豊洲市場移転問題特別委員会速記録第三号

平成二十八年十二月二日(金曜日)
第十二委員会室
午後二時十三分開議
出席委員 二十三名
委員長山崎 一輝君
副委員長上野 和彦君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長三宅 正彦君
理事伊藤こういち君
理事尾崎あや子君
理事和泉 武彦君
理事中村ひろし君
理事田中たけし君
理事崎山 知尚君
菅野 弘一君
栗林のり子君
松田やすまさ君
小松 久子君
田中 朝子君
両角みのる君
島崎 義司君
木内 良明君
桜井 浩之君
かち佳代子君
曽根はじめ君
宇田川聡史君
酒井 大史君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事新市場整備部長事務取扱福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務金子 光博君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
移転支援担当部長長田  稔君
新市場整備調整担当部長井上 佳昭君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長赤木 宏行君
基盤整備担当部長村井 良輔君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
総務局局長多羅尾光睦君
次長理事兼務榎本 雅人君
総務部長小暮  実君
都政改革担当部長池上 晶子君

本日の会議に付した事件
豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う。
報告事項(質疑)
・「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(概要・第一回・第二回)について
・市場問題プロジェクトチームについて

○山崎委員長 ただいまから豊洲市場移転問題特別委員会を開会いたします。
 これより豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑を行います。
 なお、本日の委員会には、お手元配布の名簿の理事者が出席しておりますので、ご了承願います。
 報告事項「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(概要・第一回・第二回)について及び市場問題プロジェクトチームについてに対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 この際、過日の委員会における資料要求に関する理事会協議の結果を申し上げます。
 中村理事から要求のありました三十九点の資料のうち、八番目以降の資料につきましては、委員会の資料要求としないこととし、一番目から七番目までの資料及び曽根委員から要求のありました資料につきましては、委員会の資料要求とすることで協議が調いました。
 お諮りいたします。
 本件は、理事会の協議の結果のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
 ただいま決定されました要求資料につきましては、事前に要求された委員と理事者との調整の上、お手元に配布してあります。
 それでは、資料について理事者の説明を求めます。

○松永中央卸売市場管理部長 去る十一月二十八日の当委員会で要求のありました資料につきまして、お手元に配布してございます豊洲市場移転問題特別委員会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、表紙を一枚おめくり願います。
 要求資料の一覧表でございます。資料は全部で十三項目でございます。
 一ページをお開き願います。第八回地下水モニタリング結果と専門家の意見につきまして、一ページから八ページまでは地下水のモニタリング結果を、九ページに専門家の意見をお示ししてございます。
 一〇ページをごらんください。地下ピット内で測定された大気中の水銀濃度に関する専門家委員の主な意見をお示ししてございます。
 一一ページをお開き願います。豊洲市場用地における主な液状化対策工法につきましてお示ししてございます。
 一二ページをごらんください。補助第三一五号線高架橋部土壌汚染対策工事の概要をお示ししてございます。
 一三ページをお開き願います。豊洲市場の理解を促進するための取り組みとして、去る十一月三十日に開催いたしました報道機関向けの豊洲市場見学会のプレス資料をお示ししてございます。
 一五ページをお開き願います。豊洲市場排水工事における排水量及び水質分析結果につきまして、月別にお示ししてございます。
 一六ページをごらんください。排水施設撤去に当たっての協議の経過につきまして、街区別にお示ししてございます。
 一七ページをお開き願います。地下水管理システムによる各街区の放流水量の推移につきましてお示ししてございます。
 一八ページをごらんください。イオン分析等の測定結果につきまして、街区別にお示ししてございます。
 一九ページをお開き願います。平成二十年五月の地下水モニタリング調査として、一九ページから地下水に関する調査、二二ページから地下水質の調査についてお示ししてございます。
 二五ページをお開き願います。補助三一五号線ベントナイト混合土層設置面積をお示ししてございます。
 二六ページをごらんください。汚染地下水対策実施箇所位置図につきまして二六ページ及び二七ページに、汚染地下水処理における詳細実績につきまして二八ページ以降にお示ししてございます。
 大変恐れ入りますが、最終ページの七〇ページをお開き願います。帯水層底面での試料採取が未実施となっている箇所の分布図につきましてお示ししてございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 委員の皆様方には、本日の質疑に際しまして、極力重複を避けていただき、効率的かつ円滑な委員会運営にご協力をお願いいたします。
 また、質疑の内容につきましては、本日議題となっております、先ほども申し上げたとおり、報告事項の範囲内としていただきますよう、ご協力をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、発言を願います。

○和泉委員 私は、医師としての立場で、今までみんなの健康というものを守ってまいりました。以前は、健康というのは、健康でなければ、やはり人は幸せでない。ですから、健康というものを維持することは大変重要なことであります。その中で、今までは、病気になって、それを治すことが健康でした。しかしながら、最近いわれているのは、健康というものは、病気にならないためにさまざまな取り組みをすること、これが健康を維持できる大きな秘訣だというふうになっております。
 その中で予防の重要性、その一つが食であります。農薬の混入とか、あるいは産地の偽装とか、そういった問題で明らかなように、日本人というのは食の安全、そして安心、これに対する意識というものが非常に高いです。食の根幹を支える卸売市場の安全・安心についても高い関心が寄せられております。
 この円滑な生鮮食料品の流通を図る上で大きな役割を果たすはずであった豊洲市場への移転が延期となったことは本当に残念でなりません。その理由の一つが盛り土問題ですけれども、都議会を初めとしたさまざまな場で都の説明が事実と異なっていたということは、あってはならないことであるというふうに思います。
 このまま卸売市場への信頼を失墜させると、都民に大きな損失を与えることになります。市場当局に対しては、この点を改めて指摘し、都民から信頼される組織へと生まれ変わっていただきたい。
 先ほど私は、食の安全・安心といいましたけれども、安心というものは、安全があって、そして、その上で適切な情報公開が行われて、初めて安心というものが実現されるものであります。すなわち安心のスタートの第一歩である安全についての確認を得ることが最重要課題でありまして、本日は客観的な安全の確認をさせていただきながら、その内容を都民にわかりやすく伝えていくと、そういう観点に立って、都民目線で、できるだけ平たい言葉で質疑をさせていただきたいと思います。
 最初に専門家について、そして次に市場問題プロジェクトチームについて、そして、具体的な疑問点として挙げられた項目の安全について質問を行っていきたいと思います。
 初めに、専門家会議について伺います。
 今後の対策というものは、専門家会議の提言を踏まえて実施することになりますけれども、その提言が受け入れられるかどうかというものは、専門家会議の委員の方々に対する信頼によるところが大きいと思います。
 そこでまず、専門家会議の委員選任の考え方について確認しておきたいと思います。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 専門家会議の委員は、現在の豊洲市場における土壌汚染対策の検討という会議の目的に照らしまして、今後のリスク管理上必要な対策等を検討するのにふさわしい委員を選任してございます。
 具体的には、これまでの検討過程を熟知しており、かつ土壌、地下水、環境、衛生といった分野の専門性を有する委員を選任してございます。都といたしましては、今後専門家会議から出される提言を踏まえて、適切な措置を講じてまいります。

○和泉委員 わかりました。委員選任の根拠、そして、委員の方々のこれまでの実績についても、もうちょっと細かく教えていただきたいと思うんです。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 今回の専門家会議の委員は、平成十九年度に設置された専門家会議においても委員を務められており、豊洲市場用地に関する専門的な知識をお持ちでございます。
 また、土壌汚染に係る第一線の環境学者や公衆衛生学者でございまして、国の設置する中央環境審議会などの公的機関における活動の実績も有しており、豊洲市場における土壌汚染対策を検討する上で十分な知識と経験を有する方々でございます。

○和泉委員 なるほど、わかりました。ということは、以前もそのような形で豊洲市場のことに対する専門的な知識も有しており、そして、それぞれの実績等もあるということで、この方々は信頼できる方々ということでよろしいんですかね。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 信頼を置ける方々ということで、おっしゃるとおりでございます。

○和泉委員 わかりました、ありがとうございます。
 そうすると、専門家会議の今後についてですけれども、今後の対応策というのはどのように進めていくおつもりなのか教えてください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第三回会議は十二月十日に開催する予定でございます。次回の会議では空気測定結果などについて議論してまいります。今後の会議は、専門家会議の指示により実施している調査の結果が判明次第、適時開催していくこととなります。その際には、地下ピット内の強制排水の状況などについても報告する予定でございます。今後の環境分析の状況を踏まえつつ、必要な対策について議論が移行してまいると考えております。

○和泉委員 なるほど、わかりました。
 そうすると次は、今度は市場問題プロジェクトチームというのができたと思うんですけれども、これについてちょっとお伺いしたいんですけれども、市場問題プロジェクトチームというものの位置づけって一体何でしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームは、土壌汚染、液状化、建築構造等、特定分野に精通した八人の専門委員で構成され、築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関して集中的に調査し、その結果を知事に報告するために設置されたものでございます。

○和泉委員 専門委員というふうにおっしゃられましたけれども、専門委員というのがよくわからないのですが、専門委員の職ってどんなものなんですか。

○池上総務局都政改革担当部長 専門委員の職務は、地方自治法に基づき、知事が委託する特定の事項について調査研究し、報告することでございます。市場問題プロジェクトチームを構成する専門委員は、知事が委託する事項である築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関することを調査対象としております。

○和泉委員 そうですか。そうしたら、一体この専門委員というのは誰が人選を行って、そして、どなたが任命されたものなのでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームの専門委員は、知事が人選し、任命したものでございます。

○和泉委員 なるほど。そうすると、専門委員の方々の実績とか、知識とか、その辺というのは一体どんな状況になっているんですかね、その根拠を教えてもらえますか。

○池上総務局都政改革担当部長 選任に際しての根拠でございますが、知事が記者会見におきまして、それぞれの分野で専門の知識、経験をお持ちで、それらを生かしていただける方々、客観的な第三者の視点によるチェック、これらを期待しての人選となっていると説明しております。

○和泉委員 実績は十分なんですか。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームは、土壌汚染対策、地盤地震工学、建築構造設計、地域政策などを専門とする専門委員で構成されております。

○和泉委員 僕はさっきから何回も実績は十分なんですかというふうに質問させていただいているんですけれども、何でこういうことをいうかといったら、本当にその方々が信頼に足るべき方なのかということを知りたかったからなんですけれども、ちょっと今の答弁では明確ではないんですけれども、いずれにしましても次の質問に移らせていただきます。
 では、市場問題プロジェクトチームの事務局というのは総務局が担当しているみたいですけれども、どんな役割を担っているのか教えていただいてよろしいですか。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームが所管する事項の調査及び知事への報告は、構成委員である専門委員が行うものでございます。事務局は、会議の日程調整や関係職員、有識者等への出席の依頼、インターネット中継の実施、ホームページの管理など、庶務事務を担当しております。

○和泉委員 今、結局質問で、専門家会議のことと市場問題プロジェクトチームのことについてお伺いさせていただきましたけれども、この二つの役割分担というのはどうなっているのか教えていただけますか。

○池上総務局都政改革担当部長 豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議は、平田座長を中心に地下ピットがある状態の確認と評価及びリスク管理上必要な対応策の検討等を行うこととなっております。
 一方、市場問題プロジェクトチームは、豊洲市場の建物の構造や設備等の安全性、物流動線などの施設の機能、市場会計の分析など、市場の施設や事業に関する課題への対応について調査検討してまいります。また、専門家会議で出された結果につきまして、セカンドオピニオンを行うこととなっております。

○和泉委員 今、専門家会議ではリスク管理上の必要な対応策を検討するというふうにおっしゃっていましたけど、市場問題のプロジェクトチームでは、このような対応策の検討は行うのでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 専門家会議において、地下ピットがある状態の確認と評価及びリスク管理上の必要な対応策を検討され、まとめられた報告書に対して、市場問題プロジェクトチームはセカンドオピニオンを行うこととしております。

○和泉委員 専門家会議の中に小島さんもオブザーバーとして入っていますよね。セカンドオピニオンということばかりで、屋上屋を重ねても仕方ないのかなという気はしますけれども、もっといえば、僕は医師ですから、セカンドオピニオンというのは専門なんですけれども、セカンドオピニオンというのはどういうものかといったら、結局、その病院で検査とか治療をやったけれども、どうもそれが信用できないということで不安だから、同等もしくはそれ以上の設備の整っているところでいきたいと、あるいは自分が個人的に信頼できる先生のところに行きたいというものであって、となると専門家会議と市場問題プロジェクトチームというのも、そういった関係になるんですかね。
 いずれにしましても、第二回のプロジェクトチームの会議に関しては、高野一樹さんとか、あるいは日建設計の設計者という者を参考人として呼んでいると思いますけれども、その理由を教えていただけますか。

○池上総務局都政改革担当部長 高野氏は、テレビ出演やインターネット上の記載を通じて、豊洲市場の建物の構造に関する耐震、安全性について疑問を投げかけておりました。豊洲市場への移転のためには、施設の安全性を検証し、専門家でなくても理解できるよう説明することで、市場関係者、都民、そして、広く全国の消費者の疑問や不安を解消することが必須であり、高野氏にも出席を求めたところでございます。
 さらに、施設設計の受託者である株式会社日建設計にも出席を依頼し、構造、安全性について説明、実証を求めたものでございます。

○和泉委員 第二回のプロジェクトチーム会議では、建物の構造の安全性について、おおむね問題がないという結論であったというふうに認識していますけれども、それでよろしいのでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 第二回のプロジェクトチーム会議において審議された三つの課題のうち、防水押さえコンクリートの厚みの問題や床用積載荷重の問題につきましては、株式会社日建設計から、それぞれ都の求める耐震強度に対して余裕を持っていること及び想定される荷重に対して十分なゆとりがあることについて説明がなされ、その内容に本プロジェクトチームは同意いたしました。
 地下の基礎ピット部分の耐震設計上の評価につきましては、本プロジェクトチームとして、株式会社日建設計が説明した構造計算について、法令上の安全性を確認いたしました。

○和泉委員 ちょっと長かったので、よくわからないんですけど、要は、安全性を確認したということでよろしいのでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 第二回プロジェクトチームで議論された三つの点につきましては、その説明を聞いて、PTとして同意をしたというところでございます。(「はっきり聞こえない」と呼び、その他発言する者あり)三つの課題につきまして、今申し上げましたように、防水押さえコンクリートの厚み問題と積載荷重の問題については同意をいたしました。(「同意、どういうこと」と呼ぶ者あり)日建設計が説明した内容について同意いたしまして、安全だということを確認いたしました。

○和泉委員 ありがとうございます。安全を確認したというのは大変重要なことでございますので、二回ほど質問させていただきました。
 続きまして、市場問題プロジェクトチームを構成する委員が調査研究の成果を知事に報告する時期というのは大体いつごろを目標にされているのでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 知事への最終報告を行う時期につきましては、会議において審議を尽くし、専門家会議の報告についてセカンドオピニオンを実施した後の来年五月を想定しております。
 また、十二月に開催予定の第四回プロジェクトチーム会議をもって、豊洲市場の施設の安全性、機能など、ハードの面についての会議における審議を一旦終了する予定でございまして、年明けの一月に知事へこれまでの経過を報告する予定でございます。

○和泉委員 十二月にプロジェクトチームの会議をやって、それで、今の話だと、直ちに知事に報告するのではなくて、翌月の一月に報告するということになっています。また、セカンドオピニオンを実施した後の来年五月ということになっていますけれども、少し時間がかかるような印象があるんですけれども、なぜそれを速やかにやるということで対応されないのでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームの検討内容、スケジュールにつきましては、各専門委員と日程調整の上、座長が判断しております。

○和泉委員 また後でも僕はいいたいんですけれども、一刻も早くというのはキーワードだと思うんですね。ですから、皆様方も一刻も早くという思いがあるのかどうかをお聞きしたいんです。

○山崎委員長 答弁はどなたですか。

○多羅尾総務局長 この市場問題プロジェクトチームは、豊洲移転にかかわりますさまざまな課題を専門的な見地から、あるいは客観的な見地から、あるいは都民目線でわかるような見地から、さまざまな要請の視点で検討していると思っております。適切な検討期間というのもその要請の一つだと、このように考えております。

○和泉委員 水かけ論になってもいけないので、とにかく一刻も早くというのが重要だというふうに認識しております。ですから一刻も早く対応をお願いしたいと思います。
 市場問題プロジェクトチームの状況というのは大体今の質疑でわかりました。まず、このメンバーが本当に信頼に足る者なのかということもいろいろ話をさせていただきました。あとは、専門家会議のセカンドオピニオンになっているということもわかりました。さらには、こうやってプロジェクトチームを介することにより、いろいろと報告が上がるまでに時間がかかるということも、何となくイメージがついてきました。
 それでは次に、各論に移らせていただきたいと思います。
 まず、土壌汚染対策についてですけれども、大気汚染防止法や水質汚濁防止法とか、いわゆる典型的な公害に関する法律というものは昭和四十年代に制定された。土壌汚染対策法は平成十四年に制定された、これは新しい法律であります。
 ですから、土壌汚染というのは、環境のリスクというものがほかの公害とは異なっておりまして、法の内容とか、あるいは大気汚染とか水質汚濁と、そういったものとは違う特徴があります。
 そこで、改めて土壌汚染対策法の内容について確認していきたいと思います。豊洲市場用地というのは、土壌汚染対策法に基づくとどんな土地となるわけですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 土壌汚染対策法は、土壌汚染による人の健康被害を防止することを目的としており、この目的を達成するため、同法では土壌汚染状況調査や土壌の汚染状態が指定基準を超過した場合の区域の指定、健康被害が生じないような形で管理するための仕組みなどが定められております。
 豊洲市場用地は、同法に基づいて、形質変更時要届け出区域に指定されております。この区域は、土壌の汚染状態が指定基準に適合していないが、土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生ずるおそれがないため、汚染の除去などの措置は必要とされない区域とされております。ただし、工事などで土壌を掘削、搬出する場合には、事前に届け出を行い、汚染を拡散しない方法で施工する必要があります。

○和泉委員 要は、土壌汚染リスクというのは、汚染があることが問題じゃないんだと。土壌の有害物質が体内に入ってしまうということがリスクだということなんですよね。例えば飲み水用の井戸があって、そこの摂取経路が遮断されていないときには、盛り土をしたりとか、あるいは土壌を浄化したりとかしなきゃいけないということでよろしいんですかね。
 通常、法に基づいて求められる盛り土などによる被覆対策ですね、こういったものは具体的にどんな内容になっているのでしょうか、教えていただけますか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 土壌汚染対策法に基づく摂取経路の遮断方法は、厚さ十センチ以上のコンクリート、厚さ三センチ以上のアスファルト、厚さ五十センチ以上の盛り土によるなどとされております。

○和泉委員 そうすると、ここで改めて豊洲市場における土壌汚染対策がどのようなものであったかを考えてみたいと思いますけれども、新市場整備方針で定められた土壌汚染対策の内容というのは、まず汚染された土壌や地下水を掘削、そして浄化処理するというのが一点ですよね。
 もう一つが、その上に五十センチと先ほどいっていましたけど、五十センチどころか、四・五メートルの盛り土をしたというのが二点目。
 三点目として、地下水の水位を管理する。
 これだけの対策をとられたということですよね。これというのは、掘削等の処理によって汚染を浄化したわけですけれども、それにもかかわらず、さらに盛り土で被覆して、それから地下水の管理も行うという、これは非常に手厚い内容なんだろうというふうに思います。
 豊洲市場については、法で定める水準、先ほどいった掘削除去とか、あるいは盛り土五十センチという形にすればよかったのに、何でこの水準を大幅に上回る対策を講じられたのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場では、法の定める舗装などの対策を行っております。その上で、豊洲市場については、生鮮食料品を扱う市場として、人の健康被害や生鮮食料品への影響を防止することはもちろん、食の安全・安心を高いレベルで確保するという観点から、汚染土壌を掘削除去するほか、地下水基準の達成を目指した地下水管理などを行うこととしております。

○和泉委員 ということは、安全を確保した上で、さらに安心を積み重ねるという上で、これだけの幾重にも及ぶ対策というものを講じようとしたということですよね。
 ということは、今回問題になったその対策の一つである盛り土が一部なされていなかったというわけですから、ほかの対策とかも講じられていたということであるわけで、これはもともとの対策の趣旨に照らし合わせてみれば、盛り土がないということが直ちに安全性の不足につながるという評価というのは、そう評価する必要はないんじゃないのかなというふうに私は思います。
 確認いたしますけれども、現在の対策で土壌汚染対策法で定められている措置というものは適切に講じられているということでよろしいのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 理事お話しのとおりで結構でございます。

○和泉委員 ということは、掘削除去とか、その処理をした、例えば工事をしている中でも非常に気を使ったり、そういうことも行ってきた、そして、全体的に汚染土壌に触れることがないような措置とかもしてきたと。今まで議論してきたことは全てやってきたということで、この豊洲市場の盛り土というのは、あくまで安全が確保された上に安心を積み重ねるための対策であったというふうに捉えるべきであるということで、もう一度確認しますけれども、そういった解釈でよろしいのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地における土壌汚染対策は、法に基づき、汚染土壌の掘削除去や処理、工事中の拡散防止などを実施してまいりました。また、用地全体で関係者以外が汚染土壌に触れることがないような措置を講じており、地下水の利用も予定しておりません。
 こうしたことを踏まえ、豊洲市場用地の土壌について、特定有害物質による汚染の把握や健康被害の防止に関する措置を定めた土壌汚染対策法上の対策が的確に実施されていることを環境局には既に確認していただいているところでございます。
 先ほど、理事ご指摘の土壌汚染対策法で求められる対策が適切に講じられておるということは、豊洲市場用地の安全が確認されていることであり、また盛り土は、あくまで安全が確保された上に安心を積み重ねるための対策として講じたものでございます。

○和泉委員 安全だということでよろしいんですね。この安全を確保するため、今、幾つかその対応策というのが挙がったんですけど、そのうちの一つの盛り土というものを再度するべきだという主張というのも一部聞こえるわけですけれども、そういった盛り土というのは、あくまで土壌汚染対策の一手段であると。これが唯一無二の手段であるわけではないということのはずであります。
 ですから、この土壌汚染対策法の原点に立ち返ってみますと、汚染リスクというのを回避するという本来の目的というものを見失ってはいけないんじゃないかというふうには思います。
 続きまして、これも言葉のひとり歩きで、非常にわかりづらいので、この場をかりて、しっかりと教えていただきたいんですけれども、環境基準とか、指針値とか、こういった話について教えてください。
 汚染リスクを考慮する上で、正しく理解するのは、基準値とか、あるいは指針値とか、こういった言葉というのが飛び交っております。この数値の示す意味が何かというのが重要であります。専門家会議の資料の中でも、環境基準であったりとか、指針値であったりとか、あるいは地下水基準であったりとか、いろんな言葉が飛び交っております。これは非常に都民にとってもわかりづらい言葉です。そもそもこうした基準というのはどういうものなのかというのを教えていただけますか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 環境基準とは、環境基本法に基づき設定される、人の健康を保護し及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準であります。一生涯を通じた毒性を考慮するなどして、基準が設定されております。
 一方、水銀の指針値は、環境基準とは性格及び位置づけが異なるものでございます。具体的には、健康リスク評価にかかわるデータの科学的信頼性に制約がある場合も含めて、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るために設定されたものであり、大気モニタリングの評価に当たっての指標や事業者による排出抑制努力の指標として機能を果たすことが期待されるものとされております。
 最後に、土壌汚染対策法上の地下水基準は、同法上の規制措置の対象となる基準として定められているものでございます。

○和泉委員 要は、環境基準というのは、七十年間地下水を飲料水で飲み続けても健康に影響が出ないと。指針値というのは、実は科学的には環境基準ほどしっかりとした根拠があるものじゃないんだと、そういうことでいいんですかね。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 理事ご指摘のとおり、七十年間浴びても大丈夫ということでございます。(「何が」「主語がない」と呼び、その他発言する者あり)失礼いたしました。環境基準というのは、そういったものでございます。(発言する者多し)おっしゃるとおりでございます。

○和泉委員 それでは、指針値というのは、科学的には環境基準ほどしっかりした根拠があるものではないということでよろしいんですよね。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 そのとおりでございます。

○和泉委員 言葉に関しての定義というのがしっかりわからないと、次の議論というのはなかなか進めないので、よろしくお願いします。
 それで、地下水基準というのは法に基づく規制基準ですけれども、この具体的な基準値の多くというのは、環境基準と同じ値なんですよね。これらの基準値というのは、数値の考え方も違っていて、一律に評価できるものではないわけですけれども、例えば都が実施している地下水モニタリング、あれは土壌汚染対策法に即して行っている、地下水基準に基づいて分析している、でも、その数値というのは、サンプリングしたときの値をそのまま用いているわけですよね。
 一方で、地下水に関する環境基準というのは、全シアンを除いて、年間平均値によるとされているわけです。例えば地下水モニタリングの測定値というものは、環境基準だと年平均値になると、基準を達成していることになりますけれども、地下水モニタリングは、土壌汚染対策法の地下水基準によっているから規制基準には適合したことにはならないと。こういったことは、一般的には余り理解されていないということになるんです。ですから、言葉をしっかりと定義していかないといけないんじゃないか、理解していくべきは、必要なんではないかというふうに思います。
 次に、地下水、そして、空気の分析結果について教えていただければと思います。基準の意味を確認させていただいたところで、改めて環境分析結果というものを見ていきたいと思います。
 まず最初に、最後に行った第八回の地下水モニタリング結果については、これはどう評価するべきなんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 汚染物質濃度が増減しながら低減していくことは、よくあることでございます。一時的な経過だけで判断することなく、今後の推移を見守るべきと評価しております。

○和泉委員 そうですよね。次に、地下ピット内の地下水の水質とか空気の、今までの分析結果というのはどのようになっているのか教えてください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下ピット内については、専門家会議が責任を持って調査を実施するため、独自の採水分析やピット内への立ち入りを禁じたところであり、そうした環境を整えた上で、専門家会議による調査を進めてまいりました。
 地下水は地下水基準を満たしております。空気からは水銀を検出しておりますが、その濃度は低下傾向にございます。水銀検出の原因は、地下水中のごく微量な水銀が密閉空間の中で気化、凝縮したものと推定されます。
 現在、さらに詳細な分析を行っておりますが、検出された値はごく微量であり、仮に一時的に地下ピット内の水や空気を摂取したとしても、健康に影響を与えるものではございません。

○和泉委員 地下水中の水銀が気化したとおっしゃいましたけど、地下水が汚染されているんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 水銀は自然界に存在しており、微量に水中にも含まれていることは珍しくないことでございます。また、今回、地下水中から検出されている水銀の量は基準値の十分の一以下であり、地下水が汚染されている状況ではございません。

○和泉委員 地下水は汚染されていないということですね。
 専門家会議では、地下ピット内の臭気測定も行っているんですけど、何でやろうと思ったんですか。そして、その結果というのはどうだったのですか。人体に及ぼす影響というのはどんなものがあったか教えていただけますか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 臭気測定は、地下ピット内に強いにおいがあったことを受けて、悪臭防止法の基準に照らして実施したものでございます。九月二十九日に実施した測定結果は、アンモニアが基準値を超過しておりましたが、以降、測定した値は減少傾向にあります。十月二十七日の測定では、全ての街区において基準値を下回っております。
 なお、悪臭防止法の基準は、生活環境の保全を目的として定められているものであり、地下ピット内のアンモニアを吸っただけで直ちに健康に影響を及ぼすとはいえないとなっております。

