総務委員会速記録第三号

令和八年三月十六日(月曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長福島りえこ君
副委員長西崎つばさ君
副委員長増山あすか君
理事こまざき美紀君
理事望月まさのり君
理事坂本まさし君
高田 清久君
星  大輔君
さいとう和樹君
笹岡ゆうこ君
早坂 義弘君
本橋ひろたか君
斉藤まりこ君
小林 健二君

欠席委員 なし

出席説明員
デジタルサービス局局長高野 克己君
次長佐久間巧成君
総務部長芹沢 孝明君
調整担当部長繁宮  賢君
情報セキュリティ担当部長田畑 伸哉君
デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務辻  正隆君
デジタル事業担当部長澤村  航君
デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務谷口  祐君
プロジェクト推進担当部長福田  厳君
デジタル改革担当部長相原 俊則君
DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務芝崎 晴彦君
DX推進調整担当部長政策DX担当部長兼務富山 貴仁君
区市町村DX協働担当部長中西 正樹君
デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務小林 直樹君
データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務小林 孝幸君
つながる東京整備担当部長スマートシティ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務小原 誠司君
デジタル基盤部長村永 伸司君
選挙管理委員会事務局局長川上 秀一君
人事委員会事務局局長丸山 雅代君
任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務谷 理恵子君
審査担当部長渡邉 貴史君
試験部長斎藤 圭司君

本日の会議に付した事件
意見書、決議について
人事委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 人事委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第三十九号議案 東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
選挙管理委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出 選挙管理委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十号議案 東京都選挙管理委員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例
・第四十一号議案 選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和七年度東京都一般会計補正予算(第五号)の報告及び承認について
デジタルサービス局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
デジタルサービス局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第三十八号議案 東京都行政手続条例の一部を改正する条例

○福島委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件、決議一件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○福島委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 令和八年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきましては、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しは、お手元に配布をしてあります。
 朗読は省略をいたします。

令和八年三月十三日
東京都議会議長 増子 博樹
(公印省略)
総務委員長 福島りえこ殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十三日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(木)午後五時

(別紙1)
総務委員会
 第一号議案 令和八年度東京都一般会計予算中
        歳出
        繰越明許費
        債務負担行為 総務委員会所管分
 第二号議案 令和八年度東京都特別区財政調整会計予算
 第四号議案 令和八年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算

(別紙2省略)

○福島委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、人事委員会事務局、選挙管理委員会事務局及びデジタルサービス局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより人事委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、人事委員会事務局所管分及び第三十九号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 二月十二日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の総務委員会要求資料の表紙をおめくりください。目次にございますとおり、要求のありました資料は三件でございます。
 一ページをご覧ください。令和八年度採用試験(選考)運営に係る業務委託一覧でございます。委託内容別に令和八年度予算額の案を掲載してございます。
 二ページをお開き願います。障害者を対象とする東京都職員Ⅲ類採用選考実施状況でございます。障害の種別ごとに過去五年分の受験者数及び合格者数を掲載してございます。
 三ページをご覧ください。就職氷河期世代を対象とした職員採用試験実施状況でございます。大学卒業程度のⅠ類Bと高校卒業程度のⅢ類の二つの試験区分ごとに、過去五年分の受験者数及び合格者数を掲載してございます。
 以上、簡単ではございますが、資料についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○福島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○さいとう(和)委員 都民ファーストの会、さいとう和樹です。よろしくお願いいたします。
 都では、採用試験や昇任選考のデジタル化を進め、令和五年度からは、申込みから合格発表までの手続を一気通貫で行える仕組みを導入していることを確認しています。
 職員採用試験の主な対象となる学生をはじめとした若者世代は、いわゆるデジタルネーティブであり、日常生活においてもスマートフォンを通じて各種手続を行うことが当たり前となっています。こうした世代にとって、採用試験がデジタルで完結することは、単なる利便性の向上にとどまらず、都政そのものへの親近感や信頼感の向上にもつながる重要な要素であると考えています。
 このため、採用試験におけるデジタル化を着実に推進していくことは、受験者にとって利用しやすい環境を整えるとともに、都政に関心を持つ層を増やし、将来の都政を担う人材を安定的に確保していく上でも重要な取組です。
 今回の令和八年度予算案において増額となっているのは、こうしたデジタル化に関する取組であり、これまでの人の手で行ってきたものをデジタルに切り替えることは、試験運営の公平性や効率性の向上にもつながるものと考えております。
 一方、システム改修には相応の費用が投じられることから、都民の視点に立てば、その効果をどの程度見込み、かつそれが都民のためになっているのかといったことを丁寧に示していくことが不可欠であると考えております。
 以下、こうした観点から質問させていただきます。
 まず、令和八年度予算案における増額の具体的な取組内容についてお伺いいたします。

○斎藤試験部長 令和八年度には、採用試験及び昇任選考のデジタル化をさらに進めるために必要な経費として約二千六百万円のシステム改修経費等を計上しております。
 システムを改修することで、具体的には採用試験で活用している受験手続ウェブシステム及び管理職選考などの昇任選考で活用している昇任選考事務システムにつきまして、面接委員が、受験者がアップロードした面接票の確認や評価の入力を行える機能を追加することで、面接委員の業務を支援してまいります。
 さらに、昇任選考事務システムにつきましては、多段階認証機能を拡充し、セキュリティの向上を図ってまいります。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。取組内容については理解いたしました。
 しかし、システムは単年度の改修費ではなく、後年度にわたり発生するランニングコストの存在も忘れてはいけません。費用対効果はイニシャルコストとランニングコストの両方から検証していくことが重要であると考えています。
 そこで、これらの取組に必要となる経費について、イニシャルコストとランニングコストの内訳をお伺いいたします。

○斎藤試験部長 イニシャルコストは総額約千六百五十万円でありまして、そのうち約一千万円が面接支援機能を導入するためのシステム改修に要する経費、約六百五十万円が昇任選考事務システムの多段階認証機能の拡充に要する経費でございます。
 また、ランニングコストは総額約九百七十万円でありまして、受験手続ウェブシステムのサービス利用料、通信料及び端末リース料を計上しております。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。ただいま経費の内訳を説明いただきました。
 都は近年、年間二千人規模の職員採用を進めており、職員採用試験の申込者数は約二万人に上ります。こうした大規模な試験を今後も確実かつ安定的に実施していくためには、デジタル技術の活用が不可欠であると考えております。
 一方、デジタル化の推進には適切な投資が必要となる以上、その費用がどのような効果を生むのか明確に示すことこそ、都民の理解を得るために極めて重要であると考えております。
 そこで、今回のデジタル化に要するコストについて、それに十分見合うだけの効果が見込まれているのかお伺いいたします。

○斎藤試験部長 まず、面接支援機能の実装により、資料約十万枚の印刷を廃止し、年間三百六十万円程度のコスト削減効果を見込んでおります。
 また、面接支援機能の活用により、面接委員が効率的、効果的に資料確認が行えるようになることで、採用試験と昇任選考合わせて、年間延べ約三千五百時間、人件費に換算して約一千四百万円の効果を見込んでおります。
 さらに、資料の確認から評価の入力までを端末上で一体的に行えるようにすることで、面接委員は事務的な作業に意識を割くことなく、受験生と向き合うことが可能となりまして、面接の質の向上が図られると、そのように考えております。
 また、多段階認証機能の拡充により、不正アクセスの防止対策がより強化されることで、受験者の個人情報をはじめとした試験に関する機密性の高い情報のセキュリティレベルを高めることができると考えております。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。紙資料の削減や職員負担の軽減に加え、デジタル化を進めることで、面接委員が受験者と向き合う時間が増えるといった効果も見込んでいることが確認できました。
 今回の改修が一過性のものではなく、将来のコスト削減と質の向上の両面につながっていることを評価いたします。デジタル化は都政の効率化を進め、職員がより価値の高い業務に注力できる環境を生み出す大変重要な取組であると考えています。
 しかしながら、システム整備には一定の費用がかかりますが、コストに見合った効果があるのかどうかは、しっかり見ないと分かりづらい面もあります。都は数値として示せる効果だけではなく、今回確認したような面接の質の向上など、見えづらい価値についても積極的に伝えていっていただきたいとお願い申し上げます。
 こうした情報発信を丁寧に進めることで、デジタル化の意義がより多くの都民に理解され、都政の信頼にもつながると考えています。人材の獲得競争が激しさを増す中にあっても、優れた人材を確保し、将来にわたり質の高い行政サービスを提供していく基盤を整えていくことを、重要な役割を担っている人事委員会のさらなる取組に期待して、質問を終わります。ありがとうございました。

○福島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で人事委員会事務局関係を終わります。

○福島委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、選挙管理委員会事務局所管分、第四十号議案、第四十一号議案及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和七年度東京都一般会計補正予算(第五号)の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○川上選挙管理委員会事務局長 去る二月十二日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第1号、投票所における点字器の設置状況をご覧ください。
 直近に行われました令和八年執行の衆議院議員選挙時の当日投票所及び期日前投票所における点字器の設置状況をお示ししております。
 次に、お手元の資料第2号、衆議院議員選挙執行状況についてをご覧ください。
 令和六年及び令和八年執行の衆議院議員選挙における執行状況の比較をお示ししております。よろしくお願い申し上げます。

○福島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に関する質疑を行います。
 発言を願います。

○早坂委員 投票所の数が増えれば、有権者の利便性が向上するので、それは投票率の向上に資するというのが私の仮説です。そうした考えの下、私は令和六年三月十九日の総務委員会において、投票所を増やすための提案をいたしました。
 比較のため、令和六年七月と令和八年二月に行われた衆議院総選挙における投票所の数は幾つだったか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 衆議院議員選挙における都内の当日投票所数は、令和六年は千八百六十五か所、令和八年は千八百六十四か所でございます。

○早坂委員 提案むなしく、一か所減少したというご回答でございました。
 投票所の設置や運営には、会場や職員の確保などが必要です。それに加えて、もう一つ、見落としがちかもしれませんが、投票立会人の確保も重要です。地味な存在に思われるこの投票立会人ですが、極めて重要な役割があります。
 本日はまず、この投票立会人について深掘りしていきたいと思います。
 まず、投票立会人の必要人数や役割について伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 投票立会人は、公職選挙法第三十八条により、区市町村選管が、選挙権を有する者の中から、本人の承諾を得て、当日投票所においては二人以上五人以下、期日前投票所におきましては二人以上を選任することとされてございます。
 投票立会人には、投票や投票箱の送致などに立ち会い、投票事務の執行が公正に行われるよう監視する役割がございます。

○早坂委員 資料をいろいろ調べると、例えば鳥取県では、投票立会人の成り手が確保できないため、投票所の数を減らしたという事例がありました。
 今後、人口減少がますます進展することが確実な中、投票立会人が用意できないことが理由で投票所の数を減らさざるを得ないといった事態が全国で生じる可能性があります。
 そこで、国は法改正をいたしました。その内容は、それまで投票立会人は、その投票所の選挙人名簿に登録された人に限定されていましたが、令和元年の公職選挙法改正で、単に当該選挙の有権者であればよくなりました。これによって、投票立会人選任の枠がぐっと広まったのであります。
 その後、コロナ禍でも、投票立会人の確保に困難が生じました。当時は、密を避けるということが必須でありましたので、投票立会人の多くを占めていた高齢者から、投票立会人の辞退が相次ぎました。ピンチはチャンス、密を避けるために投票立会人は別室で立ち会うことが検討されました。
 先ほどご答弁がありましたとおり、投票立会人は二人以上五人以下と定められています。実際には二人で運営しているところがほとんどだと思います。
 令和六年七月に行われた鳥取県江府町長選挙の期日前投票では、全国で初めてオンラインによる投票立会いが行われました。二人の立会人のうち、一人は投票所で、もう一人は二キロ離れた町役場で投票所に設置されたモニターを監視するという方法で行われたのです。これによって、投票立会人の移動の問題や狭い場所を投票所とすることも可能になりました。
 今は、投票立会人の確保について話をいたしましたが、投票立会人の本質的役割は極めて重要です。このことについては、令和七年三月十七日の総務委員会で、オンライン投票に関しての質疑の際に指摘しましたが、改めて申し上げます。それは、投票の自由を確保するために大きな役割を果たしているからです。
 例えば、自宅でオンライン投票が可能だとすると、目の前で、この人に投票したら五千円あげますよとか、この人に投票しなかったら契約を破棄する、嫌ならこの候補者に投票しろなどと、選挙人の自由な投票が妨げられる可能性があります。なぜならそこに投票立会人がいないからです。
 オンライン投票の導入を求める議論を行う際には、投票の自由、すなわち投票立会人の役割をいかに担保するかが鍵だというのが私の主張でありました。
 しかし、現在でも、例外的に投票立会人なしで行われている投票があります。それは、障害者の郵便投票や遠隔地からの郵便投票などです。郵便投票は、我が国においては、ごく例外的な投票方法なので、投票立会人不在ということには目をつぶろうということなのだろうと理解をいたします。
 この郵便投票を調べてみると、面白いことが分かりました。アメリカのオレゴン州では、全てが郵便投票で、そもそも投票所がありません。アメリカは広大な土地であり、車を運転して、はるか遠くの投票所に投票に行くということが前提とならないだろうと想像いたします。
 では、先ほどの投票の自由、すなわち投票立会人の役割をどう担保しているのか調べたのですが、投票の自由よりも投票者の利便性が重視されていて、投票立会人の役割が担保されていないことがさほど問題視されていないというのが私の調べた結論であります。
 しかし、これはアメリカの話、我が国では投票立会人の役割は不可欠ですので、その充足に向けて努力を進めていただきたいと思います。
 例えば、二人の投票立会人のうち、一人は、初めて選挙権を得た高校生に積極的に依頼するなどといった方法です。様々な知恵を絞っていただきたいと思います。
 さて、二つ目の深掘りするテーマは共通投票所です。
 期日前投票は、区役所に行けば誰でも投票できます。
 他方で、選挙の投票日に投票できる場所は一か所に限定されています。
 平成二十八年に公職選挙法が改正されて、投票日当日でも、当該選挙の有権者であれば誰でも投票ができる共通投票所が導入されました。この法改正を受けて、都内では唯一、港区が、令和七年の東京都議会議員選挙と参議院議員選挙、令和八年の衆議院議員選挙の計三回、区役所に行けば、投票日の当日であっても、誰でもそこで投票できるようになりました。
 有権者の利便性の向上には、このような取組が有効と考えます。共通投票所のメリットとデメリットについて伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 共通投票所は、有権者ごとに指定された当日投票所とは別に、区市町村の区域の有権者であれば誰でも投票することができる投票所でございます。
 そのメリットといたしましては、区市町村選管が地域の事情を勘案して設置することができるものであるほか、有権者にとっては、指定された当日投票所と共通投票所のいずれにおいても投票できるため、利便性が向上いたします。
 一方、二重投票を防止するためのシステムが必要なことや、選挙の種類にかかわらず、将来に向けた継続的な実施が望まれるなどといった課題がございます。

○早坂委員 投票日当日、投票所を限定されず、誰でも投票できる投票所があることはとても便利なので、全ての自治体に実施してほしいと考えます。
 しかし、ご答弁では、現場において実施できない課題があるとのことでした。
 まず、課題のうち、二重投票を防止するシステムがなぜ難しいのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 有権者が、自身の投票区の投票所と共通投票所のどちらでも投票できることから、共通投票所と様々な場所に設置をされる当日投票所の全てをネットワークで結んで、投票済み情報を一元的に管理する必要がございます。
 このオンラインシステムを全ての施設において整備する必要があるほか、セキュリティの確保も課題となります。システム障害等が発生し、正確な名簿対照が行えなかった場合、有権者の投票行為を妨げることになり、選挙の適正な管理執行に支障を来すおそれもございます。

○早坂委員 港区でどのように対応したのかを調べてみると、投票所入場整理券を持参せずに投票所に来た有権者に対し、二重投票を防止する観点から、四十一か所ある投票所と共通投票所の間で、一々電話で投票状況の確認を行ったそうであります。
 すなわち、いわゆる投票券を持っていかなかったときに、自分が当日指定されている投票所に行った場合には、その投票所が区役所の方に、共通投票所に電話で確認し、また、共通投票所に行った場合でも、本来指定されているところに行くということで、一々一々電話で確認をすると、こういうアナログな確認を行ったということであります。
 なぜオンラインをやらなかったかというと、そこには大きな予算と準備が必要だったからということのようであります。そのため、投票所入場整理券を持参していない選挙人の来場が集中することで、待機時間が長くなったということでありました。
 また、先ほどのご答弁の中で、共通投票所のもう一つの課題として、将来に向けた継続的な実施が望まれるということでありました。
 選挙の費用は、国政選挙は国が、都知事選挙と都議選は東京都が負担しています。それが、区長選と区議選は区が負担することになりますが、そのための予算が区では確保できず、区の選挙だけ共通投票所が設置されないということになると、有権者が混乱をいたします。なので、区長選挙と区議選挙においても共通投票所が設置されるよう、港区にはぜひ頑張ってほしいと思います。
 冒頭に申し上げたとおり、投票所の数が増えれば、有権者の利便性が向上するので、それは投票率の向上に資すると私は考えます。そのための取組に、例えば、本日取り上げた投票立会人の確保や共通投票所の設置など、これからも尽力をしていただくようお願いをいたします。終わり。

○斉藤(ま)委員 私からも質疑をさせていただきます。
 資料のご提出をありがとうございました。資料では、衆議院選挙執行状況について、二〇二四年の総選挙、そして、今回の総選挙について、並べて表示をしていただいています。資料の第2号の方ですね。二月に行われたこの総選挙を振り返りながら、公正な選挙の在り方に関わって、幾つか質問をさせていただきます。
 今回の総選挙は、予算審議が行われる通常国会の初日の冒頭で、高市首相が解散をした下で行われました。本来なら、国民の暮らしに直結する大事な予算審議を行う時期に、その日程を押し潰す形で選挙が行われ、解散から公示、投票日まで、戦後最短のスケジュールでの総選挙となりました。
 全国的には、大雪の地域や受験シーズンということ、また、短時間での選挙への準備という点でも、国民の参政権が保障されたかどうか問われるものになりました。
 選挙管理委員会では、短い準備期間の中で本当に大変ご苦労されたことと思います。休日返上で準備をされていたということも伺っていますが、まずは敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。
 しかし、政権側の都合で行われた、この解散総選挙の下で、どのような状況があったかということを確認していきたいというふうに思います。
 まず、二〇二四年の解散総選挙と二〇二六年、今回の解散総選挙のそれぞれの解散日について確認させてください。

○川上選挙管理委員会事務局長 衆議院の解散につきましては、令和六年は十月九日、令和八年は一月二十三日に行われました。

○斉藤(ま)委員 今回、二〇二六年のこの総選挙の公示日は一月二十七日ですから、解散から公示日まで僅か四日という異例の短期間での選挙の開始でした。
 高市首相の解散の表明は一月十九日で、公示日の僅か八日前ということで、二〇二四年の石破首相のときは一か月前の解散の表明で、それでも短いといわれてきた中で、今回は本当に異例の短さ、準備もままならない中での強行だったという状況だと思います。
 先ほども述べましたが、各選挙管理委員会では、それこそ投票所への入場券の送付も大変な状況で、この資料2の別紙にありますけれども、入場券の郵便局への持込みの日付が、二〇二四年のときに比べても、公示日以降というところが多く、私の地元の足立区でも、何とかこの投票日の前日までには全戸に配布するという、そういうような状況でした。入場券がなくても投票はできるということの周知も各選挙管理委員の方で頑張っておられたというふうに思います。
 選挙管理委員会では、障害のある方々も投票ができるように、投票所でのバリアフリー化の取組も進めてきたと思います。視覚障害のある方々に対しては、選挙管理委員会では、投票用紙や投票箱、広報について、点字の表記を行ってきましたけれども、その意義について伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では区市町村選管と連携いたしまして、視覚障害者の方々の投票環境の向上に努めてまいりました。そのため、これまでも選挙公報の点字版を作成し、希望する方へ配布をしてございます。
 また、視覚障害者の方が、自ら投票用紙の種類や投票箱を確認できるよう、点字投票用紙への点字による選挙の種類の表示や投票箱に張りつける点字シールを作成いたしまして、投票所の管理運営を行う区市町村選管に配布をしてございます。

○斉藤(ま)委員 投票環境の向上に努めてきた、つまり全ての方に参政権を保障できるように取り組んできたということだというふうに思います。
 今回の総選挙では、そうした点字の表記などが間に合わないのではないかということがあり、日本共産党都議団として、障害のある方々と選挙前に申入れをさせていただき、なるべく配慮されるようにと求めてきたところです。
 しかし、今回の総選挙では、投票用紙の点字表示ができなかったということがあり、やはり視覚障害のある方々から声が寄せられました。この表示ができなかった、この要因については、どういうものによるものでしょうか。

○川上選挙管理委員会事務局長 選挙の準備期間が短かったことによりまして、点字用の投票用紙に選挙の種類を表示する点字の加工ができなかったものでございます。

○斉藤(ま)委員 選挙の準備期間が短かったためということなんですね。
 ある視覚障害者の方から詳しい状況が寄せられました。通常は、どの種類の投票用紙か、また、裏なのか表なのか、こういうことも見えないから分からないので、点字の印刷がしてあるんだけれども、今回はなかったので分からない状況だったと。それにもかかわらず、小選挙区、そして、比例代表、国民審査の三枚の用紙を一度に手渡されて、何の投票用紙なのか分からないと。係の方にそれを聞かざるを得なかったということもあったとのことです。
 また、投票箱に貼りつける点字シールが、期日前投票の初日に間に合わないということもありました。やはり準備期間が短過ぎて、対応が間に合わず、情報保障が十分ではなくなるということなんだと思います。参政権行使にバリアが生じるということはあってはならないというふうに思います。
 この点字の加工が間に合わなかったということ以外にも、現場での対応の不備もあったようなので、少し触れたいというふうに思います。
 視覚障害のある方が、点字投票をお願いしますと希望した際に、では、代筆しますと、係の方が答えたそうなんです。その方は、いや、自分で点字で記入したいんだというふうにいったと、希望を改めて伝えて、ようやく点字投票の準備をしてもらえたということなんですね。なので、この投票の仕方についても尊重してほしいというお声がありました。
 そして、もう一つあるんですけれども、視覚障害のある方が、椅子を探して、手探りのように動いていたときに、何かにぶつかりそうになり、同行していた娘さんが危ないよと声をかけたら、投票時に他人に声をかける行為は選挙違反になりますと注意をされたということなんですね。それならば、視覚障害のある方の安全が守られるように、ただ見ているだけでなく、係の人に配慮してほしかったということなんです。
 ほかにも、投票用紙は自分で入れることが基本であるにもかかわらず、投票箱に入れようとしたら、こちらで預かって投票しますというふうにいわれたそうなんです。
 もしかしたら、これは投票箱への点字シールがなかったことで、そのような対応をするということになったのかもしれないんですけれども、しかし、この方が訴えたところ、マニュアルを確認した係の方は、マニュアルの認識不足でしたと謝ったということなんですね。
 障害のある方々の投票においてどういう配慮が必要か、日頃からの研修をきちんと行っていくということも必要ではないでしょうか。この点については、区市町村選挙管理委員会ともこの周知の徹底を図っていただくということを求めます。
 そして、この最高裁判所の裁判官の国民審査については、今回、期日前投票が公示から五日後の二月一日からとなりました。裁判官の国民審査の投票率について、二〇二四年と二〇二六年、それぞれ教えてください。また、今回、二〇二六年では、この国民審査の期日前投票が公示日の翌日からとならなかった要因についても伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 最高裁判所裁判官国民審査の都内における投票率は、令和六年が五五・九七%、令和八年が五七・九〇%でございます。
 最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票期間は、最高裁判所裁判官国民審査法の規定によりまして、衆議院議員選挙の公示日が解散した日から四日以内である場合には、審査の期日七日前から行うものである。この規定は、国民審査の投票用紙に、審査の対象となる裁判官の氏名を印刷することとされているために、作成の一定の期間を要することを考慮したものとされてございます。

○斉藤(ま)委員 国民審査の投票率についてお答えいただきましたが、選挙の投票率を比べると−−選挙というのは総選挙の方ですね、その投票率と比べると、二〇二四年度が五六・〇九%だったので、国民審査の投票率との差は〇・一二%。今回の二〇二六年度の総選挙の投票率は五九・一六%ですので、国民審査の投票率との差は二・七四%になっているということになります。国民審査の期日前投票が公示から五日後となったことが影響している可能性もあるかもしれないというふうに思います。
 法律上では、今回のように、公示日が解散した日から四日後であれば、この投票用紙の作成に一定の期間を要するということを考慮して、審査の七日前から期日前投票をすることが認められているということです。つまり期間が短かったために期日前投票の開始も遅れるというふうに、法律内ということではありますが、遅れるということになるわけなんですね。
 投票権、参政権を保障していくという点では、やはり十分な準備期間が必要だということではないでしょうか。
 そして、予算審議の国会の冒頭での解散総選挙となった上に、年度末までの予算成立の日程ありきで、国会では十分な議論がされないまま、採決を急ぐという、この運営の在り方も、議会制民主主義をないがしろにするものだといわなければなりません。これは、国に対して十分な議論を尽くすことを強く求めるものです。
 次に、公職選挙法に関わって伺います。
 今回の総選挙では、東京都内の小選挙区で公職選挙法違反による逮捕者が出ました。選挙運動員への金銭の支払い、つまり買収が行われたということですが、なぜ選挙運動員への金銭の支払い、買収が禁止されているのか、これはどういう考えによるものなのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 公職選挙法では、選挙運動に従事する者は、原則として生活の糧を得るために、候補者といわゆる雇用関係に立つものではなく、運動員が自発的かつ奉仕的に運動を行うものとされており、法は罰則をもって禁止しているものでございます。

○斉藤(ま)委員 選挙運動は、運動員が自発的かつ奉仕的に運動を行うものであり、買収はしてはいけないということですね。お金で運動員が買収されることになれば、お金のある候補者が有利になる。つまりお金の力で政治がゆがめられるということになるということだと思います。
 次に、確認しますけれども、選挙期間中に候補者個人のネットでの有料広告等は禁止されていますが、これはどういう考えによるものでしょうか。

