豊洲市場移転問題特別委員会速記録第十一号

平成二十九年三月四日(土曜日)
第十二委員会室
午前十時三十一分開議
出席委員 二十三名
委員長山崎 一輝君
副委員長上野 和彦君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長酒井 大史君
理事伊藤こういち君
理事尾崎あや子君
理事和泉 武彦君
理事あさの克彦君
理事田中たけし君
理事崎山 知尚君
小林 健二君
小松 久子君
栗林のり子君
菅野 弘一君
おときた駿君
松田やすまさ君
中村ひろし君
島崎 義司君
桜井 浩之君
三宅 正彦君
かち佳代子君
曽根はじめ君
宇田川聡史君

欠席委員 なし

委員外の出席者
参考人
株式会社日水コン事業統括本部環境・資源部チーフエンジニア平井真砂郎君
鹿島・西松・東急・岩田地埼建設共同企業体代表者
鹿島建設株式会社土木営業本部プロジェクト推進部次長
小沢 明正君
清水・大林・鴻池・錢高建設共同企業体代表者
清水建設株式会社東京支店建築第四部部長
望月 尚幸君
大成・竹中・名工・大日本建設共同企業体代表者
大成建設株式会社環境本部環境イノベーション推進部長
氏家 正人君
株式会社湘南分析センター統括部長市川 泰之君
ユーロフィン日本環境株式会社環境ラボ副ディレクター関  淳也君

本日の会議に付した事件
豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う。
参考人からの意見聴取
・地下水モニタリング調査について

○山崎委員長 ただいまから豊洲市場移転問題特別委員会を開会いたします。
 傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十七名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山崎委員長 初めに、理事会の協議結果について申し上げます。
 先ほどの理事会において、本委員会の調査については、本日の委員会日程をもって、実質的な調査活動は終了することとし、次回は、三月六日月曜日の午後三時から理事会、三時十五分から委員会を開会し、委員会調査報告書を取りまとめの上、議長へ提出することを申し合わせました。ご了承願います。
 これより豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、参考人からの意見聴取を行います。
 初めに、参考人招致の詳細について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました参考人招致の詳細につきましては、お手元配布の実施要領及び質疑時間の取り扱いに関する申し合わせのとおり運営していくことを申し合わせました。ご了承願います。
 なお、参考人に対する質疑の持ち時間につきましては、終了一分前に一点の振鈴を打ち、お知らせをいたします。
 ただし、参考人の方の答弁もありますので、質疑時間は原則お守り願いたいと思います。
 また、質疑の内容につきましては、本日参考人より意見を聴取する地下水モニタリング調査についての範囲内にしていただきますよう、ご協力をお願いいたします。
 これより、地下水モニタリング調査について、順次、参考人からの意見聴取を行います。
 それでは、平井参考人、発言席へご移動願います。
 参考人をご紹介いたします。
 株式会社日水コン事業統括本部環境・資源部チーフエンジニアの平井真砂郎さんです。
 本日は、ご多忙のところ、委員会にご出席いただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、地下水モニタリング調査についてご意見をお伺いいたしたいと思います。
 なお、平井参考人には、ご着席のまま発言をしていただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○平井参考人 ただいまご紹介いただきました株式会社日水コンの平井でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 弊社は地下水管理システムに関する一連の設計から施工管理までを受託しております。その管理技術者を担当しておりました。
 今回お尋ねの地下水モニタリングにつきましては、パージ、採水、分析のプロセスがありますが、そのうち弊社は、第一回から第三回の採水のみを担当いたしました。
 まず、現場の状況についてですが、地下水モニタリングの採水作業は、平成二十六年度豊洲新市場事業における地下水管理システムに関する施設等修正設計業務の業務項目の一つとして請け負いました。
 修正設計の業務内容としては、採水手順書の作成が項目に入っておりました。採水手順書は、環境省のガイドラインに準じて作成しましたが、その作業手順の確認、試行のため、二〇一四年八月、九月に試行モニタリングの作業を実施いたしました。
 その試行モニタリングは、モニタリング井戸、これは口径五十ミリの井戸以外に、先行設置されておりました本設の井戸においても、これは口径五百ミリでございますが、採水作業を実施しました。
 試行モニタリングの箇所数は、八月実施は合計十三カ所、九月の実施箇所は合計十一カ所でございました。
 その結果として、作業手順は妥当であることを確認いたしましたし、地下水水質も問題ないという結果でございました。
 ただし、その本設の井戸、五百ミリの井戸でございますけれども、この井戸では、パージ作業が手間と時間がかかるということから、モニタリング井戸としては、口径五十ミリの井戸で実施することが効率的と判断いたしました。
 当時の状況でございますが、土壌汚染対策工事が完了し、建築工事の液状化対策工事や基礎工事、建築躯体の鉄筋工事、型枠工事、コンクリート工事と非常に錯綜している状況でございました。
 お手元にお配りしております写真には、当時のモニタリング井戸の状況の例をお示ししております。写真には、一回目、二回目、三回目の各調査での現場写真を載せております。この写真にありますように、重機のすぐ近くでの作業やジャングルジムのような支保工の間ですとか、トラックの通行路のすぐそばで作業するというような状況でした。
 このように、多くの重機やダンプトラック等が敷地内を頻繁に移動している状況で、採水作業に当たって、作業員の安全への配慮が非常に気になる点でございました。
 採水作業は一回当たり十日間程度で終了することを目標として、一日当たりおおむね二十カ所採水することを目標にしておりました。モニタリング井戸が点在する関係から、二班または三班を動員して作業を行いました。
 結果として、全二百一カ所の採水を、土日、休日の作業も含めて、おおむね二週間で完了することができております。
 具体的な作業手順は、各工区、これは当時の施工区で五工区に分かれておりますけれども、各工区ごとに、大まかな採水期間を提示させていただいて、その期間内でパージ作業可能な井戸、一日当たり二十カ所程度を施工業者さんサイドで選定していただいて、その予定に従ってパージ作業をしていただきました。
 採水は、パージ作業を完了した翌日の朝礼時に、採水可能なモニタリング井戸を連絡いただき、採水作業を実施いたしました。
 こうしたパージと採水の段取りにつきましては、東京都、施工業者、五工区に分かれておりますが、青果棟エリア、水産仲卸エリア、水産卸エリア、管理棟エリア、それから環二アンダーエリア、この五工区の方々と、第一回モニタリング開始前に打ち合わせを行いまして、了解をいただいております。
 次に、この仕事の位置づけについてですが、地下水モニタリングは、土壌汚染対策の措置の効果を確認するための重要な調査であるというふうに認識しております。
 モニタリング計画につきましても、弊社で策定させていただきました。計画書作成に当たっては、市場の担当者の方とともに、環境局とたび重なる協議を重ねて、モニタリング地点二百一カ所及びその採水作業の手順について確認をいたしました。
 採水作業手順書につきましても、環境局の確認をいただいております。基本的には、環境省のガイドラインに基づく手順に基づくものでございます。
 次に、採水作業の作業体制、作業手順についてご説明します。
 採水作業の体制としましては、技術士等の資格を有する社員を中心に、作業員二人を含めて、一班当たり三人で作業を行いました。
 採水作業につきましては、現場担当のリーダーが作業担当者全員に対して、第一回地下水モニタリングの開始前に手順を解説して、採水器具の取り扱い、それから写真撮影の手順、試料の保管、運搬方法等についてレクチャーした上で現場に入っております。現場におきましても、再度手順を確認して作業を進めておりました。
 採水作業は、モニタリング井戸が点在している関係から、二班または三班を動員してやっております。採水に使用した器具は、全てベーラーを使って採水し、ベンゼン用はガラス瓶二本、シアン化合物、金属類はそれぞれ白色ポリ瓶一本の地下水をとりました。
 なお、ベーラーは一カ所の採水に使用するのみで、同じ日に違う井戸の採水をするというような使い回しをすることはしませんでした。
 ベーラーを使った採水の状況及びその試料瓶への採取状況の写真につきましては、配布資料の最後のページに載せてございます。この写真は、試行モニタリングのときの写真でございます。こんな感じで採水しております。
 現場で採水した地下水は、クーラーボックスに保管し、保冷剤や氷で保冷し、車で会社、新宿でございますが、会社に持ち帰りました。持ち帰った試料につきましては、採水当日の採水地点と試料本数を確認した上で、東京都様に持参し、担当者に確認を受けた上で、分析業者へ発送しております。分析業者への発送までの試料の保管は、弊社の冷蔵庫で冷蔵保存し、試料の運搬は冷蔵便で発送しております。
 私自身の現場へのかかわり方につきましては、私自身は採水作業の総括責任者として、スケジュール管理、現場作業員との連絡、都担当者や関連業者との、これはパージ担当ですとか分析業者さんでございますが、連絡対応をしておりました。
 現場につきましては、第一回モニタリング開始前の施工業者さんとの協議及び分析業者さんとの協議への出席、それから第三回モニタリングの採水時の環境局の現場立ち会いの案内等を行っております。
 現場からの採水当日の作業状況に関する連絡を受けまして、都にその内容を連絡しておりました。
 そのほか、分析業者の試料の送付に当たって、送付内容の確認、具体的には採水地点リストと試料瓶へ記載されている地点番号の整合確認を行っておりました。
 東京都との協議の状況でございますが、採水作業に関する協議としましては、モニタリング計画書の作成段階、モニタリング位置の検討ですとか、採水手順書の作成等でございますが、あと採水施工業者との役割分担に関する協議、それから分析業者との試料の引き渡し方法についての協議などを行っております。また、先ほど述べました日々の採水作業の結果も報告しておりました。
 モニタリング計画書の作成段階におきましては、環境局とたび重なる協議の上、内容について確認させていただいております。
 私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 平井参考人からのご発言は終わりました。
 次に、平井参考人に対する質疑を行います。
 なお、平井参考人に申し上げます。答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言をしていただきますようお願いをいたしたいと思います。
 それでは、質疑に当たり、初めに私、委員長から基本的な事項について何点か質疑を行わせていただきたいと思います。
 改めて、お忙しいところ、本日はご出席いただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 豊洲のこの市場移転問題は、大変多くの都民や国民の皆さんが高い関心を持っているわけであります。一月の専門家会議で公表された地下水のモニタリングの結果について、我々も、そして、多くの都民の皆さんや国民の皆さんも驚いてその事態を受けとめているわけであります。
 そうした中、採水や分析の方法などについて、我々都議会としても確認をさせていただきたいという趣旨で、今回、皆さんにお越しをいただいているわけであります。
 皆さんは、技術職というお立場でご出席をいただいております。また、測定結果に対する科学的な評価は、既に専門家会議の皆様からもご意見を伺っているというお話を聞いております。
 このため、本日は技術的な部分を中心にお話を伺いたいと考えておりますので、よろしくお願いをさせていただきたいと思います。
 初めに、私から何点か総括的に基本的な部分をお伺いしたいと思います。
 地下水のモニタリング調査は、採水も、それに引き続く分析も、基本的に土壌汚染対策法に基づくガイドラインに沿って実施をされているとのことであります。正確な分析結果を得るためには、一連の工程に関するガイドラインの内容を、作業者の皆さんが正しく理解をしている必要があると思います。
 そこで、貴社におかれましては、社員に対してどのような形でガイドラインの理解を進めておられたのか、先ほど、事前のご説明の中でもありましたが、確認の意味でお聞かせをいただきたいと思います。

○平井参考人 社員へのガイドラインの教育の件でございますが、弊社では、ISOの教育訓練の一環としまして、土壌汚染対策法の改正事項の確認研修ですとか外部研修、その研修会への参加を計画して、毎年計画どおり実行しております。

○山崎委員長 ありがとうございます。
 次に、作業の実施体制、先ほども説明の中であったと思いますけれども、お伺いをしたいと思います。
 豊洲のこの市場の用地は、約四十ヘクタールあります。その中で、日水コンさんの方は、三街区を合計という形で、二百一カ所の作業という形で、大変広い、広範囲にわたったと思いますが、また、この分析作業において、物質ごとの検体の容器が異なり、井戸の数も多いということなので、分析する検体の総数も相当数に上ったと思います。
 そこで、採水や分析作業の際の人数や体制は、先ほども話ありましたけれども、どのようなものであったのか、また、作業者を監督する人員を配置していたのかという点についてもあわせて教えていただきたいと思います。

○平井参考人 先ほども申し上げましたけれども、作業は一班当たり三人で対応しております。その一人はリーダーとしまして、社員が、技術的な内容とか確認しながら作業をしております。
 そのリーダーにつきましては、技術士を持っている人間を充てまして、作業員を指導しながら、現地でやっております。現場、三街区にまたがりまして、一日二十カ所採水するということを目標にしていましたので、二班ないしは三班という形で作業は進めております。
 以上でございます。

○山崎委員長 以上で私からの質疑は終わらせていただきたいと思います。
 次に、それぞれの委員の皆様から質疑を行います。
 それでは、発言を願います。

○田中委員 本日の委員会質疑にご協力いただきましたことを感謝申し上げます。
 冒頭の挨拶は委員長の挨拶にかえさせていただきたいと存じます。限られた時間なので、端的にお伺いをさせていただきます。
 日水コンさんのモニタリング調査は、第一回目から三回目をご担当いただきました。先ほどのように、いわゆる建築物が建ち上がる過程での調査ということでありまして、その際の工事現場での調査ということから、安全の管理が大変だったですとか、あるいは調査する場所も調整しながらの対応だったというようなお話もございました。
 それで、四回目以降は建設共同企業体のもとでの採取、分析が行われているということと比較いたしまして、今回のその作業に当たっての、各街区ごとに状況が変わっていると思いますが、作業に当たっての制約があったのかどうか。本来であれば、こういう形で調査をしたかったんだけれども、それができなかったとか、何か具体的なことがありましたらお答えをいただきたいと思います。

○平井参考人 先ほども申し上げましたけれども、建築工事が進んでいる中での採水ということでしたので、課題としましては、作業員の安全管理と、それから採水作業のスケジュール管理、この二点あったかと思います。
 まず、安全管理につきましては、当初、採水は二名あれば足りるというふうな感じもありましたけれども、安全管理上、工事現場でありますし、重機や工事車両の通行とか、そういった面を考えますと、やはり三人でやる方がいいだろうということで三人体制とさせていただきました。
 工事の状況によりましては、さらにカラーコーンとか安全バーとかを持ち運ぶ必要もありましたので、四人体制で行ったこともございます。
 各街区に入る、工事現場に入るということですので、第一回のモニタリングに先立ちまして、各街区の安全教育を受けております。
 現場は、毎日のように目まぐるしく工事が、状況が変わってまいりますので、三街区とも、調査員は現場の朝礼に参加して、当日の大型車両の通行ですとか、立入禁止エリアとか、その辺を確認しております。
 あと、各街区の職長会議というようなものにも参加しておりまして、自分たちがこういう採水作業をするということも現場の作業員の方々にもご認識いただいて、安全にできるように工夫したというところがございます。
 スケジュールの管理につきましてですが、一応二十カ所毎日採水するということで、パージをやって、次の日に採水するという手順でやったんですが、その採水するに当たっても、なるべくトラックとか重機が活動していない昼休みの時間とか、あと夕方、あるいは夜というような形で採水するというような工夫もしておりました。
 そのようなことを考慮して、鉄板が敷かれる前に採水するとか、その辺も工夫しながらやって、一応二週間の間でそれぞれ採水作業を完了したという状況がございます。

○田中委員 大変極めて制約を受ける中での作業だったということでありますが、その制約を受けることが、その調査の結果に何らかの影響を与えたと考えられるのかどうかということと、あと今回、採水と分析と大きくそれぞれ精度を求められる作業でありますけれども、四回目以降で採水と分析と両方兼ねている調査もございます。
 そういった中での、これちょっとご示唆をいただきたいんですが、採水と分析を両方兼ねるということの、作業量の視点で、何かご示唆といいますか、難しそうだとかどうなのかというご感想があれば、お聞かせをいただきたいと思います。

○平井参考人 採水につきましては、先ほども申し上げましたけれども、ガイドラインに沿った採水手順書に従って慎重に採水しております。
 現場は非常に危険な状態もあるんですけれども、その辺の採水に当たりましては、慎重にベーラーをおろして採水するとか、その辺は気をつけておりました。
 弊社は採水のみ分担しておりましたけれども、分析業者さんの話はちょっと私どもよくわかりかねるんですけれども、現場の状況からして、その日に採水したものはなるべく早く分析業者さんにお届けするというような形での配慮はしておりました。

○伊藤委員 都議会公明党の伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、お忙しいところ本当にありがとうございます。
 今回、地下水モニタリング調査の適正性を確認するに当たり、都議会公明党は、市場当局が各調査会社あるいはJVに発注した契約書の中の仕様書を入手いたしました。
 一方で、専門的知識を有する東京都の環境局の助言を踏まえて作成された、今行われている再調査、これの仕様書も入手をして、それぞれを、この仕様書を比較したところ、一回目から九回目の調査で都が発注した仕様書には不備があるんではないかと。また、二年間、九回にわたるこの調査は、一貫性、妥当性のあるものだったのかということを非常に疑念に思ったところであります。
 私から、この仕様書に基づいて何点か質問をさせていただきたいと思います。
 今行われている再調査の仕様書と比較をして、日水コンさんへ東京都が出した仕様書には、パージ、採水の際の使用機材、採取試料、作業状況などについて、写真撮影及びビデオ撮影を行うこと--つまり記録の保存について明記をされておりません。
 こうした東京都の仕様書について、これまでたくさんの経験を積まれてきた日水コンさんから見れば、東京都の仕様書に違和感はなかったかどうか伺いたいと思います。

○平井参考人 私ども採水を受託しましたのは修正設計の中でございますけれども、作業内容として、作業手順書に、採水作業手順書に写真撮影と、それから現場野帳、この記録をとりなさいということは、その修正設計の仕事の中で決めておりますので、それにのっとって私どもは作業を進めております。
 報告書には、現場ではかったpHとか、電気伝導度とかの記録も残しておりますし、あと、写真につきましても、全ての調査ポイントのいわゆるサンプルを撮った写真と、それからその場所が全体の中でどういう位置にあるかを示す遠景の写真、この二枚を撮影することということで作業を進めておりますので、仕様書上は明記されていなかったかもしれませんけれども、私どもは採水手順書のとおりにやりましたというところでございます。

○伊藤委員 ありがとうございます。仕様書には記載がなかったようだけれども、独自に日水コンさんとしてきちんと保存はしたということであるわけであります。
 東京都が日水コンさんに発注した仕様書の中には、今後のモニタリング計画の基礎資料として活用する採水手順書案を作成すると、日水コンさんに手順書を作成するように求めておるわけであります。
 今後の基礎資料ということは、つまり日水コンさんが作成した採水手順書を四回目以降の調査会社にもきちんと引き継いでいくべきものだというふうに思います。伺いますけれども、日水コンさんが作成した採水手順書、これについて、その後の活用について都からどのような説明を受けていましたでしょうか。

○平井参考人 先ほども申し上げましたけれども、私どもが採水を始める前には、その各工区さんのJVさんと採水手順書をもとにして協議をして、このとおりパージ、採水をやってくださいという協議はしております。
 ですので、四回以降どういうふうに活用されたかは、ちょっと私どもわかりかねるんですけれども、基本的には第一回の段階で提示した採水手順書がそのままその後の調査にも活用されたというふうに認識というか、と思っております。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 次いで、モニタリング調査で使用した二百一カ所の井戸の設置、これについては日水コンさんが行ったものだというふうに思いますけれども、この管理体制が十分だったのか、この調査をしていく中で、目詰まりをしていたり、あるいは井戸が曲がったり、あるいは損傷しているというような、この井戸の異常は見つかったのかどうか伺いたいと思います。

○平井参考人 モニタリング井戸の設置につきましては、私どもは関与しておりません。設置はしておりません。
 モニタリング井戸の発注のための図面作成、これはガイドラインに示されている井戸の構造図とか、その辺を参考にして発注図は作成させていただきましたけれども、井戸の施工そのものは全く関与しておりません。
 実際に採水作業中、井戸が曲がったり破損したりしてベーラーが入らないというようなところもありましたので、その辺につきましては、各ゼネコンさんの方で再設置していただいたとかいうことはございます。

○あさの委員 お忙しい中、本当にありがとうございます。
 時間もありませんので、手短にさせていただきたいと思います。
 先ほどのご説明の中で、パージ、採水、分析という中で採水を担当しましたという話、それからパージを、朝礼で採水可能な場所を聞いて、そこに行ったというお話から、まず一点確認です。パージをしたのと採水をしたのが別の担当でやっていたのか、それとも同じくこの日水コンさんの方で同一の人間でやったのかということをまず確認させてください。

○平井参考人 パージは、私どもはやっておりません。各工区のJVさんのもとでパージをやっていただいて、そのパージが終わった井戸をこちらに連絡いただいて、その井戸に採水をしに行ったということでございます。ですから、作業員は違います。

○あさの委員 それでは確認ですが、パージをしてから、パージ完了から採水まで、最短でどのくらいの時間だったか、最長でどのくらいの時間だったか、概略で構いませんので教えていただきたいと思います。

