豊洲市場移転問題特別委員会速記録第五号

平成二十八年十二月二十七日(火曜日)
第十二委員会室
午前十時三十分開議
出席委員 二十三名
委員長山崎 一輝君
副委員長上野 和彦君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長三宅 正彦君
理事伊藤こういち君
理事尾崎あや子君
理事和泉 武彦君
理事中村ひろし君
理事田中たけし君
理事崎山 知尚君
菅野 弘一君
栗林のり子君
松田やすまさ君
小松 久子君
田中 朝子君
両角みのる君
島崎 義司君
木内 良明君
桜井 浩之君
かち佳代子君
曽根はじめ君
宇田川聡史君
酒井 大史君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事新市場整備部長事務取扱福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務金子 光博君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
移転支援担当部長長田  稔君
新市場整備調整担当部長井上 佳昭君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長赤木 宏行君
基盤整備担当部長村井 良輔君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
総務局局長多羅尾光睦君
次長理事兼務榎本 雅人君
総務部長小暮  実君
都政改革担当部長池上 晶子君

本日の会議に付した事件
豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う。
報告事項
・市場問題プロジェクトチームによる青果部関係者へのヒアリングについて(説明・質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第四回会議)について(説明・質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第三回)について(質疑)
・市場問題プロジェクトチーム(第三回会議)について(質疑)

○山崎委員長 ただいまから豊洲市場移転問題特別委員会を開会いたします。
 これより豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
 なお、本日の委員会には、お手元配布の名簿の理事者が出席をしておりますので、ご了承願います。
 それでは、理事者から、市場問題プロジェクトチームによる青果部関係者へのヒアリングについて及び市場問題プロジェクトチーム(第四回会議)について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○池上総務局都政改革担当部長 私からは、お手元に配布しております資料1、市場問題プロジェクトチームによる青果部関係者へのヒアリングについて及び資料2、市場問題プロジェクトチーム(第四回会議)についてご説明いたします。
 恐れ入りますが、資料1の一ページをごらんください。
 本件は、十二月十四日に実施したヒアリングでございますが、これは、十一月十五日に開催いたしました築地市場内の事業者へのヒアリングにおいて、青果部関係者の方々が日程の都合で出席できなかったため、改めてヒアリングの機会を設けさせていただいたものでございます。
 ヒアリングでは、築地市場青果部の団体からの推薦者及びインターネットの抽せんにより選ばれた築地市場青果部の業務従事者の方々にご参加いただき、豊洲市場の施設の安全性、機能性などについて貴重なご意見をいただきました。
 ヒアリング参加者から出された主な意見についてご説明申し上げます。
 総括的な意見として、知事に安全宣言してもらい、風評被害を払拭してほしい、開場時期は少しでも早く提示してほしいなどといったご意見がありました。
 豊洲市場の機能性については、使い勝手は、使ってみて初めてわかる、使いながら検討して修正していくものと考えているなどといったご意見がありました。そのほかにも、仲卸店舗の電気容量が三十アンペアでは不足するといった意見もございました。
 続きまして、第四回会議の概要についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料2の一ページをごらんください。
 十二月二十一日に開催しました第四回会議では、豊洲市場の施設の安全性、機能についてというテーマで、1、検討事項にございます温度管理、コールドチェーンや衛生管理、働きやすい施設についてなどを審議いたしました。
 会議では、2、中央卸売市場からの説明にありますとおり、中央卸売市場から、豊洲市場の品質、衛生管理の基本的考え方やHACCPなどについて説明がなされ、その後、質疑を行いました。
 二ページをごらんください。主な質疑事項についてご説明申し上げます。
 まず、(1)、計画上の市場取扱数量について、豊洲市場の施設整備計画では、市場取扱量が、水産物で一日当たり二千三百トン、築地の一・三七倍、青果で一日当たり千三百トン、築地の一・一九倍となっているが、それは、建物設計にどのように反映されているのかという質問が専門委員から出ました。
 これに対して中央卸売市場からは、目標取扱数量は、平成十六年の豊洲新市場基本計画策定時に定めたものであること及び目標取扱数量の増加要素として十分な駐車スペースの確保や閉鎖型による品質管理面での優位性などがあること、設定根拠について次回までに整理するといった旨の説明がありました。
 続いて、(2)、低温管理施設の費用対効果について、ランニングコストを抑えるためには断熱性能を上げる必要があると思うが、どう検討されたのかという質問が専門委員から出ました。
 これに対して中央卸売市場からは、コスト面の検討経過について次回までに整理する旨、説明がありました。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○山崎委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑は、既に説明を聴取しております「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第三回)について外一件の報告事項とあわせて一括して行いますので、ご了承願います。
 「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(第三回)について外一件の説明を聴取した際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松永中央卸売市場管理部長 去る十二月十三日に当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます豊洲市場移転問題特別委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくりいただきまして一ページをごらんください。
 豊洲市場における排水対策等工事につきまして、案件ごとに、件名、工事概要、契約年月日、契約金額を一覧としてお示ししてございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料についての説明を終わらせていただきます。どうぞご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○山崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより報告事項四件に対する質疑を一括して行います。
 この際、一言申し上げます。
 委員の皆様方には、本日の質疑に際しまして、極力重複を避けていただき、効率的かつ円滑な委員会運営にご協力をお願いしたいと思います。
 また、質疑の内容につきましては、本日議題となっております報告事項の範囲内としていただきますよう、ご協力をお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○松田委員 まず、移転に向けてさまざまな努力をされております中央卸売市場の皆様方、そして総務局の皆様方に感謝を申し上げて、質問に入ります。
 我々都議会自民党は、豊洲市場への移転について、都民の食を支える市場施設という特性を踏まえて、都民に対して、安全に加えてさらなる安心を積み重ねることが大切であると考えておりまして、こうした観点に立って、この特別委員会や本会議、経済・港湾委員会などを通じて、東京都に対してさまざまな取り組みを求めてまいりました。
 年末を迎え、これまで移転に向けて準備を進めてきた市場業者の方々は、移転延期に伴って非常に厳しい経営環境に直面をしており、豊洲市場の早期開業に向けては一刻の猶予もありません。専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおける検証をもとに、小池知事による安全宣言を一日も早く出していただき、ともに前に進めていかなければならないという立場から質疑を行ってまいりたいと思います。
 初めに、土壌汚染対策についてお伺いします。
 土対法は、土壌汚染があるということ自体がリスクと捉えているのではなく、それを我々が摂取する可能性がある、これをリスクとして捉えた上で必要な規制措置を定めております。このことは、さきの特別委員会において、我が党の和泉理事の質疑でも確認させていただいたところであります。
 改めて確認をさせていただきますが、豊洲市場においては、土壌汚染対策法の求める対策が的確に行われているという認識でよろしいでしょうか、都の見解を求めます。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地における土壌汚染対策は、法に基づき環境局に届け出を行い、汚染土壌の掘削除去や処理、工事中の拡散防止などを実施しております。また、用地全体で関係者以外が汚染土壌に触れることがないような措置を講じており、地下水の利用も予定しておりません。
 こうしたことを踏まえ、豊洲市場用地の土壌について、特定有害物質による汚染の把握や健康被害の防止に関する措置を定めた土壌汚染対策法上の対策が的確に実施されていることを、環境局に既に確認していただいております。

○松田委員 都の行ってきた対策が、土壌汚染対策法に基づいて的確に講じられているということを改めて確認させていただきました。
 都はこれまで、市場施設における安全と安心をより高いレベルで実現することを目指して土壌汚染対策を講じてまいりました。これまでの都の取り組み状況を正しく理解した上で、専門家会議における検証を見定めながら、冷静な議論を積み重ねていくことが必要であります。
 次に、空気や地下水の測定状況についてお伺いをさせていただきます。
 まず、市場施設の地上部分の空気はどのような測定結果になっているのか、お尋ねをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 市場施設については、建物一階と屋外において空気測定を行っておりますが、これまでの調査において基準を超過した測定地点はございません。

○松田委員 要は、食品を取り扱う店舗や屋外では基準超過はないということであります。つまり、基準を、わずかではありますが超過した測定結果になっているのは、あくまでも建物の地下部分ということになります。先般の和泉理事の質疑でも、この地下部分は、一般の人が入ることもさわることも、ましてやその水を飲むようなこともないということを確認させていただきましたが、では、こうした建物の地下部分に関しては、そもそも環境基準や指針値を計測するべき場所なのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 国の告示によれば、環境基準は、一般公衆が通常生活していない地域または場所については適用しないこととされております。地下ピット内や道路下の観測孔は、通常人が立ち入る場所ではないため、いわゆる一般環境を測定する地点とは性質が異なります。

○松田委員 一般環境を測定する地点とは性質が異なると今ご答弁いただきましたが、では、なぜこうした地下部分まで空気や地下水を計測するのでしょうか、お伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 生鮮食料品を取り扱う豊洲市場においては、食の安全・安心の確保が最優先の課題であることから、安全を確保した上で安心につながる取り組みを積み重ねるという観点に立って、専門家会議の指示のもと、地下ピット内の安全性を検証するため計測を行っております。

○松田委員 さらなる安全の確保という観点から検証が進められるということを確認させていただきました。
 食の安全・安心の確保が重要であることは当然のことであります。都民の信頼回復のためには、安全を確保した上に、さらに安心を積み重ねていくことが必要であります。先ほども申し上げましたが、飲み水基準とメンテナンスのとき以外は人が立ち入ることのない地下の水と、同じように論じるのは、これは批判のための批判でありまして、我々は、正しい情報を科学的な検証に基づいて見える化することによって、都民に、そして全世界に、安心で安全な豊洲新市場を小池知事とともにPRしていかなければなりません。
 続いて、具体的な測定結果について確認をしたいと思います。
 まず、地下ピット内の空気から水銀が検出されたということですが、空気測定結果の詳細はどのようになっていますでしょうか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下ピット内の空気中の水銀は、濃度が低下傾向にあり、換気後の指針値超過箇所は、五街区の一番の地点一カ所となっております。

○松田委員 今ご答弁の中で換気という言葉がありましたが、換気をされたことによって測定値はどのように変化したのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 換気直後、五時間後でございますが、水銀の測定値は、いずれも指針値を下回っております。換気一週間後では、五街区の一カ所で指針値を超過する結果となりましたが、この結果から、換気の有効性が確認されたものと評価されております。

○松田委員 換気をして下回って、そして一週間後また少し上回ったというお話であります。これは換気の効果を確認させていただきました。
 そして今、指針値という言葉がありましたが、指針値については、さきの質疑の中で、一生涯にわたって摂取しても健康への有害な影響を受けないであろうと判断される値とのことですので、つまり、豊洲の地下に一生住むということは考えられないことです。そこにおいても、換気をすることによって指針値以下、つまり、そこに一生住んでも健康に被害がない状態になったということであります。こういったところでも正しい情報を丁寧に伝えていくということは大切なことであるというふうに考えております。
 その上で、五街区の測定地点の一カ所で水銀が指針値を超えたとのことですが、専門家会議では、今回の測定結果をどのように評価されているのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下ピット内の空気中の水銀については、指針値を超過しておりますが、地下ピット内は通常施錠されております。一般の立ち入りが制限されている状況にございます。
 また、指針値は、長期的な暴露リスクという観点に立って設定されており、かつ地下ピット内で検出されている量は微量であるため、一時的に暴露することがあったとしても、直ちに人体に影響を及ぼすものではないとの見解が示されております。なお、地下ピット内に立ち入る場合には、酸素欠乏症等防止規則に基づいて必要な換気を行うこととされており、健康に与える影響はさらに低減するものと考えております。
 専門家会議からは、今回の調査によって換気の有効性が確認されており、今後、地下のたまり水を排水した上で再度計測を実施するよう指示されております。

○松田委員 暴露リスクという言葉、なかなか聞きなれない言葉でわかりづらいのですが、さわったり食べたり、そこに触れたりする量、どのぐらいでリスクがあるかと、そういったことだと思いますが、なるべくわかりやすい言葉でご答弁いただきたいというふうに思っております。
 換気が有効であるということは、今ご答弁で確認をさせていただきました。ただ、この換気前後の測定値の変化、いただいた資料で見させていただきますと、地下ピット内の空気と外気とのベンゼンの測定結果について一つだけ疑問があります。
 地下ピット内のベンゼンは、なぜか換気後に数値が上昇しております。換気後に地下ピット内のベンゼン濃度が上昇しているのはなぜなのか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、換気により、屋外の空気中に含まれるベンゼンが取り込まれ、上昇したものと推定しております。なお、測定結果は、いずれも基準値を下回っております。

○松田委員 外気が取り込まれた結果として数値が上昇するということは、豊洲の地下のピット内よりも外気、外の空気の方がベンゼンの濃度が高いということでよろしいのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 換気一週間後の調査の際、屋外のベンゼン濃度は〇・〇〇一五ミリグラム・パー・立方メートルから〇・〇〇二四ミリグラム・パー・立方メートルとなっており、おおむね地下ピット内よりも高くなっております。専門家会議では、換気により屋外の空気中に含まれるベンゼンが取り込まれ、上昇したものと推定されております。

○松田委員 地下ピット内の空気や、外気、外の空気のいずれにおきましても、ベンゼンが環境基準を超えているわけではありませんので測定結果を問題視するつもりはありません。
 現状では、地下ピットがまるで危険な場所であるかのように認識をされている部分がありますが、実際には一般環境と変わらない水準であるということを今、確認させていただきました。
 もっというならば、一般の空気中の平均、日本全国の平均でいうと〇・〇〇一一というのが基準だそうですが、地下ピット内はその三分の一から四分の一の値ということになります。これは一般環境と全く変わらないということであります。大事なことは、こうした状況を正しく理解した上で、指針値を超過した水銀についてこれからどのような対策を講じていくのか、この点を冷静に議論することであります。
 次に、補助第三一五号線高架下の測定結果について確認をさせていただきます。
 この高架下の測定では、道路上や道路通路内などにおいてどのような測定結果になっていますか、お伺いをします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 道路上や連絡通路内の空気測定の結果では、ベンゼン、シアン、水銀のいずれについても基準値や指針値を下回る結果となっており、土壌汚染対策による封じ込めの効果が確認されております。

○松田委員 人が通る地上部分におきましては、指針値、基準値ともに下回っているということでありましたが、では、補助三一五号線の高架下にある観測孔内の測定結果はどうだったのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 換気後の計測で、ベンゼンや水銀の基準値超過が確認されました。換気が十分になされていない可能性があり、専門家会議からは再調査の指示を受けております。

○松田委員 ここも一般の人が立ち入るところではないという認識でいいと思うんですけれども、再調査ということは、具体的にどのようにして実施をするのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 砕石層内の換気については、換気時間を長くして、改めて空気測定を行い、次回の専門家会議に報告する予定でございます。

○松田委員 換気をして再度調査を実施ということですが、今回の測定結果については、専門家会議ではどのような評価をされているのでしょうか、お伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 道路下の観測孔は、モニタリングのために設置された空間であり、マンホールによって立ち入りが制限されていることから、通常、人が立ち入ることは想定されておりません。また、基準値や指針値は、長期的な暴露リスクという観点に立って設定されており、かつ観測孔内で検出されている量は微量であるため、一時的に暴露することがあったとしても、直ちに人体に影響を及ぼすものではないとの見解が示されております。

○松田委員 最近は、冷静に分析をする報道機関がふえてきたと私自身感じておりますが、空気でも、水でも、土壌におきましても、それがどういった性質のものなのか、さわったりするのかとか、どれくらいそこにとどまるのかとか、そういったことを正確に伝えた上で、今後の対策に生かしていくことは大切なことであるというふうに考えております。
 特に地下部分、これはピット含めてなんですが、メンテナンスのとき以外は人が立ち入らない、入るときも換気をして入ることで指針値以下になる。その水は飲むことも魚を洗うことも、ましてや野菜を洗うことも全くない、そういった前提で議論をしていかなければいけないと思います。
 小池知事も、ヒ素は自然由来のものであって、ゼロリスクということはないというふうにおっしゃっております。これ、そのとおりでありまして、全てをゼロにするということであれば、地球全体を無菌状態にするということ、そんなことは、現時点でドラえもんでもいない限り不可能でありまして、全くそういったことは現実的ではない。正しい知識に安心を積み重ねていく、現実的な対応をしていかなければならないというふうに思っております。
 そこで、前向きな議論という観点から質問をさせていただきます。
 先ほどの答弁でも、専門家会議から、地下ピット内のたまり水を排水するように指示があったということでしたが、既に排水を始められておりますが、その概要はどうなっているか、お伺いします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 専門家会議からの指示を受けまして、十二月十三日から排水を開始しております。具体的には、地下ピットに排水ポンプを設置して、建物のエキスパンションジョイント等の部分からホースを出し、これを仮設の排水設備につなぎまして排水作業を行っております。街区によって異なりますが、日量最高で約四百から千四百立方メートルの地下ピットのたまり水を仮設の排水設備で処理した後、下水道に排水しております。

○松田委員 エキスパンションジョイントというような話がありましたが、私、見に行ったときに確認させていただいたのですが、これ、つなぎ目のその間から入れているということでよろしいのかなと思います。四百から千四百立方メートルと、これもちょっとよくわからない数字でありますので、この地下水が高いということは、やはり都民、そして国民に不安を与えている一因であるというふうに考えておりまして、この排水によって、地下水を一刻も早く低下させてほしいというふうに思っております。
 この一日四百から千四百立方やったことによって、地下ピット内の排水は、どのくらいの期間でできるのか、具体的な見解をお伺いいたします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 現在、地下ピットのたまり水を、ならしコンクリート及び砕石の上端であるAPプラス二・五メートルからAPプラス二・六メートルの水位まで排水するには、単純計算では、二、三週間程度かかると見込んでおりますが、排水後の復水の状況を勘案する必要があるため、今後、期間が変わる可能性があります。また、その後、APプラス二・〇メートルの水位に達するまでには、三カ月程度の期間が必要になると考えております。