○川上選挙管理委員会事務局長 インターネット等で選挙運動に関連する広告を選挙運動期間中に有料で掲載することを認めることは、そのような広告の利用が過熱し、選挙に要する費用が増加することにより、いわゆる金のかかる選挙につながるおそれがあることから、規制が設けられているものでございます。

○斉藤(ま)委員 禁止されている、その理由は、有料で掲載すると、選挙費用が増加し、過熱していく、いわゆる金のかかる選挙になる、つまりお金の力でゆがめられてしまうということだと思うんですね。
 もう一つなんですが、選挙期間中の街頭演説をしている動画を使用したり、比例の投票を呼びかける有料広告を政党が出すことは、どのような規制がありますか。

○川上選挙管理委員会事務局長 公職選挙法では、何人も、選挙運動のために、候補者の氏名もしくは政党その他の政治団体の名称またはこれらのものが類推されるような事項を表示した広告を、有料でインターネット等を利用する方法により頒布される文書図画に掲載することはできないとされているものでございます。

○斉藤(ま)委員 有料で選挙運動のための表示をする広告を利用することはできないということですが、これを行った政党もありました。党代表などの幹部の演説の様子をユーチューブにネット広告として投稿したということなんですね。
 でも、一方で、制限がないものもあります。政党の政治活動としての内容であれば、選挙期間中でも有料の広告が認められています。これで大量の広告を行ったのが高市首相の動画、たくさん再生されました。広告動画が一億六千万回再生されたということも話題になりました。これは法に触れない範囲でやっているということではありますけれども、そこに多額のお金がつぎ込まれているのではないかということも報じられています。
 私たちは、選挙活動の制限はなるべくなくして、自由で民主的な活動を保障していくべきだというふうに思っています。例えば、選挙期間中のビラについては、候補者の写真掲載なし、名前なし、そして、枚数にも制限がある。そして、戸別訪問はしてはいけないなど、理不尽な制約が本当に多い。これらは改善していくべきものだと思っています。
 アメリカでは、選挙期間中の戸別訪問も認められていて、この間の選挙活動では、市民が活動を大きく広げています。日本でももっと自由にしていくべきです。
 しかし、一方で、ネットの有料広告など一部無制限であるものもあったりする中で、お金の力で選挙をゆがめるものにならないか、慎重に検討する必要があるものもあるというふうに思っています。
 企業団体献金も同じです。企業、団体は見返りを求めて政党に献金する。いわゆる政策買収となるものです。お金の力で民主主義がゆがめられる、そういう実態に直面しているということを私たちも理解して、公正な民主的な選挙制度を目指していくべきだということを強く求めて、質問を終わります。

○望月委員 参政党の望月まさのりです。本日はよろしくお願いいたします。
 今、斉藤委員からもありましたけど、さきの衆院選において、全国各地において、二重投票の疑いとして逮捕される事案が相次いで発生しております。その者の中には、期日前投票なんて幾らでも不正ができるというような旨の発言があったことを報道ベースで私は確認しております。
 皆さんご存じのとおり、いうまでもなく、選挙の公平性の担保というのは民主主義の根幹であります。一人一票の原則がきちんと守られているという信頼がなければ、選挙制度そのものへの信頼が揺らぎかねません。
 今回の衆院選における投票所での本人確認の方法はどうなっていたかといいますと、投票所入場券、私は地元の投票所に行ったわけですけれども、投票所入場券を出しましたと。その場で、氏名も確認されず、顔も、顔を上に上げて見られず、何を確認しているのかなというふうに感じました。
 性善説に立っているのだろうというふうに思いますから、それは仕方ないのかなと思いつつも、ちょっと質疑の方で確認をさせていただきたいと思います。
 また、本選挙においては、私は開票立会人も務めさせていただきました。その場で直接不正が発見されたというわけではなかったんですけれども、投票所における本人確認から始まり、筆跡が同様と疑われる票については、その複数枚の投票用紙の筆跡を確認し、同一人物による投票であるというふうに確認された場合は無効票とするなどの運用をする必要が生じてきているのかなというふうに考えさせられました。
 今回の衆院選を経て、改めて不正が起こり得ない仕組みになっているのかというところに疑問を抱きました。
 この点について、海外国際事例はどうなっているのかを比較してみますと、各国においては、選挙の本人確認、不正防止に関して一定の対策を導入しております。
 例えば、イギリスでは、二〇二二年の選挙法の改正により、一般投票において写真つきのIDの掲示が義務づけられ、二〇二三年の地方選等から実際に運用されております。これは写真つきIDの保有率や不平等な影響について議論があったものの、本人確認の強化を図る目的であります。
 また、ドイツやフランスなどの多くの欧州諸国では、投票所での本人確認に投票所通知との併用や写真つきIDの提示を通常の運用としており、これは有権者が同一人物であることの確認を重視した制度設計になっております。
 一方、アメリカ合衆国では、州ごとの制度の差はありつつも、本人確認や選挙人登録時の確認の仕方がしばしば議論の中心となっております。特に連邦レベルでも、宣誓だけではなく、公的書類による本人確認を求める法案が審議されるなど、本人確認強化の議論というものが世界各国で活発になっているというような状況であるということを把握しております。
 このように、各国で本人確認に関する制度設計や議論がある中で、じゃ、日本の現行制度ってどうなっているのと、投票所における本人確認として、投票所入場整理券と選挙人名簿の突合を中心に据えており、写真付身分証の提示は全国一律の義務ではありません。実際に、政府広報や総務省の説明においても、身分証は確認が必須条件ではなく、本人確認さえできればよいという趣旨が確認されております。
 しかし、実務上の照合ミス等により、二重投票事案が発生したケースが報告されるなど、完全な防止策が制度上整備されていない実態も指摘されております。
 いうまでもなく、憲法第十五条や十四条の平等原則等に基づき、選挙の原則は、普通、平等、秘密、直接選挙というのは絶対に守らなければならない国民の権利であるということは皆さんが把握しているとおりだと思います。
 本人確認の運用は各区市町村が行っているという事実を、説明を受けておりますけれども、そこで質疑に入りたいというふうに思います。
 選挙における一人一票の原則を守るためには、投票所における本人確認が重要でありますが、具体的に各区市町村において、運用上の注意と、どのように周知徹底をしているのかお答えください。
 また、都内の各区市町村が採用している本人確認の方法を網羅的に把握されているかどうか、確認の体制と実施状況をお答えください。特に、写真付身分証等の提示を義務づけていたり、制度上、運用していたりする自治体がある場合については、その自治体の名前と具体的な運用方法についてもご教示ください。

○川上選挙管理委員会事務局長 公職選挙法では、選挙人は、選挙人名簿またはその抄本の対照を経なければ、投票することができないとされておりまして、投票所の設置、管理を行う区市町村選管において、選挙人が持参した投票所入場券と選挙人名簿を照合すること等により本人確認を行ってございます。
 本人確認方法は、国からの通知や都選管が区市町村選管に対して実施する研修、選挙前の事務説明会を活用して周知しており、各投票所において適切に対応されているものと認識してございます。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。
 ごめんなさい。言葉尻を捉えてしまって申し訳ないんですけど、何々と認識していますということは、現に確認をして、一個一個データ、数字を集めて、それによった実証ではないということになります。
 各区市町村において、投票所における現状を一括して把握、管理等する必要が、私は東京都の選管にはあるというふうに思っております。
 そこで、次の質問に移りますけれども、写真付身分証を求めない自治体における本人確認の実務について伺いたいと思います。
 投票所における名簿照合、口頭確認のみで、万が一、他人の投票所入場券を用いた複数回の入場、投票が行われた場合、それを確実に排除される仕組みになっているのか、具体的な対策や職員教育の実施状況等を含めてお答えください。
 加えて、国内外の選挙制度の違い等を踏まえて、都知事選挙や都議会議員選挙等の都政に直結する選挙において、現在の制度で不正が起こり得ないといい切れるのか、その認識を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 委員お話しの他人の投票所入場券を用いて投票する行為は、公職選挙法において、詐欺投票罪として罰則をもって禁止されておりまして、警察庁の発表によると、令和七年七月の参議院議員選挙におきましては、令和七年八月十九日現在までに、詐欺投票による摘発は二十四人となってございます。
 都選管におきましても、詐欺投票罪の対象となることをホームページ等で周知してございます。
 投票所において本人確認ができないなど、詐欺投票の疑いがある場合には、区市町村選管が警察と連携して対応しているところでございます。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。
 皆さん、今の答弁を聞いて分かったと思うんですけど、あくまで性善説に立っている制度運用になっているということはご理解いただけたかなというふうに思います。
 私は、公選法に違反するものであるというのはもちろん分かるんです。でも、そうではなく、投票所入場券のその記載してある名前の字面とその職員が持っている選挙人名簿の字面を確認して、それは横の確認だけであって、まさに来ているこの人間、この人物が、まさにこの字面と照合できているのかというところが、私は疑問に感じているわけです。
 ですから、それは確認できないわけですね、今の制度上ね。やっていないということなので。
 私は、従前からこの委員会で申し上げておりますとおり、情報管理の観点から、現行のマイナンバーカードの推奨については否定的な立場ではありますけれども、皆さん、今、通知カードを持っていらっしゃったりするわけです。ですから、別に身分証を持ってきて、じゃ、まさに今、投票所へ持ってきた人がその本人ですよという縦の確認ができないとはいえないんじゃないかなというふうに思っております。そういったところを活用しない手はないかなというふうに考えておりますので、ぜひご検討いただきたい。
 選挙については、徹底した本人確認が実施されることが当然です。私が指摘したとおり、字面の照合だけでは、その人がまさに本人かどうか分からない。性善説に立って、それを持ってきた人がまさにその投票人なんだろうというようなところは、それは確認できていないですよね、今、現時点において。そこを私は指摘させていただいております。
 ですから、例えばですよ、例えば、投票所の入り口でカメラ、投票所の入り口の外ですね、投票所の中にカメラを設置すると問題なので。外に例えばカメラを設置して、例えば投票上のはがき、今回はがきでしたけど、そのはがきと顔写真を照合して、一回写真を撮ります。それが、写真が、全地域の事前投票とか投票所にその写真が共有されるというようなネットワークを敷いて、この人は一回この選挙はがきをもって投票していますよというようなところが確認できる必要があるんじゃないかなと。
 この辺りは、いろんな制度が設計されていかなきゃいけない部分ではありますけども、それぐらいのことをしないと、これまでの不正だって全部防げているとはいえないのかなというふうに感じております。
 ですから、こうした技術的には構築することは可能だと思いますので、徹底した本人確認実施のため、例えば、こうしたデジタルの技術の活用等によって、選管において、何か私が指摘したところで議論があれば、その見解について教えてください。

○川上選挙管理委員会事務局長 委員お話しのような仕組みにつきましては、法整備が必要な、選挙権の行使に係る事柄でございまして、国において議論されるべきものと認識をしてございます。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりで、公選法の関係も含めて、国の、国会で議論されることだというふうには認識しております。
 最後に、自治体ごとに本人確認の方法の運用が異なるという現状は、国際的な潮流と比較しても、公平性の観点から検討すべき課題であるかなというところは考えております。
 必要であれば、都として、国に対して法制度の見直しだったりとか、こういったところの制度の標準化を働きかけるべきではないかというふうに思うんですが、見解を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 投票所における本人確認は、国からの通知等により、選挙人が持参した投票所入場券と選挙人名簿を照合すること等により行っておりまして、投票所入場券を持参しない場合も、氏名、住所等を確認し、本人確認を行ってございます。
 都選管は、今後とも区市町村等の関係機関と連携し、公正な選挙の実施に努めてまいります。

○望月委員 ありがとうございます。この質疑と答弁のやり取りの中では、私が指摘したその縦の関係というのは、まだ制度上も不可能だというようなところも確認できました。
 法改正という重い腰をわざわざ上げて、東京都が動いて国に働きかけるということをしなかったとしても、各区市町村宛てに、今の運用でちゃんと全部網にかけられていますかというような、不正をちゃんと防げていますかというようなところをしっかりと周知徹底をして、やはりこの投票所入場券を持ってきた人間が、まさにこの字面の人間なんだというところをしっかりと確認しなければ、今、全国でそれが起きてしまっているわけなんですね。
 これを、規制をしっかりと強化していく必要、それは、一人一票しかないというこの原則に、その人間だけ従っていない。その人間が摘発されずに、それをスルーしてしまったら、それこそ我々が選ばれている票の数だって、ぐちゃぐちゃになっていくわけですよね。だから、ここまで厳しくいっているわけで、この投票の、本人がまさに今一票を持って、その人が一票を投じているんだということをしっかり確認できる方策を何かしら考えなければいけない時代なのかなというふうに私は考えておりますので、ぜひともその辺りご検討いただけるとありがたいです。
 先日、大田区の選挙管理委員会が、不在者投票の数を誤って二重計上したりとか、二千六百票分の無効票を追加計上するということも判明しております。
 公務員による選挙事務の適正性と透明性に対する重大な懸念が、今まさにこの日本国内で生じているような状況だというふうに私は把握しておりますので、選挙制度及び民主主義の根幹に対する国民の信頼を大きく揺るがしかねない、極めて深刻な事案も発生しておりますので、選挙に関して、まさに都民の注目度も高い時期だというふうに思うので、改めて徹底した本人確認について、先ほど私の方から指摘させていただいたとおり、目の前の人間が、まさにその選挙権を持ってきた人間なんだというところの確認方法だったりとか、区市町村に対する周知徹底だったりとかをご検討いただくことを要望いたしまして、私の質疑とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○福島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○福島委員長 これよりデジタルサービス局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、デジタルサービス局所管分及び第三十八号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○芹沢総務部長 去る二月十二日の委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 総務委員会要求資料の表紙をおめくりください。目次にございますとおり、三件ございます。
 次の一ページをご覧ください。1、法及び条例に基づき個人番号の利用が可能な事務の一覧でございます。
 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び同法に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例に基づき、個人番号の利用が可能な法定事務と都独自利用事務を掲載してございます。
 次に、二ページをご覧ください。2、法及び条例に基づき特定個人情報の利用及び提供が可能な事務の一覧でございます。
 同じく、特定個人情報の利用及び提供が可能な法定事務と都の執行機関内で共有することができる独自利用事務を掲載してございます。
 次に三ページをご覧ください。3、DX推進に向けた協働事業実施に係る基本協定書でございます。
 都とGovTech東京がDX推進に向けた協働事業の実施に当たり、相互の連携について必要な事項や役割分担を定めたものでございます。
 以上、簡単ではございますが、資料についてご説明させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○福島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○こまざき委員 都民ファーストの会のこまざき美紀です。よろしくお願いいたします。
 初めに、とうきょうこどもクリエイティブラボ、くりらぼについて伺います。
 都は、令和四年第三回定例会の総務委員会における福島りえこ都議の提案をきっかけに、次世代を担う子供たちがデジタルに親しみ、創造性を育むための事業として、くりらぼを立ち上げ、着実に展開してきました。
 この取組は年々充実していると認識しており、デジタルに触れ、興味を持つ子供たちが増えることは、東京ひいては日本の未来に大きく貢献するものと考えています。
 そこで、今年度の成果と来年度の取組について伺います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 今年度、くりらぼin区市町村は、三十五自治体でデジタル創作体験の機会を創出し、延べ約二千八百名が参加したほか、Tokyo Innovation Baseに常設している体験拠点くりらぼベースには約六千名が来場し、子供たちにプログラミングによるゲーム制作などを体験していただいております。
 また、企業等と連携して、子供たちのデジタル創作体験を応援するくりらぼネットワークでは、女子中学生を対象とした初のイベントとして、参画企業で活躍する三名の女性社員によるパネルディスカッションや、仕事や進路について意見交換するラウンドテーブル、生成AIの使い方を学ぶワークショップを実施いたしました。
 令和八年度は、都の〇一八サポートにメールアドレスを登録している方や東京アプリを通じて保護者の方に、くりらぼの紹介動画やイベント情報などを広く周知するとともに、身近な場所での体験拠点を求める利用者の声に応え、多摩地域で出張版のくりらぼベースを行う予定でございます。
 また、子供たちをサポートするメンターが一人一人に寄り添い、様々な創作体験への参加やより高度なプログラムへの挑戦を促すことで、成長に向けた学びの継続やステップアップにつなげてまいります。

○こまざき委員 ありがとうございます。くりらぼの取組が着実に発展していることが分かりました。
 ご答弁にありました、AIとキャリアに出会う女子中学生対象ワークショップは、大変盛況であったと聞いています。十五歳を対象にした最新の国際学習到達度調査、PISAでは、日本の女子は、数学、科学の成績がOECDの中でも世界トップクラスであることが示されています。
 一方で、経済協力開発機構、OECDが二〇二三年に公表したEducation at a Glanceによれば、大学などの高等教育機関で自然科学、数学、統計学分野を専攻する女性の割合は、加盟国の中で日本が最も低くなっています。
 こうした状況を踏まえると、理系分野の楽しさやキャリアの可能性を伝えるくりらぼの取組は、女子中学生にとって大きな意義があると考えます。来年度は、より多くの女子中学生が参加できるよう、広報の強化をお願いいたします。
 また、私たちの提案をきっかけに、都の担当者が他自治体の先行事例を調査した結果、より高度なプログラムへの挑戦を促すことが成長や学びの継続につながることが確認され、ご答弁において、来年度の取組に反映されることを確認しました。
 将来的には、くりらぼが、地域の特性や参加者の年代に応じて、デジタルを学びたい子供たちが身近な場所で学べる区市町村の事業として、都内に広く展開されることを期待します。
 次に、オープンローミング対応Wi-Fiについて伺います。
 来街者やインバウンド観光者など、多くの人が集まる場所において通信環境が確保できるよう、都は、国際規格であるオープンローミングに対応した公衆Wi-Fiの整備を行っています。
 これは、海外から来た方々が、世界共通の規格で、東京に来てすぐつながることができる、都市魅力向上という点で、とても有意義な取組です。都は、オープンローミング対応Wi-Fiを以前から整備していますが、これまでの進捗について伺います。

○小原つながる東京整備担当部長スマートシティ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 都は、令和五年度に策定いたしました「つながる東京」展開方針に基づき、災害時やインバウンドへの対応における通信多重化のため、安全で利便性の高いオープンローミングに対応した、誰でも無料で利用できる公衆Wi-Fiの整備を進めてまいりました。
 今年度末までに、都有施設につきましては、公園や美術館など、約千百か所へWi-Fiを設置し、多くの利用者が訪れる施設への整備をおおむね完了いたします。区市町村施設につきましては、庁舎や観光案内所等、約二百か所でWi-Fiの整備を支援しております。
 さらに、今年度より、公衆電話ボックスへのWi-Fi整備を、山手線内の駅周辺等から開始し、現在、約三百か所で整備を進めております。

○こまざき委員 来年度予算では、公衆電話ボックスへの設置をさらに七百か所追加し、合計一千か所に拡大すると聞いています。
 設置箇所が増えれば、利便性が高まることは理解しますが、一方で、どの程度整備すれば十分といえるのかという視点も欠かせないと考えます。
 Wi-Fi整備、運用に当たっては、ユーザーからの意見を踏まえた事業展開が重要だと考えますが、都の見解を伺います。

○小原つながる東京整備担当部長スマートシティ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 都は、都民への利用者向けアンケートを実施し、事業の改善に活用しております。利用者からの意見としては、Wi-Fiの利用可能な場所が不明、Wi-Fiの速度が遅いなどの声をいただいております。
 そこで、今年度、東京都のWi-Fiを設置していることを表示するステッカーを刷新し視認性を高めるとともに、地名からの設置場所を検索できるよう、ホームページマップ等をリニューアルいたしました。
 また、通信速度等の計測調査を実施し、Wi-Fiがつながりにくい場所の機器点検や調整を行うなど対応を進めています。
 今後とも、利用者の意見も踏まえながら、安全で利便性の高いオープンローミング対応Wi-Fiをさらに展開してまいります。

○こまざき委員 都のWi-Fi設置箇所がステッカーで確認できるようにすることは、平時から目に触れることで、非常時の利用にもつながる、よい取組であると評価いたします。
 一方で、Wi-Fi設置場所を示すデジタルマップは都のホームページで公開するとのことですけれども、都民が日常的に利用しているオンライン地図サービス上で検索できるようにすることが、ユーザー目線ではより重要であると考えます。利便性を高めるためにも、こうした連携の検討を求めたいと思います。
 また、利用者の声として、場所が分からない、速度が遅いといった指摘が紹介されましたが、そもそも、どの程度の整備量が適切なのか判断するためには、東京の無料Wi-Fiに関する認知率、利用状況、ニーズなどを把握する必要があります。
 そのため、無作為抽出による利用実態調査など、客観的なデータに基づく整備目標について検討を進めるべきであると考えます。こちらは、検討を要望させていただきます。
 次に、東京データプラットフォーム、TDPFについて伺います。
 都では、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出すスマート東京の実現に向け、官民の様々なデータの利活用を促進し、新たなサービスの創出を後押しする東京データプラットフォーム、通称TDPFを運営しています。
 今月初めに、TDPFのケーススタディー事業の成果発表となる第五回コミュニティイベントが開催されました。TDPFは、都が掲げるデータを活用した都市経営を具現化する場であり、これまでのケーススタディー事業からは、都が直面する課題に対して即応性の高い成果も生まれていると考えます。
 そこで、TDPFで生まれた優れたプロジェクトについて、実証で終わらせず、より都民が実感できるサービスとして実装することが大事だと考えますが、見解を伺います。

○小林データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務 東京データプラットフォームは、官民の様々なデータを活用し、新たなサービスを創出していくため、令和六年一月に設立されました。現在、官民約八万件のデータを集積し、会員数は約三百九十者となっております。
 データを活用した新しいサービスの創出に向けて、今年度は、人口データなどから廃棄物量を予測し、災害時に交通を阻害しない収集ルートの設定と廃棄場所の周知を図るアプリの開発や、車載カメラ映像や事故危険度などのデータをAIで分析し、道路修繕の優先順位を提示する取組など、都市課題解決に向けた広域的な展開が期待されるプロジェクトが創出されたところでございます。
 来年度はこうしたプロジェクトの社会実装を伴走支援していくとともに、ケーススタディー事業を、データ駆動型サービス創出支援事業に改め、社会実装の可能性や想定される利用者数などを重視して、プロジェクトを選定してまいります。
 多種多様な官民の会員の拡充、新たなデータの集積を推進するとともに、会員間のマッチングや社会実装に向けた伴走支援を強化し、都民が実感できる新たなサービスの創出を目指してまいります。

○こまざき委員 ありがとうございます。TDPFは、データ駆動型社会に向けた重要な取組であり、ケーススタディー事業は、開始から五年が経過した今、事例の創出にとどまらず、都民が実際に使えるサービスとして形にしていくことが求められています。来年度からは、社会実装に向けた取組を強化するとの答弁は、重要な一歩であると考えています。
 ご答弁でいただきました、人口データ等から廃棄物量を予測し、災害時に交通を阻害しない収集ルートの設定と廃棄場所の周知を図るアプリは、電気通信大学が開発したAIごみナビであり、既に三十二自治体で導入が予定されるなど、完成度が高いものとなっています。
 都内でも、大規模災害発生時には大量の災害ごみが発生することが予想され、効率的な収集体制の確保は都にとっても不可欠です。TDPFの成果として、総務局防災部など関係部局に共有し、都内での活用を前向きに検討すべきと考えます。
 また、来年度からのプロジェクトの推進に当たっては、社会課題の解決につながるテーマを具体的に募集するなど、社会実装を見据えた工夫を重ねながら進めていっていただきたいと思います。次の展開に期待いたします。
 続きまして、デジタルツイン実現プロジェクトについて伺います。
 現実世界を仮想空間に再現し、分析することで、将来の予測や最適な意思決定に役立てるデジタルツインは、昨年六月に国が策定したデジタル社会の実現に向けた重点計画においても、平時、発災時、発災後のあらゆる段階で迅速に情報を把握し、連携、活用するための基盤として位置づけられています。私たちもこれまで、特に災害対策の精度を高められる可能性がある点を指摘してきました。
 そこで、都デジタルツインの防災分野での活用状況と成果について伺います。

○小林データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務 東京都デジタルツインは、ハザードマップや避難施設、雨量や水位に係るリアルタイム情報など、防災に関するデータを掲載するとともに、防災対策にも有効な点群データについて、今年度新たに小笠原諸島も整備し、都内全域に係る点群データを公開しているところでございます。
 今年度は、都職員が自ら機器を活用して点群データを取得し、利活用するための支援を行い、例えば、貯水池の護岸工事に必要な地形データの取得や、被災状況把握の効率化に向けた岸壁、防波堤のデータ取得など、各局の防災施策の高度化に向けた支援に取り組んでいるところでございます。
 今後は、デジタルツインの点群データから作成した3D模型を活用し、防災関連の地理空間データを投影し、防災意識の向上を図るなど、防災面におけるデジタルツインの一層の活用を図ってまいります。

○こまざき委員 ご答弁のとおり、点群データを活用した防災施策の高度化や、都民の防災意識向上に向けた取組が進んでいることが確認できました。
 一方で、都内のほぼ全てのエリアについて、二十五センチメッシュの高精度な点群データを取得しており、有効に活用していくことが重要です。
 また、取得から時間がたつにつれ、開発や地殻変動などにより、実際の状況と乖離し、最新の都市を正確に反映したデジタルツインではなくなってしまうという課題もあります。
 海外では、デジタルツインを都市経営に積極的に活用しています。シンガポールのバーチャルシンガポールでは、災害対策だけでなく、都市計画にも活用されています。韓国では、デジタルツインを建築申請、建築審査のプラットフォームとして活用する取組も進んでいます。
 都市計画や建築申請とデジタルツインを連携すれば、常に最新の都市モデルを維持することが可能となります。
 そこで、都は、デジタルツインのデータ更新にどう対応していくのか、見解を伺います。

○小林データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務 東京都デジタルツインには、点群データをはじめ、防災や交通、環境など様々な分野に関する地理空間データを千件以上掲載しているところでございます。
 データの更新は定期的に行うとともに、一部につきましては、提供元データの更新に連動して、デジタルツイン側も更新されるAPI連携を活用し、効率的なデータの更新に取り組んでおります。
 来年度もさらに、更新頻度が高く、リアルタイム性が求められるデータを中心にAPI連携を拡充するなど、データの適切な更新を図ってまいります。