○平井参考人 基本的に、パージを前日にしていただいて、その翌日ということになりますので、二十四時間後ということ、基本はそういうことです。朝とったり夜とったりするのがありますので、二十四時間を挟んで何時間かというところかと思います。

○あさの委員 それでは、ちょっと変えて、計量証明事業所の指定を受けていらっしゃるということで、分析する力があるということがもう公的に証明されている日水コンさんでございますけれども、この採水を受けた後に、分析まで一緒に受けた方が一般的には私としてはいいんじゃないかと思いますが、それについてのご意見を伺いたいと思います。

○平井参考人 弊社は計量事業所として登録されております。分析は可能ですけれども、都の方針として、分析につきましては一般公募で業者を選定するというようなお話がありまして、分析の方はそういった形で一般公募で採用するということですので、弊社は採水までというところで請け負っております。
 効率的かどうかという話は、時間は短縮するかもしれませんけれども、その辺はやはり、分析は分析というふうに分けた方が基本的にはいいかなとは思っております。

○あさの委員 では、最後に一点だけです。
 さまざまな記録を手元に残しておられるということでございますので、その記録を、任意で構いませんけれども、都議会に対してご提供いただくことは可能でしょうかということだけお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

○平井参考人 野帳記録等は残しておりますけれども--写真は修正設計の報告書に載せておりますので、それは開示できると思います。野帳につきましては、専門家会議のヒアリングにおいて、専門家会議の方に提供しておりますので、そちらにお任せということになろうかと思います。

○かち委員 本日はありがとうございます。
 今までいろいろお聞きになっているんですけれども、日水コンさんは、要するに手順書をつくって、次のモニタリングをやる基礎資料ということをやられたわけですけれども、特記仕様書などを見ますと、現場がまだ工事中であって、できた観測井戸からはかっていくと、採水していくというような記述があったように思うんですけれども、井戸をつくりながら採水もしていったというような現場の状況だったのか、それから建物の下の中の現場の実態というのはどうなっていたんでしょうか。

○平井参考人 弊社が採水を担当する段階では井戸の設置は終わっておりまして、モニタリング井戸の設置は終わっておりました。掘りながら採水するということではないです。ですから、設置された井戸のパージをやっていただいて、それを順次追っかけていって採水するという手順でございました。
 あと、もう一つ……。(かち委員「建物の下の」と呼ぶ)建物の下。第一回から第三回の状況ですと、まだ建物地下の工事が着手したような段階から、鉄骨組み上げてコンクリート打ちをするというような段階でございましたので、建物下にも確かにモニタリング井戸はございましたけれども、非常に支保工とか建て込んだ中での作業という状況でございました。

○かち委員 先ほど、体制のことで、責任者が一人で、入れて三人体制で、二班から三班、だから六人か九人ぐらいの体制で二週間かかってやったということだと思うんですけれども、責任者の方は社員の方ですね。作業員の方というのはどういう身分の方なのかということをお聞きします。

○平井参考人 作業員は、人材派遣の方から、技術者としての人材派遣をいただいております。そのメンバーは、河川の採水ですとか、弊社ですと下水関係の調査とか、その辺のいわゆる採水にはたけた人材を派遣していただいて、チームは組んでおりました。

○かち委員 先ほど仕様書のことがありましたけれども、こういう手順書をつくっていただいているわけですけれども、各井戸一回ごとにこういうものを全部つけていたのか、それが保管されているのかどうかということと、写真もこれを見ますと、一回につき八枚撮ることになっていますけれども、こういうものを全部二百一カ所でやられているのかどうかということをお聞きします。

○平井参考人 先ほどお示しされたものは、試行モニタリングの段階で使った記録書でございます。その段階では八枚の作業を記録するという意味でやっておりましたけれども、二百一カ所をやるというのは非常に手間かかりますので、二百一カ所の調査の段階では写真は二枚と、あと現場の記録としましては、採水前の水位の調査結果、それから水温、pH、電気伝導度と、調査員が感じた試料の色ですね、水の色、それからにおい、そういった項目について記録するという形で進めており、その記録はまとめておりまして、現在、専門家会議の方にはご提示をしております。

○おときた委員 きょうは貴重なお時間をいただきましてまことにありがとうございます。
 私からも簡潔に何点かご質問をさせていただきたいと思います。
 まず、事前に採水の手順であるとか、都の環境局などとしっかりすり合わせを行って実施をしたということなんですが、これ当日についてお伺いいたしたいんですが、採水の日の当日、二班、三班に分かれて作業をしているときに、都の職員がそれぞれ立ち会ったり、あるいは監督として回って、何度かコミュニケーションをとられたりとか、そういったことは当日あったのかどうか、覚えていらっしゃったら教えてください。

○平井参考人 都の職員の方は、この第一回から三回の中では、第三回目に環境局の立ち会いはございましたけれども、その段階で現場には立ち会っていただいています。
 私ども、毎日採水して、その結果を報告するという意味では、その作業内容の確認は毎日やっていただいていたという状況でございます。

○おときた委員 では、確認ですが、都の職員が現場に来たのは第三回が初めてなのかというところと、あと、その報告方法というのはどのように報告されたのかというのについて教えていただけますでしょうか。

○平井参考人 この第一回から三回の中では三回目に立ち会っていただいたんですけれども、前段でやりました試行モニタリングの段階では都の職員の方の立ち会いをいただいて、その手順とかを確認いただいているという状況でございます。
 あと、確認の手順でございますけれども、当日採水した箇所と採水してきたサンプル瓶がございますけれども、その数を確認いただく意味で、一度弊社に持ち帰った試料を都の方でもう一度確認いただいて、それから分析業者の方に送付するという手順をとっておりますので、私どもから直接その分析業者に送るという手順ではなくて、一旦確認いただいた上で送ると、そういう確認をしていただいておりました。

○おときた委員 今ちょうど次にご質問しようとしたところにかかわるご答弁をいただいたんですけれども、では日水コンさんとしては、採水する、日立さんですか、とは直接コミュニケーションをとられたということは一回もないということを確認させていただき、どのような、仮に打ち合わせがあったとしたら、そういったことも教えてください。

○平井参考人 分析業者の日立プラントサービスさんとは、第一回のモニタリングが始まる前に、試料の受け渡しの方法について打ち合わせさせていただいた、その場にも東京都の担当の方も同席いただいて、私どもが採水したものを東京都さんに確認いただいて、その後送りますよ、で、それはいわゆる冷蔵便ですね、それで送りますという話で協議をしております。

○小松委員 きょうはありがとうございます。
 早速お伺いしたいんですが、今、日立プラントサービスさんのお話が出ましたけれども、日立プラントさんとは、これ以外に連携した取り組みというのはやったことがありますでしょうか。

○平井参考人 弊社も計量事業所でございますので、弊社で請け負ったものは弊社で分析するという形がほとんどです。そういう意味で、ちょっと弊社として、日立プラントさんに分析をいただいたという例はあるとは思いますけれども、ちょっと私ども把握し切れてはおりません。

○小松委員 日水コンさんの調査では結果として何も問題がなかったわけですが、ご存じのように、第九回目の調査では、大変汚染、数値の高い値が、結果が出たわけです。このことについて専門家としての見解をお伺いしたいと思います。
 また、もしですね、もし汚染が本当はあったのに、日水コンさんの検査では出なかった、検出できなかった可能性があったと、仮にですね、仮定して、原因として思い当たることというのはないでしょうか。

○平井参考人 当社は採水のみ行っておりましたので、採水に当たっては、ガイドライン等に従いまして、慎重に、きちんと採水を行っていたというところでございまして、公表された結果を見ましても、問題ない結果が出ておりましたので、そうなのかなということでございます。
 原因等については、ちょっと私どもの方からはちょっとコメントは差し控えたいと。専門家会議の方で何かいろいろご検討されるかと思いますけれども……。

○小松委員 それでは、作業に当たる作業員への教育をしっかりなさっているということを伺いました。ですが、作業の初心者が当たるということはなかったんでしょうか。

○平井参考人 先ほどもちょっとお答えいたしましたけれども、作業員としては人材派遣を受けてチームは組んでおりますけれども、その要件としましては、いわゆる採水作業にたけた人材ということで募集しておりますし、いわゆる素人という方は全く入っていない。

○小松委員 御社の契約は、地下水管理システムの発注の変更契約となっているわけですけれども、その地下水管理システムは、土壌汚染対策の一環であるわけです。その結果としての地下水モニタリングというのは、その両方業務をされるというのは、利益相反というといい過ぎかもしれませんけれども、になるというようなお考えはなかったでしょうか。確認させていただきたいと思います。

○平井参考人 地下水モニタリングは土壌汚染対策工事の措置がちゃんと継続しているかどうかを確認するという調査ですので、弊社は土壌汚染対策工事には全く関与しておりませんので、私どもが採水するということで、そういった利益相反とか、その辺はないというふうに考えております。
 採水作業そのものは修正設計の変更の中でやらさせていただきましたけれども、これは、東京都さんの方からお示しいただいたその仕様の内容につきまして、弊社の方で技術的な対応ですとか、あと人材の手当てですとか、その辺手当てできるということを判断いたしまして受託したという状況でございます。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 平井参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、平井参考人からの意見聴取は終了いたしたいと思います。
 平井様、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見をいただきまして、まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それでは、どうぞご退席ください。ありがとうございました。

○山崎委員長 次の参考人の方をご紹介いたします。
 鹿島・西松・東急・岩田地崎建設共同企業体代表者の鹿島建設株式会社土木営業本部プロジェクト推進部次長の小沢明正さんです。
 本日は、ご多忙のところ、委員会にご出席いただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、地下水モニタリング調査についてご意見をお伺いいたしたいと思います。
 なお、小沢参考人には、ご着席のまま発言をしていただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○小沢参考人 おはようございます。豊洲新市場土壌汚染対策工事の五街区及び青果棟建築工事ほかの代表会社であります鹿島建設より、私、小沢が参考人としてご対応申し上げます。
 まず、五街区の地下水モニタリングにつきましては、二〇一四年十一月から二〇一五年三月までの第一回から第三回までは、観測井戸に滞留した水を事前に排除するパージと呼ばれる業務のみを受託し、二〇一五年七月から二〇一六年九月に至る第四回から第八回につきましては、このパージ業務に加えて、採水と分析についても業務を受けているものであります。
 当社としましては、地下水モニタリングについての直接の契約者は、当時の建築工事を管理していた建築部門の支店が構成していた共同企業体、いわゆるJVですが、実際の調査の実施に当たっては、土壌汚染調査に係る専門的な知見が必要となるため、環境の専門部署から業務内容を熟知した専門担当者が調査業者を管理する形、そして、土壌汚染対策工事を担当した土木部門が管理体制に入るなど、幾つかの関係部署が連携して対応している、このような形で行っておりました。
 私は、その地下水モニタリングに先立って実施された、鹿島建設を代表とする六者JVの工事であります土壌汚染対策工事の管理技術者として、二〇一一年十月から二〇一四年九月の期間、現場に常駐して、工事監理に従事しておりました。地下水モニタリング業務の開始時期には、現場を離れていたため、直接の調査業務の担当ではございませんでしたが、こちらの豊洲新市場の現場についての状況を把握していることと、それから調査の結果及び対応について適宜情報を受けて助言をする立場でありましたので、関連部署の関係者を代表して、本日の参考人に指名されました。本日はよろしくお願いいたします。
 まず、地下水モニタリング当時の現場状況についてご説明申し上げます。
 二〇一四年十一月から二〇一五年三月までの第一回から第三回までは、五街区建築附帯工事で、地下水モニタリングのためのモニタリング井戸の設置及び採水準備作業としてパージ業務を行いました。この当時の現場状況としては、五街区の青果棟、建築物ですね、の基礎躯体構築から鉄骨工事の工種を実施。青果棟の周辺に配置される附属棟、これは幾つかございますが、これについては地中障害の撤去工事、くい工事から基礎躯体工事に着手した状況となっております。全体の進捗率は一〇%から二〇%、一日の作業員数は三百から四百名ほどということでございます。
 次に、二〇一五年七月からの第四回モニタリング以降は、当社建築工事で採水から分析までのモニタリング業務を担当しているということでありますが、この当時の現場状況としては、青果棟工事では、地上躯体工事から外装工事、内装工事を実施。附属棟では、地上躯体工事が開始されるとともに、外構の工事に二〇一五年の五月、地下水管理棟に同年の六月下旬に着手し、現場内も複数工事でふくそうしている状況となっております。
 出来高は、五〇%から七〇%の最盛時期で、一日当たりの作業員数も七百人から千人ほどとなっておりました。
 このたびの地下水モニタリングの位置づけについて、契約時に東京都中央卸売市場から受領した地下水モニタリング計画書に本調査の目的が記載されており、こちらをもとに地下水モニタリングの位置づけを認識しております。
 目的については、ガス工場操業由来汚染、基準不適合土壌ですね、これを掘削した後の措置の効果について、環境省の土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインに定められた手法により、地下水のモニタリングを実施して、自主的に確認することなどであります。
 また、手順については、地下水モニタリング計画書にあるモニタリングの井戸の設置、採水分析方法を業務受託者として理解し、土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインにのっとり、土壌汚染状況調査を公正に実施しております。これは、本件を担当した当社社員全員が理解の上、調査に当たっておりますとともに、委託先でありますケミカルグラウト、これは国の指定調査機関として、調査が公正であることの重要性は十分理解しておりますが、同社に対しても、発注の際、地下水モニタリング計画書、土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインのうち、この業務に関する部分について双方で確認しまして、公正な調査について改めて指導をしております。
 最後、本調査に関しての東京都殿との協議でありますが、さきの地下水モニタリング計画書に基づく手順と、実施時期及びモニタリング井戸位置などの事前説明を受けた上で、業務を実施しております。
 なお、実際の現場での調査の時期や結果報告についても、当社の担当者が直接、東京都中央卸売市場の担当者と協議をしながら進めたと報告を受けております。
 以上で業務の状況を、ご説明を終わります。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 小沢参考人からの発言は終わりました。
 次に、小沢参考人に対する質疑を行います。
 なお、小沢参考人に申し上げます。答弁の際は、手を挙げていただいて、委員長の許可を得てから発言をいただきますようお願いをいたしたいと思います。
 それでは、質疑に当たり、初めに私から基本的なことをお伺いさせていただきたいと思います。
 改めて、お忙しいところご出席をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 豊洲のこの移転問題、市場の移転問題は、非常に多くの皆様から関心をいただいている、高い関心を持っているところであります。
 そういった中で、今回、地下水のモニタリングの採水、また分析、そういった意味での第四回目から八回目までの五街区の部分、鹿島JVの皆様が受注をしたわけでございまして、先ほどご説明の中でもあったと思いますけれども、このガイドラインのことでございますが、ガイドラインをしっかりと理解をして、まずJVの皆さんが理解をされて、それをケミカルグラウトさん、またユーロフィンの方に採水と分析をお願いされていたと思いますけれども、ガイドラインをしっかりと、この二者に対してどういう形でご説明をされていたのか、その形をちょっと教えていただきたいと思います。

○小沢参考人 ただいま委員長からご質問いただきましたガイドラインの周知につきましては、まず土壌汚染対策法を扱うという工種ですので、我々、冒頭でも申し上げましたように、専門性の高い環境の専門部署から、その土壌汚染対策法並びにガイドラインを熟知した人間が、基本、この業務に入ってまいります。
 また、採水分析の流れとしまして、採水を主体的に委託しているケミカルグラウト社につきましても、そのガイドラインの土壌汚染対策法を理解した人間が当たっておりますが、このたびの業務は、まず東京都殿から、地下水モニタリングの計画書をいただきまして、それを、その中にガイドラインに準拠すると載っておりますが、それをいただいたものを、実際の工事の前に作業周知会という形で関係者を集めて、その手順を双方で確認して、実施を管理するというような体制で、周知徹底を行っているという状況でございます。

○山崎委員長 今、鹿島建設小沢さんから答弁があったように、ガイドラインと、またその計画書に基づいて、手順を双方でしっかりと確認をしたという答弁をいただきました。
 これから、それぞれの委員の方たちが質問に入らせていただきたいと思いますので、また、時間も限られておりますので、端的に答弁の方をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたしたいと思います。
 私の方からは以上でございます。
 次に、それぞれの委員の皆さんから質疑を行います。
 それでは、発言を願います。

○田中委員 今回の委員会に関しましてご協力いただいたこと、心から感謝を申し上げます。限られた時間なので端的にお伺いをいたします。
 今ご説明いただきましたが、御社を初めとするJVの皆様方、地下水モニタリング調査におきましては、五街区の第四回から八回目をご担当いただきました。御社におかれては、土壌汚染の対策からのかかわりということで、その経験も踏まえての今回の対応をいただいたものと思っておりますが、本来の、本業といいますか、青果棟の建設そのものに対してもさまざまな神経を張りながらの作業を行っていただいた中で、あわせてモニタリング調査も同時に行っていただきました。その本来の工事とモニタリング調査との調整ということにもいろいろとご苦労といいますか、気配りがあったと思いますが、その点をまずはお聞かせをいただきたいと思います。

○小沢参考人 ご質問いただきました。モニタリングと建築工事等の調整というお話で承りました。
 このたび、特に冒頭申し上げましたように、第四回から第八回というのがちょうど我々の青果棟並びに附属棟、外構工事と、非常に工事がふくそうしていくというところで、我々のJVがこの業務を受託しているんですけれども、具体的には五街区、七十二カ所の井戸がございまして、これが敷地の周囲にある中で、全てが簡単に採水できる状態ではないと。例えば、動線の敷鉄板、これ一・六トンとか、非常に重いものです。その下にある井戸、あるいは掘削しているのり面にかかっている井戸、建物の足場の下にある井戸、こういったところのものを、工種の工程を調整しながらやるというのが非常に苦労したところと、何よりまず作業に当たる人の安全というのを、我々、土木、建築とも重要視しておりますので、採水を安全にできるかということで日々の調整を行ったというところが、今ご質問いただきましたモニタリングと工事の調整というところでは、お答えでよろしいでしょうか。

○田中委員 大変、安全の確認をしながらの作業であったということで、幾つかの制約もあったのかなとも思います。
 先ほどご説明をいただきましたが、特に、ガイドラインに基づきましての現場での採水作業については、しっかりとケミカルグラウト社さんとの連携もおありだったのかなと思われますが、今回は採水だけではなくて、分析においても、御社のもとでの作業が行われております。
 ユーロフィン日本環境株式会社さんとの連携でありますけれども、特に、採水もそうですけれども、分析においての精度を高めるという観点からの御社からの管理上のかかわり、どの程度のものがあったのか、お伺いしたいと思います。

○小沢参考人 今ご質問いただきました分析の部分の精度を高めるという観点でいきますと、まず、今お名前が挙がりましたユーロフィン日本環境という会社自体が、環境計量証明事業者ですので、そちらに分析自体は委託している形ですので、しっかりとした精度のあるものを、結果を出していただいていると思っております。
 また、我々の関与としましては、別途、現場での採水ということにつきましては、今、パージ業務ということで、これは先ほど申し上げたガイドラインに沿った手順にのっとると、しっかりと中にたまった水を入れかえてきれいな水をとるというところが重要視されておりますので、その部分で精度のある対応をしたということで聞いております。

○田中委員 あと、他の街区、六街区におきましては、採水会社と分析会社が同一と実はなっておりますが、五街区におきましては採水と分析、それぞれ会社を分けた理由、一緒にしなかった理由というのがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。

○小沢参考人 五街区につきましては、まず採水にケミカルグラウト社が入っておりますが、ケミカルグラウト社は、その当時、ほかの工種、地盤改良あるいは地中障害の撤去ということで、現場に常駐していることと、ケミカルグラウト社自体が、土壌汚染対策に関しては国の指定調査機関でありまして、本業務を委託するのに適正だと考えましたので、そちらに依頼しております。
 ただし、ケミカルグラウト社自体が、分析を行うラボを持っているわけではございませんので、その部分をユーロフィン日本環境さんにお願いしているという形で、採水と分析の部分が、我々五街区に関しましては分かれているというような状況でございます。

○伊藤委員 都議会公明党の伊藤でございます。きょうはありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 鹿島JVさんに対する都からの特記仕様書、これを読ませていただきました。しかしながら、都から鹿島JVさんに出した仕様書は、一番肝心な採水や分析についての項目の中で、整理の上、速やかに監督員に報告することなど、大まかな記載しかなく、随分簡素なものだなというふうに思ったわけでありますけれども、都から鹿島JVさんに出したこういう仕様書と同じように、鹿島JVさんから、今回は採水はケミカルグラウトさんへ、分析はユーロフィンさんに出しているわけですけど、先方の調査委託先の仕様書とか、書面で何か交わしたりはするものでしょうか。まず、そこを伺いたいと思います。

