委員長 | 桜井 浩之君 |
副委員長 | 谷村 孝彦君 |
副委員長 | こいそ 明君 |
副委員長 | 酒井 大史君 |
理事 | あさの克彦君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | ほっち易隆君 |
理事 | きたしろ勝彦君 |
理事 | 立石 晴康君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
小林 健二君 | |
小松 久子君 | |
おときた駿君 | |
舟坂ちかお君 | |
野上 純子君 | |
河野ゆうき君 | |
島崎 義司君 | |
小山くにひこ君 | |
古賀 俊昭君 | |
かち佳代子君 | |
曽根はじめ君 | |
三宅 茂樹君 | |
野村 有信君 |
欠席委員 なし
委員外の出席者元東京都副知事 | 福永 正通君 |
元中央卸売市場長 | 大矢 實君 |
東京瓦斯株式会社元取締役会長 | 上原 英治君 |
東京瓦斯株式会社元取締役会長 | 市野 紀生君 |
東京瓦斯株式会社取締役会長 | 岡本 毅君 |
東京瓦斯株式会社代表取締役社長 | 広瀬 道明君 |
東京瓦斯株式会社元代表取締役副社長 | 伊藤 春野君 |
東京瓦斯株式会社元管財部開発グループマネージャー | 志水 巨宜君 |
東京瓦斯株式会社元管財部活財推進室長 | 高木 照男君 |
東京瓦斯株式会社元大規模用地プロジェクト部長 | 丸山 隆司君 |
東京ガス豊洲開発株式会社元取締役事業部長 | 柴田 理君 |
本日の会議に付した事件
議席について
付託事項の調査
豊洲市場移転問題に関する次の事項
(1)築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性
(2)東京ガス株式会社などとの交渉及び土地売買に関する経緯
(3)豊洲市場の土壌汚染対策及び豊洲市場の主な建物下に盛り土が行われなかった経緯
(4)豊洲市場建設工事における契約事務
(5)その他調査に必要な事項
証人喚問
○桜井委員長 ただいまから豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会を開会いたします。
この際、傍聴人の方々に申し上げます。
傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って静粛に傍聴願います。傍聴人は、可否を表明したり騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。委員会傍聴規則等に違反する場合には退場を命ずることがありますので、念のため申し上げておきます。ご協力よろしくお願いをいたします。
次に、議席についてお諮りいたします。
本委員会室における議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○桜井委員長 これより、豊洲市場移転問題に関する付託事項について調査を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、百条調査権に基づく付託調査事項に関する証人喚問を行います。
初めに、記録の提出について申し上げます。
去る三月一日の委員会において、知事等に対し、三月九日午後五時までに提出を求めました記録並びに去る三月八日の委員会において、知事等に対し、三月十五日午後五時までに提出を求めました記録のうち東京ガス株式会社分について、お手元配布の記録の提出一覧のとおり、議長宛てに提出がありました。
なお、請求した記録の一部について、お手元配布の提出期限延長を求める記録一覧の公文の写しのとおり、提出期限の延長について申し出がありました。
朗読は省略をいたします。
〔提出期限延長を求める記録一覧は本号末尾に掲載〕
○桜井委員長 お諮りいたします。
本申し出には正当な理由があると認め、可及的速やかに提出を求めたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
また、請求した記録のうち、お手元配布の「不存在」「一部不存在」とされた記録一覧の記録につきましては、不存在とのことであります。
本件につきましては、引き続き請求するとともに、その取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
この際、申し上げます。
提出された記録の取り扱いに当たっては十分に注意するよう、委員の皆様には注意喚起をさせていただいたところでありますが、本日、おときた委員が記録の原本の保管場所が推察される情報をSNS上にて出してしまうという事態が発生しました。また、本件とは別に、本日の新聞紙上にも非公開とされている記録の内容が掲載されてしまっております。
提出された記録の中には、個人情報や企業の機密にかかわる情報も含まれており、管理の徹底が求められており、このような事態が生じたことについて、委員長として関係者の皆様に陳謝をさせていただきます。申しわけありませんでした。
なお、委員の皆様におかれましても、今回の事態を受け、本記録の重要性を再度ご認識いただき、記録の取り扱いに際しましては万全を期すよう重ねてお願いをいたします。
○桜井委員長 これより、付託調査事項、築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性外四項目について、証人から証言を求めます。
本日の証人に対する尋問方法につきましては、お手元配布の運営要領に従い行うことを理事会で申し合わせております。ご了承願います。
本日午後一時に出頭を求めました証人は、元東京都副知事福永正通さん及び元中央卸売市場長大矢實さんの二名であります。
証人におかれましては、お忙しい中にもかかわらずご出席いただき、まことにありがとうございます。本委員会を代表して厚く御礼を申し上げるとともに、本委員会の調査のため、真相の究明のため、ご協力くださいますようお願いを申し上げます。
この際、各証人に申し上げます。
証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由がなく証言を拒んだときは、禁錮または罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご承知おきください。
それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
傍聴の方、報道関係の方も含めまして、全員ご起立願います。
〔全員起立〕
○桜井委員長 福永証人、証言席にお願いいたします。
各証人は、宣誓書を朗読後、一人ずつ氏名を述べてください。
それでは、各証人は、宣誓書を朗読してください。
〔証人福永正通君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
福永 正通
〔証人大矢實君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
大矢 實
○桜井委員長 ご着席願います。
それでは、各証人は、宣誓書に署名捺印をお願いいたします。
〔各証人、宣誓書に署名捺印〕
○桜井委員長 この際、メモ持参の件を議題といたします。
お手元配布のとおり、議長を経由して、各証人からメモの持参について許可願の申し出が提出されております。
朗読は省略いたします。
平成二十九年三月八日
証人 福永 正通
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月八日
証人 大矢 實
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
○桜井委員長 お諮りいたします。
本件は、それぞれ申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○桜井委員長 この際、お諮りいたします。
証人として福永正通さん及び大矢實さんの出頭を求めておりますが、お二方を同席の上で証言を求めることにいたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○桜井委員長 これより証人に証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
なお、こちらから尋問しているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、証言席においてご発言願います。
なお、委員各位に申し上げます。
委員におかれましては、不規則発言等、議事の進行を妨げる言動のないよう、また、証人の人権に留意されますようお願いいたします。
それでは、証人から証言を求めます。
福永証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは福永正通さんですか。
○福永証人 そうです。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○福永証人 元東京都副知事、福永正通、昭和十六年八月九日生まれです。
○桜井委員長 ご着席願います。
大矢証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは大矢實さんですか。
○大矢証人 はい。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○大矢証人 元中央卸売市場長、大矢實、昭和十七年六月九日生まれです。
○桜井委員長 ご着席願います。
それでは初めに、私の方から何点かお伺いをいたしたいと思います。
最初に、福永証人にお伺いをいたします。
あなたが副知事就任前の状況は、再整備案を中心に協議が進んでいたのと並行して、将来の立地のあり方などについても検討が始まり、都からの五つの案と東卸の案との合計六つの案が出たものの、全て不採用になったという状況であったと思います。
このような状況の中で、あなたはどのような課題を引き継ぎ事項として前任の副知事から受けたのか、お尋ねいたします。
○福永証人 前任の副知事から引き継ぎを受けた項目につきましては、ただいま委員長がお話をされたような、築地の現地再整備、これが大変難しいということから、新たな移転の先を探すという、以前の段階の状況でありました。
○桜井委員長 続いて福永証人に伺います。
平成十一年五月の就任後は、築地の市場業界から早期移転に向けての要望や、その後は、築地での現在地再整備は困難、移転整備へと方向転換すべきとの意見集約もありました。
十二年六月には、東京ガスから、築地市場の豊洲移転は基本的に受け入れがたいとの趣旨からの質問状を受けるに至りましたが、この間のプロセスで、なぜ豊洲地区の先端部が移転用地の候補地として浮上したのか、お伺いをいたします。
○福永証人 先端部を東京ガスに譲渡を求めていったというのはそのとおりでありまして、その理由といたしましては、やはり先端部を含めたあの土地の、東京ガスの用地を活用するに当たっては、市場としてふさわしい面積、そしてそれにふさわしい、水産物などを扱うということから、やはり海面と面したところという意味も含めて先端部に固執したものと、そのような形で要求をいたしたと思います。
○桜井委員長 福永証人に伺います。
その後、東京ガスとの交渉について、どのような内容を後任の濱渦副知事に引き継いだのか。その後の交渉結果を見て、あなたご自身の交渉内容とどのような違いがあったのか、お示しください。
○福永証人 私から濱渦元副知事に引き継いだ件につきましては、私が東京ガスと二度にわたって、ご挨拶も含めた交渉をいたしました。
その後の交渉は、東京ガスと私が直接お会いしたことはございませんので、五月十二日の東京ガスにお願いをした件を、そのまま先端部を含めて譲っていただきたいということまでが、私の東京ガスとの接点でありましたので、その旨を、その報告をして濱渦副知事に受け継いだということでございます。
○桜井委員長 続きまして、大矢証人にお伺いいたします。
まず、あなたは平成十一年六月一日から十三年六月三十日までの市場長在任期間、テレビインタビューで、豊洲移転は自分が決めた旨の発言をしております。それは、行政組織の議論の積み上げの上で決定したことをいっているのか、それとも、市場行政のトップとしての判断として独断で決めたことなのか。自分が決めたということの真意をお聞かせ願いたいと思います。
○大矢証人 お答えいたします。
築地市場の再整備問題というのは都庁の重要課題の一つでございまして、当時、非常に現地再整備の問題が紛糾しておりまして、それを決めるというようなことを、私が一存で決めるようなわけにはまいりません。これはご案内のとおり、開設者である知事が最終的に判断をするような事項でございまして、私に権限が委任されている状況ではないわけでございます。
しかし、市場は、ご案内のとおり十一中央市場がございますが、その十一市場の統括を担う部局として中央市場がございまして、それを統括する部局の長として、私は局長の立場でいろいろ検討--内部の会議、再整備推進協議会、あるいは検討会、業界の意向、そういうものを総合的に判断して、私は中央市場長としての、豊洲に移転することが適切であろうという判断をしたわけでございます。
○桜井委員長 引き続き大矢証人に伺います。
今から十八年前、あなたは就任して間もない石原知事に同行して築地市場を視察したわけでありますが、その際、石原知事は築地市場を、古い、狭い、危ないと表現しました。
この視察に当たって、あなたは市場行政の課題について、石原知事にどのような説明をし、それに対して石原知事はどのような反応を示したのか、お伺いいたします。
○大矢証人 平成十一年の六月から、私が中央市場長を拝命いたしましたが、その拝命をして、知事に、定期的には庁議というのが、ご案内のとおり局長会がございます。それから、個別の案件については、その都度その都度、石原知事にレクをいたします。
いろいろ市場の、特に再整備問題については知事にお話をするんですけれども、申しわけないですけど、余り知事のご理解をいただけない。よく知ってられないんじゃないかということで、とにかく、とりあえず築地市場を視察してくれというふうに申し上げましたところ、忙しくてそういう暇はないというような話を聞いたように伺っております。
しかし、何としても市場問題を重要課題の一つとして解決するには、知事にご理解を賜らなければなりませんから、何としても視察をしてもらいたいということで、日程調整をしたところが、九月の一日が防災の日でございます、ご案内のとおり。そこで、防災の日は九時から総司令官としていろいろあるけれども、その前はあいているという話ですので、市場はご案内のとおり、三時半くらいから業務を開始しますから、四時に来てくださいと申し上げたら、そんな早いのかということで、その時間を割いて九月一日に来ていただいたのを、記憶に残っております。
そこでは、まず現場を見てもらうということで、競りの現場から仲卸の現場、そういうものを私がご案内を申し上げて、非常に現地での再整備は困難であるという実態を説明をさせていただきました。
しかし、時間的に非常に短い時間でしたから、業界の方々との話し合い等もほとんど持たれず、すぐ災害対策のために移動されました。
そのときいわれたのが、先ほど委員長がおっしゃいました、古くて、狭くて、危険で、何か汚いというような話もされまして、僕はもう、ちょっと待ってくださいと申し上げたんですけれども、そういうことで報道されたように記憶しております。
その中で、とにかく、大矢、何とかしなきゃいかぬなと、早く積極的に進めてくれよと、こういう話をいただいたように記憶しております。
○桜井委員長 引き続き大矢証人に伺います。
濱渦副知事が市場担当の副知事になって約一年、平成十二年七月から十三年七月だと思います、市場長を務めたわけでありますが、この間、平成十二年十月四日以降、その水面下の交渉内容を知っているものと思いますが、その内容をこの場で明らかにしていただきたいと思います。
○大矢証人 水面下の交渉内容というふうにおっしゃいましたけれども、その水面下の交渉内容を私は正直いって承知しておりませんね。
○桜井委員長 私からの尋問は以上でございます。
次に、委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
こいそ副委員長。
○こいそ委員 都議会自民党のこいそ明でございます。福永証人、そして大矢証人に対しましての証人尋問を行わせていただきたいと思います。
福永、大矢両証人におかれましては、ご多忙のところご足労いただきまして、まことにありがとうございます。本日は、築地市場の豊洲移転問題について、在職されておられました当時の職務内容に関しまして、時系列に沿いながら、ポイントを絞って尋問させていただきたいと思います。
大矢証人は、平成十一年六月から二年間、市場長を務められました。築地市場の現在地再整備から豊洲への移転整備とかじを取られ、基本的な方向を定められた当事者と考えております。
福永証人におきましては、当時の担当責任者であったと認識をしているわけでありますが、平成十一年五月から平成十七年六月までの副知事として在職されました。
こうしたことから、お二人に順次伺ってまいりたいと思います。
まず初めに、築地の土壌汚染についてであります。
今議会の我が党議員の一般質問で、築地市場は全体に土壌汚染のおそれがあることが明らかになりました。終戦後、築地の地に進駐軍がクリーニング工場を運営していたと報道されておりますが、築地市場は昭和十年に開場されて、現在に至っております。当時、汚染の状況は承知をしておられたはずではないかと思いますが、当時はどの程度の認識であったのか。大矢証人、そして福永証人に順番にお伺いしたいと思います。
○大矢証人 築地市場の汚染の問題は、私が赴任したときには全く承知しておりません。
○福永証人 築地市場について、最近の情報のような現状、そのようなことは、その当時は私どもは存じ上げておりません。
○こいそ委員 次に、築地市場の現在地再整備を断念したことにつきましてお尋ねします。
築地市場はコンクリートやアスファルトで覆われておりますが、工事を行えばアスベストの飛散は避けられないと思います。
築地での現地再整備を断念した理由として、工事の大幅なおくれ、工事費の増加、営業活動への影響が挙げられておりますが、しかし、こうしたことは百も承知であったのではないかと思うわけであります。アスベスト対策も含めて、事前に十分検討を進めて工事に着手したはずではないかと思いますが、どうでしょうか。工事の中断時点で既に四百億円も支出していながら、再整備が困難だとして断念した理由はどういうことでしょうか。
これも大矢証人、そして福永証人の順番にお願いします。
○大矢証人 委員の先生おっしゃるとおり、私が平成十一年六月に赴任した時点では、現在地再整備ということの方針で、基本的には決まっておりました。
しかし、おっしゃるとおり、昭和六十一年に、東京都の首脳部会議で現地の再整備ということで、鈴木知事の時代に決定をして、工事に着手したのが、記録によりますと平成三年でございますが、それから私は十三年、十四年目に現地に赴任するわけですけれども、一向に進んでおりませんでした。隅田川の揚陸のための桟橋とか、東築地川の埋め立てとか、仮設市場の一部とか、搬入路の高速道路の橋桁とか完成しておりましたけれども、それらを合わせて、先生おっしゃるように、四百億円弱を使っておりました。
しかしそれは、先生おっしゃったように、あそこはアスベストスレートを使ったりアスベストを吹きかけておりまして、いわゆる工事をするに当たっては、そのアスベストが飛散をするということの問題、それから、そういう中で、開放型の市場でございますから、粉じんが飛び交う、閉鎖をしてもどうしても限界があると。そしてまた、ローリング方式といいまして、ご案内のとおり、あそこは二十三ヘクタールという狭い敷地でございます。そこで、六区画、七区画に分けてローリングで工事をやるということで、これから始めてもさらに二十年以上の工期がかかる。
そういう状況の中で、予算も、当時はたしか二千三百億円の予算でございましたが、さらに三千億円くらいかかるというふうな話もございまして、これでは絶対だめだということで、それから、何はさておき、業界がそういう計画に賛成をしてくれません。業界が賛成をしなければ、あそこでの工事は、まず協力くれなければできないというのが、前提がございます。
そこで、築地市場の中に、築地再整備推進協議会という業界団体と東京都の団体で協議をする協議機関がございまして、そこで何回も諮りましたけれども、合意を得られずに、工事も再開できないと、そういう状況に至りまして、じゃあ移転整備も一つの案であろうということで議論になっていったというふうに記憶してございます。
○福永証人 私が副知事に就任した当時は、ただいま大矢証人が申し述べたような状況を聞き知るという状況でありました。
○こいそ委員 次に、現在地再整備から豊洲への移転について意見集約、今、お話もございましたけれども、その意見集約がどのようになされていたのか、伺いたいというふうに思います。
築地市場に関する経緯をもう一度確認したいと思いますが、昭和六十一年一月、東京都首脳部会議で築地市場の現在地再整備を決定しました。平成三年一月、築地市場現地再整備に着手。平成八年十一月、営業活動等への影響等により工事中断、基本計画見直し決定。平成九年十月、都と築地市場の業界で構成する築地市場再整備推進協議会で見直し案の検討開始。平成十年四月、業界団体から臨海部移転可能性の調査要望書提出。平成十年八月、三菱総研に調査を委託。平成十一年二月、同協議会で複数の再整備案を検討。平成十一年十一月、同協議会で現在地再整備は困難、移転整備の方向転換すべきとの意見集約という経緯があったと思います。
つまり、当初は現在地再整備への方針を決定し、実際に工事に着手しながら、移転へと方向が変わり、平成十年四月に業界団体から、臨海部移転可能性の調査検討要望書が提出され、平成十一年十一月に都と築地の業界で組織する協議会で意見集約がなされています。
移転することは都の判断だけではなくて、業界の要望もあり、そのことを考慮したものであるという見解でもよろしいのでしょうか。大矢証人にお聞きします。
○大矢証人 市場の運営というのは、ご案内のとおり、中央市場というのは一般都民を相手にした業務をやるところではございません。業界が、水産物でいえば、大卸、仲卸、買参、小売と、こういう流れの中で生鮮食料品を扱うわけでございますね。
したがいまして、東京都はそれの状況を設定するといいますか、場所と建物、器具、冷蔵庫とか、そういうものを貸して、業界がいかにうまく市場業務ができるかという条件設定をする場所でございます。
したがいまして、業界が、今はやりの言葉でいえば、業界ファースト的なところがございまして、我々はそれにそういう条件を設定する役割を持っております。先生さっき経過を申されて、まさにそのとおりでございまして、そういう中で、実際に、築地市場というのはご案内のとおり、仲卸とかそういうところに卸していきますけれども、関東地区の市場の大市場といいますか、首都圏の基幹市場でございまして、市場に提供するのもあそこでさばくという状況がございます。
そういう中で、市場の将来、関東一円の市場といってもいいと思いますね、三千万首都圏の人口の生鮮食料提供市場でございます。そういう基幹市場が将来にわたってどうやってその機能を維持していくかということを考えるときに、ああいう、私が赴任して、つくられてから六十五年も経過して、もう朽ち果てようとするような中で、いろいろな問題が出てまいります。そういう中で、これからどうするかということを考えれば、どうしても現地でできないなら移転しかないということも、業界の方も気づかれまして、業界の方の要望も再整備推進協議会で出てきたわけでございます。
そういう中で、移転整備を中心に考えていこうという意見集約をしたという経緯でございます。
○こいそ委員 さて、前任の市場長であります宮城哲夫氏から大矢市場長に引き継ぎされたわけでありますけれども、大矢証人にまたお伺いをさせていただきますが、工事の中断、現在地再整備断念の理由の一つとして、営業への影響を挙げられております。
市場業界への説明と合意形成、工事の内容、検討なども含めて、前任の宮城氏から引き継ぎを受けた際に、築地で既に経費を投入しながら断念せざるを得なかった、その理由ですね、再整備は困難とされた理由は何だと聞いておられますでしょうか。
○大矢証人 前任の宮城市場長からの引き継ぎは、余りそういう具体的な説明はなかったように記憶してございますが、ただ、この問題は非常に難しい問題だから慎重に扱うようにというふうな引き継ぎは受けたように記憶してございます。
○こいそ委員 大矢証人に伺いますが、最近、築地の土壌汚染への懸念がクローズアップされています。改めて確認いたしたいと思いますが、現地再整備に際し、当時、土壌汚染対策はどのように考えられておられたのか。また、アスベスト問題、これにつきましてどのように対応していくつもりだったのか、このあたりお願いします。
○大矢証人 お答えいたします。
豊洲に移転をするということで、豊洲を購入交渉をするに当たっては、私はいろいろな条件があると。一つは、基本計画でいう四十ヘクタール以上の用地が必要であると。二つ目は、仮に豊洲に四十ヘクタールを求めれば、予算は間に合うのかどうか。三つ目は、豊洲というところが、交通利便性は--市場というのはもう人が、築地は今はどうか、当時五万人くらいの人が一日に集まるような地域でございますから、買い出し人を入れましてですね--交通至便であることが条件である。駐車場が確保できる状況である。それから、都市計画上、住宅地の周辺地域で、揚陸、海からの水産物の荷揚げもできるかどうかと。そういういろいろな条件が必要でございます。
そういう中で、土壌汚染問題というのは実は後から出てきた問題でございまして、とりあえずそういう条件を満たして、東京ガスが地権者ですから、東京ガスに売っていただけるかどうかというのが第一目標でございまして、そのことを判断するに当たって、いろいろ部内でも会議を開いて協議をした結果、それらがみんな満たせるということによって、私は東ガスと交渉したわけで、その中に土壌汚染問題が確かにございました。
あそこはご案内のとおり、コークス工場でございますから、地下が汚染されていることは概念的には知っておりまして、ベンゼンが出るらしいよという話も聞きまして、部下に、ベンゼンが出るけど、それは市場の開設に支障はないのか調べてこいという指示をしまして、それは、いや、大丈夫ですと。東ガスだって、豊・晴計画というのがございまして、あそこの先端部に、特にホテルとか業務ビルとか、あるいはマンションをつくる計画になっておりますし、そんなに大きな問題ではないと思いますよという話がありまして、思いますじゃだめだと、確証をつかんでこいという指示をしまして、専門家の話を聞いて、いや、ベンゼンが出ても覆いかぶせるから大丈夫ですと、こういう話がございまして、条件が満たされたということで、豊洲市場の移転計画を推進するための東ガスとの買収交渉に入った次第でございます。
○こいそ委員 また大矢証人に伺います。
都と東京ガスとの打ち合わせメモによれば、平成十年九月二十一日に、東京都は豊洲の調査についての説明と挨拶に東京ガスに赴いておりますが、前任者からの引き継ぎを受けた際、既に豊洲市場は既定の路線であったのか、あるいは既定路線ではなかったのか。すなわち、築地からの移転についてはまだ複数の候補地を検討している段階だったのでしょうか。
○大矢証人 私が前任の市場長から引き継ぎを受けた段階では、まだ現在地再整備という色が強くて、移転の話も確かに平成十年にあったということは聞いておりましたが、移転をするというふうな状況では、移転を中心に協議をするという状況ではございませんでした。
○こいそ委員 既定の路線ではないということですね。平成十年十一月の宮城市場長から東京ガス宛ての書面の中には、三菱総合研究所に委託して調査を開始しました、豊洲地区への市場移転の可能性及び移転立地した場合の問題点を検討するためとの文言はありますが、まだ複数の候補地を検討する段階であったということでしょうか。
そしてまた、他の候補地について改めて確認しますが、どのような理由で豊洲を新市場の移転先と決めたのか、これをお伺いしたいと思います。
○大矢証人 段階的に申しますと、現在地で再整備がいろいろなことでできないという状況になりまして、移転の方向も検討しようと。その平成十年の三菱総研の調査依頼は、その移転先の一つとして調査したやに聞いております。
とにかく、私が六月一日に赴任して、市場移転整備の問題を重要課題として再整備推進協議会を開いて、段階的に行きますと、まず現地再整備の、先ほど委員がおっしゃったように、五案、六案ございました。A、B、C、D、Eと仲卸案。それらを議論してもどれもできないということで、これはもう移転整備の方向で検討せざるを得ないということになって、だんだんなっていくわけです。
なっていって、その中で、候補地としては四カ所か五カ所ございました。それは、例えば晴海であるとか、有明北であるとか、石川播磨の根っこの部分とか、中央防波堤内側処分場跡地であるとかございましたが、最終的に、先ほど申しました市場の用地として、可能性の議論でつぶしていきますと、晴海と豊洲と有明北地区、このくらいになりまして、そうしてこれらをチェックしていきますと、晴海はもうご案内のとおり清掃工場が建っており、根っこの部分は開発が完了しております。したがって、残りの用地というのは二十ヘクタールに満たない状況でございました。
それから、有明北も、これも臨海開発計画によって構成されておりますし、道路が通る、あそこは環状二号線、放射三四号線、補助三一五号線というのが通りますから、分断されて、用地的にももう四十ヘクタールは確保できない、そういう状況でございまして、そうすると、残されたところは豊洲でございます。
豊洲は、当時まだ更地でございまして、四十ヘクタールも、全体はたしか百ヘクタールくらいあったように記憶しております。
何せ、そういう状況の中で、東ガスが主要な地権者でございまして、そこが用地として満たされる。それは、まず一つは面積的に満たされる。四十ヘクタールを買うだけの予算を市場で何とかできる。三つ目は、築地ブランドといわれるブランドを維持した、比較的近い、あるいは二キロくらい先にある、近いということ。それから、交通の要衝としての場所でもある。それから、海から揚げる水産物もございますから、そういう波止場もできるということ。
それやこれや考え、そしてまた汚染問題も、先ほど申し上げましたが、封じ込められるという条件がございまして、これはもう残されたのは豊洲しかないと。築地でやれないなら豊洲しかないと、こういう判断をしたわけでございます。
○こいそ委員 東京都は、築地での現地再整備工事を中断して、最終的には断念するわけでありますけれども、先ほどお聞きしたように、業界との間で議論を重ねて、移転候補地を検討するようになるわけであります。
大矢証人にお聞きしますが、移転候補地は、市場として備えるべき要件がそろっていることが不可欠と思いますが、築地市場の移転先と備えるべき要件はどのようなものがあったんでしょうか。
ちょっと時間的に、あわせて次に進みます。
次に、移転先として--よろしいでしょうか。--移転先として豊洲を選定した経緯、合理性と、当時の知事、石原知事への報告について伺いたいと思います。この点をまず聞かせてください。前段のことをあわせましても、特にここのあたりをお願いします。
○大矢証人 築地市場再整備推進協議会も、移転の方向でこれから進もうということで意見集約をしまして、それで具体的に豊洲という意見が出て、業界も豊洲ということで意見を一致しました。したがいまして、その時点で知事に執務報告として、私の方から上げました。
知事は、何回か私の説明を聞いておられますから、そうかねと、豊洲しかないかねというような話でございまして、先ほど申し上げましたような、築地と豊洲の比較対照表も持ってきまして、るる説明をいたしまして、最終的にはそれでいこうということで、東ガス交渉を積極的に展開をいたしました。
○こいそ委員 大矢証人は、平成十一年十一月三十日、東京ガスとの交渉において、築地市場は移転するしかない、四十ヘクタールの用地について候補地を挙げて検討した中で、豊洲が条件にかなうと発言していますね。これからすると、平成十一年十一月ごろには、候補地が豊洲に絞り込まれたと考えるところです。
また、濱渦氏は、週刊誌のインタビューで、候補地として他に四カ所検討したと述べておられます。さらに、豊洲用地に関する住民訴訟の裁判における陳述書において、元都職員の、現在、築地市場の水産物卸売業者協会顧問の小山利夫氏は、大井ふ頭も候補地の一つとして検討していたといわれています。
そこで、移転候補地からどのように検討して、またどのような検討結果から豊洲に絞り込まれたのか、大矢証人に伺います。
○大矢証人 確かに大井ふ頭というのも、最初の段階で候補の一つに上っていたのは記憶してございますが、もう大井ふ頭というのはご案内のとおり、大田市場に近いわけですね、商圏が重なるという問題。それから、あの地区では四十ヘクタールを確保するのが、当時もう難しくなっておりました。
そういうことで、まず第一段階で候補から落ちたように記憶しております。何せ十七、八年前の話ですから、私も正確な記憶がございませんので、ご容赦いただきたいと思います。
○こいそ委員 さらに大矢証人にお聞きしますが、冒頭の委員長総括質問にありましたけれども、本年二月十四日、マスメディアの取材に対して、豊洲に移転するしかない、最初は私が決めたと。私が判断して、副知事や知事に上げて、知事の決裁をもらったと述べられておられます。
そこで、石原知事に、いつ、どのように説明して豊洲移転の了承を得たのか、教えてください。
○大矢証人 知事への説明は、結構、月に一回は報告、知事レクで私は伺って説明をしました。特に築地をご視察になってからは、理解が早かったように記憶しております。
最初は、移転整備の方向で展開をしていますよと。次の段階で、候補地はこうこうこうありますよと。最後の段階で、豊洲しかないですよという話で、それはもちろん、例の比較表を提出して、候補地を挙げて比較表をつくりまして、それで説明をし、そして最終的に知事も、そうか、豊洲しかないかと、こういう話で了解されたというふうに理解しております。
○こいそ委員 大矢証人の、いわゆる知事に対しての報告に対して、当時の石原知事の反応はどうだったんでしょうか。もう一度お聞かせ--また、知事はどのようなそのとき発言をされていたのか、お願いします。
○大矢証人 時期的には、たしか私が平成十一年の六月に赴任をしまして、その年の十月か十一月ごろに、知事に豊洲しかないという話をして、豊洲かと、こういう話をされたように覚えていますね。それで、知事は、この問題は大変なんだなという、常に、もう大変だということをご認識をされていたようですね。
それで、問題は、東ガスが売ってくれるかなという話をされたように記憶していますね。それは、もうとにかく粘り強く説明をして、東ガスのご理解を得るしかないと。というのは、東ガスが、私が赴任する前々年くらいに、豊・晴計画という臨海計画がございまして、東京都を入れた六者協議で、あそこに新しい豊洲島の再開発計画を確定しておりましたから、そういう状況の中で、市場の移転問題が急に浮上したものですから、東ガスは非常に消極的というか、最初はもう門前払いに近い仕打ちを受けたように私は記憶してございます。
○こいそ委員 当時の石原知事の反応、今お聞きしましたけれども、豊洲しかないのではないかということだったんですね。そういうような知事の反応、発言によって、豊洲に決定したと理解してよろしいでしょうか。
○大矢証人 知事は、ですから、豊洲島かということで熟慮されていましたね。そして、そのころはもう濱渦副知事が私の担当副知事でございまして、濱渦さんと私と東ガスの副社長にお会いしまして、そこで、豊洲島を築地市場の代替地として再整備地区にしたいから協力してもらいたいということを申し入れました。
そうしたら、東ガスは、東京都の要請であるから協力はしますけれども、先端部はだめですよという話がございました。
その第一回目はそういう形で、私と副知事と帰りましたが、その後また、何回かの後に、東ガスに参りまして、ぜひともという話をしましたら、濱渦さんと私と、あと何人かで行きましたら、東京ガスも公共事業をやっておりますと、築地市場の行く先がなくて、どうしても将来の都民の食料品を確保できるところがないということであるならば、そういう公共事業には協力いたしましょうということで、ほぼ先端部を含めた市場の移転先としての了解をいただいたように記憶しております。