○和泉委員 重要なのは健康ですから、健康に直ちに影響を及ぼさないということでよろしいんですよね。
 その次は、建物部分だけじゃなくて、補助三一五号線の高架下の道路部分、これについても空気の分析というものが行われています。
 まず、確認したいんですけれども、この高架下の道路部分においては、土壌汚染対策としてどのようなことをされてきたのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号線下にはガス中圧管が存在していることから、操業に由来する汚染土壌を全て掘削除去することはできませんでした。可能な限り掘削除去し、汚染地下水も可能な限り排除しております。
 さらに、舗装とベントナイト混合土層を地中に設置し、暴露経路を遮断しております。また、液状化対策として、砂圧入式静的締め固め工法により、AP二メートルから不透水層まで施工しております。舗装下の砕石層とベントナイト混合土層下部の砕石層に空気モニタリングの観測孔を設置して管理もしております。
 なお、三一五号線高架下にある連絡通路については、道路との間に空間を設けた上で、閉鎖型の通路とすることで安全性を確保しております。

○和泉委員 今までいろいろと分析結果等を確認させていただいたのは、要は、結論からいうと、この議論の中で市場施設の内部とか、あるいは通路とか、いわゆる人が通常立ち入るような場所、こういったところでは基準超過してないんだということでありますよね。基準を超過した場所というのは、人の立ち入りが制限されている場所だと。そして、健康被害が生じるというのは考えづらいんだということなわけですよ。
 土壌汚染リスクの特性を踏まえた暴露経路の遮断というのは、これまでの都の対策によって実現できているというふうに考えるのが妥当なんじゃないのかなというふうに思います。地下水を飲むわけでもなくて、地下水が魚につくわけでもなくて、また地下で商売をしてピット内の空気に常時さらされるとか、そういうわけでもないんですよね。
 にもかかわらず、地下ピットの環境を、地下水基準とか、あるいは環境基準と、こういったものと比較して議論するというのは、環境リスクの正しいリスクというものを妨げる、かえって不安をあおるようなことにならないかと、それがすごく懸念されるんですよ。客観的な議論というものを冷静に進めることが重要なので、それに対して留意をお願いしたいと思います。
 地下水管理のことについて、次、お伺いさせていただきます。
 地下水管理システムがありますけれども、またこれもさまざまな議論は起こっているわけですけれども、これまで議論を重ねてきて、我々都議会議員は、このシステムというものが、一定の水位を維持するためのシステムであるということであって、大幅な水位低下を目的とするものではないということを理解しているんですけれども、都民への理解というのはまだ進んでいないと思うんです。
 ですので、改めて端的に確認させてもらいたいんですけれども、地下水管理システムというのは正常に稼働しているのですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、水位観測機能、揚水機能、水質モニタリング機能及び浄化機能を有するシステムでございます。観測及び揚水機能は、地中の水位を観測して、地下水をポンプでくみ上げ、地中の水位を一定に保つものでございます。
 また、揚水した地下水を下水道の汚水として放流する際は、下水排除基準を満たしているか確認し、基準を超過している場合は、排水処理施設棟にて基準以下まで浄化しております。十月三日の水位観測開始後、高い地下水位は低下しており、同システムは正常に稼働しております。

○和泉委員 地下水管理システムというのは、要は、水位APプラス二・〇メートルで管理することを目的としているわけですよね。そのため、日常の管理水位はAPプラス一・八メートルというふうにして、貯留機能を確保しているということでよろしいですよね。
 そこで、貯留機能というのを含めて、地下水の管理水位の基本的な考え方、これをちょっとお伺いしたいんです。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムでは、技術会議の提言を踏まえて、管理水位をAPプラス一・八メートルに設定しております。専門家会議で提言されたAPプラス二メートルよりも〇・二メートル低い水位を管理水位とすることで、約一・二万立方メートル分の貯留機能を確保し、豪雨などが発生した場合でもAPプラス二メートル以下の水位を維持できるようにしております。
 都としては、早期に管理水位まで地下水を低下できるよう今後必要な措置を講じてまいります。

○和泉委員 結局、地下水位が上昇していてということで、こういったものが都民が不安に思っているということになってしまっているわけですから、とにかく早期に管理水位まで水を下げていただきたいというふうに思っております。
 我が党はこれまで、地下空間の水の早期排水というのを今までもずっと都に求めてきました。現在の取り組み状況、これについてお伺いします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 専門家会議からは、まずは地下空間の換気を行い、その後、排水するよう指示がありました。換気については、十一月中旬に実施しております。なお、水銀が検出された五街区については、活性炭による吸着処理を実施し、排気いたしました。
 地下ピット内の水及び空気については、換気を行う前後において水質及び空気測定を行っており、その調査結果は今月十日の第三回専門家会議において報告する予定でございます。
 今後、専門家会議からの指示に基づき迅速に対応できるよう、排水設備等を準備しているところでございます。

○和泉委員 まずは換気をということですので、とにかく早期の排水開始を求めておきたいと思います。
 次に、地下ピットについてお伺いするんですけれども、地下部分が空間になっているということは、土壌汚染対策への影響といった環境の側面、それと、耐震性といった建築の側面の両面からいろいろ議論されていると思います。
 そこでまず、地下部分が空間になっていることが環境に与える影響についてお伺いします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピットは、配管スペースの確保に加え、地下水のモニタリング作業や、万一の際に汚染地下水の浄化作業を行うことを目的として設置されております。
 平成二十年に専門家会議が提言した盛り土は、汚染土壌の掘削処理等を行った上でのさらなる追加の対策として、地下水から揮発したベンゼン等を含む空気が人の健康や生鮮食料品に影響を及ぼすことを考慮して提言されたものでございます。本来の盛り土部分は、現在地下ピットとなっており、そのことによる影響について、専門家会議において検証していただいているところでございます。

○和泉委員 わかりました。そうしたら、もう一つの耐震性の方ですけど、これに関しては我が党の高木幹事長がさきの第三回定例会の代表質問で確認させていただいているんですけれども、もう一度質問しておきたいと思います。
 地下ピットが建築物の耐震性に与える影響について、どのように捉えているのか教えてください。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 豊洲市場の主要な施設においては、地下に空間があり、柱やはりなどの骨組み、支持地盤に達するくいなどで建物全体を支える構造形式となっております。
 都の建築行政を所管する都市整備局からは、本年第三回都議会定例会において、主要な市場施設において、建築基準法に基づき審査し、耐震性を含め、構造上の安全性を確認している旨の答弁がなされております。
 また、第二回市場問題プロジェクトチーム会議におきましても、地下ピット部分の耐震設計上の評価について議論がなされ、主要な市場施設の法令上の安全性は確認されたものと認識しております。

○和泉委員 今、プロジェクトチームの会議の話が出たので、この間の第三回のプロジェクトチーム会議でも建物の構造解析モデルの妥当性について議論されているみたいですけれども、構造上の安全性が確認されたということでよろしいのでしょうか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 第二回市場問題プロジェクトチーム会議において、設計時の構造解析モデルについての議論があり、第三回の会議において、そのモデルの妥当性について報告がなされたものでございます。
 豊洲市場の主要な施設の法令上の安全性については、第二回市場問題プロジェクトチーム会議に引き続き、改めて確認されたものと認識しております。

○和泉委員 もう一度確認しますけれども、建築物としての耐震性に問題がないということが確認されたのであれば、今後の対応策として、主要な構造部分ですね、これについての変更が行われることはないということでよろしいのでしょうか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 豊洲市場の主要な施設については、建築基準法に基づく安全性が確認されたものと認識しており、今後、建築物の主要な構造部分の変更を行うことは想定しておりません。

○和泉委員 今まで豊洲市場の移転延期の原因として、地下空間の存在が取り上げられることがすごく多かったんですね。例えば専門委員である建築家の佐藤さんなんかは、空間があることで非常に大きな誤解があると。地下空間は、コスト削減、保守、メンテ性、地下水の管理という面からも非常に有効な空間だと。これをつくったのは、都の技術系職員の英知だと思う、正しい選択であったと、このようにいわれている専門家の方がいるということも我々としては冷静に受けとめなければならないのだろうというふうに思います。
 一番最初から話をさせていただいているとおり、安全というものを証明して、そして安全性に関する情報開示を徹底的に行うことによって、都民、そして市場関係者というのは安心を得ることが可能なんです。本日の質疑を通じて、豊洲市場の建物、そして環境の安全性について、改めて確認できたというものは、安心を得ることの土壌が徐々に整いつつあるのかなというふうに思います。
 先日、築地市場協会の会長らが都庁を訪れて、東京都に要望書を提出されております。その中でも、都と私どもは、ともに市場を運営していく共同経営者であると。血のにじむような思いで都との調整を積み重ねてきたんだと。この内容というのは、市場関係者の、いわゆる魂からの叫びなんです。いきなり皆さん方は生活設計の変更を余儀なくされて、不安で夜も寝られないと。そんな彼らの思いというものをしっかりと受けとめるべきだろうというふうに思います。
 その要望書の中で三つ求めているのが、豊洲市場の安全性の早期確認、そして移転期日の早期決定、さらには移転延期にかかわる補償の早期実施ということを都に強く求めております。
 何人たりとも他人の人生をいたずらにもてあそぶ権利というのはないです。我々は、現場の市場関係者の思いというものにしっかりと寄り添うべきだと思います。よって、一日も早く、一分でも早く安全宣言をしていただいて、豊洲市場の開場を強く求めたい。
 以上です。

○伊藤委員 それでは、経済・港湾委員会でも質問してまいりましたけど、この特別委員会では公明党として初めて質問させていただきます。
 まず、この豊洲市場移転問題特別委員会、これが設置された運営要領、この運営方法、目的でありますけれども、特別委員会の目的、これは豊洲市場の移転に向けた諸課題について調査及び検討を行う、このようになったわけであります。
 一連の豊洲市場の問題から発生した諸課題、山積みになっておりますけれども、原因究明、そして再発防止、そしてまた安全の再構築、こうした諸課題について、要は、移転ができるのか、それともできないのか。それは、安全の確認を踏まえた、安全が再構築できるのかどうか、それが可能なのかどうか、これにかかっている、私はそう思います。
 この特別委員会では、この点について都議会公明党としても真剣に議論してまいりたい、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
 市場問題PTの報告ですけれども、この位置づけの中に、市場のあり方という、こういう文言があります。私からは、まず市場の意義について質問してまいりたい、このように思います。
 東京の市場は、徳川幕府の発展とともに、日本橋魚河岸として栄え、約三百年にわたって江戸、明治、そして大正時代の人々の台所として暮らしを支えてきたわけであります。
 しかし、その歴史は決して安逸なものではなく、幾多の問題が巻き起こり、その当時も移転議論が盛んになる中、ついに大正十二年九月一日、空前の大災害、関東大震災が東京を襲って、日本橋魚河岸は壊滅したことは有名な話であります。
 その後、約十年にわたって、闇市状態も続く中、当時の市場業界や行政、そして、当時の議会が必死に力を合わせて、昭和十年に東京市中央卸売市場として業務が開始されたわけであります。
 以来、八十二年もの間、市場業界の方々と歴代の築地市場の市場長を初め、関係者の方々の並々ならぬ努力によって、現在の築地の繁栄とブランドが完成したわけであります。
 一方で、時の経過とともに、その築地市場の老朽化も著しく進み、大雨が降れば大量の雨漏りが発生したり、東日本大震災の際にはブロック片が落下したりするなど、安全面の危惧も看過できないことも事実であります。
 今、東京に首都直下地震の危機が迫る中、こうした築地市場で働く市場関係者の命を守ることはもとより、今や都民、国民、そして世界の台所として、東京都中央卸売市場の役割と使命の重要性を私たちは冷静に再確認しなければならない、このように思います。
 そこでまず、首都東京が果たすべく、中央卸売市場の役割とその使命、そして存在意義について、都の所見を伺っておきたいと思います。

○金子中央卸売市場市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 中央卸売市場は、生鮮食料品等流通の基幹的インフラとして、公共的役割を担っております。この公共的役割といたしまして、第十次東京都卸売市場整備基本方針では、都民の食生活の安定を担保、都民の食の安全を確保、生産者、実需者がいつでも利用できる開かれた取引の場の三点の基本的役割に加えまして、時代の要請に応えるための新たな多面的役割である都民の多様化するニーズへのきめ細かな対応、サプライチェーンの中間結節点としての機能の発揮、日本の食文化の発信・インバウンドへの対応、地域への貢献の四点が挙げられております。
 都といたしましては、中央卸売市場が都民の食の安全を確保するなどの公共的役割を着実に果たし、生鮮食料品等を円滑かつ安定的に供給することで、都民、消費者に安心していただけるよう取り組んでいくことが重要であると認識しております。

○伊藤委員 公設の中央卸売市場の意義として、食の安定供給、そして食の安全・安心の確保など重要な役割を担っている、こういうことでありました。時代が変わっても、この中央卸売市場の意義は、私は変わるものではない、このように思います。
 とりわけ私は、五年半前の三・一一、東日本大震災のとき、あのときに、東北地方から本来入ってくるべき生鮮食料品が入らなくなった。あのときに、全国の調整を図りながら、この築地の市場が大きな役割を果たした。このことも皆さん記憶に新しいことだと思います。
 あのとき大変ショッキングだったのは、福島や宮城、一生懸命農家の皆様が育てた野菜、特にミズナだったと思います。本来ならば一箱で数千円する、こうしたものが五十円にもならない、こんな状況の中で、必死になって市場の方々がこうした被災地を支えてきたわけであります。
 食肉市場もそうです。放射能に汚染されたわらを食べてしまった牛が牛肉として流通してしまう、こうした危惧があったことから、食肉市場においても全頭検査をして、そして、都民、国民の方々の不安を払拭して、市場が風評被害から被災地を守ってきた、こういう役割も果たしてきたのも私は事実だというふうに思います。
 卸売市場が果たした役割は本当に大きなもので、都民を初め被災地も含めて、これまで多くの信頼を得てきた、このように私は思います。
 であるにもかかわらず、今回の盛り土問題を含めた一連の問題は、そうした中央卸売市場の信頼を大きく損ねた、大きな過ちにほかならない、このことを断言しておきたいと思います。
 その上で、中央卸売市場は体制が刷新されました。私は、まさしくこの特別委員会の、先ほど冒頭申し上げた要領に掲げられている移転に向けた諸課題の問題解決に向けて、村松市場長をリーダーとする使命あるチームだというふうに思います。小池都知事も、そのことを期待して、組織を刷新したことと私は思います。
 そこで、山積みとなった諸課題、問題解決に向けて、そして、何より信頼を回復するために都が今やるべきことは何なのか、チームの最高責任者である市場長の決意を伺いたいと思います。

○村松中央卸売市場長 豊洲市場における安全性への懸念等によりまして、都議会を初め市場関係者や都民からの市場行政に対する信頼を著しく損ねたと認識しております。現在、組織体制や職種間の連携強化といったガバナンスの再構築に取り組むとともに、市場関係者や都民に対する正確な情報提供に努めているところでございます。こうした信頼回復への取り組みを進めるとともに、豊洲市場への移転に向けた取り組みを着実に実施してまいります。
 先日、知事が発表したとおり、専門家会議等における安全性の検証を踏まえ、環境アセスメントの手続を進めた上で、移転の可否を総合的に知事が判断できるように取り組んでまいります。専門家会議等の提言を踏まえた対策を着実に実行し、農林水産省への認可申請につなげるなど、豊洲市場への移転に向けた環境を早期に整えるべく、全力で取り組んでまいります。

○伊藤委員 力強い決意を伺わせていただきました。ぜひ頑張っていただきたい、このように思います。
 ここから、安全性の確認について質問してまいりたいと思います。
 都の正式な決定であった整備方針がいつの間にか変更され、そして、専門家会議の提言に反して、盛り土がされておらず、地下部分が空洞、つまり地下ピットになっていることに対して、多くの都民の方から、建物自体に対しての心配の声が数多く都議会公明党に寄せられております。
 まず、建物の安全性について、現時点で都はどのように認識しているのか伺いたいと思います。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 豊洲市場の主要な施設におきましては、地下に空間があり、柱やはりなどの骨組み、支持地盤に達するくいなどで建物全体を支える構造形式となっております。
 都の建築行政を所管する都市整備局からは、本年第三回都議会定例会におきまして、主要な市場施設について、建築基準法に基づき審査し、耐震性を含め、構造上の安全性を確認している旨の答弁がなされております。
 また、市場問題プロジェクトチーム会議では、二回にわたって、地下ピット部分の耐震設計上の評価について議論がなされており、主要な市場施設の法令上の安全性については、この市場問題プロジェクトチーム会議においても確認されたものと認識しております。

○伊藤委員 次に、地下水のことについて伺ってまいりたいと思います。
 都は、誤った方向に進んだ過ち、これは、当時の専門家会議の専門家の提言を軽んじたことだと、私は、このように思います。まず一つは、されるべきはずだった盛り土がされていなく、地下空間ができていたこと、もう一つは、地下水の管理、これをしっかりすべきだと、こう提言されていたにもかかわらず、これを行っていなかったわけです。
 これについては、都議会公明党が数回にわたり現地を視察、調査させていただき、地下にたまっている水は地下水じゃないのですかと指摘しました。当初は曖昧な答えでした。
 しかし、最終的にマンホールのふたをあけていただいて、私たちも首を突っ込んで、メジャーではかって、大まかでありますけれども、地下水の高さをはかったらば、想定されていたAPプラス一・八だとか、二・〇だどころじゃなくて、高さが四メートルも五メートルもあった。このことについて、私たちは市場に対して指摘をしてまいりました。
 要は、大事なことは、コントロールできないほどたまってしまった地下水、この地下水の中身です。この地下水の水質が安全なのかどうか、これが一番重要だし、都民の皆様もそれを一番知りたいわけであります。
 先ほども、和泉理事からもありましたけれども、この報告書の中、基準値、指針値、さまざまな値の単位が出てくるわけでありますけれども、都民にわかりやすく説明していただきたい、私は、このように思います。
 そこで、地下水の現状について、専門家会議の見解、そして、都の認識を伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 土壌汚染対策法における地下水基準の値とは、人が七十年間地下水を毎日二リットル飲んだ場合でも健康に影響がないなどの考え方で決められております。豊洲市場では、地下ピット内のたまり水について水質調査を行っており、基準超過は確認されておりません。
 一方、第八回の地下水モニタリングにおいて、敷地全域二百一カ所のうち、五街区の建物下以外の三カ所で基準超過を確認いたしました。
 基準を超過したことについて、専門家会議では、対策実施後に地下水中の汚染物質濃度が変動しながら低下していくことはよくある現象、一時的な上昇をもって判断するものではなく、今後の推移を見守るべき、豊洲市場の地下水は飲用に供することはなく、人体の健康に影響するものではないとの見解が示されております。

○伊藤委員 この地下水の中にベンゼンだとか、またこの後も出てきますけど、水銀だとか、さまざまなこういう有害物質について、一般の方々は、それを聞けば非常に驚きます。基準値を超過した、こう聞いただけで本当に驚くわけです。ただ、それがどういう意味を持っているのか、また専門家の方々の認識は、見識はどうなのか、このことを正しく発信するべきだ、私は、このように思います。
 地下水について聞きましたけど、都民のもう一つの心配でございます空気、大気の問題について、同じようにわかりやすく説明をいただきたいし、そしてまた空気の現状について、専門家会議、そして、都の認識を伺っておきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 大気の環境基準とは、人が七十年間、毎日十五立方メートル--これは約四畳半部屋の程度でございますが--の空気を吸い続けても健康に影響がないなどの基準でございます。水銀は、有害大気汚染物質の指針値として定められており、これも一生涯暴露されても影響がない濃度として設定されたものでございます。
 豊洲市場では、主要な建物の一階及び地下ピット内で毎週空気測定を行っております。建物一階では環境基準、あるいは指針値の超過は確認されておりません。地下ピット内についても、現在、五街区で水銀が指針値を超過しております。
 また、補助三一五号線の高架下では、連絡通路内、地上部及びアスファルト下で空気測定を行っており、連絡通路内及び地上部では基準超過は確認されておらず、アスファルト下で一部ベンゼン及び水銀の超過が確認されております。
 専門家会議では、地下ピット内において水銀が指針値を超過していることについては、ピット内の空気を数時間吸ったとしても心配ということはない。また、補助三一五号線のアスファルト下でベンゼンと水銀が超過していることについては、地上部で基準超過が確認されていないことからも、直接人への健康影響を発生させることはないとしております。

○伊藤委員 先ほどの水質についても、七十年間地下水を毎日二リットル飲んだ場合でも健康に影響がないとか、七十年間空気を吸い続けても影響がないとか、そういう基準値でいっていただいたわけですけど、じゃあ、あなた方はその水を飲めますかとか、その空気を吸えますかとか、一般の都民の方はやっぱりそう思うんですね。
 私は、ぜひとも、東京都の今の情報発信の仕方、市場のホームページを開くと、確かに専門家会議のページが出てきます。そのときに説明で使った資料も出てきます、映像も出てきます。だけれども、あの資料を一般の方々がわかるかな、これは非常に疑問です。
 きちんと、やっぱりこれは市場が責任を持って、今の現状、専門家の先生は、こういうところをまだ気をつけなきゃいけない、こういうところは大丈夫だよ、こういっていることをきちんとわかりやすく情報発信していく。このことが重要だと思うし、先日の第三回定例会一般質問の私の質問でも、小池知事も、安全性について、都民にわかりやすく情報発信してまいります、このように答弁をいただいています。
 ぜひ今のやり方に加えて、情報発信、工夫をしていただきたい、このように思いますけど、いかがでしょうか。

○有金中央卸売市場渉外調整担当部長 これまでの中央卸売市場におけますホームページ等におけます情報発信につきましては、至らないところがあったというふうに認識しております。
 これからは、こういった情報を都民にわかりやすく、あと、わかりやすいトップページだとか、そういうところにわかりやすい状態で提供できるような形で工夫してまいります。

○伊藤委員 ぜひともわかりやすくお願いしたいというふうに思います。今後も専門家会議とともに、都は、安全の確認をぜひとも慎重に、そして、かつ迅速にやっていただきたい、このように思います。
 そこで次に、安全の確認、これに加えての安全の再構築、これをどうやっていくのか、このことについて伺ってまいりたいと思います。
 今、質問してまいりました地下水、そしてまた空気についての課題、そして、今後の対策についてどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水については、第八回の地下水モニタリングにおいて、五街区の建物下以外の三カ所から基準超過が確認されており、採水中の第九回地下水モニタリングの結果を注視してまいります。
 空気については、五街区の地下ピット内で水銀が指針値の超過を、また、補助三一五号線のアスファルト下でベンゼンの基準超過と水銀の指針値超過を確認しており、専門家会議では換気がない閉鎖空間で滞留した可能性があるとしており、発生源の特定や換気の有効性の確認などのため、現在、換気をした上で、改めて空気の調査を行っているところでございます。
 今後、専門家会議において、これらの調査結果を踏まえ、必要な対策を検討していくこととしております。

○伊藤委員 これからの課題と対策については、これからの専門家会議、とりわけ私は次回の専門家会議、これが非常に重要だ、このように思っております。
 安全の再構築、再び安全を構築していく、こうしたことに向けて、具体的に今後どのように都が取り組んでいくのか、また専門家会議と力を合わせてどのようにしていくのか、この辺を伺っておきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今月十日に開催を予定している第三回専門家会議では、地下ピット内及び補助三一五号線下で実施した換気後の空気測定の結果について審議をすることとなっております。また、地下ピット内の水について、今後、専門家会議からの指示に基づき迅速に対応できるよう、排水設備などの準備を行っているところでございます。
 専門家会議では、これらの調査結果を踏まえ、適宜必要な調査を実施していくものと認識しており、こうした調査、検証を通じて、換気などの必要な対策の検討をする予定と認識しており、おおむね月一回のペースで行うものとされております。その際には、地下ピット内の強制排水の状況などについても報告する予定でございます。
 なお、調査結果をわかりやすく伝えることが重要であり、専門家会議では全ての調査結果を一元管理した上で審議し、評価とあわせて公表していくこととしております。
 また、審議の状況や会議の傍聴者との質疑応答など、会議の様子をインターネット中継し、来場できない方々に対しても積極的に公開するとともに、会議資料や議事録に加え、当日の会議映像についても後日ホームページ上で公開していくなど、情報発信に努めております。

○伊藤委員 答弁の中で、地下ピット内の水、これについては、私たちも都民の方々も一番関心が高いところであります。今後の専門家会議からの指示に基づいて、迅速に対応できるように排水設備等を今準備している、こういうことでありましたけれども、この地下ピットのたまった水の排水についても、換気についても、またそのほかについても、専門家会議からの指示があったら、即座に安全の再構築に取りかかれるようにしっかりと考えて、そして準備をしていただきたい。先ほど申し上げたように、安全の確認、そして再構築については、慎重にかつ迅速にやっていただきたい、このことを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。
 市場問題PTの概要の中にPTにおける主な検討事項というのがありますが、この検討事項の中に豊洲市場の事業継続性というふうに書かれております。市場の継続、これは先ほど、市場の歴史も、またその意義もお答えをいただいたところでありますけど、長く江戸時代からずっと続いてきたこの市場、これを継続していくには、市場関係者があって初めてなり得るものであって、そして、市場業界の方々の健全な経営状況があって初めて実現ができるわけであります。このたびの移転の延期に伴って、業界のダメージは、本当にはかり知れないダメージであるわけであります。
 都は、特例の融資、あるいはつなぎ融資、さまざまに用意をしたわけでありますけれども、事業所の中には、それこそ卸、仲卸、さまざまな事業所の規模があるわけです、大きいところも小さいところも。今回の特別融資については、上限一千万円となっているわけでありますけれども、この一千万円で果たして足りるのかどうなのか、都の見解を伺っておきたいと思います。

○長田中央卸売市場移転支援担当部長 今回の特別融資につきましては、既存の仲卸関連事業者融資事業の枠組みの中で、融資条件を大幅に拡充して対応してございます。この事業の融資限度というのは、他市場での事例ですとか、仲卸業者が移転する際のケースなどを参考として一千万円としております。
 また、産業労働局の制度融資などもあわせて利用を促進し、仲卸事業者の資金繰りについては支障が生じないように支援をしていきたいというふうに考えております。

○伊藤委員 いずれにしても、一千万円上限ということであったとしても、借りたものは返さなくてはならないわけでありますから、このことはよくわかっていることだと思いますけれども、踏まえた上で、この融資についても進めていただきたい、このように思います。
 豊洲市場の市場業者の方々の発注で、豊洲の中に、例えば内装工事を行った、こういうものを設置した、こういう市場業者の関係者の外側の方が豊洲市場を整備した、こういう方々がたくさん民間事業者の中にいるんです。
 こうした方々は、市場の移転が遠のいたことによって、いまだ代金の支払いを受けていない、こういう声がいろんな業界の方々から都議会公明党に届いております。
 都は、こうした業界の外側にいらっしゃる関係者の方々、こうした方々の声が届いているのかどうか、それに対してどうしようと思っているのか、これを伺いたいと思います。

○松永中央卸売市場管理部長 築地市場の移転延期に伴い、市場業者だけではなく、市場業者と例えば工事請負契約やリース契約などを締結した民間事業者にさまざまな影響が生じているということにつきましては認識しております。
 都としては、いわゆる民民の契約に立ち入る立場にはございませんが、こうした状況を踏まえ、市場業者の相談に適切に対応してまいります。

○伊藤委員 民民の関係であるからということでありますけれども、それを文字だけとったら非常に冷たいですよ。そういうところにもきちんと目配り、気配りをして、そして、本当に移転に向けて進められるのかどうなのか、そういうことも周りから崩れたら、結局移転できなくなっちゃうわけですよ。そういうことも、しっかり心を向けていただきたい、このように思います。
 もう一つ、心を向けていただきたいことがあります。それはこの一千万だなんだといったって、融資の審査を行うのは中央卸売市場ではないんです、市場長ではないんです。PTでもなければ専門家会議でもないんです。この融資の審査を行うのは、あくまでも金融機関であります。結果として、こうした特別融資を受けることができない市場業者が出てくるかもしれないのではないかと私は非常に心配しております。
 今、ぎりぎりでやっていらっしゃる業界の方々もいらっしゃるでしょう。多少蓄えがあるところもあるでしょう。逆にいえば、蓄えがもう底をついてしまった、こういう業界もあるでしょう。こうした方々が融資の審査、これを受けるために金融機関の理解が必要だ、私は、このように思いますけれども、いかがでしょうか。