○小沢参考人 今、仕様書の流れというお話と承りましたが、まず東京都殿からは、特記仕様書とありますが、先ほど冒頭からも申し上げております地下水のモニタリング計画書というのが、仕様書とはいわないですが、具体的な井戸の位置ですとか、あるいは採水手順、これはガイドラインにつながるような記載で書かれております。これを我々はまず仕様書と理解して、採水会社、分析の方にも流しております。
 具体的には、先ほど委員長のご質問にもありましたけれども、作業周知会並びに重立った職長に対しては、この仕様書を、地下水モニタリング計画書を双方で確認するという形で渡しております。そちらに基づいて実際の採水も行っておりますし、分析会社につきましては、基本的には、我々の街区に関しては、どの位置で採水をするというのは分析会社の範疇ではありませんので、分析の計量証明事業に基づいて適正に行っていただいているというふうに考えてございます。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 私たち都議会公明党はこの全九回のモニタリング調査、これが、特にパージを含む採水の部分とか、同じ手順で、同じ条件でやっていく必要性があるというふうに思っております。
 一回目から三回目のモニタリング調査を担った日水コンさん、これが一番最初の段階で、都から手順書をつくりなさいという求めがあって、手順書をつくったと。この手順書を二年間ずっと引き継いでいくんですよというふうに、流れになっていると、先ほどの参考人質問の中でも聞かせていただいたところでありますけれども、この日水コンさんがつくった手順書、これは鹿島JVさんの方にもちゃんと引き継がれているかどうか、確認したいと思います。

○小沢参考人 済みません、私もその第一回から第三回の日水コンさんがつくられた手順書というそのものの情報で、どういうものが、いただいたかというのは、正確にお答えできる情報は持ち合わせてございませんが、我々が受けた時点での、先ほど申し上げています地下水のモニタリング計画書といいますのは、かなり、その中でもガイドラインから抽出して、具体的な手順が書かれておりまして、恐らく日水コンさんがつくられた内容もそちらに含まれて、必要十分なものであったのではないかと想定します。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 今回、今現在、再調査が行われているわけですけれども、この再調査に対する、都から発注されたこの仕様書を見させていただきました。この再調査についての仕様書については、環境局の助言がしっかりと踏まえられている内容でありましたけど、この中には、精度管理について非常に細かく書いてあるんですけれども、この精度管理について、鹿島JVさんの方には、都の方から精度管理についてこういうことですよというような説明とか、何か打ち合わせ等はありましたでしょうか。

○小沢参考人 精度管理という表現ではありませんが、冒頭から申し上げている地下水モニタリング計画書、こちらに基づいての事前の打ち合わせにおいては、当然ながら、公正な調査をするということで、土壌汚染対策法のガイドラインというもの自体が、いかに精度を上げるかというものにのっとって記載されているものですので、こちらを準拠する、すなわちそれは精度管理ということの指導というふうに受けとめて、業務に当たっております。

○酒井委員 東京改革議員団の酒井でございます。本日はありがとうございます。
 まず初めに、この間、先ほどの説明でもございましたけれども、御社においては、パージ作業について、第一回目から第八回目まで行ったということでございますけれども、確認ですが、第九回目においては行っていないのかどうか、お伺いをいたします。

○小沢参考人 私が聞いている範囲では、第九回目のパージ、採水、分析業務には、弊社の方が関与したという情報は聞いてございません。

○酒井委員 では、第一回目から第八回目のパージ作業については、これは御社自身で行われているのか、ほかの会社に委託をしているのか。また、御社自身で行われた場合においては、どのような資格を有する方にこの作業を行わせたのか。この点についてお伺いをいたしたいと思います。

○小沢参考人 今、ご質問あったパージ作業ですね、こちらについては、基本的には、先ほどご説明ありましたケミカルグラウト社に委託する形で、我々は発注しております。そちらの、同社におきましても、土壌汚染の管理できます環境省の指定調査機関ですが、担当者自体も、土壌汚染調査の技術管理者等の資格を持っている人間も入っておりますので、そのような適正な、資格がある人間が一回から八回までのパージ業務を指導していったということで、我々は捉えております。

○酒井委員 では、再度確認をさせていただきたいと思いますが、先ほど日水コンの参考人の方からお伺いをしたところ、この五街区については、ゼネコンの方がパージ作業を行って、採水業者である日水コンが請け負ったと。その後を受け継いだというお話であったわけですけれども、実際にこの一回目から三回目についても、これはケミカルグラウトさんに対して、鹿島、御社としてはパージ作業を委託をしたということの理解でよろしいのでしょうか。

○小沢参考人 はい、今ご質問ありました第一回から第三回目につきましても、まず、JVからの発注先につきましては、先ほど来申し上げておりますケミカルグラウト社に委託しているという形でございます。

○酒井委員 このパージ作業を行ってから、採水、実際には同じ企業ということですけれども、実際にパージ作業を行った後、日水コンさんについては、翌日、これを受け継いで採水作業を行ったということですけれども、第四回から八回についても同じような形で行われていたのかどうか、お伺いしたいと思います。

○小沢参考人 基本的には、今、第一回から第三回は、パージした翌日に採水というのは、日水コンさんのお話だったと思いますが、弊社の関与しました第四回から八回の採水についても同じようなルールで、我々もパージを行った翌日に採水するというのが基本的なケースでございます。
 ただし、ふくそうの中で、どうしてもその日のうちにとらなければ、次の工程でそこの場所に立ち入れなくなるとか、そういった諸事情があった場合は、ちょっとパージ期間と採水時期の間に、翌日という原則ではない場合もあったかという情報を聞いてございます。

○酒井委員 済みません、最後に、元請業者として採水作業、パージ作業等については立ち会いを行ったのかどうなのか、また、都に対する報告はどのように行ったのか、都の監督員は立ち会っていたのか、お伺いします。

○小沢参考人 まず、元請業者としてのパージ採水作業の管理につきましては、冒頭で、複数の部署が関係していた中で、環境の専門部署ということも申し上げました。土壌汚染対策ガイドラインをよく理解した人間が、全数ではありませんが、定期的に現場に立ち入って監督をしているというような状況であります。
 また、パージ、採水とも、やはり七十二カ所、先ほどのさまざまな条件の中で井戸が設置されておりますので、それの立ち会い自体は、当社の建築の現場に常駐しているJV社員が、本日はこの場所ということで立ち会っているという状況ではあります。ただし、最初から最後まで、朝から晩までその仕事につきっきりという管理ではございません。
 今、最後にありました東京都さんの立ち会いも、パージについては何回か受けている情報もありますが、採水についてはそれほどなかったという話も聞いています。一般的に土壌汚染対策についての採水、こちらについては、かなり数も多いですが、基本的に我々そのために環境の専門部署の人間、資格を持った人間が管理するということで、実質的には任されていたんだなということで理解してございます。

○曽根委員 本日はご協力ありがとうございます。それでは質問させていただきます。
 これまでの質問やご説明の中で、第五街区、担当された鹿島さんのJVによって、一回目から八回目までのパージ作業が行われたことと、四回目から八回目までの採水はケミカルグラウト社が担当していますが、一回目から三回目についても、ケミカルグラウト社が実際はパージを行ったというふうなことがご説明あったと思いますが、採水について、ケミカルグラウト社担当ですが、それ以外の作業員が採水を行ったことはなかったでしょうか。例えば、都の職員が採水したというようなことはあったでしょうか。

○小沢参考人 今ご質問ありました採水についての、実際、実施した業者の話でございますが、当然ながら我々、工事を行っていく上では、元請JVに対して、一次協力会社、二次協力会社という形で、ふくそうする作業員が入ってまいります。ケミカルグラウト社が行った採水についても、その作業自体はケミカルグラウトが職長で、指揮して行ってはおりますが、実際の採水を行っているのは、その下の二次業者の作業員さんというようなレベルで人を使っているというようなことで、何らこれは一般的な工事と変わりませんが、そのようなことで行っております。
 今、委員がご質問ありました最後の、東京都さんがこの採水をかわりに行ったというご質問が最後だったかと思いますが、これについては全く事実はないですね。全て我々としては、鹿島JV、ケミカルグラウトという中で、採水を全て一貫して行ってございます。

○曽根委員 それでは、パージ作業というのは、井戸水、井戸の中の水の三倍から五倍の量を抜いては復水を待つという、大変難しい作業と聞いておりますが、この作業について、記録では、毎回の水抜きのパージしたときの水温やpHなどを記録して報告することになっていますが、この記録は残っているかということと、全体の採水を含めた作業記録については、東京都の方に報告をされているのかどうか。私たちが入手することができるかどうかについてはいかがでしょうか。

○小沢参考人 今ご質問ありました前半のパージ作業の記録という件につきましては、ご指摘ありましたように、pHあるいは電気伝導度とかというデータがありますので、これは現場の作業としては管理しております。
 それを含めた採水分析の全体の記録という点につきましては、記録といっても非常に広範囲に及ぶものでありまして、例えば採水日時、あるいは作業者名、それから天候、井戸番号、それから、今、委員の方からご質疑ありましたpHですとか電気伝導とか水温、あるいはにおいとかといった、もろもろな記録がありますが、これは全てケミカルグラウト社で採水したときには、現場としては管理しておりますが、そのうち、我々JVとしていただいているのは、基本的には、どの日にどの項番でとったものが、pH、電気伝導度がどうだったかというところの記録と結果でございます。また、それに附属する写真でございます。
 これにつきましては、東京都さんには提出してございますので、ちょっと我々というよりは、東京都さんの方でお聞きになられるということがよろしいんじゃないかと思われます。

○曽根委員 それでは、最後の質問ですが、ケミカルグラウト社と御社、鹿島さんの間の契約に関しては、私たちまだ入手できていないんですが、これを参考資料として提出していただくことはできるでしょうか。

○小沢参考人 ケミカルグラウト社と我々の間の契約につきましては、基本的には、建築JVと申しております我々の共同企業体との関係でございますが、そのもの自体が実際に開示できるかどうかというのは、会社の状況もありますが、ちょっと本日、私、小沢が判断するというところではございませんので、ちょっと回答は差し控えさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

○おときた委員 きょうは本当に貴重なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
 私からはまず、採水、分析の会社のそれぞれの選定理由について伺いたいんですが、ケミカルグラウト社に関しましては、先ほど常駐もされていて、国の有資格なども持っているということでご説明があったんですが、ユーロフィンさんの方、こちらはどのような理由で選定をされたのかということを教えていただけますでしょうか。

○小沢参考人 ユーロフィン日本環境さん自体は、幾つか我々もこの土壌汚染調査もしくは一般工事での調査業務ということで、非常につき合いのある会社でありますし、一番そこの業者に発注しているのが多いというわけではありませんが、環境計量証明事業者としては十分に信頼できる会社と考えております。
 その中で、たまたま我々土壌汚染対策の方も、実は一部分析するとか、そういった業務にユーロフィン日本環境さんに入っていただいたということもありましたので、JVといいますか、関係のJV、ケミカルグラウトともに、発注の中では選定されていったということでございます。

○おときた委員 ありがとうございます。よくわかりました。
 それでは確認なんですが、このケミカルグラウト社さん及びユーロフィンさんを選ばれるときに、相見積もりをとったりとか、あるいは入札を行うとか、そういった検討というのはされずに、いわゆる決め打ちというか、指名で発注したという理解でよろしいでしょうか。

○小沢参考人 まず、こちらがですね、済みません、私も直接の建築のJVの中で発注を携わったわけではないので、正確な答えになってはいませんが、ケミカルグラウト社に対しては、先ほど申し上げたように、実際にやはり現場にその時点で常駐していることと、同社が指定調査機関の資格も持っているということで、まず我々の選定としては第一候補に上がったということは伺っております。ユーロフィン日本環境さんについてはどういう経緯で、ほかの分析会社さんとも見積もりをとったかというところまでは、存じ上げてございません。

○おときた委員 ありがとうございます。
 それでは、この分析、採水それぞれの会社を選定して、都に報告したときに、東京都から特段何か意見や指示など、何か特段ありましたら教えてください。

○小沢参考人 私が受けている情報では、この業者選定について、東京都殿から直接の指示があったという情報は聞いてございません。

○おときた委員 ありがとうございます。
 それでは最後に、発注元の御社と、そして採水業者あるいは分析業者、そして東京都、この三者ないしは四者が、同時に一堂に会して何かコミュニケーションをとる、会議の打ち合わせを持つようなことがあったかどうか。もしあったとすれば、その内容も含めて教えてください。

○小沢参考人 今は東京都さんと我々JVと採水分析業者ということの会合ですね。これについては、全くそのようなことはなかったということを聞いております。あくまで東京都さんとの協議は、JVの代表である鹿島建設が五街区については行っており、その場に採水業者とか分析業者を呼ぶような場面はなかったというような情報で聞いております。

○小松委員 きょうはどうもありがとうございます。
 御社を含むJVからケミカルグラウト、ユーロフィンの会社に再委託をされているわけですけれども、この調査に当たりましては、計画というものを立てられたかと思います。この調査計画というのは、どこの責任で作成されたのか、教えてください。

○小沢参考人 調査計画というような表現でいきますと、冒頭来申し上げています地下水モニタリングの計画書というのが、一番それに該当する、そぐわしい書類じゃないかと思っておりますが、今回、調査計画という、全く白紙の状態から土壌を調査するというような業務ではございませんで、指定された井戸の七十二カ所の中から、定期的に採水を行って分析をするということですので、調査計画というまでの資料としては、先ほど来の地下水モニタリング計画書が該当しているのではないかなというふうに考えております。

○小松委員 その作成はどこがされましたか。

○小沢参考人 地下水モニタリング計画書は、発注時の仕様書とともに、東京都殿から受領しておりますので、作成の主体については、東京都さんの方に確認いただくのがよろしいかと考えます。

○小松委員 それでは、報告書は、調査が終わった後の報告ですけれども、どちらが作成されたでしょうか。そしてどこへ提出されたでしょうか。

○小沢参考人 調査の報告につきましては、まず、これは実際受けております鹿島建設を代表するJVで作成しております。こちらの内容については、東京都の中央卸売市場の担当者に報告するという形でなってございます。

○小松委員 採水に当たって東京都の監督員が立ち会ったことがあったかどうか、ご存じでしょうか。

○小沢参考人 今のご質問は、東京都さんの立ち会いは、先ほどの話と同じです。パージのときに何回かというのは確認しておりますが、採水、四回から八回は特になかったのではないかという情報が、私は聞いておりますが、基本的には我々、採水については指定調査機関として適正な管理を行うので、十分な対応ができていたと考えてございます。

○小松委員 担当された五街区では、ご存じのように、九回目の調査で、ベンゼンが基準値の七十九倍という、大変高い値を示したわけですけれども、これについて、もしですね、もし御社が担当されたときには、本来あるべきが検出されなかったのであるとすれば、原因がどこにあるかというふうにお考えになるでしょうか。

○小沢参考人 第九回目の調査につきましては、先ほどもありましたが、我々としては、鹿島建設としまして、あるいは五街区JVとしては、全くタッチしていないという中での値ということがまずあります。
 我々、第四回から八回ないし第一回から第三回のパージ業務というのも関与していますが、基本的には、工事が終わった後に、それを調査モニタリングの受託を受けて、パージ、採水、分析という業務を受けて報告するというところが責務ですので、その内容については、いろいろと専門家会議の先生方も検討されておりますが、ちょっと私の方で考察を、ここで私見をいうような立場でもございませんので、ちょっと発言は控えさせていただきます。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 小沢参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、小沢参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 小沢次長様、本日は大変お忙しい中、まことにありがとうございました。
 それでは、どうぞご退席ください。ありがとうございました。
 この際、議事の都合により、おおむね一時間休憩いたします。
   午後零時八分休憩

   午後一時九分開議

○山崎委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 参考人をご紹介いたします。
 清水・大林・鴻池・錢高建設共同企業体代表者の清水建設株式会社東京支店建築第四部部長望月尚幸さんです。
 本日は、ご多忙のところ、委員会にご出席いただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、地下水モニタリング調査についてご意見をお伺いいたしたいと思います。
 なお、望月参考人には、ご着席のまま発言をしていただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○望月参考人 よろしくお願いいたします。清水建設の望月です。
 現在、東京支店の施工部署である建築第四部の部長を拝命しておりますが、平成二十六年四月から平成二十八年三月まで、豊洲新市場(仮称)水産仲卸売場棟ほか建設工事(その二)の現場代理人を務めてまいりました。
 今回、地下水モニタリングを請け負いました豊洲新市場の工事は、敷地面積約十三ヘクタール、敷地の幅は二百掛ける六百二十メーター、延べ床面積約二十二・六ヘクタールを約二年半でこなしていく工事であり、錯綜した工事エリアでモニタリングを実施していくための作業調整等をこなしていくことが最大のポイントでした。
 また、工事が錯綜し、採取地点の状況が施工により変化する中での多数の地点のモニタリングであったため、観測井戸、写真サンプル、ラベル、採取する物質の整合及び整理が最も苦労した点でした。
 地下水モニタリングにつきましては、大きくパージ業務、採水業務、分析業務の三つの業務があります。なお、パージ業務というのは、観測井戸に停滞する水をくみ上げ、本来の地下水に置きかえられる業務です。
 当社をスポンサーとする建築JVは、六街区の地下水モニタリングのうち、一回目から八回目までのパージ業務、四回から八回までの採水業務と分析業務を担当いたしました。
 東京都との地下水モニタリング関連の契約は二つあります。一つは、本体工事JVで請け負った地下水監視施設整備工事です。契約金は約七千万円で、工事内容は観測井戸の設置と第一回から第六回までのパージ業務となります。二つ目は、附帯施設JVで請け負った地下水監視施設整備工事です。工事内容では、第七回と八回のパージ業務と第四回から八回までの採水業務と分析業務を含み、当該業務に対する契約の金額は約一千万円となります。
 業務の実施に当たっては、建築部門である東京支店のほか、経験が豊富な土木部門、エンジニアリング部門の協力を仰ぎ、土木技術者も担当して配置し、両部門がサポートする体制で取り組みました。
 地下水モニタリングの担当者は、土壌汚染対策法のガイドラインを熟知した担当者を配置いたしました。
 JVが請け負ったパージ業務について、第一回から第六回は応用地質株式会社に、第七回と第八回はユーロフィン日本環境株式会社に委託しました。
 採水業務及び分析業務については、第一回から第三回まではJVが請け負っておりませんので、第四回から第六回を株式会社水谷の下でユーロフィン日本環境に再委託し、第七回と八回はユーロフィン日本環境株式会社に直接委託しました。
 応用地質株式会社は、同社が観測井戸の設置を担当していたため、選定いたしました。選定に当たっては、複数から見積もりを徴収し、同社の見積もり価格が妥当であり、実績のあることを確認いたしました。
 株式会社水谷については、応用地質株式会社を含む土壌汚染対策工事で実績のある複数者から見積もりを徴収した結果、選定しました。
 ユーロフィン日本環境株式会社については、第四回から第六回の採水業務及び分析業務の再委託先としての実績を踏まえ選定しました。
 業務の実施に当たっては、東京都の仕様書とモニタリング計画書に基づいて、土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインに準拠した地下水モニタリング計画書を作成し、東京都の承認において実施いたしました。
 協力業者に対して、東京都の仕様書に基づく計画書の遵守を指導徹底するとともに、計画書が準拠しているガイドラインを熟知している協力業者に担当させ、現地でも作業方法を、立ち会い確認しました。
 施工との兼ね合いから、一部JV職員が早朝に採取し、採水会社が来場後確認し、記録写真を撮影することで対応することが数カ所ございました。
 第四回から第六回の地下水モニタリングを実施した期間は、六街区全体でさまざまな工事が錯綜し、工程調整が大変な時期でありました。また、六街区の敷地においては、別途設備のJV工事や当社がスポンサーの土木JVの桟橋工事、他社施工の冷凍冷蔵庫棟工事や下水道工事も進捗しており、作業スペースや車両動線の確認等、安全に作業を行うための調整が大きな課題でありました。
 これに対して、第七回及び第八回のモニタリングを実施した期間は、本体工事も終了していて、作業調整は比較的容易な時期でありました。
 地下水モニタリングという業務の位置づけについては、豊洲市場の安全・安心を確保するために実施されるものであり、都度、データも公表される等、中央卸売市場におかれましては非常に重要視されているものと理解しておりました。
 そのため、従事するJV職員、協力業者には、東京都の仕様書や土壌汚染のガイドラインを十分に理解し、その手順に沿って作業に当たるよう徹底を図りました。
 また、観測井戸が多数あるため、採取した地下水が正しい検体であるかどうかを確認しました。JVにおいて、対象井戸とラベル、写真の突き合わせ、作業状況の確認、観測井戸の状況確認等を実施した上で分析に回すようにしました。この作業は可能な限り速やかに実施しましたが、第四回から第六回のモニタリングでは、工事が錯綜することもあり、大半は実働二日以内で処理しましたが、一部では三日を要しました。第七回及び第八回は、本体工事が終了していたこともあり、全て二日以内で処理いたしました。
 私自身も、全体の工事を調整する中で、地下水モニタリングに協力し、影響がないように配慮するとともに、現場巡回の際に、作業が手順どおり行われているか確認に努めました。
 東京都担当者とは、地下水モニタリング計画書を提出した上で、建築工事の関係で移設が必要な井戸の再設置等の事前協議、分析結果の報告、採水時における周辺工事の状況報告等を密に行い、協議を重ねながら作業に当たりました。
 本日は、誠意を持ってお答えしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 望月参考人の発言は終わりました。
 次に、望月参考人に対する質疑を行います。
 なお、望月参考人に申し上げます。答弁する際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言をしていただきますようお願いいたします。
 それでは、質疑に当たり、初めに私から何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 本日は、お忙しいところご出席いただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 豊洲のこの市場の問題、本当に多くの都民の皆様、高い関心を持っているわけでございまして、先日の一月の専門家会議によって、地下水のモニタリングの結果が、これは第九回目の件でございますけれども、出てまいりました。非常に我々も、そして都民の皆さんも驚いた結果になったわけでございます。
 そういったことも含めまして、今回、一回目から九回目までの地下水のモニタリングの調査に関して、参考人として皆様にお聞きをしていきたい、そういう場でございますので、まず、よろしくお願いをさせていただきたいと思います。
 今、望月様の方からもご説明の中でありましたけれども、まずガイドラインをしっかりと遵守して、そして地下水のモニタリングの計画書も含めて、皆さん方がJVとして、また下請の方に工事の内容をお願いした経緯も説明がありました。
 六街区というのは、やはり一番の、さまざまな工事が錯綜する中でのモニタリングの調査だったと思います。そういった中で、私の方からまず、このガイドライン、そして地下水のモニタリングの計画書、こういったものをしっかりと、ユーロフィン日本環境株式会社の皆様にどういう形でお伝えをして理解をしていただいておられたのか、その辺を再度確認させていただきたいと思います。

