委員長 | 桜井 浩之君 |
副委員長 | 谷村 孝彦君 |
副委員長 | こいそ 明君 |
副委員長 | 酒井 大史君 |
理事 | あさの克彦君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | ほっち易隆君 |
理事 | きたしろ勝彦君 |
理事 | 立石 晴康君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
小林 健二君 | |
小松 久子君 | |
おときた駿君 | |
舟坂ちかお君 | |
野上 純子君 | |
河野ゆうき君 | |
島崎 義司君 | |
小山くにひこ君 | |
古賀 俊昭君 | |
かち佳代子君 | |
曽根はじめ君 | |
三宅 茂樹君 | |
野村 有信君 |
欠席委員 なし
委員外の出席者元中央卸売市場長 | 森澤 正範君 |
元中央卸売市場長 | 比留間英人君 |
元中央卸売市場長 | 岡田 至君 |
元中央卸売市場長 | 中西 充君 |
東京都財産価格審議会元会長 | 新藤 延昭君 |
東京都財産価格審議会会長 | 松浦 隆康君 |
株式会社谷澤総合鑑定所不動産鑑定士 | 川藤 等君 |
株式会社谷澤総合鑑定所不動産鑑定士 | 近藤 克哉君 |
本日の会議に付した事件
付託事項の調査
豊洲市場移転問題に関する次の事項
(1)築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性
(2)東京ガス株式会社などとの交渉及び土地売買に関する経緯
(3)豊洲市場の土壌汚染対策及び豊洲市場の主な建物下に盛り土が行われなかった経緯
(4)豊洲市場建設工事における契約事務
(5)その他調査に必要な事項
証人喚問
○桜井委員長 ただいまから豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会を開会いたします。
この際、傍聴人の方々に申し上げます。
傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って静粛に傍聴を願います。傍聴人は、可否を表明したり騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。委員会傍聴規則等に違反する場合には退場を命ずることがありますので、念のため申し上げておきます。ご協力願います。
これより、豊洲市場移転問題に関する付託事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、百条調査権に基づく付託調査事項に関する証人喚問を行います。
初めに、記録の提出について申し上げます。
去る三月八日の委員会において、知事に対し、三月十五日午後五時までに提出を求めました記録並びに去る三月十一日の委員会において、提出期限を延長していた記録及び「不存在」「一部不存在」とされ、引き続き請求していた記録の一部について、お手元配布の記録の提出一覧のとおり、議長宛てに提出がありました。
なお、本記録の中に個人情報等も含まれておりますので、その取り扱いについては十分注意をされますようお願いをいたします。
また、請求した記録の一部について、お手元配布の提出期限延長を求める記録一覧の公文の写しのとおり、提出期限の延長について申し出がありました。
朗読は省略をいたします。
〔提出期限延長を求める記録一覧は本号末尾に掲載〕
○桜井委員長 お諮りいたします。
本申し出には正当な理由があると認め、可及的速やかに提出を求めたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
また、請求した記録のうち、お手元配布の「不存在」「一部不存在」とされた記録一覧の記録につきましては、不存在とのことであります。
本件につきましては、引き続き請求するとともに、その取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○桜井委員長 これより、付託調査事項、築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性外四項目について、証人から証言を求めます。
本日の証人に対する尋問方法につきましては、お手元配布の運営要領に従い行うことを理事会で申し合わせております。ご了承願います。
本日午後一時に出頭を求めました証人は、元中央卸売市場長森澤正範さん、元中央卸売市場長比留間英人さん、元中央卸売市場長岡田至さん及び元中央卸売市場長中西充さんの四名であります。
証人におかれましては、お忙しい中にもかかわらずご出席をいただき、まことにありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げるとともに、本委員会の調査のため、真相の究明のため、ご協力いただけますよう、お願い申し上げます。
この際、各証人に申し上げます。
証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由がなく証言を拒んだときは、禁錮または罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご承知おきください。
それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
傍聴の方、報道関係の方も含めまして、全員ご起立願います。
〔全員起立〕
○桜井委員長 森澤証人、証言席にお願いをいたします。
各証人は、宣誓書を朗読後、一人ずつ氏名を述べてください。
それでは、各証人は、宣誓書を朗読してください。
〔証人森澤正範君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十八日
森澤 正範
〔証人比留間英人君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十八日
比留間英人
〔証人岡田至君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十八日
岡田 至
〔証人中西充君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十八日
中西 充
○桜井委員長 ご着席願います。
それでは、各証人は、宣誓書に署名捺印をお願いいたします。
〔各証人、宣誓書に署名捺印〕
○桜井委員長 この際、メモ持参の件を議題といたします。
お手元配布のとおり、議長を経由して、各証人からメモの持参についての許可願の申し出が提出されております。
朗読は省略いたします。
平成二十九年三月十二日
証人 森澤 正範
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十八日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月十日
証人 比留間英人
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十八日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月十三日
証人 岡田 至
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十八日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月十三日
証人 中西 充
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十八日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
○桜井委員長 お諮りいたします。
本件は、それぞれの申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
この際、お諮りいたします。
証人として森澤正範さん、比留間英人さん、岡田至さん及び中西充さんの出頭を求めておりますが、四名の方同席の上で証言を求めることにいたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
これより証人に証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
なお、こちらから尋問しているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、証言席においてご発言願います。
なお、委員各位に申し上げます。
委員におかれましては、不規則発言等、議事の進行を妨げる言動のないよう、また、証人の人権に留意されますようお願いいたします。
それでは、証人から証言を求めます。
森澤証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは森澤正範さんですか。
○森澤証人 そうです。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○森澤証人 元中央卸売市場長、昭和二十三年二月二十八日生まれでございます。
○桜井委員長 ご着席願います。
比留間証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは比留間英人さんですか。
○比留間証人 はい、比留間英人でございます。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○比留間証人 元中央卸売市場長、昭和二十六年五月十六日生まれでございます。
○桜井委員長 ご着席願います。
岡田証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは岡田至さんですか。
○岡田証人 はい、岡田至でございます。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○岡田証人 元中央卸売市場長、生年月日は昭和二十七年一月五日でございます。
○桜井委員長 ご着席願います。
中西証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは中西充さんですか。
○中西証人 はい、中西充でございます。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○中西証人 元中央卸売市場長、昭和三十一年九月二十三日生まれでございます。
○桜井委員長 ご着席願います。
それでは、委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
こいそ副委員長。
○こいそ委員 森澤、比留間、岡田、中西、各証人におかれましては、ご多忙のところご足労いただきまして、まことにありがとうございます。
都議会自民党のこいそ明でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
特に私からは、森澤証人、比留間証人にお伺いしたいと思っておりますが、特に豊洲用地の土壌汚染問題について、当時どのように考えられ、どのように対応されてこられたのか、この点を中心にお伺いさせていただきたいと思います。
まず、森澤証人にお伺いします。
森澤証人は、平成十五年六月一日から平成十八年七月十五日まで市場長を務められました。豊洲市場用地の土壌汚染対策について、森澤証人が市場長に着任する前の状況を確認いたしますと、平成十四年七月に、豊洲地区開発整備に係る合意及び豊洲地区開発整備に係る合意に当たっての確認が締結をされました。
市場予定地の土壌汚染対策については、東京ガスが東京都環境確保条例に基づき調査を実施し、必要な汚染対策を実施することとされています。
しかし、東京ガスの処理計画は、ガス操業にかかわる土壌汚染のうち、処理基準を超過し、十倍を超えない箇所については残置されることが判明しました。
都は、東京ガスに、全ての箇所の処理を求めたのに対して、東京ガスは、十四年合意に基づく現計画が環境確保条例に適合していること、都の要請は、市場用地に変わったことが原因であることから、その費用は市場が持つべきであると主張し、当時、協議が難航していたことがうかがわれます。都と東京ガスの協議が続けられ、森澤証人が市場長に着任した後、平成十七年五月に、都の関係局と東京ガスとの間で、豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書が締結されました。
東京ガスは、十四年の合意により、環境確保条例に基づき対策を実施することに加えて、条例施行規則別表というのは、実はもうご案内だと思いますけれども、これですね。要するに、汚染土壌処理基準を超える操業由来の汚染土壌について、道路下及びAPプラス二メートル以下を除き、処理基準以下となる対策を行うことになりました。
以上の経緯を前提として伺っていきたいと思いますが、十七年の確認書では、環境確保条例による汚染土壌処理基準を上回る操業由来の汚染土壌について、道路下及びAPプラス二メートル以下を除き、処理基準以下となる対策を行うことが追加されています。
これは、東京ガスの土壌処理対策について、法や条例の範囲を超えるレベルの対応を求めるという理解でよろしいでしょうか。また、追加対策を求めることで、市場用地の安全・安心は確保されるとのお考えであったのかどうか伺いたいと思います。
○森澤証人 私が市場長になりまして、直後から、土壌汚染問題については非常に重要な課題ということでございました。
平成十七年の確認書に至るまで約二年間ぐらいありますが、その間、土壌汚染というのは、常に市場の重要課題であったわけでございます。それで、環境確保条例に基づいて処理すると東ガスは主張しているわけでございますが、東ガス自身が、その内容によっては、内容によっては完全には取り除けないと。もともとあの土地には残留する汚染物質があるということを私が来る前から発言していたわけでございます。
したがいまして、市場としましては、そのような残留がある土地を購入するのは、やはり市場用地として好ましくないという、そういうスタンスでございましたので、非常に危惧をしておりました。それとあと、要するに、新しい追加策をとったわけでございますが、環境確保条例で実施するということで、第一次の拡散防止計画を出しているわけでございますけれども、二回目に十七年合意に基づきまして出されているわけでございますが、それもいわば環境確保条例に基づく、その訂正版みたいなものでございますので、最終的には環境確保条例でやったということには変わりないということで、きちっと東ガスが主張をするとおりであって、我々は、それが合意に反したというような意識は全くなかったということでございます。
それとあと、道路下AP二メートルというお話がございましたけれども、その辺につきましては、実際それでいいかどうかという、いろんなやりとりの経緯があったかと思いますので、よく承知はしておりません。
○こいそ委員 この十七年の合意、いわゆる確認書の中で、道路の区域の下となる箇所及びAPプラス二メートルより下部に存在するものについて、処理対象から除外をしているんですね。これはどうしてかということをお伺いしたいと思います。
○森澤証人 十七年合意に向けた交渉は、知事本局と環境局と市場の三局で、連携して行っていたものでございます。
そして、土壌汚染対策は、区画整理事業だとか、あるいは環境確保条例の手続など、複数の局に関連しますので、知事本が窓口ということでやっておりまして、知事本が具体的な交渉に当たって、私は直接交渉には携わっておりません。
したがいまして、どういう経緯でその議論があったかというのは、つまびらかには存じ上げないんですが、市場として、いわゆる交渉の経過の中で、要するに、形質変更する範囲、要するに、土を掘り起こす範囲はどのぐらいになるかというような話は、問い合わせがあったことは覚えております。
それに対して、建物の深さだとか、どこに配置するのかということを教えろというのがたしかあって、まだ、施設整備計画がまだ何もできていない段階ですので、おおむね地面から二メートルぐらい、あるいは、どこを掘らないというのはまだわからないというようなことを答えたというふうに記憶をしております。
したがいまして、道路の下だとか、二メートルというのは、その我々の回答を受けて、知事本の方で交渉していただいた結果だろうというふうに思っております。
○こいそ委員 東京ガスの実施した汚染状況調査は、平成十三年に定めた環境確保条例の旧対指針、すなわち十三年指針によるものでありますが、追加対策を求める時点では、既に土壌汚染対策法が制定され、これに伴い、改正された新しい対策指針、いわゆる十五年指針が既に施行されていました。
なぜ、汚染状況の把握は、旧指針による調査のままでよいとしたのか。対策範囲を限定して東京ガスの処理経費を抑制する意図があったのかどうなのか、このあたりを含めてお聞きしたいと思います。
○森澤証人 東ガスが十三年基準で処理するというのは、当時の法律、条例の建前上、当然着手したときの基準でやるということが決まっていますので、それは何ら違法性はないというふうに受けとめております。
ただ、私ども市場当局としては、市場用地としてはきれいなものでなければまずいという思いが一貫しておりますので、土地を購入するまでには、当然、ある程度、残置する汚染物質については、きれいにしてもらいたいということで、そういうことで、知事本が、交渉に入っていただいたわけでございます。
そういう中で、具体的にどの範囲までやるかという議論を進めて、実質的に、市場用地として、ある程度許容できる範囲までの土壌汚染をしてもらうという、そういう考えで臨んでいたということでございます。
○こいそ委員 証人の発言は、東京ガスの土壌汚染対策は、平成十四年の合意において、環境確保条例に基づいて行うとされていたところでしたが、都民の納得が得られるレベルの処理が不可欠だとして、安心のために、環境確保条例を上回る対策を東京ガスに求めたということであったと思います。どうでしょうか。
○森澤証人 全くそのとおりでございまして、先ほども申し上げましたように、東ガス自身も、環境確保条例でやっても汚染物質は残るといっていましたし、我々も東ガスが出した拡散防止計画、その内容をやっぱり確認しなくちゃいけないということで、環境局の方が、東ガスにヒアリングをしていただきまして、その結果、拡散防止計画でやってもかなり残るという、そういうことが判明しましたものですから、先ほどいいましたように、さらなる対策をお願いしたという、そういう経緯でございます。
○こいそ委員 次に、比留間証人に伺います。
比留間証人は、平成十八年七月十六日から平成二十一年七月十五日まで市場長を務められました。森澤証人に伺ったように、十七年の確認書により、東京ガスは、汚染拡散防止計画書を追加提出して対策工事を行い、平成十八年三月から十九年四月まで、三街区で、全ての汚染拡散防止措置完了届け出書が都環境局に提出され、環境局はこれを受理しております。過日の東京ガス関係者の証人によれば、対策経費は百二億円を投じたとのことでありました。
ところが、このころから、市場業者や一般都民の間で、土壌汚染に対する認識が高まり、水産卸業者を中心とした市場関係者などにより、移転反対のデモが行われたり、都議会でも議論が活発に行われるようになったと記憶をしております。
しかし、比留間証人は、平成十九年の予算特別委員会で、豊洲の新市場予定地は、敷地全面にわたり、二重三重の手厚い対策を施している、したがって、現行の法や条例に照らしても、安全性には問題はない、再調査の必要はないと答弁されるなど、当初はですね、東京ガスによる工事完了により、汚染対策が十分であるかのようにうかがわれます。当時の認識はどうだったのでしょうか。また、東京ガスは、都との合意事項を履行して、法的責任を果たされたと考えていたのでしょうか。伺いたいと思います。
○比留間証人 まず、当時の認識について申し上げますと、東京ガスが実施をいたしました土壌汚染対策については、今、森澤さんがご説明になったとおりでございますけれども、あそこの土壌汚染につきましては、基本的にAP四メーターから二メーターは東京ガスが責任を持って除去する。AP二メーター以深の部分については、十倍以下の操業由来の物質が残ると。それ以外の十倍を超えるものについては除去するということでございますので、AP四メーターからAP二メーターは操業由来の汚染の物質がないということで考えておりました。
加えて、その上に、あそこは高潮対策で、さらにその上に二・五メーターの盛り土をするという計画になっておりました。で、さらに、市場の建物、それから駐車場等を含めまして、市場全域をコンクリートないしアスファルトで覆うということで、土壌汚染の物質が人体に影響を与える場合には、それは、直接摂取するか、地下水から摂取するか、で、そういう経路は絶たれているというふうに考えておりましたので、問題はないというふうに当時は認識しておりました。
それから、もう一点、法的責任ということでご質問がございましたけれども、東京ガスの対策は、東京都の合意の上で、法的責任をきちんと果たしている、環境基本条例にのっとった対策を行っているというふうに認識をしております。
○こいそ委員 当時でありますけれども、しかし、ここでですね、当時の東京都知事選挙の、その年度に時期を迎えます。石原知事は、平成十九年三月十日の定例記者会見の場で、豊洲新市場予定地の土壌汚染問題を問われ、都民の食の安全にかかわることなので、後で失敗したとならないように、再調査の必要性について、専門家の意見を聞くとの趣旨の発言をされております。
この発言を受けて、平成十九年五月、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議が設置されたと認識をしております。
この専門家会議が設置された目的及び専門家会議が目指したところは、どのようなものだったのか伺いたいと思います。
○比留間証人 今お話しのように、平成十九年の四月ごろだと思いますが、当時の石原知事が、専門家の意見を聞くということで、土壌汚染に対する議論がいろいろあったという状況の中で、そういう発言があったわけですけれども、それを受けまして、五月から専門家会議を発足させて、で、市場としての安全という観点から、通常の土地ではなくて、市場としての安全という観点からきちんと検証してみようと、そういうことで専門家会議がスタートしたということでございます。
○こいそ委員 専門家会議の提言に基づいて、都は、豊洲用地について、敷地全域にわたる土壌と地下水の詳細調査を実施し、その結果、調査対象四千百二十二カ所のうち、土壌または地下水で汚染が確認されたのが千四百七十五カ所。このうち、特にベンゼンが環境基準の四万三千倍、シアン化合物が八百倍という汚染が確認されました。
東京ガスの完了届け出書を都が受理した後の詳細調査で汚染の存在が確認されたわけであります。東京ガスの十七年の、いわゆる合意、確認書に基づく土壌対策は、そもそも適切に行われてきたのでしょうか。また、都はそれをどのように確認をされたのか、伺いたいと思います。
○比留間証人 事実関係といたしましては、専門家会議の詳細調査の結果、高濃度の汚染が確認されたということでございますけれども、東京ガスの対策は、汚染拡散防止計画に沿って実施をされて、それが適切に完了しているということが、完了届を出されることによって確認をされたというふうに認識をしております。
○こいそ委員 都の詳細調査によって汚染の存在が確認されましたが、この調査結果について、正直、どのように受けとめられたのか、感じられたのでしょうか。また、豊洲は市場用地としてふさわしくないと考えたかどうか。移転計画を見直すなど考えることはなかったのかどうか、お伺いしたいと思います。
○比留間証人 四万三千倍の汚染が、ベンゼンの汚染が確認されたのは、二十年の五月ぐらいだったというふうに記憶しておりますけれども、正直申し上げまして、非常に驚きました。
あわせて、専門家会議で、その内容について直ちに分析をし、検討に入ったわけですけれども、これが敷地全域にわたっているものではないということで、対策は十分可能であるという専門家会議の見解で、私どもといたしましては、ここは専門家会議の判断に委ねるしかないというふうに考えておりました。
○こいそ委員 専門家会議では、議論を重ねて、平成二十年七月に最終報告を取りまとめました。土壌は、環境基準を超える汚染物質を全て除去するとともに、操業地盤面から二メートルまで、全て健全土に入れかえる。その上に二・五メートルの盛り土をする。地下水は、最終的に環境基準以下に浄化するとともに、施設開場後も地下水管理システムを構築し、水位、水質を監視していくなどの対策を提言がされております。
この対策内容は、十七年の確認書をはるかに超える内容のものとなっておりますが、なぜこのように提言がなされたとお思いでしょうか。また、証人は、この提言をどのように受けとめたのか伺いたいと思います。
ちょっと時間的なことがございます、続けさせていただきますが、そのご答弁とともに、都の調査により、これだけの汚染が確認されたとなると、汚染原因者である東京ガスに対して、どう対応しようと考えたのか、気になるところです。
石原都知事は、平成十九年十二月、豊洲用地は安全だと思ったから買った、それが適さないとなれば、責任は売った側にあると、旨、答えています。
そこで、中央卸売市場は、この当時、石原知事と、東京ガスの対策費用の分担について話をしていたのでしょうか。また、石原知事から、対策費用の負担については何らかの指示があったのかどうなのか伺いたいと思います。
○比留間証人 まず、専門家会議がなぜこのような対策を提言したのかということですが、専門家会議は発足の当初から、これが市場の用地として使われるということを考えて、法令の基準を上回る高いレベルで安全性を確保するということを目的に、さまざま検討をいただいて、それが専門家会議としての報告の内容になったというふうに考えております。
どのようにそれを受けとめたかということでございますけれども、大変、極めて対策が、高いレベルの対策でございますので、我々の責任は、これをいかに確実に、きちんと実施していくか、で、安全を確保していくか、ここが行政としての責務である、市場としての責務であるというふうに当時は考えたと記憶しております。
それから、対策費用の負担についてですが、特に、当時の石原知事から、この経過の中で指示ということはございませんでしたけれども、記憶では平成十九年の十一月ぐらいからだと思いますが、議会でご質問をいただいておりまして、これに対して、東京ガスと負担の協議をしてまいりますというお答えは、既に十九年の十一月ぐらいだったと思いますが、そういうご答弁を本会議あるいは常任委員会でしてきたという経過でございます。
○こいそ委員 さて、専門家会議に引き続いて、土壌汚染対策を具体的に、具体化するに当たりですね、民間企業などから、広く新技術や新工法を公募して、その評価及び検証を経て、実効性や経済性にすぐれた土壌汚染対策を策定することを目的に、豊洲市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議が発足しました。
平成二十一年二月の技術会議により報告書が提出され、専門家会議の提言について、具体的な技術、工法を定め、土壌汚染対策全体を網羅した総合的な対策の提言がなされました。
これは、法が定める対策をはるかに上回る、また、費用も五百八十六億円という巨額に膨れ上がったものでありますが、ここまでの対策をしなければならない理由は何であったのか。また、この対策をとらなければならない法的根拠があったのかどうなのか伺いたいと思います。
○比留間証人 対策の理由でございますけれども、技術会議のミッションは、専門家会議の提言を具体的に、技術的に実現していくというのが、技術会議のミッションでございました。
したがいまして、専門家会議の、先ほども申し上げましたけれども、高いレベルで、市場として高い、用地でございますので、高いレベルで安全性を確保していくということで、この対策がまとめられたというふうに考えております。
法的根拠は、法令で定める基準をはるかに上回るものであるというふうに考えております。
○こいそ委員 技術会議の提言を受けて、五百八十六億円という膨大な対策費用が判明したわけでありますが、なぜ、都が対策を行うこととしたのでしょうか。工事を進めれば、経費増加が考えられて、事実、最終的には八百六十億円となりましたが、一度立ちどまって、見直すことは考えなかったのかどうか伺いたいと思います。
○比留間証人 まず、都がなぜ対策を行うかということでございますけれども、これは、市場用地として使うということで、先ほど来申し上げていますように、極めて高いレベルの安全性ということで、これは都独自で行う工事と対策というものが、この中に相当数含まれているということで、東京都独自に実施するということで考えたものでございます。
それから、一度立ちどまって見直すということについては、四万三千倍というのが検出された当時から、さまざまご議論がございまして、ほかに代替案はあるかとか、代替地はあるかとか、築地の再整備は可能かとかというようなことを中では随分議論をして、最終的に、それはないという結論のもとに豊洲での工事進行ということで、進めていったものでございます。
○こいそ委員 ただいま、証言ございましたが、しかし、そうはいっても、結果として、土壌汚染対策費用が約八百六十億円に膨れ上がったという事実は、これは指摘させていただきたいと思います。
お二人の証人尋問から明らかになったことは、東京ガスは当初、平成十四年の合意により、都の環境確保条例に基づいて土壌汚染対策を実施する予定でした。この処理計画は、法令基準を満たすものでありましたが、都は、卸売市場の安全・安心を満たすものではないと判断し、東京ガスに対して協議を申し入れ、その結果、十七年の合意、確認書ですね、を締結しました。
この確認に基づく対策によって、APプラス二メートルより上は処理基準以下となります。つまり、東京都は十七年の確認書で、既に法令の基準を上回る対策を東京ガスに求めており、これに対して平成十八年から十九年にかけて、完了届け書が提出されたことで、東京ガスとしては、法令手続上の対策が完了したことになるわけであります。
しかし、土壌汚染問題が高まったことから、専門家会議及び技術会議が設置をされ、法令の対策をはるかに上回る対策を実施することになりました。法令上の基準は、既に東京ガスの対策でクリアしていましたが、卸売市場の安全・安心のうち、特に安心を確保するために、都として対策工事を実施することとしました。ということを伺ったわけでありますけれども、また、土壌汚染対策経費は五百八十六億円という、膨大な金額を要するものでありますが、汚染範囲は敷地全域に広がっているわけではなくて、対策は十分に可能で、しかもこれを実施すれば、卸売市場の安全・安心が高いレベルで確保されることから、都として実施することとしたということが、きょうの証言から得られたところであります。
まだまだ解明すべき問題は残っております。このため、引き続いて、調査と確認及び質疑を重ね、事実関係を究明していく所存であることを表明し、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○桜井委員長 島崎委員。
○島崎委員 それでは引き続き、都議会自民党の島崎義司が、質問を、尋問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず初めに、土壌汚染対策費用の負担額について、岡田証人に伺っていきたいというふうに思っております。
岡田証人は、平成二十一年七月十六日から同二十三年七月十五日まで市場長を務められました。この期間は、土壌汚染対策費用について、東京ガスと激しく交渉していた時期で、交渉議事録を読ませていただくと、平成二十三年一月十八日の東京ガスとの打ち合わせでは、東京都が、なお底面管理など対策内容は、専門家会議や技術会議の提言に基づくという点は理解してほしいと述べたのに対して、東京ガスは、市場はレベルの高い対策をやっているため、そこまでは当社が負担すべきではないという立場である、当社は、過去から何度も都の協議に応じてきた、合意書では、これ以降はないということをぜひ明確にしていきたい、土地売買における瑕疵担保の免責のようなもの、あくまでも、自主的にお支払いするという立場であると述べておられます。