○松田委員 まず、中に入っている水を抜くのに二、三週間ということで、その下は土が入っているので少し時間がかかるので、三カ月ぐらいかかるという認識でよろしいのかと思うんですが、三カ月というと、これが先ほどのご答弁で十二月十三日から開始をしたということでありますので、三月中旬ぐらいということになると思いますが、これは一カ月でも半月でも、可能な限り早く地下水位を低下できるよう精力的に取り組んでいただきたいと強く要望させていただきます。
 観測井戸の測定結果を見てみますと、一部では、雨に敏感に反応して水位が上昇してしまう井戸もありまして、雨水が井戸に集まっている状況があるように見受けられます。本来、敷地全体の水位を観測すべき井戸が、一時的な雨によって増水したことによって反応してしまうと、正確な水位の観測ということができなくなってしまうことが懸念をされます。
 東京都は、こういった状況に関して、浸透防止に向けた対策を適切に講じるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 委員ご指摘のとおり、地下水位を低下させるためには、排水とともに雨水の浸透防止対策を適切に講じていくことが必要でございます。
 観測井戸の状況を確認したところ、井戸の設置状況や周辺の土の性質などによって、井戸の周りに降った雨が内部に流れ込みやすくなっている井戸もありました。このため、周辺からの雨水の流入を遮水する措置や井戸のふたとなる部分をコーキングで防止する措置などもとっております。あわせて、移転延期に伴い民間の工事が未着工となっている千客万来施設の事業用地にアスファルトを敷設する対策を講じております。

○松田委員 さまざまな対策を講じていただいていることはわかりました。豊洲市場における安全・安心の取り組みにつきましては、関係区においても、都の動きを注視しております。とりわけ地元の江東区におきましては、区民の関心も非常に高いというふうに聞いております。
 江東区は、これまで市場施設に隣接して公園施設の整備を進めておりまして、また、豊洲市場の問題がクローズアップされた結果によって、豊洲地域全体のイメージダウンを招いて、風評被害も含めてさまざまな影響を受けております。都は、こうした状況、風評被害の状況などもしっかりと受けとめて、引き続き地元区、江東区の声に耳を傾けながら、相互に連携をして、安心・安全の確保に向けて取り組みを進めることによって、その先にある豊洲ブランドを地元区と一緒になって確立していただきたいというふうに思っております。
 次に、市場問題のプロジェクトチームについてお伺いをいたします。
 市場問題PTの議論を聞いていて違和感を感じるのは、中央卸売市場がこれまで市場業者の意見を聞いていなかったかのような議論が行われているという点であります。
 そこで、確認を一つさせていただきたいんですが、市場整備に関して、都はこれまで業界とどのような整備、調整をしてきたのでしょうか、お伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 都はこれまで、市場業界の団体との協議体であります新市場建設協議会及び新市場建設懇談会を設置いたしまして、また、その下に街区や業種に応じて、合計で十三の検討会や部会を設け、長年にわたり協議を重ねてまいりました。また、基本設計及び実施設計の際には、市場業者を交えた協議体として、街区や業種に応じた六つの分科会や部会を設けまして協議し、市場業界の要望について基本設計や実施設計に反映してまいりました。

○松田委員 実際に市場を使うのは業者の皆様でありますので、その意見を聞かずに市場整備を進めるはずはない。協議の経緯はよくわかりました。
 次に、第三回の会議におきまして、構造設計一級建築士で日本建築構造技術協会会長をお務めになっております森高専門委員から、地下ピットをモデル化することによる地上部の影響は極めて軽微であり、設計時の構造安全性は確保されているとの報告があったと聞いておりますが、専門的な見地から追加検証した結果、改めて建物の構造安全性が確認できたということであります。
 そこで、改めて確認をさせていただきますが、建物の構造安全性が確認された以上、今後、主要な建物において、柱やはりといった構造部分の変更は行われない、こういった認識でよろしいのでしょうか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 豊洲市場の主要な施設につきましては、建築基準法に基づく安全性が確認されたものと認識しており、今後、建築物の構造安全上、建築物の主要な構造部分の変更を行うことは想定しておりません。

○松田委員 環境上そして建築上、既に安全であると。市場施設ができているということを今改めて確認させていただきましたが、ここで早期開場に向けた取り組みをさらに強力に推し進めていただきたいというふうに思っております。
 豊洲市場の開設に当たっては、コールドチェーンと呼ばれる温度管理ができる閉鎖型の施設として、高度な品質管理と物流の円滑化を実現することを目標としてやってまいりました。市場の面積や市場全体の物流については、こうした将来の姿を見据えて検討されてきたものでありまして、これに伴って、加工パッケージ施設や転配送施設が整備をされた経緯がございます。会議の中では、築地市場といろいろと比較した議論も展開されてきておりますが、築地と豊洲では、もともと目指している市場のあり方が異なっておりますので、単純比較はできないものだというふうに考えております。
 プロジェクトチームにおきましては、個別的課題についても議論をされておりますが、この点についても何点か確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、物流の確保についてお伺いをいたします。
 六街区と七街区、施設配置ですが、これをなぜ変更したのかお伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 六街区と七街区の施設利用につきましては、当初二つの街区に分かれていた水産卸の機能を一つの街区に集約するとともに、効率的な物流を確保することなどを考慮いたしまして施設配置を変更することといたしました。

○松田委員 効率的な物流の確保で卸を集約するということ、業界の要望ということで、こういった変更がなされたというご答弁でありますが、先般課題になりました買い回りにつきましても、業界の声をしっかりと聞いて丁寧に細かく対応していただきたいというふうに要望しておきます。
 また、会議の中では、六街区のヘアピンカーブ、それからターレスロープなどについても検討がなされたというふうに聞いておりますが、こうした議論に対します東京都の見解をお伺いいたします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 六街区入り口のヘアピンカーブ車両動線につきましては、車両の大きさ別の入退場台数や周辺交通量の将来予測に基づきまして検証しており、十分な交通処理能力があることを確認しております。また、六街区内のターレスロープにつきましては、十分な搬送能力がある形状として設計されていると認識しております。
 都といたしましては、引き続き市場業者向けの習熟訓練等を進めるとともに、誘導員の配置や安全走行のためのルールづくりなどを行うことで、安全な利用が可能になるものと考えております。

○松田委員 今、施設の能力は十分というご答弁でありましたので、今後、ソフト面を含めて、利用者目線で対応していただきたいというふうに思っております。
 個別的な論点ということでは、十二月十四日の青果部門のヒアリングで、業者が指摘をされていた電力量についても確認をしておきたいというふうに思います。
 店舗や事務室内の電源の電力容量が三十アンペアでは不足をするとの指摘がされておりますが、この点について東京都の見解を伺います。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 青果仲卸店舗の電力容量は、築地をベースとして設計しておりますが、これまでも業界団体からの要望を受けまして、各店舗内に冷蔵庫を設置するために動力系の電力容量を増加しております。
 一方、平成二十七年四月に設置をしました造作相談室においては、市場業者からの相談等に対応してございますが、これまでのところ、具体的にコンセント電源の容量が不足するといった相談は寄せられてございません。このため、まずは状況を把握した上で、限られた電力容量の運用につきまして、青果関連業界と連携をしながら適切に対応してまいります。

○松田委員 これまでも市場業者の意見をよく聞きながら対応してきたことは理解をしておりますが、引き続き業界団体の意見をよく吸い上げて、個々にきめ細かく対応していただきたいと思います。
 豊洲市場の開場に向けた議論が重ねられる中で、我々にとって市場の開場がゴールではありません、あくまでもスタートだと考えております。本当に大切なのは開場したその後、その先であります。築地市場と全く異なるコンセプトで建設をされた豊洲市場。市場業者の方が十分に活用して、その機能をしっかりと発揮させていく、そこに東京都が都民目線、事業者目線で歩調を合わせていく、このことが、この一連の騒動から立ち直り、豊洲ブランドの確立の第一歩となっていくと確信をしております。
 東京都におきましては、一日も早く開場を実現させ、開場後も引き続き市場業者の方々に対して丁寧に対応していくことを求めてまいります。
 次に、今お話をさせていただきました、十二月十四日に開催されました市場問題プロジェクトチームによる青果部関係者へのヒアリング結果について何点かお伺いをさせていただきます。
 ヒアリングの様子はインターネット中継で拝見をさせていただきました。ユーチューブでも見られますので、ぜひ多くの方に、実際どういった意見が出てきたのか、そういったことを聞いていただきたいというふうに思っております。
 この青果連合事業協会の泉会長から、意見の表明に先立って、小島座長を初めとした専門委員の立場について確認があったようでありますが、改めて座長の行政上の立場、権限、責任、こういったことについて、ヒアリングの際にどのような見解が示されていたのかをお伺いいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 小島座長からは、私どもの立場は、知事に対して、報告書を提出し、その報告書を見て知事が総合的な判断をする、これに対して、行政はそれに拘束されるものではなく、もらった知事が自分の行政判断をするというときに参考にするという旨の発言がございました。

○松田委員 もらった知事が自分の行政判断をするときに参考にするということであります。市場問題プロジェクトチームの立場については、行政ラインの中にあるものではなくて、知事に報告をするのみであると。つまりアドバイザー的な立場でありますよということでありますので、その報告に行政が拘束されることはないというのは当然のことであります。
 しかし、一部の専門委員がマスコミの方に出て極端な意見をいうことに対する公正性、客観性の観点での所見について、ヒアリングの際どのような意見、見解が出されていたのかお伺いをいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 小島座長からは、これまでの経験から、審議会などの委員が、それぞれの学問的な立場で、本人の意見を審議会の内外で発言することは通常ある話であるが、専門委員の発言がプロジェクトチームの中と外で異なることは問題であり、プロジェクトチームで議論を重ねながら整理をしていくという旨の発言がございました。

○松田委員 今、整理をしていくというふうにおっしゃられましたが、何をどう整理していくのでしょうか、テレビでのご本人の発言に関して訂正を求めていくということなのでしょうか、具体的に教えてください。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員は、各自のテーマに基づいて調査研究を行い、知事に最終報告をすることとなっております。その報告書をつくるまでの中で、専門委員の間でご議論していくものというふうに考えております。

○松田委員 テレビに出て、マスコミで話した内容と専門家会議で話した内容が違うということに関して、整理をしていくというふうに小島座長がおっしゃったと思うんですが、この整理していく、もう一回お伺いをいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 今も申し上げましたとおり、専門委員は、各自のテーマに基づき、その調査研究をし、知事に報告を出します。それまでの間、プロジェクトチーム会議等において、専門委員同士での議論を進めていくこととなると思います。その中で整理をしていくということが座長の考えだと、(発言する者あり)座長の考えだというふうに考えております。
 また、専門委員が個人的な発言として、しているものについて、こちらでそれを制限することは難しいと思いますけれども、専門委員として発言していることとして受けとめられますので、専門委員として会議の中と外で違う発言をするということは慎むべきものと考えております。

○松田委員 慎むべきということは、そういったことを整理していくということなんでしょうかね、小島さんじゃないので答えられないのかもしれませんけれども。
 もう一個、先般の質疑の中で、PTの位置づけについて、何度か各会派からの質問の中でセカンドオピニオンでありますよという答弁がありました。その際、和泉医師、医師である和泉理事から、普通、日本におきましては、セカンドオピニオンというのは、医療分野の域を出て使われることはないというお話がありましたが、これはどういった意味でセカンドオピニオンという言葉を使われたのか、日本語でわかりやすくお答えをください。

○池上総務局都政改革担当部長 専門家会議で出された結果について、市場問題プロジェクトチームとしてセカンドオピニオンを行うということは、知事が会見等の中で発言されたことでございます。そのセカンドオピニオンにつきましては、今後、市場問題プロジェクトチームの中で具体的なことを決めていくこととなると思います。

○松田委員 日本語訳できないということでよろしいんでしょうか。知事がセカンドオピニオンということだったんですが、セカンドオピニオンって、通常、一つの同じことに関して違う立場から、別の方が専門的見地から判断をするという比喩なのかなというふうに思うんですけれども、そもそもこのPTと専門家会議、専門家会議では土壌の話を中心にやっていて、PTでは建物とかそういった違う観点からやっているので、こういったことに関してセカンドオピニオンという言葉が適切なのかがちょっと疑問だなというふうに思いましたので質問をさせていただきました。
 続きまして、ヒアリング参加者の方から上がった意見の内容について何点かお伺いをいたします。
 ヒアリングにつきましては、豊洲市場の安全性や機能性をテーマにして参加者から意見を伺ったようでありますが、豊洲市場の施設の安全性、そして機能性のうち、第三回の市場問題プロジェクトチーム会議で議題となりました物流関係におきまして、参加者からどのような意見があったのかをお伺いいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 参加者からは、豊洲市場は、物流動線もしっかりとしているといった旨の発言や、施設利用者の多様化のニーズに応えるための自動垂直搬送機の設置など動線を縦横に、いかに効率的につくるかということも、完璧とはいえないにしろ業界として一生懸命やってきたという旨の発言がございました。
 また、建物の周りに道路を十分に設け、移動しながら着車させ、そして積み込みができる、荷さばきができる状況を実施している。ひさしも十分ついているといった旨の発言がございました。

○松田委員 先ほども申し上げましたが、豊洲市場は、物流についてかなり改善が期待されるものでありまして、市場関係者の中でも十分に、こうして検討をされてきた結果であります。豊洲市場の物流機能に好意的な意見が多かったということがわかりました。
 次に、この第四回の市場問題プロジェクト、PTの会議で議題となった温度管理、コールドチェーン、衛生管理、こういったことに関して、ヒアリングの参加者からはどのようなご意見がありましたでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 参加者からは、豊洲市場は食の安全・安心を確保する閉鎖型の施設であり、築地市場と全く異なるものであり、品質最優先の取引を可能にするものであるといった旨の発言や、輸出を視野に入れた安全、衛生的な加工施設をつくり、HACCPへのステップとして目指していくといった旨の発言がございました。

○松田委員 これまでずっと議論をされてきたことであるというふうに思いますが、こうした、参加された方々、新しい豊洲市場を一緒につくっていこうという、そういった熱意が伝わってくる画像を見させていただきましたが、そういった会議であったというふうに私は感じました。
 では、ヒアリングの参加者からは、そのほか豊洲市場に関してどのような要望がありましたでしょうか、お伺いをします。

○池上総務局都政改革担当部長 知事に安全宣言をしていただき、風評被害を払拭してほしい。また、開場時期を少しでも早く示してほしいといった旨の要望がございました。

○松田委員 こういった市場業者の本当の声に、ぜひとも総務局さん、そして市場さん、そして何よりも小池知事に受けとめていただいて、風評被害の払拭、豊洲市場の開場に向けて、一日も早く知事に安全宣言を出していただくことによって、これまで進めてきた取り組み、そしてこれからの豊洲新市場、豊洲ブランドの確立、こういったものをともにつくっていきたいと強く要望して、質問を終わります。

○上野委員 本年十月、中央卸売市場は、村松新市場長を初め、各局から有能なる都職員がそれぞれ各担当に就任されております。組織体制が強化されたと、このように理解しているわけでございます。その意味で、私は、今後、希望ある新市場整備へ向かうことを大いに期待しているところでございます。
 一方、小池知事は、築地市場の移転時期の方向性を示されましたが、まだまだ市場業者への補償問題や新市場の安全性の対策など課題は山積しているわけでございます。特に、信頼回復のためには安全性の確認が最も重要である、そのためには、都民を初めとした消費者の理解なくしては、豊洲市場に対する疑問や不安は解消できません。ひいては、そこで商売をされる市場業者の皆様方の生活も成り立たなくなるわけであります。
 現在、豊洲市場の安全性などについて、専門家会議や市場問題PTにおいて専門的な議論が行われておりますが、こうした議論をわかりやすく都民に伝えていくことこそ、この特別委員会に求められていることだと、このように私は思っております。
 そこで本日は、このような観点に立って質疑を展開し、まず専門家会議における議論の内容を明らかにしていきたいと思います。
 第三回の専門家会議では、地下ピット内及び補助第三一五号線高架橋下の空気測定などの結果を中心に議論がされたとの報告がありました。
 まず、専門家会議が指示した地下ピット内の調査では、地下ピット内で検出された水銀は、たまり水から気化、滞留したものと推定されるとのことでありますが、なぜそういえるのか、説明を願いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下ピット内で、空気中から指針値超過の水銀が検出されたため、たまり水の水銀濃度を定量下限値を下げて再度計測したところ、水中からも微量の水銀を検出いたしました。
 このことから、専門家会議では、密閉された空間においては、微量であっても水銀のような揮発性の物質は気化、滞留すると推定しております。

○上野委員 また、いただいた資料を見ていきますと、専門家会議の指示により、地下ピット内を換気したことが示されております。その中で、換気を行った延べ回数が、例えば、五街区の青果棟では約七回に対し、六街区の加工パッケージ棟では約三十九回、七街区の管理施設棟では約二百十八回となっておりますけれども、各棟で換気回数に違いがあるのはなぜでしょうか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピットの換気でございますが、専門家会議から五回以上行うよう指示がございました。建物により換気回数に違いがあるのは、地下ピット部の面積や使用したファンの能力の差などによるものでございます。

○上野委員 今のご答弁で、検出された水銀は、たまり水から気化、貯留したものと推定したということに対してでございますけれども、地下ピット内の安全性を確保するためには、水銀の検出原因について、推定にとどまらず、その原因究明というのが必要であります。
 そこで、原因究明に向けまして、引き続き実施する調査の内容についてお尋ねします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ご指摘のとおり、地下ピット内の安全性を確保するため、検出原因の究明が必要でございます。
 専門家会議の指示によりまして、現在、地下ピット内にたまった水を強制的に排水し、まず、ならしコンクリート及び砕石の床面を露出した状態にすることとしております。その後、再び地下ピット内を換気し、改めて空気の測定を行うこととしております。こうした調査を行うことにより、水銀が、たまり水から気化、滞留したものなのかどうか、原因を究明していくこととしております。

○上野委員 一方で、安全性の確保に向けまして、早期に対策の検討を進めていくことも重要であります。
 第三回専門家会議の議論の中で、空気中の水銀は、換気終了直後に一旦数値が下がったものの、一週間後には再び濃度が上がったということであります。
 先ほどの松田委員の質疑にもありましたように、専門家会議では、密閉された地下ピット内の空気中の水銀について、換気した直後に指針値以下に低下し、換気の一週間後に一部で再び上昇したことから、換気の有効性を確認したと、こういうことでありますが、こうした数値の変動が起こったということは、換気をとめたら再びまたその数値が上がってくる可能性があると。将来にもわたってそんなことがあってはならないわけでございます。
 地下ピット内の安全性を確保するには、対策として換気を行うということは必要ではないかと、このように考えているわけですけれども、今後の取り組み、どのように考えていらっしゃるか、お尋ねします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在、専門家会議では、水銀の検出原因を特定するため調査を進めているところであります。地下ピット内の安全性確保に向けた対策については、今後の調査を踏まえて検討していただくこととしております。

