委員長 | 山崎 一輝君 |
副委員長 | 上野 和彦君 |
副委員長 | 鈴木あきまさ君 |
副委員長 | 三宅 正彦君 |
理事 | 伊藤こういち君 |
理事 | 尾崎あや子君 |
理事 | 和泉 武彦君 |
理事 | 中村ひろし君 |
理事 | 田中たけし君 |
理事 | 崎山 知尚君 |
小林 健二君 | |
菅野 弘一君 | |
栗林のり子君 | |
松田やすまさ君 | |
小松 久子君 | |
田中 朝子君 | |
両角みのる君 | |
島崎 義司君 | |
桜井 浩之君 | |
かち佳代子君 | |
曽根はじめ君 | |
酒井 大史君 |
欠席委員 一名
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 村松 明典君 |
次長 | 澤 章君 | |
理事新市場整備部長事務取扱 | 福田 至君 | |
管理部長 | 松永 哲郎君 | |
事業部長 | 白川 敦君 | |
企画担当部長 | 吉村 恵一君 | |
事業支援担当部長 | 西坂 啓之君 | |
渉外調整担当部長 | 有金 浩一君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 金子 光博君 | |
財政調整担当部長 | 長嶺 浩子君 | |
移転支援担当部長 | 長田 稔君 | |
新市場整備調整担当部長 | 井上 佳昭君 | |
新市場事業推進担当部長 | 櫻庭 裕志君 | |
移転調整担当部長 | 赤木 宏行君 | |
基盤整備担当部長 | 村井 良輔君 | |
施設整備担当部長 | 佐藤 千佳君 | |
建設技術担当部長 | 吉野 敏郎君 | |
環境局 | 局長 | 遠藤 雅彦君 |
総務部長 | 笹沼 正一君 | |
環境政策担当部長 | 小原 昌君 | |
環境改善部長 | 松永 竜太君 | |
環境改善技術担当部長 | 近藤 豊君 |
本日の会議に付した事件
豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う。
報告事項(質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第四回)について
○山崎委員長 ただいまから豊洲市場移転問題特別委員会を開会いたします。
初めに、謹んでご報告申し上げます。
本委員会の委員であられました木内良明議員におかれましては、去る一月二十六日ご逝去されました。まことに哀悼の痛惜の念にたえません。
故木内良明議員のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
皆様、ご起立のほどお願いをいたします。済みません、記者の皆さんも、ご起立をお願いいたします。
黙祷。
〔全員起立、黙祷〕
○山崎委員長 黙祷やめ。ありがとうございました。
○山崎委員長 これより豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査検討を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑を行います。
なお、本日の委員会には、お手元配布の名簿の理事者が出席しておりますので、ご了承願います。
報告事項「豊洲市場における汚染対策等に関する専門家会議」(第四回)についてに対する質疑を行いたいと思います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松永中央卸売市場管理部長 去る一月二十三日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます豊洲市場移転問題特別委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。資料は全部で四項目でございます。
恐れ入りますが、表紙を一枚おめくりいただき、一ページをごらんください。地下水モニタリングに関する契約についてでございます。
地下水モニタリングに関する契約につきまして、第一回から第三回まで、第四回から第八回まで、第九回及び再調査について、それぞれ街区、業務内容、受注者、契約件名、契約方法及び契約金額をお示ししてございます。
まず、第一回から第三回までにつきましては、全街区共通で採水、分析の契約をしております。
採水は、株式会社日水コンとの契約の一部として委託をしており、契約方法は特命随意契約、契約金額は採水を含んだ総額で六千七百六十三万七千百六十円でございます。
分析は、株式会社日立プラントサービスに委託をしており、契約方法は希望制指名競争入札、契約金額は百五十五万三千百八十円でございます。
次に、第四回から第八回までにつきましては、街区ごとに採水及び分析の契約をしております。
五街区については、鹿島・西松・東急・岩田地崎建設共同企業体との契約の一部として実施をしており、契約方法は特命随意契約、契約金額は採水及び分析を含んだ総額で十九億一千四百十七万四百円でございます。
作業に当たっては、採水をケミカルグラウト株式会社、分析をユーロフィン日本環境株式会社が行っております。
六街区については、清水・大林・鴻池・錢高建設共同企業体との契約の一部として実施をしており、契約方法は特命随意契約、契約金額は採水及び分析を含んだ総額で二十三億八千四百四十五万六千四百円でございます。
作業に当たっては、採水及び分析をユーロフィン日本環境株式会社が行っております。
七街区については、大成・竹中・名工・大日本建設共同企業体との契約の一部として実施をしており、契約方法は特命随意契約、契約金額は採水及び分析を含んだ総額で二十一億六千百四十万四千円でございます。
作業に当たっては、採水を成和リニューアルワークス株式会社、分析を株式会社産業分析センターが行っております。
二ページをお開きください。次に、第九回につきましては、全街区共通で採水、分析の契約をしております。
採水及び分析を株式会社湘南分析センターに委託をしており、契約方法は希望制指名競争入札、契約金額は三百四十七万九千七百六十円でございます。
次に、再調査につきましては、表のとおり、四者に委託をしております。
まず、株式会社環境管理センターに採水及び分析を委託し、契約方法は特命随意契約、契約金額は七百九十二万七千二百円でございます。
次に、公益財団法人東京都環境公社に分析を委託し、契約方法は特命随意契約、契約金額は二十一万九千二百四十円でございます。
次に、ユーロフィン日本環境株式会社に分析を委託し、契約方法は特命随意契約、契約金額は百二十五万七千百二十円でございます。
次に、株式会社湘南分析センターに分析を委託し、契約方法は特命随意契約で、契約金額は百三十五万九千四百二十九円でございます。
なお、契約金額につきましては、契約変更があった場合、契約後の契約金額を記載しております。
三ページをごらんください。第九回地下水モニタリング調査における入札経過調書でございます。
開札日時は平成二十八年十一月十六日、件名は、豊洲市場における地下水調査委託、落札者は株式会社湘南分析センターでございます。
入札者は合計で九者となっており、九者のうち株式会社湘南分析センターが最も低い価格である二百八十万円で入札し、落札金額は消費税等を含んで三百二万四千円でございます。
四ページをお開きください。地下水管理システム稼働状況及び採水日一覧でございます。
街区ごとに、日付順に地下水管理システムからの放流量をお示ししてございます。また、網かけにしている箇所は、地下水モニタリングにおける採水を行った日となっております。
五ページをお開きください。第八回・第九回地下水モニタリングの採水日でございます。
第八回、第九回に分けて、街区ごとに、採水日及び採水の箇所数をお示ししてございます。
第八回につきましては、七街区で八月二十四日から開始しており、全体としましては、五街区での九月九日までにかけまして採水を行っております。
第九回につきましては、五街区で十一月二十一日から開始しており、全体としましては各街区とも十二月六日までにかけまして採水を行っております。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料につきましての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山崎委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
この際、一言申し上げます。
委員の皆様方には、本日の質疑に際しまして、極力重複を避けていただき、効率的かつ円滑な委員会運営にご協力をお願いいたします。
また、質疑の内容につきましては、本日議題となっております報告事項の範囲内としていただきますよう、ご協力をお願いいたします。
それでは、発言を願います。
○菅野委員 まず、私の方から、質問に入る前に、先ごろお亡くなりになられました木内良明議員に対しまして、心からのご冥福をお祈りしたいと思います。
この豊洲市場の移転問題については、木内議員は本当に精力的に、また力を注いでいらしたということでございます。本当に残念な気持ちであろうかと思いますので、その辺も踏まえて、しっかりと私も質問をさせていただきたいと思います。
まず、今月十四日の専門家会議において公表された、第九回モニタリング調査の結果でございますが、本当にこれは、もちろん私だけではなくて、大きな衝撃をあらゆる方面で受けた方が多かったんじゃないかなと思いますが、これまでの調査結果とは、この内容が余りにも大きく異なるものであったというわけです。
今回の調査結果を受けて、市場業者や都民の間には本当に大きな不安の声が広がっています。暫定値という取り扱いでありますけれども、今になって専門家も評価できないような数値が出て、過去のモニタリング調査の信憑性さえ疑われているというような状況です。なぜこのような事態になったのか、それを明らかにしていくことが、この特別委員会に求められていると思います。
豊洲市場の開場は食の安全と安心の確保なくしてなし得ない、都議会自民党は、過去の調査も含めて、原因究明に全力で取り組んでいく決意のもとで、本日の質疑を展開していきたいと思います。
そこで、初めに、二年間の地下水モニタリングの趣旨を確認していきたいと思います。
そもそも豊洲市場用地においては、土壌汚染対策法上、地下水モニタリングの実施が義務づけられているものなのか、その辺からお聞きしたいと思います。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 豊洲市場用地は、用地内及びその周辺で地下水が飲用として利用されることがなく、また、市場では地下水の利用が予定されていないことから、土壌汚染対策法上、汚染の除去等の措置は求められておらず、その確認のための地下水モニタリングについても実施の義務はございません。
○菅野委員 このモニタリング調査は、法に義務づけられているわけではないということであります。都の任意の調査という位置づけで行われているということでありますけれども、そもそも二年間モニタリングは、じゃあ何のために実施しているのか、お聞きしたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 二年間モニタリングは、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全・安心を確保する観点から実施しております。これまでの土壌汚染対策工事の中で、土壌汚染及び地下水汚染の対策を行った地点を対象として調査をしております。
○菅野委員 義務ではなく任意の調査ということでありますから、土壌汚染対策の実施後の状況を確認し、市場用地の安全・安心を確保するために行われていると私も考えます。
これまでの調査結果を見てみますと、第一回から第七回までは全ての調査箇所で基準値以内、そして第八回では三カ所のみ基準値超過という状況でありました。
しかし、今回は七十二カ所と、これまでの傾向とは大きく異なる結果となり、このことがさまざまな疑問を巻き起こし、市場業者や都民の不安を招くこととなりました。なぜこうした事態になったのかをしっかりと追及していく必要があると思います。
今回のモニタリング調査で、突然測定結果が上昇したのは、一体なぜなんでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第四回専門家会議において、平田座長は、今回のデータにはとても驚いている、これまでと大きく異なる結果であり、説明ができないような大きな乖離がある、現時点でこの結果を評価することはできない、豊洲市場の地下水については土壌だけでなく地下水も処理している、そういうところで、なぜ急激に濃度が上がったかについて検証していく必要があるとしています。
このため、専門家会議の管理のもと、再調査を行うことといたしました。
○菅野委員 現時点では、今回の結果を評価することはできない。だから改めて調査を行うということですけれども、こうした原因がわからない状況の中で数字がひとり歩きすることも、一般の都民の方の不安を助長し、風評被害にもつながっているのではないかと私は考えます。
特に市場から近い地域では、この間の盛り土問題などによる風評被害など、さまざまな影響を受けていることを踏まえると、今回、専門家による原因分析や評価もなく、単に数値のみが公表されたことにより、さらなる不安を生じさせたということで、配慮が足りなかったといえます。
また、モニタリング調査が任意であるといえども、土壌汚染対策の実施後の状況を確認する観点で行われ、基準値を大幅に超える結果が出た以上、土壌汚染対策が適切に行われているのかという点について、疑問を抱かざるを得なくなりました。
市場当局はこれまで、APプラス二メートルまでの汚染土壌は全て除去し、それよりも深い部分については、調査結果に基づいて、汚染が基準値以下になるまで汚染土壌の処理をしたと説明してきました。ですよね。また、地下水についても、現地において浄化処理をしたとしています。
にもかかわらず、今回になって突然に地下水の測定結果で基準値を超過したのは、一体なぜなんですか。土壌汚染対策が不十分だったのか、もしくはモニタリング調査に問題があったのか、そうした都民が思う疑問についてもしっかりと説明をしていかなければならないと思います。
そもそも、市場当局による土壌汚染対策は適切に行われてきたと断言できるのでしょうか。工事や地下水の浄化は本当に適切に行われてきたのか、お答えいただきたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地における土壌汚染対策については、汚染土壌の処理や地下水の浄化などについて、適宜、都の職員が立ち会うとともに、計量証明書により基準値以下となっていることを確認しております。
その上で、対策の実施状況について、土壌汚染対策法のガイドラインに規定される工事終了報告書を環境局に提出しております。
○菅野委員 今の答弁によれば、市場から環境局にも対策の状況は届け出がされているということであります。
土壌汚染対策の実施状況を確認の結果、環境局ではどういう確認をしたのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 豊洲市場用地におけるガス工場操業に由来する汚染土壌については、市場からの届け出に基づき、汚染土壌の掘削除去や処理状況、工事中の拡散防止対策等について、現場写真や関係図書などにより審査いたしまして、土壌汚染対策法の規定に基づき、的確に実施されていることを確認しております。
○菅野委員 今の市場の答弁と、また環境局の答弁を踏まえれば、土壌汚染対策が適切に講じられていたということになるわけですが、仮にそうだとすれば、今度は、地下水モニタリング調査が適切に行われてきたのかというのが問題となってきます。
市場の説明によれば、これまでのモニタリング調査には複数の会社が受注先となっているとのことであります。しかしながら、本来二年間の地下水モニタリングといったものは、一貫した検査体制のもとでやるのが基本ではないかと私は考えます。
地下水のモニタリングは水の中の微量な成分を分析するものでありますから、調査の質や継続性を確保するものであれば、頻繁に調査会社を変えることは通常考えがたいと思います。
今回、私たちは、第九回の結果にあわせて、初めてモニタリング会社が頻繁に変わっているということを知らされました。そうしたことについて、これまで報告がなかったことについても大変残念に思います。今回、なぜこういう形で変わったのかについて、しっかりと問いただしていくことが必要だと考えます。
そこで、採水や分析の会社を何度も変えているのはなぜなんでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地におけるモニタリング調査は、委託や工事の進捗に合わせて適時契約を行ってまいりました。
具体的には、第一回から第三回までの採水については、二年間モニタリングの実施計画などの策定を委託した会社と契約し、分析については、別途入札により会社を決定いたしました。
第四回から第八回については、建築本体工事など多くの工事がふくそうする中、各街区に六十カ所以上あるモニタリング井戸において、パージ作業や採水など時間を要する現場作業を適切に実施し、かつ三カ月以内に一回のモニタリングを完了しなければならない状況でありました。
このため、モニタリング調査を適切に実施できるよう、各街区の工事を受注していたJVと契約することといたしました。
第九回については、各街区の主要な工事が完了し、工程調整などの制約がないため、契約の公平性、客観性を確保する観点から、競争入札で契約することといたしました。
○菅野委員 今、るるご説明を伺いましたけれども、二年間の地下水モニタリングについての、一貫性を持ってしっかり調査するという部分では、ちょっとその意識が不足していたのではないかなと思うわけです。
工程調整等の制約などもあり、厳しい状況下でモニタリングを行わざるを得なかったとしても、モニタリング調査の重要性や調査の信頼性の確保について、軽く考えていたのではないかなとも思います。
精緻な調査を行う上では、採水や分析方法に一貫性を持って信頼のおける会社を選定することも重要な要素として欠かせないと私は思います。
採水や分析の会社はどのような考え方に基づいて選定されたのか、お聞きしたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリング調査については、国のガイドラインなどにおいて採水の方法や試料の取り扱いなどが定められております。
採水、分析を行った会社については、先ほど申し上げたとおり、当時の状況から最も効果的な方法で契約したものであり、いずれの事業者も国のガイドラインなどが遵守されるよう十分な実績を有していることを確認しております。
○菅野委員 ちょっと、じゃあ別なところでお聞きしたいと思います。
環境局では、大気汚染防止法や水質汚濁防止法など、法に基づいて大気や水質の常時監視を行っています。これ以外にもさまざまな形で環境調査を行っていると思います。また、民間における土壌や地下水の調査の実施状況についても、さまざまな事例を知っていると思います。
そこで、環境局にお尋ねしますが、継続した環境調査を実施する際に、調査の途中で会社が変更になる場合、環境局はどのように対応しているのか、お聞きしたいと思います。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 土壌汚染対策法のガイドライン等では、地下水モニタリングの実施を同一の会社が行うという規定は特段定められておりません。このため、契約が原則として年度単位である官公庁の場合、入札の結果、業者が変わることは一般的にあることでございます。
環境局が実施しております環境調査等の委託では、標準作業手順書を提出させることや、分析のクロスチェックを行うなど、精度を確保するための仕様を定めております。これにより、業者が変更になる場合のデータの継続性を契約上担保しております。
実際に業者が変更になった場合には、現場での採水などに専門的知見を持った職員が立ち会い、個々の現場の状況に応じた技術的な指導を行っております。さらに、調査結果に大きな変動が生じた場合には、再調査を指示することもございます。
○菅野委員 今回のように、調査会社が途中で変わるというような場合、環境局では、分析のクロスチェックを行うなど精度を確保するための取り組みを行っているということです。
そこで、市場としては、調査結果の精度を保つためにどんな取り組みをしたのか、お聞きしたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリング調査については、国のガイドライン等に採水の方法、試料の取り扱い、分析方法が定められており、ガイドラインに準拠するよう指導することで、会社を変更しても調査結果の精度は担保されると考えたものでございます。
○菅野委員 国のガイドラインへの準拠を指導するだけで質を確保できると考えていたということでありますけれども、環境局が行っている取り組みと比べてみると、明らかにずさんといえます。調査の精度を確保するという意識が薄いといわざるを得ないと思います。
中央卸売市場は環境に関する専門職種が集まる組織ではないことがその一因かもしれませんが、こうした組織が重要な環境調査を行うのであれば、専門的な知見を有する学識経験者や、都庁内の各局の専門的な知見を有する職員の力をかりるなどの慎重な対応をとるべきだったと思います。
そうした配慮が足りないからこそ、結果として、大きな不安や混乱を招き、これまでの調査全体に対しても疑念を抱かせるような状況になっていると考えると、甚だ遺憾であります。
このような状況となった以上、都民の信頼回復に向けて、これまでの全ての調査について徹底的に検証を進めるべきであります。その際に、中央卸売市場だけで対応することが現実的には困難である以上、外部の専門的な知見を最大限に活用すべきと考えます。これまでの調査の検証に当たっては、専門家会議の関与のもとでしっかり検証するべきと考えますが、局としてどう取り組むのか見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議の指示のもとで環境局職員にも立ち会いを依頼し、関係書類の確認や受託会社等へのヒアリングなどの検証作業を今後は進めてまいります。
第一回から第九回までの全てのモニタリング調査を対象として、専門家会議の関与のもとで検証を進めていく予定でございます。
具体的には、調査報告書を初めとした関係書類や、施工を記録した写真などの資料に基づいて検証するとともに、受託会社等に対するヒアリングも行ってまいります。
○菅野委員 今、中央卸売市場の方から環境局も立ち会うという答弁がありましたが、今後は、土壌や水質の専門的な知識を有する環境局が積極的に協力すべきと考えます。
そこで見解を伺いたいと思います。
○遠藤環境局長 環境局は、土壌汚染対策に関しまして規制や指導する立場でございまして、その公平性に疑義を持たれないよう、事業主体との関係を維持することが求められております。
しかしながら、今回の地下水モニタリングの結果、再調査につきましては、多くの都民が関心を持ち、重要な課題となっていることなどを考慮いたしまして、従来の立場から一歩踏み込み、今後、中央卸売市場に対して、環境局のこれまでの経験や専門的知識、知見を活用して、より積極的な指導や助言を行うことにより協力をしてまいりたいと考えております。
○菅野委員 今回のモニタリング結果を見て、多くの都民が、もう何を信じていいのかわからないというのが本音だと思います。環境局も立場はあるでしょうけれども、その専門性や公平性を生かして、ぜひ都民の不安を除去するために積極的に動くことを要望しておきます。
今回の地下水モニタリング結果の数値は、暫定値といえども影響が大きく、過去の調査がいいかげんだったという根拠のないうわさも耳にするなど、市場業者や都民の都に対する不信は高まりを見せています。こうした不信感は時間がたてばたつほどに大きくなる、そういうものです。
そこで、早期にまず検証し、結果を公表するべきだと思いますが、その見通しを伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 過去の調査の検証については、可能な限り早期に進められるよう、専門家会議とも調整してまいります。これまでの関係資料の確認作業や受託会社へのヒアリングを行った上で、その結果を取りまとめ、三月に開催予定の専門家会議において公表を予定しております。
○菅野委員 過去の検証以上に、そこで重要なのが再調査であると思います。今まで指摘した点も踏まえ、再調査は信頼に足る調査となるよう、専門家の積極的な関与のもとで透明性を確保して行われることが重要です。
モニタリング調査結果が信用できるのかわからない中では、豊洲市場用地の現状を正しく評価することはできません。また、正しい現状がわからなければ、過去の調査を評価することも難しい、そう思います。
そこで、何を目的として再調査を実施するのか確認したいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査の目的は、今回のモニタリング調査結果における過去調査との大きな乖離が生じた原因を究明するとともに、豊洲市場用地の地下水の現状を把握するために行うものでございます。
再調査は二十九カ所の井戸について二回実施し、専門家会議の管理のもとで、一連の工程について、手順ごとに実施状況を確認してまいります。
○菅野委員 再調査は二回実施するということですけれども、その必要性について確認したいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回のモニタリング調査結果が、過去の結果と大きく乖離したことの原因を究明することも再調査の重要な目的としているところであり、専門家会議において、信頼性を高める上で再調査を複数回行い、比較検証する必要があると判断したものであります。
