豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会速記録第八号

平成二十九年三月十九日(日曜日)
第十五委員会室
午後一時開議
出席委員 二十三名
委員長桜井 浩之君
副委員長谷村 孝彦君
副委員長こいそ 明君
副委員長酒井 大史君
理事あさの克彦君
理事上野 和彦君
理事ほっち易隆君
理事きたしろ勝彦君
理事立石 晴康君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
小松 久子君
おときた駿君
舟坂ちかお君
野上 純子君
河野ゆうき君
島崎 義司君
小山くにひこ君
古賀 俊昭君
かち佳代子君
曽根はじめ君
三宅 茂樹君
野村 有信君

欠席委員 なし

委員外の出席者
証人
元東京都副知事濱渦 武生君

本日の会議に付した事件
付託事項の調査
豊洲市場移転問題に関する次の事項
(1)築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性
(2)東京ガス株式会社などとの交渉及び土地売買に関する経緯
(3)豊洲市場の土壌汚染対策及び豊洲市場の主な建物下に盛り土が行われなかった経緯
(4)豊洲市場建設工事における契約事務
(5)その他調査に必要な事項
証人喚問

○桜井委員長 ただいまから豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会を開会いたします。
 この際、傍聴人の方々に申し上げます。
 傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って静粛に傍聴願います。傍聴人は、可否を表明したり騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。委員会傍聴規則等に違反する場合には退場を命ずることがありますので、念のため申し上げておきます。ご協力お願いをいたします。
 これより、豊洲市場移転問題に関する付託事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、百条調査権に基づく付託調査事項に関する証人喚問を行います。
 これより、付託調査事項、築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性外四項目について、証人から証言を求めます。
 本日出頭を求めました証人は、元東京都副知事濱渦武生さんであります。
 証人におかれましては、お忙しい中にもかかわらずご出席をいただき、まことにありがとうございます。本委員会を代表して厚く御礼を申し上げますとともに、本委員会の調査のため、真相究明のため、ご協力くださいますようお願いいたします。
 本日の証人に対する尋問方法につきましては、お手元配布の運営要領に従い行うことを理事会で申し合わせております。ご了承願います。
 この際、証人に申し上げます。
 証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由がなく証言を拒んだときは、禁錮または罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご承知おきください。
 それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
 傍聴の方、報道関係の方も含めまして、全員ご起立願います。
   〔全員起立〕

○桜井委員長 濱渦証人、証言席にお願いいたします。
 証人、元東京都副知事濱渦武生さん、宣誓書を朗読してください。
   〔証人濱渦武生君朗読〕
     宣誓書
 良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
  平成二十九年三月十九日
濱渦 武生

○桜井委員長 ご着席願います。
 それでは、証人は、宣誓書に署名捺印をお願いいたします。
   〔証人、宣誓書に署名捺印〕

○桜井委員長 この際、メモ持参の件を議題といたします。
 お手元配布のとおり、議長を経由して、証人からメモ持参についての許可願の申し出が提出されております。
 朗読は省略をいたします。

平成二十九年三月九日
証人 濱渦 武生
 東京都議会議長 川井しげお殿
   メモ等の持参について
 平成二十九年三月十九日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。

○桜井委員長 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○桜井委員長 これより証人に証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらから尋問しているときは、証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、証言席においてご発言願います。
 なお、委員各位に申し上げます。
 委員におかれましては、不規則発言など、議事の進行を妨げる言動のないよう、また、証人の人権に留意されますようお願いをいたします。
 それでは、証人から証言を求めます。
 濱渦証人、証言席にお願いいたします。
 それでは、お尋ねをいたします。
 あなたは濱渦武生さんですか。

○濱渦証人 はい、濱渦武生です。

○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○濱渦証人 元東京都副知事、昭和二十二年十月二十六日生まれです。

○桜井委員長 ご着席願います。
 それでは、委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
 ほっち理事。

○ほっち委員 自民党のほっち易隆と申します。本日は、お忙しいところ、この場においでいただきましたことに、まずもって心から感謝申し上げます。
 私の方から幾つか質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず初めに、豊洲は既定路線であるかどうかという点についてでございます。
 東京ガスとの移転交渉開始時期は、石原都知事就任前でもありますが、豊洲への移転は、石原元知事は就任前からの既定路線であったというふうに発言をされております。
 また、先日、都議会にお越しいただきました大矢元市場長からは、豊洲に移転するしかないというのは、最初に決めたのは自分が決めて、副知事や知事に上げて、知事の決裁をもらったということでございまして、石原元知事と大矢元市場長との見解が少し違うんですけれども、その点につきまして、石原知事のいう既定路線というのは、今そのようにいえるのか、証人の見解というか、思いを教えていただければと思います。

○濱渦証人 私が担当しましたのは、都庁に来て次の年で、副知事になってからでありまして、ただし、特別秘書のときには、知事のブリーフィングに同席しておりまして、そのときには既に豊洲への市場の移転ということはテーマでありました。

○ほっち委員 豊洲移転交渉は一九九八年、平成十年ごろから、福永元副知事のもとで始まっておりました。交渉がうまくいかないということで、石原元都知事の方から、役人では交渉など無理だということで、本日おいでいただいております濱渦元副知事の方に、おまえがやれということでいったというふうに伺っておりますけれども、このときの状況についてご説明をお願いいたします。

○濱渦証人 特別秘書のときに、その当時、政策報道室の理事から石原知事に報告がありまして、発端は、どこか石原知事が如水会かどこか外の会合で、東京ガスの関連の方に抗議を受けたようでございまして、人の土地に勝手に線を引いていると、こういう話があって、そのことがブリーフィングの中で知事が申しました。
 そうすると、政策報道室の理事が、いやいや、もともと、元来、都市計画というのは人の土地に線を引くことだと、こういうような発言がありまして、私は、えらい、東京都の幹部の職員はえらい人たちだなと、そんな上からの目線ではうまくいかぬだろうなという思いがあったのは覚えております。

○ほっち委員 続いて、汚染土壌の認識についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 豊洲汚染の認識というのは、証人はあったというふうに聞いておりますけれども、単なる箱ではなく、コンクリートをがっちりと流し込んで固めて、地面をかさ上げし、さらにその上にシートも敷き詰めればいいんではないかというふうにありますけれども、どの程度の汚染か、また専門的な調査、報告を受けているのか、また汚染土壌の認識について、証人の認識をお聞かせください。

○濱渦証人 担当の副知事として交渉が始まってからなんですが、東京ガスから汚染があると。どの程度あるということはわからないが、過去の経緯からあるだろうねと。それは、その当時の中心になっていましたのは、中央卸売市場でございまして、市場長に尋ねました。
 すると、具体的なことはよくわからないけれども、それより先に用地の取得の話があると。それから、汚染は技術的には解消できるでしょうと。その方法として、コンクリートの話だとか、日の出の産廃処理場のところにシートを張ってはありますけれども、上から下に汚いものが出ないようにするためには、下から上へも同じだろうという、そういうのは、議論はありました。

○ほっち委員 当時は、豊洲以外に四カ所の候補地が挙がっておりました。四十ヘクタール規模の広さ、交通の便、築地市場のお客様に近いという面と、また海に面している、さまざまな条件を満たすのが豊洲であったと。また、多摩地区の方にも提案をしたけれども、市場関係者からは反対をされたというふうにお聞きをしております。
 そこで、豊洲選定の合理性というのはどのようにお考えになったのか、お聞かせください。

○濱渦証人 委員おっしゃるように、もう物流が変わっておりまして、船でマグロをおかに揚げるとかではなくて、全部冷凍庫なんかで回していましたし、圏央道もできる、外環道もそのうちできてくると、多摩でいいじゃないかという、議論というより、申し上げました。
 そのとき、知事もそうだそうだとはいっていましたけれども、豊洲がいいというようなことではなくて、私が担当としてありましたのは、市場を豊洲に移すから豊洲の用地の交渉をしろという、こういうテーマでございまして、どこがいいとか悪いとかの判断は私にはありませんでした。

○ほっち委員 それでは、平成十二年十月四日に副知事就任の挨拶と豊洲地域への市場移転のお願いということで、東京ガスの方に訪問をされた際に、この記録にも出てくるんですけれども、水面下での交渉について、ちょっとお伺いしたいと思っております。
 水面下での交渉を望んだのは、株主総会対策のため、既に再開発計画を東京ガスさんの方が経営決定をしており、決定事項を蒸し返されるのは株主への説明も大変だし困るということで、福永元副知事の時代から水面下という言葉を使うようになったということでありますけれども、水面下の意味とは、細かいプロセスを中途開示すれば、いたずらに東京ガスさんの株主を混乱させるだけだから、全てが決定してから株主に対して合理的な説明を行うという意味で使っていらっしゃるんでしょうか。水面下の交渉というのは、どのような交渉であったんでしょうか。見解をお伺いしたいと思います。

○濱渦証人 水面下という言葉は、東京ガスの方から提案がありました。
 それは、民間企業でありますので、既に随分前から豊洲、晴海の整備開発ということで、株主さんにもお話をしてあるわけですし、取締役会でも、また経営会議でも、そういうテーマで進んでいた話です。そのことが、東京都が突然に、市場をつくるから協力しろではなかなかうまくいかないと。会社としては、それは個別に折衝を改めてやらせていただきたいと、こういう話で、会議としてそういう話が出ると自分たちがもたないから、水面下でやらせてくれという、こういう趣旨でございまして、後々、そういう単語は出てきますが、交渉というのは先方のご意向をそんたくしないとうまくいかないんで、私は、水面下、結構ですと申し上げました。

○ほっち委員 続きまして、議員の関与についてお伺いをしたいと思います。
 濱渦元副知事は、交渉する際に東京ガスの本社の方に行かれて、実質的決定権を持つ、ここには交渉相手がE氏というふうに、まあ、江口氏かなというふうに思いますけれども、佐藤元通産、運輸大臣の奥様が東京ガスの社長の娘さんであったということでありましたけれども、豊洲移転に当たり、国会議員の協力を要請したことはあるか、また佐藤元大臣には具体的に何をお願いしたのか、お伺いをしたいと思います。

○濱渦証人 担当になりまして、議員会館を訪ねました。そして、国会議員にお目にかかって、東京ガスが所有している豊洲に東京都の市場を移転したいんだか、東京都の担当は私が行いますと。ついては、東京ガス側の役員担当を濱渦が担当するという旨をお伝えくださいとお願いしました。伝わっているかどうかはわかりませんが、そのようにお願いをしました。

○ほっち委員 週刊誌の報道によると、佐藤元大臣にお願いをして、東京ガスの方と一緒に現地の視察をされたと。公共性という点では、御社も東京都も同じだということで、協力をお願いしましたと。東京ガス側も、仕方ないなというふうな流れで了解をしていったというふうに聞いております。
 また、現場を見ながら、費用負担の、費用分担の話もしたと。東京ガスの予算で護岸工事を約一千億円かけて実施していましたけれども、それを都が引き受け、かわりに土壌汚染対策を東京ガスが行うという提示で、東京ガスも経営判断ができる内容だということで、これを受け入れたということでありますけれども、具体的には、そのときどのようなお話をされたのか、今私が申し上げたような話をされたのか、具体的に教えていただければと思います。

○濱渦証人 委員のお話が幾つかの要素が一緒になっておりますので、個別にお話ししてよろしいですか。
 交渉でございますので、先方が何を希望しているか、よく丁寧にお話を聞かないといけない。まず一つは、人間的な関係が破綻していたら交渉にならないんです。前段の、私、ご挨拶に上がったときに、向こうの東京ガス側の役員さんで、顔を真っ赤にして抗議をしていました。ええっと見て、東京都はうそつきだと、いいかげんなことをいうなと、自分たちが提案しておいて、くるっと手のひらを返したようなことをいっている、えらく怒っていまして、ふと横を見ると、顔を真っ赤にしてうつむいている役員も東京都側にいました。ああ、これはもうだめだなと。この日、この同士でやっていたんでは、前に進まないということで、一つは先ほどのことでございますし、もう一つは、欠かしてはいけないと思いましたのは、江東区、受け入れ側の江東区の方が、いつも東京都は迷惑施設ばっかし持ってくるんじゃないかということで、非常に私、就任をしてご挨拶に行ったときもお叱りを受けましたので、まずここを丁寧にご理解をいただいて、それで、いいということになれば、それがまた前に進むであろうと。
 そして、おっしゃった最後の現場でのお話は、二回目に東京ガスにご挨拶に行った後、すぐに、豊洲開発という会社が豊洲にございまして、そちらの会社に訪問しました。社長さんは江口さんです。そのときにはきちっとスーツを着て、ネクタイを締めて、表敬の訪問をしました。改めて、日を改めて、作業服を着て、職員、担当職員を連れて現場を視察しました。そこでいろんな議論のスタートになりました。

○ほっち委員 そうしますと、今お話をいただきました江東区とのいろいろなお話を根回しというか、お話をされたという中でいきますと、地元区の江東区のほかにどのようなところにそのような外堀を埋めるというか、そういう形でどのようなところに伺って、どのような交渉をされたかというのがあれば、教えていただければと思います。

○濱渦証人 江東区の方も、区議会もですか、都議会も同じと思いますが、ちょっと語弊があったらお許しください。
 理事者が決めても、議会が承知をしないとなかなか前に進みません。したがって、江東区の区議会の有力な方を探しまして、そこにご挨拶に行きました。まず最初は、就任と担当のご挨拶でした。
 その後、江東区では、何が東京都にご希望があるか検討しておいていただきたいと、ということは議会としてどういうご希望があるか検討してくださいということを申し上げまして、改めてご挨拶に上がりました。そのときに江東区は、どういうんですか、目玉になるようなものがない、区長さん、室橋区長さんが文句、抗議をしていましたけれども、そういうこと。それから、道路が、ごみ清掃車がずっと走って、自分のところでないところで、えらい道路も傷むんだと、道路の整備もしてほしい、にぎわいをつくってほしい、そういうようなお話がありましたので、わかりましたと。
 それではということで、議長さんと、お願いをしました議員さんと一緒に区長さんにもお目にかかりまして、確かに区長さんとお目にかかったその席では、私、悪魔のささやきをしました。
 それは、江東区というのは、人口急増区でございまして、区民福祉というのに大変ご苦労なさっていました。保育園、幼稚園、小学、中学もありますし、まあ、ごみの処理ももちろんですが、病院とか、いろんなものを用意しないといけないということで、当初の計画が住居中心でございましたので、それでなくて、市場が来て、にぎわいが築地にあるように、場外市場があるようなものをつくられたらいかがですかということで、ささやきはしましたが、後に東京ガスからお尋ねがあれば、そういうご希望もお伝えしたらいかがですかと申し上げたところであって、それも問い合わせがあったか、どう答えたかはわかりません。

○ほっち委員 そうしますと、江東区以外には外堀を埋めるというか、そういう形で江東区以外の場所に行かれて、この件で何か交渉されたということはあったでしょうか。まずは江東区だけ、江東区だけといったらあれですけれども、江東区の方に行って、まずは地元だから、こう対策するんだという形で行かれたのか、ほかにどこか行かれたのか、それだけちょっと確認させてください。

○濱渦証人 ほかの区はありません。中央区の矢田区長とは古い関係で、ご相談はありましたが、私が伺っておりません。

○ほっち委員 そうしますと、その後、平成二十三年の売買契約について、東京ガスがきれいにしてから売買をするということを決めていたのに、なぜそこをやらずに都が汚染対策費まで出したのか。
 また、ベンゼンが四万倍も出た時点で、きれいになるまで売買はストップするのが当たり前であり、何かが働いたのではないかと。濱渦氏が平成十七年に副知事をおやめになった後は、知事本局がしっかり詰めていくことになっていたと。石原さんを囲んで、副知事、幹部、特別秘書らが協議していたということでありますけれども、本当の戦犯はそこにいると。都議会では隠さずお話をして、真相を明らかにするように協力したいというふうに週刊誌の方でも、きょうの証人はおっしゃっております。
 そこでお伺いしたいんですけれども、いつまで証人の方は中央卸売市場の担当をしたのか。そしてまた、副知事の分担として、中央卸売市場担当は、平成十二年の七月十三日から十七年の六月の七日ということでありますけれども、テレビの出演の際には、十三年二月の二十一日の覚書、十三年七月六日の基本合意で、テレビ出演の際には、そこで外れているというふうに述べられていると思います。
 そうしますと、その後についての責任者というのは誰なのかということ、この二点をお伺いしたいと思います。

○濱渦証人 一つは、覚書まででおおむねのお話はできております。覚書から七月の基本合意にいる間は、主に東京ガスの内部の調整に時間がかかっていると思います。
 私は、担当は用地の取得という基本合意まででありまして、そこから先は一切さわっておりません。ただし、二回ほど豊洲開発には行きました。
 一つは、向こうからお招きがありまして、冬の寒いときに薪能がありました。東京ガスの株主の方、幹部のご家庭の方、お招きがあったから、それに行きました。
 それから、退任になる寸前ですが、「ゆりかもめ」に乗って視察で行きまして、そのときに江口さんに案内をしていただいて、お約束をしていた土壌汚染の調査はどこまで進んでいますかということで、そのときにはフェンスの中に入れていただいて、ここまでです、ここはちょっとたくさん出そうです、いや、こちらは大丈夫と思いますというような報告は受けましたが、それはずっと後でして、もう私は担当を外れておりました。なぜ外れたかは、石原知事の指示でありましたから。
 私は、その後は、知事本に全部預けました。前段に申し上げましたように、大矢市場長と東京ガスとの間では、特に江口さんとの間では、どうも不信がありましたので、理事も前の理事とかわって赤星理事になっておりました。
 したがって、赤星理事とともに活動を進めまして、もう一点が、東京ガスの方にも東京都を応援してくださる方がおいでになったんです。それは、前の港湾局長で今沢さんという方が東京ガスの役員になっておりましたので、赤星理事と私とで協力の要請、あるいは東京ガスの中身の情報とかもとったりしてお願いをしておりまして、基本合意から以降は全くわかりません。

○ほっち委員 そうしますと、基本合意の後、全くわからないというふうにおっしゃって、知事本局の方になられたということでありますけど、そうなると、知事本局の誰かというのもわからないということで、責任者は知事本局の誰かっていうのもわからないっていうことでよろしいでしょうか。

○濱渦証人 担当は赤星理事でありましたが、知事本局が行うことでした。というのは、中央市場というのは建物を建てることでありますが、豊洲の再開発をする、以前に豊洲、晴海の開発整備を約束していたのをやりかえをするということですから、当時の港湾局、都市計画局、建設もありました。市場ももちろんありました。まだそのときには土壌汚染のことが整備できていませんので、環境局はまだ加わっていませんでしたが、そういうことをまとめて行うのが知事本局ですから、知事本局としか私は認識しておりません。

○ほっち委員 ありがとうございました。
 私の質問はこれで終わらせていただきまして、河野委員にかわります。ありがとうございました。

○桜井委員長 河野委員。

○河野委員 自民党の二番手として、濱渦証人に尋問いたしたいと思います。初めまして、どうぞよろしくお願いします。河野と申します。
 濱渦証人にまず最初にお聞きしたいのは、ここ数日で土壌Xデーなる言葉が、この百条委員会から飛び出してきまして、マスコミでもかなり取り上げられておりますが、濱渦証人が東京ガスと交渉を行っていた当時、土壌Xデーという言葉は、ご自身が使われたことはありますでしょうか。イエスかノーかでお答えください。

○濱渦証人 ありませんし、知りません。

○河野委員 ありがとうございます。二問目までお答えいただきました。
 センセーショナルな言葉で印象操作をするようなことはあってはならないわけなんですけど、先日の十一日、福永副知事と大矢市場長、東京ガスグループに対して行われた証人喚問、この際に、都民ファーストの会のおときた委員が配布された資料があったんですね。その資料とパネルがありました。その際に、おときた委員と同様、私も項目番号133の段ボールから、同じ資料だろうと思われる資料を発見しました。
 このメモに書いてあることを、私、何度も読んだんですね。何度も読んだんですけど、おときた議員が主張されているようなことは、私はちょっと見当たらなかった部分がありまして、これは、おときた議員が事実誤認をされていると私は思っております。このビラのことです。
 そして、この二枚目の方ですね。こちらのことですけど、こちらのことについて、具体的にいえば、こちらに書いてあるんですけど、土壌Xデーとは、土壌汚染対策法が適用されて、豊洲の土地の価格が下落する日ではということで、センセーショナルな言葉を巧みに使われて、図表を用いて、こういう印象をつくられていたと思うんですけど、私は事実が少し違うと思っております。
 もちろん、これは今回、百条委員会に提出された東京ガスさんからの企業の秘密等も載っているような資料ですので、我々は十分気をつけなきゃいけませんので、この委員以外には、必ず、絶対外部に漏らしてはならないということですので、マスコミの皆様方には開示することができません。
 そこで、濱渦証人に、これがその資料なんですけど、今、全部白く紙で覆っております。ちょっと濱渦証人にお見せしたいと思うんですけど、委員長、よろしいでしょうか。

○桜井委員長 はい。
   〔河野委員、濱渦証人に資料を示す〕

○河野委員 そこで、証人に、濱渦証人にきょうお聞きしたいと思います。
 これ、土壌Xデーとは、土壌汚染対策法が適用される日ではなく、何だと思いますか。今、資料をごらんになっていただいてわかったかと思います。