○上野委員 今のご答弁、対策については今後の調査を踏まえて検討をしていくということでございますが、確かに、先ほどの原因究明の答弁で、たまり水を強制的に排水して、地下ピット内で水銀が検出された原因をまず究明していくということでございましたので、その意味では理解ができるわけでございます。
 また、たまり水を強制的に排水することは、市場敷地内の地下水位を低下させるという、こういう点でも重要であると考えております。この地下水関係につきましては、また後ほど質問してまいりたいと思います。
 次に、補助第三一五号線高架橋下についてお尋ねします。
 道路上や六街区と七街区を結ぶ連絡通路内では、ベンゼン、シアン、水銀が基準以下であり、土壌汚染対策による封じ込めの効果が確認されたということでありました。しかし、アスファルト舗装の下では、砕石層内を換気したにもかかわらず、基準を超えるベンゼンと水銀が検出されたということでございます。
 ちょっとパネル用意をしましたので、遠いところからは見づらいと思いますけれども、これは三一五号線、この高架橋下、このアスファルトの舗装の上、特に観測用人孔の上部については出ていない。ところが、この中において、そういったベンゼンなり水銀なり、わずかではありますけれども検出されたということでございます。
 そこで、この第三一五号線高架橋下のアスファルト舗装下における、これは換気、換気範囲と出ていますけれども、この換気の方法というのが非常に大事です。また、空気測定の方法、これについて詳しく、わかりやすく説明していただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 換気については、六カ所の観測用人孔のうち、基準超過の結果が出た三カ所の人孔で、採取管から舗装下の砕石層内の空気を吸引するとともに、残りの三カ所の人孔でふたを開放し、空気の流入を図っております。換気後、観測用人孔内に設置されている採取管を使って舗装下の砕石層内の空気を測定いたします。

○上野委員 都の報告によりますと、専門家会議は、アスファルト舗装下では換気が十分に行われなかった可能性がある、こういった見解を示しているということでございますが、この舗装の下で行った換気に関する問題点についてお尋ねいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議からは、換気したにもかかわらず、水銀については濃度が上昇したこと、換気時に空気の流入が行われていたのかが明確でないことから、換気が十分に行われていなかった可能性があるとし、換気方法について検討が必要と指摘されております。

○上野委員 とにかく、換気が十分に行われなかった可能性があると、こういわれているわけでございます。その意味では、再度換気を行う際は、今回のようなことを繰り返すわけにいかないわけであります。
 アスファルト舗装下を換気するに当たっては、適切に空気が入れかえられているかを確認する、これを実施する必要があります。どうやって確認していくのか、アスファルト舗装下を換気するに当たって空気がちゃんと流入しているかどうかという、これは難しいかもわかりませんけれども、どういうふうにして確認するのか、その方法についてお伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議の指示を受けまして、砕石層内において改めて換気を行うに当たり、空気が確実に砕石層内に流入していることを確認するため、圧力計を用いて計測することとしております。

○上野委員 舗装された道路の下の砕石層というのは、いろんな砕石の種類があるわけですけれども、どのぐらいの砕石なんですかということをお聞きしたらば、単粒度砕石を中心にしたものだということを聞いて、少しほっとしたわけですね。約二割ぐらいの間隙率が出てくるということでございます。多少は水も入っていますから、そのあたりについての不安もありましたけれども、しっかりとこの辺については、専門家の知見もいただきながら、さまざまな工夫を凝らして、きちんと検証できるように取り組んでいただきたいと思います。
 道路上や連絡通路内については、土壌汚染対策による封じ込めによって安全性は確保されている、これはもう専門家の先生からも確認されていますから、食の安全・安心を確保する必要がある豊洲市場におきましてはそれだけではだめだと。舗装したとはいえ、基準超過の原因を究明するということが求められているわけであります。都民や市場関係者の方々が不安を解消できるよう、しっかりと対策を講じていただくよう強く要望いたします。
 ところで、これまでの答弁の中でも使われた言葉の中で、直ちに人体に影響を及ぼすものではないという表現がたびたび出てきます。この表現は、都民にとって非常にわかりづらいのではないかと、このように感じているところであります。
 環境基準や国の指針値を超えているという測定結果でありながら、なぜ人体に影響が出ないのかということになるわけであります。あるいは、直ちにと限定するからには、長期的には影響が出るのではないかなど、疑問を感じる方々がいらっしゃるわけであります。
 そこで、専門家の、直ちに影響を及ぼすものではないという見解について、具体的に、安全なのか安全ではないのか、その意味で都民にわかりやすく説明していただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 測定結果を評価する際の基準となる基準値や指針値は、長期間の暴露リスクを評価する観点から設定されております。
 環境基準とは、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準であり、一生涯、約七十年間を通じた慢性毒性を考慮して基準値が設定されております。
 また、指針値は、環境基準とは性格及び位置づけが異なるものであり、健康リスク評価にかかわるデータの科学的信頼性に制約がある場合も含めて、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るために設定されたものでございます。
 専門家の見解は、こうした基準や指針の特性を踏まえて、一時的に基準値を超過する空気を摂取した場合でも、人体に影響を与えるものではないという趣旨で発言したものでございます。

○上野委員 今の答弁からも、専門家は、環境基準や指針値の内容に照らしてこのような表現を使われているとのことでありますけれども、やっぱりわかりにくいですよ、もう言葉でいっても。だから、科学的に正確な表現をしようとすると、おのずとそのような表現になるんでしょうけれども、都民がこれを理解するのは、やはりこの環境基準や指針値という言葉自体、言葉自体の言葉がまた、説明そのものがまたわからなくなるという非常に難しいもので、それを、説明ということで、言葉だけで、ぽんとのせていても、なかなかわからぬわけです。こういったことが、つまり風評被害につながるわけであります。専門家の方々が使われる正確な表現と都民の理解のギャップを埋めるような、そういう取り組みというのを東京都は求められているということなんですね。
 先ほどのこのイメージ図、先ほどの、三一五号線の橋梁の下で云々云々いったって、言葉でいったって、みんなイメージつかない。だけれども、こうやって図で見せると、ああ、そうなのかということがわかってくる。このアスファルトの下の砕石、ここに空気を入れて、かえるというのは、これはちょっと大変だろうな、目詰まりしていないかなとか、そういったことを目で見て理解していくわけですね。
 そしてまた、環境基準についても、この上は大丈夫だけれども、この下はちょっと基準を超えていますよと。じゃあ、この基準というのは大変なことなのかなと。今の説明でいうと七十年間ですよ。このアスファルトの舗装の下の砕石層の、そういったこの下の環境の中で七十年間生活したらちょっと心配ですよという意味だというふうに理解できると思うんですね。そうすると、これは、ここの中の環境で一生涯暮らすということは考えられないなあなんて、そういうふうに絵を見るとわかってくるわけですよ。
 そこで、この基準値や指針値といった専門的な用語の意味や、この図解などを使ったわかりやすい解説を、ぜひともホームページ、これをうまく使って、都民が正しく理解できるような工夫をすべきと考えますけれども、見解を求めます。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 測定結果を含めて、専門家会議の内容は、都民に正しく理解していただくことが重要であり、そのためには、都民に適切に情報を提供していくことが必要でございます。
 このため、環境基準などの専門的な用語について、専門家会議のホームページでわかりやすく解説するなど、都民の皆さんに専門的な内容を正しく理解してもらえるような取り組みを進めてまいります。

○上野委員 今、例えばの例、東京都のホームページでという話をしましたけれども、何しろホームページも開けないような方もいらっしゃる、高齢者の方々もいらっしゃる、いろいろなマスメディアを使って広げていく。先ほどもある方からいわれましたけれども、ぜひとも小池知事がそういったことをきちんと説明していくような、ぜひ総務局長、そういうふうに知事にも話してください、もっとわかりやすく話してくれというふうなことで、そういった取り組み、都民や市場関係者の皆様にとってもわかりやすく伝える、このことを強く要望しておきます。
 続いて、地下水の管理について質問をしたいと思います。
 ご存じのとおり、地下水の管理水位については、平成十九年度から二十年度に開催された専門家会議から、APプラス二メートルと基本的な考え方が出され、さらに技術会議では、集中豪雨時でも管理可能となるよう、地中に貯水機能を確保することを踏まえて、APプラス一・八メートルで管理することが提言されたわけであります。
 しかし、現在の水位は依然として高い。APプラス二メートルよりもはるかに高い状況になっているわけです。管理水位を超える状況に至ったのは、さきの公営企業決算特別委員会で、我が党の質疑によって明らかになったわけでございますけれども、改めて、この公営企業決算特別委員会での議論を確認いたしますと、地下水位が高くなった要因というのは、本年五月の建物工事の竣工後も、仮設の排水設備を設置し、排水していたけれども、地下水管理システムというのは、これは十月に稼働するわけです。この間、約半年近く、一番大事な、いわゆる出水期といわれている、しかも雨が降りやすい、集中豪雨、台風も来る、そうしたところの八月ですよ、そのときに、外構工事の進捗に伴って、障害があるから排水設備を撤去したという話が明らかになって、私は唖然としましたですね。
 技術屋であるならば、これは考えられないことだし、ましてや環境対策については、極めて重要な場所ですよ。こうした地域の中で、排水設備をとったらどうなるかというのは、これは素人でもわかる。ばんばんばんばん雨が降ってきたら、あそこの場所は、せきとめられたわけですよ、遮水壁で。三つ大きなおけがあるような状況ですから、そこに水がどんどん浸透していったら当然に地下水は上がるというのは、これは誰が考えたってわかる話です。なぜ、これをやらなかったんだと。その間に一番、出水期の大事なときに、もう本当に痛恨のきわみ。もう何度もいわれますけれども、もうそこに一つの大きな原因がある。そのときにきちんと排水していれば、何ら問題なかった。地下ピットに水がたまるようなこともなかったんですよ、APプラス二で管理していれば。都の環境対策の意識というのが極めて希薄だったということを改めてもう一度話をさせていただきました。
 我が党は、先月の経済・港湾委員会におきましても、地下水位の低減に向けた早期の排水に関する具体的な提言も行ってまいりました。都に対しては、今後、適切な対応をとっていただけるように求めておきます。
 地下ピット内で検出された水銀の原因究明のために、たまり水を強制排水するという答弁もありましたが、この強制排水は、市場敷地内の地下水位の低下にもつながり、重要であると考えます。
 そこで、強制排水によって、どの程度の排水ができたのか、取り組みの効果をお尋ねします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 十二月十三日から強制排水を開始しておりまして、二十五日現在、累計で約一万八千立方メートルを排水しております。
 また、建物ごとの地下ピットのならしコンクリートからの水位でございますが、十二月二十六日、昨日の計測によりますと、五街区青果棟及び六街区加工パッケージ棟では、ならしコンクリート面より下がっております。また、六街区水産仲卸売り場棟では約三センチ、七街区水産卸売り場棟では約一センチとなっております。
 引き続き強制排水を着実に進め、早期に地下水管理システムの管理水位の実現を目指してまいります。

○上野委員 排水期間については、先ほどの答弁で、APプラス二・〇メートルまでの水位に達するまでは三カ月程度かかる、必要ですという話がありました。では、どのぐらいの費用が必要なのか、お尋ねします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 強制排水の費用につきましては、pH、これは水素イオン濃度ですが、pH処理に必要な薬品や機器のリース費用、下水道料金などを含め、街区によって違いはございますが、各街区で数千万円程度を見込んでおり、最終的には、今後の排水量の実績に応じて精算することとしております。

○上野委員 強制排水を進めることで、管理水位までの低下を目指すということでございます。
 しかし、地下ピット内で強制排水をしても、その敷地、建物以外の敷地の地下水位がまだ高い。高いということは、排水しても徐々にまた周りの水がその地下ピットにしみ込んでくると、また上がってくるわけです。一旦下がってとめちゃうと、また上がってくる。そうしたら、たまり水に対しても、今後きちんと水の処理をやっていくのか、このことについてお尋ねします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 ご指摘のとおり、建物周囲の地下水位が高い状況にあることから、ピット内に復水するということが考えられます。復水も含めて強制排水し、地下水管理システムが正常に稼働できるよう、管理水位まで低下させることを目指しております。

○上野委員 今後、専門家会議において、地下ピット内で必要となる対策について検討されると思いますが、強制排水から今後の対策工事の開始までの期間、地下ピット内に地下水が再びたまることがないようにしなければなりません。
 地下水位が上がったり下がったり、上がったり下がったりを繰り返すと、これは土木屋の常識として、圧密沈下を起こして地盤が下がります。何度もそういったことを繰り返しちゃいけないんです。だから今後は、ちゃんとAPプラス二・〇とか一・八七、その一・八以上は上げない、これはぜひともやっていただきたい。でないと大変なことになりますよ、もう一度上がってしまうと。
 また現在、各街区の地下水位が高いこともあって、ある方なんかもいわれていましたけれども、土壌汚染対策により入れかえたきれいな土が再汚染されたのではないかと、こういうことを懸念されている声もあるわけです。
 そこで、この地下水位の上昇に伴う土壌の再汚染はされていないかどうか、このことについて明白に答えてもらいたい。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 市場敷地内では、汚染の有無にかかわらず、ガス工場操業地盤面より二メートル下まで掘削除去するとともに、APプラス二メートル以深についても、調査によって把握したガス工場操業に由来する環境基準以上の有害物質を含む土壌について掘削除去しております。
 地下水については、揚水、復水を、現地において繰り返し実施し、水質を環境基準以下にまで改善しております。土壌、地下水のいずれについても、対策の完了を平成二十六年十一月の技術会議において確認していただいております。
 このように、土壌汚染対策を適切に講じていることから、都としては再汚染されていることは認識しておりません。

○上野委員 こういった委員会の中の答弁だけで終わっちゃだめなんだよ、委員会だけの。そうした情報を都民に正しく伝えないと、また、変に不安をあおるようなことを話すところもあるわけですから、それをやっぱりきちんと、それでまたみんな動揺しちゃうんですから。とんでもない話で、今いったことを自信を持って、やっぱりもっと、先ほどホームページもありましたけれども、そういう以外のものでもしっかりと取り組んで、正しい話を、正しい情報を、ぜひとも早急に進めていただきたい。
 そして、強制排水と地下水管理システムの揚水井戸からの排水を着実に進めて、早期に水位を下げることが重要であります。ぜひしっかりと取り組んで、地下水管理システムの管理水位を実現していただくよう強く強く重ねて要望しておきます。
 排水とあわせて対応が必要なのは、市場用地への計画を上回る雨水の浸透を防ぐということであります。遮水壁で囲まれた豊洲市場の用地は、一たび雨水が浸透すれば、地下水位は、先ほど話したようにすぐに上昇していくということです。
 特に六街区にある、この更地になっていた千客万来施設用地は、私たち都議会公明党は、この問題が出たときに、すぐに、九月、短期間のうちに三回現場調査をしてまいりました。そうした中で、見ていると、外構だけだと思っていた、地表は、舗装されてないところは。ところが、千客万来施設、でかい施設が更地のままですよ。そのままにしていたら当然に水がどんどんしみ込んでいくのがわかる、それがそのままほったらかしになってるわけです。
 我々は、現場で、すぐそこの担当者に、これは早く簡易舗装なりしないと大変なことになるぞと。一生懸命、地下水管理システム、稼働したって同じじゃないかと。雨が降ったら、またふえていくぞ、こういうところを閉めなきゃだめなんだと。早く協議して、簡易の舗装をすべきだと。でかい舗装は必要ないんです。雨が浸透しないで、アスファルトなんて、三センチ、四センチあればもう十分に浸透しなくなるわけだから。地下水が入ってしまうと、これを排水するには今のように多額のお金が必要になってくるわけです。処理もしなきゃならない。
 ところが、舗装して、地表に降った雨水をそのまま流していけるわけです、下水管に。アスファルトの舗装代なんて安いものです。だから、これを早くやれと何度も九月のときからいっているわけです。
 この千客万来施設用地の舗装、その後どういうふうに取り組んできたのか、明らかにしてもらいたい。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 六街区の千客万来施設用地については、都の移転延期の決定を受け、事業者による着工が見合わされている状況となったことから、アスファルト舗装の敷設に向けて事業者と協議を行ってまいりました。協議が調ったことから、今月中旬からアスファルト敷設工事を開始し、二十二日に工事が完了したところでございます。

○上野委員 今、初めて私も聞きましたけれども、終わったら終わったで早く連絡を欲しい。現場にすぐ飛んでいきますよ。そういった情報も全然入ってこない。そういったところが大事なんですよ、危機管理能力というのは。そういった配慮が必要なんです。そうすれば、我々だって都民の方にもいえるわけです。市場は頑張っているよ、地下水位が上がらないよう頑張っているよといえるわけです。
 終わったという話を聞いて、評価しますよ。ちょっとかかり過ぎ、九月ですから私がいったのは。いろいろ職員の方々、私も元職員なもので手続に時間がかかるというのはよくわかりますから、いろんな協議で苦労されたことと思いますけれども、結果的にそういった形で、少しでも浸透しないような、そういった状況にしたということについては評価しておきます。地下水位の管理に向けて、引き続き的確な対応を迅速にとっていただきたいことを求めておきます。
 今後の専門家会議の検討の進め方についてお尋ねします。
 築地市場の業者の皆さんは、非常に厳しい経営状況に置かれております。早期に安全宣言を出してほしい、移転時期を明確に示してほしい、こういった切実な声が我々にも寄せられております。また、こうした声だけでなくて、豊洲市場に対して疑問や不安を抱く都民を初めとする消費者の皆様方の声にも、やはりきちんと答える必要があるわけです。
 そこで、平成二十年度の専門家会議では、パブリックコメントを実施されておりますけれども、今回も、専門家会議の座長は、実施の方向を示しているように聞いておりますけれども、具体的な都民の意見を聞く方法について検討されているのかどうか、お尋ねします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議においては、提言書をまとめるに当たって、パブリックコメントなど、広く都民などの意見を聞く方法を今後検討していくものと認識しております。