○菅野委員 今、信頼性を高めるために二回行うということですけれども、これまでのモニタリングにおいても、それぐらいの意識を持って臨んでほしかったと思います。
再調査は信頼に足る調査とすることが大前提であり、その上で、分析会社の選定過程についても適切なものであることが求められます。
都は、一月二十七日に再調査を担当する調査会社を明らかにしていますが、どのような考え方に基づいてその分析会社を選ばれたのか、お聞きしたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査の趣旨を踏まえて、専門家の視点から、事業者の信頼性や実績を考慮して複数社を選定いたしました。
具体的には、これまでの測定結果の違いを考察するために、過去の調査を行ったユーロフィン日本環境株式会社と株式会社湘南分析センターの二社と、これまで専門家会議の指示による調査を行ってきた株式会社環境管理センターを加えた三社といたしました。
なお、分析には東京都環境科学研究所も参加しております。これによって分析結果のクロスチェックが十全に行えるものと考えております。
○菅野委員 これまでの調査で異なる結果を出した業者がともに含まれているということは、測定結果が変動した原因を究明する上で有意義であるとは思います。
あわせて、観測地点の選択も適切に行われるべき、必要があると思いますが、二十九カ所の井戸というのはどのような考え方で選定したのか、お聞きしたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査は、可能な限り早く今回の結果について検証するため、専門家会議において、今回の調査でベンゼンまたはシアンが基準値の五倍を超えて検出された全ての箇所と、不検出または低濃度の箇所の三つの街区からバランスよく抽出し、合計で二十九カ所を選定して実施することといたしました。 なお、昨日より再調査を開始しております。
○菅野委員 再調査の信頼性を確保する上で、最も重要なのは調査の正確性の確保であります。今回のモニタリングの数値が過去の数値と大きく乖離し、調査に対する不安が高まっている以上、再調査の採水から分析までの一連の工程が全てにわたり適切な管理のもとで行われる必要があります。
そこで、再調査の正確性の確保についてはどのように行うのか、お聞きしたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査に当たりましては、専門家会議と環境局の関与により、採水、試料の保管及び運搬、分析の前処理や分析について、専門的見地からの指示を反映することで精度管理を徹底してまいります。
○菅野委員 専門家会議と環境局の関与のもとで精度管理を徹底するということでありますが、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
調査をしっかり行っていくには、また一定の期間が必要であろうかと思いますが、今後のスケジュールについては、どのような予定を考えているのか、お聞きしたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査は二回の結果を確認する必要があることから、採水と分析に一カ月余りを要する見込みでございます。
結果については、過去の調査の検証結果とあわせて、三月の専門家会議において公表していく予定でございます。
○菅野委員 今、市場の方から答弁をいただきましたが、市場の再調査の内容やスケジュールに関しては、専門的な知見を有する環境局から見て、精度管理上、妥当なものといえるのかをちょっと伺っておきたいと思います。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 環境局が調査を実施する場合は、採水への専門家の立ち会いや複数者での分析クロスチェックを行っておりまして、今回の市場の調査はこれと同様の内容で実施されることから、妥当なものと考えられます。
また、調査分析に要する期間についても、適切に確保されていると考えております。
○菅野委員 妥当である、適切であるという環境局からのお話がありましたが、再調査を行うことで一定の期間がかかる、これは、もとはといえば、今回、市場当局が二年間、モニタリング調査を一貫した検査体制で行わなかったことや、調査について専門的な知識を有する環境局の助言を仰がなかったことなど、配慮が足りなかったことが今回の事態を招いているともいえます。
再調査や過去の調査の検証を行わなければならなくなった分、専門家会議が報告書を取りまとめる時期や知事の移転の判断など、ロードマップ上のスケジュールにも影響を及ぼすのではないかと思います。こうした配慮の欠如により、市場業者や都民に不安や不信を抱かせてしまったことは、全くもって遺憾であり、残念でなりません。
これまでの調査をめぐり、市場関係者や都民に不安を与えたことについて、どう認識しているのか、お答えいただきたいと思います。
○村松中央卸売市場長 モニタリング調査におきまして、一回目から九回目までの一貫性の確保や、環境局との連携などにつきまして十分な配慮が足りなかった。そうしたことにつきましては、ご指摘のとおりだと考えております。こうしたことによりまして、市場業者や多くの都民の皆様にご心配をおかけしていることにつきまして、市場当局としてまことに申しわけなく思っているところでございます。
これまでの調査の実施状況を検証し、その内容を明らかにするとともに、再調査を実施いたしまして、豊洲市場用地の現状を正確に把握することが皆様の不安や不信を払拭する上で不可欠であると認識しております。
このため、今後、平田座長を初めとする専門家の先生方の指示のもと、環境局の協力もいただきながら、再調査を的確に進めてまいります。
○菅野委員 市場業者は現在、市場用地の安全・安心に対する不安、移転時期がますます不透明になることに対する不安、そして、その間の事業継続や経済的な損失への不安など、多くの不安を抱えているんですよ。
去る一月二十七日、都は、豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームの策定については公表していますが、ぜひ市場業者の不安に寄り添って、公正、迅速かつ誠実な補償を行っていただきたいと思います。
最後に、繰り返しになりますが、市場用地の安全・安心の確保については、専門家会議や環境局の力をかりて再調査をしっかりと行う。そして、不安の解消に向けて全力で取り組んでいただきたい。そのことを強く求めて、私の質問を終わります。
○伊藤委員 私からは、まず、尊敬する偉大な先輩でございました都議会公明党の木内良明議員の遺徳をしのびつつ、申し上げさせていただきたいと思います。
昨年の十一月二十二日、長年、経済・港湾委員会に在籍をされておられました木内議員が、百獣の王のように、ほえるような質問を行いました。地元江東区への思い、都民、国民への思い、そして中央卸売市場への思いが込められた、このときの発言が遺言のように思います。
未確定の速記録でありますけれども、慎んで議事録を読ませていただきます。
ずっと地元を回っていまして、なぜこんな問題にしちゃったんですか、都議会議員は何をやっているんですかとあちこちでいわれました、私自身が事実に基づかない答弁でだまされたんです、あれは私に対する答弁だったんです、虚偽の答弁は、あの年三月、だまされたあんたが悪いんだといわれたんだ、私は、何で見に行かないんだと、行けますか、実際に、都民に対していいわけがきかない、これが都民の選良として選ばれた私たち都議会議員が、この期間ずっと味わってきた悲哀であり、申しわけなさであり、ざんきの念であったんです、このたび新たに、私の尊敬する市場長が就任をされました、前任の市場長も尊敬しておりました、どうか新しい決意で、市場は打って一丸となって、新たな歴史をつくるために、きょうよりご出発を願いたい、このことを思うのであります、これが木内議員の市場に対する最後の質問でありました。
木内議員の思いも込めて、本日は質問をさせていただきます。
まず、この二年間続けてきたモニタリング調査でありますけれども、先ほどやりとりがあったとおり、土壌汚染対策法で義務づけられたものではなく、都が任意で行っているものだという質疑が先ほどありました。
この二年間行ってきた最後の最後で、とてつもない数値の、環境基準値を超えるベンゼンが検出されたということでありますけれども、一応、このモニタリング調査、全九回、これが終わったわけでありますけれども、今後もこのモニタリング調査については引き続き行っていくのかどうか、まず伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果は、これまで第一回から第八回までの調査結果と比べ、急激に変動している箇所が多々あり、調査内容などの確認を行っていることから暫定値として公表したものであります。
専門家会議においても、これまでの調査結果と大きく乖離し、現時点で評価できないことから、専門家会議の管理のもと、昨日より再調査を実施しております。
再調査の結果については、次回の専門家会議で評価、検証する予定であり、都としては、その結果を踏まえて今後の対応を検討してまいります。
○伊藤委員 今回の結果を受けて、報道等で知られた都民、そしてまた国民が驚いているわけであります。
こうした報道を見て、聞いた多くの方々は、本当に心配だ、こういうお声を聞くのとともに、豊洲市場の用地は形質変更時要届け出区域に指定されているということでありますけれども、都民からは、このことがよくわからないと。そしてまた、健康被害のおそれがある土地で、なぜ市場を開くのか、こうした声も多く聞かれるわけであります。
そもそも豊洲市場の土地は、土壌汚染対策法上、どういう位置づけの土地になっているのか、わかりやすく、これは環境局に説明をしていただきたいと思います。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 土壌汚染対策法は、人の健康被害を防止することを目的としておりまして、人が有害物質を含む汚染土壌に直接触れること、それから周辺で汚染された地下水を飲んでしまうことを防止するために定められております。
人が汚染土壌に直接触れたり、周辺で地下水を飲用水として利用したりする場合には、汚染土壌の除去やコンクリート等で周囲の土壌と遮断する等の措置が必要な要措置区域に指定されます。
一方、汚染土壌に直接触れたり、地下水を飲用水として利用しない場合には、形質変更時要届け出区域に指定されます。この形質変更時要届け出区域は、工事で土を掘るなどの際に届け出を行いまして、汚染された土壌が風で飛んだり周囲に広がらないようにする対策を行えば、安全に利用できる土地でございます。
○伊藤委員 今、環境局の方から説明をしていただきましたけれども、多くの都民の方々は、今説明いただいた要措置区域、要するに、そこの地下水を直接飲んだり、あるいはさわったり、こうしたときに非常に注意が必要だという、この要措置区域と形質変更時要届け出区域、これがごちゃまぜになっちゃって、とにかく危ないんだ、怖いんだ、こういう不安が広がっているということは事実であります。こうした、この誤解というか、このわかりづらさについては、今後も環境局、しっかりと、この豊洲市場の土地というのはこういう土地なんだということについては、発信をしていただきたい、このように思います。
いずれにしても、形質変更時要届け出区域、こうした区域における基準値の七十九倍のベンゼンの検出結果が出たわけでありますけれども、この七十九倍のベンゼン、これは環境の安全面から見て、私や多くの都民の皆様はどのように受けとめればいいのか、伺いたいと思います。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 今回の調査結果は、暫定値としての扱いということなので、あくまで一般論でありますが、地下水基準は、人が一生涯その地下水を毎日二リットル飲み続けたときにおいても健康影響が出ない濃度として定められております。
豊洲市場用地においては、地下水を飲用や生鮮食料品の洗浄などに利用する予定はなく、その他の用途にも利用されないことから、基準値を一時的に超えた場合でも過大に捉える必要はなく、直接人の健康に影響を与えることはないと考えられます。
○伊藤委員 基準値の七十九倍という数値であっても、直接飲むわけでもさわるわけでもないというので、健康に影響を与えることはないという説明でありましたけど、大丈夫といっても、ベンゼンは揮発性の物質であります。七十九倍ものベンゼンが、地下から揮発をして、地表や建物内に大気汚染を引き起こすのではないか、こうした不安の声も聞かれます。この点についての見解を伺いたいと思います。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 現在、専門家会議の指示により、建物一階部分、地下ピット内、豊洲市場用地の敷地において、空気中のベンゼン濃度の測定を行っておるところでございます。
平成二十八年十二月一日及び二日の実測値は、建物一階部分で、一立方メートル当たり一・三から二・〇マイクログラム、地下ピット内では、不検出から同じく一立方メートル当たり一・六マイクログラムまで、また、市場用地敷地内で、一立方メートル当たり一・五マイクログラムとなっておりまして、全て環境基準でございます一立方メートル当たり三マイクログラム以下となっており、専門家会議によって、安全は確認されております。
なお、環境局では、一般大気中のベンゼン濃度について、都内の住宅地や幹線道路沿いなど十五カ所で測定しております。平成二十七年度、新宿など区部住宅地八カ所の平均は、〇・九七から一・六マイクログラム・パー・立方メートルでありまして、豊洲市場用地地上部の濃度は、これとほぼ同等でございます。
○伊藤委員 いずれにしても、ベンゼンの大気中の濃度については、豊洲市場の場所のポイントと、新宿、都庁もそうなんでしょうけれども、私たちの今いるここの地点のベンゼンの濃度とさほど変わらないということでありましたけれども、本当にそうしたことであれば、なぜ今回九回目の結果がこのような数値になったのか、本当に不思議でならない、そう思うわけであります。
一回目から八回目の調査内容に問題があったのか、あるいは九回目の調査内容に問題があったのか、あるいは、どれも全て調査内容に問題はなく、突然の事実として、この九回目の驚くべき数値が出てきたのか。いずれにしても、地下水モニタリング調査の実施内容とこの検証については、専門家会議の先生方に委ねるしかない、このように思いますけれども、私からは、この調査の進め方、モニタリング調査の実施状況について伺いたいと思います。
これまでの九回にわたる地下水モニタリングの調査は、どのような契約方法で、どこが請け負ったのか、わかりやすい説明をいただきたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第三回までの採水については、地下水モニタリングの方法について検討委託を受注していた株式会社日水コンと随意契約しております。分析については、競争入札により、株式会社日立プラントサービスと契約しております。
第四回から第八回までの採水と分析は、建設工事JV三者と地下水管理施設整備工事に含め随意契約しております。JV三者は、採水と分析を各JVが選定した協力会社と契約しております。
第九回の採水と分析は、競争入札により、株式会社湘南分析センターと契約しております。
○伊藤委員 都議会公明党は、されるはずの盛り土がなされていない、また地下に地下ピットがある、こうしたことを受けて、即座に現地で視察、調査を行いました。その際、地下ピットにたまった水を採水し、そしてそれを調査機関に、中の成分を、分析の依頼を行いました。
その際に、私たちは、その分析調査機関に、どのように水をとればいいのか、私たちは素人ですから、アドバイスをいただきたい、そしてアドバイスをお願いして伺いました。まあそれこそ、ただペットボトルでこの水をすくえばいい、そういうものではないということ。きれいに手を洗い、手袋をはめ、洗浄されたボトルの中に、そして、どのように水をとればよいのか、そして、どのようにふたをすればよいのか、そして、採水したものをどのように保管すればいいのか、運搬すればよいのか、事細かに私たちはアドバイスを受けました。そして調査機関に依頼をしました。
その結果については、あえてもう触れませんけれども、そのくらい水を採水するということは、これは非常に重要なことでありますし、そして、調査機関の方からいわれたのは、あくまでも速報値であり、暫定値でありますよといって数字を教えていただきました。それはなぜか。私たちが素人だからです。アドバイスはいただいたけれども、しっかりそれはやったけれども、それでも、素人がやったわけですから、あくまでも速報値、暫定値ですよ、このようにいわれました。
今回、一回から三回目の地下水モニタリング調査で、採水と分析を異なる調査機関が行っているわけでありますけれども、今申し上げたような経験からいうと、私が素人に考えると、採水と運搬と分析、これは同一で、同じ機関が行った方がよかったのではないか、このような考え方もあると思いますけれども、一回目から三回目については、採水と分析、これは違う会社が行っております。その理由について伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第三回の調査では、採水について、地下水モニタリングの実施計画などの策定を委託した会社と契約しております。この会社は、委託の中で、敷地内の地下水の採水作業を行うなど、現場状況を熟知していることから、契約の相手方として適切であると判断いたしました。
分析については、公定分析機関の中から入札により選定いたしました。
○伊藤委員 今の答弁の中で、公定分析機関の中から選定したということでありますけれども、要は、聞きたいのは、採水する側も、運搬をする人も、そして調査をする人も、きちんとそうした知識、技能、これを誰もが認める形で持っておられる機関なのかどうか。この公定分析機関、これの説明も含めて伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 公定分析機関についてでございますが、国が定めた分析方法を公定分析と申します。その公定分析を行う機関が公定分析機関ということでございます。
また、選定業者につきましては、これまで都の実績なども踏まえて選定しているものでございます。
○伊藤委員 続けて、次は四回から八回目の地下水モニタリング調査については、これはJVが調査分析の会社と契約をしているわけであります。この地下水モニタリング調査、これは、私は非常に重要なものだと思いますけれども、なぜ都が直接発注をしないでJVが発注して契約をしているのか、なぜ直接都はかかわらなかったのか、伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 平成二十七年七月開始した第四回から、平成二十八年九月まで採水を行っていた第八回の地下水モニタリング調査は、建築工事や外構工事など多くの工事がふくそうして施工されている中で調査を進めなければならない状況でありました。
調査の採水作業などは、適切な管理のもと、正確な作業が求められ、工事の施工と同時並行的に進めるには、綿密かつ十分な工程調整のもとに進める必要がありました。
さらに、工事の進捗は各街区それぞれ異なる状況にあり、モニタリング調査を適切かつ円滑に実施するため、各街区の工事を受注していたJVと契約することといたしました。
都とJV各者で締結した契約書には、都の特記仕様書において、採水の方法や試料の取り扱いなどは土壌汚染対策法に定められた手法とすることとしております。分析は、計量法に基づく計量証明書の発行ができる公定分析機関で行うことを規定しております。
○伊藤委員 土壌汚染対策法に定められた手法で、しっかりと、JVの発注であっても、それは行われたということでありますけれども、先ほども申し上げたように、これはやっぱり重要なポイントであります、このモニタリング調査。
先ほど申し上げたとおり、サンプリングの採水、運搬、分析、こうした一連のこの流れ、本当に重要なことだと思いますけれども、そのポイント、ポイントで、都の職員はきちんとそこに関与したのかどうか、そこを伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水モニタリング調査においては、都の監督員が採水時に立ち会うか、立ち会えない場合は写真や資料などで確認しております。分析については、計量法に基づく計量証明書の発行をもって、適切に行われたことを確認することとしております。
○伊藤委員 都の監督員が採水時に立ち会うか、立ち会えない場合は写真や資料などで確認をしたと。
そこで伺いたいと思いますけれども、その、都が立ち会ったという、この監督員あるいはまた写真や資料などで確認をした人、この方というのは、先ほどの土対法に基づく、例えば国のガイドライン、ここには、この採水をする場合にこうやってとるんですよ、さっき話したとおりですけれども、そうした正しい採水の仕方、あるいは運搬、こうしたことの知識がある方が、その現場で立ち会ったんですか、伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都の監督員においても、国の定めたガイドラインを熟知した者が担当しております。
○伊藤委員 熟知した方が立ち会ったということでありますけれども、その辺のところも、非常にやっぱりこの立ち会うということ、これを、しっかり重きを置いて、行けない場合は写真や資料などで確認したといいますけれども、大事なモニタリング調査なんですから、しっかりと、それなりの知識、技能を持った人が立ち会って行っていくべきだというふうに思います。
最初に、このモニタリング調査は何のために行っているんですか、それは、こういう理由で、そしてまた都が任意で行っている、こういう話でありました。任意ということは、やらないよりやった方がいいということであって、義務づけられたものではないわけですよね、モニタリング調査は。だけど、この任意という位置づけのもとで、甘さがあっては絶対ならないというふうに思います。今後も、このモニタリング調査、続けていくのか、あるいは都が直接契約をしていくのか、まだこれからだと思いますけれども、このモニタリング調査については、責任を持ってしっかりと重要なポイントだという認識で取り組んでいっていただきたい、このように思います。
専門家会議の先生方も、今回の結果は不可解なことだとされております。なぜこのような結果が出たのか。地下水の水質調査については、都が任意で行ってきたモニタリング調査以外にも、この地下水の検査はしているわけであります。一つは地下水管理システム、ここで自動的に水質の調査を行っている。もう一つは、今地下ピットにたまっているこの水、これの強制排水をしておりますけど、排水前の水質も調べているはずです。今回九回目のモニタリングで、物すごい数値が出てきましたけれども、それ以外の地下水管理システム、あるいは地下ピットからの排水、排水前の検査、ここでの状況についてはどうなっているのか伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、有害物質を自動的に分析、処理する装置を有しております。地下水が下水排除基準を超過した場合、必要な処理を行い、下水道に排水できるようになっております。
これまで地下水管理システムで揚水した地下水からは、有害物質を処理した実績はございません。あわせて、一週間ごとに下水道に排水する直前の水を採水して、公定分析を行い、基準を満たす水質であることも確認しております。
地下ピット内にたまった地下水の強制排水については、一週間ごとに公定分析を行い、下水排除基準を満たす水質であることも確認しております。
○伊藤委員 地下水管理システムにおいても、これまでも異常はなかった。地下ピットの強制排水、これの水質検査についても異常はなかった、検出されなかったと。じゃあ、なぜ今回九回目のこのモニタリング調査で突出した数値が出たのか、本当に不可解でならないわけであります。
そこで、都は、専門家会議の先生方の管理のもとで再調査を行っていくということでありますけれども、その今回の九回目、それから一から八までのこの乖離についての原因究明、これについては、しっかりと再調査をしていただきたい。このように思いますけれども、この再調査の方法について、わかりやすく説明していただきたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査は、専門家会議の管理のもと、二十九カ所の井戸で二回実施いたします。採水については、現場で専門家会議の委員が立ち会いを行います。分析については、クロスチェックを行う各者に対して、専門家会議が共通の作業手順を指示することにより、分析の統一性を担保することとしております。
こうした厳格な調査による結果は、過去の調査の検証結果とあわせて、三月の専門家会議に報告する予定であります。
○伊藤委員 厳格なこの再調査、三月に専門家会議に報告する予定ということであります。どうかこれをしっかり行っていただきたいというふうに思います。
そしてまた、再調査とともに重要なのが、今までの一から八回、そして九回の再検証であります。今回の地下水モニタリングの件で、大きな混乱、そしてまた不安を抱かせたわけでありますけれども、過去のモニタリングの信頼性、そしてまた客観性、これを確保するためには、ヒアリングが何より重要だ、私はこのように思います。