○濱渦証人 何のことやらさっぱりわかりません。

○桜井委員長 河野委員、挙手をお願いします。

○河野委員 今、読んでいただいたのは、さっぱりわからないとおっしゃっていただいたとおり、恐らく想像がつかないんだと思います。平成十三年一月に東京ガスの環境対策がオープンになる「Xデー」って書いてありましたね。
 それはどういうことかというと、これは東京ガスのホームページに載っている資料ですので、東京ガスからいただいたものではないので、これは見せても結構だと思うんですけど、社有地の土壌調査結果と今後の対応について、平成十三年一月二十五日、東京ガス株式会社ということで、この土壌Xデーというのは、私はどう見ても、この東京ガスが自分たちでこれからやろうとする、要するに東京都の環境確保条例を先取りして、これから自主的に土壌調査結果及び汚染土壌対策を発表する日のことをいっていると思います。
 しかし、このメモには、土壌対策法  しかも、このメモにはですね、このメモの中には、土壌対策法のことは一切記載がありません。あたかもそれによって土地の値段が下落して、それを使っておどしているかのようなストーリーは、私にとっては、まるでこれは小説でありました。
 よって、この配布されている都民ファーストさんのこの緑の資料は、明らかに事実誤認であり、デマであるといわれかねませんので、撤回と謝罪をお勧めをしておきます。
 加えていえば、確かにこのメモは、東京ガスの提出の段ボールの中に入っておりました。しかし、いつ、どこで、誰が出席して、誰が書いたのか、出どころも不明です。ほかの東京ガスの書類とはちょっと違い、異質なものでした。他の書類は、年月日、場所、出席者など書いてありますので、ですから、このメモを、殊さら取り上げるようなメモではないと。
 ちなみに、先週、中曽根総理が、元首相が都庁にやってきたと書いてあります。そこにもっと重要な情報が書いてありまして、中曽根総理は都庁で何をしたのか。展望台に上って東京見物です。このメモを切り張りして、自分の主観で都合のいいように解釈されるのはくれぐれもないように、我々自身気をつけなければならないと思っております。済みません、話が少しそれました。
 それでは、本題に移っていきたいと思います。
 マスコミなど見ていると、印象として、新市場用地としての東京ガスの購入の交渉は、福永副知事の時代は全く動かず、濱渦副知事が就任したことによって、急転直下動き出してきたような、水面下の交渉が始まっていくと。役人副知事とは違うタフネゴシエーターの政治畑の濱渦副知事が来て、一気に打開をしていく。そこには何かこう水面下での裏取引とか、ちょっとダーティーなようなイメージがありました。しかしながら、このさまざまな資料を読み込んでいくと、全くそんなことないなと印象が変わってきました。
 先ほどご答弁いただいたとおり、青島時代から東京都の接触は始まっておりまして、これは副知事、当時、就任されたころは、テーマとして豊洲に行くんではないか、行く方向ではないかということだったんだと思います。
 証人にお聞きします。
 知事、石原知事が就任したとき、ですから、まだ濱渦副知事になる前、特別秘書のときですね。市場の再整備の方向性は正式に決まっていませんでした。証人は、当時は築地での再整備が計画され、実質、工事着工しながらも、築地で再整備が困難であるとされた理由について、どのように認識をされているのかお聞かせください。

○濱渦証人 石原知事が築地を視察したとき、私、特別秘書として同席しました。本当に汚いし、危ないし、地震、ちょうど防災の日だったかな、地震とかが来たら大変だねということでした。ほっといたのかといったら、いやいや、ずっとこれはもう何十年も前からのテーマでしたと。いろいろ、これは市場の方のお話で、当日そこでのお話でしたが、やっていったが、なかなか市場で、築地では難しいと、ほかがないかと。豊洲しかないから、今度豊洲という、そういうお話はありました。

○河野委員 当時、東京ガスの豊洲の用地に、東京都として再整備を今中断している状況の中で、三菱総研に委託をして、築地市場の整備構想に係る調査ということを委託しました。それが平成十年の八月でした。そこの中で豊洲への移転の可能性というのを、検討が始まったと。
 その二カ月後、副知事になられる前のときに、東京都として正式に東京ガスに交渉に行ったのが平成十年の十月ということで、東京ガスの、先ほどからお話が出ておりました東京ガス管財部のEさん、あえてEさんといわさせていただきますけど、E部長のところに中央卸売市場再整備担当の部長が経緯の説明に行きました。この部長は、子会社である豊洲開発の社長でもいらっしゃいました。
 この豊洲の工場が、昭和の六十三年に操業を停止して以来、再開発の構想が始まっておりましたが、ずっとこの方は携わられたということで、勝手に人の土地に絵を描くなと。先ほどいわれていたとおり、本当に、恐らく今までずっとやってきたことですので、突然絵を描かれて、何事だと怒っていることをよく感じました。
 平成十六年十一月の週刊誌のインタビューで、このE社長は、豊洲開発のE社長は、十年四月ごろから都が移転論に出て、断りもなしに審議会などで移転の決裁が行われ驚いた、こちらでまちづくりをしているのに、来られても困るなと思っていましたよと述べられております。
 そこで、それまで東京ガス及び東京ガス豊洲開発は、この再開発事業を進めるため、工場跡地の区画整理事業を東京都の港湾局とやられておりました。そこで、突然降って湧いたかのように市場局が入ってきたわけですね。全く全然人種が違うといいますか、港湾局の方は都市整備をやったり、建築、建設に近い、きっちりと図面を描く方。一方で、市場局の方たちは、また何となく性格も違うといいますか、そういう方たちが突然やってきた。
 これまでの話を聞いて、どう思われるでしょうか。私は、実はこの一連の豊洲問題といわれておりますけど、この豊洲問題、開場の最後の瞬間になって、今なぜだかストップをされております。本質的な問題ではないなと思いながらも、しかしあえて問題というなら、私はここだと思っております。
 この市場の話がもともとなければ、恐らく今ごろ、あの豊洲は活気あふれる最先端のウオーターフロントのまち豊洲となっていて、先日の東京ガスの尋問でも広瀬社長がおっしゃっておりました。いろんな意味で豊洲ブランドが非常に損なわれていると落胆をされておりました。
 濱渦証人、井戸を掘った一人として、今、どうお感じになっておりますでしょうか。

○濱渦証人 私、ご挨拶に東京ガスにお伺いしまして、役員室から豊洲が丸見えなんですね。豊洲を見たときに、ああ、もう役員会では、取締役会で決めていたし、株主さんにも報告していたと。あそこに自分たちの夢のまちができるんだということで、ずっと、それも東京都と打ち合わせを進めていたと。そういうことがよくわかりました。
 ですので、最初、お目にかかっても、これは無理な話だと思うと。私は、東京ガスの人間だったら、東京都の職員なんか一歩も入れさせたくないと思いますよとまで申し上げました。それだけ委員、役員の方々は思い入れがあったと思います。
 それも、港湾局から提案があって、あそこの豊洲、晴海を一緒に開発しましょうと。もう一つ、後にお話になってくるんですが、護岸工事とかは東京都がやりますからというようなお話をされていたのが、その一年、二年たつときには、一千億かかるから、これは市場からの発言だったそうですが、Eさんがいっていましたけど、一千億かかるんだと、負担しろといってきたと。とんでもない話じゃないかと。こういうことをおっしゃっていました。
 ですので、最初の東京都そのものが、港湾局が提案してまちづくりをしましょうといったときから、庁内で一つの合意、コンセンサスがあれば、こんな話にはならなかったと思いますし、私が担当してからも、市場を中心ではなくって、東京都全体、総体としてやるからというので、都市整備局、その当時の計画局、それから知事本局を中心にしてやっていこうというのは、前段の先方の役員たちのお気持ちがわかったからであります。

○河野委員 私も今回改めて豊洲の地歴というか、どういうところだったのかをちょっとだけ調べさせていただいたわけですけど、昭和の初期に、いわゆる廃棄処分場として豊洲が埋め立てられて、昭和の三十一年から六十三年まで三十二年間、都市化が進むこの首都圏の都市ガスの供給基地として使用されて、昭和の六十三年ですから日本はバブルに沸いているころ。
 当時、工場を操業し、東京ガスグループさんは、地元発展のために臨海開発の中心地となり得るこの豊洲で再開発事業を計画されておりました。レインボーブリッジを望むウオーターフロントで、リゾートホテルやショッピングセンターなど、人がにぎわうまちづくりを夢見られておったと思います。
 もう工場の操業から三十年もたっております。地元江東区の区長さん、当時の区長さんがいわれたわけですけど、江東区は東京の迷惑施設ばっかり預かってきたと。私は板橋区なものですから、板橋区のごみ処理も、当時、江東区の方に大変お世話になっていたと。そういう思いをやっぱり我々、忘れちゃいけないと思います。豊洲ブランドの名誉回復を私も願っております。
 石原知事時代になってから、平成十一年十一月には築地市場再整備推進協議会において移転整備への方向転換すべきとの意見集約がなされ、東京ガスとの交渉記録によると、この十一月三十日、東京ガスに訪れた当時の大矢市場長は、築地を移転するしかない、豊洲が条件にかなうとも発言されております。
 他方、証人は、濱渦証人は、マスコミの取材に対して、豊洲以外四カ所あると。先ほどお話しいただいたとおり、物流も変わってきて、判断は自分がされたことでないということですので、この質問を飛ばしたいと思いますけど、これが豊洲に移転を大方決まっていったと。
 この中で、豊洲には土壌汚染の問題がありました。そのことは先ほどもお話しになったとおり、指摘をされていたとおり、これはあるだろうと。東京ガスからの指摘も、平成十一年十一月三十日の東京都との折衝の際にも、東京ガスから指摘されていますし、十二年六月二日の東京ガスから東京都への質問状の中にも、豊洲は工場跡地であり土壌処理が必要であるとの指摘もされております。
 これについて濱渦証人は、マスコミの取材に対して、先ほど答弁ありましたが、豊洲は単なる箱ではなくて、コンクリートをがっちりと埋めれば大丈夫だというふうな認識でいたわけですけど、これ、もう一度聞きたいんですけど、土壌汚染の点をどのように考えているのかと、また、それは誰に聞いたのか。
 例えば、そのコンクリートで打てば大丈夫だというのは学者さんに聞いたのか、それとも環境局に聞いたのか、どなたから聞いたのか。それが専門的な知見で聞いたのかですね。
 それと、そのことに対して石原知事には伝えたのか、どういうふうな話だったのか。少しだけ詳しく教えていただければ。

○濱渦証人 土壌汚染があるというのは、お話から承知しておりました。それじゃあ、きれいにするのは誰がするかということで、きれいにする能力のあるのはどこかということで、東京都でできるんですかと。やっぱりできるというのは、経験のある東京ガスであり、東京ガスは豊洲だけでなくて、あっちこっちそういうのがありましたから、土壌汚染の経験豊か、あるいは東京電力、トランスの処理もありまして、そういうところの関連している業者さんとか、それにお手伝いいただかないと、とてもじゃないけどうまくいかないだろうということで、そういうことがありましたもので、これはきれいにするのは東京ガスの責任だねということは申し上げました。
 それで、二点目にありましたが、箱の件は、大矢市場長とのお話で出てきたことです。ですが、そういうのをつくるというのが大矢市場長の使命でありますから、土壌をきれいにするとかでないでしょうから、それはちょっとそのときのお話でありまして、土壌汚染についてはそういうことであって、東京ガスに責任を持ってもらわないといけない。
 もう一点、全然触れていない今までの議論でありますが、土壌汚染が、競りをするためには何で必要かといったら、きれいにするだけでなくて、東京都が土地を購入するときには、先生方、委員の方々ご承知のように、財産価格審議会があります。この中に地下の埋蔵物ですね、埋設物とか土壌汚染とは整理をしないと土地は買えません、もししないならば、その部分の工事費を差っ引きますよと。このことはEさんには申し上げました。
 以上です。

○河野委員 福永副知事にかわって濱渦証人が交渉するようになって、知事から命じられたと。そして、態度が、東京ガスの、勝手に土地に線を引いて、上から目線の交渉であったと。そういうところに違和感を覚えたというふうにマスコミでもお話しされておりますし、先ほどもお話ありました。
 そのような経過の中で、東京ガスに、基本的には協力をするということを濱渦副知事にかわったときにお話をいただいたわけですね。そのときには先端部の譲渡についても前向きな態度だったと思います。要するに、先端部というのは、豊洲ふ頭、豊洲開発の方たちは豊洲半島っていっていたんですかね。それだけ思い入れがあった。
 その豊洲ふ頭の先端部というのは、レインボーブリッジの本当にもう近くですので、そこに、この新宿の近くにも東京ガスさんのホテルありますけど、ああいうような高級ホテルをつくろうというような夢があったんだと思います。その先端部の部分までも前向きに態度を変えていただいたというのは、何かこう裏があるんではないのかなというようなことがいわれております。
 東京ガスから土地価格や開発者負担、また経営判断が足りない、足り得る条件が示されていないということで、そこで、濱渦証人は、そのことは水面下でやりましょうというふうに述べられております。
 ここでもう一度お聞きしますけど、この水面下という意味は、どういう意味でこのときはいったのか、覚えていますでしょうか。

○濱渦証人 東京ガスさんが水面下という単語を使いましたから、私もそれに応じて、丁寧に、そのようにしましょうと。東京ガスさんの考えていたことのお気持ちがよくわかるから、丁寧に作業すると。
 それからもう一つは、全体的なお話でなくて、個別なお話をしないといけないねというのが東京ガスさんの主張でありますが、それものみ込んでやりましょうと。当時、私が全てを承知したことでもありませんので、現地を見ながら進めないといけないので、それはそのことで結構ですということで、水面下という単語は、どこかのどなたがいい出したかメディアでわかりませんが、悪い言葉とは私、思っておりません。物すごくこの事業を推進した単語だと思っております。

○河野委員 水面下という言葉が本当にひとり歩きをしていて、いろんな臆測を呼んでしまっている。この一つの百条委員会の大きなテーマになってしまっているぐらい、何かこう勘違いされている部分があると私も思っております。何かこう密約を交わしたわけではなくて、そういうことなんだと思います。
 しかし、一点だけもう一度確認させていただきたいんですけど、十月四日のときに、平成十二年ですね、十二年の十月四日のときに東京ガス本社を訪れたときに、濱渦副知事は、株主に損をさせない仕組みづくりをするとおっしゃっておりました。株主に損をさせない仕組みづくり、これはどういう意味でしょうか。

○濱渦証人 ペーパーを書いたのはお役人でありまして、民間のことがよくわかっていないんですよ。株主に損をさせないでなくて、損をさせたと思わさせないということなんです。そして、役員も、出てきている役員さんだけでなくて、取締役たくさんおいでになりますが、その方たちにも肩身の狭い思いをさせちゃいけないと。そのためには丁寧に丁寧にやりなさいと、こういうことを申し上げました。

○河野委員 要するに、東京ガスが不利益をこうむるようなことはするなということですね。要するに、東京ガス、株主さんに、結局、東京都がその土地をとってしまって、不利益を東京ガスにこうむらせてしまっては、当然株主も納得ができないということなんだと思います。
 それと、この委員会の中できのうも話の中心にあったのが、二者間合意というのがあるんですね。二者間合意というのは、平成十三年七月、東京都と東京ガスの間で締結された二者間合意。これがまさに水面下の交渉の一つではないかというふうにいわれております。いわれているというか、というふうに、多分そういうことで想定されて質問されている方が多いんだと思います。
 護岸整備の、防潮護岸の整備費用を東京都が負担するとして、そして、土壌対策については平成十四年の七月の合意に至る経緯について確認をしたいと思います。
 まず、防潮護岸整備について確認します。
 十一日に、今月の十一日に証人喚問で東京ガスの方々がいらっしゃって、防潮護岸をもともとの--沖出しをしてつくる、要するに五十メートル沖に出すということですので、要するに、ふ頭を広げるわけですね。沖出しをすれば、そこに宅地が増設、造成されるので、その宅地については区画整理事業の中に編入して地権者も割り振られる。そういうスキームの中で、防潮護岸整備費用の半分を負担するという話になっていたが、法的にはそのスキームでは実現するのは難しくなったので、それであれば、もとに戻して、防潮護岸については港湾事業、要するに東京都の事業として全部やってもらって、そのかわり宅地は我々の土地ではない--当然ですね、伸びないわけですから--ということで最終的には戻った。それが、たまたま市場移転のタイミングと同じタイミングに出たというふうに証言されているんですね。いっている意味はわかりますでしょうか。

○濱渦証人 はい。

○河野委員 要するに、広げることによって、そこが宅地になるから、そこがメリットになるんで、負担しなさいと。ただ、これをやらないということになれば、もともと法的スキームでそれは無理だということなので、やらないということになれば、これは港湾事業でやってもらうという振り出しに戻っているんですね、この護岸整備に関しては、ということを証言されておりました。
 まず、事実について確認したいと思います。防潮護岸をつくることによってできる宅地を区画整理事業に組み込んで、組み入れて地権者に割り振るというスキームを考えていたが、これが法律上困難であると判明したため、地権者に対して割り振れなくなったという事実はあった、それは認識していましたでしょうか。

○濱渦証人 私が担当している間ではそういうことはありません。以前あったかもしれません。
 防潮護岸工事については、東京ガスにお金を求めますとそこに権利が発生します。東京ガス専用の桟橋をつくるといっても拒めない。これから先、長い歴史を経ていくと、東京ガスだけがそこに桟橋をつくって活用するというのはとても認めることはできないので、それは希望してもだめです、受け付けません。東京都が全部仕切ります。
 もう二点目は、民間が金を出してではうまくない。国の方からも港湾事業として応援もいただきたいから、東京都が仕切る。仕切る中身のお金は、東京都の金だけではないかもしれない、国の支援もいただかないといけないから。そういう意味で護岸は私がやると。その建物がどうのという話は私のときにはありません。

○河野委員 わかりました。
 次に、資料に沿って事実経過を確認しますが、東京ガスから提出された平成十三年三月二十六日の手書きのメモなんですけど、これは市野専務説明と題されたメモがありました。この中には、市野専務は、東京ガスの担当者の説明した内容として、防潮護岸の負担に関するものだと思われますが、半分をゼロに戻すことも考えなければならないと報告したと記載されております。
 すなわち、この時点で防潮護岸の整備費用の負担について、東京都と東京ガスの間では決着がついていないということが読み取れます。
 平成十二年十月四日、濱渦証人が東京ガスを訪問された際、東京ガスは基本的に協力するという態度を示したわけですけど、この防潮護岸費用をどのように負担するかとは関係なく協力するということなんだと思うんですけど、このような理解でいいのか、どうでしょうか。

○濱渦証人 基本的に、東京ガスから用地の取得を求めまして、ご了解をいただけるのであれば、今度は都市整備という面で、換地の話とか具体的にしていかないといけない。それはその基本合意の先の話です。それまでの話が私の役割であります。

○河野委員 ありがとうございます。ちょっと沿ってまたお話しさせていただきたいと思いますけど、その後、平成十三年七月十八日に、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書というのが締結されました。防潮護岸の開発者負担はなしとこのときに合意されております。
 先ほど平成十三年三月十八日の東京ガスのメモは基本合意に先立つものになりますが、このメモの記載の中に、市野専務に対する説明として、東京ガスだけが有利になるような解決は避けること、また裏取引はしないとか、そういうことがメモの中に書かれておりました。そういう議論が多分その中であったんだと思います。
 また、市野専務がそれに対して了承したこととして、護岸について市場の問題とは別であると。要するに、市街地再開発とその市場のことというのは別であると。一緒にしない方がいいとの指示を出されております。
 このメモからわかることは、東京都との交渉に当たっては東京ガスだけが有利になるようなことはせずに、裏取引もしないという基本的な東京ガスのスタンスというか考え方を持っていたということと、市場の移転の問題と護岸工事の問題は別個であると認識されていたと思います。
 まさに、先週の十一日の護岸整備費用にかかわる東京ガス側の証言を裏づけるもの、証言が裏づけるものだと、この手書きのメモなんですけど、そういう、見ていて本当に紳士的な会社だなということを印象を受けました。
 そもそも護岸、防潮護岸の整備によってできる宅地が、土地区画整理事業に組み入れられないのであれば、防潮護岸の整備費用について開発者負担を見直すという判断は、市場が移転するしないにかかわらず、いわば当然のことだと思います。
 この東京ガスから提出されたメモに記載されているよう、護岸工事の費用負担は市場を豊洲に移すための交換条件のようなものではなかったということを私は思っているんですけど、その点いかがでしょうか。

○濱渦証人 おっしゃるとおりです、そのことは。ただ、豊洲の開発そのものをどのようにしますかという何点かの問題、それが一体でお話しにならないから、個別に話をしましょうというのが東京ガスの主張であって、それが水面下でやりましょうという単語になったことです。