それで、それが知事に、副知事から上がって、私と副知事で最終決断をいただくことになるわけでございます。
○こいそ委員 最終決断を知事からもらったということですね。--知事から最終決断をもらったということがわかりました。
豊洲はガスの工場跡地であり、土壌汚染の問題があることは素人でもすぐに理解できます。
平成十一年十一月三十日訪問の際、東京ガスからも、先端部は土壌汚染の問題があると指摘されています。豊洲を候補地に絞るに当たって、土壌汚染対策はどのように検討したのでしょうか。何を基準に、どのような汚染対策をするものと考えたのでしょうか。対策費用、費用の負担者についても、どの程度具体的に検討したのか、また、その結論はどうだったのでしょうか。
これを聞きたいのですが、それとともに、豊洲はガス工場であり、土壌汚染があることはわかっていながら、なぜ候補地として決めたのか、再度説明していただきたいと思います。これはあわせて、福永証人にもお願いします。
○大矢証人 豊洲の土壌汚染の問題というのは、私が再整備推進協議会で移転の議論をして、それが次の何段階後、移転の検討ありきという状況に再整備推進協議会で決まった段階で、さあこれから、じゃあ地権者である東京ガスに土地を売ってもらえるかどうかと、この折衝に入るか入らないかのときに、ベンゼンが出るという話がうわさで出まして、そこで、ベンゼン対策をどうするかということで、部下に調査をさせて、部下に調べさせて、専門家の意見も聞いて、ベンゼンは覆い隠せれば十分対応可能ですという判断をしたわけです。
したがって、その当時は、今報道されている何百億を使うとかという、そういうことまでは、申しわけないですけど、私の段階で考える余地はございませんでした。
○福永証人 私が、この土壌の問題につきましては、平成十二年の六月の二日に、東ガスから文章でいろいろな質問を、文章でいただきました。
そのお答えをする中に、一つのご質問の中に、土壌の問題がありますがご存じですかということでありまして、そのときのお答えといたしまして、具体的に土壌の問題につきましては、しっかりと土地をお譲りいただいた後、具体的な対応を図ってまいりますということでお答えいたしておりますので、具体的に土壌をどのような形でするかということにつきましては、その時点では検討しておりませんでした。
○こいそ委員 対策について、具体的にどこまで対策をすべきものと考えたのか、また、豊洲は土壌汚染が存在することがわかっていながら、なぜ候補地として決めたのかということは非常に疑問に残るところでありますが、少なくとも、私はもう時間が来ておりまして、私からの尋問はこれで終わりたいと思いますけれども、限られた時間の中で、幾つかの事項を整理、確認できたと考えています。
築地での現在地再整備の困難性、また、立地、敷地規模などから見た複数候補地の中での豊洲の優位性、これらは、これまでの都議会の議論の中でも出ておりましたが、最も重要なことは、豊洲移転の判断については、石原知事に報告し、石原知事が決定したということですね。つまり、石原知事在職時に、都としての意思決定がなされたということが明らかになったというふうに思います。
今後、引き続きまして、この点も踏まえ、調査、確認及び質疑を重ね、事実関係を究明してまいりますが、次の質問者に交代させていただきたいと思います。
○桜井委員長 委員の皆様に申し上げます。
尋問するに際しましては、証人を特定した上で尋問していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
島崎委員。
○島崎委員 自民党の島崎義司でございます。
本日は、福永元副知事、そして大矢元市場長、ご足労をいただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、自民党としての残りの質問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず、ただいまの、こいそ議員からの売買交渉の引き続きでございまして、東京ガスの態度の変化、突然、福永副知事から濱渦副知事にかわって、東京ガスの方は態度が突然変化をされたわけでございますけれども、そのときの市場長は、大矢市場長というふうに承知をいたしております。
その交渉について、大矢元市場長証人にお伺いをしていきたいというふうに思っております。
東京ガスは当初、難色を示していたというのは、ただいまお話があったわけでございますけれども、それにもかかわらず、平成十二年十月四日、濱渦副知事が大矢市場長らと東京ガスを訪問して、濱渦副知事が、むちゃな話だと思うが一千二百万都民の台所への協力をお願いしたいなどと再度の要請をしたところ、東ガスは、基本的には協力すると。今までの態度とは異なり、先端部の譲渡を基本的に応諾するという態度に変わっております。東京ガスがこのように態度を変えた理由は何だったのでしょうか。
○大矢証人 それは、再整備推進協議会というので、業界も、六団体のうち、最後の一団体はどうしても反対でしたけれども、大体の団体が移転整備の方向で行こうというふうになった段階から、もう豊洲しかないというふうに私は判断をし、築地市場の役割というのを、るる東ガスの幹部に説明をして、もう行くところがないと、もう正直いいまして、候補地も全部挙げて、これはこれでだめなんですよと、だから、残されたのは豊洲市場だけですと、何とかご理解をいただきたいと、こういうことを、それは本当に十回に余りあるくらい説明をしていったわけです。
そういう中で、段階がありまして、部長会、課長会いろいろあって、最終的には私のところに来るわけですけれども、私もかなりの数、東ガス本社に出向いた記憶がございます。
その説明をご理解いただいて、公共事業である築地市場の行政に協力をすると、こういう判断をいただいたというふうに私は理解をしております。
○島崎委員 そうしますと、東京ガス側では、公共性の観点から応じざるを得ないというところまで、頼み込んで頼み込んで、それを理解していただいて、応じざるを得ない状況になったというふうなことでしょうか。
それで、先ほど水面下のお話があったんですけれども--委員長からですね、これについて、その内容については知らないと大矢証人は先ほどおっしゃっていたんですけれども、平成十二年十月四日の訪問記録などを読んでも、この当時は、濱渦副知事とご同行をされていらっしゃいましたので、その辺、水面下でどんな話がされていたのかというのはご承知なんじゃないかなというふうに思うんですけれども、その辺はどういう、濱渦、当時の副知事とやりとりをしていたのか、そこを教えてください。
○大矢証人 水面下ということは、私の記憶では、東ガスの当時の役員から話が出たように記憶しております。それはどういうことかと申し上げますと、あの十月の時点で覚書を交換するわけですけれども、その前の話し合いの中で、細かいこと、例えば豊洲島を、豊洲を東京都が買うにしても、どの区画を買うとか金額は幾らにするとか、例えばあそこは区画整理事業としての都市計画ですから開発分担金をどうするとか、金額を幾らくらいにするとかという、そういう細かいことはトップ同士で話すような状況ではまだないわけですね。
とにかく売ってくれないかと。売るか売らないかということが第一目標でございまして、そのことの中で、水面下というと何か、週刊誌じゃないですけれども、密約のようにいわれますけど、そうじゃないと僕は思います。水面下というのは、具体的な、先ほど申し上げました具体的な話は、部長級の交渉の中で進めようというような話だと思いますね。
したがいまして私は、その水面下の話は、先ほど東ガスが最初いわれて、濱渦副知事もいわれたというふうに僕も聞いておりますけれども、その中身については、正直申し上げて承知しておりません。
○島崎委員 東京ガスとしては、基本的には応諾するとしたものの、経営判断を行うに足りる状況が示されていないといたしまして、売買については、会社として経営判断する上で条件面について示してほしいというふうに申し入れ、濱渦副知事は、そのことは水面下でやりましょうと応じております。
今おっしゃったように、水面下というと、何か後ろめたいことがあったように受け取られかねないわけでございますけれども、この水面下といった意味について、どのようなことだったのか、また、なぜ水面下で交渉する必要があったのかをもう少し詳しく、大矢証人の知り得る限りでお答えいただければと思います。
○大矢証人 確かに、私も水面下という言葉を中央卸売市場審議会でいったというふうに記録に残っているようでございますが、それは私の認識としては、先ほど申し上げましたように、具体的に売買交渉するに当たって、どの区画を、どこを何ヘクタール、どれだけの金額で、それから、新しいまちづくりの中での開発分担金をどうするかとか、じゃあ都市計画決定をどういう手続で改定をするかというようなこと、そういう具体的な事項を決めるという意味での、そういう細かいことを水面下というふうに表現されたように覚えておりますし、その中身については先ほどから申し上げ、私は承知しておりません。
○島崎委員 最初に東京ガス側が、その水面下という言葉を使ったと、先ほど大矢証人はいわれたと思うんですけれども、東京ガス側の事情としては、既に事業計画については株主にも説明をしていましたので、それに反することを交渉として進めているということを公にすることははばかられると、こういったことが理由だったのかどうか、都側の事情とあわせて、その辺どのようにお考えだったんでしょうか、当時は。
○桜井委員長 大矢証人でよろしいんですか。
〔島崎委員「ええ」と呼ぶ〕
○大矢証人 先ほどから申し上げましておるように、私は水面下の交渉がどういう中身であったとか、どういうふうに展開したかというのは、本当に申しわけありませんけど、承知しておりません。
○島崎委員 それでは、この面談の後、濱渦副知事から、株主に損をさせない仕組みづくりを考えることという指示が出されております。この指示は、東京都の利益よりも、東京ガスの利益を優先しろという趣旨か、あるいは東京ガスのそれまでの開発計画を断念させるのであるから、売買契約の締結に当たっては、東京ガスとしても株主の理解が得られるようにすることが必要であるという観点を考慮しろという指示だったのか、また、このような指示を受けて、何か東京ガスに有利となるような具体的な仕組みが決められたのか、つくられたのか、こういったことはあるんでしょうか。
○大矢証人 濱渦さんと私と行って、東ガスと、たしか副社長と交渉だったと思いますけれども、その中でそういう具体的な濱渦副知事が指示をしたということも私は余り覚えておりませんね。
それから、もちろん、東ガスとの売買交渉でございますから、これはご案内のとおり、財産というのは東京都は勝手に決めることができない。財産価格審議会というのがございまして、そこで適正な評価を受けて金額も決定をするという形になってございまして、勝手に東ガスに利便を図るとか、あるいはどうだというようなことはできないような仕組みになってございます。中身については、先ほどから申し上げましております。承知しておりません。
○島崎委員 先ほど申し上げましたように、平成十二年十月の四日の東京ガス訪問の際に、るる、あちらの担当の役員の方と、そして副知事とそういった交渉を一緒にお聞き、同席されていたというふうに、そのメモには、メモというか交渉記録には書いてあるんですが、その一番最後のところには、株主には損をさせない仕組みづくりをすることということが、副知事からの指示として書いてあるんですね。この内容についてお聞きしたわけでございます。それが、東京ガスを過度に、過度にというか有利な条件をつけるようにという指示だったのかどうかという、その辺が覚えていないわけでしょうか、もう一度お願いします。
○大矢証人 申しわけないですけれどもね、そのときの副知事の指示に、そういう中身の話があったということも、私は記憶にございませんね。ただ、東ガスとの関係は、とにかく慎重にという話は、副知事もされておりましたね。だから、気配り、目配りはしたつもりですけれどもね。申しわけありません、記憶にございません。
○島崎委員 大変申しわけございませんが、この交渉記録に沿って、私、質問をさせていただいておりまして、ちょっと名前をいう--名前というか、誰がどういう発言をしたかというのは控えさせていただくんですけれども、ただ最後に、副知事からの指示というのは、これは東京ガスにするものじゃないですよね、部下にするものですよね。その部下の筆頭が、当時、このときは大矢市場長だったというふうに思うんですね。
で、その副知事からの指示には、株主には損をさせない仕組みづくりをすること、役員には市場移転によるプラスイメージを与えること、東京都からのお願いにより東京ガスとしては公共事業には協力するという社是に沿って市場移転を受け入れるという格好をとることと、こういった指示がされたと思うんですね。
これについての見解、どういうふうな仕組みづくりを当時したのかというのをお聞きしているんですが、覚えていないということでございましょうか、もう一回お願いします。
○大矢証人 それも、正直いって記憶にございませんね。具体的に、副知事が私に指示をしたというふうに記録に残っているんですか。ちょっと私、正直いって記憶にございません。
○島崎委員 記憶にないことを押し問答してもしようがないと思いますので、先に進みたいと思います。
ただ、交渉記録の一番最後にはそのように書かれていると。これは誰がどう見ても市場長に指示をしたというふうに読み取れるので、その内容をお聞きしたわけでございます。
それでは、濱渦副知事は、「サンデー毎日」二〇一七年三月五日号でのインタビューで、東京ガスは自身の予算で護岸工事を約一千億円かけて実施していたが、それを都が引き受けて、かわりに汚染対策は全て東京ガスが行うという費用負担をして、土地の売買契約を結ぶという提案をしたところ、東京ガスが受け入れたと話されております。
事実経過を見ると、平成六年四月、都議会において港湾局が、埋立事業会計で整備という方向であったが困難となったので、臨港地区指定解除で開発利益が生じるので、開発者負担を導入して整備する方向に変えたと答弁されているんですね。
その後、平成九年九月に、豊洲地区開発整備に関する基本了解が締結をされておりまして、開発者負担として、護岸整備費用六百億円の二分の一の負担を東京ガスが合意しているという経過があるんでありますけれども、これについては、平成十三年二月の覚書、その後の同年七月の基本合意で、防潮護岸工事の整備費用は土地区画整理事業の事業費から除外し、開発者負担金については、負担の仕組みを見直すとされたわけであります。
つまり、防潮護岸整備であるので、本来であれば、都が防災工事、公共工事の一環として負担をすべきものであったところを、都で全額費用を負担することが困難であったため、開発者負担という考えを持ち出して、平成九年に東京ガスに負担させたけれども、豊洲地区の先端部を市場用地として取得するに当たっては、都の負担という原則論に立ち戻ったのかなというふうに思っているわけでございますけれども、そういう認識でよろしいでしょうか。
○大矢証人 それは、基本合意や--基本合意も、あれ僕が在任中になされていないですね。よく見ていただきますと、十三年の七月の時点だと思う、僕は十三年の六月末まで市場長を務めました。
それと、覚書の段階で、護岸の問題、汚染処理の問題等は、私と一緒に副知事と行った時点で問題にはなっておりません。
○島崎委員 要するに、本来もともと、そもそもは、護岸工事というのは東京都がやるものだと港湾局がずっと答えているんですね。だけれども、あそこを開発するに当たって開発者利益が生じるので、開発者も防潮護岸工事については負担してくださいよと、こういう流れになったのかなというふうに思うんですね。
ただ、そのときにはまだ基本合意がされておりませんので、そういうことは正式には決まっていなかったわけですね。その後に一回東京ガスに、決まっていないのにこういう方針ですよと伝えて、伝えることによって後々の交渉を東京都側がうまく運んで、そして、結果的には東京都が護岸工事をやられたわけですよね。
だから、その交渉の道具としてこれは使われたのかなというふうに思っているんですけれども、その辺はどのように感じているでしょうか。
○大矢証人 交渉の道具に使ったということは私はないと思いますね。私は、まずその案件に関して関知をしておりません。したがいまして、それが交渉の道具になったというふうには私は思いませんね。
○島崎委員 それでは、そもそも、基本合意ではそういうふうに開発者負担ということでなったわけですが、そもそも、開発者負担が生じるような開発をするときには、東京ガスが護岸工事をやるべきだという認識だったんですか。
○大矢証人 開発負担の問題は、一般ルールによって、埋立地における護岸工事は、その地権者及び東京都で協議をしてやるというのが一般的な論理だと思いますよ。だから、その--だけど、私はこの問題に関しては一切タッチをしておりません。
○島崎委員 じゃあずばり聞きますけれども、このことによって、不当な利益を東京ガスに与えたという認識はありますか。
○大矢証人 その後の、私が退任をした後、いろいろな契約がなされたというふうに私も聞いておりますが、東京都が東ガスに不当な利益を与えたというふうな認識は私は持っておりません。私も関知をしてないし、そういう認識は持っておりません。
また、その中身について詳細に私は知りませんから、それを評価する立場にはないということでご了解いただきたいと思います。
○島崎委員 それでは、時間もなくなってきましたので、最後に、現在の認識について、福永証人、そして大矢証人にお聞きしたいと思います。
先ほどもお話がありましたが、今回、豊洲の地下水モニタリング井戸の一部で、環境基準を超えたことが問題視されておりますけれども--先般来ですね、環境基準はあくまでも人間が摂取する際などの基準でありまして、専門家会議でも、これらの地下水は飲むわけでもなく、人間や食料品が触れるわけでもないということは繰り返し述べられておりまして、問題は生じないというふうにしております。
一方、過日の報道では、東京都建設局が、築地市場を通る環状二号線工事に向けた用地の履歴調査で、築地について、土壌汚染のおそれがあると昨年三月二十五日、都環境局に報告書を提出していたことが、今ごろになって公表をされました。
こいそ明議員が冒頭話されたように、築地敷地内に、戦後、米軍のクリーニング工場が設けられて溶剤などが大量に使用されていたことなどが、土地履歴問題がクローズアップをされ、築地の安全性にも注目が集まっているところなのは、ご承知のとおりだというふうに思います。
両市場の安全性については、冷静な議論が求められているというふうに思っておりますけれども、当時、豊洲移転を判断したことについて、今どのように考えているのか。福永証人、大矢証人、お二人にご見解をお伺いしたいと思います。
○福永証人 やはり築地から豊洲へということで、大きな動きの中で今日に至っているわけでありまして、現在の認識といたしましては、やはり新しい豊洲の、科学的に、これが市場として開設する後、補強をすることもあり得るかもしれませんが、科学的に安全だということであれば、これを速やかに、そこで市場を開設するということを願うという気持ちであります。
○大矢証人 市場の大きな要素の一つに、安全・安心というのは、これは絶対の要件としてあることはもちろん承知しておりますし、それから、豊洲に移転をするという決定をしたことは間違ってはいなかったと思います。
だけれども、現実の問題として、ああいう何ポイントかで基準値をオーバーする有害物質が出るということは、これは当然のことながら、日本の科学技術をもってして封じ込めるという手段を講じれば、十分豊洲市場は機能をしていくというふうに思いますし、また、業界の方々の意見も、私はいろいろ入ってきますけれども、ぜひ豊洲に移動したいという意見の方が大勢ではなかろうかというふうに私は理解しております。
○島崎委員 以上です。ありがとうございました。
○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
午後二時二十二分休憩
午後二時三十六分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
本日三月十一日で、東日本大震災の発生から六年がたちました。
震災で亡くなられた方々に対し、改めて哀悼の意を表するとともに、ご冥福をお祈りするため、黙祷をささげたいと思います。
皆さん、ご起立願います。
黙祷。
〔全員起立、黙祷〕
○桜井委員長 黙祷を終わります。ご着席願います。
○桜井委員長 引き続き証人から証言を求めます。
上野理事。
○上野委員 私は、都議会公明党の上野和彦でございます。
福永証人、大矢証人におかれましては、本日お越しいただきまして、まことにありがとうございます。
福永証人、大矢証人は、豊洲移転が正式に決まった平成十三年以前に東京ガスとの交渉を担当されていらっしゃいました。今、都民、国民の皆様の最大の疑問になっているのは、なぜ築地市場の移転先を土壌汚染のある豊洲に決めたのか、さらに、当初は売る気はないといっていた東京ガスが、濱渦元副知事であります、その副知事が登場して、まさに先ほどから話がありました水面下交渉によって一転して売ると変わった。この水面下交渉で一体何があったのか、これをこれから明らかにしていきたいなと思います。
初めに、大矢証人にお伺いしたいと思います。
冒頭、委員長からもあったように、大矢氏は濱渦氏による水面下交渉の間、市場長を務めていらっしゃいました。水面下交渉の中身、これを知っている限り全て明らかにしてほしいと思っております。
質問に入りますが、ことし二月のテレビ番組で、大矢氏はこのように発言されております。
土地購入が最大の課題で、汚染について具体的な話はしていなかった。土壌汚染の話をしていないということは、でも私はあり得ないと思っております。先ほどのいろんな答弁からもそう思いました。
実際、土壌汚染対策は重要なテーマだったのではないですか。どうでしょうか。
○大矢証人 先ほど来から申し上げておりますように、まず豊洲を移転先候補地としてほぼ確定した段階で、これを確保できるかどうかというのは、地権者が、東ガスがほとんどでございますから、地権者である東ガスの了解を得なきゃいけない。しかも前々年あたりにできた豊・晴開発計画によって、あそこの開発がほぼ確定しておりましたから、そういう中で、あそこを東京都に売っていただくということがまず第一の戦略目標でしたね。
したがいまして、汚染の問題というのは、その後で確認をしたり出てきますけれども、第一目標は、まず売っていただくための交渉を成就するということに第一目標を設定したわけでございます。
○上野委員 第一目標と、それからまた次にやっぱり土壌処理の関係も出たということでお話を伺うことができました。
そのとおりだと思いますが、その証拠に、先ほど紹介いたしました東京ガスへの説明という文書にも出ている土壌処理についてという項目に、このような東京ガスの発言が載っているんですね。土壌処理の問題は二十年ぐらいかかると思っていると。二十年だと。当時の認識として、二十年ぐらいかかると発言していると。驚くべきことではないでしょうかと。
文書では、さらにこう続いています。一挙に処理すればそれなりの経費がかかるが、これを都が負担するといえば進展もあるがと、こう書かれております。
土壌汚染対策が交渉の重要テーマにあったということは間違いないと、このように思っております。
この豊洲の問題が注目されて以降、濱渦氏の水面下交渉は何だったのかということが非常にクローズアップされています。この水面下交渉によって、事実上の合意が結ばれ、豊洲移転に向けて大きく動き出しましたので、実質的な合意となった水面下交渉の中身は一体何だったのか、ここに迫っていきたいと思います。
濱渦氏の水面下交渉の中身は明らかになっておりませんが、最近になって、濱渦氏が、護岸整備は東京都、汚染対策は東京ガスと費用分担することでまとまっていたと、このような発言がありました。
そこで、大矢証人、水面下交渉について、先ほどからも委員長の質問でも承知していないというご答弁、先ほども中央卸売審議会での聞いた話ということで、中身は承知していないということでございますけれども、もう一度確認させてもらいますけど、本当に承知されていないんですか。聞いたことある、内容も少しは聞いたことあるということはないんですか、お聞きします。
○大矢証人 水面下交渉については、本当に承知していないですね。
それと、それを水面下交渉によって、豊洲のエリアを東京都に売るというふうに決めたというふうにおっしゃいましたけれども、それは私は違うと思いますよ。
私が豊洲に決めてから、東ガスに十回に余るほど行きまして、市場が行くところがないと、しかし市場というのはこういう役割を持っていて、何としても豊洲しか見当たらないから、そこを売ってもらいたいという話を、るる部長、常務、専務、副社長にしました。それを本当に足しげく通っていって、それを僕はご理解いただいたんだというふうに思います。
○上野委員 それでは、違う聞き方をしていきたいと思います。
平成十五年の五月二十九日の交渉記録には、次のような表現があります。平成十三年七月の二者間合意(基本合意の内容を都と東京ガスで確認したもの)、この二者間合意のことはご存じだったでしょうか。また、ご存じであれば内容はどういうものだったか、お話しいただきたいと思います。
○大矢証人 先ほど来から申し上げましたように、いわゆるそれは、二者間合意というのは基本合意というふうに申し上げますが、この中身は私は詳細に承知しておりません。これは、しかも締結されたのは、私が中央市場長を退任してからの話でございます。
○上野委員 それでは、福永証人にお伺いいたします。
あなたは、この二者間合意のことはご存じだったんでしょうか。
○福永証人 全く存じ上げておりません。
○上野委員 福永証人は、当時はいわゆるV1副知事といわれる、副知事の中でも統括される立場でありますから、いろんな情報が入ってきて、また知事ともつながなければならないというお立場、もう一度お聞きしますけれども、本当に知らなかったんでしょうか。
○福永証人 ただいまのご質問のように、筆頭副知事という役割は果たしておりましたが、これは、知事の職務代理の上での順位でありまして、それぞれの副知事がそれぞれの役割をそれぞれ果たしていたということでありまして、二者間合意につきましては存じ上げておりません。
○上野委員 この二者間合意と思われる文書、我々はこれこそが水面下交渉の肝だと思っております。
ところが、実は東京都が開示した資料には、一部分しか入っておりませんでした。それが東京ガスの開示資料からは、添付資料も含めて全て見つかることができました。なぜ東京都は一部分しか出してこなかったのか、これはもう疑惑隠しといわざるを得ません。
その文書のタイトルは、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書というタイトル。日付は平成十三年七月十八日、この十二日前の七月六日に豊洲の先端部に市場を移転することを決めた基本合意が結ばれております。
この確認書には、濱渦氏がいっている護岸整備は東京都、汚染対策は東京ガスということがはっきりと書かれています。
具体的にいいますと、防潮堤護岸の整備という項目には、こう書かれています。防潮堤護岸の開発者負担はなしとすると。開発者とは東京ガスです。すなわち、東京ガスの負担はなしにすると。
さらに、土壌処理についてはこう書かれています。市場用地内の汚染土壌の処理については、東京都の指導に基づき現在進めている拡散防止を目的として処理を行う現処理計画により対策を実施し、その完了を確認した後、土地の譲渡を行うと。つまり、土壌処理は東京都の指導に基づいて対策を実施し、それが完了したら譲渡すると、こう書かれているわけです。
そして、重要なのが添付資料であります。
この添付資料には、今回の確認によって、事業費がどう変わるかが書かれております。防潮堤護岸の欄を見ますと、三百三十億円の負担がゼロになっています。これが二者間合意の真実です。
濱渦氏は最近、汚染対策は東京ガスと決めたのに、なぜ東京都が負担しているのかと、都の対応を批判していらっしゃいますけれども、我々はこのときの二者間合意が今の混乱の遠因になっていると見ております。これは十九日の濱渦氏の証人喚問で明らかにしていきたいと思っております。
もう一つ、私たちの開示請求で驚くべき内容が書かれている資料があることがわかりました。東京ガスが昨日提出した資料であります。それは土地取得をめぐり、東京ガスとの交渉を任された濱渦元副知事の発言が明らかにされたメモであります。
開示請求された資料は、地方自治法百条に基づきまして、うそ偽りがあった場合は偽証罪に問われてしまいます。その意味で、提出する側が間違いがないことを確認した真実の資料であると、このように思っております。
その資料では、濱渦氏は副知事として、平成十二年十二月二十二日、部下の赤星理事が東京ガスとの折衝の中で明らかにしています。濱渦氏からの指示として、石原知事が安全宣言をしないと、東京ガスにとって土地の価格が下がって困るだろうといっています。つまり、安全宣言は土地の価格が下がらないためにするべきだといっているわけです。驚くべき発言だと思います。
そしてさらに、土壌問題が噴出すると、都議会も業界も蜂の巣を突いたようになって、豊洲移転問題が頓挫しては大変との思惑からか、東京都側が東京ガスの土地の値下がりをカバーすべく、安全宣言で救済するからそれまでに結論を出せと。それまでとは、この安全宣言をさせた二月の都議会本会議のことなんですね。結論を出せとは、濱渦副知事から、部下で交渉実務者の赤星理事への指示です。
東京ガスは、石原知事が安全宣言をすることで、東京ガスが所有している豊洲の土地の値下がりをカバーすることができ、それにより東京ガスを救済するといっているんです。こんな裏取引を濱渦氏が東京ガスとの交渉で持ちかけよと指示をしていたということが、このメモから明らかになったわけであります。
そして、事実、濱渦氏と東京ガスは、このメモから二カ月後、実質合意となる覚書を平成十三年二月二十一日に結び、そして何と同日午後、石原知事は都議会本会議で築地市場の移転先として、豊洲地区を新しい市場の候補地とし、今後関係者と本格的な協議を進めてまいりますと、初めて豊洲への移転について、踏み込んだ発言をしたわけでありまして、このメモのとおりになってきている。
そこで、当時の市場長であります、濱渦氏の部下であった大矢氏にお伺いいたします。
このメモにある濱渦氏の指示は事実でしょうか、それとも承知していないでしょうか、お伺いします。
○大矢証人 そのメモの内容は、私、承知しておりません。それから、またその席に私はいないと思いますね。
○上野委員 委員長にお願いしたいんですけれども、濱渦氏からこのような指示をされたという当時の政策報道室の赤星理事を委員会として証人喚問することを要求いたします。
この問題は非常に重要です。石原氏の関与も疑われており、この後行われる東京ガスの証人尋問でも追及していきたいと思います。
先ほど申し上げましたように、水面下で交渉が行われた結果、確認書、すなわち二者間合意に至ったわけであります。これまで表に出てきていない水面下での具体的な結論であります。
では、この結論に至る交渉は、水面下でどのように行われていったのか。先ほど濱渦氏の驚くべき発言をご紹介いたしましたが、実はこの資料の後ろの部分になりますけれども、これが水面下交渉の生々しい条件のやりとりを明らかにしております。
例えば、東ガス側の発言として、開発者負担を白紙に戻す--すなわち広域幹線道路の公費負担や防潮護岸整備費用の公共負担率の向上を織り込んだ基本合意時の開発利益の確保と基本合意に書いてある--とありますと。この開発利益の確保です。その内容の大きな一つが防潮堤護岸整備であります。
別の場所では、都負担は三百億ともいっております。これは先ほど申し上げました二者間合意に出てくる防潮護岸整備の三百三十億円の話に非常に近い、つながる話じゃないかと、このように察するわけでございます。
これに対しまして、東京都の赤星理事は、開発者負担をゼロにするとしたら石原知事も危ないと、こういっていたりしております。生々しい交渉ですよ。また、それまでの開発フレームの大幅縮小についても、東ガス側から言及しており、それは二者間合意にそのまま反映されております。
また、濱渦元副知事から、東ガスの方ですよね、メッセージとしまして社長に、要求は全部いってください、それを官僚に指示するのは私たち政治家の役割だと、こういっているわけです。
濱渦氏は、政治家であるかどうかというのは、これは私もわかりませんけれども、石原氏の関与もうかがわせるような表現だと、そのように思いました。このように、二者間合意に向けての条件闘争が、この資料のとき、すなわち平成十二年十二月二十二日には既に行われていることが明らかとなったわけでございます。
そこで、大矢証人にお伺いしたいと思いますけれども、これまで私が話した内容につきまして、確認のためにもお聞きしますけれども、ご存じだったんでしょうか。また、どのように感じられたんでしょうか。お答えしてください。
○大矢証人 今、先生からいわれた内容を聞いてびっくりをしておりますね。で、本当にそういう水面下というのが、そういう話であったとするならば残念でございます。
私は東ガスに誠実に、市場の存在意義と、これから行く将来のための基幹市場としての役割は豊洲しかないという前提に基づいて、もう足しげく通って、常務や当時の専務、副社長にお願いをして、東京ガスも公共事業をやる会社でございますと、築地市場がそんなに行く場所がなくて困っているならば、同じ公共事業をやる立場として全く同感だと、だから協力しましょうといわれたのを、鮮明に私は覚えておりまして、そういう水面下といわれる状況でそういう話があったということは、今、初めて知りました。
で、当時、中央市場の問題は一局でできるような話ではございませんから、知事本局、中央市場、道路の関係で建設局、それから港湾の関係で港湾局、財務局も一部入る。そういう五局くらいが同時に連絡調整会議でやっておりましたので、私が知らないところでいろいろな交渉があったかと私は思います。
○上野委員 福永証人にお伺いします。
福永証人は、そういった話をご承知でしたか。それでまた、今のお話を聞いて、どのように感じられましたか。
○福永証人 今のお話のような事実は、全く存じ上げておりません。
それで、最後の質問でございました、どのように今考えているかということでありますが、今考えますには、そのようなことがあったのかということは、我々としては本当に、私は二回しか実は東ガスとは交渉いたしておりませんが、それ以上にさらに数を重ねて交渉した市場長も大変なご苦労をされたと思いますが、そういう事実は、私どもとしては知り得ません。
○上野委員 いずれにいたしましても、水面下交渉でどんな条件闘争が行われてきたのかと、東京ガス側から、さまざまな資料提供が行われてまいりました。今後、資料分析をしながらこの水面下交渉の内実を明らかにしてまいりたいと、このように思っております。
さて、福永証人にお伺いいたしますけれども、事実経過を確認いたしますと、福永証人は平成十一年十一月に東京ガスを訪問されて、築地市場の豊洲への移転交渉を申し入れていらっしゃいます。交渉の過程では、市場の移転先として、東京都は海に近い豊洲地域の先端部を主張し、東京ガスは妥協案として内陸部の根元部でどうかと、このような提案があったということであります。
実務者からの交渉を経て、東京都としては、平成十二年五月に改めて先端部への移転協力を申し入れております。その協議が難航し、同年十月には当時の石原都知事の一声で、交渉担当を濱渦氏に交代されています。
十月から翌平成十三年二月にかけて行われた水面下交渉によって、急転直下、豊洲地域の先端部を東京都に売るという方向で覚書を交わし、事実上、豊洲地域への移転が決まったわけでございます。
まず、率直にお伺いいたしたいと思いますが、なぜ濱渦氏によるわずか四カ月間の水面下交渉によって、東京ガスの姿勢が百八十度変わったのか、このことに対してはどのように思っていらっしゃいますでしょうか。
○福永証人 一つには、今、委員がお話しになられました、私から濱渦元副知事にいわゆる市場の事務が移りましたのは、平成十二年七月十三日であります。それはなぜかといいますと、濱渦副知事が副知事に就任され、副知事に就任いたしますと、それぞれの副知事の職務分担がつまびらかになります。
これは東京都公報にまで掲載をされる事実でありまして、私がその前任のときには、青山副知事と二人の副知事制度でございまして、都庁のほとんどの業務の担任、分担をいたしておりました。