○望月参考人 協力業者といたしましては、まず、担当者は土壌汚染対策法のガイドラインを熟知している担当者を設置しております。その人間も一緒に立ち会うような形で説明をさせていただいておりますが、一番最初に事前協議というのを日水コンさんと東京都様と私どもと、もう一者どこだったかな、採水のところの業務を協議をさせていただいて、その内容を全て報告をしながら、ご説明しながらやっております。
 ユーロフィン等については、土壌の対策をよく知っている担当者を配置しておりますので、確実に内容を熟知してやっていると考えております。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 以上で私からの質疑は終わらせていただきたいと思います。
 それでは、続きまして、各委員の皆様から質疑を行います。
 それでは、発言を願います。

○田中委員 本日は、当委員会の質疑にご協力いただけましたことを感謝申し上げます。限られた時間でございますので、端的にお伺いをさせていただきます。
 今、これまでの経緯等をご説明いただきました清水建設さんを初めとする共同企業体の皆様は、六街区を施工され、その中で、第四回目から八回目までのモニタリング調査にかかわっていただきました。
 この六街区というのは、ご案内のとおりで、水産仲卸売り場棟があり、そしてまた加工パッケージ棟もあるような場所であります。そしてさらには、その前段となります、土壌改良しなくてはならなかったわけでありまして、この六街区内に土壌処理のプラントも建設されていたという、そういう場所でもございます。
 今ご説明の中に、四回目から六回目までと七回目、八回目は建設環境が違う、建物の建設中の調査なのか、その後の調査なのかということでの環境が違うという話もございました。全体のさまざまなふくそうする工事環境にある中でモニタリング調査をしなきゃならないという、その辺の工事関係との調整、ここの部分についてどのように対応されたのか、困難な事例、調査に向けて何か影響があるようなことがあったのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

○望月参考人 まず、工事の調整といたしましては、全て絵工程で工程管理をしてまいりましたので、どこに重機が動くというのはわかってやっております。そのポイントの中に、モニタリングの位置を配置いたしまして、それで事故等がないようなところにモニタリングの作業を行ったというところで、日々のちょっと調整があったということを一番対応してまいりました。
 また、やっぱりいろいろな工事が錯綜しておりますので、正しい検体が正しい試験に回っているか、井戸等の間違いがないかというのを一番苦慮いたしましたので、必ず作業が終わった後でラベルと井戸の位置、あと写真の突き合わせ等をして、誤認がないようにするというのがポイントでございました。
 ただ、第七回、第八回になりますと、水産仲卸売り場棟がもう竣工というか、工事が完了していたという状況で、加工パッケージも内装ということだったので、外構も舗装工事のみというような状況まで来ておりましたので、エリアごとに順々にやるということができましたので、そういうところが大分確実性を増しているのかなということでございます。
 以上です。

○田中委員 ありがとうございます。錯綜する工事環境の中で、しっかり検体管理などもされていたということでありました。
 午前中の質疑も通じまして、今回のモニタリング調査をするに当たって、採水、そして分析と、それぞれ専門性を発揮して丁寧に対応しなくてはならない、精度を増すような形で対応しなきゃならないなという思いを改めて強くした中で、六街区におきましては、採水、分析を、最終的にはユーロフィン日本環境株式会社さんが両方同時に行ったということであります。
 ユーロフィンさんのホームページ等を見ますと、これまでの実績として、土壌分析や水質検査など、いわゆる環境分析に対する実績が大変おありのように感じましたが、その中で、あわせて採水のことも一緒に依頼をされたというところの理由を、採水と分析を同じ会社に依頼をしたということの理由をお聞かせいただきたいと思います。

○望月参考人 今回、私どもが一緒にしたという理由については、誤認を防ぐというのも一番の内容ではございますが、検体の濁りとかそういうところが多少あった場合、それが確実に分析に回るというところが一貫性がないとおかしくなるのではないかなということを危惧いたしまして、一応、一緒の業者ということで選定をさせていただきました。

○田中委員 ありがとうございました。
 済みません、もう時間が来てしまいましたので、その両方にわたって、採水、分析両過程にわたって、清水建設さん、しっかりその精度を管理してきたと思われますが、特に留意された点があれば、お聞かせをいただきたいと思います。

○望月参考人 先ほど冒頭でも申し上げましたが、事前協議というのを東京都とJVと応用地質と日水コンでやったという内容が一番最初に基準になっておりますので、そちらの方法を確実に踏襲できるということと、担当者が必ず採水に立ち会うということで、やり方の一貫性が崩れないようにということをやってまいりました。
 また、ユーロフィン等も二人等で来ておりますが、一人は必ず同じ担当者というところで、人が違うことによっての変化がないように努めてまいりました。

○栗林委員 本日は、ご多用のところ本当にありがとうございます。短い時間ですので、ポイントだけ伺わせていただきたいと思います。
 私どもは、契約書と仕様書ということに大変注目をさせていただきました。
 先ほど望月部長様の方からも、清水JVさんから委託先に採水、分析を指示する際に、この仕様書と、またモニタリング計画書、そしてガイドラインに沿って指示をしたというふうにお話がございました。
 この仕様書なんですけれども、今ちょうど再調査に入っておりますこの仕様書は、専門的知見を有する東京都の環境局の助言を踏まえて作成された仕様書になっておりまして、ここに精度管理という項目がございました。精度管理、これは、委託者が分析場所へ査察を行うこととか、また記録の保管、そして異常値が出たときは速やかに報告を受けて、再採水、また再分析を指示するという、こういう項目が挙げられておりました。
 こうした精度管理については、どのように把握をされていらっしゃいますでしょうか。

○望月参考人 済みません、もう一回、精度管理をちょっと補足していただいてよろしいでしょうか。

○栗林委員 申しわけございません。仕様書の中に、今、再調査に入っている仕様書には、精度管理という項目があるんですね。そこには査察を行うこととか、記録を保管しなさい、また、数値が異常値が出た場合は再採水、もう一度採水して分析しなさい、こういう項目が入った仕様書になっております。この精度管理、こういったものは、清水JVさんの交わされた仕様書にはなかったでしょうか。

○望月参考人 ちょっと同じ文章であったかどうかというのはわかりませんが、記録をとりなさいというのと、異常値を報告しなさいとか、そういう内容についてはあったと記憶しております。

○栗林委員 それでは、もう一点、先ほどお話がございましたように、最初、事前協議の場が持たれたということで、東京都と日水コンさんと、そしてJVさんが話し合いを持たれたということでございますが、実は採水手順書というものを日水コンさんはつくられていらっしゃいまして、これは、地下水、二年間のモニタリングにおける採水手順に適用するという記載がございます。この手順書に従って行われたのでしょうか。

○望月参考人 私どもは、先ほど申し上げましたように、モニタリング計画書とガイドラインとをいただいておりますので、それに沿ってモニタリング計画書をつくってまいりましたので、日水コンさんのというのは使用しておりません。
 ただ、先ほどいったように、事前協議というのは行われておりまして、パージでどれくらい水がきれいというか、地下水に変わるかというのの目安でいろいろな分析の数値を出しておりますので、大体五倍量とか三倍量をとれば地下水になるというようなところまで一応確認をさせていただいて、それで始めて、実際は五倍量という数値を基準にしてとったということで、その際に決められた内容を八回まで守ったということでございます。

○栗林委員 それでは、最後に、安全性の裏づけとなるこのお仕事を担当していただきまして、率直な感想を教えてください。

○望月参考人 ちょっと漠然として、ちょっと内容が違うかもしれませんが、先ほどもいっていますように、豊洲新市場のこの内容というのは非常に重要だと考えておりますし、工期も非常に厳しい中でもやっておりましたので、いかに正確にやっていくかということを念頭に、JVとしてはやってまいりました。

○酒井委員 本日は、お忙しい中お越しをいただきまして、ありがとうございます。
 パージについて幾つかお聞きをしたいと思っております。
 まず初めに、念のための確認でございますけれども、第九回目については、御社はパージ作業には携わっていないという理解でよろしいでしょうか。

○望月参考人 携わっておりません。

○酒井委員 先ほど第一回目から第六回目までは応用地質さん、七回目、八回目はユーロフィンさんというお話であったと思うわけですけれども、午前中、日水コンさんからのお話で、パージから採水への受け継ぎに関して、第一回から三回まではパージをした翌日に日水コンさんが採水を行ったということでございましたけれども、これはほかの四回目から六回目、七回目から八回目についても、その期間といったものは同じだったのかどうなのか、ご回答いただければと思います。

○望月参考人 私どもは、翌日採取というのを確実にやりなさいということでやっておりまして、あとは速やかにということでありましたので、できるだけ一日で、翌日やるという予定でございましたが、どうしても調整が翌々日になることはございました。ということになります。

○酒井委員 今のお話ですと、場所によっては若干、その受け継ぎ、採水の期間が開いているものもあるということですが、これ、パージ、採水、そして分析といったものは、本来であれば一連の流れで行われた方がよろしいのかなというふうな思いもあるわけですけれども、特に御社が請け負っていた中で、四回から八回のうち、四回から六回についてはパージと採水の業者が違うということで、これ、パージに関してどういうふうな形の業者に委託をしろとか、そういった具体的な何か東京都から指示なり要望なりといったものがあったのかどうなのか、確認をさせていただきたいと思います。

○望月参考人 東京都からは指示はございません。あくまでもこちらへの、どういうふうに請け負うかという要項書がありますので、それにのっとってというだけでございます。

○酒井委員 先ほど、採水の場面においては担当者が立ち会うというふうなお話の回答があったと思うんですけれども、これはパージに関しても元請業者である御社の担当者が立ち会いを全て行ってきたのかどうなのか、お伺いをしたいと思います。

○望月参考人 私どもの社員が、まあ正社員というかですね、立ち会ってやっております。

○酒井委員 御社の場合は、かなりしっかりとした元請業者としての責任を果たされていたというふうに感じるわけですけれども、実際にこの作業等において、東京都の市場局、あるいは環境局の担当者が、このパージ作業や、あるいは採水作業といったものにどの程度立ち会いが行われていたのか、わかる範囲でお教えをいただきたいということと、またあわせて、御社から東京都に対して、これらの作業についての報告といったものはどのような頻度で、どのような形で行われていたのか、確認のためにお伺いをさせていただきたいと思います。

○望月参考人 まず、立ち会いの方は、私どもが記憶している限りでは、最初の事前協議の一回と、あとパージだったと思いますが、環境局様と市場の方々との立ち会いが一回あったかなというふうに思っております。
 私たちの報告については、毎週定例等もございますので、毎週、こういうふうにやっておりますという報告と、一回ごとの、完了したときの--一回というのは、第四回、第五回というのの、一回ごとの報告をさせていただいております。

○曽根委員 きょうはご協力ありがとうございます。早速、質問させていただきます。
 四回目から八回目の採水作業については、契約書ではユーロフィン日本環境株式会社が担当とされていますが、その際、他のユーロフィン以外のメンバー、ゼネコンの清水さんのところか、もしくは派遣会社、または都の職員が採水を行ったということはあるでしょうか。

○望月参考人 冒頭で申し上げさせていただきましたが、錯綜していた時期もございますので、数カ所、私どもの土壌対策の担当者が採取したことはございます。それ以外はございません。

○曽根委員 それでは、都の職員が採取を行ったということはないということで確認してよろしいですね。
 次の質問に行きます。
 六街区の一回目から八回目までの採水、三百十五回あるわけですが、私どもがもらった契約書では、それに対応して百三十二回のパージ回数というのが記載されています。これは恐らく、その前に百八十三回分のパージの契約が別にあるのかなと思うんですが、このパージが二つに分かれているというのは、それを行った、先ほども会社名出ましたが、これは別の会社との契約になっているんでしょうか。

○望月参考人 ちょっと今、数値はわかりませんが、一回から六回が応用地質で私どもで受けておりまして、七回から八回についてはユーロフィンでやっております。回数は、ちょっと今、契約が分かれていたかはわかりませんが、数が減っているということはないのではないかなというふうには思います。
 採水については、一回から三回は私どもやっておりませんので、わかりません。

○曽根委員 パージの方の作業も、井戸の水量の三倍から五倍の水をパージしていくということで大変難しい作業と聞いていますが、その際に、水温その他のデータを記録し報告することになっていますが、これが残っているかどうかの確認と、それからパージの方にも最初の応用地質もしくは後半のユーロフィン以外の、例えば都の職員が行ったというようなことはないでしょうか。

○望月参考人 記録は残っております。
 パージと採水とを東京都の職員の方がやられたということはございません。

○曽根委員 先ほどの鹿島さんの方にもお願いしたんですが、民間同士の契約については、私ども、まだ入手しておりませんが、参考のために、御社と応用地質もしくはユーロフィンとの契約関係の書類、できれば金額が入ったものを提供いただくことはできるでしょうか。

○望月参考人 私はちょっとその担当ではございませんので、今、即答はできませんが、会社へ帰ってご確認することはできます。

○曽根委員 ぜひ希望いたしておきます。
 それで、今回、九回目のモニタリング調査で、御社の受けた一回目から八回目までのパージ及び四回目から八回目までの採水や、ユーロフィンが行った分析とは大変異なる結果が出ましたけれども、これについての、改めて再検証ということが行われていますが、東京都の再検証に対して、御社として一回目から八回目までの実情について述べられたことがあったらいってください。

○望月参考人 私どもは、再検証のときの話として相談等を受けたり、何かを出せということを受けてはございません。九回目についても、特に私どもはございません。

○おときた委員 本日は、貴重なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
 私からはまず、採水、分析の会社をそれぞれ選定の理由についてお伺いしたいんですが、事前の説明の中でも、相見積もりをとって妥当な金額だというところを判断したというお話もありましたけれども、その選定理由について改めて教えていただきたいのと、金額以外に何か条件とか重視したものがあれば、それも教えてください。

○望月参考人 基本的には、まず、実績があるところを選定いたしまして、その中から数社というところで、あとは金額等で決めさせていただきました。

○おときた委員 実績というお話がありましたが、今回の会社は、御社との取引の実績もあるところの中から選ばれたということでしょうか。それとも、こういった作業の実績があるという意味でしょうか。どちらかを確認させてください。

○望月参考人 私どもは、会社が倒産するとかそういうことがあってもいけないので、全くつき合いのないところからというのはとりませんので、そういう実績、あくまでも会社として問題ないというところの中の私どもの経験のあるところから数社とらさせていただきました。

○おときた委員 今回そうして見積もりをとった中で業者を選ばれたということですが、この業者の決定を都に報告した際に、何か特段、都から意見や指示などがありましたら教えてください。

○望月参考人 特にはございません。

○おときた委員 それでは最後に、御社と、そして東京都の担当、そして御社が発注をした業者さんが一堂に会して打ち合わせの場を持ったり、説明を受けたりとか、そういった機会があったかどうかについて教えてください。

○望月参考人 ありません。

○小松委員 本日は、どうもご協力ありがとうございます。
 パージ作業のことについてちょっと確認なんですが、パージ作業の後、採水まで、翌日にやる原則であったと。でも、翌々日になることもあったというようなお話でしたけれども、現場の状況などから、十分な時間がとれずに採水が行われたということはなかったでしょうか。

○望月参考人 必ず翌日にとるというのが最初の事前協議で決めた内容でして、やはりすぐとってしまうと、沈殿物があると多少なりともとってしまうことがございますので、一日たてば、もしかしたら八時間ぐらいあれば落ちていたかもしれませんが、私どもは次の日とれば沈殿物が下がるだろうというところをその際に決めましたので、翌日というのでさせていただきました。

○小松委員 それでは、先ほど毎週定例報告をなさっていたというようなお話があったかと思いますが、この定例報告というのはどのように、誰と誰が出席して、どういう内容の報告がされたのか、あるいはどういうことがあったのか、また場所はどこで行われたのか、お伺いします。

○望月参考人 今の定例というのは--水産仲卸売り場棟の建設工事をやっております、あと附帯工事もやっておりましたので、あと桟橋工事等もやって、全て六街区の事務所の会議で毎週やっております。いろいろな錯綜する工事がございますので、東京都の土木の担当者様と建築の担当者様もいる中でご説明をしたというところでございます。

○小松委員 それでは、契約した全ての事業といいますか、終わった後の報告書をまとめられたかと思いますが、その報告書はどこが作成されたんでしょうか。

○望月参考人 基本的には各社、応用地質、ユーロフィンとか、そういう業者さんでまとめていただきましたが、それについて最終的な書類が合っているかどうかというのの整合を私どもで全てとって、写真等の直し等を含めて整理させていただいて、私どもで提出させていただきました。

○小松委員 六街区では、ご存じのように、九回目の地下水モニタリング調査ではシアンが検出されているわけですけれども、御社が担当された四回から八回まではなかったわけです。もし汚染があったのに検出されなかったのだとしたら、その原因がどこかにあると、思い当たることがありますでしょうか。

○望月参考人 私どももちょっと、出たと思っておりませんでしたので、特にそういうふうには感じてございません。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 望月参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、望月参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 望月部長様、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見をいただき、まことにありがとうございました。
 それでは、どうぞご退席ください。ありがとうございました。

○山崎委員長 それでは、参考人の方をご紹介いたします。
 大成・竹中・名工・大日本建設共同企業体の代表者、大成建設株式会社の環境本部環境イノベーション推進部長の氏家正人さんです。
 本日は、ご多忙のところ、委員会にご出席をいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、地下水モニタリング調査についてご意見をお伺いいたしたいと思います。
 なお、氏家参考人には、ご着席のまま発言をしていただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○氏家参考人 よろしくお願いいたします。大成建設の氏家と申します。このたびはどうぞよろしくお願いいたします。
 私は、現在、環境本部環境イノベーション推進部長をしておりますけれども、豊洲で地下水モニタリングを実施していた二〇一五年の七月以降の期間は、環境本部の土壌環境事業部長という立場で、作業所が行う地下水モニタリングの技術的な支援業務を担当しておりました。
 当社JVが担当しておりましたのは、七街区の水産卸売り場棟ですが、モニタリング実施当時は、他の街区に比べて多くの共同企業体が同一敷地内で工事を進めていたという特徴があったと認識しています。
 当社JVのほかに、管理棟の関東JV、駐車場棟の熊谷JV、リサイクル棟の江田JV、アンダーパスの鹿島土木JV、冷蔵庫棟の東亜建設と、多数の共同企業体が同時に工事を進めていくといった、極めて複雑かつ特殊な環境下で工事を進めていた工区でございます。
 我々としましては、この大規模かつ短工期の工事をいかに予定期日までに安全に完成させ、高品質の建物を引き渡しすべく、社員一丸となって日夜問わず一生懸命に取り組んでまいりました。
 そのような状況の中で地下水モニタリングを実施していたわけでございますが、通常の工事と異なり、モニタリングは七街区全体を当社JVが実施することとなっておりました。
 他社が工事をしている中で、他社の施工エリアに立ち入って作業する必要がありまして、安全管理や工程の調整など、細心の注意を払って作業を進めてまいりました。
 また、先ほどお話しいたしましたとおり、多くの工事が錯綜する特殊な環境の中で、限られた作業スペース、そして時間といった制約を受けながら作業を進める必要もございましたので、作業所の担当者には、発注者である東京都様の指示をよく仰ぎ、現場の特殊性を考慮して、安全を確保しながら調査を実施するよう適切に指導してまいりました。
 豊洲のような特殊な条件下でのモニタリングを実施することは、それほど多くはありません。東京都様とは観測井戸の設置、井戸の洗浄、パージ、採水の手法など、綿密にご報告、相談させていただきながら作業を進めてまいりました。
 本日は、この豊洲市場移転問題特別委員会様の調査について、全面的に協力させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 氏家参考人の発言は終わりました。
 次に、氏家参考人に対する質疑を行います。
 なお、氏家参考人に申し上げます。答弁する際は、挙手をしていただいて、委員長の許可を得てから発言をしていただきますようお願いをさせていただきたいと思います。
 それでは、質疑に当たり、初めに私から基本的な事項についてお伺いをさせていただきます。
 本日は、お忙しいところご出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
 豊洲の市場の移転問題というものは、今、非常に多くの高い関心を持たれている事項でございます。
 先ほど説明の中で、七街区の中にも大変さまざまなJVが錯綜して、そして短工期の中での全ての工事が行われている中、地下水のモニタリングの調査をしていただく恐らく厳しい調査だったと推察をするところでございますが、まず私の方から、基本的なガイドライン、そして地下水のモニタリング計画書、そういったことを、成和リニューアルワークスさん、そして産業分析センターさんと、採水と分析の事業者の下請の方たちに、しっかりとそのガイドライン等、理解を進められるような指導をやってきたのかどうなのか、確認の意味で、まずお聞かせいただきたいと思います。