○河野委員 ありがとうございました。よく理解できました。
 要するに、濱渦副知事は東京ガスの担当者の方と現地視察をしながら、費用分担の話は入り口の話というか、あと細かいところは、いろいろ整理していくといろいろ出てきて、特に裏取引があった、何といいますか、バーター取引みたいなものがあったというわけではないということだと思います。
 ですから、石原知事も、最近いろいろ証言というかお話しされていて、少々勘違いされているのかなと思うのは、濱渦証人が入り口論といわれている、護岸は東京都、中はガス、東京ガスみたいな印象が残っていて、汚染処理は全部東京ガス側にあるんだというふうに思われているのかなというふうに思います。
 先日の「文藝春秋」でも、石原元知事は、濱渦氏は土壌汚染対策は全て東京ガスが引き受ける、その上で土地を引き渡すという費用分担をしたと説明しました、私もこの報告を受けたことは記憶しています、私は一貫して土壌汚染対策については東京ガスに実施責任があると考えておりというようなことを書いております。
 こういわれてしまうと、少し混乱をしてしまうと思っております。恐らく、私は、濱渦さんが入り口論としてそういうふうな大まかな説明をした。その後の細かい詳細については担当各局から、知事もいわれておりましたけど、つかさつかさの方たちが石原知事に逐次説明を上げているんだと思うんですけど、そういう、まあ何といいますか、石原知事の言葉じゃないですけど、ちまちましたような小さいことというのは、石原知事の判断は仰いでも、耳にとどまらないで、そのままお忘れになっていることもたくさんあるのかなというふうなことを感じております。
 次に、東京ガスとの間で合意をした土壌汚染対策について伺います。
 まずは時系列で整理したいと思います。
 東京ガスは、平成十三年一月から、一月にみずからプレスリリース、先ほどのですね、プレスリリースにおいて、豊洲用地の調査の結果及び汚染土壌対策について公開しております。また、そのプレスリリースの中で、土壌汚染問題については環境省の指針等に加え、本年、これは平成十三年です、本年十三年十月に施行を予定している東京都の環境確保条例の規定の理念を先取りした自主的な対応を行ってまいりますと表明しております。
 その後であります七月十八日、いわゆる二者間合意が締結され、汚染土壌の処理については、拡散防止を目的として処理を行う現処理計画により対策を実施するとされております。これがあたかも--現処理計画というのが二者間合意でなされた、これがあたかも密約かのようにいわれているんですけど、実は東京ガスは既に豊洲用地の汚染土壌対策について、一月の時点でホームページ等でも発表をして、プレスリリースをしております。
 また、平成十四年七月の合意によって、汚染土壌対策については環境確保条例に基づいて対応を行うとされておりますけど、これは基本的に、平成十三年の二者間合意と内容は基本的に一緒であると、先日の東京ガスの証人の方の証言でもされておりました。
 この流れを見ると、東京ガスは東京都の環境確保条例の趣旨を先取りする形で汚染土壌対策を行うことを、もともと十三年一月に表明して、それを十三年七月の二者間合意、そしてその後の十四年七月の、これは四者だったと思いますけど、五者ですかね、の合意で、東京ガスは法令に基づいてきちんと土壌対策をとるということを確認したんではないかと思いますけど、この理解でよろしいでしょうか。濱渦証人は、恐らく交渉段階の前のところまでだったので詳しくはないかと思いますけど、でも、今聞いて、このような理解でよろしいでしょうか。

○濱渦証人 私、その二者間合意とかいうのは全く知りませんし、よく勝手なことをしてくれたと思いますよ。私のはその手前まででして、土壌汚染につきましては、豊洲開発の会社、現場に行きまして視察をすると、以前は植物園がありました。その横に、いかに東京ガスが社会貢献をしているかということ、どれだけいいものをしているかというパネルもたくさんありました。
 そこで、そこの社長さんに、こういう方向でよろしいですね、そうだということで、土壌もきれいにします、おっしゃっていた確保条例もそうですね、あれは、持っている人が売ることも渡すこともできない、自分の責任においてやりなさいということで、そういうことは東京ガスは重々、十分に承知をしておりました。

○河野委員 はい、理解いたしました。ただ、ちょっと続けさせていただきたいと思います。
 十四年七月の合意によって、汚染土壌対策として環境確保条例に基づいて対応を行うとされたわけなんですけど、平成十七年の五月三十一日、豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書が締結をされていました。その中で、東京都の環境確保条例に基づいて提出した汚染拡散防止計画書に記載されたところに加えて、さらに上乗せの対策をとることが記載をされました。平成十四年合意を行うとされた汚染土壌対策に加え、さらに対策をとるといたしまして、そしてまた同時に、平成十七年五月の確認によると、汚染土壌対策を東京ガスが行えば、東京都として豊洲を市場用地として購入する上、東京ガスの売り主の責任は果たされたとお考えでしょうか。
 これは、恐らくお答えとして想像できるのが、もう外れているからわからないということなんだと思うんですけど、一応副知事として、濱渦証人は、このときの副知事の分掌担当というのが、三人の副知事で分かれていたかと思うんですけど、中央卸売市場は一応入っていたものですから、その点について、そこまで深く入っていなかったとしても、認識として、副知事として認識としてどうだったのか、含めてお答えいただければと思います。

○濱渦証人 残念ながら、私への報告は一切ありませんでした。こういう書類があったというのも最近知ったことです。

○河野委員 わかりました。おっしゃるとおりで、恐らく今度、四月に証人喚問する予定の赤星理事さんが、当時、知事本の理事ということで、その方とかなり詰めていかれたということで、それがなかなか副知事のところに上がっていなかったんだろうということを想像させていただきました。ただ、続けさせていただきたいと思います。
 平成十七年五月の確認書の内容について、これは石原知事も了承していたのかな、どうかということもお聞きしたかったんですけど、恐らく、副知事自体も知らなかったら、多分石原知事も、そのときには確認が上がっていたかもしれませんけど、なかなかうろ覚えのままなのかなと思います。
 本来はここまでなんですね。土壌汚染というのは、東京ガスが持っている土壌汚染対策というのの責任はここまでであり、ここまでは東京ガスは百二億円ものお金を使って、費やして、東京ガスとしての土壌汚染対策は責任が終わっております。
 しかしその後、より一層の安心のために、上乗せに上乗せを重ねて安全対策をしていったわけです。東京ガスは公益的な企業としての責任において、またプラスアルファの七十八億円ということも出されていて、安全はもちろんのこと、安心も極めて高いレベルまで確保されていると思います。
 証人は、東京ガスがきれいに、マスコミの取材に対して濱渦証人は、東京ガスがきれいにしてから売買をするという約束だった、なぜ東京都が汚染対策費を出したのかというふうな発言をされております。また、土壌汚染対策費用について、東京ガスが負担しないのはおかしいともおっしゃっております。この委員会の中でもそのような観点から質問されている方もたくさんいらっしゃいます。
 証人が、濱渦証人が副知事退任されてからの後で、知り得ないことだと思いますし、その後の、きのうの市場長の尋問の中でも、東京ガスの汚染対策費として七十八億円、二十三年の三月の協定書を結ぶ際に、締結する際に、これは専門家も交えてやっております。専門家というのは弁護士さんに複数チェックをしていただいて、これが正しいかどうか、そういったこともチェックをしていただいております。
 その中においては、意見書の中で、平成十七年確認書に基づく請求は、東京都において合意内容を履行したことを確認しており、確認書を根拠とする請求は困難である。瑕疵担保責任について、市場用地として平成十七年五月の合意に基づいた対策を完了している上で売却することが予定されており、その対策は、環境確保条例が求める内容を十分に満たしていることが確認されている以上、最高裁の、最高裁判所の判例に照らしても、東京ガスに対して、詳細調査の結果、新たな検出された操業由来の汚染物質を含め、瑕疵担保責任を根拠に対策費相当を請求することは困難であると結論づけております。そして、平成二十三年の三月の協定書の締結は法的に問題がないという見解を示されております。
 この複数の法律家、専門家、弁護士が、この東京ガスに対しての瑕疵担保責任を根拠に対策費の負担を請求することは困難であるとしておるわけなんですけど、それを前提として平成二十三年三月の協定書が締結をされているという事実があるんですけど、これでもなお、汚染土壌対策費を東京ガスが負担すべきとお思いになりますでしょうか、見解を教えてください。

○濱渦証人 石原知事は環境庁長官をやって、非常に大気汚染も含めて非常に環境については厳しい方でして、だからそういう、もっときれいにしろといったとは推測できます。が、もともと、築地にあります市場を豊洲に移すと。それで、豊洲で土地を買って建物をつくってどれぐらいの予算でやるんですかといえば、そのときの市場の基金は三千億だったんです、私のときに。その三千億で土地を購入し、建物を建て、その他のケアをしていくというのが東京都の財政としての総枠だったと思います。それがいつの間にか違うようなお話になっているのも、途中でなぜそういうのが方針転換をしたか、合点がいかないと私は思います。
 したがって、環境をよくするためにお金をかけるというのは非常に大事なことですが、今回の件について正しいかどうか、私の判断では何とも申し上げられません。

○河野委員 ありがとうございます。おっしゃるとおり、本当に三千億という枠がありながらも、どんどんどんどん膨らんでしまった。これは恐らくさまざまな経緯がある中で、交渉もそうだと思うんですけど、一つ一つ積み重ねていくことによって、ここを目指していたのに、こっちの方向へ行ってしまったりとか、そういったこともあると思います。
 ただ、これが何かこう、ずるをしてやったわけでもないし、いろいろ合議制の機関としていろいろ通しながらも、手続を踏んでやっている。それが石原慎太郎知事がいわれている、つかさつかさに任せて、そこでのいろいろな決断があって、それを最後に裁可したというふうなことをおっしゃっているんだと私は理解をしております。
 ありがとうございました。きょう提出されました資料、記録の中で、冒頭にも申し上げました、殊さら取り上げる必要もないようなメモの類いもたくさんありました。東京ガス、特に活財室及び東京ガス豊洲開発の方々には、ご自身の夢であるまちづくりを諦めていただいて、東京都に土地を譲っていただいた、その悔しさからかもしれませんが、本当にメモを見ていると、メモというか資料を見ていると、悔しそうな言葉みたいなものが出てくるんですね。どなたかというのは多分、濱渦副知事は想像されるんだと思うんですけど、私もそのEさんという方なのかなと思うんですけど、でも、そこからいろいろ見えてくるというものは、人間のドラマであり、葛藤だったり感じております。
 広瀬社長が先日の証人喚問の際におっしゃっていました。二十年近くの間に、各レベルで恐らく何百回、場合によってはそれ以上の東京都と東京ガスとの協議、いろんなレベルで、いろいろなところでされたかと思います、これは協議ですから、あるいは交渉事ですから、それぞれいろいろな提案なりいろんなアイデアが出されて、そして合意をしていく、ただ、結果的には、その場限りになったものもあれば、それがだんだん合意、覚書とか契約になっていくと述べられておりました。
 豊洲市場の用地土地買収交渉、間違いなく、濱渦副知事がいらっしゃらなければなし得なかった大事業だと思っております。非常に困難な中、公益のためにそれぞれの方が努力をした結果、世界一の市場豊洲を完成したと私たちは考えております。そういうことだったと思うんですけど、センセーショナルな言葉だけが躍るようなことではいけないですし、この百条委員会というのは、本当にこうしっかりとその真実を、都民の皆さんに疑問に思っている点は見せていく、それが百条委員会だと思っております。
 私たち自民党は、新事実をセンセーショナルに発見することはなかなかできませんし、ましてや事実をねじ曲げて捏造するようなことは当然我々はできません。都民の疑問に思っている点、率直に濱渦副知事にお話しいただけたと思っております。これで豊洲開場に向けてまた一歩前進したと私たちは確信をしております。
 以上で尋問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時十九分休憩

   午後二時四十分開議

○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 引き続き証人から証言を求めます。
 谷村副委員長。

○谷村委員 公明党の谷村孝彦でございます。本日は真相究明にご協力をいただきまして、心から御礼を申し上げます。大変にありがとうございます。
 さて、本委員会の使命は何か。それは豊洲移転問題をめぐる種々の疑惑解明であります。都民の皆様がこの本委員会に期待する点は、これに尽きると思います。その疑惑解明の最大のポイントは、私どもは、水面下交渉であると見ております。
 本日は、水面下交渉の主役、濱渦元副知事の証言をいただきながら、真実を追求していきたいと思います。
 なお、都民の皆様に少しでもわかりやすくご理解をいただくために、本日はフリップを使って説明し、この水面下交渉の真相を明らかにしていきたいと思います。
 まず、水面下交渉について、順を追って確認をしてまいりたいと思います。
 東京ガスさんの内部資料によれば、水面下交渉に入る一カ月前の九月四日、東京都の幹部が東京ガスを来訪した。それは四月四日に、来月四日に証人喚問することになっております元政策報道室理事の赤星さんであります。赤星理事は、東京ガス幹部に対し、市野専務も、約束した八月までの土地の譲渡の回答はどうなっているのかなどと発言をしたとされております。この東京ガスは、先ほどの赤星理事の発言について、この資料にこんな感想を書いておられます。譲渡を前提に冒頭から強い調子だった。赤星理事が強い調子で、東京ガスに迫っております。
 そして、九月十八日には、東京都の赤星理事と東京ガスの幹部らとが懇談、懇親会を開いております。具体的な条件を出すことについて都が受諾をしたと。そしてこの時期、水面下交渉の地ならし期間と私どもは呼ばせていただきたいと思います。そしてこの地ならし期間を経て、いよいよ水面下交渉に入ります。
 水面下交渉は、十月四日、濱渦証人が副知事として東京ガスを訪問し、濱渦証人のこの言葉で始まりました。それは、水面下でやりましょう。
 十二月十四日に、その後、十二月十四日ですが、濱渦副知事から東京ガスへ、東京ガス側の江口氏に宛てたメッセージが送られております。このことは、先日の本委員会で、公明党の上野和彦議員が明らかにした平成十二年十二月二十二日の日付がある東京ガスと赤星理事との折衝メモに詳しく載っております。このメモについて、信憑性を問う議論がありますが、三月十一日の本委員会で、東京ガスの広瀬現社長に対する委員長総括質疑で、この資料自体は東京ガスさんから出されたものでありますので、東京ガスさんからの記録の提出については虚偽はございませんかと委員長総括質疑でしております。これに対して広瀬証人は、お答え申し上げます、虚偽はございませんと、このように明確にお答えになっておりますので、このメモの信憑性と、そして後からご説明いたしますが、その内容について、極めて信憑性の高いものであるということを私どもは確認をさせていただいております。
 そして、十二月十四日、濱渦副知事から東京ガス側へのメッセージ、濱渦証人、要求は全部いってください、それを官僚に示すのは、指示するのは、私たち政治家の役割であると。
 では、ここで濱渦証人にお伺いします。
 濱渦、当時証人のお立場が政治家であったかどうかというのはわかりませんが、当時のあなたの上司である石原知事は政治家であります。この政治家というのは、石原知事のことを指しておられるのでしょうか。そして、石原知事が、要求は全部いってくださいと、このようにおっしゃったのか、お答え願います。

○濱渦証人 パネルが見えませんので、何かさっぱりわからないんですが、おっしゃっていることについては、一に、九月の二日、おっしゃいましたけれども、赤星さんと東京ガス、私は一切知りません。十月になってから私がスタートであります。
 指示としては、丁寧にやりなさいと、東京ガスさんがどういうことをご希望になっているか、過去のいきさつは承知しておりますので、そういうことは指示をいたしました。
 政治家であるかないかというのは、先方の受けとめだけの話と思います。

○谷村委員 しかし、当時の東京ガスさんの内部資料には、はっきりこの濱渦元、当時の副知事からのメッセージとして記述してあります。そして実際に二月二十一日、濱渦証人と伊藤副社長が会談し、覚書が交わされております。
 まず、この水面下交渉の結論として、私どもは強い政治的な圧力があったのではないか、問題の十二月二十二日、申し上げたメモのことであります。このメモには、括弧、副知事からというのは、濱渦当時の副知事のことだと思いますが、副知事から赤星理事への指示はをタイトルとして、このようにいっております。
 濱渦氏の指示は、安全宣言で東京ガスを救済しろと、すなわち、安全宣言を東京都がしないと東京ガスにとっても土地の価格が下がって困るだろうというふうに書かれておりました。そしてその後に、これは東京ガス、そのメッセージを聞いた東京ガスさんの受けとめ方と思われますが、東京、まあ、このように記載されています。東京都側が、東京ガスの土地の値下がりをカバーすべく安全宣言で救済するから、それまでに結論を出せと書かれております。
 ここでお尋ねをいたします。安全宣言で東京ガスを救済する、それまでに結論を出せといった指示を赤星、当時の理事に対してされたでしょうか、もう一度確認のためお尋ねをいたします。

○濱渦証人 豊洲開発と汚染土壌については、私、社長と直接やりました。それで、見えないんですが、赤星理事が東京ガスにそのようにいったと、濱渦がいったといっていますが、私はそういうことは承知しておりません。済みませんが。

○谷村委員 いずれにせよ、私たちは、この水面下交渉の第一の真実として、強い政治的圧力で交渉を前に進められたのではないかという結論を得るに至っております。これは、いわゆる都知事の安全宣言を材料とする強い政治的圧力、いわばこの前段ではむちに当たるものではないかと。そして、平成十三年一月に、東京ガスの環境対策がオープンになりますが、その後--済みません、ちょっと飛びます。飛ばします。時間がないので、飛ばします。
 この先ほど議論になりましたXデーというのがありました。これは私どもも、東京ガスさんが平成十三年一月二十五日に行われて、豊洲だけではなく、幅広いところで、環境、汚染土壌の調査をして発表がされた、これが一月二十五日であって、私どもは、これがXデーではないかと思っております。その日までに結論を出せというその指示が、その強い指示が、圧力があったのではないかと。この東京ガスさんが汚染土壌調査をしている、その結果を引き合いに出し、その結果によっては土地価格が下がってしまうだろうと。で、石原知事の安全宣言で救済している、だから売れという、こういう主張、一種のおどしではないのかと。
 実際に、この一カ月後の二月二十一日に覚書が交わされております。水面下の大筋合意、これは先ほどもお話ありましたけれども、内容は、合意といってもほとんど明示されておりません。
 そして、都議会本会議で石原知事が、この二月二十一日に初めて豊洲移転に対して触れております。石原知事は、都議会本会議で、施政方針演説で、豊洲地区を新しい市場の候補地とし、今後、関係者と本格的な協議を進めてまいりますと。この二月二十一日に覚書が交わされております。これは濱渦当時の副知事と伊藤副社長会談。そして、その同じ日に都議会本会議で石原知事が初めて、築地の市場は豊洲に移転するということを言明している。
 この覚書を交わす前までに結論を出して、覚書を交わしたその日に都議会本会議で、この豊洲移転に初めて知事が言及をするという、こういう知事の施政方針演説に間に合わせるために、急いで交渉を進めたのではないか。そして、強引に東京ガスと覚書を交わし、水面下交渉の大筋合意を取りつけたのではないか。
 普通に考えれば、先ほど真偽のあるといわれておりましたが、社長は虚偽のない提出を、記録を提出したとおっしゃっておりますメモによりますと、濱渦証人の指示に該当する箇所に、まさしく第一回定例都議会二月二十一日と書かれているんですね、そのメモに。そして事実、二月二十一日に都議会本会議があり、そしてその同日に覚書が交わされたという事実、これをまず一点確認させていただきます。
 そして、この水面下交渉の内容で、これまで表になっているのは、ただいま申し上げました二月二十一日の覚書と、そして、先ほども証言ありました七月六日の基本合意であります。この二つの文書は、交渉の本質的な部分は記載されていない。覚書は、先ほども触れましたけれども、水面下交渉の大筋合意ではありますが、この内容がほとんど明示されておりません。
 そして、七月六日の基本合意、これは水面上の表の合意であって、結局内容がよくわからないものになっております。この合意も、濱渦副知事と、そして伊藤副社長で交わされている合意であります。
 そして、これまで表になったこの二つの文書では、水面下交渉の真相はわからないということで、今回、公明党が東京都と東京ガスに開示請求をし、今日までに表に出てこなかったもの、すなわち、水面下交渉の本当の合意内容を示す平成十三年七月十八日付の確認書、この存在が明らかになりました。この七月十八日の確認書のことを二者間合意とも呼ばれたりします。あるいは水面下の本当の合意ともいえますが、いわゆるタイトルは、正式なタイトルは確認書、基本合意に当たっての確認書となっております。
 この確認書の締結、七月十八日ですが、署名は、東京都の野村部長、そして東京ガスは高木室長であります。この高木室長につきましては、先日の証人喚問における私の質疑で、この確認書の存在をお認めになっております。
 そこでお尋ねをいたします。当時の東京ガスの高木室長も認めたこの確認書、七月十八日、これについてご存じでおられますか。

○濱渦証人 何点か異議がありますが、まず一番最後のご質問から。
 高木さんと私は交渉したことはありません。私が別の役員とやっておりまして、そういう文書があったことすら知りません、今日まで。それが一つ。
 その前にですね、安全宣言を知事にさせるとか、知事が安全宣言なんかできるわけがありません、冷静にお考えいただければ。
 それから二十一日に、覚書のときに本会議でいったと。いよいよ交渉が移ってくると。交渉がスタートすることが確定したから、本会議で、移ることが、豊洲に移ることが可能ですといったのが、知事の本会議での発言と思います。
 以上、三点です。

○谷村委員 ちょっと誤解をされたようで、覚書と基本合意は、濱渦副知事と伊藤副社長です、東京ガスの。今、私が申し上げました確認書、水面下の合意なるものは、野村部長と高木室長であります。ですから、その確認書に濱渦証人が記載されているということはあり得ません。
 ただ、その覚書をし、基本合意をした直後に、その基本合意の内容を具体的に示す、その合意確認書であります。この確認書があったことをご存じかどうかというのをお尋ねしている。