また、平成二十三年一月三十一日の東京ガスとの打ち合わせでは、東京ガスが、将来の費用負担をにおわすような文言は一切入れられない、今回で終わりにするというのが、この協定書の主目的となる、これが入らなければ協定を結ぶ意味がない、などのやりとりがありました。
このように、東京ガス側は、売買契約締結に当たっては、汚染土壌対策費として、さらなる負担を求められないことを明確にすることを主張しておりました。
そこで、土地の売買契約締結に当たって、東京ガスは、汚染土壌対策費として、協定書で負担を約束する金額を超す負担は行わないということを強硬に主張しておりましたが、東京ガスがその点にこだわった理由は何だったとお考えでしょうか。
○岡田証人 お答え申し上げます。
先ほど来、比留間証人がお話しいただきましたとおり、東京ガスは、平成十四年、そして十七年の合意に基づきまして都と約束をして、それの約束について果たしてきたと。条例に基づき完了届を出し、そして、それも東京都が確認をしているということでございまして、それにつきましては、東京ガスとしては、もう自分たちは、東京都の約束を果たしただけでなくて、法的責任もないんだと。今回の東京都からの申し入れについては、新たな申し入れであるということでございますので、法的責任にない中で、追加の負担をするということである限りはですね、先ほど先生がお話ししましたけれども、何度も何度も協議に応じてきたというようなこともあるので、ちょっと言葉は悪いんですけど、これ限りにしてほしいと。
最大のその理由は、私どもはやはり、東京ガスとしては、株主に対する説明の問題だったんだろうというふうに思っておりまして、そういう観点から、出す限りについては追加負担はないと、それだけを明確にしてほしいと。
それが合意をするときの一番の条件であると。そういうふうに東ガスからいわれたということだというふうに考えてございます。
○島崎委員 東京ガスが負担することとなるお金の性質について、平成二十三年一月の交渉の席上で、法的根拠ではないと考えている、東京ガスは、条例上の対策をし、法的責任を果たしている。
すると、法的根拠に基づく請求ではなく、本合意による新たな法律関係という整理をする方向ではないかと考えていると説明をされております。
平成二十三年二月十五日の東京ガスとの打ち合わせでも、東京都は、詳細調査で汚染が判明している三十カ所についても原因が特定できておらず、御社に負担を求める対象としていない、今後、百平方メートルごとに調査をしたとしても、操業由来だとする特定はできるとは限らない、したがって、盛り土分については、御社に負担を求めることはないと考えていると述べられております。
平成二十年七月に出された専門家会議の報告書でも、土壌汚染について指摘をしておりますけれども、土壌汚染について、東京ガスには既に法的な責任はないと都として認識した理由は何でしょうか。
○岡田証人 私どもは、自分たちだけの検討ではなくて、法律の専門家にもご相談をいたしました。最大の理由といたしましては、十四年、十七年の合意に基づいて、両者の間で、いわゆる東京ガスが土壌汚染対策としてやることについての範囲といいますか、その対策を決めて、それにつきまして、東ガスはきちっと履行しているということでございまして、瑕疵担保責任という言葉を使えばですね、瑕疵担保責任については既に履行済みであると、こういうふうに考えたわけでございまして、したがいまして、私どもとしては、申し入れたときの法的責任について、申し入れたときの根拠ですけれども、それは法的なものではなくて、土壌汚染が出たということについて負担協議を申し入れたというふうに考えてございまして、その協議に基づきまして合意ができたと、そういうふうに考えているところでございます。
○島崎委員 平成二十三年三月三十一日、土地売買契約書及び豊洲地区用地の土壌汚染対策の費用負担に関する協定書が締結されました。そこでは、東京ガス側が計七十八億円を負担することで、土壌汚染に起因する一切の問題を解決すること、本協定書に定める内容について誠意を持って履行することで、今後、東京ガス側は土壌汚染に係る費用負担をしないことを確認したことなどが明記されております。
この東京ガス側の負担額について、東京ガスとの打ち合わせ議事録では、都の要求としては、平成二十三年二月七日段階では八十六億円、同二月十八日及び二月二十八日には八十億円、同三月七日には七十九億円となり、最終的には七十八億円の負担となりました。
どのような理由で七十八億円に決まったのか。また、この時点で想定されていた五百八十六億円という金額に対して、七十八億円というのは負担額として少ないのではないかという議論もありましたけれども、この東京ガス側の負担額について、その妥当性をどのように検討されたのか、お伺いいたします。
○岡田証人 負担の考え方につきましては、東京都が実施いたします土壌汚染対策工事におきまして、十七年までの合意にですね、先ほど来ありましたAP二メートルとするか、その以深の問題、それを東京ガスが実施したと仮定をした場合についての負担額と、こういうふうになっているわけでございまして、その額が最終的に七十八億円になったということでございます。
それで、私ども実際それが幾らになるのかということについては、随分前からいろいろ検討してございまして、たしか私が着任した早々だと思うんですけれども、知事にも報告をいたしまして、負担の考え方、あるいは負担額の想定といったようなものを一旦上げてございまして、それが大体八十億円ぐらいでご報告したんじゃないかなというふうに記憶をしてございます。
それを、実際に東京ガスにお話を持っていったときに、先ほど来の八十六億円だったというふうに記憶をしております。それが、技術陣の方でいろいろ精査をして、八十六億円というふうになったんだろう。
なぜその数字が少し動いたかということでございますけれども、これは、私が技術陣から、いろいろと交渉した結果がどうだったのかということですので、私は交渉の場に出ておりませんので、正確ではないというふうですが、東京ガスさんは、東京都側の積算が非常に高いんではないかと。それはなぜかというと、急ぎ賃が入っているんじゃないか。非常にやっぱりスケジュールがタイトであるので、急ぎ賃が入っていたりとか、非常にレベルの高い対策を講じているために、やっぱりちょっと高くなっているんではないか。
それに比べて、東京ガスさんの積算では、通常ベース、自分たちがやればこのぐらいだよというような形があってですね、かなりやっぱり数字の開きがあって、そういう調整をいろいろこういうふうにやりながら、我々とすれば、やっぱり八十億を確保するのがどうしても必要だというようなことがあって、そういうような形の中で、いろいろと数字について技術的な調整とかいろいろやった中で、最終的に落ち着いたのが、今、先生ご指摘の七十八であったというふうに理解をしてございます。
○島崎委員 確認ですけれども、平成二十四年三月二日に出された住民監査請求に対する平成二十四年四月二十七日付の監査結果によると、負担額の考え方は、都の土壌汚染対策経費全体の五百八十六億円中、地下水対策費百九十億円、液状化対策費四十五億円、調査費十三億円、土壌処理費三百三十八億円中百億円などは、市場用地としての高いレベル確保のための都独自対策で、都の負担、これを除いた土壌処理費二百三十八億円の一部を、平成十七年確認書に基づいて、地盤面から深さ二メートルまでの処理基準を超える汚染土壌処理及び深さ二メートル以深で処理基準十倍を超える汚染土壌処理に係る経費を算出したのが七十八億円。これは東京ガス側の負担という基準が示されておりましたが、この負担基準ということでよろしいでしょうか。
○岡田証人 先ほどちょっと私がお答え漏れをしました。先生ご指摘のとおり、五百八十六億円が全て負担対象ではなくて、そのうち東京都が高いレベルで市場の安全性を確保するためにやった対策というものがございます。液状化対策ですとか地下水対策。
そういったものを引いたときに、先生ご指摘の二百四十億円ぐらいが、汚染土壌の処理費ということになります。そのうち幾ら東ガスから負担をいただくかということの交渉であったというふうに思ってございます。
○島崎委員 売買契約の時点で、都として、汚染土壌対策費としては七十八億円を超す負担を東京ガスに求めないと判断した理由は何か。まだ設計が固まっていない段階で東京ガスの負担額を決めた、固めたというのはなぜか。最終的に決定をしたのは誰でしょうか。お答えをお願いしたいと思います。
○岡田証人 七十八億円につきましては、過去の経緯と、そういうことで決まってきたわけでございますけれども、それ以上の負担を求めないという、いわゆる確定払いにするということにつきましては、非常にやはり東京ガスの方から、自分たちに法的責任はないと。しかしながら、今回、土壌汚染が、自分たちの操業由来として市場用地として残っているということについて、やはりそういうことから、社会的責任から負担をするという考え方でございます。
ただし、自主的に負担をする以上は、追加負担は、これはないようにしてほしい。これが絶対的に条件だような、ような意味合いでですね、東京ガスから求められてきまして、我々としても、まず合意をする、それから、七十八億円ではなく八十億円に近い金額を確保するという、我々の方の目標と東京ガスの主張との間で合意を、最終的にそこの点で合意をしたということでございます。
それから、それについての決裁権者ということでございますれば、それは私が決裁をいたしました。
○島崎委員 八十億円の確保を目指して交渉していく。そして七十八億円に落ち着いたのは、その決裁権者は岡田元市場長であるということを述べられました。
東京ガスとの平成二十三年三月二十八日の交渉記録では、東京都は、知事に説明している手前、最低八十億は死守したいと、都が述べておりましたけれども、石原知事にはどこまで説明をしていたのか。また、それに対して石原知事からはどのような指示があったのかを伺いたいと思います。
○岡田証人 私が着任したのは二十一年の七月でございまして、比較的早い時期にですね、知事にはご説明をしたという記憶がございます。その際に、負担の考え方、負担の考え方といいますのは、十七年までの合意に基づいて、東京ガスから負担をいただきたいと。負担を求めるべく協議をすると。そういうことが一つと。
それから、その場合の試算について、先ほどの二百四十億円だったか三百四十億円、ちょっと正確に覚えていないですが、それに対する負担としては約八十億円になると、そういうことのご説明をした記憶がございます。
それについて特に知事から、安いとか何かとかというご指摘とか何かということについて、受けた記憶はございません。特にそれについて知事から特別なご指示があったという記憶は、記憶は残っておりません。
○島崎委員 石原知事は、この東京ガスの負担は法定外のものであるということは、よくわかっていたということで理解をしてよろしいでしょうか。
○岡田証人 私だけではなくて、既に二十一年の二月のときに、副知事が東京ガスに協議の申し入れをしております。そのときも含めてお話をしていたはずだろうと思いますので、知事としても、この協議をするということについて、法的責任ではなくて、いわゆる汚染物質が新市場の中から発見されたということによって協議をするということについては、ご理解いただいていたんだろうというふうに推定をいたします。
○島崎委員 東京都の土壌汚染対策費が、当初予定されていたのは、先ほど来お話がありましたとおり五百八十六億円だったわけでございますけれども、最終的には八百五十八億円と、当初の約一・五倍になりました。この理由は何でしょうか。
○岡田証人 私のときは五百八十六億円でございまして、八百六十億円余になったときについてというのは、ちょっと私の後のことなので、詳細については承知しておりませんが、私がその当時ですね、当時というか、いわゆる市場の後輩から聞いたときについては、地下水の管理とか何かとか、いろいろと物がふえたんだというふうなことの説明を受けているだけでございまして、具体的にそこの数字がふえたということについて、詳細なところは、申しわけございませんけれども、承知していないということでございます。
○島崎委員 後ほど聞こうと思いましたけれども、ただいまの同じ質問に対しまして、その契約を結んだときの、中西、当時の市場長にお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○中西証人 私が市場長になりましたのは、平成二十三年の七月の十六日だったと思います。土壌汚染対策工事につきましては、当時はたしか入札の手続中だったと思うんですけれども、契約そのものは、たしか二十四年の八月の末ぐらいに契約をしたと思います。
ただ、私が翌年六月の三十日まで市場長を務めておりますけれども、その間は、もちろん工事には入っておりましたけれども、具体的にその工事を進める中で、五百八十数億の土壌汚染対策工事が非常に大きく膨らむというような話は、まだ現場から上がってきておりませんでしたので、私もその原因が何にあるのかというのは、それこそ、私が市場長を退任した後でですね、例えば土壌の中に地下埋設物があったとか、そんな話は聞いたことありますけれども、市場長をしていた時代につきましては、明確な認識はございませんでした。
○島崎委員 それでは、岡田証人の方に戻らせていただきまして、瑕疵担保責任の有無についてお伺いしたいと思います。
平成二十三年協定第六条、今後、乙及び丙、これは東京ガス側ですね、は、対象用地の土壌汚染に係る費用負担をしないことを確認すると記載され、平成二十三年三月三十一日の土地売買契約書にも、同協定に基づくことが明記をされました。汚染土壌について瑕疵担保を免責したといわれているこのような条項が記載されている協定書を交わした理由と経緯について、ご説明をいただきたいと思います。
○岡田証人 東ガス側の交渉に当たっての必要なポイントというのは、二つあるかと思います。
一つは、先ほど来ご説明を申し上げますけれども、東京ガスは、瑕疵担保責任、いわゆる法的責任については、もう自分たちは果たしていると。履行済みであるというのが一つでございます。
それからもう一つは、ですから法的責任にないものについての新たな負担に応じると、そういうことでございますので、その限りは、ここで区切りをつけるというか、これ以上請求がないということを明確にしてほしいということでございまして、それが一つあらわれたのが第六条であろうというふうに考えてございます。
我々といたしましては、まずそこの最初のところの瑕疵担保責任は履行済みであるということについては、これはその当時、私どもも法律の先生方とかなんかご相談して、やはり、条例上の手続を完了して東京都もその確認をしているという以上は、瑕疵担保責任についてはやはり請求することは難しいであろうと、そういうことを考えていたものですので、そこのところについては、やはり東京ガスのいい分は、我々としても、受け入れるというわけじゃないけど、いい分はいい分として受け入れざるを得ないのかなというふうに思ってございます。
それから、法的責任のない追加負担についてというところについては、六条ですけれども、実はあの六条について、想定しているところというのが実は余り想定できないということでございまして、今回、つまり今回の対策が終わった後に、何か大きなもの、そういったものが起きるのかといったようなことを考えていったときに、余り起きることもないだろうというようなこともあって、将来の負担といったようなこと自体が起きることはないだろうということを考えて合意をしたということで、結論と申し上げますと、瑕疵担保責任について都が放棄したものではないというふうに認識してございます。
○島崎委員 何度もここの部分を繰り返しお聞きするようで、いろんな観点からお聞きするようで大変恐縮なんですけれども、平成二十三年三月三十一日から同四月二十日に行われた四件の土地売買をめぐっては、土壌汚染対策費用を考慮せず豊洲市場用地を取得したことは、経済的合理性に著しく反するとして、現在、都知事は石原元知事に総額五百七十八億円を請求せよということを求める公金支出金返還請求事件の訴訟が行われております。これに対して、都はこれまで、平成十四年合意、先ほど来ずっとお話をされておりましたけれども、平成十七年確認書に基づいて、適正に土壌汚染対策を完了しているため、財産価格審議会において、土壌汚染対策費を考慮しない扱いとして評定、何ら違法な点はない。東京ガスは、条例手続に加え、本来法的義務のない負担も履行済みであり、都は何ら請求権を持っていない。ただいま岡田元市場長がおっしゃっていたような主張をされてまいりました。
しかし、小池知事は、この都の主張を再検討することを表明し、弁護団を入れかえて検証中ということを承知しております。
当時の市場責任者として、これまでの経緯における合意や確認、売買契約などについて、何か瑕疵があると考えているのかどうか、済みません、しつこいようですけれども、改めて確認をさせていただきたいと思います。
○岡田証人 済みません、少しちょっと長くなってしまうかもしれませんけれども、二十三年の三月に締結した売買契約というのは、従来の売買契約書に倣ってございまして、従来のものはどうなっていたかというと、十四年、十七年の確認書の対策内容について、東ガスが工事を実施するということなので、瑕疵担保責任をその上で履行するので、土壌汚染のない更地として評価をしてございます。
二十三年三月にやった売買契約書も、従来のやっているという、従前の考え方を踏まえてございまして、一つは、東京ガスが条例上の責任を果たしている、条例上の義務を果たしているということ。その上にさらに今回、東京都が実施いたします対策におきまして、都と東ガスとの間で新たな負担の合意が成ったということから、協定書に、その土壌汚染対策という項目は、協定書によるということで、売買契約書から外したということでございまして、従来どおりの対策を行ったと、そのように認識しております。
○島崎委員 つまり、瑕疵には当たらないということで確認をさせていただきたいと思います。
それでは次に、盛り土について、岡田証人、そして中西証人にお伺いをしていきたいと思います。
中西証人は、平成二十三年七月十六日から平成二十四年六月三十日まで、市場長を務められました。この間、平成二十三年八月、都市計画法に基づき、都市計画市場として位置等の決定及び土壌汚染対策工事について、一般競争入札により契約締結の上、工事に着手。平成二十三年十月、豊洲新市場建設工事実施設計の契約を締結という、契約や工事に着手した重要な時期であるというふうに承知をしております。
豊洲新市場の建物の安全性は、市場問題プロジェクトチームにおいて、疑問視していた委員も含めて安全性を認め、法令に適合しているかどうかを調べる都の建築主事が、平成二十八年十二月二十八日付で、安全性を証明する検査済み証を小池知事に交付したことで決着をしているというふうに思っております。
ただ、今回の豊洲移転延期問題の発端ともなったいわゆる盛り土問題については、盛り土をしないこととなったその決定経緯や、上司及び知事への報告などについて、第二次自己検証報告書で報告をされましたけれども、いま一つはっきりしていないというのが都民の感覚じゃないかなというふうに思っております。
岡田証人が市場長を務めたまさにその真っただ中にあった平成二十二年十一月八日から平成二十三年二月四日まで、中央卸売市場設計等業務プロポーザル技術審査委員会が、計三回開催されました。この中で、提案者から明確に、盛り土工事の省略によるコスト削減と工期短縮についての説明が記載をされておりました。
その後、その方向性で計画は進み、盛り土して掘り出すという重複作業を避けるため、建築工事の基礎部分をラップさせることで工期を短縮するという工法がとられることになりました。
このことに関連して、新市場の地下に設けられた空間について、第一回市場問題プロジェクトチームでは、大規模建築を幾つか手がけた建築設計の専門家の委員から、その空間は、設備にとっては非常に重要な空間、簡単に問題がある場所が見つけられ、問題があった場合は、簡単にそこにアクセスして、それを取りかえたりすることができる、あるいは、二十年後、四十年後、こうした配管を必ず取りかえる時期が来る、この地下空間があることによって、この建物の保守点検性は格段に上がる、それによって、豊洲市場の長寿命化、五十年先、七十年先でも十分に更新しながら使用していくことができる、そういう非常に重要な空間ができた、これを設けたことも、私は都の技術系の方の英知だと思うし、これは決して責められることではないと思うと述べられておりますとおり、今となっては、その方が合理的ともいえる判断だったという評価もあります。
ただ、それにしても、豊洲市場の設計等業務を最終的に決めたプロポーザル技術審査委員会には、審査委員九名中、中央卸売市場職員が六名も含まれ、その段階で、少なくとも地下空間を設ける方向性は承知をしていたはずでありまして、上司である市場長や副知事、知事への報告がどのようになっていたのかという疑問は残されているわけであります。
中西証人が市場長を務めていた平成二十三年九月、この方針を実現させる工事、豊洲新市場土壌汚染対策工事契約書の特記仕様書の埋め戻し計画平面図には、市場建物建設部分敷地の高さがAPプラス二メートルと明確に記載をされておりました。そのことを、専門家会議や技術会議、上司や知事にも報告せず、その後の都議会でも、事実と異なるとしか思えない答弁を繰り返していたことは、考えがたい組織上のガバナンスの問題といわざるを得ません。
プロポーザル技術審査委員を務めていた市場職員からは、どのような報告を当時受けていたのか。また、結果的に議会等で事実と説明が異なっていたことなどについて、当時の市場責任者としての見解を、お二人に伺います。
○桜井委員長 どちらから。
○島崎委員 岡田市場長と、中西市場長もお答えがあったらお願いします。当時の。
○岡田証人 盛り土の件につきましてはですね、非常に今でも、私自身じくじたるものがございまして、なぜこういうふうになったのかということについて、今でもずっと考えているんですが、残念ながら、明確に私自身の中でも答えがなかなか出てきておりません。
盛り土につきましては、専門家会議あるいは技術会議で、提言に基づいて、いわゆる敷地全部において盛り土をするという方針になってございまして、それが実は覆ったという、違っていたということにつきましては、昨年の九月に知事がご発言をなさって初めて知って、えっと思ったぐらいでございまして、私自身はですね、盛り土が全面的になされているものだというふうに思っておりました。
先ほど先生からお話ありましたプロポーザルの委員のところにつきまして、あるいはそれを受けた、例えば技術陣が基本設計をやるときに、やることに当たってとか、あるいは土木陣が--起工書について判こを押したのは私ですが、私のときに、そこ、建物下については盛り土をしませんというような形についての説明を明確に受けたというところは、どうも記憶に--でございます。
ただ、基本設計は、私が在任中の最後の方にですね、一応上がってきてというか、一応説明を受けて、図面も見たような記憶があるんですが、その中にも、建物下が大きくこうやって掘り込んであったというような、そういったようなどうも記憶がないという形でございまして、そういう点ではですね、説明を受けていなかったということよりも、私の方が、十分そうしたことについて説明を受けられるような、あるいは組織内部できちっと議論できるような、そういう体制になっていなかったということについては、非常にやはり私の責任というものを感じているものでございます。
ただ、何度もいいますけれども、私が在任中、盛り土については、先生がお話しのように、土木と建築との錯綜というのかな、そういった、避けるために一旦入れなかったんだといったことの説明でも、それもやはり受けた記憶がないという状況でございました。
○中西証人 私も岡田市場長と重なる部分があるんですけれども、昨年の九月に、主要な建物の下に盛り土がないというお話をお聞きして、非常に驚いたというのが正直なところでございます。ただ、この間二回にわたって検証報告書がつくられまして、私も当時の状況を、極力思い出すべく努力もいたしましたし、場合に応じて職員にも話を聞いてみました。
それによると、レク、何らかのレクを行った際にですね、地下水のモニタリングを行う必要があるので、建物の下にモニタリング空間を設けることになっているというような説明を受けたということは事実だと思います。私は、地下水でモニタリングをする以上は、採水を行う必要がございますので、なるほど、そのような空間が必要だなということで、そのこと自体については、恐らく奇異な思いは持たなかったんじゃないかと思います。
ただ、それと並行して、全く同じ新市場整備部の方から受けた、私に受けたレクの中では、敷地全面に盛り土を行いますというレクを、それに並行して受けておりました。これにつきましては、議会の先生方にも説明したことでございますし、引き続き何度もそういうご説明をしておりますので、私とすれば、敷地全面に盛り土を行った上で、そのモニタリング空間と称する存在についても、盛り土の上に存在するものというふうに、非常に単純にと申しますか、シンプルにと申しますか、受け取っていたということでございます。
モニタリング空間をつくることにつきましては、先ほど先生からも少しございましたけれども、これだけ大きな建物でございますので、やはり配管等を格納する場所が必要で、このような大きな建物の場合は、地下にそういう場所を設けることが、建築物を建てるときには一般的だというようなことを聞きましたし、また、そのような空間をつくった場合については、配管のメンテナンスを行うために、やはりその一定の空間をあけておかないとメンテナンスができないと。したがいまして、そこを全部盛り土で埋め尽くすというようなことはなかなかできないというようなことは、どちらかというと、昨年の九月以降に職員から聞いたことでございます。
また、私が当時考えていたように、高床式になって全部、全面に盛り土をして、その上にもしモニタリング空間をつくるということになったら、地盤高が非常にその分高くなってしまうということになります。そうすると、盛り土の量が圧倒的に多くなりますので、コスト面でも非常に大きくなる。
当時、区画整理事業で道路は大体できておりますので、そうなると、道路と地盤とで非常に大きな段差があって、合理的な敷地の活用ができない。そういった観点で、盛り土を行われなくなったというふうに、現時点では理解しているところでございます。
いずれにいたしましても、当時、中央卸売市場の業務は私が全部統括しておりましたので、私が責任を持って、その点についての矛盾を解明して、議会の皆様、それから都民の皆様に説明する責任があったというふうに強く思っておりまして、責任を重く自覚しているところでございます。
○島崎委員 それでは次に、地下水対策について、中西証人に伺いたいと思います。
地下水モニタリングについて、これまで実施してきた二年間の地下水モニタリングは、地下水管理システムによりモニタリングが可能となるまでの間の措置として、リスク管理の一環で、土壌汚染対策法における地下水モニタリング調査を準用し、国のガイドラインに定められた手法にのっとって実施してきたものと理解をしております。
その測定方法は、ガイドラインに載っておるのはもちろん、統一された方法で行われなければ、検出された数値は意味のないものになってしまいます。改めて、モニタリングを行っている目的、意味について確認をしたいと思います。
それから、地下水管理システムについても、あわせてお伺いしたいと思います。
地下水管理システムは、市場内の水位を一定に保つと同時に、下水排除基準を超えた汚染された水を、同基準まで浄化して下水道に排出するものと理解をしております。土壌汚染対策工事が行われた他の工事では、地下水管理システムを取り入れているところを知りませんけれども、豊洲用地について、地下水管理システムはなぜ必要となったのか、これを伺いたいと思います。
○中西証人 土壌汚染対策工事が終わってから、二年間の地下水のモニタリング工事を行っております。このモニタリング、モニタリングを行うということについては、たしか私が市場長になったときに、もう方針としてあったというふうに受けとめております。
これは、私の理解では、当時の市場用地は、土壌汚染対策法でいう形質変更時要届け出区域でございますので、何もモニタリングを行わなくても、工事には入れる、法的には入れるんだろうと思いますが、やはり市場用地であるということから、しっかり地下水が浄化されているという、地下水の浄化の状況を確認するために、する必要はあるという判断で行うことになったものというふうに受けとめております。
ただ、モニタリングが実際始まったのは、私が市場長を離れて、その後また随分たってからでございますので、どういう手法で、どういう採水基準で行った云々のことについては、申しわけございませんが、私は承知をしておりません。
地下水管理システムにつきましては、これは私の理解では、豊洲新市場整備方針の中で、もう管理システムを設けるということになっていたんじゃないかというふうに思います。これはやはり、もちろん徹底した土壌汚染の対策をしますけれども、地下水については、もし万が一、一定の汚染があった場合にですね、AP一・八、一定の深度まで地下水を管理することによって、地下水が上がってこないことによって、することによって、市場の安全性を確保するという観点から計画されたものというふうに受けとめております。
○島崎委員 まだまだ質問を、尋問させていただきたい事項も残っているわけでございますが、私の後に舟坂ちかお議員が残りの質問をさせていただく予定になっておりますので、私からはこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○桜井委員長 舟坂委員。
○舟坂委員 大分時間がたってまいりました。端的に質問もさせていただきたいと思います。
四千三百億円がいつの間にか六千億円近くになってしまったということで、私はそれぞれの皆様に、それぞれのときのコストカットをどのようにお考えになったのかということを中心に、お聞きをさせていただければと思います。
平成十五年五月に豊洲新市場基本構想、十六年五月には豊洲新市場基本計画が公表されました。市場のコンセプトなどについて検討が進められてきました。
そこで、森澤証人にお聞きをいたします。
この間、この間にどのような市場施設を目指して、この段階でどれくらいの金額をめどに検討が進められてきたか、お答えをお願いいたします。
○森澤証人 基本構想から基本計画までの間でございますけれども、構想はあくまでグランドデザインのようなものでございまして、それを計画に落とし込むのが私の最初の仕事でございました。
この計画に当たっても、具体的な建物をどういう形でつくるか、ゾーニングすらまだ決められなくて、大体機能論で、水産あるいは青果はこのぐらいの平米が機能上必要だろうということで、ゾーニングをしていた段階でございます。
したがいまして、事業費はそう厳密には積算していないんですが、当初我々、建設費が九百九十億、一千億を切ろうというふうにやっておりましたけれども、そのほか、これは市場が直接やる部分で、それ以外のを入れると一千三百億ぐらいになるんでしょうか、業界負担でやる部分。そのぐらいのつかみでございました。
どういうふうに削減していくかということも、私の時代はPFIを導入しようということでやっておりました。これもいろんな考えがあったんですが、国の方も市場整備をするに当たってはコストを削減するようにということで、PFIの導入を指導していたわけでございますので、それを早速東京にも適用しようということで考えておりました。
まだどのぐらい経費の節減ができるかというのは、要求水準というのをつくらないとわからないんですが、いずれしろ、民間の活力を利用して、それで市場運営で、コストをできるだけ維持管理も含めて安くしたいという、そういう努力をしていたというふうに思っております。
