令和8年4月20日(月曜日)から4月21日(火曜日)
委員長 清水やすこ(都民ファ)
環境・建設委員会は、エネルギーの脱炭素化や資源循環、生活環境の改善、自然環境の保全、道路・河川の整備及び高潮対策、公園緑地・霊園の整備など、都民の暮らしに密接に関連する幅広い分野を所管しています。
東京都は、「ゼロエミッション東京」の実現に向け、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減(2000年比)する「カーボンハーフ」を目指しており、地球規模で深刻化する気候危機への対応として、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入拡大などが求められています。加えて、自然環境の変化等を背景に、野生鳥獣による生活被害への懸念も高まっており、都民の安全・安心を確保する観点から、適切な野生動物対策の推進が課題となっています。また、道路、河川、公園などの都市基盤は、首都東京の都市活動や都民生活を支える上で欠かすことのできない重要な役割を担っています。一方で、頻発化・激甚化する豪雨災害や切迫する首都直下地震への備え、慢性的な交通渋滞の解消による人や物の流れの円滑化、水辺や緑地の整備による快適な都市環境の創出など、防災性・利便性・快適性の向上が課題となっています。
こうした状況を踏まえ、環境・建設委員会では、所管する諸課題に関する調査の一環として、再生可能エネルギー施策(石狩市)、クマ対策(北海道)、河川・道路整備(札幌市)の各取組について、4月20日から2日間、現地視察を実施しました。
以下、その概要について報告します。
1日目は、石狩市を訪問しました。
石狩市は、石狩湾新港地域を中心に、風力・太陽光・バイオマスといった多様な再生可能エネルギー電源が集積している自治体です。こうした地域資源を背景に、再生可能エネルギーの「地産地活(地産地消)」を推進し、脱炭素化と産業・地域の成長を両立させる「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」を基軸としたまちづくりを進めています。
現地視察に先立ち、石狩市において、地産地活の考え方の下、脱炭素化の推進と併せた産業振興及び地域活性化を図る取組や、データセンターを活用した地域価値創造など、環境と経済の好循環を目指すまちづくりの方向性について説明を受けました。また、市の財政効果や地域課題の解決等について、活発な質疑が行われました。
その後、電力需要の100%を再生可能エネルギーで供給することを目指す区域である石狩湾新港地域の「REゾーン」を訪問し、現地視察を行いました。
現地では、太陽光発電や洋上風力発電によって生み出された電力を活用して稼働する大規模データセンターや、石狩湾新港に設置された洋上風車等について説明を受けました。
再生可能エネルギーを安定的に供給できる立地条件を活かし、国のGX施策にも対応した取組が進められている状況を確認しました。
2日目は、北海道庁を訪問し、ヒグマ対策について説明を聴取した後、質疑を行いました。
北海道においては、人身被害や農業被害などの発生がある中で、被害の防止・軽減と、ヒグマ地域個体群の存続の両立を図ることが重要な課題である旨、説明を受けました。北海道ヒグマ管理計画改定の概要を伺う中で、人の生活圏とヒグマの生息地との間に緩衝帯を設け、人とヒグマの空間的なすみ分けを行い、ゾーンごとに適切な出没時対応や防除等の管理を行う「ゾーニング管理」の考え方が示されました。また、ガイドライン作成や捕獲許可取扱方針の改正、市町村支援等、ゾーニング管理推進のための取組について説明を受けました。委員からは、ゾーニング管理における課題や生態調査、猟友会との関わりなどについて質疑がありました。
次に、札幌市において、創成川及び桜大橋の現地視察を行いました。
札幌市中心部を流れる創成川を訪れ、都心南北交通の主軸である創成川通の8車線道路のうち4車線を地下化することにより、南北2つのアンダーパスを結び、連続化することで、道路交通と水辺空間の両面から都市環境の向上を図る取組について説明を受けました。現地では、一部車線の地下化により創出された上部空間を活用し、親水緑地空間が整備されるとともに、水辺へのアプローチ階段や飛び石等により、親水性を高める工夫がなされていることを確認しました。また、アートワーク設置やイベント開催等、住民の憩いの場及び賑わいの場としての機能についても説明を受けました。委員からは、渋滞緩和の状況や導水管の整備等について質疑がありました。
その後、豊平川に架かる北24条桜大橋を訪れ、都市計画道路整備の事業概要について説明を受けました。
宮の森・北24条通は、主要幹線道路である札幌新道及び環状通の中間に位置し、両路線の機能を補完する幹線道路です。北24条桜大橋は、札幌新道及び環状通に架かる橋梁における慢性的な交通渋滞の緩和を主な目的として整備されたものであり、平常時及び災害時において、人や物の円滑な流れを確保し、都市機能を維持する上で重要な役割を担う橋梁であることを確認しました。
さらに、橋梁の一部橋脚にはニューマチックケーソン工法、また、河道部分の桁の架設工法には送出し架設工法といった全国でも施工例の少ない工法が採用されており、工法の内容や効果について、多数の質疑がありました。
以上、2日間という限られた日程ではございましたが、現地で貴重なお話を伺い、活発な意見交換を行うなど、有意義な視察となりました。今回の視察の成果につきましては、今後の委員会活動を通じて、都政に役立ててまいります。
最後になりますが、石狩市役所、北海道庁及び札幌市役所の関係者の皆様方には、お忙しい中、懇切丁寧に対応していただきましたことに、心から感謝と御礼を申し上げます。
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