、水質は安定していると思ったから、とりあえずpHやなんかは手順から外すことにした、このときは専門的な見地はとっていません。先ほどのパージ水をそのまま分析に回していいよ、このときも多分確認とっていません。ばれるまで報告もしていません。
 でも、一方でこういった議論をすると、専門家会議が決めたことです。ガイドラインに載っています。都合のいいときだけガイドラインだ、専門家会議は持ち出すんですけれども、自分たちにとって何か問題がありそうなときというのは、さっとそこを逃して、そういったところに相談もしないでものを変えていっているんですよ。この姿勢が一番問題なんですよ。そのこと自体が科学的なものに対する信頼を損ねているんですよ。
 それを今度本当に自覚していただかないと、今のお話も、専門家会議で決めたことだとおっしゃいますけれども、だったらなぜ、市場として、当然のことながら、真夏の時期に、ベンゼンは揮発性なんだから揮発するおそれがあるという疑いを晴らすためにも、ここは屋外でやってもらえませんかと一言どうしていえないのか。なぜ地下ピット、三つもとっていて三つとも地下ピット内です。地下室の中なんて一番安定しているじゃないですか。気温の変動が最も少ないところで何でとるんですか。
 時間経過がデータに影響を及ぼすことを確認するのであれば、当然のことながら、それは最も環境の厳しいところではかって、環境が厳しいところで影響が少ないんだから、ほかはもっと影響は少ないでしょうと、それが論理的だし、科学的なやり方なんですよ。これはあくまで結論を導くために、科学を利用しているとしか思えないようなデータが山ほど出てくる。このことをどうして、それで、一回目から九回目のデータを全て確定値として信用した上での議論をしなきゃいけないのか、私は非常に疑問を持っています。
 専門家会議の皆さん方は、本当に真剣に議論されていることでしょう。しかし、都合に応じて専門家会議やガイドラインといったものを持ち出して、いかにもそこに科学的な見地があるかのように演出をする、その市場の姿勢こそが、科学的な見地に対する信憑性を損なうということを強く指摘をしておきたいと思います。
 さて、さらにもう少しお話をさせていただきたいと思います。
 先ほど、水質の管理、地下水管理システムの浄化機能についてお話がありました。地下水管理システムは、長い間、水をくみ上げて、普通に考えれば確かにそんな気がします。遮水壁で仕切られ、不透水層で底が打たれ、その中に閉じ込められた水について、雨水や何かが中から入ってきて水が上がってきたら、上澄みを地下水管理システムで抜いていく。そうすると、何回も何回もそれを繰り返すと、何となく濃かったものが薄くなっていくなというイメージは持ちます。しかし、科学的にというのであれば、この手法が本当にちゃんとした効果があるのかどうかという検証が必要だと思います。
 先ほど何度も何度も部長は、地下水管理システムの浄化機能、あるいは浄化ができるというような趣旨の答弁をされているようでありましたけれども、実際に、全国的にこういった揚水処理を用いて、現状、ベンゼンやシアンが一定の期限でちゃんときれいになったという事例を確認しているかどうか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地のように、敷地全体を遮水壁で囲って地下水管理システムで管理しているような事例は、我が国にはありません。

○あさの委員 地下水浄化をやっているところでは、少なくとも二つそろっているところはないかもしれません。しかし、地下水浄化をやっているから遮水壁を打つ、これは当たり前の話なんですね。だって、地下水をきれいにするのに、遮水壁を打たなかったらきれいにできませんから、それやっているんです、実際に。
 私が調べたところによれば、全国的にも、こういった揚水処理でシアン、例えば平成十六年に確認された豊田市の事例では、平成十六年、シアンが確認されて、その後、揚水処理を行っていますが、いまだに、もう十年以上たっています、いまだにシアンが出続けるそうです。十年たっていますよ。
 では逆に聞きましょう。
 浄化機能が期待できるとおっしゃっていましたが、何年ぐらいたったら数値が軽減されると考えているのか、お伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほど申しましたように、敷地全体を遮水壁で囲って地下水管理システムで管理しているような施設が、前例がないことから、どのぐらいで浄化ができるかということは、ここでは、知見がないためにご返答できません。

○あさの委員 知見はない。そうだと思いますよ。もしそうだとすれば、では殊さらに地下水管理システムを動かしたら浄化ができるみたいないい方というのは、やはり科学的ないい方じゃないですよね。期待はできるかもしれません。しかし、あくまで可能性の範疇です。であるならば、積極的に地下水をきれいにしていく必要があるということも指摘をさせていただきます。
 そして、なぜ地下水をきれいにしなきゃいけないか。それは、地下水管理システムが--地下ピットに水がたまっていたことは周知の事実です。地下ピットに水がたまっていたということは、地下ピットの底面はAP二・五メートル、砕石層のちょうど上です。その上から水が出ているということは、つまりきれいにしたはずのAP二メートルといわれた、この報告書にも書いています、AP二メートルより浅いところは、基本的に土壌汚染は残存していないという明確ないい方をしていますけれども、地下水が地下ピットに、あれだけ汚染された水が上がっているということを踏まえれば、当然のことながら、AP二メートルより浅いところも再汚染された可能性は--一回きれいにはしているんですよ。きれいにしているけど、地下水がああやって上がっているということは、再汚染された可能性は否定できないんじゃないかと。
 そして砕石層を設けた理由は何か。毛細管現象で水が上がっていくのを防ぐためだったんですね。砕石層を超えて地下水が上がってくれば、当然、毛細管現象で上まで上がってくるんですよ。
 そういったいろんな可能性を考えれば、今、AP二メートルより上の土壌も再汚染された可能性もあるといえるのではないかと思いますが、これについて、専門家会議ではそういった議論をどのようにされていたのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水汚染の原因については、専門家会議では、地下水管理システムの稼働による地下水の移動に伴う局所的な地下水汚染の発生や、調査で把握し切れなかった土壌汚染が残されていた可能性があると指摘しております。
 これは、いずれもAPプラス二メーターよりも深いところの現象であり、また、地下水管理システムにおける排水時の公定分析結果は、いずれも環境基準以下であることから、地下水汚染を確認しているからといって地下水全体が汚染されているとは限らず、このため、直ちに盛り土が再汚染しているとはいえないものと考えております。

○あさの委員 今の言葉をかりればですね、正確なお話をしていただいたと思っております。確かに、地下水全体が汚染されているとはいえないから土壌が再汚染されているともいえないという論でありましたが、私は逆にいわせていただくと、地下水の一部は汚染されている可能性は否定できていないということですね。ということは、その一部が上に上がっている可能性も否定できない。つまり、土壌全体が汚染されているとはいいません。土壌の大部分はきれいなままでしょう。しかし、先ほどの専門家会議の提言のように、二メートルより浅いところは一切ないんだといういい方は、本当にしていいのかというのは疑問が残るわけであります。
 例えば、今回の専門家会議の報告で、溶出量で、粘土層や、そういったところから溶け出して出てきている可能性がありますよねという議論がありました。ちょっとここで疑問が浮かぶわけです。溶出した、つまりもともとあったところからちょろちょろ溶け出したもの、その溶け出したものが、基準値の百倍が検出されているんですね。ということは、溶け出す大もとです。溶け出す大もとというのはもっと高濃度の汚染なんじゃないか。例えば、もしかしたら千倍かもしれない、一万倍いっているかもしれない、そういった可能性もあるということを検討しなきゃいけないと思うんですけれども、その点について、今回の専門家会議、そして皆さん方はどのようにこの結果を捉えているのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、地下水管理システムの稼働による地下水の移動に伴う局所的な地下水汚染の発生や、調査で把握し切れなかった土壌汚染が残されていた可能性があると指摘されております。
 一方、ご指摘のような高濃度の場合、基準の百倍が検出されるようなこととなるのかは、専門家会議でも議論はされておらず、私自身としても知見は持ち合わせていないため、ご指摘の可能性の有無についてはお答えを控えさせていただきます。