○舟坂委員 その後、平成十八年十二月に、豊洲新市場整備等事業実施方針、豊洲新市場整備等事業業務要求水準書案が公表されまして、今、森澤証人がおっしゃったPFIが、具体的に方針として示されてきました。当時、私は葛飾で区議会議員をやっておりまして、区レベルでもPFIということが、それぞれの立場でも検討がされた時期と重なるなというふうにも思っております。
そこで、続きまして比留間証人にお聞きをいたします。
森澤市場長からどのようなことを引き継いで、どういう考え方でPFI方針としたのか。少しでも節税という意味でのコストカット、その観点をちょっとお聞きをしたいと思います。
○比留間証人 今、森澤さんからお話がありましたけれども、私のときに、具体的にそれを進めていこうということで、要求水準書までいったというお話がありましたけれども、そういうレベルだったと思います。で、民間の知恵をかりながら、当時九百、やはり私の段階でも九百九十億円ぐらいの、東京都がつくる施設についてですけれども、これについて、民間の知恵を活用することによって、さらに効率的な、あるいは経費の面でも資するような内容ができるのではないかということで、検討を進めていた記憶がございます。
○舟坂委員 岡田証人にまたお伺いをしたいと思います。
その後、平成二十二年二月にPFI方針が取り消しとなりました。理由は何だったのかなと思います。
また、岡田市場長時代、平成二十三年三月に日建設計に基本設計を委託して、六月ごろ完成をしております。この際、どのような指示を出されたのかなと。そして、次の中西市場長にはどのような引き継ぎをされたのかなと。以上のようなことをお聞きをしたいと思います。
○岡田証人 PFIから都の直接施行に変えたというのは、私のときでございます。私が覚えている限りでは、コスト面よりも、全体的なスケジュールを管理するという観点が大きかったのではなかったかなということと、それから、PFIをやったとしても、それほどの、そのPFIのメリットは出てこないという内部での検討結果があったように考えてございます。
それから、二つ目の基本設計についての指示でございますけれども、基本設計が実は上がってきたときに、ちょっと私自身びっくりしたのは、PFIのとき約一千億というか、それまでの経費が、建物経費が約一千億でございました。ただ、基本設計が上がってきたときに、基本設計を上げたときに、業界の方々のいろいろな要望も入れたというところもあるんでしょうけど、一・五倍ぐらいに上がってきて、何でこんなに上がるんだというのが、やっぱり一番のびっくりしたところでございまして、技術陣には二つの指示をいたしました。
まず、どうしてこんなふうになるのか、そこの理由をちゃんと精査しろということと、それから安くすることについてよく考えて設計者の方と調整してくれと。といいますのは、先ほど先生もございましたけど、中央卸売市場会計というのは独立会計でございまして、財源に限りがあるわけですので、幾らでも使えるという、そういう--ではないので、やはりそういう観点から、できるだけコストを安くするということを考えていたわけです。
それから、私の引き継ぎの中西市場長、後任でございますけれども、そのときには、やはり基本設計が上がってきているということで、非常にやっぱりコスト、それまでの総経費に比べて非常に高くなっているんで、これをたたかないと大変なことになると。議会に既にご説明していることとも違ってくるわけですし、それから先ほどいいましたとおり、財源的にですね、中央卸売市場そのものの、会計そのものが回らなくなってくるかもしれないという、そのぐらいの大変なことですから、そこのコストカットについてはぜひよろしくお願いしたいと、こういうことをお願いした記憶がございます。
○舟坂委員 今、日建設計さんに基本設計をお願いしたら、想像を超える一・五倍にこのときふえてしまったよというふうなご発言もいただきました。
そして、いよいよ中西市場長の時代に入るわけですけれども、平成二十三年十月に実施設計を契約しております。設計がまとまったのは平成二十五年二月ですから、もしかすると、この二十五年二月には、中西市場長さんはもう交代をされていた時代かもしれません。この間、岡田市場長から何を引き継いで、どういう指示を出して、設計業務を進めようとしたのか、教えていただければと思います。
○中西証人 今、お話がございましたとおり、私は、平成二十三年の十月に実施設計が始まるというところで市場長をしておりました。また、岡田市場長からは、今ご発言がございましたとおり、非常に施設の経費が大きく膨らむ可能性があるので、しっかり見てほしいというような引き継ぎを確かに受けた記憶はございます。
私も、何しろその前に出ていた数字が、九百九十という数字が出ておりまして、石原知事がその前年の二十二年の十月に、最終的に築地の再整備はやはりできないと。豊洲に行くというふうに知事がご決断をされているわけでございます。
当然、その前提としては、建物は九百九十という数字をもとに、知事はご決断されているわけですから、私としても、この金額が大幅にはね上がるというようなことでは、とても都民のご理解が得られないだろうというふうに考えまして、ともかくこの経費については可能な限り抑えてほしいということを、職員にはいつも申し上げておりました。
ただ私は、建築について、申しわけございませんが、専門の知識はございませんので、ともかくしっかり抑えてほしいということを申し上げていたということでございます。
ただ一方で、豊洲新市場の整備につきましては、都議会の方でも特別委員会をつくって、さまざまなご議論が行われておりました。その間、じゃあ豊洲に市場をつくるんだけれども、どういう施設でどういう市場をつくるのかという議論が、業界とは十分に行われていなかったという面もあったかと思います。二十二年の十月に都知事が決断をされて、じゃあ急いでやろうということにはなったんですけれども、やはり業界の皆様はそれぞれお立場もございますし、それぞれ築地の中で行われている仕事の内容によって、要求されることもさまざまでございます。
したがいまして、私どもとしては、それを一つ一つ丁寧に聞いていくという責任もございますし、可能な限りそれを施設計画に実現させていくという責任があることも事実でございます。
当時、建築を担当した職員については、そういった状況の中で、本当に大変苦労されたんじゃないかというふうに、今でも考えているところでございます。
○舟坂委員 時間が来ました。どうもありがとうございました。
○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十分休憩
午後二時五十七分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
引き続き証人から証言を求めます。
小林委員。
○小林委員 公明党の小林健二でございます。
本日は、四名の証人の皆様、大変お忙しい中ご足労いただきまして、本当にありがとうございます。
私の方からもさまざま確認をさせていただきたいと思います。
まず初めに、先ほど来お話がございました瑕疵担保責任に関する件でございます。
今、豊洲市場の用地取得における瑕疵担保責任、これに関して大変注目が集まっております。
いうまでもなく、瑕疵担保責任とは、物を買った際に、その物に瑕疵、つまり欠陥、不備が見つかった場合に、物を売った人が買った人に対して負う責任のことであります。
平成二十三年三月、東京ガスは、操業に由来する汚染物質が検出されている事実を踏まえ、東京都に対し、土壌汚染対策費の一部七十八億円を負担することで合意し、事実上、瑕疵担保責任を放棄した協定書をこのときに交わしております。
この瑕疵担保責任に関する内容について、当時の都知事でございます石原氏は、最近次のような発言をされております。
まずこちらのパネルをごらんいただきたいと思います。
この瑕疵担保責任に関する石原氏の最近の発言でございますが、まず平成二十八年十月十四日、これは、小池知事から石原元知事に対しての質問書に対する石原氏の回答でございます。この中では、知事としての判断を求められたことがありませんので、全くわかりませんと回答されております。そして本年、平成二十九年の三月三日の石原氏の記者会見における発言においては、私は、詳細な契約文言について法律的判断をする知見はありませんし、具体的な記憶はありませんと、こう述べておられます。そして、平成二十九年三月七日、この三月三日の石原氏の記者会見の訂正文ということで、最近見せてもらった契約書などの資料によれば、売買契約の際、東京ガスには、七十八億円の追加負担をいただいたようですと、このように述べております。わからない、記憶にない、最近見せてもらった契約書等々、他人事のようにも聞こえる発言でございます。しかし、またこれも言葉も微妙に食い違ってきているところがございます。
次のパネルをごらんいただきたいと思います。
こちらは、石原、当時元知事に対しての説明を裏づける東京都側の発言でございます。東京都と東京ガスとの交渉記録からのものでございますが、まず、平成二十三年の二月十八日、これは東京ガスの開示資料でございますが、都としては、知事に説明済みの八十億円を切ることは避けたい。そして平成二十三年二月二十五日、これは東京都の開示資料でございます。都としては、知事に説明している手前、最低八十億円を死守したい。そして平成二十三年三月七日、これも東京都の開示資料でございますが、七十九億円でお願いしたい。Gへの説明(八十)や、都提示額(八十六)と東京ガス提示額(七十二)などを考慮した額である。このGとはガバナー、つまり当時の石原知事のことであります。つまり、この件については事前に知事への説明がなされていたということでございます。
そこで、事実関係を確認したいと思いますが、先ほど岡田証人の方からは、こういった経緯、知事に報告をしていたというお話がございましたが、今お話を申し上げたこの一連の経緯、当時の石原知事に報告をしていたということで間違いないか。そして、先ほどお話しさせていただいた石原都知事のさまざまな発言、わからない、記憶にない、こういったことは石原氏の記憶違いであるのかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
○岡田証人 東ガスさんとの交渉記録については、私、交渉に立ち会っておりませんので、そういうお話があったかどうかということは別にいたしまして、まず、知事に八十億円という数字を説明したかということにつきましては、私が着任した二十三年の七月から、早い段階でですね、知事にブリーフィングをやったことがございまして、そのときに、東京ガスの一部負担を求めるときの考え方、これは平成十七年の合意書の考え方をもとにしますということ、それから、その場合の負担額について、八十ということ、八十億円ということを説明した記憶がございます。
それ以降の、東京ガスさんと七十八億円で合意したときにつきましても、平成二十三年の三月の二十日過ぎのことだろうと思うんですけれども、実は報告したはずなんですけれども、実はそのころの記憶が、何ていうのかな、判然としておりまして、というのは、その当時、東日本の大震災の直後でございまして、庁内も、そして私自身もばたばたしていたんで、はっきりした記憶はございません。
ただ、これは後知恵なんですけれども、今回のこの百条委員会に証人となるということがございましたものですんで、関係書類を見せていただきました。そしたら、三月二十二日付の知事に説明したと思われる資料があると、担当した市場の方からいわれまして、それをもう一回見たんですけれども、そうすると、三月二十二日に説明したのかなというぐらいの記憶でございますんですが、はっきりこの日にやったということについてはですね、私自身ちょっと記憶がないんですが、というところでございます。申しわけございません。
○小林委員 そうしますと、知事には報告したかもしれないし、報告していないかもしれない。そうすると、石原元知事の、わからない、記憶にないということも、もしかしたら間違いではないということもあるということでしょうか。
○岡田証人 三月二十二日付で知事への説明に使ったと思われる資料が残っていますので、これでやったはずですというふうに周りはいうものですんで、多分やったんだろうというふうには思いますけれども、ただ私自身がですね、知事にやった、何ていうのかな、場面というのがどうも浮かんでこないものですんで、はっきりしたことは申し上げられませんので、多分やったとは思うんだけれども、やったと断言できることではないと。やらなかったかもしれない、何ていうのかな、かもしれませんというところでご説明をさせていただきたいというふうに思います。
○小林委員 それでは、やったであろうその説明でございますけれども、知事に説明していた中でのこの八十億円という金額、これは何を根拠とした数字なのか、岡田証人にお尋ねします。
○岡田証人 説明をしたときに、一つは請求の根拠、つまり法的責任は難しいということを一つ説明した記憶がございます。それから、負担の根拠でございますけれども、これは、平成十四年、十七年までの都と東京ガスとの間で合意をしたその対策内容がございまして、それをですね、東京ガスがやったという想定の上でやったら幾らになるかと、そういうことの数字ですということで、それを試算すると八十億円になりますということのご説明をしたと思います。
○小林委員 この交渉の結果、この東京ガスの負担は八十億円というものにやや満たない七十八億円で決着をしたわけでございますけれども、この瑕疵担保責任の免除という点においては、先ほど岡田証人の証言の中で、東京ガスが瑕疵担保責任は履行済みであるということ、そしてまた法的責任にない新たな負担に応じると、こういった点を考慮して瑕疵担保責任を免除したというふうにご発言があったかと思いますけれども、こういう認識でよろしいでしょうか、岡田証人。
○岡田証人 瑕疵担保責任を免除したというふうに、私どもその当時考えてございません。そもそもですね、東京ガスは東京都との合意、十四年、十七年の合意に基づきまして、条例上の手続を完了し、都もそれについて確認をしているわけですので、瑕疵担保責任というのは、その段階で履行済みであったというふうに考えてございます。
その件につきましては、私どもだけではなくて、法律の専門家にご相談いたしまして、やはりそういうふうに法的責任を追及することは難しいというふうに、リーガルのチェックをいただいたところと。では何に基づいたかということは、それはやはり新市場予定地に汚染土壌が残っているということをもとにして協議をしたわけでございます。
その際に東京ガスは、あらかじめもう東京都と約束した責任というものを自分たちは果たしていると。したがって、責任はないんだけれども、市場用地にそういった汚染物質が残っているという社会的責任から新たな負担に応じますと。こういうふうな彼らの主張でございまして、そして負担に応じる以上は、先ほどから申し上げておりますけれども、ここで区切りをつけたいと。つまり追加負担がないことを明示してほしいということでございまして、我々とすれば、実は最初からそれをのんだわけではなくて、精算払いができないかということについて、交渉していたということはあるわけですけれども、最終的に七十八億円というか、八十億円に近い金を負担させていただくというところと、我々が確定払いというところで、合意ができたんだと、合意したんだというふうに考えてございます。
○小林委員 実は今回開示された市場当局の資料の中に、東京ガスが土壌汚染対策のうち幾ら負担すればいいかという内訳の表がございました。
こちらのパネルでございます。これを見ますと、東京ガス側の負担は六十六・五億円というふうになっておりました。これまでいわれていた七十八億円との差額が十一・五億円生じます。一体この差額十一・五億円は何なのかと、こういうことを疑問に思ったわけでございますけれども、これこそが、東京ガスが将来の負担を免れるための費用、つまり瑕疵担保責任を免除してもらうために支払った費用だったのではないかと考えております。
事実関係を確認します。まず、平成二十三年一月五日の打ち合わせの議事録で、東京都の志村新市場事業推進担当部長は、負担金の支払いについてこう述べています。都としては精算が望ましいが、確定一時払いもやむを得ないと考えている。この発言は非常に重要であると思います。
岡田証人も先ほどから確定払いということ、お話がございましたけれども、汚染対策費は、精算、つまり実際にかかった金額がわかった後で請求した方がいいのに、それをせず、確定一時払い、つまり先に金額を決めて支払うこともやむを得ないと述べているわけであります。こうした負担のあり方に関するこのような重要事項が、部長レベルで判断できるはずはないのではないかと思います。
そこで岡田証人に伺います。
確定一時払いでもやむを得ないと判断したのはどなたでしょうか。
○岡田証人 その東ガスさんとの交渉の記録については、私は臨んでいませんので、そういうやりとりがあったかどうかということについての詳細はわかりません。
ただ、二十三年の二月、三月という形で、どんどんどんどん時間が少なくなってきて、そして、東京ガスとの間で合意を結ばなきゃいけないというふうになってきたときに、条件をどうするんだということがかなり詰まってきたわけでございまして、そうした中で、どういう条件で最終的に合意を結んでいくかということの中で、やはり先ほどお話がございましたけれども、東京ガスは、新たな負担を出す限りは、確定払いということは使っていないでしょうけど、ここで区切りをつける、あるいは精算払いはあり得ないというようなことを非常に強く主張しているということがありまして、我々とすれば、合意をする、そして、先ほど来いっていた八十億円の負担ということを東京ガスに了解してもらう、そういうために、その一方で、精算というか、そういったことはないという形の東京ガス側の意見というか、考え方を採用せざるを得ない、採用して、やはり合意を目指すべきだろうという判断ということをやったと思います。その時期がいつだったかというのは覚えていませんけど、そういうことで、最終的にもうやろうよということを部長に指示したのは、ちょっとはっきり覚えていませんけれども、交渉について、それでやむなしだろうということを判断したのは、その一次的な、何というかな、担当者責任というのは私にあっただろうというふうに思っております。
ただ、どういうふうな形で指示を出したかというのは覚えていませんけれども、そういう形でまとめるようにという形に指示を出したのは、交渉についての責任というのは私にあるわけですので、私だったろうと、私だというふうに思ってございます。
○小林委員 そうしますと、この確定一時払いを判断したのは、当時の岡田市場長ということでよろしいでしょうか。
○岡田証人 もちろん最終的にはご了解をいただいて、副知事とか知事にご了解いただいたんだろうというふうには思いますけれども、何ていうかな、まとめるということについて、こういう形でまとめるという形については、やはりまとめるというのが第一であるということでございましたので、それと、それから七十八億円というか、八十億円を東京ガスとの間で合意をするという形が第一だろうというふうに思っていましたので、そういうことについて判断したと、判断というかな、指示をしたのは私であるというふうに思っております。
○小林委員 当時の岡田市場長が判断をし、知事、それから副知事にもご了解をいただいたというふうに話があったと思います。
では、なぜ確定一時払いでもよいと判断したのか。本来であれば、金額が決まった後、精算払いで負担してもらうべきではなかったのかと思いますけれども、なぜ確定一時払いでもよいと判断したのか、その根拠をお伺いします。岡田証人、お願いいたします。
○岡田証人 正確にいうと、よいではなくて、やむなしだったんだろうと、やはりしようがないかなということだったというふうに思います。
あの当時ですね、やはり東京ガスとの負担合意を目指すというふうなことにつきましては、議会でご説明をさせていただいておりました。そして、東京都と東ガスとの間で負担の合意があって、それを締結して用地を取得しますと、こういうふうになっていましたので、用地取得とか何かを考えたときについて、まずその大前提になっていたというのが、東京ガスとの負担合意であるということでございました。
そういう状況の中で、先ほど来述べましたけれども、合意をすること、そして何よりも、七十八億円ということですけれども、八十億円ということを目標として負担を、東京ガスからの負担をいただくということ、それを何よりの目標として考えていったときに、東京ガス側からいわれております、自分たちに法的責任はない、そしてそれは東京都側もそうだろうと思っている、そうした中で、新たな負担を出す以上は精算払いということはできないと。これ以上の負担がないことを明示してほしい、明確にしてほしいという、そういう要求があったわけでございますので、それをのまない限りは永遠に合意はできないだろうと。
つまり、これというのは東京ガスにとって絶対的条件になるわけですね。先ほどいいましたけど、株主さんに対する説明とか何かを考えていったときに、やはりそれを、何ていうかな、これで区切りをつけるということをやらない限り、東京ガスはおりないだろうと、あるいはこれについて合意ができないだろうと、そういうふうに判断したところが一番の、つまりそれをやるしか合意にはならないだろうというふうに考えたということだったと思います。
○小林委員 恐縮ですが、答弁、簡潔にお願いをしたいと思います。
今、確定一時払いやむなしということ、お話がございましたけれども、この確定一時払いという都側の発言を受けて、東京ガス側は、それを受け入れるかわりに負担額の割り増し、つまり上乗せを提案しています。しかも、東京ガスは、平成二十三年一月三十一日の打ち合わせで、負担に関する協定書について、将来の費用負担をにおわすような文言は一切入れられないと主張しつつ、追加請求なしというのは余りにこちら寄りの条項になるし、買い主の瑕疵担保を守れていないので、その点は割り増しして支払うという考え方で終着していきたいと述べています。結局、東京ガスとしても、将来の追加請求を一切受け付けないという契約は、バランスを欠いた不公平な契約になるという認識があったということでございます。
そこで東京ガスは、汚染対策費を余計に支払うことで、将来の負担をしなくて済むようにしたのではないでしょうか。私たち、こう推測しましたけれども、この推測に妥当性があるのか。平成二十三年二月七日の打ち合わせで、東京ガスが、都が今後一切の土壌汚染対策費用を請求しないかわりに、その分の割り増しを支払うと提案していることからも裏づけられます。
なお東京ガスは、上乗せの根拠として、先ほどの確定一時払いに触れた一月五日の打ち合わせでこのようにいっております。かつての対策で、五、六、七街区の土量が、計画書の数値と一七%異なっていた、それを使うことも考えられるか、このように述べております。
そして、結果どうなったか。東京ガスの負担額はもともと六十六・五億円でありましたけれども、実際には七十八億円となりました。これはまさに六十六・五億円から一七%増しが七十八億円になります。そのかわりに、将来追加負担が発生しても負担金を請求されないようにしたのではないか。しかし、瑕疵担保責任を免除するのに、果たして本当に十一・五億円という額でよかったのでしょうか。
岡田証人に伺います。
東京ガスが将来の追加負担をしなくてもいいように、費用を多目に負担したことを認識されていましたでしょうか。あるいは、部下からそのような交渉をしたという報告を受けていましたでしょうか。簡潔にお願いいたします。
○岡田証人 割り増しにつきましては、これはその安全率だというふうに理解してございました。つまり、両方でですね、東京都と東ガスとの間で非常に金額の開きがあったんで、両者でいろいろと検討した結果、安全率ということを盛り込んだということで、だというふうに聞いております。理解しております。
それから、先ほどの、これを入れたから瑕疵担保、何ていうかな、確定払いかということで理解したのかということについては、それはそういうふうに私は理解しておりません。あくまでも確定払いというのは、新たな負担に応じる限りは、やはりここで区切りをする、新たな追加負担はないということを明示してほしいという、東京都とのいろんな調整の中で、最終的に決着したんだということでございますので、それが三条の二であったり六条であったというふうに考えてございますので、私としてはそういう理解はしていないというところでございます。
○小林委員 続けて岡田証人にお伺いします。
当時の石原都知事に対して、東京ガスの追加負担が七十八億円となったことをきちんと報告されましたでしょうか。また、その際に、将来の追加負担を求めないということを石原知事に当時、きちんと説明されましたでしょうか。
○岡田証人 先ほどご説明しましたけれども、三月二十二日という日付の知事に報告したときの資料がありますというふうに後からいわれましたんで、多分そのときに説明したんだろうというふうに思います。ただ--したんだろうと思います。
その資料は私、今、後で見たというかこれをやるときに見たんでございますけれども、確定払いというか、あるいは精算なしといったようなことについての文言というのは入っておりませんでした。
ただ、文言が入っていないからといっても、口頭で説明をしたり、口頭で補足するということは、当然やってございますんで、そのときにつきましても、その件について口頭で説明をしたのかもしれませんし、しなかったのかもしれませんですが、そこのところについては、いずれにしても記憶が、そもそもどういうふうにやったのかという記憶がないものですんで、やったのかやらなかったのかということについて、明確に今の段階で断定できる状況にないということについて、お許しいただければというふうに思います。
○小林委員 明確に断定できないというところもございますので、これはまた、石原元知事の証人喚問の際にもお伺いをさせていただきたいと思います。
続いて、今、私の手元に二度目の開示請求で提出された東京都側の資料がございます。ここには、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書と書いてあります。つまり、これは平成十三年七月十八日に東京都と東京ガスで交わされた二者間合意と呼ばれるもので、豊洲市場用地の汚染土壌の処理方針などが両者で確認された極めて重要な資料でございます。
東京都と東京ガス両方に開示請求しましたが、東京ガスから全文が出されましたけれども、東京都からは一部しか出てきませんでした。この二者間合意について、都議会公明党が東京都に再び開示請求しましたところ、東京都は、東京ガス側から出てきたものですから慌てて出してきました。なぜ最初から出してこなかったのか。
しかも、出てきたと思ったら、何と資料の右肩にマル秘と印が押されています。要するに東京都は、マル秘扱いにして表には出さず、闇に葬り去ろうとしていたのではないかと思います。これが今の東京都の体質であると思います。
我々が懸命に調査して、真実を明らかにしようとしている中でこのありさまでございます。これでは、我々がチェックしようと思っても、資料を出してこなければチェックのしようがないという状況でございます。
そして、今回この出てきました二者間合意に何と書かれているか。(パネルを示す)今回明らかになった二者間合意に、地下埋設物撤去及び土壌処理等の項目の中に、土壌汚染処理に関して東京都と東京ガスで確認されていた内容ということで、市場用地内の汚染土壌の処理については、東京都の指導に基づき現在進めている、拡散防止を目的として処理を行う現処理計画により対策を実施し、その完了を確認した後、土地の譲渡を行うと。ここに現処理計画という言葉が出てきます。これが一体何なのか。
そこで、私たちも懸命にこの現処理計画は何なのかということを調べました。そうしましたら、こういうメモが出てきました。平成十五年四月三日の東京都と東京ガスとの交渉記録の東京都側の発言で、平成十三年七月の文書で、現処理計画とはどの計画なのかという発言がございました。この平成十三年七月の文書で、現処理計画とはどの計画なのかと発言しているのは、これは東京都でございます。東京都が聞いているということでございます。東京都と東京ガスで決めたことを何でわざわざ東京都が聞いてくるのか、これは非常に驚くべきことでございます。
では、この現処理計画、何なのか。大量に私どものもとにも段ボールが届いて、資料を一枚一枚精査をしました。そしたらようやくこの現処理計画が出てきました。
こちらの資料でございますけれども、豊洲用地地盤整備工事計画書、平成十三年二月のものです。この中に汚染土壌処理計画書というものがあります。そこに処理の基本方針という項目があります。そこに何が書かれているか。全部で四つございます。
一つ目に、東京ガスの操業に伴う汚染は東京ガスの責任で処理する、こうまず一番目に書いてあります。そして二つ目、そのほかの地下の部分の汚染については、掘削など土地の改変を行い汚染土壌に手をつける場合には、改変部分について土壌汚染対策を行う、三つ目、土地の改変を行わない部分及び覆土などを行うだけで汚染土壌に直接手をつけない部分については対策は行わない、四つ目、今後、土地の権利を取得したものについても、土地改変時に土壌汚染対策を行う必要があることを引き継ぐと、こう四つ書いてございます。
こちらのパネルをごらんいただければと思いますけれども、私たちは、この汚染土壌処理計画書及び地盤整備工事計画書からこのパネルを作成しました。これを見ると、東京ガスの責任で処理する汚染対策はこの赤い部分でございます。この部分が平成十二年度、十三年度でやる部分、黄色い部分が将来やるところと。注目すべきはこの色のついていない部分、この白い部分、これは何もやらないということです。私たちがさまざま調査をした中で、こういった実態が見つかりました。
まず、歴代市場長、全証人にお伺いします。
こういう事実をご存じでしたでしょうか。森澤証人から順次お願いいたします。
○森澤証人 ただいま委員の指摘しました文書というのは、私は全然存じ上げておりません。
ただ、どういうところをやるかというのは、その後の仕事の中でいろいろ聞いております。先ほど委員がおっしゃった操業由来についてはやると、あるいは改変しない部分についてはしないとか、四点、今お話聞いていましたけれども、いずれも多分、当時の国の方の処理基準だとか、都の方の条例のできた時期ともかかわりますが、多分そういうような方針の内容に即したものだったんではないかというふうに思っております。
いずれにしろ、そういうような文書は存じ上げていないということでございます。
○比留間証人 全く知りませんでした。
○岡田証人 文書の存在については、存じておりませんでした。
○中西証人 私が市場長になりましたときは、土地の取得も全部終わりまして、東京都の土壌汚染対策の方針も決まっておりましたので、平成十三年当時のことについては全く承知しておりません。
○小林委員 今、全証人、ご存じないということでございますけれども、この図の中で、先ほど申し上げました赤いところは十二年度、十三年度でやる部分、そして黄色い部分については将来的に土壌汚染対策をやる部分というふうにご説明し、白いところは何もやらないところということがありましたけれども、実は、この中で、六街区のところで白い部分のところがございますけれども、こちらですけれども、六街区の部分で白い部分がございます。こちらで二〇〇八年に環境基準を超える四万三千倍のベンゼンが検出をされました。赤と黄色の部分しかやっていないわけでございますから、白い部分はやっていないと。そういう中で、当然、ベンゼン四万三千倍検出されても納得ができる話であると思います。
こういった中で、平成十三年二月の現処理計画で提案した対策について、東京都は了解をしていた、こういうふうに認識をできるわけでございます。こういったことの中で公明党がさまざま調査をさせていただいた中で、こういった真実が明らかになったわけでございますけれども、こういった状況、いま一度お聞きをします。
歴代市場長、四人の証人の方、この中で一番古い森澤証人、ご存じでしたでしょうか。
○森澤証人 土壌汚染対策については、環境局の方が、条例の手続で内容を確認して、いろいろやっていただいていますので、詳細についてはわかりませんが、いずれにしろ、当初は、全体をやるのではなくて残るという話も聞いておりましたし、先ほどもいいましたように、土壌汚染について、環境局が確認したところ、残るところが出るという話もしておりましたので、ある程度残る場所が出てくるというのは当然承知をしておりました。