○こまざき委員 更新可能な部分については、API連携などを通じて適切に更新していくとの答弁を確認しました。
 先ほど述べたように、都市計画や建築申請のプラットフォームと連携すれば、より迅速で正確なデータ更新につながると考えます。諸外国の取組も参考にしながら、常に鮮度の高い都市データを維持するための仕組みづくりを進めていただきたいと思います。
 次に、デジタルツインの活用、拡大について伺います。
 今後、スマートシティの基盤として、デジタルツインを広く活用していただくためには、官民を含む多様な主体に、都のデジタルツインを知ってもらい、広く活用されることが重要です。
 そこで、都デジタルツインの認知度向上に向けた取組について伺います。

○小林データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務 東京都デジタルツインの認知度を高めるため、今年度は、アジア最大級のデジタルに関する国際展示会でありますCEATECなど三つの大規模イベントに初めて出展し、積極的なPRを行い、地理空間データに関する民間企業を中心に合計で約千七百人がブースに来場いたしました。
 また、都庁内におきまして、デジタル技術体験会への出展や、デジタルツインに関する説明会を開催するとともに、Tokyo区市町村DX Connect Dayにも出展するなど、都や区市町村の職員がデジタルツインに触れる機会の拡大に努めてまいりました。
 来年度は、西新宿で行うスマートシティフェスタをはじめ、SusHi Tech Tokyo 二〇二六への出展など、各局とも連携し、PRを促進するとともに、掲載する地理空間データやユースケースを充実させ、積極的にSNSなどで発信していくことで、都民に対してもデジタルツインの認知度向上を図ってまいります。

○こまざき委員 ありがとうございます。CEATECやSusHi Tech Tokyoなど様々な機会を活用してPRすることが確認できました。
 スペイン、バルセロナでは、夏の酷暑対策として、Cool Walksアプリ等を通じ、日陰を優先的に通るルートを案内するサービスが提供されています。都民と都市の課題解決に向けて、デジタルツインがより広く活用されることを期待します。
 続きまして、ベンダーロックインについて質問いたします。
 自治体の情報システムにおいては、特定の事業者への依存、いわゆるベンダーロックインが課題とされています。ベンダーロックインになると、事業者間の競争が働かないため、委託費の高騰などが懸念されます。
 そこで、ベンダーロックインをできる限り起こさないため、システム開発において競争性を確保すべきと考えますが、都として今後どのように対応していくのか、見解を伺います。

○芝崎DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務 デジタルサービス局では、システムの企画から契約までの各段階において、適切な競争環境の確保に向け、各局を支援してございます。
 まず、企画や要件定義の段階においては、システムアセスメントを通じまして、複数の事業者が対応可能な内容となっているか、仕様書等に対する事業者への意見聴取が適切に行われているかといった点を確認し、検討が十分でない場合は改善を求めております。
 また、契約段階においても、所管局との事前協議を通じまして、企画、要件定義段階で指摘した事項が改善されているかを確認するとともに、製品や機能が不必要に限定されていないかなどを審査しております。
 さらに、契約時の仕様書におきましても、ソースコードなど納入物に係る著作権の全部を都に移転することとしてございます。
 こうした取組を通じまして、可能な限り競争性の確保に努めてまいります。

○こまざき委員 著作権の全部を都に移転するとの答弁でしたけれども、システムのソースコードを都が保有することは極めて重要です。
 その理由の一つ目は、システムの開発や運用において、ソースコードをベンダーが保有したままでは、改修や機能追加を特定のベンダーにしか依頼できず、結果として、ベンダーロックインに陥りやすいことであります。
 そして、理由の二つ目としましては、都がソースコードを保有していれば、都が示した仕様書どおりに開発された業務アプリケーションについて、法的に問題なく、都内の他の自治体や他県も提供できるという点がございます。
 これは、自治体間で同種のシステムを個別に開発する二重開発や同じ機能に対する重複投資を防ぐ上で非常に有効です。都が先行して開発したシステムを共有できれば、都内自治体全体の、さらには国内自治体全体のデジタル化の底上げにもつながると考えます。
 ただし、都がソースコードの著作権を持っていたとしても、その内容が把握できなければ、見積りの妥当性を把握できず、対等な協議を行うことも難しくなります。加えて、ベンダーロックインを回避するためには、元の開発ベンダーが後続のベンダーに十分な引継ぎが行われる必要もあります。
 これらがスムーズに行われるよう、都は、ベンダーが設計書を作成するに当たって前提となる事項や、運用事業者の変更に当たり、十分な引継ぎ業務を行うこと等を仕様書に記載していると聞きます。
 私からは、競争性の確保と二重開発の解消のため、今後この仕様書を、システム開発方法論に基づいた開発段階別の設計書のフォーマットにするとともに、ベンダーには、これに準拠することを徹底すること、さらには運用事業者の変更に当たって、引継ぎを行うことを回避しないことを要望します。
 これらを徹底することで、どのベンダーでも、開発したシステムの中身が分かるとともに、システムの改修などができ、競争性を確保するとともに、二重開発を解消できると考えます。よろしくお願いいたします。
 次に、事業者向け手続等ワンストップサービスについて伺います。
 都は、デジタルを活用し、様々な事業者向けのサービスを提供しており、事業者の方からは、オフィスからの申請ができるようになり、負担が減ったなどの声がある一方、申請の都度、同じ情報を入力しなければならない、部署ごとに手続が必要、これまで手続した情報を参照し、再度利用したいなど、サービス向上を求める声が私のところにも届いています。
 こうした意見に応え、事業者の手続に関して、利便性を向上していくため、都は来年度、事業者向け手続等ワンストップサービスの構築に取り組むとしています。事業者と都の間の手続に関する様々なサービスをワンストップで提供していくことは意義のある取組であり、高く評価いたします。サービスの構築に当たって、何よりも重要なのは、事業者の方にとって使いやすいものであることだと考えています。
 そこで、こうした点も踏まえながら、事業者向け手続等ワンストップサービスを今後どのように構築していくのか、見解を伺います。

○谷口デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務 都は、事業者と行政の新たなタッチポイントとして、事業者向けの行政手続等について、情報提供から申請までを一元的に行うことができるワンストップサービスの構築を目指してまいります。
 まずは、来年度、事業者が都の支援施策などを一元的に検索でき、必要な情報にたどり着くことが可能となるサービスなどの提供に向けて開発を開始いたします。また、手続でよく使う書類を保存し、次回の書類添付を省力化できる機能も備えることで、手続時の負担軽減を図ってまいります。
 サービス構築に当たりましては、リリース前の段階でユーザーテストを実施し、操作性や分かりやすさ、手続のしやすさなどについて検証を行うことで、実際に利用する事業者の視点に立ったサービス提供につなげてまいります。
 事業者の実感につながるサービスの実現に向け、開発を担うGovTech東京と協働して取り組んでまいります。

○こまざき委員 事業者の実感につながるサービスの実現に向け、開発を担うGovTech東京と協働して取り組んでいく、事業者向け手続等ワンストップサービスについてご答弁をいただきました。
 リリース後も、事業者からの声や利用実態をサービスに反映させるPDCAサイクルを回し、継続的な改善を担っていっていただきたいと思います。
 続いて、公共施設のワンストップな予約の実現について伺います。
 公共施設のワンストップな予約の実現は、都民の利便性向上に向けて意義のある取組だと考えていますが、現在、施設ごとに運用しているものを束ねていくのは多くの課題もあると考えます。
 そこで、都が進めていく施設予約ワンストップサービスについて、その課題や取組内容を伺います。

○谷口デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務 現在、都立施設におきましては、施設や局ごとに予約システムが存在しており、それぞれのシステムで利用者登録が必要であり、予約等の手続も異なるなど、施設を利用する都民にとって手続が煩雑となっております。
 そのため、より便利なサービスへと変革していくことを目指し、施設の予約から使用料の支払いまでをワンストップで行うことのできるサービスの構築を進めてまいります。
 具体的には、来年度、新たな統合型の施設予約システムの開発に向け、利用者に分かりやすいユーザーインターフェースやキャッシュレス決済に関する機能などについて、要件定義を行うとともに、それに伴う内部の業務フローの見直しなど、各施設を所管する局と連携して取り組んでまいります。
 都民目線に立ち、誰もが利用しやすい施設予約サービスの実現を目指してまいります。

○こまざき委員 組織の垣根を越えたワンストップな施設予約サービスを構築することは、利用者の利便性向上にもつながるものであるため、着実に取組を進めていっていただきたいと思います。
 一方で、高齢者、障害者、日本語に不慣れな外国人事業者など、デジタルツールの利用に困難を抱える方々が、手続から取り残されるリスクも同時に生じます。ワンストップが使える人だけのサービスにならないよう、ソフト面での対策が不可欠です。
 新たなウェブサービスの移行に当たりまして、対面、電話等のアナログ支援チャンネルの維持や多言語対応など、誰一人取り残さないための対応についても取り組んでいただくことを要望します。
 また、将来的には、さらなる都民の利便性向上に向けて、今後の機能拡張において民間事業者との連携についてもご検討いただくことを求め、次の質問に移ります。
 区市町村DX共同化促進事業について伺います。
 区市町村では、DXの推進に向け、デジタルを活用した業務効率化や住民サービスの向上に資する、現場ならではのアイデアはあるものの、いざ実行に移すとなると、費用負担やノウハウの不足などでちゅうちょすることも多いと思います。
 区市町村DX共同化促進事業は、区市町村が提案する先駆的なDXのアイデアを基に、都が経費を負担して事業化し、その成果物を都内全域に横展開することで、自治体DXを協働しながら促進しようという取組であり、その意義は大きいと考えます。
 このような取組は、スタートアップなどの企業をはじめ、NPOや大学、研究機関等との連携も視野に入れることで、事業の質と実効性がさらに高まるものと考えます。
 こうした視点から、以下二点について伺います。
 自治体によっては、地元の大学や企業などのつながりが深く、既に連携しながらDXを進めているところもあると思いますが、こうした連携先が事業に参画することで、より革新的で実現性の高い提案が生まれると考えています。
 そこで、自治体が区市町村DX共同化促進事業のアイデアを提案する際、スタートアップなどの企業等と連携することが可能なのか伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 区市町村DX共同化促進事業は、行政の課題解決に向け、現場をよく知る区市町村職員の優れたアイデアを事業化し、都内自治体への横展開を図るものでございます。
 アイデアの提案に当たりまして、より実効性のある提案となるよう、大学や企業等の最新の知見を活用して提案することも可能でございます。

○こまざき委員 区市町村が主体になりつつ、大学や企業等の知見を活用した提案も可能ということが確認できました。
 他方で、現場発のアイデアをシステムやアプリとして実装するためには、アイデアの提案段階だけではなく、設計、開発段階においても、大学や企業等の知見を活用していくことが求められると思います。
 GovTech東京が区市町村の提案の具体化を図る段階においても、企業をはじめ、NPOや大学、研究機関等の技術、ノウハウも活用することで、成果物の質と横展開の実効性がさらに高まると考えます。
 そこで、システム構築の段階における民間等の知見の活用について、都の見解を伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 システムの構築に当たり、大学や企業、NPOなどの多様な主体の技術やノウハウなども活用し、生成AIなどの最新技術やUI、UXの視点を取り入れていくことは重要でございます。
 区市町村DX共同化促進事業におきましても、GovTech東京が実施するアイデアの実現可能性の検証やシステム等の試作品、いわゆるプロトタイプの作成などに当たり、必要に応じて、大学や企業等へのヒアリングなどを実施し、そのノウハウ等を反映させることで、より課題解決に資するシステム等を横展開してまいります。

○こまざき委員 ありがとうございました。
 次に、デジタルデバイド対策の観点から質問します。
 都は、高齢者に対するスマートフォン購入費助成の取組を行う区市町村に対する支援を実施しています。社会のデジタル化が進展する中、スマホを持ち、便利なアプリを用いることで生活の質を高めていただくことは大切であり、本施策は様々な理由でスマホの購入を迷っている高齢者の後押しになると思います。
 一方、スマホを確実に使っていただくためには、スマホ購入時から苦手意識を持たないように丁寧にサポートすることが重要と考えます。
 そこで、高齢者にスマホに慣れていただくために、購入時にどのような対応を行っているのか、取組を伺います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 本事業では、高齢者が販売店舗でスマホを購入する際に、利用開始の支援から、東京都公式アプリや事業実施自治体が指定するアプリ等の登録、スマホ購入費の助成金の申請までをワンストップで行うこととしております。
 スマホを使えるようになるために、利用開始の支援としては、文字入力などの基本操作のほか、電話やカメラ機能の使い方、インターネットを活用した情報収集など、日常を便利にする機能について説明を行っております。
 また、自治体への助成金の申請については、操作の実践として、販売店舗のスタッフの支援の下、購入者自身で行っていただいております。

○こまざき委員 ありがとうございます。購入店舗では、スマホの基本的な操作方法の説明を受け、操作の実践の機会もあることが確認できました。
 スマホは生活の質を大きく向上させる可能性を持つツールであり、高齢者にも便利に使いこなしていただきたいと考えています。
 都では、スマホに不慣れな高齢者が利用方法を学ぶ機会として、区市町村等と連携したスマホ教室を実施していますが、そうした場面でより十分な時間をかけて、必要な支援を行っていただくことをお願いします。
 とりわけ、スマホの使用が進む中で心配となるのが、詐欺被害やSNSで得た情報を十分吟味せずに信じてしまうなどのリスクです。私は、この点に強い問題意識を持っております。スマホを安全かつ適正に利用するためには、情報リテラシーを高めること、すなわち情報の取扱いや活用方法を正しく理解し、適切な判断ができるようになることが重要だと考えています。
 都は、スマホ教室において、高齢者の情報リテラシー向上にしっかりと取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 都が区市町村と連携して実施するスマートフォン教室では、基本操作を中心に学ぶ一回コース、スマホの利用をより体系的に学ぶ四回コースがあり、両コースでスマホを安全・安心に使用するための内容を盛り込んでおります。
 具体的には、個人情報を守るための取組や、詐欺などの被害に遭わないための対策について説明を行っているほか、万が一のときに役立つ警察相談ダイヤルや消費者ホットラインなども案内しております。
 令和八年度は、偽情報や誤情報への対応力を高めることを目的としたコースを新設し、最新の被害の事例を分かりやすく学べる動画の投影や、自宅でも振り返りができるような啓発用チラシの配布等を行うことで、高齢者の情報リテラシーの向上に取り組んでまいります。

○こまざき委員 情報リテラシーの向上は、全都民に関わる重要なテーマです。都民一人一人が情報を正しく理解し、適切に判断できる力を身につけることが必要であると考えます。
 今、高齢者向けスマホ教室において、偽情報、誤情報のコースを新設するという答弁がありましたが、ぜひしっかりと周知を行い、多くの高齢者が参加できるよう取り組んでもらいたいと思います。
 次に、最後のテーマとなります。東京アプリのコンタクトセンターについて伺います。
 東京アプリは、生活応援事業などについて問合せに対応していますが、今後、これにとどまらず、東京アプリに掲載された各種の行政サービスについても問合せ対応を拡充していくとのことです。
 この取組は、都民が行政サービスごとに問合せ先を探す手間をなくし、ワンストップでつながる仕組みとして、大変意義深い取組であると評価いたします。
 その上で、より効果的な運営に向けて質問いたします。
 まず、アプリに掲載されている都民向けサービスは、暮らしや防災、観光など多岐にわたりますが、対応品質が確保されなければ、幾ら対象を広げたとしても、かえって都民の不満を招くおそれがあると考えます。
 そのため、電話オペレーターなどの人材が各サービスの知識を身につけ、的確に対応できるようになることが重要です。また、都民がたらい回しにならないよう、各サービス所管局との連携も欠かせません。
 そこで、オペレーターへの研修や各局の情報連携の体制をどのように確保するのか伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 現在、東京アプリのコールセンターでは、オペレーターが必要な知識を身につけるための研修を実施するなど、都民に寄り添った応対ができるよう、対応品質を確保するための人材育成に取り組んでいるところでございます。
 また、東京アプリ生活応援事業では、事業の開始から、二月、一か月でですね、約五万九千件の問合せに対応してございまして、そこで得た事例や知見を日々オペレーターの対応品質の向上に生かすなど、運営上のノウハウが着実に蓄積しつつあるところでございます。
 今後、東京アプリと連携する様々な行政サービスに関する都民からの問合せに対しまして、事業の概要などについて的確に応対できるコンタクトセンターを目指してまいります。
 具体的には、来年度から順次、事業ごとの問合せマニュアルや対応フローの整備など、所管局とも連携しながら取り組んでまいります。

○こまざき委員 ありがとうございます。コンタクトセンターとして、問合せ対応の充実を図るという旨のご答弁をいただきました。しっかり準備を進めていただきたいと思います。
 コンタクトセンターを目指す上で重要となるのは、運営の効率化とさらなる都民の利便性向上であると考えています。現在は、電話、問合せフォーム、FAQの三段階で運営していますが、チャット機能やAI活用など、デジタルでの対応を計画的に導入していくことが効果的であると思います。
 そこで、運用、運営の効率化や、都民の利便性向上の観点から、チャット機能やAI活用などによる問合せ対応の充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 対応品質のさらなる向上に向けまして、来年度から、AIを活用したFAQ、よくある質問、これの検索機能など、オペレーターの応答を支援する仕組みを導入いたしまして、より迅速かつ的確に対応できるようにするなど、運営の効率化に取り組んでまいります。
 また、都民一人一人がアプリに関する問合せ方法を柔軟に選択できるよう、現在の電話、問合せフォーム、FAQに加えまして、新たな手段についても検討するなど、問合せ対応の充実を図りまして、都民の利便性向上につなげてまいります。

○こまざき委員 ありがとうございます。
 問合せ対応の充実に向けた取組の検討を進めていくとのこと、AIなどデジタルの力も活用していただくことを要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○星委員 よろしくお願いします。
 私からは、まず、AIの利活用について伺います。
 都は、昨年七月に公表した東京都AI戦略に基づき、都政のあらゆる側面でのAIの徹底利活用を進めており、これまでも取組について私も質疑をさせていただいてきたところでございます。
 今回は、さらなるAI利活用を進めていくという視点から、今後の取組などについて、私から、この後、三点確認をさせてください。
 そこでまず、先月公表した都民のAIに関する意識調査の結果についてであります。
 この調査は、AIに対する都民の意識やニーズを定期的に把握しながら、施策へ反映させていく目的のものと承知をしており、こうした現状を、今回初めて調査により把握した意義は大きいと考えます。
 そこで、改めて、今回の都民意識調査の概要と行政サービスへのAI活用に関する調査結果の詳細について伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 本調査は、AIの利用状況や行政サービスにおけるAI活用への期待などにつきまして、十五歳以上の都民を対象に、約一万人の方からいただいた回答を取りまとめたものとなってございます。
 行政サービスにおけるAI活用に関しましては、自治体等の窓口業務や各種申請手続などの行政サービスにAIが利用されることをどの程度許容できるか、こうした問いに対しまして、AIを補助的な役割として使うという回答も含めれば、約八割に及ぶ方々が、AIを活用することに肯定的な回答をしているところでございます。
 また、行政で活用を期待する分野では、公共施設の予約やイベント案内、住民票等の申請、発行業務、災害時の避難情報の提供などの順にニーズが高い結果となってございます。
 一方で、行政サービスでAIを利用してほしくないと回答した方の主な理由といたしましては、使い方が分からない、AIの判断ミスや正確さに不安、個人情報が不正利用されるリスクなどを挙げているところでございます。

○星委員 調査結果から、行政におけるAI導入に対して都民の方が期待を持っていることがうかがえる一方で、AI導入に否定的な、AIの判断に不安など、ネガティブな印象を持っている方がいるということを確認させていただきました。
 こうしたことから、行政サービスの利便性を高めていくには、都庁全体でのAI導入を積極的に進めていくことはもちろんのこと、同時に、都民の皆さんが安心できる形でAI導入を進めていくことが重要であります。
 私は、昨年の総務委員会事務事業質疑の中で、こうした考えの下、都庁におけるガバナンスやリスクへの対応などについて確認をさせていただいたところでございます。
 その際に、都からは、ガイドラインを今年度末をめどに策定するとの答弁があったところであり、この後、策定に向けた検討が進んでいるものと認識をさせていただいているところです。
 そこで、AIの利活用を推進していく上で、ガードレールともなり得るガイドラインでは具体的にどのような内容を盛り込んでいるのか伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 ガイドラインでは、透明性、安全性などの六つの留意すべき事項等について、それぞれの対応の方向性や、企画や運用、調達など、AI導入に当たっての各プロセスにおいて検討すべき事項等を盛り込むことを考えてございます。
 その上で、東京都AI戦略で示しました都民サービスや内部業務など、三つの業務領域ごとに、AIの導入、活用に当たって必要となる対応策をまとめてまいります。
 具体的には、各局がイメージを持てるよう、AIの利活用シーンを具体的に示すとともに、様々な業務の性質に応じてリスクへの対応が適切に行えるよう、必ず実施すべきものと、実施することでより効果が見込まれるものの二段階を設定することを考えてございます。
 年度末策定予定の本ガイドラインを通じまして、各局がAIが持つリスクに適切に対応できるようにするとともに、都政全体でのAI導入、活用を強力に後押ししてまいります。

○星委員 各局が安心してAIを積極的に活用していくための取組を充実させていくということでありました。現在策定中のガイドラインが各局の取組の後押しとなることを大いに期待をさせていただいております。
 一方、各局がAI導入や利活用を進めていくに当たっては、ガイドラインに基づいて、都庁職員だけではカバーし切れない技術面や法制度等の様々な課題に直面することが考えられます。ガイドライン策定に加え、こうした各局の困り事にきめ細かいサポートを講じていくことも必要であると考えます。
 そこで、全庁でのAI利活用をさらに推進していくに当たり、デジタルサービス局として、どのように各局の取組を後押ししていくのか、最後に伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 昨年八月から、庁内向けのAIワンストップ相談窓口を設けまして、利活用に当たっての各局の困り事や相談等にきめ細かに対応しているところでございます。
 これまで各局からは、毎月二十件から三十件程度の多岐にわたる問合せが継続的に寄せられておりまして、職員のみでは対応が難しいケースも増えてきているところでございます。
 そこで、窓口機能を強化いたしまして、来年度から、AIに関する知見のみならず、著作権、個人情報等の法務、リスク両面での専門的な知見を有する外部有識者も活用いたしまして、これまで対応が難しかった相談にも、より迅速かつ実務に即した助言ができる体制を整えてまいります。
 また、寄せられた相談事項や対応事例につきましては、各局との情報を共有することに加えまして、AI導入するに当たって、リスクに対応する対応のポイントを容易にチェックできる仕組みを、生成AIを活用して提供してまいります。

○星委員 来年度から各局のサポート体制をさらに強化していくこと、ぜひとも都民の利便性向上につながる、安全かつ効果的なAI利活用を進めていただくことを要望させていただいて、質問を終わります。ありがとうございました。

○笹岡委員 立憲ミネ無の笹岡ゆうこです。質問をさせていただきます。
 まず、東京アプリについて伺います。
 東京アプリ生活応援事業については、令和八年二月二日から実施されていますが、実際に現段階で、都民にどの程度支援が届いているのか、また、これから届いていくのか、その反応を丁寧に見ていく必要があると考えています。
 そこで、現在の東京アプリのダウンロード数と東京アプリ生活応援事業への参加者数について伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリのダウンロード数につきましては、令和八年三月十三日現在で約五百八万件となっておりまして、また、生活応援事業を通じて約三百七十七万人の方々に対して、ポイントという形で支援をお届けしてございます。

○笹岡委員 令和八年二月からポイントが受け取れるようになり、開始から僅か一か月半弱で、アプリダウンロード者総数が五百八万人になったとのご報告でした。
 東京アプリ生活応援事業へ多くの都民が参加しているという認識です。ポイントを受け取ったのは約三百七十七万人で、ダウンロード者数との乖離は見られますが、想像以上にスピーディーに支援が届いているのではないかと感じました。
 私宛てには、混んでいそうだから、空くまで待つという声も届いておりますし、こういうものは開始直後と終了間際に数字が伸びる傾向もあると予想をいたします。また、物価高の影響が大きく、できるだけ早くポイントを受け取りたいという思いから、早々に利用されている方も大勢いらっしゃると考えますので、推移を慎重に見ていきたいと思います。
 一方で、障害を抱える方や認知症の方、スマートフォンを持っていない方、あるいはマイナンバーカードを選択していない方など、東京アプリ生活応援事業への参加が困難な方がいることについては、この間、会派としても指摘しているとおり大きな課題です。
 先日、ケアマネジャーや介護者の方々から、老老介護や独居高齢者においても、参加が難しいと感じているという、介護の現場の声を伺いました。
 そこで伺います。障害を抱える方などについては、代理申請などを通じて対応していくと聞いていますが、都としてどのように考えているのか、見解を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 都は来年度、代理申請の仕組みを導入することを目指しており、申請が可能な対象者や代理人の範囲、運用方法等について検討していくこととしております。

○笹岡委員 検討中とのことです。
 マイナンバーカードの活用については、厳格な管理を前提として運営されるべきです。
 一方で、東京アプリのように、マイナンバーカードを用いたオンライン本人確認を前提とする仕組みにおいては、代理申請を考える場合、代理人の範囲、代理権限の確認方法、暗証番号の安全管理など、本人の権利擁護をどう法的に実務的に整理するか、慎重な制度設計が必要となります。
 デジタル推進は、便利さやコスト削減、効率性という利点がありますが、代理申請は第三者関与を前提とするので、これらの利点よりも構造的な緊張関係が生じると考えます。代理申請の検討だけではなく、別の方法で支援を届けることについても、引き続き検討していただきたいと要望をいたします。
 続いて、現在、未成年者に対して、都では、ゼロ歳から十四歳までは子育て応援プラス、十五歳から十八歳までは東京アプリ生活応援事業により支援が行われています。
 同じ未成年でありながら、かつ子育て支援の対象でありながら、ゼロ歳から十四歳と十五歳から十八歳と支援の制度が分かれている理由について、その考え方を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリ生活応援事業では、アプリのさらなる普及促進と都民の生活を応援するため、単独で行政手続を行うことが可能な十五歳以上の都民を対象に、東京アプリからマイナンバーカードによる本人確認を行う方を対象とするものでございます。
 なお、子育て応援プラスは、実質賃金がマイナスの状況が続く中で、子育て世帯を応援するため、東京アプリ生活応援事業の支給対象外であるゼロ歳から十四歳の子供に対し、一人当たり一万一千円を支給するものと所管局から聞いてございます。