それを濱渦副知事が新たに副知事になられましたので、三人になりましたので、二人の職務分担を三人に分割をしたという経緯がございまして、そのときに初めて私は、今までやっておりました産業振興に関すること、これは労働経済局、あるいはその旧事業所であります市場、これらの執務の関係の担当をいたしておりましたが、それが濱渦副知事が、元副知事が副知事になられたときの事務分担表で変化をしたと、変わったということでございますので、なぜそのような形で変わったかということになりますと、その内実はわかりませんが、私はそういうふうに認識しております。
○上野委員 福永証人が平成十二年五月に先端部への移転交渉を申し入れた後、東京ガスの副社長から、東京都の考え方が聞きたいということで質問状が届きました。それに対して、福永証人が回答書を送っています。
その中で、豊洲地域の土壌汚染対策についてこんなやりとりを行っていらっしゃいます。
東京ガスの質問は、豊洲用地は工場跡地であり、土壌処理や地中埋設物の撤去などが必要ですと。譲渡に当たりその時点で処理ということになれば、大変な改善費用を要することになります、これについてはどうお考えですかという質問。これに対して、東京都の回答は二行。土壌処理及び地中埋設物の撤去については、新市場の着工時期までにはその処理が完了することが必要ですと。
これは、汚染土壌の処理は東京ガスがきちんとやってくださいねというふうに、読むと思えるんですけれども、それは間違いないですか。お聞きします。
○福永証人 ただいまご質問のとおり、お答えとしてはその二行のお答えでありました。
ただし、その設問は大きな設問のうちの二つ目でありまして、その一つ目の質問の中のお答えには、現実にはまだ土地をお譲りいただけるかどうかわかりません、現実に土地をお譲りをいただける暁にはいろいろなご相談はいたしますということで、お答えをいたしているはずでございます。
○上野委員 わかりました。つまり東京ガスが大変な費用がかかると、こういっているわけでございまして、東京都は、お金のことには、これは何も答えていないですよね。ただ、きちんと処理してくださいねと、これだけしかいっておりません。
ここが交渉が難航した原因の一つじゃないかなと、このようにも推測しているわけでございますけれども、今回、我々の記録開示請求によって出てきた新しいメモがあります。日付は平成十二年七月十二日、東京ガスへの説明という文書です。これは非常に重要な文書であります。出席者には、証人席に座られている大矢市場長の名前も載っております。
この文書の冒頭には、回答書についてとの項目があります。そこに東京ガスの発言として、回答文からは先端部への思いが伝わってこない、東京ガスだから何とかなるだろうという考えが都にはあるのではないかなどと書かれております。
そして、文書の一番最後にある、今後のスケジュールについてという項目では、同じく東京ガスの発言として、このまま根元部を主張していくのか、先端部を都に譲るかという交渉を難題だと、このように指摘しているわけです。
この問題は高度に政治的な判断を要する問題であると理解していると、これは非常に重要な言葉ではないでしょうか。この文言がしっかりと載っているわけであります。
こうした東京ガスの意向は、当時、福永証人、当然認識されていたと思いますけれども、その内容について含めてお話をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○福永証人 ただいまご発言の内容につきまして、その詳細な部分について、私は存じ上げておりません。
ただ、我々がこれから土地を購入して、やはり土壌問題というのは大きな問題であるということは、それは最初からわかっていたことでありまして、それは土地を譲渡いただけるという前提があって、その前提が調った場合には、こちらとしてはきちっと対応しなければならないというふうに考えております。
○上野委員 東京ガスがいっている高度に政治的な判断、この言葉が私はどうしてもひっかかるんですね。この言葉に急転直下、合意に至った謎が隠されているのではないかと、このように思えてなりません。
つまり土壌汚染対策で、それは東京ガスがきちんとやってくださいというだけでは進まなかったこの交渉が、濱渦氏が何らかの高度な政治的判断を行って合意に至ったのではないかと、そのように思えてならないわけでございます。
この点につきましては、十九日に濱渦氏をお呼びすることになっておりますので、詳しく確認していきたいと思いますけれども、こうした話を聞かれた大矢元市場長、大矢証人、ご意見をどうぞ。
○大矢証人 六月の初めに、先ほど先生がおっしゃったように、質問状が来まして、末に回答書を出した。その回答書の中にそういうふうに発言をしていると思いますが、その中でもまだ、先端部は反対だということをはっきり表明をされております。
そういう状況の中ででして、向こうも、東ガスも非常に交渉に当たって、先端部を一つのキーマンというか、場所にして、有利に展開しようという動きは、それは私も手にとるようにわかりましたね。だけれども、先ほどいった政治的なという表現をしたかどうかは記憶にございませんが、かなり--それから七月ですね、私が会ったのは七月ですから、八、九、十、十一と、四カ月くらいで濱渦さんと私が行って、基本的に協力しましょうという、持っていくわけですけれども、それまで私は何回も東ガスに行きまして、先端部しか市場用地として確保しても使えないという話をるるいたしまして、私は政治的にという意味はよくわかりませんけれども、そういうことを前提には、私は置きませんでした。
とにかく誠実に、真摯に交渉で相手を説得、納得いただくということに終始したというふうに記憶しております。
○上野委員 尋問を終わります。
○桜井委員長 小山委員。
○小山委員 東京改革議員団の小山くにひこでございます。
本日は福永証人、大矢証人におかれましては、都議会の調査特別委員会にご協力、またご出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
福永証人は、石原知事のもと、副知事として築地移転問題を担当され、その後、濱渦副知事に引き継がれ、退職後は東京都卸売市場審議会の会長として、市場行政にかかわってこられました。また、大矢証人は、福永、濱渦両副知事のもと、市場長として東京ガスとの交渉に取り組んでおられました。
お二方から、石原都政におけます豊洲市場移転問題、石原知事のかかわりについてお伺いをさせていただきたいと思います。
石原知事は、知事当選直後の平成十一年四月二十三日、青島知事から、築地市場の再整備を含めた知事事務引き継ぎ書を受け取られております。
五月十三日、石原知事は宮城哲夫市場長から、築地市場の移転に関する考え方として、現在地で再整備するより豊洲に移転すべきとの考えを聞き、石原知事自身も築地市場に関する質問を行っております。
一方、石原知事は、今月三日の記者会見で、就任早々豊洲移転は既定の路線であるかのような話を担当の福永副知事から聞いた記憶があると、移転の経緯を代読させました。
そこで、福永証人にお聞きをしたいと思います。
石原知事に築地市場の再整備に関してどのような説明を行っていたのか、そして石原知事は何と話されたのか、福永証人にお伺いいたします。
○福永証人 まず、時点のずれを少し述べさせていただきたいと思いますけれども、石原知事は就任早々というお話をされました。四月に就任をされまして、私が副知事に就任をいたしましたのは五月十二日であります。そして、その後、その五月十二日に担当として産業振興に関することということで、市場の問題が私の担任事務になりました。
したがいまして、その時点ではまだ現実に市場問題につきまして、きちっと原局、すなわち担当局から、いろいろな説明を即座に受けてはいないと思いますので、その後知事にお話をするとすれば、新しい市場というか、築地の再整備が難しいという状況で、豊洲は大きないわば候補地として挙がっておりますというような発言をしたのではないかというふうに、私は記憶をしておりまして、その前に、今、委員のお話のように、大矢市場長の前任の市場長から豊洲移転の状況というか、その場の状況について報告を受けておられたということでございますので、私と宮城市場長との間の時間の差がありますけれども、私は豊洲で決まったというような発言はいたしておらないと思います。
○小山委員 今、福永証人からお答えをいただいたわけですが、では、最初に福永証人が石原知事に対して本件を説明され、そして知事から得た回答というのはどういうものであったのか、教えていただきたいと思います。
○福永証人 申しわけありませんが、日時の時点は記憶が薄らいでおりますので、申し上げるわけには、わけにはとはいいません、申し上げることができません。そして、知事からどのような話があったかということについても、記憶の中からうせ去っておりますので、申しわけございません。
○小山委員 大変、福永証人には恐縮でございますが、日時、おおよそでいつごろであったかということをお聞きしたいと思います。
○福永証人 正直に申し上げて、日時を明定することはできないと思いますが、私は東京ガスと最初に接触をいたしましたのは、平成十一年十一月十一日でありますから、五月十二日に副知事に就任してからは相当時間がたっております、何カ月かでありますけれども。
そこに行くに当たっては、ある程度、行きますということと、その十一月十一日に行ったときには、豊洲の開発につきまして区画整理事業で進めておりますが、市場の移転の問題も都庁の中では浮上してきておりましたので、第二次区画整理事業を一部おくらせていただけないかということと、ぜひこれからもご相談よろしくというご挨拶に行ったわけでありまして、知事にお話をするとすれば、そこに行く段階で、私が勝手に行くということではないと思いますので、お話をしたかと思います。そして、知事がどのようなお考えを示されたかは記憶にございません。
○小山委員 これは石原知事の先般の記者会見の移転経緯の代読の中からとったものですので、今後、これは石原知事の尋問のときにしっかり確認をしなければならないことだと思います。
そして、もう一点は、先ほど大矢証人の答弁、お答えの中で、この時系列からいいますと、五月十三日、前の市場長であります宮城哲夫市場長から、知事に対するこの説明、実は事業概要の説明がなされております。そのときの内容と、先ほど大矢市場長がお答えになられていた引き継ぎのときの話、先ほどの大矢証人のご答弁の中には、宮城前市場長からの引き継ぎでは、難しい問題なので慎重に扱うようにと、あるいは現在地再整備の色が強かったと、先ほどお答えになられました。
実は、この事業概要の説明と、当時の五月十三日と六月一日で、引き継ぎの内容とが大分食い違うというか、異なるんですが、その点について、改めて大矢証人に発言を求めたいと思います。
○大矢証人 前任の宮城市場長からの引き継ぎでは、慎重にというのは、私記憶がありますけど、具体的な中身は申しわけありませんが、承知しておりませんが、いずれにしても、六月一日に赴任をしてから、正直いって築地市場でいろいろな事故があったり、やっぱり耐用年数六十五年という問題が背景にあるものですから、いろいろな事故が起こったりするんですね。火災も起こるし、冷蔵庫は故障する、エレベーターは途中でストップする、そういうのがありまして、これは何とかしなきゃいけないということで、再整備推進協議会をすぐ開催をして、そこで業者の意見を聞き、当局の考え方をお話ししたときに、その時点では、少なくとも現在地再整備で、案も五案、六案出ておりました。
その時点で、先ほどいわれた、知事は既定路線といわれたというふうに私も聞きました。あそこは僕は違うんじゃないかというふうに思います。もう青島知事の時代に豊洲移転を決めた、既定路線であったというのは、ちょっとそれは違うなというふうに思います。
現実に、だんだんこれ段階を追っていきますと、最初は現在地整備で六案を議論するんですよ、何回か。そして、それが全部だめだということになって、今度は移転も検討に入れましょうという議論になるわけですよ。移転を検討しましょうというのも何回も議論をして、それでその段階から、何回かの後で豊洲という問題が特定されてくるわけですね。で、豊洲の移転の方向で検討しましょうと。
だから、少なくとも私が赴任する段階で既定路線であったというのは、私は、知事は何か誤解をしておられるのかなというふうに思っております。
○小山委員 ただいまの証言は極めて重要な、既定の路線ではないと。当時、石原知事の記者会見とは大きく異なる部分でもありますので、この点については石原知事に確認をしなければならないと思っております。
同年の八月十三日に、石原知事は、大矢市場長から築地市場に関する説明を受けておられます。そして、この石原知事のブリーフィングの記録には、石原知事の恐らくこれは言葉だと思われるんですが、どういうことをいわれているかといいますと、ローリングなんかでやっていられない、移転しかないなと。で、築地市場には視察に行くと記されております。
その後、九月一日、石原知事は築地市場を視察し、先ほどもありましたが、古く、狭く、危ないと発言をし、豊洲の移転が推進されていくことになるわけでありますが、その視察に同行されました大矢市場長は石原知事にどのような説明をされたのか、そして石原知事は何といっていたのか、大矢証人にお伺いしたいと思います。
○大矢証人 十七、八年前ですから、正確な記憶はありませんが、九月一日に、確かに四時にきっかりホテルから来ていただきまして、僕はご案内をしまして、まず真っ先に案内をしたところは、マグロの競りの現場でございます。
そのマグロの競りの現場で、競りの説明から、それも非常に狭いところに何百頭のマグロを置いて競っていくわけですけれども、人がもう山のように、通行するのもはばかれるような狭さでございました。で、これは大変だと。
それから、次に仲卸を案内したら、仲卸がまた狭くて、人がごった返して、なかなか進めません。そうするや、ターレという運搬車がございますが、それが頻繁に往復して、そこでも、これは大変だな、よく仕事できているなというような話を知事はされました。
そして、業界の代表と話し合いを持って、そこで私が築地市場の現在地再整備の工事の困難性を説明したら、うん、わかったわかったというような感じで、それから業界の代表の方が結構知事にいわれましたけれども、時間が何せほとんどありませんから、十分に説明を受けるような状況でございませんでした。
で、最後に知事がおっしゃったのは、これはとにかく大変だと。とにかく早く一生懸命やって、結論を出すようにというふうにいわれたのを記憶してございます。
○小山委員 その視察の二日後でありますが、東京都の理事らが東京ガスを訪れ、豊洲移転へのやりとりが始まっているわけであります。
先ほど大矢証人は、先ほどの尋問の中で、まだトップが会う段階ではないというようなご答弁がありましたが、実は十一月五日に石原知事と上原東京ガス社長が会談を行っておられます。石原知事は、東京ガス側が東京都による豊洲への築地市場移転計画を聞いていないということで、すぐ市場長をご挨拶に行かせましょう、それから、きれいな市場ですよと、会談で言及をされております。
このことは、福永証人、大矢証人ご両名は、ご存じでありましたでしょうか。そして、ご存じであれば、石原知事からどんな指示がありましたか。それぞれお聞きしたいと思います。
○福永証人 そのような事実は全く存じ上げておりません。
○大矢証人 知事がきれいな市場ですよなんていわれたのは、私は承知しておりません。
ただ、知事が上原、当時社長ですか、社長に会われたということは聞きまして、知事から直接電話を受けまして、知事が上原社長に会う前に、私は知事レクで、豊洲が有力な候補地ですよという話はしたように思います。
したがいまして、そのことを上原社長に知事がいわれたら、社長は知らなかったということのようですね。それは知事から聞きましたけど、おまえ何やっているんだという話があって、すぐ東ガスの社長にお願いに行けという話がございまして、それでさっきの、元副知事と一緒に十一月の十一日に伺ったというふうに記憶しております。
○小山委員 今の証言で、福永副知事は、福永証人は存じ上げていらっしゃらなかった。そして、大矢証人はそのことについて承知をされていたということであると思います。
そこで、石原知事と上原社長の会談を受けて、先ほど来ありますように、十一月十一日に、福永副知事と大矢市場長が東京ガスを訪問され、大野副社長、市野常務らと会談を行われております。そして、十七日には、大矢市場長が石原知事にその会談の内容を説明されております。
そこで、この会談の内容と、石原知事へはどのような報告をされたのか、そして石原知事からはどのような指示があったのか、その辺を大矢証人にお伺いしたいと思います。
○大矢証人 結果報告をしたという記憶はありますけれども、その中身がどうであったか、知事がどういう指示をしたかというのは、申しわけありませんけど、記憶がございませんね。
○小山委員 この十一月十七日にも東京ガスに訪問されている内容についても、開示資料の中から明らかになっております。
これらの会談内容についても、極めて大きな課題があろうかと思いますが、時間の関係で、次にちょっと移りたいと思っております。
平成十二年夏までに、東京ガスとの交渉は福永副知事と大矢市場長、そして政策報道室、港湾局で行ってこられました。しかしながら、東京ガスからは、福永副知事に市場の移転に同意できないとの回答が行われるなど、必ずしも交渉がうまくいっていなかったということも事実であります。
では、なぜ東京ガスとの交渉がうまくいかなかったのか、この理由について、福永証人から証言を求めたいと思います。
○福永証人 ただいまのご発言のとおり、私が十二年の五月十一日に東京ガスにお伺いをして、先端部をお譲りいただきたいというお願いをいたしました。そのときは、やはり難しいというお答えであったと思われます。
しかし、その後、東京ガスと私が接触をしてお願いをしたということがございませんので、どこにうまくいかなかった要因があるかということについては、私は理解をしておりません。
○小山委員 では、その件について、七月に濱渦特別秘書が副知事に就任をされます。十月から東京ガスとの交渉が始まることになりました。
濱渦副知事は、東京ガスとの最初の交渉において、土地価格のことなど、そのことは水面下でやりましょうなどと発言をされ、都庁内に東京ガスの株主に損をさせない仕組みづくりを指示をさせております。これも先ほど出ております開示資料の中から、こういうことが明らかになっております。
濱渦副知事のもと、東京都と東京ガスなど、豊洲の地権者の間で十三年の覚書、合意、十四年、合意、十七年、確認書が締結をされ、豊洲開発と豊洲への市場移転が推進をされていくことになります。
この濱渦副知事の水面下でやりましょう、損をさせない仕組みづくりといった交渉について、福永副知事が交渉していた当時から、これは東京都の考え方でこういったことがあったのかどうか、福永証人にお聞きをしたいと思います。
○福永証人 そのような考え方があったのかというご質問でございますが、これはそれぞれ濱渦副知事が東京ガスと接触をするという前提で、内部でいろいろな打ち合わせが行われていたということには、私は存じ上げておりませんので、東京都の全体の意見として、その交渉が行われてきたということは、私はないと思います。
要するに、交渉担当者としてこれを進めてきたというふうに理解をいたしております。
○小山委員 ありがとうございます。
もう一度大変恐縮ですが、改めて確認をさせていただきますが、福永証人のときにはこういう考え方はなかったということでよろしいですか。
○福永証人 私が交渉の二回目にお伺いしたときには、とにかく先端部をお譲りいただきたいということをお願いをしただけでありまして、私はそのときにはそのような考え方は持っておりません。
○小山委員 東京ガスとの交渉を担当する担任副知事は濱渦氏にかわっておりますが、この都政の重要案件でもありますこのことは、全ての副知事が入って審議を行っておられます。
そこで、福永証人にお聞きをしたいんですが、その後、平成十七年に濱渦副知事が辞任するまでの間、濱渦副知事から東京ガスとの交渉について、どのような報告があり、また石原知事もその際どのような発言を行っていたのか、覚えていらっしゃることがあれば、ぜひ証人にお伺いをしたいと思います。
○福永証人 正直申し上げまして、一つ一つを全く記憶の中にはございません。
○小山委員 となりますと、先ほどのところで確認をしましたように、審議を、これは全体での審議を行っているんですね。そうすると、余り福永証人として覚えていらっしゃらないということであれば、本当にこれは極秘裏に行われていた。その間の協議については、福永証人については、ほとんど記憶がないということですから、それほど大きな話題として、この場で持ち出されたことはなかったということでよろしいでしょうか。
○福永証人 全く聞いていなかったかというと、記憶がございませんけれども、それなりの報告はあったと思いますが、記憶の中にはございません。
○小山委員 それでは、この点についても、やはり濱渦元副知事、それから石原元知事の証人尋問でしっかり明らかにしなければならないと思います。
それでは、先ほど実は大矢証人の証言の中で、何度も東京ガスに頼み込んだという発言がございました。
この発言は、先ほどの証言の中には十回以上超えて東ガス本社に行って、何度も何度も頼み込まれたということでありますけれども、この東京ガスとの交渉の中において、先ほど幾つか挙げましたけれども、石原知事のレベル、あるいは福永、濱渦副知事のレベル、さらには大矢市場長のレベル、それぞれの段階で交渉を行っていたという経緯が出ております。経過も出ております。
それでは、これはどの程度、何回、先ほど十回といわれましたけれども、大矢市場長がご存じのそれぞれ石原知事の段階での交渉、あるいは福永、濱渦副知事の段階での交渉、それから大矢市場長を中心とする市場部局での交渉と、どの程度大矢市場長が把握をされていて、そしてどのような指示があったのか、このことについて、交渉の経過について、お伺いをしたいと思います。
○大矢証人 私が在職は二年ちょっと、二年一カ月ほど就任しておりましたが、その二年間の間に十回くらいじゃないかというふうに僕は思います。
問題は、ランク別レベルとおっしゃいますが、知事に行ってもらうということは、最後の手段で考えてはおりましたけれども、副知事の段階で基本的には全部解決するようにという考えを持っておりました。知事に出ていただけるというようなことは、最初から考えておらなくて、その前哨戦は、私が局長ですから、私が東ガスと交渉するわけです。
最初に、豊洲を東京都市場用地として確保したいから売ってほしいといったら、けんもほろろで、それはたしか平成十年に豊・晴開発計画が六者協議で確定をしております。
それの一年ちょっと後に、すぐそれを返すように、市場用地として確保したいといったものですから、東ガスがおっしゃるのは当然のことで、東京都の方針は誰が決めているんだというふうな話もございましたし、舌の根も乾かないうちにというような感じで、もう門前払いの感じだったというふうに私は思います。
それは、ある意味ではおっしゃるとおりだと思うんですね。そこをまげて、一年弱の段階で公共工事へ協力をしようというふうにおっしゃったというのは、非常に東ガスのご理解のたまものだというふうに理解をしておりますね。ただ、そのときに、そのたびごとに副知事や知事に上げたかというと、そういうふうには私思っていませんね。
かなり、要するに成果が出れば、当然副知事や知事に上げますけど、成果が出ない段階でこうだこうだというのを一々どの段階で上げて、どういう指示をいただいたという記憶は、大変申しわけありませんが、今定かではございません。
○小山委員 今、証言をいただきましたが、先ほど申し上げましたように、石原知事は、豊洲の築地市場移転に関して、東京ガスの上原社長とも、率先して最初に直接お会いになられていて、市場移転について話されて、その上で福永副知事や大矢市場長を行かせているわけです。
さらに、この全て資料を拝見すると、その都度その都度、市場の移転の節目節目で説明を受けている。確かに、今のご記憶の中にはそれほどなかったり、あるいは知事がどういう発言をしたのかということについても、それほど今は記憶にないということでありましたけれども、いろいろなことを知事からもここに言及をされております。そういった節目節目で説明を受け、移転を石原知事が決断をしているということが、よくここからわかるわけであります。
そして、濱渦副知事については、東京ガス側と水面下を含めた、これは交渉も行われており、そして都庁内には相手方に損をさせないという、こういう仕組みをつくらせて、豊洲を何としても購入をして、移転を推進させていこうという意図があったことがこの市場のさまざまな資料の中からわかってくるわけです。
これについては、今後、石原元知事、あるいは濱渦元副知事の尋問を通して、しっかり明らかにしていかなければならないと思います。
本件は、都政の重要かつ極めて重大なこの豊洲市場移転問題の真相を引き続き究明をして、解明していくということを申し上げ、尋問を終わらせていただきたいと思います。
○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
午後三時三十六分休憩
午後三時五十一分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
引き続き証人から証言を求めます。
吉田理事。
○吉田委員 福永さん、そして大矢さん、きょうは本当にありがとうございます。
私、都議会議員吉田信夫です。日本共産党を代表して、限られた時間の中ではありますけれども、証人尋問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
既に議論はありますけれども、やはり多くの都民の皆さんが知りたいことの第一は、なぜ、東京ガス、ガス工場跡地で汚染があることが明確でありながら、そこを、何よりも安全・安心が優先される市場を移転したのか、どういう判断だったのかということだというふうに思います。そういう思いから、まず、何点か質問をさせていただきます。
まず、大矢元市場長にお伺いいたします。
昨年十月に小池知事の側から出された質問状に対して、石原元知事は、このように語っています。豊洲の中の東京ガスの敷地であるとまでは聞いていた記憶ありませんと、これは、なぜここを選んだんですかっていう質問に対する答えなんですね。
それでお伺いしますけれども、石原元知事は、豊洲移転を判断する際に、予定地が東京ガスの工場跡地だったという認識は本当になかったんでしょうか、ちょっと考えられないことなんですが、大矢さんのご判断、認識をお聞かせください。
○大矢証人 今、委員のおっしゃったのは、初めて聞きましたけど、信じられませんね。
○吉田委員 当然、東京ガスの跡地であるという認識はお持ちのはずだというご判断だということですよね。それが当然だと、私もこの間の経過を見れば明らかだというふうに思います。
それで、汚染問題についてなんですけれども、先ほど、正確さがちょっと、必ずしも聞き取れていないかもしれませんけれども、大矢証人のご発言の中で、土壌汚染の問題について、うわさという言葉がございました。この土壌汚染問題がいかに深刻かということは、先ほども話がありましたけれども、平成十二年の東京ガスから福永副知事宛ての質問の中でも、工場跡地であって、土壌汚染の処理をどうするかがあるんだという旨のお話もありました。
さらに、直接、福永、当時の副知事と一緒に大矢さんが東京ガスに訪問したときも、先方から明確にそのことについては報告があったというふうに、今回明らかにされた記録の中で示されております。
例えば、一九九九年、平成十一年十一月十一日ですよね、訪問されたとき、そのときにわざわざ、ここだけの話ですけれどもというふうに切り出して、東京ガス側はこのようにいっています。ここだけの話だが、豊洲工場は、石炭ガスを製造していた工場であり、開発に当たっては土壌処理問題があると。
我々は、そうした問題への対応、すなわち膨大な費用を含めて考えているということで直接、うわさというような話ではなく、事実を率直に東京ガスから伝えられていたと思うんです。
そういう認識は、大矢さん、当然お持ちだったと思うんですが、いかがでしょうか。
○大矢証人 私がうわさといったのは、現在地再整備がもう暗礁に上がって、もう移転整備も含めて検討すべきであるというふうに市場再整備推進協議会で議論が出て、それで、じゃあどこが候補地だってことで候補地を挙げるわけですね。
そういう候補地を挙げて、また経過をして、豊洲が最終移転先だというふうに決まった時点で、じゃあ、そこが交渉の対象として適切で、適当な地であるかどうかということをいろいろ、先ほど申し上げましたけど、いろいろな観点から検証をするわけですね。
お金の問題、面積の問題、交通の至便、築地ブランドが維持できるかとか、もういろいろ項目ある。その項目の中で、豊洲がいいという話になって、豊洲がその条件を満たすということで、それで、交渉するに当たって内部でいろいろな会議をしたときに、あそこはベンゼンが出るらしいよっていう話が、その段階ではうわさくらいの段階でした。
で、それがさっき委員がいわれたように、正式に東ガスからいわれたのは、それは私、今お聞きして初めて確認したんですけど、十一月のそのときだったかもわかりません。それで正式に、それがそういう現状にあるということを認知をいたしました。
○吉田委員 したがって、一番初期の段階は認識が十分でなかったかもしれませんけれども、東京ガスから直接、率直に事実を伝えられたという点では、汚染についての認識はお持ちだったということが今のご答弁で確認できたと思います。
この十一月十一日の訪問に関連して、そのときに、これ記録でも明らかでありますけれども、政策報道の理事の方が同席をされていて、その方は、知事に伝えるという旨のご発言をされています。
また、このときの会談のときに、記録によりますと、大矢、当時の市場長は、石原さんの指示できょうここに来ましたということをいっていますから、当然、先ほどもちょっと話がありましたけれども、会談内容、とりわけ先方からいわれた重大問題である汚染の深刻さと費用問題というのは、知事に直接報告があってしかるべきだというふうに私は推測いたしますが、これは事実関係はどうでしょうか。
○大矢証人 その汚染問題について突っ込んで、どのレベル、どう処理するかというような話を知事にはしておりません。
ただし、東ガスと交渉するに当たって、うわさとはいえ、状況が、ベンゼンが出るといううわさありましたから、先ほども申し上げたように、それはよく調べろという話を部下にしまして、いや、東ガスだってあれだけの計画を立てているし、大丈夫ですよっていうから、そんないいかげんじゃだめだと、ちゃんと確証をとってこいという話をしまして、専門家の意見を聞いて十分封じ込められる状況であるという報告を受けて、東ガス交渉に入ったというふうに記憶しております。
○吉田委員 今の件は改めて確認させていただきたいんですが、私がきょう単純に聞きたいことは、東ガスから報告があった、あるいは別な形で資料があったかもしれませんが、ガス工場跡地であり深刻な汚染があるということ自体を、石原元知事にご報告されていたか、いなかったかということなんですよ。
○大矢証人 東ガスの副社長と、私と福永副知事と行って、会って、いろいろな話をしまして協力要請をしたんですけれども、いい回答を得られなかったんですが、その中で、先ほど委員おっしゃるようにそういう話があったとすれば、私、それのことを記憶余りしておりませんけれども、その問題を重大に捉えて、汚染問題が深刻であるし、金がかかるというふうなことを知事に報告した記憶はございませんね。
○吉田委員 関連して、東ガス訪問の結果報告であったかどうか、私も確認できませんけれども、交渉にもかかわった関係者の方のご発言で、やはり知事に対して、汚染があるという事実を隠してはならないというふうにその方は判断をして、そして、石原元知事に対して、環境局とともに、具体的に豊洲の汚染の実態を示す図面、オレンジと黄色の色で示したということを鮮明に覚えていると。
で、それは主に環境局の方が同席して、知事に説明したということがあるというふうに、私はその方から直接聞きましたが、大矢さん、そういうことがあったということは記憶ありませんか。それとも同席していらっしゃらなかったですか。
○大矢証人 同席をしていないと思います。また、記憶がございません。
○吉田委員 私は、その方から直接聞いているものであるということを改めて指摘をさせていただきたいというふうに思います。
それで、今の大矢証人がお話しになったことなんですけれども、対策をとれば大丈夫かどうかということは、当時は一定の制約があったかもしれませんけれども、やはりどの程度の汚染があるのか、どのような汚染物質がどの程度分布しているのかという前提を抜きに、ただ単純に、一般論で対策をとれば大丈夫だというふうなことはいえないと思うんですね。ましてや食の安全優先の市場を移転するということを考えた点でも、本当に安全なのかということは軽々に結論が出ることではないんじゃないかなというふうに思っています。
それで、重ねてお伺いしたいんですけれども、大矢さんに、部下の、多分部長さんだと思うんですが、その報告をされた方の、差し支えなければどなただったのか、そして、専門家から聞いたっていうふうにいわれましたけれども、その専門家というのはどういうような方だったのか、どのような根拠をもって対策をとれば大丈夫だというふうにいわれたのか、いえる範囲でお答えください。
○大矢証人 市場内の幹部会での話ですから、誰に指示して、どういうふうな専門家から聞いたっていう、そういう追及はしませんでしたね。
当時は、とにかく先ほど来から申し上げているように、東ガスが売ってくれるかどうかが最大の戦略目標でして、汚染対策については大丈夫--まあそれが安易な判断だといわれればそれまでかもわかりませんけれども、当時、築地市場がもう立ち行かないと、早く判断をしなきゃいけないという状況の中で、今、結果としてそういう汚染問題がこれだけ大きくなっておりますけど、その当時の状況で、そういうふうな今の状況を想定することは、申しわけないけど不可能でございましたね。
○吉田委員 私も、大矢さんの判断なり対応を非難しているわけじゃないんです。事実経過を今日に立って改めて検証する必要があると。
それで、先ほどご答弁された内容は、テレビでも既に大矢さん語られていて、局内の幹部会で話をした中で、大丈夫だという報告が上がってきたと。
私も、その当時の幹部の方に電話をして確かめてみましたが、確かにそういう場があったということは、記憶としていわれました。ただ、その報告された方っていうのは極めて簡単な説明で、そして専門家が誰であったかということについても、ほとんど話はなかったということを聞いております。
改めて、やはり今日の深刻な状況からすれば、果たしてそれをもって、対策をとれば大丈夫だという判断が適切だったのかどうかということを、改めて再検討、再検証されなければならないんじゃないかなというふうに思っているということは述べさせていただきます。
それと先ほどの、あと話の続きで、何億円もかかるということは当時は想定できなかったということも、まあある面うかがえることはあります。しかし、この点でも、先ほども話がありましたけれども、東京ガスからの質問状の中では、たしか大変な費用がかかるという話があり、かつ十一月十一日の福永副知事の訪問のときの、先ほどの話の中でも膨大な費用を考えなければならないんだと。
したがって、具体的な金額は別にしても、その対策をとるということを想定したとしても、そのためには莫大な費用がかかると。それ一体どこがどう負担するのかということは、当然、交渉の中では非常にシビアな課題として浮上してくるということは当然あり得たと思うんですが、そうした相当の費用負担がかかるということはご認識されていたと思うんですが、いかがですか。
○大矢証人 現時点で汚染対策費が八百六十億とかという数字を、私も新聞等で聞いておりますけれども、そういう費用がかかるということはゆめゆめ思いませんでしたね。
それともう一つは、これもある筋からの情報ですけど、正直いいまして、技術会議、専門家会議というのが--専門家会議、技術会議があって、ああいう形で処理をされたようですけれども、そういう処理の仕方が、唯一ですね、それしかなかったのかという議論だってされても僕はいいんじゃないかと思いますし、処理の仕方そのものを、私は技術者じゃないからわかりませんけれども、今までやってきた八百六十億かかったとかいう話でございますが、それも私は承知しておりませんが、そういうやり方で汚染処理はするしかなかったのか。
それから学者によっては、そういうやり方でもなかった、やり方のほかにもあるじゃないかとか、いや覆ってしまえば十分市場としての機能にはたえられるというふうにいっている学者もいるやに聞いております。だから、そこらあたりも考えていただかなきゃ、私は、判断が甘かったといわれれば甘いかもわかりませんけれども、その当時の置かれた状況からすると、私は判断は間違ったというふうには思っておりません。