○上野委員 さきに知事が示したスケジュールがありますけれども、それによりますと、専門家会議の提言の取りまとめは、ロードマップでは四月と、こうされています。通常、パブリックコメントは、その前段として実施されるということでありますので、四月の前には対策等が明らかになることを期待しております。
 これまでの専門家会議をインターネットで拝見しておりますと、先生方は、さまざまな意見や反対の意見に対しても、この専門的知見を、聞いている方がわかりやすいように、それはそれは忍耐強く説明をされております。また、あるときは罵倒もされた、さらしものにされるような状況にもなられたわけです。
 そんな中でも、変な風評被害を出さないようにと、理解を得るためにもう大変な努力をされているというのが拝見していてよくわかりました。そうした専門家会議の先生の対応の姿勢には、私はもう頭の下がる思いです。心から尊敬の念を抱くものでございます。
 ともあれ、知事の一日も早い判断のため、専門家会議の先生方にも、引き続き精力的にご検討を進めていただくことをお願いして、次の質問に移ります。
 市場問題プロジェクトチームについてでございますが、このプロジェクトチーム会議のインターネット中継というのを私も見させていただきました。このインターネット中継のすばらしいというのは、ノーカットですからね、ノーカット配信です。都民や市場関係者、そして全国の人々が会議のやりとりの全てを見ることができる。
 したがって、見ている方々に変なフィルターが入らないですから、誤解を招くようなことがない。非常にこれはいい持っていき方だと思います。会議において、専門委員の先生方も、一般の人々にもわかるよう説明することに努力されているのがよくわかる。さらに間違った不安を与えないように審議を進めるように尽力されている。このことも私は大いに評価したいと思います。インターネット中継を通じて正確な情報発信を行うことは、風評被害の払拭のためにとても重要なことだと思います。
 そこで、知事が十一月十八日の記者会見において、市場問題プロジェクトチームは審議を尽くして報告書を作成するとし、その取りまとめの時期は五月を想定していると、こう発表されたわけです。
 今後の市場問題プロジェクトチームの五月までの調査内容とか開催回数とか、私たちのこの特別委員会というのは非常にそういった意味では関係の深い話なので、このことがなかなか明らかにされていないわけです、その内容が。この後どういうふうに調査していくのか、どのくらいまで開催されていくのか、ぜひとも、この特別委員会のメンバーの前で明らかにしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームは、月に一回のペースで会議を開催し、課題を整理することとしております。
 今後につきましては、現時点での予定ではございますが、平成二十九年一月開催予定の第五回会議で、業者の負担と事業継続性について、同年二月開催の第六回会議では、築地市場の補修について、同年三月開催予定の第七回会議では、地震、液状化について、第八回の会議では、専門家会議の報告に対するセカンドオピニオンなどについて、順次、審議をしていく予定でございます。
 仮に、五月まで月一回のペースで会議を開催するならば、本プロジェクトチームの五月までの開催回数は九回となりますが、五月までの具体的な開催回数につきましては、まだ未定でございます。

○上野委員 今後、いろんな内容についてありました。地震、液状化という話もありましたけれども、市場問題プロジェクトチームの先生方には、液状化の専門の先生がいらっしゃらないと思うんですね。そういった意味でのセカンドオピニオンなのかなということも思っております。
 最後の質問にしたいと思いますけれども、この市場問題プロジェクトチームは、専門家会議からの提言や方針の案が示されたならば、パブコメの前でもわかるわけですけれども、その段階からこのセカンドオピニオンとしての結論を早期に出せるように、ぜひとも検討を進めていただきたいと考えますけれども、見解を伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームの小島座長は、専門家会議にもオブザーバーとして参加し、専門家会議における審議についても逐一状況を把握しております。
 市場問題プロジェクトチームの検討内容、スケジュールにつきましては、各専門委員と調整の上、座長が判断しているものでございますが、いただきましたお話の内容につきましては、事務局から座長にお伝えしたいと思います。

○上野委員 ぜひ、お伝えしてもらいたいと思います。
 豊洲市場への移転については、市場関係者の皆さんも大変な思いをされている。そのほか多くの都民の方も、この知事の早期の判断というのを待っているわけであります。知事に一日も早い判断を行っていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合によりおおむね六十分間休憩をいたします。
   午後零時六分休憩

   午後一時五分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○尾崎委員 第三回専門家会議では、地下ピットで検出されている空気中の水銀について、換気を行った結果などが報告されました。そして、十二月十三日から、たまり水の強制排水を行っています。
 そこで、地下ピット内のたまり水を強制排水することについて専門家会議が提案した目的は何ですか、何を調査しますか、伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、地下ピット内の空気中の水銀濃度が上昇したのは、水中から水銀が空気に気化、滞留したと推定しております。
 今後、地下ピット内にたまった水を排水した後、空気を測定し、水銀が検出されるかを調査いたします。

○尾崎委員 空気中の水銀の汚染原因を調べるのではなく、強制排水後に水銀が検出されるかどうかの調査だということですが、先ほどほかの委員の方の質問もありましたので、重複しないようにしますが、強制排水の費用は各街区によって違いますが、一街区で数千万円程度と見込んでいるということです。期間についても、おおむね三カ月程度かかるという予定ということがわかっています。
 それでは、実際の作業については、どこに委託をしているのですか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 今回の強制排水につきましては、引き続き、これまで排水工事を請け負ってきた共同企業体が行っております。

○尾崎委員 一つの街区で数千万円程度を見込んでいるということですが、三街区ありますから、合計で約一億円はかかるということになります。三カ月もかけますが、地下水位が下がるかどうかの見通しがあるわけではありません。汚染源を調べるものでもない、費用も一億円近くかけますが、調査期間も不確定だということです。
 それでは、この約一億円は市場会計で負担するものでしょうか、伺います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 市場会計で負担するものでございます。

○尾崎委員 ただいまの答弁で市場会計から負担をするということが明らかになり、また、市場会計の負担がふえるということがわかりました。
 私たちは、土壌汚染問題の専門家から話を聞きました。水銀は、水に溶けたものが気化するだけではありません。例えば砕石層の再生砕石に水銀が含まれている、あるいは建物地下の柱、はりのコンクリートに水銀が含まれている、そのような場合も、砕石、コンクリートの水銀から直接気化するとのことです。
 そうすると、地下ピットの中の水を抜いた後に地下の空気中の水銀測定をしても、その水銀の汚染源が特定できるわけではありません。したがって、先ほどの答弁にあるように、水銀が検出されるかを調査するということだけになります。汚染源がわかるわけではありません。
 そこで、強制排水している水の汚染物質の水質調査をすべきですが、いつ、どのように調べ、調査結果はどうなっていますか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 強制排水する水の水質調査は、週に一度、公定分析機関による分析を行い、結果につきましては専門家会議に報告する予定でございます。

○尾崎委員 どんな物質について調査するのですか。なぜ週一度の調査なのか伺います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 下水道局との協議に基づきまして、ガス工場の操業に由来するベンゼン、シアン、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウムについて調査いたします。
 週一度というのは、下水道局との協議において、週一回の公定分析検査ということになったものでございます。

○尾崎委員 下水道法に基づいて週一回の測定といいながら、調査物質は、ガス工場操業由来の七物質、下水道法に基づいて週一回、対象物質は下水道局と協議して決めたということになるわけですが、この点でも汚染源を調べるものとはなっていないことがわかります。
 それでは、どの地点で採水したものを水質分析するのですか。それぞれ具体的にお答えください。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 各街区とも、仮設の排水設備から下水に放流する前の水を採水して分析しております。

○尾崎委員 何台ものポンプを使って各街区のさまざまな地点からくみ上げるというのに、水質分析は全部が一緒になった排水設備に集約されるものを調査する。これでは、どこのポンプからのたまり水に、どのような有害物質が、どの程度あるのかという違いが全くわかりません。
 調査結果については、専門家会議に報告するだけでなく、この特別委員会にも、既に調査結果が出ているのであれば適宜報告するよう、特別委員会として都に求めることを提案したいと思いますので、理事会、あるいは今の委員会で諮っていただきたいと思います。
 大事なことなので伺いたいのですが、私は、水銀が出るかどうかの調査と同時に、水銀の汚染源を特定することも重要であると思います。そのためには、地下水の採水箇所をふやす必要があります。今行っている二百一本のモニタリングポストは、過去の調査で有害物質があり、土壌汚染対策工事をした関係で、その対策工事の有効性を調べることを主な目的としているため、調査対象となる物質を限定しています。
 水銀の汚染源を特定するためには、二百一本のモニタリングポストの分析対象物質を広げ、濃度分析を調査する必要があります。また、地下水モニタリングの観測井戸、揚水井戸も活用することが重要です。
 本来やるべきことは、こうした調査であって、今のやり方では、現在のたまり水のくみ上げに伴う水質調査、くみ上げ後の空気測定では原因も特定できないのではありませんか。下水に排水する直前の地点など、各ポンプから地下水が集約されたのでは、どこのポンプから、どんな物質が、どんな濃度だったのかさえわかりません。この点についてはどのように考えますか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 今回の強制排水については、各地下ピット内のたまり水を一つの排水処理施設に集水して、そこでpH処理を行った上で下水に放流するために検査を行っているものでございまして、先ほど申しましたように、排水設備から下水に放流する前の水を採水して分析しているものでございます。

○尾崎委員 今のご答弁ですと、何度も私の方で繰り返してしまいますが、どこのポンプから出た物質なのか、どこの地下のたまり水なのか、どんな物質なのか、どんな濃度なのか、これがわからないじゃないですか。
 現在、地下水の観測井戸の地下水位が海抜二・五メートルから四メートル程度にとどまり、少しの降雨でも地下水位が上昇しています。この指摘に対して、十二月二日の特別委員会で、市場は、専門家会議の指示に基づき迅速に対応できる排水設備などを整備中と答弁しました。十二月七日の本会議代表質問では、地下ピット、地下空間のたまり水を強制排水することで、用地全体の水位を早期に管理水位へと低下させていく考えだと答弁しています。
 こうなると、地下水位が高い状況にあることに対して専門家会議が強制排水を指示した事実について、いつ、どのような形で指示があったのですか。具体的に明らかにしてください。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 強制排水につきましては、第三回の専門家会議で指示があったものでございます。

○尾崎委員 第三回の専門家会議で指示があった。その提案の目的はということで、一番最初質問したことに戻っていくわけです。先ほどの答弁ですと、たまった水を排水した後、空気を測定して、水銀が検出されるかを調査するものだと答弁したはずです。十二月二日の答弁は、専門家会議が地下空間のたまり水を、強制排水を指示したといっているわけですから、その答弁の根拠について具体的に示すべきです。
 次に、なぜ地下ピット内にたまり水がふえ、盛り土内に地下水が滞水してしまっているかという点で質問させていただきます。
 都が現在の地下水管理システムで、APプラス一・八メートルで地下水位を管理可能としていましたが、その根拠は何ですか、APプラス一・八メートルで管理する理由は何ですか、伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、三次元地下水流動モデルを使用し、市場用地内を五メートルメッシュで切り、その中に十センチずつの層を決め、そこに、現地に合わせた透水係数などのデータを入れたシミュレーションにより解析を行い、検証したものでございます。
 その結果、日常管理水位のAPプラス一・八メーターになれば、豊洲近傍での過去百四十年間の降雨情報から、集中豪雨や台風などの降雨時においてもAPプラス二メーター以下を保てることを確認しております。
 APプラス一・八メーターを日常管理水位としているのは、技術会議からの提言に基づき、集中豪雨や台風時においても、APプラス二メーター以下で地下水の管理が可能となるよう、地中に貯水機能を確保するためのものでございます。

○尾崎委員 問題は、コンピューターによる設定モデルの解析ではAP一・八メートルに管理できても、現実には、地下水をAP一・八メートルで管理できていないということです。都は管理できるとの見通しを持っているようですが、地下水管理システムが本稼働しても、二カ月以上たってわかってきた事実は、集中豪雨どころか、少しの雨でも地下水位が上昇してしまっているという事実です。都の見通しがいかに根拠がないものだったのか、事実が答えを出しているのではないでしょうか。
 十月六日の集中審議で、地下水位AP二・五メートルを超え、盛り土の中まで上昇している状況に対して、市場長は、本格稼働して基準の水位に下げると説明してきました。十月十四日の本格稼働後、地下水位は下がっていないわけですが、十月六日の答弁の根拠としてきたものは何か、具体的にお答えいただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、揚水井戸内にたまった水を徐々にくみ上げるものでございますので、一気に水位が下がるものではございません。しかしながら、徐々にではございますが、地下水をくむことで水位が下がるということで答弁させていただいたものでございます。

○尾崎委員 本格稼働しても地下水位が下がらない原因について、十一月二十二日の経済・港湾委員会では、そもそも地下水管理システムは、盛り土の性質が、地下水が通りづらい状況だということも明らかにしました。この認識には変わりありませんか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、帯水層内、AP二メーター以下にたまった水をくみ上げるシステムでございます。そのため、前回のご答弁でも、盛り土の中の水をくみ上げるようなシステムとはなっていないということでご答弁を差し上げたものでございます。
 ですから、帯水層内に地下水位が低下してくれば、その中で管理は可能ということでございます。

○尾崎委員 もともとこの地下水管理システムに使われている水をくみ上げるための揚水井戸は、AP二・五メートルより深い地下水しかくみ上げられないようになっています。地下水が井戸に浸透してくるための入り口となる穴がAP二・五メートルより深い位置にしかあけられていないからです。
 そのため、AP二・五メートルより上部にある地下水は、自然にAP二・五メートル以下に下がるまで待つしかないという構造です。地下水管理システムが本格稼働して、もう三カ月近くたつという状況ですけれども、観測井戸の地下水位がほとんど下がらないのはそのためです。このシステムの設計では、盛り土の中に水が滞水してはいけないのです。
 既に二年前、二〇一四年十一月の技術会議で座長から、この地下水管理システムができるまでの間の工事期間中の地下水管理をしっかりやらないと、地下水位が上昇してしまう心配を指摘されました。
 それに対して市場担当者が、雨水について、工事の施工中、適切に地下水化しないように排水をしていくと説明しました。排水工事契約においても、地下水位が上昇しないよう、雨水排水等を適切に実施しており、地下水管理施設の稼働までの間、引き続き排水対策を行う、排水管理について瑕疵責任の明確化を図ると、二〇一六年の排水対策工事契約にも書かれているわけです。
 ここからわかるように、都としては、工事中の地下水が上昇してしまうこと、盛り土の中に雨水が滞水してしまうことはあってはならないということがわかっていたということです。
 ところが、現実の都の対応には大きな乖離があり、大変ずさんでした。今回、資料要求しましたが、外構工事に伴い、仮設排水処理施設を撤去した際、例えば五街区では、都とJVとの協議は、JVから、排水処理設備の稼働期間を七月二十二日までとすることを協議することを七月十二日にJV側から提案され、七月十五日には都側からオーケーを出した文書が存在します。
 それ以外にはどのようなことが協議されたのか不明です。当時の担当者は現在いないわけですが、都側はJVの提案に対して、協議したというよりは、提案されたものを丸のみしただけと受け取れるような状況がありますが、どうですか。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 本年五月末に本体施設の建設工事が完了した後、十月の工期末に向けました外構工事の進展などにより、仮設の排水設備を設置した場所につきまして、舗装や植栽などの仕上げを行う必要が生じたことにつきましては、以前よりご説明してまいりました。
 この五街区におきましては、七月下旬からそのような状況に至ることが見込まれましたため、JV側から仮設の排水設備の撤去について協議を受けました。都は、JVから外構工事の進捗状況や施工計画の説明を受けますとともに、実際に現場の状況を確認した上で、撤去を承諾いたしました。これは現在の担当者からも聞いております。
 こうした協議内容につきましては、施工者から提出されました協議書と、都からの施工指示書により確認をしておるものでございます。

○尾崎委員 協議書、指示書には協議すると書かれているだけで、排水する期間を七月二十二日までとしたことがわかるだけです。協議したとか、現場の状況を確認したとの答弁をしていらっしゃいますけれども、実際にどうかまではわかりません。
 都はこれまでも、工事が進捗するにつれて、工期などを優先させる余り地下水管理を重視する視点が徐々に薄れ、結果的に地下水位を上昇させる事態を招いてしまったと謝罪もしていらっしゃるわけです。
 豊洲の用地は埋立地で地下水位が高く、雨が降れば水があふれ、台風などのときにはプールのようになってしまうのは工事中に体験しているのではありませんか。工事中はいつも排水ポンプがあちこちに必要だったはずです。私たちは工事現場を何回か見ているので、そうした状況を確認しています。特に雨が降った後の工事現場は、水浸しのような状況もありました。都は現場の状況を確認しているといっていますが、現場を見ているのであればわかるはずです。
 そこで、外構工事の際に、都として地下水位の状況について、JV業者から聞き取りをしようと思えばできたわけですけれども、地下水位を把握することをしたのでしょうか、伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 掘削を伴います工事の期間中につきましては、掘削部からの湧水によりまして地下水の状況を把握し、排水しておりましたが、仮設の排水設備を撤去した後は掘削工事が終了しておりますので、地下水の状況は確認しておりませんでした。
 十月三日からは地下水管理システムで地下水位の計測が可能となり、このシステムで計測しました水位につきまして、ホームページで公表しているところでございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁にありましたように、JVからも聞き取りをしていなかった、把握することはしなかったというようなことだと思います。
 土壌汚染対策工事から建設工事完了、附帯工事中など、工事中の排水処理施設を撤去したのは、例えば五街区は七月ですが、撤去を指示した後の七月以降の降雨に対して、地下水位の状況についてどのような把握をしていたのですか。把握結果についても伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 先ほどの答弁のとおり、掘削を伴う工事の期間中につきましては、その箇所からの湧水によりまして地下水状況を把握しておりました。
 また、適切な排水も行っておりましたが、先ほどご答弁申し上げましたとおり、仮設排水設備を撤去した後は、そういった確認する手段としての掘削工事は終了しておりましたので、地下水状況は特段の確認はしておりませんでした。
 また、建物下の地下ピットにつきましても、都が建物管理をする中で、ちゃんと巡回管理等の中で確認することがございましたが、八月になって地下水の状況を見てとったところでございます。

○尾崎委員 今のご答弁を伺うと、例えば五街区について、排水処理施設を撤去したのは七月二十二日の指示書を受けてですが、だとすると、その後の雨が降った日、例えば七月二十六日には一日一ミリ、七月三十一日には二・五ミリ、八月二日には三十一・五ミリの雨が降っているわけです。
 このときも地下水がどのような状況だったのか確認していないんだというふうに思いますが、どうしてこんなに雨が降ったときでも確認しなかったのか伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 先ほどご答弁申しましたとおり、東京都が六月から施設を引き継ぎ管理しておりましたところですが、特段の作業予定等がない場合は、その入り口は施錠し、通常、定常的にそこに滞在するということは、都の職員も行っておらない状況が続いた日々がございました。
 それで、八月の旧盆、中旬以降、長雨が続いたときに確認したというのが実情でございます。