これまで豊洲市場のさまざまな問題で、申しわけないいい方だけれども、信頼を失った市場が前面に出てこのヒアリングを実施しても、何ら都民の疑念は払拭されない、私はこう思います。特に、過去の地下水モニタリングの検証は、専門家会議のメンバーがヒアリングのときに立ち会いをしていただくなど、第三者の関与、これをしっかり強めて、信頼性の高い再検証にしていかなければならないというふうに思いますけれども、この点について市場長いかがでしょうか。
○村松中央卸売市場長 今回の地下水モニタリング結果の暫定値の公表に伴いまして、これまでのモニタリング調査のデータや測定方法につきまして、市場業者や都民の皆様から不安の声が寄せられております。
過去のモニタリング調査の検証は、こうした不安を払拭するためにも、信頼ある第三者が関与することが必要であると考えております。このため、ヒアリング時に、専門家会議のメンバーが立ち会うことを現在お願いしております。
国のガイドラインにのっとった採水が行われているのか、分析において前処理が正しく行われているか、そういう具体的な事項につきまして、専門家の方が直接状況を確認することによりまして的確な検証が可能となり、結果に対する市場業者や都民の皆様からの信頼も向上するものと考えております。
また、伊藤理事から、冒頭木内先生の委員会の質疑につきまして、その思いを改めて伝えていただきました。私どもといたしましても、その思いをしっかりとかみしめまして、今後取り組んでまいりたいと思っております。
○伊藤委員 ご答弁いただいたとおり、この再検証については、しっかりと第三者の関与、専門家の知識、これを入れていただいて、客観性、信頼性、これをかち取っていただきたい、このように思います。
いずれにしても、このモニタリング、そして、さまざまありますけれども、私たち都議会公明党は、専門家会議の先生方の当初の提言のとおり、地下水の管理をしっかりしておくことの重要性、そしてまた、それを怠ってきたこの市場の責任について追及をしてまいりました。
いずれにしても、この地下水、提言のとおり、APプラス二メーター、そしてまた、都の方針としてはAPプラス一・八でありますけど、それを大幅に超えるところまで地下水が上がってしまったわけです。
全体的に観測の当時から見れば、地下水の水位については低下をしてきているということはわかりますけれども、現状の地下水位の変化について、まず伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、十月十四日から本格稼働し、着実に水位は低下しております。本日公表した昨日一月三十日時点の水位は、最も高い井戸でAPプラス三・七八メートル、最も低い井戸でAPプラス一・九三メートルまで低下しております。観測が可能となった十月三日から比較すると、最大で三・〇七メートル低下した井戸もございます。なお、一月十六日からは、水位をセンチメートル単位で計測しており、その結果については、引き続きホームページで公表しております。
○伊藤委員 全体的に井戸の水位が少しずつ低下しているということについてはわかりました。しかし、街区別に数値をよく見てみますと、水位の低下、これがしっかりと下がっている七街区と比べて、六街区については、全ての井戸が、まだ非常に水位が高い。
それともう一つは、この六街区の6-7というポイントでありますけれども、この6-7というポイント、千客万来施設の予定地でありますけど、観測が可能となった十月三日と直近の一月三十日の水位の高さ、これを比較してみると、ここの6-7というポイントは、わずか十三センチしか低下していないわけであります。その理由は何なのか、伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ご指摘の六街区の千客万来施設用地にあるナンバー6-7の井戸については、昨年十二月初旬の降雨による急激な水位の上昇が見られました。その後、十二月中旬にはアスファルト舗装工事が完了したことにより、現在は順調に水位が低下しております。
○伊藤委員 先ほど申し上げたとおり、この地下水の管理、これは非常に重要であります。
私たちは、先ほど申し上げたとおり、問題が発覚して即座に豊洲市場に視察、調査に行きました。そして、地下水の高さをはかっていますか、現地で何回も聞きました。はかっていないという答えが返ってきた。地下水の管理をきちんとしなきゃいけないといわれているのに、その重要性はわかっているのに、地下水の高さすらはかっていない。このことを何度も指摘して、十月にやっとこの地下水の高さをはかり出した。
今申し上げたこのナンバー6-7、数カ月たってもわずか十三センチしか下がっていない。ここのポイントについて、私たちは九月二十三日に、六街区、加工パッケージ棟を視察、調査したときに、この千客万来施設、これを見ました。このときに、むき出しの土の上に水たまりができている状態。その状態は、私たち都議会公明党が指摘をしてきた、あの建物が、市場の建物が昨年の五月に完成をした、そして、十月に地下水管理システムが本格稼働する、この五カ月の間にきちんと排水がされてなかったことが、今回水が上昇してしまったという、このことを指摘しました。
九月二十三日に六街区を訪れたときには、その千客万来施設、むき出しになった土、その上に水たまりができている。これも、このまま放置すれば、六街区は水浸しになりますよ、一刻も早く舗装すべき、簡易でもいいから舗装すべきだって何度も私たちいったんです。にもかかわらず、実際に舗装したのは十二月です。なぜ、この六街区、千客万来施設、この予定地に一刻も早く舗装をしなかったのか、その理由を伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今現在、委員ご指摘の点につきましては、千客万来施設用地の民間事業者との調整に時間を要したため、工事がおくれたということでございます。
○伊藤委員 冒頭申し上げました、故木内良明議員、この豊洲市場の問題での決意を込めた、そして市場への期待、もう一度読ませていただきます。
どうか新しい決意で、市場は打って一丸となって、新たな歴史をつくるために、きょうよりご出発を願いたい、このことを思うのであります、これが木内先輩の言葉です。
今も千客万来施設の舗装のところを聞きましたけれども、私は、中央卸売市場全体の中にまだまだ甘さがあるし、ともすると、専門的なことは専門家会議の先生にお任せをしたから、そのような人任せのような気持ちがあるのではないか、このように思います。
どうか木内先輩の残していただいた言葉のとおり、新たな気持ちで、また、きょうより市場長を中心に一丸となってこの問題解決のために頑張っていただきたい。このことを期待を申し上げて、質問を終わります。
○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね一時間休憩いたします。
午後零時四分休憩
午後一時五分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○曽根委員 一月十四日の専門家会議に、昨年十一月から十二月に採水した九回目のモニタリング調査の結果が報告され、これまでも出たように、八回の結果と大きく食い違って、測定ポイントの三分の一以上の七十二カ所で、ベンゼンで環境基準の七十九倍を初め、検出されてはならないシアン化合物や、また、ヒ素などの汚染物質が高い濃度で発見されました。まず、この結果をどう見るのか、そして、都のこれまでの認識や姿勢をこの点で改めるのかどうかについてただしていきたいと思います。
都は、九回目の測定結果が前回までと大きく食い違った結果について、まずどういうふうに受けとめておられますか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果は、これまでの第一回から第八回までの調査結果と比べて急激に変動している箇所が多々あり、調査内容等の確認を行っていることから、暫定値として公表したものであります。
専門家会議においても、今回の結果はこれまでの調査結果と大きな乖離があり、現時点で評価できないことから、専門家会議の管理のもと、再調査を行うとしたものであります。
○曽根委員 過去八回の結果と食い違っているから、今回の結果を評価できないとか、また暫定値として扱うというのは、都民や市場業者の方々の受けとめとはまるであべこべです。都民にはこれは通用しません。
今回の結果は、かつての汚染調査結果ともかなり一致しています。この結果を見れば、地下の汚染が残っていることは明白です。都は、二〇一五年の公営企業決算委員会で、工場操業由来の汚染土壌は全て掘削除去というこの答弁の説明の誤りを認めて、これを撤回すべきですが、どうですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 十二月の特別委員会では、土壌汚染対策として、APプラス二メーター以深については、調査により把握したガス工場操業に由来する環境基準以上の有害物質を含む土壌について掘削除去しており、地下水については揚水、復水を現地において繰り返し実施して、地下水を環境基準以下まで改善したと答弁いたしました。
これは、土壌汚染対策では、汚染土壌の処理や汚染地下水の浄化などについて、都の職員が立ち会うとともに、計量証明書により基準値以下となっていることを確認しており、対策は適切に講じられているものとして答弁したものであります。
なお、先ほど答弁したとおり、専門家会議においても第九回の結果については現時点で評価できないことから、再調査を行うことといたしました。
○曽根委員 確かに今お答えのように、昨年十二月の特別委員会では、調査により把握したものについては除去したと、前回の、これまでの答弁からいいかえています。しかし、間違いなく二〇一五年の公営企業決算委員会では、公明党の質問に対し、明確に、工場操業由来の汚染土壌は全て除去と答えています。ですから、汚染土壌を全て除去したとの説明は虚偽であったことは、これは認めるんですね。どうですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどもご答弁差し上げましたが、土壌汚染対策として、APプラス二メーター以深については、あくまで調査によって把握したガス操業に由来する環境基準以下の有害物質を含む土壌について掘削除去しているということで、地下水についても揚水、復水を現地において繰り返し実施して、地下水基準以下にまで改善したということでございます。
○曽根委員 そのことは、昨年十二月の答弁のままですよね。しかし、私が申し上げているのは、二〇一五年、おととしの十月二十八日の公営企業決算委員会です。このときには間違いなく、全て掘削除去と答えているんですよ。これはもう間違いなく、そのときの議事録に載っているんですから。しかも、これは昨年十二月の答弁から見ても明らかに違いますよね。全て除去じゃないんですから、現実は。見つかったところだけ除いたんでしょう。これは昨年十二月の本会議でも、知事自身が見つかったところを除いたと聞いておりますと答えておりますので、この二〇一五年十月二十八日の公営企業決算委員会での答弁は明らかに虚偽もしくは間違いですから、これは訂正するとはっきり答えたらいいじゃないですか。いかがですか。
○福田中央卸売市場理事 土壌汚染対策につきましては、土壌汚染対策法に規定された最小区画である十メーターメッシュで、土壌だけでなく地下水の調査も行い、汚染状況を把握してまいりました。この際、ピンポイントの土壌調査に加えて地下水の調査を入れることで、汚染状況を幅広く把握できるとの考え方で調査を行ってきたものでございます。
そうした考え方のもと、本委員会の答弁では、法令や条例に基づく調査により汚染の有無を確認していることをより正確に説明する趣旨から答弁をしたものでございます。
○曽根委員 じゃ、その二〇一五年十月二十八日の委員会の答弁というのは、法令に基づく調査を正確に表現するために、こういう表現を使ったということになるんですか、今のお答えですと。正確なんですか、この表現は。むしろ極めて不正確な表現じゃないんですか、全て掘削除去というのは。どうなんですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 あくまで汚染土壌を掘削除去したということについては、調査で把握した汚染土壌を掘削除去したという趣旨で答弁差し上げているということでございます。
〔発言する者あり〕
○山崎委員長 静粛に。
○曽根委員 そこまでとぼけるんだったら、もう一つ申し上げますよ。これは都議会じゃありませんが、国の審議会にも同じ趣旨の資料を出しているんですよ。こちらの方はどうするかということです。昨年三月二十五日の食料・農業・農村政策審議会、いわゆる農政審の食料産業部会に、この築地市場の豊洲移転、つまり豊洲新市場の開場を国に認めてもらうための資料として出している、東京都が作成した資料がこれですけれども、(パネルを示す)ここではわざわざ図面を出して、この豊洲の断面図ですけれども、ここには土壌も地下水も操業に由来する環境基準を超える汚染物質は除去とはっきり書いてある。しかも、わざわざ説明本文の中にも、ガス工場操業に由来する汚染土壌は全て掘削除去し、地下水は環境基準以下に浄化と、説明本文の中にも全てという表現が入っていますよ。国の審議会への東京都による資料ですよ、これ。これは国に対して訂正すべきだし、もう訂正したんだったらいいんですけれども、どうなんですか。これ、訂正していないでしょう。どうですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 当時、ご答弁差し上げたのは、ガス工場操業に由来する汚染土壌については全て掘削除去すると。この汚染土壌を把握したのは、あくまで調査によって把握したと。この調査によって把握した部分の汚染土壌については、ガス操業に由来する部分の汚染土壌については全て除去した、そういう趣旨でご答弁差し上げているということだと思います。
○曽根委員 そんなことは一言も書いていませんよ。この説明文がこの資料の全てでしょう、この部分は。ここに、発見したものに限るとかそういう注釈は一切ついていませんし、断面図の方でもわざわざ解説で、また二重に載せているじゃないですか。
しかも、この同じ図面が実は東京都のホームページにもつい最近まで載っていたでしょう。これは、築地市場の移転整備という、市場のホームページの中にこういうページがあって、その中にこれとほぼ同じ内容のこういう図面が載っていましたよね、断面図が。ここにもやっぱり、土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質は全て除去しますと書かれていた。この図はどうなったかといえば、つい最近、一月十四日以降に削除されているじゃないですか。消えていますよ、東京都のホームページから。
こっちは消したのに、なぜ、国の方に正式に出されたこの資料は訂正も何もないんですか。じゃ、これが全てですか。先ほどいったような趣旨は書いていませんよ。
これは市場長にぜひお聞きしたいんですけれども、国に正式に出した資料が間違っていた。私は、もう明らかにこのときには全て除去していないことを知っていながら書いたんだから、虚偽的だと思いますけれども、市場長、これについては直ちに訂正すべきじゃないですか。いかがですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 この調査資料にも、敷地全面にわたる土壌、地下水の調査を踏まえということも書いてございまして、あくまで汚染土壌全てというのは、調査を踏まえた上での汚染土壌を全て除去したという考えであります。
○曽根委員 とんでもないごまかしですよ。これはわざわざ豊洲の市場の開場を国に認めてもらうための審議会への資料ですから、こういう事実をゆがめた報告によって豊洲市場の開場を国に認めさせ強行しようとしたという、この責任は極めて重いといわなきゃなりません。市場長のコメント、見解をもう一度お聞きしたいんですが、いかがですか。
○村松中央卸売市場長 先ほど来ご答弁申し上げておりますとおり、十メートルメッシュで調査をいたしまして、それを把握した地点につきまして、二メートル以深の汚染物質が把握されたところについて全て除去した、そういうことでございます。
○曽根委員 市場当局がそういう態度を事あるごとにとり続けていることが、都民の中に大きな不安や怒りを招いているんですよ。それで、その地下の汚染は取り除いたと説明していた分だけ、今回、本当に汚染が出てきた。汚染が発見されたショックは極めて大きくなったといわざるを得ません。
業者の方は、この間の専門家会議でも、この数値で消費者に安心しろといってもらうのは難しくなったと。安全な場所で魚を売りたいという思いだけは絶対に妥協できないと大変切実な声を上げていたではありませんか。
それで、地下水汚染が示された第九回目のモニタリング結果によって、盛り土の再汚染の可能性が高まったといわざるを得ません。したがって、事実上、見つかったところしか取り除いていなかった、このことが明らかになった以上、残された汚染がどの程度深刻なものかというのは今の段階でわからないわけです。七十九倍が最高であることはちょっとあり得ないと私は思います。
地下の汚染の上を通過して地下水が上がってきて、その値が七十九倍であるということは、その汚染のもとになっているところは、さらに深刻な汚染である場合がほとんどですから、そういう点では、これは徹底して調べなきゃならないと同時に、やはり以前から私たちがいっておりますように、盛り土の再汚染の可能性が高まったといわざるを得ないわけです。
例えば、今回の調査で最高濃度のベンゼンが発見されたのは、五街区の北側のところにありましたポイントですけれども、この一番近いところにある地下水観測井戸というのは、たしか五街区の二番目の、5-2の井戸だと思いますけれども、そこの地下水位は、十月三日観測開始のときには、AP四・五メートル、つまり、盛り土の下の方から三分の二ぐらいまで地下水が浸透していた状態でした。年が明けても、まだAP二・九メートルほどで、ずっと盛り土が地下水に浸透されている状態が続いているわけですよ。
したがって、この七十九倍のベンゼン汚染が発見された影響が、観測井戸で上がっている地下水位、盛り土の中までずっと入り続けている、このことに影響が全くないということは、もういい切れなくなったと思います。このベンゼンの最高濃度の見つかったポイントは、実はピンポイントじゃなくて、その周りにも何カ所か汚染が見つかっていて、五街区の中でベンゼン汚染が環境基準を超えて見つかったものの約半分は、この範囲に集まっているんですね。
ここはもとの、操業当時の図がついていますけれども、これ、東京新聞に載っていた記事ですが、ここにあったものは活性汚泥をためておいた場所らしいので、汚染がたまりやすい場所の一つだといわれています。そこに今回、七十九倍を最高に、ベンゼンの環境基準オーバーのものが割と集まって見つかっている。この近くの盛り土は、地下水が浸透している、浸透し続けていると。この状態から見れば、当然、まずはこのあたりの盛り土について再汚染されていないかどうかを調べる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどもご答弁差し上げましたけれども、今回の調査結果は、これまでの第一回から八回までの調査結果と比べ、急激に変動している箇所が多々あるということでございます。調査内容等の確認を行っておりますので、暫定値として公表させていただきましたが、専門家会議においても、今回の結果はこれまでの結果と大きく乖離があり、現時点で評価できないことから、再調査を行うとしておりますので、その再調査の結果を待って、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○曽根委員 この現実を見ようとしない市場の姿勢にはあきれます。これまでの一回目から八回目までのモニタリング調査の信憑性については、これから私もただしていきますけれども、少なくとも多くの専門家がいっているように、汚染が出た場合と、全く不検出や基準値以下のが続いた場合と、どちらが信頼性が高いかといえば、出た場合の方が高いというのは、もうこれは常識ですよ、分析する立場から見て。その点からも、もうこの問題については明らかに盛り土の汚染、これは専門家会議でも指摘がたしかありましたよね。そういう点からも、東京都として独自に判断をして、盛り土の調査を行うべきだということを申し上げておきたいと思います。
続いて、過去八回のモニタリング調査の検証についてただしていきたいと思いますが、都は、豊洲での地下水モニタリングというのはどういう意義を持つものだというふうに考えておられますか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 二年間のモニタリング調査は、法的に実施の義務はございませんが、生鮮食料品を取り扱う市場用地として安全・安心を確保する観点から実施しているものでございます。
○曽根委員 法的義務はないが、生鮮食品を扱う市場としての法的な義務を超えた、何よりも食の安全と安心を確保することが市場としての責務だということは当然だと思います。
では、地下水モニタリングの客観性を担保するために、都として具体的にはどのような措置を行ってきたのか、お答えいただきたい。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリング調査については、国のガイドラインなどに採水の方法、試料の取り扱い、分析の方法について定めております。ガイドラインに準拠するよう指導しております。
分析につきましては、計量法に基づく計量証明書の発行をもって適切に行われたことを確認しております。
これらのことから、地下水モニタリングの客観性は担保されていると考えております。
○曽根委員 国のガイドラインに準拠するよう指導したといいますけれども、これは東京都が用意した仕様書によって指導したということですが、これが必ず守られたという保証がどこにあるのかということが問題だと思います。
モニタリング調査について、四回目から八回目、特に私たちが問題だと思うのは、水の採取も、それから水質の検査も、各街区で汚染対策工事を行い、その上に市場の建物まで建設したゼネコンにわざわざ特命随意契約で任せたことは大問題だと思います。ゼネコンにとっては、場合によっては自分の汚染対策が不備だったことをみずから証明することになりかねません。客観性を担保するというなら、こういうところこそ任せてはならない、一番任せちゃならない相手なんじゃないですか。どうですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第四回から第八回については、建築本体工事など多くの工事がふくそうする中、各街区に六十カ所以上あるモニタリング井戸において、パージ作業や採水など時間を要する現場作業を適切に実施し、かつ三カ月以内に一回のモニタリングを完了しなければならない状況でございました。
このため、モニタリング調査を適切に実施できるよう、各街区の工事を受注していたJVと契約したものでございます。
○曽根委員 このパージ作業というのは、いわば井戸の採水をする前に、モニタリングの井戸の中にたまっている水を一回抜いて、それから、地下からしみ出してくる復水というものですが、それをまたもう一度抜いて、三倍から五倍のたまり水の量を井戸から抜いた後に復水したものを正式の採水とすると、こういう作業ですよね。
これは採水を行う力を持っている企業ならば当然やるべきことです。これが、例えば工事がふくそうする中でやりにくいということであれば、ゼネコンの工事スケジュールの優先ではなくて、環境基準を守ること、またそれを確認することを最優先にするのが当たり前じゃないんですか。その立場で考えていたら、工事中のモニタリング測定だって十分調整ができるはずだと思いますよ。
部長も先ほど、生鮮食品市場だからこそ法律を上回るモニタリングが行われたんだとおっしゃったじゃないですか。それなら、なぜ、ゼネコンでも東京都でもない第三者を選定し、そして、その選定された第三者が、ちゃんと採水をきちんとしたルールに基づいてできるように、東京都の職員が立ち会うなり、ゼネコン側にその時間を確保させるなりして、きちんとした測定体制を都の側から提供しなかったんですか。いかがですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどもご答弁差し上げましたけれども、四回から八回目の地下水モニタリング調査においては、工事がふくそうして施工する中で調査を進めなければならない状況であったことから、調査の採水作業などに適切な管理のもと正確な作業が求められ、工事の施工と同時並行的に進めるには、綿密かつ十分な工程調整のもとに進める必要があったため、またさらに、工事の進捗は各街区それぞれ異なった状況にあり、モニタリング調査を適切かつ円滑に実施するためには、各街区の工事を受注していたJVと契約することといたしました。
また、モニタリング調査については、国のガイドライン等にパージ作業を含む採水の方法、試料の取り扱い、分析方法について定めており、ガイドラインに準拠するように指導しておりました。また、採水に当たっては、都の監督員が採水時に立ち会うか、立ち会えない場合は写真や資料などで確認を行ってまいりました。
○曽根委員 いろいろおっしゃいましたが、結局は工事のスケジュール優先じゃないですか。ゼネコンの日程に何とか合わせて、その間のすき間を縫って採水をさせてもらうと。だからゼネコンの下請の、もしくは委託を受けた企業にやらせるという、そういうやり方をとったということ自体が、モニタリング調査を軽視しているということの具体的なあらわれじゃないですか。