○あさの委員 さて、であるならば、専門家会議の中でここの部分をもう一度議論してもらわなきゃいけないなと私は思うんです。
 どういうことかというと、今申し上げたとおり、百倍が検出された。これは今回です。そして、前回の形でいえば、およそ数十カ所の中で、ベンゼンやシアンというものは環境基準値を超えて出ていると。そしてそれは専門家会議の見解でいけば、地下水管理システムを動かしたことによって局所的なものが溶け出して、いろんなところに出てきたんだろうと考えられるということですね。
 少なくともはっきりしていることは、汚染物質はまだ残っている、これはもう間違いありません。遮水壁で閉じられて、ないものが出るわけないんですから、必ずそこに残っているということはもうわかっていて、それは専門家会議も認めています。そして、局所的な汚染が残っているところが溶け出したんだろうということをいっているのであれば、その大もととなった局所はどのくらいの濃度かということは考えなきゃいけない。
 そして、なぜそれを考えなきゃいけないかというと、これをちゃんとある程度予測しないと、この後の対策の打ちようがないからなんです。今すぐ豊洲を諦めますというんだったら対策の必要はないでしょう。しかしまだ諦めていないんですから。だとしたら対策のことを考えなきゃいけない。
 専門家会議は、今、あそこは使えますという状況で提言をまとめています。であるならば、そういった部分までちゃんと予測をしたものを専門的見地から出すのが専門家会議だし、それを求めるのが市場だと思うんですけれども、そういったことを求める気持ちがあるのかどうか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在、専門家会議でも、原因等については検討していただいている最中でございますので、専門的見地で検討していただいた結果をもとに、東京都としても適切に対応してまいりたいと考えております。

○あさの委員 では、ちょっとここで確認をさせていただきましょう。
 他会派さんの発言の中で、科学的に安全である、それから、法的、科学的に安全であるということを非常に重要視されているところがあるようですけれども、一度確認します。
 そもそもこの専門家会議がまとめた提言、そして、技術者会議等も含めてまとめた土壌汚染対策というものが、これは、法律が求めるレベルを達成するために提言をまとめたのかどうか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 法的には形質変更時要届け出区域に指定されておりますので、コンクリートまたはアスファルト等で覆えば措置は完了しております。そういう観点から法的には安全であるということでございます。
 しかしながら、前回の専門家会議がまとめた提言は、豊洲市場用地において、人が住めるような環境を実現するために、盛り土をして、なおかつ地下については、当初は、建物下については環境基準、そして、建物と外側の敷地との間には矢板を打って、外側は環境基準の十倍、下水排除基準ということで提言をまとめております。
 しかしながら、下に汚染物質が微量に残っていても、盛り土があることで、地上に揮発性物質が出てきたとしても環境基準以下に抑えられるということで、豊洲市場用地は安全ということで提言をまとめたものでございます。

○あさの委員 もう一回確認しますよ。
 今おっしゃられたとおり、法律が求めるのは、アスファルト、コンクリートでふたをしたら法の要件を認めたことになると。ただし、それ以上のことをやろうとしてあの対策を打ったと。そして現状もそれが生きているから安全だといえるという、そういう感じの話だったと思いますが、もう一つ聞きましょう。
 法が求めるレベルの達成を必要として、つまりコンクリートとアスファルトでふたをするということのために、当初五百数十億、最終的にはそれをはるかに超える対策費が払われたのかどうか。あの対策費は、それを超えるためにかけたのではないかと思うんですが、それについての見解を伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地は、生鮮食料品を扱う市場として、安全・安心を確保するために、法を超える対策として土壌汚染対策を実施したものでございます。

○あさの委員 おっしゃられたとおりだと思います。あくまで確認をさせていただきました。
 つまり、もともと専門家会議、前回のですね、専門家会議が集められ、そこで検討し、技術者会議でいろんなことを検討、実験や検証なんかいろいろやって、最終的にも五百億円を超えて数百億円というお金を投じて行った対策というのは、あくまで法律的に大丈夫だというところを求めたものではなくて、それを超えるためにやったものであり、そして、今の専門家会議さんがやっているのは、その行った対策が本当にきちんと機能できているのかどうかということを確認しているんだと。それはなぜなら、本来やっているはずだった盛り土が、地下ピットの存在が明らかになることによって、やっていなかったことが発覚したから、だからこそ、それも含めて、当時、自分たちが提言したことの安全性のレベルまで来ているかどうかを確認するために、今の専門家会議があると、私はそういう認識ですけれども、それで間違いないか、ちょっと伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の専門家会議は、建物下に盛り土がないこと、これに対して、今の現状を把握して、地下ピットの現状を把握して、そこに安全な対策を講じることを最大のミッションとして、今回、専門家会議が設置されました。
 そういった中で、またいろいろな問題も生じてきたことから、専門家の見地で今対策をいろいろ検討していただいているということでございます。

○あさの委員 地下ピットの存在が明るみになってから、専門家会議、今、設置した理由のところまできちんと確認をさせていただきました。ということであれば、当然のことながら、今現状が安全であるということを担保するためにも、そして、当時求めていたレベルで安全が保証できるよというところをいい切るためにも、さまざまなことを検討して、必要な対策を実施しなければならないと思います。
 地下水管理システムの件にちょっと戻りますが、地下水管理システムというのが、浄化機能があってというのは、今のところ私が考えているのは、少なくとも水をくみ上げて処理して捨てる、それだけだと思うんです。でも今回の、機能強化という話も出ていましたけれども、専門家会議によれば、この地下水管理システムでやっていくためにも、いろいろ対策を打っていかなきゃいけないんだろうということを認識していると私は思っています。
 なので、今回のように、こういった高濃度の汚染が地下水に見つかったということは、この地下水について何らかの対策を打っていかなければいけない。そのためには、地下水管理システムのランニングコストというのも発表になっていますけれども、このランニングコストにどのくらいそれを見込んでいるのかを確認しなきゃいけないと思うんです。
 そこで伺います。地下水管理システムのランニングコストに、今回のような高濃度の汚染が残っているということがどの程度見込んであるのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムでは、揚水した地下水が万が一下水排除基準を超過していた場合、処理プラントで浄化をした上で下水に排水する機能を備えており、処理に必要な薬品などの処理費は計上しております。

○あさの委員 私が聞いている限りだと、処理というのは、pHを少し戻すというものだというふうに伺っております。そのための薬品類は計上していると。
 私がいろいろ聞いたところによりますと、高濃度の汚染が見つかった場合、例えばベンゼンであったりする場合は、ベンゼンをなくすためには、例えば活性炭だとか樹脂だとかというものを使う。シアンに使う場合には、イオン交換樹脂膜というのを使って、それを吸着させて出すということをやる。
 どちらにせよ、濃度が高ければ、それをどんどん変えていかなきゃいけないんですね。いわばフィルターみたいなものだと理解すればいいと思いますが、つまりフィルターみたいなものを使って、汚染物質を除去して水を捨てるというようにしていく。そのためにはフィルターの交換等もしていかなきゃいけない。そういったものまで今のランニングコストに盛り込んであるのかどうか、もう一度確認させていただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどご答弁差し上げました処理費用というのは、ベンゼンなどを汚染処理する場合に、活性炭などに吸着させて、その吸着した活性炭を処理する費用も入っているということでございます。

○あさの委員 ということは、濃度がどんなに濃くなっても、それは今の費用の中で全てクリアできる範囲での見込みがされているということで間違いないでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今現在、地下水管理システムで処理できる物質については、全て、万が一有害物質が地下水中から出てきた場合でも処理できるということでございます。
   〔委員長退席、鈴木副委員長着席〕

○あさの委員 だとすると、さらにもう少し確認をさせてもらいますが、じゃあ予算的には、つまりランニングコストの範囲内で、これから先も、さまざまな濃度、高濃度の地下水については処理できるんだというご答弁だという理解をさせていただきます。
 その上で確認をさせていただきますが、さらに、予算特別委員会で、きょうもいらっしゃっています上野副委員長が質問していた話、地下水の井戸ですね、井戸の地下水管理システムというのを一・八以下にするということは、物すごく大事だということは、私もそのときは本当に思いました。
 先ほど話したとおり、つまり地下水位が上がっていってしまえば、井戸の水位がどんなに低くても、ほかの水位が上がっていってしまうと、結果的に砕石層を超えてしまう。砕石層を超えちゃうと、その水がもし仮に、先ほどいった、溶出された、高濃度のところから溶出されたものが入っているものがいっちゃうと、せっかくきれいにした二メートルより浅いところの土壌が再汚染されるということを導いてしまうから、地下水位の管理というのが物すごく大事になってくることになると思います。
 こういった水位の維持であったり、今いったような、出てきた物質が高濃度だった場合に処理をするだとか、処理をするということは当然そのメンテナンスが必要になります。そういった管理システムのメンテナンス。さらにいえば、揚水井戸も定期的に井戸を洗浄し、詰まらないように、今回見てわかるとおり、今回の揚水井戸というか観測用の井戸というのも、何カ所かもう詰まって水が出なかったよというところもあったりということが出ていますけれども、そういった詰まりがない、地下水を管理する井戸については詰まらないようにするとか、さまざまなものが必要になってくるんですけれども、今後そういった地下水管理システムの運用、運営というのはどこがやることになっているのか、伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 来年度の運転保守委託は、住重環境エンジニアリング株式会社と契約を行う予定でございます。