○長田中央卸売市場移転支援担当部長 取扱金融機関の融資審査につきましては、市場業者の経営状況であるとか、個人資産、また事業計画などに鑑みて、総合的に判断されているところでございます。今回の特別融資の実施に当たりましては、金融機関のリスクを低減することにより、貸し付けを行いやすい仕組みとするなどして、都としても最大限の貸し付けの環境を整えているところでございます。

○伊藤委員 ただいまいただいた答弁も、これもきっと文字にすると非常に冷たい答弁なんです。人ごとなんです。どうかこうした方々、仮に審査が通らなくて、困ってしまうような事業所が出てきたら、そういうところにもしっかり目を配り、心を配って、受けとめていただきたい、相談に乗っていただきたい、打開策を提示していただきたい、私は、このように思います。
 今回の特別融資、そしてまた今後の業界の方々への補償について、お金はかかります。これからのこうした費用について、財源について、どのように都は考えているのか伺いたいと思います。

○松永中央卸売市場管理部長 中央卸売市場会計は、都内十一市場の使用料を主な財源とし、行政的経費については一般財源、市場施設の整備につきましては建設改良積立金等を充当して運営しております。
 豊洲市場への移転延期に伴い発生する市場業者への補償につきましては、その具体的な財源について、公営企業会計である市場会計の特性を踏まえながら、今後、財政当局と十分に調整の上、検討してまいります。

○伊藤委員 豊洲市場に関する整備費等について、都民の方々は、この財源についても非常に関心が高いです。私もまち中でさまざまな方のお声を聞く中で、そもそも豊洲市場にかかった整備費約五千八百億円、これについて、ある都民の方は、私たちの都民の血税を、何てことをしてくれたんだ、このようにいう人もおります。確かに広い意味ではそのとおりです。
 しかしながら、市場の整備費を含めて、今の市場の運営、経営については、独立採算の市場会計、特別会計で行っているわけですけれども、都民の方々はそのことすら知らない、都民の血税が五千八百億円も使われたんだ、無駄遣いだ、このようにいって、思っていらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。
 この辺のところもきちんと、やはり市場の方々の努力で積み上げてきた中で整備をしてきた。そしてまた、この先については見通せない中、移転がどれぐらい延びるのか、こうして時間が延びれば延びるほど、市場会計は底をついてしまうわけであります。
 それこそ都民の血税が投入されるような事態になってしまうのかどうなのか、このことも今、答弁いただきましたけれども、財政当局と十分に調整の上、検討して、最善の策をとっていただきたい、このように思います。
 冒頭二問目で市場長の力強い決意を聞かせていただきました。本当に山積みになっている豊洲市場の問題について、そして、この問題の解決に向けて、チーム村松、チーム市場、これを合い言葉に一丸となって、この問題解決に向けて頑張っていただきたい、このように申し上げて、質問を終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四十九分休憩

   午後四時四分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○曽根委員 本日は特別委員会最初の質疑となりますので、改めて築地市場の豊洲移転問題について、これまでの経過を踏まえて、特にきょう資料もいただいております専門家会議及び技術会議がかかわってきた豊洲の土壌汚染と、その対策について、重要な点をただしておきたいと思います。
 最初に、主な建物下の地下空間にたまったたまり水についてです。
 主な建物の下に盛り土がされておらず、地下空間には大量のたまり水がありました。このたまり水の由来について、雨水によるものか地下水によるものかが、まず最初に問題になりました。東京都は当初、このたまり水は雨水由来だと、繰り返し都民、都議会関係者、私たちに説明してきました。
 市場当局として、このとき地下空間のたまり水について雨水由来だとした根拠について、当時どういう根拠で説明したのかお答えいただきたい。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 地下ピットにたまった水につきましては、八月以降、雨が続きますと地下ピットに水が浸入していたことから、雨水によるものではないかとのご説明をしてまいっておりました。
 その後、専門家会議の座長の指示により、九月十五日に採水して分析を行いまして、九月二十四日に、座長より、地下ピット部の水と近傍の揚水井の地下水に含まれる溶存成分、いわゆる主要イオンの組成がほぼ同じでありますことから、地下ピット部の水は地下水であるとのご判断が示されたところでございます。
 このことにつきましては、十月十五日の第一回専門家会議におきましても確認をされてございます。

○曽根委員 雨水だといったのは、特に、例えば分析機関でたまり水の分析をして、専門家からの見解を得たわけではないということですよね。
 当時、私たちが現場に入ったときに、天井などに結露がある、それから壁に水がしみ出たような跡があると、ですから、これは雨水がそういうところから入ってきたり、結露が滴り落ちてきたんだというような説明をされました。壁からしみ出た雨水や、それから結露であれだけ大量の水がたまるはずがないと、誰が考えてもわかるような説明をされていたということを、私は本当に何だろうかと思ったんですが、さすがに、今、答弁ではそういうことはおっしゃらなかった。
 建物の下に雨水が浸入したと。浸入した経路が壁を通してなら雨水というふうにいえるかもしれませんが、これは明らかに地下から上がってきたもので、地下水以外に考えられないというふうに思うんです。しかも、雨が続くと、工事中、これは直前まで東京都は地下水をくみ上げて排水する工事をやっていたわけですから、それから考えても当然知っていたと思うんですよ。
 我が党は、調べに入ったときに、この水を採取して指定分析機関に依頼し、分析の結果、ヒ素などが検出されたと。この結果を専門家に見ていただいたところ、ヒ素が検出されたということは、一般的に雨水にはヒ素は入りませんので、これが有力な証拠となって、地下水由来だという見解を得て、九月十六日に共産党都議団としてそのことを公表いたしました。
 このように、市場の当局は、当初、たまり水について分析をしなかっただけではなく、その前の工事の経過からいって明らかに地下水だとわかっていたと思うんですが、そのことを、都民や都議会に雨水だということを一方的に説明してきたこと、このことについて改めて認識を伺いたいと思います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 委員のお話のような八月以降の状態につきましては、私も現場へ赴いておりますが、雨が続くと、割と早い時間で地下ピットの側壁から水が差し込んでいたところを見受けたことは事実でございます。そういったことからも、雨が降った後、非常に早い時間で雨水による影響で水がたまっていたのは、私どもの認識としては、その当時のものでございました。
 先ほど申し述べましたように、その後、専門家会議の座長の指示によりまして調査をし、主要イオンの組成がほぼ同じということをご確認いただいたというところでございます。

○曽根委員 今、佐藤部長が、壁から雨水が差し込んでいたと、そういうふうなのを目撃したとおっしゃいましたけれども、じゃあ、それがあの地下にたまった、私の推定でいえば数千トンになると思いますが、その原因だというふうに常識的に考えられますか。あなた、その分野では専門家でしょう。どうなんですか。
 しかも、その前に工事をやっていて、この地下空間にたまった水は、実は私たちはその後に知ったわけですけれども、直前まで排水作業をしていたわけでしょう。それをとめたわけですよね。ですから、とめれば、もう当然、雨水が入るどころか地下から水が出てくるということはご存じだったはずじゃないですか。そのことについてなぜ認めようとしないんですか。
 要は、地下水が主な建物の地下の空間に上がっているということを認めたくないと。盛り土がないために、建物が汚染された地下水の影響をもろに受けるということになるので、その失敗を公然と認めたくないためにそうやっておっしゃっているんじゃないのですか。いかがですか。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 これまでいろいろな機会を捉えてご説明申し上げていたことでございますが、本体施設の建設工事が本年五月末に完了して以降、地下ピットにたまった水、これを仮設の排水設備により適切に処理をしておったところでございますが、その後、外構工事の進展等により、各街区とも仮設の排水設備を設置していた約四百平方メートル前後の区画、こちらを外構工事の一貫した流れから、舗装や植栽などの仕上げを行う必要がございまして、この排水設備を解体、撤去せざるを得なくなったところでございます。
 そのため、七月から八月にかけまして、都と施工者が協議をし、都が仮設の排水設備の撤去を了解したところでございます。さらに、舗装などが完了します直前に、台風などによる降雨が多かったことから、こうした事態を招いて地下水が上昇したところでございます。
 結果として、市場関係者の皆様や都民の皆様に不安を与えてしまったことについては、大変申しわけなく思ってございます。

○曽根委員 その直前まで工事で排水していたピットの水というのは、雨水だったらば、後でもちょっと出ますけれども、雨水ますに流しますよね。しかし、地下水ということになると、あそこの豊洲の地下水はアルカリ性ですから、そのままでは流せない。処理しなきゃならないでしょう。どっちをやっていたのかということです。地下ピットの水をずっと抜いてきた、その水は地下水として中和処理をしてから排水していたんじゃないんですか。事実をいってくださいよ。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 本件についてもいろんな場面でご説明してまいりましたが、雨水につきましては、地表に降った水を直ちに集水して沈砂処理を行い、雨水放流ますに接続しておりまして、また、委員お尋ねの工事で掘削した部分などにたまった水については、ポンプでくみ上げ、仮設の排水設備で必要な処理を行った上で汚水排水ますに接続しておりました。
 先ほど申しましたように、仮設の排水設備につきましては、この汚水をつなぐ目的で設置したものでございます。

○曽根委員 では、地下ピットから抜いた水は処理をして汚水ますに流したということは事実ですね。改めて確認します。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 委員のご指摘のとおりだとご説明いたします。

○曽根委員 これはもう、雨水がそのまま地表を流れている分には、それは雨水として処理できるんですが、一旦地下に浸透したり、地下から湧いてきたときには、これは豊洲の地下のさまざまな物質を溶かし込みますので、大体はアルカリ性になってしまうということで、中和処理をしなければ排水基準を超えてしまいますから、だからこそ地下ピットの水は中和処理をして流していた。
 つまりは、地下水としてちゃんと認識していたということです。それを雨水由来だというのは、地下水だということを覆い隠すために説明したんじゃないですか。そういう説明をしてきたから、だから都民から信頼されなくなるんですよ。
 雨水が直接建物の中に入ってきたかのように我々も説明を受けましたけど、あれが地下から出たというのであれば、単にアルカリ性というだけじゃなくて、地下の汚染物質が上がってきたんじゃないかということは誰しも心配になるわけで、現に上がってきているわけです、微量だけれども。そのことを最初から説明しないで、いわば隠していたということ自体が最初から間違っていたと。
 この点について、不安を与えたとかおっしゃっていますが、これをちゃんとその場で説明しなかったことについては、訂正、謝罪をすべきと思いますが、いかがですか。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 繰り返しでございますが、今までご説明してきましたように、この地下ピットにたまりました水については、長雨が続くと即座に地下ピットに水が浸入しておったことを確認しておったところです。
 当時、雨水によるものではないか、雨水による影響ではないかという説明をしてきたことは事実でございますが、あわせて因果関係については、正確なことはわからないとか、これが完全に全部雨水でありますといったご答弁はしてはございません。
 それで、繰り返しですが、正式に東京都も、それでは調べようということで、委員がおっしゃるところでは遅いというご指摘なのかもしれませんが、九月十五日に採水をして分析し、専門の知見をお持ちの専門家会議の座長より、組成がほぼ同じであるというご指摘、また、地下ピットの水は地下水であるというご判断を正式にいただき、それを私どもも第一回専門家会議において確認させていただいたところでございます。

○曽根委員 九月十五日に調べてみようということになって採水した。その前日に私たちは現場で水をくませていただいて分析機関に出したわけです。その翌日に東京都がくんだわけです。そういう対応だったわけですよ。
 ですから、私たちがちゃんとあれを調べなかったら、どこまで調べていたかわからないでしょう、はっきりいって。こういうことを(発言する者あり)いや、これからもいいますけれども、さんざん繰り返してきているんですよ。
 一番大きい問題は、盛り土をしていないことを、ついこの間まで知事にさえ隠していたわけでしょう、小池知事にさえ。八月の中旬に現場視察しているんだから知事は。そのときに見せなかったわけでしょう知事に、その地下の問題を。それから、私たちも発表する予定をした相前後して知事が発表したと。こういうことを繰り返しているから、本当に都民ファーストというんだったらここから直さなきゃだめですよ、いっておきますけど。
 それから、砕石層の上に地下水が上昇してしまっている問題についてですけれども、豊洲の新市場予定地の現状の地下水は、二十一本の全ての観測井戸でAP二・五メートルより高い事態になっています。一向に低下するに至っておりません。
 そこで確認したいのは、十一月二十二日の経済・港湾委員会で、市場当局が答弁の中で、この地下水管理システムは、盛り土の水をくみ出すということは当時の設計では特に配慮していないと。二・五メートルより上については、土の密度、透水係数は、帯水層に比べると地下水が通りづらい状況だということを答弁の中で認めています。これは間違いないですよね。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、地下水位をAPプラス一・八メーターの、日常はその水位で管理するシステムでございます。このため、地下水が盛り土上にある現状を見ますと、その盛り土の中の地下水をくむようには設計されておりません。

○曽根委員 今のご答弁の趣旨からすると、この地下水管理システムというのは、地下水が砕石層の上の盛り土の中まで上昇してしまった場合には、五十八本の揚水ポンプが稼働したとしても、速やかに地下水をAP一・八メートル以下に下げることができるというシステムではないと。そういう設計になっていないということになりますが、それは間違いないですね。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムの揚水ポンプの構造上も、有孔管を設置しておりますのはAP二・五メーターから下でございますので、そこからの水は直接入ってくるようには設計してございません。

○曽根委員 ここ大事なところなので改めて確認しますが、揚水井戸の水の取り入れ口は砕石層よりも下の方に穴があいている、そこの水を取るようになっていると。そうすると、一旦砕石層の上に、盛り土の中に入ってしまった地下水は、もし取るとすれば、ずっと下までしみおりてくるものをくむしかないと。そういう意味では、地下水を下げるようにはできていないと、盛り土の中の地下水位を下げるような仕組みにはなっていないということでよろしいですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、今、委員ご指摘のとおり、二・五メーターから下の部分でくみ上げるシステムでございますので、当然ながら、下で水をくみ上げて水位が下がってくれば、上にある水は下におりてきて、だんだんとくみ上げられると。ただし、すぐに水を全部取るようなシステムにはなっていないということでございます。

○曽根委員 盛り土の中に入った水をすぐに下げるというようなシステムになっていないことは確認しました。
 大体、都は地下水管理システムについて、技術会議、地下水管理協議会や都議会で、集中豪雨や台風のときにおいてもAP二・〇メーターで地下水の管理が可能となるよう、日常的に維持する水位をAP一・八メートルとし、地中に貯水機能を確保すると説明していました。史上最大の規模の集中豪雨や台風があっても、砕石層の下、AP二メートルで地下水を抑えることができると、砕石層を超えるようなことはあり得ないと豪語していたわけです。
 ところが、何らかの要因で、このAP二メートルはもとより、砕石層を突き抜けて上に地下水が上がってしまったら、これは想定外だから、このシステムでは水位を急いで下げたりする決め手はないというのは、これは極めておかしな話だと思うんです。
 そういうことが起きることは、いろんなことが考えられるわけですから、その場合でも地下水管理システムとして対応できる機能を確保する設計をすべきだったんじゃないかと、地下水管理システムをトータルでちゃんとやっていくというんだったら。これは常識的に考えてそう思うんですけれども、いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在、市場用地内で地下水位が高い状況をつくった大きな原因は、工事中の雨により入ったものが影響しているわけでございまして、地下水管理システムは一・八メーターの日常水位になった状態では正常に機能するように設計したものであるというふうに考えております。

○曽根委員 工事のときに入っちゃったんだから、これは通常の地下水管理のメニューの中にありませんでしたじゃ済まないわけですよ、実際は地下水管理システムが動き出したのは工事の後なんですから。
 工事中に入っちゃった水は抜けないというんだったら、もうこれは最初から欠陥商品になっちゃうわけでしょう。そうでしょう。だって、雨は絶えず毎月のように降っているし、その水は工事中の方が地面の中にしみ込みやすいわけです、地面が露頭しているから。こういう点で、誰しも心配することが、東京都の方では設計上ちゃんと配慮されていないということは大問題だということです。
 専門家の方もそのことを警鐘していました。私も探してみたんですけど、例えば技術会議の方でも、二〇一四年十一月に、座長から、この地下水管理システムができるまでの間の工事期間中の地下水管理をしっかりやらないと地下水位が上昇してしまう心配が、このときに、既に指摘されていたわけです。
 それに対して都側は、その雨水については、工事の施工中、適切に地下水化しないように排水をしていくと説明していましたよね。これは間違いないですよね。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 今、委員がお話しの趣旨に鑑み、先ほども申しましたが、雨水につきましては、地表に降った雨を直ちに集水し、沈砂処理を行って、雨水放流ますに接続しており、また、工事で掘削した部分にたまりました水につきましては、ポンプでくみ上げ、仮設の排水設備で必要な処理を行った上で汚水排水ますに接続してございました。

○曽根委員 今、ご説明があったとおりのことをずっとやらなきゃいけなかったわけです。市場当局は、例えば二〇一一年八月から土壌汚染対策工事が始まった、その後に、二〇一四年二月から建設工事が始まった、この期間中については厳重な雨水、地下水管理が求められていたわけです。
 そのために、先日、私自身が公営企業決算で質疑したように、ことしの二月には、工事中の雨水等の排出処理が適切に行われなかった場合の瑕疵責任を明確にする一文を入れて、建設工事のゼネコン、ジョイントベンチャーに特命随意契約をしています。
 これを改めて読むと、東京都がやっぱり相当心配していたことはわかります。この契約の中にも、適切に常時排水の作業をやっていかないと責任問題が生じるよと、したがって、瑕疵責任の明確化を図るためには、これをやっている附帯その他の工事の施工者以外にはこれを施工することは不可能であるから、この担当のジョイントベンチャーに特命随意で契約をするということが明記されております。
 ところが、この契約書を読むと、厳しく管理責任を明確にしているということは、都としては、地下水が砕石層の上まで上がってしまうことを心配して、そうなったら地下水管理が難しくなりそうだという認識は少なくともあったわけですよね、その点を確認したいと思います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 委員ご指摘のとおり、工事中につきましては、その施工者の責任において、例えばAP二・五メートルまで敷設している砕石層から上に水をやらないように随時排水をしておったという管理の方法を、私どもも監督しておったところでございます。

○曽根委員 当時、既に建物と並行して揚水井戸の設置工事は進んでいました。そのシステムは、とにかく地下水位をAP一・八メートル以下にしておいてからでないと本来の機能を発揮しないと。だから、こうした契約まで結んで、何が何でも雨水の地下水化を防ぐために、特別に排水工事を重視して特命随契をやっているということですよね。
 にもかかわらず、その後、建設工事が終了し、外構工事に入ったことしの八月、九月に、雨水の仮設排水処理施設を撤去して地下水が上がってしまったと。この事実を認めて、先日の十一月二十二日、経済・港湾委員会で我が党のかち議員が質問しまして、これに謝罪をしました。
 不可解なのは、十月の地下水管理システム本格稼働まで必ず毎日排水をするよう契約まで結んでおきながら、外構工事の仕上げになったら、ポンプ施設の置き場がないという理由で、このいただいた資料を見ますと、各ゼネコンが相次いで相談に来て、やむなくポンプを撤去させている。都が認めたものですから瑕疵責任を問えないということになっているんですが、何かゼネコンの工事の段取りで手落ちがあったんでしょうか。
 なかったならば、この二月の契約の時点で、最初から、最後の外構工事ではポンプが難しくなりそうだと気がつきそうな、こういう手違いが何で起きたのかということをお聞きしたいと思います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 委員ご指摘の排水工事の内容につきましては、十月十七日の外構工事完了までの工程を組んではいましたが、この途中の外構工事の進展等により、各街区とも、ある時期に排水設備を解体、撤去するということを前提とした発注内容でございました。
 したがいまして、十月十七日まで毎日排水設備を稼働させるという旨ではございませんで、この解体、撤去までを含む工程、もちろん工程調整をしながらの工程が、この排水工事の内容でございました。

○曽根委員 契約内容にはそのように書かれていませんよ、解体、撤去も含めて十月十七日だとは。排水工事そのものの契約が十月十七日、つまり地下水管理システムの本格稼働まではきちんとやってくださいねという契約になっている。
 にもかかわらず、途中でこれはもう工事ができなくなるということが、当然、何らかの調整が必要になるということは予測されたにもかかわらず、あっさりこれを承認して工事をストップさせ、結果としては水が地下にたまってしまった。これは、はっきりいって、あなた方の不作為ではないですか。都として、瑕疵責任がむしろ問われる大問題です。責任の所在を明確にしていただくように求めておきたいと思います。
 これまでの市場当局の対応は、先ほどのたまり水の問題といい、それから、今の工事の途中でポンプ排水ができなくなった問題といい、どうも本当に実態として何が起きたのかを私たちにきちんと明らかにしていないという疑いの念が非常に濃いんですよ。一事が万事こういうものが続いてきているわけです、この間。
 実際は、施工中から問題が起きていたにもかかわらず、議会で追及されなければ隠蔽する、うそとごまかしを繰り返すという問題が、ずっとこの間、多過ぎます。都民や都議会への隠し事は二度とないようにすべきだと思いますが、いかがですか。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 お尋ねの地下ピット内のたまり水につきましては、先ほども申し述べましたとおり、本体施設の建設工事完了後、仮設の排水設備により処理していたものを、委員ご指摘のとおり、外構工事との取り合いで、舗装する時期を迎えたときに、四百平方メートルを占めていた仮設の排水設備の区画につきまして、これを解体、撤去せざるを得なくなった、工程調整を行ったところによる、施工者と都の協議によるものでございます。
 これにつきましては、やはり舗装をする時期、また外構工事の工期をにらんだり、いろんな調整をしておいた上での判断ではございましたが、また、あと八月の上旬につきましては、東京都の節水対策等を行っておったご記憶もおありかと思いますが、それほど降雨がなかったものが、旧盆以降、台風の到来など長雨が結果的に続きまして、想定以上の雨が差し込み、また、地下水管理システムの試運転等の取り合いも若干時期がずれたりしたこともございまして、地下水位が上昇したということで、地下ピット内の水位の上昇を余儀なくされたというところでございます。

○曽根委員 ことしの八月、九月の外構工事中の、今、経過としてはお話しになりましたけれども、やはり地下水管理システムに移行していく中では欠かしてはならなかった地下水対策を、結局は中断したということの人為的なミス、それから、雨水の地下水化を起こしてしまって、地下水位も盛り土の中に上昇したという事実は、これはもう消しがたいですよ。
 問題はそのときだけだったのかということも、私、ちょっとただしておきたいんです。
 改めて確認する必要があると思うのは、二〇一一年八月から始まりました土壌汚染対策工事の期間中、それから二〇一四年二月から始まった豊洲の建物の建設工事期間中についての排水処理がどうだったのかという問題について、これをただしておきたいと思います。
 当時は、工事期間中の雨水と、それから、地下を掘り返しているときに出てきた地下水の処理は、それぞれどのように行われていましたか。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 繰り返しのご答弁ですが、工事で掘削した部分にたまった水については、ポンプで適切にくみ上げて、仮設の排水設備で必要な処理を行った上で汚水排水ますに接続しておりました。

○曽根委員 各街区の雨水処理の、砂を沈める沈砂槽、それから地下水の処理プラント、それぞれの処理能力について伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 豊洲の建設工事におきまして各街区に設置しておりました沈砂槽は、時期によって異なりますが、最大で、五街区で約七十立方メートル、六街区で約百立方メートル、七街区で約百立方メートルでございました。
 また、先ほどお話ししたような各街区に設置しておりました地下水処理のプラントの能力につきましては、通常、一時間当たり十二・五立方メートル、街区によりましては、最大一時間当たり二十五立方メートルを確保してございました。

○曽根委員 そうすると、各街区は十三ヘクタール程度ありますから、時間当たりにしてわずか一ミリ程度の雨でも、各街区への総雨量となると一時間当たり百三十立方メートルになります。
 したがって、一時間七十から百の立米しか処理できないということでは、処理はし切れないと。恐らく最初から、当時工事中ですから、もう降った雨は全部は処理し切れないということで作業をしていたということでよろしいですか。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 豊洲の建設工事においての、先ほど申しました沈砂槽につきましては、適宜適切な雨水のつなぎ先にしておったので、オーバーフローしない範囲で雨水を最終的な沈砂槽に集約しておったと聞いておりますので、特段そこで雨水がつなぎ切れないほど出ているという問題は生じていなかったものと考えております。

○曽根委員 一ミリの雨で百三十立米の雨が街区全体に降ってくる。それをとにかく全部かき集めて沈砂槽に持ち込むということはできないでしょう、実際の工事現場で。それほどの物すごい集水能力のあるポンプなんてないでしょう、今、日本には。
 したがって、もう取れるものは取ると、水たまりになりそうなものは。しかし降った雨の大半は地下に、そのまま地中にしみ込んでいくという状態だったでしょう、現実には。工事現場を知っている人は誰でもわかりますよ、それは。そのことは認めてください。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 先ほどご答弁しましたように、雨水につきましては、地表に降った雨を適宜、早急に集水して沈砂処理を行っていたところでございます。ただ、おっしゃるように、委員ご指摘のように、それでも集水し切れなかったものは、一部地下に浸透していたものも当然あったかと思っております。

○曽根委員 常識で考えれば、それは難しいですよ。あの広い、各街区ごとに十三ヘクタール、全体で四十ヘクタールの各街区に雨が降り出せば、それはもう取り切れません。どうしたって地下に浸透していきます。地下に浸透すれば地下水になるわけです。
 また、その後、地下水のシステムをつくる修正設計の中にも、ちょっとここに写真が出てくるんですけれども、これを見ましても、五街区の工事中、それから七街区の工事中などの現場写真が出ていますけれども、地下水が表面にやっぱり出てきています。
 私たちもその当時写真を撮っていますが、小さくて済みませんけれども、これは二〇一四年十月に撮影した、これは掘り返して、二メートル掘り下げているところの現場の写真で、雨が降ると大体ほとんど全面的に地下水は出てきちゃうんです、雨がたまっていき、これは全部は取り切れませんから、どうしても地下水化していっちゃうんです。こういうふうに、実際は雨が降ると水浸しになる現場だったということでいうと、やはり、地下に浸透した雨水がかなりあったということが確認できると思います。
 そこで、あなた方がつくろうとしている、日々生鮮食料品を扱う中央市場で、実際にこの汚染の問題は、地下に浸透して、それが地下水となって上がってきたときには汚染が問題になるわけですから、この地下水をどのように抑えていくのか、コントロールしていくのかというのが最大の問題だということを、繰り返しですけれども、強調しておきたいと思います。
 地下水管理システムは、じゃあ、現状でどうなっているのかということについて、次に質問したいんですけれども、これまで明らかにしたように、豊洲の埋立地、土壌汚染対策をやり、その後に巨大な建物を建設する間、大体足かけ三年にわたって、雨も降れば地下水も湧いてくると。地下の地下水管理システムが稼働するまでに、どんなに気をつけても地下水が盛り土まで浸透することはあり得ることだったというふうに思います。
 たとえ市場当局が、これは想定していなかったといっても、豪雨など何らかの要因で雨水が地下水化する事態があり得るのは当然です。現にそうした事態になっています。
 むしろ、こうした事態を想定外として、地下水を下げることができない、少しの降雨でも地下水が上がってしまっている現在の地下水管理システム、はっきりいって、余りに脆弱でずさんな欠陥システムだといわざるを得ないんじゃないかと私たちは思うんですが、その点、都の評価はいかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在の地下水位が高い状況は、先ほどもご答弁差し上げましたが、夏場に地下水のくみ上げができなかったことなどのためであり、この状況を早期に改善するためには、地下ピットのたまり水の強制排水などの対応が有効であると考えております。
 地下水管理システムは、豊洲市場用地内の地下水位を日常管理水位であるAPプラス一・八メーター以下で管理するためのシステムであり、地下水位が管理水位まで下がれば管理は可能と認識しております。
 また、現在、地下水管理システムの揚水ポンプや処理施設などは正常に稼働しており、地下水位についても、徐々にではありますが下がる傾向にあることから、システムの不備との指摘は当たらないと考えております。