それがどういうことになっているかということで、もう一つちょっとお聞きしたいのは、東京都とJV各者で締結した契約書の中に、先ほど、公定分析機関で分析することなどの条件を定めていますよね。分析の方はいいんですけれども、問題はやっぱり採水の方ですね。私は、採水の方法によって、分析機関がしっかりしていても、届いたサンプルがかなりいいかげんなものだった場合、データが大きく違ってくるということは、これまでもあったし、今回も場合によってはあった可能性はあると思うんですよ。その点で、採水を誰がやっていたのかということで、ちょっと調べてみましたら、結局はゼネコンが自分で選んだ会社に頼んでいるわけですね。
これ自体が非常に疑わしく感じられるものですけれども、今回、モニタリングの半分近くは建物の下に入って採水しますよね。まだ建物の地下に空洞があるということは一般には知られていないときですよ。したがって、都の幹部が都民や都議会、業者を欺いて、もとの計画とは違う盛り土のない空間を建物の下につくることを決めたと。このことについては、建物をつくっているゼネコンは恐らく知っていたでしょう。そういうゼネコンが、いや、採水だけはちゃんと国のマニュアルどおり、ガイドラインどおり、きっちり正直にやってくださいということを本当にやれる状況だったのかどうか。もともと東京都のうそにつき合わされているわけですね。自分でみずからつき合ったのかもしれないけれども。そういう状況にあったということも、非常に自分に都合の悪いデータは隠したいという動機が働く要因になったんじゃないですか。いかがですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 調査につきましては公定分析の書類も出ておりますし、今現時点ではどういう考えで行っていたかはわかりませんが、結果として書類を確認して、適切に行われていたと判断しております。
○曽根委員 では、こういう状況の中で、ゼネコンが測定については正直に国のガイドラインどおりやったということはどのように証明されるか。先ほどの質問の中で、都の職員が監督員というんですか、適宜立ち会ったとか、現場の写真等で確認をしたというふうにお答えがありましたので、それについてお聞きしますけれども、全部で九回、二百一カ所、千八百九回の採水をやったわけですが、そのうち何回、東京都の職員が監督員として立ち会ったのか。それから、残りは写真などで確認したというんですから、東京都にはそのゼネコンなり委託企業が採水したときの写真記録が残っているということになりますけれども、それが何でこの委員会で要求した資料の中に出てこないのか、そのことについてお答えください。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水モニタリング調査において、採水時に都の監督員が立ち会うか、立ち会えない場合は写真や資料などで状況を確認しております。監督員の立ち会い頻度については、規定はございません。しかしながら、適宜行っておりますが、正確な記録は残っておりません。
モニタリング調査については、国のガイドライン等にパージ作業を含む採水の方法、試料の取り扱い、分析方法について定めがあり、ガイドラインに準拠するように指導しております。また、採水に当たっては確認をしてやっているということでございます。
○曽根委員 資料の方はどうですか。写真資料は。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 写真につきましては、専門家会議との調整も必要であるため、提出は不可ということになっております。
○曽根委員 ちょっと今、聞き捨てならないお話を聞いちゃったんですけれども。まず、立ち会いについて記録がないというのは、これは立ち会っていないのと同じことじゃないですか。
だって、採水ってそんな簡単なものじゃないですよ。都がつくった仕様書を見ても、調査地点、調査日時、天候、気温、井戸の天端の高さ、不透水層上面、井戸深度、井戸口径、スクリーン設置区間、水位、水深、井戸内滞留水量、それから水温やpH、電気伝導率、透明度まで全部記録することになっているんですよ、採水の際に。これ、千八百回以上やっているはずなんですよ。それに立ち会っていて記録がないってどういうわけですか。
それから、写真については、専門家会議の了解が得られないと都議会には資料を出せないという、そんなルール、どこにあるんですか。お答えください。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 監督員の立ち会いについては適宜行っております。写真につきましては、今後実施する、過去の調査を検証する資料の中に含まれることから、専門家会議と調整して、今、受注者に対して提出を依頼しているところでございます。
○曽根委員 まず、立ち会いの記録がないこと、これについてはもう、大体こういう重要な測定は全て都の職員が立ち会うのが当たり前だと私は思うんですよ。先ほどもほかの会派の方からも話があったとおりですよ。だってそうじゃないと、環境測定の客観性の最後の防波堤は、やっぱり都の職員がちゃんと見ていたよと、これが最後のよりどころでしょう、客観性の担保は。
それが、適宜やっていたというけれども、千八百回以上も検査したうち、採水したうち、何回、いつ、どこのポイントで立ち会っていたかもわからないというんじゃ、本当に立ち会った意味が全くないといわざるを得ませんよ。
しかし、私が聞いた限りでは、環境局の職員の方が立ち会ったことはあるというふうにはお聞きしているんですが、そのことは市場はご存じなのか。ご存じないとすれば環境局の方にお答えいただきたいんです。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 環境局では、土壌汚染対策法に基づき区域指定した主な現場を巡回して、届け出内容どおりに工事が実施されているか、また騒音や悪臭、土ぼこりなどで周囲に影響を及ぼしていないか等の確認をしております。その一環といたしまして、豊洲市場用地の土壌汚染対策工事や第三回の地下水モニタリングに立ち会ったことがございます。
○曽根委員 それでは、第三回目の測定も二百カ所以上やっているんですが、そのうち何カ所、どのポイントについて、いつ行ったのかをお聞きします。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 平成二十七年三月十二日、第三回地下水モニタリングの採水におきまして、六街区、七街区で職員が数カ所の立ち会いをしております。
○曽根委員 数カ所って、私、聞いているのは二カ所だけなんですけれども、二カ所でいいんですか。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 先ほどご答弁したとおり、地下水モニタリングの現場と、それから工事現場合わせての、例えば土ぼこりが出ていないかですとか、そういった現場を含めての数カ所でございます。
○曽根委員 土ぼこりはわかりましたけれども、モニタリングは、私、二カ所だと聞いているんですが、六街区と七街区それぞれ一カ所ずつ、それは間違いでしょうか。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 六街区及び七街区で職員が一カ所ずつ、現場を確認しております。
○曽根委員 時間がもったいないんで、さっさとそういうことを答えていただきたいんです。
それで、環境局は、豊洲の土地購入の際に、土壌汚染の対策について一定の問題提起をたしかしていたはずです。東京ガスと厳しい交渉をしていたときにも、環境局がこの土壌汚染の問題提起をしたことによって、いろいろ交渉の中でやりとりがあったという記録がありました。したがって、この問題は、今後の、少なくとも水産関係の、都内の市場の半分以上が通過する築地市場の移転問題なんですから、極めて重要な環境問題として、例えば市場と連携して、全ての測定に立ち会うぐらいのことはやってもいいと思うんですよ。
また、市場は何でそういうふうに専門職員のいる環境局に相談しなかったのかと思います。地下に汚染を残してしまったら、生鮮市場としては致命的な結果になることはわかっていたはずですよ。
それで、この二カ所の立ち会いというのは、環境局は少なくとも抜き打ちでやるべきだったと思いますが、いかがですか。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 先ほどご答弁申し上げたとおりでございまして、届け出内容どおりに掘削工事が行われているか、あるいは騒音や悪臭、土ぼこりなどで周囲に影響を及ぼしていないか等の確認をするために巡回をしておりまして、地下水モニタリングのために立ち寄ったということではございません。
○曽根委員 その目的はともかくとして、地下水の採水のタイミングをちゃんと把握して行かなければ抜き打ち検査はできないと思いますが、そういうふうに抜き打ちでやったのか。それとも、今の話だと、たまたま行ったら、そこでモニタリング採水をやっていたというような感じにも聞こえますけれども、どういうふうにして採水をやる企業との間での関係はとったんですか、その立ち会いについて。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 土壌汚染対策法に基づきまして現場に立ち入る際には、私どもには立ち入りの権限はないものですから、事前に工事現場等に連絡をしてからの検査ということになります。
○曽根委員 こういうことでは、地下水モニタリングの公正さは担保できないといわざるを得ません。やはり、市場はもちろんですけれども、都の職員が全ての調査に立ち会うのが当然だと思います。
ほとんど結局は都の職員も立ち会っていない採水の中で、この仕様書を見ましたら、先ほどもいったように、大体たまっている水を三回から五回ぐらいまで抜かないと、復水した中からの採水が正式な値にならないということで、相当手間をかけて採水することになっているんです。これが本当に千八百回以上の採水作業の中できちんと行われたのかどうか、これは市場の側で確認されているんですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリング調査については、国のガイドラインなどにパージ作業を含む採水の方法が規定されております。ガイドラインに準拠するように指導しておりますし、また、採水に当たっては都の監督員が採水に立ち会うか、写真などで確認をしております。このように適切な調査の実施に努めてきたことを、パージ作業状況を含め、改めて専門家会議の関与のもと受託会社へのヒアリングなどにより検証を進めていく予定でございます。
○曽根委員 私は直接九回目の採水と分析を担当した検査会社の担当者にお聞きしましたが、その方は、初めて今回九回目で採水も分析も担当したということで、都の仕様書のとおり厳密に何度もくみ直して採水したとお話ししていました。
もしですよ、次の再調査の中で、今回の九回目のような深刻なデータが繰り返されるようであれば、逆に、一回目から八回目までの測定で不検出だとか環境基準以下が圧倒的多数だった、その原因として、採水の仕方が影響した可能性をやはり視野に入れなければならないと思います。
専門家会議はこの八回目までの調査を再検証するとしていますが、書類審査と、それから業者を呼んでのヒアリング以外にどのように検証するんですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再検証に当たりましては、専門家会議の指示のもとで、環境局職員にも立ち会いを依頼し、関係書類の確認のほか、受託会社等に対してヒアリングも行ってまいります。
○曽根委員 その程度の検証で実態が調べられるかどうかなんです。一回目から八回目のモニタリング検査の信頼性に、もう市場業者や都民から根本的な疑惑が寄せられています。専門家会議での捏造といわれても仕方がないという業者の方々のこの発言に都はもう反論できないでしょう。
そこで、ちょっと具体的にお聞きしたいんですけれども、ゼネコンJVの下請で、四回目から八回目のモニタリング調査を実施したケミカルグラウト株式会社という会社があります。この会社のホームページを見たら、二〇一一年八月から二〇一四年三月にかけて、豊洲市場予定地の地下水汚染対策工事のうち、五街区において六十万立米を超える汚染土壌の掘削除去、ベンゼン、シアン化合物により汚染された汚染地下水対策を施工し無事完了を迎えたとコメントが載っていました。
このケミカルグラウトという会社が鹿島をトップとするJVの下請として五街区の汚染地下水対策を施工したことは間違いないですね。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今委員ご指摘のケミカルグラウトという会社が採水作業を行ったということは確認しておりますが、土対工事の中で、どういう関係で土対工事を行ったかということは、手元に資料がございませんので、確認はできておりません。
○曽根委員 ここに施工体制台帳というのがありますが、これに明記されています。これは東京都の台帳ですけれども、鹿島・大成・東亜・西松・東急・新日本建設共同企業体、豊洲工事事務所、ケミカルグラウト、ここが、このジョイントベンチャーの元請のもとで、土壌汚染対策工事、豊洲新市場土壌汚染対策工事(五街区)、汚染土壌対策、遮水壁、汚染地下水対策、液状化対策、地下水管理、全部受けてやっています。これ、都の台帳だから間違いないですよ。
この会社が、今お話のあったように、地下水モニタリングで第四回から第八回まで、五街区の採水の担当として、ゼネコンから委託を受けて、ケミカルグラウト株式会社がやっていますよね。これはきょう出された資料に載っているとおりです。つまり、みずから汚染対策工事を現場でやった会社が、自分のやった汚染対策工事の是非が問われるモニタリングの調査の採水部分をみずからやっていたということになりますよね。この事実を認めてください。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第四回から第八回の地下水モニタリング調査につきましては、建築工事、外構工事など多くのふくそうする工事の中で調査を進めなければならない状況であったため、JVと契約したものでございます。
そういう状況の中で、特記仕様書等にも公定分析機関からの書類を出すようにという規定もしながら契約を行っており、適切に対応できるものと考えて契約したものでございます。
○曽根委員 つまり東京都は、特命随契ですけれども、選んだのは、モニタリングでいえばゼネコンを選んだと。それは工事がいろいろ錯綜しているから、検査会社、採水会社が工事とのスケジュール合わせをしなきゃならないという。
しかし、そのゼネコンが選んだのは、現場で汚染対策工事をやった会社そのものを選んでいるわけですよ。自分でやった汚染対策がうまくいったかどうかを自分でまた調べるという形になって、これはまさに二重の意味で出来レースじゃないですか。これで信用に耐え得る客観性のある、そういう結果が出る体制になっているのかと、誰もがそう疑いますよね。いかがでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 東京都とJV各者で締結した契約書には、都の特記仕様書において、採水の方法や試料の取り扱いなどは土壌汚染対策法に定められた手法とすることと定めております。また、分析は計量法に基づく計量証明書の発行ができる公定分析機関で行うことを規定しております。
○曽根委員 その答弁で誰が納得できるんですか。こういう調査を行った結果ですよ。ゼネコンが自分で採水や検査の企業を選んでいる四回目から八回目の測定結果について、多くの業者の方や都民の方が捏造じゃないかと疑わざるを得ないとまでいわれているんですよ。専門家会議でも、また、まち中でも。
じゃ、例えば、このデータの信憑性に疑義が生じた場合、これは一体誰に責任があるということになりますか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 東京都とJV各者で締結した契約書については、先ほどもご答弁差し上げましたが、特記仕様書などで分析の方法について条件を定めております。
これまでのモニタリング調査につきましては、専門家会議の関与のもと、検証を進めていく予定でございます。
具体的には報告書を初めとした関係書類や施工を記録した写真などの資料に基づいて検証を進めるとともに、受託会社に対するヒアリングも行ってまいります。
○曽根委員 結局、極めて責任の所在は曖昧な仕組みになっているじゃありませんか。もし、ずさんな調査実態や不正が発見された場合、ゼネコンはもちろんですが、汚染工事の当事者にその後の調査を任せた市場当局の責任もまた非常に重いということを改めて指摘しておきたいと思います。
次に、ゼネコンの問題とともに、一回目から三回目までのモニタリング調査で、このモニタリング井戸の設計を担当した日水コンが一回目から三回目の採水を随意契約で担当しています。この問題についてただしたいと思います。
なぜ一回目から三回目まで、日水コンに随意契約で採水を委託し、同時に水質分析検査だけは競争入札で選んでいますよね。この理由は何ですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第三回の調査では、採水については地下水モニタリングの実施設計などの策定を受託していた株式会社日水コンと契約いたしました。
日水コンは、委託の中で敷地内の地下水の採水作業を行うなど、現場状況を熟知していたことから、契約の相手方として適切であると判断いたしました。一方、分析については、公定分析機関の中から入札により選定いたしました。
○曽根委員 日水コンは現場を熟知しているとおっしゃいますが、現場を熟知していなくても、採水については、きっちりとした国のガイドラインがあり、また都の仕様書もあるわけですから、専門の検査機関はこの方法については当然熟知しているはずです。また、工事より調査を優先して位置づければ、また都の職員が立ち会えば、採水は容易にできたはずです。日水コンでなければならなかった理由はないんじゃないでしょうか。
私は、先日、一月たしか十八日の日刊ゲンダイという新聞に、日水コンの総務部長へのインタビュー記事が掲載されていたので、これを読んでみたんですが、この記事では、これが事実なら、都が日水コンに無理にお願いして、モニタリングの採水だけは日水コンにやってもらいたいとお願いしたことになりますが、これは事実なんですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどもご答弁差し上げましたが、第一回から第三回までの採水は株式会社日水コンが行っており、これは受注していた地下水モニタリングの方法に関する検討委託の契約内容を変更して実施したものでございます。
実施に当たりましては、受託者と協議の上、契約内容を変更しており、無理にお願いしたという事実はございません。
○曽根委員 そうはおっしゃっても、日水コン自身、みずからが設計を担当した地下水モニタリングの井戸から新たな汚染が出てこないことが望ましいわけですよね。そういう結論になるように無言の圧力がかかったと考えても不思議ではありませんよ。
実際、日水コンの報告書を見ますと、モニタリング調査の目的として、地下水汚染が生じていない状態を二年間継続することを確認すると書いてありますよ。地下水汚染が生じていない状態が前提になっているんだ。それを二年間継続することを確認すると書かれていて、極めて、汚染が出ないことが大前提ですよといわんばかりの表現なんですよ。
これは日水コンの、たしか修正設計報告書なんですけれども、東京都の指示でこういうふうな記載があったんですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今、報告書については手元にございませんので、内容を確認することはできませんが、日水コンにそのような指示をしたという事実はないと思っております。
○曽根委員 つまり、この表現は、地下水汚染が生じているかどうかを確認するという客観的な書き方じゃなくて、地下水汚染は生じていない、この状況が継続することを確認するという、まさに汚染がないことを確認してくださいねといわんばかりの表現なんですよ。こういう書き方をしているところに日水コンの立場が透けて見えるわけです、私には。
モニタリングというのは、やっぱりあくまで客観的でなければなりませんよね。これは先ほども確認しました。地下の汚染が新たに検出された今となっては、こういう表現で発注がかかっている、指示がおろされているということ自体が、もう非常に疑わしいといわざるを得ないと思うんです。
あわせて、もう一つ疑問なのは、日水コンが採水を担当した三回のこのモニタリング検査について、分析の期間が異常に長いことなんですよ。一回目から三回目までの採水から検査結果が出るまで、それぞれ約二カ月もかかっているんです。なぜこれほどかかったんですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 分析方法等につきましては、JIS規格によることとされております。公定分析機関が発行する計量証明書で規格に沿って適切に行われていることを確認しております。
なお、JIS規格の規定に基づき、分析は採水後速やかに行われておりますが、分析開始から計量証明書発行までの期間については特に定めがございません。
○曽根委員 私は分析の機関の方にお聞きしましたが、分析そのものに何か相当な期間かかるのかと聞いたらば、そんなに時間はかかりませんと。幾つかの依頼がたまっている場合もあり得るでしょうが、一旦それにかかれば、一日か、せいぜい二日、データの確認等々でも。
したがって、東京都がきちんと分析機関を選んで、できるだけ早く正確な結果を出したいと依頼をすれば、そんなにかかるものじゃないんですよね。採水の方には一定の期間かかりますよね、二百カ所以上とるんですから、水を。したがって、採水をしてから直ちに分析機関に送られているというのであれば、なぜ二カ月もかかるのか。どこにどう時間をかけたのか、これは事実関係を明らかにすべきです。
我が党は本日、私が取り上げた地下水モニタリングをめぐる大きな疑惑を解明するために、ゼネコンのJVとその下請会社及び日水コンの参考人招致を改めて提案したいと思います。
日水コンには私も直接連絡をして面談を要求しました。しかし、私との面談は拒否しました。しかし、そのとき総務部長は、参考人招致であれば、これは応じる可能性があるといっておりました。ゼネコン及び下請会社は何としても呼んで質問すべきです、これは。各会派に呼びかけたいと思います。
最後に、地下水管理システムの稼働との関連性が指摘されましたので、これについても幾つか聞いておきます。
地下水管理システムが本格稼働したことがデータに影響した可能性について、東京都はどう見ていますか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回のモニタリング調査結果が、地下水管理システムの稼働によるものではないかといった意見があることは承知しております。しかし、専門家会議では、現段階で地下水管理システムの影響があったか否かについて、特定はしておりません。
○曽根委員 東京都自身の考えも聞きたいんですが、もうほとんど専門家会議にお任せという感じでご答弁がありましたが、しかし、地下水管理システムの本格稼働が今回の汚染があちこちで大量に出たことの原因だとすると、非常に問題になります、これは。
というのは、現在、地下ピットの水抜きも行っていますよね。この量を計算してみたら、既に地下水管理システムの稼働で四カ月になるんですか、これによるくみ上げ量とほぼ匹敵する二万一千トンを地下ピットから抜いているんですね、わずか一カ月ぐらいの間に。これの影響は、この後行われる再調査の中に出てくる危険性はないといえるんですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 昨日より実施しております再調査の結果については、次回の専門家会議で検証していただく予定であります。再調査の結果が出ていない現段階では、地下ピットの強制排水の影響についてお話しできる状況ではございません。
○曽根委員 東京都は、地下ピットの排水で地下水の水位が下がることを、この委員会でも繰り返し期待を表明していました。しかし、この排水がなかったら、地下水はもっと減らない状態が続いていたということですよね。確かに地下水管理システムの不備を補っている面があると。同時に、地下ピットの水抜きというのは、かなりの量を勢いよく抜いていますから、上にたまった水だけではなく、地下深くからの汚染を引っ張り上げる影響があったとすれば、これは大きな問題になります。
その影響を調べるということも私は必要だと思うんですよ。
しかし、今回、再調査は二十九カ所に絞られている。その大半は建物の外なんですよね。建物の下の再調査がまだ少ないんじゃないか。地下水管理システムが動き出したことが影響するならば、地下ピットの水抜きの影響が出ないと予想するのは早計だと私は思いますし、こうしたことから、二十九カ所ではなく、もともと二百一カ所しかやっていないんですから、二百一カ所の全てで全物質の調査を再調査でやるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査は、今回のモニタリング調査においてベンゼンまたはシアンが基準値の五倍を超えて検出された箇所に、低濃度の箇所などを加えた合計二十九カ所で実施いたします。あくまでも再調査であるため、調査の対象物質についてもこれまでの調査に準じて行う必要がございます。
○曽根委員 だから、私は、これまでの調査をやってきた二百一カ所全部で再調査をやるべきだと申し上げているんです。
今おっしゃった五倍というのに何か根拠はあるんですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 あくまで今回の調査で高濃度の基準を五倍以上ということで調査することといたしました。