○あさの委員 今後、そういった業者さんがやるに当たっても、実は費用の面をきちんと見ておかなければ、常時さまざまな監視をしておく必要があるということが、少なくとも今回のデータが確定値となったことではっきりしたわけですね。
 さまざまな井戸から汚染物質は出ます、地下水位は上がってくることが予測されるということを鑑みると、そこをしっかりと確認しなければなりません。
 例えば、豊洲市場用地における、これは報告の資料の中にありますけれども、豊洲市場用地における地下水位測定結果というのがあります。三六ページ、三七ページ以降、三八、三九とずっと地下水位が載っていますけれども、これをよく見ると、APプラス何メートルのところにあるのかというと、先ほどいったAPプラス二・五を軽く超えている井戸が山ほどあるんですね。先ほどいいました砕石層はAPプラス二・五に設置しています。そこから四メートルの盛り土をしているんですね。この四メートルの盛り土のところをかなりきれいにしているわけです。さらにその上、上位二メートルというのが本当にきれいな土、その下二メートルというのが、入れかえたというか、その場できれいにした土というところで、対策を打っていたというところなんですけれども、少なくともこれを見ると、その最初の下の方の土のところまで地下水位はもう上がっちゃっているんです。
 きれいにした、きれいにしたと、対策は打ちましたといっていますが、六・五が今の地盤面です。六・五から二メートルのところ、つまり四・五までは、きれいだといい張っていますけれども、例えばこれ、ぱっと見ればわかりますけれども、三八ページの上の段、七街区、平成二十八年十二月十二日の月曜日十一時公表、ナンバー7-1の地下水位四・四メートル。二メートルまでは汚染がないよといって、四・四まで地下水が上がっているんです。
 もちろん、この地下水が即汚れているといえないから、この土壌が汚れているというつもりはありません。しかし、このような地下水管理をしている限りは、いつかは溶出した汚染物質、その汚染物質の対処をしないのであれば、汚染物質が汚染された地下水をつくり、その汚染された地下水が、地下水位が上昇することによって上に上がってくるという事態を招きかねないということなんです。
 つまり、抜本的に、ただ地下水をくみ上げていればきれいになるよなんていう、そんなおとぎ話みたいなことに期待するのではなくて、もっと積極的に、汚染対象、その粘土層にあるのかどうかわからないけれども、どこかそこに対する対処をまず打つということを検討すること。地下水は何が何でも一・八程度まで抑えて、一・八で絶対に維持する環境をどうつくるかということを考えること。ありとあらゆる手を施して、やっと封じ込めができているよという状況をつくることこそが、最終的に安心につながるんだと私は思うんです。
 今みたいなこんな、普通に出してくる資料で、四・四メートルのところに地下水位がありましたということを平気で報告しているような管理の仕方では、いつまでたっても安心なんかつくれないんですよ。その件について、皆さん方これからもっと積極的に、地下水の汚染をまずきれいにする。そもそも地下水がきれいだったらこんな心配しなくていいんです、地下水位が上がってくることなんて心配しなくていいんですから。地下水をある程度きれいにしていくということ。ただ水をくみ上げて薄まるのを待つというような消極的なやり方ではなくて、積極的に地下水をきれいにしていくというやり方を検討すべきだと考えますが、見解を伺います。
   〔鈴木副委員長退席、委員長着席〕

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場において日常的に維持すべき地下水位はAPプラス一・八メートルでございます。
 現在は水位がそれより高い状況にあるため、強制排水を継続するなどして、まずは日常の管理水位まで低下させることが重要と考えております。
 そのため、地下水管理システムの適切な運転管理のために、揚水ポンプの洗浄や排水処理施設の定期的なメンテナンスなど、設備の適切な機能維持に取り組むとともに、必要に応じて機能強化について検討してまいります。

○あさの委員 そこがまたですね、今のご答弁の中で、地下水のシステムの機能強化についても、必要に応じて検討していくとおっしゃいました。
 私が今ずっとこの質疑の中で申し上げてきたのは、常に、まず最初に、科学的な見地に頼るのであれば、常にどんなことでも、専門的な見解あるいは専門家会議、そういったものを活用しながら、相談をしながら進めるということ。市場の現場で勝手に判断をして、後で報告して問題になりましたと。この繰り返しだということをまず自覚していただかなきゃいけない。これをまずやめないと、いつまでたっても信用なんかつくれないんですよ。
 科学的な人たちを巻き込んで、あの九回目の湘南分析センター、そして恐らくは、一回目から八回目までかかわった人たちも、何らかの形で風評被害を受けていると思います。そういった業者さんたちの名誉まで傷つけて、そこまでして科学的な見地に信頼がないという状況になってしまっては、それこそ、この今の移転問題、出口なんかなくなってしまいます。きちんとその辺を考えた動きをとっていただかなきゃならない。
 そのために、必要に応じてなんて悠長なことをいってちゃだめなんです。今説明したとおり、地下水管理システムも、強制排水をやっているからじゃなくて、一・八まで一日でも早く落とし込むためにはどうしたらいいのかということ。そして何よりも、結果的に地下水管理システムがうまく機能しない時期、あるいは余りにも豪雨が降って、水位が一時的に上がってしまったというときでも、安全が担保できる、安心が担保できるように、そもそもの汚染の高濃度のところをどうやって処理するか。もちろん掘り起こすなんて無理でしょうから、どうやるのか。そういったことまで検討する、その専門的な見地まで行けるはずなんです。
 汚染物質、シアンやベンゼンには、例えば化学処理であったり、生物処理であったり、さまざまな処理の方法があります。土壌掘削以外でもやり方はあるんです。そういった形を取り入れながら、しっかりと汚染を除去するということまで検討していかないと、必要に応じてなんていっていたら話にならない。そして、それがある程度まとまって初めて、それで結論が出せる日が来るのではないかと私は思います。
 そういった意味で、皆様方には、早々にこの機能強化について検討を始めていただきたいと思いますが、見解を伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議において、地下水管理システムの揚水による継続的な地下水の浄化とともに、必要に応じて揚水井戸の増設など、機能強化といった対策の方向性が示されております。
 今後、専門家会議における議論を踏まえつつ、その具体的な内容について検討を進め、適切に対策を講じてまいります。

○あさの委員 さんざんいろんなことを申し上げました。
 一番大事なことは、あくまでガイドラインだとか専門家会議というのを便利に使わないことです。決まったことには決まったやり方というのがありますし、そしてそれを、必要に応じては勝手に使う、そうじゃないときは判断するというやり方はとらないように、これは強く要望しておきます。
 その上で、専門的な見地にしっかりと、市場として今何が必要なのかということをしっかりと自覚をしていただいて、むしろそれを求めていかないと。専門家会議から出てくる答えだけを待っていて、それに対応しようという姿勢では、いつまでたっても話なんか前に進まないんだということをきちんと自覚をしていただいて、今、何が足りないのかということ、私は、私個人の見解でいわせていただければ、地下水の汚染のある場所が、もうある場所であるということはわかったんですから、この汚染を、どう対策するのかということ。それから、将来に向かっての安心をつくるため、将来に向かっての安全を保証することで安心をつくるのであれば、その安全をどうやって担保するのかということ。この二点をしっかりと専門家会議なりにきちんと確認をしていただいて、検討していただくということが重要であることを指摘させていただき、最後に一点だけ。
 この間の第一回目から第九回目までのさまざまな分析をした会社さんたち、この会社の信頼回復だけはしっかりと宣言をしていただきたいと思います。
 彼らは、分析を都の指示で、見たとおり全部かかわっている業者さんは、都の指示でいわれたとおりやって、その扱いが、報道によって、一回目から八回目もしくは九回目、どちらかに疑いがあるんじゃないかというような扱いを受けています。彼らは指示どおりやって、きちんとしたデータを出して、その指示が正しかったかどうかという議論をしなきゃいけませんが、少なくともやっている業者さんたちに何の罪もないんだということは、今この場ではっきりと宣言していただきたいですし、そして今後も、その信頼回復に向けた策もきちんと図っていくべきだと考えますが、それをお答えください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議において再調査を実施しましたが、その際、第九回の調査受託会社及び第四回から第八回の分析を行った会社について、クロスチェックの一機関として参加していただきました。分析が適切に行われていることを客観的に証明できる場を提供いたしました。
 また、第九回モニタリング調査の結果を暫定値として公表したことについては、三月十九日の専門家会議の審議を踏まえて暫定値から正式な値としたことを、受託業者に対し説明会を開催し説明するとともに、ホームページ上で公表しております。

○あさの委員 きょうはせっかく報道も来ているので、この際はっきりといっておいてもらいたいんですね。
 市場長、一言、ぜひとも、この間の分析業者さんたちは、適正な分析をしてくれたんだということをしっかりと明言していただきたいです。ぜひお願いします。