○氏家参考人 まずは、土対法に即して計画書を作成し、東京都に受理していただきました。
 それをもとにいたしまして、当然のことながら、実際の工事をするのは成和リニューアルワークスですので、そこに周知会というのを設けまして、こういう手順で、こういうふうにやるということをきちっと周知会の上で作業手順を確認させていただきました。
 また、産業分析センターにつきましては、ラボに持ち込んでの分析になりますので、その試料をどのようなタイミングで、どう引き渡すのかということを綿密に打ち合わせの上、それを周知した上で実施をしたということでございます。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 私の方からは以上で質疑を終わります。
 それでは、それぞれの委員の皆様から質疑を行いたいと思います。
 それでは、発言を願います。

○田中委員 本日、私どもの調査にご協力いただいたこと、感謝を申し上げます。限られた時間なので、端的にお伺いをさせていただきます。
 大成建設さんを初めとするJVの皆様は、第七街区をご担当され、地下水モニタリング調査としては四回目から八回目をご担当いただいた。その調査をする環境として、今ご説明いただいたように、ご自身による、JVによる水産卸売り場棟の建設だけではなくて、管理棟や駐車場棟等とのさまざまな工事が同時並行に行われている中での調査だったということのご苦労は、今お伺いをしたところであります。
 もう少しその部分を確認させていただきたいんですけれども、そういう極めて調査する環境としては厳しい状況の中においても、しっかりとした調査をしなくてはならないという使命があったかと思いますが、先ほどスペースの確保ですとか時間の確保等々の制約も一方でありながらの調査であったということですが、さらに正確な調査を実行するに当たっての、特に工事との調整役が必要だったかと思いますが、その部分でのご苦労などありましたらお聞かせをいただきたいと思います。

○氏家参考人 錯綜する作業の中で大変だったというご理解をいただきまして、大変ありがとうございます。
 確かに非常に厳しい施工現場でございました。現場というと、なかなか皆さん頭に浮かんで、錯綜する中といっても、思い浮かぶのがちょっと難しいかもしれませんけれども、例えでいうと、非常に交通量の多い道路の真ん中に財布をぽっと落としてしまったと。それをとりに行くのに、身内だけの車だったら、みんなせきとめてとめられますけれども、そうはいかないというところで、きちっと各社のJVとの調整、そして、いつ幾日にこういうルートで、こういう手順で六十八カ所の井戸をとっていくという手順を決めながら、それを品質を確保しながら、いつとりに行けるのかということを各JVと綿密な打ち合わせをしながら工程を組み、そして、そのルートもちゃんと確保していかなきゃいけない。それもモニタリングごとに変わっていくものですから、そこで品質を確保しながら調整していくというところが大変、ちょっと苦労させていただきました。

○田中委員 ご苦労の中での調査ということでありまして、本当にありがとうございました。
 そしてさらに、先ほど、採水をされていました成和リニューアルワークスさんとの周知会ということで、周知徹底の周知だと思いますけれども、しっかりと連携のもとで、この調査、採水工程がなされたと思っております。その精度、しっかり管理、確保していく上での大成JVさんとしてのご対応の状況についてお聞かせをいただきたいと思います。

○氏家参考人 まずは、管理としましては、現場の監督がいます。その人たちが巡回をしながら、日々の日常の安全管理、品質管理を担っております。
 ただ、土壌という特殊な環境でございますので、そのために私たち土壌環境事業部がございますので、そういう品質管理の面は、私たちの方が適宜見に行って、やっていることの監視をしていったというところでの業務でございます。
 また、採水ならずしも、分析屋さんに渡すときも、その受け渡しの間のサンプリングの管理というものも必要になりますので、きちっと我々の方では冷蔵庫を現場内に設置をして、保冷ボックスから冷蔵庫、そして引き渡しということで、品質を確保するために行ったことでございます。

○田中委員 先ほどの前のJVの方との質疑では、採水と分析とを一貫して同一の会社に委託をされていらっしゃいました。その理由としては、全体の工程を一貫して管理ができるからという話でありました。
 一方、大成さんとしては、採水と分析をそれぞれ別々の会社へ委託をされていらっしゃいます。先ほど受け渡し等々の管理はしっかりされているということでありましたけれども、それぞれ分けた理由、またそれを分けたことに伴う何か逆に配慮された点というのがあればお聞かせをいただきたいと思います。

○氏家参考人 まずは成和リニューアルワークスで、できれば全部分析できればいいなということは思っていましたが、計量証明の事業登録を持っていませんでしたので、そこは分ける必要があるということで分けさせていただきました。
 成和リニューアルワークスについては、もともと土壌汚染対策工事の上でも、いろんなボーリングをしたりという業務を担っていただきましたので、現場を熟知していたために、その業者という選定をいたしましたし、産業分析センターにつきましては、もともと排水の管理だとか、そういうことをやっていただいた業者でございますので、いずれにしてもこの錯綜する現場の中では、現場を熟知していたということで、それぞれ業者を選定いたしました。

○栗林委員 本日は、ご多用のところありがとうございます。
 では、初めに質問させていただきます。
 私どもは、契約書と仕様書というものに注目をさせていただきました。
 大成JVさんから、採水、分析をされる委託先に指示をする場合、仕様書というものが委託先に対しましてもあったのでしょうか。

○氏家参考人 私は技術方面の方を支援していたものですから、契約についてはちょっとよくわかりかねます。申しわけございません。

○栗林委員 仕様書にちょっとこだわってしまったものですから、実は大成JVさんと都の中で交わされている仕様書には記載はなかったのでございますが、今、ちょうど行われております再調査、ここに実は、この仕様書には精度管理という項目がございまして、ここはかなり詳細にいろいろな条件が入っておりまして、立ち入り、査察を行うこととか、記録の保管、また、異常値が出た場合は速やかに報告をして、再採水、そして再分析、もう一度やりなさいということを指示しますよという、そういう内容までが盛り込まれております。
 こういったところまで市場の方からご指示があったか、その辺の確認をさせていただきたいと思います。

○氏家参考人 我々の仕様書には、土対法に準拠してやるようにというふうに書かれていますので、それ以上のことは、ちょっと私どもではわかりかねます。

○栗林委員 それでは、採水の手順についてなんですけれども、一回目から三回目をご担当された日水コンさんが作成をされた採水の手順書というものがございまして、そこに、この手順書は今後二年間の地下水のモニタリングの採水手順として適用するという項目がございました。
 ですから、この日水コンさんのつくられた手順書をお使いになられたのか、また別に大成JVさんの方でこの手順書というものが示されているのか、その辺はいかがでしょうか。

○氏家参考人 おっしゃる手順書というのが、私の考えてイメージしている手順書と合っているかどうかはわかりませんけれども、東京都から、その計画書かそういう手順書のようなものはいただいて、それと特記仕様書とあわせて私たちが施工計画書を立てて、立案をして、東京都さんに受理していただいて、それに基づいて施工しているということでございます。

○栗林委員 ありがとうございます。
 氏家部長は環境の分野の技術の方で、ご専門とされているということでございます。今、都民の皆様が大変注目をされています安全性というものの裏づけとなるデータ管理、こういうことを担われている事業を今回取り組まれているわけなんですけれども、その仕事を引き受けられている責任あるお立場の中での、ざっくばらんなご感想を最後に伺いたいと思います。

○氏家参考人 もちろん大きな工事であったということは認識しております。ですからこそ、ガイドラインを外れることなく、土対法のガイドラインに準拠して、きちっとやるんだという心構えでやっておりました。

○酒井委員 本日は、参考人質疑にご参加をいただきましてありがとうございます。
 私の方からは、主にパージ作業及び採水作業について確認をさせていただきたいと存じます。
 先ほどご説明の中で、当然、四回から八回までについては、これは御社の方で採水並びに分析を請け負っていらっしゃいますので、これはパージ作業も御社が請け負っているということであろうと思いますけれども、一回目から第三回目まで及び第九回目に関しては、これはパージ作業については御社が請け負われているのかどうか確認をさせていただきたいと思います。

○氏家参考人 申しわけございませんが、一回目から三回目と九回目というのはよくわかっていません。
 四回目から八回目は確かに私たちが全部やった、技術支援をしたということで、技術側面において記憶があるだけで、ちょっとそちらの方はよくわかっていません。

○酒井委員 午前中に日水コンさんからの参考人のお話の中で、パージ作業に関してはJVさんが行った後に、日水コンさんが採水を行っていたというお話がございました。
 今まで他のJVさん、お伺いをすると、五街区、六街区も一回目から三回目は、その後、受け継がれているJVさんがパージ作業についても請け負われていたということですけど、御社におかれては、そういったことはなかったのかどうなのか、済みませんが、再度確認をさせていただきたいと思います。

○氏家参考人 失礼いたしました。一回目から三回目はパージ作業というものは請け負っておりました。

○酒井委員 ありがとうございます。
 その上でなんですが、一回目から八回目まで御社でパージ作業を請け負われているという中で、それぞれ実際の作業に関してはどのような会社に委託、再委託をされていたのかお伺いいたします。

○氏家参考人 それは、先ほど申した成和リニューアルワークスという会社でございます。

○酒井委員 今のお話ですと、一回目から八回目まで全て成和リニューアルワークスさんがパージ作業も行われていたということですけれども、これも日水コンさんのお話では、実際にパージをされてから翌日に採水を行っていたということですが、これは一回目から三回目の場合と、成和リニューアルワークスさんの同社で行われている場合と、その方法といったものについては、同一の基準で行われていたのかどうなのか確認をさせていただきたいと思います。

○氏家参考人 おっしゃるとおり、同一な作業方法でやっておりました。

○酒井委員 それでは、パージ作業並びに採水作業でございますけれども、元請業者としての御社として、これらパージ並びに採水作業において、元請業者としての立ち会いについては、全て立ち会いを行われていたのかどうなのかについてお伺いをしたいと思います。

○氏家参考人 全ての井戸の全てのタイミングでとはいえなくて、適宜、日常の現場の巡視だったり、あるいは我々もタイミングによって適宜見に行っていたということで、回数までは覚えていません。

○酒井委員 最後の質問にさせていただきたいと思いますが、今、適宜というお話であったわけですけれども、これら採水並びにパージ作業において、東京都、これは市場局、あるいは環境局の担当者がこれら作業といったものをどの程度、監督員が立ち会いをしていたのかということと、また当然、立ち会いをしていなかった場合においては綿密な報告が必要であろうかと思いますけれども、都に対してはどのような頻度で、どのような形で報告を行っていたのかご回答いただければと思います。

○氏家参考人 まず、都の立ち会いについては、適宜というか、そのタイミングについてもちょっと覚えていませんけれども、立ち会いをしていただいたということは覚えておりますので、回数まで、私はそこまでは覚えていません。
 そして、データについては速報値を上がった段階で報告なりして、最終的にはやっぱり計量証明を持って報告書を出しに行ったというところで受理していただきました。

○曽根委員 本日は参考人招致にご協力いただきましてありがとうございます。
 最初の質問なんですが、四回目から八回目までの採水については御社が受けられて、そして成和リニューアルワークスが実際に作業されたということですが、この成和さん以外のメンバー、例えば御社の社員、もしくは派遣会社の社員、または都の職員などが採水を行ったということはあるでしょうか。

○氏家参考人 ありません。

○曽根委員 わかりました。パージについてお聞きしたいんですが、一回目から三回目も含めて、八回目までのパージも御社が受けられて成和リニューアルワークスさんが実際にパージを行ったということですけれども、パージ作業は大変難しい作業と聞いておりまして、井戸のたまっている水の三倍から五倍の量をくみ上げて、場合によっては復水にかなり時間もかかる場合があると。そうした場合、作業工程が錯綜している中で、場合によっては半日、一日待たなきゃならない、復水にですね。そういった場合の調整はどのようにされていたんでしょうか。

○氏家参考人 おっしゃるように、井戸によっては復水に時間がかかるものがありました。しかしながら、やはりこれは品質確保のためには、モニタリングする目的がそもそも真の分析値を求めるものですから、それは工事を調整してでも待ってサンプリングを行いました。

○曽根委員 わかりました。このパージの記録も報告の中で、毎回、水を抜いたときの水温やpH、伝導率などは報告することになっています。その記録は残っているということでよろしいかということが一つと、それから、この作業を行った成和リニューアルワークスという会社は、土壌汚染対策でも携わったというふうに先ほどお話ありましたが、先ほどはボーリングというようなことをおっしゃったんですが、土壌汚染対策の中での成和リニューアルワークスはどのような仕事をされていたのか、もう少し詳しくお願いします。

○氏家参考人 先ほどのモニタリングについての電気伝導だとか、そういうデータについては、はかりまして報告書に添付の上、報告させていただいています。
 そして、先ほどの成和リニューアルワークスがボーリングしていたのかということなんですけれども、これは私たちの施工時に、単位区画ごとに土壌をとったりとか、いろんな揚水、注水をしたりということで、対策工事のときのその井戸を掘るといったような対策に必要なボーリングをしていただきました。

○曽根委員 その成和リニューアルワークスは、ボーリング専門の会社ということで考えてよろしいんですか。

○氏家参考人 いえ、調査専門ということではなくて、いろんな基礎工事から、いろんな工事がある中で、そういう部門があるということでございます。

○曽根委員 では、土壌汚染対策全般にわたって、成和リニューアルワークスはかかわっていたということでよろしいんでしょうか。ちょっとしつこくて済みません。

○氏家参考人 全般というのがどのような意味なのかが、ちょっとずれがあるのかなということを感じますが、我々としては対策に必要なボーリング、工事全般ではなくて、必要なときに必要なものをやっていただいたということで、全般といえるかどうかちょっとわかりかねます。

○曽根委員 次に、先ほど日水コンの方の参考人としての発言の中で、採水した試料は一旦冷蔵庫に保管し、翌日、東京都に確認をした上で分析会社に運んだというふうに話をされましたが、同じようなやり方を成和リニューアルワークスさんもとったのかどうかということ、確認なんですが、もしわかったら教えてください。

○氏家参考人 先ほどの説明がちょっと間違ってご理解いただいたようで、済みません、説明が悪かったらごめんなさい。
 採水をして、その場に、基本的には分析会社のライトバンを、何時ごろ来るから来なさいといってつけて、そのままクーラーボックスのまま持っていくという手順が、それが基本でございます。
 それが少し、幾つも採水していきますので、最終的にライトバンが来るのが夕方でございますから、そのときまでに保管するために冷蔵庫を置いてあっただけでございまして、それを東京都の許可を得て持っていったということはないです。そのまま直接業者に持っていったということでございます。

○おときた委員 きょうは貴重なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
 他のJVさんにも確認させていただいたところですが、私からは、この分析、採水業者の選定の理由などについてお伺いをしていきたいと思います。
 成和リニューアルワークスさんと産業分析センター、それぞれ先ほど他の委員の質問の中で、現場を熟知していて、もう既に一緒にお仕事をされていたんだというようなことをおっしゃっていただいたんですけれども、これを選ぶに当たって、何かほかの業者さんと相見積もりをとったりとか、あるいは入札を実施したりとか、そういったことはやられなかったという形でよろしいのでしょうか。

○氏家参考人 そういう業者を決めるのは、あくまでも作業所なものですから、私は現場の技術支援という面ですので、そういうところは、したかどうかはわかっておりません。

○おときた委員 ありがとうございます。
 これもご存じでしたら教えていただきたいんですが、そういった現場のボーリング工事であるとか、一緒にやった実績が十分おありだと思うんですが、この分析や採水といった類似の取引について、御社と一緒にお仕事をした実績がこの各社はあるのかどうかについて、もしおわかりでしたら教えてください。

○氏家参考人 類似の取引というのがどういうことか、ちょっとあれですけれども、成和リニューアルワークスさんとは、調査だけではなくて、いろんな対策に対する支援だとか、さまざまな面で我々と取引がございます。
 産業分析センターにつきましても、これはあくまでも類似というのは分析という範疇を超えませんけれども、その中で分析を、地下水だとか土壌を依頼するということはあります。

○おときた委員 ありがとうございます。よくわかりました。
 それでは、この成和リニューアルワークスさんと産業分析センターにお仕事を依頼するということで決定しましたということを東京都に報告したときに、何か特段、東京都から意見や指示などがありましたら教えてください。

○氏家参考人 ありませんでした。

○おときた委員 それでは最後に、御社と御社がお仕事を依頼した会社と、そして東京都、あるいは採水、分析は二者ですけれども、三者あるいは四者が一堂に会して何か打ち合わせをしたとか情報共有をした、そういった機会がもしありましたら教えてください。

○氏家参考人 ありません。

○小松委員 きょうはどうもご協力ありがとうございます。
 パージの後に採水をするまでの時間を十分にとるということが、恐らくガイドラインにあったかと思います。遵守されたというふうに伺いましたけれども、現場が錯綜する中で、場合によって十分な時間がとれなくてというようなことはなかったでしょうか。

○氏家参考人 それについては、品質に大きく影響しますので、それはきちっととるようにしました。

○小松委員 改めて確認をさせていただきました。
 調査の報告書を最後にまとめられたかと思いますが、まとめたのは御社ということでいいでしょうか。確認させてください。

○氏家参考人 はい、弊社でございます。

○小松委員 汚染が、九回目の調査の結果あったことが数値として出ているわけなんですけれども、汚染があっても検出されないということはあるだろうとは思うんですが、ないものが出るということは考えられないというふうに素人は思うんですが、専門家としてのご見解はいかがでしょうか。

○山崎委員長 大丈夫ですか。(氏家参考人「わかりません」と呼ぶ)そうですよね。小松委員、ないものがあるという、ちょっと私もわからないので、もう一回質問してください。

○小松委員 はい、もう一回。全然ないものが数値として出るということはないけれども、実際にあるものが検出されないということはあり得るのではないかと素人としては思うんですけれども……。(「分析がおかしいといっている話」と呼び、その他発言する者あり)検査が妥当であったということをどのように主張されるのかなというふうにお伺いしたいと思ったんですが、いかがでしょうか。
   〔「質問がおかしいだろう」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 答えられる範囲で結構ですから。

○氏家参考人 あくまでも、私たちは水をいただいたら、計量事業登録という計量について国にちゃんと国家資格を持ったところではかっておりました。そういう公定法という定められたものに準じてやっておりますので、それで出てきたものは出てきた、出てこなかったものは出てこなかったという、単純にそういう白黒の判定をつけています。

○小松委員 ちょっと質問がよく伝わらなかったかもしれません。
 汚染があるのに検出されなかったという可能性があるのではないかと思うわけですが、検出できなかった可能性というものがもしあったと仮定しまして、考えられる原因というものはないでしょうか。
   〔「委員長、参考人招致の際に、たらればの話はおかしいと思います。事実関係の調査だと思います」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 小松委員、私の方からちょっと申し上げます。もちろん、たらればの話、もしという仮定の話、こういったことを聞く場では私はないと思います。ですから、しっかりと、技術者の皆さんが来ているわけですから、そういった意味も含めて質問をしていただきたいと思います。はい、どうぞ。

○小松委員 環境の専門家ということで、ご見解を伺いたいと思いました。
 それでは、もう結構です。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 氏家参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、氏家参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 氏家部長様、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見をいただき、まことにありがとうございました。心より御礼申し上げます。
 それでは、どうぞご退席ください。ありがとうございました。

○山崎委員長 それでは、次の参考人の方をご紹介いたします。
 株式会社湘南分析センター、統括部長の市川泰之さんです。
 本日は、ご多忙のところ、委員会にご出席いただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして御礼を申し上げたいと思います。
 本日は、地下水モニタリング調査についてご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、市川参考人には、ご着席のまま発言をしていただきたいと思います。
 それでは、ご発言のほどよろしくお願いいたします。