○曽根委員 つまり五倍というのは、あくまで絞り込むための便宜的な物差しですよね。私がいいたいのは、かつて二千カ所以上のボーリング調査をやりました。豊洲の四十ヘクタールについて。それでも検出できなかった、取り残しの汚染があったということが今回出たと私は思います。それを、なぜ二十九カ所で再調査できるのかということなんですよ。少なくとも、今までやってきた二百一カ所の全ポイントでの再調査をやるべきですよ。改めて強く求めておきたいと思います。
今回、環境科学研究所にクロスチェックを依頼することになりましたが、問題なのは、豊洲の汚染が問題になった二〇〇七年当時に、最初から都の方針に、これでは汚染はなくならないと批判をしていた、当時、環境学会会長の畑氏などのクロスチェック、または直接測定を今回こそ受け入れるべきだと私は思いますが、いかがですか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の再調査は専門家会議の管理のもとに実施いたします。この調査結果は次回の専門家会議で、これまでと同様、公開の中で審議いただく予定でございます。
○曽根委員 専門家会議で公開はされ、そこでも議論はありますが、何といっても、現場の調査に立ち会わせるというぐらいの、やはり今回こそ客観性を重視した調査のやり方を改めて強く求めておきたいと思います。
再検証も、やる気になれば相当検証すべき資料はあるはずなんです。採水のガイドラインとしている手順書によると、先ほど申し上げたとおり、十数項目のデータを千八百カ所の採水のときにとっているはずなんです。これがないとすれば大問題ですよ。
ちゃんと記録が残っているはずなんですよ。したがって、これらを綿密に分析すれば、いわば手抜きや不正があったかどうかについて、かなりの調査はできるはずです。
したがって、これは当然ながら全ての記録について公開し、私たち都議会にもちゃんと示して、そして、専門家会議の前であっても早く公開するように強く求めておきたいと思います。これだけのデータが各ポイントに残っていれば、私たちや、それから多くの専門家にとっても、この問題の解明はずっと早まるということは申し上げておきたいと思います。
これまでただしてきましたけれども、一回目から八回目の調査方法は、やっぱりいかにもずさんで、万が一、採水方法に手抜きがあったり、さらに悪質な操作が行われていたとしても、再検証は非常に困難だといわざるを得ません。私たちもこの問題で、例えば先ほどのゼネコンの下請になっていたケミカルグラウトの問題については徹底して今後も追及していきますけれども、やはり再検証とともに、二百一カ所の再調査をちゃんと進める中で、真の汚染の実態を究明するとともに、やはりこの際、豊洲移転にかわる新たな築地市場の進むべき選択肢の検討を直ちに行うべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
○中村委員 質問に先立ちまして、故木内良明議員のご冥福を心からお祈り申し上げます。
さて、報告事項に対する質問を行いますが、大変大きな話なので、少しこれまでの経過も触れながら質問に入っていきたいと思っています。
一月十四日の専門家会議において、豊洲市場用地で実施をした第九回の地下水モニタリングの結果が暫定値として発表されました。それは環境基準値の七十九倍を超えたベンゼンや、その他、ヒ素、シアンが豊洲市場用地の合計七十二カ所の井戸から検出されたというものでした。私たち都議会民進党は、こうした結果に大変驚いているとともに、怒りを感じます。
そもそも、なぜ生鮮食料品を扱う市場の移転先として、東京ガスの工場跡地を選んでしまったのでしょうか。このことについては多くの都民、国民が関心を寄せ、疑問を抱いています。豊洲市場予定地から環境基準の一千倍、あるいは四万三千倍のベンゼンが検出されるなど、土壌汚染に対する不安が高まる中、二〇〇九年七月、当時の都議会民主党は、築地市場を強引に移転することに反対し、多くの都民が望んでいる築地の現在地再整備について改めて検討すると主張し、選挙を戦ってきました。
改選後には、都議会に東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会が設置をされ、都議会として現在地再整備案が検討され、成案を得ることができたのです。当時、民主党は、この現在地再整備案と豊洲案とを比較して、意向調査を実施した上で、移転の是非を判断すべきと主張していました。
しかし、二〇一〇年十月、当時の石原知事が豊洲への移転を宣言し、翌年には特別委員会も廃止されました。このような強引な手法がまかり通る中で、中央区と東京都の合意などを受けて、民主党は土壌汚染問題に対して、豊洲新市場の建設工事は汚染処理を完了した上で実施することや、豊洲新市場の開場に当たっては土壌汚染対策を着実に実施し、安心・安全な状態で行うことなどの附帯条件を付して予算案にも賛成をしてきたのです。
しかし、この間、約束をしていた敷地全面における盛り土が行われていなかったことを初め、地下水位を一定に保つと約束していた地下水管理システムの問題、そして何より、今回の調査結果で環境基準値の七十九倍を超えたベンゼンや、その他、ヒ素、シアンが合計七十二カ所の井戸から検出されたことは、この間、東京都が私たちに約束していた根本を全くもって覆すことの証左にほかなりません。
昨日から専門家会議による再調査が始まりましたが、そもそも、なぜ生鮮食料品を扱う市場の移転先としてこの地が選ばれたのか、その経緯などを改めてこの特別委員会にて検証する必要があると考えています。
私たち都議会民進党は、この委員会において、豊洲市場の移転問題を過去の経緯を初め根本から再検証していきたい。そのために、今回の地下水を調査分析した会社に加え、当時の石原知事など参考人を招致して議論を深めたいと考え、各会派の皆さんに賛同を求めます。
それでは、まず質問に入りたいと思っておりますけれども、この第九回地下水モニタリング調査結果の最大七十九倍という数字は驚きましたが、都として、いつそのデータを知り、どのように受けとめたのか、市場関係者、都民に対してどのように説明を行うのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果については、市場長には一月十日に報告いたしました。その後、専門家会議において、今回の測定結果はこれまでの調査結果と大きく乖離しており、現時点でこの結果を評価することができない、なぜ急激に濃度が上がったかについて検証していく必要があるとされ、市場関係者及び都民の皆様に対しては、試料の採取方法などについて確認中のため、今回のデータは暫定値とするとご説明をさせていただいております。専門家会議においても、暫定値として取り扱うことについては妥当であるとされております。
○中村委員 八回目の調査までは都が調査の主体であり、東京都が発表していました。専門家会議がこれまでなかったとはいえ、このデータは都が調査したデータなので、まず都が発表して、その後、専門家会議が評価を加えればいいのではないでしょうか。
都のホームページでも、都が調べて発表したという形式ではなく、専門家会議の資料として掲載されているだけで、何か他人事のように見えてしまいます。
都は驚いているというだけではなく、調査をした主体として認識すべきだと思いますが、見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 調査結果については、専門家会議において一元管理した上で審議し、評価とあわせて公表する方針が打ち出されたことを受け、この方針に準じたものでございます。
○中村委員 専門家会議の平田座長は、一月十日にデータを見たと述べていました。
市場長は、十二日に知事と一緒に築地市場を視察しています。このときに調査結果を知っていたのでしょうか。データを知っていながら、移転するかどうか決まらず不安な市場関係者と接して、どう思ったのでしょうか、伺います。
○村松中央卸売市場長 さまざまな分析結果につきましては、専門家会議におきまして一元的に管理いたしまして評価した上で公表する、そういう方針になっておりまして、今回の調査結果につきましても、それに向けて準備を進めてまいりました。
その間の経過を申し上げますと、一月十日に私自身、報告を受けましたが、これまでのモニタリング調査と大きく異なった結果であり、数値や検査の状況について詳細に確認するように指示をいたしました。十二日の知事視察の際には、こうした確認を進めている途中でございました。その後、十三日に知事に報告いたしましたが、十四日の専門家会議までに確認が完了しなかったことから、暫定値として報告させていただいたものでございます。
○中村委員 市場長は、データを十日に知り、すぐには知事には伝えなかったとのことです。確かに驚くべき数値ですけれども、だからこそ、よくない情報というのはすぐにでも報告すべきものだと思います。結果的には、専門家会議直前の数日間とはいうものの、情報がとまっていたことに変わりはありません。この数値が発表されれば、世の中が騒然とするほどの情報であり、すぐにでもトップの判断を仰ぐべきであったのではないかと思います。そういう体質を改めることこそ、今の都政に求められているのではないかと思います。
さて、また、汚染があった土地への移転を決め、盛り土がなかったのは過去の問題であって、今の担当者は尻拭いで大変だといわれてきました。ただ、今回の調査結果は、誰もが間違いであってほしいと願いますが、仮に間違いだとしても、それは今の担当者がこの調査会社をどう選び、どう指示し、どう確認をしたか、責任が生じるのではないかということになります。地下水の調査は法的な義務によるものではなく、不安を解消するものであるということですが、仮に調査方法を誤ったとしたら、不安を解消するどころか拡大させてしまったわけです。これは過去のことではなく、今の市場の担当者の責任ではないかと思いますが、そのことについてどのように考えているか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果は、これまで第一回から第八回までの調査結果と比べ急激に変動している箇所が多々あり、調査内容等の確認を行っていることから、暫定値として公表したものでございます。
専門家会議においても、これまでの調査結果と大きく乖離し、現時点で評価できないことから、専門家会議の管理のもと、昨日より再調査を実施しております。
再調査の結果については、次回の専門家会議で評価、検証する予定であり、都としては、その結果を踏まえて適切に対応してまいります。
○中村委員 何か聞いていると、まだ暫定値だから、おわびも責任もありませんというようにしか聞こえません。昨日からの調査で慌てて立ち会うようにしているようですけれども、最初からそうしていればよかったのではないでしょうか。これだけ大事な事業で注目もされている調査について、もっと丁寧に扱うべきではなかったのでしょうか。
少なくとも八回目には基準を超えた数値が出ていたわけですから、楽観はできないはずでした。結果として都民や市場関係者に不安を抱かせ、都政に対する不信感が強まったことをもっともっと重く受けとめるべきだというふうに思います。
さて、採水と分析を、では具体的にどのように行ったのか、詳しく説明を求めたいと思います。その際、異常な数値が出る原因となる可能性のある工程はどこだったのでしょうか。採水をする際に空気が入ったり、土壌の砂が入ったりしても結果が違うともいわれます。その後、分析までの時間、その間の温度や光に当たったりしても変わってしまうといいます。こういったことがきちんとなされていたのでしょうか。伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 採水及び分析については、国のガイドラインなどに基づいて実施しております。
具体的な過去の調査方法については、専門家会議の関与のもとで、調査報告書を初めとした関係書類や施工を記録した写真などの資料に基づいて検証するとともに、受託会社などに対するヒアリングを行っていく予定でございます。
○中村委員 それでは、具体的に調査を行う会社についても伺いますが、そういった調査を行うのはどのような専門性を持った者ができるのでしょうか。東京都は、この調査会社に対してどのように指示をし、どのように監督をし、どのように正確性を担保しているのか、こちらについて伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリング調査については、国のガイドラインなどに採水の方法、試料の取り扱い、分析方法が定められており、ガイドラインに準拠するよう指導することで、調査結果の精度は担保されるものと考えております。
○中村委員 先ほどの委員の質問でもありましたけれども、国のガイドラインどおりにやっているとか、そういっただけで、全てに立ち会っていたわけでもないということのようですし、資料での検証やヒアリングというだけで、これではどこまで本当にわかるのかわかりません。なかなか、今の答弁だけを聞いていれば、当然都民が納得できるという状況ではないと思っていますし、第三者の関与という点では、意見等を含めて、私たち議会も積極的に直接話を聞いていくということも必要かと思っていますので、やはり直接お招きして話を聞くということの必要性を痛切に感じるものでもございます。
さて、この二年間のモニタリングの調査で、異常が出たら、もともとどのように対応することになっていたのでしょうか。法的に調査を行う義務はないということなのでしょうが、基準を超える値が検出されたら、土壌汚染と関係ないとはいい切れないのではないでしょうか。伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果については、専門家会議では、これまでの調査結果と大きく乖離し、現時点で評価できないことから、専門家会議の管理のもと、再調査を行うこととしております。
再調査の結果について、次回の専門家会議で評価、検証する予定であり、都としては、この結果を踏まえ、適切に対応してまいります。
○中村委員 調査結果が専門家会議としても説明できないとして再調査をすることだそうなんですが、逆に、今回の調査結果を受けても土壌汚染対策は完了したという見解は変わらないのでしょうか。この調査が異常なのではなくて、土壌汚染対策が十分ではないという可能性はないのか、見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 土壌汚染対策に対する見解についてのご質問でございますが、再調査の結果が出ていない現段階では、仮定の内容について答弁することは差し控えさせていただきます。
まず、再調査を適切に実施し、結果について評価、検証する予定であり、都としては、この結果を踏まえて適切に対応してまいります。
○中村委員 専門家会議として説明できない結果なので、評価できないということだそうなんですけれども、ただ、よい結果だと思っていたのが、そうでないからやり直しというだけではなくて、この結果が真実だった場合にどうするかということも考える必要があります。都合の悪い情報から目を背けるわけにはいかないのではないでしょうか。
これまで土壌汚染対策が終わったとしていた調査を疑い、再調査すべきとも考えます。当時は専門家会議がなく、技術会議で確認したそうですが、改めてクロスチェックを行うためにも、専門家会議としても、モニタリング調査の再調査だけではなく、土壌汚染対策そのものについても再調査すべきではないでしょうか。見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどもご答弁したとおり、現段階では、再調査の結果が出ておらず、次回の専門家会議において再調査の結果を評価、検証する予定であり、都としては、この結果を踏まえて今後の対応を検討してまいります。
○中村委員 また、逆に、今回の調査結果は異常で暫定値とされましたが、では、再調査の結果が仮に基準値を超える濃度にならなかったとしたら、九回目のデータの扱いはどうするんでしょうか。九回目のデータについては、その調査が誤っていたと証明できない限りは、なかったことにできないのではないでしょうか。どのようにそれを証明するのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査後の今回の調査結果の扱いについてのご質問でございますが、再調査の結果が出ていない現段階では、仮定の内容について答弁することは差し控えさせていただきます。
次回の専門家会議において再調査の結果を評価、検証する予定であり、都としては、この結果を踏まえて適切に対応いたします。
○中村委員 また、都民からは、この九回目のデータが異常ではなくて、一回目から八回目が問題ではないかという疑いの声もあります。一回目から八回目のデータについても、調査方法が正しかったと証明できなければ、そのデータの信憑性は、幾ら技術的に問題ないといわれても、都民の心情として安心とはいえません。
この一回目から八回目の調査が正しかったと証明する必要がありますが、それについての見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 過去の調査の方法の検証については、専門家会議の関与のもとで、調査報告書を初めとした関係書類や施工を記録した写真などの資料に基づいて検証するとともに、受託会社等に対するヒアリングを行っていく予定でございます。
○中村委員 異常な数値となった理由として、地下水管理システムが動いたからともいわれていますが、五街区の地下水管理システムが稼働した後の第八回地下水モニタリングで、五街区からベンゼンなどが環境基準値を超えて検出され、全ての地下水管理システムが稼働した後の第九回地下水モニタリングにおいて、全ての街区で環境基準値を超えた物質が検出されましたが、関連についてどのように考えるのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果について、地下水管理システムの稼働によるものではないかといったご意見があることは承知しておりますが、専門家会議では、現段階で地下水管理システムの影響があったか否かについて特定はしておりません。
○中村委員 なかなか、関連がないというようなことはいいんですけれども、もともと、そもそも何もなければ、動いたろうか動かまいが出ないはずなんですけれども、こういった、出たということになるわけですから、そうした物質が除去できずに地下に残っていたからということは考えられないんでしょうか。地下水は動いていると考えられることもないのでしょうか。見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果については、専門家会議では、これまでの調査結果と大きく乖離し、現時点で評価できないことから、専門家会議の管理のもと、再調査を行うこととしております。また、専門家会議では、現段階で地下水管理システムに影響があったか否かについては特定しておりません。
○中村委員 この再調査についても調査箇所数を減らして頻度をふやすということですが、これだけ重要な事業ですので、頻度をふやしたからといって、箇所数を減らす必要はないのではないでしょうか。それでは調査全体が粗くなってしまうのではないでしょうか。見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査は、可能な限り早く今回の結果について検証するため、第九回のモニタリング調査においてベンゼンまたはシアンが基準値の五倍を超えて検出された箇所に、低濃度の箇所などを加えた合計二十九カ所を選定し、正確性を期するため二回実施するものでございます。
○中村委員 再調査についてですが、専門家会議の立ち会いをやるということでしょうが、本当に今まで、先ほどからもお話が出ていましたが、全て立ち会うべきだったのではないでしょうか。これまで、どうも質問のやりとりを聞いていると、本当に一部しか立ち会っていなかったようなことでもありました。
とりわけ、熟知した人には立ち会わせていたというような話もありましたけれども、こういったことを、そもそもどの程度立ち会っていて、そして立ち会っていなかった部分についてはどのようにデータが正しいといえるのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水のモニタリング調査においては、都の監督員が採水時に立ち会うか、立ち会えない場合は写真や資料などで確認するとともに、国のガイドラインに準拠するよう指導することで、調査結果の精度を担保してまいりました。
また、第一回から第八回までの分析については、計量法に基づく計量証明書が発行されていることをもって分析が適切に行われていることを確認しております。
なお、改めて専門家会議の関与のもと、調査内容等について確認を行っていく予定でございます。
○中村委員 先ほども述べましたけれども、本当にこの一連の問題の重要性から考えれば、この調査をもっと重視して、常に立ち会うということで、調査そのものの信憑性を確保しておかなければならなかったのではないでしょうか。過去の担当者の責任とか、説明できないから再調査としているだけで、市場として都民の信頼を得ていく姿勢に欠けていたといわざるを得ません。
さて、専門家会議では、地上と地下を分けるとして、地上は安全だとはいっています。ただ、地下がじゃあ安全ではないというままで都民の安心が得られると考えているのでしょうか。都の見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議は、地上部分と地下部分に分けて評価をしており、建物一階部分では、これまでの調査において環境基準値の超過は検出されていないことから、現状において問題はないとしております。また、地下部分については、安心を確保する観点から、科学的に調査していくとしております。
都は、専門家会議の指示のもと、再調査を的確に実施することで、市場関係者や都民の皆様の不安の解消に努めてまいります。
○中村委員 次に、具体的に地下水の調査分析を行う事業者について質問します。
まずは、再調査を行う事業者の一つ、東京都環境科学研究所についてです。
環境局の監理団体である東京都環境公社の東京都環境科学研究所が調べることは、第三者性があるといえるのでしょうか。そもそもどのような能力を有した団体なのか、地下水の調査に必要な能力があるのか、また、この研究所は土壌汚染対策法上の指定調査機関としての指定を受けているのか伺います。
○小原環境局環境政策担当部長 東京都環境科学研究所は、東京の都市環境の改善、向上に資する幅広い研究を行っている公的試験研究機関でございます。これまでも、環境局が民間調査機関に委託した地下水や公共用水域の水質分析のクロスチェックの依頼を受け実施いたしておりまして、今回も公平、公正な立場からクロスチェックを実施いたします。
なお、環境科学研究所は、土壌汚染対策の状況を調査するための指定調査機関ではございませんが、そもそも土壌汚染対策法上、地下水のモニタリング調査につきましては、指定調査機関であることを求められておりません。
環境科学研究所は、今回調査する検体を分析し、クロスチェックを行う技術的能力を十分に有しているところでございます。
○中村委員 今の環境科学研究所を含めて再調査には四つの事業者がかかわりますが、再調査を行う会社の選定理由は何でしょうか。今後の再調査の具体的な工程がどのようになっているのか、あわせて伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 調査会社は、再調査の趣旨を踏まえて、専門家の視点から、事業者の信頼性や実績を考慮して複数者選定いたします。
具体的には、これまでの測定結果の違いを考察するために、過去の調査を行った二者と、これまで専門家会議の指示による調査を行ってきた会社を加えた三者といたします。
なお、分析には東京都環境科学研究所も参加いたします。これによって分析結果のクロスチェックが十全に行えるものと考えております。
また、再調査の工程については、二回の調査結果を確認する必要があることから、採水と分析に一カ月余りを要すると見込んでおります。結果については、過去の調査の検証結果とあわせて、三月の専門家会議において公表していく予定であります。
○中村委員 二〇一五年十一月十六日の公営企業会計決算特別委員会で都議会民進党の西沢議員から、土壌汚染対策工事の調査に関して、指定調査機関の公平な手続を求めて質問し、当時の岸本市場長からは、調査は公正に行わなければならないとの厳格な義務規定が置かれているとの答弁がありました。地下水の調査についても公平な手続が必要だと考えますが、見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水のモニタリング調査については、国のガイドラインなどに採水の方法、試料の取り扱い、分析方法が定められており、ガイドラインに準拠するよう指導することで、調査結果の公平性は担保されているものと考えております。
○中村委員 今、公平性について伺ったんですが、一回目から三回目の採水は地下水管理システムの日水コンで、四回目から八回目までの採水、分析は建設工事を行うゼネコンに随意契約で発注をしています。これでは公平性がないのではないかというふうに思われるのですが、随意契約にした理由をそれぞれ伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第三回の調査では、採水について地下水モニタリング実施計画などの策定を受託した会社と契約いたしました。この会社は、委託の中で、敷地内の地下水の採水作業を行うなど、現場状況を熟知していることから、契約の相手方として適切であると判断いたしました。