○濱渦証人 全く知りません。不届きな話です。

○谷村委員 不届きというのは、どういう意味なんでしょうか。後で確認をさせていただきたいと思いますが。
 この、私どもからしましたら、当時の濱渦副知事のお立場で、知らないということはないのではないかと思います。明らかにご存じであったのではないかと思います。その確認書には、四百八十六億円もの負担を東京都がやりましょうと、そのかわり、その署名を知事本部の部長の方で署名をしているという内容です。後で確認をさせていただきます。
 そして、十二月二十二日のメモに戻りますが、このメモの後半には、実は今後の水面下交渉の方向性が語られています。これですね。十二月二十二日のメモでは、方向性として、開発フレームの大幅縮小、開発者負担を白紙、基本合意の開発利益の確保、護岸の都負担約三百億円等を調整していきましょうっていうものであります。
 そして、水面下交渉の合意である確認書、それには何て書いてあるか。開発フレームの見直し、ここには居住人口削減、そして、防潮護岸の開発者負担はなし、防護、防潮護岸マイナス三百三十億円等、トータル東京ガスの負担減が四百八十六億円にもなりますよというこの確認書。これは、十二月二十二日に出された方向性とほぼ類似をしているといっても過言ではありません。
 このメモの真実性は、そういう中身の面からいいましても、大変に真義性は高く、信憑性は高く、私たちはこのメモがあったと信じております。そして、このメモにある濱渦証人の安全宣言で東京ガスを救済するというこのご発言は、実際にあったのではないかと思っております。
 そしてこの確認書、今確認いたしましたけれども、東京ガスの当初計画から比べると四百八十六億円も負担が減っているという、いいかえれば、この四百八十六億円というのは、東京ガスさんの利益確保に成功している。この水面下交渉で四百八十六億円という事業性、事業収益を確保したことになるという確認書なわけであります。
 護岸工事の負担は都が行う。これ、濱渦証人、おっしゃっていると思います。しかし、それは何を意味するかというと、都民の税金で負担をするという意味であります。これを水面下交渉で、都民の知らないところで、すなわち不透明な中で決められた。水面下交渉の第二の真実は、東京ガスの事業費を都民の税金で肩がわりして軽減し、その見返りに、東京都は豊洲の土地を購入したのではないかということであります。
 先ほどの尋問の際に、濱渦証人は、護岸整備と市場移転は別の話というふうにご証言されました。聞いていてちょっと驚いたんですが。
 月刊誌「正論」で、これは平成二十八年十二月号、土地が汚いままでは都が買い取るわけにはいかないので、東京ガスのお金で調査をしてきれいにしてくださいということで話がまとまりました、豊洲の土地は海に面していますが、護岸が整備されていなかったので、それは都が整備しますということにして、それで平成十三年七月に、市場移転について、都と東京ガスとの基本合意に至ったわけです、このようにおっしゃっております。先ほどの証言とは矛盾をしているのではないかと思います。
 そして話を戻します。まとめます。
 まず第一に、当時から土壌汚染を認識されております、交渉の中で濱渦証人も。また、都議会本会議で、知事の安全宣言を材料とするという強い政治的圧力、このむちで、そして一方で、都議会でそれが安全宣言がなされたという、これは都議会への冒涜ともとれる。安全・安心が強く求められている今日、あろうことかこの安全宣言を交渉の引き合いに出すという、食の安全という、この都民の皆様の生命を軽んずる行為ではないか。
 そして第二に、不透明な東京ガスの負担軽減、これは東京ガスさんからいうと利益確保になります。これは東京ガスさんに対しては、むちに対してあめになります。このむちとあめで強引に交渉を進めた。これも東京ガスさんの利益確保のため、根拠不明の金を東京ガスに提供するといえるもので、都民の皆様に対しては背信行為である。このむちもあめも、いずれも都民の期待を裏切る行為ではないかということであります。
 そして、水面下交渉の結論の三つ目として、汚染を隠す現処理計画であります。この確認をさせていただかなければいけないのは、濱渦証人が最近発言をしておられることの真偽であります。最近メディアにたびたび出演をされて、土壌汚染対策について、土壌の汚染対策は全て東京ガスが行う、東京ガスがきれいにしてから売買するということを決めていたんだと、このように発言をされております。これは東京ガスに汚染土壌を完全に取り除かせてから、東京都が買い取るはずだったという意味で捉えてよろしいのでしょうか。

○濱渦証人 最後の質問だけにお答えするのか、それとも途中のですね、一つの、委員のおっしゃるストーリーとしてはそういうのはあるかもしれませんが、それは事実と反するが、その反論もよろしいでしょうか。(谷村委員「済みません、お尋ねしたことにお答えいただければ」と呼ぶ)そうですか。(谷村委員「はい、申しわけありません」と呼ぶ)何でしたかね。(谷村委員「済みません。お尋ねの件だけご証言いただければと思います」と呼ぶ)もう一度いってください。済みません。

○谷村委員 あなたはメディアで、土壌の汚染対策は全て東京ガスが行う、東京ガスがきれいにしてから売買するということを決めていたとおっしゃっております。この発言は、東京ガスに汚染土壌を完全に取り除かせてから、東京都がその土地を買い取るはずだったという意味でおっしゃっているのかをお尋ねしております。

○濱渦証人 私の担当している当時は、土壌汚染というのはあるというのは承知しておりましたが、どこにどういうものがどれだけあるかというのは、まだ決まっていません。で、それをまずは東京ガスに調査をしていただきたい、そして汚いものがあればきれいにしてください、でないと東京都は買えません。東京都の意思だけでなくて、財産審議会があります、財産価格審議会、それも通っていかないから、それはよく心得てやってください、こういうお話はしました。そのことは、後に進んでいく話になります。

○谷村委員 済みません、お尋ねしているのは、土壌汚染対策は、東京ガスさんがきちんと汚染された土壌を取り除いて、そして、その後に東京都が買うという趣旨でおっしゃっておりますよね。それでよろしいかどうか、もう一度ご確認で。

○濱渦証人 きれいにしないと買えませんので、そのようにいっています。きちっとが、どういうことをいうかよくわかりませんが。

○谷村委員 私は先ほど、水面下交渉の裏の結論として紹介した確認書、いわゆる二者間合意と呼ばれているものであり、水面下での合意、この中では、土壌汚染対策について、こう書かれております。
 市場用地内の汚染土壌の処理については、東京都の指導に基づき現在進めている、拡散防止を目的として処理を行う現処理、現在の、現処理計画により対策を実施し、その完了を確認した後、土地の譲渡を行うと。この現処理計画により対策を実施しと、こうありますが、この現処理計画とはどういう計画かご存じでしょうか。

○濱渦証人 全くわかりません。二者間合意というもの、そのものを私は知りません。

○谷村委員 この現処理計画の対策で行うっていうのが、この今の土壌汚染費用をめぐる混乱の原因となっておりまして、正式には豊洲用地地盤整備工事計画書、これ平成十三年二月で、まだ担当されておられるときですね。そこに現処理計画が記載をされておりまして、敷地のどの部分の土壌を処理するかを記した図面が掲載されております。
 これは先日の委員会でも使わせていただきましたが、敷地のどの部分の土壌を処理するのかを記した図面であります。赤色の部分、この約、左下と右側にちょっとある、これは平成十二年、十三年度で対策をしますと、そして黄色の部分は、将来、対策をしましょうと、こう書いてある。
 ということは、これだけの敷地の中で、白い部分については何の対策もしないという計画になっております。この現処理計画、二月に出ております、十三年二月に。この処理する箇所が一部分に限られておりまして、繰り返しになりますが、何の対策もしない場所は汚染が残るわけであります。
 この処理の基本方針は、覆土、つまり盛り土などを行って、汚染土壌に直接手をつけない部分については対策を行わないということになっておりまして、汚染が残ることが前提であり、場所によっては汚染を隠すだけの計画になっております。この現処理計画はご存じありませんか。

○濱渦証人 汚いのは全部きれいにするという約束ですので、そんなもの、私、知りませんよ。

○谷村委員 そうですね、東京ガスがきれいにしてから売買するということを決めていた。そして、そのようにおっしゃっていますけれども(発言する者あり)合意内容が……

○桜井委員長 ご静粛に願います。

○谷村委員 大きく離れかけております。
 じゃあもう一回、今度は、市野専務と赤星次長の会談というメモが今回、開示請求で出てまいりました。平成十三年六月二十八日付のものです。
 この中で、東京ガスの市野専務が、こう発言しておられます。土壌処理について、市場は生鮮食料品を扱うので一〇〇%のレベルでやれと新環境局長にいわれても困る、二百億円ぐらい余計にかかってしまう。そして、この新環境局長とは、七月一日付で環境局長に就任することが決まっていた赤星次長のことであります。
 ずっと東京都と東京ガスで課題になっていたのは、汚染された土壌をどうするのかということがずっと課題になっておりました。濱渦副知事が、当時、副知事が基本合意までされたものについて、じゃあ汚染土壌の処理はどうするというふうに東京ガスさんとお話を決められたんでしょうか。

○濱渦証人 覚書、基本合意の段階も、東京ガスが土壌についてはきれいにするという、その言葉でありまして、そこから先も後もありません。東京ガスがやるという前提が組まれておりました。その後は、後の話ですので。

○谷村委員 済みません、じゃあ具体的に、いつそれは全てやるということを、当時の副知事として東京ガスと合意をされたんでしょうか。基本合意までが手がけられたことだと何度もおっしゃっていると思います。じゃあ、それまでの間で基本合意を得られるわけですから、一番重要な争点となっております土壌汚染処理、これの負担割合とか、どこまでするのかとかというのは、どのような取り決めを東京ガスさんとされたんでしょうか。

○濱渦証人 豊洲開発にお伺いしまして、まずはご挨拶をしました。改めて視察をしたいということで、現地豊洲を見ました。コンクリートのところもあればペンペン草も生えているところもあり、そこを当時の社長さんに案内をいただいて、どこがどんなものがあったの、どこが汚いの、どこがそうでもないのというように、全部案内をしていただきました。護岸も見ました。
 そこで、それはどこにあるか、あなた方知っているから、よく調査をしてくださいと。調査をした上できれいにしてくださいと。それは東京ガスがしないと、その先の方には進んでいけない。東京都としては購入することもできない。ただ、東京ガスの方が、それは一生懸命やりますと、これから調査をしますということでした。

○谷村委員 既に調査はされていて、十三年の二月の段階で、この現処理計画、東京ガスさんは、この計画で土壌汚染対策をしますよと。これはご存じのはずですね、交渉中のことですから。東京ガスさんは、ある日突然、この土壌汚染対策を始めるわけではありません。いろいろな経緯の中でされていて、ずっとこの現在処理計画というのは、ある意味では臨海開発のころからされているものを現処理計画と申し上げているわけです。この現処理計画はご存じなかったんですか。

○濱渦証人 私と豊洲開発でお話をして決めたのは、粗いメッシュの話ではありません。もっと詳細なお話でございます。土壌がどこがきれいで、どれが汚いかというのをもっときちっとしてくださいというので、そういうことが出てきたということは、私はよくわかりません。

○谷村委員 そうなると、土地をきれいにしてから東京都は購入されるわけですよね。何をもってきれいにしたっていうことを確認されようとしたんでしょうか。

○濱渦証人 私が判断するのではなくて、東京都が判断をするでしょう。判断の仕方はいろいろあると思いますが、まずは第一義的に、東京ガスさんが調査をして土地をきれいにすると、こういうお話でありましたから。
 その際、私のやめた後ですが、結局は環境局が入らないと、このことは整理できないわけなんですから、交渉の中で後に環境局が入ったやに聞きますんで、それはそれで進んでいったと思います。

○谷村委員 水面下交渉に入るまでの表になっている資料がたくさんあります。東京都と東京ガスさんとの間でさまざまなやりとりがあります。そもそも売りたくないといっていた豊洲の先端部。それに対して、そこじゃないと市場は困るといっていた東京都。その土壌が市場にふさわしくないんですよと、先端部は。だから、もしどうしてもということであれば、根本の部分を東京都さんに買っていただいて、必要だといわれる市場をお買いになったらどうですかっていう構想も出てきます。しかし、先端部じゃないとだめなんだっていうことになるわけですね。
 もしそれを土壌、東京ガスさんの方は、どれだけ汚染されているかっていうのはよくご存じですので、きちんとこれやろうとすると二十年かかるっておっしゃっているわけです。それについて、そのことを東京都に対し説明し、その二十年かかるものを、一気に対策をすると膨大な金額がかかるとも説明しているわけです。また、そういうふうなことになるんであれば、話は進むけどなというようなやりとりもあるわけですけれども。
 この東京、やはり豊洲市場予定地の土壌がどれだけ汚染をされていたのか。そして、そのためにはどういう対策をしなければいけないのか。そして、そのために、その費用が締結されます、交渉されます。幾ら東京都が負担をしなきゃいけないのか。汚染土壌対策については、東京ガスさんにはどこまでやってもらわなきゃいけないのか。こういう確認がとれないで、じゃあ移転をしましょうという話は成り立たないわけですね。
 二月二十二日の覚書も、そして七月六日だったでしょうか、基本合意も、そこまできちんと確認されていない。
 しかし、現処理計画というものは、これは明らかになっております。この新市場予定地をどうするかということについては、再三というか、ずっと東京ガスさんが進めてきている話ですので、その交渉の責任者の方がご存じないと、現処理計画を。それはちょっと信じられないんですが、ご説明をいただければと。

○濱渦証人 汚染の話は、科学的知見をもってどうするかというのは結論が出るものであって、それはそれなりの判断をする機関が判断しないといけないわけなんです。
 くどいようですが、私のときには、土地の土壌汚染については東京ガスがやりますと。やってくださいね。はい、わかりました。やります。
 能力的にも東京都ではできない、民間企業に委託するか何かでしょう。しかし、実際に経験のあるのは、東京ガスあるいは東京電力でありましたから、そういうところを使って、まず調査をして、きれいにしてください。でないと、価格の話はもう私のときは出ておりません。そういうこともありませんから、まず姿勢として、きれいにしてくださいと、こういうお話でした。

○谷村委員 ということは、この現処理計画はご存じなかったということでよろしいわけですね。これはちょっと重要な点ですので、お願いします。

○濱渦証人 私の交渉している役員さんとの間では、そういう話はありませんでした。そういう事実があったとしても、私は承知しておりません。

○谷村委員 水面下交渉の、私どもの、まとめられた内容として今質疑させていただきましたけれども、強い政治的圧力で交渉され、そして不透明な東京ガスの利益確保、そして汚染隠しの現処理計画、これが濱渦証人がご存じないとなると、じゃ、どなたがこれをされたんでしょうかという疑問も残ってまいります。
 その水面下交渉の二者間合意というのが出るわけですね。これ東京都になかった。だから、これって知らぬ存ぜぬで行けるかもしれないというふうに思われたのか。東京ガスさんの資料では出てまいりました。水面下交渉の合意、四百八十六億円、東京都が東京ガスさんのさまざまな負担を肩がわりするという。これが、意図的に東京都に残されなかったのではないかというものが、このメモでまた新たに出てまいりました。
 それは、東京都側になくて、東京ガスさんにはこの基本合意があるのはおかしいじゃないかという質疑を東京ガスさんとさせていただきましたけれども、そうすると、東京都にもありましたっていう資料が出たんですね。
 最初は、五枚あるうちの三ページ目だけが、中央卸売市場から出ていまして、今度、政策企画局、前身の知事本部だった知事本局。それを見ると、そこから一生懸命探したら出てきたっていうものがありました。全く同じものです。ただし、マル秘と書かれています、こちらには。東京ガスさんのは、そういう交渉は書かれていない。
 ここで重要なのは、写っていないと思いますが、原本ではなくて、ファクスで送られたものそのものが保存されていたんです。だから、この水面下交渉の内容、合意内容というのは、昨日もやりましたけれども、元市場長さん、皆さんご存じないわけです。
 この、いつ、ファクスが送られたかっていうのが、たまたまクレジットに残っておりまして、平成十九年四月十七日、基本合意が交わされたのは平成十三年七月十八日ですので、約六年間、東京都には存在しなかったことになります。
 じゃあ、なぜこの時期にこれが送られて、マル秘の印鑑が押されて保存されたのか。なぜその時期になって来たのか。
 これはちょうどその直前に、四月八日、都知事選が行われまして、石原都知事が三回目の当選を果たされた直後であります。そのときの都知事選挙で、この豊洲の土壌汚染の問題が議論された、争点になったということもあって、それから、大事なことは、実は、東京都と東京ガスさんでこういう交渉をしたんだよと、四百八十六億円負担する、そのかわり、東京ガスさんは現処理計画だけでいいんですよっていう、そういう確認がなされたものなんです。
 最後に、もう一度お伺いします。
 この平成十三年七月十八日付で交わされた東京都と東京ガスの基本合意に当たっての確認書につきまして、本当にご存じないでしょうか。

○濱渦証人 まず、そういうものが、東京都が隠していたというのは不愉快ですね。私も知りませんけれども。それが、それ、三つもありますけれども、強引な政治的な圧力が、それは東京ガスに対して失礼になりますよ。政治的な圧力だ、そういうことではありません。論理的にずっと重ねて、ただ、交渉するのに、担当者、担当者、いろんな担当があるわけですから、そこでどういう話がなされたか、私は承知しておりません。私の名前を使ったこともあるでしょうし、それから、数字は全然私の交渉のときは出ていません。数字をするのは、ずっと土地もきれいになって先の話になってくるので。
 それまでは東京都の役員さんとどうすればいいか。一番の問題になっていたのは、既に豊洲、晴海の開発の整備で合意をしていたのを、いいまちつくりましょうといっていたのを、もう一回やり直しをしないといけないですねと、それが整理されないと、都市再整備というのができないと、市場を持ってくるにも持ってこれないから、それじゃあ、そのことをこれから先、調整して打ち合わせをしてくださいということであって、おっしゃるようなことがあったということは、実に不愉快ですね。私に教えるべきだと思いますよ。

○谷村委員 ありがとうございました。
 この強い政治的圧力というのは、東京ガスさんから提出された資料に書かれていたものでございまして、同じ言動でも、それを政治的圧力と、する側は仮に思っていなくても、受ける側はそのように受けて、懇親会まで、懇親会二回、確認できているだけで二回ぐらい懇親会も開催されているようです。そういう意味でまとめさせていただきました。(濱渦証人「入っていましたか」と呼ぶ)いや。(濱渦証人「その懇親会に」と呼ぶ)いや、入っていないです。
 ありがとうございました。

○桜井委員長 あさの理事。

○あさの委員 東京改革議員団のあさの克彦でございます。
 本日はお忙しいところお越しいただき、本当にありがとうございます。
 さて、本題に入る前に、先ほどの証人からの証言について、幾つかだけ確認をさせていただきます。
 先ほどの答弁の中で、平成十三年合意の後、東京ガスや豊洲市場の案件にかかわってはいないという話がございましたが、これにまず間違いはありませんでしょうか。

○濱渦証人 基本合意の以降は、私は存じ上げません。

○あさの委員 それでは、平成十七年の濱渦副知事が退任なさった後、東京交通会館などにいられたということはわかっているわけですけれども、その際も、報告や相談という形でも受けられたことはないでしょうか。

○濱渦証人 全くありません。東京都が私を迷惑がっておりました。

○あさの委員 たびたびで申しわけありません。最後に、もう一回だけ。その後さらに、平成十八年から東京都参与に就任なさっておりますが、このときでも、全く報告、相談、こんなことがありました、過去のことについてちょっと確認させてくださいといったこともなかったでしょうか。

○濱渦証人 私の参与は、国とその他関係機関との連絡調整でありまして、豊洲はそれには入っておりません。

○あさの委員 ありがとうございます。
 それでは、本題に入りますが、まず、この間、平成十二年から十三年の合意にかけて、土地を売ってもらう、売却の意思を固めてもらうための交渉をしていたということで、この指揮をとられていたということで間違いないでしょうか。

○濱渦証人 福永元副知事から担当、私にかわりまして、私がこの担当として心がけたのが、まず、丁寧にみんなやりましょうと。それから、東京ガスがどういうお考えであるかというのをよく聞いていかないと、交渉でありますから、人間関係が破綻したら絶対できないし、信頼がないとできないと思っておりましたから、そういう意味では随分汗をかきました。

○あさの委員 随分汗をかきましたということで、過去のいきさつについては十分承知していた。そして、先ほど、東京都はうそつきだといわれて、顔を真っ赤にしていわれた、人間関係が破綻してはいけないんだということで、東ガスさんがどんな意向を持っているか、ちゃんと丁寧に確認しながら進めたということでございました。
 ここで、それでは、そこの交渉に至るまでのちょっと経緯について、十分ご承知だと思いますが、確認をさせていただきたいと思います。
 都議会公明党さんのご好意によってパネルを置くものが使えるようになりましたので、私もちょっと利用させていただきます。十三年合意の背景という形でまとめさせていただきました。我々がさまざまな資料を調査した結果、まず大前提として、この話は、豊洲の移転をするということ、これはもちろん濱渦証人が副知事に就任する前、もっといえば、石原都知事も含めて、知事に入ってくる前からの話になりますけれども、築地を豊洲に移転する、そのために豊洲を買わなきゃいけないというのは、結果そうであって、我々は、そもそも臨海副都心、あの豊洲の地域は、臨海副都心会計、そして開発という形で開発が進み、バブル時代なんですね、これは。平成元年でございます。バブル絶頂といわれる一九八九年のあたりで開発をしていくことが決まり、進んでいきました。その間、東京ガスは、東京都のその計画に乗っかって豊洲開発を進めていくということで経営判断をされていると思います。
 しかし、その後バブル経済が破綻し、そして臨海部の企業が撤退する。さらには地価も下落していく。そういった中で、当然経営判断をした際に、東京都と話をしていた、将来にわたって確保するべきだった利益、あるいはその事業で手に入るはずだったもの、つまり、事業採算性がどんどん悪化していったという事情があったと思われます。
 そのことは恐らく、東ガスさんというのは、交渉の入り口なのか、過程なのかわかりませんが、どこかで、やはりその事業採算性のことはいっていたんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○濱渦証人 以前のことにかかわっていませんが、パネルにあるような流れはあったと思います。特に、都市博を青島知事が中止をしたことによって随分の負債がありまして、港湾で持っているお金のマイナス分、随分なことを私は聞きましたけれども、そういうことの流れは、ご指摘のようなことあったかもしれないが、そのとき私はいませんでしたから。