○市川参考人 湘南分析センターの市川と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 私は、統括部長としまして、営業及び分析に関しまして、指導及び確認をさせていただいておりました。
 今回の豊洲市場の案件につきましては、サンプリングから分析データの確認、そして東京都への分析データの報告をさせていただきました。
 それでは、お話をさせていただきたいと思います。
 私ども湘南分析センターは、計量法に基づく計量証明事業所であり、湘南分析センターの一グラムは国家の一グラム、国家の一グラムは世界の一グラムというトレーサビリティーをモットーに、確かな計量を迅速に提供するために、日々研磨している会社でございます。
 では初めに、豊洲市場における地下水調査委託業務の経過概要を報告させていただきます。
 まず、昨年、平成二十八年十一月十六日に、東京都から、この豊洲市場の地下水モニタリング調査につきましての落札の通知がございました。
 翌日、十一月十七日に東京都から、地下ピット水を排出するために、十二月四日までに採水を完了することを条件として提示され、翌日十一月十八日に、現地確認の上、翌週十一月二十一日から採水するようにと指示がございました。
 十一月十八日の豊洲の現地確認は、東京都の担当職員の方と行わさせていただきました。また、翌週の十一月二十一日の採水には、東京都の職員の方が立ち会い、東京都の確認のもと行うこととなりました。
 入札の前の現地説明会がなく、そのため現地での確認によって、初めて、こちらの入札の仕様書からは読み取れなかった採取困難な現地の状況が明るみになりました。
 十一月二十一日の時点では、まだ業務契約の手続が完了しておらず、契約の締結していない状態でしたので、東京都に対しては、契約未締結の状況で業務に入れないと説明をして、作業の延期、辞退を申し入れました。しかし、東京都側から、東京都が責任を持つと明言をされ、作業を進めるように促され、業務を進めることになりました。
 採水に関しては、東京都の職員の方の立ち会いのもと、採水方法などの確認をした上で業務を始めることになりました。具体的な内容は、現地で東京都の職員の方に了承を得ながら業務を行うこととなりました。
 十一月二十四日、東京都に採水状況や方法についての報告、確認を行い、十一月二十一日に採水した試料について基準値を大きく超えている箇所があったため、口頭で報告を行いました。東京都からは、分析結果については、文書、ファクス、メールなどの速報は一切行わないようにし、翌年の一月上旬にデータを取りまとめたものと、一月末に、最終報告として、計量証明書及び写真帳の提出をすればよいとの指示がありました。
 十二月二日の豊洲市場の採水現場でも、十一月二十二日以降採水した試料の分析結果についても基準値を大きく超える箇所が多数ございましたので、東京都の方に、再度口頭で報告をさせていただきました。しかし、十一月二十四日と同様のお答えをいただきました。
 十二月六日は、それまで採水が困難であったモニタリング井戸の改修及び復帰をしたということで採水を行い、この日で全ての採水業務を終了しました。採水業務は、全てで十日間にわたり行わさせていただきましたが、そのうち九日、東京都の職員の方に豊洲市場に来ていただき、現場で確認をしていただきました。立ち会いの時間は、日にちによって、終日いていただくこと、午前のみ、午後のみ、または数時間というような形で、まちまちでした。
 翌年、ことしになりますが、平成二十九年一月六日、都庁にて、分析結果の報告日の確認をいたしました。報告日は、翌週の一月十日となりました。
 一月十日午前中、都庁にて分析結果を報告し、分析結果は、事実として受けとめていただけました。その場でも、十一月末と同様に、計量証明書と写真帳は、一月末に提出するように指示がございました。
 同日、一月十日の夕刻に、東京都からシアンの分析を行った十カ所の試料の提供の可否確認の連絡があり、その後、翌日、一月の十一日の朝一番に、東京都にその試料を持参するように指示がございました。確認予備のために、私どもが採水、保管していた試料を提供することになりました。
 翌日、一月十一日、東京都の指示に基づき、シアンの分析を行った十カ所の試料を、東京都に、朝一番、持参いたしました。
 翌日、一月十二日午前中、都庁にて、東京都の職員の方と協議をいたしました。そこでは、前日の十一日に、私どもが提供した試料の分析結果が、東京都が行った分析結果が、私どもの報告値と同様の分析結果であったとのコメントがございました。また、採水方法や分析方法について、その場で確認もされました。
 同日、一月十二日の午後五時過ぎに、東京都から、立ち入りをするとの連絡があり、同日、午後七時ごろに弊社に来社されました。そこで、改めて採水方法や分析方法、また、私どもが保管していました分析試料、残試料ですね、について、再度、一時間半程度確認をされました。
 さらに、同日の午後十一時三十分ごろ、東京都から、翌日の一月十三日、朝一番に、写真帳などを持参するように電話で指示がございました。深夜の突然の要請であり、ほかの予定もあるので対応が困難であると伝えましたが、調整をして持参するように強く要求がございました。
 一月十三日の午前中に、都庁に写真帳等を持参させていただきました。そのときに、専門家会議の場で報告する旨を伝えられました。
 翌日、一月十四日に、専門家会議で、私どもの分析結果の報告があり、その値が暫定値として報告されました。
 以上が、業務受託後、一月十四日の専門家会議までの経過概要になります。
 続きまして、業務状況について報告させていただきます。
 まず、採水業務につきましては、初日から東京都の立ち会いのもとで、東京都の確認、指示に従い採水を履行いたしました。モニタリング井戸での採水においては、まず、ポンプを用いて、たまり水を所定量パージした後、ベーラーと呼ばれる採水器具を用いて採水いたしました。その際、全てのベーラーは、新しい物、新品のベーラーを用いることで、ほかの試料からの汚染を避けるよう配慮いたしました。また、ベーラーが入らないところが一カ所ございましたので、そちらはポンプを用いて採水をいたしました。
 各モニタリング井戸は、状況、また状態も異なり、水没しているモニタリング井戸もあれば、そのままでは採水できないようなモニタリング井戸も多数ございました。水没しているモニタリング井戸については、東京都の了承を得て、アタッチメントを作成、装着し、極力地下ピットにたまっておりました水が混入しないように採水いたしました。こちらについても、東京都の方に立ち会いをしていただいております。
 また、モニタリング井戸の直上部に配管が通っていたため、採水できないモニタリング井戸については、東京都の職員の方の了承を得て、モニタリング井戸の上部管を切断することによって採水をいたしました。
 弊社では対応できないような破損をしていたモニタリング井戸については、東京都の方に連絡をし、改修、対応してもらい、改修復帰後採水をいたしました。
 また、一カ所ですが、地下水が枯渇してしまったために、パージ後、地下水がたまるであろう翌日以降に採水をいただくように提案した箇所がございましたが、東京都の職員の方から、パージ水を分析試料として採水するように指示がございました。
 このように、モニタリング井戸は、個々に採水状況が大きく異なっており、東京都と、その都度対応させていただき、全箇所採水をさせていただきました。
 次に、分析業務についてご報告をさせていただきます。
 ベンゼンの分析については、豊洲での採水日、同日に、速やかに会社に持ち帰り、公定法に基づき、計量器であるヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析計にて測定をさせていただきました。そのほかの分析試料につきましても、適切な前処理を行い、翌日以降から分析をさせていただきました。
 最後になりますが、一月十四日になって、私どもの分析値を適正値とは異なる暫定値という扱いで、東京都の方が公表されたのが非常に疑問と思っております。
 昨年の十一月二十四日及び十二月二日に、私どもが、基準値が超過した高濃度のものが出ているという、過去値と大きく異なるということを連絡した時点で、東京都から何かしらアクションがあれば、そのように、ほかの分析機関によるクロスチェックなどの手続をすることができたと思いますし、そのような手続を踏まえてから公表することができたのではないかと思っております。
 私どもは、高性能な分析機器を用い、また、万全を期すために複数台の分析機器を用いてデータの確認を行いました。慎重に慎重を重ね、確認試験も行っております。しかるに、私どもの分析結果が暫定的なものという扱いを受けたことは極めて不本意というほかございません。
 また、私どもが、東京都に分析結果を報告するに当たりまして、従前に、東京都が行った土壌調査の結果と私どもの地下水分析結果の調査地点ごとに比較確認をさせていただきました。ないものは検出されませんが、あるものは必ず検出されます。東京都が暫定値として報告したことで、私どもが受けた風評被害は実に大きいものがございます。データは、慎重に取り扱っていただきたいと願っております。
 最後になりますが、私どもの分析結果が暫定値ではなく適正であることが証明されると確信しております。
 以上になります。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 市川参考人の発言は終わりました。
 次に、市川参考人に対する質疑を行います。
 なお、市川参考人に申し上げます。答弁する際は、挙手をしていただいて、委員長の許可を得てから発言をしていただきますよう、お願いをいたしたいと思います。
 それでは質疑に当たり、初めに私から、基本的な点、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 本日は、お忙しいところご出席をいただいて感謝を申し上げたいと思います。
 豊洲のこの移転問題、多くの方が大変注目をしている、また関心を持っている事項でもあり、また、先ほど来、説明の中でございました湘南分析センターさんの方が、いろいろな分析、また、その前の採水と、非常に手間をかけたいろいろな調査に対してしっかりやっていただいたこと、私も今の説明を聞いてよくわかりました。
 その中で、各委員の皆様から質問がある前に、私の方から基本的なことをまずお聞かせをいただきたいんですが、ガイドラインがございます。ガイドラインに基づいて、このガイドラインをしっかり理解をして進めてこられたのかどうなのか、まずその点、お聞かせいただきたいと思います。

○市川参考人 私どもは、従業員のガイドラインの理解を進めるために、これまで行ってきましたこととしまして、定期的なガイドラインの勉強会、また、小テストなどを行うなど、ガイドラインの理解に努めてまいりました。
 そのほか、外部の講習会、セミナーなどの参加なども適宜活用し、理解を深めるように指導しております。
 また、ことしの四月には、四月になりますと土壌汚染対策法の一部が改正されますので、そういったことに対しましても、今、準備を進めているところでございます。
 以上になります。

○山崎委員長 今の答弁で、ガイドラインは理解をされていたということはわかりました。
 その次に、豊洲の市場は約四十ヘクタールにわたって、モニタリングの場所も、三街区を合計すると二百一カ所ということで、非常に大きな数、また多岐にわたるわけです。
 そういった中で、これだけの広さの土地で作業するとなると、それだけのやはり人員や、また体制も大きくなるのではないのかなと思います。そういった中で、採水分析作業の際の人数や体制はどのようなものであったのか、また、作業を監督する人員を配置していたのかという点を、あわせて教えていただきたいと思います。

○市川参考人 採水の体制としましては、二名もしくは三名を一班とし、一から四班を準備させていただき、作業を行わさせていただきました。
 また、全体を確認できる者としまして一名、指導、確認をできる者一名配置いたしまして、適宜作業の確認を行い、作業させていただきました。
 また、分析の体制としましては、各分析項目一名もしくは二名で分析をさせていただきました。

○山崎委員長 ちょっと今の確認なんですけれども、採水の方の一班、二名か三名、それが一班から四班まであると。仮に、もし四班あるとした場合に、一名ずつその指導監督の人が、さらに追加で一つのところに入っていたのか、それとも、全体の一班から四班までの中での指導者、監督官ということで一名だったのか、ちょっとそれを、もう少し詳しく教えてください。

○市川参考人 一班から四班、サンプリングをする場所ですね、日にちが、何日以降にサンプリングするように、東京都の方から、地点ごとに指示がございましたので、それに合わせて班数を決めさせていただきました。
 そのとき、全体を確認できる者は、日にちによって異なりますが、一名で回れるときもありますが、二名で回らさせていただいたときもございました。必ず一名以上、全体を確認させていただいておりました。

○山崎委員長 わかりました。まず私の方からの質疑は、これで終了いたしたいと思います。
 次に、それぞれの委員の皆様から質疑を行いたいと思います。
 それでは、発言を願います。

○田中委員 湘南分析センターさんにおかれましては、本日の委員会、ご協力いただいたこと、感謝を申し上げます。
 限られた時間なので端的にお伺いしますが、今ご説明をいただきまして、また新たな疑問が相当出てまいりましたので、もしできれば、別の機会にもお聞かせいただく場があればと願っております。
 まず最初に、今回の九回目の調査を入札、応じられて、約三百万強という、他社と比べると非常に低い金額で落札をされていらっしゃいます。この低い金額で応じたということは、ある意味、この仕事を何としてでもとりたいんだという意欲のあらわれであるという受けとめ方ができる一方で、ガイドラインが求めている調査精度というものが本当に担保できるのかなという逆の疑問も湧いてまいりますが、この点についてお考えを聞かせいただきたいと思います。

○市川参考人 私どもも、この入札が開示されまして、その調査の重要性は十分理解させていただいておりました。
 この際、入札が出されたときの仕様書から判断し、そちらを読み取ったとき、通常の状況の業務で十分できる業務であると判断し、入札に参加させていただきました。
 こちらの金額につきまして、高い、安いについては、私どもが判断することではございません。昨今、さまざまな官庁で最低制限価格制度を適用した入札がふえております。低価格により品質を疑われないためには、最低制限価格を設定するなど、今後の対応を検討していただければと思っております。
 私からは以上です。

○田中委員 確かに、入札制度そのものに対するお考えもおありなようでありますけれども、逆に、ぜひ我々としては、御社が今回の入札をするに当たっての、できたら積算根拠となる資料をいただけたらと。例えば、積算内訳書のようなものを、これはあるかと思いますけれども、お示しをぜひしていただけたらと思っております。
 そして、今説明をいただいた中で、やはり特に採水に関しては、非常に丁寧に慎重に対応しなくてはいけないんだろうと思っておりますが、現地、事前の説明会ではわからなかった調査状況があったと、調査困難な場所もあったというようなお話でありました。
 その調査が困難であったということの、これがですね、その環境が、調査結果に何らかの影響を及ぼしたとお考えかどうかお聞かせいただきたいと思います。

○市川参考人 調査の状況につきましては、一部、皆様に配布資料としてお配りしているところにございます。一枚目ですね、先ほど冒頭でお伝えしましたように、一枚目のK30-6、井戸管切除前というような写真がございますけれども、こういった井戸管の上に、温水管ですかね、そういったものが通っているというところ、あと、皆さんも--その後、五枚目になりますかね、L16-5、全景というところに、アタッチメント、こういったものをつけさせていただいたという写真を掲載しているんですけれども、こういった部分が多数ございました。

○田中委員 写真、ちょっと限られた時間なので恐縮でありますけれども、大変、想定していた調査環境とは違った状況の中での調査を強いられたというお話でありますが、これ極めて、専門家の方に--当然のお話だと思いますけれども、採水アタッチメントをつけなきゃいけない、だから、先ほどの説明で、地下水が極力入らないように配慮したとか、極力であってはいけなくて、一切入ってはならないんだろうと思いますし、また、先ほどの説明で、地下水が枯渇している中で、翌日以降、そのパージで得た水を使えばいいんじゃないかというような指示があったとか、ちょっと考えられない状況があります。
 そしてまた、先ほど、パージから採水までの過程で、経過で、一日置くなり、場合によっては二日間置いた後に採水をするというのが、今までの他の採水事業者の方の説明でありましたが、これ、ちょっと聞いてみると、パージ後の採水までの時間も、そんなに一日、二日ということではなくて、数時間といいますか、どの程度間をあけているのか、そういったことからもすると、極めて、採水した水に対する信頼性というのが、ちょっと今の話だけを聞いていると疑問を感じる点が多々あるんですけれども、いかがでしょうか。

○市川参考人 パージの水に関しましては、入札の事前の東京都からの説明で、二十分から三十分程度パージした後採水すること、また、同日に採水することということで条件がございました。
 また、場所によりましては、同日に、パージ水が復旧していない地点がございましたので、私どもも二日以上かけてサンプリングさせていただいた場所もございます。そちらにつきましては、東京都の方に報告をさせていただいております。
 以上になります。

○田中委員 済みません、もう時間が経過している中での、我々、今回の地下水モニタリングの信頼性について協議をしている中で、今までとは全く違う前提条件の中で質疑せざるを得ないような今状況にあると認識をしております。
 これは提案ですけれども、もしできましたら、新たな時間をいただいて、しっかりとまた改めてお話をいただく中で質疑をさせていただく場を、ぜひ求めて、私の質問を終わります。

○山崎委員長 わかりました。
 今、田中理事が、お話があった件でございますけれども、ちょっと理事会で協議をさせていただきたいと思います。
 では、発言を願います。

○伊藤委員 公明党の伊藤でございます。どうぞよろしくお願いします。
 また、きょうは本当にありがとうございます。これだけの人数がいる中で、いいづらかったこともきっとおありだったと思いますけれども、本当に勇気を持ってお話しいただいたんだなと、このように感じます。本当にありがとうございます。
 では、私の方から何点か質問させていただきたいと思います。
 湘南分析センターさんは、九回目の採水と分析を行ったわけですけど、これに当たっては、まず東京都から委託をされて、その中にも仕様書があったと思います。また、東京都からは、このモニタリング計画書ですか、これもあったと思うんですけれども、この仕様書と地下水モニタリング計画書、これを見たときに、これで十分だ--要するに基準とするものが、どのように採水してどのように分析する、基準として東京都から出されたものについては十分だというふうに思いましたか。

○市川参考人 初めに拝見しました仕様書に基づき、私どもは入札の価格を設定させていただきました。
 実際に現場に行ったとき、その仕様書では読み取れない部分が多数ございました。そのため、私どもは、東京都の方にも採水を延期もしくは辞退させてほしいという旨は伝えさせていただきましたが、東京都の方から、責任は持つので業務を行ってほしいとのお話があり、進めさせていただきました。

○伊藤委員 今の話も聞き捨てならない話でありますけれども、ちょっと確認で伺います。
 この一回から九回目までのモニタリング、一貫した基準というか、採水の仕方、パージのやり方もそうなんですが、基準がないとちぐはぐになっちゃいます。この一回目から三回目を担ったのが日水コンさんです。日水コンさんが、仕様書、それからモニタリング計画書、この計画書の中には、国のガイドラインに基づいてやるんですよということは書いてある。しかし、このガイドラインの中には、例えば、パージ、採水も事細かにはこうしなさいよとまでは書いていないんです。これを現場にブレークダウンして、日水コンさんがつくったのがこの手順書なんです。この手順書っていうのは見たことありますでしょうか。

○市川参考人 今初めてお伺いしまして、拝見したことはございません。

○伊藤委員 ありがとうございます。朝からずっと聞いてきました。つまり、この手順書は、いずれにしてもJVにも引き継がれていないということが明らかとなったわけであります。
 ちょっとお伺いします。きょう出していただいたこの資料ですけど、この管を切っておりますよね。管を切って、それでパージするなり、採水をするということなんでしょうから、切るということは、九回目で初めてこの井戸を使ったという、こういうことになりますかね。いかがでしょうか。

○市川参考人 私どもも、第八回目の採水現場の同様の写真は拝見させていただいておりましたので、角度が、少し違った角度から撮影されておりましたが、現場に行くまでこのような状況だということはわかりませんでした。
 同様に、切除させていただく前に、東京都の職員の方に八回目以前のことを確認しましたが、わからないということでしたので、私どもは、今回確認をとり、切除させていただき、サンプリングをさせていただきました。
 以上になります。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 湘南分析センターさんが出していただいた数値については異常に高かったわけでありますけど、異常値が出た場合に、分析センターさんの方は都にちゃんと報告したと先ほどお話がありました。
 この場合、今再調査やっていますけど、この再調査の仕様書の中には、異常な数値が出た場合は必ず報告すること、そして委託した側は再調査をやらせることということ、書いてあるんですよ。今の再調査の仕様書には書いてあるんですけれども、都から再調査をするようにという指示はありましたか。

○市川参考人 私どもは、先ほども冒頭でお話しさせていただきましたが、異常値が出たことで、直ちに東京都の方に過去の値と大幅に違う旨は伝えさせていただきました。ですけれども、私どもがサンプリングを行った試料につきましては、再分析なりはさせていただきましたが、そういった再調査のお話というのは聞いておりません。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 先ほど、パージの水をそのまま分析に回していいんだというお話がありました。また、パージの時間は二十分から三十分だというお話でしたけれども、これは正直に伺いたいんですが、分析センターさんが、そのときの水ですけれども、濁っていましたか。あるいは泥が入っちゃっていましたか。そこのところを覚えていたら教えてください。

○市川参考人 その現場につきましては、パージの水につきましては、多少濁っておりました。実際に写真を準備しておりますので、少々お待ちいただけますでしょうか。--そのときの採水の水がこちらになります。

○山崎委員長 こちらの資料には入ってないですか。

○市川参考人 入っておりません。

○山崎委員長 入ってない。はい。

○あさの委員 きょうはお忙しいところ本当にありがとうございます。そして、先ほどの率直な説明、私も大学時代に分子化学を専攻していた者として、非常にわかりやすく、ありがとうございました。
 その立場からも、出たものにせよ、出ないものにせよ、私は、分析会社の方々が計量証明事業所という指定を取ってやっている以上は、その責任を持ってやっているのであるから、そのデータは間違いないだろうと。ただし、採水あるいはパージを含めて、一回目から九回目までの間にどのような作業の違いがあったのか、これを明らかにしなきゃいけないと思っての、きょうは朝からの質疑をさせていただいておりました。
 その点で、我々はパージにすごく注目をしていたんですが、先ほど、さまざまな説明の中でもう十分出ております。明らかに、一回目から八回目と九回目、そして今現在、専門家会議では、パージは、してから一時間という目安を置いておりますので、そういった違いがあることはもう既にはっきりしております。
 その上で、ここではっきりと確認をさせていただきます。このさまざまな指示を出した、あるいは相談をした際に、例えば先ほど、枯渇しているもの、パージの水を使ってくださいといったり、報告をした東京都の担当部署及び担当者がわかれば、この場でぜひおっしゃっていただきたいと思います。

