令和8年4月22日(水曜日)から4月23日(木曜日)
委員長 浜中のりかた(自民党)
厚生委員会は、社会福祉事業の推進や、社会保障、医療対策、都立病院等の運営整備など、都民の暮らしに直結する様々な分野を所管しております。
東京都では、地域で切れ目なく障害児(者)とその家族を支える体制の構築を目指し、区市町村と連携しながら制度整備を進めています。ケアラー支援についても、年齢や分野を横断する課題として各種計画等に位置づけ、切れ目のない支援体制の構築に取り組んでいます。また、動物愛護管理施策を取り巻く状況の変化を踏まえ、動物愛護相談センターの機能配置の見直しや再整備を推進しています。
こうした状況を踏まえ、今回、厚生委員会では、当委員会が所管する諸課題に対する調査の一環として、北海道ケアラー支援条例を制定し、ケアラー支援施策を進めている北海道の取組について、また、乳幼児期から成人期まで切れ目のない障害児(者)及び家族支援を地域で実践している社会福祉法人麦の子会の取組について、さらに、施設集約及び機能強化の上で令和5年11月に開設された札幌市動物愛護管理センター(あいまる さっぽろ)の取組について調査を行うため、4月22日から2日間にわたり現地視察を実施いたしました。
以下、その概要について、ご報告いたします。
1日目は、初めに、北海道庁を訪問し、北海道ケアラー支援条例に関する取組について説明を伺いました。
北海道では、少子高齢化や核家族化の進行により世帯規模が縮小する中で、ケアラー一人一人の負担の増大が見込まれることを背景に、令和4年4月から「北海道ケアラー支援条例」を施行しています。条例では、18歳未満のヤングケアラーも含め、ケアラー本人と介護等を受ける家族の双方を支援対象と位置づけ、普及啓発の促進、早期発見・相談体制の確保、地域づくりの三本柱により施策を展開していくこととしています。
条例を踏まえて策定された北海道ケアラー支援推進計画の第1期計画では、認知度向上など一定の成果が見られた一方、若年層での認知不足や相談のしにくさ、事業者の理解不足などの課題も明らかになったため、第2期計画では、SNSなどを活用したターゲット別啓発、相談窓口の強化や学校・事業者との連携強化、仕事と介護の両立セミナーの開催などワーキングケアラー支援を新たな柱として位置づけて施策を展開しているとのことでした。
その後の質疑応答においては、相談に係る心理的ハードルを下げるための取組について、条例制定に係る先行事例の分析についてなど、活発な質疑が行われました。
次に、社会福祉法人麦の子会を訪問し、地域の障害児に対する支援体制についてご説明いただくとともに、各施設の現地視察をさせていただきました。
麦の子会は、乳幼児期から成人期まで、切れ目のない支援を地域で実践している法人です。児童発達支援、放課後等デイサービス、生活介護、就労移行支援、医療支援、共同生活支援などを一体的に展開し、ライフステージに応じた継続的な支援体制を構築しています。現場のニーズに応じて、一つ一つ必要な支援を行い、それが制度化されていったとのことです。
主要な取組として、支援対象を当事者本人に限定せず、家族全体を支える視点を重視している点について説明を伺いました。保護者に対するグループカウンセリングや個別相談を通じ、孤立や心理的負担の軽減を図るとともに、子育てのパートナーとして共に関わる姿勢を貫いているとのことでした。さらに、社会的養護や生活介護、にんしんSOS事業など、様々な課題に対し積極的に対応しているとのことでした。
質疑応答では、先進的な取組を行うための実施体制及び経費管理について、各施設の運営状況等についてなど、活発な質疑が行われました。
2日目は、札幌市動物愛護管理センターを訪問し、動物の愛護及び管理に関する施策の推進についてご説明いただくとともに、施設の現地視察をさせていただきました。
札幌市動物愛護管理センターは、動物の愛護と適正な飼養を一体的に推進する拠点として、令和5年11月に開設された施設です。従来の「動物管理」中心の施設から転換し、教育・普及啓発、譲渡促進を重視した運営が行われています。
施設は完全木造かつ楕円形の建築とし、動物愛護施設に対する従来のイメージの刷新を図るとともに、ZEB認証を取得した環境配慮型の公共施設となっています。犬・猫の収容や治療に加え、性格を分かりやすく示す工夫やトライアル制度の導入により、譲渡率の向上が図られています。
獣医師会や獣医系大学、動物愛護団体、ボランティアとの連携により、治療支援、飼育補助、教育・普及啓発活動を協働して実施している点についても伺いました。また、多頭飼育崩壊の背景にある高齢化や孤立、生活困窮などの問題への対応が増加しており、福祉部局との連携強化を行っているとの説明がありました。
質疑応答では、関係団体との役割分担や支援について、やむを得ない措置を含む対応の在り方についてなど、活発な質疑が行われました。
以上、2日間という限られた日程ではございましたが、現地で貴重なお話を伺い、活発な意見交換ができ、大変有意義な視察となりました。この視察の成果を、今後の委員会活動を通じて、都政に大きく反映させ、役立ててまいりたいと考えております。
最後になりますが、ご多忙にもかかわらず、貴重なお時間を頂戴いたしまして、懇切丁寧にご対応いただきました、北海道庁、社会福祉法人麦の子会、札幌市動物愛護管理センターの関係者の皆様に、この場をお借りいたしまして、厚く御礼を申し上げます。
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