○あさの委員 私、できれば、また後ほどもう一回聞きますが、東京ガスさんから事業採算性を確保してほしいみたいな話があったかということを、また後ほど伺いたいと、後ほどでいいです、伺いたいと思います。
 今おっしゃっていただいたとおり、実は、臨海会計というのが非常に大変なことになっておりまして、その前に埋立会計からお金を借り入れするんですね。しかし、当然、赤字というか、非常にひどい状況になっておりますので、返す当てがありませんから、結果的に、借りていた埋立会計そのものを臨海会計に統合する、これ、平成十三年に行われます。その前からその話はあったんですが、いろいろ議会ももめまして、最終的に十三年に統合するんですが、つまりこれは、債務者、借金している人が、債務者が債権者を、自分の中に、懐に入れて、それで借りていたお金をなかったことにするという、かなり奇策を東京都はやります。そのぐらい困っていたということです。
 そんな中で、当然、埋立会計が臨海開発会計に入ってきますから、土地区画整理をやっていた臨海開発の中で、護岸整備、これも本当は埋め立ての事業ですから、埋立事業である護岸整備も土地区画事業に編入しなければならないという事情が発生、これ、会計の統合するための事情だと私たちは考えています。その結果、この土地区画整理に事業を導入しなきゃいけないという事情が生まれました。
 同時に、手を焼いていた、築地の現在地再整備に手を焼いていたのは市場の事情でしたし、港湾局としては、豊洲のところ、企業が撤退しておりますから、都の土地、どういうふうにしていこうかという中で、まず築地用地を売却することで--築地用地、あそこは銀座の一等地ですから、あの用地を売却することでお金を得て、かつ、そのためにはどっかに持っていかなきゃいけないから、そこは豊洲に土地があるじゃないかということで、思惑が一致したのではないかと。
 結果として、さまざまな交渉があって、先ほどご答弁いただいたとおり、濱渦元副知事に、濱渦証人には、とりあえず豊洲の土地を買ってきてくれという指示が出て、十三年の基本合意につながったのではないかというふうに私たちはまず思っております。
 そこで、では、その事業に編入をした護岸整備、防潮護岸の整備でございますが、(パネルを示す)東京都は、そういった事情で護岸整備入れなければいけません。しかし、先ほどいったとおり、地権者たちは既にマイナスを背負っていますから、最初に東京都と話した利益がなかなか事業採算とれていない中で、そんな、さらに負担をふやす話にはなかなか納得できません。
 そこで東京都は、三百三十億円の開発者負担、これふえることになるんですが、受け入れてもらうかわりに、埋め立てしてできた土地を宅地として譲渡する、新規宅地譲渡ということで、これ地権者の試算ですが、三百九十億円分の宅地として返す。つまり、三百三十億円の負担をしてくれれば、三百九十億円という土地として返ってきますよという、この宅地譲渡スキームというのをつくり上げまして、埋立地を宅地として地権者に譲渡するよと。そして、開発費負担の見返りが、およそ試算によれば、差益が六十億ぐらい出るだろうという話が、これもまだ濱渦証人が副知事になる前です。
 話が進みます。結果的に、区画整理事業の中に護岸整備が入ってくるんですね。これが平成十年です。入ってくるんですが、この後、東京都は、実はこの宅地譲渡スキーム、これ、東京都の提案で入っているんですが、宅地譲渡スキームに法的要件が足りないと。これは、東京ガスからの資料によれば、東京ガスとしては、法的要件は本当はクリアしているのに、埋立免許申請時の東京都の単なる手続ミスによってできなくなったんだということを、東京ガスはその当時、これは資料に確認できますが、指摘をしています。おかしいじゃないかと。つまり、東京ガス側からいえば、もうけ話を持ってきておいて、しかも、自分たちのミスでやっぱりできなくなったんでやめさせてください。これが護岸整備事業の真実だったのではないかと私たちは思っています。
 こんな詳しい話は、先ほど宅地、護岸についてご存じないということですけれども、少なくとも、先ほどの話とあわせて、東京ガスから、つまり、東京都は常に話を持ってくるけど、後でひっくり返して、結局、俺たち経営判断するって株主にどう説明していいんだみたいな、事業採算に関する苦情というか、要望というか、そういったものがあったのではなかったかと思うんですが、それについてお答えください。

○濱渦証人 東京ガスからの依頼は、私にありません。そのパネルの中に、前段の、その前のところでですね、会計二つになっていますが、三会計の統合というのは私が担当してやりましたよ。港湾が潰れるから助けてくれということで、お父さんとお母さんの巾着一緒なのに、全然、それがおかしいじゃないかというので、お互い、物は同じじゃないかと。身内で貸し借りしていることだから統合しましょうというのをやりました。
 ただ、起債している分、国のそういうお金の問題も残っておりました。それはまず、それ、申し上げております。そのことは、埋め立てのこの事業には、港湾局が中心でやったというのは事実なんです。
 平成十年のお話ですが、そのときの約束が守られていないということで怒ったの、顔真っ赤にして怒ったのが、最初、私、東京ガスに行ったときに、その方が怒っていました。るる、そういう約束ができないと。それが、担当もその方がやっていたようですが、また来て違うことをやっているけれども、また違うこというんじゃないかと、本当に真っ赤になって怒っておりました。

○あさの委員 ありがとうございます。
 我々も、さまざまな交渉過程を検証した結果、東京ガスが東京都に対して持っている不信感は相当なものだったと思われます。それは単純に夢が破れたという話ではなくて、本当に経営者として、あるいは経営判断として、会社が見込んだ利益、これは株価にも直結しますので、そういったものを東京都は自分たちの都合で簡単にほごにしてくる。それを覆すことがどれだけ大変かということを、株主総会等もありますので、そのことをわかっていないんじゃないかという思いを持っていたんじゃないかと推測しています。
 そんな中、いよいよといっては申しわけありませんが、濱渦証人が交渉人としてスタートするわけであります。当然のことながら、今いった前提がありますので、東京ガス側からは、今までのそういった自分たちの不満、不信のもととなっているものをどう解決するのかといった話があったと思います。
 先ほどのご答弁にあった水面下交渉というのは、まさに、それを担当分野ごとに分けて、その担当分野ごとに一定の解決策を見出すために行ったんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○濱渦証人 水面下でやりたい、それは株主さん、他の取締役さん、あるいは経営会議ですね、一遍に噴くと自分たちも困ると、だから、それは個別交渉でやりたいというのを東京ガスが申しました。ですから、私は、それはいいですよと。そのとおり、おっしゃるように、東京ガスさんのご希望に沿った交渉をしましょう。中身は合意はしておりませんけど、スタートの段階ですから、そのおっしゃるとおりであります。

○あさの委員 確認しますが、そういった中で、その交渉の窓口というか、ところはどこが行ったのか、お答えください。

○濱渦証人 私の前任福永元副知事のときには市場がやっておりましたが、市場と東京ガスとの間には人間関係が破綻しておりましたので、知事本局にかわっていただいて、赤星理事を担当として、以降、そういう交渉は赤星理事を中心にして進めていきました。

○あさの委員 それでは、その後ですね、十三年基本合意というのをまとめに入っていくわけで、さまざまな交渉がございました。その交渉をずっと説明している時間がありませんので、ささっと結論の方にいってしまいますが、我々は、結局、この十三年の基本合意はどういう意味だったかというと、これは誤解なきように申し上げます。
 濱渦証人が云々という意味ではありません。あの十三年基本合意は、結局、後々の今までつながる結果を見ると、どういう意味を持ってしまったのかということについて、この十三年の基本合意で、結局、一番最初申し上げたバブル経済の破綻で臨海開発会計が頓挫して、それをいろいろやっていく中で、市場というのも入っていってという中で、結局、最後の最後、今市場にその費用が全部つけかえられているのではないか。そういった前提で私たちはお話をしているということをまずお含みおきください。
 それで、では十三年合意が、どうしてそういえるのかということであります。十三年合意というのは、結局、この合意した十三年合意に全てが帰結してくるんだということです。どういうことかというと、十三年基本合意、これ、先ほどおっしゃっていました、十三年合意と一緒に出されていた十三年合意の確認についてはご存じなかったということで、それはそれで、そういうことで進めさせていただきますが、その十三年合意と十三年の確認書というものに置かれた意味というのは、まず、防潮護岸の整備ですね、先ほどいった。自分たちが出してきたものについて、開発費をまた結局東京都が持たなきゃいけなくなりました。これについては、開発者負担、本当はやるはずだったんだけれども、やれなくなりましたんで、どうなったかというと、最終的に、これは市場の方で持つことになっています。市場会計の方に行っちゃいました。
 用地価格を売買契約時の時価にするということは、この後、東京ガスが交渉の過程でこの文言を使って、最終的に、今の適正な時価にするんだ、ずれるんだということで、汚染リスクを考慮外にするという、先ほどから出ている財産価格審議会の場で審議するに当たって、汚染、土壌汚染は考慮外にしなさいという言葉につながっていったものと我々は見ています。
 そして、土壌汚染の、これは確認書の方ですが、土壌汚染の処理は現処理計画により対策をしますということについてですけれども、この当時の現処理計画が、最終的にです、この当時はまだ瑕疵担保の免除にまでいっていませんが、最終的に、瑕疵担保を免除するところまでつながっていく。それはどういうことかというと、現処理計画、あの当時出ているものというのは、結局、法律、あの当時あるのは環境確保条例ですから、環境確保条例で求めている法的な義務を最低限やりなさいというところにおさまってしまったんですね。
 結果的に、これに合意をして、東京都がオーケーをしてしまったがために、次々に出てくるさまざまな追加の対策工事をやってくださいということが、全て、法的リスク、つまり法律で求めているものなんですかって、必ず東京ガスにいわれてしまうんです。そうすると、法律で求められているものじゃないですという話になってしまいます。
 そうなると、じゃあ、それをやるんだったら、かわりにこれをつけてください、かわりにどうしてくれるんですかっていう交渉にどうしてもなるんです。それは交渉事にお詳しい濱渦証人ならわかると思います。相手から、こちらからの要求をのむ以上は、こちらにも何か、じゃあ要求をのんでくださいよというのがどうしても出てきてしまう。そういった交渉がずっと続いて、最終的には、瑕疵担保を免除するところまでいってしまうんだと我々は思っています。
 それで、では、じゃあこの土壌汚染についてですが、土壌汚染、先ほどからいろいろなところでご質疑があったところでお答えいただいておりますが、この土壌汚染、濱渦証人は、あのとき、さまざまな確認を一応行っていたと思うんです。そして、指揮もとっていられたということでありますが、まず、十三年の基本合意をまとめるに当たって、環境局に対して、何らか汚染に対しての指示を出した記憶はあるでしょうか。

○濱渦証人 ありません。それは環境局がこの議論に入ってくるのは、東京ガスが土地をきれいにしたと、それの確認をするために、その時点で環境局が入るので、まだ私の時点では入っておりませんでした。

○あさの委員 今、明確に入っていないということでございました。
 では、当時、その中身ということは知らされていなかったとおっしゃっておりましたので、当時、東京ガスが行った汚染の処理、そして、その調査というのがどういったものであったのか、これもフリップにまとめてまいりましたので、ごらんいただきたいと思います。
 東京ガスが、まず、東京ガス由来の汚染の状況はどんな感じだったかというと、高濃度の土壌汚染がまずありました。これは今、図にあるとおり、工場があったり、石炭置き場があったり、主にそういったところを中心に恐らく汚染されていったんだろうと思われます。そして、ベンゼン、シアンなどがいって、東京ガスは環境確保条例に基づいてという、ここが基本なんです。環境確保条例に基づいて行った調査結果によりますと、今いったように、これは揮発性の物質、ベンゼンについては二十メーター四方、シアン化物について、重金属ですね、については三十メーター四方の交点でずっと調査をしていくんです。
 すると、どうなるかというと、これは後々わかるんですが、汚染のこれイメージ図ですけれども、イメージ図の中でいけば、高濃度の汚染のところも低濃度のところもありますが、その中で、見つかるところ、見つからないところ、どうしても出てきてしまいます。結果的に出てきたところは調査のボーリングをして、この赤いところにぶつかれば、そこは高濃度だよって発見できます。そうじゃないところに刺されば低濃度だよっていうふうに見つかります。そういったことをまず調査で見つけていったんですね。
 そして、見つけていったその汚染に対して、東京ガスはさまざまな交渉をするんですけど、結果的にですね、このように操業地盤面から二メーター、AP二メーターっていうのは、先ほど出していました荒川の基準水面ですけれども、そこからの二メーターのところ、これについて、操業地盤から見つかったところ、高濃度だよっていったところはもう掘って掘削除去をします、二メートルのところまで。それ以外のところには、基本的に、二メーター以下でも、汚染されていても、そこから先はもう高濃度でも終えちゃう、二メートルまでっていう約束ですから、二メートルまでしかやりませんと。
 そして、最終的には、今度は操業地盤面の上にふたをして、見つからなかった汚染も、それから見つかったけど、約束した以上深いところの汚染についても、全部残したままになってしまいました。つまり操業由来、つまり東京ガスが汚染してしまったことがわかっていながらも、操業由来と確認できている汚染が明らかに残留した状態をつくってしまっているんです。これが東京ガスが行ったもの。
 繰り返しいいますが、法令上、問題はありません。法令上、最低限レベルのことをやってくれっていうことやっていますから、環境確保条例上、全く問題ない状況です。
 しかし、本来ここは市場用地として購入するはずでした。ということは、食の安全・安心を目指すんであれば、どのレベルまで行くべきか、これ土壌の専門家の方に伺ってみました。本来は、十メーターメッシュ、細かく調べて、そして、高濃度、低濃度を見つけて、見つけたところは全部クリアにする、遮水壁を打って、外から汚染がこれ以上入ってこないようにする、その上で、汚染対策用の観測井戸もつくって、さらには、これ長時間かかりますので、汚染された地下水を浄化するところまでやる、これ理想です、あくまで。ここまでやったら完璧だといえるだろうと。
 しかし、これでも、もちろん、これは図ではきれいにしていますけれども、これで、じゃあ一〇〇%なくなるかというと、そこまでいきませんが、少なくともこれだと相当きれいになる。ほぼほぼゼロに近いっていう状況まで持っていけるだろう、時間かかるけれども。土壌をきれいにして、かつ、土壌を再汚染する可能性のある水まできれいにするところまでいきたいと、これが理想でございます。
 先ほどいった東ガスが実際にやっているのが法律で最低限求められているもの、そして、理想としてやらなきゃいけないこと。本来、汚染は、この間で交渉で決まると思うんですが、率直にお伺いします。
 濱渦証人は、この汚染の処理について、どのようにされると思っていたのか、つまり、どちら側に近いと思っていたのか伺いたいと思います。

○濱渦証人 汚染の処理には携わっておりません、私は。汚染の処理をするのは東京ガスがやるということで、いつから始めるかも決まっておりませんでした。したがって、まずは調査をする金を用意して調査をしてください、豊洲は。その後、出たものによって、きれいにしてくださいというのが私のときでした。おっしゃるように、メッシュが粗かったら、何の意味もないんです。そのとおりだと思います。

○あさの委員 とすると、私は、誰か、それが云々ではありません。これはもちろん法律上求められているものですから、東京ガスとすれば、法律で求められていることをやればいいでしょうというでしょうし、東京都からすれば、それは買う以上はかなりきれいにしてほしいというでしょう。であれば、当然ここはやはり交渉になるんですね。その交渉をしないと、本来は売買契約はまとめられるわけないし、もっといえば、売買の合意ってできないはずだと私は思うんです。
 つまり、ここで一番疑問になるのは、どうして土地を買ってきてくれと交渉を任された濱渦証人が、土壌汚染についての交渉をそのときなぜしていないのかと。合意に至る前に、これ、しておくべきだったんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○濱渦証人 土壌をきれいにするというのは、東京ガスの当然の責任であると考えておりました。価格も何にも私の段階では決まっておりません。

○あさの委員 ここが日本語の一番難しいところだと思います。責任を果たすということが、法律で定められたことをクリアしたから責任を果たしたって、この後の交渉でずっと出てくるんです、その話は。法律の規定をクリアしているんだから、俺たちはやるべき義務を果たしたよ、これが東京ガスの立場です。
 東京都は、平成十五年になってから環境局が出てきて、環境局は、市場用地としてはこの対策では不十分だから、もうちょっとやってくれっていう話をします。そうすると、東京ガスは、我々は義務を果たしているんだから、追加は、それはそちらの都合でしょうと。市場用地に使うって決めたのはそちらなんだから、東京都がやんなさいよと。我々は、普通に義務でされたものだけはやったんだから、それ以上は受けられないと、ここ交渉になるんですね。これ、もめごとになるんです。
 ですから、私がさっきいった、売買の合意をまとめる前に、それこそ細かく本当はやるべきだったんじゃないかということです。やっていなかったこと云々じゃなくて、やるべきだったと思うんですけれども、今振り返ると、結局、そこが汚染土壌に関する問題を残してしまった一番の根本になってしまっているんじゃないかと思うんですね。そこについてのご見解を伺いたいと思います。

○濱渦証人 売買の交渉をする前に、それまでに豊洲・晴海整備計画がありまして、それを見直すというのがまず先なんです。これを見直して、その次に、それじゃあ、どういう条件にするか、どんなことをするかと、そこから先が交渉に、土地の交渉とか、土壌どこまでということになると思います。
 ですから、基本合意は、まず、過去に東京都が東京ガスと約束していたことをもう一回ご破算にして、基本的ないいまちをつくりましょうというのはそのままにしながら、しかし、新市場として市場が行けば、もともとの計画が違うわけですから、そこを議論しましょうというのが基本合意ですので。
 それからもう一点、なぜ土壌汚染、書き込んでいないかというような話もありますが、土壌汚染は東京ガスがやるという前提ですから、まだ書き込む必要もない、その以前の話です。

○あさの委員 今、はっきりと、その前の交渉過程のご破算にするっていうことですね。まさに、私たちが最初に申し上げたとおり、本来これは築地をどこに移動しようかという話ではなくて、そもそもまず、豊洲の大前提となっていた、その前にさまざまな区画整理の問題だったり、埋め立ての問題だったり、護岸の問題、いろんなことが地権者さんと実はもう積み残した課題になってしまっていたんですね。そこを整理しないと話が進められない。これは移転をするという観点から見ると、入り口に見えるんですけれども、我々は、一言でいえば、バブルの清算っていう観点から見ると、これ出口だったんじゃないかと思うんです。まず、その出口をつけてしまわないと、入り口すら始められない。だから、その出口の交渉をしたのが濱渦証人だったんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○濱渦証人 私の個人的な意見は、特別秘書のときに市場に申し上げたんですが、市場は、海っぺりでなくてもいいんじゃないかと。既に輸送機関が変わりまして、船で魚を揚げる、築地に揚げるような状況でもない、豊洲に移ったって、もうそんな船を使うような状況はないので、それよりも、陸路で運ぶから、道路が完備してきれいな広い土地にして、多摩の地域なんか、多摩地域なんかはいかがでしょうかといったら、一蹴されまして、それは市場の人たちが反対している、このようにいわれました。本当に反対していたかどうかはわかりませんが、市場担当の局長さんはそういうことをいって、どうしても豊洲にこだわっておりました。おっしゃるとおりです。
 それからもう一点ありましたが、築地を売って金にするような話は、私のときにはありませんでした。したがって、もし移ったら、築地についてはどういうものをつくったらいいか、中央区は公園にしてくれというし、ドーム球場は困る、ドームじゃなくて人工芝の球場は困るから普通の芝生の球場をつくってくれないかとか、いろんな陳情が既にありまして、それからNHKが、もう老朽化していて移転の対象としてもどうかとか、等価交換でできないかとか、だから、土地を売って、そのお金をどうこうするような議論は私の時代にはありませんでした。ただ、事務的に進めていた港湾の人とか、おっしゃるような破綻をした方々は考えていたかもしれませんが、私のところではありません。

○あさの委員 おっしゃるとおりだと思います。局内での検討がされていたということがあるのではないかと思っております。副知事レベルまで上がるような意思決定の話ではありません。築地を売るということよりも、そこに上がってきたのは、恐らく豊洲に移転しますという話で上がってきたんだろうと、だからこそ、買ってきてくれという指示になったんだと思うんですね。
 ただ、我々やはり、そうはいっても今の現状を考えると、つまりこの、こういった本当は理想がこうすべきだったということで、この後、当時は、濱渦証人が副知事だったころは、専門家会議もつくっておりませんから、相談のしようがありませんが、専門家会議が行ってやります、平成十九年に、まず都が汚染をやったのは十メーター四方でやっています。先ほどいったとおり、細かい調査をしました。
 そして、そのこの細かい調査の後で、専門家会議でまとめられたのが、この今現状行っていく汚染対策であります。遮水壁を設置、先ほどいった理想にかなり近くなっています。遮水壁を設置しましょう、見つかったものは全部削り取りましょう、AP二メートルという話がありましたが、それ以前にもっともっと深いところ、汚染確認箇所全て処理基準以下にしていくんだと、そういった形をやって、さらにコンクリートまたはアスファルト、盛り土で何か全部やりますよと、ここまでが専門家会議でまとめた汚染対策であります。
 こうやってやれば、あとは地下水管理システム、我々としては、もし、これを使うんだったら、将来的には本当は地下水もきれいにした方がいいんじゃないかな、個人的には思いますけれども、それはともかくとして、ここまでまとめました。
 しかし、結果的にどうなったかというと、これが問題となっている盛り土の話であります。(パネルを示す)先ほどの図と見比べればわかるかと思いますが、どういうことか。本当はきれいにして市場を建ててやろうと思ったんですが、途中で、建築上の、そして地下ピットつくんなきゃいけない、しかし、地下ピットをつくるためには、上につくっちゃうと、もう本当に地盤をもっと上げなきゃいけませんから、道路からさらに上がって、スロープつくんなきゃいけないって話になりますので、どうしようかということで、ここにまとまっています。
 これをまとめるときも、結局、自己検証報告書とかにありますが、さまざまな相談がなされていません。つまりトップに上がっていないんです。先ほど濱渦証人は、他の会派の質疑に対して、都庁内の合意コンセンサスがしっかりしていれば、こんな問題は起きなかったんじゃないかといっています。
 我々は、先ほど何で環境局の話を出したか、どうして濱渦証人にいろんなことをお伺いしているのかというと、バブルの清算をしなきゃいけないという事情があって、そしてそれをずっとやっていく過程で、その場その場でいろんな判断をするんですが、専門的なことは専門家に聞かなきゃいけないと先ほど証人もおっしゃっていますが、専門的な部署が庁内にあるのに、そこに確認もせずに進んでいる。そして、それは、指揮をとっていたのは、実は、当時、平成十三年合意をまとめるまでの間、指揮をとっているのは濱渦証人ですから、きょうは来ていただいて、今このような質疑をさせていただいております。
 だから、そこについて、濱渦証人、私は、もし、あのとき合意コンセンサスというものがあって、そして市場用地にするんだから、土壌汚染は自分たちでしっかり確認をして、つまり東ガスに振って、護岸はうちがやるから、土壌汚染をそっちがやってくれではなくて、土壌汚染については東京都の管理下で、東ガスの費用で東京都の管理下で行いますよという形で、護岸については別の問題として片づけましょうという形にどうしてまとめられなかったのかと、そういった、これは結果論からの話でありますが、思いを持っているわけであります。
 当時の指揮官として、環境の問題をそこに入れなかったことについての見解を伺いたいと思います。