○笹岡委員 今のご答弁では、十五歳以上は単独で行政手続を行うことが可能であることを踏まえ、東京アプリによる支援の対象としているというご説明でした。
 実際には、特に中学校三年生や高校一年生などの十五歳においては、マイナンバーカードやスマートフォン、決済手段など、保護者が管理している家庭も多いのが実態だと感じます。
 その意味では、公が行う同じ未成年への支援でありながら、ゼロ歳から十四歳、十五歳から十八歳で、制度の方法が分かれているということは、都民にとって分かりにくいと感じます。未成年のうち、十五歳から十八歳の層だけがデジタルの仕組みのみによる支援となったことについて、一層支援が届きにくくなるおそれがあります。
 十五歳から十八歳の子を持つご家庭の中には、教育的な観点からも、未成年者本人に電子決済を使わせていないという判断もあり、制度上では対象であっても、利用しにくいケースがあることが課題です。
 東京アプリ利用促進ではなく、支援を届けるということを重視するのであれば、ゼロ歳から十八歳の子育て支援の枠組みの方が確実ではないかと考えています。
 今後においては、十五歳から十八歳の層にどれだけ支援が届いているのか、また、届いていないのかも含めて、都としてしっかりと分析をしていただきたいと思います。また、より分かりやすい支援の在り方を検討することを求めたいと思います。
 次に、スマートフォンの購入補助事業について伺います。
 東京都では、高齢者のデジタルデバイド解消を目的として、スマートフォン購入支援をする市区町村の取組を支援しています。六十五歳であること、東京アプリとNFC認証機能に対応する機種であること、東京都公式LINEアカウントを友達追加することなどが要件です。
 当該事業の令和七年度の参加自治体の実績について伺います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 都は、東京アプリに対応したスマホを初めて購入し、操作方法を学ぶ高齢者を対象に購入費を助成する市区町村を支援しております。令和七年度は、二十一の自治体が事業を実施しております。

○笹岡委員 二十一自治体で実施しているとのことで、都内六十二市区町村のおよそ三分の一くらいでしょうか。これらは、自治体の事務負担が大きいことから、事業実施をちゅうちょしている自治体もあると聞いています。
 令和八年度の事業実施に向け、自治体の実務負担軽減策はあるのか、また、参加自治体数も増やすための展望について伺います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 本事業では、都が市区町村に代わり、申請に係る制度設計や各通信事業者における事務処理の標準化を行うなど、事業実施に向けた負担軽減策を講じてまいりました。
 さらに、これまで事業を実施する中で生じた事例を取りまとめて共有するなど、担当者の負担軽減を図り、令和八年度はより多くの自治体に参加いただけるよう取り組んでおります。

○笹岡委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁で、都としても、なるべく自治体の負担が減るように、制度設計や事業者との事務処理の標準化など、できることには積極的に取り組んできたことを理解いたしました。
 今のご説明にはありませんでしたが、スマホ教室の場で補助金申請を行うなど、運用面での工夫もなされていると感じています。
 しかし、自治体にとっては、本事業が東京アプリの普及を前提とした取組であるという側面が強く、自治体の施策としてどのような位置づけになるのかということが分かりにくい面があるのではないかと考えます。さらに、実務として、どの部署が担うのか、高齢福祉系なのか、またはデジタル系なのかといった整理も難しいという課題もあると感じています。今後の事業推進に当たっては、より一層の負担軽減を図っていただくことを要望いたします。
 次に、地方公共団体の基幹業務システムの標準化について伺います。
 昨年も標準化移行後の経費の増加の課題や支援強化と財源確保について取り上げさせていただきました。今年度、移行のピークを迎える市区町村の基幹業務システムの標準化について、システムの規模や進捗状況などは各自治体によって異なるため、各自治体の実情を踏まえた支援が重要であると考えます。
 都は今年度、どのような支援に力を入れ、現在までにどの程度の移行を支援してきたのか、標準化の進捗状況について伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 都は、標準化への対応を行う市区町村に対しまして、GovTech東京のデジタル人材等が現場に直接訪問し、技術的助言等を行う伴走サポートを実施しております。
 今年度は、計二百回以上にわたり、市区町村の現場を訪問いたしますとともに、標準化に関する留意点や国の動向などを分かりやすく伝えるためのメールマガジンを毎月発行するなど、プッシュ型の支援も行ってまいりました。
 この結果、現在までに都内全体の六割以上に当たる約七百システムの標準化移行が完了してございます。

○笹岡委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁で、今年度二百回以上にわたり、市区町村の現場を訪問し、助言や支援を行ってきたとのことでした。
 こうした伴走型の支援は、各自治体の実情に寄り添った、大変重要な取組であるとともに、顔の見える信頼関係の構築においても大変評価すべきものだと考えます。
 また、メールマガジンなどを通じて、国の動向や標準化に関する留意点などの最新情報を継続的に発信している点についても、自治体にとって有益な取組だと受け止めています。
 私の地元武蔵野市からも、標準化の話だけではありませんが、都による伴走支援、そして、相談支援、また、人材紹介など、現場にとって大変助けになっているという声を聞いています。
 標準化については、都内全体の約六割以上の七百システムが移行完了とのことです。各市区町村の状況を踏まえつつ、標準化が一定程度順調に進んでいることが分かりました。
 一方で、令和八年二月のデジタル庁の公表によると、全国で半数以上の自治体が、当初期限である令和七年度末までに標準化移行が間に合わない見込みであり、都内でも三十九自治体が期限後の移行となる、いわゆる特定移行支援システムを抱えています。
 こうした自治体は、移行前のシステム構成が複雑であること、複数の事業者間調整に苦慮していることなどの課題を抱えており、これまで以上に丁寧な支援を行っていくことが重要です。
 令和八年度以降に標準化する特定移行支援システムを抱える自治体に対し、都はどのような支援を行っていくのか伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 特定移行支援システムを抱える自治体では、業務システムごとに異なる事業者に委託する、いわゆるマルチベンダーとなっている場合が多く、システム間の連携方法等がより複雑となっているところでございます。
 このため、都では、訪問型の伴走サポートを継続する中で、先行自治体が直面した課題や事業者間調整への対応など、これまでの支援で培ったノウハウを活用した助言を行ってまいります。

○笹岡委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁では、特定移行支援システムを抱える自治体では、業務システムごとに異なる事業者に委託する、いわゆるマルチベンダーとなっている場合が多くて、事業者間の調整が複雑になっているとのご説明でした。
 標準化は、重要な取組である一方、実際に、令和八年度予算案で費用が相当に上がっているという声も聞いています。自治体の負担が過度に大きくならないように、引き続き丁寧な支援を要望いたします。
 次に、スマート東京推進基金について伺います。
 東京都では、デジタル技術の活用を通じて、都市の課題解決や行政サービスの向上を図る取組が進められています。こうした取組を継続的かつ機動的に進めるためには、財政面での支えとなる仕組みも重要であると考えます。
 その一つとして設けられているのがスマート東京推進基金であると認識していますが、こちらの趣旨について伺います。

○芹沢総務部長 スマート東京推進基金は、データと最新技術を駆使し、社会におけるサービスの高度化やイノベーションの創出を進めていくために設置したものでございます。

○笹岡委員 令和八年度当初予算では、スマート東京推進基金を七百二十三億円取り崩し、その結果、年度末に基金残高は五億円まで減少するとされています。
 一方で、今後、サービスの高度化やイノベーションの創出といった、デジタルの果たす役割、それに対する都民の期待はますます大きくなっていくと思われます。景気変動などによる財政環境の変化に備える観点からも、当該基金の役割は重要であると考えます。
 スマート東京推進基金について、今後、積み増しも含めて、安定的な財源確保を図っていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○芹沢総務部長 スマート東京推進基金について、積み増しを行うか否かにつきましては、技術の進歩や東京を取り巻く環境等の状況を踏まえ、その必要性が生じたとき、その都度判断していくものでございます。
 なお、基金の積み増しにつきましては、財政フレーム等も関わることから、財務局と緊密に連携し、予算編成過程で判断する必要がございます。

○笹岡委員 ただいまのご答弁では、基金の積み増しについては、技術の進歩や東京を取り巻く環境なども踏まえて、予算編成過程の中で判断していくとのことでした。妥当だと思います。
 繰り返しとなりますが、デジタル技術の進展により、都政におけるDXの重要性はますます今後高まっていくものと考えます。
 また、都の取組は、市区町村のDXを後押しする役割としても大きな役割を担っていると認識しています。スマート東京推進基金について、今後の動向を注視していきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○福島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時一分休憩

   午後三時十五分開議

○福島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小林委員 よろしくお願いいたします。
 それでは初めに、デジタル人材の確保、育成についてお伺いいたします。
 令和四年、また、昨年の事務事業質疑においても、デジタル人材について質問させていただきましたが、日々進歩するデジタル社会において、真にデジタルの力を有益に社会に還元していくためには、不断の人材育成が不可欠であると考えます。
 都では、伴走型若手DX人材育成事業を開始していますが、この事業は、都内でデジタル分野に従事する若者五百名を対象に行っていると聞いております。
 都が、若手エンジニアのキャリアアップを支援していくことは、受講者が自ら目指すエンジニア像に向けて、主体的に成長することを後押しするとともに、転職などを通じた収入の向上により、生活基盤の安定につながるという観点からも重要であると思いますが、新たな若手人材を糾合していくためにも、こうした事業をより多くの方々に周知していく必要があると考えます。
 そのために、デジタルを活用した効果的な情報発信を行い、この事業の取組をより多くの方に周知、認知してもらうことが大切でありますが、募集に向けた取組についてお伺いいたします。

○繁宮調整担当部長 若手エンジニアへの効果的な発信に向け、対象者が日常的に使っているスマートフォンでのSNSやユーチューブ上の画像や動画でのデジタル広告を行うとともに、技術者のキャリアアップに詳しいインフルエンサーを起用したSNSや、事業を紹介する動画の投稿を実施してまいりました。
 来年度は、デジタルを活用した発信をさらに強化し、若手エンジニアのフォロワー数の多いインフルエンサーを通じた動画などの発信や、技術者が交流するコミュニティサイトのイベントを行うなど、受講者の募集強化に取り組んでまいります。

○小林委員 より多くの若手エンジニアに参加してもらうためには、日常的に閲覧しているウェブサイトやインフルエンサーを活用することが有益であり、今後とも、デジタル広告のマーケティングや最新のトレンドをキャッチアップするなど、デジタルを活用した効果的な発信方法を検討していただきたいと思います。
 また、この事業に参加した若手エンジニアが自ら希望するキャリアアップを実現できるよう、きめ細かな支援を行っていくことが重要であります。受講者の転職などのキャリアアップに向けた都の支援の取組についてお伺いいたします。

○繁宮調整担当部長 本事業のリスキリングプログラムを通じて、受講者が希望する専門分野のエンジニアとして必要なスキルや実践力を向上するとともに、専門スキルの資格取得に取り組み、人材紹介会社などを通じて転職を実現しております。
 さらに、就職活動に向けた支援プログラムも実施し、各専門分野の求人企業と受講生双方に参加を呼びかけたマッチングイベントを行うとともに、その後も継続してコンシェルジュが調整役としてフォローすることで、受講者のさらなるキャリアアップを後押ししております。

○小林委員 より多くの方にこの事業を知って参加してもらい、若手人材が自ら希望するエンジニアになれるよう、今後とも受講者に寄り添って、キャリアアップを支援していただきたいと思います。
 また、デジタル社会を担うのは何も若手だけではないと思います。
 先般、六十代前半の男性からご相談をいただきました。自分が現役時代に培ったIT技術をさらに向上させて、DX推進のための役に立てないかとのご相談でありました。
 デジタル技術は日々進歩していますが、若手に限らず、こうした一定のスキルがある方々の力をさらに高め、DX推進の一翼を担う人材として育成していくという観点も、ぜひご検討いただきたいと思います。
 次に、事業者の利便性向上に向けた取組についてお伺いいたします。
 都は来年度、事業者向け手続等ワンストップサービスの構築を進め、これによって様々な手続などの申請を一元的に行うことができるようにしていくとしております。
 私のところには、事業者の方から、融資や補助金など都の支援サービスを利用するに当たって、都の支援制度にたどり着くまでが大変だという声が届いており、多様な支援メニューの中から、どれが自社に該当するのかを把握するだけでも、事業者の負担は大きいのが現状であります。
 また、行政手続の煩雑さについても改善を求める声を多くいただいており、ワンストップサービスの構築という取組は事業者の利便性向上に大きく寄与するものであると期待をいたしております。
 ワンストップサービスの構築に当たっては、単なる情報の集約にとどまらず、事業者が自ら探さなくても、必要な情報や手続に簡単にたどり着ける仕組みの実現に取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○谷口デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務 都は、事業者がワンストップで行政手続や支援情報等について知る、調べる、相談する、申請することが可能となるサービスの実現を目指し、取組を開始いたします。
 具体的には、来年度、情報検索などの機能に加えまして、経営相談や補助事業といった事業者が関心を持つ分野に応じて、必要な情報が適切なタイミングで届く機能の開発に取り組んでまいります。
 また、組織の垣根を越えたサービス提供に向け、国の補助金申請システムでありますJグランツとの連携やGビズIDの活用等を進め、申請の都度、同じ情報を入力する手間を減らすなど、事業者の負担軽減と利便性向上につなげてまいります。

○小林委員 私も多くの方々からお困りのご相談をいただく中で、都にはどのような支援があるのか、どこに相談すればよいのかなどのお問合せを日常的にいただいております。
 都の担当者の方々にも確認しながらお答えをしておりますが、よりスピーディーに、より適切に事業者の方々が必要な情報にたどり着き、役立つよう、着実に推進していただきたいと思います。
 次に、来年度予算案の中で新規事業として計上されております公共施設のワンストップでの予約についてお伺いいたします。
 スポーツ施設や会議室などの公共施設は、日常生活の様々な場面で多くの都民に利用されております。
 一方で、施設ごとに予約方法や手続が異なるなど、利用者目線では必ずしも分かりやすい仕組みとなっていないといった声もいただいております。
 公共施設は、都民の誰もが身近に利用できるものであるからこそ、その予約や手続を行うためのサービスは、使いやすさが何より重要であります。そのためには、都民目線で、実際に利用する都民の声を丁寧に酌み取り、反映することが欠かせません。
 公共施設のワンストップでの予約を構築していくためには、利用者の声を収集し、誰もが使いやすいサービスとしていく必要があると考えますが、今後の都の対応方針についてお伺いいたします。

○谷口デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務 都民の利便性向上につながる公共施設のワンストップの予約の実現に向けまして、予約の際に感じる不便さや要望を直接聞き取るために、今年度、施設利用者を対象にユーザーヒアリングを実施いたしました。
 利用者からは、施設ごとに利用者登録が必要で手間がかかる、利用できる施設が分からず、情報収集が負担、一部施設ではオンライン支払いができないなどのご意見をいただいたところでございます。
 こうした声も踏まえ、利用者登録から支払いまで、オンラインで一元的に完結するサービスの構築を目指し、来年度、新たなシステムの開発に向けた要件定義を実施いたします。
 都民にとって身近な公共施設をより簡単、便利に利用できる環境の実現に向けまして、着実に取組を進めてまいります。

○小林委員 今まで手続が大変だな、分かりづらいなといったことを簡単に分かりやすくしていくことが、DXを推進していく大きな恩恵の一つであると思いますので、利用者の声を着実に具現化する取組をお願いしたいと思います。
 次に、セキュリティ対策についてお伺いします。
 近年、民間企業を狙ったサイバー攻撃による情報漏えいや業務停止が相次ぎ、デジタル社会の利便性を享受する一方、そのリスクにも直面しています。
 先日も、都から委託業務を行った事業者において、サイバー攻撃により個人情報漏えいの可能性がある事案が発生したとの発表もありました。
 都においても、一たび攻撃により都民の重要情報の漏えいやインフラ、行政サービスが停止すれば、都民生活に極めて重大な影響を及ぼすこととなります。
 都議会公明党は、令和八年度の予算要望においても、デジタル化と両輪で、セキュリティ対策のさらなる強化を求めたところであります。
 私は、昨年の事務事業質疑で、サイバーセキュリティセンターの取組について確認をさせていただきましたが、昨年十二月に立ち上げたサイバーセキュリティセンターの活動についてお伺いいたします。

○田畑情報セキュリティ担当部長 高度化、巧妙化するサイバー攻撃に一元的に対処するため、昨年十二月にGovTech東京と連携し、サイバーセキュリティセンターを立ち上げました。
 センターでは、インターネットに接続している各局のサーバーやネットワーク機器を対象に、サイバー攻撃による被害の要因となる脆弱性や設定の不備などを監視しており、脆弱性などを検知した際には、リスクを踏まえた対策を行っております。
 また、ウェブサイトや業務端末に加え、庁内ネットワークやシステムにおける通信ログなどをセンターに集約し、横断的にモニタリングすることで、攻撃の予兆を把握し、対処する取組も開始いたしました。
 こうした取組により、脆弱性や攻撃の予兆などを検知した際には、その対処に向けて、専門技術者が各局に対して技術的支援を行っております。

○小林委員 サイバーセキュリティセンターにおいて、GovTech東京の専門人材と協働し、新たな技術も活用することで、サイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでいるとのことですが、一方で、近年は、攻撃者がAIを悪用することで、簡単に攻撃ツールをつくれるようになるなど、サイバー攻撃の状況は加速度的に深刻化しているとも聞いております。
 こうした状況に対処するためには、防御側においても、AIなどの新たな技術を積極的に活用して、先手を打った対応を進めていくことが必要ではないかと考えます。
 そこで、サイバーセキュリティセンターにおけるAI活用の具体的な取組についてお伺いいたします。

○田畑情報セキュリティ担当部長 来年度、サイバーセキュリティセンターにおいて、AIを活用し、攻撃の予兆を早期に検知する取組を新たに開始いたします。
 具体的には、マルウエア被害の動向など、最新の攻撃メカニズムとセンターに集約した膨大な通信ログを照合、分析し、攻撃の予兆を迅速に把握してまいります。
 また、AIが検知した攻撃の予兆について、リスクレベルに応じた対処方法を提案するなど、担当者を支援することで、攻撃への対応の迅速化や的確な対応につなげてまいります。
 膨大な情報を分析し、適時的確な判断を行う技術者をAIが支援することで、サイバー攻撃への迅速な対応を図ってまいります。

○小林委員 デジタルの力が都民に恩恵を与える一方で、やはり都民が気がかりなのは、デジタルの進展による個人情報などの漏えい、そして、万が一漏えいしてしまった際の情報が悪用されることへの懸念ではないかと思います。
 今後も、深刻化するサイバー攻撃に適切に対処できるよう、サイバーセキュリティセンターの機能強化を着実に進め、都民の安全・安心の確保に全力で取り組んでいただきたいと思います。
 次に、東京アプリについてお伺いします。
 東京アプリは、リリースから一年が経過し、この間、東京ポイントの交換先である決済事業者の追加や、様々な行政サービスの提供、本人確認機能の実装など、利用者の利便性向上に向けて取組が進んでおります。
 先ほど笹岡委員の質問で、三月十三日現在のダウンロード数が約五百八万件、ポイントを受け取られた方が約三百七十七万人との答弁がありましたが、私が日常的に都民の方とお会いする中で、この東京アプリの狙いや活用方法など、まだよく理解されていないというのが率直な感想であります。
 そこで改めて、この東京アプリについて、都はどのような狙いを持って取り組んでいるのかお伺いいたします。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリは、都民一人一人がスマホ一つで行政とつながることで、便利になったという実感を届けることを目指してございます。
 アプリから簡単、便利にアクセスでき、様々な手続がオンライン上で可能になる、また、個々の状況に応じて必要な支援を迅速に受け取ることができるなど、都民の皆様の暮らしに役立つアプリの構築に取り組んでございます。

○小林委員 都の方で取組が進んでおります生活応援事業ですけれども、生活応援事業の開始から一か月半で、三百七十七万人を超える方々がポイントを享受しているとのことでありましたけれども、その一方で、生活応援事業の開始がニュースなどでも報道されたため、関心が高いことは大変喜ばしいことではあるのですが、この事業はアプリ上から参加する必要があることから、デジタルに不慣れな高齢の方々からは、参加方法が分かりにくいといった声が大変多くいただいております。
 そこで、デジタルに不慣れな方々が、身近な地域で登録の仕方などについて説明を受けられるようにするなど、生活応援事業の参加に向けた丁寧な支援が必要と考えますが、見解をお伺いします。

○澤村デジタル事業担当部長 都は、住民に身近な区市町村の施設を活用し、アプリの登録から事業の参加までの手順を分かりやすく図解したチラシ等の配布や、「広報東京都」三月号での紹介に加え、東京アプリと生活応援事業の紹介に特化した「広報東京都」特別号の配布を昨日から開始するなど、円滑に参加できるよう取り組んでございます。
 また、コールセンターでのきめ細かな対応を通じて、参加に向けた支援を行ってございます。
 これらに加え、区市町村と連携し、窓口のモニターなどを活用して、ポイントの申請方法等を動画により紹介するほか、身近な地域でデジタルに不慣れな方に寄り添うTOKYOスマホサポーターを活用した対面型の支援を検討するなど、デジタルに不慣れな高齢の方を含め、より多くの方に参加いただけるよう取り組んでまいります。

○小林委員 生活応援事業が開始をされて、もうポイントをもらったという喜びの声も多くいただいておりますが、耳の痛い声も届いているのも事実であります。
 私の元に届いた声の一部、ご紹介させていただきますと、高齢者が東京アプリの登録、使用に至るまでの操作は難関です。六十代の方でもできない方がいます。対象者の中で、六十代から九十代までの方で何割の方が操作できるのでしょうか。
 対象者へ向けて、生活応援ポイント付与の広報は、高齢者一人一人に速やかに届いているようです。しかし、高齢者が一人では操作はできません。公平に、誰もが取得、利用ができるよう、取得までの手順にも、行政の責任の下、行われることを強く要望します。こうしたご意見をいただきました。
 東京アプリ生活応援事業の実施に当たっては、地元における支援も含めて、より丁寧に行っていくとのことですが、ぜひスピード感を持って、着実に取組を進めていただきたいと思います。
 先ほど、東京アプリの狙いとして、都民一人一人がスマホ一つで行政とつながり、便利になったという実感を届けることとの答弁がありましたが、そのためには、デジタルに不慣れな方も、きめ細かな支援を通じて東京アプリの利便性を享受できるようにしていくことが求められます。
 現在、アプリの登録方法などの様々な問合せに対応する東京アプリの専用コールセンターが設けられていますが、スマホに不慣れな方々にとっては、やはり対面による対応が欠かせないと考えます。
 高齢者スマホ教室及び相談会における、東京アプリを活用いただくための来年度の取組についてお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 デジタルに不慣れな高齢者の方々にも円滑に東京アプリを活用いただけるよう、来年度、スマートフォン教室等の内容をさらに充実いたします。
 具体的には、主にスマホ教室に参加したことのある方を対象に、学んだ内容の復習や相談ができるフォローアップコースと、日常の場面を想定したロールプレーイングにより、スマホの活用を実践的に学べるステップアップコースを新設いたします。
 その中で、アプリを操作してアンケートに答える、東京ポイントからチケットに交換して施設を利用するなど、東京アプリの具体的な利用方法について理解を深めていただくこととしております。
 また、西多摩及び島しょ地域を対象とした移動型スマホ教室では、二台の車両を稼働させ、各自治体での実施回数を増やし、都民の参加機会を拡大いたします。
 こうしたきめ細かなサポートを通じて、高齢者による東京アプリの積極的な活用を促進し、利便性を実感いただけるよう取り組んでまいります。

○小林委員 東京アプリの活用には、当然のことながらスマートフォンを持っていることが必要になります。
 都議会公明党は、昨年の第一回定例会の代表質問で、スマートフォンを持っていない方に対しても、都として対策を講じていくべきと訴え、都は今年度、東京アプリに対応したスマホを初めて購入する高齢者を対象に購入費を助成する区市町村への支援を実施しておりまして、令和七年度は、十三区八市、合計二十一の自治体が参加したと聞いております。
 来年度は、本事業をより多くの自治体に活用いただけるよう取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 都は今年度から、東京アプリに対応したスマホを初めて購入する高齢者を対象に、必要な機能を備えた機種の購入費を助成する区市町村に対し、高齢者一人当たり三万円、一自治体当たり一千万円を上限とする補助を実施しております。
 令和八年度は、昨年十月に実施したアンケートに寄せられた自治体の声等を踏まえ、高齢者の人口規模に応じて補助上限額を設定し、一自治体当たり最大四千五百万円とすることで、より多くの自治体が利用しやすい制度へと充実を図ります。
 また、区市町村との意見交換を重ねながら、事業を実施する中で生じた様々な問合せへの対応の知見を事例集として取りまとめて共有するなど、自治体担当者の負担軽減を図っております。
 今後とも、より多くの自治体に参加いただけるよう、様々な機会を捉え、事業実施を強力に働きかけてまいります。

○小林委員 この購入補助については、自治体によって実施しているところとそうでないところが混在しているため、都民にとっては、若干混乱している様相も否めません。
 来年度は、都として、より活用しやすい制度へと改善されましたので、ぜひとも多くの自治体が本事業を活用するよう取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、先ほどの答弁でもありました、デジタルに不慣れな方々を支援していくために活躍していくTOKYOスマホサポーター制度についてお伺いいたします。
 私は、制度創設時より、身近な場所でスマホの操作を教えることができる人材であるTOKYOスマホサポーターに関心を持ってまいりました。昨年の事務事業質疑においても、取組状況や募集状況、さらにサポーターが活動する際に持つべき重要な視点などについて確認をさせていただきました。
 まず、改めて、TOKYOスマホサポーターの現在のサポーター数と、これまでの活動状況についてお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 TOKYOスマホサポーターの登録者数は、今年二月末時点で九千名を超えており、令和六年度末の約四千五百名からほぼ倍増しております。
 これまで、都が主催するスマホ教室及び相談会のほか、自治体が主催するスマホ教室や自治会、商店会等が主催する相談会など、都民の身近な場所でスマホに関する困り事の解消に向けてサポートを行っております。