第四回から第八回については、建築工事や外構工事など多くの工事がふくそうして施工されている中で調査を進めなければならない状況であったため、調査の採水作業などは適切な管理のもとに正確な作業が求められ、工事の施工と同時並行的に進めるには、綿密かつ十分な工程調整のもとに進める必要がありました。
さらに、工事の進捗は各街区それぞれ異なる状況であり、モニタリング調査を適切かつ円滑に実施するため、各街区の工事を受注していたJVと契約することといたしました。
○中村委員 都は、一月十六日に、調査会社に都のOBはいないと発表しました。しかし、都が発注したのはゼネコンであり、実際に調査した会社ではありません。あくまで都はゼネコンに調査を依頼したのであるから、OBがいないというのはミスリードではないでしょうか。都が発注したゼネコン三者に再就職した都の幹部職員OBの人数と、その中に中央卸売市場を退職した者はいるのか伺います。
また、その人たちを含めてゼネコン三者に再就職した都のOBはこの調査にかかわっていないのか、あわせて伺います。
○井上中央卸売市場新市場整備調整担当部長 第四回から第八回までの地下水モニタリング調査における採水、分析業務を受注したゼネコン三者とは、鹿島建設株式会社、清水建設株式会社、大成建設株式会社でございます。この三者への再就職状況については、平成十七年夏季幹部異動後の過去十年間で十名の幹部職員が再就職しておりますが、中央卸売市場を退職した者はおりません。
なお、この三者に確認したところ、豊洲市場用地における地下水モニタリング調査に、これらの都のOBがかかわった事実はございません。
○中村委員 かかわりはないということではあったんですけれども、そこに行っている人がいればやはり疑われてしまうということもありますから、こういったところはきちんとすべきではなかったのかというふうに思います。
さて、建設工事の間に調整が必要なので建設会社に委託をしたとしますが、建設会社が調査を行うのではなく下請に丸投げをしているのであれば、都が直接発注した会社とゼネコンとで日程の協議をさせれば済むはずではないでしょうか。そもそも丸投げの再委託は禁止をしていないのか、これは幾らで再発注されたのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 本調査業務は、各JVが受注した工事の主たる内容ではないため、契約書で禁止した一括委託または一括下請には当たりません。また、建設業法などでは、工事の下請で行われる調査業務については、工事の受注者と下請業者との間の契約書や仕様書を発注者に提出する義務はございません。また、このことから下請金額については把握しておりません。
○中村委員 下請の金額は把握していないとの答弁でした。そもそも、この委員会の二十三日の説明聴取の際に、四回目から八回目の調査に関する再委託の契約関連書類の提出を委員会として求めたのですが、出せないということであり、また、今、下請金額も把握をしていないということだったんですが、少し追加で聞きたいんですけれども、出せないということだったのか、そもそも東京都は先方に対して出してくれといったのか、そこのところをどのように相手と交渉したのか伺います。
○山崎委員長 答弁調整していないなら、もっとちゃんと、中村理事、はっきりいった方がいいよ。多分、聞き取れていないんだよ。(「うん、聞こえないんだよ。もう一回質問したら」と呼ぶ者あり)じゃ、もう一回、ちょっと改めて、中村理事の方から質問いたします。
○中村委員 もう一度伺いますけれども、下請の金額を把握していないということでしたけれども、委員会からは、再委託の契約関連書類の提出を求めていたんですが、出してこないということでありました。それは出せないということだったのか、そもそも交渉していないのか、どのように都は交渉したのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 建設業法などでは、工事の下請で行われる調査業務については、工事の受注者と下請業者との間の契約書や仕様書を発注者に提出する義務はないことから、現段階において都はそれらの資料を所有していないということでございますが、都としても、今後実施する過去の調査の検証でそれらの資料の確認を予定しておりますことから、現在、受注者に提出を依頼しているところでございます。
○中村委員 委員会の方から資料要求をしたわけですけれども、出てこなかったということなんですが、要求はしたけれども間に合わなかったということのようですから、後日それはいただければというふうに思います。
さて、この四回目から八回目の工事ということは、今お話ししたように都が直接発注をしないわけですけれども、都はどうやってその調査が正しいとしてきたのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水モニタリング調査においては、都の監督員が採水時に立ち会うか、立ち会えない場合は写真や資料などで確認するとともに、国のガイドラインに準拠するよう指導することで、調査結果の精度を担保しております。
また、第一回から第八回目までの分析については、計量法に基づく計量証明書が発行されていることをもって分析が適切に行われていることを確認しております。
○中村委員 委員会の要求資料の中で、第九回目の地下水調査の入札経過調書を提出していただきました。落札金額約三百万円です。九者が応札をして、最も高額の価格は一千五百万円、次に高い金額は、今回随意契約で再調査を受託した会社で一千百万円でした。また、一回目から三回目までの調査では、採水は特命随意契約でしたが、分析は入札を行い、事前に担当の方から伺ったところ、落札金額百五十万円、九者応札をし、最も高い金額は六百三十万円とのことでした。
同じ環境分析を行うのに、入札結果の金額が大きく異なっているのはなぜだと考えているでしょうか。低価格で落札した場合に、その質はどのように担保されていると考えているのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 委託には最低制限価格の規定はございません。入札金額は受託者が判断して入札したものであります。
モニタリング調査については、国のガイドラインなどに採水の方法、試料の取り扱い、分析方法が定められており、ガイドラインに準拠するよう指導することで、調査結果の精度は担保されるものと考えております。
○中村委員 平成二十四年度の東京都中央卸売市場会計予算に対する付帯決議で、一、豊洲新市場の開場に当たっては、土壌汚染対策を着実に実施し、安心・安全な状態で行うこととし、リスクコミュニケーションなどの取り組みを通じて、都民や市場関係者の理解と信頼を得ていくこと、二、豊洲新市場の施設の建設工事は、汚染の処理を完了した上で、実施することを求めていました。
この付帯決議をどのように受けとめているのでしょうか。守られているといえるのでしょうか。伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都議会で議決された付帯決議を遵守することの大切さは十分に認識しており、汚染土壌の処理や地下水の浄化などを着実に実施し、計量法に基づく計量証明書の発行をもって土壌汚染対策が適切に講じられていたことを確認してきたところでございます。
土壌汚染対策工事の完了後、二年間の地下水モニタリングを実施してきておりますが、今回の調査結果についてはこれまでの調査結果と大きく乖離し、現時点で評価できないことから、専門家会議の管理のもと、再調査を行うこととしております。
再調査の結果について、次回の専門家会議で評価、検証する予定であり、都としては、この結果を踏まえ、適切に対応してまいります。
○中村委員 都は、技術的な判断基準は専門家会議に求めますが、盛り土問題に加えて地下水問題と、都民や市場関係者の都への不信感はこれまでにないほど募っています。そうした状況で、仮に専門家会議で技術的には安全とされても、都民が安心して市場として認めるためには、どのような基準をもって判断するのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場への移転に当たっては、食の安全・安心を確保することが最優先の課題であり、現在、専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおける安全性などの検証について、市場業者の意見を伺いながら精力的に進めているところであります。これらの検討に当たり必要となる調査などに引き続き適切に対応するとともに、正確な情報提供に努めることで、安全・安心な市場の実現と都民の信頼回復を図ってまいります。
○中村委員 地下水モニタリングの測定は、先ほどもありましたが、全部で二百一カ所行っていますが、ベンゼン、シアン、ヒ素、鉛、水銀の五つ全部を全ての場所で調査はしていないとのことです。土壌汚染対策法に準ずる対策というんですが、これはなぜでしょうか。どういう基準で選んでいるのか、全部やるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水の二年間モニタリング調査は、国のガイドラインに基づき、これまで土壌及び地下水の汚染が検出された物質を対象として実施するものでございます。
○中村委員 二百一カ所について、いずれにしても採水はするわけですから、五物質調べてもいいんではないかと思っていますが、予算では幾らかかるんでしょう。採水した水の分析について、一物質しかない場合と五物質全て分析する場合と、予算や期間はどのくらい変わるんでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 採水に要する費用や期間については、モニタリング井戸の設置場所が、作業しやすい広い場所か、地下などの狭い空間か、井戸周辺の地盤の透水性などの現場条件などによって異なるため、一概にお答えはできません。
○中村委員 地下ピット内の水については、ベンゼン、シアン、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウムを調査しています。なぜこれまでの地下水モニタリングでは六価クロムとカドミウムは調べていなかったのでしょうか。調べるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水の二年間モニタリングは、国のガイドラインに基づき、地下水で汚染が検出された物質を対象として、汚染がない状況が二年間継続することを確認するために実施するものであります。
一方、地下水の汚染が認められなかった物質については、モニタリング調査による汚染がないことを一回確認することが定められております。このため、地下水汚染が生じていない六価クロム及びカドミウムについては、平成二十六年に行った一回のモニタリングにより地下水の汚染がないことを確認し、完了しております。
○中村委員 今回七十二カ所で高い値が出ましたけれども、対策工事前の高濃度の汚染が出たときとの場所の相関関係はあるのでしょうか。これまで一回から八回までもベンゼンは不検出ではなく、基準値以下で検出をされていたのですが、それとの相関関係はどのようになっているのでしょうか。これが違っているということであれば地下水が動いていることになるのではないかと思いますが、見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果については、専門家会議では、これまでの調査結果と大きく乖離し、現時点で評価できないことから、専門家会議の管理のもと、再調査を行うこととしております。
再調査の結果について、次回の専門家会議で評価、検証する予定であり、都としては、この結果を踏まえて適切に対応してまいります。
○中村委員 水銀について伺いますけれども、これは六街区の一カ所でしか測定をしていません。土壌汚染対策法に準ずる対策といいますが、地下ピット内の空気から指針値を超える水銀が検出されたのは五街区と七街区だったので、調べるべきではないでしょうか。仮にもともとなかったところだったからというのは、絶対に汚染がないか、絶対に地下水が横に動かないか、絶対に不透水層の切れ目から汚染が混入しないか、これらが絶対にないといい切れない限りは調べるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 二年間のモニタリングは、国のガイドラインに基づき、地下水汚染が検出された物質を対象として実施するものでありますが、水銀による汚染が検出された箇所は、六街区の当該箇所のみであります。
なお、地下ピット内の空気中で指針値を超える水銀が検出されたことについて、専門家会議では、地下水に含まれる通常は検出されないほどの微量な水銀が空気中に気化し、換気されない状況で滞留したことが原因であると評価しており、モニタリングの調査対象としている水銀とは異なるものであります。
○中村委員 都議会民進党としては、以前から、地下水のモニタリングを毎月実施することやクロスチェックを行うことも主張してきました。残念ながら、これが行われなかったということですし、やっていれば、少なくとも再調査の数カ月は無駄にならなかったのではないでしょうか。なぜこれをやってこなかったのか。その結果、このようなことになったことをどのように受けとめているのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリング調査については、国のガイドラインなどに採水の方法、試料の取り扱い、分析方法が定められており、ガイドラインに準拠するよう指導することで、調査結果の精度は担保されると考えておりました。
再調査の趣旨を踏まえて、専門家の視点から、事業者の信頼性や実績を考慮して民間三者を選定し、東京都環境科学研究所も参加して分析結果のクロスチェックを行います。
再調査の結果について、次回の専門家会議で評価、検証する予定であり、都としては、この結果を踏まえ、適切に対応してまいります。
○中村委員 いろいろと質問はしたのですけれども、核心的なところは、暫定値だからとか、仮定の話とか、専門家会議に任せているとか、なかなか答えが出てはきませんでした。
再調査が終わるまで議会が何もしないというわけにはいかないと思っています。分析や調査を行っている会社についても、やはりこういったことも議会の方でも積極的に調査をすべきだと思っていますし、都民も大きな関心を持っています。
また、とりわけ、なぜここに移したのかということも大きく関心を持っているところだと思っています。先ほどお話をいたしましたけれども、この特別委員会でも、地下水の調査分析をしている会社についての参考人招致や、そしてまた、なぜここに移したのかという根本のところから、石原元知事などの参考人招致ということを求めていきたいと思いますし、この委員会でまずはもちろん呼ぶということを求めますが、それができないようであれば、強い調査権限のある百条委員会ということを求めていくこともせざるを得ないということも表明をしまして、質問の方を終わります。
○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時五分休憩
午後三時二十一分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○田中(朝)委員 まず質問に先立ちまして、木内議員のご冥福を本当に心よりお祈り申し上げます。私のような一期生にまで、いつも話しかけてくださって本当にありがたいと思っておりました。心よりご冥福をお祈りいたします。
それでは、質問に入ります。もう五番目ですので、多少重なるようなところもあるかと思います。なるべく気をつけて進めていきたいと思います。
まず、この地下水モニタリング調査、今まで二〇一四年十一月から二年間で九回実施をされたわけです。七回目まではいずれも環境基準値は上回っていなかったですけれども、八回目でベンゼンがわずかに基準値を上回って、また、先日の第九回の調査結果では、ベンゼンが環境基準の七十九倍やヒ素が三・八倍、また、検出されてはいけないシアンが検出された。これは都民の皆さんも、皆さん驚かれたと思いますし、また都議会でも驚いたと思います。
この地下水モニタリング調査、先ほど来から何度もありましたけれども、法律で義務づけられたものではないとお聞きしています。これ、そもそもなぜ都は、この法律で義務づけられていないにもかかわらず地下水モニタリング調査を任意で実施することになさったんでしょうか。その経緯も含めてお伺いいたします。
また、この地下水モニタリング調査の目的は何だったのか。また、その位置づけや役割というのはどのようなことだったのかも加えて伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 土壌汚染対策法では、敷地をコンクリートなどで被覆することが必要とされておりますが、汚染の除去などの措置は求められておりません。
しかし、豊洲市場においては、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全・安心を確保する観点から、対策工事の実施後二年間モニタリング調査を実施したものでございます。
このため、モニタリング調査は、土壌及び地下水汚染の対策を行った地点を対象として調査しております。
○田中(朝)委員 このモニタリング調査の採水、また、分析方法などはどのような基準で行われたのか、何か一般的なガイドラインのようなものがあったのかをお伺いいたします。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 モニタリング調査における採水や分析方法については、環境省の土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインなどに採水の方法、試料の取り扱い、分析方法が定められており、ガイドラインに準拠するように指導しているところでございます。
○田中(朝)委員 ちょっと確認ですけれども、この一回から九回の、もう終わったわけですけれども、全ての地下水モニタリング調査は、業者さんが違っていても、同じ基準で、同じ方法で行われてきたということでよろしいでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 委員ご指摘のとおり、ガイドラインに準拠して指導を行っているものでございます。
○田中(朝)委員 そうしますと、ちょっとこれは素朴な疑問でお伺いするんですけれども、きょう、私、初めてこの資料要求の結果を拝見いたしましたけれども、その最初のページの地下水モニタリングに関する契約についてというところですけれども、この契約金額に大きな差があります。
最初の第一回から三回まで、これ大体一回につき二千三百万円、四回から八回までは大体、これ五街区、六街区、七街区別々ですけれども、三億とか四億ぐらいですね。今回の指名競争入札の第九回目は三百四十七万円ということになっていますけれども、ちょっとこのところがよくわからないんですけれども、契約金額に大きな差があるという、この理由はどういうことでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 この地下水モニタリングに関する契約についてという、一ページの一番下のところに米印で表記させていただいておりますけれども、第一回から第三回までの採水については、地下水管理システムに関する施設等修正設計委託に含めており、この金額は設計委託の金額が主たるものでございます。そのため大きくなっております。
それから、第四回から第八回目までについては、各街区とも地下水管理施設の整備工事に含めた契約金額が示されているものですから、主たる大きい金額の部分は、地下水管理施設整備工事の部分が入っていることでこういった金額になっております。
一枚おめくりいただきまして、二ページにつきましては、再調査等は純粋に調査の採水、分析の金額等でございます。九回目についても採水、分析のみの金額となっております。
○田中(朝)委員 わかりました。ただ、この契約金額、比較をするとなると、やはり純粋に採水、分析に関するところが知りたいわけです。その金額はわかっていらっしゃるんですかね。わかっていらっしゃるんでしたら、またいずれかのときに教えていただければと思いますので、ちょっと要望をしておきたいと思います。
次に、先ほどおっしゃいました環境省の土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインでは、施行規則として、一年に四回以上定期的に地下水を採取して、そして、地下水汚染が生じていない状態が二年以上継続という調査を義務づけています。
これは、今回のこの九回の地下水モニタリング調査にも当てはめているんでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水モニタリング調査は、土壌汚染対策法に基づくものではございませんが、平成二十六年十一月から実施しており、今回の九回目のモニタリングで二年が経過することになります。
今回の調査についても、国のガイドラインに準拠して実施しております。
○田中(朝)委員 先ほども国のガイドラインに準拠をしているということ、お答えが出てきましたけれども、この準拠というのは具体的にどういうことでしょうか。例えば、調査の義務づけどおりということなのか、それとも、このガイドラインは参考程度ということなのか、いかがでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回行っておりますモニタリング調査は、土対法に義務づけられてやっているものではございませんが、実際の方法としてはガイドラインに沿った形で行っていることから、準拠しているというふうに表現させていただいております。
○田中(朝)委員 それだと、地下水汚染が生じていない状態が二年以上継続というのが今回の九回のにも当てはまるのではないかと感じますけれども、そもそも地下水モニタリング調査の結果というのは、豊洲への移転に関してどのように使われることになっていたのかお伺いをいたします。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 二年間モニタリング調査は、生鮮食料品を取り扱う市場用地として、安全・安心を確保するために実施しております。
○田中(朝)委員 そのお答えは先ほど来からお聞きをしておりますけれども、要するに、安心・安全を確保するとおっしゃったことが、今回、基準値を上回ったことで確保できているのかできていないのかということをお伺いしたいんですね。
今回、全九回の地下水モニタリング調査と決まっていたにもかかわらず、最終調査結果を待たずに移転予定日を当初決定なさっていたと思います。小池都知事になられてから、これが最終結果を待ちましょうということになったんだと思いますけれども、その以前は、最終結果を待たず移転予定日が決定をしておりました。この理由はなぜでしょうか。
○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場用地における土壌汚染対策工事は、専門家会議及び技術会議の提言を受けて実施いたしまして、平成二十六年十月に完了しましたことから、豊洲市場の開場時期につきまして、市場業者の合意を得て、都として決定をいたしました。
その後、二年間モニタリングが終了しておらず、安全性への懸念等がありますことから、昨年八月、移転を延期することといたしました。
○田中(朝)委員 今のお答えですと、土壌汚染対策工事が完了したことから、市場業者の合意を得て、都として移転を決定したと。そこに地下水モニタリング調査の結果というのは、今のご答弁ですと入っていないわけですけれども、でしたら、そもそも何のために地下水モニタリング調査をやったのかということが大いに疑問に思います。
豊洲への移転の、地下水モニタリング調査もやる、要するに、法律に定められていなくても任意でやるということになっていて、それは九回と決まっていたにもかかわらず、その地下水モニタリング調査の結果が、要するに、何も出なかったら移転でゴーだというようなことが移転の条件の中に入っていなかったということなんでしょうか。
○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、この当時におきましては、土壌汚染対策工事が平成二十六年十月に完了いたしましたことから、豊洲市場の開場時期につきまして、市場業者との合意を得て決定をしたものでございます。
○田中(朝)委員 今のお答えは先ほどもいただきましたので、それは理解しております。要するに、今お聞きしているのは、地下水モニタリング調査の件です。地下水モニタリング調査が移転の条件の中には加味をされないことになっていたのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○福田中央卸売市場理事 豊洲市場用地におけます土壌汚染対策工事につきましては、平成二十六年十月に完了したことをもって安全が確認できたということで、豊洲市場の開場時期について都として決定したものでございます。
モニタリングにつきましては、その後の実施状況を確認するということで、市場用地としての安全・安心、永続的なリスク管理の一環として行ったものでございます。
○田中(朝)委員 安全・安心の確保ということでは、基準値を超えたということは、その確保ができたということになっているんですか、なっていないんでしょうか。ちょっと今のお答えではそこのところがよくわからないんです。それでは何のために地下水モニタリング調査を二年間もかけておやりになったのか。