○桜井委員長 大矢証人、もう少し簡潔にご答弁いただきたいと思います。
○吉田委員 金額がどうこうということもありますけれども、私が強調したいことは、さまざまな、その譲渡をかち取る上で解決しなきゃならない課題の大きな一つとして土壌汚染対策があることは、それは先方が質問状の中で書いてあることを見たって、もうこれは明確なわけですね。
土壌汚染対策といった場合に、どこまでするのかということは、費用に直結をする問題です。したがって、東京都との関係で、もし譲り受けるという場合に、東京ガスはどこまで処理をするのか、かつ、その費用負担をどういうふうに分かち合うのかということは、当然大きな課題であるということは、大矢さんも十分ご認識だと思うんですよね。
ところが不思議なことにですね、先ほどから覚書、基本合意が出されています。覚書のときには明確に大矢さんは、市場長として、具体的にその作成過程、交渉に当たられました。基本合意は、たしか六月三十日までを務められて七月にできていますから、そのときにはいなかったかもしれませんけれども、私どもからすれば当然、基本合意を作成する重要な過程にはいらっしゃったのではないかなと。
不思議なことに、なぜか防潮護岸だとか区画整理だとかの扱いは、覚書や基本合意に出てくるんですよ。しかし、肝心のこの土壌汚染の処理問題っていうのは一つも出てこないんですよ。それで出てくるのは、先ほどから話題になっていますけれども、二者間に基づくこの確認書なんですよね。それで、これは非常に重要な問題だと私は改めて記録を読んで感じました。
例えば、二〇〇三年、平成十五年四月三日の打ち合わせ記録では、東京ガスはですね、汚染箇所の全ては処理しないというふうに、参加していた環境局の幹部にいうんですよ。環境局の方は、全て処理しないんですかというふうに当然対応するんですよね。そうすると、簡単にいいますけれども、東京ガスの側は、もともとそういう約束ではなかったじゃないかと、今さらそんなことをいうんだったらもう、それが不満だったら話は白紙に戻るよと。しかも、それでいいっていうことは、現処理計画に書いてあると。そして、先ほどから話題になっているこの基本合意、平成十三年七月の二者間合意で、土壌汚染対策は今の計画でよいということが確認されているんだというやりとりがあるんですよ。
私どもも、記録文書を改めて調べましたけれども、これはちょっとテレビカメラの関係ですから、余りかざすことはできませんが、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書ということです。
これは直接的にはこういうものがあったということは、先ほど存じないという、ご存じないというようなご答弁でしたけれども、覚書や基本合意とは外してこういう形で土壌汚染対策について確認をするというフレームについては、ご存じだったんじゃないですか。いかがですか。
○大矢証人 承知をしておりませんね。
まず、委員ご案内のとおり、覚書を結んだのは、たしか平成十三年の二月でございますが、その覚書というのはどういう内容かというと、項目はございますけど、概括的にいうとですね、具体的な--ということでして、そのことは私、承知しておりません。
○吉田委員 大矢さんは承認、承知していなかったということですけれども、この確認書は、例えば、土壌処理について、市場用地内の土壌の処理は、現処理計画により対策を実施し、その完了を確認した後、土地の譲渡を行うというふうになっています。
協議記録の経過では全部処理しないと、一定処理でいいと、それだけで土地を買い取るということの合意になるわけですね、この間の経過からすると。そういう意味では、この文書は極めて、その他のこともありますけれども、非常に重要な文書です。
私たちはこういう文書も含めて開示請求を求めました。しかし、なぜかこの文書が出てきたのは東京ガスからなんですよ。肝心の東京都から、あるはずなのに出てこないんです。ないということは考えられないと思うんですよ。
そういう意味では極めて、やはり百条委員会から要求した資料が、ありながら出さなかったとしたら、これは極めて大問題であり、改めて、これはぜひ委員長に、どういう経過だったのか、そしてやっぱり速やかに提出することを求めておきたいというふうに思います。
それで、費用負担の問題についてもう少し、大矢証人のお考えを聞かせていただきたいんですけれども、例えば、二〇〇三年、平成十五年十月三十日の打ち合わせ記録を見ると、交渉に当たった東京都の幹部は、操業由来の汚染土壌を処理しないまま売買を行えば、都も東京ガスもその社会的責任の欠如を将来にわたっていわれるというふうに発言しています。至極真っ当な発言だと思うんですね。
それに対して、東京ガス側はどういうふうにいったかというと、当社の金銭的な負担は、現処理計画の範囲内で負うものであると考えていると。本来の原因は、市場であるのだから作業にかかる費用は市場が負担すべきであるという発言をしているんです。
なぜ、本来は市場だということをいうかというと、自分たちは拒否してきたにもかかわらず、また汚染があるにもかかわらず、そこを市場にしてほしいといって市場をつくるから土壌汚染対策がかさむのだと、それだったら負担するのは市場側じゃないかというやりとり、極めて明確ですね。
こういうことは、大矢さんとしては、こういうやりとりというものはご存じなかったんですか。あるいはそういうことについて、何らかの東京都としてのご発言を市場長としてされたんでしょうか。
○大矢証人 そういう経過は、一切承知しておりません。
○吉田委員 じゃあ、もう一つだけ、ちょっとこれも驚くべき話なんですけれども、今回の記録の中で、同じく二〇〇三年ですが、十月三十日の打ち合わせ記録では、東京ガス側は、東京ガスが行った土壌汚染処理の一部に対して、東京都に金銭的な負担を求めたことがあるかのような発言があります。
引用しますけれども、東京ガス側は、以前の話では、中央市場は場合によっては金銭を出して--中央市場というのは要するに市場側ですね、場合によっては金銭を出してもよいということをいったという発言があるんです。
こうした発言について、大矢さん、何かご記憶はありますか。
○大矢証人 今、先生のおっしゃるような内容というのは、かなり私の退任後の話だと思いますよ。だから、私はその内容については、申しわけありませんが記憶にございません。
○吉田委員 確認のためにお聞かせいただきまして、ありがとうございます。
いずれにしても、こういう問題がずっと続いていくわけですね。それで新たに、四万三千倍のベンゼンが出るという新しい重大局面になって、その費用も結局、東京ガスは、たしか七十八億円しか負担しないという、極めて誰が見ても考えられないことが、その後も続いていくと、そのいわば、とば口の話ですから、この問題を確認しておきたいということであります。
それ以外も、率直にいって、私の認識としては余りにも東京ガス優遇ということがされていたというふうにいわざるを得ません。先ほど大矢さんは、覚書の中にはそもそも、そういう防潮護岸とか何かは書いていなかったんだということをいわれましたけれども、これは事実としたら書かれているんです。覚書の2の(2)のところで、防潮護岸というか区画整理ですね、開発者利益、事業性の確保ということで、防潮護岸の整備に係る開発者負担の見直しを行うということが書かれているんですよ。
ところが先ほどもいったように、土壌問題は書かれていないんです。なぜ覚書の中にわざわざ--覚書というのはこれから協議をしましょうよということに当たっての覚書ですよね。その中でなぜ、こうした防潮護岸を入れることになったのかだけをお答えください。
○大矢証人 それは基本合意書じゃありませんか。二月二十……(吉田委員「覚書。防潮護岸の整備と書かれている、覚書」と呼ぶ)それは--わかりました、それはですね、いわゆる市場が豊洲に移転することによって、開発負担を、今までの豊・晴開発整備計画を変更しますから、開発負担を全部やり直さなければいけないんですよ。そのことをいっているんですよ。
○吉田委員 わざわざ防潮護岸の見直しをあえて覚書に入れ、その後、結果的に、東京ガスの負担はゼロになるという、やはり流れというのは、我々は注目せざるを得ないということをいわせていただきまして、私の尋問を終わります。
ありがとうございました。
○桜井委員長 おときた委員。
○おときた委員 都民ファーストの会東京都議団のおときた駿と申します。
本日はお忙しい中、お時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
前段、説明の資料を配布させていただいております。証人のお二方には、私の方からお渡しいたします。(資料配布)失礼いたしました。資料配布にご協力いただきました酒井副委員長、あさの理事、ありがとうございました。
個別のご質問に入る前に、私の方から、少しこちらの資料も使いましてご説明から入らせていただきたいと思います。
皆さんご案内のとおり、福永副知事の時代には、東京ガスは、この豊洲新市場が建つ土地を手放すことに極めて消極的であったということが読み取れます。
ところが、平成十二年の十月に、濱渦副知事に交渉役がバトンタッチをし、水面下でやりましょうという宣言の後、都側の交渉記録の、交渉経過の記録というのは、ほとんどがなくなりました。そして、急転直下、東京ガスさんは態度を翻しまして、平成十三年二月には早くも土地の売却を前提とした覚書が交わされています。
ここにどんなやりとりがあったのか、多くの都民は不審に、あるいは不思議に感じているのではないでしょうか。そして私はここにこそ、今日の混乱を招いた全ての原因があったのではないかというふうに推察をしています。
そして、この百条委員会の記録の提出によりまして、東京ガス側から提出された資料から、我々都民ファーストの会は驚くべき新たな事実を発見いたしました。
それは、濱渦副知事が、都の環境確保条例と国の土壌汚染対策法の成立を、ある意味では利用して、東京ガスに圧迫あるいは脅迫ともとれる交渉を行って、強引に土地の売却を承諾させていた可能性を示唆するものです。
ここで一枚目の、土壌汚染、濱渦氏の水面下交渉の新事実という方の資料をごらんください。こちらはパネルにもしてまいりました。
こちらは提出された記録の方を私なりにまとめたものでございまして、記録そのものが一言一句同じように載っているわけではございません。そして、二点訂正させていただきますが、こちら資料の中で、福永知事時代と書いてありますが、副知事時代の誤りです。また、新事実の日付には、十二月二十二日と書かれておりますが、十二月の十四日のものも含まれていることをあらかじめお伝えをしておきます。
ここに記録されている東京都と東京ガスの交渉において、都側の赤星理事は、濱渦副知事からの指示として、土壌汚染Xデー、あるいはXデーという単語を用いて、この日--これは土壌Xデーですね--を迎えれば、土壌問題が噴出し、東京ガスが所有する土地の価格が下落する、結論さえ出せば、石原知事が安全宣言で救済するから、早急に結論を出すようになどと伝えている様子が克明に記録をされています。
そのほかにも、この資料には、先週は中曽根元首相が都庁にやってきた、今、石原、扇、亀井はばっちりだ--これは扇千景、当時建設、運輸大臣、あるいは亀井静香自民党政調会長を指しているものと思われます。本日、亀井政調会長が都庁を訪問し、東京都の懸案事項への国費投入を約束していった、国費投入は政調会長もオーケー、都知事もそんなに時間がないなど、十二月十四日に濱渦副知事から江口氏へ、これ東京ガス側ですね、江口氏へ宛てたコメントも記録をされています。そして、この東京ガス側の記録の作成者は末尾に、おどかしてきた、これ以上議論をしても無駄など、激しい憤りを節々ににじませています。しながらもそして、以下の約束をしたとして、今後は市野専務と今沢顧問とともに会談をすること、土壌Xデーまでに方向を出すべく双方努力することなどが取り決められています。
仮に、この発言が全て事実であり、今回はかなりの強い権限を持って提出を要求しておりますので、事実に基づいた記録であると私は思っておりますが、これによって東京ガス側がこれまでの態度を一変させたのだとしたら、これは驚くべき新真実であり、ある意味では、国政にまで言及した明白な政治的な圧力ではないかといえると思います。
そこで、福永証人に伺います。
当時、引き継ぎを行った濱渦副知事及び赤星理事たちが、このようなあからさまな政治的圧力を用いた交渉を行っていたことはご存じでしたでしょうか。東京ガス側に赤星理事が突きつけた土壌Xデー、この単語に聞き覚えはないでしょうか、伺います。
○福永証人 全てに全く事実を承知しておりません。
○おときた委員 では、こちらは大矢証人にも伺いたいと思います。
大矢証人は、濱渦副知事とともに、東京ガスとの交渉に当たっていたことは、東京ガス側の記録である築地市場豊洲移転問題回答書以降の都側の変化と折衝経緯などにも、具体的な記載があることと名前が挙がっていることからも明らかでございます。
この濱渦副知事及び赤星理事が行った、平成十二年十二月十四日及び二十二日の土壌Xデー、この交渉についてご存じのことを教えてください。
○大矢証人 そのメモを私は承知しておりませんが、東ガスを何か脅迫をしたとかと、脅かしたとかという、そういうことは、私が少なくとも同席した場ではありません。
○おときた委員 それでは、大矢証人にもう一つ伺いたいんですが、赤星理事というのが、記録に残っているところでも同行していて、大矢市場長、当時の市場長とは一緒に交渉に当たっていたと思うんですが、赤星理事という方は、濱渦副知事とはどういう関係でどんな役割を交渉において担っていたのか、赤星理事が。ご存じの範囲で教えてください。
○大矢証人 たしか赤星理事は、知事本局に所属する理事だと思いますね。彼は、先ほど申し上げたように、市場、この市場問題は都庁の重要課題の一つでございますから、知事本局、中央市場、総務局、財務局、港湾局、環境局とか、そういう建設局とか関連局がたくさんございまして、知事本局は、当時そういう調整業務を所管する局でございましたから、そういう立場で同席していたというふうに認識しております。
○おときた委員 この赤星理事--ありがとうございます。よくわかりました。
赤星理事が立場として、このようなかなり強い権限を持って、濱渦副知事の意向を東京ガス側に伝えているようなんですが、当時の市場長、大矢市場長から見て、このようなメッセンジャー的な、副知事を代理するような役割を赤星理事がとるようなことはあり得るとお考えですか。
○大矢証人 私は、赤星理事は、それなりの仕事の関係で承知しておりますが、そういうことをする人間とは僕は思えませんね。
○おときた委員 ありがとうございます。
なかなか、お二人の証人ともに承知をしていないということでございましたが、では、この交渉記録に出てくる土壌Xデーとは、一体何のことなのかということを考えてみたいと思います。
ここで重要になるのが、平成十二年十二月に公布、翌年十月に施行された都の環境確保条例と、平成十四年五月に公布されて、翌年の二月に施行されている国の土壌汚染対策法です。土対法ですね。
東京ガスは、都に売却予定の土地を、都の環境確保条例に基づき処理することで合意をしています。しかし、都の環境確保条例よりも土対法については厳しい内容となる--都の土壌汚染対策よりは厳しい内容となる土対法がほどなくして施行されます。仮に、東京ガスが都の条例に基づいて安全宣言のお墨つきを得ることができずに、所有する全ての土地に土対法の基準が求められたとすれば、土壌汚染対策の費用は増大して、土地の価格に大きな影響を及ぼしたことが予想されます。
そして、この資料の二つ目をごらんください。こちらもパネルにまとめてまいりました。
こちらなんですが、ごらんのとおり、環境確保条例では、例えば、調査メッシュ、調査のポイントは三十メートル毎でいいとされているに対して、土対法は十メートル毎ということで、かなり細かな規定となっております。そして、指定区域ということで、これ要措置区域等ということに土対法では指定される可能性があるのに対して、環境確保条例ではそういったことがございません。
こういったことを考えると、仮に土対法が東京ガスさんの土地に当てられれば、かなりブランドイメージと申しますか、土地のイメージにも傷がついて価格も下落してしまうのではないかということが予想されます。
資料最後に書いたとおり、結果的にこれは、土対法には附則の三条というのがつきまして、東京ガスの豊洲の土地とかは当たらないということにはなりました。ただ、この時点では土対法の全容は明らかになっておらず、まだこういった土地が対象となる可能性も十分にあったものと推察をされます。
こうしたことを利用して、濱渦副知事、赤星理事は、土対法の全容が明らかとなる前に、都条例の範囲内で土壌汚染を処理すれば、安全宣言を出すということを取引材料にして、東京ガスに土地売却の承諾を迫ったのではないでしょうか。それを裏づけるかのように、濱渦副知事が、東京ガスを初めて訪れた平成十二年十月四日のわずか二日後、東京ガスが土壌の取り扱いを東京都建設局に照会するという不可解な行動を起こしています。
そして、平成十三年一月には、社有地の土壌調査結果と今後の対応についてというペーパーを発表し、豊洲だけではなく、相模原、大森、北千住といった社有地を、都の環境確保条例に基づいた対策をする旨を発表しています。
そして先ほど、他の委員から指摘があったように、石原慎太郎知事が第一定例会二月に豊洲移転ということを議会で発表されたということが時系列でつながっていきます。
土対法の詳細が仮に明らかになった後であれば、世論によってこれらの土地には土対法に基づく安全対策が求められた可能性もありましたが、都条例に基づき都の安全宣言を得ることによって土対法に準じるという事態を防ぎ、土地の価格下落を防ぐ意図があったのではないかと推察することができます。
ずばり、つまりこの土壌Xデーとは、この土対法の方針が発表され、この基準が東京ガスの所有地に何らかの形で当てられる日を意味していたのではないでしょうか。交渉過程で、中曽根康弘という元国会議員、そして、扇千景、亀井静香という当時の大物国会議員の名が挙げられていたことからも、国の法律への関与がうかがえます。
こうした背景をもとに、いま一度伺いたいんですが、この庁内において、Xデーあるいは土壌Xデーといった単語に聞き覚えがあるかどうか、福永証人、いま一度お答えをお願いいたします。
○福永証人 全く存じ上げません。
○おときた委員 お手数ですが、重ねてお手数ですが、大矢証人、ここまで聞いて、やはり記憶はございませんでしょうか。
○大矢証人 土壌Xデーなるものは、全く承知しておりません。
○おときた委員 少し周辺の部分を聞きたいんですが、この交渉、東京ガス側の記録に出てくる、先週は中曽根さんが来た、あるいは亀井さんが、政調会長が来たということですが、こういった方々がこの時期に都庁に来訪されていたこと、福永証人は何かご存じだったことはございますでしょうか。
○福永証人 都庁には多くの方々が訪れられますけれども、私がこの方々がお見えになるという事実は知り得ておりません。
○おときた委員 それでは、もう一つ福永証人にお伺いしたいんですが、環境確保条例、福永副知事時代に制定されたものだと思いますが、この制定に関して、何かこういった議論がかかわっている、何か背景があるようなことは、あったかどうか教えてください。
○福永証人 確かに、この時期には、環境局の担当というのは私でございましたけれども、条例一つ一つの案文、あるいはその背景については厳しく、これを聞いておりません。
○おときた委員 もう一つ、二月に、石原慎太郎知事のご答弁が、豊洲というところが出たというところにおいて少しお伺いしたいんですが、この当時は、知事に誰かが進言をすれば、それは議会答弁に反映されるような状態だったんでしょうか。これについて、それぞれ伺いたいんですが、福永証人、当時、知事のご答弁はどのように製作されていったか、それはご存じでしょうか。
○福永証人 知事答弁につきましては、必ずその本会議の前に答弁調整が行われまして、これは庁議と同じメンバーで行われまして、この答弁については、知事答弁の場合には、これをその場で論議をするというのがならわしでございました。
○おときた委員 となると、これは市場に関する答弁でございましたので、大矢市場長が携わっていたところだと思いますが、この点において、今までの議論のようなことが、におわせるような報告や発言があったご記憶はございますでしょうか。
○大矢証人 いろいろな経過の中で、豊洲を築地市場の移転先に決めるという決定をしましたので、その方針で所信表明をする、そして質問については、全部その方向で答弁しようということは、知事と私との話の中でも決めておりました。
○おときた委員 ありがとうございます。お二人の証人には、多くの質問、誠実に答えていただいたことと思います。
全くこれらの事情が、お二人にはお知らせされなかったという可能性も十分に私はあると考えております。やはりこの点は、しっかりとこの記録に残っている当事者である濱渦、当時の副知事、あるいは赤星、当時の理事にお伺いしなければいけないという思いを、ますます強くしたところでございます。
そして、この後は、東京ガスの方々への証人尋問も予定をされておりますが、本来は、都民の安心・安全を守る法律や条例を利用して、石原知事が安全宣言で東京ガスの土地を救済するなどと発言し、交渉を進めていたことが事実であれば、これは都民に対する重大な裏切り行為であって、批判のそしりを免れることはできません。
ここで、環境確保条例、土対法を政治利用して、安全宣言を口約束したことが禍根となって、その後の土壌汚染対策でも、都と東京ガスの交渉が二転三転し、平成十三年には、本来つけるべきであった瑕疵担保責任を免責しなければ土地売買が成立しないという事態まで招いてしまった可能性があります。
石原都知事は、さきの記者会見で小池知事を、安全と安心を混同し混乱を招いていると断罪いたしましたが、安全と安心の政治利用は、まさにこの濱渦、石原都政から始まったものであり、それが今日まで続く混乱を生み出したといっても過言ではないのではないでしょうか。
我々都民ファーストの会は、この土壌Xデーなるものから始まった土壌汚染対策の政治利用が、全ての元凶であった可能性が非常に高いと考えます。これから続く証人喚問で、その事実と真意をつまびらかにし、安心と安全をめぐる混乱に終始符を打つべく、全力で邁進していくことをお誓いをいたしまして質問を終わります。ありがとうございました。
○桜井委員長 小松委員。
○小松委員 福永さん、大矢さん、きょうは本当にこの特別委員会においでいただきまして、ありがとうございます。
私が最後の質問者です。生活者ネットワークの小松久子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
先ほど来、東京ガスとの交渉の経過のことについての議論が行われていますが、このそもそもの交渉の始まりというのが、九九年、平成十一年十一月十一日に、福永さんが副知事であった時代に東京ガスを訪問された、そのことから、その時点からスタートしているというふうに思われるわけですが、この認識でよろしいでしょうか。
○福永証人 ご指摘のとおり、私がお伺いした十一月十一日というのは、私が行った交渉の始まりでありますけれども、事務的には違った形で豊洲という問題を東京ガスといろいろとお話をされているという事実はございますので、その時点からであろうというふうに思われます。
○小松委員 そこに至るまでの意見集約というものが、まず、築地市場再整備推進協議会においてなされているかと思います。そのときに市場長をなさっていたのが大矢さんでいらっしゃいます。移転整備に方向転換すべきという意見集約がなされた、そして、その検討の取りまとめが、これ、出されておるわけですけれども、それまで業界は、移転派、再整備派、二つに二分されていた。このとき、しかし、一つにまとまったんだと、このような理解でよろしいでしょうか。
○大矢証人 大体、おっしゃるとおりですね。最初の第一回再整備推進協議会においては、現地再整備が主流の議論がけんけんがくがくと行われて、案も五案ぐらい出ておりました。それが、四月、約一カ月、二カ月後ぐらいにですね、移転方向で意見集約がまとまったというふうに記憶して、それからが東ガス交渉に入ることになります。
○小松委員 一方、このとき東京都側においても、行政判断に至る検討がされていたのかと思います。その行政判断の中で、移転へと意見が集約されたということかと思いますが、そのときの全庁的な庁内会議というものが、築地市場整備問題検討会が頻繁に開催されていたようでもあります。そのとき大矢さんは、この中心を担って回しておられたのかなというふうに思いますけれども、大矢証人に伺いたいんですが、この庁内会議がその場であったという、その認識でよろしいでしょうか。
○大矢証人 築地市場問題検討委員会というのは、再整備推進協議会というのは業界と当局の協議機関ですけれども、庁内の関係局による会議でございました。それがあって、そこで検討していたことは、委員がおっしゃるとおりでございます。
○小松委員 庁内会議、これは、大矢さんが市場長に就任なさる前から持たれていたかと思います。まだ青島知事の時代にできた庁内の、広い全庁的な検討会であったというふうに聞いていますが、この検討会はどのような目的で設置されたのか、そしてまた、どのような方たちがメンバーとなって、その検討会に与えられたミッションというようなものをどのように捉えておられたでしょうか。よろしくお願いいたします。
○大矢証人 先ほど来から申し上げておりますように、築地市場の移転問題というのは、中央市場一局で考えられるような単純な問題ではございません。
先ほどいいましたように、例えば、道路の問題がありますから建設局、港湾の計画の問題がありますから港湾局、それから予算の問題がありますから財務局、それから知事本局、いろいろな局が、さっきの土壌汚染では環境局、それらの関係局が合意をして一つのことを決定をしていかないと、一局で物事を判断できるような状況にはありませんから、それらを検討するための会議でございまして、内部調整といえば内部調整ですが、それによって東京都の方向性を決断をするというための、そういうミッションを持った委員会でございます。
○小松委員 当時、築地市場再整備問題は、都政の重大な課題であったために全庁的な庁内会議が持たれて、それは青島都政から石原都政へと引き継がれていった、そんな状況かと思います。
そして、業者たちとの協議会である、業者の方たちが検討する会議である推進協議会の意見集約もあり、庁内会議でもまとまり、そしてこの移転への意見集約、これは大きな方向転換であったわけです。
このことは、当然、知事には報告されていると思います。この当時ですね、当時の石原知事は、四月の選挙で当選されて七カ月ぐらいでしょうか、今の小池知事が当選されてちょうど同じぐらいかなと思いますが、広く注目を集めた知事でもありますし、早速、報告されたと思いますけれども、そのときの石原知事がどのような反応を示されたか、記憶にありますでしょうか。
○大矢証人 私は、中央市場長として、知事に重要案件については逐一報告に参りまして、特に豊洲に移転をするという方向性に意見集約をしましたよというときには、時間をかなりいただいて知事にご説明申し上げました。
そうしたら知事は、いや、これは大変な問題だなというふうな感じでしたね。だから、具体的、こうこうこういうふうにやれというふうな、そういう指示はほとんどなかったように思いますね。私の方で、こういう手順で、こういう結果になるように持っていきたいというふうな話をしましたら、うん、そうかと、まあそれでいいだろうというふうな感じで、非常にこの問題が何年にもわたって議論をされながら結果が出ていないというような背景もあるでしょうか、知事は非常に慎重であったというふうに今は記憶しております。
○小松委員 この豊洲が選ばれた大きな理由の一つが、四十ヘクタールある広い敷地であると、この用地面積ということですけれども、この四十ヘクタールが必要だと、四十ヘクタールなければだめだということは、誰がどこの段階で決めたのか、わかりますでしょうか。市場内部でそういうことになったのか、あるいは庁内の検討会か、あるいは知事サイドだったのでしょうか、福永証人と大矢証人、お二人にお伺いしたいと思います。
○福永証人 具体的に市場として必要な面積といいますか、スパンを、具体的に私どもは聞いた覚えはありません。
○大矢証人 四十ヘクタール必要だというのは、四十といっておりますけれども、具体的には四十三から六くらいの数字が出ております。これは、築地市場はご案内のとおり二十三ヘクタールしかないんですが、それが非常に、先ほどから出ているように狭く危険だということで--再整備のための基本設計というのがございます。その基本設計の中で四十ヘクタールという数字は、たしか出ていたように思います。
○小松委員 続いて、福永証人、大矢証人お二人に伺いたいと思いますが、この当時、バブル崩壊の後ですね、地価が下落しました。そして、東京都の臨海開発のスキームが頓挫した状況であった、そんな状況の中で、この豊洲・晴海開発計画も足踏み状態でありました。
そのため、都庁内では、市場の豊洲移転を開発の起爆剤としたいという意思が働いたとしても不思議ではないと私は思うんですが、例えば、都の港湾局から、何らかの働きかけというものがなかったでしょうか。
○福永証人 今のご質問の時期的な問題が余り明確でないわけですけれども、私は、副知事就任の前は清掃局長をいたしておりましたので、清掃局長の事業に邁進をいたしておりまして、多くの豊洲の開発の問題について、つぶさにお聞きをするようになったのは、副知事になって産業振興という役割を担うということ以降でございまして、それまでの間には、今のようなお話は聞いておりません。
○大矢証人 港湾局からの働きなんかはありません。それどころじゃありません。港湾局は港湾計画というのを持っておりまして、私が赴任する前に豊・晴開発計画というのを承認しております。
したがって、港湾局から見たら迷惑なことであるなというふうなのが率直な意見だと思いますよ。そういうことをね、港湾局の働きかけがあった、それは少なくとも私にはございません。
○小松委員 それでは、大矢証人に伺いたいんですが、平成八年十一月に第六次市場整備計画で築地整備の見直しが決定しました。その際に整備完成後の維持管理費を考慮し、適切な市場運営が図れるように整備することというふうにされています。
このときの築地整備費用、築地の整備費用、見積額は三千四百億円でした。そして、工期は二十年とされておりまして、もし、豊洲と比較したのであれば、豊洲の整備費と維持管理費の見積金額は、それよりも安かったのかなというふうに思いますが、そういうことでしょうか。お伺いいたします。
○大矢証人 豊洲移転に伴う整備費等について、詳細な積算はしておりません。ただ、築地市場で再整備すると、さっき委員おっしゃったようにですね、三千四百億くらいですか、それから、これから二十年以上かかると。そして、最大の欠陥は、これから首都圏の基幹市場としての市場の機能が維持できないということなんですね。
したがいまして、予算の問題ももちろんございますが、それより以上に、あそこでの再開発計画は無理だという判断の要素はいっぱいございます。ございました。
○小松委員 福永さん、大矢証人、お二人に伺いたいんですが、これらの経緯の中で、豊洲移転が決定したわけですが、この豊洲移転が決定された、正式に決定されたのは誰、誰が決定したのだというふうにお考えになるのか、ちょっと認識を伺いたいと思います。
というのは、せんだっての石原慎太郎氏の記者会見での発言がありましたが、組織の積み上げで決まったと。知事は裁可した、確かに、しかしみんなで決めたことだという発言がありましたが、この石原氏の発言についてはどう思われたでしょうか。石原氏のいう組織の積み上げのいわばトップにおられたお二人です。ご所見を聞かせてください。
○福永証人 やはり事を成就するためには、組織がこぞって積み上げていくということが、やはり必要であろうと思いますし、やはりしかしながら、決定権者という者は一人でありまして、その決定権者は知事であるということは間違いありません。
○大矢証人 知事が記者会見で申されたのは、決定に至る経過を僕は説明されたと思いますよ。それは、何といっても、中央市場の問題というのは開設者である知事なんですね、全て。知事の責任です。だから、それはご本人も承知をされているというふうには私は理解をしております。
○小松委員 福永証人に伺いたいんですが、平成十二年十月、市場担当の副知事が、福永さんから濱渦さんに交代しました。これは石原知事の、当時の石原知事の指示によるものと思いますが、この交代についてどのように感じられたのか、率直なところをお聞かせください。
○福永証人 ただいまの質問について、私は大変苦慮をして、お答えを、報道機関の方々にもお伝えをしていました。極めて直接的にいわれたのか、いうことはございました。これは、先ほども申し上げましたとおり、副知事の職務分担が決められるというのがありまして、私が職務分担として担っていた時期は、濱渦副知事が副知事に就任され、それまで二人で都庁の全職務分担をしておりましたものを三人の副知事でこれを分け合うということでございまして、そのときに、濱渦副知事の事務分担の中に産業振興が移ったということでございまして、その背景というものは私は理解をいたしておりません。
○小松委員 それでは、大矢証人に伺いたいんですが、平成十二年十月四日ですね、濱渦副知事の随行として東京ガスを訪問され、水面下でやりましょうの発言が出たときです。
このとき、土地価格や開発者負担金、そして、これについて濱渦副知事が水面下でやりましょうとの提案がなされているわけですけれども、このことに関しては、この中身に関しては関知されないと、先ほど来お答えになっていらっしゃいます。
しかし、その場におられた随行者として、この水面下でやるということを、どういうことだというふうに感じられたのか、そのときお考えになったこと、あるいは、その後で考えておられることありましたら、お聞かせください。
○大矢証人 水面下でやりましょうという話は、確かに向こうの方からもいわれ、濱渦さんもいわれたというふうにいわれておりますが、私の記憶ではですね、水面下という意味は、具体的に、例えば、豊洲島を、豊洲を買うとしても、どの区画を買うかというようなことを詰めなければいけないわけですね。それから、値段はどうなんだとか、汚染対策はどうするかと、そういう細かいところについては、後で具体的な詰めをしましょうというのが水面下というふうに私は理解をいたしました。
○小松委員 ありがとうございます。
大矢、当時市場長が東ガスに足しげく通われて、先方を熱心に説得されて、そしてまた東京ガスの方でも、公共事業というものに対する取り組む意義を呼び覚ますような形で契約がされたというお話を伺いました。
大変、きょうはご協力いただきましてありがとうございました。これからも真相究明のために委員会に臨んでいきたいと思います。本日はありがとうございました。
○桜井委員長 ほかに発言がなければ、福永正通さん及び大矢實さんに対する尋問は終了いたします。
長時間ありがとうございました。
ご退席して結構でございます。ありがとうございました。
この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後四時五十九分休憩
午後五時十五分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
引き続き、付託調査事項、築地市場から豊洲市場への移転に関する経緯及び両市場の適正性外四項目について、証人から証言を求めます。
本日午後四時三十分に出頭を求めました証人は、東京瓦斯株式会社元取締役会長上原英治さん、東京瓦斯株式会社元取締役会長市野紀生さん、東京瓦斯株式会社取締役会長岡本毅さん、東京瓦斯株式会社代表取締役社長広瀬道明さん、東京瓦斯株式会社元代表取締役副社長伊藤春野さん、東京瓦斯株式会社元管財部開発グループマネージャー志水巨宜さん、東京瓦斯株式会社元管財部活財推進室長高木照男さん、東京瓦斯株式会社元大規模用地プロジェクト部長丸山隆司さん及び東京ガス豊洲開発株式会社元取締役事業部長柴田理さんの九名であります。
証人におかれましては、お忙しい中にもかかわらずご出席をいただき、まことにありがとうございます。本委員会を代表して厚く御礼を申し上げますとともに、本委員会の調査のため、真相の究明のため、ご協力くださいますようお願い申し上げます。
この際、各証人に申し上げます。