○小林委員 令和五年三月の総務委員会で質問した際には、都が主催する相談会やシルバー人材センターが主催するセンター会員向けの相談会での活動実績があるとのことでありましたけれども、今のご答弁で、活動の場が徐々に増えてきていることは大切なことであり、また、サポーター数も昨年度末から倍増したとのことでありますので、今後は登録いただいたサポーターが様々な場面で活躍できるよう、活動の機会を広げていくことが重要であると思います。
 そこで、TOKYOスマホサポーターの活動がさらに広がる取組を進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 都は、スマホサポーターにさらに活躍いただくため、都や自治体が実施するスマホ教室、相談会に加え、地域コミュニティの担い手である町会、自治会や商店街等に積極的に働きかけを行ってまいります。
 今年度は、スマホ相談会等を実施する意向を持つ自治体に対して、スマホサポーターの活動内容や都のノウハウを提供し、開催や運営を支援いたしました。また、商店街の関係者等が集まる場において、地域の支え合いにつながるサポーターの活動を紹介し、今後の活動に向けた意見交換を行いました。
 来年度は、地域に根差した支え合いや交流の場である高齢者福祉施設等に対して活用を働きかけるとともに、教室や相談会を開催する様々な主体に向けて、スマホサポーターの具体的な活動状況を発信することで、スマホサポーターの活動の場を広げてまいります。

○小林委員 サポーター数の増加に合わせ、活動の機会も増えていくように取り組んでいただきたいと思います。
 また、サポーターの皆様が活動する際に大切なことは、デジタルに不慣れな方にしっかり寄り添い、疑問や関心に丁寧に対応していくことが求められると思います。
 そのためには、常に新しい情報や相談者の関心が高い項目のキャッチアップを続ける必要があり、サポーターの皆様の知識や情報をアップデートしていく取組が必要であると考えますが、見解をお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 都では、スマホサポーターの育成を目的としたオンライン研修の学習コンテンツとして、様々な教材を公開しておりまして、スマホの機能や高齢者への接し方など、基本的なものに加え、スマホの空き容量確保の方法などの相談の多い内容やオープンローミングWi-Fiの使用方法といった新しい教材を随時追加しております。
 来年度は、生成AIや偽情報、誤情報対策に関するものなど、都民の関心が高い情報を盛り込んだ新たな教材を年四回程度作成し、公開するほか、既存の教材についても、定期的な点検を行い、社会状況の変化を踏まえた必要な更新を行ってまいります。
 また、スマホサポーター向けのメールマガジンを積極的に活用し、教材の更新や最新のトピックなどの情報を速やかに提供することで、スマホサポーターのスキルアップを支援してまいります。

○小林委員 今後、サポーターの活躍の場が広がり、より多くの方々と接するようになると、活動の現場から様々な声も上がってくると思います。やはり現場には、充実したサポート制度を構築していくための様々な知恵が秘められていると思いますので、ぜひ実際に活動されているサポーターの皆様の声も吸い上げながら、よりよい活動となるよう取り組んでいただくことを要望したいと思います。
 私、昨日ちょうどこの原稿をつくっているときに、地元でお世話になっている八十代の男性の方からお電話いただいて、東京都からポイントもらえるって聞いたんだけど、どうやったらいいんだというふうにお問合せの電話がありました。もうとても電話で、口頭で伝えられるような内容ではありませんので、今度お邪魔しますので一緒にやりましょうということでお約束をさせていただきました。
 まさに、こうした現場、我々同僚議員もですね、実はあちこちでそうしたお声をいただいて、実際に一緒にやりながら、進めさせていただいている。アプリをダウンロードし、ポイントを付与していくということも一緒に操作をしながら、我々同僚の議員もやらせていただいておりますけれども、まさに、こうしたところがもうここかしこに、恐らく東京都内、あると思いますので、スマホサポーターの皆様方の活躍、ぜひとも着実に推進をしていただきたいとお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○斉藤(ま)委員 では、私からも、東京アプリについて伺います。
 新年度予算としては、二十六億円が計上されておりますけれども、その内訳について教えてください。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリの来年度予算約二十六億円の内訳でございますけれども、開発費が約二億円、クラウドサービス利用料を含む運営経費約二十一億円、その他経費が約三億円でございます。

○斉藤(ま)委員 このアプリの利用者が増えるほど、クラウドサービス利用料も増えていくということで、事前に伺った中では、来年度は一千百二十五万人分を見込んでの利用料だというふうに伺っています。
 確認なんですけれども、この二十一億円のクラウドサービス利用料を含む経費というのは、毎年かかる金額になるということでしょうか。さらに増えるということもあるのでしょうか。伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 今回、クラウドサービス利用料、先ほど約二十一億円のうちの十八億円がクラウドサービス利用料でございます。
 この積算の仕方なんですけれども、来年度の開始の時点から、終了時にかけて、登録者数の増加数を踏まえて積算を行ってございます。ですので、また次の年度、令和九年度には、スタートの時点が、一千百二十五万人ということを目指しておりますので、一千百二十五万人からスタートして、ずっとそれが経年かかっていくという形になります。(斉藤(ま)委員「毎年」と呼ぶ)例年かかっていくことになります。

○斉藤(ま)委員 毎年かかってくるということですね。
 人数によって増えるということになるので、今のところは一千百二十五万人分ということですけれども、仮にそれが増えれば、また増えるということになっていくんだというふうに思います。
 この来年度予算には、アプリやアプリを通じた生活応援事業のコールセンターの予算としても九億円も計上されるということで、多くの経費がかかるということが分かります。
 東京アプリを通じた生活応援事業の申請は二月二日から始まっておりますけれども、現在の進捗状況について、先ほどご答弁がありました。今、約三百七十七万人の方々に対して、東京アプリ生活応援事業を通じてポイントを付与している状況だということです。
 徐々にポイント付与が進んでいるということですけれども、一方で、自分はポイントをもらえるのかという問合せも多くいただいています。
 まず、六十五歳以上の高齢者の方へのスマホの購入費について、区市町村を通じて支援を行うものですけれども、自分の自治体では補助を出してもらえるのかという声も伺います。
 先ほど、こちらも質疑がありまして、現時点では二十一の自治体で対応しているということですけれども、三分の二がまだ残っていると。来年度内に全ての自治体が対応できるのか、この見込みについて伺います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 令和八年度はより多くの自治体に参加いただけるよう、様々な機会を捉えて、事業実施を働きかけてまいります。

○斉藤(ま)委員 現在二十一の自治体だということで、自治体に参加を呼びかけていくということなんですね。
 補助率は都から十分の十ですから、多くの自治体に対応していただけるのかなと思うんですが、一方で、自治体の担当者の負担というのもあるということで、先ほど負担軽減も行っていくという話もありました。
 進めていきたいというふうに思うんですけれども、同時に、補助をしてまで、また、自治体の負担もあるわけですけれども、そうまでしてスマホに替えさせるということに対して、税金でやるべきことなのかという声も寄せられています。
 さらに、私たちのところにも一番多くの問合せをいただいているのが、NFC非対応のスマホ、つまりデジタル認証ができないスマホを持っている方々からの問合せです。
 NFC非対応のスマホではデジタル認証ができないという方への支援はありますか。

○澤村デジタル事業担当部長 本事業は、東京アプリのさらなる普及促進に加えて、参加を希望する十五歳以上の都民を対象に、スマートフォンにダウンロードした東京アプリからマイナンバーカードによる本人確認を経た後、ポイントを付与することで、都民の生活をより一層応援することを目的としてございます。
 都としましては、東京アプリに対応したスマートフォンを初めて購入する高齢者を対象に、購入費を助成する区市町村を支援するとともに、操作方法を含めたホームページ等での周知や、高齢者や障害者向けのサポートなど、区市町村とも連携し、希望する都民が本事業に参加していただけるよう取り組んでございます。

○斉藤(ま)委員 今、私が聞いたのは、六十五歳未満の方への支援のことなんですね。
 高齢者や障害者向け支援、サポートについてのお話をされましたけれども、つまり、六十五歳未満でNFC非対応のスマホをお持ちの方への支援はないんですね。
 この質問は、そのまま都民の方から私自身が受けた質問なんですけれども、要するに支援はないということで、ポイント付与を受けるためには、デジタル認証ができるスマホを買ってくださいということなんですね。
 ポイントを得るためにお金を使わなければならない。これが本当に生活応援なのかということが改めて問われているというふうに思います。
 そして、もう一つ、ちょっと確認をしておきたいと思うんですけれども、六十五歳以上の高齢者の方の場合、三万円の補助が出るというふうになっているんですけれども、これは、スマホ、例えば、NFC非対応のスマホを持っていて、対応できないから買い替えるという場合でも補助は使えますか。確認させてください。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 高齢者スマホ補助につきましては、そういった形で買い替えるというような場合も対象にさせていただいております。

○斉藤(ま)委員 高齢者の場合は、六十五歳以上の方ですね、買替えの場合でも補助はできるということが確認できました。
 そして、このNFC非対応のスマホについてなんですけれども、デジタル認証などができないスマホというのはどのくらいあるのか、把握されているでしょうか。

○澤村デジタル事業担当部長 総務省が公表している令和六年通信利用動向調査によれば、令和六年八月末時点で、世帯におけるスマートフォンの保有状況は、全国で約九〇・五%、東京都で約九三・五%でございます。
 なお、NFC非対応やデジタル認証ができないスマートフォンの台数に関する統計データはございません。

○斉藤(ま)委員 NFC非対応、デジタル認証ができないスマートフォンの台数については統計データはないということなんですね。
 実際には、古いスマホだけではなくて、新しくても安いものにはNFC非対応の機種があるということも伺っています。結局、節約して安いスマホを使っているというような、暮らしがより厳しい方々が、そのままではポイント付与を受けられなくて、置き去りになってしまうということになるんではないでしょうか。
 コールセンターに問合せをしたという方から、コールセンターの人も、NFC非対応の問合せが多いというふうにいっていたということです。スマホを持っているという人の中にも、ポイントを得るには壁がある仕組みになっているということを改めて厳しく指摘いたします。
 そして、もう一つ矛盾が生じていることについて伺います。
 東京アプリ生活応援事業の対象が十五歳以上となっているため、十四歳か十五歳か、ほぼ同じ子供であって、ほぼ変わりがないような年代に境目があるということで、そこに支援の在り方が大きく変わってしまうという問題があります。
 先ほども質疑がありましたけれども、十五歳のお子さんの中では、アプリによる決済ということを日常的にやっているという子がどれだけいるのかということも疑問です。決済アプリを子供の携帯に導入させることに抵抗感がある保護者の方も多いのではないでしょうか。十五歳以上の未成年に支援が届くのか、経過をよく見て対応を検討するということも求めさせていただきます。
 そして、申請の仕組みから来る問題もあります。
 最終補正予算で、十四歳までの子供に、東京アプリからのポイント付与と同額の一万一千円分が支給されることが決まりましたけれども、対象になっているのは、二〇一二年四月二日以降に生まれた子供が対象とされています。
 十五歳以上が対象の東京アプリ生活応援事業の申請締切りは二〇二七年、来年の四月一日までとなっているので、その日に十五歳の誕生日を迎えるお子さんは、申請はその一日しかないと。申請できる日がその一日しかないということになるんですね。誕生日になるのが四月一日ですから。
 期間を延長して周知を行うということが必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリ生活応援事業については、多くの都民に参加いただけるよう、一年程度の実施期間を設け、実施してございます。
 本事業の対象となる方が円滑に参加できるよう、これまでも本事業の実施期間や参加に当たっての事前準備に関することなどについて、ホームページ等で周知を行っており、今後とも引き続き取り組んでまいります。

○斉藤(ま)委員 今、一年程度の実施期間を設けているというご答弁なんですけど、今のようなケースの方についての対応は何も答弁がないんですね。
 来年の四月一日に十五歳の誕生日を迎える子については、申請できるのが現状の仕組みでは一日だけしかないというのは間違いないですか。認識を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 本事業の対象となる方が円滑に参加できるように、これまでも本事業の実施期間や参加に当たっての事前準備に関することなどについて、ホームページで周知を行っておりまして、今後とも引き続き取り組んでまいります。

○斉藤(ま)委員 ご答弁されないんですが、否定されないので、こういう状況だということだと思うんですね。
 二〇一二年四月一日生まれの子供にとっては、申請日がたった一日しかないということは、どうなんでしょうか。この日を逃せば、権利を失うということになるわけですね。
 例えば、都立高校の入試でも、インフルエンザに罹患した場合など、その日にできない場合は、別日の対応がされるわけです。
 さらに伺いたいんですけれども、生活応援といいながら、二〇二七年四月一日に十五歳の誕生日を迎える人は、申込みそのものができないわけですから、一年以上も生活応援してもらえないということになるのではありませんか。その認識はありますでしょうか。

○澤村デジタル事業担当部長 本事業は、東京アプリのさらなる普及促進に加えて、参加を希望する十五歳以上の都民を対象に、スマートフォンにダウンロードした東京アプリからマイナンバーカードによる本人確認を経た後、ポイントを付与することで、都民の生活をより一層応援することを目的としてございます。

○斉藤(ま)委員 目的については、もう繰り返し聞いていますので、もうちょっとかみ合う答弁をいただきたいなというふうに思うんですが、これ、事実として、否定されないわけですから、こういう状況になっているということだと思うんですね。それにどう対応していくかというのを考えていかなきゃいけないというふうに思うんです。
 東京アプリに申請できる日が一日しかない、あるいはほんの数日になってしまうということは、早急に対応策について考えていただきたいというふうに思います。
 既に十五歳の子であれば、東京アプリから申請すれば、すぐに支給はされると。また、十四歳までのお子さん−−具体的には今の中学一年生ですね、までは〇一八サポートの仕組みを使いながら、プッシュ型で、なるべく支給されるというふうになっています。
 しかし、これから十五歳になるという−−現在十四歳の子たちですね、子供たちは誕生日が来るまでは申請ができないわけですね。生活応援といいながら、一年以上も支給対象にならないわけで、スピード感がないという状況にもなっていると思います。
 こうした状況も踏まえて、制度の仕組みや改善について検討していただくことを強く求めて、質問を終わります。

○坂本委員 国民民主党の坂本まさしです。どうぞよろしくお願いします。
 四点質疑したいと思います。
 近年、行政サービスの高度化に伴って、データマネジメントの重要性というものは一層高まっていると思います。東京都においても、各局が保有する多様なデータを戦略的に活用し、全庁横断で、価値の創出につなげていくことが不可欠であります。
 国民民主党東京都議団は、東京都への予算要望において、行政からの支援を都民の皆様に確実に届けていくために、都の様々な支援施策に係る情報や利用状況などを分析するデータマネジメント基盤の整備を、Tokyo支援ナビを活用するなどしながら、進めていくことを、就任以来、本会議やこの総務委員会などの様々な機会で提言をさせていただいています。
 こうした多岐にわたるデータを有効的に活用していくためには、各局が保有するデータ形式をそろえるなど、全庁統一したマネジメントの下で取り組んでいくことが不可欠であります。
 そこで伺います。都民や事業者に向けた様々なサービス提供の基盤となるデータの利活用に向けて、東京都として、今後どのように取り組んでいかれるのかを教えてください。

○谷口デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務 都は、全庁の様々なデータを組織の垣根を越え、統一した考えの下、有効活用していくため、今年度末を目途にデータの整備、活用の考え方や取組の方向性等を示すデータマネジメントに関する方針を取りまとめることとしております。
 具体的には、AIの活用を前提とした標準的な形式でデータを整えることや、各局が共同で利用できる様々な情報に関するデータベースを順次構築することなどを盛り込みます。
 来年度、まずは都民や事業者向けの様々な支援に係る制度や情報について、Tokyo支援ナビとも連携を図り、局を越えて利用できるデータベースの構築を進めてまいります。
 都民や事業者が利便性を実感できるサービス提供に向けまして、データの整備と積極的な利活用に向けた取組を推進してまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁で、東京都として、データマネジメントの方針を整理し、局を越えて活用できるデータ基盤の整備を進めていくという考えが示されたと思います。
 行政が、保有するデータを戦略的に整備して、横断的に活用していくことは、都民サービスの質を高める上で極めて重要でございます。
 同時に、こうしたデータの利活用は、行政内部の効率化にとどまるものではなく、都市における新たなサービスの創出や都市機能の高度化にもつながっていくものと考えるわけであります。
 そこで、次に、こうしたデータ活用の先にある都市の姿としてのスマートシティの取組について伺わせてください。
 先日、東京ビッグサイトのところで行われた空飛ぶクルマの飛行実験、実証実験を視察させていただきました。あいにくその日は、デモフライトは強風のため中止になってしまったんですが、市街地での商用運航の実現を見据えて、顔認証チェックインとか最新技術を取り入れたターミナル機能を確認させていただくことができました。
 こうしたサービスが実装されていくことによって、都市における快適な移動が実現するなど、私たちの暮らしがますます豊かになることを期待しているわけですが、そこで、まず、東京都では、このスマートシティの実現に向けて、これまでどのような取組を進めてこられたのかを教えていただければと思います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 都は、デジタルの力で都民が質の高い生活を送る都市の実現に向け、最先端技術を活用したスマートシティの舞台となるエリアづくりとサービスの社会実装を両輪で進めてまいりました。
 具体的には、西新宿など都内の複数のエリアにおいて、地元のエリアマネジメント団体とともに、自動運転の実証やロボットによる自動配送、エリア内の多様な情報を盛り込んだまち歩きアプリの実装など、地域特性を生かした、まちの魅力向上に取り組んでおります。
 また、スタートアップと連携し、子供たちの熱中症を予防するためのウエアラブルデバイスの学校への導入や、車両に搭載したスマホで撮影した画像のAI解析により、まち中のごみの分布を可視化し、地域の美化活動につなげる取組など、これまでに百四十件を超えるスマートサービスを展開しております。

○坂本委員 ありがとうございます。スタートアップや地域と連携しながら、デジタルの力で都市の魅力を高めているということが分かったかと思います。
 これまでに実装してきたスマートサービスを拝見していると、利用者がスマートフォンなどのデジタルデバイスを持っていることが前提となっているケースが多いと思います。
 このスマートフォンを介するサービスを利用するためには、アプリを入れるですとか、スマートフォンから必要な情報を入力するといった、一定の手間がかかってしまって、サービスを都民に広く行き届けるのは難しいという状況もあるかと思います。
 このため、例えば音声のみで必要な情報のやり取りができる、例えばスマートスピーカーといったようなものを各家庭に普及させていく、こういったことを行っていって、スマホを持っていない方を含めて、誰もが簡単に必要なサービスを受けられる、そうしたスマートシティの理想の姿なんじゃないかというふうにも思うわけであります。
 このスマートシティの推進に当たっては、スマートフォンなどのデバイスを持っているかどうかにかかわらず、いわゆるデバイスフリー、こうした状態で、全ての都民が容易に様々なサービスを享受できる、そういった社会も目指していくべきと考えますが、見解を伺わせてください。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 スマートシティの推進に当たっては、デジタルの力を活用し、時間や場所、国籍、年齢などの様々な制約を取り除き、生活の豊かさを誰もが実感できるよう取り組んでいくことが重要でございます。
 こうした認識の下、高度な通信環境を基盤に、様々なデータの利活用を促進し、都民一人一人に寄り添った先進的なサービスの実装を通じて、多様な人々が安心して快適に生活できる都市の実現を目指しております。
 引き続き、技術革新の動向を注視しながら、人やまちの可能性を広げる最新のデジタル技術を活用した様々なサービスを積極的に取り入れることで、都民のQOLに貢献するスマートシティを実現してまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。テクノロジーの進展は目覚ましいものがあります。時代に応じて、都民が必要とするサービスも変化していくんじゃないかと思うわけであります。このデバイスフリーという視点も取り入れていただきながら、東京ならではのスマートシティの実現をぜひ目指していただきたいというふうに思います。
 一方で、スマートシティというのは、単に最新技術を都市に導入するということではなくて、テクノロジーの力によって都市の課題を解決して、誰一人取り残さない、そんな都市を実現していくことに意味があるんじゃないかと思うわけであります。
 都市の中には、誰にも相談できない方ですとか、寂しさを抱えてしまっている方、支援を必要としているにもかかわらず、声を上げられない方、様々いらっしゃいます。私は、孤立というもの自身が、都市にとっての大きなリスクの一つなんじゃないかというふうに考えておりまして、これをなくしていくことが重要な都市政策においての課題なんじゃないかというふうに考えているわけです。
 テクノロジーは、そのような人々を見つけて必要な支援や人とのつながりにつなげていく力を持っているわけだと思います。スマートシティは、そうした意味でも都市から孤立をなくしていく取組であるべきであろうというふうに考えます。
 その実現のためには、デジタル技術を活用して業務の効率化を進めるとともに、例えば行政の職員の皆さんが都民一人一人に寄り添う、そんな時間を確保していく、そういったことも重要なんじゃないかと思います。
 そこで、次に、都職員の働き方の改革について伺いたいと思います。
 少子高齢化によって労働力人口が減少する中で、AIが得意とする領域というものはAIに、人のぬくもりや丁寧なサポートを行う必要があるような領域は人で行う、そういった役割分担をして、職員の仕事の効率化を図っていく、そんなことが重要なのではないでしょうか。そのためには、これまでと同様の仕事の進め方ではなくて、社会の変化に対応した働き方に変えていかなければならないというふうに思います。
 東京都は、デジタル技術を活用して、職員の皆さんの働き方を変えていくために、今後どのような取組を行っていくのかを伺わせてください。