○尾崎委員 そうしますと、確認していないということですけれども、工期を優先することと、地下水がどのような状況にあるかを把握するということは対立するものではありませんし、工期を優先しようがしまいが、地下水位を把握することは可能だったと思います。こういう答弁ではやはり納得できないと思うわけです。
 この間、やっぱり雨が降れば水があふれる。水が、やっぱりこの間の建設の中で一番注意をしてきたことだと。都として、この点について、曖昧さや、いいかげんさがあるんじゃないかというふうに思いますが、これは調査した上での今のご答弁でしょうか、伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 ただいまのご指摘もございまして、私どもとしては定常的な巡回管理をしていなかった、施錠してある場所とはいえ、作業が伴わなくても目を光らせなかったことについては反省しておるところでございます。
 また、作業が特段なくても、雨が続いたところで見ればよかったというのはもちろんございますけれども、片や外構工事につきましては、開場に向けて外構工事の工程を管理しておったというところはもちろんございますけれども、外構工事により公共下水道に流せる範囲を早くふやし、降雨をちゃんと下水道につなぐということも、そのときは、私どもの役目として優先していたところでございますので、そこはご理解いただきたいところでございます。

○尾崎委員 この間の答弁についても確認すると、今回の委員会資料で、排水設備の撤去時期はようやくはっきりしたわけですけれども、十一月二十二日の経済・港湾委員会の答弁では、八月から九月の排水設備の撤去で地下水位が上昇したと答弁されました。排水設備の撤去の時期が答弁によって違っているんです。議会答弁をこのようにいいかげんにされては困るわけです。地下水位がなぜ高いのか、それはいつから、どのようなことによって生じたのですか。
 地下水位が高い現状にある原因を究明するために、過去のさまざまな出来事を事細かに調査する必要があるのではないかと思います。以前の担当者にも問題があったわけですが、地下水管理にどんな問題があるのかを調査することは、現在の担当者の皆さんにも重い責任があるのではないかと指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、地下ピットのたまり水について伺います。
 地下ピットのたまり水は、いつからたまっていたのですか。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 先ほどもご答弁いたしましたが、長雨が続いた旧盆の八月の下旬に私どもで気づいたところでございます。

○尾崎委員 今のご答弁ですと、本年八月ということですが、十一月二十二日の経済・港湾委員会の質疑では、地下ピットに水がたまっている状況がわかったのは八月以降、きょうと同じ答弁です。
 しかし、十二月二日の特別委員会では、二〇一六年五月に建設工事が完了してから、地下ピットにたまった水を処理していた。本体施設の建設完了後、仮設の排水設備により処理していたと答弁しています。地下ピット内のたまり水の状況についても、都の答弁は二転三転しています。
 なぜこの問題を私たちは曖昧にできないかというと、十二月二日の答弁のように、地下ピット内に二〇一六年五月、工事完了後にたまったとすると、二〇一六年夏の附帯工事での排水処理ミスではないことになるからなんです。都は、この点についてきちんと調査して、具体的根拠を示して、曖昧さのない答弁をするよう、特別委員会としても、当時の工事関係者、都の担当者を参考人として呼んで、この辺を解明することが今一番重要だと思いますので、調査すべきだということを提案するものです。
 さらに、私たちは、いろいろ調査を進めてきましたが、雨水が盛り土内に浸透、地下水化したのは二〇一六年七月以降なのか、それ以前から起きていたのではないかという疑念も生じます。それは、都の工事管理について、これまでの答弁でおわかりのように、非常にずさんさがあったからです。
 工事期間中の排水処理施設の能力について、地下水処理プラントは一時間当たり十二・五から二十五立方メートル、沈砂槽の一時間当たりの処理能力は、五街区で七十立方メートル、六街区は百立方メートルです。これでは時間当たり一ミリの降雨で一街区当たり約百三十立方メートルとなり、完全に能力不足です。すなわち、雨水が地下に浸透する事態が起きて当然だということです。
 ところが、雨水の地下水化に対して細心の配慮をしていないことがわかります。十一月二十二日の経済・港湾委員会で、二〇一一年八月末から始まった土壌汚染対策工事でも、地表で集水し切れずに地中に浸透と答弁しています。十二月二日の特別委員会でも、一部地下に浸透していたのも当然あったと答弁しています。都も雨水が地下水化していることを認めています。
 技術会議で座長から、地下水管理システムができるまでの間の工事中の地下水管理の不安を指摘されているのにもかかわらず、都はその重要性について十分理解できずに、その場だけの通り一遍の説明をしていたにすぎなかったという疑念があります。この点でも、特別委員会として当時の工事の状況について、JV業者、都の当時の担当者を参考人として招致して調査すべきだと提案するものです。
 ただし、もう一方で、現実的には四十ヘクタールの広大な土地ですから、工事中に雨水の地下水は、どんなに管理に努力しようとしても、現実的には、人のやることですから、ミスもあり得るわけです。盛り土に雨水が浸透することはあり得る事態として、それを前提に設計することも必要だったのではないでしょうか。工事中も含めて、何が何でも雨水が地下に浸透しないようにするという非現実的な設計であること自体、地下水管理システムとして重大な欠陥だと指摘せざるを得ません。
 十月十四日、地下水管理システムの本格稼働後、少しの雨でも観測井戸の地下水位が上がってしまうことについてどう認識されていますか、伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 まず、お答えする前に、委員からのご質問の中で、去る十一月二十二日委員会での私どもからのご答弁で、七月から八月にかけて都とJVが協議をして仮設の排水設備の撤去を了解し、七月から八月にかけて撤去したというご答弁をさせていただいているのを確認させていただいたので、先ほどのお問いかけにご説明をさせていただきたいと思います。
 また、去る十二月二日の委員会でも、雨水排水については、沈砂槽の容量に基づいて表面の雨水をつなぎ込んで、そこで処理できるだけのつなぎ込みをしていたというご答弁の中で、一部地下水化したものも見受けられるというところをお話し申し上げました。
 それはやはり雨水の方の処理の最大のところでは、百立米規模の沈砂槽をつくっておったところですが、キャパシティー以上のものをつなぎ込めないという状況から、地下水化をやむなくし、地下水に関しましては、先ほど来ご答弁しておるように、掘削部の湧水処理ということで、仮設の排水設備がある間はそこにつないで適切な処理を行っていたところでございます。
 また、時期的な問題で、先ほど八月の旧盆以降というお話を申し上げましたのは、ちょっと言葉が足りなくて申しわけなかったのですが、六月以降の建物引き継ぎ後、仮設排水処理施設を撤去した後に、いつ気づいたかというお話で、先回りしたご答弁をしたこと、まことに申しわけありませんでした。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 一部の観測井戸において、地表に降った雨水が井戸のふたから入った形跡が確認されたため、直ちにふたの補修を行うなど、適宜原因を確認した上で改善に努めております。

○尾崎委員 先ほど、この間の答弁のことを繰り返してお話しされましたが、やはり非常に変わったりしていまして、わかりにくいんですね。この場ではいいですので、ぜひ後で詳しく状況を再度教えていただいて、解明したいと思いますので、ご協力ください。
 それで、今のご答弁で、井戸のふたから水が入った形跡が確認されたために直ちにふたの修理を行うなど改善に努めているということですが、これは設計上の問題以前の話だと思います。実際に施工したJV業者から、当時、こんなつくりではだめだというような話はなかったのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 観測井戸の設置につきましては、当初考えていた位置に植え込みができたり、舗装があったりとか、いろいろ現場の状況によって状況が変わってまいりました。
 また、土の入れ方なども、植え込みですので、高さまでは指示しておりませんが、そういったことで、水が流れやすいように坂になっていたりとか、そういう現場の都合で、現場の状況が変わったということで、雨水が入りやすいような状況になっていったというふうに考えております。

○尾崎委員 ちょっとご答弁がかみ合わないような感じもするんですが、JVの方からは、こういうふぐあいがあるというようなことは、話はなかったということでよろしいんでしょうか。
 それで、雨水が入らないようなしっかりしたつくりになっているはずですけれども、今のご答弁ですと、植え込みがあったり、当初配置を考えていたところと状況が変わったので、水が流れやすいようになっていると。だから、水が井戸のふたから入っていったということになるのでしょうか。
 いつ、どこの井戸のふたに雨水が入った形跡が確認されたのか。そして、既に修繕をした、補修をした井戸は、どこの井戸で、何本ぐらいあるのかお尋ねします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 十一月十一日の降雨によりまして、四カ所の観測井戸において水位が不自然に上昇したことから、全ての観測井戸を調査し、正確な水位の観測を行うため、直接雨水が入り込まないよう必要な措置を講じました。
 四カ所の井戸は、五街区のナンバー2、六街区のナンバー1、七街区のナンバー1とナンバー5の観測井戸でございます。

○尾崎委員 この間、まだまだ稼働して期間が少ないわけですが、もう既に四カ所で雨漏り、雨水がふたから入っていって修繕をしたと。修繕せざるを得ないようなずさんな井戸のつくり方だった責任は、設計者の日水コンにあるのか、それとも、施工者であるJV業者にあるのか、どちらだということになりますか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 雨水が入ったことに対して、JVなのか、設計したコンサルタントなのかということは、明確にはお答えできませんが、現場の状況と設計時の考え方がうまく現場にまで伝わっていなかったという事実はございます。

○尾崎委員 観測井戸のふたから雨水が入るなどというのは本来あってはならないもので、この地下水管理システムがいかにずさんなものであるかを象徴するようなものです。観測井戸が地下水位をはかる重要な役割があることを認識していない証拠じゃないかといわなければなりません。この点では、設計に当たった日水コンからも直接話を聞くべきであり、参考人として招致していただいて、直接聞き取りを行うよう提案するものです。
 盛り土内に雨水が滞水している可能性があり、地下水位がAP二・五メートルから四メートルと高いわけです。都は、雨水について、舗装部は一五%、緑地部は八五%の雨水が浸透すると試算しました。
 雨水が浸透した場合は、舗装部の地下では盛り土の中位部分に設置された雨水管に集中され、緑地部に浸透した雨水の場合には、砕石層、ベントナイト層が盛り土の中位に設置されており、雨水がそれより深くに浸透することを抑制できるような設計になっているはずです。しっかり機能していれば、盛り土内に地下水がたまり、観測井戸の水位が二メーター以上に上がることはないはずです。都もそのようにこの間説明をしてきました。
 この設計が具体的にどうなっているのか、日水コンの詳細設計報告書一五七ページをパネルにしました。
 緑地部については概略図が示されています。ただし、この図面には、盛り土のところに高さが不明となっていて、記入されていません。舗装部については、第四回地下水管理協議会が示した概略図があります。ただし、こちらについても具体的な寸法はありません。不明なんです。
 土壌汚染対策工事の契約書、あるいは地下水管理システムを施工したはずの各街区の建設工事契約書を探してみましたが、それぞれの設計図の詳細は確認できませんでした。
 (パネルを示す)そして、第七回の地下水管理協議会では概略図がこのように出されています。この概略図は、その後に書かれたものであるにもかかわらず、舗装部には雨水を集水するための雨水管はありません。この詳細な図面、施工写真を提出していただくよう強く求めるものです。
 地下水管理システムが実際には機能していません。その要因を分析する上では、この点で、緑地部下、舗装部下に雨水が浸透した場合の雨水の浸透の仕組みをどう考え、それに基づく設計はどうで、施工がどうだったのか、具体的な資料をもとに分析、検討を進めるべきです。
 その点では、地中の地下水の流れをどのように見たらよいのか。経験に富んだ地下水問題を専門とする専門家に力をかりることが重要です。
 次に、日水コンの詳細設計についてです。
 前回の特別委員会で、我が党の曽根都議の質問に都は、各街区のAP二・〇メートル以深の透水係数について、平成二十五年、二〇一三年七月に、現地における採取した試料の試験結果をもとに設定していると答弁しました。
 そこで確認します。日水コンが行ったとする二〇一三年七月の現地における調査は、どのように行われたのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現地透水試験は、地盤工学会の基準に定める試験方法に準拠して実施しております。現地に試験用のボーリング孔を掘削し、孔内の地下水をくみ上げた後、周辺の地下水位と平衡状態に戻るまで、孔内の水位変化を経過時間ごとに測定することによって、現地地盤の透水係数を求めたものでございます。
 なお、現地試験は、日水コンが作成した実施計画に基づき、土壌汚染対策工事の受注者である建設会社が実施しております。

○尾崎委員 前回の特別委員会では、日水コンが現地で調査したと答弁しましたが、日水コンが直接行ったわけではなかったわけです。この点でも議会答弁がずさんなものだと指摘しなければなりません。
 次に、豊洲新市場の各街区の周囲に遮水壁を設置して、地下水汚染を封じ込めると説明されてきた問題について伺います。
 先日の第三回専門家会議の資料によりますと、こういう資料が入っているわけですけれども、各街区の海側の遮水壁は、旧東京ガス豊洲工場の敷地の境界ではなく、それより五・五メートル海側に設置されていることになっています。
 皆さんのところにも配布されているので、おわかりだと思いますけれども、この遮水壁の設置場所について、二〇〇九年二月の技術会議報告書、豊洲新市場整備方針では、都は、都民、都議会に、何のために、どのような位置に設置すると説明してきたのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 技術会議報告書での提言において、遮水壁設置については、地下水管理のために、豊洲新市場予定地とその周辺地域との間で地下水の流出入を防ぐためとしており、都民や都議会に対しても同様の説明をしております。
 同提言で、設置位置については、各街区周縁とし、道路側は鋼管矢板遮水壁、海側は三層構造遮水壁を設置しております。

○尾崎委員 技術会議の整備方針では、豊洲新市場予定地とその周辺地域との間で地下水の流出入を防ぐため、街区周縁に遮水壁を設置すると説明されてきました。しかし、いつの間にか、護岸側に五・五メートル離れたところに設置されることになり、実際にそうなっているとのことです。
 各街区の海側の遮水壁について、敷地境界から五・五メートル海側に離れたところ、四十ヘクタールの市場用地の敷地境界ではなく、その境界から海側に五・五メートル離れたところに設置することになったのは、いつの時点で、どのような検討によって決まったのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 三層構造遮水壁は、土圧に耐える構造物でないため、市場用地内を掘削した際に、三層構造遮水壁に土圧がかからないようにする必要がありました。
 このため、市場用地をAPプラス二メーターまで掘削した際、三層構造遮水壁に土圧が作用しないよう考慮した結果として、平成二十三年三月に完了した設計において、土壌汚染対策の必要がない旧護岸から五・五メーターの位置といたしました。

○尾崎委員 要するに、三層遮水壁はセメントミルクとゴムシートのようなものでできているために、ふにゃふにゃの状況で、三層遮水壁の際まで土を取り除くと三層矢板が崩れてきてしまう。鋼管矢板のように、容易に自立させることができないということです。しかし、そんなことは初めからわかっていたのではありませんか。
 それとも、技術会議が整備方針を決めた二〇〇九年二月の時点ではわかっていなかったということなのでしょうか。どうして二〇一一年三月に決定したのかお答えください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 平成二十一年二月の技術会議の報告書においても、遮水壁の設置については、護岸側は現地の土とセメントを混合させるソイルセメントと遮水材を組み合わせた遮水壁を設置することとしております。これは三層構造遮水壁のことでございます。

○尾崎委員 海側の遮水壁は、街区の周縁、街区の縁ではなく、護岸側に五・五メートル離れたところに設置しています。このことについて、都はいつの時点で、都民、技術会議、都議会に説明してきたものだといいますか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 技術会議の報告書での提言において、遮水壁設置については、地下水管理のために豊洲新市場予定地とその周辺地域との間で地下水の流出入を防ぐためとしており、都民や都議会に対しても同様の説明をしております。
 具体的に設置位置については、詳細設計において検討しております。

○尾崎委員 都議会には、いつ説明したことになっているのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都議会に対しては、平成二十三年六月の第二回定例会、経済・港湾委員会においてご答弁差し上げております。

○尾崎委員 今のご答弁ですと、平成二十三年六月の議会答弁でということでしたが、これはどういうことでしょうか。ちょっと具体的にわかるように説明してください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどご答弁させていただいたとおり、議会に対しても答弁として報告もしておりますし、技術会議の報告についても議会に対して報告しているということでございます。

○尾崎委員 全く誠意のない答弁じゃないかなと思うんですが、いつかということを聞いているわけです。ここで時間をとるわけにはいかないので、先に進ませていただきます。
 東京ガス豊洲工場は、一九五六年、昭和三十一年から三十二年間にわたり都市ガスの製造、供給を行ってきました。しかし、既に旧護岸が設置されて六十年程度たっていることになります。マンション屋上、地下鉄内などの雨漏りに見られるように、鉄筋コンクリートの矢板は完全ではありません。
 ましてや、海水に六十年間もつかっていたわけですから、それらに比べてもこの鉄筋コンクリートの劣化は早く、東京ガス豊洲工場操業当時に汚染された土壌、汚染された地下水の流出入が抑えられるどころか、遮水壁の内側で東京ガス豊洲工場跡地の地盤から汚染水の流出入が起きることになります。多額の費用をかけて遮水壁を設置したにもかかわらず、その機能が確保されていないことになるのではないでしょうか。このことを厳しく指摘させていただきたいと思います。
 そして私は、前回の委員会で、各街区の海側の遮水壁について、海側を背景にした砕石層の設置に関する施工写真を要求しましたが、都側からは探し切れないとのことでした。なかったという答弁です。なかったという報告がありました。
 各街区では、それぞれ敷地境界部分の土壌汚染対策工事を行っているわけですから、その際に対策工事の写真があれば、旧護岸がどのような状態かを確認できる重要な写真です。また、各街区では敷地内全面に砕石層を敷いています。砕石層について、海側の敷地境界部分まできちんと砕石層を敷いたのか、施工写真は重要な証拠として必要なものです。
 そうした重要なものが探し切れないということで済ますわけにはいきません。改めて、ここで資料として探していただいて、提出を求めるものです。
 最後になりますが、十二月二十一日に、豊洲新市場の土壌汚染問題について、各分野の名立たる科学者五十二人が声明を出されました。そして記者会見では、食品を扱う市場を汚染されているところへ移転するのはやめるべきだ、豊洲移転は百年の悔いを残すと述べました。日本を代表する科学者の皆さんの声明を都は真摯に受けとめるべきだと思います。
 地下水管理システムを設計した日水コンや、実際に地下水管理システムを施工したJV業者、当時の都の担当者などの関係者の参考人質疑を重ねて要望して、質問を終わります。