証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由がなく証言を拒んだときは、禁錮または罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご承知おきください。
それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
傍聴の方、報道関係者の方も含めまして、全員ご起立願います。
〔全員起立〕
○桜井委員長 広瀬証人、証言席にお願いいたします。
各証人は、宣誓書を朗読後、一人ずつ氏名を述べてください。
それでは、各証人は、宣誓書を朗読してください。
〔証人広瀬道明君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
広瀬 道明
〔証人上原英治君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
上原 英治
〔証人市野紀生君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
市野 紀生
〔証人岡本毅君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
岡本 毅
〔証人伊藤春野君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
伊藤 春野
〔証人志水巨宜君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
志水 巨宜
〔証人高木照男君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
高木 照男
〔証人丸山隆司君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
丸山 隆司
〔証人柴田理君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
平成二十九年三月十一日
柴田 理
○桜井委員長 ご着席願います。
それでは、各証人は、宣誓書に署名捺印をお願いいたします。
〔各証人、宣誓書に署名捺印〕
○桜井委員長 この際、メモ持参の件を議題といたします。
お手元配布のとおり、議長を経由して、各証人からメモ持参についての許可願の申し出が提出されております。
朗読は省略いたします。
平成二十九年三月七日
証人 上原 英治
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月七日
証人 市野 紀生
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月七日
証人 岡本 毅
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月七日
証人 広瀬 道明
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月七日
証人 伊藤 春野
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月七日
証人 志水 巨宜
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月七日
証人 高木 照男
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月七日
証人 丸山 隆司
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
平成二十九年三月七日
証人 柴田 理
東京都議会議長 川井しげお殿
メモ等の持参について
平成二十九年三月十一日開催の豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。
○桜井委員長 お諮りいたします。
本件は、それぞれ申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○桜井委員長 この際、お諮りいたします。
証人として上原英治さん、市野紀生さん、岡本毅さん、広瀬道明さん、伊藤春野さん、志水巨宜さん、高木照男さん、丸山隆司さん及び柴田理さんの出頭を求めておりますが、九名の方同席の上で証言を求めることにいたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○桜井委員長 これより証人に証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
なお、こちらから尋問しているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、証言席においてご発言願います。
それでは、証人から証言を求めます。
広瀬証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは広瀬道明さんですか。
○広瀬証人 はい、広瀬道明でございます。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○広瀬証人 東京瓦斯株式会社代表取締役社長、社長執行役員、昭和二十五年十月二日生まれでございます。
○桜井委員長 ご着席願います。
上原証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは上原英治さんですか。
○上原証人 はい、上原英治です。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○上原証人 東京瓦斯株式会社元取締役会長です。昭和十一年二月九日生まれです。
○桜井委員長 ご着席願います。
市野証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは市野紀生さんですか。
○市野証人 はい、市野紀生でございます。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○市野証人 東京瓦斯株式会社元取締役会長、生年月日は昭和十六年一月一日でございます。
○桜井委員長 ご着席願います。
岡本証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは岡本毅さんですか。
○岡本証人 はい、岡本毅でございます。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○岡本証人 東京瓦斯株式会社取締役会長でございます。昭和二十二年九月二十三日生まれです。
○桜井委員長 ご着席願います。
伊藤証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは伊藤春野さんですか。
○伊藤証人 はい、伊藤春野です。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○伊藤証人 東京瓦斯株式会社元代表取締役副社長、生年月日は昭和十二年三月十三日です。
○桜井委員長 ご着席願います。
志水証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは志水巨宜さんですか。
○志水証人 はい、志水巨宜です。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○志水証人 東京瓦斯元管財部開発グループマネージャーです。昭和二十三年三月十一日生まれです。
○桜井委員長 ご着席願います。
高木証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは高木照男さんですか。
○高木証人 はい、高木照男です。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○高木証人 東京瓦斯株式会社元管財部活財推進室長です。生年月日は昭和二十年十二月十四日です。
○桜井委員長 ご着席願います。
丸山証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは丸山隆司さんですか。
○丸山証人 はい、丸山隆司でございます。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○丸山証人 東京瓦斯株式会社元大規模用地プロジェクト部長、生年月日は昭和二十八年三月二十七日です。
○桜井委員長 ご着席願います。
柴田証人、証言席にお願いいたします。
それでは、お尋ねいたします。
あなたは柴田理さんですか。
○柴田証人 はい、柴田理です。
○桜井委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○柴田証人 東京ガス豊洲開発株式会社元取締役事業部長です。昭和三十七年五月二十日生まれです。
○桜井委員長 ご着席願います。
それでは初めに、私から何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
最初に、広瀬証人に確認のために伺いたいと思います。
東京ガスさんからの記録の提出については、虚偽はございませんか。明確にお答えいただきたいと思います。
○広瀬証人 お答え申し上げます。
虚偽はございません。
○桜井委員長 次に、伊藤証人に伺いたいと思います。
平成十二年六月二日、副社長名で、当時の福永東京都副知事に、築地市場の豊洲移転は基本的に受け入れがたいとの立場から、六点について問いただしております。これに対し、都からは、同年同月の二十七日に、豊洲地域先端部への市場移転について、ご賛同いただくよう協力を要請されたと思います。その約八カ月後の十三年二月二十一日に、都と覚書を結び、豊洲移転に向けてのテーブルに着くまでのこの間の交渉内容は、いわゆる水面下とされております。まずこの間、東京都の誰と、どのような交渉をしてこの覚書を結ぶに至ったか、その全容を明らかにしていただきたいと思います。
○伊藤証人 伊藤です。
今の、福永副知事さんから書類をいただいたということですが、私は一切いただいておりません。
それから、これまで豊洲開発について、豊洲の用地について、折衝をしてきたかということですが、この折衝も一回もございません。それから、ただ一回あるのは、折衝ではございませんで、濱渦副知事さんが東京ガスにお見えになったときにお会いしたというのが、その一回だけです。ほかはありません。
○桜井委員長 次に、岡本証人にお伺いをしたいと思います。
平成二十三年三月三十一日、東京都と豊洲地区用地の土壌汚染対策の費用負担に関する協定を結び、この協定に基づき、七十八億円の費用負担をすることになり、土地売買契約を締結しましたが、ここに至る間、豊洲地区用地の土壌汚染対策について、どのような考えで東京都と交渉してきたのか伺います。
○岡本証人 お答えいたします。
私自身が、豊洲の土壌対策について直接折衝してきたわけではございませんが、二〇一一年三月の土地売買契約と費用負担に関する協定書締結時の、私は社長でございましたので、その決定を行うに当たって過去の経緯を確認はしております。
簡潔に申し上げます。
私どもは豊洲への市場移転につきまして、ほかに関係の当事者、当社以外にもございましたので、関係当事者全員で合意をしたのが二〇〇二年の七月のことでございます。この時点で、東京都との間で土壌汚染につきましては、都の環境確保条例に基づき、処理対策を実施することということで合意をいたしました。
東京ガスにつきましては、その後、二〇〇五年の五月に至りまして、土壌処理に関する新たな確認書を締結しております。この中では、都から、先ほど申し上げました二〇〇二年の都環境確保条例に基づく対策につけ加えて対策をとるようにと要請をいただきまして、それを私ども受け入れまして、確認書を結んだ次第でございます。この二〇〇五年の五月の確認をベースに、私ども東京ガス、グループ会社も含めまして、東京ガスは、土壌処理工事を実施いたしまして、これに約百二億円を費やして、投下しております。
二〇〇七年の四月に至りまして、東京ガスから都に対しまして、この確認書に基づく全ての対策を完了した旨、届け出ました。都は、これを確認し受理されました。これにより、東京ガスは、環境確保条例上の手続を全て完了したものというふうに理解しております。
承るところでは、都は、その後、市場に利用するために、さらに詳細な調査をされたということでございます。
その結果も踏まえまして、二〇一一年の三月に土地売買契約を締結し、土壌汚染対策について、東京ガスから、さらに追加的な七十八億円の負担をするということをもって合意をしたということでございます。
○桜井委員長 私からの尋問は以上でございます。
次に、委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
舟坂ちかお委員。
○舟坂委員 ご苦労さまでございます。
自民党の舟坂ちかおです。どうぞよろしくお願いをいたします。
それではまず、志水証人にお聞きをいたします。
豊洲移転に関する調査開始後、平成十年九月二十一日に、東京都は、東京ガスに最初の訪問をしております。また、石原都政に入ってから、平成十一年十一月十一日に、福永副知事が東京ガスに市場移転交渉を申し入れ、移転交渉がスタートしたということですが、これに間違いはございませんか。
○志水証人 一つ目、まず、平成十年ごろに、東京都さんが市場のことでいらしたというのは、日付までちゃんと覚えていませんが、そのころにいらしたのは覚えています。
もう一点は、私は承知していなくて、直接私がお会いしたこともありません。
○舟坂委員 高木証人にお聞きをいたします。
その後、実務者交渉に入るわけですが、東京ガスは、市場の立地は豊洲地区先端部を避け根本部とするように主張しており、その理由の一つとして、先端部は工場跡地で土壌処理や地中埋設物の処理が必要であると東京都には主張をしっかりしたのでしょうか。もし主張したのであれば、それに対する都側の回答はどのようなものであったでしょうか。
○高木証人 そのような主張をした記憶はございません。
○桜井委員長 挙手をしてください。
○舟坂委員 私の方の、前もっての証人を、どの証人さんにどれをですね、ご質問をさせていただきたいということで、させていただいたんですが、ちょっと間違いがあるかもしれませんので、その場合は、どなたか補足もしていただければ助かると思います。
それでは、当時、常務さんであった市野証人さんにお聞きをいたします。
その後、東京ガスと東京都の交渉は局長による交渉に移るわけですが、東京都側は、豊洲の市場の立地場所は先端部にしかないと主張し、東京ガス側は、それに基本的に反対すると主張し、首脳交渉に切りかえられました。
平成十二年五月十一日に福永副知事が東京ガスを訪れ、豊洲先端部を市場用地として譲ってもらいたいという申し入れをしましたが、東京ガスとしては、取締役会で単に東京都が譲ってほしいといっているからというだけでは説明にならないと、取締役会にかけるのに必要な判断材料をいただきたい、また、後日、資料を要求させていただきたいとして、その後の質問状を福永副知事宛てに出しておりますが、相違はないでしょうか。具体的に教えていただきたいと思います。
○市野証人 お答えいたします。
私が直接担当したかどうか、ちょっと流れは別にしましてですね、今のご質問のご趣旨に答えるとしたら、豊洲ふ頭、あれはふ頭と申しますけど、豊洲ふ頭は、地権者が東京ガス、東京ガス豊洲開発、東京鉄鋼埠頭、それから東京電力、それから東京都が根元に、ふ頭の根元のところにも土地を持っておられました。
この関係者で豊洲をどんないいまちにするかという検討を進めてきて、方向が決まりかけたときに、この築地の移転問題が出てきたわけです。そんな経緯もあって、我々の事前に計画したいろんな案の中の一つに、ちょうど今、豊洲の市場ができたあの場所は、レインボーブリッジの真ん前で、オーシャンビューで、商業施設にするにしても、住宅にするにしても、あるいは文教施設にするにしてもですね、活用範囲がいろいろあると、価値の高いところであるという認識は持っておりました。
それからもう一つは、これは表に出したか出さないか忘れましたけれども、やっぱり工場の跡地っていうのは、頭にひっかかっておりました。ですから、工場の跡地じゃなくて、根元、ふ頭の根元の部分に市場を持ってこられたらどうですかっていうことは、私がいったか誰がいったか、大体東京ガスの基本的考え方はそういう、計画も遂行途上でありましたし、もしイエス出す場合には、当社だけでイエス出せませんから、関係する地権者と一緒に議論をして、どうするかっていうところも整理をしないと、頼むだけではいかぬよということは経緯としてあったと思います。ちょっとアバウトで申しわけありませんけど。
○桜井委員長 舟坂委員、証人は限定した上でということで、尋問をお願いいたします。
○舟坂委員 失礼いたしました。
かなり具体的に教えていただきましてありがとうございます。
続けて、市野証人にお聞きをいたします。
質問の中で、豊洲用地は工場跡地であり、土壌処理や地中埋設物の撤去が必要であり、東京ガスとしては長期的に取り組む予定であるが、譲渡に当たりその時点で処理ということになれば、大変な改善費用を要することになる、これについて東京都はどのように考えているのかと尋ねております。
東京都側の回答は、土壌処理及び地中埋設物の撤去については、新市場の着工時期までにはその処理が完了することが必要だというものであります。
交渉が暗礁に乗り上げたことが、この内容でうかがわれますが、そのような理解で間違いはないんでしょうか。また、様子も教えていただければと思います。
○市野証人 ちょっと先ほどと重なりますけれども、おおむねニュアンスとしては間違っていないんですけれども、その表現の仕方についてはですね、今は正確に覚えておりませんし、どこかの文章に残ってるのかもわかりませんけど、きょうはメモも持ち込まない前提でございますので、基本的におっしゃる趣旨で、市場を持ってくるのは難しいのではないかという認識でいろんな対応してきた、その一環だと思います。
○舟坂委員 続きまして、伊藤証人にお聞きをいたします。
平成十二年十月四日、濱渦副知事が東京ガスを訪問し、豊洲地域への市場の移転のお願いをして、濱渦副知事が東京ガスとの交渉担当として登場をしてまいります。
このとき東京ガスからは、表に出すと各論の論議ができなくなってしまう、もう一度水面下で交渉せざるを得ないと思っていると話し、また、都側に対して、経営判断を行うに足る条件が示されていないとして、ア、土地の価格、イ、開発者負担金という話が出されております。
濱渦副知事が、そのことは水面下でやりましょうといっております。なぜ当時、水面下で交渉せざるを得ないと東京ガスは考えていたのでしょうか。
○伊藤証人 伊藤です。
日付が今十月の四日とおっしゃっていましたけれども、私はちょっといつか記憶がありません。濱渦副知事さんがお見えになって私にお会いしたいというのは確かで、お会いしました。それは、私は豊洲については担当の取締役と全く関係しておりませんから、原局の方に、どういう意味で私のところに来るんですかっていうのを多分聞いたと思います。そのときに初めて豊洲のことを、私は、交渉のことはあらすじとして聞いたと思います。
その上で、濱渦さんがいらっしゃったときに私は席に臨んだと。そのとき、濱渦さんがお見えになったときに何があったかというと、そこでは挨拶と、それから、豊洲の市場進出、市場があそこに出てくることに対して、もっと進めていきたいと、それに協力せよというような趣旨だったと思います。
私どもの方も宙ぶらりんじゃ困りますから、じゃあ協議を進行しましょうということで終わって、それだけです、その内容は。
以上でございます。
○舟坂委員 引き続き伊藤証人さんにお聞きをしたいのですが、伊藤証人さんの方のお話、お答えではなかったかもしれませんが、多分、その同席していた方が何かお話ししたのかもしれないということもお考えをいただきながら、そのような都側との交渉で、土壌汚染の処理の問題はどなたかが話されたでしょうか。
東京ガスは福永副知事との交渉で、譲渡の時点で処理ということになれば、大変な改善費用を要すると質問をしており、この問題が話されているのは当然と思われます。
挨拶程度のお話だったというお話もございますが、ご記憶の中で、総合的にそのような問題というのも話としては出たでしょうか。
○伊藤証人 記憶としては全くありません。そういう話が出たということも覚えておりません。
以上です。
○舟坂委員 これは、ほかの証人にも聞いていいのですか、同じことを。
○桜井委員長 ええ、ちゃんと先に。
○舟坂委員 それでは、ちょっと伊藤証人さんの方では定かではないということなのですが、市野証人さんの方では、その当時のことというのは、ご記憶がございますでしょうか。
○市野証人 私も、濱渦元副知事がご挨拶に見えたときには、伊藤、先ほどの伊藤と同席しております。それ以外に二人いましたし、都側も、知事と市場長がいたか、いたような気もしますし、とにかく四人、四人で、ご挨拶を受けて、基本はやっぱり、いろんな状況が、厳しい状況がありましたので、豊洲移転をめぐって、市場の中でも多少意見が分かれたり、行政も、中央区と江東区でいろいろな意見があったりしておりましたので、そういうのを踏まえておっしゃったんだと思うんです。とにかく協力をしてほしいというのが、その挨拶かたがたの基本的なあれでございました。
その後、もう一回、二回会ってるんですよ。もう一回のときはですね、やっぱり水面下っていう言葉はちょっとあの、マスコミ報道で知ったぐらいで、そんな言葉使ったかなって、記憶はないんですけれども、誰が使ったかも記憶はないんですけれども、ただ、これだけふくそうした大きな話でございますから、東京都民の台所を移すという、その政治的な大問題から、その工場の跡地に持ってくる、それから、そこにはそこで前もって開発計画が進んでいると、こういう中での話でございますから、何か話を進めるにしても会議を開いてやる話ではなくて、やっぱりよく関係のわかっている人が、実務家が議論をして、まとまったものをそれぞれのつかさつかさつかさで稟議をして決めていかないと、これ前に進みませんねという趣旨のお話は、二回目のときにはしたような気がいたします。今も、それ僕は間違っていないと思っております。
○舟坂委員 どうも市野証人、ありがとうございました。
もう一度、伊藤証人さんにお聞きをいたしたいと思います。
その後、平成十三年二月二十一日に、東京ガス伊藤副社長と濱渦副知事の間で覚書が結ばれ、協議の枠組みが取り交わされることになりました。
平成十三年の七月六日に、東京ガス副社長と濱渦副知事との間で、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意なるものが交わされ、東京ガスは、築地市場の豊洲移転に協力することが決まりました。それは間違いないでしょうか。
○伊藤証人 間違いはありません。
それで、最初の二月の基本合意ですけれども、そのペーパー自体、私は見ておりませんけれども、それから基本計画の基本合意のところも、ペーパー自体を見ていないっていう記憶があるんですけれども、それにかかわる案件がですね、役員会にかかりました。ですから、私は直接豊洲については担当しておりませんでしたけれども、役員会で説明がされ、そこで会社として了承されたので、覚書のペーパーあるいは基本合意のペーパーには公印が押され、そして、相手の方が濱渦副知事さんなので、代表取締役副社長である私が、名前が出たということでございます。
○舟坂委員 ありがとうございます。
当時の伊藤証人さんのお立場が、よく説明を今いただけたなというふうに思います。しかしながら、会社の中で合意をいただいて、代表として判こを押したと、立ち会ったということになろうかと思いますが、どうしても私たちは、その土壌汚染ということが気にかかってしようがありません。
それで、この合意内容ですが、土壌汚染対策はどのように行おうとされたかというふうなことも話され、一緒に話が出たとか、そのような記憶はございますでしょうか。
○伊藤証人 基本合意の中では、多分書いていないと思うんですよね。だから会社の方で、役員会ですけれども、その中では、土壌汚染について説明がありました。その内容は、土壌汚染については、これから協議をしていくというようなことで終わっていると思います。それが、七月の役員会のときの状況だったかなというふうに記憶していますけれども。
○舟坂委員 恐縮ですが、今の件につきまして、高木証人さんの方で何かご発言をいただけますでしょうか。
○高木証人 土壌汚染の問題につきましては、この年あたりから、会社の方でもかなり立ち上げをしていた。条例等も、当年の十月ですか、そのころに施行されるということもあって、その部分については関心事であったわけですけれども、この移転の受け入れ、市場移転の受け入れに対する合意文書の中には、その土壌汚染の問題は触れられていないと思います。
○舟坂委員 高木証人さんに、続けてお聞きをできればと思います。
平成十四年七月には、豊洲地区開発整備にかかわる合意に当たっての確認が交わされて、土壌汚染対策についても、条例に基づいて行う旨の合意がなされております。
しかしながら、平成十五年四月三日、豊洲地区土壌汚染に関する東京ガスとの打ち合わせ概要という記録を見ますと、平成十五年三月二十六日の環境局からの申し入れに東京ガスサイドが承服できないということで、打ち合わせが持たれたことになっております。多分これは土壌汚染に関しての環境局からの申し入れだったのかなと思うんですが、どのような東京都環境局からの申し入れで承服できないというふうになったんでしょうか。
○高木証人 今のお話には、私は、その時点で関与しておりません。
○舟坂委員 恐縮ですが、市野証人、この当時のことをちょっと思い出していただけますでしょうか。
○市野証人 私もこの、幾ら思い出そうと思っても、この件は記憶にありませんから、少なくとも、私は知らないということになります。申しわけありません。
○舟坂委員 次に、丸山証人さんにお聞きいたしたいと思います。
その打ち合わせにおいて、東京ガスは、平成十三年七月に市場移転に関する基本合意が締結され、現処理計画で対策を実施するとの確認をしていると説明をしております。ということは、平成十三年七月の基本合意に書かれていない内容の確認事項があるということにもなろうかと思います。
平成十五年五月二十九日の豊洲地区土壌汚染に関する東京ガスとの打ち合わせ概要を見ますと、東京ガスは、平成十三年七月の二者間合意で、土壌汚染処理対策は今の計画でよい旨の確認をしております、だからこそ東京ガスは売買に応じたんだと、このような話。そして、平成十四年七月の地権者合意までに土壌汚染をどうするか、非常に重要な問題なので協議させてもらってきた、その結果、今提出している処理計画でよいということなので、地権者合意に至ったというふうに認識をしていると。
この発言からは、平成十三年七月に、濱渦副知事が、東京ガス副社長との基本合意の内容を確認する二者間合意が同時に存在し、そこで土壌汚染に関しての合意がなされているというふうに理解してよろしいんでしょうか。その辺のちょっと事情もお伝えをいただければと思います。
○丸山証人 平成十三年の七月の二者間合意の文書に附属いたしまして、確認書というのがございます。そこに、今おっしゃられたような事項が、記載がございます。
土壌汚染のことについて、それまでの経緯を若干ご説明いたしますと、もともと豊洲地区の開発整備というのは、豊・晴計画といって、東京都が策定された計画で進められ、平成十年には、区画整理事業がスタートしたということがございますけれども、我々、石炭ガスをそこで製造していた工場の跡地でございますので、そこの調査をしっかりやらなければいけないということで、平成十年から十一年にかけて調査を実施いたしました。
その結果、汚染が確認をされ、この結果につきましては、平成十三年の一月に、ほかの工場跡地の土壌汚染の結果も対外公表しておりますけれども、そのときに、豊洲の状況についても公表させていただいております。
対策の内容につきましても、そこで説明をさせていただいておりますけれども、土壌汚染の結果、それから対策の内容につきましては、計画書という形で東京都さんとご相談をして、その計画書に基づきまして、平成十三年の二月から、公表の後、対策工事に着手をしたという経緯でございます。
その対策の内容といたしましては、全て環境基準を満たすような完全除去というのは、時間もかかりますし、コストの問題もあって、その当時、条例の施行の前ではございますけれども、条例の考え方なんかもありまして、井戸があって、地下水を飲むようなことがないような場所で、直接土壌汚染が飛散をするというようなことがないような拡散防止の対策をするというのが、条例なりの考え方でございましたので、豊洲地区は約二メーターぐらいの盛り土を将来的には行うという計画で、それで外部、外への飛散は防げるだろうと。ただ、環境負荷の低減ということで、非常に汚染の濃いところについては除去をしようと、そういう計画を立てて、その工事に着手をしたという経緯でございます。
築地市場の移転の問題が並行して議論されるようになりましたけれども、我々、汚染土壌の問題は非常に重要な課題というふうに思っておりましたので、ちょっと、いつどういう協議をしたかということは今、記憶にございませんけれども、何度か市場を中心に、その土壌汚染の対策のレベルについて打ち合わせをさせていただいたということを記憶しております。
基本的には、今、我々考えている対策で十分であるというようなことを確認させていただきましたので、二者間の合意の時点で、確認書という形で、その内容をお互いに確認させていただいたという経緯でございます。
以上でございます。
○舟坂委員 私の質問は最後になります。
もう一度、今、丸山証人さんから、かなり具体的なお話をお聞きしました。もしかすると、この質問もちょっとダブっているかもしれませんが、再度確認もさせていただきたいと思います。
平成十三年七月の合意と、平成十四年七月に締結された確認との間において、合意内容、それぞれの違いというものがあるのか、あるとすればどのような点が十三年と十四年、ちょうど一年の間で中身の違いというのをまたお示しをいただければと思います。
○丸山証人 十三年の合意につきましては、東京都さんと東京ガスの間の、この二者間の合意ということでございます。
そして、十四年の合意は、ほかの地権者も含めてその内容を全て確認をするということで、実際に調印するものが違うというところが違いでございますけれども、土壌汚染の対策につきましては、当初、十三年に合意した内容と十四年では、基本的には考え方の違いはございません。ただ、その間に、土壌、東京都の環境確保条例が十三年十月に施行されておりますので、我々が当初考えていた計画もその条例に沿うということで、条例に従って対応をきちんとしていこうということで、記載の内容が少し変わっているというところでございます。
以上でございます。
○舟坂委員 ありがとうございました。
自民党は、次は河野議員と交代させていただきます。
○桜井委員長 河野委員。
○河野委員 自民党の二番手を務めさせいただきます河野ゆうきと申します。きょうはどうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、今、市野証人の方から少し触れていただいたんですけど、そもそもですね、この豊洲の地において、皆様方、東京都から豊洲の市場の要望を受ける前に、さまざまなオーシャンビューを生かした計画とか、一企業としての夢というか、そういう臨海開発に当たっての、そういう計画をされたかと思うんですけど、その点について若干触れていただきたいと思うのと、その際に、例えば、聞き及んでいるところでは、例えばホテルだったりとか大学を誘致するとか、そういうふうなさまざまな問題がある中で、どのように御社としては土壌対策をしようかと考えていたのか、簡単にご説明いただければと思います。市野証人、お願いします。
○市野証人 ただいまのご質問に関して、私が直接関与していた時期ではない、もっと前の時期から進んでおりますので、多少個人的に、感想的になりますけれども、ご容赦いただければお話しいたしますが、まず豊洲晴海開発協議会っていうのをつくって、あの豊洲ふ頭をですね、工場は一部ありましたし、ほかの地権者もいますけれども、いかにいいまちにするかということを東京都さんのご指導も受けながら、いろんなアイデアを出しておったわけです。
その中に今お話のあったような、ここだったらビジネス地区がいいんじゃないかと、ここは文教地区に、文教として学校でも持ってきたらどうかとかですね、ここは住居に、展望もいいし、あるいはホテルの話もあったかも、いろんなアイデアがあったんです。
それ自体はもうそのとおりですけれども、その後の話はさっき申し上げた、途中で築地の問題が入ってきて、地権者の間でもどうするかと。まずは全体の区画整理の話から、いろんな問題が全部絡んでくるわけですから、それをどうするかという話と、築地の、何とかしてほしいという都からの強い要請を、公益的、都民の台所だと、今の築地ではもうどうにもならないというお話を強く聞いたものですから、我々も公益事業として、都民の皆さんにエネルギーを供給している立場として、この強い要請にはやっぱり協力せざるを得ないじゃないかということで--ただ、そのときに、具体的にですね、土壌がどうだって話出る前の、もっと前のその話でございまして、基本的に協力せざるを得ないって、その協力するに当たっては、問題がいろいろ出てくるだろうと、工場であったってことも、もうそれはみんな百も承知の話でございます。ただ、どの程度汚染があるかというのは、そのときには、まだ細かいことはわかっておりませんでしたけれどもね。
いずれにしても、その汚染も含めて、いろんな課題があるということで、これからいろんな形で進めていこうという流れだったことは、ほぼ間違いないと思っております。
○河野委員 今のお話で、当時、東京ガスさんの方は、そういう開発の方で、当然、区画整理を進められたということで、東京都に東京ガスさんから持ち出した話ではもう当然なくて、東京都からの強い要望と、その公共性のためにご協力いただいたということだと理解させていただきました。
次に、また引き続きで大変恐縮です、市野証人、お聞きをしたいと思います。
平成十年の九月二十一日には、その時点では東京ガスさんは、一番最初に東京都が行ったときには売る気はないというふうなお話だったんですね。それが十一年十一月、大矢市場長が伺ったときに、やむを得ないと。それがそういう形で動いていったわけなんですけど、その際に、先端部分、ふ頭の先端部分を外してやるというのは、だったらまだ了承すると、そういう段階だったと思うんですね。
そこをですね、都に対して譲渡ができない、今でいう六街区、七街区になるんですけど、今、市場が建っているところですけど、その理由というのは具体的にお話しいただければと思うんですけど、どうしてその先端部ではだめだというふうに、何度か繰り返しになって恐縮ですけど、お答えいただければと思います。
○市野証人 さっき申し上げました開発計画全体のいろいろなアイデアの中で、非常に付加価値の高い、展望のいい、いい場所であって、アイデアもそこにかなり、いろんなアイデアが集中しているところでありましたし、根元部の提案もさせてもらっておりましたので、でも根元部じゃだめだという東京都からの返事もあって、で、最後まで、結果的には最後まで反対できなかったんですけど、どこかで、これ協力しなきゃしようがないなっていう話で受け入れようという話に変わったので、先端部じゃなきゃだめだと、こっちがいった話ではなくてですね、都の、市場の方から、そこにしてくれと、これは水産物を扱うから、船の関係とかいろんなことがあったんでしょう、詳しいことは知りませんけど、とにかく根元じゃだめだということは、都の方から強く要請されたということでございます。
○河野委員 市野証人、何度も聞いて大変恐縮なんですけど、おっしゃるとおりでですね、理解をしております。
これはどういうことかというとですね、我々、いろいろマスメディアで報道されているところとかをこう聞いていると、何か福永副知事のところから、今度、濱渦副知事にかわるところっと変わって、何かこう水面下での交渉というふうな、いわゆる何というんでしょう、言葉が飛び交って、何かこう、いい条件を与えたことによって、そういうふうな水面下での交渉で変わったんだみたいな、色眼鏡をつけてですね、そういうふうに思われている方が多分多いと思うんですね。
私自身もいろいろ研究というか勉強するまでは全くわかりませんでした。ただ、このいろいろな資料を読んでいくうちに、東京ガスさんは本当にいろいろご協力いただいているんだなということをつくづく感じさせていただいているところです。