○曽根委員 まず、最初にお答えになった地下ピットからの排水、これは地下水管理システムの中の一環なんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今ご答弁差し上げました地下ピット内からの強制排水は、地下水管理システムの一環ではございません。
 ただ、現在、地下ピット内の安全性を検証しているため、地下ピット内の水を強制排水することはできませんが、二年間モニタリングや測定、今の水銀の検証などが済んだ後には強制排水できるという趣旨でご答弁差し上げました。

○曽根委員 この間も、ちょっと私もお聞きしましたが、つまり地下水管理システムの設計されたシステム以外の方法に頼らざるを得ないと。しかも、その地下ピットの水を抜くというのは、専門家会議の方で協議されて、これは水銀の汚染がどういう実態なのかということを調べる上で、地下ピットの中の空気を清浄化したり、水を抜いた上で改めて調べるというようなことがいわれていますよね。
 したがって、地下水管理システムの中で解決し切れない問題を、他力本願で、他の方法によって、地下水管理システムのスタート地点に何とか戻していきたいんだというのが都の考えなんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、豊洲市場用地内の地下水位を日常管理水位であるAPプラス一・八メーターで管理するためのシステムであり、地下水位がAP一・八メーターまでに下がれば地下水の管理は可能でございます。

○曽根委員 一旦下がれば後は可能なんだという、余り根拠を感じられませんけど、やってみなきゃわからないわけでしょう。
 しかも、それに下げるのには、地下水管理システムではその能力は持っていないから、他の方法によらざるを得ないと。これ自体がシステムとしての十全性とはいえませんよね、さすがに。これは不十分な点を認めざるを得ないわけですよね。
 しかも、後の方にお答えになった、長期的に見れば下がっているんだというお話ですが、これ、現状を見ると、どう見ても長期的に下がっているとはいえないという現状が、今、現に起きているんじゃないですか。
 私も、そうおっしゃるからいろいろ調べたんですけど、どう見ても下がってないんですよ。(パネルを示す)ここら辺までだったらおっしゃるようなことがあったかもしれない。しかし、十一月十日、結構まとまった雨が降りました。この近くの雨量計でいうと、江戸川臨海のアメダスのポイントで、一晩で四〇ミリぐらいの雨が降りました。そこから一回、地下水がいずれも平均して上がって、少し下がってきたかなと思ったら、この間また雨が降りましたよね。また上がっているんです。なかなか下がっていかないで、むしろ、今、トレンドでいうと上がってきているんですよ。
 長い目で見ても、本格的な稼働が始まってから一カ月半ですけれども、平均水位でいっても十センチしか下がってないです、四十日間で。一日二・五ミリということになるんですよ。これでじわじわ下がっているといえるのか。AP一・八までこのシステムで何とか持っていけるということになると、実績からいうと二年ぐらいかかりますよね。
 それから、専門家会議では一日四ミリぐらいは下げられるんじゃないかというようなお話もあったようですけれども、それでいっても四百日。これからAP一・八までこのシステムで持っていくことには時間がかかってしまう。こんなに長期にかからなきゃならないというので、これで、システムはじわじわでも下がっていると、長期的には、いえるんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ご指摘の数字は、土の有効間隙率や一日当たりの排水量を仮定して試算したものであると考えられますが、専門家会議の資料に示した水位低下の実績がこの試算値を上回っていることからもわかるとおり、水位の下がり方は、土の有効間隙率、透水係数、井戸やポンプの状態などで変化いたします。水位低下に必要な日数を算定するには、複雑に影響を与える不確定要素が多く、正確に見通しを示すことは非常に困難でございます。
 そのため、一日当たり約四ミリをもとに単純計算で水位低下の期間を計算することは適切でないと考えております。

○曽根委員 一日四ミリというのは大ざっぱ過ぎておかしいというのであれば、(パネルを示す)今の現状の動きというのでどうなるかというと、これ、三つの街区に分けてみましたけれども、五街区では若干下がってきていますが、現在、十一月と十二月を比べると上がってきている。
 それから、六街区についても、これは大幅に十一月に比べても十二月が水位が上がっている。
 七街区は、最初に、平均ですけれども、四・一六メートル水位がありましたから、十一月下がりましたけれども、十二月の直近のものでいうと、またここも上がっているということで、いずれもトレンドは上がってきているんですよ。この後、またまとまった雨が降れば、間違いなく上がってきますよ。長期的に見たって、これはもう見通しないですよ。何でこれにしがみつかなきゃならないのかと、東京都は。
 それで、地下ピットの水を抜けば出発点に戻れるから、その後は順調にいくって、そんな保証はどこにもないでしょう。早くこの問題については、根本的な見直しをすべき段階に来ているんじゃないですか。この評価はいかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今、委員ご指摘の点につきましては、十二月一日までのスタートを、十月三日の水位観測時点から考えますと、水位は減少傾向にございます。委員ご指摘の点は、十月十四日の本格稼働からの水位であるかというふうに推察できます。
 地下水管理システムの今の稼働状況につきましては、五街区は、今のグラフにもありますように、ピット内も水位が低下しておりまして、一番低いところで二・五メーターぐらいまで、今、来ております。その状況につきましては、専門家会議からも、今、空気の測定をしていることから、地下水管理システムの揚水を少し抑えております。
 六、七街区についても、横ばい傾向にはございますが、今後、メンテナンスなどもしっかりやりまして、本格的に強制排水とともに、管理水位の一・八メーターに下げることで、早期に対応ができるというふうに考えております。

○曽根委員 いや、もうね、いろいろいいわけされて、十月三日からの長い目で見ればとおっしゃるのは、それはさっき、そういう見方はだめだとおっしゃったんじゃないですか。一日何ミリという長いスパンで見るのは大ざっぱ過ぎると。
 今の動きというのを見れば、上がってきているんですよ。いろいろな、複雑な要因があるとおっしゃったけれども、そのとおりですよ。しかし、直接的に一番大きい影響は雨ですよね。雨のたびに上がってくると。しかし、なかなか下がらない。下がり切らないうちに、また次の雨が来るという状態が続いていて、この一カ月間を見れば、もうトレンドは明らかに上昇傾向ですよね。
 これをこのまま何とかやりくりをしてできるという段階じゃないということは、これはもう誰が見たって水位を見れば明らかだということは申し上げておきたいんです。
 しかも、そういう状態があるからこそですけれども、これで揚水されて、処理されている水の量はどんどん減っているじゃないですか。(パネルを示す)これ、資料できょういただきましたのをグラフにしたんですけれども、私も先日、指摘をしました。この揚水ポンプが五十八本あって、全体三カ所の処理場でもって処理をされた上で放流されると。
 それは合計で六百トン、一日に処理できるというシステムだそうですが、私が取り上げた十一月の段階では、これが一日大体三百トン、いや、三百トンから下がって二百トンを切るという処理量になっていて、能力の三分の一しか動いていないじゃないですかということを指摘しましたが、その後もずっと下がり続けて、今、一日百五十トンを切って、最低の日は百二十九トン。つまり、もう能力の四分の一を切っているんですよ、放流量が。ということは、自動運転のシステムですから、水が入ってこなければ、井戸は、ポンプは回りませんから、このシステムでは水がくめなくなってきていると。
 私は水回りもあるんじゃないかと思いますが、とにかくこういうふうにどんどん水の量が落ちてきているということは、雨が降るたびに地下には浸透しているのに、実際には揚水ポンプではくめていない。どんどん地下水がたまっていく。それは当然ながら盛り土の中に上がっていくという事態が起きているんだと。このことをなぜ直視しないのかということは申し上げなきゃならないと思います。
 その中で、問題は、長期にわたって地下水が盛り土の中にしみ込んでいるということによる再汚染の可能性、危険性、ここはやっぱりちゃんと見なきゃならないと思います。長期的に何とか下げればいいという問題じゃない。前回の調査のときにも、もう何年かたつと再汚染されているという危険性は指摘されていました、前から。
 したがって、専門家会議も認めているように、再汚染の危険がある以上は、盛り土はもう既に汚染されているかもしれないということで、きちんと盛り土の汚染調査をすべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地の敷地内については、汚染の有無にかかわらず、ガス工場操業地盤面より二メーター下まで掘削除去するとともに、APプラス二メーター以深についても、調査によって把握したガス工場操業に由来する環境基準以上の有害物質を含む土壌についても掘削除去しております。
 地下水については、揚水、復水を現地において繰り返し実施し、地下水質を環境基準以下までに改善しております。
 こうした状況の結果については、現在、専門家会議において地下水の評価、検証を行っているところであり、その結果を踏まえて適切に対応いたします。

○曽根委員 再汚染調査は絶対やらないとはおっしゃられなかったようですけれども、しかし、前に行った汚染土壌処理というのは、繰り返し答弁されていますけれども、それでも再汚染されているんじゃないかという危険があるので、地下水をとにかく盛り土に上げないようにするという今のシステムがつくられたわけでしょう。
 しかも、今回、第八回目の地下水モニタリング調査結果で、ヒ素とベンゼンが環境基準を上回りました。また、地下空間の大気調査では、水銀が環境基準の八倍を検出しています。
 これまでの都の土壌汚染調査、それから土壌汚染対策工事に欠陥があったということ、つまり、失敗があったということをやはり現実にデータが示していると思うんです。地下水は汚染されているわけですから。
 したがって、東京都は、専門家会議の結論を待つんじゃなくて、みずから調べて、その結果を専門家会議にちゃんと報告するという責任がある。あなた方が市場を運営しているんですから、その責任があるんじゃないですか。いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場の現状につきましては、専門家会議に一任して調べていただくことになっております。その指示のもとに安全性を検証していくことが我々の使命でございます。
 そういう観点から、今現在、専門家会議で豊洲市場用地内の安全性を検証していただいた提言を受けて、市場としては適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

○曽根委員 汚染問題になると専門家会議の結論待ちというふうにおっしゃいますけれども、専門家会議が何でも頼りにできるんだと、万能だと思ったらとんでもないことですよ。前回の、九年前ですか、専門家会議のときだって、結局、対策は幾らやっても汚染が繰り返しあらわれるということを繰り返したじゃないですか、あのときも。
 したがって、今回はもう二度と過ちは繰り返せないわけですよ。汚染問題が今度また出てきたら、もうアウトなんですから。そのことについては、やはり東京都自身が主体的に調べなきゃならない問題だというふうに思います。再汚染の可能性がゼロでない以上は、専門家会議が何をいおうが、市場を預かる東京都自身が都民の安全と安心を保障する立場から調査すべきなんです。
 それで、先ほど、地下ピットの水を抜くことを専門家会議が指示したということで、間もなく水を抜く作業に入るというようなことをおっしゃいましたので、一言申し上げておきますけれども、地下ピットから水を抜くということについては、多くの専門家から、これは危険だということは指摘されているんですよ。
 私たちがお聞きした話でも、複数の専門家が、地下ピット内の地下水を強制排水すれば、建物外の敷地内の地下水が湧出してきますから少しは敷地内の地下水位は下がるかもしれませんが、地下水を攪拌することになり、新たに汚染地下水がピット内に流入し、例えばベンゼンやシアン、水銀など、揮発する危険性が高まると。したがって、新たな汚染問題を招く危険があるので、強制排水はすべきでないと指摘していることを申し上げておきたいと思うんです。
 もう一つは、盛り土の中に入ってしまった水がなぜ下がらないのかということについても、この点もちょっとただしておきたいんですが、AP二・五メートル以上の埋め土、盛り土について、この部分の土について、どのような土を使うという仕様で工事契約がされていますか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場用地における土壌汚染対策工事では、可能な限り土を再利用することとしており、また、埋め戻しや盛り土の土量が多いため、他工事で発生した建設発生土を利用しております。
 具体的には、AP二メーター以下の汚染土を掘削除去した際の埋め戻し土として、仮設土壌処理プラントの処理済み土及び当時既にガス工場操業地盤面より上部に盛られていた、いわゆる既存の盛り土を利用しております。また、APプラス二メーターよりも上部の盛り土には、既存の盛り土に加え、建設発生土を利用しております。
 これらの土の安全性確認は、処理済み土は百立方メートルごとに対象物質が浄化されたかを確認し、既存の盛り土は、技術会議の提言に即して、百立方メートルごとに土壌汚染対策法で定められている二十五物質を検査しております。
 また、建設発生土については、豊洲土地区画整理事業における建設発生土の受入れ基準に適合している土を使用しております。
 このように、それぞれ安全性の確認を行った上で、埋め戻しや盛り土を行っております。

○曽根委員 土壌汚染対策工事の契約書を見ますと、六街区の中防に仮置きした盛り土とされたもの以外については、建設発生土、購入土等、汚染のおそれのない土と指定をしています。
 ところが、土の品質等についての指定は契約書には規定がありません。そればかりか、請け負ったゼネコンが他の場所の工事で発生した、いわゆる建設残土、建設発生土でもよいことになるわけです、この契約でいうと。残土処理場とされてもおかしくないような契約になっているんです。
 この部分について、この間、十一月二十二日のかち議員の質疑で、基盤整備担当部長は、この部分の土については、土の密度や透水係数は、帯水層に比べると通りづらい状況になっていると答弁していますよね。
 地下水管理システムの設計会社は、この盛り土部分の透水係数や土の密度は、どのように調査したんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 盛り土の透水係数及び密度は実測しておりませんが、地下水管理システムの流動解析モデルにおける透水係数については、現在の盛り土の土質が土壌汚染対策で入れかえる前の土に近いことから、その透水係数を準用し、毎秒四・四掛ける十のマイナス三乗センチメートルとしております。

○曽根委員 そうすると、日水コンの詳細設計報告書も見ましたけれども、結局、盛り土部分の透水係数は調査しないで、前に東ガス時代からの土を処理したりしたものの、もとの土の係数を援用して、これでもって推計しているんですよね。
 実際には、現実の、入ってきている外からの土なんかについても調査しないで、いってみれば、非常に曖昧な透水係数を設定して、この部分については考えたんじゃないかというふうに思われるんですが、いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、盛り土層より下のAPプラス二メーター未満で地下水を管理することを目的に計算していることから、帯水層の有効間隙率や透水係数は必要な設計条件となりますが、盛り土部の密度を設定することは必要ないと考えております。

○曽根委員 そういうことで、まともな調査をしないまま、恐らく地下水管理システムをつくったんだと思うんですよ。
 ところが、実際には盛り土の中に入っちゃったと。こうなると、盛り土の土の性質が極めて水を通しにくいとおっしゃったとおり、しかし、毛細管現象で水は上がっちゃうんですよね。上がっちゃった後に、水を通しにくい土というのは下がらないわけですよ、なかなか。そういう性質がある、そういうおそれがあるということを考えていないから、こういう、本当に、何ていいますか、単なる推定に基づくデータを入れて、シミュレーションで計算すると。現場調査していないということが起きちゃうんじゃないかと。
 実際には地下水位が上昇してしまうということの中で、今ごろ水を通しにくいとか下がらないという事態を招いているというのは、東京都のこの対応も、契約の中身も本当にずさんだというふうにいわざるを得ないと思います。
 それから、砕石層についても問題があるんです。詳細設計書によると、砕石層の透水係数を全て十のマイナス一乗倍というふうにしていますが、わかりやすくいえば、これはどの程度水を通しやすいということになるんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 砕石層や帯水層などの土の中を流れる水の速さは、水位の高いところから低いところへ向かって勾配に比例して変化するものでございます。その変化の程度、流れやすさは、砕石や砂といった土の性質によって異なります。
 透水係数とは、このような土の中を流れる水の流れやすさを示す数値でございます。毎秒〇・一センチというのは、土より流れやすいということでございます。

○曽根委員 かなり流れやすいということですよね。毎秒一ミリずつ水がどんどん動くと。そうすると、一分間で六センチぐらい動くんですか。これは、かなり流れる方ですよね、土に比べれば。
 実際に地下水管理システムの設計者は、この砕石層の透水係数を現場で測定して設計されましたか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 砕石層の透水係数は、既往の調査に基づき、毎秒〇・一センチメートルと設定しております。

○曽根委員 現場調査ではなく、砕石層の基本調査ということで、実際の現場の数字ははかっていないわけですね。
 私、詳細設計報告書を見ていて、五街区、六街区、七街区、どれも砕石層の部分は全て極めて水を通しやすい、先ほどの〇・一センチ毎秒というふうに設定されているんですけれども、実際のところは、砕石層の部分の工事は、そういう水の流れやすさを保障するようになっていないんじゃないかと思うんですが、この砕石層の工事はどのように行われましたか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 砕石層の設置工事は、砕石を敷きならした後、重機により転圧を行っております。なお、砕石層は毛細管現象防止のために設置していることから、転圧に際しては、機能を損なうことがないよう注意して施工を行っております。

○曽根委員 工事契約書を見ますと、実際の工事では、この砕石層を敷いた上に盛る土の工事についてですが、埋め戻しはおおむね三十センチ以下の厚さの層に分けて、その都度ローラーをかけて、上から圧をかけているというようなことが行われたというふうに書かれています。
 砕石層と、この上に埋める土の間には遮水シートなどがないために、埋め土はローラーの圧力によって砕石層内に入っていくと。雨でも降ればもっと入っていくということが十分考えられます。
 したがって、砕石層の中に土が入り込むと、実際は水を通しやすくなるというよりも、土と同じになってしまうというふうな問題が起きると思うんですけれども、これを現場の透水性も調査しないまま、砕石層は水を極めて通しやすいという設計でつくってしまうと、実際のところ、この砕石層自体の水の、何ていいますか、水を集水する上での役割というのも十分に捉えられないと思いますが、いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 砕石層の上部は、先ほどもご答弁差し上げましたが、重機により転圧をしております。このため、締め固められているため、お話のように、土が簡単に砕石層の中に入り込むということはないものと考えております。

○曽根委員 締め固めているというのは、砕石層そのものを締め固めていると思うんですけれども、その上には、また土を盛るわけです。どんなに締め固めても、砕石層の上は砕石、小石が敷き詰められている状態ですから、そのすき間に土の細粒が入ってきます。その意味では、防水シート、遮水シートでも入れない限りは、まじり合うわけですよ。
 そのために、極端にいえば、砕石層の中に全部土が入ってしまうと、これは毛細管現象で砕石層の中もどんどん水が上がっていっちゃうわけですよ。そのために二メートルぐらいは、土の中は地下水位が上がるといわれていますので、これははっきりいって、これを現場で調査もしないで地下水管理システムをつくったということにも問題があるということは申し上げたいと思います。
 さらに、砕石層の下、AP一・八メートルより下の地層についてお聞きしますが、AP一・八メートルより深い部分の地盤の透水係数について、この地下水管理システムではどのように設定をされていますか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 各街区の地盤の透水係数は、平成二十五年七月に実施した透水試験結果の平均値を採用しております。

○曽根委員 この平均値のもとになっているのは、たしか八本のボーリング調査をもとにした地層の粒度の結果から計算された値ですよね。こういう計算によって出された数値にはどういう問題があるといわれているかというと、私たち、専門家にも、この試算をしている詳細設計報告書を見ていただきましたが、ここで計算されているのは、計算値は現場調査から導き出される透水係数との間にかなり大きな違いが出るということでした。
 二〇〇六年に行ったボーリング調査では、圧密試験から割り出した透水係数も出していますけれども、その計算値との比較をせずに、専門家からは誤差が大きいといわれる計算方式による試算値を使っています。
 こういった帯水層の地質についての透水係数の計算なんかにも、非常に粗っぽい数字が多いと。現場とかなり違ってしまうという問題、弱点を持っているんだということは認識されていますか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 透水係数を決定するに当たりましては、今、委員ご指摘のように、推計値も見ておりますが、現地における採取した試料の試験結果をもとに設定しております。

○曽根委員 現地のサンプルをとって試験したと。これは、詳細設計のときにそれをやられているんですか。私の見た資料の中では、たしか三回目の修正設計の際にようやくサンプルをとって実験したというふうに書かれていたような記憶なんですけれども、最初から五十八本の設計をした段階で現地のサンプルをとっているんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先ほどご答弁差し上げました二十五年七月に実施したというのは、これが詳細設計でございます。その中で、試料をとって実験しているということでございます。

○曽根委員 もしそれが、二十五年の七月、詳細設計ですか、事実だったらば、私の記憶と違いますので、後で確認をしておきたいと思います。
 それで、二〇一一年の八月から二〇一三年の三月までの間に、この部分について、土壌改良として圧密沈下対策、液状化対策を都は行っておりますが、これらの対策作業によって既存の土壌はかなり固められるということで、より水が通りにくくなっていると思うんですよ。
 設計した日水コンは、こうした土壌改良による透水係数の影響について、ちゃんと検証して透水係数を導き出したとはどうも思えないんですが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 検討の中では、液状化対策として実施した砂ぐいなどの施工をした後の透水係数を採用して、液状化対策を考慮して設計しております。

○曽根委員 詳細設計を私も見たんですけれども、この中に透水係数についての試算が出てくるんですけれども、これを見る限り、地盤改良後の地盤の透水係数の変化を考慮しているようには絶対見えません。もし、こういうところにちゃんと配慮していないという設計だったとすれば、これは重大な手落ちだと思うんですよ。
 しかも、いろいろ見ると、非常にずさんだなと思うのは、例えば透水係数も、物によって、地質によって全然違うんですよね、桁が。例えば十のマイナス三乗と十のマイナス七乗というのがあるというと、これはミリとメートルぐらい違うわけですね。それを単純に平均化すると五十・〇五センチみたいな計算のやり方というのは、科学的には全く成り立たないやり方なんですね。そういうことが随所に出てくるので、こうした問題は、設計を本当に真面目にやっているのかということが疑われるわけです。
 実際の土壌の透水性をちゃんと現地で調査して、井戸を掘って、その影響を調べるというようなこともしないで、過去のデータなどで計算したという、この地下水管理システムは重大な欠陥があるということはいわざるを得ないと思います。
 それから、あわせて、揚水井戸の集水機能について、これをもとに井戸が配置されて、集水機能が設定されるわけですけれども、どのように設定されていましたか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 揚水井戸の集水範囲は、管理目標の地下水の高さと揚水を開始する井戸の水の高さの高低差及び集水する地盤の透水係数を用いたシーハルトの計算式により求めております。

○曽根委員 それで、詳細設計のところで、井戸の配置と集水範囲を図示したものを見たんですが、(パネルを示す)これ、ちょっと遠くて申しわけないですけれども、集水範囲が各街区の敷地の全面を覆っていないんですよ。
 つまり、水が集水し切れない部分をこうやって残しちゃっているんです。こういう設計って普通あり得ないと思うんですけれども、建物の地下には揚水井戸はありませんから、外から引っ張るんですけれども、この建物の地下の部分も残っているし、ここはかなりの部分が集水できないということが最初から設計で出ている。これはやっぱりおかしいんじゃないですか、いかがですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今、委員ご指摘の図面にあります半径は、円を描いておりますが、それが揚水井戸が受け持つ集水範囲でございます。円が届いていない部分につきましては、建物下である関係上、先ほどから申している砕石層が五十センチございますけれども、その下にさらに五十センチの砕石層を敷いて、そこが水道(みずみち)となって揚水井戸のくみ上げる円の中に水が来るように措置をとっております。

○曽根委員 少なくとも揚水井戸に直接水が集まるような仕組みがつくれないので、そのかわりに建物の下に水道(みずみち)をつくる設計をしたということですけれども、それが機能していれば、あれほどの大量の水はたまらないというふうに、はっきりいって申し上げたいと思うんです。
 それから、地下水位も、どんどん盛り土の中に上がるようなこと自体は、このやり方をきちんと万全の体制をとっていれば、これは起こり得ないことなんじゃないかと思うんです。
 それから、もう一つ、揚水井戸の周りの土との間に珪砂というものを入れていますが、我が党は、十月二十六日に地下水管理システムの現地調査をしたときに市場当局の説明を受けましたけれども、この珪砂、石英の砂のようなものですが、この珪砂層の部分の目詰まりについて想定をしていないとの説明を受けました。これは間違いありませんか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ポンプは機械設備でありますので、定期的なメンテナンスが必要でございます。復水が通常よりおくれることが確認された場合、ストレーナーの状況をカメラなどで確認し、必要に応じてジェット噴射などにより洗浄を行っております。
 このように、仮に目詰まりが生じたとしても、その影響を最小限にとどめるよう、日々、メンテナンスを適切に行っております。

○曽根委員 その珪砂の中に土が入ったりして目詰まりが起きる。このことが起きないようにするメンテナンスの作業というのは、既に行っているんですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 著しく復水に時間がかかるというような事態にまだなっておりませんので、メンテナンスは行っておりません。

○曽根委員 私が、いろいろな専門家、地下水を扱ったり井戸を扱う専門家にお聞きすると、珪砂を土の中に入れてしまって、それを取り出すことができない、内側からジェット噴射などで洗うしかないというような仕組みでは、もし珪砂に土が入り込んで目詰まりが起きた場合は、メンテナンスは難しいだろうというようなお話もあります。実際にはまだやられていないということなので、これには検証が必要だと思います。
 この地下水管理システムというのは、先ほど述べたように、揚水井戸が地下水を集水できないという、そういう範囲を前提にした設計で、そのかわりに今、砕石層で水道(みずみち)をつくる。しかし、その砕石層も本当に水が流れやすい状態なのかどうか、これも現場ではまだ調べていない。場合によっては土が入っちゃって、その砕石層が役割を果たしていない可能性もあるということで、全体として、現実には機能していないわけですから、これが、どこが問題なのかということもまだ確認されていないという現状です。
 通常は、珪砂層の目詰まりも想定されるし、それから、洗浄して機能を回復するような設計をするわけなんですけれども、この地下水管理システムは、最初から井戸の周囲には珪砂を埋め込み、それから砕石層も目詰まりを防止する防水シートなどもないという、いってみれば非常に集水機能には疑問が残るつくりになっているということを申し上げなきゃなりません。
 全体として、地下水管理システムというのは、地下水位がAP二・五メートルを超えてしまったら、地下水をAP一・八メートル以下に抑える基本的な能力がありません。この三カ月間の地下水位の実態でも、少しの降雨でも観測井戸の地下水が上昇していることを見ても、これははっきりしています。
 豊洲新市場の予定地の土壌汚染対策の一つの大きな柱である、地下水をAP一・八メートル以下に抑えるという、この地下水管理システムについて、これまで質疑をしてきましたけれども、このシステムはやはり欠陥システムで、既に破綻状態にあるということははっきり指摘しなきゃなりません。これでは、やはり食の安全・安心の確保は保障されません。
 豊洲新市場予定地への移転中止を決断するよう求めて、私の質問を終わります。