○村松中央卸売市場長 今、担当部長から答弁をさせていただいたように、また、この間、専門家会議でもいろいろヒアリングも行わせていただきました。そうした結果も通じまして、一回から九回まで全てガイドラインに沿った形で適正に行われていると、そういったことも確認されております。
 改めてこの場でそのことをご報告させていただくとともに、第九回の暫定値につきましては、正式な値として今後取り扱ってまいります。
 また、それぞれの会社の受託事業者の方々は、それぞれの役割を適切に果たしていただいたと、そう考えております。

○かち委員 私からも二つの報告に関連して質問させていただきます。
 本来、土壌汚染対策法のガイドラインに基づけば、汚染地域に指定された豊洲新市場予定地は、土壌汚染対策工事完了後、二年間のモニタリング調査を行い、その結果、基準値をクリアして初めて汚染地域指定が解消されるものです。
 我が党は、建設工事の着工はモニタリング終了後にすべきだと繰り返し指摘してきたにもかかわらず、東京都は、土壌汚染対策工事終了の確認後、技術会議で承認されたことをもって安全とし、建設工事着工と同時に、モニタリング調査も並行して進めました。
 先日の地下水モニタリングを受注した業者の参考人招致の際、日水コンの平井参考人らの証言で、当時の現場の状況は、建築工事の液状化対策工事や基礎工事、建築躯体の鉄筋工事、コンクリート工事と、非常に錯綜していたと述べているように、大変な状況の中で、工事の合間を縫って、パージ、採水作業を余儀なくされた状況だったということです。地上の建設工事の錯綜とともに、地中の状況も工事の影響を受けたことは想像にかたくありません。実際、モニタリング実施中にポストの破損などが相当数あり、再設置をしているわけです。
 こんな状況の中で、パージ、採水、分析も多くの事業者がかかわっていたということも明らかになりました。モニタリング環境としては、最悪の状況下であったということが推察されます。
 そこで、改めてお聞きしますが、地下水モニタリングについて、発注者として、その意義、重要性について、どのように位置づけているでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 二年間のモニタリング調査は、リスク管理の一環として実施しており、その重要性については十分認識しております。

○かち委員 リスク管理の一環とはどういうことですか。地下水モニタリングは、土壌汚染対策工事の適否を見る、市場としての食の安全・安心が保証できるかどうかについて、決定的ともいうべき重要な認識はあったのですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地内で実施している二年間モニタリングにつきましては、生鮮食料品を扱う市場としての安全・安心を確保するために行っていたものでございます。

○かち委員 これまでの質疑を通してみても、市場のリスク管理、安心・安全を確保するという認識は、非常に薄かったのではないかというふうにいわざるを得ません。
 それで、期間中に破損し、再建工事を行ったモニタリングポストというのは一体何本あって、それに要した費用は幾らになるのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリングポストの再設置を行った本数は百三十二本でございます。要した経費は約五千万円ほどでございます。

○かち委員 二百一本中の百三十二本ということは、六七%になるわけです。破損再建工事を行っているその他にも、水没、変形、堆積物の詰まりなど相当数あります。費用の面でも大変な無駄遣いがあったのではありませんか。
 第三者委員会などを設置して、当時の新市場整備部が建設工事の進行中の地下水モニタリングについて、どのようにやっていたかを検証し、明らかにすべきですが、どうでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第九回まで実施しておりました二年間モニタリング調査については、専門家会議の方でも、適切に実施されていたという判断をいただいております。

○かち委員 しかし、こういう実態がどうあったのか、どう対処してきたのかというところは、なかなか専門家会議の報告を見てもつぶさに見られませんので、現場の執行担当部署としてきちんと総括をしていただきたいと思います。
 次に、一回から三回までのモニタリングの契約は、地下水管理システムの修正設計の中に含まれていました。少なくともパージと採水は一体的に行うものと私は捉えていましたけれども、ここでは、実際には、三街区の土壌汚染対策工事や建設工事を請け負ったそれぞれのJVがパージすることを契約していたという事実は、要求資料で初めてわかったわけです。
 なぜこのような、パージ、採水、分析と分割的なやり方をしたのでしょう。また、四回から八回までのパージと採水も複雑に分割されています。なぜでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 パージ作業は、一回から八回までを通じて、各街区のJVに委託しておりました。これは、パージ作業は、時間を要する中で、各街区の工事の進捗に合わせながら、現場の安全管理を確保した上で作業を適切に実施する必要があったことから、JVに委託したものであります。
 なお、今回のモニタリング調査は、多くの工事がふくそうする中で両立を図る必要があったことから、さまざまな状況に応じて適切な体制を構築しておりました。一回から三回までの採水は、二年間モニタリングの実施計画などの策定を委託した会社と契約し、分析については別途入札により会社を決定いたしました。四回から八回の調査は、工事の進捗や工程を熟知し、工程管理のできる各街区のJVと契約いたしました。

○かち委員 今のご答弁で、適切な体制をとったといいますけれども、どのような体制ですか。そのような曖昧な表現ではとても納得できません。明確にお答えください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 パージ作業は時間を要する中で、各街区の工事の進捗に合わせながら、現場の安全管理を確保した上で作業を適切に実施する必要があったことから、JVに委託したということでございます。
 また、今回のモニタリング調査は、多くの工事がふくそうする中で調査と工事を両立して行う必要があったことから、適切な体制を構築したということでございます。

○かち委員 大変な工事だったということは、この間のあれからもよくわかりましたけれども、採水に行くというのは、幹線道路の真ん中に落とした財布をとりに行くようなものだというような表現もありました。
 それから、とにかく工事の邪魔にならないように、だからパージと採水は分離したんだと。工事屋さんの方にパージをやってもらっておいて、で、昼休みとか早朝に採水をしたんだと。工事の合間を縫って、本当に肩身の狭い思いをして、このモニタリングをやっていたという状況が切々とこの間も語られました。
 本来、パージ作業と採水はセットで行うのが通例です。工事中であり、工事に合わせてパージをしなければならないから、一から八回は各街区のJVに委託せざるを得なかったということで、やはり工事優先の問題が、パージと採水を別々に行うという問題を起こしたということです。
 繰り返しいいますが、そもそも土壌汚染対策工事を実施したゼネコンに、その成否について調べさせること自体、科学的検証としては禁じ手だといっても過言ではありません。
 次に、一回から八回までのうち、都の職員の立ち会いは、三回目のモニタリングに二回あったのみと、これまでもいわれております。九回目のパージ、採水作業については、十日間のうち九日間立ち会いをしています。市場当局が一番そのやり方を把握していたわけです。手順書やガイドラインに沿ってやったかどうかという点では、どのように判断しているでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 九回目については、全ての作業は確認しておりませんが、立ち会い時には、パージ水量が適切に行われているかなどを確認しております。
 改めて専門家会議において、パージ、採水、分析などは問題がなかったとされており、分析結果は有効であると判断されました。

○かち委員 この最後だけ本当に、全工程、一日見なかっただけで全部立ち会っているわけですよね。でも、一回から八回まではたった二回だけ立ち会っただけで、あとはほとんどゼネコン、JVに任せていたというのが実態なわけです。
 ここで見た状況の中で、パージ水量や採水はガイドラインに沿ってやっていた、そのことは確認したわけです。モニタリング井戸の水没とか損傷は、その前からあったものですよね。物理的条件ではなく、手順が適切であったかどうかを確認しているわけです。パージから採水までの時間は、九回目については当日中と回答していながら、なぜ一回から八回までは、一日ないし二日置くことを了解したのですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ガイドラインでは、水質が安定している状態で採水することが定められておりますが、期間については特段の規定はございません。一回から九回のモニタリングは、全てガイドラインに沿って行うこととしておりました。
 実態としては、一回から八回は、現場の状況に応じて翌日の採水が多かったが、九回は、ピット内のたまり水の強制排水が詰まっていたことなどにより、当日の採水といたしました。
 ガイドラインを遵守した上で、現場の状況に応じて適切な方法で行ったものであります。

○かち委員 パージ後、一日か二日置いた後に採水した水質が安定していることが確認された。これは何によってチェックをして確認されたのですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 翌日に採水をすることで、十分地下水が安定しているということを判断して採水したものでございます。

○かち委員 先ほどの質疑にもありましたけれども、結局、二百数十カ所の一割ぐらいをはかって、それで安定したということをもって、全て安定しているという判断のもとに、市場当局の経験則でやったということなんですね。
 市場当局としては、復水の確認や水質の安定が確認できれば当日がよいが、工事中はその都合により、翌日以降パターン化し、工事の都合によりやむを得ないときに限り当日にしたということは、専門家会議の報告の中でも明らかです。
 実際には、水質が安定していることを確認するために、一日、二日置いたのではなくて、工事の都合で一日、二日あけざるを得なかったということではないでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 パージ後の採水に当たりましては、採水する者が、しっかりと採水状況が安定していることを確認した上で、懸濁なども確認しながら採水を行っているということでございます。