○小林委員 いずれにしてもこれは大変に大きな問題でございますので、引き続きこれは私たち都議会公明党としても調査を進めてまいりたいと思います。
次に、築地市場汚染問題についてお伺いをします。
こちらのパネルは、平成十三年以降の築地市場の工事箇所のパネルでございます。
先般、築地市場において、過去に行われた計八件の工事について、条例で義務づけられている土地の履歴調査を行っていなかったことが判明をしました。平成十三年十月一日施行の環境確保条例では、三千平米以上の土地の改変を行う場合、過去、その土地が何に利用されていたか調査し、結果を報告する義務がありますが、市場当局はこの条例の義務違反を繰り返していたことになります。極めて重大な問題でございますが、きょうは、ここにおられるのは、当時必要な調査を行わなかった市場の責任者である歴代市場長の皆様でございます。
まず森澤証人に確認をします。
平成十六年度に行われた加工場の建設工事、これは森澤証人が市場長のときのものですが、なぜ履歴調査を実施しなかったのでしょうか。
○森澤証人 余り詳しく存じておりません。三千平米以上は、当然、改変する場合は届け出が必要だということは承知しておりましたが、加工場がそれに当たるということは、当時、私も認識していなかったということでございます。
○小林委員 では、次に岡田証人にお伺いします。
平成二十一年度に行われた水産物部仲卸業者売り場の耐震補強工事、これは岡田証人が市場長のときのものですが、なぜ履歴調査を実施しなかったのでしょうか。
○岡田証人 今となっては大変申しわけないことなんですが、そういったことについて履歴調査が必要であるということについての認識が、私自身なかったということでございます。
○小林委員 では、続いて中西証人にお伺いします。
平成二十三年度に行われた水産物部仲卸業者売り場の耐震補強工事と、同じく平成二十三年度に行われた仲卸事務所の建設工事、この二件は中西証人が市場長のときのものですが、なぜ履歴調査を実施しなかったのでしょうか。
○中西証人 法令に基づく手続でございますので、当然、必要な手続が行われるべきだと思いますが、結果的に行われなかった事情については、私はちょっと理解ができません。
○小林委員 先日、予算特別委員会で、ヒューマンエラーによって引き起こされたと発言された委員の方がいらっしゃいましたが、通常、一、二件であればヒューマンエラーで済まされます。しかし、今回の件はそうではないんではないでしょうか。都合十二年間、計八件にわたって調査が未実施だったわけでございます。これは意図的に行わなかったとしか考えられない状況でございます。
つまり、調査の結果、築地市場内の土壌は汚染されている可能性があると判明した途端に、築地は大打撃を受けます。大変な風評被害が発生するのは目に見えているわけでございます。そういった中で、市場は、そのことを考慮して、気を使って、あえて調査を行わなかったのではないでしょうか。
森澤証人、いかがでしょうか。
○森澤証人 先ほども申し上げましたように、当然、形質変更する場合は、一定規模の場合は申し出をしなければならないという仕組みは知っておりましたけれども、当該施設がそれに当たるという認識がなかったということだけでございます。
○小林委員 岡田証人にも同様のことをお聞きします。いかがでしょうか。
○岡田証人 私自身につきましては、やはり築地の打撃だとか何かということではなくて、ただ単にそういった事務手続についての、やはり十分なる知識がなかったことによって、履歴調査が行われなかったんだというふうに考えてございます。
○小林委員 中西証人は二件関与されておりますが、いかがでしょうか。
○中西証人 環境確保条例に伴う手続は必要なんだけれども、手続をいたしませんというようなことが、私のところに上がってきた記憶はございません。したがいまして、なぜ手続をしなかったのかわかりませんが、私は恐らく、岡田市場長が今申し上げましたように、条例についての知識が担当の方に十分でなかったからというふうに推測いたしております。
○小林委員 まだまだ聞きたいことはたくさんございますけれども、時間が参りましたので、以上で私の質問を終わります。
○桜井委員長 酒井副委員長。
○酒井委員 東京改革議員団の酒井大史でございます。
本日は、森澤、比留間、岡田、中西各証人におかれましては、歴代の市場長として都議会の調査特別委員会にご出席をいただき、本当にありがとうございます。
前回の百条委員会で、平成十一年十一月に、石原知事がみずから上原東京ガス社長と会談を行い、いわば端緒を開き、大矢市場長が東京ガスを訪問し、築地市場の豊洲移転協議が進んだことを確認いたしました。その後、石原知事の特別秘書から副知事に就任した濱渦武生氏が、福永副知事の後を受け交渉を進めてまいりましたことは、これは周知のことと思います。
まず初めに、平成十五年に市場長に就任をした森澤証人にお伺いをいたします。
平成十七年五月三十一日、東京都は、東京ガスとの間で、豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書、いわゆる十七年確認書を作成いたしました。
この十七年確認書と申しますのは、先ほど公明党さんのお話の中でも、十三年の現処理計画の中で、森澤証人は、環境局の判断云々というご答弁をされておりましたけれども、環境局長の名前が初めてこの協定書に記名、捺印をされた、その確認書であるわけですけれども、この十七年の確認書は、東京ガスが行うべき土壌汚染対策の範囲を限定するものだったのでしょうか。
先ほど自民党さんの質疑の中では、これは知事本が交渉していたという話であったわけですけれども、これは、さまざまな局が絡んでいたと思いますけれども、市場長としてはどのような判断をされていたのか、意思決定をなされていたのか、お伺いをいたします。
○森澤証人 十七年五月の確約書、確認書ですか、それに向けた交渉は、先ほどいいましたように、三局が連携してやっていましたので、当然、私も担当からいろいろ逐次報告を受けて、指示を出していたということでございます。
それで、当時、十七年に向けていろいろ議論をしておりまして、最初は、東ガスはやらないと。都は、私どもと同じ考えで、市場用地として全部やってくれという、非常に差が、開きがあったわけですが、そのうち、どの範囲までやればいいんだという議論に移っていきまして、それで、交渉の中で、形質を変更する範囲は少なくともやろうじゃないかという話になったと思います。
それで、市場の方にいろいろ問い合わせがありまして、どこまで建設工事で土地を形質変更するのか、要するに掘り返すのか、どういうところに施設を配置するのかという、そういう話が当然ありまして、まだ当時、市場当局としては、施設計画がまだ決まっていないので、建築上、基礎工事なんかもあろうかと思いますが、平均四点--たしか全体で何メートルということを出しまして、操業面から二メートルぐらいを平均してもらう必要はあると。その範囲が形質変更する範囲じゃないかというお答えをしたというのは覚えております。
それからあと、どの範囲をやるかということも、先ほどいいましたように、どこに施設を配置するかということで、やはり問われていまして、わからないんですけれども、少なくとも形質変更する全地域、操業面から二メートルをやれば、まあ全体として、その上にもまた盛り土をするわけですから、その範囲は必ずやっていただく必要があると、また、やってもらわなければならないというようなスタンスでやっていたところでございます。
○酒井委員 続けて森澤証人にお伺いをいたします。
今のお話を総合いたしますと、やはりこの十七年の確認書といったものは、土壌汚染対策の範囲を限定するものであったのではないかというふうに判断をするわけです。これについては、先ほど岡田市場長も答弁の中で、範囲を決めたというふうに述べられておりますので、そのような範囲を限定するものであったのかという確認でよいのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
○森澤証人 汚染の範囲が地下どのぐらいあるかといいますと、もう無限にあるかもしれませんし、どの範囲かというのは限定されていますけれども、それを全部ゼロにするということは、物理的にも不可能だろうという認識は、もう当然、当時の我々も持っておりました。
したがいまして、要するに必要な範囲をやる以外ないという認識は当然あったわけでございます。その範囲が、先ほどいいました、将来、形質変更する可能性のあるところは少なくともやっていただくという、そういう認識でございます。
○酒井委員 続けて森澤証人にお伺いをいたします。
ただいまの証言によりますと、形質変更する可能性のある場所に関しては、これはその範囲を決めてというお話であったと思いますけれども、ちょっと聞き方を変えますけれども、この十七年の確認書といったものは、その形質変更が予想されるエリアに関して土壌汚染対策を行いさえすれば、汚染のない土地として、同様の条件で売買契約をできる、締結をできるという合意だったのでしょうか。また、ここでいわれている対策を行えば、都はそれ以上の対策を求めることができないという合意だったのでしょうか。森澤証人にお伺いをいたします。
○森澤証人 交渉している過程で、当然市場は、当時のスケジュールで用地買収をやらなくてはいけない、そういう状況にありました。現に、交渉がまとまる前に、鉄鋼埠頭の用地を市場は購入しております。そのときの土壌汚染の扱いはどうするかというのは、非常に我々悩んだわけですけど、まだ鉄鋼埠頭の用地は、今の三街区、市場に来る三街区から離れたところで、将来換地して市場用地にするという、そういう場所でしたので、余り苦労しないで、とりあえず土地購入ができました。
しかし、その後、続いて保留地を買っていかなければならない。これはもう東ガスの操業していた関係の土地に絡んでまいりますので、その部分は、契約するときにきちっとした説明がつかなければ、議会説明もできませんし、業界にも説明できないということで、ぜひそれまでにきちっと、どの範囲をやるかという具体的な内容、すなわち環境確保条例に基づいて処理しますだけであれば、中身が全然わかりませんので、我々も契約で引き取るときに、ここまでやったという内容が必要なわけですから、その辺を早く決めたいということで、先ほどの十七年のあの合意を急いでもらいたいということを申していたわけでございます。一応それができたということでございます。
一応、従来の条例は、あくまで所管局にしても一応合法であるということで、それで、それ以上は求められないんですから、法的には。しかし、どこまでやるかというのは合意の話ですので、一応プラスでやっていただいたということです。
そのときに、将来、これ以上やるとかやらないという話は全くございません。要するに土壌汚染というのは、どこまでやれば完璧かというのはわかりませんので、たしか合意、確約書の中にも、将来、何か疑義がある場合は改めて協議するという、これは役所の場合、必ず入れますけれども、そういう文章を入れて担保していたつもりでございます。
いずれしろ、当時、将来の費用負担の話は一切なかったというふうに思っております。
○酒井委員 続けて森澤証人にお伺いをいたしますが、今、将来にわたっての約束をしたわけではないという証言であったわけですけれども、しかし一方で、結果的にではありますけれども、この平成十七年の確認書の存在によって、東京都は東京ガスに土壌汚染対策を要求することができなくなってきていると。結果として五百八十六億もの土壌汚染対策費を負担することとなったわけです。
このような重大な合意といったものを、当時市場長であった森澤証人が単独でこのことを判断されたのか。先ほど他局もという話であったわけですけれども、これは、さらに上の、知事であるとか副知事であるとかというところに対して、しっかりと相談の上、この協定書の締結といったものを行ったのかどうか、お伺いをいたします。
○森澤証人 最初に私、申し上げましたけれども、この土壌汚染の交渉は知事本局が窓口となって実施をしております。したがいまして、交渉で、どの範囲をやるか、どの深さまでやるかという議論も、知事本と環境局が中心になって東ガスとやっていただいて、我々はそれに対して、必要な情報提供をしながら、資料を提供しながら議論していただくという、そういう形だったと思います。
したがいまして、内容について、ああいう合意で決まったというのは、その交渉の中で決まっているわけで、我々としては、とりあえずあれだけの内容のが確保できれば、市場用地として買うときにいろいろな方面に説明はできるという、そういう認識があって、よしとしたわけでございます。
それから、それを上に上げたかどうかというのは、先ほどいいましたように、知事本が全てそれを中心で取りまとめていますので、我々も各局、知事本からの指示で内部決裁をとって、判こをついたものをお返しするという形でございますので、市場当局では上の方には、知事には上げておりません。
○酒井委員 続けて森澤証人に尋問いたします。
今の証言によりますと、市場の方からは知事には上げていないと。その内容についても、市場当局が先導したわけではなくて、これは他の局、知事本や、あるいは環境局等が主導して決めたというお話であったというふうにお伺いをいたしました。
今回のこの十七年の確認書といったものを普通に読めば、これは土壌汚染対策工事の中身が確認をされているにすぎず、これを行えば、これ以上の対策をする必要がないと読むことは、なかなか不可能であろうと思います。
事実、ここにいらっしゃる皆さんに、こちらのパネルを見ていただきたいと存じますけれども、実際には、この対策工事を行った後においても汚染は大量に残っている、残置をしている状況でございます。幾ら上乗せ対策を行ったからといっても、購入する条件が満たされていなければ、都の立場から購入できないという判断はあり得たと考えます。
結果的に、この十七年確認書が極めて重要な文書となり、その後の東京都と東京ガスとの交渉といったものにおいて、東京都がどんどんどんどん不利な立場に追い込まれていくという、そのきっかけにもなっている文書であるわけですけれども、先ほど重要な役割を担っていなかったような旨のご発言がありましたけれども、この十七年確認書を取り交わした当時、それだけの重要な取り決め、確認書というものであったというふうに、当時市場長であった森澤証人は認識をしていたのかどうか、お伺いいたします。
○森澤証人 もちろん大変な内容であるという認識は持っております。またそれに対して、全て環境局だとか知事本の責任だという意味はなくて、あくまで三者が連携してやったわけですから、当然、重要な判断を我々もしたというふうに思っております。
○酒井委員 今、森澤証人の方からは、重大な決定であったというお話をいただきました。
森澤証人に最後に一点お伺いをしたいと思いますが、当時、森澤証人が市場長であった当時、濱渦副知事でございますけれども、平成十七年七月の二十二日に副知事を辞職しておりますが、九月に都の関係企業である株式会社東京交通会館副社長に就任をし、そして、平成十八年七月の二十一日に東京都の参与として都庁に戻ってこられました。
森澤市場長などは、濱渦氏に、豊洲の市場移転に関する報告や相談といったものは行ったことがありますでしょうか。あるいは濱渦氏から、そういった報告を求められたことがあったかどうなのか、お答えをいただきたいと思います。
○森澤証人 私の市場長在任中のある期間は、濱渦副知事がいわゆる所管の副知事でございますので、当然、いろいろな報告はしております。
この問題につきましては、先ほどいいましたように、市場当局が上に説明する話ではないものですから、やっていませんけれども、直接、副知事から、移転について、あるいはこの土壌汚染について指示があったとか、私から話をしたという記憶はございません。
○酒井委員 それでは、続いて岡田証人にお伺いをいたします。
豊洲新市場の予定地の土壌、また地下水調査によって、環境基準の四万三千倍のベンゼンなどが検出をされました。都は、専門的見地から土壌汚染対策の技術工法などを検証し、総額五百八十六億円の土壌汚染対策工事を行うこととしました。
先ほども一部話に出ておりましたけれども、平成二十一年八月の二十八日、岡田市場長は石原知事に、土壌汚染対策費と新たに東京ガスに八十億円の負担を求めていくことを説明したと思います。
岡田市場長は石原知事にどのように説明をし、そしてそれに対して、石原知事は交渉について何を述べたのか、岡田証人に改めてお伺いをいたします。
○岡田証人 お答え申し上げます。
先生がご指摘の日に知事に説明したというふうに記憶しておりますが、そのときにお話ししましたのは、まず、東京ガスに法的責任を追及するのは難しいということ。それから、それであったとしても、東京ガスから、負担をするときについての考え方として、十七年の合意を適用したときについて、適用するということ。それから、その場合についての試算額については、全体額ではなくて、汚染土壌の処理費、そのときたしか三百いく--というふうに数字を出した、そのうちの八十億円ですと、こういう説明をいたしました。
そのときの知事でございますけれども、それにつきましては、先ほども申し上げましたけど、特にですね、この金額で多いとか少ないとかということではなくて、ただ、私の記憶では、ただ聞いていただいて、そのまま、特に指示があったわけではなくて、ブリーフィングは終わったんだというふうに思ってございます。
○酒井委員 ただいまご答弁をいただきましたけれども、岡田証人が、平成二十一年八月に知事にお会いになり説明をされた、ちょうどその一年半後に、東京都は東京ガスと負担を合意し、新市場予定地を買収することになります。
そこで、その前年の平成二十二年十月の二十二日、石原知事は記者会見で、築地市場の豊洲への移転を決断したと表明をいたしました。この当時は、ちょうど都議会でも、築地での現在地再整備案といったものを策定し、現在地再整備も不可能ではないという一定の判断をしていた時期であろうと思います。
また当時、私どもの前身である都議会民主党は、十月の七日の本会議において、市場会計の用地取得費の早期執行はあり得ないと。豊洲移転を強引に進めようとするのであれば、今後、関連予算には厳しい対応をせざるを得ないと申し上げた経緯があります。
この知事の十月の二十二日の記者会見での発言といったもの、これについて、石原知事はどういう経緯で移転を判断したのか。もし岡田証人が知り得ることがございましたら、お答えをいただきたいと思います。
○岡田証人 全てが正確なお答えになっているかどうかということはあれですけれども、その年の予算につきましては、予算は議決いただきましたけど、付帯決議があって、議会の方で、現在地と、それから豊洲との比較考量みたいなことをやるということで、その中で、築地についての再整備についてのご検討が行われたんだろうということでございます。十月ぐらいになりまして、二つについての検討案が出てきたんですけど、なかなか結論が、どっちが優先だといったような結論が出なかったんではということ。
それからもう一つは、十月になりまして、業界の方から要請がありまして、早く決めてほしいと。それにつきましては、早く豊洲への決断を決めていただきたいというような要請があった中で、知事がですね、議会の方で決めることができないなら、行政がその歯車を動かすというようなご発言が、あの記者会見だろうというふうに思っております。
そのときに知事がおっしゃった中で、私が一番残っているのは、たしか、十何年もかかるような築地の案というのは案として成り立たないんだと、だから決断したんだというようなことをおっしゃったんだということを覚えてございます。
○酒井委員 続けて岡田証人にお伺いをいたします。
今、当時の石原知事の判断に関しての感想というようなお話をいただいたわけですけれども、当時、岡田証人は市場長として、この知事の決定に対してどのような役割を担っていたのか、お伺いをいたします。
○岡田証人 これにつきましては、都議会の方で検討した結果とか何かというのは、当然、私ども知っているわけでございまして、それをもとに、副知事、このようなとか、いろいろとご相談をしまして、でも最終的には知事が判断をしたということで、私どもがこうしてくださいとか何かということではなくて、そういった議会での検討を持っていって、知事が最終的にご決断になったんだというふうに記憶をしておりますけれども。
○酒井委員 ただいまの岡田証人の証言によりますと、ある意味、当時の石原知事が独断で決定をしたということなのかなということが浮き彫りになったと思います。
その岡田市場長、当時の市場長であった岡田証人においては、この石原知事の決断を受けて、当時、担当の副知事であった佐藤副知事などと、どのような相談、協議を行ってきたのか、お伺いをいたします。
○岡田証人 佐藤副知事だけでなくて、村山副知事、あるいはほかの、例えば知事本の局長とか何かを含めて、この問題、この問題というのは、知事の決断ということだけではなくて、豊洲移転という全般的なことについてどうしていくんだということについては、綿密に議論はした記憶がございます。
知事の決断がありましたときに、我々とすれば、はっきりいってスケジュールがかなりおくれてございました。したがいまして、このおくれたスケジュールをどうやって挽回していって、年度内で想定していたことをやるのか、あるいはそれを後々のスケジュール等に影響が出ないようにするためにはどうすればいいかといったようなことについて、かなり打ち合わせをしたという記憶がございます。
○酒井委員 続けて岡田証人に尋問をいたします。
今、綿密な相談をしていたと、なかなかスケジュール的にもタイトなものがあったという趣旨のお話があったわけですけれども、この平成二十二年十月、当時の議会構成を見ると、市場予算の可決が見通せなかったのではないかと考えるわけでございます。この綿密な相談の中には、こうした市場予算の可決が見通せない議会構成について、何か打開策というものが相談されたのかどうなのか、岡田証人にお伺いをいたします。
○岡田証人 綿密といってもですね、程度があるんだろうと思うんですけど、私どもが副知事のところでご相談とか何かしたというのは、あくまでも市場としてやるべき仕事は何なのか、市場としてできることは何なのかということでございますので、いわゆる事務的にスケジュールとか何かとか、あと業界に対する説明とか、そういうことでございまして、今、先生がお話のようなことについては、私のレベルでのお話という形では出ていなかったと思います。
○酒井委員 市場としてやるべきことを相談されたということでありますけれども、では市場としてやるべきことという観点から、ちょうど石原知事の十月二十二日の記者会見を行う二週間前の十月の八日の日に、当時、朝日新聞朝刊のトップに、豊洲市場移転、都が決断、豊洲の用地予算執行へという報道がされました。この報道に対応するために、当時の佐藤副知事や市場幹部との間で協議を行ったのか否か。また、知事は、当時の石原知事は、この点について何か述べたのか述べていなかったのか。もしその場に立ち会われているようなことがございましたら、その内容についてお答えをいただきたいと思います。
○岡田証人 申しわけございません。その件についてはですね、ちょっと記憶がございません。やったのかやっていないかということも含めてですね、ちょっと記憶がございません。申しわけございません。
○酒井委員 記憶にないということですので、次の尋問に移らせていただきたいと思います。
この十月の知事の決断の翌月、十一月の二十五日、当時市場長であった岡田証人らは、東京ガスの福本常務らに、知事の移転判断を受けて改めてスタートした、今後ピッチを上げる、御社の用地を来年三月までに取得を目指すと述べられていると思います。
岡田市場長は、石原知事などの意向を受け、東京ガスの用地取得に向け、どのように取り組んだのか、お伺いをいたします。
○岡田証人 東京ガスとの負担のこと、それから用地取得のこと、特に、主には負担ですけれども、それはそのときから始まっているわけでございませんで、二十一年の二月に副知事が協議の申し入れをしてから、そのときは、例えば東京都がやった調査の結果だとか、そういうことをやることによって、いろいろと東京ガス側と話をしてきたということでございます。
私がその十一月二十五日、日付はちょっと覚えていない--行ったときにつきましては、本当はもっと前のところからこういうふうにやりたかったんですけれども、ご案内のとおり、議会の方でご検討なさっているわけですので、予算執行がどうなるかわからない。そもそも豊洲への移転がどうなるかわからないという中では、東ガスさんとなかなか交渉はできなかったということであったわけでございますので、十一月になって知事のご判断が、そういうことがあったので、今まで少し交渉ができなかったんですけど、ピッチを上げてこれから、負担の問題、それから用地取得の問題について、年度内解決ということを目指してやっていきたいということを、改めて東京都としての考え方をお伝えに行ったんだろう、お伝えに行ったというふうに思ってございます。
○酒井委員 続けて岡田証人にお伺いをいたします。
先ほど来の質疑の中で、瑕疵担保責任の放棄につながるような最終的な取り決めが、平成二十三年の三月三十一日に行われております。先ほどご答弁の中で、七十八億円という最終的な金額を決裁した決裁権者は岡田市場長であるというご答弁をされておりました。この四カ月間の交渉の中で、かなり重要な問題を担っていたのが岡田市場長であろうかと思います。
その一方で、先ほど森澤証人の答弁の中では、平成十七年の確認書といったものは、後々、その負担といったものを全く求めることができないというわけではないという認識であったというようなお話をされました。
その一つの証左に、平成二十三年一月の二十五日、東京ガスとの交渉において、都は、土壌汚染の協定書のたたき台を東京ガスに提案をしております。この原案には、今後、土壌汚染に係る費用負担をしないことを確認するといった最終協定書にうたわれていた文言はございません。それどころか、協議条項において、新たに土壌汚染が発見をされ、新市場の建設及び業務運営に重大な支障となる場合には、両者は誠意を持って再度協議をし、取り扱いについて決定をする、まさに瑕疵担保を認めるような、そういった案文の、これはたたき台を東京都が東京ガスに示しているということであり、さらなる負担の可能性さえ示唆をしている、そういった文書が開示資料の中でございます。
つまり、今回問題とされている瑕疵担保の免除、正確にいえば、東京ガスに対して土壌汚染対策の新たな負担の免除は、たたき台が提出された一月の二十五日以降から売買契約が締結をされた三月三十一日の間の中で、しかるべき権限者が決定を下したことになろうかと思います。
そのとき市場長であった岡田証人、これは岡田証人がその決定を下したことになるのではないかと考えるわけですけれども、岡田証人のご見解をお伺いいたします。
○岡田証人 先ほどのたたき台というのは、東京都側としてあるべき協定書の案をお示ししたんだろうと思います。そのときは、我々、最後の最後までとはいいませんけれども、ずっとやはり精算払いがいいんだというふうに思っておりました。ですから、精算払いを入れたいということはずっとやっていたわけでございますけれども、最終的に、東京ガス、ずっとご説明しました東京ガスからは、自分たちに法的責任はない、その中で追加負担に応じる限りは、やはり新たな負担に応じる限りについては、ここで区切りをつけるんだと、追加負担はないということを明示してほしいと、それがない限りは協定書を結ぶことはできないと。こういうことになっていた、ずっとなってきているわけでございまして、我々とすれば、やはり最終的に合意をするために、やはり何をとっていくかという判断をしていくという中で、先ほど申し上げましたけれども、その精算的な部分ということをしないということについては、やはりそこは東京ガス側のいい分というか、主張を受け入れてやっていこうと、それをやることによって合意を目指していきたいと。そして我々とすれば、八十億円に近い負担を、それをやることによって東京都側の負担が減るわけですので、そういうふうにしていきたいというふうに考えていって、まとめようというふうになったわけでございます。
○酒井委員 では、今るるご説明をいただきましたけれども、改めて確認をさせていただきたいと思います。
この間、当初は東京都としては、瑕疵担保責任を、これを外すということを想定しない交渉を始めていたものと思います。少なくても、平成二十三年の一月二十五日のこの交渉をするたたき台をつくるところまでは、瑕疵担保責任をしっかりと入れていこうと。その間の交渉によって、最終的にはこれを放棄する、そして七十八億円で決着をつけるという、その最終的な判断をしたのは、岡田、当時の市場長であったのか、また、あるいはこれは石原元都知事の決定であったのか、誰の決定であったのかということをお伺いいたします。
○岡田証人 私どもは、瑕疵担保責任を放棄したというふうには考えてございません。それは、先ほど来るるお話をしていますけれども、東京ガスは、都との合意に基づいた瑕疵担保の責任を履行しているわけですので、履行済みであるということで、瑕疵担保の責任ということについて、それは追及することは難しいだろうというふうに判断をしていたわけでございますし、また、東京ガス側もそういう主張をしていたと。
したがいまして、あの合意は何かというと、新たな負担についての東京都と東ガスとの合意であったということでございますので、その合意内容をどうするかということであったというふうに私どもは考えていたということについては、ご理解をいただければ。
それから、最終的に、我々が考えていた精算について、精算払いについて、ああいう、いわゆる追加負担がないという形で決めたということにつきましては、それは私が最終的な決定をし、ちょっと正確に、どこで副知事に上げて了解をとったかということはあれなんですけれども、たしかですね、知事に上げる前には、当然副知事に上げて了解をとって、それで、先ほどありました三月二十二日のときに、多分知事に、ご説明したのかしないのか、ちょっと覚えていないんですけれども、そういう形になっていたんだろうというふうに思います。
○酒井委員 今そういったご証言がありましたけれども、七十八億円に決定をする段階においては、東京ガスは、過去の汚染対策工事を全て完了したということを前提としておりましたけれども、この資料にあるように(パネルを示す)これ六月の資料です。二十三年六月、市場がつくった資料。これには、まだAP二メートル以上が残置しているんですよね、汚染の場所が。ですから、この点については、このような計画を締結するのは拙速でなかったのかだけ、最後にお伺いをいたします。
○岡田証人 何としてもですね、東京都側も東ガス側も、やはりずっと煮詰まってまいりましたので、二十三年の三月の段階で合意を見たいと。我々とすれば、それを求めて用地をしたいというふうに考えておりましたので、あの段階で合意を結んだというのは、いろんな意味で妥当であったというふうに、私どもはあの段階で考えておりました。
○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後四時十五分休憩
午後四時三十五分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
引き続き証人から証言を求めます。
曽根委員。
○曽根委員 日本共産党の曽根はじめです。
きょうはお忙しいところ、四人の証人の皆さん、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
まず、森澤証人にお聞きします。
先日十一日の東京ガスの元幹部への尋問で、二〇〇一年、平成十三年七月の基本合意とともに、事務レベルで、いわゆる二者間合意、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスの基本合意に当たっての確認書が結ばれていたこと及びその内容が、我が党吉田議員の尋問の中で、東京ガスの当時の担当者によって確認がされました。
森澤証人は、前任の市場長から、この確認書については当然引き継いでいるはずですが、どうですか。