○酒井委員 皆さんお疲れでしょうけれども、私の方から何点か質問をさせていただきたいと思います。
 豊洲新市場にこの盛り土がなされていなかった問題は、そのこと自体が市場の先行きを不透明にし、市場関係者に対しては、その生活や事業継承を大きく脅かすとともに、都民にとっては、食の安全への背信行為であり、さらには無用な負担を強いるということにつながる、ゆゆしき事態であろうと思います。
 さらに、私たち議会にとっては、これまで一定の信頼関係を前提として行ってきた審議を根底から覆され、今後、当局の答弁に対して常に疑念を抱かざるを得なくなったことは、これは大きな問題であろうと考えます。
 私個人としては、当時、この土壌汚染対策について、会派の政調会長として繰り返し確認をしていた当時の部長に欺かれたという、その思いは大変腹立たしい限りでありますけれども、一度欺かれた者として、二度と欺かれないように細心の注意をしていくことが責務であろうと思っております。
 豊洲新市場を維持するか否かにかかわらず、当委員会における今後の質疑に対する当局の答弁が確実に履行されるのか、当局がもう一度信頼するに足りる組織として再生できるのか、現在、その職に当たられている皆さんは、私たちを欺いた方たちとは違いますけれども、中央卸売市場という組織に対する不信感は払拭されておりません。
 そこで、当特別委員会での議論を始めるに当たり、一点だけ確認をさせていただきたいと思います。
 先般、小池知事は、今回の問題に関係する職員の処分を発表しましたが、これはあくまでも関係者が受けた、その損失を補填するのではなく、見せしめ的なものであると推察をいたします。また、公益通報制度も、発生した事案といったものを世に明らかにすることによる抑止効果を狙ったものだと思います。
 しかし、今後二度と同じような問題を発生させないためには、過去の組織上の問題や原因といったものをしっかりと認識した上で、上下左右の意思疎通を徹底するなど、問題を発生させない意識改革とシステムの構築が不可欠であろうと思います。
 この間、具体的にどのような取り組みを行い、また、行おうとしているのか、市場長の、その決意も含めてお伺いをしたいと思います。

○村松中央卸売市場長 建物下に地下空間を設置したことを専門家会議や技術会議に報告しなかったこと、また、議会に対し、事実と異なる答弁を行ってきたことにつきましては、大きな問題と認識しております。これは、組織としての意思決定、職種間の連携、都民への情報提供のあり方など、組織運営上の課題が要因になったものと考えております。
 このため、再発防止に向けまして、技術部門における土木、建築職の連携強化や、都民へ、より正確な情報提供を行うための広報部門の見直しなど組織体制の強化を図っているところでございます。さらに、市場関係者に対しまして、これまで以上にきめ細やかな対応を行うため、総合窓口の設置や、今後の不安解消に向けた補償支援担当部門の強化を図るなど現場重視の体制も整えております。
 今後は、こうした組織体制を十分に活用しながら、二度とこのような問題を起こさないという意識を持って職務に取り組んでまいります。

○酒井委員 今、市場長のお話をお伺いいたしまして、普通の組織であれば当たり前として行われることが行われていなかったという過去の組織の反省に立っているということで、その決意はわかったわけですけれども、ぜひ今の意識といったものを局全体で共有し、また、これまでの経緯といったものを踏まえて、その教訓といったものが決して薄れることがないように引き継いでいっていただきたいということを、まず冒頭、申し上げさせていただきたいと思います。
 次に、専門家会議、市場問題プロジェクトチームの基本的な位置づけについて何点かお伺いをいたします。
 まず、豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議の委員は、中央卸売市場の委嘱とされておりますけれども、土壌汚染の検証と対策に関する役割について、改めてお伺いをいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 専門家会議は、生鮮食料品等を扱う豊洲市場において、食の安全・安心を確保する観点から、土壌汚染対策について、改めて専門家による検討を行うため設置されたものでございます。
 会議の検討事項は、地下ピットがある状態の確認と評価及びリスク管理上必要な対応策についてでございます。

○酒井委員 では次に、総務局にお伺いをいたしますが、市場問題プロジェクトチームの委員は、これは知事の委嘱とされておりますけれども、同様に、土壌汚染対策に関する部分についての検証並びに対策に関する役割、そして、ただいまご説明をいただきました専門家会議に対して、この市場問題プロジェクトチームといったものはどのような位置づけになっているのかお伺いをいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームは、豊洲市場の建物の構造や設備等の安全性、物流動線などの施設の機能、市場会計の分析など、市場の施設や事業に関する課題への対応について調査検討してまいります。
 また、土壌汚染対策につきましては、専門家会議で出された結果について、セカンドオピニオンを行うこととしております。

○酒井委員 ただいまのご答弁によると、プロジェクトチームは、専門家会議で出された意見についてセカンドオピニオンを行うとのことでありました。
 今回、再招集をされている専門家会議においては、これは以前の体制と比べて水質担当の専門家が抜けており、知見を集めるという観点では後退している印象があります。しかし、それ以上に、このプロジェクトチームのメンバーの中には土壌汚染の専門家が一人しかいないということは、これはいかがなものかなということを感じざるを得ません。
 先ほど、自民党の和泉理事の方から、セカンドオピニオンについて、これは一般的に医療で使われる言葉で、その内容について披瀝をしていただいたわけですけれども、これを本件の場合でいうのであれば、この土壌汚染対策について、専門家会議の結果を検証するのではなく、土壌汚染そのものを検証し、違った角度からの対策を指摘し、東京都としてどちらの対策がより適しているのかということを判断していくということが、これがセカンドオピニオンという言葉を使う本来の意味ではないかと思います。この言葉を誰が使ったのか知りませんけれども、その点については、先ほどの答弁は少し違和感を感じるわけです。
 少なくとも、この専門家会議と市場問題プロジェクトチーム、それぞれの意見を並列に扱っていくのかどうなのかということを確認させていただきたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 専門家会議の報告に対して、どのようにセカンドオピニオンを行っていくかということについての詳細については、事務局では把握しておりません。
 なお、セカンドオピニオンについては、第三回の会議以降で審議をしていく予定でございます。

○酒井委員 今の答弁だと、この両者の関係というものがいまいち不明確なんですね。事務局を担当しているところがわからないということであれば、誰が一体わかるのかという疑問といったものは拭えません。
 わからないことを何度も聞いてもわからないとお答えになるのでしょうから、あえて加えては聞きませんけれども、私の見解としては、セカンドオピニオンという以上は、それぞれの立場といったものを冷静に比較して検討すべきであろうというふうに考えているということだけは申し添えさせていただきたいと思います。
 次に、東京都は、この専門家会議並びにプロジェクトチームでの検証、議論、そして検討結果をどのように生かしていくのか、都の問題解決に向けての取り組みにおける位置づけをお伺いいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 専門家会議は土壌汚染対策につきまして、また、市場問題プロジェクトチームは建物の安全性等について検証する役割を担っております。
 都といたしましては、専門家会議及び市場問題プロジェクトチームからの提言を踏まえ、今後、必要な対策を適切に講じてまいります。

○酒井委員 今のご答弁をお伺いすると、及びといわれているので並列に扱うのかなと。総務局と中央卸売市場の見解、認識が若干違うのかなというふうに思っているわけですけれども、ただ、今のような答弁であれば、東京都は両チームの意見といったものを同等に扱っていくんだなということが伝わってまいりました。
 その上で、専門家会議について、若干、もしご存じであればお披瀝をいただきたいと思うわけですけれども、今回、再招集される前の専門家会議における報告書では、都がとるべき対策に必要な要件として二つの項目を挙げておりました。
 その一つには、食の安全・安心という観点を考慮し、揮発ガス(ベンゼン、シアン化合物)がすき間や亀裂から建物内に侵入することによる生鮮食料品への影響を防止する観点から、さらに上乗せ的な安全策が行われることということを必要要件としておりました。
 まさに、この点が盛り土といったものをすべきであるということにつながってくると思うわけですけれども、今、再招集をされている専門家会議、座長を初めとして、ほぼ当時と同じメンバーで構成をされているわけですけれども、この方たちは自分たちの意見がないがしろにされたことに関して、本来はこれは当事者に聞かなければわからない話であるわけですけれども、専門家会議の中で、どのような意見や、あるいは認識を示されているのか、ご存じであればご披瀝をいただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回専門家会議において、平田座長は、今回の専門家会議の目的は、現在の豊洲新市場の建物の地下にある空洞を正確に把握し、どのような対策をすれば安心・安全な市場にすることができるか、その内容を検討するのが専門家会議の最大のミッションであると発言されております。

○酒井委員 怒っているんだか怒っていないんだか、よくわからないわけですけれども、前向きなことをいわれているということであるわけですけれども、この前の専門家会議、あるいは技術的な問題について検討された技術会議の位置づけというものは、結果として見れば、局の一部の担当者の判断の方が優位していたといわざるを得ないというのが現在の状況であろうと思います。
 この過去の反省を踏まえ、しっかりとこの専門家会議における意見を尊重していくべきであろうと考えるわけですけれども、所見をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議への報告を怠り整備を進めたことを深く反省しております。今後は、専門家会議の提言を尊重してまいります。

○酒井委員 ぜひ偽りがないようにお願いをしたいと思います。
 次に、土壌汚染対策工事について何点かお伺いをいたします。
 そもそも豊洲新市場用地の盛り土といったものは、土壌汚染対策処理を完璧に行い、安全を確保した上で、安心を重ねるために講じられるべきものであったと認識をしております。
 この盛り土がなされていなかったこと自体は、それが直ちに安全性を失うものではなく、豊洲新市場に対する安心感を喪失させるものでもあるわけですけれども、それ以上に、今回、第八回目の地下水モニタリングにおいて、五街区で、わずかではあっても土壌汚染対策法における地下水基準を超えるベンゼン、ヒ素が検出されたことは、安全性に直結する問題であり、より深刻な事態であろうと考えております。
 専門家会議では、土壌汚染対策後、地下水中の汚染物質濃度が変動しながら低下していくことは、よくある現象であると述べておりますけれども、そもそも土壌汚染対策の議論をしていた当時は、二年間のモニタリングにおいて、この土対法上の基準を超えるということなど想定しておらず、さらに安全・安心を継続できるように、土壌汚染対策法上の監視期間二年間以降も継続してモニタリングを行うよう、当時の都議会民主党として求め、それを局が受けたというふうに認識いたしております。
 局が説明をしていた土壌汚染対策は、少なくとも二年間のモニタリング中に基準を超えることがあると想定していたのかいなかったのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 二年間モニタリングは、形質変更時要届け出区域台帳から、操業由来の汚染物質を削除するという記載事項の変更に必要な措置として実施しているものでございます。万一、基準超過が確認された場合には、専門家の知見もいただきながら、市場関係者や都民の安心や理解が得られるよう、適切に対応していくとしておりました。

○酒井委員 ただいまの答弁は、万一の場合に言及をされておりましたけれども、これは想定をしていたと理解してもよろしいのでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 委員ご指摘のとおり、想定をしていたというご理解で結構でございます。

○酒井委員 今、想定をしていたということで耳を疑うわけですけれども、想定をしていたからこそ盛り土をせずに地下ピットをつくろうという話になったのでありましょうけれども、私の記憶するところでは、当時、想定をしているというような話ではなかったと記憶いたしております。
 若干、過去の皆様方の答弁、先輩たちの答弁をご紹介させていただきたいと思いますが、平成二十二年十月三日、中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会で、当時の我が会派の田の上議員の質問に対し、当時の新市場建設調整担当部長は、このようにご答弁をされております。
 都の土壌汚染対策は、調査結果をもとに環境基準を超える操業に由来する土壌汚染物質を全て除去し、地下水についても環境基準以下に浄化していくものでございます、こうした土壌汚染対策後、地下水のモニタリングを二年間行っていくということでございます、この二年間の地下水モニタリングは、土壌汚染対策法に基づきまして、当該土地において地下水汚染が生じていない状況が二年間連続していることを確認するために行うものです、都といたしましては、モニタリングにおいて地下水から汚染物質が検出されることがないように、技術会議で提言された技術、工法を確実に実施して、万全の対策を講じたいと考えていますというふうに答弁をされております。
 さらに、平成二十四年三月十三日の予算委員会における、これも当時我が会派の門脇議員の質問に対し、当時の中西市場長は、土壌汚染対策法に基づく区域指定を解除するため、二年間の地下水モニタリングを行うとしておりました。
 これは、両方の答弁ともに、この二年間の間にモニタリングの結果の中で基準をオーバーするということは、当然想定しているような答弁ではなかったわけですね。
 この二つの答弁も、当時の方たちは、私たちに対して虚偽の答弁をしていたということでしょうか。今の部長の答弁と当時の答弁、どっちが正しいのか明らかにしていただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 当時の答弁では、万が一の場合には、モニタリング結果に応じて必要な状況確認や対策を講じてまいりますと市場長は答弁しております。その答弁の内容から、想定しておりましたというふうにご答弁差し上げた次第でございます。

○酒井委員 済みません、もう一回、ちょっと聞き方を変えて確認させていただきたいと思いますけれども、その万が一の想定というのは、どのぐらいの万が一だったのか。今回、八回目のモニタリングでオーバーをしてしまったということで、先ほど確認したときには想定をしていたという答弁であったわけですけれども、その想定の度合いっていろいろとあると思うんですよね。こういう聞き方だったら答えられるかどうかわかりませんけれども、この第八回目のモニタリングの結果において、この基準値を超えてしまったことに対して、ああ、そうかと思ったのか、それともびっくりされたのか、どっちですか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 繰り返しになりますけれども、万一、または万が一ということを想定していたというふうにご答弁差し上げただけでありまして、確実に出てくるという想定をしていたというわけではなく、万が一、万一ということをもって想定をしていたとご答弁差し上げた次第でございます。

○酒井委員 先ほど、想定をしていたということを確認させていただいたから、こういう質問をさせていただいたんですよ。なので、これ以上は聞きませんけれども、本当に当時の答弁といったもの、我々の受けた印象といったものは、ある意味、錯誤に陥らされていたのかなという、そういった疑念が生じているということだけは記憶にとどめていただきたいと思います。
 今回、この基準を超える化学物質が検出されたということを踏まえると、先ほど若干話にも出ておりましたけれども、この土壌汚染対策工事の工法や工事に問題はなかったのかという疑念が、これは当然のこととして生じると思います。
 平田座長のコメントの中には、豊洲新市場の地下水は飲用に供することなく、人体の健康に影響するものではないなどという、本来そんな飲用にするなんていう話は前提としていない論点を出すということについては、専門家の立場からなのでしょうけれども、違和感を感じます。
 この土壌汚染対策工事の工法等に関しては、平成二十一年の第三回定例会における我が会派の代表質問に対し、石原知事はこのような趣旨の話をしております。
 これは技術会議の原島座長のことをいっているわけですけれども、環境や土木などの各分野の最高権威の学者の方々で構成される技術会議で、広く民間から二百を超える提案を受け、これを審査し、科学的知見に基づいてあらゆる角度から詳細に検証していただきました。その結果、信頼性が高く安全性に不安のない対策が提言された、技術会議の提言に基づく日本の最先端技術を活用して、万全の土壌汚染対策を確実に実施し、新市場整備を進めていくことが必要であると考えると。
 その後、これは局がつくった文書ではないでしょうけれども、石原さんの個人的なコメントで、この日本の最先端の技術を駆使した解決法に、当時の民主党が何か代案があるんだったらいってみろというようなことを豪語されておりました。
 しかし、現在、結果から見れば、基準を超えるベンゼン、ヒ素が検出された以上、本当に工法として問題はなかったのか、あるいは工法には問題はなかったけれども、工事に瑕疵はなかったのか、せめて検証をする必要があるのではないかと考えますけれども、見解をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 土壌汚染対策工事については、ガス工場操業に由来する有害物質について、土壌は掘削除去し、地下水は揚水、復水などにより環境基準以下となったことを技術会議で確認しております。
 第八回地下水モニタリングで基準超過が確認されたことについては、専門家会議から、土壌汚染を浄化した場合、対策実施後に地下水中の汚染物質濃度が変動しながら低下していくことはよくある現象であり、一時的な上昇をもって判断するものではなく、今後の推移を見守るべきであるとのコメントをいただいております。
 現在、専門家会議で検証していただいている状況であり、その結果をもって適切に対応してまいります。

○酒井委員 では、先ほども質問に出ておりましたけれども、重ねて確認をさせていただきたいと思いますが、今回、土壌汚染対策の工事を行っていたにもかかわらず、基準を超える化学物質が検出されるということは、当時主張されていた不透水層が連続しておらず、再汚染されているという可能性はないのかどうなのかといったことについて、見解をお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第八回地下水モニタリングで基準超過が確認されたことについては、専門家会議から、一時的な上昇をもって判断するものではなく、今後の推移を見守るべきであるとのコメントをいただいております。
 先ほど申し上げたとおり、土壌汚染対策は適切に講じていることから、再汚染されているとは認識しておりません。地下水中の濃度の推移及び今後の対応については、専門家会議において検討していただくこととなっており、その結果を踏まえて適切に対応してまいります。
 なお、不透水層の連続性については、土壌汚染対策工事の中で、都の監督員が連続性を確認して、技術会議に報告しております。

○酒井委員 この不透水層の連続性については工事の中で確認をしており、技術会議にも報告をしているということですけれども、この確認といったものがどのように行われていたのかということについては疑問が生じます。
 先ほど来、座長の一時的な上昇をもって判断するものではないというコメントを繰り返し使われておりますけれども、これは、いろいろな基準の範囲内で増減をするということであれば別に問題はないわけですけれども、基準を超えてもオーケーだということであれば--そもそも、さまざまないろいろな基準があると思うんです。その基準を、少しだったらいいのかとか、これだけだったらだめなのかということをいってしまったら、基準を定めている意味がないと思うんです。あくまでも、その基準といったものがあるから、それをクリアしていることによって人々は安全だと確信し、安心感が生まれるんです。
 だから、そこの基準といったものを超えていても大丈夫だというような論調というのは、都民の安全意識、あるいは安心感というものを損なうことになるということは、申し添えさせていただきます。
 土壌汚染対策法が改正され、指定区域が要措置区域と形質変更時要届け出区域に分けられたことにより、自然由来の対策工事は行っていないために指定区域の解除ができなくなっているということもあり、今回の第八回目のモニタリングによって、五街区において基準を超える環境物質が検出されたということを受けて、安全性の確認といったものがますます難しくなっていると思います。
 次回、第九回目のモニタリングの結果を待たなければ、確定した判断はできないとは思いますけれども、何をもって安全性の確認ということを行うのか。これまでは、二年間のモニタリングは継続して水質の基準値を超えないということをもって安全だといえる、その一つの判断材料であったと思うわけですけれども、これが超えてしまったということを踏まえて、安全性の確認を何をもって行うのか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在、豊洲市場の安全性については、地下水モニタリングで基準超過を確認したことや、盛り土がなされていなかった問題などについて、専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおいて、これらの問題について調査、検証していただいているところでございます。その結果をもって適切に対応してまいります。

○酒井委員 ただいまの答弁ですと、専門家会議並びにプロジェクトチームの判断を待ってということであるわけですけれども、この専門家会議並びプロジェクトチームが、実際どういった基準で安全性を判断するのかという基準値といったものが明らかになっていないという点では、疑問が生じるところでございます。
 今後、九回目のモニタリングの結果も踏まえて対策を行っていくということになろうかと思いますけれども、ここで今回の問題となった、盛り土をせずにしつらえた地下ピットの目的、これまでもいろいろといわれておりますけれども、何かあったときの対策工事を行うためだったのか、確認のためお伺いをいたします。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 お尋ねの地下ピットでございますが、配管スペースの確保に加えまして、地下水のモニタリング作業や万一の際の汚染地下水の浄化作業を行うことを目的としてございます。

○酒井委員 という答弁でございますけれども、この地下ピットは、具体的にどのような規模の対策工事を行うことを想定して設計されたのか、お伺いをいたします。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 土壌汚染対策と地下水浄化の実施後、建物下に地下ピットを設けることにより、地下水のモニタリング作業を行い、さらに万一、地下水中から環境基準を超える汚染物質が検出された場合に、小型の建設重機を用いた汚染地下水の浄化作業などを行うことを想定してございました。
 なお、地下ピットにつきましては、建物を建築する際の基本的な措置として、各種ライフラインなどの設置、管理のための作業空間としても想定してございました。

○酒井委員 今、小型の重機を用いた云々という話だったわけですけれども、この地下ピットの設置の意図といったものが理解できません。モニタリング等については、多少理解ができる面もありますけれども、仮にこの市場が開場をした後であった場合、小型であっても重機を使い作業を行えると考えたのかということについては甚だ疑問であるということは申し述べさせていただきたいと思います。
 次に、土壌汚染対策工事後のモニタリングについて、土壌汚染対策法上の監視期間である二年間以降も安心を担保するために行うとされていました。今回の事態を受け、追加の対策工事等を仮に施した後のモニタリングについては、期間を含め、どのように認識をしているのか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 二年間の地下水モニタリングの結果については、専門家会議において評価、検証していただくこととしております。その上で、今後、モニタリング調査については、どのように行っていくか検討してまいります。

○酒井委員 ただいまの答弁では、今後のモニタリング調査については検討をしていくということでございました。期間についてはということもお尋ねをいたしましたけれども、今後の検討課題であるといった答弁であったわけですが、繰り返しになりますけれども、当初の予定では、この監視期間の二年以降も行うとしていたのではないでしょうか。
 これは平成二十四年三月二十六日の予算委員会において、私の質問に対し、当時の中西市場長は、開場後においても、地下水の水位や水質のモニタリングを確実に行い、市場用地としての安全・安心に万全を期してまいりますというふうに答弁をされておりました。このこととの整合性についてお伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水のモニタリングにつきましては、現在、三カ所で基準値を超える値が出ております。二年間のモニタリング調査、これは、三カ所については、形質変更時要届け出区域の台帳を変更するには、さらに二年間継続する必要があります。こういったことをさらに継続するかどうかについて検討するということでございます。
 しかしながら、リスク管理の観点から、地下水の推移や水質、こういったモニタリングについては、当然ながら市場開場後も継続してやっていくということで、前回の市場長の答弁とは整合がとれているということでございます。

○酒井委員 ただいまの答弁ですと、全体としては開場後もやっていくと。三カ所の部分について、九回目がどうなるかによって箇所数がふえるかどうかということはあるわけですけれども、その部分については、台帳から消すためのモニタリングをするかどうかは検討していくと。そうじゃない台帳云々ということにかかわらない部分については、これはやっていく、全体を含めてやっていくという判断でよろしいですか。確認です。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今、委員ご指摘のとおり、よろしいと思います。

○酒井委員 では、都として、今後、検証や検討や対策工事、そしてさまざまな手続を行っていく中で、今回、五街区においては基準を超えているわけですけれども、この基準を超える化学物質が検出をされた街区ごとに、その検証、検討や対策工事を行っていくのか、他の街区も含め、全体の問題として捉えて行っていくのか、確認のためにお伺いをいたします。

○福田中央卸売市場理事 今後の安全性の検証や対応策につきましては、各街区における環境分析結果などを踏まえまして、専門家会議等において検討してまいります。
 その後、専門家会議の提言に基づく対応策とセットで、環境アセスメント手続を経て、知事の総合的な判断に基づいて対応してまいります。

○酒井委員 では次に、今後のこの両会議、プロジェクトチームのスケジュールについて確認をさせていただきたいと思います。
 先ほど自民党さんの方からも、このプロジェクトチーム等の検討は遅いのではないかという話があったわけですけれども、私自身も、この専門家会議とプロジェクトチームにおける検討、検証のスケジュールが遅いのではないかと思っております。この点は市場関係者にとっては死活問題であります。
 補償費を市場会計で負担するということに仮になるとすれば、これは市場関係者に責任を転嫁することにつながります。また一方で、税金で補填をするという場合には、都民にとってはいわれのない負担を強いられることになります。
 いずれの場合にしても、どのような対策工事をなすべきか、豊洲新市場の今後の進むべき方向を一日も早く示さなければならないということは共通の認識であろうと思っております。
 そこで、この間、専門家会議の方は二回の会議を行い、十二月十日に三回目の専門家会議を行う予定であると思いますけれども、今後のスケジュールについて改めてお伺いをするとともに、このスケジュールは、誰の起案によって、誰の判断で決めているのか、改めてお伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議からは、地下ピット内については、換気した上で空気測定を行い、その後、ピット内の水を排水し、改めて空気測定を行うよう指示を受けております。また、三一五号線の下の連絡通路部についても、換気した上で空気測定を行うよう指示を受けております。
 今後、専門家会議では、これらの調査結果を踏まえ、適宜必要な調査を実施していくものと認識しております。
 なお、会議のスケジュールについては、専門家会議が決定することとなっております。

○酒井委員 では、また同様に、プロジェクトチームはこれまで三回の会議を行っておりますけれども、今後のスケジュールとスケジュールの起案、判断については誰が行っているのか、お伺いをいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームは月に一回のペースで会議を開催し、課題を整理することとしております。
 今後の予定につきましては、本年十二月開催予定の第四回会議で、豊洲市場の施設の機能、安全性について、平成二十九年一月の第五回会議では、業者の負担と事業継続性について、同年二月開催の第六回会議では、築地市場の補修、場外市場への支援措置について、同年三月開催予定の第七回会議では、地震、液状化について、第八回の会議以降では、専門家会議の報告に対するセカンドオピニオンなどについて、順次審議をしていく予定でございます。
 本プロジェクトチームのスケジュールにつきましては、各専門委員と日程調整の上、座長が判断しております。
 なお、プロジェクトチームの庶務は総務局において処理をしております。

○酒井委員 今の両局の答弁をお伺いする中で、この専門家会議については、測定の手順等もあろうかと思いますけれども、プロジェクトチームに関しては、月に一回のペースで会議ということであったわけですけれども、こちらの方は少しでも、一日でも早く方針決定に資するような意見を出せるように、審議のスピードアップといったものを、これは座長が決めているという話で、事務局は黒子みたいな感じですね。別に、総務局がこういうふうにしましょうといっているわけではないようですので、ぜひ座長に対して、この特別委員会の中でも、早く判断をしろ、早く会議をしろという意見が出たということを具申していただきたいと思いますけれども、いかがですか。

○池上総務局都政改革担当部長 事務局より、座長の方に、その旨伝えたいと思っております。

○酒井委員 では、これで最後の質問にいたしますけれども、専門家会議の設置要綱では、委員の任期は、委嘱の日から地下ピットがある状態の確認と評価、そしてリスク管理上必要な対応策の検討等が終了するまでの間とするとなっておりますけれども、今回、この専門家会議、あるいはプロジェクトチーム等で意見が出され、そして知事が判断をし、そして何らかの対応策等々がなされるということの段階の中で、この対応策等の着実な実施、以前みたいに会議が解散をしてしまって、その後、空洞ができていたと。これは誰もチェックをする機関がなかったということがないように、対応策の着実な実施をチェックする組織といったものはどうするのか、お伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 今回の設置要綱では、委員の任期は、委嘱の日から地下ピットがある状態の確認と評価、リスク管理上必要な対応策の検討などが終了するまでの間となっており、必ずしも検討が終了するまでとはなっておりません。
 このため、対応策の確認をどうするかについては、今後検討してまいります。

○酒井委員 今、答弁では、この専門家会議の任期については、必ずしも検討が終了するまでとはなっていないということでございますので、ぜひこの専門家会議を存続させて、対応策の着実な実施をチェックさせるべきだということを要望させていただき、質問を終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により、六時五十分まで休憩いたします。
   午後六時十八分休憩

   午後六時五十分開議

○山崎委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○田中(朝)委員 私からはまず最初に、専門家会議の中の、地下ピットについてお伺いをいたします。
 あるはずであった土壌汚染対策である盛り土がなくて、かわりに、今、新市場の地下には空間、地下ピットがあります。かわりに地下ピットになっていることによって、土壌汚染対策はどのようになされているのか、また、それは現在も、そして今後も十分安全といえるのかという観点から、幾つかお聞きをいたします。
 私は経済・港湾委員会にも所属していないのと、それから前期もいませんでしたので、ちょっと基本的なこともお聞きするかもしれませんけれども、ご容赦願いたいと思います。
 まず、そもそも、なぜ盛り土ではなく、地下ピットに変更されたのかということと、そして、この地下ピットの目的は何かをお聞きいたします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピットは、土壌汚染対策と地下水浄化の実施後、地下水のモニタリング作業を行い、さらに、万一、地下水中から環境基準を超える汚染物質が検出された場合に、汚染地下水の浄化作業ができるようにすることを目的として設けられているものでございます。
 なお、建物を建築する際の基本的な措置として、各種ライフラインなどの設置及び管理のための作業空間としても想定していたものでございます。