基本的に協力を変えていただいたということは今お話いただいたとおりですけど、その中で、社として決定する条件が足りない、表に出す各論の議論ができなくなってしまう、水面下で交渉せざるを得ない。価格や開発費負担のことを挙げております。
その当時、このときに、そうですね、交渉に一緒にいられていた志水証人に--いらっしゃってましたよね、そのときに。お聞きしたいと思います。
先ほど、この前にですね、大矢元市場長が、その水面下というのは、別に何か、テーブルの下で何かをこう物をやりとりするということではなくて、状況としては細かいことだったりとか、あとは具体的なことだったり、もしくは周りの方たちの配慮もしなきゃいけないとか、株主のことも考えなきゃいけないみたいなことなのかなというふうに、私は先ほど大矢市場長の話を聞いていて、そう感じたんですけど、この件について、志水証人、ご見解をいただきたいと思います。
○志水証人 うまくお答えできるかわからないんですけれども、平成九年ごろから、私、担当していたんですが、平成九年、十年、十一年ごろっていうのは、先ほど来話が出ているように、東京都から区画整理事業に協力せいと。何で東京都さんがそんなに頑張るんですかといったら、臨海部の開発のために、根っこにある、おまえのところは--要は邪魔なんですね、「ゆりかもめ」通すのに、おまえが頑張っているとだめなんで、まちづくり全体を東京のために、まず協力せいやというんで、まず土地区画整理事業に、もうしようがないねと。私たちは、正直いうと余り土地を動かすつもりがなかった場所なんです。逆にいうと、余りアイデアもなかった。で、土地区画整理事業やるぞと、じゃあ協力しようとなったときに、一番まず考えたのは、もしやるんだったら、いいまちにしたいな、当たり前ですが。何が強みなのかな。やっぱりオーシャンビューっていうことありましたね。三方が海に囲まれてるっていうのは、これは使いたいねと。
あるいは、東京ガスも、東京電力も、インフラの重い施設があるんです、実は。都心部への根っこになっている施設があるものですから、逆にエネルギーは割と重いんですね。だったらそれを生かして、何か災害が起こったときに、都心に救援に行くための住宅なりがあってもいいかなとかですね。具体的には、消防庁とか、警察庁とか、東京ガス、東電、あるいは職員の方がそこに住んでいて、ともかく二十四時間、誰かがいて、どおんと鳴らしていても、そこには人がいるっていうふうにしたいなとか、流通備蓄倉庫にしよう、流通倉庫として誘致するだけじゃなくて備蓄もする、ですから流通倉庫としては効率悪いんですね、何せ一定量必ずあるわけだから--というようなことを考えておりましたので、それと市場の話というのは非常に違和感があったっていうだけだった、その時点は。
大矢さんが来られる前に、私たちは港湾局の方と随分やっていましたが、大矢市場長が来たときには非常に乱暴な印象を受けました、まず第一感は。
以上でございます。
○河野委員 ありがとうございました。
それでですね、この濱渦副知事の話の中で、先ほどからも出ているんですけど、株主を損させないような仕組みをつくれというふうに濱渦副知事が都の役人に対して指示を出しているんですね。それは指示といってもですね、要するにどういうことかっていったら、皆さんに協力してもらうのに当たって、皆さんの会社が損をするというのは、それはだめなんだというのは当然のことだと思うんですけど、これ、平成六年の四月の都議会の埋立事業会計整備の中で、これ決算だったと思いますけど、これの中で、護岸整備、あそこは臨港地区をですね、指定を解除することによって、護岸整備の方で開発者利益が生じることがあるから、開発者負担を導入するということで、先ほども話ありましたが、三百三十億の負担免除とか、三百億、六百億のうちの二分の一とかいろいろ話あるんですけど、もともと本来であれば、護岸整備ですから、公共事業として東京都が、自治体が整備をするところなわけですけど、そこを区画整理事業でやれば、当然、東京ガスさん初め関連各社が、そこにおいての開発利益が生まれると。
だから東京都も、当時、財政的に厳しかったから、じゃあ開発者に負担をしてもらおうじゃないかというふうな話が、議会を通してそういう話になったんだと私は理解しているんですね。
その後に、濱渦会談後に、ちょっと時代は飛びまして、覚書の中で、護岸整備はこっちがやるよと。そのかわり、中はそちらでやってくれよみたいなお話になってきていると。そこのところでですね、東京ガスとして、この負担をしなくていい方向になった、この理由をお答えいただきたいと思います。続いて志水証人、またお願いしたいと思います。
○志水証人 済みません。私のときの時代は、土地区画整理事業ですので、護岸をする、耐震護岸にする、それで宅地ができる。その宅地も含めて、元地の中に参入するから、だから、全体で東京ガスもメリットあるだろうっていう区画整理事業でした。それ以降は、私、知りませんので、済みません。
○河野委員 それでは、同質問を高木証人、ごめんなさい、丸山証人、どちらかな。どちらの方がいいんでしょうかね。高木証人、お願いいたします。
○高木証人 防潮護岸につきましては、大体三十メーターから五十メーター埋め立てて築造するということで、結果として護岸宅地ができると。それが地権者にメリットになるということで、全体の費用の、施設費の半分を公共負担、半分を開発者負担ということだったと思います。
で、ただ、そのスキームというのが、結局メリットがあるという、メリットを地権者の方に還元するっていいますか、そういう--護岸宅地の部分をですね、ということが法的に疑義があるという形、ことになってきまして、それが先ほどの豊洲移転の合意のころに、そのことについて一つの決着をつけるということで公共負担という格好にしたんだと、その合意のところにですね、そういうことで入れたというふうに思います。
○河野委員 ちょっと時間がないので、護岸整備については飛ばさせていただきまして、今度、土壌汚染にかかわる問題についてお伺いしたいと思います。
丸山証人にお聞きしたいと思います。
平成十四年七月三十一日の豊洲地区開発整備に係る合意においては、環境確保条例に基づき対応をということになっているかと思います。それに基づいて、東ガスさんの方がこれを行って、これで売り主としての責任を果たすということで理解をしているわけなんですけど、その後、平成十七年五月三十一日に土壌汚染にかかわる確認書、これは十四年の合意に加えてさらに、操業由来の汚染土壌についても、道路の下、もしくはAPプラス二メートルよりも下の方は除き、除去するか原位置での浄化等により処理基準以下になる対策を行うとされておるわけですけど、この合意が変わってこういう合意になったのはいかがなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○丸山証人 平成十四年の七月の合意、全地権者の合意のときに、条例に従って対応するということの取り決めがされて、その後、我々は、条例に基づいて履歴調査とか、それからサンプリングの調査結果の報告とか、それから拡散防止計画書というようなことで手続を進めさせていただきました。
その書類審査の中といいますか、いろいろ市場の移転の問題についても具体的な計画が多分進んでいったんだろうと思いますけれども、やはり食の安全を確保するということが市場立地のためには非常に重要だというお話で、もう少ししっかりした対策がとれないかというような申し入れがあって、少し時間をかけて協議をさせていただきました。
その結果、今おっしゃられたように、昔の工場の地盤面から二メーターについては全て環境基準をクリアするというようなレベルの対策、それから、二メーターより深い部分については、その上に土が乗っておりますので、十倍を超えるものを除去して拡散防止を図ると。その二メーターというのは、市場さんのお話では、建物の基礎の深さというのが、将来、盛り土がされた上から約四メーターとかそれぐらいの範囲だろうから、そこで改変をする部分についてはきちんとした対策をとるというような考え方が示されまして、我々、もう既にその対策工事に取りかかっておりましたので、後戻りは結構大変なことになりますので、そういう条件のもとで、実際の工期の中で工事ができるかどうか、そういったことを検証しながら、あるいは市場さんとの協議をしながら、その十七年の合意の内容というのを固めていったという経緯でございます。
十七年に確認をさせていただいた内容で、平成十九年ですね、我々がなすべき対策については一通り完了して、条例に基づく完了届を提出をして、さらにご確認をいただいたという経緯でございます。
○河野委員 先ほど、岡本証人の方から、そのお話の中で、百二億を費用として使われて、そして都に完了の報告をされているということでありますので、その工事というのが、当然、今のは都からの要請として、もう少しやっていただきたいということを応諾したのは、これはいわゆる安全から、もう少し安心のために、社会的な企業としての貢献をしてもらいたいというふうなお話で、安全から安心への一歩ということなんだと私は理解をさせていただきました。
続きまして、売買契約が締結される二十三年三月三十一日、その際にも、用地の土壌汚染対策の費用にかかわる協定書というのが最終的に結ばれて、これがいろいろいわれておりますが、七十八億円ということで、ここに対してのですね、いろいろな疑義といいますか、そんなようなことがいわれておりまして、そこのところをクリアにしていかなければならないのかなと思っております。
丸山証人にお聞きしたいと思いますけど、この協定書、この中で、費用負担はこれ以上は考えていないと、そういうふうに、将来の費用負担をにおわすような文言は一切入れられないというふうにいわれております。これは、読んでいる私も当然だなと思うんですね。ただ、なかなか、なぜそういうふうに七十八億円って決まったのかっていうのは、なかなかうまく説明できないものですから、ぜひ、ご自身のお言葉で説明いただければと思います。
○丸山証人 先ほど申し上げましたように、平成十九年に対策工事を完了して確認をしていただいておりますので、東京都さんとのお約束は全て我々果たしたつもりでございます。
あるいは法的、あるいは条例上の問題も一応クリアしているということですので、それ以上の負担というのは、基本的には我々する義務はないというふうに思っておりますけれども、専門家会議あるいは技術会議で、我々の工事が終わった後に詳細の調査をされて、また、高濃度の汚染が確認をされたという事実がございます。
専門家会議、技術会議を経て、東京都さんで整理をされた対策計画で見積もられた金額というのは、約五百八十億ぐらい、五百九十億ぐらいですかね、かかるというようなお話があって、我々やるべきことはやったということなんですけれども、東京都さんから、その五百八十億の一部について負担をしてもらえないかと協議の申し入れが、ちょっと日時は忘れましたけれども、最終の合意の二年ぐらい前だったと思いますけれども、申し入れがございました。
どういう内容かというのをお聞きして、随分時間が経過したように記憶しておりますけれども、最終的に、我々、社会的責任といいますか、施設が非常に公益性の高いということで、ある程度負担をする必要があるかなという中で、金額をどのぐらいにするかという協議も東京都さんとさせていただきましたけれども、五百八十億の中にはですね、いわゆる土壌汚染の対策ではない、例えば液状化対策ですとか、あるいは地下水の管理システムの費用ですとか、そういった費用が二百六十億ぐらいだったと思いますけれども含まれておりますので、それ以外が、いわゆる土壌対策ということになります。
豊洲地区は、操業に由来する汚染もそうなんですけれども、埋め立てのエリアでして、埋め立てによる自然由来の汚染っていいますか、ヒ素とか鉛の汚染がかなり広範囲に広がっております。そういったものの対策費用、それから、そもそも食の安全ということで、土を、汚染あるなしにかかわらず土を入れかえるというような計画も東京都さんがされておりましたので、そういったのを一切合財引き算をしますとですね、約二百三十億くらいの操業由来の汚染ということに、計算上なっていました。
そこの二百三十億をどういうふうにシェアするかという話なんですけれども、平成十七年に合意しました、先ほど申し上げた二メーターを境にして、環境基準あるいは十倍という考え方を、その二百三十億に適用すると、ちょっとどこに含めるかというところで見解の相違は多少ありましたけれども、おおむね六十億とか八十億とか、それぐらいのオーダーの金額が算出されまして、そこで、我々としてきちんと対外的にも説明できる範囲はどこかということで詳細の協議をして、結果的には七十八億という金額が決定いたしました。
いろいろこう上乗せの対策を求められたり、あるいは費用負担についても協議の申し入れがあって、いろいろ変遷があって、我々としても、一つ区切りをつけたいという思いがありましたので、その七十八億円というのを一応解決金みたいな位置づけでお支払いしますというようなことで、そう協定書の中に記載をさせていただいております。
○河野委員 ありがとうございます。
次の二問ぐらい先までお答えいただきまして、ありがとうございました。
まだまだお聞きしたいことあるんですけど、少し時間が少なくなってきたので、現在の代表取締役社長であります広瀬証人にお聞きしたいと思います。
今現在、このいろいろな尋問を聞いたりとかですね、いろいろなその公共性の高い御社として、株主の責任だけではなくて、都市ガス利用者である都民への責任も含め、社会的責任感は強くお持ちなんだろうというふうに私も思っております。
そして、あの臨海での再開発という夢を断念をされて、そしてこの築地移転の問題に協力をされたと。ただ、今、残念ながら、知事が、石原元知事に対して住民監査請求を、弁護団を差しかえて方針を見直すとされております。私はここがですね、理解ができないです。なぜこれが、知事がかえるのかわからないんですけど、これが、要するに石原知事は違法な公金を支出して都民に損害を与えたというふうな住民訴訟なんだと思うんですね。ということはですね、これはいいかえれば、御社が不当な利益を得ているということを暗におっしゃっていることに等しくなってしまうんですね。この点について、社長のご見解をいただきたいと思います。
○広瀬証人 豊洲につきましては、昭和六十三年に、私どもの工場を閉鎖いたしました。それ以来、開発段階に進みましてから、かれこれ三十年たちます。また、市場の移転問題が出てからも二十年間ということで、私どもといたしましては、この間、一貫して東京都を初め関係者の皆様と真摯に向き合って真剣な協議をしてきたというふうに考えております。
もとより、今先生が、お話がありましたとおり、私どもは民間企業でありますから、当然のことながら、経済性、効率性というものが大事であります。一方で、ガス事業という非常に公益性の高い事業でありますので、そうした公益性、民間企業としての経済性と企業市民としての公益性、その辺を両立させていくというのが私どもの経営のポリシーでございます。
この豊洲につきましても、そういうふうな考え方でこれまで対応してまいりましたけれども、今お話がありましたとおり、豊洲につきましては、いろんな意味で、豊洲ブランドが、今非常に損なわれているということでございます。私どもといたしましても、一定の方向が出ましたら、ぜひ、この豊洲ブランドをですね、もう一度回復すべく、東京ガスとしても最大限の努力をしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。以上でございます。
○河野委員 以上で尋問を終わります。ありがとうございました。
○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後六時三十四分休憩
午後六時五十分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
引き続き証人から証言を求めます。
谷村副委員長。
○谷村委員 公明党の谷村孝彦でございます。
本日は、何かとご多用の折にお時間をいただきまして、大変にありがとうございます。心から御礼を申し上げます。
また、開示書類につきましては、記録の請求につきましては、東京ガス株式会社様には誠意あるご対応をしていただいたものとまず感謝を申し上げさせていただきたいと思います。
そこで、初めに、大変恐縮でございますが、今回記録を提出していただきました資料につきまして、広瀬社長、一件一件ご確認されて出されているのか、それとも、今回の関連のはもう全部出しなさいといって提出されたものか、まず冒頭にお尋ねさせていただきたいと思います。
○広瀬証人 お答えをいたします。
まずもって、今回、この百条委員会につきましては、私ども初めてのことでございますので、いろんな手続面も含めて、不手際等ありましたら、まずご容赦いただければというふうに思っております。
資料の取り扱いでございますけれども、議長の方からご要請をいただいた後、各関係者を集めまして、その趣旨を確認した上で、今回、この百条委員会に必要な資料につきましては全て提出するようにと、こういうふうな指示をいたしました。
ただ、当然のことながら、取締役会等々、いろんな会議は、この豊洲問題だけではございませんので、原本ももちろん出していただきましたけれども、そういった他に影響のあるものにつきましては、十分ご配慮いただきたいというようなことをお願いしながら、今回資料を提出させていただきました。よろしくお願いいたします。
○谷村委員 ありがとうございます。これまで御社におかれましては、二十年近くにわたり市場移転をめぐって東京都と交渉を重ね、市場移転の受け入れや法令上の義務を上回る土壌汚染対策、また、その費用負担について、東京都にご協力をしてこられたことにつきましては、私どもも十分認識をさせていただいております。
その上で、現在の豊洲新市場の移転問題をめぐる都民の皆様の疑念に応え、さまざまな課題を解決していくためには、公明党はまず何よりも正確な事実というものを明らかにしていかなければならないと思っております。
そうした観点から、客観的な事実を確認させていただきたいと思いますが、まず、福永副知事との交渉までは絶対に売らないといわれていたこの豊洲の先端部、海に一番近い、これがどうして売るというふうな方針に変わったのか、また、その条件は何だったのかということにつきまして、時期的には伊藤証人にお尋ねするのがよろしいかと思いますが、なぜ売らないといっていたものを売るというご決断といいますか、判断をされたのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
○伊藤証人 伊藤です。
そのときの私の立場をご説明しますと、私はそのとき、二〇〇〇年、平成十二年の七月から十四年の六月まで副社長でいました。当時の会社の執行体制というのは、それぞれの部があって、その上に取締役社長に任命された役付の取締役がそれぞれ担任としてついておりました。業務は、基本的にはそういう形で進んでいるわけです。
ですから、私の立場は、そういうところで進んでいて、さらにその案件が取締役会にかかる、あるいは重要な案件であるというようなものが経営会議に上がってくるわけで、経営会議というその場でこの問題を私は知り、説明を受け、そこで判断したというのが私の判断です。
それで、先ほどのご質問に戻りますけれども、それまでの福永副知事さんのときには私はもう全然関係していなくて、話は知りませんでしたけれども、いきさつがわかりませんでしたけれども、東京ガスとして判断したのは、先ほど市野がお話ししていたとおり、協力するという姿勢でやりまして、私の感じとしては、極端に変わったという感じは、前の経緯わかりませんから、しませんでした。そんな感じで決定をさせていただいたということです。これは役員会としての決定であります。
○谷村委員 ありがとうございます。
環境確保条例に、その後ですね、規定するものよりも、より負担をかけて土壌汚染対策をされました。先ほどのご答弁ですと百二億円ということでございましたでしょうか。また、売買契約の締結する際には七十八億円のご負担もされております。
ここの真実を教えて、きょうはいただければと思っているんですが、経済的合理性のないところに--先ほど広瀬証人、お話ありました、経済的合理性のないところに民間企業の方がお金を出されると。先ほど広瀬証人のお言葉をかりれば、経済性と効率性を求めていく。一方で、公益性も責任としてあると。だけど、どこかお金をどんどん出していくのに、東京都のいうがままになっているんではないかというような指摘をされる方もあって、株主さんからも理解をされていないということなんですけれども、先ほどの伊藤証人から、上がってきて取締役会にかけたというご説明がありましたけれども、これはどなたからご報告を受けられたんでしょうか。
○伊藤証人 今のお話で取締役会というお話出ましたけれども、それは取締役会じゃなくて、その前に役員会というのがあるんですね。その役員会での話。
ご承知かと思いますけれども、取締役はきちんと会社法で規定がありまして、例えば今の話ですと、資産の移動があるような場合、譲渡、あるいは譲り受けがあるような場合はある。この件は、そのときには、まだそういうことは発生していませんでしたけれども、将来発生するだろうということで役員会にかかったんだと思います。
それで、かかったのは、そのとき、記憶定かじゃありませんけれども、豊洲開発というのがありまして、その社長からだったかなと、これはちょっと記憶定かじゃありませんけれども、そんな印象でございます。
○谷村委員 今ご指定されたのは東ガス豊洲開発の社長を務められた江口洋さんのことでしょうか。
○伊藤証人 そうです。江口です。
○谷村委員 済みません、ちょっと後ほどついでにお伺いしたいと思うんですけど、江口洋さんというのはどうされているかご存じですか。
○伊藤証人 亡くなられたと思っています。
○谷村委員 ありがとうございます。
話を続けさせていただきますが、交渉担当者が福永副知事から濱渦副知事になると、私どもから見ますと、御社の交渉スタンスががらっと変わった印象を受けております。何か濱渦元副知事と、どこかで何か確認がなされたから、それまで絶対に売らないと、何があってもこだわるといわれていた豊洲の先端部、これを変えようっていう、移転について協議をしていこう、交渉を開始していこうというふうに変わられた、何か濱渦元副知事と確認されていることがあれば教えていただきたいと思いますけれども、ちょっと現社長の広瀬証人、よろしいですか。
○広瀬証人 私、今、経営の責任者でございます。実際にそのときは直接、当然のことながらタッチはしておりませんでしたけれども、そういう面で経営の一般的なお話になるかと思いますけれども、過去の経緯をこの豊洲、いろいろ見てみますと、まさにその時代にあるいろんな政策によって、翻弄されたというとちょっとオーバーかもしれませんけれども、いろんな不確定要素で、大変経営判断が難しかったんではないかなと思っております。
特に、一回進めているものを一回そこでやめて、新しい段階に行くということは、相当ある程度の確証がないと、なかなか次の段階には行けなかったんではないかなと。そういうことで、率直に申し上げて、同じ東京都の方、いわゆる開発部隊とずっとやっていた中で、今度新しいまた東京都の部署さんからそういうお願いがあったということで、どこまでそれが現実性があるのかというようなことについては、相当難しい判断だったんではないかなということで、急に変わったというか、最終的に東京都の判断が変わらないというか、ほぼそこで東京都としての判断が出たのではないかと、恐らくそういうことではないかということで、それがたまたま濱渦知事さんということで、特に知事さんがかわったからということではないんではないかなと、タイミング的にたまたまそういうことであったんではないかなというような、現在の経営者としてのこれはコメントでございます。
以上でございます。
○谷村委員 ありがとうございます。今、知事といわれたのは副知事、交渉に当たった副知事の交代のことをおっしゃったんだと思いますけれども、平成十二年十月四日から、濱渦副知事が御社を訪問されて、水面下でそのことについては交渉しましょうということから話が動いたという認識でおりますが、平成十三年二月二十一日に覚書が締結され、七月六日には豊洲地区の海側に市場を移転するという基本合意が結ばれたわけでございます。
これ、伊藤証人にお尋ねしたいと思いますけれども、この急転直下の方針転換、今、広瀬社長も当時の推測をしてのお話だと思いますが、このことについて、濱渦元副知事が東京ガス幹部と一緒に豊洲へ視察に行ったと、そのときに、公共性という点では御社も東京都も同じ、協力してくれないかと訴えたら、東京ガス側も、そこまでいうなら仕方ないという流れになったと、こういうふうにおっしゃっているようなんですけれども、御社はそれまで、豊洲の海側は景観がすばらしく、もう付加価値の高い立地だとして、市場の移転に本当に反対をされておりました。でも、それが、そこまでいうなら仕方がないという程度で、先ほど広瀬証人からもお話いただきましたが、これほど重大な経営方針を転換することができるのかっていう、率直な疑問があるわけであります。
これにつきまして、濱渦元副知事と覚書、あるいは基本合意を結ばれた伊藤証人にお尋ねをしたいと思います。
○伊藤証人 豊洲を濱渦副知事さんと一緒に見に行ったってことは、全く私はありませんし、ほかの方はどうかわかりませんけれども、私はありません。ともかくお会いしたのは、濱渦副知事さんが見えた十月に一回だけです。
先ほど申し上げましたように、そこでの話は、裏約束があるとかそんなことは一切なくて、もっと進めたいから協力してもらいたいということで協力した。私どもが協力するといったことは、私どもは、過去からずっとこの交渉は続いておりますから、それでいつまでもとまっていれば、会社の方でも動きがとれなくて困るわけです。じゃあ進めましょうということで進めまして、水面下云々なんてのは全く記憶に、思いませんし、我々の会社にとっては水面下なんて意味のないことですから、そんなことで覚えています。
○谷村委員 それでは、ちょっと話を進めさせていただきますが、先ほども申し上げましたけど、平成十三年二月二十一日に覚書を東京都と東京ガス株式会社で、築地市場の豊洲移転について、協議に当たり、スタートしましょうと。平成十三年七月六日、五カ月後ですけれども、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意というものがなされております。
この二つは伊藤証人が調印をされていると思うんですけれども、それを受けて、わずか十二日後、先ほど来から少し出ておりますけれども、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスの基本合意に当たっての確認書というものが交わされております。
ここに、防潮護岸の開発者負担はなしとする、これ、三百億円、三百三十億円という交渉もあったり、あるいは上下水道の負担額等についても出ています。それから、市場用地の売買価格は売買契約締結時の時価相当額を基本とすると。先ほどお話がありましたけれども、本来、汚染されている土地だけれども、時価総額でやりましょうと、東京都と合意されているわけですね。
そして、市場用地内の汚染土壌の処理については、東京都の指導に基づいて云々てあるわけですが、実は今回提出していただきましたこの確認書なんですけれども、御社から出していただいて、初めて確認できたんです。東京都にも同じ資料開示を要求しましたが、これは四枚の書類になりますけれども、済みません、五枚ですね、五枚あるうちの三枚目だけが出てきて、そこにはサインをされている人の名前も外されているという。今回、御社が出された資料によって、こういう合意がなされたんだということが明らかになったわけです。
これについて、冒頭申し上げましたけれども、今回資料を、記録を提出していただきましたが、東京都はこれ、保存していないんです。もっといえば、三枚目だけを、しかも、サインした人の名前を消して保管をしているという。これ、東京都がどうしてこういうことをしたのか、水面下ということではないというお話でございますけれども、ちょっと伊藤証人、水面下の合意であるがゆえに、御社にはあるけれども、東京都にはないのではないかというこの疑問についてお答えをいただきたいと思います。
○伊藤証人 確認書があったっていうのは、今初めて聞きました。少なくとも経営の会議には上がってきませんでした。
○谷村委員 ここで、じゃあサインをされております高木証人、直筆でサインされていると思いますが、これは伊藤証人はご存じないといわれていますけれども、高木照男と書かれておりますが、高木証人、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○高木証人 築地市場の豊洲移転についての基本合意という、いわば本文というものが二者間の合意という格好で交わされまして、それで、それに至るといいますか、それのブレークダウンした詳細のことについて、記憶のあるうちに書き出して、確認書という格好で、これはやはりそれほどその、合意の内容と重複する部分もかなりあるわけですけれども、項目を、どういう格好でもって築地市場移転に伴って、それのない計画を見直すかっていう項目的なもの、学校の数ですとか公園緑地の広さですとかそのほか区画道路とかそういったのがまるで変わってきますので、そういったポイントについてまとめたというのが確認書でありまして、これは東京都さんの方からたしか提案があって、私どもそのとおりだと思いまして、ただ、余りその、何といいますか、要式行為的には、二者間合意でもありますし、次の豊洲地区の開発整備事業、いわゆる土地区画整理事業全体の最終合意のところにつなげると。ただそういった意義の一つのマイルストーンという格好でもって確認書をつくったということでございます。
○谷村委員 今、ご証言いただきましたけれども、七月六日になされた基本合意と、そしてこの、それに当たっての確認書は、極めて内容として、性格として異なるものでありまして、通常細かく押さえるんであれば、このそもそもの基本合意に、詳細については、例えば確認書によって定めるとか、別途契約をするとか、確認をするとかっていうのは、あってしかるべきなんですね。そういったものがこっちの原本になくて、こちらで細かく詰めるものがあると。しかも、東京都にはこれが保管をされていない。
ポイントとしてお話しさせていただきますと、これは、ずっと区画整理事業から進めてこられました。ガラガラポンていう、赤星、当時の理事が御社に行かれて話をしたときに、区画整理事業で負担をしてきたことも全部もう一回ガラガラポンにして、最初から見直しましょうという調整をした結果だと思うんですが、例えば防潮護岸、御社は基本合意のときは三百三十億円負担するってなっているものを、ゼロでいいですよと、こうなっているわけですね。それから、下水道、百九十五億円やりますよってなっていたのが、百四十一億円で済んだ。五十四億円浮くわけですね。
そういったものをずっと積算していきますと、事業費総額四百八十六億円。これだけのお金が基本合意というものには書かれていない、しかも、東京都にも保存されていないところで確認をされていると。これについて、ちょっとご証言いただければ。
○高木証人 一番金額的に大きいのは、防潮護岸の三百三十億という、これは先ほど護岸についての話があったときに、以前、そういう護岸工事について、公共負担と地権者の負担割合を二分の一ずつという格好にしたという格好で、そこでできる、護岸をつくることによってできる宅地、護岸宅地というような言葉でいわれていたと思うんですけれども、それについては地権者の方に還元されるという格好の、いわば経済バランス、コストはかかるんだけれども、それが土地という格好で戻ってくるというバランスは法的に疑義があるということが出てきまして、それで、この市場の移転のタイミングでもって、それをはっきりさせたと。
私ももう離れて長いものですから、記憶が若干あれですけれども、たしかそういうことで、別に、何といいますか、ちょっと新聞報道なんかで消えた三百三十億とかなんとかっていうのは極めて事実に反する話であって、費用もなくなれば、そういう土地の部分もなくなるということです。
それから、先ほどもご質問のありました上下水道につきましては、これは市場が来るということで、このあたりは、いわゆる開発フレームといいますか、就業人口と居住人口がまるで変わったということで、あと、水の利用なんかについても市場が圧倒的な広い部分でもって独自に使われるということで、土地区画整理事業費としてのそうしたものが減っていく。
あと、区画道路なんかもどんどんそういう……(谷村委員「短めに……」と呼ぶ)はい、そういうことで。
○谷村委員 それで、この四百八十六億円もの、東京都がそれを負担するっていうことで、東京都と御社とのこれ確認書でございますので、それを当時の副社長、先ほど伊藤証人、ご存じないとおっしゃいました。これだけのお金ですよ、四百八十六億円ですよ。基本合意をされました、そこで確認書を結びましたっていうのに、当時の副社長が知らないっていうことは、役員会、あるいは取締役会にも上がっていないということになりますが、この水面下の合意というものが、今お話をいただくと、ここに、濱渦元副知事が交渉に入って、そして、御社が先端部だけは譲れない、豊洲のビジョンがさまざまあったんだというのにもかかわらず転換をした大きなきっかけになるんではないかと思いますが、伊藤証人、もう一度よろしいですか。
○伊藤証人 私は確認書の存在も知りませんし、当時の役員会にもその件についてはかかっておりませんと記憶しております。
○谷村委員 であれば、このサインをされた高木証人、これはどういう責任のもとでされたんでしょうか。また、サインをされてどなたにご報告をされたんでしょうか。
○高木証人 実際にかなり金額が減っているということになりますけれども、それ自身というのは、いわばバランスシートから外れたという部分……(谷村委員「どなたに報告されたか」と呼ぶ)それは、当然、先ほど名前出した江口ですとか、その上の--どこまで報告したというのはちょっとはっきりとした記憶はないですけれども、ある程度上の方というところまでは報告していると思いますけれども、最終的な事業費そのものにつきましては、地権者全体の最終合意に向けた協議の中で決まっていくという格好でもって、中間的なものであったと思いました。
○谷村委員 当時の高木証人の役職、職責は、管財部活財推進室長ですよね。この四百八十六億円もの金額を独断で決裁できるものではないと思います。
仮に、先ほど、今お名前を挙げられました江口洋さんにご報告されたとすれば、伊藤証人のところにこれご報告が上がってもしかるべきですね。でも、二度お尋ねしました。報告はないし、聞いたことがないと。
もう一度、この四百八十六億円、高木室長のお立場で決められた、それはどなたに報告をされてオーケーをとられたのか、東京都と契約を結ばれたのか、サインをされたのか、もう一度済みません、明快にお答えをいただければと思います。
○高木証人 今出された金額というのは記憶がないんですけれども、それは最終合意のところでもって土地区画整理事業費という格好になったんじゃないんですか。(谷村委員「違います」と呼ぶ)じゃあその時点でもっての試算という、概算という格好で出ている数字ということになるということだと思います。
○谷村委員 だからお答えできないということですね。あなたのサインがここにあるわけですよ、高木照男と。そして、東京都側は当時の知事本部、野村寛さんの名前で。あなたのサインありますよ。これをサインして、東京都と四百八十六億円、こういう軽減、負担になりましたと。これ、もしされていたら、相当御社の中では功績ですよね、ご功績高いですよね。東京都に四百八十六億円は負担させて、御社の負担が軽減したんですから、四百八十六億円も。それだけのことをどなたにご報告されたのか、どなたにご相談されたのか、それをちょっとお答えいただいて、時間ですので、終わりたいと思います。ぜひお願いいたします。
○高木証人 金額的に大きな減額のように見えますけれども、それは先ほどいいました三百三十億円がなくなったりとか、あと、市場の移転に伴って要らないものが外れていったりとか……(谷村委員「どなたにという、どなたにご報告されたのかをお尋ね……」と呼ぶ)報告というのは江口だったと思います。
特にそれほど、何ていいますか、要するに条件が変更になって金額が落ちていったというだけのことで、実質的に何かそれが減額されたとかなんとかっていう話はなくて、極めて実務的な数字が変化したという程度だったと思います。