○酒井委員 では、私からも何点か確認の意味も含めて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、第三回の専門家会議で議論された項目についてお伺いをいたします。
 先ほど来お話も出ておりますけれども、地下ピット内の空気測定についてでございます。
 今回の報告にも、また先ほどの質疑に対する答弁の中でも、換気の有効性を確認したということでございますけれども、換気一週間後には、五街区の一部の区域で指針値を超えてしまったということでございます。このことは、ピット内に原因物質がまだ現存しているというふうに考えてよいのかどうか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第三回専門家会議において、ピット内の空気中に水銀が検出された理由は、ピット内のたまり水に含まれる微量の水銀が空気中に気化したことが原因だと推定されるとの見解をいただいております。

○酒井委員 ただいまのご答弁では、水銀濃度が上昇したのは、水中から水銀が地下ピット内の空気中に気化、滞留したと推定をするというふうにしておりますけれども、資料の水質調査の結果一覧によると、五街区からは水銀は不検出とされ、十一月三日以降、水銀濃度の定量下限値を下げて行ったことにより、微量の水銀が検出されるようになっているわけですけれども、このような微量の水銀であっても、空気測定の指針値を超えるようなことの影響の原因となることがあるのかどうか、所見をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第三回専門家会議において、専門家会議の委員から、地下水基準を下回る水中の微量な水銀であっても、換気がない閉じられた空間に気化してたまることにより濃度が上昇したと推定されるとの見解をいただいております。

○酒井委員 微量であっても閉鎖空間の中では濃度が高まるということで、この後の質問にも続きますけれども、やはり原因の特定というものを、これはしていかなくてはいけないのかなというふうに思っております。
 ここで、街区により換気回数に大きな違いがあるのはなぜかと質問しようと思いましたが、先ほどご答弁がありましたので、この点については割愛をさせていただきたいと思います。
 専門家会議の、今後地下ピット内にたまった水を排水し、床面の清掃と換気を行い、改めて空気の調査を行うという方針に基づいて、先ほど来議論に出ておりますとおり、十二月十三日より地下ピット内の排水を始めているわけですけれども、砕石層からの排水など、具体的な排水方法はどのように行っていくのかお伺いをいたします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 具体的な排水方法につきましては、地下ピット内に排水ポンプを設置し、地上部の仮設の排水設備につなぎ排水しております。
 砕石層部分につきましては、砕石の一部を掘り下げたかま場に排水ポンプを据えて排水を行っております。

○酒井委員 また、床面の清掃というふうにも記載をされておりますけれども、砕石層がむき出しになっているような場所の清掃とはいかなる方法で行うのか、確認のため、お伺いします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピットの床面のならしコンクリート上につきましては、排水後にゴム状のヘラ等で泥などを集めて除去するとともに、掃除機で清掃を行います。
 一方、砕石の箇所でございますが、清掃が困難なため、特段の清掃はせずに空気の測定を行うことについて、専門家会議の了解を得ております。

○酒井委員 今のご答弁ですと、ならしコンクリートの上は、きれいにはけで掃除をするということでありますけれども、当然、砕石層に関してはそのようなことができないということで、特段の清掃はしないでという話でありました。
 これ以上この点については聞きませんけれども、そうすると、この二つの種類の場所においては、その後の空気を換気した後の、また水銀が出るのかどうなのかという結果については、その原因の特定については、当然差異が生じてくるのではないかなという疑念を持っておりますので、その点だけお話をさせていただきたいと思います。
 次に、十二月二十二日に、私どもの会派としても現地の視察をさせていただきましたけれども、この排水は、ならしコンクリートの上の部分については二、三週間で排水ができるということですけれども、全体としては三カ月もの期間を要するということです。
 なぜそれほどの時間を要するのか。先ほどもなるべく早くという話があったわけですけれども、三カ月もの時間を要するその原因について、これは例えば排水ポンプの性能によるものなのか、それとも、排水方法に特別な配慮をしなければならないことなのか、その点について詳しくご説明をいただきたいと思います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 ならしコンクリート及び砕石の上端までたまった水につきましては、そのままポンプで速やかな排水が可能でございますが、砕石層部分につきましては、砕石のすき間の地下水を集水して排水するため、より時間を要するものでございます。

○酒井委員 ちょっと一応確認のためだけ、もう一回お聞きしますけれども、そのような技術面で時間がかかるということは理解をしますけれども、この三カ月、先ほどなるべく早くというお話でしたけれども、どんなに時間がかかっても三カ月で終了できるのかどうかということで、一応確認のため、お伺いをいたします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 あくまでも砕石のすき間の地下水を集水するものですから、どれぐらい時間がかかるかというのは、実際に、実績から考えないといけないのですが、そういうものを考慮して、今の段階では三カ月程度という推測をしているものでございます。
 ですから、今後、集水することによって、さらにその期間はどうなるかというような、より詳細な推測ができるものと考えております。

○酒井委員 今、おおむねの予定でという話であったわけですけれども、先ほどの質問の中でも細かい数字の話が出ておりましたけれども、実際の排水にかかわる進捗状況といったものはどのように確認をするのか、排水量の水位低下の関連性といったものの調査は行っていくのかどうか、一応確認のため、伺わせていただきます。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピットのたまり水の排水は、地下水管理システムとあわせて、街区全体の地下水位の低下に寄与するものと認識しておりまして、排水量と地下水位につきましては、毎日データをとって確認しております。

○酒井委員 当然そういったデータも示されるでしょうから、逐一、実際に排水といったものがうまくいっているのかどうなのかということについては、情報発信をしていただきたいと思います。
 次に、補助三一五号線高架下の空気測定について質問をさせていただこうと思っておりましたが、先ほど換気の方法等について再調査をという質問や、その問題点等についての質問もございましたので、私からは一点だけ。これは換気方法等について今後検討していくというご答弁等でありましたけれども、この検討の期限、あるいは再測定といったものはいつまでに行っていくのかという点だけ確認をさせていただきます。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 砕石層内の換気については、換気時間を長くして改めて空気測定を行い、次回の専門家会議に報告する予定でございます。

○酒井委員 今のご答弁ですと、方法については換気時間を長くするだけということで、特段の新たな方法ということではないということだけは確認をさせていただきました。
 次に、液状化対策についてお伺いをいたします。
 この液状化対策については、市場問題プロジェクトチームで扱うこととしたということでありますけれども、一応その理由について、念のため確認をさせていただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議の委員の中には、液状化対策を専門とする方がいないためでございます。

○酒井委員 専門とする方がいないということでございますけれども、この市場問題プロジェクトチームの中の名簿の一覧によるそれぞれの専門分野の項目の中では、地震、防災を専門とするという方はいるようでございましたが、特段、液状化対策に関する専門家という名簿の記載はなかったわけですけれども、そういった専門家がいるのか、確認のためにお伺いいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームのメンバーである時松孝次専門委員は、液状化対策に関する専門家でございます。東京工業大学環境・社会理工学院教授でありまして、地盤地震工学、地震防災などを専門としております。

○酒井委員 時松専門委員が、地震防災だけではなく、液状化対策の専門家であるということはわかりました。
 この液状化対策の問題については、先ほどもまた、前回の委員会の中でも、市場問題プロジェクトチームがセカンドオピニオンを行うというようなお話であったわけですけれども、この点についてはセカンドオピニオンではなくて、役割分担だという認識なのかなというふうに思っております。知事にとっては、セカンドオピニオンを得るのではなくて、シングルオピニオンによって判断をされるということがわかりました。
 次に、第三回市場問題プロジェクトチームについての議論についてお伺いをしたいと思います。
 まず初めに、売り場面積についてお伺いをいたします。
 加工パッケージ棟や転配送センター等の新規施設を設置したり、荷さばきスペースを建物に確保したことにより、床面積が一・八倍になったとの説明でございますけれども、店の面積はほとんど変わっていないのではないかという指摘もされているところでございます。
 手狭な築地から豊洲に移転することで、市場業者の実質的な使い勝手といったものは向上しているのかどうか、お伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場は、荷さばきスペースを、卸、仲卸売り場近くに配置することによりまして、搬入側ではトラックの着車、荷おろし、卸売り場から仲卸売り場への流れ、また、搬出側では、仲卸売り場から積み込みまでの流れである物流の円滑化と荷作業の効率化を図ることが可能となってございます。
 また、卸売り場や仲卸売り場等の施設を温度管理ができる閉鎖型としておりまして、高温、風雨による品質劣化や鳥、小動物等から被害を防ぐことができるようになってございます。

○酒井委員 今の答弁ですと、実質的な使い勝手が向上しているかのように思える答弁でございますけれども、この加工パッケージ棟や転配送センター等の新規設置、また、荷さばきスペースといったものは、従来の築地市場における同様の作業スペースと比べて拡大しているのかどうか、お伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場では、物流の効率化や多様なニーズへの対応を図る観点から、これらに必要な作業スペースについて業界と協議をいたしまして、築地市場と比べてスペースを拡大してございます。

○酒井委員 スペースを拡大しているというご答弁でありましたけれども、使い勝手という面も含めて、実質的にスペースは拡大しているというふうに理解をしていいのか、改めて確認をさせていただきます。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場におきまして、事業者へお貸しする使用指定の予定面積は、築地市場と比較すると、加工や転配送、荷さばきなどのスペースについて、いずれも拡大してございます。

○酒井委員 では、次に、買い回り動線についてお伺いをいたします。
 配置の変更の際、特に留意をしたことは何なのか。物流の確保や景観形成は買い回り動線とは相反するものであったのか否かについて、お伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 六街区と七街区の施設利用につきましては、水産卸の機能を一つの街区に集約しましたほか、効率的な物流の確保、晴海護岸沿いの景観ゾーンからの景観形成についても考慮いたしまして、買い回り動線への影響なども踏まえながら施設配置を変更することといたしました。

○酒井委員 今の答弁では、実際に買い回り動線への影響といったものと、実際に街区を変更したこと、配置との相関関係というのがいまいちよくわからないんですね。
 私の質問は、この買い回り動線というものと相反するものであったのかどうなのかといったものを改めて確認させていただきたいと思います。
 買い回り動線は犠牲にされていないのか、それとも、あるいは多少犠牲にされている面はあるけれども、それにまさる利点といったものがあったのかどうか、お伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 六街区と七街区の施設配置につきましては、水産卸の機能と効率的な物流の確保、景観形成のほか、買い回り動線など、さまざまな要素を考慮して検討いたしました。
 具体的には、水産卸の機能を集約することなどによって実現される物流の効率化や景観への影響のほか、歩行者デッキや外周道路などの移動経路の状況から、買い回りに与える影響なども含めて検討し、比較考量してございます。
 こうした内容につきましては、業界団体と協議し、合意を得た上で、施設配置の変更について総合的に判断をしてございます。

○酒井委員 今、比較考量をしてということと、最終的な判断については業界団体と協議し、合意を得た上で配置したというご答弁でございました。
 これに関連する事項について、バースについての問題もあろうかと思います。これについては説明、報告の資料の中で、現在申し込みを受け付け中であり、結果を踏まえ対応としておりますけれども、そもそも市場業者の需要といったものを考慮して設計をしていなかったのでしょうか。その点についてお伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場の駐車場の整備につきましては、築地市場の利用実態や、駐車場台数のシミュレーションをもとに、新市場建設懇談会などで市場業界と協議をしながら進めてまいりました。

○酒井委員 今のバースの問題、あるいは買い回り動線の問題も含めてですけれども、豊洲新市場の使い勝手等について、現在、市場問題プロジェクトチームで議論をされておりますけれども、計画や設計に当たり、当然、市場関係者の要望を聴取して行ってきたものと考えておりましたけれども、実際はどうだったのでしょうか。市場関係者からの要望をどのように受けとめ、対応してきたのか、お伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場の開設に当たりましては、平成十四年四月に市場業界の団体との協議体であります新市場建設協議会及び新市場建設懇談会を設置いたしまして、また、その下に街区や業種に応じて検討会や部会を設け、長年にわたり協議を重ねてまいりました。
 また、基本設計や実施設計を作成する際には、実際に施設を使用する市場業者を交えた協議会としまして、街区や業種に応じた分科会や部会を設けて協議を行い、市場業界の要望について、基本設計、実施設計に反映させてございます。

○酒井委員 ただいまの答弁ですと、当然のことながら、ちゃんと意見を踏まえた計画であったということでございますけれども、具体的に市場建設に当たって、市場関係者の要望で受けとめることができた点と、残念ながらできなかった点、この両者について象徴的な事例を例示していただきたいと思います。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 市場業者からの要望につきましては、これまで分科会等で協議を重ねてまいりました。この中で要望に対応したものでございますが、売り場面積や柱間隔の変更、ひさしの設置などの物流計画に係るものや、垂直搬送機や荷物用エレベーター、ターレ用のスロープ設置などの動線計画に係るもののほか、車両用スロープの拡幅や勾配の緩和、右折レーンの設置などの安全面に係るものなどの多くの要望に応えてきてございます。
 ただし、七街区の補助三一五号線沿い西側の出入り口の右折対応や、補助三一五号線の上空の六街区と七街区を結ぶターレの連絡通路の設置などの要望につきましては、交通管理者や道路管理者と協議の上、対応できないものと判断をしてございます。

○酒井委員 ただいまのご答弁で、できたもの、できなかったものについてのお話を伺いました。
 今、いろいろとマスコミ報道や、あるいは市場問題プロジェクトチームの中の議論でも、いろんな方の意見が出て、東京都は余り市場関係者の声を聞かないでつくっちゃったんじゃないかというような、そういった論調に感じるんですね。
 盛り土の問題は、本当に皆さんに反省をしていただかなくてはいけない。計画どおりにやっていなかったことですから、その部分については真摯に反省をしていただいて、これからの善後策といったものを検討していただきたいと思いますけれども、こういった建物に関して、やってきたことはやってきたことということで、正しく情報を発信するということについても、これは東京都としては十把一からげでだめだという話でもないと思いますので、なかなか皆さんの口からはいいづらいところもあろうかと思いますけれども、その部分についてもしっかりと発信をしていただきたいというふうに思っております。
 次に、第二回会議の課題整理の結果報告についてということで、森高専門委員から、基礎ピットをモデル化することによる地上部への影響は極めて軽微であり、設計時の構造安全性は確保されているとの報告があったということで、先ほども質疑がございましたけれども、この報告の文言だけを見ると、余りにもざっくりとした報告でございます。具体的に構造計算の結果等、数値としてどの程度軽微であったのか示してほしいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 第二回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、日建設計の構造解析モデル、これはいわゆる構造案のことですが、その妥当性について専門的な見地から追加検証をすることとなったものでございます。
 設計時の日建設計のモデルは、建物の上部構造と基礎くいを分離したモデルでありましたので、森高専門委員から日建設計に対して、上部構造と基礎くいを一体にしたフルモデルの解析を追加で依頼いたしました。
 あわせて、この解析には、第二回会議に出席した高野氏が会議に提出した検討モデルのバックデータも必要なため、その提出を高野氏に依頼いたしました。
 その検証の結果、地上部各部の応力--応力とは力がかかったときの抵抗力のことですけれども--その応力が設計時のモデルに対して、最大でプラス・マイナス一%の変化であり、ほぼ同一の応力状態であることなどから、日建設計の設計時のモデル化は妥当であると判断したとのことでございます。
 また、高野氏が第二回会議に提出した、基礎の下に支点を設けるという高野氏のモデルについて検証した結果、柱の応力は日建設計の設計時のモデルに対して、一階部分で〇・六%減でしかなく、地上部への影響は微小であることが判明いたしました。
 これらの検証結果を踏まえ、委員のご質問にございましたとおり、森高専門委員からは、設計時の構造安全性は確保されているという報告があったものでございます。

○酒井委員 それでは最後に、第四回市場問題プロジェクトチームで議論されたコールドチェーン並びに衛生関係について、お伺いをいたします。
 HACCP認証については、事業者が取得するものであるが、都としては、取得しやすい施設を整備するとしております。
 これに関しては、十二月十四日に行われた市場問題プロジェクトチームによる築地市場青果部関係者へのヒアリングにおける資料一の中には、対EU、HACCP登録認証施設等の記載もあるわけですけれども、豊洲市場では、豊洲市場という施設としてHACCPの認証を取得する考えがあるのかないのかについて、お伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 HACCPは、あらかじめ食品の安全性に関する危害要因を分析、予測することにより、危害の発生を予防し、食品の安全確保を図る製造加工など、一連の工程管理システムでございます。
 卸売市場の場合、卸売業者、仲卸業者など、多くの事業者がおのおの独立した工程で業務を行っておりますことから、市場全体としてHACCP認証を取得することは困難であると考えてございます。
 しかしながら、卸売市場で事業を行う市場業者が、おのおのの業務について認証を取得することは可能でございます。

○酒井委員 このHACCPについて、都の役割といったものは、認証を取得しやすい施設を整備することであり、品質管理の取り組みは、基本的には流通過程全体において個々の事業者が対応されるものであるということは理解をしております。
 しかしながら、品質の管理に前向きに取り組んでいこうという業者に対して、都としても必要な支援を行っていくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 市場業者がISO二二〇〇〇など、HACCPの手法を取り入れた品質、衛生管理に関する第三者認証の取得を目指すことは、卸売市場全体の品質、衛生管理の一層の向上に寄与するものと考えております。
 豊洲市場は閉鎖型施設で、商品特性に応じた温度管理を行うことができるなど、市場業者が認証を取得しやすい施設環境を整えてございます。
 より高度な品質、衛生管理を目指し、輸出などへの対応を考えている事業者に対しましては、今年度、第三者認証の取得に対する支援制度を創設したところでございまして、こうした取り組みを通じまして、事業者を後押ししてまいります。

○酒井委員 ぜひ都としては、事業者への支援といったものを着実に進めていただきたいというふうに思っております。
 今、市場業者が認証しやすい施設環境を整えているという話でございましたけれども、通常でもHACCPの登録や認定施設といったものは、ハードルが高いものであると思います。この豊洲市場では現在、本来の盛り土がなされておらず、地下ピットが設置されていたり、また、第八回の地下水モニタリングでは、三カ所の井戸で基準値を超過してしまったという現状がございます。
 この取得しやすい環境を整えていくということに関して、こうした現状の要因といったものがHACCPの危害要因の分析に影響を与えることがないように、ぜひ専門家会議の提言も踏まえて、都としてしっかりとした対応を講じていただきたいというふうにも思っております。
 今、このような豊洲市場の現状においては、豊洲に移転をしたら、対EU向けの輸出ができなくなるんじゃないのかというような危惧をしている業者さんもあろうかと思います。
 まさに、この衛生基準の中で、HACCPの登録、認定の事業者さんがふえていく、このことをしっかりとやっていくことが、仮にこの豊洲市場といったものを維持するという判断をしたときにおいて、本当に都民の皆さんや業者の皆さん、そして世界の消費者の方に対して、豊洲市場は安全なんだということの裏づけにもなると思いますので、業者任せというだけではなくて、東京都としてもしっかりとしたバックアップ体制と、そして、そのバックアップ体制を裏づけるための対策といったもの、土壌汚染対策等についても意を用いていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。