○森澤証人 今、委員ご指摘の平成十三年の確認書というのは全く存じておりません。
○曽根委員 あなたの時代に、東京ガスは、この二〇〇一年の基本合意と同時に、確認書に基づいて、土壌処理については、先ほども話が出ましたが、東京都の指導に基づき、現在進めている拡散防止を目的として処理を行う現処理計画により対策を実施するとして、その完了後に土地の譲渡を行うとしております。汚染を全て除去するという約束にはなっておりません。
例えばその後ですね、二〇〇三年、平成十五年三月に、環境局の方から、汚染処理についての申し入れを東京ガスに行ったのに対しても、同年四月三日の都との打ち合わせの中で、東京ガス側は、汚染対策は汚染の中心部の負荷の高い箇所のみ実施するとしまして、売却時には汚染は残るともはっきり述べています。さらに、今の処理が不満なら話は白紙に戻ると、開き直ってさえおります。
また、同年、平成十五年の五月二十九日の打ち合わせの記録では、東京ガスは、平成十三年七月の二者間合意で--これはつまり確認書のことですが、土壌汚染対策は今の計画でよい旨確認しているし、当時の局長や部長も了解しているはずだ、だからこそ、東京ガスは売買に応じたとも述べています。つまりこの二者間合意というのは、その後の繰り返しの、都と東京ガスの交渉の中で出てくるわけですので、この確認書を引き継がないで交渉は事実上できなかったのではないかと思いますが、いかがですか。
○森澤証人 この合意書があろうがなかろうが、東ガスは常に環境確保条例でやるということをいっておりましたので、特にこの合意書を私は知りませんが、それがなければ仕事ができないということではございませんでした。
○曽根委員 この確認書というのは、土壌汚染対策も書かれていますが、土地利用計画、そして土地利用規制の緩和の問題、地域環境への配慮、そのほか、この豊洲の、今後の豊洲への築地市場移転を含むまちづくりの方向について、基本的な内容をかなり含んだものです。
したがって、これなしに、内容的にはその話し合いの中で出てきているんでしょうが、確認書なしにはあり得ないというふうにいわざるを得ません。
この確認書の問題は、当然ながら知事にも報告され、また、当時副知事だった濱渦氏にも報告されて、濱渦氏はこの内容を知っていたと思いますが、森澤証人ご存じでしたら答えてください。
○森澤証人 そもそもその合意書を知りませんので、それが上に上がっているかどうかということも知りません。
○曽根委員 森澤証人自身が、二〇〇五年五月三十一日、先ほども出ました豊洲地区用地の土壌処理に関する確認書に押印していますよね。これは当然ご存じですよね。これこそが、二〇〇一年の二者間合意の確認書の敷いたレールに従って、土壌処理は、都の環境確保条例に基づく拡散防止対策と、プラス、AP二メートルより上の汚染土壌が見つかったところの処理基準を超える土壌の除去もしくは浄化という内容で、先ほど紹介した二〇〇一年の二者間合意に基づく取り決めになっているわけで、この確認書自体は、森澤さんは自分で判こを押していますからご存じだと思うんですが、そのベースに二〇〇一年のがあったということは全然ご存じないんですか、改めて聞きます。
○森澤証人 平成十七年の合意は、要するに、市場が用地取得をするまでに、環境確保条例で処理した内容がしっかり説明できないといけないというので、急いでつくってもらいたいというふうに思った内容でございます。
しかも、当初から東ガスの方は、条例でやればそれで済んでいる、済むという話でもありましたし、我々は当然、市場用地として全部きれいにしろという非常に離れた意見でやっていましたので、それを具体的にどの範囲をやるかという協議を、その十七年の合意に向けてやっていたということで、その、もとの基本合意ですか、二者間合意というものの必要性は、交渉の中では全然感じておりませんでした。
○曽根委員 次に、岡田証人にお聞きしたいと思います。
岡田証人は、土地売買の協定書、売買契約のときの市場長を担当しておられました。結局、都の側から東京ガスに対して、追加汚染対策の総額のごく一部の負担で済ませると、汚染対策をですね、ことになりました。これは、東京ガスのいわゆる瑕疵担保責任を免責してほしいという要求を認めていく第一歩となったことになるんじゃありませんか。
○岡田証人 今のお話は、七十八億円のお話だろうというふうに思いますけれども、私どもが東京ガスと、負担についての協議を申し入れたときにつきまして、基本的にどういう考え方で東ガスから負担をしていただくかということにつきましては、平成十七年の合意をですね、それをやはり基本としてやるということで交渉したわけでございまして、それが東京都としても一番合理性がある、あるいは東京ガスからも、株主に対して責任できる内容にしてほしいということで、そういうことから平成十七年の確認書の考え方を適用するということでございまして、それが最終的に七十八億円になったと、こういうふうに考えてございます。
○曽根委員 そうおっしゃいますけれども、二〇一一年のこの三月の協定を前にした、かなり頻繁に都と東京ガスの交渉が行われていましたが、一月十八日の打ち合わせ会議で、東京ガス側は、当社は、過去から何度も都の協議に応じてきたと、合意書では、これ以降はないということをぜひ明確にしていきたい、土地売買における瑕疵担保の免責のようなものをという発言が記録されております。
これに対して二〇一一年、同じ年の二月七日の交渉記録では、将来の追加請求放棄、これは先ほどお話に出た精算のやり方を断念するということだと思いますが、都の上層部の判断が必要だというふうに書かれています。つまり瑕疵担保責任、将来の土壌汚染対策にかかった費用を精算するというこの責任を、放棄を認めるかどうかは、市場だけではなく、都の上層部まで説明して了解されたということになると思いますが、岡田証人、副知事または知事に説明されたんですね。
○岡田証人 何度も申し上げますけれども、私どもは瑕疵担保責任の放棄をしたというふうには考えてございません。新たな合意を結んだときの条件として、東京都側とそれから東ガスとの間の条件がどうだったのかということでございます。
ただ、我々といたしましても、精算払いを、こういうふうにしたいということをずっと考えていたわけですから、最終的にそれを確定払いにするということを決定するということにつきましては、そういう形で合意を結びたいということについて、先ほどもいいましたけれども、副知事、そして知事にですね、最終段階で上げてご説明をしたんだろうというふうに、知事のところについては定かではありませんけれども、したんだろうというふうに思っていると。したのかどうかというところにつきましても、ちょっと定かではございませんけれども、そういう形でご了解いただいたのかなというふうに思ってございます。
○曽根委員 当時市場長だった岡田証人は、瑕疵担保責任の追及を放棄したとは考えたくないでしょうけれども、世間では、本来ならば、その後かかったものも含めて八百六十億円余りの汚染対策は、これはほとんどその操業由来のものだということははっきりしていますので、東京ガスが責任を持って処理しなければ、土地の売買は、汚染がないことを前提にはできなかったはずのもので、こんなの民間の取引では当たり前のことですが、それを、東京ガスの負担を結局のところ八十億円程度で終わらせることになったのは、しかもその八十億円、七十八億円の追加負担に応じましたけれども、理由は、社会的責任を果たすという曖昧な理由にしてですね、売り主責任による汚染対策の責任を免れたということを認めてしまっているわけです。これは、明らかに瑕疵担保責任の放棄というふうに報道されても仕方がないものです。東京ガスの要求は、認めたからこそ、この売買契約がようやく成立したというふうにいわざるを得ないと思います。
岡田証人は、これはちょっと別の問題ですが、二〇一〇年十一月二十五日、東京ガスとの打ち合わせに出ている記録があります。先ほどもちょっと話が出ましたが、このとき東京都側が、知事の判断を受けて改めてスタートしたと述べており、東京ガス側も、知事の英断により少し先が見えてきたとも述べています。これは、その前の十月二十二日の知事の記者会見で、知事が、議会が決めかねるなら知事が大きく歯車を回すといって、豊洲移転の予算を執行することを公表したことを指すわけですね。
○岡田証人 基本的には、そういうことだろうというふうに思います。二十二年度の予算について、それまで執行停止になっていたわけでございますけれども、そこから、用地を買う、あるいは負担についての合意をスピードを上げて解決していくということを東ガス側にいったんだろうと、そういうふうに記憶してございます。
○曽根委員 次に、ここで本来あってはならない重大な事実を取り上げたいと思います。
この時期、二〇一一年の一月二十一日に、東京ガス側の人物が東京ガスグループ各位に送った概算評価額というメールが、百条委員会の、提出された記録として東京ガス側から提出されています。
この内容は、お世話になります、本日、新市場整備部より、先方の現段階の概算評価額を口頭で聞きました、また、東電さんと双方の価額を確認しましたので、あわせてご連絡いたしますとしまして、そこには、画地番号五の三、概算評価額は百五十七億円、画地番号五の五、十七億円、画地番号六の一、三十二億円、六の一の〔1〕、三百六十九億円という金額が記載されているメールです。
これを岡田証人、あなたは市場長として、新市場整備部がですよ、口頭でも、財産鑑定の途中段階で売り主側に検討中の金額を伝えていたということを知っていましたか。で、このことは、ちょっと資料を見ていただいた方がいいと思うので、委員長の許可をいただければ、ご本人にお渡ししたいんですが、よろしいですか。資料を提示したいんですが、よろしいですか。
○桜井委員長 見せるだけに。
○曽根委員 見せるだけ。
○桜井委員長 ご本人に。
〔曽根委員、岡田証人に資料を示す〕
○曽根委員 岡田証人は、自分の部下がこのようなことを行っていたのをご存じでしたか。
○岡田証人 申しわけございませんが、その件につきましては存じておりませんでした。
○曽根委員 その後、三月十日に、今お見せしましたように、財産価格審議会で評定されたおのおのの画地番号の金額は、二カ月足らず前の、この一月二十一日のメールの記載の金額とぴったり一致しています。検討中の金額を事前に売り手側に漏らしたということが事実ならば、これは地方公務員法の重大な違反行為ではありませんか。
岡田証人、いかがでしょうか。
○岡田証人 申しわけございません。そこの事実については今初めて聞いたわけでございますので、そういうようなことが行われていたかどうかということについても、よくわからないわけでございますので、公務員法に違反しているかどうかということについての判断につきましては、お答えは控えさせていただければというふうに思います。
○曽根委員 地方公務員法の違反行為です、これは。何しろ守秘義務がありますからね、公務員。一年以下の懲役または罰金刑のある犯罪行為です。
それともう一つですね、同じ時期に許しがたい情報提供が、やはり東京ガスの提出した記録から見つかりました。
二〇〇八年二月二十五日、新市場整備部から東京ガスの豊洲開発に送られたメールで、当日夕刻の都議会代表質問の我が党の畔上三和子都議の質問と答弁の骨子が、まだ質問が行われる前に情報提供されていました。
岡田証人、こういうことをまさか指示したんじゃないでしょうね。
○岡田証人 申しわけございません。日付については二〇〇八年ですか。(曽根委員「二〇〇八年」と呼ぶ)済みません、私が着任したのは二〇〇九年、平成二十一年ですので、二〇〇八年のその件につきましては、全く承知しておりません。
○曽根委員 二〇〇八年といえば、比留間証人が市場長のときですが、こういうことはご存じでしたか。
○比留間証人 大変申しわけありませんが、その件については存じ上げておりません。
○曽根委員 実はほかにも何回か、この都議会の質問の前に、質問内容と答弁案というのが情報提供されている例があります。最近は、これは質問ではありませんが、二〇一四年の十月二十一日に、共産党議員の電話による問い合わせがあったという情報がメールで、やはり東京ガス内部で流されていました。
議会のですね、少なくとも質問や答弁を関係企業に事前に情報提供するというのは、議会へのまさに冒涜です。
歴代の市場長は、もしかしてこういうやり方を繰り返してきたのかと疑わざるを得なくなりますし、大体市場当局は、一体誰の方を向いて仕事をしていたのかということを、やはり指摘せざるを得ません。
次に、比留間証人にお尋ねします。
あなたが市場長のとき、豊洲の汚染問題で都民の批判の声が上がり、専門家会議が招集されました。そして、東京ガスが環境確保条例に基づいて調査したポイントを再度この時点で調査したところ、同じポイントで東京ガスのときより深刻な汚染が出たり、東京ガスが掘削除去したはずの箇所から、再度、前回と同じ程度の深刻な汚染が出たりして、入れかえ土壌の再汚染が問題になりました。
さらに、土対法に基づく十メートルメッシュの詳細調査が行われ、四万三千倍のベンゼンや八百六十倍のシアンなど、超高濃度の深刻な汚染が発見されました。私は、逆にいえば、このとき都として豊洲移転を見直す大きなチャンスだったのではないかと思います。
比留間証人、二〇〇八年のこの汚染発見の直後、東京ガスの六月の内部記録には、築地市場移転の白紙撤回を想定した対策が検討された記録があることがわかりました。この動きは把握しておられましたか。
○比留間証人 東京ガスのその内容については承知をしておりませんが、先ほどもお答えしたと思いますが、四万三千倍という濃度の汚染が発見された後に、本当にほかに適地がないのかとか、それから築地の再整備というのは本当にできないのかと、こういう議論を内部でしたことはございます。
結論といたしましては、これも先ほどご答弁申し上げましたけれども、適地はほかにないと。それから築地の再整備については、これは不可能であるというのが当時の結論でございました。
○曽根委員 しかし、その結論は、私はやっぱり早計に過ぎたと思います。東京ガスは一度、六月二日の日に都庁に来て、都市整備局の区画整理担当の副参事に、汚染を理由に築地市場の移転が撤回された場合の区画整理事業への影響についても聞き取りをしているようです。
市場長として比留間さんは、それを把握しておられなかったんですか。
○比留間証人 東京ガスが都市整備局に来た件については存じ上げておりません。
いずれにしろ四万三千倍という汚染は、私どもにとっても非常に大きなものでありましたし、東京ガスにとっても大きなものであったろうというふうに考えております。
○曽根委員 大変深刻な、やはり検討せざるを得なかったと思うんです。で、東京ガス側は、高濃度の汚染が出たので、東京都が東京ガス側にどういう要求を突きつけてくるのかと、弁護士と相談をしています。
同じく二〇〇八年六月十八日の弁護士との相談記録には、東京都が追加の汚染対策を要求してきても、約束した以上の費用負担はできないといい続けるというふうに記載されています。
ところが、その後にこうも書いてあります。当社が対策した場所から都の調査で汚染が確認された場合の費用負担について、当時の工事に不備があれば負担することになるだろうと、東京ガスが汚染対策の不備を認めて負担する可能性も認めているんです。
大体、操業由来の重大な汚染が新たに発見されたんですから、本来、豊洲移転を見直すべきだったのではないでしょうか。あるいは東京ガスの負担で汚染を全面的に除去させるというのが当然ですし、それができないなら市場の移転をやめるべきだったと思いますが、このとき石原知事は、どういう対処をしたのでしょうか。
○比留間証人 先ほど、豊洲以外の用地についても再度調べてみたと。それから築地の再整備についても、もう一度検証してみたと。この結果については、当時の石原知事には説明をしたようなということで、ような--ご容赦いただきたいんですが、記憶がございます。
あわせて専門家会議の方では、この四万三千倍の汚染について、これも先ほどご答弁申し上げましたけれども、これは、対策は可能であるというふうな判断をしていたというふうに考えております。
○曽根委員 説明したような記憶とおっしゃらなくても、知事は、その直後の記者会見で、四万三千倍の問題を、もうかなり詳しく会見でも述べておりまして、五月二十三日、二〇〇八年ですね、ないしは五月三十日の記者会見で、専門家会議の指摘というのもありましたが、それよりももっと技術的に新しい発想の対策を講じられるんだというふうなことを知事は強調しておりました。
比留間証人にお聞きしますが、知事は、これだけの汚染が発見されても、豊洲移転を見直す意思がなかったということですね。
○比留間証人 再度の内容になりますけれども、ほかにかわる案がないと。これは、移転地がない、さらには築地の再整備も無理であると。あわせて、専門家会議の方では対策が可能であると。こういうことを踏まえて、ただ、工法についてはということで、先ほどの曽根委員のご質問の中にあったことについては、工法についてはということだろうと思います。
○曽根委員 この二〇〇八年の汚染の発見以後、土壌汚染対策費用が大きく膨らんできたことから、東京都は、翌二〇〇九年の二月に東京ガスに対して汚染対策の追加負担を求めますが、それも当時試算された汚染対策費五百八十六億円のうち、約八十億円しか求めなかったとされております。
比留間証人がこのときも市場長でしたが、試算されたこの汚染対策費五百八十六億円のうち、東京ガスの負担は八十億円とすることは、当然知事に説明して了解をとったということですね。
○比留間証人 二月の段階で、平成二十一年の二月に当時の山口副知事と東京ガスに負担協議の申し入れを行っておりますけれども、その後は、市場の中でさまざまな問題について検討しておりました。それは負担の位置づけでありますとか、土壌汚染対策の内容に基づいてどれだけの金額になるのかとか。で、私の在任していた段階では、知事に、まだ市場として考えが整理できておりませんでしたので、知事に金額とか考え方とかというのを上げたことはございません。
○曽根委員 それでは、岡田証人にお聞きしますが、この二〇〇九年の二月に追加負担を申し入れた後、市場としての考え方が整理された段階で、岡田証人が市場長のときに知事に説明をしたということ、先ほどちょっとお話がありましたが、改めて確認したいと思います。
○岡田証人 私が着任してすぐ、早い段階でですね、知事に負担の考え方、それからその考え方に基づいたときの試算、八十億円だったと思いますけれども、それについてご説明したという記憶がございます。
○曽根委員 このことは大変重要だと私たち考えております。本来、汚染の原因者である東京ガスが汚染対策を全て負担すべきが大原則ですが、その責任、つまり瑕疵担保責任の免責につながる枠組みが、石原知事も了解の上で行われてきたことを意味する重大な証言だと思います。
それで、岡田証人にもう一つお聞きしておきたいんですが、ゼネコンと、盛り土を行わない施設の設計で契約を結んだことを、岡田証人は先ほど知らなかったというふうにおっしゃいました。
しかし、二〇一一年の部課長会議で決めたとされているとき、あなたはどこにいたのか、その会議になぜ出ていなかったのか。市場長だったあなたが、その会議の結果を報告されないというようなことが、まともな理由はあるでしょうか。
○岡田証人 その盛り土についての部課長会議というのが行われたことについては知りませんでした。知ったのは、報告書を見て、そういうことが行われたということのようですけれども、今、先生がご指摘の部課長会議ということの日付がいつのことをおっしゃっているかどうかわからないんですけど、私の記憶だとすると、私が退任した後の部課長会議ということで、日付だったのではないかなというふうに報告書の中では見ているんですけど、もし違っていたとすれば、お許しをいただければというふうに思います。
○曽根委員 部課長会議で確認される前にですね、設計段階で既に盛り土をしないということが具体化されて、最終的に部課長会議で決めたということなんです。そのときにはもう既に、じゃあ岡田証人は市場長を退任されていたということですか。
○岡田証人 盛り土の起工が上がってきたということについて、その決裁をしたのは私でございます。多分六月末か七月の初めごろだろうというふうに思ってますので、決裁したことについては覚えております。
ただ、その決裁に上がってきたときについてですが、ちょっと盛り土についてですね、一部建物下について盛り土しませんということについての説明は、受けた記憶はございませんで、私はですね、それまでのずっと思っていたとおり、盛り土については全面、敷地全体に行うんだというふうに思っておりまして、その起工書もですね、そういう内容になっていたんだろうというふうに思って決裁をしたということでございます。
○曽根委員 時間の関係で、これ最後の質問になりますが、岡田証人は、都の退職後、財務局の推薦で入札監視委員会の委員長になっておられますが、その任期中に豊洲の施設建設工事の入札案件が監視対象になることはわかっていたと思うんですが、であれば、こういう重要な任務は断るべきが道理ではありませんか、いかがですか。
○岡田証人 私がその委員長を引き受けましたときについては、私が財務局において契約を経験したからということで要請があったというふうに覚えてございます。
ただ、その当時、ご指摘の建物が該当するかどうかというところについての認識というのは、全くございませんでしたので。
それからもう一つは、実は、何を対象にするかとかということについては、事務的に個々にいろいろと詰めてやってくるわけでございますので、それを外したとか何かという、意図的に外したとか何かというような形で実は報道されたりしているわけですけれども、そういうようなことはなかったと。あくまでも事務的にやってきたということでございますので、最初の段階でですね、その問題が案件にかかるとか、かからないというようなことについての認識は全くなかったということでございます。
○曽根委員 終わります。
○桜井委員長 おときた委員。
○おときた委員 都民ファーストの会東京都議団のおときた駿と申します。
証人の皆様、本日はお忙しい中ご協力をいただきまして、まことにありがとうございます。
私からも、まずは瑕疵担保責任の点につきまして、主に岡田証人に幾つかお伺いをしていきたいと思います。
平成二十二年十一月の二十五日、東京ガスとの打ち合わせ議事録という東京都側から出された資料についてお伺いいたします。
先ほど他の委員の方も取り上げましたが、こちらは東京ガスの株式会社本社にて行われた会議です。東京ガス側は福本常務執行役員などが出席しておりまして、東京都側からは岡田市場長や当時の塩見管理部長などが出席をされております。
この中で、都側は、知事の判断を受けて改めてスタートをしたとおっしゃっておりまして、東京ガス側も、知事の英断により少し先が見えてきたなどと述べておられます。この点につきましては、この英断、判断というのは、豊洲移転を改めて決断されたということでよろしいでしょうか。改めてこの内容について少し確認をさせてください。
○岡田証人 二十二年の予算につきましては、都議会の皆様方との約束で、凍結ということが付帯決議になっておりました。それについて、知事が十月の段階で、歯車を進める、前に進めるということ、すなわち二十二年度の予算について執行するということを表明なさったわけですので、それを受けまして東京ガスとですね、これからスピードアップをして交渉していこうということを申し入れたものです。
○おときた委員 この後に、交渉がスピードアップという単語が今出てまいりましたが、年度末までに協定書が結ばれているわけでございますが、ここで議論が加速したことを考えると、この時点で瑕疵担保責任について何らかの話し合いが行われていたという可能性もあるかと思うんですが、この時点ではまだ具体的なそういったお話は出ていなかったということでしょうか、伺います。岡田証人に伺います。
○岡田証人 それまで全く交渉していなかったわけではないわけですけれども、本当の意味でスピードアップ、何というかな、本当の意味で具体的な交渉に入ったのは、それ以降であろうというふうに思ってございますので、その段階でですね、瑕疵担保責任の問題、我々は瑕疵担保責任はないというふうに、専門家の意見も聞いて、考えていたわけでございますけれども、そこのところでは、まだそういったところの議論まで進んでいなかったのではないかなというふうに思っています。
○おときた委員 まだそういったところの議論まで進んではいなかったということなんですが、平成二十三年一月には、土地売買に関する論点の整理という東京都の資料が出てまいりました。ここで瑕疵担保責任について、東京ガス側は、土壌汚染負担及び地下埋没物の処理を除く旨を明記を主張し、東京都は、条文では記載しない(土壌汚染及び地下埋設物については、それぞれ別条項で整理)というふうに、それぞれの主張が併記をされています。
こういった東京ガスの土地の瑕疵について意見の食い違いがあるようなんですが、当時の会議ではどのような議論をしていたか、覚えていらっしゃる範囲で、岡田証人、教えてください。
○岡田証人 私は交渉の場に、先ほどのお話、先生からお伺いしました十一月二十五日にやって以外は出ておりませんので、そのときのやりとりということでは、よく存じ上げてございませんが、ただ、その当時のこととすれば、土地売買についてだとか何かについて、東京都側の考え方をお示ししたのではないかというふうに推測されます。
○おときた委員 その後ですね、平成二十三年の三月三十一日に豊洲地区用地の土壌汚染対策の費用負担に関する協定書、この中で、第六条において、本協定書に定める内容について誠意を持って履行することとし、今後、東京ガス及び東京ガス豊洲開発株式会社は対象用地の土壌汚染に係る費用負担をしないことを確認する、こう書かれております。これは、東京ガスに今後瑕疵などが発生してもですね、それを免除する意味ではないかというようにいわれております。
ただ、先ほど来、岡田証人は、これは免責をしたとは思っていないということを繰り返し述べられておりまして、その中で、東京ガス側は、かつての合意あるいは約束というのを履行されているんだというような旨を発言されていると思います。この約束あるいは合意というのは、どの時点でのものを岡田証人は指しているのか、ここを確認させてください。
○岡田証人 平成十四年あるいは十七年で、東京都と東ガスとの間で合意したもの、それを東京ガス側は履行し、そして条例の手続に基づいて完了届、そしてそれを東京都は確認していると、そういうことを指しているわけでございます。
○おときた委員 今、平成十四年あるいは十七年ということで発言していただいたんですけれども、東京ガス側の資料、全てやはり読んでいきますと、この合意というのがどこからスタートしたかというと、やはり平成十三年の二者間合意に行き着くというのが、何度見ても、やはりここに行き着くんですね。それをもとに、東京ガス側は繰り返し平成十三年から交渉の中でいろんなご意見を述べられていて、それに基づいて、やはり合意や約束が前に進められてきたというのが率直な所感なんですが、この平成二十三年の時点で、やはり二者間合意、平成十三年の二者間合意については、岡田証人は全くご存じなかったし、そういった議論は東京都の庁内で、なかったということなんでしょうか。
○岡田証人 先ほど来、例えば知事に、東京ガスに負担を申し入れるときについての数字を説明したというようなことはご説明申し上げましたけれども、その中につきましても、平成十七年の考え方に基づいてというふうにいってございますので、その中におきまして、今、先生がご指摘いただきました平成十三年の二者間合意があったとか何かというような形を念頭に置いたことはございません。
○おときた委員 では、念のため伺いますが、その平成十七年あるいは平成十四年の合意に至るまでは、東京ガス側と東京都が交渉する中で、いろいろ東京ガス側が、話が違うではないかとか、二者間合意と違うというような発言を何度かされているんですが、この平成二十三年三月の合意交渉の中では、東京ガス側から、平成十三年の件について何か述べられたというようなことは、岡田証人が知る限りはないということになるでしょうか、伺います。
○岡田証人 私が担当者から、全部を受けているわけではないかもしれませんけど、報告を受けた中で、東京ガス側が十三年のことを持ち出して何かいっていたということについての報告を受けた記憶はございません。
○おときた委員 そして、この協定書は、調印者、石原都知事が調印をして結ばれるわけですけれども、その前段、石原都知事には、恐らく報告を、岡田証人はしているけれども、ちょっと記憶が曖昧であるというような点を述べられております。
その中で、副知事にもというような発言も出ていましたが、このときに報告された可能性がある副知事としては、どの副知事になるかというのは、どなたでしょうか。
○岡田証人 市場の担当は、その当時は佐藤副知事でございました。
ただ、これは非常に、豊洲移転というのは、あの当時でも非常に東京都にとっての重要課題でございましたので、全てではないですけど、往々にして、大体のケースにつきましては村山副知事にも入っていただいてですね、それでお話を私が上げて、ご説明をいただいて、その後の方針、例えば知事に上げていくこととか上げないこととか、そういうようなことを含めていろいろやっていたということでございますが、そのとき、少なくとも佐藤副知事のところにはご説明したんだろうという記憶が、だろうなというふうなことを今は思ってございます。
○おときた委員 今、岡田証人がおっしゃっていただいたように、非常に重要な案件ですから、さまざまな、副知事にも情報共有されてきたことと思いますし、仮に岡田証人の情報共有、石原知事のところが曖昧、記憶が曖昧な部分があったとしても、他の副知事から石原知事に何か報告が行っていたということは十分に考えられるのではないかなというふうな印象を私は持ちました。ありがとうございます。
続きまして、過去の話に戻りまして、森澤証人に幾つか伺いたいと思います。
平成十五年から十七年、このあたりの交渉のときに担当されていた市場長ということで、先ほど来、そうはいっても、市場は全てのまとめ役ではなくて、知事本局が主導権を握っていたというような内容を発言されていると思うんですが、そのあたりの当時の意思決定体制、あるいは上への報告体制、そういったものを詳しく教えてください。
○森澤証人 土壌汚染対策につきましては関係局が絡みますので、知事本が窓口になるということでございます。そのほか、市場の施設関係だとか、あるいは市場内のいろいろな流通の話とか、そういうのは当然、東ガスとは直接交渉をしております。要するに関連局がたくさんあるような場合は、知事本局が窓口として統括をしてくれると、そういう考え方と理解をしております。
○おときた委員 三局にまたがる場合は知事本局というのは、非常にクリアなことではあるんですが、ただ、意思決定となった場合に、当然事業を持っている局が最終的に判断をして判こをつくということだと思いますので、例えば土壌汚染であれば、やはり環境局、そしてあるいはその土地を所有している中央卸売市場ということになるかと思うんですが、意思決定の段階では、調整までは知事本局がやるとしても、意思決定は最終的には市場長、あるいは土壌汚染なら環境局長が行っていたのではないかなと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○森澤証人 協定など、局長がずらっと名前を連ねて判こをつく場合、それは当然各局がそれぞれ決裁をとる。したがいまして、内容については、それぞれの局が知っているという内容です。それを取りまとめて知事本の方で協定を結ぶという、そういう形になっております。
○おときた委員 少し具体名を出させていただきますと、石原都知事の記者会見あるいはメディアの発言で、当時知事本局長であった現練馬区長であられる前川知事本局長の名前が何度か上がっていて、彼がある程度かかわっていたのではないかというような、訂正もされたりしているんですが、発言も見受けられるんですが、具体的にこの当時、前川知事本局長がそういった意思決定をまとめていた、あるいはご自身の意思で主導していた、そういった事実は、森澤証人から見てあったのかどうか、そういったことを教えてください。