大体、一回から七回目までは基準値を超えていなかったわけです。これが続けば別に何の問題もなかったと、よかったねといって移転をすればよかったんだと思いますけれども、八回目、わずかに上回った。それから九回目はびっくりするような数字が出てきた。こういうときに、基準値をもしも超えたら、要するに、当初、始められるときは、ずっと超えないということは結果でわかっていなかったわけですから、そうしたら、基準値を超えたらどのような対策、また結論にするか、あらかじめ決めてはいなかったんでしょうか。
例えば八回目程度なら何か対策をする、九回目程度の数字が出たら移転を見直す、そういったようなことは決めていなかったんでしょうか。もしも決めていられたとしたら、どういうことを決めていたのかをちょっとお伺いいたします。
○福田中央卸売市場理事 当時の考え方でございますが、土壌汚染対策工事につきましては、平成二十六年十月に完了したことを確認していたものでございます。その上で、地下水モニタリングにつきまして、永続的なリスク管理の一環としてやったものでございます。
今ご質問の、万が一基準値を超えるような状況が確認された場合ということでございますが、当時の考え方としまして、その場合には専門家の知見をいただきながら、都民や市場関係者の安心や理解が得られるよう適切に対応していくということでございます。
○田中(朝)委員 いまいちはっきりはわかりませんけれども、安全・安心を確保できなかったということがイコール基準値を超えるということだったんでしょうか。それをどうするか、はっきりは、専門家の知見に頼るということで、決めていない。それから移転の条件にも、要するに九回終わらないうちに移転を決めているわけですから、入っていないわけですよね。
そうなりますと、地下水モニタリング調査が、これでは単に調査をするというアリバイづくりとか、やることだけに意義があるというふうに思われても仕方がないのではないかと思います。
再調査が始まりましたけれども、今回どういう結果が出るかまだわかりませんけれども、基準値を超えても超えなくても、これまでの九回のモニタリング調査の結果の原因究明というのは、これはもうしっかりとやらなければいけないと思います。
また、今回の再調査の結果は、移転の是非にどう生かすかということも、これもはっきりと決めておかなければ、また再調査ということになることがあってはなりませんので、決めておくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○福田中央卸売市場理事 第九回の調査結果につきましては、これまでと大きな乖離が生じているということで、専門家会議としても評価ができないということで今再調査をやっているところでございます。
都といたしましては、その再調査の検証結果をまずは踏まえまして、その後の対応について検討してまいりたいと考えております。
○田中(朝)委員 いずれにしましても、地下水モニタリング調査を何のためにやったのかということは、これはっきりと位置づけをされなければ、今もうここまでの大きな話題になってしまっているんですから、それははっきりと今後も位置づけをしないといけないと思っておりますので、ぜひそこのところしっかりお願いをしたいと思います。
それでは、あと、具体的なことをちょっと三点ぐらいお聞きをいたします。
今回の調査結果では、環境基準値である一リットル当たり〇・〇一ミリグラムの七十九倍のベンゼンが検出されました。ベンゼンというのは気化しやすいために、呼吸により体内に取り込みやすいと聞いています。
大気中では、一立方メートル当たり〇・〇〇三ミリグラム以下という環境基準、これベンゼンですね、が定められているわけですけれども、これはどのくらいの汚染水があると大気中の基準に達するほど揮発をするんでしょうか。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 地下水中のベンゼン濃度がどの程度であれば、揮発により大気環境基準に達するかということにつきましては、温度、風速、土壌構造等、諸条件によって大きく左右されるため、一概に説明することはできません。
しかしながら、豊洲市場用地においては、建物、地下ピット、敷地内で実際に空気中のベンゼンの濃度が実測され、建物一階部分では一立方メートル当たり一・三から二・〇マイクログラムなど、全て大気環境基準以下となっておりまして、専門家会議によって安全は確認されております。
○田中(朝)委員 実は、事業者の方たちが、やはり水の問題も不安なんだけれども、この大気中の汚染、こういったものも、ずっとそこで何時間も、それから何百日も何年も働くことになると、非常にこれは不安だということをはっきりとおっしゃっていました。だから、不安は水だけの問題じゃないんですということをおっしゃっていましたので、ぜひこういうところもしっかり気をつけていっていただきたいと思います。
また、今回、専門家会議のメンバーの方が、これは、この地下水ですけれども、飲むわけではないので問題は生じないと発言をされています。
それでしたらば、飲むわけではない地下水は、どこまでの環境基準値超えの濃度まで許されていると考えているんでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、豊洲市場においては、地下水の飲用や、人が有害物質を含む汚染土壌に直接触れることがないため、健康への影響は生じないとしております。
また、食の安全・安心を確保する観点から、二年間モニタリング調査では、これまで、地下水基準を一つの目安として、結果を公表してきたところでございます。
○田中(朝)委員 ご説明はわかるんですけれども、それだったら地下水モニタリング調査って、重ねて申し上げますが、何のためにおやりになったのかが何かいま一つわかりません。
要するに、地下水の飲用や有害物質に直接触れることがないために健康への影響は生じないんだったら、モニタリング調査をやる意味がないんじゃないですか、最初からこういうことでしたら。
本当にモニタリング調査の意義というのが、今回非常に位置づけも曖昧ですし、それから何のために二年間かけてやったのか、最終結果を待たずに移転も決めていた。こういうことを考えると、今回、大きな数字が出たので、これだけ大きな騒ぎになっていますけれども、そもそもこの地下水モニタリング調査の位置づけというのが、これは本当に曖昧だったということは感じざるを得ません。
最後に、この豊洲の土地ですけれども、東日本大震災の際は液状化したと聞いています。これから首都直下地震など、再び大地震が起きたときに、地下水とともにベンゼンやシアンなどが噴き出して、市場や周辺が水浸しになるようなことが起こったら、どのような対応をなさるのでしょうか。お聞きをいたします。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場における液状化対策は、平成二十三年三月の東日本大震災後、砂ぐい締め固め工法、静的締め固め固化改良工法、格子状固化工法などの工法により実施しております。
これらの液状化対策工法は、阪神・淡路大震災や東日本大震災においても効果が確認されたものであります。
○田中(朝)委員 対策はなさっているということです。これ、完璧なんでしょうか。それで完璧なんでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 この対策はあくまで必要な対策を講じたものであり、地震に対して完璧かどうかということは、今お答えはできません。
○田中(朝)委員 なぜ今こういうことをお伺いしたかといいますと、地下水の問題も、こういった液状化の問題も、この土壌汚染対策とか、そういうことが完璧にできないわけですよ。
そうすると、今多くの都民の皆さんは、そもそも何でこの東京ガスの土地に移転を決めたのかということがもう本当に大きな話題になってしまっているわけです。ですから、先ほど来から前都知事の参考人招致とか、百条委員会とか、それは私たちも求めてまいりますけれども、それから採水、分析にかかわった方たちの参考人招致、こういったものがやはりもうどうしても必要になってくるわけです。
ですから、これはもう本当に都民の皆さんの不安の払拭をどうやるかということになっています。今では、私、大勢の方から、もう無理だよねと、これ一般の方ですよ、いわれます。そこの魚は食べたくないと。だから、そういうところをどう不安を払拭していくかということが、これからしばらくの間課題になっていくわけですし、再調査だって、その結果はわからないわけですよね。
ですから、そういったところをしっかり都民にも説明をしていただいて、議会の方にもしっかり説明をしていただきたい。そして、それが移転ありき、あとは盛り土のようなこと、ごまかすようなことがないようにぜひしていただきたいと思います。
以上で終わります。
○両角委員 都民ファーストの会都議団の両角でございます。
まずは、本委員会でも大変ご活躍をされてまいりました故木内議員のご冥福を心からお祈りを申し上げたいと思います。
そして、都民ファーストの視点に立って、今回の地下水モニタリング調査の結果について質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、これ、先ほど来、るる質問が出ておりますが、市場長に伺いたいと思います。
市場として、今回、このベンゼンが基準値の七十九倍、シアン初めて検出、その他ヒ素も出たということで、大変ショッキングな数字というふうに私は感じておりますが、この結果を市場長自身はどのように受けとめていらっしゃるのか。さらに、これまでの調査の妥当性の検証が当然必要になってくると思いますが、市場長のご見解を伺います。
○村松中央卸売市場長 今回の調査結果は、これまで第一回から第八回までの調査結果と比べまして、急激に変動している箇所が多数ございます。調査内容等の確認を現在行っていることから、暫定値として公表させていただいたものでございます。
専門家会議におきましても、これまでの調査結果と大きく乖離し、現時点で評価できないとしていることから、専門家会議の管理のもと、昨日より再調査を実施しております。また、これまでの調査結果につきましては、専門家会議の関与のもとで検証を進めていく予定としております。
これらの結果をあわせて、次回の専門家会議で評価、検証する予定でございまして、都といたしましては、その結果を踏まえて適切に対応してまいります。
○両角委員 これから検証が必要だという前提で、検証を今から進めるということでございます。
今回大変な驚くような数字が出たわけでありますけれど、今回異常値で、暫定値という扱いでありますけれど、じゃ、何がおかしいのかなということを考えていくと、その可能性としては二つだということであります。
一つは、第九回目の調査のやり方が不適切であって、データがおかしい。だから第九回目の調査結果がおかしいんだということが一つ。もう一つは、過去八回の検査そのものが適切に行われていなくて、そのデータがおかしいと。そういった二つの可能性があるわけでございます。
そこで、過去の調査は適切に行われてきたのか、問題はないのか、信頼性に足るものなのかという観点で、過去の調査について何点か確認をさせていただきたいと思います。
まず、過去に実施をした調査が適正に行われたかにつきまして、市場ではどのような担保をしてきたのか。土壌汚染対策法上のガイドラインでは、この地下水のサンプルの採取方法などについても細かく規定をしているわけでございますけれども、調査がガイドラインに基づき適正に行われるように、都、市場では、具体的にはどのような体制をとってチェックを行ってきたのか、まず伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 調査に当たりましては、採水に都の監督員が立ち会うか、立ち会えない場合は写真や資料などで状況を確認するとともに、国のガイドラインに準拠するよう指導することで、調査結果の精度を担保してまいりました。
また、いずれの分析結果についても、計量法に基づく計量証明書が発行されていることをもって、分析が適切に行われていたことを確認しております。
なお、改めて専門家会議の関与のもと、調査内容等について確認を行ってまいります。
○両角委員 採水は、都の監督員が立ち会う、立ち会えない場合は写真等の資料で状況確認と。この部分につきましては、先ほど来の質疑の中で、実際にはどれほどの立ち会いをしているのか、していないのかということを正確には把握していないということでありましたので、その点については、先ほど来の質疑と同じように、この疑義を、都民の皆さんにしっかりとやっていますよというには若干足りないのかなというような感じを受けているということを指摘させていただきたいと思います。
次に、この地下水のモニタリング調査については、九回行われておりますが、第一回目から三回目と四回目から八回目、そして、第九回目でやり方が、これ違うわけでございます。
一回目から三回目については、全街区を一つの街区、一つの調査エリアとして対象として、採水を一者にお願いして分析は別の一者でお願いをして実施している。四回目から八回目については、全街区ではなくて、街区ごとにそこの工事を請け負っているJVが受注者となって、この各JVが採水、分析の会社をみずから選定して調査を実施しています。
そして、今回数字が発表になりました第九回目については、また対象は全街区という形になって、採水、分析とも同一の会社が担当して分析をしている。このような状況でありますけれど、まず、この第一回目から三回目については、採水の業者と分析の業者を分けているわけでありますが、その理由は何かということを伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第三回の調査では、採水について、地下水モニタリングの実施計画などの策定を委託した会社と契約しております。この会社は委託の中で、敷地内の地下水の採水作業を行うなど、現場状況を熟知していることから契約の相手方として適切であると判断いたしました。
分析については、公定分析機関の中から入札により選定したものであります。
○両角委員 今のご説明は先ほど来の答弁と一緒なわけでありますが、それが合理的かどうかということはまた後ほど触れさせていただきたいと思いますが、まず、この第一回目の分析、この調査会社、採水は日水コンがやっていると。調査会社は、株式会社日立プラントサービスというところが、これは百五十五万三千百八十円ということで受けているわけであります。
この入札は、局が希望制指名競争入札ということで、局契約をしている。東京都の一千万円以下の委託については、局が原局で契約をするという原則に基づいてやっているということ、そして、希望制指名競争入札が行われているということなんですが、この入札調書を見ると、十者が当初応札をしていて、一者は辞退をしている。
日立プラントサービスは、最安値で札を入れて、結果として、この百五十五万三千百八十円という契約額になっておりますが、一番高い額を入れたところは六百三十万円で応札しているんですね。その他の八者というのも、五百八十万、五百八十万、五百四十万と、そんなレベルであります。
こういうことを考えると、実は応札をした業者さんの最低額と最高額には五倍の差があるんですね。私は、東京都が発注する公共事業については、調査を含めて、できるだけ廉価でしっかり仕事をしてくれればそれでいいというふうに思っておりますが、しかしながら、多分この調査というのは同じことをやるんだと思うんですね。採水をやってもらったのを調査する。同じような分析作業をやるのに五倍の差があるということを考えると、これだけ安い金額で大丈夫かなという、そんな気もしてくるわけであります。
他の県では、委託についても実は最低制限価格を設けているということであります。委託という形、実質委託ですけれども、その他という分類にして、余り低い価格で応札してくるところは、ちょっと品質が確保できないんじゃないかということで、一定金額のラインを最低制限価格ということにして、それ以上で、しかし一番安いところがしっかり仕事をしてくれるのであろうと。
東京都の場合は、この委託については、最低制限価格というのは設けておりません。ですから、一番安いところにやってもらうんだということは、ルール上全く問題はないわけでありますけれども、素朴な疑問として、これだけ、五分の一の値段でやってくれる業者さんというのは、しっかりやってくれるのかな。要は、利潤度外視で実績づくりで、とりあえずやりますよというところもあるんじゃないかという疑問も湧いてくるんですが、こういった状況を見て、この調査の品質確保というのがどのようになされているのか、見解を伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 入札に当たりましては、入札時の特記仕様書に土壌汚染対策に基づく指定調査機関や公定分析機関への登録などの条件を付加しております。そのため、受注者には一定の能力があると認識しております。
○両角委員 一定の資格があるということを条件に応札してもらっているから問題はないんだというご回答であったわけでありますが、実は、この第九回目、今回問題になっている調査結果を出した湘南分析センター、こちらも契約額三百四十七万九千七百六十円ということでありますが、こちらも局の希望制指名競争入札をとっているんです。
この湘南分析センターはもちろん一番安い札を入れてきた。一番高い札を入れた会社というのは、これ九者なんですけれど、九者で一番高いところは千五百万です。一方、この一番安いところを入れた湘南分析センターというのは、二百八十万という札です。五倍の開きがやっぱりあるんですね。
九者中一番下と一番上を除いたほかの七者の状況を見ると、この湘南分析センターが入れた二百八十万に対して、千百万とか、七百七十万とか、七百万とか、六百八十万とか、こういった状況にあるということは、同じような状況が第九回目の調査でもあるんだよということについて、この事実はやはり指摘をさせていただいておきたいと思います。
次に、四回目から八回目、これは一転して、全街区を対象にするのではなくて、今度はやり方を街区ごとに調査をするという方式に変えました。街区ごとに工事を請け負っているJV、ジョイントベンチャーに依頼をして、そして、ジョイントベンチャーが採水の事業者と分析事業者を選定したという形でありますけれど、まず、この採水事業者と分析事業者をJVが選定するに当たって、東京都からは何らか条件をつけていたのか、それともフリーで、そこはもう五街区はこのJVさん、六街区はこのJVさんにお願いするので、あとは採水も調査も独自の裁量でやってくださいということだったのか、条件を何らか付したのか、教えていただきたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 平成二十七年七月に開始した第四回から平成二十八年九月まで採水を行っていた第八回の地下水モニタリング調査は、建築工事や外構工事など多くの工事がふくそうして施工されている中で調査を進めなければならない状況でありました。
調査の採水作業などは、適切な管理のもと正確な作業が求められ、工事の施工と同時並行的に進めるには、綿密かつ十分な工程調整のもとに進める必要がありました。
さらに、工事の進捗が各街区それぞれ異なる状況であり、モニタリング調査を適切かつ円滑に実施するため、各街区の工事を受注していたJVと契約することといたしました。
なお、各JVのもとで、実際に採水や分析を行う協力会社は、それぞれJVが選定を行っており、都の特記仕様書において、分析は公定分析機関で行うことと規定しております。
○両角委員 今ご答弁いただきましたけれど、JVが採水と分析の機関をそれぞれ選定した。そして、今、協力会社といういい方でありましたけれど、東京都との契約関係は全くないんだということであります。
ただ、東京都としては、特記仕様書というのを入れて、そこで公定分析機関、一定の能力があるところを使ってねという指示を出したんだというふうに理解をさせていただきたいと思います。
ところで、この四回目から八回目の街区ごとにJVに頼んだこの調査というのは、実は調査という名称ですが、契約は工事なんですね。工事請負契約。例えば、五街区であれば、豊洲新市場五街区地下水管理施設整備工事請負契約を東京都とこのJVが行って、その工事請負契約の中に分析の委託も入っているという形であります。
そして、この契約は特命随意契約という方法で、競争して行うのではなくて、ここしかできないから、あなたのところにお願いしますよといって、もう指名していった、あなただけよという形で決めていった、行政のやり方でいえば、レアなやり方をしたケースであります。
工事請負契約ということであるので、それぞれ額がすごい大きいんですね。先ほど、例えば分析のサービスで日立プラントサービスであれば、これは百五十万円台の分析の委託費だった。五街区、六街区、七街区の四回目から八回目のそれぞれエリアに分けた調査というのは、十九億、二十三億、二十一億円という大変大きな、巨額になっている。なぜかといえば、これは工事請負契約だからであります。
一般的に、東京都の契約は、東京都契約事務規則にのっとって行われているのは、これは釈迦に説法でございます。市場の契約もそれに準じて行われているわけであります。
私、ちょっと疑義を持ったのは、工事請負契約で調査委託を中に突っ込んでやっちゃうということが、東京都の各部局で一般的に行われているのかということなんですね。
そこで、昨日、財務局の契約担当の課長さんに、こういうことを幾つか確認させていただきました。契約担当の財務局の考えとしては、工事請負契約の中で委託業務をやるというのは原則ではありませんと。しかしながら、特記仕様ということで、しっかり特記を入れていれば、それはあり得ないことではありませんということでありました。
通常は東京都の業務で、これだけ大きな工事に、先ほど来、ご質問のやりとりの中で、じゃ、幾らが調査の部分で幾らが採水の部分かというのはわからないわけですよね。それは答えられないと。要は工事という中で、ぼんっという中で調査もやっておいてねというような契約は、レアなことだと思うんですが、このやり方について、契約事務規則上、妥当だと思いますか。この点について伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ご指摘のとおり、第四回から第八回までについては、各街区とも地下水管理施設整備工事に含めて契約をしております。
モニタリング調査については、多くの工事がふくそうする中、各街区に六十カ所以上あるモニタリング井戸において、パージ作業や採水など時間を要する現場作業を適切に実施する必要があったため、工事と一体的な管理のもとに進める必要がありました。また、モニタリング調査は、三カ月に一度、採水から分析までを効率よく進める必要もありました。
このように、モニタリング調査は、地下水管理システム整備工事にあわせてJVが行う以外に対応できないものであることから、工事の特記仕様書において規定したものであり、適切に対応していると認識しております。
○両角委員 今ご答弁いただきましたけど、特命理由にもそんなようなことが書いてありますよね。ここしかできませんよという特命理由です。
行政の原則である一般競争とか、競争の入札ではなくて特命理由でやったというのは、実は今大規模な工事が動いていて、その中で採水とか調査をやるのは非常に細心な工程管理が必要だから、今やっているところしかできないんだ。これが市場の理由であります。
簡単にいうと、工事の進行管理上、ほかのところだと難しいですよ。採水から分析まで効率よく進めるんですよ。これはいい方を変えると、工事都合ファーストであります。本来であれば、調査は調査ファーストでなくてはいけないと都民ファーストの私は思う。このようにすべきだったんではないかと思うんです。
そこで、次に伺いたいのは、この四回から八回については、各街区ごとにエリアを分けて調査を発注して、工事の中でですけど、そして、この調査というのを受けたのはJVであった。JVは、ここに、五街区については鹿島建設を頭とする共同企業体、六街区は清水建設を頭とする共同企業体、七街区は大成JVということでありますが、実は、土を入れかえたりする土壌汚染対策工事というのを大変な費用をかけてこの市場はやってきた。約八百五十億円をかけてやってきた。その土壌汚染対策工事をやったのはどこかといえば、五街区は、今回のこの五街区の工事、すなわち調査を請け負った鹿島JVでありますし、六街区は、今回のこの六街区の工事、すなわち、この調査、採水、分析も行った清水のJVが土壌汚染の工事をやった。そして七街区については、今回の七街区の工事及び採水と分析を行った大成建設を中心とするJVが土壌汚染工事も行っていた。すなわちこの……(発言する者あり)まあまあまあ、全くイコールなんです。全くイコールなんですね。土壌汚染工事をやったところが調査をやっているということです。
こういうことを考えると、一般的には、一般の方から見ると、これは公正な調査の妨げになる。すなわち、利益相反に当たるのではないか、このように考えてしまうわけですけれど、こういった工事を受注したゼネコンが中心となっている全くイコールのところに当該エリアの地下水モニタリング調査を依頼したのは、不適切ではなかったのかというふうに考えるわけでありますが、見解を伺います。
また、こうした関係での調査が、結果として調査結果に影響を与え得るということを危惧するわけでありますけれど、その可能性についても、あわせて見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどもご答弁差し上げましたが、地下水モニタリング調査は、建築工事や外構工事など多くの工事がふくそうして施工されている中、調査を進めなければならない状況であったことから、綿密かつ十分な工程調整のもとに進める必要がございました。