○田中(朝)委員 そうなりますと、土壌汚染対策であった盛り土のかわりに、このピット、いろいろな対策ができるように、するようにということだと思いますけれども、私たち会派も視察をさせていただきました。水産卸売り場棟、水産仲卸、また、あと、青果棟の主要三棟と加工パッケージ棟、また管理施設棟、それぞれ地下の床面の様子が違っていましたけれども、その理由は何でしょうか。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 青果棟、水産仲卸売り場棟、水産卸売り場棟、加工パッケージ棟の地下の床仕上げについては、いずれも砕石層の敷きならしとして発注図面に記載されておりますが、その上部に、構造耐力は期待していない、いわゆるならしコンクリートが敷かれております。
 これらのならしコンクリートは、工事の際に足場を固めるなど作業性を向上させることを目的に、各街区ごと、それぞれの施工者がみずからの必要に応じて、都との協議を経て敷設したもので、結果的に各街区でならしコンクリートの敷設状況が異なっております。
 なお、管理施設棟の地下については、市場全体に配電するための電気ケーブルや、地域冷暖房の配管が集積した空間となっており、コンクリートの上に防水を施した床面となっております。

○田中(朝)委員 わかりました。
 先ほど来、各委員の方々から水の問題が出ておりましたけれども、確認ですが、この地下ピットにたまっていた水は地下水で間違いないわけですね。
 なぜ地下水がたまっているのか、また、今後も常に地下ピットには地下水がたまっている状態としていいのか、また、地下水の現状はどうかをお伺いいたします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 地下ピットにたまっている水は、水質調査の結果から、専門家会議において地下水と分析されております。
 地下水がたまっている原因は、外構工事の進展に伴い、排水設備を撤去した期間に、相当量の降雨により地下水位が上昇したことによるものと考えておりますが、地下水のある状況を常態というふうには考えておりません。
 地下ピットのたまり水の地下水位は、先ほど述べました、ならしコンクリートから十ないし二十センチ程度でございます。

○田中(朝)委員 今の現状はよくわかりました。
 先ほど来から、これもたくさん出ておりますけれども、地下水管理システムです。
 地下水管理システムというのは、まず、どのようなシステムなのか、また、本格稼働に入ったのはいつか、そして、地下水管理システム稼働により、今申し上げた地下ピットの水位は下がるということだったと思いますけれども、どのような仕組みで下がるようになっているのでしょうか。
 また、この地下水管理システムが有効に機能しているというのはどのような状態、結果を指しているのでしょうか。現状、水位が下がっているかどうかとあわせてお伺いをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、市場用地全域にわたり、地下水を常時一定水位で管理、制御するシステムでございます。地下水位を観測する井戸や地下水を揚水する井戸、下水排除基準まで浄化可能な排水処理施設を設置しております。本格稼働は、十月十四日より二十四時間で自動運転を開始しております。
 地下水位の計測を開始した十月三日から、地下水位は徐々に低下しており、第二回専門家会議においても、地下水管理システムは正常に機能しているとの評価をいただいております。
 建物下には地下水排水対策用の砕石層を設置しており、建物下の地下水を揚水井戸へ集水することで、地下ピットの水位を低下させるものでございます。
 地下ピット内の水位は、五街区では水位が下がっていたため、現在、建物周りの揚水ポンプを停止しております。一方、六街区と七街区では、地下ピット内の水位はほぼ横ばい状態でございます。

○田中(朝)委員 ありがとうございます。
 地下水管理システムが、直接その地下ピットにつながっているような形になっているのではないわけですよね。ですから、今、地下水管理システムは、機能はもちろんほかのところでしているわけですけれども、地下ピットの地下水位低下については、今の現状を見ると、機能しているとはいえないのではないかと思います。
 この地下ピット内の安全性についてですけれども、十一月十二日の第二回専門家会議で、地下ピット内の換気と、そして段階的な水抜きをして、その有効性を確認するとありますけれども、その進捗状況はどうでしょうか。また、地下水、空気、それぞれの現状はどのようになっているのかお伺いいたします。

○吉野中央卸売市場建設技術担当部長 換気につきましては、十一月中旬に実施しております。なお、水銀が検出された五街区については、活性炭による吸着処理を実施し、排気を行っております。
 排水につきましては、今後、専門家会議からの指示に基づき、迅速に対応できるよう準備しているところでございます。
 地下ピット内の水及び空気につきましては、換気を行う前後において水質及び空気測定を行っており、その調査結果は、今月十日の第三回専門家会議において報告する予定でございます。

○田中(朝)委員 今後、地下ピットの地下水や空気の対策というのは、これからどのように行っていくのでしょうか。また、基準値や指針値を超えた汚染物質が出た場合、対症療法で対策をするのか、それとも一定程度の推移の見守りが終わったら原因療法を行うのか、一定程度の推移の見積もりとは一体どのぐらいの期間か。
 先ほど来、スピードが遅いというようなことも、ほかの委員から出ていらっしゃいます。私も、月に一回ではちょっと間があき過ぎているかなという感を最初にお聞きしたときに思いましたので、これがどのような期間なのか、また、どのような状況がどれぐらい続くことで安全とするのか、安全の目標はあるのか、お聞きをいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下ピット内の水及び空気については、換気を行う前後において水質及び空気測定を行っており、その調査結果は、今月十日の第三回専門家会議において報告する予定でございます。
 地下ピット内の水の排水について、専門家会議からの指示に基づき、迅速に対応できるよう排水設備等の準備を進めているところでございます。
 専門家会議において、今後こうした調査結果を踏まえつつ、必要な対策についての議論へと移行していくものと考えております。

○田中(朝)委員 この安全に関してはですけれども、なかなか何をもって安全というのかというのは難しいところだと思います。
 例えば、法的に問題がなければ、これをもって安全とするのか、それとも、いろいろこれからも出るかもしれないけれども、それに対してきちんと対応をしていくから、だから安全だということも、これも安全の一つだと思う。また、極端にいえば、全て何も出ないように完璧にしますと、それをもって安全というのか、なかなかこれは、どれを安全というのかというのが厳しい状況だと思います。
 そういったことも専門家会議の方で決められるのかもしれませんけれども、ぜひ、そういったこともこれから何回か続くと思いますので、踏まえて、いろいろ専門家会議の方でもやっていただければなというふうに思います。
 それでは次に、補助三一五号線下の土壌汚染対策についてお聞きをいたします。
 第二回専門家会議の前、十月三十一日から十一月一日に行った補助三一五号線高架下区域測定結果において、水産仲卸売り場棟と水産卸売り場棟を結ぶ補助三一五号線の地下に、環境基準を超えるベンゼンなどの高濃度の汚染物質が残っていることが判明をしました。
 東京都によると、地中には最大で環境基準の七百十倍のベンゼン、七百倍のシアンなどが残されているということでしたけれども、この補助三一五号線高架下の土壌汚染対策というのは、そもそも対策内容について、以前、土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会というところに報告を行い、そして工事を完了しているということです。
 また、報告した、今申し上げた土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会においても、建物下に盛り土があるような誤った説明をしていて、専門家会議にもそれを報告していなかったということをお聞きしていますけれども、そのとおりでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号線高架下の土壌汚染対策については、平成二十五年十月の土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会に報告し、工事を完了しております。その協議会の資料の中で、建物下に盛り土があるような資料を使い、説明を行っておりました。
 なお、工事は平成二十四年度に着手しており、平成十九年から二十年に設置されていた専門家会議には諮っておりませんが、改めて設置された専門家会議において検証していただいているところでございます。

○田中(朝)委員 以前の工事の結果として、こういうことが起こっているということですので、ぜひこれまでの検証の取りこぼしが今回の専門家会議ではないようにしていただければと思います。
 この上で、今回、基準値を超える水銀やベンゼンなどが検出されたわけですけれども、今回のこの空気測定は、道路のすぐ下の最上部砕石層の空気モニタリング用採取管からのみの測定になっています。
 これ、もう少し深いところに、汚染されたままの土壌の近いところ、いわゆるガス管が通っているところの下部の砕石層、ここにも空気のモニタリング用の採取管があるわけですけれども、今回はその上の方、道の上面に近い方の空気モニタリング用採取管からのみの測定をしたわけですけれども、下の方の、両方のモニタリング用採取管から測定をしなかった理由は何でしょうか。
 本来だったら、一回で済ませるために上下両方の空気モニタリング用採取管から採取すべきではなかったかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五線の土壌汚染対策において、ベントナイト混合土層やアスファルト舗装による汚染土壌の封じ込めを行っており、このベントナイト混合土層の上下で空気測定が可能なモニタリング用の装置を設置しております。
 今回、対策の有効性を確認するため、専門家会議の指示により、ベントナイト混合土層の上部及び地上部、連絡通路内部の空気測定を行ったものでございます。

○田中(朝)委員 この空気測定、例えば上から検出された、そしてそれに対する空気を送って対策を行っている。そうしたら、次は、それがなくなれば下からとってみるのかとってみないのかといったことも、これは一回やれば一回で終わるわけですから、ぜひ専門家会議の皆さんに、どうせやるのならば上下両方からとってみるべきだということをお伝えいただければと思います。
 また、第二回専門家会議では、今後の再調査というのを指示していますけれども、これはどのような再調査を行ったんでしょうか。下からもとったのでしょうか。また、その結果はどうでしたか。今後、また基準値を超える汚染物質が出た場合、どのような対策をするのかをあわせてお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号線のアスファルト下で、ベンゼンの基準超過と水銀の指針値超過を確認しております。
 専門家会議では、換気がない閉鎖空間で滞留した可能性があるとしており、現在、換気をした上で、改めて空気の調査を行っているところでございます。その調査結果は、今月十日の第三回専門家会議において報告する予定でございます。

○田中(朝)委員 先ほども申しましたように、専門家会議、今回二度目で、やり直しですので、ぜひこの調査の取りこぼし、それから、この程度でいいだろうということがないようにお願いをしたいと思います。これはお伝えいただければと思います。
 次に、市場問題プロジェクトチームについてお伺いをいたします。
 第二回会議の豊洲市場の建物の構造安全性についての中で、一、防水押さえコンクリートの厚みについて。二、水産仲卸棟の、これは床用積載と読むのでいいのかな、床用積載荷重平米七百キロの妥当性について。三、基礎、地下ピット部の耐震設計上の評価についての三点について、株式会社日建設計の施設設計受託者を参考人として検証されていますけれども、まず、この三点を選んだ理由は何でしょうか。
 また、この第二回会議では、インターネットでコンクリートの厚みの問題を指摘されたとされる高野一樹氏を参考人として呼んでいますけれども、なぜでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 第二回の会議の具体的な三つの検討課題の選択につきましては、専門委員が検討し、座長が判断をしております。
 会議に出席されました高野一樹氏は、一つ目の課題である防水押さえコンクリートの厚みが、構造計算書では十ミリと記載されておりましたが、設計図や実際の施工では百五十ミリメートルであることを指摘し、また、テレビ出演等を通じて、ほかの二点の課題についても疑問を投げかけておりました。
 豊洲市場への移転のためには、施設の安全性を検証し、専門家でなくとも理解できるように市場関係者や都民へ説明し、その疑問や不安を解消することが重要でございます。
 このため、高野氏には公開の場で質問を求め、また、株式会社日建設計に対しても説明実施を求めることで、建物の構造安全性について審議するために、会議に出席を依頼したものでございます。

○田中(朝)委員 ということは、この高野さんが日ごろインターネットとかテレビ等でおっしゃっていることが、都民にとって非常に心配の種になっているので、それで、その三点を取り上げたということだと思いますけれども、これ、施設の安全性の検証ということに多分なっていると思うんですが、私、実は、民進党でもいろいろ卸さんとか仲卸さんから、国会議員とともにお話をお聞きしたりする機会がありましたけれども、そのときに卸さんから、水産卸売り場棟一階の水産卸売り場の活魚の荷受けのところで、絶対にそれに必要な水槽が自由に置けない、要するに数が制限されている。なぜかというと、水を入れない重さにしか耐えられないことになっているところに、水を入れないと使えないわけですけれども、そうすると、並べておけなくて制限をされてしまっていると聞きました。
 このことに関しては、卸さんは、もう解決をしているとお聞きしていますということでした。ただ、どういうふうに解決されたのかは、自分自身聞いていないということはおっしゃっていましたけれども、このお話一つとってみても、この取り上げられた三点以外にも、建物の構造安全性の検証をしなければならないところというのはあるのではないかと思います。
 この三点以外の建物の構造安全性についての検討はされたのでしょうか。どのような検討がなされたのかをお伺いいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 第二回市場問題プロジェクトチーム会議では、建物の構造安全性について、この三点以外についての検討はなされておりません。
 知事から委託された事項を調査研究するに当たっての具体的な検討課題の選択につきましては、専門委員が判断をしているところでございます。

○田中(朝)委員 今のご答弁だと、この三点以外に、構造安全性について、まだ検討されてはいないということでしたけれども、先ほど来から申し上げているとおり、専門家会議も二度目ですし、さまざまなことが起こった結果、このプロジェクトチームも立ち上げられたわけですから、期間はそんなにいつまでもあるわけではありませんし、一日も早くといったところもありますけれども、しかし、こういった大切なところの検証とか調査というのは、アリバイづくりとか、ちょっとやったというだけではなくて、やっぱり都民や事業者の方々のためにも徹底してやるように、専門家会議とか市場問題PTのメンバーの方々には、ぜひお伝えしてほしいと思います。
 今回、これがもしも、こんなことはないと思いますけれども、三回目の専門家会議になったり、また答弁のやり直しになったりとか、そういうことになったら、これはもう移転など夢のまた夢になってしまうわけですから、ぜひこういったところをきちんとやられるように、ご自分たちがご担当では、要するにいうことができない、決めることができないということを先ほどおっしゃっていましたから、ぜひこの専門家会議やPTのメンバーの方々にお伝えいただければと思います。
 最後に、築地市場内の事業者へのヒアリングについてお伺いをいたします。
 十一月十五日に築地市場の会議室で、事業者へのヒアリングが行われたということです。私は議事録を拝見いたしましたけれども、その中でちょっと驚いたのは、多くの事業者さんから、豊洲市場の設計自体が効率的な物流に対する配慮がほとんど考えられていないという、根本的なそもそものことを指摘されているわけですね。
 ほかにも、バース数の不足とか、コールドチェーンの件とか、あと、駐車場の屋根の有無、ターレの使い勝手等々、そういった市場に必要と思われる条件が、今これだけ意見が出てきて、要するに取り入れられていないわけですけれども、要するにこの豊洲というのは、今議論されているオリンピック施設と違いまして、ある施設を転用するということで決まった施設ではありません。最初から、築地から市場として移転する先としてつくられたものだと思うんですけれども、最初から築地よりも使い勝手のいい市場にできたはずなんですけれども、なぜ、ほぼでき上がるころになって、このような指摘をされているんでしょうか。こうなった経緯と理由をお伺いいたします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 都では、平成十四年四月に、市場業界の団体との協議体であります新市場建設協議会を設置いたしまして、長年にわたり、豊洲市場の開設に関する協議を重ねてまいりました。
 また、基本設計や実施設計を作成する際には、実際に施設を使用する市場業者との間で、街区や業種に応じた分科会や部会を設けて協議をいたしまして、市場業界の要望につきまして、設計に反映をしてまいりました。

○田中(朝)委員 今のご答弁というのは、私がお聞きした経緯だと思います。こういう意見がたくさん出てきている理由は何かということもお聞きしています。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 これまで、豊洲市場の整備に関する協議につきましては、先ほどご答弁を申し上げた内容でございますが、まだ新しく、これから開設いたします市場でございますことから、こうしたさまざまな意見につきましては、開場してからも事業者の皆様と調整を重ねて、できるものについては改良してまいりたいと考えてございます。

○田中(朝)委員 今のご答弁しかおっしゃられないのかもしれないですけれども、もう今となっては。ただ、私もいろいろな方からお聞きするときに、もう、そもそもあれは市場ではないと。要するに、物流の観点からそういうことをおっしゃる方が非常に、本当に多いんです。
 ですから、その物流ではないというそもそものところを、これから、移ってからどうやって変えていくのかという大きな、これは私たちにとっても疑問もありますし、それから、私たちよりも、何よりも事業者さんが、この使い勝手がちょっと悪いのならそこを直せばいいと思うんですけれども、そもそも違うと。こういう条件で、ここでどうかということを示してくれないと、答えることもできないということを、私も本当にたくさんの事業者さんから聞きました。
 豊洲が嫌なのではないと。それから、どこの場所に築地から移るのが嫌なのではないと。そんな築地ブランドみたいなのは、自分たちは一生懸命やってつくる自信があるとおっしゃっています。
 だけど、その市場の機能は確保しないと、そもそも、そこで仕事ができないということを非常におっしゃっている方が多かったですので、そもそものところをこれからどうするかというのも、非常に難しいかもしれませんけれども、ここはちょっと深刻な問題として考えてみていただければと思います。
 私は前期、まだ都議会議員ではありませんでしたので、今回、いろいろな経緯を、さまざまな資料をいただきまして、読んだりいたしました。その中でちょっと感じたことは、期限のある中で豊洲へ移転する、その実現のために、そういったところにどうしても合わせるんだという中で、説明がちょっと希望的観測になったり、場当たり的な、対症療法的な対応になったり、事実を、これは盛り土の問題なんかがそうですけれども、曲げたり、隠したりという、無理をしているところが随所に見受けられるという感想を持っています。
 結果、現在のように、さまざまな問題が今になって噴出しているわけですけれども、とはいえ、これからのことを考えなければいけないところです。これからどのようにしていくのかというのは、もちろんこの委員会でも、それから専門家会議でも、PTでも、それをやられるんだと思いますけれども、今回は、もちろん、まずは移転だというご意見もあることはよく存じています。
 しかし、移転をするということ、そこを目標にしてしまうと、また同じことが起きるのではないかという感覚も私は強く持っておりますので、知事も移転ありきではないというようなこともちらっとおっしゃってはいますけれども、移転するというだけではなくて、さまざまな、さまざまといっても、そんなに十も二十も、もう今から可能性は探れませんけれども、そうではないところも置いて、いろいろな検証、それから調査をこれからやっていかないと、また同じ間違いをするのではないかという非常に大きな危惧があります。
 私たちも、いろんなことを知らされていなかった、また知らなかった、もちろん知ることを、ちょっとぼんやりしていたというようなこともあるかもしれませんけれども、今度こそはそういったことがないよう、もちろん理事者の皆さんからのご答弁も、ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、きれいなご答弁よりも、きちんと事実を見据えたご答弁もいただきたいなということも思います。まだまだこの委員会も続きますし、それから専門家会議、PTも続きますので、ぜひそういったことを踏まえて、私たちもやりたいと思いますし、お願いをしたいと思います。
 以上です。

○両角委員 私からも何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、専門家会議に関してでありますけれど、専門家会議の目的につきましては、土壌汚染対策について専門家により検討を行うと、このようになっておりまして、具体的には、この検討事項として、地下ピットがある状態の確認と評価ということに一つはなっているわけであります。
 そこで伺いたいんですけれど、まず、本来であれば、専門家会議が、この土壌汚染対策の一つとして、盛り土をするということを提言して、しかし、それが、建物下についてはされてなかったということなんですが、この盛り土が、建物の下全面にないことの環境面の安全に対する意味ということを伺いたいと思うんですけれど、提案された盛り土がないということは、この当該施設の土壌汚染対策上、これは致命的な問題となるのか、もし致命的な問題であれば、提言をした盛り土がないことが決定的な土壌汚染対策の上で欠陥だということであれば、もう移転は、その場でできないと思うんですが、今まだ検討を詳細に専門家会議でされているということの意味をお聞きしたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 平成二十年に専門家会議が提言した盛り土は、ガス工場操業時の地盤の下二メートルをきれいな土と入れかえるなど、操業に由来する有害物質を取り除き、さらにその上に厚さ二・五メートルのきれいな土を盛り土するものでございました。
 現在、建物下の盛り土部分が地下ピットになっていることを前提に、食の安全・安心を確保する観点から、地下空間の安全性の検証と必要な対策について、専門家会議において検討していただいているところでございます。

○両角委員 今、検討が進められているということでありますから、私の理解としては、盛り土がないということは、当初の想定とは全く違うわけでありますけれど、しかし、それが致命的に、これはもう移転ができないという状況がすぐに、直ちにできているということではないものであるというふうに理解をします。
 次に、この地下ピットに関連して何点か伺いたいと思うんですけれど、まず、この地下空間における空気中の水銀の検出ということがございました。平成二十八年九月二十日から十一月四日まで、データが徐々に下がって、最大、基準値の七倍から二倍程度に下がってきているということでありますけれど、この具体的な空気中の有害物質の測定というのはどのようなやり方をするのかというのを、ちょっと確認させていただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 水銀の空気測定は、高さ一・二メートルの位置で空気を二十四時間吸引し、分析装置にかけて濃度を測定しております。空気測定に当たっては、計測環境を保全するため、ピット内の換気は行っておりません。

○両角委員 科学的な知見に基づいた、しっかりした検査をやられたということだろうとは思います。
 次に、地下ピットの中のたまり水の問題について確認をさせていただきたいと思いますが、他の委員会でも、このたまり水の存在を初めて市場として認識したのは八月であるというような、そんな答弁でありましたが、では、この地下空間が、世間にこういうものがあるんだということが表に出てくるまでの認識を市場の皆さんがされてから、その間というのは一定の時間があると思いますけれど、それまでの間というのは、たまり水に対して何らかの対応をなさっていたのかどうかということを伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 地下ピットに水がたまりました状況を確認しました後、この間、排水方法を検討しておりましたところですが、その後、九月に、地下ピット内の環境を保全するよう専門家会議からご指示をいただいたため、現在に至っておるところでございます。

○両角委員 今のご答弁ですと、何もしていないと。結果として、専門家会議が手をつけないでくれという、保全状態にあったというふうに理解をすればよろしいのかなと思います。
 次に、このたまっている水の今後の対応なんですけれど、専門家会議からは、このピット内の換気をして、空気測定をした上で、ピット内のたまり水については排水をするように指示があったということでありますけれど、今、現状では、そのたまり水というのがどうなっているのか、そして今後の排水の時期の見通しについて伺いたいと思います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 十一月十二日の第二回専門家会議におきまして、まず地下ピット内の換気を行い、空気を測定しました後、たまった水の排水を実施するよう指示をいただいたところでございまして、既に換気を行い、現在、排水の準備を進めてございます。
 引き続き専門家会議の議論を踏まえて適切に対応してまいります。

○両角委員 もう既に換気は行われたということで、今のご答弁ですと、そう遠くない中で排水をしていくというふうに理解をさせていただきます。
 次に、市場用地内の地下水のモニタリング調査について伺いたいと思いますが、そもそも、この市場の移転の、一旦立ちどまるという一つの理由として、モニタリング、来年一月、第九回目の調査がございますので、その結果を見てからでないと、まずおかしいだろうという知事のご判断もございました。そして、今まで七回の調査においては、いわゆる基準値以上の有害物質というのは出ていなかったわけでございますが、今回、第八回目の地下水のモニタリングで、五街区の三カ所で土壌汚染対策法の基準値を超えるベンゼン、あるいはヒ素が検出されたということでございました。
 そうすると、ポイントポイントで、そのモニタリングしたポイントの三カ所については、わずかではあるけれど土壌汚染の数値を超えているということなんですが、そのポイントに対して、土壌汚染対策を何らかされていくというような考えがあるのかないのか、あるいは、そのポイントから他へ汚染が広がっていくようなことに対して、何らかの対策を考えているのか伺いたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在、豊洲市場用地では、土壌汚染対策後の地下水について、ガス工場操業に由来する有害物質--これは七物質でございますが--の濃度を二年間モニタリングにより確認している状況でございます。二年間の地下水モニタリングの結果も含め、地下空間を正確に把握し、どのような対策をとれば安心・安全な市場にすることができるのか、その内容を専門家会議において検討していただいているところでございます。

○両角委員 そういうことなんですが、ただ、我々素人というか、余り詳しくない者からすると、そこに一定の汚染というか、基準以上のところがあるということは、それが雨水等で広がっていくようなことはないのかなとも考えるので、できるだけその結果を早く出していただいて、適切な処置というのをしていただきたい。このように思うところでございます。
 それで次に、この市場の土壌汚染対策の一つの大きな役割を担っている地下水の管理システムについて伺いたいと思います。
 先ほど来、他の委員の質問でも、かなりいろいろな方面から、視点からのご質問がございましたけれど、日常の管理として、AP一・八メートルで水位を保つ、あるいは水質をモニタリングして浄化するというような、幾つかの機能を持った、そんなシステムでございますけれど、このシステムは、そういった意味で非常に重要であるということでありますので、そこで、このシステム自体は、試運転を経て十月十四日から二十四時間の自動運転をしているということでございます。
 では、このシステムが稼働して以来、ふぐあいというのは今まで生じたことはないのか、あるいは何らかのふぐあいが発生していたとすれば、それはどのようなことなのかお聞かせをいただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムの自動運転開始後、適宜ポンプの状態を確認し、必要に応じてクリーニングを行うなど、必要なメンテナンスを行っております。
 専門家会議においても、地下水管理システムは機能しているとの評価をいただいております。

○両角委員 そうすると、今のご答弁ですと、試運転以来、特段不都合はないというふうに理解してよろしいですね。
 それで、この地下水の管理システムは、七種の工場由来の有害物質を含めて、有害物質につきましては、自動的に検知して識別して、下水の排出基準を満たすように処理をすると、そのようなシステムでございますけれど、では、この試験運転以来、もうこれは二カ月以上たっているわけでございますが、そもそも有害物質はこのシステムで検出をされたのか、そして、処理されたそんな実績があるのかないのかということを伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在、地下水管理システムで揚水された地下水からは下水排除基準を超える有害七物質は検出されておりません。揚水した地下水のpHは、下水排除基準以下となるよう浄化処理をして排水しております。

○両角委員 今、ご答弁で、有害の七物質については検出されていないということでございましたので、その部分については、まず一安心ということでございますが、一方で、pH値が下水排除基準以上のものはあったので、その処理はした、そのようなご答弁でございました。
 次に、バックアップということで伺いたいと思うんですけれど、先ほど来お話があるように、このシステム自体が土壌汚染対策上の重要な役割を担ったシステムでありますので、そういった観点からすると、このシステムにふぐあいがある、あるいは一部機能が停止する、そのような場合や、あるいは停電が発生したとき、そういった場合にバックアップシステムがどのようになっているのかということを伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 揚水機能のバックアップとして、各揚水井戸には二つのポンプを設置しており、一方のポンプが停止しても揚水機能が確保されるようになっております。
 また、システムの電源については、非常用発電設備を備えており、停電時に電力供給が停止しないよう対策を講じてあります。