○谷村委員 時間になりましたので、ちょっとご証言いただけないということで、またちょっと場合によってはまたお尋ねをさせていただくようになろうかと思いますので、これでとりあえず私の質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○桜井委員長 あさの理事。
○あさの委員 広瀬証人初めます東京ガスグループの皆様方には、お忙しい中、お越しいただきまして、本当にありがとうございます。
さて、私もさまざまな準備をしてまいりましたが、今、公明党の谷村副委員長が確認させていただいた事項、ちょうど皆さん方もそこに頭があると思いますので、ちょっと継続して、そちらを引き継ぎつつ、私の方にも入らせていただきたいと思いますが、今のお話の中でありました防潮護岸の問題ですけれども、この当時、防潮護岸の話、さまざまな、このたび提供していただきました資料の中に出てきております。
これは明らかに、経営会議には出ていなかったと伊藤証人の話にもありますが、経営判断するに当たって、さまざまなスキーム、そして経費の削減等々の判断をされているかのような、見受けられる資料が多々ございます。
特に平成十三年の四月の十二日、東京ガス、御社の方で持っております防潮護岸の扱いほかについて、東京都との打ち合わせをした会議メモにおきましては、今お話をいただいた高木証人も、ここでは、基本合意は契約であるのだから、そのときに約束した利益は守ってもらわなければならない、実質が変わらなければ、方法論はどうでもよい、シミュレーションは結果が早く必要であるので、なるべく早く行ってほしいなどの話を出しておりますし、その後、本日お越しいただいております丸山証人も、さまざまな提案のアイデアを具体的に詰めるに当たって、以下のことを要望ということで、さまざまな要望をしていただいております。
当然、御社としては、会社の事業採算性を担保しなければいけないという立場がありますから、これについて、私は別に、特に問題が云々ということではありませんが、事実関係を明らかにするに当たって、まず一点、確認をさせていただきます。
市野証人に伺います。
当時、平成十一年当時です、活財推進室の担任であった、あるいは担当であった役員はどなたでしょうか。お答えください。
○市野証人 ちょっと手元に資料がないんですけど、私が事業開発担当の常務だったときかなと思いますけど、それ以上のことはちょっと今持っていませんけれども、多分そうだと思います。事業開発の中に豊洲開発という会社があったり、ほかの会社もいっぱいありますから、そういうのを総括して担当していたんだというふうに記憶はしておりますが。どこか間違っていたらごめんなさい。
○あさの委員 では、あわせて市野証人に再度お伺いをいたしますが、これまで話が出ていた高木証人、あるいは丸山証人が関与しておりますこの防潮護岸の話、開発の負担の話ですね。護岸宅地や三百三十億の負担の話であったり、さまざまなもの、事業採算性をとるために、東京都との交渉の中で、これらをまとめて、できるだけ最初に約束した利益は担保するように、するようにということで、さまざまな方法論の話が出ていくんですね。
そういったものの根底になります、基本的に事業採算性を確保するんだと、それをもって東京都と交渉するんだといったような話というのは、経営戦略上、非常に大事になってきますので、少なくとも担当役員であれば、その報告があったと思いますが、市野証人、そういったような報告を受けたという記憶がありますでしょうか。お答えください。
○市野証人 最終的な数字ではなかったと思うんですが、具体的に数字の話はちょっと私のところには上がってきておりませんが、全体の流れは承知しております。防潮護岸が、さっきも話しましたように、どういう経緯で変わったかとか、護岸の中にできた新しい土地を誰が処分するかとか、その辺が変わりましたと。
ただ、基本的には私どもの大事な資産でございますから、資産が毀損しないように、それで都の要請にも応えていこうという、両立していこうということは前々から社内で確認しておりました。
○あさの委員 それでは、さらに確認を一つさせていただきます。
この防潮護岸に関して、御社からの平成十三年四月九日付の資料で確認いたしますと、護岸宅地の件というのが問題になっています。東京ガスの見解によれば、これは東京都が埋立免許申請時に建設大臣の申請を怠ったために、旧運輸省港湾局から土地利用をとめられたものと推測されるというような話が出ているんですね。東京都と東京ガスとの間で大きな問題、これは先ほども出ていましたが、金額が非常に大きいものですから、大きな問題とされたこの護岸宅地の問題というのは、東京都側に何らかの瑕疵があって生じた問題だったという認識だったのかどうか、これ、高木証人に伺いたいと思います。
○高木証人 今の点についての記憶は、申しわけないんですが、ありません。
○あさの委員 それでは、その同様の会議に出ておりました丸山証人、そのような記憶があればお答えください。
○丸山証人 余りはっきり覚えておりませんけれども、ちょっと防潮護岸の経緯、私が記憶しておりますのは、当初は埋め立て、防潮護岸そのものは今の、今のといいますか、もともとの護岸から先に沖出しをして、先ほど三十メーター、五十メーターという話がありましたけれども、そこに高潮対策と、それから耐震性を備えた新しい護岸をつくるということで、港湾事業でやるという話を聞いておりました。
その整備に当たっては、開発者負担のスキームを導入すると。その際に、五十メーター沖出しすれば、当然そこに宅地が造成されますので、その宅地については、区画整理事業の中に編入をして地権者に割り振られると。そういうスキームが提示されておりました。
我々、事業性という意味では、その宅地をどう価値評価するかということにもよりますけれども、半分の負担と、それを比較秤量して、それに協力してもいいかなということで、一番最初の基本了解ですかね、平成十年から区画整理は始まっていますけど、そのときの了解時に合意をしているという経緯でございます。
具体的に東京都さんは、その埋め立ての免許申請を実際に進めておられたようですけれども、我々がお聞きしているのは、ちょっと法的な話、具体的に何があるかというのは、我々の立場では承知しておりませんけれども、法的に今のスキームを実現するのは難しいと。地方財政法といっていましたかね、つまり公共事業で造成された土地を無償で地権者に譲渡すると、そういうスキームは法律上問題があって、そのスキームはとり得ないというご説明がございました。
それであれば、もとに戻して港湾事業で全部つくっていただいて、そのかわり宅地も我々の土地ではないというようなことに最終的には戻ったということで、たまたま市場の移転の問題の同じようなタイミングでその話が出ておりましたので、結果的にそれを含めて整理がされているというふうに私は認識しております。
○あさの委員 今おっしゃったとおり、護岸の問題、市場の問題とは全く別の事柄だということも確かにいわれております。
同時に、今、丸山証人がおっしゃったように、東京都の回答に対して、社内で恐らく、手書きでさまざまなことが書いてありますけれども、その際に、今のご説明のところには大きくバツをつけて、うそという言葉を書いているというメモまで提出をしていただいているということは、非常に、そういった意味では資料提供においての真摯な姿勢についてはもう感謝をいたしたいと思います。
東京都には、この姿勢を見習っていただきたいという思いが強くあるところでございますが、では、今のところ、古い話ですので、記憶が曖昧な部分もあるということですから、さらにちょっと思い出していただきたいんですけれども、そもそもこの豊洲の移転の話に入るとき、東京都が市場を持ってきたいんだという話、その前にずっと区画整理の話が進んでいて、突然、東京都が豊洲の移転を持ってきたいといったときに、もちろん御社の中でもさまざまな検討がされたと思うんです。
その際の姿勢というのが、私たちが考えるに、まず一番最初に、市場移転したいという東京都の強い意思を認識して、これ、どうにか検討していかなきゃなと思ったのが、恐らく平成十一年ごろだろうと思われます。
平成十一年十一月に豊洲市場移転問題に関する東京都との協議というのが開始をされているんですが、この時点での御社内の土地譲渡に関する認識について、幾つか確認をしておきたいのですが、まずその時点で、御社の中で、交渉や協議といった体制、つまりどの部署が対応していたのかということと、最終的にこの土地譲渡の金額等、いろいろやって事業採算というのを考えていかなきゃいけないと思うんですね、企業ですから。最終的な売却額というのが、当初の予定していた、つまりもくろみよりも高かったのか、低かったのかということについて、これ、伊藤証人、お答えいただければと思うんですが。
○伊藤証人 先ほど申し上げましたように、私はこの問題に対して関知しておりませんでした。
関知したのは、繰り返しになりますけれども、十二年の七月から、それから十四年の六月まで、直接関知しておりませんでしたけれども、副社長という立場で、経営会議に上がってきたものの資料についてのみ知り得たということでございます。
ですから、当然、十一年の話は、全く違う仕事を私しておりましたから、関知しておりません。わかりません。
○あさの委員 では一点だけ、伊藤証人、先ほどの他会派の質問に対して、当時、濱渦さんが会いに来たときに、私は担当の取締役ではなかったとおっしゃっておりました。
では、当時の担当の取締役はどなただったか教えてください。
○伊藤証人 一緒に出席したのが市野ですから、市野だったと思います。
○あさの委員 では、市野証人に伺います。
当時の東京ガスの土地譲渡に関して、交渉、協議、どの部署が担当していたかということと、売却額が、最終的に売却が終わったときに、あ、予想より高く売れたと思ったのか、あるいは低かったという思いだったのかについてお答えください。
○市野証人 まず初めに、売却額が高いと思ったか、安かったと思ったかというのは、これはずっと後の話でございますから、私のときには、まだそんな全体の価格を幾らにするって話の以前の問題でございます。
特に、まだ地権者がいる中で、区画整理の話からつながってきている途中でございますから、全体の何より、まず何よりも、政策的に築地の市場をこっちへ持ってくるのを受け入れざるを得ないかどうかというところが最大のポイントで、その終盤戦のところで濱渦副知事が協力要請に見えられたと。
これは、濱渦副知事の口からも石原都知事の名前も出ましたから、とにかく都を挙げてこれ実現しないと、今の築地じゃ、もう将来、東京の台所がだめになっちゃうというような強いお話で協力要請があったと。そのときに、伊藤と私と、実際このテーマの中心的な折衝をやっておりました豊洲開発の江口と、亡くなっておりますけれども江口が一緒で、もう一人、四人いました。先方も濱渦さん以下四人で、専らそういう、最終的になるべく協力しなきゃいけないなという、思うところまで追い込まれるというんでしょうか、議論をして終わった会議でした。お願いに見えたんだけど、ちょっとそのやりとりがあったということでございます。
○あさの委員 すごい嗅覚というか、さすがなのかというところですが、先ほどの話で、時系列でいきますと、濱渦元副知事が御社を訪問されているのが平成十二年十月四日ということになっております。
そして、その前に態度が軟化しているのが平成十二年の四月の時点で、絶対にといっていたのが、基本的に反対というふうに少し軟化するんですね。これは恐らく都側が再三にわたっていろいろ要請をしたからだと思うんですが、実はそのさらに前、平成十二年の二月の二十九日付で、市場立地と土壌汚染の問題についてという御社内での資料、これも提出をされております。
この中で、市場の立地と土壌汚染のことについて、さまざまな検討を行っております。最終的なところでは、事業採算性の関係を確認しつつ、以上より、ということで、想定される市場側の対応や現行の処理計画、あるいは豊洲用地の汚染の状況等をつぶさに調べたあげくに、市場の豊洲移転が東京都の意思として決定される前に、早急に東京都と土壌汚染の問題に関して協議を開始する必要があると思われる、現状の汚染状況等を共通の認識として、操業由来の汚染の対策の具体的な方法、費用負担などについて協議を開始することが必要であるという、これがそちらの会社内、御社内での話で出ております。
そこで、この土壌汚染の話について少し確認をさせていただきたいと思うのですが、結局、今に至るまで、市場の移転の交渉の話も、それから瑕疵担保といろいろ出ていますけれども、結局どこに行くかって、この土壌汚染対策ということがどういう形で進められ、どっちが負担してみたいな話が出ている。土壌汚染の問題なんですね。
この土壌汚染対策に対する東京ガス側の、御社側の対応について少し確認をさせていただきたいんですが、まず、平成十五年の追加工事に関する交渉経過について、平成十四年十一月一日に御社が提出した汚染拡散防止計画書に対して、東京都から環境基準の十倍未満の三十九カ所を含む全ての操業由来の汚染除去を東京都側が求めたものに対して、平成十五年四月三日の豊洲地区土壌汚染に関する東京ガスとの打ち合わせという記録によれば、東京ガス側は承服しかねると回答しております。
この協議から、双方が汚染処理の箇所数、掘削の深さをめぐって協議を、さまざまな協議をしていって、結局、道路の下となる箇所及びAPプラス二メートルより下部に存在するものを除いた対策について、最終的に合意をされております。
御社は、環境局の提案よりも、箇所数及び掘削の深さで範囲が狭くなるように、あるいはできるだけ少なくなるように交渉をしているんですけれども、これはどのような考え方に基づいて対応したのか、丸山証人、お答えいただきたいと思います。
○丸山証人 土壌処理の基本的な考え方につきましては、十三年の七月の二者間の合意のときに、今の現計画でやりましょうということを東京都さんと確認をさせていただいた、それがさっきの確認書の中の記載でございます。
我々は、それでお認めいただいていましたので、その対策をすれば十分というふうに理解はしておりましたけれども、東京都さんから条例の手続を進める中で、食の安全・安心という面で、さらにもう少し突っ込んだ対策ができないかという要請がございまして、もう既に工事にかかっておりましたので、途中から後戻りをせずに、我々できる範囲がどこまでかということで協議をさせていただきました。
深さがどうこうとか範囲がどうこうっていうのは、実際に市場の施設ができたことをイメージして、改変をする部分については掘り起こすっていうことになりますので、きちんとした対策が必要だということで、範囲は、じゃあ施設がどこにできるんですか、全面的に建物が建つわけではないので、その施設配置なりを考えて、範囲が縮小できないものか、あるいは深さも、建物の基礎というのはどのぐらいの深さで、どこまでやればいいのかというようなことをお聞きして、かつ我々が実際にやっている工事との関係、あるいは、それに伴う費用負担も当然そうですけれども、そういったことをいろいろ考えながら、最終的に十七年の確認書で取り交わした内容で合意をしたということでございます。
○あさの委員 これは上原証人にちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、当時、東京ガスとして、今の話、確かに十三年の合意の確認の話がありました。それから、法律が、あるいは条例が求めているレベルの話というのももちろんあります。
しかし、会社の姿勢として、そもそも操業由来の汚染については、基本的になくして渡そう、あるいはきれいにしようという姿勢があるべきかと私は考えるんですけれども、当時の会社の姿勢として、この汚染された土壌について、どういった姿勢だったのか、考え方だったのかについて伺いたいと思います。
○上原証人 お答えします。
実は、土壌汚染問題というのは、豊洲の問題以前から世の中で結構問題になってきたということで、私どもとすれば、社有地の汚染状況というのは、ガス工場があったところがたくさんありましたから、そこは徹底的にみずから調査をして、それなりの手当てをするという方針を立てまして、私の社長時代ですけれども、そういう対応を図って、それについては結果を公表もしてございます。
豊洲の話は、全体の話のちょっと前から市場の移転問題が出ておりましたし、それから、さらにさかのぼれば、市場の問題の前に、豊洲の地区の開発問題、いわゆるまちづくりというのがありまして、これは東京都もその方針を持っていたということで、東京都とまちづくりについての協議を進めてまいりました。
これについては、豊洲の地権者、東京都以外の四者と、東京都の多分港湾局長以下と思いますけれども、合意書までも取り交わしたことがございます。そういう形で、東京都も一緒になって豊洲のまちづくりをしようということであれば、当然ながら、豊洲の土壌調査というのが前段で必要だろうというので、その後、自主的に東京ガスとして、土壌調査を一年以上かけてやりました。
その結果も出た、ちょうどそのころに、実は福永副知事から、市場として、市場を豊洲に移転したいんだという話が来たわけでございます。
したがいまして、私どもとすれば、当然、地域開発上も汚染土壌の対策は必要だと思っておりましたけれども、市場となると、一般の開発とはちょっと違う点があるのではないかというのが私どもの危惧でございました。
したがいまして、その後、東京都には、実は土壌汚染がありますということを強調させていただきました。先端部か根元部かというのも、ややそれが絡んでおりまして、根元部と先端部を比べたら、汚染状況が大分違います。
したがいまして、私どもは、市場としてお譲りするのは、基本的にはちょっと受けがたいんですけれども、どうしてもということならば、東京都さん、根元部でどうでしょうかというようなことも折衝の中でしましたし、文書もそういう文書を一度出させていただいているというふうに思います。
そういうことで、土壌汚染ということについては、豊洲に限らず、関心をかなり持っておりましたし、それなりの対応をきちんと果たして、その使い道によって、また対策も変わってくるということで、対策を講じていこうというふうに考えておりました。
以上でございます。
○あさの委員 確かに、さまざまな汚染に関しては、それぞれ確認をしていると思います。
しかし、例えば時系列に沿って見ますと、平成十三年に二者合意というのを交わしているわけですけれども、その時点では、まだ詳細調査前なんですね。ということは、つまり深度方向の対策、つまり深さのことというのは詳細がわかっていない状況で、東京都と先に約束を交わしてしまう。そしてその後、交渉において、その約束があるのだからといって、その他のものについては追加でやるんですかと。じゃあ仕方ないから、一応考えて受けましょうという形になっていくのではないかというふうに見えるわけです。
したがって、一番最初の二者協定を結ぶときに、深度の方向での詳細調査も終わっていない中で、そして、東京都側には、これ、残念ながら環境局が参加していない中で、協議が取りまとめられて土壌汚染の対策の話が決められていく。そして、それが実は最後の最後まで、ずっと東京都を縛り続けることになっていくのではないかと私は考えております。
ですので、その部分について、今後、またさらにさまざまな詳細な調査をしていかなければならないと考えておりますが、さらに、ちょっと視点を変えて、土壌汚染以外のところについても少し確認をさせていただきたいと思います。
先ほどの水面下の話は、なかなかわからない、記憶にないという話がさんざん出てきておりますので、その水面下ということについてだけ、一点だけちょっと確認をさせていただきたいんですが、これ、恐らく水面下の交渉というのは、いわゆるそういういい方をすると非常に印象が悪いので、これ、単純に実務者会議のことを指しているのではないかと私は思うんですね。
なので、市野証人、ちょっと確認をしますが、実務者会議をするとなれば、どこが担当していたのか、端的にお答えいただけますでしょうか。
○市野証人 さっきもちょっとお答えしましたが、まさにおっしゃるとおりで、テーマがいろいろ広くて、やはりそれぞれのつかさつかさの実務のわかった人が集まって調整しないと、東京都も含めて、話が進まないと、いつになるかわからないというのは大きなテーマでしたから、大体担当としては、東京ガスの方は管財部というのと、多分、名前が変わっているかもわからない、管財部というところが窓口で、それから豊洲開発という、実際にかなりのあの土地を所有しております東京ガスの子会社、ここの社長及びその部下、この辺が実務的にいろいろな調整をしていたと思います。
○あさの委員 ありがとうございます。そろそろ時間もなくなってまいりましたので、最後に一点、これは上原証人に確認をさせていただきます。
東京都での要求資料では、一九九九年十一月五日に、石原知事が東ガスと会談した資料ということで、文書不存在だったんですが、ありがたいことに御社からは出していただきました。十一月五日の日に、上原社長が石原知事とお会いしたのが事実であると。
そして、まず、一遍にお答えいただきたいんですが、先方から会いたいといってきたのかどうかということ、それから、その他の同伴者がいたのかどうか、これ、記憶の範囲でお答えください。
そして、そのとき話した内容について、一応、今のところメモにあるのは、移転の話を聞いていないといったら、市場長を挨拶に行かせましょうといっていて、かつ十三年もまちづくり計画を推進しているので、まちづくりが主で、市場が従ですよということを社長がおっしゃったのに対して、知事は、それはデザインを考えたきれいな市場ですよと答えたというようなメモが残っておりますが、このときの内容について、覚えている範囲でお答えいただければと思います。
○上原証人 今のお話ですけど、覚えていてしかるべき内容だと思うんですが、実を申しますと、私、余り覚えていないんですよ。石原さんに会ったこと自身、余り覚えていない。ただ、中で、そちらにも資料が当たっているそうですけど、そんなのを見ると、これはあり得ることかもしれないと。
というのは、当時、築地市場の豊洲移転問題というのは、やや事務レベルといったらいいんでしょうかね、ですから、東京ガスの担当者なりなんなりが、東京都からいろんな話を受けていたようです。ようですけど、正式に東京都からの要請、いわゆる移転をしたいのでというような話が来ておりませんでした。
したがって、本当のところ、東京都、どうなのかなと。例えていえば、知事なんか、どう考えているんだろうかなというようなことはあったかと思います。あったかと思います。
したがって、もし私が石原知事に会って、今そちらから話のあったような話題になったとすれば、むしろ東京ガス側から石原知事にどうなんでしょうかという問い合わせ、その会談があったのかもしれません。
ただし、私自身、今、その場面も中身も思い出せないというのが正直なところでございます。
以上です。
○あさの委員 ありがとうございました。さまざまなご質問お答えいただきまして、まことにありがとうございました。
これをもって私の質問を終わりたいと思います。
○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後七時五十二分休憩
午後八時十二分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
引き続き証人から証言を求めます。
吉田理事。
○吉田委員 東京ガス関係者の皆さん、どうも本当に、もう遅くなってきましたけれども、きょうはありがとうございます。
私、日本共産党の吉田信夫と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
先ほどから議論になっている、いわゆる二者間協議などの問題についても質問をさせていただきますけれども、初めは、やはり改めて今日の深刻な土壌汚染の実態、いまだに解決しないという中で、改めて操業時の汚染の原因、それが一体どの程度のものなのかということについて、皆さん方にちょっとご説明をしていただきたいという話から始まりたいというふうに思います。
都が市場移転をごり押しした予定地は、豊洲地区の中でも東京ガスのガス製造工場の跡地でした。基準値の四万三千倍のベンゼンなどの深刻な汚染は、ガス工場の操業によるものと私たちはやっぱり考えざるを得ません。
それで、伊藤証人は、この豊洲でも勤務をされていたということを聞いたものですから、まずお伺いしたいんですけれども、広範囲にわたって、かつ深刻な汚染の理由、原因について、操業との関係で、どのように認識していらっしゃるのか、ご説明をお願いいたします。
○伊藤証人 私が豊洲工場に勤務していたのは、オリンピックの、東京オリンピックの前後ですから、二十五、六歳ですかね、そのくらいのときだったと思います。
そのとき、豊洲工場というのは、東京ガスの中では最新鋭の、最大の工場であった。大体、全需要家のガスの六割ぐらいから、それ以上だったと思いますけれども、そのガスを供給していました。
それで、何を原料につくっていたかっていうと、室炉っていうかガス窯ですからね、それにありまして、それに石炭を込めて、そして乾留して、その乾留してできた煙みたいなものも精製して、それを分留して、タールとかベンゾールとかに分けていくっていうことなんです。
それからそのほかに、原油でつくるガス工場というか、装置もありまして、それの最大の工場だった。
それでまず、原因がどこにあるかちょっとまだわかりませんけれども、原料の受け入れはふ頭ですから、船で持ってきました。それは、石炭で、持ってきたのは船で持ってきて、コンベヤーで入れて、石炭ヤードに置くわけです。石炭ヤードは、今おっしゃっている先端部の方にありました。
それから、あと原油も船で入ってくるわけですけれども、その原油も、石炭ヤードの隣ぐらいですか、タンクが幾つかあって、そこに入れておりました。
コークス炉でガスを燃やすのは、コークス炉はどのぐらいあったか、並んで、百二、三十基あったんじゃないですかね、かまどとしては。そこにコンベヤーで運んできたあれを入れるわけです。
それで、それを二十時間ぐらいかけて蒸し焼きにするわけですね。それを、出てきた煙を完全に精製しますから、そこから以降は全部、工場の装置っていうのは、石炭だけれども、そこから以降は全部パイプになっています。
ただ、石炭ですから、燃え殻が出るわけですね。それをコークスというんですけれども、そのコークスを、簡単にいえば冷やして、それで、これは貨車で運んで、貨車っていうか装炭車っていうのかな、装炭車じゃない、厚い、貨車で運んで、それでコークスヤードに置き、出てきた副産物は、ベンゾールもタールも全部そうですけれども、それぞれ全部、当時、湾岸のそれぞれの管理者に許可をとって、それで船で運びました。それから、コークスは貨車でそれぞれ運び出していたと、そんな工場でした。
当時は本当に最新鋭の工場で、最大の工場だと、世界でも一番だと思っていますけれども、その工場ですから、装置も本当に最新鋭で、昔の工場と違って、何ていいますかね、非常に精製処理の過程も自動的にできておりましたし、それから、危険物を扱っているということで、何重にも、漏れた場合に、壊れた場合には次でとまるとかというようなフェールセーフみたいなものがついていたというふうに思っています。
そういう中で、なぜ汚染が始まったかっていうと、確かなことはわかりませんけれども、地震とか風水害でずれたときに、多分、漏れるなんてことはもしかしたらあったかもしれませんけれども、私のいたときにはそんなところはありませんでしたし、それから、コークスも、ある期間は野ざらしで置いてあります。その下は全部コンクリート張りになっていましたけれども、そんなような状況であったので、私個人としては、そこで汚染物が出るというような感じは持っておりませんでした。
事実、何かそういうケースが起きると、危険物で火災や何かの危険も全部ありますから、自衛消防隊と持ってきた消防隊が全部出動するんですけれども、消防隊が出動したというケースは一回もお目にかかったことはございませんでしたから、私は、ちょっと原因は、大きな台風とか地震とかのときで何か少し出たのかななんていうぐらいの、これは想像ですけれども、そんなようなもので、私がいた当時は全くなかったというふうに記憶しております。
○吉田委員 詳しく説明していただきましたけれども、専門家会議に、これ、東京ガスから、なぜ汚染が生まれた、起きたのかということの説明として具体的に挙げられたのは、タール及びタールスラッジを入れたドラム缶が腐食をして、その結果、地下に汚染が浸透したんだという説明が公式にそちらから上げられているということは私、文献で見ましたので、紹介しておきたいと思います。
さらに私は、同時期だと思うんですけれども、豊洲工場で働いた伊野さんという方から、直接当時の操業状況について話を聞かせていただきました。
この方は、東京ガス労働組合の中央委員及び豊洲の執行委員をして、伊藤さんとも面識のおありの方ですけれども、この方が挙げたのは、今のドラム缶の腐食による浸透ということだけではなく、そもそもタールについては、タール槽というところに、屋根もないところにそのまま置かれた時期があったと。
さらに、地上を掘って、タールとおがくずをまぜて、そして、銭湯などに燃料として販売をするということも行われていたと。さらに、メッシュ状のものに、操業中で、タールなどの不純物がついたものを恒常的に屋外で、水でそれを外に除去するということも行われていた。かつ、石炭だけではなく、今もいわれたように、原油からガス製造過程でもやはり同じように、原料がもともと同じですから、生まれていたということを私は聞きました。
時間の関係で、もうこの問題はこれ以上いいませんけれども、そういう意味では非常にやはり、もちろん公害防止などのご努力はされていたんでしょうけれども、そういうことも行われていたということは私は指摘をさせていただきたいというふうに思っております。
次に、先ほどから各会派の皆さんが着目をしている、いわゆる二者間合意の問題について話をさせていただきたいというふうに思います。
それで、東京ガスにとって、移転を受け入れ、そして土地を東京都に譲渡する上で、深刻な土壌汚染処理をどこまで実施するのかと、また、その費用負担をどうするのかということは、当然最大の課題の一つだというふうに想像できると思います。
それで、例えば二〇〇三年、平成十五年、繰り返し出てきますが、四月三日の打ち合わせの記録を読みますと、この場には丸山さんがトップで多分出席をされていたと思うんですけれども、環境局の側の、全ての汚染を処理すべきではないのかという旨の質問に対して、東京ガス側は、汚染の中心部である負荷の高いところのみを処理をするんだということを回答されて、それで、いわゆる二者間合意でそう決まっているんだということをいわれましたよね。
先ほどから、二者間合意の確認文書というのはこれではないかということでやりとりがあるんですけれども、これ、改めて、二者間合意の文書は何かということをまず確認させていただきたいと思います。
表題は、築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意に当たっての確認書ということで、東京都知事本局と、そして、先ほどから答弁に立たれました東京ガス活財推進室の高木さんの二名の署名と、これがいわゆる二者間合意の文書、確認書ということで、これは丸山さんが二者間文書について指摘していますから、これですねということをちょっと確認したいんですが、一応念のために確認。ここ、置きます。
〔吉田委員、資料を証言席に置く〕
○丸山証人 はい、間違いございません。この文書は、その確認、先ほど来ご説明している確認書でございます。
〔吉田委員、丸山証人より資料を受け取る〕
○吉田委員 それで、念のために確認をさせていただくんですけれども、五月の二十何日かですか、その後の、五月二十九日の同様の打ち合わせの中で、これも丸山さんがご出席だと思うんですけれども、実は東京ガス側の方の発言の中で、口頭確認というものがあるんだという旨のご発言があるんですけれども、それ、ご記憶でしょうか。もし、そういうものがあるとしたら、どんなことについての口頭確認があったのかと。
読み上げますと、東京ガス、文書で約束する、文書開示の話もあるからということで、口頭でいろいろな確認をさせてもらってきた事実もあるというご発言を、そのときどなたかが東京ガス側でされているんですが、そういうことあったと思うんですが、そのことを確認していただきたいのと、どんなことについて口頭確認があったのかも、ご答弁、丸山さん、お願いいたします。
○丸山証人 正直、そういうやりとりがあったかどうかというのは記憶にありません。
○吉田委員 それと、二者間合意との関係で非常に注目する発言があるんですけれども、これは五月二十九日の発言ですが、平成十三年七月の二者間合意で、土壌汚染処理対策は今の計画でよい旨確認していると。だからこそ、東ガスは売買に応じたんだという話をしています。
そうすると、先ほどからの議論がありますけれども、この二者間合意、あるいは二者間合意の中の土壌汚染処理対策に限定しているかもしれませんが、この問題というのは、売買に応ずるか否かが問われる一つの判断基準という旨の理解になるわけですけれども、そこはなぜなのかということをちょっとご説明、これは丸山さんにお願いしたいんですが。
○丸山証人 二者間合意で市場の移転を当社として承諾するという中で、土壌汚染の問題というのは非常に大きな課題だというふうに認識しておりました。
二者間合意に至る協議の中で、汚染のレベルについては、今、その前に私どもでご提出した計画書のとおりで問題ないということを確認をさせていただきましたので、その確認書の中にその記述を書かせていただきました。
それに従って、その後の対策をしておりまして、市場の移転に合意するということは、イコール売買に応ずるということというふうに理解しています。
○吉田委員 要するに、売買に応ずるか応じないかの分岐点が何だったのかということを端的にご答弁いただけないでしょうか。
要するに、土壌汚染処理費用が高くなる、そのことが売買に応ずるか応じないかの分岐点だったのか否かということです。
違ったら違ったで、具体的にご説明をお願いいたします。
○丸山証人 それも一つの要因だったと思いますけれども、ほかにもいろいろ、換地がどうなるかとか、いろんな要素がありますので、そういう全体の中の一つというふうに認識しております。
○吉田委員 それと、高木証人に一言ちょっとお答え願いたいんですが、先ほどの谷村さんの質問の中ででしたかね、要するに、この二者間合意、この確認文書というのは、東京都の側からの要請でつくったんだという旨のお話に聞こえたんですけれども、間違いないのか。
それは、東京都の、個人名を出さなくても結構ですけれども、記憶されていたら出されても結構かと思うんですが、どういう役職の方だったのかをお答えいただけませんか。
○高木証人 二者間協議は、何名かでこちらもやっていました。で、いろんな分野の担当という格好で、その合意の中でブレークダウンした格好のものをまとめると同時に、最終的に、やはり確認書というものをつくっておいた方が後々いいだろうという格好で、東京都の方からそういう提案がありましたけれども、あったと思いますけれども、私の方も、それはそのとおりだなということで確認書を作成したということです。
特に仰々しいといいますか、改まった格好でのあれではなくて、直筆のサインという格好にしたというのは、実質、それで信頼関係といいますか、ありましたので、特に問題はないというふうに思いました。
○吉田委員 時間の制約がありますので、いささか走りながら質問させていただきますが、ご理解をしていただきたいと思います。
先ほど、東京ガスとしての土壌処理の深さの話がありましたね。道路下を除くこと、さらに、APプラス二メートルより下を除くという話がありました。
それについての質疑で、丸山証人、いろいろご説明があったんですが、私が素朴に疑問なのは、たしか、御社の工場があった田町工場跡地の土壌汚染処理。私が見た資料では、かなり深くまで汚染物質を掘削除去していると。一番深いので十五メートルまで除去しているということがあったんですが、この田町処理の場合の考え方と、それと、豊洲の場合の考え方及び処理費用についても、田町は御社で全額負担だというふうに聞いていますが、そこの違いは何なんでしょうか。
事実確認も含めて私がいったことが間違っていたら、ちょっと訂正してください。
○丸山証人 田町は、田町の東口、駅から少し離れたところに約一万坪ぐらいの土地がございます。そこは明治四十五年に私どもが取得した土地ですけれども、そこも、先ほど来あります石炭を乾留してガスをつくっていた工場がございました。汚染土壌があるということも以前の調査でわかっております。