さらに、工事の進捗は各街区それぞれ異なる状況にあり、モニタリング調査を適切かつ円滑に実施するため、各街区の工事を受注していたJVと契約することといたしました。
調査を適切に行い、正確な作業を求めるために綿密な工程管理が必要であり、モニタリング調査を軽視したということではございません。
調査に当たっては、採水に都の監督員が立ち会うか、立ち会えない場合は写真による資料などで状況を確認するとともに、国のガイドラインに準拠するよう指導することで調査結果の精度を担保しております。
また、いずれの分析結果についても、計量法に基づく計量証明書が発行されていることをもって、分析が適切に行われていたことを確認しております。
今後は、専門家会議の関与のもと、調査内容等について確認を行ってまいります。
○両角委員 ご答弁では、工事の進捗管理上、あるいは結果としても計量証明書が発行されていて、適切な調査が行われているんですよというお答えだったんですが、今回の第九回目の調査結果が何もなくて、二年間のモニタリングが例えば全部終わって、全て不検出という形で、土対法上の台帳から外されて、そして、今まで専門家の先生がおっしゃっているように、地上部分の安全に対して、さらなる安心が確保できていると胸を張れるような状況であれば、その論は通じるんですが、事一旦こういうような事態に陥ったときに、調査が利益関係者で回しているというようなふうに見られると、これは信頼性を著しく失ってしまうんではないか。
少なくても採水だけは、じゃ、ゼネコンが皆さんの市場の関係者のしっかりした立ち会いの中でやって、調査は東京都が選んだ別の調査機関でやるというふうにすべきで、そうしてあれば、今このようなことが議論にならなくて、もっと過去の調査結果というのは公平性があるんだというふうに見られたと思うということは指摘をさせていただきたいと思います。
続いて、九回目の調査は、また一転、これはまたもとに戻って、全街区を対象として一者にお願いをしています。なぜここでまた全街区一者に戻したのか。また、この全街区一者、プラス採水と分析も分けないで一者に、湘南分析センター一者が全てを請け負ったわけなんですが、そういう発注形態をとった理由を伺いたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第九回につきましては、各街区の主要な工事が完了し、工程調整などの制約がないため、全街区一者で、かつ採水と分析もあわせて実施することといたしました。
○両角委員 今第一回目から九回目まで、いろいろなやり方、それぞれ街区ごとにやったり、全体でやったり、採水と分析を分けたり、一体のところにお願いをしたり、あるいは、契約の手法として、工事の中でやったり云々という話をるるさせていただきましたが、それぞれに対して市場からご答弁いただきました。
それなりに理由があるということなんですが、実際にこの土対法を所管する部局としては、今のような考え方はどうなのかなということを環境局に聞きたいんですけれど、この地下水モニタリング調査というのは、二年間を一つのスパン、期間として時系列で調査データをもうずっと見ていくという調査だというふうに私は理解しています。
そういった調査の場合は、他の調査も全部そうだと思うんですね、他の調査でもそうです。要は理系じゃなくて文系の調査でもそうなんですね。調査で何かを一定の期間比べる場合は、他の条件を制御して一定に保つというのが、これは常識なわけであります。
バイアスを抑えるようにするという必要があると思うんですけれど、そういった意味でも、私は、当初の一回目から九回目までを、全街区を同一の対象エリアとして、同一の調査会社が採水も取水も同じ条件で実施すべきであったのではないかなと思います。
場合によっては、そこに二者かましていけばいいんですね、ダブルチェックとする意味で。私はそのように思うんですが、今回、中央卸売市場が実施をしたモニタリングの調査というのは、全くそういうやり方ではありませんでした。
この私の考え方に対して、中央卸売市場が実施をしてきたこのやり方について、環境局としてはどのように評価をしているのか、見解を伺いたいと思います。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 一般論といたしましては、複数年にわたる調査において、調査会社が変わる場合には、継続性の観点から一定の配慮が求められると考えられます。
今回、市場が実施したモニタリング調査については、専門家会議の管理のもと、再調査やヒアリング調査が実施されることとなっており、現時点で環境局としての評価は差し控えたいと存じます。
○両角委員 今、環境局としての見解が述べられましたが、結論としては、まず前提として、一般論としてと断っていただきましたが、継続性の観点から、こういった複数年にわたる調査では、一定の配慮が求められると考えているんだ、こういう答弁でありました。
これは私、この都庁官僚答弁を解釈すると、市場の調査のやり方というのは問題があるんじゃないんですかというふうに一般論としていっていると。局長、今、環境局は直接はいっていないですよ。でも、私はそう解釈しました。しかしながら、そこまでいえないので、現時点では評価は差し控えたい、こういうことが環境部署の答えなんですよ。
今後、じゃ、どうしていけばいいのかということを伺いたいんですが、過去の検証をするに当たっては、調査の報告書も当然あるでしょう。写真等資料もあるでしょう。しかしながら、採取したサンプルを再調査できれば本来的に一番いいんだろうと思うんですが、過去調査のサンプルの保存状況はどうなっているか確認をしたいと思います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 サンプルの保存については特に規定がありません。
第一回から第八回は調査会社において保存していないと聞いております。今回のサンプル、第九回目については保存をしております。
○両角委員 サンプルは保存していないということでありました。
そこで、環境局に伺います。こうした調査では、通常サンプルはどの程度の期間保存するものなんでしょうか。二年間モニタリングであれば、調査終了まで全サンプルを保存すべきかななんていうふうに素人考えでは思いますが、環境局のお考えを伺います。
○近藤環境局環境改善技術担当部長 土壌汚染対策法や、そのガイドライン等では、サンプルの保存期間に関する規定はございません。
通常、分析会社では、水質分析の作業完了後から分析結果を確定させ、計量証明書を発行するまでの期間を含めて、二カ月から六カ月の間、サンプルを保存している例が多いと聞いております。
なお、ベンゼン等の揮発性の高い物質については、サンプルの保存をしても、再分析に耐えられるものではありません。
○両角委員 今、環境局の方からお話をいただきましたが、サンプルは保存していなくていいんだということですね。特にお水でありますから、なかなか保存が難しいということと、特にこういったベンゼン等の揮発性の高い物質については、再分析には耐えられないということであります。
というのが今の現状ですから、では、今後の検証はどうやっていくのかということを考えていかなくてはいけない。要はもうサンプルはないんです。
そこで、今後、過去の調査の妥当性の検証は、こういった状況の中で、どのように進めていくつもりなのか。そのときに、この検証の正確を期すために、どのような工夫をしていくつもりかを伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 過去の調査の検証に当たっては、専門家会議の指示のもとで環境局職員にも立ち会いを依頼し、関係書類の確認や受託会社などへのヒアリングなどの検証作業を進めてまいります。
○両角委員 関係書類の確認や会社へのヒアリングということであります。状況証拠を確認していくということになっちゃうんですけれど、しかし、今こういった状況の中で、それをしっかり環境局も含めてオール東京都で対応していただくことは、信頼性をきちっと確認する作業なんだということを肝に銘じて進めていただきたい、このように思います。
ところで、昨日から専門家会議の指導のもとに再調査がスタートいたしました。
そこで伺いたいと思うんですけれど、再調査によって、その結果がどのような状況になれば、すなわち、どのぐらい、何回ぐらいどういう状況が続けば、この地下水の状況というのは把握できて判断ができるんですよという形になるのか。ここが多くの市場関係者も、我々も、都民も知りたいところではないか、このように思います。
それを伺いたいと思います。過去の調査結果の検証、そして、再調査をした結果の突き合わせについては、どのように考えているのかを伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査の目的は、今回のモニタリング結果における過去調査との大きな乖離が生じた原因を究明するとともに、豊洲市場用地の地下水の現状を把握するために行うものであります。
再調査の結果が出ていない現段階において、再調査の結果と地下水の状況とを結びつけてお話しすることはできませんが、いずれにしても、再調査を専門家会議の管理のもとで実施し、その結果を専門家会議で評価、検証を行っていただきたいと考えております。
○両角委員 今回、このような数値が出て、この状況、これからどうなっていくのかということについては、都民のみならず、全国の国民も注視をしているということをしっかり肝に銘じていただいて、市場の皆さんも正念場であるというふうに思いますけれど、オール東京でしっかり取り組んでいただくように要望いたしまして、質問を終わります。
○小松委員 質問に先立ち、木内議員のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
最後の質問者となりまして、一部質問がダブってしまうかもしれませんけれども、円滑な進行のため、努力したいと思いますので、どうぞご容赦くださいますようお願いいたします。
小池知事が就任して、豊洲への移転延期を決めた理由の一つが、そもそも全九回のモニタリング調査がまだ終わっていないからというものでした。当時の段階では、全て問題なしという調査結果が出ていた時期であり、その時点では最後の調査となるはずだった、この九回目、ここで、このような、驚くような数値が検出されるとは恐らく誰も想像していなかったと思いますけれども、豊洲の開場前にわかってよかった、間に合ってよかったというのが多くの人の感想だと思います。
豊洲という、問題の多い、いわゆるいわくつきの土地に、そもそもなぜ移転が決まったのかという問い直しが始まったとの感があります。移転を決めた当時の石原都知事は、この土地の履歴から移転先としてふさわしくないという意見があったものの、それを退け、議会に対しても、市民に対しても、最先端の環境技術を尽くして徹底的に汚染を除去する、浄化を図ると約束しました。
移転方針を認めた議会も同罪だといわれておりますけれども、少なくとも、その約束を果たすことを条件としての可決であったはずです。また、少数ではありましたけれども、最後まで反対した会派もありました。
約束を果たすための環境対策を専門家会議に諮り、そこで提案されたのが、汚染土壌は全て浄化して、AP二メートルまでの表土は全て除去、地下水も遮水壁によってほかから浸入しないようにした上で、敷地内の地下水はくみ上げて浄化する。もし土壌や地下水に浄化し切れずに汚染が残ったとしても、盛り土によって封じ込め、地下水もくみ上げて管理するという、こういう対策でありました。
この対策は完全には実行されなかったわけです。盛り土によってふたをするはずがなされず、残った汚染が地下水とともに上がってこないように水位をAP一・八メートルで管理するはずが、これもかないませんでした。
この時点で約束はほごにされたわけですから、約束履行が条件であった移転整備事業は既にアウトだと思います。しかし、何千億もかけてつくった建物を廃墟にするに忍びず、セーフとするかどうかは、現在の環境状況の評価次第ということになっています。
すなわち、専門家会議が提言した環境対策をとらずに施した土壌汚染対策が、結果として、都民の安全・安心にかなうものであるかどうかを検証する役割を専門家会議は負っています。
さらに一方で、プロジェクトチームがセカンドオピニオンを出すとし、この二つの報告を踏まえて、知事が、知事が開場の是非、そして時期についての判断をすることとなっています。でありますがゆえに、専門家会議の検討及びプロジェクトチームのセカンドオピニオンは重責を担っているということです。
ところが、約束どおりに土壌も地下水も浄化されていれば出るはずのない汚染物質が、八回目と、そして九回目のモニタリング調査で検出されました。九回目の数値は環境基準値の最大七十九倍。盛り土といい、地下水管理といい、対策上の約束が守れなかったことに加え、最低、環境基準を満たすという結果としての約束も守れなかったのですから、これは救いようがなく、アウトといわざるを得ないと思います。
質問ですが、汚染物質の基準値を大幅に上回る検出はゆゆしき事態と思います。都も同様に捉えておられるのか、まず伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果は、これまで第一回から第八回までの調査結果と比べ、急激に変動している箇所が多々あり、調査内容等の確認を行っていることから、暫定値として公表したものであります。
専門家会議においても、これまでの調査結果と大きく乖離し、現時点で評価できないことから、専門家会議の管理のもと、昨日より再調査を実施しております。
再調査の結果については、次回の専門家会議で評価、検証する予定であり、都としては、その結果を踏まえて適切に対応してまいります。
○小松委員 七十九倍、七十二カ所という数字には驚愕するしかなく、都としての認識を伺ったつもりだったんですけれども、評価を全て専門家会議に預けているというのは、責任転嫁と見えてしまいます。
これまでと余りにも違っているので受けとめ切れないということだとは思いますけれども、だからといって、暫定値として先送りすることは、都民の不信感をさらに大きくさせることが懸念されます。まずは都が真摯に受けとめ、危機感を持って対応すべきと考えます。
今回検出されたベンゼン、シアン、ヒ素の値、その毒性はどの程度のものなのか、どのような環境影響や健康への影響が考えられるのか、揮発によって建物の内部にも侵入して生鮮食品への汚染につながることがないといえるのかどうか、お伺いします。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、豊洲市場においては、地下水の飲用や人が有害物質を含む汚染土壌に直接触れることがないため、健康への影響は生じないとしております。
また、建物内部について、専門家会議では、地上部分と地下部分を分けて評価しており、建物一階部分では、これまでの調査において、環境基準値の超過は検出されていないことから、現状において問題はないとしております。
○小松委員 きょう何度もお伺いしたご答弁でしたが、現状において建物一階から問題は出ていないとしても、将来どうなるのかが知りたいところなんです。
今後、建物の経年劣化などの中で、ひびやすき間が生じることはないと断定はできないと思います。もし汚染があっても、ふたをするはずの盛り土がなかったことも、この懸念に拍車をかけます。現に地下ピットの空気からは水銀も出ています。地下ピットの空気の測定頻度など、これまでにも増して測定を密にすべきだと考えます。
存在しているものが検出方法の不適切や不手際によって検出されないということはあるかもしれません。しかし、ないものが検出される、数値となって示されるということはあり得ません。しかも、急激な右肩上がりの上昇が一、二カ所などではなくて七十二カ所もの多くのポイントで検出されており、汚染が現実に存在していると認めるべきではないのでしょうか、確認します。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第四回の専門家会議において、平田座長は、現時点ではこの結果を評価することはできないため、検証していく必要があるとされております。
このため、専門家会議の管理のもと、昨日より再調査を実施しております。
○小松委員 専門家会議は、今回の結果を説明ができないとして、今回の数字を暫定値なる仮の値としました。暫定値とはそもそも何か。暫定値として扱うことの意味は何でしょうか。伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の調査結果は、第八回までのデータと比べ、急激に変動している箇所が多々あり、試料の採取方法などについて確認中のため、暫定値といたしました。
専門家会議においても、これまでの調査結果と大きく乖離しており、評価できないことから、暫定値として取り扱うことについて妥当であるとされております。
○小松委員 暫定値とは、辞書によれば、正式な値ではなく、一時的な目安などとして、臨時に設定された値とありました。たとえ正式としようがしまいが、一旦検出された事実は記録として残ります。
ないものがあるとして検出されることの方があり得ないという常識が正しいとすれば、これまで一回から八回の数字の方を疑うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水モニタリング調査においては、都の監督員が採水時に立ち会うか、立ち会えない場合は写真や資料などで確認しております。
分析については、計量法に基づく計量証明書の発行をもって適切に行われたことを確認することとしております。
今後、専門家会議の関与のもと、再調査や業者へのヒアリング、資料の確認などを行ってまいります。
○小松委員 一回から八回までの検査結果を検証し直すべきだと思いますが、先ほど来、サンプルは保管していない、過去の検査のやり直しはできないということを伺いました。
サンプルを、例えば瞬時に冷凍保存すればよかったのではないかなどと素人ながらに思ってみるわけですが、今さら不可能でありますし、調査を担当した当事者への聞き取りと、そして全ての記録、資料の再検証がポイントになるかと思います。
揮発性の物質は空気に触れた瞬間から空気中に拡散してしまうので、たとえサンプルがあっても、今回の九回目のサンプルですね、保存してあっても、再検査の検体としては適当ではないということも伺いました。
では、過去八回の調査の調査機関と分析機関に対して、調査方法などを問う、調査方法などについて確認するヒアリングは行ったのでしょうか。それぞれの機関はどのようなコメントを述べたのでしょうか。伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から第八回までのモニタリング調査については、今後、専門家会議のもとで調査内容の確認を行ってまいります。
具体的には、調査報告を初めとした関係書類や施工を記録した写真などを確認するとともに、受託会社に対して、環境局立ち会いのもと、ヒアリングを行ってまいります。
○小松委員 ヒアリングや調査をこれから行っていくと伺いました。今回を暫定値として調査のし直し、これを、三月に結果を出すために二十九カ所に限定して行うと伺っています。
この二十九カ所ですが、私もこれでは不足だというふうに考えます。早く結論をといっていた事業者でも、今回のような事態となった今では、厳密な再調査が実施されることを望んでいるのではないでしょうか。むしろ必要な時間をかけて、全地点で再検査すべきと考えます。この見解については先ほど伺いましたので、ここでは要望といたします。
再調査の結果、さらに違う傾向の値が出た場合、複数の検査機関に委託して、それぞれ違う値が出た場合、どちらもあり得ると思いますが、違う値のどれを信じるのでしょうか。伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 再調査の結果については、三月開催予定の専門家会議にて審査していただくこととしております。
○小松委員 これも専門家会議に委ねているので、都としては、今答えられないということでした。
平田座長も、当時、濃度が変動しながらだんだんに数値が下がっていくというふうに予測を述べておられたわけですけれども、もしそうであるならば、変動する数値のどれかを信じるということにはならず、かなり長期にわたって数値の変動、変化の傾向を見る必要があるのではないかと思います。どのくらいの期間を考えておられるのか伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回実施しております二十九カ所の再調査の結果については、次回の専門家会議で評価、検証する予定でございます。
都としては、その結果を踏まえ今後の対応を検討してまいります。
○小松委員 二百一分の二十九という極めて部分的な再調査の結果をもって、変動する数値の変化の傾向が評価できるとは考えにくいです。数値が高く出たとしても低く出たとしても、その結果を踏まえての今後の対策はさらに広範囲に調査を繰り返すということになるのではないかと思います。
土壌汚染対策法上も二年間環境基準を下回る状態が安定して継続することが求められているのであって、相当の期間のモニタリングが必要と考えます。
環境対策として約束された盛り土ですが、土壌汚染は除去するものの、もし除去し切れなかった場合でも、汚染が地上に上がってこないように封じ込めるための対策でありました。
今回の結果から、このように実際に汚染が残っているとすれば、封じ込めはより重要な対策だったといわざるを得ません。盛り土がなかったことの環境影響は非常に大きい。そして、盛り土がない状態で環境影響評価をクリアすることは難しいのではないかと考えます。
地下水水位の管理は、処理し残した有害物質が地下水にまじって上がってこないように、汚染処理後の状態を継続させるための重要な対策でした。
前回質疑で、水位が高い状態が続いたことで、盛り土部分が再汚染されたのではないかとの懸念を質問いたしましたところ、揚水、復水を繰り返したので、汚染は基準値以下に除去されているとの答弁でした。
しかし、今回、汚染が検出された現状を踏まえ、再度同じことをお伺いしますが、先ほども質問があったところではありますけれども、再汚染されたことが懸念される、このことについての都の見解を改めて確認します。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、今回の調査結果がこれまでの調査結果と大きく乖離し、評価ができないことから、昨日より再調査を行っており、都としては、この結果を踏まえて適切に対応してまいります。
○小松委員 地下水汚染が事実であるなら、水位が高い現状ですから、盛り土の再汚染を疑う根拠は十分にあると考えます。盛り土の再汚染の調査、あるいは盛り土がないところへは、砕石の有害物質が付着していないかの検証を求めるものです。
前回の質疑で、周りの遮水壁や下の不透水層の信頼性についても質問しました。例えば不透水層に切れ目があって、その下の汚染が上がってきているという懸念は本当にないのか、これまでにない汚染物質の数値がどこに由来しているのか、さらに、下から上がってきている可能性も検証し直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほども答弁したとおり、専門家会議では、現在、再調査を行っているところであり、都としては、この結果を踏まえて適切に対応してまいります。
○小松委員 遮水壁と不透水層が万全であれば、ここの敷地は大きなプールのような構造であることとなります。であれば、降った雨の量とくみ出した水の量は、ある程度の相関関係がある、相関するはずであると考えます。
降った雨の浸透割合など、水収支の考え方がありますが、この考え方を用いれば、遮水の信頼性を確かめられるのではないか。また、水収支の考え方で適切な予測ができており、これに基づく地下水管理が行われていれば、今日の水位が高過ぎる問題は起こらなかったと考えます。
専門家会議は、水収支の考え方をもって、遮水、そして地下水管理の対策を検証すべきと考えますが、見解を伺います。
○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 遮水壁の有効性については、第三回の専門家会議において確認しております。
なお、建物部分や舗装に降った雨の多くは下水道管に放流するため、降雨量と揚水量とは相関するものではございません。
○小松委員 環境対策上の約束であった盛り土、そして、地下水管理がなされていないことは重大な瑕疵です。約束どおりの対策を行わなくても、結果として環境水準が確保されているならばともかく、そちらも環境基準を大幅に超えた数値が出ては、二重の約束違反といわなければなりません。都民がこれを許すのかどうか、都民の新市場の安全・安心への評価について、都民の声を真摯に聞くべきです。
大きな数値が出ているにもかかわらず、これを暫定値として評価を先送りにしましたけれども、ないものが出ることは考えられず、一度でも出た数値は重く捉えるべきです。これを補うどんな追加対策も思い描くことはできそうもありません。
裏切られた都民の信用は、次の調査で値が低くなろうと、どれだけ安全ですと専門家会議がいおうと、都知事がいおうと、みんなで水を飲もうと、回復することは困難です。誰もお魚を買いには来ないと思います。
豊洲は施設がほぼ完成してはいますけれども、諦めるしかないと思います。豊洲市場への移転については、白紙撤回を含む抜本的な見直しを求めるものです。白紙撤回した場合の損害、責任の所在について、正面から向き合う必要があると考えると申し上げ、質問を終わります。
○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時五十一分散会
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