○森澤証人 私が市場長になる前に、知事本の次長もちょうど一年足らずやっていましたけれども、前川さんとは一緒に、平成十四年の夏の人事で本部長と次長として着任したわけですけれども、その後ですね、土壌汚染の関係で東ガスと直接やっていたというのは、ほとんど感じておりません。私も、その関係で内容について議論したり話をしたという記憶は全くございません。
○おときた委員 そうなりますと、恐らくそのとき主導権を握っていたということではなかったというふうに私は感じたわけでございますが、先ほど、この件の報告、当時の担当副知事に上げて、森澤証人が上げていたわけではなかったということなんですが、知事本局がまとめていたということになると、前川知事本局長が上げていたのかなと思うんですが、それはそういうことでは必ずしもないという理解でよろしいんでしょうか、伺います。
○森澤証人 先ほどの十七年の確認書のようなものは、多分、知事本の方で上に上げているというふうに思っております。それ以外のことで、全て知事本が上に上げるかどうか、それはその局の判断になると思うんですが、各局も各局で自分の所管業務がありますので、例えば環境であれば、土壌汚染について、もし必要なことがあれば、単独で知事に上げるということもあり得るというふうに私は思っております。
○おときた委員 先ほど来、環境局という言葉も出ておられるんですが、平成十三年、二者間合意が行われた時期、この時期の前後が非常に重要な交渉だと私は思っているんですが、このとき交渉担当には、当時知事本局の前身であった知事本局室、報道室の赤星理事が当時交渉の前面に立たれておりました。
その後、赤星理事は、平成十四年あたりから環境局長をやられていたこともあります。でありますので、この平成十五年前後の交渉というのは、環境局が強いイニシアチブを握っていたのではないかということも一つ推測できるんですが、その点、森澤証人から見て、環境局の役割というのはどんなところにあったのか、教えてください。
○森澤証人 環境局がどういう動きをしていたのかというのは存じ上げませんけれども、環境局の土壌汚染に対するスタンスは、あくまで条例所管局として、手続がきちっととられているかどうかということがメーンだったというふうに私は理解しております。
それ以上の、内容をどうするかというのについては、いろいろアドバイスはしてくれるでしょうけれども、踏み込んで直接ああせえ、こうせえというふうに交渉当事者にやる立場ではないというふうに理解しておりますので、その範囲内での対応をされていたというふうに私は思っております。
○おときた委員 森澤証人に対しては、最後に、他の委員も聞いていたところで恐縮ではございますが、やはり平成十三年の二者間合意、こういったものが非常に今後のアウトライン、筋道をつけていく非常に重要なものだと資料からは読み取れるんですが、環境局や知事本局、こういったことを折衝していく中で、この平成十三年の二者間合意についての話というのは、どこからも当時は出ていなかった、そういった理解でよろしいでしょうか。
○森澤証人 少なくとも私は知らなかったというだけでございますが、その文書というのは、副知事と会社がやった基本文書とは違う文書ですよね。
実は、市場で土壌汚染のことをいろいろ取り組むには、当然過去のことも知らなければできないわけですけれども、やはり副知事との基本合意、それからその後にいろいろ、まちづくりでいろいろな約束事とか、確認書だとか、あるいは何とか合意というので二つ三つ出てきてるわけですけれども、そういう公式でみんなが触れられる資料は当然見た上で仕事をするわけですが、そういう内容を見ておれば、全体の基盤整備だとか、あるいは全体スケジュールだとか、それぞれの項目については全て、検討するとか方向性が示されていますので、全然仕事するのに、全体像をつかむのに支障がないということで、その二者間合意の文書を知ってる知らないというのは、影響なかったというふうに私は思っております。
○おときた委員 ありがとうございます。
知らなかったことに影響はなかったということなんですが、ただ、こういった社内の文書として正式に、担当者名を書いて捺印されたものが、どうして組織内に引き継がれていなかったのかという点については、やはり東京都側に何らかの意図や、あるいは問題があったのかなというようなことを感じております。これは今後の証人尋問、続いていきますので、引き続き明らかにしていきたいテーマだというふうに考えております。
では、時間もなくなってまいりました。最後に、少し盛り土の方の問題についてお伺いしていきたいと思います。
これが、あるべきものがなかったということで、非常にゆゆしきガバナンスの問題を問われているところでございますが、引き継ぎがどのように行われていたのかということが一つの論点になっております。
そこで、少し時間がないので、歴代市場長にお伺いしたいのはちょっと省略して、担当者が交代する際には、情報共有のために事務を引き継いでいるというのが当然都庁の中で行われています。
我が会派が独自に取り寄せていた平成二十八年六月の二十一日付、副知事事務引き継ぎ書には、平成二十六年十一月、第十八回技術会議で土壌汚染対策工事が全街区において全て完了したことを確認という記載がございます。
にもかかわらず、こういったことが適切に引き継がれていなかったということにつきまして、現副知事でもあり、副知事事務引き継ぎ書を実際に受け取った中央卸売市場担当副知事の中西参考人、これはやはり、この引き継ぎの中においても、この盛り土というのは適切に引き継がれていなかったということでよろしいでしょうか。
○中西証人 済みません、今お話がありましたのは、私が前田副知事から引き継いだ書類ということでしょうか。
○おときた委員 平成二十八年六月二十一日付の副知事事務引き継ぎ書ですね。
○中西証人 わかりました。その副知事事務引き継ぎ書につきましては、土壌汚染対策は、土壌汚染対策工事として決められたとおりやりましたという形の引き継ぎだと思います。私の把握している限りでは、私の前任の前田副知事についても、これはまことに申しわけないことなんですけれども、盛り土は行われているというふうに考えておりましたので、そういう形で引き継ぎを受けたものというふうに認識しております。
今後につきましては、事情をしっかり把握した上で引き継ぎをしていくべきというふうに考えております。
○おときた委員 時間もなくなりましたので、こういった盛り土の問題につきましては、内部の調査報告書が二回出されまして、一定の内容は見えてきたところでありますが、まだ、どんな政治判断が中で起こったかということについては依然不透明な部分もありますので、こういったことは引き続き会派として追及していきたい旨を申し上げまして、私の尋問を終わります。
ありがとうございました。
○桜井委員長 小松委員。
○小松委員 生活者ネットワークの小松久子と申します。
本日は、四名の証人の皆様、ご足労いただきましてありがとうございます。最後の質問者です。どうぞよろしくお願いいたします。
豊洲の候補地には、以前には豊・晴開発計画がありました。東京都も参加して区画整理を行っていたわけですが、このころに土壌汚染対策の必要性について、どの程度認識があったのかと疑問に思っているところです。
森澤証人の前任者は、碇山さんが市場長でありましたけれども、証人が引き継いだときには、もう既に市場用地として豊洲と決まっていました。正式決定は平成十三年の十二月だと思いますけれども、先ほど汚染された土地であることに危惧を抱いていたというようなお話がありましたけれども、この汚染の状況や調査結果、調査結果といいますのは、東京ガスも調査を実施しておりますので、そのことなどの認識、引き継ぎがどのようにあったのか、お伺いします。
○森澤証人 引き継ぎは全般的な話で、今、個々にどういう内容だったかというのは定かに覚えておりませんけれども、土壌汚染につきましては、当然あるというのは、先ほど来申し上げていますように知っていたということです。
私が市場長を引き継いでから取り組んだ時点では、もう既に副知事と東ガスとの合意書があって、その後いろいろ、まちづくりに関するいろんな分野の内容が示した文書もあって、それで七次中央卸売市場整備計画がもう既に決定していますし、豊・晴計画も平成十四年中に、たしか改定、再改定をされていると思います。
そういうことで、もう既に政策決定も決まって、まちづくりのためのフレームワークも全部決まって、あとはもうそれに向かって移転を実現するという、そういう時代でございます。汚染の問題も当然、先ほどもいいましたように承知していたということでございます。
○小松委員 汚染があることは重々承知していたと。東京ガスも東京都も重々承知していたけれども、先週、ご存じのように、福永元副知事、大矢元市場長に証人においでいただいたわけですけれども、そのお話を伺っていて、土地の譲渡の交渉の中で、この土壌汚染対策というものには重きが置かれていなかったというような印象を持っています。
そんな中で、十三年合意、そして十四年合意で、汚染土壌対策について、環境確保条例に基づいて対応を行うとされた後、東京都、特に環境局から、処理についての要請や交渉が数回にわたってされていたかと思います。
このやりとりからは、処理のレベルや方法について、東京ガスと東京都とでは大分認識に開きがあるのではないかというふうにうかがえるわけですけれども、やりとりを何度かしていく中で、この認識の開きは埋まったのでしょうか。平成十七年の確認に向けて、処理のレベルを協議してきたその経緯を、どのようなものだったのかお伺いしたい。
そして、上乗せを環境局は要請していたわけですけれども、環境局はそのことで納得したのでしょうか、伺います。
○森澤証人 平成十七年五月の確認書、これは非常に我々市場当局としては大事な協定で、今まで抽象的に、環境確保条例に基づく処理ということだった内容、要するに汚染が残るような状況のそういう内容だったものを、どの範囲まできちっと処理するということを決めていただいた確約書でございます。このおかげで、いろいろ次の用地の取得のための契約のときの条文にきちっと書けるようになったという、非常に市場にとっても大事な問題でございます。
それをつくるに当たって、当初から開きがあったというのは、先生のおっしゃるとおりでございますが、抽象的に責任を果たしたということと、それから、とりあえず全部きれいにしてくれという、そういう議論で進んでも全くらちが明かないわけでございますので、当然、東ガスと東京都の交渉の中で、具体的に、じゃあどの範囲をやるかということで、二年かけてそれをやってきたということでございます。具体的に、だからどういうふうに、どの範囲をどの程度やるかという、そういう過程だったということでございます。
環境局の役割は、やっぱり条例所管局ですから、法に基づく届け出があって、それが内容的に正しければ、一応それを受理して、そのとおりやらせるという、そういうスタンス、立場でございますので、直接条例所管局が内容に対して、さらにもっとやれとか、どうのこうのというのは、なかなかいえない立場だと思っております。
その部分をいうのは、まさに市場当局であり、交渉の窓口である知事本とかその辺が頑張るということで、環境局との関係は、専門家としてのいろいろ知識を、我々同僚にいろいろ教えてもらうという、そういう関係だというふうに私は理解をしております。
○小松委員 これ文書で、その後、十七年合意につながっていくと思いますが、処理を行う東京ガス、そして東京都、特に環境局が求める処理レベルとの認識のギャップが、その後の東京ガスの処理完了後にも汚染が残された事態につながったものではないかというふうに考えているところです。
平成十七年五月、その確認書を交わしていって、ここでは環境確保条例に基づく処理に加えて、土対法の制定を受けて、さらにAP二メートルまでの追加処理が合意されています。
これは、具体的にはどのような対応を指すのでしょうか、確認のために伺います。
○森澤証人 環境局と東ガスとの間の認識のギャップというのは、所管局としては、そういう形では受けとめていないんじゃないかというふうに私は思っております。要は、拡散防止計画が出されれば、その内容をチェックするというそういう話でございまして、その内容が正しければ、一応それを受理するということでございます。
したがいまして、拡散防止計画というのは、どこまでやるかというのは、まさにそれを申請する人が頑張るわけですから、法に一応求められている範囲のことさえ書いてあれば、それはそれで合法的な届け出になるんだろうというふうに思います。
したがいまして、処理内容をどうするかというのは、まさに現実的な交渉の問題でありまして、どこまでやってもらうかということを当事者同士でがりがり詰めるという、そういうプロセスになるわけでございます。
内容的にどこまでやるかというのは、先ほど来申し上げていますけれども、全てやるとなれば、それはもうどの範囲までやるかというのは膨大で、土地全部をそっくり土を入れかえるなんていうことにもなりかねないわけですから、少なくともこの範囲までということで、一つの線として形質を改変する範囲は少なくともやってもらおうと、それだけやれば、とりあえず安全な土地が市場用地として購入できるという、そういうレベルを目指したという、そういう経緯でございます。
○小松委員 この措置完了確認後の瑕疵担保責任、これについてはどのように考えていたかということなんですが、処理を確認した後に汚染が見つかった場合には、当然処理のやり直しをするということではなかったんですか。
○森澤証人 拡散防止計画を提出して、完了届を出して、それを、完了したということを専門機関が確認して、それで終了するわけでございます。したがいまして、その後をどうするかというのはまた別の話ですが、少なくとも十七年五月にあそこまでやっていただくという合意ができた時点で、将来のさらなる負担とかそういう議論は全くしておりません。
したがって、瑕疵担保がどうのということではなくて、通常の合意、将来何かあれば、疑義があれば再度見直すという、そういう通常の措置をとって済ませているだけで、その後の経費については全く議論はされておりません。
○小松委員 しかし、汚染が見つかってもやり直しをしないということであれば、十七年合意に基づく対応は、この先の瑕疵担保責任の放棄につながっていくのではないか、そういう内容を含んでいるということになるのではないかというふうに思うんですが、十七年確認書により規定された対応がされていれば、それでよし、それ以上求めない、そういうことを既に含んでいたということでしょうか。
○森澤証人 そもそも環境確保条例のもとになる土対法自体が、要するに目的が飛散防止、さっきいいました経路遮断ができればよしという内容で、そういう手続が決められているわけでございます。
したがいまして、東ガスが出しました計画書は、そういうのにかなっているということで、合法的であるということで受理されているわけですから、それに対して、その後、残ってる残ってないというのは、また別次元の、次の話ということになろうかと思います。したがいまして、交渉というのは、そういうことがないように、どこまできっちりやるかということを目指してやるものという、そういう認識でいました。
○小松委員 都は、平成十六年と平成十八年に、鉄鋼埠頭と土地の売買契約を交わしています。平成十六年の契約では、埋設残留物の処理と土壌汚染処理について、また、瑕疵担保責任についても項目がありまして、記述があります。しかし、十八年の契約ではこれがない。この理由について、平成二十二年の予算委員会で質疑が行われておりまして、当時、岡田市場長でしたが、この件につきまして、十六年の契約は換地前のものであるからと答弁しておられます。
しかし、契約当時の市場長は森澤証人でありますので、この十六年と十八年の契約書の構成が違っている、この理由はなぜか教えてください。
○森澤証人 済みません、その契約書を確認していないんで詳しいことはわからないんですが、十六年の、最初に土地を購入したのが、まさに鉄鋼埠頭でございます。それも先ほど申し上げましたけれども、そのときの土壌汚染につきましては、まだ十七年の合意がない。したがいまして、東ガスが主張する環境確保条例をきちっとやるという、そういう内容を前提に契約をしたわけでございます。
瑕疵担保は当然入れていると思うんですが、ちょっと確認していないんでわからないんですが、残留物についても同じように東ガスと、あるいはほかの地権者とも契約しておりますが、これはちょっと契約の形がたしか違ったと思う。要するに、全部それは都が実施した後でお金をいただく。それも現金を動かすんじゃなくて、地価で相殺するとか減歩で対応してもらうとか、たしかそういう話でございまして、減歩であれするという場合は、瑕疵担保という概念は多分ないんじゃないかという気がいたします。その程度しか、今はちょっとお答えできませんので、恐縮でございます。
○小松委員 この十八年のときには比留間証人が市場長であったわけですけれども、この十六年の契約では瑕疵担保の項目がある。しかし、十八年ではない。この件について、お考え、いかがでしょうか。
○比留間証人 私が十八年に市場長だったときに、二件の土地の購入契約、結んでいると思いますけれども、一つが保留地であり、一つが鉄鋼埠頭の仮換地であったと思います。
いずれにしろ考え方としては、土壌汚染にしろ地下埋設物にしろ、別の協議で確認をしているので、そちらを根拠にしてやっていくので、契約書上は特にうたわなかった。一件、確認のために地下埋設物だけをどっちかに入れていたような記憶もありますけれども、基本的な考え方は、そこは別途確認を結ぶので、それに基づいてやるから、契約書上ではそこはうたわないと、こういう考え方だったと思います。
○小松委員 瑕疵担保責任が入っている場合と入っていない場合では、土地の評価額に差があるのか、どうでしょうか。鉄鋼埠頭の土地の場合どうだったのか。
比留間証人、いかがでしょうか。
○比留間証人 大変申しわけありませんけれども、その契約実務のところで、私、詳しくないので、特に、そもそもが鉄鋼埠頭が、私が契約を結んだときは、そもそもが鉄鋼埠頭が持っていた土地ではないので、ちょっと今のご質問については、確たるお答えができかねませんので、ご了解いただければと思います。
○小松委員 それでは、比留間証人に続いて伺いたいんですが、比留間証人が市場長であったときに専門家会議が開催されています。専門家会議が設立された後に、一千倍のベンゼンが検出され、翌年には四万倍、八百六十倍、次々汚染物質が、数値が出ているわけですけれども、このとき東京ガスの対策が不十分だった、十七年合意に照らしてもですね、不十分だったということになると思うんですが、東京ガスに対策のやり直しをさせようというふうにはお考えにならなかったのか。そういう議論はなかったのか。
○比留間証人 先ほど来、ほかの方がお答えになっていますけれども、十七年合意に基づく東京ガスの土壌汚染対策については、汚染拡散防止計画を東京都に提出して、それが十九年に完了して、それを東京都としても受理をして確認しているということで、手続的にはこれで終了しているわけです。
専門家会議で調査をした結果、ただいまお話があったような高濃度の汚染が出ましたけれども、専門家会議は、そもそもが、あそこが市場として使われるということを前提にして調査を行って、さらに対策も念頭に置きながらいろんな検討をしていたわけですけれども、法令をはるかに上回る極めて手厚い対策を講じていこうという考え方でございましたので、負担の問題は別にして、東京ガスに対策をやり直させるとかという問題は生じないし、そういうことは考えていなかったというふうに申し上げられると思います。
○小松委員 この専門家会議は、徹底的に環境対策をするとおっしゃった石原氏の強い意向によって招集されたと認識しています。先週の大矢氏の証言からは、この方針といいますか、専門家が徹底的な環境対策の提言を行って、そしてそれに多大な費用を投じて東京が環境対策を行うと、こういうことについて、市場では全面賛成ではなかったというようなニュアンスもちょっと感じたところなんですが、比留間証人が市場長であったころには、この専門家会議の設置とその提言について、どのように捉えておられたでしょうか。
○比留間証人 専門家会議並びに技術会議の提言並びに対策について、外部で、外部でいろいろな意見があったということは承知をしております。ただ、市場としては、専門家会議であそこまで綿密に議論をしていただいて、徹底的に議論をした上で対策を出していただいて、技術会議は、それを具体化する方策を作成していただいて、当時の私どもとしては、これを確実に実施していくのが我々の責務であるというふうに考えておりました。
○小松委員 それでは、もう時間もありませんので最後の質問になりますが、石原氏が知事だったときに、石原氏の提案で設立された新銀行が行き詰まりました。そして、二〇〇八年には四百億円の追加出資が行われています。
その後、リーマンショックが起こり、二〇〇九年、都税収入が一兆円の減収、そして都財政が逼迫し、契約した二〇一一年まで税収が減り続けるという、そういう状況にあったわけですが、このとき盛り土がなされなかった背景には、汚染対策費を少しでも減額したいという意向があったとはいえないでしょうか。
岡田証人に伺いたいんですが、盛り土をしないことについて、二〇〇八年ころにコンクリートの箱を埋めたらどうかとの提案もしたという石原氏の指示、または石原氏に相談の上、決めたという、そういうことはないでしょうか。
○岡田証人 豊洲市場に係る経費について、できるだけコストを下げていくということについての命題は一つにあろうかと思います。
しかしながら、先ほど来ご説明を申し上げていますけど、新市場について、市場としての安全、そして安心につながる対策についてはですね、それは万全のものをやっていって、二重にも三重にも万全の対策を講じて、皆様の安心をいただくということをずっと考えておりましたし、専門家会議、技術会議の提言を、それをそのまま実行することが我々がお約束することだというふうに考えておりましたので、コストの面で安全・安心を揺るがすようなことをするということは、それは考えたことはございません。
○小松委員 終わります。どうもありがとうございました。
○桜井委員長 ほかに発言がなければ、森澤正範さん、比留間英人さん、岡田至さん及び中西充さんに対する尋問は終了いたします。
長時間ありがとうございました。ご退席して結構でございます。
この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時五十五分休憩
午後六時十六分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
引き続き、付託調査事項、築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性外四項目について、証人から証言を求めます。
本日午後六時に出頭を求めました証人は、東京都財産価格審議会元会長新藤延昭さん、東京都財産価格審議会会長松浦隆康さん、株式会社谷澤総合鑑定所不動産鑑定士川藤等さん及び株式会社谷澤総合鑑定所不動産鑑定士近藤克哉さんの四名であります。
証人におかれましては、お忙しい中にもかかわらずご出席をいただき、まことにありがとうございます。本委員会を代表して、厚く御礼を申し上げますとともに、本委員会の調査のため、真相の究明のため、ご協力くださいますようお願い申し上げます。
この際、証人の宣誓及び証言中における撮影についてお諮りいたします。
本件について理事会で協議した結果、証人の意見を考慮し、配慮した上で撮影を認めるべきであるとの結論になりました。
本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○桜井委員長 この際、各証人に申し上げます。
証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由がなく証言を拒んだときは、禁錮または罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご承知おきください。
それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
傍聴の方、報道関係の方も含めまして、全員ご起立願います。
〔全員起立〕
○桜井委員長 新藤証人、証言席にお願いいたします。
各証人は、宣誓書を朗読後、一人ずつ氏名を述べてください。
それでは、各証人は宣誓書を朗読してください。
〔証人新藤延昭君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十八日
新藤 延昭
〔証人松浦隆康君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十八日
松浦 隆康
〔証人川藤等君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十八日
川藤 等
〔証人近藤克哉君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十八日
近藤 克哉
○桜井委員長 ご着席願います。
それでは、各証人は、宣誓書に署名捺印をお願いいたします。
〔各証人、宣誓書に署名捺印〕
○桜井委員長 この際、証人の補助者及びメモ持参の件を議題といたします。
お手元配布のとおり、議長を経由して、証人から補助者の同席及びメモ持参についての許可願の申し出が提出されております。
朗読は省略いたします。
平成二十九年三月十日
証人 新藤 延昭
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十八日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月十三日
証人 松浦 隆康
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十八日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月十四日
証人 川藤 等
東京都議会議長 川井しげお殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
平成二十九年三月十八日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、下記の者が補助者として同席することを許可願います。
また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
記
1 氏名 左高 健一
2 住所 東京都港区
3 生年月日 昭和四十二年四月六日
4 職業 弁護士
平成二十九年三月十四日
証人 近藤 克哉
東京都議会議長 川井しげお殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
平成二十九年三月十八日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、下記の者が補助者として同席することを許可願います。
また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
記
1 氏名 小舘 浩樹
2 住所 港区
3 生年月日 昭和四十七年一月二日
4 職業 弁護士
○桜井委員長 お諮りいたします。
本件は、それぞれの申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
この際、お諮りいたします。
証人として新藤延昭さん、松浦隆康さん、川藤等さん及び近藤克哉さんの出頭を求めておりますが、四名の方同席の上で証言を求めることにいたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○桜井委員長 これより証人に証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
なお、こちらから尋問しているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、証言席においてご発言願います。
それでは、証人から証言を求めます。
新藤証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは新藤延昭さんですか。
○新藤証人 はい。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○新藤証人 東京都財産価格審議会前会長、昭和二十二年二月八日生まれです。
○桜井委員長 ご着席願います。
松浦証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは松浦隆康さんですか。
○松浦証人 はい、そうです。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○松浦証人 東京都財産価格審議会会長松浦隆康、生年月日、昭和二十五年十二月二十八日です。
○桜井委員長 ご着席願います。
川藤証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは川藤等さんですか。
○川藤証人 はい、そうでございます。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○川藤証人 株式会社谷澤総合鑑定所不動産鑑定士、生年月日は昭和三十年五月一日でございます。よろしくお願いいたします。
○桜井委員長 ご着席願います。
近藤証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは近藤克哉さんですか。
○近藤証人 はい。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○近藤証人 株式会社谷澤総合鑑定所不動産鑑定士、生年月日は昭和四十五年八月一日です。
○桜井委員長 ご着席願います。
それでは、委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
河野委員。
○河野委員 本日は、東京都財産価格審議会の松浦会長、また新藤前会長、また不動産鑑定士の先生方お二人にも、証人としてお越しいただきましたこと、大変お忙しい中、申しわけなく思っております。
都民の疑問に思っていること、また、関心の高い今回の豊洲市場の土地購入の問題について、東京都財産価格審議会は、適正な価格及び料金を評定するために条例で設置されている附属機関であります。諮問に応じて、専門的な見地から価格を評定する機関であります。
きょうは先生方に証言をいただきますが、評価条件を設定し、どのような前提で評価を行うかを決定するのは、本来、執行機関が説明すべき事項であり、私は、皆様方にご足労いただく場所がこのような形でよかったのか、いささか疑問に思っております。しかしながら、この機会をいただきましたので、尋問を始めさせていただきたいと思います。
まず最初に、新藤証人にお聞きしたいと思います。
豊洲新市場の用地買収に当たり、財産価格審議会に付議された案件は四件ございました。平成二十二年の議会の審議の中でも取り上げられていることなんですが、その点についてお伺いしたいと思います。
平成十八年一月二十日の財価審の、このときの案件は、都所有地の保留地三・八ヘクタールの土地でございます。この土地の評価に当たっての土壌汚染に関する記述として、評価を積算した積算表欄外に、土壌汚染の調査の結果、土壌汚染対策法に定める汚染物、シアン化合物の存在が判明いたしました。
しかし、土壌対策については、豊洲地区開発整備が係る合意に当たっての確認事項により、従前の所有者が処理対策を実施することになっております。本件地については、従前の所有者である東京ガス株式会社が、平成十八年三月までに汚染物質を掘削除去することとなっておりますため、評価に当たっては、土壌汚染対策にかかわる要因は考慮外として記載されております。これは、土壌汚染対策とは別途に行われるものであり、具体的な土壌汚染対策としてどのようなものが行われるのか、審議会で行われる土地の価格の評定には影響をしないと私は考えております。