田町の開発につきましては、港区さんが駅前に土地を持っておられて、港区の全体のまちづくり計画の中で、土地の交換をして、私どもが駅前の土地で開発をする、で、私どもの土地で港区さんが公共施設の計画を持っておられるというようなことでございましたけれども、港区さんとのそのときの協議では、もう土壌汚染対策法もできていましたし、もちろん条例もありますので、その法、条例に従ってやるということでお互いに確認をして、港区さんの要望として、その当時の指定区域の解除を求めるということでございましたので、操業由来の汚染については全て取り除く形で対策をいたしました。
○吉田委員 話がちょっと飛びますが、いわゆる社会的にも注目を集めている土地の売買契約における瑕疵担保責任の免責のことについて質問させていただきます。
売買契約に瑕疵担保責任が明記されていないという問題なんですけれども、平成二十三年、二〇一一年一月十八日の打ち合わせ議事録で、これは丸山さんも参加されていると思うんですが、東京ガス側は、当社は過去から何度も都の協議に応じてきた、合意書ではこれ以降はないということをぜひ明確にしていきたい、土地売買における瑕疵担保の免責のようなものをということを要求されたという記録があります。そうして実際に結ばれた売買契約の中には、瑕疵担保に関する規定は一切ないということになっています。
そこで丸山さんにお伺いしたいわけですけれども、土地売買契約において瑕疵担保責任を入れるのは極めて当然のことだというふうに思いますし、東京ガス自身が、土地の購入契約を結ぶときには、そうしたことは入れられてきたのではないのかなというふうに思います。
さらに、改めて東京都の事例も調べてみましたけれども、東京都が土地を購入した際の、これは契約書の写しです。これはつい最近のものですけれども、七条で瑕疵担保責任ということが明記をされています。
豊洲の土地の売買契約で都に瑕疵担保の免責を求めたのは、どのような理由からなんでしょうか。
○丸山証人 二十三年に土地の売却をしておりますけれども、その売買契約の条文をどうするかということで、瑕疵担保の話についても、その協議の中で議論をいたしました。
土壌汚染につきましては、もう既に専門家会議でも十分調査がされて詳細に状況がわかっていて、その対応はお互いに協議をして合意をしていますので、改めて土壌汚染を瑕疵担保という形で書かなくてもいいだろうというようなことで、条文の中から抜けたというふうに理解をしております。
○吉田委員 瑕疵担保というのは極めて広い概念であって、土壌汚染の負担そのものを個別に指すものでは私はないと思うんですよね。
それで、土地売買契約だったら、どんな問題でも瑕疵担保責任というのは明記するというのが当然のことだと思います。それを、もちろん、東京都がなぜ受け入れたのかということは、今後私たち自身が解明していく必要がありますけれども、そういう意味での東京ガスの側の考えがどうであったのかということを今聞かせていただきました。
続けて、しかも、この売買契約は、ご承知のとおり、第八条で、土壌汚染の取り扱い等では、本件土地の土壌汚染に関しては、同日付で締結した豊洲地区用地の土壌汚染対策の費用負担に関する協定書に基づくものとするというふうに書かれています。
じゃあ一体この協定なるものはどのようなことが明記をされているのかといえば、結論的にいえば、確認、六条で、今後、乙及び丙--これは御社と、それと開発株式会社だと思うんですが、要するに、東京ガス側に対しては、対象地の土壌汚染に係る費用負担をしないことを確認をするという文言になっています。もう極めて驚くべき条文だというふうにいわざるを得ません。
この協定書には、協定者として、単なる実務的なことではなくて、石原慎太郎、当時の知事、きょうお見えの岡本さん、そして開発株式会社の柳澤さんの三名の判が押されております。
それで、土壌汚染の処理において、原因者責任が根本原則であることはもう論をまたないというふうに思いますが、なぜ、新たな土壌汚染が発見され、処理が必要となった場合も、東京ガスはその負担を一切免れるという、こうした協定を結ばれたのでしょうか。まさか東京都の方がどうぞどうぞということは考えられないのですけれども、これは極めて多くの都民自身も素朴な質問だと思いますが、判を押された岡本さんの見解をお教えください。
○岡本証人 お答えします。
これは経緯を踏まえてのことでございます。そのとき一回の契約時の認識だけというよりも、経緯でございます。
先ほどの繰り返しになることをお許しいただきたいんですが、二〇〇二年の七月に、豊洲に市場を移転するという前提で、全ての地権者との合意がなされました。そのときの土壌汚染対策は、都の環境確保条例に基づきということになっております。
以降、東京都から追加的な対策をもしてほしいと要請がございましたので、私どもは、二〇〇五年の五月に、そうした追加的な要請も取り入れて土壌処理に関する確認書を結びました。
この確認書が我々のなすべき土壌処理対策の全てであるという認識のもと、私どもは、それ以降、工事を行いまして、百二億円の費用を投じ、この工事を完了いたしました。二〇〇七年の四月に、この工事完了を終了した旨、完了した旨、都に届け出、都におかれましては、これを確認の上、受理されました。
すなわち、これによって東京ガスは環境確保条例上の手続を全て完了したと、こういう認識でございまして、都もそれを認めているところでございます。
都は、それ以降、市場としてこの土地を利用するために、さらに詳細な土壌汚染調査を行われました。その結果として、追加的な対策を要する汚染が見つかったというふうに我々は伺いました。
で、それも踏まえて土地売買契約を行うことになるわけですけれども、そのときに、私どもとしましては、持つべき、なすべき負担は全てした、先ほどの百二億円をもって環境確保条例上の全ての手続を完了しているのであるから、法的にはもう全ての責任を果たしているということ、これは都も明確に認めているところでございます。
認めてはいるんですけれども、なおかつその上で、新たに、都の調査の結果見つかった汚染がある、それに費用を要する。その費用の幾らかを東京ガスも負担してほしいという大変強い要請がございました。
これについて、繰り返しですけれども、我々は法的には受け入れる義務はないと考えておりましたけれども、都からのそうしたお話があり、かつ、市場という非常に公益性の高い施設であるということ、これを順調に進める必要があるし、それに協力することは、我々としても理解できる範囲であるという観点から、七十八億円という、我々にとっては決して小さくない負担を受け入れることといたしました。
そうした経緯を踏まえまして、私どもとしましては、私企業としてやるべきことは全てやり尽くしたという観点から、この七十八億円の負担を受け入れるに当たっては、土壌汚染に起因する問題はこれで解決としていただきたいという意味で、土壌汚染に関する今後の負担はないという一項を入れていただきました。
これがいわゆる、いわゆる瑕疵担保責任免除の話でありまして、これは必ずしも瑕疵担保一般に免除しているという意味ではなく、土地、土壌汚染に関する今後の負担はないという意味での免除でございます。
○吉田委員 時間が来ましたから、これで終わりますけれども、法的手続上、何ら問題はないという経過をご説明になりましたけれども、やはり御社の場合には、一民間企業とは違う、極めて社会的な役割を担った企業であるという点で、こういう面でも、やはりその責任をきちんと果たしていただきたいと思いますし、しかし同時に、やはりこれは東京都自身の責任が問われるということで、私たちは、今後こうした場でさらにその責任について明らかにしていきたいというふうに思っております。
どうもありがとうございました。
○桜井委員長 おときた委員。
○おときた委員 改めまして、こんばんは。都民ファーストの会東京都議団のおときた駿と申します。
本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
冒頭、まず、おわびをさせていただきます。御社から提出をいただきました記録の取り扱いに関しまして、私が一部不適切な、ネットに情報を投稿したことで、東京ガス御社の皆様に多大なご不安、ご心配をおかけいたしましたことを心よりおわびを申し上げます。まことに申しわけございませんでした。
それでは、尋問に入らせていただきたいと思います。
今、福永副知事の時代に、御社が土地を手放すことに極めて消極的であったということが資料から読み解かれております。
平成十二年十月に濱渦副知事に交渉役がバトンタッチし、水面下でやりましょうという宣言の後、東京都側の交渉経過の記録はほとんど表に出るものがなくなりました。そこから、私から見れば急転直下、御社は態度を変えて、平成十三年の二月には土地の売却を前提とした覚書を交わされています。ここにどんなやりとりがあったのかということを多くの都民が不可解に感じているのではないかと思っております。
そこで、まず、市野証人から伺いたいんですが、済みません、何度も似たような質問もして恐縮でございますが、濱渦副知事に交代して交渉が始まって、どうしてこう素早く覚書を締結して、土地の売却ということに変わっていったのか、その理由をいま一度お聞かせいただけますでしょうか。
○市野証人 お答えします。
先ほどもちょっとお話ししましたけど、特に何があったから早まったというわけじゃなくて、それまでの経緯がずっとありまして、たまたま副知事がかわられたと。専任的に一生懸命やられたというのも背景にあるし、東京都が、知事以下、本気になってこの問題に取り組んでいるというのも何となく伝わってきましたし、我々としても、こちらのいい分はいっぱいあるけれども、やはり東京都民の台所としての今の築地の市場がもたないということであるならば、ここで突っ張り切れないだろうというのがもう、だんだんだんだん時間軸とともになってきておりまして、そういう展開の中で、やっぱりこれは協力せざるを得ないだろうということになったので、早いとか、誰が来たからということは余り関係ないような気がするんですけどね。
○おときた委員 今、同じことを、同様の時期に交渉の場にいた高木証人にもお伺いしたいと思います。
どうして濱渦副知事に交渉役が交代してから、私から見れば素早くこういう態度が変わって、交渉が妥結されたのでしょうか。伺います。
○高木証人 濱渦副知事にこの問題に関する担当がかわられたからというよりも、その前に、二〇〇〇年に東京ガスから、上位計画との関係はどうなっているのかとか、いろいろ質問状を東京都に出させていただきまして、それは福永副知事宛て、二〇〇〇年六月。それに対して回答をいただきまして、そこで東京都の方が一本化して、非常に丁寧なご回答をいただきまして、そのあたりで地ならしといいますか、があって、そこがベースになって、濱渦さんにかわられて、フットワークのよさといいますか、そういったこともあって加速していったという感じかなと思いまして、福永さんからかわったからというよりも、やはりその前の準備期間といいますか、それがあったんだろうというふうに思います。
○おときた委員 お二人の証人とも、いわゆるタイミングといいますか、たまたま、たまたまというのが正しいかわかりませんが、濱渦さんになったから、何かが劇的に変わったわけではないというようなご発言だったと思います。
ただ、私が資料を読み解く限り、どうしても、それだけの説明では腑に落ちない部分がございまして、私はこの期間にどのような記録が御社から提出されたのかを今回は徹底的に調べさせていただきまして、本日はその点につきまして質疑を重ねていきたいと思います。
当たりまして、私が御社から提出していただいた記録を簡単にまとめたものを一部ずつお配りさせていただきたいと思います。
〔資料配布〕
〔「委員長の許可を得てから。許可を得なくていいの」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 おときた委員、これから許可を得てお願いします。
○おときた委員 大変失礼いたしました。(「議会ルールを守れよ」と呼ぶ者あり)はい、失礼いたしました。
ここでは、こちら、パネルにもしたためさせていただきました。委員の方々のお手元には、先ほどの証人の尋問でお配りしたものと同じものですので、省略をさせていただきます。
ここでは、御社からの記録提出で明らかになった平成十二年十二月の十四日及び二十二日の東京都政策報道室赤星理事との折衝内容なる書類の内容をまとめたものになっております。
前段、まずは訂正点、二点入れさせていただきますと、福永副知事となっているのは福永副知事、日程は二十二日及び十四日の誤りでしたので、こちらは訂正させていただきます。
ここに記録されている東京都と東京ガスの交渉においては、都側の赤星理事は、濱渦副知事からの指示として、土壌Xデー、あるいはXデーという単語を用いて、この日--これは土壌Xデーを指しています--を迎えれば、土壌問題が噴出し、東京ガスが所有する土地の価格が下落する、結論さえ出せば、石原知事が安全宣言で救済するから、早急に結論を出すようになどとお伝えをしている様子が記録されています。
そのほかにも、この資料には、先週は中曽根元首相が都庁にやってきた、今、石原、扇、亀井はばっちりだ--扇は当時の建設、運輸大臣の扇千景さん、亀井は亀井静香自民党政調会長を指していると思われます。本日、亀井政調会長が都庁を訪問し、東京都の懸案事項への国費投入を約束していった、国費投入は政調会長もオーケー、都知事もそんなに時間がないなど、十二月十四日に濱渦副知事から江口氏に宛てたコメントも記録をされています。この東京ガスの記録の作成者は、末尾に、おどかしてきた、これ以上議論をしても無駄など、激しい憤りの数々もにじませております。そして、以下の約束をしたとして、今後は市野専務と今沢顧問とともに会談すること、土壌Xデーまでには方向を出すべく双方努力することなどが取り決められています。
この発言記録が事実であって、これによって御社の意思決定に何らかの影響を及ぼしたとすれば、これは驚くべき新真実であって、ある意味では国政にまで言及した明白な政治的圧力といえると思います。
そこで、まず、この時期に交渉に携わっておりました高木証人にお伺いいたしたいと思います。
この記録の内容をご存じだったでしょうか、伺います。
○高木証人 全く知りません。
○おときた委員 高木証人は、この時期、江口さん、お亡くなりになられた方とかなり数多くの会合に同席されています。平成十二年七月十二日、市野常務、江口室長、高木と書いてありますね。これも御社からの資料です。九月四日にも、赤星理事、江口室長、そして高木証人、十月四日にも、伊藤副社長、市野専務、江口室長、高木証人という形で、かなりずっと、この名前が挙がっている江口さんとも同行しておりますし、また、東京都側の赤星理事とも数多くの会談を重ねております。
にもかかわらず、この記録や、あるいは内容でも構いません、こういったお話を赤星理事とした、あるいは社内で共有された、そういった記憶は全くございませんでしょうか、伺います。
○高木証人 私の方では、土壌Xデーですか、全くわかりません。記憶にありません。それはもう本当、本当のことです。
○おときた委員 では、当時の担当の専務であった市野証人にもお伺いいたします。
こちらのメモ、あるいはその内容、何かご記憶はございませんでしょうか、伺います。
○市野証人 全く、今初めてで、どこから出た資料なんだろうか、よくわからないんですけど、これ、東京都庁の中の何かメモ--うちのメモにこんなこと書いてあるんですか。ないでしょう。いや、知らないですね、こんなの。初めて見ましたね。中曽根総理が出てくるなんて、何だろうと思いますけど、よくわかりません。知りません。
○おときた委員 もう一方、確認しておきたいと思います。この後、交渉、同時期には丸山証人も多く携わっており、赤星理事と折衝していたと思いますが、このメモ、あるいは内容、何かご記憶はございませんでしょうか。
○丸山証人 この内容そのものはよくわかりません。ただ、赤星理事が折衝に来られたというのは記憶しております。
○おときた委員 この、間違いなく御社から提出をされた記録で今ご質疑を、尋問させていただいているわけでございますが、御社の名前で出てきているのが、江口さんのほかに、もう二方、出ております。
この中の二ページ目の最後には、濱渦副知事から江口へのメッセージ、〇〇一二一四、二〇〇〇年十二月十四日とされて、このような記載がございます。
時期は二月初旬になるであろう、伊藤副社長と私が会って、しかる後、上原社長と石原会談になると思うというふうに書いてありまして、その後、上原社長は、実際、石原知事とお会いしていたと思います。
先ほど、余り覚えていないということをおっしゃっていましたが、実はこのメモのような内容を石原知事とお話ししていたのではないでしょうか。その点、ご記憶いかがでしょうか、伺います。
○上原証人 今、メモを見てびっくりしました。もし、そういうことを知っていて、石原知事に会って話をしているとしたら、忘れるはずはないと思います。私は、石原知事に会ったことすら、今、覚えておりません。
以上です。
○おときた委員 こうした状況ですから、これ、ちょっと現職の広瀬証人にお伺いしたいんですが、これは、非常に多大なる記録の提出にご協力いただきまして、たくさんの資料が出てまいりました。その中に、記録として、我々の示す133番の中に入っていた記録でございます。
この内容が全くの虚偽で社内に共有されていないとすれば、この記録を提出する必要はないと思います。もしくは、我々に何らかの攪乱じゃないですけれども、そういった意図があるはずもないと思いますし、どうして、この当時の関係者が誰も知らない、内容を全く覚えていないとされる記録が入っているんでしょうか。ちょっと--もちろん社長が一枚一枚見ていないことはわかっております。ただ、所見をお伺いいたします。
○広瀬証人 お答えをいたします。
先ほどから二者間協議という話がいろいろ出ているかと思いますけれども、二十年近くの間に、各レベルで恐らく何百回、場合によったらそれ以上の、いわゆる東京都と東京ガスの協議、それを二者間協議と申し上げれば、そういった協議は、いろんなレベル、いろんなところでされたかと思います。
これは協議ですから、あるいは交渉事ですから、それぞれからいろんな提案なり、いろんなアイデアが出されて、そして合意をしていくと。ただ、結果的には、その場限りでなくなったものもあれば、それがだんだん合意して、ある覚書とか、契約とか、そういうふうなものが交渉だというふうに思っております。
したがって、いろいろ二者間で、あるいはその担当レベルで、場合によったらそれぞれの、東京都、あるいは東京ガスのためにお互いがいろんな交渉をしてきたという歴史ではないかというふうに思っております。
したがって、私、現在、東京ガスの責任者として、資料については全てご要請のとおり出すと。ただし、大変申しわけありませんけれども、担当レベルでつくった資料もありますので、それが、そのときの経営者、あるいは、きょう出ておる証人が見ていないものも含めて出すように指示をいたしましたので、若干、非常に奇異に感じるかもしれませんけれども、そういう事情でございますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。
いずれにしても、そうした十数年間の協議が全て結実いたしましたのが、二〇一一年の三月の包括的な契約書、そして協定書でございます。それについては、過去十数年間をお互いどう評価するか、あるいはその時点でどういう具体的な契約を結ぶか、あるいは将来どういうふうな評価、どういうふうなことにするかということをパッケージで、包括的な両者の合意として二〇一一年の三月に結んだわけでございます。
私は、現在、東京ガスの責任者でありますから、そうした両者が最終的な合意をしたものに沿って、現在、仕事をしているということでございます。そういう面で、ちょっと奇異な感じがするかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。
○おときた委員 詳細な所見を述べていただきましてありがとうございます。
時間も少なくなってまいりましたが、もう一つ、御社から提出された資料で、手書きのもので、日付が八月二十二日、市場ブレストと入っているものがあるんですね。
こちら、江口さんのほかに、高木証人と丸山証人も出席者として書いてあるんですが、八月一日、これ、二〇一一年八月一日ですね。濱渦副知事と書いてあって、人事掌握、九月から攻勢だろうとか、汚染土壌、条例、掘らなければよい、条例、事務局とのすり合わせが問題など書かれたこの手書きのメモがあるんです。
こちらの方を、高木証人、ご記憶ございますでしょうか。また、汚染土壌、条例、事務局とすり合わせが問題など、これはどういった意味でしょうか、伺います。
○高木証人 まことに申しわけありませんけど、その点についても全く記憶がありません。
○おときた委員 同じく、このメモにお名前がある丸山証人はいかがでしょうか、伺います。
○丸山証人 済みません、もう一度、日付を教えていただけますか。
○おときた委員 八月の二十二日、市場ブレスト、十三時から十八時というように記載が……。
○丸山証人 何年でしょうか。
○おときた委員 これは二〇一二年のことを指しているものと前後関係からは思われます。
○丸山証人 二〇一二年ですか。
○おときた委員 そうですね、二〇一二年ですね。平成……。
○丸山証人 二〇一二年は、もう既に売買契約も締結した……。
○おときた委員 ごめんなさい、平成十二年です。ごめんなさい、平成十二年、失礼いたしました。
○丸山証人 平成十二年--私もよくわかりません。記憶にありません。
○おときた委員 済みません。時間がなくなってしまったんですが、済みません、二枚目の資料に行けませんでしたが、この土地の下落価格がという記載があって石原都知事の安全宣言、こういったものから、私は、環境確保条例に基づいて御社が土壌汚染対策を行ったこと、これと何らかの関係があるのではないかと、この提出された記録、あるいは証人の方々、記憶になかったですが、手書きのメモから察することができるのではないかというふうに考えております。
皆様方、誠実にお答えいただいたと思いますし、覚えていらっしゃらないこともあると思います。ですので、この疑問は、交渉当事者である当然都側の濱渦副知事などにも確認する必要があるかと思っております。
そういったことを続けてしっかりと、この御社のメモにある土壌Xデー、土壌Xデーとは一体何なのか、そしてこういった、ある意味では政治的圧力ともとれる発言が本当に行われていたのか、それが御社の経営判断に何らかの影響を与えなかったのかどうかということを、しっかり議会の側から責任追及をしていきたいと思います。今後もご協力をお願いすることもあるかと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
私からは以上です。ありがとうございました。
○桜井委員長 小松委員。
○小松委員 東京ガス及び関連会社の皆様、本日はご協力いただきまして、どうもありがとうございます。
きょう、最後の質問者です。もうしばらくよろしくお願いいたします。
早速ですが、広瀬証人にまずお伺いしたいと思います。
東京ガスと東京都との関係についてです。都が御社に対して出資をする、あるいは補助金を出す、あるいは都の業務を受託されるなどがあるでしょうか、お伺いします。
○広瀬証人 お答えをいたします。
全て私も把握しているわけではありませんけれども、補助金等につきましては、恐らく、いろんな東京都さんの方でそういう制度がつくられておりますので、私どももそれを利用させていただいていることはあると思っております。
○小松委員 それでは、引き続き広瀬証人にお伺いしたいんですが、今回、御社が正当な企業活動として取り組んでこられた東京都との交渉であったということですが、この一連の交渉がこうして表に出ることで、企業イメージ、あるいはCSR評価に影響がないとはいえないと率直にいって思うわけですが、これを回復するために、これから今後取り組んでいかれるのかと思います。
そこのところ、どのように企業活動を進めていかれるのか、そのご見解をお聞かせください。
○広瀬証人 お答えをいたします。
今回の一連の豊洲関連でございますけれども、まず、少なくとも豊洲の問題が、移転問題が出てから、あるいはその前の開発から二〇一一年の三月の契約まで、この点につきましては、東京ガスとして特に問題というか、いわゆる社会的なものというのは全く私はないというふうに思っておりますので、そういう面では、東京ガスのいわゆる評判というか、その辺については特に問題ないと思っております。
ただ、最近、この豊洲の問題について、いろいろ東京ガスがいろんなところで報道されて、そういう面では、大変残念なことではありますけど、東京ガスのある面では、いろんな評判というんですか、そういうものが少し毀損しているということで、これにつきましては、一定の方向が出た段階で改めて、豊洲の発展に、東京ガスとしてもこれからその責任、役割を果たしていくことによってカバーをしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○小松委員 ありがとうございます。
それでは、市野証人にお伺いしたいと思いますが、先ほど高木証人からのお話に、東京都と交渉を開始して間もなくのころに、当時の副知事との質問と、そして回答のやりとりの話があったかと思いました。
御社の当時副社長であった大野氏から福永東京都副知事宛てに、弊社豊洲用地への築地市場移転にかかわる御都のお考えについてとの質問状が出されまして、この中で、豊洲用地は工場跡地であり云々、大変な改善費用を要することになる、これについてはどう考えるかと質問されました。
そして、これに対して、六月二十七日、福永副知事名で回答が出されています。新市場の着工時期までにはその処理が完了することが必要ですという回答です。
誰がやるとも、どこまで何をやるとも書かれていないわけですが、東京ガスとしては、この答えの意味するところをどのように受けとめられたのか、御社の側がやるんだというふうに思われたのか、そして、この内容についてお互いに詰めることをされたのではないかというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。
○市野証人 お答えします。
今ご紹介いただいた資料は、目を通しましたけれども、それは福永副知事と僕らの大先輩の大野という副社長のやりとりでありまして、私なんかはまだチンピラのころでございますので、よくわかりません、それは。中身は、その今の真意みたいなのはよくわかりません。
だけど、まだお願いできませんかという段階でですね、汚染対策をどうするなんてレベルじゃなかったんじゃないかなという感想は持ちます。
だけど、実際のやりとりのときに近くにいたわけでもございませんので、お答えのしようがないということで、ごめんなさい。
○小松委員 このやりとりから、御社が土壌の汚染状況を把握して、市場の用地としてどうなんだという懸念を表明されていることがうかがえるわけですけれども、それでは、高木証人に、この質問の応酬の後、実務者間の交渉の中でも、汚染の程度ですとか、誰がどこまでやるんだというようなことについて、具体的なやりとりや検討などはされなかったのかどうか伺います。
○高木証人 この段階では、築地市場の豊洲移転というのは、豊洲の立地、ロケーションとか、広さとか、あるいはモーダルシフトと当時いわれていましたけれども、環境負荷の低い、そういう海上輸送をふやしていくんだというような格好で、その立地評価というものは非常に高いというところでありまして、そちらの方で何とか豊洲に移転したいという時期でありまして、一方、その汚染土壌の話につきましては、土壌汚染対策法というものが施行されるとか、あるいは都の条例ができるとかということで、東京ガスが準備を開始していたところでありますので、汚染土壌についての検討レベルといいますか、それは、市場の移転というところで大きな意味を持っていたわけではないと思います。
特に販売用の不動産という格好での取引関係ではないわけで、東京ガスの持っている固定資産を東京都さんの方に移管するという話ですので、地面の下の問題というよりも、ともかく地面の上の利用価値といいますか、使用価値といいますか、そこのところに焦点が当たっていた時期ということだと思います。
○小松委員 この翌年、伊藤証人に伺いたいんですが、二〇〇一年、平成十三年二月、濱渦副知事と伊藤副社長の名前で覚書、そして七月には基本合意が交わされています。豊洲への市場移転を前提に具体的な協議に入る合意であったかと思います。
しかし、ここには土壌汚染対策についての記述がありません。この理由が何だかわかりますでしょうか。
○伊藤証人 審議を進めていこうという趣旨のものであったので、土壌の話は入っていなかったかと思います。(小松委員「理由は」と呼ぶ)役員会の資料に上がってきたものは、将来、土地資産の移動があるかもしれない、これは役員会マターの、取締役会マターの問題ですから、そういう意味で、合意を進めるよというのが、その結果として土地移動が伴うから上がってきたんだというふうに思っていまして、土壌については、そこでは入っていません。
○小松委員 ところで、土壌汚染対策法が二〇〇二年五月に公布されております。この中には、法律施行以前に有害物質の取り扱いが廃止された施設を適用除外とするという附則の条文があります。
伊藤証人に伺いたいんですが、これにより、豊洲は法規制の対象とならないということになります。
東京ガスの環境汚染対策が、先ほど環境汚染対策を平成十年から十九年まで行ったというようなお話があったかと思いますが、環境汚染対策が終了されたのは平成十九年四月となっていますが、この法からの規制を外すために、適用除外規定をつくるように東京ガスが国に働きかけたのではないかという疑義をいう人がいるんですが、御社が環境規制外しを画策するようなことはないと思いますが、念のために確認します。
○伊藤証人 記憶にもありませんし、全くありませんと思っています。
○小松委員 この後の二〇〇八年、平成二十年、東京都の調査により、大幅に基準を超える有害物質が検出されたわけですが、この対応について、土地の所有者はまだ東京ガスであったわけでして、東京ガスが追加対策を検討する、あるいは議論するぐらいということがあってもよかったのではないかということに対してはどうでしょうか。市野証人にお伺いします。
○市野証人 この具体的な中身については、私、直接タッチしておりませんので、不正確なお答えになると思いますので、別の者が答えた方がいいかと思いますが、済みません、失礼いたしました。
○小松委員 では、同じ質問を、丸山証人いかがでしょうか。
○丸山証人 専門家会議で新しい調査をするということが提案されて、実際に調査をした結果、先ほど数字がございましたけど、四万三千倍のベンゼンが検出されたというような結果については、逐一、状況を把握するという意味で承知をしております。
ただ、それをどうするかということについては、東京都さんの中で検討されているということでございますので、その段階では状況把握にとどまっていたということでございます。
○小松委員 それでは、岡本証人にお伺いしたいと思います。
二〇一一年、平成二十三年ですね、売買契約に至るわけですが、ここまでに相当な東京都と御社とのやりとりが交わされ、そして一部負担の金額は七十八億円に確定しています。結果として、今となっては、この後に土壌汚染対策にかかった費用の一割にも満たないという額だったわけですけれども、今後の費用負担の増減を行わないことも明記されました。
先ほどもお話がありましたが、繰り返しになるかもしれませんが、事実上、瑕疵担保の責任を負わないということに、これはなるのではないかと考えるところですが、御社としてのご見解について伺います。
○岡本証人 一部繰り返しになって申しわけございませんけれども、私は二〇一一年の売買契約書締結時に社長でおりまして、決裁は取締役会で行いましたけれども、いわゆる署名をする者として、責任はもちろん持っておりました。
そのときに、私が決裁をするに当たって、あるいは取締役会に決裁を委ねるに当たって確認したことは、それまでの東京ガスと、あるいは東京ガスグループ等と東京都との間の長いやりとりの中で不適切なものがなかったかどうかということに、そのある意味一点に絞られます。
土壌汚染対策については、先ほど来申し上げておりますように、環境確保条例、あるいはそれにプラスアルファしたものを我々が引き受けて、百二億円という土壌汚染対策を完璧に実施いたしました。
その後、東京都が市場として使うためのさらなる調査を行われ、そのために追加的な対策が必要になるというお話をいただいたわけです。
なお、そのときに東京都からいただいたお話は、追加的な東京ガス由来と思われる土壌汚染への追加対策は二百億円強を要するということでありました。
それについても、東京ガスに要請するべきものでないのは承知しているけれども、部分的、一部でも負担してもらえないかというお申し出であったわけです。
私どもも、法的に責務のないものを、巨額なものを指示するわけにいきませんので、私どもとして、関係者に、株主も含め、あるいはお客様も含め、納得できるような、説明できるような金額ということで精査した結果、東京都との話し合いの中で七十八億円というものが出てまいりまして、それをもって、私どもはやるべきことは全てやり終えたということで、これ以上の負担は負わないという意味での土壌汚染対策に関する瑕疵担保責任、土壌汚染については、これ以上の負担はなしという合意をしたものでございますので、不適切なものであったとは思っておりません。
○小松委員 ありがとうございます。
このとき、最終契約、売買契約に印を押された岡本証人ですが、最終的に契約がようやく締結した、ここに至るまでに十数年かかって、さまざまないきさつがあったわけですが、そのときの率直な感想をお聞かせ願えますでしょうか。
○岡本証人 築地市場の豊洲移転という非常に大きな課題がこれで解決を、一つの大きなポイントといいましょうか、転機を迎えたということで、非常に私は、何といいましょうか、大きな仕事を一つ区切りをつけたという意味で満足感は持ちました。
ただ、仕事はこれからということですから、その仕事、つまり豊洲の開発、市場の移転、私ども自身が行う豊洲の開発等も含めてまだまだ、むしろ作業といいましょうか、仕事そのものはこれからだということでしたから、それをいかにしっかりやっていくかということを改めて自分の胸に刻み込んだと、そういう心境でございました。
○小松委員 ありがとうございました。
終わります。どうもありがとうございました。
○桜井委員長 ほかに発言がなければ、上原英治さん、市野紀生さん、岡本毅さん、広瀬道明さん、伊藤春野さん、志水巨宜さん、高木照男さん、丸山隆司さん及び柴田理さんに対する尋問は終了いたします。長時間ありがとうございました。
ご退席して結構でございます。ありがとうございました。
本日出頭を求めた証人に対する尋問は全て終了いたしました。
この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後九時二十二分休憩
午後十一時四十分開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
委員会の再開が遅くなり、おわびを申し上げます。
理事会の協議結果について申し上げます。
今後の証人出頭要求について協議した結果、改めて後日の理事会において協議することとなりました。ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後十一時四十一分散会
二八財主議第六二五号
平成二十九年三月九日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 川井しげお殿
記録提出の期限延長について(依頼)
平成二十九年三月一日付二八議事第六一〇号により請求のありました記録の提出について、別記の各項目については提出期限の延長をお願いいたします。
項目番号 | 記録件名 | 延長を求める箇所 | 理由 | 所管局 |
32 | 平成7年以降の東京都卸売市場審議会議事録及び関連資料 | 一部延長 第74回審議会議事録 | 作成中のため | 中央卸売市場 |
101 | 豊洲地区において環境確保条例に基づいて都に提出された全ての資料 | 全部 | 分量が多く提出部数を用意するのに時間を要するため | 環境局 |
102 | 豊洲地区において土壌汚染対策法に基づいて都に提出された全ての資料 | 全部 | 分量が多く提出部数を用意するのに時間を要するため | 環境局 |
242 | 築地市場再整備、豊洲市場整備にかかわるすべての記録、文書 | 全部 | 資料の特定が困難であるため | 中央卸売市場 |
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.