○濱渦証人 私、全く違和感は持っておりません。

○あさの委員 残念ながら、そういった違和感を持っていないということが、当時の都庁の文化であったでしょうけれども、つまり一言でいえば、市場のことを軽んじていると、食の安全・安心についても、そして市場という業態についても、軽く見ているんじゃないかと私たちは考えます。
 そうでなければ、港湾のこの事業のツケを市場につけ、そして最終的に、今は市場で毎日毎日、お魚さんを売っている人たちが管理費として払っていくんです。その費用のもとは何か--護岸の三百三十億だったり、あるいは、そのために必要だった土壌汚染対策費だったり、全ては、どうして市場をあそこに移さなきゃいけないのかというところに帰結してきて、その帰結した理由は、これは濱渦証人直接じゃないかもしれませんが、いろんなものをおぶって最後のツケを全部、今、背負っているのが業者さんであり、そして納税している都民なんだと、私たちは思っているんです。だからこそ、そのときの意思決定のあり方について、しっかりと明らかにしていかなきゃいけません。
 先ほど、濱渦証人は、全く、国などの調整をするという形になっておりましたけれども、本当にこういったいろんな問題が起きているんですね。先ほどいった盛り土をしていない、その前も、常に一万何千倍の、四万三千倍のベンゼンが見つかりましたとか、常に土壌汚染の、あの当時まとめた後に、いろんな問題が常々出てきます、市場については。そのことを、当時担当していたんだから、交渉したときに東ガスとどんな話したんですかといった確認とか報告は、本当に一切なかったのか、もう一回だけお答えください。

○濱渦証人 私は、東ガスの役員さんとお話を進めました。そして、大きな流れでの指示をいたしました。細かなことは、それぞれの担当者、担当者でやっておりますので、それはよく承知しないところです。
 そして、東京都のシステムとして、小さいことまで全部上げているんですか、上に。そして、責任を私におっしゃるんですか。あなたは別としても、失礼、委員は別としても、当時の委員もおいでになるんですから、みんなで共有しないといけないお話でしょう。そのために百条があるかもしれないんですけれども、だから、これだからといってストーリーを決めておっしゃるんでなくて、本当にこれから先をどうするかをもっと議論していただきたい。
 例えばですが、豊洲のそのお話なんですが、私のときには、築地がもう危ない、汚いだったから、移しましょう。土壌も築地がよっぽど汚い、どうしましょう。で、豊洲の対策は、建物を高いコンクリートで囲っていけば行けるじゃないか、今、築地を稼働しながら難しいからと、こういうことで私は受けて用地の交渉をしたわけですから、ご理解いただきたいと思います。

○あさの委員 私は、濱渦証人一人が悪いというつもりはありません。我々があくまで問題にしているのは、当時の意思決定のあり方です。
 環境局が、一番最初から話を聞いて、例えば土壌汚染について詳細な調査をすべきだという庁内議論があったのかどうか、恐らくなかったと思われます。市場の内部だけで、土壌汚染が、今、コンクリートで覆えば大丈夫だという話がありましたが、そのことは環境局のコメントではないはずなんですね。市場からの、先ほどの答弁の中で市場長に確認をしているとおっしゃっています。
 専門部署は環境局なのに、そこが市場の判断で行けるという判断をしてしまう、判断をしたというよりも、その話がまかり通ってしまう。そういったあり方よりも、本来大切にする、つまり市場を移転するのであれば、本来大切にしなければいけないのは食の安全・安心です。
 しかし、意識がそこにあれば、絶対環境局に、あるいは専門家に聞いたはずなんだと私は思うんです。意識がそこにないから、そこに聞かないで行ったんじゃないかと。それが、結局、じゃあ意識はどこにあったのかといえば、それはバブルのツケをおさめることだったんじゃないかなと思うわけです。
 それは、先ほどの濱渦証人の答弁でありました、自分は土壌汚染がどうのとかっていう指示を受けたのではなくて、何せ東京ガスに土地を売るという決意をさせてくれというふうに聞いたというふうに伺っています。
 その指示について、もう一度確認します。
 東京都、つまり、これは都知事からなのか、その当時のいろんな人の話なのかわかりませんが、土地を買うことなのか、それとも市場用地として適格な土地として買ってほしいなのか、その辺、もう一度確認させていただきたいと思います。

○濱渦証人 市場の移転であります。

○あさの委員 であるならば、土壌汚染について、もっともっと真摯に議論すべきであったと私たちは考えています。
 継続して、これは、当時、細かい担当、水面下の交渉は赤星理事等に頼んだという話でありますから、これから先も、さらなる調査を続けて、これは誰かのせいということではなくて、一体あのときの意思決定の中で、どこに重きを置いて議論していたのか、それは食の安心・安全を守るためにやっていたのか、そのことについてきちっと調査をまとめていきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩します。
   午後四時一分休憩

   午後四時二十五分開議

○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 引き続き証人から証言を求めます。

○吉田委員 改めまして、濱渦証人、きょうはご苦労さまです。日本共産党の吉田信夫です。
 私は、一つ一つの事実について確認をしたいという思いで尋問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、汚染土壌対策とその費用負担をめぐる問題について伺います。
 まず、土壌汚染の認識についてからお尋ねいたします。
 築地市場の豊洲移転に当たって、石原知事は一九九九年、平成十一年ですね、東京ガスからの報告として、土壌汚染について聞いていたと思いますけれども、濱渦証人は、そのことについてご存じかと思いますが、いかがですか。

○濱渦証人 石原知事が聞かれたかどうかは、私わかりません。

○吉田委員 証人は、先ほど、特別秘書の時期も、基本的にブリーフィングには同席していたということをご自分で発言をされました。実は、今回の記録から、この時期に明確に、知事に対して汚染問題についてのブリーフィングが行われたという記録があります。
 そもそも、十一日の特別委員会でも紹介いたしましたけれども、東京都から提出された記録の中で、この一九九九年、平成十一年十一月十一日に、福永元副知事、大矢氏らが東京ガスを訪問し、そこで、ここだけの話ですけどといって汚染問題の報告を受けています。
 それを受けて、ここにブリーフィングがあります。日付は、平成十一年十一月十七日です。表題は、豊洲地区の土壌汚染についてという表題になっています。で、Gブリ、情報管理厳重にということまで書かれていますが、この文書では、東京ガスから提供された報告として、操業による汚染、そして埋め立て当時に使用していたしゅんせつ土に起因する環境基準を超える土壌が存在する可能性があるとして、末尾には、この情報に基づき、本件用地を取得する場合の課題について、中央卸売市場を交えた庁内で検討を行っているというふうに書かれていますが、このブリーフィング、同席していて当然なんじゃないですか、承知していて当然なんじゃないですか。

○濱渦証人 同席したかどうかは覚えがありません。大きな、大変申しわけないんですけど、私、担当ではありませんので、大きなテーマとして意識もしておりませんでした。

○吉田委員 いずれにしても、Gブリという文書で日付も明確ですから、既に一九九九年の秋の時点で、石原元知事は、東京ガスからの報告として、深刻な汚染があるということを認識していたことは明確な事実だと私は指摘せざるを得ません。
 この汚染土壌処理をめぐって、先ほどから議論がありますけれども、証人は、週刊誌報道で次のように語ったというふうに報道されています。
 かぎ括弧、東京ガスがきれいにしてから売却するということを決めていたのに、四番目も出た時点で、きれいになるまでストップをするのが、これは売買契約を意味をすると思うんですけれども、ストップをするのが当たり前と、こうした趣旨の発言をしたのは事実だと思いますが、念のために確認をさせてください。

○濱渦証人 ストップするかどうかは別にして、想定以上のものが出たら、それこそ考え直すのは当然だと思います。そのとき私はどんな立場か、違いますけれども立場は。

○吉田委員 土壌汚染の処理と負担について、東京ガスと一番初めに合意をしたのは、私は、濱渦証人だというふうに思います。
 証人は、移転合意のための水面下の交渉として、東京ガスのある幹部と協議をし、外側の防潮護岸の整備費は東京都が持つと、そして内側の汚染土壌処理は東京ガスが持つということを、役割分担として合意した旨の発言を、これもテレビや週刊誌で行っていますが、細かい一言一字は別にして、そういう趣旨の合意を、東京ガス側の幹部とされたということは事実ですね。

○濱渦証人 豊洲に行きまして、豊洲開発の会社を訪ねまして、二回目行きまして、二回目に、私も現場を見せろと、作業服を着ていきました。
 そのときに、豊洲開発の一番の幹部の方にご案内をいただきまして、私の方から、どの辺が汚いんだ、どんなものがあったんだと。以前のことは承知していないんで、この辺が、非常にこんなタンクがあって、どうだこうだとか、コンクリの、どういうんですか、はがした残地みたいなのがありましたし、ペンペン草も生えていまして、それは、あなた方が調べればわかる話ですねというお話をしまして、これは土壌の汚染の話。あなた方はほかにもあるのかと、いや、ほかの地域もありますよと、豊洲についてはあなたが一番よくわかっていますねと。そこで、じゃあ、ここ土壌汚染については責任を持ってそちらがやるべきでしょうと。植物園がありまして、熱帯のその横にパネルがありました。東京ガスがいかに社会的に立派なことをしているか、社会貢献しているか、ガスはきれいなものにしているかと、そういうお話もあったから、その趣旨にも沿うために、ぜひともそちらでそれは検討してくださいと、そこで決まったんではないんですが、そういうお願いをしました。

○吉田委員 原因者責任という点では、当然のことでありますけれども、決まったという形でないにせよ、そこは念を押された、合意をしたということは極めて重要なことだというふうに思いますが、そこで伺いますけれども、その場でか、あるいは、どういう時間差があるかわかりませんけれども、いずれにしても、合意をするということをされたということは、その方は、そうしたいわば決定権を持った方だというふうに推察いたしますが、差し支えなければ、その方の役職、氏名など、この場で明らかにしていただけないでしょうか。

○濱渦証人 当時の豊洲開発の社長の江口さんです。

○吉田委員 わかりました。
 さらに、具体的にお伺いいたしますが、その合意というのは、一体、何年のいつごろ、できれば何月、また覚書が二〇〇一年の二月だと思うんですが、それを結んだ前ですか、いかがですか。

○濱渦証人 覚書の前でありまして、まず豊洲開発の社長としてこうだと、私は案内をいただきましたので、それはよくわかりますねと。それから、実態として、どれだけのものがあるかと、後に出てきたようですが、そのときには、まだ数字とかいう話は全くありませんでした。それの前であります。

○吉田委員 続けて恐縮なんですけれども、問題はその合意の内容なんですが、今のお話だと、割と基本的なことのような印象を受けるんですが、再度確認したいんですけれども、その土壌汚染処理の合意の内容というものを、もう一度お答え願いたい。かつ、それは、どのような形で、双方の口頭だけなのか、それが文書として残されているのか、残されているとしたら、どこにそれは示されているのかも含めてお答えください。

○濱渦証人 私は、合意のサインなんかしておりません。豊洲開発にあるかどうかは知りません、向こうのお話ですので。

○吉田委員 証人、内容をもう一度、ちょっとご答弁願いませんか、合意内容というものを。

○濱渦証人 どこがですね、豊洲のどこが、東京ガスの敷地の中で汚いとか、どんなものがあるとかいうのは、こちらにわからないので、そちらが一番わかるでしょうから、まず調査してください、そして土地はきれいにしてください、そうでないと東京都は購入することはできません。それは、財産価格審議会というのがありますから、もうご承知と思いますが、地下の埋設するもの、汚いものは、そんなものはきれいにしないと買えない、そういうことがありますが、それは承知していますねといえば、先方はよく承知しておりました。だから、そちらの方できれいにしてください、でないと交渉になっていかないから。
 以上です。

○吉田委員 そうすると、基本的な点ですけれども、調査をすると、そしてきれいにするという確認ということですね。それはもう文書で、特段ということではなく、証人の側は、先方がどういうふうに記録をしたかわかりませんけれども、口頭合意であるということですね、今のお話だと。
 それで、問題は、その後、実際に東京ガスによる処理対策がどうであったのかということなんです。しかも、先ほどの証言では、基本合意以降は全くわかりませんという旨のご答弁を先ほどされましたね。基本合意までであって、それ以降、土壌汚染処理についての協議がどうであるかは、自分は全くわからないんだという発言をしましたが、これ念のために、事実でしょうか、確認もう一度させてください。

○濱渦証人 基本合意をしまして、その後のことについては、土壌汚染に限らずその他のことも、豊洲開発に関しては、一切私は相談にもあずかっておりません。

○吉田委員 土壌汚染はもちろん、その他も含めて相談にあずかっていないということを、今、改めて確認をさせていただきました。
 ただ、ところが初期の段階から、東京ガスの姿勢は、汚染土壌の処理範囲はできるだけ少なくしようとすると、都が確認された全ての汚染を処理するのでしょうねという問いかけを、二〇〇二年、三年、四年という時期に協議をするんです。しかし、東京ガス側は、汚染の高いところから処理をしていくと、そして土地売却時に汚染が残るとまで述べているんです。今いったところは、二〇〇三年の記録の要約的に紹介をさせていただきました。
 こうした状況については、そうすると証人は、全くそれを知らないと、そういうやりとりがあったということは、これは二〇〇三年ですけれども、まだいずれにしても副知事であることは明確ですが、いかがですか、そういうやりとりの報告は受けていないんですか。

○濱渦証人 東京都のひどい話ですが、報告、受けておりません。

○吉田委員 私に向かっていわれても困るんですけれども、ただ、私もいわせていただきますけれども、報告受けていないということは、私は信じがたいです。
 記録の中にですね、これは東京ガスから出たものかと思うんですが、東京都の文書があります。それは、濱渦副知事宛ての文書なんです。後で見てもらいますけれども、こういう一枚、紙っぺらですけれどもね、これです。
 これは、平成十五年、二〇〇三年ですね、五月二十二日付で、濱渦副知事様ということになっています。この文書の表題は、豊洲地区土壌汚染対策についてというふうに書いていました。この発信者は三名が連名になっています。個人名はあえて紹介しませんが、肩書だけいいますと、知事本部企画調整担当部長、環境局環境改善部長、そして中央卸売市場新市場建設担当参事、いわば移転にかかわる部署の三人の部長さんが連名で、あなた宛てに豊洲地区汚染土壌の対策についてという文書が出ているんです。
 この文書の中に、その時点で東京ガス側が、協議の中でどのような主張をしているのかということも紹介されています。読み上げます。
 東京ガスの主張、環境基準の十倍以下の汚染土壌は、新海面処分場に搬入可能であり、新市場建設の際に残土として処理すればよいため、事前処理する必要がないと。
 すなわち十倍以下の汚染土壌はあったとしても、後で処理するんだから、事前処理、すなわち売却前に処理する必要はないと、建設時に処理すればいいではないかというふうに理解できます。
 そして、こうした東京ガスの主張に対し、都としてどう対応するのかということで、いわば証人にお伺いを立てるという意味のこの文書だと思うんですが、改めて、そういう文書を受け取ったという記憶はないですか。

○濱渦証人 ありません。そもそも、担当部長が連名で来るなんてことはあり得ません。局長ならばあるかもしれませんが。

○吉田委員 それでは、これは東京都の文書ですので、直接見てもらいたいと思いますが、よろしいですね。

○桜井委員長 はい。
   〔吉田委員、濱渦証人に資料を示す〕

○吉田委員 今、濱渦証人にこの文書を見ていただきましたけれども、それでもこの文書を受け取っていないということですか、改めて確認しますが。

○濱渦証人 東京都はたくさんの文書をつくるでしょうけれども、私の手元でそういうのは記憶にございません。そういう問題については、局長がお話しに来るし、ペーパーも局長経由で来ると思います。

○吉田委員 これは、明確に文書として今回の記録で提出されているものなんですよ。その重みというのは非常に重いものがあるということを、私は指摘をしておきたいと思うんです。
 それで、到底、私はこの文書を見る限り、証人が知らない、受け取っていないということについては信じがたい、事実関係を確かめておく必要があるということをお伝えしておきたいというふうに思います。
 しかも、この文書では次のように書かれています。
 本年三月にご報告させていただいた際、操業由来の汚染は東京ガスに処理させるとのご指示を受けておりますと。報告を受けているか、いないかというだけではなく、証人の方から、どのように対応すべきかという指示が当事者に寄せられているということをこの文書は示しているんです。
 もう一度読みますけれども、この件について、本年三月にご報告させていただいた際、操業由来の汚染は東京ガスに処理させるとのご指示を受けておりますというふうに書いてあるんですが、こういう指示もしていないというんですか。

○濱渦証人 一貫して申し上げておりますが、土壌の汚染の処理は東京ガスが行うということですから、私が担当していた折々は、ずっとそれは申し上げております。

○吉田委員 しかし、極めて具体的に、あなたの指示内容、いつか、どういう場面かということまで記載されているんですよ。この文書は、その基本合意以降も濱渦証人が交渉に事実上かかわっていたということをこの文書は示していると思います。
 そうすると、基本合意以降は全くわかりません、かかわっていませんという証言自体、偽りの可能性があるということを私は指摘をしておきたいと思うんです。
 さらに、この文書では、都として交渉に臨む方針として次のように書かれています。かぎ括弧、三、土地取得後に汚染土壌が新たに発見された場合、その処理費用は東京ガスが負担することを確認すると。こういう方向で、直接の担当者の方々が東京ガスと交渉しますけどいいですねということの三項目の一つなんですよ。いかがですか。こういうことも記憶ありませんか。

○濱渦証人 内容としてはいいことだと思いますが、私が、その以降に、そういうことを指示を出したとか、そういうのは全く記憶ありません。携わっておりません。誰かが、私のところで違う話にしていれば別ですけれども、私は直接に受け取っての話でありません。

○吉田委員 この話は、冒頭、お伺いしたことと連動する話なんですよ。すなわち、証人は、汚染土壌が見つかったならば、それを処理し、負担する責任は東京ガスにあるのが当然だという旨の主張をされてきたというふうに思います。
 問題は、基本合意以降はかかわっていないというふうにいわれましたけれども、じゃあ改めてお聞きしますが、証人が交渉にかかわっていたときに、ここに書いてあるとおり、当然の、いいことだって今いわれましたね。すなわち、汚染土壌が新たに発見された場合、新たにですよ、一応対策はした、しかし、再度調査した結果、新たに発見された、その処理費用は、一旦終わったことであったとしても東京ガスが負担をするんだということの確認というのは、証人はしてこなかったんですか、自分が直接かかわっていたときに。

○濱渦証人 基本合意の以降は、私の手を離れております。知事からの指示も違うこともありましてですね、この件はそこで終わりです。

○吉田委員 率直にいって、基本合意、その前の覚書の本体には一言も土壌汚染そのものについてどうするかということは書かれていないんですよ。それで、証人が先ほどいったように、汚染が出れば当然東京ガスであるということを強調するんだったら、そうしたことについて何らかの、先方との合意なり確認があってしかるべきではないかという思いで今質問したんですが、もう一度お聞きしますが、いかがですか。

○濱渦証人 交渉事は、文言だけでもありませんし、文書だけでもありません。一番大事なのは人間関係、信頼関係になります。そういうことで、東京ガスは、土壌汚染のことは東京ガスがやると、こういうお話で物事が進んでおります、おりました。

○吉田委員 私は、やはり一番基本の問題が、今のお話ですと、非常に不明確なまま交渉が進んできたと。それが結果的に、四万三千倍の汚染土壌が新たに確認されながら、その処理も費用負担も大半を東京都が負うという本来考えられないことにつながっていたんだというふうに指摘せざるを得ません。
 改めて、協議記録によると、都が東京ガス側に、なぜ全ての汚染を除去しないのかというふうにただすと、それは二〇〇一年七月の基本合意と一体で結んだ、先ほどから指摘がありますが、東京ガスと東京都の二者間で合意をしているからだというふうに主張しています。これを、もしあなた方が否定する、ノーというならば、移転の合意そのものを白紙だとまで東京ガス側は東京都との交渉で発言をしているんです。
 私は、記録によって二者間合意を文書にした確認書を発見し、先日の本委員会で、東京ガス幹部に直接確認いたしました。この文書は、市場用地内の土壌の処理は現処理計画により対策を実施し、その完了を確認した後、土地の譲渡を行うということしか書いてありません。協議の記録の経過では、全部処理しなくても一定の処理が完了したら土地を買い取るという合意だということを繰り返し東京ガス側は主張しているんです。
 ところが、二者間合意と確認書を先ほどから証人は知らないということを繰り返し主張しています。しかし、この確認書というのは、基本合意と一体の文書なんですよ。基本合意を具体的にどのように具体化していくのかということが、基本合意だけでは抽象的で不明確だから、こうした確認書を交わすということが行われていたんです。
 改めて、確認させていただきますけれども、基本合意と一体の文書なんですよ、確認書というのは。全くそうしたことについて聞いていなかったんですか。