○かち委員 次に、何回か出てはいる問題ですけれども、九回目のP38-6のパージ水の件についてです。これが当日、枯渇して採水できないから翌日に採水するがどうかという問い合わせに対し、そのパージ水を採水試料にするように、現場担当者の判断で指示したとのことですけれども、私は、現場の担当者個人の責任を追及する立場ではありませんが、具体的に、この事実を確認したいと思います。
 担当者一人の判断だったのか。誰の判断だったのか。具体的に部署名、職責を明らかにしていただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第九回の調査は、二年間モニタリングの最終回となることから、その重要性は所管部内でも認識されておりました。その一方で、当時は、地下水位を早期に低下させることも重要な課題となっており、十二月中旬から地下ピット内の強制排水を予定していたため、そのスケジュールに間に合うよう採水を終了させる必要がありました。
 こうしたことから、採水方法などについて、上司に報告、相談することなく、現場で判断したものでございます。担当した者は、新市場整備部の担当者でございます。

○かち委員 新市場整備部の担当者、職責はどういう方ですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 担当した者は、管理職ではなく一般の職員でございますので、新市場整備部の職員ということで、よろしくお願いいたします。

○かち委員 先ほどのご答弁で、第九回のモニタリングは、もう最終回なので非常に重要だという位置づけがあったと。同時に、期限が限られているので、それまでに何とかしなければいけない。そういう二つの課題があったのですが、ここにきて、やっぱり期限に間に合わせなければいけない、こういう意識が働いたのではないかというふうに思うわけですけれども、こういうやり方について、市場当局内では状況を共有していたのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 当時の状況は、やはり地下ピット内に水がたまっていることについては多くの報道などもなされていた状況であり、早期に地下ピット内の強制排水を開始することは、部内でも共有しておりました。

○かち委員 地下ピット内の水を強制排水、早くしなければいけない、その課題とともに、この豊洲市場予定地の安全が確保できるための、その指標が、この九回目の結果で出るわけですよね。その結果を重視するのか、むしろ期限を急いだということではないでしょうか。この問題を担当課長は了解していたのですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 担当の課長には報告することなく、現場で判断して実施したものでございます。

○かち委員 課長にも報告がなかったと。部長にも当然いっていないわけですね。市場長にもいっていない。当然、専門家の平田座長にも相談をされていないまま、こういう重大なことを決定してしまったということなんですけれども、結果的に、このサンプルの結果は、国のガイドラインに沿っていないために不採用という専門家会議の結論になったわけです。この責任をどのように受けとめているでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 我々としても、このような結果につきましては、真摯に受けとめております。
 今後、このようなことがないように、指導徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。

○かち委員 先ほども申し上げましたけれども、私は、現場の担当者個人の責任を追及しているわけではありません。結局、盛り土の問題と同じで、市場当局としてのガバナンスの欠如といわなければなりません。
 期日に間に合わせるということを優先するがゆえに、現場の判断で指示を出してしまった。盛り土の問題のときも、やるべき盛り土をやらないで、誰が決断したのか、責任の所在が曖昧なまま、モニタリング調査においても同じ誤りが繰り返されているんです。反省、教訓が生かされていないといわざるを得ません。そのことを厳しく指摘しておきたいと思います。
 さらに、分析結果で、異常値が初期段階で出たので、口頭で伝えたと、二回伝えたと。しかし、速報はしなくてよい、一月上旬に文書で伝えるようにと指示されたという湘南分析センターの証言と、都の確認している状況が余りにも違い過ぎます。
 十一月二十四日と十二月二日に、湘南分析センターからは、口頭で報告したといい、市場当局は受けていないと、真逆の証言になっています。少なくとも、異常データが出た際、希釈倍率のターゲットレベルが今までと異なるので、他の濃度データがないかとの問い合わせがあったときに、会話があったのではないでしょうか。それでも、高い数値が出たということに気がつかなかったということですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 受託業者からは、異常値や高い数値が出たという説明ではなく、ターゲットレベルが異なるということの報告を受けておりました。担当者は、このことが高い数値が出たということを意味するというふうには認識しておりませんでした。

○かち委員 断片だけ見れば、あるかないかで、ないという話になってしまうけど、なぜそんな質問をするのかということに思いが至らなかったのでしょうかね。とても私はこれが不解明なんですよ。ここはやっぱり、はっきりさせていただきたいと思います。
 これまでの結果と著しく異なる値が出た場合は、どういうことをするように都としては指導していたのですか、指示していたのですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第九回目の調査結果は、二年間モニタリングの最終回となるため、データは慎重に扱うものと認識しており、個別に報告を受けるのではなく、一括して文書で報告を受けることとしておりました。

○かち委員 今までは、一回から八回、八回は三カ所ありましたけれども、七回までは異常値が出なかったということがずっと続いていた状況の中で、そんなはずがないという認識があったのでしょうか。
 本来、安全を預かるべき市場としてはですね、異常が出たら大変だという思いに至らなければいけない。そうすれば、速報値を聞いたときに、すぐにサンプルを再分析してみるとか、いろんなやり方があったと思うんですよ。
 ほかの場面で、ちょっと後で聞こうと思っているんですけれども、今まで、速報値に、異常値、基準値を超えたものがあったら、再採水しろというふうに、市場は指導していたわけですよね。今回の場合それもやらなかった、やれなかったのかな。それはどうしてですか。今までの指示と今回の違いはどこにあるんでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどもお話ししたとおり、受託事業者からの説明は、異常値や高い数値が出たというものではなく、ターゲットレベルが異なることが高い数値を示すという専門的な判断を要する説明だったために、担当者は的確に認識することができなかったものであります。

○かち委員 少なくとも、こういう調査を委託している大もととして、専門的な言葉も出てくると思いますけれども、そのことを理解しないで、指示や指導などできるわけがないんじゃないでしょうか。
 そういうことが、一人の人の回答だけで終わってしまうというのも問題だと思います。こういうことがあったけど、どうなんだろうと、どうしてその問題を共有化できなかったのかということがあると思います。
 湘南分析センターは、二回にわたって、分析結果について基準値を大きく超える箇所が多数あったので、都に伝えるも、速報はしなくていいといわれたといっているんですね。単に意識の違いでは済まされない問題だと思います。対応方法について、真相解明、そして、改善していく必要があると思いますが、どのように対応していくのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどもお話ししたとおり、受託事業者からの説明は、異常値や高い数値が出たというものではなかったと。ターゲットレベルが異なることが高い数値を示すことという専門的な判断を要する説明だったために、担当者は的確に認識することができなかったものであります。

○かち委員 本当にそういう意味では、市場の意識レベルを改革してもらわないと困ります。結果的に、再調査をしてもベンゼン七十九倍が百倍という結果が出され、シアン、ヒ素についても同様の結果が示されたということになったわけです。
 暫定値扱いは、単に今までと違いが大きいからということだけといいますが、それはパージや採水方法が不明だとか、正しくなかったとかいうことではないわけです。十日間のうち九日間を市場当局が立ち会って、適切であるということを確認しているわけですから。
 三月四日のこの委員会での参考人招致の際に訴えておられた当該の事業者が受けた屈辱感を解消するために、市場当局の誠意ある対応を求めておきます。
 次に、専門家会議では、これまでのモニタリング調査方法についての検証を行うために、ヒアリングを行っています。一回から九回の作業のヒアリングの対象は、受託した事業者七社から行っていますが、そのうち四つがJVです。実際に作業に当たった事業者は、鹿島、清水、大成のJVではなく、その下請の五社なのですが、そこからのヒアリングはどのようにされたのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ヒアリングに際しては、受託事業者経由で実際に現場状況などの詳細がわかる方に来ていただくよう依頼し、受託事業者とともに、実際に作業した協力会社からもヒアリングを行っております。

○かち委員 実際に、この作業に携わった事業者からもヒアリングを行ったということですね。写真は一カ所二枚ということになっていますが、専門家会議の結論として、いずれもガイドラインに沿っていたとしていますけれども、そのガイドラインに沿っていたということを証明するものが、物証的なものが、二枚の写真でどれだけできるのかと思うんですが、いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 写真以外にも、実際現場で使っておりました野帳などの記録を確認するとともに、受託事業者や実際に作業していた協力会社とのヒアリングを行うことにより、検証を行いました。