○両角委員 バックアップについても、当然だと思いますけれど、準備をされているということでございますので、それも含めて日常の管理をしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、この地下水管理システムでございますけれど、契約によると、街区ごとに、五、六、七街区にこのシステムがございまして、五街区については平成二十八年十月十七日までの工期なんですね。だから、工期を今もう過ぎている。六街区、七街区につきましては、実はこの管理システム、下水管理施設整備工事というのは、契約の工期が来年の一月四日までであるということで、まだ実は工期中であるということでもあります。
 では、この地下水管理システムが実際に稼働可能となったのはいつなのか。要は、今かなり水位が高いわけでございますけれど、日常管理の一・八メートルよりかなり高い、四メートルとか五メートルというような、それに近いような水位になっているということで、これは結果として、雨期に稼働ができなかったのが大きな理由ではないかなとも想像するわけでございますけれど、雨期に稼働ができるように、この稼働可能になったときから、もっと早く試運転開始ができなかったか、このようにも思うわけでございますけれど、この点についてお伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムの工事は、本体建築工事の終了後、路盤や舗装などの外構工事と合わせ、最終の仕上げの段階で整備を進めることとしておりました。五街区の地下水管理システムの一部は、八月上旬から機能調整を開始し、六街区と七街区では、九月中旬から機能の調整を開始しておりました。こうした工事の工程を調整しながら整備を進めたため、十月十四日の自動運転開始に至ったということでございます。

○両角委員 外構工事と合わせというところが、経済・港湾の委員会でもそんなご答弁がありましたけれど、工期内に、これ、既に本格稼働しているという実績があるわけですから、でき得れば、この秋の雨のシーズンのもっと前にこれを稼働して前倒しができていれば、もう少し状況がよかったのではないか、このようにも感じている次第でございます。
 そして、今、大体渇水期です。二月ぐらいまで雨が少ない時期でありますから、例えば橋梁の工事なんかも、この渇水期に工事をするということが、大体の通例なわけでございますけれど、渇水期が終わって、梅雨や台風の時期というのも当然来るわけでございますが、こういった季節状況を踏まえた水位コントロールということについてお考えを伺わせていただきたいと思います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 水位をコントロールすることにつきましては、まずは早期に日常維持する水位APプラス一・八メートルまで地下水を低下できるよう、必要な措置を講じていくことが重要でございます。専門家会議からの指示に基づき、地下ピットの水の排水に迅速に対応できるよう準備を行っているところでございます。
 管理水位まで低下させた後の水位管理については、過去百四十年間の降雨データから、降雨量の多い長雨、台風、集中豪雨を対象降雨として、地下水位を一定水位で管理できるようにシステムは設計されております。

○両角委員 まずは、その管理水位までということでございますけれど、この稼働のデータをとった十月三日ぐらいからこの直近までのデータを見ると、各街区で一定、それこそプラマイゼロから、最大一・何メートルですかね、そのような下がり方はしているんですけれど、しかしながら、かなり期間もかかって、なかなか日常管理の水位までいっていないというところが不安なわけでもありますけれど、そこをしっかり水位を下げていただいて、日常管理の方に移行できるようにきちんとしていただきたいと、そのように思います。
 引き続いて、市場問題プロジェクトチームに関して伺いたいと思います。
 まず、プロジェクトチームの運営についてということでございますけれど、一つは、検討事項でございます。このプロジェクトチームの初回に、検討課題と検討手順が議論をされております。
 その中で、市場整備の費用が、推移というのがデータで示されまして、既に五千八百八十四億円まで膨らんでいるということが示されたわけであります。このPTの検討項目に挙げている建設費用の適正化、これの検証というのは、私は重要なテーマだと思うんですけれど、今後、このプロジェクトチームのどの段階で本格的にこの問題は議論をされていくのか伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 来年一月に開催を予定しております第五回市場問題プロジェクトチーム会議におきましては、事業継続性について審議をする際に、減価償却などの観点から建設費の適正性を審議する予定でございます。

○両角委員 来年一月の第五回で審議をする予定だということでご答弁いただいたんですけれど、先ほど来この委員会の中でも、特にプロジェクトチームについては、もう少しスピーディーな展開もできないかというお話もございましたので、そのようなことも含めて事務局から伝えていただいて、この問題についても早期に議論ができるようにお願いをしたいと思います。
 次に、施設の安全性についての議論がございました。これについて、この委員会の場でも先ほど来お話が出ているところでございますけれど、再度確認をさせていただきたいと思います。
 この第二回の会議におきましては、床の積載荷重が妥当であるかどうか、あるいは建物の耐震性が、要は四階と見るか五階建てと見るかというようなお話を含めてなされておりました。
 これは、先ほど来のご答弁等々で、外部有識者の高野氏が問題提起をされて、そのことに対して、このプロジェクトチームで日建設計が実際に反論をして、どういうことかというのを皆さんで議論したということでございましたけれど、その議論の議事録を見ると、高野氏も含めて、安全性には問題がないと、合意をしたというふうになっているわけでございますけれど、これを受けて、この施設の安全性は結論づけられたのだと考えてもよろしいでしょうか。

○池上総務局都政改革担当部長 第二回のプロジェクトチーム会議におきましては、建物の構造安全性に係る三つの課題について審議をいたしました。今、委員からお話がありましたとおり、防水押さえコンクリートの厚みの問題や床用積載荷重の問題につきましては、株式会社日建設計から、それぞれ都の求める耐震強度に対して余裕を持っていること及び想定される荷重に対して十分ゆとりがあることについて説明がなされ、その内容にプロジェクトチームとしても同意をいたしました。
 また、地下の基礎ピット部分の耐震設計上の評価につきましては、本プロジェクトチームとしては、株式会社日建設計が説明した構造計算について、法令上の安全性を確認したところでございます。
 豊洲市場の施設の安全性につきましては、第二回会議に続き、第三回会議において、スロープなど建物の設備等についての安全性を審議し、第四回会議をもって豊洲市場の施設の安全性、機能等のハード面における審議を終了する予定でございます。

○両角委員 プロジェクトチームの中で、事業者の皆さんに対してヒアリングが行われております。そこで、具体的にどのような意見が上がったのかお示しをいただいた上で、それらはプロジェクトチームでどのように扱われたのかということを伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 事業者ヒアリングでは、水産仲卸売り場棟のターレスロープや入り口の車路の安全性、水産卸売り場棟のバースの不足や買い回り動線に関する意見などが上がったところでございます。
 事業者ヒアリングでいただいた意見を踏まえ、市場問題プロジェクトチームでは、豊洲市場の施設の安全性、機能について調査検討をしてまいるところです。

○両角委員 今、ターレスロープであるとか水産卸売り場棟のバース不足云々という話がございました。具体的な、業者の皆さんの声をしっかり受けとめていただいて、その上で、しっかりとした対応をしていただきたいと思いますが、一点、ただ、この豊洲の新市場については、コールドチェーンを徹底する、それによって衛生管理のレベルを国際基準にしていくという、それがコンセプトではないかと理解をしております。
 今、築地については、実際にはオープンなエアのもとでいろんな食品が扱われているということでありますけれど、一定の温度以下で、ずっと物が、食品が動いていくということが、それが国際標準であって、それを達成するためにこの豊洲のありようがあるんだということだと理解をしておりますので、いろんな業者の皆さんの声をしっかりお聞きいただくということはぜひお願いをしたいのですが、一方で、こういったコンセプトが崩れるような、そんな対応はしていただきたくないなと、そのようにも思っております。
 終わります。

○小松委員 それでは、専門家会議による環境汚染対策の評価について、まず伺っていきたいと思います。
 土壌汚染対策として、土壌を浄化し、浄化し残った汚染があったとしても、地下水や地中の空気から地上に上がってこないように盛り土でふたをするという方法を提案したのが専門家会議です。そして、この技術的な実行方法は技術会議の提案であるわけですが、この技術会議では、途中で地下活用案などの新たな提案が事務局側から出されはしたものの、最終報告書ではそれを盛り込むことはせず、専門家会議の提言どおりの盛り土を含む土壌汚染対策の実行方法を提言しています。
 これを受けて、二〇〇九年二月に豊洲新市場整備方針が策定されておりまして、ここに盛り土を全面的に施すということも書かれています。この整備方針策定の時点で、この二つの有識者会議の提案は、東京都の方針となったということです。
 専門家会議座長であった平田氏は、今回も専門家会議の座長を務めておられるわけですが、この盛り土なし問題が発覚した当初、専門家会議は、提言はしたけれども、とるかとらないかは都庁の裁量であると、寛容なコメントをされていました。しかし、提言は既に都庁の方針と位置づけられたのですから、そのとおりに実行されなかったことには、提言を出した責任者として、怒って当然だろうと私は思います。
 まず、専門家会議、技術会議、この両者の提言を受けて二〇〇九年二月に策定された豊洲新市場整備方針、この方針は、その後改定はされなかったと認識していますが、今も東京都の方針として生きていると考えてよいのか確認します。

○井上中央卸売市場新市場整備調整担当部長 豊洲新市場整備方針は、技術会議の報告を受けて、新たな首都圏の基幹市場としての豊洲新市場を整備するために定められたものでございまして、現在もこの方針を策定した意義は変わらないと認識しております。

○小松委員 方針を策定した意義は現在も変わらないとのことでしたが、その方針とは異なる盛り土をしないという対策がとられたわけです。そして、自己検証報告書でも、対策を変更するについては専門家会議や技術会議にフィードバックすべきだったとの指摘がされています。
 市場が専門家会議に何ら報告も相談もなく盛り土をやめにしたことについて、この自己検証報告も踏まえて、専門家会議の見解を改めて伺いたいと思います。また、その専門家会議の見解に対する都の見解についてもお伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議からは、今の地下空間の中に盛り土をすることは物理的に非常に難しい、盛り土と地下空間の比較の議論をせず、盛り土がないという状況を正確に把握して、どうすればよいかを考えるとの見解をいただいております。
 都としては、このたび改めて専門的な見地から豊洲市場の現状について検証いただき、そのご提案を受け、豊洲市場の食の安全・安心の確保に向け、適切に対応してまいります。

○小松委員 提言が東京都の方針になっていながら尊重されなかったという経緯を踏まえて、今後はこのような事態を招くことがないよう、専門家会議の位置づけや諮問内容をはっきりと要綱で定めるべきだと思います。また、オープンな議論のもとに提言をまとめていただき、市民監視のもとに有識者の提言が生かされる土壌をつくるべきだと考えます。
 そこで、新たに再招集された専門家会議の設置要綱は、ことし九月十六日に施行されていますが、それ以前の要綱とどこが変わったのか、メンバーは変わったのか、会議の公開など、どのようになっているのかお伺いします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 平成十九年度から二十年度にかけて開催されました専門家会議の設置要綱からの主な変更点は、会議の検討事項でございまして、現在の要綱では、専門家会議は、地下ピットがある状態の確認と評価及びリスク管理上必要な対応策の検討を行うこととしてございます。
 専門家会議の委員でございますが、過去からの議論の継続性を考慮いたしまして、前回の専門家会議の委員を基本として、各委員のご事情を踏まえ、委嘱を行っております。
 前回の専門家会議と同様に、会議及び議事録等を公開しておりまして、さらに、今回の専門家会議からは、会議の様子は全てインターネットで中継を行っております。

○小松委員 以前の要綱とは検討事項が変わったと。地下ピットがある状態の確認と評価、そしてリスク管理上必要な対応策の検討を行うことになったと。これは大変大きな変更ですが、これについて後で触れることにいたしまして、要綱によれば、専門家会議の委員は、市場長が委嘱する。しかし、独自に事務局を置くことができるとされています。全く外部の人材を委員が独自に事務局として採用することができるということでしょうか、お伺いします。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 今回の専門家会議では、建物下に盛り土がなかったといったこの間の経緯を踏まえまして、豊洲市場の土壌汚染対策等に係る安全性の検証について、第三者性を重要視し、検証に高い客観性を持たせていく必要がございます。そのため、専門家会議を都から独立した形で運営できるよう、新たに設置要綱第九条において、独自に事務局を設置できることといたしました。
 この規定に基づきまして、民間の専門家の方が、現在、専門家会議の事務局を担っていらっしゃいます。

○小松委員 第三者性を重視して民間の専門家を選任しているということを確認しました。
 専門家会議の提言の技術的な実現方法を提言したのが技術会議でありまして、この提言も踏まえて豊洲新市場整備方針が策定されているわけですが、また、土壌汚染対策が終了した二〇一四年秋にも、東京都の報告を受けて技術会議が終了確認をしておりまして、その際に、提言した対策とは違って盛り土がされていなかったことを見逃した、そのことは事実です。その責任を果たしていただくために、この現状の環境レベルの評価についてもかかわっていただくことが適当ではないかと考えるところです。
 新市場の現状の環境評価、そして追加対策の検討について、専門家会議のお三方のみならず、技術会議のメンバーにも加わっていただくことが適当ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 豊洲市場における土壌汚染対策などに関する専門家会議設置要綱第五条二項では、座長は、必要に応じて委員以外の者に、会議への出席を求めることができるとしております。このため、必要に応じて新たなメンバーを加えるかについては、座長の判断によると考えております。

○小松委員 座長の判断次第で専門家会議の議論に技術会議メンバーが加わることもできるのではないかと。ぜひ加わっていただきたいと考えます。
 専門家会議が提言した土壌汚染対策は実施されず、実際には方針どおりでない、盛り土なしの対策がされたわけです。もし変更するのであれば、方針を改定する手続が必要であったのをしなかったということです。この問題は自己検証報告でも指摘され、職員の処分にもつながりました。
 しかし、方針変更の手続を踏まずに、勝手に違う整備をした担当部局、担当者を処分して終わりというだけで、この問題を決着させていいのかとの疑問を持っています。正当な手続が踏まれなかったわけを解明し、同じ過ちが起こることのないよう職員の意識改革を進めるとともに、踏まれなかった手続の決着をどうつけるかが問われていると考えます。
 同様に、環境評価をする上でも大いに関係があると思われる環境影響評価書の不整合、整合していない問題の決着の方向にも疑問を持っています。小池知事は、実際になされた盛り土なしの工事に合わせて評価書の方を直して出し直し、再審査が必要かどうかの審議会の判断を待つと表明しています。
 環境影響評価書は、土壌汚染対策として盛り土をすると書かれてありました。これは、方針に照らせば正しい記述です。方針どおりにしなかった方が間違いであるのに、結果としての現状を追認して評価書の方を直すのは筋が違うのではないかと考えます。
 整備方針も、そして環境影響評価書に書かれた環境対策も、実行されなかったことの手続上の決着はどうつけるのか。これをうやむやにしたままで、まだ専門家会議の現状の環境についての評価も明らかになっていないうちに、現状を追認し、そこから検討をスタートしているように思えてなりません。
 今の専門家会議は、地下ピットがある状態の確認と評価及びリスク管理上必要な対応策の検討を行うことになっていると要綱にあるわけですが、現状を追認してよしとするのであれば、今からでも方針の見直し、そして改定が必要なのではないでしょうか、伺います。

○井上中央卸売市場新市場整備調整担当部長 豊洲新市場整備方針は、土壌汚染対策に加え、開場時期や整備スケジュールなど、五十年先まで見据えた新たな首都圏の基幹市場としての豊洲市場を整備するための方針を具体的に示したものであり、整備方針を策定した意義は変わらないものと認識しております。
 なお、建物下に盛り土を行わなかったことについては、方針の内容と異なっていたため、現在、専門家会議において安全性の検証を行っております。

○小松委員 方針どおりでなく、盛り土なしでやってしまった土壌汚染対策に合わせて、環境影響評価書の方の記述を変更するということは、現行の対策とその結果としての現状を、できてしまったことは仕方ないとして、追認することになるのではないのでしょうか。見解を伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 現在、専門家会議におきまして、建物下に盛り土がなく地下ピットがある状態の確認と評価を行っておるところでございます。このため、専門的な見地からの検証を踏まえまして、環境影響評価書の変更手続を進めてまいります。

○小松委員 専門家会議が再招集されたわけですが、現状の環境レベルの評価から始めるとのことで、この現状の追認からスタートしては問題解決にならないと考えます。現在の環境レベルを評価するに当たっては、提言どおりに対策が行われなかったことに起因する問題点と、そもそも、もともとの環境対策が十分であったのかどうかの二つの側面から厳しく評価をすべきであると考えます。
 今後、市場をどうするのかの検討において最優先とすべきことは、食品を扱う市場であることから、市民の安心・安全であり、お金でも時間でもなく、最も重要な判断の鍵は、環境対策であるべきです。これは、生活者ネットワークが、市場移転問題の最初から一貫して主張してきたことにほかなりません。
 この判断を導く指標として、専門家会議の検証、追加対策の提言が重要です。専門家会議は、盛り土をしなかったことによる現在の環境水準はどうなるのかに加えて、そもそもの環境対策が万全であったのかというところに立ち戻り、現状の環境水準を十分に把握、評価した上で、今後、この市場をどうするかを考えるべきだと考えます。
 まずは、盛り土をしなかったために、専門家会議が求めた環境対策の水準が達成できていないことが考えられます。これを厳しく検証すべきです。実際、地下ピット空気から指針値を超える水銀が検出されていることを重く見るべきです。
 水銀濃度がだんだんに減ってきているのは、地下ピットの密閉が解かれたため、さらにまた、換気によって減るものと期待するとおっしゃいますが、これは、地下から上がってきたものが拡散するということであり、数字が減ったとしてよしとすることではないのではないかと考えます。見解を伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下ピット内の水については、通常の水質測定では水銀は不検出でございました。今回、専門家会議の指示により、指針値を超える空気の水銀の原因を確認するために高精度の測定機器で水質を測定したところ、最大でも地下水基準の十分の一程度のごく微量の水銀を検出いたしました。
 そもそも水銀は自然界に一般的に存在しており、今回、地下水中に検出された濃度も、自然界にあるごく普通の地下水と同等のレベルでございます。
 専門家会議では、こうしたごく微量の地下水中の水銀が密閉空間で滞留して検出されたものと推定しており、現在、調査、検証を行っているところでございます。
 なお、検証作業の一環である地下ピット内の換気については、十一月中旬から実施しており、水銀が検出された五街区については、活性炭による吸着処理を行っております。

○小松委員 この二年間の地下水モニタリングによる検証に加え、盛り土のなかった空気の、大気の検証を定期的に行うべきだと考えます。この間の測定結果が報告されておりますけれども、この検証の頻度、そして今後の継続、検証予定についてお伺いいたします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 専門家会議の指示により、現在、週一回、地下ピット内での測定を行っており、その結果は、専門家会議の場で評価に加えて公表しているところでございます。

○小松委員 専門家会議、そして技術会議が提言したAP一・八メートルでの地下水管理についても、水位が下がっておらず、現在のところ達成されているとはいえない状況です。殊に地下空間に水がたまっている状況は、盛り土をしなかったために引き起こされた結果であり、提言された地下水管理のために導入された地下水管理システムの本格稼働後、徐々に下がっているからシステムは有効に機能しているという評価は、甘いといわざるを得ません。
 盛り土がないために引き起こされた地下空間に水がたまっている状況をどのように解消するのか、建設工事中は追加で排水設備を設置し、稼働させていたという説明を伺いましたが、解消のための追加対策を早急に行う必要があります。たまっている水は抜き、再び水が上がってこないようにする追加対策はどうなっているんでしょうか、お伺いします。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 十一月十二日の第二回専門家会議におきまして、まず、地下ピット内の換気を行い、空気を測定しました後、たまった水の排水を実施するようご指示をいただいたところでございまして、既に換気を行い、現在、排水の準備を進めております。
 引き続き専門家会議の議論を踏まえまして適切に対応してまいります。

○小松委員 盛り土というふた、そして、地下水位のコントロールという提言された環境対策の二本の柱が両方達成できていないために、有害物質が上がってきていることを認めて、拡散させて薄めるのではなく、今からでも、ふたをするなどの盛り土をしなかった不祥事を補う追加対策を早急に図るべきです。追加対策は専門家会議の提言を待つということになりましょうが、甘い対応では都民は納得しません。
 私は、できるものなら、今からでもマシンハッチから重機を入れて、盛り土をしてはどうかと思っているくらいです。専門家会議は追加対策として、まずは今からでも盛り土ができないのかを検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。できないというのであれば、そのわけを都民が納得するように示していただきたいと思います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 現在の施設におきましては、市場に不可欠な電気や上下水道など、多くの設備配管がこの地下ピット内に敷設されておりますことから、地下ピット内を埋め戻すことは、大規模な改修を伴うこととなるため現実的ではございません。
 現在、専門家会議におきまして、地下ピットがあることを前提といたしまして、確認と評価、また、リスク管理上必要な対応策などについて検討をいただいているところでございます。

○小松委員 盛り土のあるなし以前に、そもそもの環境対策が十分であったのかの検証もまた重要です。モニタリング調査で、わずかとはいえ環境基準を超えたベンゼンとヒ素が検出されていることは重大な事態です。特に五街区では、地下水から基準値を超えるベンゼン、ヒ素、それに加えて空間からも、地上から上がってきたと思われるたまり水からも水銀が検出されています。
 東京都として、五街区特有の考えられる原因はないのでしょうか。その後、五街区の追加調査はなさったのか、追加調査が必要なのではないか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在、豊洲市場用地では、土壌汚染対策工事実施後の地下水中の濃度を二年間モニタリングにより確認している状況であります。一時的な上昇をもって判断するものではなく、今後の推移を見守るべきであるとのコメントを専門家会議からもいただいております。
 また、地下ピット内の空気で検出された水銀についても、専門家会議で評価、検証していただいている状況であり、その結果をもって適切に対応してまいります。

○小松委員 地下水モニタリングの八回目に有害物質が検出されたことから、モニタリングの一回から七回目までは問題なしとされているのですが、本当にそのとおり大丈夫なのかと心配になります。これまでの調査結果を洗い直し、分析し直すべきではないのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 第一回から七回までの地下水のモニタリングについては、土壌汚染対策法のガイドラインに基づき採水を行い、計量証明機関が分析を行っております。

○小松委員 計量証明機関が分析を行っているということですが、地下水管理が提言されたとおりAP一・八メートルを達成していれば、盛り土がなくても床が水浸しということにはならなかったわけです。AP一・八メートルの管理が本格稼働後一カ月たっても達成できていない責任はどこにあるのかを明らかにしていただきたいと思います。
 地下水管理対策の設計として、ここの水位の状態として予想される水位を何メートルとして設計したのでしょうか、お伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、豊洲市場用地内の地下水位をAPプラス一・八メートルで日常管理することとし、APプラス二メートルとの間の二十センチを貯留機能として、大雨の際にもAPプラス二メートル以下で地下水を管理することができるように設計されております。

○小松委員 想定されている水位と実際が全く乖離しているといわざるを得ません。ゲリラ豪雨の多発など、想定外の雨が降るのが既に常態となっていることも踏まえた設計をするべきではなかったんでしょうか。この地域は、敷地の周囲をぐるっと矢板で囲み、地下は不透水層で遮水されており、いわば地下プールのような構造になっています。大雨が降れば、また同様に水位が上がることが容易に予想されます。
 市場からは、今の地下水管理システムは仕様どおり稼働しており、システムの瑕疵ではないとの説明を受けておりますけれども、提言された地下水管理は達成できておらず、地下水管理の設計は失敗というほかありません。
 AP一・八メートルに管理すること、その達成の責任が委託事業者にはないとすれば、東京都の地下水管理対策の設計ミスということになりますが、いかがでしょうか。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、地下水位をAPプラス一・八メートルに保つよう設計されたものであり、土の中にたまっている水を直ちに排水するものではございません。
 本年五月末の主要建物竣工後に、七月下旬から八月上旬までにかけて、地下ピットからの排水を含む地下水の排水を行っておりました。その後、外構工事の進展に伴い、仮設の排水設備を撤去せざるを得ない時期があったことから、この時期、外構の舗装工事が完了しておらず、台風などの影響を受け相当量の雨が降ったことにより、地下水位が上昇したものと考えております。
 今後、地下ピットからの強制排水もあわせて実施し、管理水位とした後には、地下水を適切に管理できるものと認識しております。

○小松委員 なかなかかみ合わない感じが、もどかしい思いがします。
 道路部分の汚染対策についてお伺いいたします。
 豊洲新市場用地は、補助三一五号線と環状二号線の用地ともなっておりまして、市場との一体的な開発をすべきであったと考えます。現に補助三一五号線の下は、二つの街区の連絡通路として、立体的に市場にも使われています。さらに、この道路があったために、建物の高さについて制約があって、盛り土をした上に高床式で建物を建てることが難しくなったのではないか、盛り土をしない設計に変更された理由の一つになったのではないかとも思えるわけです。
 これまでの質疑の中で、道路部分の汚染除去は、連絡通路の部分を除いては十分にされていなかったことが明らかとなりました。ただ、道路の下の汚染が市場に影響することのないよう、遮水壁を設けているとのことです。しかし、道路部分だけではなく、街区周囲の遮水壁の機能と耐久性の検証及び市場内に地下水を通じて外からの汚染が入らないように、地下の不透水層に切れ目が生じたりしていないかなどの検証も必要であると考えます。
 補助三一五号線下の砕石層からベンゼンと水銀が検出されたとのことですが、これをどのように分析なさっているのか、今後の再調査はどのように行うのかお伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号高架下の土壌汚染対策については、専門家会議における空気測定の結果、道路上や連絡通路内では基準値以下であり、その効果は確認されております。
 今回、アスファルト下の砕石層内で基準超過のベンゼンと水銀が一部検出されたことについては、今後、検出された砕石層内を換気し、再度測定を行うこととしております。

○小松委員 道路の環境汚染を市場に入れないための遮水壁の検証も専門家会議の課題としていただきたいと思いますが、この検証課題に入っているのでしょうか、伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 平成二十年度の専門家会議からの提言を踏まえて、各街区の周辺には、市場用地内からの地下水漏出と外部からの地下水浸入を防ぐため、不透水層の深さまで遮水壁を設置しております。遮水壁の設置は、土壌汚染対策工事の中で実施しており、工事が適切に行われていることについては、技術会議において既に確認されております。

○小松委員 また、建設工事のくい打ちや液状化対策によって不透水層に破断を生じたりといったことが起きていないかなども検証課題としていただきたいと思いますが、検討課題に入っているのかどうかお伺いします。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 液状化対策工事で不透水層を貫通する箇所では、コンクリートによる固化ぐいの造成により不透水層の連続性を保持しております。
 また、土壌汚染対策工事で不透水層内の汚染土壌を掘削除去する場合は、流動化処理土で埋め戻すことにより不透水層を復旧しております。
 これらの工事が適切に行われていることについては、技術会議に報告しております。

○小松委員 汚染対策の最先端技術を尽くして除去対策を行ったとしても、一部が基準の四万倍にもなっていたこの汚染がゼロになることはないでしょうと思います。しかし、少なくとも環境基準をクリアすることが必要であり、土壌汚染対策法上の規定にのっとって二年間のモニタリング検証を経る必要があると思います。
 専門家会議座長は、十月三日の築地市場関係者に向けて行ったコメントの中で、途中で濃度が基準を超過した場合には、基準以下の状態で、二年間安定するようになるか監視を継続することになっているというふうに発言されています。
 このコメントどおり、二年間、基準以下の状態で安定するのを待って判断がなされると考えてよいのでしょうか、伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 現在は、土壌汚染対策工事が完了してから開始した二年間の地下水モニタリングを実施しており、一月公表予定の第九回の結果をもって当初の二年間が経過することになります。
 今後の地下水のモニタリングについては、専門家会議などにおいて検討してまいります。

○小松委員 同じく十月三日の平田座長のコメントは、地下水モニタリングの結果は心配ないレベルというようにもとれます。問題の鎮静化を図ることを狙って、平田座長に対してモニタリングの結果は心配なしという発言を誘発するような働きかけを都は行ったのではないでしょうか。確認させてください。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 都から座長に、ご指摘のような働きかけを行った事実は一切ございません。