このような観点から、平成二十二年に経済・港湾委員会で議論がされていたんですが、このことというのは、土壌汚染対策、環境確保条例の十三年指針で行われたのか、もしくは十五年指針で行われたのかというような議論がされました。これは本質ではないと思っております。意味があるか--余りあるとは思っておりません。
そこでお尋ねしたいと思います。平成十八年一月二十日の財価審では、汚染土壌を含め、どのような議論が行われていたのか、当時の会長である新藤証人にお聞きします。
○新藤証人 お答えします。
土壌汚染の浄化費用については考慮外という評価条件が背景にありました。これは担当部局、議案の、提案する部局が設定された条件だというふうに認識をしております。
委員の方々からどのような意見が出されたのかということにつきましては、かなり前のことでありまして覚えておりませんけれども、本日の喚問に際しまして、記憶を呼び戻すために担当部局から見せていただいた当時の議事録を見てみましても、特段のご意見、ご質問等はなかったというふうに思われます。
以上です。
○河野委員 平成十八年十一月十日の審議会についても、引き続き新藤証人にお聞きします。
さきに触れました経・港委の中でも、十八年十一月十日の審議会、これは鉄鋼埠頭の所有の土地になりますけど、後日、土壌汚染が発見された場合の処理対策が評価に影響を与えるか否かということが議論されました。しかし、先ほど申し上げましたとおり、土壌汚染対策としてどのようなものが行われるのかは、審議会で行われる土地価格の評定に影響しません。ましてや、評価はその時々の状況に応じて適正になされるものであります。そうしたことから、ただいま紹介しました土壌汚染を考慮外とする評価状況をめぐる議論は、これも本質的ではないと思っております。
そこで、お尋ねいたします。
このときの審議会、土壌汚染を含め、どのような議論がありましたでしょうか。
○新藤証人 当時の土壌汚染対策の実情から、提案局により、土壌汚染が存しない更地としての評価という条件が設定されたかと思います。
繰り返しになるようで大変恐縮ですけれども、審議の内容については記憶がなく、当時の議事録を見ましても、委員の方々から特段のご意見とかご質問等はなかったというふうに思われます。
○河野委員 続きまして、現会長でいらっしゃいます松浦証人にお聞きしたいと思います。
平成二十三年三月十日の審議会について、お伺いします。
このときも、土壌汚染については、処理費用の負担について都と従前地権者との間での協議の上、別途取り扱うことを理由として考慮外とされております。先ほどの質問とも重なりますが、三月十日の審議会で、土壌汚染を含めた議論はどのようなものがあったでしょうか、お伺いします。
○松浦証人 お答えいたします。
平成二十三年三月でございますので、ちょうど土壌汚染がクローズアップしていたときに、その議案が財産価格審議会にかかりました。その議案書の中で、土壌汚染に関しましては、現在、両当事者間、すなわち東京都と東京ガスの間で協議中なので、考慮外にしてくださいという趣旨の評価条件がついていました。
土壌汚染対策につきましては、どちらがどれだけ負担するかなどを協議している最中であり、その額もまだ確定していないこともあり、土壌汚染のことは考慮せず、その土地そのものの市場価格を評価し、その鑑定評価額をもって当該土地の買収価格とするという内容になっていました。
確かに、更地価格から土壌汚染の対策費を控除するという考え方もありますが、控除すべき土壌汚染対策費が協議中であり、確定していないということでございます。
実際に当事者間で協議されていることは確認できておりましたので、土壌汚染対策にかかわることにつきましては、その協議に委ねると。いいかえれば、言葉をいいかえれば、別立てとして扱うということであります。ですから、土壌汚染については考慮外にするというのは、その土地に土壌汚染があるというのは事実ですが、その対策については別途協議中であるので、別立てとして両当事者間の協議に任せようということでありました。
そのことを前提条件としまして、その更地そのものの評価した価格が妥当であるか、また、価格を導き出すための評価手法が適正であるかということを審議することが、審議会に与えられました使命でございました。
審議会では、各方面の専門家である委員からの意見や質問をできる限り数多く出してもらい、それに対して提案局等が答弁をしていくというプロセスを積み上げていくことによって議を尽くしていただくように、私はその会議をつかさどりました。
可否を決める際には、本案を原案どおり決定してよろしいですかとお諮りして、一人でも異議あり、反対という委員がないことを確認し、本議案につきましては、価格が妥当であるということを全会一致で可決いたしました。これは審議会という合議制による決定ということになります。
あわせてもう一つ、つけ加えてご答弁させていただきたいと思います。
先ほども申し上げましたとおり、土壌汚染というのがクローズアップされていたこともございまして、当然ながら、その当日審議します議案は重要議案と認識しておりましたので、そこで、この審議会の当日には、審議会として豊洲の現地調査を行い、その上で審議会での審議を行いました。
また、当日の審議案件につきましては、他の議案を入れず、この一件のみとし、この一件に集中して審議することにいたしました。このように、議案の重要性に鑑み、審議に当たりましては、十分な配慮に努めたところでございます。
そして、どのような議論が行われたかということでもご質問ございましたので申し上げますけれども、審議会の委員は、不動産鑑定士、研究者、弁護士、公認会計士、税理士、実務家等の専門家によって構成されておりまして、それぞれの専門の立場から意見や質問を出してもらい、議を尽くしていただきました。
記憶にあるものの中から幾つか紹介いたしますと、どのような用途地域、容積率で評価したかとか、想定建物の詳細について、収益還元方式における維持管理費の取り扱い、十八年当時との評価方法の比較、さらに、投下資本収益率などについて、かなり専門的な内容の質問があり、それに対してはきちっとした答弁があり、議を尽くした上で、全員一致で可決評定いたしました。
なお、土壌汚染を含めまして、どのような議論ということもございますので、あえてお答えいたしますと、先ほどお話がありました評価条件にある土壌汚染を考慮外にするということに関しましては、確認的な質問すらなかったと記憶しております。
以上でございます。
○河野委員 詳しい説明ありがとうございました。
土地の評価に際して土壌汚染を考慮外とすることは、評価のルール上、認められているということだと思います。そのような方法で評価した事例というのは、東京都財産価格審議会で、ほかには、この豊洲以外の件ではあるものなんでしょうか。
○松浦証人 お答えいたします。
私が会長をしている期間に限らせていただき、しかも私が記憶する範囲でお答えするとすれば、土壌汚染のある議案につきましては、もうほとんど大部分が土壌汚染を考慮外とするという扱いになっていたと思います。
以上でございます。
○河野委員 ありがとうございました。
これ追加になりますけど、なお、平成二十四年三月に提出された住民監査請求に対して、監査の結果が同年四月に出されております。
財務局の監査において、同当該土地の価格は、土壌汚染対策費用については別途協議するため、土壌汚染については評価上考慮外とするという評価条件で評価を行い、東京都財産価格審議会の評定を受けた適正な時価である、本件用地取得は、契約では、契約書において、評価を行い東京都財産価格審議会の評定を受けた取得価格として、また、土壌汚染の取り扱いについては、別途締結された二十三年協定書に基づくこととしており、適正になされているとされております。
要するに、東京都監査委員石毛しげる委員外四名の連名で、監査委員会よりお墨つきをいただいております。
財産価格審議会の先生方、また、鑑定士の皆様方には、このたびの喚問にご足労いただきましたこと、感謝を申し上げて、私からの尋問は終わらせていただきます。
以上です。
○桜井委員長 上野委員。
○上野委員 本日はお忙しいところを、証人としてお越しいただきまして大変にありがとうございます。
私の方からは、先ほどのお話がありました、この東京都と東京ガスを結んだ豊洲新市場用地の土地売買契約、このことについて質問してまいりたいと思いますけれども、先ほどの詳しくご説明を伺いました、その内容をかいつまんでちょっといいますと、財価審は妥当であると、こういうふうに認定した価格であるというお話でした。
また、土壌汚染が除外された価格であると、土壌汚染を除外した価格であるということ、また、土壌汚染については、市場当局と東京ガスの協議によって負担割合を決めることになっているということで考慮外ということ、そういったことが先ほどもお話の中でわかったわけでございまして、土地の鑑定評価と土壌問題を切り離して、別々の問題として協議を進めたということだと理解をさせていただきました。
今回、私たち都議会公明党は、多くの段ボールの中から必死になってさまざまな資料を探してまいりましたけれども、そこでまた新たに、非常に重要な記録を発見させていただきました。
それは、東京ガスから提出されました平成二十年十月二十七日のレベルSと書かれた記録でございます。当時の、これ見ますと、豊洲開発株式会社の管財部から当時の社長宛てに説明した資料ということでございまして、土地鑑定評価上の土壌問題の取り扱いについてという表題でございます。
この資料の驚くべきポイントは、平成二十年の五月に、この環境基準四万三千倍のベンゼン、これが検出されました。そのわずか五カ月後であるということでございます。東京ガスは、操業由来の汚染物質が新たに発覚した後すぐに、この土壌汚染の取り扱いについて検証していたことが、これにより明らかになったわけでございますが、この内容をちょっと見てみますと、ちょっと驚いたことも書いてありまして、ちょっと読ませていただきたいと思いますけれども、当社が保有する新市場予定地を東京都に譲渡するに当たってということで、その際、土壌問題、括弧、費用負担の取り扱いということについて、以下の二つの考え方があるということで、一つは、土地鑑定評価の中で土壌問題を取り扱うという方法、二つには、土地鑑定評価と土壌問題を切り離して取り扱うと。この上記二つの考え方について、比較検討をしたというんですね。その結果、土地鑑定評価と土壌問題を切り離して取り扱う、これが適当だと、こういうふうに考えられるということで、この二つ目の考え方に基づいて、今後東京都との協議を行っていきたいと、このように社長の方に説明をしているわけでございます。
ここで、財価審の現会長であります松浦証人にお伺いしたいと思いますけれども、国交省が出しています不動産鑑定評価基準、これがございますけれども、この平成十年七月の通知もありますけれども、ここに、鑑定評価上はですね、原則、土壌問題を含めて評価するというふうなことが大体ニュアンスで読めるんですけれども、このことについて、この原則からいいますと、本来は土壌問題を含めて土地鑑定評価をするべきではなかったのかなと、このように思いますけれども、率直なご意見、ご感想をお伺いしたいと思います。
○松浦証人 そうですね、ちょっと今のご質問にどこまで知見を持って答えられるかわからないといいますか、私はこの審議会の会長ということで呼ばれたということがありまして、今の国交省が出されている基準について、実は、私自身、不動産鑑定士でもございませんで、それで、何といいますか、そういった鑑定実務しか、もうこの基準に当てはまるかどうかといったところについてはですね、実は、本当に申しわけございませんけれども、ちょっとそこまで、ちょっと理解していないところがございますので、ちょっとそれについて、どう考えるかということについては、私の力からはちょっと答弁できないということで、ちょっとお許しいただきたいと思います。済みません。
○上野委員 わかりました。
この資料の中で、東京ガスは、土地鑑定評価の中で、土壌問題を取り扱う場合と取り扱わない場合の、それぞれのメリット、デメリットを詳細に比較検討されているわけですね。その結果、土地鑑定評価と土壌問題を切り離して取り扱う方が、どちらかというと利益が大きいというふうなニュアンスの考察をされていらっしゃる。
実際にどのようなことが書いてあるかというと、先ほどいった土地鑑定評価と土壌問題を切り離して取り扱った場合、この場合、仮に減価額相当分の負担を求められた場合でも、土壌汚染が存在する土地については、土壌汚染の状況を減価要因として織り込み、原則として、土壌汚染が存在しない場合の評価額から一定額を減価する、この場合、土対法第七条の措置命令により求められる措置というのがあるんですけれども、例えば、それは盛り土等というふうになっているんですね。こういったものに要する費用相当分を減価することが考えられるということでございますけれども、条例対応以上の負担をしていれば説明が可能というふうに判断されたみたいですね。
これは、もう我々、私なんかも土木屋ですけれども、盛り土等に比べて、汚染除去費用となると高いんですね。汚染除去費用よりも安くなるというふうなことを暗にいっているように、私としては受け取れるということでございます。
自社の、自社というか東京ガス関係の利益を守るために、民間企業である当の東京ガスが、メリット、デメリット、これを検証するということは当然のことだと思います。
しかし一方で、市場当局、これは、土壌汚染対策費がどのくらいかかるのか、また、その費用はだれがするのかという極めて基本的かつ重要な問題を先延ばしにしたまま、この土地の価格を決定してしまっていると。その後、売買契約を締結したと。ここにですね、非常に問題があると、このように思っていまして、こうした協議については、誰が責任を持ち、誰が決定を下したのか、この点をですね、あす以降の証人喚問を通して、さらに追及していきたいと思います。
このレベルSが、二〇〇八年、平成の二十年十月二十七日の資料でございますけれども、市場から財務局の方に、局長宛てに市場長から出された日付が平成二十二年十月二十九日なんですね。この後、すぐ依頼されて、そのときに考慮外という項目が入っているという経緯がございます。
さらに、この資料には驚くべき内容が記されておりました。それは、土地鑑定評価の中で、土壌問題を取り扱う場合のデメリットとして、鑑定評価上、掘削除去が適当とされた場合、鑑定評価額が大幅に減価される。この後の括弧書きは非常に重要でございます。括弧の中には、全ての汚染を、全ての汚染を除去した場合の費用試算、書いてありました、二百六十億円です。こう記されているわけでございます。
つまり、東京ガスは、土壌汚染対策を全て自分たちでやったら二百六十億円かかると見積もっているわけでありまして、その資料がつくられた二〇〇八年、平成二十年十月の時点で、売買契約を締結している土地については土地鑑定評価を行う必要がないので、この後、市場当局と契約する土地の汚染対策費について言及しているものと推察されるわけでございます。
こういうふうな状況の中で、先ほど、松浦証人から、不動産鑑定士じゃないからということでございましたけれども、こういった状況の中で、今いった同じような質問ですけれども、この土壌問題を含めて、土地鑑定評価を本来すべきでなかったかということで、これは、川藤証人、不動産鑑定士の。ちょっと同じような質問ですけれども、お答え願いたいと思います。
○川藤証人 お答えいたします。
おっしゃったように、不動産鑑定評価基準では、原則としては、汚染の分布状況とか、汚染の除去等の処置に関する費用等を他の専門家が行った結果等を活用して、これを鑑定評価しなさいというふうになっておるんですが、もう一方でですね、いろんな社会的需要がありますので、一定の条件を付すことも鑑定評価基準上は必要だということで、個別的要因の想定条件を付すことができるというふうになっております。
それには一定の条件がございますけれども、そういう条件が付された場合には、それが適当かどうかを検討して実施するということでございます。
ただ、私ども、私も含めてですが、今回、豊洲用地の土地の評価をさせていただいておりますが、このときには入札で契約させていただいているんですが、そのときに、既に入札のところに、仕様書とその付記の留意点ということで、土壌汚染考慮外という条件が付されておりました。一応、そういうことでございます。
○上野委員 一定の条件を認めたということでしょうと思いますけれども、これ、もしの話で恐縮なんですけれども、その土地鑑定評価の中に、この土壌汚染対策を含めていればですよ、先ほど、話ありましたけれども、その平成二十三年三月三十一日に、東京都が東京ガスとその子会社である東京ガス豊洲開発から購入した土地の価格、たしか約五百五十九億円ということでございますけれども、先ほど話しましたこの二百六十億円、汚染除去費がかかる。単純に、その計算をしていくと、それを減価したとなると、二百九十九億円という計算になるわけですけれども、私なんかは、東京都が払う金額は、これを考慮していれば二百九十九億円で済んでいたんではないかと、このように考えてしまうわけでありますけれども、財価審の現会長である松浦証人にお伺いしますけれども、あくまで、これ、参考のお話ですけれども、仮に、この土地鑑定評価の中で土壌問題を取り扱うとした場合、先ほど述べたように、土壌汚染が存在しない場合の評価額五百五十九億円、これに対して、その減価二百九十九億円引くというふうな形になるんでしょうか。お願いいたします。
○松浦証人 ちょっと今のことにつきましてもですね、ちょっと今教えていただきました数字で、ちょっと詳しく、ちょっとよく理解できていないものですから、それが単純にそうなのかということ、済みませんが、ちょっと私の能力では答えられないということで、済みません。
○上野委員 じゃあ、済みません、川藤証人、いかがでしょうか。
○川藤証人 ちょっと難しいご質問なんですが、まず、二百六十億円という数値自体はちょっと承知しておりません。
それから、もし、それを含んでということであれば、恐らくかなりその根拠も含めてですね、どういう工程になるのかと、そういうことをかなり厳密に調査して、鑑定評価の中に盛り込むということにはなるかと思います。
ただ、今回の場合は、先ほども申しましたようなことでですね、そういうふうにはしておらないということでございます。
○上野委員 いや、実際に、そういったことで切り離さないと仮定した場合の話ですので、そうした場合には、そういったことに、やられるのかどうかっていうことでちょっとお聞きしたいと思ったんですけれども。
○川藤証人 私の経験上、そういうことがあればですね、そういうこともあるかもしれませんが、先ほどの、申しましたように、当事者の方がそれで合意されないと、その辺をどうするかということになりませんので、今回はそこが非常に難しかったのではないかなとは思います。ちょっと申しわけありません、こういうご回答で。
○上野委員 済みません、仮の話で申しわけございませんけれども、非常に、ちょっと実は大事なお話でしてね、このことを何でそういうふうに持っていったのかっていうところなんですね。要するに、故意にそういった形に持っていった場合には、非常に東京都が損するようなことになってしまう。税金を使うことになってくるわけですね。非常に、そういった意味では、こういった専門家の先生のお話っていうのは大事になってくる、今後の話に影響する話でございますので、よろしくお願いいたします。
最後になりますけれども、証人としてお越しいただいている皆さんには関係ないことでございますけれども、この公明党の意見ということでございます。
今回の豊洲用地取得に至るまでのプロセスに関しては、都議会で報告されておらず、平成二十二年度の当初予算で初めて議題として上がりました。土壌汚染対策費用の負担合意が報告されたのは、この土地売買契約締結後の平成二十三年六月十五日の経済・港湾委員会であります。今回の豊洲新市場用地の取得についてのプロセスに関しては、全く議会に報告されておりません。
東京都が開示した記録の中に、平成十五年六月六日の鉄鋼埠頭の用地取得について、市場当局と財務局が協議していた際の議事録を見ますと、市場側の発言として、公営企業に係る契約締結の特例により議会に対する必要はない、資産の取得終了後、直近の経済・港湾委員会で報告すると、こう述べているわけであります。二〇〇三年の時点でこのような発言をしていることから、市場当局は、それ以降も議会に途中のプロセスを報告する気はなかったと考えざるを得ません。
公営企業の業務に関する案件だからといって、高額な土地を購入する際、議会に報告せずに済んでしまう、こうした地方公営企業法のあり方そのものに問題があると思います。
都民からの理解や納得を得るためには、契約の締結や財産の取得、管理及び処分について、東京都は議会報告について独自のルールを定める必要があると、このように主張いたしまして、私の喚問を終わります。
ありがとうございました。
○桜井委員長 委員の皆様に申し上げます。尋問中は静かにしていただけますようにお願いをいたします。
あさの理事。
○あさの委員 先生方におかれましては、お忙しい中、本当にありがとうございます。
これからさまざまなこと、確認をさせていただきますので、ぜひお答えいただきますようにお願いいたします。
まず最初に、ちょっと証言を求める際の確認とさせていただきまして、一点だけ確認させてください。松浦証人に確認をさせていただきます。
財価審の名簿によりますと、松浦証人、日本不動産鑑定士協会連合会ということで、学識経験者ということで入っておりますが、先ほどの証言の中で、不動産鑑定士ではないというような旨の証言があったかと思いますので、一応、念のため、一度確認をさせてください。鑑定士かどうかということについて。
○松浦証人 不動産鑑定士ではございません。
○あさの委員 わかりました。ありがとうございます。
それでは、先ほどさまざまな答弁がございました。まず、私たち、問題にしておりますのは、今回のこの土壌汚染が見つかっている土地の評価、鑑定に関して、この考慮外としたさまざまなことについて、幾つか疑問点を少し皆様方に解決というか、教えていただきたいと思って聞かせていただきます。
まず、先ほどのお話の中で、新藤証人に伺わせていただきます。
当時、提案部局が条件を設定して、それに対して、特段委員の中からは意見がなかったように記憶しているというご答弁がございました。
そこで、国土交通省が出しております不動産鑑定基準というのがございまして、この不動産鑑定評価基準ですね、不動産鑑定評価基準によりますと、依頼目的に対して、想定上の条件を設定する場合がある。今回でいえば、汚染を想定外とするといったような、現実とは違う条件で評価をしてくださいという場合があるけれどもと。この場合、設定する想定上の条件が鑑定評価書の利用者の利益を害する恐れがないかどうかの観点に加え、特に実現性及び合法性の観点から妥当なものでなければならないと定められております。
簡単にいいますと、これを依頼された人たちの利益を害さないかどうか、そして、それが実現されるものなのか、法律に合致しているのか、これが妥当かどうかちゃんと確認をしてくださいと、つまり何でもかんでも条件つけていいわけじゃないですよということが、この国土交通省不動産鑑定評価基準に定められておりますが、今回の、定められた土壌汚染については、考慮外とするという設定条件について、これ妥当だという認識になっているということについて、見解をぜひご証言いただきたいと思います。
○新藤証人 審議の過程では、先ほどお話をしましたけれども、もし、特段の何か常識から外れたような不適切な条件設定であればですね、審議会のメンバーは、法律の専門家、弁護士さんとか、会計士さんとか、税理士さんとか、不動産鑑定士さんと、もろもろの専門家の方々が見えますので、余りその常識に外れたようなものであれば、当然に意見なり質問が出たと思うんですけれども、そういうことについては、一切議論がなされなかったのではないかというふうに思われます。
したがいまして、その条件設定が、今、合法性、実現性、関係第三者の利益ですか、三つということが、お話がありましたけれども、そのことについて議論はされることは、鑑定評価をやっているわけではなかったでしょうから、そういう議論はなかったと思いますけれども、とりたてて特別なご質問があったというふうには記憶はないということでございます。
○あさの委員 重ねて新藤証人に伺います。
東京都の財産価格審議会は、数々の専門性を持つ方々にご意見を聞いて、そして最終的に評価をまとめる場所だと私は思っております。少なくとも、不動産鑑定士の方々がメンバーに入っている以上は、不動産の評価をする上で、当然、先ほど申し上げました不動産鑑定評価基準に基づいた意見というのが出てしかるべきじゃないかと思われますが、その辺について、もう一度、新藤証人から、意見がなかったというのがどうしても解せないところでありますけれども、ご見解いただきたいと思います。
○新藤証人 通常いろいろな案件がありまして、先ほど少し松浦さんからお話がありましたけれども、特に公共用地の取得、道路用地とかそういうものにつきまして、日常ですね、私の知る限りでは、ほとんど全てですけれども、土壌汚染は考慮外、それで別途、後で発覚したものについては取り扱う、で、別途の費用計算をして取り扱うということがずっと流れておりましたので、それについて、通常の取り扱いであったであろうというふうに推測はできます。
以上です。
○あさの委員 財産価格審議会の通常の取り扱いが妥当であったかどうかについては、また後々、さまざまな条件を付して真偽を明らかにしていきたいと思っておりますが、それでは、きょういらしていただいています谷澤総合鑑定の川藤証人、そして近藤証人にも同様なことを伺わせていただきます。
外部鑑定を依頼されているこの場合は、財産価格審議会ではなく、確実にこれは不動産鑑定という形で依頼を受けております。その際に、先ほど申し上げたような土壌汚染に対する条件が設定されていることについて、妥当性の確認をされていると思いますが、その際の見解について、ぜひ端的にお答えください。お二人順番にお願いいたします。
○川藤証人 先ほども述べましたが、仕様書の中にそういう条件が入っておりましたが、不動産鑑定士としては、その内容を、正当かどうかといいますか、先ほどおっしゃられた実現性、合法性、関係者、第三者の利益に害さないかどうか、これを確認していく必要がございます。
そこで、東京都のご担当の方に、いわゆるエビデンスといいますか、これが現実に実行される、あるいは合法性、あるいは利害関係者に損失を与えないかどうかというようなことが確認できるような資料はないかどうかということはお願いしております。
それで、幾つかの資料はいただいたんですが、きっちりとしたことがなかったんですが、最終的には、都議会の審議の記録をいただいたと思っております。それで、たしか二十一年の二月ごろから、それから平成二十三年の十一月ぐらいまでの答弁の記録ということで、議員の方が、東京ガスとの土壌汚染対策のやりとりはどうなっていますかという議事でございました、内容としては。それを簡略にまとめていただいたものでしたが、その中で、最終的に二十二年の後半ぐらいの記録だと思うんですが、一旦やったものを、再度土壌汚染が見つかったので、どういう負担をするかということを協議しているということがございました。
そこで、協議しているということで、まだ負担は合意していないんだなというようなことを確認したのと同時に、そういう議会でのご質問があって、都のご担当者が答弁されているということで、一応周知されているのではないかなという判断をしました。
先ほどの想定条件の三つの条件でいいますと、実現性については、依頼者の合意、我々との合意、それは当然あるわけでございますが、あと、当事者の実行能力ということがございますので、合意が整えば、東京都さん、それから東京ガスさん、遂行能力というのは当然あるなということで実現性はクリアするなと。それから、合法性については、これは司法上の合意ということでありますから、その合意がどうだということは問題になっているかとは思うんですが、鑑定評価上は一応合法性はあるのではないか。それと、第三者、利害関係者というところでは、議会での議事があれば、どこまで満足されるかはわからないけれども、周知されているというものに近いのではないかなということで、一応この想定条件の三つの条件をクリアするのではないかということを判断したような次第でございます。
○近藤証人 先ほどの川藤の話と一部一緒になってしまうんですが、まず入札のときの書類で土壌汚染が考慮外であるということを確認しました。落札した後のその契約の段階でも同様の条件が付されているというのを確認しまして、依頼者から同じような、このような土壌汚染考慮外という条件を付して鑑定評価をやってくれといわれたときに、はい、そうですかということで、そのまま鑑定士としては受け入れるのではなくて、鑑定士としても、その条件が、さっきおっしゃったように妥当なものであるかどうかというのを確認いたしました。それは、不動産鑑定評価基準にのっとったやり方です。
さっき鑑定評価書の利用者というふうにおっしゃったと思うんですが、それは平成二十六年に不動産鑑定基準が改正になっておりまして、その後の、改正後の文言ですね。我々が鑑定評価を行った平成二十二年、二十三年の当時は、まだ改正前の不動産鑑定評価基準にのっとった形であるということは、まず申し上げたいと思います。
その条件が妥当かどうかという我々の確認なんですが、さっき申しました実現性と合法性と、あと当時の鑑定評価基準では、関係当事者及び第三者の利益を害さないかといういい方だったと思うんですが、その観点から、我々としてのチェックをいたしました。
実現性については、まずその鑑定評価上の契約で、東京都さんと我々との間で、そういう鑑定をやるよという合意ができているというのと、それとは別に、その土壌汚染の対策を別途行うという、そういうことができるのかどうかというところで、今回は、土壌汚染の対策をするのが東京ガスさんか東京都さんかまだわからなかったんですが、いずれにしても、その事業を、遂行能力としてはあるだろうということで、最初の実現性については大丈夫だという結論をこちらで出しました。
二番目の合法性についても、今回、東京都さんと東京ガスさんの合意があるということで、合法性--合法上、司法上ともに問題はないだろうという結論を出しました。
最後の関係当事者及び第三者の利害を害さないかどうかという点なんですが、まず関係当事者、これは、今回は依頼者である東京都さんと、それに密接に関係、結果に密接に関係する東京ガスさんとなると思うんですが、両方とも、その土壌汚染があるということについて当然ご存じであるということで、そこは問題ない。
あと、第三者の利益を害さないかどうかというところなんですが、これは先ほど申しました議事の記録をいただいておりまして、その中で、この土壌汚染があることについて、負担がどうか、どうなるかということについて、議会の中でオープンに議論がされているということで、それも問題ないという判断をいたしました。
結論としては、この土壌汚染除外という鑑定評価上の条件設定も、我々としては問題ないというふうに判断しました。
以上です。
○あさの委員 ありがとうございます。ごめんなさい、ちょっと時間がいろいろあるものですから、できるだけ端的にお話いただけますようにお願いいたします。
そろそろ時間がなくなってまいりますので、ちょっと急ぎで確認させていただきますが、この際、ちょっとこの図だけ見ていただければわかるかと思うんですけれども(パネルを示す)これは先ほど使った図ですが、この赤い線がガス操業の地盤高で、六・五メートルのところまで本当は盛り土すると、これは六街区の話なんですが、平成二十三年の、そのとき鑑定をしていただいた土地なんですけれども、これは独立鑑定評価というものを使っていらっしゃると思います。
これは、実際はそうじゃないものを更地としてみなしてという形になると思うんですが、今いった条件からいって、要は、現地が更地であるかどうか、あるいは盛り土されているかどうかということを確認して、それを更地にする費用だったり盛り土にする費用というものをどうするのかということも一緒に考えなきゃいけないと思うんですね。土壌汚染は今の説明だったとして、その点については、どのように確認をされたのか。