○かち委員 だけど、日水コンがガイドラインに沿って、案としてつくった手順書には、八枚の、一カ所につき八枚の写真が必要だというふうに書いてありますよね。水位の測定とか井戸の底の測定とか、井戸の位置確認の全景、パージ作業、パージ水量、採水深度測定、採水作業、採水試料、この中から、全景と試料だけしか写真がないわけですよね。
 ヒアリングも大事ですけれども、ヒアリングというのは、先ほどもあったように、聞き方によっては全然違うこともあって、なかなか根拠づけというのは難しい面もあるんです。やっぱりそれを検証するための物証が必要じゃないかと思うんですけれども、なぜ二枚でいいというふうな判断になったのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 写真の二枚以外にも、先ほどもご答弁差し上げましたように、野帳というのは実際現場でいろいろな測定をした結果も記載されております。そういったデータも見ながら、確認したということでございます。

○かち委員 いろいろなことを、こうやってきたからいいんだ、こうやってきたからいいんだといっておりますけれども、必要だからガイドラインに八枚必要だと書いてあるんですよね。そういうものを簡単に現場の判断で省略してしまう、その体質はやっぱり改善すべきだというふうに思います。
 パージ作業記録、採水作業記録の全記録について、この委員会に提出を求めておきます。
 専門家会議で行った採水等の状況の差異による分析結果への影響は軽微であったと結論づけていますが、その各試料の気温、水温、水位、水深、pH、電気伝導率、性状、色や濁り、こういうものについても示していただきたいと思います。いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 水位、水深、pH、性状、色、濁りについては、第五回専門家会議の参考資料として掲載しております。気温、水温についてのデータは残っておりません。

○かち委員 地下水の基本的な状況を把握するためには、気温とか水温とか電気伝導率、そういうものは必須なわけですけれども、測定していないということなんですか。そうした基本的なデータもなしに、パージ作業後、当日、翌日、翌々日でも分析値に差異はないと結論づけるのは、非科学的だといわざるを得ません。
 三月十九日の専門家会議の中で、中島フェローから、ヒアリングの報告がされております。先ほどのこの報告の、第五回専門家会議の報告の中で、ヒアリングの中で、第一回から八回の地下水モニタリングにおいて、採水した地下水試料に懸濁物が多く含まれていたときなど、分析値にその影響が出るのを防ぐために、地下水試料を再採水し、その試料の分析結果を報告値とされている地点があることが確認されたけれども、再採水の際の作業の方法には問題がなかったと判断するというふうに書かれていますけれども、確かに、初期のころは本当に工事が錯綜していて、液状化対策なんかも行われていましたので、地下水に混濁があるという状況もあり、都の方から、それはもう一回採水してやった方がいいという指示もあったというふうにも聞いておりますが、この中島フェローの報告の中で、こんなことがいわれていました。都から、分析結果の速報値を見て、基準超過や、今までの傾向と違う結果があったら、再採水するように指示があったというものです。
 市場当局は、再採水の事実を把握していたのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回、過去の調査について検証したヒアリングの中で、再採水を行ったことについては聞いております。具体的な内容については、専門家会議の指示のもと、ヒアリングなどを通じて確認してまいります。

○かち委員 ヒアリングなどを通じて確認してきたということですか、してまいりますですか、そこをはっきりさせていただきたいのと、再採水の指示は市場当局としての認識ではなかったということでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ヒアリングなどを通じて、都からの指示であったことは確認しております。

○かち委員 市場当局として、分析結果の速報値から、基準値を超えたものや、今までの傾向と違う結果が出たら、再採水するようにという指示をしていたということなんですね。
 報告では、一回から三回では、再採水が全街区で行われていたと。五街区では四から八回で、六街区では四から六回、七街区では四回目のみ再採水していたということです。
 JVによっては、当初の、市場からの指示をもらったことから、その後も高い値が出たら、自己判断で再採水するものだというふうに受けとめたところもあるとか、都に対するそんたくが働いていたということなどが、この中島フェローの報告の中から読み取れるものです。
 市場当局としては、ヒアリングを通じて、現在まで、どのような事実を把握したのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 これまで、専門家会議とともにヒアリングなどにより、再採水の理由などについて確認作業を行ってきたところでございます。現在、継続して情報の整理を行っているところであり、次回の専門家会議で報告することとしております。

○かち委員 現場では、どのような指示をしていたのですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 当時は、場所によっては、くい工事や、液状化対策工事、そういった地中の施工も行っている中で、採水を行うこともあったというふうに聞いております。こうした影響も懸念されたことから、現場の状況を確認した上で、再採水を指示したということは聞いております。

○かち委員 まだ今、情報を収集中だと中島フェローもおっしゃっていました。それで、まとまったら文書で報告するという、今こういう状況ですよね。そういう状況の中で、この再採水があったけれども、方法は問題なかったと判断するという結論づけは、時期尚早なのではないかと。こういうことも含めてやるべきではないかというふうに思います。
 第五回専門家会議の報告では、高い値が出たら再採水をすることがまかり通っていたことが事実であったということです。これが事実であれば、結果の改ざんといわれかねません。ここには、豊洲市場を二〇一六年十一月七日に開場するために、盛り土と同様に、都民、都議会に対して、情報の隠蔽、虚偽報告で押し通そうとする考えがあるといわざるを得ません。徹底した調査と検証をし、公表することを求めておきます。
 るる聞いてまいりましたが、全体を通して、パージ、採水、分析という作業工程を行うモニタリング調査が、大きな工事と並行して行われてきたことにより、特に一回から八回までは工事優先で進められてきたといわざるを得ません。一回から七回までは再採水を行っていたという事実も明らかになりました。まだ途中経過でありますので、全てを明らかにし、検証すべきです。
 九回目の結果については、再調査によって確定値になりました。専門家会議では、土壌汚染調査や底面管理で把握できずに、土壌汚染対策後も局所的に土壌汚染が残存していた可能性があるとしています。
 もともと、高濃度の有害物質のある東京ガス工場跡地に移転するに当たって、専門家会議でも、国の基準以上に土壌も地下水も基準値以下にすると決めたわけですから、実態が見合っていない状況からも、新市場移転は、根本から見直すべきだということを申し上げ、質問を終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
   午後四時四十五分休憩

   午後五時五分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○おときた委員 私の方からも端的に何点かご質問させていただきます。他の委員との質問重複はなるべく避けて、ただ重要なところは念のため再度お伺いいたしますが、よろしくお願いいたします。
 初めに、調査データの管理体制についてお伺いをいたします。
 今回、第五回の専門家会議で発表される予定であった再調査の数値が、発表前に、百倍という正確な数値まで含めて報道されました。調査結果の数値というのはなぜこうした数値になったのか、この数値にどんな意味があるのかということを、専門家の説明とともに発表することが重要であり、それをなくして数字だけがひとり歩きすることは、都民に無用な不信感を抱かせることにつながりかねません。
 専門家会議の冒頭でも、座長や参加者から苦言を呈されたところでもあり、こうした情報管理には不安と懸念が残ります。これに対する所見と再発防止策についてお伺いをいたします。

○井上中央卸売市場新市場整備調整担当部長 測定データなどの公表に当たっては、数値だけでなく、専門家会議の評価もあわせて公表することにより、市場業者を初め、都民に対して正しい情報を発信できるものと考えております。
 豊洲市場のデータについては、専門家会議が一元的に管理できるよう、都としても一層徹底して情報管理に努めてまいります。

○おときた委員 他の委員からも何度も指摘のあるところですが、この情報管理あるいは情報発信の方法というのは、本当に専門家会議と連携をとりながら、適切かつ厳重な対応をとられることを要望いたします。
 次に、第九回の採水分析業者である湘南分析センターとの関係についてお伺いをいたします。
 参考人招致であれだけの率直な意見を述べられるということは、極めて異例だったのではないかと感じるところです。こうなりますと、果たして彼らと都の担当者との関係は健全としたものだったのか、疑問に思わざるを得ません。高い数値が発覚してからの対応も含めて、都の対応が適切だったのかどうかにつきまして、所見と改善策をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都は発注者として、十日間の作業のうち九日間の立ち会いや井戸の案内などを行いました。再調査の際は、精度管理の一環として立入検査などを実施しており、担当者同士は良好な関係であったと聞いております。
 また、現場状況が発注内容と異なる場合など、契約内容に疑義が生じた場合には、協議し、必要な設計変更を行うなど、適切に対応してきていると認識しております。
 しかしながら、情報の共有などの点で課題があったと認識しており、必要な情報について、適時適切に共有を図ってまいります。