○小松委員 生活者ネットワークは、汚染物質が二年間続けて地下水からも大気からも出ないことが確認されることが、ここを市場として使うに当たっての最低の環境水準であると考えます。基準値以内の微量な汚染でさえ、消費者、市民は敏感に反応しています。今後も引き続き汚染物質が検出されるのであれば、撤退も含めて重大な決断を迫られることになると考えます。
 続いて、市場問題プロジェクトチームについて伺います。
 プロジェクトチームの所掌事項は、設置要綱によれば、市場の移転及び市場のあり方に関し、一、土壌汚染、施設及び事業に関する事項、二、市場のあり方に関する事項、三、その他について検討し、知事に報告するとのことです。
 一の土壌汚染の安全性、盛り土がなかった影響については、専門家会議にも諮問がされており、市場問題プロジェクトはセカンドオピニオンという位置づけということです。二つの会議からの提言を受けて知事が判断するということになりましょうが、片や環境汚染の専門家、こちらは環境だけに特化しない、もう少し幅広い委員から成るチームであって、おのずと役割の違いや見解を出すに当たっての視点の違いがあることと思います。
 豊洲市場の開場判断に当たって、二つの会議の関係や役割分担について、もう少しわかりやすくお示しいただきたいと思います。
 設置要綱には、目的として、都庁の関係部局と協力してとあります。事務局は総務局が担うというふうに伺いましたが、メンバーには都庁職員は入っていません。どのような協力をすることになるのかお伺いします。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームは、築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関し、事業所管局である中央卸売市場を初めとする都庁の関係部局と協力して、情報を公開し、関係者からの意見を聞くとともに、専門的見地からの知見の集約を行うことを設置目的としております。

○小松委員 それでは、プロジェクトチームの設置者は知事でしょうか。知事の諮問機関という認識でよいのでしょうか。報酬は。以上、伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームは諮問機関ではなく、地方自治法に規定された専門委員で構成されております。本プロジェクトチームを構成する専門委員は、その職務として、知事が委託する事項である築地市場から豊洲市場への移転及び市場のあり方に関することを調査研究し、知事に報告するものでございます。
 なお、専門委員の報酬につきましては、非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例に基づき、月額十五万円でございます。

○小松委員 PTのメンバーは地方自治法に規定された専門委員であるということで、諮問機関とは違うということを理解しました。専門委員と諮問機関では政策決定にかかわる重さが異なるとも伺っています。
 プロジェクトの当面の審議予定は、交通アクセスや、コールドチェーンや店舗スペースなど市場の機能の検討に終始している感がありますが、土壌汚染の問題が入っていない、その理由についてお伺いいたします。

○池上総務局都政改革担当部長 土壌汚染の問題につきましては、豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議において、平田座長を中心に、地下ピットがある状態の確認と評価及びリスク管理上必要な対応策の検討を行うこととなっております。
 本プロジェクトチームにおきましては、この専門家会議で結果が出された後、セカンドオピニオンを行うこととしております。

○小松委員 参考人として呼ばれていた高野一樹氏にかかわる質問については、先ほどお伺いしましたので省略します。
 第二回会議の構造安全性の議論で、液状化対策の問題についてはどのような話がされたのか、話されなかったのかお伺いします。

○池上総務局都政改革担当部長 第二回のプロジェクトチーム会議におきましては、株式会社日建設計からは、液状化の可能性があるところ全てを地盤改良ができているわけではないが、極力液状化しないよう、万が一起きても大丈夫なように、地震に強い鉄骨の鋼管を用いたくいを使って設計しているとの回答がございました。
 また、地震防災の専門家である時松専門委員からは、ここの敷地は、相当部分、液状化対策を実施しているので、第一段階の一次設計レベルの液状化の可能性は低くなっているのではないかなどの意見が出されたところでございます。

○小松委員 開場の是非と時期について、判断に資するために、まずは環境や安全性についての見解を持つべきと考えますが、プロジェクトチームとしては、いつ、どのように審議をするのかお伺いします。

○池上総務局都政改革担当部長 先日の知事の記者会見によりますと、開場の是非と時期については、専門家会議や市場問題プロジェクトチームの検証結果、環境アセスメントの審議を経た後、知事が総合的な観点から判断するものとなっております。

○小松委員 事ここに及んでは、まずは、豊洲市場を開場するのか、撤退するのかの判断が全てのスタートであり、そのためには、盛り土がなかった不祥事を受けての環境評価が不可欠だと思います。
 しかし、プロジェクトのミッションの最初に、第一に挙げられているにもかかわらず、一回目から今週開かれた三回の会議では、開場するかどうかも決まっていないうちに、建物の構造の問題や機能の問題を先に議論しています。
 安全・安心を確認する以前に、開場することを前提にした議論のように見えます。環境対策が方針どおりに行われなかったにもかかわらず、やってしまったものは仕方ない、受け入れるしかないという空気があるように思えてなりません。
 プロジェクトチームは、市場開場の判断や時期について、専門家とは異なる、むしろ一般市民に近い視点での見解を持つべきであり、機能の問題も大切ではありますけれども、安心・安全な市場開場を第一義として、土壌汚染問題について最初に向き合うべきであると考えます。
 今後、両会議とも、環境に関する評価とともに、市場移転の是非と開場の時期について、どのような見解を持つに至ったのかを報告書として示すだけでなく、直接、議会に対しても説明していただきたいと思います。この委員会もまたそのことを審議する役目を担ってつくられたと認識しています。この委員会でその機会をつくっていただくことを要望し終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により十分間休憩をとります。
   午後八時三十三分休憩

   午後八時四十四分開議

○山崎委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○栗林委員 それでは、本日は、専門家会議及び市場問題プロジェクトチームが取り組んでいる豊洲市場の安全性を中心に質疑が行われています。
 私は、豊洲市場の安全性について議論していく上で、市場業者及び都民の皆様に対して正確な情報をわかりやすく伝えていくことが重要であると痛感しております。ところが、全く伝わっていません。
 先日、築地市場に行ってまいりました。早朝の活気ある築地市場は今まで何度も行く機会がありましたが、今回は午後一時過ぎぐらいにお邪魔をいたしました。
 仕事が一段落して片づけている店舗とか、また午後の配達に向かう方など、少し落ちついた時間だったため、人影が少ない中ではありましたけれども、今後の見通しがつかない中でも、市場内で黙々と仕事をされる人たちの姿に、お一人お一人の心境を思うと胸が詰まりました。
 そんな中、直接、市場業者さんからお話も聞いてまいりました。もう誰も信じないよといわれ、信頼回復は努力に努力を重ねても本当に簡単ではないと痛感をいたしました。
 そういう中で、今、市場業者さんが抱えている多くの不安の中の一つに、専門家会議で提案のあった盛り土が施設下になされていないことが明らかになって以降、さまざまな情報が出回ることで、消費者を初め生産者や買出人等に大きな不安を与え、市場業者は、世間の食の安全に対する不安感が広がっていることを感じ、意欲が低下しているのではないかと感じました。
 現在、専門家会議では、地下ピットがある状態の確認と評価やリスク管理上必要な対策の検討を行っているとのことでありますが、専門家会議で調査した結果をわかりやすく伝えていくことが重要であります。専門家会議ではどのように対応していくのか伺います。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 専門家会議では、全ての調査結果を一元的に管理した上で審議をいたしまして、評価とあわせて公表していくこととしてございます。
 また、会議は公開で行っており、審議の状況や会場の傍聴者との質疑応答など、会議の様子をインターネットで中継し、来場できない方々に対しても積極的に公開しております。
 さらに、会議資料及び議事録に加えまして、当日の会議映像につきましても、後日、ホームページ上で公開しております。

○栗林委員 ホームページ上、公表しているとおっしゃいますけれども、やはりホームページを確認できない方も大勢いらっしゃいます。そういった方たちにどう情報をお届けしていくか。私は、それは大変大事だと思っております。専門家会議において正確な状況把握と評価を行っていただくとともに、情報をフルオープンでわかりやすく伝える対応は、豊洲市場の風評被害をなくす上でも、今、まさに求められていると考えます。
 事業者との信頼関係の再構築や情報提供の充実が必要だと感じますが、どのように取り組んでいらっしゃいますか。お尋ねいたします。

○井上中央卸売市場新市場整備調整担当部長 事業者との信頼回復に向け、都は、連絡体制の強化や説明会の開催など、事業者とのコミュニケーションの充実を図ってまいりました。
 これに加え、個々の事業者に東京都の取り組みを掲載したお知らせを定期的に配布するとともに、場内掲示板を積極的に活用するなど、さまざまな工夫により事業者の理解を求めております。
 こうした取り組みを積み重ねることで、中央卸売市場に対する信頼の回復につなげてまいりたいと考えております。

○栗林委員 開場できるかできないか、結論はいつになるか、都は、業者さんが結果を待つ間にも、不安解消、信頼回復に力を尽くさなくてはならないと思います。容易ではないと思います。今までのやり方は通用しない、そのぐらいの気持ちで取り組んでいただきたいと思います。
 今後は、これまで以上に市場業者に寄り添い、親身になって行っていただきたいと思います。先ほど、伊藤委員の質問に対しまして、部長の方から、民民の関係でというお言葉がございましたが、あんな傍観者的な発言は、私はやめていただきたいと思います。その言葉から、もう離れていきます。どうか、身に寄り添うということを心がけていただきたいと思います。
 そして次に、市場関係者の方たちが、今後、豊洲に移転をした場合にかかる費用について大変不安の声が上がっておりましたので、何点か伺いたいと思います。
 総務局による市場問題プロジェクトチームに関する資料の中に、十一月十五日に築地市場内の事業者へのヒアリングがあったと記載をされています。私はそのヒアリング時のプロジェクトチームからの説明資料を見せていただきましたが、その中で、豊洲市場の維持管理経費は利用者が負担する旨の記載がありました。
 市場業者からは、豊洲市場に移転した場合にかかる費用について、どのぐらいになるかわからないという声を聞いており、移転後の経費が心配という声が上がっておりました。
 まず、豊洲移転した場合の施設使用料はどのように設定されているのか伺います。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 市場の施設使用料につきましては、都では総括原価方式を用いておりまして、基本的には十一の市場全て同一料金としてございます。
 豊洲市場におきましても、新たに条例で定めました低温卸売業者売り場、低温荷さばき場及び低温作業所の施設使用料を除きまして、現在の築地市場と同一の料金体系でございます。

○栗林委員 具体的な事例を示していただきたいと思うんですが、例えばですけれども、二十平米の仲卸店舗さんの場合、築地市場、豊洲市場、それぞれ金額は幾らになりますでしょうか。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 仲卸店舗の場合、築地市場、豊洲市場、いずれの場合も、一平方メートル当たりの月額単価は税込み二千百五十円でございます。店舗面積が二十平方メートルの場合、いずれも月額四万三千円となります。

○栗林委員 金額を示されないで、変わらない、変わらないということだけは伝わっているようなんですが、変わらない、でも、平米数が少しふえたら金額も少しふえるわけでして、やはり金額を示していただくことが大変必要だと思っております。
 仲卸店舗の場合、施設使用料が変わらないことはわかりました。では、どこが変わるのでしょうか。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 先ほどご答弁いたしましたが、都が従来の整備水準を超えて断熱材等を付加的に整備いたしました低温施設につきましては、施設使用料が変わってまいります。水産卸売り場の場合、一平方メートル当たりの月額単価は、税込みで、現在五百四十五円のところ七百五十円となります。

○栗林委員 そうしますと、二百円ぐらいの単価が上がるということではないかと思います。やはり、そういうことも明示をして、示していただき、ご理解をいただくことが大変重要かと思っております。
 移転後にかかる費用として、施設使用料のほか、維持管理費用についても負担が必要になると思います。この点についてお聞きしたいと思います。
 先日、市場問題プロジェクトチームによる市場業者ヒアリングの際に行われた説明資料によりますと、一日当たりの豊洲市場の維持管理経費の概算額は二千百万円でという、これはニュース等でも取り上げられておりましたので、皆様、非常に驚いていらっしゃり、その中に利用者が負担する旨の記載もありました。今、築地が四百三十万といわれているのに比べますと約五倍近いということで、これは驚きでございます。
 維持管理費は、事業者が全て負担することになるのでしょうか。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 市場業者ヒアリングの際に示されましたランニングコストの内訳は、一日当たりの維持管理経費の概算額が示されております。
 示された費用の中には、警備や設備保守などの委託料や共用部分の電気料金など、都が負担する費用も含まれてございます。事業者が直接負担するものは、今までと同様に、電気料金や水道料金などの光熱水費の実費分になると考えてございます。
 なお、新たに導入する地域冷暖房に係る経費につきましても、共用部分など、都が負担する費用が含まれておりまして、事業者には実費分を負担していただく予定でございます。

○栗林委員 維持管理費の全てが事業者の負担ではないということがわかりました。豊洲の市場に移転した場合の維持管理費、事業者が支払うのは、このPTの資料に記載されている二千百万全てではなくて、委託料とか共用部分は都が負担するということがわかりました。
 でも、やはり実際に築地で事業者さんにお会いすると、この辺の不安感もさらに上増してお持ちでいらっしゃいました。
 こういうところもしっかり説明をしていただかなくてはならないと思いますので、施設使用料や光熱水費に関する業界への説明はどのように行ってきたのでしょうか。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 施設使用料や電気、水道料金につきましては、都はこれまで、業界団体に対しまして、負担の考え方がこれまでと変わらない旨を説明してまいりました。
 また、地域冷暖房につきましては、新市場建設懇談会を初めとしまして、業界団体個別に負担の考え方を説明するとともに、各街区や業態に応じた複数のケースを設定いたしまして一平方メートル当たりの年間負担額等を示すなど、可能な限りわかりやすい説明に努めてまいりました。
 市場業者の不安を少しでも解消できますよう、今後も、業界団体と連携しながら適切な情報提供を行ってまいります。

○栗林委員 小さな不安要素を、その都度取り除いていくということが重要でございます。ぜひ、わかりやすい説明により、丁寧な情報提供をお願いしたいと思います。
 今後の見通しがまだ決まらない中で、伝票がもうなくなり、新しい住所で印刷したけど、それは使えないから、またゴム印を押して伝票を使っているとか、機械が壊れて、だましだまし使っていたけれども、もうこうなったら機械を入れかえなきゃいけないとか、いろんな細かいところでたくさんのご不安を抱えていらっしゃいました。安全性の確認と、その情報発信、不安払拭をするためのご努力をお願いしたいと思います。(「答弁求めないの」と呼ぶ者あり)答弁でした。いいんです。はい。もう締めに入らせていただきます。
 今回、やはり移転問題の原因に一貫して感じていることは、都は、正しいリスクコミュニケーションをしていなかったということを感じます。その対応が十分でなかったために、中には事実と違う情報までどんどん拡散され、結果、都民の皆様に大きな不安と不信を与えるという結果になっています。非常に残念であります。
 市場組織は刷新されました。今までの延長線ではなく、スピード感を持って、安全・安心、そして信頼、この確立に全力で取り組んでいただくことを切にお願い申し上げまして、質問を終わります。

○中村委員 それでは、本日最後の質問になりますので、重なるところもありますので、端的に指摘していきたいと思いますので、何とぞご容赦願います。
 豊洲市場の問題に関しては、議会や都民に万全の土壌汚染対策を行うと説明しながら、建物下に盛り土をせずに地下ピットをつくっていました。しかも、第八回地下水モニタリングにおいては、ベンゼンが二カ所、ヒ素が一カ所で環境基準を超えた結果が出ています。地下ピット内の大気に水銀が検出、測定もされました。
 専門家会議には事業者の方も来られていますので、説明と違う工法を行ったことに、都に対して、欺かれたと非難する声も上がりました。
 豊洲市場に移る予定であった築地市場の業者の皆さんが不安を払拭できるのか、さまざまな方々から豊洲市場に対するご意見が寄せられているとのことです。
 市場の主役は、日々、生鮮食品を取引する市場業者の皆さんです。食品は、小売、スーパー、飲食店などを通じて都内を初めとする全国の消費者に届けられます。安心して市場業者の皆さんが豊洲市場で取引できるのかどうか、不安を払拭し、科学的知見に基づいて事実を確認し、共通認識を持つ作業を、専門家会議などを通じて行っていかなければなりません。
 豊洲市場の建物下の地下ピットの現状を正確に把握し、追加対策によって安心・安全な市場にできるのかどうか、さまざまな内容を検討していくことが重要だと思います。
 それでは、いろんな項目がありますので、まとめて聞きたいと思っています。
 地下ピット内で指針値を超える最大七倍の水銀が五カ所から検出されました。気化した水銀を吸ったり、それが付着した食べ物を食べた場合、人体に影響がないのかと心配の声も、水銀という言葉の響きから、どうしてもあるのだろうというふうに思っています。
 そこで、この指針値というのはどのようなもので、これを超えた水銀が検出されたことで、何十年もそこで働く人に対しては、どのような影響があるのか伺うとともに、また、こういったことが、地下ピットの中で検出されるということの原因を把握していく必要性があると思っていますので、今後の都の対応について伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 水銀の指針値は、健康リスクの評価にかかわるデータの科学的信頼性に制約がある場合も含めて、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るために設定されたものでございます。
 なお、市場業者が働くエリアにおいては指針値を超えていないことから、市場内で働く人の健康に影響を及ぼすことはないと認識しております。
 通常の測定では地下ピット内のたまり水から水銀は検出されておりませんが、特殊な方法で定量下限値を下げることで、ようやく水銀の存在を確認しております。
 専門家会議では、地下水中の微量な水銀が空気中に気化し、滞留したと推定しております。
 今後は、地下ピット内を換気するとともに、地下ピット内にたまった水を段階的に排水しながら、空気中の水銀濃度を計測し、換気の有効性などを検証してまいります。

○中村委員 換気の有効性を確認するということでもありますし、要求した資料の中には、専門委員の意見の中には、経過を見る必要があるということも出ております。これはしっかりと正しい情報を伝えていくということかと思いますし、また一方では、水銀の原因もしっかりと把握をしながら、今後の対応の方を求めていきたいというふうに思っています。
 次に、補助三一五号線の高架橋下の土壌汚染対策について伺います。
 専門家会議の中でも、補助三一五号線下への懸念を表明した方もいらっしゃいました。アスファルト舗装下の砕石層で、基準値を超えるベンゼンと水銀を検出したとのことです。
 そもそも、この三一五号線の下の土壌汚染対策についての都の考え方を伺います。そして、その考え方を、過去の専門家会議や議会、都民にそれぞれどのように説明したのかを伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号線高架下については、六街区と七街区を結ぶ連絡通路を整備し、市場施設と一体的に使用することから、安全・安心に万全を期するため土壌汚染対策を実施したものでございます。
 工事は平成二十四年度に着手しており、平成十九年から二十年に設置されていた専門家会議には諮っておりません。
 議会に対しては、平成二十五年三月の経済・港湾委員会で工事請負契約について報告し、質疑を行っております。
 また、市場業界や都民、学識経験者などで構成される土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会において、平成二十五年十月に対策内容を説明しており、その資料についてはホームページ上で公表しております。

○中村委員 議会にも報告はされていたということではあるんですが、この三一五号線の下の土壌汚染に関する調査をどのようにするかということは、これまで聞いたことはありませんでした。
 今回、これは指摘を受けて調査したということなのか、それとも、観測孔があるということですから、もともと定期的な調査の予定だったのか、その点について伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 観測用人孔は、安全確保のため設置したものであります。
 今回、専門家会議において対策の有効性を調査検討することになったことから、専門家会議からの指示に基づき測定を行っております。

○中村委員 三一五号線の下にはガス管があり、汚染は除去できなかったということです。
 これは、どの程度除去ができていて、どのくらいまで汚染が残っているのかということを伺うとともに、また、ほかの場所では、建屋下などでは汚染を除去したという前提で、安全のために盛り土をしようということなんですが、この三一五号線の下の対応というのは封じ込めをしようということのようなんですが、その判断はどういうことなのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ガス中圧管や橋脚といった既設構造物に影響を与えない範囲で、可能な限り汚染土壌を掘削除去しております。
 なお、結果として汚染土壌は残っておりますが、第二回の専門家会議で行った空気測定の結果、道路上や連絡通路内では基準値以下で、土壌汚染対策の封じ込めの効果を確認しております。
 補助三一五号線高架下については、ガス中圧管や橋脚といった既設構造物があることから、それらに影響を与えない範囲で汚染土壌を除去し、その上で舗装や遮断層による封じ込めを実施しております。

○中村委員 三一五号線の下は封じ込めということですから、ほかの箇所とは対応が違うようです。
 それがゆえに、豊洲市場と補助三一五号線間の遮水壁の貫通部への懸念ということもいわれているようですが、都はどのような対策を講じたのか伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 下水などの配管が敷地内から道路側へと貫通する遮水壁貫通部におきましては、鋼製ボックスを遮水壁である鋼管矢板に溶接いたしまして、その中に横断管を挿入して、鋼製ボックスとのすき間をエアミルクなどのセメント系材料で充填することで、鋼管矢板と横断管を一体化してございます。
 さらに、鋼製ボックスの周囲は防護コンクリートで囲いまして、鋼管矢板に密着をさせてございます。
 このように施工を行っていますことから、鋼管矢板と一体となり、同等の遮水性を持つものと考えてございます。

○中村委員 ここは封じ込めということで汚染除去されていないということですから、今回については、ここは対応しているということなんですけれども、今後もこういったところをしっかりモニタリングしていただきまして、汚染が漏れていかないように注意していただければと思っています。
 また、次に、地下水の管理システムについても伺います。るる質問も出たのですが、若干まとめて質問させていただきたいというふうに思っています。
 地下水の管理システムは、専門家会議では有効に機能しているということでいわれていますが、まだ地下ピットに水がたまっているということでもあるので、どういう判断でこれをしているのか、根拠について伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、十月十四日から本格稼働を開始しております。
 地下水位は、一日単位で見れば上昇した箇所もありますが、大きな傾向で見れば、十月三日の水位観測開始からは着実に減少しております。
 先月十二日の第二回専門家会議において、地下水管理システムの機能として着実に水位を下げているという評価をいただいております。

○中村委員 APプラス一・八メートルまでということですが、盛り土をしないとAPプラス二メートルまで二十センチで、すぐに来てしまうのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
 管理水位設定の前提となる降雨量についても伺いたいと思います。特に、昨今の都市型集中豪雨など、最大雨量をどのように考えて管理水位を設定したのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、過去のデータから、降雨量の多い長雨、台風、集中豪雨を対象降雨として、地下水を一定水位に管理できるように設計してございます。
 地下水管理システムは、豊洲近傍で百四十年間の降雨情報から、時間最大、一日最大、三十日間最大の降雨においても、降雨時の管理水位であるAPプラス二メーター以下を保てるように設計されております。
 本設計に当たっては、二〇一〇年七月五日に発生した板橋豪雨についても解析対象降雨としており、昨今の都市型集中豪雨に対する検証も行っております。

○中村委員 地下水がたまっているということなんですけど、見た目にも余りよくなくということで、知事も記者会見でもいっておりました。
 こういったことの対応をしっかりする必要があると思うんですが、今後の地下水の水位低下に向けた都の対応を伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先月十二日の第二回専門家会議において、地下水管理システムの機能として着実に水位を下げているという評価をいただいております。
 現在、地下ピット内の強制排水について準備を進めており、今後とも地下水管理システムの適切な管理を行ってまいります。

○中村委員 次に、プロジェクトチームについても伺いたいというふうに思っています。
 十月二十五日に、第二回のプロジェクトチームにおいてコンクリートの厚みや床積載荷重において同意したということでありました。
 このプロジェクトチームは、そもそも、そういう同意をするという権限がどのようにあるのかというのを伺いたいと思います。特に、弁護士の方や経営戦略の専門の方など、必ずしも技術が専門の方ばかりではないということですから、いろんな方が入っている中で技術的なことを同意したということなわけですから、どのような判断になっているのかということを伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームは、地方自治法に規定された専門委員で構成をされております。
 本プロジェクトチームを構成する専門委員は、その職務として、知事が委託する事項である築地市場から豊洲市場への移転、市場のあり方に関することを調査研究し、知事に報告を行うものでございます。
 市場問題プロジェクトチーム会議は、専門委員が知事へ報告を行うまでの審議の過程を公開しているものでございます。

○中村委員 いずれにしても、このプロジェクトチームにしても知事に対して報告を行うということで、最後に判断をされるのは知事だということになりますので、しっかりと意見を上げていっていただいて、知事が責任を持って判断することということだというふうに思います。
 次に、このプロジェクトチームに至る関係なんですけれども、事業者の方々からはいろんな、さまざまなご意見等がありました。床が抜けるのではないかといったような不安であったりとか、のこぎりがひけないとか、ターレが走りにくいとか、いろんな多くの意見が出されたということが報じられています。
 これまで東京都は、どのようにこの関係者の方々の意見を聞いてきたのか伺います。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場の開設に当たりましては、平成十四年四月に市場業界の団体との協議体でございます新市場建設協議会や新市場建設懇談会を設置いたしまして、またさらにその下に街区や業種に応じた検討会や部会を設けまして、長年にわたり協議を重ねてまいりました。
 また、その後、基本設計や実施設計を作成する際には、実際に施設を利用される市場業者を交えた協議体といたしまして、同じく街区や職種に応じた分科会や部会を設けて協議をいたしまして、市場業者の方々の要望につきましても、それぞれ基本設計や実施設計に反映してございます。
 さらに、市場業者の皆様が店舗や事務室の造作工事を行う際に当たりましては、平成二十七年四月から、築地市場内に設置しました造作相談室におきまして、個々の事業者の方々の要望や店舗、事務室の区画に即しまして、事前相談や設計アドバイスを行ってまいりました。

○中村委員 たくさんの方々がいらっしゃるわけですけれども、ぜひとも丁寧にお話を聞くということは常にやっていただきたいと思っています。
 さて、プロジェクトチームとして十一月十五日にヒアリングを行ったということですが、どういった意見が出されたのでしょうか。また、都としてどういう判断をして、どう対応するのかも伺いたいと思います。
 また、今回のヒアリングについてはインターネットによる抽せんということだったようなのですが、どのくらい応募があり、実際には何人から話を聞いたのか、あわせて伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 事業者ヒアリングでは、水産仲卸売り場棟のターレスロープや入り口の車路の安全性、水産卸売り場棟のバースの不足や買い回り動線に関する意見などが挙がりました。
 事業者ヒアリングでいただいた意見を踏まえ、市場問題プロジェクトチームでは、豊洲市場の施設の安全性、機能について調査検討していくこととしております。
 また、ヒアリングの参加者についてでございますけれども、築地市場の現場で働く業務従事者を対象に募集したところ、五十八名の応募がありまして、インターネットの抽せんで二十五名が参加されました。
 ヒアリングでは、これに加えて、築地市場内の各団体からの推薦者と合わせて四十六名が出席され、十五名の方からご意見をいただきました。
 また、ヒアリングにおいていい足りなかったこと等につきましては、ご意見いただけるようにと、専門委員の判断により、参加者にアンケートを配布したところでございます。

○中村委員 今後も市場関係者の方々の意見を丁寧に聞く機会をつくっていただきたいと思っています。
 また、せんだっての三十日には、報道各社の方々に豊洲市場の公開をしました。市場の現況を明らかにし、事実を報道していただくことも重要です。
 盛り土がなかったとの報道があった後も、都から積極的に真相究明や情報公開をしようという姿勢が欠けていたのではないかと思います。これは、必ずしも、過去の盛り土をしなかった問題というだけではいい切れません。信頼回復のための情報公開、都政改革が必要になります。
 都議会民進党から、知事に対して九月二十六日に徹底的な検証など八項目の申し入れをしましたが、その中にも情報公開の徹底や、マスコミによる取材にも積極的に協力を求めました。きちんと情報公開することというのは風評被害の防止にもつながると思いますから、これはきちんと、都民に対しても、またマスコミに対しても行っていただきたいというふうに思っています。
 今後、科学的な安全だけではなく、都政の改革、情報公開を進めて、都民の信頼回復を図ることにも取り組むことを求めて、質問を終わります。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後九時十七分散会

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