○田中(朝)委員 これまで各委員の皆さんからいろいろな安全対策等、質問が出ました。確かに、地下水や土壌の汚染問題に対する安全対策に関して本当に重要であると思いますけれども、もう一方で、新市場をずっと使用して職場とする、当事者である水産や青果の事業者の方々のご意見や要望をいかにきちんと反映させた市場にしていくかということも非常に重要であると思います。
 前回の委員会で出ました築地市場内の事業者へのヒアリングや、また、今回の青果部関係者へのヒアリングについて、議事録等拝見をいたしましたけれども、多くの事業者から、豊洲市場の設計自体が、効率的な物流に対する配慮がほとんど考えられていないという、根本的な、そもそものことを指摘されているわけです。
 具体的には、バースの数の不足、コールドチェーン、駐車場の屋根の有無、ターレの使い勝手、電気容量の不足等々、そのほかにも市場に必要と思われる条件がなぜここまで取り入れられていないのかということが私、非常に不思議な思いでいます。これまでさまざまな協議が恐らく行われてきたにもかかわらず、今になって、これだけ数の多い、そもそも論のところまで指摘されているというのが本当に不思議でなりません。素朴な疑問といったところですけれども。
 私は前回の特別委員会のときに、最初から築地より使い勝手のいい市場にできたはずなのに、なぜ今、このほぼでき上がったときになってこういった指摘をされているのか、経緯と理由をお伺いしたわけですけれども、経緯のご説明はありました。しかし、理由のご答弁はありませんでした。
 そういったわけで、この私の素朴な疑問というのがまだ解決はしていないわけですけれども、今回、ちょっとこの観点から幾つか確認も含めて質問をさせていただきたいと思います。
 今回の第三回市場問題PTでは、築地市場と豊洲新市場の面積の比較について言及をされています。先ほど酒井委員の方からもこの問題についてありましたけれども、そもそも築地はもう古くて狭いという理由で豊洲への移転が計画されたわけですけれども、今回、面積の比較では、築地は二十三ヘクタール、それに対して豊洲は四十ヘクタールと二倍近くの広さがある。
 ところが、水産卸売り場が一・〇倍、これは築地と同じということですね。仲卸が一・一倍、青果の卸売が〇・八倍、これは狭くなっているということです。それから、青果の仲卸は一・一倍、ほとんど変わっていないということなんですけれども、まず確認としてちょっとお伺いをいたしますけれども、豊洲市場は築地市場に比べて面積が二倍近く、また、建物面積も一・八倍になっているということですけれども、この店舗の面積がそれほど広くなっていないという理由は何でしょうか。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場は、卸売市場を取り巻く状況の変化に的確に対応するため、高度な品質、衛生管理が可能となる閉鎖型の施設とし、温度管理などを適切に行うことを目指し、荷さばきスペースや物流通路を建物内に確保してございます。
 また、消費者、実需者からの多様なニーズに対応できますよう、加工パッケージなどの機能強化に取り組むほか、他市場への転配送機能、ハブ機能の強化なども図るため、加工パッケージ棟や転配送センターなどの新規施設を設置しております。
 このように、豊洲市場では、店舗の面積は築地とほぼ同様でございますが、さまざまな施設を整備しまして、市場機能を充実させております。

○田中(朝)委員 要するに、築地よりも物流機能を向上させているということだと思いますけれども、そういったわけで店舗の面積は築地とほぼ同等ということですけれども、現在、ちょっと前から報道等でもいわれていますけれども、水産仲卸の店舗の間口が狭いという声があります。
 そもそもこれは移転前に、仲卸さんの業界から、店舗面積を広くしてほしいという声はなかったんでしょうか。また、水産仲卸店舗の面積については、仲卸の業者さんとどのような経緯で、どのような協議を経て対応してきたのかをお聞きいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 水産仲卸店舗につきましては、これまで市場業界の団体との協議体である新市場建設協議会及び新市場建設懇談会のほか、実際に施設を使用する市場業者を交えた協議会であります基本設計及び実施設計の分科会において、協議を重ねてまいりました。
 一店舗事業者の対応につきましては、一店舗事業者同士が並び、かつ取扱品目が同一である場合に限りまして、店舗間間仕切りを不要とする例外的な措置の適用に加えて、六街区、七街区に共同の加工場や作業場を整備する取り組みを行ってございます。

○田中(朝)委員 よくわかりましたけれども、今のご答弁ですと、どういった経緯とかというところがちょっと明らかにされていないということと、あと、店舗面積を広くしてほしいという声はなかったのかどうかということがちょっと入っていなかったように思います。
 私は以前、民進党の国会の議員のヒアリングの方で参加したことがあるんですけれども、そのときに仲卸の方から、当初この仲卸店舗というのは間口三メートルで、八百区画の等分で計画されていたと。そして、市場業界の団体にもそれで了承されていた。この広さというのは築地の店舗の倍だそうです。
 それが着工前になって、団体の代表者がかわったら、やはり八百区画を千五百七十八区画ですか、にしてほしいという要望があって、結果、大体倍の数になったわけですから、間口が一・五メートルぐらいの、半分の広さにしなければならなくなった経緯があるということをそのときに仲卸さんの方々からお聞きをいたしました。
 今こういった経緯のご答弁が出ることを期待していたわけですけれども、こういった経緯自体が明らかにされないと、この市場問題PTの中でも適切な報告が出てこないのではないかと危惧するものでございます。またちょっとこの点については後ほど申し上げます。
 次に、第四回市場問題PTで取り上げられているコールドチェーンについてお伺いをいたします。
 コールドチェーンにつきましては、前回取り上げられた市場問題PTによる築地市場内の事業者へのヒアリングの中で、水産物卸売業者協会の伊藤会長がコールドチェーンについて発言をなさっています。
 それによりますと、もともと都が用意したのは地域冷暖房で、二十三から二十五度ぐらいの温度しか確保できず、これは冷房の温度である、青果はこれでもいいとしても、水産の本来の機能や商品の特徴から考えて、この温度では不足ということです。
 東京都に対しては、この水産卸売り場棟を少なくとも十度ぐらいの低温施設として整備するようお願いしたが、だめで、断られて、事業者側の負担で整備するよういわれたということを発言されています。
 結果、一階、二階、三階も、それぞれの業者負担で設備を整えたということですけれども、なぜそういうことになったのかをお伺いいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場の各売り場の低温化につきましては、産地や小売店、飲食店など実需者からの要請を踏まえまして、市場業者と協議の上、決定したものでございます。
 施設整備に当たりましては、都は、閉鎖型施設内を市場利用者の作業環境に配慮した温度に保ち、また一方、市場業者は、商品の特性に応じた保冷設備や低温施設を整備することとして、おのおのが必要な負担をすることで合意をいたしました。

○田中(朝)委員 今、合意をしたというご答弁でしたが、合意をしても、こういったご意見が出てきてしまうというところが不思議なわけです。
 今回この豊洲市場への移転が決定した後、もちろん旧来の築地の問題点とか、課題の解決を、何年もかけて東京都と市場事業者等は協議をなさってきたと思います。ご答弁でも、団体の協議体等と協議を重ねてきたというご答弁が先ほど来から何度も出てきていますので、それは全く疑ってはおりません。特にこの市場の移転に対しては不確定なことの多い中で、きっと心を尽くして協議に当たってこられたと本当に心から思います。
 しかし、それにもかかわらず、そして協議によって出た結論どおりに東京都がおやりになってきたにもかかわらず、今になって根本的なそもそもなことを数々指摘されているということは、この協議の中で、要望が通らないことで相手が説得されておさめたものの、本当は納得していなかったような事業者さんが非常に多かったのではないかと思わざるを得ません。
 特に水産仲卸さんから多くの指摘をされていることを考えますと、その協議体の方々との協議の進め方に課題があった、また、方法が不十分なところがあったのではと推測をするものです。
 今回、先ほどの店舗面積の質問に際し、タイミングの問題や協議体執行部への確認が必要で、現状で明らかにできない答弁があるということをお聞きいたしました。また、これまで何年も信頼関係を持って協議を進めてきたものの、盛り土問題以降、事業者から都に対し不信感を持たれている節があるということもお聞きいたしました。
 こういったこれまでの経緯とともに、新たな現状があるわけですから、それを認識して今後の協議を進めなければ、今後いつまでたっても、またどこかで事業者さんから何らかの不満が出てくる可能性が大いに考えられるわけです。
 これから、ヒアリングに出てきたさまざまな課題に対しては、市場事業者さんたちと市場の方々と協議をして、一つ一つ解決していくと考えられますけれども、ぜひ現状を認識して、これまでに加えて新たな協議の方法、また、話の聞き方等も考えて、ぜひ事業者さんに不満が残ることのないよう、課題解決に当たっていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時四十八分休憩

   午後三時五分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小松委員 既に多くの質問が出されていますので、ダブらないように伺っていきたいと思います。
 そもそも東京都が策定した豊洲新市場整備の方針、これは、土壌汚染対策として盛り土を行うという専門家会議の提言を踏まえてのはずでした。
 しかし、専門家会議は、盛り土の有無の是非を問わず、盛り土がされていない現状でここの環境の水準の評価を行い、必要であれば追加の対策の提言を行うということです。さらに一方では、プロジェクトチームがこれに対してセカンドオピニオンを出すとし、この二つの報告を踏まえて、知事が開場の是非と時期についての判断をすると認識しています。
 プロジェクトチームの資料には、以前の専門家会議の時点に時計の針が戻ったというふうな表現があります。専門家会議の現状評価を踏まえて、プロジェクトチームの意見も聞いて、ここを市場として使うかどうか、開場の是非を判断するということですので、専門家会議の検討及びプロジェクトチームのセカンドオピニオンは、重責を担っているということになります。
 そこで、専門家会議とプロジェクトチームの報告を受けて、その後に、開場の是非も含めて知事が判断するという認識で間違いがないのか。繰り返しになりますが、現段階で、現状でよし、あるいは追加対策を施せばよしとすると決まっているわけではないと考えてよいのか、確認したいと思います。

○吉村中央卸売市場企画担当部長 現在、専門家会議と市場問題プロジェクトチームにより、安全性等について検証を行っていただいている段階でございます。
 ロードマップでは、検証結果と必要な対策をセットにして、環境アセスメントの手続を進めた上で、移転するかどうかについて総合的な観点から判断することとしてございます。

○小松委員 総合的な観点から今後判断していくということを確認しました。
 専門家会議の検討状況についてお伺いしますが、環境の水準について評価するための指標として、どこの何を調査しているのか。そして調査の項目と頻度、先ほどもありましたが、流れもありますので、繰り返しになりますが、以前よりふやしているのか、そしてまた今後ふやす予定があるのか、お答えください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、地下水については、ガス工場の操業に由来するベンゼンやシアンなどの七物質に加えて、pHと電気伝導率を測定しており、空気については、七物質のうち、ベンゼン、シアン、水銀を調査項目としております。
 調査箇所については、主要建物における測定地点は、空気測定が十四カ所、水質調査が十一カ所、臭気測定が五カ所でございます。また、補助第三一五号線高架橋下では、空気測定を十カ所で行っており、それぞれ週一回の測定を実施しております。
 これらの調査の項目及び測定の頻度は、十一月二十四日より臭気測定を二カ所追加したこと以外は、第二回専門家会議と同じでございます。
 なお、今後の調査については、専門家会議の指示のもと、適切に対応してまいります。

○小松委員 それでは、評価の指標として採用するのは環境基準ということでよいでしょうか、伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水については、地下水基準により評価しております。空気については、ベンゼンは環境基準、シアンについては、日本には環境基準がないため、米国環境保護庁の慢性的な吸引に関する参考濃度、水銀については、国の指針値に、それぞれ照らして評価を行っております。

○小松委員 それでは、市場が食べ物を扱うところであって、市民の安心・安全を担保するために、より厳しい基準として、全域の評価指標として環境基準を用いているというふうに認識しているわけですが、それで間違いがないかどうか確認します。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、例えば、地下ピットは通常人が立ち入る場所ではございませんが、食の安全・安心の確保が最優先の課題であることから、安全を確保した上で、安心につながる取り組みを積み重ねるという観点に立って、空気や水質の計測を行い、その評価に当たり、環境基準や指針値などを用いております。

○小松委員 地下のたまり水問題が発覚した当初、環境基準は飲み水の基準であって、豊洲市場の地下水は達成できているので問題なしと考えると座長がコメントしておられました。いたずらに風評をかき立てないようにとの配慮としての発言であったと思います。
 しかし、このことからうかがえる座長の環境水準の評価に臨む姿勢について、都はどのように捉えておられるのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 繰り返しになりますが、専門家会議では、空気や水質の計測の評価に当たり、環境基準や指針値等を用いると認識しております。
 専門家会議は、都と独立した組織であり、座長のお考えなどについてコメントすることは控えさせていただきます。

○小松委員 専門家会議の指示によって、ようやく地下ピットの水を抜くことが始まりました。この進捗状況について、一応確認しておきます。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 専門家会議からの指示を受けまして、十二月十三日から排水を開始しております。街区によって異なりますが、日量最大で約四百から千四百立方メートルの地下ピットのたまり水を排水しております。

○小松委員 汚染除去工事をしていたときから建設工事中の水抜きをした。そして一度排水設備を撤去した。であるのに、今回の予想を超える水位を下げるための水抜きのため、ポンプ、そして処理施設といった排水設備を再度稼働することになりました。
 設置したり、撤去したりを繰り返したことで、非効率この上ないと思いますが、このかかった費用負担については先ほど伺いましたので、次の質問に行きたいと思いますが、この強制排水、十二月十三日に開始しましたが、AP二・〇メートルの水位に達するための期間として、三カ月程度ということも先ほど伺っています。
 今後も、この水位上昇の原因の一端であると思われる台風やゲリラ豪雨があると思うわけですが、その場合にはどのように対処するおつもりなのか伺います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 現在は、外構工事中に水位が上昇したときの状況とは異なりまして、舗装も完成していることから、雨が地下水として浸透する量が抑制され、豪雨などが発生した場合にも、地下水管理システムにより、APプラス二・〇メートル以下の水位を維持できると考えております。

○小松委員 外構工事も舗装も終わっているので、もう水位が上がるような問題は起きないというようなお話でしたけれども、地下水水位の管理は、処理し残した汚染が地下水にまじって上がってこないように、汚染処理後の状態を継続させるための重要な対策でした。
 水位が高い状態が続いたことで、盛り土部分が再汚染されたのではないかという懸念、先ほどもありましたが、私もそう思います。この懸念について検証が必要と考えるわけですが、この検証はどのように行うのでしょうか、伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地の敷地内においては、汚染の有無にかかわらず、ガス工場操業地盤面より二メーター下まで掘削除去するとともに、APプラス二メーター以深についても、調査によって把握したガス工場操業に由来する汚染土壌を掘削除去しております。
 地下水については、揚水、復水を現地において繰り返し実施し、地下水基準以下までに改善しております。
 こうした状況の結果については、現在、専門家会議において、地下水の評価、検証を行っているところであり、その結果を踏まえて適切に対応してまいります。

○小松委員 専門家会議が検証しているとのことですが、土壌の汚染状況の調査も行って、安全を確認してほしいと思います。
 建物下には土がないわけですから、上がってきた水が引いた後に、砕石に有害物質が付着して残ることがあるのではないか、この検証もする必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 これまで実施してきた地下ピット内の水質調査結果では、いずれの有害物質も地下水基準以下でございました。
 現在、地下ピット内にたまった水を排水しているところであり、改めて空気測定をする予定でございます。

○小松委員 地下ピットの空気の水銀濃度の指針値超えは、これは微量であったわけですけれども、微量とはいえ地下に水銀があることを示しています。
 換気で拡散させて濃度が下がったということは、抜本的な解決にはならないと考えますが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、地下ピット内の空気の水銀濃度が上昇したのは、通常の測定方法では検出できないほどごく微量に水中に含まれる水銀が、地下ピット内の空気中に気化、滞留したためと推定しております。
 専門家会議において、換気の前後の測定結果から、換気の有効性について確認したところでございます。

○小松委員 前回、十二月二日の質疑で、盛り土をすることも含む豊洲新市場整備方針、これは今でも方針として生きていることを確認しました。
 都の事業は、方針を立て、実行計画を立てて事業を遂行し、結果を評価するものと思っています。これはどこの組織でも企業でも、もちろん同じことですが、方針どおりでないのに、できてしまったものは仕方ないとして、手続の不備を補うこともせず、一部の職員を処罰したのみで済ますということは、許されることではないと考えます。
 少なくとも、現状をよしとするのであれば、方針の変更手続が必要と考えます。現状を追認し、現状の環境が市場として許される水準であれば、それでよしということでよいのか、疑問に思っています。
 まだ、よしという結論が出ているわけではないですけれども、結果オーライとして済ませてしまわないためにも、専門家会議の評価は一層厳しくあるべきと考えます。今後とも専門家会議の真摯な検証を期待しています。
 それでは、プロジェクトチームの検討状況について次に伺います。
 市場問題プロジェクトチームの所掌事項では、まず第一に、土壌汚染、施設及び事業に関する事項が挙げられていますが、セカンドオピニオンとして出されるということです。
 セカンドオピニオンについて、先ほども質疑がありましたが、医療分野で主治医以外の見立てについていう言葉で、最初の診療に対しての意見やアドバイスということではなく、独立した診断のことをいうものと理解しています。
 したがって、セカンドだとするプロジェクトチームの検討結果も、ファーストに従属したということではなく、独自の見解ということになるかと思います。
 知事が開場の是非や時期について判断する際の参考として、片や専門家会議は環境汚染の専門家であり、プロジェクトチームは、環境だけに特化しない、もう少し幅広い委員から成るチームであって、おのずと役割の違いや、見解を出すに当たっての視点の違いがあることに、セカンドの意義があると思います。
 環境水準への専門的な評価は専門家会議の役割として、プロジェクトチームは市民の安全・安心への配慮、そして、市場関連の事業者の意見や市場の経済的な持続可能性などの視点で、開場の是非を論じるということを期待するものです。
 それでは、前回の質疑でも、プロジェクトチームは土壌汚染対策に関する事項を第一優先に検討すべきというふうに述べましたが、この検討が専門家会議の報告を受けてなされる、その後にされるスケジュールになっている理由を、セカンドオピニオンということの意義を踏まえて再度確認します。