○市川参考人 部署につきましては、新市場整備部になります。担当の方につきましては、控えさせていただきたいと思います。
 以上になります。

○あさの委員 この立場で、まだ個人名に対しての配慮をしていただいたこと、本当にありがとうございます。ただ、私どもとしては、この後、恐らくこういった指示がどのように出ていたのか、そしてどうしてこんなに変わってしまったのかということは、もう少し集中して審議を行い、明らかにしていかなければならないと考えております。
 そこで、一応の確認でございます。今いったようなお話も含めて、再度詳しいお話を、例えば現在設置されております百条委員会等で、もし呼ばれた場合に証言をしていただくことが、今現時点での思いだけで構いません、可能かどうかについての思いを聞かせていただければと思います。

○市川参考人 百条委員会につきましては、また社内に戻って、十分吟味、検討させていただければと思っております。
 以上になります。

○あさの委員 先ほど、最大二日間置かれていたと。私はこれは、実は専門家会議の方と一緒に視察をした際にも、中島フェローにもちょっと聞いたことがありますけれども、井戸が、ベンゼンは揮発性のものでございますので、設置している時間によって出てくる値が変わる可能性はないのかということも確認をさせていただきました。もちろん、井戸の口径が小さいこと、そして採取する場所が水の真ん中あたりをとるから、フェローの見解としては、一時間は問題ありません、今やっているやり方は問題はありませんといういい方でした。
 しかし、この二日あるいは三日という時間がかかっていたり、あるいは逆に、二十分から三十分でやっていたり、余りにも基準がばらばらで、我々もちょっと前提条件が変わり過ぎて、どういった観点でこれを確認しようかというところがありますけれども、さらにお伺いをさせていただきます。
 東京都との事前の協議、打ち合わせにおきまして、先ほど金額の話も出ておりましたが、今写真で見る限りさまざまな対応、アタッチメントを接続したりなんだり、いろんな必要があったと思いますが、これ、事前にわかっていなければ当然、微々たるものかもしれませんが、追加の費用等が発生する可能性があったと思うんですね。その辺につきましては、追加の費用についての交渉等というのが、やっている最中に東京都との折衝があったのかどうかについてお伺いしたいと思います。

○市川参考人 一点、私の説明が不十分であったかもしれませんので、改めてご説明させていただきますけれども、パージにつきましては、井戸の水の量がさまざまでしたので、早く終わるところは二十分かからないぐらいで終わっているところもありますが、二日かかったというのは、パージの水を抜いて、それが復水してくるまでの時間がそれぐらいかかったということになりますので、それを改めてご説明させていただきます。
 あと、今ご質問にありました追加ですね、そちらにつきましては、追加の人工などがかかっておりますので、そちらは東京都の方と打ち合わせをさせていただきまして、費用の方は見ていただいております。
 以上になります。

○あさの委員 最後に一点だけ申し上げます。本当にこの場に来ていただいてご説明いただいたこと、心から感謝を申し上げます。
 特に、先ほどのパージの話も、二日というのは、ほかの会社さんで、翌日に採取するものが、都合によってさらにもう一日あいて、二日があいたものもあったという意味でございまして、採水完了だよといわれてから、さらに一日放置されて採水されたものもあったという意味でございますので、私の方もちょっと誤解を招いて申しわけありません。
 ただ、風評被害等が回復されることを心から、心から私としてもお願いをさせていただきたい、世の中の皆さんにぜひお願いをさせていただきたいということは申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。

○尾崎委員 きょうはありがとうございます。私の方もお聞きしたいことがたくさんあったんですが、先ほどのお話と、この資料を見させていただいて、何が問題なのかというのがより鮮明になりましたので、改めて確認のために伺います。
 事前説明のとき、豊洲新市場の用地というのは、ほかに類がないほど広いのと土壌汚染状況がひどかったということもあると思うんですけれども、そういう点では、過去のモニタリングのデータや、最初に行ったような、その用地の、土地の土の状況がどうなっているのかという地質調査などについて、東京都からはどのような説明がありましたでしょうか。

○市川参考人 東京都からいただいたものとしまして、過去の一回目から八回目のデータにつきましては一覧表でいただいております。
 また、先ほどの地質の調査に関しましては、私どもは一切いただいておりません。
 以上になります。

○尾崎委員 私たちも、先日、今やっている再調査の現場を視察させていただいたんですが、そのときに、座長の平田さんが、私たちがいろいろわからないことを聞いたときに、例えば、パージをする作業にどのぐらい時間がかかるかというのは、そこの土地の様子がどうなるのかで全然時間も変わってくると。だから、簡単に、パージの作業、採水の時間というのは平均的にはいかないんだと、一カ所一カ所で、場所によって全然違うんだということだったんですね。
 そういう話を聞いたときに、やはり事前に東京都がつかんでいる情報を、どれだけ正確に採取する企業の方にお知らせするかというのは重要なんだというふうに問題意識を持って帰ってきたんです。そういう点では、やはり東京都が、この間、誠実に対応していたんじゃないところがあるなというふうに感じています。
 それで、写真も、きょう資料としていただきましたけれども、やはり建物の下の、地下が空洞になっているピット内のたまり水がある中での採取、まあパージ作業もそうですが、どんなふうにやられたんだろうかというのが一番私は問題意識としてあったわけですが、先ほどの説明ですと、水没していた井戸もあったという説明ですが、水没していた井戸はどこの場所で何本あったのか、そして、それを東京都は、どのように説明があったのかというのを伺いたいと思います。

○市川参考人 水没していた井戸につきましては、東京都の方に全て私どもが実際現場へ行った段階でお伝えしております。少々お待ちいただけますか。--具体的にいいますと、五街区全て七十二カ所のうち水没していた場所は二十五カ所、六街区につきましては六十一カ所の井戸に関しまして十七カ所、七街区につきましては六十八カ所中四カ所ございました。申しわけございません、今の七街区ですね、こちらは間違いでございます。七街区につきましてはなかったかと思います。済みません、あと六街区も水没という形ではございません。水没に関しては、申しわけございません。六街区、七街区に関しましては、ございませんでした。管頭が水没していた部分は五街区になります。
 また、六街区、七街区なども、私どもがアタッチメントをつける以前に、ほかの八回目までにサンプリングを行った業者さんがつけたと思われるアタッチメントはついているところは幾つかはございました。
 以上になります。

○尾崎委員 先ほどのお話の中で、改修をしなければならない井戸もあったということなんですが、水没とは別に改修が必要だったということだと思うんですが、改修が必要だった井戸の数ってわかりますか。

○市川参考人 先ほどは間違った説明をしてしまい、申しわけございませんでした。
 モニタリング井戸で水没していた箇所は先ほどの五街区で二十五カ所。そのほか、井戸の変形等が見られた箇所が二十五カ所。あと、モニタリング井戸の内部が何かしらで詰まっていた箇所が五カ所。また、モニタリング井戸が破損していた箇所が三カ所。また、不良と思われる箇所が五十九カ所ございました。以上になります。ごめんなさい、合計で五十九カ所です。

○尾崎委員 作業に当たってですけれども、パージの作業と採水の作業ですけれども、同じ方が同じ場所で担当ということでしょうか。それぞれどういう方が担当したのか伺います。

○市川参考人 先ほど、サンプリングを行う、採水を行う班について説明させていただいたんですけれども、二名もしくは三名を一班として回っておりますので、パージをした者がサンプリングをしている場合もございますし、一緒に回っている者が行っている場合もございます。それは場所場所によって異なっているかと思います。
 以上になります。

○おときた委員 きょうは貴重なお時間いただきまして、まことにありがとうございました。率直な意見をいただきまして、我々としても非常に驚きの事実とともに受けとめております。
 まず、今の前委員の質問に関して、七街区は水没箇所がなかったということで、こちら今配っていただいている資料は、採取アタッチメントをつけている画像が写っているんですが、これは水没のためにつけたわけじゃなくて、別の理由でつけられているということなんでしょうか。ちょっとここだけ確認させてください。(「何ページ」と呼ぶ者あり)七街区、L16-5。

○市川参考人 そうですね、ちょっと確認をさせていただきまして、また、お返事をさせていただければと思います。

○おときた委員 結構でございます。
 戻りまして、いろいろと採水でかなり疑義があるということが理解できたんですが、御社の、これまでこういった地下からパージなどをして採水したという類似の業績の実績などがありましたら教えてください。

○市川参考人 地下水の、地下の空洞のという意味ということでしたら、こういったものに関しましては初めてになります。建物の中、一階ですね、一階の建物の中もしくはほかの地上部ということでしたら、サンプリングの経験は多数ございます。
 以上になります。

○おときた委員 ありがとうございます。
 十一月の二十二日に契約上作業を延期させてほしいという旨を東京都にお伝えをして、都が責任を持つからやってほしいというやりとりがあったということですが、このときに、都が責任を持つということが、口頭以外の約束、何か書面など、覚書などで交わされているというようなことはありませんでしょうか。

○市川参考人 その際に、やはり私どもも書面をいただきまして作業を進めさせていただきました。
 以上になります。

○おときた委員 その覚書の資料などは、もしこちらから要求があればご提供を、参考にいただくことはできますでしょうか。

○市川参考人 それにつきましては、対応させていただけるかと思います。
 以上です。

○おときた委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 このとき、都が責任を持つとまでいってでも、何か急ぐ理由があったかと思うんですが、都側からは、なぜ急がなきゃいけないのか、ここまで無理しなければいけないのかということが説明されたでしょうか。説明されたとすれば、内容を教えてください。

○市川参考人 そちらに関しましては、私どもも確認いたしました。専門家会議の方から、地下ピット内の水を排水する日にちがもう決まっているので、それまでにサンプリングを終えてほしいという指示がございました。
 以上になります。

○おときた委員 よく理解できました。その排水する日に合わせて急がれたということなんですけれども、そういった中で、いろいろと井戸が壊れていたり、あるいは地下水が枯渇してしまって、パージをした水を使うようにという指示があったということなんですけれども、地下水の作業が初めてだということなんですが、この指示に関しては、やはり専門業者として非常に違和感を感じたんじゃないかと思うんですが、そのあたり、率直にいかがでしょうか。

○市川参考人 私どもも、枯渇した場合に関しましては、時間を置いて復水するまで待つというのが通常ですので、その際も、東京都に改めて翌日以降のサンプリングを進言いたしましたが、これを採水試料としてほしいということで指示がございました。
 以上になります。

○おときた委員 プロとしてやはり違和感を感じて進言をされていたことだと思います。今回の値が暫定値とされている、そしてその結果として風評被害などがあるということは、本当にあってはならないことだと思いますし、確かに資格を持ってやられていることですから、ここはかなり正確性が高いのかなと思います。
 ただやっぱり、この採水の過程を見ると、もちろん都に責任があるんですが、そこのもとでやった採水で、この値がやっぱり本来やるべきものとずれているという可能性はあるんじゃないかと思うんですが、そのあたりは率直に、所感としてどのように感じておられるか、最後に教えてください。

○市川参考人 私どもも、濁り水につきましては、土壌汚染対策法のガイドラインに、どのように前処理等を行うか明確に書かれておりますので、それに従って前処理、分析の方をさせていただきました。
 また、分析したデータにつきましても、何度も確認をし、機械につきましても、かえて、私どもが複数台持っている機械もございますので、ほかの機械でも確認をさせていただいておりますので、そちらの分析の結果につきましては自信を持って提供させていただきました。
 以上になります。

○小松委員 きょうは率直なお話をお聞かせいただきましてありがとうございます。
 井戸が、変形があって、改修が必要であったりなどがあったわけですけれども、採水の作業をされた日、試料の採取日は、十一月二十一日が最初の日であったということでよろしいでしょうか。

○市川参考人 最初の日は十一月の二十一日になります。

○小松委員 契約されたのが十一月十七日かと思います。それから採取日まで、最初の作業日までに日数が本当に少ないわけなんですけれども、この短い期間でどんな準備をされたのか、時間が余り十分じゃなかったのではないかというふうに思うんですけれども、率直にいかがでしょうか。

○市川参考人 私どもも、ふだんからこういった地下水のサンプリングというのはやらさせていただいておりますので、技術的な問題であったり、機械的な問題、あと道具的な問題というのは特にございませんでした。
 特に大変だったのは、人の準備ということ、あとは、現場に合わせて、サンプリングの現場を確認させていただいたのが直前でございましたので、そちらの確認して、それに合わせて準備というのが一番苦労した点ではございます。
 以上です。

○小松委員 この十一月二十一日に、最初の採取日というのは、それは都から指定されたのでしょうか。

○市川参考人 先ほどもお伝えしましたけれども、サンプリングの最終日というものが決まっておりましたので、そこから逆算していって、ここからもうスタートしてほしいということで都から指示がございました。

○小松委員 そしてあの現場に行ってみたら、追加の何らかの工事が必要であったりしたわけですけれども、それにかかる時間的な--どうだったでしょうか。

○市川参考人 時間的なことに関しましては、やはり大変厳しいものがございましたが、私どもも、計量法の機関、また土壌汚染対策法の機関として、間違いのないように土対法のガイドラインにのっとってサンプリングを進めさせていただきました。
 以上になります。

○小松委員 パージの水の分析に出してよいであるとか、このやりとりをしたのが新市場整備部だというふうに伺いましたが、その後のといいますか、その間、どんな部署とやりとりをなさいましたでしょうか。

○市川参考人 私どもが基本的にやりとりをさせていただいたのは、新市場整備部の方になります。冒頭でお伝えしましたように、私どもが行ったシアンの分析の試料、十試料について、東京都に提供した、その後に環境局の方と初めて面談させていただきました。
 以上になります。

○小松委員 環境局--済みません、繰り返しになるかもしれませんが、環境局とはどのようなやりとりをなさったのか、もう一度確認させてください。

○市川参考人 環境局の方は、私どもが提供した試料につきましては、私どもと同様の結果が出たとのコメントをいただいております。分析につきましては、恐らく問題がないであろうというコメントをいただいております。
 以上になります。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 市川参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、市川参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 ちょっと私から一つ、先ほどの濁っているその写真、こちらの資料には多分入っていないんですけれども。(市川参考人「こちらですか」と呼ぶ)はい。それは改めてご提示いただくことはできるでしょうか。よろしいですか。

○市川参考人 そちらにつきましては提供をさせていただくことは可能でございます。

○山崎委員長 わかりました。
 それでは、市川参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 市川統括部長様、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見ありがとうございました。心より御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、どうぞご退席ください。ありがとうございました。
 次のユーロフィンの方がお入りになっていただいたんですけれども、議事の都合で、十分間休憩をとらせていただきたいと思います。
   午後三時三十二分休憩

   午後三時四十五分開議

○山崎委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 参考人の方をご紹介いたします。
 ユーロフィン日本環境株式会社環境ラボ副ディレクターの関淳也さんです。
 本日は、ご多忙のところ、委員会にご出席いただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、地下水モニタリング調査についてご意見をお伺いいたしたいと思います。
 なお、関参考人には、ご着席のまま発言をしていただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○関参考人 ユーロフィン日本環境株式会社で、環境計量士として、環境ラボ副ディレクターを務めさせていただいております関淳也と申します。
 本日は分析の技術者として参りました。本日は短い時間ではございますが、誠心誠意お答えさせていただくよう努めますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、私は、こうした議会における参考人を含めた発言機会は全く初めてでございます。至らない部分があるかもしれませんが、どうぞその点はご容赦ください。
 まず、弊社ユーロフィン日本環境の事業概要についてご説明させていただきます。
 委員の先生方ご存じのとおり、弊社は欧州を拠点とするユーロフィン・サイエンティフィックグループの一員で、世界三十九カ国、二万七千人以上の従業員を抱え、三百を超える弊社のようなラボ群を有する分析業を中心にした企業グループとなります。グループの主たる業務は、食品、環境、医薬品の分析であり、日本においては環境分析を中心に事業展開をしております。
 弊社ユーロフィン日本環境は、その前身である日本環境株式会社時代を含め、一九七四年、昭和四十九年の設立以来、環境分析を中心として四十三年にわたりさまざまなお客様に対して環境分析サービスを展開してまいりました。弊社のサービスは、業界では比較的広い分野をカバーしており、土壌汚染調査、分析、水質分析、廃棄物、アスベスト、大気・空気測定、自然環境コンサルティングなど、多岐に及んでおります。
 弊社が特に重要と考えている点は、まず第一点目に、お客様に対して適正な数値をご報告申し上げることであります。土壌、水質、大気といった環境分析の試料は、その性質上、目で見て有害物質の含有がどの程度あるかを把握するのは困難であります。
 したがって、高度な化学分析法を主に用い、適切な手続に基づいて処理を実施していくことが求められています。そのため、弊社並びに全世界のグループ会社には、日本ではまだまだ一般的ではない世界的品質標準規格であるISO17025、試験所認定の導入が図られております。
 ISO17025のカバーする範囲は、工場排水、環境水を初め、土壌、排ガス、環境大気、底質などにわたり、弊社の受注ベースの九〇%以上について、その対象となっております。このカバー率については、弊社規模の分析業を展開する会社としては非常に高いといえると考えております。ISO17025においては、その要求事項として、内部や外部精度管理や監査を規定しており、弊社はそれら全てを定期的に実施し、一年間の計画に基づいて品質を担保するよう努めております。
 なお、本計画では、従業員並びに関連事業会社への教育も含めており、その教育が実務上適用されているかを内部監査にて品質保証部署がチェックするよう、体制をとっております。具体的には、外部精度管理で、二〇一六年九月に環境省主催の統一精度管理調査に参加し、VOC分析、ジクロロメタン、トリクロロエチレンについてZスコア一未満の良好な結果を得ております。
 なお、本分析項目はベンゼン自体ではありませんが、通常GCMSを使用し、ベンゼンと同様の指標を用いて同時に分析する項目であり、ベンゼンの精度も良好な状態であったと類推可能なものと評価しております。
 また、モニタリング期間に行われましたVOCベンゼンにかかわる教育実績として、二〇一五年十月に、当年新卒入社した社員に対し、六カ月間の各部署の経験をするOJTの後に、前処理の方法について、入社十年以上の経験のある社員より、二カ月間かけて十分に教育を施した記録が残されております。
 なお、当部署の責任者の指導に対する評価も付して記載されており、その評価に基づき、当該社員に対する技術レベルランクを確定し、その後、当該社員がVOCの前処理業務につくことが会社として認められております。弊社は、こうした教育体制を各工程に対して実施し、これを記録しております。
 第二点目として、最新の分析機器の導入が挙げられます。
 上記の精度管理体制において、手続として適正性を担保しても、分析機器の陳腐化による数値のばらつき、エラー率の増加など、分析機器に精度が依存することもございますので、年間の設備投資計画を入念に行うことによって、設備の入れかえ、新規導入することで、最新の設備にて分析をした数値をお客様にご提供するよう、日々努力しております。
 なお、弊社が有する分析機器は、GC及びGCMSが三十台以上、ICPMS、ICPOESが五台以上、HPLC分光光度計イオンクロマトグラフが計十台以上となっており、非常に多くの最新機器にて業務を実施する体制を構築しております。
 具体的にモニタリング期間に導入した機器としては、二〇一五年六月にICPMSを十年程度使用した機器より入れかえを実施し、また、二〇一六年四月にGCMSを新規で導入している実績が記録されております。これにより、分析の安定性や効率化を実現しております。
 第三点目としては、価格及び納期が挙げられます。
 弊社は、上記の精度を担保しつつ、お客様に対して、より安心してご依頼いただけるよう、でき得る限りにおいて価格を低減する、あるいはコストを低減する企業努力を図り、また、速やかに分析結果をご報告できる体制を整えております。
 なお、いうまでもなく、第三点目は分析精度が担保されることを前提とするものであり、これをないがしろにして価格競争のみを追求することはしておりません。
 弊社の、前述のとおり、事業姿勢に基づき、今般の地下水モニタリング状況についてご説明させていただきます。
 なお、私の専門の分析現場の状況について述べさせていただきます。
 弊社の分析は検体の受領から始まり、前処理、分取、分析、結果のご報告という一連の流れになっております。まず、検体の受領後は、速やかに検体のシステム登録を実施し、前処理分析工程の実施に回します。ただし、お客様の現場の状況やご要望などが場合によってはございますので、検体の受領後も必要に応じてお客様とはしっかりとコミュニケーションをとりながら、以後の工程の開始等をプランニングしていくことになります。
 なお、受領した検体の貯蔵については、検体の種類に応じて冷蔵等の処置をとり、検体の状態が変化しないようにしている点は付言いたします。
 前処理、分取の工程が完了しましたら、機器あるいは手作業に、分析の工程に検体を回します。その際、フロアが違う場所で分析となりますので、検体の取り違いが発生しないよう、弊社においては、全ての検体についてバーコードでの管理を全工程に対して導入しており、ヒューマンエラーの低減について十分な配慮をしているところでございます。
 また、工程情報の管理については、紙でのやりとりはヒューマンエラーの大きな要因となりますので、ラボラトリー・インフォメーション・マネージング・システム、略してLIMSと呼ばれる情報システム上での管理を徹底しており、これらにおいてエラーの低減を図っております。
 分析の工程においては、全て当日使用する機器に対して、JCSSで認定されている標準物質を用い、機器の校正を実施しております。また、機器の校正の安定性を確保するために、二十検体ごとに標準物質の分析も実施しております。分析値が求められた後、分析値の確定に当たり、弊社では責任者によるチェック体制で数値の認証を実施しております。具体的には、分析担当者が分析結果を入力し、当該部署の責任者が認証を実施しています。これにより数値の誤りの低減を図っております。
 分析値が認証された後、分析結果のご報告となりますが、弊社では、分析結果の速報をお客様にメールにて送付し、結果の迅速なご提供を実施しております。この際、お客様が現場の状況に応じて分析結果のご確認をいただくことになります。
 前述のとおり、組織として品質保証体制は、本件地下水モニタリングにおいても具体的に機能しております。したがいまして、弊社がお客様にご提供させていただいた分析値については、正確なものであると理解しております。
 以上になります。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 関参考人の発言は終わりました。
 次に、関参考人に対する質疑を行います。
 なお、関参考人に申し上げます。答弁する際には、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言をしていただきますようお願いをいたしたいと思います。
 それでは、質疑に当たり、初めに私から基本的な事項について何点かお聞かせいただきたいと思います。
 お忙しいところご出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
 この豊洲の市場の問題は、非常に都民、国民が今注目をしている、関心が高い事項になっております。そういった中で、採水や、また分析、我々都議会にも確認をさせていただきたいということで、きょうはお越しを願ったわけでございます。まず、技術的な立場の皆さんですから、きょうは技術的な観点から、しっかりとお答えをまたいただきたいと思いますので、よろしくお願いをさせていただきたいと思います。
 そこで、まず初めにお聞きかせいただきたい件は、どのような形でガイドラインを理解して進めてきたのか、そういったことを、まず基本的な部分をお聞かせをいただきたいと思います。

