財政委員会 管外視察報告

平成26年4月21日(月曜日)から4月22日(火曜日)
委員長 山崎 一輝(自民党)

 財政委員会は、都の税財政制度や会計制度、公有財産・物品などの管理運営、契約などを所管しています。

 今回、財政委員会では、当委員会が所管する諸課題に対して調査を行うため、4月21日から22日にかけて、和歌山・大阪方面への視察を実施いたしましたので、概要について、ご報告いたします。

和歌山市役所

和歌山市役所

 21日はまず、和歌山市役所を訪問しました。

 和歌山市役所では、初めに、和歌山市の用地利用計画について、説明を聴取しました。ここでは、市内の約12万平方メートルに及ぶ直川地区における、民間への土地売却及び賃貸による大規模企業誘致事例についての説明を受けました。

 次に、公有地を活用した太陽光発電施設の建設計画について、市及び事業者より説明を聴取しました。

 和歌山市では、市有地を民間企業に貸し出し、民間企業が施設整備を行う形で、太陽光発電施設を建設する計画を立てています。

 施設の整備後は、施設の維持運営は民間企業が行い、地域への貢献策として、売電金額の一定割合を市に寄付するとともに、地域の小・中学校への出張授業や発電所見学などを受け入れることで、地域の環境学習へ貢献すること、災害時の非常用電源の確保にも役立つとの説明を受けました。

 その後の質疑応答では、発電施設の整備に際しての関西電力との事前調整についてや、和歌山県との役割分担について、東京圏における発電事業の展開可能性についてなど、様々な質疑が行われました。

泉佐野市役所

泉佐野市役所

 次に、泉佐野市役所を訪問し、法定外税の導入に対する取組について、説明を聴取しました。

 泉佐野市は、「関西国際空港の玄関都市」として相応しいまちづくりを目指し、空港アクセスのための道路の整備や、空港補完機能としての感染症などの高度医療病院の整備など、都市基盤整備を進めてきましたが、そのための起債償還財源の確保のため、昨年3月より、空港連絡橋の利用者に対する法定外普通税の課税を開始しました。

 また、泉佐野市では、これまで犬のフンの放置対策に取り組んできましたが、今後も、フン害が改善しない場合には、その対策費の確保のため、新たに法定外目的税として「犬税」を課すことを検討しているとのことです。

 これらは、全国的にも大変珍しい事例であり、法定外税導入による効果や、新税の検討状況など、詳細の説明を聴取してきました。

 都では、道府県税の徴収に加え、特別区の区域内では市町村税の一部も都税として徴収しています。

 今後、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催などを見据え、必要な整備を加速していくとともに、首都東京をさらに魅力ある、活力溢れた都市にしていくための税財政のあり方の検討も、当委員会に課せられた重要な所管事項です。

 泉佐野市における質疑応答では、課税の効果のみならず費用面について、また、法定外税に対する住民の理解を得るための取組や、市の内部努力の取組などについても、活発な質疑が行われました。

大阪府咲洲庁舎(旧・ワールドトレードセンタービル)

大阪府咲洲庁舎

 翌22日は、大阪府咲洲庁舎(旧・ワールドトレードセンタービル)を訪問し、庁舎の長周期地震動対策について、説明を聴取するとともに、現地視察を行いました。

 長周期地震動とは、地震で発生する、周期のゆっくりとした長い揺れのことで、高層ビルなどの大型構造物が共振しやすく、対策の必要性が指摘されています。

 大阪府咲洲庁舎の建物は、地下3階・地上55階建てで、高さ256メートルの日本でも屈指の超高層ビルです。

 東日本大震災では、都庁舎においても、建物の大きな揺れやエレベータが長時間停止するなどの影響がありましたが、咲洲庁舎においても、約10分間、最大で1メートル(片側)を超える揺れが生じたとのことです。

 大阪府では、東日本大震災を踏まえた、長周期地震動対策として、制震ダンパーの設置や、エレベータの安全対策としての管制運転装置の設置などを行ったとのことです。

 都庁舎は、現在、築後20年余りが経過し、設備機器の老朽化に伴う大規模改修を行っているところですが、これにあわせて、長周期地震動対策を実施しているところで、今回同様の課題を有する咲洲庁舎の対策を視察できたことは、大変有意義なものとなりました。

 以上、2日間という非常に限られた日程ではありましたが、今回の視察において、各行政現場で実際に課題に対応しておられる職員の方々から直接、お話を伺い、現地を視察できましたことは、当委員会にとって大変有意義なものとなりました。

 こうして得た成果については、今後の委員会活動を通して、都政へと役立ててまいります。

 最後になりますが、和歌山市、泉佐野市、並びに、大阪府の職員の皆様、また、大和ハウスグループの社員の皆様には、大変ご多忙の折にもかかわらず、懇切丁寧なご対応をしていただきました。あらためて厚く御礼を申し上げます。

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