○相原デジタル改革担当部長 都は、都政の構造改革として、クオリティー・オブ・サービスの向上に向け、デジタル技術を駆使しながら業務の見直しを行うなど、職員の生産性向上に向けた多岐にわたる局横断的なプロジェクトを推進しております。
 公金収納のデジタル化につきましては、紙で処理をしていた収入情報をデータ化し、仕分けや保管など、職員の業務の削減につながる取組を行ってまいります。
 また、職員が文書管理や決裁などの際に利用するシステムの再構築に向けては、操作性を向上するとともに、業務で使用する他のシステムとの連携を行うことで、入力の二度手間を減らすなどの取組も行ってまいります。
 職員の生産性を高め、政策立案や高度な判断を要する業務、都民に対する対応など、都民サービスに関する業務に注力できるよう、今後取り組んでまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。ただいまの答弁で、デジタル技術を活用した業務の効率化を進めることにより、職員が政策立案や高度な判断を要する業務、さらには都民に対する対応など、都民サービスに関する業務に注力していくという考えが示されたと思います。
 私は、ここは極めて重要な点であるというふうに考えております。デジタル化の目的というものは単なる効率化ではありません。煩雑で機械的な業務はデジタルやAIに任せて、人は人にしかできない仕事に力を注いでいく。そのためにデジタルを活用するんだというふうに思うわけであります。
 都市の中には、誰にも相談ができなくて、寂しさや不安を抱えながら暮らしている人がいらっしゃいます。行政が向き合うべき課題の一つは、そうした孤立をいかに防いでいくかという点にあると思うわけであります。
 業務効率化によって生み出された時間やリソースを、都民一人一人に寄り添う対応ですとか、地域の課題に向き合う取組に振り向けていくことができれば、それはまさにデジタル化の成果なんじゃないかと思うわけであります。
 煩雑な仕事はデジタルに任せて、人のぬくもりや思いやりが必要なところに、そういったものが必要なところには人の手でちゃんと支援を届けていく、そうした行政の姿を、ぜひ東京から実現していただきたいというふうに考えております。
 以上、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○望月委員 参政党の望月まさのりです。本日はよろしくお願いいたします。
 まず、国産のAIの開発に予算を次年度からつけた措置をしたことについては、我が国の将来を左右する極めて重要な投資であるというふうに私は思っております。
 早速、質疑に入らせていただきますが、今回、都庁で使用するAIを、国産のものを使用するべきだとしたその根拠をお示しください。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 AIの多くは、英語ベースで開発されたものを海外事業者が提供しており、回答の正確性や日本文化等への適応などに加えまして、行政特有の専門性等の理解などにつきましては一定の課題があるのではないかと考えています。
 大学等と連携した行政特化型国産AIモデルの構築、実証事業につきましては、専門的かつ高度な判断が求められる業務分野を大学等と連携し選定した上で、日本語に対応し、行政に関する専門知識等の学習に特化したAIのモデルを構築することを目指して、その有効性などについて検証を行うものでございます。
 なお、都庁が利活用するAIにつきましては、東京都サイバーセキュリティポリシーなどに加えまして、今後策定予定のAI利活用に関するガイドラインに基づきまして、それぞれの事業の目的や対象などを踏まえ、選定されるものと認識しております。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。
 さきの委員会で私が聞きましたとおり、今はアメリカ社製のAIを使っているというようなことを、確認を取っております。
 東京都の持つ情報というのは、やはりおっしゃるとおりで、外部に漏れてしまえば、我が国の根幹を揺るがしかねない情報を取り扱っているという感覚を持つべきだというふうに思っていますし、その危機意識を持っていただいたのかなというふうに思っております。
 先日の委員会、予算特別委員会でも触れましたが、国際的な産業競争力や経済安全保障、情報性に直結する基盤技術であります。蒸気機関や電力、インターネットに匹敵する社会変革をもたらす技術の一つであるというふうに把握しておりますし、この分野でしっかりと我が国が主導権を握れるか否かが、今後数十年の国力を決定づけるといっても過言ではありません。
 その上で、まず申し上げたいのは、国産のAIの開発というものは、行政分野に今回は特化するということではありましたけれども、行政分野に限定されるべきものではないというふうに考えております。
 都は、日本最大の経済都市でありますし、研究機関、大学、スタートアップ、資本、人材が集中する世界的な都市でもあります。その東京都が、単に行政利用の範囲内でAIを活用するという姿勢にとどまるのか、それとも、国に先駆けて、国をバックアップして、国家戦略として、国を先導し、国策を実質的に後押しする覚悟を持つのか、この姿の違いは決定的に重要だなというふうに考えております。
 そこで、国産AIを都が主体的に支援し、行政の枠組みを超えて、産業振興や研究基盤の整備と連動させながら、国のAI戦略を牽引していくべきだというふうに考えておりますが、その見解を伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、東京都AI戦略において、民間企業や大学、研究機関等と連携し、民間におけるAI利活用の促進や産官学連携の推進に取り組むことでAI開発力を底上げし、国際的な競争力を高めていくことを掲げております。
 なお、国は、昨年十二月に策定した人工知能基本計画におきまして、AI利活用の加速的推進、AIのガバナンスの主導などに加えまして、AIモデル等の開発推進や信頼できるAI基盤モデル等の開発など、AI開発力の戦略的な強化を図るとしています。
 引き続き、国等とも連携しながら、東京都AI戦略で掲げる取組を推進してまいります。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。本当に、国産のAIは国際的な競争力に勝っていく必要があるというふうに思っていますので、このデジタルサービス局、先日のご説明も様々ありましたけれども、しっかりこれは国家戦略として押し上げていくべきものかなというふうに思っていますので、ぜひそこは強力に推し進めていただければと思います。
 次に、私、予算委員会でも話をしておりますが、国際情勢を直視した戦略認識について申し上げたいと思います。
 隣の国、中国は、国家主導でデータセンターと電力供給を一体的に設計し、超大規模な計算基盤を整備しております。将来的に八〇%は再エネで賄うというふうにはいっておりますけれども、その目標の年次とか、どれぐらいのスピード感でやっていくかというのは示しておりません。
 それを、東部の経済圏で生まれる膨大なデータの処理の需要を西部の電力資源が豊富な地域へ移転させ、国家プロジェクトとして、大規模データセンター群を建設しております。そこでは、石炭火力であったりとか、水力を含めた、あらゆる電源を動員し、とにかく計算資源の規模を確保することに注力しており、電力、土地、通信回線、資金を国家が一体的に設計し、AI分野における国際競争でまずは優位に立つための基盤整備を加速させております。
 一方、アメリカでも、また同様、巨大テック企業を中心に、例えばバージニア州やテキサス州などで世界最大級のデータセンターの集積地を形成し、大きなギガワット級の施設を次々と建設しているのが現状でございます。
 そこでは、天然ガス、火力、原子力発電等を組み合わせた電源ミックスで、まずは安定供給を確保するという戦略であります。競争力確保のために、エネルギー政策の柔軟な運用も辞さない姿勢が見てとれます。
 ここで重要なのは、他国、中国もアメリカも、脱炭素の範囲内でできることをやるという発想でAI戦略を組み立てていないという事実です。再生可能エネルギーの導入は検討しつつも、それを絶対的な枠組み、制約の条件とはしておらず、まずは国際競争に勝つために必要な規模の計算資源をどう確保するかを最優先に考えているものであります。
 翻って、東京都はどうでしょうか。先日の予算特別委員会でも取り上げましたが、もしこれが、脱炭素の枠内で収まる規模にAI基盤を限定するのであれば、世界水準の大規模モデルを学習させるために必要とされる数十から数百メガワット級の電力事業に到底及ばない可能性が高くあります。
 数十メガワット規模の中小規模、ビル一棟分だったりとかコンテナ一個分の中小規模の、中小型で脱炭素型のデータセンターで満足するのであれば、間違いなく国際競争におけるAI産業を育成することは不可能でしょう。というふうになった結果、その結果、我が国においてのAI戦略はどうなるかというと、国内で十分な計算基盤を確保できず、結局のところ、今と変わらず、海外クラウドに依存する構造が固定化されてしまいます。
 巨額の公的投資を行っても、基盤部分の利益は結局、海外事業者に流れ、日本は応用部分だけを担う下請的立場に甘んじるような感じになると思います。そうなれば、これまでの努力も投資も志も、全てが無駄に終わる可能性すらあると私は考えております。
 国際競争に勝てない規模で参入するということは挑戦ではなく、結果として資源の浪費にしかなり得ません。国益、競争力、デジタル主権を守ることが、まずは最終目的であり、もし現行の枠組みが国際競争力確保の足かせとなるのであれば、しっかりと検証し、軌道修正し、必要であれば転換するということが政治の責任ではないかというふうに考えます。
 さらに申し上げますと、従前からこの総務委員会では申し上げておりますけれども、今は平時ではありません。本当にデジタル戦争中といっても過言ではありません。経済戦や情報戦の真っただ中であるということであります。
 日々、世界は激動しております。AI技術は、数か月単位、もしくは数日単位で本当に日々進化していき、半導体の供給網、量子技術、宇宙開発など、あらゆる先端分野で国家間競争が加速しているのが現実です。数年前に合理的であった政策が今日には時代遅れになる、そのような政策転換の時代に私たちは生きているというふうに覚悟を持った方がいいと考えます。
 にもかかわらず、一度決めた脱炭素の方針だからそれは変えられないと、既定路線だから修正はできないというような姿勢こそが、本当に最大のリスクとなり得るのではないでしょうか。そこを柔軟に見直し、現実に即して修正することが、この変化の激しい時代における責任ある統治ではないかなというふうに考えます。
 そこで伺います。都のスタンスとして、国際競争力を最優先にせず、あくまで脱炭素の範囲内でのみAI戦略を構築するということに対する懸念事項をお示しいただきたい。また、国へ具体的な提案や要望を行い、AI戦略に関する制度設計に影響を与えていこうというような考えがあるのか、その方針を伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 データセンターにつきましては、便利で快適なスマート東京の実現や都市の国際競争力向上に不可欠なものと認識はしております。
 そのため、データセンターにつきましては、東京都AI戦略において、民間におけるAI利活用の促進の取組の一つとして、データ利活用環境の整備を盛り込んでいるところでございます。まちづくりやエネルギー効率、環境負荷等の観点を踏まえたバランスの取れた取組を関係局と連携して進めることを掲げてございます。
 国に対しましては、AI全般に関して、適時適切に必要な提案要求を行うことを戦略の中で盛り込んでいるところでございます。

○望月委員 予算特別委員会でも同様でしたが、バランスの取れたものというのは、日本に古来からあります二兎を追う者は一兎をも得ずという状況になりかねないなというふうに私は考えておりますので、私は、予算特別委員会でも取り上げましたけど、二〇五〇年という、無理やりに国際基準と同様の基準を持つんじゃなくて、例えば実装させてから、その後、じゃあ、将来的に、国内でしっかりとエネルギー供給ができるような状況をつくってから、しっかり脱炭素を目指していこうかとするのが、私は国益にかなうというふうに考えております。
 拙速に中国製のソーラーパネルや、ドイツ製だったりとか北欧製の風力発電の風車を入れて、脱炭素に振り切って、その電源で賄うデータセンターなんて、私は、今のこの時代において、何の役にも立たないんじゃないかなというふうに考えます。
 ただ、デジタルサービス局においては、都庁で扱う情報をしっかりと、行政のものでAI戦略をしっかり立てていくというふうにおっしゃっているので、それはよしとしましょう。
 ただ、今この東京都の施策として、脱炭素の範囲内に進んでいきたいという環境局と、データセンターの建設を進めていく、国産のAIをつくったり、そういったところで勝っていくのは大事なんだ、重要なんだといっている産業労働局の間に矛盾が生じています。
 私は、このデジタルサービス局が進めているAIの戦略については、しっかりと推し進めていただいて、脱炭素の枠組みを一回外したとしても、まずは我が国において、このデジタル主権を奪われないようにしっかりと戦略を立ててやっていく必要があると思います。
 予算特別委員会においては、環境局や産業労働局とか都市整備局とか、横串を刺してやっていきますといっているんですから、今までこの委員会の中でもそうです。ずっと縦割りで来たのに、なぜかそこだけは横串を刺してやっていくというふうにいっているので、まずは一旦、都庁の全局、全組織において、この脱炭素というものが本当に都民の利益、国益にかなうのかということを、しっかりとデジタルサービス局の立場から国産のAIの重要性というものを訴えていただいて、これからの東京都の進んでいく方向性というものをもう一度しっかりと検証し、議論していただく必要があるというふうに考えております。
 まずは第一に、私たち、我が国の国民と、そして、東京都民の利益のために、デジタルサービス局と各局の施策がしっかりと整合性を取れて進んでいくことを望みまして、私の質疑とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

○さいとう(和)委員 都民ファーストの会のさいとう和樹です。よろしくお願いします。
 まず、子育てに関する手続のワンストップ化についてお伺いします。
 出産や入園など子育ての節目は、保護者にとって、時間的にも心理的にも余裕がない時期といわれています。そんな時期に、多くの手続を調べて、申し込まなければならなかったり、何をどの順で行えばいいか分からないといった状況は、保護者に大きな負担を与えています。
 私の地元荒川区においても、私自身、現役の保育士として、区民や保護者の皆様からの声を日々現場で聞いてきました。
 また、子育て当事者の立場からも、保護者の負担軽減に向け、デジタルの力を活用した手続のワンストップ化を推進し、子育て支援サービスを効率的に利用できる環境を次世代のために整備していくことが重要であると考えています。
 都はこれまで、保活に関して、保育園探しから入園までの手続がオンラインで完結するワンストップサービスの取組を進めてきましたが、その成果についてお伺いいたします。

○福田プロジェクト推進担当部長 保活ワンストップは、保育園の情報収集、見学予約ができるサービスとして、令和六年十月に三つの自治体で提供を開始し、昨年七月からは十九の自治体まで対象を拡大いたしました。
 これまでに約一万四千七百人の方にご利用いただきまして、約四万四百件の見学予約がありました。今年度実施した利用者アンケートでは、五段階評価で四・二の満足度を得ておりまして、約七割の方が、サービスを利用しなかった場合と比べて、保活の所要時間を五〇%以上削減できたと回答しております。
 また、さらなる負担軽減に向けまして、昨年十一月に、保護者がオンラインで実際に保活の相談ができるサービスを十一の自治体で開始いたしました。これまでに約三百三十件の相談受付がありまして、子供連れで外出せずに相談できるとの声が寄せられております。
 さらに、本年一月には、世帯の保育指数をチャットボット形式で試算できるシミュレーション機能を九つの自治体で実装いたしました。利用者からは、手間のかかる指数計算の時間が短縮できた、操作が簡単で便利との評価をいただいているところでございます。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。保活ワンストップサービスの展開により、保護者の手続負担の軽減につながっていることを確認いたしました。
 来年度からは、都の取組を基に、国が全国版のサービスを開始すると聞いています。手続のワンストップ化は、子育てに関する煩雑な手続を簡素化し、多くの保護者の利便性向上に資するものであると、子育てする現場でも実感しております。
 また、昨年十月の事務事業質疑において、我が会派の本橋ひろたか委員より、出産に伴う様々な行政手続をデジタルで一元化し、子育て家庭の不安を軽減するべきと指摘がありました。
 これに対し、都からは、出生届など複数の手続をオンラインで一括申請できる取組が都内に広がるよう促していくとの答弁がありました。
 そこで、出生届や児童手当、国民健康保険に関わる手続など、出生関連手続のオンライン化、ワンストップ化の取組について、その進歩と今後の取組についてお伺いいたします。

○福田プロジェクト推進担当部長 都は今年度、国や自治体等が参加する意見交換の場を設置し、国が目指している出生届等をオンラインで一括申請できるシステムの整備が、利用する都民や自治体目線に立ったものとなるよう、取組を進めてまいりました。
 具体的には、都民が申請時に入力しやすい画面の表示や、職員が都民の申請情報を自治体の業務システムに入力し直すことなく、事務処理が効率的に完結するデータ連携の実現など、実務を担う自治体の意見を関係者で共有し、国に対して利便性の高いシステムづくりとなるよう働きかけをいたしました。
 来年度はまず、一括申請の起点となる出生届のオンラインによる届出をより多くの区市町村で可能とするため、業務システムの改修等に向けた計画作成やオンライン化に伴う業務フローの見直しなど、自治体の実務に寄り添った技術支援を行ってまいります。
 また、一括申請につきましては、複数の手続所管課のシステム改修等が必要となることから、自治体内の組織横断でのプロジェクト管理の支援などを、国のシステム開発の進捗状況も踏まえながら行いまして、先行的な事例の創出を目指してまいります。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。こうした課題に対して、単なるデジタル化にとどまらず、行政サービスの在り方そのものを見直すDXの視点と現場目線での解決が重要です。ライフイベントに応じて必要な情報や手続を整理し、デジタル化により一体的に提供する仕組みを構築することで、子育てに関わる皆様の負担軽減と行政サービスのクオリティー向上を同時に実現することができると考えております。
 さらなる利便性の向上と持続可能性の高いスマートシティ東京の促進に向け、都として、都内自治体の参加を一層促していくことを期待し、次の質問に移ります。
 AI利活用に向けた取組についてお伺いいたします。
 AIの急速な進展により、私たちの生活や仕事などの様々な場面でAIが活用されています。生成AIをはじめとする新しい技術は、利便性を大きく高める一方で、誤情報の拡散や不適切な利用などのリスクも指摘されています。
 こうした中、行政はもちろん、都民一人一人がAIについて理解し、適切に活用できるように整備していくことが重要であり、AIの活用を社会全体で広げていくためにも、都民のAIリテラシーの現在地をしっかりと把握した上で、これを高めていく視点が欠かせないと考えております。
 そこでまず、都として、都民にどのようなAIリテラシーが必要であると認識しているのかお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 東京都AI戦略では、都政におけるAI利活用に加えまして、多様な主体とのAI利活用促進を図ることとしておりまして、その中で、AIの恩恵を全ての都民が享受できるよう、社会全体のAIリテラシー向上を図ることを柱の一つとして位置づけております。
 これを踏まえまして、本年一月公表の二〇五〇東京戦略のさらなる推進におきまして、AIリテラシーとして、AIへの知識及び行政での利活用に対する需要があり、リスクを理解した上で活用できる能力、これを向上していくことを新たな政策目標として定めたところでございます。
 具体的には、知識、活用、リスクへの理解、行政サービスにおけるAI利活用への需要の四つの観点を設定し、都民の意識調査の状況も踏まえ、二〇三〇年までにこれら全てにつきまして、八〇%以上に向上させることを目指していくこととしております。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。都がAIリテラシー向上に向けて目標を設定の上、取組を進めようとしていることが確認できました。
 なお、今後も継続的に都民の現在地について定点観測を行うことを要望いたします。現在地を把握した上で、目標を設定し、取組を進めることは、政策を前に進める上で非常に重要な点だと考えております。
 AIの分野においても同様であり、都民がAIを適切に理解し、活用できるようにしていくためには、AIに関する意識調査の結果なども踏まえ、AIリテラシー向上策に取り組むことが欠かせません。
 こうした中、都は、来年度予算に都民のAIリテラシー向上に関する取組を予算計上しております。
 そこで、今後、都として、都民のAIリテラシー向上を図るため、どのような取組を進めていくのかお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都民のAIに関する意識調査から、生活が便利になる、仕事の効率化など、AIに対する期待がある一方、インターネットなどの情報の真偽確認に当たっては、三人に一人が特に何も行動しないと回答するなど、AIを都民が利活用していく上で課題があることも確認できたところでございます。
 こうした結果も踏まえまして、来年度、都民がAIの利便性やリスクへの対応などを学べる機会を提供する取組を新たに開始いたします。
 具体的には、AIの利用機会が少ない方やAIのリスクに対する理解が十分でない方を対象とした、動画や紙媒体のコンテンツを作成するなど、年齢や利用経験に応じた様々な手法を組み合わせながら、都民のAIリテラシー向上に資する取組を展開してまいります。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。AIリテラシーという言葉だけが先行するのではなく、課題の背景や目的を見失わないことが重要であります。
 同時に、AIは新しい分野でもあります。都として、他局や区市町村と連携しながら、現在地を柔軟に確認し、横断的かつ定期的に状況を把握していくことが必要と考えております。
 その上で、実効性のある取組とし、ふんわりとした施策とならないよう、丁寧に推進していくことをお願い申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、行政でのAI活用についてお伺いいたします。
 都民サービスの向上などにつなげていくためには、行政において、これまで以上にAIの利活用を進めていくのは重要です。
 行政におけるAIの利活用を進めるため、来年度予算案に一億五千万円を計上し、都が大学と連携し、行政に特化した国産AIモデルの構築、実証に取り組むとしております。
 そこで、来年度、都が、行政特化型国産AIモデルの構築、実証事業を実施する意義についてお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 現在広く利用されているAIツールは、英語がベースとして開発され、海外事業者が提供するものが多くなっております。
 そのため、回答の正確性、信頼性の確保、日本の文化や慣習への適応に加えまして、行政特有の専門性や行政文書等への深い理解などにおいては、一定の課題があるのではないかと考えているところでございます。
 こうしたことも踏まえまして、安全かつ効果的に管理運用できる環境の下、日本語に対応し、行政の専門知識に特化したAIモデルの構築を目指すこととしたものでございます。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。これまでの英語ベースのAIだけによることなく、行政分野に特化した国産ベースのAIモデルを構築するとのこと、この取組で成果が上がれば、さらなる行政でのAI活用や業務の生産性向上などにつなげていくことができると期待しております。
 本取組を進めていくためには、都だけではなく、外部の知見なども活用しながら、着実に取組を進めていくことが重要であると考えております。
 そこで、東京都は、行政特化型国産AIモデルの構築、実証について、今後どのように取り組んでいくのか、詳細についてお伺いしたいと思います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 東京都AI戦略では、大学や研究機関等と連携し、共同研究や開発を推進することを掲げております。
 本事業は、大学等と連携し、行政に関する法令や専門知識等を学習した行政特化型のAIモデルの構築に向け、開発、実証を行うものでございます。
 来年度、都は、AIモデルの構築を主に担うGovTech東京と協働いたしまして、大規模言語モデルをはじめとする機械学習の領域で豊富な知見を有する大学を公募した上で、三者による協定を締結いたします。
 その上で、庁内において専門的かつ高度な判断が求められる業務分野を選定いたしまして、国産AIをベースに、都が保有する業務データ等を学習させたAIモデルの構築を目指し、開発を行うとともに、業務での活用に向けた検証を複数年かけて進めてまいります。

○さいとう(和)委員 複数年かけて実証を進めていくことを確認させていただきました。
 一朝一夕にモデル構築がなせるものではありませんが、行政特化型のAIモデルを、都が主導して構築を進めていくことは非常に有意義なものであると考えております。
 今後、大学の公募を行うとのことでしたが、大学と行政の英知を集結し、必要に応じて産官学連携も視野に入れて、ぜひ成果に結びつけてもらいたいと強く求めて、最後の質問に移ります。
 ここまで都民の利便性向上などに向け、保活ワンストップサービスの展開、AIの活用など、様々な取組を進めていることを確認させていただきました。
 こうしたデジタルを活用した取組は、日本だけではなく、海外にも参考になる事例があることから、海外の都市との交流を深め、先進的な取組を学び、そこで得た知見などを都民サービスに生かしていくことも重要であると考えております。
 デジタルサービス局では、今年度から海外都市との交流などに力を入れているところであると聞いています。
 そこで、デジタル分野における海外都市との交流におけるこれまでの状況と今後の取組についてお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 これまでデジタル分野で先進的な取組を行う様々な都市を訪問し、意見交換等を実施してまいりました。こうした訪問を通じまして、海外諸都市が抱える課題や悩みは東京とも共通しているという気づきを得ることができたところでございます。
 そのため、各都市との持続的かつ実効性の高い関係構築を進め、都が抱える課題の解決や都民サービスの向上につなげていくことが重要との認識に立ちまして、今年度から海外都市との連携に係る取組を強化しているところでございます。
 具体的には、アジアやヨーロッパなどの主要な都市を訪問いたしまして、AI利活用や人材育成などのテーマを中心に、相互の施策や具体的な取組について共有を行うなど、デジタル分野における都市間での交流を進めてきたところでございます。
 来年度は、共通する都市課題の解決に向けた、より具体的かつ実務的なテーマでの相互交流を定期的に行えるよう取り組むなど、これまでに培った都市との関係性をより強固なものにしてまいります。
 加えまして、都市におけるデジタルなどの取組を紹介する海外の展示会にも参加しまして、様々な都市との交流を図るとともに、世界における東京のプレゼンス向上につなげてまいります。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。来年度は海外都市との交流をさらに具体的なものとしていく方針であることを確認できました。
 都市間交流を真に実りのあるものとするためには、現地に赴き、対面でのコミュニケーションを行うことも重要であると考えております。各国の優良事例を政策に反映していくことはもちろんですが、東京都がこれまで築いてきた海外都市との関係性を継続的に維持していくことも大切だと考えています。
 一方で、頻繁に都市を訪問できるわけではありません。だからこそ、オンラインミーティングやデータ共有など、それこそデジタルの力も活用しながら、定期的に情報をキャッチアップし、オンサイトでの交流が単発で終わらない取組としていくことを期待しています。
 こうした取組を通じて得られた海外都市の知見やノウハウを都民サービスの向上へ着実に還元していただくことを強く期待いたしまして、私からの質問とさせていただきます。以上。

○早坂委員 デジタルの力は、私たちの生活を豊かにします。
 そうした観点から、私は、令和七年十月三十日の総務委員会で、障害者の生活応援プロジェクトについて伺いました。スマートフォンを使った袖縁とアイコサポートの二つのサービスです。この実証により得られた成果について伺います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 障害者の生活応援プロジェクトでは、昨年九月から十一月までの約三か月間、約二百七十名のモニターにご協力をいただきまして、障害のある方や配慮を必要とする方の外出をサポートするスマートサービスの実証を行いました。
 モニターからは、外出時に感じる心理的負担の軽減や様々な困り事の解消につながったなどの声が寄せられ、袖縁の支援を受けたモニターからは五段階評価で三・八、アイコサポートについては同四・〇と、いずれも高い継続利用の意向が示されました。
 また、アイコサポートについては、都のこれまでの取組を踏まえて、来年度、都内で初めて品川区においてサービスを導入すると聞いておりまして、今後はこうした動きの拡大に向け、ホームページへの掲載などを通じて、本実証の成果を広く発信してまいります。

○早坂委員 私の主張は、東京都が行うべき支援は、操作性の向上やアプリの機能改善など、事業者が自己努力でもできることの支援ではなく、東京都でしか行えないような支援、例えば、事業継続性やサービス利用者の費用負担支援だというものであります。
 そうした中、今のご答弁では品川区の取組について触れられました。品川区では、令和八年度より、アイコサポートの利用者に対する費用負担支援を行います。内容は、区民一人当たり月額四千四百円を四十人分、一人が使えるのは二時間までというものであります。アイコサポートの利用者に対する自治体の費用負担支援は、都内では初めてのことです。
 そして、品川区がこの支援に踏み出したのは、東京都が行った障害者の生活応援プロジェクトに参加したことがきっかけだったと伺いました。そのことをうれしく思います。
 その上で申し上げますが、東京都自身も、利用者に対する費用負担支援に乗り出してほしいと思います。品川区の支援は人に着目したもの、すなわち登録した品川区民四十人に対し、費用負担支援をするというものです。私が改めて東京都に提案したいのは、場所に注目した支援です。すなわち東京都内というエリアにいる人は、誰でもこのアイコサポートのサービスを受けられるというような支援であります。
 東京都が全国で一番、視覚障害者にとって優しいまちとなることを願ってやみません。東京都でしかできないような支援を心から、心からお願い申し上げます。終わり。

○西崎委員 よろしくお願いいたします。
 デジ局に限らない話ですけれども、来年度の予算執行においても様々な民間活力の活用ということがなされているかと思いますけれども、さきの委員からも少し言及がありましたけれども、三月九日に、委託業務受託者へのサイバー攻撃についてという五局連名での発表がございました。都の事業を受託している株式会社シード・プランニングがサイバー攻撃を受け、局によっては一万八千件の個人情報が漏えいした可能性があるという発表でございました。
 これは、その前の週の六日にも、同社が協力会社となっていた事業につきまして、水道局が、約十三万件もの個人情報が漏えいした可能性があるということで発表しております。
 発表のタイミングが、これ事業者からの報告のタイムラグであるかと思いますけれども、都の業務を幾つも受託している事業者が攻撃を受けたことで、複数局にわたって多くの情報流出のおそれがあるという状況に陥ってしまったわけでありますけれども、本委員会の所管ではデジタルサービス局が含まれているということでお聞きをしたいと思いますけれども、今回、デジ局が委託していた業務と、同社が保有していた個人情報とはどのようなものだったんでしょうか。

○芝崎DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務 本業務は、政策連携団体等における手続のデジタル化の状況を見える化いたしまして、政策連携団体等のデジタル化率向上に向けた施策展開に結びつけていくものでございます。
 本業務に関して、委託事業者が保有する個人情報等は、各局及び政策連携団体等二百四名の担当者名、電話番号、メールアドレス並びに政策連携団体等が行う手続のデジタル化の状況等でございます。

○西崎委員 つまり、保健医療局であるとか水道局のように、いわゆるザ個人というよりは、施策連携団体等のデジタル化推進に関する業務の担当者についての情報ということでありますけれども、やはり情報漏えいの可能性が発生したということはゆゆしき事態であるように思います。
 通常、こうした委託契約等々を締結する場合は、個人情報の取扱いについて規定をするものと思いますけれども、本事業について、サイバーセキュリティ上の取決めというのはどのようになっていたんでしょうか。

○芝崎DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務 委託事業者との契約では、個人情報等を漏えい等することのないよう、当該個人情報等を安全に管理するとともに、漏えい等が発生し、または発生した可能性がある場合は、都に速やかに報告し、その指示に従うこととしてございます。
 また、当該委託事業者に対しましては、漏えい等の事故が発生しないよう、個人情報等の取扱いの注意点等について直接説明を行っていたところでございます。

○西崎委員 当然に契約の中で個人情報等の管理を定めていて、注意点なども直接説明をしていたということでございます。
 そして、また、それにのっとって速やかに報告を受けたということであろうかと思います。
 そもそも、今回、同社が数多くの東京都からの業務を受託しているということに鑑みても、今回の会社にも一定の専門性であるとか経験というのはあるように思いますけれども、それでも、こうしたサイバー攻撃による事故が発生してしまったということであります。
 今日も議題にもありましたけれども、事業者の大小を問わず、サイバーセキュリティというのは課題となっているということでありまして、それによって、ビールを飲めなくなるとか、社会に負の影響をもたらす事例というものも繰り返し起こっているわけでありますけれども、やはり行政関連ということであると、その重大性が問われることになろうかと思います。
 そこで、今後の再発防止について見解をお伺いします。