○関参考人 弊社では、土壌汚染対策法の専門のグループを設けております。そのグループを中心に、定期的に研修会を実施しております。研修を通じて理解を深めております。

○山崎委員長 ユーロフィン日本環境株式会社さんの方は、六街区の採水と、五街区、六街区のまた分析の方をご担当されたと思います。そういった中で、やはり広範囲にわたる作業だったと思います。そういうことも含めて、採水やその分析の作業のときに、どういった人数、また体制、どのようなものであったのか。また、作業をしていく中での監督する人員を配置されていたのか。この二点、お伺いをさせていただきたいと思います。

○関参考人 採水は一班二名体制をとっており、最大時三班で、かかわった班数は五班でした。
 弊社の土壌汚染調査技術管理者の資格を持った者を作業監督者として置き、その指揮命令系統のもと、採水を実施しておりました。
 次は分析について、分析項目の性質により、担当するグループ分けをしております。ベンゼンについては有機分析グループで実施し、人員は三名、シアンについては一般分析グループで実施し、人員は二名、ヒ素については金属分析グループで実施し、人員は四名であります。
 いずれの項目においても、教育、訓練を受けた上で社内資格認定を持つ要員が実施しており、管理者として環境計量士である各グループマネジャーを置き、分析を管理しました。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 先ほど初めのご説明の中でも、非常に分析の説明を関さんの方からされました。そういった中で、検体、また前処理をした中で分析、そして検体の方もしっかりバーコードで管理をされていた。そして、ラボの中でも情報システムの中でというお話がございました。非常に綿密にそういった点はやられていたんだなと、説明を聞いて理解をしているところでございます。
 この後、それぞれの委員の皆様から、随時質疑に入ると思いますけれども、時間が多少限られておりますので、ご回答の方、ご答弁の方は端的にぜひお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 以上で私からの質疑は終わります。
 次に、それぞれの委員の皆様から質疑を行います。
 発言を願います。

○田中委員 きょうは委員会質疑にご協力いただきましてありがとうございます。
 冒頭、ユーロフィンさんの会社の体制ですとか、あるいは実績をお伺いいたしまして、安心して質疑が行えると思っておりますが、限られた時間でありますので、簡潔にお伺いをしてまいります。
 ユーロフィンさんは、冒頭、委員長からの話にもありました五街区での分析、そして、六街区においての採水と分析業務をされたということで、モニタリングのうち、四回目から八回目の対応をいただきました。それぞれ街区ごとに業務を行っていただいた内容が違うわけですが、分析だけを請け負ったことと、六街区のように採水から分析まで連続して請け負ったというようなことの比較でありますけれども、業務上の留意点、何か変わったものがあるのか、変わることがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

○関参考人 採水と分析とは基本的に独立した業務であって、試料の引き継ぎ時に検体の入れ違い等の間違いが発生しないよう、綿密に確認して実施しております。

○田中委員 主に、その引き継ぎの部分に留意されたということでありますが、先ほどは、JV各社、五街区、六街区、七街区と、JVのもとで採水、分析が行われて、JVの立場から、特にその調査の制度を管理する上での留意点を伺いましたが、逆にいうと、二者それぞれ違うJV、五街区と六街区、それぞれ別々のJVさんからの管理のもとで、特に両方ということで分析業務を担っていただきましたが、JVが異なることによって、管理方法、内容が変わることがあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

○関参考人 基本的には、お客様が、JVが変わっても、やることは変わらないというふうに考えております。

○田中委員 それぞれのJVのもとで連携をされての作業だということでございました。
 また、四回目から八回目のモニタリングを請け負っていただく中で、特に採水に関して、六街区での採水に関してでありますけれども、そのうちの四回目から六回目というのは、まだ建物の建設工事が並行して行われているような状況においての採水作業でございました。JVさん側としては、安全管理をしっかり行ったとか、あるいは採水できる場所の工程管理上の中で、採水ができる場所を確認をしながら採水業務を行っていただいたと、そういうもとで管理を行ったということでありましたが、逆に、採水を請け負ったユーロフィンさんとして、建設中での作業であったということの、何か調査をする上での弊害といいますか、何か影響といったものが実際あったのかどうか、お伺いをしたいと思います。

○関参考人 工事の進捗状況により、毎回変化しております。井戸が土砂で埋まってしまったり、工事の影響によって井戸が破損したり、工事の進捗で地表だったものが地下ピット内になっていたり、そういう地下ピット内での一部冠水状態になっているものもございました。そういった点が、やはり工事中というのは苦労いたしました。

○田中委員 今、ちょっとお話伺いました、地下ピット内で冠水してしまった井戸の調査もあったということでありますが、地下水の中にピット内の水がまざり込んでしまっては、当然、精度に疑いを持たれるということでありますが、特にピット内の水が地下水に入り込まないようなことに対して、具体的にどういう配慮をされてきたのか、お伺いしたいと思います。

○関参考人 冠水状態になっていたものは、滞留水が入り込まないように井戸の位置を立ち上げて、その後パージして採水を行いました。

○田中委員 改めて確認ですが、ですから、地下水の水が中に入り込むということは一切ない状況での調査をいただいたということだと思います。いかがでしょうか。

○関参考人 はい、そのとおりでございます。

○伊藤委員 都議会公明党の伊藤でございます。きょうはありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、私の方からも何点か質問をさせていただいてまいります。
 まず、このたびユーロフィンさんが受けていただいた調査については、まず都から鹿島、あるいは清水JVに発注したものを、再委託という形でユーロフィンさんの方に調査が行ったわけでありますけど、その際、このJV各社からユーロフィンさんの方に、こういうふうな仕事の手順でという仕様書みたいなものはあったんでしょうか。

○関参考人 まず、全体の計画書に基づいて弊社の作業計画を実施するに当たって、調査計画書というものをお互いのJVと作成しまして、それに基づいて実施しました。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 都からは、恐らくユーロフィンさんに対しても、地下水モニタリング計画書というものがお手元に行ったんだろうというふうに思いますけれども、調査を進めていく上で基準となるものがこの計画書であったりとか、ユーロフィンさんのこれまでの経験の積み上げだったりするわけだったと思います。
 私たちは、今回九回のモニタリングについては、一回目から最後まで、一貫して同じ手順で行われていく、これが求められていることだろうというふうに思っております。とりわけ一回目から三回目の調査を行った日水コンさん、ここに対しての都からの仕様書には、日水コンさんが地下水採水手順書というものをつくるように書いてあって、日水コンさんがそれをつくっています。その手順書の中には、今後二年間行われていくこの調査に、この手順書が引き継がれていくと、こういうような記載があるんですが、ユーロフィンさんの手元には、この日水コンさんがつくられた手順書、これは手元に届いたでしょうか。

○関参考人 私は分析の分野が専門でして現場のことはちょっと余りわからないんですけれども、今いわれたものは受け取っておりません。

○伊藤委員 一回目からの手順書、これは受け取られていないということが明らかになったわけであります。この手順書、今申し上げたものについては、まず都の地下水モニタリング計画書、この中にガイドラインに準じて採水を行ってくださいねということが書いてあるわけですね。
 国のガイドラインを見ると、特にこのパージの部分なんですが、広く読み取れるようになっているんですね。なので、この日水コンさんがつくった手順書の中には、特にパージの部分、細かく書いてあります。細かく書いてあります。だから、これが引き継いでいかれるとすれば、一回から九回まで、きちんとパージ等も行われるわけであるわけでありますけど、届いていないということでありました。
 そこで、ユーロフィンさんにちょっと伺いたいんですけれども、非常にパージ、これが重要だということは、専門家会議の先生方からも私たちは学ばせていただいたところでありますけれども、復水してくるまでの時間、どのぐらいのお時間をかけたのか。それから、パージについては、濁り、あるいは泥、これがなくなるまで繰り返し行うということですけど、この辺のところは行われたのかどうか、伺いたいと思います。

○関参考人 まず、ガイドラインにのっとり、パージは三倍から五倍量を排水し、おおむね井戸一本当たり二十分から四十分かかったと聞いております。三倍量から五倍量、滞留の除去及び目視により濁りが落ちついたことを確認して採水を行いました。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 ユーロフィンさんについては、五街区で、この分析の中で、わずかな基準値超えの値が三カ所出られたというふうに思います。このことについて、この異常値が出た場合には、まず委託者の方にすぐに報告をする、場合によっては、再調査を命ぜられるということが標準的だというふうに思うんですけれども、そういう流れは、報告とか、あるいは再調査をするように、こうした流れはあったのかどうか、伺いたいと思います。

○関参考人 ありました。

○伊藤委員 再調査は行ったということでよろしいでしょうか。

○関参考人 再採取は行っておりません。再度、分析を行ったということになります。

○中村委員 きょうはありがとうございます。
 大変パージが大事だという話が先ほどからもあるんですけれども、例えば、まず最初に聞きたいんですけれども、これまで都からの説明で、余りパージと採水ということを分けて聞いたことはなかったんですが、通常、これは同じ会社がやるものですか。違う会社がやることというのはあるんでしょうか。

○関参考人 余り私は、ちょっと現場のことは疎いんですけれども、発注形態によって、パージ、あとは採水と分かれることがあるそうです。

○中村委員 きょう初めて、先ほど清水さんがいらっしゃって、応用地質とか、いろいろ名前も聞きました。そういう中で、パージを七回目と八回目をされているということなんですけれども、パージの仕方の中でも、例えば井戸が枯渇をしていた場合に、そのパージをした後になかなか復水がしない、時間がかかるということもあるんだとは思うんですが、そういう場合にどうされたのかというのを伺いたいと思います。

○関参考人 戻らない場合は、時間を置いて翌日等に採水を行いました。

○中村委員 時間をかけてということでしょうから、まさかパージをした水でやったということではないんだというふうには思います。
 さて、また伺いたいんですけれども、ユーロフィンさんの場合は、清水さんから仕事を請け負っている場合、鹿島さんからと、また今、再調査で都から仕事を請け負っているということもあると思うんです。それぞれいろんな形で水が来るわけでしょうけれども、それぞれ違いがあるのか、それとも同じやり方でやっているのか、お伺いします。

○関参考人 私は基本的に分析の人間なので、分析に入ってしまえば、発注者が別々でも同じような工程で実施しております。

○中村委員 その三通りから来るときの保管の仕方とか、冷蔵の仕方とか、運搬の仕方とか、そういったものに違いはあったんでしょうか。

○関参考人 基本的には、運搬に関しましては、クーラーボックスに保冷剤を入れて自動車で持ち帰るという工程になっております。

○中村委員 また、伺いたいんですけれども、五街区の方から八回目の調査では、三カ所から環境基準値を超えたものが出ていると思うんですけれども、そのことは、まず出たということがわかったとき、都に報告をしたのか。そしてまた、そのとき都の方の担当者から何かいわれたのか、伺います。

○関参考人 都の方には、直接報告はしておりません。あくまで、弊社がお受けしたのは建設業会社ですので、元請の方にご報告いたしました。

○中村委員 そのとき、元請が都に報告をしたとか、また元請の方から再調査を、もう一度分析をするようにとか、そういった指示はありましたか。

○関参考人 手元にちょっと資料がないので正確なことはいえないですけど、まず、弊社から建設会社に提出した数値については、二回以上分析を行って出したものになります。
 訂正いたします。まず、結果をご報告した後、再調査、再分析というのは行っておりませんで、JVの方で保管されていた試料について分析をしたことはあります。

○中村委員 その再分析をした結果というのは、どうされましたか。

○関参考人 分析結果の評価、考察については、専門家会議のご判断にお任せしております。

○曽根委員 ユーロフィン日本環境の関参考人には、きょうはお忙しいところありがとうございます。
 先ほど、湘南分析センターの参考人質疑の中で、現場の井戸の状態がかなり悪いものがあったということを改めて知りまして、ユーロフィンさんは六街区の採水を担当されましたが、例えば破損していたり、それから、水没しているものはなかったというような先ほどお話がちょっとあったんですが、そのような異常が見つかったものは大体どれぐらいあったんでしょうか。六街区は六十一カ所のポイントがありますが、どれぐらいでしょうか。

○関参考人 手元にちょっと正確な数字が今ございませんので、ただ、破損があったかなかったかということにつきましては、破損があった場所があると聞いております。井戸が破損した場合には、再設置を実施し、採水を行ったと聞いております。

○曽根委員 そのように井戸の採水が破損などで通常のやり方でできないような場合、相談をして、やり方につけ加える点ができた場合、相談するのは、東京都の方に相談したのか、それとも元請のゼネコンJVさんの方に相談したのか、どちらなんでしょうか。

○関参考人 また何度も申して申しわけないんですけれども、やっぱり分析の人間で、ちょっと現場の状況というのがわからないので、ちょっとお答えできません。

○曽根委員 それでは、また何か機会がありましたら教えていただければと思います。
 それで、ユーロフィンさんは、六街区では採水と分析を両方担当しておられますが、その場合は採水した水を、先ほどの会社の方はその日のうちにすぐ分析に運ぶと、冷蔵状態で運ぶというようなお話があったり、最初の日水コンさんは、一晩冷蔵庫に置いて、東京都に確認をとってから翌日分析に回すと。ユーロフィンさんは、自社で採水、分析をやっている場合と、五街区では、採水をして、分析は別の会社に回したということがありました。それぞれについて(「逆だよ」「分析をやった」と呼ぶ者あり)逆ですね。分析をやってからほかの会社にお願いすると、その場合で違いはあるんでしょうか。

○関参考人 もう一度、質問をお願いします。

○曽根委員 失礼しました。採水と分析、両方をやった場合の自社分析に回したやり方と、それから、分析だけを担当した場合の採水した会社からの受け取り方について違いはあるんでしょうか。

○関参考人 採水と分析したもの、あと両方ともですね、一回、元請の方で保管して、それを引き取るというような形をしております。

○曽根委員 わかりました。
 最後にお聞きしますが、採水のときに、ユーロフィンさんの社員以外の方が採水を担当されたり、もしくは東京都の職員が採水をするようなことはあったでしょうか。

○関参考人 まず、都が採水したというのは聞いておりません。あと、弊社は採水する場合、一部外注も使っていますが、うちの管理のもと同じ教育を受けて外注という形で使っている場合はございます。

○おときた委員 きょうは貴重なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
 私からも何点か確認をさせていただきたいと思います。
 ちょっと午前中の議論から、今、採水やパージに注目が集まっておりまして、分析が担当の参考人には少しお伺いするのは恐縮ではございますけれども、さっきのご説明の中で、非常に分析に関しては多岐にわたる実績があることがよく理解できましたが、地下から採水をする、そういった実績というものに関して、御社がどの程度、どのようなものをお持ちかどうか、おわかりになる範囲で教えていただけますでしょうか。

○関参考人 弊社は、地下水採取の多数の実績はあります。
 本件については、地下の井戸からの、地下ピットの井戸からの試料採取であり、通常の採取と異なるものです。ただし、地上からの地下水の採取においても、地下において散見されるような水没した井戸の状況下で採水することがありますので、技術的には対応は十分可能でした。

○おときた委員 非常にしっかりとされた実績と技術があるということが確認をできました。
 今回、JVさんから発注を受けての作業ということになるんですが、この受注をする際、何か相見積もりをしたりとか、あるいは入札に応じたりとか、そういった形だったのか。それとも、もうJVさんから指名で契約をしたのか。そのあたりのことがわかったら教えてください。

○関参考人 ちょっと契約に関しましては私の知るところではないので、お答えできかねます。

○おときた委員 結構でございます。ありがとうございます。
 それでは、採水の際、あるいは分析の際に、そういった作業現場に都の職員の方々が立ち会ったり、チェックをしたりしたことがあったかどうか、覚えている範囲で教えてください。

○関参考人 採水においても、分析の際も、本案件について都の職員が立ち入ったことはございません。ただし、都からの直接発注の場合は、立ち会うことがあるものと理解しています。立ち会いのあるなしにかかわらず、ガイドラインに基づいて採水作業は実施しておりますし、ISO17025に基づいて分析作業を実施しております。

○おときた委員 ありがとうございます。よくわかりました。
 それと最後に、ちょっと前の委員の方々の質問で少し混乱してしまったところがあるので再確認なんですが、基準値を超えたときに、結果が出た後に報告をした後は、再採水はしてないけれども、再検査はされたということでよろしかったでしょうか。(「再分析」と呼ぶ者あり)再分析。再分析はされたことでいいでしょうか。

○関参考人 再採水という表現があるか--しておりません。ただ、ご依頼いただいた検体については、分析をして報告しております。

○おときた委員 その際は、やはり全く同じ結果が出て、全く同じように報告をされたということでよろしいでしょうか。

○関参考人 再分析とか、今までのお答えもちょっと正確なものではないかもしれませんので、今手元に資料がございませんので、後日、確認後にお知らせできればと考えております。

○小松委員 きょうはご協力いただきましてありがとうございます。
 もう一度確認なんですが、御社が担当された五街区と六街区、五街区は、採水がケミカルグラウト社が採水した試料を分析なさったということですけれども、このときの運搬はどこが担当なさったのか、ご存じでしたら教えていただきたいんですが、そしてそのとき--どうでしょうか。

○関参考人 運搬に関しましては、弊社で実施しておりました。もちろんクーラーボックスに保冷材を入れて、試料をお互い確認しまして、間違いないものとして弊社のラボに運びました。

○小松委員 分析されるときには、いつも運搬は御社が担当なさるんでしょうか、普通。

○関参考人 いろいろなケースがありまして、そうやって現場まで行って引き取って帰ってくる場合もありますし、宅急便等で弊社に送ってくる場合もありますし、あとは自社で採水しに行く場合というケースがございます。
 今のは一般論としてということで、今回の案件ではないです。

○小松委員 それでは、今回に関しましては、五街区と六街区、いずれも御社が運搬をなさったということでよろしいですね。--はい。その井戸の状況がいろいろなケースがあるかと思いますが、その場合場合に応じて対応なさってこられたというふうに伺いました。そういう施工といいますか、そういうノウハウもお持ちだということを確認させていただきます。

○関参考人 ちょっと現場のことを聞かれて厳しいんですけれども、通常は、やっぱり何か異常とか破損とかおかしいというのは、もちろん現場へ行った者が気づきますので、うちの範疇で実施しております、通常は。

○小松委員 最初の御社についての説明いただいた中で、コストダウンに努力なさっているというようなお話がありましたけれども、このような今回のような事業でコストダウンが可能であるとすれば、どんな点が考えられるとお思いでしょうか。

○関参考人 申しわけありません、もう一度ちょっとご説明いただければと思います。

○小松委員 コストダウンに努力されている会社だというようなお話でしたけれども、環境を、ラボといいますか、そういう事業体として、コストダウンはどういう点で可能になるんだろうかということなんですけれども、難しいでしょうか。

○関参考人 基本的には企業秘密で、お答えはできないです。

○小松委員 じゃ、最後の質問なんですけれども、五街区と六街区、いずれも、九回で大変基準を超える有害物質が検出されたわけですが、化学の専門家としてどのようにこの事実をお考えになるか、ご見解をお聞かせいただければありがたいんですが。

○関参考人 ちょっとお答えはできません。

○山崎委員長 よろしいですか。--ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 関参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、関参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 関様、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見をいただき、まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それでは、どうぞご退席をお願いいたしたいと思います。ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたしますが、理事会のメンバーの方、済みませんけれども、ちょっとお残りをいただきたいと思います。
 以上で本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十六分散会

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