○濱渦証人 全く知りません。どうしてそんなものがあるかとか、私は全く知らないし、基本合意の一番の基本はですね、平成九年ですか、豊洲、晴海の開発整備について、東京都と東京ガスが約束をしていたのをやり直しをしましょう、ほごにしましょうですから、もう一度新たにお話し合いをしましょう、そして、そこに新たに市場を持ってきましょうと、そういうところであって、土壌汚染とかという話までも至っておりません、私は。先方、役員もそうだと思いますが。

○吉田委員 それでは、念のために確認いたしますけれども、覚書、そして基本合意、それぞれについて、この実態的な内容を示す文書が一体になっているんです。基本合意だけでありません、覚書のときにもあるんです。なぜそれをつくらなければいけないかということも書かれています、記録を読むと。その交渉に当たり、かつ二つの文書の東京都側の、いわば当事者として名前を書かれた方が、最初は、覚書のときは、政策報道の野村さんです。次の基本合意のときには肩書が知事本部局になっていますから、知事本部の野村さんということで名前が書かれていますが、そうすると、証人は、直接の当事者であるこの野村さんから何らかの経過は聞いていないということですか。あるいは全く接触されていないということですか。

○濱渦証人 私は、政策報道室あるいは知事本局も赤星理事と交渉のことに関しては打ち合わせをしておりました。

○吉田委員 そうすると、野村さんと直接交渉をどうするかとか、指示を出すとか、報告を受けるとかということはなかったってことですか、一番の当事者ですよ、交渉の。

○濱渦証人 当事者は赤星理事と認識しておりました。

○吉田委員 当事者の認識を聞いたわけじゃないんですよ。直接、基本合意、そして覚書と一体の文書に署名をされた野村さんという方と、何らかのこういう交渉の状況ですとか、こうすべきだとか、そういう接触なかったのかということをお聞きしましたけれども、具体的には否定をされたというふうに受けとめさせていただきます。
 ただ、これは、今度四月四日に、野村さんが証人尋問に登場されますから、そのときに経過を私は直接確認したいというふうに思います。
 しかし、少なくとも今の時点でも、こういう記録があるんです。これは平成十三年三月ですから、覚書の以降になります。覚書に基づいて基本合意をどう結ぶかという過程で、頻繁に協議が行われているわけですね。
 その中の第一回目です。築地市場豊洲移転問題協議会議事録、冒頭挨拶、東京都野村部長。そこにこのような一文があります。副知事から可能なことは全てやれと指示されておりますという旨の文言があるんです。
 この文言から推察すれば、覚書から基本合意に至る、基本合意と一緒に確認書の締結も含めて、野村さんと濱渦証人の間では何らかのやりとりがあったというふうに、当然、予想できますが、改めて聞きますが、いかがですか。

○濱渦証人 野村さんのお心がどういうことであるか私はわかりませんが、私の指示は赤星理事を通じて行っております。

○吉田委員 赤星さんも、四月四日に証人尋問にお越しいただくということになっていますから、それはそれで確認させていただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、結局、その後の負担で重大なことは、東京ガスは一度は処理をしたとしても、その後、汚染が確認された場合、引き続き原因者である東京ガスが処理をするという責任があるという原因者責任が明確になっていない。かつ、その処理そのものも、東京都から、部分ではだめですよ、全てやってくださいよという注文がつくほどの、いわば市場移転する対象としては極めて納得できない処理対策が進められてきたと。私はやはり、その根幹にあるのが当初の覚書や、あるいは基本合意のスタートにあったんではないかなということを強く指摘をさせていただきます。
 時間もありませんけれども、もう一つだけ。今度、豊洲地区への新たな移転に当たって、やはり豊洲地区をどのようにするのかという、その都市開発の東京ガス側、そして東京都側の思いがあったんではないのかということについてです。
 先ほど来、議論があります二〇〇〇年十二月に、濱渦氏、赤星氏が東京ガスと接触をして、そこの発言が話題になっています。当初、示された文書は、実は作成日時も、どの部署で作成したのも記載されていないものでした。したがって、私どもは前回取り上げることはいたしませんでした。
 しかし、その後、より資料を精査した結果、同様の趣旨の発言を記載した文書を確認することができました。日付は二〇〇一年一月十七日付、東京ガスの、活財推進本部の文書です。
 そこに、その文書のタイトルは、豊洲地区大街区区画整理事業の大転換について(案)とする内容です。
 お伺いしますけれども、その文書では、濱渦副知事談、談話の談ですね、括弧、平成十二年十二月十四日として、当懸案事業への国費投入で環二や市場の整備を示し、整備期間の大幅短縮と記載されています。あわせて、囲みの最後の段では、臨海開発に係る四島で分担する開発者負担をガラガラポンにして考え直すということが記載されています。
 十二月、平成十二年十二月十四日付になっていますが、濱渦副知事談、この内容はどのようなものですか。ご答弁お願いいたします。

○濱渦証人 私がそれを直接東京ガスかなんかにいったんですか、その談というのは。私がいっていたんじゃないかというのでいったのであれば、私は知りませんが。

○吉田委員 東京ガスから示されたものですから、直接お渡しすることはできませんが、ここでは明確に濱渦副知事談、こういう話をしたというものとして、これは活財推進本部にある、の文書ですから、当然、東京ガス内のしかるべきところに回っている文書だと私は認識していますけど、じゃあ、そういうことは全く事実としてないんですか。

○濱渦証人 私が交渉しています相手はですね、交渉相手は、東京ガスも、豊洲開発も責任がある幹部であります。ほかの人と交渉はしておりません。その談というのは、私が直接語ったのか、私の名前で濱渦がそういっていたというのか、それは私にはよくわかりません。

○吉田委員 じゃあ最後に、これだけを質問させてください。
 私も、談というのはどういう意味かわからないのでお聞きいたしました。可能性としては、赤星理事の発言、例えば、濱渦氏がこういっていたということがあり得るのかと思ったんですが、なぜいうかといいますと、同じ文書に、平成十二年十二月二十二日、赤星政策報道室理事の話が紹介され、さらに翌一月、これは、市野、赤星会談というのが記載されていますが、これは先ほどから赤星氏が自分の直接の担当窓口であるということを種々いわれましたが、このことは承知していらっしゃいますか。

○濱渦証人 東京ガスとの交渉において、最初にご挨拶に行きましたときに、副社長以下たくさん役人が、役員がいましたけれども、実際どなたが一番の責任役員であって、影響力があるかよくわかりませんでした。したがって、その辺の調査をしまして、あるとき交渉相手に市野専務がお見えになりましたと、こういう報告が赤星理事からありました。ああ、これで、東京ガスは本腰が入っているなという認識は持ちました。

○吉田委員 時間ですので終わります。

○桜井委員長 おときた委員。

○おときた委員 都民ファーストの会東京都議団のおときた駿と申します。
 冒頭申し上げます。都議会自民党の河野委員より、私の過日の尋問内容について、デマや事実誤認などといった単語を使って、謝罪と撤回をお勧めするという発言がありました。
 記録は東京ガス側から正式に提出されたもので、資料の内容の解釈はそれぞれに存在し、こうした尋問の場で、他の委員の発言内容について個人の見解を披瀝することは極めて不適切な行為であり、大変遺憾です。特にデマ、事実誤認などといった発言については、謝罪と撤回をすることをお勧めいたします。
 大変失礼いたしました、濱渦証人、本日はご協力をいただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、私の方は、濱渦証人への尋問を通じて、なぜ水面下交渉が急転直下でまとまったのか、なぜ平成二十三年の土地売買時に、都が瑕疵担保責任を事実上免責せざるを得なかったのか、主にこの二点を明らかにしていきたいと思います。
 平成十三年二月に、都は、東京ガスとの覚書を結び、七月には合意書を締結していますが、その覚書、合意書には濱渦証人の判が押されています。このことからすると、濱渦証人が東京ガスとの交渉のまとめ役であると判断できますが、これに間違いはないでしょうか。

○濱渦証人 私が東京都を代表して、東京ガスとの交渉人の責任を持っておりました。

○おときた委員 証人は、東京ガスとの交渉において重要な役割を担い、多大なる責任を負うものであったということを前提に話を進めさせていただきます。
 証人は、平成十二年秋から平成十三年の覚書、合意書の締結まで東京ガスと水面下の交渉を行ったと、テレビや雑誌等、そしてこの委員会でも発言をしております。どちらがいい出したことかは問いませんが、結果として水面下での交渉を行ったことは事実ですね。伺います。

○濱渦証人 水面下という単語を誤解してはいけないと思います。これは丁寧にですね、個別的に交渉するということであります。

○おときた委員 個別的に交渉するということなんですが、ただ、この水面下の交渉とは、つまり議事録をとらない、記録が残らない、そういった扱いで交渉していたということになると思いますが、いかがでしょうか。

○濱渦証人 そういうことではありません。

○おときた委員 そういうことではないとおっしゃったんですが、記録を見れば、東京都、東京ガスですね、両者とも、この期間だけ圧倒的に記録が不足をしているんです。濱渦証人が行ったこの水面下交渉は、どんな理由があるにせよ、時代に逆行した手法であるということを指摘しておきます。
 平成十一年には、情報公開法が制定されており、現代行政において透明性が求められている状況下にもかかわらず、このように水面下の交渉をし、当時の市場関係者に対しても、また後世の都民にもオープンにしない、交渉記録を残さないという手法を証人は用いています。こうした不適切な手法を用いたことこそが、今日まで続く豊洲移転における混乱の根源であると我々は考えています。
 質問を続けます。
 証人が副知事就任後、平成十三年七月までの間に、実際に東京ガスとの交渉を行っていた実務者は主に誰になりますか。

○濱渦証人 その前に、交渉というのは、全部オープンになったらうまくいくというような話ではありません。まず、それはご認識いただきたいと思います。
 しかるに、個別に、それぞれの部局交渉、実務担当者も交流しないといけないんです。そういうことを重ねて、丁寧にやらないといけない、このように思っております。

○おときた委員 質問にお答えいただきたいんですが、交渉の評価をするのは交渉者自身ではなく都民でございます。そして、質問の内容は、交渉を行った実務者は主にどなたでしょうか。

○濱渦証人 東京都の実務の指示は、私から赤星理事に出しておりました。

○おときた委員 赤星理事という単語が出ましたが、交渉記録を見ますと、十二年十月四日の会談には、赤星に加えて野村、当時の部長ですかね、野村氏も出席をしております。この野村氏が赤星氏と一緒にやっていたというご認識は持たれておりますでしょうか。

○濱渦証人 野村氏がやっていたか、野村氏以外にどなたがやっていたか私は承知しておりません。赤星氏に指示をし、赤星氏から、理事から報告を受けておりました。

○おときた委員 では、この赤星理事は、平成十二年九月四日の東京ガス側の議事録で、私は特命で担当しており、政策、実務、両方の責任者であるといっているようですが、この彼のいう役割に間違いはないでしょうか。

○濱渦証人 最初に、十月に東京ガスにご挨拶に上がりました。そのときに、役員さんが向こう側に並んでいましたが、議論をする前に、冒頭、顔真っ赤にして怒っているんです、東京都は勝手なことをすると。まあ、言葉悪いですが、信用できない、そういうことがあって、こちらの方を見ました。顔真っ赤にしてうつむいている人もいました。
 それは中央市場長でありましたから、これはもう人間関係が破綻している、こういう人を担当にしてはいけないと思いましたので、ましてやこれから進めていくのは、市場のことだけを考えていたらいけないということで、平成九年に、豊洲、晴海の開発整備の話があって、それをやりかえないといけない、まちづくりをもう一度新たな形にしないと市場もいけないから、それを担当するのは各局たくさんになるもので、そういう意味で、まとめるのは知事本局、当時、政策室でございましたので、それの理事、赤星さんにお願いしますと、そういうことを指示しました、お願いしました。

○おときた委員 赤星理事は、濱渦副知事から委任を受けて重要な役割を担っていたと理解させていただきます。
 この赤星理事は、平成十二年十二月に、東京ガス側と複数回、折衝している記録が残っていますが、この事実は何か報告を受けておりますでしょうか。

○濱渦証人 個別に一々の報告は受けておりませんが、大きなポイントとなるのは、東京都のOBで東京ガスの役員になっておりました今沢さんといって、元港湾局長がおいでになります。東京ガスの情報をとってほしい、東京ガスにも東京都のお考えを伝えていただきたいと、こういう旨を赤星さんにお願いして、それの接点はありました。私もお会いしました。
 それからもう一つは、東京ガス側の役員、責任役員は誰かというので、市野専務がお出になりまして、そのことは赤星理事から報告を受けて、ああ、いよいよ東京ガスさんの方は、本当に東京都の、私たちの考え方といいますか、主張をお受けいただけるんだなと、こういう認識を持ちました。

○おときた委員 わかりました。
 さて、証人は、昨今、各種メディアで、その発言が取り上げられております。私自身も一部のメディアの切り取り報道には疑問を感じることもございますが、自分自身の率直な思いを伝達してくれるメディアがいまだに存在することは、証人にもご同意いただけると思います。
 その中でも、雑誌のインタビューというのは比較的切り取られることもなく、自分の考えや見識を載せていただけているものかと思います。濱渦証人は、二〇一七年の三月号の、相次いでですね、サンデー毎日という週刊誌で幾つかの発言をしております。こちらがこの現物でございます。こちらの方ですね、これは、濱渦証人自身がインタビューを受けたもので、内容にも間違いはございませんでしょうか。

○濱渦証人 インタビューは受けましたが、記事の内容は継ぎはぎなものがあります。

○おときた委員 では、この記事の内容を、発言を確認しながら進めていきたいと思います。
 まず、同誌の三月十九日号、二〇一七年三月十九日号で、濱渦証人は、交渉経過は節目で石原さんに報告をした旨の発言をしておりますが、こういった報告、指示を節目で受けていた、あるいはされていた、これは事実でしょうか。

○濱渦証人 豊洲の対策について、時間をとって報告をしたようなことはありません。ただ、覚書が締結されますよ、基本合意は間もなくできますよと、こういう話をしました。
 したがって、局からの報告もありまして、覚書が行われるという日にち、覚書のときに私と伊藤副社長とが判こを押していますが、その日に会って、判こなんか押していません。それは、事前にその日付で押されたものだと思います、局によって。そのときに、そういうお話を知事にしましたから、議会対策で、議会での報告も、いよいよ豊洲に移転する、東京ガスと意見が合ってきたからというので、議会報告が、知事がされたことだと思っております。

○おときた委員 では、濱渦証人は、同誌の二〇一七年三月十九日号の中で、東京都が平成二十三年に汚染対策費を捻出して売買契約を結んだことに対して、全くもってわからないのがそこです、私がいたらこんなことにはならなかった、東京ガスがきれいにしてから売買するということを決めていたのに、なぜそこをやらせずに都が汚染対策費まで出したのか、ベンゼンが四万倍も出た時点で、きれいになるまで売買をストップするのが当たり前と述べています。これは事実ですね。

○濱渦証人 事実です。そのとおりです。今も思っております。豊洲はよくやったから使ったらいいんです。築地はもっと危ないじゃないですか。

○おときた委員 濱渦証人のお気持ちはわかりました。
 つまり、濱渦証人は、交渉当時から現在に至るまで、東京ガスは汚染物質を除去してから売却を行うという合意ができていたという認識をお持ちでいるようです。そして、私がいたら、こんなことにはならなかった、東京ガスがきれいにしてから売買するということを決めていた。なぜそこをやらせずにという一連の発言は、この部分はつまり、自分が当時約束したとおりであれば、汚染物質が残っている土地に、いわゆる瑕疵担保責任も追及せずに売却がそのまま進むようなことはあり得ない、仮に汚染が発覚すれば、東京ガスが対応してから売却するのが当然である、そのように認識されているということでよろしいでしょうか。

○濱渦証人 基本的にそうです。汚いもの買うわけにいかないんですよ。

○おときた委員 そしてまた、別の部分では、水面下交渉の一幕として、東京ガス幹部、先ほど江口さんというお話がありました、と一緒に現地に視察に行ったのですが、そのときに、公共性という点では御社も東京都も同じ、協力してくれないかと訴え、東京ガス側も、そこまでいうなら仕方ないという流れになったという発言が掲載されています。こちらも事実でしょうか。

○濱渦証人 事実でありますが、江口さんとおっしゃいます。顔真っ赤にして怒っていたおじさんなんですよ。だから、その江口さんの個人情報というのはよく調査をしまして、如水会、一橋の出身で、昭和二十年生まれでありまして、同窓生をたくさん探しまして、江口さんにアプローチをして、人間関係を築いていきました。交渉というのはそういうものでありますので、そこでお話をしたのはそのとおりであります。

○おときた委員 ここまで、真実を述べるこの百条委員会という場で、濱渦証人がメディアで発言してきた内容を確認をさせていただきました。そして、まとめさせていただいたものがこちらになると、こちらに相違ないと思います。(パネルを示す)
 まず、濱渦証人は、東京ガス側が土壌をきれいにする、つまり有害物質除去をするという認識でおり、それと異なる事態が発覚した場合には、当然のことながら相手方に負担を要求できる、つまり瑕疵担保責任の附帯は可能であると考えており、そして、売却に当たっては、その人間性なども、当然、人間関係なども築きながら、公共性を訴えた、そういったことが決め手になったということを認識されておられたようです。
 しかしながら、現実はいかがでしょうか。これは、東京ガス、そして東京都の資料要求によって明らかになってきているものです。土壌汚染に関しては、主に封じ込め、すなわち汚染は残置されることでよしとする確認書が存在したことが提出された確かな記録により明らかになっています。この確認書は、濱渦証人自身が判こを押した合意書の対となるもので、濱渦証人とともに交渉を担っていた一人である野村氏の署名が確かになされています。
 瑕疵担保責任についても、この濱渦証人時代に締結した確認書によって、その後の流れが決定づけられます。汚染土壌が残置されていても、都との取り決めによって東京ガス側には法的な落ち度がないことから、瑕疵担保責任は締結することが困難になりました。
 さらに、水面下交渉の決め手は、人間関係を構築したこと、公共性を訴えたことであるように述べておられますが、赤星理事が行った折衝記録により、土壌Xデー、あるいはXデーなる言葉を用いて、土地価格の下落の可能性を示唆し、相手方に脅迫ともとられかねない交渉を行ったということが、こちらも明らかになっております。
 証人が各種メディアや、きょうこの場で先ほど述べられた見識、知見の認識の多くの部分は、これら記録の事実と明確に矛盾しています。それは、強い言葉で表現をさせていただければ、単なる思い込みにすぎないのではないでしょうか。濱渦証人、これまでのメディアや、この委員会での発言を修正、撤回し、明らかになっているこれら三つの客観的事実、こういった、こういった確認書が存在したこと、その結果、汚染残地が残ること、そして、交渉においては政治的なパワーも使ったということ、こういった客観的事実の正しさをこの場でお認めいただくことはできませんでしょうか。

○濱渦証人 残念ながら、委員の発言が思い込みなんです。私は事実を申し上げているんです。そして、土壌の汚染等は、確認書の段階ではそんな議論ではありません。今は、豊洲もそう、築地もそうだから、土壌汚染というのは、その当時はそういう話じゃありません。どう対策するか、ああ、対策できますねということで進んでおりました。
 それから、土地価格の下落とかそんな話は全くありません。どこの根拠でいってるか、またそういうことが東京ガスの役員さんが承知している話ですか、それを私、疑問に思います。

○おときた委員 こちらも、それは非常に残念です。どこを根拠にとおっしゃられましたけれども、これらは、東京ガス並びに東京都から提出された記録に裏づけられた事実であって、特に濱渦証人自身が判をついた合意書と対になる確認書まで存在はしています。
 確認書の冒頭には、豊洲市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意の細部に関して以下のとおり確認しという文言が明記をされているんです。これらのいずれも、あるいはいずれかを否定するということは、これはまさに偽証罪にも問われかねないということになりますが、それでもこの事実はお認めすることはできないということでしょうか。