○おときた委員 情報共有等の点で課題があったと認識している旨の答弁がありましたが、これが、高い数値が出た際に、業者側は報告した、都は報告を受けていないという、重大なそごにつながったのではないでしょうか。これは、暫定値が結果として正式値に認定されたものの、仮にそうならなかった場合、都の重大な過失になったおそれもあります。組織内外の情報共有体制については、抜本的な見直し、改善に取り組まれることを要望するものです。
 次に、井戸の管理体制についてお伺いをいたします。
 湘南分析センターの参考人招致で明らかにされたとおり、採水時に井戸が五十九カ所もの部分で何らかのふぐあいを起こしていたことは大変大きな問題です。メンテナンスが不十分だった原因は何か、再発防止策はどのように考えているのか、改めてこちらをお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリング井戸の状況は、水没二十五カ所、変形二十五カ所、詰まり五カ所、破損など四カ所の計五十九カ所でふぐあいを確認しております。原因としては、地下ピット内のたまり水による井戸の水没、外構工事に際し、舗装工事による締め固めなどの影響による井戸の変形や詰まりが生じたものと認識しております。
 現在、地下ピット内のたまり水の排水が完了しているため、水没は解消され、外構工事も完了していることから、変形や詰まりなどの発生は考えにくくなっております。
 今後、井戸の管理として、目印による注意喚起やふたの点検を徹底してまいります。

○おときた委員 業者による指摘があるまで自覚がなかったのか、あるいは自覚があったものの情報公開や修繕対応をしなかったのか、いずれにせよ、やはりこの管理責任は極めて大きく、徹底した再発防止に努めていただきたいと思います。
 次に、採水方法についてです。
 一回目から八回目までの採水方法は、専門家会議でガイドライン内と認定されたとはいえ、同じ組織がやるものとしてはぶれ幅が大きいもので、都民からの不信を持たれかねないものでありました。当初の業者から引き継がれる予定であった採水手順書はどうして機能しなかったのか、こちらも再三伺っておりますが、その理由について改めてお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 採水手順書(案)に基づき、試験モニタリングを実施した結果、環境局との協議や作業効率などを踏まえ、地下水採水手順書を作成いたしました。手順書に規定された写真の条件などは、その後も引き継がれておりますが、一方で、国のガイドラインと重複する部分も多く、都が発注した各JVには、特記仕様書において、一貫してガイドラインに準拠するよう規定していたことから、採水手順書は補完的に活用してきたものと考えております。

○おときた委員 一回か二回採水手順書が遵守されなかっただけならまだしも、ここまで複数回、このようなぶれ幅が続いたことは、都の管理責任を疑われる状態です。手順書を配布して終わりではなく、きちんと事後のチェックが行われなかったことはまことに遺憾であります。
 もう一つ、なぜ第九回の採水において、本来であれば廃棄されるパージ水を検証に回すほどスケジューリングに焦りがあったのか。専門家会議からの強い要請などがあったのか。先ほど他の委員の質問の中で、担当者がいわば独断でやったことというような説明もありましたが、この理由を改めてもう一度お伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 当時は都として、地下水位を早期に低下させることが重要な課題となっており、十二月中旬から地下ピット内の強制排水を予定していたため、そのスケジュールに間に合うよう採水を終了させる必要がありました。
 一方、パージ水を分析した井戸は、二百一本中最後の採水箇所であり、パージ後も水位の回復が見られず、井戸が枯渇している状態でありました。
 なお、この井戸の分析結果の取り扱いについては、専門家会議の審議により、国のガイドラインの採水方法にのっとっていないため、不採用といたしました。

○おときた委員 では、なぜその時点で専門家会議に相談をしなかったのか。誰がどう見ても不適切とわかる方法での採水をそのまま指示したのか。率直にいって、これは何度説明を聞いても甚だ理解に苦しむところであります。
 採水の中で一カ所でもこのような不正があったことで、これまで都が行ってきた全ての値が信頼を失うという危険性がありました。この責任をどう捉え、また再発防止をどのように行っていくのか、最後にこの所見をお伺いいたします。

○福田中央卸売市場理事 現場において、当時やむを得ず行ったとはいえ、パージをした水を分析したことは適切ではないと認識をしております。専門家会議においても、当該データは不採用とされたところでございます。
 当時の対応は現場レベルで判断しており、局としての必要な情報の共有が図られていなかったと認識しております。真摯に受けとめまして、今後、必要な情報について、適時適切に共有化を図ってまいります。

○おときた委員 本日のさまざまな質疑を通じて明らかになったのは、事業者などの外部とも、また組織内部でも情報共有が不十分であったという、いわゆるガバナンスの欠如です。ガバナンスの欠如で盛り土問題を引き起こした組織として、現時点でその反省が生かされているとは残念ながら思えません。
 都がこのようなミスを重ねるほど市場に対する信頼性が低下し、移転問題の決着はますます難しくなります。現在の中央卸売市場には、極めて重い責任と厳しい目が注がれているということを改めて指摘をいたしまして、私の質問を終わります。

○小松委員 質問が重なる部分はなるべく割愛しつつも、確認したいことには改めて伺っていきたいと思います。
 さきの特別委員会では、参考人から、九回目とそしてそれ以前の採水方法には違いがあったことが明らかにされました。専門家会議では、採水方法の違いは結果に影響していないとの判断を示されています。
 それでは、計量結果が大きく異なるという決定的な差は何によるものなのか。何によってもたらされたと分析しているのか。改めての確認となりますが、納得のいく説明を求めます。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、調査で把握した操業に由来する汚染物質について、土壌は掘削除去し、地下水は浄化していることなどから、土壌汚染や地下水汚染が一部に残存していたとは考えにくいとする一方で、地下水管理システムの稼働による地下水の移動に伴う局所的な地下水汚染の発生や、調査で把握し切れなかった土壌汚染が残されていた可能性があると指摘しております。

○小松委員 ただいまのご答弁、地下水は浄化している、汚染が残存していたとは考えにくい。一方、土壌汚染が残されていた可能性があると。前半と後半とで矛盾した答弁となっています。この説明がつかないことを承知しているように思います。
 八回までのモニタリング調査の委託先のうち、一回から三回目までを請け負ったのが日水コンです。地下水管理システムを請け負っています。そして、四回から八回のJVは、土壌汚染対策工事を請け負った事業者であります。土壌汚染対策の仕事と、その結果を検証する地下水モニタリングは、いわば利益相反といえるかと思います。しかも、発注は入札でなく随意契約であった。このことについて、段取りのつけやすさと効率を考えてとの説明でありますが、納得できません。
 お手盛りの診断とならないよう、分離発注にするなど、特に公正を旨とする公共事業では当たり前の考えであると思います。利益相反の懸念のある事業者に調査を委託することは避けるべきであったのではないかと思いますが、見解を伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第三回については、採水は、地下水モニタリングの実施計画などを策定し現場状況を熟知している会社を契約の相手方に選定し、分析は、公定分析機関の中から入札により選定いたしました。
 第四回から第八回については、建築工事や外構工事など多くの工事がふくそうしている中で調査を進めなければならない状況にあり、採水作業などは、適切な管理のもと正確な作業が求められ、工事と同時並行で実施するためには、綿密かつ十分な工程調整を行いながら進める必要がありました。
 さらに、工事の進捗は、各街区それぞれ異なる状況であり、モニタリング調査を適切かつ円滑に実施するため、各街区の工事を受注していたJVと契約したものであります。

○小松委員 利益相反という考えはなかったという回答です。大変疑問に感じるところです。
 一回から三回の分析を行った日水コンは、契約上、手順書をつくることとなっていました。この先の採水は、他の事業者は、ガイドラインに従ったと発言しました。先ほどもありましたが、手順書の申し送りがなかったために、それぞれの事業者の採水が違ったのではないか、見解を伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 日水コンへの業務委託の中で、採水手順書(案)に基づき、試験モニタリングを行った結果、環境局との協議や作業効率などを踏まえ、採水手順書を作成いたしました。採水手順書に規定された写真の条件などは、その後も引き継がれておりますが、一方で、採水手順書は国のガイドラインと重複する部分も多く、また、都が発注した各JVには、特記仕様書においてガイドラインに準拠するよう規定していることから、採水作業の一貫性は確保されていると認識しております。

○小松委員 ガイドラインに沿って行ったので問題は生じていないというのであれば、一体何のために手順書をつくらせたのかということになります。手順書の扱いが曖昧で、調査の一貫性に欠けていたというしかありません。
 調査契約書には、都の監督を受けることと書かれています。しかし、一回から八回までの採水には、都の立ち会いはほとんどなかったとの発言でした。
 監督員が立ち会った事実があれば、それぞれの報告、そして記録を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第八回までの調査における都の監督員の立ち会いについては、正確な記録は残っておりません。採水状況については、全ての井戸において写真や資料などを確認しております。