○芝崎DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務 今回の事案は、都が業務委託を行った事業者におきまして、サイバー攻撃による個人情報漏えいの可能性が生じたものであり、現時点で個人情報等の第三者への漏えいは確認されておりません。
 都では、委託事業者が実施する調査について、随時報告を求めますとともに、原因の究明、技術的な対策をはじめとする情報セキュリティ対策の強化や再発防止に努めるよう指示してございます。

○西崎委員 ありがとうございます。補足的に今お話をいただいたように、現時点で別に漏えいが確認されたというわけでないと、おそれがあるということにとどまっているというところでございます。今後も、同社による調査の報告は受けていくというようなお話もありましたし、情報セキュリティの対策の強化を指示されたというご答弁でございました。
 私も別に、そうしたシステム系の知識が十分にあるというわけではないんですけれども、こうした委託契約等々について、サイバーセキュリティの度合いを定量的に確認するということにまだ課題があるんじゃないかなと思うんです。
 今、これまで少し議論させていただきましたけれども、その情報の安全管理を徹底するということは、恐らく契約にも規定をされておりますし、お願いをしているということですけれども、じゃあ、その契約先、相手方の防御レベルがどのぐらいの水準にあって、十分であるということを確認するということをですね、なかなかこれが担保がしづらいんじゃないかなと思っているところでございます。
 現在、経済産業省では、サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度、この構築に向けて取り組んでいるというふうに聞いております。これは、企業のサイバーセキュリティの度合いを星三つとか星四つとか星五つとか、こういうふうに格付をしていくというものでして、これは来年度末の開始を目指しているというふうに聞いております。
 また、内閣官房の国家サイバー統括室、こちらではサイバーセキュリティ人材フレームワークの取りまとめ作業をしていると聞いておりまして、これはサイバー人材の方に、人の方に着目をして、知識やスキルの基準をつくって、サイバー技能をレベル分けしていくというものだそうでございます。
 お話ししていて、これらがどの程度、今後の都の取組に関わるかというのは、私自身もまだ整理ができていないところでありますけれども、デジタルサービス局はまさに都庁全体のサイバーセキュリティ対策を統括していると思いますので、この辺りも着目をして、委託先などにおける個人情報等の保護に万全を期していただくとともに、民間の力を活用した都民サービス向上に、引き続き、ぜひ取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。
 次の質問に移ります。
 行政特化型国産AIモデルに関しましては、本定例会、今日もそうですが、かなりいろいろなところで議論がありましたので、この主な内容については割愛をしますが、一点だけ、これまでもいわれてきたことだと思いますけれども、特化型であろうとなかろうと、行政におけるAI活用におきましては、説明可能であるということが非常に重要であろうかと思います。すなわち政策立案や決定の補助に用いる際に、その根拠が分からず、ブラックボックス化するというのを防ぐという観点でございます。
 こうしたAIの判断プロセスを人間が理解しやすい形で可視化する技術として、XAI、Explainable AIと呼ばれておりまして、公共部門での重要性も認識をされているところでございます。
 そこでお聞きをいたしますけれども、都は、AI戦略において、常に透明性だとか公平性に留意しながら進めていくということは示されているわけでありますけれども、今後のAI活用に当たって、判断結果の説明可能性の確保について、どのように対応していくのかお聞きをいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 東京都AI戦略では、AI利活用に当たりまして、最終的な判断や責任は人間が担うことを原則とすることなど、五つの基本方針を掲げてございます。
 また、都民、事業者の方々から信頼と共感を得るなどの観点から、透明性や公平性など、六つの事項に留意しながら、都政におけるAI利活用を推進していくこととしてございます。
 こうした考え方に基づきまして、現在AIによる判断プロセスの把握など、留意すべき事項や、その対応策等について、東京都AI戦略会議での議論も踏まえながら、AI利活用に関するガイドラインの策定を進めております。
 今後、各局がAIを適正かつ効果的に事業に導入、活用できるように取り組んでまいります。

○西崎委員 今日、ガイドラインの話も、何度もこれまで出てきているところでありますけれども、やはり私も、このAI戦略でそもそもうたっているように、都政のあらゆる側面で徹底的に利活用するという方向性には賛同しておりますけれども、そのガイドライン、今後策定ということですが、XAIの活用等も含めて、説明可能性、こちらをしっかりと確保していただくよう求めておきます。
 ここからは、かなり今日、質疑の重複が既にありましたので、意見、要望として最後に申し上げたいと思いますけれども、事業者向け手続のワンストップ化につきましては、申請書類や添付資料などが多岐にわたると、事業者のやり取りですので。また、必ずしも一往復で終わるものじゃないという、いろいろな複雑さが課題だと思っておりますけれども、物によっては、今でもメールで事業者の方とやり取りしているというようなこともあるというふうに聞いておりますので、もちろん事業者も、規模の大小を含めて、様々あろうかと思いますけれども、誰も取り残さないような開発に努めていただきたいということを申し上げておきます。
 そして、公共施設のワンストップの予約の実現につきましては、本当に問題意識、私も持っておりまして、私の地元の目黒区という基礎自治体ですら、スポーツ施設と集会施設のアカウントが別々になっていて、非常に不便を感じることがございます。
 子供の野球を私やっていますけれども、野球のグラウンドを予約して、じゃ、ついでに座学のミーティング会場を取ろうと思って、同じアカウントじゃできないみたいな、こういう課題が基礎自治体ですら発生しているということでございますので、これをさらに規模の大きな都でクリアしていこうという取組かと思いますので、これにつきましては、都民の利便性の向上にも必ずつながると思いますので、取組に期待をするところでございます。
 最後に、今これ二つ申し上げましたけれども、どちらも私、過去にこの本委員会で、東京アプリにひっかけて少しお話を申し上げたことがございました。今回は別にアプリではなく、それぞれ新たなプラットフォームをつくっていくようなお話になろうかと思いますけれども、将来的にアプリに集約をしていくということもあるのかもしれません。
 ただ、一方で、最近SaaSの死ということも話題になりました。そういうことを考えると、今後、都民のデジタルサービスの使い方ないしは行政による提供の在り方ということも、まだまだ急速に変化をしていくものであろうということは容易に推察がされるわけでございます。
 その中で大事になるのは、やはり柔軟性だと思っています。デジ局におきましては、技術革新や時代の潮流、こういったものに直ちに対応できる柔軟性をさらに意識をしつつ、各種の事務事業を進めていただくことを最後に要望いたしまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○福島委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後四時五十八分休憩

   午後五時二十分開議

○福島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○高田委員 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 東京アプリについて質問をさせていただきます。
 都議会公明党は、先日の代表質問において、東京アプリ生活応援事業について、障害のある方、認知症の方、高齢者の方々に加えて、低所得者層の方々も含め、一人でも多くの都民が事業に参加できるようにすべきであるとの観点から質疑を行いました。
 これに対し、都からは、きめ細かな取組を通じて、多くの都民の生活応援事業への参加につなげていく旨、答弁をいただいたところでございます。
 本日はこうした答弁を踏まえ、東京アプリ生活応援事業への円滑な参加をどのように進めていくのか、また、単にポイントの付与にとどまらず、東京アプリが今後も継続的に活用されるものとなるよう、どのような取組を行っていくのかについて、様々な角度から議論を深めていきたいと思います。
 初めに、東京アプリに関する問合せ状況について質問をします。
 都民が東京アプリを利用する中で、どのような場面で疑問や不安を感じ、どのような内容の問合せを行っているのかなど、その傾向を今後の利便性向上に向けた改善につなげていくことが重要と考えます。そのために、東京都はコールセンターを設置しておりまして、都民からのご相談を受け付けされております。
 そこで、東京アプリに寄せられている問合せについて、件数の推移や主な内容の傾向をお伺いいたします。

○澤村デジタル事業担当部長 昨年二月の東京アプリのリリースから本年三月十三日までに約十万八千件の問合せがございまして、そのうち約八万件が東京アプリ生活応援事業を開始した本年二月から寄せられた問合せとなってございます。
 主な問合せ内容としましては、アプリの登録方法や東京アプリ生活応援事業に関するものが約半数を占めており、本年二月後半からは、決済サービスへのポイント交換に関するもの等が増加してございます。

○高田委員 ありがとうございました。今の答弁で、都民から多くの問合せが寄せられている状況が分かりました。
 また、やはりアプリの登録方法で多くの方がお困りとのことも分かりました。実際、私のところにもたくさんお問合せをいただいております。
 昨年の第四回定例会でも触れましたけれども、高齢者やデジタルに不慣れな方も含め、アプリを多くの都民に安心して利用いただくためには、オペレーターが対応を行うコールセンター機能は重要だと考えます。コールセンターでは、これまでの問合せ内容や対応状況等を踏まえ、サービス品質を継続的に高めていくべきと考えます。
 そこで、都民から寄せられる問合せへの対応に対して、どのように改善、強化を図ってきたのか、取組をお伺いいたします。

○澤村デジタル事業担当部長 都はこれまで、コールセンター等に寄せられた問合せの内容を分析し、対応の改善を順次進めてございます。
 具体的には、問合せから得られた事例や知見をオペレーター品質の向上に生かすとともに、問合せ件数の増加などに合わせたオペレーターの体制を強化するなど、対応を行ってございます。
 また、アプリの登録方法や東京ポイントの使い方など、問合せの多い操作について説明用の動画を公開するとともに、問合せ状況等を踏まえ、ホームページのよくある質問一覧の充実を図ってございます。
 今後、東京アプリに掲載された情報に関する都民からの問合せについても、順次オペレーターが対応できるよう、所管局と連携しながら準備を進めるなど、都民の皆様が東京アプリを安心して利用できるよう取り組んでまいります。

○高田委員 ありがとうございます。大変多くの問合せがあり、オペレーターのお仕事も大変だというふうに思いますけれども、ぜひとも問合せされた方お一人お一人に寄り添っていただきまして、丁寧に対応いただきたい、このように思います。
 次は、マイナンバーの取得について質問をいたします。
 今回の東京アプリ生活応援事業に参加するためには、マイナンバーカードが必須となっております。
 このマイナンバーカードについては、昨年度からマイナ保険証の利用が始まるなど、活用シーンが拡大してきておりますけれども、取得方法が分からない等の理由から取得できていない高齢者もいらっしゃいます。
 マイナンバーカード取得の支援が必要な方については、行政書士による代理申請も可能となっております。さらに、今後の行政手続のデジタル化の進展を見据え、マイナンバーカードの取得方法についても、高齢者を中心に丁寧に伝えていくべきと考えます。
 そこで、今後、都としてどのように取り組むのか、見解をお伺いいたします。

○芝崎DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務 デジタルで都民一人一人と安全・安心につながるための基盤となるのがマイナンバーカードでございます。
 都は、マイナンバーカードの普及促進に向け、国に対し、分かりやすい周知、広報を要望しますとともに、都内区市町村が実施するマイナンバーカードの申請サポートや休日窓口の設置などの取組を都のホームページで発信してございます。
 今後は、都の広報紙や高齢者スマホ教室、スマホ購入補助を利用する際の店舗等におきまして、東京アプリと併せ、マイナンバーカード取得に関する案内も丁寧に行ってまいります。

○高田委員 ありがとうございます。ぜひマイナンバーカードの取得支援や分かりやすい周知に取り組んでいっていただきたい、このように思います。
 今後、行政手続のデジタル化が進展する中で、特に高齢者の方々が取り残されることのないよう、行政書士などの専門家の知見を活用しながら、東京アプリと併せ、マイナンバーカードの取得方法についても丁寧な案内を継続していただくことを要望させていただきます。
 次に、東京アプリの市区町村との連携についてお伺いします。
 東京アプリについては、都の行政サービスを都民に分かりやすく届ける重要なツールとして、着実に役割を広げてきているものと認識しております。今後は、都の事業にとどめることなく、住民に最も身近な市区町村の事業まで活用の裾野を広げていくことが、より一層重要になると考えます。
 具体的には、市区町村がそれぞれの地域の実情に応じて展開している施策と東京アプリが結びつくことで、都民にとって、より身近で利便性の高い行政サービスの提供につながるものと期待されます。
 そこで、東京アプリにおいて、市区町村と連携した取組について、今後どのように進めていくのか、見解を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 都は、市区町村とも連携しながら、多くの方に日常的に使ってもらえるアプリとなるよう、利便性の向上に取り組んでございます。
 具体的には、東京ポイントについて、市区町村施設への入場チケットへの交換を可能にするとともに、今年度末までに、アプリから各自治体が提供するサービスへ直接アクセスできるようにいたします。
 来年度は、自治体が実施する社会的意義のあるイベント等におけるポイント付与を実施するとともに、自治体のニーズも踏まえながら、自治体独自ポイントと東京ポイントとの連携も開始するなど、市区町村と連携した取組を推進してまいります。

○高田委員 ありがとうございます。今の答弁では、今年度末までに、ですから今月中に、東京アプリから各自治体のサービスへ直接アクセスができる、また、来年度には自治体独自のポイントと東京ポイントが連携するとのことでありました。
 生活応援事業で、既に多くの都民が東京アプリをダウンロードしている。また、これからも多くの都民にダウンロードしていただきますので、ぜひこの機会に、ポイントの活用だけでなく、ダウンロードした東京アプリは便利だな、これからどんどん活用していこう、そう実感していただきたいと思います。
 そのためにも、ぜひ東京アプリの利便性を高めるために、それぞれの自治体との取組を着実に進めていただきたいと思います。
 一方で、東京アプリをより多くの方々に使ってもらうためには、一部の自治体との連携にとどめることなく、市区町村全体へと広げていくことも重要と考えます。その際、デジタル施策の進捗や体制が自治体ごとに様々であることも踏まえながら、都として、東京アプリとの連携促進に向けた対応が求められます。
 そこで、東京アプリを共通の基盤として、今後、市区町村全体へどのように取組を広げていくのか、都の見解を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 昨年公表した東京アプリの将来像において、市区町村も含めた行政サービス等と連携し、東京アプリを都と市区町村の様々なコンテンツのプラットフォームにしていくことを掲げてございます。
 これまでも、市区町村の首長をはじめ、CIOやDX担当部門との意見交換を行ってきており、その中で、東京アプリを活用して、地域の施策と結びつけ、住民の参加促進や地域の活性化につなげたいといった様々な声を伺ってまいりました。
 今後も、こうした市区町村との意見交換を重ねながら、アプリの取組を多くの市区町村に理解してもらうため、これまでの取組を通じて得られた知見等を共有するとともに、市区町村全体で参画可能な取組の検討なども行ってまいります。
 こうしたアプリの理解、浸透を図る取組を通じ、市区町村との連携を深化させていくことで、都民の方が利便性をより実感できるアプリへと発展させてまいります。

○高田委員 ありがとうございます。これまでの質疑を通して、東京アプリが多くの都民に利用され、生活応援事業をはじめ、問合せ対応やマイナンバーカード取得支援などの取組が着実に進んでいる、そのことを確認させていただきました。
 また、東京アプリを市区町村とも連携し得る共通の基盤として活用し、その取組を段階的に広げていくとの方向性については、評価できるものと受け止めております。
 ぜひ都民の利便性の向上のため、東京アプリと市区町村との連携をしっかり進めていただきたい、このように思います。
 引き続き、都民や市区町村の声を丁寧に酌み取りながら、東京アプリが都民生活に根づき、利便性向上と地域の活性化につながる取組として発展させていくことを求めて、次の質問に移ります。
 AIに関して質問をいたします。
 今日、AI技術は急速に進展し、行政やビジネス、日常生活の様々な場面で活用が広がっております。多くの都民や事業者が、その利便性や効率化の恩恵を受けている一方で、高齢者やITに不慣れな方など、AIを活用したくても、十分に使いこなせない方も少なくありません。また、AIが生成する誤情報や偏った情報への懸念、プライバシーや倫理面への不安など、新たな課題も指摘されております。
 こうしたAIの持つ可能性と課題の双方を踏まえながら、都政として、どのように活用と対策を進めていくのかが重要であります。
 まず、都政において、AIの可能性を発揮させていく観点から、東京都の生成AIプラットフォームについて質問をさせていただきます。
 都では、東京都AI戦略に基づき、多様化、複雑化する都民ニーズや、人口減少等に伴う労働力不足などの課題に対応するため、都民サービスや職員の内部業務等において、積極的なAI活用を行っていくとしています。
 そのために、職員が共通して利用できる基盤、ツールとして、生成AIプラットフォームを構築し、職員自らアプリを開発、利用できる環境を整え、様々な内部業務でAIを活用していくと聞いております。
 そこでまず、積極的なAI活用に向けて、この生成AIプラットフォームをどのように活用しているのかお伺いいたします。

○村永デジタル基盤部長 都は、全庁的なAI利活用を支える共通基盤として、職員自らが業務で活用できるアプリの開発が可能な生成AIプラットフォームの利用を昨年九月に開始いたしました。
 このプラットフォームを活用し、業務の効率化に向け、職員の問合せ対応や規程類の検索、また、仕様書作成など、全庁共通の業務を補助するアプリを展開してまいりました。
 引き続き、全庁での日常的な活用を促進するため、共通する業務で使用できるアプリを拡充するとともに、アプリを開発できる人材の育成を図り、職員の生産性向上に向けて、生成AIプラットフォームを徹底的に活用してまいります。

○高田委員 ありがとうございます。都の職員の皆様のお仕事は、これはもう大変膨大なものであると思います。
 今答弁にありましたとおり、仕様書の作成をAIで簡単に行えるようになれば、これほどありがたいことはない、このように思います。もちろん業務の責任は人が担うわけでありますけれども、その上で、AIにできることはAIに積極的に任せるべきであると思います。
 今、答弁の中で、徹底的に活用していくとありましたとおり、この生成AIプラットフォームを全庁の共通基盤として大いに活用していただきたい、このように求めます。
 その上で、このプラットフォームを活用し、現在、東京都は、補助金審査業務に対応したアプリの開発を進めていると伺っております。補助金審査というものは、申請書類の確認や要件適合性の判断など、多くの時間と労力を要する業務であり、生成AIの活用によって、審査業務の効率化や職員の負担軽減につながることが期待されます。
 そこで、現在開発を進めている補助金審査アプリの概要及び今後の活用について見解をお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 補助金申請に対する審査業務は、複数の局に共通し、かつ事務処理の負担が大きい業務の一つであることから、審査業務の生産性向上に向けまして、生成AIプラットフォーム上で利用できる補助金の審査アプリの提供に向け、今取り組んでいるところでございます。
 本アプリでは、あらかじめ設定した審査項目に基づきまして、申請書類等から必要な項目を抽出、確認を行うことで、職員の審査作業をAIが補助する仕組みとなるよう、現在GovTech東京の技術力も生かしながら、各局と連携して開発を進めているところでございます。
 具体的には、異なる補助金の審査業務にも対応できるよう、審査項目等を柔軟に設定できるようにするとともに、利用する職員が簡単に扱えるよう、操作手順を最小限とするなど、来年度のリリースを目指し、きめ細かに対応しているところでございます。
 今後、各局との連携を強化しながら、本アプリの普及を図ることで、補助金審査業務の効率化や迅速化を進め、業務の生産性向上とともに、都民サービスの向上につなげてまいります。

○高田委員 ありがとうございました。補助金審査アプリについて、来年度のリリースに向け、各局と連携して開発を進めていくということでございますので、着実に取り組んでいただきたい、このように思います。
 業務の効率化や職員の負担軽減も重要ではありますけれども、最も大切なのは、その成果が都民サービスの向上として、都民の皆様に実感できる形で現れることであると考えます。生成AIの活用が、より迅速で質の高い行政サービスにつながるよう、取組を進めていただくことを期待させていただきます。
 次に、AIを利活用するに当たって、課題の面について質問をさせていただきます。
 都議会公明党では、これまでもAIについて、都民の生活の質を向上させる可能性を秘めている一方、誤情報の生成をはじめとする課題があることを指摘してまいりました。
 こうした点について、昨年の第四回定例会代表質問において、都民のリテラシー向上などの取組を通して、都民が安心してAIを利用し、その恩恵を享受できる社会の実現が重要であるとの観点から質疑を行いました。
 宮坂副知事からは、AIへの期待や不安などの現在地を把握するための意識調査を実施していること、また、そこで得られた結果等を参考に、施策の充実に向け検討を進めていくとの答弁があったところであります。
 そこで、本日は、この内容について確認をしていきたいと思います。
 まず、都が二月に公表した都民向けのAIに関する意識調査について、特にAIが生活や社会に与える影響を含め、どのような結果が得られたのかお伺いをいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都民の皆様一万人から回答を得た意識調査では、AIサービスに対して最も期待していることとして、仕事や学業の効率を上げてくれるAI、行政手続を自動で完了してくれるAIを挙げるなど、AIに対する期待の高さがうかがえる結果となっているところでございます。
 また、AIが生活や社会に与える影響について聞いたところ、生活がより便利で豊かになるといった声がある一方、誤った情報が拡散されるリスクがあると回答した人が三割に及ぶとともに、別の設問では、三人に一人がインターネットやSNSからの情報の真偽確認に対して特に何も行動しないと回答するなど、偽情報、誤情報などへの対応など、リテラシーに関する課題を把握することができたところでございます。

○高田委員 ありがとうございます。今回の調査結果からは、都民の間でAIへの期待が広がる一方、誤情報への懸念など、AIの活用に当たってはリスクへの理解を深めていくことの重要性が示されたんだと思います。
 高齢者やデジタルに不慣れな方も含め、AIを利用する都民が、その利便性とリスクについて理解を深め、AIを使いこなしていくことが重要と考えます。
 そのため、都議会公明党はこれまで、行政による学習機会の提供など、AIリテラシー向上に向けた取組が必要であると要望してまいりました。
 こうした声に応える形で、来年度、都は、都民向けのAIリテラシー向上の取組を行うとしたことは高く評価するものでございます。この取組が意味のあるものとしていくためには、高齢者やデジタルに不慣れな方などにとっても分かりやすいものとなることが欠かせません。
 そこで、こうした視点も踏まえながら、特にデジタルに不慣れな高齢者の方を含めて、都民のAIリテラシー向上に向けた取組をどのように進めていくのか、詳細についてお伺いをいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都民意識調査の結果などを踏まえまして、都民がAIについて正しく理解し、その利便性やリスクの双方を踏まえ、適切にAIを利活用できるよう、来年度から新たに都民のAIリテラシー向上に資する学習機会の提供に取り組んでまいります。
 具体的には、AIの利用状況や理解度などに応じて、AIがどういうものなのか分からない人向けと、利用したことはあるものの、より安全、便利に活用したい人向けに、それぞれ特性や利便性、リスクへの対応等を学べる動画コンテンツを作成し、ホームページやSNS等を使い、幅広く発信してまいります。
 特にデジタルに不慣れな高齢者の方に向けましては、動画の内容を分かりやすくまとめました紙の教材を作成いたしまして、スマートフォン教室などの場で活用を図るなど、都民がAIを安心して使いこなせるよう、取組を推進してまいります。

○高田委員 ありがとうございました。AIの利用状況などに応じた教材をつくるとともに、デジタルに不慣れな高齢者の方向けには紙の教材も作成するというご答弁でございました。
 都民の皆様が安心してAIを利用でき、その利便性を享受できる環境づくりが極めて重要と考えます。そのための取組を推進していただくことを求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○本橋委員 よろしくお願いいたします。多少かぶっているところも出てくるかと思うんですけれども、そのまま進めさせていただきますので、ご協力よろしくお願いします。
 私からは、都政の構造改革の取組である契約、支出に関する一連の手続のデジタル化について質疑いたします。
 本取組は、行政運営の効率化と事業者負担の軽減を目的とした重要な事業の一つであります。
 そこで、まずは、本事業を進めることになった経緯についてお伺いいたします。

○相原デジタル改革担当部長 都は令和三年に、DXの推進をてことして、制度や仕組みの根本まで遡った都政の構造改革を推進していく方針を打ち出しました。
 コロナ禍においてデジタル化が加速し、社会のありようや価値観も変化する中、都自らが変貌を遂げて、都政のクオリティー・オブ・サービス、QOSを高めていく改革の突破口の一つとして紙からデジタルへの転換や仕事の進め方の見直しを目指し、契約、支出関連事務のデジタル化の取組を開始したところでございます。

○本橋委員 契約、支出関連事務のデジタル化、いわゆるこれは東京都契約請求システムのことでございます。
 事業者の中には、都との契約の業務に携わる人も多く、このシステムにより、多くの事業者の負担軽減につながることが期待されるわけでございます。
 そこで、東京都契約請求システムのこれまでの取組状況についてお伺いします。

○相原デジタル改革担当部長 書類や対面で行っていた契約手続をオンラインで可能とする東京都契約請求システムにつきましては、令和六年四月からデジタルサービス局が行う物品購入や委託契約を対象に運用を開始し、十月から財務局にも拡大したところでございます。
 今月からは、利用対象をさらに拡大し、全ての知事部局等の本庁部署において利用可能にいたしました。
 また、システムを利用する際に、事業者が請求時にその都度提出していた書類を次回以降不要とするためのシステム改善や、利用手順が分かりやすくなるよう、マニュアルの見直しを進めるなど、事業者の利便性向上に取り組んだところでございます。

○本橋委員 このシステムをより使いやすいものにしていくためには、実際に利用した事業者の声をしっかりと聞きまして、その声を改善に生かしていくことが重要であります。
 これまでの利用実績や利用者の声、満足度についてお伺いいたします。

○相原デジタル改革担当部長 本システムの利用件数は、二月末現在、対象となる契約、約六百件のうち約百三十件となっており、システムの運用、保守委託や物品、ライセンスの購入などの契約において利用されております。
 利用者からは、書類提出のための来庁や押印手続が不要となり、社内業務の負担が軽減された、ホームページがリニューアルされ、対象案件や登録手順が直感的に分かりやすくなったなどの声をいただくとともに、七割以上の利用者から手続の時間が削減されたとの回答がございました。
 また、利用者のシステムの満足度につきましては、五点満点中、平均で三・九点の評価をいただいております。

○本橋委員 これまでの紙や押印を前提とした仕事の仕方から、オンライン上で完結する仕組みへの移行が今後加速していくことになります。そのためには、この取組を多くの方に知っていただく必要があります。
 都は、多くの事業者の方に利用していただくために、どのような広報展開を行っていくのかをお伺いいたします。