○池上総務局都政改革担当部長 土壌汚染の問題につきましては、豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議において検討等を行うこととなっております。そのため、本プロジェクトチームにおきましては、この専門家会議で結果が出された後、セカンドオピニオンを行うこととしております。
 専門家会議の報告に対し、どのようにセカンドオピニオンを行っていくのかや本プロジェクトチームのスケジュールにつきましては、各専門委員と調整の上、座長が判断するものでございます。

○小松委員 使うか使わないかの判断以前に、使い勝手や流通のあり方などを検討していることに違和感を覚えますが、既に使うことを前提にしているように見えます。
 最初に確認したように、開場するかどうかも含めてこれからの検討ということであると、再度ですが確認します。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームの検討内容、スケジュールにつきましては、各専門委員と調整の上、座長が判断するものでございます。
 開場の是非と時期につきましては、専門家会議や市場問題プロジェクトチームの検証結果、環境アセスメントの審議を経た後、知事が総合的な観点から判断することとしております。

○小松委員 それでは、液状化対策については先ほど答弁があったので、次に進みますが、この豊洲市場、現在の築地と比べて全体の面積が一・八倍、これも先ほど質問がありました。
 プロジェクトチームでは、どの部分の面積がふえたのかとの疑問が出されていました。この疑問については解消したのでしょうか。この場でも説明をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 十二月二十一日に開催されました第四回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、小島座長からは、お店が狭いわけではないことはわかったとの発言がございました。
 また、豊洲の特徴をもっと明確にするために、街区ごと、建物ごとの面積を出してほしいとの発言もあり、専門委員が調査検討を継続いたします。

○小松委員 使い勝手についてなど、事業者へのヒアリングでは、さまざまな要望が出されていました。全ての人の要望を酌み取ることはなかなか難しいと思いますが、先日の青果の事業者のヒアリングで、使ってみなければわからないという発言もあり、私もそのとおりと感じました。
 現時点での事業者の要望の聞き取りももちろん大切ですが、今後、実際に開場するということになるのであれば、開場後に定期的に使ってみての問題点を出してもらい、そして改善策を図るという土俵をつくるべきではないかと考えますが、伺います。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 市場関係者が豊洲市場の施設や設備、動線などを確認する取り組みであります習熟訓練を、本体施設竣工後の平成二十八年六月から、市場団体を対象に申し込みにより実施をしてございます。
 申込件数は、これまで四百件を超えており、引き続きこの取り組みを行いまして、市場業者に現場を確認していただきたいと考えております。
 今後とも、市場業者からの声を聞きながら、適宜必要な対応を行ってまいります。

○小松委員 次に、空調に関連して伺いますが、容量の大きい建物の光熱費は、ただでさえ大きく、維持費の額にも驚くほどですけれども、さらに、本格的なコールドチェーンの始動による温度管理が始まることになれば、多大なエネルギー使用量となることが予想されます。
 事業者の冷凍冷蔵庫などは、十一月の開場に合わせて既に始動していると伺っています。建物の空調も同様にスイッチがあるものと実は誤解していたんですけれども、そうでないと伺いました。
 コールドチェーンの運転開始は、開場することが決まってからということになるのか、建物の空調などの運転は今後どのようになされるのか、伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 売り場エリアの空調につきましては、市場の開場に合わせて本格的な運転を開始することとしておりまして、稼働時間などにつきましては、使用する市場業界と調整をしながら行う予定にしてございます。

○小松委員 この豊洲の建物は、コールドチェーンの整備などエネルギー使用量が大きいわけですが、現行のキャップ・アンド・トレード制度の総量削減義務の対象となっているのか、伺います。

○金子中央卸売市場市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都環境確保条例に基づく東京都キャップ・アンド・トレード制度において、特定温室効果ガス排出量の削減義務が課されている事業所は、三カ年度連続して燃料、熱、電気の使用量が原油換算で年間合計千五百キロリットル以上となった事業所でございます。
 現在は、平成二十七年度から平成三十一年度までの五カ年度を対象とする第二計画期間に当たっております。年度途中に使用が開始された事業所につきましては、当該年度を除いて、三カ年度連続したエネルギー使用量によりまして、総量削減義務の対象になるか否かが決まることから、豊洲市場につきましては、平成三十一年度までの第二計画期間における対象事業所とはなりません。

○小松委員 続いて、HACCPについて伺いたいと思いますが、事業者のHACCP取得支援をするのが東京都の役割だということについて、先ほど確認しましたので、現在の築地市場におけるHACCPについて伺いますが、現在、築地市場においては、HACCPを取得している事業者はどのくらいあるのでしょうか。また、豊洲移転により、どのくらいふえると想定されているのか伺います。

○白川中央卸売市場事業部長 これまで都は、豊洲市場への移転を見据え、水産、青果の各業界とともに、品質・衛生管理マニュアル、ガイドラインを作成しまして、このマニュアルに基づく商品管理を徹底することで、豊洲市場における品質、衛生管理の向上を図ることとしてまいりました。
 第三者認証を取得している業者数は把握しておりませんが、先日、築地市場の水産卸会社が、国際規格等の認証を目指す第一歩として活用できる都独自の東京都食品衛生自主管理認証を取得し、社員の意識改革に努めていると聞いております。
 このほか、第三者認証取得補助についての具体的な問い合わせを数多くいただいておりまして、豊洲移転後は、第三者認証取得に取り組む事業者は、段階的に増加するものと考えております。

○小松委員 コールドチェーンとHACCPのあり方は、食の安全を追求する市場の重要な要素であります。生活者ネットとしても大いに関心のあるところです。しかし、まずは盛り土問題をクリアして、市場の安心・安全に資する環境を確保した上で、さらに取り組んでいただきたいと考えます。
 また、大きな施設でもあり、温度管理などにも多大なエネルギーを費やすことになりますので、PTチームからも発言がありましたけれども、環境配慮型の取り組みをお願いしたい。省エネ、省資源の視点も忘れないでいただきたいと思います。
 コールドチェーンに不可欠な温度管理のためのシステムには、冷媒が使用されており、大型機器の冷媒として主流となっている代替フロンは、ことし、モントリオール議定書の締約国会合において、新たな規制が合意されたところです。
 CO2の削減やフロン問題には、国に先駆けて東京都は取り組んできています。東京都が新たに整備する市場においては、国の規制強化を先取りして、温度管理や冷凍冷蔵機器の整備のノンフロン化に取り組んでいただきたいと思います。
 そしてまた、前回も要望したところですが、両会議ともに、今後、環境に関する評価とともに、市場移転の是非と開場の時期についてどう考えるに至ったのかを、報告書として示すだけでなく、直接議会に対しても説明していただきたいと思います。
 この委員会もまた、そのことを審議する役目を担ってつくられたと認識しております。この委員会でその機会をつくっていただきたいと重ねて要望し、質問を終わります。

○両角委員 最後の質問者となりましたので、重複を極力省いて質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、市場問題プロジェクトチームによる青果部関係者へのヒアリングについて伺いたいと思います。
 十二月十四日に青果部の関係者に対してヒアリングが実施されたわけですが、まずその趣旨を伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 築地市場の豊洲市場への移転及び市場のあり方に関して検討を進めていくためには、築地市場内の事業者の方からの意見聴取が必要であると、市場問題プロジェクトチームにおいて判断し、実施をいたしたものでございます。
 前回実施した十一月十五日のヒアリングに青果部関係者の方が参加できなかったことから、このたび改めて実施したものでございます。

○両角委員 現場の声を聞くということだと思いますけれど、今回、インターネットを使った申し込みあるいは抽せんが行われているわけでありますけれど、具体的にはどのように行ったのか伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 築地市場青果部関係者へのヒアリングにつきましては、十二月七日に報道発表を行いまして、あわせて市場問題プロジェクトチームのホームページにその内容を掲載いたしました。さらに、築地市場青果連合事業協会に対して、参加者の推薦を依頼いたしました。

○両角委員 今、インターネットの抽せんのやり方、具体的にどうですかと伺ったんですけど、ちょっと何か答弁が違ったみたいです。

○池上総務局都政改革担当部長 失礼いたしました。インターネットの申し込みにつきましては、報道発表と同時に申し込みを行っております。これにつきましては、申し込み及び抽せんについて、都が運営しております東京共同電子申請サービスというシステムを活用いたしました。
 市場問題プロジェクトチームのホームページに申し込みページのリンクを掲載し、申し込みを受け付けまして、申し込みを締め切った後、東京共同電子申請・届出サービスの抽せん機能により、無作為でヒアリング参加者を選定したところでございます。

○両角委員 団体推薦と、あと個別にはインターネットの無作為ということですけれど、対象者を選ぶ目的がそういったやり方で選定が十分できたのか、偏りがないものとなったのか、そのヒアリング対象者がですね、伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 ヒアリングには、築地市場青果部の団体からの推薦者四名及びインターネット抽せんにより選ばれた築地市場内青果部の業務従事者四名の合計八名が参加されました。
 インターネット抽せんにつきましては、先ほど申し上げましたシステムの抽せん機能により、無作為でヒアリング参加者を選定したところでございます。

○両角委員 ヒアリング、一時間半ほどやられたということで、最後にヒアリング参加者にアンケートが配られております。
 現物、ここにありますけれど、発言し切れなかった事項もあると思うので、アンケートを用意させていただきましたということで、まず一点としては、内覧会に参加されたかどうかということ、あと主たる質問としては、市場の機能、安全性について懸念されているところを、場所と具体例を教えてくださいというような内容になっているんですが、差し支えがなければ社名、氏名を書いてくださいということでございますが、今、ご答弁では、団体の推薦が四名で、青果部の事業従事者四名で、八名だけですから、八名だけであれば、こういうアンケートは余りやる必要もないかなという感じがするわけです。
 そこで、本来であれば、青果部については、卸、仲卸、買参人含めて七百者、人程度であるというふうに伺っておりますので、事業者全員を対象にしたこういったアンケートをやった方が、さまざまな声が把握できたのではないかと思うんですけれど、今後そのようなアンケートをするつもりがあるのかどうか伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 実施の有無につきましては、市場問題プロジェクトチームの今後の検討にもよりますが、現在のところ行う予定はございません。

○両角委員 先にアンケートをして課題を把握してヒアリングをすれば、よりよい声が集約できたのかなとは思いますが、今回、このプロジェクトチームでヒアリングをされて、結果としてどのようなことがわかったのか伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 参加者からは、知事に安全宣言してもらい、風評被害を払拭してほしい、開場時期は少しでも早く提示してほしいといった旨の発言や、使い勝手については、使ってみて初めてわかる、使いながら検討して修正していくものと考えているなどといった旨のご発言がございました。
 仲卸店舗の電気容量が三十アンペアでは不足するといった旨の意見もございました。

○両角委員 今、宙ぶらりんの状態で、市場関係者の皆さんは、開場のめどをできるだけ早期に示してほしいといっている、そういう気持ちだというのがまずわかりましたし、あるいは使いながら検討して修正していくのがいいのではないかということで、まさにこれから、使用している中でそういう声に対応していければなというふうにも思ったわけであります。
 電気のアンペア等については、もっと広く、七百者直接対象にした声を聞けば、もっといろんな声が把握できたことではないかとは思います。
 それでは、このヒアリングの結果自体を今後どのように生かしていくのか、このことが重要だと思いますので、このことについてのご見解を伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 ヒアリングは、豊洲市場への移転及び市場のあり方に関して検討を進めていくために、プロジェクトチームが必要であると判断し、実施したものでございます。
 また、例えば参加者からの、仲卸店舗の電気容量が三十アンペアでは不足するといった意見につきましては、第四回の市場問題プロジェクトチーム会議において、課題として取り上げております。

○両角委員 立場上、こうしていくということはいえないということだと思いますけれど、いろんな声があって、できる部分はしっかり対応していけばいいと思いますし、現状でこれで十分機能が果たせるんですよ、安全なんですよというところについては、市場の皆さんはしっかりそれを説明して、事業者の皆さんの納得をいただくという努力をしていくことが必要ではないかというふうに思いますので、そのような取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、市場問題プロジェクトチームの第四回の会議について伺いたいと思います。
 この第四回の市場問題プロジェクトチームの会議においては、コールドチェーンと衛生管理が議題とされているわけでありますけれど、プロジェクトチームとしてこの議題を設定したということの、何を期待してこの議題を設定したのかということについて伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 豊洲市場の整備に当たっての基本コンセプトとして、食の安全・安心の確保について、高度な品質、衛生管理が可能となる施設整備の実施、卸売り場や仲卸売り場等の施設を閉鎖型とし、品質、衛生管理を強化が掲げられております。
 第一回市場問題プロジェクトチーム会議において、小島座長から、建物の設備については、各施設の温度管理やコールドチェーンが売りであり、その機能が発揮できるようなたてつけとなっているかということが課題であるといった旨の発言があり、検討課題として取り上げることとなったものでございます。

○両角委員 高度な品質、衛生管理が可能となる閉鎖型の施設だということでありますけれど、そもそもコールドチェーンを確保するという方向性については、平成十五年に策定をされた豊洲新市場基本構想の中で、事業者の皆さんの声も踏まえて、そういう方向を示したというふうに聞いております。
 市場の大事なコンセプトでありますから、これがしっかり生きるような取り組みが今後求められると思いますけれど、そのためには、総論は賛成だけれど、個々のやり方だと、ちょっとこれは賛成できないなということではなくて、そういうことがないように、事業者の皆様の理解と納得をしっかり得るような取り組みが市場の皆さんに求められていると思いますので、その点について、しっかりと取り組んでいただくように要望をさせていただきたいと思います。
 最後になりますけれど、専門家会議の第三回に関して伺いたいと思います。
 この専門家会議の問題につきましては、きょうの委員会でるる質疑が交わされておりますので、何点か答弁が得られていない部分についてお聞きをしたいと思います。
 まず、一旦地下ピットについては換気をして、再度、水銀の濃度を確認したということでありますけれど、その換気をした空気というのは、外に出されて攪拌をされていくわけでありますけれど、その排気の影響というのは、外部環境に対しては、どのようなものがあるのかないのかということを確認させていただきたいと思います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピット内の空気の測定結果を踏まえた専門家会議の指示に基づきまして、五街区につきましては、水銀が指針値を超えていたため、活性炭による吸着処理を行った上で排気を行い、六、七街区につきましては、指針値以下であるために、直接外気に排気しております。

○両角委員 適切な処理をして、問題がないというような答弁でございました。
 十二月十三日から始まった地下ピット内の強制排水でございますけれど、先ほどのご答弁では、二十五日現在、各街区合わせて約一万八千立米ほどを排出しているということであります。
 それでは、それらの排水がどのように処理をされているのかという点について、確認をさせていただきたいと思います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピット内のたまり水は、pHを除き、下水排除基準以下となっております。このため、仮設の排水設備でpH処理をして、下水道に排水しております。

○両角委員 先ほど来の質疑の中で、今、強制的に排水をして、今後さらに床面等を清掃するなりして、再度空気の濃度をはかると、水銀の濃度をはかるという話がございましたけれど、じゃ、いつになるんだという話は気になるところでございます。
 先ほどのご答弁の中では、APプラス二・五メーターの高さまでピット内の水をなくしていくのに、二、三週間後ぐらいになるのではないかというようなめどが答弁なされました。
 さらに、APプラス二・〇、要は、ピット内の砕石層の下の部分まで水がなくなるのには、三カ月程度期間を要するのではないかというようなお話があったわけでありますけれど、まず二・〇メーターまで、あるいは二・五メーターまで、今後どうするのかわかりませんが、そういった水を全部排出して、床面清掃して換気をする。その後の空気調査で水銀が指針値以下であるというようなことが示されると、水銀の問題というのは解決したと考えてよろしいんでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議では、たまり水に含まれるごく微量の水銀が気化、滞留したものと推定しており、地下ピット内のたまり水を排水した後、空気の調査を行うことで、水銀の原因を確認することとしております。

○両角委員 その確認をして、結果が問題がなければいいんですかと伺ったんですけど、それは答えられないということですね。どうなのか、まあいいです。
 先ほど来、再度できる限りの水銀の調査をしていくと。それは、砕石層に入っている水も、なくなる条件をつくってやったりもするんだということであろうと思いますけれど、最終的には、確認ができた上で、例えば、床面のコンクリート舗装であったり、排気設備をつくるというようなことで、地下ピット内の水銀が出てこないような対策をさらに追加していくのではないかと思いますけれど、これについても、専門家会議において検討していくでしょうというようなご答弁が先ほどありましたので、その専門家会議の助言を受けて、できるだけしっかりとした調査を早期にして、こういった対策もとっていただきたいと思います。
 最後になりますが、地下水の管理システムについて伺いたいと思います。
 本格稼働から二カ月がたったわけでありますけれど、管理水位といわれているAPプラス一・八メートルまで地下水位が低下したポイントというのは、データにはありません。現在の数値でいうと、APプラス二・五メーターから四メーターの水位であるということで、長期に見ると低下はしてきておりますけれど、なかなか低下しないなというような実感で、亀の歩みのようだなというふうに感じるわけでありますけれど、いつごろになれば目標のAP一・八メートルというのを達成できる見込みなのか、市場としての見解を示していただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在、地下水管理システムによる排水とあわせて、十二月十三日より、地下ピットから強制排水を開始しております。
 強制排水中は、地下ピット内の砕石中や建物周囲からの復水の状況を勘案する必要があること、また、換気作業や空気調査などを行っております。このため排水作業を中断することもあり、目標水位に達する時期を示すことは難しいですが、早期に管理水位に達するように努めてまいります。

○両角委員 いつになるかということを具体的に示すのは難しいですよと、しかし頑張りますと、そういったご答弁ではございました。
 地下水管理システムというのは、市場の汚染対策としても大きな心臓部分を担った、そんなシステムでもあろうかと思います。
 今後、徐々に一・八メートルの管理水位を達成したとしても、また雨季がやってまいりますので、そういった雨季が来れば、また水かさがふえてくるということで、実際、この管理システムがしっかり管理水位をキープし続けられるのかなという、若干の危惧があるわけでございますけれど、しっかりとこれをモニタリングしていただいて、市場関係者の皆さんの取り組みとご努力に期待して、私の質問を終わります。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十四分散会

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