○小松委員 記録がないとは残念です。
 きょう配布された資料では、九回の立ち会い状況についての報告がありますが、二百一カ所掛ける八回ですから、千六百八回調査が行われているわけですが、この報告の中に記録として残しておくべきであったと指摘しておきます。
 九回目の結果がこれまでと大幅に違うとして、暫定値とされた湘南分析センターの参考人が訴えておられましたが、この社会的信用を損なう結果を招く扱いであったということについては、都はしっかりと認識して、信用回復のためにできる対応を施していただきたいと要望しておきます。
 各回の調査の妥当性に疑義が生じたわけですけれども、この採水した水が保管してあれば、ベンゼンなどは揮発するとしても、シアンなどについては再分析して調査の妥当性を調べることができたはずだと考えます。水の保管についての指示はなかったのでしょうか、伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 採水した試料については、速やかに分析することが基本とされており、保管について特に指示はしておりません。

○小松委員 九回目の値は再調査を経てようやく確定値となったわけです。となると、一回から八回、殊に七回までのゼロ検出は一体何だったのかと思います。
 専門家である参考人には、なお原因を問いたいところですが、きょうまでの証言の要約と、その後のヒアリングなどで追加が得られていれば、それらの見解を都からもお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第九回の地下水モニタリングについては、受託事業者へのヒアリングにおいて、パージ、採水、分析の各作業方法や、試料の保管、運搬の状況に差異は認められるものの、パージ水を試料とした箇所を除き、いずれも国のガイドラインにのっとって行われていたことを確認しております。その結果、いずれの作業も問題なかったと考えられるため、分析結果は有効であると判断しております。

○小松委員 結果として、一回から八回までと九回以降の値がまるで違っている原因の解明はできていないということがわかりました。
 地下ピットにたまった水の強制排水、そして地下水管理システムで揚水した地下水は、環境基準の十倍程度という、下水への排除基準で排出している。そして、現在のところ排除基準を超える汚染物質は出ておらず、pH調整だけで排出しているというふうに聞いていますが、この認識で間違いないでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 委員のおっしゃるとおり、地下ピットの強制排水及び地下水管理システムの地下水は、環境基準の十倍である下水排除基準以下であることを確認して、排水しております。

○小松委員 専門家会議の土壌汚染対策では、建物下は環境基準以下、それ以外は下水への排除基準以下とされ、その後、技術会議で、当時の都知事の徹底的な環境対策というかけ声もあって、全て環境基準以下にしようということになったと認識しています。
 土壌汚染対策で地下水もくみ上げた後、きれいな水に入れかえていたと思いますが、そのときの処理の基準も環境基準を適用していたのではないのでしょうか。地下水管理システムでは、既に排除基準を適用して下水に排水しているのか、確認します。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、市場用地全域にわたり、地下水を常時一定水位で管理、制御するシステムでございます。地下水位を観測する井戸や地下水を揚水する井戸、下水排除基準まで浄化可能な排水処理施設を設置しております。
 揚水した地下水を汚水として下水道へ放流する際は、下水排除基準を満たしているかを確認し、基準を超過している場合は、排水処理施設にて基準以下まで浄化した上、放流しております。

○小松委員 土壌は環境基準を目指しているのですから、地下水処理の基準も環境基準を適用していると思っていました。けれども、以前から十倍緩い下水排除基準を適用したということです。
 それでも、徐々に汚染は排出されると説明されておりましたが、さきの答弁でも、過去に実例がないとのことであり、一体、目標としていた環境基準達成までに何年かかるんだろうかと思ってしまいます。
 九回目を受けての再調査は、パージして復水後、一時間以上静置して採水したと聞いています。この採水方法がとられた理由は何か、また何を根拠としたのか、確認します。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 国のガイドラインでは、パージに際して、目視などで濁りがなくなることを確認するなど水質が安定していることを確認することとなっております。
 今回の再調査では、復水後、一時間以上静置することといたしましたが、これは、濁りがなくなる一つの目安として設定したものでございます。

○小松委員 再調査のクロスチェックの結果、分析機関によって差はありませんでした。結局、大幅に違う値となった理由は判明したのかといえば、どうなんでしょうか、水が動いた、たまたま汚染にヒットしたという説明では、九回目に七十二カ所、測定井戸の三分の一以上の場所で汚染が検出され、七十九倍もの高い数値が出たことの説明にはなっていません。
 モニタリング結果の大きな違いは、モニタリング調査全体の有効性、そして信憑性を疑わせ、都民の信頼をさらに損なうことになったと思いますが、いかがですか、伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、第一回から第九回の調査について、受託事業者に対して、採水などの状況を書類や写真で確認し、ヒアリングを実施いたしました。その結果、各回、各街区におけるパージ、採水、分析の各作業方法や、試料の保管、運搬の状況などは、いずれも問題なかったと考えられるため、分析結果は有効であると判断しております。

○小松委員 汚染のあるいわくつきの土地を市場にするに当たっては、食の安全・安心にかなうよう万全の環境対策を施すと、議会にも都民にも約束し、議会では、重要な場面では一票差という事態を交えてようやく可決されたのであって、生活者ネットワークは最後まで反対し、環境対策についての付帯決議が付されての可決であったわけです。その後、大変な金額をかけて、土壌汚染対策、地下水対策をしたのではなかったでしょうか。
 都民と議会への約束を果たす仕上げの確認が、二年間のモニタリングであったはずです。地下に汚染が残っていても、市場には影響がないので開場に差し支えないという意見もありますが、それでは何のために地下水モニタリングを行ったのかということになるかと思います。
 地下水モニタリングを環境対策完了の試金石と決めて行った以上、八回目で三カ所、そして九回目で七十二カ所という汚染が検出されたことは、重く受けとめるべきでありました。
 開場延期の理由は、二年間汚染が検出されない状況が実現したのを確かめてから開場するということであったかと思います。そうであれば、この市場を食の安全・安心にかなう場所として認めるには、モニタリング調査を継続し、汚染が環境基準を下回ることが、少なくとも二年間、確認できることを待たねばならないということになります。
 今後のモニタリング調査については、先ほどの答弁でありましたけれども、再度確認したいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今後の地下水モニタリング調査については、専門家会議などの意見を踏まえ検討してまいります。

○小松委員 日本の技術の粋を尽くして汚染を全て除去するという約束は果たされませんでした。そればかりでなく、汚染が万が一残っても、ふたをするから大丈夫ということであった盛り土も施していなかった。地下水もくみ上げて浄化し、地下の土壌汚染が残っていたとしても、さらに上がってこないように水位の管理をすることになっていましたが、これも守れず、ピットの床は水浸しになっていました。専門家会議と技術会議が提言し、実施が約束された環境対策はことごとくほごにされ、中途半端な結果となっています。平田座長は、提言した内容がことごとく実行されていないことに怒ってしかるべきであろうと思います。
 豊洲の現在の環境評価について、専門家会議は、地下水は百倍汚染されている箇所があっても飲むわけではないので、市場として使うには問題ないと見解を出されていますが、専門家会議が以前の提言によって求めた環境レベルをみずから覆すものだといえます。達成できないからといって目標を下げるのは根本的な約束違反だと思いますが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、地下水管理システムの浄化機能を活用することによって、将来、環境基準を目指すことが可能との見解が示されております。

○小松委員 専門家会議では、さきのご答弁にもありましたその見解の中で、土壌汚染や地下水汚染が残存していたとは考えにくい、また、土壌汚染対策後も、局所的に土壌汚染が残存している可能性が考えられる、この矛盾した見解が述べられています。九回の調査結果についての解明ができていないと感じました。
 また、指標となる基準について、食を扱う場所だから環境基準を用いることになっていたのを、達成できないからといってみずからハードルを下げるような対応にも、不信を感じざるを得ません。平田座長のもとでの専門家会議のこれまでの実績や、市場関係者、そして都民の信頼を裏切ることになりかねないと思います。
 第五回専門家会議で示された現在の市場の環境評価は、到底受け入れることはできません。病気の見立てが医者によって異なるように、科学的理論も一つとは限りません。専門家も一様ではない。であれば、新たな専門家メンバーによる検討が早期に必要と考えます。
 以上、質問を終わります。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後五時三十六分休憩

   午後十一時五十五分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 お諮りいたします。
 本日の委員会はこの程度にとどめ、委員会を閉会するとともに、あす、理事会終了後に委員会を開会したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認めます。なお、ただいまご出席の皆様には改めてご通知をいたしませんので、ご了承願います。

○山崎委員長 次に、傍聴券の有効期間についてお諮りいたします。
 本日の傍聴券の有効期間をあすの委員会終了までといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定させていただきました。
 それでは、これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十一時五十六分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る