○相原デジタル改革担当部長 都は、窓口に来訪した事業者に、登録の方法や利用手順などを分かりやすく記載したチラシを配布し、直接働きかけを行うとともに、業界誌への広報掲載や、公共調達に関する情報配信サイトでの発信など、幅広く広報活動を展開してまいりました。
 今月には、システムの利用メリットなどを実感いただけるよう、新たに動画コンテンツを活用した情報発信も開始いたします。
 今後も、多様な媒体を活用した効果的な情報発信を行い、事業者の利用促進につなげてまいります。

○本橋委員 多様な媒体を活用した情報発信を行っていることが分かりました。
 こうした地道な取組が東京都契約請求システムの認知向上につながると思います。今後は、より多くの事業者に利用してもらうために、対象を広げていくことが重要であります。
 そこで、今後の展開についてお伺いします。

○相原デジタル改革担当部長 来年度は、物品購入、委託契約につきまして、本庁だけでなく、各局の事業所が行う契約にも拡大してまいります。
 また、前払い金の請求や検査結果通知など、多くの手続が存在する工事契約におきまして、本年秋ごろから段階的に運用を開始し、全ての契約での利用原則化を目指してまいります。
 こうした取組を通じて、事業者の利便性向上に努めてまいります。

○本橋委員 事業者の中には、システムによって何ができるのか分からない、システムの操作方法が分からないなど、デジタル化に不慣れな方もいらっしゃいます。特にそれは中小事業者の場合が多いと思われます。
 従来の紙ベースの手続に慣れた職員や従業員、そして、事業者が抱いてしまう心理的抵抗感をむげにすることはできないと思われます。都はこうした現場の抵抗感を和らげ、解消していくことが重要だと思うわけであります。
 そこで、中小事業者に対して、都はどのような対応を行っていくのかお伺いいたします。

○相原デジタル改革担当部長 事業者からの問合せにつきましては、現在ヘルプデスクを設置し、電話やメールでの応対を行っております。
 来年度からは、リモートや対面など、相談チャネルを新たに拡充し、システムに関心を持って、問合せいただいた事業者や、操作に不安を有する事業者に対しまして、より丁寧なサポートを行ってまいります。
 また、システムの利用に当たり、事業者がどのような点にハードルを感じているのかを把握するため、直接ヒアリングを行うなど、必要な支援策の洗い出しを進め、事業者が利用しやすい環境の整備に取り組んでまいります。

○本橋委員 契約、支出の手続におきましては、重要な情報を扱うため、高いセキュリティレベルの維持確保が重要であります。また、障害時のバックアップ体制を確立しておかなければなりません。
 そこで、東京都契約請求システムが安定的な運用ができるよう、どのようなセキュリティ対策を行っているのかをお伺いします。

○相原デジタル改革担当部長 セキュリティの脆弱性に関する定期的なプログラム修正や複数拠点でのバックアップなど、都のセキュリティポリシーにのっとった適切な運用管理を実施しております。
 また、常時監視や緊急連絡などの体制を整備することで、システム障害の早期発見、早期対応につなげ、安定的な運用を確保してまいります。

○本橋委員 都の契約から支出までの一連の手続をデジタル化するこの事業は、事業者の活動にとって大きな意義があると思われます。
 今後も、東京都契約請求システムの利用促進や対象拡大などを通じて、事業者の利便性向上にしっかり取り組んでもらいたいと思います。そう強くお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 新規事業の標準化後の近未来窓口DXモデル創出事業について質疑いたします。
 まずは標準化についての進捗状況についてであります。
 都の令和八年度予算案では、デジタル関連分野の予算が前年度を大きく上回る規模で計上されております。その意味するところは、都の行政のDXを都民が実感できるレベルにまで引き上げることを最優先課題としていることの表れだと思っております。
 そうした中、国は、国内の自治体システムの標準化に期限をつけるとともに、それを原則、令和七年度末としております。これを踏まえた上で、都は、単なるシステム更新にとどまることなく、なお一層の住民サービスの質的向上を目指してもいるわけであります。
 そこで、まずは標準化の対象となっている基幹二十業務について、それぞれの進捗状況の具合、程度、そして、問題点についてお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 都は、標準化への対応を行う区市町村に対しまして、GovTech東京のデジタル人材が計二百回以上、現場を直接訪問し、きめ細かな技術的助言を行っております。その結果、現在までに、都内全体の六割以上に当たる約七百システムの移行を完了しているところでございます。
 一方、全国的にも、都市部の自治体は、事業者間のデータ連携など、複雑な構成のシステムが多く、都内でもこうした自治体を中心に、移行期限を延長して対応する特定移行支援システムが約三百システム存在いたします。
 また、度重なる国の仕様変更等により生じたシステム改修費用が、移行後の運用経費に転嫁されることなどによりまして、運用経費が大幅に増加する見込みとなってございます。
 このため、GovTech東京と連携し、先行自治体が直面した課題への対応など、これまでの支援で培ったノウハウを活用した技術的支援を行いますとともに、国に対しましては、運用経費の削減に向けた積極的な働きかけを行ってまいります。

○本橋委員 ただいまのご答弁から、基幹業務の進捗には多少のばらつきはあるものの、標準化が進んでいることが理解できたところであります。
 次に、標準化のメリットについてであります。
 区市町村の各システムの標準化、共通化という、単なる守りのフェーズから、共通基盤を生かして、住民サービスの価値を最大化するといった攻めのDXへと転換することが重要であります。
 そこから、各システムが統一されたことで生まれる余力を、対面、非対面を問わない究極の住民体験の提供へ振り向けなければならないと思われます。また、各システムの開発コストやノウハウの壁を都が支援することで、都内六十二市区町村のどこでも高度なデジタルサービスが受けられる環境を整備しなければなりません。
 こうした背景を踏まえまして、都は令和八年度より、新たに標準化後の近未来窓口DXモデル事業に取り組むこととしているわけでございます。
 そこで、都は、本事業を通じて、どのようなメリットをいつまでに生み出すのか、その内容と時期をお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 都は、来年度から新たに複数の自治体と連携し、異なる分野の手続を一括で申請できる窓口など、標準化後だからこそ実現可能な利便性の高い窓口サービスのモデルを創出する、標準化後の近未来窓口DXモデル創出事業を開始いたします。
 来年度は、連携先となる自治体の協力の下、基礎自治体の窓口現場の課題や実情を踏まえた新たな窓口DXモデルの具体化を図ってまいります。
 この取組を通じて明らかになった課題等を踏まえまして、モデルの実装に向け、令和九年度の連携先自治体におけるBPRやサービス導入につなげてまいります。

○本橋委員 また、標準化の意味するところでありますが、単に紙をデジタルに置き換えるのではなく、標準システムに合わせた最適な業務フローへの刷新を区市町村と共創するところにあると思われます。共に創るという共創なんですけれども。
 ある自治体で、最先端の近未来窓口が構築された場合、その成果を他の区市町村が容易に導入できるように、パッケージ化して提供できることが大事だと思われます。
 そこで、このような点に関する都の認識と対応、工夫ぶりをお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 標準化後のシステムを活用した新たな窓口DXモデルを構築し、都内全域に展開することで、全ての都民や区市町村の窓口現場職員が、標準化のメリットを実感できるようにすることが重要でございます。
 このため、本事業の実施に当たりましては、複数の自治体と連携して、利便性の高い窓口サービスの構築に向けた効果的なBPRの事例やツール、システムの組合せの事例を創出いたしますとともに、希望する全ての区市町村が参画できるワーキンググループを設置いたしまして、横展開に向けた課題や対応を整理するなど、他の自治体への展開を見据えた検討を行ってまいります。

○本橋委員 では、次に、標準化についてのデメリット、課題についてであります。
 標準化によって、AIを活用した申請サポート、マイナンバーカードをフル活用したワンスオンリーなどの徹底が期待されております。
 かといって、統一された標準システムの中で、いかに各区市町村の地域特性や地域住民のニーズに合わせた独自のサービスを付加できるかという支援も重要であります。
 そこには、シームレス窓口の徹底と住民サービスの徹底とのせめぎ合いといった、技術的、運用的課題が重くのしかかっているわけであります。
 本事業におきまして、こうした課題に対してどのように対応するのか、都の見解をお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 本事業の実施に当たりましては、連携先となる自治体やGovTech東京と緊密に連携し、企画段階から窓口業務の業務フローを詳細に分析し、共通の業務と独自の業務の洗い出しを行うことで、都内への横展開を意識したモデルづくりを進めてまいります。
 また、区市町村が参画するワーキンググループでの検討を通じまして、各自治体の独自サービスとの連携等も十分意識したモデルとすることで、各区市町村の独自性を損なうことなく、利便性の高いサービスの普及を図ってまいります。

○本橋委員 また、特に高度なDXを進めていく中で、高齢者などのデジタル弱者を取り残さない工夫、取組は重要であります。その意味でも、今までの対面も大事にしつつ、それとデジタルとのハイブリッドな支援体制の構築が求められてくると思われます。
 都は、標準化後においても、区市町村の独自サービスのシステム処理を可能とするため、標準化後のシステムと区市町村の独自システムとの接続、連携に関する技術的助言も行っているわけであります。
 そこで、この観点に関する都の認識、見解、対応をお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 DXの推進に当たりましては、高齢者などのデジタルデバイドへの配慮も重要でございます。
 このため、本事業におきましても、連携先となる自治体との検討に当たり、現場の最前線を担う窓口業務の所管部署とも連携いたしまして、デジタルデバイドへの対応状況や高齢者等を含む様々な住民ニーズを踏まえた形で検討を進め、誰一人取り残されないサービスモデルの構築を進めてまいります。

○本橋委員 さて、るる標準化後の近未来窓口DXモデル創出事業のメリットやデメリットないし課題についてお伺いしてきましたが、それぞれについて、都はしっかりと対応できていることが理解できたところでございます。
 一方で、基幹業務システムが標準化されたものの、それぞれのシステムについては、いまだに各自治体が個別に事業者との契約、調整を行っており、こうした負担は標準化後も残ると思われます。
 単なる標準化に止まらず、システムの共同化まで進めることで、初めて区市町村職員の負担が大きく軽減され、職員の手取り時間の増加につながるということが考えられます。
 そこで、システムの共同化も見据えた本事業の今後の展開について、都の見解をお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 国の地方公共団体情報システム標準化基本方針では、基幹業務システムの所有から利用を掲げ、標準化により各自治体がシステムを整備、管理する負担を軽減し、地域の実情に即した企画立案業務等、自治体職員が本来行うべき業務に注力できるようにすることを目指しております。
 一方、現状におきましては、各自治体が個別に標準化システムの構築を発注、契約し、利用しておりますことから、必ずしも自治体職員の負担軽減につながっておりません。
 こうした課題も踏まえまして、本事業では、まずは標準化後のシステムを活用した新たな窓口DXモデルを構築し、横展開による都内での共同利用も見据えますとともに、そのノウハウを国とも共有し、必要な働きかけを行ってまいります。

○本橋委員 各自治体がそれぞれ開発した複数の基幹業務システムと連携した共通の窓口DXモデルを都として構築することで共同化を目指すと理解いたしたところでございます。
 さきのこまざき委員からのベンダーロックインへの対策に関する質疑でも述べられましたように、窓口DXの開発におきまして、都としてソースコードを保有するとともに、共同化に向けた積極的な活用と複数ベンダーの参入機会の確保を進めることで、自治体間の二重開発防止と競争性の確保を図ることを改めて要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 職員向けAI人材育成事業についてお伺いいたします。
 まずは本事業の趣旨や内容についてでありますが、都は令和七年に、東京都AI戦略を策定し、今後はAIと協働する社会への変革を加速させているわけでございます。
 そして、都は令和八年度を、これまでの試行段階から、都庁全職員がAIを使いこなし、政策立案の質を高める実装フェーズへの移行を目指す重要な年と位置づけてもいるわけでございます。
 中でも本事業は、生成AIなどの最新技術を実際の都政課題にどう適用するかなど、ICT職をはじめとするAI活用を主導できるリーダー層の職員育成を通じ、全庁を挙げてのAIの利活用を加速させることで、業務の効率化と都民サービスの向上のダブル効果を狙った新規事業であります。
 改めて、本事業の趣旨、意義や具体的な取組内容についてお伺いいたします。

○繁宮調整担当部長 全庁的なAIの利活用推進に向けまして、各局で中核となる職員を育成し、業務の効率化や都民サービスの向上につなげていくことが重要でございます。
 このため、各局におけるDX推進の牽引役であるICT職が、AIを活用した業務改善の提案力を向上するとともに、各職場での推進役であるDXアンバサダーが、現場の課題に応じた業務アプリを作成できるよう実践的な研修を行うなど、職員のスキルや役割に応じた体系的な育成プログラムを来年度新たに実施いたします。

○本橋委員 本事業の趣旨とともに、AI利活用の加速に向けて、ICT職など各局の取組を牽引していくことができる職員の育成に取り組んでいくことが分かったところであります。
 他方、AIの利活用に当たって忘れてはならないのが、倫理とプライバシーの確保でございます。生成AIを活用しての意思決定については、その透明性はもちろんのこと、個人情報の取扱いに関しても高い倫理感が求められてくることはいうまでもありません。このような観点は、単なる技術面での習得に加えて、倫理面、道徳面での教育の必要性を突きつけてくると思われます。
 そこで、本事業では、AI利活用に当たっての倫理面や道徳面の教育について、どのように取り組むのかをお伺いいたします。

○繁宮調整担当部長 行政におけるAIの利活用推進に向けまして、東京都AI戦略に基づいて、職員がプライバシーの侵害や公平性の不足等のリスクを認識し、都民に信頼される使い方を習得していく必要がございます。
 このため、来年度は、AIの基礎的な仕組みをはじめ、ハルシネーション等のリスクや偽情報、誤情報への対応等を幅広く学べる講座を大学等と連携して新たに実施するなど、AIを業務で適切に活用するためのリテラシーを十分に身につけられるよう取り組んでまいります。

○本橋委員 本事業では、AI利活用を推進していく人材の育成とともに、倫理面など、AIリテラシーの向上にもしっかり目を向けて取り組んでいくことが、今、理解できました。
 さらに、デジタル技術に関する育成策で留意すべき事項として、生成AIなどの技術の進歩には著しいものがあり、その激しい変化についていくためにも、たゆむことのない研修が必要になってくる点がございます。一度きりの研修ではなく、継続的なスキル維持はもちろんのこと、常に最新動向をアップデートし続ける仕組みが求められています。
 そこで、本事業では、AI技術の進展や最新動向の把握に向けて、どのように取り組むのかをお伺いいたします。

○繁宮調整担当部長 これまでGovTech東京が有する専門性を生かし、ICT職向けの研修内容を最新の技術動向に即したカリキュラムに更新するなど、職員がその都度、必要な知識を得られるよう改善を重ねてまいりました。
 来年度は、GovTech東京の専門人材と協働し、ICT職やDXアンバサダーが研修後も継続して学びを深めるためのコミュニティを新たに立ち上げ、各局の活用事例や技術的な最新情報を相互に共有いたします。
 また、行政や民間企業の先進的なAI活用事例を収集し、定期的に全職員へ配信することで、新たな知見の習得を後押しし、広く職員のデジタル力の向上を図ってまいります。

○本橋委員 本事業では、最新の技術動向を速やかに捉え、それを職員へ広く情報提供を行うなど、絶えず知識やスキルのアップデートを図る点を含めまして、多様な育成プログラムを展開していることが理解できました。
 こうした多岐にわたる取組を通じた職員の育成について、その成果を期待したいところでございます。
 次に、研修などの人材育成事業だけでは届かない課題として、職員がその時々の最先端のスキルの研修を受けたにしても、実際の職場での応用ができず、生成AIをスムーズに業務に組み込めないこともあるのではないかと思われます。
 そこで、都は、実際の職場での生成AIの活用が進むよう、どのように取り組むのかをお伺いいたします。

○村永デジタル基盤部長 都はこれまでも、各職員が業務にAIを適切に活用できますよう、実践的な活用事例を紹介する講習会やメールマガジン、動画コンテンツの配信など、周知啓発に取り組んでまいりました。
 来年度はこうした取組に加えまして、業務で頻繁に発生する事例を題材にして、AIの活用方法を検討するワークショップを開催し、日常業務におけるAIの実践的な活用を促進してまいります。
 また、現場の職員と共にAIを活用した業務フローを検討し、生産性向上などに資するAI導入までの支援を行うことで、都庁の様々な業務におけるAIの実装を進めてまいります。

○本橋委員 これまで頂戴した答弁から、AIを単なるツールとしてではなく、全庁的な業務変革のパートナーとして定着させるために、職員のスキル底上げを図っていくことが理解できたところであります。
 今後は都において、補助金審査や港湾インフラの効率化などなど、多くの都政課題の解決にAIが利活用されていくでしょうし、また、都が取り組むべき複雑な社会課題についても、AIの利活用で高度な分析、解析が行われることになると思われます。
 その意味で、本事業による育成プログラムを通じて、AIを高度に使いこなせる職員が育成され、彼らが中心となって、将来的にAIを用いた都政や社会の課題解決に貢献していくことを大いに期待いたします。
 次の質問に移ります。
 次に、伴走型若手DX人材育成事業について質疑いたします。
 まずは、本事業の全体に関してであります。
 既にご案内のように、都全体として、令和八年度予算案では、デジタル関連分野に力が注がれており、前年度比で大幅な予算増となっております。
 令和六年度から開始したこの事業は、三十五歳以下の若手技術者がリスキリングプログラムを通じて、デジタルスキルを習得するとともに、キャリアと収入を向上させるものとして、重要施策ということができます。
 まず、改めて本事業についての意義、目的、具体的な取組内容について確認させてください。

○繁宮調整担当部長 都内でデジタル分野に従事する若者の経済的基盤を安定させるため、エンジニアとしてのスキルを向上させ、転職等によるキャリアアップを通じて、専門分野における即戦力の人材として活躍できるよう支援していくことが重要でございます。
 このため、AI機械学習、アプリ開発など、転職市場のニーズが高い四分野から選択できるリスキリングプログラムの提供や、IT企業等の技術責任者を講師とするセミナーの実施により、受講者のスキルアップを図るとともに、転職に向けた就業支援プログラムへの参画を通じ、キャリアアップの促進に取り組んでおります。

○本橋委員 本事業の主管ですけれども、デジタルサービス局であることはいうまでもございませんが、実務面での連携や委託管理をGovTech東京が担っていると聞いております。GovTech東京が事業者公募を行ったり、高度で実効性のある育成の仕組みづくりを進めてきました。
 また、ちまたでは、外部のITコンサルタントやエンジニアなどなど、多くの分野で高度な専門性を持っている伴走者が不足しているともいわれているわけであります。そうした場合は、いかにして現場の質の高い直接サポートを確保、担保するかが重要であります。
 そこで、次に、ここで連携先として登場するGovTech東京の知見を生かして、若手技術者に対して、どのようにして効果的なサポートを行っているのかお伺いいたします。

○繁宮調整担当部長 GovTech東京では、デジタル技術の専門家集団としての知識やノウハウ等を基に、各専門分野のカリキュラムを設計し、ビジネス思考から技術的な実践演習まで短期間で体系的に学べるリスキリングプログラムを提供しております。
 受講者が効果的にプログラムに取り組めるよう、GovTech東京の監督の下、キャリアコーチングの経験を有したコンシェルジュが、リスキリングから転職等まで一貫して伴走型で、受講者のニーズやスキルレベルに合ったきめ細かなサポートを行っております。

○本橋委員 以上、るる質疑をさせていただきました。
 大事な観点は、何よりも東京におけるDXを担う若手技術者の底上げであります。今後も着実に進めていただきたい、そう強く要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 新規事業の区市町村デジタル人材育成協働推進事業など、区市町村のデジタル人材の育成について質疑をさせてもらいます。
 まず、本事業の全体像についてであります。
 この事業は、都内全域でのDXを加速させるために、区市町村のデジタル人材を育成することに関して、都が全面的に協力、後押しする点にあると思われます。
 特に、都内の区市町村の多くは、専門人材の圧倒的な不足に悩まされているとも聞いております。その悩みを、個々の自治体の自助努力だけに任せることなく、都がリーダーシップを発揮して、人材の育成を支援し、課題解決を図る取組は極めて重要であると思っております。
 そこで、まずは本事業の制度趣旨や取組内容についてお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 区市町村が自律的にDXを進められるよう、その牽引役となる区市町村職員を計画的に育成することが重要でございます。
 このため、都は昨年度から、ICT職など、DXの推進に向け、高度な知識や技術を活用することが期待される区市町村職員向けの勉強会を実施しております。
 来年度はこれを発展させ、新たに都のICT職との育成プログラムの共通化や生成AIの業務への活用に関するワークショップ形式の研修等を実施し、専門性と実践力を兼ね備えた人材の育成を後押ししてまいります。

○本橋委員 改めてご答弁から、極めて意義深く、重要な事業であることが理解できたところでございます。
 他方で、都内には六十二もの区市町村がある中で、本事業の趣旨を理解し、人材育成に積極的に取り組むところもあれば、小規模町村のように、リソース不足や日々の業務に手いっぱいで、人材育成への着手が遅れてしまったりするところもあり得ます。
 六十二区市町村がバランスよく均等に発展していくことが望ましいことはいうまでもありませんが、実際は、人材の不足により、デジタルサービスの質に差が生じてしまうことが起こり得ます。
 そうした、いわゆる人材育成に関する自治体間格差への懸念は払拭しなければならないわけでございますが、小規模町村などへの取組について、都の見解と対応をお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 組織、人員体制が限られる多摩・島しょの町村では、職員一人一人が幅広い業務を抱えており、研修等を通じて人材育成を図る余裕がないとの声を多くいただいているところでございます。
 このため、都は来年度、多摩・島しょ町村への支援体制を強化し、新たに現地でマインドセット研修を実施いたしますとともに、デジタル化への支援を通じて、業務改善に資する知識の向上や意識の醸成を図るなど、町村の実情を踏まえた人材育成策を展開してまいります。

○本橋委員 各区市町村に専門人材が配置され、その能力が最大限発揮されて、当該区市町村のDXが加速していくことが理想であります。
 しかし、都内六十二区市町村では、それまで培ってきた慣習とか慣例とか慣行などを通じて出来上がってきた組織文化が幅を利かせているのが通例でもあります。
 そこから、単なるツールの導入にとどまって、当該自治体の組織文化の見直しやシステムの変換にまで至れない場合も想定され得ます。
 そこで、このような場合、都はどのようなサジェスチョンや支援をするのかをお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 都では、デジタルに関する区市町村の個別課題に対応するスポット相談などを通じまして、課題解決に向けた技術的助言等の支援を行ってございます。
 支援に当たりましては、単に課題解決に資するデジタルツール等を紹介するだけではなく、事業所管部署も巻き込んだ推進体制の整備や、業務改善等の重要性、実践に当たっての具体的な手順など、区市町村の業務改革につながる具体的な助言を行っているところでございます。

○本橋委員 以上、質疑をさせていただきましたが、都の令和八年度予算案は、一般会計の歳出総額が過去最大の約九兆六千五百億円に達したわけですけれども、中でも、デジタル施策への投資は重点項目とされております。
 デジタルサービス局は、人口減少や労働力不足に対応するため、行政のみならず、社会全体のDXを推進する役割を十二分に担うとともに、都を前へ前へと進めていってほしい、そう思うわけでございます。
 そのために最も重要なことの一つは、一千四百万人を超える都民に対する行政サービスを提供していくための中核となる人材、この育成ではないかと思うわけであります。
 そこで、最後に、都政のDX推進の担い手であるデジタル人材の確保や育成に向けて、局長の決意と覚悟、そして、今後のビジョンをお伺いいたします。

○高野デジタルサービス局長 都政における施策、政策を推進していくためには、それを担う人材が極めて重要でございます。社会全体で人材不足が深刻化してきているともいわれております。また、AIは日々、時々刻々と進化してきているともいわれております。
 このような時代の大きな変化に的確に対応し、都民の暮らしを一層充実、向上させていくためには、都政全体がデジタル技術を効果的に活用し、また、使いこなしていける、そのような組織への変革が不可欠でございます。
 デジタルサービス局が先頭に立ち、デジタル技術を円滑に活用できる基盤を整備するとともに、最新の技術を使いこなし、現場の政策課題の解決につなげていける人材を確保し、また、育成していくことが何より大切でございます。
 こうした認識の下、都は令和四年に、東京都デジタル人材確保・育成基本方針を定めました。この方針に基づき、都や区市町村の職員を対象に、その役割やスキルに応じた体系的な人材の育成を行うこと、また、ICT職を海外や民間企業へ派遣し、幅広い知見を習得、共有することなど、様々取り組んでまいりました。
 局の設立から五年間を経て、ICT職という技術職を採用し、GovTech東京の設立により、高度なデジタル専門人材を確保してまいりました。
 また、各職場におけるDXの推進役の設置等を進め、都のデジタル人材は、合わせて二千名を超える規模まで拡充してきております。
 来年度は、各局におけるDXをさらに加速するため、デジタル施策の牽引役であるICT職について、民間からの即戦力人材のさらなる確保に向けた、通年での採用に取り組むほか、全局にICT職を配置して、体制を一層充実させてまいります。
 加えて、オール東京での人材育成を一体的に推進するため、AI活用など、都と区市町村の職員が共に学ぶ実践的な研修やICT職等の人材交流を拡大いたします。GovTech東京で行政実務を経験した専門人材が多様な現場で活躍できる環境を整えてまいります。
 民間での多様な経験を積んだ人材、また、様々な行政分野を経験してきた職員が、組織や分野を超えた知見と経験を共有し、各局、区市町村との対話で得られたニーズを施策、政策に反映させ、都政のDXを力強く牽引する人材を育成いたしまして、都民が実感できる質の高い行政サービスの向上に貢献できますよう、局を挙げて全力で取り組んでまいります。

○本橋委員 ただいま局長から力強い答弁をいただきました。
 ぜひともすばらしいデジタル人材をお育ていただいて、東京のDXが世界に誇れるものになっていただきますことを強く願って、私の質疑を終えます。

○福島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上でデジタルサービス局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時二十八分散会