○濱渦証人 私は、覚書と基本合意に合意をして、東京都副知事の判こが押されております。ほかのことは知りません。

○おときた委員 それでは改めて伺います。
 署名をして、相手方と確認書を結んでいる野村氏からは何も報告を受けていないということでしょうか。

○濱渦証人 私は、赤星理事を通じて、東京都の姿勢、東京ガスとの交渉等々を行っておりますし、赤星理事から報告を受けております。
 以上です。

○おときた委員 これは後日お呼びする野村証人にも確認することになりますが、濱渦証人がこの確認書の存在を知らない、覚えていない、報告されていないということは到底考えられませんし、仮にそうだとしたら、これは交渉の責任者として重大な過失です。
 平成十三年三月二日の会議において、野村部長は、濱渦副知事から、可能なことは全てやれと指示されているとの議事録も、こちらも記録で存在しています。これは平成十三年二月の覚書以降も、濱渦証人の指示によって野村氏が交渉していたことを裏づけるものです。
 東京ガス側は、この確認書を二者間合意と呼び、その後の交渉の中で、都側のかなり上のレベルまで認識しているはずという旨の発言をされています。
 さらに、過日にお招きした東京ガス側の調印者である高木証人も、この存在を認め、東京都側からの提案であったこと、そして東京ガスの江口氏や、さらにその上まで報告したということを、この場で証言をしています。
 平成二十三年の瑕疵担保責任の免責は、その前後だけを点で見ても理解することはできません。昨日の尋問で、岡田元市場長は、のまない限り永遠に合意できないと考えた、やむを得なかったと発言をしていますが、これは当然の話で、平成十三年に約束をした確認書での対応以上のことを既に東京ガスは一度行っていました。そう何度も合意を覆されれば、土地売却において態度を硬化させるのは当たり前のことです。
 濱渦証人は、自分がいたら、そんなことにはならなかったといわれますが、これはとんでもない話です。むしろ、全くの逆で、このときに結ばれた、汚染は残置されることを前提とした確認書によって、その後の交渉の道筋ができていることは明白です。
 同内容を忠実に引き継いだ合意書が、平成十七年に締結され、これによって瑕疵担保責任は、事実上、免責せざるを得なくなりました。仮に、拙速かつ強引にまとめた交渉過程で、このような確認書を結ぶことがなければ、土壌汚染の費用分担について違った形があった可能性もありますし、そもそもの土地購入を見直すこともできたかもしれません。これによって都民がこうむった損失は、はかり知れないものがあると思います。
 いま一度伺います。濱渦証人が調印した合意書の対となる確認書について、この内容、濱渦証人はご存じない、そして、野村氏からも赤星氏からも報告を一切受けていないのでしょうか。

○濱渦証人 私の公のものはですね、基本合意なんです。その他のことはそういうことをした人に聞いてください。

○おときた委員 これ東京都側も、歴代市場長、口をそろえて、この確認書の存在を知らないといっているんです。この意味するところは一体何でしょうかと。考えられることはただ一つ、濱渦証人の、いわば代理人である野村氏の名義で結ばれたこの確認書は、都庁内部ですら情報共有されていない、いわば密約のようなものだったんです。密約の存在を片一方の当事者たちが知らないまま交渉は進んでいって、結果的に都は多大なる土壌汚染対策費の負担を余儀なくされます。
 そして、この密約の一部が都に知らされたのは、専門家会議が設置される直前、都知事選の直後の平成十九年の四月です。こちらは、他の委員からも指摘がありました。この日付にも政治的な意図を感じずにはいられません。これはまさに都政のブラックボックスを象徴する出来事ではないでしょうか。
 繰り返しになりますが、この確認書の存在を東京ガス側は認めています。これも当事者です。もう水面下でやって交渉したということであれば、それを、そんなことがあったら不届きな話だとか、とんでもないことをしてくれたやに発言がございましたけれども、水面下でやったなら、水面下で最後まできっちりまとめていただかないと、これは非常に無責任ではないかと私は思います。
 仮に知らなかったとしても、濱渦証人の代理人が行ったことで生じたこの事態の任命責任、政治的責任、こちらについてはお認めいただけますでしょうか、伺います。

○濱渦証人 出ている名前の固有名詞、野村さんを担当に任命したことも全くありません。私は、赤星理事に指示をしているところであります。それとですね--まあ、いい、あとは。

○おときた委員 簡潔な答弁にご協力いただき、ありがとうございます。
 赤星理事にということなんですが、野村部長、当時、部長ですね、赤星理事はラインですよ。そして、十月四日、平成十二年十月四日に、濱渦副知事と一緒に交渉の場に在席をしているんです。であれば、この野村さんというのは、この野村さんが東京ガスにやってきた、濱渦副知事から任命受けてるといえば、それは東京ガス側は当然そのように思いますし、事実上、交渉の一端を担った、これが客観的事実になるんじゃないでしょうか、そちらについていかがですか。

○濱渦証人 なりません。私は、役員と、東京ガス豊洲開発と、役員と直接お話をしまして、基本的な合意はそこまでであります。そのほかに誰がどこでどういうことをされたかって、私はわかりません。

○おときた委員 わからなかった、あるいは知らなかったということであっても、これらの、この確認書の存在、これは東京ガス側も認めた、もう正式なものなんです。そして、これによって瑕疵担保責任にまで至る、この交渉過程が大きな影響を受けた、この事実、今、知ったでも構いません。
 でも、今、知ったこの事実が、こうした混乱を招いている、この責任はお感じになりませんか、いかがでしょうか。

○濱渦証人 どこに責任があるんですか。そういう、あっただ何だはいうけれども、そういうことはありません。当時は、ここも数人がおいでになりますが、よくぞ東京ガスと交渉をまとめていただいたと、皆さんから称賛されたんですよ。今から振り返っての話じゃないんです。

○おときた委員 どうしてもご自身が悪くないと、そういったこと、悪い、責任はお認めいただけなかったわけですけれども、ご自身が悪くないというのであれば、なぜ、これらが今の今までオープンにされることなく全てが水面下にあったんでしょうか。
 問題となっている確認書は、当初、都による記録要求で提出されることなく、隠蔽をされていました。昨日の証人尋問では、この確認書の存在は、歴代市場長の誰にも引き継がれていなかったので、本当にその存在は知られていなかったのかもしれません。
 濱渦証人が水面下を選択したことで、庁内ですら情報共有がなされず、自身の不作為を外部から検証することも今日まで不可能な状態となって、そんな中で、土壌汚染対策の見通しが極めて甘い、いわば密約の効力が生きてきたことが、今日に至る混乱と多大なる損害を生み出したと、私はそのように思っております。
 時間もなくなりましたが、この濱渦証人が仮に知らなかったとしても、このブラックボックスをつくり出した責任の所在というのは、もはや明らかではないでしょうか。公明正大に行った政治判断で生じた損失であれば、都民の理解も得られるところでありますが、水面下という、いわば不適切なプロセスによって生じた都民の損失については厳しく問われなければなりません。それは現在、石原都知事が住民訴訟を起こされているということにもつながる可能性がございます。
 私は、こうした、ある意味の密約を交わした際の責任者である濱渦証人の責任は、やはり私は極めて重大なものであると思います。当時の石原慎太郎知事にも、この任命責任を免れることはできないものと考えます。
 あすの尋問では、その点をしっかりと明らかにし、必要に応じて、濱渦証人には再びお話を伺う必要性もあるということを指摘とお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○小松委員 生活者ネットワークの小松久子と申します。
 きょうはご足労いただきまして、どうもありがとうございます。最後の質問者となりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 濱渦証人が副知事に就任された平成十二年七月ですが、それまで特別秘書であられました。石原氏に請われての副知事就任であったと思いますが、何を期待されて登用されたと、ご自身お考えでしょうか。

○濱渦証人 それは、あした石原知事に聞いてください。

○小松委員 あした、ぜひ聞いてみたいと思いますけれども、恐らくは濱渦氏に対する信頼、そしてまた交渉力を買われたのかなあというふうに考えるところです。
 複数の副知事さんがおられたわけです。三人ないし四人体制のこともありましたけれども、この分担はどのように決められたのか、市場移転交渉を担当されることとなったのは知事のお考えか、そして、その時点で土地の取得までであったという、そういう指示だったのか、この点お聞かせください。

○濱渦証人 私の担当については、人事部から来まして、産業振興についてとか、国との、どういうんですか、連絡調整だとか、そういうような抽象的なお話でありました。

○小松委員 先ほど来ですね、豊洲移転にかかわる事柄で、ご自分が担当されたのは土地の取得までだということを何度かおっしゃったかと思いますが、その時点でどこまでを担当ということが決められていたのかどうか、そういうふうに伝えられたのか、指示があったのか、その点お聞かせください。

○濱渦証人 産業振興を担当するときに、市場の話もくっついてきました、人事部の話で。それで、こういうことが担当になりましたというので、石原知事にお話ししたところ、豊洲の土地の交渉とか、そんなのは役人に無理だ、おまえがやれ、こう、その一言で私が担当するようになりました。
 どこまでではありません。交渉が難儀しておりましたので、東京都と東京ガスが豊洲の開発に伴って市場を移転する、そこまでの交渉をやりなさいということで、土地の取得という具体的なことはありません。

○小松委員 その交渉ですが、東京ガスとの交渉、平成十二年十月に、東京ガスを訪問されてからスタートしたかと思いますが、その交渉内容は、市場長とどのように共有されていたのか。そしてまた、知事への報告はどのようにされたのか。また、それに対して、知事からはどのような指示があったのか。あるいは、ほとんどの判断は、もう任せるということだったのか。このあたりお聞かせください。

○濱渦証人 市場長は交渉担当から外れていただきました、もう人間関係がうまくいっていませんので。東京ガスの方の側が非常に不愉快に思っておりましたから。よって、全体、情報を集約して、交渉する中心は、知事本局に、当時、政策報道室ですが、それを中心になりました。
 知事への報告は、私でなくってブリーフィング、知事本局ブリーフィングのときに知事本局がしたかもしれませんが、それはよく覚えておりません。私がしたのは、覚書を、随分前に覚書の内容ができたので、そのことは、うまくいってますよというお話をしました。
 それから、基本合意、間もなく基本合意になりますよと、こういうところまでのお話はしましたが、中身の細かいことは任せるということでしたから、おまえがやれということですから、局と知事本局と一緒になって進めました。

○小松委員 そして、最初の訪問から約半年で基本合意が交わされています。それまで渋っていた東京ガスが、急に売却を承知したのはなぜかということが大きな関心事となっておりまして、東京ガスには、公共的な事業者の責任を果たすという理由以外に東京都から特別なベネフィットがあったのではないかと、提示されたのではないかという疑いが持たれています。
 そして、この内容を示しているのが、先ほど来、問題となっている二者間合意であり、平成十三年七月十八日に交わされたこの確認書では、まず、護岸整備の負担を東京都が肩がわりすることを約束、そして土地利用の規制緩和、換地や譲渡条件の優遇などが確認されています。この文書のサインは、東京都側は、知事本局、野村寛となっています。副知事である濱渦氏が中心となって東京ガスと合意したのではと考えますが、いかがか。繰り返しになりますが、もう一度お答えください。

○濱渦証人 野村さんが誰とどんなことをいったか、私は一切知りません。私は、赤星さんに指示をし、赤星さんから報告を受けております。

○小松委員 ここでは土壌汚染対策については、東京ガスが現処理計画により対策を実施することで合意しています。この処理では汚染が残ることも、このときに了解したと、後の文書に見ることができます。これが問題となっている瑕疵担保責任放棄の最初の一歩であると考えます。
 結局、土壌汚染対策で東京ガスが百八十億円を負担したのに対し、都は土壌汚染処理に八百六十億円を投入。この中には地下水管理システムなどの整備費も盛り込まれておりますので、純粋な土壌汚染処理費は四百七十九億円となるわけですが、不均衡な分担割合となった出発点がここにあると考えます。
 都政における濱渦氏の職権ということについて伺っていきたいと思いますが、知事が執務していないときの職務代理者を副知事が務めることになっています。当時、知事、ほかの副知事は、福永さん、青山さん、竹花さん、大塚さんであったでしょうか、のうち、どなたがこの職務代理者であったのでしょうか。

○濱渦証人 先ほどから、きょうの委員会でありますが、瑕疵担保責任の根拠はそこにあるとかいう、おっしゃりますが、それは皆さんのお考えであって、そういうことではありません。
 それから、順位一位は福永さんでございました。

○小松委員 石原知事が、先日の記者会見のときに、組織の積み上げで決まったことを裁可していただけだといわれました。では、都の方針や政策は、どのように合意形成がされていたのか。今も局ごとに担当副知事が割り振られていますけれども、副知事をトップに決められたことを知事に上げられるということなのか、それとも、国の閣議のように、局長級が集まるような場で決められるのか。濱渦さんが政策判断する場面はどのような場だったのか、お伺いします。

○濱渦証人 前も今も変わっていないと思いますが、組織なんですよ、東京都は。知事の決裁、知事が判断をされるというのは、各局から持ち上がって、かなり練った案が出てきて裁可いただくような流れになっておりますから、今の小池知事もそうじゃないですか、自分で勝手にするわけにいかないんですよ。

○小松委員 各局ごとに決めたことを、この副知事の組織における位置といいますか、それを教えていただけますか、その当時。

○濱渦証人 副知事は、大きな局をお持ちになる大局長のような役割が一つありますね。その局をどうして持つかというのは、それぞれの項目別に、私の場合には産業振興であったり、国との連絡調整であったり、そういうことはありますが、実態はですね、知事にかわって儀式とか、ご挨拶に行くとかそういうのがほとんどの日程であったと記憶しております。

○小松委員 今お話が出ましたけれども、石原氏の代行として、特に石原氏は休みがちであったと。ですので、ご活躍されたとのことです。
 知事に直接会うことがかなわず、濱渦さん宛てのお手紙を求められたなどの当時の様子を聞いています。石原知事は途中からほとんど登庁されなくなり、それから濱渦さんが--知事に会う場合は、濱渦さんを通じなければならなくなったと、しかも、濱渦さんに手紙で要件を書かなければ会えないという悲惨な状況だったという、かつての幹部の方から聞いたことがありますが、先ほど来、交渉の詳細については報告を受けていない、承知していないということですが、お手紙で報告を受けていたということはありませんか。

○濱渦証人 私に対してお手紙がといったのは、それは怪文書なんです。その怪文書を根拠に、雑誌に売ったりして。どっから怪文書が出たかは、私は承知しておりますが、発言を控えます。怪文書をもとにしておっしゃっていることです。

○小松委員 では、お手紙で報告を受けていたというようなことはないということでしょうか。

○濱渦証人 日程上、私の時間も、ほかの副知事も、各局長も、時間は制約があります。したがって、お手紙といいますか、どういうことであるかと要約したものが連絡が来ました。あっ、これは私の担当ではない、ほかの副知事だとか、そういう仕分けはしました、私に限っては。そして、重要なことは、来たペーパーでマル・バツするだけの話じゃありません。そこからお話を聞きます。
 したがって、各局、抱えている局以外からもお話はあったのは事実です。でも、それによって私が知事の日程決めたなんてことはあり得ません。そんなことしたら石原知事は怒りますよ。

○小松委員 濱渦証人は、副知事をやめた後、やめて、交通会館に副社長としてつかれました。そして、しかしその後も、参与として再び都庁に戻っておられます。この参与としておられる間に、豊洲の土地売買契約が締結されるまでには、この都政ではさまざまなハードルがありました。よくご存じのことと思います。
 これに関して、市場移転にはタッチされなかったというようなことが先ほど述べられましたが、直接タッチはされなくても、相談を受けたということはあるのではないでしょうか、伺います。

○濱渦証人 委員はおいでにならなかったかもしれないんですが、都議会がですね、東京都の一部の職員と一緒で、濱渦は邪魔だから出ていけで、私は追放されたんですよ。そういう者にどうしてお話が来ますか。そして同時に、私には都政に携わるなというのが参与になったときの知事の指示でありました。
 したがって、国との、あるいはそれの、関係機関との連絡交渉をおまえがやれと、こういうことでありましたから、国の方、国交省であり、財務省であり、ほかのことでは、たくさんたくさん連絡したり、お仕事はしました。

○小松委員 当時の石原知事は、何か問題があると、これは濱渦が承知しているのかというふうに公然とおっしゃっていたというふうに聞いています。この件については、ご存じでしょうか。

○濱渦証人 大変うれしい話ですが、知りません。

○小松委員 相当な影響力を、都政における影響力をさまざまな場面で発揮されたのか、ではないかなというふうに思いますが、例えば、議会への働きかけという点ではいかがでしょうか。

○濱渦証人 具体的に何の議会のことか、おっしゃってください。

○小松委員 具体的に伺っているのではなくて、参与としてかかわっている間に、この都庁の中で質問される中で、豊洲問題に関して、移転問題に関して、さまざまなハードルはあったかと思いますので、その折々に、議会への対応というような点から、何か相談を受けたり、あるいは働きかけるような必要が生じた、そのようなことがないかというふうに伺っています。

○濱渦証人 ご質問の趣旨がよくわかりませんが、全く議会に--参与になってからではありません、ありませんし、そんなことをね、議会が私を否定しているんですよ、している人間を何で相談の相手にするんですか、冷静にお考えいただきたいと思います。

○小松委員 先ほど来、伺ってまいりまして、濱渦さんが副知事でおられたときに我々が抱いていた先入観といいますか、が、ちょっと違うのかなというふうな印象も、直接お話を伺いまして、誤解していた部分があるのかなというふうにも思っているところですけれども、これをやはり当時の知事であった石原さんに直接あす伺う機会がありますので、ぜひ伺ってみたいと思います。
 それではちょっと話が戻るんですが、濱渦さんが副知事に就任されたそのとき、それまで担当されていたのは福永さんで、副知事でありました。それから、福永さんから濱渦さんに引き継がれたそのときに、何か引き継ぎの際、市場に関してですね、最も重要課題とされたことはあったでしょうか、何か、それは何だったでしょうか。

○濱渦証人 さあ、あったかも知れませんが、全く記憶にありません。福永さん、大矢さんで交渉してうまくいかないから私になったので、福永さんも余分なことを私にいわなかったんじゃないかと思います。

○小松委員 産業振興を担当ということでした。そして、その中で、市場移転交渉を担当されたということでした。そして、副知事に就任されてすぐ、さまざまな、二十三区の区長に会われたりということでしたが、江東区長に会われたお話がありましたけれども、築地のある中央区長については、お会いになられたでしょうか。

○濱渦証人 矢田区長とはですね、私、長い関係にあるんです。私がまだ学生のころ、お勤めだったと思います、矢田さん。時々、人形町あたりで飯を食ったりもしておりましたので、よくありますが、市場を移転するとかいうそういう話はありません。行った跡地についてのお話、移転するからよろしくなんて話はしておりません。ただ、矢田さんの方からは、移転した後の築地の使い勝手については相談してくれよと、こういうお話はありました。

○小松委員 それでは、その二十三区の区長などと会われる中で、濱渦さんが江東区長に会われ、そして中央区長にも会われ、今、その築地と豊洲が、市場がこれ今後どうなっていくのかという局面に来ているわけですけれども、今現在のお気持ちをお聞かせください。

○濱渦証人 豊洲への移転のお話ですからね、直接的に答えるのがいいかどうかわかりませんけれども、せっかくのお尋ねですから、多くの方が苦労して堅牢な建物をつくったわけですね、豊洲に。地下の汚いものが流れているというのですが、地下の水を何にどう使うか私にはさっぱりわかりません。それよりも、もともとの発端になったのは、築地の市場が老朽化していて危ない、汚い、こういうことがあったんです。視察されたらおわかりでしょうが、夜中からもう排ガス、があっとなっているんですよね。大きな車をとめて、石原知事が、ディーゼル車対策をしたから少しはよくなったけど、当時はNOxとかたくさんが市場の中に入ってきていたわけですから、東京都の職員さんのおおむねが早く何とか向こうに移っていきたいと、こういう大きな意思がありました。
 したがって、中央区の矢田さんのところも、表面上は、もうそんなこといわぬでくれ、それで、築地については汚いといわぬでくれと。風評被害が出るから、そのまま口を塞いでいってくれ、この前、大矢さんがおっしゃっていたからいいますけれども、原爆マグロがですね、ビキニ環礁で被爆したのが、どこに埋まっているか大矢さんはよく承知しているんです。それがある記者がガイガーカウンターを持ってきてやったけれども、違うところに誘導したといっておりますし、一刻も早く土壌とかそういうことをおっしゃるんだったら、築地の方の整備をきちっとしてあげないと気の毒だと思っております。

○小松委員 濱渦さんのお考えを聞かせていただきましたけれども、今現在、大変な、豊洲は大変な土壌汚染がこれほど明らかになっているわけです。そのそもそもの発端が、先ほど我々、私も指摘させていただきました、濱渦さんが副知事でおられたときに交わされたさまざまな交渉の間に、今、その中で、東京都が多大な、莫大なです、土壌汚染処理費を負担するその瑕疵担保責任の放棄につながるような合意が交わされたということが、今回の委員会の中で明らかにしていきたいというのが、そもそものこの委員会で濱渦さんをお呼びした理由の一つでありました。
 そして、また一つ明らかにしていきたいのが、濱渦さんが副知事であったときに、都政においてどのような位置であったのか、どのような影響力を発揮されて都政の中で、都政を動かしていったのか、その水面下の交渉について明らかに少しできたのかなというふうに思いますが、あす、とにかく、石原知事、元知事においでいただいて、さらに追及が必要であるというふうに感じています。
 それでは、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
   〔濱渦証人発言を求む〕

○小松委員 では、お考えをお聞かせください。

○濱渦証人 長時間大変ご苦労でございました。私がいわれないといけないんですが、申し上げておきますが、皆さんのきょう一日経験させていただいて、皆さんがそれぞれストーリーをお持ちです。それにあわせてですね、どうだこうだとお尋ねになっておりますが、真実が、事実が、ずっと私、知っていることしかいうことできないんです。こういう流れじゃないかといわれたら、流れについてはそうではないとかいうのはなかなかはばかります。
 皆さん、委員の方々、各会派は調査しているでしょうから、しかし、百条委員会せっかくですから、そういうことをちゃんと調べていただきたいし、これの結果をどこにどう反映するかというのを真剣にお考えいただきたい、今困っているのは小池知事だけじゃないんですので、ぜひともお願いを申し上げます。

○小松委員 終わります。

○桜井委員長 よろしいですか。

○小松委員 はい、どうもありがとうございました。

○桜井委員長 ほかに発言がなければ、証人、濱渦武生さんに対する尋問は終了いたします。
 長時間ありがとうございました。
 ご退席ください。
 本日出頭を求めた証人に対する尋問は全て終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五十六分散会

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