これは恐らく同じ形の話になるでしょうから、川藤証人、お答えいただければと思います。
○川藤証人 独立鑑定評価というのは、少し鑑定の定義からするとですね、今回どうかなというところはあるんですが、特に意図があるわけではなくて、我々が見た範囲の中で、何か特に問題がないようにというような意味でございまして、土壌汚染という問題に関しては、先ほどの考慮外ということで検討しているということになるかと思います。
○あさの委員 済みません。いえ、実際に、恐らく引き渡し時、更地になっていない土地を更地としてみなすのでしたら、それを更地にするときの費用をどちらが見るかということが鑑定上必要になってくるのではないかと。その辺の確認をどうされたかということでお答えくださいという趣旨だったんですけれども、お願いできますでしょうか。
○川藤証人 そうでございますね、地中、まあ更地というと、建物等がない、工作物がないということでございますが、もちろん--そうですね、あとは権利関係がないと、使用収益を付着する権利がないというようなことですので、そういう状態で評価しているというような意味でございますけれども、ちょっと、ご質問とちょっとうまい答えではないような気はするんですが、ちょっとそういうところでございます。申しわけございません。
○あさの委員 時間がないので、最後に一点だけ。
実際に、これは鉄鋼埠頭から購入した土地、平成十六年からやっているんですけれども、平成十六年当時、それから新藤証人が会長を行っていたとき、それから松浦会長が会長を行っていたとき、それぞれ使っている評価の方法が違うんですね。
最初は、路線価評価法を使い、新藤会長のときには標準地比準評価法というものを使い、そして最後、松浦会長のときには外部鑑定に出すという形をとられております。
これ、新藤証人に伺います。この評価の方法というのは、常々こう、やるたびに変わっていくと、ここ同じような場所でございますので、それでいうと、本当に土地の単価が全く違うんですね。一番低くて、平米数で、一番最初の平成十六年当時で一平米二十五万円ぐらいで大体評価されておりますが、最終、平成二十三年当時、一番、最も高いところでも平米で七十三万円、評価法が一緒で土地の値段が多少変わるというのはわかるんですけれども、評価法自体が路線価、つまり公示価格の八〇%程度に抑えられている路線価をもとにして評価をしているときから、だんだんですね、うがった見方をすれば、東京ガスの土地を買うに当たって、何か高く評価できる方法に変わったんじゃないかと見えるような、そんなことはないと思うんですけれども、なので、ちょっとその部分、評価法が変更されていることについて、ちょっとご見解をいただきたいと思います。
○新藤証人 評価方法が二つあるということは記憶しております。それで、今、路線価というのは相続税の路線価ではなくて、一つの路線、道路ですね、路線。区画から区画の間で価格を、時価の価格を決めるということです。
ですから、それが相続税の路線価よりは、一般に八掛けとかいわれていますが、そうではなくて〇・八割り戻した時価を設定することが路線価といっておりまして、その路線上はその価格を標準にして、何地点か、そこから比較をしながら計算をするというやり方が路線価式評価法というというふうに理解しております。
それから、標準地の比準法というのは、実際にどこか想定した標準的な土地、画地を一個決めまして、その画地から評価対象地を比較する、個別的な要因を比較するというふうに理解をしておりました。
したがいまして、規模が大きい土地とか特殊な土地等は、その標準地の比準する方法が一番適切ではないかという理解をしておりました。
以上です。
○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後七時二十一分休憩
午後七時四十分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
引き続き証人から証言を求めます。
かち委員。
○かち委員 日本共産党のかち佳代子です。よろしくお願いします。
きょうは、本当にご足労いただいて、ご協力ありがとうございます。
都では、公有財産を取得する場合に適正な価格を評定するため、知事の附属機関として東京都財産価格審議会を設置しています。
きょうは、東京ガス豊洲工場跡地の購入に先立つ土地評定について、二〇〇五年十月から審議会の会長であられました新藤証人、二〇一〇年四月から会長になられました松浦証人、そして、土地の鑑定評価委託を受けた谷澤総合鑑定所の方々においでいただきました。
そして、その経緯をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、専門的な領域なので、基本的なところを確認しておきたいと思います。
新藤証人にお聞きします。
国交省の土地の鑑定評価ガイドラインでは、土壌汚染の状況を把握するための的確な調書や、土壌汚染の状況を踏まえた適正な損失補償を行うよう求めています。また、国交省の公共用地の取得における土壌汚染への対応に係る取扱指針では、汚染の除去費用等を減価要因として織り込む等により、評価を行うことが必要だとしています。
日本不動産鑑定協会の土壌汚染対策ワーキンググループの座長を務められました足立氏は、土壌汚染地の評価に当たって、汚染がないものとしての価値から浄化費用、スティグマ、いわゆる心理的嫌悪感の減価分を引くという趣旨のことを述べられています。この立場は、土壌汚染にかかわる不動産鑑定上の原則であると思いますが、いかがでしょうか。
○新藤証人 今、国交省のガイドラインというお話が一つありましたが、これは記憶では、平成二十一年ぐらいだったと思います、策定されております。それで、鑑定評価基準はその前から、で、公共用地の損失補償についての取り扱いは、土壌汚染対策法が施行されたと同時ぐらいの時期からではなかったか。
それから、最後はですね、済みません、最後は何でした。(「足立さん」と呼ぶ者あり)足立さん。鑑定士協会の中のワーキンググループで作成されたものだと思いますけれども、今のスティグマというのはですね、私の理解では、法的な措置に従って汚染を全部浄化したとしても、スティグマという、烙印というふうにいわれていますが、心理的な要素が残る。法的には安全であっても心理的に安心できないというのがスティグマだというふうに思っておりまして、そのスティグマというのは、減価要因として、なる場合もならない場合もあると。その土地の状況によって、そのときの需給関係によって、あるいは用途が、工場に使うのか住宅に使うのかとか、そういうものによって、スティグマの大きさというのは、心理的なものですから、かなり違ってくるというふうに理解しております。
以上です。
○かち委員 ガイドラインにしても、取扱指針にしても、汚染地に対する適正な損失補償とか減価要因を織り込むことというのが基本だというふうにいわれたと思います。
松浦証人にお聞きします。
国交省の公共用地の取得における土壌汚染への対応に係る取扱指針では、土壌汚染を価格形成要因から除外できる土地については限定されておって、法第七条の規定によって汚染の除去の措置がなされ、指定区域の指定が解除されたことが確認できる土地などとしています。
例えば、松浦証人が審議会会長としてかかわった二〇一一年三月に購入した、東京ガス豊洲工場跡地の東京都が購入したこの土地、五街区の一部と六街区の部分ですが、こうした取扱指針があるにもかかわらず、土壌汚染を除外して評定したということで、それでよろしいんでしょうか。
○松浦証人 まず、その評価条件、考慮外にするというのは、これは提案局の方から、そう設定されていまして、我々審議会としては、その評価条件という前提のもとにですね、それが考慮外であるということを前提のもとに、先ほど私の方がお話したとおり、そういったことで、それを考慮外にして、その土地そのもの、更地のですね、適正な評価を求めるということになっていたので、それが当てはまる当てはまらないということは、むしろ審議会等の範疇ではなかったかなというぐあいに思います。
○かち委員 新藤証人にお聞きします。
新藤証人がかかわった二〇〇六年十一月に評定された七街区の一部の案件ですが、評価するに当たって、土壌汚染について、土壌汚染物が発見された場合には、従前の所有者、東京ガスが処理対策を実施することとなっているため、土壌汚染は存在しない更地として評価する。なお、土壌汚染調査の結果、土壌汚染対策法に定める汚染物質の存在が判明したが、既に条例に基づく適切な処理対策が実施され、その作業が完了しており、現在、汚染物質は存在しないとしています。
しかしその後、二〇〇八年五月には、東京都の行った詳細調査で、この区画からシアン、ベンゼンなど土壌、地下水の、高濃度の有害物質が検出されました。当時の審議会に対して、都からは、この土地の土壌汚染状況について、過去のベンゼン、シアンなどの汚染調査はどのように行われ、その結果はどうだったのか、どのような土壌汚染対策が行われ、対策工事の結果はどうだったのかなど、具体的に情報提供があったのでしょうか。
○新藤証人 ほとんど記憶がございませんで申しわけありませんが、技術的な内容というのは、一般に審議会の中ではそんなに説明されるものではなくて、一定の条件のもとに評価手法を適用して、適切かどうかという判定だけを審議会が行うということでやってまいったと思っております。
○かち委員 結局、その土壌汚染については、全く除外、論外ということで説明はなかったのだろうと思います。
もう一度、新藤証人にお聞きします。
新藤証人が評定にかかわった二〇〇六年の五街区の一部の二件では、評定に当たって、都から、評価に当たって、土壌汚染対策にかかわる要因を考慮外とされていました。しかし、その後の都の詳細調査を行った結果、ベンゼン、シアンなど土壌、地下水から高濃度の有害物質が検出されました。今から振り返ってみて、このような都の条件づけについてどのように思われるでしょうか。
○新藤証人 当時のその時点においては、恐らくそういうものは予測されなかった。後で、いろんなことはわかるんでしょうけれども、当時のことで、余り記憶はありませんが、ほとんど、そういう予測がされるというようなことまで議論されたということはなかったのではないかと思っております。
○かち委員 当時としては、予測をだにしなかったということですね。
それでは、川藤証人、近藤証人にちょっとお聞きします。
私は、東京ガスと東京都との協議の記録を調べました。例えば、二〇一一年三月に、東京ガス、東京ガス豊洲開発などから土地購入をするわけですが、東京ガスから提出された記録を見ると、財価審を迎えるまでの間に、売り手の東京ガス側から繰り返し、さまざまな情報提供を求められていることがわかりました。二〇一〇年十二月三日の協議では、東京ガスから、鑑定委託した業者名を問われて、市場当局は御社の名前を聞いています。東京ガスあるいは東京ガスの鑑定評価にかかわっている不動研、不動産研究所ですか、から、御社に対して土地の評定価に関して問い合わせなどがあったのでしょうか。それぞれお答えください。
○川藤証人 ございませんでした。
○近藤証人 そのようなことはありませんでした。
○かち委員 これも近藤証人、川藤証人にお聞きしますが、ここにメール、取り扱い注意、概算評価額というのがあるんですけれども、東京ガスグループに対して新市場整備部から送られたものです。
二〇一一年一月二十一日、十八時三十七分、東京ガス豊洲開発の方から、東京ガス豊洲開発の方、東京ガスの方など四名の方に、取り扱い注意を頭にした概算評価額との表題のメールが送られています。
東京ガスグループ各位、お世話になります、本日、新市場整備部より、先方の現段階の概算評価額を口頭で聞きましたので、各区画の評価額が送られています。画地番号五の三、概算評価額百五十七億円、同様に五の五、十七億円、六の一、三十二億円、六の一の一、三百六十九億円と記されています。
財産価格審議会の評定は、二カ月足らずのうちの三月十日に行われ、メールに示された概算評価額とぴったり一致しています。
先ほども曽根議員がやりましたけれども、鑑定人にも、法律で守秘義務が規定されています。こうした情報流出はあってはならないことだと思います。
東京ガス側は、できるだけ早く売りたい相手であり、都民が不利益をこうむらないように、適正な価格で買わなければならない市場当局が、売り主の意向に応えて情報を漏らしている。こうした事実について、初めてお知りになったかと思いますけれども、どのように思われるでしょうか。
○川藤証人 今おっしゃった二〇一一年一月十一日ということでございますが、平成二十三年だと思いますので、弊社、業務を受けておりましたのは、二〇一〇年の十二月二日が契約日で、一月三十一日が期限でございました。
東京都のご担当の方から、概算でいいから、都に数字が欲しいというようなお話がございましたので、まだ確定的ではなかったんですが、若干の修正はあるかもしれませんよといいつつもお話しております。それは恐らく十一、十一日というのもちょっとわからないんですが、一月十一日でございますかね、それは。ちょっとその時期は明確に覚えてはおりませんけれども、一月の中旬とか、そのあたりだったかと思っておるんですが、それはご担当者にはお話しいたしました。ただ、それがどこにいっているかというのはちょっと承知しておりません。
○近藤証人 私も、数字を東京都の担当の方にお出ししたということは覚えておりますが、そこからどこに数字がいったのかというところまでは承知しておりません。
以上です。
○かち委員 評価の鑑定をされる方が一定の概算額を出されて、それが東京都からの依頼だから東京都にお答えをしたということは重々わかりますよね。だけれども、そこから売り主にそういうことを漏らしてしまうということは、これはちょっと、ただならぬことだというふうに思うんですね。守秘義務を逸脱しているというふうに思いますので、これは問題だというふうに思います。
それで、松浦証人にお聞きします。
東京ガスの要求は、その後も続くんですね。東京ガスが提出した二月十八日の打ち合わせ記録ですが、現状引き渡しについて、土地鑑定書はどのように記載されているかとか、必要があれば修正したいとまで介入しています。ここまで介入されながら、市場当局からは拒否する言葉も出ていないんです。適正な価格を評定する立場から見て、こういう生々しいやりとりがあったということについて、どのように思われるでしょうか。
○松浦証人 ちょっと事実関係がよくわかりませんので、私は審議会の会務を総理するという立場からですね、審議会についての、この審議については発言できますけれども、ちょっと今のご質問についてはちょっとお答えしかねます。申しわけございません。
○かち委員 重ねてお聞きして申しわけないんですけれども、でも、その財産価格審議会の場で重要なことを決めていくわけですよね。その前に途中の経過を相手方に漏らしてしまうということは、ちょっとこれはルール違反ではないかなというふうに思うんですけれども、三月十日の審議会として、現地調査を行って審議が行われていますよね。土壌汚染物質が発見された場合には、従前の所有者、東京ガスが処理対策を実施することとなっていると評価条件がついていましたけれども、土壌汚染対策費はその後も増加しています。これも東京ガスの記録でわかったのですが、十三年の二月二十日、土壌汚染対策費のうち新たな操業由来汚染起因の費用、新たな地下埋設物起因の費用について、説明、協議の機会を申し入れたと都からいっても、東京ガスは、両件とも数量割増により整理済みとの認識、法務室に相談し、費用負担については決着済みとして協議には応じない、地下埋設物については協議に基づき申し入れがあれば話は聞くという立場とするアドバイスを受け、実際そのように対応しています。これが実際です。
財価審に示された評価条件についてどのように思われますか。
○松浦証人 繰り返しのご答弁になりますけれども、財価審としましては、土壌汚染について考慮外として評価するという評価条件がその提案局で設定されているものですから、そういった、その提案局がつけた評価条件を前提条件として、審議会としては、その更地そのものの価格は適正であるかどうかということを審議したということでございます。
○かち委員 もう時間がなくなりましたので終わりますけれども、本当に公正な評価をしていただかなければならないその裏でですね、本当に、生々しい、このようなやりとりがあったということは、ゆゆしきことだということを改めて感じました。
以上です。ありがとうございました。
○桜井委員長 おときた委員。
○おときた委員 都民ファーストの会東京都議団のおときた駿と申します。
証人の四名の皆様、本日は大変お忙しい中貴重なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
ここまで、他の委員の皆様の質問とご丁寧なお答えをいただきまして、私の用意した質問、大分重複をいたしましたので、簡潔にもう少し確認したいところだけ、数点、確認させていただきたいと思っております。
まず、他の委員の方の質問を引き取る形になって恐縮ですが、先ほどあさの委員の質問の中で、なぜ異なる評価基準を用いたのか、似たような土地を評価するのにですね。新藤証人の時代の財価審と、松浦証人の財価審をやったときに、異なる基準で評価がスタートしているというところで、新藤証人からは、その理由というか、評価基準を用いた理由をご説明いただきましたので、松浦証人の方にも、同様、そちらはどうしてその基準を用いたのか、そして前回のときと異なる基準であることに、何か違和感を持たれなかったのか、その点について所見をお伺いしたいと思います。
○松浦証人 財価審が三月十日、開かれましたけれども、そのときは、十八年のときの評価とですね、そのあたりの違いということについては、ちょっとそういう説明があったのか、多分、提案局の方の説明ではそこまでなかったんじゃないかなという感じがしております。
それで、私のときの議案は、やはり評価手法から、幾つかの評価手法を使って、その評価手法の適正さ、さらに、そのもとになったデータと、そういったことについては非常に信頼性が高かったし、説明力があったということで、私は、会務をつかさどっているわけでございますけれども、そのときに、複数の不動産鑑定士、会計士、税理士、そしてさらに不動産について研究テーマを持っていらっしゃる学識経験者、皆さんがやはり全体で、誰ひとり--その価格はですね、妥当であるということで、全会一致で判断したということなので、手法も含めて、皆さんが了解されたというぐあいに思っております。
○おときた委員 では、確認になりますが、ちょっとそう思うということなんですが、局の方から、都の方から、前回の評価方法、こうだったけれども、今回こうやってくれとか、そういった説明の、前段の説明は特段なかったように記憶されているということでしょうか。
○松浦証人 本当に記憶の範囲で、六年前ということなので、なかったように思うということで、今、答弁したいと思います。
○おときた委員 結構でございます。
では続けて松浦証人にお伺いしたいんですが、先ほどから他の委員のご質問の中でも、我々は、財価審というのは、与えられた評価条件、これを前提として審議をしていくんだというようなことを何度か述べられていると思いますが、やはり評価基準、評価条件が、ちょっと少しおかしいんじゃないかと、例えば委員が感じた場合にですね、それをおかしいのではないかと、そもそもこう、その場で発案するという権能、機能がこの財価審にはあるのかどうか。そして、その委員たちも、みんなその機能があると認識しているのかどうか、その他についてご所見を伺いたいんですが、いかがでしょうか。
○松浦証人 基本的には先ほど答弁しましたとおり、評価条件は提案局が設定するということで、財価審の委員は、それを前提という形で審議するというのが基本だと思います。
ただ私が、私がそのときの、二十三年のときのその財価審でも、評価上--不動産鑑定士の先生も、委員もいましたけれども、そういった考慮外にするという評価条件をつけているということについて、確認するぐらいのことも当然あっていいとは思います。
私も、幅広く意見を出してくださいという気持ちで会務を運営しておりましたので、それにもかかわらず、やはり、そのことについては確認的な意見すらなかったということであるので、やはり皆さんは、それについては特段疑問を持たれなかったんじゃないかというぐあいに推測いたします。
○おときた委員 詳細にありがとうございます。
ちょっと同じこと、新藤証人の方にもご確認させていただきたいんですが、その財価審が、その評価条件、与えられた評価条件について何か異論があると感じた場合に、会長を含めて委員の方々は、それに対して意見を申し立てる、そういった機能、権能があるということを認識されていたかどうか、その辺、所見をお伺いいたします。
○新藤証人 先ほど、少しそのような質問があったかと思いますが、余りにも非常識というか、不適切な条件だと思われる場合、それはいろんな各方面の方、法律的にとか、あるいは鑑定士さんの側からとか、そういう知見から見て非常に突飛な条件であるということであれば、それは自由に意見が出される状況にあったかというふうに認識しております。
○おときた委員 ありがとうございます。
お二人の会長、元会長のご証言から、必ずしも何もいえないわけではないけれども、前提条件として出されたものは基本的には尊重されるというようなことで理解をいたしました。
私からは最後に一点、これ松浦証人に、方にお伺いしたいんですが、平成二十三年三月三十一日の売買契約に向けての交渉の中で、現状引き渡しと土地鑑定評価条件の差の取り扱いについて、東京都側と東京ガス側の間で、次のような、少しこの、土地に対して疑義があるような会話がされております。
こちらの会話があったことをご存じかというか、都から報告されたかどうかだけ、多分、所見をお伺いしても難しいと思いますので、平成二十二年の十二月十五日には、区画整理施行者としては、盛り土がなされていないなどの瑕疵のある土地を引き渡すということに対して、明文化して文書を取り交わすことはできない、あるいは平成二十三年の一月三十一日には、出てくるのであれば、将来、開示等で公になったときに突っ込まれる可能性がある、ただ契約書に書くと目立つので、書かないで済むならそれがいいとも考えられる、あるいは平成二十三年二月七日には、現状と評価が違うことについて、開示のリスクも整理しながら協定書に記載していくか検討していきたい、こういった東京都側の発言が記録されていて、土地に対して少し疑義があるのではないかという印象を残すやりとりが記録されているんですが、こういった事実は、審議会の方に東京都の方から報告されていたような事実があったかどうか、そちら確認させてください。
○松浦証人 そういう報告はなかったように記憶しております。
○おときた委員 ありがとうございました。
皆様に誠実にご答弁、ご証言いただきまして、こちらをもとに私の方も引き続き真実の究明に尽力してまいりたいと思います。本日はありがとうございました。
以上です。
○桜井委員長 小松委員。
○小松委員 生活者ネットワークの小松久子と申します。
本日は、四人の証人の皆さん、ようこそおいでくださいました。ご協力いただきましてありがとうございます。最後の質問者です。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速なんですが、不動産鑑定士のお二人の証人にお伺いしたいと思いますが、土地価格の鑑定の際に、一般的にですが、仮に地下に汚染物質がある場合、あるいは埋設物がある場合とない場合と比べて、鑑定にはどのような違いがあるのでしょうか。
○川藤証人 お答えします。
まずは、そういうご依頼を受けたときには、土壌汚染等につきましては、そういう可能性があるかという基本的なチェックをいたします。それで、そういうものがあるとなると、じゃあどうするかというのは二つの方法がやっぱりございまして、それを考慮して鑑定評価に、額に反映する方法と、それと先ほどから出ております想定上の条件として考慮外にするという、二つの方法があるかと思いますが、土壌汚染を、例えば考慮してやるとなると、我々は評価の専門家ではございますが土壌汚染そのものの専門家ではございませんので、やはり専門家のサポートを得て、その内容とか費用とか、それらをお願いして、きっちりそれができ上がるという前提であればですね、それらを鑑定評価額に考慮することが可能になるかと思います。これはあくまでちょっと一般論で、今回のものとはちょっと異なるとは思いますけど。
あとは想定以上の条件を付す場合には、先ほどから申し上げている三つの条件に該当するか等を考慮して検討することになろうかと思います。
○桜井委員長 いいんですか、近藤証人は。
○小松委員 今の川藤証人のお話でわかりましたので、近藤証人、結構です。
それでは、この財価審というものが、そもそも提案局から提案された財産価格が妥当かどうかを評価、判断するという機関であって、価格をゼロから決めるという機関ではないというように、先ほど来お話がありました。
今回の、今回のって、ここで今問題にしております豊洲新市場用地の価格について審議が行われました平成二十三年三月十日の件に関しましてなんですが、これに関しましては、この審議会の議案を提案してきたのは市場かなと思いますが、ちょっと確認させていただきたいと思いますが、松浦証人。
○松浦証人 そのとおりなんですけれども、ちょっと私よくわかりませんけど、あと提案の仕方のルールがあるんですかね、主としてはそのとおりです。たしか二つの部局の名前の並列であったと思います。済みません。(小松委員「財務局でしょうか」と呼ぶ)。財務局です。はい。はい、済みません。
○小松委員 恐らく、財務局と市場との間で調整がされて、あるいは二つの部署からの提案という形になっていましたか、覚えていらっしゃいますか。
○松浦証人 それ、都の内部の話でありますので、たしか議案書の右肩上にですね、それが並列してあったというぐあいに思います。
○小松委員 この平成二十三年三月の、この審議会の当日には、現地調査に行かれたという話が先ほどありました。これは、土壌の問題が大きな、注目されている議案でもあったので、この日は一件に絞って、そして現地調査も行ったというようなお話でしたが、この一件に絞ると。そしてまた、現地の視察も行いたいということは、会長からの提案でしたか、それとも局の方からでしたか。
○松浦証人 そこもですね、事前にどちらが発案したのかということで、ひょっとすると私がやった方がいいよねといったかもしれませんし、ひょっとすると、その担当するところから審議会の担当部局からそんな話があって私が同意したのか、どちらかだと思いますけれども、いずれにしても、すぐ、私はやるべきだという即断をしました。
○小松委員 つまり、この議案に対しては、非常に大きな議案であると。重要な意味を持つという認識を持っておられたということでいいですか。
○松浦証人 土壌汚染問題というのが非常に大きくクローズアップされた中での審議でございますので、先生おっしゃるとおり、非常に大きな重要案件であるというぐあいに認識しておりました。
○小松委員 その重要な案件について審議をされた結果、全会一致で可決という結果になったわけですけれども、この評価について、現時点で、今の時点でですね、適正とお考えになりますか。
○松浦証人 今の時点といいますか、やっぱりその審議をしたときに、やっぱり議をしっかりと尽くしまして、多くのいろんな専門家が意見を出し合って、それに対してしっかりした答弁をいただいて、そのやりとりを聞いていますと、やはりそれがこう、しかも全員一致でパーフェクトだったと当時は思いました。ですから、今からそれを見てどうかというんじゃなくて、その可決評定したときは、私も各委員も十分納得した結果だと思います。
○小松委員 それでは、新藤証人にも伺いたいんですが、平成十六年と十八年一月、十八年十一月に新藤証人が会長であったときに、やはり豊洲市場、新市場用地の議案がかけられておりますけれども、このときの評定を現時点で妥当であったと、適正であったというふうにお考えになりますか。
○新藤証人 十六年というのは、ちょっと私はよくわかりませんが、その後の十八年の一月と十一月です。これにつきましては、当時、審議を尽くしたというふうに理解しております。
○小松委員 この審議会に諮られるときに、資料が添付されるものかなあというふうに思うんですが、十分な事前情報が、あるいは審議に資するような資料提供があったか覚えていらっしゃるでしょうか。
○松浦証人 この案件に限らずですね、私もいつも事務局の方に申し上げていますけれども、できる限り現地の現況がわかりやすい写真とか図面を参考資料でつけていただきたいとか、さらにいうと、いろいろな、三手法で価格を出したりしますけれども、その辺の内訳も出すようにとか、そういった形で、その審議が非常に、何といいますか、客観的に、しかも合理的に、しかもこう深く審議できるようにということはずっと心がけてきたわけで、事務局の方もそれに対して対応してくれていると思います。
さらに今回の--それで大分改善はされているんですけれども、それでも二十三年の時の議案につきましては、それでもですね、やっぱり私は現地に行って見るべきだということで、現地でつぶさにいろいろと見ることによって、審議の内容、相当深めることができたと思いますし、さらに現場を見ながらですね、現場を見るからやっぱり質問もしやすいし、それに対する質疑応答も現場でも出ていたということで、すごく効果があったというぐあいに思います。
○小松委員 石原元知事が、せんだって三月三日に記者会見を開かれて、そのときに質疑応答の中で、土地を値引きせずに買って都民に莫大な損害を与えているというようなことに対して、あの土地をあのコストで買ったのは私が決めたことではない、そのための審議会が専門家も含めて決めたと。あるいはまた、価格についても審議会をやり、答申が出ている云々というふうに述べておられまして、値段を決めたのは自分ではなくて、トータルで千八百五十九億円になるわけですけれども、この価格は専門家が決めたことなんだというような発言をされているんですが、この審議会で、先ほどもいいましたけれども、ゼロから価格を、ゼロから決めていると理解すると、それは違うという理解でいいんだと思いますが、この石原元知事の発言に対してどのように思われたか、伺ってもいいでしょうか、証人、お二人の証人。
○新藤証人 どのような議論、議論というか説明だったか、ちょっと私はわかりませんで、それは土壌汚染の対策費用をどちらが負担するかということがなしにですね、価格が適切かどうかということだけで論ずることはできないんじゃないかなというふうに、今お聞きをして感じました。
○松浦証人 提案局ゼロという話もございましたけれども、私の認識としましては、この財産価格審議会というのは、独立性を持って審議会として判断を下すということであり、私はその意味ではですね、やはり行政から出てきたものをそのままうのみというんじゃなくて、当然ながらチェックするための独立した重要な機関だというぐあいに認識しております。
○小松委員 四人の証人の皆さん、どうもありがとうございました。
これで終わりたいと思います。
○桜井委員長 ほかに発言がなければ、新藤延昭さん、松浦隆康さん、川藤等さん及び近藤克哉さんに対する尋問は終了いたします。
長時間ありがとうございました。
ご退席して結構でございます。
本日出頭を求めた証人に対する尋問は全て終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時二十二分散会
二八財主議第六四六号
平成二十九年三月十五日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 川井しげお殿
記録提出の期限延長について(依頼)
平成二十九年三月八日付二八議事第六五一号により請求のありました記録の提出について、別記の各項目については提出期限の延長をお願いいたします。
項目番号 | 記録件名 | 延長を求める箇所 | 理由 | 所管局 | 備考 |
336 | 豊洲新市場における土壌汚染対策などでの日水コンとの契約書及び契約に関する文書 | 契約書 | 契約変更手続き中であるため | 中央卸売市場 |
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